美しいジェルネイルも、一歩間違えばアレルギーの一因につやが美しく3週間長持ちし、比較的簡単な取り扱いで人気のジェルネイル。その気楽さからか、最近はセルフでジェルネイル♪なんていう方も増えましたね。ただ残念なことに、ジェルネイルの人気に伴って私のサロンに訪れるお客様の中には、明らかに健康な肌・爪とは言えない状態でいらっしゃる方がちらほら。そう、原因はジェルの質と取り扱いの知識のなさです。ジェルアートを楽しむためにも、アレルギーを起こさないジェルネイルの施術方法を知っておいてください。ジェルネイル自体の安全性、大丈夫ですか?第一前提として、使っているジェルネイルは安心安全なものでしょうか?どこで作られて、何が入っているか。理解していますか?よく聞く「お友達には材料費だけで、ネイルしてあげてるんです。」という言葉。それは趣味として素晴らしいこと!でも、もしそのジェルネイルにアレルギーを引き起こす素材や日本では化粧品として売ることができない物質が入っていたら? 責任、ないと言えるかしら……ネイルサロンで使っているジェルネイルの成分がどんなものか、まったく分からずに使っていればネイリスト側も同じレベルです。お客様や私たちの手肌を守るため、ぜひ店長さんに成分の勉強会をしてもらってください。(私は純国産、安心安全を守り続けているジュエリージェル、ジュエリージェルグランデを使用しています。)ダストの乾燥、薬剤の浸透をバリアしてジェルの安全性が確保されたあとは、乾燥と薬剤の浸透に気をつけてください。ジェルのダスト(削りカス)による手の乾燥、結構かゆいものです! 施術前にハンドクリームでバリアを作ってあげましょう。ジュエリージェルのTeo・ma・moleなら、アセトンやエタノールの浸透も防いでくれます。ジェルオフでアセトンを使うときにも、先に指先に塗ってからオフすればかなりの効果が期待できます。施術後にはしっかりダストを払って、流水で手洗いすることも忘れてはいけません。固まっていないジェルは皮膚につけない、基本ですジェルは皮膚に付けてはいけません。セルフネイラーさん、新米ネイリストさん、本当に気をつけましょうね。特に甘皮下にまでジェルが流れ込んでいる、なんて大変危険です。また完全に固まっていない状態のジェルや、固まった後のベタベタ(未硬化ジェル)も、アレルギーを引き起こしやすいものです。未硬化ジェルのふき取り時にも、お客様の指までぐいぐい拭かずにできるだけ爪の上だけをふき取りしましょう。お客様側も施術中は激しく動かないようにして、固まっていないジェルをネイリストの肌につけないように協力してあげてください。お客様からのジェル移りで、アレルギーを起こすこともあるのです。ネイリストさん側はずっとお仕事を続けられるよう、グローブで手を保護するのもおすすめです。一度アレルギーが出てしまえば、完治はなかなか難しいそうです。施術する側も、される側も、きちんとした知識をもって。さらなる指先の安全を目指しましょ。今日のあなたもキレイですよ!ネイルデザイナー/田邉薫(mini-ka SURGA)
2018年02月24日野菜が高いとちびちび使うようになり、どうしてもビタミンや食物繊維、ミネラル不足になりがちになってしまいますよね。そこで、家計にも体にも嬉しい海藻で、うまく冬を乗り切り、健康美をキープしましょう。冬場の野菜は本当に高い!冬場の野菜は温室栽培などを余儀なくされることから、どうしても価格が高騰しがちです。時にはお肉より高いことすらあるくらい。いつもだったらひと玉150円前後で手に入るキャベツが、300円越え!!なんてことになると、いつものようにバンバンは買えなくなってしまうものです。冬が旬のお野菜もありますので、それらをうまく利用しつつ、冬の野菜不足を乗り切っていきたいものです。そこでお助け食材として、海藻をうまく利用しましょう。海藻は乾物でも売られていて、価格が比較的安定しており、しかも長持ちするので、安い時に多めに買っておくことも可能です。家計にも体にも嬉しい海藻で、うまく冬を乗り切り、健康美をキープしましょう。冬は野菜が不足しがち、そこは「海藻」で補おう!!冬場に野菜が不足しがちになるのは、どうしても起こりがちなこと。その結果、食物繊維が不足して便秘になるなど、わかりやすく体に悪影響が出てしまうこともありますよね。そこを防ぐために、ぜひ、海藻を有効活用しましょう。いつもは、みそ汁のわかめ程度しか使っていないとしたらもったいない。ここぞとばかりに出番を増やして、海藻のミネラルや食物繊維をたっぷりと取り入れましょう。海藻には”ミネラル”と”食物繊維”が豊富!そして使いやすいのはこれ!!海藻と一言で言っても種類は豊富にあります。ですが、そのどれにも豊富なミネラルと食物繊維が含まれています。ミネラルは肌や髪につやを出したり、鉄分のように貧血の防止をしてくれたりと、体にとって役に立つことがたくさんあります。過剰摂取はよくないですが、食品からとる分には、そんなに心配することはありません。また、海藻に含まれる食物繊維には、コレステロール値を低下させる作用があります。こういった作用も、海藻のメリットのひとつです。それでは、海藻のなかでも比較的手に入りやすく、料理にも使用しやすいものを、ご紹介します。たいていのスーパーで手に入れることができますので、美味しくいただきましょう。「もずく」はそのまま食べられて便利もずくはお酢で味付けされていて、そのまま食べることができる便利な副菜です。そのまま小鉢にうつして食卓に出してもOKですし、豆腐などと組み合わせていただいてもおいしいです。副菜としては非常に優秀なので、少量パックで買っておくと便利です。乾物の「わかめ」はみそ汁へ乾燥わかめは海藻の中でも定番中の定番。とりあえず買っておいておけば、いつでもみそ汁の具に利用できます。わかめが入るだけでも、お味噌汁は立派に成立しますので、健康や美容に良いだけでなく、利便性も抜群ですね。毎朝のみそ汁を習慣化してみると、肌つやなどが変わってくるかもしれません。「海藻サラダ」は海の香り満点で美味しい海藻サラダは、生のサラダの代わりと言ってはもったいない位、海の香りに満ちていておいしいです。海藻サラダのもとは、水でふやかせばそのまま使える乾物タイプが便利です。また、みそ汁の具に、そのまま入れることもできますので、うまく使いこなしましょう。食卓を豊かにしてくれる、非常に便利なアイテムです。「のり」は何かと使える常備食材のりは何かと使える上に、旨みが足りない時でもさっとのりを足すことで、料理の格を上げることができる存在です。このために、日本では昔からよく料理に用いられており、とくに肉や魚を使えない精進料理では、欠かせない存在として、利用されてきました。ご飯やおもちに巻いて使うだけでなく、お味噌汁の仕上げに散らしたり、きのこと一緒に炒めたり・・・と、のりの用途は本当に幅が広いものです。そのまま食べられる韓国のりをおやつ代わりにするのもおすすめです。海藻じゃないけど「もやし」もうまく使える海藻ではありませんが、もやしも安定供給がなされていて、冬でも値上がりしない野菜の代表です。もやしは炒める、ナムルにするなど、わりと調理法が豊富で、かさまし食材としても活躍してくれます。うまくもやしを使って、野菜不足感をなくしていきましょう。野菜の価格高騰に負けずに”健康”と”美”をキープ!野菜の価格が上がったからって、肌つやは落さない!!うまく海藻を利用して健康的に美をキープしましょう。美容にとって重要なのは、なんといっても健康であること。健康を損なわない食生活は、美の基本です!
2018年02月14日食物繊維の美容や健康効果が見直され始めたのって実は最近のこと。食物繊維には、コレステロールを下げたり、便通をよくしたり、善玉の腸内細菌を増やししたりといった、健康効果が認められ始めています。特にダイエットにおける食物繊維の注目度は抜群です。これからの季節に太りたくない時などは、ぜひうまく利用してぽっこりおなかの解消などに役立ててください。「食物繊維」の美容や健康の効果って?食物繊維の美容や健康効果が見直され始めたのって実は最近のこと。これまで、食物繊維は人間が消化できないことから、栄養や健康面からは不要な存在とされてきており、摂取が勧められることもありませんでした。ですが、食物繊維には、コレステロールを下げたり、便通をよくしたり、善玉の腸内細菌を増やししたりといった、健康効果が認められ始めています。そして、その結果肌のツヤなどといった美容効果が期待されるようになったのです。とくにダイエットにおける食物繊維の注目度は抜群です。これからの季節に太り時ない時などは、ぜひうまく利用してぽっこりおなかの解消などに役立ててください。食物繊維が無駄なものだった時代は終わった食物繊維は、確かに人間には消化できないものですので、直接的に取り込んで栄養とすることはできません。なので、長らく意味のない無駄なものであるとされてきました。ですが、近年その健康効果が注目され、便通の解消だけでなく美容効果なども期待できることがわかり、一気にスターダムに躍り出ました。むしろ今は食物繊維の時代♡ダイエットのためにも美容のためにもたっぷり摂取していきたいところです。「食物繊維」は第6の”栄養素”!食物繊維は、その効果から、第六の栄養素などと呼ばれ、期待を集めています。食物繊維が一番利用されるのはダイエット市場です。食物繊維にはカロリーがないにもかかわらず、満腹感を与えてくれる効果があるので、ダイエット食のかさましによく利用されます。食物繊維が豊富で、その他のカロリー要素も少ないセロリなどは、マイナスカロリーな食材として、ダイエットの定番食品となっています。また、食物繊維には水溶性と不水溶性のものがあり、それぞれ効果が変わってきます。含まれる食材も違いますので、うまく使い分けてどちらもマメに取るようにしましょう。水溶性食物繊維の効果水溶性食物繊維の効果はなんといってもコレステロール値を下げることにあります。コレステロール値は上がりすぎると、血管が詰まったりかたくなったりして、動脈硬化などの病気を引き起こします。健康面でもよくないことですので、コレステロール値が高い人は水溶性の食物繊維をとるようにするとよいでしょう。水溶性食物繊維が含まれる食材水溶性食物戦が含まれる食材と言えば、海藻です。わかめ・もずく・こんぶ・のりなどといった海の野菜に水溶性食物繊維は豊富に含まれています。みそ汁にわかめを入れる、のりをご飯と一緒に食べるなど、毎日の食卓に取り入れやすい、うれしいものばかりですね。海藻には食物繊維以外にも、多くのミネラルが含まれていますので、その他の美容効果もたっぷり期待できます。ぜひ、毎日食べて、髪もお肌もつやつやを目指しましょう。不溶性食物繊維の効果不溶性食物繊維は、なんといっても食材のかさましと、便通の改善に役立ってくれます。消化に時間がかかることから、摂取時のカロリー消費も多く、他の食材と一緒にとると肥りにくくなるといった効果も期待できます。また、脂質の吸収を妨げる効果も期待できます。不溶性の食物繊維をとることで、お腹の中で善玉菌が育ちやすい環境ができ、腸内環境の改善にもつながるとされていますので、ポッコリおなかに悩む方には、ちょっと多めに食べてほしいものですね。不溶性食物繊維が含まれる食材不溶性食物繊維が含まれる食材は、野菜やきのこ類です。なかでも、セロリやゴボウのような、ちょっと硬めの野菜には多くの不溶性食物繊維が含まれています。便通があまり来ない時はこういった野菜を少し多めにとることで、便意をうながしましょう。また、きのこ類は、カロリーが低く、料理のかさましにも向いているダイエット食材です。きのこ自体に、「キノコキトサン」という脂肪燃焼を助ける成分が含まれていることからも、ダイエット時には豊富に摂取していきたい食材です。調理法も豊富で、通年スーパーで手に入る点も含め、取り組みやすいダイエットと言えるでしょう。キノコと野菜をたっぷりとって、ポッコリおなかとサヨナラしましょう。「食物繊維」をとって、”美ボディ”を維持しよう!食物繊維をまめに取って、美ボディを維持しましょう。食物繊維は地道なダイエットや、エクササイズとの組み合わせにとっても向いているので、うまく生活に取り入れて、いつでもすっきりしたお腹を手に入れましょう。健康的に美ボディを維持するには第六の栄養素、食物繊維は欠かせない存在です。これまで日の目を浴びてこなかった分、これからはもう存分活躍してもらいましょうね!!
