生活者の意識・実態に関する調査をおこなうトレンド総研は、このたび「電力の需要と供給」をテーマにレポート。20~50代の男女500名を対象にした調査結果と、日本のエネルギー問題に詳しい、東京大学生産技術研究所の岩船由美子氏へのインタビュー内容をご紹介する。生活者の約8割が「2018年度は災害による停電が多い年だったと思う」と回答2018年度は北海道地震、関西台風被害など自然災害が目立つ年でもあった。生活者たちの実感としても「2018年度は災害が多い年だったと思う」と答えた人が94%に。くわえて、「2018年度は災害による停電のニュースが多い年だったと思う」と回答した人も79%と約8割にのぼった。また、「災害や天候の影響で電力供給に影響が出たニュースを見たときに、あなたはどのように感じますか?」という質問では「電気は決して当たり前のものではないことを実感する」と答えた人が90%という結果に。一方で、「大型災害や天候の変動による停電は、個人での対策が難しいと感じる」という声も94%にのぼっている。発電量と消費量のバランスが崩れると、広域停電のリスクが発生…半数近くが「知らなかった」2018年度に災害や天候の影響で電力供給に影響が出た具体的な事象としては、「北海道胆振東部地震に伴う大規模停電」や「九州電力による再生可能エネルギーの出力制御」などがあるが、これについて尋ねると、「北海道胆振東部地震に伴う大規模停電」については83%、「九州電力による再生可能エネルギーの出力制御」も36%が「知っていた」と回答した。一方で「電気は発電する量(供給)と消費する量(需要)のバランスが崩れると、広域停電が発生する可能性があることを知っていましたか?」と聞いた質問では、「知っていた」と答えた人が5割台(54%)にとどまり、残り半数近く(46%)は「知らなかった」と回答した。自然災害や天候の影響による停電のニュース自体は知っていても、需給バランスが停電に影響していることまでは理解できていない人が多い様子がうかがえる。【専門家コメント】岩船由美子氏に聞く、「電力の需給バランス」を保つポイントとは?上記の調査結果をふまえて、今回は「電力の需給バランス」の実態と課題について、日本のエネルギー問題に詳しい、東京大学生産技術研究所の岩船由美子氏にお話を伺った。電気を安定的に供給するうえでは、使う電気(需要)と作る電気(供給)が同じになるように調整する「同時同量」の堅持が重要だという。そのうえで重要な考え方として挙げられるのが『エネルギーミックス』だ。「一つの燃料や、発電種類だけに頼るのではなく、いろいろバランスよく組み合わせていくことを指します。出力を調整しやすい一方で燃料費が比較的高いガスなどの火力や、出力は調整しづらい一方で比較的燃料費が安価な原子力や石炭、環境負荷が小さい再生可能エネルギー、これらの特徴を生かし、加えてその燃料が外国から安定調達し続けられるものかという側面も考慮して、うまく組み合わせていく必要があります」(岩船氏)電力供給の問題は、私たち皆が直面している問題でもある。この機会に電力の需要と供給について、他人事ではなく自分事として考えてみてはいかがだろうか。【参考】※トレンド総研
2019年02月15日月々の電気代は目に見えるけれども、家電それぞれの電気代は目に見えないため、聞きかじった情報で消費電力の多い・少ないをイメージしてしまう家電。でもここ数年で省エネ技術が進み、意外と消費電力が減っているものもあるようです。現在の一般的な消費電力から、節約のために利用を見直すべき家電を調べました。●冷蔵庫は劇的に省エネへ10年程度前であれば、600〜700kWhの消費電力で、年間1万5000円から2万円の電気代がかかっていた冷蔵庫は、家電の電気代のトップをずっと占めていました。でも現在の冷蔵庫の主流は200kWhを切っていて、電気代も年間1万円かからない計算になっています。それでも、24時間つけっぱなしの必要があるので、家電の中では相変わらず消費電力はトップ5に入る状況。冷蔵室は詰め込みすぎず、冷凍庫はなるべくものを一杯入れ、開閉時間をなるべく短くするような工夫は継続した方が良さそうです。●エアコンは部屋が広ければ工夫を現在もっとも電気代がかかる家電は部屋の広さにもよりますが、エアコンである可能性が高いです。一般的な6〜8畳用のエアコンでも1万5000円以上、10畳を超えると2万円を超えるケースがあるようです。もっとも、エアコンは冷蔵庫と違い、24時間つけておく必要はないので、外出時に忘れずに止めるようにしたり、広い部屋の場合はサーキュレーターを併用することで、電気代の節約はしやすいので、利用の見直しもしやすそう。●縦型の乾燥は要注意!これまでは家電の消費電力で気にされることが少なかった洗濯機も、乾燥機能付きが一般的になったことで、消費電力もかなり大きくなっています。特に縦型の洗濯機で乾燥まで行った場合、1回につき63円程度の電気代がかかり、洗濯だけの電気代1.6円の約40倍に!毎日1回洗うと、年間で2万円を超える電気代がかかることに…。一方ドラム式の場合は、洗濯・乾燥1回につき約26円と縦型の4割程度、年間でも1万円を切る計算になるので、毎日乾燥まで行う家庭は、ドラム式への買い換えを検討した方が良いかもしれません。このほか、照明はLEDになっても1世帯当たりの設置数が多いため電力消費は大きく、こまめに消す習慣は必要そうです。そして最近上位に入ってきているのが食洗機。こちらも毎日2回使うと年1万5000円程度の電気代がかかるため、まとめ洗いや深夜に洗うようにするなどの工夫が必要そうです。改めて年間の金額にすると意外とかかっている家電の電気料金。簡単にできそうなところから利用方法を見直して、電気代を節約しましょう!(文・姉崎マリオ)
2018年03月29日電気は毎日使うもの。少しでもお得に使えたらいいですよね。電力自由化って何がお得になったの? 興味はあっても「変えるのが面倒くさい」「本当にメリットがあるのかわからない」という方に、電気事業者の選択のポイントをFPのすぎうらさんに聞きました。電力自由化による電気事業者の比較ポイント2016年4月に電力自由化が始まり、各家庭で電気の契約先を自由に選べるようになりました。電気を販売する小売電気事業者には、ガスやガソリンなどのエネルギー関連会社、インターネットプロバイダや携帯電話などの通信関連会社、その他の業種の会社が登録しています。ママとして電気事業者を比較するときには、まずは安定した電力供給と安全性、次に環境や家計にやさしいことがポイントです。電力自由化により、家庭に合った料金プランが選択できるようになりましたので、ここでは家計にやさしいことを主な比較ポイントとして考えます。電力自由化によるお得となるポイント電気料金をお得にする一番の方法は、家庭で使う電力量を抑えることです。まずは、使っていない電気は消す、省エネ家電を使用するなどで電気料金を抑えます。これ以上電力量を抑えるのが難しいと感じたときは、思い切って電気事業者を変え、各家庭の電気の使い方に合った料金プランを選択し、電気料金を抑えます。プラン変更に加え、電力以外のサービスと組み合わせたセット割を活用するとさらに月々の電気料金が安くなることや、各種ポイントサービスが付加されることなども見逃せないポイントです。電気事業者の比較■株式会社サイサン「エネワンでんき」「エネワンでんき」の料金プランは使えば使うほど安くなるため、電気使用量が多めの家庭に向いています。40Aの契約で月平均400kwh使用なら年間約4400円のお得、60Aの契約で月平均600kwh使用なら年間約13,000円もお得になります。(2018年2月17日現在) ■HISの電気「E change(イーチェンジ)」「H.I.S.のでんき」は30A以上の契約ならで誰でも電気料金が5%オフになるシンプルな料金プランです。朝や夕方に多くの電力を使う家庭向けの「ママトクコース」は19時~21時の従量料金が無料、「朝ママトクコース」は6時〜8時の従量料金が無料となります。旅行会社のH.I.S.ならではのお得ポイントは、H.I.S.の旅行代金の最大3,000円引きです。(2018年2月17日現在) ■東京ガスの電気「電力スイッチング申込」電気の使用量に応じてスマートセレクトとファミリーセレクトが選択できます。電気料金が月平均約6,600円未満の家庭はスマートセレクト、電気料金が月平均約6,600円以上はファミリーセレクトがお得になり、ガスとのセット契約にするとTポイントや楽天ポイントと交換できるパッチョポイントが付加され、さらにインターネットもお得になるサービスもあります。(2018年2月17日現在) ■楽天エナジーの電力「まちでんき」スタンダードプラン「まちでんき」は電気使用量10kwhごとに楽天ポイントが1ポイント貯まります。貯まったポイントで電気料金の支払も可能です。電気料金を楽天カードで支払うとさらにポイントが貯まります。スタンダードプランは一般家庭向けで、50Aの契約で月平均600kWh使用なら年間で約15,220円のお得になります。(2018年2月17日現在) ■楽天エナジーの電力「まちでんき」プレミアムプラン楽天エナジーの電力「まちでんき」プレミアムプランは小さな事務所や商店向けで、20kVAの契約で月平均41,000kWh使用なら年間で約27,080円のお得になります。(2018年2月17日現在) ■「Looopでんき」電力スイッチング「Looopでんき」は、太陽光、風力、水力などの自然エネルギーを活用しています。料金プランにはおうちプランとビジネスプランがあります。おうちプランは一般家庭向けで、40Aの契約で月平均520kWh使用なら年間で約14,700円のお得、ビジネスプランは小さな事務所や商店向けで、月平均2,183kWh使用なら年間で約82,200円のお得になります。Looopでんきアプリで30分毎の電力使用量や節約額、請求情報等が確認できます。(2018年2月17日現在) ■auでんき「電力スイッチング」「auでんき」はauスマートフォンとセットで加入すると毎月の電気料金に応じて最大5%相当分のWALLET ポイントが貯まります。電気料金が月に13,000円の場合、最大で年間7,800円相当のポイントとなります。電気の使用量はauアプリで確認できます。(2018年2月17日現在) auでんき「電力スイッチング」の詳細はこちら ■電力スイッチング「ENEOSでんき by KDDI」「ENEOSでんき」のAプランかVプランで2年以上利用する契約の場合、「にねんとく2割」により1〜2年目は1kWhあたり0.2円、3年目の更新で0.3円の割引が適用されます。また毎月の電気料金支払い200円ごとにTポイントが1ポイント貯まります。さらにENEOSカードで電気料金を支払うとガソリンや灯油・軽油代が1リットルごとに1円引きになります。(2018年2月17日現在) 電力スイッチング「ENEOSでんき by KDDI」の詳細はこちら ※この記事にはアフィリエイトリンクが含まれます。
2018年03月11日災害時に、長期間電気や水道が絶たれてしまい不便だったという体験談を聞いたことはありませんか?災害のような予測不能な事態が突然起きても、自家発電システムがあれば安心ですし、他の人を助けてあげることも可能になります。では、太陽光発電は災害時でも利用できるのでしょうか?今回は、災害時の太陽光発電利用方法や、注意点などをご紹介します。被災時でも太陽光発電は利用できる?被災時でも、太陽光発電は利用可能です。災害など何らかの原因で電力会社からの電力供給がストップした場合、通常の設定のままでは、太陽光発電も運転を休止します。しかし、大半の太陽光発電には「自立運転機能」が備わっているため、通常の設定から自立運転の設定に変更することで、被災時でも電力を利用することが可能です。電力が使えれば、テレビやラジオを使用したり、携帯電話を充電したりすることが可能になります。災害や救援に関する正確な情報をいち早く入手したり、安否確認も含め外部との連絡を取り合ったりできることは、被災時には大いに役立つでしょう。また、冷蔵庫が使用できれば、食品や薬品などを保存することが可能になりますし、電気ポットや炊飯器が使用できれば、温かい食事を食べることも可能です。小さいお子さんがいる場合は、哺乳瓶などの消毒もできます。さらに、場合によっては、洗濯機や井戸水用のポンプも動かせるかもしれません。電力があれば、自分や自分の家族だけに限らず、地域全体の助け合いや災害対応能力の向上にも貢献できるのです。ただし、被災時でも太陽光発電が利用できるのは、自立運転の機能が備わっている場合のみ。これから太陽光発電システムを導入しようとお考えの方は、必ず自立運転システムの有無についても確認してください。自立運転システムの利用法通常時、電力の発電量に応じて足りない電力を補ってもらったり、余分な電力を買い取ってもらったりするため、各家庭の太陽光発電システムは電力会社とつながっています。このつながりを切り離し、各家庭で太陽光発電システムを独立させて使用する設定のことを、「自立運転」といいます。自立運転の設定に切り替える際はまず、安全のため、主電源と太陽光発電用のブレーカーをオフにします。これは、電気系統の事故や、そこから派生する大火災などの思わぬ事態が起こることを防ぐためです。その後、付属の取扱説明書に従って自立運転モードに切り替え、接続したい電気機器を自立運転用のコンセントにつなぎます。このとき、接続する電気機器のほうも主電源が切れていることを確認したうえで行いましょう。特に、大きな電化製品は自立運転コンセントから離れた場所にあることも多いため、災害時に備えて、日頃から長めの延長コードを用意しておくといいです。また、自立運転機能を使用中は、こまめに発電状況を確認することも大切です。天候や発電出力の変化に合わせて、接続機器を調整しましょう。電力会社からの電力供給が回復したら、自立運転モードのままにしておくと売電ができなくなってしまうので、忘れずに通常の運転モードへ切り替えましょう。通常の運転へ戻すには、まず自立運転モードを解除し、太陽光発電用のブレーカー、主電源の順にオンにしてください。太陽光発電の自立運転モードは、いざというときに備えて、試運転や練習をしておくことをおすすめします。その際は、電気機器を自立運転コンセントに問題なくつなげるか、延長コードなどの長さは十分か、自立運転システムそのものが正常に作動するか、などをチェックしてください。もし、自立運転システムに関してわからないことがあれば、早めにメーカーや施工会社へ問い合わせておきましょう。太陽光発電の費用を無料で比較自立運転システム利用する際の注意点太陽光発電を自立運転システムに切り替えて使用する場合、注意しておきたいことが3つあります。緊急時でも冷静に対処するために、事前に注意すべきポイントを把握しておきましょう。1つ目の注意点は、自立運転システムの非常電源には、一般的なパワーコンディショナー1台で1,500W(1.5kW)までの上限があることです。そのため、接続する電気機器の合計電力使用量に注意してください。また、限度内であっても、大電力が必要な電気機器は、起動しなかったり動作が不安定になったりする場合もあることを知っておきましょう。2つ目は、自立運転であっても太陽光発電であることに変わりはないため、夜間の電力使用ができないことです。また、雨天・曇天時には、発電量が不安定になり、使用できる電力量が急に低下したり、使用できなくなったりする場合があります。そのため、途中で電源が切れると生命に危険をもたらす恐れのある医療機器や、故障・破損する可能性が高いパソコンなどは、自立運転の非常電源には接続しないでください。3つ目は、自立運転では通常のコンセントや普段使用している照明器具を使えないことです。システム利用時は必ず、自立運転コンセント(非常用コンセント)への接続が必要になるので、前もって自立運転コンセントの有無や位置を把握しておきましょう。まとめ太陽光発電の自立運転機能を使えば、災害時や停電中でも電気機器を使用することが可能です。事前にしっかりと準備をしておけば、いざというときにもあわてず、太陽光発電のよさを最大限に活かすことができるでしょう。この機会に太陽光発電の「自立運転システム」について、一度確認しておくのはいかがでしょうか。太陽光発電の費用を無料で比較
2017年11月21日毎月の光熱費を大幅に節約することは、なかなか難しいものです。こまめに電気を消したり、暑さを我慢して冷房を消したり……。しかし、どれだけ気をつけていても、節約できる金額には限界があるのが事実です。そのような中、光熱費の見直しのタイミングで、太陽光発電やオール電化を導入する世帯が増加しています。そこで今回は、オール電化のメリットが発揮できるといわれている、太陽光発電との併用についてご紹介します。太陽光発電とオール電化はセットのほうがお得?「太陽光発電を導入するなら、オール電化も同時にしたほうがいい」といわれることは多くあります。しかし実際には、太陽光発電とオール電化は、セットのほうが得をするケースと損をするケースがあります。【そもそも、太陽光発電やオール電化とは?】太陽光発電とは、自宅の屋根にソーラーパネルを設置し、太陽の光から電気を作り出す仕組みです。日中に使う電気は発電量を超えなければすべて、太陽光発電による電気でまかなうことができます。また、発電した電気が余ったら、電力会社に買い取ってもらえます。これにより、電気代の節約だけでなく、売電により収入が増えるメリットもあります。次にオール電化とは、簡単にいうと、給湯や調理など現在ガスを使ってやっていることをすべて電気で行うシステムです。そのため、自宅にオール電化を取り入れれば、基本的にはガス料金が0円になります。【セットにしたほうがいい場合】太陽光発電とオール電化をあわせて導入したほうがお得なのは、現在、毎月のガス料金に10,000円以上支払っているご家庭です。前述のとおり、オール電化を導入すれば、ガスで行っていたことを電気で行うようになるため、ガス料金はほとんどかかりません。一方で、オール電化を導入すると、夜間の電気料金は割安になる代わりに、日中の電気料金が高くなってしまうプランへと変更になります。そのため、日中、自宅に家族がいることが多いご家庭では、電気代が今より高くなってしまう可能性もあります。しかし、オール電化と同時に太陽光発電を導入すれば、日中は自宅で発電した電気を利用することができるため、日中の電気代はほとんどかからないと思っていいでしょう。つまり、ガス料金はかからず電気代もぐっと抑えられる可能性があり、光熱費を大幅に削減できるメリットがあるといえます。【セットにしないほうがいい場合】太陽光発電とオール電化をセットで導入してもメリットが少ない、あるいは、かえって損をする可能性もあるのが、現在、それほどガス料金がかかっていないご家庭です。そもそも現状でガス料金の負担が少ないのであれば、オール電化の導入で毎月のガス料金が0円になったとしても、大きな節約は期待できません。また、オール電化の導入にはそれなりの初期コストがかかるので、かえって経済的な負担を増やしてしまう可能性もあります。光熱費をカットするという観点のみでいえば、毎月のガス料金が6,000円を超えないご家庭では、太陽光発電とセットでオール電化を導入することは、デメリットになる可能性が高いといえます。ガス代にかかるお金が6,000~10,000円以内の間で推移している場合は、ケースバイケース。ネットの光熱費シミュレーションを利用したり、複数業者から工事費や料金プランの見積もりを取ったりして、慎重に検討しましょう。太陽光発電の費用を無料で比較太陽光発電とエコキュートならセットのほうがお得?太陽光発電とエコキュートをセットで導入したほうがお得になるかどうかは、基本的にオール電化の場合と同様に考えます。そもそもエコキュートとは、現在ガスで行っている給湯と調理のうち、給湯の部分のみ電気を導入することをいいます。つまり、オール電化との違いは、IHを導入するかしないかというだけなのです。オール電化でIHを導入する場合、IHでは使える調理器具も限られてくるのでこれまで使用していたものを継続して使えない、などのデメリットがあります。一方で、エコキュートを導入するだけでもガスの大部分は電気に置き換えることができるので、毎月のガス料金が高いご家庭では、太陽光発電とエコキュートの併用で、光熱費節約のメリットを十分に得られる可能性があります。まとめ家計の収支を考えるうえで、光熱費の節約は永遠のテーマです。“おトク”や“安い”という言葉を聞くとあれこれ試してみたくなるものですが、オール電化にしてもエコキュートにしても、導入のメリットとデメリットをしっかり検討しなければなりません。まずは、ご自宅の立地状況や光熱費の状況、経済面以外で得られるメリットなどを把握することからはじめてみましょう。太陽光発電の費用を無料で比較
2017年11月20日月々の支払いを見ると、意外と大きな割合を占めていることの多い光熱費。だからこそ、家計の支出を減らすためにも、光熱費はできる限り安く抑えたいところです。そこで今回は、光熱費を安くする方法の1つとして注目を集めている、太陽光発電についてご紹介します。実際に太陽光発電を導入した家庭の事例を参考に、どれだけ光熱費を節約できるのか検証していきましょう。太陽光発電で光熱費は節約可能!その理由は?太陽光発電はその名のとおり「太陽の光」から電力を作り出すものですから、太陽光が差し込む日中が主な発電時間になります。つまり、日中にお家で使う電気は太陽の力を使って発電した電気が優先して使用されるため、電気の使用量が発電量を上回らない限り、電気代がかかりません。一方、日が昇る前や日が沈んだ後の時間帯、雨の日などの太陽が出ていない日はどうでしょう。当然、太陽の光を取り込めないと発電することができないため、電力会社から買電しなければなりません。現在と同じように、電気代を払って電気を使うイメージです。「それなら、結局節約できるのは日中の光熱費だけ!?」と思われるかもしれません。しかし、日中に作った電力のうち使用せずに余った電力は、電力会社に売ることができます。つまり、日中の消費電力を太陽光発電でカバーするのはもちろん、売電による収入があるので、太陽光発電を導入すると光熱費が節約できる、という仕組みです。太陽光発電で光熱費がゼロになるって本当?ここからは、実際の売電履歴をもとに検証していきましょう。以下は、一般家庭(4人家族)における月ごとの売電量(単位:kWh)の一例です。10月:43911月:38912月:2791月:3322月:3523月:4284月:6545月:4796月:3357月:4998月:4149月:526こちらの事例では、1年を通して計算すると、売電量の合計は5,126kWhでした。売電収入は「売電量×売電価格」で算出されるので、2017年度の売電価格である28円/kWh(住宅用)で計算してみると、売電収入は年間143,528円となります。つまり、1ヶ月当たりの売電収入は平均で約11,960円(=143,528円/12ヶ月)であり、毎月の光熱費を12,000円程度に抑えられるならば、光熱費は実質ゼロになるといえそうです。ちなみに、売電量はソーラーパネルを取りつける位置や向きにも左右されます。可能な限り売電量を増やして売電収入をアップするためにも、ソーラーパネルの取りつけは専門業者にお任せするのがおすすめです。太陽光発電の費用を無料で比較太陽光発電でお家の電気はまかなえる?2017年3月に、〔積水化学工業株式会社〕が「太陽光発電システム搭載邸のゼロエネルギー達成度及び蓄電池搭載邸の運転実績調査(2016)について」というプレスリリースを発表しました。これは、すでに太陽光発電を取り入れている全国2,658邸を対象に行われた調査をもとにしたもので、2016年1月~12月の消費電力量、発電電力量、電力量収支などのデータを活用しています。この調査によると、なんと全体の70%を超える世帯が「光熱費ゼロ」を達成したとのこと。さらに、約40%の世帯では、家電の電気代も含めた光熱費がゼロだったという結果でした。また、2015年の調査と比較しても、光熱費ゼロ世帯率は高い水準で推移しています。家電の電気代込みで光熱費がゼロであった家庭では、1年間の発電電力量は10,018kWh、消費電力量は6,777kWh。売電による収入が284,000円、買電による支出が108,000円であったため、年間の光熱費の収支は176,000円のプラスという結果でした。つまり、太陽光発電では、家電を含めたすべてのお家の電気をまかないつつ、さらに売電による利益も上げられることがわかります。まとめご家庭に太陽光発電システムを導入する場合、実際には、はじめにソーラーパネルやパワーコンディショナーなどを設置する初期費用がかかります。しかし、パワーコンディショナーは10~15年、ソーラーパネルは20~30年は使うことができるといわれているので、初期費用を回収してからは利益が出る仕組みです。ただし、太陽光発電でどれくらいの光熱費を削減できるかは、家族の人数などにも大きく左右されるのが実際のところ。また、売電価格も年々低くなる傾向にあり、導入は早めが吉といえそうです。太陽光発電の費用を無料で比較
2017年11月19日ご家庭で電力をつくる太陽光発電の導入を検討する際、どんな機器が必要になるか気になる方は多いでしょう。ここでは「発電モニター」に注目し、どんな役割があるのか、種類はどのくらいあるのか、選ぶ際は何を基準にすればいいのかをご紹介します。発電モニターとはどんなもの?太陽光発電システムの発電モニターは、発電量・電力消費状況・売電量・電力会社から購入している電量などを数値化した機器です。電気量の動きを常に把握できます。万が一、発電状況に異常が起きた場合には、発電モニターの発電量が落ちるためすぐに気づくことができるメリットもあります。SDカードに発電データ取り込み、パソコンで発電量の推移を確認できる機能的な機種も存在します。太陽光発電の発電モニターに表示される数値は常に変化します。気候の変化に敏感で、発電量に増減が生じるという特徴があります。多くの方は夏の発電量が最も多いと考えがちですが、実は春の方が発電量は多いです。太陽電池に使用されているシリコンには熱に弱いという特徴があり、気温が高い夏よりも太陽光が豊富で気温が高くない春に発電量が多くなる傾向があります。発電モニターにはどんな種類がある?太陽光発電の発電モニターは、大きく3タイプに分類されます。「壁掛けタイプ」、「ディスプレイタイプ」、「LEDタイプ」の3種類です。・壁掛けタイプの特徴主に一般住宅に使用されることが多いタイプです。オール電化住宅に適用されるエコキュート対応のもの、蓄電池を導入した住宅に対応しているものなどがあります。新築時に太陽光発電とオール電化、または蓄電池を組み合わせて導入しておくと、モニター1つで発電・売電・使用電気・蓄電状況が簡単に分かるというメリットがあります。・ディスプレイタイプの特徴家に設置するのではなく、テレビやパソコンに表示して確認するクラウド型発電モニターです。スマホに表示することも可能なため、いつでもどこでも手軽に発電状況をチェックできます。・LEDタイプの特徴基本的な特徴は壁掛けタイプと変わりませんが、LED表示を屋外に装置すると、地域に向けて環境へ積極的な取組をしていることをアピールできます。【スタイル別おすすめの発電モニター】発電モニターは発電状況をリアルタイムで確認できるものです。家で過ごすことが多い方は壁掛けタイプで十分でしょう。一般家庭向けに製造されているため、価格が手軽という魅力があり、費用を抑えたい方にぴったりです。ディスプレイタイプは、外出することが多い方に向いています。勤務時間が長い方、出張が多い方など、家を空ける時間が長い場合、壁掛けタイプの発電モニターをチェックすることができません。ディスプレイタイプなら遠方からでも確認が取れるため安心かつ便利です。LEDタイプはオフィスビルや工場など法人向けと言えるでしょう。地域貢献、エコ活動を地域住民へアピールする材料にもなります。企業イメージアップに活用しているところも増えています。太陽光発電の費用を無料で比較発電モニターを選ぶポイントは3つ太陽光発電の発電モニターを導入する際、何を決め手にすればよいのでしょうか。選ぶポイントをご紹介します。【ポイント1】価格発電モニターには白黒とカラーがあります。白黒だと発電状況が見えにくいというデメリットがありますが、値段が安いというメリットがあります。カラーは小さい子ども理解しやすいメリットがありますが、値段が高いというデメリットがあります。カラーは白黒の発電モニターと比べて30,000~50,000円くらい高い相場価格となっているため、価格を優先させたいなら白黒がおすすめです。【ポイント2】機能性価格より機能性が高いものを選びたい方は、カラーのディスプレイタイプがおすすめです。カラーだと見やすいだけでなく、出先からスマホやパソコンで発電状況を常にチェックし、異常の有無も確認でき便利です。自宅ならテレビで確認することができるため、大画面で子どもから高齢者まで見ることができます。相場価格は80,000円前後と高めですが、長期的に使いやすさを考えた場合お得だと思います。メーカーによって発電モニターの特徴は異なりますが、モニター表示は、1日、1ヶ月、1年単位で発電結果を知らせてくれることが多いです。日頃からチェックしていれば、節電を意識しやすいでしょう。多少コストがかかっても、結果的に節約できるケースは多いと思います。【ポイント3】見やすさカラーのディスプレイタイプは、何色かで色分けされています。例として充電は緑、売電は赤、買電は橙色などに分けられます。電力の種類が色で判別できるため、見やすさを重視したい方はカラーの表示に注目しましょう。文字の大きさも大事です。数値が見やすいか、詳しくチェックしたいところは太字になっているかなど、見やすい文字表記かどうかも確認してみましょう。まとめ太陽光発電の発電モニターに関する情報を紹介してきました。業者によっては自動的に決められた発電モニターを取り付ける場合もありますが、自分で選択できるときは特徴や種類、選ぶポイントを念頭におき、ご自宅に合った発電モニターを選択してください。太陽光発電の費用を無料で比較
