Lam Researchは7月13日(米国時間)、同社のALD製品として、高生産性を実現した「VECTOR ALD Oxide」を発表した。同装置は、最先端のパターン生成工程、特に側壁スペーサを用いたマルチパターニングへの適用を想定して開発されたALDで、高い微細寸法(critical dimensions:CD)制御性により、側壁スペーサの膜厚変動を抑制することを可能にしつつ、高いスループットも実現したとする。具体的には、14nm以降のパターン生成では、自己整合型ダブルパターニング(self-aligned double patterning:SADP)や自己整合型4倍パターニング(self-aligned quadruple patterning:SAQP)などの自己整合側壁スペーサを用いたマルチパターニングが用いられるが、その実現に要求される数オングストロームの面内膜厚変動を維持しつつ、4ステーションのモジュールが4枚のウェハを同時処理することでスループットの向上も果たしたとする。また、コンパクト設計により、設置面積当たりの生産性は従来方法比で最高で20%向上するとしているほか、ガスとRFの切り替えを高速に行えるよう、ハードウェアは最適化されており、プリカーサ(前駆体)の使用量も削減できるとしている。なお同社では、高度なマルチパターニングを採用するメーカー各社にてプロセス開発と量産の両方の用途で活用が進んでいるとするほか、シリコン貫通電極(through-silicon vias:TSV)やイメージセンサなどの高アスペクト比のライナなど、他のプロセスへの展開も始まっているとしている。
2015年07月15日米Lam Researchは7月7日(米国時間)、コンダクタエッチング装置「2300 Kiyo F Series」とALD装置「VECTOR ALD Oxide」を発表した。半導体メーカーは、光リソグラフィの制限の補正のために、二重および四重パターニングスキーマを使用している。これらの技法では、目標の寸法にするためにリソグラフィ/エッチング/蒸着ステップを組み合わせて繰り返し、大型の密度の少ないパターンを印刷してから、サイズとスペーシングを縮小することで、単一パターニングで可能なサイズよりも、小型の機構を作成することができる。しかし、プロセスステップ数が増加することで、各ステップごとに全体の不均一性が高くなり、変動の問題が深刻化する。このような複合効果があるため、デバイスを意図した通りに機能させるには、エッチングと蒸着の変動許容度を厳しくする必要がある。また、変動によりデバイス性能、消費電力、および歩留りに影響が出て、再作業によるコストと時間の無駄が発生する場合があるので、プロセス制御は不可欠である。さらに、プロセスステップの追加による生産コストの増加を軽減するには、変動制御に加えて、高い生産性も必要である。コンダクタエッチング装置「2300 Kiyo F Series」は、受け入れるウェハに存在する限界寸法(CD)の不均一性の修正にHydra技術を使用して、パターニング変動に対応している。また、システムの対称なチェンバ設計により、本質的に均一なエッチングプロセスが可能となる他、Hydra技術により個所を特定した修正を行って、さらに均一性が向上する。同技術では変動を低減して、上流プロセスでの変動を補正するために、プロプライエタリなハードウェアとソフトウェアを使って、受け入れたCDをマッピングし、ウェハ全体の中から局所的にエッチングプロセス条件を調整できる。ALD装置「VECTOR ALD Oxide」は、原子スケール蒸着を活用して、均等な厚さで反復性が高く欠陥率の低い、コンフォーマルな膜を提供する。これらの機能は、後のステップのために堆積膜をマスクにし、重要なパターン寸法を定義するスペーサベースの複数パターニングアプローチに欠かせない。また、低温で膜を蒸着できるので、さまざまな素材上でスペーサを形成できる。さらに、ハードウェア設計により高速ガススイッチングが可能になり、競合システムよりも高い生産性を発揮する。
