子どもの身体の成長は、親にとって非常に気がかりですよね。お友だちと比べて背が低い、痩せている・太っているなど、細かいことを気にして不安になってしまうこともあるでしょう。でもその中で、「足の成長」について深く考えている保護者の方はあまり多くありません。足や足指の使い方、歩き方、靴の選び方など、正しい知識を身につけていないと、成長過程だけに限らず、大人になってからもさまざまな身体の不調の原因になってしまいます。今回は、成長期の今だからこそ正しい「足の知識」と「靴選び」について、親子で一緒に学んでいきましょう。今の子どもたちは“足力”が低下している!?昔の子どもと比較して、今の子どもの足は大きく変わっていっているといいます。その理由として、子どもを取り巻く環境の変化から自分の足で歩く機会が減っていること、そして「正しい靴を履いていない」ということが挙げられます。結果、現代の子どもたちは、知らぬ間にさまざまな足のトラブルを抱えているそう。足の健康科学の権威である桜美林大学特任教授の阿久根英昭先生は、子どもたちの“足力の低下”について警鐘を鳴らしています。最近の子どもたちは、屋外では靴、室内では靴下と、ほぼ1日中履き物を履いています。そのため、足の指をしっかりと開くことができなくなっているのです。(中略)『すべての足の指が開く子ども』はわずか11.3パーセント、『一部開く』は49.1パーセント、『すべて開かない』が39.6パーセントという調査結果もあります。(引用元:いこーよ|子どもの足のトラブル急増中!健康的な足作りとは?)足力の低下は、足の指で大きく地面を蹴る力がなくなっていることに起因しています。足の指を閉じたり開いたり曲げたりする機能が低下すると、バランスよく立つことが難しくなります。それだけではなく、身体全体にも大きな影響を及ぼす足力の低下は、小さな子どもを持つ親にとって見過ごすことができない問題なのです。姿勢の悪さも疲れやすさも原因は“足”にあった!子どもの足のトラブルとしてとくに問題視されているのが、「外反母趾」「浮き指」「偏平足」です。■外反母趾原因:足に合わない靴を履いている。状態:親指が付け根から曲がっている状態。身体に及ぼす影響:悪化すると親指の付け根が外側に飛び出し、激しく痛む。ヘルニアや顎関節症、頭痛、腰痛、ひざの痛みなどにつながることもある。■浮き指原因:足に合わない靴を履いている。状態:指が地面に着地しておらず足圧反応がない状態。身体に及ぼす影響:まっすぐ走れない、すぐに転倒するなどの問題が起こりやすくなる。姿勢に影響する場合も。■偏平足原因:環境の変化・歩く機会の減少など。状態:土踏まずがない状態。身体に及ぼす影響:バランスが取りにくく転倒しやすくなる。また痛みや疲れが多く出る場合も。足のクリニック表参道の桑原靖院長は、「疲れやすい」「姿勢が悪い」「走るのが極端に遅い」などの問題点が気になるようなら、まず足を観察するべきだと述べています。偏平足である場合、単純に土踏まずの有無が問題というよりも、足がねじれた状態で歩行していることが問題であり、その状態が続くと体のバランスが崩れ、足の筋肉や関節などに大きな負担がかかります。土踏まずがないと、効率よく蹴り返して歩くことができません。その結果、同じ距離を歩いたり走ったりしても、他の人に比べて大量のエネルギーを消費するため疲れやすくなるのです。また、重心がかかと寄りになってしまった結果、前後のバランスを整えるために首を前に突き出すことで“猫背”になります。猫背姿勢は筋肉の疲労を増大させるので、長く立っていられません。まずは足の指を使い、バランスを整えながら背筋を伸ばし姿勢を正しましょう。歩くときも、足の指を使ってしっかりと蹴り出すことを意識してください。足底にある筋肉や腱は、すべての足の指につながっていますから、丈夫で健常的な足づくりのためには、足の指を鍛錬することが大切なのです。(引用元:同上)足の指で踏ん張ることができないとすぐに転んで怪我をしやすくなります。これを機に、お子さんのバランス感覚や立ち姿勢を見直してみませんか?正しい靴のサイズの測り方を知っていますか?子どもたちに人気のスニーカー『瞬足(しゅんそく)』シリーズを生み出したアキレスでは、子どもの足の発育をサポートするために『足育(そくいく)』という理念を掲げてさまざまな活動を行なっています。アキレスでは、子どもの健やかな成長のためにはヨチヨチ歩きの時期からの「足」づくりが何よりも重要だと考えています。「人間が持つ足本来の機能を取り戻し、足の正しい育成を促すこと」、これこそが足を育てる=足育(そくいく)というアキレス独自の理念です。(引用元:アキレス足育相談室|よくある質問)「成長過程の子どもの足には極力負担をかけないことが大切」としているアキレスは、できるだけ裸足に近い感覚で歩くことを理想としています。