陶磁器や金継ぎ、博多人形や張り子など、その土地に古くから伝わる工芸品作りの一端を体験できる注目スポットをピックアップ。自分で手がけたアイテムは、スペシャルなお土産に。伝統を感じる素敵なアイテムを作りたい!「はかた伝統工芸館」で張り子や人形作り。博多に伝わるユニークな工芸品に触れる。古来、職人たちの手により作られてきた博多の伝統工芸品を展示する、はかた伝統工芸館。美しい模様の博多織や、力強さのある博多人形、かわいらしさを備えた博多張子などが代表的だが、その体験教室を実施中。これまで、博多織の小さながま口作り、お相撲さんやハリネズミなど博多人形の絵付け、くじらなど博多張子の絵付けなどが行われて参加者からは大好評!手を動かしながら魅力を学ぼう。参加者が作った博多人形や博多張子は愛嬌抜群!体験教室は、毎月第1・2・3日曜の14:00~16:00に開催、参加希望者は工芸館へ連絡を。料金は内容次第で異なるため確認を。福岡県福岡市早良区百道浜3‐1‐1福岡市博物館内2FTEL:092・409・54509:30~17:30(最終入館17:00)月曜、年末年始休入館料は無料「STUDIO 894」で招き猫の絵付け。福を呼ぶ縁起物を、自分の好きなデザインに。今年9月、焼き物で知られる愛知県瀬戸市に、瀬戸の焼き物体験型複合施設がオープン。国内外で活躍するアーティストの個展を行うギャラリーや、瀬戸の器で提供するコーヒースタンドがあり、ワークショップスペースでは、瀬戸の焼き物に本格的な絵付けをする体験ができる。おすすめは、招き猫に好きな表情や柄を描くもので、人によってまったく違うテイストに仕上がるのが面白い。ぜひトライして。ワークショップスペースには、職人による作品など焼き物がずらり。どんなデザインにするかを考える時間も楽しいもの。一筆ごとに自分の招き猫への愛情が募ります。愛知県瀬戸市薬師町110:00~17:00(ワークショップ最終受付15:30)火曜、年末年始休絵付け体験¥1,000~2,500所要時間は約1時間ホームページで事前予約「界 加賀」で金継ぎ体験。風情のある工房で金継ぎの工程にチャレンジ。石川県の山代温泉にある温泉旅館「界 加賀」の施設内に、金継ぎを行う工房が誕生。金継ぎとは、ヒビなど陶磁器の破損した部分を漆によって接着し、金などの金属粉で装飾する修復技術のこと。宿泊すると、職人の作業を見学するだけでなく、「埋め」「粉蒔き」「固め」など修復工程の一部に参加できる「金継ぎいろは」も用意されている。実際にやってみることで、金継ぎの奥深さを知ることができるはず。金継ぎ体験を行う工房は紅殻色の格子と壁が美しく、壁には、実際に使う道具類が展示されている。趣のある空間自体も楽しみたい。体験できる内容は、その日の作業状況によって異なるので確認を。石川県加賀市山代温泉18‐47TEL:050・3134・80921泊¥31,000~(2名1室利用時1名あたり、夕朝食付き)金継ぎ工房での体験「金継ぎいろは」は無料※『anan』2023年10月25日号より。文・重信 綾(by anan編集部)
2023年10月22日陶芸家・金継ぎ師・ガラス工芸師などの肩書をもつ「セラミックアーティスト」中野拓のアトリエで体験できる「簡易金継ぎ体験」のチケットが、前日・当日のチケット販売を行う「TKTS」4店舗(運営:ロングランプランニング株式会社、東京都新宿区、代表取締役:榑松 大剛)で発売中です。TKTSにてチケット発売中 流行の最先端エリア表参道で世界が注目する伝統工芸のニューウェーブ中野拓が創発する「コンテンポラリーセラミックアーツ」簡易金継ぎ体験<江戸小紋の豆皿コース>時間:約90分受講料、材料費、全て込み:¥7,350(一人)※2名以上でご予約お願いします。※1名様でご予約の場合は、明治大正骨董品コースをお申込みください。金継ぎを施した豆皿は、観賞用持ち帰りケースに入れてその日にお持ち帰りできます。<明治大正の骨董品(日本酒器)コース>時間:約90分受講料、材料費、全て込み:¥12,250※1名様よりご予約いただけます。公演ホームページ 期間:2023年6月23日 (金) 〜2024年3月31日 (日)場所:中野拓アトリエ(東京都港区南青山3丁目8-2)【取扱店舗】TKTS 東急歌舞伎町タワー(東京都新宿区歌舞伎町1丁目29-1東急歌舞伎町タワー1階エントランス前)TKTS 渋谷(東京都渋谷区道玄坂2丁目1-1SHIBU HACHI BOX内)TKTS 浅草文化観光センター(東京都台東区雷門2-18-9浅草文化観光センター1階)TKTS 丸の内東京シティアイ(東京都千代田区丸の内2丁目7-2KITTE地下1階)中野拓プロフィール流行の最先端、表参道(東京)にスタジオを構える異色の陶芸家。独自の世界観を器づくりに置き換えることにより、「誰も見たことが無い器」を生み出し続けている。陶芸家だけでなく、金継ぎ師、ガラス工芸師としての一面も持つ。類い稀な「セラミックアーティスト」。日本をはじめ世界でも類を見ない流行の最先端エリア表参道の空気と呼応し、日々新たな創作を生み出している。日本経済新聞「NIKKEI The STYLE」「世界が注目する、伝統工芸のニューウェーブ」と紹介。【中野拓経歴・実績など】 TKTSについて1973 年に NY タイムズスクエアにオープンした、ミュージカルや演劇の公演チケットを当日・翌日分限定で割引販売するチケット販売ブースです。当社はニューヨークで「TKTS」を運営する「Theatre Development Fund」から 2019 年に公認を受け、同年 8月29日(木)に日本版「TKTS」の運営を開始しました。現在は渋谷駅ハチ公前広場など全国に8店舗(東京7店舗・福岡1店舗)を展開しています。当社はこの「開演直前までの販売」「割引価格」という特長を通して、どんな方にもライブエンタテインメントをもっと気軽に楽しんでいただける世の中を作り、「今日観劇しよう」を当たり前にすることをミッションとしています。