大正製薬株式会社[本社:東京都豊島区代表取締役社長:上原 茂](以下、当社)は、骨粗鬆症治療剤イバンドロン酸ナトリウム水和物注射剤[販売名:ボンビバ®静注1mgシリンジ]および経口剤[販売名:ボンビバ®錠100mg]の日本における事業承継に係る契約(以下、本契約)に関して、定められた関係当局からの許認可を含む一定の条件を満たし、本契約が実行されましたことをお知らせいたします。当社とエフ・ホフマン・ラ・ロシュおよび中外製薬株式会社の3社で締結した本契約につきましては、『骨粗鬆症治療剤「ボンビバ®静注」/「ボンビバ®錠」日本における事業の譲渡と今後の販売について』において、2022年11月24日に公表しております。製造販売承認の承継は2023年4月3日の予定としており、以降は当社が単独で販売ならびに情報活動を行います。承継に向けて、引き続き当社は必要な手続きを進めてまいります。ボンビバ日本における事業承継.pdf : 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2023年01月17日人生100年時代を生きる私たち。いつまでも健康で、自立した生活を送るためには、「骨粗鬆症」予防が欠かせないといわれています。骨粗鬆症とは、骨がもろくなって転倒や骨折のリスクを高める病気。それがきっかけで要介護状態や寝たきりとなってしまうケースも少なくありません。そこで今回は、国内在住の成人女性1432人の骨粗鬆症に対する意識を、オレンジページが調査。「自分が骨粗鬆症になる可能性があると思う」人は82.2%、「若いころに比べ伸長が縮んだ気がする」人は60代以上の64.5%と、骨の健康に不安を抱えている人はかなりの数に。そのいっぽうで、骨を強くするために食生活の見直しや運動を取り入れるなど、毎日コツコツできることから骨粗鬆症対策をはじめている人もいました。【ダイジェスト】自分が骨粗鬆症になる可能性があると思う人82.2%原因は骨粗鬆症かも? 「身長が縮んだ気がする」60代以上の64.5%骨粗鬆症は心配だけど、約8割の人が対策をしていない!■ 自分が骨粗鬆症になる可能性があると思う人82.2%女性の場合、閉経後は骨を守る働きをしている女性ホルモンが減るため、骨量が減少し、骨粗鬆症のリスクが高まる傾向があります。実際、日本の骨粗鬆症患者推計1280万人のうち女性は980万人以上で、男性300万人の3倍以上。年代別で見ると、女性の場合、50代は10人に1人なのに対し、70代になると3人に1人まで上昇していて、年齢が高くなるほど、骨粗鬆症になりやすいことがわかります。今回のアンケートでも、「骨の健康に不安がある」は72.2%、「自分が骨粗鬆症になる可能性があると思う」は82.2%もいて、多くの人が骨の健康に不安を抱えていることが判明しました。■ 原因は骨粗鬆症かも?「身長が縮んだ気がする」60代以上の64.5%身長は骨の健康のバロメーターとされ、特に「身長が2cm以上縮んだ」という人は、骨粗鬆症の黄信号が灯った状態。じつは、身長が縮んだり、背中や腰が曲がってくるのは、骨粗鬆症のサインのひとつ。骨粗鬆症により骨密度が低下し、骨がもろくなると、骨の一部がつぶれるように骨折します(圧迫骨折)。背骨以外の骨もいつ骨折してもおかしくない状態といえるでしょう。骨折が怖いのは、それがきっかけとなって寝たきり状態となり、運動量や食事量が低下して体が衰弱していくこと。健康診断などで身長の縮みが気になったら、「老化のせい」と放置せず、病院を受診することが重要です。今回のアンケートでも、「若いころに比べて身長が縮んだ気がする」と回答した人は、40代では19.8%なのに対し、60代以上では64.5%と45ポイント近く上昇しています。しかも、60代以上では2cm以上縮んだ人が23.7%と、骨粗鬆症疑いや予備軍が一定数いることがうかがえる結果となりました。