ASUSTeK Computerは3日、1,734Mbps(理論値)の通信速度を持つIEEE802.11ac対応無線LAN子機「EA-AC87」を発表した。6月5日から発売し価格はオープン、店頭予想価格は17,000円前後。5GHz帯のIEEE802.11acに対応する無線LAN子機。2.4GHz帯のIEEE802.11b/g/nには対応していない点に注意。本体は有線LANポートを5ポート装備し、TVやゲーム機などの有線LANポートと接続することで、有線LAN機器の無線化が可能。ASUSTeK Computerは、ゲーム機などの内蔵無線LAN機能よりも安定した通信が行えるとしている。最大通信速度は1,734Mbps(理論値)で、送受信アンテナ数は4本。親機モードも搭載しており、ルータと接続して無線LANアクセスポイントとしても使用できる。IEEE802.11acのMU-MIMO技術に対応しており、親機モードのときは、同じくMU-MIMO対応の子機×4台まで、完全に同時通信を行える。子機モードのときも、MU-MIMO対応無線LANルータとはMU-MIMOで接続されるので、複数の無線LAN機器を使用していても速度低下を抑えられる。「Ai Radar機能」は、接続されている無線LAN機器の位置を検出し、その機器を狙い撃ちするように電波を飛ばす機能。これにより無線LAN通信の安定性を高める。親機モードの場合、カバーする範囲も最大465平方メートルと広い。インタフェースは、Gigabit Ethernet対応有線LANポート×5基、無線LANセキュリティはWPA2-PSK / WPA-PSK / WPS。本体サイズはW160×D160×H40mm、重量は約480g。対応OSはWindows XP / Vista / 7 / 8 / 8.1、Mac OS X 10.1以降、Linux。
2015年06月03日日本エイサーは20日、IEEE802.11acの無線LANに準拠した13.3型ノートPC「Aspire V3」シリーズを発表した。スティールグレイとプラチナホワイトの2色を用意。6月4日から発売し、価格はオープン、店頭予想価格(税別)は70,000円前後。CPUにIntel Core i3を搭載する13.3型ノートPC。IEEE802.11ac準拠の無線LANを備える。トップカバーはアルミ製で、ナノインプリントパターンをあしらったプレミアムデザインを採用。OfficeソフトとしてKINGSOFT Office 2013がプリインストールされている。主な仕様は、CPUが Intel Core i3-4005U(1.70GHz)、メモリがDDR3L-1600 4GB、ストレージが500GB HDD、グラフィックスがIntel HD Graphics 4400(CPU内蔵)。ディスプレイは13.3型非光沢(ノングレア)液晶、解像度は1,366×768ドット。OSはWindows 8.1 Update 64bit。インタフェースは、Gigabit Ethernet対応有線LAN×1、IEEE802.11ac/a/b/g/n対応無線LAN、Bluetooth 4.0、USB 3.0×1(電源オフUSB充電機能搭載)、USB 2.0×1、HDMI、SDメモリーカードスロット、HD Webカメラなど。バッテリ駆動時間は約7.5時間。本体サイズは約W327×D228×H19.65mm、重量は約1,500g。
2015年05月20日バッファローは20日、4ストリーム対応のIEEE802.11ac無線LANルータ「WXR-2533DHP」の近日発売を告知した。送受信4×4のアンテナを備え、4ストリームの11ac通信が行える無線LANルータ。干渉しにくい複数の信号波を同時に送信することで、スマートフォンやタブレットなど、接続した複数の端末と同時に高速通信できるMU-MIMO(Multi User-Multi Input Multi Output)技術にも対応する。この他の詳細は不明だが、同時に公開されたビジュアルイメージでは、アンテナは内蔵ではなく、本体上部に4本の長いアンテナを搭載するようだ。
2015年05月20日シュナイダーエレクトリックは15日、家庭やオフィス向けの電源タップとして、ACコンセントとUSB充電ポートの両方に雷ガード機能を持たせた「USBチャージ付き雷ガードタップ P3U3-JP」を発表した。5月29日から発売し、税別価格は4,400円。P3U3-JPのポート数は、サージ保護機能付きACコンセント×3個(合計14.5A)と、サージ保護機能付きUSB×3個(合計5V/2.1A)。本体にタブレット充電スタンドを設けている。本体サイズはW132×D132×H3.6mm。
2015年05月16日バッファローは13日、IEEE802.11ac規格に対応する無線LANルータ「WHR-1166DHP2」を発表した。6月上旬より発売する。店頭予想価格は税別8,300円。5GHz帯のIEEE802.11ac/a/nと2.4GHz帯のIEEE802.11b/g/nに対応する無線LANルータ。最大866Mbps(理論値)での通信が可能となっている。WAN側は1,000Mbps(理論値)での通信に対応し、LANポートの規格を100BASE-TXに抑制することで価格を抑えて提供する。。無線LANルータから離れた場所や障害物が多い場所などにも電波を届けるWi-Fi高速化技術「ビームフォーミング」に対応。屋内のどの場所でスマートフォンなどを使っていても、快適な通信環境が得られる。PCがなくともスマートフォンやタブレットなどからルータの初期設定が行える「QRsetup」にも対応し、スマートフォン用アプリ「StationRadar」を使うことで「Wi-Fiリモコン」を利用可能。ブラウザなどを使っての各種設定の確認や変更が行える。来客用の無線LAN回線を提供する「ゲストポート機能」も搭載。無線LAN簡単接続はAOSSとWPSに対応。インタフェースは、10BASE-T/100BASE-TX対応有線LANポート×3基と10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T対応WANポート×1基を搭載。無線LANセキュリティはWPA2-PSK(AES)、WPA-PSK(AES)、WPA / WPA2 mixed PSK(AES)、WEP(128bit / 64bit)。Any接続拒否やMACアクセス制限も設定可能。アンテナ数は内部2本。ルータだけでなく中継機としての利用もサポートする。本体サイズはW55×D131×H159mm、重量は約265g。対応OSはWindows Vista / 7 / 8 / 8.1、Mac OS X 10.5~10.10、Android 2.2以降、iOS 5以降。
2015年05月13日ネットギアジャパンは5月13日、802.11acに対応した無線LANの中継機、デュアルバンド・ワイヤレスエクステンダー『EX6200』を、6月中旬より販売開始すると発表した。価格はオープンだが、市場想定価格は13,800円。EX6200と無線LANアクセスポイント(無線LANルータ)と組み合わせて使うことで、ワイヤレス・インターネットアクセスを宅内の隅々まで拡げることが可能になる。EX6200は、従来の802.11a/b/g/n規格と互換性があり、ワイドレンジ、超高速ワイヤレス接続5GHz帯2.4GHz 帯のデュアルバンドを同時に使用でき、それぞれ最大867Mbps(802.11ac)、300Mbps (802.11n) のワイヤレススピードを実現する。有線LAN機器を無線化するためのコンバーターにもなり、ギガビットイーサネットを5ポート装備。LAN ポートを持つテレビやHDD レコーダーなどのネットワーク家電をギガビット接続することで、有線LAN機器を無線ネットワークへ参加させることができる。設定は、Webブラウザ上のセットアップウィザードに従って設定していくことで、使用開始できる。WPSにも対応しており、プッシュボタンまたはPIN番号を使用して、既存の無線LAN アクセスポイントとの接続を手軽に行うことができる。また、USB 3.0 を1ポート装備しているので、HDDをつなげることでホームサーバーとしても利用できる。