URL: 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2023年07月19日金継ぎ工房(界 加賀)石川県山代温泉の温泉旅館「界 加賀」に、2023年4月19日、伝統的な金継ぎで大切な器を守る「金継ぎ工房」が誕生します。温泉旅館の内部施設に金継ぎをする専用の場所が誕生することは、日本で初めてとなります。金継ぎとは、陶磁器の破損部分を漆によって接着し、金などの金属粉で装飾して仕上げる日本の伝統的な修復技法のこと。金継ぎ工房では、合成樹脂を含まない天然漆で仕上げる本格金継ぎで、スタッフが自ら、器の修復を行います。宿泊ゲストは作業を見学や、修復工程の一部を体験でき、温泉旅館でのくつろぎの時間の中で、金継ぎの技法や背景となる歴史、それによって深みを増す器の趣に気づくひとときを過ごせます。背景界 加賀では、当館ゆかりの文化人である北大路魯山人の「器は料理の着物」という言葉に倣い、器と料理のマリアージュにこだわり、器を宝物として大切に扱っています。2015年の開業当初に地元の九谷焼、山中塗の作家に依頼し、多くの器を作っていただきましたが、毎日使用することにより、どうしても器の劣化や破損が生じてしまいます。それを廃棄するのはもったいないと感じた元蒔絵師のスタッフが、自分たちの手で大切な器を守っていくことを目的に2019年から金継ぎの技術を広めました。今では金継ぎができるスタッフは全体の半数を超え、修復を行った器の数は300点以上にもなります。今後も界 加賀のスタッフが器を宝物としてとらえ、より本格的に取り組んでいくため、金継ぎ工房を誕生させることになりました。金継ぎ工房の特徴特徴1天然漆で伝統的な金継ぎを行う工房漆とは、ウルシの木から採れる樹液のこと。界 加賀の本格金継ぎは、天然漆をはじめとした自然の素材のみを使って器を継ぐ伝統的で難易度の高い金継ぎを指します。合成樹脂で器を接着し、短期間で器を修復することもできますが、私たちは作家に作っていただいた大切な器を永く、そして安心してお客様に使っていただけるよう天然漆を使った伝統的な金継ぎにこだわります。特徴2使命感あふれるスタッフが、金継ぎ技術を習得中金継ぎ工房で器を継ぐのは、温泉旅館のスタッフとして接客サービスを行う界 加賀のスタッフ自身です。天然漆を使用した金継ぎは難易度が高く、指導者レベルになるには年月がかかりますが、地元の金継ぎ作家である中岡庸子氏を講師に招き、スタッフが日々学び続けながら活動しています。地元の作家が心を込めて作ってくださった大切な器を守ることと、金継ぎ技術を継承していく思いを胸に、失敗を重ねながら技術を磨いてきました。中には、本に習い、地元の金継ぎ教室に通い、自発的に技術を磨いたスタッフもいます。漆で接着する本格金継ぎは、1つの器を継ぐのに少なくとも1か月以上を要する根気のいる作業ですが、スタッフは破損が生じた器にも愛着を持ちながら大切に修繕活動に取り組んでいます。スタッフバヨデスティボカロリーヌ界 加賀に来て初めて金継ぎについて知り、漆や九谷焼について教えてもらううちに、器の大切さをより深く感じるようになりました。金継ぎ工房が誕生することにより、地元の作家さんが手間暇をかけて制作している器をより大切にし、お客様には日本の伝統のひとつである金継ぎを紹介できることを楽しみにしています。スタッフ野口ひな金継ぎでは、割れたお皿だけではなく、その皿に詰まった持ち主の思い出や歴史も繋いでいると思えるのが魅力だと思っています。割れても直せることを知ると、躊躇なく気に入った器を購入することができ、食事時間を華やかにすることができます。金継ぎを知ったお客様が旅先で出会った器を持ち帰り、欠けても直しながら、器との思い出をつくってほしいと思っています。特徴3宿泊ゲストが金継ぎの一部を体験できる「金継ぎいろは」金継ぎいろはでは、金継ぎの歴史や道具、界 加賀とのつながりの説明をスタッフから行います。その後、本格金継ぎの一部を体験できる時間を設けます。お客様が体験できるのは、金継ぎの数ある工程のうち3工程のどれかです。その3行程とは、欠けた器を漆のパテで埋める「埋め」、継いだ部分に金粉を蒔く「粉蒔き」、蒔いた金粉を漆で固める「固め」の工程です。漆は湿度や気温により、硬化するまでに数日から1週間かかることもあり、その日の作業状況により体験できる内容は異なります。金継ぎの一部を実際に体験していただくことで、金継ぎ技術の難しさ、奥深さを自身の手で体感することができます。開催日:毎日15:30~30分費用:無料定員:6名特徴4約200年前に建てられた登録文化財の古建築と展示品のこだわり紅殻格子が特徴の界 加賀の伝統建築棟は、国の登録文化財で、文政年間(1818~30年)に建築されたと言われています。金継ぎ工房誕生にあたってのリニューアル工事は、紅殻色を基調とした外観はそのままに、表通りからの景観との一体感にこだわりました。窓からはスタッフが器を修復している様子を見ることもできます。また、内装も格子の色と合わせた紅殻色の壁とし、壁には実際に金継ぎで使う道具類を展示しています。展示している道具や器は、金継ぎや漆の専門家からの助言のもと、1点1点念入りに揃えました。金継ぎ技法専門家中岡庸子氏加賀市の漆工芸大下香仙工房(現:漆工芸大下香仙株式会社)で蒔絵を学び、その後蒔絵の修復について学びに漆芸家 更谷富造氏に師事。金継ぎを中心に、漆を使った表現など創作活動をしている。金継ぎ工房開業へのメッセージ「プロジェクトが始まる前から、金継ぎ教室にきてくださっていたスタッフの方を通じてご縁をいただき、この度スタッフの皆様と金継ぎをさせていただくこととなりました。界 加賀の金継ぎを待つ器の数々を拝見させていただいた時、一つ一つの器に謂れがあり、器の作家のことや盛るお料理についてお話される様子から、日々お客様にどのように季節や文化を滞在中楽しんでいただくかを大切にされていることが伝わってきました。