せっかく好きな人ができて、相手もまんざらでもなさそう…。なのにいつのまにか連絡が途絶えてしまった、ということってありませんか? そこで、「いい出会いを恋愛関係に発展させたい」という読者の悩みに、黒川伊保子さんが答えてくれました。【質問】もう少しで意中の彼とうまくいくかも…! というところで、いつも自然消滅してしまったり、距離をとられてしまったり…。彼に告白してもらうためにはどうすれば良いでしょうか?(28歳・会社員)【解答】まず、きっかけがあったらアクションまでを短くすることが重要です。それも、具体的に内容と日にちを決めてしまうこと! 例えば、「美味しいラーメン食べに行こうよ」「いいよ」「いつにする? 明日? 明後日は?」という感じで。「ウザいって思われるかも?」と懸念するかもしれませんが、「行きたいけど誘ってくれないし、自分からは誘えないし…」と迷っているほうが男性は面倒に思うもの。女子は、相手から言ってくれるのを待つ傾向にありますが、それが自然消滅のモト。こちらから楽しく明るく誘えば、相手も無意識のうちにこっちのペースに飲まれていくので大丈夫!そして、男子にとって付き合うということは習慣です。「なんか気づいたら、毎週彼女と美味しいものを食べに行ってるな」「オレたち付き合っているのかなという」感じの捉え方をしたりするので、基本、既成事実を作ってしまうこと。一度デートしたら、「じゃあ、次は●●に行こう!」「うん」「何日空いてる?」みたいに、毎週楽しんでるみたいな状態をキープしてくださいね。それに、なぜデートのあとなぜ間髪入れないで約束を取り付けるかというと、男性は離れた瞬間、脳の中で次の段取りを作って仕事モードや男友達との遊びモードに入るから。それに反して、女子は好きな人ができたら、仕事中でも女子会してても、ずーっとその人から離れないですよね。ちなみに、私なら程よいところで旅行にいって、「別々に帰るの寂しいね。結婚しよ!」と言って結婚まで持っていってしまいますけど(微笑)。いずれにしても、走り出したら間を空けないこと。もし空けるとしても、1週間に1回、遠距離恋愛なら1ヶ月に1回など、ある一定期間でずっと繰り返すこと。なぜなら、男性脳にとっては定番のタスクがあるということが、ずっと意識をフィックスしていくために重要だから。「最初の2回は毎週だったけど、次は1ヶ月半」みたいなのはダメで、ずっとある一定のスパンで行くのがポイントです。あとは、その人の褒め&喜び上手になってもらえば完璧です。「あなたの物の見方が好き」と褒めたら、「あのニュースどうなの?」など自分が彼に対して買っているところをきちんとキャッチコピーにし、繰り返し繰り返し繰り返し伝えていく。「手のしぐさが綺麗」と褒めたら、「名刺の出し方もやっぱり美しいわね」など、彼にしかないところを探して褒めることがコツです。その人のアウトプットを見つけたら、手を替え品を替え、表現を変えてアピールし続けると、男性は「この子は他のコとは違う」と思ってくれるでしょう。ただし、「胸板が厚くてかっこいい」みたいなルックス的、性的なものだとその後の会話の発展につながらないので注意してね。 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年09月19日惹かれる男性は、いつも年上の大人の男性ばかり。気がついたら何度も不倫を繰り返していた…。意外と多いケースです。そんな悩みについて、脳科学者の黒川伊保子さんに回答いただきました。(c)samurai39 - Fotolia.com【質問】20代の頃から不倫を繰り返してきました。年上の既婚者は、みんな優しくて包容力があり知識も豊富で、もちろん経済的にも余裕があるし、付き合っていると得るものばかりです。もちろん、彼らが奥さんと別れないのは分かっているので、私も将来を考えて独身の男性と何度も付き合おうとしました。ただ、デートしていても、話も退屈だし子供っぽいし頼りがいもなくて、全く魅力を感じません。このまま、既婚者しか好きになれないのでしょうか。(29歳・出版関係)【回答】年上の既婚者は、女性脳をよく知っているので、イラつかずに話を聞いてくれ、うまく共感のあいづちをうってくれる。女性が喜びそうなお店も知っているし、そこへ連れて行ってくれる段取りもスマートですよね。特に今の40代50代は、バブルを経験しているので、一流店での振舞い方も知ってるし、TPOに合ったジャケットの着方も知っているし、クラシック音楽などの教養もある。私も、若い男子とデートするよりも、同世代の男子とデートしたほうが、「やっぱりいいわ、安心して身をゆだねられる」と感じたりするくらいですから、若いお嬢さんには、きっととても魅力的でしょう。向こうは向こうで、若いあなたを可愛くてしょうがないでしょうし。さて、いったんそこにはまってしまうと、若い男子が物足りないのは自明の理。当たり前です。その「当たり前」をどう処理するか、が、女の勝負時なのではないでしょうか。ちなみに、不倫相手が妻を捨てて自分と結婚する、と言う可能性は、まずはゼロだと思ってください。ときにはそんなことも起こりますが、宝くじに当たるようなもの。その確率に女の人生をかけるには、リスクが大きすぎます。というのも、男性脳は、基本女性を積極的に嫌わない脳なので、経年劣化くらいでは捨てようとは思いいたらないのです。妻に対する無関心に妻自身が耐え切れずに彼を嫌いになるか、妻がヒステリックなタイプで、ちょっとしたことを大袈裟に騒いで自滅してくれれば略奪愛も起こりますが、いずれも妻の性格に依存します。毎日幸せそうに洗濯をし、ご飯を作って…というノーテンキなタイプだと本当に手ごわい。ダンナの機嫌関係なくご機嫌でいてくれる妻なんて、別れる理由が見つからないのだから。不倫相手の女性にときめく恋をしていても、妻はまた別なのです。相手の奥さんが自滅しない限り、略奪愛はほとんど起こらないと思っていてください。したがって、どうしても成熟した大人の男がいい、となったら、戦略は3つしかありません。1.いっそ、恋人に徹する相手の家庭を壊さず、自分の生活は自分であがない、彼を恋人として生き抜いていく覚悟をする。経済的にも社会的にも精神的にも自立した女性として生きていかなければならないし、出産もあきらめなければいけませんが、その性癖を通すなら、その覚悟が必要です。その覚悟の上に、自分も十分にオトナになったころ、結局不倫相手をゲットする人もいるし、若い恋人が出来て劇的な結婚をする人もいるし、別の同世代の独身男性と出逢ってオトナの結婚をする人もいます。2.成熟しているのに独身の男性を探す仕事に夢中で、あるいはバツイチで、オトナなのに独身の男性もいます。この層を狙うと言う手も。しかしながら、仕事没頭組は女性の扱い方を知らないし、バツイチ組はその自由をなかなか手放そうとはしません。この戦略は、意外にも一番実現可能性が低いのです。3.いったんオトナの男性を断って、共に歩ける同世代の男子と向き合ってみる私は、これをお薦めします。結婚出産は女の人生のマストじゃないですが、縁あって経験できればエキサイティングです。青年がゆるぎない成熟男子になる道のりを見守るのも、なかなかオツなものですよ。「今のデート」で考えれば物足りない若い彼も、長く付き合えば深い感性に触れることもあります。男子は表現力がプアなだけで、感性がプアなわけじゃないですから。それに、女性ホルモンの分泌は、日ごろ男性の匂いを嗅いでいる人の方が安定するというデータもあります。女性ホルモンは、女性をさまざまな疾病から守り、みずみずしい肌や、女らしい曲線を作ってくれる大事な要素。好きな男性の匂いの中で暮らすことは、心にも身体にもいいことなのです。■幻想ダブル不倫は、脳にとって有益!?ちなみに、不倫は不倫でも、お互いに結婚している場合限定の「現実なのに幻想不倫」はおすすめします。素敵な異性と食事をして、粋な会話を楽しんで、帰り際にちょっと手をつなぐくらいのことがあってもいい。脳は、結婚をしたからと言って恋する能力を失うわけではありません。生物多様性論理(できるだけ多様な遺伝子の組合せを残すほうが有利)にのっとって、脳は、組合せの違う生殖を重ねたいのです。したがって、新たな生殖相手を求めてほろりと発情してしまうことは、脳科学上しかたないこと。これを自制心で止めるのが人としての道かもしれませんが、本能に背くので、かなりストレスだし、免疫力も落ちます。しかし、「半分幻想不倫」でストレスを少し解消し、わくわくどきどきも経験できれば、生殖ホルモンが活性化して免疫力も上がり、アンチエイジングにかなり効きます。不倫に対する哲学は、人それぞれだと思いますが、私の70代の女友達が言った、「女はね、人に言えない恋の一つも経験しないと本当の女になれないのよ」ということばも私は好き。それを胸に秘めて自分を成長させるのも、幻想として処理するのも(それも苦しいけどね)、どちらも脳にはいいことなのですよ。 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年09月12日仕事は常に山積み状態、いつも課題に追われていて心休まることがない…。そんなお疲れぎみのお仕事女子、多いのではないでしょうか? そんな状態を改善する方法を、脳科学者の黒川伊保子さんに教えていただきました。【質問】メーカーに勤めて8年。20代のときよりも仕事の責任が増えてきて、それだけでもストレスなのに、体力的に疲れてしまって、毎日やる気が出ません。しかも、同僚とのキャリアを比べるだけでなく、仕事が出来てうまく上司とコミュニケーションをとっている後輩に嫉妬してしまう。転職も考えるけれど、この時代、今の会社よりも給料のいいところに行ける確証もないし…。毎日がユウウツです。(33歳・SE)【回答】「やる気がなくユウウツ」と言う事態には、原因が2つあります。1つは自分の脳の神経伝達状態がそうなりがちな状態に陥っているということ。もう1つは、外部環境です。通常、人は外部環境のせい(仕事のせい、家族のせい)にしがちですが、多くの場合、この2つの要因が絡み合っているのです。きっかけは外部環境であっても、そのストレスが引き金となって自分の脳が「やる気がなくユウウツ」現象に陥り、周りとの関係をさらに悪化させているケースや、ダイエットのために脳が「やる気がなくユウウツ」現象に陥り、仕事の評価が下がってしまうケースもあります。残念なのは、多くの場合、本人は自分の脳の変化に気付かず、周りへの不満でがんじがらめになってしまうこと。いずれの場合も、まずは、自分の脳を、その事態から救いましょう。疲れやすく、他人が気になるという方のほとんどは、ビタミンとミネラル不足。ビタミンBやカルシウム、ナトリウム(塩)が不足すると、脳神経回路の伝達がうまく制御できず、「疲れやすい」「他人の言ったこと(評価)が必要以上に気になる」といった傾向を脳にもたらします。以下の項目に心当たりはありますか?・忙しいので、てっとり早い炭水化物(パン、ごはん、うどん)でお腹を満たしている・胃も疲れているみたいで、肉野菜はがっつりは食べられない・イライラや落ち込みを何とかするために、甘いものをつい食べてしまう・健康のために減塩している・ダイエットのためにコレステロールを取らないようにしている・ダイエットのために、乳製品は、できるだけ豆乳で代替している上記の食生活では、脳や神経系が欲しがっている、ビタミンB群、鉄分、カルシウム、それらを脳に運ぶ運び屋(アミノ酸、ナトリウム)が圧倒的に不足しています。脳は疲れやすく、イライラしやすく、ほんのちょっとのことで落ち込みます。疲れやイライラはどうしても表情や態度に出るので、周囲にかすかな不安や不快感を与え、ちょっとした言葉かけをしてもらえなくなったり、ランチに誘ってもらえなかったり、会議で発言をスルーされたり、という事態を作りだします。「デキる同僚」に嫉妬するのは、仕事で明確に負けたときじゃないはず。