ワコールの直営ブランド「アンフィ(AMPHI)」は、今や企業ブランドのプロデュースもてがけている、青文字系ファッション誌カリスマ人気モデル田中里奈とのコラボレーションランジェリー『田中里奈×AMPHI』を2016年10月14日(金)より発売開始した。女の子にもっとランジェリーを楽しんでもらいたい!という田中の想いから抜け感にこだわったデザインと日常の着用シーンをイメージした目を引くカラーリングに仕上げた『田中里奈×AMPHI』のランジェリー。レースをたっぷりと使いながらもシンプルにまとめ、それぞれのディテールにポイントを効かせている。ブラジャーは着けごこちがやわらかでふんわり丸みのあるバストをつくる3/4カップ、ストラップを取りはずしても谷間を演出してくれる1/2カップの2型。そのほか、うしろ姿にもこだわったレーシーなショーツ3型と前面にスリットをデザインしたキャッチーな印象のキャミソールの3アイテム、全6型で展開。コラボレーションランジェリーは、全国の『AMPHI』取扱いショップ、ワコールウェブストア、ZOZOTOWN他で発売する。●ワコールウェブストア <10月13日(木)15:00より先行発売開始>商品詳細■ブラジャー<3/4カップタイプ>(品番:BYL329)¥4,200(税抜)~【デザインポイント】カップ裏打ちのカラーを上下で切り替え、今までと違った見え方に。カップ下にたっぷりレースを施して、可愛らしさをプラス。■ブラジャー<1/2カップ(ストラップレス)タイプ>(品番:BYL529)¥4,200(税抜)~【デザインポイント】洋服の着こなしを意識して、レースとチュールの切り替えでシンプルに。カップ裏打ちのカラーを切り替えることで、遊び心もプラス。■ノーマルショーツ(品番:PYL129)¥2,100(税抜)【デザインポイント】ウエスト部分に透け感を持たせ、バックは肌ざわりの良いスムース生地にカットレースを添えたショーツ。■ソングショーツ(品番:PYL529)¥2,300(税抜)【デザインポイント】たっぷりフリルをあしらい、バックもレース仕立てにしたはきやすいソングショーツ。■フレアショーツ(品番:PYL629)¥2,600(税抜)【デザインポイント】フロントもバックも繊細なレース使い。サイドはサテンリボンで気分も盛り上がるフレアショーツ。カラーバリエーション■SP(シュガーピンク) お天気の良い休日の朝普段何かと忙しい女の子にとって、自分のために使える時間はとても贅沢。だからあえて早起きして、お洗濯したり、ゆっくりハーブティーを飲んだり、ヨガに出かけてみたり。そんな自分のための1日は、大好きなピンクのランジェリーが気持ちをさらにHAPPYにしてくれる。■KO(ネイビー) 気の合う友達と夜のパーティーデコレーションされたスイーツとシャンパン、流行りのファッションに身を包んだ女の子達。昼間じゃ味わえない、彼との時間とも違う、大人女子だけの特別感を共有するその空間では、研ぎ澄まされたネイビーのランジェリーがぴったり。■RP(ローズピンク) クリスマス年末独特の忙しない空気が好き。イルミネーションが輝く街並みに、買い物袋をたくさん抱えた足早な人たち。普段は着ないフレアたっぷりのスカートに、ちょっと背伸びした大人のパンプス。そしてフェミニンが溢れるローズピンクのランジェリー。いつもと違う自分になりたくなるような、一年で今だけの不思議な感覚。公式ページ【オフィシャルサイト】 【instagram】
2016年10月16日アンフィ(AMPHI)から、ファッションモデル・田中里奈とのコラボレーションランジェリーがデビュー。2016年10月14日(金)より、全国のアンフィ取扱いショップ、ワコールウェブストアなどで発売される。「女の子にもっとランジェリーを楽しんでもらいたい」という田中里奈の想いから、抜け感にこだわったデザインと日常の着用シーンをイメージした目を引くカラーリングに仕上げたコラボランジェリー。レースをたっぷりと使いながらもシンプルにまとめ、それぞれのディテールにポイントを効かせたデザインがポイントだ。ブラジャーは着けごこちがやわらかでふんわり丸みのあるバストをつくる3/4カップ、ストラップを取りはずしても谷間を演出してくれる1/2カップの2型。そのほか、後ろ姿にもこだわったレーシーなショーツ3型と、前面にスリットをデザインした3色のキャミソールの全6型で展開される。【商品情報】田中里奈×AMPHI コラボランジェリー発売日:2016年10月14日(金)取り扱い店舗:全国のアンフィ取扱いショップ、ワコールウェブストア、ZOZOTOWNほか※ワコールウェブストアでは10月13日(木)15:00より先行発売開始。【問い合わせ先】株式会社ワコール/お客様センターフリーダイヤルTEL:0120-307-056営業時間:9:30~17:00(土・日・年末年始・祝日をのぞく)
2016年10月15日あっという間に2016年も残り数か月となりましたが、皆さまは年初に目標を立てていましたか?私は自分に対して「1日1純喫茶」を課しました。こちらは文字通り、「必ず1日に1軒以上どちらかの純喫茶に寄る」ことを指します。現在までは無事に遂行しており、この記事がアップされる頃には恐らく、340軒程訪問済みとなっているはずです。毎日飽きもせず、様々な純喫茶を巡って過ごしているのですが、平日は会社員ゆえの制限時間があるため、基本的には業務後の夜にしか出掛けられません。本当は遠くの街へ赴き、気分転換をしたいと思っても、翌日のことを考えるとせいぜい片道1時間以内の移動が現実的です。幸い職場のある駅はどの方面にもアクセスが良いため、毎朝満員電車に揺られながら頭の中で路線図を広げて、帰り道に寄る純喫茶を考えることがささやかな楽しみです。今回は平日に行ける場所の中で、最も現実逃避の気分が味わえる浅草の純喫茶のことを。浅草は独特の雰囲気があるためか、地下から地上に出ると、空気が紅く染まったような錯覚を覚えます。平日でも観光客たちで賑わう雷門を通り過ぎて、歩くこと数分。「純喫茶マウンテン」という店が見えてきます。店名に「純喫茶」と付けられているのが今では貴重で嬉しくなります。難波里奈『純喫茶、あの味』難波さんの新刊『純喫茶、あの味』にご興味がある方はこちらから!