2015年05月13日NEC、NECプラットフォームズは8日、4ストリームのIEEE802.11acに対応し、理論値最大1,733Mbpsの通信が可能なWi-Fiホームルータ「Aterm WG2600HP」を22日より発売する。価格はオープンで、店頭予想価格は税別20,000円弱。「Aterm WG2600HP」は、5Hz帯で理論値最大1,733Mbps、2.4Ghz帯で理論値最大800Mbps(256QAM変調)の通信が可能なWi-Fiホームルータ。IEEE802.11acの技術である「MU-MIMO」に対応し、スマートフォンやノートPCなど複数端末の同時接続時でも通信速度が低下しないという。またアンテナには同社のμSRアンテナを活かした「新アンテナシステム」を採用しており非採用時に比べ、実効通信速度では約20%、実測値では100Mbps以上の通信速度の向上を実現している。デザイン面では、μSRアンテナの採用、放熱設計の最適化などにより、4ストリームの11ac対応Wi-Fiホームルータとしては国内最小(2015年5月8日時点、同社調べ)サイズとなっている。「Aterm WG2600HP」のサイズ/重量は、幅約38mm×高さ約181mm×奥行き約130mm/約600g。「Aterm WG2600HP」単体での販売のほか、イーサネットコンバータがセットになったモデルも6月4日より販売する。価格はオープンで、店頭予想価格は税別39,000円弱。(記事提供: AndroWire編集部)
2015年05月08日NECおよびNECプラットフォームズは8日、4ストリームの11ac通信で最大1,733Mbps(理論値)の高速通信が可能なフラッグシップ無線LANルータ「Aterm WG2600HP」を発表した。単体モデルとイーサネットコンバータセットを用意。価格はオープン。店頭予想価格(税別)は前者が20,000円弱、後者が39,000円弱の見込み。発売日は単体モデルが5月22日、イーサネットコンバータセットが6月4日。NECプラットフォームズ製無線LANルータ「Aterm」シリーズの最上位に位置付けられる新製品。4×4の送受信アンテナを本体に内蔵し、5GHz帯で最大1,733Mbps、2.4GHz帯で最大800Mbps(256QAM変調)の高速通信が可能となる。また、MU-MIMO(Multi User-Multi Input Multi Output)技術に対応し、干渉しない複数の信号波を同時に送信することで、複数端末との同時高速通信が可能。同時利用で速度が低下しない最大接続台数は、スマートフォンの場合で3台、スマートフォンとノートPCの場合で各1台。いずれもMU-MIMOへ対応している必要がある。MU-MIMOとは、接続端末の位置を検知し、端末がある方向に向け集中的に電波を発射することで電波強度や通信速度を上げるビームフォーミング技術を利用し、同一時間軸上で複数の端末と同時通信を可能とするIEEE802.11acで定義される技術。ビームフォーミング技術は、特定の方向以外へ電波を発しないため、近くの場所にある他機器の通信に干渉しにくい特徴がある。従来のSU-MIMO(Single User MIMO)技術では、複数の端末を接続する場合に1台ずつ順番に通信するため、複数台接続すると通信速度が落ちる場合があった。本体内部には、世界最小クラスの「μSRアンテナ」と人工衛星用のGPS受信機に採用されているμEBG構造を採用。それぞれのアンテナが干渉しない仕組みを導入した。外観は新デザインを採用し、「曲げ木」をイメージした曲線的な形状。4本のアンテナを内蔵した11ac・4ストリーム対応無線LANルータにおいて、国内最小サイズを実現した。縦置きおよび横置き、壁掛けに対応する。無線LAN簡易接続機能としては、QRコードを使う「らくらくQRスタート2」、NFCを使う「らくらくかざしてスタート」を備える。iOS/Android用アプリ「Atermスマートリモコン」にも対応し、本体設定やクイック設定Web画面の閲覧、インターネット接続を許可する曜日や時間帯を個別に設定しておける「こども安心ネットタイマー」機能が利用できる。セキュリティ機能は、マルチSSID、ネットワーク分離、MACアドレスフィルタ、WEP(128bit)、WPA2-PSK(AES)、WPA/WPA2-PSK(AES)、WPA/WPA2-PSK(TKIP/AES)など。有線LANインタフェースは、WAN側がGigabit Ethernet×1基、LAN側がGigabit Ethernet×4基。本体サイズはW38×D130×H181mm、重量は約0.6kg。背面のUSBポートは新たにUSB 3.0に対応した。
2015年05月08日●「MIMO」とは?前回は無線規格「IEEE 802.11ac」について紹介したが、今回は11acを構成する技術要素について説明していこう。少々難しくなるが、11ac製品を購入する際の重要なポイントなので、しっかり理解しておきたい。○高速化のキモ「MIMO」同時に複数の送受信アンテナを使ってデータをやり取りし、1組のアンテナを使うより数倍の速度を実現するのが「MIMO」(Multiple Input Multiple Output)だ。11nでもMIMOは使っていたが、これまでは最大で4組(4×4)だったものが、11acでは最大8組(8×8)まで利用できる。もっとも、現在販売されている無線ルーターでは、ストリーム数が4つの「4×4 MIMO」対応が最高だ。4x4 MIMO用でもすでにかなりのボリュームがあるが、8×8 MIMOともなるとアンテナの物理的なサイズも相当なものになるため、コンシューマ向けの市販品として登場するかは少々疑問が残る。MIMOによる速度向上は、送信側だけでなく受信側も同数のアンテナを持っている必要がある。現在市販されている11ac機器のうち、スマートフォンでアンテナ1~2組、タブレットで2組、ノートPCでようやく3組のMIMOを載せているかどうか、という普及度だ。3×3 MIMO以上の速度を確実に得ようと思ったら、ルーターを2台用意して、片方を親機、片方を子機(ネットワークアダプタ)として使うのがベストというのが現在の状況だ。では自分の使っている端末が対応していないから2×2 MIMO以上のルーターを買う意味がないかというと、そんなこともない。11acではルーター側(親機)のストリーム数に応じて複数の子機と同時に通信できる「MU-MIMO」が使える。11nまでは、どんなにアンテナが余っていても、一度に通信できるのは1台の子機だけで、順番に切り替えながらデータを送受信していたが、MU-MIMOなら親機のアンテナ数が許す限りの子機と同時に通信できる。これにより、端末側の通信速度は変わらずとも、これまでより通信レスポンスが格段に向上することになる。