俳優の佐藤健、女優の長澤まさみと森七菜が、2024年3月29日公開の映画『四月になれば彼女は』に出演することが25日、わかった。同作は、『怪物』(23)、『君の名は。』(16)など数々の映画を企画・プロデュースしてきた川村元気氏の同名小説の実写化作。米津玄師「Lemon」、あいみょん「マリーゴールド」などのミュージックビデオを演出した山田智和氏が、長編映画監督に初挑戦する。精神科医の藤代俊(佐藤)のもとに、かつての恋人・伊予田春(森)から手紙が届く。“天空の鏡”と呼ばれるウユニ塩湖からの手紙には、10年前の初恋の記憶が書かれていた。ウユニ、プラハ、アイスランドと、その後も世界各地から春の手紙は届く。時を同じくして藤代は、婚約者の坂本弥生(長澤)と結婚の準備を進めていたが、弥生は「愛を終わらせない方法、それは何でしょう」という謎掛けだけを残して突然姿を消してしまう。春はなぜ手紙を書いてきたのか? 弥生はどこへ消えたのか? ふたつの謎が次第に繋がっていく。主人公・藤代を演じたのは、Netflix『First Love 初恋』(22)、映画『8年越しの花嫁』(17)など数々の大ヒット恋愛映画・ドラマで主人公を務めてきた佐藤。あることをきっかけに姿を消した、愛する人の姿を探し求める繊細な役どころを演じている。藤代の婚約者・弥生は、『50回目のファーストキス』(18)以来の本格ラブストーリーとなる長澤、そして藤代が10年前に交際していた初恋の女性・春は、是枝裕和監督、岩井俊二監督、新海誠監督にその才能を見出された森が演じる。国内撮影は関東近郊にて2022年3月27日〜5月10日、そして海外撮影はチェコ(プラハ)、アイスランド(レイキャビク)、ボリビア(ウユニ)など各地で2023年1月12日〜24日にかけて行われた。コメントは以下の通り。■佐藤健7年前にこの原作を読んだとき、恋とは何か、愛とはどのようなものなのか、恋人との時間の中で、何を手に入れて何を失ったのか、もがき方さえわからぬまま恋愛というものの正体を探し求める藤代に共感しました。今回この撮影を通して、自分も藤代と一緒に少しでもその正体に近づけたらと思いました。長澤さんは、誰よりも真摯に、手を抜かずに、愛情を持って作品に向き合う方でした。自分よりも他人を優先してしまうような優しさと脆さを持った、それでいて誰よりも一生懸命に丁寧に生きていく弥生と重なりました。森さんとはクランクイン初日からほとんどがアドリブのシーンでしたが、初めて本気で人を好きになり結ばれることの喜びを知り、恋に浮かれ苦しむ藤代を共に作り上げてくれました。彼女の笑顔を見ていると自然と自分は藤代になれました。長編初監督の山田監督は、役者と共に悩みながらも芝居について真摯に追及してくださる方で、とても充実した撮影期間を過ごすことができました。恋愛の正体とは。愛を終わらせない方法とは。皆様にとっての答えを確かめに、劇場に足を運んで頂けたら幸いです。■長澤まさみ弥生は突然深く愛した藤代を残して、いなくなってしまいます。そこにはきっと不安とか歪みもありつつ、新しい道に踏み込むために思い切った気持ちがあったのかなと思います。佐藤さんは初共演でしたが、冷静に役や物語を捉えて演じる方なので安心して撮影できましたし、信頼のおける俳優さんだと思いました。日々、彼に対して信頼感が生まれていき、楽しかったです。山田監督は何にも動じない素質を持った監督で拘る部分をしっかりと持っていて、監督のセンスや感覚がすごく信頼できました。現場で少しずつ物語を育てていくという感覚がありました。この作品は恋愛に悩んだり苦しんだり立ち止まったりする人たちに向けて届けたい映画です。人を愛するということを見つめなおしたくなるような作品になると思います。公開はまだまだ先ですが、楽しみにして頂けたら嬉しいです。■森七菜今回、この原作を尊敬する先輩方と演じることができてとても光栄に思っています。春としてこの作品でどんな存在になれるか。佐藤さんや長澤さんに引っ張っていただきながら、撮影期間中毎日考え続けました。そして、人生初の海外仕事でチェコ、アイスランド、ウユニを旅して、そのどの国もが信じられないくらい美しい表情を見せてくれました。世界を味方につけながら春を演じているように感じて、必死になって頭の中に焼き付けながら毎日を過ごしました。どうやったって過去は変わらないけど、あの時のあの人、今の私のかけら、目の前の貴方に新しく出逢うことができる。そんな体験を皆さんにお届けできる日を心待ちにしています。■川村元気氏『四月になれば彼女は』を読んでくれた佐藤健さんが、熱烈な感想をくれたのはもう7年前でしょうか。彼とは様々な仕事をしてきましたが、僕が書いた小説の中でいちばん好きだと言ってくれました。小説の中の「愛を失わない方法」の問いについて書いた一文について、深く語り合ったのを今でも思い出します。そのときの彼の姿は藤代俊、そのものでした。それから7年。時代は大きく変わりましたが、愛や恋の問題は、相変わらずややこしくて、さらに複雑になっているように感じます。今の時代の恋愛映画を作ろうと、佐藤健さんと丁寧に話しながら、映画作りは進んでいきました。長澤まさみさんの真摯な仕事への向き合い方は、弥生という役に重なることが多いように感じました。真面目に頑張っているはずなのに、どこか生きづらいと感じている人たちに光を与えてくれる、素晴らしい弥生が生まれました。森七菜さんは“初恋の記憶”のような存在である春を見事に演じてくれました。世界を巡る彼女の姿に、何度も息を呑みました。7年かかりましたが、その歳月もこのキャストやスタッフが集まるために必要な時間だったと、今は思っています。最初から最後まで映画作りに伴走してくれた佐藤健さんに感謝したいです。■山田智和監督佐藤健さん、長澤まさみさん、森七菜さん、本当に夢のようなキャストが実現しました。真摯で最高な表現者であるお三方との時間は刺激的でかけがえのない時間でした。佐藤健さんは脚本会議の段階から参加頂き、一緒に議論を重ねながら人物像を一緒に作りあげていくという日本映画ではあまり主流ではないやり方にも熱意を持って挑んで頂き、濃密で繊細なお芝居を見事に体現していただきました。長澤まさみさんは映画化用に新しく当て書きした役でもあり、「原作小説の先にある新しい要素」を見事に体現して頂き、長澤さん以外では絶対に成立しない、愛おしく純粋なる人間らしさを持った人物を真摯に表現していただきました。森七菜さんは、以前ショートフィルムでご一緒し、絶大な信頼を持っていたこともあり、現場では彼女の才能に委ねることが多かったのですが、脚本をゆうに超えて、圧巻の透明感と存在感を見せてくれました。この映画にもたらしてくれたそのコントラストは衝撃的でした。お三方と一緒に新しい表現に挑戦できたことを大変誇りに思っております。
2023年07月25日川村元気の小説の映画化『四月になれば彼女は』のキャストが発表。佐藤健、長澤まさみ、森七菜が共演する。四月。精神科医の藤代俊のもとに、かつての恋人・伊予田春から手紙が届く。ウユニ塩湖からの手紙には、十年前の初恋の記憶が書かれていた。ウユニ、プラハ、アイスランド。その後も世界各地から届く、春の手紙。時を同じくして藤代は、坂本弥生と結婚の準備を進めていたが、弥生は突然、姿を消した。「愛を終わらせない方法、それは何でしょう」その謎掛けだけを残して――。「世界から猫が消えたなら」の川村さんの著書3作目となる恋愛小説「四月になれば彼女は」。2016年11月に発売され、累計発行部数は33万部を突破した。四月になれば彼女は (文春文庫)画像:amazon.co.jp佐藤さんが演じるのは、初恋に痛い思い出を抱えている主人公の精神科医・藤代俊。あることをきっかけに姿を消した、愛する人の姿を探し求める繊細な役どころとなっている。誰もが経験する初恋の喪失、恋愛の喜びや痛みを等身大で表現し、切なくも胸打つ姿に注目だ。本作の映画化は、佐藤さんが原作を読んでいたことで実現しており、川村さんは「最初から最後まで映画作りに伴走してくれた佐藤健さんに感謝したいです」とコメントしている。原作を読み、藤代に共感したという佐藤さんは、「長澤さんは、誰よりも真摯に、手を抜かずに、愛情を持って作品に向き合う方でした。自分よりも他人を優先してしまうような優しさと脆さを持った、それでいて誰よりも一生懸命に丁寧に生きていく弥生と重なりました。森さんとはクランクイン初日からほとんどがアドリブのシーンでしたが、初めて本気で人を好きになり結ばれることの喜びを知り、恋に浮かれ苦しむ藤代を共に作り上げてくれました。彼女の笑顔を見ていると自然と自分は藤代になれました」と撮影をふり返る。藤代の婚約者・坂本弥生を演じるのは、本格ラブストーリーは『50回目のファーストキス』以来となる長澤さん。ある言葉だけを残し、藤代の前から突然、姿を消してしまう謎の多い役どころだ。「佐藤さんは初共演でしたが、冷静に役や物語を捉えて演じる方なので安心して撮影できましたし、信頼のおける俳優さんだと思いました。日々、彼に対して信頼感が生まれていき、楽しかったです」と話し、「この作品は恋愛に悩んだり苦しんだり立ち止まったりする人たちに向けて届けたい映画です。人を愛するということを見つめなおしたくなるような作品になると思います」とコメント。藤代が交際していた初恋の女性・伊予田春は、現在放送中の月9ドラマ「真夏のシンデレラ」で主演を務める森さんが演じる。「真夏のシンデレラ」の天真爛漫なキャラクターとは異なり、ミステリアスで切なさを孕んだ役どころに挑んでいる。チェコ(プラハ)、アイスランド(レイキャビク)、ボリビア(ウユニ)、関東近郊ほかにてロケが行われた本作。森さんは「人生初の海外仕事でチェコ、アイスランド、ウユニを旅して、そのどの国もが信じられないくらい美しい表情を見せてくれました。世界を味方につけながら春を演じているように感じて、必死になって頭の中に焼き付けながら毎日を過ごしました」と明かし、「どうやったって過去は変わらないけど、あの時のあの人、今の私のかけら、目の前の貴方に新しく出逢うことができる。そんな体験を皆さんにお届けできる日を心待ちにしています」と語っている。『四月になれば彼女は』は2024年3月29日(金)より全国東宝系にて公開。(シネマカフェ編集部)■関連作品:四月になれば彼女は 2024年3月29日より全国東宝系にて公開©2024「四月になれば彼女は」製作委員会
2023年07月25日女優の長澤まさみが出演する、クボタの新CM「クボタが支える タイ農業」編が10日より、放送される。このCMは、クボタが長期ビジョン「GMB2030」で掲げる『豊かな社会と自然の循環にコミットする“命を支えるプラットフォーマー”』を表現する、新CMシリーズの第1弾。長澤が目覚めると、そこは「○○」だったという設定で物語が展開する。シリーズ第1弾の舞台はタイ。とある農家の長女として目覚めた長澤。周囲との会話はもちろん、手遊びなどのコミュニケーションもなぜか自然と成立し、家族の一員として生活するなかで「なんか余裕じゃん」とつぶやく。そのとき、父の農場でクボタの農作業用ドローンを目にし、クボタがタイの農業を支えていることに気づくというストーリーになっている。
2023年06月09日川村元気の恋愛小説『四月になれば彼女は』が実写映画化。2024年3月22日(金)に公開される。佐藤健、長澤まさみ、森七菜が共演。川村元気の恋愛小説『四月になれば彼女は』実写映画化映画『君の名は。』や『すずめの戸締まり』など数々の映画を企画・プロデュースしてきた川村元気。2012年に上梓した初の小説『世界から猫が消えたなら』は、世界25ヶ国で出版され累計200万部を超えるベストセラーとなり、その後も『億男』『百花』『神曲』など数々の話題作を生み出してきた。そんな川村元気の恋愛小説『四月になれば彼女は』が映画化される。切なくも壮大な愛の物語『四月になれば彼女は』は、10年の歳月を経て初恋の相手から届いた手紙と、突然失踪した婚約者をめぐる切なくも壮大な愛の物語。東京、ボリビア、チェコ、アイスランドなど世界各国を舞台に、結婚を間近に控えた一人の男性が、愛する人の姿を探し求める姿を描いた“至極の純愛映画”だ。佐藤健×長澤まさみ×森七菜そんな壮大なスケールで描かれるラブストーリーを紡ぐのは豪華キャスト陣。佐藤健、長澤まさみ、森七菜が初共演し、愛する人を探し求める愛の物語を届ける。主人公・藤代俊(ふじしろしゅん)…佐藤健都内の大学病院に勤める精神科医。ある日、突然婚約者の弥生が姿を消す。初恋に痛い思い出を抱えている。学生時代は写真部だった。坂本弥生(さかもとやよい)…長澤まさみ動物園で多くの動物を診ている獣医。「愛を終わらせない方法、それは何でしょう」と謎掛けだけを残して失踪する。その理由とは……?伊予田春(いよだはる)…森七菜藤代の初恋の相手で元恋人。写真を撮りながら、世界中を旅している。とある事情を抱え、10年ぶりにボリビア・ウユニ塩湖から藤代に手紙を送る。このウユニ塩湖の壮大な絶景も映画の見所の1つ。その後も、ウユニ、プラハ、アイスランドと世界各地から手紙を届ける。なお、映画の藤代のビジュアルは森七菜本人がカメラで撮影した写真を使用している。タスク…仲野太賀藤代が通うバーの店長。藤代の親友でもある。夜な夜な藤代と恋愛について語り合うも、自身も恋愛に悩みを抱える。繊細でどこか物憂げな雰囲気を纏っている。ペンタックス…中島歩藤代と春の大学時代の写真仲間で元写真部部長。藤代と春の過去をよく知る人物。いつもPENTAXのTシャツを着ている。坂本純…河合優実弥生の妹。パチンコ屋の従業員。弥生の独特な恋愛観を知る唯一の存在。小泉奈々…ともさかりえ藤代の務める大学病院の同僚。働きながら子供を育てるシングルマザー。失踪した弥生の事情を知る人物。伊与田衛…竹野内豊春の父親。妻を亡くし、シングルファザーとして春に深い愛情を注ぎながらも、拭いきれない深い孤独を抱える。山田智和が長編映画で初監督メガホンを取るのは、米津玄師の「Lemon」のMVを手掛けた新進気鋭の映像作家・山田智和。抜群の映像美と人間の様を生々しく描き出すセンスで注目されている山田智和が、長編映画で初めて監督を務める。撮影監督は、『余命10年』などのヒット作で監督・藤井道人とタッグを組んできた今村圭佑が担当。音楽は、サザンオールスターズ、Mr.Childrenをはじめ数々のプロデュース・作詞・作曲で名曲を送り出してきた小林武史が務める。映画『四月になれば彼女は』あらすじ四月のある日、結婚を間近に控えた藤代俊の元に、10年前に交際していた初恋の女性・伊予田春から手紙が届く。時を同じくして、藤代の婚約者である坂本弥生が突然姿を消してしまう。初恋の人はなぜ手紙を送ってきたのか?婚約者はどこに消えたのか?現在と過去、日本とウユニ、プラハ、アイスランドが交錯しながら、愛する人の真実の姿を探し求める“四月”が始まる。【作品詳細】映画『四月になれば彼女は』公開日:2024年3月22日(金)原作:川村元気「四月なれば彼女は」(文春文庫)監督:山田智和脚本:木戸雄一郎山田智和川村元気撮影:今村圭佑音楽:小林武史出演:佐藤健、長澤まさみ、森七菜、仲野太賀、中島歩、河合優実、ともさかりえ、竹野内豊制作プロダクション:AOI Pro.配給:東宝©2024「四月になれば彼女は」製作委員会
