2015年の第17回「ショパン国際ピアノコンクール」優勝者チョ・ソンジンの来日公演が近づいてきた(2022年8月25日東京オペラシティ他)。今回の公演は、コロナ禍による2度の延期を経て、2019年以来3年ぶりに実現するステージだけに期待が募る。今回予定されるプログラムについては、後半に置かれたロマン派の名曲はもちろんのこと、冒頭に置かれたヘンデルの「クラブサン組曲」に興味津々。往年のピアノファンにとっては、リヒテルとガヴリーロフが交互に演奏を繰り返した録音や、キースジャレットによる名盤が記憶に残っているに違いない。演奏される機会が決して多いとは言えないながら、J.S.バッハの「平均律クラヴィーア曲集」に勝るとも劣らない鍵盤楽器のための名曲だ。チョ・ソンジンの繊細なピアニズムによって、ヘンデルの力作に再び注目が集まることに期待したい。大きな話題となったショパンコンクール優勝から7年。今や世界のトップピアニストとして活躍するチョ・ソンジンの進化と深化やいかに。なにはともあれ、3度目の正直となる今回こそは、無事に開催されることを祈るばかりだ。●チョ・ソンジン ピアノ・リサイタル2022年8月25日(木)19:00東京オペラシティコンサートホール(完売)<プログラム>ヘンデル:クラヴサン(チェンバロ)組曲第2番ヘ長調HWV427ヘンデル:クラヴサン(チェンバロ)組曲第8番へ短調HWV433ブラームス:ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ 変ロ長調 Op.24***シューマン:3つの幻想小曲集 Op.111シューマン:交響的練習曲 Op.13公演詳細: <他公演日程>8/23(火)18:45 愛知県芸術劇場コンサートホール8/27(土)15:00 よこすか芸術劇場<プログラム>ヘンデル:クラヴサン(チェンバロ)組曲第5番ホ長調HWV430ヘンデル:クラヴサン(チェンバロ)組曲第7番変ロ長調HWV440ブラームス:ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ 変ロ長調 Op.24***ショパン:スケルツォ第1番〜第4番
2022年07月21日IDC Japanは4月5日、国内法人向けタブレット市場の2015年の出荷台数実績およびOS別市場シェアを発表した。発表によると、2015年の国内法人向けタブレット市場出荷台数は、前年比0.2%増の241万台と、ほぼフラットな状態となった。法人向けタブレット市場の中で、アップルが最も高いシェアを確保し続けており、2015年のOSシェアを見た場合でも依然としてiOSが中心となっている。しかしながら、iOSの法人市場向けシェアは年々減少しており、2013年で46.5%あったものが、2015年では39.2%と減少。一方、Windowsのシェアは2013年では18.6%だったが、2015年では25.1%と増加し、WindowsがiOSのシェアを切り崩しているとみることができるという。法人向けタブレットは、企業などで電子メールやスケジュール管理などのコミュニケーションやプレゼンテーションのツールとして導入されてきており、Windowsタブレットはこれに加え、Microsoft Officeなどのアプリケーションで作成されたデータの閲覧や簡単な編集などの用途から、出荷が伸びていると考えられるとしている。成長を続けているWindowsタブレットで中心となるマイクロソフトの2015年の出荷台数は、前年比21.3%減となり、Windowsタブレットの中では27.1%のシェアを占めたが、前年比約11ポイントのシェアを落とした。これは、2015年に各社のキーボード脱着可能なデタッチャブルタブレットの製品ラインアップが拡充し、マイクロソフトよりも安価に市場投入され、市場が拡大するとともに、企業でタブレットの選択の幅が広がったことが大きな要因で、マイクロソフトの製品出荷は減少したが、Windowsタブレット市場が拡大したことで、WindowsおよびOffice 365などのサブスクリプションライセンスビジネスが拡大され、同社の収入源の基盤ができはじめたと考えられるという。IDC Japan PC,携帯端末&クライアントソリューション シニアマーケットアナリストの浅野浩寿氏は「2015年の法人向けタブレット市場は、前年比0.2%増でほぼフラットだった。これは、企業で試験導入は進んでいるものの、本格導入に至らない企業が多いことも一つの要因である。今後、企業がタブレットを本格導入するためには、タブレット利用による投資対効果を定量化し、見える化することが必要となる」と述べている。
2016年04月05日日本レジストリサービス(JPRS)は3月28日、JPドメイン名の登録管理業務に関する2015年の年次報告書「JPドメイン名レジストリレポート2015」を公開した。同レポートは、インターネット社会の基盤を支える高い公益性と競争力が必要とされるドメイン名の登録管理業務について、JPドメイン名のレジストリ(登録管理組織)であるJPRSが、その活動内容を広く一般に公開することがインターネットの一層の健全な発展に資することになるとの考えに基づき、2004年より毎年公開しているもの。JPRSの2015年の取り組みとしては、2015年1月に登録者が意図しないドメイン名関連情報の書き換えを防ぐ「レジストリロックサービス」の提供を指定事業者向けに開始、ドメイン名へのさらなるニーズに対応するため、属性型JPドメイン名の登録対象組織の拡充などを行ったことが挙げられている。また2015年は、ドメイン名登録情報の不正書き換えによるドメイン名ハイジャックやDNSの仕組みを悪用したDDoS攻撃など、DNSの安定運用を脅かすインシデントが引き続き発生し、緊急対応度の高い深刻なDNSソフトウェアの脆弱性が見つかった。これらに対し、JPRSは関係組織と連携しながら概要説明や対策などの注意喚起を行ったとしている。同レポートによると、2016年1月1日時点で、JPドメイン名全体の累計登録数は1,410,247件となり、1年間で22,746件の増加となったという。JPドメイン名の累計登録数の内訳は、汎用が67.6%、属性型・地域型が31.6%、都道府県型が0.8%。
2016年03月28日イオンは3月22日、同社の電子マネー「WAON」の2015年度の年間利用金額が、2兆円を突破した(2015年3月~2016年2月)と発表した。同社によれば、2015年度の利用金額は、同年の市場規模の4割超える約2兆592億円に達し、「G.G WAON」「JMB WAON」「サッカー大好きWAON」など、利用目的にあわせた様々な種類のカードを発行しており、累計発行枚数は5,610万枚となったという(2016年2月末現在)。
2016年03月23日IDC Japanは3月22日、国内モバイルデバイス市場の2015年の出荷台数実績および2016年~2020年の予測を発表した。同社によると、2015年の国内モバイルデバイスの出荷台数は、前年比8.1%減の4792万台だった一方、スマートフォン市場は従来型携帯電話から移行が進み前年比3.6%増のプラス成長となったという。タブレット市場は通信事業者向けの出荷やB2B2Cなどの案件によって、前年比1.5%増にとどまり、PC市場は2014年のWindows XPサポート終了に伴う特需の反動の継続および円安に伴う平均価格上昇の影響により買い替えサイクルが長期化し、前年比31.4%減の大幅なマイナス成長となったとしている。このPC出荷台数の大幅な減少により、国内モバイルデバイス市場は前年比8.1%減のマイナス成長となった。同社は、2016年の国内モバイルデバイス市場は前年比8.2%減の4401万台と予測している。2016年は、総務省要請によるスマートフォンの実質0円販売の廃止により、出荷が減速する可能性が高くなるとして、2016年スマートフォン市場は前年比4.7%減の2620万台と予測している。タブレット市場は、学校関連を中心にビジネス市場での導入が進む一方、家庭市場ではキラーアプリケーション不在の状況が続き、大型スマートフォンとの競合もあり、市場全体として2016年は前年比17.3%減の687万台と予測している。PC市場は、前年比8.5%減の965万台と1000万台を切る出荷台数が予測されている一方、タブレット市場は、2015年のPCとデタッチャブルタブレットを合算した出荷台数は約1180万台だったとこ、2016年は約1130万台と、PCの出荷減少はデタッチャブルタブレットによって補足されると予測されている。
