母国イギリスのみならず、トニー賞も受賞するなど世界で活躍をしている演出家デヴィッド・ルヴォー。シアタープロジェクト・東京(TPT)を立ち上げるなど日本にも縁が深く、数々の名作を生み出している彼が、深津絵里・中村七之助をW主演に迎え『ETERNAL CHIKAMATSU ―近松門左衛門「心中天網島」より―』を上演する。近松門左衛門の心中物をベースにした新作だ。この注目作に出演する入野自由に話を聞いた。チケット情報はこちらルヴォー作品初挑戦だが、入野は昨年、ルヴォーの公開ワークショップに参加している。「演劇に携わる者にとって、雲の上のような存在。なのに、自分に目線をあわせて話してくれてとても話しやすい方なんです。ワークショップというものは、色々なことを試し、いっぱい恥をかいて失敗して、その中で何かを掴んでいく作業だと思っているのですが、それをお客さまの前でやる“公開ワークショップ”というのは初めての経験で、すごく緊張したのですが、ステージに立ったらルヴォーさんが僕らを包んでくれ、安心してチャレンジ出来た覚えがあります」とその時のことを振り返る。「最初に「楽しんでね」と言われ、「そんなことできるはずない!」と思ったんですが(笑)。実際楽しかったし、その後しばらく、夢のようにその時のことが心に残っていました」。だからこそ、本作の話があった時は「オーディションを受けられるだけで、すごく嬉しかった」という。「ワークショップの数十分だけでも、たくさんのものが得られたので。なんとしても参加したいと強く思いました」という意気込みで挑み、チャンスを掴んだ。「今度は稽古から本番までの長い時間、濃密な時間を過ごせる。無駄な時間なんてない。楽しみにしています」。作品は、遊女小春と紙屋治兵衛の心中事件を軸にした近松の『心中天網島』の悲劇と、現代に生きる男女の物語を並行して描き“究極の愛”を描き出すもの。入野は現代側で、深津絵里演じるヒロインと深い関わりを持つ男を演じる予定。「まだどうなるかわかりませんが、直截的に主人公たちに影響を及ぼすものではないかもしれないけれど、間接的にとても重要な役割を果たす役になりそうです。ふたつの時代で、違う人たちが動いていく物語なのですが、根底の部分では同じものが描かれているというのが面白い。男と女、恋、そういうものは現代も過去も変わらないですね」。声優として長いキャリアを持つ一方で舞台俳優としても名だたる演出家たちと組み、着実に結果を残している入野。最後に今後、どんな俳優になっていきたいかを聞いた。「この作品もですが、世の中には素敵な作品がたくさんある。それに参加できるとなったときに、力足らずではなく、ちゃんと作品に見合う、そして真摯に向き合える俳優でありたいと思います」。憧れの演出家のもと、またひとつステップアップする入野が見られそうだ。公演は2月29日(月)から3月6日(日)まで大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ、3月10日(木)から27日(日)まで東京・シアターコクーンにて上演。チケットは発売中。
2015年12月24日イギリス人演出家デヴィッド・ルヴォーが近松門左衛門の「心中天網島」を現代劇として企画、演出。谷賢一がルヴォーの原案をもとに脚本を手掛ける。『ETERNAL CHIKAMATSU―近松門左衛門「心中天網島」より―』が、深津絵里と中村七之助のW主演で上演される。『ETERNAL CHIKAMATSU-近松門左衛門「心中天網島」より-』チケット情報物語は小春と治兵衛による心中を核として、現代と江戸時代をパラレルに行き来しつつ展開してゆく。今回、中島歩が近松の世界観を担う重要な役どころに挑む。「心中物というと遠い話の気がするけれど、恋愛と社会が折り合わないのは今もよくある話です。プロットを読んだら現代社会からの逆風がリアルで、身近に起こり得る話だなと感じました。