彼女や彼が、周囲に大切にされているからでしょう? 上司に可愛がられ、後輩に慕われているように見えるから。となると、その嫉妬も、そもそも、自分の脳が「疲れやすく、イライラしている」せいで、周囲が遠巻きにしているだけかも。と言うわけで、そこから脱するための食事術。なんといっても、糖質&炭水化物イーターから、タンパク質イーターに変わりましょう。特に空腹時に「ほぼほぼ炭水化物だけの食事」(トーストだけ、おにぎりだけ、うんどんだけ)や甘いものを食べることは禁止。これは血糖値を急上昇させる行為。血糖は脳のエネルギーなので、一瞬だけ脳は元気になりますが、ほどなく身体が血糖値を下げようとインスリンを大量に分泌し、今度は血糖値が急激に下がって脳のエネルギーが不足するため、だるさやヤル気のなさ、イライラを引き起こすのです。しかも、低血糖に陥ったときには、脳が甘いものを要求してきます。つまりね、疲れたら甘いもの→30分は元気→その後、だるくなって、やがてキレそうになる→甘いものが食べたい!→疲れたら甘いもの→…という「甘いものループ」にはまってしまうのです。しかもしかも、身体は血糖値を下げるときに、血糖を中性脂肪に変えているんですよ。つまり、「朝は炭水化物だけ&日中ちょこちょこスイーツ」という生活は、10年で10Kg太るという経年肥満を作りだします。というわけで、今日からきっぱりタンパク質イーターに。朝ごはんの主役は、卵、大豆製品、乳製品、肉魚などに。野菜と果物も外せません。もちろん、パンやごはんも添えてOKですよ。炭水化物は抜かなくていいのです。「いきなり、それだけ」は避けること。白米よりも雑穀米、白いパンより全粒粉のパン、うどんより蕎麦やパスタを選ぶ、より血糖値を急に上げない効果があります。疲れが抜けるまでは、スイーツはいったん断っていただきたいのですが、どうしても、というのなら、16時までに空腹時を避けて。なお、乳製品と共に食べるスイーツ(プリン、シュークリーム、アイスクリーム)は、糖質と一緒に動物性タンパク質が取れるので、栄養学上、やや罪が軽いのです。最も避けたいのは、炭酸飲料やジュースなどの糖質系の飲み物。目の前で絞ったフルーツジュース以外はビタミン摂取も期待できないので、単なる高糖質物件です。以上を守りつつ、豚肉と鶏肉をしっかり食べて一週間も過ごせば、「疲れて、ユウウツ」が薄れていることに気付くはず。どうか試してみてくださいね。なお、栄養ドリンクは、ビタミンやアミノ酸が取れて便利なようですが、糖質やカフェインで空元気を誘発するタイプのそれは、気をつけてくださいね。たとえて言えば、少ない燃料を盛大に燃やす感じなので、直後はよくても長い目で見れば、細胞が疲弊します。女の賞味期限は意外に長い。自分の脳とからだは大切にしましょうね。■共感してくれる人は必ずいると心得るさて、ここまでのアドバイスで疲れやイライラが抜ければ、周囲に与える微妙な不快感がなくなるので、周囲が優しくなります。これだけで「自分より、周囲の誰かの方が大切にされている」と感じることが少なくなるので、軽い嫉妬なら抜けちゃうはず。それでも嫉妬が残る人へ。周囲に認められないと存在意義がない、というのは、あなたの幻想ですよ。人間の感性は、1つじゃない。だから、周囲のすべてに認められるのは不可能なのです。特に、人にない着眼点や発想のある人は、活躍する一方で、「あの人だけは我慢ならない」と思う人を一定数抱えています。小堺一機さんは、以前ラジオでご一緒したとき、師匠の萩本欽一さんが「芸人は、世間に叩かれなければ、本気で好かれていることにならない」と言ってくれたと話してくれました。マドンナは、スキャンダルが続いたとき「無関心よりずっとまし」と笑ったそう。その振れ幅の差はあれ、一般人も一緒です。叩かれる以上、才能があるのだな、と思えばいい。一方で、人間の感性は、千差万別と言うわけじゃない。私どもの研究所で感性の分類をするときも、最大16種類くらいの分析軸しか使いません。つまりね、「あなた自身が一生懸命生きて手にしたノウハウや、あなた自身が絶対にいいと思って提案したこと」に共感してくれる相手は、必ずいる(しかも、けっこう少なからずいる)ということです。趣味やプライベートな世界なら、その相手を探せばいいだけ。プロフェッショナルの領域では、周囲をよく観察して、周囲の人の感性に合わせてカスタマイズしたり、説明する方法を編み出せばいい。脳の構造から言って、一人勝ちの人はいません。美人で気立てがよくて学歴も高く仕事が出来ても、単なる「便利屋さん」になっている人はたくさんいます。一方で、若き日に一般受けしなかった個性的な人ほど、「その人じゃなければだめ」なことを持ち、生き残っていたり。というわけで、「社会的一般価値」や誰かと比べて、自分にマイナス点をつけるなんてナンセンス。自分自身を一生懸命生きて、自分の持ち味を上手に周囲に知らせてください。それでも今の職場に希望を感じられなかったら転職もありですが、せっかくですから、今の職場で抱えている問題点を大胆に解消してみたらどうでしょう? その成果を、次のステップアップにつなげるのです。たとえば、男尊女卑の観念が潜在する職場で悩み、転職を考えているんでいる女性にアドバイスしたことがあります。「転職する前に、その事例を整理して、解決策をはかってみたら? たとえば、不満を表明する、冗談で返す、言うことを聞かないでみる…とかね。実験、実験。その実験データをもって、次の職場へ行けばいいのよ。男女間コミュニケーションに長けた人として、重宝されるかも」。結局彼女は、元の職場で、ダイバシティの担当者になり、出世してしまいました。環境を変えても、考え方が変わらなければ、結局自分が活かしきれず、「上司は私をわかってくれない、あの人ばかりがいい思いをする」という事態に陥る可能性は高いと思います。どうせやめる会社なら、自分を大胆に変えてみればいい。そうして、鮮やかに人生のスイッチを切り替えてください。人生は一度しかないんですもの。誰かの価値観に自分を合わせて生きるのはもったいない。自分の存在価値を周囲に伝えられないのももったいないです。 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年09月05日美容やファッションに抜かりはなく、流行もきちんとチェック。結婚後もいい奥さんになれるよう準備している。なのに…モテないのは、なぜ!? そう悩んでいる人も多いのでは? 脳科学者の黒川伊保子さんにズバリご回答いただきました。【質問】普段からファッションには気を遣うし、ネイルにも気を抜かないし、お料理教室にも通って花嫁修業はバッチリ。友達にも女子力が高いといつも言われます。でも、言い寄って来る人はみんな微妙な男性ばかり。自分がいいな、と思った人には相手にされません。私の何が悪いのでしょうか。普通に女友達も男友達も多い方だし、とくに自分に難があるとは思えません。彼氏がすぐに出来るコと出来ないコの差は一体何?(28歳・事務)【回答】自分磨きをしているということですが、もしかしたら方向性を間違っているのではないでしょうか。本を読んだり、語学力を身につけたり、一流の場所に行って美しい姿勢で立てるようにしたりしているのかな? いくらマメにネイルサロンに通って、ネイルをキレイにしてもレベルの高い男が寄って来る訳ではありません。男女の脳は認知構造が違うので、男性脳が着目するポイントは、女性脳のそれとは別です。細部より全体性を把握したがる男性脳は、凝ったアイメイクよりも、姿勢のよさに目を惹かれます。さらに、女子が思っているよりずっと、会話の楽しさや、教養や礼儀をわきまえていること、前向きな気持ちなどの内面も、男子の外せないポイントです。もしも、たいした男に出会えない、と思っているのなら、磨きポイントのズレかも。エリートで教養のある男性は、言葉遣い、立ち振る舞いがしっかりしていて、ウィットに富んだ会話のできる、知性のある女性に興味を持ちます。もし自分を磨きたいのなら、ボイストレーニングをして声を美しくし、正しい姿勢を身につけ、きちんとした服装をし、読書もしっかりしておかなければ。狙ったターゲットをしっかり観察してみましょう。■感動力で、恋をキャッチするそれから、「いい男がいない」「私はこんなにがんばっているのに相手にしてもらえない」という女子は、相手に感動する力も鈍っています。出会い力=感動力。たとえば、字がきれい、名刺の出し方がスマート、Tシャツの選び方がセンスがいい、音楽のセンスがいい。周りの男子の細かい才能に気づいて感動する癖を作ること、それを口に出す訓練をすること。感動する才能は、男子を惹きつけます。「あなたの名刺の出し方、スマートですね」といわれれば、どきっとするであろうことは、女子でも想像がつきますよね。日ごろそれをしておけば、本命男子にもさりげなくやってあげられます。それと、感動して口に出す癖は、直感力の回路を強めることに。きれいなものを見て「きれい」と言うことも大事です。些細なことに「胸きゅん」して暮らしましょう。美味しいスイーツや上質なコスメ、ブランド品などで自分を満足させている人はとくに要注意です。自分基準ではなく他人の価値観やテレビ、雑誌からの情報にとらわれると、左脳の動きばかりが増大。右脳や脳全体の連携による直感力が働かなくなり、小さなことで感動できなくなります。それに、一時的な高揚感はそれを失ったときに欠落感とセットになっているので、幸せを追いかけては失う悪のスパイラルに。外からの幸せ像を追うことに必死になると男女の出会いに必要なフェロモンセンサーが鈍り、ますます出会い力を遠ざけていきます。ちょっとしたことでも「素敵!」と感動できる脳になるためには、「早寝、早起き、朝ごはん」で、脳を活性化させること。それから、ゆっくりお風呂に入ったり、音楽を聞いたり、美術館に行ったり料理をして、「言葉を失う」体験をすること。自分が普段からかき集めている世間からの情報(言葉)を消すことで、直感力が冴えてきます。外見よりも、脳を磨くことのほうが出会いを引き寄せる力になってくれるのです。 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年08月29日以前は次々と彼氏ができ、相手に困ることがなかったのに、年齢を重ねるうちに好きな人さえできなくなった…。そう密かに悩んでいる女子は、案外多いはず。そんな悩みを解決する方法を、脳科学者の黒川伊保子さんにご回答いただきました。(c)samurai39 - Fotolia.com 【質問】20代の頃はそれなりに好きな人ができて付き合ったりしたけれど、30代に入ってから全くときめきません。職場や合コンなどでデートに誘われることもあるので、数回はがんばって食事に行きますが、アプローチされても私にその気がなくて続かない。出会いが無いわけではないのですが、なぜ、誰にもときめかなくなってしまったのでしょうか。(37歳・保育士)【回答】30代半ばに近付くと、女子はときめく能力が鈍くなっていきます。何故なら、惚れる=発情する力は20代がピーク。男性はいつまででも生殖できるけれど、女性の場合は子供を産める期間が限られていて、カラダも脳も最初の出産に照準を合わせているから。ぜんぜん関係ないことのようだけど、髪の毛の7分の1の光ファイバーのコネクションを指先でするのも、20代しかできないの。それは、30代になるとすべての感度が鈍くなっているからなのです。若い頃は感度が高いので、営業先でも宅急便屋さんでもコンビニでも、いたるところに「いいかも」と思う人を見つけられたはず。厳しいようだけれど、20代のときのように人を好きになろうとすることはあきらめてください。まず20代のときのような盛り上がりを期待して合コンに行ってもデートしても、35歳を過ぎている女性が20代の頃と同様に相手を素敵と思えるワケではありません。