2016年03月22日警察庁は3月17日、2015年のサイバー脅威に関するまとめを公開した。これによると「標的型メール」による攻撃は3828件で過去最多だったという。概況としては、日本年金機構の情報漏えいに端を発し、さまざまな攻撃による情報窃取が判明した2015年となった。同庁では7333事業者とサイバー攻撃の情報共有を行う「サイバーインテリジェンス情報共有ネットワーク」によって標的型メール攻撃の状況を把握しており、2015年は過去最悪となる3828件の攻撃が起こった。なお、ここのところ、「標的型」から「バラマキ型」へ攻撃手法が移り変わっているとのセキュリティベンダーの指摘があり、警察庁でも標的型メール増加の要因はバラマキ型にあると説明。実に92%(3508件)がバラマキ型攻撃メールとなっていた。これらの攻撃の多く(89%)が非公開メールアドレスに対して行われており、攻撃対象の組織や職員の調査を周到に行った上でメールの送信をしているとみられる。また、送信元メールアドレスについては、77%が偽装によるものだった。また、昨年は添付ファイルの傾向が前2年と大きく異なり、Wordファイルが53%を占めた。ユーザーがWordファイルを開くと、不正プログラムがバックグラウンドで自動的にダウンロードされるもので、一見正当な文書が表示されることから、被害に気づきにくいという。一方で、インターネットにおけるアクセス情報の解析では、攻撃準備のための"探索行為"などを警察庁で分析している。これによると、不審なアクセスは1日1IPアドレスあたり729.3件で、前年比約1.5倍にのぼった。主に「23/TCP」ポートに対するアクセスが大幅に増加しており、ルータや監視カメラなどのLinux系OSが組み込まれた機器を標的とする探索行為とみられる。また、ネットバンキングにおける不正送金被害額が過去最悪となる約30億7300万円となり、前年の約29億1000万円を上回った。傾向は、被害を受けた金融機関数が倍増しており、信用金庫や信用組合、農業協同組合、労働金庫など、銀行以外の金融機関も狙われた。
2016年03月18日トレンドマイクロは3月15日、エクスプロイトキット(さまざまな脆弱性を攻撃するためのパッケージ化されたプログラム)の2015年を通した分析を、同社のセキュリティブログで公開した。これによると、2015年に公開され、エクスプロイトキットに利用された18件の脆弱性のうち、15件はエクスプロイトキットに悪用される前に修正プログラムが公開されていた。ただ、3件は"ゼロデイ脆弱性"として修正プログラムが提供される前にエクスプロイトキットに組み込まれていた。その多くはAdobe Flash Playerを対象としており、18件中15件がFlash Player、2件がMicrosoft Internet Explorer、1件がMicrosoft Silverlightだった。これらの脆弱性の半数以上で、最初に対応したエクスプロイトキットは「Angler Exploit Kit(Angler EK)」となっていた。Angler EKは2015年に最も猛威をふるったエクスプロイトキットといわれており、SymantecやESETの調査結果でも同様の傾向が見られる。ユーザーを攻撃するためにはエクスプロイトキットへ誘導しなければならないが、そのために「Web改ざん」と「不正広告」の手法が2015年に多く用いられた。Web改ざんでは、WordPressやJoomlaなどのOSS CMSやCMSプラグインの脆弱性を突いて改ざんを行っており、2015年12月にはAngler EKを活用してランサムウェアを拡散した大規模な攻撃キャンペーンも行われていたという。この攻撃では、1500を超えるWebサイトが改ざんされ、SWFオブジェクトが追加されていた。このオブジェクトは、iframeタグを密かに組み込むために別のFlashファイルを読み込み、エクスプロイトキットへと誘導していた。一方の不正広告では、ユーザーが気付かないうちに不正なWebサイトへ誘導される。Webサイトの広告は一般的に、所有者が直接管理する「純広告」は少なく、多くのケースでアドネットワークを組み込み、管理している。攻撃者は自ら広告を出稿してアドネットワークに不正広告を混入させ、エクスプロイトキットへと誘導する。不正広告の形態はバナーや埋め込み、ポップアップなどさまざまで、スクリプトを正規サイトの画像に追加してあたかも本当の広告のように見せかけていた。ユーザーがクリックせずとも、エクスプロイトキットのページに誘導し、多くのユーザーを攻撃していた。トレンドマイクロによると、2015年12月のエクスプロイトキットによる攻撃の88%が不正広告経由によるものだった。同社は、この数年でエクスプロイトキットによる脆弱性攻撃が強力なものであると証明されつつあると指摘し、それに変わる手法は現在のところ存在しないとした。それ以上にエクスプロイトキットの変化が見られており、セキュリティベンダーによるトラフィック検出を回避するために暗号化を施すなど、手口がより巧妙になりつつあるという。
2016年03月16日ブルーリボン賞、キネマ旬報ベストテン、日本アカデミー賞など、2015年の映画賞の結果が続々と発表されたが、改めて、2015年は日本の映画界にとってどのような年だっただろうか? 『キネマ旬報2016年3下旬号』(発売中 1200円+税 キネマ旬報社刊)の内容から、振り返る。2015年に日本で公開された映画は邦画が581本、洋画が555本の計1,136本だった。興行収入は邦画1,203億6,700万円、洋画967億5,200万円、合計で2,171億1,900万円となった。前年から比べると4.9%増と、わずかながら上向きの様子が見える。しかし、作品ごとの金額を見ると、ヒット作とそれ以外で大きく二極化していることがわかる。興行収入10億円を超えた作品は、全部で60本(2015年公開作品の5%にあたる)。この60本のヒット作品の興収合計が1,600億円にも及んでおり、興行収入全体の8割を占めている。元パラマウント ピクチャーズ ジャパン営業部の中川聡氏は「残りの95%の作品はどこに行ってしまったのか」と指摘する。現在主流の「シネマコンプレックス」システムでは、ヒット映画はロングラン上映を行うが、客が入らなければ上映回数が減り、すぐに打ち切りとなる。これにより、大ヒットする映画と、そうでない映画の差が開いてしまっているという。邦画1位となったのは、『映画 妖怪ウォッチ 誕生の秘密だニャン!』(東宝)、さらに『バケモノの子』『HERO』『名探偵コナン 業火の向日葵』『映画ドラえもん のび太の宇宙英雄記』『ドラゴンボールZ 復活の「F」』『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』『映画「ビリギャル」』『映画「暗殺教室」』と、東宝作品が続いていく。上位10作品の中で、東宝以外の作品となったのは、9位『ラブライブ! The School Idol Movie』(松竹)のみだった。この勢いにより、東宝は歴代4位の好成績を記録している。アニメ作品、人気TVシリーズの映画化、ベストセラーコミックの実写化など、ファミリー層や若者をメインターゲットにする同社の路線が大きく成功した。また、ギャガとの共同配給作品である『海街diary』(是枝裕和監督)は第68回カンヌ国際映画祭コンペディション部門に出品され、日本アカデミー賞作品賞を受賞するなど、収入と評価両方に優れた結果を残した年だった。創業120周年をむかえた松竹は自社製作に力を入れたが、年間興収は前年対比83,4%と厳しい結果に。しかしながら、『ソロモンの偽証 前篇・事件』『ソロモンの偽証 後篇・裁判』『駆込み女と駆出し男』『愛を積む人』『日本のいちばん長い日』『天空の蜂』『母と暮せば』等、業界で高く評価され、数々の賞を受賞する作品を多く生み出し、「ものづくりの会社」として大きく存在感を示した。一方、洋画は興行収入が12.1%アップ。『ジュラシック・ワールド』『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』などのシリーズものや、ディズニーアニメ『ベイマックス』などのヒットで明るい話題を提供した。熱狂的なファンの多かった『マッドマックス 怒りのデスロード』は18億1,000万円と、話題性から言えばもう少し伸ばしたかったところだ。しかし、「爆音上映」などの施策が当たり、「立川シネマシティだけで7,500~8,000万が上っている」(中川氏)など、今後の映画館にとって重要な事例となるだろう。
