発達障害のひとつ、ADHD (注意欠如・多動症)をテーマにした話題の映画『ノルマル17歳。― わたしたちはADHD ―』が先日公開し、東京・アップリンク吉祥寺にて上映中です。ADHDは「注意欠陥多動性障害」を意味する英語名・Attention-Deficit Hyperactivity Disordersの頭文字をとった略称。「ADHD」の主な特徴としては、「集中力がない」「忘れ物が多い」「じっとしていられない」といったものが挙げられますが、実際には個々で特性が異なり、子どもが成長するまで気づきにくい場合も。社会に出てから「もしかして自分は?」と考えて診断を受ける人もいますが、その特性は子どもの成長段階で起こり得るものも多くあり、「我が子がどうも育てにくい」と感じているママたちの中には、「もしかしてうちの子、発達障害?」と悩む人たちも少なくありません。近年「発達障害」への関心は高まり、言葉としての認知度は広まってきてはいるけれど、その特性を持った子どもたちの実態や感情、そしてその家族たちについては、あまりよくわからない…といった方も多いでしょう。そんな今、『ノルマル17歳。― わたしたちはADHD ―』は、発達障害の子どもを取り囲む家族や社会の問題から、“普通とは何か”を問いかける映画です。<ストーリー>物語の主人公は、ADHDという共通点を持つ2人の女子高生。進学校に通う絃(いと/西川茉莉)は物忘れがひどく、大事なテストの日に目覚まし時計をかけ忘れて寝坊してしまう。絃はそのまま登校せず、気づけば見知らぬ公園へ。そこで派手な格好をした女子高生・朱里(じゅり/鈴木心緒)に声をかけられる。朱里はいきなりADHDであることを絃に告白。驚く絃を強引に街へと遊びに誘う。初対面の絃(写真右)に「あたし発達障害あってさ。ADHDっての。知ってる?」と話しかける朱里(写真左)。朱里に連れて行かれた場所は、いつも家と学校の往復しかしない絃にとって新鮮な世界。やがて2人は友達になるものの、朱里の派手な身なりに不快感を持つ絃の母(眞鍋かをり)に交際を禁じられてしまう。絃の母は子どもたちに「普通」の価値観を押しつけようとする。一方で朱里は自身の物忘れが原因で姉(花岡昊芽)との喧嘩が絶えない上、父(福澤朗)や母(今西ひろこ)からも厳しくされ、家庭内で孤立。朱里は次第に部屋に引きこもるようなる。絃との距離も次第に離れていく朱里。見た目や行動は対照的だけれど、ADHDという同じ悩みを持つ2人の女子高生の葛藤、彼女たちを取り巻く両親や学校との軋轢が描かれており、どんな立場の方でも「普通とは何か?」を考えさせられるストーリーです。ADHDや発達障害という言葉だけが一人歩きしてしまい、「障害だってわかっているなら対策すればいいでしょ?」「自覚していて治せないなら甘えじゃないの?」といった誤解も生まれやすくなっています。しかし実際には発達障害の特性にはグラデーションがあり、ひとりひとり個性があるのです。当事者でなくても発達障害を取り巻く現状を知り、寄り添っていくことがとても大切です。まずはこんな映画をきっかけに、考えてみてはいかがでしょうか。映画『ノルマル17歳。-わたしたちはADHD-』出演:鈴木心緒、西川茉莉、眞鍋かをり、福澤 朗、村野武範 、小池首領、今西ひろこ、花岡昊芽 ほか監督:北 宗羽介 脚本:神田 凜、北 宗羽介音楽:西田衣見 撮影:ヤギシタヨシカツ(J.S.C.)エグゼクティブ・プロデューサー:下原寛史(トラストクリエイティブプロモーション)プロデューサー:北 宗羽介、近貞 博、斎藤直人製作:八艶、トラストフィールディング 配給:アルケミーブラザース、八艶後援:一般社団法人 日本発達障害ネットワーク(JDDnet)、NPO法人えじそんくらぶ ほか 文化庁「ARTS for the future!2」補助対象事業©2023 八艶・トラストフィールディング /80分/カラー/5.1ch公式サイト:
2024年04月12日世界中の若者を中心に増えている発達障害のひとつ「ADHD (注意欠如・多動症)」をテーマにした劇映画『ノルマル17歳。― わたしたちはADHD ―』が4月5日より東京・アップリンク吉祥寺(ほか全国順次)にて公開される。本作で全国オーディションにより確かな演技力を見出され、「普通」の世界からはみ出してしまうADHDの女子高生を熱演したW主演の新人・鈴木心緒(すずき・こころ)と西川茉莉(にしかわ・まり)にインタビュー。本作のオーディションについて、ギャルの朱里(じゅり・鈴木)と進学校に通う真面目な絃(いと・西川)の2人の主人公の役作りについて、撮影のエピソードと作品テーマについて、そして今後の俳優としての目標について話を聞いた。■映画『ノルマル17歳。― わたしたちはADHD ―』W主演鈴木心緒&西川茉莉インタビュー――まずは、2021年に募集が行われた本作のオーディションについて、応募のきっかけから、審査について、抜擢されたときの感想などについてお伺いします。【鈴木心緒】「私はずっと女優になりたいと思っていたので、ネットでオーディション情報を見つけて、少しでも自分の夢に近づくチャンスになったらいいなっていう気持ちで応募しました。ちょうど女子高生だったので、自分とリンクしているところもあったので、挑戦したいなと思いました」――オーディションで印象に残っていることは?【鈴木心緒】「リモート面談と動画審査を経て、実際に対面で演技審査を受けた時、周りの人がみんなすごかったので、“絶対ダメだな”って思って、メロンパンを食べながら帰ったりしました。そうしたら3限の授業が終わった後に、“朱里役のほうで合格です”というメールが来て、本当に嬉しくて、次の授業に遅刻しました(笑)」――朱里と絃は性格もビジュアルのイメージも対照的なキャラクターでしたが。【鈴木心緒】「ギャル役では受からないだろうなと思っていたので、何よりも驚きました。当時は髪色も黒かったし、私は真面目なほうが演じやすかったので、受かるなら絃役かなと勝手に思っていたんです。でも新しい自分に出会えてとても楽しかったです」――西川さんが応募したきっかけは?【西川茉莉】「高校1年生の時に、表現者になりたいと思ったんですが挑戦をしたことがなくて。私、愛媛の出身で、隣の香川県で制作された短編映画(『父の声』)に出たことをきっかけに、もっともっとお芝居をやりたいって思って探しているうちにこの募集を見つけたんです。最初に募集記事を見た時にすごく惹かれて、これは絶対に受けなきゃいけないなって思いました」――それは高校生が主人公であることや、作品のテーマに興味があったんですか?【西川茉莉】「ADHDってなかなか映画が取り扱っていない題材ですし、私の身近にもADHDではないんですけど、精神疾患を持った方がいて、身近に接した経験があるからこそできることがあるんじゃないかということで、ピンときたんです」――オーディションを受けている間のことで印象に残っていることは?【西川茉莉】「それまでオーディションで書類審査を通過したことがなかったので、書類で合格した時点ですごく嬉しかったのを覚えています。動画審査用に、お父さん役とお母さん役のセリフを自分で録音して、それを流しながら絃ちゃんを演じたんですが、それを家族に見せた時に“こんなにお芝居ができると思わなかった”って、すごく褒めてもらえたんです。その時から絶対に絃ちゃんをやりたいと思っていました。朱里ちゃん役も練習はしたんですが、ちょっと怒り慣れてなくて、あまり上手じゃなかったので(苦笑)」――対面での実技審査はいかがでしたか?【西川茉莉】「実技審査の時は本当に不安だったんですが、家族が褒めてくれたことを支えに、私が絶対に絃ちゃんになるぞっていう気持ちでした。家族全員で結果を楽しみにしていたので、結果が届いたときは勝手に涙が出てきて震えが止まらなくて…。メールを何回もお父さんに見せて“合格って書いてるよね!?”って何度も確認しました(笑)」――それぞれが演じた役についてはどのように考えましたか?【鈴木心緒】「最初自分は絃ちゃんのタイプかなと思っていたんですが、台本を読んでいくうちに朱里ちゃんと私は結構似てるところがたくさんあったんです。“普通とは何か”というのが映画のテーマの一つだと思うんですが、高校時代の私は“普通にならないといけない”と思い込んでいて。集団行動がちょっと苦手なのに、一人でいると変な目で見られるのが嫌で、馴染むためにみんなに合わせて、それが結構辛かったり…。表現の仕方は朱里ちゃんとは違うけど、普通に対する違和感というところで、気持ちの上で共通点があったので演じやすかったです」――これまで抱えていた想いを、朱里のセリフに乗せて表現した感じでしょうか?【鈴木心緒】「彼女は爆発的にものを言うタイプなので、今までくすぶっていた想いをセリフに乗せて、自分のメッセージとしても伝えられたかなって思います」――対する絃は内に秘めるタイプで、演じるのが難しかったのではないですか?【西川茉莉】「このオーディションを見つけたのは高校1年の終わりだったんですが、その頃の友人関係って中学の時とは違って、自分の気持ちを友達に言うことがなかなか難しいなと感じていました。絃ちゃんみたいに、周りのみんなが笑うからとりあえず笑っとけばいいか、というふうに過ごしていたら苦しくて、3学期の頃には学校に行けなくなってしまったんです。そんな経験があってからのオーディション・役作り・撮影だったので、想いを言えない自分にリンクしましたし、気持ちを隠してしまうところにも共感しました」――そんな経験が役に投影されていたとは。【西川茉莉】「でも、絃ちゃんが朱里ちゃんと出会って刺激されて変わったのと同じように、私も映画と出会って、朱里ちゃん役の心緒ちゃんと一緒にお芝居をしたことで、自分の気持ちをもっと出してもいいよなっていうことを改めて認識して、成長できたんです。それまで自分から友だちを遊びに誘うこともできなかったんですけど、ちょっとやってみようかなって思うぐらいに変われたんです」――二人は互いに影響しあう役柄を演じましたが、実際に演じていてお互いからどんなことを感じましたか?【鈴木心緒】「絃ちゃんのセリフそのものももちろん素敵なんですけど、茉莉ちゃんの話し方が、柔らかいけどちゃんと言葉の中に芯がある感じですごく素敵なんですよ。一緒に演技をしていて、私もこんなふうにもっと素直に言葉を発したいなってめちゃめちゃ思いました。顔合わせや本読みや練習はリモートで、初めて会ったのは撮影が始まった時くらいだったんですけど、“前から会ってたかな”と思うぐらい一緒にいて心地よくて。ベンチにポンと座っているシーンでも“何回も一緒にここに来たことあるよね?”って思うくらいでした」【西川茉莉】「オンラインで顔合わせの時、カメラがオンになった瞬間、綺麗なお姉さん過ぎて“やばい!”ってなりました(笑)。私なんか隣に並んで大丈夫かなって思うぐらい本当にドキドキしていたんですが、実際に会ったらめちゃくちゃ優しくて、本当に色んな話をしてくれました。でもお芝居の時は切り替えがすごかったです」――演技の面ではどんなことを感じましたか?【西川茉莉】「ちゃんと朱里ちゃん像が見えていて、こう演じたいという想いがあるのが印象深かったです。歩き方から鞄の持ち方まで朱里っぽくて、そういうところまで気を遣っていて自然というか、ずっと見ていたいって思うくらいでした」――鈴木さんはご自身はギャルではなかったとおっしゃっていましたが、ギャルの佇まいは研究されたんですか?【鈴木心緒】「高校生の時のクラスでギャルだった子って、どんな感じだったっけなぁって思いだしたり、YouTubeで動画を見たり。撮影の頃は大学に入っていたんですけど、露出度の高い子を注目して見てました(笑)」――話し声のトーンもギャル役にハマっていたと思うんですが、激高して感情を吐き出す時との温度差が衝撃的でした。【鈴木心緒】「爆発させるところは爆発させるぞ!っという勢いでしゃべっていたので、やっぱりエネルギーを使いましたね。お姉さんとケンカするシーンでは何回も何回も泣いたりしたので」――逆に絃はあまり大きく感情を表に出さないので難しい部分もあったかと思うんですが。【西川茉莉】「練習の段階で、気持ちを内に秘めつつも出さなきゃと考え過ぎてしまって、監督から“今、出そう出そうとし過ぎてるんじゃないの?”って指摘されたのを覚えています。“出さないようにしている不安定さが大事だから”と言っていただけたので、あんまり考え過ぎず、お母さん役の真鍋かをりさんや朱里ちゃんとのお芝居のなかで自然に出るものを大事にしようと思いました」――朱里の住む街の商店街の方々と話しながら、絃が影響されて変化していく繊細な演技も印象深かったです。【西川茉莉】「八百屋さんのシーンはすごく安心感がありました。八百屋のおばちゃんや、お魚屋さん、お洋服屋さんを演じた役者さんのお芝居がとても自然で、気づいたら飲み込まれていて、そんな雰囲気が出せたのかなって思います」◆観終わった後、爽やかなあったかい気持ちになって、また明日頑張ろうって思えるような映画だと思っています――本作で注目して見てほしいシーンを挙げるとしたらどこでしょう?【鈴木心緒】「終盤の公園のシーンですね。朱里ちゃんが絃ちゃんに本心を吐露するんですが、そこまでは引っ張っていく立場だった朱里ちゃんと自分の想いを隠して来た絃ちゃんの立場が逆になるところが記憶に残っているので、そこはぜひ注目していただきたいなと思います。そのシーンはかなり長めに回して、本当にこの二人の流れで作り出した世界という感じでした。朱里は爆発的に感情を表現するタイプなんですが、そのシーンでは本当に辛くて心の底からどうしたらいいか分からないっていう気持ちが溢れて、それを絃ちゃんが支えてくれる、とても素敵なシーンになったと思います」【西川茉莉】「見てほしいのは、友達のために何かできることないかなって、絃が初めて自分から動き出すシーンです。周りの人たちの温かい言葉を受けながら、朱里ちゃんのために何かを探そうとする心境の変化や、以前一緒に行った神社で朱里ちゃんのことを想うところは、私的に気持ちを込めて大事にしたシーンなので、注目していただきたいですね」――この作品の撮影に入るにあたって、ADHDについて学んだと思うのですが、その中で感じたこと、この作品に触れて変わった部分はありますか?【鈴木心緒】「ADHDって目に見えるものじゃなくて、“普通の人”と同じに映るからこそ“普通ってなんだろう?”ということに悩み、心に傷を抱えてしまう人が多くいるんだということを改めて知りました。自分も“普通であるべき”とか“周りに合わせないといけない”という思いに捉われていたことがあるので、人と違うということをもっと大切に、尊重していけたらいいなって感じました」――“俳優を目指す”ということ自体、周りからはちょっと普通じゃないと見られることも多いですよね。【鈴木心緒】「高校生の時から俳優に憧れていましたが、それを言うことによって周りからどんな目で見られるかわからないからずっと隠していたんです。でも、大学に入って仲良くしている友達に、実は芸能活動をしているんだよねっていう話をしたら、周りの子たちも知っていて、私が言わないから“隠したいのかなと思って言ってなかっただけで、本当は私たち応援してるよ”って言ってもらえたんです。そこからもっと自分に自信を持って、ありのままに生きていきたいなって思いました」――西川さんはいかがですか。【西川茉莉】「先ほど身近に精神的な疾患を抱えている方がいると言ったんですが、私は小さい頃からその人の傍にいたので、色眼鏡を通さずにその人自身として見ていました。だからADHDだとしても、人自身を見て接するのが大事なんだと思います。ADHDと一言で括っても、朱里ちゃんみたいなタイプも絃ちゃんみたいなタイプもいるし、関わっているうちにその人自身の特性なんだと思って接していくことが大事かなって思いました。あと、私は父が“しっかりした仕事に就きなさい。それが普通でしょ”というタイプだったんですが、それは“お父さんの普通”であって、世の中にはいろんな人がいて、いろんな価値観があると思うので、臨機応変に柔軟に、“普通”って言われることに立ち向かうというか、選ぶことが出来るようになればいいなと思うようになりました」――この映画をどんな方に観てほしいか、どんなことを感じてほしいかについてメッセージをいただけますか?【鈴木心緒】「ADHDを取り扱った作品ですが、必ずしもADHDに関わる方々だけに向けた作品ではないと思うんです。私自身も普通が苦手で、人に合わせなきゃいけないことに悩んできたので、そんなふうに、ありのままの自分を隠して生きている人たちのためにもある映画なのかなと思います。そんな悩みを抱えている人にも届けばいいなと思っています」【西川茉莉】「ADHDの当事者の方だけではなく、周りにいる人や、親の世代の方、ちょっと生きづらさについて悩みを持っている方など、本当にいろんな人に見ていただきたいと思います。観終わった後、爽やかなあったかい気持ちになって、また明日頑張ろうって思えるような映画だと思っています」――この作品が公開されたら俳優として注目されると思うんですが、今後の目標を教えていただけますか?【鈴木心緒】「私は女優として活動していくのが目標です。ただヒロインとか主役とかを目指しているのではなくて、3番手、4番手、5番手、6番手とか、むしろ主役を支える側で、演技力で勝負をしていきたいと思っています。個性派な俳優になれるように頑張ります」【西川茉莉】私も芝居が光る個性派女優になるというのが目標です。親からも“可愛さでは勝負していけないから、芝居でいきなさい”って言われるんですよ(笑)。私もそうだなって思います。今回の映画で選んでいただいたように、きっとハマる役があるはずですし、西川茉莉をキャスティングしてよかったなって関係者の方にも、作品を観ていただいた方にも思っていただけるような、唯一の女優さんになりたいです。大学に進学して、愛媛から上京してきたので、もっと幅広く挑戦したいと思っています」■北 宗羽介監督が語る俳優・鈴木心緒と西川茉莉二人とも芝居勘が光っていました。街中のロケでは音の問題でアフレコ処理をしないといけなかったんですが、自分の芝居を忠実に再現できる俳優さんってなかなかいないんですよ。でもこれが2人ともほぼ完璧にできてたんですよね。そういう資質はオーディションの時に直感的に分かったので、今回抜擢しました。心緒ちゃんの場合は、朱里役のすごく感情の起伏が激しい演技を自然にできていたところが特に良かったですね。いかにも芝居するぞという感じではない自然さで、実際に精神的な問題を持っている方が激高する感じを表現できていたのが素晴らしかったと思います。茉莉ちゃんは、セリフよりも表情や目線など、本当に繊細な動きが要求される役だったんですが、そこを上手く捉えて表現してくれたかなと思います。セリフの言い方にしても、絃の意志が自然にセリフに込められていました。二人とも自然な演技が映像向きの女優だなと感じましたし、今後映画やドラマで活躍して行くのが楽しみです。■プロフィール●鈴木心緒(すずき・こころ)2004年3月19日生まれ、神奈川県出身フジテレビ『オールナイトフジコ』にフジコーズのメンバーとして出演中●西川茉莉(にしかわ・まり)2005年6月7日生まれ、愛媛県松山市出身短編映画『父の声』(2022)主演■映画 『ノルマル17歳。 ― わたしたちはADHD ―』【あらすじ】進学校に通う絃(いと/西川茉莉)はまじめな子であったが、発達障害のひとつであるADHDと診断されており、ひどい物忘れで生活や学業に支障を来していた。重要なテストの日、絃は目覚まし時計をかけ忘れて寝坊してしまう。ショックのあまり絃は登校せず、いつもは行かない道をさまよって見知らぬ公園に来てしまう。そこで突然、茶髪で派手なメイクのギャル女子高生・朱里(じゅり/鈴木心緒)に声をかけられる。「何してんの?」「あ…今日は寝坊して」「あたしなんかほとんど寝坊か欠席。学校行ったけど落ち着かなくて帰ってきた。あたし発達障害あってさ。ADHDっての。知ってる?」いきなりADHDだと言う朱里に驚く絃。朱里は強引に絃を街へと遊びに誘う。古い商店街や裏山が見渡せる公園、野良猫たち。 普段は家と学校の往復しかしない絃にとって、それは新鮮な世界であった。朱里と絃は友達となり、後日も遊びに行くが、絃の母(眞鍋かをり)に見つかってしまう。絃の母は朱里の派手な身なりに不快感を持ち、朱里との交際を禁止してしまう。一方で朱里は、自分の物忘れで姉(花岡昊芽)との喧嘩が絶えず、父(福澤朗)や母(今西ひろこ)からも厳しく言われて家庭内で孤立していた。やがて朱里は絃とのメッセージのやり取りもやめ、次第に部屋に引きこもっていく。朱里と絃との距離は次第に離れ、再び元の日常に戻りつつあったが…【出演】鈴木心緒、西川茉莉、眞鍋かをり、福澤 朗、村野武範 、小池首領、今西ひろこ、花岡昊芽 ほか【スタッフ】監督:北 宗羽介脚本:神田 凜、北 宗羽介音楽:西田衣見撮影:ヤギシタヨシカツ(J.S.C.)エグゼクティブ・プロデューサー:下原寛史(トラストクリエイティブプロモーションプロデューサー:北 宗羽介、近貞 博、斎藤直人製作:八艶、トラストフィールディング 配給:アルケミーブラザース、八艶後援:日本発達障害ネットワーク(JDDnet)、NPO法人えじそんくらぶ 他文化庁「ARTS for the future!2」補助対象事業(C)2023 八艶・トラストフィールディング /80分/カラー/5.1ch