2016年10月14日「一番美味しい〇〇がある純喫茶を教えてください」このような活動をしていると、多く聞かれる質問の1つです。「この方にとって美味しいものとはどのようなものだろう?」と考え、あらゆる純喫茶のメニューを次々に思い浮かべていくのは楽しいと同時にとても悩ましいことです。味覚というのは千差万別で、私がいくら美味しいと思っていても一緒に食べたり飲んだりしている人が同じように感激しているかどうかは、本当のところ分からないのですから。しかし、分からないのであればせめて自分が自信を持って美味しいと思える店を薦めてみて、残念ながらそちらが好みでなかったなら、また違う店を薦めてみれば良いのだ、と思うようになりました。例えば、東京の美味しい珈琲について尋ねられた時には、まっさきにこの店をお知らせすることにしています。名前は「神田伯剌西爾」。といっても所在地は神保町です。書泉グランデというとても好きな書店の横道にあり、橙色のひさしを掲げ、階段を降りた地下にある店です。店内は2つの空間に分かれ、入口から見て右側は禁煙席、左側は喫煙席となっています。右側の個室のような空間は、曜日や時間帯によって貸切ができるのも嬉しいところ。左側の広めの空間には囲炉裏もあり、どこか和の懐かしい雰囲気を感じながら、淹れたての美味しい珈琲をいただけます。「珈琲は好きだけれど、そんなに詳しいわけではない…」そんな方は多いと思いますが 私もそうで、初めて入る純喫茶ではだいたい「ブレンドコーヒー」を注文します。こちらのメニュー表は、豆の名前の横に苦味と酸味の目安が分かりやすく記されているため、好みの味を選びやすいのですが、酸味があまり得意ではなく苦味と甘みのある味をお好みでしたら、是非一度「ペルーチャンチャマイヨ」というまるで呪文のように片仮名が並んだ珈琲を飲んでいただきたいです。こちらを薦めるとほとんどの方が「美味しい」と気に入ってくれる、私も大好きな珈琲です。珈琲だけでは口さみしい時のために、美味しいケーキも充実しています。私が良く注文するのは、「サンマルク」か「コニャックショコラ」。どちらも程良い甘さで珈琲が進んでしまうので、思わずお代わりをしたくなります。ついついあたたかい珈琲ばかり注文してしまうのですが、こちらのアイスコーヒーには通常のガムシロップの他に、コーヒー専用の茶色いシロップの2種類のシロップが提供されます。他ではあまりない珍しいものですので、冷たいものを飲みたい気分の時には、ぜひアイスコーヒーもいかがでしょうか?Text/難波里奈
2016年09月30日以前、イベントでご一緒したホットケーキ研究家のトミヤマユキコさん(著作に『パンケーキ・ノート』等)が興味深い話をして下さいました。それは「ホットケーキの美味しい店は、火加減の上手な店だから、タマゴサンドなどの卵を使用した料理も美味しいところが多い」という話。聞いた瞬間に「なるほど!」と思わず膝を打ったものでした。確かに言われてみると、今まで訪れたホットケーキを名物とする店では、タマゴサンドも同じように人気メニューであるとマスターたちから聞いたことがあったのを思い出したのです。例えば、休日になると開店前から行列が出来る人気店、東京・平井の「ワンモア」。「カク1!」「マル2!」(※「カク」はフレンチトースト、「マル」はホットケーキを指します)など威勢の良い注文の声がひっきりなしに飛び交い、その暗号のような言葉の間に「タマゴサンド1!」という注文も多く挟まれていたのです。また、メニューにホットケーキはありませんが、ジャンボで美味しいプリンが有名な虎の門「ヘッケルン」もマスターの気まぐれによって食べることが出来る幻のメニュー、ふわふわ熱々のオムレツサンドも夢のように美味しいのです。今回ご紹介する大阪・東梅田にある「サンシャイン」も例外ではありませんでした。駅構内を出ることなくたどり着ける純喫茶は、雨の日や暑い夏に重宝します。東梅田駅の改札からすぐ、しかし初めての方には少し分かりにくい場所にあるにも関わらず、常に満席が続く人気店です。ご家族で営業されていて、扉を開けた瞬間に「いらっしゃーい」とにこやかに迎えて下さるアットホームな雰囲気にほっとします。空いている席に腰掛け、名物のホットケーキを食べようと決めながらも何となくメニューを眺めていたところ、視界に入り気になってしまったオムそばに注文を変更しました。この時、冒頭のトミヤマさんの言葉がぱっと浮かんだのでした。「これも美味しいに違いない」。期待しながら待つこと数分。ボリュームのある焼きそばをくるりと包んでいる卵焼きは、向こう側がうっすらと見える程の絶妙な薄さ。当たり前のように運ばれてきた皿の中に見えたのは1日にたくさんの卵を焼き続けているからこそ出来る職人の技。その卵の薄さは焼きそばの香ばしさを邪魔せず、黙々と口に運んでしまう美味しさのバランスを作り出しているのです。そして、最初は断念したはずのホットケーキですが、せっかくの旅先で食べずに帰るのはもったいないと自分に言い訳をして、結局ふわふわの分厚いホットケーキも注文し、大満足で店を出るのでした。Text/難波里奈
2016年09月16日「純喫茶は店内の様子が分からないから少し入りにくい」「マスターが怖い人だったらどうしよう」「実は珈琲が苦手…」と純喫茶に興味をもっていらっしゃる方でも、通い慣れるまでにはそのような葛藤があることが少なくないようです。そのような初心をすっかり忘れてしまった今日この頃ですが、「1人では入りにくい」という方に対しては、出来ることなら同行してそのひとときをご一緒したいところが本音です。しかし、なかなかそうもいかないため、少しでも不安を取り除いて扉を開けるきっかけを作れたらと思います(何軒か通っていくうちに次第に慣れ、様子が分からないことさえも楽しめるようになる時期がくると思います)。こちらの連載をご覧下さっている方の大半を占めていると思われる女性に向けて、1つアドバイスしたいと思います。それは「店主が女性の店を選ぶこと」です。絶対というわけではないですが、今までの経験を基に考えると、女性店主が営む空間は純喫茶ならではの「素っ気なさ(慣れてきたらこれは本当に良いものです)」が少し薄れ、初めての人でも訪れやすいような雰囲気を醸し出しているところが多いような気がします。例えば、神保町駅近くの交差点からすぐの地下にある「トロワバグ」。店内の様子は地上からは分からないのですが、扉を開けた時に漂う清潔感のある雰囲気にほっとすることと思います。赤いベロアの椅子が並ぶきちんと掃除された店内には活き活きした花が飾られ、珈琲の注文が入る度に良い香りが漂うのです。何を食べても美味しいですが、人気メニューのグラタントーストは現在の店主である三輪さんのお母様が大切にしていたメニュー。今は亡き初代ママさんの思い出の味を求めてやってくる人たち、また初めてやってくる人たちに美味しいトーストを提供すべく、三輪さんは日々手間と時間のかかる仕込みをこなしています。そして、やわらかい雰囲気をまといながらもカウンターの奥で珈琲を淹れる様子は凛としていて見惚れるほど格好良いのです。まったり美味しいかぼちゃムースもおなかの余裕があれば是非食べて頂きたい一品です。「変わらないものを大切にしながらも、今に寄り添っていきたい」と以前話して下さった三輪さん。現在では、ご自身もお好きなワインも楽しめる空間となるそうです。Text/難波里奈
2016年09月02日「店の名前から勝手な想像をしてしまって入ったことがなかったから、こんな素敵な店だとは思わなかった。これからは1人でもたくさん通いたいな。」一緒に夕飯を食べるために連れていった友人が、ふとこんなことを言いました。訪れたのは、亀戸駅の目の前にある「珈琲道場 侍」。ホームから看板は見えるものの、店は階段を上がった二階にあるため中の様子がすぐには見えない。それが理由なのか、「気になってはいたもののまだ入ったことがない。」という話を今までに何度も聞きました。店名のインパクトだけでなく、メニューも一筋縄ではいかない興味深いものばかりであるこちら。一杯ずつ丁寧に淹れられるあたたかい珈琲や8時間かけて抽出される特選水出しブレンド(夏場は注文に対して生産が追い付かなくなるため、泊まり込んで様子を見ているそう!)、ストレートコーヒーやアレンジコーヒーの種類も豊富で、ブルーベリーやバラの香りのついたフレーバーコーヒーなど珍しいものも揃っています。更に、食事メニューのネーミングも他では見かけないセンスです。例えば、こちらの店のカレーやハンバーグはどちらもご飯の上にルーがかけられ、熱々に焼かれたドリア方式なのですが、それぞれ「殿様カレー」と「将軍ハンバーグ」と名付けられています。メニューを見ているだけでいくらでも時間が過ぎてしまいそうなくらい楽しいのですが、更なるサービスとして特筆すべき点から3つ紹介します。1つめは、入口の扉を開けるとすぐに目が合ってしまう大きな甲冑。まるで中に誰かが入っているような存在感です。2つめは、カウンターのテーブルにそってずらりと並んだロッキングチェア。ゆらゆら揺れながらリラックスした時間を過ごすことが出来ます。こちらは公園のブランコに乗りながら煙草を吸っていた社長の思いつきにより取り入れられたそう。3つめは、なんといっても働く店員さんたちのユーモアあふれる接客。男前な店員さんたちの中でも特にお薦めしたいのは、出会えたら思わず嬉しい気分になる社長。「ほらほら、ちゃんと書いた?『ここは男前喫茶です』って。僕は口下手だからね、自信があるのは顔だけだよ、あっ、今日は化粧ノリが悪いから写真はやめてね。」など愉快なやり取りをしながらも店全体に気を配る丁寧な接客と迅速な作業が素晴らしいのです。まるで「大人の遊園地」のようにわくわくした気持ちを味わえる侍でいつもとは違った時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。Text/難波里奈