2016年03月14日キャセイパシフィック航空は3月9日、2015年通期(2015年1~12月)決算と2016年の計画・見通しを発表。純利益は90.5%増の60億香港ドルを達成し、2016年は新たにマドリード、ロンドン・ガトウィックへの旅客便の運航を開始する。また、機材に関しては予定を1年前倒しし、2016年中に全てのボーイング747-400型旅客機の退役を予定している。2015年度通期決算での純利益は、前年度の31億5,000万香港ドル(1香港ドル=約14.5円)を上回る60億香港ドル(日本円で約850億円)にのぼり、一株あたりの利益は前年の80.1香港セントから152.5香港セントに上昇。業績は燃料価格の下落に伴い、前年を上回る結果となった。同社は2015年、香港とチューリッヒ(3月)、ボストン(5月)、デュッセルドルフ(9月)を結ぶ各路線を新たに開設し、これら全ての新規路線で好調を維持している。また2016年6月にはマドリード、9月にはロンドン・ガトウィック空港への旅客便の運航を開始する。なお、香港ドラゴン航空は、2015年3月に東京・羽田、8月には広島への旅客便を開設した。機材に関しては、2015年においてキャセイパシフィック航空は、6機のボーイング777-300ER型機と3機のエアバスA330-300型機を受領。9月に53機目のボーイング777-300ER型機を受領し、同機種の最後の受領を完了した。これと並行し、4機のボーイング747-400型旅客機と4機のエアバスA340-300型機が退役を迎えた。2016年2月には、エアバスA340-300型機のうち1機を退役させ、残り3機となったボーイング747-400型旅客機についても2016年中に全てが退役する見通しとなってる。また、2013年にボーイング社との間で6機のボーイング747-400型貨物専用機の売却について合意している。すでに引き渡しを終えている2機に加え、残る4機についても2016年末までにボーイング社への引き渡しを完了する予定となっている。2015年12月31日時点で、キャセイパシフィック航空は計70機の新規運航機材の発注をしており、2024年までにこれらの機材を受領する。このうち、最新鋭のエアバスA350-900XWB型機については、2016年5月の1機目に続いて、年末までに計12機の受領を予定している。なお2015年5月には、すでに2機のエアバスA350型機用シミュレーターを受領している。2015年11月には新デザインを発表。間もなく退役を迎えるボーイング747-400型機とエアバスA340-300型機を除く、キャセイパシフィック航空と香港ドラゴン航空の全てのワイドボディ機の全クラスで、新型座席または改良型座席に刷新される。加えて、最新鋭のエアバスA350XWB型機には、新型の客室、座席、機内エンターテイメントシステムを導入する。2016年の見通しに関してキャセイパシフィック航空のジョン・スローサー会長は、「2015年は2014年と比べて事業を取り巻く環境に改善が見られたものの、いくつかの非常に難しい課題にも直面しました。この難しい局面は、2016年も続くことが予想されています。アジア地域における他社との激しい競争、外国為替の動向、上級クラスにおける旅客需要の低迷といった要因は、旅客単価の押し下げ圧力となっています。航空旅客需要は全般的に堅調に推移すると予想しており、燃料価格の下落による恩恵も持続できると期待しています」とコメントしている。
2016年03月10日警察庁は3日、平成27年(2015年)中のインターネットバンキング不正送金事犯の発生状況について発表した。平成27年におけるインターネットバンキング不正送金事犯の被害件数は1,495件。被害額は約30億7,300万円、不正送金を阻止した額を差し引いた実被害額は約26億4,600万円だった。件数では平成26年の1,876件から381件減少したものの、被害額は平成26年の約29億1,000万円から1億6,300万円増加。実被害額も約24億3,600万円から2億1,000万円増加し、過去最悪を更新した。被害金融機関は223金融機関。内訳は、都市銀行・ネット専業銀行・信託銀行・その他の銀行が16行、地方銀行が53行、信用金庫が98金庫、信用組合が17組合、農業協同組合が35組合、労働金庫が4金庫。2015年の被害特徴は法人口座被害の増加。特に信用金庫の法人口座被害が急増した。被害口座名義人の多くがセキュリティ対策を未実施だったという。送金先口座は中国人名義のものが約6割、日本人が約3割、その他が約1割。また、SMSを通じたフィッシングが初めて確認された。警察庁の取り組みとしては、口座売買など関連事件97事件に対し、160人を検挙。また、不正送金に利用される中継サーバの事業者一斉取り締まりや、ネット専業銀行への送金先口座対策要請などを行った。今後、口座凍結などのインフラ対策や、金融機関への情報提供などを進めるという。
2016年03月07日IDC Japanは3月7日、国内携帯電話、およびスマートフォン端末の2015年通年(1月~12月)と2015年第4四半期(10月~12月)の出荷台数を発表した。2015年通年の携帯電話出荷台数(スマートフォンと従来型携帯電話の合計)は、スマートフォンの増加分が従来型携帯電話の落ち込みを補完することができず、前年比5.9%減の3442万台。2015年第4四半期もその傾向に変わりはなく、前年同期比15.7%減の1046万台となった。2015年の国内携帯電話市場でシェア第1位を維持したアップルだが、2015年第4四半期のiPhone 6sの販売が伸びず、前年同期比20.8%減と大幅に落ち込んだ。第2位にはスマートフォンと従来型携帯電話を安定して供給しているシャープ、スマートフォン端末に特化したソニーは第3位、京セラが第4位、富士通が第5位となり2014年から順位に変更はなかった。一方、2015年通年のスマートフォン出荷台数は従来型携帯電話からの移行が進み、前年比3.6%増の2749万台。しかし、2015年第4四半期だけをみるとiPhoneの落ち込みが影響し、852万台、前年同期比13.7%減のマイナス成長だった。また、この落ち込みは年間のスマートフォンOS別シェアにも影響を及ぼしており、2011年以降、順調に伸ばしてきたiOSが2015年は後退し、52.4%となった。2015年のスマートフォンのベンダー別シェアでは、アップルが2014年から6.3ポイント落としたが第1位を維持。第2位以下は、ソニー、シャープと続き、2014年に第4位であったサムソンは第6位に後退、京セラが第4位、富士通が第5位へと、それぞれ順位を上げた。IDC Japan PC、携帯端末&クライアントソリューション リサーチマネージャーの片山雅弘氏は「大手通信事業者の2015年度第3四半期決算を見ると、各社とも増収・増益(増収:2%~8%、増益:11%~18%)である。この要因として、契約者向け動画などのコンテンツサービスが伸び、利用単価が上昇していることが挙げられる。また昨年2月に始まった総務省の『携帯電話の料金その他の提供条件に関するタスクフォース』を見越して、販売経費の削減を行った効果が出てきたことも背景にある」と分析。さらに「今後は、タスクフォースの答申に基づく総務省要請によりスマートフォンの実質0円販売を廃止することで、通信事業者は過度の買い替えを追う必要がなくなり、端末販売や価格設定に関する主導権は、iPhoneを中心に携帯電話機ベンダーから通信事業者に移っていくであろう」と述べている。
2016年03月07日IDC Japanは3月1日、国内ストレージソフトウェア市場の2015年上半期(1月~6月)のベンダーシェアを発表した。同社によると、2015年上半期の国内ストレージソフトウェア市場におけるシェア第1位はEMCで売上額シェアが19.9%、第2位はシマンテック(現ベリタステクノロジーズ)で同12.6%、第3位はIBMで同11.6%とのこと。上位3社の顔ぶれは前年同期と変わらないが、3社合計のシェアは上がっているという。同社のエンタープライズインフラストラクチャ リサーチマネージャーの鈴木康介氏は「ストレージソフトウェア市場では、ストレージ運用の効率化ニーズが高まり、先進的な機能が普及しつつある状況にあるにもかかわらず、各ベンダーの売上増のペースにはばらつきがある。データ保護/リカバリーソフトウェアを中心にした ISV(Independent Software Vendor)製品は依然として堅調な成長を続けているものの、ストレージシステムにバンドルされる管理系のソフトウェアに関しては、製品市場が成熟するにしたがって付加価値の訴求が難しくなっており、売上に影響が出ている」と分析している。