だから、穏やかにしか人を好きになれないことをまずは自覚して。ただし、それは42歳まで。脳が積極的な生殖をあきらめたころに、また想念で恋ができるようになるので、大恋愛の末にロマンティックな結婚をしたい、生殖のために結婚するわけではないと決めている方は、いっそ40過ぎまで独身を貫き通すのも手です。そこから大人の恋愛、素敵な恋愛をして寄り添えばいいだけ。小学校のときって、かけっこが速かったり面白かったり、暗算が得意だったりちょっとしたしたことでときめけるけれど、42歳をすぎると脳がその頃に戻れるのです。■ときめく力を高めるには?もうひとつ、ときめかない理由に直感力が鈍っていることが原因の場合が。基本、ときめく能力は直感とつかみの回路が働いていないとダメ。それには、右脳と左脳の連携を良くして、小脳を活性化させることが大事。では、活性化させるためにすることは、楽しいことや気持ちいいことなど、ポジティブな感情をひとりでもいいから口にすること。たとえば、「美味しい」、「嬉しい」、「気持ちいい」、「可愛いい」「気持ちいい」など、言葉にするクセをつける。いつでもときめいている人は、しょっちゅうこれを口にしています。それから、ダンスとか楽器演奏とか、書道とか華道、茶道、絵画、料理などで、自分の感性の中にあるものを形にすることもおすすめ。そして、早寝早起きをして、好奇心のホルモンである「セロトニン」を積極的に分泌させましょう。これらの習慣でときめく力は、ある程度取り戻せるはずです。 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年08月22日仕事や遊びを楽しんできたけれど、年齢的にもそろそろ結婚したい。でも、結婚したいと思うような男性がなかなか現れない…。そんな悩みについて、脳科学者の黒川伊保子さんに回答いただきました。(c)samurai39 - Fotolia.com【質問】新卒で今の会社に入って7年。大手企業なのですが、重役秘書ということもあり周りはおじさんばかりで、社内恋愛はムリ。積極的に飲み会に行ったり、街コンにも参加しているのですが、なかなかいい出会いに恵まれません。じつは、彼氏いない歴も5年に突入。でも、そろそろ歳だし子供も欲しいので結婚したい。もしこのまま結婚できなくてひとりで生きていく事になったらどうしよう、と思うと不安で仕方ありません。(35歳・秘書)【回答】「出会いはあるのにいい人がいない」ということですが、「いい人」=「ときめく人」と思っているならば、いないのは当然のこと。それは脳の生殖戦略によって30歳半ばになると、ときめく能力が鈍くなっているからなのです。なぜなら、20代のうちはできるだけいい遺伝子の相手と結婚したいから、異性を取捨選択します。女子は何千人分の一人で厳選して発情しているので、出会った瞬間にときめいて、「この人しかいない」感があるのです。だから20代の恋は確信が強い。でも、32歳を過ぎても妊娠していないということは、このまま妊娠しない可能性が高いので、脳が戦略を変えて感度を鈍くしているのです。鈍いということは、捨てる男の数が少ないし、おじさんが近づいてきただけで「気持ち悪い!」みたいな事にはならないので選択肢は広がります。ただ、激しいときめきがないだけ。本当だったら、友達に反対されても経済的に厳しくても、「この人が好き」と思ったら、失敗してもいいから20代のうちに結婚すべきなのです。それで、ダメだったらやり直せばいいだけ。もし、30代半ばを過ぎても結婚して子供が欲しいなら、恋なんて言ってないでさっさとお見合いをしましょう。それで、手を握って気持ち悪くなくて、お互いにイヤじゃなければ、その相手に決めてください。■自分の行動圏外で出会いを探してそれから、合コンに行っても婚活しても穏やかに過ごせそうな相手さえ見つからないのは、そこに来るような男子にはあなたの遺伝子に合う相手がいないということ。だとしたら、全く違う場所に行かなくてはいけません。田舎の農園や漁師町、とんでもなくマニアックなナントカ工業の学会や農業実習、工場見学に行ってみるとか。普段インドア派なら、自転車競技やカヌー、登山に挑戦するのもいいし、活動的な人であれば俳句の会などもおすすめです。ポイントは、発想をすごく変えて思いもよらない場所を選ぶことが重要です。とはいえ、結婚して子供を産むことが女子の人生にとって全てではないことも覚えておいてください。もし、ひとりで生きて行くという選択をするとしたら、何か社会的に自分ができることを習得しておきましょう。定年退職後も、趣味でもボランティアでもいいから仲間の中で何か活躍出来てステップアップできるものを身につけておくと安心です。結婚に囚われない趣味仲間などの人間関係をきちんと築いておけば、そのうち「ああ、なんか別々に帰るの寂しいね」と思えるような相手が見つかることもあります。40歳を過ぎると、脳が生殖のための戦略をあきらめてきますから、かえって、小学生の時のようなプラトニックラブも出来るようになってきます。ひょんなことから一世一代の恋をするかも。大事なのは、知と戦略。女は35すぎたら、ときめく相手を探しに、いつもと違う場所に出向くこと。38になっても出逢えず、この人生で「子どもが欲しい」と思うのなら、恋だのときめきだの言わずに、「いい家族になれる人」を冷静に手に入れる。それも気持ちに合わないのなら、女の人生は子供を産む事がマストという価値観を捨てて、別の生きる価値を創生すること。自分を磨いて待っているだけじゃ、大人の恋は始まらないのです。 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年08月15日流行やトレンドは誰がどのように決めているのか、不思議に思ったことはないでしょうか。実は、それは誰かが作ったのではなく、私たちの脳が自ら作り出しているものだということを脳科学者の黒川伊保子さんが解明しました。人の脳は“一定の刺激に対し7年で飽きる”というブレインサイクルがあります。たとえばどんなに愛し合った恋人も、残念だけど7年で飽きる。それは、他の異性と生殖行為をして、なるべく多くの遺伝子を残すためでもあるのです。ただ、それを知っていればこの時期を乗り越えられるから大丈夫なのですが(微笑)。さて、7という数字には根拠があり、7つの記号はヒトが容易に短期記憶できる最大数といわれているのです。正確には8つの人もいれば、6つの人もいるのですが、7つである人が人類の大部分を占めます。このため、ヒトは、とっさに何かの世界観をつかもうとするとき、7つの情報が取り揃うと完全性を感じます。ラッキーセブン、七福神、七不思議、七つ道具、七つの海、世界七大○○、聖書の「知恵の七柱」「七つの大罪」などなど、7を使ったことばは世界中に多く存在します。虹が七色に見えるのも、音階が七音(ドレミファソラシ)であらわされるのも、脳科学上の深い意味があります。7日に一巡した感じがあるのも、単なる習慣だけではないようです。キリスト教の神様も、イスラム教の神様も1週間で暮らせと言っているし、仏教でも初七日、二七日…と、49日(7週間)で故人をあきらめていきますものね。また、7日は太陽暦の一週間の単位でもあるし、4倍すれば月の公転周期にも近い。女性の月経の周期の目安でもあり、7日×4の周期が私たちの脳と身体を刻む単位であることは間違いありません。人が求める完成にはハード期とソフト期があり、これも7年×4ブロックの変化を経て、28年周期でやってきます。ソフト期は自然体が心地よく、共感が好きで、ふっくらとした丸いラインなど女性的な要素が反映される時代です。人々は物よりも用途を重んじるようになり、生活に関わる身近なものに関心が集まります。ちょうど2012年までの28年間はソフト期で、人間と人間の関係性が成熟してくるので、SNSが流行ったり、インターネットが配備されたりしました。また、意識が「癒し」に向いて、自然体の飾らないアイドルや女優達が人気を博し、自然の最もたるもの=宇宙とつながりたい欲求が高まるのでスピリチュアルブームが起こります。反対に、ハード期には冒険やサバイバル気分に駆り立てられ、皆が競争しゴールを目指す時期。合理化が進む時代でもあり、視覚的にもモノトーンや直線的なデザインが心地よく、分かりやすく必然性のある展開が好まれます。去年からこのハード期に入り、目に見えて合理的でカッコいいことが重要視される時代になりました。例えば車だったら、家に車をはめたらすごく綺麗な造形のデザインになり、そのままトランクを開けて冷蔵庫に食品をしまえるなど、思いも寄らない展開に住空間も変わっていきます。また、ロボットも疑似人間型だけではなく家そのものが人工知能的に機能し、日の光を入れるために勝手にシャッターを開けてくれるとか、あらゆる形で進化していきます。インターネットは会員制になり、常に情報を垂れ流すのではなく、吟味して評価された記事のみ掲載されたり、雑誌や新聞のように、評価される空間に変わって行くようになります。しかも、素人がブログのように書くのではなく、しっかりした評価機関によって客観的に書かれるようになるでしょう。このように、ブレインサイクルでトレンドを捉えることで、仕事も生き方も時代の波に乗る事ができるのです。 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年07月25日女性と違って「座標原点」をつくりたがるのが男性。帰る場所があることで、安心して仕事もできるし、日々を過ごすことができる。そして、その原点に自分がなってしまえば、右に出るものはいないほど相手にとって大事な存在になると、脳科学者の黒川伊保子さんが教えてくれました。空間認識でものを見ている男性にとって、その始点である座標原点はとても大事です。たとえばその原点が苦労した思い出だったら、たまにその時の記憶に戻り、「あそこから自分はここまできたな~」と今を確認したり、それが妻だったら、毎日帰ってきて「ああ、家に帰ったな」と安心したりする。お祭りが楽しみな人だったら、「お祭りまであと何カ月」と数えることで、それまでの距離感を測っているのです。男性って、美容院とか行きつけの居酒屋とか、1度決めたらよほどのことがないかぎり変えないですよね。それは、その場所を定点にしているから。思念空間に原点といくつかの定点を置いて、それらを使って距離感を探りながら世界を広げていくのが男性脳なのです。私の舅は「お昼は蕎麦」と決めているのですが、そこを原点にして一日の距離感を測っています。また、入院していても女房がいない寂しさで、ムリを言って帰って来てしまう人もいます。普段は無口でそっけない夫でも、妻がいるところにどこからでも戻ってきたがるのは、そこが定点だから。座標原点になってしまったら、勝ったも同然です。それには、わざわざ居心地のいい女性になる必要もありません。むしろ、ガミガミ言っても大丈夫。終始うるさく当たっていたとしても、8割くらいは脳がフィルターとしてとりこぼしていくので自然体でOKなのですよ(微笑)。■彼の定番になるための秘訣とは?結婚していて働いている女性や、同棲している女性へのアドバイスは、必ず週に1度は家にいて夕飯をつくる日を決めること。必ずいると決めた曜日にご飯が作れなかったら、きちんと謝ってください。定番になることで一番ダメなのが、定点がブレること。つまり、この日はいるものだということをお互いに忘れないようにすることが重要です。付き合っている男女の場合も一緒で、どんなことでもいいから定番をつくりましょう。得意料理でもいいし、会ってから30分は決してネガティブな話題をしないという習慣でもいい。女子は会った瞬間に、「ねえあのときのことだけど、なんであんなこと言ったわけ?」とつっかかることが多いのですが、あるときは機嫌がよくて、あるときは機嫌が悪いなど、常に変化しているのは最悪です。