僕の好きなノンフィクションに、『ドナウよ、静かに流れよ』という、ドナウ川に身を投げた日本人留学生男女の話があり、一途な恋心も心中物の魅力のひとつかと」中島は舞台『黒蜥蜴』で2013年俳優デビュー、NHKの朝ドラ『花子とアン』で注目を集めた、期待の新星である。「ルヴォーさんの演出は初めてで全く想像がつかない分、楽しみです。深津さんとも七之助さんとも初共演。おふたりが役にどのように取り組まれるのか、気になりますね。何より歌舞伎俳優さんは所作もきれいでしょうし、盗めるものはできる限り盗みたい」もし、中島が好きな女の子に「一緒に心中して」と言われたらどうするのか?「『嫌だ。ダサくない?もっと違う方法を考えよう』って言います。死ぬか生きるかでいったら、死ぬより生きて、きっと先に楽しいことがあると思う方を選択したい。僕、すごく楽天的で、嫌なことはすぐ忘れるタイプなんです」大学時代はモデルをしながら、立川藤志楼(高田文夫)、立川志らく、春風亭一之輔を輩出した名門落語サークルに所属していた変わり種でもある。「元々、役者になりたかったので、モデルをすれば芝居に出られるようになると素人考えで始めたのですが、そんなチャンスは皆無でしたね。それより落語のほうが楽しかった。亭号は大家主水(だいやもんど)。ダサいでしょう?先輩がつけるので、どうにもならないんですよ。古典落語が中心で、『千早振る』『火焔太鼓』をよくやりました。何が楽しいって、受けた時の気持ち良さ!あれを知ったら、抜けられません。落語は究極のひとり芝居。全部俺の力でやってるぜ!という快感は格別で、その幸せな原体験が今の舞台で役立っています。落語で学んだ江戸時代の感覚は『ETERNAL CHIKAMATSU』にも活かせるはず」公演は2016年2月29日(月)から3月6日(日)まで大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ、3月10日(木)から27日(日)まで東京・渋谷のBunkamuraシアターコクーンで上演。チケットは東京・大阪共、12月12日(土)より一般発売開始。なお、一般発売に先がけ、先行抽選プレリザーブを実施。受付は11月13日(金)11:00から11月18日(水)11:00まで。取材・文:三浦真紀
2015年11月12日深津絵里、中村七之助が初共演かつダブル主演を勤める近松門左衛門の代表作『心中天網島』をベースにした舞台、『ETERNALCHIKAMATSU -近松門左衛門「心中天網島」より-』が2016年春、大阪、東京で上演されることが決定した。『ETERNAL CHIKAMATSU-近松門左衛門「心中天網島」より-』チケット情報遊女小春、治兵衛、その妻おさんの三角関係を軸に、究極の愛を描いた作品。演出は、『日陰者に照る月』でウエストエンド演劇賞を受賞後、様々な作品でトニー賞を受賞・ノミネートし続けている奇才、デヴィッド・ルヴォーだ。「今回の作品は、中村勘三郎さんと歌舞伎に取り組む約束をし、近松の世界を取り上げる話をしていました。そのプロジェクトの延長線上にあるものです。勘三郎さんのアイディアとエネルギーに支えられ、深津絵里さんと中村七之助さんに託すことで、より明確化するときが訪れたのだと思っています」とルヴォー。ルヴォーのオリジナルアイデアに基づき、作家の谷 賢一が戯曲を書き下ろす。共演には他に、映画・ドラマで特別な存在感を放つ伊藤歩、実力・人気ともに日本でオンリーワンの演劇集団TEAM NACS の音尾琢真、柔剛自在な演技力とその個性が光る中嶋しゅう、さらにNHK 連続テレビ小説『花子とアン』で一躍有名となった中島歩など、錚々たる俳優陣が名を連ねる。今作品を前にして深津は、「七之助さんとご一緒できて大変光栄です。この不思議なご縁を大事にしたいです。また、お稽古から贅沢な時間となりそうで、今からとても楽しみです」とコメント。七之助も、「深津さんはすてきな方ですばらしい大先輩。僕は現代劇で女性の方とのお芝居も初めてなので、新人のつもりで取り組みたいです。そして、有言実行の人だった父(勘三郎)の夢が、このような形で実現し、この上なくうれしいです。