2017年11月17日ご自宅に太陽光発電設備の設置を考えている方なら「余剰電力買取制度」について聞いたことがあるかもしれません。実際に設備業者へ相談したご家庭などの場合、1度は説明を受けた経験があるのではないでしょうか。そこでこの記事では、一般家庭用の太陽光発電設備における「余剰電力買取制度」に関して、詳しくご紹介します。余剰電力買取制度ってどんな制度?一般家庭などで総出力が10kWに満たない太陽光発電設備を設置した場合に、ご家庭で消費する分の電力を発電した電力が上回った際には、その余剰分の電力を電力会社によって買い取ってもらえることが2009年から制度化されています。これを「余剰電力買取制度」と呼びます。家で使った電力の余り分を売ることができるという制度の仕組み上、ご自宅で消費する電力量が少なくなればなるほど売電できる電力量が増え、収入につなげられます。このため、太陽光発電による再生可能エネルギーを利用していてもご家庭での電力消費量を抑えたり、できるだけ節約したりしようというモチベーションの向上を図ることができるともいえます。この「余剰電力買取制度」そのものは2012年に終了し、それに代わり「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」が新たに設けられ、今に至っています。ただし、一般家庭で太陽光発電を行う場合においては、特に各制度における差異を意識する機会はあまりないといってよいでしょう。【全量買取とは?】ちなみに、余剰電力買取制度が施行されていた時期、同時に「全量買取」という電力買取の方式が存在していました。こちらは、太陽光発電によって発電される電力を自分達で消費せず、すべて電力会社に売却する方式です。しかし、この方式を適用できるのは総出力が10kW以上となる太陽光発電設備を設置した場合に限られます。したがって、主に事業者や団体などが設置する大規模な発電設備にしか事実上は適用されないと考えられます。この全量買取と余剰電力買取制度を一本化し、現在施行されている「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」となったことが分かります。再生可能エネルギーの固定価格買取制度においても、総出力10kWを境にそれ以上の場合は発電電力の全量を買い取り、それ未満の場合は余剰電力を買い取る仕組みになっています。余剰電力買取制度の対象は?旧制度である「余剰電力買取制度」の対象に該当する太陽光発電システムは、総出力10kW未満のものと定められていました。現行の「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」においても、総出力10kWに満たない小型の太陽光発電システムについては自家消費したうえで余った分の電力を買い取る方式によって売電を行っています。国内の一般的な一戸建て住宅で設置可能なソーラーパネルの総出力は、かなり広い面積の住宅であると考え多く見積もったとしても、概ね5kW程度までであるといわれています。また、余った電力を売電するために一般家庭向けの小規模な太陽光発電設備を設ける場合は、自治体によっては補助金を受けることができるケースがあります。しかし事業目的で発電を行うなど、発電した電力の全量を売電する目的で太陽光発電設備を設ける場合は、補助金を受けることができません。一般家庭で太陽光発電設備を設置するにはかなり高額な費用がかかるものです。補助金一切なしで、10kW以上の総出力をもつ大規模な発電システムを作ることは現実的ではないでしょう。したがって、ご家庭で太陽光発電を始めるならやはり、総出力10kW未満のソーラーパネルで余剰電力を買い取ってもらう方式をとることが一般的といえるでしょう。太陽光発電の費用を無料で比較固定買取期間はいつまで?経過した後はどうなる?2009年から施行された「余剰電力買取制度」は、2012年からは「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」に移行し、現在に至っています。なお、再生可能エネルギーの固定価格買取制度には、一般家庭や事業者などが民間の太陽光発電システムで発電した電力について、電力会社が決まった価格で買い取ることを国が約束してくれる「固定買取期間」が存在します。一般家庭で設置されることの多い、総出力10kW未満の太陽光発電設備の場合の固定買取期間は「10年間」とされています。2017年度(2018年3月末まで)に新たに太陽光発電設備を設置したケースを例にとると、総出力10kW未満の太陽光発電設備で余剰電力を売電する場合、1kwhあたり28円(出力規制ありの場合は30円)の売電価格となっています。この価格のまま、固定買取期間中である10年後までは余剰電力を買い取ってもらえるというわけです。なお、2018年4月以降は売電価格も1kwhあたり26円(出力規制ありの場合は28円)に下がることがほぼ決まっています。これから太陽光発電設備を設置して1kwhあたり28円(30円)で向こう10年間は売電を行いたいなら、早めに計画を進めて2018年3月末までに電力会社と売電契約を済ませるようにしましょう。まとめこちらの記事では、「太陽光発電における余剰電力買取制度」についてご紹介しました。余剰電力買取制度は、現在は「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」となっていますが、旧制度の施行期間中に売電契約をしたご家庭や事業者は旧制度に基づく条件で引き続き売電を行うことができます。しかし、これから新規で設置した場合には現行の制度に基づいて売電を行うことになります。電力買取の価格は年度ごとに変動し、近年は家庭用太陽光発電設備の普及に伴い毎年2円ずつほど下がる傾向にあります。これから新規で太陽光発電設備を設置してより高い価格で売電するには、何より早めの準備が肝心といえるでしょう。太陽光発電の費用を無料で比較
2017年10月30日太陽光を使うのでエネルギー源に困ることもなく、注目を集め続けている太陽光発電。温室効果ガスを排出することもないので「環境に優しい」と言われており、次世代のエネルギーとして期待されています。ソーラーパネルが屋根に並んでいる姿のイメージが強い太陽光発電ですが、実は様々なパーツや装置で構成されています。ここでは、どのような機器が使われているか、太陽の光をどのようにして電気に変えているかについて解説します。太陽光発電を構成する機器太陽光発電を家庭に導入するには、機器を設置しなくてはなりません。まずは、太陽光発電システムで使われているパーツや装置を見ていきましょう。【太陽光パネル(モジュール)】太陽光発電に最も欠かせないのが太陽光パネルです。光エネルギーを電力に変える装置で、「モジュール」ともいいます。これは「セル」という太陽電池を並べて板状にし、必要な電圧と電流を得られる仕組みになっています。【架台】太陽光パネルを支える資材や部材の骨組みのことを、「架台」といいます。架台を屋根に取り付ける際、ビスやアンカーなどで屋根に穴を開けるので、施工時に防水処理がしっかりできていないと、設置後の雨漏りの原因となってしまいます。太陽光発電と聞くと、どうしても太陽光パネルに目が行きがちですが、実は太陽光発電システムを安定して稼働させるには、架台をしっかりと設置することが重要です。【接続箱】接続箱は、太陽光から発電した電力を住宅で利用するための装置「パワーコンディショナー」に供給しています。屋内用や屋外用など様々な種類があり、パワーコンディショナーに接続箱の機能を加えたタイプも登場しています。【パワーコンディショナー(パワコン)】太陽光で発電した直流電力を、家庭で利用できる交流電力に変える装置を「パワーコンディショナー」といいます。電圧変換装置のひとつで、この装置がないと、いくら太陽光を蓄電しても使うことができません。太陽光発電において、大変重要な役割を担っている装置です。【分電盤】住宅内の各機器へ電気を供給するのに必要なのが、分電盤です。電気を安全に使うため、漏電や配線遮断装置を備えたブレーカーを集約した装置で、太陽光発電においては、住宅用・売電用に配電する役目があります。太陽光発電は、上記でご紹介した機器によって実現されています。家庭で安全かつ快適に電気を使い、余った分を電力会社に売電するため、各パーツや装置がそれぞれの役割を果たしているのですね。太陽光発電の費用を無料で比較光を電気に変える仕組み太陽光発電には様々な機器が使われていることが分かりましたが、どのようにして太陽光を電気に変えているのでしょうか。ここでは、太陽光から電力を生み出す仕組みについてご紹介します。【太陽光パネルについて】太陽光発電で一番欠かせないのは太陽光パネルですが、どのようにして発電しているのか、気になりますよね。先にも述べた通り、太陽光パネルには「セル」という太陽電池があり、これらが配置されることで「モジュール」になります。このモジュールが太陽光から電子の流れを生み出し、発電が可能となるのです。太陽光発電で重要なのは、「電流」と「電圧」です。光電効果を最大限に引き出した電流を最適化することで、安定して発電することができるのです。万が一、雲などで影が差してしまっても、最低限の電力は確保できる仕組みになっているので安心してくださいね。高い発電効率の実現にはシリコン半導体が有効であると判明し、今では太陽光発電市場では最も普及しています。シリコンではない素材で作られた次世代の太陽光パネルも登場し、さらなる発電効率のアップが期待されています。【太陽光を電力に変える方法】まず、太陽光は屋根に設置されたパネルに注がれ、直接電力へ変換されます。パネル自体は適当に置かれているわけではなく、複数のブロックに分けられています。これは、その家庭で最も高い発電効率を実現するためです。例えば、あるパネルに影が差す、故障や不具合が起きるといったトラブルが発生した際、ブロックが1つだけだと対応しきれませんよね。そのため、複数のブロックに分けることで、何か問題が起きても、できる限り太陽光発電への影響を少なくしているのです。発電した電力は、いくつもの配線ケーブルを通って接続箱に集まってきます。そして、パワーコンディショナーによって直流電気から交流電気に変換され、家庭内や電線に送電されています。変換された交流電気は配電盤を通じて、家庭内や売電用、買電用に振り分けられます。このような流れを経て、太陽光は私たちの下へ電力として届けられるのです。まとめ太陽光を電力に変えるためには多くの機器が使われており、いろいろな過程を経て、私たちが利用できるようになるのですね。より効率的な太陽光発電システムを実現するため、太陽光パネルも改良が重ねられているようです。太陽光発電の導入を考えている人は、業者の方に相談しながら、ご家庭にベストな機器を選ぶようにしてください。太陽光発電の費用を無料で比較
2017年10月28日太陽光発電とは、太陽電池を用いて、太陽の光エネルギーを電気に変換する発電方式のことです。現在、日本における発電方式は、石油や石炭などがありますが、そのエネルギー資源の大半を海外から輸入して賄っている状況です。これらのエネルギー資源は使い続ければ、いずれなくなってしまいますが、太陽の光は常に降り注いでいるので、そのような心配がありません。簡単にエネルギー源を確保でき、今後の期待が大きい太陽光発電の仕組みについてまとめました。光を電気に変えている仕組み一口に太陽光発電といっても、どのようにして光を電気に変えるのでしょうか。ここでは、太陽光発電がどのように光を電気に変えているのか、その仕組みについて紹介します。太陽光発電は、光エネルギーから電気を作ります。光から電気を作るために必要なのが「太陽電池」です。太陽電池は、プラスの性質を帯びやすい「P型シリコン半導体」と、マイナスの性質を帯びやすい「N型シリコン半導体」を張り合わせて作られています。光エネルギーが、P型とN型の2つの半導体の境目に加わると、P型シリコン半導体はプラスの性質、N型シリコン半導体はマイナスの性質を帯びます。こうすることで乾電池と同じ状態を生み出し、電線をつなぐと電気が流れるので、光エネルギーをあて続ければ電気を発生させ続けることができます。しかし、太陽電池だけでは住宅で使えるほどの電力は賄えません。そこで登場するのが「ソーラーパネル」です。ソーラーパネルは太陽電池をたくさんつなげたもので、最も小さな単位を「セル」、セルを板状につなげたものを「モジュール」「パネル」といいます。現在は、家の屋根にソーラーパネルを設置している家庭を見かけることが多くなりました。さらに、広い土地にソーラーパネルをいっぱい設置し、大きな電力を生み出す「メガソーラー」という太陽光発電施設も見られるようになりました。太陽光発電の費用を無料で比較太陽光発電を取り入れても電力会社は必要「太陽光発電を利用したら、電力会社はいらないのではないか?」「電気の自給自足が可能になる時代が来るのではないか?」そのように考える人もいるのではないでしょうか。ただ、どんなに電気を蓄えても使い切れなかったり、使い切れなかった分蓄電ができたりしなければ結局無駄が増えてしまいます。このような無駄をなくすためにあるのが、売電や買電です。現在、太陽光での発電を行っている家庭では、昼間に蓄電した電気を日常生活の中で使い、余った電気を電力会社に売るという「売電」「買電」ができます。太陽光発電を導入する際、電力会社と契約を結ぶことで電力会社と電気の売買ができるようになるのです。これを電力会社との「系統連系」といいます。申請手続きが必要ですが、業者が代行してくれることがほとんどなので、設置する側の人の手間は少ないといえます。【系統連系とは?】では、「系統連系」とはどういう仕組みなのでしょうか。電力会社が管理している配電線網を「系統」といい、電気の共有には欠かすことができません。この系統に太陽光発電システムを接続し、電気のやり取りを行うことを「系統連系」、やり取りを可能にした設備を「系統連系システム」と呼びます。昼間は、太陽光で発電した電気を使って、余った分は電力会社へ。逆に、天気が悪い日など、必要な分の太陽光を得られなければ、従来通りに電力会社から電気を購入します。雨や曇りの日の分も太陽光エネルギーを蓄えることができたら、電気の自給自足も可能になるのかもしれませんが、現時点では、まだ電力会社の力を借りなくてはならないのですね。太陽光発電は環境に優しい!太陽光発電と聞くと、「環境に優しい」イメージを持っている人もいるのではないでしょうか。従来の火力発電や天然ガス発電では、化石燃料を使用して電気が発電されるので、二酸化炭素などの温室効果ガスを排出しています。しかし、太陽光発電は発電時に燃料を使わない仕組みなので、温室効果ガスを発生することがほとんどありません。このような理由から、温室効果ガスの排出量の大幅な削減を見込むことができ、太陽光発電は環境に優しい発電方法だといえます。二酸化炭素削減の実現を目指す政府も、次世代エネルギーとして太陽光発電を推進していますよね。また、他の発電方式と違い、太陽光発電では原料の採鉱や精製が不要です。そのため、採掘や廃棄に至るまでのことを考えても、とても少ない二酸化炭素排出量で電力の供給が可能となります。火力発電をはじめとする従来の発電方式に比べたらまだまだですが、徐々に普及してきています。まとめ現在、産業用太陽光発電制度の誕生により、急激に広がりを見せている太陽光発電。発電効率の高いパネルの研究開発も進められているということで、今後は発電方式として主力になる可能性を秘めています。温暖化対策もでき、安全性の高いエネルギーといわれる太陽光発電が実用的になれば、より地球に優しい生活が送れるようになるのではないでしょうか。太陽光発電のこれからに期待大ですね!太陽光発電の費用を無料で比較
2017年10月27日電気は当たり前のように使っていますが、電気料金の支払いとなるとあまり他人事ではいられません。無駄遣いはしないように心がけていても、いざ支払う時にならないとあまり実感がわきません。クレジットカードの引き落としの際に、なんだか高いなぁ……と思って明細を見ると電気代がかさんでいることに気付くことも。自分に合った支払い方法は、いったいどれ?電気料金の支払いは面倒と思いながらコンビニでやっている、という方もいるのでないでしょうか。支払い方法を口座振替やクレジット払いに変更することで、お得かつ楽に支払いを済ませることができます。電気代削減の一環として支払い方法についても検討したくても、実際どの方法が自分に適しているのか、意外にわからないもの。それぞれの支払い方法には良い面もあれば、気をつけるべきポイントがあります。20~50代の女性の方々が利用している支払い方法や意見を参考に、どんな支払い方法が自分にぴったりか考えてみましょう。■目次1.毎月の支出だからこそ、電気料金は意識的に支払いを2.電気料金はクレジット払いが主流。自分に適した支払い方法とは?3.クレジットカードを有効活用!公共料金で還元ポイントをゲット!4.電気料金の支払いはココが悩みどころ…5.最適な支払い方法・電気の契約でお得な生活まとめ1. 毎月の支出だからこそ、電気料金は意識的に支払いを電気代の削減をするには、無駄遣いをしないのはもちろんのこと、上手な契約や支払い方法を選択する必要があります。まずは、20~50代の女性の方々がどのような意識のもとで電気料金を支払っているのかアンケートで調査しました。アンケートの結果、割引や節約を意識しながら電気料金の支払いをしている人は、全体の7割ほどに上りました。電気の使用を減らす努力はもとより、それ以外のことも気にしながら毎月の請求をチェックしている人は多いのです。■「我が家は電気料金が一番高いので、出来るだけポイント制度を使ったり、大物家電は利用を控えるなどして工夫している」(20代・パート)■「日頃から節約しているので、支払い方法で少しでも割引になるよう意識しています」(30代・主婦)■「コンビニで払っているので、割引対象にはなりませんが、見ることで節約を意識しています」(30代・正社員)前提として、節約しようという意識や日々の小さな努力の積み重ねがなければ電気料金の削減は困難ですが、支払い方に関しても、小さな違いが12ヶ月分となれば差が生まれてきます。一度見直して変更してしまえば、その後の努力なく節約できるのです。■「カード払いで、ポイントの還元率が高いカードでポイントを貯めようとしています」(30代・主婦)■「口座振替にすると割引があるので、それを意識して、その方法にしています」(50代・主婦)具体的にはこのように「口座振替」による割引、「クレジットカード」払いでのポイント還元などが一般的です。その他、電力会社によってお得なプランやキャンペーンを提供している場合があるので、しっかり理解して選べばお得に電気料金を支払えます。しかし残りの3割の人のうち、電気料金の支払い方法による割引などがあることを知らないという人も数名。このような意見がありました。■「電気代の支払いで節約や割引が出来ることを知らないため。どのような方法があるか知りたい」(30代・主婦)現代の生活には電気は必須であり、電気料金は毎月支払う公共料金のひとつ。請求が来たら仕方ない気持ちで支払うのではなく、自分の生活に合った支払い方法を選ぶことが重要なのです。もっと楽に、場合によってはお得になるかもしれません。2. 電気料金はクレジット払いが主流。自分に適した支払い方法とは?それでは、電気代金がお得になるカギである支払い方法についてですが、現在どんな方法を選択している人が多いのか調べました。■「クレジットカード」払いでポイントゲット!電気料金はクレジットカードによって支払いを済ませている人が最も多いことがわかりました。50人のうち約半数となる24名がこの方法を選択しています。■「マイルを貯めているので、電気とかの公共料金全てをカード払いにしている」(30代・パート)■「今までは口座振替にしていたが、クレジットカードの方がポイントがついてお得なのでカード払いにしている」(40代・主婦)現代ではほとんどの人がクレジットカードを所有しており、使うほどポイントが貯まっていくので、普段のお買い物なども積極的にカードを使用している人も少なくありません。■「もともとは口座振替だったが、クレジットカードのキャンペーンで、電気料金の支払い方法に指定すれば何千円かのポイントが還元され、その後もポイントになるから」(40代・主婦)カード会社によってはこのように、カード契約後、公共料金の支払い用として設定・使用することで特典のポイントがもらえるというキャンペーンを実施してる場合があります。もし新たなカードを作ろうと考えているなら、こういったキャンペーンも要チェック。■「口座振替」でしっかり。割引もあり口座振替で電気料金を支払っているのは、50人のうち18名。この支払い方法に安心感を得ている人も多くいました。■「最初から口座振替でずっと変わっていない。とくにこれで不満を感じていない」(50代・主婦)■「自動引き落としの方が楽ですし、振込間違いの心配がないので選択しました」(30代・主婦)引っ越しなどの際、電気の契約と同時に銀行振替の申し込みをする場合があります。自動で引き落としをしてくれるので特に不便なくそのまま使っているという声が多く見られました。■「夫の口座からの振替をしています。口座振替だと数十円安くなってるのが嬉しい」(30代・主婦)■「口座振替にすると割引になるので、申し込みの時に口座振替にしました」(30代・主婦)■「毎回自分で支払うのは面倒なので口座振替にしています。月の金額平均を出しています」(40代・主婦)電力会社にもよりますが、口座振替は割引制度があるのがメリットです。クレジットカードのポイントとどちらがお得かというのは、カードの還元率や電気の使用量によっても異なるので、気になる方は計算してみるのもアリです。また口座振替なら通帳にしっかり「電気料金」として記帳されることになります。クレジットでは明細を確認しなければいけませんが、家計用の口座などがあれば、記帳するだけでも公共料金の把握がしやすくなるのです。それぞれ利点があり、どちらが適しているかは家庭次第といえます。「コンビニ振込」などは少数派となり、やはり面倒であるため、クレジット払いに変更したいという人もいました。また銀行振替を利用中という人のなかでも、ポイントを求めてカードで払いたいという声も。やはり、電気料金の支払いはクレジットカードが主流となっているようです。3. クレジットカードを有効活用!公共料金で還元ポイントゲット!銀行振替よりもクレジットカードで電気代を支払っている人が多いことが明らかとなりましたが、その理由はやはりポイントにあるのか、本音を聞いてみました。アンケートの結果、8割以上もの人たちがクレジットカードによる電気料金の支払いにおいて、ポイントの還元を期待していることがわかりました。それだけポイントがカード払いをするメリットとして意識されているということです。■「毎月ある一定の金額になるので、ポイントが確実に貯まるので意識しています」(50代・主婦)■「同じお金を払うなら、カードで払って少しでもポイントにしたいです」(30代・個人事業主)■「ポイントを少しでも活用したいから。長期間、定期的に貯められるので、重要である」(40代・個人事業主)毎月支払わなければならない公共料金だからこそ、還元率の高いカードなどを有効活用して効率的にポイントをゲットしている人がたくさんいるのです。年会費無料のカードを使用して、必ず発生する支出をしっかりポイントにするという意見もありました。■「カードで買い物をすることは少ないですが、電気をはじめ公共料金の支払いをカードですることで自然にポイントがたまるので楽ですし、ポイントの溜まるのも早いと感じます」(50代・主婦)■「もちろんです。ほとんどポイント目当てで電気料金をカード払いにしています」(40代・パート)人によってはこのように、普段の買い物などではカードを使用していなくても、電気代によるポイントを逃さないように注意しているほど。しかし一方で、電気料金削減の一環としてポイント還元をあてにしている人もいるのが事実。■「我慢する節約は辛いが、ポイント還元は努力しなくてもお得なので良いと思う」(20代・正社員)ポイントがもらえるのは嬉しいことですが、だからといって節約に対する意識が薄れてしまっては、結果的に支出が増えている可能性もあります。またクレジットカードを使用する上で気をつけるべきこととして、お金を使っているという感覚を忘れがち、ということが一般的にも言われます。当たり前に使っている電気の料金をクレジット払いにすることで、自分の家庭でどれくらいの電気を使っているかの把握がよりしづらくなる恐れもあります。前項のアンケートで少数派となった「コンビニ振込」をしている人の意見として、このようなものがありました。■「毎回、コンビニで支払いをすることで、料金や明細書を確認するようにしています」(30代・正社員)コンビニ振込では口座振替よりさらに、電気料金を“支払っている”と実感をせざるをえません。割引・ポイントも魅力的ですが、そもそも電気の使用量を抑えるという意識を高める上では、コンビニで「お金」を支払うことも時として効果的と言えます。とはいえ、クレジットカードによる支払いはやはり便利でお得。電気料金の支払い方法を検討する際は、どれがお得であるかだけでなく、それぞれの利点や自分の生活スタイル・お金に対する意識まで考えることが重要となります。4. 電気料金の支払いはココが悩みどころ…何気なく払いがちな電気料金。電気料金の支払いに関する悩みを聞いてみたところ、コンビニ振込などの方法で支払いをしている場合は、何かと面倒なこともあるようでした。■「コンビニ払いにしているのではがきが届くのですが、うっかり期日を忘れ過ぎてしまう事が多々あります」(30代・主婦)■「以前はコンビニに支払いにいっていたが、支払期限日忘れていて過ぎてしまうことがあったので口座振替にした。口座振替にしたら、それまでコンビニに行っていたのはすごい面倒だったなと感じた」(20代・パート)払い込み用紙を持ってコンビニに行くわけですが、コンビニは普段ちょっとした気持ちで寄ったり、外出先での用事で利用したりします。しっかり支払っている実感があるのは良いものの、用紙がなければ支払えませんので、場合によっては不便となってしまいます。またうっかり払い忘れることもあります。銀行口座の残高不足やカードが利用不可になっているような場合でも起こりえますが、督促状が来ていて慌てて支払ったという経験があるという人もいるかもしれません。そういう場合は、延滞金の発生や電気が止まるというのことないようにしっかり対応する必要があります。■「今は口座振替だが、クレジットにしようと思っているけど、手続きが面倒でそのままにしている」(40代・パート)■「クレジットカード払いに変更するときに、書類を作成するのが面倒でした。一度してしまうとそれっきりですが」(30代・個人事業主)電気料金に限ったことではありませんが、公共料金などの支払い方法を変更するのは意外に面倒。これが面倒で支払い方法を変更していないという人もいるほどです。自分に適した方法に変更しなければメリットもありませんので、最後までしっかり手続きしたいものです。■「クレジットでの引き落としにしているのですが、締め日によっては一度に2回分の引き落としがされている場合があり、家計簿がつけにくい上、一気に出費となるためです」(30代・主婦)■「クレジットカード払いにしているので、忘れた頃に支払いになるのが精神的に困る」(30代・主婦)こちらは、便利なはずのクレジット払いならではの悩み。支払い方法を変更した際も2ヶ月分の請求がまとまってしまう可能性もあります。また、夏や冬の高くなりがちな電気代が時間差で請求されて後からショックを受けたという人もおり、ポイント狙いでクレジット払いを選択する場合は、こういった点にも注意が必要です。5. 最適な支払い方法・電気の契約でお得な生活それぞれの支払い方法には良い点も気をつけるべき点もありましたが、最後に、電気料金の支払い全般について検討することで得られた成功談や注目すべきポイントについてまとめました。■クレジットカード払いへの変更■「口座振替からクレジット支払いにし、月100円分ポイントが付くようになりました」(30代・主婦)■「カード払いにしたらポイントがついたので、年間で1500円くらいの割安になりました」(40代・主婦)こちらはクレジットカード払いの導入による効果です。月に1万円の電気代を支払っている場合、1%の還元があるカードで支払いをすれば、単純計算で月に100円分のポイントが付きます。電気の無駄遣いはなくすべきですが、必ず支払わなければならないなら、これを逃す手はありません。■口座振替は月に50円割引■「口座振替割引を利用しているので毎月50円ほど安くなっています」(30代・主婦)多くの電力会社では、口座振替を利用することで月に税込み54円の割引となることがほとんど。(2017年4月現在)今まで特に気にしていなかった方は、この機会にチェックしてみることをオススメします。支払いが少ないのは良いことですが、実はお得になっているかもしれません。■契約の見直し■「アンペア数などいろいろ検討してみて、年間では恐らく2000円以上は減っていると思います」(50代・主婦)■「シュミレーションでは2万ほど安くなるということで、通常の電力供給社から新規参入している電力会社へ契約を変更しました」(40代・個人事業主)■「お得なセットサービスに変えたら年間約1000円弱安くなった」(40代・派遣社員)こちらは支払い方法に関してではありませんが、アンペア制の料金システムである電力会社であれば、アンペア数を変更することで電気代の基本料金から安くできる可能性があります。また近年の電力自由化により、他の料金とセットにすることによる割引や、お得なプランを提供している会社への変更が有効となることもあります。まとめ毎月支払わなければならない公共料金のひとつ、電気料金。クレジットカードによるポイント還元や口座振替による割引など、一度の支払いにおける得は小さなものです。しかしながら、毎月なくすことのできない支出であり、塵も積もれば山となるように、将来的には差が広がっていきます。電気代の削減には無駄遣いをなくすことがまずは不可欠ですが、それ以外で月々の負担を減らせる部分を見逃すのももったいないものです。それぞれの支払い方法についてしっかり理解した上で、場合によっては面倒くさがらずに変更すれば、電気料金の支払いが楽でお得になるかもしれません。アンケート期間:2017年3月24日対象:20代〜50代の専業主婦、正社員、派遣社員、パートアルバイト、経営者、個人事業主の方アンケート総数:50
2017年04月28日満を持してスタートしたかに見えた、家庭用電力の小売り完全自由化から、はや1年。しかし、ふたを開けてみれば、この1年弱で電力会社を切り替えた世帯は全国平均でわずか4.97%(電力広域的運営推進機関発表)。わかりにくさや不安感も背景にありそうだが、ポイント制などを考慮に入れず、純粋に電気料金のことだけを見れば、“年間の電気料金が10万円以上の世帯なら、切り替えたほうが得になる”という。 「電気の使用量が多いほど、切り替えたことでの節約効果は高くなります。その分岐点が、年間の電気代で約10万円。これを超える家庭なら、切り替えによって月1,000円以上、料金を安くすることが可能です」 こう話すのは、電力比較サイト「エネチェンジ」の巻口守男さん。そこで、40A契約500Wh使用を条件に東京電力管内と関西電力管内で、電気料金が安くなる新電力会社のプランベスト5を選んでもらった。 ■東京電力管内 【第1位】エルピオでんき「スタンダードプランS」・節約額(年間)1万5,061円【第2位】サニックスでんき「サニックスエコセーバー」・節約額(年間)1万4,395円【第3位】スマ電「どーんと!夜得ホームプラン」・節約額(年間)1万3,891円【第4位】中国電力「ぐっとずっと。プランシンプルコース」・節約額(年間)1万3,818円【第5位】水戸電力「定額プラン」・節約額(年間)1万2,727円 ■関西電力管内 【第1位】洸陽電機「生活フィットプラン」・節約額(年間)2万8,562円【第2位】スマ電「がっちり!夜得ホームプラン」・節約額(年間)2万8,085円【第3位】東京電力エナジーパートナー「プレミアムプラン」・節約額(年間)2万8,031円【第4位】Looopでんき「おうちプラン」・節約額(年間)2万2,535円【第5位】坊ちゃん電力「まいど坊ちゃんプラン」・節約額(年間)2万1,568円 なんと、東電管内でも年間最大1万5,000円以上、関西では3万円近く安くなるという、驚きの結果に!関西はもともと原発依存度が高く、東日本大震災後、電気料金が高騰したため、切り替えによる節約度合いが高いというが、ただ電力会社を変えるだけで、料金がこんなに下がるとは驚きだ。 また、年間の電気料金が10万円以下の世帯でも、切り替えによるメリットは享受できると、巻口さんは語る。 「この場合は、地方でガソリン使用量が多い家庭なら、石油会社が提供しているガソリン代が安くなるプランなど、ご自身の生活に根ざした付帯サービスのほうに着目しましょう」(巻口さん) いよいよ新年度もスタート。生活を見直すためにも、まずは一度シミュレーションをしてみては?
