元「オセロ」の中島知子主演で、人気番組「痛快!ビッグダディ」のビッグダディこと林下清志氏の元妻・美奈子の自叙伝を映画化した『ハダカの美奈子』の製作発表会見が8月8日(木)に行われ中島さん、美奈子さんが揃って出席した。同居人の占い師女性による“洗脳騒動”などでワイドショーをにぎわせてきた中島さんの女優復帰作で活動再開後初主演映画となる本作。発売3か月で23万部を売り上げた美奈子さんの同名自叙伝を基に、父による暴力や10代での結婚、妊娠や離婚、ビッグダディとの出会いや別れなど彼女の半生を描き出す。映画主演に先駆けて中島さんは初ヌード写真集「幕間~makuai~」を刊行することを発表しており、8月9日(金)に発売される「FRIDAY」合併号ではその一部が袋とじページで掲載される。この日の会見には森岡利行監督、映画のプロデューサーであり配給の株式会社「チャンス イン」の酒匂暢彦代表取締役社長、そして「FRIDAY」編集次長で原作の出版を手がけた講談社の奥村健太郎も出席した。ロングヘアを映画にあわせてバッサリと切って登場し「美奈子ヘアです」と笑顔を見せた中島さん。「痛快!ビッグダディ」を元々、いち視聴者として楽しんでいたそうで「楽しみにしていたファミリー番組の、あの怒涛の人生の中に自分が入ることになるかと思うと光栄です」と心境を明かす。女優業に関しては「芸能界に入ったときから本気で勉強したいと思ってた。休みをいただいていてTVに出てないので映画で頑張りたい。体当たりでやらせてもらいたい」と意気込みを語った。フルヌード写真集に関しても「鼻血が止まらないと思います。『ハアハア』言ってもらいたい(笑)」と壇蜜さんの決めゼリフを拝借して自信をのぞかせる。撮影はこれからだが、映画の中でもヌードを披露するのかについては「思い切り濡れ場を演じてみたかった。惜しみなく肉体をお見せできれば」とやる気満々。酒匂プロデューサーと森岡監督の間で描写や公開時のR指定に関して現在、話し合いを進めているとのことで、森岡監督は「気持ちとしては親子でも観てもらいたいし、おっちゃんたちにも喜んでもらいたいというはざまにいます」と複雑な心境を明かす。美奈子さんは自身の半生が映画となることについて「ただただビックリしています」と語り「子どもと一緒に楽しみにしてます。どうなるのか想像がつきません」と期待を口にする。森岡監督は「みなさん話題作りと思われるでしょうが観たときに感動できる映画を魂を込めて作りたい」と撮影を前にしての思いを語った。中島さんは、美奈子さんの波乱の半生に共感する部分や重なる思いなどを尋ねられると、「痛快!ビッグダディ」でビッグダディが見せる“高速土下座”とそれに対する美奈子さんの反応を挙げ「あのときの『ちょっと待って。どういうことなの?』って、マイペースな男に対するナイスツッコミで見ていてスッキリしました。頑張って子どもたちを育てているだけでなく『女としても生きていたい』と思う中で出てきた言葉であり、女性の思いを代弁していると思う」と熱く語った。今後について、TVにまた出演したいか?という問いに「もちろんです」と即答する一方で現在は月1回のライブにも参加するなど歌手としても活動しており「好きなことをやれている」とも。「演技を中心にやっていけたら」と女優を中心に芸能活動を行なっていくことを示唆した。なお、現時点で発表されていくキャストは中島さんのみ。撮影は8月31日(土)にクランクインの予定で今後、ビッグダディ役などが発表されていくものとみられる。『ハダカの美奈子』は11月9日(土)より公開。(text:cinemacafe.net)
2013年08月08日好きなことをビジネスにする──言葉にすることは簡単だが、実行に移すとなると難しいものだ。特に映画業界となると、映画ビジネスに興味を持ってはいるけれど、なかなか第一歩が踏み出せずにいるという声も多い。そこで、『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』、『少林サッカー』、『アフタースクール』などをヒットに導いた、元株式会社クロックワークス代表取締役の酒匂暢彦氏(現株式会社チャンス イン代表取締役)による新しいプロジェクト「PRODUCER’S LABO」を取材!映画業界で働くためのビジネス・ノウハウを身につけることのできる新しい映画学校について、主催者である酒匂氏に話を聞いた。──別所哲也(俳優)、行定勲(監督)、ビル・コン(プロデューサー)など、名だたる業界関係者から期待のコメントが届いていることからも、PRODUCER’S LABOの注目度の高さが伺えます。そもそもPRODUCER’S LABOを開校しようと思ったきっかけは何だったのでしょうか?これまでにも映画学校などで講義をしたことはあるんですが、2時間程度の講義では通り一遍の話しかできなくて、消化不良だったんです。映画業界はこういう業界なんだ、映画ビジネスはこういうものなんだ、と教えるのに2時間では足りない。