2017年12月24日女性に不足しがちな栄養素の代表格は、鉄、タンパク質、カルシウム、食物繊維、葉酸、亜鉛の6つ。体によいものを選んでいても、ベースとなる栄養素が摂れていないと、効果は発揮されにくいもの。今回は、肌荒れを予防してくれる食物繊維の上手な摂り方についてご紹介。意識して摂って、変化を実感しよう。水溶性と不溶性を1:2のバランスで。腸内環境を整えることは免疫力の向上につながり、肌荒れや女性に多い大腸がんの予防に。脂肪をつきにくくしてくれる効果もある。水溶性と不溶性の食物繊維があり、1:2の比率で摂るのが理想的。「1食でたくさん摂るのは難しいため、一日の食事で分けて摂るようにしましょう」効果が期待できるのは、この組み合わせ!【アボカドのヨーグルトサラダ】アボカドは水溶性食物繊維が豊富で、老廃物を排出して腸内環境を整えるため、美肌作りに役立つ。同じく整腸作用のあるヨーグルトとサラダにして合わせると、相乗効果が期待できる。【しいたけとわかめのスープ】不溶性食物繊維の豊富なしいたけと、水溶性植物繊維の豊富なわかめをスープにすれば、溶け出した栄養素も余すところなく摂取できる。ちなみに干ししいたけは、生よりも食物繊維が豊富。【こんにゃくとみそディップ】カロリーが少なく、ダイエット食品としても人気のこんにゃくは、不溶性食物繊維が豊富で便秘などに効果的。乳酸菌を生で摂取するためにも、みそは非加熱処理の商品を選ぶのがおすすめ。【えのきたけを炒めてみそダレで】安価で手軽に調理しやすく、不溶性食物繊維が豊富に含まれているえのきたけ。さっと炒め、火を止めてから、お酒やだし汁などでのばしたみそダレで和えると、乳酸菌の効果も期待できる。五十嵐ゆかりさん管理栄養士、料理研究家。日々の暮らしに取り入れやすい健康レシピを提案。読売新聞の医療情報サイト「yomiDr.」で予防医療に関するレシピを連載中。※『anan』2017年11月29日号より。写真・Getty Images取材、文・兵藤育子(by anan編集部)
2017年11月28日アレルギーになりやすい人というのは、他人とどのような違いがあるのでしょうか。ここでは、アレルギーが起こるメカニズムや体質の改善方法について見てみましょう。アレルギーにかかりやすい人の特徴アレルギーは、どのような人が発症しやすいのか解説します。アレルギーとは身体には、外部から侵入してきた異物を体外へ排出して、身体を守るための免疫機能というものがあります。正常に反応していると、この免疫機能は身体に害を与えることは少ないとされています。ですが、体質によっては免疫機能が特定の物質に過剰な反応を見せてしまうことがあります。そして、それによってさまざまな弊害を受けてしまうことをアレルギーと呼んでいます。アレルギーのメカニズムアレルギーを引き起こす物質のことをアレルゲンといいます。アレルゲンには、食べ物ほこり、ダニ花粉金属などさまざまなものがあります。このアレルゲンが体内に入り込んだときに、アレルゲンを排除するために抗体を作り出します。この抗体をIgE抗体といいます。IgE抗体は、次に再び体内にアレルゲンが入り込んだときに、IgE抗体が肥満細胞と結合して刺激を与えます。それにより肥満細胞からヒスタミンが産生されて、アレルギーの症状が引き起こされます。代表的なアレルギー代表的なアレルギーについては、主に以下があります。アトピー性皮膚炎強いかゆみを発する皮膚湿疹が起こるアレルギーです。湿疹ができる場所は、年齢や個人によってさまざまです。気管支喘息気道が炎症を起こしてしまい、狭くなって、アレルギーによる刺激によって発作が起こる症状です。呼吸困難や喘鳴(ぜいめい)などが特徴とされています。アレルギー性鼻炎鼻の粘膜においてアレルギー反応が起こり、鼻水やくしゃみ、鼻づまりを引き起こすアレルギーです。日本においては、スギ花粉などに悩まされる人が多いとされています。アレルギーにかかりやすい人アレルギーにかかりやすい人の条件として、主に以下のようなことが考えられます。体内でIgE抗体が作られやすい人アトピー素因を持っている人都会に住んでいる疲労やストレスが多い偏食傾向アレルギー体質とはアレルギー体質というのは、アレルギー症状を発症しやすい人のことをいいます。特に、アレルギーになりやすい人の場合、乳幼児から14歳くらいまでに、アトピー性皮膚炎気管支喘息アレルギー性鼻炎などのアレルギーに次々とかかってしまうとされています。そのため、早期に治療をするために早めに医療機関へを受診することが望ましいでしょう。アレルギー体質は治るの?アレルギー体質は治すことができるのでしょうか。アレルギー体質の完治について見てみましょう。完治することはできないアレルギー症状というのは、体質的なものが関係しているとされています。症状が目立たないほど和らいだり、再び発症したりをくりかえすことが多いようです。体内のIgE抗体がなくなることはないため、完治は非常に難しいといわれています。コントロールはできる近年の医療技術の進歩によって、アレルギーの起こる原因などについては、解明されていることが多くなってきました。そのため、アレルギーに悩まされているほとんどの人は、医師の指導の下で症状をコントロールすることができるとされています。そして、日常生活において差し支えのないレベルを維持することができるため、アレルギーでない人と同レベルの生活をすることも難しくありません。アレルギー体質の改善方法アレルギー体質の改善策については、以下のような方法が考えられます。対症療法アトピー性皮膚炎などに悩まされている場合は、対症療法として外用薬であるステロイド薬やかゆみ止めの内服薬が処方されることが多いです。さらに、気管支喘息やアレルギー性鼻炎の場合、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬なども処方されることが多いです。ただし、あくまでも対症療法ですので、根本的な解決とならないことが多いです。体質改善アレルギー体質が促進されていると考えられる場合、疲労をとるストレスを解消する偏食せずバランスよく食事を摂るなどを意識することで、アレルギー症状が緩和される場合があります。アレルゲンの少ない場所に行くアレルギー反応が起こりやすかったり、花粉症に悩まされたりしている場合は、アレルゲンの少ない場所に移動することで症状が緩和されることがあります。たとえば、都会で喘息に悩んでいた人が、空気がきれいな場所に引っ越すと改善されたというケースもあります。どうしても改善されない場合は、アレルゲンが少ない場所へ行くことも方法のひとつとして考えてもいいでしょう。監修:大利昌久
2017年11月20日アレルギー検査は、どのような流れで、どのような検査をするのでしょうか。ここでは、アレルギー検査について、詳しく見てみましょう。アレルギー検査とはアレルギー検査とはどのようなものなのか解説します。アレルギー検査の目的アレルギー検査には、大きく分けて二つの目的があります。アレルギーの原因になっているアレルゲンと呼ばれる抗原や、特定の疾患が悪化してしまう要因などを特定するための診断目的と、特定の疾病の重症度や病状を評価するための治療管理のうえでの目的です。自分自身が、どのようなアレルギーを持っているのかを知らない人が多いといわれていますが、植物アレルギーペットアレルギー薬物アレルギー金属アレルギーなど、思いもよらぬアレルギーを保有している可能性があります。これらのアレルゲンを特定しておけば、アレルゲンを体内に入れるリスクを回避することができ、症状の発症を予防することができるでしょう。また、他因子性疾患である気管支喘息やアトピー性皮膚炎は、アレルゲンを回避するだけで症状が改善されないことが多いですが、アレルギー反応によって発症や症状の経過に大きな影響を与えていると考えられています。そのため、アレルゲンを特定は他因子性疾患の治療において、重要な要素であるといわれています。このように、アレルギーの検査をしておくことにより、疾病の予防や治療の足掛かりになることが多く、自分自身のアレルギーを知っておくことは非常に大切であることがわかるでしょう。アレルゲンを特定するための、アレルギー検査は非常に多くの種類があります。それらの検査の内容について確認していきましょう。アレルギー検査の内容主なアレルギー検査としては、問診血中抗原特異的IgE抗体検査ヒスタミン遊離試験薬剤リンパ球刺激試験皮膚テスト食物負荷試験などが行われます。また、重症度の判定のためには、一般的な血液検査に加え、血中総IgE抗体血中好酸球数呼吸機能検査気道過敏性検査運動負荷試験などが行われます。血中抗原特異的IgE抗体検査IgE抗体というのは、血中にある外部からの異物を除去するために産生される免疫グロブリンの一種とされています。アレルゲンが体内に取り込まれると、そのIgEがアレルゲンと結合することで、刺激が発せられヒスタミンなどが分泌されアレルギー反応を引き起こします。通常の検査で調べられるアレルゲンは、約200種類にのぼります。問診などを通して、アレルゲンの推定を行って検査を行うのが一般的です。ヒスタミン遊離試験血液中のマスト細胞に代わって、末梢血中の好塩基球を使用して、特定アレルゲンに対する反応を検査してアレルゲンを特定します。薬剤リンパ球刺激試験末梢血中からリンパ球を分離させて、薬剤を投与することによってアレルギーを検査します。リンパ球が反応してから増殖する遅延型のアレルギーに効果が高いとされています。皮膚テスト皮膚テストは、直接肌にアレルギー物質を当てるブリックテストパッチテスト皮内テストでアレルギー反応を調べます。IgE細胞の特定ではなく、実際のアレルギー反応を確認できるため、病状の確認がしやすいといわれています。食物負荷試験食物アレルギー検査の最終段階の検査です。実際にアレルギー物質を食べて、その病状や抗体の反応具合を検査します。患者自身がアレルギー物質を食べることを知っている検査や、知らない状態で食べる検査があります。呼吸機能検査気管支喘息に対しての検査です。気道の過敏性の亢進(こうしん)可逆性の気道閉塞や喘鳴(ぜいめい)呼吸困難などに対する検査をします。気道過敏性検査呼吸機能検査の一つであり、ヒスタミンアセチルコリンメサコリンなどの薬物吸入閾値を測定します。過敏性が高くなると、反応のための最小数値である閾値(いきち)が低くなります。ただ、過敏性は喘息の重症度に関係していますが、必ずしも気管支喘息が発症するともいえないので注意が必要です。運動負荷試験実際に運動を行わせて、運動前後の呼吸機能検査を行います。気管支喘息の病状を調べることができます。検査によって、FEVやPEFの値が一定以上低下した場合には、運動によって誘発される喘息であると判断することができるでしょう。アレルギー検査でわかることアレルギー検査の種類は非常に幅広く、多くの検査が行われます。それぞれの検査によって、アレルゲンを特定することができ、症状の予防や回避を可能とすることや、治療の手助けになる可能性があります。そのため、検査をして満足するのではなく、その検査結果をアレルギー疾患の治療や予防、そしてコントロールすることに活用するべきでしょう。監修:大利昌久
2017年11月19日アレルギーにはどのような薬が効果的なのか、抗アレルギー薬や抗ヒスタミン薬の違いなどについて詳しく見てみましょう。アレルギーに効果のある薬とはアレルギーに対して一定の効果のある薬について詳しく解説します。近年増えてきた抗アレルギー薬かつて、アレルギーに対処する薬というのは、抗ヒスタミン薬のことを指すことが多かったようです。しかし、近年ではこれまでなかった抗アレルギー薬が使用されることが増えてきています。ヒスタミンとは、アレルギーによって炎症が発症したときに分泌されるメディエーターと呼ばれる生理活性物質のことをいいます。ヒスタミンは、体内で分泌されると血管が拡張されたり、血管の透過性が亢進(こうしん)されたり、気管支平滑筋の収縮を促したりする作用があるといわれています。これらの、作用を受けることによって末梢知覚神経が刺激され、かゆみや湿疹などを引き起こすとされています。抗アレルギー薬と抗ヒスタミン薬の違い抗アレルギー薬と抗ヒスタミン薬は、一見すると同じアレルギーに対しての対処薬と感じますが、それぞれの役割は違います。抗ヒスタミン薬とは抗ヒスタミン薬というのは、ヒスタミンの分泌によって引き起こされるさまざまな作用を抑制する効果が期待されます。抗ヒスタミン薬は、主にアレルギー性鼻炎アレルギー性結膜炎蕁麻疹(じんましん)などのアレルギーに処方されることが多いとされます。同じ抗ヒスタミン薬であっても、第一世代と第二世代に分類することができます。第一世代の抗ヒスタミン薬の特徴薬効の発現がとてもはやく即効性を期待することができる薬です。しかし、副作用として中枢神経への移行が非常にスムーズであることから、服用すると眠くなりやすいというデメリットがあります。さらに、抗コリン作用が強いことから機関誌の収縮の抑制作用が見られますが。気道分泌を抑制してしまう作用もあり、痰が出にくくなることがあるようです。第二世代の抗ヒスタミン薬の特徴中枢神経への移行性が弱いことから、眠くなりにくいという特徴があります。さらに、そのほかの抗アレルギー作用を持っていることも多く、抗アレルギー薬としても属している薬です。抗アレルギー薬抗アレルギー薬の条件としては、主に次の薬のことをいいます。メディエーター遊離抑制剤ヒスタミンH1受容体拮抗薬(第二世代抗ヒスタミン薬)トロンボキサンA2阻害・拮抗薬ロイコトリエン受容体拮抗薬、Th2サイトカイン阻害薬第二世代抗ヒスタミン薬やロイコトリエン受容体拮抗薬は、小児にも処方することができるアレルギー薬とされていますが、乳児に使用できる薬がないというデメリットがあります。主な抗アレルギー薬の種類と効能主な抗アレルギー薬について詳しく解説していきます。第二世代抗ヒスタミン薬アレロック顆粒クラリチンドライシロップザジテンドライシロップアレグラアレルオフゼスランそれぞれ、アレルギー作用を抑制する効果が期待できます。アレロック顆粒は2歳から、クラリチンドライシロップは3歳から服用が可能です。また、ザジテンドライシロップについては、かゆみを抑える作用が強いですが、眠くなりやすい作用があるとされています。ロイコトリエン受容体拮抗薬キプレス、オノンなどのロイコトリエン受容体拮抗薬は、気管支喘息に対する予防薬として服用されています。また、保険適応がされないものの、アレルギー性鼻炎や難治性の慢性蕁麻疹に効果が期待できるようです。薬の副作用について一般的な、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬の副作用として、眠気のどの渇きを感じてしまう副作用が多いといわれています。ただし、ここまでご紹介したように、近年では副作用が少ない薬も多く登場しています。即効性を期待する場合は、どうしても副作用に気をつけなければなりませんが、即効性が必要ない場合は、副作用の少ない薬を処方してもらうようにしましょう。薬の使用時の注意点特に、第一世代の抗ヒスタミン薬などは、即効性があるものの中枢神経への抑制作用が強いため、眠くなりやすいです。眠くなるだけであればいいのですが、時としてまれに脳炎になってしまうことがあるので注意が必要です。アメリカでは、第一世代の抗ヒスタミン薬は、乳幼児への投薬を禁止しています。乳幼児に対して、第一世代の抗ヒスタミン薬を投与する際には、医師への判断を仰ぎ、十分に注意しましょう。監修:大利昌久