だから、20年たっても「お帰りなさい」と、どんなときも笑顔で迎えてくれる小料理屋のおかみやクラブのママが定番になるのです。結婚していなくても、仕事や出張から彼が返ってきたら「お帰りなさい」と言うのもいいですね。「君の“お帰り”が聞きたいから一緒に暮らそう」なんて展開になるかも…!。ひとつ、注意したいのはグチを言わないこと。女性のグチは男性の免疫力も落とすし、熟年の夫婦で「腰が痛い」と奥さんが言い続けているとだんなさんがうつ病になるというデータもあります。もしグチを言いたいなら、友達に電話して聞いてもらいましょうね。ちなみに、排卵日になるとホルモンの影響でイライラすることがあると思います。女性ホルモンのエストロゲンの分泌が高まっているこの時期は、とくに自分が発情している相手には絡まずにはいられなくなるのです。ただ、このときは、どうぞ思いっきり絡んでください。男性脳は、定番に安心しながら、ギャップで発情するという癖がありますから。いつも安定した情緒の彼女が、たま~にキレるのもいい刺激。なので、自然体で大丈夫です。素敵な愛情ライフを手にしてくださいね。 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年07月11日恋も仕事も人間関係も、20代の頃は目の前の出来事に悩んできて、30代に入ればラクになるかと思えば、また別の方向から悩むようになる。しかし、辛いのも「今だけ」と脳科学者の黒川伊保子さん。人はその年代によって、脳の役割があり、それを乗り越えると将来がグンと楽になるとか。私たちの脳神経回路は天文学的な数の回路がありますが、常に活性化していると、「物」の判断ができないしくみになっています。たとえば、目の前を猫が横切ったとしたら、それを「猫」を認知する回路だけが立ち上がらないといけません。同時に、象と豚の回路も立ち上がると、それが何か分からなくなってしまいますよね。ヒトは、脳神経細胞数が人生最多の状態で生まれてきます。ありとあらゆることを感知できるので、逆に、目の前の者が何かをとっさに判断することができません。日々の暮らしを重ねることで、生まれてきた環境に不必要な細胞を捨て、残された細胞の関係性を作ることで、家族を認知したり、言葉を認知したりできるようになるのです。こうして、脳は、経験によって知識を増やしながら、一方では、経験によって回路に優先順位をつけて絞り込むことで、とっさの判断を間違わない、より洗練された状態を手にしていきます。その観点で人生を見ると、28歳までは、知識を増やす入力系に偏っています。経験によって、さまざまな知識や方法論を手にするときなのです。脳は、いわば「がむしゃらな入力装置」。恋をしても勉強しても、遊びにもがむしゃらになれ、そこから、大事な「生きる知恵の基礎」(どうすればモテるのか、どうすれば儲かるのかetc.)を手に入れていきます。だから、28歳までは、がむしゃらに生きてくださいね。好奇心を感じたこと、あるいは先輩に「こうしなさい」と言われたことに、「自分に合っているのかしら、何になるのかしら」なんて四の五の言わずに、飛び込んでください。そして、誰もが28歳を超えると、がむしゃらさを失っていきます。脳が単純記憶力のピークを過ぎ、次の段階へ入ったから。30歳のお誕生日頃には、ここまでの「入力」のおかげで、その人が生きる環境においての世の中のしくみ、裏も表も、上も下も右も左もわかるようになっています。そんなわけで、世の中を見切ったような気分になるのが、30歳前後の脳の特徴。人生で最も傲慢なときかもしれません。でも、その傲慢さも、次の「人生の冒険」へ飛び込んでいく大事な起爆剤。どうぞ、思う存分、傲慢になってくださいね。30代の10年間、脳は、人生で最も苦しい時期を迎えます。世の中のすべてを見通せる脳になったのに、回路の優先順位がしっかりついていないので、迷うからです。30代の脳は、「誰になんと言われようとそれしかない、ずんと腹に落ちる、自分だけの選択」というのがまだしにくいのです。当然、評判や偏差値など、他人の評価を気にします。そのため、いくつもの選択肢が浮かび、選ぶのに迷うし、選んだ後もまだ惑う。人に何か言われる度に、気分も乱高下します。しかも、脳は、失敗事例を早めに経験して、失敗に使われた回路を整理してしまいたいので、苦しんだあげくの選択が間違っている可能性も高いのです。なんて苦しい脳かしら。はるか昔に越えてきた道だけど、私は30代に常に深い同情があります。でもね、30代の脳の使命は、苦しい選択をして失敗し、脳の「失敗回路」を早く消すこと。なので、思う存分、痛い思いをして泣いてください。けれど、それは、脳の豊かな感性のための大事なエクササイズ。痛い思いをする度に、脳はエクセレントになっていきます。絶対です。その際に、ぜひ気をつけてほしいことがあります。痛い思いをしたとき、それを他人のせいにしたら、せっかくの失敗回路消去がうまくいきません。それじゃ、何のために泣いたのか、意味がない。なので、辛い思いをしたときは、必ず自分の責任にしましょう。たとえ、誰かに裏切られても、「ひどい」と恨まずに「裏切らせたことが悲しい」と思うくらいの覚悟で。その苦しみも、40歳になる頃には楽になります。失敗回路に信号が行きにくくなるからです。無駄な信号も起こりにくくなるので、物忘れが始まります。頭に浮かんだ女優さんの名前が出てこないのは、そんなこと思い出せなくても生きていけるから。物忘れは、老化ではなく進化なのです。恐れないで大丈夫。■50代の自分をイメージして30代の混迷、40代の物忘れを抜け、50代半ばに脳は完成します。失敗回路に信号が行きにくくなり、「自分だけの深い確信」で生きられるようになります。このため、ちゃんと自分の傷を自分でなめてきて来た人は、人生の達人として、あらゆる場所で見解を求められ、話を聞いてもらいたい人に囲まれます。成功した多くの人が、「自分が最も大切にされたと感じたのは50代」と言います。逆にいえば、ちやほやされてしまって、傷ついたら人のせいにしてテキトーに生きてきた人には、老いの寂しさだけがやってきます。だって、20代や30代と同じ口を利く50代なんて、うざいだけでしょう? しかも「でも、だって、どうせ、だめ」の達人にでもなっちゃった日には…。50代、エレガントでキュートなマダムになって、若い人に知恵をあげる自分を想像してみて。そのための今日の苦しみ。そう思えば、涙も宝物。どうか、人生の波に乗ってくださいね。 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年07月04日女子にとって、結婚相手との出会いはまさに「運命」。この人と会うために現世に生まれてきた、とまで思うほど確信に満ちているけれど、男子はその確信がほとんどないまま結婚を決めているのだとか! その理由について、脳科学者の黒川伊保子さんが説明してくれました。哺乳類のメスである女子は、自ら身ごもって命がけで出産し、授乳しなければ「一生殖」が終わりません。約2~3年の時間を割くことになり、命を脅かす確率も高い。一方、男性脳は数分で「一生殖」が終わり、ほとんどの場合は命に別条はありません。このように生殖リスクの高い女子は、相手をつぶさに観察して今まで出会ったすべての異性と比べ、最高の免疫セットを見つけ出し発情。それは、1万人の中のひとりを見つけ出しているんだから、恋をしたときの確信は深い。ひとりの男に照準を合わせた瞬間に、どんなイケメンが来てもどうでもよくなっちゃうよね。結婚式でも、花嫁は「こんなにいい男もらっちゃってゴメンネ」と内心は優越感に浸っているのですが、他の女子にとってはその新郎は生殖相性がいいわけではないので、なんとも思わない。ところが、男子はそこそこの免疫セットでも十分なため、100人のそれなりにカワイイ女子が迫ってくれたら、80人くらいは「アリ」なので、脳の確信がそれほど深くないのです。「え~っ! そんな~(涙)」と思うかもしれませんが、大丈夫。最初は確信がなくても、最後に勝つのだから。男子はずっと一緒にいて責務を果たし続けてきた相手に愛着が湧くようにできているのです。相手がしわくちゃになろうと、毒づく妻であろうとそれは変わらない。だから、奥さんが先に亡くなったりすると、寂しくて早死にしちゃったりするのです(高年齢夫婦の場合、妻の死後3年以内に亡くなるケースが多いと言われています)。■責務を与えると一生大切にされる愛を確信した女子は、理由もなく尽くしてあげることができるけれど、男子にはぼんやり「やさしくしてね」「ずっと好きでいてね」はムダ。身辺を定点で固め、遠くの目標を見定め到達することが快感な男性脳には、分かりやすい責務とゴールをあげて、それを遂行させることが重要です。たとえば、責務を果たし、「給料」「ボーナス」「昇進」がゴールの会社をおじさんたちは愛し続けますよね。ペットボトルを開けてもらったり電球を替えてもらったり、たとえば「私、週末はいつも寂しくなるから、土曜の夜は必ず電話してね」とかでもいいかもしれません。ポイントは、定番の責務で頼ること。そして、ゴール確認としてお礼を言ってあげることも忘れずに。洗い物をしてくれたら、「あなたが洗ってくれると汚れの落ちが違う」や、お風呂を洗ってくれたら「男の人じゃないとカビは無理ね」みたいに。それは手伝いをしてもらうだけの成果ではなく、それが生きがいになるし、外で素敵な若い女性と恋をしたとしても「オレがいなかったら、あいつはカビだらけの風呂で暮らすんだろうな」と、可哀想になって帰ってきたりするので一石三鳥なのです。もうひとつ大事なのが、一度決めた責務は、もし自分ができたとしても永遠にそれをやり続けてもらうこと。私の息子は私が米袋を持てないと思っていて、いつも代わりに運んでくれています。隣で、もっと重いビール瓶ケースを持っているのに(微笑)。ペットボトルの蓋は空けられないと言って、ジャムの瓶は平気で開けていても気づかないほど、責務が信号のように入っている男性脳はそれに対して迷いがないのです。そして、責務を果たしてきた相手に対して、結婚の後半には男性脳の確信のほうが深くなるのです。そんな妻という存在に、ぽっと出の愛人が勝てるわけがありませんから! 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年06月20日大好きな彼と久々のデート。なのに、何を言っても上の空だったり、こっちはニコニコしているのにぼーっとしてる…、なんていうことがありませんか。その原因は、脳の構造の違いにあると脳科学者の黒川伊保子さんは言います。 男児を育てているととくに実感しますが、子供の頃から男子はぼーっとしていることが多いです。8歳を過ぎるとこの時間も短くなってくるけれど、大人になってもパジャマを着たまま新聞を開いているけれど読んでいない、テレビをつけたまま見ていないから消すと怒る、というのは日常茶飯事。女子から見たらイライラするかもしれないけれど、これは1秒たりとも無駄なことではなく、男性脳にとってはメンテナンスのためには必要な時間。ぼーっとしたまま空間認知の領域で情報の距離関係を見直したり、物事の構造を確かめたりしているのです。だから、一週間に一回、土曜の午前中くらいはぼーっとさせてあげましょう。これは男子だけでなく、デザインとか理系の領域で活躍する女子も、空間認知の領域を成熟させるためにぼーっとすることが多いはず。私も35歳のとき、小学校の同級生に再会して「あなた頭がハッキリしたわね、毎日毎日ぼーっとしてたじゃない」と言われました。聞くと、週に3日は学校が終わったことに気づかずぽかんと座っていて、学校が終わったことを知らせると、ランドセルを背負うのも忘れてぼーっと帰宅しようとしたとか…。さて、男子と同じく理系女子は空間の領域を日々使って物事を考えているので、人間関係も「あの人は親切にしてくれるから」という文脈の関係ではなくて、なんとなく意識の波動の近さみたいな間隔で脳の中のマップに置いたりしています。