展覧会「生誕135年竹久夢二展 -幻想の美秘められた謎-」が、京都髙島屋にて2020年3月15日(日)まで開催され、日本橋髙島屋S.C.にて5月13日(水)から5月25日(月)まで開催予定だ。尚、当初予定していた、横浜髙島屋、大阪髙島屋での開催は中止。大正ロマンを象徴する詩人画家・竹久夢二の展覧会「生誕135年竹久夢二展 -幻想の美秘められた謎-」では、美術史家・竹久夢二学会会長である高階秀爾監修のもと、夢二郷土美術館の所蔵作品を中心に、厳選した約150点の竹久夢二の作品を、全4章で構成し展示。アメリカ西海岸滞在中に夢二が新たな画境を求めて描いた《西海岸の裸婦》と《花衣》が、夢二郷土美術館外で初めて揃って公開されるなど、貴重なラインナップを揃える。第1章 樹下美人から海辺の裸婦へ第1章では、“夢二式美人”と言われる女性像の作品を中心に、夢二の画業を辿る。S字ラインの身体に心情を表す目・手・足を描く、夢二が切り拓いた新しい美人画の数々を用意する。また、本展の中心作品であり傑作と称される《西海岸の裸婦》も、この章で展示する。第2章 遥かな国 夢の世界大正ロマン時代における夢二が憧れた幻想世界や、異国情緒を反映した作品は第2章で展観。西洋画、中国文人画、江戸地代の浮世絵など、夢二が幼い時から憧れていた異国や未知の世界から着想した作品が揃う。第3章 人生劇場の情念ドラマ第3章は、夢二が親しんだ芝居や、妻や恋人たちと歩んだ夢二自身の人生と重なる「情念のドラマ」を題材にした作品を集積。芸事好きな父親の影響もあり、子供の頃から芝居に親しんでいた夢二が、画家としてだけでなく、詩人、デザイナー、人形作家、文筆家といった様々な形式で発表した作品を紹介していく。第4章 新感覚と奇想のデザイン約60冊の自身の著作本をはじめ、多くの本や雑誌の装丁、挿絵を手掛けた夢二。第4章では、そんな本の装丁や挿絵をはじめ、クラシックから流行歌まで様々な楽曲を表現したデザイン、タイポグラフィー、絵ハガキや日用品のデザインといった、総合芸術家としての夢二が具現化した“生活の中の美”にフォーカスする。【詳細】生誕135年竹久夢二展 -幻想の美秘められた謎-入場料:一般 800円、大学・高校生 600円、中学生以下無料■京都会場会期:2020年3月4日(水)~3月15日(日)時間:10:00~19:30(20:00閉場) 最終日は16:30まで(17:00閉場)会場:京都髙島屋 7階 グランドホール住所:京都府京都市下京区真町52■日本橋会場会期:5月13日(水)~5月25日(月)時間:10:30~19:00(19:30閉場) 最終日は17:30まで(18:00閉場)会場:日本橋髙島屋S.C.本館 8階ホール住所:東京都中央区日本橋2-4-1※当初予定していた横浜会場(3月18日(水)~3月30日(月)/横浜髙島屋)、大阪会場(4月8日(水)~4月19日(日)/大阪髙島屋)は開催を中止。
2020年01月23日明治半ばの日本に生まれ、人生の約半分をフランスで暮らし、晩年にはフランス国籍を取得して欧州の土となった画家・藤田嗣治(レオナール・フジタ 1886-1968)の、質、量ともに史上最大級となる大回顧展「没後50年藤田嗣治展」が7月31日(火)から東京都美術館、10月19日(金)から京都国立近代美術館にて開催される。その報道発表会が行われた。【チケット情報はこちら】藤田嗣治は、エコール・ド・パリの寵児のひとりであり太平洋戦争期の作戦記録画でも知られる画家。今年は藤田が世を去って50年の節目にあたることから、日本はもとよりフランスを中心とした欧米の美術館の協力を得て、藤田の代名詞でもある「乳白色の下地」による裸婦の代表作が一堂に会するほか、初来日となる作品やこれまで紹介される機会の少なかった作品も展示。画業の全貌を展観する。東京都美術館の館長・真室佳武が「上野の東京都美術館で開催されることは、感慨深いものがあります」と語った本展。藤田にとって上野は母校である東京美術学校(現・東京藝術大学美術学部)がある土地であり、東京都美術館は昭和前期に日本に帰国した際に二科展や戦争美術展での作品展示を重ねた、制作者としての原点とも言える場所。