ルネサス エレクトロニクスは5月8日、組み込み機器のIoT化を促進することを目的としたBluetooth Smartワイヤレスソリューションとして、低電力なBluetooth Low Energy技術と自社のマイコンと組み合わせ、無線通信で必要となる周辺部品を内蔵した「RL78/G1D」を開発したと発表した。同ソリューションは、従来、アンテナ接続回路において必要であったバラン素子を内蔵しているため、RFトランシーバ信号端子と外部のアンテナ素子をバラン素子なしで接続することが可能。これにより、バラン回路におけるマッチング調整や評価を繰り返し行う必要がなくなるため、開発コストを低減できるほか、バラン回路を構成する外付け部品も不要となるため、製品コストや部品管理コストなどの削減も実現できる。また、Bluetoothコア仕様バージョン4.1に対応する 新開発の低消費電流RFトランシーバを内蔵したことで、受信時3.5mA/送信時4.3mA@0dBmの無線動作電流を実現したほか、低消費電力マイコン「RL78ファミリ」の省電力性能も継承しているため、たとえば、1秒間隔で無線通信を行い、他の無線機器との接続状態を維持する場合、平均電流10μAを実現できるという。さらに、通信距離に応じて無線動作時の消費電力を最適に調整するアダプタブル機能を搭載しており、近距離通信時に必要以上の電力消費を削減する事が出来るようになっている。なお、カスタマはスタータキットとして提供される評価ボードとBluetooth認証取得済みのプロトコルスタックを利用することで、無線特性評価や通信動作の初期評価が可能なほか、同社では簡易的に動作させるためのパソコン用ツールも提供するとしている。すでにサンプル出荷を開始しており、2015年10月からの量産出荷を予定している。サンプル価格は500円で、2016年10月には月産100万個の製造を計画しているという。
2015年05月08日東芝は4月15日、複数センサを搭載しセンシングを行なうウェアラブルデバイス向けのマイクロコントローラ(マイコン)の消費電力削減を実現する制御技術を開発したと発表した。同成果の詳細は、4月15日より横浜にて開催されている半導体の国際会議「COOL Chips XVIII」にて発表された。バッテリーで駆動するウェアラブルデバイスの長時間駆動を実現するために、マイコンなどの消費電力を抑制することが求められている。そうしたマイコンには低消費電力モードが基本的に搭載されており、非動作時・待機状態時に動作モードから低消費電力モードに遷移することで、バッテリの消費を少なく抑えることができる。しかし、マイコンを低消費電力モードに遷移するためには、前処理および後処理が伴い、それらを実行するための電力消費が発生していた。また、ウェアラブルデバイスは多機能化により多くのセンサが搭載されるようになってきており、これらのセンサからのデータ取得のために頻繁に動作モードと低消費電力モードを切り替える必要があり、低消費電力モードの遷移に要する電力消費を抑える必要が生じていた。今回開発された技術は、取得頻度が異なるセンサからのデータ取得処理を、適切な時間間隔にまとめて一度に行うことで、低消費電力モードへの遷移の頻度を削減しようというもの。これにより、低消費電力モードの遷移に要する電力消費が削減できるようになったほか、処理のまとめ方の工夫により、センサデータの取りこぼしも最小限に抑えることに成功したという。なお、この処理をまとめる制御には、ソフトウェアのサポートのみならず、ハードウェアの電源制御モジュールに特定の機能が必要とのことで、すでにその機能を搭載済みの同社のウェアラブルデバイス向けマイコン「TZ1001MBG」にて、活動量計アプリケーションを動作させてテストを行ってきた結果、最大31%の消費電力の削減を図れることを確認したという。同社では、今後、2~3年度の同技術の実用化をめざし、研究開発を進めていくとしている。
2015年04月16日省エネのワンストップサービスを手掛けるESCはこのほど、2016年4月からの電力市場自由化に先立ち、新電力会社の比較サービスサイト「みんなの電力」をオープンした。同サイトでは、居住地域とエネルギー源(火力、風力、太陽光、水力、バイオマスなど)の種類を選ぶと、500以上の新電力会社の中からおすすめの新電力会社が表示され、問い合わせ・比較することができる。電力市場の自由化は、電力売買の自由競争市場化に向けて国が推進している政策で、ESCによると、新電力会社への契約切り替えによる各家庭の電気料金の削減効果は最大20%程度が見込まれているという。ただ、新電力会社は一般的に認知度が低く、居住地域や嗜好に合わせて探すことが困難であるほか、一度新電力会社と契約すると再度の切り替えが難しい事から、同社は今回開始したマッチングサービスが、電力自由市場の発展に向けて重要な役割を果たすと考えているとしている。主な対象は一軒家やマンションに住む個人で、規模は全国で推計5,000万世帯に上る。同社は、2016年度の制度開始までに100万件の登録を目指している。
2015年04月03日Texas Instruments(TI)は、最大75WのAC/DCフライバック型電源向けに「待機電力ゼロ」の電源コントローラチップセットを発表した。同チップセットは700V一次側レギュレーション(PSR)フライバックコントローラ「UCC28730」と200V二次側ウェークアップコントローラ「UCC24650」で構成。UCC28730は、最大20Wの標準フライバック電源で追加部品なしで「待機電力ゼロ」を実現。また、アダプティブリレー制御向けのインテリジェントスリープ機能の使用により、最大75Wまで拡張。フォトカプラと関連フィードバック部品を不要にし、総システム・コストの低減と信頼性の向上を実現する。さらに出力コンデンサ容量を半減しながら、無負荷から全負荷までの全ステップで高い出力安定度を維持し、変換効率の向上と基板実装面積の低減を実現。コンバータの負荷状態に適応的に対応し、無負荷時にシステム機能の停止、ACリレー制御への適応、同期整流回路の停止が可能となっている。UCC24650は、Vddやウェークアップ回路への外部クランプ回路を不要にし、5V~24V出力電圧電源との互換性を提供。また、電圧ドループ検出機能により、無負荷から全負荷過渡動作まで高い出力電圧安定度を維持しながら、小型出力コンデンサの使用を可能する。これらの組み合わせにより、高い過渡応答特性と「待機電力ゼロ」を実現。5V~24Vの出力電圧をサポートするとともに、テレビ、家電、ACアダプタ、HVAC(暖房、換気、空調)、ビル・オートメーションシステム向け電源のサイズ低減と効率向上を可能にする。「WEBENCH Power Designer」設計支援ツールに対応し、カスタム設計が可能となっている。TI DesignsリファレンスデザインにはUCC28730とUCC24650チップセット搭載のテスト済み12W、24Vオフライン電源(PMP10927)リファレンスデザインを用意しており、製品開発期間を短縮できる。UCC28730とUCC24650は量産出荷中。UCC28730は7ピンSOICパッケージで供給され1000個受注時の単価(参考価格)は0.45ドル、UCC24650は5ピンSOT-23パッケージで同0.14ドルとなっている。なお、TIはUCC28730とUCC24650のデモを、3月15日~19日に米国ノースカロライナ州シャーロットで開催されるAPEC(Applied Power Electronics Conference and Expo) のTIブースで行う。
2015年03月13日インテル セキュリティの中核を担うMcAfee,Inc.は3月11日、電力網内の従来型と最新型の重要社会インフラを保護できるテクノロジー プラットフォーム「Critical Infrastructure Protection(CIP)」を発表した。このプラットフォームは、米国エネルギー省が出資するスマートグリッド プロジェクト「ディスカバリー・アクロス・テキサス(Discovery Across Texas)」との協業を通じて開発されたもの。テキサス工科大学での導入試験なども含まれるこのプロジェクトは、Intel SecurityとWind Riverの共同プロジェクトとなる。CIPでは、そのプラットフォーム上でセキュリティ管理機能を運用アプリケーションと分離できるため、電力網の運用を確実に保護、監視、管理することが可能となる。高度で拡張性に優れるだけでなく、使いやすさとコスト効率にも優れ、また既存と最新の電力インフラ両方に有効。また、業務プロセスやアプリケーションにほぼ変更を加えることなく適用できるので多くの既存のシステムに組み込める。電力網以外の防衛、石油やガス産業、医療用アプリケーションなどの分野でも同様に効果を発揮することが期待されている。
