ドイツ・グラモフォン(DG)がピアニストの辻井伸行と専属契約を結ぶことを発表し、4月22日(月) 東京・サントリーホール ブルーローズで記者会見を開催した。記者会見には辻井伸行、ドイツ・グラモフォン社長のクレメンス・トラウトマン、ユニバーサル ミュージック合同会社社長兼最高経営責任者(CEO)藤倉尚が登壇。会見会場では、リスト作曲『愛の夢 第3番 変イ長調』と『ラ・カンパネラ』の2曲が披露された。2025年初頭にリリースされる、35歳の辻井の記念すべきDGデビュー作には、ピアノ作品の中でも最も複雑かつ高度な技巧が要求される、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ 第29番 変ロ長調 Op.106《ハンマークラヴィーア》が含まれる。さらに、これまでの辻井の広範なディスコグラフィ(前所属レーベルであるエイベックス・クラシックス・インターナショナルで録音されたアルバム)も、デジタル/フィジカルの両フォーマットで、DGより再リリースされる再リリースされる(約15本の旧譜アルバムがDGより全世界で配信リリース。旧譜CDについては、国内ではエイベックスのCDが引き続き流通される予定。海外ではDGのロゴで発売される)。今回の契約を記念して、DGの配信サービス「STAGE+(ステージプラス)」では5月18日、コンサート映像『辻井伸行 プレイズ・バッハ、ショパン&ラフマニノフ』をプレミア配信する。バッハの『フランス組曲 第5番 ト長調 BWV816』で幕を開け、ショパンの『即興曲』4曲、ラフマニノフの『ヴォカリーズ』や『楽興の時Op.16』が披露されるこのリサイタルは、東京のサントリーホールで2月末にライヴ収録された。ドイツ・グラモフォン社長クレメンス・トラウトマンは「DGに辻井さんを迎え入れることは、私たちにとって非常に大きな栄誉です」と語る。「昨年、ロンドンで彼の演奏を聴き、その魅力に心を奪われました。彼は実にエキサイティングな音楽家です。その類まれなる音楽的創造性と洞察力は、彼が他とは違う目で世界を見ていることに起因するのかもしれません。彼がピアノから引き出すのは、驚異的なテクニックと深みのある豊かな音色に支えられ、聴く者の心に直接届く音楽です。私たちは辻井さんという素晴らしいアーティストを世界中の聴衆に紹介すると同時に、その国際的キャリアが発展し続けるよう、彼自身、そして彼の音楽事務所と協力して努力してゆく考えです」。辻井自身も、今後DGで録音活動を行い、新たなプロジェクトを展開していくことを楽しみにしているという。「マルタ・アルゲリッチやマウリツィオ・ポリーニをはじめとする素晴らしいピアニストが数多くの名盤を録音しているので、ドイツ・グラモフォンの録音は、僕も子供の頃からよく聴いています。クラシック音楽をリードしてきた名門レーベルと契約することをたいへん誇りに思います。また、今後、リリースされるCDやストリーミングを通じて、世界中のより多くの人たちに僕の演奏を聴いてもらえることを非常に嬉しく思います」。辻井のレコーディングを担当するプロデューサーであり、DGのアジア地域事業開発部長である城所孝吉は、辻井が間違いなく世界の聴衆を魅了し、感動を与えるだろうと確信している。「ヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクールでの優勝を機に、日本での辻井さんの人気は一気に高まりました。しかし彼は、キャリアを世界に広げるポテンシャルを持っていると思います。彼の演奏は聴く者の心を揺さぶる、真の魔法を備えているからです」 。本契約により、日本においてのリリースを担うことになるユニバーサル ミュージック合同会社社長兼最高経営責任者(CEO)藤倉尚は、「私たちユニバーサル ミュージック ジャパンは近年、ドイツ・グラモフォンと提携しながら、サイトウ・キネン・オーケストラや久石譲などの日本のアーティストをグローバルで展開し、その世界への道は確実に大きなものになってきています。ドイツ・グラモフォン125周年、そして、辻井伸行さんがヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクールで優勝されて15年という記念すべき年に、ユニバーサル ミュージックグループのファミリーに迎えられ、ご一緒できることを誇りに思います。ドイツ・グラモフォン、そしてユニバーサル ミュージックに来てよかったと思っていただけるよう全力でサポートしていきます」とコメントした。先天的に目が不自由でありながら、2歳の頃からおもちゃのピアノで自然に曲を弾き始めた辻井。母親が本物の楽器を買い与え、4歳からピアノのレッスンを始めると、その演奏は目覚ましい成長を遂げた。音楽との深い結びつきは幼少期に培われ、彼はあらゆる曲を耳で覚えようとする姿勢を示し、作曲家としての活動によってそれはさらに深まった。12歳の時にはサントリーホールでのリサイタルデビューを果たし、その後すぐに海外での活動も開始。2005年にはショパン国際ピアノ・コンクールのセミファイナルに進出した。2009年、ヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクールで優勝したことで、国際的な称賛を浴び、国内ではポップスター級の地位を獲得。過去15年にわたって、ニューヨークのカーネギーホール、ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールや、パリのシャンゼリゼ劇場、ベルリン・フィルハーモニーなど、世界の一流会場で演奏会を行ってきた。協奏曲のソリストとしては、ウラディーミル・アシュケナージ指揮ベルリン・ドイツ交響楽団、ウラディーミル・ユロフスキ指揮ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団、ヴァシリー・ペトレンコ指揮ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団、クラウス・マケラ指揮オスロ・フィルハーモニー管弦楽団などとの共演を果たしている。<2024/25 シーズン 主要公演>(2024年 4月現在)【国内公演】■2024年1月~ 日本ツアー(リサイタル・ツアー)[全16公演]2月 オルフェウス室内管弦楽団[全6公演]5月 インドヤン指揮ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団[全7公演]8月 三浦文彰指揮 ARK フィルハーモニック[全6公演]9月 ティチアーティ指揮ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団[全6公演]9月 富士山河口湖ピアノフェスティバル[4公演に出演]9月 サントリーホール ARK クラシックス[8公演に出演]12月 プレミアム・リサイタル[全8公演]■2025年1月 ロウヴァリ指揮フィルハーモニア管弦楽団[全7公演]2月~ 日本ツアー(リサイタル・ツアー)[全15公演]【海外公演】■2024年1月 アメリカ オルフェウス室内管弦楽団 アメリカ・ツアー[カーネギーホール他全3公演]3月 韓国 ピアノ・リサイタル[ソウルアーツセンター]4月 スイス ローゼン指揮ザハール・ブロン祝祭管弦楽団[インターラーケン]4月 イギリス ピアノ・リサイタル[ロンドン、リヴァプール]4月 フランス ピアノ・リサイタル[パリ、シャンゼリゼ劇場]4月 イタリア クアトリーニ指揮ミラノ・ジュゼッペ・ヴェルディ管弦楽団5月 イギリス インドヤン指揮ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団7月 ベルギー ピアノ・リサイタル[ムジカ・ムンディ・フェスティバル]7月 スイス ピアノ・リサイタル、室内楽[ヴェルビエ音楽祭]7月 中国 クオクマン指揮マカオ管弦楽団[マカオ]10月 オーストラリア・ツアーピアノ・リサイタル[シドニーオペラハウス、メルボルン]アンドリュー・デイヴィス指揮シドニー交響楽団[シドニー]シュトラウザー指揮クィーンズランド交響楽団[ブリスベン]オードラン指揮タスマニア交響楽団[ホバート]■2025年1月 イギリス ロウヴァリ指揮フィルハーモニア管弦楽団[ロンドン]3月 アメリカ ピアノ・リサイタル[ニューヨーク、カーネギーホール主催公演]4月 アメリカ ショハキモフ指揮シアトル交響楽団[シアトル]オフィシャルサイト:
2024年04月23日福本伸行とかわぐちかいじによる漫画を実写化した映画『告白 コンフェッション』が、2024年5月31日(金)に公開される。生田斗真、ヤン・イクチュンがW主演。福本伸行× かわぐちかいじの共作コミックが原作原作漫画の『告白 コンフェッション』は、『カイジ』の福本伸行と『沈黙の艦隊』のかわぐちかいじの共作により、1998年にヤングマガジンアッパーズで連載された作品だ。主人公は、登山中に遭難してしまった、大学山岳部OBの親友同士である浅井と石倉の2人。石倉は遭難による死を覚悟したことから、自分が過去に犯した“殺人”を浅井に告白するも、その直後に2人は一命を取り留めることに。告白を“聞いてしまった”男と“言ってしまった”男が山小屋で過ごす気まずい一夜を、圧倒的なスリルとスピード感で描いている。生田斗真&ヤン・イクチュンがW主演、気まずく不穏な親友役に今もなお多くの読者から人気を集めているコミック『告白 コンフェッション』が、生田斗真、ヤン・イクチュンをW主演に迎え、実写映画化。極限状態に置かれた2人の男の、絶対絶命密室エンタテインメントを描く。告白を“聞いてしまった男”、浅井啓介は『土竜の唄』シリーズや『渇水』など多彩なジャンルの作品で活躍する生田斗真。また、自らの罪をうっかり“言ってしまった男”を演じるのは、『息もできない』で監督・脚本・主演を務め、国際的な評価を得たヤン・イクチュン。なお、原作では日本人の石倉というキャラクターだった設定を映画版では変更しており、ヤン・イクチュンは韓国から来た留学生のジヨンを演じる。主人公・浅井啓介…生田斗真大学山岳部OB。大学の卒業登山中に行方不明となって事故死とされている同級生の西田さゆりへの17回忌となる慰霊登山中に、親友のジヨンとともに遭難。怪我をしたジヨンを懸命に励ましていた中で、突如ジヨンからの罪の告白を聞く。しかしその直後に山小屋が出現したことで、2人とも“助かってしまった”。主人公・リュウ・ジヨン…ヤン・イクチュン大学山岳部OBで、浅井の親友。遭難中に脚に大怪我を負ってしまい、死を確信したことから実は16年前にさゆりを殺害したのは自分だと浅井に告白する。背負ってきた十字架をおろして安堵するも、事態が急転し2人とも一命をとりとめることに。西田さゆり…奈緒浅井、ジヨンの山岳部時代の同級生。大学の卒業登山中に行方不明となり、事故死したとされていた。監督は山下敦弘監督を務めるのは、『リンダ リンダ リンダ』『苦役列車』『カラオケ行こ!』といった映画を手掛けてきた山下敦弘。個性溢れるキャラクターの魅力を切り出すことに定評のある山下が、山小屋という密室内で気まずく過ごす2人の男をどのように描くのかに注目だ。映画『告白 コンフェッション』あらすじ大学山岳部OBで親友の浅井とジヨンは、16年前に事故死した同級生・西田さゆりの慰霊登山中、猛吹雪により遭難してしまう。死を覚悟したジヨンは、実は16年前にさゆりは自分が殺害したのだと浅井に‘告白’する。長きに渡り背負ってきた十字架を降ろしたことで安堵し、死を受け入れたジヨンだったが、その直後、眼前に山小屋が出現し、二人は一命を取り留める。薄暗い山小屋の中、明け方まで救助隊が来るのを待つ二人だったが、浅井はジヨンの態度がどこかおかしいことに気づく。この上なく異様で“気まずい”空気が流れる山小屋内。そして、ジヨンの行動は常軌を逸し始め、狂気をはらんでいく。【作品詳細】映画『告白 コンフェッション』公開日:2024年5月31日(金)出演:生田斗真、ヤン・イクチュン、奈緒監督:山下敦弘脚本:幸修司、高田亮主題歌:マキシマム ザ ホルモンPG12