■ 骨粗鬆症は心配だけど、約8割の人が対策をしていない!骨の健康に不安を感じている人が多いものの、「対策したいが、実行できていない」35.3%、「対策はしていない」44.1%と、合わせて79.4%の人が何も対策できていないようです。でも、日常生活をちょっと見直すだけで、骨は何歳からでも強くできます。骨を強くするカルシウムを含む乳製品や小魚、ビタミンDを含む鮭やきくらげ、ビタミンKを含む納豆やほうれん草などを取り入れましょう。適度な運動や日光浴を続けたりすることも効果的です。アンケートの自由回答を見ると、自分なりの方法を毎日コツコツ続けている人もいました。例えば、「毎食後、歯磨きをする際に、かかと上げのトレーニング」(60代・無職)、「毎日、みそ汁は煮干しだしで作り、煮干しも食べる」(60代・専業主婦)、「朝ごはんに、しらすと小松菜炒め、納豆を混ぜて食べる。乳飲料はカルシウム入り」(60代・パート)、「なるべく階段を使う」(40代・専業主婦)など、いつもの生活に手軽に取り入れられることや、ちょっとした心がけでできることを実践しているようです。無理なくできることを長く続けるのが、健康な骨をつくるいちばんの近道なのかもしれません。骨を強くする対策を行っている人にその理由をきいたところ、1位は「いつまでも自分の足で歩きたいから」。骨の健康は、自立した生活を送ることができる「健康寿命」を大きく左右します。人生100年時代を生き生き過ごすためにも、今からコツコツ骨を丈夫にして、元気に動ける体づくりに励みたいですね。アンケート概要●調査対象:オレンジページメンバーズ・国内在住の20歳以上の女性(有効回答数1432人)●調査方法:インターネット調査●調査期間:2022年1月19日~24日●「オレンジページくらし予報」について読者モニター「オレンジページメンバーズ」には、さまざまなくらし情報・くらし体験によってはぐくまれた“くらしの目利き”たちが数多く所属しています。そんなメンバーたちの声を集めて<次のくらし>を読み解いていくのが「オレンジページくらし予報」です。WEB上でのアンケート調査、座談会など、ご相談に応じて展開いたします。●新刊・好評発売中!「おとなの健康レシピ 50代からの 骨粗鬆症対策の献立」骨粗鬆症リスクの高まる50代以降の女性に向けて、骨を守る栄養素が手軽にとれる簡単おかずや役立つ1カ月献立を紹介。運動・生活アドバイス、骨粗鬆症の基礎知識も解説します。今すぐできる対策が盛りだくさんの一冊。●『オレンジページ』について失敗なくおいしく作れるレシピ情報が支持され、今年創刊35周年を迎えた生活情報誌。30~40代の主婦を中心に幅広い読者層を誇ります。発行部数=249,627部(2021年印刷証明付発行部数)。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年04月05日骨粗鬆症とは、骨の強度が低下し、骨折のリスクが増える病気です。閉経後の女性や高齢の男性の患者数が多いのですが、若い人でも栄養不足や運動不足などによって発症することがあります。骨粗鬆症の症状と、早めに始めたい骨粗鬆症対策についてご紹介します。骨粗鬆症の原因骨は絶えず新陳代謝を繰り返しており、古い骨は壊され、新しい骨に作り変えられます。私たちのカラダは、血液中のカルシウム量を一定に保とうとするため、食事からとり入れるカルシウムが不足すると、骨からカルシウムを取り出して補っています。しかし、極端なダイエットによる慢性的なカルシウム不足・加齢・運動不足などによって、壊される骨が新しく作られる骨の量を上回ると、骨がスカスカの状態となって骨粗鬆症に陥ります。骨粗鬆症の症状骨粗鬆症は、加齢や長年の生活習慣によって徐々に進行します。背中や腰が痛むようになって骨粗鬆症と医師に診断されるケースが多く、治療が難しいのが特徴です。骨粗鬆症の主な症状は下記のとおりです。