2024年04月05日ADHD(注意欠如多動症)とは?ADHDは注意欠如多動症とも呼ばれていて、「不注意」「多動性」「衝動性」といった特性によって日常生活や園での活動などに困難が生じる発達障害の一つです。不注意では「人の話を最後まで聞けない」「一つの作業に集中し続けることが難しい」、多動性では「落ち着きがなく常に動いている」「席にじっと座っていることが難しい」、衝動性では「おしゃべりが止まらない」「思いついたことをすぐ実行する」などの特性があります。特性の表れ方は人によって異なっており、不注意が表れやすいタイプ、多動性と衝動性が表れやすいタイプ、不注意と多動性、衝動性が混在しているタイプと主に3つに分けられています。ADHD(注意欠如多動症)の診断は上記のような特性が6ヶ月以上、家庭と園など複数の場所でみられ、実際に困り事が発生していることなどが条件となっています。また、特性が12歳未満で表れていることも診断の条件となっています。しかし、4歳、5歳頃の子どもにとって、集中が途切れたり、思いつきで行動したりするなどはよくあることで、この頃に診断することは難しく、小学生以降に診断を受けることが多いと言われています。ADHD(注意欠如多動症)の原因はまだ明確になっていませんが、遺伝は要因の一つだと考えられています。また、脳内の神経伝達物質の異常、低出生体重、頭部の怪我、脳の感染症なども要因としてあげられています。それらの要因が複雑に関係し、相互に影響し合うことで、ADHD(注意欠如多動症)の発症リスクが高まると言われています。ADHD(注意欠如多動症)は脳機能の偏りによるもので、治るというものではありません。そのため、ADHD(注意欠如多動症)の特性と周りの環境をうまく合わせていく環境調整を行って、園などで困り事が軽減するような対策をしていくことになります。また、服薬によって特性の表れ方を和らげる方法もあります。低年齢の子どもの場合、主なADHD薬のなかで処方できるものはありません。今後の服薬については主治医と相談して対応を決めていきましょう。参考:注意欠如・多動症(ADD,ADHD)|MSDマニュアルプロフェッショナル版4歳、5歳児頃から表れるADHDの特徴とは?多動?落ち着きがないだけ?気になるサイン4歳、5歳の子どもは、保育園や幼稚園の年中や年長にあたり、友達との会話を楽しんだり、ルールを決めた中で遊んだりとできることも増えてくる時期です。そのため、ADHD(注意欠如多動症)の子どもは園での活動や友達との関係で困り事が生じる傾向がみられるようです。ここでは特性ごとによくみられる特徴を紹介します。不注意・保育士が話していることを最後まで聞けない・遊んでいる最中にほかのことに気を取られることが多い・保育士から指示された課題を最後まで続けることができない・よく物をなくしたり、忘れたりする・集中力が必要なことを嫌がる多動・衝動性・落ち着きなくそわそわ動いたり、身をよじったりしている・席に座る場面でじっと座っていることができない・話を聞く場面で走り回ったり、おしゃべりをしたりする・保育士の話をさえぎってしゃべりだす・ほかの子どもが何かしようとするのを遮る・ほかの子どもが使っているおもちゃを横から取ってしまう・順番を待つことができずに割り込む・保育士の指示は聞いていても自分のしたいことを優先するただし、4歳、5歳頃にはこのような行動が多くみられるため、ADHD(注意欠如多動症)かどうかを判断するのは難しく、診断自体は7歳頃に受けることが多いと言われています。参考:第2章(子どもの発達)に盛り込むことが考えられる事項(たたき台案)|厚生労働省参考:注意欠如・多動症(ADHD)|MSDマニュアル家庭版参考:注意欠如・多動症(ADD,ADHD)|MSDマニュアルプロフェッショナル版もし子どもが友達との関係や課題への取り組みなどで園でトラブルを起こした際は、どのように対応するといいか紹介します。対応方法としては、環境調整、声かけの工夫、生活の安定などがあります。環境調整子どもの特性を考慮して困り事が生じないように周りの環境を調整していく方法のことです。例えば、気になるものがあると課題に集中できない子どもには、席を一番前にしたり、パーテーションをつけたりして、視界に入る情報を減らすといった方法があります。ほかにも、じっと座っていることが苦手な子どもには、動いていい時間と静かに座っている時間を明確に分けることでメリハリをつけて実行しやすくする方法もあります。また、子どもの安全を考えて急に走り出しても危険がないように、ぶつかると危ないものをあらかじめ撤去しておくことも環境調整の一つです。声かけの工夫できたことをほめて好ましい行動を増やしていく方法のことです。順番を待つことができたら「待ててえらいね」「最後までよくがんばったね」などと、具体的にできたことをほめていくことで、子どもが次からもその行動をする動機をつくっていきます。また、「ちゃんとしなさい」という漠然とした表現でなく、「背中を椅子につけて座る」といった具体的に分かりやすい表現で伝えることも大切です。生活の安定ADHD(注意欠如多動症)の子どもは生活習慣が乱れやすいため、1日のスケジュールを決めて行動するようにすると生活が安定し、そのことが心身の安定にもつながると言われています。スケジュールを決める際には子どもの意見も考慮することや、イラストなど視覚的に分かりやすい方法で伝えていくと取り組みやすくなります。また、園と家庭の情報共有も重要です。家庭で実行して、子どもが落ち着いたり集中できたりしたことを園に伝えることで、園でも同様の対応をしていくことができます。その逆に園で効果があったことを家庭に共有していくことも可能で、情報共有することで子どもに対する効果的な対応を増やしていくことができます。そのほかの対応として、ペアレント・トレーニングの一つである「親子相互交流療法(PCIT)」などもあります。PCITは1970年代にアメリカで考案されたプログラムで、子どもと保護者の絆を強め、より良い行動につなげていくというものです。一部の医療機関などで実施しているので、気になる方はご確認ください。参考:PCITJAPANADHD(注意欠如多動症)の子どもの行動に焦点をあて、その特徴を理解し、それに対して効果的な対処法を親が学ぶペアレントトレーニングは、ADHD(注意欠如多動症)の治療法として認識されています。肯定的な注目などのスキルを親が手にし、親の行動のあり方を変えることにより、ADHD(注意欠如多動症)を持つ子どもとの関係性が改善し、良い親子関係へと転換していきます。服薬ADHD(注意欠如多動症)は服薬によって特性を和らげる方法もあります。よく使用される薬としてはコンサータやストラテラ、インチュニブ、ビバンセなどがありますが、これらは6歳以上に処方される薬のため、4歳、5歳の子どもには用いられません。詳しいことは主治医とご相談ください。4歳、5歳児に表れることの多いADHDの特性をチェックUpload By 発達障害のキホン※発達や成長に加え症状や特性には、この時期大きな個人差があります。当てはまる反応や行動の数が多いからといって、すぐにADHD(注意欠如多動症)と診断されるわけではありません。子どもの発達が気になったらどこに相談すればいい?子どもにADHD(注意欠如多動症)の傾向がみられたり、園でトラブルがあったりして悩んでいる場合は、専門の機関に相談する方法もあります。相談することで心が楽になったり、対応方法が分かったり、状況を踏まえてほかの支援機関を紹介してもらえたりとさまざまな利点があります。子どもに関して相談できる場所として以下のような機関があげられます。保健所・市区町村保健センター保健所や保健センターは地域の保健衛生に関する専門機関です。子どもの障害についても相談することが可能で、保健師などの専門家による相談対応や医療機関、支援機関の紹介などを行っています。かかりつけの小児科小児科医は診察などをするだけでなく、子どもの発達に関して相談することもできます。これまでの子どもの様子も知っているため、状況に応じてほかの医療機関の紹介などをしてもらえます。児童発達支援センター障害のある子どもへ、日常生活や集団生活に必要なスキルなどを習得するための支援を行っている専門機関です。児童発達支援センターでは支援のほかにも子どもの発達に関する相談も受けつけています。発達障害者支援センターADHD(注意欠如多動症)などの発達障害のある方本人や家族を対象に、幅広い支援を行っている専門機関です。状況に合わせたアドバイスをもらえるほか、医療機関や支援機関の紹介も行っています。また、診断を受けていなくても相談可能です。就学相談今後就学に不安がある方は、「就学相談」を受けることもできます。就学相談とは障害や発達が気になる子どもにどのような進学先が合っているかを、専門家と保護者で相談しながら決めていくことです。就学相談を受けるにはお住まいの地区の教育委員会に申し込む必要があります。気になる方は一度問い合わせてみるといいでしょう。参考:困ったときの相談先|厚生労働省まとめADHD(注意欠如多動症)は不注意、多動性、衝動性という特性のある発達障害のことで、4歳、5歳頃だと「席に座っていられない」「落ち着きがなく常に動いている」「ほかの子のおもちゃを取ってしまう」などが困り事としてよくみられます。ただ、上記のような行動はこの年頃の子どもにはよくみられるので、判断がつかずに悩んでいる保護者の方もいると思います。気になる様子があったら、園と連携して環境を調整していくことや、子どもとの関わりを工夫していくことが大事です。また抱え込んでしまうのではなく、身近な専門機関に相談することも検討してみてください。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年02月24日ADHD(注意欠如多動症)とは?ADHD(注意欠如多動症)とは「不注意」「多動性」「衝動性」という特性がある発達障害の一つです。それぞれの特性を簡単に説明します。・不注意:一つのことに集中し続けることが困難・多動性:じっとしていることができずに常に動いている・衝動性:思いついたことを考えずに実行するADHD(注意欠如多動症)の子どもはこれらの特性と周囲の環境が合わないことで、さまざまな困りごとが生じると言われています。また、子どもによって不注意が強く表れるタイプ、多動性と衝動性が強く表れるタイプ、どちらも混在しているタイプと3つのタイプに分類されています。ADHD(注意欠如多動症)の原因については、さまざまな研究が進められていますが、まだはっきりとは解明されていません。脳内の神経伝達物質であるドーパミンなどの機能異常が関係していると考えられており、遺伝的要因や環境要因などが相互に影響し合い、ADHD(注意欠如多動症)の症状として表れているのではないかと言われています。診断は専門の医師によって行われ、年齢に比較して不注意などの特性が強く表れていることや、複数の環境で困りごとが生じていることなどが基準となっています。また、ADHD(注意欠如多動症)は特性によるものであり、治すという概念ではなく、環境調整や薬物療法などで困りごとが表れないようにしていくという形で治療が行われます。参考:注意欠如・多動症(ADHD)|MSDマニュアル家庭版参考:注意欠如・多動症(ADD,ADHD)|MSDマニュアルプロフェッショナル版参考:ADHD(注意欠如・多動症)の診断と治療|e-ヘルスネットADHD(注意欠如多動症)の特徴は2歳児頃から表れる?違和感や発達の遅れ、気になるサインADHD(注意欠如多動症)の特徴は4歳、5歳頃から表れることが多く、7歳頃から診断されることが多いと言われています。しかし、2歳頃から特徴が表れることもありますので、この後紹介していきます。2歳頃になると子どもはボールを投げたり、ジャングルジムに登れるようになったり、簡単な問いかけには言葉で答えるようになるなど、できることが増えていきます。それにともないイヤイヤ期と呼ばれる自己主張が激しくなる時期にも差し掛かります。この時期に表れるADHD(注意欠如多動症)の特徴は以下のようなものがあります。2歳頃に表れる不注意の特徴例・指示に従わずに物事をやり遂げられないことが多い・ほかに気になるものがあるとすぐ気がそれてしまう・物をなくしたり忘れることが多い・話しかけられても聞いていないように見える・使ったおもちゃを片づけることが苦手2歳頃に表れる多動性・衝動性の特徴例・ずっと話しかけてくる・友達のおもちゃを一方的に取り上げることがある・エンジンで動かされているように活発に動く・手足を動かしたり身をよじる動作が多い・周囲を確かめずにいきなり走り出すことがあるADHD(注意欠如多動症)があると以上のような特徴がみられることがあります。ただ、これらの特徴は、この時期の定型発達の子どもにもよくみられるため、気になる様子がある場合も自己判断せずに専門家に相談するようにしましょう。参考: 0歳児から2歳児の発達過程|東京都教育委員会参考:注意欠如・多動症(ADHD)|MSDマニュアル家庭版ADHD(注意欠如多動症)の子どもはわざと周囲が困ることをしているのではありません。じっとしていることができないときに、「じっとしていなさい」「なんで動くの?」と叱っても、子どももどうしていいか分からなくなってしまいます。そして、叱られることが多くなることで自己否定の気持ちが強くなってしまい、自尊心が下がってしまう恐れもあります。そのため、特性を理解したうえで適切に対応していく必要があります。子どものADHD(注意欠如多動症)の対応としては、環境調整、行動への介入、薬物療法といった方法があります。まず、環境調整とは、特性に応じて困りごとが起きないように環境を整える方法です。例えば一つの遊びに集中できない子どもの場合は、部屋のカーテンを閉めたりほかのおもちゃを隠したりと、視界に入る刺激を少なくします。また、外で急に走り出す子どもには、道路の近くで遊ばない、広い公園で遊ぶようにするなど危険が少ない状況をつくるというのも環境調整の一例です。次に、行動への介入とは、望ましい行動は積極的に褒め、望ましい行動を促していく方法です。例えば、話を最後まで聞けたときは「しっかり聞けたね」などどういった行動が良かったかを具体的に褒めていきます。ただし、2歳児だとまだ物事の良し悪しを理解することが難しい可能性もあるため、行動の介入よりは環境調整により危険を少なくしていく方法を取ったほうがいい場合もあります。最後に薬物療法ですが、服薬により不注意などの特性を緩和していくことができると言われています。ADHD(注意欠如多動症)の治療薬としてコンサータやストラテラなどが処方されることがありますが、基本的には6歳以上の子どもに用いられ、2歳児には処方されません。詳しいことは主治医に相談してみましょう。参考:ADHD(注意欠如・多動症)の診断と治療|e-ヘルスネット2歳児に表れることの多いADHDの特徴をチェックUpload By 発達障害のキホン※発達や成長に加え症状や特性には、この時期大きな個人差があります。当てはまる反応や行動の数が多いからといって、すぐにADHD(注意欠如多動症)と診断されるわけではありません。子どもの発達が気になったらどこに相談すればいい?2歳児は、定型発達の子どもの場合も落ち着きがないことはよくあります。特徴にあてはまる行動があっても心配しすぎることはないでしょう。しかし、気になる様子があって心配な場合は専門家に相談することも検討してみましょう。保育園に通っている場合は、まずは担当の保育士に相談してみるといいでしょう。子どもの普段の様子も考慮して、アドバイスやほかの相談先について教えてもらえるかもしれません。そのほかにも、子どもの発達が気になる際の相談先には以下のような場所があります。・保健センター・児童相談所・児童家庭支援センター・地域子育て支援センターまとめ2歳児におけるADHD(注意欠如多動症)の特徴やサインについて紹介してきました。2歳児は成長によって行動範囲が広がってくることや、イヤイヤ期と呼ばれる自己主張が激しくなる時期であることもあり、ADHD(注意欠如多動症)の特徴と似た行動がみられるようになります。そのため、気になる様子があっても判断することが難しく、悩んでいる方もいらっしゃると思います。そういったときは一人で抱え込まずに相談することが大切です。相談先は、身近な保育者への相談や専門機関の窓口などがあります。また、電話での相談ができる機関もありますので、まずは相談しやすい場所から問い合わせてみるといいでしょう。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年02月17日相変わらず課題の提出を忘れがちなコウですUpload By 丸山さとこ息子のコウは中学2年生です。ADHDがあるコウは、学校の課題提出を忘れがちです。高校進学のための内申点を上げたければ提出物は避けて通れず、親子ともども頭を悩ませています。先日の個人面談でも「課題の提出状況に波がある」と先生から指摘されていました。