2023年05月04日現在公開中の映画『ロストケア』。葉真中顕による同名小説を実写化した同作は、俳優の松山ケンイチと前田哲監督が10年前から映画化したいと企画をあたためていたことでも話題になっている。未曽有の連続殺人事件を起こした心優しい介護士・斯波宗典(松山ケンイチ)と、検事の大友秀美(長澤まさみ)が対峙し、自分がしたことは「殺人」ではなく「救い」だと主張する斯波がなぜ殺人を犯したのか、彼の心に迫るヒューマンサスペンスとなる。今回、出演者は作品のテーマである「介護殺人」に向き合うこととなり、検事の大友を演じた長澤も考えさせられることが多かったという。また、初共演となる松山とはがっつり対峙することとなり「こんなにきれいな瞳をした俳優さんは見たことがない」と驚きを表す。今回は、長澤にインタビューし、同作についての話を聞いた。○■考えるきっかけになれば――長澤さんはふだんからご家族といろいろお話をされているとのことですが、作品を通してどのようなことを感じましたか?介護の問題が増えているという現状に対して、やっぱりまだ自分は関係ない、自分ごとにはならないことが多いのかなという印象があります。でも心のどこかで引っかかっていて、気になる問題ではあったから、私はこの作品の台本をもらったときに、すごく惹かれました。監督と松山さんが長年温めてきたということにも心動かされて、ぜひ参加したいと思った経緯があります。私自身は、“終活”とまではいかないけれど、元気なうちにしか出来ないことはありますし、特に母とは「いらないものを整理するのは早めがいいよね」とか、「もし将来、身体が大変になったらどうなっていくのかな」という軽い話から、自分の人生についてといった話まで、常日頃から語り合っていました。話し合うのは、やっぱりいいなと実感していて。急に介護や人生の行く先を考えなきゃいけないことにぶち当たるよりは、予習しておく方がいいと感じていたので、本作を観た後に考えるきっかけになればと思いました。――実際作品に出演されて、改めて感じてたことなどありましたか?将来のことは自分で考えておかなければと思います。少子化で下の世代がいないから上の世代同士の支え合いになるかもしれないし、逆にヤングケアラーの問題もあるし、社会全体で考えていくことになるのかも。監督や松山さんたちとも「難しいよね」という話をしました。社会で支え合えるような環境が、もうちょっとできるといいのかな、という印象はあります。――今回は松山さんとがっつり対峙するシーンが多かったですが、迫力などは感じていましたか?すごかったですね、松山さん! 純粋な目でこっちを見てくるから、瞳が美しすぎて吸い込まれそうになって、すごく不思議な気持ちになりました。こちらは犯人に対して事情聴取という立場で向き合ってるけど、本当に斯波が言っていることに侵略されていく感じ。すごい俳優さんだというのはわかっていましたけど、こんなにきれいな瞳をした俳優さんは見たことがないというくらい、きれいな目をしてました。それで恋にも似たような感覚に陥るのが面白くて、大友が斯波と会話をしていくうちに自分の心理に触れて意思が揺らいでいくのが、作品の面白さでもあります。誰でも斯波みたいな状況に陥るかもしれない怖さを秘めているからこそ、話を聞いていると、催眠術にかかったような、恋に落ちたような感覚になってしまう。だから、あのシーンは色っぽくていいシーンだなと思いながら演じていました。その人に従ってしまうような感覚が面白いんです。○■「演技って不確かなものだから」――今作は現代社会について問いかけてくる作品で、そういう作品に出られることについての意義は感じますか?自分が率先して伝えたいというわけではないけど、自分自身も興味があることに踏み込んでくれるところに面白さ、「やってよかった」という意義を感じています。作品ごとに「こういう捉え方もあるな」という描き方を捉えながら、関わるというか。『ロストケア』は身近な問題だし、『エルピス』は「こういうこともあるんだ」と考えさせられる印象です。目を向けなきゃいけないところがあると思いますし、『ロストケア』に関してはこういう事件が起こってしまうことへの恐怖だけでなく、どうして起こるのかを考えてそれを知ることも大事だなと。――コメディやラブストーリー、社会派作品と幅広く出られていて、気持ちの変化などはありますか?満遍なく好きで、「その役になりたい」という気持ちが強いです。コメディに関しては、特に『コンフィデンスマンJP』についてよく「次はいつやるの?」と言っていただけるので、言われるうちは頑張ろうと思っているし、プロデューサーさんに「年齢を重ねたら無理なんじゃないですか?」と聞いたら、「ダー子は何歳でもできるんで」と(笑)。ただ、脚本の古沢(良太)さんがいないと始まらないので、今は『どうする家康』を見て、古沢さんの作品を勉強しています。――今までお話がすごくわかりやすくて、気持ちを言語化するのがお上手だなと。本当ですか? でも、すごく下手だったんですよ。きっと、インタビュアーさん泣かせでした。子供の頃は「趣味は何?」と聞かれても「……」と、何も答えられなくて(笑)。過去のインタビュアーさんたち、特に10代の時に出会った方にはご苦労をおかけしたと思います。――そこから何か変化があったんですか?映画のキャンペーンが大きかったです。『ロボコン』の時に全国26カ所くらいを回って、そのあとの『セカチュー』(『世界の中心で、愛をさけぶ』)でも16カ所回ったんです。舞台挨拶ではどうしてもしゃべらなきゃいけないから、だいぶ鍛えられました。そこから「もっとしゃべれるようになりたい」という気持ちでラジオも始めたので、自分の気持ちを言葉にする場をもらえたのがすごく良かったなと感じています。――そんな長澤さんから見て、俳優として「演技がうまい」というのはどういうことだと思いますか? 先ほどは松山さんについて「すごかった」とおっしゃってましたが。私が大好きで尊敬している方が「演技って不確かなものだから」と。皆そうやって真摯に向き合ってると聞いた時に、個人的にもすごく腑に落ちたところだったんです。お芝居って“うまい”ことで人に伝わるわけではないんですよね。その方の人柄だったり、受けた印象だったり、言葉のトーンや声色、いろんなものが総合的に見ている方に響くかが大事で。すごい方は、他人のいいところを見抜くのもうまくて、みんなに愛があるのだと感じます。作品を見る面白さは「物語を感じる」というところにあるから、お芝居の姿勢にも通じるところがあるのかもしれません。演じている役者たちはみんな、自分なりに物語や役を解釈したものを「こういう風に届けたいな」と思って演じていて、その人たちの中にある思いが演技のどこかに表れているんです。自分の思いがお芝居の中に絶対映し出されてるから、そこに目を向けられるようになったら、他人のいいところにも目を向けて、良さを見抜くことができるようになるのだという気がします。ただ、もちろん技術的な努力も怠ってはいけないと思います。どんなに「この作品の演技がよかった」と言われても、同じお芝居を別の作品で見たいとはならないだろうから、芝居を進化させていかなきゃいけないといつも思っています。■長澤まさみ1987年6月3日生まれ。静岡県出身。2000年、第5回「東宝シンデレラ」オーディショングランプリを受賞。同年、女優デビューし、さまざまな作品に出演する。近年の映画出演作に『MOTHER マザー』『コンフィデンスマンJP プリンセス編』(20年)、『すばらしき世界』『マスカレード・ナイト』(21年)、『コンフィデンスマンJP 英雄編』『シン・ウルトラマン』『百花』(22年)など。
2023年04月03日現代社会の闇を題材とした本作のテーマ性が大きな話題となっている映画『ロストケア』より、松山ケンイチと長澤まさみが演技でみせる渾身のバトルに注目の本編映像が公開された。映像は、検事・大友(長澤さん)が連続殺人の容疑者・斯波(松山さん)を追い詰める、検察室での緊迫した取り調べシーン。殺人行為を認めさせようと仕掛ける大友に対し、斯波は「これは、介護なんです」「喪失の介護〈ロストケア〉です。僕は42人を救いました」と、殺人ではなく、被介護者とその家族のために行った“救い”だと主張し、罪の意識はまったく感じられず、使命感すら感じ取れる。“ロストケア”の真意に迫るこの重要なシーンは、2人の迫力ある圧巻の演技により、観客の目をスクリーンに釘付けにする。そして、このバトルはさらに加速し、事件の真相が明らかになるとともに、衝撃と心震える結末へとなだれ込む。『ロストケア』は全国にて公開中。(cinemacafe.net)■関連作品:ロストケア 2023年3月24日より全国にて公開©2023「ロストケア」製作委員会
2023年04月01日映画『ロストケア』(24日公開)の舞台挨拶が23日に都内で行われ、松山ケンイチ、長澤まさみ、鈴鹿央士、坂井真紀、戸田菜穂、加藤菜津、柄本明、前田哲監督が登壇した。同作は葉真中顕氏による同名小説の実写化作。未曽有の連続殺人事件を起こした心優しい介護士・斯波宗典(松山)と検事の大友秀美(長澤)が対峙し、自分がしたことは「殺人」ではなく「救い」だと主張する彼がなぜ殺人を犯したのかに迫るヒューマンサスペンスだ。キャストが劇場中段から順に登場すると、松山、長澤に次いで現れた鈴鹿は、その後を壇上にエスコート。その理由を聞かれ「松山さんが(エスコート)しなさいと……」と素直に話す鈴鹿に対し、松山は「俳優は自分で言って伝説を作るものだから、『僕がそう思ったから。(するのは)当たり前です』って言いなさい」とアドバイスを送った。今回、親子役を演じた松山と柄本。家族で“マツケン”ファンだという柄本は、「長男(柄本佑)も次男(柄本時生)もマツケンファン。この人(松山)の初主演映画に、うちの亡くなったカミさん(角替和枝さん)もお母さんの役で出てたんです」と回顧。「カミさんがね、『いいのがいる!』って言っていた。他の人だったかもな……(笑)。それを聞いて現場に行ったんですよ。会話は交わさなかったんですけど、キャスティングを担当した人に『どこで見つけてきたの?』と聞いた覚えがあります」と笑いを交えながら、松山との出会いを明かした。一方、松山は今作の役作りで柄本の長男・佑をイメージしていたそうで、「佑くんか、時生くんかと言ったら、今回の作品は佑くんかなと。なので佑として現場にいました」と笑いを誘う。長澤も、松山の演技を見て「“あ、佑くん……!”っていう風に見えました」と本物の親子の雰囲気を感じていたことを明かした。
