ジョウタロウ サイトウ(JOTARO SAITO)の2020年春夏新作コレクションが発表された。テーマは「Balance Control」だ。テーマ「Balance Control」デザイナー・斉藤上太郎が今考える、シンプルさと大胆さを兼ね備えた新たな"バランス"を表現した着物23ルックが発表された。現代の都市を闊歩するような、力強さのあるモダンなデザインが印象的だ。シンプルなデザインと印象的な色合い青い光と共に登場したメンズのルックは、黒の生地に、木の枝のシルエットをデザインした着物。シンプルで落ち着いた雰囲気の中に、木の枝が広がっていく力強さを感じる。羽織の裏地の赤いペイント柄がアクセントになり、和の雰囲気とモダンな雰囲気が融合していた。ピンクとゴールドの2色を、着物のパーツに合わせるかのように配色したレディースのルックが登場。全体に明るい色味を使いながらも、黒の枝とシダの葉のデザインで深みをプラスする。帯のピンク・水色・白のペイントアートのような柄は、現代的でダイナミックな印象を与えている。直線的な柄に鮮やかなカラーを中盤では、直線的な柄と鮮やかな色を取り入れた、黒・白・グレーを基調とする着物がラインナップ。木目のような線が肩から裾にかけて流れ落ちるようなデザインのルックは、メンズとレディースで1着ずつ用意される。淡いグレーの生地に、黒の木目模様と赤や白のペイント柄を施して、しなやかな木目模様に勢いを加えた。帯は、着物と色違いの赤い木目模様。同じ柄の帯を合わせるという、斉藤上太郎らしい斬新なアイディアだ。モダンな植物柄終盤には、大きな花柄を着物全体に散りばめたデザインが多く見られた。昔ながらの日本の着物でも使われることの多い花柄だが、ジョウタロウ サイトウのデザインでは、花のシルエットがはっきりとした線で描かれ、現代的で鮮やかな色合いに仕上げている。曲線的な花柄に対し、直線的な格子柄の帯を合わせることで、インパクトのある新たな"バランス"を表現しているかのようだ。さらに、都会的な要素を加えるのがクラッチバッグ。白とグレーのストライプに、黒のモダンな花柄を描いたシックなデザインとなっている。
2019年10月10日ラコステ(LACOSTE)の2020年春夏コレクションが、2019年10月1日(火)、フランス・パリで発表された。メンズ&ウィメンズの合同ショーである。会場はローラン・ギャロスの新コート2019-20年秋冬コレクションでデビューショーを行ったクリエイティブディレクター、ルイーズ・トロッターによるセカンドシーズン。舞台となったのは、ブランドとも縁の深い、テニス全仏オープンの会場ローラン・ギャロスだ。ランウェイを設置したのは、2019年にオープンした新コート「コート シモーヌ・マチュー」。オートゥイユ温室庭園に隣接し、緑の木々に囲まれた会場内では、ショーが始まる直前まで、ラコステのアイコニックなポロシャツを纏ったプレイヤーたちがテニスを楽しんでいる。テニス&ゴルフウェアを再構築今季ルイーズ・トロッターが取り組んだのはブランドの原点でもある“テニス”と“ゴルフ”、この2つのスポーツウェアを再構築すること。ジョン・F・ケネディ・ジュニアや、創業者ルネ・ラコステと同様にテニス世界女王として知られるスザンヌ・ランランがラコステのポロシャツを着用したシーンにインスピレーションを得たものでもあり、どこか懐かしいノスタルジックなムードも感じさせる。シルエットはゆったりとしたものが主流で、ポロシャツは肩の位置をぐっと落としたオフショルダーのビックサイズ。襟付きのワンピースは、地面についてしまうほどのロングレングスだ。またテーラードジャケットも度々投入されており、リラクシングなスポーツウェアにエレガントなムードをプラスしている。ポロシャツはクロコダイルをビックサイズに1927年の誕生以来ラコステのアイコンとなっているピケ素材のポロシャツは、ニットやレザーと組み合わせることによりアップデート。ロベール・ジョルジュが1926年にデザインしたラコステのクロコダイルモチーフは、大きくデフォルメして胸元にオン。ポロシャツはカラーブロックを採用したプレイフルなデザインに仕上がっている。パステルカラーに幾何学模様でアクセントカラーはパステルグリーン、ブルー、ピンク、イエローなど、爽やかなカラーが中心。またカラーブロック以外にも、アールデコを彷彿とさせるジオメトリックなドレスや、“L”のモノグラムをあしらったポロシャツなどが顔を出し、コレクションにリズムを生み出していた。
2019年10月05日ミュウミュウ(MIU MIU)の2020年春夏コレクションが、2019年10月1日(火)に、フランス・パリで発表された。洋服にプレイフルな意外性を今シーズンのミュウミュウが行ったのは、着る人が洋服との対話を楽しめる服作り。アイテムのシルエット自体はシンプルだが、そこに意外性のあるディテールを施すことで、洋服に袖を通す人が自由なスピリットで無邪気にファッションを楽しめるようなコレクションに仕上げている。躍動感のあるフリルやギャザーベースとなっているのはエプロンなどのユニフォーム。フォルムはベーシックなエプロンの形状を保っているが、スカート部分に複雑に手繰り寄せたギャザーのパーツや躍動感のあるラッフルをデコレーションした。このエプロンドレスに合わせてスタイリングしたニットカーディガンは、あえて布を解れさせた不完全な状態で、遊び心を演出している。ルックに動きをもたらすギャザーやフリルのディテールは、今シーズン多用されたものの1つで、時にはショルダー部分に、時にはウエストから裾にかけて流れるようにあしらわれた。どれ一つとして予定調和的な装飾は無く、即興的に縫い付けられているかのような雰囲気を持つのが特徴だ。ビジューの装飾でプレイフルにベーシックなものと予想外の要素の思いがけない組み合わせは、シルエットだけでなく素材にも見て取れる。ジャケットやドレスはコットン、キャンバス、ウールといったデイリーウェアの定番素材で仕立てられているが、そこにあしらう装飾でプレイフルな印象へと導いた。きらきらと輝くフラワーモチーフのビジューや、存在感溢れるカラフルなボタンが、楽し気なムードをもたらしている。
