暑い夏は食中毒リスクも高まります。食事やお弁当づくりの際は、普段以上に気を配っているママも多いはず。でも食中毒の可能性は、意外なところにも潜んでいる可能性があります。リスクを知って、しっかり対策をしましょう。■夏場の炊飯器の予約は危なかった!?働くママにとって、炊飯器のタイマーはとても便利な機能。夜寝る前に、炊飯器のタイマーをセットするのが日課になっている人も多いと思います。でも、気温が高くなるいまの季節は注意が必要です。なぜならお米をつけた水の温度も高くなるから。一晩放置して水温が高くなってしまうと、雑菌が繁殖してしまうリスクも。朝にご飯を食べるご家庭の場合、夏の間は、ご飯を炊くのは朝起きてからにした方が安全です。でも、慌ただしい朝の時間にお米を研いで準備をするのは大変ですよね。そこで簡単準備でおいしいご飯が炊ける方法をご紹介します。<夏場のご飯の炊き方>1、前の晩にお米を研いで分量の水を入れる2、お釜ごとラップをかけて冷蔵庫に入れておく3、朝起きてすぐ早炊きモードでスイッチを押すこれでスピーディにおいしいご飯が炊きあがります。夕食にご飯を食べるときも、同様に朝お米を研いだら、冷蔵庫に入れておきましょう。どうしてもタイマー機能を使わなければいけない場合は、水の中に氷を入れると、水温の上昇をゆるやかにすることができます。■フルーツの皮は洗っていますか?夏はスイカやメロンなどのフルーツがおいしい季節。このような皮を食べないフルーツの場合は、洗わないままカットしている家庭も多いかもしれません。でも、野菜やフルーツには、土壌などに含まれる細菌が付着している恐れがあります。また、冷蔵庫内での保存状態が悪いと、肉や魚の汁がついてしまうこともあるかもしれません。「皮は食べないから大丈夫」と思っても、小さい子どもはつい皮まで口に入れてしまうこともあります。このため生のままで食べるフルーツは、カットする前に皮もきれいに洗っておくと安心です。■手作りアイスで食中毒になる可能性も!?卵で恐いのはサルモネラ菌。国内で流通している卵には汚染率は非常に低いといわれていますが、食中毒の可能性はゼロではありません。サルモネラ菌は20℃以上で増殖するといわれていますが、熱抵抗性が弱く、十分に加熱すれば死滅させることができるそう。ただ低温には強く、家庭の冷凍庫の中でも、増殖は止まるものの死滅しないといわれています。子どもとアイスの手作りを楽しむご家庭もあるかと思います。夏の時期の手作りアイスに卵を入れる場合は十分注意しましょう。下痢や嘔吐、発熱などの食中毒症状は、大人より子どもに強く出やすい傾向にあります。子どもの健康のためにも、食中毒に気をつけたいですね。<参考サイト>●農林水産省: 食中毒から身を守るには ●横浜市衛生研究所: サルモネラ感染症(食中毒)について ●株式会社東邦微生物病研究所: 卵とサルモネラについて ●サラヤ株式会社: 野菜、果物による食中毒について
2017年09月21日梅雨に入り、気温が高く湿度も上がってくると心配なのは食中毒です。特にお弁当作りには一層気を遣います。子どものお弁当だけではなく大人の分もしっかり対策したい食中毒。どんなことに気を付ければ良いのか知っておきましょう。対策の基本は、細菌を付けず増やさないこと作ってから食べるまでに時間があるお弁当は、作る際にいかに細菌を付けず、そして増やさないようにするかが大切です。ポイントをおさえておきましょう。・中までしっかり加熱食中毒を引き起こす細菌の多くは熱に弱く、75度以上の加熱を1分以上続けることで死滅します。きんぴらや薄切り肉のしょうが焼きは、しっかり火が通せるのでオススメです。卵焼きは中が半熟になってしまうので避けたいですが、薄焼き卵を作ってからロール状に巻けばしっかりと火が通ります。・調理後には十分冷ましてから弁当箱に詰める細菌は水分を好みます。食材が温かいままでふたをすると水蒸気が発生しふたや内部に水滴がついてしまいます。加熱したものは十分に冷ましてから弁当箱に詰めましょう。冷めにくいご飯は、皿やバットに取り分け広げておくと短時間で温度を下げることができます。同様に、水分のあるものは十分水気を切りましょう。汁気が他の食材に移るようなものは、小分けのカップなどを使って移ることを防ぎます。揚げ物や炒め物は水分の出にくいおかずであり、油を使っているのでエネルギーが高く夏バテ対策としてもオススメです。・味付けを濃い目にする塩にも殺菌作用があるので、味が濃く塩分が多めの食材を選ぶとよいでしょう。ただし塩分の摂りすぎにならないように、適度な塩分量を心がけましょう。弁当箱にも対策を食材に気を遣っても、弁当箱が衛生的ではなければ意味がありません。弁当箱にはどんな対策をしたらよいでしょうか。まずは洗った後。熱湯や漂白剤で消毒し、よく乾かしてからしまいます。しまう場所は、細菌が好む風通りの悪い場所やシンク下などの水場近くを避けましょう。使う前には、酢を少量染み込ませたキッチンペーパーで中を拭くと殺菌効果があります。他にもこんな対策を酢や香辛料を使うと食材が傷みにくくなります。ショウガやワサビ、唐辛子を取り入れましょう。ご飯を炊く時に小さじ1杯の酢(ご飯3合に対し)をプラスするだけで、細菌が繁殖しづらくなります。酢の抗菌作用がお米をコーティングしてくれるのです。味にも匂いにも支障がない程度なので、ツンとした匂いが嫌いな方でも問題ありません。