2024年01月13日富士山の麓に世界的なピアニストたちが集い、開催されるピアノフェスティバル「富士山河口湖ピアノフェスティバル2023」が9月15日(金)より4日間の日程で開催される。同フェスティバルで昨年、一昨年と中心的な役割を果たしてきたピアニストの辻井伸行が今年の開催に向けた思いを語った。「富士山河口湖ピアノフェスティバル2023」のチケット情報はこちら辻井は「毎年伺う中で、河口湖は僕にとって自然のなかでゆったりとした時間を得られる場所になりました。見え隠れする富士山を感じたり、鳥の声や風の音など自然が作り上げる『曲』のようなものを毎回楽しみにしています」と自然豊かな富士山麓での演奏への特別な思いを口にする。「河口湖円形ホール」での100名限定プレミアム・リサイタル、富士山の見える3000人収容のホール「河口湖ステラシアター」でのショパン GALAなどに出演するが「100名限定のコンサートは、普段では味わえないような距離感で、演奏しながらお客様と互いの息づかいが聴こえるほどです。距離が近いと一体感も増すので自分自身もこの空気感を楽しんでいます」と語り、曲目に関しても「河口湖の自然や空気、そして距離の近さを感じてもらえるような選曲にしてみました」と明かす。毎年行ってきた地元の子どもたちのための音楽教室は今年も実施する予定だ。「子どもたちと音楽について一緒に考え、演奏を間近で見てもらうことや、実際に共演することで、楽しそうな表情や気持ちがとても伝わってきます。これをきっかけに演奏会に足を運ぶようになり、将来の音楽家が現れるかもしれないと思うと今からワクワクしますね。今後も続けていきたい活動です」と熱意を口にする。ゲストとして、レ・フレール (斎藤守也・斎藤圭土)、清水和音、ファジル・サイ、三浦舞夏、三浦文彰ら多彩な顔触れが集う。「レ・フレールさんと初めてお会いしたのは、『THE PIANIST!』というツアーで、その時に聴いたブギウギがとても楽しそうで、即興で弾いていたらレ・フレールさんがそれを聴いていて『一緒にやってみる?』と誘ってくれまして、飛び入りでアンコールに入り3人で演奏しました。ファジルさんとは、中学生の時にコンサートに行き、楽屋で挨拶させてもらえる機会があり、そこでピアノを弾かせてもらったのが出会いでした。コンサートではブラック・アースを聴いて、変わった内部奏法にとても衝撃を受けたのを覚えています。久しぶりの共演で、しかも自然の中で2組の演奏を聞けるのが楽しみです。もしかしたら、一緒に何か…などフェスならではのことが起きるかもしれないですね」取材・文:黒豆直樹
2023年07月19日今を時めく人気ピアニスト辻井伸行の優勝(2009年)によって、日本でもすっかりお馴染みとなった「ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール」から、再び大きな才能が輩出された。韓国出身のイム・ユンチャンは、2022年第16回ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールで史上最年少(18歳)優勝、ならびに聴衆賞、最優秀新曲演奏賞を受賞したことによって、一躍世界のピアノファンが注目する存在となったのだ。同コンクールの審査委員長マリン・アルソップが「深い音楽性と驚異的なテクニックを有機的にひとつにすることができる、類稀なアーティスト」と高く評価したイム・ユンチャンの才能は、「100万人に一人の才能」(ダラス・モーニング・ショー)、「魔法のような力」、「自然で本能的な質」(ラ・セーナ)などなど、メディアからも高い評価を受け、新星登場の噂は瞬く間に世界各地に伝えられたようだ。そのイム・ユンチャンが決勝で演奏したラフマニノフの「ピアノ協奏曲第3番」は、YouTube配信後わずかひと月で550万回再生を突破。現在は820万回再生を超えるなど、注目度の高さも大きな話題となっている。そして朗報!話題の超新星イム・ユンチャンの初来日公演が決定した。すでに出身地・韓国では熾烈なチケット争奪戦が繰り広げられ、爆発的なユンチャン・ブームが巻き起こっているだけに、そのパフォーマンスに興味津々。伝説の始まりを見逃すことなかれ。●スーパーソリスト達による秋の特別コンサート Vol.4イム・ユンチャン ピアノ・リサイタル2022年12月3日(土) 19:00 サントリーホール[プログラム]ギボンズ:ソールズベリー卿のパヴァーヌとガイヤルドJ.S.バッハ:シンフォニア BWV787-801(全15曲)リスト:二つの伝説 S.175第1番 小鳥に説教するアッシジの聖フランチェスコ第2番 水の上を歩くパオラの聖フランチェスコリスト:巡礼の年 第2年「イタリア」より“ダンテを読んで ー ソナタ風幻想曲” S.161 / R.10-7
2022年10月14日辻井伸行、「富士山河口湖ピアノ・フェスティバル」への山下洋輔出演に喜び昨年に続き、富士山の麓に世界的なピアニストたちが集い、開催されるピアノフェスティバル「富士山河口湖ピアノ・フェスティバル2022」の合同取材会が5月下旬にオンラインで開催され、ピアニストの辻井伸行が出席。ジャズピアニストの山下洋輔、作曲家・加古隆ら錚々たる面々が来場する今年のフェスへの期待を語った。同フェスティバルは富士山の麓の富士河口湖町にて昨年初めて開催され、盛況を博した。2回目となる今回は、長年にわたり日本のジャズを牽引し、今年80歳を迎えた山下洋輔、昨年に続いての参加となる作曲家でピアニストの加古隆、さらに国際的に活躍するピアニストの菊池洋子、日本を代表するソリスト・川久保賜紀、遠藤真理、三浦友理枝による華麗で美しいピアノトリオなど錚々たる顔ぶれが集う。辻井は同フェスティバルについて「ピアノはソロ、協奏曲、管楽器や弦楽器との共演など、ジャンルを超えていろんなことができる、いろんな魅力を伝えられる音楽祭になっている」とピアノフェスティバルならではの魅力を強調する。特にジャズの巨匠・山下の出演について「ご一緒するのは初めてですが、何年か前にコンサートに伺って、素晴らしくて、すごいなとびっくりしました。今回、演奏を聴けるのを楽しみにしています」と期待を口にする。約3000人収容の河口湖ステラシアター、”逆さ富士“の名所として知られる河口湖の北岸にある約100人収容の河口湖円形ホール、そして河口湖総合公園芝生広場での屋外コンサートなど、様々なスタイルでコンサートが行われるのも同フェスティバルの魅力。辻井は「円形ホールは、お客様との距離が近く、より一体となって、臨場感もあって楽しいコンサートでした。ピクニックコンサートでは、芝生で食事したり、子どもから大人までくつろぎながら楽しんでいただきたいです」と語る。また、昨年は小学校で音楽教室も開催。あえて題名を告げずに演奏し、子どもたちにどのようなイメージが浮かんできたかを答えてもらったり、逆に子どもたちからのお題に合わせて即興演奏を披露するなどしたが「みんな、すごく喜んでくれて、ピアノの楽しさを存分に伝えられたんじゃないかと思います」と語り、今年も「音楽の楽しさ、ピアノ1台でいろんなことができると伝えたい」と意気込みを語った。フェスティバル開幕の約10日前、9月13日に34歳の誕生日を迎えるが「音楽家は一生勉強だと思うので、まだまだいろんなレパートリーに挑戦したい。新たにいろんな勉強をして音楽表現を深めていきたいし、成長した姿を聴いていただきたい」と抱負を口にしていた。富士山河口湖ピアノ・フェスティバル2022は河口湖ステラシアターほかにて9月22日、23日、24日、25日開催。
2022年06月09日2022年7月に満80歳の誕生日を迎える作曲家の三枝成彰。節目を記念する「三枝成彰80歳コンサート」が1月17日(月) サントリーホールで開かれる。曲目はもちろん自作で「いま最も気に入っている」という自信の2作品。ひとつはピアニスト・辻井伸行の委嘱による新作のピアノ協奏曲の世界初演。そして混声合唱とオーケストラのための大作《最後の手紙~The Last Message》(混声合唱版初演)だ。大友直人指揮・東京フィルハーモニー交響楽団の共演。この公演について、三枝に話を聞いた。「すごく難しいんですよ。僕はいつも、演奏者が弾きやすいかどうかなんて考えないで作曲するから嫌われる(笑)。でもこのピアノ協奏曲は、その僕が本当に大丈夫かなと思うぐらい難しいです」三枝成彰それはもちろん初演者の力を信頼しているゆえだろう。絶大な人気を誇るピアニスト辻井伸行(33)。彼が10歳の時、コンサート・デビューの機会を提供したのがじつは三枝だった。1998年9月、神戸で行われた「三枝成彰スペシャルコンサート」で、辻井は間宮芳生作曲の愛らしい小コンチェルト《村人たちの協奏曲》を弾いて演奏家としての第一歩を踏み出した(共演:本名徹次指揮・大阪センチュリー交響楽団)。「とても素晴らしかったですよ。でもね、『世界には君と同じぐらい弾ける子供も必ずいっぱいいる。これから頑張ろうね』という話もしました。そして彼のリサイタルを毎年開くことにしたんです」小学校6年生から3年連続で行われた三枝プロデュースによるソロ・リサイタルは、オーケストラとの共演による協奏曲公演も含む堂々たるラインナップ。辻井少年にとってプロの演奏家としての経験を積む貴重な場だったはず。三枝は「ピアニスト辻井伸行」の生みの親なのだ。4年前、三枝が音楽監督を務める「トヨタコミュニティコンサート」に出演した辻井がステージ上から呼びかけた。「三枝先生、僕にピアノ協奏曲を書いてください!」いわば公開委嘱。それが今回初演されるピアノ協奏曲だ。じっくり3年をかけて2020年に完成したという作品を、シーケンスソフトの出力音源で聴かせてもらった。咆哮するオーケストラ。激しく疾走する超絶技巧のピアノ。緊張感が張り詰める。現代音楽にアンチを唱え、40代からはあえてメロディとハーモニーの復権を掲げてきた三枝だが、新作は、いわゆる現代音楽と言える作風だ。「僕は30代で現代音楽にすごく疑問を持って、そこから15年ぐらいは劇伴などの商業音楽の仕事だけして、自分の作品を書けない時期もあったぐらいなんです。でもこの歳になって、辻井くんに書く協奏曲は現代音楽でいこうと思った。なぜかというと、彼が作品を外国へ持って行く時に、メロディやハーモニーのある曲は通用しないんですね。かつてヘーゲルが、芸術というのは時代の精神を反映していなければならないと言ったように、西欧では、今さらモーツァルトやベートーヴェン風の曲を書いても芸術的価値がないと切り捨てられる。徹底しているんですね。ただ、現代音楽でも面白くしようとした。これ、僕はすごく面白いと思っているんですよ。しかも12~13分で終わる。聴く人が我慢ができるのがそのぐらい。これを40分も1時間もやられたらツラいだろうとわかってますから(笑)。そして激しく駆け抜けた最後にトイピアノが美しいメロディを奏でる。母へ、ありがとう。と」辻井がまだ乳児の頃に、我が子の才能に気づいた母いつ子さんがおもちゃのピアノを買い与え、以来、世界的ピアニストへと成長する道のりを二人三脚で歩んできた親子の物語はよく知られている。そのきっかけのトイピアノが母の愛への感謝を奏でるという仕掛けだ。一方の混声合唱版《最後の手紙》は2010年に男声合唱曲として初演された全14曲・1時間45分の大作(混声合唱版捕作:岩井美貴)。