2019年10月05日アレキサンダー・マックイーン(Alexander McQueen)の2020年春夏コレクションが、2019年9月30日(月)、フランス・パリで発表された。「時間」がキーワード今シーズン、クリエイティブ・ディレクターのサラ・バートンがキーワードにしたのは「時間(Time)」。忙しなく時間が過ぎていく現代社会に対し、洋服を作る過程や手入れをする時間を大切にしようというメッセージを投げかけている。手仕事の光るピースランウェイに現れたコレクションピースは、クチュリエの手仕事が感じられるクラフトマンシップに溢れたものばかり。コルセットのようなディテールを取り入れたチュールドレスには、繊細なゴールドのフラワー刺繍を施して。オーガンザを幾重にも重ねたドレスは、一枚一枚鮮やかなグラデーションに染め上げたテキスタイルで、花びらのように美しいボリュームを生み出している。張り感のあるリネンを多用ウール、オーガンザ、シルクといったマテリアルが起用されることの多いブランドだが、今シーズンはリネンも印象的に取り入れられている。ファーストルックとして登場したホワイトのドレスは、リネンに特別な加工を施すことで、張り感やシワ感のある立体的な表情に仕上げた。ボディにはアレキサンダー・マックイーンらしいフェザーステッチもあしらわれており、長い時間をかけて一枚のドレスを完成させていることがわかる。対話から生まれる服作る過程を重視するサラ・バートンの姿勢は、あるドローイングをベースとしたエンブロイダリードレスからも見て取れる。このグラフィックは、ロンドンでたびたびセントラル セントマーチンズの学生を招いて講義を行う彼女が、生徒のドローイングからインスピレーションを得て制作したものだ。自分一人で黙々と洋服を作るのではなく、職人やスタッフ、生徒と会話し、アイデアを交換し合いながらコレクションを完成させた。新作「ストーリー」バッグバッグには、新しい「ストーリー(story)」バッグが登場。ドアノブのようなゴールドのハンドルが特徴で、ビッグサイズのショルダーバッグやチェーンバッグ、クラッチバッグなどのバリエーションが用意された。またマグノリアの花をモチーフにしたソールを取り入れたパンプスも目を惹いた。
2019年10月04日ステラ マッカートニー(STELLA McCARTNEY)は2020年夏コレクションを、フランス・パリで発表した。これまでで最もサステナブル会場は今シーズンもオペラ座でおなじみのガルニエ宮。今季はオペラ座の華やかな内壁に動物が交尾をする様子を投影し、サスティナビリティをユーモアたっぷりに伝える演出を施した。コレクションそのものも“これまでで最もサステナブル”と謳う通り、再生ポリエステル、オーガニックコットン、サステナブル ラフィアなど環境に配慮したエコフレンドリーな素材を今まで以上に取り入れたものだ。花びらのようなスカラップ今季掲げたのは自由奔放なスピリットを持ち、ワイルドなエネルギーが満ち溢れた女性像。そんな人物を、滑らかなシルエットと力強いグラフィックという二面性のある表現で、ランウェイに映し出していく。ディテールで目を惹くのは、アウターやシャツなどにあしらわれたスカラップレース。花びらのようなフォルムのスカラップは、モデルが歩くたびに揺れ動き、流れるように優美な洋服のシルエットを引き立てている。丸みを帯びたフォルムスカートやパンツは、生命力やフェミニティを表現したという丸みを帯びたシルエットが印象的。バッグも丸いフォルムが魅力で、巨大なメタルフレームにエコオルターナッパレザーをハンドメイドで巻き付けた半円形バッグなどが登場した。ストライプを効かせてエネルギッシュなグラフィックを象徴するのがストライプ。ニットウェアには、大胆なカラーコントラストで描いて。ステラ マッカートニーがイギリスの田舎をサイクリングしていた時に撮影した花の写真をプリントしたドレスには、放射状のストライプをあしらっている。足元はグラディエーターサンダル足元は、ウッドブロックヒールを採用したエフォートレスなグラディエーターサンダルが主流。スクエアトゥのニーハイ、アンクル丈、ミュールなど様々なバリエーションが用意されている。
2019年10月04日A.P.C.(アー・ペー・セー) 2020年春夏ウィメンズ&メンズコレクションが、2019年9月30日(月)、フランス・パリで発表された。会場はお祭りのような雰囲気会場に足を踏み入れると、そこは楽し気なお祭りのような雰囲気。ゲストにはチェック柄のブランドロゴ入りカップでコーヒーやレモネードが振舞われ、ランウェイ横には3つのブースが設置されている。それぞれのブースはこれから発売される3つのコラボレートコレクションを披露するもの。カナダ発のクリエイティブスタジオ「jjjjound」、これまでにもタッグを組んできたカーハート(CARHARTT)、ロサンゼルスの人気ショップ「RTH」とのコラボレーションウェアやバッグなどが並べられている。多彩なコラボレーション今シーズンにはランウェイにもコレボレーションが盛りだくさんで、スイコック(SUICOKE)とのサンダルや、ジェシカ・オグデンとのキルトコレクションの新作、イタリアのアイウェアブランド・ペルソール(Persol)とのサングラスなどが姿を現した。フレンチシックにカラフルな遊び心をウェアはAラインのコートやモッズコート、花柄シャツなどフレンチシックを体現するベーシックがベース。そこに鮮やかなレッドやグリーン、ブルー、イエローといったプレイフルな色彩をのせることで春夏らしいリズミカルなムードを生み出している。クラシカルなジャケットなどのバッグスタイルには「POETIC PERS I STANCE」「POSITIVELY NORMAL」といったロゴをカラフルな糸で刺繍して遊びこことを加えた。人気デニムやバッグの新作A.P.C.のシグネチャーであるデニムも存在感を放っており、テーパードシルエットのジーンズや、フロントにボタンをあしらったタイトスカート、ジャンプスーツなどが登場。“半月”をモチーフにした丸みのあるシルエットが人気の「ハーフムーンバッグ」からは、ベルトバッグが登場した。
2019年10月04日ビューティフルピープル(beautiful people) 2020年春夏コレクションが、2019年9月30日(月)、フランス・パリで発表された。テーマは「Side C vol.3」。「サイド C」の試みを継続今シーズンも2019年春夏コレクションから継続して取り組んでいる「サイド C(Side C)」という仕立ての考え方や型紙設計のアイデアを踏襲。今季はライニングやパーツを取り除き、通常の洋服には無い“第三の入り口”を作ることによって、着る人が気分やシーンに合わせて着こなしを変えることができるようなピースを展開していく。自由自在に変化する服ショーの冒頭でもこのことを伝えるデモンストレーションが取り入れられた。舞台にはデザイナーである熊切秀典本人が登場し、モデルが纏ったワンピースを脱がしては着せ、また脱がしては着せ、1枚の洋服が着方によって何パターンもの表情を見せることを伝えていく。ランウェイに現れたニットトップスはショルダーから脇下にかけてカッティングを施しており、その穴から腕を通すことによって、ノースリーブのベストのように着こなすことができる。また前から見えるとチェック柄のキャミソールドレス、後ろから見るとレースで仕立てたショートスリーブのワンピースのような、フロントとバックを入れ替えることによって異なる印象を引き出すピースも用意された。刻々と変化する空の色をプリント日の出から夕暮れまでの空の色を映し出したという鮮やかなグラデーションプリントも、今季のポイント。24時間刻々とその色を変えていく空の様子を、「サイド C」のアイデアを取り入れた熊切の服が、着る人の思いつきによってその形を変えていく姿に重ね合わせている。