こういうタイプは文脈でものを考える文系タイプの人から見ると、失礼なときがあるのも事実。メールもまめに返さないし、連絡もあまりしない。でも、空間認識の領域ではちゃんと近くにプロットしてあって、10年に1度しか会わなくても大切に想っているのです。■男子に「まくしたて」は禁物!どんなに大事な話し合いでも、たとえ別れ話に発展しそうなケンカでも、黙ったままだったり何を考えているのか分からないときってありますよね。冗談みたいだけど、気づいたら寝ていたってことも…。女子にとったら信じられないし、「ちゃんと聞いてるの?」ってなりますよね。でも、それは聞いていないのではなくて、聞いているけど文脈の長い旅についていけなくて気が遠くなっているだけ。男性脳にとっては、女子がまくしたてている文脈はあまりにも膨大すぎて理解不可能なのです。もし言いたいことがあるのなら、「私はこういうふうに言われるのがイヤ」、「こうされるのがイヤ」、「これだけはやめて」と、要求だけを言うようにしましょう。決してしてはいけないのは、話し合いに持ち込むこと。夫婦円満のコツは、話し合ってものを決めないことだとも言われているくらいです。「どうして、ちゃんと言ってくれないの? そもそも、あなたは、あのときだって…」なんていう“長い旅”には出ないでね。もし、どうしても伝えたいことがあるなら「さみしかった」とか「かなしかった」とか、「してくれたらうれしい」とか甘える形で言うのが上級者なのです。 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年06月13日大企業の経営者をはじめ、著名人や芸術家、一流と呼ばれる人には、じつは無邪気な人が多いということをご存じですか? その秘密は、「他人思い」の思考をもっているから。話術や戦略以前に、それは成功に繋がる道であると人工知能(AI)研究の第一人者である黒川伊保子さんは言います。■「他人思い」は人を惹き付けるパワーに「この人に幸せになってもらいたい」「この人を知りたい」と他人のことを無邪気に思っているとき、右脳と左脳の連携が良い状態に。すると、まなざしが深くなり、「この人にまた会いたい」「この人の商品を買いたい」と相手に思わせる磁力になります。悲しいことに、野心があって勉強を重ねた人ほど、数字や損得勘定を司る左脳に加重がかかり、自分のことしか考えられなくなる傾向があります。すると、世の中が思い通りに行きにくくなるのです。イギリスのオーディション番組で、素人だったスーザン・ボイルが最後の勝負に臨んだときのことです。インタビュアーに「これに勝ったらあなたはプロの歌手としてデビューできます。緊張していますか?」と聞かれたとき、彼女は「何で緊張するの? みんな私の友達じゃない」と会場に腕を拡げてそう答えました。すると、会場は割れんばかりの拍手喝采に。これこそが、無邪気さなのです。つまり、ここにいる人たちをみんな味方だと信じきれること。その無邪気な信頼が、本当に会場を味方に付けてしまいました。たとえ、わずかに敵が混じっていても気にすることはありません。要は、自分が最大限の力が発揮できることに意味があるのだから。スーザン・ボイルは、最終バトルには負けたけれど、世界中が知る歌姫になりました。私も2,000人の講演でも全く緊張しません。それは、わざわざ時間とお金を使って来てくれる人を「みんな味方」だと思う感覚があるから。私の話を聞いてつまらないと思われても全くひるみません。それは、私の失敗ではなく、自分に合わない人の講演に来たその人の失敗だから。相手に悪意を持ったり、あとから「ああ言われる、こう言われる」と思わないことが、無邪気な脳にとってすごく重要なのです。子育てをしているとき、こんなことがありました。息子が朝、お腹が痛くて遅刻したとき、これから登校するとちょうど調理実習の時間。「今から行ったら試食だけで心苦しいから行かない」と言うのに対して「あなたの分の食材も用意されていているんだから行きなさい。それで、美味しく食べて、後片付けを人の二倍やること」と言いました。それで人にとやかく言われてもいい、言いたい人には言わせてあげる。そのうち息子は、「そっか、失敗をしたときは相手のリスクを最小限にして、とやかく言いたい気持ちを吐き出させてあげればいいんだね」と理解するようになりました。悪口を言われたらどうしよう、ではなく、「色々言って向こうはスッキリするんだからいいじゃない」、と無邪気に考えていくべきなのです。とやかく言われるのが嫌で、なんとかいい子をし続けているとストレスになるし、人が無邪気に失敗するとめちゃくちゃ腹が立ってしまいます。人は、「失敗してごめんなさい」と言って、とやかく言われるくらいのほうが結局愛されるんだから気にしないことです。相手に悪意があっても信じきったほうが勝ちですから。そのうち相手も裏切れなくなってくるし、周りに味方しかいなくなる。人を信じられるから、結果「他人思い」になれるのです。 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年04月18日仕事でも友人関係でも、日常生活を送っているだけでイヤなことってたくさんありますよね。でも、そこでどんどんネガティブに考え、悪口を言うのは待って。ネガティブな行為によって結局自分の足を引っ張られてしまう、と脳科学者の黒川伊保子さんは言います。■ネガティブが損な理由とは?なぜ、人の悪口やマイナスなことを言ってはいけないのでしょうか。それは、人間の脳というのは自分の言動を忘れないから。人の発した言葉は大脳に来ますが、自分が発した言葉は小脳に響き、記憶に長く居座ります。「あの人、あんなこと言ってる。嫌よね」「あの人、いつもああなのよね」など、噂話をしていると、自分もいつか同じように言われると思うから、無邪気になれないのです。「いつか私も笑われる」「陰口を叩かれるかも」と、長く疑心暗鬼の種につながり、前に出られなくなってしまうのです。とくに、育児中や将来子供を産むつもりの女性は、自分の子供に人の悪口を言わないでほしいです。近所のおばさんや先生の悪口を母親がしょっちゅう言っていると、人を信じられない大人になってしまいます。昔、息子が先生に乱暴なことを言われたときに、私は「それは先生があなたに男として期待しているのね」と言いました。それは先生のためではなく、子供が将来社会に出たときに人を信じられるように言ったことなんです。信じたあげく痛い思いをしてもいいのです。「信じる」という無邪気さのほうが無敵だから。とはいえ、嫌なことだってありますよね。そうしたら、「嫌だな」は一回だけ言ってもいい。「かもしれない」とか「こう思っているに違いない」などの推測はだめ。そして、一緒に噂話に興じるのではなく、「あなた、他は潔いのにその件だけはだめよね、しっかりしなさいよ」と鼻で笑ってくれるクールビューティーな女友達に吐き出すのが理想です。悪口を増幅、ネガティブな想像の増幅をする女友達と仲良くするのは避けましょう。それから、言葉はもちろんですが、ネガティブな考えもやめましょう。同じ思考をするとその回路に電気信号が流れやすくなり、ネガティブのクセがつきます。そうすると、人のマイナス点ばかり目につくし、つい入ったお店がネガティブなお店だったりしてしまいます。「いい男がいない」といつも思っていたら、本当にいい男は周りに来ません。また、仕事のシーンやゴルフなどでミスをしたら、ずっとそのことばかり考えているのはダメ。それを思い出した瞬間に、失敗した回路に電気信号が上書きされ、流せば流すほどそこの回路が太くなり、そのミスにとらわれてしまいます。失敗したことの分析は一回だけにして、あとは成功イメージだけを思うのがポイントです。最初は、ポジティブに考えることが難しいかもしれないけれど、これもエクササイズ。嘘でもいいからそういう思考にすると、心にクセがつくから大丈夫。脳が悪い記憶を消すまで要する時間は49日。1週間でも効果を感じられますが、最低でも49日は試してみてください。すると、気持ちがピュアになるだけでなく、いい出会いやいいことが起こるようになるはずです。 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年04月11日様々なアイディアを生み出し、商品の売上にも直結する女性の「直感力」。企業の発展に欠かせない女性ならではの才能だけれど、伝え方によっては男性上司や取引先には理解されにくく、意見を聞き入れてもらえないことも。そこで、脳科学者の黒川伊保子さんが、そんな直感力を活かして、上手に伝えるテクニックを伝授してくれました。「直感力」とは、潜在意識の領域で感じた事を顕在意識で伝えてくる力。女性は右脳と左脳の連携力が強く、直感力に優れています。反対に、男性はその連携力が弱いため、空間認識力を使って物事の形を見抜く「直観力」は働きますが、直感力は弱い。女性の場合、会議室で商品開発をするときに、商品の将来の想定ユーザーの生活の様々なシーンを自分のカラダで起こったように想像できます。たとえば、シャンプーを商品棚でみたとき、濃いピンクが目に飛び込んで来たときのトキメキ、手に取ったときの丸み、匂い、無くなって買いに行くときにそのネーミングを脳で振り返った時にどんな感じか…、それを自分の身に起こったように思いつくのです。「このコンセプトはこれしかないよね」、というのが必ず降りてくる。ひとりの女性が心の底から強く思ったことに、ふたりの女性が「あるある、わかる」と同意したら、それは普遍の真理に近い。私は男性の最終決定権を持つ人には、「3人の女性が魂で感じたことは、300万人の女性に聞いても同じこと。女性プランナー3人が口を揃えて主張したらGOを出せ」と言っています。ところが男性は責務のもとに動いているときに、直感力の要である脳の横の電気信号がほとんど働かない。理論は理論だけで、体感したこと、触ったときの感じをありありと想像することが会議室ではムリなのです。彼らは複数の方向性の違う提案をもらって、それに対する位置関係で見てしかジャッジできない。そんな男性たちに意見を通したいなら、直感力だけでものを言わないことが大事です。A案ひとつだけだと、思いこみが激しいと思われるだけ。これしかないイチオシがあっても、バカみたいと思っても、見せ提案を3個以上つけるのがコツ。さらに、相対数値をつけて表にしたり、グラフにしたりすると、男性は安心して聞き入れてくれます。■男性へのお願いは、理詰めが効く!家庭で夫に家事を手伝ってもらうときも同じ。漠然と「私も働いてるんだから、半分やってよ」と言っても、そもそも「何が半分か」もわからない男性脳には愚痴にしか聞こえません。家事をリストにして、分担チェックを入れて渡すと、何をやってもらいたいか、それが全体のどこに位置するのかわかって、男性脳の使命感を喚起できます。例えば、ゴミ捨てひとつとっても、(1)ゴミ袋を切らさないようにキープする、(2)分別ごみ種類別に捨て場所を決めてそれぞれの容器を用意し、それを清潔に保つ、(3)ゴミ出しの日を把握し、ゴミだしのアクションを起こす、(4 )ゴミを集める、(5)ゴミ袋を閉じ、手持ちの場所を拭く、(6)ごみを捨てる、という6工程は最低あるわけです。それを見せて「あなたはこの最終工程をお願いね」とチェックを入れると、ゴミ出しの大変さ、自分のタスクの位置づけがわかり、「せめてこれだけはしっかりやってあげよう」と思ってくれたりします。また、直感力の強い女性が気をつけたいのが「イヤ」だと思ったことを顔に出さないこと。例えば、金曜日になって、男性上司に、土日の出勤を余儀なくされるような作業を依頼されたとします。「月曜日の10時までに、この報告書をまとめておいて」(今、金曜の5時だよぉ、少なくとも4時間はかかるのに)というようなケースですね。