「高橋正紀」について知りたいことや今話題の「高橋正紀」についての記事をチェック! (1/2)
女優の高橋メアリージュンが13日、自身のインスタグラムを更新。【画像】高橋ユウ&姉・高橋メアリージュンらとの姉妹ショットにファンうっとり!エジプトでのリトリート中の一枚を公開。「光が視野を広げる。心の中の目が愛を見つける。心の中に光を」と綴り、壮大な景色とともに穏やかな表情を披露した。 この投稿をInstagramで見る Maryjun Takahashi 高橋メアリージュン(@maryjuntakahashi)がシェアした投稿 この投稿には「メア姉さん✨いつも眩しい」「穏やかな笑顔がとても素敵です❤️」といったコメントが寄せられ、彼女の持つ自然体の美しさに多くのファンが魅了された。エジプトでの特別な時間を過ごしながら、心の豊かさを表現する彼女の姿が印象的だ。
2025年02月12日俳優の高橋メアリージュン(37)が31日までに、自身のインスタグラムを更新。実妹でモデルの高橋ユウ(34)とユウの子ども2人との4ショットを公開した。メアリージュンは「Nephews and sister」とつづり、笑顔で顔を寄せ合う4ショットを2枚アップ。Nephewsは英語で甥っ子という意味。満開の笑顔で楽しい時間を過ごした様子が見て取れる。メアリージュンが「Loveしかない いつもありがとう」と感謝を記すと、ユウが「こちらこそいつも大きな愛をありがとう」とリプライ機能で返信した。この投稿にファンからは、「素敵な家族」「高橋家の皆さん、ホント素敵」「これは最高ショット」「愛が溢れてる」「みんな最高の笑み」「楽しそうな雰囲気が伝わってきました」などさまざまな反響が寄せられている。
2025年01月31日女優でモデルの高橋メアリージュンが30日、自身のインスタグラムを更新した。【画像】高橋メアリージュン、「細胞が喜ぶお弁当」に感動オールオーガニックの味を堪能「今日は姉妹、familyロケ♡」と綴り、1枚の写真をアップ。まだ番組やロケの内容などは発表されていないが、2人の楽しそうな表情から、ロケ内容にも期待が持てそうである。これからも姉妹の仲睦まじいショットを期待したい。 この投稿をInstagramで見る Maryjun Takahashi 高橋メアリージュン(@maryjuntakahashi)がシェアした投稿 この投稿にファンからは「ほんとキレイ」「素敵な姉妹」といったコメントが寄せられている。
2025年01月30日フリーアナウンサーの高橋真麻が9日と10日に自身のアメブロを更新。父で俳優の高橋英樹と一緒で賑やかだった撮影についてつづった。9日に、真麻は「CM撮影」というタイトルでブログを更新。「今日はコマーシャル撮影でした」と明かし、撮影現場での写真を複数枚公開した。続けて「父と一緒だったので賑やか!和気あいあい。待ち時間も会話が途切れず」と撮影中の様子についてつづった。10日に更新したブログでは「射的が大好きでして」と明かし「お祭りでも必ずするのですがロケの合間に発見!」と射的をしている自身の姿を公開。「商品GETしました!」と報告し、ブログを締めくくった。
2025年01月11日King & Princeの高橋海人が1日、自身のインスタグラムを更新した。【動画】高橋海人 ひまわり畑の動画に『デートやん』「明けましておめでとうございます。本年も、よろしくお願いいたします」と綴り、1枚の画像をアップした。ファンへ向けて2025年になって初めての挨拶をしているようだ。今年の高橋海人は一体どんな活躍をしてくれるのか。今から楽しみと期待で胸のふくらみが止められない。 この投稿をInstagramで見る 髙橋海人 Kaito Takahashi(@kaito.takahashi_1999)がシェアした投稿 この投稿には「一緒に年越しできて嬉しかったよ本当にありがとう✨✨」などの称賛のコメントが寄せられている。
2025年01月02日フリーアナウンサーの高橋真麻が12月1日に自身のアメブロを更新。父で俳優の高橋英樹と“リンクコーデ”をした2ショットを公開した。この日、真麻は「今日の収録」というタイトルでブログを更新し、英樹と一緒に収録だったことを報告。「一緒だと待ち時間も気兼ねなく家族の会話が出来て楽しいです やはり仲が良いというのは大切なことですね」と述べ「ピンクのリンクコーデ」と英樹と“リンクコーデ”をした2ショットを公開した。続けて更新したブログでは「お肉が食べたくて食べたくてリベラへ」とステーキハウス『リベラ』を訪れたことを報告。「カウンターのみなので息子は夫の膝の上で」と述べ「ジュージュー鉄板に気を付けながら自分も食べながら息子にも食べさせてくれて感謝です」とコメントしつつ「娘はお肉はもちろんコーン炒めもぱくぱく」と食事中の家族ショットを公開した。また、自身については「久しぶりに650g食べ」と明かし「リベラのお肉は本当に飲めるお肉 ステーキソースもサラダのドレッシングも完璧過ぎます」と絶賛。「いつも混んでいますがそれをマスターが全部ワンオペでまわしているのが凄い」と述べ「子育てで今日ワンオペで大変なんて言ってられないですね(笑)マスターを見習わなくちゃ!」とつづり、ブログを締めくくった。
2024年12月02日タレントの高橋愛が27日、自身のインスタグラムを更新した。【画像】「心からありがとう!」高橋愛が命の恩人に感謝!「@ayakoyanagiさんにピンクにしてもらった嬉しい✨」と綴り、2枚の写真を公開した。ジヨンのピンクに影響されたようだが、よく似合っている。続けて「お気に入りっ!」と綴り、投稿を締めくくった。 この投稿をInstagramで見る 高橋 愛(@i_am_takahashi)がシェアした投稿 この投稿にファンからは「ピンク似合うよ〜愛ちゃん ハク好きだね!?」など、多数のコメントやいいねが寄せられた。
2024年11月28日フリーアナウンサーの高橋真麻が19日に自身のアメブロを更新。父で俳優の高橋英樹のファンが送ってくれたものを公開した。この日、真麻は「お気に入り」というタイトルでブログを更新し「娘が産まれた時に父のファンの方が送って下さった手編みのアンパンマンの帽子」と英樹のファンからプレゼントされたアニメ『それいけ!アンパンマン』(日本テレビ系)の手編みのアイテムを紹介した。続けて「今は息子が使っています」と帽子を着用した息子の姿を公開し「とにかくお気に入りで家にいる時はずっと被っている」と説明。「本当に素敵な帽子です」とつづり、ブログを締めくくった。この投稿に読者からは「素敵」「可愛い帽子ですね」「宝ものですね」などのコメントが寄せられている。
2024年11月20日タレントの高橋愛が18日、自身のインスタグラムを更新した。【画像】元モーニング娘の高橋愛のグリーンの靴がかわいいと話題に!「@beyooooonds_officialのライブ最高だった✨。」と綴り、最新ショットを公開した。ライブの余韻がすごく残っていて、もっと好きになったとのことだ。続けて「あと、隣の席だったあいりが可愛すぎてドキドキした」と綴り、投稿を締めくくった。 この投稿をInstagramで見る 高橋 愛(@i_am_takahashi)がシェアした投稿 この投稿にファンからは「ビヨのライブ行ったの愛ちゃん!あいりて?愛ちゃんの妹分の愛理ちゃんだよね」など、多数のコメントやいいねが寄せられた。
2024年11月19日フリーアナウンサーの高橋真麻が16日に自身のアメブロを更新。80歳の父で俳優の高橋英樹の趣味に驚いたことについて明かした。この日、真麻は英樹も一緒に打ち合わせをしていたことを写真とともに報告。「話を聞いていも元気だなぁ」「それが何より」とコメントした。続けて「80歳にして未だ探究心ややりたいことがあって」といい「お城や歴史や絵や書や本やクイズやゴルフの他にも」と多岐にわたる趣味があることを説明。「まだまだそんなにやりたい事があるの!?と無趣味の私は驚いておりました」とつづった。一方で、自身については「無趣味のわたくしから致しますと趣味がある方全員が羨ましいです」とコメント。「特に推し活をしている友人がとても楽しそう」「推しを見つけたいです。どうやって推しと出会えるのでしょうか?」と願望を明かし、ブログを締めくくった。
2024年11月17日女優の高橋メアリージュンが、10日インスタグラムを更新。【画像】高橋メアリージュン、神秘的なネパールスパ体験でファンを魅了!ネパールで訪れたオーガニックレストランの様子をInstagramに投稿。自然豊かな地で味わう食事にリラックスした様子が伝わってくるである。 この投稿をInstagramで見る Maryjun Takahashi 高橋メアリージュン(@maryjuntakahashi)がシェアした投稿 ファンからは「ジュンちゃん可愛い!」「元気もらえた」「美味しそう」といったコメントが相次ぎ、メアリージュンの親しみやすいキャラクターに癒されたファンも多いようだ。彼女が投稿のコメントを丁寧に読んでくれることも好評で、ファンとの心温まる交流が感じられる投稿となっている。「美しい!」「楽しかった!」などの称賛も続出。食事を通じてさらに元気をもらったファンから、たくさんの愛が届いている。
2024年11月11日元モーニング娘。の高橋愛が6日、自身のインスタグラムを更新した。【画像】高橋愛が憧れのマルジェラがデザインしたホテルで療養!?「ロケでに来ています」と綴り、3枚の写真をアップ。続けて「たのしいよー!!!!!」と綴っており、楽しい時間を過ごせていることがわかる。韓国は寒いとのことだが、ダウンを着用しているため快適なようだ。 この投稿をInstagramで見る 高橋 愛(@i_am_takahashi)がシェアした投稿 この投稿にファンからは「愛ちゃん韓国楽しくて良かった!」「楽しさが伝わります」といったコメントが寄せられている。
2024年11月07日タレントの高橋愛が6日、自身のインスタグラムを更新した。【画像】高橋愛が新発売の〇〇ドライヤーを使ってツヤのある「美髪」に!「じゅんこさん✨」と綴り、2枚の写真を公開した。いっぱい助けてもらったという命の恩人に感謝の気持ちを伝えた。最後に「いただいたりんごしみたー」と綴り、投稿を締めくくった。 この投稿をInstagramで見る 高橋 愛(@i_am_takahashi)がシェアした投稿 この投稿にファンからは「いぇあ!うん?命の恩人?海外で体調崩したとき助けてくれた人?ありがとうーじゅんこさん 愛ちゃんいい笑顔してる」「とても美しい 良い1日を」など、多数のコメントやいいねが寄せられた。
2024年11月06日タレントの高橋みなみが5日、自身のXを更新した。【画像】高橋みなみ、キラキラしていて癒されたゲストとは…?!「東海テレビ スイッチ!今週もありがとうございました✨SPゲストはSKE48の熊崎晴香ちゃん・末永桜花ちゃん!10月2日にリリースした「告白心拍数」SKEっぽくて良い曲✨CDもサインもありがとうー✨✨」と綴り、「スイッチ!」SPゲストのSKE48・熊崎晴香と末永桜花とのオフショットを公開。高橋みなみは東海テレビ「スイッチ!」の木曜日のコメンテーターとしてレギュラー出演している。東海テレビ スイッチ!今週もありがとうございました✨SPゲストはSKE48の熊崎晴香ちゃん・末永桜花ちゃん!10月2日にリリースした「告白心拍数」SKEっぽくて良い曲✨CDもサインもありがとうー✨✨ pic.twitter.com/u1rqg1vCXu — 高橋みなみ (@taka4848mina) October 5, 2024 この投稿にファンから、「東海テレビ スイッチ!生放送、今週もお疲れ様でした~♂️SKE48の新曲「告白心拍数」のCDとサイン、もらえてよかったね」「かわいいー」など多くのコメントが寄せられている。