2017年11月18日どれだけ念入りに掃除をしていても、生活をしていく中で、室内にはちりやほこりなどのハウスダストが溜まります。このハウスダストは、アレルギー性の疾患を引き起こすアレルゲンとなり、身体に影響をおよぼす場合があります。ここでは、ハウスダストで起こるアレルギーの症状や治療法などについて見てみましょう。ハウスダストとはハウスダストとは、室内に溜まるちりやほこりなどのことです。ひと口に、ちりやほこりと称しても、その内容物にはさまざまなものが含まれています。その多くは、人やペットの毛やフケダニの死骸衣類の繊維プラスチック製品の微量な物質などがハウスダストの中にみられます。ハウスダストを構成するさまざまな成分の、どの成分がアレルギー反応を引き起こすアレルゲンとなっているのかは、厳密にはわかっていませんが、ハウスダストの構成成分について科学的な分析が進められ、アレルギーを引き起こす原因やメカニズムが解明されることが期待されています。ハウスダストによるアレルギーの原因ハウスダストアレルギーは、ハウスダストの特定の成分に対して、それを体外に排出すべき異物(抗原)とみなして、体内に抗体を作ることが原因で起こると考えられています。免疫システムが、それぞれの抗原に対する抗体を体内に生成し、次にその抗原が体内に侵入したときにアレルギー反応を引き起こして、それがさまざまな症状の発現につながります。ハウスダストは、アレルギーの原因となることがありますが、アレルギー症状がすでに発現しているところに、室内にハウスダストが蓄積するのを放置してしまうと、症状のさらなる悪化を招きかねません。体外から侵入した抗原に対して抗体を産生しているのは、リンパ球の一種であるB細胞ですが、そのB細胞に抗体を作るよう指令を発しているのが、ヘルパーT細胞です。ヘルパーT細胞は、Th1とTh2という2種類の細胞から構成されています。両者のバランスが非常に重要だとされており、Th1細胞が過度に優位になると炎症性疾患を起こしやすくなり、Th2細胞が過度に優位になるとアレルギー性疾患を起こしやすくなるといわれています。新生児や乳児期の子供は、Th2細胞が優位な状態になっており、感染症などによって刺激を受けてTh1細胞が増加していきます。Th1細胞とTh2細胞とのバランスは、およそ3歳までに決まるといわれていますが、それまでの時期を過度に衛生的過ぎる環境で長くすごすと、Th2細胞が優位なまま成長してしまい、アレルギー疾患にかかりやすくなってしまうと考えられています。ハウスダストによるアレルギーの症状ハウスダストによって引き起こされることがあるアレルギー性の疾患や症状には、次のようなものがあります。気管支喘息呼吸をするときに空気の通り道となる気道に慢性の炎症が生じ、気道狭窄(きょうさく)喘鳴(ぜんめい)呼吸困難などが生じます。気道の慢性炎症によって、リンパ球や好酸球、マスト細胞などの白血球が、気道上皮細胞や平滑筋細胞などの気道を構成している細胞と関わって、ハウスダストに過敏に反応するようになり、気管支喘息の症状を起こすと考えられています。アレルギー性鼻炎アレルギー性鼻炎は、鼻から入ってきた抗原(ハウスダスト)に対してアレルギー反応が生じます。くしゃみや水様性の鼻水(鼻汁)鼻づまり(鼻閉)が突然生じ、症状がくりかえし発現します。ハウスダストによるアレルギー性鼻炎では、一年を通して症状が起こります。アレルギー性結膜疾患結膜と呼ばれる、眼球の表面からまぶたの裏を覆う粘膜に、アレルギー反応によって炎症を起こします。主に眼のかゆみ白目の充血目の違和感目やにが出るなどの症状があります。ハウスダストによるアレルギーの検査アレルギーの検査では、主に血液検査が行われます。血液検査には、主に次の2種類のものがあります。IgEの量を調べるもの血液検査で血液中のIgEの量を調べ、アレルギーの有無やアレルギーの程度を数値化します。アレルギーの症状がハウスダストによるものと疑われる場合には、ハウスダストに対するIgEを調べ、その値が高ければ「ハウスダストに対してアレルギーがある」とされます。IgE検査には、上記のような、ある特異的なアレルゲンに対するIgEの値を個別に調べる検査(特異的IgE検査、RAST)と、IgEは特定せずにIgEの合計の値を調べる検査(非特異的IgE検査、RIST)とがあります。ヒスタミンの量を調べるもの血液検査で、ヒスタミンを通じてアレルゲンに対する反応性を調べる検査で、アレルゲン刺激性遊離ヒスタミン(HRT)と呼ばれます。検査では、採取した血液の中から好塩基球という細胞を分離し、その好塩基球にアレルゲンの添加を行います。アレルゲンを添加したときに放出されたヒスタミンの量を測定することで、アレルゲンへの反応性を調べます。ハウスダストによるアレルギーの治療アレルギー性疾患の治療では、抗原となっている物質の除去や回避を行うことが重要とされます。ハウスダストによるアレルギーに対しては、こまめに掃除機をかけたり、布団干しをしたりすることで、ほこりやカビ、ダニなど抗原となっているハウスダストを除去するようにしましょう。症状にあわせて以下のように薬物療法が併用される場合もあります。ハウスダストによる気管支喘息:吸入ステロイド薬アレルギー性鼻炎:抗ヒスタミン薬、鼻噴霧用ステロイド薬アレルギー性結膜疾患:抗アレルギー点眼薬近年注目を集めているのは、舌下免疫療法と呼ばれる治療法です。免疫療法は以前から行われていましたが、定期的にアレルゲンを皮下注射する方法が取られるために、毎回注射の痛みがあること、治療に3〜5年を要することなどが欠点として指摘されていました。このような皮下注射による免疫療法の欠点を改善した新しい治療法が、舌下免疫療法で、2015年に保険適用となりました。舌下免疫療法舌下免疫療法では、治療薬の錠剤を舌下に置いて1〜2分間そのままにしておき、その後飲み込むという方法がとられます。1日に1回行いますが、自宅で自身によって行えるのが利点とされています。2週間ごとに通院して受診し、治療の経過や副反応などのチェックをし、状態が安定した後は1か月ごとに受診をします。保険適用ではありますが、現在ではまだ舌下免疫療法を行える医師、医療機関は限られているため、ダニの舌下免疫療法を希望する場合には、受診をする前に、あらかじめその旨を医療機関に問い合わせることをおすすめします。監修:大利昌久
2017年11月16日小児期の食物アレルギーとして、鶏卵に次いで国内で2番目に多くみられるのが、牛乳アレルギーです。牛乳アレルギーとは牛乳アレルギーとは、食物アレルギーのひとつで、牛乳が原因となって免疫反応が起こり、さまざまな症状が生じるものをいいます。摂取した牛乳によって体内にアレルギー反応が引き起こされ、それによって蕁麻疹や湿疹、下痢などの症状が現れます。免疫は、私たちの身体にとって異物となるものを排除し、身体を守る働きをしています。アレルギーは、その免疫の反応として生じるものです。食物アレルギーは、特定の食物を摂取したときに、免疫のシステムが過敏に反応し、身体に有害な反応を引き起こすことだと定義づけられています。なお、体質的に乳糖を分解することができない人が、牛乳を飲むことでお腹がごろごろしたり、下痢をしてしまったりすることがあります。これは、免疫反応でなく体質によるものであることから、牛乳アレルギーではなく食物不耐性(乳糖不耐性)と区別されます。牛乳アレルギーの原因牛乳アレルギーをはじめ食物アレルギーには、免疫の抗原抗体反応が大きく関わっています。免疫は、外界から異物が侵入しても、それらの異物に抵抗し、身体を守る働きをしています。その働きにおいて、体内の異物を排出しようとしてつくりだされる物質を抗体、その抗体が排出の対象としている物質を抗原と呼びます。免疫システムは、通常は、ウイルスや細菌などの病原体が感染したときに、体内に侵入してきた病原体に対抗しようと、その病原体を抗原とする抗体をつくり出し、異物を体外に追い出すような活動を引き起こします。たとえば、かぜをひいたときにみられるくしゃみや鼻水などは、そのひとつです。しかし、食物アレルギーの場合には、私たちが生きていくために必須となる食物によって、身体に対して不利益な免疫反応が生じます。牛乳アレルギーに関しては、免疫システムが過敏に反応し、牛乳に対してIgE抗体(免疫グロブリンE)という種類の抗体をつくることが原因となって起こると考えられています。体内でつくられたIgE抗体は、細胞の表面にIgE受容体をもつ細胞に結合します。なかでも特にIgE抗体の結合がみられるのはマスト細胞です。マスト細胞は、ヒスタミンやロイコトリエンなどの神経伝達物質を大量に蓄積し、皮膚や気管支粘膜、腸粘膜などに存在している細胞です。このマスト細胞にIgE抗体が結合した状態でいるところに、牛乳を摂取すると、肥満細胞に脱顆粒と呼ばれる反応が起こり、中に蓄積されていた神経伝達物質が放出されます。それによってアレルギー反応が起こり、さまざまな症状が誘発されるといわれています。牛乳アレルギーの症状牛乳アレルギーによりアレルギー反応が起こると、ほかの食物アレルギー同様にさまざまな症状が出現します。主な症状牛乳アレルギーによってみられる主な症状には、次のようなものがあります。皮膚に現れる症状かゆみ、蕁麻疹、発赤、湿疹、血管性浮腫粘膜に現れる症状目のかゆみ、結膜の充血、流涙、眼瞼(がんけん)浮腫消化器に現れる症状悪心(おしん:嘔吐が起こりそうな不快感)、疝痛、嘔吐、下痢上気道に現れる症状のどのかゆみ、違和感、腫れ、咽頭や喉頭のむくみ、くしゃみ、鼻水、鼻づまり(鼻閉)下気道に現れる症状咳嗽(がいそう:咳こむこと)、喘鳴(ぜんめい:気道の狭窄によって呼吸時にゼーゼーなどと表現される音が鳴ること)、呼吸困難全身性の反応として現れる症状頻脈、血圧の低下、活動性の低下、意識障害症状の頻度アレルギー反応によって、上記のようなさまざまな反応が引き起こされますが、頻度としてもっとも多いのは皮膚や粘膜に生じる症状だといわれています。次いで消化器の症状、上気道の症状、下気道の症状とつづき、全身性症状の順になるとされています。年齢による症状の出現傾向症状の出現のしかたは、年齢によって異なる傾向を示します。乳児期(授乳期)には、発赤や湿疹などが現れることが多くみられ、その後、離乳期から幼児期にかけては、蕁麻疹や湿疹など皮膚の症状だけでなく、目の粘膜に現れる症状や鼻の症状、消化器の症状や下気道に現れる症状などもみられるようになります。また、もっとも重症の場合には、アナフィラキシーショックを起こすこともあります。牛乳アレルギーの検査牛乳アレルギーを含め、食物アレルギーの診断の際、まず問診から行われます。栄養の摂取は母乳かミルクか離乳食を始めているかペットとの接触があるかアレルギーの病歴や家族歴など、問診によって得た詳細な情報をもとに、症状の原因となっているアレルゲンを推定します。問診によって牛乳が食物アレルゲンであると疑われる場合には、lgE CAPRAST検査や皮膚テストによってIgE抗体の検出を行うことがあります。IgE CAPRAST検査IgE CAPRAST検査は、血液を採取して、血液中にアレルゲン特異的IgE抗体が存在するかを調べるものです。皮膚テスト皮膚テストは、アレルゲンが疑われる食物に対する皮膚中のマスト細胞の反応をもとにIgE抗体の検出をはかる方法です。また、IgE抗体の検出を行なう検査のほかに、1〜2週間の食物除去を行い、症状の改善がみられるかを観察する方法(食物除去試験)などが行われる場合もあります。牛乳アレルギーの治療牛乳アレルギーの治療では、必要最小限度の食物除去(牛乳の除去)を行います。アレルゲンである牛乳は除去し、栄養面で牛乳の代替となるような食品をとり入れることで、牛乳アレルギーの症状が発現するのを回避するようにします。症状が出る場合には、補助的な治療として抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬などの内服による薬物療法がおこなわれる場合もあります。食物アレルギーは、乳児期に発症するケースでは90%程度で自然寛解が期待できるといわれています。一般的には、IgE抗体検査などの結果も踏まえながら、1歳を過ぎたころから、専門医の指導のもとで食物除去の見直しを6か月ごとに行っていきます。耐性の獲得によって自然寛解することを念頭におき、食品の除去は必要最小限度とし、代用食品やアレルゲンでない食品を活用した食事で十分な栄養摂取を心がけることが大切です。監修:大利昌久
2017年11月15日食物アレルギーのひとつである卵アレルギーには、アトピー性皮膚炎喘息アレルギー性鼻炎といった症状がみられます。卵アレルギーの原因となっているものは何か、検査方法や治療方法などについて見てみましょう。卵アレルギーとは卵アレルギーは、食物アレルギーのひとつで、卵に含まれているタンパク質に身体の免疫機能が反応してしまうことによって起こると考えられています。卵に対してアレルギー反応があらわれる人は多いといわれており、食物アレルギーの代表格とされています。卵アレルギーの原因アレルギー反応は、免疫が過剰反応してしまうことで起こります。通常は、アレルギーの原因となる抗原が体内に入ったときにIgG抗体を作り、次に抗体が侵入しないように免疫を高めます。しかし、抗原に対してIgG抗体ではなくIgE抗体が作られ、次に抗体が侵入したときにヒスタミンなどの化学伝達物質が出されることによってアレルギー反応みられるといわれています。卵アレルギーの場合の抗体は、オボアルブミンとオボムコイドであると考えられています。人によっては、オボアルブミンに強く反応する場合と、オボムコイドに強く反応する場合とがあるといわれています。卵アレルギーの症状卵のオボアルブミンやオボムコイドによってアレルギー反応があらわれた場合、喘息アレルギー性鼻炎アトピー性皮膚炎などがみられます。症状が出やすいのは消化器が未熟な乳幼児といわれていて、年を重ねて消化器の発達が進むことで症状がなくなっていくこともあります。ただし、症状が改善せず、少量の卵にも過剰に反応してしまい、アナフィラキシーショックを起こす場合もあります。アナフィラキシーショックは、呼吸困難意識が遠のく皮膚症状消化器症状など複数みられるもので、命に関わる重篤な症状なので注意が必要です。場合によっては、医師に対処用の薬を処方されることもあります。卵アレルギーの検査病院では問診を行い、卵を食べた量アレルギー反応が出るまでの時間反応が治まるまでの時間などを答えます。IgE抗体を明確にするために、ブリックテストスクラッチテスト20分間パッチテストなどの皮膚テストを行うこともあります。また、一度卵アレルギーがみられたのに、その後、アレルギー反応がない人1年以上アレルギー反応がなかったという人などは、実際に食べてどう反応するか調べる食物経口負荷試験を行い検査するといわれています。卵アレルギーの治療どのくらいの卵を食べることで、アレルギー反応があらわれるのか正確に判断し、必要最小限除去しながら食事療法を行い、できれば最終的に食べられるようにしていきます。アナフィラキシーショックがある場合は、卵の摂取を完全に控えるようにします。たとえ、完全に卵を除去してしまっても、動物性や植物性のタンパク質を、別の食材から摂取できれば、栄養面には心配ないと考えられているので安心してもよいでしょう。調理でも、卵の使い方には工夫をするとよいでしょう。たとえば、揚げ物の衣やハンバーグのつなぎに卵を使用しないで調理することができます。ただし、加工食品の場合は卵アレルギーに配慮して作られているものばかりではないため、食品表示をよく確認すると安心です。また、卵は加熱処理によりアレルゲンが低下し、反応が出にくくなるといわれています。卵で、アナフィラキシーショックを起こしたことのある人アナフィラキシーショックを起こす可能性が高い人は、食事療法の対象外であり、さらに、アドレナリン自己注射器を処方し、アナフィラキシーショックが起きたときに自分でアドレナリンを注射して症状を和らげていくこともあります。アナフィラキシーショックが心配な方は、医師に相談しましょう。まとめ卵アレルギーを引き起こすといわれている抗体には、オボアルブミンとオボムコイドの2つがあります。加熱によって凝固しやすいものとそうでないもの、どちらに強く反応するかに個人差があることから、食事療法の方法は異なります。栄養価が高いといわれている卵だけに、完全除去となると栄養面の不安を覚える人もいるかもしれませんが、代替えできる食品・食材はさまざまにあるため、医師に相談しながら健康を損なわずに対処していきましょう。監修:大利昌久