そんなとき、「なかなか会えないカレと、久々のデートなのに」「子供の運動会なのにひどい」、という気持ちが顔に出るのが、女性の弱点。でも、仕事のシーンでそれを出したら負け!顔色を変えずに、この仕事に土日に出る価値がどのくらいあるか、というのを、「これがどれだけ重要か教えていただけますか?」と説明してもらいます。その上で、「月曜日、早出をして正午までに仕上げます」と被害者顔せずさらりと伝えましょう。要は「伝え方」。男性脳を理解し、ちょっとしたテクニックを覚えておくだけで、心地よく仕事をすることができますよ。 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年04月04日20代後半から30代。仕事も軌道に乗ってきて、ある程度自信もある。その分、責任が重くのしかかったり、イヤな上司にイライラし、要領のいい同僚に嫉妬もしたりして…、ストレスも半端なく溜まっている。そんな働く女性たちに対して、脳科学者の黒川伊保子先生が提案するのが「無邪気な脳」のススメ。「無邪気というのは、好奇心と素直さ。損得勘定なしに、他人の気持ちを自分の気持ちのように思えることです。それができると、右脳と左脳の連携が良くなり、まなざしが深くなる。すなわち相手にもそれが伝わり、会う人会う人を夢中にさせ、話術や戦略よりも強い力を持ちます。ただし、今の40代以下の女性は「本当の無邪気さ」を押し殺して生きている女性が多いのです。現代のように女性活躍が期待されている社会では、ことさら「女性ならでは」の発想や振る舞いを喜ばれる傾向にあります。別に自分が好きでもないのに「ふわふわピンク」を使わざるを得なくなったり、「女性に優しいサービス」を提案しなければならなかったりする。たとえば、車に化粧直しミラーなんかつけちゃったりすると、男性たちは「やっぱり女性目線じゃないと」と感心したりして、「女性活用」の初期モデルができあがってしまったからです。そのため、男性たちが期待する「女性ならでは」に応えざるを得ない立場に追い詰められている若い女性たちを、私は何百人も見てきました。彼女たちは、けっして幸せそうには見えません。でも、よかれと思って、好意で期待していることなので、男性側には罪の意識はいっさいありません。女性の側が、バカバカしい「女性ならでは」を脱ぎ捨てなければならないのに、若い女性には、その気づきもない。それはね、母親の期待に答えようとするクセがついているから。大人になっても、社会の期待通り「いい子ちゃん」になろうとしすぎていて、それが無邪気さの邪魔をしているのです。そして、自分の本当の気持ちさえも分からなくなり、それが、ストレスとして蓄積されている。危険なのは、ストレスが溜まると脳の使い慣れている回路だけを漫然と使うようになるので、思い込みが激しくなったり、過去の呪縛にとらわれやすくなること。すると、自分が知っている以前起きた事象でしか物事を判断することができないので、新しい視野で考えが浮かばなくなります。頭が良くて美人や、器用な人ほど抜け出せないのですが、まずは自分の中にある不快、嫌という違和感を自覚しましょう。「それ、違うと思います」とハッキリ言えることが無邪気さなのです。それから自尊心を立てるのも大切なこと。自尊心というのは、周りにどう言われようと、どう思われようと自分の信念を守ることです。世界中でミニスカートがブームになり始めたころ、ココ・シャネルは頑と「大人の女性は膝を見せないのがエレガント」と、膝下丈のスカートを提唱してきました。1959年、テレビのインタビューで彼女はこう答えています。「膝? あんなものを見せるなんて、気がしれない。大人の膝は汚いわ。誰もが19歳でいられるわけじゃない。けれど、本当のエレガンスは40過ぎてからわかるもの。私は、本当のエレガンスがわかる大人の女性のために闘い、守るの」と。時代遅れと言われようと、シャネルは生涯膝下丈を守り抜き、ノーカラージャケット&ひざ下丈タイトスカートのシャネルスーツは、その後世界中でブームになりました。1963年、ダラスのあの事件のとき、ケネディ大統領夫人ジャクリーヌさんが着ていたのも膝丈のシャネルスーツでした。シャネルにはゆるがぬ自尊心があったのですが、その自尊心は「これは不快、許せない」という明確なセンスがあったからこそ生まれました。自尊心を立てるには、自分が不快に思う事がきちんと見えていなければなりません。いい子ちゃん症候群を抜け出し、自分にしか出来ない仕事を確立するには、まずは「これは不快」を自覚すること。そこから始めてみてください。最後に、「相手が自分の言う事を聞いてくれない」という多くの女性が感じるストレスについてアドバイスを。あるセミナーで、上司との関係に悩む女性がいました。「私は経理部に書類を持って行く担当なのですが、17日に提出しなければいけない書類を、部長は19日にしか持ってこない。私のことを軽んじています。こんな会社、辞めたいんです」それは、部長が経理部のデッドポイントが23日だと知っているからかもしれません。だから、遅く提出するのかもしれないけれど、彼女の事前のアラームについて彼はありがたがっているはずなのです。自分がないがしろにされていると思い込むのは女性の悪いクセ。本当は部長から「いつも事前に知らせてくれてありがとう」と言うべきですが、忙しい上司に感謝の言葉や言い訳を期待してもムダ。彼女は彼女の役割をきちんと果たしているのだから、それでいいんです。余計なストレスを貯めないためには、人に言うことを聞かせようとしたり、自分も人の思い通りに動くことをやめることなのです。 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年03月28日大切な恋人の浮気に悩まされている人は多いかもしれません。どうして彼は浮気をするの? もしかすると私が悪いの? そんなことを考えてしまうこともありますね。でも、男女の脳の違いに詳しい脳科学者の黒川伊保子先生は、浮気というものに対する考え方そのものを変えたほうがいいと言います。どうすればいいのでしょうか? 男性と女性では、浮気という概念が違うから、浮気という言葉の使い方が違うんですね。いちいち細かいことを浮気と呼ばないほうがいいかもしれません。そもそも男性は、ひとりの女性に絞るようには脳ができていないんです。だから、ひとりに絞るためには、よほど付き合っているという強い意識か、結婚しているというぐらいの制約が必要です。食事をしたり、趣味が一緒で何度か会うくらいは、浮気と呼ばないほうが精神衛生上いいのかもしれないですね。もちろん、親しい女性なんて一人いれば十分という男性もたくさんいます。その場合、「面倒くさい」が一番多い理由(苦笑)。つまり、浮気されたくなかったら、面倒くさがりで、出会いの少ない理系男子を狙ったりするのが早いのかもしれません。さて、とはいえ、こまめで優しく出会いの機会の多い男子に惚れちゃうこともあるでしょう。その場合は、「基本、人の心なんて縛れない」ことを肝に銘じてください。おっとりと「戻りたくなる女」でい続けるしかありません。イソップ寓話の「北風と太陽」を思い出してください。上着を脱がせるためには、力で引きはがすより、温かくして不必要にしてしまえばいい。口うるさい北風になるよりは、太陽になっちゃう方が、結局はてっとり早いんです。つまり、彼にとって、「浮気相手が不要」と思わせるくらいの、「戻りたい女」になればいい。浮気してもしなくても、常に彼にとって必要な女性になっておけばいいのです。そのためには、「この人としか交わせない言葉がある」「この人にしかわかってもらえないことがある」ということを作っておくことです。例えば、自分にしかない世界観があるということ。この件については彼女に聞いたら、一番深い答えが返ってくると彼が思う得意分野を持っておくということは強いですね。いわゆる知識体系じゃなくていい、彼女なら必ずユーモアで返してくれる、彼女なら黙って傍にいてくれるという普遍性を持つのも手。あるいは、彼が持っている世界観に対して、深い理解があるというのも素敵です。付け焼刃じゃなく、時間をかけて理解を深めてください。他にも、彼の努力をずっと知っているだとか、今は成功しているけど、叩き上げのときからずっと見ていて、自分の人生を知っていてくれるというのもいいですね。この人としか話ができない、ということはいくつも作れます。彼氏が思い入れが深いものに対して一緒に思い入れが深いというのもそう。別に崇高なことじゃなくていいのです。でもそれはね、作ってもダメなのです。野球に興味ないけど、彼がタイガースファンだから頑張って私もファンになる、というのは頑張りきれない。その場合は、彼が草野球とかやるなら、アスリートのためのランチを任せてとか、そんな風にサポートすることもできるかもしれませんね。そういうことだったら、何かできるのでは? この人としか話せないことがあれば、必要とされる女性になれます。男性は、美人だから恋に落ちても、美人だからという理由で離れられないわけじゃない。恋をゲットしたら、次にするのは、エステよりも言葉のオシャレなのです。それから、面倒臭い女になってはいけません。男の人は、恋人にまだ情はあっても、面倒臭くなって捨てることがけっこうあります。例えば、説明できないことをいつまでも追求されるとか、女性が我を張るとか。男女では脳が違うのですから、こっちが正しいと思っていることと、相手が正しいと思っていることと、折り合いがつかないことが98パーセントなんです。女の人は自分が正しいと思い込んでいるから、相手の男性が嘘をついているとか、わけがわかんないふりをしているとか思うでしょう? でも、脳が違うんです。どっちも自分が正しいと思って言ってるわけですよね。折り合う場所や納得がいく場所がないのに、折り合いつけなきゃ先に進めないと執着する女性がいるでしょう? あれは結局、最後捨てられます。男性脳は、男女関係の面倒くさいことには耐えられないのです。生殖リスクが低い哺乳類のオスは、ばらまく性ですから、面倒くさい異性に関わっている時間がもったいないと思うように脳が作られているのです。さっさと次の異性に行った方が遺伝子が残せますからね。 それから、携帯のメールからわかるような細かいことは知らないことにしましょう。彼のFacebookも見ないほうがいいです、本当は。「あなたは、あの日あのとき何をしていたの?」「連絡しなかったじゃない」とか、とやかく追求すると、もし女性と食事にでも行っていたのだったら、言いづらいことを言わなきゃいけなくなるじゃない。言いづらいことを言いたくないがために、別れる男性だってすごく数が多いんです。生殖リスクが高い女性は、遺伝子を厳選して一人の男性に惚れるのですもの、そんなことで捨てられてしまったら、もったいないですよね。だったら、黙っておけばいい。そうすれば、別れなくてすむのですから。浮気に目くじらを立ててしまいがちですが、黙って帰って来るのを待つぐらいの度量が必要なのかもしれないですね。彼のことが好きなら、大切なのは彼と別れないことのはず。彼との大切な関係を守るためにどうすべきか、考えて行動したいものですね。 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年03月07日前編 では、彼に優しくさせる作戦を実行しているうちに、彼がドンドン本当に優しくなるコツをお伝えしました。知らずにしているうちに、脳は入力と出力を勘違いしてしまうというのが、脳科学者の黒川伊保子先生のお話でしたね。後編では、いつの間にか彼が優しくしたくなるような、そんな女性になる方法を教えてもらいましょう。男性の脳は、視覚認識が強くはたらくので、美しい空間バランスを見せられると、その世界にぐっと惹きつけられます。それは例えば、フランス料理や懐石料理のように器に美しく盛られた料理のようなもの。それらは、器に対する料理の「空間占有率が低い」のです。