2017年03月31日夏と冬、年に2度もピークが到来する電気代。毎年節電に徹しているけれど、他の家庭のアイデアも参考にしたい!という声はあちらこちらから聞こえてきそうです。電気代節約の成功例も紹介していますので、ご家庭の生活スタイルに合った節約法を実践してみてくださいね。現代において電気がない暮らしは考えられませんが、電気代はできるだけ抑えたいもの。環境への配慮としても節電は重要ですが、具体的にどのような方法が手軽で効果的でしょうか?今回は家族がふたり以上の世帯に属する20〜40代の女性を対象に、電気代と節約に着目したアンケートを実施しました。毎月の電気代についてのリアルな数字から日々実践されている節約術まで、すぐにでも真似したい情報が見つかるかもしれません!■目次1.みんなはいくら払ってるの?気になるお隣さんの電気代2.ほとんどの女性が「電気代が高い!」と感じている3.快適ではあるけれど…。エアコンが電気代節約の大敵!4.主婦が実践する節約術5.電気代節約には〇〇が必須アイテム6.ズバリ聞きました!何をすればいくら安くなる?まとめ1.みんなはいくら払ってるの?気になるお隣さんの電気代1カ月あたりの電気代は、月によって大きく変動します。全国平均的に最も電気代が増えるのは冬場で、ふたり以上の世帯では1万円前後になります。電気代は冬だけでなく夏にも高額になりやすいため、多くの家庭では年に2度、「電気代が高い!」という季節がやってくるのです。ほとんどの家庭で夏と冬は電気代が高くなるとはいえ、その振れ幅や、1年を通してみた月あたりの電気代はライフスタイルによってさまざま。周りの家庭における電気代の平均を知ることで、「うちももっと安く出来るかも」という可能性も出てきます。まずは、アンケートを実施した50人が、普段どれくらいの電気代を支払っているのか見てみましょう。毎月の電気代として6,000円以上支払っている家庭が全体の8割。「10,000円以上」という世帯だけでも全体の26%を占めています。【10,000円以上】■「ペットがいるので無人でもエアコンがかかってると、1万円は超えてしまいます」(30代・専業主婦)■「家族3人暮らしですが、私が在宅で仕事をしていることと、夜型の夫、超朝型の息子が活動しているため1日20時間は電気をフルに使っている状態です」(30代・個人事業主)月の電気代が1万円を超える理由としては、ペットの健康維持や家族のライフスタイルなどにより、自宅の電気を使っている時間が長いという場合が多いようです。【8,000〜9,999円/6,000〜7,999円】■「春と秋は安くて、夏と冬は高いので、平均して1万円くらいだから」(30代・専業主婦)■「寒い時期や暑い時期にもよるが、だいたい平均するとこれくらいはかかる」(30代・専業主婦)■「お家を新築してオール電化にしたので団地住まいの時よりも高くなりました」(40代・パート)■「オール電化の我が家の電気代は、年間平均すると大体1万円弱なので」(30代・専業主婦)6,000円以上と回答した人の中には、夏・冬の高額な電気代が年間の平均を押し上げる、という意見を持つ人が多いことがわかりました。また、オール電化にすると電気代が平均1万円弱になる、という声もありました。2.ほとんどの女性が「電気代が高い!」と感じている自宅の「電気代が高い」と感じたことがあるかどうか尋ねたところ、50人中45人が「はい」と回答しました。■「クーラーを使用している時期は結構高いなと感じることが多いです」(30代・専業主婦)■「特に暑い時や寒い時は冷暖房を頻繁に利用するので驚くほど高く感じます」(40代・専業主婦)■「夏と冬はとても高いと感じます。3人家族で1万円は超えます。戸建てを購入してから、電気代が跳ね上がりました」(40代・専業主婦)■「冬場は2万円以上もかかり非常に高いと感じている、家計を圧迫している」(30代・専業主婦)■「真冬の電気代は1年で最も高く、1番低い月との差が1万円程あった」(30代・専業主婦)■「クーラーがないとまともに寝られないので、夏はつけっぱなしで電気代が跳ね上がる」(30代・正社員)特に、夏や冬の電気代が「高い」と感じる人が多いことがわかりました。ほとんどの地域において、春・秋は過ごしやすくても、夏・冬は冷暖房機器を使わずにいられません。最低限の使用にとどめたとしても、電気代が多少かさむのは仕方ないようです。3.快適ではあるけれど…。エアコンが電気代節約の大敵!50人中37人が、電気代が高くなる原因として「エアコン」を挙げました。一年中、部屋を快適に保ってくれる便利な家電ですが、使い過ぎには注意が必要です。■「夏と冬は特にエアコンをつける頻度が増えるので電気代が高くなります」(30代・専業主婦)■「夏も冬もエアコンのみなので、かなり電気代が上がります。でもないと生きていけないので、仕方ありません」(30代・専業主婦)■「真夏は健康管理のためにつけていますが、適切な使用であっても高いなと思います」(40代・専業主婦)■「断トツでエアコンだと思う。夏場と冬場だけ電気代が跳ね上がるので。他の電化製品は、年中使うので」(30代・パート)そのほか、「ヒーター」が原因という意見もありました。■「ヒーターを使った時が、一番高くついた。冬場はこたつが一番安いと実感した」(30代・専業主婦)■「床暖房と電気ヒーター。つい消し忘れてしまうので、そのぶん電気代がかさんでいると思います」(30代・パート)■「オイルヒーターを使っていたころ、電気代が2〜3万円かかっていました。使うのをやめてから電気代が安くなったので、原因はオイルヒーターだったのだと思いました」(40代・専業主婦)ヒーターの多くは部屋全体をすぐに暖めてくれるため、居住地域によってはほとんどの家庭で使用されている定番の暖房機器。しかし、電力消費が少ないと思ってヒーターを使うと、逆に電気代がかかってしまう可能性もあります。環境や生活スタイル、部屋の広さなどに合わせて適切な暖房機器を選択する必要がありそうです。4.主婦が実践する節約術エアコンやヒーターはもちろんのこと、家にある電化製品を使えば使うほど、電気代は増えていくものです。意識しなければ、電気代は節約できません。■「使ってない部屋の電気はこまめに消したり、あまり使わない家電はコンセントから抜いておくなどしている」(30代・専業主婦)■「小型家電(スマホの充電器、炊飯器など)は使い終わったらすぐにコンセントから抜く」(40代・専業主婦)電気代削減の一環として、多くの女性が「使わないコンセントを抜く」ということを実践していることがわかりました。こまめに電化製品のコンセントを抜いておくことで、待機電力を節約できます。■「エアコンの使用は最低限(温度設定は夏場30℃)。冬の暖房はこたつで、冷蔵庫は季節によって設定を変える」(40代・専業主婦)■「無駄な暖房は使わない。ユタンポや加湿に気を配り、エアコンに頼り過ぎない。部屋に洗濯物を干すだけで湿度が上がり、あたたかく感じることもできる」(30代・個人事業主)エアコンの温度設定を夏は高めに、冬は低めに設定する家庭も多いようでした。季節に応じて冷蔵庫の設定温度を変える工夫も、1年を通して稼働し続ける家電だからこそ有効です。暖房機器に関しては、他の家電や家族の生活スタイルも含めて工夫するのがポイントとなるようですね。■時間帯を選べば電気代が安くなる!■「電気代の設定が午後11時から午前8時までが安くなっているので、その間に洗濯やお湯を沸かしたり、できることをしています」(40代・専業主婦)■「夜11時から朝7時まで電気代が安いので、その間に食洗機や洗濯機を回すようにしています」(30代・派遣社員)■「最近、夜間10時から朝の8時が電気代が安い契約に切り替えました。夜10時になったら洗濯、朝の8時までは乾燥機を使用し、掃除機も夜10時にするようにしています」(40代・個人事業主)■「オール電化なので、できる限り、食洗器や洗濯物は、夜10時以降、朝8時までに済ませるようにしています」(30代・専業主婦)電気代が安くなる深夜から朝にかけての時間帯に家事をこなす、という回答が複数ありました。家族の行動時間はなかなか変えられませんが、家の中で家事時間をずらすだけで節約につながった、という声もありました。オール電化向けの電力プランやお得な夜間電力を活用できれば、電気代を抑えることができます。昼間は外で仕事をして帰宅後に家事をするという方も、夜間に家事をするメリットがあれば、いくらか気が楽になるかもしれませんね。5.電気代節約には〇〇が必須アイテム節約のためとはいえ、無駄はないかと常に気を張りながら生活するのはひと苦労。モチベーションが維持できずに挫折してしまっては、元も子もありません。そこで、実際に各家庭で利用している、電気代節約に役立つアイテムについて聞きました。■「LED」は環境にも家計にも優しい!■「便利グッズは使っていませんが、家の中の電気をほぼLEDに変えているくらいです。でも変える前より確実に電気代は減っています」(40代・個人事業主)■「家にある電球をすべてLED電球に交換して常に節電を心がけています」(40代・パート)■「LEDライトにすべて替えました。付けたり消したりで電気を無駄に消費しないので節約できている気がします」(40代・専業主婦)一度取り付ければ長い期間使用できる点や、消費電力が少なく済むことで人気を集めているLED電球。すでに取り入れて節約を試みている家庭は少なくないようです。■「節電タップ」もメジャーな節約グッズ■「たこ足配線をしていてもこまめに電気を切られるように、それぞれの機器でON/OFFできるタップのついた配線機器を使っています」(30代・専業主婦)■「延長コードにスイッチが付いているやつを使っている。常に使っていないコンセント(充電器とか)を毎回抜くのは面倒なので、使わない時はスイッチを切って節電しているようにしている。」(30代・パート)■「コンセントは、ひとつひとつにスイッチのついたタコ足を使っているので、使わない時は、プラグを抜かずともオフにできます」(40代・専業主婦)■「節電タップはマストアイテムです。いちいちコンセントから抜かなくてもぱちぱちするだけで大丈夫なので便利です」(40代個人事業主)「節電タップ」とは、コンセントごとにスイッチが付いている電源タップ(タコ足)のこと。スイッチひとつでコンセントを抜いた状態にしてくれるので、待機電力の節約に効果的です。毎日いくつものコードをコンセントから抜く手間を省いてくれますが、危険防止のため製品の電気容量は守りましょう。■消費電気量をこまめにチェックする機能■「パソコンで電気供給会社のホームページでオンタイム(1時間毎)の電気量がモニタリングができます。そのことで何が電気を使っているかを見直すことができるようになって便利だと感じています」(40代・個人事業主)■「小電力機器については、簡易で消費電力を測れるコンセントタップや、手元開閉スイッチがついたテーブルタップなどを使用し、こまめな切り替えを実施しています」(30代・専業主婦)気になった時に使用している電力量を確認できる機能があれば、使い方も調節することができます。日頃から自宅でどれくらいの電力を使っているかチェックしていれば、夏冬に「こんなに?」と驚く必要もなくなります。6.ズバリ聞きました!何をすればいくら安くなる?いろいろな節約方法がありますが、実践することでいくらの節約になるのか知りたい!とリアルな体験談を聞きたい人もいると思います。そんな声に応えるべく、節約に成功したという人に、その方法と結果を聞いてみました。■「すべての照明をLEDに取り替えたところ、1,700円前後電気代が下がりました」(40代・専業主婦)■「オール電化+太陽光に変えて毎月3,000円以上下がった。下がると嬉しくて節電に日々励んでます」(30代・個人事業主)■「先月の電気を3,000円ほど安くできました。エアコンをつけずに、電気ストーブで過ごしたら凄く節約できました」(40代・専業主婦)■「電気代の契約を変えたので、基本料金が1,000円くらい安くなり、安い時間帯に洗濯などをするようにしたので、合計で2,000円弱は節約できています」(40代・専業主婦)■「既存の電気会社から、新規参入してきた電気会社に切り替えたところ年間1万円程安くなりました」(40代・個人事業主)電気代の節約には日々の積み重ねも欠かせませんが、大きな変化を生むには設備や契約といった大元の部分も深く関わってきます。一時的に手間やコストがかかっても、長期的に見ると電気代の節約になるという場合も多いので、気になっている方はこの機会に見直してみるとよいでしょう。まとめエアコンなどの冷暖房機器の稼働時間が長くなる夏・冬は、電気代が増加するのが一般的。体調管理のためにも最低限の使用は避けられませんが、小さなアイデアの積み重ねによって節約を実現している家庭は少なくありません。また、LED電球や節電タップを取り入れる方法は、すでに多くの家庭で実践されています。これらは「電気代が高い」と感じている人がそれだけ多いという証拠でもあります。家族がふたり以上の世帯では、年々ライフスタイルが変わるもの。子どもの成長などで自宅滞在時間や電気の使い方が変わる時期には、電気の契約そのものを見直すというのも効果的です。しかし、節約は無理なく続けることがポイント。各家庭で実践されていた工夫を取り入れて、さらなる電気代の削減にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
2017年03月24日毎月の電気代、いくら支払っていますか?あまり比較などしたことはないため、気になりますよね。そこで今回は、お子さんがいる家庭の電気代について調査するべく、20〜50代の主婦にアンケートを実施しました。他の家庭の電気代や全国の平均値を知ることで、意外な節約方法が見えてくるかもしれません。家族が多いと一人暮らしよりも電気代が高くなることは容易に想像できますが、実際に他の家庭ではどれくらい電気代を支払っているのか、なかなか知る機会はありません。電気代の全国平均はどれくらいなのでしょう。また、季節による変動も気になります。今回はそんな電気代の実情を知るため、子持ち世帯を対象に電気代についてのアンケート調査を実施しました。夏や冬にかさみがちな電気代を節約する方法が見えてくるかもしれません!■目次1.全国平均をチェック!1世帯あたりの月間電気代2.高コストな季節はどっち?夏と冬の電気代を比べてみた3.電力消費量No.1はどの家電?4.普段から実践できる方法は?みんなの電気代節約術まとめ1. 全国平均をチェック!1世帯あたりの月間電気代今回アンケートを実施した女性が所属する世帯の人数について、先に確認しておきましょう。今回のアンケート回答者の多くは3人家族。子ども1人または2人いる家計が全体の約半数を占めています。厚生労働省によると、平成27年(2015年)の平均世帯人数は2.49人(*1)。当アンケートの平均は全国平均より1ポイント高くなっています。総務省統計局による全国のデータを見てみると、2015年度における2人以上の世帯の電気代は月間平均10,594円(*2)でした。また全国的に、毎年1〜3月に電気代への支出が高まる傾向にあるようです(*3)。それでは、これを踏まえて今回のアンケート結果を見ていきましょう。50人中17人の方が、1カ月あたり「8,000〜10,000円」の電気代を支払っていると回答。全体的に見ても、6,000円以上支払っている世帯がほとんどということがわかります。【10,000円以上】■「新築した時に、オール電化にしたので、毎月1万円以上かかります。特に夏と冬は暖房や冷房にも電気代はもっとかかります」(50代・専業主婦)■「我が家はオール電化の家なので、どうしても電気代がかかります」(40代・専業主婦)■「オール電化でガス代がないため電気代のみ払っています。なので毎月このくらいは払ってます」(50代・専業主婦)【8,000〜10,000円】■「夏と冬は1万円を超えますが、春と秋はかなり抑えられるので、平均だと8,000円くらいでしょうか。それにしても高いですけど」(40代・専業主婦)■「冬場は、2万円近くかかります。夏場は、7,000円ぐらいでおさまります」(40代パート・アルバイト)■「春と秋は安いぶん、夏と冬が高いので、平均して1万円くらいになります」(30代・専業主婦)【6,000〜8,000円】■「季節によってまったく違ってくる。冬は2万円ぐらいで、エアコンを使わない季節は5千円ぐらい」(50代・専業主婦)■「真夏と真冬で変動はありますが、平均して1カ月だいたい8,000円未満です」(40代・専業主婦)■「春と秋は安いが、冬が特に電気代が高くつくので、1年の平均額も上がってしまう」(30代・パート)【4,000〜6,000円】■「冬は6,000円を超えますが、春夏は節電して2,000円代に抑えているので平均は5,000円くらいです」(40代・専業主婦)■「以前は1万円以上かかっていましたが、子どもが大きくなって、夜寝ている時に暖房を付けなくなったら安くなりました」(40代・専業主婦)■「日中は太陽光発電を利用していて、夜間の安い電力でお湯を沸かしている」(30代・パート)【3,000円以下】■「夏冬のエアコンをかなり使う時期を除けば大体3,000円くらいです」(20代・専業主婦)■「共働きで平日は家にいる事がないのでそのぶん電気代を節約できていると思います」(50代・パート)全体を総合すると、・オール電化にすることで平均電気代が高くなる・夏と冬に電気代が上がるため平均も上がる・節電を心がけることで電気代は6,000円程度に収まるという意見があがりました。特に「夏と冬の電気代増加が負担」という点は、月間平均の大小に関わらず、多くの家庭が抱える悩みであることがわかりました。出典(*1):「I世帯数と世帯人員の状況」(厚生労働省)()出典(*2):「1世帯当たり1か月間の収入と支出」(総務省統計局)()出典(*3):「電気使用量の推移」(総務省統計局)()※いずれも2017年3月21日に利用2.高コストな季節はどっち?夏と冬の電気代を比べてみた実際のところ、電気代がかさむのは夏と冬のどちらなのでしょうか。まずは、アンケート結果を見てみましょう。「冬の方が高くなる」と感じている人が圧倒的に多いという結果になりました。【「冬」が高い】■「やはり冬のほうが電気代がかかります。特にヒーターは電気代が高いし、夏は冷房、除湿と切り替えられるからです」(40代・専業主婦)■「もちろん冬、コタツや電気カーペット、電気ストーブなど電気を使うことが多いので」(40代・専業主婦)■「暖房の時間が長いのだと思います。また日照時間も少ないので、電気もつけている時間が長くなるので」(40代・パート)■「冷え性なので夏はエアコンは使わない。冬はエアコンを使うのでかかる」(30代・専業主婦)【「夏」が高い】■「冬の暖房はエアコンよりもストーブがメインなので夏のクーラーに比べて電気代が冬のほうが抑えられます」(50代・パート)■「気密性の高いマンションに住んでいるので、夏はエアコンが必要だが、冬は暖かいのでエアコンが必要ない」(30代・専業主婦)■「エアコンを、冬は昼間ほとんど使用しないが、夏は一日中つけっぱなしなので」(50代・専業主婦)冬はエアコンだけでなく、こたつ・電気カーペットなど複数の暖房機器を使用することもあり、それによってさらに電気代が高くなりやすいようです。一方、冬場にエアコンをあまり使わず、灯油ヒーターを主に使用するような家庭では、夏の電気代が高くなる場合が多いことがわかりました。住んでいる地域によっても夏・冬の電気代には差が出てきます。そこで、全国平均の月間電気代(総務省統計局による)について、夏と冬ではどれくらい差があるのか調べました(*4)。下記表は、夏は7〜9月、冬は1〜3月と設定し、2人以上の世帯における月間平均電気代を示したものです。3カ月分の電気代を合計すると、夏と冬では1万円以上もの差があります。やはり全国的に見ても、電気代は冬が最も高くなることが一般的のようです。電気代が高くなりやすい、と感じている夏と冬でさえこれほどの差が出るのが現実。多くのアンケート回答にあったように、夏冬の高額な電気代が月間平均を押し上げているようですね。出典(*4):「2000年以降の時系列結果-二人以上の世帯(2016年のデータ)」(総務省統計局)()※2017年3月21日に利用3.電力消費量No.1はどの家電?次に、「何に電気を消費しているのか」について聞きました。これは電気代節約の手がかりとなります。■「エアコンです。我が家には居間と子ども部屋に、それぞれエアコンが設置してあります。この3台を稼動させると、電気代がグンと上昇します」(50代・専業主婦)■「エアコンは長時間使い続けるのでどうしても電気を食う。最近は熱中症の恐れもあるので、付けないのも難しい」(40代・専業主婦)■「床暖房かエアコンか、迷うところですが時間的には、エアコンのほうが多い気がします」(30代・専業主婦)■「ほぼ1日中つけっぱなしである。消し忘れたりして複数ついていることもある」(30代・専業主婦)このように、「エアコン」が最も電力を消費する原因と考える人が大多数。快適に過ごすためには欠かせない家電ですが、それだけ電気を使っている自覚があるのも事実です。家族が3人以上になると、エアコンも部屋ごとに設置している場合があります。それぞれの部屋でエアコンを使ってしまうと夏冬の電気代が跳ね上がってしまう、という回答が多くありました。エアコンに比べると心配する人は少数ですが、日照時間が短くなる冬場の照明や、IHコンロが電力を多く消費しているという回答も複数ありました。4.普段から実践できる方法は?みんなの電気代節約術一人暮らしでない限り、電気代節約には家族の協力が必要となります。しかし、エアコンが電力を消費するからと言って、無理にエアコンの使用制限をすると体調を崩してしまう可能性もあります。快適な生活を維持しつつ電気代を節約する術があれば、ぜひ取り入れていきたいものです。それでは、アンケートに回答した主婦たちがどんな節約方法を実践しているのか見てみましょう。■まずは「つけっぱなしにしない」心がけから■「基本的なことですが、使わない電気は切ることしかしていません」(30代・専業主婦)■「電気を小まめに消す習慣をすること。ひとつの部屋にみんなで集まり、同じテレビをみたりして過ごすこと。夜間の安い電力を利用すること」(40代・専業主婦)■「使わない部屋の電気は消す。冬は冷蔵庫を強冷にしない。テレビをつけっぱなしにしない」(50代・専業主婦)こまめな行動を続けることで無駄がなくなるとともに、節約への意識が強くなります。塵も積もれば山となる、という考えは、やはり節約の基本です。■暖房の利用方法を工夫■「家の中にいる家族が自分ひとりの時は極力エアコンはつけず、服や飲み物で温度調節をしています」(50代・専業主婦)■「冬は電気カーペットを使っていますが、人が少ない時は面積を半分だけオンにして、節電モードを使っています。それと、電気料金の設定で、午前8時まで安い時間帯なのでそれまでに、洗濯やお湯を沸かしたりしています」(40代・専業主婦)■「ひとりの時は暖房などを使わない。明るいうちにいろいろなことを済ませておく。深夜電力をフル活用する」(40代・パート)できるだけ家族みんなが同じ部屋で過ごす、という節約術は多くの家庭で実践されているようです。暖房器具の使用も減らせますし、リビングなどが家族団らんの場になるのも良い点です。家庭内でも保温水筒を使う方法や、より暖かい服装を着るように工夫するという方法も、暖房を使いすぎないコツとなります。■使わないコンセントを抜く■「している。使わない電化製品のコンセントを抜いて待機電力を減らしている」(20代・専業主婦)■「使わない電化製品はコンセントごと抜いたり、ブレーカーを落としてます」(20代・専業主婦)■「いらない、使わないコンセントは抜くようにしている。携帯の充電もしっぱなしじゃなくて、充電できたらコンセントを抜くようにしている」(30代・専業主婦)こちらも小さな努力ですが、待機電力をなくすことも節約には重要となります。抜き差しが面倒な場合は、節電タップなどを利用するのもありです。■その他のアイデア■「節電といえば、こまめに使わない電気は消す、コンセントからプラグを抜く、自宅の電球はすべてLEDに変えました」(50代・専業主婦)■「節電タップを使ってこまめに電気を切る、トースターなども使ったら根本からコンセントを抜いておく。湯沸しポットは、電気ですぐ沸く保温できないタイプに変えた」(40代・専業主婦)■「照明器具をリニューアルする時にはLEDのものにして、さらに人感センサーをつけて消し忘れを予防しています」(40代・専業主婦)LED電球を導入している家庭もあります。電球に限らず、「節電」「節約」に役立つエコな家電も多く登場しているので、そうした商品の助けを得るという方法も、無理なく節約を継続する秘訣かもしれません。ある程度の設備投資が、最終的にお得になることもあります。普段の家事の中にも節約ポイントはあるようで、炊飯器は保温機能を使わないようにしたり、洗濯のすすぎ機能を1回に設定したりしているようです。まとめ夏や冬はエアコンなどの冷暖房機器を使うため、電気代もかさみがち。全国平均・アンケートのどちらを見ても、特に冬期の電気代が跳ね上がる家庭が多いということがわかりました。日常生活はもちろん、快適な生活を送る上でも「電気」は必要不可欠です。しかし夏・冬は家族ならではの節約方法も実践でき、心がけや工夫しだいでは、電気代が思わぬ負担になる事態を防げます。まずは電気代の平均を知り、自分の家庭ではどんな節約法が有効か考えてみてくださいね。