そのような大切な器を、これからスタッフの皆様自身で継いでいける場所ができたこと、心よりお祝い申し上げます。スタッフの学びの場所を作ることで文化の担い手の裾野を広げていかれるという取り組みに驚き、そのような機会にお声がけいただいたことも嬉しく感じております。」漆の専門家堤淺漆店森住健吾氏明治42年創業。日光東照宮をはじめ、国宝・重要文化財建造物の修復に漆を卸す京都の漆原材料店。日本産漆精製シェアNO.1。国内外の漆芸家や職人に漆や漆工材料を販売する一方で、自宅で出来る体験キット「金継ぎコフレ」が大ヒット。漆普及活動「うるしのいっぽ」や「URUSHI×SURF」「URUSHI×SKATE」「URUSHI×BMX」など漆の新しい価値観や可能性を発信。三井ゴールデン匠賞受賞。ホームページ: 金継ぎ工房開業へのメッセージ「旅館オープン当初から使い続ける、地元・九谷焼職人さんが手掛けた器。それらが割れたり欠けてしまった時、スタッフ自らが金継ぎによって新しい命を吹き込み、また使い続ける。こんな素敵な取り組みを本格的にスタートされるとお聞きし、私たちも大変共感致しました。業界に先駆けたこの素晴らしい取り組みに賛同し、微力ながらお手伝いさせて頂けたこと、心から感謝申し上げます。この「金継ぎ工房」が、界 加賀とお客様、地域、伝統文化との「つなぎ」役になり、益々発展されることを願っております。」SDGsへの貢献について星野リゾートは経済価値と社会価値を両立する CSV 経営(CSV:共通価値の創造)が重要だと考えています。SDGs(SDGs:持続可能な開発目標)をCSV経営を促進するためのフレームワークとして捉え、各施設でさまざまな取り組みを推進しています。界 加賀の金継ぎに関する取り組みは、SDGsの目標12「つくる責任、つかう責任」に寄与することを目指しています。「金継ぎ工房」概要オープン日:2023年4月19日時間:見学15:00~17:30金継ぎいろは15:30~30分間定員:金継ぎいろは6名対象:宿泊者、12歳以上を対象予約:金継ぎいろは当日現地フロントにて予約料金:無料詳細:[ ]{ }界とは「界」は星野リゾートが全国に展開する温泉旅館ブランドです。「王道なのに、あたらしい。」をテーマに、季節の移ろいや和の趣、伝統を生かしながら現代のニーズに合わせたおもてなしを追求しています。また、その地域の伝統文化や工芸を体験する「ご当地楽」や、地域の文化に触れる客室「ご当地部屋」が特徴です。2022年11月に、21施設目となる「界 出雲」が島根県・出雲ひのみさき温泉、22施設目となる「界 雲仙」が長崎県・雲仙温泉に新規開業しました。URL:[ ]{ }界 加賀(石川県・山代温泉)加賀水引・加賀友禅などの伝統工芸をちりばめた客室や、スタッフが披露する加賀獅子舞など、伝統とモダンが融合した宿。山中漆器や九谷焼の器で料理とのマリアージュを楽しめます。名物料理「活蟹のしめ縄蒸し」は、ミシュランガイド富山・石川(金沢)に紹介されました。所在地:〒922-0242 石川県加賀市山代温泉18-47電話:050-3134-8092(界予約センター)客室数:48室・チェックイン:15:00/チェックアウト:12:00料金:1泊31,000円~(2名1室利用時1名あたり、サービス料・税込、夕朝食付)アクセス:加賀温泉駅よりタクシーで約10分/小松空港より車で約30分URL:[ ]{ } 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2023年04月14日石川県山代温泉の温泉旅館「界 加賀」は、来たる2023年4月19日に、館内に「金継ぎ工房」をオープンします。金継ぎとは、陶磁器の破損部分を漆によって接着し、金などの金属粉で装飾して仕上げる日本の伝統的な修復技法のこと。界 加賀に新しくオープンする「金継ぎ工房」では、金継ぎにまつわる文化を知り、初めてでも金継ぎ技術を用いた器の修復体験ができます。温泉旅館でのくつろぎの滞在時間の中で、金継ぎの技法や背景となる歴史、それによって深みを増す器の趣や、自分でもできるお直しを知ることができ、充実した旅時間を過ごせます。「金継ぎ工房」イメージ背景界 加賀では、夕朝食の器はもちろんのこと、客室の茶器にも、九谷焼などをはじめ貴重で芸術的にも価値の高い器を使用してきました。これらの九谷焼の器に、欠けや割れが生じたとき、すぐさま廃棄とせず、スタッフ自らの手によって、金継ぎで修復する活動を行ってきました。これまでに300を超える館内の器の修復を行っています(2023年1月現在)。このような活動を土台にし、2021年には、滞在ゲストに、器にほどこされた金継ぎの解説「金継ぎ語り」、金継ぎされた抹茶椀を使った「独服体験」、金継ぎでアクセサリーを作るワークショップなども開催してきました。これらの活動を経て、さらに深い体験を提供したいという思いから、館内の一部施設を改装し、新たに「金継ぎ工房」を設けることになりました。金継ぎ工房で体験できること新たに設けられる「金継ぎ工房」では、金継ぎにまつわる文化を知り、初めてでも金継ぎ技術を用いた器の修復体験をすることができます。指南役は、これまで数々の器を繕ってきた界 加賀スタッフ自身。器とおもてなしへの熱い想いを抱くスタッフだからこそ持っている視点で、日々の器の修復作業で得た知見や技術を、滞在客に伝えていきます。金継ぎ工房を新設する伝統建築棟について金継ぎ工房は、細かな木を縦と横に組み合わせた加賀地方の伝統的な建築様式「紅(べん)殻(がら)格子(ごうし)」を持つ伝統建築棟内に設けられます。この伝統建築棟は、文政年間(1818~1830年)に建築され、加賀藩主や美食家北大路魯山人も逗留したという由緒ある建物です。2014年の大規模な修復工事では、わずかに傾いていた建物を立て直すため柱や梁を1本1本取り外し、もう一度組み直す過程で丁寧に塗りも施しています。この伝統建築棟の趣はそのままに残しつつ、内部の改装を行い、金継ぎ工房を新設します。