魅力的なMU-MIMOだが、これを有効に使うにはやはり子機側も11ac&MU-MIMOに対応している必要がある。とはいえ、無線LAN機器は今後11ac&MIMO化が進んでいくため、近い将来を見据えれば、MIMO構成のルーターを買っておくメリットは大きい。●「ビームフォーミング」とは?○距離を伸ばすビームフォーミングMIMOと関連して、複数のアンテナを持ったルーターでは「ビームフォーミング」を利用できる機種がある。通常、無線LANルーターのアンテナは全方向に等しい強さの電波を飛ばしているが、それぞれのアンテナの強度を調整し、壁などの反射を利用して指向性を持たせ、目的の端末に向けて最適な電波が届くようにするのがビームフォーミングだ。11acとしてはオプション扱いだが、注目したい機能のひとつだ。ビームフォーミングでは5GHz帯が苦手とする障害物が多い環境でも高速で通信しやすくなり、これまで届かなかったところでも通信できるようになる。ビームフォーミングでもルーターだけでなくクライアント側が同機能をサポートする必要があり、今の所、同機能に対応を明記しているのはiPhone 6/6 PlusやGalaxy Sシリーズ、AQUOS PHONE ZETAなど、数が少ない。自分が対応機種を使っているなら、積極的に対応ルーターを使うようにしたい。なお、バッファローは同社の無線LANルーターの一部で、11ac非対応のiPhone 5/5c/5sやNEXUS 7などでも速度向上が得られるとする「ビームフォーミングEX」を搭載している。ビームフォーミングEXも対応機種が限られる機能ではあるが、11ac非対応端末がある場合、選択肢のひとつとして考えておいてもいいだろう。●「チャネルボンディング」とは?○帯域を拡張するチャネルボンディング無線LANでは2.4GHz帯、5GHz帯といった使用される帯域が、さらに20MHzずつの「チャネル」に分けられている。2.4GHz帯ではチャネル数が13、5GHz帯では合計19チャネルある。通常は1つずつ使うのだが、隣接するチャネルを複数束ねて使い、通常のチャネルの2倍、3倍と速度を上げていくのが「チャネルボンディング」だ。LTEにおける「キャリアアグリゲーション」と似た仕組みと言っていいだろう。11nまでは20MHz+20MHz=40MHzまでのチャネルボンディングが使えたが、11acからは4チャネル束ねて80MHz、さらにオプションとして8チャネル束ねて160MHzのボンディングまでが規格に入っている。2.4GHz帯の場合、隣接したチャネル同士では干渉が強く、影響を避けるためには5チャネル離す必要があり、チャネルボンディングを前提にすると実質1回線しか使えなかった。ところが11acが使う5GHz帯では、もともと隣接するチャネルどうしが干渉しにくいように確保されており、チャネル数も多いため、80MHzのボンディングでも5GHz帯全体で4回線、160MHZでも2回線確保できる。11acなら、安定した高速性能を期待できるわけだ。今回はIEEE 802.11acを構成する技術要素について説明してきたが、次回は実際に11acをサポートする製品を紹介するとともに、無線LANルーターを使う上でのメリットやセキュリティといった注意点について紹介していこう。(記事提供: AndroWire編集部)
2015年05月06日●11nとの違いは?前回は無線ルーターの、据え置きタイプとモバイルタイプの違いについて触れ、「IEEE802.11ac」がオススメだということを紹介した。今回は、なぜオススメするのか、「11ac」について説明しよう。○11acは11nの改良版最新の無線ルーターやスマートフォンがサポートする「IEEE 802.11ac」は、2012年に正式な規格が策定された最新の無線LAN規格だ。それまでの主流だった「IEEE802.11n」では最大600Mbpsでの通信を実現していたが、11acではGbpsクラスの速度を実現することが目標におかれた。11acではこの目標を、まったく新しい機能を追加するのではなく、11nにあった機能を整理・改良して導入することで実現しようとしている。たとえば11nでは2.4GHz帯と5GHz帯の電波を利用していたのに対し、11acでは5GHz帯だけを利用する。2.4GHz帯は電子レンジなど、ほかの機器も含めて非常に混雑している帯域な上に、使えるチャネル数も少ないので、高速化には不向きなのだ。比較的空いている5GHz帯だけを使うことで、効率よく高速化できるわけだ。また、データを電波に置き換える(またはその逆)変調方式の改良や、データを収めるフレームサイズの拡大(多重化)で、一度に送信できるデータ容量が拡大している。一つ一つは小さな改善であっても、トータルでは元の規格の10倍以上の速度を実現している。また、速度だけでなく通信の安定性や電波の利用効率なども大幅に改善しており、限られた資源である電波帯域をよりよく使えるようになるのが11acのメリットなのだ。●結局どのくらいのスピードが出るの?○実効速度はどれくらい出る?有線・無線を問わず、コンピュータのインターフェースはどれも理論上・規格上の速度と、実際の通信速度(実効速度)に大きな差がある。これは単純にデータを通すためのパイプの設計としての数値と比べ、実際にデータを流すときにはエラー訂正等の仕組みが入ったり、ノイズ等の影響があるためだが、無線規格の場合、概ね実効速度は理想的な環境で規格値の半分程度、条件が悪ければ10分の1以下になることもザラだ。いくら11acが利用効率や接続環境を改善するといっても、ルーターと同じ部屋にクライアントがある場合で数百Mbps、違う部屋なら100Mbps台、階が変われば数十Mbpsまで落ちることも覚悟しておこう。また、スマートフォンで利用する場合、フラッシュメモリ等の速度がボトルネックになり、そこまで大きな速度改善を感じられないこともある。ベンチマークアプリで計測すると高い数値が表示されるが、これはベンチマークアプリで扱うデータが小さく、高速なメモリ上で処理できてしまうため。大きめのデータをフラッシュメモリに書き込む際は、どうしても速度が遅くなる。また、インターネットに接続する回線もボトルネックになる。無線LANの速度は、あくまでルーターと子機の間での話。ルーターから先の回線が遅ければ、インターネット接続の最大値はその回線の速度が上限になる。11acの速度を完全に生かすのであれば、1Gbps以上の光回線を使うのが理想的だ。とはいえ、やはり無線側が早くなれば全体的なパフォーマンスは上がるので、まったく無意味というわけではない。これまでの無線LANでは繋がりにくかった環境でも繋がりやすく、パフォーマンスを出せるようにしているのが11acなので、少なくとも11n環境と同等以上の速度が望めるはずだ。今回はIEEE 802.11acの概要について説明したが、次回は11acを構成する技術要素について、もう少し詳しく見ていこう。11acでは製品ごとにサポートする機能の範囲が異なり、製品選びの際の要チェックポイントなのだ。(記事提供: AndroWire編集部)