このような料理には「魅せられて」向き合うことになります。女性も同じ。女性とふたりでバーで飲んでいるとき、男性脳は「バーという箱に収まった彼女」を確認します。これは、男性という生き物が三次元点型認識をしながら空間全体をサーチし、安全確認をする無意識の癖があるからで、砂漠やジャングルでも生き残るための大事な能力。空間の中の女性としてみられているということは、「空間占有率の低さ」を意識しなければいけないということなのです。そうしないと、「魅せられて」大切に向き合ってもらうことができなくなってしまいます。ですから、空間占有率を下げるしゃべり方が必要。男性とふたりのときに、ガハハと大きな声をあげて笑ったり、大声でしゃべるのはやめましょう。空間占有率が上がってしまいます。空間占有率が小さいというのは、愛おしいということでもあるから、男性とふたりのときには、しゃべりすぎないで、空間占有率を下げることが大切です。また、空間占有率は時系列においても考えられるものなので、考えている以上に、沈黙の時間を長くするように心がけるのもポイント。沈黙の時間があると、手持ちぶさただわと言う女性もいるようですが、本当は、1時間のうち20分はふたりとも黙っていたほうが男女の関係になりやすいんですよ。その20分の間は、お店を眺めたり、ウェイターさんの仕事をする手元をじっと見てたり、花に気がついたりしていればいいんです。「あの瓶は何の瓶かな?」とぽつりと言ってみたり。彼に向き合いすぎないのがポイントですね。「休みの日は何をしてるの?」「何が好き?」「血液型は?」って、彼に対して質問するのではなく、質問の的を彼からはずしてみましょう。「ソチ五輪見てた?」とか。お店のあれこれを見て「あのグラスきれい」といったような会話が本当は重要なんです。自分のことをしゃべり続けるというのが、一番空間占有率が高いんですね。次に、相手について質問すること。自分についてえんえん語ること。それと恩着せがましいセリフ…「あなたのために、こうもした、ああもした」という話。女性は、プロセスを語りたい癖があるので、恩を着せるつもりがなくても、つい言っちゃうことも。気を付けてね。だから、沈黙の時間を持つことと、自分やあなたといった当事者ではなく、そこから的をはずしたところで会話をして、さらに言葉数もできれば少なくテンションをおさえた会話をするといいですね。さらに、声のトーンもそんなに高くなく、メゾソプラノからアルトぐらい、男性が邪魔に感じないということが感性上はとても大切です。■男性脳に響くポイントを味方につけましょう女性はついついアピールしがちですが、男性脳が自然と好む印象を演出することが大切なんですね。普段あまり意識することがない、空間占有率を味方につけて、彼にとびきり優しくしてもらいましょう。 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年02月28日ステキな恋もしたいけど、仕事だってとても大切! やっぱり職場でも、きちんと認められたいものですよね。そのために大切なポイントを、エンジニアとしてバリバリ働いていた経験もお持ちの脳科学者、黒川伊保子先生に尋ねてみました。まず姿勢! 背中が丸い日本女性はとても多いので、背筋をきちんと伸ばしただけで、この国では目立てます。空間認識に長けている男性脳は、姿勢を意外に見ています。偉い人の目に入りますよ。とても大切なことだから必ず覚えておきましょう。それから、論理的に話すということが大切。女性が、男性から論理的と見えるように話すには、「まず結論から言う」「ポイントは最初に数で言う」「一押し提案はせずに複数提案をする」この3つが大切です。この3つは男性脳から見て、頭がよく見えるというポイントなんです。活躍している女性が職場で使っているのは男性脳なので、相手が女性であってもバリバリ働く人と話すときは心がけるといいですね。優秀な女性脳は直感力が働くので、「これしかない一押し提案」が正しくしっかり降りてきます。このため、どうでもいい見せ提案をつけなくちゃならない「フェアな複数提案」はきっと虚しい気がするはず。けれど、会社にいる間の男性脳は直感力は働きにくく、方向性の違う複数提案を吟味することによって正しい選択をしたと思いたいのです。したがって、脳裏には「一押し」が浮かんでも、複数提案にして男性を安心させた後で、「ちなみに、私がぴんときた一押しはこれです」とクールにアシストするのです。センスのあるプロフェッショナルに見られます。職場で絶対に言ってはいけない言葉があります。それは、「でも」「だって」「どうせ」「ダメ」のD音、4ワード。私はこのD音の言葉は、35歳までは言わないと決めていました。このDの音は停滞の音なので、例えばストレスが上がってきた人に「どうどう」と言ってあげるのはいいんです。「どうしたの?」とか「大丈夫?」なども。けれども、「でも」「だって」「どうせ」「ダメ」のような言葉は、職場で私的な気持ちをしゃべっているように聞こえます。全部自分を守るための言葉だから、客観性がありません。なので、会社や仕事のことより、自分のことを考えて行動しているように見えてしまうんです。私はエンジニアだったのですが、例えば「来週の火曜日までにこのテストを終えてください」と、できないことを言われたとしますよね。うっかりしてると、「ダメです」「できませんよ」「だって」と言ってしまうんですが、それでは完全にプロには見えないですよね。そういうときは、「来週の火曜日でしたら85パーセントまでのテストが可能です。すべて完成するには水曜日までいただきたいと思いますが、火曜日までにどうしてもということであれば当面不必要な15パーセントを選んで残りをやりますが、いかがでしょうか?」という具合に、全部提案に変えて言うんです。無理して引き受けてストレスを溜める人より、きちんと提案できる人の方が出世しやすいのではないでしょうか。Dの言葉は言わないと決める。そうすると前向きな言葉しか言わなくなりますから。そのときに一番大切なのは、あくまでも相手のために考えるという立場を貫くこと。無理をして質が下がれば、仲間やクライアントに迷惑がかかる。無理する自分がかわいそうだから抵抗するのではなく、仲間や顧客を守るために出てきた言葉であることが必要なのです。仕事で認められる女性になるためには、自分のことの前に、組織やクライアントを守りきる気持ちになれることが不可欠だと思います。「叱られて、落ち込む帰り道」なんて一人前の女性にはあり得ません。「仲間やクライアントを守りきれなくて指摘され、明日からどうしたらいいか検討する帰り道」はあっても。頭がいいとか資格をとるとか、英語がしゃべれるとか、そんなところに敬愛が寄せられるわけではないのです。職場では自己愛を捨てて、誰かを守る自尊心の人になりましょう。自己愛型の女性がついつい言ってしまいがちな、「でも」「だって」「どうせ」「ダメ」の4つの言葉。まずは自分の中から消してみてはいかがでしょうか? 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年02月14日付き合う男は、なぜかいつもダメ男、そういう女性はいませんか? 女にだらしなかったり、借金癖があったり、そんな男性なのに好きになってしまう。そういった女性が幸せになるにはどうしたらいいのか、男女の脳の違いに詳しい脳科学者、黒川伊保子先生に尋ねてみました。ダメ男を好きになる方は、ステキな女性なのよね。誠実で、お金も稼げ、母性があって、情が深い女性がダメ男を好きになる。それは遺伝子のなせる技なんです。自分とは違うタイプを好きになって、より多くの遺伝子のバリエーションを残すことによって、生物は生存する可能性をあげようとしています。偏った遺伝子しか残せなかったら、異常気象があったり、伝染病が流行ったりすると、種が絶えてしまうでしょう? 寒さに強い遺伝子も、暑さに強い遺伝子も子孫に残した方がいい。このため、ヒトは自分とは異なる免疫抗体を作りだす遺伝子を求めるから、感性が真逆の相手の惚れがち。ダメ男ばかり好きになる女性はイイ女で、そういう男性の遺伝子セットに共通している特徴に惹かれている可能性が高いのです。でもね、モノは考えよう。ステキなあなたは、地球上のダメ男を助けるために生まれてきた天使。ある意味、覚悟を決めたほうがいい。本当に惚れた男と結婚したければね。ダメ男の種類ごとに手なづけ方は違います。それぞれにルールを決めて、自分を守ってください。お金にだらしがなければ、「暮らしは私がささえるけど、使い道のわからないお金は絶対に出さない」とか。あるいは月に最低10万円だけは家に入れてねとか。日常守ってほしいルール、絶対に許せない限度を決めて、それを守っている間は何も言わないという風にするとよいでしょう。男性は基本的にルール好きの上に、ダメ男は楽な方へ流れる質の持ち主。してしまったことを「どうして?」と問い詰めても面倒くさがって説明もしてくれないけれど、「こうしてね」は意外に守ります。逆らうより、言いなりになったほうが楽だからです(苦笑)。だからこそ、優しくて、几帳面な女性にとっては一緒にいて楽な一面があるのです。(そこに惚れちゃうんでしょ?)ダメじゃない男に会いたいと願っても、無駄な抵抗かも。遺伝子レベルの反応だから、いくら周りに誠実な男性がいても目に入らないし、アプローチされてもピンとこない。いい男に出逢えないのは、そこにいないからじゃないのです。もちろん、そこそこの友情を感じる男性と、穏やかな暮らしを営むことも結婚のかたちの一つ。齢を重ねてくれば、その選択もありますよ。自分の人生は、自分で作る。ダメ男を好きになってしまう人は、惚れてしまったら覚悟を決めて。そして、自分のことは自分で守るようにしましょう。そのためにも、ちゃんと職業を持ったほうがよいですよね。ステキな女性だからこそ、こういう遺伝子のミックスになるんだと自覚して、自分が悪いとか、相手を変えようとか思わなくていい。ただし、自分を守るルールは賢く決めてね、何度も言うけど。彼のことばや態度が、あなたを卑しめるのであれば、辛くても、その男は捨てなきゃいけない。それでも、どうしてもダメ男以外の男子と結ばれたいと言うのなら、自分がだらしない女になってみては? お金もないのにカードで買い物するとか、友達との約束を破ってみるとか、誰かに仕事を押し付けるとか、ちゃっかり奢らせるとか。でもね、だぶんできないと思う。人は、それぐらい変えられないものなんですよね。つまり、ダメ男も自分も変えられない。だから、自分を変えようとするのも、相手を変えようと思うのもやめて、覚悟を決めるしかないのです。「諦める」というとネガティブなように聞こえるかもしれないけれど、これは「覚悟を決めて、自立して、自分を守りながら、相手を受け入れる」ということで、知的な諦め。ただ、その生き方は、女を艶やかにしますよ。女の人生に、努力のし損というのはないのです。なににせよ、自分で選んで歩き出すこと。幸せになってね! 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年01月24日前編 では年齢と脳の戦略の関係について、黒川先生の理論を聞きました。では、合コンなど普段の出会いで、どうやって運命の人を探せばいいのでしょう? そのコツを聞いてみました。■相手のポイントを見つけよう合コンのときは、「好奇心のツボ」を見つけることですね。それは、相手の「好奇心の先」であり、自分自身が「好奇心を持てること」を見つけ出すこと。たとえば、鉄道の話になって、相手がローカル線の旅が好き、と言ったら、「あなたの一押しローカル線はどこ?」などと「それはなぜ?」と聞いて行けばいい。質問上手は、惚れさせ上手ですよ。趣味が難しければ、仕事の話でもいい。けれど、その場合も、「何やってるんですか」なんてつまらない質問はしないこと。