「器は料理の着物」という教えかつて界 加賀の前身である白銀屋に滞在した美食家北大路魯山人は、「器は料理の着物」といった言葉を残しました。そのこだわりを体現すべく、界 加賀では、色鮮やかな九谷焼と料理のマリアージュをテーマに料理を提供しています。魯山人が料理を扱うものは器への関心も高くあるべきと説いているように、界 加賀のスタッフは九谷焼の知識も学びます。器ひとつの制作にかかる膨大な手間や時間、職人が込めた思いを知っているからこそ、器は界 加賀の宝として扱ってきました。器は日々大切に扱われていますが、長い間使い続けることによってどうしても欠けやひび、割れが生じてしまうことがあります。料理がより美しくみえるように一品ずつに合わせて選んだ器で、かつ、丁寧に手作りされた貴重なものだからこそ、長く使い続けたい。魯山人のこだわりやこの地が伝えてきた文化を継承していくために、金継ぎという器を鮮やかに修復できる技法に着目し、界 加賀の宝である器を、スタッフ自ら守り続けていくことにしました。活動は、スタッフ同士で広まり、これまでに修復した器は、300を超えています。SDGsへの貢献について星野リゾートは経済価値と社会価値を両立する CSV 経営(CSV:共通価値の創造)が重要だと考えています。SDGs(SDGs: 持続可能な開発目標)をCSV経営を促進するためのフレームワークとして捉え、各施設でさまざまな取り組みを推進しています。界 加賀の金継ぎに関する取り組みは、SDGsの目標12「つくる責任、つかう責任」に寄与することを目指しています。「金継ぎ工房」概要オープン日:2023年4月19日詳細:[ ]{ }先行取材のご案内当工房の新設に際し、報道関係者向けの先行取材、内覧会について取材申込を受け付けます。日時:先行個別の取材案内:4月9日~18日内覧お披露目会:4月13日12時半受付13時開始「界」とは「界」は星野リゾートが全国に展開する温泉旅館ブランドです。「王道なのに、あたらしい。」をテーマに、季節の移ろいや和の趣、伝統を生かしながら現代のニーズに合わせたおもてなしを追求しています。また、その地域の伝統文化や工芸を体験する「ご当地楽」や、地域の文化に触れる客室「ご当地部屋」が特徴です。2022年11月に、21施設目となる「界 出雲」が島根県・出雲ひのみさき温泉、22施設目となる「界 雲仙」が長崎県・雲仙温泉に新規開業しました。URL:[ ]{ }界 加賀(石川県・山代温泉)加賀水引・加賀友禅などの伝統工芸をちりばめた客室や、スタッフが披露する加賀獅子舞など、伝統とモダンが融合した宿。山中漆器や九谷焼の器で料理とのマリアージュを楽しめます。名物料理「活蟹のしめ縄蒸し」は、ミシュランガイド富山・石川(金沢)に紹介されました。〒922-0242 石川県加賀市山代温泉18-47/客室数 全48室[ ]{ } 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2023年02月03日リモージュ磁器を代表する「ベルナルド(BERNARDAUD)」から、「キンツギ(KINTSUGI)」シリーズの新作が2021年10月1日(金)より登場。伊勢丹新宿店 本館、日本橋高島屋 S.C. 本館、玉川高島屋 S.C 本館、三越日本橋店 本館にて販売される。日本の伝統技法“金継ぎ”に着想を得たリモージュ磁器1863年、フランス・リモージュで創業されて以来、格調高い伝統工芸技術を継承しながらも、フランスらしいクリエイティブな感性が光るコレクションを展開してきた「ベルナルド」。常に新しい磁器を提案し続けてきた「ベルナルド」は、これまで多くのアーティストやデザイナーたちとコラボレーションを展開してきた。その中でもアーティストのサルキス(SARKIS)とタッグを組んで完成させた「キンツギ」は、「ベルナルド」で人気を博すコレクションのひとつ。その名の通り、磁器の破損部分を漆と金で修復し、その痕をあえて見せる日本の伝統技法“金継ぎ”に着想を得た、和洋食どちらにも合うデザインが特徴だ。新作では、赤がベースの「キンツギ ルージュ エンペラー」と黒がベースの「キンツギ シャルボン(炭)」のプレートやカップ&ソーサーをラインナップ。さらに白をベースとする定番の「キンツギ」には5型のテーブルウェアが仲間入りする。どのアイテムも、パーティーシーズンや、年末年始の華やかなお祝いの席にもぴったりの逸品となっている。【詳細】「キンツギ」シリーズ発売日:2021年10月1日(金)価格:・キンツギラウンド タルトプラター 32cm 44,000円ケーキプレート スクエア 37cm 44,000円ポット 1L 67,100円シュガーボウル 50,600円エスプレッソ カップ&ソーサー 15,400円・キンツギ ルージュ エンペラーデザートプレート 21cm 14,300円カップ&ソーサー 22,000円エスプレッソ カップ&ソーサー 19,800円・キンツギ シャルボンデザートプレート 21cm 14,300円カップ&ソーサー 22,000円エスプレッソ カップ&ソーサー 19,800円■取り扱い店舗・伊勢丹新宿店 本館5階 キッチンダイニング特選洋食器住所:東京都新宿区新宿3-14-1TEL:03-3352-1111(代表)・日本橋高島屋 S.C. 本館7階 特選洋食器住所:東京都中央区日本橋2-4-1TEL:03-3211-4111(代表)・玉川高島屋 S.C 本館5階 特選洋食器住所:東京都世田谷区玉川3-17-1TEL:03-3709-3111(代表)・三越日本橋店 本館5階 ギャラリーライフマイニング住所:東京都中央区日本橋室町1-4-1TEL:03-3241-3311(代表)