2015年05月05日ドウシシャは4月27日、デザインDC扇風機のフラッグシップモデル「kamomefan メタルリビングファン(FKLQ-302D)」を発売した。本体カラーはホワイトとブラックの2種類を用意。価格はオープンで、推定市場価格は25,000円前後(税別)。カモメの羽からヒントを得た形状の羽根を採用したDC扇風機。船舶用プロペラメーカー「ナカシマプロペラ」が羽根の設計を担当した。カモメ羽根の形状により、やわらかい風を約13m先まで届けられる。羽根の素材にはやわらかい材質を使用しているため、回転中に羽根がしなる。これにより空気と触れ合う時間が増し、よりやさしい風を送ることができるようになった。アルミ調仕上げの前ガード、職人の手仕上げによるアルミ支柱のヘアライン加工、光沢のあるベースなどデザインにもこだわっている。支柱を付け外しすることで100cmと57cmの2段階に高さが調節可能だ。DCモーターを採用しており、1時間あたりの電気代(目安)は最小0.06円、最大0.54円(27円/kWhにて算出)。最小動作音は11.3dBだ。本体サイズはW34×D28.5×H57 / 100cm、羽根径は30cm。風量は無断階調節、左右自動首振りは30°/60°/90°から選べる。上下角度は、上向き70°/下向き10°まで手動で角度調節可能だ。そのほか、入切タイマー(1/2/4/8H)や12Hオートオフ機能を備える。リモコンおよびアロマケースが付属。
2015年04月27日cheeroは10日、漫画「よつばと!」の登場キャラクター「ダンボー」をモチーフにしたACアダプター「cheero DANBOARD AC ADAPTOR」の販売を開始した。同社はこれまでも「ダンボー」をモチーフにした充電器などを発売している。Amazon.co.jpの直販ストアでの価格は税込み1,780円。「cheero DANBOARD AC ADAPTOR」は、USBケーブルを接続することでスマートフォンやタブレット端末などを充電できるACアダプター。Android用とApple製品用2つのUSBポートを装備しており、合計出力3.1Aで端末2台の同時充電ができる。「cheero DANBOARD AC ADAPTOR」のサイズ/重量は、高さ約40.5mm×幅約62.5mm×奥行き約39mm/約65g。プラグは折りたたむことが可能。Amazon.co.jpの直販ストアでは税込み1,780円だが、先着500個限定で税込み1,580円で販売する。通常価格は税込み2,600円。(記事提供: AndroWire編集部)
2015年04月11日東芝ホームテクノは4月2日、温度・湿度に連動して風量を自動調節するDC扇風機「F-DL1000」を発表した。発売は4月下旬。価格はオープンで、推定市場価格は33,000円前後(税別)。「F-DL1000」は、温度と湿度を検知する「デュアルセンサー」を搭載したDC扇風機。あらかじめ選んだ「標準」「強め」「弱め」の3モードそれぞれの範囲内で風量を自動調節する。例えば「弱め」を選択しておくと、微風と弱風で自動運転を行う。リモコン操作により左右20°から90°の範囲内で首振り角度を自由に調整できる機能も搭載した。上下の首振り角度は、上方向が最大40°(自動20°+手動20°)、下方向が16°(手動のみ)。そのほか、室温と湿度の目安を表示するLED表示パネル、吸い込んだ空気を効率よく羽根に誘導する「後ガードリブ」なども新たに採用している。主な仕様は、本体サイズがW370×D370×H799~1,089mm、重量は約5.7kg。消費電力は最小2W、最大16W。運転音(連続)は最小15dB、最大41dB。羽根径は30cm、羽根枚数は17枚(プロペラ7枚+斜流10枚)。東芝ホームテクノは同日、F-DL1000のほかに扇風機6機種を発表した。主な特徴は以下の通り。○F-DLT75、F-DLT65、F-DLT55「F-DLT75」と「F-DLT65」は、9枚羽根を採用したDC扇風機。F-DLT75は「温度センサー」を搭載し、温度変化に応じて「弱め」「強め」の2モードで風量を自動調節する。「F-DLT55」は7枚羽根採用のスタンダードモデル。推定市場価格はF-DLT75が22,000円前後、F-DLT65が16,000円前後、F-DLT55が9,000円前後(いずれも税別)。○F-DPT20「F-DPT20」は、羽根径20cmのコンパクトなDC扇風機。温度センサーを搭載しており、「標準」「弱め」「強め」の3モードで風量を自動調節する。サーキュレーターとして利用できるよう、上向き最大90°まで首振りが可能な「立体ワイド首振り」機能を搭載。そのほか、左右20°から180°の範囲で自由に首振り角度をリモコンから調整できる。推定市場価格は22,000円前後(税別)。○F-DTT50「F-DTT50」は、タワー型のDC扇風機。温度センサーの搭載により、3モードで風量を自動調節する。推定市場価格は18,000円前後(税別)。○F-AWT80「F-AWT80」は、7枚羽根を採用した壁掛けタイプのスタンダードモデル。推定市場価格は9,000円前後(税別)。
2015年04月02日日立コンシューマ・マーケティングは3月25日、DC扇風機「HEF-DC50」を含む扇風機6モデルを発表した。発売は4月中旬。HEF-DC50の価格はオープンで、推定市場価格は15,000円前後だ(税別)。○HEF-DC50「HEF-DC50」は、箱から出すとすぐに使える"かんたん"をコンセプトにしたモデルで、このたび新たにラインナップに加わった。羽根やガードを取り付けた状態で梱包しており、ベース(底部)を取り付けるだけで使用できる。そのほか、操作ボタンと表示を大きくして見やすくしたり、本体重量を約2.9kgと軽量化ししたりと、高齢者でも扱いやすくしたのが特徴だ。DCモーターの採用により、風量最小運転時の消費電力が1.6W(左右首振りなし)、風量最大運転時(左右首振りあり)が18Wと、省エネ性能にも優れるとしている。風量は「微風(うちわ風)」から「強風」までの6段階。就寝時の利用に便利な「減灯&消音機能」を搭載している。指が入りにくい「保護リング付ガード」を採用。本体サイズはW36.0×D36.0×H73.0~90.0mm。○HEF-DC3000最大高110.0mmのハイポジションDC扇風機。羽根とガードが取り付け済みなうえ、スタンドとベースが一体になった構造なので、箱から出してすぐに使える。うちわであおぐような微風を実現できる8枚羽根を採用。風量やタイマー、首振りなどよく使う設定をワンタッチで記憶&呼び出しできる「マイメモリー機能」や、1~9時間まで1時間単位で設定できる「切・入同時タイマー」などを搭載。風量は8段階、左右首振り角度は約45°・75°・90°の3段階から選べる。上方向約90°とほぼ真上にも角度を調節できるので、天井付近の空気をかく拌することも可能だ。推定市場価格は23,000円前後(税別)。○HEF-DC1008枚羽根を採用したDC扇風機。風量は6段階で選択可能だ。マイメモリー機能、切・入同時タイマーなどの仕様はHEF-DC3000と同様だ。推定市場価格は18,000円前後(税別)。○HEF-100RとHEF-100M風量4段階のスタンダードモデル。「HEF-100R」はリモコンタイプで、推定市場価格は9,000円前後(税別)。「HEF-100M」は本体操作タイプで、推定市場価格は8,000円前後(税別)。○HSF-DC900DCモーターを採用したスリムファン。約55°の範囲で左右に風を送る。風量は6段階で選択可能だ。液晶表示を採用する。推定市場価格は17,000円前後(税別)。
