ロサンゼルス映画批評家協会賞作品賞受賞、ゴールデングローブ賞3部門ノミネートの話題作『TÁR』(原題)が2023年5月に公開されることが決定した。ドイツの有名オーケストラで、女性としてはじめて首席指揮者に任命された指揮者リディア・ター(ケイト・ブランシェット)は、天才的能力と、たぐいまれなるプロデュース力で、自身を1つのブランドとして作り上げてきた。しかし、のしかかる重圧、過剰な自尊心、仕掛けられた陰謀により、彼女の心の闇は少しずつ広がっていく…。本年度ヴェネチア国際映画祭でケイト・ブランシェットが主演女優賞受賞を皮切りに数々のアカデミー賞前哨戦に名を連ねている本作。第80回ゴールデングローブ賞でも作品賞(ドラマ部門)、脚本賞、主演女優賞(ドラマ部門)の3部門にノミネートされ注目を集めている。ケイト・ブランシェット Photo by Andreas Rentz/Getty Images監督と脚本を手掛けたのは『イン・ザ・ベッドルーム』『リトル・チルドレン』でアカデミー賞脚色賞に連続ノミネートされたトッド・フィールド。16年ぶり待望の新作となる本作は、今年のヴェネチア国際映画祭で上映されるや6分間のスタンディングオベーションを受け、最優秀主演女優賞を受賞。早くも「アカデミー賞有力!」と絶賛を浴びた。2度のアカデミー賞受賞経験を持つ主演のケイト・ブランシェットは、今回で主演・助演あわせて10回目のゴールデングローブ賞ノミネートとなる。受賞発表は米国時間23年1月10日を予定。1月24日のアカデミー賞ノミネート発表にも期待したい。今後の続報にも注目だ。『TÁR』(原題)は2023年5月より公開。(text:cinemacafe.net)
2022年12月13日第80回ゴールデン・グローブ賞のノミネーションが発表され、日本のアニメ『犬王』(湯浅政明監督)がアニメ映画賞にノミネートされた。作品賞(ドラマ部門)に、ジェームズ・キャメロン監督の渾身作『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』や大ヒット作『トップガン マーヴェリック』といったエンターテイメント超大作がノミネート。キャメロン監督は監督賞にもノミネートされたが、同賞には女性監督のノミネートはなかった。『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』最多は『スリー・ビルボード』マーティン・マクドナー監督の最新作『イニシェリン島の精霊』が8部門で、A24作品の『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』が6部門で続いた。『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』非英語映画賞には、カンヌ国際映画祭監督賞を受賞した韓国パク・チャヌク監督の『別れる決心』や、『バーフバリ』S・S・ラージャマウリ監督による『RRR』も選出された。『別れる決心』受賞者・受賞作品は2023年1月10日に開催される授賞式にて発表。昨年は、主催する「ハリウッド外国プレス協会」ことHFPA(=Hollywood Foreign Press Association)の人種差別や特権体質が問題視され、トム・クルーズら俳優やAmazon、Netflix、ワーナー・メディアがボイコットを表明。授賞式は無観客開催で米NBCがテレビ中継を取りやめたが、今回は同局にて授賞式の放送が決定している。※主なノミネートは以下のとおり【映画部門】作品賞(ドラマ部門)『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』『エルヴィス』『フェイブルマンズ』『TÁR』『トップガン マーヴェリック』作品賞(ミュージカル・コメディ部門)『バビロン』『イニシェリン島の精霊』『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』『ナイブズ・アウト:グラス・オニオン』『逆転のトライアングル』監督賞ジェームズ・キャメロン『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』ダニエル・クワン&ダニエル・シャイナート『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』バズ・ラーマン『エルヴィス』マーティン・マクドナー『イニシェリン島の精霊』スティーヴン・スピルバーグ『フェイブルマンズ』脚本賞『TÁR』『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』『イニシェリン島の精霊』『ウーマン・トーキング 私たちの選択』『フェイブルマンズ』主演男優賞(ドラマ部門)オースティン・バトラー 『エルヴィス』ブレンダン・フレイザー『ザ・ホエール』ヒュー・ジャックマン 『The Son/息子』ビル・ナイ 『生きる LIVING』ジェレミー・ポープ『The Inspection』(原題)主演女優賞(ドラマ部門)ケイト・ブランシェット『TÁR』オリヴィア・コールマン 『エンパイア・オブ・ライト』ヴィオラ・デイヴィス『The Woman King』(原題)アナ・デ・アルマス 『ブロンド』ミシェル・ウィリアムズ 『フェイブルマンズ』主演女優賞(ミュージカル・コメディ部門)レスリー・マンヴィル 『ミセス・ハリス、パリへ行く』マーゴット・ロビー 『バビロン』アニャ・テイラー=ジョイ 『ザ・メニュー』エマ・トンプソン『Good Luck to You, Leo Grande』(原題)ミシェル・ヨー 『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』主演男優賞(ミュージカル・コメディ部門)ディエゴ・カルバ『バビロン』ダニエル・クレイグ 『ナイブズ・アウト:グラス・オニオン』アダム・ドライバー『ホワイト・ノイズ』コリン・ファレル『イニシェリン島の精霊』レイフ・ファインズ 『ザ・メニュー』助演男優賞ブレンダン・グリーソン『イニシェリン島の精霊』バリー・コーガン『イニシェリン島の精霊』ブラッド・ピット『バビロン』キー・ホイ・クァン『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』エディ・レッドメイン『グッド・ナース』助演女優賞アンジェラ・バセット『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』ケリー・コンドン『イニシェリン島の精霊』ジェイミー・リー・カーティス 『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』ドリー・デ・レオン『逆転のトライアングル』キャリー・マリガン『SHE SAID/シー・セッドその名を暴け』アニメ映画賞『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』『犬王』『Marcel the Shell with Shoes On』(原題)『長ぐつをはいたネコと9つの命』『私ときどきレッサーパンダ』非英語映画賞『西部戦線異状なし』(ドイツ)『アルゼンチン1985 ~歴史を変えた裁判~』(アルゼンチン)『CLOSE/クロース』(ベルギー・フランス・オランダ)『別れる決心』(韓国)『RRR』(インド)主題歌賞「Carolina」『ザリガニの鳴くところ』「Ciao Papa」『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』「Hold My Hand」『トップガン マーヴェリック』「Lift Me Up」『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』「Naatu Naatu」『RRR』【テレビ部門】作品賞(ミュージカル・コメディ部門)「アボット エレメンタリー」「一流シェフのファミリーレストラン」「Hacks」(原題)「マーダーズ・イン・ビルディング」「ウェンズデー」作品賞(ドラマ部門)「ベター・コール・ソウル」「ザ・クラウン」「ハウス・オブ・ザ・ドラゴン」「オザークヘようこそ」「セヴェランス」主演男優賞(ドラマ部門)ジェフ・ブリッジス「ザ・オールド・マン~元CIAの葛藤」ケヴィン・コスナー「イエローストーン」ディエゴ・ルナ「キャシアン・アンドー」ボブ・オデンカーク「ベター・コール・ソウル」アダム・スコット「セヴェランス」主演女優賞(ドラマ部門)エマ・ダーシー「ハウス・オブ・ザ・ドラゴン」ローラ・リニー「オザークヘようこそ」イメルダ・スタウントン「ザ・クラウン」ヒラリー・スワンク「アラスカ・デイリー」ゼンデイヤ「EUPHORIA/ユーフォリア」主演男優賞(ミュージカル・コメディ部門)ドナルド・グローヴァー「アトランタ」ビル・ヘイダー「バリー」スティーヴ・マーティン「マーダーズ・イン・ビルディング」マーティン・ショート「マーダーズ・イン・ビルディング」ジェレミー・アレン・ホワイト「一流シェフのファミリーレストラン」主演女優賞(ミュージカル・コメディ部門)キンタ・ブランソン「アボット エレメンタリー」ケイリー・クオコ「フライト・アテンダント」セレーナ・ゴメス「マーダーズ・イン・ビルディング」ジェナ・オルテガ「ウェンズデー」ジーン・スマート「Hacks」(原題)助演男優賞ジョン・リスゴー「ザ・オールド・マン~元CIAの葛藤」ジョナサン・プライス「ザ・クラウン」ジョン・タトゥーロ「セヴェランス」テイラー・ジェームズ・ウィリアムズ「アボット エレメンタリー」ヘンリー・ウィンクラー「バリー」助演女優賞エリザベス・デビッキ「ザ・クラウン」ハンナ・アインビンデル「Hacks」(原題)ジュリア・ガーナー「オザークヘようこそ」ジャネール・ジェームズ「アボット エレメンタリー」シェリル・リー・ラルフ「アボット エレメンタリー」作品賞(ミニシリーズ・テレビ映画部門)「ブラック・バード」「ダーマーモンスター:ジェフリー・ダーマーの物語」「ドロップアウト~シリコンバレーを騙した女」「パム&トミー」「ホワイト・ロータス/諸事情だらけのリゾートホテル」主演男優賞(ミニシリーズ・テレビ映画部門)タロン・エジャトン「ブラック・バード」コリン・ファース「ザ・ステアケース -偽りだらけの真実-」アンドリュー・ガーフィールド「アンダー・ザ・ヘブン 信仰の真実」エヴァン・ピータース「ダーマーモンスター:ジェフリー・ダーマーの物語」セバスチャン・スタン「パム&トミー」主演女優賞(ミニシリーズ・テレビ映画部門)ジェシカ・チャステイン「George & Tammy」(原題)ジュリア・ガーナー「令嬢アンナの真実」リリー・ジェームズ「パム&トミー」ジュリア・ロバーツ「ガスリッド 陰謀と真実」アマンダ・セイフライド「ドロップアウト~シリコンバレーを騙した女」(text:cinemacafe.net)■関連作品:トップガン マーヴェリック 2022年5月27日より全国にて公開©2019 PARAMOUNT PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.犬王 2022年5月28日より全国にて公開©“INU-OH” Film Partnersエルヴィス 2022年7月1日より全国にて公開© 2022 Warner Bros. Ent. All Rights Reservedアバター:ウェイ・オブ・ウォーター 2022年12月16日より全国にて公開© 2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.RRR 2022年10月21日より全国にて公開警官の血 2022年10月28日より新宿バルト9ほか全国にて公開© 2022 ACEMAKER MOVIEWORKS & LEEYANG FILM. All Rights Reserved.イニシェリン島の精霊 2023年1月27日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開©2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.バビロン(2022) 2023年、全国にて公開© 2022 Paramount Pictures. All Rights Reserved.エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス 2023年3月3日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2022 A24 Distribution, LLC. All Rights Reserved.フェイブルマンズ 2023年3月3日より全国にて公開© 2022 Universal Pictures. ALL RIGHTS RESERVED.別れる決心 2023年2月17日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2022 CJ ENM Co., Ltd., MOHO FILM. ALL RIGHTS RESERVED