2017年03月24日オール電化にした場合、効率的に電気を使えば、年間の光熱費は30,000円程度節約できます。ガス併用の場合と比べ、夜間のエネルギーコストが低い点と、基本料金が1つ分で済む点がポイントです。エコキュートや蓄熱暖房機の設定を適宜調節したり、IHクッキングヒーターの使い方を工夫したりして、電気料金を上手に節約しましょう。■オール電化にした場合の光熱費を試算!オール電化に対して、便利やお得といったイメージを持っている方は多く見られます。では、実際にオール電化にした場合、光熱費はどのくらいかかるのでしょうか。以下では導入費用とあわせてご紹介します。【オール電化にした場合の光熱費の変化】オール電化にした場合の光熱費は、ご家庭の電気使用量とガス使用量によって変化します。たとえば東京の住宅で、電気料金が月平均12,000円、ガス料金が月平均8,000円の場合、オール電化導入後の光熱費は月17,350円程度になると試算されます。年間で考えると、ガス併用の場合は240,000円、オール電化にした場合は208,280円ですから、約30,000円節約できる計算です。【オール電化の導入費用試算】オール電化を導入する際の費用について、製品ごとに試算してみましょう。まずキッチンをIHクッキングヒーターにするには、以下の費用がかかります。なお、費用の数字は目安です。■IHクッキングヒーター本体(3.0kW×2、ビルトイン型):130,000円~180,000円■設置工事費、ガスレンジ撤去費:85,000円合計:215,000円~265,000円次に急騰を電気で行うエコキュートを導入した場合は、以下の費用がかかります。■エコキュート本体(370Lタイプ):400,000円■基礎工事費:50,000円■エコキュート設置工事費:50,000円■水道関連工事費:150,000円■電気工事費:40,000円■ガス給湯器撤去費:12,000円■調整費、雑費:50,000円合計:750,000円さらに、蓄熱暖房機を導入した場合は以下の費用がかかります。■蓄熱暖房機本体(リビング15畳の場合):300,000円~350,000円■組立費:300,000円~350,000円■電気工事費:50,000円~120,000円■床、壁増強工事費:20,000円合計:670,000円~840,000円以上の3つを導入すると、合計で1,635,000円~1,855,000円程度かかる計算です。■オール電化とガス併用の場合の違いは?オール電化の場合とガス併用の場合では、光熱費はどのくらい差があるのでしょうか。以下で試算してみましょう。【エネルギーコストを比較】ガスと電気のエネルギーコストを、単位を統一して比較してみましょう。ガスで起こせる熱を電気で起こした場合にどのくらいの電力量が必要になるかを計算し、kWhに単位を統一して比べます。たとえばLPガスの発熱量は1立方メートル当たり24,000kcalで、この熱を電気で起こそうとすると27.907kWの電力が必要です。またLPガスの1立方メートルあたり価格は、2016年12月時点で543.52円(石油情報センター公表の一般小売価格「家庭用LPガス50立方メートル小売価格」全国平均額より算出)となっています。したがってLPガスにおける1kWhあたりの費用は「543.52円÷27.907kW≒19.5円」です。同様に都市ガスについても計算すると、都市ガス1kWhあたりのエネルギーコストは9.1円となります(都市ガスの価格は東京ガスにおける東京地区の一般契約料金(2017年3月検針分、月の使用量20立方メートルをこえ80立方メートルまでの料金単価)より算出。都市ガスの発熱量は1立方メートルあたり10,750kcalとして計算)。一方オール電化の電気料金単価については、ある電気事業者のオール電化用プランでは以下のようになっています。■昼間時間1kWhあたり25.33円■夜間時間1kWhあたり17.46円以上を見てみると、1kWhあたりのエネルギーコストだけ考えた場合は、都市ガスが効率的だとわかります。ただし、電気とガスを併用した場合は、基本料金が電気とガスそれぞれにかかる点に注意が必要です。これに対してオール電化の場合は基本料金が1つですむため、月々の電気料金で考えるとオール電化の方が安くつく場合があるといえるでしょう。【基本料金を比較】ガス併用の場合とオール電化の場合それぞれにかかる基本料金の合計を比較してみましょう。都市ガスの基本料金は、あるガス会社で月32立方メートル(全国平均使用量)利用した場合、1,036円です(2017年3月時点)。またLPガスの基本料金は平均で1,584円となっています(プロパンガス料金消費者協会「プロパンガス基本料金の平均と適正料金」2016年1月現在関東エリア)。電気についてはガスと併用の場合、ある電気事業者における契約種別「従量電灯」の30A契約(平均モデル)では月842.4円が基本料金です。オール電化の場合、ある電気事業者によるオール電化向けプランによると、一般的な契約容量6kVAの場合の基本料金は1,800円となっています。以上を踏まえると、ガス併用の場合とオール電化の場合の基本料金合計額は以下のとおりです。■都市ガスと電気併用:1878.4円■LPガスと電気併用:2426.4円■オール電化:1,800円これらの数字から、オール電化の基本料金がもっとも低く抑えられていることがわかります。先述した1kWhあたりのエネルギーコストも考えると、使い方によってはオール電化がもっとも安く光熱費を抑えられるといえるでしょう。■製品別!オール電化での節約アイディア!オール電化で光熱費を抑えられるかどうかは、製品の使い方にかかっています。使い方が適切でないと、予想以上に光熱費がかかってしまうこともあるため注意が必要です。以下では、エコキュート・IHクッキングヒーター・蓄熱暖房機の3つに分けて、オール電化の節約アイディアを製品別にご紹介しましょう。【エコキュート】エコキュートは、おもに設定を工夫することで電気代を節約できます。具体的にどのような工夫をするべきかについて、以下で詳しく見ていきましょう。■季節によってモードを切り替える季節によって設定を使い分けましょう。たとえば「省エネモード」は電気をもっとも節約できる設定ですが、冬はそのままにしておくと日中お湯が足りなくなり、沸き増しが必要になって、逆に多くの電気を使うことになってしまうこともあります。したがって、省エネモードだけでなく、季節ごとのお湯の使用量を適宜確認しながら、その都度モードを切り替えるようにしてください。■日中は休止モードに設定する日中お湯をあまり使わない日は「昼間休止モード」に設定しましょう。エコキュートはタンクの湯量が減ってくると、日中であっても自動で沸き増しをする機能が備わっています。「今日はこれ以上お湯を使わない」という日に沸き増ししてしまうのはもったいないですから、そうした場合は休止モードを活用してください。■ピークカット設定を活用するピークカット設定とは、日中の電気料金単価が高い時間帯には、お湯の残りが少なくなっても沸き増しをせず、電気を節約できる機能です。■追い炊きや自動保温を避けるお風呂のお湯を温めるときは、追い炊きや自動保温ではなく、できるだけ「高温足し湯」をしましょう。追い炊きや自動保温は、タンク内にあるお湯の熱を利用して、循環したお湯を温める方法です。適温で給湯されますが、熱量を利用した分、タンク内の熱が逃げてしまいます。一方、高温たし湯は、タンク内にある熱いお湯をそのまま足すため、お湯の熱を無駄なく利用できる点がメリットです。■不在中は休止モードに設定する数日間不在にする場合は休止モードを利用しましょう。指定した日数、沸き上げをしないように設定できます。■沸き上げの時間帯を調整する「夜間」の時間設定を確認しましょう。使っている電気料金プランの「夜間」時間とエコキュートの「夜間」時間が異なると、電気料金単価の高い時間帯に沸き上げしてしまう可能性があります。■熱効率が高くなる環境を整える熱効率が悪くならないよう、ヒートポンプの周りには物を置かないようにしましょう。【IHクッキングヒーター】IHクッキングヒーターの電気を節約する方法としては、以下のものが挙げられます。■火力を上手に調節する料理によって火力を調節しましょう。たとえば煮物は低めの温度、炒め物は高めの温度といった具合に出力を調整すれば、料理がおいしく仕上がるだけでなく節電にもなります。■お湯を多めに沸かすお湯を沸かすときは多めの量をまとめて沸かしましょう。沸かす水の量が2倍になっても、沸かす時間は2倍にはなりません。こまめに沸騰させるよりもまとめて沸騰させたほうが効率はよくなります。■料金単価の安い時間帯に使用するIHクッキングヒーターを使う時間帯を調整しましょう。たとえば長時間熱する必要のある煮物などは、電気料金単価の安い夜間や早朝などに調理するのがおすすめです。■鍋の水分をしっかりと取る鍋の底の水分をしっかりと拭いてからIHクッキングヒーターにかけましょう。鍋の底がぬれていると、その水分を蒸発させるために余分なエネルギーを使うことになってしまいます。■熱効率の良い調理方法を心がける調理方法を工夫しましょう。たとえばフタや落し蓋を使って熱効率をよくしたり、余熱を利用して保温調理したり、圧力鍋や無水鍋を使ったりしてみてください。これらの工夫をすることで、調理中の余分なエネルギーを節約できます。【蓄熱暖房機】蓄熱暖房機もエコキュート同様、設定を調節することで節電できます。具体的な設定方法について、以下で詳しく見ていきましょう。■蓄熱量を調整する蓄熱量を季節ごとに調節しましょう。寒い日に蓄熱量が足りなくなり、日中の電気料金単価が高い時間に追い焚きしてしまったり、逆に暖かい日に蓄熱しすぎて暑くなってしまったりすることのないようにします。なおシーズンセンサーが備わっている蓄熱暖房機については、蓄熱量の下限値や最大蓄熱時の外気温度を微調整できます。蓄熱開始時の外気温度も手動での調整が可能なので、積極的に活用してみましょう。■料金単価が安い時間帯に合わせて蓄電をする通電時間設定を確認しましょう。エコキュートの場合と同じように、夜間の電気料金単価が安い時間帯にあわせて蓄電するよう、時間を適切に設定してください。■必要がないときにファンを回さないファン付きタイプの蓄熱暖房機については、ファンは必要最低限だけ回すようにし、部屋が十分暖まっているときには切るようにしましょう。ファンを回すとその分熱が逃げてしまうため効率がよくありません。なかには、室温によってファンのオン/オフを自動で切り替えてくれたり、設定した時間帯だけファンを回すようにできたりするものもあります。また夜間に蓄熱する前には、ファンが止まっていることをしっかり確認しましょう。ファンが回ったまま通電すると、放熱してしまい蓄熱量が足りなくなることがあります。■不在中にファンをオフにする数日間不在にする際はファンやファンタイマーをオフにしておきましょう。無駄な放熱を防げます。ただし蓄熱暖房機そのものは停止させないよう注意してください。蓄熱暖房機本体の電源を切ってしまうと0%から蓄熱が必要になるため、多くの電気を使うことになってしまいます。蓄熱量を下げるなどして対応しましょう。■必要がない時期にはブレーカーごと落とす暖房の季節が終わったら、蓄熱暖房機のコンセントとブレーカーをオフにしましょう。ブレーカーが入ったままになっていると、気温の季節にも蓄熱されてしまうことがあります。また蓄熱量も最小に設定しておくほうが安全です。■まとめ今回はオール電化にした場合にかかる電気料金を、ガス併用の場合と比較してご紹介しました。いかがでしたか?オール電化は使い方のコツをつかめば光熱費を節約できます。今回ご紹介した節約方法も参考に、オール電化で省エネ生活を送ってみてください。
2017年03月08日電化製品を使っていなくてもコンセントに接続しているだけで消費される待機電力は、いわばムダな電力です。しかし、もちろんこのムダな電力にもお金はかかっています。そこで今回は、待機電力を削減して電気料金を削減する6つの効果的な方法をご紹介します。■待機電力って?電化製品が作動していなくても、コンセントにプラグを差し込んでいるだけで消費される電力のことを「待機時消費電力」、または「待機電力」といいます。待機電力とはその名の通り、次の作動を“待機している状態のときに消費する電力です。そのため、リモコン操作が必要な機器、受信・通信のために常に通電していなければならない機器、タイマー機能が付いており電源をオフにしても時間などが表示される機器など、常にスタンバイの状態を保つ必要がある電化製品で消費されています。待機電力は、私たちがより便利に電化製品を使えるように工夫された結果だともいるのですが、電化製品を使用しているわけでもないのに電気を使い続けているとすればこれほどムダな電力はないといわざるを得ません。しかしながら、省エネや節電の話になると頻繁に取り上げられるにもかかわらず、待機電力を節約しようという意識を持っている人はとても少ない印象です。その理由は、多くの人が「待機電力で使用する電力量なんてほんのちょっと。大した節約にはならないのでは?」と考えているからではないでしょうか?待機電力は家庭で消費している電力量の約5.1%を占めています。これを電気代に換算すると、4人世帯の場合では年間で約7,200円になります。4人世帯の1ヶ月にかかる電気代の平均が約12,000円なので、待機電力をすべてカットできればおよそ半月分以上の電気代を節約できることになるのです。このように考えると「たかが待機電力、されど待機電力」であり、待機電力のカットによって節約できる金額も、なかなかバカにならないと感じるのではないでしょうか?以下では、待機電力を節約する効果的な方法をご紹介していきます。「もったいない!」と感じた方はぜひ実践してみてください。■待機電力の効果的な節約方法5つ【方法1】待機電力量が大きい家電製品を把握する待機電力を節約するといっても、家の中に数ある電化製品すべてに節電対策を行うのは大変面倒ですし、継続して行うことも難しくなります。また、電化製品の中には、機器の特性としてこまめな電源のオンオフが適切でないものもあります。そこでまずは待機電力を大きく消費する家電製品、または待機電力を小さくしやすい電化製品を知り、それらに焦点を当てて待機電力量を見直していくのが有効です。いくつかの気になる電化製品だけでも節約対策するだけで、待機電力の大幅カットにつなげることができるでしょう。以下にランキング形式で待機電力が大きな家電製品をご紹介しますので参考にしてみてください。ちなみに、各電化製品のワット数(W)はそれぞれの待機電力を示しています。つまり、その数値にプラグをコンセントにつないでいた時間を掛けることで、待機電力による電力消費量が算出できます。1位:【モデムやホームゲートウェイ機器類】(7.34W)ほとんどの人がスマホやパソコンを所有している現代では、多くのご家庭でモデムなどのネット回線に関わる通信機器は生活に欠かせないものとなっています。しかし、通信機器類は精密機器でもあるため、こまめな電源のオンオフが機械の故障につながる可能性もあります。そのため、回線を使っていないときでも常に主電源をオンにする必要があり、必然的に待機電力が大きくなってしまいます。2位:【ガス瞬間湯沸かし器】(7.05W)ガス瞬間湯沸かし器はガスで瞬間的に水を加熱し、蛇口からお湯が出るようにするための電化製品です。「ガスを使ってお湯を沸かしているのに電力が必要なの?」と疑問に思うかもしれません。しかし蛇口をひねったときの水の流れをセンサーで感知し、水を設定温度に温められるようガスの量を調節し、水圧を制御して水量を一定に保つといった一連の細かな動作はすべて電気によって行われているのです。蛇口をひねればいつでも数秒で適切な温度のお湯が流れてくることを考えると、電源が入っているときには常にスタンバイの状態であり、多くの待機電力を消費していることが想像できます。3位:【ガス給湯器付き風呂がま】(6.65W)ガスを利用していることで盲点になりがちですが、ガス給湯器付きの風呂がまも瞬間湯沸かし器と同様、待機電力が大きい家電の筆頭です。ガス給湯器の場合は、夏場であれば入浴時以外に使う必要があることはほとんどありません。もちろん冬場でも、使わないときは電源をオフにすることを習慣づけましょう。待機電力に加えてガス代の節約にもつなげることができますよ。4位:【パソコンネットワーク機器】(5.92W)パソコンネットワーク機器には、ルーターやコンバータなどが含まれます。こちらもモデムなどと同じく電源を落とすことが適切でない場合が多いため、待機電力量を抑えにくい電化製品だといます。5位:【FAX】(3.43W)FAXには専用機のほか、FAX機能付き電話も含まれます。FAXは電源が入っていれば常に受信待ちの状態であるため、待機電力を大きく消費する電化製品の1つです。データの送受信などは、現在ではパソコンなどを通じて行う場合も多いでしょうから、ほとんど使っていないならば思い切ってコンセントからプラグを抜いてもよいかもしれません。6位:【固定電話】(2.46W)家庭に設置している固定電話も、FAXと同様の理由から常に受信待ちの状態を維持する必要があり、待機電力は比較的高くなっています。ご家族全員がそれぞれにスマホや携帯電話を所有しているならば、設置の必要があるかも一度検討してみるとよいでしょう。7位:【温水洗浄便座】(2.21W)エアコンやテレビ以上と意外にも大きな待機電力を消費しているのが、温水洗浄便座です。夏場など便座や温水の温度がそれほど気にならなければ、プラグを抜いて待機電力を節約することも可能です。8位:【ミニコンポなどのオーディオ機器類】(1.91W)AV機器は以前から待機電力が大きな電化製品として知られています。もちろん、製品性能の向上により数年前に比べて待機電力量が飛躍的に小さくなっていることも事実ですが、オーディオ機器の場合は、タイマー機能などの必要性がなければ使わないときはプラグから抜いてしまうことをおすすめします。9位:【DVDレコーダー】(1.77W)AV機器の中でもDVDレコーダーやテレビなどの場合は、実はプラグを抜いてしまうことでかえって消費電力が大きくなる可能性があります。プラグを抜くと、それまで機器に記録されていたさまざまな情報が一度リセットされてしまうことになります。そのため、いざ使おうとしてプラグをつなぎ電源を入れると、失った情報をもう一度ダウンロードしなければならなくなるのです。このときかなり大きな電力を消費してしまうため、あまりこまめにプラグを抜いてしまうと、削減できる待機電力よりも電源を入れた際に消費する電力のほうが大きくなってしまいます。DVDレコーダーなどの場合は、製品に省エネ機能などがあれば積極的に活用していき、プラグを抜くのは長期間家を空けるときなどに限定するほうが無難です。10位:【冷暖房兼用のエアコン】(1.74W)以前は待機電力量の上位にランクインしていたエアコンですが、近年の製品は性能がよく、他の電化製品に比べて比較的待機電力が小さくなっています。とはいえ、エアコンは春・秋の時期など使わない期間も長い家電製品ですから、長期間使用しないときにはプラグを抜いて待機電力の節約に努めましょう。エアコンと同じく、以前は待機電力量が大きいと考えられていたテレビはランク外。エアコンに続く11位で、待機電力は1.66Wになります。テレビも現在では機能性が向上しており、以前ほど待機電力を消費しないようになっています。一方で、従来通り待機電力が大きい電化製品が給湯機器です。給湯機器は通信機器とは違ってこまめに電源をオンオフすることもできるため、とにかく「使わないときは電源オフ!」を徹底していくことが、待機電力節約の大きなポイントになります。【方法2】主電源をオフにする特にテレビなどのリモコン操作をともなう電化製品は、リモコン操作でスイッチを切ってもスタンバイの状態になっているので、より大きな待機電力を消費します。使わないときは主電源からオフにすることをクセづけましょう。これだけで、待機電力量の約33%を節約することができます。【方法3】コンセントからプラグを抜くある期間しか使わない電化製品(エアコンなど)、こまめにプラグを抜いても機械そのものの機能性に問題がない電化製品(洗濯機など)はプラグを抜いてしまいましょう。プラグとコンセントがつながっていなければ通電することはないため、待機電力は0になります。電化製品を使っていないときだけでもプラグを抜いておくだけで、待機電力の約49%を節約することが可能です。ただしプラグを抜く際には、製品の機能性に影響を及ぼさないかを考慮するのが重要なポイントです。先ほどネット関連の通信機器やDVDレコーダーなどのAV機器にプラグを抜く節電方法が向かないことはご説明しましたが、もう1つ注意してほしい電化製品にエアコンがあります。オフシーズンにプラグを抜いておくことはもちろん待機電力の節電対策として効果的です。しかし、あまりこまめに抜いたりさしたりを繰り返すと、エアコンが故障する可能性があります。特に気をつけるべきは、コンセントにプラグをさした直後です。このときすぐに運転をはじめてしまうとエアコン内部の空気の循環が滞り、エアコンが傷つくおそれがあります。コンセントにプラグをさしてから数時間は、エアコンを使用しないようにしましょう。【方法4】節電タップを効果的に活用する待機電力の節約といえば、多くの人が思い浮かべるのが節電タップではないでしょうか?ひとつひとつの電化製品のプラグをいちいち抜く手間が省けるので、取り組みやすく続けやすい節電対策としてもおすすめできます。しかしながら、節電タップを取り入れることでいったいどれほどの節約効果があるのでしょうか?家庭にある主要家電6つを節電タップにつなぎ、就寝時間などを利用して1日8時間スイッチをオフにしたとすると、年間では1,000円以上もの節約になるそう。一方で、スイッチランプをつけたままにしていた場合に6つの節電タップが消費する電力は、年間約136円になります。この金額を考慮しても十分な節電効果が見込めることが分かりますね。【方法5】長期間家を空けるときはブレーカーを落とすもっとも手っ取り早く待機電力の節電効果も高いのが、すべての電化製品の大元となるブレーカーを落としてしまうこと。もちろん、冷蔵庫など常に運転している必要がある部分まで電源を落とすのでは生活に支障が出るので、必要な部屋のブレーカーを落とすだけでOK。出張や旅行などで長期間家を空けてしまう場合は、安全性を確認したうえで実行してみてください。■省エネ家電に買い替えてみようここまで待機電力を効果的に節約するための5つの方法をご紹介していきましたが、実はもっとも待機電力の節約効果が高いといえるのは、現在使っている家電製品そのものを省エネ家電に切り替えることです。さまざまな家電製品の機能は年々向上し、それにともなって待機電力を削減する仕組みも優れたものになっています。たとえばオートオフ機能。一定時間が経つと自動的に電源が落ちる仕組みになっており、待機電力を最小限に抑えることができます。また、DVDレコーダーなどでは表示オフ機能で省エネできるものもあり、プラグを抜くことで設定が毎回リセットされるといった煩わしさもなくなります。もちろん初期投資は必要ですが、省エネ家電に切り替えることで待機電力だけでなく、消費電力全体を抑えることができます。長い目で考えれば、結局は電気代の節約になることも少なくありません。先ほどご紹介したランキング上位の家電を1つでも省エネのものに切り替えるだけで、大きな節約効果が期待できます。ぜひ検討してみてください。■まとめいかがでしたか?今回は消費電力の中でも特に待機電力について取り上げ、効果的に電気代を節約する方法をご紹介しました。何か1つでもできることからはじめてみて、待機電力の削減、そして電気料金の節約につなげていただければと思います。
2017年03月01日電力自由化により、私たちにとって身近なものになりつつあるスマートメーター。2020年代にはすべての家庭へ設置されることが予定されています。今回はそんなスマートメーターについて、導入のメリットやデメリットなどを解説していきます。■スマートメーターってどんなもの?スマートメーターは電力の自由化にともなって導入が進められている電力量計測器で、いわゆる電気メーターの1つです。スマートメーターの導入以前には2つのタイプの電気メーターを用いていたのですが、これら従来の電気メーターとスマートメーターにはどのような違いがあるのでしょうか?【従来の電気メーターとの違い】電気メーターの種類の1つに、アナログ式誘導型電力量計があります。機械式でメーター内部に円盤が組み込まれていることが特徴です。電力を使用すると電源からメーター内部にも電力が届き、円盤が回転します。円盤の回転数は電力の使用量と連動しているので、回転数を確認すれば電力の使用量を計測することができます。また、電子式電力量計と呼ばれるタイプもあります。メーター内部に電子回路を組み込んだ電気メーターで、オール電化を採用しているご家庭で多く利用されています。アナログ式のようにコイルや円盤、ギアなどはなく内部がすべて半導体で構成されています。より正確に計測できる、計測した電力使用量を複数表示できる、時間帯ごとの電力使用量を記録できる、といったアナログ式にはないメリットがあります。スマートメーターとは、分かりやすくいえば電子式電力量計に通信機能が付加された電気メーターです。しかしながら、30分単位で使用電力量を計測できるほか、電力会社とネットワークでつながっているため遠隔操作も可能であり、電子式電力量計に比べて格段に充実した機能が備わっているといえます。【HEMSとの違い】HEMS(ヘムス)は、より正確には「ホームエネルギーマネジメントシステム」といいます。HEMSはスマートメーターと仕組みがよく似ているので、ここで2つの違いに触れておきます。HEMSとはご自宅のありとあらゆる電化製品を、ネットワークにつないで管理するシステムです。30分単位で電力の使用量を計測・記録してくれる点はスマートメーターと同じですが、スマートメーターが計測するのは家庭全体の消費電力であるのに対し、HEMSはひとつひとつの電化製品の消費電力を計測することができます。つまり、ご家庭にHEMSを導入すると「ある時間帯にどの電化製品がどれだけの電力を消費していたか」をこまかく知ることができるのです。また、スマートフォンと連動させることにより、エアコンなどのオンオフを遠隔操作で行うことが可能になります。さらにより機能性の高いものでは、それぞれの電化製品を自動制御し、消費電力を一定に保つことができるものもあります。スマートメーターはご家庭と電力会社をつなぐもの、HEMSは電化製品全体のまとめ役、と考えれば理解しやすいかもしれません。将来的には、スマートメーターとHEMSを連動させることが期待されています。たとえば、スマートメーターが電力の使用状況を電力会社に送信し、電力会社はその情報に基づいた最適な電気料金プランを提供します。そして契約している電気料金プランに沿って、HEMSが電化製品の稼働状態を管理していくといったことが可能になるのです。■設置や交換にはどれくらいの費用がかかるの?【導入に費用はかからない】電気メーターは各家庭に備え付けられていることから、使用者のものだと思っている方も多いかもしれません。しかし実は、電気メーターは電力会社が所有しているものです。そのため、スマートメーターを含むすべての電気メーターは無料で設置や交換ができます。ただし、外壁不良などがあったときはスマートメーターの設置や交換の際に、ご自宅の修繕工事などが必要になることがあります。その場合は、工事費用は消費者が負担することになるので注意が必要です。【導入までの流れ】スマートメーターの設置や交換は基本的に、家を建てる、引っ越しをする、電力会社を切り替えるなどのタイミングで行われます。電力会社を切り替える場合は、新たに契約する電力会社に申し込みをした後に地域の電力会社(「一般電気事業者」と呼ばれる、東京電力など各地域の電力会社のこと)が日程を調整のうえ設置や交換を行ってくれます。家を建てたり引っ越しをしたりする予定がなく、引き続き地域の電力会社から電力の供給を受ける場合は、既存の電気メーターが10年の耐用年数を迎えたタイミングでスマートメーターへ切り替えることになります。スマートメーターの導入といっても、電気メーターを変更するだけで電線を引き直すといったことはないので工事は短時間で済みますし、原則として立ち合いの必要もありません。基本的には停電となることもありませんが、場合によっては電源を落として工事をすることもあるため、IT機器などをお持ちの方は事前に確認しておきましょう。■どんなメリットやデメリットがあるの?【メリット1】使用電力量の「見える化」で節電現在使っている電化製品を省エネ性能が高いものに買い替えたり、電化製品の使い方を見直したり、電気の代わりにガスや石油を使う製品に移行したりなど、ご家庭で実践できる節電対策はたくさんあります。しかし、これまでは電力会社から毎月送られてくる使用電力量の変動を見るくらいしか節電対策の効果を知る術がなかったのです。スマートメーターを導入すれば、電力の使用量を数値として確認することができ、より効果的な節電対策が行えるようになります。もちろん、スマートメーターだけではひとつひとつの電化製品の使用電力量まで計測することはできません。しかし、30分単位という比較的短い時間で記録されるのでこまかくチェックしていけば、「どの電化製品の消費電力が大きいか」といったこともある程度把握することができるでしょう。【メリット2】ライフスタイルと電気料金プランの適合30分単位で記録された消費電力のデータを管理・分析していけば、どの時間帯にもっとも多くの電力を消費しているのかが分かります。そのため、夜間が安いプラン、早朝が安いプラン、土日が安いプランなどライフスタイルに合わせて最適な料金プランに変更し、効果的に電気代の節約につなげることが可能です。また、それぞれのご家庭でライフスタイルに適した電気の使い方を考えることは、結果としてピークシフト(電力の使用量がピークとなる時間帯を、別の時間帯や曜日に移行すること)にもつながります。そのため電力の需要と供給のバランスが安定し、停電の発生を最小限に抑えることもできます。【メリット3】人件費の削減従来の電気メーターでは、電力使用量を人の目でチェックする必要がありました。現代で電気をまったく使わないご家庭はほとんど0に等しいので、月に一度検針のために必要になる人件費も莫大なものになります。一方で、使用した電力量が電力会社に自動で送信されるスマートメーターでは検針の必要はありません。将来的には、削減された人件費が電気料金の割引に還元される可能性もあるかもしれませんね。【メリット4】契約変更や手続きの簡略化各家庭のスマートメーターは電力会社とネットワークでつながっているため、遠隔操作が可能です。そのため、契約アンペア数の変更や引っ越しによる契約手続きの際にも、わざわざ電力会社の担当者に出向いてもらう必要はありません。これにより立ち合いなどの手間と時間が短縮され、契約の変更や諸手続きは今よりずっと簡単になります。【メリット5】メーターの精度や耐久性の向上従来の電気メーター、特にコイルやギアなどを用いた機械式のアナログ式誘導型電力量計は、経年劣化により計測の精度が低下することが分かっています。そのため、10年の耐用年数が設けられ、10年ごとにメーターの交換が行われていました。一方でスマートメーターに使われている半導体シリコンは、熱に強く故障率も低いといわれています。そのため、従来の電気メーターよりも耐久性が増し、計測の精度も向上すると考えられます。【デメリット】消費者のプライバシーが侵される危険性現代では日常生活において電気が果たす役割は大きく、こまかな時間帯での消費電力の状況は、家庭内でのライフスタイルに直結するといっても過言ではありません。スマートメーターでは、30分ごとの使用電力量がデータとして逐一電力会社に送信されます。そのため、通信環境や電力会社のデータ管理の方法によっては、個々人が意図しないところで個人情報が外部に漏れたり、プライバシーが侵害されたりする可能性も否定できないのです。この点については国もスマートメーター導入における課題の1つとして認識しており、対策についての協議が進められています。■すべての家庭に設置されるって本当?【スマートメーターの導入は国が進める施策】スマートメーターは、実は設置したい人が設置すればいいというものではありません。スマートメーターの導入は、2014年に国が策定した「エネルギー基本計画」の一部として考えられたものです。2020年代にはすべての家庭に導入されることが予定されており、現在も全国10ヶ所の一般電気事業者によって、各家庭への設置が進められています。【導入の背景】国の施策としてスマートメーターの導入を進める背景には、2011年に起こった東日本大震災の影響があります。地震や津波により福島第一原子力発電所が大きなダメージを受けたことは記憶に新しいかと思いますが、その余波で全国各地のほとんどの原子力発電所は現在運転停止の状態です。これにより電力不足が深刻な問題となっているのです。電力不足を解消するには、電力量の供給を増やすよりも全体的な需要を減らすほうが効率的です。そこでスマートメーターを導入し、消費電力量を可視化することで、個々に節電の意識を高めてもらおうという狙いがあります。また、東日本大震災以降は火力発電への依存が高まっており、電力の供給コストが膨らんでいることも大きな問題となっています。国内の供給電力のうち、化石燃料である天然ガス、石油、石炭を利用した火力発電の割合は約87%(2013年現在)に及びます。一方で、国内でまかなえているエネルギー資源はたった6%であり、発電に必要なエネルギー資源のほとんどは国外からの輸入に依存しているのが現状です。そこで注目されているのが再生可能エネルギーです。代表的なものは風力や太陽光などで、これらは一度資源として利用しても比較的短い時間で再度生み出すことができます。つまり、半永久的に枯渇することがない点で、エネルギー資源として大きなメリットがあるといえます。しかし、これらのエネルギー資源には、天候によって電力の供給が左右されてしまうデメリットもあります。そこで電力の供給量が不安定になった場合でも問題なく電力を届けることができるように、需要と供給のバランスを維持することが重要なポイントになります。国はスマートメーターの導入に加えて、2030年には各家庭にHEMSを導入することも目標として掲げています。これにより、将来的には各家庭の生活状況に沿った、適切な時間帯別の料金プラン提供することができるようになります。消費電力のピーク時間帯を分散させることができれば、電力の需要と供給のバランスの維持が可能になるでしょう。【導入の現状】現在、スマートメーターの導入は全国10社の一般電気事業者によって本格的に進められています。2020年代の導入完了が目標として掲げられていますが、より具体的には東京電力で2020年度末、中部電力と関西電力で2022年度末、沖縄電力で2024年度末、それ以外の6つの電力会社で2023年度末の完了を予定しています。しかしながら、2016年3月時点で東京電力ではすでに約10万件の遅れが出ています。また、電力会社が負担している年間300億円にも上る設置費用について、今後どのように対応していくか、導入完了後に各家庭の個人情報をどのように管理していくか、といった課題も見えてきています。■まとめいかがでしたか?スマートメーターの導入は、今後の私たちの生活に密接に関わってきます。導入によるメリットだけでなく、導入にいたった背景にさまざまな問題があることを知り、ひとりひとりが「限りある資源を大切にしながら、生活の質を向上していく」ことを意識していきましょう。