2016年08月19日「タマゴサンド」というと皆さんはどのようなものを思い浮かべるでしょうか?店ごとに個性が光り、同じものはないところが面白い純喫茶メニューですが、「タマゴサンド」にも地域ごとの特徴があるようで、一般的に、東ではゆで卵をつぶしてマヨネーズや塩こしょうと和えたサラダタイプが、西ではふわふわに焼き上げられたオムレツタイプが多いとされています。私は東京で生まれ育ったのですが、純喫茶に夢中になりそのようなことを意識するまで自分の中では「タマゴサンド=タマゴサラダが挟まっているもの」という認識でした。実際、幼い頃に母が作ってくれたタマゴサンドはゆで卵が半熟だったり固ゆでだったりの違いはありましたが。一度もオムレツタイプだった記憶はないのでした。どちらのタイプも美味しく、優劣をつけることは不可能なのですが、私の場合ふと食べたくなってしまう時、思い浮かべるのは焼き立てで熱々のオムレツが挟まれたものでした。先日のこと。私は夢の中にいて、どこかの純喫茶にそれはそれは美味しいタマゴサンドがあると聞き、遠方まで食べに来ているところでした。その純喫茶はかつて訪れたことがあるような、まだ見たことがないような空間。というのは窓から差し込む光が眩しすぎたため店内の輪郭がぼやけてしまっているのでした。注文を済ませ、運ばれてくるのをそわそわして待っている。今日はこのタマゴサンドのために朝食も食べずに急いで朝一番の電車でここへやってきた。あと数分後、どれだけの幸せに包まれるのだろう!……ところが、夢らしい夢だったおかげでここで目覚めてしまったのです。夢の中とはいえ、評判のタマゴサンドを食べ損なってしまった悲しみ。仕事が終わったら必ずや夢で想像していた味を上回るサンドイッチを食べよう、この日はその強い思いだけで夜を迎えました。そして、真っ先に思いついた学芸大学の雑伽屋を目指し、ベーコンとオムレツに加えてチーズもトッピングし(通常メニューでは2種類の具を選べますが、+100円でさらに具を増やせるとのことです)、贅沢な美味しさにすっかり満足したのでした。濃厚なクリームがたっぷりなアイスウィンナーコーヒーも一緒に。Text/難波里奈
2016年08月05日歌手で女優の知念里奈(35)が28日、自身のブログを更新し、27日にミュージカル俳優の井上芳雄(37)と結婚したことを報告した。知念は「7月27日に、井上芳雄さんと入籍しました」と報告。「これまで、家族に支えてもらいながら息子と二人で歩んできた道を、公私ともに尊敬する彼と三人で進んでいけることに感謝の思いでいっぱいです。そして、誰よりも息子が喜んでくれていることを、母親としてとても幸せに思います」と喜びをつづった。そして、「いつも温かく見守ってくださり、応援してくれる皆様に報告ができて嬉しいです。本当に本当にありがとう」とファンに感謝。「未熟な私ですが、表現者として、一人の人間として、これからも誠心誠意頑張って参ります」と誓った。知念は、2005年にモデルと結婚し、翌年に第1子となる男児を出産したが、2007年に離婚。井上は初婚となる。
2016年07月28日ラサール石井が脚本・演出・主演を務め、10年ぶりに舞台化される「こちら葛飾区亀有公園前派出所」。このほど、「乃木坂46」の生駒里奈が、本舞台にオリジナルキャラクターの謎の少女・サキ役として出演することが決定。「乃木坂46」以外の舞台は初挑戦となることが分かった。週刊「少年ジャンプ」(集英社)にて連載40周年を迎える「こちら葛飾区亀有公園前派出所」といえば、秋本治による国民的ギャグ漫画。葛飾区亀有の下町を題材とし、主人公の両津勘吉を中心にさまざまな時事ネタや流行を取り入れた本作は、コミックスの発行部数は累計1億万部を超え、これまでTVアニメ化や実写ドラマ・映画化などでも幅広く愛されてきた。今回、1999年の初の舞台化から、10年ぶり5度目となる本作。脚本・演出を手がけ主人公・両津勘吉役をおなじみラサールさんが演じるほか、派出所の美男子担当・中川圭一役にユージ、秋本・カトリーヌ・麗子役に原幹恵、向島三四郎役に池田鉄洋らが出演するなど、注目を集めている。そんな中、ストーリーの鍵を握る、舞台オリジナルキャラクターの少女・サキを演じることになった生駒さん。これまで、映画『コープスパーティー』で初主演を果たしていたが、「乃木坂46」以外の舞台出演は今回が初めて。生駒さんは、「もともと『ジャンプ』が大好きで、そのご縁でTX『特捜警察ジャンポリス』のレギュラーもやらせていただいてますが、まさか『こち亀』の舞台に出られる日がくるなんて思っていなかったので、とても嬉しいです」と喜びをコメント。「『ジャンプ』が大好きな一員として、また、40周年という私より20年も先輩の作品の記念公演に華を添えられるように、サキ役を精いっぱい演じさせていただきます!頑張ります!」と熱い意気込みを明かしている。連載40周年特別企画舞台版「こちら葛飾区亀有公園前派出所」は、9月9日(金)~19日(月・祝)AiiA 2.5 Theater Tokyo(東京)、9月23日(金)~25日(日)サンケイホールブリーゼ(大阪)にて上演。(text:cinemacafe.net)
2016年06月13日純喫茶のマスターというとどのような方を思い浮かべるでしょうか?蝶ネクタイを締めた白いシャツと黒いパンツスタイルで正装した物静かな方、トレードマークになっているエプロン姿が見慣れた元気な方、清潔でパリッとしたシャツに身を包んだ穏やかな方…。今回は立ち寄れば思わず元気になってしまうような明るくてユーモアあふれるマスターのいる純喫茶を紹介します。足を運んでくれる人たちには応えたい難波里奈『純喫茶へ、1000軒』難波さんの新刊『純喫茶へ、1000軒』に興味がある方はこちらから!
2016年04月15日学校がある街には必ず素敵な純喫茶がある?難波里奈『純喫茶へ、1000軒』難波さんの新刊『純喫茶へ、1000軒』に興味がある方はこちらから!
2016年04月08日1人1人に向き合った高架下の純喫茶難波里奈『純喫茶へ、1000軒』難波さんの新刊『純喫茶へ、1000軒』に興味がある方はこちらから!
2016年04月01日銀座からほど近い昭和の空気を残す純喫茶(c)『ローヤル』皆さんは、「好きなのに緊張してしまう街」はありますか。私にとってその一つが銀座です。大人になれば自然とその街の空気に溶け込めるのではないかと期待していたのですが、今でも緊張してどこかぎこちなくなってしまいます。それゆえに、多少遠回りになるとしても、比較的近いJRの有楽町駅や新橋駅で下車してから目的地へ向かう癖がついてしまいました。同じように感じる方は、華やかな空間へ入るための心の準備としてお気に入りの純喫茶でひと息つく時間を作ってみてはいかがでしょうか。今回は、JR有楽町駅前にある昭和の空気を色濃く残す純喫茶を紹介します。銀座から近いこともあり、中央改札口へ出るとファッションビルが立ち並ぶ眩しい光景が広がりますが、その近くにある東京交通会館は50年以上の歴史があり、館内には当時から変わっていないような懐かしさを感じる飲食店も多数。中でも圧倒的な広さを誇り、いつも賑わっているのが「ローヤル」です。掲げられた看板に「純喫茶」とあることは今では貴重。入口には食品サンプルが並ぶガラスケースも健在です。(c)『ローヤル』空間は大きく2つに区切られ、どちらもゆったりと腰掛けることの出来る赤くて低い椅子が特徴的です。白いシャツに黒いパンツスタイルといった正装の男性ウエイターの接客はきびきびとしていますが、注文の品が来た後は放っておいてくれる気遣いが居心地良さの理由かもしれません。人気のハニートーストは食後のデザートにはありあまるほどの分厚さでありながらも、たっぷりバターとはちみつの美味しさでいつの間にか完食を。(c)『ローヤル』「お元気ですか?」「相変わらずね。そちらも元気そうで。」何度も繰り返したマスターとのやり取りの中に「でも、いつまでこのビルで続けていけるのかなあ。」とマスターのつぶやきが混じり、続く言葉を失ってしまいました。駅前にある便利さは再開発と隣合せであることは承知の上ですが、次々と景色を変えて華やかになっていく街の近くには、ローヤルのように変わらない憩いの場がいつまでもあってほしいと勝手ながら強く願うのでした。Text/難波里奈難波里奈『純喫茶へ、1000軒』難波さんの新刊『純喫茶へ、1000軒』に興味がある方はこちらから!