2021年09月17日トリッペン(Trippen)から、日本の伝統技法“金継ぎ”から着想したウィメンズ・メンズシューズが、トリッペン原宿店などで発売される。日本の“金継ぎ”から着想したレザーシューズ“金継ぎ”とは、日本の伝統的な修復技法で、割れた陶磁器の傷跡をあえて目に見える形で継ぎ直し、そのものの価値を高めるというものだ。トリッペンの2021-22年秋冬コレクションには、そんな“金継ぎ”からインスピレーションを得たシューズがラインナップする。ウィメンズで展開される「Wallop f」は、丸みを帯びたクラシックな見た目のシューズ「ダービー(Derby)」を再構築。真っ二つに裂かれたようなアッパーの隙間から上品な金が覗く、ユニークなビジュアルに仕上がっている。ソールの中心が突き出たハーフブーツ「Broken f」は、形の異なるレザーパーツを継ぎ接ぎしたようなデザインの1足。また、レースアップブーツ「Kintsugi f」は、裂けて開いた縫い目を“金継ぎ”によって修復している。メンズの「Break m」は、アッパーからソールまでブラックで統一したクラシックなキャップトゥシューズがベース。割かれた縫い目に金を配し、デザインにアクセントを効かせている。【詳細】トリッペン「金継ぎ」インスピレーションモデル販売店舗:トリッペン(原宿店、名古屋店、神戸店)、ハリス京都価格:<ウィメンズ>・Wallop f 59,400円・Kintsugi f 61,600円・Flaw f 63,800円・Broken f 77,000円<メンズ>・Wallop m 61,600円・Break m 59,400円【問い合わせ先】トリッペン原宿店TEL:03-3478-2255
2021年08月23日ファッション雑誌販売部数トップシェア(※)の株式会社宝島社(代表取締役社長:蓮見清一本社:東京都千代田区)が発行するムック『簡単!おうちで金継ぎ』(2020年8月27日発売)が、2刷1万5000部と売れています。『大人のおしゃれ手帖特別編集簡単!おうちで金継ぎ』2020年8月27日発売/価格:本体3800円+税大人のおしゃれ手帖特別編集 簡単! おうちで金継ぎ│宝島社の公式WEBサイト宝島チャンネル欠けたり、割れたりした器を蘇らせるための伝統的な修復技法「金継ぎ」。本書は、金継ぎが初めての方でもうまくいく、初心者キットが付録になったムックです。入門編として、ひびを修復し、金継ぎで一番楽しい「色付け」工程にチャレンジできるようになっています。(※)日本ABC協会雑誌発行社レポート2020年上半期(1~6月)より世界中から注目を集める「金継ぎ」金継ぎはその見た目の華やかさから、最近では、茶器だけではなく日常使いの食器を修復したり、雑貨やアクセサリーに応用してデザインを楽しんだりする人が増えています。また、日本はもちろん海外でもハウツー動画や金継ぎをテーマにした作品が多数作られており、その美しさだけでなく、金継ぎのもつコンセプトや心身に及ぼす効果にも注目が集まっています。「壊れても修復する」をテーマに世界で使われています!・日本ドラマのヒロインの趣味として・グテーレス国連事務総⾧の国際平和デー演説・イタリアの自動車メーカーのCM・フィリピンの恋愛映画のテーマ・ロサンゼルスのバスケットコートのデザイン・イギリスのアーティストの楽曲Instagramで7.3万件の投稿!冬休みや年末年始に、「金継ぎ」で豊かな時間を♪初心者でも失敗せずにできる「ひび」の修復においても、合成うるしを使った修復に約1日、金粉を塗って乾かすのに約2日と、金継ぎには3日程度かかります。室内で完結するため、これからの季節や、年末年始にチャレンジする趣味にピッタリです。また、手軽に日本の伝統文化に触れ、物を大切にする精神を学べるので、お子様と一緒に楽しむのもおすすめです。企業プレスリリース詳細へ TIMESトップへ
2020年12月23日みなさん、「金継ぎ」という言葉をご存知でしょうか?なかなか聞きなれない言葉なので、初めて耳にする方も多いのではないかと思います。この「金継ぎ」というものは、割れたり欠けてしまったりした器を修復する技法で、古くから日本で培われてきた独自の修復方法です。今回は、あまり馴染みがないこの修復技法が自分でも出来るということで体験してきました!古くから伝わる修復方法「金継ぎ」割れてしまった器。タイムマシンがない今の時代は、そのまま我慢して使うか、捨てるかしか選択肢がない人が多いのではないでしょうか?しかし、日本古来の伝統技術は欠けてしまったり、割れてしまった器を修復して使っていました。まず、割れてしまった部分に漆を使い接着剤として付着。後から破片をくっ付けて修復する、といった技法です。割れだけでなく、ちょっとした欠けについても、その部分に足りない分だけ足すことで元の状態に復元することができます。ちなみに、今回修復する器はこの通り、側面が2点欠けています。祖父から母、そして私へと譲り受けた思い入れのある茶碗。捨てたくない、ということで修復業者に見積もっていただいたところ、かなりの高額に。祖父からは、「家族の器なんだから自分で修復してみたら?」とアドバイスをもらいましたが、どうやって修復すればいいのか途方にくれていました。そんな中、〔東急ハンズ渋谷店〕で開催された「金継ぎのワークショップ」に伺うことになりました。当日は、播与膝行(はりよしっこう)という漆や、金継ぎ教室を開催されている、器補修の先生が金継ぎのセットを使いながら実演してくれました。さっそく金継ぎに挑戦「金継ぎ」はまず接着剤を自分で作ることから始まります。金継ぎの方法は何種類かありますが、今回は刻苧付け(こくそつけ)と呼ばれる技法でした。すべて天然の材料を使用し、漆を混ぜたペースト状の接着剤となるものを作っていきます。透漆(すきうるし)、ご飯粒、刻苧綿(こくそわた)、木粉を混ぜてペースト状にします。ご飯粒が古くから接着剤になるのは知っていましたが、まさか器の補修にも使えるとは、驚きです。ご飯粒を除き、これらの材料は金継ぎセットの中に入っているとことでした。ペースト状になったら、ヘラを使って欠けた部分に付けていきます。はみ出た部分を削り取り、器の形を整えます。