2015年03月12日NTTドコモは3月6日、基地局が利用する電力の「ダブルパワー制御」技術の実証実験に国内の通信事業者として初めて成功したと発表した。この技術は、昼間の太陽光発電の余剰電力と夜間電力の2つの環境負荷が少ない電力をリチウムイオン電池の蓄電池に貯め、太陽光発電が停止する夕方から夜間電力が始まる午後11時までの間、蓄電池の電力を優先して使うように制御する。環境負荷が少ない電力の利用率を高めることで、午前7時から午後11時までの昼間電力の利用を従来のグリーン基地局と比較して90%程度抑えることができ、基地局の運用に必要な電力の95%を環境負荷が少ない電力で賄うことが可能となる。同社は今後、フィールド試験用に設置しているグリーン基地局10局の内3局に技術を順次導入し、商用設備としての品質検証や地域別の特性評価を実施ししたうえで、早期の商用化を目指す。また、フィールド試験用に10局を設置し、検証を行ってきたグリーン基地局については、商用化が可能と判断したことをうけて、2015年3月末までに商用基地局を北海道から九州まで11局設置し、2015年4月より、全ての局で運用を開始する。なお、2015年3月14日(土曜)から開催される国連防災世界会議のスタディツアーにおいて、災害時にソーラーパネルの太陽光発電により単独稼動が可能なグリーン基地局の視察が行われる予定だという。
2015年03月08日STMicroelectronicsとFlextronicsは、STのマルチモード対応電力制御用IC「STCH01」を搭載するプラグイン充電プラットフォームを開発したと発表した。同プラットフォームは電力効率に優れ、業界最高の効率を持つパワー・マネージメント・アーキテクチャに基づいて設計され、無負荷時の電力消費をゼロにすると共に、優れた動的負荷制御特性を実現する。同プラットフォームはSTCH01をベースとし、高い集積度を実現し、スマートフォンやタブレット向けの高効率な小型アダプタに適している。STCH01は、変圧器のサイズと外付け部品数を最小限に抑える画期的なアーキテクチャにより、製造コストを低減する。小型パッケージ(SO16N)で提供され、コントローラ(1個)とパワーFET(2個)を内蔵し、STの無負荷ウェークアップ制御IC「STWK01」と補完する集積型ソリューション。これらのICの組み合わせにより、無負荷時の消費電力を最小化すると共に、負荷変動に対する優れた動的応答特性を実現。電力効率を最大化し、電源変圧器のサイズを業界標準のフライバックソリューションに対して30%小型化する電力変換トポロジーを実装している。また、ICの持つインテリジェントなジッタ機能により、電磁放射も低く抑えることが可能だという。2014年の携帯電話・タブレット・コンピュータの販売台数は24億台以上と推定され、これらの充電器をコンセントに挿入したままにすれば年間25億kWhもの電力が浪費される計算になる。今回のSTとFlextronicsのソリューションは、この電力の浪費をゼロまで削減し、1年当たり2億ガロンの石油を節約できる可能性を秘めているという。
2015年03月04日STMicroelectronicsは2月25日、コンシューマ、産業、医療、メータ分野の次世代機器向けに超低消費電力技術とARM Cortex-M4を組み合わせた32ビットマイコン「STM32L4」シリーズを発表した。同シリーズの「STM32L476/486」は、DSPと浮動小数点演算ユニット(FPU)を持つ80MHzのARM Cortex-M4コアを搭載している。また、フラッシュメモリからのゼロウェート実行が可能な同社のART Accelerator機能を加えたことにより、100μA/MHzの消費電流で最大100DMIPSを達成している。さらに、128KBのSRAMに加え、最大1MBのデュアルバンクフラッシュメモリが、高機能アプリケーションやフラッシュ書き込み中の読み出し(RWW:Read-While-Wright)をサポートしている。そして、消費電力と処理性能のバランスを最適化するダイナミック電圧スケーリング、FlexPowerControlを含むスマートアーキテクチャ、およびサブモードオプションを含む7つの電力管理モードなど、独自の低消費電力技術を最大限活用している。これらは、最小30nAの低消費電流での、Stop/Standby/Shutdownモードを含んでいる。加えて、同社のBatch Acquisition Mode(BAM)では、低消費電力モードにおいて、通信ペリフェラルとのデータ交換を効率的に行うことができる。この他、「STM32L4」向けのリアルタイムOS(RTOS)として、日本国内の組み込み機器向けソフトウェアベンダであるeForce製のμITRONベースRTOS「μC3/Compact」が用意されている。今後、同社の省電力プラットフォーム向けRTOS「Picco-Cube」も「STM32L4」に対応する予定。なお、パッケージは「STM32L476」が64ピンLQFP。サンプル価格は約3.40ドル。現在サンプル出荷中で、2015年第2四半期に量産を開始する予定。
2015年02月25日長野銀行はこのたび、オリックスとの間で顧客への「電力料金削減サービス」の顧客紹介に係る業務提携契約を締結したと発表した。同業務提携は、同行が取引先へオリックスの「電力料金削減サービス」を紹介し、同社から電力供給会社変更による電力コスト削減提案を行うことで、取引先のコスト削減ニーズを支援するものだという。○オリックスの概要設立日:1964年4月本社所在地:東京都港区浜松町2丁目4番1号世界貿易センタービル代表者:代表執行役 井上亮株主資本:1,918,740百万円(2014年3月末現在)上場証券取引所:(国内)東京証券取引所 市場第一部、(海外)ニューヨーク証券取引所事業内容:多角的金融サービス業○契約締結日2月12日(木)現在、電力小売は一部自由化されており、一定の条件を満たす企業などは「特定規模電気事業者」(PPS)からも電力の供給を受けることが可能となっている。また、2016年には家庭向けを含め、電力小売は完全自由化される予定だという。このような背景から、同行は同業務提携により顧客ニーズへの対応を強化するとしている。
2015年02月16日Cypress Semiconductorは2月9日(米国時間)、100Wの電力供給に対応するUSB Type-Cポートコントローラ「CYPD11XX CCG1」ファミリのサンプル出荷を開始したと発表した。USB Type-C標準は、コネクタプラグの高さが2.4mmと、既存のUSB Type-A標準コネクタの4.5mmからスリム化されているほか、プラグの方向と向きはリバーシブルで対応できる。また、USB信号をはじめPCIeやDisplayPort信号を1つのコネクタですべて伝送可能となっている。そして、最も注目を集めているのが、前世代の7.5Wから改善され、最大100Wで電源供給できる点である。これらの特徴により、PCメーカーからは、ケーブルや電源アダプタ、ノートPC、モニタなどの次世代製品がいち早く市場投入できるコントローラソリューションが求められていた。この状況を受けて発表された「CCG1」ファミリは、独自のPSoC 4プログラマブルSoCをベースに構築されている。「Type-Cのスペックが決定したのが2014年8月だった。その後、PSoCのプログラマビリティを利用することで、通信トランシーバの統合を数週間内のうちに実現し、他社に先駆けて12月には先行サンプル出荷を開始した」(日本サイプレス社長の吉沢仁氏)という。具体的には、同ファミリは最新のUSB Type-Cおよび電力供給(PD)標準に準拠する他、32ビットの48MHz ARM Cortex-M0プロセッサを搭載する。また、過電流保護(OCP)および過電圧保護(OVP)をサポートするType-Cトランシーバを2個を搭載している。さらに、製品の開発中や量産中、出荷後でもファームウェアの書き換えが可能となっている。同機能により、USB Type-Cおよび電源供給のコンプライアンステスト規格が2015年末まで完成しないが、今後の仕様変更にも柔軟に対応できるとしている。なお、パッケージは、ノートブック向けに40ピンQFN、電源アダプタ向けに16ピンSOICおよび28ピンSSOP、ケーブルおよびモバイルアプリケーション向けに35ピンWLCSPが用意されている。すでにサンプル出荷を開始しており、3月より量産出荷を開始する予定。搭載製品は今年中頃より登場するという。