「瞬足足育シリーズ」は、長年培ったアキレス独自の子どもの靴の設計基準・思想に、順天堂大学柳谷准教授のスポーツバイオメカニクス理論を融合させたシューズとして誕生し、今では全国の小学生から絶大な支持を得ています。ただしどんなに機能が優れていても、足に合わない靴では意味がありません。アキレスの公式サイトでは、正しい靴選びについて次のように解説しています。まずはかかとをしっかりと床につけて、かかとから一番長い指の先までを測ります。正しく測った足のサイズに「捨て寸(つま先余裕)」をプラスしたサイズの靴を選べば、靴の中で足のずれなどが起こりにくくなるそうです。参考までに「捨て寸」の目安をお伝えします。本来の足のサイズ:10.5~12.0cm捨て寸のサイズ:6mm前後本来の足のサイズ:12.0~15.0cm捨て寸のサイズ:7mm前後本来の足のサイズ:15.0~18.0cm捨て寸のサイズ:9mm前後本来の足のサイズ:18.0~24.0cm捨て寸のサイズ:10mm前後靴選びをする際には、「捨て寸」を忘れずに!半年に1度は足のサイズチェックを!最近では、大人顔負けのおしゃれなデザインの靴も比較的安価で手に入ることから、ファッションに合わせて選ぶ親御さんも増えています。また「どうせすぐにキツくなるから」と、あえて少し大きめサイズの靴を選ぶこともあるのではないでしょうか。しかしそれでは、歩くたびに足が前にずれてしまい、歩きにくいだけではなく足の発達にも悪影響を及ぼしてしまうのです。まずは親御さんが「足に合わない靴を履くことによるデメリット」を理解し、正しい靴選びの知識を身につけることが大切です。子どもは靴が足に合わなくても、なかなか痛みを訴えません。まだ足が柔らかいので、合わない靴でも履きこなしてしまうことが多いのです。(中略)子どもは全身の体が柔らかく、補正能力も強いため、もし足に弱点があっても、他の部位で補うことができます。そんな子どもが、もし足が痛いと訴えたら、相当悪くなっていると受け止めてあげてください。(引用元:時事メディカル|第12回 子どもの足トラブル、大人が気をつけて~自分で痛みを訴えることはまれです~)子どもは自分の不快感を言語化する能力が未熟です。だからこそ、親が気にかけてあげる必要があるのです。子どもの足は1年で1センチ伸びるので、できれば半年に一度はサイズのチェックをしましょう。足指を鍛えるおすすめの遊び全国で足育講演活動を行なっている「足と靴の専門家」山田宏大氏は、足で「グー・チョキ・パー」の『足じゃんけん』をすることで、足指が鍛えられると力説しています。最初はなかなか開いたり閉じたりできなくても、毎日続けるうちに次第に動かせるようになるとのこと。すると、浮き指だった足指がまっすぐに伸び、地面にしっかりと接地できるようになるのです。その結果姿勢がよくなり、身体が疲れにくくなったり、かけっこが速くなったりする効果も期待できるそう。ほかにも、縄跳びや雑巾がけ、平均台や砂山を登る遊びなども、バランスを取りながら足指が鍛えられるのでおすすめです。また山田氏は、浮き指になりやすい要因として「爪の切りすぎ」にも言及しています。爪を切りすぎてしまう深爪は、足指に力が入らなくなり、姿勢や走力やジャンプ力にも影響を及ぼすため、適度な長さを意識して切るようにしましょう。***アキレスでは、百貨店などで「足型測定会」を開催したり、首都圏の小学校で足の健康に関する出前講座を実施したりするなど、積極的な足育普及活動を行っています。子どもの健やかな成長のためにも、家族で足育について学んでみませんか?(参考)いこーよ|子どもの足のトラブル急増中!健康的な足作りとは?アキレス公式サイト|瞬足 足育シリーズアキレス足育相談室|よくある質問時事メディカル|第12回 子どもの足トラブル、大人が気をつけて~自分で痛みを訴えることはまれです~足育先生|気づかないうちに子どもの足に様々な症状が隠れていたら…③「浮き指」編
2019年03月25日肩こりや腰痛など、長年悩まされているその不調。実は「足の指」の異常からきているものかもしれない――。「日本人の多くが肩こりや腰痛に悩まされていますが、その原因は“足の指”にあります。ふだんからあまり注目されていないのですが、足の指は体のバランスを保つのにとても重要な部位です。立ったときに地面に着いていない浮いた状態の足の指が1本でもあると、“浮き指”といい、さまざまな症状につながることがわかってきました」こう指摘するのは、桜美林大学特任教授の阿久根英昭先生。阿久根先生は40年以上、足の研究に携わり、足のゆがみと体の不調などをテーマに研究をしている。これまで10万人以上の“足裏の形”を計測しているなかで見えてきたのは、かかとに重心がかかり、足の指が浮いてしまう人が増えていること。しかも、なんと男性の6割、女性の8割が浮き指の状態になっているという。「なぜ浮き指になるかというと、足の裏の母指内転筋が弱っているからです。現代人は草履ではなく、靴を履く習慣が根付いています。