「ADHD」について知りたいことや今話題の「ADHD」についての記事をチェック! (2/31)
朝の準備は忍びのものでスタート朝、家の中がまだ静寂に包まれている時間に、私は息子ハジュのための準備を始めます。ASD(自閉スペクトラム症)・ADHD(注意欠如多動症)のハジュは、時間や予定をきっちり守るのが大好きな性格です。そんな彼が落ち着いて一日を始められるように、私もできる範囲でサポートしています。私の朝は、アラームが鳴る前に起きるところから始まります。長年の経験で、アラームが鳴る直前になぜか目が覚める能力を身につけました。ハジュがまだ眠っている間に、忍びのごとく、できるだけ静かに起きてキッチンに向かい、彼の好きな朝ごはんを用意します。目玉焼きと野菜ジュースがハジュの定番メニューです。Upload By スパ山ハジュが起きると、テレビの星座占いを見るのが日課なので、チャンネルを合わせて準備しておきます。彼はこれを楽しみにしていて、欠かしたくない大切な時間です。その後、タブレットで今日の気温や日の入り時間を確認します。ただし、タブレットの充電が100%でないと不安になるので、前日にきちんと充電しておくのが大事です。もし忘れると、「充電が足りない!」と泣き出してしまうこともあります。ルーティンの試練朝食が終わると、ハジュは身支度を始めます。トイレ、歯磨き、着替え、水筒をランドセルに入れる、髪を結ぶ、そして7:55きっかりに玄関で靴を履く。これがハジュにとっての"完璧な順番"です。この流れを崩すと不安になってしまうので、私はできるだけ彼がスムーズに準備できるように手伝っています。トイレを促したり、着替えを用意したり、水筒をキッチンの所定の場所に置いたりと、先回りして動くことが多いです。Upload By スパ山とはいえ、ルーティンが崩れるとひと騒動です。ある朝、うっかりアラームをかけ忘れ、そんな時に限ってアラーム前に目覚める能力も発動せず……。私は寝坊をしてしまい、目を覚ますとハジュがすでに起きていて、「星座占いを見逃した!」と大慌て。私が「大丈夫、1時間後にまたあるから、ほらご飯食べよう?」と提案しても、「何位だったのか分からないと困る!」と泣いてしまい、結局スマホで急いで検索しました。起きて数分で、私はゲームで言うHP(体力)が削られました。とほほ。突然のルーティン変更と謎の儀式(笑)さらに、ハジュは時々、突然ルーティンを変えることがあります。新しいルーティンを覚えるのも一苦労です。最近追加された"水筒をランドセルに入れる前に振って泡を確認する"という工程を忘れた時、「泡見てないよ?」と、キッチンからやり直しになります。それ以来、 (泡を見るって何なんだ……?)と思いつつ私は毎朝「泡よし!」と確認する謎の儀式を取り入れました。Upload By スパ山ハジュの成長と親としての喜びしかし、そんなハジュも少しずつ変わってきています。以前は、準備が間に合わないと感情を爆発させることが多かったのですが、最近では「水筒をお願いします」と頼んだり、「着替えがないから自分で選ぶの?」と言えたりと、柔軟に対応できるようになりました。私自身も、ハジュができることが増えたおかげで、気持ちに余裕が持てるようになりました。朝の準備がスムーズに進むことで、私のHP(体力)も削られずに済んでいます(笑)。ハジュが少しずつ自立に向かって進んでいる姿に親としての喜びを感じます。Upload By スパ山ちなみに、長女や次女は…長女も実は自分のルーティンをしっかり持っています。順番が狂うと、その日はスイッチOFFになってしまうこともありましたが、成長する中で、自分のペースを守るコツや、崩されないための秘技(?)を自分なりに編み出したようです。最近では、もし順番が崩れても「まあ、なんとかなるか……」と自分で気持ちを立て直せるように。成長したなぁ、と感心しています。それでも体調不良などの“イレギュラーイベント”が発生する時は、私が「今日はいつもとちょっと違うから、これを先にやるね」と事前にアナウンスを入れておきます。すると「うん。いいよ」と落ち着いて対処できるので、事前の見通しって大事だなぁと実感します。一方、次女はと言えば……そういう順番とかルールとか、まったく気にしません!(笑)。とても自由にやってくれるので、その気ままさにたまに振り回されることもありますが、それが彼女の個性なんだなと微笑ましく見守っています。ハジュの朝のルーティンは、単なる習慣ではありません。それは彼が安心して一日をスタートするための大切な基盤であり、私たち親子の絆を深める時間でもあります。これからも彼のペースに合わせながら、一緒に成長していきたいと思っています。