2022年12月13日映画賞レースのトップを飾る第47回報知映画賞の各賞が発表され、『沈黙のパレード』で難解な事件を解決する天才的物理学者を演じた福山雅治が主演男優賞を初受賞、主演女優賞は『前科者』の演技が評価された有村架純が初受賞。作品賞・邦画部門は石川慶監督、妻夫木聡主演の『ある男』が受賞した。主演女優賞:『前科者』有村架純報知映画賞はスポーツ新聞が単独開催する初の映画賞として、1976年に誕生。読者参加型の映画賞が大きな特色であり、各映画賞や映画祭の先陣を切って発表されるため、その年の受賞者・受賞作品を占う意味でも大きな注目を集めている。助演男優賞:横浜流星「流浪の月」なお、作品賞(海外)は130億円超えのメガヒットとなった『トップガン マーヴェリック』が受賞した。第47回報知映画賞各賞作品賞・邦画『ある男』監督賞片山慎三『さがす』主演男優賞福山雅治『沈黙のパレード』主演女優賞有村架純『前科者』助演男優賞横浜流星『流浪の月』助演女優賞尾野真千子『20歳のソウル』『千夜、一夜』『サバカン SABAKAN』新人賞嵐莉菜『マイスモールランド』/白鳥晴都『ぜんぶ、ボクのせい』作品賞・海外『トップガン マーヴェリック』アニメ作品賞『劇場版 四畳半タイムマシンブルース』(text:cinemacafe.net)■関連作品:トップガン マーヴェリック 2022年5月27日より全国にて公開©2019 PARAMOUNT PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.20歳のソウル 2022年5月27日より全国にて公開©2022「20歳のソウル」製作委員会前科者 2022年1月28日公開© 2021香川まさひと・月島冬二・小学館/映画「前科者」製作委員会流浪の月 2022年5月13日より全国にて公開(c)2022「流浪の月」製作委員会沈黙のパレード 2022年9月16日より全国にて公開©2022「沈黙のパレード」製作委員会ある男 2022年11月18日より全国にて公開©2022「ある男」製作委員会さがす 2022年1月21日よりテアトル新宿ほか全国にて公開©2022『さがす』製作委員会マイスモールランド 2022年5月6日より新宿ピカデリーほか全国にて公開予定©2022「マイスモールランド」製作委員会サバカン SABAKAN 2022年8月19日より全国にて公開©2022「SABAKAN」Film Partners四畳半タイムマシンブルース 2022年9月30日より全国にて3週間限定公開©2022 森見登美彦・上田誠・KADOKAWA/「四畳半タイムマシンブルース」製作委員会ぜんぶ、ボクのせい 2022年8月11日より新宿武蔵野館ほか全国にて順次公開© 2022『ぜんぶ、ボクのせい』製作委員会千夜、一夜 2022年10月7日よりテアトル新宿、シネスイッチ銀座ほか全国にて公開(C)2022 映画『千夜、一夜』製作委員会
2022年11月30日2023年のグラミー賞のノミネーションが発表された。最多9部門にノミネートされたのはビヨンセで、ケンドリック・ラマーが8、アデルとブランディ・カーライルが7と続く。ビヨンセは今回のノミネーションにより、これまでの合計が88ノミネーションとなり、夫のジェイ・Zと並ぶ史上最多記録に。グラミー賞の常連のテイラー・スウィフトは「最優秀楽曲賞」を含む5部門、レディー・ガガは2部門の候補に挙がっている。昨年、5枚目のアルバム「=」をリリースしたエド・シーランは同アルバムからの選出はなかったが、カミラ・カベロがエドとコラボした「Bam Bam」が最優秀ポップ・デュオ/グループ・パフォーマンス賞にノミネート。エミー賞、オスカー、トニー賞を受賞済みで、グラミー賞では初めてノミネーション(最優秀オーディオブック/ナレーション&ストーリーテリング録音賞)を受けたヴィオラ・デイヴィスは“EGOT”達成まであと一歩となった。グラミー賞授賞式は2023年2月5日に開催される。▼最優秀レコード賞「Don't Shut Me Down」ABBA「Easy On Me」アデル「BREAK MY SOUL」ビヨンセ「Good Morning Gorgeous」メアリー・J・ブライジ「You And Me On The Rock」ブランディ・カーライル featuring ルシアス「Woman」ドージャ・キャット「Bad Habit」スティーヴ・レイシー「The Heart Part 5」ケンドリック・ラマー「About Damn Time」リゾ「As It Was」ハリー・スタイルズ▼最優秀アルバム賞「30」アデル「RENAISSANCE」ビヨンセ「In These Silent Days」ブランディ・カーライル「Voyage」ABBA「Un Verano Sin Ti」バッド・バニー「Good Morning Gorgerous」(Deluxe)メアリー・J・ブライジ「Music of the Spheres」コールドプレイ「Mr. Morale & The Big Steppers」ケンドリック・ラマー「Special」リゾ「Harry's House」ハリー・スタイルズ(賀来比呂美)
2022年11月16日グローバルボーイズグループ・BTS、Stray Kidsらが出演した音楽授賞式「THE FACT MUSIC AWARDS(TMA)」2020年と2021年の映像が、dTVで配信を開始した。同授賞式は、韓国のニュース配信サイト「THE FACT」が主催する音楽イベント。2020年の第3回と2021年の第4回はオンラインで開催され、世界中のK-POPファンの注目を集めた。初のオンライン開催となった2020年は、CGや映像演出を多く取り入れ、オンラインならではの異空間で、ヒット曲「Dynamite」を披露したBTSなど豪華な出演陣がパフォーマンスを展開。2021年には、Stray Kidsが3チームに分かれてそれぞれパフォーマンスしたほか、ITZY、SEVENTEENがコンセプチュアルなステージを披露した。また、dTVでは8日に開催された2022年版も配信中。日本語字幕付きは11月8日から配信される予定だ。
2022年10月28日2021年10月期にTBS金曜ドラマ枠で放送した吉高由里子主演「最愛」が、「東京ドラマアウォード2022」作品賞 連続ドラマ部門グランプリに選出。さらに主人公・真田梨央を演じた吉高さんが主演女優賞、演出賞を塚原あゆ子が受賞した。「東京ドラマアウォード」は、作品の質の高さはもちろん、海外発信も見据え“市場性”“商業性”を重視し、“世界に見せたい日本のドラマ”というコンセプトのもと2008年に創設。今年で15回目を迎えた。今回は昨年7月から今年6月までに放送されたドラマの中から、日本映画テレビプロデューサー協会および、新聞、テレビ誌各社のドラマ担当、テレビ各局のプロデューサーによって選考された。グランプリを受賞した「最愛」は、殺人事件の重要参考人となった女性実業家・真田梨央(吉高さん)と、梨央の初恋の相手であり事件の真相を追う刑事(松下洸平)、あらゆる手段で梨央を守ろうとする弁護士(井浦新)の3人を中心に展開するサスペンスラブストーリー。吉高由里子「こんなに反響の大きかったドラマはなかった」受賞にあたり、「これまでにこんなに反響の大きかったドラマはなかったです」と吉高さん。「たくさんのドラマ賞もいただけて、授賞式でスタッフの皆さまと再会できることがすごくうれしくて。受賞するたびに『最愛』というドラマが生きて、いろんな人に出会っているような気がしています。オールロケでの撮影で、いろんな場所へ行って、まるで旅のようなドラマでした。大変だった分、自分の中で残っているものが大きいです。放送が終わって約1年経ちますが、今もなお『最愛』が広まっていることに感謝しています」とコメント。また、塚原さんは「ミステリーとラブストーリーのバランスを大切にしていたので、どちらに興味を持っていただいても最後まで愛されるようにいい塩梅を探っていました」と明かす。「展開が何度か大きく動くところがあったので、時間配分は脚本家、プロデューサーとも何度も相談しました。キャストもみんなで支えあって、お互い切磋琢磨して芝居をぶつけあっていたので、主演の吉高さん含めみんなのびのびやってくれたと思います」と話した。そして作品賞を代表し、新井順子プロデューサーは「このチームで約10年やってきていて、これまでは原作があったのですが、今回はオリジナル作品に挑戦してみたいと思って臨んだ作品です。今まで培ってきた経験と脚本家さんの力、監督の熱量があってこそ、10話楽しんでいただけたと思います」とふり返ってコメントした。(text:cinemacafe.net)
2022年10月25日オリックス・バファローズの山本由伸が、2022年シーズンの沢村栄治賞を受賞したことが24日に発表され、球団を通じてコメントを発表した。今季26試合に先発し、15勝5敗、205奪三振、防御率1.68の成績をおさめた山本は、最多勝、最優秀防御率、最多奪三振、最高勝率、最多完封の「投手5冠」を2年連続で達成。なお、「投手5冠」の複数回達成はプロ野球史上初となる。そして、昨年に続き、今シーズンも沢村賞を受賞。山本は「2年連続で選んでいただいて、素直に嬉しく思います」と喜び、安定した成績を残せる理由、原動力は「一日一日を大切にして、真剣に練習、調整をして、毎試合必死に投げた結果だと思います」と自己分析した。また、自身にとって沢村賞は「一年間を評価してくれる賞なので、やりがいを感じますし、頂いたらもちろんとても嬉しいです」と率直な感想を述べ、今後目指す投手像として「より高みを目指して、もっといいピッチャーになるために、もっともっと野球と向き合いたいと思います」と意気込みを語った。