たとえば、銀行員なら、「世界で一番いい銀行って、どこ? プロから見て」みたいな普段聞かれない質問をしてみて。「実は学生時代ラグビーやっていて」と言われたら、「ルールわからないんですよね」って。今度連れて行って、ルールを教えてやるかと思われるぐらいまで、無邪気に一生懸命になれればいいですよね。相手に合わせるのではなくて、自分の興味に従って。自分がその話を続けたければ、それもOKですし、知らなくて教えてもらいたかったら聞けばよいのです。興味がなかったら別のポイントをみつけましょう。正直に自分が興味を持てるところを探すんです。それを小賢しくマニュアルとしてやるのとは全く反対。合コンでは、集まった5人の男性のうち、誰なら自分が楽しめるかを探せばいいんですよ。誰が自分を気に入ってくれるかではありません。ゴルフなのか、ラーメンなのか、鉄道オタクなのか。私の息子だったらバイクかモトクロスのレース、パンクロックかな。その中に自分のきっかけを見つけられるかです。一通り聞いても興味が湧かなかったら、もうふた通り目聞いたらいいでしょう。自分が聞きたいことを引き出します。それを聞くとき、「日曜日何をしてますか」「趣味は何ですか」ではつまらないので、「去年一年で一番感動したことって何ですか」や「最近泣いた?」「笑いが止まらなかったことって何?」などを聞いてみて。「小学校のとき一番好きだった先生の名前を教えて」とか、何でもないことですよ。■自分ならではの考えをぶつけよう男性は異性の射程範囲が広いから、10人の若い女の子がいれば、8人くらいはいい子だなと思っちゃう。だから、「キレイで優しい」なんてことで競っても、特別なひとりにはなれません。「この人としか、話せないことがある」という“心のフック”を感じたら特別な人になれるし、「この人に、もう一度、話を聞いてもらいたい」と思ってメールをしてくれます。でもね、世の中の大半の人がいいと思う話題じゃ、フックにならない。逆に、「世の中の人と違うところ」がフックになるんですよ。たとえば、「私、ディズニーランドが好き」「定番すぎるけど、やっぱ、ミッキーってよくない?」じゃ、「あ、そう」って感じ。けど、「私、ディズニーランドが意外に苦手。イベントって、嫌いかも」「あ~、おれ、それわかる」とか「キャラクターでは、プルートだけが好き。だって、あの子だけかわいそうなんだもん。グーフィーは洋服着てるのに、なぜ、プルートは犬のままなの?」「あ、おれも、それ思った!」みたいなことなら、仲良くなれるでしょう? 自分だけの、小さな心の引っ掛かりは、会話のフックを創り出すいいネタになります。「小さな頃、大人に嘘つくなって言われて、大人は嘘ついてんじゃんって思わなかった? 」というような、そんな話題でもいいでしょう。自分の人生の中で心に引っかかってることを言っていけばいいのでは。惚れあう相手は感性の正反対の相手だけど、こういう些細な着目点が重なることはよくあります。着目点が似ていて、実際の行動は食い違うというのが、感性真逆の相性なんです。そして、それこそが恋の相手。共通の着目点を見つけて、「え、あなたはこうするの。なるほど」と違いを味わいましょう。それこそが、合コンの正しい使い方ですよ。ということは、「楽しいけど共感できずにムカつくことも多い」という人にアンテナを向けてみて。そういう人を見つけるには、まず自分の人生や生活に好奇心を持つことが大事ですね。人の言うことを鵜呑みにしないで、自分の感覚を大事にしておくこと。そうすれば、いつか同じように感じている人と出会えます。そうやって出会った人が運命の人かもしれないですよ。 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2013年12月20日『クロユリ団地』で渾身の絶叫を披露し、女優として着実に成長を遂げている前田敦子が、『苦役列車』の監督・山下敦弘と再びタッグを組んだ『もらとりあむタマ子』の劇場公開が決定。さらに、アジア最大の映画祭である釜山国際映画祭「A Window on Asian Cinema部門」に出品され、ワールドプレミアとなることが決まった。本作は、前田さん扮する「タマ子」という女の子の日常のひとコマを季節ごとにワン・シチュエーションで表現した、音楽チャンネル「MUSIC ON! TV(エムオン!)」のメッセージを伝えるイメージ映像(ステーションID)から生まれたプロジェクト。30秒のステーションIDから始まった作品が、今年4月放映の短編ドラマを経て、今回、長編映画として劇場公開されるだけでなく、国際映画祭に出品されるのは異例中の異例だ。主人公のタマ子とは、東京の大学を出たものの、父親がひとりで暮らす甲府の実家に戻り、就職もせず、家業のスポーツ店も手伝わず、ただひたすら食っちゃ寝、食っちゃ寝の“残念な実家依存娘”。本作は、そんなタマ子が、ちょっとした一歩を踏み出すまでの秋から夏に至る1年が季節感たっぷりに描かれる。ボサボサ頭で毎日がほぼジャージ姿、家事を手伝うこともなくただひたすらロールキャベツや、カレーライス、アイスキャンディなどを食べまくり、中学生にまで同情されてしまうほどの自堕落な日々を送るタマ子を演じるのは、本作でも新境地に挑戦した前田さん。「タマ子は食べているか寝ているかで(笑)、仕事もしていないし実家でダラダラしている女の子という設定ですが、別に特殊な女の子ではなく、実は誰もが持っている気持ちの一部なんじゃないかなと思います。私もどこか共感してしまうところがあります」と、ちょっぴり“残念な”タマ子への思い入れの深さを語った。また、ステーションIDと同様、本作のメガホンをとるのは『マイ・バック・ページ』『リンダ リンダ リンダ』など、国内外で絶大な評価を受ける山下敦弘監督。主演の前田さんを、「逆ギレが得意で、ぐうたらで、口だけ番長というどうしようもない性格のタマ子を前田さんは迷いのない目で演じ切ってくれた」と絶賛。今回、短編TVドラマから劇場公開作品となったのも、「“あっちゃんが素晴らしかったから!”の一言に尽きる」と、前田さんあってこその“タマ子”であることを話した。なお、脚本は昨年『ふがいない僕は空を見た』が高い評価を得た向井康介、主題歌は星野源が提供する「季節」と、こちらもTVからの続投する。『もらとりあむタマ子』は11月23日(土・祝)より新宿武蔵野館ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:もらとりあむタマ子 2013年11月23日より全国にて公開(C) 2013『もらとりあむタマ子』製作委員会
2013年08月20日俳優の藤岡弘、が12日に都内で行われたブレーレイBOX『インディ・ジョーンズ コンプリート・アドベンチャーズ』(9月14日発売)のPRイベントに、ワイルドな“インディ”ルックで登場した。その他の写真かつて探検番組で“隊長”として世界各地を旅した藤岡は、「アマゾンの村で、弓矢を構えた無数の若者に囲まれた」「サソリの大群に遭遇した」などインディ顔負けの冒険談を次々と披露。さらにインディ同様「実はヘビが嫌いなんだよ」とも明かし、「機会があれば、和製インディを演じてみたいね」と意欲を見せた。ジョージ・ルーカスとスティーブン・スピルバーグという映画界の2台巨頭がタッグを組んだ、アドベンチャームービー4部作が待望のブルーレイ化。リストア修復された第1作『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』をはじめ、『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』『インディ・ジョーンズ 最後の聖戦』『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』もリマスターされ、輝かしい伝説が高画質・高音質で完全網羅される。初収録のドキュメンタリー2種類を含む、計7時間の特典映像もファン必見だ。「観るたび、ドキドキワクワクするのがインディの魅力。今回はブレーレイだから、映像の美しさが全然違うし、特典映像もぜひ楽しみたいね」と語る藤岡、は『…最後の聖戦』に登場するペトラ遺跡にも足を運んだことがあるそうで「映画を思い出したし、自分がインディになった気持ちになったね。世界はまだまだロマンに満ちあふれている」と熱弁。「冒険なくして、何がある! 男はチャレンジしなくちゃ。ロマンがないと人生つまらない」と世の草食男子にエールをおくった。イベントでは、インディのトレードマークであるムチを使った競技“ターゲットウィップ”にも挑戦。「ナイフは得意だけど、ムチは初めてだよ」というが、見事なムチさばきで『レイダース…』に登場する黄金像をゲットした。この日はファッションモデルの中村アンもスペシャル・サポーターとして同席し「私自身、好奇心旺盛で、アドベンチャーが大好き。一緒に(ブルーレイを)観るならインディや藤岡さんみたいな頼りがいがある男性がいい」と語った。『インディ・ジョーンズ コンプリート・アドベンチャーズ』9月14日(金)発売ブルーレイBOX1万3650円発売・販売元:パラマウント ジャパン
2012年09月12日2011年春に上演された『鎌塚氏、放り投げる』は、シャープで知的な笑いの波状攻撃に加え、三宅弘城演じる“万能執事・鎌塚アカシ”というニュースターを生み出し、劇作・演出の倉持裕が新境地を開いた記念すべき作品。その第2弾『鎌塚氏、すくい上げる』が今夏上演される。7月下旬の某日、稽古場を訪ねた。M&OPlaysプロデュース「鎌塚氏、すくい上げる」 チケット情報空間を不可思議かつ自在に使いこなすことに定評のある倉持が、今回選んだ舞台は豪華客船だ。完璧なる執事・アカシは主人・由利松公爵より、船上で行われる長男モトキ(田中圭)と花房家公爵令嬢センリ(満島ひかり)の見合いを成功させよとの命を受け、レッドジンジャー号に乗り込む。待ち受けていたのは、政略結婚を嫌うセンリが女中ミカゲ(市川実和子)に無理やり協力させた“作戦”や、打算と恨みで見合いを壊そうとする堂田男爵夫人タヅル(広岡由里子)と執事スミキチ(玉置孝匡)の陰謀、そして船長・丸地(今野浩喜)と船員・烏田(六角精児)のワケありな雰囲気、など不穏なことばかり。出演者8人の個性が、奇抜なキャラクターと溶け合い輝きを放つ。一見自信満々ながら実は非力でひ弱なモトキ坊ちゃんを田中が伸びやかに演じれば、満島が見るからに跳ねっ返りのセンリ嬢を虚実の境目が見えない暴走演技で応える。アカシに憧れるミカゲの切なさ、色っぽさを醸し出す市川も好サポート。前回から続投の広岡&玉置は、さすがの安定感で丁々発止の掛け合いせりふを操り毒のある笑いを振りまく。兄弟に見えなくもない六角と今野の、ぶっきらぼうながら息ピッタリのやりとりが作品に新たな風を吹き込む。そして、なんと言っても三宅演じるアカシが良い。ご主人からの難題を次々にクリアするスーパー執事を、抜群の身体性から繰り出すアクロバティックな演技、マンガかと思うほど変貌する表情、芸人顔負けの勘の良さで、戯曲の笑いを次々に具現化していく。倉持は、そんな魅力的な出演者に感情から動きまで実に繊細な指示を手渡しながら、同時にオモシロぜりふをその場で考えて差し込むという余力を見せ、演出ぶりからは開幕までに作品がさらに進化する可能性大と見て取れた。加えて豪華客船の甲板を模した舞台装置は360度回転し、変わりゆく舞台上の景色が物語を加速させるのだ。『鎌塚氏、放り投げる』にはタイトルに因んだ、ヨーロッパ映画のように小粋なラストシーンが用意されていたが、今回も終幕に小さな「奇跡」が起こる。センスの良い会話の妙に笑い、アクションシーンにハラハラし、誰もが幸福になれるラストに酔う。劇場での上質な時間を、是非味わって欲しい。公演は8月9日(木)から26日(日)まで東京・本多劇場にて上演。その後、名古屋、大阪、島根で公演を行う。取材・文:尾上そら
2012年08月06日