コンサートにあわせて楽譜も出版される(ピアノ・リダクション版/全音楽譜出版社)。テキストに用いられているのは、第二次世界大戦で没した兵士たちが家族へ宛てた最後の手紙や手記を集めた書籍『人間の声』(ハンス・ヴァルター・ベーア編集、高橋健二訳編/河出書房新社)。「僕がこの本に出会ったのは芸大の1年生ですから19歳ぐらいの時。いずれ音にしたいと思っていたのですが、結局書くまでに50年。半世紀かかって作曲したんですね。カントは『判断力批判』で、文学や哲学と違って音楽にはメッセージがないと言っています。やはりメッセージのないものはダメなんですよ。そのメッセージがこの《最後の手紙》です」戦死した兵士だけでなく、捕らえられ処刑されたレジスタンスや市民たち。愛する人に残した彼らの心の叫びが、厳しい音楽をまとって痛切に胸を打つ。合唱は特別編成の80人のプロ合唱団「三枝成彰傘寿記念混声合唱団」(合唱指揮:初谷敬史)。曲ごとにナレーション(露木茂)がそれぞれの手紙の背景をフォローする。「これもほとんど現代音楽に近い作品です。近いんですが、わかりやすい現代音楽なんですよ。調性のある曲もあるし、無調の曲もあって。現代音楽に対する僕のひとつの答えがこれなんです。僕たち20世紀の作曲家の人生は苦難の道です。音楽評論家は現代音楽しかダメなんですよ。そこで評価されるためには聴衆に喜ばれないものを書かなきゃならない。悲劇ですね。僕はそれに反抗して、美しいメロディの復活ということを始めたんだけど……。うーん、それも違うなとか、いろいろ悩むんですよねえ……。僕の人生はそんな葛藤の連続です」前衛的な現代音楽を最前線で受け止めた世代だ。三枝自身、高校生の頃から、入野義朗や柴田南雄ら二十世紀音楽研究所の軽井沢の現代音楽祭に通った。この音楽祭はやがて、米国から帰った一柳慧がジョン・ケージを紹介して、いわゆる「ケージ・ショック」で日本の前衛音楽の幕を開けることになる。「高校から大学の頃は、前衛こそが作曲家の本業だと思っていましたから。ケージの偶然性の音楽も、発想としてはすごいと思います。人間が書くということを捨てたわけですから。でも、切り口としては新しいけれど、それを毎回やれるわけじゃない。できることなら100年前のヨーロッパに生まれたかったですね。そうしたら新しいことだけをやっていられた。1913年の《春の祭典》以降、無調の音楽が出てきて、多くの聴衆はクラシック音楽を見放したんですね。それとは違う切り口でなにか新しいことができるのか。僕はそれを解決できないうちに死ぬんだなと思ってるけど、次の時代には、新しい切り口でわかりやすい音楽が出てくるんじゃないでしょうか」《最後の手紙》の終曲は美しいレクイエムだ。ラテン語の典礼文〈Dona Nobis Pacem(私たちに平和をお与えください)〉が、手紙を書いたさまざまな国の人々の母語で歌われる。ピアノ協奏曲の母への感謝、そして戦争で命を絶たれた人々への鎮魂と平和の祈り。2作品とも最後は静かに昇華していく。もちろん作曲上の演出ではあるだろうけれど、そこに三枝成彰という音楽家の本質がにじみ出ていると思う。取材から帰宅後、ふと思い出して聴いた、三枝の初期作品の《弦楽四重奏のためのノヴェレッテ》(1965)。当時「難解」と敬遠され、理解されなかったという峻厳な音楽の終楽章に、始めはおぼろげに、そして徐々にはっきりと、J.S.バッハの《マタイ受難曲》の有名な受難コラール〈おお、血と傷にまみれた御頭よ〉が現れて曲を閉じる。23歳の作品から最新作までを貫くその深く静謐な祈りが、三枝の優しさ、彼の本質のように思われるのだ。《忠臣蔵》(1997)以降、ライフワークと定めて取り組んでいるのがオペラ。すでに次の作品にも取りかかっている。「林真理子さんに『常磐御前』(平家物語)の台本を書いてもらってるんですよ。アリア2~3曲だけできているんですが、台本を完成させて全体を書き始めるのは2023年になってからかな。そうすると84~85歳で初演じゃない?生きてるかな?(笑)」さらにもう一本、東京・本郷に実在した菊富士ホテルを舞台に大正~昭和の文化人たちの青春群像を描くオペラの計画も、熱く語って聞かせてくれた。「構想している時が一番楽しい。書き始めると苦しい?いや、楽しいですよ。それが生きる励みですね」創作意欲の衰える気配はかけらもない。80歳コンサートも、過去の集大成などではなく、三枝成彰の「現在」を映す鮮やかな通過点。「長老」などという言葉は、この人にはいつまでも似合いそうもない。Text:宮本明<公演情報>三枝成彰80歳コンサート2022年1月17日(月) 東京・サントリーホール大ホール開場 17:00 / 開演 18:00指揮:大友直人ピアノ:辻井伸行ナレーション:露木 茂(最後の手紙)合唱:三枝成彰傘寿記念混声合唱団(合唱指揮:初谷敬史)管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団曲目:新作『ピアノ協奏曲』~辻井伸行委嘱作品(世界初演) / 『最後の手紙~The Last Message』(混声合唱版初演)(混声合唱版捕作:岩井美貴)チケット購入リンク:プロフィール1942年生まれ。東京芸術大学卒業、同大学院修了。在学中に安宅賞を受賞。代表作として、オラトリオ「ヤマトタケル」、オペラ「千の記憶の物語」等、映画音楽に「優駿」「お引越し」「機動戦士ガンダム~逆襲のシャア~」「機動戦士Zガンダム」、テレビ番組の音楽に、NHK大河ドラマ「太平記」「花の乱」等、多数。1989年、日本アカデミー賞映画音楽部門最優秀音楽賞を受賞。国際モーツァルテウム財団の依頼で、モーツァルトの未完曲に補筆・完成したことも話題となった。オペラ作品をライフワークとして16作品掲げており、代表作としては1997年5月には、構想に10年近くをかけたオペラ「忠臣蔵」を完成・初演し、各界の注目を集めた。さらに2000年5月には愛知県芸術劇場でオペラ「忠臣蔵」改訂版を再演し、2002年1月には東京新国立劇場にて再演。2004年、プッチーニの「蝶々夫人」を下敷きとした新作オペラ「Jr.バタフライ」を初演、好評を博す。このオペラは2006年、イタリア・プッチーニ音楽祭でも再演された。これは同音楽祭における初の外国人作品の上演であり、プッチーニ以外の作曲家の作品としても初の上演ともなった。著書に「大作曲家たちの履歴書」(中央公論新社)、「三枝成彰オペラに討ち入る」(WAC出版)など。2007年、紫綬褒章受章。2008年、モノオペラ「悲嘆」、ピアノ協奏曲「イカの哲学」を初演したほか、日本人初となるプッチーニ国際賞を受賞。2010年、オペラ「忠臣蔵」外伝、男声合唱と管弦楽のための「最後の手紙The Last Message」を初演。2011年、渡辺晋賞受賞。2013年、オペラ「KAMIKAZE―神風―」を世界初演。2014年8月、イタリア・プッチーニ音楽祭にて、オペラ「Jr.バタフライ」イタリア語版を初演。2016年1月、富山と東京にて同作品の日本初演を行った。2017年10月に林真理子の台本、秋元康の演出により、オペラ「狂おしき真夏の一日」を世界初演。同年、旭日小綬章受章。2020年、文化功労者顕彰を受けた。関連リンク三枝成彰 オフィシャルウェブサイト:
2021年12月23日ピアニスト辻井伸行(33)とヴァイオリニスト三浦文彰(28)。日本を代表する二人の演奏家が協奏曲の名曲を聴かせる、その名も「究極の協奏曲コンサート」が、2022年3~4月に中国、四国、九州の7都市で開催される。辻井伸行がオンラインで会見に臨み、抱負を語った。近年頻繁に共演を重ねているふたり。その出会いが2016年のこの「究極の協奏曲コンサート」だった。「ツアー中に一緒に食事し、お酒を飲んで意気投合しました。それからふたりでデュオをやったり、素晴らしい仲間で室内楽をやったり。何度も共演を重ねているので、お互いにやりたい音楽を、音でわかり合って、すぐに表現できます。僕には今まで、プロとして活躍している音楽仲間があまりいなかったので、プライベートな友だちとしても仲良くできて本当に楽しいです」演奏曲は、辻井がラフマニノフのピアノ協奏曲第2番。三浦がチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲。2009年、第13回ヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクールのファイナルで、辻井はこのラフマニノフを弾いて日本人として初優勝。国内外でいっそう注目を集めるきっかけになった。「僕にとって思い出のある作品です。交響曲第1番の失敗で精神的にも落ち込んでいたラフマニノフが、この曲の成功で復活した曲。新しい人生の始まりという感じが込められていると思います。僕もこの曲を弾いてコンクールで優勝して、人生がちょっと変わったな、新たなスタートラインに立てたなという思いがあり、何かラフマニノフと通じるものを感じます。そういう意味でも、この曲は演奏していてもいろんなことを思い出す、大切な作品。ぜひ皆さまに作品の魅力をたくさん伝えられるように、音で表現できたらなと思っています」公演都市の印象や楽しみを問われて、名産品で答えた辻井。山口と大分のふぐ、佐賀牛、宮崎のチキン南蛮、鹿児島の焼酎、香川のうどん……。究極のグルメも大事な楽しみの模様。「究極の協奏曲コンサート」は、3/26(土)山口・周南市文化会館 、3/27(日)佐賀市文化会館、3/29(火)鹿児島・川商ホール、3/30(水)宮崎・メディキット県民文化センター、3/31(木)大分・iichiko総合文化センター、4/2(土)香川・レクザムホール、4/3(日)松山市民会館。共演はニール・トムソン指揮・読売日本交響楽団。文・宮本明※チケット情報
2021年12月20日サントリーホー「サントリーホール ARKクラシックス」の公演情報はこちらルとエイベックス・クラシックスが共催する音楽祭「サントリーホール ARKクラシックス」。二人のアーティスティック・リーダー、ヴァイオリニスト三浦文彰とピアニスト辻井伸行らが出席して、今年の開催概要の発表会見が開かれた(6月9日・サントリーホール ブルーローズ)。2018年に新設されたフレッシュな音楽祭は、ARKヒルズと周辺施設で広域に開催される都市型音楽イベント「ARK Hills Music Week」のフィナーレを飾る位置付け。今年は10月8~11日。ソロ、室内楽からオーケストラまでヴァラエティに富んだプログラムが用意された。三浦文彰「若い人たちと経験のある演奏家たちが一緒に音楽を作っていくARKシンフォニエッタは、リハーサルの段階から刺激的で、みんなで新しい発見を感じながら演奏している素晴らしいオーケストラ。音楽祭の軸となっている室内楽も、ラヴェル特集やシューベルト《ます》などもあり楽しいコンサートになると思う。外国人演奏家が少ないのは今はしょうがないが、信頼する同世代の素晴らしいチェリスト、ジョナタン・ローゼマンが『ファミリーとして参加したい』と言って来てくれる」辻井伸行「ARKクラシックスはいろんな仲間たちと演奏できるのが楽しみ。ベートーヴェンの協奏曲第4番や、室内楽の《ます》、ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ《春》は新たに取り組む作品。楽しみにしているし、楽しんでいただける音楽祭にしたい」ARKシンフォニエッタは2019年にこの音楽祭のために創設されたレジデント・オーケストラ。辻井のソロ、三浦の指揮によるモーツァルトの交響曲&ベートーヴェンの協奏曲の2プログラムと、小編成の弦楽合奏によるバッハ:ブランデンブルク協奏曲第4番&ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲第1番に出演。楽器を置いて指揮者としてモーツァルトの第29番と第41番《ジュピター》を振る三浦は、「指揮者としてはまだまだ赤ちゃん。ジュピターは大曲で難しいが、この素晴らしいオーケストラとできるのは非常に勉強になる」と抱負を語った。今年はさらに、レジデント・ブラス・アンサンブルとして「ARK BRASS」が新たに組織された。1970~80年代に大活躍した英国のフィリップ・ジョーンズ・ブラス・アンサンブルへのリスペクトを込めて、そのスタイルとレパートリーを、新たなテイストで踏襲していくというコンセプト。会見には主要メンバーのトランペット佐藤友紀とホルン福川伸陽が出席。「金管アンサンブルの熱を再び取り戻したい」(佐藤)、「音楽的会話ができるメンバー。それがお客様にも伝わることを楽しみにしている」(福川)と期待を口にした。会場はサントリーホール大ホールおよびブルーローズ。8つの注目公演がぎゅっと詰め込まれた4日間になるはずだ(プログラム等詳細は「ARKクラシックス2021」で検索)。(宮本明)