きっと父も喜んでくれていると思います」と意気込みを語った。『ETERNALCHIKAMATSU -近松門左衛門「心中天網島」より-』は、2016年2月29日(月)~3月6日(日)まで、大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティにて、3月10日(木)~27日(日)まで、東京・Bunkamura シアターコクーンにて上演。チケットは12月12日(土)より一般発売開始。一般発売に先駆け、11月11日(水)11:00まで最速抽選「いち早プレリザーブ」を受付中。ぴあスペシャルシート(前方10列目まで)の受付も有。
2015年11月05日観月ありさが主演を務める舞台『GS 近松商店』(9・10月、大阪・新歌舞伎座にて)の上演が決定した。新歌舞伎座新開場5周年を記念して上演する今作は、近松門左衛門の名作「女殺油地獄」「曽根崎心中」をモチーフに鄭義信が書き下ろした現代劇。2008年上演の「焼肉ドラゴン」で国内の演劇賞を総なめにした鄭が自ら演出も手がける。県道脇にある寂れたガソリンスタンド(GS)を切り盛りしている人妻とその家族。ある事件をきっかけに人妻の元に通うようになった若者を中心に、関西地方のとある田舎町に巻き起こる愛憎劇。平凡な日常を滑稽に描きつつ、現代人の孤独と不安を拡張し「生きるということは」を問いかける。ガソリンスタンドを営む主人公・菊子を演じる観月は関西弁の台詞に挑戦する。「鄭さんに演出していただくことで新しい自分の発見に繋がると思っています」と意気込みを語っている。共演は渡部豪太、小島聖、姜暢雄、朴路美、みのすけ、星田英利、山崎銀之丞、升毅、石田えりら。チケット一般発売は8月1日(土)予定。■新歌舞伎座 新開場五周年記念『GS 近松商店』日時:2015年9月27日(日)から10月14日(水)まで場所:大阪・新歌舞伎座料金:1階席:9,500円/2階席:5,000円/3階席:3,000円/特別席:11,000円作・演出:鄭義信出演:観月ありさ、渡部豪太、小島聖、姜暢雄、朴路美、みのすけ、星田英利、山崎銀之丞、升毅、石田えり ほかチケット一般発売日:8月1日(土)午前10時より新歌舞伎座ほか各種プレイガイドにて発売予定問い合わせ:新歌舞伎座 06-7730-2121(午前10時から午後6時まで)
2015年04月23日9月27日(日)から10月14日(水)まで、大阪・新歌舞伎座にて、新歌舞伎座新会場五周年を記念した舞台「GS近松商店」の上映が決定し、主演を観月ありさが務めることがわかった。2010年に大阪・上本町へ移転した新歌舞伎座の、新会場5周年を記念して上映される舞台「GS近松商店」。本作は、人形浄瑠璃や歌舞伎の作者として、元禄の時代に活躍した近松門左衛門の名作「女殺油地獄」「曽根崎心中」をモチーフに、舞台を現代に置き換えた物語として上演される。作・演出は、2008年上演の「焼肉ドラゴン」で国内の演劇賞を総なめにし、近年ますます円熟味を増す劇作家・鄭 義信(チョンウィシン)が務める。本作の主演女優として抜擢されたのは、今年に入ってデビュー以降24年間連ドラ主演連続記録という前人未到の快挙を達成し、映画、CM、モデル、歌手と、幅広く活躍し続ける女優、観月ありさ。共演にも、モデルとしても活躍する渡部豪太や、元“ほっしゃん。”こと星田英利、ベテラン俳優の升毅、石田えりなど、個性的なキャストが配役されている。県道脇にある寂れたガソリンスタンドを舞台に、経営を切り盛りする人妻とその家族を描く本作。ある事件をきっかけに人妻の元に通うようになった若者と、関西地方のとある田舎町に巻き起こる愛憎劇。閉塞感漂う平凡な日常の中の「孤独」や「不安」を、臨場感たっぷりに描き出し、「生きるということ」を改めて世に問う衝撃の内容となっている。本作は、稀代の劇作家・秋元松代氏の「人間における愛の事象と、金銭の呪縛は、元禄期の町人もわれわれも、空恐ろしいほど変わっていない」という言葉をエピグラフとして掲げており、近松門左衛門の世界を現代に蘇らせ、観るものの感性を揺さぶるような濃密な舞台になることが期待される。ラブストーリーやコメディへの出演が多い観月ありさが、どのように役を演じるのかに注目したいところ。「GS近松商店」は、大阪・新歌舞伎座にて9月27日(日)~10月14日(水)に上上演。(text:cinemacafe.net)