学生はもちろん、転職して映画業界に入ろうと思っている人に、どうやったらこの業界に入れるのか、役に立つスキルを得られるのか、自分自身が経験したこと──会社(クロックワークス)を立ち上げて、配給・制作、映画の買い付けなど、一通りやってきた映画業界での経験を要約して伝えられたら…という思いがPRODUCER’S LABOのスタートでした。──映画について学ぶ大学・専門学校は数多くありますが、それらとPRODUCER’S LABOの大きな違いは、ビジネスに直結しているということなんですね。私自身は映画学校の出身ではないので、既存する学校でどんなことを学べるのか正確に把握はしていませんが、はっきりと言えるのは、いわゆる映画論や過去の方法論は、実ビジネスにおいて通用しません。学問として映画を学ぶことと映画ビジネスは違うんです。例えば、映画を作るにしてもどうやって企画を立てるのか、その企画をどう制作するのか、お金はどうやって集めるのか、契約はどうするのか…ビジネスに必要なことは、残念ながら学校では教えてくれない。ですから、実ビジネスに即したものを教えたいんです。企画・買い付け・資金集め、制作・配給・宣伝・回収の方法を学ぶことができ、しかも優秀な人材であればそのまま採用ということもあるでしょう。長らく人材不足と言われている映画ビジネス界の即戦力になってほしいんです。──実際に映画ビジネスで成功を収めている人たちが講師を務めることや、カリキュラムにある体験型学習というものも魅力的です。買い付け体験や英語実習も別メニューで考えています。体験型学習が必要だと思うのは、やはり自分自身の経験によるものですね。私がこの業界に入って、最初に映画の買い付けをするとなったときに、通訳を介して臨みましたが、(会話が)ちぐはぐで。経験したからこそ分かったことですが、映画ビジネスに必要な単語は100とか200。必要なのはベーシックな英会話ではなく、業界特有の必要最小限の英語です。海外の映画祭のマーケットに行くと、へたくそな英語の人はたくさんいるわけですよ(笑)。そこでも、流暢に英語を話すことよりも映画を買ったり売ったりするための情報を持っている方が断然大切だと実感しました。けれど、英語ひとつとっても実際に現場にいないと分からないことが多い。それをこの学校で教えたいんです。映画の契約書が分厚いのは何故なのか?なども分かりやすく教えます。私が日本ビクターから転職し、どうやってクロックワークスを作ったのか、クロックワークスでヒット作を世に送り出すために何をしたのかなども、講義のときは必ず話すことなので、PRODUCER’S LABOでも話したいと思います。──酒匂さんの歩んできた映画ビジネスの道を知るだけでも、相当なビジネス知識を得られそうです!また、現在の映画界に必要なもの、必要な人材は?映画はコンテンツビジネスですから、いいコンテンツ(作品)を提供しなければ当然お客さんは来ない。今年の夏の興行から分かることは──ヒットした映画は『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』、『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』、『オーズ・電王・オールライダーレッツゴー仮面ライダー』、『カーズ2』…洋画も邦画もシリーズものばかり。一から新しいものを作る能力が日本も世界も著しく落ちているということですね。ですから、新たに面白いものを生み出せる可能性を持った人たちを業界に呼び込まないとダメなんです。突出した面白さのない同じような映画ばかりが作られる背景には、DVDが売れなくなってしまったり、レンタルDVDの価格競争も影響しています。採算を取るために原作・キャスト・ジャンルがコンサバになり、本当に面白いものに投資する余裕が会社にないんです。良い映画がないと嘆くのではなくて、良い企画をどう立ち上げるか、そこに力を注ぐべきなんです。──最後に、シネマカフェ読者に向けてメッセージをお願いします。PRODUCER’S LABOに興味を持って、実際に来てもらえる生徒さんには、社会人、学生、アルバイト…様々な人がいると思います。みんな多かれ少なかれ悩んでいるはず。PRODUCER’S LABOはそういう人たちの意見交換の場でもありたいと思っています。映画業界で働きたいという思いは確かに大切だけれど、就職活動は並行してできるので、映画ビジネスの世界がどういうものなのか、試しにこの学校に来てみるのもひとつです。受講料は決して安くはないので、投資した分、道をひらくお手伝いができたらなと。もちろん、別所哲也さんや浅野忠信さんといったスペシャルコーチを始め、製作プロデューサーコース、宣伝プロデューサーコース、クリエイターコースの各コースに、映画を何本も手がけてなおかつヒットさせた人たち──私自身が話を聞いてみたいと思う講師陣が揃っています!(photo/text:Rie Shintani)
2011年09月29日