コトリンゴの名盤『ツバメ・ノヴェレッテ』を彼女自身がオーケストラ化、首藤康之のダンスとともに送るコンサートが、2023年11月25日(土)に東京文化会館 大ホールで開催される。これは、2021年12月に岐阜・高山で湯山玲子がプロデュースし、好評を博した伝説のコンサート。一夜限りの公演であった為、音楽ファンの間から再演が望まれており、この度、再演が東京で実現する。コトリンゴは卓越したピアノ演奏と柔らかな歌声で浮遊感に満ちたポップ・ワールドを描く多才なアーティスト。近年では、劇場アニメーション映画「この世界の片隅に」のサントラを手がけ、日本アカデミー賞優秀音楽賞、毎日映画コンクール音楽賞を受賞するなど、映画、アニメーション、ドラマ、CMなどの音楽制作でも活躍。音楽家として国内外を問わず高い評価を受けている。プロデューサーの湯山玲子は『ツバメ・ノヴェレッテ』について、「聴いた途端に心を鷲づかみされた。その音楽は、ロマンチックの大波の中に、悲しさと希望の響きが充満。そして、名曲に不可欠の愛惜やヒューマニティーというものが色濃く存在している。幼いときに読みふけった童話の絵本には、美しさとともに残酷だったり、不条理の毒が潜んでいたが、このアルバムは、そんなツバメの“王国”だったのだ。」と思いを語る。今回の企画はその物語に、様々な才能が花を添える。ツバメ・ダンサー役には、モーリス・ベジャールなど一流の振付家に愛され、映画、演劇から歌舞伎まで、ジャンルを越えた活動を続ける首藤康之。男声のオペラユニットとして挑戦的な活動を続けるTHE LEGENDの選抜メンバー。そして、すべての土台となるオーケストラサウンドを、ヨーロッパの第一線で活躍する指揮者・阿部加奈子と、パシフィックフィルハーモニア東京が創り上げる。ポップス分野の優れたアーティストが、クラシックの交響曲を創るという新しい試み。注目のコンサート『ツバメ・ノヴェレッテ』のチケットは、一般発売に先駆け9月22日(金)より先行販売が開始される。詳細は公式WEBサイト参照。<公演概要>爆クラ presentsツバメ・ノヴェレッテ~ コトリンゴ × 首藤康之 × オーケストラで送る、新時代のダンス交響詩 〜[日時]2023年11月25日(土) 18:00開演(17:00開場)[会場]東京文化会館 大ホール[チケット料金]S席 8,800円/A席 7,700円(全席指定・税込)*3歳未満のお子様は入場をお断りさせていただきます。[チケット先行販売]9/22(金) 12:00〜 チケットぴあにて最速先行販売(抽選) [チケット一般発売]10月5日(木) 10:00〜[出演]作曲・歌・ピアノ:コトリンゴダンス:首藤康之歌唱:THE LEGEND(志村糧一/吉田知明/内田智一)指揮:阿部加奈子演奏:パシフィックフィルハーモニア東京プロデュース・MC:湯山玲子[演奏予定楽曲]ツバメ・ノヴェレッテ/コトリンゴカプリコーン協奏曲 作品21/サミュエル・バーバー小組曲/クロード・ドビュッシー(アンリ・ビュッセル編)ほか*曲目・曲順は変更になる場合があります。[公式WEBサイト] 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2023年09月22日竹内涼真主演、中条あやみがヒロイン役を務める「君と世界が終わる日に」9話が3月14日オンエア。首藤が必死に守り続ける冷凍保存装置の中身は一体…視聴者の考察が過熱するなか、ラストで来美が取った行動の理由にも様々な予想がSNSに投稿されている。竹内さんが日本テレビ連続ドラマ初主演を務め、人が“ゾンビ化”するゴーレムウイルスが蔓延する三浦半島を舞台に、生き残りを賭けた若者たちの戦いが描かれていく本作。母がゴーレムウイルスの実験台となり、恋人もまたワクチン作成の実験に利用される主人公・間宮響に竹内さん。響の恋人で研修医をしていたが首藤に騙され、響に矢で射抜かれてしまう小笠原来美に中条さん。来美に想いを寄せるゆえ、響が死んだと嘘をつく2人の同級生で警察官の等々力比呂に笠松将。響に想いを寄せ来美に対し憎しみを抱く大学生の柊木佳奈恵に飯豊まりえ。自衛官の桑田陸斗に浅香航大。ミンジュンの姉・ジアンに玄理。狂気的な行動をする首藤公貴に滝藤賢一。また甲本にマキタスポーツ、ミンジュンにキム・ジェヒョン、紹子に安藤玉恵、結月に横溝菜帆、橘勝利に田中奏生といった顔ぶれも出演。※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。響に矢で射抜かれ瀕死の状態となった来美は駐屯地でジアンの手当てを受けるが、驚異的な回復を見せる。一方、響が来美を射抜いた頃、等々力を人質に甲本と佳奈恵は桑田らと対峙。その時の佳奈恵の言葉を聞いた桑田は、首藤に対し疑問を強く持ち始める。