2015年03月26日エレコムは24日、IEEE802.11acに対応した小型無線LAN(Wi-Fi)ルータ「WRH-733G」シリーズを発表した。4月上旬の発売を予定し、価格は税別8,970円。ギガビット対応の有線LANポートを備えたIEEE802.11ac対応無線LANルータ。持ち運びやすいコンパクトなボディを生かし、ホテルの客室などに設置されている有線LANの無線化といった用途に適している。5GHz帯のIEEE802.11ac/a/nと、2.4GHz帯のIEEE802.11b/g/nに対応し、最大通信速度は433Mbps(理論値)。また、ルーターモードとAPモードに加え、有線LANポートを持つネットワーク機器を無線化する「子機モード」を搭載。本体にあるモード切替スイッチで、「子機モード」に切り替え、ネットワーク対応TVなどに接続することで、別途用意された無線親機との無線LAN通信が可能となる。このほか、QRコードを読み込んでWi-Fi設定を行う専用アプリ「QR link」を使えば、スマートフォンやタブレットから簡単にインターネット接続が可能。WPSによる接続にも対応する。アンテナは5GHz帯の送受信が1本ずつ、2.4GHz帯のの送信が2本、受信が1本を内蔵する。セキュリティはSSIDステルス、WPA2-PSK(AES)、WPA-PSK(AES)、WPA/WPA2-Mixed(TKIP/AES)、WEP(64/128bit)、MACアドレスフィルタ。有線LANポートはWAN×1、LAN×1。本体サイズは約W68.9×D64×H14.5mm、重量は約35g。本体カラーはホワイトとブラック。「イカロスモバイルセキュリティ for Android」90日特別体験版シリアルカードが付属する。
2015年03月24日Texas Instruments(TI)は、EMIを低減しつつ高い電力変換効率を実現する「ワイド入力電圧範囲」4スイッチ同期整流方式昇降圧DC/DCコントローラ「LM5175」を発表した。同製品は、入力電圧範囲が3.5V~42Vと広く、出力電圧範囲も0.8V~55Vと広くなっているため、出力が数Wから100W程度までの多様な降圧、昇圧、昇降圧電源回路を1デバイスで実現できることから、産業用PC、USB電源、車載ワイヤレス充電、LED照明、電気自動車、バッテリ充電、通信用RFパワーアンプなどの産業、車載機器向けに高い性能を提供する。独自開発のスイッチング制御方式を採用しており、降圧動作と昇圧動作が切り替わる動作遷移領域での変換効率を最大化するとともに、使用するインダクタも1個で済むため、基板実装面積の低減が可能。また、7.5V、2Aの駆動能力を持ったゲート・ドライブ回路により、広い入力電圧範囲でのMOSFETのスイッチ動作の高速化と効率向上を可能としているほか、ピン設定可能なヒカップモード短絡保護機能の選択により、負荷の過電流故障による熱暴走を防止し、熱ストレスを最大でも30%程度にまで低減することが可能だという。なお、同製品はすでに提供を開始しており、1000個受注時の単価(参考価格)は4.25ドルとなっている。
2015年03月24日Microchip Technologyは、高速データレートWi-Fi規格のIEEE 802.11acに対応した新しい5GHzパワーアンプモジュール(PAM)「SST11CP22」を発表した。同製品は、従来製品と同じ信頼性を提供しながら、従来製品より低いEVMと使いやすさ、低い高調波放射を実現したことで、IEEE 802.11acシステムの応用範囲の拡大と製造コスト低減を実現するもの。同製品はMCS9、80MHz帯域幅の変調を使った1.8%ダイナミックEVM(Error Vector Magnitude)で19dBmの線形出力を提供する。また、802.11a/nアプリケーション向けに3% EVMで20dBmの線形出力を提供し、802.11a通信で最大24dBmのスペクトラムマスクに適合し、20dBm出力時にRF高調波出力を-45dBm/MHz未満に抑えるため、システム基板に対するFCC規制への準拠が容易となっている。なお、4mm×4mmの小型20ピンQFNパッケージで提供する50Ω整合の同モジュールは、出力高調波阻止フィルタを内蔵し、外付け部品を4つしか必要としない。さらに、内蔵された線形出力検出器が温度と2対1出力不整合に対して正確に出力を制御する。同製品はサンプル出荷および量産出荷をすでに開始している。開発サポートについては、SST11CP22評価用ボード「SST11CP22-GN-K」を用いることで、すぐに設計を始めることができる。
2015年03月24日Texas Instruments(TI)は、最大75WのAC/DCフライバック型電源向けに「待機電力ゼロ」の電源コントローラチップセットを発表した。同チップセットは700V一次側レギュレーション(PSR)フライバックコントローラ「UCC28730」と200V二次側ウェークアップコントローラ「UCC24650」で構成。UCC28730は、最大20Wの標準フライバック電源で追加部品なしで「待機電力ゼロ」を実現。また、アダプティブリレー制御向けのインテリジェントスリープ機能の使用により、最大75Wまで拡張。フォトカプラと関連フィードバック部品を不要にし、総システム・コストの低減と信頼性の向上を実現する。さらに出力コンデンサ容量を半減しながら、無負荷から全負荷までの全ステップで高い出力安定度を維持し、変換効率の向上と基板実装面積の低減を実現。コンバータの負荷状態に適応的に対応し、無負荷時にシステム機能の停止、ACリレー制御への適応、同期整流回路の停止が可能となっている。UCC24650は、Vddやウェークアップ回路への外部クランプ回路を不要にし、5V~24V出力電圧電源との互換性を提供。また、電圧ドループ検出機能により、無負荷から全負荷過渡動作まで高い出力電圧安定度を維持しながら、小型出力コンデンサの使用を可能する。これらの組み合わせにより、高い過渡応答特性と「待機電力ゼロ」を実現。5V~24Vの出力電圧をサポートするとともに、テレビ、家電、ACアダプタ、HVAC(暖房、換気、空調)、ビル・オートメーションシステム向け電源のサイズ低減と効率向上を可能にする。「WEBENCH Power Designer」設計支援ツールに対応し、カスタム設計が可能となっている。TI DesignsリファレンスデザインにはUCC28730とUCC24650チップセット搭載のテスト済み12W、24Vオフライン電源(PMP10927)リファレンスデザインを用意しており、製品開発期間を短縮できる。UCC28730とUCC24650は量産出荷中。UCC28730は7ピンSOICパッケージで供給され1000個受注時の単価(参考価格)は0.45ドル、UCC24650は5ピンSOT-23パッケージで同0.14ドルとなっている。なお、TIはUCC28730とUCC24650のデモを、3月15日~19日に米国ノースカロライナ州シャーロットで開催されるAPEC(Applied Power Electronics Conference and Expo) のTIブースで行う。