2024年10月05日高橋愛が19日、自身のインスタグラムを更新した。【画像】「愛いっぱい」高橋愛のもとに届いた宝物とは…?!「可愛い可愛いSTANLEY × Barbie」と綴り、最新投稿をアップ。ピンクに花やリボンが描かれた、かわいらしいタンブラーを片手に笑顔を見せるショットなど複数枚の写真を公開した。最近のブームは、太陽を浴びて散歩をしたり、公園のベンチに座って読書をしたりなど、ゆっくりすることだといい、「これからのお散歩の相棒に、この子も仲間入り✨」と明かした。 この投稿をInstagramで見る 高橋 愛(@i_am_takahashi)がシェアした投稿 この投稿にファンからは、「可愛すぎ」「愛ちゃん可愛いー♥️❤️」などのコメントが寄せられている。
2024年09月19日高橋愛が9月12日に自身のインスタグラムを更新した。【画像】高橋愛が愛用する私物アイテムを公開!「今日は @logosdays_official さんの撮影でしたっ!!!!!」と綴り、最新ショットを公開した。「ぜひ楽しみにしていてくださいねっ」と締め括った。 この投稿をInstagramで見る 高橋 愛(@i_am_takahashi)がシェアした投稿 ファンからは、「♥︎ ᕼᗩᑭᑭY ᗷIᖇTᕼᗞᗩY ♥︎ᵕ̈」「お祝い素敵」といったコメントが寄せられた。
2024年09月12日高橋海人(King & Prince)と森本慎太郎(SixTONES)が共演する新ドラマ「だが、情熱はある」に、戸塚純貴が出演することが決定した。本作は、高橋さんがオードリー・若林正恭、森本さんが南海キャンディーズ・山里亮太を演じ、2人の半生を描く、実話に基づいた青春サバイバルドラマ。かねてより「オードリー」のラジオリスナー・“リトルトゥース”であり、オードリーのラジオリスナー役をドラマでナチュラルに演じた経験もある戸塚さんが演じるのは、若林の相方・春日俊彰。戸塚さんは「大変光栄に思うと共に、今までで1番難しい壁に直面しています」と明かし、「見れば見るほど知れば知るほど底知れない春日さんにリスペクトを込めて全力でぶつかっていきたいと思います。若林役高橋海人氏は信頼できる相方なので身を任せております。ひとつよしなに」と意気込んでいる。「だが、情熱はある」は4月9日より毎週日曜日22時30分~日本テレビにて放送。(cinemacafe.net)
2023年03月20日岸井ゆきのと高橋一生がW主演した「恋せぬふたり」の6話が2月28日放送。みのりの赤ちゃんを見つめる高橋の表情と、回想シーンで描かれた高橋の過去に「今までで一番切なかった」「高橋さんがツラそう」などの声が殺到している。他者に恋愛感情を抱かず性的にも惹かれないアロマンティック・アセクシュアルと呼ばれる2人が同居生活をはじめていく姿を描いてきた本作。自分がアロマンティック・アセクシュアルだと認識して、高橋と“恋愛抜きの家族”になろうと同居をはじめるなか、親友だと思っていた千鶴から“恋愛的に好き”だったことを告白された咲子に岸井さん。咲子がキャンペーン商品を見に行ったスーパーで出会った男性で、祖母が亡くなってから近所のおせっかいが激しくなり、それを回避する思惑もあって咲子と同居をはじめた高橋に高橋さん。咲子と高橋の関係を尊重するようになった松岡一には濱正悟。咲子は親友だと思っていたが、実は咲子に恋愛感情を抱いていた門脇千鶴に小島藤子。咲子の妹・石川みのりには北香那。みのりの夫・大輔にはアベラヒデノブ。咲子の母・兒玉さくらには西田尚美。咲子の父・博実には小市慢太郎。高橋の同僚の浜岡には猫背椿。同じく高橋の同僚の豊玉には西川可奈子といった顔ぶれも出演。※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。新年を迎えアロマンティック・アセクシュアルのイベントに参加した咲子は、そこで自分たちの将来について考えてなかったことに気付かされる。帰宅すると一にくわえ、みのりとその娘までが高橋家に遊びに来ていた。第2子を妊娠中のみのりだが、夫の大輔に浮気が発覚。離婚を考えているという。咲子の話にみのりはいら立ちを募らせ「誰かを好きにならないってことはさ、こういう苦しみとも無縁なわけでしょ。人生楽だよね」と言い、咲子の生き方に対し「なんもない人生」と言い放つ……というのが今回のおはなし。この言葉を聞いた一は「みのりちゃん、今のは言い過ぎだよ」とみのりをたしなめる。そんな一の姿に「カズくんが最初は不快で仕方なかった でもだんだん良さが分かってきた」「カズくんへの好感度がめきめきと上がっていく」「咲子の気持ちを代弁してくれてカズくんがあの場に居てくれて良かったとすら思う」などの反応が。その後みのりのもとに大輔がやってくる。娘を前に怒鳴り合いのケンカを繰り広げるみのりと大輔を高橋が止めるが、その直後みのりが破水。無事出産するがみのりは大輔に子どもを会わせないと言い、博実に促され大輔は病院から帰る。その後みのりの赤ちゃんを抱く咲子と両親、みのりを見つめ、その後赤ちゃんを見ながら「かわいいですね」とつぶやく高橋。そしてラスト、雨が降り庭の鉢を屋内にしまいながら、高橋は遥(菊池亜希子)との過去を思い出す。「今までで一番切なかったかもしれない…高橋さんの赤ちゃんを見る表情がさ…」「高橋さんがツラそうな回でしたね。いろいろ思い出してしまう過去があったのですね」「子どもを持ちたいと思った、そのチャンスがあった過去を感じさせる展開」「後半の高橋さん、どんな思いで赤ちゃんを見てたんだろう。高橋さんの過去に何があったのか…」など、今後明かされていくであろう高橋の過去についても多くの視聴者が思いを巡らせていた。(笠緒)
2022年03月01日サッカークラブや各種スポーツ団体を対象に「スポーツマンのこころ」と銘打つ講義で、一流アスリートになるための心得を伝え続ける岐阜協立大学経営学部教授の高橋正紀先生。ドイツ・ケルン体育大学留学時代から十数年かけ、独自のメソッドを構築してきました。聴講者はすでに6万人超。その多くが、成長するために必要なメンタルの本質を理解したと実感しています。高橋先生はまた、「スポーツマンのこころ」の効果を数値化し証明したスポーツ精神医学の論文で医学博士号を取得しています。いわば、医学の世界で証明された、世界と戦える「こころの育成法」なのです。日本では今、「サッカーを楽しませてと言われるが、それだけで強くなるのか」と不安を覚えたり、「サッカーは教えられるが、精神的な部分を育てるのが難しい」と悩む指導者は少なくありません。根性論が通用しなくなった時代、子どもたちの「こころの成長ベクトル」をどこへ、どのように伸ばすか。「こころを育てる」たくさんのヒントがここにあります。(監修/高橋正紀構成・文/「スポーツマンのこころ推進委員会」)<<前回|連載一覧>>(写真は少年サッカーのイメージです)■勉強を本気で頑張れないやつがスポーツを頑張れるわけがない「小学生のころに"スポーツマンのこころ"に出会っていたら、もっと自分を磨けたのに」"スポーツマンのこころ"の講義を聞いて、そう後悔する学生は少なくありません。今回は学生たちの生の声を紹介します。岐阜県内にある私が勤務する大学では、本格的なオンライン授業が始まっています。運動部活に取り組む学生が7割近くを占めているスポーツ経営学科の必修科目であるスポーツ原論という授業で、入学直後の1年生に「スポーツマンのこころ」を伝えています。オンライン授業は初めての経験ですが、こうやって画面越しでも内容はかなりしっかりと伝わるのだと実感しました。例えば、スポーツは本質本質的には遊びの一種であり「非日常」の時空間で行われるゲームであること、学生にとっての「日常」であるをおろそかにしてしまうと非日常のスポーツでの成長が鈍ること、自分を大切にするということは、大切であるからこそ自分を磨くということ、そしてその"自分を磨く"は自己決定することによってより意味が出てくること、などを理解してもらいます。「文武不岐」の話もします。この連載でもお話ししましたが、文武不岐とは学問とスポーツは別物ではなく、学問を極め何が正しいかを知ることは、スポーツで厳しい練習を積むなかで人間性を向上させることにも通じる。その逆も然りであるという意味です。つまり、学問とスポーツと不離一体になっているわけです。「文武両道」という言葉のほうが一般的に知られていますが、単に両立すること者に価値があると論じるだけでなく、相乗効果をもたらす関係なだと話しました。私は「勉強を本気で頑張れないやつがスポーツを頑張れるわけがないということなんだよね。だからいますべきことがわかるよね」と呼びかけました。新型コロナウイルスの渦中で、このようにして「スポーツマンのこころ」を学んだ学生たちは、心が穏やかにもなるようです。「なんでサッカーできないんだよ!」という葛藤からは少なくとも脱出できているようです。なぜそう思うのかというと、学生たちが授業後に書いたレポートにそういったことを感じさせることが書かれているからです。<一部抜粋>★日常の中で目標を持ってやり抜くことは口で言うのは簡単だけれど、正直難しいと思う。だからこそ、部活動などの非日常で達成感を得る感覚を身につけた後に、日常にも繋げられたら日常も非日常も有意義な時間になると思いました。★私の県ではベスト8にはほぼ進学校が入ってました。勉強が頑張れるからスポーツも頑張れていたんだと思いました。★「文武不岐」は、学校の勉強を頑張ることで競技を強くするという意味をもち、非日常よりも日常のほうが大切であることも意味に含まれていると思いました。★文武不岐を実行するのは今からでも間に合うと思ったので今日からすぐに実行しようと思います。それと同時にスポーツ以外の事で自分が本当に好きなことについて考えてみます。こういう考えに大学一年生のうちに出会えてよかった。「1年生のうちに出会えてよかった」と書かれていますが、「この考え方に小学生のうちに出会っていたら、もっと自分を磨けたのに」と悔しがる学生も多いです。以下のように、授業を受けて、小・中・高校時代を振り返る学生たちです。★今の日本は、スポーツの中で人間性を磨いても、日常につなぐ力がなく、スポーツと日常は全くの別ものだと感じている子は少なくありません。そして、本当にスポーツを楽しんでいる子も少ない気がします。★中学生くらいの頃は、クラブ活動の時だけちゃんとして、学校にいる時(授業)は寝ていたり、クラブの時とそれ以外を分けて考えていました。★野球から目上の人への態度や人間性を学んだりはしてきたが、それを日常に取り入れることができていないと思います。★これまでは、野球という「非日常」の活動のために「日常」を頑張るといった思考だった。そのような心構えでは、非日常がなくなったときに、日常が空っぽになってしまうと思う。日常を頑張ることで、他の強みを手にすることが必要だ。★体を動かすことは楽しい。厳しい練習をやり切った時の爽快感も知っている。練習を重ねて、できなかったことができるようになったときの喜びも何度か味わっている。だから、それを学生の本分である勉強に同じことを当てはめれば良かったのだ。繰り返し練習する。スポーツでは当たり前にやっていたことを、勉強に当てはめて繰り返し数学の問題を解いたり、漢字練習をしていれば、もう少し賢くなっていたかもしれない。