コウ自身も「成績をあげたい。そのためには提出物だよね」と言っており意欲はあるようですが、はたから見ていると『どうも具体性に欠けているな』と感じるところがあります。個人面談からの帰り道でコウに「3学期は提出物忘れずに出せそう?」と聞くと、彼はニコニコしながら「頑張ります!」と言いました。やはり気持ちばかりで具体性がありません。思わず「あ~、これは出ませんな~」と笑ってしまうと、コウは「なんで?」と不思議そうだったので例え話をしてみました。Upload By 丸山さとこ「仮に、お母さんがお弁当をよくつくり忘れているとしてね。コウが『お弁当つくれる?』って言ったら、お母さんが『頑張ります!』って言うの。どうかな?」そう聞くと、コウは「え~、不安しかない!」と目を丸くしました。そんな彼に「だよね。お母さんもさっきそんな気持ちになったよ」と共感しつつ、さらに想像してもらいました。Upload By 丸山さとこ「じゃあさ、『〇日〇曜日ね。何時に家出るの?』『寝坊したときに備えて、冷凍のおかずたくさん買っておくね』って言うのはどう?」そう聞いてみると、コウは「これなら大丈夫そう!」と満足そうに頷き「やっぱり『頑張ります』だけじゃダメかも」と納得してくれました。『対策をとる』ということを改めて考えてみましたそうして改めて提出物対策を話し合うと、コウは「必ずやらなきゃいけないことは具体的な対策を複数とったほうがいいね」と言いました。『メモとペンをポケットに入れる』『帰ったらその日のメモをちぎってホワイトボードに貼る』など、基本的な対策を改めて試してみるとした上で、「僕は今まで『頑張る!』だけだったから上手くいかなかったのかも」と過去の自分を振り返っていました。Upload By 丸山さとこ「対策は100点にできる」Upload By 丸山さとこ「『具体的に何をどう頑張るか』を決めると、上手くいってもいかなくてもそこから次を考えることができるんだよね」としみじみ言うコウ。私が「PDSAサイクルのP(Plan・計画)を立てようってことなのだろうね」と返すと、「テスト対策も同じだね」と頷きました。そして「絶対に忘れ物をしないとか、絶対に100点を取るとかは難しいけど、対策は100点にできるってことだよね!」と名言めいたことを言い、「……これは既に有名塾講師の先生が言ってるような気がする!」と予想していました(笑)。具体的な対策をとる習慣が身につくにはまだまだ時間がかかりそうですが、「対策の100点を目指そう!」をテーマに頑張っているコウを応援していきたいと思いました。執筆/丸山さとこ(監修:鈴木先生より)お子さんがADHDと診断されているのであれば、ある程度の不注意は投薬でコントロールが可能です。現在は薬物治療ができる時代に入っていますので、選択肢の一つとして検討してみても良いかもしれませんね。忘れ物や不注意などADHDの傾向があるお子さんは、小児神経の専門医に相談してみるのが改善への近道です。できるまでに時間がかかることで自尊心が低下していくこともありますので、お子さんの自尊心を守るためにも、早めにまずはかかりつけ医への相談をお勧めします。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年01月22日株式会社PHP研究所(京都市南区・代表取締役社長 瀬津要)は、2024年1月17日に『子育てを変えれば脳が変わる――こうすれば脳は健康に発達する』(成田 奈緒子著/税込1,100円)を発売します。小児科医・医学博士・公認心理師の著者は、親子支援事業「子育て科学アクシス」を主宰しています。そこでの気がかりは、子どもの成長や発達の不安を訴える利用者の多くが早すぎる教育や多すぎる習い事など「脳が育つ順番に沿わない子育て」をしていることです。本書は、子どもの脳科学研究と臨床経験が導き出した、科学的に正しい「子どもの脳育て」のテキストです。「早寝早起きさえ習慣づけられれば、あとは楽」というシンプルなセオリーに基づいて、心が折れない子、学びが好きな子になる育て方を解説します。■脳育ての3段階を守れば、子どもはのびやかに成長する子どもの脳は、赤ちゃん期~幼児期(5歳ころ)の「からだの脳」、学童期(6~8歳)以降の「おりこうさんの脳」、10歳以降の「こころの脳」と、3つの段階を踏んで発達します。しかし、第一段階の「からだの脳」を育てる期間に詰め込み型・暗記型の教育がなされると、「致命的な脳の成長の遅れが出ることがある」と成田氏は述べます。子育てでは、第一に生命の維持に欠かせない機能を司る「からだの脳」をしっかり育て、その次に、計算や読解、意志伝達など司る「おりこうさんの脳」を、そして最後に他者を思いやる「こころの脳」を、という順に沿って育てることが、健康な脳の発達のためには大事だというのです。■「からだの脳」に生活リズムを沁み込ませる方法を紹介「からだの脳を育てるには、早起きをする、規則正しく食べる、早く寝るを、ひたすら毎日繰り返し、リズムを身体に沁み込ませることが大事」だとして、著者は「5歳までは夜8時に寝る生活を徹底する」「朝6時台を目標に起床時間を早めていく」「同じ時間に3度のごはんを食べるようにする」と、その方法を具体的に紹介します。またそのとき親にとって重要なのは、「家事は翌日の朝に回してでも早く寝るなどして、親も生活リズムを整えること」、そして「早くから子どもに勉強の類を身に付けさせたいという思いをぐっと我慢すること」だと著者は述べます。自身、ワンオペ育児で子どもを育てあげた著者の「この時期さえ乗り切れば、もう根性は要りません。子育ては、後になるほどラクで、楽しくなる」の言葉は、子を持つすべての親への応援メッセージとなっています。【本書でとりあげる脳育てのポイント】●5歳までは、11時間以上の睡眠が必要●早いうちからの習い事は必要ない●学童保育より「鍵っ子」がベター●「家族のルール」を決めて、必ず守らせる●「褒める」より「認める」■『子育てを変えれば脳が変わる』について【著者】成田 奈緒子(なりた・なおこ)小児科医・医学博士・公認心理師。子育て支援事業「子育て科学アクシス」代表。文教大学教育学部教授。1987年に神戸大学医学部を卒業後、米国ワシントン大学医学部や筑波大学基礎医学系で分子生物学・発生学・解剖学・脳科学の研究を行う。臨床医、研究者としての活動も続けながら、医療、心理、教育、福祉を融合した新しい子育て理論を展開している。著書に『「発達障害」と間違われる子どもたち』(青春新書インテリジェンス)、『高学歴親という病』(講談社+α新書)などがある。■書誌情報タイトル:子育てを変えれば脳が変わるサブタイトル:こうすれば脳は健康に発達する著者:成田 奈緒子定価:1,100円(税込)判型製本:新書判並製発売日:2024年1月17日ISBN:978-4-569-85617-9発売元:株式会社PHP研究所子育てを変えれば脳が変わる | 成田 奈緒子著 | 書籍 | PHP研究所 : 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2024年01月10日「苦手なことが少し多いだけでみんなと変わらない」不注意と多動・衝動性を主な特徴とする、発達障害の概念の一つとされている『ADHD』。(厚生労働省e-ヘルスネットより引用)日常生活の小さなトラブルが、実はADHDのサインかもしれないと気づく瞬間。私たちはそんな繊細な日々の変化にどう向き合えば良いのでしょうか?ADHDのパートナーと結婚して7年目になるKさん(仮名)は、パートナーがADHDということに偏見の目を向けられたことから、実際には苦手なことが多いだけでみんなと変わらないことを知ってもらいたいと考えています。そこで今回のMOREDOORでは、Kさんの体験談を通じてパートナーがADHDであることに気づいたきっかけ、日々の生活での悩み、そしてそれらにどう対処しているのかと、夫婦関係の専門家カップルセラピストからの意見をご紹介します。※当事者の声はさまざまです。あくまで一例として、考えるキッカケになれば幸いです。ーーパートナーがADHDかも?と気づいたきっかけは?Kさん:大事な友人の結婚式の予定を忘れていたり、チェックイン時間に間に合わず連続して飛行機に乗り遅れたりなど、忘れ物やダブルブッキングが異常に多かったのを覚えています。また、Youtubeを見ているときに声を掛けても全く気付かなかったり、預金の引き出しをしてそのままATMに現金を置いてきてしまうこともありました。ADHDの症状の一つである「不注意さ」が垣間見えたことから、パートナーがADHDだと気づいたというKさん。ATMのお金は銀行に問い合わせて無事戻ってきたようですが、不安や心配は続いたようです。ーー日常生活を送る上で、悩んでいることは?Kさん:予定の管理ができないことです。また、全てを後回しにして期間内ギリギリに泣きついてきたり、忘れ物が多すぎることも悩みです。ーーそうしたお悩みについて、解決に向けてどんな工夫をしましたか?Kさん:予定の管理は、仕事も私用もスケジュール管理アプリにすべて入れ、一日の終わりに一緒に確認するようにしていました。後回し問題に関しては、〇〇までに〇〇しないと△△禁止(例:明後日までに〇〇さんに電話で確認しないと一週間ゲーム禁止)と約束して一緒に確認しています。忘れ物は、家を出る前に確認することができるよう、玄関ドアにホワイトボードで必要なものを書いて対策をしています。この取り組みをしてKさんは「最初は嫌がってもルーティン化してしまえば、本人だけでも気を付けられる項目が増えている」ということに気づいたそうです。ーーパートナーとは、どんな関係性を築いていきたいですか?Kさん:一般的な夫婦のように持ちつ持たれつ仲良くしていきたいです。ーー今後、社会に対して「もっとこうなったら良いのにな」と思うことは?Kさん:パートナーがADHDだと言うと「あー……」と腫れ物のように扱われることがあります。誰にでもその可能性があって、もしかしたら自分もそうかもしれないし、「苦手なことが少し多いだけでみんなと変わらない」ということを学校や家庭でも教えてほしいと思っています。またさまざまな人にADHDのテストを受けてほしいです。カップルセラピストは2人の関係をどう見る?パートナー間の関係改善を目的としたカウンセリングを行う、“カップルセラピスト”はお二人の関係をどう見るのでしょうか?日本人カップルをはじめ、英語を母国語とする異文化・国際カップルの課題解決もサポートするカップルセラピストの吉田さんに話を聞きました。ーーKさんのお話をどう感じましたか?カップルセラピスト吉田さん:「ルーティン化してしまえば本人だけでも気を付けられる項目が増えている」ということですが、人はどうしても出来ていないことに目が向きがちなものです。「出来るようになっていることに目を向けられている」ってなかなか出来ることではないと思います。きっと、ここまで来るのに幾度となくぶつかり合ってこられたことでしょう。工夫をすることによって自分で出来るようになることは、一つの大きなゴールだと思います。いつもサポートするとなると、知らず知らずのうちに対等な関係性が築きづらくなることもしばしば。「なんで私がここまでしなきゃいけないの!」という思いで辛くなってしまうこともあります。失敗の多いADHDのパートナーにとって「あなたのおかげで助かってるよ」の言葉が心が楽になる魔法の言葉だったりするかもしれません。パートナーへの感謝をお互い伝えることが、「持ちつ持たれつ」の関係の秘訣ですよね。どこに目を向けるか持ちつ持たれつの関係のベースにあるのは、お互いの感謝を伝え合うことと。Kさんは大切な人の「苦手なことが少し多い」側面を認め、自分たちに合った新しい生活のアプローチを見つけていましたね。出来ていることに目を向ける、それがより良い関係を築くための一歩を踏み出すキッカケになるのかもしれません。みなさんは、この記事を読んでどのように感じましたか?コメント・監修者:吉田 亜里咲 (よしだ ありさ)臨床心理士・公認心理師、COBEYAセラピスト。2016年鳴門教育大学大学院修了。スクールカウンセラー、心療内科、就労支援を経て、2021年よりカナダで依存症ケアを学ぶ傍ら、発達障害児の訪問支援に従事。2023年に帰国後COBEYAにカップルセラピストとして参画。日本人カップルをはじめ、英語を母国語とする異文化・国際カップルの課題解決をサポート。(MOREDOOR編集部)
2024年01月09日『ADHDだからということに捉われず、その人自身として受け入れて尊重する。』現代社会では、24万人もの人が20歳以降に発達障害と診断されています。(大人の発達障害ナビより引用)今回MOREDOORでは、ADHDの夫をもつ女性Cさん(仮名)に話を聞きました。彼女は、普通を押し付けすぎず、一人ひとりの特性が理解される“すべての人が生きやすい社会”を望んでいるようです。結婚して3年のCさんへのインタビューと、カップルセラピストのアドバイスから、パートナー間のコミュニケーションのあり方を考えていきます。※当事者の声はさまざまです。あくまで一例として、考えるキッカケになれば幸いです。ーーパートナーがADHDかも?と気づいたきっかけは?Cさん:一緒に生活をしてから忘れ物の多さや、携帯やお財布など置いてきてしまった……ということの多さに何かおかしいなと思いました。特に旅行の準備などが苦手なようで手配なども全て私が行っています。調べてみるとADHDの特徴に当てはまることばかりで本人に聞きました。ーー日常生活を送る上で、悩んでいることは?Cさん:パートナーは気になることがあると話が聞こえなくなり、上の空になります。カフェで普通に話していても隣の席の人の会話に気を取られたりして会話にならないので、出かけてもあまり楽しくないなと思ってしまうことがあります。また、それゆえの忘れ物の多さや計画性のなさなどにも悩んでいます。ーーそのお悩みについて、解決に向けてどんな工夫をしていますか?Cさん:お店を出る時など私が必ず忘れ物チェックをしています。また旅行の準備は私が準備する時と同じタイミングで行うようにしています。ーーパートナーとは、どんな関係性を築いていきたいですか?Cさん:ADHDということに捉われず、その人自身だからと受け入れて、お互いが快適に過ごせるよう尊重し合いたいです。ーー今後、社会に対して「もっとこうなったら良いのにな」と思うことは?Cさん:仕事面でも、仕事が出来ない人だと思われ怒られることも多いようです。普通を押し付けすぎずに一人ひとりの特性が理解されたら良いなと思います。お互いに支え合って……「小さなことの積み重ねから、違和感に気が付いた」というCさん。パートナーの症状が気になり、検索をかけたことでADHDと判明したのだそう。その後、‟パートナーの苦手な部分は自分が補う”という意識をもって行動しているようです。カップルセラピストは2人の関係をこう見るパートナー間の関係改善を目的としたカウンセリングを行う、“カップルセラピスト”はお二人の関係をどう見るのでしょうか?日本人カップルをはじめ、英語を母国語とする異文化・国際カップルの課題解決もサポートするカップルセラピストの吉田さんに話を聞きました。ーーCさんのお話をどう感じましたか?カップルセラピスト吉田さん:プライベートでも、仕事面でも、苦手なことや失敗が多いと自信が持ちにくいことがあるかもしれません。その中でパートナーがADHDに捉われずに苦手な部分をサポートしてくれることで、きっと今まで失敗の陰に隠れて見えづらかった「素敵な魅力や得意なこと」に目を向けやすくなっているのではないでしょうか。どうしても失敗の回数が増えてくると相手を責めたくなってしまうのは自然なことです。でも責められると余計に委縮して失敗が増えてしまったりの悪循環も……。「お互いの苦手を補い、得意でサポートする」そんな良い循環が作れると心地いいですよね。良い循環を生み出す関係性ADHDのパートナーをもつと大変な面ばかりがクローズアップされがちですが、実際の当事者から寄せられたのは「ADHDだからということに捉われない」「その人自身だからと受け入れて、尊重し合いたい」といった前向きな言葉でした。ADHDといってもひとくくりにはできず、個人と個人として向き合う中で見えてくる解決策があり、それがお互いの魅力を引き出す良い関係性につながるのかもしれません。みなさんは、この記事を読んでどのように感じましたか?コメント・監修者:吉田 亜里咲 (よしだ ありさ)臨床心理士・公認心理師、COBEYAセラピスト。2016年鳴門教育大学大学院修了。スクールカウンセラー、心療内科、就労支援を経て、2021年よりカナダで依存症ケアを学ぶ傍ら、発達障害児の訪問支援に従事。2023年に帰国後COBEYAにカップルセラピストとして参画。日本人カップルをはじめ、英語を母国語とする異文化・国際カップルの課題解決をサポート。(MOREDOOR編集部)