2021年06月15日福本伸行の人気漫画『賭博黙示録カイジ』の舞台化が決定。主演に山崎大輝を迎え、『舞台「賭博黙示録カイジ」』として2020年12月に京都劇場とヒューリックホール東京にて上演する。『賭博黙示録カイジ』舞台化決定講談社「ヤングマガジン」にて1999年まで連載されていた『賭博黙示録カイジ』は、続編である『賭博破戒録カイジ』、『賭博堕天録カイジ』などとともに「カイジ」シリーズとして知られる人気漫画。最新作「賭博堕天録カイジ 24億脱出編」は現在も連載中であり、シリーズ累計2,100万部発行の大ヒットを記録している。1998年には第22回講談社漫画大賞も受賞。2007年10月には『逆境無頼カイジ』と題してテレビアニメ化もされ、2009年には映画シリーズもスタートした。主人公の伊藤開司役は山崎大輝主人公の伊藤開司に扮するのは山崎大輝。山崎は、『宇宙戦隊キュウレンジャー』のナーガ・レイ / ヘビツカイシルバー役として出演しているほか、多くの2.5次元舞台にて多彩なキャラクターを演じてきた。また、脇を固める役者陣も個性溢れる面々が揃っている。限定ジャンケンの参加者として開司を苦しめた船井譲次役に鯨井康介、「カイジ」シリーズの中でも善人として知られ、開司に強い影響を与えた石田光司になだぎ武が起用されている。さらにアニメ版と同じく、立木文彦がナレーションを担当する。原作に忠実な展開で物語が進む舞台版では、原作に忠実な展開で物語は進行していく。エスポワールでの限定ジャンケンや鉄骨渡りなどの名シーンがどのように舞台上で蘇るのか、期待したいところだ。脚本は「キャラメルボックス」の真柴あずき、脚本監修は成井豊、演出は劇団「悪い芝居」の山崎彬が手掛ける。【詳細】舞台「賭博黙示録カイジ」公演場所 / 公演日程:・京都劇場日程:2020年12月4日(金)~6日(日)住所:京都府京都市下京区東塩小路町901 京都駅ビル・ヒューリックホール東京日程:2020年12月10日(木)~13日(日)住所:東京都千代田区有楽町2丁目5−1 有楽町センタービル 11F原作:福本伸行(講談社「ヤングマガジン」連載)演出:山崎彬脚本:真柴あずき脚本監修:成井豊キャスト:伊藤開司:山崎大輝/船井譲次:鯨井康介北見:馬場良馬/石田光司:なだぎ武佐原誠:綾切拓也/安藤守:宮下雄也古畑武志:佐奈宏紀杉田(バランス理論):松田岳/遠藤勇次:兼崎健太郎利根川幸雄:森山栄治兵藤和尊:村田充/他/ナレーション:立木文彦
2020年10月03日秋のクラシックシーンを彩る人気イベント<サントリーホールARKクラシックス>が開幕した(10月2日〜4日:サントリーホール)。3年目を迎える今回も、アーティスティック・リーダー辻井伸行(ピアノ)と三浦文彰(ヴァイオリン)を軸に、実に魅力的なコンサートの数々が予定される。アルティ弦楽四重奏団や江口玲(ピアノ)に田村響(ピアノ)などなど、日本を代表するアーティストが顔を揃えるこのイベントは、今が旬の日本の音楽界を味わうのにぴったり。まさに“天高く馬肥ゆる”芸術の秋にふさわしい音楽祭と言えそうだ。今年も、ワイン片手に楽しめる、カラヤン広場でのパブリックビューイングが予定されるなど、堅苦しさとは無縁のリラックスした雰囲気が味わえるステージの数々に注目だ。さらに10月8日からは、ベートーヴェン・イヤーに照準を合わせた「辻井伸行プレミアム・リサイタル」も予定される。オール・ベートーヴェン・プログラムで披露されるのは、辻井伸行の名を一躍有名にした「ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール」で大きな話題を呼んだベートーヴェンのピアノソナタ第29番「ハンマークラヴィア」のほか、第21番「ワルトシュタイン」&第14番「月光」という人気曲がマッチングされた魅力的なもの。東京公演のほか、名古屋・大阪・浜松・松本・札幌公演が予定されるというこのリサイタル。コンクール優勝後の辻井伸行の深化を確認する絶好のチャンス到来だ。
2020年10月02日全盲のピアニスト・辻井伸行さんは、自身のYouTubeチャンネルでピアノの演奏動画を公開しています。2020年5月13日に投稿された動画は、40万回再生を超え反響が上がりました。辻井さんが演奏したのは、歌手の松任谷由実さんの名曲『春よ、来い』の演奏動画。Twitterでも多くの人が「感動した」などの感想を投稿していました。辻井さんは、「新型コロナウイルス感染症の状況が早く終息するように、名曲に想いを込めて演奏しました」とコメント。美しいピアノの音色をお聴きください。辻井さんが奏でる美しい音色は、多くの人の心に届いたようです。・無料で聴けていいのでしょうか。勇気をもらえました。・思わず涙があふれてきました。ありがとうございます。・鳥肌が立った!心が落ち着きました。不安な世の中に、心も疲れていたことでしょう。辻井さんの演奏は、そんな人たちの心を穏やかにしてくれるはずです。[文・構成/grape編集部]
2020年05月23日家で過ごすことの多い今だからこそ、改めて音楽の魅力に触れてみたい。とお考えの方にお薦めなのが「辻井伸行You Tube公式チャンネル」だ。リストの「ラ・カンパネラ」や、ショパンの「英雄ポロネーズ」に、今年生誕250年を迎えるベートーヴェンのピアノ・ソナタ第14番「月光」などなど、誰もが楽しめる名曲が満載の他、“笑顔で会える日のために”をテーマにした辻井伸行のオリジナル作品までが楽しめる。そして、辻井自身が語りかける映像からは、あらためて音楽の持つ意味と大切さが感じられる。いつか再びコンサート会場に出かけられる日を夢見つつ。今は自宅での音楽鑑賞をお楽しみあれ。辻井伸行YouTube公式チャンネル◆辻井伸行/笑顔で会える日のために◆辻井伸行/【母の日に贈る】いつも頑張っているお母さんへ
2020年05月12日昨年12月にスタートしたクラシック専門の動画サイト『medici.tv JAPAN』にて、昨年秋に開催された大きな話題となった<サントリーホールARKクラシックス>のコンサート映像が、4月17日より毎週無料で公開されることになった(10週連続無料公開!)。ライブやコンサートがいくつも中止になっている現在、素敵なおうち時間をお過ごしあれ。*まずは最初の5つのラインナップを要チェック!●medici.tv JAPAN(メディチ・ティーヴィー・ジャパン)●「サントリーホールARKクラシックス2019」公開スケジュール(毎週金曜更新予定)・4月17日 ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第1番《雨の歌》/三浦文彰・辻井伸行・4月24日 モーツァルト:ディヴェルティメント K.136/ジュリアン・ラクリン&ARKシンフォニエッタ・5月01日 坂本龍一組曲/川久保賜紀・遠藤真理・三浦友理枝 トリオ・5月08日 ショスタコーヴィチ:2つのヴァイオリンとピアノのための5つの小品/ジュリアン・ラクリン他・5月15日 バッハ:ゴルトベルク変奏曲/曽根麻矢子※ラインナップは変更になる可能性がございます。
2020年04月18日子どもはたくさんの可能性を秘めています。親が期待していたほど勉強や習い事の成果が出なかったり、一方で、親の期待以上の結果を出したりと、たとえわが子でもどんな得意不得意があるかわかりません。今回は、子どもが「これが好き!」と気づいたときに親がサポートできることや、秘められた能力を最大限に活かす環境づくりについて考えていきましょう。これからの時代、求められるのはどんなスキル?めまぐるしく時代が変化するなか、学校や社会で評価される基準も大きく変わってきています。これまでは、勉強やスポーツができて、コミュニケーション能力に長けているような万能型が評価されてきました。しかしこれからの時代は、「自分はこれが好き!」「これなら誰にも負けない!」といった、夢中になれるものを知っている子が可能性を広げて周囲からの評価を得られるケースが増えてくるでしょう。一般社団法人キッズコンサルタント協会代表理事の野上美希さんは、「大学入試に関しても、これからは認知能力を問うテストだけではなく、その子が生きてきた人生をプレゼンテーションして推薦で入学を勝ち取る、といったことも出てくるでしょう」と述べています。そうであるならば、親ができることは、子どもが好きなことに対して熱中できる環境づくりや、やる気をサポートする声かけなどが中心になるでしょう。ただし、子どもの能力を見出すために親が熱心になりすぎるのは少々問題があるようです。教育ジャーナリストのおおたとしまささんは、“子どもにどんな才能があるかわからないから”と、たくさんの習い事をさせようとする多くの保護者に対して、警鐘を鳴らしています。おおたとしまささんは、「本当に才能があることに対してなら、子ども自身が自分で反応し、『これをやってみたい!』と目を輝かせるはず」といいます。親はただ、その目の輝きを見逃さないように心がければいいのです。また、おおたとしまささんは、親が勝手に未来を予測し、子どもに対して「この力はつけておいたほうがいい」と押しつけることにも疑問を呈しています。今ならば、「グローバル化に向けて英語力は必須」「プログラミングを習わせないと時代に乗り遅れる」というようなケースですね。ここ10年でも、世の中はものすごいスピードで変化し続けているのだから、たった数年先の未来であっても正確に予測することなど誰にもできません。おおたとしまささんは、これからは「どんなに世の中が変化しても、周りの状況を観察し、どういったスキルが必要とされるかを判断する力。そして必要なものを自分で手に入れる力」が求められるといいます。脳に刺激を与えて子どもの可能性を伸ばす「ハマり体験」「後伸びする子どもとそうでない子どもの違いは、幼いときに“なにかに熱中した経験”があるかどうかです」そう述べるのは、中学受験のプロ・小川大介先生です。小川先生は、「後伸びする子どもはエネルギーにあふれていて、体力だけでなく、好奇心や自分の世界を深めていく心のエネルギーも強い」と指摘します。そのエネルギーを生み出すのが、“幼いときに好きなことを好きなだけやった経験”だというのです。ここで注意すべきは、「なにをするか」ではないということ。スポーツ、音楽、芸術など特定のジャンルで結果を出すことにこだわるのではなく、あくまでも「なにかに熱中する」という経験こそが、後伸びするエネルギーの源になるのです。東大生は「親から勉強しろと言われたことが一度もない」という人が多いといわれますが、彼らの脳を磨いたのは“子どものころのハマり体験”であることが徐々に明らかになっています。