これらを書いてくれた学生たちは、野球やサッカーなどさまざまな競技をしていますし、強化指定クラブに所属する学生も5割を超します。少年時代から競技スポーツに取り組んできたであろう彼女・彼らは「スポーツが、実は自身の成長に完全にはつながっていなかった」という気づきを得ています。■学生たちも気づいている。「少年スポーツの指導スタイルやマインドを変えなくてはいけない」私はこれまで十数年にわたって、入学したばかりの1年生に「スポーツの正しい理解」と「スポーツマンのこころ」を授業で伝えてきましたが、その相互コミュニケーションを続けてくる中で、学生たちから同様のリアクションを常に聴き続けてきました。が、部活動や育成の現場で「人間性を高めるためにスポーツをするんだ」などと教えている方たちはこういった声の存在に驚くのではないでしょうか。そして、学生たちは少年スポーツの指導スタイルやマインドを変えなくてはいけないとも書いています。<一部抜粋>★指導者が選手のちょっとしたミスに暴力を振るったり、人前で怒鳴り散らかしたりするのは、「試合に勝ちたい、そのために厳しく指導しなきゃいけない」ということで、頭がいっぱいになり、楽しむという感情が薄れてしまっていることが原因だと思います★「勝ちにこだわる」と「楽しさにこだわる」を両立させたらチームとしても個人としても大きく成長出来ると思います。★日常よりも、非日常の遊びであるスポーツの方を大事にする子どもの考えは、周りの大人の考え方、教育の問題です。★日本のスポーツ界の発展につながるには、スポーツの現場にいる指導者が従来の選手が楽しむことができない育成方法を改めることで、補欠文化がなくなり、欧州のように選手全員が平等になり、スポーツの位置づけが日常の中の非日常になると思いました。いかがでしょうか。■勝ち負けより記憶に大きく残るもの(写真は少年サッカーのイメージです)スポーツの存在意義、人間らしく生きるためにスポーツは大切なものだと、学生たちは気づき始めています。勝ち負けではなく、記憶の中にあるのは、大会までのプロセスです。夢中になれた記憶のほうがはるかに大きいのです。"私たちがこれからスポーツの本当の価値を伝えていきます"と宣言してくれる学生も毎年多数います。成人してしまうと、スポーツが人生の何に役に立ったのかはあくまでも個人の感覚。科学的に証明できません。ただ、その日々が豊かで幸せな時間だったことは間違いないのです。<お知らせ>高橋正紀教授監修の「楽しまなければ勝てない~世界と闘う"こころ"のつくりかた」は、今回でいったん終了します。またどこかでお会いできるのを楽しみにしております。ご愛読ありがとうございました。(スポーツマンのこころ推進委員会)<<前回|連載一覧>>高橋正紀(たかはし・まさのり)1963年、神奈川県出身。筑波大学体育専門学群ではサッカー部。同大学大学院でスポーツ哲学を専攻。ドイツ国立ケルンスポーツ大学大学院留学中に考察を開始した「スポーツマンのこころ」の有効性をスポーツ精神医学領域の研究で実証し、医学博士号を取得。岐阜協立大学経営学部教授及び副学長を務めながら、講演等を継続。聴講者はのべ5万人に及ぶ。同大サッカー部総監督でもあり、Jリーガーを輩出している。Jリーグマッチコミッショナー、岐阜県サッカー協会インストラクター、NPO法人バルシューレジャパン理事等を務める。主な資格は、日本サッカー協会公認A級コーチ、レクリエーションインストラクター、障害者スポーツ指導員中級など。
2020年05月22日2020年5月1日、フリーアナウンサーの高橋真麻さんが第一子の出産を報告。「私が産まれた時と同じ」高橋真麻が第一子を出産、おめでたい報告に反響同日、父親の高橋英樹さんもブログを更新し、初孫が誕生した心境をつづりました。本日これから 退院いたしまして初めての 対面となりますので大変 ドキドキしております(笑)私達夫婦は八年の月日を経まして真麻を授かりましたのでこんなに 早く 初孫に恵まれ沢山の方々の 支え 応援のお陰と感謝!感謝!の気持ちで 一杯ですこれからもどうぞ暖かく 見守ってやって下さい!宜しくお願い致します高橋英樹オフィシャルブログーより引用真麻さんは2018年12月に一般男性と結婚。2年経たないうちに初孫が誕生し、英樹さんは喜びを抑えきれません!ブログによると、誕生の数日前から胸を躍らせ、孫からなんと呼んでもらおうかと思案していたようです。『おじいちゃん』のほか『ジイジ』や『ジイタン』、『グランパ』や『おじいちゃま』などで迷ったものの、結局は「孫が呼びやすいのがいい」と落ち着いたそう。出産を頑張った真麻さん同様、英樹さんの元にも多くの祝福の声が届いています。・お孫さんの誕生、おめでとうございます!・ご対面、とっても楽しみですね。・おじいちゃんが英樹さんって、いいなあ!・ママに似た明るく楽しいお嬢さんになったら素敵。・身内のことのように嬉しいです。かわいらしい孫を前にしたら、きっと英樹さんはデレデレになってしまうでしょう!初孫トークを聞ける日が楽しみですね。[文・構成/grape編集部]
2020年05月01日サッカークラブや各種スポーツ団体を対象に「スポーツマンのこころ」と銘打つ講義で、一流アスリートになるための心得を伝え続ける岐阜協立大学経営学部教授の高橋正紀先生。ドイツ・ケルン体育大学留学時代から十数年かけ、独自のメソッドを構築してきました。聴講者はすでに6万人超。その多くが、成長するために必要なメンタルの本質を理解したと実感しています。高橋先生はまた、「スポーツマンのこころ」の効果を数値化し証明したスポーツ精神医学の論文で医学博士号を取得しています。いわば、医学の世界で証明された、世界と戦える「こころの育成法」なのです。日本では今、「サッカーを楽しませてと言われるが、それだけで強くなるのか」と不安を覚えたり、「サッカーは教えられるが、精神的な部分を育てるのが難しい」と悩む指導者は少なくありません。根性論が通用しなくなった時代、子どもたちの「こころの成長ベクトル」をどこへ、どのように伸ばすか。「こころを育てる」たくさんのヒントがここにあります。(監修/高橋正紀構成・文/「スポーツマンのこころ推進委員会」)<<前回|連載一覧>>(写真は少年サッカーのイメージです)■小学生年代でヘディングの「練習」は必要なのかみなさんは、幼児から小学生までのヘディングについて、どうお考えですか?私はずっと以前から子どもを指導する際にはヘディングの練習はやらせていません。1990年代にドイツ留学し、その際に子どもにやらせていなかったこともありますし、「止める」「蹴る」の技術がサッカーでまずやるべきことだという認識や、「こんなに小さい頭では脳にあまり良くないのではないか」という危惧もあったからです。その後、2008年に池上正さんが上梓された『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』を読み、「やはりヘディングはさせてはいけなかった。良かった」と自分が間違っていなかったことに安堵した記憶があります。12年前にみなさんの手に渡ったその本には、こう書かれていました。7~8歳では浮いたボールが蹴れません。ボールが空中に上がらないのだから、ヘディングを練習する必要はありませんね。実は、私もこの考え方に出会ったのは20数年前です。それまでは、幼児にヘディングをやらせていました。ある方との出会いが私に、大人も進化しなくてはいけないことを教えてくれました。その方は、以前ジェフのゼネラルマネジャーを務めていた祖母井(うばがい)秀隆さん(現フランス・グルノーブル社長)です。(中略)私はYMCAにいたのですが、その祖母井さんにアドバイザーとしてYMCAに来てもらったのです。ヨーロッパの少年サッカーの指導法を教えていただいたのですが、幼児はもちろん小学生でもヘディングするなんてありえないと言われました。「今まで、おれら何やってたんだ?」と大ショックでした。すぐに変えました。全国のYMCAのサッカースクールのカリキュラムをすべて変更しました。出典:サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法「今日から、ヘディングはなくなります」と池上さんが発表すると、コーチからは大ブーイングだったそうです。でも、「間違っていたら変えなくてはいけない」と池上さんらが強く主張してYMCAは小学生にヘディングを教えることをやめたそうです。08年時点で20数年前とおっしゃっているので、1980年代のことです。ところが、日本で小学生にヘディングの練習をさせる指導者はなくなりません。先日も、ヘディングが原因と疑われる硬膜下血症の治療をしている小学生の話をきいたばかりです。■イングランドではユース年代の練習でヘディング制限するガイドラインを発表イングランドサッカー協会は先月、ユース年代の練習でヘディングを制限するガイドラインを発表しました。11歳以下の子どもたちは原則禁止。12〜18歳の年代でも最小限に抑え、段階的に増やすようにと伝えています。試合中のヘディングは従来通り可能です。ただし、池上さんが本に書かれていたように、7~8歳では浮いたボールが蹴れないので、ボールが空中に上がらないため試合でもヘディングをすることは、ほぼありません。イングランド協会が子どものヘディング禁止を決めたのは、同国のグラスゴー大学が昨年、元プロサッカー選手を対象にした調査で、認知症やパーキンソン病など脳の病を発症して亡くなる確率が一般の人に比べ3.5倍高くなるという結果を発表したことがきっかけになったと言われています。ガイドラインでは、ヘディング練習が段階的に制限される年代の12歳以下は「月に一度の練習で最大5回」まで。13歳以下は「週に一度の練習で最大5回」まで。14〜16歳の年代は「週に一度の練習で最大10回」まで、18歳以下でさえ「可能な限り減らすように」と通達しています。日本サッカー協会は現時点で、ヘディング練習に関する具体的な制限は設けていません。12歳以下の指導では、ヘディングを教えるときは「生え際のところに首を固定して、ボールに当てる」といったやり方が紹介されています。子どもの脳への影響は語られていません。そもそもボールは浮かないのですから、練習を禁止にすべきです。そうすれば、胸やももで体を入れてコントロールすることを覚えます。それでは、ごく一部とはいえ、日本の指導者がなぜ子どもに、脳へのリスクの高いヘディングを教えてしまうのか。それは二つの理由が考えられます。1.危険だという認識がない2.認識があっても、体の大きな子どもがヘディングを覚えることで得点源になるため勝利に近づくことができる。日本の少年サッカーの指導法は近年、少しずつ変化を遂げています。とはいえ、技術や戦術にばかりエネルギーを注ぐあまり、いかに安全な競技環境にするか、いかに子どもたちにスポーツマンシップを伝えるかといった「勝利にかかわらない部分」が置き去りにされていないでしょうか。■情報のアップデートには迅速に対応しなければならない(写真は少年サッカーのイメージです)日本サッカー協会の指導者ライセンス取得の講習内容は、4年に一度見直します。ただ、情報が書き換えられる部分についてはもっと迅速に対処すべきだと感じています。日本サッカー協会の指導者ライセンスを取得したサッカー指導者は医学的なこともおさえながら指導しています。例えば、中学生年代など身長が急激に伸びる時期(PHV年齢※Peak Height Velosity)には、身長の伸びと同時に内臓も肺も大きくなります。PHV年齢は女子が11歳。男子は13歳ごろですね。その時期には持久力系のトレーニングが必要になります。ただ、単にランニングさせて走らせるやり方ではサッカーの技術との関連性がなくなってしまいます。ボールを使う練習の中で、心肺機能にも負荷を与える練習を意識的に行う事は欧州ではずっと以前から常識です。ところが、ここでも日本は遅れています。単調なランニングをさせるコーチは少なくありません。ヘディングの指導も然りです。間違っていたら、変えなくてはいけません。<<前回|連載一覧>>高橋正紀(たかはし・まさのり)1963年、神奈川県出身。筑波大学体育専門学群ではサッカー部。同大学大学院でスポーツ哲学を専攻。ドイツ国立ケルンスポーツ大学大学院留学中に考察を開始した「スポーツマンのこころ」の有効性をスポーツ精神医学領域の研究で実証し、医学博士号を取得。岐阜協立大学経営学部教授及び副学長を務めながら、講演等を継続。聴講者はのべ5万人に及ぶ。同大サッカー部総監督でもあり、Jリーガーを輩出している。Jリーグマッチコミッショナー、岐阜県サッカー協会インストラクター、NPO法人バルシューレジャパン理事等を務める。主な資格は、日本サッカー協会公認A級コーチ、レクリエーションインストラクター、障害者スポーツ指導員中級など。