2024年01月08日Q:ADHDとASDの違いが知りたいです。同じような特性でも診断名が違うことなどあるのでしょうかA:ASD(自閉スペクトラム症)のある子どもたちに対してADHD(注意欠如・多動症)の併存率が高いといわれています。併存としての特性があるかもしれないと考えて配慮することが必要です。Upload By 発達障害のキホンASD(自閉スペクトラム症)は、「対人関係や社会的コミュニケーションの困難」と「特定のものや行動における反復性やこだわり、感覚の過敏さまたは鈍麻さ」などの特性が幼少期から見られ、日常生活に困難を生じる発達障害の一つです。知的障害(知的発達症)を伴うこともあります。幼少期に気づかれることが多いといわれていますが、症状の表れ方には個人差があるため就学期以降や成人期になってから社会生活において困難さを感じ、診断を受ける場合もあります。ADHD(注意欠如・多動症)は、不注意、多動性、衝動性などの特性があり、日常生活に困難を生じる発達障害の一つです。特性の表れ方によって多動・衝動性の傾向が強いタイプ、不注意の傾向が強いタイプ、多動・衝動性と不注意が混在しているタイプなど主に3つに分けられ、これらの症状が12歳になる前に出現します。特性の多くは幼い子どもに見られる特徴と重なり、それらと区別することが難しいため、幼児期にADHD(注意欠如・多動症)であると診断することは難しく、就学期以降に診断されることが多いといわれています。また、個人差はありますが、年齢と共に多動性が弱まるなど、特性の表れ方が成長に伴って変化することもあります。ASD(自閉スペクトラム症)のある子どもたちに対してADHD(注意欠如・多動症)やDCD(発達性協調運動症)や知的障害(知的発達症)が併存することが多いといわれています。特にADHD(注意欠如・多動症)の併存率が高いとされています。DSM-ⅣまではASD(自閉スペクトラム症)とADHD(注意欠如・多動症)の診断があると、ASD(自閉スペクトラム症)の診断を優先するとされていましたが、DSM-5以降からASD(自閉スペクトラム症)とADHD(注意欠如・多動症)のどちらもあるという診断が可能になっています。最近ではASD(自閉スペクトラム症)とADHD(注意欠如・多動症)の重複が多いとされているので、併存としての特性があるかもしれないと考えて配慮することは必要だと思います。参照:Prevalence and cumulative incidence of autism spectrum disorders and the patterns of co-occurring neurodevelopmental disorders in a total population sample of 5-year-old children|Manabu Saito, Tomoya Hirota, Yui Sakamoto, Masaki Adachi, Michio Takahashi, Ayako Osato-Kaneda, Young Shin Kim, Bennett Leventhal, Amy Shui, Sumi Kato & Kazuhiko Nakamura(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2023年12月29日短時間で取り組める脳トレクイズ。難しい問題が解けた時の爽快感に「やみつきになる!」と感じている人も多いのではないでしょうか。紙やペンがなくても楽しめる脳トレとして人気が高まっているのが、マッチ棒クイズです。あらかじめマッチ棒で作られている形から、マッチ棒を取り除いたり移動させたりして、別の形へと組み替えましょう。紹介するのは、誤った数式を正しい形へと変換するマッチ棒クイズです。「6-6=6」からマッチ棒を1本だけ動かして、正しい形に直してみてください。※この記事で紹介する正解はあくまで一例です。気になる正解は…「6-6=6」を正しい式にするために、注目したいのは答えの「6」です。ヒントは「6」を「0」にするということ。さぁ、答えにたどり着けたでしょうか。移動させるべき1本は、答えの「6」の中央にある横棒です。右上の空いている縦部分へと移動させましょう。たったこれだけで、「6」を「0」にできました。「6-6=0」で、正しい数式の完成です。「6」ばかりが並ぶ数式に、何をどう移動させれば正しい形にできるのか、戸惑った人も多いのではないでしょうか。答えの数字を変えるだけと、比較的シンプルなタイプのマッチ棒クイズですが、意外と発見できないもの。「解けた!」とすっきりできた人も、「解けなかった…」とモヤモヤした人も、ぜひ別の問題にも挑戦してみてください。いつでもどこでも楽しめるマッチ棒クイズで、脳の若返りを目指してみませんか。[文・構成/grape編集部]
2023年09月16日実は自己肯定感と密接な関係にあるのが人間の脳。じゃあ自己肯定感が低いと脳に影響が…?脳内科医の加藤俊徳先生が、自己肯定感と関わる8つの脳番地の特徴をお教えします!脳による正しい自己評価で自己肯定感をアップ!“自己肯定感”と聞くと、実体がなくぼんやりとした概念という印象があるかもしれない。でも実は、脳から見ると非常に明確なのだそう。脳のMRI画像を見ると、自己肯定感が高い人は全体的に脳が活性化しているのがひと目でわかるそうだ。「脳は、自分ができることよりもできないことに気づきやすく、後者にばかり意識が向くと本来の自分と脳の評価との間に認知の歪みが生じ、自己肯定感が低下。さらに自己肯定感の低い人の脳は働きが鈍くなります」こう語るのは脳内科医の加藤俊徳先生。では、認知の歪みをできるだけ小さくし、正しい自己評価のもと、自己肯定できるようになるにはどうしたら?「脳には役割に応じた8つの“脳番地”があり、脳の見地から自己肯定感を高めるにはバランスよく鍛えるのが大事」さらに、自律性自己肯定感と他律性自己肯定感のうち、自律性を強化することで正しい自己認知ができる。“正しくバランスよく”脳番地を鍛えよう!脳番地マップで各機能をチェック!脳にある1000億個以上の神経細胞。働きごとにエリアを区切り、マップにしたのが下の図。司る機能により脳番地と名付けているが、各脳番地とそれぞれの働きをざっくりと紹介!【運動系】脳番地全身の動きに関わり、運動と脳を連動させる。【視覚系】脳番地目で見た文字、画像、映像などを脳に集積させる。【聴覚系】脳番地耳から入ってきた言葉や音を脳へ集積させる。【理解系】脳番地インプットされた情報をまとめて理解する。【感情系】脳番地喜怒哀楽などの感情を表現するのに関与。【思考系】脳番地他の脳番地と関係が深い脳の司令塔。【伝達系】脳番地コミュニケーションの要として働く。【記憶系】脳番地情報を覚えておき、思い出して活用。あなたの「自己肯定感」度は何点?自己肯定感判定テスト。「自己肯定感が高い」と思っていても、脳の視点から見ると、自己肯定感を左右するのは、脳をバランスよく使えているかどうか。正しい自己評価のために、加藤先生考案のテストでチェック!【HOW TO】行動や思考を自己分析して、「よく当てはまる」は5点、「どちらかといえば当てはまる」は4点、「どちらともいえない」は3点、「どちらかといえば当てはまらない」は2点、「まったく当てはまらない」は1点として、各項目を採点。脳番地ごとの得点も把握した上で、総計を出してみよう。※『脳の名医が教える すごい自己肯定感』(加藤俊徳・著/クロスメディア・パブリッシング)より引用【思考系】脳番地・「やりたいこと」や「夢」がある。・人にどう見られているか、理解している。【伝達系】脳番地・コミュニケーションに自信がある。・言ってはいけないことは言わない。【運動系】脳番地・手先が器用。・体を動かすのが好き。【視覚系】脳番地・初めての場面でもいつも通り行動できる。・他人の目はあまり気にならない。【聴覚系】脳番地・聞き漏らし、うっかり忘れがない。・人の話を最後まで集中して聞ける。【理解系】脳番地・新しい知識を取り入れることに興味がある。・その場に合った適切な態度や行動が取れる。【記憶系】脳番地・予定を決めたり、見通しを立てたりするのが好き。・嫌なことはすぐに忘れることができる。【感情系】脳番地・人と一緒に仕事したり、行動したりするのが好き。・他人の成果を素直に祝福できる。65点以上…自己肯定人間各脳番地が全体的によく働いており、とてもいい状態。自己評価が適正である上、自分に足りないものをフラットに見つめることができている。さらなる高みを目指すための自己啓発力も持ち合わせている。50~64点…準自己肯定人間各脳番地の働きで必要なラインはクリアしている。しかし、そうした状態だと脳はできることよりもできないことに意識が向きやすく、実際よりも自己評価が低まることもあるので、強化する必要アリ!35~49点…自己否定傾向人間各脳番地の働きが弱くなっている要注意ライン。よく、自分はダメだという自己否定によって生じた不満を周りにぶつけていないだろうか。しかし、認知の歪みを取り除けば、自己肯定人間になれる!34点以下…自己否定人間社会からの抑圧を強く感じ、自分を過小評価しがち。人から褒められてもそのまま受け止めることができず、視野狭小の状態から脱しにくい。そうした人は、まずは運動系や視覚系、聴覚系から鍛えるのが。加藤俊徳先生脳内科医、医学博士、株式会社脳の学校代表、加藤プラチナクリニック院長。昭和大学客員教授。脳の成長段階、強み/弱みの脳番地を診断し、脳番地トレーニング処方を行う。著書に『すごい脳の使い方』(サンマーク出版)、『脳の名医が教える すごい自己肯定感』(クロスメディア・パブリッシング)など多数。※『anan』2023年7月19日号より。イラスト・Okuta取材、文・小泉咲子(by anan編集部)
2023年07月12日ADHD当事者…小学校時代の「衝動性」を思いだし私は大人になってからADHDと診断され、現在は就労移行支援を受けて、企業で働いています。私が子どものころはまだ「発達障害」という言葉もメジャーではなく、原因は分からないけれどクラスメイトと自分に違いや壁を感じることも多かったです。今回はそんなADHDのある私の小学校時代の友達トラブルを振り返りたいと思います。当時の私はADHDの「衝動性」が特に強く、よく怪我をしているような子どもでした。とにかくじっとしているのが苦手で、いつもそわそわと体を動かしており、その方が落ち着いて過ごせていました。この衝動性はもちろん学校でも出ており…小学校時代は通常学級に在籍をしていましたが席に座っていられずに授業中に立ち歩き、教室をうろうろとしていることが多かったです。また、一度自分が「こうしたい!」と思うとその気持ちを抑えられませんでした。授業中に「トランポリンしたい!」と思うと、授業中だとしても構わずに教室を出ていき、トランポリンのある特別支援学級に行ってトランポリンで跳ね、通常学級、特別支援学級両方の先生を驚かせていたりしました。Upload By ユーザー体験談「面白いから」衝動性からクラスメイトに危険なことを…そんな小4のある日のことです。授業中にまた私はそわそわ…先生の話を聞かずに別のことを考えていました。そして思いついたことは「前の席の女の子の椅子をガタガタと揺らしたら面白いのでは?」……今考振り返ると、自分の行動に驚きますが、当時の私は一度自分が「面白いかも!」と思ったことを即実行してしまう衝動性がありました。Upload By ユーザー体験談思いついたら止められなかった私。前の座席の女の子の椅子を思いっきり揺らしました。前後に揺らすと前の席の女の子は大きく揺れ、後ろの席の私の机に頭をぶつけそうな勢いです。面白くなってもっと揺らすと、その女の子は衝撃で椅子から落ちてしまいました!もちろんクラスは大騒ぎ。私は先生にすごく怒られましたが当時の私は「面白いのになんで怒られたんだろう?」と怒られている理由が分かりませんでした。Upload By ユーザー体験談女の子は保健室に行きましたが、大事には至らず…本当によかったです。当時通っていた小学校はかなりのマンモス校。クラスの人数も多く、また、私の親が毎年PTA役員をつとめ、かなり学校内で存在感があったこともあり、先生からも言いづらかったのでしょうか。今では考えられないことかもしれませんが、このことが私の親に伝わることはありませんでした。今思うと、親にこうした私の問題行動がが伝わらなったことで、ADHDに気づくことも遅れたのではないかと思います。成人後、ADHDの特性から仕事が続かない日々…TVで「合理的配慮」を知りその後、ADHDと診断されぬまま、中学、高校と進学をし、就職をしました。就職先でも相変わらずそわそわとしてしまったり、また感覚過敏も強かったので、なかなか職場の環境に馴染めず、仕事はできても環境が合わなくて体調を崩し、1つの職場に長くいることができませんでした。仕事を始めてからは、学生時代以上にうまくいかないことが続く毎日。「生きづらさ」を感じる場面が日に日に増えていくようでした。そんな中、「何かあるのかもしれない」と感じた私は、ようやく病院を受診し、ADHDの診断を受けました。「ADHDがあって、このまま仕事を続けることは難しいのかな」と思ったときにTVで合理的配慮を受けている方の番組を見ました。その番組では、聴覚過敏のある人がイヤーマフやノイズキャンセリングイヤホンをして働いている様子や、そわそわしてしまう人用のスタンディングデスク、疲れやすい人への静養室などの配慮の例が紹介されていました。「これだ…!合理的配慮を受けられたら仕事が続けられるかもしれない!」目の前が明るくなった瞬間でした。Upload By ユーザー体験談現在は、就労移行支援を受けて、企業で働いています。ADHDは「治る」ことはないけれど「うまく付き合っていく」ことはできます。今後も自分の特性を理解して、生きづらさを少しでも減らした生活ができればいいなと思っています。また、小学校時代にもし適切な支援を受けていたら…とも考えます。私が子どもだったころに比べ、現在は発達障害について社会の理解も進んできています。特性のある子どもたちが支援を受けて少しでも楽しく安心して過ごせる未来になれば良いなと思っています。イラスト/taekoエピソード提供/はっちゃん(監修:鈴木先生より)以前は小児科でも診断できなかったADHDが、今は精神科でも診断できる時代になりつつあります。私の外来には大人になってしまったADHDの方がよく受診されますが、現代においてADHDは薬物治療のできる時代になりました。保険適応もあり、慢性疾患として治療することができます。私の外来では最低2年間の内服をおすすめしています。気づいたときが早期発見でいいと思います。周りの環境次第でよくなったり悪くなったりします。母親は出産を機にADHDが悪化することが多々あります。食事や洗濯などの仕事量が増えるからです。「うまく付き合って」いけなくなったらできるだけ早く専門医に相談することをお勧めします。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年04月29日脳機能を高める働き・体によい効能3月31日、本わさびの健康効果や毎日の生活への取り入れ方などを解説する新刊『わさびで脳が元気になる』が主婦の友社から発売された。A5判、112ページ、定価は1,650円(税込)である。著者はわさびなどの食品の製造・販売を行っている金印株式会社の開発本部本部長で、機能性ビジネス研究所所長である奥西勲氏。また、国際医療福祉大学病院心療内科部長で医学博士の岡孝和氏が監修を務めている。スプーン小さじ1杯を毎日食べるだけでも効果が日本では古くから利用されてきたわさび。飛鳥時代には既に薬草として利用されてきたとみられ、江戸時代になって、わさび栽培がはじまり、江戸時代も後期になると、握り寿司が広まり、食材の臭みを抑え、食中毒を予防するわさびが活用されている。スプーン小さじ1杯を毎日食べるだけでも健康効果が得られるというわさびだが、奥西勲氏によればスーパーマーケットなどで売られている常温のチューブ入りわさびには、健康成分が含まれる本わさびの根茎部分がほとんど使われておらず、国内の本わさび生産量も減っているという。新刊では、もの忘れ、認知症、頭にモヤがかかったようなブレインフォグなどに効果がある可能性が指摘される本わさびの機能性、効率的なとり方などをイラストや写真とともに解説。人気料理研究家のきじまりゅうた氏による「わさ活レシピ」も掲載されている。(画像はAmazon.co.jpより)【参考】※わさびで脳が元気になる - 株式会社 主婦の友社 主婦の友社の本
2023年04月08日沖縄県出身のだいすけさんはフォトグラファー・ビデオグラファー。岐阜県出身のちゃんまりさんはヘアメイク・着付師。病院で重度のADHDと診断されているだいすけさんと奥さんのちゃんまりさんは、2017年に結婚し、現在沖縄で2人暮らし。YouTubeチャンネル「ナカモトフウフのOkinawa Life Vlog」では、そんな二人の暮らしを動画で紹介しています。「ADHDの旦那さんに優しくできなくて困っている人や、どうやって上手く付き合えるようになったのか知りたい」と言う声が多く、少しでも悩んでいる人の役に立てば良いなと、この動画を作成したというナカモトフウフ。 同棲を始めたころは、毎日涙を流し、カサンドラ症候群になりかけたちゃんまりさんが「だいすけさんのADHDを、本当に受け入れられるようになるまでの出来事」を紹介します。 ADHDのだいすけさんってこんな人だいすけさんの特性については、前回の記事で紹介しているので、簡単に紹介します。 ①自分が興味あることへのこだわりが強すぎる②基本、電気は消し忘れる③片付けができない④圧倒的な物無くし力⑤何かに集中している時は、何も耳に入らない⑥欲しいものは、後先考えずに衝動買い⑦自分の物差しで考え方を押し付ける 同棲してみて分かった6つの大変なことちゃんまりさんが、だいすけさんのADHDを知ったのは、交際スタートのタイミングですが、同棲前までは、交際していても困ることはありませんでした。 その後、だいすけさんの地元である沖縄に移住し、同棲をスタートさせた2人。そのころから、大変さに気づき始めました。 ①片付けができない②ゴミを散らかす③物をなくす・忘れる④電気を付けっぱなし⑤ドア・引き出しを開けっ放し⑥トイレを流し忘れる 「なぜ、成人男性の子守をしなければいけないのか」と悩んだ、ちゃんまりさん。移住先で頼れるのはだいすけさんしかいないのに、1番のストレスの元でもありました。 ですが、掃除などの物理的な困りごとは、仕事だと思い、耐えることができました。そんな2人にある事件が……! 2人の転機となった、ワイパー事件 ある日、車に乗っている時に「ワイパーがボロボロだから、替えなきゃね」とちゃんまりさんが言うと、だいすけさんも「そうだね」と答えました。 後日、また同じやり取りがありました。 さらに数日後、だいすけさんが「ワイパーがボロボロだね。気づかなかったの?」とちゃんまりさんに言いました。 だいすけさんの言葉を聞き、「私がが言ったつもりになっていただけ!?」と自分の言葉や記憶を信用できなくなってしまった、ちゃんまりさん。 「自分に落ち度があるのでは?」と思い、発達障害などについて調べました。自分で発達障害のチェックを試してみるも、どれも当てはまりません。でも、現状は変わらないことに戸惑ってしまい、感情のコントロールが出来なくなってしまい、急に泣き出してしまうこともありました。 一方、泣いているちゃんまりさんを見て「やばい」と思った、だいすけさん。 自分がADHDということは知っていましたが、他人と住むことで「こんなにも人に迷惑をかけてしまうんだ」ということを知り、病院を再度受診(セカンド・サードオピニオンへ)。 だいすけさんは、初めて自分を客観視することができて「自分はこんな簡単なやり取りも覚えていないのか?」と気づき、衝撃を受けました。 彼を理解する中で知った「カサンドラ症候群」だいすけさんが病院に行き出した頃、ちゃんまりさんはADHDについて自分自身がよく知らない事に気づき、調べてみることに。知識として深く知ることで、だいすけさんの行動を理解できるようになりました。行動が理解できると、不安やイライラはとても楽になったそうです。 その中で知ったのが「カサンドラ症候群」でした。 ※カサンドラ症候群とは、身近にいる人が発達障害であることが原因で情緒的な相互関係を築くことが難しく、心的ストレスから不安障害や抗うつ状態などの心身症状が起きている状態を指す言葉。 特性にイライラ…でも2人で乗り越えていこうと決意ちゃんまりさんは、だいすけさんの好きなところと嫌いなところを書き出してみて、嫌な点は、ADHDの特性に当てはまる部分が多く、しょうがないと思えるようになったそう。 それと同時に、ADHDで困っているのはだいすけさんだけではなく、自分だけでもない。2人が困っていることだから、2人で乗り越えようと思いました。 ちゃんまりさんが気をつけている伝え方は?発達障害の旦那さんを持っている方へのアドバイスは、「感情的に伝えてはいけない」ということ。 だいすけさんは、口が上手くて頭の回転が早いため、理詰めで論破されてしまうことがあります。だから「あなたにこういったメリットがあるよ」と、根拠と理論をもとに前向きに話をするように心がけているそうです。 この伝え方をしても結局できるようにはなりませんが、次に指摘したときに素直に動いてもらいやすくなるそうです。ちゃんまりさん曰く、相手の失敗に対するイライラの大半は「注意を素直に聞き入れてもらえないこと」。素直に聞いてくれるようになるだけでイライラは大幅に減る、とのことです。 今は、幸せいっぱい! いろいろなことを乗り越えて「今は幸せいっぱい」と語るちゃんまりさん。 「だいすけさん自身が障害について理解をし、人一倍努力する、尊敬できる夫だから、ここまで頑張ることができた。一つの成功例として、参考にしてみてください」と語るちゃんまりさん。 この動画には、ADHDの旦那さんを持つ方から「今、まさに急に泣いたり怒ったり情緒不安定な状態な時期で、誰にも言えずに孤独を感じていました」と共感の声や、「ちゃんまりさんの考え方は、子育てや仕事にも参考になる」と実際に参考になるとの声も届いていました。 今回は旦那さんへの対応の仕方でしたが、ADHDのお子さんを持つママさんにも参考になりそうですね。著者:ライター 廣瀬尚子二児の母。女性誌の編集を経て、フリーランスに。広告やアパレルブランドの撮影、雑誌やWEBマガジンの執筆などを手がける。
