日本だけでなく海外でも注目を集める秀作を集める恒例の特集上映「所沢ミューズ シネマ・セレクション世界が注目する日本映画たち Part19」が4月16日(金)から3日間、埼玉県の所沢市民文化センター ミューズで開催される。本イベントは、関東圏の映画ファンにはおなじみのイベント。ここ数年は所沢ミューズが長期休館のため別会場で開催されていたが、昨年4月に所沢ミューズがリニューアルオープンし、3年ぶりに同会場で開催される。本イベントは近年の注目作、話題作が上映されるだけでなく、全プログラム、上映後にトークショーが予定されているのが特徴。同じ空間で映画を楽しみ、時間を共有し、さらにトークを通じてさらに深く作品を楽しむことができる。今年はドキュメンタリー作品が多く上映され、口コミで驚異的な動員を記録した『なぜ君は総理大臣になれないのか』の上映から特集がスタート。日本語字幕付きのバリアフリー上映で、大島新監督の来場が予定されている。そのほか、菅田将暉、小松菜奈出演の『糸』や、一からすべての食材・食器をつくってカレーライスを完成させようとする大学生たちの長い年月を追う『カレーライスを一から作る』、本作が長編デビュー作になったHIKARI監督の『37セカンズ』、黒沢清監督の新作『スパイの妻<劇場版>』、受刑者更生プログラムを長期取材したドキュメンタリー『プリズン・サークル』、諏訪敦彦監督が岩手県に実在する電話をモチーフに描く感動作『風の電話』が上映される。また『カレーライス…』の上映回には前田亜紀監督と武蔵野美術大学名誉教授の関野吉晴の特別対談も予定。本イベントは毎年、多くの映画ファンが足を運んでおり、今年も盛り上がりそうだ。所沢ミューズ シネマ・セレクション世界が注目する日本映画たち Part194月16日(金)13:00 『なぜ君は総理大臣になれないのか』16:45 『糸』4月17日(土)10:30 『カレーライスを一から作る』14:00 『37セカンズ』17:40 『スパイの妻<劇場版>』4月18日(日)12:00 『プリズン・サークル』16:00 『風の電話』会場:所沢市民文化センター ミューズ マーキーホール(埼玉県所沢市並木一丁目9番地の1)全席指定 1回券(日時指定):1000円
2021年02月05日「グレートジャーニー」シリーズで知られる探検家・関野吉晴の新たな旅を追い、話題を呼んだ探検ドキュメンタリー映画『縄文号とパクール号の航海』。その監督を務めた水本博之による、手作りのアニメーション短編映画2作が、下北沢トリウッドにて上映されることになった。まず、『きおく きろく いま』は、95歳のシスターによる長崎の原爆証言を、長崎県大村市の1,000人以上の市民が参加して描いた大作。長崎・出津教会のシスターの橋口さんは、幼少の頃から修道女として信仰とともに暮らしてきた。彼女は貧しい子ども時代や、原爆の救援に駆けつけたことなど現代の生活からは想像しづらい体験をカメラの前で話し、監督はその様子を4,000枚の写真に印刷。大村市の人々に写真をなぞって描いてもらい、これを撮影して“インタビューをみんなでアニメーションにする”というプロジェクトを開始した。また、『いぬごやのぼうけん』に登場するのは、海の上でいがみ合っている少年と犬。彼らが大海原で、他者の大切さを学びながら成長していく物語。ガラス板の上に人形を置いて、少しづつ動かしながら作ったストップモーション・アニメーション映画で、時間をじっくりとかけて、1人の少年と1匹の犬に生命が吹き込まれていった。奇遇にも、水本監督は本作完成後にドキュメンタリー『縄文号とパクール号の航海』で本物の大海原での航海に参加。インドネシアの漁民の仲間と日本の若者たちが、家族のようになっていく作品を手がけることになった。ドキュメンタリーとアニメーションの枠を越境する映画作家・水本監督の、オリジナルで数奇な世界観を体験してみては。以下、本作へコメントが寄せられた。■関野吉晴(探検家・医師)水本監督の『縄文号とパクール号の航海』は、私が企画した手作りカヌーでインドネシアから沖縄まで航海するという足掛け4年の旅のドキュメントだ。その膨大な映像をさらに3年かけて忍耐力と構成力、センスで完成させたのだ。そのときも航海と東北の震災がシンクロしていたが、この作品でも普賢岳爆発の被災と東北の震災がみごとにシンクロしているのが印象的だった。■土居伸彰(アニメーション研究・評論/(株)ニューディアー代表)私たちは永遠に生きるわけではない。私はいつか朽ちるし、いまこの瞬間にも、どこかで誰かが消えていっている――水本博之のアニメーションは、ふと自分のことをふり返り、そして周りを見渡して、そんなふうに私たちの宿命にハッと気づいたときの世界に似ている。そのとき気持ちは散乱し、震えも感じるが、同時に、自分の身体と精神に、生命が宿っていることを実感しはじめる。内へと、外へと、冒険の第一歩を踏み出したくなる気持ちが湧き上がる。『きおく きろく いま』『いぬごやのぼうけん』は7月29日(土)~8月11日(金・祝)まで下北沢トリウッドにて上映。(text:cinemacafe.net)