2015年02月10日2016年4月から予定されている電力小売りの全面自由化に向け、“新電力会社”のエネットは2月9日、ニュースサイト「電気を選ぶ.JP」を開設した。このサイトでは、2016年4月に予定されている電力小売り全面自由化を見据えて電力自由化にまつわる疑問や不安などを様々な角度から解説していく。具体的には、「ところで、「電力自由化」って何ですか」、「電力自由化 Q&A!」といった電力自由化に関する基本を抑えた記事や、電力自由化の歴史、既に自由化が進む海外各国の今などの記事を随時更新していく。PC版とスマートフォン版のふたつが用意される。なお、同社は、NTTファシリティーズ、東京ガス、大阪ガスが出資して2000年に設立した会社。現在、日本全国の2万件を超える顧客に対し新電力会社として電力を供給し、新電力の約50%のシェア第1位を誇る。
2015年02月09日Lattice Semiconductorは2月3日(米国時間)に、ウェアラブル機器などをターゲットにしたFPGAとして「iCE40 Ultraシリーズ」の省電力版「iCE40 Ultra Lite」を発表した。同社は昨年7月に、モバイルコンシューマ機器向けのFPGAとしてiCE40 Ultraファミリーを発表しているが、今回発表になったiCE40 Ultra Liteファミリーはその小規模・省電力版という位置づけになる。ターゲットとなるのは、従来のiCE40 Ultraファミリーがターゲットとしていた小型・省電力機器に加えて、最近急速に盛り上がりつつあるウェアラブル機器も視野に入れている(Photo01)。こうしたマーケットに向け、従来のiCE40 Ultraのさらに省電力版という位置づけにあるのが、iCE40 Ultra Liteという形になる(Photo02)。そのiCE40 Ultra Liteの詳細はこちら(Photo03)。プログラマブルはFPGAである以上当然なのだが、これに関しては「特にウェアラブルのマーケットでは、ASICなりASSPなりを使って数年掛けて作るというのは市場にそぐわず、半年位の開発期間で製品を立ち上げるケースが珍しくない」(同社エリアマネージャの菅原昭治氏)としており、こうしたニーズにはやはりFPGAが適しているという趣旨である。ここからは具体的な製品の違いである。まずiCE40 UltraとUltra Liteの比較である。端的に言えば、Ultra LiteはUltraと比較してLUTの数を半減させており、これにより消費電力そのものを下げることに成功している。またこれによりパッケージもより小さいものを提供できるようになっている(Photo04。次が「同等と思われる他社製品との比較」(Photo05)である。ここで競合製品として取り上げられているのはおそらくQuickLogicのArcticLink 3 S1と思われる。実のところArcticLink 3 S1はセンサハブ向けに特化した製品で、9軸センサ内蔵とかいうあたりは逆にiCE40 Ultra Liteよりも優れているので、微妙に目的が違うという気はするのだが、敢えて1000LE(Logic Element)規模のFPGA同士で比較すればこんな感じになるのだろう。ちなみにiCE40 Ultraの場合スタティック消費電流は71μAで、ここから半減させられたのはLUT数の半減などにより、物理的な回路規模を小さくしており、当然その分リークが少なくなるからということであり、製造プロセス(TSMC 40nm)とか内部回路に何か変更があるという話ではないとの事だった。もう1つ面白いのが、ハードIPの充実である(Photo06)。Photo05に24mA定電流シンク×3、100mA定電流シンク×1、400mA定電流シンク×1という記述があったかと思うが、この24mA定電流シンクはLEDの駆動用であり、これによりフルカラーLED×1を外部回路なしに駆動できる。100mAの定電流シンクはバーコードエミュレーション、400mA定電流シンクはIR LED駆動用ということで、こうした特定用途向けの周辺回路をハードIPの形で実装しておくことで、実装コストと部品コストの両方の節約になるという話であった。iCE40 Ultra Liteの製品ターゲットをまとめたのがPhoto07である。昨年10月にはシチズンのF100にiCE40が採用された話が紹介されたが、腕時計とか昨今ならSmartWatch系などの実装面積が限られる用途、あるいは低価格性が強く求められる用途向けということになるだろう。また開発を促進するため、定番アプリケーションをLatticeの方で用意しており、これを利用して迅速なアプリケーション開発も可能としている(Photo08)。さて、説明はこの程度であるが以下にもう少し補足を。Photo09がiCE40 UltraとiCE40 Ultra Liteのスペック一覧となっている。基本的にはLUT数が半減しており、これにあわせてBlock Memoryと、さらにDSPブロックを丸ごと省いてしまったのがiCE40 Ultra Liteという位置づけだ。これに関しては、Ultra LiteではDSPによる高速処理といった用途は狙わない(そうした用途のニーズは既存のiCE40 Ultraでカバーする)ということである。実際、スマートフォンに内蔵するなどの用途(これによる出荷量はiCE40ファミリーではかなり大きな比率の模様)ではDSPを使う場合もあるが、簡単なセンサハブ的な用途であればDSPが必要ない場合も多く、そうしたケースではむしろDSPを省いて消費電力とコストを節約したほうがメリットが多いという判断らしい。またセンサハブについても、昨今のセンサはインテリジェンス化が進んでおり、I2Cで直接接続というケースが多いのでI2Cは2系統残しており、逆にSPIの高速性が必要なニーズは少ないということでiCE40 Ultra LiteではSPIは落としたとの事。またConfigurationは内部のメモリからロード可能(このため、Power Onで直ぐに立ち上がり、また外部にConfiguration Memoryを用意する必要はない)だが、これはFlash MemoryではなくOTPとの事。実際のところまだ40nmプロセスではEmbedded Flashは現実的ではない(TSMCは2012年にルネサス エレクトロニクスと共同で40nmプロセス向けにEmbedded Flashを共同開発する事を発表しているが、まだ量産に載せられる状況にはなっていない)し、Embedded FlashはOTPよりも大きくなるから、コスト面で不利である。これについては、より大規模なFPGAであれば煩雑にFirmware Updateを掛けるといった事が考えられるが、iCE40 Ultra/Ultra Liteの規模ではそうした事は考えにくいと判断されることもあって、OTPで良いと判断しているそうだ。ちなみに開発段階ではOTPのShadowとなるSRAMがあり、ここにConfigurationを書き込んで起動する形で行い、開発が完了したらそのConfigurationをLatticeの方で書き込んで出荷する形になるという。OTPをユーザーが書き込むことも「不可能ではない」(推奨はしていない)そうで、理由は? というと「数百万個のFPGAをミスなくお客様が書き込む、というのは非常に大変だから」(菅原氏)だそうだ。ちなみにこのOTP Shadow SRAMそのものはアプリケーションエンジニアからは不可視になっているそうだ。パッケージもちょっと面白く、iCE40 Ultraでは36ballのWLCSPのみだが、iCE40 Ultra Liteでは16ballのWLCSPと36ball BGAの2種類で、この36ball BGAでは0.4mmピッチになっている。これは一部のお客様の中には、0.35mmピッチだと実装できない場合があったから、という事だそうだ。iCE40 Ultra Liteは現在はES段階であり、量産は今年4月からを予定している。開発環境は、現状のiCEcube2は未対応で、Control Packを追加することでサポート可能という状態だが、4月の量産のタイミングでは正式にサポート予定との事だった。また価格はHigh Volume(数百万個単位)では50セント未満で、これはiCE40 Ultraと変わらない。iCE40 Ultra Liteの場合、ダイコストはiCE40 Ultraの半分近いが、パッケージコストは大差ないので、潜在的にはiCE40 Ultraの1~2割減というあたりの価格は可能であろうが、むしろ省電力性の方がiCE40 Ultra Liteの武器になってゆくと思われる。