2020年03月25日サッカークラブや各種スポーツ団体を対象に「スポーツマンのこころ」と銘打つ講義で、一流アスリートになるための心得を伝え続ける岐阜協立大学経営学部教授の高橋正紀先生。ドイツ・ケルン体育大学留学時代から十数年かけ、独自のメソッドを構築してきました。聴講者はすでに6万人超。その多くが、成長するために必要なメンタルの本質を理解したと実感しています。高橋先生はまた、「スポーツマンのこころ」の効果を数値化し証明したスポーツ精神医学の論文で医学博士号を取得しています。いわば、医学の世界で証明された、世界と戦える「こころの育成法」なのです。日本では今、「サッカーを楽しませてと言われるが、それだけで強くなるのか」と不安を覚えたり、「サッカーは教えられるが、精神的な部分を育てるのが難しい」と悩む指導者は少なくありません。根性論が通用しなくなった時代、子どもたちの「こころの成長ベクトル」をどこへ、どのように伸ばすか。「こころを育てる」たくさんのヒントがここにあります。(監修/高橋正紀構成・文/「スポーツマンのこころ推進委員会」)<<前回|連載一覧>>(写真は少年サッカーのイメージです)■今だからできることに目を向けてみよう政府からの休校要請が出てから約2週間が経ち、今週から一部の学校が再開したという報道もありました。育成年代のスポーツでも、状況を見ながらスクールやチーム活動を再開したところもあるようです。チーム活動については、代表の方々の判断でいつから再開するかが決まると思いますが、仮にお子さんのチームが「長い春休み」になったとしてもサッカーのモチベーションや技術を維持、又は向上させることも不可能ではないはずです。Jリーグやプロ野球をはじめ、いくつかのプロのリーグが延期になり、春の高校野球選抜大会の中止も決まりました。野球だけでなく、サッカーの育成年代の大会も中止になったりしています。みなさんのチームでも試合の予定が変更になったり中止になったりして、お子さんががっかりしているご家庭もあるかもしれません。大好きなサッカーをチームのみんなと一緒にできないのは本当に辛いことです。ですが、こんな時だからこそ視点を変えて、サッカーができなくてつまらない、と退屈しながら過ごすのではなく、今の環境でできることをやろう、と前向きに捉えて様々なことに挑戦してみてほしいのです。できないことに嘆きながらだらだら過ごすのと、今だからできることに目を向けて見るのとでは、チーム活動を再開した時に差が出るのではないでしょうか。今回のことは、親御さんや指導者の方々も体験したことのない事態であり、まさしく「何が正解かわからない」状況なわけです。ここで思考を働かせて、自分で考えて行動できるか、来るべきに備えることができるかが問われます。先日、文部科学省が休耕中の子どもたちについて「(休校要請は)屋外での運動や散歩を妨げるものではない」という見解を出しました。ウィルス感染へのリスクには注意を払わなければなりませんが、子どもたちの外出が禁止されているわけではないのです。自宅の庭や近所の公園で苦手克服に挑戦したり、少人数でできる連携プレーを磨いたり......。このようなタイミングだからこそ思考を働かせて休みを有効に活用してほしいものです。■「創造的休暇」にできるかどうかは、大人のありようにかかっている高校生だけでなく、サッカー少年たちにとって一番楽しいはずの遊びの一種である「サッカー」ができない。コーチや保護者のみなさんは対応が大変だろうと思います。しかしながら、歴史を省みてみると、むしろこういったカオスな状態の時にこそ才能が開花する下地ができるのではないかと言えるかもしれません。一例ですがロンドンで腺ペストの大流行があった1665年。世界的科学者のニュートンは、通っていた英ケンブリッジ大学が一時休校となり郊外にある実家に戻っていました。この2年近い休暇を過ごす間に彼の思索は深められ、落ちるリンゴを見てひらめいたことで有名な「万有引力の法則」もこの間のだということす。ニュートンにとってのこのペストによる休校期間は、のちに「創造的休暇」と呼ばれるようになりました。だとすれば、現在の状況を「コロナ疲れ」だなんだと不平不満を言いながら暮らすのと、「創造的休暇」にできるかどうかは、私たち大人のありようにかかっています。私たちこそが試されているのです。みんな一緒のトレーニングができないのなら、それぞれで何ができるか。熱がなく、元気であれば、何人かで公園に集まってサッカーができるでしょう。大人にセッティングされなくても、何をするか考えられるはずです。ボールコントロールを意識してやってみよう。パスでつなぐことを意識してミニゲームしてみよう。相手とのかけひきをもっと意識してプレーしてみよう。いろいろなトライができるといいんだと思います。これは前回の連載でも話しましたが、自己管理能力も試されます。早寝早起きをし、生活リズムを整え免疫力を高めることが重要です。自分を律して、人ごみの中ではマスクをする。手で顔を触らない。手洗いやうがいをする。そして、サッカー以外の、日頃できないことにも目を向けてみる。子どもがそうなるには、まずは親や指導者がどこまで前向きに今の状況をとらえられるかにかかっていると思います。■子どもだけでなく、大人も学ぶ機会にしよう(写真は少年サッカーのイメージです)全国で学校の臨時休校や部活動の休止が続くなか、プロアスリートたちがそれぞれ、自宅で簡単にできるトレーニング法などをネットで公開しています。これも、プロらしい社会貢献です。例えば、プロ野球ロッテのルーキーである佐々木朗希投手が子ども向けのトレーニングを実演する姿をインターネットの動画サイトに投稿しました。サッカーも、乾貴士、岡崎慎司など、さまざまな選手が同様にやってくれています。それらも参考にしながら、「今、何をすべきなのか」をお子さんと話し合ってください。これを機に、コーチやチームメイトとスカイプなどで話し合うリモートミーティングに挑戦してもいいですね。また、子どもにはこの機会に学べと言いながら、自分はスマホでゲームではいけません。大人も学ぶ機会ととらえましょう。創造的休暇を、ぜひ目指してください。<<前回|連載一覧>>高橋正紀(たかはし・まさのり)1963年、神奈川県出身。筑波大学体育専門学群ではサッカー部。同大学大学院でスポーツ哲学を専攻。ドイツ国立ケルンスポーツ大学大学院留学中に考察を開始した「スポーツマンのこころ」の有効性をスポーツ精神医学領域の研究で実証し、医学博士号を取得。岐阜協立大学経営学部教授及び副学長を務めながら、講演等を継続。聴講者はのべ5万人に及ぶ。同大サッカー部総監督でもあり、Jリーガーを輩出している。Jリーグマッチコミッショナー、岐阜県サッカー協会インストラクター、NPO法人バルシューレジャパン理事等を務める。主な資格は、日本サッカー協会公認A級コーチ、レクリエーションインストラクター、障害者スポーツ指導員中級など。
2020年03月18日サッカークラブや各種スポーツ団体を対象に「スポーツマンのこころ」と銘打つ講義で、一流アスリートになるための心得を伝え続ける岐阜協立大学経営学部教授の高橋正紀先生。ドイツ・ケルン体育大学留学時代から十数年かけ、独自のメソッドを構築してきました。聴講者はすでに6万人超。その多くが、成長するために必要なメンタルの本質を理解したと実感しています。高橋先生はまた、「スポーツマンのこころ」の効果を数値化し証明したスポーツ精神医学の論文で医学博士号を取得しています。いわば、医学の世界で証明された、世界と戦える「こころの育成法」なのです。日本では今、「サッカーを楽しませてと言われるが、それだけで強くなるのか」と不安を覚えたり、「サッカーは教えられるが、精神的な部分を育てるのが難しい」と悩む指導者は少なくありません。根性論が通用しなくなった時代、子どもたちの「こころの成長ベクトル」をどこへ、どのように伸ばすか。「こころを育てる」たくさんのヒントがここにあります。(監修/高橋正紀構成・文/「スポーツマンのこころ推進委員会」)<<前回|連載一覧>>(写真は少年サッカーのイメージです)■新型コロナウイルス感染不安の中、少年サッカー活動はどう判断すればいいのかみなさんご存知のように、Jリーグは新型コロナウイルス感染拡大の状況を重く見て、3月15日までのJ1第2~4節などのJ1から3の全94試合を延期することを決めました。Jリーグが自然災害以外で中断するのは初。日本国内の主要プロスポーツが今回のウイルスの影響で日程変更するのは初めてのことになります。24日に政府の専門家会議が「今後1~2週間が拡大の瀬戸際になる」との見解を発表したことを受け、Jリーグは25日に緊急会議。全会一致で延期を決定したものです。私は3月1日のJ1リーグのマッチコミッショナーを請け負っていたので、リーグから連絡が入りました。さまざま意見はあるかと思いますが、個人的には正しい判断だととらえています。密閉されたドームや体育館内で行われる競技と違ってサッカーは屋外なので「大丈夫なのではないか」という声も聞かれますが、席と席の間が密接したスタンドでは飛沫感染や濃厚接触の可能性は限りなく高いのですから。そのような周囲の状況をみるにつけ、少年サッカーの指導者や保護者の方のなかには気をもんでおられる方もいらっしゃると推測します。練習や練習試合、大会参加など、活動の在り方について「やっていいのか?」「中止にすべきか?」と迷いますね。地域によっても判断が分かれるところでしょう。■子どもがサッカーをしたいと言っても親は説得して止めなければならない少年サッカーの活動について、今考えたいことを五つ挙げてみました。ひとつめ。当然ではありますが、学校閉鎖になった時点で実施は慎むべきでしょう。千葉市などのように、新型ウイルス患者が出てすでに学校閉鎖を行っている自治体があります。厚生労働省は今後、同じ市町村の学校で新型コロナウイルスの感染が拡大した場合、患者がいない学校でも休校や学級閉鎖の検討を要請する方針を示しています。そうなった場合、保護者はお子さんがサッカーをしたいと言っても止めなくてはいけません。その場合、「ダメなものはダメなのよ」と強い言葉で抑えつけるのはやめましょう。これがふたつめです。