2017年05月21日フジフイルム スクエア 企画写真展『「南米大陸 いちばん遠い地球」~熱狂の大地がやってきた!~』が、東京・赤坂で開催。期間は、2016年6月24日(金)から7月13日(水)まで。2016年8月のオリンピックの開催地として選ばれた、南米大陸。日本から見て地球のほぼ裏側に位置するにも関わらず、ペルーには推定10万人、ブラジルには約160万人もの日系人が暮らしていると言われており、つながりが深い大陸のひとつとしてあげられる。そこには、アマゾン熱帯雨林、ギアナ高地、イグアスの滝、そして南端部には幅数kmにもおよぶ大氷河が存在する。また、マチュピチュに代表されるインカ文明の痕跡や、カトリックの影響を受けた建築群、そして、今なおアマゾンで原始の生活を続ける部族、サッカーやカーニバルに熱狂する都市生活者など、ラテン文化を背景として息づく人々の姿も見ることができる。本展は、そんな“世界の縮図”ともされる南米大陸の姿を、写真作品を通して体感する場となる。世界規模で活躍し高い評価を受けるドキュメンタリー写真家・野町和嘉、探検家でもあり人類拡散の道のり約53,000kmを踏破した関野吉晴、空撮で壮大な地球を写し撮った清水武男などの作品群から精選。大サイズ銀塩プリントで、美しく迫力のある写真約90点を展示する。【詳細】FUJIFILM SQUARE 企画写真展「南米大陸 いちばん遠い地球」~熱狂の大地がやってきた!~開催期間:2016年6月24日(金)~7月13日(水)会場:FUJIFILM SQUARE住所:東京都港区赤坂9-7-3 東京ミッドタウン・ウェスト時間:10:00~19:00(入場は18:50まで) ※会期中無休TEL:03-6271-3350
2016年04月04日南米、北米、アラスカ、モンゴル、極東シベリア、ヒマラヤ…数々の僻地を旅してきた「グレートジャーニー」シリーズで知られる探検家・関野吉晴が新たに企画した途方もない旅を追った、ドキュメンタリー映画『縄文号とパクール号の航海』が3月末より公開される。この大冒険を一足早く体験した、北野武や糸井重里らが本作にコメントを寄せている。“途方もない旅”という表現に嘘や偽りはないーーその内容とは「自然から素材を集めて鉄を作り、その鉄で舟を作り、エンジンを使わずに島影と星だけを頼りにインドネシアから日本まで来る」というもの。完成した舟の名は、丸木舟の「縄文号」と「パクール号」だ。しかし、作りあげた舟は逆風で進む事ができないという致命的な欠陥を抱え、進まない時は歩くよりも遅い…時には2日で20kmしか進まないのだ。劇中、苦笑まじりにクルーのひとりが漏らす「いや~、想定してなかったですね…」という言葉は、まごうことなく心から出た言葉だろう。そんな停滞に停滞を重ねる舟とともに、価値観も宗教も年齢もバラバラの10人のクルーたちが圧倒的な自然の力に翻弄され、喜び・怒り・哀しみを分かち合いながら進んでいく様を追っている。同乗した関野さんの教え子・前田次郎が「日本に帰って仕事に就けるわけでもないし…しんどかったですね」と心情を吐露するシーンは大いに頷ける。しかしこの旅は、奇しくも3.11の東日本大震災の大災害を経て、新たな意味を持ち始める。果たして、この旅の意味は何だったのか?北野監督は、本作について「今回は若者とインドネシア人漁師と手作りカヌーで大海原に挑戦。星を頼りに航海する、グレートジャーニー関野吉晴さんたちの姿に手に汗握り、最後は拍手を送り、脱帽した」と賛辞を送っている。その他にも、様々な著名人が本作に胸打たれたよう。■糸井重里(コピーライター)「関野さんは、読書しているような目で冒険をやってくれる。今度の旅は、海と人間に聴診器をあてているような顔だった」■田口ランディ(作家)「とっても不思議な映画です。3.11の震災をはさんで、冒険の記録ではなく、命のつながりの深淵へと入っていきます。人間の意識は大自然と響きあっているのかなあ。関野吉晴さんが始めた航海の意味が…3年を経てやっと明らかにされました。ぜひ、若い人たちに観てほしいです」■林家たい平(落語家)「我々は地球という太古の昔から変わらない舟に乗り合わせていて、そこからすべてを授かり、生かされている。喜怒哀楽の波に揺られながら。縄文号とパクール号はまさに小さな地球。そこで暮らす意味を我々に問いかけてくれる」■高野秀行(ノンフィクション作家)「関野さんは遊びの天才だ。手造りの丸木舟で、インドネシアの漁民の人たちと、はるばる日本まで航海するなんて少年の夢そのもの。俺もこんなことをしてみたい!…と、羨ましすぎて、平常心で観ていられなかった」■服部文祥(サバイバル登山家)「二艇が石垣島を前にしたとき、私はぞわぞわと感動し、泣きたくなった。作業効率も、航海の効率もめちゃくちゃ悪い。しかし、この旅に『効率』は意味をなさない。『馬鹿げたことを通して見えてくるものがある』という関野吉晴が見たものとは?ズルのないドでかい旅を見てほしい」■会田誠(美術家)「もともと古代人の航海についての興味で見たけれど、見終わったら関野氏が実践する超理想的な全人教育を、僕も一生徒として疑似体験させてもらったような…そんな映画でした」舟に乗った男たちがどんな旅に出たのか、その目で見届けほしい。<ドキュメンタリー映画『縄文号とパクール号の航海』公開日時>上映館:ポレポレ東中野3月28日(土)~4月10日(金) 12:30~/15:30~4月11日(土)~上映時間未定※3月28日(土)12:30~の回は、探検家・関野吉晴および、関係者舞台挨拶(text:cinemacafe.net)
2015年02月18日