そんな桑田を部下の沢たちが拘束しようとするが、桑田は脱走、猿ノ島にやってくる。桑田の話で来美が生きていることを知り、号泣する響だが、佳奈恵はミンジュンを手にかけた来美が許せないと言い、等々力は来美を助けに行くなら今回は手を組むと響に告げる。そんななか紹子が敗血症になり、桑田が駐屯地と無線を繋ぎ、勝利を返すのと引き換えに抗生剤と鎮痛剤を渡すよう交渉を始める。続いて無線を受け取った響は取引に医師の同行を要請。来美が同行することになるが、その直後、ワクチンを接種した避難民にゴーレム化の兆候が…というのが今回のストーリー。これまでの展開で首藤が「ワクチンが保管されている」と話していた冷凍保存装置の中身が、ワクチンとは別のものであることが判明しているが、今回はその中身について視聴者の考察が過熱。保存装置の中を見た来美の表情や、装置内の温度が上がった際の首藤の発狂ぶりと、その後響への憎悪を募らせていることから「首藤が来美に見せた冷凍保存装置に首藤の奥さんがいて、響のせいで、ほぼ 死んでいる状態と予想」「奥さんを一生生きさせるためにウイルス生み出したんだと思うんですが」「首藤教授は最愛の人を生き返らせようとしてこんなことやってるのでは?」など、首藤の妻、ないしは愛する人なのではないかという声が多数投稿。さらに交渉の場に現れた来美は響に銃を向け、そこでフェードアウトして今回のエピソードは終了するのだが、この来美の行動にも「首藤教授にマインドコントロールされてる?」「くるみが最後撃ったのは少年ですか?」など様々な予想が視聴者から上がっている。(笠緒)
2021年03月15日竹内涼真主演、極限のサバイバルラブストーリー「君と世界が終わる日に」4話が2月7日オンエア。エンディングで明かされた響が幼い頃亡くなった母の死に首藤が関係している可能性に、視聴者から「やっぱり」「因縁がありそう」などの声が上がっている。竹内さんが日本テレビ連続ドラマ初主演を務め、“ゾンビ”がはびこる三浦半島を舞台にしたサバイバル×ラブストーリー×ミステリーとなる本作。自動車整備工として暮らしていた間宮響を竹内さんが演じ、響の恋人で研修医の小笠原来美に中条あやみ、響と来美の同級生だった警察官の等々力比呂に笠松将、大学生の柊木佳奈恵に飯豊まりえ、引っ越し屋の甲本洋平にマキタスポーツ、ユン・ミンジュンにキム・ジェヒョン、介護士の三原紹子に安藤玉恵、その娘の結月に横溝菜帆、ミンジュンの姉・ジアンに玄理、“化け物”を研究する首藤公貴に滝藤賢一、自衛隊員として神保悟志、浅香航大といったキャストも出演する。※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。美亜(芳根京子)に裏切られた響らは刀集団に捕らえられるがモールの発電機が故障、響は坪井(小久保寿人)に「修理ができる」と伝え、修理の隙を突いて脱出。一方、自衛隊とともにサンプル収集に出た来美も刀集団に捕まる。坪井は来美にけが人の老人の手当てを頼み、老人から坪井が地元の有力者の息子で、自分を支持した人々を守るために行動していることを聞く。その後、刀集団の射殺命令を受けた自衛隊がモールに突入、坪井たちは脱出を計るが、来美は坪井らと共にいた少女が響の婚約指輪を持っているのを発見。美亜は響にゴーレムの操り方を教え本当の恋人と運命を共にする。そして本郷(大谷亮平)を射殺した自衛隊への怒りを抑えられない等々力が響の弓で隊員を射抜き、響と等々力は決別。等々力は1人、来美の元へ向かう…というのが4話のストーリー。毎回エンディングで響の過去が描かれる本作。今回は「16年前」のテロップと共に幼い響の母が亡くなり、父が響を捨て家を出て行く様が描かれた。その際、響の母の担当医だったのが首藤で、響と首藤が過去に接点があったことが判明。このエンディングに「やっぱり、首藤さんと響のお母さん関係してた」「響さんの過去も首藤さんとも因縁がありそう」「響のお母さん、そのせいで亡くなったの?」など、響の母の死が首藤の研究と関係があるのではと推測する声が上がる。またゾンビと化した彼氏に噛まれ、自らも運命を共にすることを選んだ美亜。その最期に「芳根京子さんめっちゃ良かった」「芳根さんの最後、愛を貫きよき」などの反応も寄せられている。(笠緒)