2016年03月01日IDC Japanは18日、2015年第4四半期(10月~12月)および2015年年間(1月~12月)における、国内クライアントPC市場出荷実績値を発表した。2015年年間(1月~12月)のPC出荷台数は、前年比31.4%減で、2014年から484万台少ない1,055万台となった。家庭向け市場が449万台で前年比25.2%減、ビジネス市場が606万台で同35.5%減。同社は「これまで『壊れた』『動作が遅くなった』『容量が足りない』などが買い替えの主な理由だったが、PCの性能向上により、PCを買い換える意識が薄らいでいる。この背後に、PCの進化にアプリケーションの進化がついていけてないという根本的な要因がある」と指摘する。2015年の国内PC市場のベンダー別出荷台数は、1位がNECレノボグループで277万台(シェア26.3%)、2位が富士通で175.9万台(16.7%)、3位が東芝で129.4万台(12.3%)、4位がHP Inc.で115.2万台(10.9%)、5位がデルで106.2万台(10.1%)となった。2015年第4四半期(10月~12月)の出荷台数は、ビジネス市場が133万台で前年同期比18.7%減、家庭向け市場は112万台で同13.5%減となり、合計出荷台数は245万台、同16.4%減となった。2015年第3四半期(7月~9月)に続き家庭市場、ビジネス市場ともに二桁のマイナス成長となった。2015年第4四半期(10月~12月)の上位5位までのベンダーシェアは、1位がNECレノボグループ(26.9%)、2位が富士通(17.1%)、3位が東芝(12.3%)、4位がデル(11.2%)、5位がHP Inc.(10.3%)となった。2015年第3四半期の5位から4位へ順位を上げたデルは、量販店向けの販路を強化したことで家庭市場で高い成長をみせたという。
2016年02月19日ジーエフケー マーケティングサービス ジャパン(GfK Japan)は、2015年の全国有力家電・IT取扱店(家電量販店、地域家電店など)における家電およびIT市場の販売動向を発表した。家電小売市場全体の販売額は、前年比5.7%減の7兆1,100億円。とくに大型生活家電や季節家電は、冷夏・暖冬が影響しマイナスとなった。インバウンド需要は局地的に影響が見られたものの、市場全体を押し上げるまでには至らなかったという。一方、インターネット通販の金額構成比は大型セールの影響もあって前年から1.2%上昇し、11.6%となった。今後も構成比は徐々に拡大するとGfK Japanは予測している。以下、製品ジャンルごとにみていく。AV市場においては、薄型テレビの販売台数が前年比1%減の570万台となった。ケーブルテレビなどのデジアナ変換サービス終了に伴う買い替え需要が発生がすると見られていたが、その影響は限定的だったとする。4Kテレビの販売台数は、前年同期比の3.2倍となる54万台。薄型テレビに占める4Kテレビの構成比は、数量ベースでは前年同期の3%から9%に、金額ベースでは13%から30%に拡大した。また、40型クラスの小型製品が増えたことが影響し、4Kテレビの平均価格は前年を下回る207,600円となった。BD/DVD市場は数量前年比11%減の460万台。BDプレーヤーの販売台数も前年比2%減となり、初めてマイナス成長に転じた。BDレコーダーは同9%減の230万台で、4年連続の減少となっている。ヘッドホンおよびヘッドセットの販売数は前年比1%減の1,870万本となったが、価格帯の高い製品の販売拡大により、金額ベースではプラス成長。前年比9%増と3年連続で向上した。ハイレゾ対応製品の販売数は、前年同期の3倍に増加している。デジタルカメラの販売台数は前年比24%減の500万台でマイナス成長。コンパクトカメラは27%減の330万台となった。一眼レフカメラとミラーレス一眼においても、17%減の170万台。しかし、コンパクトカメラ、レンズ交換式カメラともにハイエンドモデルの販売割合は伸長しており、平均価格は前年比から11%上昇。交換レンズの販売台数は一眼レフカメラとミラーレス一眼の販売減を受け、前年比3%減の95万本にとどまった。生活家電の販売は、消費増税時の需要先食いや冷夏・暖冬のあおりを受けたと見られ、大型家電を中心に前年を下回った。冷蔵庫の販売台数は前年比10%減の440万台で、小容量モデル(200リットル以下)が前年同期比からやや拡大。大容量モデル(401リットル以上)の販売台数は縮小しているが、700リットルクラスの販売台数は前年の約4倍に伸長。冷蔵庫の大容量化がうかがえた。洗濯機市場は前年比10%減の480万台で、5年ぶりに500万台を下回る結果となった。容量10kg以上の数量構成比は、前年から4%ポイント拡大し12%に達しており、高いニーズを獲得していることがわかる。エアコンの販売台数は、冷夏と暖冬のあおりを受け前年比8%減の770万台となった。掃除機は前年比11%減の860万台。スティックタイプは数量前年比3%増、ロボットタイプが6%増となったが、シリンダタイプの12%減、ハンディータイプの26%減が影響した。コードレス掃除機の数量構成比は前年から8%拡大し、61%となった。
2016年02月15日IDC Japanは2月15日、国内BA(Business Analytics)ソフトウェア市場の2015年上半期の分析と2015年~2019年の予測を発表した。同社はBAソフトウェア市場を、「DWH(Data Warehouse)プラットフォームソフトウェア市場」、「BI(Business Intelligence)/分析ツール市場」、「パフォーマンス管理/アナリティクスアプリケーション市場」の3つの市場セグメントに分類して、調査を行った。同社によると、2015年上半期の国内BAソフトウェア市場規模は、前年同期比9.3%増の923億3200万円だったという。市場セグメント別では、DWHプラットフォームソフトウェア市場が368億3100万円(前年同期比成長率9.5%)、BI/分析ツール市場が333億1800万円(同10.7%)、パフォーマンス管理/アナリティクスアプリケーション市場が221億8300万円(同7.2%)となった。同社は、2015年上半期の国内BAソフトウェア市場はマーケティング分野での非構造化データの活用の広がりなどビッグデータテクノロジー活用企業の広がり、セルフサービス型BIツールの普及による利用シーンの拡大などから高い成長を遂げたと分析している。国内BAソフトウェア市場は中期的にIoT(Internet of Things)やリアルタイム分析、コグニティブシステムの普及などから、従来のようなビジネスの現状把握や将来予測のためのツールとしてだけではなく、新規ビジネスのアプリケーション基盤として利用場面が拡大していくと見られていることから、同社は2014年~2019年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は6.2%、2019年の市場規模は2352億6600万円に達すると予測している。
2016年02月15日トラストバンクが運営するふるさと納税ポータルサイト「ふるさとチョイス」はこのほど、2015年のふるさと納税による寄附金額・件数ランキング(速報)を発表した。それによると、2015年にふるさと納税が最も多かった自治体は宮崎県都城市で、寄附金額は35億2,718万円に上った。○寄附件数の1位も都城市が獲得宮崎県南部に位置する都城市は温暖な気候と豊かな土壌に恵まれ、牛肉、豚肉、らっきょう、ごぼうなど農業・畜産業が盛んな地域。ふるさと納税のお礼品でも、宮崎牛や焼酎などが人気を集めたという。寄附金額の2位は静岡県焼津市で34億9,280万円、3位は長崎県平戸市の26億7,716万円、4位は山形県天童市で25億8,418万円、5位は長崎県佐世保市で24億8,965万円となった。寄附件数が最も多かったのは寄附金額と同じ宮崎県都城市で23万2,810件。以下、2位は山形県天童市で14万1,766件、3位は静岡県焼津市で12万6,638件、4位は島根県浜田市で10万6,114件、5位は長崎県佐世保市で10万5,285件と続いた。同サイトのシステムをもとに、上位になりそうな自治体(都道府県市区町村含む)に問い合わせてランキング化した。集計期間は2015年1月1日~2015年12月31日(寄附件数・金額ともに収納ベース)。なお、速報は2016年1月27日時点のデータとなっており、今後順位が変動する可能性がある。