2017年03月01日毎月の電気料金の支払い方法はいくつかありますが、なんとなく選んでいる人も多いのではないでしょうか。実は電気料金の支払いは、方法を選ぶことで今よりも安く抑えられる可能性があります。そこで今回は、どういう場合にどのような支払い方法がお得なのかについて詳しくご紹介していきましょう。■電気料金の支払い方法を見直すメリット電気料金などの公共料金の支払いは毎月あるため、月々の支払い額がたった10円違うだけでも、その状態が1年間続くと120円の差になります。何年も払い続けることを考えれば、「塵も積もれば山となる」の言葉通りそれなりの額を節約できることになるのです。公共料金の中でも電気料金は支払い額が大きくなりがちですから、できる限り安くなる方法を選びたいものです。また、電気料金には支払い期日が定められていて、遅れるとペナルティが課せられるため、より確実に期限内に支払うことができる支払い方法を選ぶのが得策と言えます。電力自由化の前から存在する大手電力会社10社を例として説明すると、支払い期限は検針日の翌日から30日目となっており、支払い期限を過ぎると年利10%の延滞利息が請求されてしまいます。これは1日あたりに直すと約0.03%にあたる数字です。電力会社によっては期限から10日間に限り延滞利息を猶予してくれるところもありますが、いずれにしても毎月欠かさず期日までに支払うというのが節約するための鉄則と言えるでしょう。ちなみに大手10社のうち、例外として中国電力は現在早遅収料金制度となっていますが、平成29年4月から他の電力会社と同様の延滞利息制度に移行する予定とされています。早遅収料金制度では、検針日の翌日から20日間を早収期間としてその期間の支払いには早収料金が適用され、その後の支払いには早収料金に3%を加えた額が適用されます。このようにうっかり支払い期限を過ぎてしまうと、お金を余分に支払わなければなりません。確実に支払うためにも、支払いの手間が少ない方法を選ぶとよいでしょう。支払い方法の変更は少し時間がかかる場合もありますが、一般的には簡単な手続きだけでできます。詳しくは後半にご紹介します。■電気料金の支払い方法は3つ大手電力会社10社の電気料金の支払い方法は、振込用紙による支払い、口座振替、クレジットカードの3種類に分けられます。【振込用紙による支払い】毎月所定の振込用紙が送られてくるので、それを使って銀行やコンビニなどで支払います。支払いができるコンビニは振込用紙の裏面に記載されています。バーコード付きの振込用紙であれば郵便局でも支払いが可能であり、コンビニの場合は土日祝日も含めていつでも支払うことができます。なお、手数料は無料です。ただし、振込用紙による支払いの場合は支払い期日までに支払いに行かなければならず、万が一遅れると振込用紙が使えなくなってしまう場合がある他、延滞利息が加算されたり、送電が止められてしまったりするので注意が必要です。【口座振替】あらかじめ指定した預金口座から、電気料金が毎月自動的に引き落とされます。口座の残金に注意していれば、支払いをうっかり忘れてしまう恐れがなく安心です。また、電力会社によっては口座振替割引サービスがあるため節約になります。【クレジットカード】クレジットカード会社が電気料金を立て替えて支払い、その分がカード利用代金として後から請求されます。こちらも口座振替と同様に、うっかり支払いを忘れる心配がないという利点があります。また、クレジットカードによっては利用金額に応じてポイントが貯まり、そのポイントをギフト券や各種景品の他、マイルや電子マネーなどに交換できる場合もありとてもお得です。大手電力会社10社で電気料金の支払いに使えるカードは、三井住友VISAカード、JCBカード、DCカード、セゾンカードなどをはじめ、各社十数種類から二十数種類あるため、多くの選択肢の中から自分に合ったカードを選ぶことができます。クレジットカードをこれから作る場合や、クレジットカードを複数持っている場合には、還元率の高いものやポイントが貯まりやすいものを選ぶとよいでしょう。また、電気料金に直接関わる特典がなくても、「普段行くスーパーの割引券がもらえる」「よく使うインターネットショッピングサイトでポイントがよく貯まる」など、自分のライフスタイルに合ったカードを選ぶというのもひとつの賢い方法と言えます。以上3つの支払い方法のほかに、一時的なクレジットカード決済が可能な電力会社もあります。例えば関西電力では、振込用紙を失くしたり、振込用紙の支払い期限が過ぎてしまっていたりする場合に、一時的にクレジットカードで支払うことができる「ワンショットクレジットカード決済」というサービスが用意されています。これは、関西電力のウェブサイトにある「ワンショットクレジットカード決済専用フォーム」から支払うものであり、振込用紙に記載されている11桁と4桁の数字が必要になります。振込用紙を失くしてしまって数字がわからない場合には、関西電力に電話で問い合わせると発行してくれます。この手続きをする際に、クレジットカードによる支払いへの変更手続きも同時に行うことができます。東京電力でも、「クレジットカード一時払い」というサービスを提供しています。このサービスは、カスタマーセンターに電話をして手続きを行います。クレジットカード情報の登録は、携帯電話のSMS(ショートメールサービス)に送られてくる受付画面のURLにアクセスして入力する方法と、電話の自動音声ガイダンスに従って入力する方法があります。このサービスを利用すると、次回以降も登録したクレジットカードから支払うことになります。なお、電力自由化後の新規電気事業者の場合は、クレジットカード払い一択のところが多くなっています。■自分にとって一番お得な支払い方法の選び方では、どの支払い方法が一番お得なのでしょうか。まず押さえておきたいのが、振込用紙による支払いには、特に大きなメリットがないというポイントです。それどころか、先述のように支払いをうっかり忘れてしまうと電気料金に延滞利息が加算されてしまうというリスクがあります。もともとの支払い額が大きい場合には、延滞利息による額も大きくなってしまうため特に注意が必要です。つまり、お得な支払い方法は口座振替かクレジットカード決済のどちらかということになります。次に、口座振替とクレジットカード決済についてそれぞれ見てみましょう。口座振替のメリットとしてチェックしておきたいのは口座振替割引です。大手電力会社10社の中では、北海道電力、東北電力、沖縄電力を除く7社で提供されているサービスであり、口座振替による支払いを選択すると毎月54円の口座振替割引が適用されます。指定口座にお金が入っておらず引き落とせなかった場合には適用されないため、残高には注意しておく必要がありますが、支払いを忘れる心配が少ないばかりでなく、1年で合計648円も安くなるというのは、節約の面でも良い方法だと言えるでしょう。一方クレジットカードには、利用額に応じてポイントが貯まるものが多くあります。ポイントの貯まりやすさはカードによってさまざまであり、100円につき1ポイントが加算されるものを還元率1%と表現しますが、還元率は大体0.5%~1.5%が一般的です。ポイント5倍キャンペーンがあったり、公共料金の支払い手続きをすると年会費が無料になったりといろいろな特典が付いているものも多いので、カードの選び方も節約に大きく関わってくると言えます。以上の情報から考えると、口座振替割引がない電力会社の場合はクレジットカード支払いが良いでしょう。口座振替割引がある場合は口座振替を選ぶと割引額54円分安くなり、クレジットカード支払いでは電気料金額にカードの還元率をかけた分がポイントとして返ってくるということになります。つまり、口座振替とクレジットカードのどちらがお得かは、月々の電気料金額とカードの還元率によって異なるというわけです。以下で詳しく見てみましょう。【クレジットカードの還元率が0.5%の場合】例えば電気料金が10,000円だとするとポイントは10,000×0.005=50ポイントとなり、口座振替割引の方がお得です。電気料金が10,800円以上であれば54ポイント以上貯まることになるので、クレジットカード支払いを選んだほうが節約できるということになります。【クレジットカードの還元率が1%の場合】54ポイント以上貯まるのは、電気料金が5,400円以上のときです。単身世帯の場合や、少人数世帯であまり電気を使わない場合などはこれを下回る場合もあるかもしれません。ただし、電気料金は季節によって大きく変動します。ひと月の平均だけを見て決めるのではなく、年単位で電気料金を把握し、クレジットカードの還元率と照らし合わせて考えるとより確実にお得な支払い方法を選ぶことができるでしょう。■支払い方法の変更手続きをするには【東京電力の場合】口座振替への変更は、銀行、郵便局、東京電力の事業所にある窓口で受け付けています。手続きに必要なものは、お客さま番号、銀行や郵便局への届け印、預貯金通帳です。お客さま番号は「電気ご使用量のお知らせ(検針票)」または「電気料金領収証」に記載されています。クレジットカード支払いへの変更は、インターネット申し込み、申込用紙の郵送、事業所の窓口での手続きの3つの方法があります。インターネット申し込みが最も簡単で、電気の契約情報とクレジットカード情報を登録すれば大抵の場合翌月の支払いから切り替えが可能です。郵送の場合は、申込用紙をホームページから取り寄せ、記入、捺印して、返送します。また、事業所の窓口に直接出向いて手続きする方法もあります。【関西電力の場合】口座振替への変更は、インターネット上での手続きが早くて簡単です。用意するのはお客さま番号、キャッシュカードの暗証番号、預貯金通帳などで、数分で完了します。申込用紙をダウンロードしたり取り寄せたりして郵送する方法もありますが、申し込み完了まで1~2か月かかります。インターネットバンキングを契約している場合はインターネットバンキングのページから直接金融機関に申し込むこともできます。クレジットカード支払いへの変更も、お客さま番号と利用可能なクレジットカードを用意して、インターネット上で手続きするのが最も簡単です。口座振替の申し込みと同様に郵送での手続きもできますが、1~2週間かかってしまいます。■支払い期限を過ぎてしまったときの対処法万が一、電気料金の支払い期限を過ぎてしまうとどうなるのでしょうか。東京電力をはじめとした大手電力会社の多くは、支払い期限は検針日の翌日から30日後に設定されており、支払い期限の10日後までは延滞利息がつかないことは既に紹介しました。それを過ぎると年率10%の延滞利息が加算され、20日後(検針日の翌日から50日後)までに支払わない場合は、事前に通知があった上で送電が止められてしまいます。払い忘れに気づいたら、とにかくできるだけ早く支払うのが得策です。期限が切れてすぐの場合には、コンビニなどで振込用紙がそのまま使える可能性もあるため、支払いを忘れていたことに気づいたらまずはできるだけ早く振り込みに行ってみることをおすすめします。また、振込用紙が使えない場合や失くしてしてしまって手元にない場合などは、電力会社に連絡して振込用紙を再発行してもらうこともできます。支払い期限後10日以内に支払いが完了すれば、特に何の問題もなくそれまで通りに電気が使用できます。支払い期限後10日以降になってしまった場合には、延滞利息を支払う必要性が生じます。延滞利息分は通常、次回の請求時に加算されることになっています。電話での問い合わせや督促状などで電力会社から指示があった場合などを除き、検針時の請求額をそのまま支払います。また、東京電力の場合は最寄りの事業所の窓口で料金を支払うこともできます。ついでに支払い方法変更手続きもできるため、振込用紙による支払いをしている場合には、払い忘れを繰り返さないためにもこの機会に支払い方法を変更してしまうのも良いでしょう。電力自由化後に誕生した新規の電気事業者と契約している場合は、先にも述べたように支払い方法はクレジットカード決済のみの場合が多いため延滞の心配は少ないでしょう。しかし、大手電力会社には最終保障供給の義務があるので延滞しても解約されてしまう恐れはありませんが、新規事業者の場合は電気が一時的にストップするだけでなく、解約となってしまう場合もあります。■まとめ電気料金の支払いは毎月のことなので、ほんの少しの節約でも何年か後には大きな差となります。支払い方法の検討や変更手続きはどうしても行う必要があることではないため、ついつい後回しにしてしまいがちです。しかし、一度手続きをするだけでその後ずっと節約できる上、手続きをするのが早ければ早いほどお得です。ぜひ一度、電気料金の支払い方法を見直してみてください。
2017年03月01日新電力(PPS)とは、電力自由化により電気の小売業に新規参入した電力会社のことです。私たちの生活に大きなメリットを生む可能性もある新電力(PPS)。今回はそんな新電力について、既存の大手電力会社と比較しながら理解を深めていきましょう。■電力会社の種類【一般電気事業者】一般電気事業者とは、電力の小売自由化以前から各家庭に電力を供給している地域の電力会社のことです。北海道電力、東北電力、東京電力、中部電力、北陸電力、関西電力、中国電力、四国電力、九州電力、沖縄電力の10社があります。【特定規模電気事業者(新電力、PPS)】2016年4月に一般家庭や個人商店なども含め、電力の小売りが全面的に自由化されました。これにともない、新しく電力会社となった電気事業者のことを特定規模電気事業者、または、新電力やPPSといいます。特定規模電気事業者と名乗るには、1.資源エネルギー庁へ「特定規模電気事業開始届出書」を提出する2.「電力広域的運営推進機関」へ加入するという2つの条件を満たす必要があります。とはいえ、特定規模電気事業開始届出書を提出する際に、資源エネルギー庁の認可を得る必要はありません。また、電力広域的運営推進機関とは、消費者が安定して電力の供給を受けることができるように電力供給のバランスを調整する役割を担う機関です。つまり、電力の小売業をはじめるのに電気事業の実績などは必要なく、言い方を変えればこの2つの条件さえ満たせば、誰でも電気の小売事業者になれるともいえます。現在、特定規模電気事業者として電気事業に参入している企業も、通信会社やガス会社、石油会社、自動車会社、商社など、多岐にわたります。【小売電気事業者】電力会社のことを小売電気事業者という場合もありますが、これは電気小売業を行っているすべての電力会社の総称です。そのため特定規模電気事業者はもちろん、これまで各地域の電力供給を担ってきた一般電気事業者も含まれます。より厳密にいえば、一般電気事業者のすべての部門が小売電気事業者に含まれるわけではありません。電気事業は大きく、発電部門・送配電部門・小売部門の3つに分けられますが、全国10社の一般電気事業者はこれまで3つの部門を一手に引き受けていました。しかし電力自由化後は10社すべてにおいて、2020年をめどに3部門がひとつひとつの事業会社として分割されます。つまり、今後1つの会社として分離する一般電気事業者の小売部門と、新たに電気事業に参入する特定規模電気事業者を合わせて「小売電気事業者」と呼ぶことになります。■新電力(PPS)とは?大手電力会社との違いPPSとは特定規模電気事業者のことで、「PowerProducerandSupplier」と英語で表したときの略称からきています。最近では既存の大手電力会社(一般電気事業者)と区別する意味で新電力と呼ばれることが増えており、新電力の名称のほうがなじみのある方も多いことでしょう。では、新電力と大手電力会社にはどのような違いがあり、どちらを選ぶかによって消費者にはどういったメリットがあるのでしょうか?以下で具体的に見ていきましょう。【発電設備】新電力と大手電力会社には、主に2つの大きな違いがあります。その1つが発電設備の違いです。電気事業の中でも発電部門に関しては、小売自由化以前からすでに自由化がはじまっていました。そのため大手電力会社以外の企業も自由に電気を作ることができていたのですが、新電力の中には自社で発電設備を持たないところも多くあります。自社に発電設備を抱えていない企業が電気事業を展開するには、大手電力会社や発電設備を保有している他の企業から電気を買い取って販売する方法があります。しかし、「大手電力会社から新電力に切り替えれば、電気料金が安くなる」と聞いたことがある方も多いことでしょう。他の電力会社から電力を買い取りつつ電気料金も安くするとすれば、その電気事業者に利益は生まれるのでしょうか?結論からいえば、発電設備を保有していない企業が電気事業を行っても、利益を得ることができます。その仕組みを理解するにはまず、電気の特性を知っておく必要があります。電気はたとえばダムに溜まった水のように、どこか1ヶ所に集めて溜めておくといったことができません。そのため発電しても、使われなければムダになってしまうのです。この使われずに余ってしまった電力のことを、余剰電力といいます。余剰電力は需要がない限り捨てられてしまうも同然なので、通常の電力よりも安い価格で購入することができます。新電力は大手電力会社などから余剰電力として電力を安く仕入れることでコストを抑え、利益を得ているのです。加えて自社に発電設備がないために、設備にかかる維持費などのコストも削減できます。そのため、より低価格で消費者に電力を提供することができます。一方で大手電力会社は、原子力や火力、水力を利用した、新電力にはない大規模な発電設備を自社で保有しているのが特徴です。現在、原子力発電所のほとんどは運転を停止していますが、その分の電力の多くは火力発電で補っています。そのため、日々大きな電力を必要とする企業や工場に対しても高電圧で十分な電力を供給することができますし、一般家庭に対しても常に安定的な供給が見込めます。その代わり、発電に必要な燃料費や設備の維持費といったコストも大きくなります。【送配電線の有無】2つ目の違いは、自社で送配電線を所有しているかどうかの違いです。電気事業のうち、発電部門と小売部門は自由化となっていますが、送配電部門は引き続き大手電力会社が担うことになっています。新電力が自社で発電した電力を供給する場合も、大手電力会社が所有する既存の送配電線を借りて各家庭へ電力を届けることになります。いくら発電力があっても、消費者のもとに届かなければ電気を使うことはできません。そのため、電力の安定供給を確保するという意味で送配電部門は非常に大きな役割を担います。言い方を変えれば、送配電部門を引き続き大手電力会社が管理してくれることで、私たち消費者は新電力からであっても安定して電力を受け取ることができるのです。【電力の質や信頼性は?】前述の通り、契約する電力会社が新電力か大手電力会社かにかかわらず、すべての電力は同じ既存の送配電線を通って消費者のもとに届けられます。また、契約した電力会社が十分な電力を確保できなかった場合は、大手電力会社が不足分を補うシステムが整えられています。そのため、選択する電力会社によって電力の質や信頼性が低下することはありません。■失敗しない電力会社選び5つのポイント新電力(PPS)と大手電力会社(一般電気事業者)では、このように電力を供給する仕組みに大きな違いがあります。そのため、両者の違いも把握したうえで、今より生活の質が向上するような電力会社を選ぶことが重要です。私たち消費者にとって新電力に乗り換える最大のメリットだといえるのは、電気料金が安くなる可能性が高いことです。電気料金は生活費に直接関わってくるものであり、もちろん価格が安ければそれに越したことありません。しかし、価格だけで安易に切り替えると後々後悔することも。気になっている部分があればクリアにし、すべてに納得したうえで契約するようにしましょう。以下に、電力会社を選ぶ際に比較したい5つのポイントをまとめています。切り替えを検討する際はぜひ参考にしてみてください。【ポイント1】基本料金で選ぶ電気料金は通常、基本料金と従量制料金を基本とし、これに燃料費調整が加わった金額が請求されます。従量制料金と燃料費調整の金額は発電にともなうコストが関係しているため、新電力と大手電力会社で大きな差はありません。しかし、基本料金の場合は選択する新電力によっては、現在契約している大手電力会社よりも大幅な値下げとなる場合があります。電力自由化以前は、たった10社の大手電力会社のみで国内すべての電力供給をまかなっていました。そのためそれぞれの大手電力会社が抱える顧客数は非常に多く、しかも広い地域に分散しています。また前述の通り、大規模な発電設備を維持していく必要もあります。そのため、人件費や設備費といったコストがかかり、必然的に基本料金も高くなります。一方で新電力の場合は、発電設備にかかる費用はありません。自社で発電設備を保有している場合も、大手電力会社に比べればずっと小さなコストで済みます。加えて、大手電力会社と比べると自社で対応できる顧客数・地域が限定されるため、人件費も最小限に抑えることができます。このような理由から、大手電力会社よりも基本料金を低く設定している新電力が多くあります。【ポイント2】電気料金プランで選ぶ前述した従量制料金について、もう少し詳しく説明しましょう。従量制料金とは、1kWh当たりの電力量の単価で電気料金を計算する料金制度です。電力会社との契約が1kWh当たり25円だとすると、ある月に200kWhの電力を使用した場合は、その月の電気料金は5,000円ということになります。先ほどもご説明した通り、1kWh当たりの単価そのものが大きく変わることはあまりありません。しかし、各新電力は独自の電気料金プランを提供しており、いくつかの時間帯ごとに区切ってそれぞれに異なる単価を設定しています。つまり、1日で平均すると単価が変わることはなくても、ある時間帯に限っていえば単価そのものを安く抑えることができます。まずは1日のうちでもっとも電力を消費している時間帯を把握し、その時間帯において電力量単価が低く設定されている料金プランがないか探してみましょう。【ポイント3】セット割で選ぶセット割とは、現在契約しているガス会社や携帯会社、ネット会社などと同じ会社から電力の供給を受けることにより、それらと電気料金トータルの金額から割引を受けることができるサービスです。基本料金や電気料金プランが今よりも安い電力会社であれば、セット割も加えることで大きな減額が見込めるでしょう。また、基本料金や電気料金プランではそれほど安くならない場合でも、生活費としてのトータルの支出で見るとおトクになる場合があります。しかし、電力以外の契約期間も関わってくる場合があり、自分の好きなタイミングで電力会社を切り替えられなくなる可能性には注意する必要があります。契約を結ぶ前に、それぞれの契約期間と解約金や違約金の発生の有無などをしっかりと確認しておくと安心です。【ポイント4】電気事業の実績で選ぶ前述した通り、電力自由化後も電力の安定供給を確保するシステムが整えられているため、選択する電力会社によって電力の質や信頼性が変わることはありません。もちろん、自分が契約している電力会社だけ停電が頻繁に起こるなどといったこともありません。とはいえ、万が一予期せぬトラブルが起こった場合には、やはり電気事業者としての経験とノウハウを持っている大手電力会社のほうが迅速かつ適切に対応してくれることが予想されます。安心できることを最優先し、大手電力会社と契約することも1つの選択肢ではあるといえるでしょう。また、一般家庭に対しても電力の小売りが自由化されたのは2016年4月以降ですが、企業や工場などに対してはそれ以前から自由化が進められていました。そのため、新電力の中にも電力の販売実績を持つ企業があります。届け出を出しているだけで未だ電気事業に着手していないという企業も少なからずあるので、「名前も聞いたことがない電力会社と契約するのは心配」という方は電気事業の実績を確認してみるとよいでしょう。【ポイント5】発電方法で選ぶセット割と並んで電力自由化ならではのメリットといえるのが、どのような方法を用いて発電している電力を購入するか消費者側が自由に選択できることです。発電設備を保有している新電力には、環境にやさしい再生可能エネルギーを資源としているところが多くあります。エコへの関心が高い方は、そのような視点で電力会社を選ぶことも可能です。■電気料金プランの比較サイトを有効に活用しよう電力自由化により、現在、数百通りもの電気料金プランが存在するといわれています。ここまで5つの選び方のポイントをご紹介してきましたが、これらをひとつひとつの電力会社と照らし合わせ、その中から自分に最適なプランを選ぶのは、時間も労力も必要とする大変な作業になるでしょう。そこでおすすめしたいのが、電気料金プランの比較サイトの活用です。現在の電力の使用状況、契約内容などいくつかの項目を記入するだけで、自分に合った電気料金プランを提示してくれます。ぜひ一度試してみてください。■まとめいかがでしたか?ここまで、新電力(PPS)と大手電力会社(一般電気事業者)の違いや、電力会社を選ぶ際のポイントなどについて解説してきました。2つの電力会社の違いを把握していると、より自分に合った電力会社や電気料金プランを探しやすくなります。ぜひ参考にしてみてください。