たとえ低学年であっても、コロナウイルスが蔓延している状況をきちんと説明します。そして、サッカーすることが自分のためにならないばかりか、他の人にも迷惑をかけるかもしれないことをなどもです。三つめ。このようなときだからこそ、"日ごろやりたくてもできなかったこと"に取り組むことを勧めてください。読書をする。漫画でもよいでしょう。攻略したかったゲームをやる。生活リズムを狂わせるものでなく、時間を区切ってやればいいでしょう。海外のサッカーをテレビやパソコンで観る。レベルの高いプレーを観るだけでも、スキルが向上するベースがつくれるでしょう。ほかにも芸術や音楽に親しむ。遅れがちだった算数や漢字をやっておく。そんなふうに、"日ごろやりたくてもできなかったこと" はたくさんあるのではないでしょうか。■危機に関する感覚は人によって違う。各家庭の指針を持って行動をこのような非常事態のなかで、どれだけ平常心で、でも注意を怠ることなく有意義に過ごせるかを親子で話し合うことは大きな学びになります。クラブによっては、学校閉鎖になっても休みにしないところもあるでしょう。複数の異なる市区町村から選手がやってくるクラブは、練習や試合に来れる子どもがいる限り運営を続けるかもしれません。そういったケースは仕方ないかもしれませんが、困ってしまうのは「よそが休んでいるときに練習しよう」とコーチが言うクラブです。クラブの判断をおかしいなと感じたら、きちんと意見を言ったほうがいい。これが四つめです。このようなクライシスに対する認識や感覚は残念ながら人によって違ったりもするので、「うちはお休みします」というように家庭での指針をもって行動しましょう。もちろん、その際も、子どもときちんと話し合って、納得した状態で休むことが肝要です。説明を省略してしまうと「A君は出ているのに」と子どもが疑心暗鬼になります。あくまでも、お父さんやお母さんが「あなたのためにどうしたらいいか」を一生懸命考えた結果だと言うことを知らせましょう。五つめ。こういうときこそ自己管理を教える良い機会ともとらえられます。なるべく人ごみに行かない。手洗いやうがいの正しいやり方を教えて、こまめにやってもらいます。毎朝、自分で熱を測る。そういった自己管理を学んでもらいます。■今、大人がもっとも気を付けなければならないこと(写真は少年サッカーのイメージです)そして、大人がもっとも気をつけなくてはいけないのは、基礎疾患のある子どもへの対応です。すでに報道されているように、子どもでもぜんそくなど持病があると重症化するリスクが高まります。指導者は、こまかく様子を見てあげましょう。ともあれ、Jリーグが国内の主要プロスポーツで最初にリーグ中止という英断を下せたのは、サッカー界が世界の反応を知りえる立場にいることが大きいと思います。リーグ中止を決める前に23歳以下のテストマッチに、南アフリカが来日を拒否しました。サッカーのイタリア1部リーグ(セリエA)は22日、23日に予定されていたインテル・ミラノ対サンプドリア、アタランタ対サッスオロ、ベローナ対カリャリの3試合を、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて延期しました。Jリーグが中止を決める3日前のことです。アメリカの国務省は22日、日本と韓国への渡航警戒レベルをこれまでの1から2(注意の強化)へと引き上げました。Jリーグの村井チェアマンは「ある種の国難。Jリーグとして協力していく必要がある」と述べています。大人として私たち私たちが協力し合って、子どもたちを守りたいものです。<<前回|連載一覧>>高橋正紀(たかはし・まさのり)1963年、神奈川県出身。筑波大学体育専門学群ではサッカー部。同大学大学院でスポーツ哲学を専攻。ドイツ国立ケルンスポーツ大学大学院留学中に考察を開始した「スポーツマンのこころ」の有効性をスポーツ精神医学領域の研究で実証し、医学博士号を取得。岐阜協立大学経営学部教授及び副学長を務めながら、講演等を継続。聴講者はのべ5万人に及ぶ。同大サッカー部総監督でもあり、Jリーガーを輩出している。Jリーグマッチコミッショナー、岐阜県サッカー協会インストラクター、NPO法人バルシューレジャパン理事等を務める。主な資格は、日本サッカー協会公認A級コーチ、レクリエーションインストラクター、障害者スポーツ指導員中級など。
2020年02月26日サッカークラブや各種スポーツ団体を対象に「スポーツマンのこころ」と銘打つ講義で、一流アスリートになるための心得を伝え続ける岐阜協立大学経営学部教授の高橋正紀先生。ドイツ・ケルン体育大学留学時代から十数年かけ、独自のメソッドを構築してきました。聴講者はすでに6万人超。その多くが、成長するために必要なメンタルの本質を理解したと実感しています。高橋先生はまた、「スポーツマンのこころ」の効果を数値化し証明したスポーツ精神医学の論文で医学博士号を取得しています。いわば、医学の世界で証明された、世界と戦える「こころの育成法」なのです。日本では今、「サッカーを楽しませてと言われるが、それだけで強くなるのか」と不安を覚えたり、「サッカーは教えられるが、精神的な部分を育てるのが難しい」と悩む指導者は少なくありません。根性論が通用しなくなった時代、子どもたちの「こころの成長ベクトル」をどこへ、どのように伸ばすか。「こころを育てる」たくさんのヒントがここにあります。(監修/高橋正紀構成・文/「スポーツマンのこころ推進委員会」)<<前回|連載一覧>>(写真は少年サッカーのイメージです)■練習の「意味」ではなく「やり方」の質問ばかり。反復練習にこだわる日本人以前、ドイツ人のコーチからこんな話をされました。「タカハシ、ドイツに視察に来る日本人コーチは、ぼくらがやっている練習メニューを一所懸命にノートに書きつけている。どうしてそんなことをするんだろう?意味がわからない」聞けば、4対4を行うと「いつもこのグリッド(範囲)で行うのですか?」とか「何分くらい?」「ワンタッチではやらないのですか?」と練習のやり方に関する質問に終始するそうです。「彼らの質問はおかしいよ。その時のそのチームの課題を改善するためにのみメニューは創られるのだから、それを正確に書き写しても彼らには何の意味もない。私がどんな課題に対して、どんな意図でその練習をしているかを聞かれるのならば話す意味があると思うけどね」加えて、ドイツでは育成年代であろうとも、毎日同じ内容の練習はやらない。そこについても日本人コーチは驚きます。私もドイツに行ったとき、驚きました。日本では、例えば1週間のサイクルである程度同じ練習を繰り返すことが多い。いわゆる、反復練習ですね。この反復練習は、意識を高く持てない場合、何も考えずにトレーニングすることになり易い。曜日ごとにほぼ同じメニューをしばらくの間繰り返すので、そこに"慣れ"が生じることで、練習の質が落ちる可能性があるのです。反復練習にこだわるのは、学校でドリル学習を多くやらされてきたからなのか?と考えたりします。同じスポーツで、野球も素振りという反復を繰り返します。これは自分のよい形を探し、定着させる目的があるのでしょうが、米国では素振りはしないそうです。素振りをしている日本人選手に、メジャーの選手が「空振りの練習をしてどうするのだ?」と不思議そうに言った、という話は有名です。私たち指導者は「何のためにこの練習をするか」をもっと考え、そのことを子どもたちに伝えなくてはいけません。と同時に、「いつも頭を使って考えてやる練習」をやっているかも見直すべきです。育成年代の試合を観に行くと、最近はコーチたちが「自分で考えろ」と叱咤激励している場面に出会います。ですが、その前に大人が工夫しなくてはいけません。子どもたちに自分たちで考えるベース作りをする。間違っても、何をしても叱られない空気を生み出す。考えないとできない練習メニューにする。飽きずに意欲的に取り組めるようにしてほしいと思います。■上達のイメージは「らせん階段」海外では子どもが練習中に改善提案してくることもさらに、もうひとつ。みなさんの頭の中にある上達するイメージを変えてください。従来の日本のサッカー指導は「組み立てていくイメージ」でした。まっすぐの階段を一段一段昇っていくイメージです。最初にドリブルをやって、ひとりでボールを運んでゴールできるようにします。ドリブルができたら、次にドリル練習でキックを改善。次はトラップ練習、そしてパス練習と、スキルトレーニングがすべて段階的です。これは、ゲームを中心に行い、その中で出た課題から総合的にスキルを高めていくドイツとはかなり違います。この「総合的にスキルを高める」イメージは、ドイツの哲学者ヘーゲルが提唱した「物事のらせん的発展の法則」と似ています。例えば、サッカーを始めた小学1年生が、らせん階段をゆっくり登っていく姿を見ている。そんな想像をしてみてください。真上から見ると、1年生はひとつの円をぐるぐる回っているようにしか見えません。ちっとも上に進んでいないように見えます。ところが、角度を変えて横から見ると、少しづつ確実に、上へ昇っていることがわかります。このらせん階段の話は、池上正コーチも著書で説明しています。ゲームを軸に、その日ここが足りないなと思ったらそのトレーニングを足す、という考え方もドイツの育成と同じです。ゲームばかりしていて上手くなるのですか?といぶかしげな指導者は多いのですが、技術を切り出してみるのではなく、全体像で見てあげることが重要です。FCバルセロナの現地スクールで長年コーチを務めた村松尚登さんも、自身の著書で「スペインの育成は氷の塊を削っていく作業」だと語っています。スペインでは、選手が練習の途中で「ナオト!この練習、こうしたほうがいいんじゃないの?」とどんどん提案してくるそうです。ただし、日本では指導者と選手、教師と生徒の関係が主従的なので、子どもたちはそんなふうに教育されていません。したがって、大学教員になってドイツ留学した私は、帰国してからの1年間は毎日メニューを変えて練習してみたのですが、残念ながらチームは強くなりませんでした。選手たちの多くは高校までに、説明された練習の意図を理解してトレーニングに主体的に取り組む経験をしていないため、日々の変化についてこれなかったのです。私の力不足もあったと反省しています。唯一、試合前日の土曜日をもオフにしたのは奏功しました。学生たちは自分たちで課題を持って自主練を始めたことでうまくなりました。■学校でも「当たり前」を見直す動きが。サッカーも......(写真は少年サッカーのイメージです)最近は、日本サッカー協会が勧めるマッチ・トレーニング・マッチ(MTM)の実践をするコーチも出てきましたが、まだまだ少数派。街クラブをのぞくと、対面パスから練習が始まるチームは少なくありません。ぜひ、上達のイメージを、普通の階段から、らせん階段に転換してほしいと思います。ヘーゲルは、らせん階段を昇るのは「進歩・発展」しているけれど、もともといた場所に戻るようにも見えるため、それを「復活・復古」と意味づけします。この2つの視点を組み合わせ「物事の発展はただ発展するのではなく、古いものが新たな価値として復活してくる」と定義しました。社会の発展は、例えば手紙がメールになり、SNSになったように、意味は同じでも形を変えて進化することを私たちに教えてくれています。ちなみに、計算ドリルや漢字ドリルといったドリル学習をやめる小学校も出てきています。「当たり前」を見直す動きは、あらゆる場所で始まっています。<<前回|連載一覧>>高橋正紀(たかはし・まさのり)1963年、神奈川県出身。筑波大学体育専門学群ではサッカー部。同大学大学院でスポーツ哲学を専攻。ドイツ国立ケルンスポーツ大学大学院留学中に考察を開始した「スポーツマンのこころ」の有効性をスポーツ精神医学領域の研究で実証し、医学博士号を取得。岐阜協立大学経営学部教授及び副学長を務めながら、講演等を継続。聴講者はのべ5万人に及ぶ。同大サッカー部総監督でもあり、Jリーガーを輩出している。Jリーグマッチコミッショナー、岐阜県サッカー協会インストラクター、NPO法人バルシューレジャパン理事等を務める。主な資格は、日本サッカー協会公認A級コーチ、レクリエーションインストラクター、障害者スポーツ指導員中級など。