お弁当だけではなく、夏場の普段の炊飯にもオススメです。おにぎりは手の菌がつくのでオススメしませんが、作る場合には作り方に気を付けましょう。塩をしっかり利かせ、ラップを使って握ります。ラップのまま持ち運ぶ場合には、冷ましてから新しいラップで包みなおし、海苔は食べる直前に巻けるように分けておきましょう。具材は甘酢・ショウガ・梅干し・大葉などがオススメです。細かく刻んで混ぜ込むと食べやすくなります。持ち運ぶ際は保冷剤や保冷バックを利用するのがいいですね。最近は、凍ったまま入れておけば自然解凍できる冷凍食品が多く出ています。解凍して冷ます手間が省ける上に、持ち運ぶ際の保冷効果がありますので上手に活用しましょう。ただし、自分で作ったおかずを凍らせてそのまま持たせることは厳禁です。冷凍食品は特殊な技術で解凍しても水気が出ないように作られています。自分で作ったものを冷凍すると解凍した際に水気が出て細菌が繁殖する恐れがありますので真似しないようにしましょう。食中毒と聞くと過度に怯えてしまうかもしれませんが、冷ます・手を触れないなどを徹底し細菌の性質を正しく知ることで防げます。ナーバスにならず、美味しいお弁当を楽しく作りましょう。
2017年06月22日働くママの食事づくりの強い味方が、常備菜。週末に作り置きをしておけば、忙しい平日もサッと食卓に出すことができます。でも、そんな便利な常備菜も、扱い方を間違えると食中毒を招く危険性が。常備菜づくりで見落としがちな注意点を、しっかりおさえておきましょう。■冷蔵庫は意外とカビが発生しやすい!冷蔵庫や冷凍庫の中で保存する常備菜。「温度が低いから菌が繁殖する心配なし」と油断していませんか?実は冷蔵庫の中は意外とカビが発生しやすい場所。「カビはジメジメした温かいところに生えるもの」と思い込みがちですが、温度の低い冷蔵庫内でもカビは活動可能。増殖のスピードが遅くなるだけで、死滅することはないのです。常備菜を保存するための冷蔵庫がカビの温床になっていては困りますよね。冷蔵庫内は清潔を保つように心がけ、食べ物のクズや汁がついたままにならないようにしましょう。ときどき消毒用のアルコールで拭くのもおすすめです。■濃いめの味付けで細菌の増殖をおさえる醤油や塩、砂糖、みりんなどの調味料には、微生物の発生や増殖をおさえる働きがあるといわれています。常備菜を作るときは、普段のおかずよりも少し濃いめの味付けにするのがポイント。料理の味は冷めると薄く感じるので、少し濃くても美味しく食べられますよ。濃い味付けだと「子どもが塩分をとりすぎてしまうのでは?」と心配な方は、同じような働きをする酢や、ショウガ、にんにく、スパイスなどを上手に利用してみてください。■根菜類についた土には、食中毒の原因になる菌も常備菜にはにんじんやゴボウ、れんこんなどの根菜類もよく使われます。このとき注意したいのが、根菜類についている土です。根菜類についた土には、食中毒の原因になるセレウス菌やウェルシュ菌などがついていることがあります。これらの菌は熱に強い性質を持ち、加熱調理で完全に死滅させることが難しいのです。また、堆肥を使って育てる有機栽培の野菜などには、大腸菌群が付着している可能性もあります。根菜類は調理前に水でよく洗い、土をきれいに取り除きましょう。調理後はあら熱を取ったらすぐに冷蔵庫で冷やし、菌の増殖を防ぐことも大切です。■保存容器の正しい消毒法は?いくら調理のときに衛生面に気を配っても、常備菜を入れる容器に菌が付着していては意味がありません。保存に使う容器も、あらかじめ除菌をしておくとよいでしょう。ガラスやホーロー製の容器であれば煮沸消毒や熱湯消毒がおすすめ。プラスチック製の容器を使用する場合は、アルコール除菌スプレーなどで拭いておきましょう。保存中も、冷蔵庫からの出し入れの際に触ることが多いフタ部分は、こまめに除菌しておくと安心ですよ。毎日の食事の「もう一品」やお弁当のおかずなど、便利に使える常備菜。食中毒を招いてしまわないように、きちんと気をつけておきましょう。
2017年04月06日食中毒は、6〜9月までが流行シーズン。8月が終わっても気温が高い日が続くので、心配なのが衛生面や食中毒です。外出時、授乳室に給湯機や電子レンジがなく、長時間ミルクや離乳食を持ち歩くときってありますよね。何本も哺乳びんを持ち歩くのも荷物になるし……哺乳びんの消毒はどうしたものか…と悩んでるママに送ります。ミルクを飲んでいるベビーに必要な持ち物って?ミルク哺乳瓶の中に、直接1回分の粉ミルクを入れて持ち運ぶというママもいますが、この季節は衛生面重視でスティックタイプかキューブタイプの粉ミルクがオススメ。我が家は上のお兄ちゃんの時は混合だった為、スティックタイプを2.3本常に持参し、母乳が足りなかったときに足したりしていました。封を切らなければ良いので、使い切りタイプが持ち歩きには便利です。哺乳瓶ガラス製は重い&割れやすいので、プラスチック製など軽量タイプがオススメ。近所で短時間の外出なら1本でも良いですが、余裕を持って2本は持ってる方がいざという時に安心にします。水(熱湯・白湯)少し荷物になりますが、私は魔法びんの水筒にお湯を入れて、哺乳びんには湯冷しを少し入れて持参していました。ミルクを作るときには、お湯と湯冷ましを混ぜて適温にしてあげてました。