2015年03月13日●4チップで最大12OAまで出力が可能なデジタルDC-DCコンバータ米Alteraは米国時間の3月11日、単体で30A、4チップで最大120Aまでの出力が可能なデジタル制御DC-DCコンバータである「EM1130」を発表した。このEM1130に関する説明会が都内で開催されたので、その内容をお届けしたい(Photo01)。まずは簡単に背景を紹介。Alteraは2013年5月に、電源ICなどを手がけていたアナログ半導体ベンダーのEnpirionを買収、同社の製品ラインアップを自社製品に取り込んだ。その後、同社は自社のFPGA向けの電源ソリューションを拡充しており、今回発表されたEM1130はその最新のもの、ということになる。基本、Enpirionは同社のすべてのFPGAに対するソリューションとなっており(Photo02)、これに向けてさまざまな製品がすでにリリースされている。さて、今回のEM1130はハイエンドのPowerSoCに属する製品で、Arria 10やStratix 10に向けたDC-DCコンバータである(Photo03)。Photo03にもあるように、EM1130自身は非常に小さいパッケージに納められており、実装面積の削減に効果的である(Photo04~06)。さて、ではなぜArria/Stratix向けに新製品を出したのか? という理由がこちらである(Photo07)。これらのFPGAを使って、例えばLTEの基地局とかバックボーン向けのアプリケーションを作成するといったケースでは、多数のLEを利用したりInterLakenの様な高速リンクを多数接続したりといった事が考えられる。当然これは膨大な消費電力にそのまま直結するから、これを安定供給できるようにするための電源回路をシステムデザイナーは用意しなければならない。この問題に対するAlteraの回答がEM1130というわけだ。そのEM1130であるが、構造はこんな具合だ(Photo08)。個別の特徴は後述するとして、4.5V~14.5Vの入力電源に対して0.7V~5Vの範囲で、0.5%未満の精度と10mVp-p未満のリップルを保ち、90%近い効率を実現するという、かなり効率の良い製品となっている。まずEfficiecyであるが、もちろん電圧や出力電流値、スイッチング速度によって効率に多少の差はあるものの、競合製品と比較して3~6%の効率改善が可能としている(Photo09)。例えば30A出力のケースでは出力電圧が1Vとすると30Wほどになるが、ここで3~6%というのは1~2Wの節約になる訳で、必要とされるFPGAの数が多いデータセンターなどではトータルすると数百~数千Wの節約に繋がり、これは運用コストの削減にもなるとする。ちなみにスイッチング速度は、システムの負荷変動状況を見ながら、変動が少ない場合にはスイッチング速度を下げて安定した供給を行い、逆に変動が多い場合はスイッチング速度を上げて応答性を上げるといったAdaptive Compensationの機能も搭載されているという。またこの機能を利用することで、例えば外部に接続したコンデンサが劣化してきた場合でも、その特性をある程度まで補償することが可能になるそうだ。その実装面積の話がこちら(Photo10)。EM1130では必要となる周辺回路をすべて内部に統合しているため、必要となる周辺部品を最小限に抑えられる。このため、同じボード面積であれば、より多くの機能を搭載できるようになると説明した。●電圧変更機能により、システムトータルでの電力消費量の低減を実現そのEM1130であるが、動作パラメータなどをPMBusなどを経由して外部から制御できるようになっている。このためのGUIも用意されており、これを使ってテストとか動作パラメータの設定、あるいは後述する複数のEM1130の協調動作の設定なども可能とされる。EM1130そのものは8つのプリセットを保持可能で、このプリセット値をGUI経由で設定/変更できる仕組みだ。次が電圧変動周り(Photo12)であるが、昨今のハイエンドFPGAは動作周波数・消費電力共に汎用プロセッサ並みになってきており、これに伴い電源品質も高いものが求められている。EM1130はこうした目的に十分見合う品質を提供できる、としており副次的な効用として、電源応答の速度が高速なので、チップ周辺に必要となるパスコンの数や容量を減らすことも可能となり、実装面積とBOMの両方も削減できるとしている。また先にちょっと触れたが、EM1130自身を組み合わせて最大120Aまでの出力が可能となっている(Photo13)。この場合、EM1130そのものは全部独立して動作する(どれか1つのEM1130の中のコントローラが、他の3つのEM1130を制御するわけではない)が、Current Share Busを経由して協調動作を行うことになるという話であった。またこの際に、どう協調動作するか(Single Phaseで動作するのか、Multi-Phaseで動作するのか。あるいはMulti-Phaseだとどんな形になるのか)といったパラメータは、Photo11で出てきたGUIで設定できるとの事だった。またちょっと目新しいのが、SmartVIDによる電圧変更である(Photo14)。FPGAもいわゆる半導体だから、定格電圧そのものは決まっているが、実際の動作電圧は定格電圧の範囲の中である程度変化する。定格ぎりぎりで動くものもあれば、ずっと低い電圧で動作するものもあるわけで、この「実際の電圧」にあわせて電圧を変化させられる機能である。最大で40%程度の電力削減が可能というのは、消費電力が電圧の2乗で効いてくる事を考えればそれほど不思議ではない。ただ残念ながらこのSmartVIDは、FPGAの起動時に一度設定されるだけで、動作状況に応じて動的に電圧を変化させる機能は持っていない。これはEM1130が対応しているPMBus 1.2にそもそもそうした機能が無いからで、動的な電圧変化に対応したPMBus 1.3準拠になったらそうした機能が入ることになると思うが、それは次世代の製品で、という話であった。今のところ(Arria 10の内部のCortex-Aプロセッサとかはともかく)FPGA Fabricそのものはダイナミックに電圧を変化させる機能を持っていないから、そこまでの機能は不要という事なのだろう。ただいずれはFPGAもPower GatingやClock Gatingを本格的に使うことになるだろうし、動作周波数もダイナミックに変わる事が予想されるから、その世代では動的な電圧変化に対応するようになると思われる。ここまではEM1130はFPGA向けと説明してきており、実際Primary TargetはAlteraのFPGAなのだが、実際にはそれ以外の用途向けにも提供をしているとか。実際に、FPGA以外のデバイス向けに利用されている顧客もあるそうで(Photo15)、こうした用途にむけて拡販を進めてゆきたいとの事だった。このPhoto15の様な構成では、EM1130の稼働状況をPMBusあるいはI2Cを経由してモニタリングが可能であり、これを利用してシステム全体の管理が可能となるという説明もあった(Photo16)。ちなみに現時点ではまだ価格などは発表されていない。
2015年03月12日ASUSTeK Computerは4日、無線LANオーディオレシーバー機能を搭載するIEEE802.11ac対応無線LAN中継器「RP-AC52」を発表した。3月5日より発売する。価格はオープンで、店頭予想価格は7,000円前後。5GHz帯のIEEE802.11ac/a/nと、2.4GHz帯のIEEE802.11b/g/nに対応する無線LAN中継機。背面プラグを備え、無線LANの電波が届かない場合などに電波を中継して到達距離を伸ばせる。最大通信速度は443Mbps(理論値)。10BASE-T / 100BASE-TX対応有線LAN×1ポートも備え、有線LANを無線化する無線LANアクセスポイント機能も備える。本体にはオーディオ出力インタフェースとして3.5mmミニジャックを搭載し、無線LANオーディオレシーバーとしての利用も可能。アンプ内蔵スピーカーなどを接続することで、タブレットやスマートフォン内の楽曲などを、「RP-AC52」を介してワイヤレスで再生できる。iOS/Android向けの専用音楽プレイヤーアプリ「ASUS AiPlayer」も無料提供。対応する音楽ファイル形式はFLAC / AAC / WAV / MP3。FLAC / AAC / WAVは96kHz / 24bitまで、MP3は44.1kHz / 16bitまで対応する。インターネットラジオ機能も内蔵。搭載アンテナ数は3本(5GHz×1本、2.4GHz×2本)。セキュリティはWPA2-PSK / WPA-PSK / WEPで、簡易無線LAN設定機能WPSにも対応。無線LAN受信電波の強さが分かるLEDも搭載する。本体サイズはW54×D31×H85mm、重量は約90g。対応OSは、Windows Vista / 7 / 8 / 8.1、Mac OS X、Linux。