2022年10月24日田中裕子が主演する映画『千夜、一夜』が、「第27回釜山国際映画祭」にて国際映画批評家連盟賞(FIPRESCI賞)を受賞したことが分かった。日本映画としては22年ぶりの快挙となる。世界の映画関係者が注目するアジア最大級の映画祭「釜山国際映画祭」。正式出品となったニューカレンツ・コンペティション部門は、釜山国際映画祭唯一の国際コンペティション部門で、アジアの新進気鋭の映画監督による第1~2作目が対象。本作の監督・久保田直は『家路』(’14)に次ぎ、長編映画2本目となる。国際映画批評家連盟は、世界の職業的映画批評家および映画ジャーナリストの各国組織で構成され、「映画文化の推進と発展、および職業的利益の保護のために」存在する組織でカンヌ、ヴェネチア、ベルリンなどをはじめ世界各国の国際映画祭にて賞を発表。釜山国際映画祭においては、前進的な精神を反映した、上質な作品と評価された作品が選ばれる。海外の批評家からの高い評価を意味する同賞。日本映画が同賞を受賞するのは、行定勲監督の『ひまわり』(’00)以来、実に22年ぶりの快挙だ。日本では年間約8万人が人知れず消え、そしていまもどこかで誰かを待つ人がいる。本作は、「失踪者リスト」から着想を得て、その事象に興味を持ったドキュメンタリー出身の久保田監督が、青木研次のオリジナル脚本により映画化。受賞を受けて久保田監督は「この作品は、コロナ禍による中断もあり、企画を立ち上げてから完成まで8年という時間がかかってしまいました。途中何度か心が折れそうになりましたが、最後までやり遂げたことによってこのような栄えある賞をいただくことができました。心から感謝をするとともに、この賞に恥じない映画人としてこれからも頑張っていきたいと思います」と喜びのコメントを寄せている。『千夜、一夜』は全国にて公開中。(cinemacafe.net)■関連作品:千夜、一夜 2022年10月7日よりテアトル新宿、シネスイッチ銀座ほか全国にて公開(C)2022 映画『千夜、一夜』製作委員会
2022年10月14日積水ハウス株式会社は、本日発表の「第16回キッズデザイン賞」においてキッズデザイン協議会会長賞を受賞しました。キッズデザイン賞は、キッズデザイン協議会(本部:東京都港区虎ノ門)主催の子どもや子どもの産み育てに配慮したすべての製品・サービス・空間・活動・研究を対象とする顕彰制度です。キッズデザイン賞受賞作品214点の中から、優秀作品へノミネートされた36作品が最優秀賞、優秀賞、奨励賞(キッズデザイン協議会会長賞)、特別賞として選出されます。キッズ・ファースト企業である積水ハウスは、第1回キッズデザイン賞から16年連続、累計107作品を受賞しています。キッズデザインマーク▼奨励賞 キッズデザイン協議会会長賞「エルミタージュクール」受賞部門:子どもたちを産み育てやすいデザイン部門 個人・家庭部門エルミタージュクール説明:子育て世代の「もしこんな住まいがあったら・・・」を叶える賃貸住宅です。乳児期~児童期の子を持つ世帯に特化した間取りのほか、安心して子どもを遊ばせることができる中庭、親同士で子どもの預かり合い等を想定したキッズラウンジ、子どもの学びを手助けするterakoya(寺子屋)など、子育てを支援する要素を多数備えています。(受賞理由)「子育て世帯ならではのニーズ、例えば見守りをしながら家事のしやすい動線、外遊びを自由にさせられるような中庭、一時預かりに使えるような空間や遊び場などを備えた賃貸住宅であり、子育てに特化した思い切った空間提案として高く評価した。賃貸住宅の共用部でここまでの設備と取組は貴重であり、ニーズも高いだろう。」エルミタージュクール 外観エルミタージュクール 中庭積水ハウスは“「わが家」を世界一幸せな場所にする”というグローバルビジョンのもと、今後も人生100年時代における「幸せ住まい」を追求し続けてまいります。エルミタージュクール 公式サイト: キッズデザイン賞 公式サイト : 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年09月22日ポン・ジュノ監督が審査員長を務めた2021年・第78回ヴェネチア国際映画祭にて、審査員の満場一致で最高賞である金獅子賞を受賞したフランス映画『Happening』(英題)が邦題『あのこと』として12月2日(金)より公開決定。ポスターと予告編が解禁された。ヴェネチア金獅子賞を皮切りに、世界の映画賞を席巻した本年度最大の話題作の1つ。舞台は1960年代、法律で中絶が禁止され、処罰されていたフランス。望まぬ妊娠をした大学生のアンヌ(アナマリア・ヴァルトロメイ)が、自らが願う未来をつかむために、たった1人で戦う12週間が描かれる。全編アンヌの目線で描かれる本作は、アンヌと身も心も一体化、観る者が「恐怖と怒りと情熱」を体感するという没入感、臨場感が見どころ。監督を務めるのは、本作をきっかけに世界中から注目を集める女性監督オードレイ・ディヴァン。主演は子役時代に『ヴィオレッタ』で美しすぎる娘役を怪演し、本作でセザール賞を受賞したアナマリア・ヴァルトロメイ。原作は、ノーベル賞に最も近い作家とリスペクトされるアニー・エルノーが自身の実話を基に書き上げた「事件」。オドレイ・ディワン/第78回ヴェネチア国際映画祭 Photo by Marc Piasecki/Getty Images今回解禁された予告編は、前途有望なアンヌの妊娠が発覚し、うろたえるシーンから始まる。「違法行為になる」と医者から突き放される様子や、「妊娠したら、大学を辞め働くしかない」「刑務所に入りたいの?」と話す友人の会話が、1960年代当時のアンヌを取り巻く社会を物語る。しかし、アンヌの選択は1つ。未来のために命がけであらゆる方法を模索しながらも、タイムリミットは迫り、彼女が焦燥し、どんどん孤立し追い詰められていく様が映し出される。全編、彼女にぴったりと寄り添う映像からも、映画と観客の垣根がなくなるようなヒリヒリとした臨場感と、尋常ならざる没入感で「体験型」と言われる所以が垣間見える。ポスターは、主人公アンヌがこちらを見据える強いまなざしが印象的なビジュアル。その視線には、戸惑いと焦燥におびえながらも覚悟をつけた女性の鋭い光が宿り、訴えるようにも、拒絶するようにも見える瞳と、結ばれた口元がこの映画の力強さを伺わせている。『あのこと』は12月2日(金)よりBunkamuraル・シネマほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:あのこと 2022年12月2日よりBunkamuraル・シネマほか全国にて公開© 2021 RECTANGLE PRODUCTIONS - FRANCE 3 CINÉMA - WILD BUNCH - SRAB FILM
2022年09月09日近年、映画賞の演技部門において、「男優賞」「女優賞」と性別で分けることをやめ、「ジェンダー・ニュートラル」(性的に中立)な形を取る動きが加速している。すでにジェンダー・ニュートラル化を行ったベルリン国際映画祭、今年開催の授賞式から実施するゴッサム賞などに続き、インディペンデント・スピリット賞も演技部門の性別区分けの廃止を表明。主催者のフィルム・インディペンデントが公式ホームページにて発表した。同団体のトップのジョシュ・ウェルシュは、「私たちは、性別に関わらず素晴らしい演技を称えるため、すでに動き出している映画祭や映画賞に加わることに喜びを感じています。また、男性か女性かの選択を強制することなく、ノンバイナリーの俳優たちをスピリット賞に迎えられることもうれしく思います」とコメント。また、インディペンデント・スピリット賞はこれまで製作費が2250万ドルまでの作品を対象としていたが、昨今の物価・製作費高騰により、製作費3000万ドルまでに引き上げられた。「新しい上限を設けたことで、これまでと同じように幅広い作品を称えることができます」としている。インディペンデント・スピリット賞授賞式は2023年3月4日に開催される。(賀来比呂美)
2022年08月24日オスカー、英国アカデミー賞、日本アカデミー賞など、国内外で数えきれないほどの賞を受賞し高い評価を受けている濱口竜介監督の『ドライブ・マイ・カー』が、2022年の国際映画批評家連盟賞グランプリを受賞した。『ドライブ・マイ・カー』は、国際映画批評家連盟(FIPRESCI)の会員による2022年の最優秀作品としてグランプリに輝いた。最終候補には同作のほか、『リコリス・ピザ』(ポール・トーマス・アンダーソン監督)、『パワー・オブ・ザ・ドッグ』(ジェーン・カンピオン監督)、『Triangle of Sadness』(リューベン・オストルンド監督)、『わたしは最悪。』(ヨアキム・トリアー監督)が挙がっていた。同賞は1999年に設立。これまでペドロ・アルモドバル監督(『オール・アバウト・マイ・マザー』)、ジャン=リュック・ゴダール監督(『アワーミュージック』)、ロマン・ポランスキー監督(『ゴーストライター』)、アルフォンソ・キュアロン監督(『ROMA/ローマ』)といった偉大な監督たちが受賞。今年の最終候補に挙がっていたポール・トーマス・アンダーソン監督は、『マグノリア』『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』『ファントム・スレッド』で3回受賞を果たしている常連である。昨年は、『ノマドランド』のクロエ・ジャオ監督が選ばれた。(賀来比呂美)■関連作品:ドライブ・マイ・カー 2021年8月20日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開(C)2021『ドライブ・マイ・カー』製作委員会
2022年08月23日●歴史上の人物に憧れ「世界に影響していることを体感したい」数多くの話題作に出演し、その活躍が認められ「エランドール賞新人賞」を受賞、今年も勢いが止まらない俳優・山田裕貴。元プロ野球選手・山田和利氏を父に持ち、プロ野球選手を目指していた山田が、俳優の道を目指したきっかけとは。山田にインタビューし、人生の転機や俳優業への思いを聞いた。俳優になりたいという思いは、プロ野球選手になる夢を諦めていろいろなことを考えている中で芽生えたのだという。「プロ野球選手になるのは無理だと諦めたときに、いろんなことを考えたんです。自分のことを考えていく中で、なんで人間ってこの時こういう風に思うのだろうと、人間の感情や思考に興味が出てきて、俳優さんっていろんな人の人生を生きる仕事だから、いろんな人間の感情や心を学べるかもしれないと思い、俳優を目指すようになりました」高校卒業後、「ワタナベエンターテイメントカレッジ」で演技のレッスンなどを受けつつ、エキストラや裏方の仕事を手伝っていた山田。そして2010年、「D-BOYSスペシャルユニットオーディション」のD-BOYS部門でグランプリを受賞し、ワタナベエンターテインメントに所属、同年D-BOYSの弟分ユニット・D2に加入し、2011年に『海賊戦隊ゴーカイジャー』ジョー・ギブケン/ゴーカイブルー役で俳優デビューした。「ワタナベエンターテイメントカレッジに通って、エキストラやスタッフさんの仕事をしていたら、ちょうどオーディションが開催され応募しました。とにかくお芝居ができる場に行かなければということだけを考えて受け、喜ぶということよりやっとスタートラインに立てたという思いでした」人間の感情や思考を学びたいと思って俳優を目指したと話していたが、実際にさまざまな役を演じることでいろんな感情や思考に触れることができているようで、「こんな感情になるんだって感じます」といろんな気づきがあるという。そして、「このシーンはこうなるだろうなと思っていた想像を超えていく瞬間があって、台本にない言葉が出てきたり、泣こうと思ってないのに涙が出たり。そういう瞬間に出会えるときがあるので面白いです」と俳優業のやりがいを語った。芸能界に入った当初、どんな俳優になりたいと考えていたか尋ねると、「小さい頃から教科書に載っているような人になりたいと思っていて、いいなぁ織田信長とか思っていました」と歴史上の人物への憧れを告白。