お腹の減った子供は、調乳を待ってくれません。授乳室に給湯機があっても湯冷しは置いてないので、湯冷ましは持参した方がすぐ調乳できて便利です。哺乳瓶の消毒方法、いろいろありますフルフルほ乳びん洗い哺乳瓶に洗剤と水を3分の1くらい入れて、フルフルすることで汚れが落ちる、コンパクトで持ち運びに便利なアイテムです。ただし、哺乳瓶の種類によっては乳首が洗えないタイプもあるようなので要確認。使い捨すて哺乳瓶steri-bottle(ステリボトル)外出先で何本も哺乳びんを持ち歩いたり、飲んだ哺乳瓶を持ち帰って消毒するのって結構面倒ですよね。そんなとき便利な使い捨て哺乳瓶があるのだそう。1個あたり29gと軽く、コンパクトに重ねられるのも魅力的♡また、使い捨てだから使用後の哺乳びんを何時間も持ち歩かなくていいのも嬉しいポイント。さっと熱湯消毒でも!しっかり消毒ができない場合は、授乳室にある給湯機でさっと熱湯消毒だけでも!どうしても一度使った哺乳瓶を使わなければならない時は、コンビニやファミレスのドリンクバーで熱湯消毒させてもらい、使用したこともありました。もちろん店員さんにひと声かけての最終手段です。ベビーの離乳食、お弁当はどうしてる?気温の高い季節、手作り離乳食の持ち歩きは正直あまりオススメしません…。外出には市販のベビーフードがオススメ。切ったり、すりつぶしたりする離乳食は、食材の立体構造を破壊するため、空気中の雑菌にさらされやすくなってしまうそうです。たとえ、保冷剤を使っていたとしても、離乳食に雑菌が繁殖してしまう可能性も十分にあるので気をつけましょう。我が家がお世話になってるベビーフードはコレ!WaKODOのベビーフードお弁当主食とおかずになってるからバランスよく、メニューも豊富。小さなスプーン付いてるし外出の時は大活躍です。離乳食の食べる回数や量にもよりますが、上のお兄ちゃんの時は1日ぐらいなら無しにしちゃう事や、ちょっと時間をズラして早めに食べさせたりって事もしていました。瓶タイプは試したことあったんですが、「スマイルカップ」 ってのがあるそう!こちらはカップのままレンジで加熱もできて、子どもが大好きなスパゲティなど種類も豊富。カップは主食タイプとおかずタイプで量もたっぷり!赤ちゃんも自分ですくって食べやすいよう、容器口も大きいです。市販のベビーフードもいいけど、やっぱり手作りの離乳食も持ち運びできるなら、やっぱり手作りがいいというママには、こんなものもオススメ。リッチェルの赤ちゃんのクールお弁当箱2段重ねの赤ちゃん用のお弁当箱は、主食と副食を分けて離乳食を入れられます。また、ふたの内側に保冷剤がついているので、食品の痛みを防ぐこことができたり、折りたたみ式のスプーンが付いていたり、赤ちゃんのことを考えた細かな設計がうれしい!また、コンパクトなつくりの弁当箱のため、重さとスペースを取らないので、持ち運びにもとっても便利です。離乳食用に便利なお弁当箱は沢山ありますので、是非とっておきの物を見つけてみてくださいね!衛生面に気をつけながら、ミルク&離乳食を持って、赤ちゃんとのお出かけを楽しんでくださいね♪
2016年09月01日5~9月ごろは、食中毒のリスクが高まる季節。お弁当作りも注意が必要です。今回は初夏のお弁当に役立つ食材や、いつもの調理に1分、ほんのひと手間かけるだけで、安全性を高める方法をご紹介します。■なぜ起こりやすい? 初夏〜秋の食中毒食品には、年間をとおして細菌やカビが微量にはついているもの。胃や腸でうまく死滅させられる範囲で収まっているのが、ふだんの状態です。高い気温と湿気のなかで細菌がケタ違いに増えてしまったとき、食中毒のリスクが発生します。初夏〜秋のお弁当作りでは、防腐効果のある食材をうまく利用し、細菌の増殖を防ぐことが大切です。お役立ち食材をご紹介しましょう。■防腐効果+食欲UP・疲労回復も!「お酢」お酢の主成分である酢酸には、細菌の増殖を抑えて防腐する働きが。すっぱい香りと味は唾液と胃液の分泌をうながして、蒸し暑い日にも食欲UP。また、食事から取り入れるエネルギーの補充を効率UP。疲労回復のサポートとしても役立ちます。<オススメ活用法>お酢は、おかずの味つけに便利なほか、ごはんの防腐効果を高めることができます。ごはんを炊くときに、お米2合あたり大さじ1杯のお酢を入れてスイッチON。すっぱい味は残りません。お酢の味を楽しみたい場合は、炊いたごはんに混ぜて酢飯にしましょう。 ■お酢と同様の効果に加え、適度な塩分も「梅干し」梅干しは、お酢と同様、防腐・食欲UP・疲労回復のメリットがあるほか、血糖値の上昇を抑えることでスタミナの急降下を防いだり、塩分の摂取で脱水症状を防いだりと優れもの。暑いなか、よく動く子どもにもピッタリです。<オススメ活用法>日の丸弁当式にごはんに乗せるのもいいのですが、防腐効果はその周りだけに。ごはんに使うときは、水加減のあと梅干しを1つ入れてごはんを炊くと、成分が全体に。また、肉・魚やそれらの加工食品をおかずにするとき、十分な加熱+梅肉を挟んだり和えたりすると、なお安心です。■菌が好むムダな水分を吸う!「乾物」 意外な救世主として注目したいのが、削り節・すりごま・のり・とろろ昆布・わかめ・ふりかけなどの乾物たち。お弁当箱のなかのムダな水分は、細菌が増殖するもと。水気を切ったり冷ましたりしてから詰めても、どうしてもあとから出てくる水分ってありますよね? <オススメ活用法>乾物を、和える衣に活用します。「ごま和え」など、水分の出やすいゆで野菜に効果的です。十分な手洗い、調理グッズの殺菌・除菌、材料へのしっかりした加熱、作りおきメニューの衛生管理は食中毒予防の大原則。今回ご紹介した食材と利用法を活用し、さらにおいしく安全なお弁当作りをしていきたいですね。 <出典>日本防菌防黴学会『菌・カビを知る・防ぐ60の知恵−プロ直伝・防菌・防カビの新常識−』(2015年6月、株式会社化学同人)武藤裕子『傷みにくいお弁当&作りおきおかず』(2011年9月、凸版印刷株式会社)全国食酢協会中央会 全国食酢公正取引協議会