こういった欠けた器であれば、まずはパーツを組み合わせ、穴がないかを念入りにチェックします。足りない部分に多めに漆をつけ、器としての機能を復元します。その工程が終わったら、2週間乾燥させます。金継ぎの由来の金装飾乾燥が済んだら、ここからは金をつける作業です。使用するのは、本物の金粉です。勘違いされがちですが、金自体には接着能力がなく漆をそのままに補修して放置すると美しくない、ということで金装飾されるようになったそうです。はじめに、弁柄漆(べんがらうるし)を欠けた部分に薄く均一に塗っていきます。これが器(漆部分)と金をつなぎ合わせる接着剤になります。その後30分乾燥させ、真綿に金粉をつけて、そっと乗せるように金を付けていきます。金粉は、今でこそ購入できる高価な材料ですが、古くは入手すら難しい貴重な材料でした。そのため、白い紙などを敷いて金がこぼれてもわかりやすいような状態で作業します。余って落ちた金は再利用できるとのことで、最後のひとつまみまで大切にしながら補修をしていきます。3日ほど乾燥させたら完成です。捨てるしかなかった器が再び復活するずっと愛用していきたい器は多くのひとにあるはず。このように美しく、きれいに修復できるのは本当に嬉しいです。今回の体験を通して、金継ぎすることで一度壊れてしまったものでも新たな美しさを添えられる、ということに感動しました。こうした洋風のお皿や、陶磁器などでも金継ぎはできるとのこと。完全に割れてしまったコップを持ってきた人もいらっしゃいましたが、ジグゾーパズルを作るかのように、見事に修復していました。さいごにお気に入りの茶碗や、頂いた茶器、はたまた引き出物など、壊れてしまったけれど捨てることができない食器は眠っていませんか?ちょっとしたヒビや欠けはもちろん、先ほどのコップのように激しく割れた物も金継ぎによって修復することができます。しかも、破片が全てなくても小さいものなら漆で隙間を埋めることもできるので、大抵のものは修復可能です。割れた部分を自分で修復できれば、より愛着が湧くもの。日本古来の修復技法をあなたも体験してみませんか?
2017年10月26日「金継ぎ」とは破損してしまった陶器の破片を、接着しなおし継ぎ目に金をあしらって修復する技法で、古くから行われてきた。イギリスのアーティスト、シャーロット・ベイリー(Charlotte Bailey)はその技法にインスパイアを受け、自身のアレンジを施した作品を完成させた。刺繍アーティストとして活動する彼女が制作した「金継ぎ」の作品は、自身のウィローパターン(柳が細かく描かれた模様)の陶器を誤って割ってしまったことがきっかけだった。西洋は「使い捨て」の文化とされ、作品に用いられた技術や、それらが持っている社会や文化における重大で価値のある役割を評価することはほぼないのだそうだ。彼女は破損してしまった陶器を修復し、新たな美しさを与え生まれ変わらせる金継ぎの技術と、西洋の考え方との違いに大きく感銘を受けたという。彼女の作品は、破片を布で包みそれぞれを金の糸で縫い合わせて元の形に修復するというもの。ボンドなどは一切使用しておらず、縫う事だけで完成させた。制作の行程には多大な忍耐が必要で、金継ぎ師の技術とそのクラフトマンシップについて深く考える時間を与えてくれた、と彼女は語ってくれた。“HANGING BY A THREAD EMBROIDERY”という名義で活動するシャーロットは、複雑で細かい刺繍を得意としているそうだ。彼女のFacebookページでは、刺繍を立体物にした作品やお菓子のパッケージのパロディ、ビール瓶のラベルなど様々なものを刺繍として表現している様子が日々アップされている。※本記事は (引用元: , に許可を得て、翻訳・執筆を行っております。
2016年05月27日リビタが運営する街のシェアスペース「BUKATSUDO」は、オープン1周年を記念して、これまで行われた人気講座やワークショップなどを凝縮したイベント「BUKATSUDO文化祭」を開催する。開催日時は2015年6月14日11:00~18:00。会場は神奈川県・横浜の横浜ランドマークタワー ドックヤードガーデン内の同スペース。入場料は500円(1ドリンク付き、中学生以上)。本イベントは、「大人の部活が生まれる街のシェアスペース」をコンセプトに運営されてきた同施設の"これまで"を凝縮した文化祭。当日は、参加型コンテンツとして「ナカムラクニオの金継ぎワークショップ」(事前予約制、参加費2,500円)や「彦坂木版工房の木版画多色刷り体験」(予約不要、参加費300円)といった人気ワークショップが多数開催されるほか、レンタルルーム「BUSHITSU」入居者らによる活動紹介を兼ねた企画として「3Dプリンター体験会&ミニワークショップ」や、「15min.メイクアップ ワンポイントアドバイス」(いずれも予約不要)などが行われる。また、人気講座から生まれた"BUKATSU"の体験入部も可能。参加するのは「場をつくる選曲講座」から創設されたレコード部、「半歩先のコーヒー講座」から生まれたコーヒー部、月1回の活動でコミュニケーションを深めている餃子部といった部活となっている。さらに同施設クリエイティブ・ディレクターの内沼晋太郎氏が人気講座の講師陣をゲストに迎える連続トーク「内沼晋太郎トークスタジオ」も開催予定。俳人・堀本裕樹氏を招いた「俳句とBUKATSUDO」やコピーライター・阿部広太郎氏による「企画メシとBUKATSUDO」、音楽ライター・松永良平を招いた「今日いちにちでわかる、レコードの聴きかた・ 探しかた・楽しみかた」などが、続々と展開される(一部有料)。このほか、受講生による成果発表の場を兼ねた古本市や写真展、句会なども公開予定。イベントの詳細および事前申込は、本イベントのFacebookページまたは公式サイトまで。