2023年03月23日大人計画主宰とシアターコクーン芸術監督を務める松尾スズキさんと、豪華女優陣が本気でコントに挑む姿が人気を博している「松尾スズキと30分の女優」シリーズ。2021年からスタートしたオムニバスコントドラマも、いよいよ第3弾を迎えます。そこで、シリーズ初参戦となるこちらの方にお話をうかがってきました。長澤まさみさん【映画、ときどき私】 vol. 561さまざまな作品でコメディからシリアスまで、幅広い役どころを見事に演じわけている長澤さん。30分強という番組尺のなかで、カード支払いセンターの通信先で働く夫婦を描いた「センタア飯店」、野良のキャッツを捕まえた女が登場する「野良キャッツ、捕獲女」、恋人と結婚するためにペットを手放そうとする女性が主人公の「老紳士を捨てる」、恐竜喫茶を舞台にした「恐竜最後の日」、居心地のいい会社の様子を映し出した「居心地最高」という5つのコントに挑戦しています。今回は、撮影現場の様子やコントへかける思い、そして笑顔の裏に隠された意外な素顔について語っていただきました。―これまでもコメディ作品には出演されていますが、演じるうえでコントとの違いはありますか?長澤さん私にとってはコントでもドラマでも映画でも舞台でも、芝居をするときは基本的に同じです。ただ、過去にコントで演じたときに感じたのは、作家さんによって笑いの感覚が違うということ。そういう意味で、台本の解釈が難しいなと思うことはありました。しかも、その場で感じて出たものが大切なので、コントって深いですよね。あと、練習しすぎても新鮮味がなくなってしまうので、お笑いの現場では最初の感覚を大切にされる方が多いかなと。今回もリハは軽く合わせる程度で、だいたい1発目で「はい、オッケーです」みたいな感じでした。演じてみたらどれも本当におもしろかった―どのエピソードも独特な世界観でしたが、印象に残っているのはどの役ですか?長澤さん台本を読んでいるときは、「センタア飯店」が一番キャッチーで楽しそうだなと思いましたが、演じてみたらどれも本当におもしろくて。そのなかでも、「老紳士を捨てる」はお気に入りでゲラゲラ笑ってしまいました。あと、印象的という意味では、「恐竜最後の日」ですね。劇中で恐竜の真似をしていますが、撮影前に恐竜の動きを真面目に研究している方の動画が送られてきました。こんな人たちがいるんだという驚きもありましたが、それがおもしろかったです。とにかくアングラ感がすごくて(笑)。真似させていただきましたが、まったくもってふざけているわけではありません。―練習されただけあって、恐竜の動きは素晴らしかったです。また、コンテンポラリーダンスを披露されるシーンでは、ご自身で振付をされたとか。長澤さん「どうすればいいですか?」と聞くと、「それを考えるのが俳優の仕事でしょ」と言われてしまうので、自分で考えていきました。ただ、撮影のあとにSNSでいろんなコンテンポラリーダンスの動画が流れてきて「ああ、これもできたな」と思うものがあったので、もっと早く教えてほしかったですね(笑)。―また、「センタア飯店」では謎の言葉を叫んでいるのが強烈でした。これも事前に家で練習されていったそうですが、鏡の前で試したり、ひたすら声に出したりしたのでしょうか。長澤さんいやいや、そんな1人でラップバトルみたいなことはしていません(笑)。そもそも架空の言語なので、自分なりに解釈をしてこういうふうに読んだらおもしろいかなと思う音を探していった感じです。セリフに小さい「つ」が2つ並んで書かれていたりしたので、「どう読めばいいんだろう?」というところから始まりました。でも、自分としてはすごく好きな分野だと思います。安心して思いっきりできるのが松尾さんの現場―眉毛をつなげたりするコントのメイクに抵抗はなかったですか?長澤さん私、大好きなんです(笑)。かつらもいっぱい被りたいし、おもしろいメイクもたくさんしたいですね。―ぜひ見てみたいです。松尾さんとは舞台でもお仕事されていますが、演出家として、俳優としての魅力をそれぞれ教えてください。長澤さんまず演出家としては、当たり前ですけど、真面目で厳しい方です。本番までにちゃんと用意していかないとすぐに指摘されてしまいます。でも、これまでの関係性もあったので安心して現場に行けましたし、思いっきりできました。俳優としては、個性的でおもしろい方ですが、独特なキャラクターも松尾さんが演じるとその世界観になるので不思議ですよね。―松尾さん以外にも、非常に個性豊かなキャストが揃っていましたよね。長澤さん本当に好きな俳優さんばかりだったので、一緒にお芝居ができて楽しかったです。そのなかでも、村杉蝉之介さんは一番共演させていただいている方なので、いてくれるだけで安心感もありました。でも、今回は邪魔してくる箇所もたくさんあったので、本当に迷惑でしたね……。というのは冗談です(笑)。―アドリブみたいなことはありませんでしたか?長澤さんそれはほとんどなかった気がします。ただ、「老紳士を捨てる」で近藤公園さんが私のことを目隠しするシーンで、近藤さんも松尾さんに目隠しをされていたのですが、本番が始まったら後ろから「痛い、痛い、痛い」と本気で痛がっている声がしたんです。何が起きているかわからなかったのですが、出来上がった作品を観たら近藤さんが松尾さんに目つぶしされていて(笑)。それが本当におもしろかったです。お笑いは本当に難しい分野だと感じている―長澤さんから見た松尾スズキ作品の魅力についても、お聞かせください。長澤さんすごく独特で感覚的なところも多いので説明するのが難しいのですが、どれもベースにあるのは普遍的な物語だと思っています。影を背負っている人物もポップに描いていますが、噛めば噛むほど味が出るというか、ジーンとくるキャラクター設定が多いですよね。そういうところが魅力的だなと感じています。―本作への出演が決まった際、お笑いの動画を参考に見たことは?長澤さんそれはなかったですね。というのも、コントやお笑いは誰かのをなぞるとおもしろくなくなると思ったからです。特に、日本のお笑い芸人さんがされているようなことは、その方のキャラがあっておもしろいパターンが多いので。―長澤さんのなかにあるコメディセンスに影響を与えている人はいますか?長澤さん私が大好きなのは、大人計画のみなさんです。俳優でありながら、それぞれの世界観がきちんと確立されている方々なので、そういうところが魅力的だなと。あの感じがうらやましくて、いつも憧れています。―今回の出演を通して、改めて「笑い」とは何か考えたこともあったのではないかなと。長澤さんやっぱり難しいなと感じました。たとえば、ここで笑ってもらえたらうれしいなと考えるところがあっても、ほかの人は意外と違うところでおもしろいと思ってくれることも多いので。上手くハマるときもありますが、その感覚がつかめないときもあるので、本当に難しい分野だなと感じています。ほめられるようになって、笑顔でいられるようになった―ちなみに、最近一番笑った出来事は何ですか?長澤さんもうすぐ『ロストケア』という映画が公開になりますが、共演している松山ケンイチさんが突然私に向かって「やっぱりまーちゃんと呼ぼう」と言い出したことです(笑)。そこからお互いにあだ名で呼び合うことになって、私は「けんちゃん」と呼ぶことになったのですが、唐突に何かが変わったりするとおかしかったりしますよね。―確かにそうですね。そして、何といっても長澤さんの笑顔に癒されている人が多いと思うのですが、笑顔でいられる秘訣を教えてください。長澤さん本当ですか!?癒しになっていますでしょうか(笑)。実は、私はつねにみんなに笑顔をふりまこうとがんばれるタイプではなく、どちらかというと、恥ずかしさをごまかすために笑っちゃっている感じです。というのも、根が照れ屋で、前に出たがるのに注目されると恥ずかしいみたいなあまのじゃくな性格なので……。私としては、気持ちいい状態で笑顔になっているというよりも、笑いながらハラハラしたり、大汗かいたりしていることのほうが多いので、笑顔でいるのも大変だなと思っています(笑)。でも、恥ずかしくて笑っているだけでも、周りからは「笑顔がいいね」と言ってもらえるようになったので、ほめられるようになってから笑顔でいられるようになったところはあるかもしれません。―それは意外に思う方が多いのではないでしょうか。長澤さんいつも恥ずかしい思いでいますし、「今日もうまくいかなかったな」とか「人に対してちゃんと誠実にできていたかな」みたいな感じで、家に帰るとだいたい反省から入ってしまうほどです。悩みながらも、立ち止まらずにがんばってほしい―そんななかで、素の自分に戻れるのはいつですか?長澤さん最近も共演した方から「いつリラックスしているんですか?」と聞かれたんですが、ということはリラックスしているように見えていないんだなと思って考え込んでしまいました。でも、ゆっくりと家の片づけをしているときや家族や友達のように自分が好きな人たちと一緒にいるときは、一番楽でいられる時間です。私は友達に話を聞いてもらってなるべく発散していますが、そんなふうに人と関わることっていいなと感じています。―今年で30代も折り返しに入りますが、今後のためにいまから準備していることはありますか?長澤さんあまり先のことを考えてはいないですが、カラダは大事にしたいので、最近はもっぱら健康管理にハマっています。というのも、20代のときはいらない気を張りすぎてすごく疲れていましたが、30代になって力を抜けるようになったおかげで昔よりもうまくカラダを使えるようになりました。30代のほうが体力もあるように感じるので、それを続けられるようにがんばって健康を維持したいです。―では、これから挑戦したいことといえば?長澤さんプライベートでは習い事をいっぱいしたいなと思っています。なかでも、趣味として楽器を習いたいと考えているのですが、候補がいくつかあるのでいま精査しているところです。仕事では、今回久しぶりに松尾さんと仕事ができたので、また一緒に舞台をしたいですね。―ananweb読者の女性たちは、長澤さんのような女性になりたいと憧れている方も多いので、ぜひアドバイスがあればお願いします。長澤さん私でいいのでしょうか(笑)。でも、言えることがあるとすれば、悩むのもすごく大事だということですね。ただ、悩んでいる間に立ち止まってしまうと後から何もなくなってしまうこともあるので、悩みながらも何かに一生懸命がんばっておくのは大切かもしれません。それが仕事であったり、家族との関係であったり、人によっていろいろだと思いますが、打ち込めるものを持っていたほうがいいというのは伝えたいです。インタビューを終えてみて…。とにかく自然体で、いるだけでその場を明るくしてしまう長澤さん。素敵な笑顔には釘付けになりましたが、その裏にはいろんな思いがあったことを知って驚かされました。とはいえ、そういった部分も隠さないところが人として魅力的な部分。そして、共感を呼ぶところでもあると感じました。ぜひ、本作では長澤さんのコメディセンスと身体能力の高さを堪能してください。予測不能な笑いの波が押し寄せる!松尾スズキさんにしか描けない独特すぎる世界観と、ほかの作品では決して見ることができない女優たちの姿が病みつきになるコントシリーズ。一度踏み込んだら最後、余計なことを考える間もない至極の30分強に誰もが虜になってしまうはずです。写真・幸喜ひかり(長澤まさみ)取材、文・志村昌美スタイリスト・影山蓉子(eight peace)ヘアメイク・スズキミナコニットトップ ¥232,100、スカート ¥214,500、(以上メゾン マルジェラ/マルジェラ ジャパン クライアントサービス 0120-934-779)ストーリー「バラエティ番組のコントじゃない、作品としてのコントが作りたい」との想いから、脚本・演出・出演を務める松尾スズキが女優と組んで繰り広げるオムニバスコントドラマ。第1弾には吉田羊、多部未華子、麻生久美子、黒木華、第2弾には生田絵梨花、松本穂香、松雪泰子、天海祐希が出演した。そして、第3弾となる最新シリーズは、30分から30分強に延長し、松たか子と長澤まさみの2人が登場する。思わず笑ってしまう予告編はこちら!作品情報『松尾スズキと30分強の女優』3月25日(土)より放送スタート午後9:30~ 「松たか子の乱」午後10:15~「長澤まさみの乱」[WOWOWプライム] [WOWOWオンデマンド]※WOWOWオンデマンドでは無料トライアル実施中写真・幸喜ひかり(長澤まさみ)
2023年03月21日高齢者、介護、認知症、終活、そんなキーワードがつく映画が最近とても多い。その中でも、飛び抜けてショッキングな内容の作品が公開される。松山ケンイチと長澤まさみが共演、「日本ミステリー文学大賞新人賞」を受賞した葉真中顕の小説を『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』の前田哲監督が映画化した『ロストケア』だ。『ロストケア』この作品、社会派エンタテインメントだけれど、あくまで秀逸なミステリー。できるだけネタバレにならないように、注意深く書こうと思ったが、予告編を観ると、のっけから映画のキモの部分が語られている。ならば、ギリギリまでご紹介しようと思う。笠井信輔さんの水先案内をもっと見る()(C)2023「ロストケア」製作委員会
2023年03月13日女優の長澤まさみ、見上愛が4日、東京・国立代々木競技場 第一体育館で開催された「第36回 マイナビ 東京ガールズコレクション 2023 SPRING/SUMMER」にシークレットゲストとして登場。2人ともTGC初出演となった。「2023年度 JRA年間プロモーションキャラクター」である2人は、日本中央競馬会のイメージキャラクター・ターフィーとともにランウェイを闊歩。長澤はビビットグリーンのワンピースドレスにヒールサンダル、見上は淡い緑色のセットアップに厚底サンダルが印象的なスタイルで、ランウェイトップでは揃って“UMAJO(ウマジョ)ポーズ”を決めていた。CMでは競馬好き女子「UMAJO」を演じており、この日のステージでは新作が初お披露目された。長澤が「今回のせりふが『競馬場です』しかない。こんな楽しみ方があるんだと思って、ぜひ競馬場に足を運んでいただきたい」と呼びかけた。初めて競馬場に行ったときのことを振り返ってもらうと、長澤は「大きさに驚きました。広大なので気持ちがいい。パワースポット的な感じです」。見上は「屋台があったり、UMAJOのスペースもある。レース以外を楽しめる要素もあるんです」とアピールした。競走馬は「風格が違うので、直接会ってオーラを感じてほしい」と長澤。筋肉も注目ポイントで「彫刻を見ているみたいです」と語った。見上は「目がきれい。つぶらな瞳をしているので、そこをチェックしたら推し馬を作れると思う」と楽しみ方を紹介した。長澤は「競走馬で乗馬もできるので、今年は乗馬をしてみたい」と明かし、見上は「競馬場に行ったことがない友達と競馬場に行って、ピクニックをしたい」と声を弾ませていた。TGCは、「日本のガールズカルチャーを世界へ」をテーマに2005年から年2回開催している国内最大規模のファッションイベント。人気モデルが出演するファッションショーをはじめ、アーティストによる音楽ライブ、旬なゲストが登場するスペシャルステージなど、多彩なコンテンツを展開している。今回のテーマは、新時代を意味する「NEW EPOCH」。変化を続けながら時代とともに進化を目指し、唯一無二のTGCを創造していきたいという思いが込められている。撮影:蔦野裕