足の親指と人さし指で鼻緒をつまみながら歩くことがないので、母指内転筋の力が衰えてきました。この筋肉が衰えると、足の甲のアーチ構造がつぶれて指先が上がってきます。重心が後ろにかかり、そこでバランスを保とうと無意識に上半身を前傾させて、猫背になってしまいます。頭の重さを支えるために肩の筋肉が引っ張られて負担がかかり、肩こりや腰痛につながると考えられています」(阿久根先生・以下同)調査では浮き指になると、頭痛や肩こり、腰痛のほかにも、循環器系や消化器系など、内臓の不調を訴える人がいたという。また、重心が後ろに下がり、前方に踏ん張る力が弱くなることで、転倒のリスクも高まる。中高年は特に注意が必要だ。自分が浮き指かどうかチェックしよう。阿久根先生は「足底圧計測機」を使っているが、機械がなくても簡単に調べられる方法があるという。「はがきや名刺ぐらいの厚さの紙を1枚用意して、平らな場所で10センチぐらい足を開き、まっすぐに立って前を向きます。そして、家族など別の人に足指の下に紙を差し込んでもらいます。紙が入らなければ、指にしっかりと体重がかかっている証拠。どれか1本でも指の下に紙が入ると浮き指の状態ということになります」浮き指を改善するためには、足の指の間を広げる「足指体操」を毎日繰り返してみよう。阿久根先生がすすめるのは、主に次の4つ。1日5分、家の中でくつろいでいるときのスキマ時間を使ってトライ!1)まず椅子に座って、膝の上に片方の足首を乗せる。足の裏と手のひらを合わせるようにして、足の指の間に手の指を1本ずつ入れて組み、その状態で5~10秒キープする。あまり力を入れすぎないのがコツ。2)次に、足の指と手の指を組んだ状態で、足の甲のほうにゆっくりと軽く曲げて、その状態で5~10秒キープ。3)今度は足の裏のほうへゆっくりと軽く曲げて、その状態で5~10秒キープ。4)足の親指と小指を右手と左手でそれぞれつまみ、横にゆっくりと広げて5~10秒キープ。これを各5回ずつ、両足行ってみよう。こり固まった足の甲の筋肉をほぐすことで浮き指を改善する効果があるという。実際に、浮き指だった人がこれらの体操にチャレンジしたところ、浮き指が解消されるとともに、肩こりや腰痛の痛みも和らいだ、といった報告もあったそうだ。「足の指でグーパーしたり、足の指で雑巾をつまんだりして、ふだんから足の指を動かしてみましょう。また、浮き指の原因の1つには靴もあります。つま先が細くなっている形やヒールが高い、あるいは厚底など、足に負担がかかる靴は避けて、なるべく足先がゆったりしたタイプの靴を選ぶようにしましょう」これであなたも、肩こりや腰痛とおさらばだ。
2018年09月06日「日本人の多くが肩こりや腰痛に悩まされていますが、その原因は“足の指”にあります。ふだんからあまり注目されていないのですが、足の指は体のバランスを保つのにとても重要な部位です。立ったときに地面に着いていない浮いた状態の足の指が1本でもあると、“浮き指”といい、さまざまな症状につながることがわかってきました」こう指摘するのは、桜美林大学特任教授の阿久根英昭先生。阿久根先生は40年以上、足の研究に携わり、足のゆがみと体の不調などをテーマに研究をしている。これまで10万人以上の“足裏の形”を計測しているなかで見えてきたのは、かかとに重心がかかり、足の指が浮いてしまう人が増えていること。しかも、なんと男性の6割、女性の8割が浮き指の状態になっているという。「なぜ浮き指になるかというと、足の裏の母指内転筋が弱っているからです。現代人は草履ではなく、靴を履く習慣が根付いています。足の親指と人さし指で鼻緒をつまみながら歩くことがないので、母指内転筋の力が衰えてきました。この筋肉が衰えると、足の甲のアーチ構造がつぶれて指先が上がってきます。重心が後ろにかかり、そこでバランスを保とうと無意識に上半身を前傾させて、猫背になってしまいます。頭の重さを支えるために肩の筋肉が引っ張られて負担がかかり、肩こりや腰痛につながると考えられています」(阿久根先生・以下同)調査では浮き指になると、頭痛や肩こり、腰痛のほかにも、循環器系や消化器系など、内臓の不調を訴える人がいたという。また、重心が後ろに下がり、前方に踏ん張る力が弱くなることで、転倒のリスクも高まる。中高年は特に注意が必要だ。自分が浮き指かどうかチェックしよう。阿久根先生は「足底圧計測機」を使っているが、機械がなくても簡単に調べられる方法があるという。「はがきや名刺ぐらいの厚さの紙を1枚用意して、平らな場所で10センチぐらい足を開き、まっすぐに立って前を向きます。そして、家族など別の人に足指の下に紙を差し込んでもらいます。紙が入らなければ、指にしっかりと体重がかかっている証拠。どれか1本でも指の下に紙が入ると浮き指の状態ということになります」肩こりや腰痛の症状を和らげるためには「姿勢を正すように」とよく言われるが、同時に浮き指を直して、足の先まで体重を乗せることを心掛けたい。
2018年09月06日