執筆/スパ山(監修:森先生より)スパ山さん、お子さんのルーティンについての体験談をありがとうございます。 ルーティンを日々こなす中でも、ルーティンが変化していったり、思わぬアクシデントが起きることで、かえってお子さんの成長が感じられてうれしいですね。さて、「ルーティンをこなすと安心する」というのは、誰しもあることかと思います。 たとえば「野球選手が試合前に素振りをして精神を統一する」とか、「受験生が毎回テスト前に深呼吸する」というようなことですね。 落ち着くための、いわばおまじないのようなルーティンを持っている方は多いのではないでしょうか。特に発達障害の傾向のあるお子さんでは、日々のルーティンが決まっていることも多いですね。学校に行って小さな社会に触れることは、お子さんにとっては大冒険です。外の世界では何が起きるか分かりませんから、安心して過ごせる家庭の中で「決まった手順」を踏むことで、外の世界に出る心の準備をしているのかもしれません。お子さんのルーティンを尊重することは、お子さんの気持ちを尊重することです。できる限りルーティンを守ってあげると結果的に準備がスムーズに進むことが多いでしょう。 とはいえ、保護者の方の生活もありますし、時間や体力、天候などもろもろの状況がルーティンを許さないこともあり得ます。 お子さんの求めに必ず毎回応えられるわけではないですよね。「ルーティンが崩れても大丈夫だった」という成功体験を積むと、お子さんはさらに自信を持って成長します。ルーティンをうまく使いながら、無理なく子育てをしていきましょう。これからもスパ山さんとお子さんが一緒に成長していけることを願っております。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2025年02月07日学校から持ち帰り忘れる……忘れ物が多いとき、どう対策する?学校からの配布物や宿題、週末の体操着など、家に持ち帰るべきものを学校に置いてきてしまう――。持ち物の管理が苦手で、よく忘れ物をするお子さんへの対応に悩むご家庭も多いかもしれません。発達ナビのQ&Aコーナーでも、以下のような声が寄せられています。直近では、学校からの持ち帰り物を忘れることが非常に多く、本人&母共に困っています。例えば、連絡帳(書いたのにおいてくる)、傘(雨の日家から差していける傘がない)、ノート・教科書(宿題ができない)、筆箱(鉛筆削りなど毎日のタスクができない)等上記の連絡帳・筆箱…など毎日定常で持ち帰る物も忘れてくるのが特徴です。また、毎日全部忘れてくるわけではなく、筆箱がない日、ノートがない日…など日によってバラつきがあります。あるあるですが、小学一年の我が子、忘れ物が多いのです。毎日ランドセルに付箋で持ち帰るものを書いていますが、3日間書き続けて言い続けてやっと持って帰ってくるような感じです。朝の提出物は全て連絡帳袋に入れ、これも付箋で「朝、連絡帳袋の中身を全部先生に渡す!」と書いていますがそれでも出し忘れることがあり…まあ、付箋を見忘れている&本人の中でランドセルの一部になってしまっている、または帰り支度の時にぼーっとする or 他のことをやっていて慌てて帰り支度をして忘れてしまうのだと思います。先生も帰りの支度の声かけはしていただいていますが、持ち帰るものまでは見ていただけず。でも、私もそこまではお願い出来ないと思っているので何とか自力で解決したいのです(>人<;)かろうじてランドセルは背負ってますが、手に他の荷物はもちませんし、教科書、連絡帳などは学校に置きっぱなしです。本人いわく、手荷物は、他のもの(通学路で拾う石ころや棒切れ)が持てないから持ちたくないし、忘れちゃう。連絡帳とかは面倒くさいし、学校で忘れる。とのこと。リスト作って確認しても、家から出るところまでは何とかなりますが、学校から帰り(学童クラブへ)は本人任せです。ちなみに私は働いているので、フォローできません。似たようなタイプのお子さんは、学校からの帰りに、どうやって持ち物や連絡帳を維持されてますか?今回はそのような持ち物管理のお悩みについて、鳥取大学大学院教授で発達障害を専門とする井上雅彦先生にお伺いしました。学校からの持ち帰り忘れが多い中学生の息子。ADHD(注意欠如多動症)の忘れ物対策は?A:忘れ物対策は、学校から帰る前に持ち帰るものを点検する習慣付けや、持ち物をできるだけ一つにまとめるなどの工夫を、お子さんと一緒に考えていくことが大切です。家から学校に持って行くものはある程度保護者がサポートできますが、学校から持ち帰るシーンは保護者が直接関われないので、なかなか対策が難しいですよね。理想としては、学校で帰りの支度をする時間などに、持ち物を点検する習慣が付けられるといいですね。そうすると忘れ物をしにくくなると思います。