2023年03月04日女優の長澤まさみ、見上愛が出演する、日本中央競馬会(JRA)の新CM「UMAJO ON AIR」編が、4日から放送される。新CMには、JRA年間プロモーションキャラクターの長澤と見上が登場。長澤が自身の休日の過ごし方についてトーク番組でインタビューを受けていると、その全てが競馬場だったことが明らかに。その番組を観ていた見上は、あまりに楽しそうに話す長澤の様子を見て、次第に競馬場に興味を持っていく。コメントは以下の通り。■長澤まさみ昨年に引き続き、UMAJOのTVCMに出演させていただきました。2022年とは少し違う雰囲気のCMをお届けしますが、競馬場には色々な場所があり、人それぞれ様々な楽しみ方があることをお伝えできればと思っています。「競馬場に行ってみたい」と少しでも感じていただけたら嬉しいです。■見上愛競馬の魅力をまだ知らない女性の目線に立ったTVCMなので、初心を思い出しつつ、楽しく出演させていただきました。長澤さんが紹介するおすすめの過ごし方に、徐々に惹かれる様子を楽しんでいただけたら嬉しいです。また、ミニチュアホースのかわいさも必見なので、多くの方に伝わって欲しいと思っています。
2023年03月04日松山ケンイチと長澤まさみが初共演する話題作『ロストケア』より場面写真が解禁された。松山ケンイチが42人を殺害した介護士・斯波宗典を演じ、長澤まさみがその事件を担当することになった検事の大友秀美を演じる本作は、現在の日本が抱える社会と家族の問題に正面から切り込む社会派エンターテインメント。この度解禁された場面写真では、介護士でありながら42人もの老人の命を奪った斯波宗典とその事件の真相に迫る大友秀美が取り調べ室で対峙するシーンを始め、斯波が法廷に立つ姿や、真相を追い求めて調査をする大友と椎名幸太(鈴鹿央士)の姿が切り取られている。そして、斯波が過去に介護していた父親・斯波正作(柄本明)との様子や、介護センターの利用者の羽村洋子(坂井真紀)が自宅で家族を介護する姿、斯波たち介護士が利用者のケアをする姿や斯波と同じセンターで働く猪口真理子(峯村リエ)と足立由紀(加藤菜津)が利用者宅に向かうシーンなどが映し出され、家族が直面する自宅で介護することの厳しい現実も垣間見える。『ロストケア』は3月24日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ロストケア 2023年3月24日より全国にて公開©2023「ロストケア」製作委員会
2023年03月01日2023年2月26日、歌手やタレントとして活躍する浅田美代子さんが自身のInstagramを更新。自身の誕生日を祝ってもらう様子を投稿しました。多くの人の目を引いたのは、浅田さんの交友関係の広さ。芸能界はもちろん、政界関係者まで、浅田さんの誕生日を祝うべく集まった面々の豪華さに「すごい」との声も寄せられました。※画像は複数あります。左右にスライドしてご確認ください。 この投稿をInstagramで見る 浅田美代子(@miyoko_asada)がシェアした投稿 お笑いタレントの明石家さんまさん、ものまねタレントの清水ミチコさん、さらには歌手のMISIAさん。また、別の日には、小泉純一郎元総理大臣や俳優の長澤まさみさんも、浅田さんの誕生日を祝ってくれたといいます。「大好きな大切な友人に祝ってもらいました」「幸せ」と喜びをあらわにする浅田さん。写真にはファンからもまた、祝福のコメントが多数寄せられています。・おめでとうございます。MISIAさんに小泉さんまで、すごい豪華メンバーのお友達ですね!・素敵なご友人に囲まれ、嬉しいですね。・お誕生日おめでとうございます。さすがの人脈!テレビ番組で見せる、朗らかで明るいキャラクターが印象的な浅田さん、その人柄が、ここまで多くの人を魅了するのでしょう。[文・構成/grape編集部]
2023年02月27日松たか子、長澤まさみが出演する「松尾スズキと30分強の女優」の放送・配信日が3月25日(土)に決定、番組ビジュアルも公開された。本作は、松尾スズキが女優と組んで繰り広げる至極のコント番組の第3弾。「バラエティ番組のコントじゃない、作品としてのコントが作りたい」という思いから、松尾さんが脚本・演出・出演を務める、各話30分のオムニバスコントドラマ「松尾スズキと30分の女優」。今回は“強”となってさらにパワーアップ。「松たか子の乱」初回は「松たか子の乱」、続いて「長澤まさみの乱」を放送・配信。なお、吉田羊、多部未華子、松雪泰子、天海祐希らが出演する過去シリーズ(第1・2弾)は、WOWOWオンデマンドにて配信中だ。「長澤まさみの乱」「松尾スズキと30分強の女優」は3月25日(土)WOWOWプライム&WOWOWオンデマンドにて放送・配信(「松たか子の乱」21時30分~/「長澤まさみの乱」22時15分~)。(cinemacafe.net)
2023年02月15日森山直太朗が、松山ケンイチと長澤まさみの初共演で話題の映画『ロストケア』(3月24日(金) 全国公開)の主題歌「さもありなん」を3月1日(水) に配信リリースすることが決定した。同映画は、優しく献身的な介護士だった斯波宗典(松山)が連続殺人犯であることが判明し、検事の大友秀美(長澤)と対峙。なぜ彼が殺人を犯したのかに迫る社会派エンターテイメントとなっている。「さもありなん」は、映画のために書き下ろされた楽曲で、作品の世界を普遍の優しさで包み込むようなバラード曲に仕上がっている。また、同曲のジャケットに使用されているのは森山が撮影した写真。“全国一〇〇本ツアー”と銘打ち、2022年6月から始まった20thアニバーサリーツアー『素晴らしい世界』で、はじめて訪れた佐渡島の旧相川拘置支所の吹き抜けた天井を見て、思わず撮影したとのこと。作品の雰囲気に合っていたことから、このたびジャケットに起用されることとなった。さらに、アニバーサリーツアー『素晴らしい世界』の<後篇(フルバンド)>と<前篇追加の追加(弾き語り)>を含めた99本目までの会場が発表された。ツアー会場限定で発売中の弾き語りベストアルバム『原画Ⅰ』『原画Ⅱ』は、<前篇追加の追加(弾き語り)>でも<前篇追加>同様、本人によるお渡し会を実施。また<後篇>会場での販売CDは、全て本人が1枚1枚丁寧に書いた直筆サイン入りとなっている。これまではコンサートの参加者のみが購入可能だったが、2月25日(土) 公演からは先行販売が行われることが決定し、会場に足を運べば購入することができる。<リリース情報>森山直太朗「さもありなん」3月1日(水) 配信リリース※映画『ロストケア』主題歌森山直太朗「さもありなん」ジャケット<ツアー情報>『森山直太朗 20thアニバーサリーツアー「素晴らしい世界」』※終了分は割愛■<前篇追加>(弾き語り)2月18日(土) 徳島・阿南市文化会館夢ホール■<後篇>(フルバンド)2月25日(土) 神奈川・神奈川県民ホール3月4日(土) 宮崎・都城市総合文化ホール 大ホール3月5日(日) 福岡・福岡サンパレス3月11日(土) 滋賀・八日市文化芸術会館3月12日(日) 大阪・南海浪切ホール3月19日(日) 群馬・藤岡市みかぼみらい館大ホール4月1日(土) 京都・ロームシアター京都 メインホール4月8日(土) 静岡・静岡市清水文化会館マリナート 大ホール4月15日(土) 栃木・宇都宮市文化会館4月16日(日) 東京・J:COMホール八王子4月21日(金) 岡山・岡山市民会館4月22日(土) 愛媛・松山市総合コミュニティセンター・キャメリアホール4月29日(土) 三重・シンフォニアテクノロジー響ホール伊勢4月30日(日) 愛知・愛知県芸術劇場大ホール5月4日(木・祝) 大分・J:COM ホルトホール大分5月5日(金・祝) 長崎・長崎市民会館5月7日(日) 大阪・フェスティバルホール5月13日(土) 山口・山口市民会館5月14日(日) 島根・島根県芸術文化センター グラントワ5月20日(土) 長野・上田市交流文化芸術センター サントミューゼ5月21日(日) 新潟・上越文化会館5月27日(土) 富山・クロスランドおやべ6月3日(土) 宮城・東京エレクトロンホール宮城6月4日(日) 福島・喜多方プラザ文化センター せせらぎホール6月10日(土) 東京・LINE CUBE SHIBUYA6月17日(土) 山形・荘銀タクト鶴岡(鶴岡市文化会館)大ホール6月24日(土) 福井・敦賀市民文化センター6月25日(日) 石川・白山市松任文化会館 ピーノ7月2日(日) 沖縄・那覇文化芸術劇場なはーと7月9日(日) 神奈川・ハーモニーホール座間7月16日(日) 大阪・ラブリーホール(河内長野市立文化会館)7月30日(日) 広島・呉信用金庫ホール8月5日(土) 熊本・市民会館シアーズホーム夢ホール8月6日(日) 佐賀・鳥栖市民文化会館8月11日(金・祝) 鹿児島・霧島市民会館8月19日(土) 茨城・ザ・ヒロサワ・シティ会館8月26日(土) 愛知・安城市民会館8月27日(日) 岐阜・バロー文化ホール(多治見市文化会館)9月2日(土) 奈良・なら100年会館 大ホール9月9日(土) 高知・高知市文化プラザかるぽーと9月10日(日) 香川・ハイスタッフホール9月14日(木) 北海道・カナモトホール(札幌市民ホール)■<前篇追加の追加>(弾き語り)6月18日(日) 秋田・あきた芸術劇場ミルハス 中ホール7月22日(土) 山梨・東京エレクトロン韮崎文化ホール7月28日(金) 島根・安来市総合文化ホール アルテピア 大ホール8月13日(日) 大分・さいき城山桜ホール9月16日(土) 北海道・根室市総合文化会館9月24日(日) 静岡・菊川文化会館アエル※ツアースケジュールは随時更新されますので、ツアー特設サイトをご確認ください。※チケットのお申込み方法・詳細はツアー特設サイトをご確認ください。ツアー特設サイト:チケット情報はこちら:<作品情報>映画『ロストケア』3月24日(金) 全国公開映画『ロストケア』ポスタービジュアル (C)2023「ロストケア」製作委員会原作:『ロスト・ケア』葉真中顕 著/光文社文庫刊監督:前田哲脚本:龍居由佳里前田哲【出演】松山ケンイチ長澤まさみ鈴鹿央士坂井真紀戸田菜穂峯村リエ加藤菜津やす(ずん)岩谷健司井上肇綾戸智恵梶原善藤田弓子/柄本明公式サイト:関連リンク森山直太朗 オフィシャルサイト:森山直太朗 Twitter:森山直太朗スタッフ Twitter:森山直太朗 Facebook:森山直太朗 TikTok:森山直太朗 UNIVERSAL MUSIC オフィシャルサイト:森山直太朗 YouTube:森山直太朗のにっぽん百歌:
2023年02月15日映画『ロストケア』(3月24日公開)の完成披露舞台挨拶が2日に都内で行われ、松山ケンイチ、長澤まさみ、鈴鹿央士、戸田菜穂、加藤菜津、前田哲(監督)、葉真中顕(原作)が登場した。同作は葉真中顕による同名小説の実写化作。未曽有の連続殺人事件を起こした心優しい介護士・斯波宗典(松山ケンイチ)と検事の大友秀美(長澤まさみ)が対峙し、自分がしたことは「殺人」ではなく「救い」だと主張する彼がなぜ殺人を犯したのかに迫るヒューマンサスペンスとなる。10年前から監督と一緒に同作を映画化するために動いていたという松山は観客と一緒に試写を観ていたそうで、長澤も松山について「この作品に情熱を持って映画化したいと動いていた人ですから、確実にプロデューサーさんだと思って接していたところがありました」と明かす。介護殺人を題材とした同作から学んだことについて聞かれると、鈴鹿は「これから生きていく中で、親と向き合う時は来る、日本の社会では起こり得ることだと思うので、心の奥底に自分がどうですかと強く言われた感じがしました」と語る。長澤は「私も普段からしていますが、自分達の将来について両親と話し合ったり、どんな風に老後を過ごしたいとか、将来の夢を語るのと同じように、自分の生涯のことを話し合うのが重要なことだなと思います」と意見を述べる。すると松山が「僕もまーちゃん(長澤)と一緒の……」と話し始め、長澤は「ケンちゃんもそう思ってた?」とあだ名で応じた。松山が「備えがどうしても必要だと思います。いざそうなってからどうするんだって、遅いんですよね。いろんなセーフティネットがあると思いますけど、当てはまるかどうか早め早めに確認しておくとか、備えないと対処しきれない大きな問題だなと思います」と真面目に続けるも、前田監督が「2人、現場中全然話してないです」と暴露し、松山は「その情報要らなくない!?」と苦笑していた。この日は原作者の葉真中も登壇し「いわゆる自己責任論とか、そういうものに飲み込まれないで、他人への想像力というものを豊かにして欲しい」と訴えかける。「若い方もたくさんいらっしゃっていて、介護を遠いものに感じる方も多いと思うんですけど、作品の中でもみなさんの同世代でも、孤独になってしまって介護の負担を抱えている若い方はいるんです。自分とは違う立場の、何か大きなものを抱えていたりする方たちへの想像力を忘れないでいただきたい。そういったものに思いを馳せることから世の中は繋がっていくのだし、斯波のような悲しい人間を生み出さないことになるんじゃないかな」と語りかけた。