(※1)立ち上がる時や重い物を持つ時に背中や腰が痛む背中や腰が曲がる身長が縮んでくる背中や腰の痛みがひどくなり寝込む転んだだけで骨折する早めに始めたい!骨粗鬆症対策4つ骨粗鬆症は、女性に多く見られる病気です。女性はもともと男性より骨が細いこと、閉経によって骨を作るもとになる女性ホルモンが減少することなどが影響しています。さらに、加齢によって骨を作る量は自然と少なくなるため、骨の強度を維持するには早めに対策をする必要があります。1.カルシウムを意識して摂る牛乳などの乳製品のカルシウムは、効率良く吸収されるため、適量の乳製品を摂るようにしてみましょう。1日あたりの乳製品の適量は、牛乳でコップ1杯、またはスライスチーズなら2枚くらいです。また、大豆製品・小魚・海草類・小松菜などの緑黄野菜にもカルシウムが含まれています。これらを組み合わせ、さまざまな食品からカルシウムを摂るように心がけると、栄養のバランスもよくなります。2.ビタミンDを意識して摂るビタミンDは、カルシウムの吸収を助けるビタミンです。鮭・さんま・卵・しいたけに豊富に含まれますが、日光浴により体内でも作られます。夏なら木陰で30分程度、冬なら1時間程度は日に当たりましょう。しかし、窓越しの日光浴では、効果があまり望めません。日中はほとんど屋内で過ごすという人は、意識してビタミンDを補うことが大切です。(※2)3.スナック菓子やインスタント食品を控える多くのスナック菓子・インスタント食品・清涼飲料水には、摂り過ぎるとカルシウムの吸収を妨げるリンが多く含まれています。血液中のリン濃度が上昇すると、骨から血液中にカルシウムが放出され骨のカルシウム量が減少します。近年、日本人はカルシウム不足でありながら、リンを摂りすぎる傾向があるため、注意が必要です。4.適度な運動を取り入れる運動によって骨の血流がよくなり、骨を作る細胞の働きが活発になります。また、骨に刺激が加わると、微量の電流が骨に伝わって、骨の強度が増すとされています。特に、体重がかかるウォーキング・ジョギングのような運動や、ダンベルなどを使った筋力トレーニングが効果的と考えられています。階段の上り下りなど、カラダを動かす習慣をつけるのも有効です。 骨量が減りやすい体質など、避けられないリスクもありますが、生活習慣の改善が骨粗鬆症の予防につながります。将来の自分のために、できることから対策を始めてみましょう。【参考】(※1)骨粗鬆症財団骨粗鬆症についてどんな症状がでるの?〈〉(最終閲覧日 2016/12/19)(※2) 骨粗鬆症財団日光浴はどのくらい必要?〈〉(最終閲覧日 2016/12/19)eヘルスネット骨粗鬆症の予防のための食生活〈〉(最終閲覧日2016/12/19)eヘルスネット骨粗鬆症予防のための運動〈〉(最終閲覧日2016/12/19)
2020年07月12日骨粗鬆症とは、骨の密度が低下して骨折しやすくなる病気です。意外にも出産後に骨の密度が低下しやすくなり、極端な場合には骨粗鬆症がみられることもあります。骨粗鬆症について正しい知識を持っておき、適切な方法で予防しましょう。この記事では、産後の骨粗鬆症の原因や予防法などについて解説します。 骨粗鬆症の原因とは骨は硬くて体の中で変化していないように思われますが、実は「骨吸収」(骨を溶かす作用)と「骨形成」(骨を造る作用)が常に起こっていて、そのバランスが絶妙に維持されている状態です。骨粗鬆症は「骨を溶かす作用」>「骨を造る作用」となったときに骨量が減少して起こると考えられています。 骨粗鬆症の分類骨粗鬆症は加齢や閉経などが原因で起こるものが多く、これを「原発性骨粗鬆症」と呼びます。出産後に起こる骨粗鬆症もこれに含まれます。 副甲状腺機能亢進症や甲状腺機能亢進症、クッシング症候群などの病気や、ステロイド、抗てんかん薬などの薬の投与が原因となって起こるものを「続発性骨粗鬆症」と呼びます。 