例えば大人でも、出発前に「財布・携帯電話・カギを持ったか?」などを無意識に点検している方も多いのではないでしょうか。同様に、毎日持ち帰るものについては、点検することを1つずつ習慣化できると良いかもしれませんね。習慣化をサポートする際は、日によって持ち帰るかどうかが変わるものよりも、毎日必ず持ち帰るものから始めることがポイントです。スモールステップでまずは1つ、決めた道具を持ち帰ることを目標にしていきます。例えば、持ち帰るものを「連絡帳」と決めたら、ランドセルやカバンを開けたときに目に入る位置に「連絡帳を入れる」と書いた紙を貼るなどして、思い出せる工夫も大事になってくると思います。不注意による忘れ物は、注意したり叱ったりしても、なかなか改善することが難しいでしょう。「忘れないように頑張る」などの意識付けよりも、お子さん本人と一緒に工夫を考えていくことが大切です。例えば、宿題で必要なことが多い国語・算数は毎日全て持ち帰るというお子さんもいます。日によって持ち帰るかどうか変わるよりも、多少重くても毎日持ち帰るほうが忘れなくて良いという場合もあるでしょう。本人が使いやすい連絡袋にするのも一つの方法です。ファスナー付きだと開けることに手間取る場合はクリアファイルのほうが良いかもしれません。クリアファイルもあえて透明なものではなく、本人が好きなキャラクターや目立つ色のほうが目に留まりやすいかもしれませんね。発達ナビライターの丸山さとこさんは、息子さんの忘れ物やなくし物対策として、「なくすこと、忘れることを前提に準備」という対応をしたそうです。そのため、コウの入学に伴い『なくし物・忘れ物対策』として、私は大量の学校用具を用意しました。主に大量購入したものは、筆記用具・給食袋・ハンカチとティッシュ・水筒・歯磨きセットです。特に、消しゴムや鉛筆などの小さな消耗品は大量にストックが余っても困ることはありませんので、箱単位で多めにストックしておくよう心がけていました。残念ながら「予想よりストックは使わなかったな。余って困ったな~」と思う機会は全くなく、筆記用具はどんどん足していくスタイルのまま、コウは小学校を卒業しました。給食袋は4袋学校に置き忘れたことがありましたし、水筒は3本で足らずにペットボトルを持たせたこともありました。「持って帰るものを忘れないようにする」と大きな目標にするのではなく、お子さんが特に忘れやすいものや、忘れたときに困る度合いが大きいものから、1つずつ対策を考えていけると良いですね。Upload By 発達障害のキホン持ち物の管理が苦手で、大事なプリントも親に渡してくれないときは?A:プリント類を保護者に渡してくれないという場合には、まずはお家のなかで連絡袋を出す場所を決めて、帰宅したらすぐにランドセルから連絡袋を出すことから始めていくと良いかもしれません。学校でも、連絡帳を出す箱、宿題を出す箱が決まっていて、登校したらすぐ決められた箱に出すことを毎朝のルーティンにしている場合もあります。お家でもリビングの分かりやすい場所にトレーなどを置いて、その横にお子さんの好きなおやつなどを置いておいて、「帰宅したら連絡帳を出してその日のおやつゲット」という流れにするのも一つの方法です。また、プリント類を保護者に渡してくれないのは何が原因か?どこでつまずいているのか?を改めてお子さんと一緒に確認していくことも大切です。プリント類を保護者に渡すまでのステップの例としては、1:学校で配られたプリントをすぐに連絡袋に入れる2:連絡袋をランドセルの中に入れる3:帰宅後にランドセルから連絡袋を出す4:連絡袋から保護者に渡すべきものを選別し、保護者に渡しに行く大きくこの4つがあると思います。前述の連絡帳用トレーを置く工夫は、ステップ3〜4を行いやすくする工夫になりますが、お子さんはどこでつまずいているでしょうか。ステップ1でつまずいている場合にも理由はいくつか考えられると思います。例えば、「持ち帰るべきプリントと、学校に置いておくプリント」を選別することが難しい場合、「配られたプリントはすべて連絡袋に入れる」と手順を減らす工夫も選択肢になるでしょう。あるいは、実は連絡袋自体、家に忘れてしまうので学校で入れる袋がない、なんてこともあるかもしれません。このように今一度お子さんと一緒に手順を振り返ってみることで、お子さんに合う手立て・必要な工夫が見つかりやすくなるでしょう。Upload By 発達障害のキホンまとめ:持ち物管理アプリの活用にもチャレンジ学校からの配布物については、最近はスマートフォンのアプリ経由で、保護者に直接データを送信する学校も増えてきているのではないでしょうか。デジタルな方法が普及することで、ご家庭の困りごとが減っていく面もあるかもしれませんね。