2023年02月02日Twitterで人気ドラマの感想をつづり注目を集める、まっち棒(@ma_dr__817125)さんのドラマコラム。2022年10月スタートのテレビドラマ『エルピス—希望、あるいは災い—』(フジテレビ系)の見どころや考察を連載していきます。誰も触れられない『パンドラの箱』を開けた彼らに待ち受けたのは、『災い』か『希望』か。手に汗握る、最終回スタート大門副総理(山路和弘)の元秘書・大門享(迫田孝也)の死は病死として公表された。だが真相は他殺だった。そして村井(岡部たかし)はそのことを知り、『ニュース8』のスタジオに殴り込み、怒りを爆発させる。その村井の姿を見た浅川(長澤まさみ)は、自分の古巣である報道を木っ端微塵にしたくなる程の真実があると感じ、その事情を聞きに岸本の元を訪ねに行く。一方、岸本(眞栄田郷敦)は憔悴しきっていた。浅川が訪れた時も、一度居留守をしようとしたが通用せず、岸本は渋々部屋に通す。信じていた浅川から「番組を背負う立場で無茶はできない」と跳ね返されてからというもの、二人は言葉を交わすこともなく、岸本は深い失意の中にいた。だが浅川もたとえ信用を取り戻せなくても、消えそうな真実を見過ごすことはできなかった。言葉に詰まりながらもう一度お願いすると、岸本は享へのインタビュー音声を浅川に差し出した。だが、彼はもう手を引くつもりだった。始まりは、ただ勝ち組でいるためだった。だが、浅川をはじめ、周りに助けられていく中で、本当の自分と向き合い、我武者羅に突き進んできた。諦めかけてもその度に自分の情熱に従い、全てを賭けて挑んできたのだ。それがいつしか自分よがりの『報道ごっこ』となっていたのだ。希望が見えなくなる先へ足を踏み入れることが、何より怖かった。そんな様子に対して、浅川は自分で報道すると言い出す。岸本は「殺されますよ」と忠告をするが、浅川は声を荒げて言い放つ。「何で殺されなきゃいけないのよ!」この浅川の叫びは、亨の言葉でもあった。確かに全部覚悟の上だ。しがらみを捨てた自分に訪れる悲劇を、何処かで感じてもいただろう。だが、人の命の価値もわからぬ人間のくだらぬ欲望のために殺される以上に理不尽なことはない。真実を伝えることは何も無茶なことでないはずだ。浅川はアナウンサーとして、一人の人間として、真っ当に生きたいだけなのだ。誰かを信じていたいという願いや『希望』を奪われ続けたこれまでを思い、浅川は息を切らしながら本音をぶつける。でもこんな災いだらけの闇の中に、希望はあるのだろうか…。そう弱気になりそうな瞬間に享へのインタビューの続きがレコーダーから流れる。ふと、真っ暗闇の中に一筋、細い光がさしたような気持ちです…。そして浅川は、その中に探し続けてきた答えを見つける。享が見た光と二人が、リンクしたかのように、西日の暖かい光が、冷え切っていたはずの岸本の部屋に滑り込んでくる。「希望って、誰かを信じられるってことなんだね」岸本の目にも涙が込み上げてくる。お互いが知らぬうちに希望を与える存在になっていたのだ。目の前にいる信じられる誰かが『希望』そのものなのだ。浅川は誓った。「希望がないなんて、もう二度と言わない」ついに動き出した浅川早速浅川は、滝川(三浦貴大)に今夜の『ニュース8』で大門の揉み消しに関する報道を扱いたいと相談を持ちかける。渋る滝川に対して清々しい顔で、浅川は「私やったことあるもん」と答える。正気ではないと周りから指差されようとかつての『浅川恵那』はもうゴミ箱へ捨ててきたのだ。揺るがぬ覚悟を決めスッキリした表情で去っていく浅川に、ひと言、滝川がクギを刺す。だが一度考えてみたい。狂っているのは、本当はどっちの方なんだろうか。そして、浅川の強行を知った滝川は、放送前のスタジオに斎藤(鈴木亮平)を呼び出す。そして浅川に、斎藤は大門のニュースを外してほしいと願い出る。案ずるはこの国の行く末。緊迫した世界情勢の中での国政と司法の混乱。国際的信用の失墜の中で起こり得る悲劇。このカードを今切るべきではない…斎藤はそう強く説得する。確かに先を見据えれば真っ当な意見に聞こえるし、浅川が取れる責任で賄えきれるほどその波紋は小さいものではないだろう。だがこんな時だけ都合良く国家や世界という大きな存在を提示して良いのだろうか。紛れもない真実を権力で押し潰すような腐り切った存在に、未来を預ける方が余程怖いことなのではないのか。国際的信用を失う行動をしている人間は、私達ではなく、力を持った貴方達のはずなのに。おかしいものをおかしいと声を上げる者の小さな声を無視したって、何事もなかったかのように世界は回り続ける。国家を形成する一細胞である自分が何かを成しても人生も世界もマシになんてならない。だがもう目の前にいる誰かを裏切り続けるなんてできない。浅川には迷いはなかった。壇上を降りて、勝負に出る。「では、本城彰を逮捕させてください」浅川の表情には一点の曇りもなかった。そして斎藤が差し出した手を浅川は強く握り返し、ついに本城彰の特集の放送が決まった。もう1人ではない、『希望』という存在を得た浅川しかし半ば勢いだったし、「明日まで待つと、事故か病気で出れなくなるよ」という脅しまでオマケされ、浅川は少々不安気味だった。だが浅川には『希望』がいた。岸本拓朗がいた。その『希望』が偶然にも、テレビ局に特集データを持って出向いていた。「君、最高!」という言葉に、信じていて良かったという気持ちが詰まっていた。浅川は岸本に何故か愛情のビンタをお見舞いし、そのままスタジオへ駆けていく。そして運命の『ニュース8』の放送が始まった。彼らが必死に掴んできた真実が、知りたい誰かに伝わっていく。駆け抜けた彼らの集大成だ。そして冤罪を暴くために協力してくれた人々が、岸本の連絡を受け、その放送を見守っていた。誰よりも松本を信じ続け、冤罪事件を暴くそのきっかけを作ったチェリー(三浦透子)をはじめ、『フライデーボンボン』で特集に協力した若者達。被害者のために奮闘した遺族や西澤の嘘の目撃証言を覆した由美子。松本の冤罪証明に何年も前から奮闘してきた木村弁護士(六角精児)や情報を提供してくれた笹岡(池津祥子)。皆、誰かを信じ、必死に生きた者達だ。彼らの小さな声が集まり、大きな声となって届いた。『生きること』の本質とは放送後すぐ、岸本と浅川は小さな定食屋に入る。そこは村井行きつけの美味しい牛丼が食べられるお店だった。浅川が「お腹すいた」とこぼし、大盛りの牛丼を大きな口を開け微笑みながらそれを頬張る。そして遅れて登場した知った顔に「遅い」と不満を投げながらも、笑顔で迎える。そして無事に冤罪が証明された松本が、チェリーが作ったカレーとショートケーキを美味しそうに食べる。そんなごく当たり前の日常が、何故か強く響いてくる。何も喉を通らなかった浅川が。孤独感に苛まれてきた岸本が。信じたものに何度も裏切られてきた村井が。多くの時間を奪われ続けた松本が。そんな彼らが笑い合あってご飯を食べているのだ。信じ合える人と美味しいご飯を食べているだけで、世界で一番最強になった気分にだってなれてしまう。そしてエンディングで黒く爛れたケーキを作り続けた浅川と真っ白なケーキを食べ続けたチェリーの『信じる誰かへの希望があるか』での対比。それらが『生きること』はつまり『信じる人と共に食べること』という本質に気づかせてくれた。『正しさ』はそこに存在しながらも、時に強大な力に飲み込まれ、歪められ、真実との間に壁をつくり、凶器へと姿を変える。闇に葬られた真実は人の見えない場所で渦を巻き、また別の真実の手を掴み引き摺り込もうとする。そんな腐りきった構図は一瞬でひっくり返えせるものではない。だが、浅川恵那や岸本拓朗のように、何の問題意識も感じてこなかった人間だって、自分自身を見つめ直し、壁にぶち当たる度に変わり続け、戦い抜けば、災いの中の『希望』を掴むことだって決して不可能なことではないのである。そうだ。『エルピス』が描いてきたのは、横暴な国家権力やメディアの報道責任に対する挑戦だけではないはずだ。絶望の中をこれからも生きていく私達に、誰かを救うことのできる『希望』をそっと託してくれたに違いないのだ。[文・構成/grape編集部]
2022年12月31日長澤まさみが主演する「エルピス―希望、あるいは災い―」最終話が12月26日オンエア。牛丼を頬張る恵那と拓朗、カレーとショートケーキを口にし涙するさくらの姿に「当たり前の日常が戻ったんだね」「食べることは生きること」など感動の声が殺到している。本作は長澤さんが「コンフィデンスマンJP」以来、4年半ぶりに連続ドラマ主演を務めた社会派エンターテインメント。「ニュース8」のキャスターをしている浅川恵那を長澤さんが演じ、フリージャーナリストとして八頭尾山少女連続殺人事件を追う岸本拓朗に眞栄田郷敦。今は大門副総理の下で動く斎藤正一に鈴木亮平。かつて大門のスキャンダルを暴こうとした村井喬一に岡部たかし。拓朗たちが動くきっかけとなったヘアメイクの大山さくらに三浦透子。連続殺人事件の犯人として死刑が確定した松本良夫に片岡正二郎。「ニュース8」のディレクター・滝川雄大に三浦貴大。松本の弁護士・木村卓に六角精児。新聞記者の笹岡まゆみに池津祥子。拓朗の母で弁護士の岸本陸子に筒井真理子。連続殺人の真犯人らしき本城彰に永山瑛太。連続殺人事件が起きた地域に絶大な影響力を持つ副総理の大門雄二に山路和弘といった面々が出演。※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。最終回では村井がスタジオで暴れる姿を見た恵那が拓朗の自宅を訪れ、かつて大門がレイプ事件を揉み消し、被害者が自殺したことを知る。亨(迫田孝也)が大門に消されたことで自分の無力さを痛感、心が折れた拓朗に対し、恵那はこのネタを「ニュース8」で扱うと告げ、滝川にそのことを話すが彼は斎藤に連絡。放送直前のスタジオに斎藤が乗り込んでくる…という展開に。恵那と斎藤は、本城が八頭尾山少女連続殺人事件の真犯人だと報道する代わりに大門の件は取り下げる形で話をつける。放送後、お腹をすかせた恵那は拓朗と牛丼を口にする。そこに村井もやってくる…。このシーンに「美味しそうに牛丼をかきこむ浅川さんと岸本くんが見られてよかった」「恵那と岸本がもぐもぐ牛丼の大盛り食べてるのも生きる力とか希望とかを感じられて良かった」「牛丼もりもり食べてる二人に希望が見えた。食べることは生きること」などの反応が集まる。その後舞台は2020年に移り、さくらがタマネギを切りカレーを作る場面が映し出される。カレーを振る舞う相手は釈放された松本。かつて14歳の時にごちそうしてもらったカレーを、今度はさくらが作ってあげ、当時と同じくショートケーキを2人で口にする…。このラストに「チェリーさん、何でカレー作ってんだろと思ったら、松本さんが!二人でケーキ食べてるところで、涙腺がゆるみそうになった」「最後、チェリーさんが松本さんとカレー食べてた!幸せそうに笑っててほんとに良かった」「松本さんがカレー食べてチェリーさんが泣きながらいちごショート食べてあぁ当たり前の日常が戻ったんだねと号泣」「チェリーさんと松本さんがカレーを食べているときの幸せな顔。涙が止まらなかった」など、2人の幸せな姿に号泣する視聴者も続出している。(笠緒)
2022年12月27日12月26日(月)に最終話が放送されるドラマ「エルピス―希望、あるいは災い―」より、長澤まさみ、眞栄田郷敦、鈴木亮平からクランクアップ時のコメントが到着した。本作は、実在する複数の事件から着想を得て制作された社会派エンターテインメント。スキャンダルによってエースの座から転落したアナウンサー・浅川恵那と、若手ディレクター・岸本拓朗らが、女性連続殺人事件の冤罪疑惑に迫っていく。4か月間に及ぶ撮影のラストを、都内のスタジオで迎えた、恵那役の長澤さん。ラストシーンは、恵那が「大洋テレビ」の正面ゲートから駆け足で飛び出してくるという設定で、恵那は何者かに声をかけられて驚き、思わず床に倒れ込んでしまうという最終話。長澤さんは「恵那を演じるという上で、すごくプレッシャーを感じていて、でもやっぱり、恵那を演じる上で一番支えてくれたのは、相方である拓朗役の眞栄田郷敦さんだと思います。郷敦さんがいなければ、恵那を演じることはできませんでしたし、先輩なんで『ちょっとかっこいいとこ見せたいな』と思っていたんですけど、全然そんな姿を見せることができなくて、助けられてばかりでした。本当に、郷敦さんがいてくれたから、この役を最後まで演じることができました」と相方に対する感謝の言葉と共に感慨に浸る。一方、眞栄田さんのクランクアップは、関東近郊の駅前にあるスナック。拓朗が“西澤証言のうそ”を暴くきっかけを店のホステスから得るという第5話のシーン。眞栄田さんは「本当に自分の力量以上のものを、皆さんに引き出していただいたなぁと、本当に、本当に、感謝しています。なんか今の僕は、『ミート矢澤』(ロケ弁当の差し入れ)でしか、それを表現できないんですけど…。本当にこれからもっと芝居をうまくなりたいし、役者としてもっと大きくなって、分かんないですけど、何かこう、また、(スタッフの皆さんに)返せる日が来たらいいなと思っています」と周囲の笑いを誘いつつ挨拶。そして、2人より一足早くクランクアップを迎えた鈴木さんのラストは、フリージャーナリストに転身した斎藤が、「ニュース8」のポスターでほほ笑む恵那を見つめ返し、また歩き出すという第8話のシーン。鈴木さんは「本当にこのドラマに関われて光栄だなと思っております。ドキドキしています。仕上がり楽しみにしています」と最終話に期待した。「エルピス―希望、あるいは災い―」は毎週月曜日22時~カンテレ・フジテレビ系にて放送中。(cinemacafe.net)