2023年03月30日2020年11月半ば、右手足の脱力感に気付いた私が病院に行ってみると、脳梗塞で緊急入院することに。脳梗塞は脳の血管が詰まる病気と理解しながらも、特に持病もなく何が原因だったのか理解できないでいる私に、次々とやってくる看護師たちが口をそろえて聞いてきたのは、意外なことでした。脳梗塞の原因となったことについてお伝えします。★関連記事:目が覚めたら手と足に力が入らない! 突然発症した恐怖の病とは【体験談】入院直後、看護師からよく聞かれたこと朝起きて、右手と右足の脱力感に気付いた私は、脳外科のある最寄りの病院に駆け込みました。そこで脳梗塞と診断され、そのまま即入院となりました。病室の天井を眺めながら、フリーライターとして長年忙しさにかまけ健康をないがしろにしてきたことを後悔していると、着替えを手伝いに来た看護師が、「頑張り過ぎて無理しちゃったかな?」と声を掛けてきました。たしかに頑張ってもいたし、無理をしていたような気もします。しかし看護師から「痛い?」とか「苦しい?」ではなく、唐突に「頑張り過ぎて無理しちゃったのかな?」と聞かれたことが意外でした。その後、頻繁(ひんぱん)に病室を出入りする看護師たちからも「何かつらいことや心配事があった?」とか「大きなストレスになることがあった?」といった言葉を掛けられました。脳梗塞って気の持ちようでなるんだっけ? 疑わしく思った私は、枕元のスマホを手に取り、「脳梗塞」「原因」で検索を始めました。脳梗塞になりやすい性格があるの!?多くの記事には、脳梗塞の主な原因は動脈硬化で、高血圧や糖尿病、飲酒、喫煙、肥満などから引き起こされるといった内容が書かれていました。私は更年期を迎えて肥満気味、やや高めの血圧も心当たりではありましたが、なぜ看護師たちは「頑張り過ぎ」や「ストレス」を口にしたのだろうと不思議でした。すると、脳梗塞の原因に「ストレス」と書かれた記事を見つけました。その内容は過度なストレスで自律神経が乱れると、血圧・脈拍・血糖値が上がり動脈硬化が促進されるというものでした。だから、ストレスを受けやすい人は脳梗塞のリスクが高いというのです。さらに脳梗塞になりやすい性格として、意欲的・勤勉・向上心・仕事熱心・責任感・几帳面・負けず嫌いといった言葉が並び、このようなアグレッシブな性格や行動パターンの人は、脳疾患・心疾患にかかりやすいと書かれていたのです。それなら間違いなく私は当てはまっていました。結婚してから25年間、ハードワークとワンオペの家事育児でキャパを超えていたのに、助けを求めることに罪悪感があり、睡眠時間を削ってひと息つく暇も惜しむ日々。PTAや子ども会でも気が付けば率先して他のママたちの1.5倍働く始末。自分はストレスに強いと過信していましたが、どうやら違ったようです。病院で出会った私とよく似た主婦たち仕事も家も、私がいなくなったら大変……そう思い込んでいたのは私だけ。いったんすべてを手放しても、周りは意外とあっさりそれを受け入れてくれたことが信じられない気持ちでした。開き直ることで家庭や仕事でがんじがらめのストレスから解放された入院中、同室になった何人かの患者さんと親しくなりました。そこで仕事や家族、入院するまでの生活などについて語り合う機会がありました。患者さんの中には脳梗塞だけでなく、脳出血やくも膜下出血の方もいます。そこで驚いたのは皆、性格や家庭環境がよく似ているということです。仕事熱心で家族思い、何でも自分ひとりで背負い込み、自分のことは後回し。疲れきっていることも、無理をし過ぎていることにも気付かず、入院してようやくわれに返った人ばかり。夫は家のことを何もしない・できないという共通点もありました。そして、「これからはもっと家族に頼らなくちゃね」と話して、それぞれ退院していったのです。まとめ脳梗塞を機に、私は「~すべき」の性格を猛省し、「まあ、いいか」の精神で過ごすことに決めました。仕事は無理なスケジュールを避け、家事も家族の手を借りるようにして、ストレスをため込まない生活を実践中。先日、娘から「お母さん、性格変わったね」と言われ、思わずほくそ笑んだのでした。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/新田正光先生(千葉西総合病院 副院長・循環器内科部長)1997年秋田大学医学部卒業。循環器専門医、総合内科専門医として活躍している。他にも心血管インターベンション治療学会専門医、透析専門医、救急科専門医の資格も取得している。日本内科学会 総合内科専門医・指導医。その他、日本心血管インターベンション治療学会、日本透析医学会、日本救急医学会や日本不整脈心電図学会の専門医も勤めている。イラスト/おんたま著者/あらた 繭子大学生と高校生の子をもつアラフィフのフリーライター。長年の無茶な仕事がたたり、満身創痍の身体にムチを打つ毎日。休日のガーデニングと深夜のK-POP動画視聴が趣味。
2023年02月24日年の瀬もせまり、今年の振り返りや新年への決意を新たにする人も多い。そんなリセット、リスタートのタイミングで取り入れたい“脳と心にやさしい習慣”を、東北大学加齢医学研究所の瀧靖之教授に教わった。何かの「香り」を感じたときに、ふと昔の記憶がよみがえってくる経験はないでしょうか?私は雨上がりの草むらを歩いていたときに、幼い頃に昆虫採集に入った林の様子が突然、頭の中に思い浮かんできて、それから気分が晴れやかになったことがありました。もののにおいを捉える鼻の末梢神経は、においを判断する脳の領域だけでなく、記憶をつかさどる海馬にもつながっていると言われています。生きるために大切なもの、反対に有害になるものをしっかりと記憶させるためにそうなっていると考えられています。自宅でリフレッシュする方法として「回想脳ワーク」をやってみましょう。例えば、若い頃に使っていた香水やオーデコロンなどの香りを楽しみながら、昔を思い出すだけでいいのです。懐かしい記憶が蘇ると、自然とリラックスしてきますよ。もう一つ、手軽にできる「回想脳ワーク」は、昔のアルバムや旅行のお土産などを見ることです。子どものころに家族で出かけたときのことを思い出してみると、脳が活動してきます。お正月の帰省時などに、久しぶりにアルバムをめくって昔を思い出してみてはいかがでしょうか。旅行に出かけたときなどにキーホルダーや置物などを記念に買ったのはいいけれど、置き場所がなくて捨てよう、と思う人も多いでしょう。でも、捨てないで手の届くところに置いておくことを私は勧めています。家事や仕事の合間に、「ちょっと疲れた」と思ったら少し手を休めて、わずかな時間でもいい思い出と結びついたアイテムを眺めてみると、楽しい思い出がよみがえってきてリラックスしてきます。昔を振り返りながら、今の自分と昔の自分がつながっていることを認識できます。幸せだった時代をなつかしみ、それが今の自分の基礎につながっていると思うと、考えがポジティブになってきます。脳の老化が始まる40代あたりから、積極的に過去を振り返る「回想脳ワーク」を行い、ポジティブ脳にすることで、心も体も健康をキープできると言われています。【PROFILE】瀧靖之東北大学加齢医学研究所機能が増医学研究分野教授。16万人を超える脳のMRI画像を読影、解析し、多くの論文を発表。脳の発達や加齢のメカニズムの解明に取り組んでいる
2022年12月27日年の瀬もせまり、今年の振り返りや新年への決意を新たにする人も多い。そんなリセット、リスタートのタイミングで取り入れたい“脳と心にやさしい習慣”を、東北大学加齢医学研究所の瀧靖之教授に教わった。40代後半から50代の女性では、更年期の症状で苦しんでいる人が多いと聞きます。実は、女性ホルモンのエストロゲンは脳を保護しています。脳がエストロゲンに守られているころの女性は男性よりも脳の萎縮度が低いと言われています。逆に、エストロゲンが減少する閉経後には、萎縮が進みやすくなってきます。萎縮が進むからといって、心配は無用です。大人になっても脳の海馬では神経細胞が増えることがわかっていますし、神経細胞のつながりを強くすることで、情報処理能力が高まると言われています。私たちの脳はいくつになっても強化することができるのです。これを脳の可塑性(脳の機能を回復させる働き)と呼びます。だからこそ、若いころ以上に楽しいことを見つけて、ワクワクの多い毎日を送ることがとても大切になってきます。毎日を楽しむと、脳が元気になり、将来の認知症リスクを減らすことにもつながります。「脳のために何かしなければ」と考えるのではなく、自分にとって楽しいことを見つけて実行すればいいのです。「ワクワクすること」は、知りたい、やってみたい、行ってみたいなど、さまざまなことに興味を持つ「知的好奇心」です。東北大学加齢医学研究所では、約400人の脳を8年にわたり観察し、脳がどのように変化するのかを調査しました。その結果、知的好奇心のレベルが高い人ほど、加齢によって進む脳の萎縮が少ないことがわかりました。仕事が趣味という人もいるでしょうが、趣味とは「仕事ではなく、個人が楽しんですること」。おしゃれをして外に出かける機会が増えたり、体を動かしたり、仲間と会って会話を楽しむだけで、脳を刺激する要素がたくさん出てきます。すでに趣味がある人はそのまま続けましょう。趣味がない人は「イチから始めるのは億劫だ」と思わないで、昔やりたかったことにチャレンジするのもいいでしょう。最近ブームの“推し活”も効果的ですし、熱中して取り組める趣味は、脳の若さを保つためにも大切なことなのです。【PROFILE】瀧靖之東北大学加齢医学研究所機能が増医学研究分野教授。16万人を超える脳のMRI画像を読影、解析し、多くの論文を発表。脳の発達や加齢のメカニズムの解明に取り組んでいる
2022年12月27日キンコーズ・ジャパン株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:渡辺浩基、以下 キンコーズ)は、芸人/パフォーマーである、ぼく脳による企画展「ぼく脳漫画展」をツクル・ワーク新宿センタービル店(以下ツクル)で、2022年12月12日(月)~2023年1月15日(日)に開催します。企画展では、オリジナルグッズの販売や、ぼく脳の作品と一緒に撮影できるフォトスポットも予定しています。企画展紹介奇抜なパフォーマンスや独創的なアートセンスが巷で話題を呼び、見る人の目を思わず釘付けにしてしまう新進気鋭アーティスト、ぼく脳。吉本興業に所属し芸人としてキャリアをスタートした後、漫画や音楽、ファッションの分野で活動。SNS上でカルト的な人気を誇り、天才・鬼才との呼び声が高い。今回の企画展は、漫画を描いていた頃の過去作や数年ぶりに描いた漫画などを多数展示する。また、展示期間の終わりに向けて、徐々に展示作品を増やしていき、最後にひとつのアート作品が完成する企画展示も予定しています。展示作品の一部オリジナルグッズ3コマ漫画の1コマに好きなコマを貼ってオリジナルストーリーが作成できる「3コマ漫画キット」をはじめとした、オリジナルグッズを販売します。3コマ漫画キット1冊880円カレンダー各種壁掛け1,650円卓上1,100円トートバック2,750円当社が運営するキンコーズギフト・楽天市場店でも、2022年12月12日~2023年1月15日(日)の期間中、当企画展のグッズを販売します。キンコーズギフト : イベント概要タイトルぼく脳漫画展日程2022年12月12日(月)~2023年1月15日(日)※平日9:00~20:00、土日祝11:00~19:00場所ツクル・ワーク新宿センタービル店観覧料無料イベントWebサイト ※2022年12月9日午前10時公開予定アーティストプロフィールぼく脳芸人・パフォーマー 1990年生まれ。吉本興業に所属し芸人としてキャリアをスタートした後、漫画や音楽、ファッションの分野で作品を制作。ツイッターやインスタグラムなどで作品を発表し、日常に転がるアイテムを使った独創的なアートセンスが巷で話題を呼んでいる。Twitter: Instagram: アーティストとパートナーになり体験・感動を創る当社は、テレワーク利用やビジネス機会の創出の場として利用されるコワーキングスペースの「ツクル」の利用者に、アーティスト作品との偶発的な出会い、働くだけではない“体験”・“感動”のできる空間を提供したいと考えています。また、参加アーティストには、ツクルをジャックすることで作品に対する思いや世界観までこだわった企画展を表現して欲しいと願っています。当社は、これからも企画展示を通じワークスペース事業の在り方についての可能性を追求していきます。企画展についてのお問い合わせ先キンコーズ・ジャパン株式会社ツクル・ワーク新宿センタービル店住所:〒163-0690東京都新宿区西新宿1-25-1 新宿センタービルB1FTEL:03-5325-1371webサイト: キンコーズ・ジャパン株式会社 会社概要当社は、お客様のライフとビジネスに寄り添い、サステナブルな社会を実現するオンデマンドソリューションサービスのサプライヤーとして様々なお客様からパートナーと認識されることを目指しています。有人接客型プリントサービスのキンコーズ及びコワーキングスペースのツクル・ワークといった店舗運営事業をはじめ、顧客の業務改善を支援するプラットフォームソリューションの開発・運用支援を行うデジタルソリューション事業、屋内外の装飾・展示会の出展向け大型インクジェット出力・加工・施工から、ショッピングモールでの販促支援室の運営、セールスプロモーションにおける企画立案・デザインなどのマーケティングサービス事業と多岐にわたるサービスを展開しています。会社名: キンコーズ・ジャパン株式会社所在地: 東京都港区芝浦1-1-1 浜松町ビルディング27階代表者: 代表取締役社長渡辺浩基設立: 1991年12月24日資本金: 100,000千円従業員数: 744名(2022年9月1日現在)URL : 報道関係お問い合わせ先キンコーズ・ジャパン株式会社広報・サステナビリティ推進室E-mail: koho@kinkos.co.jp 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2022年12月09日脳には「発達黄金期」があるのをご存じですか?じつは、脳の発達は能力によってピーク期が異なります。親がその発達黄金期に合わせたアプローチをすることで、お子さまの脳はどんどん刺激されていくようです。脳医学者で東北大学加齢医学研究所教授の瀧靖之氏は、脳の成長段階の黄金期をふまえた子育て法を「脳育て」と呼んでいます。今回は、脳の発達黄金期について考えてみましょう。脳の発達ピーク1:オキシトシンの分泌量は1歳頃に “ほぼ決まる”!?脳の発達ピーク2:「おりこうさん脳」が育つのは1~18歳脳の発達ピーク3:指先は第二の脳!「巧緻性」は3~5歳に高める脳の発達ピーク4:脳の成長の原動力「知的好奇心」は3〜6歳頃に伸ばす!脳の発達ピーク5:絶対音感は4~5歳まで。聴覚は8歳までに完成する脳の発達ピーク6:運動神経が伸びる黄金期は12歳頃まで!?脳の発達ピーク7:13歳までに「脳をつくる栄養素」をしっかりとろう!脳の発達ピーク1:オキシトシンの分泌量は1歳頃に “ほぼ決まる”!?身体心理学者で桜美林大学教授の山口創氏の研究から、「スキンシップが子どもの脳を育てる」ということがわかっています。スキンシップをすると、脳内にはオキシトシンというホルモンが分泌されます。「愛情ホルモン」とも呼ばれるオキシトシンは、ストレスへの反応をやわらげ、情緒を安定させる働きがあるのです。たとえば、子どもが不安を感じているとき、親が抱きしめてあげると、泣き止んだり、安心した様子を見せたりすることがあると思います。これはオキシトシンが分泌されている証拠です。山口氏は、幼児期に「添い寝などを通じて肌にたくさん触れられて育った子どもは、成長してからも情緒が安定しており、社交性が高く、他人を攻撃する傾向も低い」としています。一方、スキンシップ不足で育った子どもは、「人間不信や自閉的傾向が高く、自尊感情も低い」のだそう……。そしてなんと、オキシトシンの分泌量は脳の発達が著しい1歳頃に “ほぼ決まる” とのこと。でも、ご心配なく!山口氏は、1歳を過ぎても、スキンシップの効果は大いにあると話していますよ。「ハグをする」「手をつなぐ」など、子どもとしっかりスキンシップをとるよう心がけましょう。脳の発達ピーク2:「おりこうさん脳」が育つのは1~18歳青山・表参道睡眠ストレスクリニック院長の中村真樹氏は、日本人の睡眠時間は世界的に短いとし、「寝不足の子どもは前頭葉の働きが低下する」と述べています。前頭葉は、思考、感情、コミュニケーションなど社会性に関わる脳の部位です。そこが未発達だと、集中力・意欲の低下、認知能力の遅れ、イライラしやすい、落ち着きがない、周囲に対して攻撃的になるなどの弊害があるのだそう。睡眠の専門家で文教大学教授・成田奈緒子氏も、慢性的な睡眠不足が子どもたちの脳に悪影響を及ぼしていると危惧するひとり。子どもの脳をきちんと育むために、親は以下の「脳の発達3段階」と、それぞれの「発達ピーク」を知っておいたほうがいいと話します。第1段階(発達ピーク→0~5歳頃):【体の脳(脳幹、間脳、小脳)】「起きる、寝る、食べる、体を動かす」といった、生きていくために最低限必要な機能第2段階(発達ピーク→1~18歳頃):【おりこうさん脳(大脳新皮質)】「言葉、微細運動、知識、スポーツ」などをつかさどる第3段階(発達ピーク→10歳以降):【心の脳(主に前頭葉)】「感情のコントロール、思考、判断」などの機能 そして一番重要なこととして成田氏は、「これらの発達は1~3の順番でしか進まない」と断言しています。どういうことかと言うと、「体の脳」が育たないと「おりこうさん脳」は育たず、「おりこうさん脳」が育たないと「心の脳」が育たないので、結果的に自分の感情をコントロールして生きていくことができなくなってしまうのです。まずは、「体の脳」を育てるため、5歳までの睡眠には特に気を使いたいですね。脳の発達ピーク3:指先は第二の脳!「巧緻性」は3~5歳に高める巧緻性とは、指先の器用さ。