2021年02月08日2020年第2弾となる配信シングル『流線ノスタルジック』をリリースしたバンドKEYTALKが、本日20時から新曲リリース記念の生配信番組を放送し、番組内で9月26日(土)開催の「無観客配信ワンマンライブ」の詳細を発表することが分かった。昨年は11月に6枚目となるオリジナルアルバム『DON’T STOP THE MUSIC』をリリースしたKEYTALK。進化し続ける音楽性は多くの方々から高い評価を得てオリコンウィークリーアルバムランキング5位を記録した。そして、2020年に入って、年明け早々からファンクラブツアーで全国各地を巡り多くのファンと触れ合い、3月には2020年第1弾となる配信シングル『サンライズ』をリリース。さらには、これまでの集大成となるベストアルバムもリリースされた。本日配信されたシングル『流線ノスタルジック』は、首藤義勝(Vo./Ba.)が作詞・作曲を手掛けた、キャッチーなメロディーが光る疾走感溢れるキラーチューン。KEYTALK夏の風物詩とも言える突き抜ける清涼感をしっかりと感じさせつつも、ギラついたギターの掛け合いや、はたまた夏の終わりをも感じされるエモーショナルなリフレインまで、切り取った側面で様々な表情を見せる多彩な楽曲に仕上がっている。■KEYTALK – 流線ノスタルジックまた、そのリリースを記念して、本日8月26日(水)20:00から、KEYTALK Official YouTubeチャンネル( )での生配信が決定。メンバー4人がそろい、「今作品への想い」や「初めての挑戦となったリモートでの制作作業の裏話」を明かす。また、『流線ノスタルジック』ミュージックビデオのティザー映像も同番組内で最速公開する。さらに、9月26日(土)に開催が予定されている『無観客配信ワンマンライブ』の詳細も発表されるという。そして来年、新年のスタートとして2021年1月9日(土)、10日(日)に国立代々木競技場第一体育館での「2daysワンマンライブ開催」も発表されているKEYTALK。まだまだ大変な時期は続くが、彼らのさらなる飛躍に期待したい。■無観客配信ワンマンライブ情報9月26日(土)配信サイト:SPWN購入ページ: ※8月26日21:00時より開設■2021年開催予定ワンマンライブ情報・DAY1:2021年1月09日(土)・DAY2:2021年1月10日(日)国立代々木競技場第一体育館※今後の詳細はオフィシャルHP・SNSにて発表。
2020年08月26日Official髭男dismの藤原聡、kz(livetune)、KEYTALKの首藤義勝、ビッケブランカとクリエイティブカンパニー・agehaspringsによる「放課後プレイリスト」が、音楽ストリーミングサービス・Spotifyで3日から期間限定公開される。アサヒ飲料は、オンライン上のコンテンツや参加型のキャンペーンで高校生を応援する「放課後『カルピス』プロジェクト」を実施。その一環として「放課後プレイリスト」を企画し、同プロジェクトで音楽監修を務めるagehaspringsと4名のアーティストは「みんなの放課後をエモくする」をテーマに、自身の青春ソングや聴いてもらいたい曲を年代ごとに厳選する。また、「放課後『カルピス』プロジェクト」と連動した「カルピスウォーター」(500ml・430ml)夏季限定デザインパッケージを、14日から全国で発売。パッケージの商品側面に記載されているQRコードを読み取ると、「放課後プレイリスト」特設サイトへアクセスすることができる。■2010年~2020年プレイリスト 蔦谷好位置(agehasprings)×藤原聡(Official髭男dism)蔦谷好位置「2010年代はYouTubeの台頭にも現れているように『個』が強い時代に突入し、活動展開の幅が多様化していきました。そんな変革の時代の中で僕の心を大きく揺さぶった邦楽を中心に選曲しました。これからの2020年代を作っていく聡くんとプレイリストを一緒に作れてとても光栄です」■2000年~2009年プレイリスト 飛内将大(agehasprings)×kz(livetune)飛内将大「10代から20代にかけての青春真っ只中、そしてただただ好きだった音楽が仕事になった2000年代。コンピュータさえあれば気軽に音楽を作れるようになり、めまぐるしくブームが移りかわってゆく誰もが手探りの10年でした。同じ時代を生き、同じ釜のおしるこを食べたこともある同世代の天才kzと青春を振り返ることができ感慨深いです」■1990年~1999年プレイリスト 野間康介(agehasprings)×首藤義勝(KEYTALK)野間康介「昭和~平成に移り変わり、バブルの名残りが色濃い1990年代。ドラマ主題歌など、タイアップ曲のリリースで数々のミリオンヒットが生まれ、ドラマの為のキラーイントロ、メロディーの強さが競われた時代です。KEYTALKのメロディーメーカー、義勝くんと選んだ名曲プレイリストをぜひチェックしてください!」■1980年~1989年プレイリスト 横山裕章(agehasprings)×ビッケブランカ横山裕章「ソウル、パンク、レゲエのアナログ要素を受け継ぎ、シンセサイザー、ドラムマシン、サンプリングを使ったデジタル要素へ移行したテクノ、ヒップホップ、ニューウェーブの80年代サウンドから現代にも影響を与えている楽曲をセレクトしました。縦横無尽な音楽スタイルを持つビッケブランカとの選曲は充実のお時間でした」