2022年12月24日長澤まさみ、眞栄田郷敦共演の「エルピス」第8話が12月12日オンエア。真犯人に関する決定的な証拠を掴んだ拓朗に対する恵那の“裏切り”に「浅川が斎藤みたいになっていく」「今日の展開は苦しすぎる」など、ショックを受ける視聴者が続出している。長澤さんがスキャンダルで1度はエースの座を転落したアナウンサーを、眞栄田さんが中学時代に友人を亡くした過去を抱える若手ディレクターをそれぞれ演じる、実在の複数の事件から着想を得た社会派エンターテインメントである本作。出演は「ニュース8」のキャスター・浅川恵那役に長澤さん。弁護士の両親の元に生まれた岸本拓朗役に眞栄田さん。恵那や拓朗が追っている“八頭尾山少女連続殺人事件”に関する新情報を揉み消そうとしていた斎藤正一役に鈴木亮平。“八頭尾山少女連続殺人事件”に関する新事実を報道したことで子会社に飛ばされた村井喬一役に岡部たかし。「ニュース8」のディレクター・滝川雄大役に三浦貴大。拓朗に協力する首都新聞政治部記者の笹岡まゆみ役に池津祥子。事件現場に近い商店街で怪しげな店をやっていた本城彰役に永山瑛太。事件の舞台になった地域に大きな力を持つ副総理の大門雄二役に山路和弘といった面々。※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。事件を調べるなかで迷い込んだ商店街で出会った、えたいの知れない雰囲気と危険をはらんだ瞳で恵那を惑わせた男。その男こそ大門副総理の有力な支援者である「本城建託」社長の長男・本城彰だった。あの男には何かあると直感した恵那に頼まれ拓朗が調べると、八頭尾山で3人目の女子生徒が殺されてから再び犠牲者が出るまでの12年間、彰は海外を転々としていたことが判る。彰が八頭尾山少女連続殺人事件の犯人で、事件を隠蔽するため海外に逃げていたのではないかと考えた拓朗は、最後に殺された中村優香と親しかった高岡ひかるにたどり着く。ひかるは優香が「自分の好きだった人を取った」と言う。その男性は彰だった。拓朗は優香の遺品から彰のものと思われるストールを預かりDNA鑑定を行う。するとストールに付着していたDNAが、過去の被害者・井川晴美のスカートについていたものと一致する…というのが今回のストーリー。拓朗はこのスクープを恵那に伝えるが反応は鈍く、「ニュース8」に持ち込んでも滝川からは後追いなら報道できるとの返答。恵那は村井に連絡し彼の知人の週刊誌記者と拓朗を繋ぎ、スクープは週刊誌で掲載されることになる。「できる限りのことはする」と話す恵那に、「できないんなら言わなきゃいいのに」と冷たく言い返したうえ、恵那に「一番卑怯」と言い放つ拓朗。しかし拓朗も優香の母親に「やれるだけのことはやってみます」と口にしていた…。視聴者からは「できる限りの事はするって優香さんの母親に言ってたよね??岸本」「できる限りのことするって、君も言ったよ拓ちゃん??」「できる限りのことはする」さっき自分も言ってたね、被害者のお母さんに」などのツッコミが殺到。しかし彰に関するスクープが掲載された雑誌が発売される直前に「ニュース8」で、未成年売春あっせんで男が逮捕されたというニュースとともに、その従業員リストに中村優香の名前があったと報道。そして拓朗は解雇される…。恵那が拓朗のスクープを潰す…という展開に「うわ・・・浅川最低だな」「え、浅川ちゃん裏切った」「浅川が斎藤みたいになっていく」「やだ、もう。今日の展開は苦しすぎる」といった反応が続出している。【第9話あらすじ】本城彰が真犯人である事実を揉み消され、会社も解雇された拓朗。背後に巨大な力を感じた恵那が再び心身のバランスを崩していく一方、大門の娘婿で秘書の大門亨に接触を図った村井は、拓朗にジャーナリストを名乗らせ亨と引き合わせる。亨は村井の力を借りて大門の告発を試みたこと過去もあるといい、拓朗は村井もかつて真実を握りつぶされた過去があると知り驚く…。「エルピス―希望、あるいは災い―」は毎週月曜日22:00~フジテレビ系にて放送中。(笠緒)
2022年12月13日Twitterで人気ドラマの感想をつづり注目を集める、まっち棒(@ma_dr__817125)さんのドラマコラム。2022年10月スタートのテレビドラマ『エルピス—希望、あるいは災い—』(フジテレビ系)の見どころや考察を連載していきます。八頭尾山連続殺人事件の真相解明は、瞬く間に全国に広まっていったが、その後は大した進展もなく、松本死刑囚(片岡正二郎)の冤罪はまだ証明できずにいた。一方、浅川恵那(長澤まさみ)は『ニュース8』の看板アナとして忙しない日々を過ごし、岸本(眞栄田郷敦)は経理部へ異動。一方の齋藤(鈴木亮平)は、会社を辞め、ジャーナリストとして他局のテレビに出演するなど政治の世界へと飛び込んでいた。そんな斎藤を通して浅川は、八飛市出身の副総理大臣の大門(山路和弘)がなんらかの形で事件に関わり、報道にも圧力をかけていたのではないかと考え、新聞記者の笹岡(池津祥子)に大門の身辺調査を依頼する。笹岡によれば、事件当時は警察庁長官だった大門が県警に圧力をかけたとするならば、高リスクを顧みなかっただけの相当な理由があったのではないかという。相当に近しく有力な人物からの頼みであった可能性が浮上してきたのだ。一方の岸本は異動でかえって動きやすくなっていた。だがDNA鑑定も再審も一向に動く気配はなく、真実が人間が作ったものだとは思えないくらい、重たく、冷たく感じられた。そして岸本は母・陸子(筒井真理子)と久しぶりに会うことに。弁護士である陸子も、検察の力が圧倒的な構図の中で、DNA再鑑定まで持ち込むことは難しいと話す。「この社会というのはね、君らが思っているよりずっと、恐ろしいものなのよ」そんな陸子の言葉だが、岸本はそれをもって実感してきた。母親との関係もそうだ。裕福な家庭、力のある両親、色々な権力に従ってやっと勝ち組でいられた自分はきっと、検察に嫌われてたくないがために真実を捻じ曲げてきた者たちと同じなのだ。だがもう同じにはなりたくなかった。何も信じられなくなっていても、あの頃には戻りたくなかった。岸本はそんな思いからか、実の母親に対しても終始他人行儀で接していた。そして岸本が村井(岡部たかし)に愚痴をこぼしていると、『ニュース8』から浅川の声が聞こえて来る。そして二人の瞳に飛び込んできたのは、松本死刑囚のDNA再鑑定実施の速報だった。退官する人間に働く『圧力』弁護士の木村(六角精児)によると、現裁判長が再来月に退官するため、この先出世も左遷もないからこうした奇跡的な決断を下したのだという。しかし再鑑定には検察の壁がそびえ立っていた。検察側と弁護側の両方がDNAを鑑定するため、松本とDNAが一致しないとしても、検察側がそれを正直に公表するとは限らない。過ちが詰まった箱を退官する人間に勝手に開けられまいとする力が、それを必死に閉じ込めようとするのである。浅川はこの事態を重く受け止めつつも、木村の「組織というのは必ずしも一枚岩ではない」という言葉を聞き、強大な組織の中の個人の良心を信じたい気持ちが大きくなっていた。だが岸本からは、「それは平和ボケして考えることから逃げてるだけだ」と喝を入れられる。信じたいと思うことは決して逃げではないが、自分では何もアクションを起こそうとせず、ただ全てを丸投げする意味での『信じる』も存在する。確かに報道にいる浅川は最近「時間がない」と岸本の声掛けを遮ることが増えていた。岸本から見れば、事件を追うことを辞めたと捉えられても無理もなく、浅川も結局、権力の一部となっているかのように思えただろう。岸本は、無関心で生きていた自分に対して浅川か投げかけた「おかしいと思うものを飲み込んじゃダメなんだよ」という言葉を今も繰り返し唱えてきた。だからこそ、寂しさも感じているのだ。一方の浅川は本当に時間がなかったが、その中でも大門の情報を集めるなどやれることはやってきたつもりであるし、この環境に甘えているわけでもなかった。浅川は半ば逆ギレしたかのように岸本にバックを投げつけ、『バカな岸本』を殴り倒して帰っていった。帰る途中、村井から電話がかかってきて、泣き言を吐かれた浅川は「甘ったれないでください」と逆に喝を入れ、そのまま電話を切る。浅川は忙しい。だが、それに甘えはしない。まだ何も終わっちゃいないのである。刑事が告白した許されざる罪そしてDNAの鑑定結果が公表される。弁護側の鑑定では検出されたDNAは犯人の松本とは一致しなかったものの、検察側の鑑定ではDNAは検出されなかったという結果だった。岸本は想定内だったが、一方の浅川は心塞がる思いだった。浅川は、八飛市出身の大門が当時の警察に圧かけて逮捕させなかった可能性があることを伝え、笹岡に調べてもらった大門関連の資料を岸本に託す。そんな頃、岸本の元には以前訪れた八飛署の平川刑事から連絡が入り、話を聞くことになる。あれほど「絶対にあり得ない」との一点張りだった平川だったが、金銭を受けとった後、その重い口がようやく開く。語られた真実は、許されざる罪だった。「うちは無実の人間を犯人にでっち上げたんです」上が真犯人を逮捕させたくないという裏事情があると現場の皆が感じていたという。だからこそ丁度よかったのだ。悲しむ家族がおらず、少女を匿っていた松本良夫が、それに適任だった。こうして署の刑事たちは目を明け、真実を追い求めることを辞めた。長い間、耳を塞ぎ、口を閉ざし続けてきた。だが平川自身は「あくまで正義側の人間である」と語る。金銭という手土産もなく、そこまで世間から注目されていなかった時にはあれだけ否定していた隠蔽を、今は自慢気に話すのだ。平川はきっと警察内部の当時を語ったヒーロー気分なのだろうか。目の前にあるのは正義なんかではなかった。毒に侵され続けた平川が願うのは、犯人の逮捕だという。「組織は一枚岩ではない」と言い放った平川の告白がまさかこの言葉の象徴とされるとは思わないだろう。岸本はそんな平川に思わず口がすべってしまう。「なんというか、まじクソですね」その後、被害者の井川晴美の姉・純夏が八頭尾山連続殺人事件の被害者遺族の会を立ち上げる。だが集まりの中で、結成の記者会見を開きたいというと、会場はざわついた。被害者遺族は当時から散々マスコミの的にされてきたのである。もう一度注目を浴びるなんて御免なのだ。そして他にも気になる点があった。それは多くの家族が出席している中、去年当時14歳で殺害された中村優香の遺族だけは連絡が取れなかったのだという。というのも、岸本が平川から受け取った資料によると、家族はまだ30代の母親と二人の兄弟の三人暮らし。そして彼女は18歳と偽って風俗で働いていたという。中村優香の事件が真犯人の犯行だとするならば、松本を救い出す最短の道になり得る。岸本は遺体現場まで出向き、解決を願い、被害者に静かに手を合わせた。明るみになってきた、八飛と大門の関係その帰り、岸本は麓の八飛市中に大門のポスターが貼られていることに気づく。地元の人間によれば、大門の幼馴染である本城が代表を務める本城建託が、ここ一帯の権力を握っているのだという。そして岸本は託された資料の中で本城を見つけるが、兄妹の中で一人だけ業務を手伝っていなかった長男の本城彰(永山瑛太)が気にかかった。この人物こそあの商店街で店をしていた人間だ。浅川が『見つめられただけで体が動かなくなってしまった』あの男だ。明るみになってきた、八飛と大門の関係。そして中村優香の殺人事件の真相とは。物語はついに終盤へと加速していく。[文・構成/grape編集部]
2022年12月11日グラビアアイドルの長澤茉里奈さん(27)はFカップに対して童顔にツインテールということから「合法ロリ巨乳」とキャッチコピーが付けられ人気に。また、2021年には日本プロ麻雀協会20期前期のプロテストに合格し麻雀プロになったことが明らかに。先日、自身のインスタグラムに自然の中で寝そべりショットを投稿したところ話題になっているようです。早速チェックしてみましょう!お猿さんポーズ?!自然の中で半脱ぎな寝そべりショットを投稿 この投稿をInstagramで見る 長澤茉里奈(Marina Nagasawa)まりちゅう(@marinanagasawa1008)がシェアした投稿 「おはよう!#どういう状況」と、緑溢れる自然の中で半脱ぎな寝そべりショットを投稿した茉里奈さん。不思議なポーズや撮影場所など謎が多いこちらの写真には本人自らハッシュタグに「どういう状況」とツッコミが。それにしてもきわどいポージングやきわどいチラ見せにフォロワーからは「えええええw」「攻めてますね」「一瞬履いてないのかと思った笑」「この場所とアングル魅力的♡成長が楽しみ♡」と反響を呼んでいて日本のみならず海外の方からのコメントも多く寄せられておりました。実妹である長澤聖愛さんとのグラビア共演も人気を集めている茉里奈さん。今後も攻めたグラビア写真を期待してしまいますね!あわせて読みたい🌈長谷川京子さん真っ赤なランジェリー姿に「大人の色気」「セクシーでクール」と反響