ハサミやヒモなどを使った工作がテストに取り入れられるなど、小学校受験でも重要視されている能力です。長年、指と脳の関係性を研究している医学博士の長谷川嘉哉氏も「指先は第二の脳」と言うほど、巧緻性は脳と密接な関わりがあります。前出の瀧氏によると、巧緻性は脳の頭頂葉の運動野がつかさどっており、その部分の発達のピークは3~5歳。積み木やお絵かき、楽器の演奏などの指先を使う遊びが、巧緻性の発達に効果的とされています。また、巧緻性が育まれ、指先を自由に使えるようになると、自分でできることが増えるため、なんと学習効果にも好影響を及ぼすとのこと。埼玉大学教育学部教授・川端博子氏の調査で、巧緻性テストで上位だった子どもは、学力テストの結果でも上位だったことがわかったのです。脳の発達ピークに向けて、どんどん指先を鍛えていきましょう!脳の発達ピーク4:脳の成長の原動力「知的好奇心」は3〜6歳頃に伸ばす!「知的好奇心は、脳の成長の原動力になる」と明言するのは、瀧氏。知的好奇心が高いとポジティブな感情になりやすく、そのポジティブな感情は、記憶力や集中力を高め、考えたり判断したりする情報処理能力をも向上させるそうなのです。たしかに、イヤイヤやったことよりも、ワクワクしながら取り組んだことのほうが、はかどるし、記憶に残りますよね。では、子どもの知的好奇心を伸ばす最適な時期はいつなのでしょう?瀧氏によると「3〜6歳頃の未就学時期は知的好奇心を伸ばすのに最適」とのこと。そして嬉しいことに、6歳を過ぎてしまったとしても、刺激を与え続ければ人間の脳は成長すると、瀧氏は言います。何歳になっても、大人であっても、脳は成長するのです。ですから、子どもの知的好奇心を伸ばしたいのであれば、親御さん自身も「大人だからできない」と思わずに、子どもと一緒にさまざまな活動にチャレンジしてみてくださいね。脳の発達ピーク5:絶対音感は4~5歳まで。聴覚は8歳までに完成する日本こども音楽教育協会によると、絶対音感とは「音を聞いて即時にドレミの高さが判別できる力」のこと。絶対音感がある人は、生活音も正確に言い当てられるのだそう。すごいですね。絶対音感は、脳の発達を促すことがわかっています。ドイツのハインリッヒ・ハイネ大学の研究で、絶対音感をもつ人と、絶対音感をもたない人の脳を比較したところ、絶対音感がある人のほうが、左脳にある側頭平面(言語の理解や数学的能力に深く関係していると考えられている箇所)が約2倍大きく発達していたのです。「先天的に絶対音感がある人は20万人に1人」と日本こども音楽教育協会ウェブサイトにはありますが、幼少期に適切なトレーニングをすれば誰でも絶対音感を身につけることができるようです。脳科学者で『ピアニストの脳を科学する』著者の古屋晋一氏は、特に4~5歳の時期に絶対音感は獲得しやすいと述べています。8歳までに人間の聴覚は完成してしまうようなので、音感トレーニングはできるだけ早く始めたほうがよさそうです。脳の発達ピーク6:運動神経が伸びる黄金期は12歳頃まで!?「運動神経とは運動の指令が脳から筋肉まで送られるときの “情報の通り道” 」と定義するのは、日本女子体育大学学長の深代千之氏。そしてなんと、運動神経の伝導速度に生まれつきの個人差はないと話します。大切なのは、幼少期の「運動環境」。多種多様な動きを経験すればするほど、脳の神経回路が発達して運動神経がよくなるのだそう。また深代氏は、運動神経を伸ばすには「最適な時期」があるとしています。3~5歳頃の「プレゴールデンエイジ」と6~8歳の「ゴールデンエイジ」です。しかし、ゴールデンエイジ期の定義には、専門家によってばらつきがあるようです。『子どもの身体能力が育つ魔法のレッスン帖』著者・髙橋宏文氏は、プレゴールデンエイジを5~9歳、ゴールデンエイジを9~12歳としています。とはいえ、どの専門家も「12歳までに神経系の発達が完了する」としていることから、運動神経を伸ばすには、12歳までの運動経験が大切だと言えるでしょう。■以下の記事で【プレゴールデンエイジ期】【ゴールデンエイジ期】におすすめの運動遊びを詳しく紹介しています!↓↓↓『子どもの運動能力が上がる!ゴールデンエイジとプレゴールデンエイジの過ごし方』『「運動神経のいい子」特徴6つ。12歳までに運動神経はもっと伸ばせる!』ゴールデンエイジは一生に一度の「運動神経が伸びる黄金期」。この時期は、動きがすぐ身につき、覚えた動作は一生忘れないそう。貴重な成長期をしっかり活かして、運動経験を積ませてあげたいですね。脳の発達ピーク7:13歳までに「脳をつくる栄養素」をしっかりとろう!「育脳レシピ」を開発する管理栄養士・小山浩子氏は、遺伝子の影響が表れる13歳頃までに “脳をつくる・働かせる・動かす栄養素” をしっかりとることを強くすすめています。脳も体の一部です。小山氏の言うように、脳が食事の影響を受けるのは当然ですね。では、 “脳をつくる・働かせる・動かす栄養素” を摂取するために、子どもには何を食べさせたらよいのでしょう?小山氏がすすめる食材を紹介します。「脳をつくる」栄養素:DHADHAは脳にとっての最重要栄養素。小山氏が「DHAの摂取量が十分な子どもとそうでない子どもでは、脳の神経回路の発達に違いがある」と言うほどです。また、DHAは体のなかでつくることができません。サバやイワシなどの青魚、サバの水煮缶やツナ缶、魚肉ソーセージを積極的に摂取しましょう。アマニ油やエゴマ油にもDHAは含まれているので、ドレッシング代わりに使うのも◎ですよ。「脳を働かせる」栄養素:レシチン小山氏によると、IQが高い子どもの脳には、脳を「働かせる」アセチルコリンという神経伝達物質が多いそう。このアセチルコリンの材料となるのが、卵や大豆に含まれる栄養素のレシチン。卵は「子どもには1日1個食べさせてほしい!」と小山氏が言うほどなので、毎日食べさせてあげましょう。豆腐や油揚げ、枝豆などの大豆製品が苦手なお子さまには、ヨーグルトやトーストにきな粉をプラスするのもひとつの手です。「脳を動かす」栄養素:炭水化物炭水化物(ブドウ糖)は脳を「動かす」ガソリンです。小山氏によると、「脳が消費するエネルギーは、体全体の消費量のなんと20%」とのこと。脳のために、エネルギーとなる炭水化物をしっかり食べることが大切です。特にエネルギーが必要となる朝は、ご飯やパン、麺類などをきちんと食べさせてください。カリウムや食物繊維を含む、野菜や果物、ヨーグルトと一緒に食べましょう。***能力ごとの発達ピークを意識すると、子どもの脳はもっと発達することでしょう。お子さまが18歳以下であれば、まだまだ能力が伸びる可能性がありますよ!(参考)瀧靖之(2016),『「賢い子」に育てる究極のコツ』, 文響社.クレア・ルウェリントン 著, ヘイリー・サイラッド 著, 上田玲子 監修, 須川綾子 翻訳(2019), 『人生で一番大事な最初の1000日の食事』, ダイヤモンド社.深代千之(2018),『子どもの学力と運「脳」神経を伸ばす魔法のドリル』, カンゼン.高橋宏文(2018),『子どもの身体能力が育つ魔法のレッスン帖』, メディア・パル.九州電力 キレイライフプラス|子どもを伸ばす「脳育て」新興出版社|頭のよさにつながる幼児期の遊ばせ方ふとん・寝具の西川|「寝る子は育つ」は本当︎睡眠専門医に聞く「眠りと発育・成績」の関係性致知出版社|「スキンシップ」が子どもの脳と心を育てるー山口創が語る最新科学が明らかにした子育のヒントSony life|特集「子ども脳も大人脳も『好奇心』で成長する脳に効く習い事」ベネッセ たまひよ|3~6才ごろの未就学時期が「知的好奇心」を伸ばすのに最適!その理由と上手な伸ばし方は【脳科学者】ベネッセ教育情報サイト|脳の成長の原動力とは?保護者に何ができる?ヤマハ音楽教室|久保純子さんがナビゲート 4・5歳が分かれ道。幼児期に音楽を始めると獲得できる様々な能力とは?NKO 一般社団法人 日本こども音楽教育協会|プログラムについてSTUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|子どもの脳をきちんと育てる「正しい睡眠」STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|子どもの脳は“親の愛情”と“食事”で育つ!「育脳」に効く食材の選びかたSTUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|“パン&〇〇”で最高の朝食になる!脳が育つ食べ合わせ「5つの黄金ルール」アイ・シー・イー幼児教室|【無料動画配信】小学校受験対策講座「制作」「生活巧緻性」J-STAGE|小学生の手指の巧緻性に関する研究―遊びと学習面からの一考察―
2022年09月29日木彫りで作ったので、よかったら見てください。そんなひと言とともに、木彫りの作品の写真をTwitterに投稿した、キボリノコンノ(@kibori_no_konno)さん。まずは、その写真をご覧ください。一生懸命木彫りでティッシュペーパー作ったので、よかったら見てください。ティッシュボックスじゃなくて、ティッシュペーパーの方です。 pic.twitter.com/s6iVvmAIuI — キボリノコンノ (@kibori_no_konno) September 22, 2022 美しい、木彫りのティッシュボックス。どんなインテリアにもなじむ、素敵なボックスですね。しかし、キボリノコンノさんが作品として作ったのは、ティッシュボックスだけではありません。ティッシュボックスから出てきている、ティッシュペーパーも木彫りで制作しているのです…!あまりの精巧な作りに、どれだけ写真をよく見ても本物のティッシュペーパーにしか見えません。木を彫って作られたと、とても信じられない人は、こちらをご覧ください。ペラペラに見えるこちらのティッシュ、実は厚み3cmの木でできてるんです! #木彫り #彫刻 #アート pic.twitter.com/CVnMqxUMTW — キボリノコンノ (@kibori_no_konno) September 23, 2022 裏側を見てみると、本当に木を彫って作られたことが分かります!ペラペラに見えていた木製のティッシュペーパーですが、意外に厚みが残されていたところにもびっくりしますね。この投稿には、さまざまな声が寄せられました。・ティッシュボックスだけじゃなくて、ティッシュペーパーも!?画像をどれだけ拡大しても本物にしか見えないのはすごい。・え!?裏側を見ても、表から見たらやっぱり本物にしか見えない。脳がバグる!・息を吹きかけたらなびきそう…。すごい。・裏側を映した動画を見て「こんなに分厚かったの!?」ってびっくりした!面白い!この投稿には、7万件以上の『いいね』が寄せられています。キボリノコンノさんの作品は、多くの人をあっと驚かせたようです![文・構成/grape編集部]
2022年09月26日五感の中でも、特に脳と関わりが深いといわれているのが嗅覚。脳へダイレクトにアプローチできる“香り”を毎日の味方につけて!脳と体が喜ぶ?“いい香り”と心身相関。まだ解明されていない部分も多いという、ミステリアスな脳と嗅覚の関係。香りがどのように作用するか加藤広美さんに尋ねると。「五感のうち、嗅覚だけは大脳新皮質を経由せず、大脳辺縁系や、自律神経系を司る視床下部に直接送られるため、他の五感より感情や本能、記憶に働きかける力が強いといわれています。芳香物質の薬理には、脳への刺激や鎮静などがありますが、精油の作用は1つではありません。そこが面白いところなのですが、精油を一つずつ選ぶのが難しいという方は、信頼できるブランドのブレンド商品を使うのも手。目的によって選んで、生活に取り入れて」オーガニックで体にも安全なアイテムを編集部でセレクト。気になるものを探してみて。脳にアプローチする代表的な香り5つ。レモングラス血行促進作用のある、レモンのような爽やかさとスパイシーさを併せ持つ香り。「血流が増えると脳の前頭葉が刺激されるので、集中力を保ちたい時に活用するのもおすすめ」ペパーミント冷却作用を持つメントールを含む香り。「頭をクリアにしてくれます。集中力アップに加え、精神的な疲労感を回復させるともいわれます。デスクワーク中のリフレッシュに」ローズマリー交感神経を刺激するカンファー、シネオールが含まれる香り。「意識をはっきりさせ、頭がスッキリするような効果が感じられるはず。活性作用が強いので、高血圧の方は要注意」ラベンダー体を緩ませる成分が多く含まれ、鎮静作用がある香り。「副交感神経を優位にするので、不眠に悩む人にも。脳を休めるお手伝いをしてくれる、馴染みのある穏やかな匂いです」ベルガモット嫌味のない匂いは、アールグレイの香りとしても有名。「抗うつ作用のある成分が含まれた香りは、お茶で一服した記憶と脳内で結びついて、安心感を与えてくれます」ONのシーンにおすすめ交感神経を刺激し、脳のスイッチをオン!こんがらがった脳内に清々しいミントを。(写真右)ラバンジン、ラベンダー、スペアミント、ペパーミント、サイプレス、ローズをブレンドした、清々しい香り。肌に直接つけられるので、こめかみや頭に塗り込んで、疲れた脳をクールダウン。BBS クリアー10ml ¥8,580(ビィオセンシィエール TEL:0120・760・747)脳をシャキッと、切り替える香り。(写真中央)グレープフルーツやペパーミントなどを中心としたフレッシュな香りとハーブのブレンドが、気持ちをリフレッシュさせてくれそう。脳内でやる気スイッチを入れたい時に。きりかえアロマ ブレンド精油 シャキッとオン 10ml ¥1,650(生活の木 TEL:0120・175・082)集中力を高める爽やかなグリーン。(写真左)レモン、アメリカオオモミ、セージの透明感のある爽快な香りが、頭の中をクリアに。集中力を高めてくれるブレンド。オフィスでの仕事や、勉強や読書など集中したい時にも最適。ブレンド精油コンセントレーション 5ml ¥2,310(プリマヴェーラ TEL:0120・070・868)OFFのシーンにおすすめ香りの力で深呼吸。脳と体を緩めよう。自分と向き合うなら、ウッディなムードで。(写真右)深く落ち着いた香りが、“今この瞬間を意識する”マインドフルネスな時間にぴったり。脳が疲れた時こそ、自分と向き合ってゆったりした時間を過ごして。マインドフルネス エッセンシャルオイルブレンド 10ml ¥3,410(パーフェクトポーション TEL:075・241・3913)日々の瞑想タイムに、す~っと深い呼吸へ。(写真中央)サンダルウッドやフランキンセンスが優しく香り、落ち着きをもたらしてくれる。オーバーヒートした脳と心の対話時間にぴったりのメディテーションブレンド。ブレンドエッセンシャルオイル メディテーション 5ml ¥2,970(ニールズヤード TEL:0120・316・999)ラベンダー効果で緊張した脳を緩める。(写真左)リラクシーで温かみのあるブレンドオイル。ラベンダーが脳のざわつきを静めて、グレープフルーツが気分を明るくリフレッシュしてくれそう。気分転換にも。エッセンシャルオイルブレンド リラクゼーション 10ml ¥3,850(ジュリーク TEL:0120・400・814)加藤広美さん「THENN AROMATHERAPY」主宰。英国IFA認定国際PEOTセラピスト。精油療法士として、精油の香りと効能を掛け合わせたカウンセリングやワークショップなどの開催も。※『anan』2022年9月28日号より。写真・内山めぐみイラスト・green K取材、文・小西 麗(by anan編集部)
2022年09月25日目的に合わせて効果的に作用する栄養素を中心に、脳機能全体を底上げする栄養素をバランスよく取り入れました。脳のエネルギーの土台になるタンパク質やタンパク質の代謝を助ける糖質、ビタミン、ミネラル、脂質、そして脳と関わりの深い腸の働きをよくする食物繊維、発酵食品など……。脳を効率よく動かす食材がたっぷり入った簡単レシピです。脳を動かす栄養素を取り入れた食事が有効。脳のトレーニングに負けず劣らず大切なのが、脳に必要な栄養素を意識した食生活。「毎日筋トレをがんばっても、筋肉を作るための栄養が不足していたら十分な効果を得られないのと同じです。脳に必要な栄養をバランスよく摂取することで初めて脳が活性化され、脳の働きや機能を高めることができるのです」(脳神経内科医・内野勝行さん)それと同時に、近年注目されている“脳のゴミ”を溜めないようにすることも重要なのだとか。「アミロイドβという毒性の高いタンパク質が蓄積することによって脳神経細胞が破壊され、伝達機能が衰えて脳の老化を招くことがわかっています。このアミロイドβの発生を抑制し、排出を促すための方法も食生活にあるのです。アスタキサンチンやビタミンB群などの栄養を摂取するのはもちろん、それらの栄養素の効果を引き出すバランスのよい食事を摂ることが大切です」ここでは、記憶力アップに必要な栄養素を取り入れたレシピを紹介。栄養バランスを考えたり、工夫して調理することも脳トレに効果的だから、楽しみながら取り入れてみて。記憶力アップ脳の栄養源であり、豆類や豚肉、鶏肉、卵などに含まれる「ホスファチジルセリン」と、記憶を司る海馬を活性化する「グリシン」、香りで海馬を刺激する「スパイス」を組み合わせて記憶力アップ!豚肉と昆布のスパイス煮込みホスファチジルセリンが豊富な豚肉が主役の煮込みは、八角やシナモンなどのスパイスで海馬にアプローチ。しっかり噛むことで、脳を活性化する効果も!【材料/作りやすい分量(約6人分)】干し椎茸…6枚昆布…5g水…3カップ豚バラ塊肉[ホスファチジルセリン]…600g生姜…2かけA[醤油…大さじ3、砂糖…大さじ1、みりん…大さじ6、八角[スパイス]…4個、シナモンパウダー[スパイス]…小さじ1]小松菜…適量【作り方】干し椎茸と昆布(長ければ5cm幅に切る)は分量の水に入れ、15分ほど戻しておく。豚バラ肉は約4cm幅に切る。生姜は皮付きのまま薄切りにする。鍋を熱して豚バラ肉の脂身を下にして焼き、焼き色がついたら返して同様に全面に焼き色をつけ、Aと1、生姜を加えてひと煮立ちさせ、落とし蓋をして約1時間中火弱で煮込む。器に盛り付け、茹でた小松菜を添える。豆腐と鶏肉とブロッコリーのトロッと煮込み【材料/2人分】木綿豆腐[ホスファチジルセリン]…150g鶏胸肉[ホスファチジルセリン]…100gブロッコリー…100g生姜…2かけA[出汁…1カップ、醤油・みりん…各大さじ1、砂糖…小さじ1、片栗粉…小さじ2]【作り方】豆腐は4等分に切る。鶏胸肉は繊維に沿って1.5cm幅に切る。ブロッコリーは一口大に切る。生姜は千切りにする。小さめのフライパンにAと生姜を入れてよく混ぜながら加熱し、全体にとろみがついてきたら豆腐とブロッコリーを加え、中火弱で5分、ブロッコリーを時々返しながら煮込む。鶏胸肉を加え、上下を返しながら2分加熱して火を止め、1分保温して完成。えびとお豆さんのココナッツミルクカレー記憶力に効果的な3つの栄養素をしっかり網羅したメニュー。ココナッツミルクが血糖値を安定させ、さらなる記憶力アップにつながる。【材料/2人分】えび[グリシン]…8尾(むきえび200gでも可)生姜…1かけニンニク…2かけ玉ねぎ…1/2個米油…大さじ1A[カレー粉[スパイス]…大さじ1、クミンシード[スパイス]…小さじ1/2、ターメリック[スパイス]…小さじ1/4]水…1カップコンソメ(顆粒)…小さじ1ミックスビーンズ[ホスファチジルセリン]…100gココナッツミルク…200ml塩…小さじ1/2弱ご飯、アーモンド、ターメリック…各適量【作り方】えびは殻を除いて背に切り込みを入れ、揉み洗いして水気を切っておく。生姜とニンニクはみじん切り、玉ねぎは薄切りにする。鍋に米油と生姜、ニンニク、玉ねぎを入れて炒め、玉ねぎがしんなりとしてきたらAを入れて炒め合わせ、香りがしてきたらえびを加えてさっと炒め合わせる。水とコンソメを入れてひと煮立ちさせ、ミックスビーンズを加えてアクを除き、約10分蓋をしたまま中火弱で煮込む。ココナッツミルクと塩を入れて味を調え、ひと煮立ちさせる。器にご飯と一緒に盛り付け、砕いたアーモンド、ターメリックを振る。内野勝行さん脳神経内科医、金町駅前脳神経内科院長。約1万人の患者を診察した経験をもとに、テレビなどメディアへの出演も多数。脳にいいサプリメントの開発も手がける。近著『1日1杯 脳のおそうじスープ』(アスコム)は発行部数13万部超え。※『anan』2022年9月28日号より。写真・山口 明スタイリスト・野崎未菜美料理作製・田村つぼみイラスト・松島由林取材、文・宮尾仁美撮影協力・UTUWA(by anan編集部)