2019年10月04日アニエスベー(agnès b.)の2020年春夏ウィメンズコレクションが、2019年9月30日(月)、フランス・パリで発表された。メンズとの合同ショーである。女性の日常に寄り添う服今シーズンも、現代を生きる女性が洋服を身に纏う様々なシーンを想定し、ブランドが得意とするフレンチシックなスタイルを展開。ショー序盤には、ブラックをベースにオレンジを効かせたアクティブなスポーツウェアや、レザーのジレをレイヤードしたマスキュリンなジャケット&パンツのセットアップなどを提案した。終盤に姿を現したのはブランドのアイコニックなフレンチボーダーTシャツを取り入れたミリタリーなサファリルックや、身体のラインを美しく見せてくれるビビッドピンクのドレス。テイストは様々だが、女性の日常に寄り添ったデイリーウェアであること、アニエスベーらしいエスプリの効いたエレガントなピースであることが共通項だ。プリント&パターンで遊び心をアニエスベーを象徴するプリントシリーズからは、テーブル&チェアを置いた庭を切り取ったかのようなモノトーンのドレスや、鮮やかな街並みを映したロングスカート、波に揺られてきらきらと煌めく水面のトップスなどが登場。終盤に顔を出したウエディングドレス風のホワイトドレスには、18世紀に使われていた陶器の破片を散りばめている。洋服の上に乗るパターンも多種多様。地図を描いたスカーフのようなテキスタイルで仕立てたワンピースや、グラフィカルなキャミソールトップス、アフリカンプリントのトートバッグなどがランウェイを彩る。
2019年10月04日sacai(サカイ)の2020年春夏コレクションが、2019年9月30日(月)、フランス・パリで発表された。世界地図をモチーフに今シーズンのテーマは「One nation under a groove. 」。ジョージ・クリントン率いるファンクバンド「ファンカデリック」の楽曲だ。人々の調和や団結を訴えるこの楽曲に、洋服のさまざまな要素を組み合わせ調和させていくブランドの服作りの姿勢を重ね合わせた。「人類はよりよい未来へ向かっている」というメッセージを伝えるべく放たれたファーストルックは、鮮やかな世界地図をモチーフにしたドレス。透け感のある軽やかなテキスタイルが、モデルが歩みを進めるたびに空気を含んで揺れ動く。ドットやストライプもあったが、それらは比較的オーセンティックなパターンであり、この鮮やかでプレイフルな地図プリントが今季のシグネチャーと言えるだろう。エレガントでクリーンな印象アイテムは、sacaiらしい“ハイブリッドの美学”が投影されたものであるが、今シーズンはクリーンでエレガントなムードが漂っているように感じる。たとえばミリタリーなフライトジャケットには真っ白なファブリックを使用して、スリーブや背中に女性らしい丸みを帯びたシルエットが出るように仕立てている。上品な印象をもたらすレディライクなツイード素材のセットアップは、時には透け感のあるオーガンザをコンビネーションして、時にはたっぷりのフリンジをダイナミックにあしらって、ミックススタイルに。カラーはモノトーンで統一し、ややシャープな印象に仕上げている。また今シーズン一際目を惹いたのが、シフォンのブラウス、カーキパンツ、トレンチを1つのドレスに再構築したピース。一見するとそれぞれのアイテムをレイヤードしているルックにも見えるが、トップスとパンツの境目がつながっていたり、アウターのバックスタイルにパンツのヒップにあたるディテールがあしらわれていたりと、sacaiらしい感性が光る。地球儀風バッグや厚底サンダルバッグには、今季を象徴する世界地図をプリントした球体バッグが登場。その形状もあいまって地球儀を彷彿とさせる遊び心溢れるアイテムだ。シューズで目を惹いたのはボリューミーな厚底ソール。ロープのようなストラップを結んだものや、ベルトストラップを配したもの、ミニマルなショートブーツなどが足元を彩る。
2019年10月03日ヴァレンティノ(VALENTINO)の2020年春夏ウィメンズコレクションが、2019年9月29日(日)、フランス・パリで発表された。シェイプやボリュームにフォーカス今シーズン、クリエイティブ ディレクターのピエールパオロ・ピッチョーリが向き合ったのは、ヴァレンティノが誇るクチュールの技術を最大限に生かした洋服のシェイプとボリューム。このテーマをより一層引き立てるため、絵画をモノクロームで描く「グリザイユ」という画法にインスピレーションを得たアプローチを取った。洋服の形を際立たせる白そのことはショー序盤に続々と登場する純白のドレス群やシャツが証明している。色や柄、華美な装飾をあえて排除し“引き算”することによって、洋服のフォルムを浮き彫りにしたのだ。フリルを幾重にも重ねたりギャザーを寄せたりすることによってボリューミーなスリーブを生み出したドレスや、布をたっぷりと使ったパフスリーブのシャツドレスは、素材までもがコットンという普遍的なファブリックで統一されており、ヴァレンティノのクチュール技術が持つ表現の豊かさを推してくれる。ネオンカラーやエネルギッシュな植物&動物柄も純白の世界に変化が訪れるのは、ハッとするほど鮮やかなネオンカラーのミニドが現れてから。カラフルな色彩や煌めく装飾が徐々に顔を出し、エネルギッシュな花々や草木、野獣を描いた躍動感のあるパターンがドレスに落とし込まれた。それでもラストを飾るのは、やはり今季を象徴するホワイトのドレス群。ネオンカラーを効かせた力強い植物の刺繍のドレスや、チュールを複雑に手繰り寄せたドレスで今シーズンを締めくくった。
2019年10月03日エルメス(HERMÈS)の2020年春夏ウィメンズコレクションが、2019年9月28日(金)、フランス・パリで発表された。現代を生きる全ての女性のために今シーズン、エルメスが追い求めたのは現代の女性に相応しい「美」。特定の女性像を創り上げるのではなく、現代社会で自分らしく輝く女性たち全員に向けた、モダンでコンテンポラリーなコレクションだ。メインマテリアルはレザー最新コレクションで多用された素材は、メゾンを象徴するレザー。ヌバックのノースリーブトップスや、ラムスキンにパンチングを施したワイドパンツ、カーフのジャケットなど、メゾンが誇る職人技が施された多彩な素材を活かし表情豊かに仕上げている。新しく登場したのは、立体的なプリーツが美しいドレスなどに採用された「ヘリテージレザー」。“ヘリテージ”というネーミングが示す通り、重厚感のある表情を纏ったレザーは、使い込むほどに身体になじみ、経年変化を楽しむことができる。バックスタイルでフェミニティを薫らせてアイテムはジャケット&パンツのセットアップやサファリジャケットなど、メンズのテーラーリングやワークウェアに着想を得たものが多い。