2015年06月04日ちょっとしたことで欠けたり、うっかり割ってしまったけど、愛着があって捨てられずにしまってある陶磁器のひとつやふたつ、誰もがお持ちなのではないでしょうか。私もしかり。大事な器を金継ぎに出して修理して使っていますというアラフォーもいらっしゃるかもしれませんね。ですが、本漆や本物の金、金箔などを使った本格的な金継ぎは、完成させるまでに何か月もかかり、値も張るため、興味はあったけれども、自分ではトライできずにいました。本来の金継ぎとは、欠けたりひびが入ったり、割れてしまった陶磁器や漆器を天然の漆などで接着し、継ぎ目を金や銀、真鍮などで飾る日本独特の修理方法。室町時代に茶道の普及とともに盛んになったと言われており、修理した継ぎ目を景色に見立てて楽しむなど、割れる前と異なる表情を楽しむことができます。今回、新うるしを使い、初心者でも簡単にできて、料金も手ごろ、さらに1回の講座参加で完成という“超簡単な金継ぎ”のワークショップがあると知り、参加してみました。工程は基本3ステップ。1~2時間ほどで完成講師は、東京・荻窪にあるブックカフェ「6次元」の店主、ナカムラクニオさん。ナカムラさんは、陶磁器の研究や修復も手がけていて、自分で手軽にできる新うるしを使った金継ぎを提案。日本各地のギャラリーやカフェなどでうつわの修復を指導されています。また、「6次元」でも金継ぎワークショップや修理の依頼を受けつけているのだそう。まず用意する材料は、・エポキシパテ・新うるし・金粉(真鍮粉)・薄め液・耐水サンドペーパー 粗目と細目・細筆(0号)・絵皿・マスキングテープなど。どれも画材ショップやDIYショップなどで手に入り、全て揃えても¥3,000程度。<STEP1> 欠けや割れをエポキシパテと接着剤でつける2層に分かれたエポキシパテを指でこねて混ぜ合わせ、欠けた部分に埋め込む。ひびには押し付けて表面を平らに。割れたものは接着剤で張り付けて、マスキングテープで補強。乾いたら、接着面にエポキシパテを塗り込み、ひびの場合と同様に平らにする。パテは速乾性なので、乾かないうちに、はみ出たパテを拭き取る。<STEP2> 接合部分の表面を磨くパテが固まったら、耐水性のサンドペーパーに水をつけながら、接着面をこすり、表面を滑らかにする。和食器は本体そのものを削ってしまわないよう注意が必要。<STEP3> 新うるしで仕上げる新うるしと金粉(真鍮粉)を1:1の割合で小皿に入れ、少しずつ薄め液を加えながら混ぜる。粘り気が出てきたら、極細の筆(0号)を使って、パテの上に塗る。約2時間で、基本的には終了。1~2日置いてしっかり乾燥させてから、つやを出すため金継ぎ部分にオリーブオイルなどの植物油を塗って、柔らかい布で磨けば完成。想像していた以上に簡単にできたのにびっくり。講師のナカムラクニオさんによると、絵柄のある器は、柄と金とのコントラストを考えながら、継いでいく面白さもあるそう。さらに、本来の金継ぎの歴史やエピソードなど、新手法以外のお話もある、楽しいワークショップとなりました。ほかの参加者は、金継ぎに興味があったというアラフォー世代の女性がほとんど。「うっかり割ってしまったけれど、想い出があるので捨てられず、家族に内緒でしまっておいた」家族お揃いのマグカップや、「使うたびに、ほんのちょっとの欠けが気になっていた」大皿などを持参。仕上がった後は、自分で “金継ぎ” した器を手に、生き生きとした表情に変わったのが印象的でした。家に持ち帰り、乾燥させてからオリーブオイルを塗って磨くと艶が出ました。なんだか前より一層、愛着がわいて、テーブルに登場する機会が増えたように思います。伝統的な本漆で金を蒔くのとはもちろん仕上がりが異なりますが、普段使いのお皿やカップなら、このやり方でも満足できます。欠けやひびが気になって、しまいこんでいる愛器があったら、この簡単な金継ぎを試してみて欲しいなと思いました。なお、今回の開催場所は、伝統工芸品から現代のプロダクトまで、日本の"今"の暮らしに映えるアイテムを集めたライフスタイルショップ「CLASKA Gallery & Shop “DO”(ドー)」日本橋店。今回の「はじめての金継ぎワークショップ」は、同ショップでは初の取り組みだったといいますが、キャンセル待ちがでるほど反響が大きかったといいます。食と食卓のしつらえ、ライフスタイルを繋ぐコンテンツとして、不定期ではありますが開催を予定しているそうです。
2015年04月15日欠けたり、ひびが入ったり、割れてしまったお気に入りの器を修復できると、震災以降注目されている「金継ぎ」。漆職人で漫画家の 堀道広 さんが主宰する、人気の金継ぎ教室 「金継ぎ部」 で体験をしてきました。 一回目のレポートはこちら≫ 1回目 はひびの入った器の、割れた角を削り、欠けている部分に漆と木粉を混ぜて作った「麦漆」を埋めて、乾燥させました。しっかり乾燥させた約1ヶ月後、2回目の教室に向かいます。1回目には 「くらすこと」 に伺いましたが、今度は毎月第2、第4水曜日の夜に開催されている、西麻布の喫茶店 「R」 で「金継ぎ部」に参加しました。まず、1回目に塗った「麦漆」と「刻苧漆」のはみ出している部分を、カッターまたはサンドペーパーを使って削ります。その部分が漆になるので、凸凹にならないように注意します。その後、生漆に酸化鉄を加えて黒く着色した、中塗り用の漆を筆に取り、漆を埋めた部分に塗っていきます。その際、厚く塗りすぎると中が乾かず、ちぢみが出てしまうため、薄く塗るのがポイントだそう。ひびに沿って筆で塗るのは、手が震えてしまったり、線が太くなったりしましたが、コツを掴んだらうまく塗れるようになりました。器を継いだ状態で、2回目の作業を終わりました。その後、3回目に乾かした中塗りをサンドペーパーで研ぎ、もう一度黒い漆で中塗りして乾かした後、4回目に中塗りを再度サンドペーパーで研ぎ、金や真鍮、銀、錫などを塗り、金属粉を蒔きつけます。5回目に生漆を灯油で薄めたものを筆で塗り、ティッシュにつかなくなるまで抑えて拭き取る「粉固め」をして、6回目に金継ぎした場所を菜種油に石粉を少量つけて、光るまで磨くとようやく完成。