2017年11月14日食物アレルギーは、食べ物に対して起こるアレルギーです。アナフィラキシーショックを引き起こす可能性もあり、命に関わることもあります。ここでは、食物アレルギーの症状や原因、治療方法などについて見てみましょう。食物アレルギーとは特定の食べ物を食べることで、かゆみ赤み湿疹嘔吐(おうと)腹痛アナフィラキシーショックなどを起こしてしまうことを食物アレルギーといいます。日本の全人口の1〜2%に発症すると考えられており、中でも乳幼児は10%程度の発症率があるといわれています。乳幼児の食物アレルギーの数値が、全体よりも高いのは、年を重ねるごとに症状が改善していくケースもあるからです。アレルギーのようでアレルギーでないものアレルギー反応と似たような症状でも、アレルギーではなく、ほかの病気である可能性もあるため注意することも大切です。たとえば、牛乳を飲んでおなかを下すときは、アレルギーではなく食物不耐性で乳糖をうまく消化できていないことや、食中毒であることも考えられます。また、食物アレルギーだと思っていたが、食物に含まれていた化学物質に反応しているケースもあります。食物アレルギーの原因身体の免疫機能の一つであるIgE抗体が、特定の食べ物に含まれるタンパク質に過剰反応してしまうことでアレルギー反応が起こるといわれています。食物アレルギーの症状食物アレルギーは、以下のような器官にさまざまな症状があらわれます。皮膚にあらわれる症状かゆみ蕁麻疹(じんましん)湿疹が出る赤くなる目にあらわれる症状結膜の充血目のかゆみ涙が出るまぶたが腫れる口腔内にあらわれる症状口腔内の違和感腫れかゆみのどがつまったような感じのどがイガイガしたりする気管支や肺にあらわれる症状咳が出る呼吸が苦しい鼻にあらわれる症状くしゃみ鼻水が出る消化器官にあわられる症状腹痛吐き気嘔吐血便下痢循環器にあらわれる症状意識障害などの神経にあらわれる症状脈が高くなる血圧が低下する中でも、上述の症状が複数みられ、重篤化してしまったものをアナフィラキシーショックと呼びます。また、花粉症の人などに多くみられるのが、普段食べている食べ物に対してアレルギー反応が出てしまうことです。食べても異常のなかった野菜や果物でも、新鮮なもののみにアレルギー反応が出る場合があります。その場合は、食べている途中で、口腔内に違和感を覚えることがあるため、大量に食べずに摂取を控えましょう。また、この場合は検査によって判明しにくいといわれており、新鮮な食べ物を実際に摂取してみないと診断できないといわれています。食物アレルギーの検査食物アレルギーが疑われる場合、病院を受診し、検査することをおすすめします。病院では、アレルゲンを特定し、反応しているIgE抗体を証明するという手順を踏みます。検査は、問診食物日誌皮膚テスト血液検査を行い、場合によっては原因となっている食物を実際に食べて検査を行い診断します。問診の流れ問診では、アレルギー反応がみられたときに、何を食べていたのか食べた量発症までの時間いつまでアレルギー反応が出ていたか症状には特徴があったかを答えます。そして、同じような食べ物を食べてアレルギー反応がみられるかの記録をつける食物日誌をつけます。抗体検査の内容IgE抗体を証明する検査では、ブリックテストスクラッチテスト20分間パッチテストなどの皮膚テストを行います。これは、抗原液を皮膚に貼ったり、注射で注入したりして行います。血液検査の内容血液検査では、血中抗原特異的IgE抗体の有無を確認します。陽性反応が出ているが実際に食べたことのない食べ物がある場合食べてもアレルギー反応がみられなかった場合アレルギー反応が出てから1年以上経過している場合上記のような場合は、食物経口負荷試験という、実際に食べてどう反応するかを検査してみます。食物アレルギーの治療食物アレルギーの治療では、症状があらわれるときの摂取量を知り、必要最小限除去するように心がけて治療を行います。食事療法によって、必要最小限の基準を小さくしていき、最終的に食べられるようになることを目標としています。ただし、アナフィラキシーショックがみられる場合には、原因となっている食べ物を完全に排除します。また、アナフィラキシーショックの可能性がある人や発症したことがある人は、アドレナリン自己注射器を処方し、症状があらわれたときに自分でアドレナリンを注入して症状を和らげていく方法もあります。まとめ食物アレルギーは、特定の食べ物に含まれるタンパク質に身体の免疫機能が過剰反応してしまうことで発症します。食事療法によって改善することもありますが、自己判断で除去したり、摂取したりせずに、医師の適切な治療を受けましょう。監修:大利昌久
2017年11月13日アレルギーの症状に悩んでいる人は多く、年々、患者数は増加しているといわれています。アレルギーとはどのような原因で、どのような症状が起きてしまうのか詳しく見てみましょう。アレルギーとはアレルギーの定義は、免疫反応に基づく生体に対する全身的または局所的な障害と定められています。なんらかの外的な刺激があった際に、身体は免疫反応によって刺激を排除しようとしますが、特定の物質や現象に対してこの反応が過剰に起きてしまうことでアレルギー症状があらわれます。免疫反応を起こす物質や現象は抗原と呼ばれ、アレルギーの原因を意味するアレルゲンと呼ばれる場合も多いです。アレルギー症状には、抗原の反応によって短時間で症状がでる即時型と、遅発、遅延型と呼ばれる種類が存在しています。アトピー性皮膚炎喘息蕁麻疹花粉症鼻炎これらのアレルギー症状は即時型で、生命に危険のあるアナフィラキシーショックも即時型の分類となります。一方、遅延型のアレルギー症状は、発症まで数時間や数日かかる場合もあり、こちらは細胞や細菌を原因とした内臓への症状が中心となります。臓器移植による拒絶反応などもこの一種とされています。アレルギーが起こるメカニズム一般的な即時型のアレルギー症状には、IgEと呼ばれる抗体が大きく関与しています。このIgE抗体が、皮膚腸粘膜気管支粘膜鼻粘膜などに存在しているマスト細胞と結合した状態で抗原と接触すると、細胞からかゆみや炎症の原因となるヒスタミン、ロイコトリエンなどの化学伝達物質が放出されてアレルギー症状を起こすようになります。このため、IgE抗体はアレルギー症状を起こす有力な要因と考えられています。アレルギーの主な原因アレルギー症状を起こす抗原となる可能性があるものには、以下のようなものがあげられます。抗原となるものは人によって大きく異なり、種類も大変多くなりますので、あげられたもの以外でアレルギー症状が起こる可能性もあります。食品食品は、子供に多く見られるアレルゲンですが、大人にもアレルゲンとなるケースがあります。卵乳製品(牛乳など)穀物(小麦、そば)豆類(ピーナッツ、大豆など)特に、これらの食品でアレルギーを起こす人が多く、甲殻類(エビ、カニ)、魚介類(青魚や貝など)、果実類などでアレルギー症状があらわれる場合もあります。ハウスダスト近年患者が増えており注目されているアレルゲンです。ダニダニそのものだけでなく、死骸やフンが生体以上に強力なアレルゲンとなります。湿度の高い環境などで繁殖しやすいといわれています。カビ、細菌湿気などによってほこりの中にカビが繁殖する場合があり、空気中に胞子をまくことでアレルゲンとなります。ほこりや他のハウスダストは細菌が原因となることもあり、ダニのエサとなるほかアレルゲンとなる場合もあります。ペットの毛室内でペットを飼っている家庭も増えていますが、抜けたペットの毛自体がアレルゲンとなる場合もあるほか、ダ二のエサとなり繁殖を助長することもあります。ペットを飼っている場合は特に掃除などを徹底するべきでしょう。花粉などの吸収性物質花粉症は、もっとも身近なアレルギー症状といえるでしょう。鼻炎の症状だけでなく、皮膚のかゆみや湿疹などがある場合もあります。大気汚染などによるアレルギー症状も花粉と同様です。金属などの接触刺激金属と汗が反応して、接触している皮膚に炎症や湿疹を起こす金属アレルギーや、天然ゴムの成分が皮膚に症状を起こすラテックスアレルギーなど、特定の物質に接触することでアレルギー反応が出る場合もあります。化粧品などの化学物質によって接触刺激が起こる場合もあります。薬剤によるアレルギー内服薬や注射などによって体内に入った薬がアレルギーを起こす場合もあり、これは遅発、遅延型の症状があらわれます。症状が重症となりやすいので、服用している薬や過去に服用した薬を把握するようにして症状がある場合は、すみやかに医師や薬剤師に相談することをおすすめします。アレルギーの主な症状アレルギー反応としてあらわれる症状にはさまざまなものがありますが、代表的なものとして、以下のようなものがあげられます。症状は必ずしも単一ではなく、いわゆるアレルギー体質と呼ばれるアレルギー素因の多い人の場合は複数の症状を併発することも少なくありません。アレルギーに対しては、医療機関での適切な治療が第一ですが、自分のアレルゲンをあらかじめ知っておくことでアレルゲンをできるだけ避けることが可能です。症状を完全に抑えることは困難な場合もありますので、なるべくアレルゲンに触れないよう注意するべきでしょう。アレルギー性気管支炎ハウスダストや花粉など吸収性の物質がアレルゲンとなる場合が多く、気管支や気道が炎症を起こして腫れてしまい呼吸がスムーズにできないことで息苦しくなります。せきやたんが出るなど風邪(かぜ)と間違えやすい症状ですが、適切な対処を行わないと気管支喘息などに発展する場合もあります。アレルギー性鼻炎花粉症の代表的な症状ですが、ハウスダストや食物によって起こります。激しいくしゃみ、鼻水、鼻づまりの症状があらわれ、のどの痛みや頭痛なども併発して日常生活に支障が出る場合も珍しくありません。アレルギー性結膜炎鼻炎と併発するケースも多く、目の表面の結膜にアレルゲンが付着する事で炎症を起こし、激しい目のかゆみ、充血、涙が出る、異物感がある場合などがあります。アトピー性皮膚炎皮膚に湿疹が起こり、強いかゆみを感じるほか、皮膚がカサつくなど、皮膚の保護機能が低下する症状をあらわします。全身どこにでも症状が出る可能性があり、重症化すると腫れやただれ、皮膚の肥厚などが起きることもある深刻な症状です。蕁麻疹境界がはっきりとした、円形に盛りあがる皮疹が発生します。大きさはさまざまで、強いかゆみをともないチクチクとした感触がある場合もあります。アトピー性皮膚炎による炎症湿疹と混同されることも多いですが、蕁麻疹の症状は、出たり消えたりをくりかえすことが多いのが特徴です。監修:大利昌久
2017年11月09日金属アレルギーは、一度発症してしまうと完治が難しいといわれるアレルギーです。金属が汗や体液によってイオン化して起こると考えられています。ここでは、金属アレルギーの種類や症状、検査や治療、予防方法について見てみましょう。金属アレルギーとは金属アレルギーは、特定の金属に対してアレルギー反応がみられるものを指します。現在の日本では、10人に1人以上がなんらかの金属アレルギーであるといわれており、一番症状が出やすいのがニッケル、次にコバルトと考えられています。ニッケルやコバルトは、ピアスなどのアクセサリー類に用いられることが多いため、女性に金属アレルギーが出やすいといわれています。特に40代以降の女性に多いアクセサリーを身に付ける時間の長い女性は、金属アレルギーを発症しやすいといわれています。そのため、若い人よりも、金属と接触している累計時間がより長い40代以降の女性に多くみられます。金属アレルギーの原因金属アレルギーが起こる原因は、金属が汗や体液などに触れてイオン化することにあるといわれています。接触の場合は、汗に触れることで起こり、体内に金属がとり込まれた場合には、体液に触れることによって起こるとされています。金属アレルギーの症状金属アレルギーは、金属接触アレルギーと全身型金属アレルギーの2種類にわけられています。金属接触アレルギーは、皮膚が金属と接することによって、皮膚上の汗から金属がイオン化して侵入し、かゆみや赤み、腫れや湿疹、水ぶくれを起こすことがあると考えられています。全身型金属アレルギーは、薬や食品に含まれている金属が体液などに触れることでイオン化し、それを汗として放出するときに手のひらや足の裏などにむくみや皮膚炎などを起こすと考えられています。金属アレルギーの検査金属アレルギーの検査では、パッチテストを行い、どのような種類の金属に対してアレルギー反応があるのかを調べます。この検査によって、金属接触アレルギーの原因を特定することができます。全身型金属アレルギーの場合は、パッチテストでは陽性反応が出ないケースもあるため、内服テストや吸入テストを行い診断します。ただし、人体に悪い影響があるといわれている水銀やスズにアレルギーの可能性があるときは、内服テストは行いません。金属アレルギーの治療金属アレルギーは、完治が難しいといわれているため、基本的に接触を回避することでアレルギー反応が出ないようにすることが重要です。全身型金属アレルギーの場合は、食品に含まれている金属に反応していることもあり、該当している食品を食べないように制限されることがあります。たとえば、チョコレートや豆類、貝類やレバーなどには金属が多く含まれているため、摂取を控えるよう指示されます。また、調理器具に含まれる金属に反応しているケースもあるため、調理器具に関しても注意するようにしていきます。回避では症状が治まらないときは、薬物で治療することもあります。その際は、消化管がアレルゲンを吸収し過ぎないように抑えるインタールを使います。それでも、金属アレルギーの反応があるときは、歯科に問い合わせて反応のある金属が含まれていないかを確認したり、除去してもらえるように連携したりします。また、整形外科や血管外科の治療において、金属を使用していないか、大気汚染されている環境に住んでいないかなど他の原因を探ることもあります。それでもアレルギー反応が治まらない場合は、金属キレート剤を使って治療を行います。金属アレルギーは予防できるのか金属アレルギーを予防するには、金属との接触をなるべく避けるのがよいと考えられています。たとえば、虫歯の治療で銀歯にした場合、金属が口内で溶け出してしまわないか歯科で確認したり、詰め物を金属ではないものに変えたりすることで発症を予防できると考えられます。また、アクセサリーをつけたい人は、一番発症率の高いニッケルを避け、金や銀、プラチナやチタンで作られたアイテムを選んで使うようにするとよいでしょう。それに加えて、汗をたくさんかく環境のときは、アクセサリーを使用しないように心がけるとよいでしょう。まとめ金属アレルギーとは、金属に対してアレルギー反応を起こしてしまう体質のことです。金属が、汗や体液などに触れることでイオン化して皮膚炎などの症状があらわれます。一度発症すると完治が難しく、金属接触アレルギーの場合は、原因の金属を回避するのが一番の対処法となります。また、全身型金属アレルギーは、回避の他に薬物治療のほか、歯科や整形外科、血管外科などと連携して治療を行うこともあります。発症していない人は、予防のために、できるだけ金属との接触を控えて、身につけるものに注意しましょう。監修:大利昌久