2020年02月12日モデルの高橋ユウが7日、オフィシャルブログを更新し、姉で女優・高橋メアリージュンの言葉に感謝した。先月28日に第1男児を無事に出産したユウ。この日のブログでは、「退院して家に帰ってきて、慣れない沐浴を母とひろくん(夫の格闘家・卜部弘嵩)の協力のもとやっていて、私も余裕が無くてピリピリしちゃってお母さんにもひろくんにも当たりが強くなっちゃったんです」「『お母さん水止めて!!』『ひろくん耳!!』て感じで」と反省の思いをつづった。そのことを姉・メアリージュンに話したところ、返ってきた言葉は「そりゃそうや。この子の命最優先やもん」。さらに、メアリージュンは愛息に「良かったねー。ママがちゃんと守ってくれたよー」と語りかけてくれたという。この言葉に救われ、「めちゃくちゃ涙こらえるの我慢しました。ちょっとこぼれた。笑」と恥ずかしそうにつづるユウ。「姉のこういうところ、本当に驚かされます。深い優しさの持ち主です」とその人柄を褒め、「ひろくんも母も全然気にしてないというか気になってなかったみたい」と夫と母の支えにも感謝していた。
2020年02月07日サッカークラブや各種スポーツ団体を対象に「スポーツマンのこころ」と銘打つ講義で、一流アスリートになるための心得を伝え続ける岐阜協立大学経営学部教授の高橋正紀先生。ドイツ・ケルン体育大学留学時代から十数年かけ、独自のメソッドを構築してきました。聴講者はすでに6万人超。その多くが、成長するために必要なメンタルの本質を理解したと実感しています。高橋先生はまた、「スポーツマンのこころ」の効果を数値化し証明したスポーツ精神医学の論文で医学博士号を取得しています。いわば、医学の世界で証明された、世界と戦える「こころの育成法」なのです。日本では今、「サッカーを楽しませてと言われるが、それだけで強くなるのか」と不安を覚えたり、「サッカーは教えられるが、精神的な部分を育てるのが難しい」と悩む指導者は少なくありません。根性論が通用しなくなった時代、子どもたちの「こころの成長ベクトル」をどこへ、どのように伸ばすか。「こころを育てる」たくさんのヒントがここにあります。(監修/高橋正紀構成・文/「スポーツマンのこころ推進委員会」)<<前回|連載一覧>>(写真は少年サッカーのイメージです)■トップ選手だった益子直美さんが「怒らない指導」をする意義バレーボール女子日本代表だった益子直美さんが、「監督は選手を怒ってはいけない」という小学生の大会を長年開催しています。昨年サカイクでも紹介されていたので、みなさんはよくご存知だと思います。彼女の取り組みは、最近テレビでも取り上げられていました。「そこ、もっと足動かして!」などと何度も強い口調で選手にげきを飛ばしていた監督さんは、益子さんから「いま、怒りましたね」と言われ、✕入りのマスクをつけさせられます。ご本人は「いや、アドバイスなんだけど」と頭をかいています。元代表選手がこのような活動をするのはとてもいいことです。多くの元オリンピアンは、自分たちが暴力や暴言で圧迫されたから成功したと感じているので、昨今の暴力根絶の動きには懐疑的です。「厳しくしないと勝てないだろう」と思っています。ですが、益子さんたちは「それはやめましょう」と呼びかけている。成功した彼女、彼らが発言してもらえると、非常に説得力があります。私が期待していた切り口です。それに、コーチたちは、指摘されるのが益子さんだから耳を傾けるのだろうなあと思います。これが、同じ地域の怒鳴らないコーチや、見ず知らずの私だったらリアクションは違うかもしれません。■暴言続きの明石市長に見る事例「大義」がないから変われないところで、益子さんのバレーボール大会が注目されるフックになったのは、兵庫県明石市の市長がパワハラを行ったことが明るみになったからです。この方は以前、道路の拡幅工事のために立ち退きを説得していた職員が怠慢だったと怒り「火をつけてこい」などと叱りつけ、問題になりました。それが今年になって、口論になった市議に「議員辞めてまえ」などとまたもや暴言を吐いたのです。市長は会見で「前回のこと(パワハラ騒動)があって、アンガーマネージメントの講習を受けるなど自分でも努力してきた」と自身もキレる自分と向き合ってきたのだと釈明していました。アンガーマネージメントの講習は、教育現場での暴力や暴言が問題視されるようになって以降中学や高校の教員はたびたび受ける研修であり、私もだいたいの内容はよくわかっています。それを聞いて、なるほど、だからまたキレてしまったのかと納得がいきました。なぜなら、市長は「アンガーマネージメント」という方法論に頼るだけで、自分の中に「大義」がないように見えます。簡単に言えば「暴言は我慢しよう」にとどまっている。根っこから自分を変えていないため、我慢できなくなったら、またキレてしまいます。対処療法では生まれ変われません。「私は行政のリーダーとして、こうあろう」「こんなリーダーが理想の姿だ」とか、もっといえば「自分は他者に対してこうあろう」といった、それまでの自分と真逆の自分を目指す。そうすると、根っこが変わるので、咲く花も変わりますね。そういった行動はベクトルがとてもポジティブです。逆に「切れてはダメだから我慢しよう」「抑えよう」といった思考はネガティブです。根っこが変わらない。私は、彼は自分に大義をもたなければ変わるのは非常に難しいと思います。方法論を学ぶのは一定の抑止力になるかもしれませんが、方法論だけでは表面的には分かりにくい別のやり方でやる方向にいく危険性があります。このことは、少年サッカーの指導者のみなさんも同様です。「もう手を挙げられなくなった。言葉で怒るのもダメなら、どう指導していいかわからない」「そういう時代だと言うことはわかるけど、100%納得できない」そんな声はいまだに聞こえてきます。自分たちは叩かれて立派に育った、という自負があります。逆にほめて伸ばすだけでこの子達はちゃんと育つのか?と不安に思っているようです。なぜなら、ほめて伸ばされて立派に育った大人をまだ大量に見ていないからです。■教え子は久保建英レベルじゃないから怒らないと伸びない?(写真は少年サッカーのイメージです)例えば、久保建英選手は怒られて育っていないというのはみなさん十分わかっている。でも、いま目の前にいる自分が教える選手は久保君のような才能はないから、怒ってやらせないと伸びないと思っていないでしょうか。ぜひ今までとは違う指導の仕方を探してほしいと思います。が、そのためには哲学を持たなくてはいけません。なぜ自分はサッカーコーチをしているのか。そこを自問自答してほしいと思います。加えて、これから、どんなサッカー選手を育てるべきかを考えます。そう考えると「自己決定できる選手」「自分磨きをできる選手」「主体的に取り組める選手」といった姿がイメージできます。であれば、暴言を吐くコーチのもとで、そんな選手が育つでしょうか。コーチが怖くて、みんな委縮している。怖いから走る。それは外発的な動機付けなので、確かな成長にはつながりません。子育ても同じですね。「○○ママの子育て」といった書籍は多いですが、それも方法論です。だれかが成功したやり方を真似しようとしても対象になる子どもは違う人物です。「自分はどう育てたいか」「どんな大人になってほしいか」といった大義が抜けていては、うまくいきません。ぜひ「大義は何か」を突き詰めてください。考え終わったときは、怒ることに意味がないことに気づくでしょう。<<前回|連載一覧>>高橋正紀(たかはし・まさのり)1963年、神奈川県出身。筑波大学体育専門学群ではサッカー部。同大学大学院でスポーツ哲学を専攻。ドイツ国立ケルンスポーツ大学大学院留学中に考察を開始した「スポーツマンのこころ」の有効性をスポーツ精神医学領域の研究で実証し、医学博士号を取得。岐阜協立大学経営学部教授及び副学長を務めながら、講演等を継続。聴講者はのべ5万人に及ぶ。同大サッカー部総監督でもあり、Jリーガーを輩出している。Jリーグマッチコミッショナー、岐阜県サッカー協会インストラクター、NPO法人バルシューレジャパン理事等を務める。主な資格は、日本サッカー協会公認A級コーチ、レクリエーションインストラクター、障害者スポーツ指導員中級など。
2020年01月30日俳優の高橋一生と女優の蒼井優が13日、都内で開催された映画『ロマンスドール』公開直前!プライベート試写会に登壇。高橋は自身の結婚観について「できるかなっていう恐怖はありますよ」と明かした。タナダユキ監督が自らの原作を映画化した本作は、美大を卒業してからのフリーター生活を送り、ひょんなことからラブドール制作工場で働き始めることとなった北村哲雄(高橋)と、その妻・園子(蒼井)の姿を映し出す。高橋と蒼井は『リリイ・シュシュのすべて』以来、19年ぶりの共演となった。結婚することに怖さがあるというファンから、本作への出演を機に結婚に対する意識が変わったか、そして結婚に対する恐怖があるか聞かれた高橋は「結婚できるかなっていう恐怖はありますよ。むしろ逆に。このくらいの年になってくると」とコメント。「孤独ですよ。ほんとに」と続けるも「あ、全然笑ってくれねえや。切実だったのかな、今の言い方(笑)」と自虐して会場を沸かせた。そんな高橋は「結婚に対してイメージしているものが少ないんですよね」としつつ「蒼井さんと去年の1月に、新婚生活の撮影をしているのは、ちょっと僕、楽しかったですね」と述懐。「新しい段ボールとか荷物とか持って帰ってきて。『よろしくお願いします』なんて言ってるのは、『俳優冥利に尽きるな』なんて思ってましたね」と撮影を振り返った。その後、蒼井に結婚したいのか問われると「したいですけど、相手がいなかったら始まらないですからね」と答え、蒼井は「ちょっと話を伺ってると、ほぼ家から出ないじゃないですか。ずっと家の中で自転車漕いでて」と高橋の生活を暴露。自転車で脚の筋肉を鍛えているという高橋は「想像できます? 逆にそれを見守っている奥さんという存在って(笑)。想像つかないんですよね。だから、多分ないんじゃないかと思っています」と本音を明かし、これを受けた蒼井は「だから私はそれを捨てた方がいいと思っている(笑)。その脚力で外に出るべき」と提案して高橋を笑わせていた。