タフな印象のレザーを用いたマスキュリンなシルエットがベースにありながら、フェミニティ香るスタイルを完成させる鍵になっているのがバックスタイルだ。たとえばノースリーブのトップスは、ストラップをバックでクロスさせるようにして肌を露にしている。背中の生地を大胆にカッティングし、素肌を覗かせているトップスもあった。フロントはマニッシュかつシックな印象であるが、バックスタイルでセンシュアルな女性らしさを演出している。また素材についても、レザーの他にオーガンザを投入し、軽やかなムードをプラスしていた。トーンオントーンのスタイリングカラーは上品なニュートラルカラーをベースに、アフリカの樹木からインスピレーションを得たブビンガピンクやニュアンスのあるグリーンなど。ルックの中でモスグリーンと深みのあるダークグリーンを組み合わせるなどトーンオントーンのスタイリングが目を惹いた。エフォートレスなサンダルやバッグ足元には一貫してフラットなストラップサンダルを合わせてエフォートレスな印象に。バッグはエルメスのシグネチャーであるスカーフ「カレ」をレザーパーツを使って結びホーボーバッグ風に仕上げたものや、キャンバスとレザーを組み合わせたミニボストン、H型の留め具が特徴の構築的なハンドバッグなどが登場した。
2019年10月03日イーチ アザー(EACH OTHER) 2020年春夏コレクションが、2019年9月29日(日)、フランス・パリで発表された。躍動感のあるドローイング今シーズン、まず目に飛び込んでくるのは躍動感のあるドローイングやカラフルなパターン。ショー序盤は、ホワイトのロングシャツをキャンバスに黒い線を走らせ、オレンジ色のペイントを施したもの、ブラックシャツの前身ごろにホワイトのイラストを描いたものなどが姿を現す。ドローイングがのるアイテムは、一枚の布を身体に巻き付けているかのようなワンショルダードレスや、軽やかに空気を含むアウターがメイン。風を受けて優雅になびくエレガントなピースに、大胆なグラフィックをあしらうことで、意外性のある表情を引き出している。カラフルなパターン続いて現れるカラフルなパターンも存在感を放っており、イエロー、オレンジ、グリーンといった色彩を無数に散りばめたブラトップやボトムスが、コレクションをエネルギッシュなムードで満たしていく。ロゴや柄をあしらったスカーフを結ぶようにして形作ったバッグも、今シーズンを象徴するアイテムとして、ランウェイに度々顔を出した。ベーシックなテーラリングをアレンジアイテムそのものに目を向けると、ダブルブレストのジャケットや、トレンチコート、シャツなど、ベーシックなテーラリングが主流。ただしジャケットのショルダー部分を外して肩を露にする仕掛けを施したり、レザーでシャツを仕立てたりと、ディテールやマテリアルでひねりを加えている。
2019年10月03日ジバンシィ(Givenchy)の2020年春夏ウィメンズコレクションが、2019年9月29日(日)、フランス・パリで発表された。テーマは「NY PARIS 1993」。“自然”と“都市”の対比今シーズンのジバンシィを紐解くカギとなるのは、90年代のニューヨークを彷彿とさせるデニムスタイルと、ノルタルジックなパリの花柄をイメージしたフラワーモチーフのピース。アーティスティック・ディレクターのクレア・ワイト・ケラーは、“都市”のエネルギーから生み出されたデニムと、“自然”からインスピレーションを得た花柄をコレクションの中に共存させることで、2つの要素のコントラストから生まれる美しさを表現した。90年代ニューヨークを彷彿とさせるデニムルックデニム地のボトムスは、膝が露になったクラッシュジーンズや、左足だけブリーチを施したようなショートパンツ、太ももに切り込みを入れたクロップドパンツ、リメイク風のロングスカートなど。ボトムス以外にも、左右で濃淡の異なるデニム生地を採用したロングアウターを投入している。ノスタルジックなパリの花柄情熱的な花柄は、裾に向かって緩やかに広がっていくボリューミーなロングドレスや、オフショルダーのブラウスなど、フェミニンなアイテムにプリント。フロント中央に深いスリットの入ったアシンメトリードレスには、立体的なフラワー刺繍を散りばめている。対比の中に美を見出す“都市”を示すデニムと“自然”を象徴するフラワーモチーフは、単にコレクションの中に同居しているだけでなく1つのルックの中でコーディネートされることもあり、ブルーの花柄ブラウスとクラッシュデニムを組み合わせたルックなどがランウェイに姿を現した。2つの異なる要素を融合させるというよりは、そこから生まれる不協和音に美を見出そうとするアプローチが感じられる。新しいスーツスタイルスリムなロングジャケットにハーフパンツをレイヤードする、新しいスーツスタイルが提案されているのも今季の特徴。メンズのテーラーリングを彷彿とさせるハウンドトゥース柄のノーカラージャケットや、ペプラムを取り入れたフェミニンなジャケットなどに、ひざ丈のハーフパンツを合わせて、軽やかなムードに仕上げている。新作バッグも登場バッグは、ナッパレザーのボディに、ループ状のハンドル、タッセルチャーム、ダブルGのエンブレムを組み合わせた新作スローチバッグが登場 した。
2019年10月03日トム ブラウン(THOM BROWNE)の2020年春夏ウィメンズコレクションが、2019年9月29日(日)、フランス・パリで発表された。ストライプの中庭を舞台に会場に足を踏み入れると、ストライプのシアサッカーを用いた庭園が広がっている。空に浮かぶ鳥、大地、そこから生える花々はストライプのテキスタイルで作られており、ゲストはショーが始まる前かトム ブラウンの世界観を楽しむことができる。パステルカラーのセットアップにクリノリン風のパーツを身につけたモデルたちが、会場を舞うように練り歩くと、ショーはスタート。続いてミュージックが激しく鳴り響くと、無数のドレスルックが続々とランウェイに姿を現していく。ヨーロピアンなドレスルックドレスのシルエットは、クリノリンやコルセットを取り入れたもので、ウエストはキュッと絞られており、スカートは裾に向かって大きく広がったボリューミーなフォルムが主流。その姿は1780年代ヨーロッパの豪華絢爛なドレスを彷彿とさせ、2020年春夏メンズコレクションと連動する要素も感じられる。また、1980年代のパンクや18世紀のポーランド民族衣装からインスピレーションを得たものでもあるようだ。ツイードやキルトで表情豊かにドレスやその上にレイヤードしたジャケット、セットアップといったアイテムは様々なファブリックで仕立てられており、カラフルなストライプをパッチワークしたかのようなもの、きらきらと輝くラメ糸の入ったツイード、ストライプのキルトなどを採用。多彩なテキスタイルを用いることで、ペールトーンで統一した世界に奥行きを生み出していく。イルカや帆船でマリンにそこにトム ブラウンらしい遊び心を加えるのが、今季のシグネチャーとして登場したイルカやセーリングシップといったマリーンモチーフだ。たとえばシャツやジャケット、スカートなどを描いたトロンプルイユのドレスには、イルカをスパンコールで刺繍して。裾にロープをうねるようにして飾り付けたブルーストライプのドレスには、波に揉まれているかのような躍動感のある帆船も見て取れる。イルカバッグもバッグにも、トム・ブラウンの愛犬であるダックスフンド“ヘクター”をモチーフにしたブランドを象徴するアイテムの新色だけでなく、イルカハンドバッグやタツノオトシゴバックパック、碇マークをあしらったチェーンバックなどが登場。ショーの始まりから終わりまで舞台に立ち続けたモデルたちの足元は、イルカを模したシューズが彩っていた。