いわゆる“金継ぎ”を終了させるまで、全部で11行程ありますが、中塗りを2回繰り返したところで大丈夫とのこと。ここで完成としました。「縄文時代から漆を接着剤として使ってきたので、本来金継ぎは器より目立たず、助けてくれるものだったと思うんです。個人的にも金属を使わずに、漆だけで継いだ素朴なものが好きですね。金属を使わないと安くできるので、漆だけの金継ぎもおすすめです」と堀さん。堀道広さんはもともと漆職人。4年ほど前に要望があり「金継ぎ部」を始めました。震災で食器が割れたことをきっかけに、参加する人が増えてきたのだといいます。「金継ぎの魅力は、直してもう一度使えること、金継ぎをすることで新たな景色を楽しめることだと思います。器の雰囲気に合わせて、器を引き立てるのが楽しいですね。純粋な漆を使っているので食事でも安心して使えます」金継ぎは、ガラス以外のものなら、鍋や木のお椀など、何でも修復できるのも魅力。1回の教室は6、7人と少数で、一人一人丁寧に教えてくれます。「市販の金継ぎキットを買ったのですが、家で1人では全然分からなかったので教室に参加しました。乾かすのに時間がかかるので、月1回のペースで教室に通うと集中できるし、漆や金属の扱い、汚れも気にせずにできるのもうれしいです」という参加者の声も。漆で継いだ器は、新たな模様が入り、自分が手をかけたことでより一層大切なものになりました。出来はあまり良くありませんが、飾って眺めたくなるほど気に入っています。割れてしまっても直して使えると思うと、豊かな気持ちになれるのも金継ぎの良いところ。また割れた器がたまったら参加して、今度は金を使ったものに挑戦してみたいと思いました。堀道広 金継ぎ部 すべて見学無料。各教室にお問い合わせください。「西麻布金継ぎ部」場所:R東京都港区西麻布2-16-5日時:毎月第2、第4水曜日 19:00〜21:00 「くらすこと金継ぎ部」場所:くらすこと東京都杉並区高井戸西1-18-8 2F日時:毎月第1、第3水曜日 13:00〜15:00 「葉山金継ぎ部」場所:ARAHABAKi神奈川県三浦郡葉山町堀内1508-3日時:毎月第4土曜日 10:30〜12:30、14:00〜16:00 「阿佐ヶ谷金継ぎ部」場所:よるのひるね東京都杉並区阿佐谷北2-13-4 日時:毎月第3土曜日 14:00〜16:00 取材/赤木真弓
2013年07月31日お気に入りの器は、大切に長く使いたいもの。日常的に使っていると、ひびが入ったり、欠けたり、さらに割ってしまったり。そんな悲しい経験がきっと誰でもあるはず。なかなか捨てられない器を直して、もう一度使えたら……そんな願いを叶えてくれるのが、昔ながらの修繕方法「金継ぎ」です。気軽に体験して学べる教室があると聞き、早速体験してきました。今回お邪魔したのは、 「くらすこと」 で毎月第1、第3水曜の午後に開催されている 「金継ぎ部」 。漆職人で漫画家の 堀道広 さんが主宰する、人気の金継ぎ教室です。縁が欠けてしまったカップ、2つに割れてしまった豆皿2枚、粉々に欠けてしまったピッチャーの3つを手に参加しました。金継ぎとは、天然素材の漆を使って、欠けやひび、割れた陶磁器や漆器を修復する、日本独自の技法です。継ぎ目に金や銀、真鍮、錫などの粉をまぶして飾り、割れる前の器とは違う、新たな表情を楽しむことができます。器が割れた場合、欠けた場合、また細かい欠けや穴がある場合によって、作業が変わってきますが、1回1回きちんと乾かさなければいけないため、通常は数ヶ月かけてじっくり取り組むものだとか。まず、割れてひびが入った箇所の表裏、両面をリューターという工具を使ってなぞり、接着する際、溝にたくさん漆が入るように角を削ります。その箇所に金継ぎの線が入るので、線を入れたくないところは削らなくてもいいとのこと。私は破片をすでに接着剤で付けてしまっていたため、接着剤を塗った箇所も削りました。そうしておくと上から漆を塗ることができ、食事に使っても安心です。その後、割れた器も欠けた器にも、チューブに入った生漆を筆で塗って、拭き取ります。「生漆は、木から取れた天然の樹液です。割れたところに化粧水のように塗って、下地を作ります。接着効果もあるので、先ほど彫った溝に入るように塗ってください。このあと電気炉に入れて、120℃で2時間、生漆を焼き付けます。オーブンでも構いませんが、教室にはオーブンがないので省略しています。手についてしまったらサラダ油などで取ることができますが、服に付いたら取れないので注意して」と堀さん。そして強力粉と水をヘラで混ぜ、耳たぶほどの固さになるまで練り、同量の生漆を混ぜて作った「麦漆」を作ります。さらに麦漆に白樺の木粉を混ぜ、「刻苧(こくそ)漆」を作り、欠けたところに穴埋めをするように手で付けていきます。乾くと1割ほど減ってしまうため、少し盛って付けるのがポイント。ここで1回目が終了。約1週間きちんと乾かした後、次の行程に進みます。実際に金継ぎを体験してみると、粘土状になった漆を埋める作業は、工作をしているようでとても楽しい。つるつるとした陶器の表面は滑るので、思ったよりもきれいに彫ることができず、線がガタガタになってしまいました。細かく割れてしまった器は、その分行程が多くなったり、模様が入っている器は、きれいに彫ることが難しいので、初心者は シンプルな器から始めるのがいいようです。実は今回持っていった器は、震災で割れてしまったものと海外の蚤の市で買ったのに、持ち帰る際に割れてしまったもの。どちらも思い入れがあったので、また使えると思うとできあがりが楽しみでなりません。1回でできる行程が少ないため、たくさんの器を持っていくと同時にまとめて修復できるのでおすすめ。私ももっとたくさん持っていけば良かったと思いました。次回、 「金継ぎ部」体験レポート<後篇> では、乾いた漆のはみ出し部分を削り、黒中塗で中塗りをして、完成させるまでをお届けします。取材/赤木真弓
2013年07月30日