2020年01月14日サッカークラブや各種スポーツ団体を対象に「スポーツマンのこころ」と銘打つ講義で、一流アスリートになるための心得を伝え続ける岐阜協立大学経営学部教授の高橋正紀先生。ドイツ・ケルン体育大学留学時代から十数年かけ、独自のメソッドを構築してきました。聴講者はすでに5万人超。その多くが、成長するために必要なメンタルの本質を理解したと実感しています。高橋先生はまた、「スポーツマンのこころ」の効果を数値化し証明したスポーツ精神医学の論文で医学博士号を取得しています。いわば、医学の世界で証明された、世界と戦える「こころの育成法」なのです。日本では今、「サッカーを楽しませてと言われるが、それだけで強くなるのか」と不安を覚えたり、「サッカーは教えられるが、精神的な部分を育てるのが難しい」と悩む指導者は少なくありません。根性論が通用しなくなった時代、子どもたちの「こころの成長ベクトル」をどこへ、どのように伸ばすか。「こころを育てる」たくさんのヒントがここにあります。(監修/高橋正紀構成・文/「スポーツマンのこころ推進委員会」)<<前回|連載一覧>>(写真は少年サッカーのイメージです)■大分のバレーボール暴力問題「そこまでして隠す」保護者達の意図全国大会に出場した大分県日出町の小学生女子バレーボールチームで発覚した男性監督の暴力問題。公立小学校の教頭でもある監督が女児を平手打ちした事実がありながら、県小学生バレーボール連盟(県小連)は、被害女児やその保護者に一切聴取せず「暴力はナシ」で済ませていました。そのうえ、同時進行で一部の保護者が、事実を外部に漏らさないよう保護者全員に誓約書への署名を迫るという驚きの行動に出ていました。過去にも、中高の部活動で顧問教師の暴力が明るみになると、保護者が「いい先生なので処分の軽減を」と署名に走ったり、告発した保護者を仲間外れにするケースは多いです。が、ここまで結託して積極的に暴力の隠ぺいを図るケースは初めて聞きました。少年スポーツ現場での暴力事件が報道されると、「まだやっている指導者がいるのか」という感想になるのですが、今回は「周りの大人たちもそこまでして隠すのか!?」と呆れるばかりです。ただし、隠そうとするということは、彼らに今の社会では許されないという自覚があるということ。わかったうえで見て見ぬふりをするのですからたちが悪い。非常に厄介です。親たちは、わが子が叩かれ、殴られ、蹴られて指導を受けていることを、本当に喜んでいるのでしょうか?少年サッカーでわが子が暴力を振るわれていた人は「嫌だけど仕方がない。全国大会に連れて行ってくれるのだから、他のコーチには代えられない」と話したと聞きました。■バレたら子どもが高校に行けなくなる個人の損得でしか考えられない親たち毎日新聞の報道によると、このバレーボールチームの親たちは記者の質問(恐らく「なぜ口止め誓約書を配布したのか?」)に以下のように答えています(一部標準語に変えています)。「県小連とかに密告したら、自分の子どもに返ってくるのが、(被害児の親は)わかっていないのか。バレたら子どもが高校に行けない可能性がある。チームの傘下に入った以上、そこは分かってほしい」「体罰を受けているのは子どもたちも分かっている。先生(監督)の言うことを一回で聞けば、そうはならない。体罰の何が悪いのか」「連盟に報告する意味があるのか。チームの存続が危うくなるし、監督が職を追われるということになりかねない」「全国大会に行くために練習してるのでしょう」「一致団結しなくては」「学校だったら横社会だけど、社会体育は縦社会。下が上に教わるとか、社会に出るための第一歩を教わるのが社会体育だ」(毎日新聞報道内容より)私に言わせれば、みなさん、めちゃくちゃです。社会の規範、常軌を逸しています。「子どもが高校に行けない」と言うのは、まだ小学生なのに、すでに強豪校への推薦入学を視野に入れているのでしょう。チームスポーツなのに、個人の損得でしか考えていません。しかも、このチームに入ったのだから、暴力があるのはわかっているでしょ?という考え方。他の方も含め、暴力は傷害事件に発展するもので、特に教育やスポーツの世界は何らかの処分を受けることをご存知ないのでしょうか。最後の社会体育の定義も含め、理不尽な意見ばかりですが、もっとも説得しづらいのは「体罰を受けているのは子どもたちも分かっている」。これはつまり、「監督は優秀な指導者だから、暴力的な指導であっても子どもたちは歓迎している」という考え方です。これは、もし、万が一、被害女子も含めたチームの選手全員がそうだったとしても、その考えを矯正するのが親の役割です。ミスや一瞬集中できないなど、悪いことをしたら監督に叩かれる。そのような委縮させられる環境で8~9歳から12歳の小学生がバレーボールをしていたわけです。■ドアとカーテンが閉められる......「今日は殴られるんだ」私の大学の卒業生でバレーボール部員だった学生は「高校時代、殴られる日は、体育館のドアが全て閉められ、カーテンも全て閉められるからすぐ、あ、今日は殴られるんだなとわかります」と話していました。「日本のバレーはダメだ」と言うので、私が10年前に読んだ本『ブラジルバレーを最強にした「人」と「システム」』(米虫紀子著)の話をしました。ブラジルは今や男女ともに世界トップレベルのバレー王国です。育成は以下のようなコンセプトでやっていました。14歳までの段階では、・バレーをとことん楽しませて大好きにさせる・ミニバレーでボールに関わる回数を増やし、ポジションはすべてローテーションでやらせる・アタック専門、セッター専門といったポジションの固定をやらないすると、その学生は目を輝かせて「だからですか!だからブラジルの選手はアタッカーでもレシーブが上手いんですね。セッターでもアタックができる。穴がないんです」と感心していました。ところが、そのブラジルは、それらのメソッドを日本から学んだと言うのです。なぜ他国がそれを盗んで発展し、日本は以前より低迷しているのか。「理由はわかります。日本は小学校のときからずっとアタッカーで、セッターはずっとセッターです。だから、アタッカーはレシーブが不得意なことが多いです。でも、エースアタッカーは自分以外の選手を下に見ていることがあったりします。決めるやつが偉い、ってなってる感じです」学生はそう話してくれました。スポーツ界、教育界が体罰根絶に舵を切ったのは、大阪の高校バスケットボール部員の自死した翌年の2013年から。当時は「選手に愛情があればいいのではないか」「熱血なだけだ。私たちも叩かれて強くなった」と、暴力を駆使して鍛えてきた指導者をかばう意見が多数を占めました。バレーボールでいえば、元全日本選手の女性タレントが「体罰がダメだとなれば、日本のバレーボールは弱くなる」と将来を憂いていました。■大分県日出町の現実が日本のバレー界の縮図(写真は少年サッカーのイメージです)しかし、体罰指導がなくなったから、日本のバレーが弱くなったのではありません。大分県日出町の現実が、日本のバレー界の縮図だろうと思います。隠れて暴力を繰り返した指導者、もみ消そうとした連盟、保護者。本来なら、子どもたちが安心してスポーツを楽しめる環境をつくる役目を負うべき大人たちが、そろって隠蔽に奔走していました。これは、子どもたちに対する完全な裏切り。罪です。スポーツマンのこころの考え方の心髄は「自分を大切にする=自分を磨く」です。だから、少し怠けている選手には「自分を大切にしてるか?」と話したりします。逆にいいことがあったときは「自分を大切にできたな!」と言って喜び合います。子どもを裏切る大人は、子どもの「自分」を大切にしていないばかりか、大人自身の「自分」も疎かにしていることに気づくべきでしょう。<<前回|連載一覧>>高橋正紀(たかはし・まさのり)1963年、神奈川県出身。筑波大学体育専門学群ではサッカー部。同大学大学院でスポーツ哲学を専攻。ドイツ国立ケルンスポーツ大学大学院留学中に考察を開始した「スポーツマンのこころ」の有効性をスポーツ精神医学領域の研究で実証し、医学博士号を取得。岐阜協立大学経営学部教授及び副学長を務めながら、講演等を継続。聴講者はのべ5万人に及ぶ。同大サッカー部総監督でもあり、Jリーガーを輩出している。Jリーグマッチコミッショナー、岐阜県サッカー協会インストラクター、NPO法人バルシューレジャパン理事等を務める。主な資格は、日本サッカー協会公認A級コーチ、レクリエーションインストラクター、障害者スポーツ指導員中級など。大分県日出町の現実が日本のバレー界の縮図
2019年11月27日サッカークラブや各種スポーツ団体を対象に「スポーツマンのこころ」と銘打つ講義で、一流アスリートになるための心得を伝え続ける岐阜協立大学経営学部教授の高橋正紀先生。ドイツ・ケルン体育大学留学時代から十数年かけ、独自のメソッドを構築してきました。聴講者はすでに5万人超。その多くが、成長するために必要なメンタルの本質を理解したと実感しています。高橋先生はまた、「スポーツマンのこころ」の効果を数値化し証明したスポーツ精神医学の論文で医学博士号を取得しています。いわば、医学の世界で証明された、世界と戦える「こころの育成法」なのです。日本では今、「サッカーを楽しませてと言われるが、それだけで強くなるのか」と不安を覚えたり、「サッカーは教えられるが、精神的な部分を育てるのが難しい」と悩む指導者は少なくありません。根性論が通用しなくなった時代、子どもたちの「こころの成長ベクトル」をどこへ、どのように伸ばすか。「こころを育てる」たくさんのヒントがここにあります。(監修/高橋正紀構成・文/「スポーツマンのこころ推進委員会」)<<前回|連載一覧>>(写真は少年サッカーのイメージです)■ただ号泣するのでなく、敗戦を未来に活かせる「泣き方」少年サッカーなどジュニアスポーツ関係者に向けた講演で、よく受ける質問があります。「最近の子どもは負けても悔しがらない。大敗しても泣きもしない。どうしたらいいか?」「子どもに楽しくサッカーをさせようという流れがあるが、子どもが負けて悔しがらないのはそのせいではないか」その人たちの半分以上は、過去に「負けたのに涙のひとつも出ないのか!」と子どもに言ったことがあるそうです。そんなコーチや保護者は、子どもたちが負けて号泣すると安心すると言います。サッカーに真剣に向き合っていると感じるからでしょうか?そこで私が「負けた時に泣くと失われてしまうものがあります」と伝えると、「ああ、男だから泣くなってことですか」と言われます。「いや、そういうことじゃなくて」と言って以下のことを説明します。負けて泣くことは、見る人にも、本人にもカタルシス(浄化)を与えます。負けたことを悲劇とし、「ああ、かわいそうに」や「なんて俺は、かわいそうなんだ」という憐れみの感情を呼び起こします。そうなると、その感情は泣いた時点で浄化されてしまうのです。簡単に言えば、泣いて(泣くことを見て)気分がスッキリします。泣いてしまうと、「負けた自分たち」を忘れ去る方向に向かうのです。それでは、その敗戦を未来に活かせません。無論、悔しくて熱いものが込み上げてくるのが人として自然な感情です。私は負けて泣くことを否定するわけではありません。ただ「泣き方」によると思っています。小学生でも高学年であれば、人前で号泣したり泣くじゃくるのではなく、そこでは悔しさをグッとこらえ、一人きりで自分と向き合った時に一筋の涙を流す、という感じであれば、意味がないともいえません。■負けたのが悔しくて閉会式に出ずに帰ってしまうコーチ欧州の選手たちも、悔し涙が目にたまることはあります。でも、彼らはおいおいと泣いたりしません。欧州のプレーヤーで私が最も印象に残っているのは、2002年日韓ワールドカップ決勝ドイツ対ブラジル戦終了後のシーンです。ドイツ代表のGKオリバー・カーンは終了のホイッスルが鳴ってしばらくしたら、ゴールポストにもたれて座りこみました。目にはうっすら涙がにじんでいたかもしれません。が、自分のミスを責めるような、試合なのか、その日までの道のりかを振り返るように、ポストにもたれたままひとり静かに歓喜に沸くブラジル代表の選手たちを見つめていました。彼のように、悔しさと共に勝者の姿をしっかり目に焼き付けることは、子どもにとっても必要です。