2015年03月04日Spansionは、自動車の安全機能を向上させるADAS(Advanced Driver Assistance System)向け6チャネルDC/DC型PMIC「Spansion S6BP401A」を発表した。同製品は、ADASシステム向け2次電源用ICで、ADASに必要とされる全ての電源を1チップで供給可能なPMICである。チャネルは、4チャネルのDC/DCコンバータと、2チャネルのLDOで構成されており、出力設定抵抗と位相補償回路は全チャネル分内蔵されているため、PCBサイズとBOMを削減でき、小型かつコスト効率の高いADASを実現できる。さらに、内蔵ウィンドウウォッチドッグタイマ、各チャネル独立のコントロールピン、チャンネルごとの高精度な出力監視向け専用ピンを搭載している。これにより、ASIL-B準拠の高い信頼性を持ったシステム構築が可能になる。また、さまざまなシステム要求に対応するために、各出力レベルは、高精度でかつ幅広い電源レベルに対応可能。各電圧レベルは要求仕様に沿って、工場出荷時に設定される。なお、パッケージは40ピンQFN。価格は13ドル。現在サンプル出荷中。
2015年02月24日サンワサプライは4日、ACアダプタやマウス、充電器などのパソコン周辺機器を1つにまとめて収納、持ち運びができるACアダプタポーチ「IN-AD3」シリーズ4色を発売した。価格は税別1200円。ACアダプタやマウスほか、テンキー、モバイルバッテリ、充電器、モバイルルータなどのさまざまな周辺機器や小物をまとめて収納できるので、ノートパソコン本体と一緒に持ち運ぶ際に適している。ケース上面・底面の両面ともメッシュ構造を採用しており、中身がひと目でわかるため、目的のものを探しやすい設計となっている。サイズはW260×D40×H85mm、重量は40g。カラーバリエーションはブラック・オレンジ・グレー・ネイビーの4色。
2015年02月05日エレコムは3日、家庭用コンセントからスマートフォンなどを充電できるフラットタイプのUSB-AC充電器6モデルを発表した。2月中旬より発売する。価格はオープン。○MPA-ACMBC151シリーズmicroUSBコネクタを搭載するケーブル一体型のUSB-AC充電器。ブラック / ブルー / ピンク / フェイス / ホワイトの5モデルを用意する。フラット形状となっており、コンセントの差し込み部分は折り畳み可能。最大出力は1.8Aで、ケーブル長は約1.5m。本体サイズはW50×D50×H22mm、重量は85g。○MPA-ACMCC151シリーズmicroUSBコネクタとUSBポートを1基搭載するUSB-AC充電器。ブラック / ブルー / ピンク / フェイス / ホワイトの5モデルを用意する。最大出力はUSBポートが2.0A、microUSBコネクタが1.8A、2ポート合計2.0Aとなっている。重量は88gで、その他の仕様は「MPA-ACMBC151」シリーズとほぼ共通。○MPA-ACUCN001シリーズ”USBポートを1基搭載するUSB-AC充電器。ブラック / ブルー / ピンク / フェイス / ホワイトの5モデルを用意する。最大出力は2.0Aで重量は55g。その他の仕様は「MPA-ACMBC151」シリーズとほぼ共通。○MPA-ACUCN002シリーズUSBポートを2基搭載するUSB-AC充電器。ブラック / ブルー / ピンク / フェイス / ホワイトの5モデルを用意する。最大出力は1ポート最大2.0Aで、2ポート合計2.0A。重量は55g。その他の仕様は「MPA-ACMBC151」シリーズとほぼ共通。○GM-ACMCC15PSPBK / GM-ACMCC15PSVBK「GM-ACMCC15PSPBK」はPSPを充電するための充電器。最大出力は2.0Aで、重量は83g。「GM-ACMCC15PSVBK」はPS Vitaを充電するための充電器。最大出力は1.8Aで、重量は85g。ともにその他の仕様は「MPA-ACMBC151」シリーズとほぼ共通。
2015年02月03日東芝は1月28日、ARM Cortex-M4Fコアを搭載したマイコン「TX04シリーズ」の新製品として、DCブラシレスモータを2個同時に制御可能で、シリアルインタフェース規格であるCANを搭載した「TMPM475FDFG」と、CANが非搭載の「TMPM470FDFG」2品種を発表した。近年、家電や産業分野向けのモータアプリケーションでは省エネルギー化がますます進んでいる。それに伴い、モータを高効率に運転するためのベクトル制御においても、より高い処理性能が求められている。同製品は、高性能なARM Cortex-M4Fコアにより最大動作周波数120MHzを実現している。さらに、プログラマブルモータドライバ、12ビットA/Dコンバータ(ADC)およびベクトルエンジンを2ユニット搭載し、1つのマイコンで2個のDCブラシレスモータの同時制御と高効率運転を可能にする。また、「TMPM475FDFG」では産業分野でニーズの高いCANを搭載しており、家電から産業分野向けの幅広いアプリケーションシステムの実現に貢献するとしている。なお、パッケージは14mm角で0.5mmピッチのLQFP100。価格は「TMPM470FDFG」が700円、「TMPM475FDFG」が800円。2月上旬よりサンプル出荷を開始する。
2015年02月03日センチュリーはこのほど、スマートフォン用とニンテンドー3DS用の充電器「3DS&スマートフォン用AC充電器(1AC-NDSSM/W)」を発売した。価格はオープン、店頭予想価格は980円。USB-ACアダプタに、microUSBケーブル(約70cm)と3DS用充電ケーブル(約150cm)がセットになったパッケージ。USB-ACアダプタの入力はAC100V-240V対応、出力はDC5V1Aだ。出力(USB Aコネクタ)は1系統なので、スマートフォンか3DS、どちらか1台を充電できる。
2015年02月02日グリーンハウスは1月20日、USBポート×4基を備えたAC-USBアダプタ「GH-AC-U4AK」を発表した。発売は2月上旬。価格はオープンで、同社のショッピングサイト「グリーンハウスストア」での販売価格は2,430円(税込)。GH-AC-U4AKは4基の充電用USBポートを備え、コンセントの数が限られた場所でも複数の機器を同時に充電することができるACアダプタ。4ポート合計で最大4.2Aまでの出力が可能で、1ポートの最大出力は2.1Aだ。USBポートにはLEDが装備されており、コンセントに接続すると青く点灯する。暗い場所でもポートの位置などを確認しやすい。本体サイズはW48.5×D91.3×H27.8mmで、重量は約92g。なお、充電用のUSBケーブルは付属しないので、それぞれの機器に適したケーブルを別途用意する必要がある。