2016年02月12日FreeBSDプロジェクトはこのほど「FreeBSD Quarterly Status Report」において、2015年第4四半期における開発状況を報告した。ARM関連の開発が進展したほか、モダンな機能の実装、カーネルの性能向上、各種最新ドライバの導入、仮想化機能サポートの向上、Ports Collectionにおける各種改善などが実施されている。報告されている主な内容は次のとおり。ARMサポートの強化(BANANAPI、CUBIEBOARD、CUBIEBOARD2、Marvell Armada38x、SoftIron Overdrive 3000サポート追加、特定プロダクトのタッチスクリーン対応、ハードフロートAPI対応、各種機能改善)Netflixの要望で実施されたCAM I/Oスケジューラの開発成果物のレビュー開始(FreeBSD 11に取り込み予定)暗号化されたカーネルクラッシュダンプ機能(開発段階)RDMA (iSER)をサポートしたiSCSIエクステンション機能。Mellanox Technologiesの10/40/56/100 G IB/Ethernetアダプタのオフロード機能を活用した高性能な通信性能を実現(FreeBSD 11に取り込み予定)。Chelsio T4/T5におけるオフロード機能の実装複数のスポンサードの下でのMultipath TCPの開発(Cisco University Research Program Fund、FreeBSD Foundation)リソース制御機能(RCTL)におけるディスクスループット機能の開発(FreeBSD 11に取り込み予定)Root Remount機能の実装(開発完了。すでにコミット済みで、FreeBSD 11で有効になる見通し)Mac OS X launchdとよく似た機能の開発を目指したrelaunchdプロジェクト発足(成果物はすでにPorts Collectionにコミット)システム起動、サービス管理、ロギング管理などを包括的に実施するnoshの開発進展UEFIブート機能の改善Hyper-VおよびAzureサポートの向上(パフォーマンス向上、バグ修正など)Xen HVMlite Dom0サポートへ向けた開発開始Intelサーバプラットフォームで提供されているDMAエンジンを利用するためのAPIを提供するI/OATドライバの開発カーネルvnodeキャッシュハンドリングの改善Mellanox ConnectX-4シリーズに対応したドライバの開発(FreeBSD 11および10.3で登場予定)ntb_hw(4)およびif_ntb(4)ドライバをアップデート仮想メモリシステムにおけるメモリハンドラの改善sendfile(2)システムコールの高速化(すでにプロトタイプはNetflixのプロダクトで成果を上げているほか、Nginxでの性能向上も期待できる)FreeBSD/RISC-Vサポート強化ビルドシステムの改善ELF Tool Chainツールの開発。LLBDデバッガアップデート長らく登場が期待されていたGitLabのPorts Collectionへの追加Linuxカーネルをユーザランドのライブラリとして動作させるLKL ("Linux Kernel as a Library")のPorts Collectionへの追加Ports CollectionにおけるVariantsサポートへ向けた研究開発style(9)においてC99 boolを許可するように変更セキュリティに注力したHardenedBSD開発進展組み込みに特化したNanoBSD開発進展FreeBSDプロジェクトの開発のみならず、主要なFreeBSDベンダおよびFreeBSD Foundationのスポンサーシップの下で実施されている開発などが注目される。複数の主要ベンダーが関与して積極的に開発が進められていることがわかる。
2016年02月08日厚生労働省は2月8日、2015年の毎月勤労統計調査(速報、事務所規模5人以上)を発表した。これによると、基本給や手当、ボーナスなどから所得税や社会保険料などを差し引く前の金額、いわゆる"額面"の月平均「現金給与総額」(1人当たり)は31万3,856円。昨年比0.1%増で、2年連続の増加となった。現金給与総額のうち、所定内給与と所定外給与を合わせた「きまって支給する給与」は0.2%増の25万9,298円、ボーナスなどの「特別に支払われた給与」は0.8%減の5万4,558円だった。一方で、賃金が実際の社会でどれくらいの物品の購入に使えるかを示す「実質賃金」は、前年比0.9%減に。4年連続の減少となった。
2016年02月08日カスペルスキーは1月28日、Kaspersky Labが2015年12月15日に発表した、グローバル調査分析チーム(Global Research and Analysis Team:GReAT)によるサイバー脅威の状況を総括したレポート「Kaspersky Security Bulletin:2015年脅威の統計概要」の抄訳を公開した。このレポートでは、新たなトレンドして、Androidを狙うモバイルバンキング型トロイの木馬の2つのファミリー(FaketokenとMarcher)が、金融系マルウェアファミリーのトップ10に初めてランクインしたことを挙げている。Faketokenファミリーの代表的なマルウェアは、コンピュータに感染するトロイの木馬と連携して動作する。ユーザーが、感染したコンピュータからオンラインバンキングにアクセスすると、取引の安全性を確保する名目でAndroidアプリをスマートフォンにインストールすることを要求するが、このアプリはワンタイムパスワード(mTAN)を傍受する。Marcherファミリーに属するマルウェアは、感染したAndroidデバイスで、欧州系銀行のモバイルバンキングアプリとGoogle Playの起動をトラッキングし、Androidデバイスから決済情報を盗み取る。Google Playを起動すると、Marcherはクレジットカード情報の入力を求める偽のウィンドウを表示し、そこに入力された情報を犯罪者に送信する。モバイルバンキングアプリを起動した場合も、同様の手口でユーザー情報を窃取する。○ZeuSは下火?無数の亜種が開発され、最も広く利用されていたマルウェアファミリーであるZeuSに代わり、2015年は、Dyre/Dyzap/Dyrezaが主流になった。2015年のバンキング型トロイの木馬の攻撃は、40%以上がWebインジェクション方式によりデータを窃取し、オンラインバンキングシステムにアクセスするDyrezaによるものだった。このような新しいトレンドもあるものの、「従来型」のサイバー金融犯罪が減少したわけではない。2015年に、同社製品はコンピュータ上でオンラインバンキングから金銭を窃取するマルウェアの起動を196万6324回ブロックしたが、これは2014年の191万520回からも微増している数字だ。○Androidランサムウェアがトレンドにまた、2015年は、ランサムウェアの感染がAndroidデバイスで急速に拡大したことを、憂慮すべきトレンドとして取り上げている。2014年にKaspersky Labが初めてAndroid向けランサムウェアを発見してからわずか1年で、6件に1件(17%)の割合でAndroidデバイスが狙われる事態となっている。2015年にランサムウェアでは、2つの大きなトレンドがあった。その1つは、暗号化ランサムウェアの標的となったユーザー数が約18万人に上り、2014年に比べて48.3%増となったこと、2つ目は、暗号化プログラムがマルチモジュール化され、暗号化機能に加えて、標的コンピューターからデータを窃取する機能を搭載しているものが多く見られるようになったことだ。その他のトレンドとして、サイバー犯罪者が、マルウェアによる攻撃から、アドウェアの積極的な配信に方向転換していることがあげられる。これは、刑事告発のリスクを最小限に抑えるためだという。2015年の統計でアドウェアは、Webベースの脅威の上位20件中12件を占め、アドウェアとそのコンポーネントがインストールされたユーザーコンピューターは、全体の26.1%にのぼる。さらに同レポートでは、サイバー犯罪者が指令サーバーを隠すために、匿名化テクノロジーTorを積極的に利用し、取引にはBitcoinを利用していることも指摘されている。○米国、ドイツ、オランダの経由の攻撃が8割に2015年、同社の製品は約200万台のコンピューターで、オンラインバンキングを標的にするマルウェアの起動をブロックした(2014年比2.8%増)。また、ユーザーのコンピューターで検知した、悪意あるオブジェクトと不審なオブジェクトは400万種類(2014年は184万種類)、ユーザーのコンピューター、ハードディスク、リムーバブルメディアの67.7%に少なくとも1つの悪意あるオブジェクトを発見したという(2014年は58.7%)。オンライン攻撃で使用されたスクリプト、エクスプロイト、実行可能ファイルなど悪意あるオブジェクトは、2014年比1.4%減となる12億種類を検知している。無害化されたオンライン攻撃の80%は、米国(24.2%)、ドイツ(13%)、オランダ(10.7%)をはじめとする10か国に置かれた悪意あるオンラインリソースによって実行された。上位3か国は2014年と同じで、サイバー犯罪者がホスティング市場が発達している国でのサービスを好んで利用する傾向を示している。