そして、共通するのは、子どもの“ハマり体験”を親が全力でサポートしていたということ。子どもがやりたいことを否定したり、「こっちのほうがいいんじゃない?」と誘導したりせず、子どもの意思を尊重して受け入れてあげることで、好奇心とやる気がぐんぐん伸びていったというわけです。東北大学加齢医学研究所教授の瀧靖之先生によると、好きなことにのめり込むと、「もっと知りたい」「もっとできるようになりたい」と、脳が新たな情報を求めるとのこと。つまり、なにかにじっくり取り組むのは、思考力を伸ばすなど脳にとっても非常に効果的なのです。そうはいっても、「子どもって飽きっぽいから、ハマってもすぐにやめちゃう」「最初はやる気を出すけど、結局長続きしないから意味ないのでは?」そう実感している親御さんも多いのではないでしょうか。瀧先生は、「もし途中で挫折したり、飽きてしまったりしても、ハマった経験は人生のどこかで必ず生きる」といいます。なぜなら、途中まで覚えた手順や失敗への反省も脳に記憶されるから。「これは自分には向いていない」と早い段階で気づくことができれば、次の可能性に向けて歩き出せます。子どもの「好き!」を伸ばすために親ができること全盲でありながらピアニストとして世界で活躍している辻井伸行さん。その母であるいつ子さんは、伸行さんが子どものころ、プロのピアニストにしようとは少しも考えたことがなかったといいます。しかし、生まれつき目が見えなくても「あれができない、これができない」と制限するのではなく、息子なりの感覚や世界観を豊かに広げることを心がけた結果、すばらしい才能を引き出すことができたのです。そのきっかけとなったのは、日常のささいな出来事でした。親子のコミュニケーションの一環として、家の中でいつも音楽を流していたといういつ子さん。伸行さんが生後8ヶ月を迎えたころ、ショパンの「英雄ポロネーズ」を聴かせたところ、腹ばいになりながら全身でリズムをとってバタバタと動き出す姿を目にします。息子の喜ぶ顔が見たくて毎日同じ曲を聴かせていると、次第にCDが傷つき音が出なくなりました。そこで、同じ曲が入ったCDを購入して聴かせたところ、伸行さんはまったく反応しなくなったのです。不思議に思ったいつ子さんは、以前のCDと見比べて、あることに気づきました。それは、最初に聴かせていたCDとは演奏者が違うこと。すぐに以前と同じ演奏者が演奏したものを買い直して聴かせると、伸行さんは再び足をバタバタさせて喜んだといいます。この瞬間に、いつ子さんの「まさか」は「確信」に変わりました。伸行さんの耳は、演奏者の違いを聴き分けていたのです。ここで「赤ちゃんだから飽きたのだろう」と諦めていたら、伸行さんの音楽の才能は埋もれたままだったかもしれません。もともと、伸行さんはほかの赤ちゃんに比べて、掃除機や洗濯機の音といった生活雑音に敏感だったことからも、優れた耳と音感の持ち主であることは明確でした。観察する際に気をつけたいのは、一見すると短所に見えてしまう特徴を、短所と決めつけて切り捨てないことです。それも含めて「我が子らしさ」ではないでしょうか。伸行の場合、生活雑音に対する反応が、まさにそれでした。「生活雑音に泣き止まない我が子の反応」こそが、将来のプロピアニスト・辻井伸行の原点だったのですから。(引用元:DIAMOND online|辻井伸行の母はどう息子の才能を見抜いたか)わが子をよく観察して、どんなものに反応するのか、何をしているときに目を輝かせるのか、楽しそうにしているのか、それらを見極めることができたら、子どもの能力を伸ばすきっかけになるかもしれません。■親の価値観を押しつけない!私たち親はつい「子どものため」と思って、最初から安全な道を用意してしまいます。しかしそれは、逆に子どもの可能性を狭め、潜んでいる才能や優れた能力を引き出すことを阻んでいるのです。親の人生と子どもの人生はまったく別のものであり、子ども自身がなにを好きになるか、どんなことに興味を持つかは、いくら親でも予測できません。これからの時代は、ますます多様な価値観を持つ人たちと関わる機会が増えます。前出の野上美希さんは、「自分とは違う価値観に出会って『これは違うんじゃないか』と思っても、自分の核となるもの(=自己肯定感)がないと、いい関係を築くことが難しい」といいます。「自分は自分であっていい」という自己肯定感は、自分のやりたいことを親が認めてくれている安心感なくして育まれないのです。■まずは子どもと一緒に楽しむことから前出の瀧靖之先生は、子どもの好奇心を「ハマり」に導くには、親が一緒に楽しむのが効果的だと述べています。子どもが宿題をしている横で、親も資格試験の勉強や仕事をすると子どもの宿題がはかどったり、親の影響でスポーツや音楽などに興味を抱いて、いずれそれが仕事になったりと、そのような例はいくらでもあります。たとえば、野球好きの父親に連れられて野球観戦するうちに「自分もやりたい!」と思ったり、母親と一緒におかし作りするのが習慣だったことからパティシエを目指したりする子は、身近にたくさんいるはず。まずは、親として最初のきっかけをつくってあげましょう。そして、より高度なレベルを求めてきたら、レッスンに通わせるなどのステップアップの支援をしてあげることをおすすめします。***どんな親でも、一度くらいは「うちの子、天才かも!」「将来プロになれるんじゃない!?」と心の中で感じたことがあるのではないでしょうか。ここで期待しすぎて、子ども以上に親が熱心になって無理をさせてしまうと、せっかくの「好き」が「大嫌い!」になってしまうことも。わが子に “キラリと光る才能” を見つけたとしても、親はあくまでもサポート役であることを忘れずに。(参考)StudyHackerこどもまなび☆ラボ|自己肯定感も勉強への姿勢も“熱中体験”の先で生まれるStudyHackerこどもまなび☆ラボ|才能さがしのための「たくさんの習い事」より、もっと大事にすべきことStudyHackerこどもまなび☆ラボ|“後伸び”する子としない子の違い。成長後に学力が急伸する幼少期の過ごし方洋泉社MOOK(2017),『子どもの脳を伸ばす 最高の勉強法』, 洋泉社.DIAMOND online|辻井伸行の母はどう息子の才能を見抜いたか
2020年02月22日令和元年も残り1か月を切った東京で、見逃せない画期的なプロジェクトが注目を集めている。芸術総監督ワレリー・ゲルギエフ率いるマリインスキー・オペラとそのオーケストラ「マリインスキー歌劇場管弦楽団」による『チャイコフスキー・フェスティヴァル』(11月30日~12月7日/東京文化会館、サントリーホール)。【チケット情報はこちら】オペラと管弦楽曲の両輪で本場ロシアの大作曲家の魅力を味わい尽くすことができるという、ありそうでなかった本気のオール・チャイコフスキー・プログラムだ。オペラのほうは、代表作の《スペードの女王》のフル演出上演と、上演機会の少ない秘曲《マゼッパ》をコンサート形式上演の2演目。そして管弦楽コンサートのほうでも、交響曲第4~6番やピアノ協奏曲第1番、ヴァイオリン協奏曲などおなじみの名曲はもちろん、なかなか実演を聴くことができない前期交響曲の第1~3番や、ピアノ協奏曲第2番、第3番も含め、まさにチャイコフスキーの全貌を見せてくれるうれしい企画。この記事の配信時点で、すでに《スペードの女王》は終了したが、その舞台リハーサル直前のつかの間、演出を手がけたアレクセイ・ステパニュクに話を聞いた。「《スペードの女王》と《マゼッパ》は、どちらもロシアの最も優れた詩人であるプーシキンの原作によるオペラです。ただし《スペードの女王》では、原作とオペラでは多くの点が異なります(オペラ台本の執筆はチャイコフスキーの弟モデストによる)。それをプーシキンの原作に近づける演出も少なくないのですが、私の演出は、マエストロ・ゲルギエフの音楽と補い合うようにして、チャイコフスキーの構想に合致した作品になっていると思います。私が音楽の作り方に関して感じるのは、あくまでも主観でしかありませんが、まだレニングラード音楽院の学生だった頃に観たユーリ・テミルカーノフ指揮の《スペードの女王》は、非常に強い印象を残すものでした。彼はすべての間や余白を拡大していました。ゲルギエフの指揮は、それよりさらに、オーケストラの重さや暗さを強調しています。これがサンクト・ペテルブルグのスタイルだと思います。荘厳な間や、宇宙的な規模にまで達するかと思うようなクレッシェンド、そしてまったくの静寂。ゲルギエフはそれを鋭く感じ取っています」そんな壮大なスケールのゲルギエフの音楽が、チャイコフスキー作品のさまざまな側面を振幅大きく描き出す。《マゼッパ》では、劇場アカデミー出身の若い歌手たちも中心を担って劇場としての底力を見せつけるし、コンサートでは協奏曲のソリストに、五嶋龍(ヴァイオリン)、辻井伸行(ピアノ)という、頼もしい日本、そしてロシアの俊英が顔を揃える。ロシアを代表する劇場の誇りが薫るチャイコフスキー・フェスティヴァル。後半戦も大いに盛り上がるはずだ。取材・文:宮本明
2019年12月02日モーツァルトとベートーヴェンの凄さを表現するときに使われる言葉が、オペラや交響曲、協奏曲に室内楽などなど、クラシックの主要ジャンル全てにおいて最高の作品を遺した「オールラウンダー」。この2人に続く作曲家の1番手がロシアのチャイコフスキーであることは、遺された作品の素晴らしさからも一目瞭然。疑問の余地がない。「チャイコフスキー・フェスティヴァル2019」と題された今回のゲルギエフ指揮マリインスキー歌劇場公演では、その主要作品がまとめて披露されるのだからファンにはたまらないプレゼントだ。出演者はといえば、現代を代表するカリスマ指揮者ゲルギエフはもとより、アレクサンドロ・ブズロワ(チェロ)、五嶋龍(ヴァイオリン)、辻井伸行(ピアノ)という話題のソリストを集めた布陣も大注目のこの公演。“クラシック史上屈指のメロディメーカー”と謳われるチャイコフスキーの真髄がたっぷり堪能できそうだ。●公演概要・11月30日(土)、12月1日(日)東京文化会館『スペードの女王』<全3幕>・12月2日(月)サントリーホール『マゼッパ』<全3幕>(コンサート形式)・12月3日(火)アクトシティ浜松大ホール(ヴァイオリン:五嶋龍)・12月5日(木)サントリーホール(チェロ:アレクサンドル・ブズロフ)・12月6日(金)東京文化会館(ヴァイオリン:五嶋龍)・12月7日(土)東京文化会館(13:00~ピアノ:セルゲイ・ババヤン、辻井伸行/18:00~ピアノ:セルゲイ・ババヤン)・12月8日(日)フェニーチェ堺 大ホール(ヴァイオリン:五嶋龍)●ワレリー・ゲルギエフ(芸術総監督、首席指揮者)マリインスキー劇場芸術総監督、首席指揮者。ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団首席指揮者。チャイコフスキー国際コンクール組織委員会委員長。PMF芸術監督。「白夜の星」音楽祭、ロッテルダム・ゲルギエフ音楽祭(オランダ)、モスクワ復活祭音楽祭などの音楽祭を創設し、芸術監督、音楽監督として活躍。マリインスキー劇場において数多くの世界的な名歌手を育成し、音楽界に送り出してきた。その采配のもとで同劇場はオペラおよびバレエのレパートリーを大きく広げ、現在では18世紀から20世紀までのクラシックの傑作をはじめ、現代作曲家の作品にいたるまで、幅広いレパートリーを誇っている。●マリインスキー歌劇場管弦楽団マリインスキー歌劇場管弦楽団は、18世紀のピョートル大帝在位中に創設され、以来ずっと、サンクトペテルブルグの地で、世界に名だたるマリインスキー劇場を拠点として活動している。これまでに数多くの世界的音楽家がこのオーケストラを指揮しており。ハンス・フォン・ビューロー、アルトゥール・ニキシュ、ウィレム・メンゲルベルク、オットー・クレンペラー、ブルーノ・ワルター、エーリヒ・クライバーやベルリオーズ、ワーグナー、マーラー、シェーンベルクなど、錚々たる顔ぶれが並んでいる。