2020年07月03日小野寺修二と首藤康之が初めてタッグを組んだ『空白に落ちた男』(2008年)から10年目。節目となる今年、6月に第4弾『斜面』が上演される。【そのほかの画像はこちら】その日、稽古場では首藤とろう者の舞踏家・雫境(だけい)とが対峙するシーンが作られていた。小野寺と首藤を中心として、「足を一歩前に踏み出す」「視線を外す」「居住まいを正す」など、細やかな動きひとつひとつに対し、その瞬間の感情についての意見が飛び交う。登場人物はセリフを発しないが、稽古で交わされる言葉は尽きない。稽古を終えたふたりに話を聞いた。首藤は「今日の稽古で腑に落ちたのは、“思わず”動く、その瞬間に真実が見えるということ。小野寺さんの作品は、ストーリーやキャラクターを前面に出すのではなく、真実を追求するものだと思うんです。そのためには自分をさらけ出す必要があるから勇気も必要だけれど、ぼくはそこに豊かさと楽しさを感じています」と話す。それを受け小野寺は「首藤さんとの企画が立ち上がるときは、必ず僕が変化を求めているときなんです。それは、偶然というにはうまくできすぎているほど(笑)。毎回それぞれ“自分になにができるのか”を考え、新たなチャレンジをしていますが、とくに今回は10年目ということもあって、気持ちも新たに作品に向き合っていますね」と語る。10年の間に作品を重ねたふたりだが、首藤は「最初は小野寺さんの言ってることが全然わからなかった」と笑う。「10年経って、ちょっとだけ小野寺さんの世界の住人になれたかなという嬉しさを感じています」というと、小野寺がこう続ける。「先日の稽古で、首藤さんが雫境くんに“もっときたなくしてみて欲しい”と言っていたんです。それは僕が最初の頃、首藤さんによく話していた言葉。当時は“意味がわからない”と首を傾げていた首藤さんが、今回その言葉を共演者に伝えていたのが印象的でした」。すかさず首藤が「“きたないはきれい”ですからね」と付け加えた。日本を代表するバレエダンサーである首藤と、パントマイムを礎にジャンルを超えた活躍をしている小野寺。ともにベテランといえる立場にありながら、稽古場では何かを発見したかのような「そうか!」という声が度々上がった。ふたりがフレッシュに〈動き〉と向き合っている証左だ。「いまはひとつひとつの動きの意味をじっくり探っている。スタート地点に立つまでの時間を大切にしたぶんだけ、走り出したらすべてが繋がってゆく気がします」という首藤と、「今回、マイムが大好きになりました。マイムの面白さを、首藤さんという表現者を通じて伝えたい。“やっぱりこのふたりでやったら面白いね”といわれるものを見せたいと思っています」という小野寺。このふたりにしかつくりえない舞台が期待できそうだ。NAPPOS PRODUCE『斜面』は6月9日(土)から17日(日)まで東京・東京芸術劇場 シアターウエストにて上演。取材・文:釣木文恵
2018年05月21日長塚圭史(作・演出)、近藤良平(振付・音楽)、首藤康之、松たか子の4人が、鏡のあちらとこちらで騒動を繰り広げる『かがみのかなたはたなかのなかに』。2015年の初演で評判をとった舞台が再演されることになり、12月5日(火)に新国立劇場で幕を開ける。2年前から何が進化し、どんな魅力が加わったのか? 開演まで2週間を切った11月下旬、稽古場に足を運んだ。新国立劇場演劇『かがみのかなたはたなかのなチケットかに』チケット情報兵隊の“たなか(首藤)”と鏡の向こうの“かなた(近藤)”。同じく鏡を挟んで向き合う美女“けいこ(松)”と彼女とは全てが正反対の“こいけ(長塚)”。鏡を通してそれぞれの恋心や対抗心が交錯するが……。鏡を挟んで対となるふたり(首藤×近藤/松×長塚)が、ぴったりと同じ動きを見せるのが本作の“肝”となる部分。再演とあって、基本的な動きは既に出来上がってはいるのだが、稽古場ではじっくりと丁寧にその動きの必然性や動機を探り、もう一度、構築し直していく様子が見られた。近藤や首藤の動きに対し、長塚から「そこに行くことが目的になってるのが見えちゃう」との指摘が飛び、ふたりは動きを合わせつつ、自然な動作を探求していく。長塚はこの“再構築”を「前作を踏襲しつつ、再演ではさらにディティールの精度を上げていきたい。初演時に勢いや高揚の中で何となくやっていた部分が気になってくるんですよ。よりロジカルに、そこにあったはずの“動機”をきちんと繋げていく作業が必要になる」と説明する。共に高度な身体性を武器としつつ、筋肉の付き方から発想まで異なる個性を持つ首藤と近藤。見た目からして全く異なる松と長塚。異質な4人が鏡によって“縛り”を受けて動きをシンクロさせていく様子は、セリフなど無くとも、ただ動きを見ているだけで楽しい。中でも、唯一の女性として他の3人とは明らかに違うキャラクター性を発揮しているのが“けいこ”を演じる松だ。