2017年11月07日アトピー性皮膚炎はアレルギーと同じだと考えている方もいるのではないでしょうか。本来は、アトピー性皮膚炎はアレルギーと同じものではありません。アレルギー性皮膚炎は、特定の原因物質(アレルゲン物質)に接触すると起こる皮膚炎です。ここでは、アトピーとアレルギーの違いについて見てみましょう。アトピーはアレルギーではないのかアトピー性皮膚炎とは、かゆみをともなう湿疹が身体のさまざまな部分にできることが特徴です。皮膚が乾燥しやすく、皮膚のバリア機能が弱いため、外からの刺激に敏感な状態となっています。皮脂の分泌も少ないため皮膚の水分が蒸発しやすく乾燥してしまうといわれています。一方、アレルギー性皮膚炎は、原因物質といわれるアレルゲンにくりかえし接触することで皮膚に炎症が起こる症状のことを指しています。アトピー性皮膚炎と混同しやすいですが、複合的な要素が絡み合って原因が単純なものではないアトピーと違って、アレルギー性皮膚炎は、アレルギーの原因となっている刺激を排除してしまえば比較的治療しやすいといわれています。症状として現れる湿疹は、アトピー性皮膚炎と似ているために、見た目だけではどちらの症状であるかを判断することは難しいです。アレルギー性皮膚炎とはアレルギー性皮膚炎の原因はさまざまで、しかも人によって原因物質は異なります。毒性のあるものや刺激物が原因物質としてあげられます。多く見られるものには、植物があり、うるし銀杏アロエなどにアレルギー反応があることが知られています。女性は、アクセサリーなどの金属と触れていることが多いため、金属アレルギーを持つ人が多いといわれています。金属アレルギーが重症化すると手のひらや足の裏にも症状が出ることがあり、小銭などの金属にも反応してしまうこともあります。その他にも、化粧品やシャンプーなどの化学成分下着やマフラーなどの繊維湿布や軟膏などの外用薬が原因となることもあります。アレルギーの原因となる物質に接触すると、触れた部分が赤くブツブツとした紅斑(こうはん)になる、皮膚が盛り上る湿疹の丘疹(きゅうしん)が出る、水ぶくれである水疱(すいほう)になります。「かぶれ」と呼ばれる症状です。かゆみや痛みがある場合があります。アトピー性皮膚炎とは強いかゆみや湿疹があることが多く、特に乳幼児に発症しやすい病気です。近年では大人にもアトピーの症状を持つ人が増えています。アトピーの原因はさまざまあり、生まれつきの体質や環境食べ物不規則な生活習慣などが関係していると考えられています。治療法が確立されていないためによくなったかに見えても、再び症状が悪化することがあり、症状のくりかえしが特徴として見られ、悩まされている人が多い病気です。アトピー性皮膚炎の症状額や目や口の周り、体幹などにかゆみのある湿疹がよく見られます。乳児の場合は、最初に湿疹が頭部に現れて、だんだんと下の方へ移っていき、四肢関節に湿疹が出てくるようになります。幼少期では、頸部、関節に多く湿疹が出てくるといわれます。成人の場合は、上半身に頻発することが多くなります。アトピー性皮膚炎の原因と対処法アトピー性皮膚炎の原因には、食べ物よりもハウスダストやダニ、カビなどが原因となることが多いと考えられています。ダニが棲みつきやすいといわれるじゅうたんやカーペットを減らすことが有効です。また、ダニは湿度が55%以上になると繁殖しやすくなるため、湿度を下げるダニのエサとなる食べこぼしの始末定期的に部屋の掃除こまめに布団を乾燥させる部屋の空気を入れ替えるをするようにしましょう。アトピー性皮膚炎のケアは保湿が大切アトピー性皮膚炎の治療の目標は、症状を上手くコントロールしていくということが大切です。そのためには、薬を使用して湿疹やかゆみの症状を抑えましょう。皮膚のバリア機能が弱い状態なので刺激物が症状を悪化させやすくします。日常的にスキンケアをしっかりと行ってください。スキンケアでは、おもに保湿に重点を置いてください。セラミドヒアルロン酸コラーゲンなどの保湿成分が有効でしょう。また、炎症がひどい場合は、軟膏類や乾燥している部分にクリーム類を使用することをおすすめします。紫外線によりアトピーを悪化させやすくなるため、外出の際は日焼け止めなどで対処しましょう。監修:大利昌久
2017年11月06日アレルギーにより湿疹が引き起こされる場合、どのようなメカニズムで発症するのかを理解しておくと、いざというときに対処ができます。ここでは、湿疹とアレルギーについて見てみましょう。アレルギーによる湿疹とは湿疹を発症させるアレルギーには以下のものがあります。食物アレルギーアレルギーによる湿疹でよく見られるのが、食物アレルギーです。アレルゲンとされる特定の食べ物で、湿疹が発症されるとされています。アレルゲンとなる可能性がある食べ物は非常に数が多いので、どれが自分にとってアレルゲンになるのか問うのがわからないことが多いです。また、食物アレルギーの場合は、皮膚症状として湿疹だけにとどまらないことも多く、じんましんや血管性浮腫、発赤などの症状がでたり、目やのど、呼吸器系などの異常が引き起こされたりすることがあります。接触アレルギー接触アレルギーの場合は、主に皮膚に現れるアレルギーとして知られています。皮膚にアレルゲンが接触することによって、皮膚に湿疹などの異常が引き起こされることがあります。軽い接触アレルギーの場合、触れた部分だけに異常が起こりますが、アレルギーの反応によっては、接触した部分以外にも症状が進行してしまうこともあるため注意が必要です。アレルギーによる湿疹のメカニズムアレルギーが引き起こされるメカニズムについて解説します。防御反応人の身体は、外部からの異物に対しての防御機構を有しています。異物が体内に侵入すると、血液中の白血球などの細胞がその異物を除去しようと活動を始めます。このため、なにか異物がはいりこんだとしても、すぐに異常をきたすというわけではありません。そして、一度異物を排除すると、その異物に対して記憶しており、次回侵入したときには、最初の侵入に比べてより早く対処できるようになっています。これを免疫と呼びます。アレルギーというのは、この免疫反応に異常が起こったときに引き起こされるといわれています。抗体が過剰に反応するアレルギーは、異物に対して必要以上に反応を起こしてしまうことが原因で引き起こされるようです。アレルギーの原因であるアレルゲンが体内に入ると、特異的IgEを経由してアレルギー反応が引き起こされます。さらに、アナフィラキシーショック症状が引き起こされた場合は、一度症状が現れなくなった後に、再び発症するといわれています。アレルギー反応はあくまでも、異物が入ったときだけに反応するので、アレルゲンを体内に取り込んだり、皮膚に触れたりしない限りは、アレルギー症状は発症しないとされています。アレルギーによる湿疹の治療アレルギーによる湿疹の治療法を見ていきましょう。アレルゲンを特定するアレルギーに対する治療を行っていくためには、アレルギーを引き起こしているアレルゲンを特定する必要があります。アレルゲンを特定するためには、血液検査によって血中の特異的IgE抗体がどれくらいあるのかを調べるという方法が行われます。そのほかの方法としては、実際に食べ物で検査を行う食物検査や、皮膚にアレルゲンの可能性のある物質を付着させるパッチテストなどによって、アレルゲンを見極めていきます。ただし、これらの検査は、あくまでもアレルゲンを探す検査です。見極めたアレルゲンが、必ず湿疹の原因だという事は決めつけることができません。アレルゲンを同定してからさらに検査をしていくことで原因を特定できるとされています。できるだけアレルゲンを避けるアレルギーを根本的に治療するのは非常に難しいことです。そのため、対症療法がメインの治療となります。抗アレルギー薬や抗ヒスタミン薬などを投与して、アレルギーによる症状を緩和させていく薬物療法を行っていくことが多いです。そして、症状が緩和された後は、できるかぎりアレルゲンを摂取したり、触れないように予防したりしていくことが重要だとされています。日ごろから気をつけたいこと検査や治療によって、自身の湿疹の原因となっているアレルゲンが同定されているのであれば、そのアレルゲンからできるだけ避けて生活していくことによって、症状を予防することができます。たとえば、軽度の食物アレルギーであり、それが普段から食べたり飲んだりしているものであれば、徐々に摂取量を減らしていって、症状が出ない摂取量を見極めることも必要かもしれません。また、生活や仕事に支障をきたすレベルであるのであれば、アレルギーの出ないような生活、および仕事に変えていく必要があります。家族や職場での理解が必要になるため、しっかりと相談をしてよい方法を探していくようにしましょう。監修:大利昌久
2017年10月24日たくさんの女性が悩まされるお腹の症状、便秘。特に妊娠中の女性のはホルモンの関係などで、どうしても便秘になりやすいのです。そこで役立つのが、やはり食物繊維。ごぼうは言わずと知れたファイバー食材。でも、食物繊維の「質」もトップクラスだとご存知ですか?食物繊維には水に溶ける水溶性と、水に溶けない不溶性の2つの種類があります。多くの野菜は不溶性食物繊維のほうが多く、水溶性は少ない傾向にあるのですが、ごぼうは水溶性も多い貴重な野菜。簡単に違いをいうと、不溶性食物繊維は便をつくるのがメイン、水溶性食物繊維は善玉菌を増やして腸の健康を保つ働きがメインになるため、両方の食物繊維がバランスよくとれていると、腸活がとてもスムーズにいくのです。ごぼうはつまり、食物繊維の量もさることながら質も高いというわけ。なので私は妊婦さんに、ごぼうは妊娠期間中しっかり食べましょうとお伝えしています。市販品でももちろんよいのですが、作りやすいのは定番で常備菜にもなるきんぴらごぼうだと思うので、料理としてはきんぴらがおすすめ。合わせて、より効率よく食物繊維をとる方法として、このきんぴらごぼうにおからを組み合わせるレシピもセットでお伝えしています。■おから和えサラダレシピ制作:長 有里子<材料 作りやすい分量>きんぴらごぼう 100gおから 50gマヨネーズ 大さじ2酢 大さじ1<作り方>1、おからをフライパンで1分ほど乾煎りする(油をひかずにそのまま炒める。炒めていて、フライパンから湯気が出てきたらOKの目安)。2、材料を全て混ぜ合わせる。ごぼうとおからの組み合わせはまさに、腸活にうってつけです!
2017年10月19日赤ちゃんが発症するアトピーは、乳児アトピー性皮膚炎と呼ばれています。海外を含めた皮膚科の統計によると、生後6か月の頃までに発症したアトピー性皮膚炎は、2歳を迎えるあたりでいったんは症状が治まるといわれています。しかし、自然治癒するものと病院に行かずに放っておくと、症状が悪化して時には重症化する場合もあります。ここでは、赤ちゃんのアトピーについて対処法を見てみましょう。赤ちゃんのアトピーの原因赤ちゃんがアトピー性皮膚炎を引き起こす主な原因には、以下のようなものが考えられます。母乳に含まれる食物アレルゲンダニ・ハウスダストなどのアレルゲン入浴時の石けんやボディソープなどに含まれる成分皮膚にもともと付着している細菌空腹やおむつ交換などストレスの影響乾燥肌汗による皮膚の炎症有害化学物質(環境基準に定めれたもの)赤ちゃんのアトピーと乳児湿疹の違いとは赤ちゃんの肌トラブルは、乳児湿疹と呼ばれています。乳幼児の肌は、外気などからの有害物質を寄せつけないバリア機能の働きがまだ未熟であると考えられています。このバリア機能が弱いことで、さまざまな肌トラブルを発症します。機能の未熟さが原因だとされています。生後すぐの赤ちゃんの肌は、しっとりとした肌質ですが、徐々に乾燥していきます。おむつかぶれや、あせもなども乳児湿疹に含まれます。そして、そのような症状が長引くことでひどい湿疹になり、アレルギー検査などを行った結果、アトピー性皮膚炎と診断されることがあります。アトピーが現れる時期についてアトピー性皮膚炎は、症状が現れやすい時期があります。赤ちゃんや子供の年齢により皮脂の分泌量が異なり、症状にも違いがみられます。赤ちゃんの時期ですと、生後2〜3か月頃からアトピー性皮膚炎の症状が確認できます。症状があらわれやすい部位頭部や顔など赤ちゃんの手が触れる範囲耳の付根の部分。ただれてしまうと「耳切れ」と呼ばれる症状になる。足首、ひじなど関節部分季節も関係しているアトピー性皮膚炎は、季節が影響するといわれています。日本の夏は、ジメジメと蒸し暑いのが特徴です。そのような環境では、汗っかきな赤ちゃんにとっては、とても不快な状況といえるでしょう。化膿している患部に汗や蚊にさされるなどの刺激を受けることで、ますます分泌量も増えてジクジクとなり症状が悪化しやすくなります。また、冬場では、空気が乾燥することで、肌も乾燥してカサカサの状態になりやすく、症状が悪化しやすいといわれています。赤ちゃんのアトピーの対処法赤ちゃんに必要なケアを見てみましょう。自宅でできるケアが大切アトピー性皮膚炎の症状が見られる場合には、早めに小児科などを受診しましょう。小児科は、トータルで子供のケアを担当しており、必ずしも皮膚科である必要はありません。病院では、まずは血液検査を行い、食物アレルギーなのか、アレルギー性の炎症なのかを判断します。食物アレルギーが原因であれば、食べ物などの食事制限で、アレルゲンを除去することが必要です。肌も清潔にすることが大切です。汗をかいたらこまめに濡れたタオルなどで拭き取ります。赤ちゃん用のベビーソープなどは安全面でも有効だとされています。大人と同じボディソープや石けんでは、香辛料などが含まれていることが多いため控えましょうまた、身体を洗うときには、柔らかいガーゼや手のひらでやさしく洗ってあげることと、石けんが残らないようにしっかり洗い流すことが大切です。監修:大利昌久