2022年12月06日Twitterで人気ドラマの感想をつづり注目を集める、まっち棒(@ma_dr__817125)さんのドラマコラム。2022年10月スタートのテレビドラマ『エルピス—希望、あるいは災い—』(フジテレビ系)の見どころや考察を連載していきます。松本良夫(片岡正二郎)が犯人だとする西澤(世志男)の証言は本当なのか。その問いに「嘘です」と答えたのは西澤の元妻・由美子だった。この逮捕の決め手となった目撃証言が覆され、再審の可能性が一気に浮上し、浅川恵那(長澤まさみ)と岸本(眞栄田郷敦)は一層勢いづく。だが浅川はもう『フライデーボンボン』で扱えるネタの範疇を超えているとして、今後は報道部に任せるつもりだった。取り扱う手段や媒体によって事の重みというものは変わってしまうものだ。一個人が声を上げようが誰にも注目されないまま放置されていくように、事実にはそれに見合った大きさの器がある。事実を正しく広めていく方がよほど大切だと浅川も考えていた。しかしチーフの村井(岡部たかし)はそれを遮り「うちでやる」と宣言する。浅川が説得するも村井の強気な姿勢は変わらなかった。村井も以前は報道にいた人間で、報道魂を燃えたぎらせ覚悟を決めていたのだ。そして『フライデーボンボン』での運命の放送が始まる。もはやいつものフライデーボンボンのおちゃらけた雰囲気は無く、冒頭から目撃証言に関する特集映像が流れ始める。「死刑が確定している松本良夫死刑囚には、冤罪の可能性が強まったことになります」それは瞬く間に日本中に広まっていく。情報提供した由美子、嘘の証言をした西澤、松本を思う大山ことチェリー(三浦透子)、報道の斎藤(鈴木亮平)がそれを見守っていた。あれだけ一喜一憂していた視聴率もどうこう言ってる場合ではないほど、反響は想像を超えた。他局や新聞をはじめとするメディアが次々と取り上げた。すると由美子や家族のもとにマスコミが押しかけ、しまいには西澤は逃亡し、証言を得られなくなってしまった。浅川たちはいかに甘かったかを思い知らされることとなった。そして社内の緊急幹部会が行われ、上層部が決めたのは、『事件を追っていた記者』としての浅川の『ニュース8』出演だった。アナウンサー・浅川恵那がかつて輝きを放っていた、あの場所だ。浅川に届いた、斎藤のメッセージこの凱旋出演に、浅川は手放しで喜ぶことができなかった。斎藤が副総理の大門(山路和弘)と繋がっていると知ったときから、斎藤を通じて大門から当局に圧力をかけられたのではないかという疑念を抱いていた。出演前に浅川のもとを訪ねてきた村井もそれが気がかりだったと言う。そして浅川に今日の出演を取り止めてもいいという提案をする。村井は斎藤と関係を持つ浅川と、アナウンサーとしての浅川を救うため、逃げ道を照らそうとしたのだ。しかし、「もう逃げも隠れもしない」と浅川は断る。「この仕事は、私です。丸ごと今の私自身なんです」その時、浅川のスマホの通知音が鳴る。それは斎藤からのメッセージだった。「オンエアの後にしようかと思ってたけど」という内容。それに続く言葉が、浅川の頭の中で渦巻いて見えていた。わかっていても、放送前にその続きを読む覚悟はなかったため、浅川は村井にスマホを託し、一人スタジオへ向かった。大事なことは言わないくせに、メッセージは無駄に刻んで伝えてくる斎藤による通知音が鳴り響く。その通知音を消せず文句を漏らす村井が一人その場所に残される中、浅川は、『ニュース8』に出演を果たした。放送終了後、浅川は続きを見る。そこには「ここまでにしよう」という言葉が綴られていた。斎藤は報道という器から溢れてしまった。その器が自分がいる場所ではないことが、最初から決まっていたかのようだった。そして浅川は斎藤との間に出来、た決して埋められぬ溝を必死に取り繕ってきた。だが斎藤から送られるサインの本当の意図を、背中合わせの浅川は見ることは叶わないのだ。いつか目の前に訪れる別れという終着点を迎えるために、一本道をひたすら歩いた。そこは斎藤の甘い優しさに包まれていて、足先が元いた場所に向く瞬間は、浅川に訪れることはなかった。それでも決めた『ニュース8』への出演。それが意味するものは別れだった。「それでもそういう君をこそ、俺は好きだった」斎藤の最後の言葉を目にして、浅川は一人で泣き叫ぶ。その裏で斎藤は今日も、大門の横で笑みを浮かべるのだ。バラバラになった元『フライデーボンボン』のその後そして番組は改編期に合わせて打ち切りとなった。だがMCの海老天(梶原善)は続投で『ウィークエンドポンポン』が後番組に続き、スタッフも大体がそのまま残留。番組がリニューアルしただけのようだが、会社としてはケジメをつけたことを世間、そして大門に示す必要があったのだ。一方、村井は関連子会社へ飛ばされ、岸本は経理部への異動が決まっていた。番組陣での最後の宴会が行われた。誰もこんな番組の宴会の最後が、和やかな雰囲気になると思ってなかっただろう。誰も何も期待しない、そんな昨日を繰り返すようなぬるま湯の『フライデーボンボン』の雰囲気は浅川と岸本、あの冤罪事件を中心に変わっていったのだろうか。浅川と岸本が歌う『贈る言葉』を聞きながら、村井をはじめ製作陣が流した涙や笑顔が、この10年間を『墓場』に捧げた、彼らなりの執着点そのもののように見えた。ついに浅川は、メインキャスターとして『ニュース8』の舞台に返り咲いた。それからというもの、浅川の毎日は、オンエア中心の生活になった。1秒も待たずに変化していく世界に追いつくのに必死だった。浅川には、時間がなかった。今も一人で事件を追う岸本からの電話を即刻遮ってしまう。報道っていつも必要以上に忙しい、忙しい、時間ないふりして。浅川は自分自身に問う。忙しいふりをして大事なことを忘れようとしているだけなのだろうか。第一話で浅川が報道に対して発したこの言葉が自分に返ってくる。上層部はこれが狙いだったのかもしれない。目紛しく回る報道に浅川を置くことで、あの事件に関して無駄な詮索ができないようにさせたのだ。新たな問題は、別の問題を隠して、闇に埋もれさせ、見えなくさせる。情報が広まるのが著しくはやいこの時代でそれは表裏一体となる事実なのだ。新たなものが積み重なって、奥にあるものを直視できる時間が減っていく。綺麗な空気に触れる時間が削れて、真実は朽ちて、風化し、忘れ去られていくのだ。そして問題を追う者の心も同じ結末になる可能性すらある。皆、冤罪事件を追っていてもジャーナリズム精神だとか、上に良い顔したいからだとか、自分が自分で居続けるためにだとか、松本のために冤罪を暴くことが根底にある者は少ない。方向を見失えば、真実は簡単に朽ちていってしまうのである。最終章へとつながる、巨大な構図そして岸本は一人でも新たな情報を探しに、連続殺人事件が起きた八飛市の商店街の喫茶店を訪れていた。そこで耳にしたのは、大門が副総理になってからというもの八飛が本城建託の土地の天下になったという話だった。岸本は商店街のあの場所を訪れる。浅川が謎の男と会った店は、貸店舗となっていた。そしてその横には大門のポスターが貼られていた。大門は八飛市出身だったのだ。ついに見えてきた巨大な構図。浅川達は新たな情報を掴めるのか、今後も目が離せない。[文・構成/grape編集部]
2022年12月05日女優の長澤まさみ、俳優の皆川猿時、お笑いコンビ・パックンマックンのパックンことパトリック・ハーランが出演する、クボタの新CM「クボタが描く未来 スマートビレッジ構想」編が、3日より放送される。未来の世界を舞台にした新CMは、長澤が過去の視察から帰還する場面からスタート。同僚のパックンと皆川に対し、2020年代に起きているさまざまな問題について報告すると、パックンが「未来ではまとめて解決できるのに……」とため息を吐く。それに対し、長澤が「いや、みんな気付き始めてます。だってちゃんと伝えてきましたから。『大丈夫! それクボタがやる』ってね」と宣言。すると、皆川は「僕も言いたかった……」と悔しそうな表情を浮かべる。
2022年12月02日松山ケンイチと長澤まさみが初共演する社会派エンターテインメント映画『ロストケア』より、本予告映像と本ポスタービジュアルが公開された。連続殺人犯と検事が対峙し、なぜ彼が殺人を犯したのかに迫る本作。今回公開された映像では、松山さん演じる介護士・斯波宗典は、42人もの命を奪ったにもかかわらず、それを“救い”であり、“介護”であると主張。それに対し、長澤さん演じる検事・大友秀美は「正義などない」と強く非難する。そして、斯波の“救い”によって家族を失ったものたちの様子が映し出される。「私、救われたんです」と幸せそうな人生を送っている羽村洋子(坂井真紀)の一方、「人殺し!お父さんを返せ!」と法廷で泣き叫ぶ遺族の姿も。ラストは、何者かを抱きしめるように倒れこみ涙をする斯波と、誰かに頭を撫でられ泣く大友のシーンで締めくくられている。なお、本作のムビチケカードが12月9日(金)より全国の上映劇場にて発売(一部劇場を除く)。数量限定の前売り特典として、ポスタービジュアルを使用したオリジナルクリアファイルがプレゼントされる。『ロストケア』は2023年3月24日より全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:ロストケア 2023年3月24日より全国にて公開©2023「ロストケア」製作委員会
2022年12月01日松山ケンイチと長澤まさみが初共演する映画『ロストケア』の公開日が、2023年3月24日(金) に決定。併せて本予告映像とポスタービジュアルが公開された。本作は、連続殺人犯と検事が対峙し、なぜ殺人を犯したのかに迫る社会派エンタテインメント。主人公の介護士・斯波宗典は松山、また斯波と対峙する検事・大友秀美は長澤が演じる。このたび公開されたのは、60秒の本予告映像。42人もの老人の命を奪った斯波は、その殺人を“救い”であり、“介護”であると主張する。それに対し、大友は「あなたがやったことに正義などない」と強く非難し、その事件の真相に迫る。「大切な家族の絆を、断ち切って良いわけがない。」と斯波の犯した罪を強く非難する大友に対し、その絆こそが家族を苦しめていると反論する斯波。さらに「僕はかつての自分が誰かにしてほしかったことをしただけです。」と、連続殺人の動機ともとれる言葉を語り始めると同時に映し出されるのは、斯波の“救い”によって、家族を失ったものたちの様子。「私、救われたんです」と語り、幸せそうな人生を送っている羽村洋子(坂井真紀)、それとは正反対に「人殺し!お父さんを返せ!」と法廷で泣き叫ぶ遺族。映像のラストでは、何者かを抱きしめるように倒れこみ一粒の涙を零す斯波と、誰かに頭を撫でられ、むせび泣く大友が映される。ふたりの涙に込められた思いと、ふたりが主張するそれぞれの正義とは……。救うために殺すことは正義なのか、罪なのか、60秒という短い映像からだけでも、ひとりひとりの心の中にある“正義感”が大きく揺さぶられる内容となっている。また本作のムビチケカードが、12月9日(金) より全国の上映劇場で発売されることが決定。数量限定の前売特典として、ポスタービジュアルを使用したオリジナルクリアファイルがプレゼントされる。映画『ロストケア』ムビチケ前売特典:オリジナルクリアファイル (C)2023「ロストケア」製作委員会映画『ロストケア』本予告映像<作品情報>映画『ロストケア』2023年3月24日(金) 全国公開原作:『ロスト・ケア』葉真中顕 著/光文社文庫刊監督:前田哲脚本:龍居由佳里前田哲主題歌:森山直太朗「さもありなん」(ユニバーサル ミュージック)音楽:原摩利彦出演:松山ケンイチ長澤まさみ鈴鹿央士坂井真紀戸田菜穂峯村リエ加藤菜津やす(ずん)岩谷健司井上肇綾戸智恵梶原善藤田弓子/柄本明公式サイト:
2022年12月01日長澤まさみが主演する、現在放送中のカンテレ・フジテレビ系月10ドラマ「エルピスー希望、あるいは災いー」の主題歌「Mirage」にて、長澤さんがヴォーカルを担当していることが分かった。主題歌を担当するのは、STUTSが音楽プロデュースを手掛ける音楽集団「Mirage Collective」。今回YONCE(Suchmos)に加えて、長澤さんがフィーチャリングとしてヴォーカルに参加。YONCEと長澤さん、2人の歌声が聴ける「Mirage Collective」シングル第4弾「Mirage Op.4 - Collective ver.(feat.長澤まさみ)」は11月29日より配信リリース。そして、MUISC VIDEOが「Mirage Collective」のオフィシャルYouTubeチャンネルにて同日11月29日21時よりプレミア公開となる。「Mirage Collective」- Collective ver.のメンバーは、STUTS(プロデューサー/ミックス・エンジニア/MPC)、YONCE(Suchmos|ヴォーカル)、butaji(コーラス)、長岡亮介(ペトロールズ|ギター/コーラス)、ハマ・オカモト(OKAMOTO’S|ベース)、荒田洸(WONK|ドラム)、高橋佑成(ローズ/ピアノ)、武嶋聡(サックス/フルート)、佐瀬悠輔(トランペット)、大田垣“OTG”正信(トロンボーン)、須原杏(バイオリン)、林田順平(チェロ)の合計12名。本楽曲は作詞:YONCE,butaji、作曲:STUTS,butaji、編曲・プロデュース:STUTSが担当しており、「Collective ver.」とタイトルについている楽曲は「Mirage Collective」によるバンド・アレンジ・ヴァージョンとなる。「Mirage Op.4 - Collective ver.(feat. 長澤まさみ)」は各種音楽配信サイトにて配信中。「エルピスー希望、あるいは災いー」は毎週月曜22時~カンテレ・フジテレビ系全国ネットにて放送中。(text:cinemacafe.net)