2019年10月03日アンドレアス・クロンターラー フォー ヴィヴィアン・ウエストウッド(Andreas Kronthaler for Vivienne Westwood)の2020年春夏コレクションが、2019年9月28日(土)、フランス・パリで発表された。テーマは「Rock me Amadeus」。日常にあるものから着想今シーズンは、アンドレアスが壁に貼り付けているいくつかの写真をはじめ、彼が日常を送っている中で見つけた様々なものをインスピレーション源にクリエーションを行っている。本来なら繋がることのないものが、コレクションに投入され、入り混じり、繋がり合うことにより、独自の世界観が生み出される。「ヴィーナスの誕生」イメージのドレスたとえば写真に写り込んでいたドアノッカーの装飾から想像を膨らませたリング状のループは、股上を大胆にカットしたパンツに散りばめた。サンドロ・ボッティチェリの名画「ヴィーナスの誕生」に描かれた風になびく布から着想を得たドレスは、ベースとなるコルセットに布を巻き付けるようにして仕立てている。ボリューミーなハット&傘肩に荷物を乗せた商人のシルエットからインスパイアされたのは、ドレスのショルダーやウエストにあしらったボリューミーなパフのディテール。そのボリュームは、頭上へも広がっていき、ビッグサイズのハットや傘へと姿を変えている。“世界は全てつながっている”その他にも、ハンガーにかかったままの洋服を頭上にのせたルックや、魚の巨大な人形を模したヘッドアクセサリー、人影を落とし込んだエプロンのようなピースなど、サプライジングなアイテムが登場。日常から選び取った1つ1つの要素はばらばらで混沌としているものの、アンドレアスが命を吹き込むと、コレクションの中では不思議な纏まりを見せる。“世界は全てつながっている”という彼の言葉を証明しているかのようだ。アニマルトゥシューズを再構築足元を彩るのはヴィヴィアン・ウエストウッドのアイコニックなアニマルトゥシューズを再構築したシューズ。レースアップのパンプスや、ショート丈のウエスタンブーツなどがランウェイに顔を出した。
2019年10月02日セリーヌ(CELINE)の2020年春夏ウィメンズコレクションが、2019年9月27日(金)、フランス・パリで発表された。エディ流ブルジョワスタイルを継続3シーズン目を迎えたエディ・スリマン率いるセリーヌ。デビューコレクションと前回のセカンドシーズンでがらりと印象が変わっただけに、今回エディがどんなクリエーションを見せるのか、期待に胸を膨らませたファンも多かったのではないか。フタを開けてみると、今シーズンも、セリーヌの伝統を紐解きつつ、70年代を意識したブルジョワスタイルを提案した2019年秋冬コレクションのムードを踏襲。ロマンティックなギャザードレスには、アイコニックなティアドロップのサングラスを合わせてエッジィに。ボウタイブラウスやフリルカラーのブラウスは、ブラックのレザージャケットに差し込むことで甘さを押さるなどエディらしいクラシックスタイルに仕上げている。“リゾート風”フレンチシックを創造春夏シーズンのために創り上げたこのコレクションは、ブリジット・バルドーやジェーン・バーキンなど60-70年代におけるフレンチシックのアイコニックなスタイルをベースに、“もし彼女たちが、フランスのリゾート地サントロペに遊びに行ったら?”といったアイデアがもとになっている。ざっくりとした鍵編みのドレスや、エスニックなペイズリー柄のギャザードレス、ホースビットやレザーストラップをコンビネーションさせたかごバッグなどは、そんな発想から生まれたものだ。デニムパンツがキーアイテム全体的には上品な雰囲気が流れているが、今季はカジュアルなデニムパンツも大きな存在感を放った。裾に向かって緩やかに広がっていくブーツカットジーンズを筆頭に、濃淡に違いのあるデニム生地を縫い合わせたティアードスカート、鮮やかなフラワー刺繍を施したキュロットパンツなどがランウェイに姿を現わす。中にはスニーカーと組み合わせて提案されているものもあり、クラシックでありながらデイリーウェアとしても着用できる包容力も感じさせるコレクションであった。「トリオンフ」やかごバッグが登場バッグは、パリの凱旋門を囲む鎖に着想したクロージャーが特徴の「トリオンフ」をメインにスタイリング。パイソン柄などハードな新作が目を引いた。また、トリオンフモチーフを取り入れた新モデルとして「マリオントリオンフ」も加わるという。
2019年10月02日ハイダー アッカーマン(HAIDER ACKERMANN)の2020年春夏コレクションが、2019年9月28日(土)、フランス・パリで発表された。今季もメンズ・ウィメンズの新作を同時に見せる。淡いグレーから静かにスタート今シーズンは淡いグレーのルックから静かにスタートする。カラーパレットのベースとなるのはこのグレーをはじめ、ブラック、ホワイトといったニュートラルカラーだが、ライムグリーンやパープル、レッド、ブルーといった鮮やかなカラーでアクセントを加えている。豪華絢爛な着物風ジャケットドット柄のロングドレスやレオパードを取り入れたジャケットなどもあったが、一際目を引いたのはショー終盤に現れた、ゴールドの煌めきを放つ着物の生地のようなテキスタイル。この鳥や花を描いたファブリックを採用したジャケットは、襟元を重ね合わせ、帯を締めるように太いベルトを合わせてスタイリングされている。ブラックのジャケットは裏地にこの柄を取り入れており、ベルトを使って捲り上げることでその柄が露わになるようにコーディネートした。グラフィカルに編み込まれたドレスウィメンズで存在感を放っていたのが、カラフルなロープ状の布を複雑に絡ませたロングドレス。色とりどりの生地が、ときおり素肌をのぞかせながら縦横無尽に走り、エレガントなドレスにグラフィカルな表情をもたらしている。ブランドのシグネチャーであるジャケット&パンツのセットアップも、ウエスト部分に幾何学的なカッティングを施しているのが印象に残った。ウエストにアクセントメンズでは、風を受けて軽やかに空気を含む春夏らしい羽織りや、裾の部分を異なる色や柄で切り替えたアウター、テーラードジャケットの袖を切り落としたようなジレなどが登場。またグレーのパンツの腰回りをピンクのテープで彩ったり、アウターの上から太いベルトをきゅっと結んだりと、ウエストにポイントを置いたアイテムやスタイリングも散見された。
