彫刻家・棚田康司の個展『入って飛ぶ』が1月17日(水)〜2月17日(土)、ミヅマアートギャラリー で開かれる。主に伝統的な楠の一木造で、はかなげな少年少女などをモチーフとして現代を映し出すような人物像を制作してきた棚田。第30回平櫛田中賞を受賞し、その記念として2023年10〜11月には、井原市平櫛田美術館で個展「線上に幅を 空間に愛を」が開催された。今回の個展では、このとき発表した2点の新作《地上を取り込むように》《宙を取り込むように》を中心に、新たに制作した作品や90年代の作品などで構成し、棚田の思索の変遷を辿る。《地上を取り込むように》は少し上方を見据えた人物が、手にした長い縄でぐるりと空間を取り囲んでいる。それは自身の領域に人々を招き入れているような寛容さをイメージさせる。一方、《宙を取り込むように》は、縄を回しながら踏み込むような人物が、重力に抗い、力強く飛び跳ねんとしている。その姿は自身を受け入れ、肯定しているようにも見える。フォルムのユニークな彫刻から、彫刻が響き合う空間へ。棚田は、境界線上に彫刻を存在させ、その線の幅を広げ、空間に余地を持たせることで、異なる思想や文化において他者を受け入れていくことを示唆する。また、既存の価値観や制約から解き放たれて自分を越えていくことを想起させてもいる。30年にわたる創作活動を通して、人間の本質とは何かを問い続けてきた棚田のさらなる境地ともいえる作品だ。世界中にさまざまな分断が起こり、争いが止まない時代。人々がさまざまな緊張や不安、諦め、憤りなどを抱えているいま、何か考え方や心の持ちようが変わる体験をもたらしてくれるかもしれない。<開催概要>棚田康司展『入って飛ぶ』会期:2024年1月17日(水)~2月17日(土)会場:ミヅマアートギャラリー時間:12:00 - 19:00休廊日:日月祝公式サイト:
2024年01月12日面白法人カヤックとバーグハンバーグバーグは、広告やコンテンツの中でチャレンジングな企画を実現した勇気をたたえる賞「突破クリエイティブアワード」を開催する。エントリー期間は11月12日まで。このアワードは、Webを中心にコンテンツを発信する両社が、世の中の多くの人に受け入れられつつも、冒険的でとがったコンテンツがこれからもどんどん増えていくように、という想いから立ち上げたもの。クライアントや上司、ひいては世間の「壁」を突破した、挑戦的なコンテンツを表彰する。審査対象は「突破エピソード」がある、2014年11月13日~2015年11月12日の期間に実施・開始されたものとなっており、広告企画だけでなくテレビ番組や条例など種別を問わない。審査基準は、「クライアントからの承認、上司の説得、炎上リスク、法律による規制など、さまざまな困難が予想でき、それらを突破できているか?」、そして「アイデア、クリエイティブで突き抜けているか?」という2点となる。審査委員の顔ぶれは、「ミゲルの消臭力CM」等を手がけた鹿毛康司氏(エステー株式会社 執行役)、漫画「進撃の巨人」を担当する川窪慎太郎氏(週刊少年マガジン編集部)、バラエティ番組「電波少年」を生んだ土屋敏男氏(日本テレビ放送網 編成局 ゼネラルプロデューサー)など、Web業界外からの審査員に加え、シモダテツヤ氏(バーグハンバーグバーグ 代表取締役)、柳澤大輔氏(面白法人カヤック 代表取締役CEO)となっている。なお、11月19日にはノミネート作の発表、12月3日に授賞式・結果発表を予定。授賞式は一般観覧が可能となっている。詳細は同アワードのWebページにて。
2015年10月16日6日、都内ホテルでエステー株式会社が、同社の特命宣伝部長でクリエイティブディレクターの鹿毛康司氏が5月に出版した「愛されるアイデアのつくり方」(WAVE出版)の出版記者発表会と記念パーティーをおこなった。同書は、ヒットCMを生み出し続けてきた鹿毛氏の「アイデア発想法」を、体験談から書き起こしたもの。放送回数が格段に少ないのに、話題となり、愛されるCMになるのはなぜなのか?といったクリエイターの持つアイデアのエッセンスが詰まっている。アイデアとは、つまるところ「お客さまと“心の通うコミュニケーションをとること」から生まれるものだと熱く語られる同書は、Amazonのビジネス書ランキングで1位をとり、話題となっている。発表会では、同社の鈴木喬社長が登壇。あいさつをした後、「影武者の鹿毛がしゃべるほうがいい。ありがとうございました!」と一言で鮮やかにあいさつをしめくくると、お祝いに駆けつけた「勝手に宣伝エステー部」が登場。同部は、エステーのCMファンだった男性たちが“どうしてもエステーを応援したい!”と鹿毛氏に打診したところ鹿毛氏が面白がり、「勝手にすれば」と快諾(!?)し、結成されたものだという。「勝手に宣伝エステー部」は、学生サークルで一緒だった縁でそのまま社会人となっても一緒に仕事を続けているというメンバーで構成されているため、壇上でもどこか“学生然”とした格好。「勝手に宣伝エステー部と申します……」と遠慮がちに挨拶すると、会場からは笑いが起こった。マイクを持つと、「勝手に宣伝エステー部」は、「いつもジャージ姿なのにどうしたんですか!」とやや暴走気味なコメントも交えつつ、「本を書くことで考え方を明らかにするっていうのは怖いことだったのでは?」などと質問をぶつけた。そんな「勝手に宣伝エステー部」に鹿毛氏は苦笑しつつ、「CMづくりも同様だが、本を書くというのは、心を傷つけること。でも、自分でかっこつけすぎると、テレビの向こうには伝わらない。だから、こちらも心を裸にして、どうやったらお客さん目線になれるんだろうかを考え続けてきました」と丁寧に回答。途中、「消臭力」シリーズのCMに出演したT.M.Revolution西川貴教氏やなだぎ武氏からの祝福ツイートもスクリーンに映しだされるど、「勝手に宣伝エステー部」は「すごいっすね」とあらためて感服。T.M.R.西川氏やなだぎ氏は、鹿毛氏とツイッター上でつながったことが縁でのCM出演だったが、ツイッターでの一つ一つの発信について、鹿毛氏は「皆さんの反応をみながら」と、目線を合わせることを常にこころがけることが先である姿勢を示した。そして「生きているひとたちの知恵があつまれば、アイデアがわくものだと思っている。生きている人にはみんなにみてもらいたい」と鹿毛氏は力を込め締めくくった。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年06月11日