2016年07月09日こんにちは。保育士でライターのyossyです。日に日に暑さが増し、食中毒が心配な季節になってきました。子どもや高齢者が食中毒にかかってしまうと、重症化しやすい傾向にあります。残念ながら、なかには死亡する例も。自分たちで防げる食中毒は、確実に防いでいきたいですね。しかし、ひと口に食中毒といっても、さまざまな種類があります。ここでは、厚生労働省が発表しているデータ(『平成27年(2015年)食中毒発生状況』の病因物質別月別食中毒発生状況 年間患者総数)を参考に、病因物質のランキングと対策法をご紹介しましょう。●第3位:サルモネラ属菌(年間1,918人)まず、第3位はサルモネラ属菌。名前を聞いたことがある人は多いかもしれません。・潜伏期間:4~48時間・原因となりやすいもの:生肉、加熱が不十分な肉、鶏卵など・主な症状:悪心、おう吐、発熱、腹痛、下痢症状が重くなると脱水症状 が出ることもあり、注意が必要です。熱に弱いため、肉や卵は75度以上で1分以上加熱しましょう。また、菌が増殖しないよう、短時間であっても生の食材はきちんと冷蔵庫で保管することが大切です。調理器具や手指の消毒・洗浄もお忘れなく。なお、動物を介して感染することもあります。動物に触ったらよく手をあらいましょう。●第2位:カンピロバクター・ジェジュニ/コリ(年間2,089人)次いで多いのは、カンピロバクターです。春から夏にかけて患者数が多いので注意しましょう。・潜伏期間:2日~1週間・原因となりやすいもの:生肉、加熱が不十分な肉、飲料水など・主な症状:腹痛、下痢、発熱(38度以下)、悪心、おう吐、頭痛、倦怠感潜伏期間が長い のが特徴的。サルモネラ属菌同様に、肉の場合は中心部を75度以上、1分以上加熱することが大切です。また、生の肉を使った調理器具の消毒・洗浄や、手の洗浄は念入りに行いましょう。殺菌されていない飲料水を口にするのは避け、特に子どもの場合は動物との接触後に手を洗うことも大切です。●第1位:ノロウイルス(年間1万4,876人)第1位はやはりノロウイルス。年間1万を超える人が苦しんでいました。冬場(特に11月~2月)の患者数が多いですが、年間を通して食中毒が発生しているので、夏も油断はできません。・潜伏期間:24~48時間・原因となりやすいもの:二枚貝、感染している調理者による二次感染・主な症状:下痢、おう吐、腹痛、発熱(38度以下)カキなどの二枚貝を食べる場合は、85度~90度で90秒間以上加熱する必要があります。また、生で食べる野菜や果物はよく洗浄してください。そして、ノロウイルスで怖いのは、二次感染 。集団食中毒のニュースを目にすることも多いですね。特に、調理者が用を足した後に手洗いが不十分だと、感染が拡大してしまいます。家庭でも、1人ノロウイルス患者が出ると家族に広がりやすいので要注意です。普段から十分な手洗いと、清潔なタオルを使うことなどを心掛けましょう。----------子どもが感染してしまうと、重症化しやすい食中毒。しっかり加熱調理することや、手や調理器具の消毒・洗浄を念入りに行うことによってかなり防ぐことができます。冷蔵庫のチェックをまめに行い、傷みかけている食材を食卓に出さないことも、当たり前のようですが重要なことです。防げる食中毒は確実に防ぎましょう。【参考リンク】・細菌による食中毒 ~サルモネラ属菌~ | 川崎市()・カンピロバクター・ジェジュニ/コリ|東京都福祉保健局()・ノロウイルス | 東京都福祉保健局()●ライター/yossy(フリーライター)
2016年06月04日【ママからのご相談】子どもが生まれて初めての夏がやってきます。子どもがいるからこそ気をつけたい食中毒の予防法があったら教えてください!●A. 準備、料理中、片付けなどすべてにポイントがあります!こんにちは。ご相談ありがとうございます。ママライターのmomoです。だんだん暑くなってきて、食中毒が怖い季節になってきましたね。子どもがいるといないのとではまた少し気をつけるポイントが変わってくるかもしれません。今回は区の保健師さんに話を聞く機会がありましたので、ご紹介します。●(1)調理前の食中毒対策調理前というのは買い物の段階から始まっています。保健師さんによると、『冷蔵品や冷凍品を購入したらすぐに家に帰るべきですが、子どもがいると思い通りに進まないことも。買い物の際は持ち歩けるサイズのクーラーバッグ を持参するといいでしょう。保冷剤をいっしょに持ち帰れるとさらに心強いですね』とのこと。まずは食材を悪くさせないことが大切です。また、以下のようにもおっしゃっていました。