ドウェイン・ジョンソンが「E!News」のインタビューで、「男性は、メンタルヘルスの問題を抱えていてもオープンに話すことができない傾向にある」と問題提起。自らの経験を語った。「私は一人っ子で、男として育った。男というのは、もともとそういうこと(メンタルヘルス)について語らないような性質がある。話すことで、傷つくような気がするからだ。誰だって傷つきたくない。メンタルヘルスについて話すことで、弱さを見せるような気になるんだ」と指摘した。ドウェインは1990年代から90年代半ばに、アメフトがらみのけがや不調で「うつ」を経験。初めて「うつ」を患ったときは「それがなんだかわからなかった。とにかく最悪な気分で、なにもしたくなかった」という。どん底から抜け出すために必要だったことは、人と話し、助けを求めることだった。この経験をもとに、自身の伝記ドラマ「Young Rock」で視聴者に「助けを求めるのは弱さを見せるんじゃない。助けを求めるのは、私たちのスーパーパワーなんだ」と呼びかけたことも。「最高に感動する視聴者からの感想は、メンタルヘルスについて語る開放性に関してのことなんだ」と話し、ドラマがメンタルヘルスについて考えるための手助けとなっていると、手ごたえ感じていることを明かした。(Hiromi Kaku)
2022年03月15日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「孤独・孤立対策担当室」です。孤独は社会問題。官民協力体制で根本的解決を。長引くコロナ禍で、大学では休講やオンライン授業が続き、アルバイト先の休業や閉店で経済的に困窮。休学・退学する学生が多く出ているというニュースがありますが、実は前年同期比でいえば、中途退学者は2割減。休学者は1割減です。学校側が授業料の納付期限を猶予したり、困っている生徒の授業料の減額や免除を行ったため、この1年は持ちこたえました。ところが今後はどうなるかわかりません。注視しなければいけないのは、学生たちのメンタルヘルスです。日本では新型コロナウイルスによる死者数よりも自殺者数の増加率が高く、とくに若い世代や女性の自殺が増えています。2020年1月~11月の統計では、増減率では20代が最も高く17%増、19歳以下の未成年は14%増。小中高生は479人と1980年以降で最多となりました。人に会えないこと、将来の不安、経済的困窮などが要因になっていると考えられます。コロナ禍で、世代を超え孤立している人が増えている現実を踏まえ、政府は内閣官房に「孤独・孤立対策担当室」を新設。省庁横断で本格的な対策に動きだすことにしました。参考にしたのはイギリスです。イギリスでは、孤独が身体に及ぼす影響を科学的に証明。死亡リスクは26%、脳卒中を発症する率は32%アップ、認知症発症率にも影響があるという数字が。これを機に2018年、孤独担当大臣を設置。約28億円規模の予算を組み、どういう人が孤独を感じ、支援の対象になるかの指標を算出し、相談体制の強化、職の支援や低所得対策を行いました。以前より孤独担当相の創設を訴えていた国民民主党の昨年11月の資料によると、東京23区の単身高齢者の孤独死は10年間で1.7倍に。全国の単身世帯数は34.5%、生涯未婚率は男性23.37%、女性14.09%でどちらも増加中。高齢者の親と無職の子供の“8050”世帯は2013年時点で推計約60万世帯、引きこもりは推計約61万人、シングルマザーは約123万世帯、うち半数が相対的貧困というように、日本には孤独があふれています。これらに対処することが、経済、医療福祉、少子化対策の一助になると思います。堀潤ジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX平日7:00~8:00)が4/1スタート。※『anan』2021年4月14日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2021年04月10日赤堀雅秋が1年ぶりに手がける新作のテーマは、「8050問題」。母親の死後から引きこもりになった弟とその兄、老齢の父親、さらにNPO法人の相談員たちが紡ぎ出す、濃密な人間ドラマだ。そこで作、演出、出演の3役を兼ねる赤堀と、長男役の三宅弘城に話を聞いた。M&Oplaysプロデュース「白昼夢」の公演・チケット情報20年来のつき合いながら、赤堀作品に三宅が参加するのは今回が初。三宅は「念願の赤堀作品」と切り出し、「赤堀さんの書く世界と、演出する空気感がものすごく好きで。正直、赤堀さんの作品ならなんでもいいくらい(笑)。俳優としてはナイロン(100℃)で共演したことがあるんですが、すごく真面目ですし、赤堀さんが出て来ると途端に場が生々しくなる。