そうやって負けたことを受け入れることは、弱い自分を受容し明日からの自分を叱咤するための糧になります。つまり、どこが弱いのか、相手に及ばなかったのかを考える機会です。その大きなチャンスが悔しい敗戦にはあるのだと子どもに伝えてほしい。それなのに、大人のほうが悔しがってしまい、それを隠そうともせず閉会式にも出ずに帰ってしまう。そんな稚拙な行動を「うちのコーチは悔しがりだから」と保護者が同情していた、という話もあります。サッカーは子どもを大人にするスポーツですが、子どものような大人がいては教育効果を阻害します。まずは、大人が「いまどんな態度をとるべきか」をきちんと理解してほしいのです。したがって、子どもが悔しがらないと残念がる人たちには「みなさんが勝て、勝て、と、言いすぎるからじゃないですか?」と答えます。大人が言いすぎるから、勝つことが「命令」になります。試合で負けようと思う子なんていないのに、言われすぎると「勝つぞ」という気持ちが薄れてしまのではないでしょうか?例えば、自分からやろうと思った時に、それを親から先に言われてしまったような感じです。私は、自己決定できなくなった選手ほど脆い(もろい)ものはないと思っています。パスも、ドリブルも、シュートも、教えられた通りにしかできません。もしくはベンチから「シュート!」というコーチの声を待ってからしか、打てません。だから「勝つぞ」という気持ちはあくまでも選手の中から生まれなければなりません。少年サッカークラブや少年団のチームサイトをみると大抵「自主自立」とか「全員一丸」「チームワーク」と書かれているのに、自主的に、みんなでボールをつないで全員でゴールを奪うのがサッカーだときちんと伝えていないようです。ラグビーの日本代表のような「ワンチーム」のマインドを育てていません。子どもが自分の意志で「このチームで絶対勝ちたい!」と思って臨むことが重要なのに、指導者がそうさせていないのです。■子どもだって、誰かのために戦うほうが力を出せる(写真は少年サッカーのイメージです)自分のためだけではなく、誰かのために体を張って戦うほうが、アスリートは力を出せます。少年サッカーでも、チームに特段目立つ子がおらず全員でカバーし合って頑張るチームにワンチームのマインドは育ちやすい。逆に、ドリブルの上手い子がひとりで突破してゴールするチームではそれを育てるのは難しいようです。したがって、飛び抜けたエース級の子がいたとしても、あくまでもチームの一員として扱うことが重要なのです。ところが、そんな工夫をしている指導者はあまりいません。「A君(エースの選手)のおかげだな!」と子どもたちと喜んで終わらせています。そうではなく、A君に「一流選手はドリブルとパスを、いつでも使いわけることができる。だから、自分も生きるし、周りの選手も生かせるんだよね」と伝える。練習の段階で、「全員でゴールする」というルール設定のトレーニングなどをするのもいいかもしれません。そういった工夫をしているか、していないかで、チームの空気感や、子どもたちのサッカー観はまったく違うものになり、一生サッカーを続けていく原因にもなるのです。敗戦の後に、そのチームのありようがわかります。上手い下手に関わらず、とことん真剣に勝利を目指すことを習慣化させてください。そうすれば、負けたときには悔しさが湧き上がるでしょう。そして、子どもたちには、勝って喜ぶ相手の姿をしっかり見させてください。自分より強い相手がいなければ、自分の成長は終わってしまうのです。<<前回|連載一覧>>高橋正紀(たかはし・まさのり)1963年、神奈川県出身。筑波大学体育専門学群ではサッカー部。同大学大学院でスポーツ哲学を専攻。ドイツ国立ケルンスポーツ大学大学院留学中に考察を開始した「スポーツマンのこころ」の有効性をスポーツ精神医学領域の研究で実証し、医学博士号を取得。岐阜協立大学経営学部教授及び副学長を務めながら、講演等を継続。聴講者はのべ5万人に及ぶ。同大サッカー部総監督でもあり、Jリーガーを輩出している。Jリーグマッチコミッショナー、岐阜県サッカー協会インストラクター、NPO法人バルシューレジャパン理事等を務める。主な資格は、日本サッカー協会公認A級コーチ、レクリエーションインストラクター、障害者スポーツ指導員中級など。
2019年11月02日サッカークラブや各種スポーツ団体を対象に「スポーツマンのこころ」と銘打つ講義で、一流アスリートになるための心得を伝え続ける岐阜協立大学経営学部教授の高橋正紀先生。ドイツ・ケルン体育大学留学時代から十数年かけ、独自のメソッドを構築してきました。聴講者はすでに5万人超。その多くが、成長するために必要なメンタルの本質を理解したと実感しています。高橋先生はまた、「スポーツマンのこころ」の効果を数値化し証明したスポーツ精神医学の論文で医学博士号を取得しています。いわば、医学の世界で証明された、世界と戦える「こころの育成法」なのです。日本では今、「サッカーを楽しませてと言われるが、それだけで強くなるのか」と不安を覚えたり、「サッカーは教えられるが、精神的な部分を育てるのが難しい」と悩む指導者は少なくありません。根性論が通用しなくなった時代、子どもたちの「こころの成長ベクトル」をどこへ、どのように伸ばすか。「こころを育てる」たくさんのヒントがここにあります。(監修/高橋正紀構成・文/「スポーツマンのこころ推進委員会」)<<前回|連載一覧>>(写真は少年サッカーのイメージです)■抑圧、支配された環境下でクリエイティブなプレーができるのか先ごろ、鹿児島県出水市の私立高校サッカー部で、監督が部員に殴る蹴るの暴行を加えている動画がインターネット上で公開され問題になりました。動画は練習風景を映したもので、監督が生徒を呼びつけるといきなり足を蹴り、さらに顔を殴ると生徒がその場に崩れ落ちていました。監督は学校側に対し「素直に話を聞かないので、いけないのはわかっていたが手を出してしまった」と暴力に至った経緯を説明しました。ただし、暴行後も生徒への謝罪の言葉はなく「厳しい練習も今後に生きる」という趣旨の発言をしたと報道されています。読者のみなさんも感じていると思いますが、サッカーに限らず日本のスポーツ界では小中高の育成期の選手に対する暴力や暴言を用いたパワハラ指導は一向になくなりません。少年サッカーにおいても、現場のコーチたちに尋ねると「どのチームも怒鳴りがすごい」「指導を変えようというような態度は見受けられない」と言います。なぜこのような指導をしてしまうのか。それは、コーチ自身が「勝ちたい」「勝たせたい」ということを何よりも優先させているからです。そして、そういった勝利至上主義の指導者たちは、「選手たちの正しい日常生活」を競技力向上と絡めることを好みます。例えば、彼らは選手に口酸っぱく言います。「挨拶をちゃんとしなさい」「服装をきちんとしなさい」「時間を守りなさい」礼儀や作法みたいなものです。それをやらせていれば、良い人間をつくると考えています。冒頭の鹿児島県の高校で生徒を殴ったり蹴ったりした監督が「厳しさが必要」と言ったのは、恐らくそういうことでしょう。高校の顧問の先生に聞くと「怒鳴ったり怒るのは、プレーの良しあしではなく日常生活や練習態度なんです」と言いますから。でも、本当にそうでしょうか?暴力や暴言を指導に用いる人は、それらを抑圧的な態度をとり続ける言い訳にしてないでしょうか?自分が選手を支配するための道具にしていないでしょうか?怒鳴る監督は怖い。怖いから言うことを聞く。そんなふうに抑圧され、委縮し、支配されている人間に、果たしてクリエイティブなプレーができるのでしょうか?良い人間をつくるためと言うのは、支配するための理由なのではないかと思えるのです。■一流選手が持つ「自己決定」能力もちろん、日常生活の質を高めることはアスリートにとって重要です。一理あります。気持ちよく挨拶する。人の話を聞く。服装も時間管理も人として正しく過ごす。そうすることで、その選手の日常は「気力が充実する」という大きなメリットがあります。日常で気力が充実していれば、非日常のスポーツも心置きなく熱中できます。とはいえ、順番が違うような気がします。いい選手になるために挨拶するのではなく、意識の高いいい選手が気持ちよく挨拶をする。そういったことをやれる子が一流のアスリートになります。「自分から主体的に」やるべきです。指導者が人としてあるべき姿を言葉で伝えるだけでなく、自らの態度で示し続ける中で、スポーツの楽しさやチームで戦うことの素晴らしさを経験させていけば、選手たちの「日常」は間違いなく質の高いものになるはずです。なぜなら、自分たちがそういったことが必要だと気づき、自己決定するからです。「勝つチームはかばんを揃えているよな」「勝つチームは挨拶もして雰囲気がいいよな」自らそう気づいて、ひとつひとつ自分たちのものにしていくのです。過去の指導を振り返ると、それとはまったく違うものでした。例えば、軍隊で上の者が下の者を意のままに動かすために暴力をふるうような文化。日本のスポーツ界は、それをそのままひきずってきました。支配するための暴力がいつの間にか「人間教育」という耳障りの良いものに変容してしまいました。それが令和になった今でも踏襲されています。鹿児島県の高校の監督が「いけないとはわかってたが......」と前置きしたのは、もしかしたら「いけないけれど、やらなければならないときもある」と解釈しているのもかもしれません。「精神的に追い詰められる場面がないと強くなれない」という指導者もいっぱいいます。が、そういう選手は他人に追い詰められなければ立ち上がれない人間になります。もっともつくるべきは、自分で高い目標を掲げ、そこに自分を追い詰めて努力していける人間です。■方法論や順番を間違えると、ブラックな指導になる(写真は少年サッカーのイメージです)これを知る者はこれを好むに如(し)かず。これを好むものはこれを楽しむものに如かず。「論語」に出てくる有名な言葉です。知ることよりも、好きなことが、好きなことよりも、楽しむことが上達につながるという意味です。育成期の子どもたちには、ここを懸命に伝えなくてはいけない。それなのに、目の前できれいに整列する「出来栄え」を追求してばかりいる。それが今最も多い指導者の姿ではないでしょうか。思えば、私がおよそ20年前にドイツから帰国し「スポーツマンシップ教育を取り入れましょう。このままでは日本のスポーツは廃れてしまいますよ」と訴えたとき、学校関係者の方々の多くから「人間教育なら、もうやっているよ」と言われました。その当時はわかりませんでしたが、その方々が考えていた人間教育は、実は方法論や順番を間違えると、ブラックな指導になる危ういものだったのです。私たちは、もうそろそろ過去の常識を疑わなくてはいけません。<<前回|連載一覧>>高橋正紀(たかはし・まさのり)1963年、神奈川県出身。筑波大学体育専門学群ではサッカー部。同大学大学院でスポーツ哲学を専攻。ドイツ国立ケルンスポーツ大学大学院留学中に考察を開始した「スポーツマンのこころ」の有効性をスポーツ精神医学領域の研究で実証し、医学博士号を取得。岐阜協立大学経営学部教授及び副学長を務めながら、講演等を継続。聴講者はのべ5万人に及ぶ。同大サッカー部総監督でもあり、Jリーガーを輩出している。Jリーグマッチコミッショナー、岐阜県サッカー協会インストラクター、NPO法人バルシューレジャパン理事等を務める。主な資格は、日本サッカー協会公認A級コーチ、レクリエーションインストラクター、障害者スポーツ指導員中級など。
2019年10月17日