2015年01月20日ケースレーインスツルメンツは、出力850WのハイパワーなDC電源「2268」シリーズを発表した。同シリーズは、同社の電源ラインアップで最も大きな電力が得られる電源でありながら、高密度の自動テストシステムの構築においてスペースが節約できる小型・軽量サイズとなっている。具体的には、全6機種がラインナップされており、20V/42Aから150V/5.6Aの機種までまざまな電圧、電流の出力が選択できる。また、大きなシステム構築の場合と同様の機能を備えながら、1Uの高さ、ハーフ・ラックの幅と小型・軽量を実現している。ハーフラックを採用して760W以上を出力できる製品は、同シリーズのみであるという。さらに、LAN、USB、GPIB、RS-232、RS-485といった5種類のデジタルインタフェースを標準で装備しているため、アプリケーションに最適なインタフェースを選択することができる。しかも、15Vと5Vのアナログ制御出力を備えているため、リレーを制御したり、テストフィクスチャやコンポーネントハンドラとのインタフェースにも使用できる。加えて、テストシステムに機器を追加する必要がない。アナログ信号で電源出力を制御するようなアプリケーションの場合、絶縁アナログ入力により、存在的なグランドループを最小にすることができる。他社製品にはこういった機能はないという。この他、オートシーケンスプログラムモードにより、コマンドリストを実行することができる。複数のコマンドはダウンロードして電源のメモリに保存でき、コントローラからの1つのコマンドで実行できる。さらに、プログラムは特定の回数または連続して繰り返すことができる。また、PCバスを経由して個々のコマンドを送る際に発生する遅延を防ぐことができ、テスト時間の短縮につながるとしている。なお、価格は27万4000円(税抜き)。
2015年01月19日Keysight Technologiesの日本法人であるキーサイト・テクノロジーは1月19日、ハイパワーDCアプリケーション用ラック・システム電源を発表した。同ラック・システム電源では、オートレンジDC電源「N8900」シリーズを6台まで並列に組み込み、最大90kW、最大電圧1500V(電流180A時)、最大電流3060A(電圧80V時)を供給可能な単一大容量電源として構成することができる。これにより、面倒なシステム設計を行うことなく、大容量アプリケーションに最適な電源ソリューションを簡単に構築できる。一方で、試験用のハイパワー電源システムを設計する際に、高電圧に対応できるようにシステムのデザイン、デバッグ、安全性などの課題を考慮しなければならない。同ラック・システム電源は使用するパーツも含め、ハイパワーに対応しながら、ラックの背面にはプラスチック製の安全カバーが付属するなど、安全面の課題も解決している。さらに、オートレンジ機能により、広範囲の電圧でフルパワー出力を実現できるのに加え、ラック・システム電源内の1台の電源がマスター電源となり、各電源との通信やラック・システムとの通信が行える。この他、インタフェースはLAN(LXI Core)、USB、GPIBを使用でき、すべてシステムに標準装備されている。なお、価格は、208 VAC入力モデルが211万7150円(税抜き)から、400 VAC入力モデルが200万2727円(税抜き)から。出荷開始時期は、400 VACモデルが2月、208 VACモデルが6月となっている。
2015年01月19日NECおよびNECプラットフォームズは14日、無線LAN(Wi-Fi)ルータ「Aterm」シリーズの新製品として、IEEE802.11acやWi-Fi中継機能に対応した「AtermWG1200HP」を発表した。単独モデルとイーサネットコンバータセットを用意。価格はオープン、店頭予想価格(税別)は前者が10,000円弱、後者が19,000円弱の見込み。5GHz帯のIEEE802.11a/n/ac、2.4GHz帯のIEEE802.11b/g/nに準拠し、5GHz帯と2.4GHz帯の同時使用が可能。IEEE802.11ac接続時の最大通信速度は867Mbps(規格値)で、アンテナ数は5GHz帯が送信2本×受信2本、2.4GHzも送信2本×受信2本だ。子機の位置を検知して集中的に電波を送信する「ビームフォーミング」に対応し、通信の安定性や高速性の向上に役立つ。「Wi-Fiデュアルバンド中継機能」では、本機を中継機とした場合、親機とは5GHz帯か2.4GHz帯いずれかの通信となるが、本機と子機(PCやスマートフォン)は5GHz帯と2.4GHz帯で同時に通信できる。本機を複数台使う「多段および並列のWi-Fi中継」をサポートしており、合わせて3台までを推奨している。iOS用・Android用のアプリ「Atermスマートリモコン」を用いた、接続コントロール機能の「こども安心ネットタイマー」を搭載。本機に接続する端末(PC、スマートフォン、タブレット、ゲーム機など)に対して、インターネット接続を許可する曜日や時間帯を個別に設定しておける。一時的な接続の許可や禁止も可能だ。Wi-Fi接続機能としては、本体のボタンを使う「らくらく無線スタート」、WPS、QRコードを使う「らくらくQRスタート」、NFCを使う「らくらくかざしてスタート」を備える。セキュリティ機能は、マルチSSID、ネットワーク分離、MACアドレスフィルタ、WEP(128bit)、WPA2-PSK(AES)、WPA/WPA2-PSK(AES)、WPA/WPA2-PSK(TKIP/AES)など。有線LANインタフェースは、WAN側がGigabit Ethernet×1基、LAN側がGigabit Ethernet×3基。本体サイズは約W33×D97×H146mm、重量は約0.3kg(ACアダプタを除く)。
2015年01月14日エレコムは13日、ノートPC用となるスティックタイプのACアダプタ「ACDC」シリーズを発表した。「NEC LaVie」用、「TOSHIBA dynabook」用、「FUJITSU BIBLO」用の3モデルを用意。1月下旬より発売する。いずれも価格は16,308円。○ACDC-NE1965CBK「ACDC-NE1965CBK」は、NECのノートPC「Lavie」シリーズなどで使用できるACアダプタ。コンパクトなスティックタイプになっており、鞄のちょっとしたすき間に入れておける。5万時間の高い耐久性能を持ち、待機電力は従来モデルの約半分という省エネ設計。ケーブルをまとめるケーブルバンドが付属する。出力は19V 3.42Aで、容量は最大65W、待機電力は0.15W以下。電源ケーブル長は約0.3m、DCケーブル長が約1.8m。本体サイズは約W25×D26×H131mm、重量は約165g。主な対応機種は、LaVie Gタイプ S(H)シリーズ、Light Luiモデル、Touchなど。○ACDC-TB1965CBK「ACDC-TB1965CBK」は、東芝のノートPC「dynabook」シリーズ(T55 / T553 / T642シリーズ、N514 / R731 / KIRA V632シリーズなど)に対応。ACアダプタとしての仕様は「ACDC-NE1965CBK」とほぼ共通。○ACDC-FU1965CBK「ACDC-FU1965CBK」は、富士通のノートPC「FMV-BIBLO」シリーズ(LOOX C / M / Uシリーズ、LIFEBOOK P / U / UHシリーズなど)に対応。ACアダプタとしての仕様は「ACDC-NE1965CBK」とほぼ共通。
2015年01月13日