2019年11月22日ドイツの名門、ハンブルク州立歌劇場の専属オーケストラであるハンブルク・フィルハーモニー管弦楽団が、音楽総監督ケント・ナガノに率いられて来日する。歌劇場の創設は1687年にまでさかのぼり、1828年にはオーケストラの定期公演がスタートしたというのだから歴史の深さは半端ではない。過去には大作曲家にして指揮者としても活躍したグスタフ・マーラーが首席指揮者を努め、フルトヴェングラーやワルターといった20世紀を代表する伝説の指揮者たちが指揮台に立つという名門中の名門だ。プログラムには、来年生誕250年を迎えるベートーヴェンの「エグモント 序曲」のほか、オーケストラとの縁も深いマーラーの「交響曲第5番」が披露されるのだから楽しみだ。そして注目は、リストの「ピアノ協奏曲第1番」のソリストを務める辻井伸行だろう。長い史を誇る名門との共演によって辻井の感性がどのような化学変化を起こすのか興味津々。ライブならではの感動体験がそこにある。(c)FelixBroede●公演概要10月31日(木)サントリーホール(A)11月02日(土)愛知県芸術劇場コンサートホール(A)11月04日(月・休)フェスティバルホール(A)11月05日(火)文京シビックホール(B)11月06日(水)高崎芸術劇場大劇場(B)<プログラムA>ベートーヴェン:「エグモント」序曲リスト:ピアノ協奏曲 第1番[ピアノ:辻井伸行]マーラー:交響曲第5番<プログラムB>ヴィトマン:オーケストラのための演奏会用序曲《コン・ブリオ》ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番《皇帝》[ピアノ:辻井伸行]ブラームス:交響曲第1番●ケント・ナガノ(指揮)Kent Nagano, conductor明快で優雅、そして知性あふれる指揮で、オペラと管弦楽の両方で極めて高い評価を受けるカリフォルニア生まれの日系三世指揮者。ウィーン・フィル、ベルリン・フィル、シカゴ響といった世界の一流オーケストラに定期的に客演するほか、これまでにリヨン国立歌劇場、バイエルン州立歌劇場、ハレ管、ベルリン・ドイツ響の音楽監督を務め、現在は、ハンブルク市音楽総監督およびハンブルク州立歌劇場とハンブルク・フィルの首席指揮者を務め、モントリオール響音楽監督、イェーテボリ響首席客演指揮者を兼任している。●辻井伸行(ピアノ)Nobuyuki Tsujii, piano(c)Yuji_Hori2009年6月に米国テキサス州フォートワースで行われた第13回ヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクールで日本人として初優勝して以来、国際的に活躍している。カーネギーホール、ウィーン楽友協会、ベルリンのフィルハーモニー等で演奏会を定期的に行い、ロンドンの「プロムス」やサンクトペテルブルクの白夜の星音楽祭等の世界的な音楽祭にも数多く出演している。エイベックス・クラシックスより継続的にCDを発表し、2度の日本ゴールドディスク大賞を受賞。作曲家としても注目され、映画《神様のカルテ》で「第21回日本映画批評家大賞」受賞。
2019年10月25日クラシックの盛んなイギリスに於いて、“現在最もエキサイティングな指揮者”と讃えられるロビン・ティチアーティが来日公演を行う。2014年に、31歳の若さでイギリス伝統の音楽祭「グラインドボーン音楽祭」の監督に就任するなど、躍動感溢れる指揮ぶりと聴衆を魅了する音楽性によって、その評価はうなぎのぼりだ。今回は、2017年に音楽監督に就任したドイツの名門、「ベルリン・ドイツ放送交響楽団」を率いての来日公演となるのだから楽しみだ。しかも同公演に随行するソリストの顔ぶれがものすごい。三浦文彰(ヴァイオリン)、辻井伸行(ピアノ)、服部百音(ヴァイオリン)、森麻季(ソプラノ)、反田恭平(ピアノ)、高木綾子(フルート)、吉野直子(ハープ)と、日本のトップ奏者を散りばめた陣容は豪華絢爛。どれも聴き逃がせない公演のオンパレードだ。中でも注目は、10月9日に東京オペラシティコンサートホールで開催される森麻季との共演。リヒャルト・シュトラウスの『ドン・ファン』&『4つの最後の歌』とマーラーの交響曲第1番「巨人」を重ねたプログラムは、若きマエストロ、ティチアーティの実力を確認するのにうってつけ。ドイツの名門オーケストラが自国の作曲家の作品にかける思いにも興味津々だ。
2019年10月04日アイドルグループ・嵐の二宮和也が25日、都内で行われたJCB 新CM発表会に登場し、11月9日に行われる「国民祭典」出演について言及した。同祭典は、皇居前広場で天皇陛下のご即位をお祝いする祭典で、嵐歌唱による奉祝曲が披露されることが発表されている。作曲は作編曲家の菅野よう子、作詞は脚本家の岡田恵和が務め、全盲のピアニスト・辻井伸行が演奏する。イベント終了後、祭典について聞かれた二宮は「光栄なことだなと思いますし、我々らしく」と意気込む。「聞いた時は、『本当に!?』と疑うくらいびっくりしました。でもそういう時代にいられることを光栄だと思いますし、会場に来てくださる国民の皆さんと同じ思いでお祝いができたらなという風に思っています」と心境を語った。当日のパフォーマンスについては「まだ考えられていない」としつつ、「きっと僕らだけじゃどうにも決められないところもあるだろうし、みなさん一緒にということができたらと、勝手に、個人的には思ってます。あとはみんなで話し合えたら」と明かした。
2019年09月25日シリーズ累計2,150万部を超え、アニメや実写映画にもなった福本伸行・原作の人気漫画「賭博黙示録カイジ」が、中国で完全映像化。『カイジ 動物世界』として1月18日(金)より劇場公開される本作から、圧倒的な映像が紡ぐ予告編が解禁となった。総製作費70億円を投じて完全映像化された本作。原作者の福本氏は中国封切時に「『カイジ』の世界が、またひとつ、これで広がりました!皆で、ハラハラドキドキの『カイジ』を、楽しんで下さい」とコメントを寄せ、話題となった。日本では藤原竜也の当たり役となったカイジ役を務めるのは人気俳優リー・イーフォン、その恋人リウ役には『サンザシの樹の下で』『シチリアの恋』のチョウ・ドンユィ、さらに利根川の役どころをハリウッドのベテラン、マイケル・ダグラスが怪演。中国ならではのド迫力のアクションシーンも追加され、『スパイダーマン』シリーズ、『X-MEN』シリーズなどハリウッドの第一線で活躍するCGスタッフ総勢150人が参加した。そして、勝負を通して描かれるのは、“人生は逆転できる”という前向きなテーマ。アカデミー賞受賞スタッフが担当する音楽は、主人公・カイジの諦めない姿勢を後押しし、快感を何倍にも膨らませてくれる。この度公開されたのは、お馴染みの“限定じゃんけん”や、ピエロVSモンスターのバトルをはじめ、目を疑うほどの圧倒的ビジュアルが展開する新予告映像。大迫力のアクションシーンもプラスされ、新たな「カイジ」の世界を描き出している。■ストーリー定職にも就かず自堕落な日々を過ごしていた青年カイジは、ある日、友人に騙され借金を負う。借金額は5300万円。カイジは負債者に借金一括返済のチャンスを与えるという、「宿命」の名を冠すギャンブル船「デスティニー」に乗り込む。そこで行われるのは、カード12枚を使った「限定ジャンケン」。謎の組織が裏で取り仕切るそのギャンブルは、うまく勝てば借金は帳消しだが、負ければ命の保証はない、というものだった。「負け組」のエース、カイジ。命を賭けた究極のゲームの幕がいま開く――。『カイジ 動物世界』は1月18日より東京・ヒューマントラストシネマ渋谷、同月下旬より大阪のシネ・リーブル梅田にて開催される「未体験ゾーンの映画たち2019」にて上映。(text:cinemacafe.net)
2019年01月17日「カイジ」「アカギ」などギャンブル漫画の第一人者である福本伸行の「天 天和通りの快男児」が、今秋、テレビ東京ほかにて放送&配信されることが決定。岸谷五朗が主人公・天貴史役を務める。あらすじ麻雀の「理」に対して深い造詣を抱き、雀荘で素人相手に荒稼ぎをしていた井川ひろゆきは、ある日、麻雀の請負業(=代打ち)を営む天貴史(岸谷五朗)と出会う。天は、無類の勝負強さと強い意思をもつ代打ちで、ひろゆきは天に憧れ、麻雀の世界に没入していく。やがて天とひろゆきは、神域の男と呼ばれる伝説の雀士・赤木しげるや関西屈指の現役最強の雀士・原田克美らと出会い、日本の裏麻雀界の頂点を決める戦いに挑んでいく――。原作は1989年~2002年まで、「近代麻雀ゴールド」(竹書房)にて連載された福本氏による伝説の麻雀漫画。福本氏の代表的な作品「カイジ」「アカギ」「銀と金」よりも前に連載スタートしており、まさに福本ワールドの原点にして真骨頂と言える作品だ。主演に岸谷五朗! 未発表の共演者について「色濃い」今作で主演を務めるのは、俳優として様々な作品に出演し、演劇ユニット「地球ゴージャス」を主宰する岸谷五朗。無類の勝負強さと強い意志を持つ博徒・主人公の天貴史を演じる。初めて企画を聞いたとき、「この作品を連ドラにしようという目論み自体がチャレンジャー」と思ったという岸谷さんは、「とにかく登場人物がみんな個性的で面白い!キャラクターが濃いんです」と原作漫画を読んだ感想を明かし、「まだ名前は言えないのですが、このドラマのキャストも色濃いですよ。なるほどこの役はこの人になるのか!というキャスティング」とまだ明かされていない共演者についても少しコメント。また役作りに関しては、「まずは(麻雀の)手つきから、役作りを始めています。プロの先生から演技指導で麻雀牌の持ち方を教えて頂いたり、新幹線での移動時間などでも手になじむように牌をずっと触っていたり。あとは麻雀好きな会社のマネージャーと雀荘に行く予定を入れていたりします(笑)」とクランクイン前から徐々にキャラクターを作っていっているそう。本作の見どころについては、「麻雀という素材を扱った、人間の心理戦」と言い、「この人はこういう性格だからこの麻雀のスタイルになるのか、とか、この人はズルいところがあるから…やっぱり、とか(笑)。麻雀を知っている方はもちろん楽しめると思いますが、ルールを知らない方も勝負のかけひきや心理戦が面白いドラマになると思います。ご期待ください!」とメッセージを寄せている。テレ東×Paraviの本格タッグで贈る連ドラ第1弾本作は、テレビ東京グループと国内ドラマ数日本最大級を誇る動画配信サービス「Paravi(パラビ)」が本格的にタッグを組む連続ドラマ第1弾。福本作品を民放で初めてドラマ化した「銀と金」制作スタッフが再集結し、 伝説的麻雀漫画の連続ドラマ化に挑む!また本作は、テレビ東京、BSジャパンでの放送、「Paravi」で配信されることが決定している。原作者・福本伸行コメント天の、映像化。有難いです。あの傑作、銀と金を作ってくれたチームが、また、一肌脱いでくれるとの事。彼らなら、麻雀ドラマの面白さを、世に知らしめて頂けると、信じています!天役の岸谷五朗さん。受けてくださり、ありがとうございました!岸谷さんの、無頼な気配、飄々としているところ、主人公、天に被ります!これも、とても、楽しみです!! 頑張って下さい!福本伸行「天 天和通りの快男児」は2018年秋、テレビ東京にて放送。BSジャパンでも放送(放送時期未定)。Paraviにて配信。(cinemacafe.net)