産後の骨粗鬆症とは一般的に、「骨粗鬆症は高齢者が罹患する病気」というイメージですが骨粗鬆症は高齢者だけではなく、若年者でも発症する可能性があり、産後のお母さんにも起こりうることが最近わかってきました。骨折してしまうと、育児に専念することは難しくなるため、妊娠を考えている女性は特に骨のケアを十分におこなう必要があると言えるでしょう。妊娠してから発症する「妊娠後骨粗鬆症」に関しては、カルシウム不足が原因のひとつであると指摘されています。妊娠中や授乳中には、母体から胎児へとカルシウムの供給がおこなわれます。このとき、母親の体はカルシウムが不足した状態となっているのです。最近の調査では、もともと骨密度が低い状態から完全母乳で育児をおこなったことによって、骨代謝状態が変化したという結果が得られました。 「妊娠後骨粗鬆症」の予防法妊娠後の骨粗鬆症には、母体の骨密度の低下が大きくかかわっています。まず、妊娠を希望する女性は、妊娠前からカルシウムを積極的に摂取することが望まれます。加えて、妊娠後骨粗鬆症を防ぐという意味合いから、妊娠や出産をする前に骨密度検査を受けることも検討してみましょう。妊娠する前に骨密度検査を受けて、自分の骨の状態を把握しておけば、心身ともに健康な状態で育児に専念することができるようになります。もし、妊娠前に骨密度検査を受けて骨密度の低下がわかると、専門医による治療や助言を受けることも可能になります。また、一般的に骨密度の低下に有効なのは運動です。適度な運動で骨に刺激を与え続けることで骨量の低下を防ぐことが示唆されています。現代の若い女性も運動不足が指摘されていますが、積極的な筋力トレーニングあるいは日常生活の中での活動量を高めていくことが骨量維持には重要なことと思われます。屋外で運動する習慣のない女性には、骨の形成に必要なビタミンDが体の中で十分に作られないことも考えられます。 まとめ現代の女性は偏った食事習慣や運動不足から骨量が減少しやすいことが考えられ、産後の骨密度の低下も心配です。そのため、妊娠前から積極的に運動する習慣を生活の中に取り入れたり、バランスのとれた食生活の中でカルシウムやビタミンDの摂取を心がけるなどの取り組みをすることが望まれます。また、妊娠前には骨密度検査を受けて、自分の骨の状態を把握しておきましょう。 監修者:医師 あんずクリニック産婦人科院長 川島 正久 先生静岡県磐田市生まれ。平成5年神戸大学医学部卒業、神戸市立中央市民病院/淀川キリスト教病院、磐田市立病院に勤務の後2011年にあんずクリニック産婦人科を開業「お産を通して人々に喜びを与える」をモットーに地域の人々のお役に立てるよう励んでいます。
2019年12月24日女性ホルモンの量が減ることで、特有の症状が出たり病気にかかったりするのであれば、ホルモンの分泌量を増やせばいい、ということになります。そこでよく登場するのがHRT(ホルモン補充療法)や漢方、サプリメントというキーワード。いろいろあってよくわからないし、わたしにも必要なものかしら? と疑問を抱いている方も多いのではないでしょうか。どうやったら女性ホルモンを増やせるの?「更年期障害」や「プレ更年期」なんてまだ先のこと、と思っていてはいけません。アラフォー女子はすでに女性ホルモンが減少している年代。老化していく自分の身体のことを知り、今からしっかりと対応していくことが重要です。「老化してホルモンを出せなくなった卵巣の機能を取り戻すことは、残念ながらできません。サプリメントや食事で“女性ホルモンをアップする”という言葉もよく使われますが、ホルモンを直接増やせるわけではありません。現実的に増やすことができるのは、HRT(ホルモン補充療法)だけ。例えて言うなら、砂漠を渡りきるためにラクダに栄養と水分を補給するのがHRT、何日も水なしで生きられるラクダ体質に改善していこうというのが漢方です」と教えてくださるのは、日本のHRT(ホルモン補充療法)の先駆者である小山嵩夫先生。小山嵩夫先生 Profile婦人科医。