『食品を保存するときは冷凍の場合でも2週間以内 に使い切りましょう。粉ミルクなどの常温品も開封後は1か月以内 で』いつまでも冷凍庫に入れておくのは危険なんですね。●(2)調理中の食中毒対策調理中・調理方法にも大切なポイントが。小さな子どもがいると料理中もバタバタしがちですが、そのつど面倒でも手を洗うようにしましょう。保健師さんによると、『離乳食では大人が生で食べられるものでも加熱する必要があります。中心温度が75度で1分以上加熱する よう心がけましょう。中心まで全体に熱を通すためには一度加熱した後全体をムラなくかき混ぜると安心です』とのこと。お弁当などを持っていく際は、保冷剤や自然解凍OKの冷凍食品などを上手に活用しましょう。●(3)調理後の食中毒対策調理後にもポイントがあります。保健師さんによると、『作った料理で翌日に持ち越しそうなものはすぐに冷蔵庫や冷凍庫に。レトルト食品の離乳食は使い切る ようにしましょう。レトルト食品を持ち歩く際もクーラーバッグを利用すると安心です。哺乳瓶などを使用しているご家庭では、洗った後にしっかりと乾かしてから収納しましょう。濡れたまま収納するとカビや菌が増殖してしまいます』とのこと。片付けまでしっかりと予防しておくことが大切ですね。哺乳瓶だけではなく、大人用の食器もしっかりと乾いてからしまうようにしましょう。----------小さな子どもがいると特別に気をつけるポイントがたくさんあります。面倒なことも多いですが、家族の健康のために頑張って対策していきましょう!●ライター/momo(ママライター、元モデル)●モデル/KUMI(陸人くん、花音ちゃん)
2016年06月03日【ママからのご相談】娘が幼稚園に通うようになり、人生で初めてお弁当作り生活にどっぷりつかっていますが、これからの季節、おかずが悪くならないか不安です。食中毒対策について基本的なことから教えてください!●A. 付けない・増やさない・殺菌するの3つを守って安心なお弁当作りを!こんにちは、フリーライターの鈴木ハナコです。私も2人分のお弁当作りに精を出す毎日ですが、気になるのは相談者様と同じ食中毒の話題。実は、厚生労働省の統計などを見ると、食中毒の発生件数は、真夏よりも梅雨の時期である6月が一番多いんです。今回は、お弁当による食中毒を防ぐための3つの基本を一緒におさらいしましょう!●(1)菌を付けないお弁当のおかずやご飯を素手でさわりながら詰めていませんか?実は、人間の手のひらには常在菌を含め、たくさんの菌がいて、消毒などをしたとしても完全に無菌にはなりません。お弁当の中身を素手で詰めることによってそれらの菌がおかずにうつってしまいます。菜箸 などをしっかり使い、こまめに調理器具や手の消毒 を行いながらお弁当を作る。おにぎりはラップ で握る、など、基本を守るだけで食中毒のリスクが格段に減るんです!●(2)菌を増やさない食中毒の原因となる菌はさまざまですが、細菌の多くは冷凍庫の温度である-15度前後で活動停止、冷蔵庫内の温度に近い10度以下では活動が鈍る程度なのでお弁当を持ち歩いている状態だと増殖を押さえられません。そして、35度前後の人の体温に近い状態では爆発的に増え、中には10分に1回分裂して2倍に増え続け、1時間で32倍に増える菌 もあります。こうした結果を見ると、おかずやご飯をしっかりと冷まして、水分を切ってから詰める 、保冷剤なども利用しながら適切な温度管理をする 。といった対策が菌を増やさないためにとても大切だと言うことがわかります。●(3)菌をやっつける!そして、何よりも基本となるのがしっかり殺菌すること。食中毒の原因菌の多くはしっかりと加熱すれば殺菌できます 。サルモネラ菌などが侵入している可能性のある卵焼きやハンバーグなどは用心深く火を入れる、前日作り置きしたおかずを詰める際は再加熱し、冷ましてから詰めるなどの対策が有効です。----------食中毒を引き起こす菌は目に見えるわけではないので完全に防ぐことは難しいですが、基本を振り返るだけでしっかりと予防できます。今一度、食中毒対策の見直しを!【参考リンク】・食中毒 | 厚生労働省()・「知る」ことで食中毒から身を守る 第2回 家庭で発生しやすい食中毒菌と殺菌方法 | ニチレイ()●ライター/鈴木ハナコ(歯科衛生士)●モデル/KUMI(陸人くん、花音ちゃん)
2016年05月20日梅雨の時期から夏にかけて気になってくるのが食中毒ですね。ジメジメ&ムシムシした環境は、細菌にとっては好環境! 細菌が原因となる食中毒は6月~8月に多く発生しています。もともと細菌は、肉や魚などの食材や、自分の手、スポンジやまな板にも存在しています。温度や湿度などの条件がそろうと食べ物の中で増殖し、その食べ物を食べることにより食中毒を引き起こします。しかし一定の量以上にならなければ発症しません。そこで今回は、菌を「増やさない」ように、家庭で手軽にできる食材「酢」を使った食中毒予防のポイントを紹介します。■毎日の料理に酢を使う夏場の食事は、積極的にお酢を取り入れましょう。菌の増殖防止だけでなく、食欲増進にも効果的なので一石二鳥です!まずはサラダのドレッシング代わりに寿司酢を使ってみましょう。野菜を寿司酢で和えて、30分ほど冷蔵庫で味をなじませれば、あっさりしたマリネ風のサラダになります。肉魚の味付けは甘酢炒めも良いですね。