2015年02月05日東京電力は2月2日、多摩支店サービスエリアのスマートメーターが設置された約14万台(1月20日時点)の顧客に対し、スマートメーターシステムを活用したサービスの提供を順次開始すると発表した。同社はこれまで、東芝と「スマートメーター用通信システム」を、NTTデータと「スマートメーター運用管理システム」をそれぞれ共同で開発していた。具体的には、顧客が引っ越しなどの際に、スマートメーターの電力量(検針値)を遠隔で取得することにより、顧客の立ち会いなどの負担を軽減するとともに、停電の際、遠隔でスマートメーターの通電状況を確認することにより、復旧までの時間を短縮化する。今後、多摩支店サービスエリアにおけるサービスの提供状況を踏まえ、段階的にエリアを拡大し、7月からはサービスエリア全域においてサービスを提供する予定。
2015年02月03日ダイキンは1月26日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が公開している小惑星探査機「はやぶさ」発の技術を応用した電力ピークカット制御技術を、ルームエアコンへ適用する技術検証を開始すると発表した。同技術は、「はやぶさ」が宇宙空間で限られた電力を有効利用するために開発された技術を基に、それぞれの機器が独立して並列にピーク電力を下げる制御法を、家電機器の消費電力ピークカット制御に応用するものである。家庭内の照明、冷蔵庫やエアコンなどの機器に優先順位をつけ、同時に消費電力を制御することができる。具体的には、すでにリモコンなどで使われている赤外線通信の技術を利用し、電力消費を抑えるための制御信号を一斉送信するシンプルなシステムで、高速なデマンドレスポンスの実現が可能である。また、大掛かりな追加投資をせずに短期間で効果を出すことができるため、通信インフラに課題がある新興国においても、使用電力量の低減や電力の安定供給が期待できるという。現在、JAXAでは航空宇宙分野における研究開発成果の民間転用を進めている。その一環として、同技術に関連する技術的仕様を公開し、多くの企業や団体に採用を促している。ダイキンは、この技術公開の取り組みに協力し、製品に適用するための検証を進めていくとしている。
2015年01月27日宇宙航空研究開発機構(JAXA)はこのほど、小惑星探査機「はやぶさ」に端を発した電力制御技術を家電へ応用するための通信情報をオープンプラットフォームで公開した。「はやぶさ」では、イオンエンジンに一定の電力を供給する必要あり、搭載された計200個のヒーターのスイッチを、温度状況に合わせて切り替える必要があったため、電力のピークカット技術が採用された。このときの技術は、HEMS(Home Energy Management System)やBEMS(Building Energy Management System)などと同様に、コンピューターが各機器の電力使用量を監視し、一度サーバーに情報を集積して、各機器に電力を割り振る方式だった。この方式では、1個体とサーバーが双方向通信するため、個体の数が増えると、制御に時間がかかってしまう。今回の技術では、各機器に優先順位を設定することにより、制御装置から各機器へ、使用できる電力の総量のみを通信し、それぞれの機器が優先順位に応じて使用する電力を自分の判断で変更する。双方向で通信する必要が無いため、従来の制御方式とは違い、個体数が増えても制御速度が落ちることはない。各機器が独立分散の並列処理をするため、制御系統に機器を新たに追加、もしくは途中で離脱させる場合にも対応できる。制御システムの構築には配電盤・家電に小さな機器を取り付けた上で、家電機器側に設けられる並列処理のための論理を導入するだけで済む。既存設備を活用できるため、導入コストを抑えることができる。今回公開されたオープンプラットフォームは、同報発信する情報の記述方法にあたるもので、同方式を利用したいという家電機器メーカーに対しては、JAXAから並列処理のための論理を無償で提供する。JAXA宇宙科学研究所の川口淳一郎 教授によれば、同技術は電車の電力制御や、携帯電話での情報処理などへも応用可能で、電力事業に関する新たなビジネスモデル創出の鍵となり得るとのこと。なお、同技術は1月28日~30日に東京ビッグサイトで開催される「新電力EXPO2015」でデモンストレーションが実施される予定となっている。
2015年01月21日日本IBMは1月19日、電力・ガス小売り事業を検討している企業を対象に、パーソナライズした効果的なマーケティング戦略を短期間で策定することを支援する「公益向けマーケティング戦略策定支援サービス」の提供を開始した。同サービスでは、電力・ガス小売り事業を検討している企業とIBMの研究員、コンサルタント、ソフトウェア技術者が参画する2日間の集中的なワークショップを個別に開催。電力・ガス自由化で先行する海外事例や他業界事例の紹介をはじめ、顧客属性・電力消費パターン・ソーシャルなどのビッグデータを活用した行動分析や顧客セグメンテーション、パーソナライズしたキャンペーン管理やモバイル・アプリケーションなどを実現するIBMの最新技術に関するデモを実施する。このような検討を重ねつつ、デジタル・チャネルを駆使したマーケティングと新しい顧客体験をディスカッションしていく。また、同社によると、デジタル・チャネルを活用したマーケティング戦略の策定には組織横断での共通理解が必要だという。同ワークショップでは、マーケティング戦略策定に実績のあるフレームワークを活用しコンサルタントが議論を進めていくため、意識の共有が容易で、全社的な方向性の検討が可能だと説明する。
2015年01月20日日立システムズパワーサービス、日立システムズ、日立製作所、東京電力の4社は、電気事業者などのエネルギー業界向けクラウドサービス「ePower Cloud(イーパワークラウド)」の事業化に向け、業務提携に関する基本合意書を締結したと発表した。日立システムズ、日立、東京電力は、2014年3月、日立システムズパワーサービスを設立した。出資比率がは日立システムズが51.0%、東京電力が33.4%、日立製作所が15.6%となっている。4社は今回、ePower Cloudの事業化に向けた業務提携において基本合意し、日立システムズパワーサービスがePower Cloud事業の主体となって発電実績管理、ばい煙排出量管理、メーターデータ管理、料金計算等の業務システムの他、人事労務、経理等の経営管理システムをクラウドサービスとして提供する。この事業においては、東京電力が電気事業者としてこれまで培ってきた知見・ノウハウ等や、日立および日立システムズが有するクラウドサービス基盤技術や監視技術、情報セキュリティ技術等を活用し、日立システムズパワーサービスがサービス提供する。今後、2015年3月のePower Cloud事業のサービス開始に向け、4社間で事業の詳細部分を詰めていくという。当初は国内中心に展開を図っていくが、今後は電力需要の増加が見込まれる海外のエネルギー市場にも展開を図る計画だという。