“たなか”と“かなた”の両者から熱烈なラブコールを送られ、ふたりの間を行き来する中で、徐々にその奥に隠された恐ろしい一面が見えてくるのだが、松は小悪魔のようにキュートに軽やかに舞台を駆け巡り、明るく怖い悪女を体現! 長塚は「松さんは悪女が合う(笑)。自分がどう見えるのかしっかり研究してますよ。かわいいですね(笑)」と称賛する。この笑いを誘いつつも、ひんやりと背筋が冷たくなるような怖さこそ本作の見どころ。「未来のおとなと、かつての子どもたちへ」と銘打って、大人のみならず子どもにも楽しんでもらうために企画された舞台だが、長塚はわかりやすい“子どもだまし”の作品を作る気は毛頭ない。「劇場ってそれだけでちょっと怖いんですよ。だから面白い。明るくフワフワした優しさと安全に包まれた場所ではなく、ちょっと猥雑で『え? ここ入っていいの?』と思うような場所を作っているつもり」と見世物小屋の主人のような笑みを浮かべる。一流の大人たちが真剣に作り上げたコミカルでゾッとするような世界を楽しんでほしい。公演は東京・新国立劇場にて12月5日(火)より上演。その後全国を巡演。取材・文:黒豆直樹
2017年12月01日ファッションエディター・ライターとして活躍中の首藤和香子さん。コートや靴、ジュエリーからネイルまで抜かり無く洗練された首藤さんは、自身のスタイルと同様、買い物や食事の楽しみ方にもこだわりが。7歳の息子さんと旦那さん、そして飼い犬のチワワを愛する彼女の、銀座のオススメをガイドしてくれました。この春、デートに女子会に、そして家族と過ごす時間にもパーフェクトなスポットに繰り出してみては!SPOT1. 銀座バール・デールソーレ 2Due本格的なイタリア料理を味わえる「銀座バール・デールソーレ 2Due」は、並木通りに面した、テラス席が目印のバール。ドリンクやスイーツ・ジェラートのテイクアウトも可の、街歩きの途中にふらっと立ち寄れるお店です。本場イタリア発祥のバンコ(立ち飲み)スタイルでの飲食なら、お得に飲食できるサービスも。お手軽なランチから贅沢なディナー、イタリア本国の協会から正式認定された本格エスプレッソで一息…など、日常のさまざまなシーンによって使い分けられるからリピーター率も高いそう。取材時には定番メニュー、平日限定日替わりバール定食ランチ(税込1,050円)をいただきました。ハーフサイズがちょうどいいトマトソースパスタ。メイン料理とミニサラダ&イタリアン・アンティパストもついて、ライス or パンはお替り自由肉か魚から選べるメイン料理。チョイスした魚料理は、色合いも春らしく可愛らしいコメント: つけ合わせも贅沢で、もちろん味も抜群。このクオリティーでこのお値段は優しい!【店舗情報】「銀座バール・デールソーレ 2Due」住所:中央区 銀座 2-4-6 銀座ベルビア館 1階電話番号: 03-5159-2020営業時間:月~金11:00 ~ 24:00土10:00 ~ 24:00 日・祝10:00 ~ 23:00定休日: 無休 (1月1日を除く)URL: 回転寿司酒場 銀座沼津港「銀座でお寿司!」というとやはり予算の心配をしてしまいますが、ここなら気負わなくて大丈夫。銀座で唯一の回転寿司で、もちろん子連れでもOK!日本酒やワインも豊富に揃い、様々な楽しみ方ができるお寿司屋さんです。おすすめは濃厚な味わいのウニや、ぷりぷりの桜海老、さらに贅沢なマグロの3種盛。新鮮な味わいに唸ります。一品料理や丼もののメニューも人気。広々としたボックス席では、ゆったりと過ごすことができます。変わり種として、芽ネギにもトライ。シャキッとした爽やかな味わい。(コメント) 珍しいネタも、お酒もたくさん揃って新鮮。お寿司屋さんでスパークリングワインが飲めるのも嬉しい。【店舗情報】回転寿司酒場 銀座沼津港住所:東京都中央区銀座1-8-19 キラリトギンザ8階電話番号:03-6228-7171営業時間:11:00-23:00 (L.O. 一品料理21:30 寿司22:00)定休日:不定休URL: バーニーズニューヨーク銀座本店首藤さんのお買い物の定番ショップ「バーニーズニューヨーク」の中で、首藤さんが特にお気に入りなのは銀座本店。外観の建築もオーセンティックで、内装も商品のディスプレイも贅沢な空間使い。商品だけではなく、特徴的なインテリアの装飾にも惹かれるという首藤さん。オリジナリティ溢れるショップデザインそのものが、首藤さんの気分を高めてくれる秘訣なのでしょう。シックで上質なソファで試着できるのも嬉しい淡いピンクのラインアップは、脳内でコーディネートを繰り広げてくれるそうコメント: 銀座に行く度に立ち寄るお気に入りの場所。買い物をするなら、ここみたいに洗練された空間だと嬉しいですね。【店舗情報】「バーニーズニューヨーク銀座本店」住所:中央区銀座6-8-7 交詢ビル電話番号:0120-137-007 (バーニーズ ニューヨーク カスタマーセンター)営業時間:11:00~20:00 金・土は11:00~20:30定休日:無休 (元日を除く)URL: 銀座についてのコメント:子どもの頃、「買い物」といえば親に連れられて来る銀座でした。そのノスタルジーもあってか、今でも銀座は特別な街。独特な高揚感があるから、買い物でも食事でも楽しめるんです。PROFILE:ファッションエディター、ライターとして、学生時代より活躍。雑誌、ウェブ、広告を手掛ける。2005年、編集プロダクションを設立。