専門は生殖内分泌学、女性の健康増進。日本のHRT(女性ホルモン補充療法)の第一人者として知られる。1996年、女性の健康管理を目的としたクリニック「小山嵩夫クリニック」を銀座に開業。「NPO法人 更年期と加齢のヘルスケア」および「一般社団法人 日本サプリメント学会」理事長として、更年期前後から元気に生きるための啓発活動を行っている。著書に『遺伝子を調べて選ぶサプリメント』『女性ホルモンでしなやか美人』(ともに保健同人社)、『40歳であわてない! 50歳で迷わない!もっと知りたい「女性ホルモン」』(角川学芸出版)など。 HRT(ホルモン補充療法)は、究極のアンチエイジング法!HRTとは「Hormone Replacement Therapy」の略で、女性ホルモンを薬剤によって補う療法。女性ホルモン(エストロゲン)の量が以前のように戻れば、更年期症状を緩和するだけでなく、閉経後にリスクの高まる骨粗鬆症や動脈硬化の予防にもなります。何より女性ホルモンによって美しさを保たれている髪や肌にも潤いが戻り、美と健康の底上げができるのがメリット。HRTが究極のアンチエイジングと称される理由はそこにあります。でも、50代のホルモン量をいきなり30代の量まで戻すわけではありません。基本的には、更年期症状を抑えることができる必要最小限の量をプラスするもの。閉経後の女性ならホルモン量を40代半ば程度にアップさせるという具合です。薬剤のチョイスや量の調節や補充のタイミングは、医師と患者さんとの細やかなやりとりで、的確に判断されなければなりません。HRTの処方はまさにオーダーメイドなのです。HRT(ホルモン補充療法)が日本であまり普及していない理由とは?欧米諸国では、すでに40年以上前から盛んになっていたHRT(ホルモン補充療法)。日本での普及は格段に遅れているのが実情です。国民性のせいか「人工的にホルモンを足すなど、不自然なことまでしなくていい」という考えを持つ人がいることが、普及が遅れた原因のひとつだとか。さらに国内では「HRTを続けていると乳がんになる」という報道がされたことがあり、医師でさえもHRTに偏見を持つ人が少なくないと言われます。「発端となったのは、米国で2002年に発表されたWHIの報告なんです。5年以上HRTを続けると、乳がんのリスクが26%上がるというもの。でも、この臨床試験には大きな問題がありました。サンプルの女性1万6000人は、HRT開始が平均63歳、喫煙率50%、肥満率や高血圧率も高く、もとから乳がんや心筋梗塞などのリスクが高い人が対象。日本のHRTの利用者とは、あまりにもかけ離れていますね。それを真に受けて報道した日本のマスコミの責任は、重大だと今でも思っています。2006年に厚生労働省が行った、日本女性を対象とした調査結果では、“HRTにより、乳がんのリスクは60%減る”という、まったく逆の報告がされているんですよ」と小山先生。もちろん、HRTが絶対に安全な治療とは言えないかもしれません。エストロゲン剤だけの投与では子宮体がんのリスクが高まるなどのデメリットもあります。もともと受けてはいけない人もいることも覚えておきましょう。【HRTを受けられる婦人科の目安は?】●HRTに理解のある医師がいる●「更年期外来」を掲げている●日本女性医学学会や、更年期医療関連団体の認定医リストに掲載されている●カウンセリングに時間を割いてくれる●外来患者に更年期世代の女性が多い●更年期医療に関してカウンセリングなどを自由診療としている【すぐにHRTを受けられない人】●乳がんになったことがあるか、治療中の人●子宮体がんや他のがんの治療中の人●血栓症・塞栓症になったことがある人●心臓病や脳卒中と診断されている人●原因不明の不正出血がある人●重度の肝臓疾患がある人※そのほか、受けるのに注意が必要な人もいます。詳しくは、医師に相談してください。