2015年01月19日Broadcomは1月9日、低消費電力の車載アプリケーション向けに最適化された6mm角の車載Ethernetチップ「BroadR-Reach BCM89811」を発表した。近年、Ethernetがコネクテッドカーで利用されている。独自の車載Ethernet技術「BroadR-Reach」は高度な安全性およびインフォテインメントアプリケーションにおいて必要とされる高帯域幅と、コネクテッドカーをサーバー攻撃の脅威から保護するのに必要な認証および暗号化機能の両方を提供する。すでに2014年型、2015年型「BMW X5」、2015年型「Jaguar Land Rover XJ」、2015年型「Volkswagen Passat」など幅広い車両で数多くの高度な機能を実現している。同製品は、「BroadR-Reach」技術に加え、自動車業界認定の低消費電力デザインで電力消費を最大30%削減する。これにより、車載Ethernetの用途をインフォテインメントやADAS(高度ドライバー支援システム)だけでなく、テレマティックス、シャークフィンアンテナ、計装クラスタ、ヘッドユニット、センタースタックモジュールなどのアプリケーションにまで拡大できる。さらに、統合型の内蔵レギュレータがオンチップで電力を供給し、外部レギュレータを不要にした他、車載向け仕様を上回るノイズキャンセリングおよび伝送ジッタ性能を備えている。加えて、シールドなしシングルツイストペアケーブルで100Mbpsを実現しており、接続性コストを最大80%、ケーブル重量を30%削減できる。なお、サンプル出荷がすでに開始されている。
2015年01月13日東芝は12月18日、鉄道車両の減速時に発生する回生電力を貯蔵し、加速時に放電することで回生電力を有効活用できる回生電力貯蔵装置を東武鉄道に納入したと発表した。同装置は12月22日から稼働する予定。今回納入された装置は、東武アーバンパークラインの運河駅構内に設置され、高い安全性、広いSOCレンジ、低温動作といった特徴を持つ同社のリチウムイオン二次電池「SCiB」を採用している。また、一般的な回生電力貯蔵装置に比べて約10倍のバッテリー容量であるとともに、「SCiB」の広いSOCレンジの特性を生かした独自の充放電制御技術の採用により効率的な充放電を実現する。東武アーバンパークラインは、2013年度から電力回生ブレーキを搭載した省エネ車両(回生車両)である新型車両60000系などの運転を開始し、2014年度末には同線を運行する車両の過半数が回生車両となるという。
2014年12月19日IDTは12月18日、フィールドプログラマブル低電力クロックジェネレータ「VersaClock 5」ファミリに6品種を追加したと発表した。同社の多出力タイミングソリューションは、高い設計の柔軟性によってシステムのコンポーネントを集約できるため、低電力とコスト重視の民生向け用途や低ジッタの通信向け用途に理想的である。「VersaClock 5」ファミリの従来製品「5P49V5901」は、350MHzまでの4つの独立したプログラム可能な周波数を生成できる4組のユニバーサル出力ペアを備えている。また、プログラム可能な出力の種類はLVPECL、LVDS、HCSL、LVCMOSの4つであり、消費電流30mAで、わずか0.7ピコ秒のRMS位相ジッタという業界トップクラスのジッタ性能を有する。今回の新製品はユニバーサル出力の他に、出力がLVCMOSのみのバージョンも提供される。いずれも、同じジッタ性能と消費電流で350MHzまでのどのような出力周波数も生成できる。このうち、「5P49V5913/4」の2品種はそれぞれ2つと3つのユニバーサル出力に加えてリファレンス出力を持つため、必要な機能をコストを踏まえてシステムに搭載できる。「5P49V592/5/7/9」の4品種はそれぞれ3、5、7、9つのLVCMOS出力を備え、複数のLVCMOS水晶発振器を低コスト、低電力のシングルデバイスソリューションに置き換えることで基板面積と費用を節約できる。なお、6品種はすでに出荷が開始されている。価格は1000個出荷時で1.0~4.5ドル。
2014年12月18日IDC Japanは12月3日、国内データセンターの電力消費の予測を発表した。これによると2013年から2018年にかけての5年間で年間消費電力量は減少するが、事業者データセンターでは消費電力量が増加する見込み。同社によると、2013年の国内データセンターにおける年間消費電力量は、122億5,000万キロワット時で、2013年に国内大手電力会社10社が販売した年間総電力量の約1.4%に相当するという。2018年の年間消費電力量の予測値は117億キロワット時で、2013年から年間平均変化率マイナス0.9%で減少すると予測されている。減少の要因としては、データセンター内に設置されるサーバ台数が減少すること、サーバ自体の省電力性能が向上することが挙げられている。クラウドサービスやシステムアウトソーシングの拠点となる「事業者データセンター」の年間消費電力量は2013年から2018年にかけて増加する見込みである一方、企業内データセンターでは減少傾向となると、同社では見ている。その理由として、クラウドサービスとアウトソーシングの利用が拡大しており、企業のサーバが企業内データセンターから事業者データセンターへ移設される傾向が強まっていることが指摘されている。なお、国内では電気料金は値上がり傾向にあるため、今回の調査で明らかになった消費電力量の減少率(年平均0.9%)を考慮しても、データセンターで消費する電力のコストは増加する可能性が高いという。ITサービス リサーチマネージャーの伊藤未明氏は、「「IT機器の省電力性能の向上のほか、データセンター内のレイアウトや運用方法を工夫することで、さらなる省電力が可能。今後は、データセンターの省電力コンサルティングや運用管理手法の革新が重要になる」とコメントしている。
2014年12月03日NXP Semiconductorsは、「常時ON」センサの信号処理を低消費電力で実現することを可能とするマイコン「LPC54100シリーズ」を発表した。同シリーズは、センサ・リスニング時に必要な電流を3μAに抑えているほか、非対称デュアルコア・アーキテクチャを採用することで、スケーラブルなアクティブ消費電力/性能の最適化を実現することが可能となっている。このため、競合製品に対し平均消費電力を20%低減することが可能だという。また、センサ・データの収集や蓄積、外部との通信には55μA/MHz Cortex-M0+コアを用い、高度な数値演算を伴うアルゴリズム(モーション・センサ・フュージョンなど)ではCortex-M4Fコア(100μA/MHz)を使用することで処理時間を短縮することから、全体的な消費電力の節減が可能となっている。さらに、電力効率向上のためにゼロから開発したアナログ/デジタル・インタフェースを採用しており、センサ信号処理ではクラス最小の消費電力を実現しているほか、全電圧範囲(1.62V~3.6V)でフルスペック性能の実現を可能にする12ビット、4.8MspsのA/Dコンバータ(ADC)や低消費電力のシリアル・インタフェースなども含まれているという。なお同シリーズは3.2mm角のWLCSP49と10mm角のLQFP64パッケージで2015年第1四半期から出荷開始予定で、単価は1万個で1.99ドルからとなっている。
2014年11月13日コンビニエンスストアを中心に人気を博しているハズレなしのキャラクターくじ「一番くじ」の最新作『一番くじ 進撃の巨人~自由への進撃~』が、12月上旬より全国のコンビニエンスストア、書店、ホビーショップなどで展開される。価格は1回620円(税込)。『一番くじ 進撃の巨人~自由への進撃~』は、11月22日に劇場版の公開、12月9日にコミックス最新刊15巻の発売を控えている『進撃の巨人』を題材にした一番くじで、12等級全43種(A賞~L賞)+ラストワン賞を用意。A賞~D賞、ラストワン賞がいずれも同スケールのキャラクターフィギュアで、5体揃えて台座を繋げると、前期オープニングテーマ「紅蓮の弓矢」を収録したシングル「自由への進撃」(Linked Horizon)のCDジャケットに描かれたイラストを再現することができる。フィギュアは、A賞はブーツを履いていない素足が貴重なエレン、B賞はソファとセットのリヴァイ、C賞は椅子に座るハンジ、D賞はフィギュア化は珍しいミケ、そしてラストワン賞にミカサというラインナップ。さらにA賞エレン、C賞ハンジ、D賞ミケには立体機動装置が付属し、フィギュアすべてに兵団本部の床をイメージした台座が同梱される。また、C賞ハンジはB賞リヴァイのソファに座らせることもできる。E賞~G賞にはデフォルメフィギュア「ちびきゅん」シリーズから、エルヴィン&リヴァイ、アニ&エレン、ユミル&クリスタと各2体セット。H賞には、だるまの形にデフォルメしたマスコットフィギュア『だるまセット』が登場し、ちみ絵師ゆーぽん氏の「ちみキャラ」をアレンジしたデザインで全6種類を展開(1パッケージ3個入り)。そのほか、I賞にグラス(全6種)、J賞にラバーコースター(全6種)、K賞にビジュアルマット(全8種)、L賞にアクリルプレートチャーム(全10種)を用意している。そして、くじの半券から応募できるダブルチャンスキャンペーンは、「リヴァイ&ハンジセット」で100名にプレゼントされる。(C)諫山創・講談社/「進撃の巨人」製作委員会