2019年10月02日コム デ ギャルソン(COMME des GARÇONS)の2020年春夏コレクションが、2019年9月28日(土)、フランス・パリで発表された。今季はコム デ ギャルソン・オム プリュス 2020年春夏コレクションから続く、イギリスの小説家、ヴァージニア・ウルフの小説『オーランドー』をテーマとした物語の第2幕。『オーランドー』は、男性として生まれた青年が女性に変身し、女性として生きる歓びに目覚めていくという物語だ。なお、コム デ ギャルソンは、ウイーンの国立オペラ座150周年記念に上演されるオペラ『オーランドー』の衣装を担当。このオペラ座での上演の“第3幕”で完結する3部作のコレクションとなっている。ボリューミーなシルエット2019年春夏コレクションから、ブランドとしては比較的“静かな”コレクションを展開してきた川久保玲だが、今シーズンは巨大なシルエットや豪華絢爛なファブリックなど、ここ2シーズンとは全く異なる雰囲気が感じられる。アウター、ドレス、トップス、スカートなどあらゆるコレクションピースが、ランウェイ上でモデルが避け合うのも難しいほどボリューミーなものだ。たとえばファーストルックとして現れた西洋画のように優美な花柄のドレスには、ショルダーから肘に向かって緩やかな弧を描くふっくらとしたフォルムのパフスリーブを採用している。光沢感のあるストライプを走らせたスカートには、パニエのようなパーツを配して立体感を出した。パフスリーブやパニエ、裾に向かって広がっていくフレアシルエットのスカートなどは、中世ヨーロッパの貴族が纏うドレスを彷彿とさせる。コム デ ギャルソン・オム プリュスでは物語の鍵を握るジェンダーにフォーカスした川久保だが、今シーズンはヴァージニア・ウルフが生涯モットーとした“変革”と“開放”の精神をベースに、エレガンスを再解釈したもののように感じた。豪華絢爛な装飾やファブリックふんだんに散りばめた装飾や、華やかなファブリックも、今季の世界観を作り上げているものの1つ。ピンクのボトムスにはロマンティックなフラワーモチーフや立体的なフリルを贅沢にあしらっている。ジャケットは、ボディにプリントした“COMME des GARÇONS”のブランドロゴから、無数のフリンジを垂らした。きらきらと輝く糸を織り込んだオリエンタルな花柄ジャカードや、クラシカルな花柄を描いたキルトなどもコレクションに奥行きを生む。ボトムス&シューズにも存在感ボトムスに目をやると、ぽっこりとした立体パーツを配したり、太いロープを足に巻きつけたりしたかのようなパンツが顔を出している。かと思えば、太ももをくり抜いたハーフパンツやひざ部分にカッティングを施したボトムスも姿を現わした。ナイキ&レペットとコラボレーション足元にはナイキ(NIKE)とのコラボレーションスニーカーの他にも、写実的な絵画のようなグラフィックを全面にプリントしたレペット(Repetto)のショートブーツなどが登場した。
2019年10月02日ジュンヤ ワタナベ・コム デ ギャルソン(JUNYA WATANABE COMME des GARÇONS)の2020年春夏コレクションが、2019年9月28日(土)、フランス・パリで発表された。トレンチコートを再構築今シーズン、ブランドがフォーカスしたのは「トレンチコート」。誰もがその形を知るベーシックアウターをブランドが誇るパターンの技術を駆使して、様々なアプローチで再構築し、予定調和的なデザインを覆していく。たとえば光沢感のあるテキスタイルを起用したロングコートは、アウターとしての形状は保っているものの、ショルダーを通常の位置よりもぐっと下げ、胸元には襟を二枚重ねるようなディテールを採用している。アウターがドレスやスカートにスカートやドレスなど、アウターではない別のアイテムへと姿を変えたものもある。ふんわりとしたシルエットのロングスカートは、腰回りにトレンチコートをぐるりと巻きつきたような仕立て。ストラップ付きのミニドレスは、ポケットやベルトループといったパーツを、ボディにぺたぺたと貼り付けたようなデザインになっている。異素材をミックス普通はベージュカラーのギャバジンが用いられることの多いトレンチコートだが、ランウェイにはさまざまなテキスタイルを組み込んだ異素材ミックスのピースも散見された。バックスタイルにイエローの細やかなプリーツをあしらったもの、ホワイトシャツを重ねたようなものなどその表現方法は多岐にわたる。繊細なレースを組み合わせたロングドレスは、胸元にこそデイリーウェアであるトレンチコートの面影を感じるが、優美でエレガントなムードへと舵をきっている。グラフィックやネオンカラーを効かせて主役のピースがベーシックカラーのため、中に差し込むインナーは鮮やかなパレットでアクセントを効かせている。たとえばジャケット&ミニスカートのセットアップにはグラフィカルなプリントのレギンスを、アウターやドレスのインナーには、ピンク、オレンジ、イエローなどのネオンカラーをレイヤードし、コレクション全体にリズムをもたらした。コラボレーションスニーカーも足元を彩るのはネオンカラーのスニーカーがメイン。継続してリリースしているバッファローや、ハイテックといったブランドとコラボレーションしている。
2019年10月01日ステラ マッカートニー(STELLA McCARTNEY)が9月30日、2020年サマーコレクションをパリで発表した。
2019年10月01日ウォルト・ディズニー・ジャパンは9月30日(月)、2019年10月以降(2020年度)に予定されている劇場公開作品のラインナップ・プレゼンテーションを実施し、新たにグループの一員となった20世紀フォックス作品などを含むディズニーの注目作品を発表した。ディズニーと20世紀フォックスによる新体制が本格始動!20世紀フォックスが、グループの一員になったことで、数々の名作を生み出してきた8つのスタジオが集結。ディズニー・ライブアクション、ディズニー・アニメーション、ピクサー・スタジオ、マーベル、ルーカスフィルム、20世紀フォックス、フォックス・サーチライト・ピクチャーズ、ブルースカイ・スタジオの8つのスタジオで、2020年度本格的に始動する。『アナ雪』『スターウォーズ』から『ターミネーター』までずらり会場限定となる初公開映像の数々とともに発表されたのは、以下のとおり。世界中で社会現象にもなったディズニーの金字塔『アナと雪の女王』の最新作『アナと雪の女王2』は11月22日(金)日米同時公開。直近の公開作品として最大の注目を集める『ターミネーター2』の正統な続編となる『ターミネーター:ニュー・フェイト』は11月8日(金)より全国公開。