2022年09月24日なんだかやる気が出ない、イライラする、そんな人は脳の使い方が偏っているのかも。脳の機能“脳番地”に着目した簡単なストレッチや運動を習慣にすれば、脳の働きは取り戻せます。すき間時間を見つけて、できるものから即実践を!脳の活性化のカギを握る“運動系脳番地”。「脳の老化はシニアだけの話ではありません。最近は20~30代でも脳の衰えが目立ちます」。そう指摘するのは、脳内科医の加藤俊徳さん。パソコンやスマホで絶えず情報を追い続ける一方、運動はほとんどしない。そうした生活習慣が主な原因だという。「脳には運動系や思考系など機能別に8つの“脳番地”があり、バランスよく使うことが大切です。しかし現代人は一部の系統を酷使し、運動系が使われていない人が多い。それで脳の働きが低下し、ボーッとする、感情が不安定になるなどの弊害が生まれるのです」体のいろいろな部位を動かして運動系脳番地を使うことで、他の系統が休息できたり運動系に連動して活性化したり、脳全体のリフレッシュになると、加藤さん。「仕事の休憩中や思い立った時に手足や口を動かしてみましょう。それだけで頭がスッキリします」脳番地とは?脳には部位ごとに異なる機能があり、運動系、思考系、感情系など8つのエリアに分けられる。その区分を“脳番地”と呼ぶ。生活習慣や環境で使う脳番地と使わない脳番地の差が生まれやすく、使わない脳番地は老化が進む。1、運動系…体を思いどおりに動かす2、理解系…情報を分析する3、聴覚系…音声を情報にする4、記憶系…ものを覚える・思い出す5、視覚系…目から情報を得る6、思考系…他の脳番地に指令を出す7、感情系…喜怒哀楽を生み出す8、伝達系…人と繋がる体を動かすことで運動系が刺激され、周りの系統も活性化する。8つの脳番地は連携し合って働き、特に脳の中央に位置する運動系は重要な存在。体を動かすことでメイン稼働する脳番地が運動系に切り替わり、繋がる周囲の系統も活性化。その結果、理解力がアップしたりやる気が出たりする。脳をほぐす=呼吸とストレッチでリラックス!まずは酷使した脳番地をゆるめて活性化の土台をつくろう。深い呼吸やストレッチにより、稼働する脳番地が運動系にスイッチ。他の脳番地が休まり、心身もほぐれてリラックスできる。なるべく頭を空っぽにして行うのがポイント!ゆっくり長い呼吸【5セット】視覚系・理解系・感情系に効く深い呼吸を繰り返すと運動系がオンになり、疲労した理解系や思考系が解放。脳に十分酸素が届き、視界もクリアになる。1、1~2秒かけて鼻から吸うへその下に両手を当て、お腹をふくらますように息を吸い込む。2、20~30秒ゆるやかに吐ききる。肛門を締め、口からフーッと長く息を吐きながらお腹をへこませる。NG:猫背にならない!猫背だと胸式呼吸になって呼吸が浅くなる。背筋は伸ばすこと。両耳ほぐしストレッチ【2セット】聴覚系・感情系に効く耳を触る動作は「聞く」ことに意識を向ける効果が。耳や肩、首まわりがほぐれて緊張感がとれ、心も安定。1、耳たぶをつまんで回す左右の耳たぶをつまみ、引っ張りながら回して、5秒くらいほぐす。2、両耳を斜め上に軽く引っ張る両耳の上部をつまみ、斜め上に引っ張り5秒間キープ。肩を広げて行うと。背中伸ばし体操【左右各3セット】思考系・感情系に効く体にコリがあると無意識でも思考系に負荷がかかる。凝りやすい背中を心地よく伸ばし、思考系と感情系をゆるめよう。1、寝転び、両膝を立てる仰向けに寝て両手を広げ、両膝を立てる。顔は天井に向ける。2、両膝を倒す膝を右に倒し、顔を左に向けて5秒間キープ。反対側も同様に行う。加藤俊徳さん脳内科医、医学博士。脳番地トレーニングの提唱者で、独自開発したMRI脳画像法を用いて1万人以上を診断・治療。『すごい左利き』(ダイヤモンド社)など著書多数。※『anan』2022年9月28日号より。写真・中島慶子スタイリスト・仮屋薗寛子ヘア&メイク・nagisa(W)モデル・中嶋杏里沙(Light Management)イラスト・熊木まりこ取材、文・熊坂麻美(by anan編集部)
2022年09月23日情報過多の現代人の脳はゴミ屋敷状態?そんな散らかり放題の脳を整理整頓!ゴミ屋敷状態の脳は休ませてスッキリ!仕事中だけでなく隙間時間もニュースやSNSのチェックなどでフル回転する脳。そのままでは脳のパフォーマンスは下がる一方…。「脳の大きな働きは、入ってきた情報を整理整頓して、必要に応じて取り出すことです。しかし、現代人は情報過多で、マルチタスクにも追われています。複雑な人間関係や将来への不安も加わり、整理整頓が追いつきません。いわばゴミ屋敷状態の脳をキレイにするには、脳に入ってくる情報を遮断し、休ませる必要があります」と脳神経外科医の奥村歩さん。ゴチャゴチャで過労状態に陥った脳をスッキリさせ、本来持っている脳の力を最大限生かすには?「何も考えず、ぼ~っとする時間が必須です。その“ぼんやりモード”と“集中モード”を切り替えるのがデフォルトモード・ネットワーク。これを上手に働かせられれば脳はニュートラルになり、ひらめきも生まれやすくなります」まずはどれくらい脳に疲労がたまっているかリストでチェック!あなたの脳の過労度CHECK LIST旅行はガチガチに予定を組む。スケジュールを忘れることが多い。誰かがお茶をこぼした時など、とっさの行動がとれない。案内状を封筒にひたすら入れるといった単純作業が苦手だ。書類を持って歩いているうちに、どこに置いたかわからなくなる。ちょっとした合間にネットサーフィンやSNSで情報収集する。本の購入はネット書店が多い。複数のSNSに登録している。何から手をつけていいか迷う。スケジュール帳がびっしり埋まっていないと気持ち悪い。すべての仕事を同時にこなそうとする。9個以上は…脳過労度80%7~8個は…脳過労度60%5~6個は…脳過労度40%4個以下は…脳過労度20%日常生活で脳過労を減らす対策をしていこう。脳の整理整頓機能デフォルトモード・ネットワークを発動!デフォルトモード・ネットワークとは、何もしていない時に活発になるニュートラルな脳活動のこと。「脳のぼんやり機能と考えるとわかりやすいでしょう。デフォルトモード・ネットワークが働くと、目先のことだけでなく、自分らしさという大きなテーマにも思いが巡るようになります。豊かな人生を生きるためにも欠かせない機能といえるのです」奥村 歩さん脳神経外科医、医学博士。理事長を務める岐阜県の「おくむらメモリークリニック」で「もの忘れ外来」を開設。著著に『脳を休める技術 デキる人は脳を鍛えずゆるめている』(カンゼン)や『スマホ脳の処方箋』(あさ出版)など。※『anan』2022年9月28日号より。イラスト・伊藤ハムスター取材、文・小泉咲子(by anan編集部)
2022年09月23日ビジネスや日常生活など、あらゆる場面で自分の能力や可能性を最大限に発揮したいと誰しもが思うもの。そこで脳科学に基づき、グッドパフォーマンスを保つために知っておきたい、“脳の上手な使い方”を脳科学者・中野信子さんに教わった。脳の最適化(チューニング)、12のテクニック今の自分の生活に無理なく取り入れられそうなものを選択して実践してみて。そうすれば自分の状態に合わせて、脳のグッドパフォーマンスをキープすることができるはず。1、もやもやする気持ちや不安を、自分を成長させるエネルギーに変えよう。SNSのキラキラ投稿にもやもやしたり、苦手な人と良好な関係を築けるか不安になったり…。そういう嫌な気持ちは逆に利用してみる。「人には生まれつき、危機を避けるためのアラートとして、嫌な気持ちを感じさせる仕組みが備わっています。しかしそれも大切な感情の一つなので、せっかくなら自分の得になるように利用しましょう。妬みも脳の活動の一つですし、自分を成長させるためにあるもの。新しいことに挑戦する原動力にいかに転嫁するかが大事です。不安も打ち消さずセンサーとして上手く働かせてみて。違和感を覚えながらも適度な距離感で付き合っていける基盤を作っておくと、人間関係の繋ぎ方が上手くなり、一生モノのスキルとして役立てられます」2、まったく新しいアイデアは存在しない。過去の歴史から学んでリサイクルしよう。「驚かせるかもしれませんが、実はまったく新しいアイデアはこの世には存在しません。どんなに新しい発見だと思ったことも、世界中に人は80億人もいるので、既に誰かが同じことを考えていると思ったほうがいいです」。でも、新しいアイデアが思い浮かばないと思っても、がっかりする必要はない。「人の歴史は明文化されてからかなりの蓄積があるので、その中を探せば、過去何億という人の脳が考えた膨大な知識の塊があります。新しいアイデアがひらめかなくても、昔の人が思いついたアイデアを今の時代に蘇らせ、目の前の問題と結び付けてアレンジするだけでも、斬新な提案になります。脳は、何かを模倣することで新しいことを身につけられます」3、期限内に目標を達成するには、やらないことリストを作ろう。「脳には、一時的に情報を蓄積しておける『ワーキングメモリ』機能が備わっているのですが、容量に限りがあるので、そこにやることをあれもこれも置いておくと、本当に大事な情報が次々こぼれていきます。また、本当にやらなければいけないことは心理的負荷が高く、やり切ったという報酬を得るために、脳は負荷が低いものから始めようとします。そうならないために、できるだけやることの数を減らして、たとえば『いついつまで掃除はしない』『読書もしたいけど来週まで我慢する』など、やらないことリストを作りましょう」。ワーキングメモリは、今やらなきゃいけないことを効率よく進めるために大事な脳の作業台。いつもキレイにしておきたい。4、アイデアが思い浮かんだら、実行する。とにかくまずは口に出してみよう。パッとひらめいたアイデアは、アウトプットしないと意味がないので、実行力も大きなカギとなる。「何の発言も実行もしなかったら、結局何のアイデアも生み出していないことになります。アイデアマンか否かの分かれ道は、自分が思いついたアイデアを信じ、実際に行動を起こすかどうかにかかっています。ダメ元でもいいので、会議や打ち合わせの席などでまずは口に出してみることが大切。そこから発見や進展があり、アイデアがさらに広がるかもしれません。心のブレーキを外して実行に移すには、自分を客観視(メタ認知)することです」。不安や葛藤を取り除き、自分がより良い結果を残すにはどうしたらいいかが客観的に判断できれば、行動に移せるようになるはず。5、ベストパフォーマンスを発揮するには、適度なストレスを自分にかけてみよう。ストレスは悪いものと思っている人が多いが、実は一概にそうともいえない。「心理学に『ヤーキーズ・ドッドソンの法則』という基本法則があり、これは適度なストレスが学習パフォーマンスを最高レベルに高めてくれるというもの。ある程度のプレッシャーにさらされたほうが、効率よく、的確に仕事ができるといわれています。みなさんも大事なプレゼンの前に、ものすごい集中力で仕事を進めることができた経験などをお持ちではないですか?ストレスは人間に必要なもの。だから自分がどれくらいの負荷や緊張感があったらいちばんやる気が出るかを知っておきましょう」。ベストパフォーマンスが出せる水準が分かれば、いざというときに最大限の力を発揮できる!6、積極的にライバルを見つけよう。ライバルの存在が自分を高めてくれる。適度なストレスと同様に、脳を活性化させるためにはライバルの存在も欠かせない。「脳にはすぐに休もうとする性質があり、休ませすぎると働きが悪くなり、戦えない脳になります。しかし職場や仲間など近くにライバルがいると、『ノルアドレナリン』という戦うためのホルモンが分泌され、やる気を出しやすい状態に持っていけるのです。だから、一緒に切磋琢磨したいと思える相手を見つけることがポイントになります。お互いの足を引っ張り合うのではなく、むしろ相手の凄さを認めた上で、良い部分に目をつけてどんどん吸収していく。そしてライバルと張り合いながら、いつも自分が努力できる状態に持っていくと、脳がよく働くようになります」7、全然、やる気が起きない。そんなときは、とにかくやり始めてみる。やることはたくさんあるのに、ベッドから抜け出せなかったり、デスクに座ったけれど一向に仕事する気にならなかった経験は、誰しもあるはず。「人間ですから、やる気が起こらないこともあります。それは何か新しいことをするときに、脳は相当なエネルギーを必要とするからです。脳が、作業を始めるより前にやる気になってくれることはないんですね。だから、なんとかやり始めるのが大事。逆に一度始めてしまえば、続けようとする力が働きます」。そのために自分ならではの“開始のルール”を作ってみるとよいそう。「たとえば、この椅子に座ったら仕事を始めるなどと決めると、『これから仕事が始まるぞ』と脳に伝わって、仕事モードに入ってくれます」8、集中力をつける、という発想を捨てる。集中しやすい環境を整えよう。「なかなか仕事に集中できないと悩むこともあると思いますが、その状態は脳科学的には至って普通のこと。脳はさまざまな異常を検知するために1つのことに集中しにくいシステムになっているので、集中力が長続きしないようにタイマーがついていると思っていたほうがラクです」。集中力をつけるというよりも、脳が集中しやすい環境を整えてあげるほうが、効率が良いそう。「私たちはいろいろなことに注意が向くようにできているので、なるべく聴覚や視覚を刺激するものを遮断できる環境を作りましょう。特に音に敏感に反応してしまい、いちばんディスターブされるのは人の声です。波の音など環境音を流してマスクすると、作業効率が上がるという研究もあります」9、作業を中断するときは、あえてキリの悪い中途半端なところでやめる。「一区切りついたから休憩しよう」「今日はここまで仕事を終わらせよう」と、普通はキリがいいところまで作業を進めようと思いがち。「しかし、キリのいいところでやめてしまうと、人は満足してしまい作業に戻りづらくなるんです。一度やめてしまうと、また始めるのに大きな力が必要になります。だからあえてキリの悪い中途半端なところでやめてみることをおすすめします。パソコンのスリープ状態のように、中断中も頭の片隅で作業の続きを無意識に考えてしまい、早く作業に戻りたくなる状態を作ってあげましょう。この、やり切ったことより達成できていないことのほうが強い印象として残る現象を『ツァイガルニク効果』と呼びます」10、徹夜で一夜漬けは忘れやすい。大事な試験の前日は、しっかり寝よう。「脳の仕組みからしても、一夜漬けの覚え方は効率が悪いんです。徹夜で試験に挑んでも眠さで頭がボーッとして、パフォーマンスを発揮しにくくなります。実は、記憶の定着は寝ている間に起こります。徹夜はその記憶の定着のプロセスをすっ飛ばすことになるのでとてももったいない」。それでも時間が限られていて、一夜漬けをしないといけない状況になったらどうすべきか。「少し時間を前倒しして、夜までに一夜漬け用の資料を作ります。作った時点で知識は結構頭に入っているので、とりあえず作り終えたら夜は寝ます。そして翌朝、早めに起きて復習します。寝たことで定着した記憶がここでさらに強化されるので、徹夜で挑むよりも良い点数が取れると思います」11、目標はイメージしやすい身近なものに。そうすれば、三日坊主で終わらない。ダイエット、語学や資格の勉強…、始めてみたはいいけれど三日坊主で終わってしまうことはよくある。「それは目標のイメージが具体的ではないからなんですね。一時的な強い気持ちだけが動機になっていると長続きしません。たとえば英語を話せるようになりたいなら、どの程度、誰とどんな会話をしたいのか、そこまで具体的に考えておかないと脳はすぐに怠けて挫折します。だから目標を具体的にして、達成までの道筋をしっかり立てましょう。それでも三日坊主で終わってしまうなら、そんなに本気じゃなかったということ。でも、三日坊主も10回やれば1か月やったことになるので、間隔が空いたとしても積み上げていくことで、目標に近づくことはできます」12、自分が頑張った努力の記録を付けよう。見える化すれば、自信が湧いてくる。パフォーマンスやモチベーションのキープのために、最後に紹介したいのが“努力の記録”を付けること。「自分がやってきたことって、意外と覚えていないもの。だから努力の記録を付けることをおすすめします。『今までこういうことをやってきたじゃないか』『こういうこともできたじゃないか』ということを書き出して可視化してあげることで、頑張ってきたことを客観的に見つめられるようになります。見返すことで『自分はこんなにやってきた!』と励みにもなり、脳も常に目標の達成を意識するように。挫折しそうになったときも冷静に自分と向き合うことができます。それをベースに次に繋げていくことで、新しいことにもチャレンジできるようになります」中野信子さん脳科学者。脳科学の視点から人間社会で起こりうる問題や人物を読み解く語り口に定評がある。『世界の「頭がいい人」がやっていることを1冊にまとめてみた』(アスコム)など、著書も多数。※『anan』2022年9月28日号より。イラスト・加納徳博取材、文・鈴木恵美(by anan編集部)