2017年09月19日食物繊維はお腹にいいと聞くけれど、食物繊維のたくさん入ったものを食べると、おならが出やすくなることってありますよね?食物繊維とおならの関係を知って、うまく美容や健康に生かしましょう。「おいも」を食べると…プーっと鳴ったら恥ずかしい。おならは、できることなら、人には聞かれたくないものです。ところで、食物繊維はお腹にいいと聞くけれど、食物繊維のたくさん入ったものを食べると、おならが出やすくなることってありますよね?絵本の世界では、「おいも」を食べておならを連発する子供たちが描かれていることもあり、やっぱり、食物繊維を食べると、おならって出やすくなるのでしょうか?「食物繊維」は「おなら」がでる?!食物繊維を食べるとおならが出るというのは、実は本当なのです。食物繊維のなかでも、不溶性食物繊維は長くお腹の中にとどまり、ガスを発生させやすい性質があります。このことにより、おならが発生しやすくなるのです。不溶性食物繊維を多く含むものは、セロリ、ごぼう、さつまいもなどのいも類、大豆や小豆のよう豆類です。不溶性食物繊維は文字通り溶けずに大腸までたどり着き、便通の改善に役立つ働きなどをしてくれますので、お腹に良い作用があるのですが、一方でおならを増やす働きもあるということですね。一方で、水溶性食物繊維もおならが増える原因となることがあります。水溶性食物繊維は、わかめなどの海藻類に多く含まれる食物繊維です。水溶性食物繊維は、体内で、善玉菌を増やす働きをしてくれるのですが、この時に発酵することによって、ガスを発生させることがあります。このガスもおならとして、体外に排出されますので、どちらにしても、食物繊維をとることで、おならが出てしまうことはあるようです。「食物繊維」はお腹に”いい”!食物繊維を食べることで、おならが増えてしまうことはありますが、実はこのおならはあまり臭くないという特徴もあります。食物繊維には腸内環境を整えてくれる働きがあり、腸内環境がよくなることで、発生したガスも、あまり臭いものではなくなります。このため、食物繊維をとって、発生するおならは、比較的臭くないものとなります。何より、食物繊維のお腹に良い作用を考えると、おならなど気にせずに、積極的に取ってほしいくらいです。食物繊維を食べて、美容と健康を両立しよう!食物繊維を食べることで、腸内環境が改善されると、肌がきれいになったり、体調がよくなったりといった、うれしい効果が見込めます。逆に、腸内環境が悪化すると、臭いおならが増え、肌荒れがおきたり、疲れやすくなったりと、マイナスの影響が多く出てきます。美容と健康の両立のためにも、食物繊維をたくさん食べて、腸内環境の改善に努めましょう。食物繊維が多い食べ物食物繊維をたくさんとるには、どんな食べ物を食べるとよいでしょうか?食物繊維の多い食べ物はたくさんありますので、食べやすくて好きなものを選んで食べましょう。さつまいもさつまいもには不溶性食物繊維が多く含まれており、食事にもおやつにもなる嬉しい食材です。冬は焼きいもとして、間食に食べてもよいですし、朝ごはんの代わりにもなりますね。腹持ちがよく、満足感があるのも嬉しいところです。もちろん、おかずとして、食卓に上げてもOKです。海藻海藻には水溶性食物繊維が多く含まれており、ミネラルも豊富ですので、食物繊維以外の美容効果も期待できます。わかめをみそ汁に入れたり、海藻サラダにしたりと、工夫して毎日食べてもよいでしょう。酢昆布はおやつとして、口さみしい時に食べるのも、おすすめです。きのこきのこにも水溶性食物繊維が豊富です。きのこも毎日食卓に出してもいいくらいレシピが豊富ですので、食物繊維を摂取しやすい食べ物ですね。マイタケ、シメジ、エリンギ、マッシュルームなどなど、季節を問わずスーパーで購入できます。しかもわりと低価格で、購入できますよね。ぜひ、いろいろと工夫して、毎日少しづつ食べていきましょう。きのこは軽く火を通すだけでも美味しくいただけます。ご飯に入れて炊きこむだけでも、きのこご飯になり、毎日だって食べられますよね。豆類不溶性食物繊維が豊富な豆類も、おすすめ食材のひとつです。豆には大豆、小豆、ひよこ豆など豊富な種類があり、小豆は甘いものが欲しい時にもおすすめです。焼き菓子やケーキに比べると和菓子などの小豆を使用したスイーツは低カロリーです。さらに、美容に良い成分も多く含まれています。スナック菓子などを食べることを考えれば、はるかに良いおやつといえるでしょう。このようなことから、和菓子は、美容やダイエットには比較的おすすめなスイーツです。どうしても、甘いものが食べたい時は、和菓子をチョイスするようにするとよいでしょう。毎日食べよう食物繊維!!食物繊維は、少しづつでもよいので、ぜひ、毎日食べるようにしましょう。毎日少しづつとっていくことで、腸内環境が改善され、肌にも体にもいい効果が見込めます。特に、おやつタイムは、体に良くないものをとるよりも、食物繊維が豊富な焼きイモや和菓子を食べて、美容タイムにしてしまいましょう!!おならに負けずに、食物繊維を摂取しよう!!※筆者の個人的見解です。効果・効能を保証するものではありません。
2017年08月24日食物繊維に特化した野菜飲料が誕生株式会社伊藤園から6月26日(月)、食物繊維が不足しがちな人に向けた野菜・果実ミックス飲料「食物せんい野菜」が発売された。便秘や肥満、糖尿病の予防に効果があるとされる食物繊維。食事摂取目標量は、18歳以上の男性で1日あたり20g以上、女性で18g以上とされているが、日々の食生活からそれを充分に摂るのはなかなか難しく、特に20代から40代の男女に不足しているとされている。たっぷりの野菜と果物をミックス!「食物せんい野菜」はにんじんとトマトをベースに、赤ピーマン・インゲン豆・モロヘイヤやケール・ピーマンなど、食物繊維が豊富な30種類の野菜を使用。そこにオレンジを主体にレモンを合わせた2種類の果実をミックスし、野菜の味わいを残しながらもスッキリと飲みやすいおいしさに仕上げた。食生活をおいしくサポート200ml入りのパック1本には、食物繊維が10g含まれる。砂糖・食塩・保存料は無添加。家族みんなでそろって楽しめる野菜・果実ミックス飲料だ。伊藤園は「食物せんい野菜」の発売を機に、今後さらに野菜飲料市場のさらなる活性化をはかっていきたいとしている。(画像はプレスリリースより)【参考】※株式会社伊藤園プレスリリース
2017年07月04日甘さ控えめのカントリーマアム株式会社不二家は3月7日(火)、人気のお菓子「カントリーマアム」ブランドから新シリーズとなる「カントリーマアムプラス食物繊維(クランベリー/かぼちゃ)」を発売する。カントリーマアムといえば、外はサックリ中はしっとりの食感が老若男女に愛されるお菓子。新登場となる「カントリーマアムプラス食物繊維」は健康志向のカントリーマアムで、野菜や果物の素材のやさしい甘さを引き出している。素材のおいしさが際立つレシピ国産小麦と、小麦胚芽やライ麦、全粒粉を使用しており、チョコチップは不使用。果物や野菜の素材のおいしさに食物繊維を組み合わせ、朝食や軽食にも食べられるよう甘さ控えめに仕上げた。ドライクランベリーのやさしい甘さとほのかな酸味を活かした「カントリーマアムプラス食物繊維(クランベリー)」と、かぼちゃペーストやかぼちゃパウダー、クラッシュしたかぼちゃの種とまさにかぼちゃ尽くしの「カントリーマアムプラス食物繊維(かぼちゃ)」の全2種類。1枚当たりの食物繊維は0.9g(クランベリー)と0.8g(かぼちゃ)。各8枚入りで、税込み216円。スーパーやコンビニエンスストアなどで販売される予定だ。(画像はプレスリリースより)【参考】※株式会社不二家プレスリリース
2017年02月24日花粉症などアレルギーを持つ人は多いですよね。もし彼がアレルギー持ちの場合は、バレンタインにあげるギフトにも気をつけなければいけません。今回は、アレルギー持ちの彼とバレンタイン症候群についてお話します。知らないことがあるのは当然彼氏と同棲し始めたばかりのKさんは、バレンタインに手作りのケーキ(生クリーム+イチゴ)をあげることにしました。イチゴがたっぷり入ったハート型のケーキです。彼氏はとても喜んで嬉しそうに食べ進めましたが、実はイチゴのアレルギー持ちでした…。せっかく作ってくれたのだから、とアレルギーだということは言わずに食べてくれたのです。でも、やっぱり口の中や喉がかゆくなってしまい全部は食べられませんでした。一見するとラブラブなエピソードですが、一歩間違えば大変なことになっていたかもしれません。同棲している、付き合っているとは言え、お互いの全てを知っているとは限らないということですね。バレンタイン症候群バレンタイン症候群は、バレンタインの直後に患者さんが急に増えることを指します。主に内科、耳鼻科、皮膚科で起こる現象のようです。バレンタインと言えばチョコレートですが、実は体のかゆみや頭痛などの体調不良の原因となる成分が含まれています。中でも有名なのは「ニッケル」と「チラミン」。・ニッケル金属アレルギーの人がチョコを食べて症状が出てしまう原因。チョコにはニッケルという金属が多く含まれています。・チラミン血管の収縮を起こす成分です。血管の収縮を引き起こし、その効果が切れると一気に血液が流れ、蕁麻疹や頭痛、鼻血などの症状が出ることがあります。いずれも大量に食べたときに症状が出ることが多いようなので、気をつけて下さいね。卵や牛乳などの食物アレルギーを持つ人のために、アレルギー対応のバレンタインギフトやレシピもあります。サプライズであげたいという女性も多いと思いますが、アレルギーだけはきちんと確認した方が良さそうです。
2017年02月09日日本人が昔から食べてきた「大麦」には、からだの調子をととのえる栄養素がたっぷり。近年ではそのヘルシー効果が注目され、グラノーラやお菓子など、さまざまな食品に活用されています。そんな大麦がパワーアップし、より健康的なからだづくりに役立つ食材として進化したのが「スーパー大麦」です。スーパー大麦はいったいどんなところが「スーパー」で、からだにどんなプラスをもたらしてくれるのか、農学博士で大麦研究の第一人者でもある青江誠一郎先生に教えていただきました。お話をうかがったのは…青江誠一郎(あおえ・せいいちろう)先生農学博士。大妻女子大学家政学部教授、家政学部長。「腸の奥からの健康を考える研究会」委員。穀類をはじめとする食品研究の第一人者。機能性食品の検証などの研究もおこなう。■オーストラリアが健康のためにつくりあげた「スーパー大麦」―最近、女性を中心に大麦を使った食品が人気のようです。そもそも、大麦にはどんな健康効果があるのですか?(青江先生)大麦には、腸内にすむ細菌のエサになったり、余計な油の吸収を抑えたりする「水溶性食物繊維」が豊富に含まれています。私たちが主食としているお米や小麦にもわずかに含まれていますが、主に粒の外層にあるため、精米や精麦するときに削られて減少してしまうのです。同じ穀物でも、大麦は粒の中央部分にまで「β‐グルカン」と呼ばれる水溶性食物繊維がぎっしりとつまっているのが大きな特長です。食べるところにまんべんなく水溶性食物繊維がたっぷり含まれた穀物は、他にはありません。β‐グルカンには糖や脂肪の吸収を抑えて血糖値を上がりにくくしたり、内臓脂肪を減らす働きがあります。さらに、大腸までいくと腸内にすむ細菌のエサになります。また、大腸でも血糖値の急上昇を抑えたり、食べすぎを抑えたりするホルモンを増やす働きをします。―従来の大麦でも、からだにさまざまなメリットをもたらしてくれるのですね。その上を行くという「スーパー大麦」は、従来の大麦とどう違うのですか?(青江先生)スーパー大麦には、大麦の大きな特長であるβ‐グルカンに加え、「フルクタン」、「レジスタントスターチ」と呼ばれる2種の食物繊維が豊富に含まれています。フルクタンはごぼうやチコリなどにも含まれるさらっとした水溶性食物繊維の一種です。レジスタントスターチは「第3の食物繊維」とも呼ばれ、水に溶けにくくゆっくり発酵するため、大腸の奥のほうまで届いて腸内細菌のエサになる成分です。ご飯を冷やすことでもできる成分ですが、ほとんどの人がご飯は炊き立てのほうがおいしく感じるでしょうし、冷えたご飯を食べても多くは摂取できませんから、普段の食事でレジスタントスターチを意識して摂ることは、なかなか難しいのです。そんなレジスタントスターチに早くから着目し、研究を進めているのがオーストラリアです。オーストラリアでは、大腸がんの罹患率(りかんりつ)の増加が社会問題となっていました。この問題を解消するには食物繊維が豊富な食材を見つけることが大切と考え、もともと水溶性食物繊維が豊富な大麦の改良を重ね、10年以上もの年月をかけてレジスタントスターチが従来の大麦の4倍、フルクタンやβ‐グルカンといった水溶性食物繊維を2倍含むスーパー大麦を開発しました。 ■大腸の奥までケアする、3つの食物繊維の「3段ロケット」―国民の健康のために、国がおすすめしている食材と聞くと、説得力があります。では、スーパー大麦を食べると、大腸のなかではどんなことが起こるのですか?(青江先生)図を見ていただくと、わかりやすいと思います。食物繊維は種類によって、腸内細菌に食べられる速度が違います。まずフルクタンは、大腸の入り口付近にすむ細菌のエサになります。すると、エサを食べた細菌は専門的な言葉ですが「短鎖脂肪酸」(たんさしぼうさん)という酸を産生します。この酸は、大腸の細胞自体を強くしたり、からだによい働きをする菌(善玉菌)がすみやすい環境をととのえたりすることが、近年の研究で分かっています。大腸の中間まで届いたβ‐グルカンが腸内細菌のエサになり、ここでもフルクタンと同じように短鎖脂肪酸が産生されます。また、先にお伝えしたように、ここでも食べすぎや血糖値の急上昇を抑えるホルモンの分泌を促します。そして、水に溶けにくく発酵が遅いため大腸の遠位部まで届き、そこに多くすむ腸内細菌のエサになるのが、レジスタントスターチです。大腸の入り口、中間、奥とすみずみまで、3段ロケットのようにケアできるのが、スーパー大麦ならではの特長です。これまでは、3段階目にあたる「大腸の奥までエサを届かせる」ことが難しかったため、大腸の奥はからだにとってよくない菌(悪玉菌)が優位なケースがありました。そこに善玉菌のエサとなるレジスタントスターチが届き、短鎖脂肪酸が産生されると、善玉菌は過ごしやすく、悪玉菌は居心地が悪くなります。その結果、腸内細菌の勢力図が変化し、からだにとって好ましいバランスにととのうのです。■肌トラブルは悪玉菌がつくりだす腸内毒素が原因?―なるほど、3種の食物繊維が3段ロケットとなって大腸をケアしてくれるのですね。ちなみに、悪玉菌が優位な状態が続くと、からだにはどんなことが起こるのでしょう。(青江先生)悪玉菌は腸内毒素をつくります。その毒素が肌荒れや各器官に炎症を引き起こしたり、近年ではメタボリックシンドロームの原因にもなることがわかっています。便秘の方は、排出されるべき毒素が大腸にとどまっているわけですから、毒素がどんどんたまり、肌トラブルも起こりやすくなってしまうのです。また、腸内細菌がエサを食べると産生する短鎖脂肪酸のひとつ「酪酸」には、大腸自体を丈夫にする役割もあります。酪酸がつくられていないと大腸の壁がゆるんで隙間があき、そこから毒素が漏れてからだのあちこちに回ったり、外からよくないものが入ってきやすくなったりします。つまり、腸内毒素の発生自体を減らす意味でも、大腸を丈夫にしてからだに回るのを抑える意味でも、大腸でよい働きをする腸内細菌にきちんとエサを届かせて、短鎖脂肪酸をつくってもらうことがとても大切なのです。レジスタントスターチが大腸の奥に届き、悪玉菌がおとなしくなると、便秘はもちろん肌トラブルやさまざまな大腸疾患の予防、メタボ対策にもつながることが期待されます。 ■ダイエット効果も期待! 糖、脂質の吸収をセーブするサインとは?―大腸の壁がゆるくなる、というのは大変衝撃的です…。ところで、女性としては大麦に含まれるβ‐グルカンの作用でお話くださった、糖や脂質へのアプローチについても気になっています。(青江先生)β‐グルカンはネバネバとした水溶性食物繊維で、余計な糖や脂質をつつんで吸収しにくくする特性があります。これは、大麦やスーパー大麦を食べて、小腸に達しているときの働きです。さらに、食べてしばらく経ち、大腸に達すると腸内細菌のエサになることもお話しました。このとき産生される短鎖脂肪酸が、「次の食事も食べすぎないようにしよう」、「糖や脂質の吸収を抑えよう」といったからだのサインにもなるホルモンの分泌に影響を与えています。たとえば、朝スーパー大麦を食べれば、その直後には小腸で糖や脂質の吸収を抑え、さらに大腸では菌のエサになり、その後も昼食を食べる量や、糖、脂質の吸収をセーブすることが可能で、ほぼ1日中効果が持続します。腸のケアと同時に、自然と体重や脂肪も落ちやすくなるわけです。年齢が若い人の多くはすぐに体重の減少がみられますし、高齢の方でも2~3ヶ月スーパー大麦を摂取することで変化があらわれましたよ。―大腸をととのえれば、からだの内側の健やかさはもちろん、体型の変化など目に見えるビューティまで叶えられそうですね。貴重なお話を、ありがとうございました!■スーパー大麦を実際に試してみて大麦が本来持つβ‐グルカンに加え、フルクタンや日常の食事では摂りづらかったレジスタントスターチが豊富に含まれていて、大腸の奥まできちんとエサとして届くことが、スーパー大麦が「スーパー」たるゆえんです。そして、大腸がととのえばおなかやお肌のコンディションの向上はもちろん、病気の予防や、自然と脂肪がつきにくいからだにととのったりと、うれしいことがたくさんです。わたくしごとではありますが、長年便秘に悩まされていた筆者も、スーパー大麦を試している期間はうそのようにすっきり! を実感できたひとりです。次はあなたのからだで、スーパー大麦の実力をリアルに体感してみてください。 [PR]腸の奥からの健康を考える研究会