2017年03月01日日々の暮らしに欠かせない電気。「月々の電気代はそれなりにかさむけれど、電気料金を節約するためには電気を使わないようにするしかない」と思い込んでいませんか?しかし、実は電気料金プランを見直すだけで、電気代を安く済ませられるかもしれません。そこで今回は、電気料金プランの見直し方などについてご紹介していきます。■まずは契約アンペアをチェックして節約電気料金プランの見直しと言っても、どこから手をつけるべきかわからない人も多いのではないでしょうか?最も簡単にチェックできるものとしては、「契約アンペア」が挙げられます。契約アンペアとは、同時に使用できる電気の量の上限を定めたものです。アンペア数によって基本料金が異なるため、契約アンペアを変更することで電気料金を節約できる可能性があるのです。そもそも、電気料金はどのように計算されるのでしょうか?例えば東京電力の場合、以下の式で電気料金が計算されています。《電気料金=基本料金+電力量料金+再生可能エネルギー発電促進賦課金》上記の電力量料金と再生可能エネルギー発電促進賦課金は、電気の使用量に応じて課金されるため、この部分を節約するためには節電をする必要があります。そこで注目したいのが、契約アンペアによって金額が異なる基本料金です。例えば、東京電力の一般家庭向けプラン「従量電灯B」では、以下のように電力量料金が3段階になっています。・120kWhまで…1kWhあたり12.52円・120kWh~300kWhまで…26.00円・300kWh超…30.02円また、基本料金に関しては以下のように設定されています。・10A…280.80円・15A…421.20円・20A…561.60円・30A…842.40円・40A…1,123.20円・50A…1,404.00円・60A…1,684.80円先ほど述べた通り電力量料金は電気の使用量によって決まるので、同じだけ電気を使用した場合には、40Aから30Aに変更することで月々280円を節約できる計算になるのです。ただし、契約アンペアの見直しはすべての人が行えるわけではありません。実は、電気料金にはアンペア料金制と最低料金制の大まかに分けて2つの料金体系があり、電力会社によってどちらのシステムを採用しているのかが異なります。契約アンペア制では、東京電力の例で見たように契約アンペア数ごとに基本料金が定められており、さらに電気使用量に応じて課金されます。北海道電力、東北電力、北陸電力、東京電力、中部電力、九州電力などはこの契約アンペア制を採用しています。契約アンペアの変更ができるのは、こちらの契約アンペア制を採用している電気事業者と契約している場合です。それに対して最低料金制は基本料金が無く、ある一定の量までは一律の最低料金が定められており、それ以上は使用量に応じて課金されます。例えば関西電力では、一般家庭用の「従量電灯A」というプランの場合、以下のように料金が設定されています。・15kWhまで…一律373.73円・15kWh~120kWhまで…1kWhあたり22.83円・120kWh~300kWhまで…29.26円・300kWh超…33.32円このシステムを採用している電力会社としては、関西電力のほかに中国電力、四国電力、沖縄電力などが挙げられます。これらの電力会社を利用している場合には、契約アンペアによる料金の差は無いので、ライフスタイルに合ったお得な料金プランを検討してみると良いでしょう。■契約アンペアを見直すときのポイントまずは、現在契約しているアンペア数を確認しましょう。玄関や洗面所などにある分電盤を見ると、ブレーカーが色分けされていたり、数字が書いてあったりします。色分けは電力会社によって異なるため、わからない場合は各電力会社のウェブサイトなどで調べましょう。また、毎月の電気使用量のお知らせにも記載されています。次に契約アンペア数を見直しますが、ただやみくもに下げればよいというわけではありません。エアコンや照明、テレビ、電子レンジ、掃除機、洗濯機、ヘアドライヤーなど家の中には電化製品がたくさんありますが、これらを一度に使おうとして契約アンペア数以上の電流が同時に流れると、ブレーカーが落ちる仕組みになっています。ブレーカーが落ちても、スイッチひとつで回復する場合が多いですが、あまり繰り返すとブレーカー自体がうまく作動しなくなる恐れがあるのでとても危険です。そのため、同時に使う電気の量を見定めて、必要な分がギリギリ収まるアンペア数を選ぶのが安全に節約をするコツです。同時に使用する電気の量は、1年のうちで一番電気の消費量が多いときを基準にして考えるとよいでしょう。月々の電気料金を比べてみた場合、どの季節に一番多く支払っているでしょうか?一般的に春や秋の電気消費量は少なく、夏と冬に多く消費すると言われています。特に冬は、日が短いことから照明をつけている時間が長かったり、電気ストーブや電気毛布などの暖房器具を使ったり、長袖や厚手の服で洗濯物が増えることから洗濯回数が増えたり、気温が低くて洗濯物が乾きにくいため洗濯乾燥機を使ったりと、電気消費量が増えやすい傾向にあります。一方、夏場もエアコンによる電気消費量が多く、夏の需要全体のおよそ半分を占めると言われています。また、東京電力エナジーパートナーによると、1日の電気消費量をグラフにしてみたときに、夏と冬では電気需要のカーブが異なるとされています。夏は日中にのみエアコンをつけている場合が多いため、昼夜の電気消費量の差が大きくなり、ピーク時の電気消費量は冬に比べて多くなります。それに対して冬は起きて活動を始める朝と、日が暮れて暗く寒くなる夕方の2つのピークがあり、全体的に緩やかなカーブを描きます。電気の使い方は家によってさまざまですが、契約アンペア数を考えるときに重要なのは「一度にどれくらいの電気を使うか」というポイントなので、ピーク時に何アンペアが必要になるのかを考えるとよいでしょう。では、具体的にどんな電化製品がどれくらいの電気を必要とするのでしょうか?まずは、家の中にあるさまざまな電化製品のアンペア数がどれくらいなのかを把握しましょう。アンペアとは、電気の流れる量を表す単位のことで一般的にはAと表します。電化製品の電気消費量というと消費電力(W)が思い浮かぶ人が多いと思いますが、「電力(W)=電圧(V)×電流(A)」という式に当てはめることで、ワット数からアンペア数を計算することができます。日本の電圧は全国一律100Vなので、例えば1,000Wの掃除機と1,500Wの電子レンジの場合は、以下の式でアンペア数を導き出せます。・1,000Wの掃除機のアンペア数…1,000(W)÷100(V)=10A・1,500Wの電子レンジのアンペア数…1,500(W)÷100(V)=15A東京電力エナジーパートナーによる主な電化製品のアンペア数の目安は、以下の通りとなっています。・掃除機(強)…10A・450リットルクラスの冷蔵庫…2.5A・電子レンジ…15A・ドラム式洗濯乾燥機の乾燥時…13A・IHジャー炊飯器…13A・プラズマ42型テレビ…4.9Aただし、例えばインバータエアコンは暖房使用時の稼働中は6.6Aですが、立ち上がり時などは一時的に20A前後になるなど、使用中に変動がある機器も多いため注意が必要です。さて、これらの電化製品を常に使っているものと一時的に使うものに分けて考えます。例えば、冷蔵庫(2.5A)や照明(1A)、エアコン(6.6A)などを大体いつも使用しているとすると、常時10.1Aは必要だということになります。その上で、一日の生活を思い浮かべてみて、「食器洗浄機(13A)でお皿を洗う一方で洗濯機(13A)を回しながら掃除機(10A)をかける」という場面がある場合、さらに追加で39Aが必要となり総アンペア数は「10.1A+30A=49.1A」となるため、契約アンペアの目安は50Aとなります。一方、一度に使うのはせいぜい「炊飯器(13A)でご飯を炊きながら電子レンジ(15A)でおかずを温める」くらいだとすると、追加で必要なアンペア数は28Aとなり、総アンペア数(10.1A+28A=38.1A)から判断すると契約アンペアは40Aあれば足りることになります。このように、アンペア数の合計が一番大きくなる場合を想定して、現在契約しているアンペア数より一段階下げられそうであれば、その分の基本料金を節約することができるのです。もし、現状ではアンペア数を変更できないというときには、ほんの少しライフスタイルを変えてみてはいかがでしょうか。多くの電気を消費する電化製品を同時に使わないように、食器洗浄機や洗濯乾燥機などは、タイマー機能を使って稼働時間をずらせばアンペア数のピークを抑えることができます。電化製品の機能をフルに使って賢く節約しましょう。■安い時間帯がある電気料金プランで節約契約アンペア制でない場合や、契約アンペアの見直しを済ませてもっと節約をしたい場合には、電気料金プランの変更を検討してみましょう。例えば、時間帯によって電気料金が変わるプランは、複数の電力会社が提供しています。当たり前のことですが、電気の消費は多くの人が活動している昼間に集中しています。一方、発電所はこまめに発電量を調整することができないため、夜間は電気が余りがちになります。そんな電力会社の事情もあり、夜間に電気料金を安く設定したプランが多く見られるのです。夜間以外にも、休日や春・秋など、オフピークに電気料金が安くなるプランは多くの電力会社で用意されているため、ライフスタイルと照らし合わせて検討してみてもよいかもしれません。例えば、以下のようなプランが見られます。【関西電力の「時間帯別電灯」】昼間の電気料金が少し割高になる代わりに、23時から7時の間の電気料金を安く設定しています。関西電力の通常のプラン「従量電灯A」では第2段階(120kWhから300kWhまで)は29.26円ですが、「時間帯別電灯」では日中の料金が31.66円、夜間は13.10円です。電気給湯器を使用している場合はお風呂も夜間に入ったり、洗濯乾燥機や食器洗浄乾燥機などをタイマーで夜間に使ったりすることで節約が期待できます。【東京電力の「夜トク」】夜間の割安になる時間帯が23時から7時と短い「夜トク8」と、21時から9時と長い「夜トク12」があり、夜間の料金がそれぞれ20.78円、22.55円となっています。■自分に合ったお得なプランで節電時間帯別のほかにもお得なプランはあります。特にオール電化の住宅に住んでいる場合には、電気使用量が多い人向けのプランに切り替えた方がお得かもしれません。一般的なプランでは、電気料金は使用量が増えるほど1kWhあたりの値段が高くなります。すると、オール電化住宅などで使用量が多い場合には、電気料金は割高になってしまいます。それに対して、オール電化用のプランはどんなに使っても1kWhあたりの電気料金は変わりません。例えば、以下のようなプランが選択肢として挙げられます。【東京電力の「スマートライフプラン」】1時から6時までの夜間は17.46円、それ以外の昼間は25.33円で固定となっています。夜間蓄熱式機器などを使用したり、タイマー機能で洗濯や食器洗浄を夜に行ったりすれば、効率よく節約することができます。【九州電力の「電化でナイト・セレクト」】昼間と夜間に固定料金が設定されており、夜間10時間が13.02円と割安になるプランです。夜間時間帯を21時~7時、22時~8時、23時~9時から選ぶことができ、夜遅くまで起きている人や朝に家事をする人など、さまざまな生活スタイルに対応しています。また、昼間の電気料金は夏と冬の平日が26.40円、休日が20.88円、春と秋は平日が23.56円、休日が17.55円と平日より休日が安く、夏と冬よりも春と秋に安くなっており、電力需要の少ない時間に電気を使うことで節約ができるようになっています。ほかにも、以下のようにそれぞれの土地の事情に寄り添ったプランが用意されている場合もあります。また、ライフサポートと電気料金がセットになっているプランも登場しています。【北海道電力の「融雪用電力A~D」や東北電力の「よりそうCスノー」など】道路の融雪設備を使用する人向けのプランであり、毎年3か月あまりの間のみ決められた時間に電気を使うことができます。【中部電力の「暮らしサポートセット」】水回りや鍵のトラブルにすぐ対応してくれるサービスや、さまざまな電話相談サービス、ハウスクリーニングの割引などが、電気の基本料金プラス300円で受けられます。注意すべきなのは、電力小売全面自由化した2016年4月を境に、電気料金プランを変更した電力会社が多いことです。それにともなって、今までにあったプランに新規に加入することができなくなっている場合があります。一方で、新しい料金プランができているところもあるので、今まで知らなかったお得なプランが見つかるかもしれません。一度詳しく調べてみることをおすすめします。ここでは紹介しきれませんでしたが、主要電力会社以外にもガス会社や携帯電話会社など新規の電気事業者は多数あり、それぞれさまざまな料金プランやサービスを提供しています。既に集めているポイントがさらに貯まったり、支払いがセットで割引になったりと、自分に合ったプランが見つかる可能性があるので、馴染みの会社が電気事業を始めていたらどんな料金プランがあるのか調べてみましょう。■まとめいかがでしたか?電気料金の節約というと照明をこまめに消したり、エアコンの設定温度を変えたりといった「節電」にばかり目が行きがちですが、電気料金プランを変えるだけでも安く抑えることができる場合があります。電力自由化で選択肢の幅が広がり、これまでよりさらにいろいろな料金プランやサービスが出てきているので、ぜひ一度、調べてみてください。
2017年03月01日2016年4月から一般家庭においても電力自由化がスタートしましたが、「そもそも電力自由化ってなに?」「どんなメリットがあるの?」と思っている人も多いはず。今回は、そのような疑問を解決すべく、電力自由化について分かりやすく解説していきます。■電力自由化で押さえておくべき4つのポイント■【ポイント1】電力自由化の仕組み2016年4月からスタートした電力自由化とは、一部の電力会社が独占するのではなく、さまざまな事業者が電力を販売できるようになったことを指します。これにより、大きな工場やオフィスビルから個人商店や一般家庭まで、すべての消費者が、各地域の一般電気事業者(東京電力をはじめとする全国10社の電力会社)以外からも、好きな電力会社を自由に選べます。とはいっても、電力の供給システムがこれまでと大きく変わるわけではありません。電力の供給は、主に発電・送配電・小売の3つの部門に分かれています。発電は、火力や水力などを利用して電気を生み出す部門、送配電は電線を利用して電気を届ける部門、小売は消費者と直接契約をして料金プランやサービスを提供する部門です。発電部門は、原則としてすでに自由に参入できるようになっているため、電力自由化によって大きく変わるのは小売部門のみだといえます。送配電部門は、電力自由化後も安定的な電力の供給の確保が求められることから、従来通り一般電気事業者によって管理されます。■【ポイント2】電力自由化の目的電力の自由化には、主に3つの目的があります。①電力を常に安定して供給する東日本大震災以後、原子力発電所は大きな打撃を受け、電力不足は大きな課題となっています。そのような中、電力自由化により、特定の地域で電力が十分に供給できないとなった場合に、別の場所から電力を融通できる仕組みを確立することを目指しています。②電気料金を抑える各地の原子力発電所が運転停止に追い込まれたことで、現在、電気の中心は火力発電が中心となっています。これにより燃料費のコストが上昇し、各地で電気料金が値上げされたことは、記憶に新しいでしょう。電力自由化には、たとえ供給コストが上昇したとしても、各電気事業者の価格競争を促すことで、電気料金を最大限に抑える狙いがあります。③経済の活性化これまで一般電気事業者によって独占されていた電気の小売市場には、およそ7.5兆円という莫大な市場規模がありました。電力自由化によってさらにこの市場が活性化すれば、大きな経済効果が期待できるでしょう。■【ポイント3】電力会社を切り替える方法新規事業者への切り替えは簡単で、原則として誰でも自由に行えます。まずは、切り替えたい電力会社へ電話や窓口、ホームページなどから申し込みをします。このとき、現在ご契約の従来の電力会社との解約手続きは、契約者自身が行う必要はありません。希望する電力会社が、契約者の同意の下、代わりに行ってくれます。なお、電力会社を切り替える際には、必ずスマートメーターの導入が必要です。ご自宅にスマートメーターが設置されていない場合は、新しい電力会社へ申し込みをしたあとに、現在契約を結んでいる地域の電力会社が交換工事を請け負ってくれます。スマートメーターへの交換に際しては、設備の改修が必要になるなど特別な場合を除き、基本的に費用の負担はありません。■【ポイント4】電力自由化の現状男女100人を対象にしたあるアンケート調査によると、電力の自由化にともなって電力会社を変更したいと考えている人は、引っ越しを機に変更したいと考えている人とすでに変更している人を含めると、全体の約75%に上ったそうです。一方で、電力広域的運営推進機関のデータによれば、電力自由化がスタートして半年の2016年9月末時点において、電力会社を変更した人は全体のわずか3%ほどに留まっています。「電力自由化という言葉は知っているし、興味もあるけれど、その実態をよく把握できていない」という方がまだまだ多いのが現状です。電力自由化は、さまざまな事業者にとってビジネスチャンスとなるのはもちろんですが、消費者にとっても大きなメリットがあります。そこで以下では、電力自由化に関するよくある疑問を4つまとめています。電力会社の切り替えを検討する際の参考にしてみてください。■【疑問1】電力会社によって電気の質は低下する?どの電力会社から購入するかにかかわらず、電力は、これまでと同じ送電線や配電線を使って各家庭に供給されます。そのため、電気事業者によって電気の質が低下する、供給電力への信頼性が保障されない、といったことは起こりません。また、火力発電や原子力発電、再生可能エネルギーによる発電など、電気を生み出すにはさまざまな方法がありますが、発電の違いによって電気の質に差が生まれることもありません。■【疑問2】電力会社が倒産したら電気が止まってしまう?新たに契約した電力会社が倒産した場合でも、電気が止まってしまうことはありません。別の電力会社が見つかるまでは、従来のように、住んでいる地域の電力会社が電力を届けてくれるシステムになっています。また、消費者が電力の供給に関する契約を直接結ぶのは小売業者ですが、物理的に電力を届けてくれているのは、送配電に関わる業者です。先ほど少しご説明しましたが、電力自由化後も、送配電は各地域の一般電気事業者が担います。そのため、たとえば契約している電力会社が十分な電力を賄えなかった場合でも、その分を一般電気事業者が補ってくれるため、電力の供給がストップすることはありません。■【疑問3】賃貸やマンションでも電力会社を変更できる?賃貸の場合、現在電力会社と契約を結んでいる名義人がご本人の場合は、自由に変更が可能です。マンションやその他の集合住宅の場合も、それぞれの家庭で個別に契約を結んでいる場合は、電力会社を切り替えることができます。ただし、集合住宅の場合は、管理組合などを通し、マンション全体でまとめて電気を購入していることもあります。購入の契約内容や集合住宅内の規約によっては、個別の契約が制限されることもあるため、確認をとってから切り替えを検討するようにしましょう。■【疑問4】電力会社を自由に選べない地域がある?基本的には、お住まいの地域に、参入している電気の小売事業者があれば、都市圏や地方の山間部など、住んでいる場所にはかかわらず、好きな電力会社から電力の供給を受けることが可能です。ただし、離島の場合は、電力会社を自由に選べる可能性はほとんどありません。電力会社は「離島供給約款」に基づき、日常生活に必ず必要となる電気を離島の各家庭に届ける義務を負っています。そして、日常生活の妨げになったり、島民の負担になったりすることがないように、供給電力の価格や質を変えることはできません。一方で、海を渡って電気を届けることは簡単ではなく、離島への電力の供給にはコストがかかります。そのため、新たな事業者が離島で電力を販売するには、メリットがほとんどありません。離島にお住まいの場合は、今後も継続して現在の電力会社から供給を受けることになるでしょう。■電力自由化のメリット【大きな経済効果が期待できる】電力の販売は、これまで全国各地の一般電気事業者に独占されている状態でした。しかし、電力自由化によって電力小売事業は開かれた市場になり、それぞれが顧客を獲得するために、さまざまな料金プランやサービスを打ち出すことで、激しい競争が繰り広げられるようになります。これにより、経済の活性化が期待できます。【電気料金が安くなる可能性がある】従来は政府による規制があり、定められた料金でしか電力を提供することができませんでした。しかし、電力自由化によって電気料金も完全に自由化され、それぞれの電力会社は顧客獲得のため、戦略的に価格設定を行っています。たとえば、料金単価そのものの値下げのほか、継続して契約するほどより多く割り引かれたり、早朝・深夜や土日の電気料金が安くなったりする料金プランを提供しているところがあります。ライフスタイルを考慮して適切な電力会社を選べば、今よりぐっと電気料金を抑えられる場合もあり、消費者にとっては最大のメリットになるといえそうです。【電力会社独自のさまざまなサービスが受けられる】電力自由化によりさまざまな分野の企業が電気小売事業に参入してきたことで、各電力会社独自のサービスが打ち出されています。特に注目したいのは、「セット割」といわれるサービスです。セット割とは、現在契約しているガス会社やネット会社、携帯会社などと同じ会社から電力の供給を受けることにより、より大きな割り引きが受けられるというもの。電気代だけで見ればそれほど大幅な値下げとはならなくても、セット割を上手に活用することで、生活費全体の支出を抑えられる可能性があります。【クリーンエネルギーを選択できる】現在、国内の発電は火力発電が中心ですが、そのエネルギーを生み出す手段としてはほとんど、石油や石炭などの化石燃料が用いられています。化石燃料は、はるか昔の枯死した植物や微生物の死骸などが、何億年という長い時間をかけて積み重なることで生まれます。ところが現在は、そのプロセスよりもずっと短い時間で大量の化石燃料を消費し続けており、このままでは、石油の場合は40年ほど、石炭の場合は160年ほどで完全に枯渇してしまうといわれています。そこで注目を集めているのが、風力や地熱、太陽光、バイオマスなどのクリーンエネルギーです。これらは、資源として利用しても比較的短い間に再生することができ、半永久的に枯渇しないことから、「再生可能エネルギー」とも呼ばれています。電力自由化によって各電力会社には電力の調達先を表示することが義務づけられているので、地球環境にやさしい発電方法で生み出された電力を、消費者が意識的に購入することが可能になります。■電力自由化のデメリット【電気料金が高くなる可能性がある】政府は電力自由化により電気料金が最大限に下げられることを期待していますが、価格設定が完全に自由化され、規制がないところで各事業者間での競争が激しくなれば、必ずしも価格が安くなるとは限りません。燃料費のコスト上昇や天候の変動などさまざまな要因が重なれば、逆に価格が高騰してしまう可能性もあるのです。事実、すでに電力自由化が進んでいる海外では、電気料金が以前よりも高くなってしまったケースが少なくありません。また、個々のレベルにおいては、電力会社や料金プランの選び方によっても、今より電気代が高くなることがあります。【解約金・違約金が発生する場合がある】従来は、住んでいる地域の一般電気事業者から自動的に電力が供給されるシステムだったため、一応は年間契約としている電力会社がほとんどですが、契約期間がはっきりと定められているわけではありませんでした。しかし電力自由化となった現在では、シェア拡大の戦略として契約期間をしっかりと定めている電力会社も多く、それにともなって、解約金や違約金が発生することもあります。そのため、場合によっては、より柔軟に、好きなタイミングで電力会社を変更できない可能性も出てきます。電力会社を選ぶ際は、契約の前に解約金・違約金の有無をきちんと確認し、本当に自分に合ったプランであるか慎重に検討しましょう。【適切なプランを選ぶ労力がかかる】上記2つのデメリットからも、適切なプランを選ぶことの重要性がお分かりいただけたと思いますが、2016年9月時点ですでに数百に上る料金プランが存在しており、今後ますます増えていく可能性も大いにあります。そのような中で自分の生活にあった料金プランを探すのは簡単ではなく、時間や労力がかかってしまうことも、デメリットのひとつだといえるでしょう。ただし、電力自由化が進められていく中で、さまざまな料金プランを比較しながら検討できるWebサービスなども増えつつあります。そうしたサービスを有効に活用できれば、より多くの人にとって、電力自由化がもっと身近なものになっていくかもしれません。■まとめいかがでしたか?電力自由化は、デメリットをきちんと把握し、電力会社や電気料金プランを適切に選択すれば、消費者にとって大きなメリットを得られるものです。これを機に、自分なりに情報収集し、電力自由化に関する知識を深めていただければと思います。
2017年02月24日夏のピーク時には、消費電力の約60%を占めるともいわれるエアコン。賢く使ってしっかりと電気代を節約できていますか?こちらの記事では、今からでもはじめられるエアコンの節約術と、一緒に試したい夏冬の節電アイデアをご紹介しています。■冷房と暖房の節電アイデア3つ【1】基本の設定温度を守ろうエアコンの設定温度は、冷房は28℃、暖房は20℃が基本です。温度がたった1℃変わるだけで、電気代は約10%もアップします。夏場は28℃よりも下げないように、冬場は20℃よりも上げないようにし、基本の設定温度を保つようにしましょう。28℃でも暑いな、20℃でも寒いな、というときには、設定温度は変えずに体感温度で調節するのが、賢いエアコンの使い方です。以下に2つのポイントをご紹介します。【2】風量を調節しよう風量を強にすると、冷房時は体感温度が下がり、暖房時は体感温度が上がるので、設定温度を変えなくても快適に過ごせるようになります。電気代も若干高くなりますが、設定温度を上げるよりもずっと少なく済むため、結果的には節電につなげることができます。また、特に風量を強くする必要がないときには、常に自動運転に設定しておくのがベスト。電気代が安く済むからと、はじめからずっと弱運転にしている方もいるかもしれません。しかし実は、エアコンは、室内の温度を設定温度にするまでにもっとも電力を必要とし、その後はそれほど大きな電力を使うことはありません。そのため、はじめから弱で運転を続けてしまうと、室内が設定温度に達するまでに長い時間がかかり、かえって電気代が高くなってしまいます。自動運転には、はじめは設定温度になるまで空気を一気に冷やしたり温めたりし、その後は送風や微弱運転によって室内の温度を一定に保つ機能が備わっています。ムダに電気代をかけないためにも、自動運転機能を上手に使いましょう。【3】風向きを変えてみよう風量と同時に、風向きを調節することでも体感温度を変えることができます。冷たい空気は下に、暖かい空気は上にたまる性質があるので、冷房時は風向きを水平に、暖房時は下向きにしてみましょう。このようにすると、室内の空気が上手く循環し、部屋全体を快適な温度に保つことができます。それでも部屋が冷えにくい、暖まりにくいと感じたら、扇風機やサーキュレーターをエアコンと併用するのがおすすめです。扇風機やサーキュレーターを上に向けて回すと、空気がより循環しやすくなります。冷房時は、下にたまった冷たい空気をかく拌できるので、扇風機やサーキュレーターを少し下に向けて、首ふり機能を使ってもOK。扇風機やサーキュレーターの電気代は、エアコンの10分の1程度ととてもおトクです。最近のものは性能がよいので、さらに電気代がかからない製品も多くあります。有効に活用して、賢く節約しましょう。■エアコンの節電アイデア5つ【1】電源はこまめに切らないようにしよう電気代の節約のために、暑すぎたり寒すぎたりしたらこまめに電源をオフにしている方もいるでしょうが、実は逆効果。前述したとおり、エアコンは、運転直後から設定温度にするまでにもっとも電力を消費するからです。設定温度を28℃よりも上げたり20℃よりも下げたりするか、風量や風向きで調節し、あとは自動運転でつけっぱなしにしておくのが、賢いエアコンの使い方です。とはいえ、もちろん24時間つけっぱなしにしておくのでは、かえって電気代が高くなってしまいます。目安としては、1時間以内のちょっとした外出の間なら、つけたままにしておくほうが節約になる場合がほとんどです。【2】定期的にフィルターの掃除をしようほこりや湿気などでフィルターが汚れていると風の通りが悪くなり、最大で約25%とより多くの電力を消費してしまいます。掃除機でほこりを吸い取るなど、2週間に一度はお手入れをしましょう。こまめにフィルターを掃除していれば、かび臭いにおいや騒音なども改善されます。それほどこまめに掃除をする暇がない場合は、月に一度を目安に、フィルターをシャワーなどで水洗いすればOK。ただし、フィルターが濡れたままでは、カビや目詰まりの原因になります。しっかりと乾かしてから取り付けることを忘れないようにしましょう。【3】室外機の周りを整理しようエアコンは外気との熱交換によって部屋を冷やしたり暖めたりしているので、室外機の役割はとても重要です。外気の出入り口を植木や物などでふさいでしまうと、熱交換の効率が下がり、ムダな電力を消費してしまうことに。室外機の周りは常に整理しておきましょう。その際、枯れ葉や雑草などが詰まっていないかなどもチェックしておくとよいです。また、冷房の場合は、室内の熱を外へ排出するときにも多くの電力を消費します。しかし、直射日光や照り返しなどで室外機が熱を持ってしまうと、室内の熱を排出する力が弱まり、さらに多くの電力が必要になります。