2022年09月22日良いアイデアや考えがポンポンと出てきたり、高いモチベーションを維持できたり…。そんなふうに、いつでもできるだけパフォーマンスを落とさないためには、脳のどんなクセを知り、上手な使い方をすればいいか。脳科学者の中野信子さんに伺ってみたところ「まず前提として知っておいてほしいことがある」のだとか。脳もカラダと同じように、月経周期の影響を受ける。「脳とカラダは別物と思いがちですが、脳もカラダの一部です。anan読者の女性は、月経周期の影響を受けやすい年代の方が多いと思います。カラダのコンディションの良し悪しが、月経周期によって変化することをご存じの方も多いかと思いますが、同じように脳も当然影響を受けるわけです。そこには月経周期によって増減する、脳内のセロトニンが関係していて、セロトニンの分泌は女性ホルモンと連動しています。まずは、そのことを覚えておきましょう」女性ホルモンには、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の2つがあり、脳からの指令によって卵巣から分泌される。エストロゲンは月経後から排卵期にかけて増加し、プロゲステロンは排卵日から次の月経までの間に増加する。女性の場合、このサイクルに合わせてセロトニンの量も増減し、脳や心身に影響を及ぼす。「セロトニンが適切なレベルにある月経~排卵の間は、やる気も出やすく、夜もぐっすり眠れたり、朝の目覚めも良くなるので、脳のパフォーマンスが上がります。逆に、セロトニンのレベルが下がってしまう排卵前後と月経前は、すごくイライラしたり、訳もなく悲しくなったりと、不安感情が起こりやすく、脳のパフォーマンスも下がります」【月経周期とセロトニン】女性ホルモンと脳内のセロトニンの増減が連動しているのがわかる。排卵日、月経前、月経中はセロトニンの量がガクッと減る。自分の状態を知ることで、コントロールしやすくなる。それならばセロトニンを増やす生活を心がければ、脳を活性化できるのでは?と思うが、そんな簡単なことではないそう。「たしかにセロトニンは、アミノ酸の〈トリプトファン〉が原料になって作られているので、赤身の肉類、かつお、まぐろ、大豆製品など、トリプトファンを多く含む食べ物を摂取することで増やすことができます。しかし無理に増やそうとしてもなかなか限度があります。だから『あぁ今はセロトニンが足りない時期だから、しょうがないな』と思うことで、やり過ごすことも大事です。それが自分を客観視する“メタ認知”という考え方で、これを習慣化できると、気の持ちようが変わってきます。『そういえば、あと2日くらいで月経が来るな』と思い出すことで、ちょっとモヤッとした気持ちになったときに、その原因となった出来事を探すよりも、自分の生理的な脳の状態を思ったほうがコントロールしやすい場合があります。『今はセロトニンが足りていない時期だな』ということが分かったら、『今日は大事なメールを打ったら変な文面で送ってしまうかもしれないからやめておこう』とか、『お風呂に長めに入って、ボディケアをしよう』などセロトニンを増やすような対応が自分でできると思うんですね。調子が悪いと感じるときは、無理して良くしようとしないのも、勇気です。待てば必ず雨がやむように、待てば必ず脳の良い状態は巡ってきますので、慌てず穏やかに過ごす。それが実は、積極的なコミットメントの一つではないでしょうか。なので、まず最初に“自分を知る”ことを提案したいと思います」中野信子さん脳科学者。脳科学の視点から人間社会で起こりうる問題や人物を読み解く語り口に定評がある。『世界の「頭がいい人」がやっていることを1冊にまとめてみた』(アスコム)など、著書も多数。※『anan』2022年9月28日号より。取材、文・鈴木恵美(by anan編集部)
2022年09月21日主人公の頭の中で擬人化された5つの思考が“脳内会議”を繰り広げるラブコメディ『脳内ポイズンベリー』が再演される。出演するFANTASTICS from EXILE TRIBEの八木勇征が思いを語った。舞台『脳内ポイズンベリー』チケット情報『脳内ポイズンベリー』は、水城せとなの同名人気コミックが原作。2015年に映画化され、2020年には舞台で初演を迎えた。平凡な女子のいちこ(本仮屋ユイカ)は、気になっていた年下男子・早乙女(白石隼也)と偶然、再会する。激しくときめくいちこの脳内では、5人のメンバーによる会議が開かれ、早乙女と付き合うことになるが、大手出版社の越智(平野良)からも思いを寄せられて…という物語。原作も映画も見たという八木は、「まず、いちこの脳内の感情を擬人化した設定が面白い。5人の一人ひとりに感情のバックボーンがあり、すごく共感できる部分がありました。その上、5人はいちこ自身だから、自分自身が幸せになることと、相手の幸せを願う=それも自分自身の幸せということに直結してくる。ポップで明るいだけでなく、深いんです」と熱を込める。八木が演じるのは、脳内会議のメンバーをまとめる議長の吉田。議長というからには冷静な人物だと思いがちだが、「めちゃめちゃ優柔不断で、ポジティブな人に嫉妬して右往左往する。そのダメぶり、こいつ頼りないというのが舞台でもすごく見えると思います。でも、人に対して警戒心があるところは僕と重なりますね」と笑う。原作や映画とは違う、舞台ならではのシーンも楽しみだ。いちこや早乙女ら現実世界のメンバーと、5人の“脳内組”とのお芝居の掛け合いや、セリフのバトンパスが見どころだそうだ。「新たに越智さんの脳内会議のシーンもあって、それは原作や映画には出てこないので注目です」。FANTASTICS from EXILE TRIBE以外の舞台に初挑戦する今作。「舞台はあまり経験がなく、フルで2時間を超える芝居は初めてで、どうしても映像作品のように、観客をレンズの向こうに意識する面と面だけの演技をしてしまうんです」と苦労を明かす。演出を手掛ける佐藤祐市から「リアルタイムでいろんな角度からお客さんに見られていることを意識しなさい」とアドバイスを受けた八木。演出家をはじめ、周りのキャストにも鍛えられ、同じ瞬間やタイミングは二度と起こらない舞台は新鮮と語る。「最高に楽しい時間を過ごしてもらえるように、毎公演、毎公演、大切に届けます。ぜひ、劇場に来てください!」。東京公演は9月6日(火)まで明治座にて上演中、大阪公演は9月10日(土)から12日(月)まで、COOL JAPAN PARK OSAKA WWホールにて上演。東京公演のチケット発売中。取材・文:米満ゆう子
2022年09月05日まだまだ暑い日が続き、なかなか寝付けなかったり、夜中に目が覚めてしまう人も多いのでは。そんな方は脳に熱がこもりやすくなっている可能性が。そこで脳を冷やして眠りやすくする夜の新習慣を伝授。脳を効率よく冷やすアクションで、快眠に導く。「ぐっすり眠りたいなら、脳を冷やす“冷活”がカギになる」と話すのは、東京疲労・睡眠クリニック院長の梶本修身さん。「脳や臓器など、体の中心の機能を守るために一定に保たれる『深部体温』を下げることで入眠しやすくなることは一般的によく知られていること。しかし暑い時期は、気温が高く熱がこもりやすいので、脳の深部体温が下がりにくく、眠りの質に影響を与えます。脳は自律神経を通して、筋肉や臓器など体内のすべての器官の働きをコントロールする司令塔。その大切な脳がオーバーヒートしたまま眠りにつくと、自律神経の負荷が増し、疲れが取れにくくなり、頭痛などの不調を招く場合も。だから良い睡眠を得るために、脳を冷却して、休息モードにしてから眠ることが大事なんです」そのためにお風呂、入浴後の過ごし方、寝室環境の3つに分けて、脳の冷活新習慣を紹介。お風呂編:脳がのぼせないように、ぬるめの湯に短時間浸かる。日中、仕事などで酷使して温度が上がった脳を手っ取り早く休息モードに持っていくための手段が、お風呂。「入浴後は、熱が放出されて体温を効率よく下げることができます。深部体温は60~120分かけてゆっくり下がっていくので、就寝の60~90分前の入浴がおすすめ。しかし、暑い日は入浴することで、逆に脳に負担がかかりやすくなることもあるので、長湯は禁物。のぼせないような対策を心がけながら浸かりましょう」(梶本さん)POINT1:夏はシャワーだけでもOK!暑い時だけでなく、忙しい時や疲れている時など、どうしてもお風呂に入りたくない日は、無理に入らなくて大丈夫。少し熱めの温度のシャワーで、全身をしっかり温めよう。POINT2:換気or涼風モードを活用。浴室の温度や湿度が高いと、脳に負担がかかりやすくなるので要注意。浴室乾燥機がある場合は換気or涼風モードを活用。ない場合は窓やドアを開けて、湿気を追い出す対策を。POINT3:通常よりお湯の温度は低めに。暑い日は39~40°Cのぬるま湯がベスト。しかし個人差があるので通常より1~2°C低めでOK。日中、冷房空間で過ごすことが多く、体が冷え切っている場合は少し熱めに。POINT4:10分以上湯船に浸からない。暑い日にお風呂に入るメリットは、水圧と浮力で全身の血液の循環を促し、疲労回復や不調改善の効果が高まること。体を温めるのが目的ではないため、さくっと済ませて。入浴後の過ごし方編:リラックスして過ごすことで脳を休息モードに切り替える。入浴後に自然と体温が下がるメカニズムを利用して、穏やかに過ごすことで睡眠の質を向上させられる。「副交感神経が優位になりやすいので、脳の興奮を落ちつけて、心と体をリラックスさせましょう。集中して頭を使ったり、ストレスがかかるようなことも脳のオーバーヒートを起こす原因になるため、アクティブな活動は控えて、ゆっくり過ごして」スムーズに入眠できるよう、軽いストレッチやマッサージもおすすめ。POINT1:暖色系の照明にする。蛍光灯などの青白い光は、睡眠ホルモン「メラトニン」を抑制する作用が強いため、夜は室内の照明を白熱灯など、温かい色の光に変えるとよい。間接照明だけで過ごすのもあり。POINT2:好みの香りや音楽でリラックス。心地よい香りや好きな音楽など、リラックスできる状態に持っていけるようなナイトルーティンを意識的に取り入れるのもあり。習慣にすると眠りスイッチが入りやすくなる。POINT3:200~300mlの水分を補給する。就寝中の発汗は深部体温を下げる働きがあり、体から多くの水分が奪われるので、先に水分補給を忘れずに。200~300ml程度なら、夜中に尿意を催す心配も少ないので安心。POINT4:スマホやPCは極力見ない。SNSや動画サイトは興味と関心を高め、覚醒を促す原因に。スマホやPCから出るブルーライトもメラトニンを抑制する働きがあるので、できれば寝る60分前にはやめること。寝室環境編:就寝中も脳にとって快適な環境を作り、深い眠りを促す。お風呂、入浴後の過ごし方で準備ができたら、最後のひと押し。布団に入ったら自然と眠くなるよう、脳に快適な環境を作ることも欠かせない。「実は脳にとっての最適温度は22°C。しかし日本人は筋肉量が少なくて、22°Cでは寒く感じる人が多いので、脳を冷やして、体を冷やさない温度をキープすることが大切。エアコンを切って寝ている人でなかなか寝付けない方は、脳に熱がこもっている可能性が高いので、寝室温度を見直しましょう」POINT1:照明を消す。豆電球ほどの小さな光でも、睡眠を妨げることが分かっているので、できるだけ寝室は真っ暗にすること。ほのかな明かりがないと安心できない場合は、間接照明を活用して。POINT2:室温は25~26°Cが理想的。脳と体の適正温度を考えると25~26°Cが妥当だが、個人差があるので体が冷えない室内温度に。エアコンをつけたまま眠れない人は、扇風機や除湿機を使い熱がこもらない対策を。POINT3:布団をかけて寝る。脳は冷やして、体は冷やさないが鉄則。エアコンをつけて寝る場合は、顔から上だけ出して、首から足先まで布団をかけること。すると短い睡眠時間でもしっかりと疲れが取れる。POINT4:鼻呼吸で脳に冷たい空気を送る。鼻は脳の冷却装置といわれ、鼻呼吸することで、脳に冷たい空気を送り込むことができる。吸って、少し息を止めて、ゆっくり吐く、これを3回繰り返すと、スムーズに入眠できる。グリシン入りドリンクで快眠を促すのも効果的。エビやホタテなどの魚介類に多く含まれるアミノ酸の「グリシン」を摂取すると、手足の血流が増えて、深部体温が下がりやすくなるため、睡眠をサポートすることが医学的にも立証されている。食品だけで十分な量を摂取するのは難しいため、清涼飲料水や栄養ドリンクで補うのも手。就寝前に飲めば、夜間熱中症対策にもなる。大正製薬リポビタンアイススラリー for Sports凍らせて飲む清涼飲料水。通常の氷よりも結晶が小さく、身体内部を効率よく冷却できる。深部体温を低下させることで入眠を促進。就寝30分前の飲用がおすすめ。グリシン3600mg配合。ハニーレモン風味。120g¥194(大正製薬 TEL:03・3985・1800)ファインファイングリシンゼリー1日分2包にグリシン3000mgを配合。さらに緑茶にも含まれているリラックスを促すテアニン、GABAもプラス。つるっとした喉越しで、デザート感覚で味わえる。ノンカフェインで糖類ゼロ。白ぶどう風味。6包入り¥430(ファイン TEL:0120・056・356)アリナミン製薬アリナミン ナイトリカバー寝る前に飲むことも考えて開発された、寝ている間に疲労を回復する栄養ドリンク。抗疲労成分フルスルチアミン、グリシンなど、8種の有効成分が疲労と睡眠の質を改善。ジンジャー風味。50ml¥165*編集部調べ(アリナミン製薬 TEL:0120・567・087)梶本修身さん疲労回復専門医。「東京疲労・睡眠クリニック」院長。大阪市立大学大学院医学研究科 疲労医学講座特任教授などを歴任。理化学研究所生命機能科学研究センターで疲労と睡眠の研究を行う。著書に『すべての疲労は脳が原因』(集英社新書)など。※『anan』2022年8月31日号より。イラスト・seko koseko取材、文・鈴木恵美(by anan編集部)
2022年08月26日小学生の息子は、夏休み明けは毎年行き渋りUpload By かなしろにゃんこ。わが家のADHDと広汎性発達障害(ASD)のある息子リュウ太は、小4〜小6のころ、夕方から夜にかけて「学校行きたくない…」と言うことがありました。2学期がスタートすると調子が悪くなるんです!夏休みは暇すぎて7月下旬には「早く学校行きたーい」と言っているのですが、いざ夏休みが終わり学校がはじまると夏の疲れや、生活サイクルをなかなか戻せないせいか朝から気分が憂うつそうでした。9月は暑いし授業だるいし嫌だよね…って気持ちは分かるんですが、「行きたくない」「お腹痛い」と毎日朝から言われると私も悩んでしまいます。小3のころから朝は腹痛、夜は不眠に…Upload By かなしろにゃんこ。リュウ太は、小学校の3年のころから クラスメイトからいやがらせをされるなど、精神的な悩みがあると腹痛を起こしていました(それがきっかけで児童精神科のクリニックを受診し、発達検査をすることになりました)。2学期がはじまり、学校からは特に報告がなかったのですが、朝の腹痛や行き渋りは、特性によるトラブルなどによって精神的に悩んでいるのかも…と思いました。過去にも調子がイマイチのまま登校するとイライラしてしまったり、人間関係のトラブルが勃発することがあったので、多分夏休み明けのこのときも、口に出さないだけで何かしら苦しんでいたかもしれません。Upload By かなしろにゃんこ。毎日学校から帰るとリュウ太は学校のグチを言い、精神的に苦しそうでした。少しでも穏やかな時間をつくったほうがよいと思い、行くのを嫌がっていた算数の塾をやめて夕方はゆっくり過ごせるようにしました。それでも夜になるとなかなか眠れないことがあり、好きなDVDをボーっと眺めながら眠るようになりました。楽しんで観ているという感じではなくボンヤリと力なく見ているので心配になりました。ある日、寝坊して小学校に大遅刻!Upload By かなしろにゃんこ。そんな、あるとき私もリュウ太も大寝坊してしまい、気がついたら2時間目の授業が始まる時間!「大変!急いで学校に送り出さなきゃ」と慌てていたら担任の先生から電話がありました。寝坊したことを報告すると先生は「慌てなくていいですよ、最近リュウ太くん調子悪そうだったので、体調がイマイチなときはゆっくり来てください」と言ってくださいました。なんだかホッとしたのを今でも覚えています。私が電話を切ると横でリュウ太は「遅刻だね、3時間目からでいいかな」と行く気をみせていました。Upload By かなしろにゃんこ。Upload By かなしろにゃんこ。大遅刻してもいいじゃないか「休みたい」と言うかと思ったのですが、意外にも調子がよさそうな感じでした。遅刻の際は、保護者同伴で登校となるのですが、一緒に学校に行く間も機嫌がいいリュウ太。普段よりゆっくり起床すると調子がいいのかな?と思いました。私は、夜に仕事をすることもよくあり、朝起きられずそのあとも何度か大寝坊するというダメ母だったのですが、そんな日はリュウ太の機嫌がいいことに気がつきました。反省しつつも、リュウ太の機嫌がいいと(遅刻したっていいか…朝からきちんと登校しない日があってもいいよね)と母は思ってしまうのでした(笑)。Upload By かなしろにゃんこ。そのあとも私たち親子は月に1度は大寝坊し、3時間目から登校することがありました。もうひらきなおって堂々と遅刻です(笑)。学校行事がある前日は「明日は音楽祭が○時からあるので遅刻しないようにしてください」と先生に念を押されて、気を引き締めて起床して乗り切ることができました。リュウ太自身も遅刻して教室に入るのが恥ずかしいというタイプではなく「オカンが寝坊した!」と思いっきり母親のせいにして、すまして途中参加していました。こうして、「大遅刻をしてもいいじゃないか」というわが家のルールを導入してからは、リュウ太の行き渋りが少なくなり、卒業まで乗り切れたのでした。執筆/かなしろにゃんこ。(監修:井上先生より)リュウ太さんにとって遅刻したことの理由が「お母さんが寝坊したから」というのは、先生にもクラスメイトにも言いやすい理由だったのかもしれませんね。夏休みなど長い休暇明けは、生活のリズムが元に戻りにくかったり、環境が変化することから疲れを感じやすくなるお子さんが多いようです。遅刻や欠席は少ないに越したことはないのですが、体調の悪いときには、遅れていったり、途中で保健室で休んだり、早退など適度に休むことで体調を整えるという選択肢も使い、休みが連続しないようにできるとよいと思います。
2022年08月16日食べて長生き! 脳がいきいき!8月4日、認知症研究で知られる白澤卓二氏監修により、ショウガの脳の若返り効果と認知症予防効果を紹介する新刊『脳の若返りショウガ健康法 食べて長生き! 脳がいきいき!』が学研から発売された。白澤氏は白澤抗加齢医学研究所所長で医学博士、お茶の水健康長寿クリニック院長、認知症や脳に関する一般向け書籍を多数執筆し、テレビ番組出演でもおなじみ。A5判、128ページ、定価は1,540円(税込)、発行は学研プラスである。若返り効果の食材とショウガのレシピ82点認知症といえば、高齢者の疾患としてのイメージが強いが、脳の老化は40代、50代から始まり、年齢とともに徐々に衰えていく。食生活、運動、睡眠といった生活習慣が脳の老化を招くことがあり、実際に記憶力や集中力の低下を実感している人も多いのではないだろうか。世界中で認知症についての研究は行われているが、ショウガは体内の血流と代謝を改善し、免疫機能の調整などのほか、認知症の治療や予防に役立つのではないかと注目されているという。新刊ではショウガの脳などに対する健康効果のデータや、ショウガパワーを最大限に引き出す活用法、若返り効果のある食材とショウガを使用するレシピ82点が紹介されている。(画像はAmazon.co.jpより)【参考】※『脳の若返りショウガ健康法食べて長生き! 脳がいきいき!』 - 学研出版サイト
2022年08月11日