2016年10月18日長男を見ていると、「よくここまでアレルギーが出てくるものだ」と落胆を超えて感心してしまう。今わかっているだけで十数種類の食物アレルギー、ハウスダスト・犬猫アレルギー、花粉症、軽度のアトピー。風邪をひくと咳がひどくなり、喘息の疑いもある。つい先日も新たなアレルゲンがわかったばかり。年齢とともによくなるものもあれば、悪くなるものもある。子どものアレルギーで悩むママに我が家の話を聞いてほしい。今までのアレルギー遍歴まずは長男のアレルギー遍歴をザッとご紹介しよう。生後7ヶ月 ヨーグルトを食べた後、口の周りにプツプツと赤い発疹が出て受診。 「卵、乳製品、小麦、ピーナッツ」にアレルギーが判明。全除去。 1歳半 小麦解除(食べられるように)。 2歳半 「山芋」を食べて嘔吐。アレルギー判明。 3歳 数値では出ていなかった「イクラ」で発症。その後検査するも、やはり数値は出ない。 4歳 「ハウスダスト、犬、猫アレルギー」判明。 7〜10月のみ原因不明の顔の発赤、頭のかゆみ、夜のみ咳が出るようになる。 5歳 乳製品解除。 「パイナップル」を食べて口の中が痒くなり判明。 「スギ、ヒノキの花粉症」判明。 5歳半 「りんご、オレンジ、キウイ、メロン、アーモンド、くるみ、ヘーゼルナッツ、ココナッツ」判明。一般的にアレルギーの多い「卵、乳製品、小麦、大豆」の数値は年々減少している。いっぽうで「ナッツ類」は上がっており、「果物類」は今まで食べられていたが5歳からアレルギーを発症(この2つは花粉症との関連性が高いと言われている)。医師には「まだ調べていないだけで、他にもアレルギーや花粉症はあるでしょう」と言われた。1番大変なのは子どもだけど…アレルギーが分かったときは正直戸惑った。何をどう気を付ければいいのか…知識が全くないことが1番怖かった。アレルギーで大変なのは誰よりも子ども自身。それを踏まえた上で、親自身もキツいときがあると度々思う。1番大変だったのは、原因不明の顔の発赤が出た去年の夏。決まって夕方18時過ぎに出るのだが、その時間家にいるのは私と長男、当時5ヶ月の次男だけ。「赤ちゃんを抱えて何か発作でも起こったらどうしよう」と気が気ではなかった。それ以外の日常生活でも、外食や旅行は常に緊張を伴う。子どもを預けることもほとんどない。アトピーのために洗剤や服を変え、ハウスダストが判明してからは掃除機や寝具を変え、夏季は床や布団の掃除機がけに毎日追われる生活。「お金も、時間も、労力もかかる」のがアレルギー児をもってわかったことだ。また、周囲の大人に「わかってもらう」ことがまだまだ難しい。身内でさえ、「これくらい大丈夫」と言われて発症したこともある。食物はもちろん、ハウスダストも言いかたによっては相手の機嫌を損ねる可能性もあるため、実家・義実家への説明は慎重かつ丁寧に行った。これが友人関係と広がっていくと、また難しいものなのだ。難しくて切ない、子どもへの対応それでも1番心が傷むのは子どもへの説明かもしれない。小さい頃は食べなければ良かっただけだが、5歳ともなれば自分がアレルギーだとわかるし、好きだったフルーツも食べられなくなった。動物大好きな長男だが、大好きな猫を飼うのもガマンしているし、動物園も短時間で済ませないといけない。子どもをのびのび育てるのがモットーな筆者だが、アレルギーがあるということは「ガマンを強いる」ということだなとつくづく思う。もちろん体や時に命に関わることだから本気で止めるが、子どもに対しての説明も難しいし、何より切ないのだ。TVをつければ卵の歌をやっていて、「ボクは食べられないから卵料理がわからないなぁ」と彼は言う。親として何と答えればいいのか…何度考えただろうか。同じ時間を過ごすなら、上を向こうよく「アレルギーは大きくなれば治る」と言われるが、息子の場合にそれは当てはまらない。実は夫がアレルギー持ちで、長男とほぼ同じ種類のアレルギー・花粉症・アトピーを持っているからだ。やっと乳製品が解除になった直後、フルーツで発症したときは文字通り肩を落とした。夫を見る限り、魚卵・フルーツ・ナッツは長男が大人になっても続くだろう。「一生モノ」と決まっているなら、下を向きながら付き合っていくのでは辛過ぎる。同じ時間を過ごすならばせめて上を向いてアレルギーと付き合っていこう。できる限りの除去と防御策を心がけること、まずはこれで子どもを守る。あとはアレルギーで子どもにガマンを強いている分、他の部分で好きなことをさせてあげたい。動物がダメなら昆虫や魚を飼うなど別の視点を広げることもできる。アレルギーにより和食中心になったり、以前より健康に気をつけるようになったが、親からすれば「子どもに長生きさせてもらっている」と考えることもできる。元が大雑把な筆者も家をキレイに保つ習慣ができた。アレルギーと一生付き合わなければいけないのは、親よりも子ども自身。親が下を向いていては子どもはもっと悲観するだろう。だからこそ上を向きながら、時に落ち込み、時に前向きに付き合っていこうと思う。ライター:宮野 茉莉子
2016年08月02日ぽっこりお腹や肌荒れの原因にもなる、嫌な便秘。解消するために「食物繊維を積極的にとろう」と、食生活に気を配っている人も多いのでは。でも、実は食物繊維にも種類があり、気をつけないと体質によっては逆効果になってしまうことが…。食物繊維を効果的にとるために、種類と働きをしっかり知っておきましょう。■食物繊維の種類による働きの違いとは腸内の善玉菌を増やすなど、腸内環境の改善に役立つ食物繊維。その種類は、水に溶ける「水溶性食物繊維」と、水に溶けない「不溶性食物繊維」の2つに分けられます。腸内細菌のエサになって腸内環境を整えるほか、糖や脂質、有害物質の吸収をおさえてくれるのが、水溶性食物繊維です。コンブやワカメなどの海藻類、山芋、大麦、こんにゃくなどに多く含まれています。対して不溶性食物繊維は、便のかさを増し、腸を刺激して便秘解消に役立つ効果が。代表的な食材は、大豆をはじめとする豆類、サツマイモ、アーモンド、エリンギやエノキといったきのこ類などです。 ■食物繊維がぽっこりお腹を加速させる!?水溶性と不溶性、どちらの食物繊維も便秘解消には役立ちそうなイメージ。でも、普段から便秘がちの人は摂取する食物繊維の種類に注意が必要です。不溶性食物繊維は、腸内で水分を吸ってふくらみ、腸内細菌によって分解されるときにガスを発生させます。そのため、便秘気味の人が不溶性食物繊維をとりすぎると、かえってお腹が張ってしまう恐れがあるのです。一般的に「便秘解消に効果的」といわれている豆類やイモ類も、そればかり食べていては逆効果になることも。「ぽっこりお腹を解消したい」という場合は、水溶性食物繊維を意識してとるようにしましょう。■水溶性と不溶性の食物繊維をバランスよく不溶性食物繊維がぽっこりお腹に逆効果になるかもしれないからといって、水溶性食物繊維ばかりとるのもNGです。理想は、不溶性:水溶性が2:1の割合になるように食べること。ただし、女性に多い過敏性腸症候群など腸が弱っている場合は、まず水溶性食物繊維を多めにとり、腸の正常な力を取り戻すようにするとよいでしょう。水溶性食物繊維を食事に取り入れるには、コンブやもずく、めかぶ、山芋などの“ネバネバ食材”を意識して。また、おすすめなのが大麦です。朝食をオートミールにしたり、白米の代わりに麦ごはんを食べる習慣をつけると、無理なく水溶性食物繊維をとることができますよ。
2016年05月10日いまでは食物アレルギーをもつ子どもは珍しくなく、学校給食でも対応食が提供されるようになりました。食品にも細かく表示されているので安心かと思えば、意外と注意したいのが私たちの親世代。アレルギーと好き嫌いを混同していることがあり、悪気もなくアレルゲンとなる食品を与えてしまうこともあります。わが子を守るためにも、アレルギーについてきちんと理解してもらうことが必要です。■「死」を連想させて危険性をアピール食物アレルギーの症状には個人差がありますが、重度の場合は口に入れただけでショック症状が見られ、呼吸困難におちいることもあります。親が一緒なら食べ物を選べるけれど、問題は姑に子どもを預けたときです。食物アレルギーとはどのようなものか、ママがしっかり説明できればいいのですが、姑は嫁の話を聞きたがらないことがあります。自分のやり方にケチをつけているだけだと、かえって反発してしまうことも。そのため、夫から話してもらうのがいいかもしれませんね。実際には軽度だとしても、大げさに危険性を訴えるのがポイント。食べたら死んでしまうから絶対に与えないでほしい、「ちょっとくらい」も死にいたることがあると、きつく言ってもらうと効果があるようです。■わかりやすい表を作る姑がアレルギーに対して理解してくれても、何を与えてはいけないのかわからないこともあります。たとえば、大豆アレルギーなら納豆や豆腐はNGということは理解していても、パンの焼き型に大豆油を塗っていただけでも反応することは、すぐにはわからないかもしれません。預ける際には、食事やおやつをすべて準備していくのが確実ですが、急に預けなくてはならないこともあるし、姑が用意したおやつを与えたくなることもあるでしょう。そのときにそなえて、アレルギー対応表を渡しておくこと。市販のお菓子や加工品などは、表示の書かれた現物を添付して、どこを見ればいいかわかりやすくすることも大事です。■医師に協力をあおぐここまでいっても、理解してくれない人もいるという話はよく聞きます。これだけニュースになっているのに、「うちの孫は大丈夫」という、根拠のない自信があるようですね。また、「気合いでなんとかなる」、「努力すれば克服できる」と勘違いしていることもあるので、この手のタイプは、実際に危険な目にあうまでわからないかもしれません。しかし、わが子にもしものことがあったら大変です。夫がいってもわかってくれないときには、一緒に病院へ行きましょう。家族の話は信用しなくても、姑世代は医師のいうことは聞くことが多いです。医師もこのようなケースに慣れているので、しっかり説明してくれます。ここまでしても、アレルギーをワガママだと思い込んでいる人もいるのだとか。そんなときは預けないようにするだけでなく、ふだんから子どもと会わせないようにすることも考えなくてはなりません。姑にとって、孫に会わせてもらえないのはかなりのダメージです。世代によって子育ての環境が異なるので、「常識」もどんどん変化していきます。姑世代がすぐに対応できないのは無理もないのかもしれません。しかし、アレルギーは命にもかかわることです。根気強く訴えて、わが子の身を守りましょう。
2016年04月13日【ママからのご相談】もうすぐ幼稚園に入園する娘がおります。子どもの食物アレルギーについて心配があります。これまでは食物アレルギーの傾向はなく、離乳食も順調に進められました。入園予定の幼稚園では毎日給食です。今までは大丈夫だったのに、 急にアレルギーを発症することもまれにあると聞き、心配になっています。母としてどのようなことに注意していけばいいのでしょうか?●A. 子どもの食物アレルギーについては、3つの重要ポイントがあります。ご相談ありがとうございます。ママライターのあしださきです。食物アレルギーについて、漠然とした不安を持ちつつ入園を迎えるというのは気がかりですよね。「給食で急にわが子がアレルギーを発症したらどうしよう」というご心配、とてもよく分かります。私自身がそうなのですが、食物アレルギーという言葉は知っていても、実は詳しく教えてもらったことはない というのが漠然とした心配の理由かもしれません。そこで今回は、そんなママが押さえておくべき3つのポイントをご紹介いたします。●子どもの食物アレルギーは乳幼児期に多く発症する食物アレルギーは子どもに多く見られるのが特徴である、というのはよく知られています。具体的には6歳以下の乳幼児が患者数の80%近くを占め、1歳に満たない子どもでは10〜20人に1人の割合で発症 しています。なぜ子どもに多く発症するのか。子どもに食物アレルギーが多いのは、成長段階で消化機能が未熟であるからで、アレルゲンであるタンパク質を小さく分解(消化)できないのがひとつの要因として考えられています。そのため、成長するにともなって消化吸収能力が発達し、原因食物に対する耐性が付く可能性が高いのです。ですから、1歳の時点で食物アレルギーと診断されても、約9割の患者さんが遅くとも小学校入学時までに自然寛解する と言われています。ご相談者様のお子さんは、離乳食も順調に進めることができたということでした。厚生労働科学研究班による「食物アレルギーの診療の手引き2014」に詳しい調査結果が示されています。調査によると年齢別の原因食物の内訳は、2〜3歳では鶏卵が1位で29.0%、2位が牛乳で25.6%、以下小麦10.0%、魚卵7.4%となっています。これらの食材に関しては離乳食で食べても問題なく、その後も現在までアレルギー症状が出ないということであれば、幼稚園の入園後に給食でこれらの食材を食べることへの心配はあまりされなくてもいいと思います。●新たなアレルゲンとの出会いに注意〜年齢による原因食物の違い〜アレルギーの原因食物は年齢により異なり、乳児では鶏卵、牛乳、小麦が多く、学童期以降では甲殻類、果物類、小麦が多くなるということをご存じでしょうか。このように、入園前までは鶏卵や牛乳、小麦といったアレルゲンへの心配を主にしますが、幼児期に入ると食べ物の幅も広がりますので、新たなアレルゲンとの遭遇が気になります。子どもたちが新たに出会う食材の中でアレルギーが心配されるのは、エビ、カニ、ピーナッツ、そば、イクラなどが一般的に有名です。世の中のママたちは情報が豊富な環境で子育てをしており、「この食材は危ない」という知識がたくさんあるのですが、逆にそれが仇となっているということもあります。アレルギー反応を引き起こす危険がある食材は、家庭で積極的には子どもに与えない傾向があるというのが問題なのだ という専門家の指摘があります。つまり、幼稚園入園前に家庭でこれらの食材を食べる機会がなかったお子さんが、給食で初めて食べることになるということがご相談者様のような心配の原因にもなってしまいます。そこで、給食が始まる前にさまざまな食材を家庭で食べるということが、その心配を解消するひとつの方法でもあると言えると思います。もちろん、すでにアレルギーの診断を受けているお子さんの場合は、必ず医師の指導のもとで慎重に行う必要があります。●口腔アレルギー症候群前出の「食物アレルギーの診療の手引き2014」の中に、年齢別新規発症例の内訳が示されています。4〜6歳の子どもの新規発症例1位は果物で16.5%となっていますが、この調査は非常に興味深い結果を表していると思います。食物アレルギーはタイプにより大きく4つに分けられますが、その中のひとつである“特殊型”に分類されるのが『口腔アレルギー症候群 』というものです。どんな症状なのか?果物や野菜を食べた直後に口の中がイガイガしたり、口の中が腫れたりする症状が特徴的です。その他、花粉症の症状に似たくしゃみや目のかゆみなどもあります。果物や野菜の中には花粉症の原因となる物質と同じものが含まれる場合があり、それらを食べると花粉と同じ抗原だと勘違いしてアレルギー反応が出ることがあるそうです。症状がひどい場合、吐き気や腹痛、喘息のある人だと呼吸困難を起こし、いわゆるアナフィラキシー状態でショック死することもある そうです。口腔アレルギー症候群に特に注意しなくてはならないのは、大人はもちろんのこと、近年増えてきている子どもの花粉症です。4〜6歳の新規発症例の1位が「果物」ということからも、ご相談者様のお子さんがこれからの幼稚園の給食で気をつけるべき食材のひとつに果物を覚えておいていただくといいのではないでしょうか。----------いかがでしたか?今回のコラムで触れた食物アレルギーについての知識を上手に活用して、ご家庭や幼稚園での食生活の心配を少しずつ解消していってくださいね。お子さんとママにとって、楽しい幼稚園生活になりますように!【参考文献】・公益財団法人母子健康協会 機関誌『ふたば』No.74(2010)【参考リンク】・食物アレルギーってなあに? | ファイザー()・食物アレルギーの診療の手引き2014 | 厚生労働科学研究班(PDF)(’%E5%8E%9A%E7%94%9F%E5%8A%B4%E5%83%8D%E7%9C%81+%E9%A3%9F%E7%89%A9%E3%82%A2%E3%83%AC%E3%83%AB%E3%82%AE%E3%83%BC+%E5%8E%9F%E5%9B%A0%E9%A3%9F%E6%9D%90’)●ライター/あしださき(元モデル)