2016年02月01日サイボウズは1月28日、サイボウズ脆弱性報奨金制度についての説明会を開催し、2015年の制度で約600万円の報奨金が支払われる予定を公表した。○26名のバグハンターによって116件の脆弱性が認定され、45件は改修済サイボウズでは同社のクラウドサービスの品質向上を目的とした「cybozu.com Security Challenge」を2013年に実施し、2014年からは本番環境と物理的に隔離した脆弱性検証環境の常設提供や脆弱性報奨金制度を始めている。現在、検証環境を継続的に利用されている研究者は47名。2015年の脆弱性報告は26名から総計238件の連絡を受け、説明会までに116件を脆弱性(うち深刻度の高い脆弱性1件)として認定した。報奨金は約600万円(確定約400万+現在評価中の脆弱性78件から50件程度が認定される見込み)が支払われる。説明会では、サイボウズCSIRTの窓口業務を行っている伊藤 彰嗣氏が報奨金制度の説明会を行った。サイボウズではプログラマーにセキュア開発トレーニングを行ったり、リリース前に社内テストを行っている。それでも見つけきれない未知の脅威が存在する事に加え、外部から「〇〇は脆弱性」と指摘されることで「社内では脆弱性ではないと判断していたものを脅威として認識することがある」と同制度の意義を説明する。2015年のルールではCVSS v2に基づき脆弱性を判断し、基本値が7.0以上の場合は数値×3万円、6.9以下の場合は数値×1万円。Webサイトの問題は一律1万円とし、特別ルールとしてCVSS v2基本値が5.0のXSS脆弱性は10万円、基本値が6.5を超えるSQLインジェクションは数値×3万円が支払われる。昨年の結果との比較では、おおよそ同程度の脆弱性が発見(認定作業が完了していない)されたが、深刻度の高い脆弱性が1件と激減する一方で、外部通報の脆弱性のうち、改修完了案件がまだ45件と2014年の81件よりも少なくなってしまったため、これが「今後の課題」という認識を示している。遅れの原因は、「XSSやSQLインジェクションなどのわかりやすい脆弱性が減った」ことだそうで、不適切な入力確認などの抽象度の高い報告が増えたという。そのため、報告者と連絡を繰り返さないと判断できないケースが増えたことを挙げていた。また、2016年ルールの説明も行われた。対象サービスに、モバイルサービス(サイボウズoffice新着通知/サイボウズLive Timeline)と周辺サービス(サイボウズDesktop Win/Mac)を加えるほか、脆弱性の評価方法をCVSS(Common Vulnerability Scoring System) v3に移行して深刻度判定が5段階に増加した。新たに加わった「緊急」の深刻度(基本値9.0-10.0)に関しては数値×5万円に増額する。ただし基本値が6.9以下のSQLインジェクションは、数値×3万円のみと設定した。○バグハンターによる説明も当日は「バグハンター感謝祭」も兼ねており、9名のバグハンターが参加。NTTコムセキュリティの東内 裕二氏がライトニングトークを行った。東内氏は2014年にサイボウズの脆弱性を報告したものの、有用と判断されなかった。一方で、「cybozu.comバグハンター合宿」に呼ばれたという。合宿では、ほかの参加者がアクセス制御不備を見つけていたので、そこに着目。ユーザーAで作成したものが(権限のない)ユーザーBでアクセスできるかどうかの作業を行ったところ、8件のアクセス制御に関する脆弱性を発見し、うち6件が現在までに認定されたそうだ。アクセス不備の脆弱性は現実的な攻撃に結び付く可能性がある一方で、脆弱性なのか仕様なのか判断しにくく、機械的な診断で見つけにくい。総当たりで試す必要があるが、自動化しにくい上に単純作業のため、モチベーション向上が今後の課題だという。
2016年01月30日ペンタセキュリティシステムズは1月27日、Webアプリケーションの脆弱性および脆弱性を狙った攻撃をまとめた月例レポート「EDR-Report」の2015年12月版を公開した。同レポートは、脆弱性の情報を収集するオープンソースのデータベースサービス「Exploit-DB」に公開された情報を基に、ペンタセキュリティのR&Dセンターが分析したもので、年間12回公開している。レポートによると、12月に見つかったWebアプリケーションの脆弱性攻撃は合計で37件となり11月の16件から大幅増となった。攻撃の内訳は、Local File Inclusion(LFI)が13件と最も多く、クロスサイトスクリプティングが9件、SQLインジェクションが6件、RFIが5件、Code Injectionが2件、File UploadとCommand Injectionが1件であった。ペンタセキュリティが定めた独自の危険度で分類すると、危険度が最も高い「早急対応要」が10件(27%)、2番目に高い「高」が27件(73%)であった。攻撃実行の難易度で分類すると、最も攻撃が複雑で難しい「難」が2件(5%)、「中」が3件(8%)、「易」が32件(86%)であった。攻撃を受けたWebアプリケーション別に分類すると、WordPressが12件、Ovidentiaが4件、dotCMSとTequilaが3件、BigwareとOpenMRSが2件、ECommerceMajor、PHP Utility Belt、Zen Cart、Zenphoto、ArticleSetup、SIMOGEO FileManager、PFSense、iy10 Dizin Scripti、Beezfud、bitrix.xscan Bitrix module、bitrix.mpbuilder Bitrix moduleが各1件であった。12月の結果を受け、ペンタセキュリティではLFI攻撃に対して言及している。LFI攻撃は、実行難易度が低いものから高いものまでさまざまなものが見つかったが、すべて危険度が高かった。その中でも、特定のアプリケーションのパラメータキーを狙うLFI攻撃に対して注意を促している。脆弱性を含むソフトウェアの利用者は、速やかにセキュリティパッチを適用する必要がある。そのほか、"../"と同じ文字列をフィルターしたり、エラーページ公開を禁じたりするといったことも有効だとしている。最も攻撃が多かったWordpressについては、使用者が多く、Pluginも多様に提供されているため、ハッカーの主な攻撃対象となっていることを危惧している。脆弱性が発見されたPluginを使っている場合は、WordPress本体と同様にアップデートで最新の状態を維持する必要があるとしている。
2016年01月29日IDC Japanが1月28日に発表した「国内タブレットソリューション市場予測」によると、2015年における法人向けのタブレット出荷台数は253万台、タブレット・ソリューションの売上額は1兆1,974億円となる模様だ。タブレット出荷台数の2014年~2019年における年間平均成長率(CAGR: Compound Annual Growth Rate)は12.2%、タブレット・ソリューションの売上額の同期間におけるCAGRは13.8%になると、同社は見込んでいる。タブレット・ソリューション市場を金融/製造/小売/医療・福祉/サービス/教育/その他の7つの産業分野に分けると、2019年の売上で最大のシェアを占めるのは金融分野、2014年~2019年の売上額のCAGRが最も大きいのは医療・福祉分野になるという。同社のPC,携帯端末&クライアントソリューション リサーチマネジャーである片山雅弘氏は「タブレットの導入を検討した多くの企業は、その評価を終えた。導入した企業の中には、期待した成果が得られなかったという感想も多い。実は、ここからが本番である。現場の声を拾い、問題点を見つけ、改善しなければならない。モバイル・アプリケーションがアプリケーション・ストアからダウンロードできるように、タブレット・ソリューションは、容易にアップデートを行うことができる。導入し、運用を続けながら完成度を高めていく、このことが運用する上で最も重要である」と指摘している。