ピクルス漬けやらっきょう漬けなど、お酢を使った漬物などを常備しておけば、毎度の食事にお酢の一品を取り入れるのも気軽にできます。お弁当のご飯には、炊飯時にお酢を入れて(米1合に対し酢小さじ1)炊くのもおススメです。酢の酸味は飛んでしまうのでほとんどなく、ご飯にお酢の成分のみが残るので、食中毒菌の増殖防止の効果が期待できます。■調理器具を酢で抗菌調理器具は、基本はよく洗って清潔に。理想はこまめに熱湯殺菌をオススメしています。しかし、熱湯殺菌できない調理器具(耐熱でないもの)などもありますし、忙しい日はそこまでできないことも。そんな時にお酢を使いましょう。お酢で湿らせたキッチンペーパーで、使う前のお弁当箱(フタも)を拭く。生の肉魚を扱った後に手にもみ込んでおくなど、菌の増殖を抑えたい場所にスポットで使うと良いですよ。その他、食材では「梅干し」「レモン」に含まれるクエン酸や「しょうが」に含まれるジンゲロン、「紫蘇」に含まれるペリラルデヒド、「にんにく」に含まれるアリシン、「唐辛子」に含まれるカプサイシンなど抗菌作用があると言われているものはあります。これらの食材も、暑い時期は取り入れてみましょう。ただし、これらの方法は菌を殺すのではなく、あくまでも菌が増えるのを抑える方法。基本的には、普段から清潔にを心がけて、少なくとも家庭からの食中毒は阻止したいですね。万が一、おう吐や下痢の症状がでたら、早めに医師の診断を受けてくださいね。
2015年07月04日そろそろ梅雨が近づいてきました。ジメジメするのもイヤですが、菌の繁殖などによる食中毒にも注意が必要な季節ですね。お弁当づくりに励むママたちの声を聞きながら、どんな台所の菌対策をしているのか、いまからきちんと学びましょう。20~40代の小学生以下の子どもがいる、お弁当をつくることのあるママ300名を対象にした調査の結果を見てみると、まず、台所に菌が一番増えると思う季節は、「夏」(19.7%)を4倍近く上回り「梅雨」(76.3%)がトップに。また、子どものお弁当の菌対策が不安な季節も、梅雨(55.3%)がもっとも多く、ママにとって梅雨は夏以上に菌への不安が高まる時季であることがわかりました。その一方で、菌対策についての知識不足も見られました。まな板など台所まわりのモノの菌が十分に除菌されていないと、それが食材に移り、お弁当の中で菌が増殖してしまうことがあります。この「菌うつり」の事実に対して、ママたちの約半数が「知らなかった」(49.7%)と回答しています。ママたちは梅雨時季のお弁当の菌対策について、「除菌はしているが、どの程度効果があるのかわからない」(93.0%)「正しく除菌できているのか自信がない」(91.0%)「きちんとした菌対策がよくわからない」(90.7%)と、多くが知識不足を感じています。そのため、台所洗剤選びで重視している点を聞いてみると、「手軽に台所アイテムに除菌できる」(90.7%)「汚れ落ちと除菌双方の効果がある」(90.3%)「除菌効果が高い」(90.0%)と、除菌に関する項目すべてにおいて、9割以上の人が重視していることがわかりました。では、除菌効果のある台所用洗剤では、具体的にどのようなブランドの人気が高いのでしょうか。すると、「手軽に台所アイテムを除菌できるブランド」「除菌効果が高いブランド」「汚れ落ちと除菌双方の効果があるブランド」など除菌に関わる全ての項目で、P&G「除菌ジョイコンパクト」がトップとなりました。この支持の高さは、実際に使用率の高さに裏打ちされているようで、除菌効果のある台所用洗剤に限らず、現在使用している台所用洗剤を挙げてもらったところ「除菌ジョイコンパクト」が第1位でした。そのため、「除菌ジョイコンパクト」は今後使いたい台所用洗剤ブランドでも1位を獲得しており、ママたちの支持率ナンバーワンブランドとなっています。いま、自分のためにお弁当作りをしている人はもちろん、いつか我が子にお弁当を作ってあげたいと思っている人は、ぜひ除菌の大切さ、そのための洗剤選びについて知っておきましょう。・P&G 公式サイト
2015年05月13日暖かい季節の訪れを喜んでいたのもつかの間、ジメジメとした梅雨の季節が迫ってきました。気温の上昇や湿気の影響によって細菌が繁殖しやすいため、食中毒への注意が必要です。特に気をつけたいのが、お弁当。傷みにくいものを入れたり、十分に加熱したりすることはもちろん、より厳重に対策をしたいところ。 そこで取り入れたいのが、防腐剤代わりになる食品です。食品のなかには細菌の繁殖をおさえる効果を持つものがあるので、それらを上手に利用しましょう。 まず代表的なものといえば、梅干しです。日の丸弁当のようにごはんの中央に入れてもいいですが、ほぐして全体に混ぜ込むとより効果的。梅干しが苦手な方は、ゆかりのふりかけでもOKです。 また、酢にも同様の効果が期待できるため、酢のものを入れたり、ごはんを炊くときに酢を入れて炊いたいりするのもおすすめです。おいなりさんや海苔巻きにすれば、お弁当のバリエーションを増やすこともできます。しょうがやカレー粉も防腐剤代わりとして使えるので、味つけのアクセントとして取り入れるとよいでしょう。 食中毒対策には、お弁当箱の除菌や調理前の手洗いは欠かせません。そのうえで防腐剤代わりになる食品を活用し、本格的に対策を行いましょう!