健康保険で受けられる、HRT(ホルモン補充療法)HRT(ホルモン補充療法)を受ける場合、具体的にどの方法で行うか、どの薬剤をどの程度の量で投与するかは、年齢や症状、その人の体の状態次第です。前述のように女性ホルモンにはエストロゲンと黄体ホルモンがありますが、子宮のある女性には、ふたつを組み合わせて使うのが基本。黄体ホルモンを加えるのは、子宮体がんのリスクを低下させるためです。エストロゲンによって厚くなった子宮内膜を剥がして排出させる働きがあるので、当然、生理と同じような出血が起こります。手術などで摘出し、子宮がない場合や、とても作用の弱いエストロゲン剤の場合は、エストロゲン単独でも使われます。治療薬の種類もさまざまで、飲み薬だけでなく、皮膚に貼るパッチタイプやさっと塗るだけのジェルタイプもあります。ほとんどが保険の適用内です。ここでHRTについて、ちょっとした素朴な疑問を小山先生にぶつけてみました。■体に何か変調は起こらないのですか?「おりものは増えますが、もともとの作用なので心配は無用。最初は乳房の張りや下腹部が張るなどの症状が出るものの、続けるうちに消えていきます」■閉経してからでないと使えないのですか?「更年期の症状がある人は、閉経前でも問題ありません。閉経後、だいぶ経過してしまってから始めるよりは、いろいろなメリットがあります」■どれくらいの期間続けていいのですか?「日本では『5年が目安』と言われることが多いもの。『学会のガイドラインで5年と決まっている』と告げる医師もいるようですが、決められているわけではありません。更年期症状緩和が目的なら5年を目安に。きちんと管理し、医師との話し合いされていれば、長く使い続けてもよい場合のほうが多いと思います」漢方やサプリメントで、ホルモンUPをサポート!最近は、婦人科でも普通に処方してもらえることが多くなった漢方薬。現在、厚生労働省から認可を受け、保険が適用になる漢方製剤(生薬のエキスを抽出して加工した薬)は約150種、生薬(天然の植物や動物、鉱物)では約200種あります。HRT(ホルモン補充療法)の先駆者である小山先生も、漢方治療に長年の経験を持ち、以前から更年期症状の治療薬としてクリニックで処方してきました。「更年期女性には、HRTには抵抗があるけれど、漢方であれば・・・と安心感を持つ人がとても多いと思います。漢方は穏やかに作用するので、こじれた更年期症状をピタッと止めるような劇的な効果はそれほど期待できません。でもナチュラルな分、安心してもらえます。いまやHRTと漢方薬を併用するのも普通ですよ」と小山先生。「女性ホルモンの減少というはっきりした原因に対し、ホルモンそのものを補充するという、シンプルだけど根本的な治療がHRT。一方、漢方はほとんどの場合、中枢に働きかけ、その人がもともと持っている防衛機能を利用して、今出ている症状を改善していくんですね。ですから、漢方薬は更年期に多いホルモンバランスの乱れやストレスなどが関係していそうな不定愁訴が得意なんです」更年期の症状緩和におすすめのサプリメントとは?そして、最後にサプリメントについてです。日本では食品に分類され、日本の薬事法では「○○に効く」「○○の症状を改善する」のように効能を謳ってはいけないことになっていましたが、2015年度より、ある程度は言えるようになりました。また、サプリメントの本来の目的は健康増進なので、自分の更年期の症状にズバリなサプリメントが見つからない…ということも。でもサプリメントは日々進化。新しい臨床データが発表されたり、どんどん改良されたり、新しいタイプも登場しています。アラフォー女子に知っておいていただきたい、主なサプリメントを幾つかご紹介します。【更年期の症状緩和におすすめのサプリメント】●抗酸化作用:コエンザイムQ10、アスタキチンサン、ピクノジェノール●女性ホルモン様の成分:エクオール、大豆イソフラボン●精神症状を抑える:セントジョーンズワート●代謝を促進する:EPA、αリポ酸●アンチエイジング効果:DHEA、プレグネノロン身体の不調が気になる方は、これらのサプリメントを試してみるのもよいでしょう。1種類のサプリメントは少なくとも3週間は続けて摂るとよいそうです。いかがでしたか? 45〜55歳が平均と言われる"更年期"に向けて、いまからアラフォーが知っておくべき「ホルモンUP大作戦」。不安を感じる前にまずはきちんとした「知識」を得ることが大切です。自分の身体の状態を把握して、改善やサポートできる術を知ることから始めましょう。それこそが、美と健康を維持していくことにつながるのです。