2015年04月22日東京都・銀座のギャラリー小柳で、現代美術家・束芋の個展「息花」を開催している。開催期間は4月4日まで(日月祝は休廊)、開場時間は11:00~19:00、入場は無料。同展では、アニメーションを用いた映像インスタレーション作品「にっぽんの台所」(1999年)で一躍注目を集め、以降、最年少で招聘された「横浜トリエンナーレ2001」、2011年の「ヴェネチア・ビエンナーレ(日本館代表)」など、数々の国際展に招聘され活躍している現代美術家、束芋(たばいも)の新作アニメーションを初公開している。2013年には、杉本博司が構成・演出を手がけた人形浄瑠璃「曾根崎心中」(近松門左衛門作)へアニメーション作品を提供しているが、今回の個展でも、近松作品などをモチーフにした新作アニメーション「あいたいせいじょせい」を発表。「曾根崎心中」の主人公「お初」と「徳兵衛」、そして吉田修一の小説『悪人』の登場人物「金子美保」と「清水祐一」らの恋愛にちなみ、2人の女性を比較する中から生まれたストーリーが展開していく。束芋の創り出す「もしも‥‥」の世界は、物語の終焉の先への想像をかき立てる。そのほか、人体の一部と花が、墨と蜜蝋着色によって艶麗に描かれるドローイングシリーズ『flow-wer』から新作7点を展示している。
2015年03月26日「この世のなごり。夜もなごり。死に行く身をたとふれば、あだてが原の道の霜」この文脈ではじまる有名な道行の場面というと、いよっ、待ってました!「曽根崎心中」でございます。この近松門左衛門の「曽根崎心中」を作家の角田光代さんが、現代に蘇らせてくれました。江戸時代、大阪で実際にあった、堂島新地の遊女・初と醤油屋の手代・徳兵衛との悲恋を初の視点で書いています。文章のリズムがいい。そのあたりも、角田さんの手腕に脱帽します。遊女に惚れる、ってことは、今でいうと、キャバクラに通うようなものでしょうか。それでいて、いつしかキャバクラ嬢も、そんな男に魅かれていく(ちょっと、違う気もしますが)。観音めぐりをしていて、初が恋する徳兵衛に出逢うシーンがあります。観音めぐりとは、上客に遊女が誘われて年に1度か2度、遊郭の外に出られて、西国33所を巡礼する、言うなれば、観音信仰みたいなことです。そして、初は徳兵衛とのことをお願いし、偶然にも徳兵衛と出逢います。「おなじ背丈でもほかの人とちがうのは、着物でも背丈でもない。光だと初は気づく。光に包まれるようにして、おもてを行き過ぎようとする徳兵衛の姿がある」初はそれまで、恋をしたことがなかったけれど、徳兵衛は別格でした。「知っている顔だが知らない人だ、会ったことはない人だと気づいたとき、初は、長く細い指で背中をすっと引っ掻かれた気がした」死にゆくまでの儚い数日を描いているんですけど、初の心情や揺れる想いなどが伝わってきます。「これが恋か。初は思った。これが、恋か。ほほえみながら、泣きながら、高笑いしながら、物思いにふけりながら、不安に顔をゆがめながら、嫉妬に胸を焦がしながら、記憶に指先まで浸りながら、幾度も幾度も、思った。これが、これが、これが、恋」恋をしたことがある人なら、きっとわかる心情が胸に迫ってきます。最近、パートナーとうまくいっていない人や、恋から遠ざかっている人は、この小説を読んでみてください。とっても、読みやすく書いてあります。恋に落ちた瞬間の、あのキュン!となった気持ちが蘇ってきます。それでいて、初は徳兵衛のことを心底、信用していません。どこか冷めた目で、観察しているようなところがあります。徳兵衛って、すぐに泣くし、だまされるのも当然、みたいな男なのです。だけど、それは徳兵衛の本当の姿なのか・・・・・。「未来成仏うたがいなき恋の手本となりにけり」近松門左衛門の曽根崎心中は、これで終わります。恋を忘れた人に、是非、読んでいただきたい本です。※参考・引用『曽根崎心中』角田光代著(リトルモア)