「ただ楽しく過ごせればいいというのではなく、いろんな人の心を動かしたり、世界に影響していることを体感して生きていたいんです」と述べ、「どれだけ影響を及ぼすことができたかは死ぬときにわかることだと思いますが、ポジティブなエネルギーを与え続けられたらうれしい」と話した。すでに多くの人たちの心を動かし、影響を与えていると思うが、「今、世界配信とかで簡単に世界に出られますが、僕はまだ日本だけなので弱いです」と目指すところはまだまだ遠い。かといって「世界に行きたいというわけでもないんです」と言い、「まずは目の前にいる人たちを、という感覚でいつも生きているので、ただ一生懸命生きていたらそれが大きくなっていたというのが理想です」と語った。●役と心が通った初めての経験「あの現場は一生忘れない」参加したすべての作品が自分にとっては欠かせないものだという山田。その上で、ターニングポイントになった作品について話してくれた。「皆さんがターニングポイントだと思っている作品と、僕の思うターニングポイントになった作品はもしかしたら違う」と前置きした上で、「満足のいく演技ができたという意味で自分にとってターニングポイントになった作品は、『ここは今から倫理です。』や『HiGH&LOW』、『ホームルーム』、『東京リベンジャーズ』、『ストロボ・エッジ』、これから公開される『夜、鳥たちが啼く』など。朝ドラ『なつぞら』も、こういう風に見せられたらいいなというお芝居ができたなと思います」と作品を挙げていく。自分が納得できた作品は「役と心が通いすぎた」という感覚になれたもので、役と心が通うと「思考がいらなくなる」という。「すべて感覚で動いているという感じ。セリフだけ覚えて、あとはその場で動いているみたいな。いつも役とのシンクロ率を上げようとしていますが、僕と役の人間性が近いからシンクロできたのか、それとも近くはないけど寄せることができたのか、そこは冷静に突き詰めるようにしています」役と心が通じ合えたと感じた最初の作品は、廣木隆一監督の映画『ストロボ・エッジ』(2015)だったという。「廣木監督によって強制的に絞り出されたみたいな感覚でした。同じシーンを20回くらいやって、何度も何度も『違う、もう1回』って。廣木監督と出会って、初めて役と通じ合うことができました」引き出してくれた廣木監督にはとても感謝しているそうで、「あの現場は一生忘れないですね」と振り返る。「例えば教室のシーンだったら、僕の演技に対して『そこ椅子座り直す?』『カバンいつ持っていくの?』とか指摘されるんですけど、僕に自由を与えてくれているわけじゃないですか。(作品によっては)このセリフのときに立ってくださいというところまで決まっていることもありますが、廣木監督は全部自由に考えさせてくれて、『違う』って言われながらですけど、『それいいじゃん』と言ってくれることもあって。だから考え続けることって大事だなってすごく思います」また、俳優業のやりがいについて「多くの人に何かを届けることができるのはすごいなと感じます。SNSをフォローしてもらったこともわかりますし、コメントを見ればどのように思ってくれているのかわかります」とも話した。やりがいが増していく一方で苦悩も。「追求していけばいくほど悩むし、苦しむ」と吐露するが、「自分の表現が間違っていないか疑い続けることが大事」だと考えている。「お芝居だなと思うお芝居と、本当の顔をしているお芝居とがある。その違いはなんだろうって研究したときに、『あ、音か!』と思ったんです。本心で話している人の音がある。今、僕が話しているのは本当の音。これがセリフでできたら完璧なんですけど、どうしてもお芝居しようとすると声を作ってしまったりする。そういうのを日々考えています」●辞めたいと思ったことも「自分の感覚が削がれていく感覚があって」自分をとことん追い詰めて役とのシンクロを目指しているからこそ、「辞めたいと思ったこともあります」と明かす。「心をものすごく使う仕事だから、自分の感覚が削がれていく感覚があって。家に帰ると何もしたくなくなるんです。僕、何がしたいんだっけ、何が楽しいんだっけって。心が動いたほうがいいはずなのに、オフになるとそっちまでオフになるから、ヤバい! 自分がいなくなるぞ! という感覚になるときがあります」さらに、「皆さんが思っている山田裕貴と、本当の山田裕貴は、イメージ通りのところもありますが、全然違ったりもする。そうすると、皆さんのイメージに合わせて生きなきゃって思い、普段の僕じゃないってなるんです」と、世間のイメージとのギャップに悩むことも。「明るくてふざける人だって思われているから、バラエティで面白くしなきゃって頑張りすぎたりしてしまうこともある」と打ち明けた。心の疲れがたまると「僕のことを誰も知らない場所に逃げたい」という気持ちに。その思いは、昨年爆発しそうになったという。「全部辞めて世界中を回ろうかなと思いました。そんなお金があるかどうかは別として、絵とかやったことないのに世界中を回って絵を描きたいと。知らないことが多すぎると感じ、文化の違いや人間の違いをもっと知りたいと思って」と振り返り、「一番注目していただいた頃ですね。ものすごくありがたいことですけど、一気に僕を見る目が増えて逃げたくなってしまったのかもしれません」と分析する。結局、休むことはせず踏みとどまった山田。「僕が1年間休んだらいろんな人に多大なご迷惑をかけることになるから、そんなことはできない。自分のためではなく人のために生きています。応援してくださっている皆さんのためにも」と述べ、「原動力というか、使命です」と表現した。そして、「こうなりたい」と思い描いてきた想像を超えた状況になっているからこそ、この先は「わからない」という。「僕の意思じゃないところで動いていることばかり。『今年の顔』になったのも、『え! 俺が!?』みたいな。そういうことばかりなので、もう手に負えないんです(笑)。これからどうなっていくかわからない。まだまだですけど、いつもマネージャーさんに『とんでもないことになってきたね』って話しています」心がすり減る大変さや、人気者ゆえの苦悩も抱えつつ、山田は「僕はエキストラからやってきているので、めちゃくちゃうれしい! 夢だった『ONE PIECE』の声優が叶ったり、朝ドラや大河ドラマに出演させていただいたり、本当にありがたいなと思っています」と喜びをかみしめる。ワタナベエンターテインメントでは現在、次世代を担う新人俳優を発掘する「WE ACTオーディション」とダンス&ボーカルグループ候補生を募集する「D-BOYS SINGオーディション」を同時開催中。山田は「やりたいことをやったほうがいいと思うので、本気でやりたいと思う方はぜひ受けてみてほしいです」と呼びかけた。■山田裕貴1990年9月18日生まれ、愛知県出身。2010年、「D-BOYSスペシャルユニットオーディション」のD-BOYS部門でグランプリを受賞し、ワタナベエンターテインメントに所属、同年D-BOYSの弟分ユニット・D2に加入した。2011年に『海賊戦隊ゴーカイジャー』ジョー・ギブケン/ゴーカイブルー役で俳優デビュー。以降、『特捜9』シリーズ、連続テレビ小説『なつぞら』、『ここは今から倫理です。』『志村けんとドリフの大爆笑物語』などのドラマに出演。映画では『HiGH&LOW』シリーズ、『東京リベンジャーズ』『テン・ゴーカイジャー』『燃えよ剣』『余命10年』などに出演。現在は、連続テレビ小説『ちむどんどん』に出演中。『オールナイトニッポン X(クロス)』月曜パーソナリティも担当。2023年大河ドラマ『どうする家康』への出演も決まっている。■ワタナベエンターテインメント「D-BOYS SING」「WE ACT」Wオーディションダンス&ボーカルグループ候補生を募集する「D-BOYS SINGオーディション」と、次世代を担う新人俳優を発掘する「WE ACTオーディション」を同時開催。両部門とも合格者には無料でレッスンできる環境を用意。1次面接は、全国4都市(東京・愛知・大阪・福岡)で開催するほか、オンラインでの参加も可能。
2022年08月15日ぴあフィルムフェスティバルの「PFFアワード2020」で審査員特別賞を受賞したロードムービー『頭痛が痛い』の初日舞台挨拶が6月3日、東京・アップリンク吉祥寺で行われ、出演する阿部百衣子、せとらえと、本作で監督デビューを飾った守田悠人が登壇した。新国立競技場の建設が進む2018年の東京を舞台に、空気を読みながら明るく振る舞う一方で憂鬱な気持ちを抱えていた女子高生・いく(阿部)と、自傷行為を繰り返しながら、心の隙間をライブ配信で埋めようとする不登校気味の鳴海(せとら)が、互いの心と傷の手当てをし、支え合う姿を描いた。実際の事件がモチーフになっており、守田監督は「当時、自分の中になった憂鬱とリンクした瞬間があり、これを今の自分が映画にしなければ。10年後の自分が映画にできるか分からないと思い、製作しました」と振り返った。『頭痛が痛い』初日舞台挨拶より撮影は4年前に行われ、阿部は「こうして作品を皆さんにお見せできる機会にめぐりあえて、幸せだなと思います」と俳優デビュー作の念願の劇場公開に喜びの声。本作を鑑賞するのは、およそ2年ぶりだといい「当時の私は、自分の苦しさや、嫌だなと思うことを表に出せなかったり、いくと重なる部分もあった。ズーンと心に残るものがあった」と明かし、「彼女たちの生きざまは泥臭いですが、美しいなと。逃げ出したいときは、いくや鳴海を思い出して、もう少し頑張ろうかなと思ってもらえれば」とアピールした。阿部百衣子せとらも「繊細で傷つきやすいところは重なっているなと思いました」と役どころに共感。「自分には価値がない、誰にも愛されていないと思っている人にも、私は生きていてほしいと思うんです。見ず知らずの人間に言われても届かないかもしれないですが、自分を愛してあげてほしいです」とメッセージを送った。せとらえとぴあフィルムフェスティバルでの上映を経て、劇場公開にあたっては再編集が施され、守田監督は「自分が(再編集を)やらなくてもいいかなと思っていたら、当時高校卒業したての小本(菜々香)に出会って。150分くらいの素材を渡したら、90分にしてきて肝が据わっているなと思った」と舞台裏を回想。審査員特別賞受賞については、「受賞の瞬間は何かしゃべらないといけないと焦りましたが、作品に箔が付いたので、スタッフや俳優の皆さんのためにもなって、うれしかった」と話していた。守田悠人監督取材・文=内田涼<作品情報>『頭痛が痛い』公開中『頭痛が痛い』ポスタービジュアル脚本・監督:守田悠人出演:阿部百衣子 / せとらえと / 鐘ヶ江佳太 / 山本華世子 / 大友久志 / ナツメ / 杉山宗賢『頭痛が痛い』予告編『頭痛が痛い』公式サイト:
2022年06月04日「PFFアワード2020」で審査員特別賞を受賞した映画『頭痛が痛い』が6月3日(金)より、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開となる。この度、脚本と監督を務めた守田悠人のオフィシャルインタビューが公開された。本作の主人公は自傷行為や恋愛感情のないセックスを繰り返し、家庭に不和を抱える不登校気味の高校生・鳴海と、エゴだとわかりつつ、いつも人のことを考え、救急セットを持ち歩く同級生・いく。それぞれの「死にたさ」を擦り合わせようとするふたりによるシスターフッドロードムービーである。守田監督のインタビューは下記の通り。――本作制作のきっかけをお教えください。本作は2018年、大学4年の時に作ったんです。当時、高校生がライブ配信中に線路に飛び込むという事件が起きて、彼女の過去の配信映像だとかがネット上で拡散されました。その一連を見たときに自分の中に漂ってきたものをうやむやにしたくないと思ったんです。10年後の自分がこのテーマで撮れるかわからないですし「今しか撮れない」と思って撮りました。――タイトルの「頭痛が痛い」に込めた想いは?「ちぐはぐな痛み」を描きたくて作りました。例えば、自分のしんどさを伝えたい時に「今、頭痛が痛くてしんどいんだよ」と言っても、「『頭痛が痛い』って言葉の使い方が間違っている」と言われて、まともに取り合ってもらえない。でも、こっちとしては今の自分のしんどさを他の言葉で形容できない、「頭痛が痛い」としか言えない、という、他人とのわかりあえなさや矛盾した痛みを含んだタイトルがいいなと思ったんです。――いくと鳴海がさっきまでいたのに、次の瞬間いなくなっているというシーンがあって、命の儚さなどを感じましたが込めた想いはありますか。ジャンプカットはラスト手前の、屋上に立つ誰かの足が不意に消えるというシーンにもリンクさせています。雑踏のなかでさっきまでそこに居た誰かが不意に消えていても認識できないのと同じように、人がこの世から消えてゆくことを認識できないですし、そのスピード感についていけない、処理が追いつかない、という感覚で使いました。――いくの家のシーンがなかったりと、いくの境遇の描写が省かれている理由を教えてください。「誰でも抱えうる憂鬱を持っている子」という風にしたく、原因を描いてそれと紐付けたくなかったというのが一番の理由ですね。――いくの「私は死にたいんだと思うと、妙に腑に落ちて楽になる」というセリフがありますが、監督もそう思ったことがあるんですか?僕もありますし、厳密に言うと僕はちょっと違いますが、みんなそれぞれ憂鬱に対処する儀式みたいなものがあるんじゃないかなと思っています。僕の身の回りにいる人で、毎日「死にたい」と言いながらすごく健康的に生きている人がいて、めちゃくちゃカッコいいと思うので、それを肯定するためにこのセリフを書いたんだと思います。――いく役を阿部百衣子さん、鳴海役をせとらえとさんをキャスティングした理由をお教えください。阿部さん、せとらさんに共通するのは、オーディションで「この人のことを知りたい」と思ったからです。オーディションの際に、全員の方に「死にたいと思ったことはありますか?」という質問をしたのですが、阿部さんの答え方は「皆あるんじゃないんですかね〜」と自分に当てられた焦点をすり変えているような交わし方をされたので、阿部さんという人間に興味が湧きました。せとらさんは、入ってきた瞬間の挙動が印象的で、ヒョウ柄のボトムスとすけすけのシャツを着ていたのも相まって、映画のオーディションに来る人ではない異様な感じがしました。それまで漠然としたイメージだった鳴海が、実際にせとらさんを見て、この子が鳴海だったんだと思ったんです。――女子高生ふたりだけでも映画は成り立ったとは思いますが、フリージャーナリストの直樹の役を作った理由をお教えください。いくが遺書という爆弾をばら撒きますが、受け取った側にどう作用するかを描くと、爆弾に奥行きが出るんじゃないかなと。それで正義感が空回ってほしい、そういう存在がほしい、と直樹のキャラクターを構築しました。――撮影時のエピソードを教えてください。いくのラブホでの援助交際のシーンはしんどい描写だったんですけれど、本番でカメラを回している最中に、いくの姿を見ながら「あ〜」と声が漏れてしまい、NGを出したことがありました。――本作の見どころは?主演のふたりのお芝居や、両者が持つそれぞれの強さ、いくと鳴海の関係性を見てほしいです。――読者にメッセージをお願いします。自主映画で至らない部分もたくさんありますが、2018年の自分ができる限りリアルを全部吐き出して作った映画なので、ぜひ劇場で観ていただきたいです。『頭痛が痛い』6月3日(金)公開
2022年05月29日6月開催の「第75回トニー賞」のノミネーションが、昨日5月9日の日本時間22時(現地朝9時)に発表された。対象期間(今回は2020年2月20日~2022年5月4日)にニューヨークのブロードウェイで正式に開幕した演劇、ミュージカル作品を対象に贈られる賞で、アメリカ演劇界で最も権威のある賞とされている「トニー賞」。N.Y.ラジオシティ・ミュージックホールにて行われるこの授賞式を、WOWOWが生中継する。今回の発表では、2019年にオフ・ブロードウェイで初演、2020年のピューリッツァー賞で戯曲賞を受賞した「ア・ストレンジ・ループ」が、ミュージカル作品賞を含む11部門11ノミネートされた。「ライオンキング」を上演中の劇場で、アッシャー(案内係)をしながらミュージカル作家を目指す人物が主人公となり、彼の頭に浮かんでいる構想と雑念が交錯する物語。「ア・ストレンジ・ループ」また、マイケル・ジャクソンを描いた作品「MJ」、ボブ・ディランが1960年代に発表した楽曲を生かしたオリジナル・ストーリー「ガール・フロム・ザ・ノース・カントリー」がミュージカル作品賞にノミネートされ、「MJ」は10部門10ノミネート、「ガール・フロム・ザ・ノース・カントリー」は7部門7ノミネートとなった。「MJ」さらに、過去トニー賞受賞2回(2004年のミュージカル主演男優賞、2012年の特別賞)果たしているヒュー・ジャックマンが、「ザ・ミュージックマン」でミュージカル主演男優賞にノミネート。なお、「ザ・ミュージックマン」からは、共演のサットン・フォスターのミュージカル主演女優賞含む計6部門でノミネートされている。ほかにも、ロンドン発のガールズ・ロック・ミュージカル・ショー「SIX」が8部門で、南北戦争中に黒人とアイルランド移民の激しい対立の中で起こるドラマ「パラダイス・スクエア」は9部門、リーマン・ブラザーズの誕生からリーマン・ショックで崩壊するまでを描いた「リーマン・トリロジー」が演劇部門で最多6部門8ノミネート。「SIX」毎回、ブロードウェイのスターが務める授賞式ホストだが、今回は本年度の「第94回アカデミー賞」で助演女優賞を獲得した『ウエスト・サイド・ストーリー』のアリアナ・デボーズに決定。「サマー:ドナ・サマー ミュージカル」でトニー賞ミュージカル助演女優賞にノミネートされ、ブロードウエイ屈指の踊る女優としても評価されている。アリアナ・デボーズ<主な注目作品のノミネーション>●ミュージカル部門「ア・ストレンジ・ループ」:11部門/11ノミネート作品賞・主演男優賞・助演男優賞・助演女優賞・演出賞・脚本賞・装置デザイン賞・照明デザイン賞・音響デザイン賞・オリジナル楽曲賞・オーケストラ編曲賞「MJ」:10部門/10ノミネートミュージカル作品賞・主演男優賞・演出賞・脚本賞・装置デザイン賞・衣装デザイン賞・照明デザイン賞・音響デザイン賞・振付賞・オーケストラ編曲賞「ザ・ミュージックマン」:6部門/6ノミネートミュージカル・リバイバル作品賞・主演男優賞・主演女優賞・助演女優賞・衣装デザイン賞・振付賞「パラダイス・スクエア」:9部門/10ノミネートミュージカル作品賞・主演女優賞・助演男優賞(2)・装置デザイン賞・衣装デザイン賞・照明デザイン賞・脚本賞・オリジナル楽曲賞・振付賞●演劇部門「リーマン・トリロジー」:6部門/8ノミネート演劇作品賞・主演男優賞(3)・演出賞・装置デザイン賞・照明デザイン賞・音響デザイン賞「生中継!第75回トニー賞授賞式」は6月13日(月)8時~WOWOWプライム・WOWOWオンデマンドにて放送&配信。(cinemacafe.net)
2022年05月10日第64回グラミー賞授賞式でいちばん注目を集めたのはBTSで間違いなし!「最優秀ポップ・デュオ/グループ・パフォーマンス賞」受賞を2年連続で逃したものの、最強のエンターティナーとして、多くの有名アーティストが集まる会場を沸かせてくれた。直前まで隔離期間だったため7人そろっての現地での練習はわずか1日だったが、それでも圧巻のパフォーマンスであった。授賞式後のライブ動画配信サービスでは7人そろって乾杯し、率直な思いを語っていた。JUNG KOOK「(コロナで1日しか練習できず)僕、部屋でどれだけ踊ったか」JIN「(授賞式に向けて手の包帯は)嘘じゃなくて5回くらい作り直しました」SUGA「ライブのためにアメリカに来た。グラミーには寄っただけ」RM「正直、落ち込むのは事実です。僕は正直に伝えたほうがいいと思ってるから。今日悲しんで明日回復すればいいですよね」リーダーのRMはレッドカーペットのときから受賞への意気込みを見せていただけに、悔しさを隠さなかった。それでも、これまでに何度もアジア人初快挙を成し遂げてきた7人のこと。より高く飛ぶには深くしゃがむ必要があるというし、きっともう次の夢に向かっているはず!
2022年04月18日2022年のアカデミー賞作品賞のほか、助演男優賞、脚色賞の計3部門を受賞した『コーダ あいのうた』。今年初めに行った、シアン・ヘダー監督の単独インタビューをお届けします(2022年1月20日配信記事)。『コーダ あいのうた』【映画、ときどき私】 vol. 448豊かな自然に恵まれた海の町で、耳の不自由な両親と兄と暮らす高校生のルビー。4人家族のなかで唯一耳が聞こえるルビーは、家族のために幼い頃から“通訳”となり、家業の漁業も毎日欠かさず手伝っていた。新学期に入り、ルビーは秘かに憧れるクラスメイトのマイルズと同じ合唱クラブを選択。ルビーに歌の才能があることに気がついた顧問の先生から、都会の名門音楽大学への受験を強く勧められる。ところが、ルビーの歌声が聞こえない両親は娘の才能を信じることができず、家業のほうが大事だと大反対。家族を選ぶ決断をした娘に対し、父は意外なある行動を取ることに……。2014年に製作され、大ヒットとなったフランス映画『エール!』をリメイクした本作。昨年開催されたサンダンス映画祭では史上最多受賞に加え、映画祭史上最高額となる約26億円で配給権が落札されたことでも大きな話題となりました。そこで、こちらの方にお話をうかがってきました。シアン・ヘダー監督本作の脚本と監督を務め、その実力が高く評価されているヘダー監督。今回は、取材を重ねるうえで得た気づきや手話から学んだこと、ろう者と作り上げた現場で感銘を受けた出来事などについて、語っていただきました。―最初は、脚本家として本作の依頼を受けたそうですが、監督も手掛けることになったいきさつから教えてください。監督私はもともと監督も脚本も手掛けるフィルムメイカーなので、脚本家として雇われた当初から監督もしたいという思いはありました。製作陣としては、私がどんな脚本を出すかで監督も任せるか検討しようと考えていたようですが。その後、脚本の出来に満足していただけたので、監督も任せてもらえることになりました。―この作品に惹かれた理由はどんなところですか?監督オリジナルの作品を観たとき、物語をより深く掘り下げるポテンシャルがすごくある作品だなと感じました。たとえば、家族の描かれ方やそれぞれのキャラクターをより立体的に描けると思ったんです。特にこの家族というのは、聴者とろう者の両方に属しているようで、両方ともに属していないような存在なので、そんな彼らの道のりをしっかりと見せたいと考えました。取材を通して、いろいろな発見があった―タイトルのコーダ(CODA)とは「Children of Deaf Adults」のことで、⽿の聴こえない両親に育てられた⼦どものことを指していますが、今回は実際にコーダと呼ばれる子どもたちにも取材を行ったそうですね。彼らと出会ったことで脚本に影響を与えた部分もあったのではないでしょうか。監督すごくいい質問なので、この話ができるのはうれしいです。脚本を書き始めたころ、まずはSNSや友人を通じてコーダの経験がある人たちを探したんですが、話を聞いていくと、人によってまったく違う経験もあれば、共通点もあり、いろいろな発見がありました。そのなかでも、興味深かったのは、大人同士の会話の通訳をしなければいけなかったので、まだ心の準備ができてない年齢からかなり大人な話題に触れなければいけないということ。