そういうのを体験して、ますます一緒にやりたいと思うようになりました」と、全幅の信頼を寄せる。赤堀に三宅の俳優としての魅力を聞くと、「ご本人を前に恥ずかしいな」と照れつつも、「常に前向きで、少しでも面白くするために常に何かを打破しようとしている。すごく尊敬している俳優さんです」と、こちらも信頼の強さを伺わせた。キャストは5人のみ。長男を三宅、次男を荒川良々、父親を風間杜夫、NPO法人のスタッフを赤堀と吉岡里帆が演じる。この顔ぶれを見て赤堀は、「いいキャストだと思いますよ」としみじみ。「ちゃんと舞台の上で反応し合える人たちだと思うので、その化学変化みたいなものが楽しめるのではないかと思います」と、期待を膨らませる。三宅も「皆さん一緒になって作っていってくれる、チーム感のあるカンパニーになりそうですよね。こちらも気を抜いていられないなと思います」と、背筋を伸ばす。赤堀作品に関して、風間、荒川はすでに経験済みだが、異色なのは吉岡。ドラマ『あさが来た』で共演経験のある三宅は、「『私、小手先で出来ないんです』って言うくらい、すごく体当たりで熱い子」と当時を振り返ると、赤堀は「じゃなきゃ出ないですよね、このメンツで」とニヤリ。さらに「ほんわかしたイメージがありますけど、せっかくならグロテスクな部分も引き出せたら面白いかも」と、気になる言葉も飛び出した。現段階での物語の設定は前出の通りだが、実際どうなるかは赤堀のみぞ知るところ。当の本人は「僕が一番知りたいですけどね」と笑うも、最後にこう語る。「変な手触りの芝居になればいいなと思います。抽象的な言い方ではありますけど、この5人で、等分で、混沌とすればいいんじゃないかなと思いますね」。取材・文:野上瑠美子撮影:源賀津己
2021年02月16日昨今メディアで注目されるゴミ屋敷。ゴミ屋敷につながるケースとして注目されるのが高齢化した親と“ひきこもり”の子が50代を迎えた「8050問題」だ。’19年3月に行われた内閣府の報告によると、全国に61万3,000人いると推計される40~64歳のひきこもり。彼らの暮らしを支えるのはその親だが、本人とともに親の高齢化も進む。11月25日にNHKで放送された『ひきこもり死「8050問題」の“最終局面”どう命を守るのか』では、56歳のひきこもり男性のケースが紹介された。両親の死後、彼は貯蓄を取り崩して暮らしていたが、ガスや水道は止まっていた。そんな彼の元に、しばしば自治体の職員が訪れるものの、彼は支援の手を拒み続ける。やがて訪問時に顔も見せなくなり、心配した職員と警察が家に踏み込んでみると、家中のゴミに埋もれて亡くなっていたのだ。「世話をしてくれる家族が亡くなると、引きこもりの子は社会的に孤立します。その結果ゴミ出しもままならず、ゴミ屋敷へとつながるケースもあるのです」そう語るのは、『ルポゴミ屋敷に棲む人々』の著者で、公衆衛生看護学の専門家の岸恵美子東邦大学大学院(看護学研究科)教授だ。16年にわたり、都内で保健師として福祉の現場を目の当たりにしてきた。「親が若いうちは、身の回りの世話を親が行ってくれますが、その親に介護が必要となったり、高齢者施設に入所したり、亡くなったりしたら誰が面倒を見るのでしょうか。食事の用意はできても、ゴミ出しは経験がなくできないという人は意外と多いのです」長く引きこもっていた人の中には、親の死がきっかけでセルフネグレクトに陥るケースもあるという。セルフネグレクトとは、消極的に自分を放置・放任することで徐々に自らの健康や安全が損なわれて行くことを指す。前述の番組内での事例も、セルフネグレクトの一例と考えられる。「病気になっても病院にいかない、ということがあるセルフネグレクトにおいて、ゴミ出しをしないのはある意味当然。しかし、ゴミが出せなければ家の中にゴミがあふれ、悪臭やネズミ、害虫が発生し、健康を損なっていきます。長く引きこもっていた人にとっては、外に出て誰かと交流することは大変勇気がいることのため、支援を拒む人も多いのです」「ゴミ屋敷化」を引き起こす原因は、高齢化や孤立、地域や家族の崩壊と様々だが、いずれも現代の私たちが抱える問題。「ゴミ屋敷」は決して他人事ではないのだ。