2014年05月04日近松門左衛門の名作とフラメンコを融合させた舞台『FLAMENCO 曽根崎心中』の公開稽古が2月20日、都内で行われ、音楽監督を務める宇崎竜童、演出・振付・主演の佐藤浩希、出演者の三浦祐太朗が取材に応じた。『FLAMENCO 曽根崎心中』チケット情報遊女・お初と醤油屋の手代・徳兵衛の悲劇の愛の物語を、プロデューサーも務める阿木燿子が作詞、宇崎竜童作曲の音楽で描く舞台。お初と徳兵衛をそれぞれふたりの踊り手と歌い手で表現し、徳兵衛役をフラメンコダンサー佐藤浩希とシンガーソングライター三浦祐太朗が務める。舞台の初演は2001年。東京公演は8年ぶりという。「キャストが変わったので、新しく曲を作り変え、“させられました”」と笑った宇崎。初演から歌い手はフラメンコ歌手だったが、「今回は三浦祐太朗さんが入ったので、彼の声にあわせて」作り直したという。演出の佐藤は「阿木さんから『三浦祐太朗さんというすばらしい歌手がいる』と言われて聞いたら『この人しかいない』と思った。繊細で憂いがあって徳兵衛にぴったりだった」と話す。三浦は阿木がお忍びで自分のライブを見に来て、翌日オファーがあったと明かし「実際歌を聞いていただいてから、お話をいただいたことは、歌い手としてすごくうれしかった」とコメント。「宇崎さんと阿木さんの音楽なのでフラメンコなんですが、和の要素がたっぷり含まれている。そのエッセンスを感じながら、自分の色が生かせるように」と意気込みを語った。また、両親に出演を報告したかと聞かれた三浦が「もちろん。母は非常に喜んでいました」と話すと、宇崎が「僕は話してないんですけど、阿木が百恵さんに連絡したみたいです。喜んでくれていると聞いてほっとしているところ」と明かす。三浦は「先に阿木さんがお電話してくださって、メールで母から『よかったね』と連絡がきました。喜んでいる感じの絵文字つきでした」と笑った。舞台は4月2日(水)から6日(日)まで東京・新国立劇場 中劇場にて。チケット発売中。
2014年02月21日大人になるまで勘違いしていた、笑えるエピソードがズラリ「えっ!それって○○じゃないの!」と、大人になってから気づく勘違いは意外にあるものですよね。真実を知ったとき、周囲から大笑いされたなんて経験がある人も多いのでは?今回は、427名のマイナビ会員の男性に、大人になってから気づいた、子どものころの勘違いについてアンケートしました。>>女性編も見るQ.大人になってから気づいた、子どものころの勘違いを教えてください(複数回答)1位言葉の勘違い27.6%2位歌詞に関する勘違い17.3%3位一般的な習慣だと思っていたら、自分の家だけの習慣だった12.9%4位大人になると、必ず結婚するものだと思っていた10.8%5位日本の名所・地名に関する勘違い8.7%■言葉の勘違い・「『琴線』を『ことせん』って読んでいた……恥ずかしい」(40歳/ホテル・旅行・アミューズメント/販売職・サービス系)・「はつかが8日でなく20日だとは、結構後になって気づきました」(35歳/医療・福祉/クリエイティブ職)・「汚職事件をお食事券だと思いこみ、ニュースの度にどんな食事なのか気になって仕方なかった」(40歳/機械・精密機器/技術職)■歌詞に関する勘違い・「『うさぎ追いしかの山』を、『うさぎおいしい』だと思っていた」(30歳/機械・精密機器/技術職)・「間違った歌詞で自信満々に歌っていたことに最近気付いた」(23歳/団体・公益法人・官公庁)・「巨人の星の『~思い込んだら試練の道を~』の部分で、『重いコンダラ試練の道を~』と解釈してしまい、コンダラって一体何だろうと思っていた」(58歳/その他)■一般的な習慣だと思っていたら、自分の家だけの習慣だった・「カレーには絶対レーズンが入っているものだと思っていた」(25歳/その他/クリエイティブ職)・「バスタオルを家族全員で使いまわすことが、ほかでは聞かないので」(33歳/機械・精密機器/営業職)・「食事中はテレビを見ない」(27歳/金融・証券/営業職)■大人になると、必ず結婚するものだと思っていた・「半自動的に結婚するものだと思っていた」(33歳/その他)・「大人になっても恋人さえできない」(29歳/自動車関連/技術職)・「大人になったら結婚できると思っていたが、かなり努力しなければいけないということを最近理解することができた」(26歳/医療・福祉/専門職)■日本の名所・地名に関する勘違い・「観光地の後楽園は読売ジャイアンツの本拠地だと思っていた」(33歳/情報・IT/技術職)・「東名高速をずっと透明高速だと思っていた」(24歳/通信/技術職)・「小学校の遠足で行った場所は、有名な所だと思っていたがそうでもなかった」(23歳/医療・福祉/専門職)■番外編:近松門と左衛門って、どんな門?・年を重ねるたびに背が伸びると思っていた「まさか中学で止まるとは……です」(24歳/食品・飲料/販売職・サービス系)・就職したら一生その会社に勤めなければいけないと思っていた「40年束縛はいやだな」(34歳/機械・精密機器/販売職・サービス系)・人名に関する勘違い「『近松門左衛門』を『近松門、左衛門』と思っていた」(29歳/医療・福祉/専門職)総評1位に輝いたのは「言葉の勘違い」でした。漢字を間違った読み方で覚えていたり、同じ読み方の違う漢字を勝手にあててしまったり。本来なら大人になる前に正しい言葉を覚えておきたいところですが、いったん思い込んでしまうと、なかなか間違いに気づくことができません。仕事中に言葉の勘違いを同僚から指摘された……なんて男性もいるようです。注目したいのは、4位の「大人になると、必ず結婚するものだと思っていた」です。子どもならそう思い込んでいてもかわいいものですが、大人になったら、つらくても現実を受け入れなくてはなりません。幸せな結婚は、努力なくしては手に入らないということ。大人にしか理解できないことかもしれませんね。番外編では、人名に関する勘違いもかなり多く見受けられましたが、中でも『近松門』と『左衛門』はスゴイですね。誰かに話をしていて勘違いに気づいたのでしょうか?もしそうなら、聞いた人はかなりの衝撃を受けたことでしょう。他人の勘違いエピソードはとても面白いですが、意外なところに自分にもまだ気づいていない勘違いがあるかもしれません。あまり面白がっていると、明日はわが身……ということになりそうです。(文・OFFICE-SANGA森川ほしの)調査時期:2012年9月19日~2012年9月23日調査対象:マイナビニュース会員調査数:男性427名調査方法:インターネットログイン式アンケート■関連リンク【男性編】マンガを卒業しようと思うまたは思ったタイミングランキング【男性編】「ダサっ」と感じた、過去の自分のファッションランキング【男性編】ある瞬間、自分も年をとってしまったなぁと感じることランキング完全版(画像などあり)を見る
2012年11月15日重要無形文化財であり世界無形遺産でもある「文楽」は、人形浄瑠璃の代名詞です。そんな日本古来の大衆伝統芸能に魅せられたロックバンド「wiwiMURPHY」は、文楽とロックを融合させたコラボイベント『ON-RAKU』など、独自な世界観の音楽活動を展開しています。バンドのボーカルを担当するナガトミさんに、「文楽」の歴史や魅力、また『ON-RAKU』発足までの経緯をおうかがいしました。■歌舞伎に多大な影響を与えた操り人形劇「文楽っていうのは、もともとは人形浄瑠璃専門の劇団の名前だったんです。それが今では、日本の伝統芸能である操り人形劇『人形浄瑠璃』を意味する言葉として使われています。歴史的には江戸時代初期、それまで行われていた人形芝居と、三味線音楽、浄瑠璃が結びついて生まれたとされています」(ナガトミさん)『はんなり』した関西弁で話す、京都出身のナガトミさん。