彼らは早く大人になることを求められてしまうんですよね。ときには「どうして自分だけこんなに頼られなければいけないんだ」とコーダであることを重荷に思うこともあるそうですが、同時に「自分は家族にとってすごく重要な人間なんだ」という誇りも持っていると感じました。そういった彼らの心にある矛盾はおもしろいと思ったので、キャラクターにも反映させています。劇中でも描いているように、性的な話を何でもはっきり言ってしまう親がいる人や家のなかの音がうるさくて大変だったという人など、リサーチのなかでは笑える話もたくさん聞かせてもらいました。手話は人と人をつなげてくれる言語だと感じた―劇中では手話の持つ表現力の美しさも感じましたが、監督ご自身も手話を習得されたとか。実際に体験してみていかがでしたか?監督手話で話すときは、中身のない話をする余地がないように感じました。というのも、いまそこで起きている真実だけを話し、それを心から信じて伝えるので、社交辞令や沈黙が怖いから意味のないことを口にする、みたいなことがない言語というのが私の受けた印象です。あと、手話ではスマホを見ながら話したりできないので、人の目を見ながらでないと話せないという意味でも人と人とをつなげてくれる言語なのではないかなと。100%相手と向き合うこと、しっかりと考えてから自分の思いを伝えること、言葉の選択など、いろいろなことを手話から学びました。―なるほど。本作は超高額で配給権の争奪戦が行われたり、各賞レースでも有力候補として注目を集めたりしていますが、いまの状況をどう受け止めていますか?監督とにかくワクワクして興奮しています!今回の作品を通して、現場の作り方やコミュニケーションの取り方も変わりましたし、聴者とろう者が一緒になって作品づくりをする過程もとても誇らしく思っていたので。実は映画が完成した時点で、「私は人生で最高の経験をしてしまった」と感じていたので、そこがピークだと思っていたんです。なので、そのあとに起きたことは予想もしていなかったことばかりで、本当に奇跡のような出来事。こんなふうに評価をされ、作品がさらに成長していくとは思っていなかったので、いまはただ喜びでいっぱいです。うれしかったは、ろう者の俳優たちが評価されたこと―出演者のみなさんも、同じお気持ちだと思います。監督あとは、自分の作品に出てくれた俳優たちが称賛を受けているというのが、何よりもうれしいです。母親を演じたマーリー・マトリンは、オスカーの受賞経験がありながらいままであまり多くの機会が与えられていませんでしたし、父親役のトロイ・コッツァーと兄役のダニエル・デュラントもあまり知られていない俳優でしたから。いろいろな賞にノミネートされていて、感動しました。いままで苦労してがんばってきた彼らがこの作品で報われてよかったです。―本当に、素晴らしい演技でした。耳の聞こえない人の役は聴覚に障がいのある人に演じてほしいというのが、監督の当初からのこだわりだったとうかがっています。実際に彼らと現場をともにして、気づかされることもあったのでは?監督最初は、現場に手話の通訳を入れて彼らと話をする計画でしたが、初日の撮影をした際、彼らが私ではなくて通訳さんのほうしか見ていないことに気がつき、うまくつながれていないように感じてしまったんです。そこで、できれば通訳を介さずに進めたいと彼らに相談をしました。当時は私の手話もまだ流暢ではなかったので、表情や目を使ったり、お互いの体を触れ合わせたり、照明で合図をしたり、いろいろな形でコミュニケーションを取ることに。撮影を進めながらやり方を探していくような感じでしたが、それはとても親密なプロセスとなりました。彼らとは手話や言葉を使わなくても理解できるほどになったので、さまざまな発見とともに楽しい現場でしたね。自分が思うほど、他人との違いは大きくない―まもなく公開を迎える日本には、どのような印象をお持ちですか?監督実は日本にはまだ行ったことがないんですが、すごく行きたい場所のひとつではあります。日本の文化や食事が大好きなので、ぜひ日本を訪れてさまざまな経験をしたいです。―それでは最後に、日本の観客に向けてメッセージをお願いします。監督この映画では、ある家族を中心に描いているものの、普遍的な物語になっているので、ろう者でも聴者でも、誰でも共感していただける作品になっていると思います。あとは、この作品がきっかけで、ろう者の方々とコミュニケーションを取ってみたいと手話の勉強を始めていただく方が増えたらうれしいですね。いまの時代は自分と違うものに対する恐怖心が大きくなっており、他者とつながれないと感じている人も多いと思うので、この映画を通してそういった“バリア”を少しでも壊せたらいいなと。誰もが同じ人間で、同じような葛藤や家族の問題を抱えているものなので、自分が考えているほど他人との違いは大きなものではないというのも知ってほしいと思っています。家族の愛に、胸も目頭も熱くなる!理想と現実という名の“荒波”にもまれながらも、夢が広がる大海原へと飛び込む少女から勇気をもらえる本作。そして、家族がお互いを想う涙あり笑いありの愛には、誰もが魅了されてしまうはず。耳も心も虜にする美しい歌声とともに、爽やかな感動に包まれてみては?取材、文・志村昌美心が震える予告編はこちら!作品情報『コーダ あいのうた』1月21日(⾦)より、TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー※バリアフリー字幕版も上映決定(詳細はHPの劇場情報欄にて)配給:ギャガ© 2020 VENDOME PICTURES LLC, PATHE FILMS
2022年03月28日第94回アカデミー賞授賞式が3月28日(日本時間)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、作品賞に仏映画をハリウッドリメイクした『コーダ あいのうた』(シアン・ヘダー監督)が輝いた。同作は脚色賞、助演男優賞にもノミネートされており、そのすべてを受賞。見事3冠を達成した。最多部門を受賞したのは『DUNE 砂の惑星』で6部門(撮影賞、音響賞、視覚効果賞、作曲賞、編集賞、美術賞)。また、濱口竜介監督の『ドライブ・マイ・カー』が国際長編映画賞に輝き、日本映画の同賞受賞は『おくりびと』以来13年ぶりの快挙を達成した(『おくりびと』は外国語映画賞)。一方で、作品賞をはじめ、最多11部門12ノミネートで“本命”と目されていた『パワー・オブ・ザ・ドッグ』は、ジェーン・カンピオンが監督賞を受賞するのみという結果に。今回もNetflix映画が作品賞に輝くことはなかった。『コーダ あいのうた』は2014年製作のフランス映画『エール!』のリメイク。家族の中で唯一の健聴者である少女が、歌の才能を見いだされ、ろう者の両親の大反対を受けながら、名門音楽大学への進学を目指す。題名の“CODA”は、“Children of Deaf Adults”(耳の聴こえない両親に育てられた子ども)のこと。主人公の父親を演じたトロイ・コッツァーは男性のろう者の俳優として、初めて助演男優賞を受賞。手話による感動的なスピーチで、授賞式は一度目のピークに達した。主演男優賞は大本命だった『ドリームプラン』のウィル・スミス。過去2度同賞候補になっており、“3度目の正直”で悲願の初受賞を果たした。世界最強のテニスプレーヤー姉妹、ビーナス&セリーナ・ウィリアムズ誕生に隠された驚きの実話を描く同作で、テニス未経験ながら、独学で二人の娘を世界チャンピオンに育てあげた破天荒な父親を熱演。かつて主演男優賞にノミネートされた『ALI アリ』『幸せのちから』に続いて、今回も実在の人物を演じている。一方、主演女優賞に輝いたのは『タミー・フェイの瞳』のジェシカ・チャステイン。1970年代から80年代にかけて、愛あふれたメッセージと寛大な人柄で視聴者を熱狂させた実在のテレビ伝道師、タミー・フェイを演じ、初受賞を飾った。本人そっくりに変ぼうした姿も注目を集め、同作はメイクアップ&ヘアスタイリング賞も同時受賞している。なお、今年の主演女優賞はチャステインをはじめ、候補者5人の主演作すべてが、作品賞候補に挙がっていない異例の事態となり、近年まれに見る混戦となった。助演女優賞に輝いたのは『ウエスト・サイド・ストーリー』のアリアナ・デボーズ。ヒロイン・マリアの兄のベルナルドの恋人、アニータを演じ“アメリカにおける自由と不平等”を男女の掛け合いで歌う名曲「America(アメリカ)」では、抜群の歌唱力とダンスで圧倒的な存在感を放った。劇場とApple TV+での配信が同時に行われた『コーダ あいのうた』が作品賞に輝いたほか、多様性の観点から画期的な結果を生み出すことになった第94回アカデミー賞。会場も例年通りドルビー・シアターに戻るなど、映画業界全体がアフター・コロナを見据え、新たな一歩を踏み出した。一方で放送時間短縮を目的に、美術賞、音響賞、作曲賞、編集賞、メイクアップ&スタイリング賞、短編アニメ賞、短編映画賞、短編ドキュメンタリー賞が“事前収録”となり、反発を招いた点は大きな課題(結局、3年ぶりに司会者が復活したせいもあり、放送時間の大幅な短縮につながらなかった)。ウィル・スミスの“激おこ”事件については、愛する家族を守ろうとしたスミスの勇気に賞賛が集まると同時に、後味の悪さが残ったのも事実だ。【第94回アカデミー賞】◇作品賞『コーダあいのうた』◇監督賞ジェーン・カンピオン『パワー・オブ・ザ・ドッグ』◇主演男優賞ウィル・スミス『ドリームプラン』◇主演女優賞ジェシカ・チャステイン『タミー・フェイの瞳』◇助演男優賞トロイ・コッツァー『コーダあいのうた』◇助演女優賞アリアナ・デボーズ『ウエスト・サイド・ストーリー』◇脚本賞ケネス・ブラナー『ベルファスト』◇脚色賞シアン・ヘダー『コーダ あいのうた』◇視覚効果賞『DUNE デューン砂の惑星』◇美術賞『DUNE デューン砂の惑星』◇撮影賞『DUNE デューン砂の惑星』◇衣装デザイン賞『クルエラ』◇長編ドキュメンタリー賞『サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)』◇短編ドキュメンタリー賞『The Queen of Basketball(原題)』◇編集賞『DUNE デューン砂の惑星』◇国際長編映画賞『ドライブ・マイ・カー』(日本)◇音響賞『DUNE デューン砂の惑星』◇メイクアップ&ヘアスタイリング賞『タミー・フェイの瞳』◇作曲賞ハンス・ジマー『DUNE デューン砂の惑星』◇長編アニメーション賞『ミラベルと魔法だらけの家』◇短編アニメーション賞『The Windshield Wiper(原題)』◇主題歌賞“No Time To Die”ビリー・アイリッシュ『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』◇短編実写映画賞『The Long Goodbye(原題)』文=内田涼