2015年03月10日2014年2月6日、60代女性の3人にひとり、70代では2人にひとりがなるといわれている“骨粗鬆症”の治療に関して、専門医が講演するプレスセミナーが都内でおこなわれました。意外に知られていない“身近に潜む病”骨粗鬆症、そのリスクとは?世界でも類を見ない高齢化社会に突入している日本。若者1人が抱える要介護者数が増えていく中、実は骨粗鬆症が、その負担を増大させる要因のひとつだというのです。骨粗鬆症とは一体どんな病気なのか。意外と知られていない骨粗鬆症について、その症状と影響、治療法を、医療法人社団綾和会浜松南病院にて、整形外科・リハビリテーション科の副部長を務める梅原慶太先生に解説していただきました。梅原先生は、「病気だから、治療して治すことができる、その認識を広めることが大切」と話します。「骨粗鬆症とは、骨がすかすかになり、骨折のリスクが高くなる病気のこと。加齢に加え、閉経、偏った食生活や運動不足などのさまざまな要因により発症するといわれています。怖いのは、自覚症状がないまま進行してしまうと、日常のふとした動作で簡単に骨折してしまうこと。ある日突然、何の前触れもなく、手をついて起き上がろうとしたり、軽く咳込んだだけで骨が折れてしまうこともあるのです。」骨粗鬆症によって骨折する部位は、手首、背中や腰、足のつけ根など様々。さらに、圧迫骨折といって、連鎖反応のように次々と骨折していくということもあり、歩けなくなったり、寝たきりの生活が始まるといったリスクにもつながります。「介護が必要となる原因の第1位は脳血管疾患(脳卒中)ですが、骨折や転倒、関節疾患など、骨粗鬆症と関連のある原因も注意が必要です。それまで元気に過ごしていた人が骨折を繰り返し、歩くのもままならなくなったことで、家族の在り方が一変したケースもあります。だからこそ、一度骨折したらすぐに治療に取り組み、骨折の連鎖を断ち切ることが大切です。」【模型を使ってわかりやすく分かりやすく解説!】“健康で長寿”であるために重要な骨粗鬆症の治療、その最前線を探る人間には、「破骨細胞」(骨を壊す細胞)と「骨芽細胞」(骨を新たに作る細胞)があり、新陳代謝を繰り返すことで、正常な骨を維持しています。その新陳代謝が上手くいかなくなることで起きるのが骨粗鬆症。骨粗鬆症と診断されると薬物療法が治療の中心となります。治療に使われる薬には、骨を破壊することを抑制する「骨吸収抑制剤」、骨を作る働きをする「骨形成促進剤」があります。梅原先生は、特に「骨形成促進剤」に着目し治療をおこなっていると話します。「長い間、骨吸収抑制剤が一般的な治療薬であった中、最近、骨形成促進剤“テリパラチド”が登場し、患者さんの症状に劇的な変化が生まれました。『投与することで、腰椎骨密度は13.4%増加、椎体骨折のリスクは84%も低下する』と、製造販売元の日本イーライリリーの調査にあるように、治療した患者さんの骨密度検査結果でも明確に良い効果が出ています。投与期間の2年間、毎日自己注射をしなければいけませんが、針が短いため痛みはなく、誰でも簡単に扱えるため、負担も少ないと考えられます。」最後に梅原先生は、「“健康で長寿”な方をひとりでも多く増やし、人生を謳歌できるようになっていただくため、骨粗鬆症の治療は本当に大切なものです。」と話されていました。【扱いやすさを重視!】
2014年02月28日