「スター・ウォーズ」の壮大な完結編『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』は12月20日(金)より日米同時公開。マット・デイモン、クリスチャン・ベイル初共演でも注目を集める、熱い友情を描いた挑戦の実話『フォードvsフェラーリ』が2020年1月10日(金)より全国公開。トム・ホランド、クリス・プラットという「アベンジャーズ」シリーズでも人気の2人が兄弟役として声優を務めるピクサー最新作『2分の1の魔法』は2020年3月13日(金)より全国公開。ディズニーの実写映画最新作にして、ディズニー史上最強のヒロインを描くファンタジー・アドベンチャー『ムーラン』は2020年春、全国公開。『インサイド・ヘッド』『カールじいさんの空飛ぶ家』などで2度のアカデミー賞受賞経験を持つ、ピート・ドクター監督待望の最新作にして史上最も壮大かつ深遠な意欲作『Soul(ソウル)』(原題)は2020年夏に全国公開。ドウェイン・ジョンソンとエミリー・ブラントが共演する、ディズニーが誇る人気アトラクションの実写映画化『ジャングル・クルーズ』も2020年夏、全国公開。ディズニー・アニメーション・スタジオが想像を超えるスケールで贈る、ファンタジー・アクション・アドベンチャー『Raya and the Last Dragon(ラーヤ・アンド・ラスト・ドラゴン)』(原題)が2020年冬に全国公開となっている。新たなテーマは、“映画を超えた特別なエンターテインメントへ”!新たなステップを踏み出した、ディズニー・スタジオが掲げる来季のテーマは、【映画を超えた特別なエンターテインメントへ】。今後予定されている映画作品で世界同時公開を目指していくことはもちろん、その映画を中心として、商品、ゲーム、書籍、テレビ、音楽、ライブコンサートなど、身の回りを取り巻くすべてのタッチポイントで同じ世界観を表現し、ディズニーならではの楽しみ方を提供する“360度のエンターテインメント体験”をさらに推し進めていくという。この日は新たなディズニー・スタジオが誇るハイクオリティな作品の数々が発表された後、最後にディズニーとフォックス両スタジオの代表的な映画楽曲をオーケストラの生演奏で披露するという、サプライズ演出が行われ、新たなスタジオの輝かしい幕開けを象徴するような締めくくりとなっていた。(text:cinemacafe.net)
2019年10月01日レオナール(LEONARD)の2020年春夏コレクションが、2019年9月27日(金)、フランス・パリで発表された。スポーティー&70年代のムードが鍵今シーズン、デザイナーのクリスティン・フンは、ブランドが持つエレガントな魅力に、スポーティーな要素や、70年代を彷彿とさせるエネルギッシュなムードを加えることで、ツイストを加えた。ヨガからインスピレーションを得たブラトップやショートパンツ、身体にぴったりと吸い付くようなタイトフィットのレギンスパンツ、ボディスーツなどの上に、レオナールのシグネチャーである鮮やかなプリントがのる。スポーツウェアがある一方で、ドラマティックなイブニングドレスも揃えており、昼から夜までアクティブに活動する現代女性のためのコレクションを作り上げた。多彩なグラフィックレオナールのファンを魅了するアイコニックなグラフィックは今季も多彩。花や植物をデフォルメしたものや、うねるような波形の幾何学模様、ブランドロゴを散りばめたもの、小さなドット柄が織りなすレインボーが、ランウェイをカラフルかつ躍動感たっぷりに彩っていく。煌めくピースきらきらと煌めくピースも印象的。ミラーボールのように光を放つジャガード織りのコートや、オーロラのように輝くレトロフューチャーリスティックなロングボトムスが、エレガンスを損なうことなくエッジの効いたスタイルを完成させる。グラフィックに重ねるようにしてシークインの刺繍を施したピースも登場した。ウエストにアクセントスタイリングで目を引いたのは、ウエストをマークするスタイル。シャツやジャケットは裾をリボンのように結んでショート丈に。パフスリーブのミニドレスには、異なる柄のスカーフをきゅっと縛った。ボディスーツの腰回りには歩くたびに揺れて、ルックに動きをもたらすフリンジベルトを配している。
2019年10月01日ニナ リッチ(NINA RICCI)の2020年春夏コレクションが、2019年9月27日(金)、フランス・パリで発表された。ルシェミー・ボッター&リジー・ヘレブラーの2ndシーズン前回の2019-20年秋冬コレクションでデビューを飾った、クリエイティブ・ディレクターのルシェミー・ボッターとリジー・ヘレブラーによるセカンドシーズン。デビューコレクションで一際目を惹いたのは、モデルたちの頭上に乗せられたカラフルなバケットハットだ。今季も、遊び心溢れる小物類を心待ちにしていたファンも多かったのではないか。“バケツ”型ハット&バッグが登場そんな期待に応えてくれるかのように、最新コレクションにも、“バケツ”をひっくり返したかのようなユニークなフォルムのハットが登場。その他にも、フラワーモチーフを繋ぎ合わせたヘッドアクセサリーや、“バケツ”を模ったかのようなハンドバッグ、アッパーをくり抜いたショートブーツ、RICCIのロゴモチーフをあしらったベルトなど、ポップなムードのアクセサリー類が目白押しだ。ロマンティックなレディトゥウェア主役のレディトゥウェアに視線を戻すと、ふんわりとしたAラインのベアトップドレスや、フリルをたっぷりと重ねたボリューミなミニドレスなど、ロマンティックなムードが主流。パフスリーブのブラウスは首元にギャザーを寄せて。ジャケットにもふんわりとしたペプラムをあしらって、とことんフェミニンに仕上げている。ビッグカラーのシャツ襟を大きくデフォルメしたビックカラーのシャツも、今季のアイコニックなアイテム。一枚でさらりと着こなしても存在感を示してくれるし、ジャケットにレイヤードすればケープのような雰囲気が楽しめるのも面白い。“チューイングガム”のようなピンクカラーパレットは、インビテーションにセットされていたチューイングガムの色を反映したかのようなピンクを筆頭に、イエロー、オレンジ、ブルー、グリーンと彩り豊か。そこにドット柄のシャツやフラワープリントのワンピース、パイソン柄のジャケットなどでアクセントを加えている。