2014年07月10日米Lam Researchは7月7日(米国時間)、原子層堆積(ALD)関連製品ラインに、原子層エッチング(ALE)を追加したと発表した。機構サイズの縮小や、次世代デバイスアーキテクチャの導入が進む中で、製造におけるプロセス変動の制御はさらに困難になっている。次世代の要件を考慮すると、もうすぐ機構寸法の許容度は原子数個分並みになると見られる。同時に、デバイスのアスペクト比は増大を続け、トポグラフィはさらに複雑になっている。この先進的な構造の要件に、従来のプラズマエッチングおよび蒸着プロセスは対応できないため、新しいアプローチが必要となる。ALEとALDは、一度にいくつかの原子層で蒸着と除去を行うマルチステッププロセスのサイクルを使用して、正確に制御するソリューションを提供する。課題は、コスト要件の厳しくなる製造環境に、これらのプロセスが適合するように、生産性を向上させることである。コンダクタエッチングシステム「2300 Kiyo F Series」上の新ALE機能は、生産の採算が見込め、次世代ウェハプロセスを可能にする原子スケールの変動制御を行う。具体的には、リアクタ内の高速ガススイッチングと先進プラズマ技法を活用し、スループットを大幅に向上させている。一方で、ダイナミックRFバイアルは、高いアスペクト比(深く狭い)の機構で素材の除去に必要な指向性エッチングを可能にする。さらに、対称的なチャンバ設計、先進静電チャック技術、および独立プロセスチューニング機構などによって実現される優れた均一性と回復可能性を、引き続き提供する。また、ALE機能は、同社の誘電体膜ALD用VECTOR ALD Oxide製品、およびタングステン金属膜ALD用ALTUSシステムとともに活用され、各原子が重要となる原子スケールのチップ製造への、業界シフトをサポートするとしている。
2014年07月10日みなさんは「ALD」(エイエル ディー)という病名を耳にしたことがあるだろうか?「ALD」とは「副腎白質ジストロフィー」という、先天性代謝異常症の難病である。この難病治療の未来について積極的に取り組んでいくNPO法人「ALDの未来を考える会」が、このたび発足された。理事長である本間りえ氏の今年22歳となる息子さんが「ALD」と診断されたのは、今から17年前のこと。当時、「ALD」という難病はあまり知られていないため、何をしてよいのかもわからず、孤独と闘っていたという本間氏。大きなショックを受けた本間氏は、「同じ境遇で苦しんでいる人と話がしたい!」という強い想いから、“ロレンツォのオイル”(※)の患者連絡網をもとに「ALD親の会」をスタートさせた。それから12年の歳月を経て、NPO法人化が実現された。※“ロレンツォのオイル”=ALDの治療薬。実話を映画化した ロレンツォのオイル/命の詩 (1992年公開)はアカデミー賞ノミネート作品ここまでの道のりは決して平坦ではなかったが、様々な出会いによって支えられてきたという。2010年1月、“もっとこの活動を広めていきたい!”と思っていた頃、本間氏は、日本ロレアル株式会社が新たな社会貢献活動として実施していた「100 LOVE HANDS」プロジェクトに出会う。このプロジェクトは、日本ロレアル独自のハンドマッサージなどの“タッチセラピー”プログラムを通じて、女性癌患者や難病の子供を抱える母親たちに、しばし癒しのひとときを提供する取り組みだ。昨年夏に行われた「ALD 夏の勉強会」においても “タッチセラピー”プログラムを通じて、患者や介護をしている家族のみなさんを癒したという。そんなご縁もあり、NPO法人設立式の司会進行は、本間氏と親交も深い日本ロレアルの安尾美由紀氏が登場した。発足当初は、会報からスタートした「ALD 親の会」も、いまでは本間氏による勉強会や大学や各所での講演会にまで広がった。また、雑誌「Story」に赤裸々に綴られた息子さんへの想い、家族への想い、介護で見失っていた“美容”に対する想いには、同じ母であり女性である読者たちに大きな影響を与えた。「愛」の反対は「無関心」だ、と語る本間氏。「今までは医療者が中心になっていた医療現場も、現在では「ALDの未来を考える会」をはじめとし、患者たち自身が中心となって考え、知識を増やして広めていくという活動が増えてきています。もっと皆さんにこの活動や現状について関心をもって頂きたい。「愛」を持って頂けたら…そのために、これからも幅広い活動を続けていきます」「ALD」という難病の存在をもっと知ってもらうため、本間氏による講演やセミナー等は、今後は関東のみならず西日本エリアでも開催していくという。もしもあなたのお子さんが「ALD」だったら…あなたはどう考え、どう行動し、どう家族とともに生きていくだろうか?一度想像してみて欲しい。 ALD 親の会ホームページ NPO法人A-Future/ALDの未来を考える会 facebookページ 日本ロレアル「100 LOVE HANDS」プロジェクト
2012年06月15日