2016年03月25日新宿の喧騒を忘れる空間(c)『らんぷる』繁華街は美味しいレストランや素敵な洋服店などが軒を連ねるとても楽しい場所ですが、あまりの人の多さに疲れてしまうこともしばしばです。特に休日は賑わうため、ひと休み出来るカフェや喫茶店は満席であることが多く、休むためにも列を作って待たなければならないことも多いのではないでしょうか。特に新宿は混雑が激しく、自分のペースで歩くのも困難なほどです。しかし、そんな時にふらりと訪れても入店可能で、珈琲やレモンスカッシュを飲みながらほっと一息つける純喫茶があります。新宿駅東口から三丁目方向に向かう飲食店が並ぶ商店街の中に浮かぶ黄色い看板が目印の「らんぶる」です。(c)『らんぷる』外からは一階部分しか見えないため、初めて訪れた方はこぢんまりとした喫茶店だというイメージを持つのではないでしょうか?しかし、扉を開けて左側にある階段を降りていくと、そこにはまるで舞踏会場のように広く天井の高い空間が現れます。赤いベロアの絨毯と座り心地の良さそうな赤いソファ、さらに下のフロアへと続く大きな階段に目を奪われます。地下階にはあわせて200席ほどあるため、よほどでない限り入れないことはなく、待ち合わせにも安心して利用することが出来ます。(c)『らんぷる』名曲喫茶として愛されてきたこちらでは現在でこそCDを使用しているようですが、かつては膨大な枚数のレコードが日々流れていたそう 。周りの喧騒が嘘のように落ち着いた空間でぼんやりと座っていると疲れもどこかへ飛んでいくような気がします。余談ですが、店を任されている三代目の店長は学生時代の友人です。当時はもちろんそのような話をしたこともなかったのですが、数年前に開催された飲み会で見覚えのある顔を見つけ、交換した名刺にはなんと「新宿らんぶる店長」と記載されていたのです。すでに純喫茶に夢中だった私は飛び上るほど驚いたのでした。長い間疎遠だったにも関わらず、最近では時々一緒に珈琲を飲んだり、撮影場所として協力をしてもらうなど頻繁に連絡を取るようになり、純喫茶が再び繋いでくれた不思議なご縁に感謝するのでした。Text/難波里奈(c)純喫茶へ、1000軒難波里奈 (著)難波さんの新刊『純喫茶へ、1000軒』に興味がある方はこちらから!
2016年03月18日旅先でのモーニングの楽しみ(c)『珈琲美学アベ』旅先で目的の駅に着いた時、皆さんはまず何をしますか?私はいつも駅周辺の純喫茶を探します。気分を切り替え、珈琲を飲みながら一日の予定を組み立てるためです。日帰り旅行が可能で好きな街の一つとして思い浮かべるのは、長野県松本市。美しい自然があり、美味しい洋食屋、松本民芸用品を基調とした雑貨屋などが軒を連ねるコンパクトな街は、散策に最適です。かつて何度も訪れた馴染みのある場所に、純喫茶に関する打合せのため出掛けてきました。今回は、何気ない話から繋がった純喫茶でのこの先も続いていくご縁について話します。(c)『珈琲美学アベ』今回の旅の目的の一つは松本市で行うイベント会場として利用させてほしいというお願いのために訪れた『珈琲美学アベ』でした。交渉の途中、さらに東京で行うイベントでも珈琲を淹れる実演をして頂けないかと提案しました。すると急な依頼にも関わらず、マスターは「面白そうだから」と二つ返事で快諾して下さったのです。その優しさと決断力のおかげで先日開催された東京でのイベントは大盛況に終わることが出来ました。(c)『珈琲美学アベ』そんな素敵なマスターがいらっしゃる珈琲美学アベは松本駅から歩いて数分。看板や入口のマットに描かれている髭を生やした男性のイラストが目印です。彼の名前は「セニョールアベ」。店名の通り、こちらは二代目マスターである安部さんとご子息の三代目で営まれています。純喫茶が年々減少していく原因の1つとして「後継者不在」が挙げられるため、すでに頼もしい後任者がいることには純喫茶愛好家として感動しました。店内には、現在ではあまり見かけなくなった電話ボックスがあり(携帯電話で通話したい時に使用されるそう)、骨董品と思われる古めかしい黒電話が現役で使用されているなど、至るところにマスターの美学を感じることが出来ます。(c)『珈琲美学アベ』メニューには選べるモーニングセットやモカクリームオーレなど美味しそうな文字が並びますが、必ず珈琲もご一緒に。長い年月をかけて習得したマスターの技による「完全抽出」珈琲が自慢の一品です。実際にネルドリップで珈琲を淹れる作業を拝見しましたが、抽出後の珈琲粉の表面はまるでとろけたチョコレートのようになめらかでした。熱い珈琲を一口飲めば、レシート裏にある「悪魔のように黒く、天使のように優しく、恋のように甘い、珈琲のひととき…」という文言にも納得。長い間愛されている純喫茶には何度も会いたくなるマスターの存在が欠かせないものだとしみじみと思うのでした。Text/難波里奈(c)純喫茶へ、1000軒難波里奈 (著)難波さんの新刊『純喫茶へ、1000軒』に興味がある方はこちらから!
2016年03月14日旅先でのモーニングの楽しみ(c)「KAKO花車店」皆さんは早起きは得意でしょうか?仕事など何か用事がある場合はやむを得ないですが、私はできるだけ休みの日はゆっくり寝ていたいというのが本音です。しかし、旅先では純喫茶で頂く個性豊かなモーニングが楽しみで、いつもより早く目を覚ますこともしばしば。焦げ目の美しい厚切りのトースト、みずみずしいサラダ、半熟のゆで卵や丁寧に焼かれたベーコン、体にしみわたる熱々の珈琲。想像するだけで翌朝が楽しみに。店によって提供されるメニューは様々なので食べ比べるのも楽しいものです。そしてモーニングといえば、珈琲一杯で驚くほどのサービスが豊富な名古屋を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?そんな中から今回は運ばれてきた時に思わず感嘆の声が出てしまう美しいトーストモーニングを食べられる純喫茶を紹介します(c)「KAKO花車店」名古屋駅から徒歩数分、かつて花車町と呼ばれた地域でとても人気の店「KAKO花車店」。こ ちらは名古屋で初めて自家焙煎コーヒーを始めたお店だそうです。熱々のうちに頂くと強い苦味を感じますが、冷めるとやわらかい味になり最後まで美味しく頂ける珈琲はさすが。ぐるりと見渡すと、アーチ型の天井、重ねてきた年月を感じさせる艶のあるテーブル、窓のステンドグラス等、こぢんまりとした店内の中にたくさんのこだわりを見つけることが出来ます。(c)「KAKO花車店」目移りしてしまう豊富なメニューの中から是非ご注文頂きたいのは「シャンティー ルージュ スペシャル」。四分割されたトーストにバターが塗られ、その上には餡、生クリーム、コンフィチュールがのせられています。コンフィチュールは季節の果物を使用しているので都度変わるそう。丁寧に手作りされていて購入することも可能で餡がのっているところに名古屋の喫茶文化を感じることが出来て嬉しくなります。一切れ毎に違う味を楽しめるところが魅力的。営業時間内なら注文可能ですが、モーニングの時間帯の価格がとてもお得です。名古屋にお住まいの方、これから旅で行く予定のある方、美しいモーニングを食べて気持ちを整えてからお出掛けするのはいかがでしょうか?Text/難波里奈(c)純喫茶へ、1000軒難波里奈 (著)難波さんの新刊『純喫茶へ、1000軒』に興味がある方はこちらから!