かつては『コールタール』というバンドでコロムビアレコードからメジャーデビューも果たしたミュージシャンです。「竹本義太夫や近松門左衛門など傑出した才能により、一時期の人気は歌舞伎をしのぐほど。歌舞伎にもいろんな影響を与えています。事実、歌舞伎の演目の多くは人形浄瑠璃の翻案ですし、現在でも最高位の太夫に与えられる称号「櫓下(やぐらした)」は、芸事における地位が市川団十郎よりも高いとされます」■違和感なく融合した江戸と平成の大衆芸能ナガトミさんと文楽の出会いは6年前。不慮の事故でメジャーのバンドを解散したのちに結成した「wiwiMURPHY」に、現ドラムの竹内さんが加入したところから始まります。「竹内君は小中学生のころ、文楽人形遣いで人間国宝の吉田蓑助氏に弟子入りしてたそうなんです。それで久々に師匠にあいさつに行った際、当時の兄弟子、勘六さんに再会。それ以来、彼が自分らのライブを見に来てくれるようになりました。勘緑さんは昔から型にはまらない人らしく、文楽の普及・公演に関する独自の団体『木偶舎』の発足や、UAさん、坂田明さん、元ネーネーズの古謝さんといったミュージシャンとの共演など独自の活動を行ってきています」そんなアウトサイダーな伝道師がwiwiMURPHYの音楽を聴いて確信。「一緒にやりましょう」こうしてロックと文楽のコラボレーションがスタートしたのです。ちなみに『ON-RAKU』の由来は、太夫・三味線・人形遣いの「三業(さんぎょう)」で成り立つ三位一体の演芸、文楽に対し、人形浄瑠璃(文楽)の演目を音楽(ロック)と文楽人形との融合によって表現することから。これまで徳島で開催された『ジョールリ100公演』内や、都内ライブハウスなど3回の公演が行われています。「全公演、誰でも気兼ねなく見られる場所でやってきました。というのも、文楽人形とロック、江戸と平成で時代は違いますけど、要はどちらも大衆芸能、庶民の娯楽ですから。僕の中では違和感は全然なかったですね。スッと入ってきて、パッと合致しました」■天才・近松の魅力と謎に挑み続ける!来る11月24日、25日、第4回『ON-RAKU』公演が北沢タウンホールにて行われます。演目は鬼才・近松門左衛門の『女殺油地獄(おんなころしあぶらのじごく)』。ストーリーは非常にシンプル。主役の、酒とバクチにおぼれた最低最悪のダメ人間・与平が、ダメの限りを尽くし、女性を殺し、その悪事がばれて、そして……という感じです。「初公演以降、『ON-RAKU』では、この演目のみをやり続けています。1回や2回では決して伝えられない。もっとこの演目を突き詰めてみたい。出演者の総意でした。一体この話にどんな意味が、いや、果たして意味自体あるのかすら分からない。だから映画やドラマにもなっていますが、作品ごとに解釈が違ってくる。これこそまさに近松門左衛門の天才たるゆえんですね。この演目を僕らなりの解釈で、納得する形でやり切らないと、次には進めません」去る9月には、2ndフルアルバム『sheep』を発売したwiwiMURPHY。まさにノリにノっている彼らの思いがつまった『ON-RAKU』公演は、敷居が高く感じる伝統芸能に触れられるチャンスです!(OFFICE-SANGA 岩井浩)
2012年10月16日人間国宝で歌舞伎俳優の坂田藤十郎が5月30日、都内で会見を行い、今夏上演される近松座30周年記念『松竹大歌舞伎近松座公演』への意気込みを語った。『松竹大歌舞伎近松座公演』チケット情報昨年、東日本大震災の影響でやむなく中止となったが、今年は震災の影響のあった岩手や福島も回り、改めて開催されることになった。会見で藤十郎は「昨年は震災が起こり、巡業に伺うことができませんでした。今年、また同じメンバーでやらないと言ってもらえたのでぜひ伺いたい。震災に遭われた方に少しでもわれわれの歌舞伎を見てもらい、喜んでいただきたい」と語った。上方を代表する近松門左衛門の作品の上演を目的に、近松座を立ち上げてから今年で30年。当初は自主公演のような形ではじめたという。