2016年03月09日「現代の名工」と称される職人達がいる。これは国が認めた「卓越技能者」に送られる表彰制度の通称であり、そのうちの一人がジュエリークラフトマンの首藤治氏だ。首藤氏は名古屋に店舗兼工房を構えながら、日本の名だたるジュエリーブランドのハイジュエリー作品を製作し続ける、まさしくジャパニーズジュエリー界における最高峰の技術を擁する一人。七宝や金、プラチナ、そして数々の宝石が織り成す美しい世界に思わず息を飲み、吸い込まれて目が離せなくなる不思議な魅力を持つ首藤氏の作品の数々。七宝で再現された葉の透き通るような瑞々しさ、葉脈までも表現する繊細な地金のライン。あるいは、まるで息遣いを感じるような動物達の愛らしいフォルムや瞳。作品はすべて表も裏も同じように緻密に細工が施され、どの角度から見ても優美な趣を感じられる構造となっている。どうしてここまで巧緻を極められるのだろうか。作品を生み出す首藤氏のジュエリーへの想いとは? またその発想を生み続ける首藤氏のルーツとは? 初の個展を行ったばかりの首藤氏に話を伺った。ー技術の素晴らしさはもちろん、一つのジュエリーにこれだけの力を注ぎ、美を追求する首藤さんの情熱はどこから生まれたものなのでしょうか?私は幼少時代から絵を描くことが大好きで、いつかは絵描きになりたいと思っていた程です。ただ、家業の都合もあり日々猛然と働くうちに、夢から遠のいていました。20歳になったときに「やはり美術の仕事に就きたい、自分の作りたいものを作れる道に進むしかない」と決意し、金属装身具制作の仕事に就きました。電話帳をめくっては電話をかけ、ようやく師となる岡村光也氏に出会えた。どうしてもここで働きたいとお願いして採用されました。鉛筆を削るテストなんかもありましたね(笑)。ー美術を一時は離れ、再び美術に立ち返った首藤さんがジュエリーに魅了されたのは何故でしょう?やはりジュエリーしかないと感じたのは、師匠である岡村氏の仕事ぶりや作品を見た時です。ー師との出会い、貴金属装身具制作の仕事は現在に大きな影響をもたらしているのですね。では、首藤さんの考えるジュエリーとは?流行に押されて同じようなものが大量生産され消費されてゆく、ジュエリーというのはそのような商業的なものではないと思っています。大切なのは身につける人の「その人らしさ」を表現すること。師である岡村氏から学んだことは「最後に笑顔になることをイメージしてつくる」という、作品に思いを込める大切さです。ジュエリーには、その人らしさを発揮させる力があると学びました。ーまさしく笑顔を引き出す作品ばかりです。これらを生み出すインスピレーションというのはどこからくるのでしょうか?生まれ育った熊本県阿蘇の大自然が原風景でしょうか。子どもの頃の景色を思い出して湧いてきたイメージを描きとめています。細かく見すぎないほうが思ったままを容にできる。たとえば動物なら、しぐさや表情は頭の中のイメージから直接デッサンに起こし制作しています。心がけているのは「優しさ」「品のよさ」「おしとやかさ」などが漂うようにということでしょうか。ー植物や動物の自然の営みを表した「ピクチャーシリーズ」や、貴石が煌めく「デコラティヴジュエリー」、アンティークな魅力の「クラシックジュエリー」など、趣向は違えどもすべての作品に通じる美しさがあります。首藤さんが考える美しさとは?どの作品でも根底にあるテーマは「静から動へ」。静止しているものが動き出すときの躍動感、放たれるエネルギーを表現し、見た人にそれを感じてもらう作品を作りたいと思っています。古くから使われる伝統技巧も用いますが、それは宝石をいかに美しく見せるかという方法を追求していくと自然と古代の技法に戻ってしまうから。やはり数千年にも渡り続いてきた技法は理にかなっているのだと思います。ただ、現代ならではの制約もあり、たとえば「プリカジュール」の葉の透け感を表すための七宝は、薄さを追求すると気泡が目立ち濁って見えてしまう。なのに、どうしてルネ・ラリックの作品はあんなに透き通って美しいのかと調べたら、現在では使用できない薬品が使われていました。そんな制約のある中で現代の技術、技巧を最大に生かした作品づくりに挑戦することも大切にしています。ー先日、生涯に一度だという個展「首藤治展~静から動への軌跡~」がイセタンサローネで開催されました(現在は終了)。いま、このタイミングで個展を行った気持ちはどんなものでしたか?いつかは個展を開きたいという気持ちでいました。ただ、商業的な個展を何度もやるものではないという考えもあり、一生に一度、自分の道が定まったときに行いたいという思いもありました。20歳でこの道に入って40年、還暦という区切りもありましたね。昔の作品を振り返ると、それぞれ満足ではありますが、今ならこうするとか、やりすぎたところや足りないところが見えてくるものです。ー首藤さんの工房では若手職人の育成にも力を注がれています。どのような思いでお弟子さん達と向き合っているのでしょう?若手育成というと大仰ですが、「全てを隠さず教えよう」というのが私の考えです。見て覚える昔の時代なら習得まで10年かかったことも、いまのように説明しながら教えれば3年でできるようになるでしょう。しかし、何より大切なのは技術と同時に「心」も教えることです。技術が成熟していても、心のないジュエリーは、“作っては売る商業的なジュエリー”と同じで人の心にも手元にも残りません。「心」を教えることを意識しながら、弟子達の目線にまで降りて一緒に「どう感じるか」を考えています。優しく、時には厳しく「飴、飴、鞭」で接しています(笑)。ー最高峰の技術を持ちながら、次の世代の職人に技や心を伝えようという熱意はどこから湧いて来るのでしょう?私自身、師の教えから現在の基礎をつくり、その後2代目の元から独立していつか認められるまで頑張ろうとしてきました。続けるうちにようやく、師匠がやりたかったこと、言いたかったことが分かるようになった。若い職人達も育ってきて、今はチームでスクラムを組んで作品作りに向き合っている状態です。私が彼らと共に、世に作品を出すことでその教えを繋いでいけると思っています。そして、若い職人達にも技術と心が生み出す「これだ!」という表現を身につけてほしいと願っています。【プロフィール】首藤 治(しゅどう おさむ)1955年熊本県生まれ。1975年より故・岡村光也氏に従事。1984年に国家技能検定一級技能士を取得し1986年名古屋にジュエリークラフトシュドウ開業。その後も第12回一級技能士全国大会「技能グランプリ」金メダル及び労働大臣賞受賞や卓越技能者表彰(現代の名工)など数々の受賞歴がある。2015年秋の黄綬褒章受章。アイビーファッションVANのコレクターという一面のほか、幼少期から犬や鳩、カエルなどを飼う動物好き。現在の愛犬はペコちゃんとゴマちゃん
2015年12月16日この秋、黄綬褒章を受章した現代の名工・首藤治氏が自身の還暦を記念し、六本木・東京ミッドタウン内にあるイセタンサローネで2日から8日まで個展を行う。「還暦の年に生涯に一度の個展をしたいと長年考えていた」という首藤氏。この個展を「首藤治展ー静から動への軌跡ー」と題し、新作17点に加え、個人蔵の作品も含めたアーカイブ作品29点を展示及び一部販売する。首藤氏は日本のハイジュエリーブランドの逸品を多く手がける、知る人ぞ知る現代の名工であり、作品を長年待ち続けるファンも多い。国家技能検定一級技能士でもあり、「技能グランプリ」全国大会での金メダル・大臣賞受賞という圧倒的な技術力を誇る。その作品は、流れるような葉のモチーフなど自然の営みをモチーフにした「ピクチャーシリーズ」、細かなパーツを一つ一つ組み立てる楽器シリーズ、愛らしい表情の動物をモチーフにしたものなど多岐に渡る。宝石や地金といった素材のもつ輝きを引き出しつつ、細やかな表情を導く精巧なつくりは、首藤氏以外では実現できないといわれるほど。緻密で技術が詰まる崇高な美術品でありながらもどこか優しく、首藤氏の想いや人柄が伝わる。同展では、実際に購入できる作品の他、個人蔵の作品もオーナーから借り受けて展示。約50点が一同に会する初の大型展示会であり、首藤氏が還暦を迎えた節目となる今、これまでの軌跡を辿るという趣向。首藤氏が美意識をつきつめたコレクションの数々は、一見する価値あり。ジャパニーズジュエリーの細やかな手仕事の魅力を存分に味わえるこの機会にぜひ足を運んでほしい。同時期イセタンサローネでは、フランク ミュラー(FRANCK MULLER)が手がけるテーブルウェアコレクション「フランク ミュラー フューチャーホーム」や、クロエ(Chloe)のクリスマスエクスクルーシブコレクションなど、ホリデーシーズンを華やかに彩る企画が目白押し。美しいものに包まれた空間で贅沢な気分に浸るのはいかがだろう。【イベント情報】「首藤治展ー静から動への軌跡ー」会場:東京ミッドタウンイセタンサローネ2階住所:東京都港区赤坂9丁目7番4号 東京ミッドタウン・ガレリア1階・2階会期:12月2日から8日営業時間:11:00~21:00