2020年12月21日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「8050問題」です。100万人以上の人がひきこもりになっている時代。ひきこもり状態が長期化し、50代のひきこもりの子供を80代前後の親が養い続ける事態が起きています。子供だけでなく、高齢になり、精神的・経済的に限界を迎えた親も孤立。これを称したのが「8050問題」です。5月に起きた川崎市登戸通り魔事件や、元官僚がひきこもりの息子を刺殺した練馬の事件をきっかけに、世間で広く注目されるようになりました。ひきこもりの定義は「自宅にひきこもり、社会参加をしない状態が6か月以上持続し、精神障がいが、その第一の原因とは考えにくいもの」です。ひきこもりは、2000年代から継続的に調査されていたのですが、調査対象が15~34歳だったため、若年層の問題のように捉えられていました。しかし、近年の調査で、中高年層のひきこもりの実態が明るみになり、2019年3月時点で、40~64歳の中高年のひきこもり人口は61万3000人。若年層も合わせると日本には100万人以上のひきこもりがいる計算になります。親が健在なうちは、50代の子供も働かなくても、実家暮らしで生活は成り立ちますが、将来、親が他界したあとが問題です。ひきこもりの支援団体の中には、「精神の問題だ」と、恫喝して強制的に外に連れ出し、立ち直らせようとするところもあります。しかし、そのやり方は当人の尊厳を傷つけますし、間違った行為だと思います。いまの社会慣習の枠に無理やり当てはめることは正しい解決法とは思えません。もう一つ大きな問題は、5月の事件もそうですが、報道で「加害者はひきこもりでした」「8050問題です」と言われることで、ひきこもりが犯罪者の予備軍かのようなレッテルを貼られてしまうことです。そのことが余計に、ひきこもりやその家族を孤立化させ、問題を深刻化させてしまいます。家から出なくても、オンライン上で仕事をしたり、社会活動に参加できるかもしれません。また、定義からすれば、職場になじめず退職し、半年ほど実家で休養するうちに働く気力がなくなり家にこもった状態にある人も、「ひきこもり」になります。本人の自覚がなくても、多くの人がひきこもりになり得る時代になってきているんです。ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2019年9月25日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2019年09月20日夫婦が離婚に至る、理由というのは様々ですが、女性側で言うと、どこかで男性と戦うという心理を持っています。根っこはみんな男に勝ちたいという心理。そういう女性は男性に頼る事は一切せずに、とにかく自分で物事をなんとかしようとしています。旦那さんは当てにならない、だから自分が頑張らねば!こんな男はこちらから捨ててやる!となる場合もあります。反対にご主人側から離婚したいと言われる場合、妻側は夫の言う事は何でも聞きます、従順でいます、何でもやってあげますタイプだったりするのです。自分は尽くしているつもりかもしれませんが、逆に浮気されやすくなるケースも。男性側の心理としては『コイツ、何やっても文句いわねーんだろ?』となるのです。バカにされるというかなんというか。家の中で、旦那さんの役割がほとんどないと大抵面白くなくなって、オレいなくても良いじゃん的になります。そうなると、帰ってこなくなります。このケース、一見勝っているように見えないけど、旦那さんの役割を奪う事で、『あなたは何も出来ないでしょ』って暗に言っている事になります。だから私がいないとダメよねって相手を蔑んでいる。そこに旦那さんへの尊敬のかけらもない。でも、自分はしおらしいと思っています。ご主人とあからさまに戦っている場合も、ご主人に尽くしている場合も、どちらも自分が正しいと思っています。どちらも奥底で、旦那はダメな奴だと思っているのです。何も出来ないからとやってあげるのか、何も出来ないからと見捨てるのか、ただその違いでしかありません。両方とも幸せからは遠ざかる。旦那がこんなんだし!という理由で始めたものは、ほぼ思い通りにはなりません。他に助けを求めても、自分で自分に向き合わない限りただの現実逃避になります。自分が選んだパートナーをダメにしているのは自分かもしれない、という視点が必要になります。その視点がなく、最初から相手をダメだと決めつけているなら、どの人がパートナーになったとしても、結局は同じになるでしょう。(もしくは自分のために最初からダメなのを選んでいる)自分が相手をダメにしているのかもしれない。旦那さんを主観で『コイツはこうだ!』と決めて付けているのは他でもない自分自身だったりするのです。夫婦は元々が他人です。元々違う価値観の中で生きて来た者同士が、何かのきっかけで家族になりました。そこに必要なのは相互理解です。相手への理解、そして自分を理解してもらう努力。それをせずに、相手が悪いと決めつけるのは、横暴ではないかなと思うのです。長い結婚生活、時に離婚したい!と思う日があるでしょう。それは否定しませんし、あって当然だと思います。ただ、その気持ちに流されて、すぐに結論を出そうとするのは早いかなと思います。自分が作り出した現実かもしれないと、ひと呼吸おいて、自分自身を振り返ってみてください。
2016年07月19日