2022年03月28日第94回アカデミー賞授賞式が3月28日(日本時間)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、濱口竜介監督の『ドライブ・マイ・カー』が国際長編映画賞に輝いた。日本映画の同賞受賞は『おくりびと』以来13年ぶり、2作目となる(当時は外国語映画賞)。昨年のカンヌ国際映画祭で日本映画として史上初となる脚本賞を受賞。加えて、国際映画批評家連盟賞、AFCAE賞、エキュメニカル審査員賞の独立賞も受賞し、4冠獲得の偉業を果たした本作だが、それは快進撃の序章に過ぎなかった。その後もニューヨーク映画批評家協会賞の作品賞、ワシントンD.C.映画批評家協会の外国語映画賞、ボストン映画批評家協会賞の作品賞、ロサンゼルス映画批評家協会賞の作品賞、ゴールデングローブ賞の非英語映画賞、全米映画批評家協会賞の作品賞、トロント映画批評家協会賞の作品賞、インディペンデント・スピリット賞の外国映画賞、放送映画批評家協会賞の外国語映画賞、英国アカデミー賞(BAFTA映画賞)の非英語作品賞など、名だたる映画賞で賞を獲得。先日発表された第45回日本アカデミー賞では、作品賞をはじめ、8部門で最優秀賞を手にした。第94回アカデミー賞では国際長編映画賞に加えて、日本映画として初めて、作品賞、監督賞、脚色賞(濱口竜介、大江崇允)にノミネート。鮮やかに“走り”続けた本作が、ついに大本命と目されていた国際長編映画賞の受賞に至った。村上春樹による短編小説を映画化した本作。主人公である演出家の家福(西島秀俊)は、愛する妻と満ち足りた日々を送っていたが、その妻は秘密を残して突然この世を去ってしまう。2年後、演劇祭に愛車で向かった家福は、ある過去をもつ寡黙な専属ドライバーのみさき(三浦透子)と出会う。行き場のない喪失を抱えて生きる家福は、みさきと過ごす時間を通して、あることに気付かされていく。(英語で)ありがとうございます。(手に抱えたオスカー像を見ながら)あなたがオスカーですね(笑)。アカデミーのみなさまに感謝申し上げます。(映画会社の名を挙げ)『ドライブ・マイ・カー』をアメリカへと持ってくることができました。ありがとうございます。(終了のBGMに)ちょっと待ってください!ここにいる俳優のみなさんにも感謝申し上げます。(日本語で)西島秀俊さん、岡田将生さん、霧島れいかさん、ジン・デヨンさん、パク・ユリムさん、ソニア・ユアンさん、アン・フィテさんおめでとうございます。そして、そして!ここに来られなかった全ての俳優のみなさんにも感謝いたします。特に赤いサーブ900を運転してくれた三浦透子さんに感謝します。(日本語で)みなさん獲りました!ありがとうございます!(text:cinemacafe.net)■関連作品:ドライブ・マイ・カー 2021年8月20日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開(C)2021『ドライブ・マイ・カー』製作委員会
2022年03月28日プロデューサー組合賞(PGA)が発表された。劇場用映画賞を受賞したのは、『コーダ あいのうた』。オスカーの作品賞と同じ投票方式を採用し、投票者のかぶりも多いPGAは、オスカー予測で非常に重視される。ひと足先に『コーダ〜』は俳優組合賞(SAG)も受賞しており、フロントランナーである『パワー・オブ・ザ・ドッグ』を深刻に脅かすことになった。ドキュメンタリー映画賞は、『サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった日)』。劇場用アニメーション賞は『ミラベルと魔法だらけの家』。テレビドラマ賞は『メディア王〜華麗なる一族〜』、コメディシリーズ賞は『テッド・ラッソ:破天荒コーチがゆく』、ミニシリーズ賞は『メア・オブ・イーストタウン/ある殺人じ事件の真実』だった。文=猿渡由紀
2022年03月22日監督組合賞(DGA)が発表された。劇場用長編映画賞を受賞したのは、『パワー・オブ・ザ・ドッグ』のジェーン・カンピオン。この受賞で、カンピオンのオスカー監督賞受賞は、より確かなものになった。1949年から昨年までの間に、DGAの結果とオスカー監督部門の結果が一致しなかったことは7回しかない。劇場用映画初監督賞の受賞者は、『ロスト・ドーター』のマギー・ギレンホール。ドラマシリーズ部門は『メディア王〜華麗なる一族〜』のマーク・マイロード、コメディシリーズ部門は『Hacks』のルチア・アニエロ」、テレビ用映画またはミニシリーズ部門は『地下鉄道〜自由への旅路〜』のバリー・ジェンキンスが受賞した。『パワー・オブ・ザ・ドッグ』Netflixで配信中文=猿渡由紀
2022年03月14日「第45回日本アカデミー賞授賞式」が3月11日(金)に開催され、『ドライブ・マイ・カー』が最優秀作品賞を受賞した。8部門において優秀賞を受賞している『ドライブ・マイ・カー』だが、作品賞以外にも監督賞、主演男優賞などすべてにおいて最優秀賞に輝き、圧倒的な強さを見せつけた。『ドライブ・マイ・カー』は、『寝ても覚めても』の濱口竜介監督が、村上春樹の同名短編小説を原作に、自ら脚本も手掛けた意欲作。愛妻を亡くした舞台演出家・家福(西島秀俊)が喪失感と向き合い、再生へのきっかけをつかむまでを戯曲もシンクロさせつつ描き、観る者の心を揺さぶった。本作は第74回カンヌ国際映画祭で4つの賞を受賞したのを皮切りに、世界の名だたる映画賞を席巻、第94回米アカデミー賞では日本映画史上初となる作品賞ほか、4部門でノミネートとなる快挙を達成している。檀上に西島さんと共に立った濱口監督は、ブロンズ像を手にし、「ありがとうございます。関わったキャスト、スタッフの皆さんのおかげで獲れた賞です」と挨拶。その前に受賞した最優秀監督賞のスピーチで、濱口監督はこれまでの自身の作品や思いについて触れながら、「1日1日の仕事が未来を作っていくと思います。間違えることもあるかもしれないけど、引き返して、今いるところから進んでいくしかないと思います。少しでもいい社会やいい世界に…と言うと大げさですけど、この場所からしか始まらないと思います。映画界の今の仲間、未来の仲間と一緒に映画を作っていけたらうれしいです」と心を込めた。最優秀主演男優賞を受賞した西島さんも、「本当にありがとうございます。世界で見ていただいているのも、世界の大きな波みたいなものかなと思っています。平和が訪れるように、人々が心の絆を取り戻せるように、心から祈っています。この作品が希望の光になる、そのために必要なものが何か耳を傾ける、そのことを伝えているのかなと思っています。濱口監督の言う通り、自分のやれることを今後も精一杯やっていきたいと思います」とスピーチした。そのほか、最優秀アニメーション作品賞は『シン・エヴァンゲリオン劇場版』が受賞。ブロンズ像を受け取った東映の紀伊宗之は、「皆さんが長い時間と心血を注いで作ったものです。2度延期になりましたが、東宝さんと一緒に配給の仕事をして、本当にほっとしたというのが感想です。カラーの皆さんも喜んでいると思います。持って帰ってお伝えしようと思います」とやわらかい表情で話していた。(cinamacafe.net)■関連作品:ドライブ・マイ・カー 2021年8月20日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開(C)2021『ドライブ・マイ・カー』製作委員会
2022年03月11日アニメーションドキュメンタリー映画『FLEE フリー』が、2022年6月10日(金)に公開される。第94回アカデミー賞国際長編映画賞、長編ドキュメンタリー賞、長編アニメーション賞ノミネート作品。ある青年が祖国からの脱出を語るドキュメンタリーアニメ映画『FLEE フリー』は、アフガニスタンで生まれ育ち、デンマークへと亡命した研究者アミンが、20年以上も抱え続けていた秘密を、親友である映画監督に初めて打ち明け、語るドキュメンタリー。主人公アミンをはじめ、周辺の人々の安全を守るため、ドキュメンタリーでありながらアニメーション作品として制作された。タリバンとアフガニスタンの恐ろしい現実や、祖国から逃れて生き延びるために奮闘する人々の過酷な日々、そして、ゲイであるひとりの青年が自分の未来を救うために過去のトラウマと向き合う物語を、アニメーションだからこそ再現できたアミンの過去の実景と繊細な心情描写とともに紡いでいく。<映画『FLEE フリー』あらすじ>アフガニスタンで生まれ育ったアミンは幼いある日、父がタリバンに連行されたまま戻らず、残った家族とともに命がけで祖国を脱出した。やがて家族とも離れ離れになり、数年後たった一人でデンマークへと亡命した彼は、30代半ばとなり研究者として成功を収め、恋人の男性と結婚を果たそうとしていた。だが、彼には恋人にも話していない、20年以上も抱え続けていた秘密があった。あまりに壮絶で心を揺さぶられずにはいられない過酷な半生を、親友である映画監督の前で、彼は静かに語り始める…。第94回アカデミー賞3部門にノミネート映画『FLEE フリー』は、ドキュメンタリー、アニメーションというジャンルの垣根を越えて、各国の賞レースを席巻。2021年のサンダンス映画祭にてワールド・シネマ・ドキュメンタリー部門の最高賞であるグランプリを獲得、アヌシー国際アニメーション映画祭でも最高賞となるクリスタル賞ほか3部門を受賞。第94回アカデミー賞では、史上初となる国際長編映画賞、長編ドキュメンタリー賞、長編アニメーション賞の3部門同時ノミネートを果たしており、受賞にも期待がかかっている。個人的でありながら世界の人々に響く物語映画『FLEE フリー』が伝えるアミンの物語は、非常に個人的なものでありながらも、紛争、難民、人種差別、LGBTQ+など現代社会を覆う数々のテーマが内包されている。自身も迫害から逃れるため、ロシアを離れたユダヤ系移民であるヨナス・ポヘール・ラスムセン監督は、「難民であることはアイデンティティではありません。それは誰にでも起こりうる状況です。アミンは難民ですが、彼はそれだけではありません。彼は学者であり、家の所有者であり、夫なのです」とコメント。痛ましい争いや権力による武力行使が起こる今の世界において、アミンの苦しみは対岸の火事ではなく、いつか我々の身にも起こるかもしれない物語として世界中の人々の胸に響く。なお、製作総指揮は、『サウンド・オブ・メタル 聞こえるということ』でムスリムとして初めてオスカー候補となったリズ・アーメッドと、ドラマシリーズ「ゲーム・オブ・スローンズ」のニコライ・コスター=ワルドーの2人。アミンの物語に心を打たれた2人が、エグゼクティブプロデューサーとして『FLEE フリー』をサポートしている。【詳細】映画『FLEE フリー』公開時期:2022年6月10日(金) 新宿バルト9、グランドシネマサンシャイン 池袋ほか全国公開監督:ヨナス・ポヘール・ラスムセン脚本:ヨナス・ポヘール・ラスムセン、アミン・ナワビ製作プロダクション:Final Cut for Real製作総指揮:リズ・アーメッド、ニコライ・コスター=ワルドー英題:FLEE製作国:デンマーク、スウェーデン、ノルウェー、フランス合作言語:デンマーク語、英語、ダリー語、ロシア語、スウェーデン語日本語字幕:松浦美奈後援:デンマーク大使館配給:トランスフォーマー■ムビチケ発売日:4月22日(金)・通常版 1,500円 ※数量限定、取扱有無は各劇場まで問い合わせ。・チャリティ付特製大きめエコバッグセット 2,000円 ※メイジャー通販サイト限定、売上から1枚につき500円が国連UNHCR協会に寄付。
2022年03月06日1999年公開の映画『シックス・センス』で、11歳ながら卓越した演技力でアカデミー助演男優賞にノミネートされ、天才子役として一躍有名になったハーレイ・ジョエル・オスメント。33歳となった今、Netflixのコメディシリーズ『コミンスキー・メソッド』で再び脚光を浴び、2月27日に開催された全米映画俳優組合賞(SAG)の受賞式に姿を現した。オスメントは、『コミンスキー・メソッド』で共演する実妹のエミリー・オスメント(29)と共にレッドカーペットに登場。「E!」のインタビューに応えたオスメントは、子役の頃から地に足をつけて活動し続けられているのは両親のおかげだと話し、次のように続けた。「僕ら2人とも、この業界に懐疑的で、仕事以外のことに関わらないように心を砕いてくれた両親がいて本当に幸運でした。この業界で身に降りかかりうるあらゆる誘惑の中にあって、僕にとって重要なものは作品の題材と、他の表現者と築き上げる関係性だけでした。それが今日の僕の原動力となっているんです」子役としてブレイクすると身を持ち崩してしまう俳優が多い中、オスメントは実直にキャリアを積んできた。『コミンスキー・メソッド』はアンサンブル賞と男優賞(テレビ映画・リミテッドシリーズ部門に主演のマイケル・ダグラスがノミネートされていたが、惜しくも受賞は逃した。