2018年06月19日6月15日(金)今夜放送される「ミュージックステーション」に映画『羊と鋼の森』のエンディングテーマ「The Dream of the Lambs」を演奏したピアニスト・辻井伸行が初出演。同作で主演を務めた俳優の山崎賢人もスタジオに駆けつける。■辻井さん「まさか『Mステ』に出演するとは」今回「Mステ」初出演となる辻井さんは「普段クラシックのピアニストとして活動していますので、まさか『Mステ』に出演するとは思ってもいませんでした」といい「タモリさんにお会いできて光栄です。貴重な機会をいただきましたので、番組をご覧の皆様に少しでもピアノに興味を持って頂けたら嬉しいなと思っています」と出演の喜びについてコメント。山崎さん主演の映画『羊と鋼の森』のエンディングテーマとして世界的音楽家・久石譲とタッグを組んだことでも大きな話題を呼んだ「The Dream of the Lambs」については「久石さんに楽譜をいただいた時に、どのような気持ちで作曲されたのかを想像し、また映画のイメージを自分の中で膨らませてレコーディングに挑みました。この曲は感動的で、美しく、弾いていて本当に楽しいです」とレコーディング秘話を明かしてくれた。■山崎さん「緊張の種類が違います」また『羊と鋼の森』で主演を務める山崎さんも本番組初出演となり「昔から見ていましたし、生放送ですし、しかもタモリさんですし。緊張の種類が全然違います。でも、この曲の感動を視聴者の方々とも共有できるのがうれしいです」と出演することについて語る。「『The Dream of the Lambs』を初めて聴いた時は、主人公のこれからの背中も押してくれるような、この先も深い森が続いていくような気がしました。映画の完成披露舞台挨拶で初めて間近で聴かせていただいた際は、なんて贅沢な瞬間なんだと思ったのを覚えています」という山崎さん。辻井さんは「優しくてとても落ち着いていらっしゃる印象」だったという山崎さん。「ロイヤル試写会で両陛下にお会いする前、監督をはじめとしたみんなで『どうしたらいいんだろう…』と緊張していたなか、辻井さんだけ『普通にしていればいいんですよ』とリラックスされた感じでおっしゃっていました」と辻井さんの“器の大きさ”について話すと、辻井さんも山崎さんを「すごく自然体で優しい雰囲気があって、とても素敵な方」と絶賛。「『Mステ』で一緒に共演できて光栄です。映画の世界観を表現できるよう頑張ります」と番組での生演奏に意気込み十分の様子だった。■ジェジュンらも登場!また今夜はジェジュンが約8年半ぶり、ソロとしては初めて登場するほか、「THE ORAL CIGARETTES」、「CHEMISTRY」、「GENERATIONS from EXILE TRIBE」、「Sexy Zone」も魅力的なパフォーマンスを見せてくれる。「ミュージックステーション」は6月15日(金)今夜20時~テレビ朝日系で放送。(笠緒)■関連作品:羊と鋼の森 2018年6月8日より全国東宝系にて公開ⓒ 2018「羊と鋼の森」製作委員会
2018年06月15日俳優の山﨑賢人が13日、東京・サントリーホールで行われた映画『羊と鋼の森』公開記念 辻井伸行 特別コンサートに、シークレットゲストとして登場した。同作は宮下奈都による同名小説を映画化。「2016年 本屋大賞第1位」「2016年 キノベス第1位」「2015年ブランチブックアワード大賞」など数々の賞を受賞し、直木賞にもノミネートされた。北海道で育った青年・外村直樹がピアノの調律師・板鳥宗一郎に出会い、調律師の世界で生きていくようになる。エンディング・テーマ「The Dream of the Lambs」は作曲・指揮を久石譲、ピアノ演奏を辻井伸行が担当した。辻井による公開記念の特別コンサートでは、スペシャルゲストとして久石が参加し、エンディング・テーマの指揮をとった。約2,000名の観客も聞き入り、演奏後には割れんばかりの拍手に。演奏後、久石と辻井は笑顔で寄り添い、観客に一礼した。さらに、シークレットゲストとして山﨑の登壇が発表されると、観客からは大きな歓声が上がる。久石は映画について「調律師の姿をしっかり描き、本当に素敵な映画でした。ひたむきな青年を演じた山﨑さんの繊細な演技も素晴らしかったです」と絶賛。辻井も「この映画に関わることができて本当に嬉しいです。主演の山﨑さんやキャストの皆さんとご一緒出来て、本当に光栄でした。またご一緒したいです!」と声をかけ、山﨑は「ありがとうございます。本当に嬉しいです。お二人に作っていただいたこの曲が、映画を支えてくれました」と感謝の気持ちを述べた。最後には久石が「せっかく素晴らしいオーケストラの皆さんもいらっしゃいますので、もう1回、エンディング・テーマを演奏しようと思います!」と急遽、2回目の演奏を行うことに。演奏を終えた二人には山﨑から花束が贈呈され、互いに固い握手を交わした。イベント後、山﨑は「今日をすごく楽しみにしていました。生で演奏を聴き、主人公・外村の悩みながら、壁にぶつかりながら前に進んでいき成長していく姿が目に浮かんできて、感動しました。本当に素晴らしい曲をありがとうございます」と嬉しそうに語った。
2018年06月13日この秋、サントリーホールで新たな室内楽フェスティバルが始まる。【チケット情報はこちら】2011年から続く「ARK Hills Music Week」(昨年まで「アークヒルズ音楽週間」)は、サントリーホールのあるアークヒルズを中心に、周辺のホテルや美術館、大使館、教会、レストランなど、さまざまなスペースを会場にコンサートが開かれる「まちの音楽祭」。今年も10月5日(金)から13日(土)まで開催されるが、そこに、新たなコンテンツとして加わるのが、「サントリーホール ARKクラシックス」だ(サントリーホール、エイベックス・クラシックス・インターナショナル共催)。サントリーホール大ホールと同ブルーローズ(小ホール)を使って行なわれる室内楽フェスティバルで、10月5日(金)から8日(月・祝)の4日間に全9公演が予定されている。そして、このイベントのプロデューサー役に当たる「アーティスティック・リーダー」として、ヴァイオリンの三浦文彰とピアノの辻井伸行という、人気・実力ともに現代の日本を代表するふたりのアーティストがタッグを組むというから超強力。5月14日に開かれた発表会見にも、ふたりが揃って出席して抱負を語った。「室内楽のアンサンブルは音楽の原点。10年前ぐらいから、日本でももっと室内楽を広めていきたいと思い始めた。それがサントリーホールで実現できるのはうれしい。この東京のど真ん中で、室内楽を演奏して皆さんで盛り上がるのが楽しみ。ヨーロッパの仲間たちもすごく楽しみにしている」(三浦)「昨年初めて三浦さんとフランクのヴァイオリン・ソナタを演奏して、それまであまり経験のなかった室内楽にはまっている。互いに音を聴き合い、音で対話しながら、それぞれがどう弾きたいかを考え、またぶつかり合って音楽を作っていくのが大事。そんな室内楽の魅力を伝えたい」(辻井)初共演以来意気投合したふたり。プライベートでも食事をしたりカラオケに行ったりという間柄なのだそう。このふたりのカラオケは何を歌うんだろうという興味は措くとして、こちらが勝手に、あまり接点がないんじゃないかと思い込んでいたふたりが、互いの音楽を信じて真摯に向き合いながら本格的な室内楽の祭典を先導してゆくのは、なんともうれしく頼もしい。それぞれのファンも多いふたり。室内楽に新たなファンをいざなってくれるだろう。参加アーティストは三浦、辻井以外に、ユーリ・バシュメット(指揮、ヴィオラ)&モスクワ・ソロイスツ、ヴィキングル・オラフソン(ピアノ)、川久保賜紀(ヴィオラ)、遠藤真理(チェロ)、三浦友理枝(ピアノ)ほか。全9公演は、休憩なし1時間と、休憩含めて2時間という2種類のプログラムで構成されている。取材・文:宮本明
2018年05月24日6月8日公開の映画『羊と鋼の森』の完成披露試写会が20日、都内で行われ、山崎賢人、鈴木亮平、上白石萌音、上白石萌歌らが出席した。2016年の「本屋大賞」を受賞し、累計発行部数110万部を超えた宮下奈都の同名小説を実写映画化した本作。ピアノの調律に魅せられ、ピアノと繋がる人々との出会いを通して成長していく青年・外村直樹の物語を描く。主人公の外村直樹に山崎賢人、直樹の先輩調律師・柳に鈴木亮平、直樹の人生を変えるピアニスト姉妹を上白石萌音と上白石萌歌の姉妹がそれぞれ演じている。完成披露試写会が行われたこの日は、試写会前の舞台あいさつに主演の山崎らキャスト陣と橋本監督が登壇。山崎は「(舞台となる北海道の)トムラウシという場所に行ったことがないんですけど、読んでいるとその風景が想像できました。セリフも宮下さんが書かれた素敵な言葉が多く、登場人物もそれぞれが魅力的でした」と原作や台本の感想を述べ、「調律師という仕事は知りませんでしたが、役者という仕事をやる上で色々感じたことを照らし合わせて表現できたらそれが一番リアルだと思い、そうすれば皆さんに伝わると思いながらやりました」とコメント。その山崎が演じた直樹の人生を変えるピアニスト姉妹を演じた上白石萌音は「初めて妹と共演ができた私の人生にとって大切な一本がようやく始めの一歩を踏み出せて、とてもうれしく思います」と妹・萌歌と初共演した本作の試写会に満足げだったが、ピアニスト役には苦労したようで「監督から分厚い楽譜を渡され、そこから特訓の日々でした。本当のピアノと向き合う時間が長かったですね」と振り返った。舞台あいさつの後半には、久石譲が作曲した本作のエンディングテーマ「The Dream of the Lambs」の演奏を担当した辻井伸行が登壇し、エンディングテーマなどを生演奏。それを間近で見た山崎は「こんなに近くで聴かせてもらえるなんて本当の貴重なこと。本当に辻さんの力強さと気持ちで弾いている感じがすごく感動しました」と絶賛し、上白石萌音も「(劇中で演じた)和音の理想の音というか、私が思い描く和音の音は辻さんの繊細で柔らかくて力強い音で、ずっと焦がれていました。この音にどれだけ支えられたか分かりません。感無量です」と感激しきりだった。映画『羊と鋼の森』は、6月8日より全国公開。