2014年11月11日Microchip Technologyは11月6日、単相スマートメータおよび電力監視向けに高精度、高集積電力計測アナログフロントエンド(AFE)「MCP3919/3912」2品種を発表した。電力計測インフラは世界各地で刷新が進んでおり、最新世代のスマートメータ開発では、より高い精度と多機能化を備えたAFEが求められている。また、サーバ用電源および分配器(PDU)、電子式サーキットブレーカ、スマート電源タップ、そして産業、商業およびコンシューマ市場向けのその他のデータ収集製品などで用いる先進の電力監視システムの設計でもこのような高機能、高性能AFEが求められている。同社のAFEは、高精度、高集積度、単相電力計測に最適な内蔵回路数でアプリケーションの性能を向上させるのに加え、AFEの精度が電力メータの校正を容易にし、生産コストが削減できるという。具体的には、24ビットΔΣ型A/Dコンバータ(ADC)を「MCP3919/3912」でそれぞれ3回路と4回路内蔵している。これらのADCは、業界最高クラスの精度の93.5dB SINAD、-107dB THD、112dB SFDRを達成し、高精度な信号収集と高性能な電力監視用最終製品を実現する。また、中性線監視付きの単相電力メータ(3回路必要)、単相3線式電力メータ(4回路必要)に最適な内蔵回路数となっている。さらに、低ドリフトの参照電圧源、プログラマブルゲインアンプ、位相遅延補償、巡回冗長検査(CRC)なども内蔵している。なお、パッケージは、28ピンQFNおよびSSOP。2品種ともすでにサンプル出荷、および5000個単位の量産出荷を開始している。この他、「MCP3912」の評価用ボード「ADM00499」と「MCP3919」の評価用ボード「ADM00573」も合わせて発表している。
2014年11月07日IDTは11月6日、消費電力を最小化すると同時に、LTEとTDDのシステムで歪みを減らすRFミキサ「IDT F1178」を発表した。同製品は、デュアルミキサ「Zero-Distortion」ファミリの製品であり、5Vの単一電源で動作するよう設計された高性能RF-IFミキサである。競合する製品と比べてIP3Oを最大で8dB改善し、消費電力を最大で30%削減している。また、RF帯域幅が3300~3800MHzのレシーバで動作するよう最適化されており、基地局の無線カード、リピータ、分散アンテナシステム、マイクロ波バックホール機器に最適なチップとなっている。そして、消費電力が低いことによって、無線カードでのヒートシンク要件を緩和でき、IP3が極めて高いためフロントエンドのゲインを高くすることが可能。さらに、LOインピーダンスが一定で電源投入後に素早く整定する。これにより、TDD Rxスロット間のミキサーをパワーダウンでき、さらに消費電力を削減できるという。なお、特定の顧客向けに現在サンプル出荷中。
2014年11月07日Maxim Integrated Productsは10月29日(現地時間)、世界の電力会社の規格に適合する1つの共通コアを使用して電力メータを設計し、開発期間を短縮できるメータ用SoC「ZON」ファミリを発表した。電力メータの規格は世界各国で異なり、電力会社は顧客と地域のニーズに応じてさまざまなタイプのメータを求めている。このため、メータ会社は電力会社の要件が変化したとき、柔軟かつ迅速に対応する必要がある。また、現在のメータ用IC設計においては、同一チップ上で各種のメモリ容量を提供することによって柔軟性を持たせているが、メモリサイズの変更のみであり、電力会社の規格およびモデルの進化に合わせてメータを最適化させることができないため、ファミリソリューションと呼ぶことはできない状況にあった。今回発表の「ZON」ファミリは、メータ会社が同じファームウェアを採用する1つのプラットフォームを用いて機能を最適化し、まったく異なる顧客ニーズに対応することができる汎用的なソリューションとなっている。具体的には、あらゆる構成に対応するため、単相(1相)用の「M」と多相(3相)用の「P」の2つの製品シリーズがラインナップされており、ローエンド、ミッドレンジ、およびハイエンドのメータ用に調整されたオプションを備えている。さらに、両シリーズは同じ高精度32ビット計算エンジンを、メータのアプリケーションマイコンとは別に搭載している。これにより、システムコアの作業負荷が軽減される他、ユーザーがデバイス間でアプリケーションコードを移植することが可能なため、高度なIPの再利用が促進されるという。なお、「M1/M1L」、「M3」、および「P3/P3L」製品は、同社のWebサイトおよび一部の販売代理店で提供中。今後、さらに多くの製品の発売が予定されているという。また、リファレンスデザイン、評価キット、および検証されたDLMSソフトウェアスタックも利用可能となっている。
2014年10月31日●電力系NCC各社の技術者有志が共同検証試験に至った背景と目的ヴイエムウェアの仮想化ソリューションは、いまやクラウドコンピューティングの標準的な基盤技術として様々な形で活用されている。そんな中、全国各地域で通信事業を展開する電力系NCC(New Common Carrier)各社の技術者有志が、サーバ仮想化製品「VMware vSphere」のライブマイグレーション機能の1つである「vMotion」を活用し、各社のデータセンター間をつないだ仮想基盤上に構成したクラウドテストベッドにおいて、オペレーション連携を図り共同検証試験を成功させた。こうした技術検証が全国規模で行われたのは前例がないのではないか。そこで各社の技術者有志に集まっていただき、共同検証試験の目的や背景、具体的な取り組みについて語り合っていただいた。○電力系NCC各社の技術者有志が共同検証試験に至った背景と目的電力系NCC各社の技術者有志が共同で行った検証試験は、「VMware vSphere」の「vMotion」によって仮想サーバを各社のデータセンターへ順次移行させるというクラウドテストベッド上でテストオペレーション連携を図るというものだ。標準的なvMotionを使用したパターンと、「VMware vSphere」のバージョン5.1からvMotionの機能として拡張された仮想サーバのデータボリュームも含めたライブマイグレーション(Cross-host Storage vMotion)のパターンで、2014年1月から4月にかけて行われた。この共同検証試験に至った背景と目的について、エネルギア・コミュニケーションズの武田洋之氏はこう話す。「電力系NCCは従来、主力サービスである回線系サービスについては、各社間で綿密な技術連携を図ってきましたが、新事業分野であるクラウド技術については各社それぞれが技術力向上に向けて取り組んでいる状況であり、各社間の技術連携などの取り組みはありませんでした。そこで、まずはクラウドに関連する技術について各社の技術者同士が情報交換を行い、技術力向上にむけて取り組むための各社間の技術的連携の機会が必要なのではないかと考え、技術者コミュニティのような形で情報交換を始めました。その取り組みの中で、各社ともにクラウドの基盤技術としてvSphereを利用していることがわかり、技術検証という意味でvSphereを活用して共同で何かやろうという話が持ち上がって検証試験を行う運びになりました」また、北海道総合通信網の小倉義之氏は、「同じ電力系NCCということで、クラウド技術に対するアプローチも似ていたことから、このコミュニティが各社の技術者を育成する場にもなると考えました。