2022年02月28日27日(現地時間)、第28回全米映画俳優組合賞授賞式(以下、SAGアワード)が行われた。アカデミー賞の行方を占う賞として重要視されている同賞で、最高賞の位置付けにあるキャスト賞には『コーダ あいのうた』が選ばれた。ほかの候補作品は『ベルファスト』『ドント・ルック・アップ』『ドリームプラン』『ハウス・オブ・グッチ』だった。テレビ部門では、昨年Netflixで大ヒットし、最高賞にあたるアンサンブル賞(作品賞)、ドラマシリーズ男優賞、同女優賞、スタント・アンサンブル賞の計4部門にノミネートされた「イカゲーム」が作品賞を除く3部門を受賞した。※第28回全米映画俳優組合賞の受賞結果は以下の通り【映画部門】■キャスト賞『コーダ あいのうた』■主演女優賞ジェシカ・チャステイン『タミー・フェイの瞳』■主演男優賞ウィル・スミス『ドリームプラン』■助演女優賞アリアナ・デボーズ 『ウエスト・サイド・ストーリー』■助演男優賞トロイ・コッツァー『コーダ あいのうた』■スタント・アンサンブル賞『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』【テレビ部門】■ドラマシリーズ作品賞「キング・オブ・メディア」(別タイトル:サクセッション)■ドラマシリーズ女優賞チョン・ホヨン「イカゲーム」■ドラマシリーズ男優賞イ・ジョンジェ「イカゲーム」■コメディシリーズ作品賞「テッド・ラッソ:破天荒コーチがゆく」■コメディシリーズ女優賞ジーン・スマート「Hacks」■コメディシリーズ男優賞ジェイソン・サダイキス「テッド・ラッソ:破天荒コーチがゆく」■テレビ映画・リミテッドシリーズ女優賞ケイト・ウィンスレット「メア・オブ・イーストタウン/ある殺人事件の真実」■テレビ映画・リミテッドシリーズ男優賞マイケル・キートン「DOPESICK アメリカを蝕むオピオイド危機」■スタント・アンサンブル賞(コメディ&ドラマシリーズ)「イカゲーム」■生涯功労賞ヘレン・ミレン(Hiromi Kaku)■関連作品:【Netflix映画】ブライト 2017年12月22日よりNetflixにて全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】マッドバウンド 哀しき友情 2017年11月17日よりNetflixにて全世界同時配信【Netflixオリジナルドラマ】オルタード・カーボン 2018年2月2日より全世界同時オンラインストリーミング2月2日(金)より全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】レボリューション -米国議会に挑んだ女性たち-コーダ あいのうた 2022年1月、全国にて公開© 2020 VENDOME PICTURES LLC, PATHE FILMS
2022年02月28日「日本アカデミー賞」において、唯一、一般の映画ファンが投票に参加できる「日本アカデミー賞 話題賞」の投票が2月4日に締め切られ、最終結果が「ナインティナインのオールナイトニッポン」内で発表された。45回目の開催を迎える「日本アカデミー賞」。この話題賞は、1980年の第3回日本アカデミー賞から創設され、「オールナイトニッポン」リスナーの投票を元に、今年、最も話題を集めたと思われる作品と俳優を決定する。今回の日本アカデミー賞 話題賞は、作品部門で庵野秀明総監督作『シン・エヴァンゲリオン劇場版』。俳優部門では、『花束みたいな恋をした』で熱演を見せた菅田将暉が選ばれた。ニッポン放送では、受賞者のスペシャルインタビューも交え、今年も日本アカデミー賞授賞式の模様を「オールナイトニッポン0(ZERO)~第45回日本アカデミー賞スペシャル~」とし2時間に渡って放送する。ニッポン放送「オールナイトニッポン0(ZERO)~第45回日本アカデミー賞スペシャル~」は3月11日(金)27時~全国ネットで放送。(cinemacafe.net)■関連作品:シン・エヴァンゲリオン劇場版 2021年公開予定花束みたいな恋をした 2021年1月29日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開©️2021『花束みたいな恋をした』製作委員会
2022年02月25日映画『わたしは最悪。』が、2022年7月1日(金)より公開される。カンヌ国際映画祭<女優賞>受賞、第94回アカデミー賞【脚本賞】【国際長編映画賞】ノミネート作品。ヨアキム・トリアー監督のアカデミー賞ノミネート作品映画『わたしは最悪。』は、『⺟の残像』『テルマ』で話題を呼んだ北欧を代表するヨアキム・トリアー監督の最新作。“異彩を放つ”ラブストーリーとして世界の賞レースを席巻しており、カンヌ国際映画祭では主演のレナーテ・レインスヴェが<女優賞>を受賞。第94回アカデミー賞では【脚本賞】【国際長編映画賞】にノミネートされている。“異彩を放つ”ラブストーリー映画『わたしは最悪。』は、理想と現実の間で揺れ動きながら、自分の気持ちに向き合い行動する主人公ユリヤと、その周りの人たちを、時にロマンティックに、時に痛烈に描き出すというストーリー。海外メディアは、「これは新しい!恋愛ドラマに⻘春モノを掛け合わせて、こんなにも⽢美で魅惑的なものができるとは」「⼤爆笑と悲痛が同居するヨアキム・トリアー監督のベスト作品」などと評している。<映画『わたしは最悪。』あらすじ>ユリヤは30歳という節目を迎えたが、人生はどうにも方向性が定まらない。学⽣時代は成績優秀で、アートの才能や⽂才もあるのに「これしかない!」という決定的な道が⾒つからず、いくつもの才能を無駄にしてきた。いまだ⼈⽣の脇役のような気分のユリヤは、グラフィックノベル作家として成功した年上の恋⼈アクセルからしきりに妻や⺟といったポジションをすすめられる。ある夜、彼女は招待されていないパーティに紛れ込み、若くて魅力的なアイヴィンに出会う。ほどなくしてアクセルと別れて新しい恋愛に身を投じ、今度こそ人生の新たな展望を見出そうとするが――。新星レナーテ・レインスヴェがカンヌ国際映画祭<女優賞>受賞■主人公・ユリヤ...レナーテ・レインスヴェ30歳という節目を迎えたが、人生の方向性が定まらない主人公。時に自己嫌悪に陥り、周りを傷つけながらも、自分の気持ちに正直に人生の選択をしていく。主演を務めるのはノルウェーの新星レナーテ・レインスヴェ。奔放でありながら、その年代特有の心の機微を大胆かつ繊細な表現力で演じ切り、カンヌ国際映画祭<女優賞>をはじめ、各国の賞レースで高い評価を得ている。監督のヨアキム・トリアーも、「この映画を作るきっかけは、レナーテだった。彼女の舞台での演技に魅了され、主演を務めたことのなかった彼女のために脚本を書いた。主人公のキャラクター造形、複雑な心境を作っていくうえで、彼女に助けられたことが沢山ある。人間ドラマ、コメディなどたくみに演じられる素晴らしい才能を持っている、今一番の女優だと思う」とレナーテ・レインスヴェの演技を絶賛した。■アクセル…アンデルシュ・ダニエルセン・リーユリヤの年上の恋人で、グラフィックノベル作家として成功。ユリヤに妻や母として生きることを勧め、身を固めたがっている。演じるのは、『パーソナル・ショッパー』『ベルイマン島にて』のアンデルシュ・ダニエルセン・リー。■アイヴィン…ヘルベルト・ノルドルムパーティでユリヤと出会う若い青年。主にコメディ作品で⾼い⼈気を誇る、ノルウェーの俳優ヘルベルト・ノルドルムが演じる。【詳細】映画『わたしは最悪。』公開日:2022年7月1日(金)監督:ヨアキム・トリアー脚本:ヨアキム・トリアー、エスキル・フォクト出演:レナーテ・レインスヴェ、アンデルシュ・ダニエルセン・リー、ハーバート・ノードラム原題:The Worst Person In The World2021/ノルウェー、フランス、スウェーデン、デンマーク/R15+
2022年02月17日福山ブランドデザインアワード2020優秀賞作品「ちいさなとこのま」が,2022年1月31日から一般販売が開始されました。広島県福山市のものづくり技術と全国のデザイナーの方をマッチングさせるデザインコンペ「福山ブランドデザインアワード2020」の受賞作品の中で,初めて一般販売された商品になります。「御朱印帳や御城印などを綺麗に飾りたい。」そんなテーマに対し,まるで床の間に飾っているかのように楽しめる額を建築家 山田寛氏(一級建築士事務所LoHA)がデザインし,表装業界でトップクラスのシェアを誇る東洋額装株式会社(広島県福山市)が商品化。2021年に先行して実施したMakuakeでのクラウドファンディングでは,目標金額の2倍を超える応援金額を獲得しています。建築家×広島県福山市の伝統技術により誕生した新たな商品に触れてみませんか?福山ブランドデザインアワード2020優秀賞作品「ちいさなとこのま」商品概要・商品名:ちいさなとこのま・価格:33,000円(税込)・内容:高さ300mm×幅420mm×奥行130mm・リンク: (楽天市場)東洋額装株式会社広島県福山市に本社を置き,書や絵を掛け軸や額などに仕立てる表装や、額のレンタルなどを行っている。レンタル額のシェアは日本一で、有名公募展では30%近くの人が利用。伝統技術継承のため、ものづくりマイスターや国家資格である表装技能士を数多く育てている。2021年には、同社で22年ぶりとなる女性の1級表装技能士を輩出した。 (福山ブランドサイト)福山ブランドデザインアワード2020福山市で生まれた商品・技術をテーマに全国から商品等のデザインを募集し商品化をめざす企画(福山市都市ブランド戦略推進協議会主催)。世界に誇る福山市のものづくりの力と全国のデザイナーをマッチングさせ,福山市のものづくり技術と消費者が好むデザインニーズを満たした商品開発をめざすことで,福山市におけるデザイン力向上に向けた取組・活動を活性化させるとともにデザインの重要性の周知を図ることを目的としている。 (福山ブランドサイト) 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2022年02月16日スペインのアカデミー賞と称される、ゴヤ賞を主催するスペイン映画芸術科学アカデミーは、ゴヤ賞において「International Goya Award」(国際ゴヤ賞)を創設したことを発表。初の受賞者にケイト・ブランシェットを選出したことを明らかにした。「国際ゴヤ賞」は、「異なる文化や人々を結び付け、媒介者として映画に貢献してきたアーティストを称えるための賞」だという。ケイトは「映画界において並外れた人物」であり、「私たちの記憶に残る、忘れられない役を演じてきた」ことが評価されたという。インターネットでは「ケイトにふさわしい賞!彼女は史上最高の俳優の一人」「本当にすごい俳優。どの映画を観ても異なる英語を話すから、どこの出身か知らなかったけれど、オーストラリア人なんだね」と受賞に「納得」という声が寄せられている。ケイトは、俳優業では、米アカデミー賞を2度受賞し、ゴールデングローブ賞と英国アカデミー賞は3度受賞。その他の賞の受賞歴は数知れず。近年はプロデューサーとしても手腕を発揮している。母国オーストラリアで権威のあるシドニー・シアター・カンパニーの舞台監督を務めたこともあった。本業以外には、環境問題や人道支援にも取り組んできた。国際ゴヤ賞は2月12日に開催される第36回ゴヤ賞授賞式にて、ケイトに授与される。(Hiromi Kaku)
2022年02月07日