2019年10月01日ヨウジヤマモト(Yohji Yamamoto) 2020年春夏ウィメンズコレクションが、2019年9月27日(金)、フランス・パリで発表された。始まりは漆黒のピースから今シーズンもスタートは、ヨウジヤマモトが生み出す黒“ノワール”の世界。編み込んだ細長い布をフリンジのように長く垂らしたジャケットや、腰回りと背中にグラフィカルなカッティングを施したロングドレスなどがランウェイを黒に染めていく。裾がうねるようなラインを描いたドレスは、重力に反した躍動感のあるシルエットを見せている。黒の世界に投じられた色彩漆黒の世界が途切れたのは、布を複雑にたぐり寄せたり、縫い付けたりしたホワイトドレスが現れてから。それに続くのは、色彩豊かな花のグラフィックをあしらったドレス。生地をたっぷりと使って無数のドレープを生み出したボリュームドレスに、力強いプリントがのることで、そのエネルギーを開花させている。ヒジャブのようなヘッドアクセサリーを纏ったブラックドレスには、パープルのフラワー刺繍でアクセントを加えて。至る所に切り込みが入っており、そこから剥がれ落ちたパーツからも、鮮やかな裏地が顔を出している。“マグネット”で遊び心を今シーズンのインビテーションには複数のマグネットが付属していたが、どうやらそれが指し示していたのはブラックのシャツドレスを筆頭としたルック。ショルダーから袖のように飛び出した四角い生地や、背中から前方へと手繰り寄せた布地を、磁石で止め合わせたかのようなディテールが見て取れる。流麗な模様を生む刺繍ショー終盤、『神田川』をアレンジしたサウンドが流れると、繊細な手仕事の光るピースが登場。無数のビーズで流麗な模様を描いたチュールスカートや羽織りが、フィナーレに向かって歩みを進めた。
2019年10月01日ノワール ケイ ニノミヤ(noir kei ninomiya)の2020年春夏コレクションが、2019年9月28日(土)、フランス・パリで発表された。立体パーツやフリルでボリュームをシーズンテーマは「ビギニング(Beginning)」。デザイナーの二宮啓がもう一度初心に帰って作り上げたクリエーションだという。いつにも増してボリューミーなドレスが存在感を放った今季。そのボリュームは、ふんわりとしたレースのフリルをいくつも重ね合わせたり、 立体的なモチーフを組み合わせたりすることによって生み出されて、ボディをすっぽりと覆ってしまう。ハーネスに球体状のフリルを無数にくくりつけたものや、クリア素材でできた棘のような突起物を並べたもの、雲のようにふわふわと浮遊するものなど構築的なピースがランウェイに姿を現わす。ピュアな純白のドレスカラーは、ホワイト、ブラック、そして植物を模したヘッドピースからも連想されるグリーンがメイン。ショー序盤は、純白のウエディングドレスのようなピースが続き、ピュアなムードで進行。繊細な刺繍を施したレーシーなベールもロマンティックな雰囲気を醸し出すのに一役買っている。骨のようなライダースドレス中盤は黒いレザーを起用したピースが目を引いた。人間の肋骨のようなフォルムを纏ったライダースジャケット風のドレスや、いくつものレザーベルトを巻きつけることで広がりを抑えたドレスなどが歩みを進めていく。植物を連想されるグリーンのドレスフィナーレに向かって続々と登場したグリーンのドレスには、イエローや水色も織り交ぜつつ、もこもこと起毛したファブリックを採用。フリンジをふんだんにあしらったものは、ホワイトやブラックとともに、美しいグラデーションを生み出している。植物から放たれる生命の煌めきラストを飾ったのは、結晶のようなクリアパーツを、パズルのピースのように組み合わせた透け感のあるドレス。それぞれのパーツはモデルの歩みとともに揺れ動き、頭上の植物の力強い生命力を称えるかのように、まばゆい煌めきを放っていた。なお植物を模した印象的なヘッドアクセサリーは、引き続きフラワーアーティストの東信が手掛けている。
2019年10月01日バルマン(BALMAIN)の2020年春夏コレクションが、2019年9月27日(金)、フランス・パリで発表された。グラフィカルな模様ショー序盤は丸、三角、四角といったグラフィックを駆使したモノトーンのルックが続く。様々なシェイプの図形を組み合わせることによって生まれたジオメトリックのセットアップや、透け感のあるテキスタイルに図形をのせることでグラフィックが肌の上に浮いているかのような錯覚を作り出したトップスなどがランウェイに顔を出す。存在感溢れる装飾続いて現れたのは存在感溢れる装飾を施したピースたち。ボディ全体にシークインを刺繍したアシンメトリーなワンショルダードレスや、球体状のクリアモチーフを並べたミニワンピ、サークル状のミラーを胸元にあしらったロングドレスなどが姿を現す。細長いクリアパーツを敷き詰めたワンピースも、歩くたびに“シャラシャラ”と音を鳴らして揺れ動き、コレクション全体にリズミカルなムードを生んでいた。エネルギッシュなカラーも初めこそモノトーンが中心だが、ショーが進むにつれてカラフルなピースが立て続けに登場。ホワイトのステッチを効かせたピンクのジャケットや、ブランドロゴを配したイエローのスウェットトップス、オレンジのセットアップなど、ビビッドな色彩を巧みに使い、エネルギッシュな世界観を作り上げた。布をたっぷり使ったプリーツ布をたっぷり使ったプリーツも、今シーズン目を惹いたディテールの1つ。細やかなプリーツを入れたドレスやワンピースは、モデルの身体の動きに合わせて美しく揺れ動き、エレガンスを主張する。上半身にもプリーツを入れたアイテムを取り入れており、メタルリングをあしらったオフショルダートップスなどがその象徴である。
2019年10月01日ロエベ(LOEWE)の2020年春夏ウィメンズコレクションが、2019年9月27日(金)、フランス・パリで発表された。透け感のある軽やかな素材ファーストルックは、ロエベのクラフトマンシップを感じさせる繊細なレースのセットアップ。透け感のあるテキスタイルや軽やかなファブリックは、今シーズン多用されたものの1つだが、愛らしい小花柄を散りばめたドレスや、たっぷりと空気を含むシフォンワンピースなど、ピュアなムードを放っているのがロエベらしい。サイドにボリュームを持たせてドレスのシルエットはクリエイティブ・ディレクターのジョナサン・アンダーソンが就任以来貫いているゆったりとしたロングレングスがメインだが、サイドにボリュームを持たせたピースが目立った。たとえば、レモンイエローのレーシーなドレスにはクリノリン風のパーツを組み込むことで、斬新なフォルムを生み出している。アウターも同様に横に広がっていくシルエットが印象に残った。バックスタイルにタックを入れたAラインのコートや、腰周りにたっぷりとラッフルを入れ込んだジャケットなどが、ランウェイに顔を出す。純白のドレスは表情豊かに純白のドレスも今シーズンのシグネチャーと言えるだろう。Aラインのパフスリーブドレスは、胸元から裾に向かって緩やかに広がっていく、ふっくらとしたシルエットで。光沢感のあるテキスタイルにフラワーモチーフを散りばめたものはバックスタイルにリボンを結んだ。胸元に長いリボンをあしらったレースのドレスは、ウエストから切り替えて細やかなプリーツを入れている。フリンジ付きミニ「ゲート」バッグ人気のバッグには、長いフリンジを飾ったミニサイズの「ゲート」バッグや、ファーで縁取った半円型クラッチ、巾着風のバケツバッグといった新作が登場した。
2019年09月30日