絶対音感がある人は、日常のいろいろな音が音色のように聞こえるといいます。しかし、絶対音感がなくても、普段の暮らしの中で聞こえてきた音が、たまたま知っているメロディーのように聞こえることはないでしょうか。ある文字を鉛筆で書いてみると?ひつあしすと(hitsuasist_)さんのInstagramに投稿された動画が、ある有名な曲に聞こえると話題になっています。鉛筆で『m.m.m! m.m.m! 1515151』と書くだけなのですが…。あなたは、なんの曲に聞こえますか。 この投稿をInstagramで見る ひつあしすと(@hitsuasist_)がシェアした投稿 実はこの動画、国民的アニメ『サザエさん』に使われている『楽しい磯野家』という曲に聞こえるというのです!テレビなどで一度は耳にしたことがある人は多いでしょう。よく分からなかったという人は、『サザエさん』をイメージしながら聞いてみてくださいね。つい何度も聞き返したくなってしまうこの動画は、2024年1月時点で900万回以上の再生を記録!たくさんのコメントも寄せられています。・気付いた人の感性がすごい。・確かに聞こえた!平和な笑いをありがとう。・聞いたら一発で分かった!中には違う曲に聞こえたという人もいたようなので、感性の違いを楽しんでみるのも面白いかもしれません。普段、紙に文字を書く音を意識している人は少ないでしょうが、ひつあしすとさんは日常の中に音楽を見つける楽しさを教えてくれましたね!ひつあしすとさんのInstagramやYouTubeチャンネルには、ほかにもいろいろな曲や言葉に聞こえるという文字が投稿されているので、気になる人は覗いてみてください。・Instagram:hitsuasist_・YouTube:@hitsuasist_[文/AnyMama(エニママ)・構成/grape編集部]
2024年02月13日関西のコンサートプロモーターGREENSのライブ再開イベント第1弾『GREENS presents 緑音感』が、7月18日(土)大阪城音楽堂にて開催される。「GREENS presents 緑音感」チケット情報出演は、関西出身アーティスト、押尾コータローとDEPAPEPEの2組。距離を保つ席プランや分散入場、マスク着用など、ガイドラインに基づいて安全を確保しながらの開催となる。ガイドラインの詳細はイベント特設ページをご確認ください。緑に囲まれた開放感たっぷりの大阪城野音で、気持ちの良い夏の夕暮れ時に、ここでしか見られない瞬間を体感してください。チケットは、7月5日(日)10:00より一般発売開始。一般発売に先駆け、7月2日(木)23:59まで先行受付実施中!
2020年07月01日リズム感、音感、表現力。リトミックではいろいろな能力が養われますが、中でも重要な力として“6番目の感覚”があります。これはピンとくる直感ではなく筋肉の感覚のこと。視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚の五感の他にもう一つある、6番目の感覚のことを指します。筋肉の感覚が身に付くと、体をコントロールできる力、運動神経や集中力もアップします。子どもに身に付けさせたいこの力、リトミックで伸ばしてみませんか?お話を聞いたのは:石丸由理さん国立音楽大学リトミック専攻卒業、ロンドン・ダルクローズ音楽研究所卒業、ダルクローズ・リトミック国際ライセンス取得。ニューヨーク大学大学院修了。「こども未来プロジェクト」を各地で展開し、各園のリトミックを指導するほか、NHK子ども番組の音楽遊びを長年にわたり担当。音楽教材の「ともだちシリーズ」(ドレミ楽譜出版社)ほか、リトミック関係の著書多数。ユリ・リトミック教室(東京都国立市/ )主宰。第6感が育つと…1音楽に合わせて体を動かせる音楽には「高い・低い・強い・弱い・速い・遅い・激しい・滑らか」など、いろいろな要素があります。その要素と、人間の体の動きが同じことに注目したのが、ダルクローズのリトミック(※)。動きのリズムを筋肉の感覚として体に蓄えることで、音楽をより豊かに表現できる手段としたのです。「音楽に合わせて体を動かす」という筋肉の感覚は、日常生活にも役立つ大事な力です。※ダルクローズのリトミックとは…リトミックの創始者である、エミール・ジャック=ダルクローズが提唱した、人の体の動きと音楽を結び付けたリトミックのこと。第6感が育つと…2行動する前に準備を整えられる例えばボールを投げるとき、初めにする動きは何でしょう?腕を後ろに振ることですね。声を出す前には、必ず息を吸います。私たちは何かの動作をするとき、運動の前にまず反対の動作をして準備を整えます。この準備の感覚や、タイミングを生み出すのが、6番目の感覚である筋肉の感覚。