2016年03月04日純喫茶が多くある場所の一つとして駅構内があります。待ち合わせにも最適で雨の日も濡れず、慌ただしい時に少しの時間を過ごしたいとしても乗車時刻の予定を立てやすいところが利点です。昔から好きで頻繁に通っている中の一つに新橋駅前ビルがあります。新橋駅前ビルは昭和41年に建てられ、東京での「駅ビル」第一号と言われ、当時はエレベーターガールや受付嬢のいる最先端の場所であったそうです。今回は歴史を同じくして開店し、今年の10月で50周年を迎える純喫茶を紹介します。昭和の感じがむしろ新鮮に映るパーラーキムラヤ新橋駅を利用する人たち、こちらを目指してやってくる人たちをやさしく出迎えてくれるのは「パーラーキムラヤ」。パーラー、という文字が冠にあるとときめいてしまうのは、純喫茶を好む人たちの共通点ではないでしょうか。入口のガラスケースには昭和を感じる食品サンプルがずらりと並び、今日は何を食べようかと迷う楽しい時間です。パーラーキムラヤえんじ色と白色の椅子は今見てもモダンなデザインで、窓際の席にかけられたレースのカーテンはどこか儚げ。店内中央の仕切りの上には船の模型と魚たちが泳ぐ水槽が。あえて携帯は鞄の中にしまい、時間の流れにぼんやりと身をゆだねてみるのも良いものです。パーラーキムラヤサラリーマンのオアシスであるこちらでは、スーツ姿の男性たちが昔懐かしい飾り付けのプリンアラモードなど甘いものを食べている微笑ましい姿をたまに見かけます。パーラーキムラヤ平日の営業はAM7時半から夜は22時までと会社員は利用しやすくメニューも豊富ですが、マスターの一押しはミートソーススパゲティ。たまねぎを炒めるところから完成までは3日間。創業時から空にならないよう少しずつ継ぎ足され丁寧に作られたソースは、やわらかな味が守られています。「昭和の時代から普通にしてきたことを今も変わらず行っているだけ。しかし、若い人たちには新鮮に映るようで嬉しい。」とはお母様と一緒に店を守る二代目マスターのお言葉。朝はモーニングセット、昼はミートソーススパゲティとプリンアラモードを、夜はチキンピラフとクリームソーダなど、純喫茶メニューのフルコースで一日に何度も訪れてはいかがですか?Text/難波里奈(c)純喫茶へ、1000軒難波里奈 (著)難波さんの新刊『純喫茶へ、1000軒』に興味がある方はこちらから!
2016年02月29日カウンター席初心者にオススメの喫茶店平均律「ここにはエリサさんに会いに来ているの。」カウンター席に座っていた常連らしき女性が笑顔で話して下さいました。美味しい珈琲や食事、流れる音楽などが目当てで純喫茶を訪れるのはもちろん、店主とのお話しが楽しみで来店される方も多いのではないでしょうか。カウンター席に座ることは難易度が高いイメージがあるかもしれませんが、「緊張してしまう、でも座ってみたい。」という方のために学芸大学の『平均律』という店をお薦めしたいと思います。「珈琲と紅茶とバロック音楽」と看板に書かれた入口が目印のこのお店は、階段を上がると、珈琲豆のような色の家具で統一された店内が扉越しに見えます。そして振り向くと階段上部にはなぜか馬の鞍が飾られており、テーブル席ではステンドグラスが色を添えます。平均律現在お店をお休みすることが多いマスターに変わって店を守るのは、いつも笑顔を絶やさず、アンニュイな空気を纏うエリサさん。「本名じゃないのだけどね。」というやり取りもどこかミステリアスです。以前表参道の人気店だったこの店は平成2年に一度惜しまれつつも閉店し、平成13年に学芸大学で再開店しました。絶品の菓子メニューは、菓子やパン教室の講師を務めたこともある腕前の持ち主であるエリサさんの手作りによるもの。「凝り性なのよ。」というエリサさんはフランス料理もお得意のようです。カウンター席に座って頂きたい理由は、もちろんエリサさんとの会話を楽しんでほしいという願いもありますが、それとは別にフレンチトーストを注文した時のバターが溶ける幸せな香りを一番近くで堪能出来るからです。こちらではウインナーコーヒーもお薦めです。コーヒーに生クリームが添えられた一般的なものではなく、透明なグラスにグラニュー糖、珈琲、生クリームが順に注がれ、美しい3層を眺めることが出来るのです。ニャポリタン/『新宿三丁目・カフェ・アルル』持ち帰りの出来るバナナケーキやホットビスケットは次の日の朝食にいかがでしょうか。店内には興味深い本や雑誌も多数置かれているのでじっくりと読みふけるのもおすすめです。Text/難波里奈(c)純喫茶へ、1000軒難波里奈 (著)難波さんの新刊『純喫茶へ、1000軒』に興味がある方はこちらから!
2016年02月19日純喫茶を訪れる目的は人によってそれぞれだと思います。珈琲を飲む人、食事をする人、読書をする人、誰かとおしゃべりする人、手紙を書く人、マスターに会いに行く人…。今回は、「可愛い猫と戯れる」ことができる純喫茶を紹介します。愛される3匹の正社員と名物の【ニャポリタン】正社員猫の「五右衛門」/『新宿三丁目・カフェ・アルル』駅前の賑やかな繁華街を抜けて新宿三丁目方面へ歩いていくと、段々と静かになっていき花園神社やゴールデン街などまた違った楽しみ方の出来る新宿が見えてきます。飲食店が連なる三番街の中ほどに現れるのは『カフェ・アルル』。入口では、動物の形をした置物たちが出迎えてくれて賑やかです。扉を開けると、丁度良い明るさの照明とゆっくり腰を落ち着けられそうな椅子、天井や壁で笑みを浮かべるたくさんのピエロたち…。1人で来た人が退屈せずに過ごせるよう雑誌や漫画もびっしりと並べられています。そして、こちらを訪れる人たちを虜にしていたのは、19年間店を守り住み込みの正社員として愛されていた猫の「五右衛門」。残念ながら昨年6月に亡くなってしまい、当時マスターや店員の皆さんを筆頭に五右衛門を知る全ての人たちが悲しみに打ちひしがれました。正社員猫の「次郎長」/『新宿三丁目・カフェ・アルル』訃報を聞いた時、私もしばし放心してしまったことを覚えています。「もう新たに猫を飼うつもりはなかった。」とマスターはおっしゃいましたが、それからしばらくしてまた二匹の正社員猫がこちらにやってきました。正社員猫の「石松」/『新宿三丁目・カフェ・アルル』血の繋がりがないにも関わらずどこか五右衛門の面影を感じさせる「次郎長」とまだ生後1年足らずの「石松」。今ではすっかり店に馴染み、皆に愛されています。ニャポリタン/『新宿三丁目・カフェ・アルル』そんなアルルの名物は「ニャポリタン」。メニュー表にはきちんと「ナポリタン」と記載されているのですが、お茶目なマスターが「ニャポリタンです」と運んできて下さるので、思わずくすりと笑ってしまいます。濃厚な「ぶどうしぼり」もお薦めで、何かを注文するとバナナとジャイアントコーンがつくサービスも。愛らしい猫を近くに感じながらのんびりとした時間を過ごしてみてはいかがでしょうか?Text/難波里奈(c)純喫茶へ、1000軒難波里奈 (著)難波さんの新刊『純喫茶へ、1000軒』に興味がある方はこちらから!