2018年05月21日山崎賢人が主演を務め、「火花」「君の膵臓をたべたい」などを抑えて2016年「本屋大賞」を受賞した小説(著者:宮下奈都)を映画化する『羊と鋼の森』。このほど、本作の本予告映像が到着、日本が誇る世界的音楽家・久石譲とピアノ奏者・辻井伸行によるエンディング・テーマもお披露目された。山崎さんがドラマ「トドメの接吻」のホストから一転、調律師としてひたむきにピアノと向き合い、迷い悩みながらも周囲の人々に支えられ成長していく主人公を演じる本作。このたび、作曲・編曲を久石さん、ピアノ演奏を辻井さんが担当したエンディング・テーマ「The Dream of the Lambs」が、本予告映像とともに公開された。世界で活躍する音楽家のタッグが“相思相愛”で実現!久石さんといえば、スタジオジブリ作品や北野武作品、アカデミー賞受賞作『おくりびと』などの音楽を担当したことで知られ、国内、国外問わず数々の賞を受賞。作曲家、ピアニスト、指揮者と様々な面で活躍し続けており、世界中で愛され続けている音楽家。また、辻井さんも世界トップクラスのピアニストであり、2009年、アメリカで開催されたヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールで日本人として初めて優勝して以降も、数々の賞を受賞。作曲家としても『神様のカルテ』「美の巨人たち」などの映画やテレビ番組の音楽も担当し、コンサートも日本のみならず世界中で開催してきている。原作「羊の鋼の森」は「本から音が聴こえてくる」という感想が出たほど、表現力豊かに描かれた物語。その世界観、そして“ピアノ”の魅力を最大限に活かせるテーマ曲を考えた映画制作陣は、優れた表現力で世界的に有名な音楽家である2人に制作を依頼。もともと原作に親しみ、その世界観に強く惹かれた両名がオファーを快諾したことにより、今回の豪華すぎる“夢”のタッグが実現した。曲の収録は昨年夏、コンサートホールにオーケストラを集め、久石さん自らタクトを振って行われた。この日、初対面となった2人は互いに「お会いできて光栄です」と挨拶。事前に打ち合わせをした後に本番収録となった。息の合った演奏をした2人は、終わった後も「本当に楽しかった」と嬉しそうな笑顔を見合わせ、その姿はまるで相思相愛!ピアノの調律に真摯な思いをぶつける本作に相応しいエンディング・テーマが完成した。久石譲「調律師は求める音を表現してくれる、本当に大事な存在」本作で山崎さんをはじめ、鈴木亮平、三浦友和が演じる調律師の役割について、久石さんは「ピアノによってタッチがそれぞれすごく違います。調律師は求める音を表現してくれる、本当に大事な存在で、音は出さないけど立派な音楽家だと思います」と断言。「そんな調律師を描いた原作を、オファーをいただく前に読ませていただきました。成長譚の美しくてとても良い話。だからこそ、綺麗なだけで終わらないように、映画の奥行を出せるように、シビアなミニマル的な部分とメロディアスな部分の交差する曲を作るように意識しました」とエンディング・テーマに込めた思いを明かす。「その曲を辻井くんと一緒に作ることができて嬉しく思います。古典的なスタイルをとりつつ、現代的な曲を作ったのですが、見事に弾いてくれました。辻井くんは本当に素晴らしいピアニストで、特にリズム感が凄い」と絶賛を贈り、「演奏をしていて、とても楽しかったです。辻井くんとはまた是非一緒に演奏させていただきたい」とも語っている。辻井伸行、大ファン・久石譲との“共演”は「本当に光栄」また、世界的ピアニストである辻井さんも、調律師について「ピアニストは演奏するときは1人ですが、調律師さん、観客の皆さんと一緒にコンサートを作り上げていると思っています。国内外の様々な場所で調律師さんと出会うのですが、いろいろなタイプの調律師さん、そして会場のピアノと出会えるのは楽しいですね」とコメント。さらに「久石さんとご一緒させていただけたのは本当に光栄でした。久石さんの大ファンで、素晴らしい曲をずっと聴いていたので、本当に嬉しかったです」とその喜びを語り、「楽譜をいただいたときに、どのような気持ちで作曲されたのか想像し、また映画のイメージを自分の中で膨らませて、できる限りのことをしようと思って練習し、本番に挑みました。お会いするまでは緊張しましたが、本当にお優しい方で、合わせやすく、またいろいろと勉強させていただきました。この曲は感動的で、美しく、弾いていて本当に楽しかったですし、収録があっという間でした」とふり返っている。そんな両名を引き合わせた本作プロデューサーは、「どんな化学反応が起きるのだろうという期待もありオファーしたところ、原作がお好きという運命もあり初タッグが成立しました。調律師の主人公の成長を見守るような久石さんの楽曲と、その調律師を讃えるような辻井さんのピアノの音色は、『羊と鋼の森』に太鼓判を押していることを物語っています」と手応えを込めてコメント。そんなエンディング・テーマを使用した本予告映像には、山崎さん演じる主人公・外村をはじめ、ピアニスト姉妹を初共演で演じる上白石萌音、上白石萌歌姉妹など、ピアノと向き合う人たちのそれぞれの悩みと葛藤、そして成長の姿が映し出され、「The Dream of the Lambs」の美しい旋律が物語に深い奥行をもたらしている。『羊と鋼の森』は6月8日(金)より全国東宝系にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:羊と鋼の森 2018年6月、全国東宝系にて公開ⓒ 2018「羊と鋼の森」製作委員会
2018年03月06日NHK大河ドラマ「真田丸」のメインテーマでも知られるヴァイオリニストの三浦文彰が、8月27日(日)今夜放送のTBS系「情熱大陸」に出演。「天才少年」と呼ばれた若き孤高のヴァイオリニストに秘められた“家族の絆”を番組が追った。三浦さんは1993年東京都生まれ。両親はヴァイオリニスト、妹はピアニストという音楽一家で育ち、3歳からヴァイオリンを始め6歳より徳永二男に師事し、その後ウィーン私立音楽大学に入学、パヴェル・ヴェルニコフ、ジュリアン・ラクリンのもとでさらに腕に磨きをかけた。2009年に世界最難関といわれるドイツのハノーファー国際ヴァイオリンコンクールに、16歳という若さで史上最年少優勝。使用するのはストラディヴァリウス1704年製作Viottiという若き天才ヴァイオリニストだ。ハンブルク北ドイツ放送交響楽団、ミルウォーキー響、プラハ・フィルなど世界の名だたるオーケストラや音楽家たちと数多く共演。日本でも「AAA」や辻井伸行とのコラボ、さらに2016年のNHK大河ドラマ「真田丸」での、ヴァイオリンの印象的な音色ではじまるメインテーマを弾き話題になるなど多方面で活躍している。朝から晩まで「ずーっとずーっと音楽のことを考えてしまう」という几帳面な性格で、唯一の息抜きは「お笑い動画を見て笑うこと」だという三浦さん。繊細かつ骨太な音色とその甘い顔立ちで女性ファンも数多い彼だが、その家庭環境から「天才少年」「サラブレッド」と世間から呼ばれるも、裏では家族の問題に苦しみ父親に反抗し続けた苦しい過去があったという。今回番組では三浦さんの海外での音楽活動とともに、次世代の才能を生み出そうと子どもたちに直接レッスンをする風景なども取材。さらに自らがヴァイオリンを演奏しながらオーケストラの指揮もするという「弾き振り」に挑む過程にも密着した。この「弾き振り」で共演したオーケストラのコンサートマスターはなんと父親。父との関係に苦しみ屈折した思いを抱えながら大人になった過去を持つ三浦さんと、その息子の成長を影で見守る父親、お互いを想いながら音を奏でる音楽家親子の“絆”を追う。「情熱大陸」は8月27日(日)23時~TBS系で放送。(笠緒)
2017年08月27日漫画家の福本伸行が、池松壮亮主演のテレビ東京系土曜ドラマ24『銀と金』(2017年1月7日スタート 毎週土曜24:20~)に出演することが6日、わかった。同作は『カイジ』『アカギ』などのギャンブル漫画でカリスマ的人気を誇る福本の同名コミックを実写化。福本ファンの間では最高傑作と謳われており、一文無しの主人公・森田鉄雄(池松)が大物フィクサー・平井銀二(リリー・フランキー)に出会い、「銀を超える金と呼ばれる人間になりたい」と裏社会に足を踏み入れていく。福本が何話に出るかは明かされていないが、熱演を見せるという。また、TV放映では「株の仕手戦編」「セザンヌ編」「ポーカー編」「麻雀編」を12話かけて放送することがすでに発表されているが、Amazonプライム・ビデオ限定で幻の13話が配信される。13話として配信されるのは、原作でも人気の高い「連続殺人鬼・有賀編」。配信のタイミングは、公式Twitterで発表される予定だ。(C)テレビ東京
2017年01月06日テレビ東京にて1月7日(土)より放送スタートする池松壮亮主演ドラマ「銀と金」。この度、本ドラマの原作者・福本伸行が本作に出演することが決定した。原作は、ギャンブル漫画の第一人者福本氏による「銀と金」。本作は、何事もうまくいかず、ギャンブルに逃げていた森田鉄雄(池松壮亮)が、“金がすべて”の裏社会を仕切る大物フィクサー・平井銀二(リリー・フランキー)に出会い、欲望に踊らされる悪の紳士たちを、経済的にも精神的にも粉砕し、多額の金を奪い取る、「悪」vs「悪」の「究極のマネーゲーム」を描いた魑魅魍魎のブラックエンターテインメントドラマだ。キャストには、連続ドラマ初主演となる池松さんが森田鉄雄役を演じるほか、物語のもう一人の重要人物・平井銀二役をリリー・フランキー、そのほかマキタスポーツ、臼田あさ美、村上淳らが出演する。そして今回、「カイジ」「アカギ」の代表作を筆頭に、緻密な心理描写でカリスマ的人気を誇る福本氏が本作に出演することが決定。以前のコメントで「熱が籠められた作品」と語ったように、本作への熱量が感じられるお芝居は必見。一体福本氏が何話に登場するのか、楽しみにしていて。さらに、本作で「株の仕手戦編」、「セザンヌ編」、「ポーカー編」、「麻雀編」を放送することが発表されているが、加えて原作でも人気の「連続殺人鬼・有賀編」をAmazonプライム・ビデオ限定で制作、配信されることも決定。配信のタイミングは、公式Twitterにて発表される予定だ。「銀と金」は1月7日より毎週土曜日深夜0時20分~テレビ東京系にて放送。※Amazonプライム・ビデオにて独占先行配信中(cinemacafe.net)
2017年01月06日「カイジ」や「アカギ」などで知られる人気漫画家・福本伸行の「銀と金」が来年1月期放送のテレビ東京にてドラマ化されることが決定。主演に俳優・池松壮亮が抜擢され、連続ドラマ初主演を務めることが分かった。うだつの上がらない森田鉄雄(池松壮亮)は、何事も上手く行かず、やり場のない怒りをギャンブルに逃げることで発散していた。負けが続く素寒貧の森田は、競馬場で裏社会を仕切る大物フィクサー平井銀二に出会う。銀二の悪党ぶりと、億を超える大金をたやすく手に入れる天才的な才能に憧れて、「銀を超える金(キン)と呼ばれる人間になりたい」という志を抱き、欲望渦巻く裏社会へ足を踏み入れるのだった…。悪党たちが巣食う裏社会で、大金を手にするために命を懸ける「悪」vs「悪」の心理戦。果たして一文無しの森田は、大金を手にし大物フィクサー銀二を超えられるのか――!?原作は、ギャンブル漫画の第一人者で、「カイジ」や「アカギ」を筆頭に、カリスマ的人気を誇る漫画家・福本伸行の同名漫画。福本ファンの間では、最高傑作と謳われることもある渾身の名作だ。また、福本作品が民放で連続ドラマ化するのは今回が初。福本氏は作品について「麻雀漫画以外で、僕が初めて評価を得た漫画です。僕の漫画の中で、『銀と金が、一番好きだ』と言うファンの方によく会います。僕自身が、世の中に認められよう…と、ギラギラしていて…、その熱が籠められた作品だからかもしれません」と思い入れも強いと話す。そして主人公・森田鉄雄を務めるのは、現在公開中の『デスノート Light up the NEW world』に出演中の池松さん。過去には日本の主要映画賞で4つの助演男優賞を受賞し、ドラマ「MOZU」シリーズでは双子の殺し屋の役を一人二役で演じ、エランドール賞新人賞も受賞するなど、名実ともに映画界で最も注目される若手俳優の一人。原作のもつパワーに圧倒されたと話す池松さんは「30分×12話という長い時間をかけて、まだ何者でもない森田鉄雄という男が何に絶望し、何に出会い、何を想い、何に挑むのか。ゆっくりと探していけたら」とコメントし、「“ちょうど良さ”が主流となってしまったこの時代に逆らって、勝つか負けるか、1か月半このチームで突っ走ってみようと思います」と意気込みを語った。また、すでにドラマはクランクイン済みだそうで、池松さんについてプロデューサーは「ワンカットワンカット、彼の素晴らしいお芝居にしびれています。もはや、未だかつてない面白いドラマが出来上がることは確実」と期待も寄せている。なお、森田が出会う競馬場で裏社会を仕切る大物フィクサー平井銀二役には、福本氏がぜひにと推薦した“とあるいぶし銀俳優”がキャスティングされているという。素晴らしいタッグと話すその俳優とは誰なのか?続報を待ちたい。土曜ドラマ24「銀と金」は2017年1月期より毎週土曜深夜0時20分~テレビ東京系にて放送予定。(cinemacafe.net)
2016年11月17日