音楽だけでなく、運動や日常のあらゆる動作をスムーズに行えることにもつながります。第6感が育つと…3自分にできることを見極められる筋肉の感覚が育つと、自分の体の動きを自覚できるようになっていきます。例えば何かを跳び越えるとき、「ちょっと無理そうかな」「これくらいならいけるかな」と見極められるのは、6番目の感覚が育っている証拠。感覚が育っていないと、無茶な行動に出てしまう場合があります。また、「隣の子にぶつからないためにはこれくらい離れなきゃ」など、周りを見渡せる力も身に付きます。第6感が育つと…4自分の頭でどうすればいいか考えられる筋肉の感覚は、体を動かしながら、動きの感覚を筋肉に蓄えることで身に付きます。ママは見本を示しつつも「こうしなさい」と教えるのではなく、子どもに自由にやらせましょう。一緒に動きのアイデアを出したり、「こうしたらうまく動けるかな」などと試行錯誤したりして、少しでもできるようになったら褒めてあげて。うれしい経験を通じて、集中力ややる気が育っていきます。[リトミックをやらせたことがある人に]Q.お子さんにとってリトミックはいい影響があると思いますか?「リズム感が付いた」「音楽が好きになった」などの他に、「小さな我慢ができるようになった」「頭の中で想像したものを表現できるようになった」「お絵描きなど、他の芸術面でも表現力が上がった」など、音楽面以外の成長を感じる声も上がりました。※2017年6月7日~7月4日、Webアンケート、有効回答数645リトミックについてのママたちの疑問に石丸さんが答えます!Q.ダンスとリトミックの違いが分かりませんA.大きな違いは自分で判断して動くかどうかです音楽に合わせて動いている時、急に音楽が止まったらどうしますか?「音が止まったら止まりますよ」と指示されていなくても、自然と動きを止めませんか。自分で判断して体をコントロールする。これが「音楽を動きで表現する」リトミックの考え方です。リトミックは「こういうふうに動く」という指示通りに動くのではなく、音楽のいろいろな要素を感じ取って表現するもの。一方ダンスは一般的には決まった振り付け(型)があり、その動きを練習して習得します。音楽を流して動くことは同じでも、音楽の考え方や捉え方に大きな違いがあるのです。Q.小さいうちに音楽をやらせると音感が身に付く?A.幼児期に体験することで効率よく身に付きます音楽に必要な「相対音感」は、音の高低、長短、強弱、そして音の持つニュアンスを聴き分ける力です。より早い時期に音楽に触れた方が効率的に身に付きますが、ただ聞くだけではなく、歌ったり身体を動かしたり、実際に体験することが大切な要素です。Q.うちの子はうまく体を動かせませんA.動きの回路をたくさん育てましょう体を上手に動かすためには、たくさんの動きを経験して、動きの回路を育てることが必要です。全身の動きだけでなく、手を動かして巧緻性も育てましょう。例えばリズムに合わせて、両手をグーパーさせたり、左右反対の動きをしてみたり。子どもの様子を見ながらいろいろな動きにトライしてください。初めは難しくても、練習すれば必ずできるようになります。全身の動きでも同じこと。大事なのは次から次へと新しい動きを詰め込むのではなく、一つの回路を身に付けてから、新しい動きにチャレンジすることです。“あの時間”にちょいプラス!1日5分の親子リトミック広い空間がなくても、親子2人だけでもできる簡単リトミックを石丸さんに教えてもらいました。こんなときにやってみては?という例を挙げましたが、いつでも好きなときにチャレンジしてくださいね。例えば…幼稚園のお迎え、散歩中:オノマトペ散歩「ずんちゃ、ずんちゃ」「ぽくぽくぽく…」「どすーん、どすーん」「ちょこちょこちょこ…ストップ!」など、歩くことが楽しくなるオノマトペを付けて動いてみましょう。動きに合ったオノマトペになっているか話したり、お互いの動きをまねっこしたりしても楽しいですよ。例えば…CMの間に:曲げて・曲げてひざの屈伸で体幹を育てましょう。体がフラついたり、ぐにゃぐにゃしたりしないように、しっかり地面の方向にお尻を落とします。ゆっくり、少し速くなど、いろいろな速さで動いてみましょう。両足の屈伸ができるようになったら、片足の屈伸にもトライ!初めは、フラついたとき支えられるよう、ママの両手を添えて。例えば…お風呂で10数える代わりに:トン・パチン「トン」は引く力、「パチン」は押す力と、違う筋力の瞬時の切り替えの動きです。最初はうまく切り替えられない子もいますが、練習したら必ずできるようになるので、好きな歌を歌いながらやってみましょう。例えば…晩ごはんの準備中に:伸びて・伸びて背伸びを繰り返す運動。リズムに合わせて爪先立ちができるようになったら、背伸びの時間を少しずつ延ばしたり、速く動いたりしてみましょう。