2016年01月29日LINEは1月28日、2015年の通期業績を発表した。それによると、2015年10~12月期の同社全体の売上額は前年同期比26%増の326億円、2015年通期の売上額は同40%増の1,207億円だった。また、基幹事業であるLINE事業単体の2015年10~12月期の売上額は同29%増の300億円、2015年通期の売上額は同43%増の1,105億円だった。LINEの2015年12月末における月間アクティブ・ユーザー数(MAU: Monthly Active User)は、全世界で約2億1,500万人、日本・タイ・台湾・インドネシアの主要4カ国では約1億4,470万人になったという。2015年第3四半期に引き続いて急速にユーザー拡大を続けているというインドネシアをはじめ、主要4カ国で月間アクティブ・ユーザー数が拡大した他、中東地域でも拡大しているとのことだ。コミュニケーション分野の主軸というスタンプでは、人気キャラクターを用いた公式スタンプ、ユーザーがスタンプを制作・販売できる「LINE Creators Market」を通じたクリエイターズ・スタンプ共に、国内外で売上が堅調に増加いるとのこと。コンテンツサービス分野の主軸というゲームでは、2015年第4四半期にグローバルで7タイトルを新たにリリースしたのに加え、「LINE:ディズニー ツムツム」や「LINE ポコポコ」などの既存タイトルが特に海外で売上を伸ばしたとしている。広告分野では、LINE公式アカウント・スポンサード・スタンプやLINE フリーコインなど、企業と消費者を繋ぐマーケティング・プラットフォームとしての利用が進み、売上における広告売上の割合が2014年の27%から2015年には30%に高まったという。日本では、2015年11月からLINEのタイムライン機能に広告配信・表示を行うテストを開始、同12月から外部企業案件によるトライアル運用を行っており、好調に推移しているという。今後はトライアル運用の結果も鑑みて、日本における本格運用の開始やLINEユーザーが多いタイ・台湾・インドネシアなど他の国・地域での運用も段階的に行っていくとしている。さらに、法人向けサービスである「LINE ビジネスコネクト」は、日本での導入企業数が50社を超え、食品のデリバリーから金融機関での活用まで、ユーザーと企業との双方向コミュニケーションを生かした各種の事例が生まれているとのことだ。この他、プラットフォーム展開では国内で展開しているニュース配信サービス「LINE NEWS」において、LINEの公式アカウントを使ったニュース配信機能を外部メディア向けに開放する「LINEアカウントメディア プラットフォーム」が奏功し、2015年12月時点の月間アクティブ・ユーザー数が2,200万人を突破したといい、さらにライブ配信形式の映像・番組を無料で視聴できるライブ配信プラットフォームである「LINE LIVE」を2015年12月10日に開始、開始から1ヵ月のユニーク視聴者数が1,100万人突破するなど、いずれもサービス開始直後から順調に成長しているとしている。同社の出澤剛代表取締役社長は、「2015年度は、広告売上の伸びと日本以外の主要国での売上の伸びが大きく増加し、全体の売上をバランスよく増加させることができました。特にトップ・シェアを取れている台湾・タイにおいてプラットフォーム化を進め、売上も伸長しています。また、アプリ情報プラットフォームを提供するApp Annieが発表した2015年のパブリッシャー収益ランキング(ゲーム・アプリを除く)においては、3年連続で世界1位を獲得するなど、安定した収益基盤の構築が進み、世界的にも存在感を示すことができています。2016年においても、モバイル・メッセンジャーをハブとしたプラットフォームとしてさらに洗練させ、トップ・シェア獲得国の増加を目指してまいります」とコメントしている。
2016年01月29日iDAは26日、「年末年始に関する調査」の結果を発表した。期間は1月8日~9日。対象は全国20~49歳の有職者300名。○2015年仕事の充実度、平均53.80点「2015年の仕事の充実度」を100点満点で聞くと、全体では平均53.80点だった。男女別の平均点では、男性全体が53.72点、女性全体が53.91点となった。性年代別に平均点をみると、男性では「40代男性」が60.48点で最高値だった。一方、女性では「30代女性」が57.96点で最も高くなった。全体の中央値は58だった。性年代別にみると、最も高かったのは「40代男性」で70。一方、最低値は「20代男性」で50だった。
2016年01月29日IPA(独立行政法人情報処理推進機構)は1月25日、2015年第4四半期(10月~12月)のコンピュータウイルス・不正アクセスの届出および相談の状況を発表した。同四半期のウイルス届出件数は564件(前四半期比約17.7%減)で、ウイルス検出数は2080個(前四半期比約44.8%減)、不正プログラム検出数は12万0019個(前四半期比約105.5%増)だった。最も多く検出された不正プログラムは、別のウイルスを感染させようとする不正プログラムの総称である「Downloader(ダウンローダー)」で、検出数は5万7932個(前四半期比約180.5%増)で全体の約48.3%(前期 約35.4%)を占めた。2015年を通じ、Downloader の割合は第1四半期(約18.1%)、第2四半期(約22.1%)、第3四半期(約35.4%)と右肩上がりの増加を示しているという。最も多く検出されたウイルスはW32/Virutで、前四半期の4個に比べ616個と大きく増加した。W32/Mydoomは前四半期の2069個に比べ483個と大きく減少し、W32/Netskyは2014年第4四半期以降、減少傾向が続いているという。同四半期に届出されたウイルスの種類は41種類で、検出数はWindows/DOSウイルスが1996個、スクリプトウイルス/マクロウイルスが73個、携帯端末ウイルスが11個、OSS(Open Source Software)/Linux/BSDを含むウイルスはなかった。同四半期の不正アクセス届出件数は28件だった。被害があった届出は24件で、それらのうち原因が判明しているものは「ID・パスワード管理不備」が9件、「古いバージョン使用・パッチ未導入」が3件、「設定不備」が1件などで、計20件だった。「ID・パスワード管理不備」の全体に占める割合は前四半期と比べて20%から37.5%に増加したという。同四半期のウイルス・不正アクセス関連の相談件数は3970件(前四半期比約8.2%増)だった。相談員による対応件数は1892件で、最も多かった相談内容は「ワンクリック請求」(679件、前四半期比 約17.7%減)だった。増加が顕著だった相談内容として、「ウイルス検出の偽警告」(ウイルスを検出したという偽の警告画面や音声で不安をあおり、指定の番号に電話をかけさせてサポート契約やソフトウェア購入を促す手口)があげられている。相談数は57件(前四半期比 50%増)で、初めて問い合わせがあった2015年5月以降の増加が顕著だという。
2016年01月26日電子情報技術産業協会(JEITA)は22日、2015年12月のPC国内出荷実績を発表した。2015年12月のPC出荷台数は前年同月比86.2%の82.3万台となった。このうち、デスクトップPCは18.8万台(同74.2%)、ノートPCは63.5万台(同90.5%)。○12月のPC出荷台数12月におけるPC出荷台数は82.3万台。このうち、デスクトップPCは前年比74.2%の18.8万台で、内訳はオールインワン(一体型)が同77.0%の53万台、単体(本体のみ)が同73.1%の13.5万台となった。ノートPCは同90.5%の63.5万台で、内訳はモバイルノートが前年比104.5%の10.1万台、A4型・その他が同88.3%の53.4万台。全出荷台数のうちノートPCが占める割合は77.2%%となった。出荷金額は、前年比94.4%の676億円。このうちデスクトップPCは前年比79.6%の151億円、ノート型は同99.8%の525億円となった。JEITAでは、2015年12月の国内PC出荷台数の概況について、「個人向け市場は持ち直すも、法人向けが低い水準となった」とコメントした。○第3四半期・2015年(1~12月)の概況2015年第3四半期(10~12月)のPC出荷台数は、前年比79.3%の167万台となった。このうち、デスクトップPCは同70.9%の42万台、ノートPCは同82.5%の125万台となり、全出荷台数のうち、ノートPCが占める割合は74.8%だった。出荷金額は前年比86.8%の1,470億円。このうち、デスクトップPCは同76.9%の371億円、ノートPCは同90.8%の1,097億円となった。また、2015暦年計(1~12月)の出荷台数は、前年比67.8%の735.5万台。このうち、デスクトップPCは同57.5%の184.7万台、ノートPCは同72.1%の550.8万台で、全出荷台数のうちノートPCが占める割合は74.9%だった。出荷金額は前年比73.3%の6,291億円となった。JEITAでは、「旧OSサポート終了にともなう需要増の反動減が継続した」と分析している。統計の参加企業は、アップルジャパン、NECパーソナルコンピュータ、セイコーエプソン、東芝、パナソニック、日立製作所、富士通、ユニットコム、レノボ・ジャパンの計9社。