2016年02月12日からだの悩み多きアラフォー世代。なかでも “めぐり” に関する悩みが多いと言います。骨や筋肉の動きなどを通じてからだの「めぐり」とそのメカニズムを知り尽くす「john masters organics TOKYO」(ジョン・マスター・オーガニック トーキョー)のセラピスト 林里奈さんに、実際に施術をしていただき、「めぐり」を促すためのポイントを伺ってきました。めぐりキーワード1:「呼吸」―― クレンズの施術が始まる前に、お部屋に撒くルームスプレーの香りを選びますよね。同時に「呼吸の深さとリズム」も確認されて。「香りと呼吸の関係」も気になります。「呼吸」に意識を向けることで「めぐり」はよくなるのでしょうか?呼吸がどんなリズムかを確認することで、普段より少し呼吸を意識していただくという意図もあります。深い呼吸をすると、からだのめぐりはよくなります。みなさん無意識な状態では“呼吸がかなり浅い”方が多いようなので、呼吸を少しでも深く誘導するためにルームスプレーで好きな香りでお部屋を満たすことをおすすめしています。セラピストは、呼吸を合わせることでお客様の精神的なバランスを感じることができます。エネルギーや動作のバランスがお客様と一体化するので、深いリラックス効果が得られるようになるんですね。筋肉の細かなこわばりや緊張もセラピストは感じやすくなるので、「呼吸」はセラピストたちにおいても重要なキーワードになっています。めぐりキーワード2:「温め」―― 「めぐり」に欠かせないキーワードのひとつに「温め」があります。林さんも「体を温める際に首の後ろを温める方が多いけれど、実際は “顎から首にかけてのゾーン” をよくマッサージするほうが効果的」と言われてましたが…。顎の下から首のラインを温めることで、腰の筋肉を緩めて腸をリラックスさせる効果が期待できます。ワーキングママである松浦さんは、重い荷物を持つ習慣があることで肩と背中の筋肉が発達しています。同時にお子さんを抱っこすることで腕に大きな負荷がかかっていて、それを支えるために腰に圧がかかり腰が弱くなっています。真面目でストイックな性分なのかもしれないと感じました。だからこそ、腸をリラックスさせて副交感神経を優位にしてあげる、ホッとひと息つく時間になればいいな、との思いで顎下から首を温めるアドバイスをさせていただきました。 めぐりキーワード3:「見えない部分」―― 施術中「背骨(特に腰の近く)が湾曲しているので、左足を右足より少し前に出すイメージで歩くと良い」とアドバイスを受けました。自分では「見えない部分」でしたが意識するようになり、少しずつ体調が変化してきました。いま抱えているからだの問題の根本はどこから来ているのか、ご自身が感じている不調の箇所と実際起きている不調の箇所が異なることが多いですね。いくら鏡の前で念入りにチェックしても自分自身では気づきにくい部分、それゆえにいつの間にかめぐりが停滞してしまっている部分、特に40代前後になると積み重なった負荷をそのまま(気づかないまま)に過ごされているかたも少なくないのです。サロンではお客様の中に眠っているホメオスタシス(自分で健康を保とうとする力)を可能な限り呼び起こす施術を目指しています。みなさん、生活において気づかぬうちに生まれたクセはいくつか持ってらっしゃるので、できるだけご自身では「見えない部分」「気づきにくいこと」に、より注力するように心がけています。めぐりキーワード4:「インナーケア」―― 施術後にご用意くださるコールドプレスジュース。サロンの施術と組み合わせることで得られる「からだのメリット」とはなんでしょうか?コールドプレスジュースは繊維が取り除かれているため、本来消化に使われてしまうエネルギーが疲労回復や良質な睡眠にも充てられるので、施術後は特におすすめの組み合わせです。クレンズサロンでマッサージを受けて身体の流れやめぐりを整えたら、今度はインナーケアできるコールドプレスジュースで、内臓機能も整えて休ませてあげたいですね。 めぐりキーワード5:「力を抜こう」―― 「実はこうするだけで “めぐり” がよくなる!」といった、ワンポイントアドバイスをいただけますか?まず、力を抜きましょう。眉間の力を緩めて、歯の食いしばりもほどきます。足の指も、グーパーグーパー(できるだけ自力で開いたり閉じたり)つま先まで意識を届かせて。そして、指を頭の上で組んだらグーっと大きく伸びてみましょう。毎日、就寝する前に、疲れたと感じた時に数分間。たったこれだけなので、覚えておくと少しずつ効果を感じられると思います。何事にも一生懸命で、忙しくタフなのがアラフォー世代だと思います。品のある美しさが備わり、物の選び方もより丁寧に。その一方で、上手に力を抜けない人が多いのもこの世代。ガチガチに構えていてはめぐるものも “めぐり” ません。マッサージだって効果半減。力を抜いて、要らない感情ごと解放してください。精神の安定と “めぐり” にも大きな関係があるのです。あとは、時にはサロンに足を運ぶ贅沢も取り入れていただけるとベストです。取材協力 / お問い合わせ:john masters organics TOKYO東京都渋谷区神宮前5-1-6イルパラッツィーノ表参道1F03-6433-529811時~21時(日・祝は20時まで)不定休
2016年02月09日数年前に丁寧なメールを頂きました。送って下さったのはユミさんという女性で、そこには、「祖父母が現役で『珈琲家ロビン』という純喫茶を名古屋市中村区寿町で60年近く営んでいます。ロビンは曾祖父が初め、祖父は二代目。今でも朝4時開店、16時の閉店で(現在は15時までに変更。)頑張っています。私もそんなロビンが大好きです。名古屋にお越しの際には、ぜひ珈琲家ロビンにいらして下さいね。」と綴られていました。珈琲ロビン純喫茶を営む方の平均年齢は年々高くなってきていて、店に伺えば興味深い話をたくさん聞くことは出来るものの、メールやSNSに長けている方はあまり多くなく、遠方の方とはやり取りがしにくいことが実情です。なので、純喫茶が身近にある方からこのようなメールを頂けたことは大変嬉しく、ご家族の店をとても大切に思われている気持ちに感動していつか必ずお邪魔したいと思っていたのですが年月が経ってしまい先日ようやく訪問することが出来ました。珈琲ロビン到着したのは15時頃。灯りは点いていたものの、営業時間は過ぎてしまった様子。申し訳なく思いながら扉を開けると、優しそうなマダムがにっこりと迎え入れて下さいました。せめてご挨拶だけでも、とメールを頂き東京からやって来たことを告げると、とても喜んで下さりすぐさまユミさんのお母様を呼んで下さいました。事情を伝えると、お店の歴史や現状について色々とお話して下さり、マスターだったお父様(ユミさんのおじいさま)が数年前に急逝されてしまったことも。珈琲ロビン現在は、ユミさんのおばあさまとお母様がお店を守り、すっかり親戚のように繋がりの深くなった昔ながらの常連さんたちや、ユミさんたちご家族の集まる大切な場所であり続けているそうです。さらに、ユミさんのお子さんが「将来はお店を継ぎたい」と話しているようで、彼女の描いた味のある「ロビン」の絵が飾られている壁を眺めながら、思わずその絆の強さに涙が出てしまう程でした。珈琲ロビン丁寧に淹れて下さった珈琲ももちろん美味でしたが、こちらの一押しメニューはタマゴサンドとのこと。私はまた次回のお楽しみとなってしまいましたが、お近くの方は是非あたたかい雰囲気に包まれながら、お薦めのタマゴサンドと美味しい珈琲で素敵なひとときを。Text/難波里奈(c)純喫茶へ、1000軒難波里奈 (著)難波さんの新刊『純喫茶へ、1000軒』に興味がある方はこちらから!
2016年02月05日「純喫茶」のメニューといえば、あなたは何を思い浮かべますか? 珈琲はもちろん、クリームソーダにチョコレートパフェ、タマゴサンドなど。そして、やはりミートソーススパゲティにナポリタンが定番ではないでしょうか?子供から大人までわくわくするような文字が並び、訪れる度にどれを食べようかと悩む時も少なくないと思います。そして、同じメニューでも店によって味や飾り付けが違うのも楽しみの一つ。今回は、毎日でも食べたくなるような美味しいミートソースと面白い名前のデザートがある純喫茶を紹介します。マスターの特製ミートソーススパゲティにデザートはパイアラモードルーブルJR総武線東中野駅からほど近いパン屋に喫茶室を併設した「ルーブル」では一般的なパン屋と同じように食パンに惣菜パン、ケーキなどが棚やガラスケースに並べられています。少し変わっている点としては、手作りのパンのみならず、袋に入った既製品のパンも一緒に販売されているところ。そして、レジの横を抜けると奥には喫茶室があり、飲み物・食べ物ともに豊富なメニューに驚きます。ルーブルこちらでは、冒頭で挙げたメニューのほとんどを食べることが出来るのです。中でもお薦めしたいのが、マスター特製のミートソーススパゲティ。一口食べた瞬間に「美味しい!」と声が出てしまうほど、濃厚で甘みがやさしく、今まで連れていった友人たちからも絶賛の声を聞いています。マスターに美味しさの秘密を尋ねたところ、「デミグラスソースを少し入れることだね」という答えが。しかし、家で作っても絶対同じ味にならない理由は、スパイスとしてマスターの今までの経験と愛情が一緒に煮込まれているからかもしれません。ルーブルデザートも食べたくなったなら、「セレナーデ」や「スノーワールド」、「パイアラモード」はいかがでしょうか?パイアラモードは思わず懐かしさを感じてしまうレトロで可愛い盛り付け。どんなものか想像がつかない「セレナーデ」と「スノーワールド」については、是非お店にお出掛けの上お確かめ下さい。Text/難波里奈(c)純喫茶へ、1000軒難波里奈 (著)難波さんの新刊『純喫茶へ、1000軒』に興味がある方はこちらから!