例えば…早く帰宅したパパと一緒に:すーいっ、えいっ!両手を合わせてワイパーのように「すーい、すーい」と動かす動きと、相手と手を組み、ボクシングのように「えいっ!えいっ!」と交互に突き出す動き。相手の動きに合わせて、自分の力を調整できるようになります。静かな動きと激しい動きを交互に繰り返すことで、「そろそろ激しい動きがくるぞ」とワクワクし、集中力もアップします。例えば…電車内で:サイレントグーパー遊びリズムよく両手をグーパー。ゆっくり・すごく速くなど、速さに変化をつけて飽きさせないように。慣れてきたら「左手はグーのまま、右手だけグーパー」「チョキやパーでやってみる」などレベルアップを。おうちでも楽しめますが、声を出さないで心の中で音を反復させる力も付きますので、静かにしてほしい場所での手遊びにお薦め。最後は「にぎにぎにぎ~っ、ぱっ!」で開いてフィニッシュ。必ずできる動作で楽しく終わると、「またやりたい!」という気持ちにつながります。おうちリトミックを親子で楽しんで!私たちは音楽が聞こえてくると、自然にリズムを取ったり体を動かしたりします。音楽に合わせて体を動かす楽しさ、喜びこそが豊かな表現力を生みだします。「音楽はちょっと苦手」というママでも大丈夫。ママが楽しんでいる、その心の動きが子どもに伝わり、「音楽って楽しい」と思えます。親子で楽しみながら“第6感”を鍛えていきましょう。おうちリトミックのおやくそく● 一度にたくさん詰め込み過ぎないまず、一つの遊びがきちんとできるようになってから、新しい遊びを加える。● 子どもの好きな曲やママの歌でCMソングやアニメソングでもOK。親子で楽しくリズムにのって。● はだしでトライ手足の先には、すべての神経が集まっています。はだしで足の裏にも刺激を。● できる動作でフィニッシュ!できないことが続くと嫌になってしまいます。最後は子どもが喜ぶ楽しい動きを。巻頭特集監修/西東桂子さん(あんふぁんサポーター)illustrationKOTO Michiyo
2017年10月04日絶対音感という言葉を聞いたことがある方は多いと思います。一般的な常識とは異なり、絶対音感は訓練で身につけることができるものです。絶対音感とそのメカニズムについて見ていきましょう。絶対音感は小さい頃の訓練で獲得できる絶対音感は、正確には、ある音を単独で聞いた際に、その音の高さを記憶に基づき絶対的に認識する力のことをそのように呼びます。この能力を持っている人は、ピアノの音を聞いたときにそれがドであるとかソであるとかがすぐに分かるのです。これまで絶対音感を獲得するのは遺伝的な要因か偶然性によることが大きいと考えられてきましたが、今では訓練次第でどんな人でも獲得できるという考え方が主流になってきています。実際、ある音楽スクールでは3歳ぐらいの子ども1万人ほどが、2年半程度の訓練を積むことによってこの絶対音感を獲得したという実績があります。訓練を積むことによって、5歳であれば90%以上の子どもが、6歳後半ならば50%程度が絶対音感を獲得できますが、8歳を過ぎてしまうと訓練しても獲得できなくなるといいます。絶対音感を訓練するにはピアノのように決まった音を出せる楽器を使います。バイオリンのように調弦などで音が変化してしまう楽器は向いていません。絶対音感を身につけるための訓練では、普通の音楽スクールで行うピアノなどでの訓練の他に、数分間の音感訓練を実施します。音を聞いたときに相対的な音程(音の上下方向の高さ、トーン・ハイトという)で比べるのではなく、音名に対応する特有の響き(トーン・クロマという)を聞き分けるような癖をつけさせるのです。絶対音感を持っていると、例えばオクターブが違う2つのソの音を聞いた場合でもそこに同じ特有の響き(トーン・クロマ)を聞き取ることができます。絶対音感を持っていなければ2つの音は音程の違う音にしか認識できません。絶対音感に対し、音を相対的な高低(トーン・ハイト)で捉えるやり方は相対音感と呼ばれます。たいていの人がそうであるように、相対音感であって旋律を認識することはできます。しかし、絶対音感を獲得したい場合には相対音感が邪魔になってきます。というのは、絶対音感では相対音感と違って音を1つ1つ認識することになりますから、脳の中で行われる情報処理としては相対音感よりも効率が悪いやり方だからです。このため、発育の途中の子どもが訓練するのでないと身につけることができないのです。これを裏付ける例として、自分より上の兄姉がいるなどして知能の発育が早い子どもは絶対音感を身につけにくかったり、逆に知的障害を持っている子どもの場合は9歳でも獲得できたといった事例が知られています。