とくに共同検証試験は、普段の自社ラボ環境内から全国規模のテストベッド環境の世界に飛び出すきっかけとなり、お互いの技術の腕を振るう場になったと思います」と、技術者育成も目的の1つだったと語る。○vMotionで仮想サーバを各社のデータセンターへ順次移行では、共同検証試験として、vSphereのvMotionによって仮想サーバを各社のデータセンターへ順次移行させることにした背景には、どのような経緯があったのか。「各社ともにクラウドの基盤技術としてvSphereを使用していたので、そのvMotionを活用すれば全国規模で仮想サーバをどこのデータセンターにも移行できるはずだと。各社が技術連携してこそ実現する全国規模の検証試験なので、そこは技術者として大いにモチベーションが上がりました」(小倉氏)「全国各地のデータセンター事業者をまたいで仮想サーバをライブマイグレーションしてサーバを稼働させるなどといったスケールの大きな検証試験は、おそらく前例がないでしょう。vSphereが基盤にあったからこそできたわけですが、私たちもワクワクして作業を行うことができました」(ケイ・オプティコム 伊達展成氏)「もともと各社がクラウド基盤技術としてvSphereを使用していたことから、あまりコストをかけないでも全国規模で検証試験ができるのではないかということも、検証試験の実施に踏み切った大きなポイントだったと思います。こうした取り組みはコストを抑えることも大事な要件ですから」(中部テレコミュニケーション 津野幸司氏)●各社の技術者有志は何を思い、どう取り組んだか○各社の技術者有志は何を思い、どう取り組んだかこうして始まった共同検証試験。各社の技術者有志は何を思い、どう取り組んだのか。「試験の実施は私どもが起点になりました。まずは共通のネットワーク基盤が必要なので試験用の閉域網を構築し、各社のvSphereを同一のクラスタに接続しました。vMotion用の仮想サーバは、情報共有のためwebサーバ(CMS)を構築し、仮想サーバをリレーする方式で検証を開始しました。」(北海道総合通信網 上戸優一氏)「最初にvMotionによるライブマイグレーションにより、仮想サーバの受け手となったのは私どもです。仮想サーバ上に構築したwebサーバには確か、北海道のウニの写真が貼り付けてありました。それ以来、各社ともそのwebサーバにご当地ならではの写真を貼り付けて転送するようなりましたね」(北陸通信ネットワーク 和田章吾氏)「仮想サーバには、テストベッド環境のパフォーマンス試験結果などログとして残すため、写真のほか様々な情報を載せていましたね」(小倉氏)「そうした形で順次移行していく中で、各社データセンター間のネットワーク往復の遅延時間(RTT)とvMotionに要する時間、切り替わりの際のパケットロスなどを記録していきました」(上戸氏)「テストベッドの一部は、広帯域な閉域網でつながっており、標準的なvMotionだけでなくCross-host Storage vMotionについても短時間で移行できたという結果も残せました。RTTについても想定した通りであり、今後の検討に生かせるのではと感じました」(エネルギア・コミュニケーションズ 曲渕勝氏)「私どもと中部テレコミュニケーションさんとの間では、ネットワークの出入り口にそれぞれWAN最適化装置を試験的に設置して検証試験を行いました。この装置を有効にした場合と無効にした場合の両方で測定し、非常に興味深い結果を得ることができました」(九州通信ネットワーク 三小田仁氏)「九州と名古屋との間は遠距離だったことから、武田さんからWAN最適化装置を使ってみてはどうかとのお勧めがあり、せっかくの機会なので試してみましょうということになりました。三小田さんのおっしゃる通り、非常に興味深い結果を得ることができました。普段の検証試験などでは、このような長距離での試験はなかなか実施できないので、私自身、大いに勉強をさせていただきました」(中部テレコミュニケーション 大島和也氏)「本来、WAN最適化装置の設計や取り扱いは非常に難しく、当初はオペレーションが複雑化し、難航するのではと少々心配していたところもあったのですが、結果として非常に興味深い検証試験結果を得ることができたのは三小田さんと大島さんの高度な技術力があったからこそと思っています。これによって遠距離区間の対策について1つの解決策が見つかったと考えています」(武田氏)「WAN最適化装置については、私どもでも試しに使ってみたことがあるのですが、グレードの高いものになると、どうしてもコストがかさんでしまいます。そのため、パフォーマンスとコストのバランスをどう考えるかというのも難しいところがありますね」(和田氏)「どう折り合いをつけるかは考える必要がありますね。ただ、今回の検証試験ではそれなりのパフォーマンスを示すことができたと思います。vMotionによる仮想サーバの遠距離でのライブマイグレーションについては、ヴイエムウェアさんが発信しておられる情報でも時々取り上げられていますが、机上の情報だけでなく、実際に検証を行うことにより挙動を確認できたことは非常に価値があると考えています」(大島氏)「様々なパターンにも取り組んでみた今回の検証試験ですが、何と言ってもvMotionによる仮想サーバのライブマイグレーションによって、どこのラボにもない全国規模のテストベッド環境を実現できたことが最大の成果だと思います。今後はこのテストベッド環境を活用して、新たな技術検証を各社共同で引き続きチャレンジしていきたいですね」(小倉氏)○各社の技術者有志が語るVMwareのテクノロジーへの今後の期待このように各氏の発言からは、共同検証試験への熱い思いがひしひしと感じられた。最後に、各社が共通のクラウド基盤技術として使い続けているVMwareのテクノロジーへの今後の期待について語っていただいた。「ヴイエムウェアさんが掲げておられるSDDC(Software-Defined Data Center)およびハイブリッドクラウドといったビジョンに基づいた新しい技術が今後もどんどん登場してくるので、私たちも今回作り上げたテストベッド上で積極的にそうした技術に取り組んでいきたいと考えています。一方で、私たちが今回の検証試験で得た結果なども、今後のサービス品質や機能の向上などに役立てていただければと思います」(伊達氏)「ICT市場における技術変化のスピードはこれまで以上に加速していくので、この技術コミュニティの活動を通じて私たち技術者は一層連携を深めていく必要があると感じています。ヴイエムウェアさんには今後とも力強くサポートしていただきたいと考えています」(津野氏)「クラウドに関わる技術者として、サーバの進化とネットワークの進化をどう結びつけていくかが今後の最重要課題となってくるでしょう。その解決策のひとつとして、ネットワーク仮想化製品であるVMware NSXに期待しており、検証など積極的に取り組んでいきたいと考えています」(東北インテリジェント通信 高橋文男氏)「SDDCもハイブリッドクラウドも、これから全国規模に広がっていく中で、私たちも技術的な観点から積極的にトライしていきたいと考えています。ヴイエムウェアさんとはぜひ、今後も相互に技術力向上などメリットのある緊密な連携を図れるパートナーであり続けたいと考えています」(武田氏)VMwareのテクノロジーを駆使する電力系NCC各社の技術コミュニティの取り組みが、今後も大いに注目されるところである。