そのため、夏場はすだれやよしずなどで室外機の設置場所に日陰を作ってあげることも、節電対策として有効です。ただし、カバーなどで室外機全体を覆ってしまうのは逆効果。外気の出入り口はふさがないように配慮しましょう。【4】夏場は弱冷房除湿を上手に使おうほとんどのエアコンには冷房と暖房のほかに、除湿機能があります。除湿は冷房よりも電力を消費せず、しかも湿度が低くなることで体感温度が下がるため、同じ温度でも除湿のほうが涼しく感じるというメリットがあります。湿度が高い日は除湿機能を有効に活用し、電気代を節約しましょう。ただし、除湿には弱冷房除湿と再熱除湿の2つのタイプがあるため、注意が必要です。空気中から水分を奪うと、それにともなって空気が冷たくなります。弱冷房除湿では冷たくなった空気をそのまま室内に送りますが、再熱除湿では冷たくなった空気を適温に暖め直すプロセスがあります。そのため、再熱除湿の場合は、冷房よりも余計に電気代がかかってしまうのです。ご自宅のエアコンがどちらのタイプであるかは、取扱説明書で確認してみましょう。【5】長期間使わないときはプラグを抜こうエアコンは、比較的待機電力が大きい家電です。製品にもよりますが、エアコンのみの待機電力で1年間にかかる電気代は、500~700円ほど。たったそれだけだと思うかもしれませんが、夏の冷房を1週間~10日間我慢したのと同じくらいの電気代だと考えれば、バカにできない金額ではないでしょうか?生活スタイルによっても異なるでしょうが、エアコンを使うのは夏と冬、それも特に暑さや寒さが厳しくなる数ヵ月です。多くの場合、1年間を通して考えれば、エアコンを使わない期間のほうが長いといえます。長期間エアコンを使わない春や秋、出張や旅行などで数日家を空けるときなどは、プラグを抜いて待機電力を節約しましょう。■夏にできる節電アイデア3つ【1】窓からの熱を遮断しよう建物外から入ってくる熱のうち、約70%が窓からだといわれています。そのため、窓からの熱をしっかりとシャットアウトすることができれば、部屋全体を効率よく冷やすことができます。夏場は薄手のレースカーテンなどを使用している人も多いかもしれませんが、遮熱の点からいえば、厚手のカーテンや遮光カーテンがベスト。特に日差しが強い場所では、朝顔やゴーヤを利用した緑のカーテンも有効です。日差しを遮ってくれるだけでなく、植物の葉は太陽からの熱も吸収してくれます。また、窓からは熱気だけでなく冷気も入ってくるため、冬の暖房効率を上げたいときにも窓は大きなポイントになります。もっとも有効なのは窓ガラス自体を断熱ガラスに変えることですが、窓ガラスに断熱シートや断熱フィルムを貼ったり、カーテンを断熱仕様のものに変えたりすることでも、室内の熱を逃がさないように工夫することができます。【2】エアコンをつける前に換気をしよう外出先から帰ってきたときはすぐにでも涼みたいところですが、部屋を閉め切った状態では熱がこもっているため、エアコンをつけてもなかなか空気が冷えてくれません。そのようなときはまず窓を開けて換気し、こもった熱を逃がしてあげるのが有効です。繰り返しになりますが、エアコンは運転直後から設定温度にするまでにもっとも電力を使います。そのため換気は、部屋全体が早く涼しくなるとともに、節電にも効果的です。【3】昔ながらの涼を取る工夫を取り入れよう日本には、扇風機やエアコンなどが普及するずっと前から、昔ながらの涼みの工夫があります。たとえば、風鈴。最近では見かけることも少なくなりましたが、涼しげな音を聴いて気分だけでもスッキリすると、意外にも暑さをしのぐことができますよ。風がある日は窓を開けて、風鈴の音を聴きながら、気温が落ち着く朝夕だけでも窓辺で涼んでみてはいかがでしょうか。その際、風邪の通り道に濡れたタオルやシーツを干しておくと、さらに効果的です。水分が蒸発するときに周りの空気から気化熱が奪われるので、心地よい風を取り入れることができます。また、同じ気化熱の原理からいえば、ベランダや庭、玄関先など家の周りで打ち水をするのも効果的。打ち水は体感温度を下げるだけでなく、物理的に周辺の温度を2℃ほど下げてくれます。ポイントは、1日の中でも比較的涼しい午前中のうちに行うことです。気温が高い日中に水をまいても、涼しさが持続しません。朝のうちに打ち水をしておけば、午前中いっぱいは過ごしやすくなるでしょう。■冬にできる節電アイデア3つ【1】換気扇は必要なときだけ動かそうこれは暖房時だけでなく冷房時にもいえることですが、換気扇を動かしたままにしてしまうと、エアコンのおかげで適温になった室内の空気が外に逃げてしまいます。料理などで換気扇を使った後は、こまめに止めるようにしましょう。また、同様の理由で、ドアの開け閉めをきちんとするように心がけることも大切です。これだけで暖房効果も冷房効果もぐっと高まります。【2】エアコン以外の暖房器具を有効活用しようなんとなく暖房よりも冷房のほうが、電気代がかかるイメージがありませんか?しかし実は、暖房のほうがより大きな電力を消費するため、冷房よりも暖房のほうが電気代がかかってしまいます。なぜなら、冬のほうが室内の温度と外気温の差が大きいからです。そのため、暖房の消費電力をいかに抑えられるかが、冬の節電の大きなポイントになります。エアコンと併用したいおすすめの暖房器具は、電気ストーブです。エアコンの電気代が運転直後のもっとも電力を使うときで1時間当たり約50円であるのに対し、電気ストーブは強でも1時間当たり約30円です。エアコンに比べて格段に電気代が安いとはいえないかもしれませんが、ピンポイントですぐに暖めてくれるのが、エアコンにはない電気ストーブのメリットだといえます。そのため、まずは電気ストーブを使ってある程度部屋を暖めてから、エアコンを使う方法がおすすめです。室内が設定温度になるまでの時間を短縮でき、体が温まることから設定温度を下げることもできるので、電気代の節約につながります。ただし、電気ストーブはエアコンに比べて部屋全体の空気を暖める力は弱いので、リビングなど比較的広めの空間ではあまり効果が得られない場合もあります。また、意外にも電気代が安い暖房器具として、こたつや電気カーペットが挙げられます。こたつは強で1時間当たり約5円、電気カーペットは高で1時間当たり約9円です。どちらも直接体を温めてくれるので体感温度が上がり、暖房の設定温度を低めに設定しても快適に過ごせます。【3】加湿器を有効活用しようエアコンの節電アイデアでも触れていますが、湿度が低くなると体感温度も低くなり、反対に、湿度が高くなると体感温度も高くなります。そのため、暖房と加湿器を併用することで、暖房の設定温度を2℃上げるのと同じくらいの効果が期待できます。ただし、加湿器はエアコンよりもずっと少ない電気代で済むものが多いのですが、種類によっては電気代がかかるものもあるので注意が必要です。節電で選ぶなら、消費電力が小さい超音波式か気化式がおすすめ。空気が乾燥しやすい冬場はウイルスなども蔓延しやすいため、加湿器を使うと風邪予防にも有効ですよ。■まとめいかがでしたか?エアコンは数ある家電製品の中でも特に電力を消費します。しかし、ちょっとした工夫をするだけで、電気代を大幅に節約することが可能です。今回ご紹介した節約術はすぐにでもはじめられるものばかりですから、ぜひ日常生活に役立ててください。
2017年02月22日みなさんは、きちんと節電していますか?「電気代なんてそんなに変わらないでしょ」と侮るなかれ。すべての節電対策をトータルした年間の節約額が、約1ヶ月分の電気代に相当することもあるのです。そこで今回は、おすすめの節電方法を5つご紹介します。1. 消費電力のピーク時間帯を避けよう■なぜピークの時間帯を避ける必要があるの?電力の使用がある時間帯に集中してしまうと、1日の中で電力需要に格差が生じてしまい、供給設備の利用率が下がります。利用率の低下は供給コスト上昇の一因となってしまうので、安定した適正価格で電力を供給してもらうためには、各家庭でピークの時間帯に大きな電力を消費しない工夫が必要です。ご家庭でできる方法には、主に以下の2つがあります。①ピークカットピークカットとは、ピーク時間帯における電力そのものの消費量を減らす対策です。そのため、節電と省エネを同時に実行できる対策でもあります。ピークカットには、電化製品の使用を抑えたり、消費電力が通常よりも小さくなるように使い方を工夫したり、省エネ機能を備えた電化製品に切り替えたりなど、さまざまな方法があります。②ピークシフトピークシフトとは、1日のうち消費電力がもっとも大きくなる時間帯を他の時間帯に移動させる対策です。複数の電化製品の使用が重ならないようにしたり、電気を多く使用する時間帯を消費電力が小さくなる夜間や早朝にずらしたりする方法があります。また、蓄電システムを利用して夜間のうちに充電しておき、日中はその電力を用いて、電力会社からは電力を供給しないようにする方法も有効です。ただしピークシフトは、ピークカットのように電力そのものの消費量を減らすことはできません。そのため、節電や電気代の節約にはつながっても、省エネ対策にはならないといえます。1日のうちもっとも電力を消費するピーク時間帯は、在宅率が高い夕方頃だといわれています。中でも夕食の準備に取りかかる人が多い18~19時頃は、特に消費電力が大きくなります。18~19時を中心とした夕方の時間帯は、ピークカットやピークシフトで消費電力を抑えましょう。2. 窓の断熱でかしこく節電しよう水が高いところから低いところへと流れていくのと同じように、熱にも、温度の高いところから低いところへと移動していく性質があります。そのため、室内の温度と外気温との差が激しい夏場や冬場は特に、熱の出入りをいかにコントロールできるかが節電を考えるうえで重要なポイントになります。住宅の中でもっとも熱の出入りが激しい場所が、窓。建物から出入りする熱のうち、夏は約50~70%が窓から侵入し、冬は約50%弱が窓から逃げています。最近の住宅は壁や床には断熱材が施され、従来よりも建物の熱の出入りは抑えられるようになっています。しかし、ガラスは熱が伝わりやすく、日本の住宅で一般的なアルミサッシにもそれほど断熱性がないことから、窓はどうしても熱が通りやすい部分になってしまうのです。■外側から断熱対策!窓の外にすだれやよしずを垂らしておくと、直射日光による熱の侵入を防ぐことができるため、夏の冷房効果が格段にアップします。植物には熱を吸収する作用があるので、特に強い日差しが入ってくるところには、ゴーヤや朝顔のツルを利用した緑のカーテンも有効です。ご自宅が洋風の建物なら、サンシェードもおすすめ。インテリアとして、外観のデザイン性を高めることもできますよ。また、夏に窓から侵入してくる熱には、窓周辺の照り返しもあります。窓辺やベランダに、鉢植えや木製のすのこ、レンガなど、熱を吸収してくれるアイテムを設置してみましょう。■内側から断熱対策!暖気を窓から逃がさないようにするためには、窓そのものを真空ガラスなどの断熱性が高いものに交換したり、二重サッシを取り付けたりすることが有効です。とはいえ時間も費用もかかりますし、賃貸の住宅であれば自由に取り換えることは難しいでしょう。そこで活用したいのが、断熱シートや断熱フィルムです。市販のものを窓に貼りつけるだけで、簡単に断熱効果を高めることができます。また、これらは冬場の結露対策としても有効です。結露は、冷えたガラスの表面で空気が冷やされることにより、発生します。そのため、断熱シートやフィルムで冷気をシャットアウトすれば、結露ができにくくなります。シートやフィルムを貼りつけることを手間に感じる方は、断熱スプレーもおすすめ。窓に吹きかけることでシリコンコーティングが施され、断熱効果を高めることができます。コーティングの持続時間は1ヶ月ほどなので、1ヶ月を目安に使用しましょう。断熱シートやフィルムは、外からの熱の侵入を防ぐ効果もあるので、夏の冷房効果を高めるためにも有効です。夏・冬のいずれも、これらに加えてさらに遮熱カーテンやブラインドを活用できればベスト。ただし、遮熱カーテンは通常のカーテンに比べて生地が厚く、部屋が暗い印象になってしまうこともあります。気になる場合は、夏場は明るめのブルーでさわやかな印象にするなどの工夫をするとよいかもしれません。3. 消費電力をこまめにチェックしよう■電力の使用量を計算で求めてみようみなさんは、ご自宅の電化製品がどれくらい電力を使用しているのか、知っていますか?電力使用量の計算は、実はとても簡単です。電化製品には、○W(ワット)という表示があります。これは、その電化製品を動かすために必要な電力を表しています。これに電化製品の使用時間をかければ、電力使用量が求められます。たとえば、50Wの照明を1日に16時間(h)使用しているとすると、50W×16h=800Wh(ワットアワー)となり、照明だけで1日に800Whの電力を使用していることが分かります。Whとは、1時間に消費する電力量の単位です。電力会社はWhをもとに料金を設定しているため、電力使用量が計算できれば、いくらの電気代がかかっているかも知ることができます。上記の例でいうと、電力会社との契約が1kWh(=1,000Wh)当たり20円であれば、照明にかかる電気代は1日当たり16円となります。このように、ワット数が分かれば、おおよその消費電力と電気代を計算することが可能です(運転中に消費電力が大きく変動するエアコンなどは除く)。具体的に数字で表すことができれば、節約のために節電しようという意識も高まるのではないでしょうか?■電力会社のサービスを活用しよう電力会社によっては、電気の使用量や電気代を1日単位や30分単位で細かくチェックできるサービスを提供しているところがあります。ご契約の電力会社がそうしたサービスを提供しているか確認し、サービスがある場合は積極的に利用して、電力使用量の見直しを行いましょう。4. 電化製品の使い方を見直そうご自宅の電化製品を省エネ効果が高い製品に切り替えることは、節電対策として大きな効果があります。しかし、今使っている電化製品はそのままに、使い方を工夫するだけでも消費電力を抑えることができるのです。以下に身の回りの電化製品について、有効な節電対策をご紹介します。■エアコンエアコンは、設定温度がたった1℃変わるだけで、電気代が10%以上もアップします。冷房は28℃より下げないように、暖房は20℃より上げないように心がけましょう。28℃・20℃で室内が快適な温度にならない場合は、設定温度は変えずに、風量を強くするのがベター。自動運転よりも若干電気代は高くなりますが、設定温度を変えるよりもずっと少ない消費電力に抑えられます。また、先ほどご紹介した断熱対策も、冷暖房効果を高めるためには非常に有効です。夏の場合は、窓を断熱するだけで、2~4℃ほども室内温度の上昇を抑えることができます。さらに、定期的にフィルターを掃除する、室外機の周りを整理して空気の通りをよくする、といった方法でも冷暖房の効率を上げることができ、節電につながります。■照明照明は、使い終わったら消すことを習慣にし、点けっぱなしを避けましょう。消し忘れが多い場所では、人感センサー付きの製品を使用するのも有効です。また、照明の場合は取り換えが簡単なので、ご自宅の照明が白熱電球や蛍光灯を使用しているならば、電球そのものをLEDに取り換えてしまうのもおすすめです。LEDは白熱電球や蛍光灯と比較すると価格は少し高くなりますが、それらに比べてはるかに寿命が長く、消費電力も小さいので、長い目で見ればLEDを活用するほうが節約になるといえます。■テレビ見たい番組があるわけでもないのに、なんとなくテレビを点けていることはありませんか?必要がない場合は消すことを意識してみましょう。その際、主電源からオフにすることを心がけてみてください。リモコンの信号を待機している状態での消費電力をカットすることができます。また、テレビは静電気が発生しやすく、付着したホコリで画面は思った以上に汚れています。画面が暗いなと思ったら、輝度を上げる前に拭き掃除をしてみましょう。1週間に一度を目安に行えるとよいです。■トイレ(温水洗浄便座)季節にかかわらず、いつも便座の暖房をオンにしていませんか?春から秋にかけての期間は使わなくてもよいことがほとんどなので、必要なとき以外はスイッチをオフにしておきましょう。また、便座や洗浄水の温度は、冬場であっても低で十分快適に使用できます。温度が高くなっていないかチェックしてみましょう。最近の製品には節電機能が付いているものが多いので、付属の機能を活用できているかも合わせて確認してみるとよいです。■キッチン周りキッチン周りで特にムダな電力を消費しがちなのが、冷蔵庫です。たとえば、冷蔵庫内に最大限にものを詰め込んでいる状態から半分ほどの状態にするだけで年間約960円の節約に、設定温度を強から中に変更する(周辺温度22℃の場合)だけで年間約1,360円の節約に、壁から少し離して設置し熱を逃がしやすくするだけで年間約990円の節約になります。つまり、冷蔵庫の使い方を見直すだけで、トータルでは年間約3,310円もの電気代の節約になることが分かります。常温保存できるものを冷蔵庫にしまっていないか、期限切れの食べ物が庫内に放置されていないか、設定温度は適切であるか、などをチェックしてみましょう。そのほか、炊飯器では、保温機能をなるだけ使わないようにするのがポイントです。ご飯はまとめ炊きしてよく冷ましてから冷蔵庫に保存し、食べる分だけ電子レンジで温めるほうが、電気代の節約になります。また、電気ケトルでお湯を沸かしている方は、魔法瓶を有効活用して保温機能を長時間使わないようにしましょう。5. 節電グッズを有効に活用しようここまでご紹介してきた4つの節電方法に加えて、節電グッズを活用していけば、より高い節電効果が得られます。今回はおすすめの節電グッズを4つご紹介しますので、ぜひ使いやすそうなものをご自宅にも取り入れてみてください。■HEMS(ヘムス)HEMSとは、ホームエネルギーマネージメントシステムの略で、ご自宅の電化製品すべてをネットワークに接続し、電力の使用量を可視化してくれるシステムです。細かな時間単位での消費電力をモニターに表示してくれたり記録してくれたりし、機能性の高いものでは、自動で消費電力を抑制してくれるものもあります。■ワットチェッカーワットチェッカーは電化製品の電源コードとコンセントの間に取り付けて使用するアイテムで、使用する電化製品の電気代をリアルタイムで表示してくれます。HEMSは高性能ですが、価格は数十万円からと気軽に導入できるものではないので、まずは気になる電化製品にワットチェッカーを使用してみるのもおすすめです。1個当たり1,000~1,500円程度で購入できます。■ソーラー充電器さまざまな電化製品を、電力を消費せずに太陽光で充電できるアイテムです。どのような機器を充電するかによって初期投資の金額は異なりますが、スマートフォンの充電器であれば、機能性が高いものでも1万円以内で購入できます。■節電タップ節電グッズとしてはおなじみの、節電タップ。一般家庭における消費電力のうち約7.3%を占めるといわれる待機電力を、コンセントを抜く必要なく簡単にカットできるアイテムです。意識してこまめに待機電力をカットするように心がけると、年間では約1,000円の電気代の節約になります。■まとめいかがでしたか?ここまでさまざまな節電のアイデアをご紹介してきましたが、はじめからすべての節電アイデアを実践する必要はありません。まずはどれか1つでもできることからコツコツはじめて習慣化し、地球環境にもお財布にもやさしい省エネ生活を目指しましょう。
2017年02月22日月々の電気料金は、「電気料金=基本料金+電力量料金+再生可能エネルギー発電促進賦課金」の計算式で算出されます。また電力量料金の算出式は「電力量料金=電力量料金単価×使用量+燃料費調整単価×使用量」です。このうち「電力量料金単価×使用量」の部分は節約努力によって減額が可能だといえます。■電気料金の内訳は?「電気使用量のお知らせ」といった名前のついた電気料金・電気使用量の明細をじっくり見たことがありますか?よく観察してみると、請求予定金額欄の下部などに、電気料金の内訳が書いてあります。これらは何を意味するのでしょうか。電気料金の内訳は以下のとおりです。この3つの合計が月々の電気料金となっています。◼︎基本料金◼︎電力料金◼︎再生可能エネルギー発電促進賦課金電力料金はさらに以下のように分けられます。◼︎電力量料金単価×使用量◼︎燃料費調整単価×使用量使用量はご家庭のメーターの針から読み取ります。当月の指示数から前月の指示数を引いて、その月の使用電力量が決まります。なお口座振替を利用している場合は上記合計額から割引されることもあります。■基本料金とは基本料金とは、契約アンペアごとに決められた一定の料金のことを指します。契約アンペアとは、同時に使用できる電気量のことです。一気にいろいろな電化製品を使ってブレーカーが落ちてしまった経験はありませんか?それは、契約アンペアを超えた電気量を使ってしまったことによるものです。たとえばある電力会社を例に挙げると、10アンペアから60アンペアまで5アンペアもしくは10アンペアごとに契約アンペアが定められています。各基本料金は、・10アンペアで280.80円・15アンペアで421.20円・20アンペアで561.60円といった具合です。契約アンペアの色は、アンペアブレーカーの色によって判別できるのが一般的です。たとえばある送配電事業者の場合であれば、契約アンペアが10アンペアの場合は赤色、15アンペアの場合は桃色、といった具合に決まっています。なお色と契約アンペアの組み合わせは送配電事業者によって異なりますので、利用している送配電事業者の色分けをチェックしてみましょう。契約アンペアは任意で変更できます。頻繁にブレーカーが落ちてしまうという人は契約アンペアの変更を検討したほうがよいでしょう。ただし契約は年間契約が基本で、季節的に契約アンペアを変更できないのが一般的です。たとえば、電気をあまり使わない春や秋には15アンペアで契約し、電気を多く使う夏や冬には30アンペアで契約する、といったことは多くの場合できません。したがって契約アンペアを決める際は、1年または1日のなかでもっとも電気を多く使うタイミングを考えて決定しましょう。たとえば電気機器を同時に多く使いがちな夕食前・夕食時、冷暖房機器を使う真夏や真冬などの電気量を想定して決めてください。なおアパートやマンションなどの集合住宅の場合は、契約アンペアを変更する際に所有者や管理人の許可が必要です。契約アンペアを下げると基本料金は下がりますが、上乗せされる電力量料金は変わらなかったり、逆に増えたりすることもあります。基本料金を減らしても合計としての電気料金は必ずしも減るわけではありませんので注意しましょう。■電力量料金単価の仕組み「三段階料金」とは電力量料金単価とは、使用電力1kWhあたりの料金のことです。電力量料金単価は契約種別によって決まります。契約種別とは、電力料金単価を決める電気料金プランのことです。契約種別はおもに以下の3種類に分かれます。①従量電灯24時間一律の電力量料金単価が設定されている契約種別です。もっともオーソドックスな契約種別だといえます。②時間帯別電灯一日を昼夜2つや朝昼晩3つの時間帯に分け、時間帯ごとに異なる電力量料金単価を設定している契約種別です。「夜得プラン」「朝得プラン」のような名前がついているのを見たことのある人もいるでしょう。たとえば日中自宅にいないことが多く、夜に電気を使うことの多い人は、夜間に電力料金単価が低くなる契約種別を選べば、電気料金をその分安く抑えられます。なお時間帯ごとおよび季節(2季節)ごとに電力量料金単価が設定されている契約種別もあります。③ピーク抑制型時間帯別電灯電気使用量がピークになる夏の午後3時間(北海道は冬期の夕方3時間)の電力量料金単価を高めに設定し、それ以外の時間帯の電力量料金単価を低めに設定しているタイプの契約種別です。「ピークシフト」などという名前がついています。電力量料金単価の多くは「三段階料金」となっています。三段階料金制度とは、電気の使用量に応じて、電力量料金単価を3段階に変動させる制度のことです。省エネを推進する目的で昭和49年6月から実施されています。第1段階は、国が保障すべき最低限度の生活水準である「ナショナル・ミニマム」の考えにのっとった料金で、比較的低額に設定されています。第2段階は標準的な家庭における月ごとの使用量を踏まえた平均的な料金設定です。そして第3段階は若干割高に設定されています。たとえばある地域で従量電灯Bという契約種別で契約した場合、・第1段階は120kWhまでで19.52円/kWh、・第2段階は300kWhまでで26.00円/kWh、・第3段階はそれ以上で30.02円/kWhと設定されています。もしこの電力量料金単価の地域で、ある月の使用量が60kWhだった場合は、第1段階の料金が適用され、19.52円×60=1171.2円の電力量料金という計算です。以上を見るとわかるとおり、電力量料金単価は使用電力が少ないほど低くなるとともに、使用量に比例して電力量料金が決まることから、「電力量料金単価×使用量」は節約努力によって抑えられる部分といえるでしょう。また契約種別の見直しによっても額を抑えられる部分です。■燃料費調整単価とは燃料費調整制度とは、発電に必要な火力燃料(原油、LNG(液化天然ガス)、石炭)の価格変動を電気料金に反映させるための制度です。火力燃料の価格変動に応じて「燃料費調整単価」が毎月調整されます。電気料金においては、この燃料費調整単価に月の使用量をかけた「燃料費調整額」として反映されています。燃料費調整単価の計算式は以下のとおりです。なお燃料費調整単価は、小数点以下第1位で四捨五入されます。◼︎平均燃料価格が基準燃料価格を上回った場合はプラスの燃料費調整単価になります。燃料費調整単価=(平均燃料価格-基準燃料価格)×基準単価÷1,000◼︎平均燃料価格が基準燃料価格を下回った場合はマイナスの燃料費調整単価になります。燃料費調整単価=(基準燃料価格-平均燃料価格)×基準単価÷1,000平均燃料価格とは、原油、LNG、石炭それぞれの燃料価格を原油換算1klあたりの価格に換算した計算用の燃料の価格です。原油、LNG、石炭それぞれにおける3か月間の貿易統計価格にもとづいて、毎月算定されます。平均燃料価格は地域によって異なりますが、たとえば関東エリアの場合であれば、以下のような計算式で算出されます。【平均燃料価格(原油換算1klあたり)=(3か月における1klあたりの平均原油価格×0.1970)+(3か月における1tあたりの平均LNG価格×0.4435)+(3か月における1tあたりの平均石炭価格×0.2512)】なおそれぞれの平均価格にかけられている定数は、地域によって異なります。また、上記の式の基準燃料価格は、電力会社が料金設定をする際に前提条件として用いる平均燃料価格のことです。基準燃料価格と平均燃料価格の差額から、燃料費調整単価のプラスマイナスや額の大きさが決まります。たとえば関東エリアの場合であれば、以下のように平成24年1月~3月における平均貿易統計価格から、原油換算1klあたりの基準燃料価格を算出しています。◼︎1klあたりの平均原油価格57,802円◼︎1tあたりの平均LNG価格67,548円◼︎1tあたりの平均石炭価格11,452円→以上3点から算出し、基準燃料価格は原油換算1klあたり44,200円基準単価とは、平均燃料価格が1,000円/kl変動した場合の燃料費調整単価のことです。たとえば関東エリアでは22.8銭/kWhと決められています。以上を踏まえて、燃料費調整額を具体的に見てみましょう。燃料費調整額は先述したとおり「燃料費調整額=燃料費調整単価×月の使用量」の計算式で算出されます。たとえば使用量60kWhで燃料費調整単価が-4.6円/kWhだった場合、-4.6円×60=-276円がその月の燃料費調整額です。電気使用量や電気料金の明細には燃料費調整単価自体が明記されていることはあまりありませんが、燃料費調整額を使用量で割れば、逆算で燃料費調整単価を導き出せます。なお平均燃料価格、基準燃料価格、基準単価は、電力の提供エリアによって異なるため、この3つから算出される燃料費調整単価も地域によって異なります。ご自身のエリアについて調べてみましょう。以上を踏まえると、燃料費調整額は原油などの燃料の価格に左右され、個人の努力ではあまり節約できない部分であることがわかるでしょう。とはいえ、電気料金を見ることによって燃料の価格増減を身近に感じられるのは興味深いですよね。ニュースなども注意して見て、動向をチェックしておきましょう。■再生可能エネルギー発電促進賦課金とは再生可能エネルギー発電促進賦課金とは、「送配電事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」という法律によって定められている賦課金です。送配電事業者は、太陽光や風力といった再生可能エネルギーによって発電された電気を、一定の期間中、国が定めた単価で購入することが義務づけられています。この購入に必要な費用については、全国一律の単価で、電気を使用する人全員が負担します。この負担が再生可能エネルギー発電促進賦課金です。なぜ再生可能エネルギー発電促進賦課金は全国一律料金なのでしょうか。再生可能エネルギーの導入については、地域によってばらつきが生じる可能性があります。とはいえ、地域によって賦課金に格差があると不公平感が生まれてしまうでしょう。それを避けるため、全国レベルで電気使用者の負担額を調整する「費用負担調整機関」が設置されています。同機関は、各送配電事業者が全国一律料金で集めた賦課金をいったん回収します。そののち、各送配電事業者の買取費用に応じて、交付金を交付します。このようにして、不公平感を防ぎながら、再生可能エネルギーの導入状況に応じて賦課金が使われるようになっています。再生可能エネルギー発電促進賦課金単価は年度ごとに国が定めます。計算式は以下のとおりです。【再生可能エネルギー発電促進賦課金単価=送配電事業者への交付金の見込額合計÷送配電事業者の想定供給電力量の合計】月々の再生可能エネルギー発電促進賦課金は、以下の計算式で算出されています。【再生可能エネルギー発電促進賦課金=再生可能エネルギー発電促進賦課金単価×月の使用量】たとえば使用量が60kWh、再生可能エネルギー発電促進賦課金単価が2.25円/kWhであれば、2.25×60=135円がその月の再生可能エネルギー発電促進賦課金という計算です。再生可能エネルギー発電促進賦課金の部分も、個人の努力で節約できる部分とはいえません。とはいえ、再生可能エネルギー発電促進賦課金の額からは、日本全体の送配電事業者がどれだけ再生可能エネルギーを導入しているかがわかります。賦課金の部分が大きくなるのは電気料金を払う側からすると負担かもしれません。しかし賦課金が大きいということは、それだけ日本の送配電事業者がエコなエネルギーを使うようになっているか、あるいは日本全体の電気使用量が減っているということを意味します。賦課金の額は日本がどれだけエコな電気の使い方をしているかの指標になるといえるでしょう。■まとめ2016年から電力の自由化が実施され、電気料金を見直す機会が増えた人も多いかと思います。電気料金の仕組みを知ることは、電気料金をかしこく節約する第一歩です。毎月の電気使用量・電気料金明細の意味を細部まで理解し、ご家庭の電気料金を見直してみてはいかがでしょうか