2022年11月29日Twitterで人気ドラマの感想をつづり注目を集める、まっち棒(@ma_dr__817125)さんのドラマコラム。2022年10月スタートのテレビドラマ『エルピス—希望、あるいは災い—』(フジテレビ系)の見どころや考察を連載していきます。時は2018年。12年前に起きた八頭尾山連続殺人事件の冤罪特集が深夜の情報番組『フライデーボンボン』で2回放送された後、突如棄却が決定した松本良夫(片岡正二郎)の再審請求。冤罪を暴くことに身も心も入れ込んできた浅川恵那(長澤まさみ)と岸本拓朗(眞栄田郷敦)だったが、上層部から正式に放送と制作の中止を言い渡され、二人は何も口出しできなかった。実際、視聴率も世間の反響も良かった。無関心でいる世の中の風向きが少しずつ変わり始めようとしたこのタイミングだ。数字が命の上層部だって、きっと第三弾を心待ちにしていたはずだった。だが実際は、テレビの要となる報道にお気楽バラエティーは敵うはずがなかった。現に、報道にいる齋藤(鈴木亮平)も制作中止の理由を、報道に検察などの大きな国家権力の圧がかかっているからだと考えていた。制作者の墓場である『フライデーボンボン』だから捻り潰さ潰されたのではなく、バラエティーは、報道には逆らえないといったパワーバランスが働いているのだ。そして岸本にこの話を持ちかけたチェリーこと大山さくら(三浦透子)が自殺を図っていた。命は助かったものの、錯乱状態だったチェリーは、自分自身に殺意を向け、ベランダから身を乗り出したのだ。松本のために真相追及していたチェリーだったが、それがかえって松本を追い詰めることになり、責任を感じているのだ。浅川はそのチェリーの姿を見て、これ以上詮索することは危険だと判断し、引き返すことを決めてしまった。手に入れた決定的な証言一方の岸本はこの時、立派な髭を生やし、人が変わってしまったようだった。友人を見殺しにした過去。『負け続けている』本当の自分を知り、彼は正義に縋ることでしか精神を保てる方法が見つからなくなっていたのだ。それは、ここで諦めたくないと躍起になっていた、かつての浅川恵那のようだった。「なんでこんなとこまで来ちゃったんだよ…」というぼやきは、タイヤがパンクしたまま加速し続ける自転車のハンドルをただ握り、後ろの自分が見えないようにする岸本の心の声なのだろう。そんな彼が目を付けたのは、松本逮捕の決め手となった目撃証言だった。当初報道された『ロン毛の男』の証言はいつの間にかすり替わり、いかにも松本を犯人に仕向けたような胡散臭い証言が取り上げられた。これを証言した西澤正(世志男)の身辺を調べ始めると、10年前まで八頭尾山近くの町に住んでいたことが判明する。その後も地道に現地で聞き込みを続ける中で、西澤の息子・健太の同級生だという男と接触することに成功した。その男が語ったのは、西澤がDVをしていたという新情報だった。岸本は健太を探す理由を述べた上で、健太を介して母親との接触を試みた。そして岸本は西澤の元妻・由美子に約束を取り付け、早速インタビューを行うが、そこで明かされたのは、隠された真実だった。由美子は、西澤の証言を「あり得ない」とキッパリと否定する。その時刻は自宅で酔っ払って寝ており、八頭尾山で松本の姿を見ていたはずがなかったという。そして金のために嘘の証言をしたという線も、身に覚えのない架空らしき会社からの振り込みという決定的証拠が裏付けていた。由美子は涙ながらに謝罪し、ふと事件が起こった日のことを思い出していた。あの日は獅子座流星群が流れる日だった。父親が暴力を振るう毎日、西澤家にとってこれが『普通』の日々となっていた。その『普通』を変えたのは、流れ星を一緒に見ようという息子の言葉だった。そして一緒に星空を見上げたという。日常が麻痺した彼らにとって、この日は特別だった。あの夜空だけは彼らに平等にあったのだ。そしてあの日、八頭尾山にいた井川晴美も、同じ空を。こうして岸本は今後を揺るがす、決定的証言を手に入れた。だがいつもなら喜んで報告する岸本の姿は、浅川の隣にいない。彼女はすでに齋藤正一という男に支配されていた。無機質な恰好から、カジュアルな出立ちとなり、「好きな女とうまいもん食いたい」という甘い言葉に乗せられ、今日もまた、浅川の心は冤罪事件なんて忘れて、自分達マスコミの罪なんて考えず、完全に斎藤の元にあった。そんな時、『ニュース8』のディレクター・滝川雄大(三浦貴大)から、斎藤が副総理・大門雄二(山路和弘)に可愛がられていると教えられ、浅川は驚く。斎藤は多くは語らない男だ。知らなくていいことだと何かを隠し、優しさを見せる。浅川はその優しさの裏側にあるものを見ようとしなかったのである。再び距離が近づいた二人だったが、お互いの思惑をそう上手くは汲み取れないのだ。岸本が抱えるもう1つの葛藤一方岸本は、母・陸子(筒井真理子)との歪な関係にもケリをつけたかった。陸子は「俺、この家出るね」と切り出した岸本の腕を掴み、「不自由なく暮らせたのは自分のおかげだ」と訴え、引き戻そうとする。「お前を食わせているのはこの私だ!」という言葉をよく聞くが、自分が与えてきた愛をこうして裏切られるなんて思いもしないのである。岸本は目も合わせようとしなかった。陸子は助けを求める声を無視し、大切な友人の命は一瞬にして消え去った。そしてその事実さえ、握り潰されてしまったのだ。だが陸子も家庭を守るには権力者に倣うしか術がなかったのである。二人共、結局同じなのだ。勝ちに留まるためには勝った者の前で平伏し、ひたすら負け続けるしかなかったのだ。岸本はそのまま母を置いて家を飛び出してしまう。閉じた岸本の扉を開いた唯一の人物は…そして岸本は冤罪特集の3回目を独断で放送することに決めた。岸本は嵌めようとした張本人であるであるボンボンガールの篠山あさみを利用しようとするも、差し替えVTRを渡す岸本の震える手を見て、事前に村井(岡部たかし)が差押えたため、放送はされなかった。放送終わり、村井に呼び出された浅川は、その時初めて岸本が掴んだ真実を知ることになった。浅川は、また真相が闇に葬られたことを嘆いていた岸本を呼び出し、「君は、本当にすごいことをしたね」と岸本を讃え、釈放の希望の光も見えてきたと前のめりに話した。少し間を置き、やっと口を開いたかと思えば岸本は「俺ちょっと、雑炊食っていいですか?」と言い出す。突然のことに失笑してしまうが、岸本は既に限界を迎えていたのにも関わらず、ずっとご飯を食べておらず、睡眠も取っていなかった。元気に雑炊を平らげ、眠りにつく岸本を見て、浅川は安堵する。岸本がたった一人で突っ走った結果、報道としての浅川を再び呼び覚ました。そして反対に、閉ざされた岸本の道をまた開いたのは、浅川ただ一人なのだ。今回は、報道とバラエティー、国家権力とマスコミの絶対に逆らえぬ関係、斎藤と岸本の先輩・後輩の関係、斎藤と浅川の依存関係、岸本と母親歪な関係…と今回は特にパワーバランスに焦点が当たっていた。それと対象に、浅川と岸本はお互いに良くも悪くも影響を及ぼし合っている関係なのだと言える。夜がもう少しで明けようとしていた。夜明けに岸本が感じたのは、真実を嫌う者が葬り去る闇の世界が晴れる、確かな自信なのだ。[文・構成/grape編集部]
2022年11月27日松尾スズキが女優と組んで繰り広げる至極のコントドラマ第3弾「松尾スズキと30分強の女優」の放送が決定。今回は、松たか子と長澤まさみが出演する。松尾さんが「バラエティ番組のコントじゃない、作品としてのコントが作りたい」という思いから、脚本・演出・出演を務める、各話30分のオムニバスコントドラマとしてこれまで、吉田羊、多部未華子、麻生久美子、黒木華、生田絵梨花、松本穂香、松雪泰子、天海祐希が出演し、第2弾まで放送してきた「松尾スズキと30分の女優」。今回の第3弾では、そんな「30分の女優」から「30分“強”の女優」と変え、これまでよりも各話を長めにスケールアップ。これまでと同様に、本作の脚本家として松尾さんのほかに、「バカドリル」の著者・天久聖一と、劇団「地蔵中毒」主宰の大谷皿屋敷が参加する。放送決定に松尾さんは「この歳でコントの番組をやらせてもらえるとは、そして、松たか子、長澤まさみという、旬の時間が止まらない、日本を代表する女優とタッグが組めるとは、幸せ以外のなんでもないので、がんばるという言葉は、あまり好きじゃありませんが、楽しくがんばる次第です」と心境を明かし、「今回も、見てる人みな頭が変になれ、と、祈りつつ台本製作中であります。乞うご期待!」とコメントしている。「松尾スズキと30分強の女優」は2023年3月、WOWOWにて放送・配信予定。(cinemacafe.net)
2022年11月23日Twitterで人気ドラマの感想をつづり注目を集める、まっち棒(@ma_dr__817125)さんのドラマコラム。2022年10月スタートのテレビドラマ『エルピス—希望、あるいは災い—』(フジテレビ系)の見どころや考察を連載していきます。「構わない、全部覚悟の上だ。逃げも隠れもしませんよ」松本良夫死刑囚(片岡正二郎)冤罪特集を独断で放映した浅川恵那(長澤まさみ)はそう決意し、その瞳は放送中も真っ直ぐを捉え続けていた。このことは、MCの海老田天丼/海老天(梶原善)を除き、制作を共にした岸本拓朗(眞栄田郷敦)も、反対していたディレクターの名越公平(近藤公園)、そして村井(岡部たかし)をはじめ、誰も知らなかった。だが、その村井にジャーナリズム魂が舞い戻ったのか、何故か続行のサインを出し、オンエアも番組も無事終了。その後、浅川は名越からお決まりのパワハラ気味な叱責を受け、岸本にもお決まりの目力で責められる。その一方で、視聴率万年最下位『フライデーボンボン』史上最大の関心が寄せられるなど、世間の特集への反響は想像以上に大きかった。浅川と岸本のもとに、被害者遺族として取材した井川晴美の姉・純夏から電話がかかってくる。純夏は特集を見た晴美の友人が両親に反応を寄せたと聞き、浅川に感謝を伝えたかったのだという。浅川は直ぐに涙が溢れた。この特集を放送する意義があり、そして自分の正義が報われた瞬間だった。SNSの反応を見ても、事件をこのまま終わらせまいとするネットユーザーが大半を占め、6.5%という高水準の視聴率も浅川の背中を押した。放送不適切と判断したはずの局長もなぜか大喜びだった。浅川は、名越の嘘だったと言うが、局長が手のひらを返しただけのようにも思える。どちらにせよ、浅川の言う通り「おじさんたちのメンツとプライドは地雷」なのだ。自分のポジションを奪われないために必死にしがみつき、小さな塵のようなプライドを大きく見せびらかして壁の頂上で良い顔しながら笑ってるのだ。そんな状況の中だからまだ危ういことは、浅川自身もわかっていた。ただ一部が動き出すきっかけをつくっただけである。素直に喜ぶ岸本を制しながら一層意気込む思いだった。そして、笹岡まゆみ(池津祥子)から行方不明女子中学生の殺害事件の被害者と晴美の死体の特徴が酷似していることを教えられる。しかも自分達の間違いを隠蔽するためなのか、警察は捜査を終了させるとの噂もあるという。この情報提供を受け、浅川たちが次に調べたのは、矛盾している目撃証言だった。目撃者の西澤(世志男)は、「身長160cm、40~50代の作業服を着た男が山道から駆け降りてきて、自転車で立ち去った」と証言していた。しかし、捜査の初期段階では「ロン毛の若者だった」という別の証言があったはずだ。西澤の証言が嘘ならば、再審請求も通るはず。しかし『開かずの扉』と呼ばれる日本の司法ではそれが叶うケースの方が少ないのである。検察側の同意がいるDNA鑑定。隠したいことがあれば思い通りにできてしまうのだ。可能性はゼロではないものの、こんなのゼロに等しいも同然なのである。それでも浅川達はまずはこの目撃情報や矛盾点について第二回の特集を組んだ。ネットメディアを中心に世間の話題として広めることに成功し、名越も局長も後戻りはできなくなっていた。視聴者を騒然とさせた、長澤まさみのベッドシーンそんな矢先、浅川は弁護士の木村(六角精児)から、に、再審請求が棄却されたことを告げられる。視聴率は取れて世の中の関心は強いのにこのタイミングでの棄却。番組と関係があるのかも、何もわからなかった。しかしこれだけは推測できた。検察や裁判所、そのメンツがプライドが捻り潰されたようなものなのだ。今すぐ手を打ちたいものなのだろう。「敵はどこにいるかわからない」という村井の言葉が今返ってくる。人のためにある司法が時として敵として立ちはだかる。岸本は捜索を続ける意思を主張するが、浅川はもう半分諦めるしかないと思っていた。国中が再審しろと言えば動くかもしれないって思っていたが、ネットの反応なんて世の中の一部の声にすぎない。時が立てば話題は移り変わり、すぐ鎮火してしまう。浅川の「勝ってこないよ君」は岸本を含めた若者のような全てが人任せの人間を指しているのだ。国家権力の力を、思い知る。そして浅川は政治にも精通している斎藤(鈴木亮平)が話したかった内容がこれに関わることなのか気になり始める。斎藤を家に招き、早速再審請求が棄却されたことや何を話そうとしていたのかを聞くが、「知らない方がいいこともある」と言い、浅川の頬に手を添えるだけだった。そんな斎藤の誘惑を、浅川は拒むことはできない。断捨離で全てを捨て去ったはずの部屋にはダブルベットが置かれている。浅川にとっては、この世界に絶望した時に「大丈夫だよ」と言われ、何かを考えるより、ただ抱かれ、斎藤の温もりを感じる方が自分を守っているように思えるのだ。斎藤もそれを理解っていた。二人の関係は、ただ愛で繋がっているものではない。「かなわない、かないっこなかった、最初から」浅川の言葉はきっと斎藤に、そして権力にも。開け広げすぎた『パンドラの箱』そして岸本の元に視聴者から晴美と手紙の文通していたというネタが寄せられるが、斎藤からガセネタと告げられ、まんまと騙されたことを知り、村井とやけ酒をしていた。そこで村井に改めて忠告を受けるも、「負けちゃダメ」と特集を続ける意思を見せる。いや、『続けなくては』ならないのだ。自分が持ち込んだことへの責任を感じているわけではない。ただ彼は、全てにおいて勝ち組であり、エリートである自分を誇りに思い続けるしかないのだ。でも本当は、もうわかっていた。勝ち組という幻想の中に居続けるために、友達を見殺しにしてまで、偽りの笑顔を演じてきただけということを。それは、『負けている』と同然だったということを。「一体僕は、何に勝ってるっていうんですかね」そう村井に打ち明け岸本は、ある場所へと連れて行かれた。そこは明王中学の校舎が見える屋上だった。村井は当時、生徒の自殺を取材していたのだ。逃げ出そうとする岸本に、「自分が何に負けてきたのか向き合え。それができねえ限り、お前は一生負け続けて終わるぞ」と忠告する。岸本の目にはまだ、『あの手』がこびりついていた。「何だよ勝ち組って、どう勝ってんだよ…!」岸本は声を枯らして泣く。負け続けた『岸本拓朗』を、他人からも、勝ち組の自分にも見抜かれてしまった。勝ち組である自分が崩れ始めた。一発指で弾けば簡単に砕け散る、そんな脆い器だった。いつもそこにあった、奴の強烈な目力は今はもうない。食べ物も喉を通らなかった。浅川はそんな岸本の様子に「脳天から真っ二つに切られたような気がした」という。「自分の弱さを、愚かさを、情けなさを、見抜かれたと思った」そう言いながら鏡を見る浅川。落ちぶれたもう一つの自分を客観視したような気になったという暗示だろうか。『岸本拓朗』。つまりこれは私、『浅川恵那』なんだと。そしてラスト、再審請求が棄却されたと聞いた、チェリーこと大山さくら(三浦透子)らしき女性がベランダから転落する。パンドラの箱を開け広げてしまったことなよる、余波はどこまで続くのか。次週も注目だ。[文・構成/grape編集部]
2022年11月18日