2014年10月24日○システム設計に圧し掛かる省電力化・小型化・低コスト化ニーズIoTやビッグデータ、クラウド、スマート化、システム設計を取り巻く環境は今、劇的に変貌を遂げようとしている。そんな激しい環境の変化は、組込機器や産業機器などさまざまなシステムの設計・開発現場にも変革への対応を迫ることとなり、中でも省電力化、小型化、そして低コスト化のさらなる圧力となっている。従来、そうした機器を設計する場合、中心となるプロセッサやDSPを決定し、その周辺に必要となるメモリやインタフェース、クロックなどを配置して対応していた。しかし、それだと部品点数が多くなり、かつ基板サイズの縮小は難しく、各デバイスの評価にも時間がかかるという課題が存在していた。そうした課題を解決する手法の1つがFPGAの活用だ。FPGAについてご存じない方に簡単に説明しておくと、プログラム次第で自分のニーズに応じた回路を組むことができる半導体で、例えばIOが沢山欲しいのにマイコンだとIOの数が限られてしまったり、数年で生産終了になってしまうといったことがあるが、FPGAは少なくとも15年の供給が保証されており、またIOなどの回路も演算素子が許す限りプログラムすることが可能といった特長がある非常に使い勝手の高いデバイスだ。既報の通り、AlteraはTSMCの55nmエンベデッドフラッシュプロセス技術を採用した「MAX 10」FPGAの製品出荷をアナウンスした。これまで同社のMAXシリーズはCPLDと呼ぶ、小型ながら機能が限られた製品で、プロセッサの周辺に配置されインタフェースなどの機能を担うのが中心であった。しかしMAX 10はFPGAへと進化し、1チップでシステムを駆動させることができ、システムの中心に据えることが可能となったのだ。○1チップでシステム構築が可能なデバイスプロセッサとしては、Alteraが提供するソフトコア「Nios II」(動作周波数150MHz)が利用可能なほか、その最大の特徴である2つのコンフィギュレーションメモリと最大512KBのユーザーフラッシュメモリを活用することで、外部メモリへのアクセスなしでNios IIをブートさせ、OSも稼働させることができる。また、MAX 10には電圧レギュレータが搭載され単一電源で動作可能なため、同社が提供しているEnpirionブランドのパワー・システムオンチップ (PowerSoC)DC-DCコンバータと組み合わせることで、より簡易にシステムを構築することが可能となる(例えば5Vの入力から、Enpirion+MAX 10という2チップ構成でシステムを駆動させることが可能)。このため、基板サイズをニーズに応じて小型化でき、スペースに制約がある機器においてその威力が発揮されることとなる。また、チップ数が少ないためにシステムのハードとしての信頼性も向上するほか、2つのコンフィギュレーションメモリの両方に同じ情報を書き込んでおき、メインのメモリに書き込みエラーが発生するなどの異常が生じた場合、即座にサブのメモリをバックアップとして活用するといった冗長性を持たせることで、ソフトとしての冗長性を持たせる、といったことも可能だ。さらに、外部チップを介さないため、レイテンシが早く、高速処理を実現することも可能だ。加えて、外部メモリを活用する場合、DDR3メモリを活用できるため、安価かつ容易にメモリを入手することができるほか、同社が提供する開発ソフト「Quartus II」のソフトIPとしてメモリコントローラも提供されているため、高速なメモリの取り扱いに慣れていなくても、苦労せずに取り回すことが可能となっている。○「産業機器」「オートモーティブ」「通信」をはじめ、幅広い市場のニーズに対応MAX 10は幅広いアプリケーションで使えるデバイス。例えば、シンプルなモーターコントロールなどを、スペースに制約がある場所で活用してもらう用途など、低コストで省スペースシステムを作成する必要がある分野への適用をまず第一のターゲットとしている。一例として、「産業機器」「オートモーティブ(自動車)」「通信/コンピューティング」の3分野を同社では例に挙げている。こうしたニーズに対応するためには単にチップだけを提供すれば良いわけではない、ということで、すでに同社はドキュメントや開発ボードなどの提供も開始している。特に開発ボードとしては、49.95ドルでEnpirionチップとMAX 10 FPGAを搭載し、Arduinoシールドを接続できる評価キットが提供されるほか、30ドルでUSBで接続するタイプの評価ボードがArrow社から提供されたり、1チップモーターコントロールボードとしてDDR3メモリも搭載したものなども開発を進めているとする。また、その他のパートナー企業もすでに開発ボードの提供に向けて動き出しており、日本ではマクニカや近藤電子などから複数種類が提供されることが決定しているという。また、同社のSenior Director of Product MarketingであるPatric Dorsey氏は、「MAX 10はシンプルな1チップ製品であり、CPLDを越える性能を実現しつつ、システムに対し低価格、基板スペースの削減、高信頼性などを得ることができる。また、ほかのFPGA製品と同じく、長期提供を保証しており、製品のライフサイクルが長い産業機器や自動車分野のニーズにも対応が可能」としており、そうしたCPLDの簡素性とFPGAのパフォーマンスを併せ持ちながら、シンプルな1チップデバイスとして活用できることを提案していくことで、カスタマの適切なソリューションの実現を支援していきたいとしている。協力:日本アルテラ株式会社・「MAX 10」FPGA 製品概要
2014年10月23日日立製作所は10月21日、冷却性能に優れた両面冷却パワーモジュールを用い、さまざまな電力変換器に適用可能なモジュラー型電力変換ユニットを開発したと発表した。従来の片面冷却パワーモジュールでは、下面のベースプレートのみから放熱するのに対し、両面冷却パワーモジュールでは両側面から放熱するため、従来とは異なる冷却システムを新たに開発する必要があった。開発したモジュラー型電力変換ユニットでは、両面冷却パワーモジュールの両放熱面に、熱伝達性に優れたヒートパイプを配置する独自の空冷システムを採用した。ヒートパイプの実装位置や空冷フィンの形状、厚さを熱解析により最適化することで、冷却効率を従来比で20%高め、さらに空冷フィンの体積を従来に比べ50%削減したという。また、電力変換ユニットの小型化と保守を簡易にするため、ユニット自体の幅を縮小するとともに、ユニット自体をスライドさせて、電力変換器の前面から抜き差しすることが可能な薄型ユニットが必要だった。そのため、複数の両面冷却パワーモジュールとコンデンサを直線上に配置したが、その配置により、熱に弱いコンデンサがパワーモジュールからの熱の影響を受けること、またコンデンサから距離の近いパワーモジュールに電流が偏って流れやすくなることが課題だった。これに対し、今回開発したモジュラー型電力変換ユニットでは下面からの風で冷却されるが、コンデンサをユニットの底部に配置することで冷却効率を高めるとともに、電磁界解析により、配線の幅と形状を最適化することで、複数のパワーモジュールへの電流を均等にする配線実装技術を開発した。これらの技術により、幅が5cm、体積が従来よりも55%削減した小型モジュラー型電力変換ユニットが実現したという。開発したモジュラー型電力変換ユニットは、従来器よりも小型で保守性に優れた次世代無停電電源装置(UPS)に導入される。UPSは、インバータとコンバータに加え、蓄電池からの電力を変換するチョッパ回路で構成されている。それぞれが持つ機能は、同一のモジュラー型電力変換ユニットを複数接続することで実現できる。さらに、容量アップが必要な場合は、必要な数のモジュラー型電力変換ユニットを並列接続することで対応が可能である。日立は、今後、ビル内に設置されるデータセンタや、銀行、病院などの公共性の高いシステム向けに、容量100kVA~300kVAの次世代UPSをシリーズ展開していく予定。
2014年10月22日米ゼネラル・エレクトリック(GE)はこのほど、米大手電力会社Exelonからコンバインドサイクル発電プロジェクトに利用する、Hクラスのガスタービンを受注したと発表した。GEがExelonに供給するのは4基の7HAガスタービンで、世界最大かつ最高クラスの効率の60Hz用。スチームタービンと発電機を組み合わせて使用することで、合計2000MWの発電量を追加することができるという。このガスタービンを利用するコンバインドサイクル発電所は、米・ダラス近郊とヒューストン近郊のExelonの敷地に建設予定で、機器の出荷は2016年、発電所の稼働は2017年を予定している。GEは7HAガスタービン4基に加えて、D600スチームタービン2基、発電機6基および長期保守契約を受注しており、受注総額は5億ドルを超えるとのこと。HAガスタービンはこれまで日本を含めた4カ国で受注していたが、米国内では今回が初となった。
2014年10月15日