2016年01月29日誰かのために花を買うことがとても好きです。あの人は何色が似合うだろう、どんな香りを好むだろう…。そんなことを考えながら選び、渡した人の暮らしが色づく瞬間を想像しては嬉しい気持ちになります。自分のために買うことも、花が飾られている空間も良いもので、特に訪れた純喫茶のテーブルに花があるとそれだけで穏やかな気持ちに。新鮮な花の絶えない店内ネルケン高円寺で60年以上の歴史をもつ老舗名曲喫茶「ネルケン」の店名は、ドイツ語で「たくさんのカーネーション」を意味し、まるで花のように美しいマダムが静かに営む店です。私はこちらへ行こうと思いついた時、必ず駅前でマダムが喜んで下さりそうな花を何本か買ってから向かうのです。緑色のファサード、入口を囲うように茂る手入れされた植物、少し重たい扉。店内に流れるクラシック、赤いベロアの椅子、光を遮る分厚いカーテン。扉を一枚隔てただけでこんなにも現実とは違った世界が味わえるなんて、と何度訪れても感動してしまう空間。ネルケン他の人と視線が合わないように、と配慮された座席は段差などにより高さを揃えず、仕切りによって目隠しがされるので落ち着いて1人だけの時間を過ごすことが出来ます。厳密には私語厳禁ではないのですが、こちらでは誰かと一緒でもそれぞれの時間を楽しむことをお薦めします。本を読んだり、音楽に耳を傾けたり、ただぼんやりとしたり…。ネルケンそして完璧な空間を作り出すのに欠かせないのはマダムの存在。もし、「憧れる女性は?」と聞かれたなら、真っ先にこちらのマダムが思い浮かぶほど憧れています。見惚れる程の容姿はもちろん、上品な物腰、センスの良い服装、美しい言葉遣い、真似したい所作。せめてこの空間にいる間だけでもマダムのようにいたい、と少しおすましして過ごしてみるのもこちらへ行く醍醐味かもしれません。一度訪れたなら必ずや好きになってしまうマダムには今までの歴史の長さと同じく、たくさんのファンがいるようで、定期的に何も言わず入口前に花を置いていく方もいて常に店内は新鮮な花であふれているという話も素敵です。Text/難波里奈(c)純喫茶へ、1000軒難波里奈 (著)難波さんの新刊『純喫茶へ、1000軒』に興味がある方はこちらから!
2016年01月22日動物園、博物館、美術館、旧岩崎邸庭園、アメ横…。見所が多く、時間を問わず賑やかな街である印象の上野駅周辺には、昭和の空気を色濃く残した素敵な純喫茶がまだまだ健在です。散策や買い物に少し疲れてしまったら、どこかであたたかい珈琲を飲んでひと息つきたくなりますね。そんな時のために、軒を連ねる飲食店の数々の中から今回は「王城」という純喫茶を紹介します。繁華街に日常から脱出する扉が(c)王城上野駅から御徒町駅へ向かう繁華街の途中にあるこちらは、夜になるとその妖艶さを発揮する紫色の看板が目印です。昭和45年創業、長い間近隣で働く人たちや観光に訪れた人たちの憩いの場所として愛されてきた「王城」。現在のオーナーである玉山さんは店の近くにある「天心堂診療所」の3代目院長も務め、昔ながらの常連や趣きを大切にしつつも、時間の流れに寄り添って新しい試みも取り入れていらっしゃいます。例えば、メニューに写真を増やす、3つあった看板のうち1つを親しみやすい配色のデザインに変更する、SNSを活用し店のお知らせをする等。しかし、店内は昭和の雰囲気を思わせるゴージャスな内装を保ち、天井中央には大きなシャンデリアも。ゴブラン織のソファーはきちんと手入れされ、働く人たちは白いシャツに黒いスカートの正装、と古き良きものはそのまま大切にされています。(c)王城ナポリタンやミートソースは今では珍しくなった太麺を使用し丁寧に手作り。珈琲はイギリス方式を採用し、「飲む人から見てカップの取っ手を左側、スプーンの持ち手を右側」に置かれます。とはいえ、好きなように飲んでもらえればとのこと。注文後、空カップと銀色に光る容器に入れられた砂糖とミルクが先に運ばれてきて、珈琲はテーブルで注がれることも嬉しい驚きです。「体にやさしいものを」と漢方を専門とするオーナーが考案したメニュー、黒糖生姜ミルクは甘さと熱さが絶妙で寒い季節にはしみじみと沁みわたります。(c)王城帰り際、レジに置かれているマッチ箱を1つお土産に。そこに書かれているのは「憩いの殿堂」の文字。慌ただしい毎日の中で、せめて純喫茶にいる間だけでも自分の時間の王様でいてほしい、という店の思いに甘えて思う存分のんびりと。Text/難波里奈(c)純喫茶へ、1000軒難波里奈 (著)難波さんの新刊『純喫茶へ、1000軒』に興味がある方はこちらから!
2016年01月16日2016年も始まり、新たな気持ちで何事も取り組みたい色々と頑張りたい時期ですが、しばらくするとまたこれからも続いていく日常から脱出したくなる瞬間が訪れるのではないかと思います。そんな時、手軽に出来る国内旅行は気分転換の手段の一つですが、今回は大阪方面へ旅行する予定がある方、現在大阪周辺在住お住まいの方などにお薦めしたい個性的な純喫茶を紹介します。ミュンヒその店は、JR大和路線の八尾駅から少し歩いた住宅街の中にあります。外観には「珈琲だけの店」と大きく表示されているため、ので少しひるんでしまうかもしれませんが、扉を開けるのを躊躇するほどの強烈な特徴はぱっと見たところありません。中へ入ると、温和でありながらもどこかこだわりのありそうな芯の強さを感じるマスターが出迎えて下さいます。純喫茶での流れといえば、空いている席に腰を下ろし、メニュー表やお冷が運ばれてくるのを待つのが一般的と思いますが、こちらでは入店した後は全てマスターがエスコートしてくれます。ミュンヒこの店の個性的な箇所を7つ挙げますと…。①マスターの若い頃のブロマイドをプレゼントされる(大変男前です)②マスターによる自作の詩の朗読あり(16歳の頃から書き溜めているとのこと)③店内で使用されている食器は全て驚くほどの高級品(お冷のグラスも数万円以上するバカラ)④店名の由来にもなったドイツの高級バイクが店内に展示されている。(日本に1台しかない)⑤メニューはあるものの、初回訪問時はマスターのお薦めを提供される。(種類が多すぎるため)⑥入店から退店まで平均数時間かかる。(終電を過ぎ、マスターに車で送迎された方の話も)ミュンヒそして、なんといっても⑦珈琲一杯の値段が10万円、マイセンの図録にも掲載された金色にまばゆく光る500万円のコーヒーカップにて提供される、スプーン一杯の味見価格は2000円に尽きるのではないでしょうか。樽で何十年も寝かされた珈琲は、マスター曰く「アルコールが入っていないのに酔える珈琲」。一滴ずつ注がれるその珈琲は高級なワインのようでうっとりする香りです。訪れる人たちは事前に情報を入手しているのか、色々と驚きはするものの貴重な体験を出来たという気持ちで笑顔のまま帰られるということ。実際、私もそうでした。訪問から年月が経っても誰かにこちらでの体験を話す時はいつも楽しい気持ちになります。インパクトの強さばかりが話題になるのはやむを得ませんが、珈琲もこちらでしか味わえない特別なもの。いつも飲んでいる珈琲とは全く違った飲み物、として楽しまれるのはいかがでしょうか?(c)純喫茶へ、1000軒難波里奈 (著)難波さんの新刊『純喫茶へ、1000軒』に興味がある方はこちらから!