2016年04月04日毎年2月頃、この春小学校に入学するご家庭向けに、入学説明会が開かれます。「わが子も、いよいよ小学生」というほろりとした感傷の中に、嬉しさと不安とが入り混じった思いを感じながら参加されるお母さんたち。私もドキドキしながらそれに出席したのが、ちょうど1年ほど前のことでした。ただ、私の胸の中は、不安な気持ちが大半を占めていました。というのも、息子に乳製品のアレルギーがあるからです。アレルギーを持つ子どもの給食は? わが家の場合を振り返ってみます。大切なのは学校との「ほう・れん・そう(報告・連絡・相談)」アレルギーを持つ児童への対応は、お住いの市区町村によって少しずつ違いがあるようです。そのため、学校側との話し合いが何よりも大切です。私は、入学前と入学後に養護教諭、栄養士、担任(入学後のみ)との話し合いの場を作ってもらい、アレルギーの状況について、相談しました。主治医に記入してもらったアレルギー児童のための「学校生活管理指導票」をもとに、息子の場合、微量でも摂取するとアレルギー症状が出てしまうことや出やすい症状、出てしまったときの対処方法(薬の服用)など、状況をできるだけ細かく伝えました。そして、その上で学校側として配慮してもらえることを教えてもらいました。たとえば、息子の通う小学校では、最後に生クリームをかけて提供されるボルシチのようなメニューのときには、それを除去してもらうことができました。また、毎日出される牛乳の代わりに、自宅から水かお茶を入れた水筒の持参が可能でした。これがあって助かった! アレルギーに配慮されたネット通販アレルゲンを除去できないメニューのときには、自宅から代わりのものを持参します。一番頭を悩ませたのがパンでした。学校給食で提供されるパンは、乳製品を使用しています。種類も食パンだけではなく、コッペパンやバーガーパン、白パンなどいろいろなパンがメニューに登場します。そこで、強い味方になってくれたのは、ネット通販でした。卵・乳アレルギーに対応したパンを全国に届けてくれる、「 卵・乳アレルギー対応パンのtonton 」です。わが家では給食のメニューをもらったらすぐに注文。1ヶ月分のパンを頼んでいます。パンは冷凍で届くので、すぐに冷凍庫へ。あとは、パンを持っていくその日の朝に冷凍庫から取り出し、アルミホイルで包み、パンがつぶれないようにタッパーに入れ持っていくだけ。すると、お昼には自然に解凍され、焼きたてのようなふわふわの柔らかい状態になります。種類も豊富で、何よりも手間がかからず、しかもおいしい。わが家の心強い味方です。そのほか、給食でよく登場するメニューに、クリームシチューやグラタンがあります。これらは乳製品の除去が不可能なため、自宅からランチジャーに入れて持参しています。ハウス食品の「 特定原材料7品目不使用 シチューミクス <クリーム> 」や、桜井食品の「 ベジタリアンのためのシチュー 」「 ベジタリアンのためのグラタンミックス 」などを利用することで、なるべく手間や時間をかけずに作っています。不安の中で始まった小学校での給食。1年が過ぎようをしている今、「なるべくなら、みんなと同じものを食べさせてあげたい…」そんな思いを応援してくれる、さまざまな方々に支えられているなと感じています。楽しい給食の時間を、皆が笑顔で過ごせるよう、同じアレルギーを持っている方の参考になれば幸いです。(あい)
2016年03月02日【ママからのご相談】40代のママです。乳製品と卵に食物アレルギーを持つ息子が、この4月に地元の市立中学校に進学します。小学校時代はアレルゲン物質を除去した給食を他のお子さんたちと一緒に食べてきました。今回、進学説明会で、中学校では除去対応はできないので自己責任で除去するか、そうでなければお弁当を持たせるようにと言われました。12歳の子どもに100%自己責任で除去しろと言うのも酷ですし、「除去食対応なし」となると実際食べるものがなく成長期に必要な栄養が十分に取れないと思うので、お弁当を持たせるつもりです。ただ、本人は「他にもお弁当の子っているのかなあ」と人の目を気にしています。どう言ってやったらよいか助言をいただけないでしょうか。●A. “人目を気にしていたら大人の体になれない”ことと、“命を守るために給食でなくお弁当にする”ことを優しくお話ししてください。こんにちは。エッセイストでソーシャルヘルス・コラムニストの鈴木かつよしです。ご相談ありがとうございます。ご相談者様、わが家もまったく同じです。わが家の息子は魚介甲殻類とナッツ類の食物アレルギーですが、すでに息子への説明・説得は済み、本人も中学校にはお弁当を持って通うことで納得しております。その際、筆者と妻から息子に話したことは2点だけです。1つ目は、「人目を気にして自分も給食にしたら、安全のために“これも食べないでおこう”“それも食べないでおこう”となり、必要な栄養が取れず体の成長に悪影響が出る 」こと。2つ目が、「生徒の自己責任でアレルゲン物質を除去せよという方法では、万が一ということを考えたら給食は食べさせられない 」ということです。それでは、都内の私立医科大学附属病院でアレルギー外来を担当する小児科医の先生にお話を聞きながらこの問題を一緒に考えてみましょう。●給食は食物アレルギーの負荷テストではないので、陽性物質は除去するしかありません。だから、お弁当を持参するしかないのです『数年前、東京都調布市の小学校で給食時に食物アレルギーによるアナフィラキシーショックで子どもが死亡するという痛ましい事故がありました。そういった事件を受けて、ここ数年、アレルギー検査で陽性反応が出た物質は未然に除去するようになってきています。それはそれで子どもの生命を守るためには絶対に必要な対応ではあるのですが、中には除去する必要がないのに除去されていて、成長期に必要なビタミンが不足気味になっている子どもがいることも否定はできないでしょう』(30代男性/都内私立医科大学附属病院小児科アレルギー外来担当・小児科医師)ただ、そうは言っても給食は食物アレルギーの負荷テストを行う場ではありません。医師の監督・指導の下に周到な準備をし、『エピペン』も即座に使用できるよう用意した上で行う負荷テストとは違うのですから、陽性物質は除去するしかないのです。中学生になったことを機会に、みんなとは違う“弁当持参生活”をすることによって、「自分は自分。恥ずかしくなんかない」といった“強さ”を培っていくこと が貴重な経験になるはずです。期待半分ですが、われわれ保護者自身がそう自分に言い聞かせるべきではないでしょうか。●みんなとは違う自分を楽しめることも、大人への第一歩ですご相談者様のお子様やわが家の息子がもうすぐ終えることになる小学校での6年間というものは、人が社会生活を営んでいく上でこのうえなく貴重な学習をした時間 であったはずです。クラスのまとまりを維持するために自分を抑制することも必要ですし、一方で、“他人とは違う自分”という“個人”の尊さについても学んできたことでしょう。社会生活とは、そのバランスをいかにはかっていくかという行為なのだろうと思います。『アレルギー専門の小児科医の立場で言うのであれば、お弁当を持参することには“賛成”です。おそるおそる食べる給食よりも、保護者に作ってもらったお弁当で思いっきり栄養を取ることの方がいいのは自明なことです』(30代男性/前出・小児科医師)医師もこうおっしゃっているように、お子さんは“みんなとは違う弁当持参生活を楽しむ強さ”を養うことによって、また一歩、人として成長してくれるものと信じようではありませんか。●ライター/鈴木かつよし(エッセイスト)
2016年03月01日雪印メグミルクグループのビーンスターク・スノーは25日、0歳~3歳の子どもを持つ25歳~45歳の親400人(既婚者の父親・母親各200人)を対象に実施した、アレルギーに関する意識調査の結果を発表した。まず、アレルギーを感じやすくなる季節があるのかを質問したところ、400人中の約半数(214人)が「ある」と回答。その中でもっともアレルギーを感じやすい月として、3月と回答した人が31%ともっとも多く、次に4月と回答した人が28%で2番目に多い結果となった。全体の傾向として、2月から5月の冬から春にアレルギーを感じやすくなる人の割合が多くなっている。今現在アレルギーを発症しているのかを、家族も含めて調査したところ、家族の誰もアレルギーを発症していないという回答は64%。1人以上アレルギーを発症している家族は36%であり、3家族のうち1家族は誰かしらアレルギーを発症していることが分かった。アレルギー発症の割合は父親が22%で、母親(15%)や子ども(20%)の発症率より高い結果となった。アレルギーの親子関係について分析したところ、父親と母親が共にアレルギーを発症している場合、子どもがアレルギーを発症する割合は50%だったのに対して、父親のみがアレルギーの場合は30%、母親のみの場合は21%となっており、両親どちらもアレルギーでない割合は11%。これにより、両親ともにアレルギーを発症していると、子どものアレルギー発症率は両親ともにアレルギーでない場合の約5倍という結果となった。アレルギーの種類について質問したところ、大人が発症しているアレルギーで一番多かったのは花粉症の44%、次にアトピー性皮膚炎が16%、食物アレルギーは14%となった。また、花粉症や食物アレルギーについては、医師の診断を受けていない人が多いことも判明した。子どもの発症しているアレルギーは、1位が食物アレルギーで15%、次に花粉症とアトピー性皮膚炎がそれぞれ11%となっている。食物アレルギーの内訳は、医師の診断を受けて分かっている人が11%、診断を受けていないがなんとなく感じている人が4%で、10人に1人以上は医師によって食物アレルギーだと診断されていることが分かった。なお、親の年齢による子どものアレルギーの発症率に関して分析したところ特に傾向は見られなかった。同調査は、9日~12日の期間にインターネットリサーチによって実施。調査対象は、0歳~3歳の子どもを持つ男女200人ずつ計400人で、25歳~30歳、31歳~35歳、36歳~40歳、41歳~45歳の各グループ50人から回答を得た。
2016年01月26日ダスキンはこのほど、「花粉・ハウスダストと子どものアレルギーマーチ」と題したセミナーを開催。日本医科大学大学院医学研究科頭頸部・感覚器科学分野教授で同大学医学部耳鼻咽喉科の教授も務める大久保公裕氏が「アレルギーマーチ」を食い止めるための予防策について語った。○アレルギーの資質があると、次々と発症していく「アレルギーマーチ」とは、アレルギーの資質を持つ子どもが成長するに伴い、アレルギー性疾患を続けて発症する現象のことを指す。もともと食物アレルギーやアトピー性皮膚炎を患っている場合、その後、ハウスダストや花粉が原因のアレルギー性鼻炎になりやすいという。なぜそのようなことが言えるかというと、食物アレルギーなどを持っている子どもは、IgEという抗体を作りやすいからだ。IgEとは「アレルゲン」に対して働く抗体のことで、これが多く作られていくことで、さまざまな症状を発症することになる。花粉症を例にとってみると、体内に入った花粉に反応したIgEが、炎症などを引き起こす化学伝達物質をたくわえている「肥満細胞」に付着。花粉との接触を何回も繰り返すうちにIgEが付着した「肥満細胞」が増加していき、それが一定レベルを超えると、くしゃみや鼻水を引き起こす化学伝達物質「ヒスタミン」などを放出するようになる。その結果、花粉症が発症するのだ。IgEは食品に反応するもの、花粉に反応するもの、ハウスダストに反応するものなど、さまざまな抗体があるが、アレルギー性疾患の発症の仕組みは、全て同じ。もともとIgEを作りやすい資質を持っている子どもは、食品だけでなく、花粉やハウスダストに反応するIgEも作りやすいということになる。その結果、食物アレルギーだけでなく、ハウスダストが原因の通年性アレルギー性鼻炎、花粉が原因の季節性アレルギー性鼻炎も発症しやすくなってしまう。さらに、花粉による季節性アレルギー性鼻炎の発症は低年齢化している。1998年と2008年のスギ花粉症の有病率を年代別に調べた調査(馬場廣太郎ほか,Pregress in Medicine 28(8),2008,2001-2012)によると、花粉の量が増えた影響もあるが、5~9歳児の有病率が1998年では7.2%であったのに対して、2008年では13.7%に増加した。「アレルギーマーチ」の進行を止める、悪化させないためには、早めの対処が必要なことがわかるだろう。○布団ダニの駆除には"掃除機"の前に"乾燥"が必要それでは、どのように対処したらよいのだろうか。最も大切なのは、抗原となる花粉やハウスダストを除去したり、回避したりするということだ。このうち、ハウスダスト、主にダニについては「掃除機がけは1畳あたり30秒以上の時間をかけて行う」「布張りのソファ、カーペット、畳はできるだけやめる」「フローリングなどのホコリの立ちやすい場所は拭き掃除の後に掃除機をかける」などの対策が有効だ。加えて、ダニの繁殖を防ぐために部屋の湿度は50%、室温は20~25度に保つことも重要となってくる。また、ダニの発生しやすい布団は「週に2回以上干す。困難な時は室内干しや布団乾燥機で、布団の湿度を減らす」「週に1回以上掃除機をかける」ことが大切だという。大久保氏は、「ダニは布団の奥にもぐっているため、掃除機で吸い取るのは難しい」と指摘。布団を乾燥させてダニを死滅させ、たたいた上で出てきた死骸を掃除機で吸い取るという手順が正しいようだ。また花粉については、外出時にマスクを着用したり、帰宅時に手洗い・うがいと鼻をかんだりするなど、基本的なことを励行しよう。花粉が家に侵入してくるのを防ぐためにも、花粉がつきやすい衣服を避ける、衣服や髪の毛についた花粉を払ってから入室するなどの対策が有効だ。○まずは"ハウスダスト"対策を既に発症している場合には、症状を悪化させないために、薬物療法や特異的免疫療法、手術療法などを施してもらうことも必要となってくるだろう。いずれにせよ、早め早めの対策が功を奏すことは間違いない。大久保氏は「まずハウスダスト・ダニによる通年性アレルギーが発症して、花粉症の誘発につながっているというケースが多い」と指摘。ハウスダストやダニを発生させないように配慮し、掃除を励行することで、子どもの生活環境を整えることが最も大切だと語ってくれた。子どもたちが将来にわたって、数多くのアレルギー性疾患に悩まされないためにも、ぜひ親たちに気を配ってほしい。
2016年01月22日