2015年05月10日ゴールデンウィークも終わり、だんだんと暑い日が増えてきた今日この頃。毎年この時期になると必ず出てくるのが食中毒のニュース…。食中毒のピークは梅雨に入る6月頃から残暑が厳しい9月ころまで続き、年間患者数は毎年3万人から4万人いるそう。(厚生労働省調べ)「食中毒は外食でおこるもの」と思いがちですが、実は隠れ食中毒患者と呼ばれる家庭内食中毒になる人は、年間で200万人以上いるというデータも……。食中毒の原因となる「細菌」は、温度、湿度、栄養などの条件がそろうと食物の中で増殖し、その食物を食べることにより食中毒を引き起こします。さらに、肉や魚に触れた後のまな板やふきんはキレイに洗っているつもりでも、実は細菌まで落とし切れていない場合がほとんどなのです。除菌をしていないまな板やふきんをつかうことで知らず知らずのうちに雑菌を広げてしまっているかもしれません!放っておくと細菌はどんどん増殖し、なんと一晩で50000倍まで増えてしまうというのは恐ろしいですね。では、大切な家族の健康を食中毒から守るにはどうしたらいいのでしょう。こまめに毎日キッチン周辺や調理器具を除菌しましょう。でも忙しいし、ちょっと面倒……。そんなかたにお勧めなのが、市販の高濃度アルコール除菌スプレー。まな板や調理器具、ふきんにシュッとひと吹きするだけで、簡単に食中毒の原因菌を退治することができます。塩素系の除菌洗剤のような強い臭いもなく、調理中に気軽に使えるのもうれしいところ。大切な家族の健康を守ってくれる心強い味方、高濃度アルコールスプレーを活用してこの夏もおいしい食卓を。
2013年05月14日国際衛生機構「グローバル・ハイジーン・カウンシル」(Global Hygiene Council 、以下GHC)は、「食中毒に関するニュースレター」を発行した。梅雨から夏の高温多湿の時期には、食中毒の被害が多数報告され、大きなニュースとなる。梅雨~夏季には、細菌性食中毒は通常の2.5倍以上にもなり、2011年にも、6月から9月までに436件もの被害が報告されている。食中毒を予防するには、家庭や個人での努力が何よりも大切であるという。同機構のニュースレター第1弾となる今回は、「食中毒の家庭での予防法」について、GHCのメンバーでもある東北大学の賀来満夫教授にインタビューを行っている。賀来教授によれば、食中毒の予防は、何よりもその原因となる細菌やウイルスを体の中に入れないことが第一だという。そのためには、まずは食品に細菌・ウイルスを「付けない」こと。ただし、あらゆるところに微生物は存在しており、ある程度付いてしまうことは仕方のないことであり、そのため、細菌やウイルスが付いてしまった場合には、それを「増やさない」ことが重要となる。そして「増やさない」こと以上に重要なのが、口に入るまでに微生物を「やっつける」ことだという。同教授は、「付けない」「増やさない」「やっつける」のそれぞれの心得として、以下を推奨している。■「付けない」心得 ①「手洗い」はもっとも重要な食中毒予防。帰宅後、食事前、調理前の手洗いは徹底的に。②タオルやエプロン、調理用具、食器は清潔なものを使う。③肉・魚はそれぞれきちんと包んで冷蔵・冷凍保存を。■「増やさない」心得 ①ゴミはこまめに捨てる。②消費期限を守り、時間がたって怪しい場合には、思い切って捨てる。③残った食品を保存する場合は、早く冷えるように小分けに。解凍は冷凍庫で行う。■「やっつける」心得 ①調理時の加熱は十分に。目安は、中心部分の温度が75℃以上で1分間以上。②生肉・魚を切った包丁・まな板は洗って熱湯をかけ、除菌を。③温め直す時は十文に加熱を。電子レンジでの加熱は均一に。GHCは、正しい衛生管理を通して、世界中の人々を病原菌やウイルスへの感染を防ぐことを目的に、2006年に設立された、微生物学、ウイルス学、感染症、免疫学、公衆衛生を含む衛生学に関連する分野で働く世界的リーダーが集まった専門集団。日本においても、2011年より準備を開始し、2013年から健康のための衛生管理の啓発活動を積極的に開始するという。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年05月21日スリーエムヘルスケア株式会社は4月2日、食中毒菌の大腸菌群や黄色ブドウ球菌、サルモネラ、腸炎ビブリオを迅速に検出する「簡易微生物検出スワブCH30」の販売を開始した。今までの外食産業の衛生検査は、外部に委託し判定までに日数を要していたことから、短時間で衛生状況を把握することが求められていた。このほど発売開始した「簡易微生物検出スワブCH30」は、誰でも簡単に食中毒菌である大腸菌群や黄色ブドウ球菌、サルモネラ、腸炎ビブリオをスピーディーに検出することができる衛生検査製品。飲食店などの調理器具や食品製造に携わる者の手指、製造ラインなどの検査対象をスワブで拭き取り、24時間培養。培地の色変化により食中毒菌の有無を確認することができるという。また、同製品は液体培地、殺菌液が一体化しているのも特長。殺菌液とかき混ぜさせることで廃棄時には特別な滅菌作業が不要なうえ、コンパクトなので、携行性にも優れている。「簡易微生物検出スワブCH30」は「大腸菌群」用、「大腸菌群(ラクトアイス)」用、「サルモネラ」用、「黄色ブドウ球菌」用、「腸炎ビブリオ」用の5種類。メーカー希望小売価格9,450円(1梱包30本セット)。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年04月04日食中毒といえば、湿気の多い梅雨や気温の高い夏さえ気を付けていれば安心と思ってしまいがちですが、実はそうでもないようです。