2016年01月08日住宅街に日常から脱出する扉が2016年も始まり、新たな気持ちで何事も取り組みたい時期ですが、しばらくするとまた日常から脱出したくなる瞬間も訪れるのではないかと思います。そんな時、手軽に出来る国内旅行は気分転換の一つですが、今回は大阪方面へ旅行する予定がある方、現在大阪周辺在住の方などにお薦めしたい個性的な純喫茶を紹介します。(c)ミュンヒその店は、JR大和路線の八尾駅から少し歩いた住宅街の中にあります。外観には「珈琲だけの店」と大きく表示されているので少しひるんでしまうかもしれませんが、ぱっと見たところ強烈な特徴はありません。中へ入ると、温和でありながらもどこかこだわりのありそうな芯の強さを感じるマスターが出迎えて下さいます。純喫茶での流れといえば、空いている席に腰を下ろし、メニュー表やお冷が運ばれてくるのを待つのが一般的と思いますが、こちらでは入店した後は全てマスターがエスコートしてくれます。まるで超高級レストランのような体験(c)ミュンヒこの店が個性的である箇所を7つ挙げますと…。①マスターの若い頃のブロマイドをプレゼントされる(大変男前です)②マスターによる自作の詩の朗読あり(16歳の頃から書き溜めているとのこと)③店内で使用されている食器は全て驚くほどの高級品(お冷のグラスも数万円以上するバカラ)④店名の由来にもなったドイツの高級バイクが店内に展示されている。(日本に1台しかない)⑤メニューはあるものの、初回訪問時はマスターのお薦めを提供される。(種類が多すぎるため)⑥入店から退店まで平均数時間かかる。(終電を過ぎ、マスターに車で送迎された方の話も)(c)ミュンヒそして、なんといっても⑦珈琲一杯の値段は10万円、提供されるのはマイセンの図録にも掲載された金色にまばゆく光る500万円のコーヒーカップ、スプーン一杯の味見価格は2000円に尽きるのではないでしょうか。樽で何十年も寝かされた珈琲は、マスター曰く「アルコールが入っていないのに酔える珈琲」。一滴ずつ注がれるその珈琲は高級なワインのようでうっとりする香りです。訪れる人たちは事前に情報を入手しているのか、色々と驚きはするものの貴重な体験が出来たという気持ちで笑顔のまま帰られるということ。実際、私もそうでした。訪問から年月が経っても誰かにこちらでの体験を話す時はいつも楽しい気持ちになります。インパクトの強さばかりが話題になるのはやむを得ませんが、珈琲もこちらでしか味わえない特別なもの。いつも飲んでいる珈琲とは全く違った飲み物として楽しまれるのはいかがでしょうか?Text/難波里奈(c)純喫茶へ、1000軒難波里奈 (著)難波さんの新刊『純喫茶へ、1000軒』に興味がある方はこちらから!
2016年01月08日(c)邪宗門「純喫茶では何をして過ごしていますか?」たまに、そのような質問を受けます。珈琲を飲む、本を読む、誰かと喋る、手紙を書く。そしてこれは悪趣味かもしれませんが、近くに座っている人たちの会話にひっそりと耳を傾けるのも楽しいものです。人によって過ごし方は色々とあると思いますが、私はただぼんやりしていることが多いです。しかしそれを伝えると驚かれることもあり、ぼんやりする、ということがあまり得意ではない方も多いと知りました。今回はそんな方たちへお薦めしたい、とっておきの純喫茶がありますのでご紹介させて頂きます。(c)邪宗門お洒落な店が軒を連ねる大通りを外れて路地を歩いてみると、まだまだ懐かしい風景や散歩中の猫に出会えたりするものです。その店は、三軒茶屋と下北沢のちょうど中間くらいの住宅街の中にあります。アニメ『境界の彼方』の舞台にもなったそうで、なんと海外から訪れる熱狂的なファンの方たちもいるとのこと。貴重なランプや柱時計、火縄銃などが店内を飾り、まるで骨董品屋のようにも見えます。窓際には著名な女性作家のお気に入りだった席があり、一番奥の部屋は美空ひばりさんのグッズに囲まれ、ジュースボックスでは現在も昔懐かしい音楽たちを聞くことが出来るなど見所はたくさんあるのですが、最も特徴的である点として、マスターによる手品を楽しみながら珈琲を頂けることではないでしょうか。今は無き、国立の元祖「邪宗門」も手品が見られる純喫茶で、そちらの店主に惚れ込んだ結果、当時勤めていた百貨店を辞めて自分の喫茶店を開店するに至ったマスターの作道さん。手品は、紐、造花、リングを使用したものなど、種類豊富で本格的です。(c)邪宗門そして、手品を鑑賞しながら頂きたい一押しメニューは、自家製寒天で作られたあんみつ珈琲。蜜の代わりにあたたかい珈琲をアイスにかけ、良く混ぜてから頂きます。とても美味しいのですが、マスターの華麗な手元に見惚れているうちにすっかり溶けてしまうこともあるのでご注意下さい。Text/難波里奈(c)純喫茶へ、1000軒難波里奈 (著)難波さんの新刊『純喫茶へ、1000軒』に興味がある方はこちらから!
2015年12月25日(c)Lawn携帯電話が普及したことによっていつでもすぐに連絡を取れるようになり、以前ほど困難ではなくなったことの一つが待ち合わせだと思います。もちろん私も携帯電話には普段からお世話になっておりますが、じっと待っている時間が減りつつある今だからこそ、たまにはぼんやりと誰かを待つための時間を過ごしてみませんか? とはいっても全くの手持無沙汰であるよりは、好きなことをしながら落ち着いて過ごせる空間であったら良いですよね。今回は、そんな時にとても重宝する純喫茶を紹介したいと思います。ふわふわオムレツのタマゴサンド(c)LawnJR線、丸ノ内線、南北線を利用出来る四ツ谷駅から徒歩数分の場所にある純喫茶「Lawn(ロン)」は、佐賀県立博物館なども手掛けた建築家の高橋靗一(ていいち)氏の作品で、ひんやりとしたコンクリートの質感と丸みを帯びた形状の入口のコントラストが素晴らしいビルです。一階席も素敵なのですが混み合っていないようでしたら、店内奥にある螺旋階段をくるくると上がり、二階席へ行くことをお薦めします。中央は吹き抜けになっていて、空間は左右に分かれています。その中でも私が特に気に入っているのは左側の吹き抜けから一階席を見下ろせる席です。一階にいる方たちの話し声までは聞こえないのですが、遠くから様子を眺め、どんな会話をしているのだろうと空想してみるのも楽しい時間です。また、窓の外を走る自動車を眺めていると、いつも時の流れを忘れてしまいます。(c)Lawn今ではすっかり懐かしいメニューとなったミルクセーキはほんのりレモンの香り。マスターに秘密を尋ねるとレモンの皮を少しだけ入れているからとのこと。一緒に注文したいタマゴサンドは、ふわふわのオムレツが挟まれた関西で多くみられるタイプでボリュームたっぷりなのですが、いつの間にかぺろりと完食してしまう美味しさです。赤く艶やかな椅子に深く腰掛け螺旋階段を上がってくる人々の気配を感じ、店内で流れるマスターの大好きなビートルズに耳を澄ます。なかなか時間が作れず読めていなかった小説などをゆっくり読むのも至福です。もし、誰かとの約束がないのであれば「1時間後の自分を待つ」という遊びをしてみるのも良いかもしれませんね。Text/難波里奈(c)純喫茶へ、1000軒難波里奈 (著)難波さんの新刊『純喫茶へ、1000軒』に興味がある方はこちらから!
2015年12月18日