2016年01月22日IDC Japanは1月21日、国内ストレージソフトウェア市場の2015年上半期の売上実績と2015年~2019年の予測を発表した。これによると、2015年上半期の国内ストレージソフトウェアの売上実績は427億3,200万円、前年比成長率は5.0%のプラス成長となった。また、2015年通期の国内ストレージソフトウェア売り上げを867億6,000万円、2014年~2019年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は4.2%、2019年の市場規模を1,019億6,800万円と予測している。ストレージソフトウェアの需要を押し上げている主な要因は2つあり、第1にITインフラの運用効率化/自動化への要求が高まっていること、第2にソーシャル、モバイル、IoT(Internet of Things)などの活用に取り組むユーザーが増えてデータ量が飛躍的に増加していることを挙げた。また、データ保護や可用性対策への支出も堅調で、大企業を中心に災害対策の強化も進んでいる。しかし、堅調な需要とは裏腹にストレージソフトウェアの供給サイド、特にストレージシステムのベンダーから提供されているストレージソフトウェアの動向には不確定要素があるという。ベンダーがより高度な機能をソフトウェアとして提供し続けることが確実である一方、それをどのような価格戦略、製品パッケージで提供するかについては複数の方針選択があり得るとしている。ベンダーがストレージビジネス全体の競争力強化を考慮した場合、ストレージソフトウェアのスイート化や標準搭載が増える可能性があり、その場合にはストレージソフトウェアとしての売り上げは減少する。ストレージソフトウェアの機能進化や高度な機能の普及と市場の売上規模の拡大は必ずしも同調したペースとはならないという。同社のエンタープライズインフラストラクチャ リサーチマネージャーである鈴木康介氏は「デジタルトランスフォーメーションに成功し、競争力を増す企業が増えていく中で、多くの国内ユーザーはデータ活用の促進を図るであろう。これまでとはスケールの異なる大容量データを扱う企業も増え、ストレージインフラはソフトウェアを高度に利用した洗練された仕組みへと改革されるとみられる。また、Software-Defined Infrastructureを志向し、運用の自動化を進めるユーザーが増えることもストレージソフトウェア機能のニーズを高めるが、統合的なIT管理ソフトウェアで提供される機能を利用するユーザーも出てくることで、製品の選択は多様化するであろう」と分析している。
2016年01月21日米App Annieは、昨年1年間の世界のアプリ市場動向を総括した「2015年アプリ市場総括レポート」を発表した。このレポートでは、2015年の世界のアプリ市場の重要トレンド、国別トップアプリやパブリッシャーのランキング等に関する情報を分析し提供している。それによると、2015年のトレンドとしては、音楽や動画のストリーミングアプリの台頭、アプリを通じたモバイルコマースの活性化、相乗りアプリ及びタクシー配車アプリの流行などが挙げられという。相乗りアプリ及びタクシー配車アプリでは、特に中国、メキシコ、ブラジルはiPhoneで顕著で、インドはAndroidデバイスで先行。この4市場では、スマートフォンユーザーの20%以上が2015年第4四半期、主要な配車アプリまたは相乗りアプリ1種類以上を日常的に利用したという。プラットフォームでは、Google Playがダウンロード数、iOSが収益でリードする構造は以前と変わらないものの、iOSの国別ダウンロード数で中国が首位に立ったこと、米国のダウンロード数シェアでGoogle PlayがiOSを上回ったことなど、地域ごとに大きな変化もあるという。パブリッシャーの世界収益ランキング(ゲーム以外)では、LINEが首位。同社のコミュニケーションアプリであるLINEは、アプリの世界収益ランキングでは2位に、世界ダウンロード数ランキングでは9位に入っている。一方ゲームの世界収益ランキングでは、MixiのMonsterStrikeが2位、GungHo OnlineのPuzzle&Dragonsが3位、LINEのDisney Tsum Tsumが10位にランクインしている。日本のトップパブリッシャーは、ダウンロード数(ゲーム以外)でYahoo Japan、ダウンロード数(ゲーム)と収益(ゲーム以外)でLINE、収益(ゲーム)でMixiとなり、パブリッシャーランキングでは、GungHo Online、BANDAI NAMCO、Cocone、SQUARE ENIX、Sega Sammy Holdingsといったパブリッシャーが上位にランクインした。
2016年01月21日米SplashDataは1月19日(現地時間)、よく利用されているパスワード「Worst Passwords List」の2015年版を発表した。トップは「123456」で前回と変わらず、相変わらず簡単に見破られてしまうパスワードが利用されている現状を裏付けるものとなった。Worst Password Listは同社が2011年より実施している年次調査で、消費者に見破られやすいパスワードを知らせることで、強固なパスワード利用を奨励することを目的としたもの。1年間に漏えいした約200万件のパスワード情報を集計した。データの多くは北米と西欧州のユーザーのもので、日本の傾向は若干異なる可能性もある。今年ワースト1にランクしたのは「123456」で、次は「password」となった。ワースト1、2は調査を始めた当初から上位にランクインしており、昨年と同じ順位をキープした。3位は「12345678」で、昨年4位から1ランクアップした。5位は昨年も5位だった「qwerty」。数字の羅列は、「123456789」(6位、前年変わらず)、「1234」(8位、前年7位)、「1234567」(9位、昨年11位)、「1234567890」(12位、初登場)、「111111」(14位、昨年15位)と多くランクインしている。また、キーボードの配列にそったqweryのほか、覚えやすい単語の「football」(7位、前年10位)や「baseball」(10位、前年8位)など、人気スポーツが利用される傾向も変わらなかった。スポーツ以外でも覚えやすい言葉を使う傾向は続いており、「dragon」(16位、前年9位)、「princess」(21位、初登場)などがある。パスワードでもトレンドが存在しており、「solo」が23位に、25位に「starwars」が初登場している。上位にあまり変化がないことなどから、SplashDataでは「ユーザーが選択しているパスワードは引き続きリスクが高いものが多い」としている。また、今年の傾向として「1234567890」などの長いパスワードが出てきているが、「Webサイトとユーザーの両方による安全性を高めようとする努力だろう」と推測しながらも、長くなっただけではセキュリティ対策上ほとんど効果がないとしている。同社によると、ユーザーの保護対策として、「12文字以上でさまざまな文字数字を組み合わせたパスワードやパスフレーズを使う」「同じパスワードの使い回しをしない」「パスワードマネージャーを利用してパスワードの管理と保護を行い、ランダムなパスワードを生成し、自動的にログインする」という3つのアドバイスを推奨している。
2016年01月20日日本政府観光局(JNTO)は1月19日、2015年の訪日外客数を発表。前年比47.1%増の1,973万7,000人で、JNTOが統計を取り始めた1964年以降、最大の伸び率となった。過去最高であった2014年の1,341万3,000人より600万人余り上回り、1970年以来45年ぶりに訪日外客数が出国日本人数(2015年は1,621万2,000人)を上回った。主な要因としては、クルーズ船の寄港増加、航空路線の拡大、燃油サーチャージの値下がりによる航空運賃の低下、これまでの継続的な訪日旅行プロモーションによる訪日旅行需要の拡大などが挙げられている。さらに、円安による割安感の定着やビザの大幅緩和、消費税免税制度の拡充等も増加を後押しした。市場別では主要20市場のうち、ロシアを除く19市場が年間での過去最高を記録し、中でも中国は前年比107.3%増の499万人に達し、初めて最大市場となった(2014年1位は韓国)。その他、米国が欧米市場で初めて100万人を超えたほか、東南アジア6市場(タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシア、フィリピン、ベトナム)が合計で200万人を超える規模となった。中国の訪日旅行者を見てみると、旅行者数は499万4,00人で過去最高を記録である500万人に迫る年計となった(過去最高は2014年の240万9,000人)。比較的安定していた日中関係や消費税免税制度の拡充、円安、中国経済の成長に伴う海外旅行者数の増加が訪日需要を喚起。さらに、航空路線の新規就航や既存路線の増便が相次いだほか、クルーズ船寄港の大幅増加等による日中間の輸送力の拡充も、旺盛な需要を支えた。
2016年01月19日