「江戸歌舞伎と上方歌舞伎、この両方が隆盛にならないといけないと思い、はじめました。上方の役者を先祖に持つ私としては、近松の作品だけを取り上げて、とにかく上方歌舞伎を一生懸命やるんだという気持ちで取り組みました」と当時を振り返る。出演は、藤十郎のほか、中村翫雀、中村扇雀、中村亀鶴、中村壱太郎、中村虎之介と一門の役者が揃う。「30年前の第一回公演『心中天網島』の時は血縁(の役者)は誰も出ていなかったけれど、今回は上方歌舞伎の血の流れている役者が大勢出ていることに、深いものを感じます」と感慨もひとしおの様子。「平成24年度(社)全国公立文化施設協会主催・中央コース『松竹大歌舞伎近松座公演』は6月30日(土)から7月31日(火)まで東京、兵庫ほか各地を回る。また、演目は30周年を記念し、『お目見得御挨拶』『夕霧名残の正月』『曽根崎心中』を上演する。
2012年06月01日昨年は50歳という節目に自身の“生誕50周年”を祝う形で、新作の映画と舞台を5本発表した三谷幸喜。今年は“三谷幸喜の初ものづくし3作品”と銘打ち、初めてのチェーホフ作品の演出、初めてのロングラン『なにわバタフライN.V』、初めての文楽への新作書き下ろし&演出と、舞台作品を3か月にわたり東京・PARCO劇場で上演する。「新しいことをやってみたい」という三谷の意欲が、3つの「初」に結びついた。翻訳劇、ひとり芝居、古典芸能と全く趣向の違う3作品についての思いを三谷に訊いた。三谷幸喜の初ものづくし3作品チケット情報初めてのことばかりに挑戦しようと思ったきっかけは「去年もそうだったんですが、同じところに留まっていてはいけないと思って。僕は喜劇作家ですから、最終的には純然たるコメディに戻るつもりでいるんですけど、今はいろいろなことに挑戦してみたいんですね」と話す。日本でも人気の高いチェーホフの『桜の園』については「以前から興味はあった」そうだ。「『桜の園』は喜劇なんです。チェーホフ本人もそう書いているし。だから喜劇としてきちんと演出したい」と構想を明かす。2004年に初演の、ミヤコ蝶々をモチーフにした戸田恵子のひとり芝居『なにわバタフライ』は今回が3回目の上演で、100回公演を越えるロングラン作品となる。「ひとり芝居の堅苦しさを無くしたいというのが、最初からのテーマです。軽くさらっとやって、すごい!というものにしたい。その場で思いついてしゃべっている、そんなハイレベルまでいきたいですね」。文楽は『其礼成心中』(それなりしんじゅう)という新作を書き下ろす。もともと人形劇が好きで、NHKの『三銃士』(2009年10月から5月まで教育テレビで放送された連続人形活劇)を書いた際、文楽を見るようになったという三谷。「笑える文楽にしようと思っています。それが文楽の方たちの希望でもあるので。心中が流行ったせいで商売が傾いてしまった饅頭屋の夫婦の話です。心中しようとしている恋人たちを、親父が止めに入るって、面白そうだなって」。近松門左衛門が書いた『曾根崎心中』の裏版という設定だ。ただし、自分のことは「外部の人」とあくまで謙虚だ。「ファンとしての視点を大事にしようと思っています。(観客が)文楽で何が見たいかに立ち返りたいですね。それは、歌舞伎、ミュージカル、大河ドラマ、何をやる時にも同じです。そのスタンスは崩さないようにしようと思います」。“三谷幸喜の初ものづくし3作品”は、三谷版『桜の園』が6月9日(土)から7月8日(日)までPARCO劇場、7月25日(水)から29日(日)までKAAT神奈川芸術劇場ホールで上演。『なにわバタフライN.V』が7月5日(木)の大阪公演を皮切りに、7月11日(水)から22日(日)までPARCO劇場で上演後、宮城、北海道、石川、香川と各地を回る。『其礼成心中』は8月11日(土)から22日(水)までPARCO劇場で上演する。3作品とも東京、神奈川公演のWEB先行抽選を4月2日(月)午前11時まで受付中。なお、三谷のインタビューの全文はチケットぴあサイトに掲載。
2012年03月30日