このように、まだ脳の発達がすんでおらず子どもの年齢が低い時にしか身につかないと言われる能力はいろいろとあり、その分野も言語、運動、数学的な力など多岐にわたります。そして習得の限界となる年齢のことを臨界期ないし感受性期といいます。この臨界期に絶対音感のような能力を身につけたとしても、それがずっと身についたままとは限りません。臨界期はそうした能力を身につけることができるだけでなく無くしてしまう時期にも当たるからです。3歳から訓練を初めて絶対音感を獲得しても、途中で訓練をやめたたために絶対音感がなくなってしまったり、また訓練を再開して取り戻したりといったことも起きる時期なのです。絶対音感のしくみとは最近になってfMRI(磁気共鳴機能画像法)などの技術が発達してきたおかげで、絶対音感のしくみも解明が進んできています。1995年、アメリカの科学誌であるScience誌に、絶対音感を持つ音楽家の左脳が普通の人の左脳よりも大きいという内容の論文が掲載されました。通常、音楽のように直感や感性に属する情報は感情をつかさどっている右脳で処理されます。しかし、絶対音感を獲得している人の場合は左脳で処理されているというのです。普通、左脳は論理、理性、言語をつかさどっている部分だと言われています。平成13年に、国立精神・神経センターで絶対音感に関する調査が行われました。絶対音感の持ち主である音楽家とそうでない学生を集めてバッハの曲を聴かせ、そのあいだ脳がどのように働いているのかをfMRIを使って撮影したのです。すると、絶対音感の持ち主では、左脳にある2つの部分が学生たちよりも明らかに機能していることが判明しました。機能していた2つの部分とは左側頭平面と左背外側前頭前野と呼ばれている部分で、それぞれ言語を処理する働きとものごとを関連づける働きを持っています。このことにより、音を耳にすると同時に音の名前が頭に浮かぶという絶対音感の音の認識を裏付けられた格好です。また、平成11年に北海道大学で行われた実験では、絶対音感の持ち主をMEG(脳磁界計測法)とよばれるやり方で調査しました。すると、絶対音感の持ち主が音楽を聴いている場合に活性する左脳の位置は、一般の人のそれよりもおおよそ1cmほど後ろ側にずれているということが判明しました。幼い頃からの音楽的なトレーニングを通じて左脳にある聴覚をつかさどる皮質が鍛えられて面積を増し、そのためにこうしたずれが生じたのではないかと考えられています。こうしたことから、生まれつき人間には耳にした音に対する絶対的なものさしが備わっていて、耳にした音程をそのまま覚えて区別することができるのではないかとされています。しかし脳や知能が発達する中で相対的なものさしを磨きはじめ、もともと持っていた絶対的なものさしを使わずに音程を区別できるようになっていくのではないかと考えられています。絶対音感の遺伝子日本では他の国々よりもピアノ教室が多くあるためか、世界の中でも絶対音感の持ち主が多いと言われています。幼い頃からの訓練によって絶対音感を獲得している人が多いのかもしれないというわけです。しかしこれとは逆に、遺伝的な性質によって絶対音感を獲得していると思われるような事例も存在するとされています。アメリカのカルフォルニア大学の調査によれば、音楽大学に通う学生のうち絶対音感を獲得している人では親族にも絶対音感を持っている人がいる割合が48%にのぼり、絶対音感のない学生では12%に過ぎなかったという結果が出ているのです。また、7番染色体上の遺伝子欠失に伴って起きる疾患であるウィリアムズ症候群の患者を調べると、絶対音感の持ち主が多いという研究結果もあります。ウィリアムズ症候群の患者は手先があまり起用ではないのですが、音感に優れていることが多いというのです。このように、絶対音感は環境や遺伝によって獲得することがあるようですが、はたしてそれを身につけることが必要なのかどうかという点も含め、音楽教育という点からも今後議論になっていきそうです。絶対音感ははたして必要か?絶対音感は、音楽を職業としている人の間では全体の5%程度、一般の人での間では1%程度いると言われます。また、作曲家や指揮者といった仕事をしている人の中には相当数いるようです。絶対音感を持っていると、たとえば音楽大学の入試などで行われる聴音試験には有利になります。また、概して空間認識や数学的な能力が高い子どもも多いと言われています。日本は世界の中でも絶対音感の持ち主が多いと言われている国ですが、絶対音感を訓練しているのもまた日本ぐらいです。音楽を音楽として鑑賞するためにはむしろ絶対音感は必要ないという意見もありますし、あまり能力が強すぎると生活の中の雑音さえ音の名前で聞き分けられてしまってうるさく感じることもあるといいます。はたして訓練してまで獲得する必要があるのかは何とも言えないところです。
2015年09月21日