大原美術館の館長で東京大学名誉教授の高階秀爾は、藤田の作品について「芸術家としての優れた技術、職人的な手仕事の確かさ、人間関係を非常に大切にした人柄が、作品にも出ていると思う」と話し、生前の藤田とのパリでの交流や「友達を大切にする」「手芸好き」などのエピソードを披露。藤田と岡本太郎の関係性などについても語られた。本展について高階は「きちんとした調査に基づいた、質のいい作品を集めた、私も非常に楽しみにしている展覧会」と期待を寄せた。本展の監修者で美術史家の林洋子は、概要と見どころを解説。油彩画を中心にした約111点が、編年的な8章の構成で展示され、代表作揃いの「まるで画集から出てきたような」展覧会と紹介。没後50年を機に「独立した作品本位のセレクションが実現した」と語る。さらに林は本展について「そろそろ藤田をじかに知る方がいらっしゃらなくなり、作品本位で評価される厳しい時代を迎えます。今回を次世代の鑑賞者や研究者に繋がる展覧会、そして従来日本とフランスに限られていた彼の評価をアジア、アメリカにも開いていくきっかけになるような展覧会にしたいと考えています」という思いも明かした。見どころ満載の「没後50年藤田嗣治展」は、7月31日(火)から10月8日(月・祝)まで東京・東京都美術館にて、10月19日(金)から12月16日(日)まで京都・京都国立近代美術館にて開催。取材・文:中川實穂
2018年04月11日兵庫県神戸市の兵庫県立美術館は、2015年1月24日~4月5日、阪神・淡路大震災20年展 日本・スイス国交樹立150周年記念「フェルディナント・ホドラー展」を開催する。○日本国内では40年ぶりに開催スイスを代表する画家「フェルディナント・ホドラー」(1853-1918)は、個性的な群像表現による、装飾的かつ象徴主義的な作風によって、19世紀末から20世紀にかけてのいわゆる「世紀転換期」の時代が持つ不安に満ちた雰囲気を色濃く描き出した。一方で、ホドラーの描くスイスの風景は、自然を明確に秩序だてた装飾的な傾向を示しているという。その作品は、日本でも1910年ごろから雑誌などで紹介され、岡山・大原美術館に収蔵されるなど早くから広く知られてきた。同展は、1864年に日本とスイスとの間で修好通商条約が結ばれてから150年を記念して、スイス大使館と首都ベルンにあるベルン美術館の全面的な協力のもと、日本国内では約40年ぶりに開催される。精神性の高いホドラーの作品は、混迷した現代の人々、とりわけ阪神・淡路大震災から20年を経て力強く復興してきた兵庫県民に、新たな関心と感銘を呼び起こすものとして期待されているという。同展では、スイス国内の美術館および個人が所蔵するホドラーの代表的な油彩画、素描等をあわせた、総出品点数約90点により展観する。会期は2015年1月24日~4月5日。会場は兵庫県神戸市中央区脇浜海岸通1-1-1 兵庫県立美術館 企画展示室。開館時間は10時~18時(金土曜日は20時)。入場は閉館の30分前まで。月曜休。観覧料金は一般1,400円(税込)、大学生1,000円(税込)、高校生・65歳以上700円(税込)、中学生以下無料。前売り券は一般1,200円(税込)、大学生800円(税込)、高校生・65歳以上600円(税込)。また、同展と関連して、フェルディナント・ホドラー関連の講演会なども開催する。記念講演会「自然と響き合う生命—ホドラーの芸術(仮)」が2015年1月25日14時~。講師は東京大学名誉教授・大原美術館館長、高階秀爾氏。「リズムが求められるとき—フェルディナント・ホドラーと同時代の芸術思想」が2015年3月8日14時~。講師は国立西洋美術館研究員・同展日本側企画監修者、新藤淳氏。いずれも館内ミュージアムホールにて聴講無料(定員先着250名・要観覧券)。「学芸員による解説会」が2015年1月31日、2月14日、2月28日、3月14日、3月28日。各16時~。館内レクチャールームにて聴講無料(定員先着100名)。「ミュージアム・ボランティアによる解説会」が会期中毎週日曜日11時~。館内レクチャールームにて聴講無料(定員先着100名)。「ホドラー展おやこ解説会」が2015年2月14日13時30分~。同館レクチャールームにて参加費無料(定員先着100名)。また、2015年3月7日10時30分~15時30分には、館内アトリエ2、展覧会会場にて子ども向けイベントを開催。要予約・要参加費。※各情報は掲載時点のもの
2014年11月25日