「食中毒は、夏が終わってからも注意して」という、大阪府内科医会副会長で内科医・泉岡医院院長の泉岡利於(いずおか・としお)先生に、食中毒について気を付ける点や、予防方法についてお話をうかがいました。■夏の疲れがでる9月こそ食中毒に気を付けて「冷たいものばかり食べたり飲んだりすると、胃腸が弱ってきます。医学的には、この胃腸障害からくる全身の倦怠(けんたい)を夏バテと呼んでいますが、特に今年の夏は節電で冷房を付けずに冷たいものを食べて暑さをしのいだ人も多いでしょう。その場合は、例年よりも食中毒や食あたりになりやすいと考えておくといいでしょう。また、部屋の温度が高ければ、カバンの中やテーブルの上に置いたお弁当や食材も、傷みやすくなっていることにも注意が必要です」と泉岡先生。食中毒と一口に言いますが、その原因はさまざまで、「一番多いのは細菌性の食中毒で、豚肉などに多いサルモネラ菌、魚介類を汚染する腸炎ビブリオ、病原性大腸菌(O-157やO-11など、頭にOがつくもの)、鶏肉に多いカンピロバクター、おにぎりやお弁当に多い黄色ブドウ球菌などがあります。ほかには、フグの毒、きのこの毒などの自然毒によるものや、ごくまれに農薬やヒ素など化学物質によるものがあります。しかし、これは職業上従事する人が取り扱いを誤るようなレアケースです」と泉岡先生は説明します。そして、この食中毒は、同じものを食べても重症化する人と、なんとなくおなかの調子が悪いという程度で済む人がいますが、その理由について泉岡先生に聞いてみました。「かぜもそうですが、食中毒は、その人の抵抗力や免疫力と大きくかかわっています。ビジネスマンの世代では、睡眠不足が続いたり、過労気味だったり、精神的ストレスをかかえていると抵抗力が弱まり、食中毒にかかりやすくなります」(泉岡先生)■食中毒予防は、食材の加熱だけでは不十分?それでは、食中毒を予防するにはどうしたらいいのでしょうか。「梅雨や真夏だけでなく、お弁当や食材をスーパーやコンビニで買ったら、できるだけ早く持ち帰ってすぐに食べるか、冷蔵庫に保存してください。車の場合、レンタルビデオ屋に寄るためにお弁当を車内に10分だけ放置した……という程度でも、車内は高温になるので注意が必要です。帰宅したら手洗いをする、まな板やふきんなどの調理器具をきちんと殺菌するということも大切です。次に、食材を加熱することです。唐揚げやハンバーグなどは、しっかり中まで火を通してください。75℃で1分以上の加熱が目安です。残った料理は温かいままラップして冷蔵庫に入れると、内側に水滴がついて細菌が繁殖しやすいだけでなく、冷蔵庫の周りの食材が傷む原因にもなります。冷めてからラップをかけて冷蔵庫に保存し、食べるときは再び加熱するとよいでしょう」(泉岡先生)しかし、「加熱すればすべての菌が死滅するわけではないのです」と泉岡先生。「10℃以下、もしくは60℃以上であれば、ほとんどの菌は繁殖がおさえられますが、例えば、おにぎりでの食中毒の原因に多い黄色ブドウ球菌は、100℃で30分以上加熱しても死滅しません。さらにお弁当箱に入れて密封すると菌が増殖し、エンテロトキシンという毒素を発生させるのです。また、ウェルシュ菌というのも耐熱性があるため、カレーや煮物などイベントやお祭りで大量に作ったときには、加熱し続けていても早く食べないと鍋のなかでどんどん菌が増殖し、集団食中毒を起こすこともあります」(泉岡先生)作ったらすぐ食べる!ということを覚えておきましょう。■食中毒や食あたりになってしまったら、絶食して水分補給を気を付けていても、もし食中毒や食あたりになってしまったら、どうすればいいのでしょうか。「食中毒の症状は細菌性、ウイルス性を問わず、ほとんどの場合、おう吐・下痢を起こします。これは、体の中の異物(菌)を早く体外に押し出そうという体のしくみからくる現象です。熱が出たり、激しい腹痛を起こしたりします。食中毒は医学用語で、一般用語の食あたりと同じ意味ですが、症状が軽い場合は食あたりと使い分けている人も多いようです。食中毒の場合、一番心配なのは、おう吐・下痢を繰り返したために、体から大量の水分が奪われて脱水症状を起こしてしまうことです。水分補給は、お茶や水よりもスポーツドリンクがおすすめですが、糖分が多いため、余計吐き気をもよおすこともあるので、水で薄めて飲むとよいでしょう。また、かんきつ系の飲料や牛乳も吐き気をもよおすので控えてください。食中毒やひどい食あたりの場合は、絶食することが基本です。おかゆやうどんなど、『消化にいいから』、『体力をつけるため』と無理に食べると、余計に吐いてしまい、さらに脱水症状を引き起こす恐れがあります。軽度の食中毒(いわゆる食あたり)でなおかつ健康な人であれば、数日から1週間で症状はおさまりますが、もし、自力で水分がとれないようであれば危険な状態ですので、直ちに病院に行って点滴をうけるようにしてください」(泉岡先生)ちなみに病院へ行っても、原因となった食品を特定することはできないとか。「あの店のあれが怪しい?」と思ったら、市町村の保健センターに問い合わせると、同様の問い合わせが多い場合はお店の調査や検査をするそうです。監修:泉岡利於氏。内科医、医学博士、大阪府内科医会副会長、医療法人宏久会泉岡医院(大阪市都島区。 )院長、ほか。(下関崇子/ユンブル)【関連リンク】【コラム】「一度ハマると抜け出せない!」中毒性の高い海外ドラマランキング【コラム】時代はエコ! 食べ終わったフリスクケースの有効な使い方【コラム】いつか役に立つ日がくる!?趣味を資格にする面白検定
2011年08月27日