2017年02月22日電気料金は、「消費電力×使用時間」の計算式で算出される「消費電力量」を根拠に算出されます。消費電力とは、電気機器を動かすために使われる電力の大きさのことです。家電のラベルやカタログには、定格消費電力や年間消費電力量といった形で消費電力が記載されていることもあります。これらの消費電力から1カ月分の消費電力量を算出し、それに電力量料金単価をかけて基本料金などを加えれば、1カ月間の電気料金が計算できます。■消費電力・消費電力量とは?家電ごとの消費電力目安もご紹介消費電力とは、電気機器を動かす際に使われる電力の大きさを指します。単位はW(ワット)やkW(キロワット)などです。なお1,000W=1kWと換算されます。この電力の大きさで、実際に使われた電力の量が消費電力量です。消費電力量はWh(ワット時)やkWh(キロワット時)という単位で表します。消費電力量を算出する計算式は以下です。・消費電力量=消費電力×使用時間たとえば60Wと書かれてある白熱電球は、消費電力が60Wであることを意味しています。つまりこの電球をオンにするためには60Wの電力が使われるという意味です。この白熱電球を5時間使ったときの消費電力量は以下の計算式から算出できます。・60W×5時間=300Wh白熱電球以外にも、家電などの電気機器のラベルやカタログには、その機器を動かすための消費電力が記載されています。以下はおもな家電の消費電力の目安です。ただし、家電の大きさや型のほか、計算方法によって消費電力の値は異なることがありますので、あくまで参考としてください。◼︎冷蔵庫(「年間消費電力量」の項目も参照)・140リットル以下:48W・141~200リットル:50W・201~250リットル:58W・251~300リットル:62W・301~350リットル:64W・351~400リットル:56W・401~450リットル:60W・451~500リットル:58W・501リットル以上:64W◼︎エアコン・6~9畳用:355W・7~10畳用:508W・8~12畳用:599W・10~15畳用:745W・11~17畳用:905W・14~21畳用:1,220W・15~23畳用:1,730W・17~26畳用:1,890W・20~30畳用:2,490W以上を見てみると、よく電気を使う家電、思ったほど電気を使わない家電などが比較できますよね。アイロンやドライヤーなど、小さいのに多くの電力を使う家電に驚いた人もいるのではないでしょうか。◼︎ドライヤー:800~1200W◼︎アイロン:1,200W(「定格消費電力」の項目も参照)◼︎電子レンジ:1,300W◼︎掃除機:1200W(「定格消費電力」の項目も参照)◼︎IH調理器(卓上):1,200W◼︎コタツ:600W◼︎食洗器:1,300W◼︎ホットカーペット:500~800W(「定格消費電力」の項目も参照)◼︎炊飯器:300~700W◼︎加湿器:300~500W◼︎液晶テレビ(32型):150W◼︎プラズマテレビ(32型):240W◼︎洗濯機:500W◼︎洗濯機(乾燥機能):800~1000W◼︎デスクトップPC:150~300W◼︎ノートPC:50~150W■ラベルにある「定格消費電力」って?家電のラベルやカタログで消費電力を調べてみると、単に「消費電力」と書かれているのではなく「定格消費電力」と書かれている場合が多いことに気づくかと思います。定格消費電力とは、その電気機器を安全な範囲内で最大限使用した際に消費する電力の大きさのことです。実際の消費電力は一般的に、定格消費電力の90%程度になるよう設定されています。これは安全のため、供給電圧が最大限になった場合でも家電の定格消費電力を超えないようにされていることが理由です。以下で、家電のタイプごとに定格消費電力と消費電力の関係を詳しく見ていきましょう◼︎「オン/オフ」のみの家電電球など「オン」または「オフ」しかない家電における消費電力の目安は、先述したとおり、定格消費電力の90%程度です。たとえば定格消費電力が60Wの電球の場合、60W×0.9=54Wが実際の消費電力の目安になります。◼︎タイマー機能のみの家電単純な電子レンジやオーブントースターなど、タイマー機能のみの家電についても、実際の消費電力は定格消費電力の90%程度です。たとえば定格消費電力1000Wのオーブントースターであれば、実際の消費電力は約900Wの計算になります。◼︎「切/弱/強」といったスイッチがついた家電ドライヤーなど強弱の調節ができる家電製品のラベルなどには、「定格消費電力:700W、強:700W、弱:300W」といった表記が見られます。この場合の実際の消費電力は以下のように考えましょう。・強モードを使った場合の消費電力目安=700×0.9=630W・弱モードを使った場合の消費電力目安=300×0.9=270W◼︎サーモスタット機能のついた家電サーモスタットとは、一定の温度を保つために自動的に温度を調節する機能のことです。たとえばアイロンやコタツなどにはサーモスタットがついています。アイロンを例として仕組みを見てみましょう。アイロンの「高」モードは約200度の設定です。スイッチをオンにすると過熱を開始し、200度に達すると自動でスイッチがオフになります。さらに温度が200度を下回るとまた自動でスイッチがオンになる仕組みです。このような家電の場合は、どのように消費電力を計算すればよいのでしょうか。ホットカーペットを例に考えてみましょう。「強」モードが700W、「弱」モード300W、定格消費電力700Wの場合、30分間の平均消費電力は以下のように計算できます。《強モードの場合》・定格消費電力700Wでスイッチオン→実際の消費電力は約630W・一定の温度に達したらスイッチオフ→実際の消費電力は0W・→30分間の消費電力の平均は630Wの約3割~5割→約189~315W《弱モードの場合》・定格消費電力300Wでスイッチオン→実際の消費電力は約270W・一定の温度に達したらスイッチオフ→実際の消費電力は0W・→30分間の消費電力の平均は270Wの約3割~5割→約81~135W実際の消費電力は、表記されている定格消費電力の半分以下になる場合もあるとわかります◼︎2種類の定格消費電力が併記されている家電たとえば冷蔵庫には、以下のように記載されていることがあります。・定格消費電力電動機:90W電熱装置:200W「電動機」の部分は普段の最大消費電力を指し、「電熱装置」の部分は霜取り運転をする際の最大消費電力を指します。なお冷蔵庫の場合は、後述する「年間消費電力」の記載を目安にしたほうが正確な電力量が出ることもあります。◼︎定格消費電力の記載がない家電家電製品の中には、定格消費電力の記載がない家電もあります。たとえば掃除機などは、カタログに「消費電力:1000W~300W」などとかなり幅を持って記載してあることがあります。これは掃除機が、使い方によって消費電力が大きく変わる家電であるためです。たとえば集塵部分にほこりがたまった状態で「強」モードの運転をした場合は消費電力1000W程度、集塵部分を掃除してモーターの負荷を軽くした状態で「弱」モードの運転をした場合は消費電力300W程度になるというように解釈しましょう。発電の負荷をできるだけかからないように使うことが、特に消費電力を抑えるポイントになる家電といえます。計算の際には、普段の使用方法を振り返り、記載されている消費電力の範囲内で計算しましょう。温度設定や気温との関係によって消費電力が変わるエアコンも、定格消費電力の記載がないことが一般的です。たとえば、以下のように記載されています。・消費電力:1,200W~150W(700W)括弧内は平均値を表しています。計算の際には、仮に平均値を使って計算するとやりやすいでしょう。テレビやパソコンも、ディスプレイの明るさやステレオの音量によって消費電力が変わるため、定格消費電力の記載がない場合があります。消費電力の目安値や、後述する年間消費電力の値を使って計算するようにしましょう。■テレビや冷蔵庫にある「年間消費電力」って?年間消費電力は、ある家電製品を1年間使った場合の電力量のことです。たとえば冷蔵庫は、扉を開閉する回数や時間によって瞬間の消費電力が異なってくるため、年間消費電力を目安として表示しています。また待機電力も計算しないといけないテレビのような家電についても、年間消費電力が記載されている傾向があります。年間消費電力は、その家電が実際に使われている状況に近い条件になる基準で計算されています。メーカーが異なっていても、測定基準は一定です。年間消費電力の値を使って他の家電と消費電力を比較する際には、以下のように計算します。・消費電力の目安=年間消費電力×1,000÷365日÷24時間この計算式で、1時間当たりの消費電力量目安が出るため、定格消費電力などで消費電力の目安が記載されている家電と比較できるようになります。■1カ月の電気料金を計算してみよう!実際に1カ月の電気料金を、家電の消費電力から計算してみましょう。以下で1カ月を30日とした場合の例をご紹介します。◼︎【1】自宅にある電気製品とその消費電力、使用頻度を列挙して消費電力量を計算する《具体例》・冷蔵庫:417kWh/年(年間消費電力量)消費電力の目安は、417kWh×1,000÷365日÷24時間≒48Wh1日24時間30日使用するので、1カ月間で使われる消費電力量は、48Wh×24時間×30日=34,560Wh・電子レンジ:1,100W(定格消費電力)実際の消費電力目安は9割の990W1日10分、30日使用するので、990W÷6×30日=4,950Wh・炊飯器:570W(消費電力)1日1時間、30日使用するので、1カ月間で使われる消費電力量は、570W×1時間×30日=17,100Wh・液晶テレビ(65型):326kWh消費電力の目安は、326kWh×1,000÷365日÷24時間≒37Wh1日4時間、30日使用するので、1カ月間で使われる消費電力量は、37Wh×4時間×30日=4,440Wh・エアコン:平均700W1日12時間、30日使用するので、1カ月間で使われる消費電力量は、700W×12時間×30日=252,000Wh・デスクトップパソコン:155W(定格消費電力)実際の消費電力目安は9割で約140W1日3時間、30日使用するので、1カ月間で使われる消費電力量は、140W×3時間×30日=12,600Wh・掃除機:1,000W~300W(消費電力)実際は「強」モードで、毎回メンテナンスをしながら使うため、消費電力目安は800Wと試算月4回、1回30分使用するので、1カ月間で使われる消費電力量は、800W×0.5時間×4日=1,600Wh・ドライヤー:定格消費電力:700W、強:700W、弱:300W常に「強」モードで使っているため、実際の消費電力は9割の630W1日10分、30日使用するので、1カ月間で使われる消費電力量は、630W×÷6×30日=3,150Wh・アイロン:1,200W(定格消費電力)実際の消費電力目安は30分間で1,200W×0.3=360W程度1回10分、15日使用するので、1カ月間で使われる消費電力量は、360W÷3×15日=1,800Wh・洗濯機:500W1回30分、15日使用するので、1カ月間で使われる消費電力量は、500W×0.5時間×15日=3,750Wh◼︎【2】【1】の合計を1,000で割って、1カ月の消費電力量(kWh)を出す(34,560+4,950+17,100+4,440+252,000+12,600+1,600+3,150+1,800+3,750)÷1,000≒336kWh◼︎【3】電力量料金単価に【2】で出た消費電力量をかけるある送配電事業者の従量電灯プランの場合、使用量が300kWを超えた際の電力量料金単価は30.02円/kWhなので、336×30.02=10,086円なお電力料金単価は三段階料金制が採用されていることが多く、電気の使用量によって三段階に変化します。利用している送配電事業者の料金プランを確認してみましょう。◼︎【4】基本料金などを加算して電気料金の合計を出すある地域における送配電業者の従量電灯プランの場合、基本料金が421.20円、燃料費調整単価が4.61円/kWh、再生可能エネルギー発電促進賦課金単価が1.58円/kWhなので、10,086円+421.20円+(4.61+1.58)×336kWh≒12,587円基本料金は電気料金プランである契約種別によって異なります。また燃料費調整単価は地域によって異なり、送配電事業者のホームページや使用量明細に記載してあります。再生可能エネルギー発電促進賦課金単価は年度ごとに決まり、全国一律です。以上の計算で試算額が出ました。1カ月の電気料金試算額は12,587円です。■まとめ今回は、電気料金を消費電力から計算する方法についてご紹介しました。いかがでしたか?実際に計算してみると、電気料金に全体に対してどの家電が多くの割合を占めているかがわかりますよね。消費電力を見直すことは、電気料金の節約の第一歩です。今回ご紹介した内容を参考に、ぜひ自宅の電気料金を試算してみてはいかがでしょうか。意外な無駄遣いが見つかるかもしれませんよ!
2017年02月22日これまでは決められた電力会社との契約しかできませんでしたが、電力自由化により自分たちで電力会社を選べるようになりました。わが家も別の電力会社に切り替えることで年間6,000円の節約ができることを知ったものの、「これまでと何も変わらず電気が供給されるのか」が気になっていました。そこで「物は試し」と実際に切り替えてみることに。新たな電力会社と契約し、電気が供給されるまでの実体験をご紹介しましょう。電力会社選びは「比較サイト」がお手軽電力会社変更の際、とても役に立つのが「電力比較サイト」です。住んでいる地域や家族構成、現在の電気料金などを入力することで、新規参入組を含めた多くの電力会社のプランから「最適なプラン」を知ることができます。年間どのくらい節約できるのかが分かったり、ガスとのセット割ができるサービスもあるなど、具体的な比較材料をもとに電力会社を検討することができます。わが家は「LOOOP電気」にチェンジ!わが家も比較サイトを通じて検討した結果、電気料金が今より年間7,000円程度節約できる「 LOOOP電気 」に電力会社を変更することにしました。こちらの電力会社は電力自由化による新規参入組。通信機能のある、新しい電力量計「スマートメーター」設置の必要があります(立ち合い不要)が、基本料金が無料で解約金がないこと、自然エネルギーの推進をすすめていることを魅力に感じ、決定しました。ちなみにスマートメーターがあると、遠隔地からの検針などが可能になります。2020年度までに、順次・交換が進められていくそうです。申込みはWEBからで、手元に検針票を用意し「お客様番号」や「電力の供給地点特定番号」、「現在の電力プラン」や「契約電力」などを入力すれば完了! 作業にして10分たらずでした。申込みから供給開始までの流れ申込みを行うとすぐにマイページ開設とパスワードのお知らせがメールアドレスに届きます。その2日後には「供給開始日」のお知らせが同じくメールで届き、1週間後には自宅のポストに「スマートメーター設置工事のお知らせ」が入っていました。メーターの設置は各地域の一般送配電事業者が行い、費用負担や立ち合いの必要はありません。そして切り替え日には停電もなく、無事に供給スタート。わが家の場合は申込みから3週間程度で切り替えが完了しました。「これまでと何の変化もなく」快適に生活できています。電力会社の切り替えは、簡単な手続きで節約できるので個人的におすすめできます。ただ、切り替えにより今後は紙の検針票が発行されなくなり、電気使用量などはWeb上での確認となるなど、変更点もありました。電気代節約を考えるなら、各電力会社の特徴やサービスの内容を理解した上で、切り替えを検討してみるのがいいかもしれません。
2016年07月25日意外と知らない社会的なテーマについて、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは、「電力自由化」です。***4月より電気の小売りが全面自由化しました。これまでは東京電力や関西電力など地域の決まった電力会社からしか電気を買えませんでしたが、家庭でも自由に選べるようになったのです。電気は3つのシステムを経て、私たち消費者に届けられます。まずは「発電部門」。水力、火力、風力、原子力、太陽光、地熱などを使って電気を作る部門です。2つ目は「送配電部門」。電線をつなげたり電柱を作ったり、発電所の電気を消費者に届けるまでを担います。3つ目は「小売り部門」。料金設定などを行い、実際に売買をする部門です。これまでは、3つの部門全てを地域の電力会社が担っていました。発電部門はすでに新規参入が許されていましたが、小売り部門がこの4月から自由化されたのです。電力自由化は、ヨーロッパなどではすでに普通に行われていること。規制緩和の一環で、国の負担を減らし、市場競争を促して、経済が活性化することを見込んで進められました。約7兆円の市場が生まれるといわれています。私たちは、何もしなければ、これまで通り既存の電力会社と契約することになりますが、新しい会社に乗り換えることもできます。CMなどで目にするように、東京ガスやau、エネオスなど様々な企業が「電気売ります」と名乗りを上げていますね。契約を新規参入の会社に換えても、「送配電部門」は変わらず地域の電力会社が行いますので、大きな工事の必要はありません。また、万一、契約先が倒産したら、送配電部門が代わりの小売会社と契約しますので、いきなり電気が止まるという心配もありません。ただ、もともと電気は薄利多売。これまでは原油が高騰しても、電気代にすぐ響かないよう、国が値上げ額が妥当かどうか審査してきました。しかし、今後はどうなるかわかりませんね。各社、様々な料金プラン、提携会社のサービスを謳っています。実際、動きだしてみないと、どの会社が良いか決めかねる部分はあると思います。様子を見て、選んでもいいんじゃないでしょうか。これからは「私は原子力発電に反対だから、原発を使わない会社にする」なんて選択もできるんですよ。◇ほり・じゅんジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2016年4月27日号より。写真・中島慶子文・黒瀬朋子
2016年04月26日こんにちは。在宅ワーカーの川中利恵です。2016年4月1日より、電力の小売り全面自由化が実施されましたね。2月ごろから順次申し込みが始まっているようで、Web上でも電力会社比較サイトがいくつかあるようです。平成28年3月25日現在、家庭向け法人向けを合わせた登録小売電気事業者は、東京電力など一般電気事業者を含めるとなんと276社。これまでお住まいの地域では固定されていた家庭用で利用できる電力会社が大幅に増加し、新たな選択肢として名乗りを上げています。地域によって選択できる会社の数は異なりますが、これまで選択肢がなかったのに、一気にこんなに増えてしまうと、さすがに迷ってしまいますよね。そこで今回は、電力会社選択のポイントをまとめてみました。●「電線やメーターは有料」「電力会社を変えたら停電」はウソ!まず、注意してもらいたいのは、電話勧誘 や訪問販売 です。今はWebを検索すれば詳細な情報がたくさん提供されているので、ご自身でしっかり調べてから電力会社を決めたほうがいいと思います。契約の切り替えはいつでもできるものです。また、契約した電力会社が倒産したとしても電気は止まらないし、停電にもならないので安心してください。契約を急がなくても電気は止まりませんから、じっくり選択しましょう。悪質な業者の場合、電線やメーターを有料で設置する必要があると言ってくることがあるようです。しかし、電力会社をどの業者に替えたとしても、メーターや電線を有料で設置する必要は一切ありません 。メーターは順次スマートメーターと呼ばれる新たなメーターに切り替えられます。各家に訪問して人力で行っている検針から自動検針へ切り替えるものですから、原則無料設置です。また、電線はこれまで使用しているものをそのまま使います。そのため、新たに電線を購入する必要もありませんし、万が一契約した電力会社の発電量が下がってしまったとしても、ほかの電力会社から電気が送られる仕組みが出来上がっています。「電力会社を変えたら停電しやすくなるということはない」 ので、このようなことを言い出す業者との契約はやめましょう。消費者庁も平成28年3月に警告を出しています。万が一契約してしまったとしても、契約8日以内であればクーリング・オフできますので、急いで対応しましょう。契約トラブルが起きた場合は、速やかに消費者ホットライン188に連絡してみてくださいね。●各地における電力会社自由化の実態は?これまでお住まいの地域に合わせて決められていた10社から、一気に276社になった電力会社。ただ単純に「自由に選べる」と言われても、困ってしまうことでしょう。さらに地域によっても選択肢の幅が異なり、どの企業がお住まいの地域にフィットしているかどうかも経済産業省資源エネルギー庁のサイトを見てもよくわかりません。実際のところ、自由化によって最も競争が激しくなるのは、東京電力管内の関東です 。次に関西電力管内、それから中部・九州・北海道の順に続きます。残念ながら東北・北陸・中国・四国の場合は選択肢が少なく、限られてしまうようです。また、沖縄電力管内は新規参入がないため、電力会社を変えることはできません。世帯数が多いほど、新規参入電力会社が多いという結果で、今後も競争が難しいのではないかと言われている地域もあります。それでも自治体が電力販売を予定するなど、東日本大震災をきっかけに電力の地産地消を訴えるケースも増えているため、今後の参入はもっと増えることを期待しましょう。●料金やポリシーを見極めて電力会社を選択しよう!では具体的に、電力会社を順番に選択してみましょう。各電力会社は、自由化に当たりさまざまなサービスや割引、ポリシーなどを打ち立てています。そこで、どんなことに着目すればいいかを知っておくとよいでしょう。●(1)利用できる電力会社を調べるまずはご自分の地域で提供されるサービスを確認してみましょう。良さそうなプランがあってもお住まいの地域に対応できなければ意味がないためです。また、詐欺が流行しているようです。本当に国に登録された電力会社かどうか の確認も忘れずに行っておきましょう。●(2)ご自身の選択基準を決めておきましょう各電力会社によって、PRポイント が異なります。具体的には、「とにかく料金が安くなること」「ほかのサービスを利用することで総合的に生活に必要な経費をコストダウンできる」「ポイントなどでアイテムやサービスを受けられる」「時間帯別で安くなるプランがある」など、コストやサービス面のメリットを大々的に打ち出す電力会社です。コストの安さをウリにする電力会社を選択する場合は、「長い目で見たら損だった」ということがないように、頻繁に利用するサービスとの組み合わせをしっかり調べておくとよいでしょう。また「太陽光など再生可能エネルギーの利用比率が高い」「電力の地産地消ができる」ことなどをPRする企業も少なくありません。ご自身が一番重要だと思うポイント に絞れば、より探しやすくなります。●(3)比較サイトを利用すれば効率アップ!多くの電力会社では、現在の電気使用量からどれぐらい価格差があるのかを調べることができるようです。電力会社を絞り込んだら、まずはコストの確認をしてみましょう。それでも選択が難しい、と思われる方も多くいらっしゃるでしょう。その場合は比較サイト を活用してみてください。多くの電力会社との比較が簡単に行えます。----------電力会社によって、契約内容はさまざまです。ケータイ電話の契約のように、期間が設定されており、期間内の解約は手数料がかかるケースもあります。じっくり家族で話し合って、ご家庭ごとに適した電力会社をセレクトしてくださいね。わが家は再生可能エネルギーの使用率が高い電力会社をセレクトしようかなと思っています。【参考リンク】・経済産業省資源エネルギー庁「電力の小売り全面自由化スタート!」()●ライター/川中利恵(在宅ワーカー)
2016年04月10日米国の第三者安全科学機関であるULの日本法人UL Japanは4月6日、ワイヤレス電力伝送装置(WPT)の型式試験および通信局への届出サービスを開始すると発表した。電波が漏洩すると他の無線通信に妨害を与える可能性があるため、高周波利用設備を設置するためには、総務大臣から許可を取得することが電波法100条で定められている。WPTは2016年3月15日付で型式指定の対象となったことで、所定の試験を受けることで総務大臣の許可が不要となった。ワイヤレス電力伝送は今後、携帯端末充電器、家庭用電気製品、情報通信機器などへの採用が予測されており、需要の増加が見込まれている。今回、UL Japanは横輪(三重県伊勢市)、湘南(神奈川県平塚市)、鹿島(千葉県香取市)の全てのEMC試験所で同サービスに対応することで、ワイヤレス電力装置の型式認証対応のニーズに迅速に対応するとしている。
2016年04月06日ITホールディングスグループのTISは4月5日、IoT(Internet of Things)技術を活用し、各種機器の消費電力データを収集して消費電力の見える化を実現する「消費電力可視化サービス」の提供を開始した。新サービスは分電盤の配線ごとにクリップセンサを取り付け、機器ごとの消費電力データを収集、そのデータを専用のWEBサイトで容易に閲覧することができるサービス。配線ごとにセンサを取り付けられるため、個々の機器の電力使用量を計測でき、消費する電力をリアルタイムに把握することが可能だという。これらのデータを分析することで、電力消費の抑制に加え、各機器の利用時間帯やオペレーション状況なども把握でき、業務改善も実現できるとしている。新サービスでは、サービス導入コンサルティングからセンサの設定、データ分析、そしてデータ分析から得られた結果をベースに業務改善提案などを顧客の要望に合わせて提供する。例えば、飲食業など多店舗展開する業態の企業の施設管理において各拠点の消費電力を測定し、機器ごとの電気使用量を分析することで、電気料金の削減やオペレーションの改善に活用することができる。多くの拠点を有する企業ほど、多数の分電盤が設置されているため、同サービスを有効に活用できるという。TISでは、新サービスを飲食業や物流業など多店舗展開する業態の施設管理ソリューションとして展開し、2019年までに2万拠点への導入を目指し、今後は取得したデータの分析やBIツール、ERPとの連携なども対応していく方針だ。また、同社が小売電気事業者向けに提供している顧客・販売パートナー向け「エネLink Portal+」のオプションメニューとして新サービスを展開していく予定だ。価格は初期費用が個別見積もり、月額費用は1万3000円(センサ、モバイルルーター、Webサイト、月次レポート含む)。
2016年04月06日