2015年12月01日長塚圭史(作・演出)、首藤康之、近藤良平、松たか子という4人の実力派が“鏡”をテーマに繰り広げる舞台「かがみのかなたはたなかのなかに」が7月6日(月)に新国立劇場にて幕を開ける。初日まで1か月を切った稽古場に潜入。本作の魅力に迫る。舞台『かがみのかなたはたなかのなかに』チケット情報この4人の組み合わせは2012年から13年にかけて上演された「音のいない世界で」に続いて2度目。長塚は「当時から家族的な雰囲気があり、4人で『もう1回やろう』と言っていた」と語るが、それが実現してしまうのは、よほどの手応えと充実感があったからこそ。鏡のこちらと向こうでタナカ(首藤)とカナタ(近藤)、コイケ(長塚)とケイコ(松)が対をなすという物語。カギとなるのは首藤と近藤のふたりのシンクロ率の高さ。この日も、タナカとカナタが初めて顔を合わせる序盤、ヒロインのケイコを巡りふたりが対峙するクライマックスのシーンが重点的に行われたが、セリフおよび動きに関して同じ動きを何度も繰り返し、試行錯誤しながら少しずつシーンを作り上げていく。共に“ダンサー”という原点を持ちつつも、これまで異なる道筋を歩んできた首藤と近藤。当然、個性も違うわけだが長塚は「まずは全く同じ動きを作り上げる。その精度の高いシンクロがあってこそ、(物語が進むにつれ)ずれていく驚きがあり、それぞれの個性が見えて面白い。この最初の動きを合わせるのが非常に重要なんです」と語る。前作に続き、本作は大人も子どもも楽しめる演劇を、と企画された作品だが、子どもたちは言葉以前にまず目で見て、このふたりの身体性の凄まじさを感じるはずだ。そしてこのふたりに、松が演じるヒロインのケイコがどう絡んでくるのかも楽しみなところ。男性陣とはまた異なる魅力と個性を持ったキャラクターであり、鏡を挟んでケイコと対をなすコイケが、彼女とは似ても似つかないという点もまた、その美しさや個性を色濃く浮かび上がらせる要因となっている。単なる美しいヒロインにとどまらぬ、小悪魔的な要素を含め、松が楽しんで演じているのがうかがえる。長塚曰く「チャーミングでありつつ、子供たちが見て何を思うか……(笑)」。こちらも反応が気になる。「鏡」というモチーフを長塚は「子どもに何かを伝えるという上で、想像力を広げる格好の道具」と言う一方で、「稽古場では『これは子どもに理解できるか?』という視点で作ってはいない」と子どもたちの感受性を信頼する。「夏なので、ちょっとヒヤッとするような怖さも味わってもらえると思う」と手応えをうかがわせた。公演は東京・新国立劇場小劇場にて7月6日(月)より26日(日)まで。チケット発売中。取材・文・撮影:黒豆直樹
2015年06月18日首藤康之のダンス公演『DEDICATED 2014 OTHERS』が明日、10月24日(金)よりKAAT 神奈川芸術劇場 ホールで開幕する。2011年にダンサーの首藤がスタートさせたダンスシリーズ『DEDICATED』の第3作。シリーズのテーマは「ダンスを通して自分の思いを捧げること」。今回は、“OTHERS”(他者)と題し、首藤康之ソロ作品『ジキル&ハイド』(構成・演出:小野寺修二)と、首藤康之・中村恩恵のふたりのダンサーに女優のりょうを迎えた『出口なし』(構成・演出:白井晃)の豪華2本立てで上演する。開幕を目前に控えた稽古場を取材した。『DEDICATED 2014 OTHERS』チケット情報『ジキル&ハイド』は、2011年『DEDICATED』立ち上げの公演で、首藤が最も信頼する演出家のひとりである小野寺修二とタッグを組み上演、好評を博した作品。初演時の会場であるKAAT大スタジオから今回はホールに会場を移し、さらにダイナミックかつ緊密な世界を展開する。リハーサルでは、実際の舞台装置になる鏡や小道具を使い、作品の流れの中で動きの動機を探る細かい作業を積み上げ、本番さながらの通し稽古が行われていた。さまざまなイメージを喚起する舞台美術と構成、それらとせめぎ合う首藤康之のダンスに目を奪われる。『出口なし』はサルトルの同名戯曲を題材にして、KAATのアーティスティック・スーパーバイザー白井晃が構成・演出する作品。稽古場の空気は出演者、スタッフ全員が集中し、その密度は高い。ダンス作品演出に初めて挑む白井、ダンサーの首藤と中村、女優のりょうの4名いずれもが「新しい経験」と話すクリエーションは、言葉とダンス、声と身体を交錯させながら、新たなイメージを立ち上げていく。それぞれがこれまでにない挑戦をしながらも、最終的には同じ方向へ向かっていく、そんな不思議な創作のプロセスが垣間見られた。“OTHERS”(他者)と題された今作。他者を通して見えてくるものとは…。自己の中に潜む他者とは…。2作品の連続上演を通し、人間存在について深く考えさせられるような公演になりそうだ。公演は10月24日(金)から26日(日)まで。
2014年10月23日