小中学校の校内では難しいかもしれませんが、大人になるにつれて、スマートフォンやスマートウォッチのリマインダー機能、音声デバイスの活用など、デジタルを駆使していくことも、忘れ物を減らすことに役立つと思います。持ち物管理アプリやリマインダーなど、まずはご家庭のなかで少しずつデジタルな手段を取り入れてみても良いでしょう。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2025年02月04日発達障害のある私。大学入学、そして退学。障害者雇用、就労移行支援、就労継続支援A型、B型、通信制短大……とさまざまな道をたどりました30代の当事者です。24歳の時、ASD(自閉スペクトラム症)、LD・SLD(限局性学習症)の診断を受けました。境界知能です。ADHD(注意欠如多動症)の傾向もあります。また軽度脳性麻痺があるため、身体障害者手帳を持っています。特性としては、言語が比較的得意、目からの情報処理の力が低く、抽象的な指示が苦手……などといった点があります。周りからは「真面目で頑張り屋」と言われる性格です。私は高校3年生の時法律に興味を持ち、法学部への進学を決めました。自宅から通える大学のオープンキャンパスで「ここなら頑張れそう」と感じ、志望校としました。でも、入学後わずか半年も経たないうちに、対人関係でつまずいてしまいました。大学中退後は、障害者雇用、就労移行支援、就労継続支援A型、B型、通信制短大……とさまざまな道をたどりました。今回はそのお話をさせていただきます。人間関係がストレスに。通学時、大学の最寄り駅で糸が切れてしまった私1年次からゼミがある学校だったのですが、ゼミ内での人間関係がとてもぎくしゃくしてしまいました。何とか通学しよう、勉強を続けたいと頑張ろうとしましたが、ある日、大学の最寄駅で糸が切れてしまいました。「もう無理だ」と感じ、身体が動かなくなってしまったのです。Upload By ユーザー体験談その時、思わず電話したのは、卒業式の時に『何かあったらいつでも先生に連絡してきなさい』といってくれた高校時代の担任の先生でした。朝早い時間帯でしたが、藁をもすがる気持ちで電話をかけると、電話に出てくれた先生は、私の様子でただごとではないと察したのか、『とにかく休め、今はとにかく休め』と電話越しに強く言ってくれたのを覚えています私はそのまま休学することになりました。Upload By ユーザー体験談「休学と退学のメリットとデメリットを書き出してみては?」とのアドバイスを受けてしばらく休んだ私、やがて『この先どうしようか?』と考えられるようになりました。そこで、休学してやり直すか、思い切って退学するか、とても悩みました私は高校1年生の頃から社交不安症で、メンタルクリニックに通院していました。その時からの主治医に相談すると、「休学と退学のメリットとデメリットを書き出してみて、メリットが大きい方を選んでは?」とアドバイスをいただきました。担任の先生は『休学してやり直しても良いんだぞ、そういう道もある』と言ってくれましたが、私なりに考え、納得して、退学を選びました。それでも、応援してくれた先生方に申し訳ない気持ちや、志した道を途中であきらめざるを得なかったことへの悔しさは消えませんでした。大学中退後の模索。障害者雇用、就労移行支援、就労継続支援A型などでの働き方と感じたこと大学を辞めてから、私はさまざまな働き方を経験しました。それぞれで行ったこと、感じたことをお話しします。私は身体障害者手帳を持っていたので、障害者雇用でいくつかの人事総務系の仕事に就きました。雇用形態は契約社員かパートです。高校では挨拶の大事さを学んでいたので、挨拶だけはどこに行っても褒めていただきました。あとはWord、ExcelなどのOffice系のソフトにも高校から触れていたので、その点も困らずに済みました。会社によっては任せる仕事がないのか、電話の応対以外はただぼーっとパソコンを眺めたり、書類整理の単純作業が多かったです。逆に信頼していただけたことでは、いろいろ任せていただき、その結果キャパオーバーに……。さまざまなことがありました。この時、私は抽象的な指示が通りにくいと感じるようになりました。少しでも強みが増えればと、ビジネス系の検定を取得しました。※「Word」「Excel」は、Microsoft Corporationの米国及びその他の国における商標または登録商標です。就労移行支援は複数利用しました。どこも出だしこそ順調なのですが、「通院後にも来て欲しい」とか「目標を高く持って欲しい」と少しずつ要求が高くなると、体力的にも精神的にもついていけなくなりました。また、「相談しすぎです」というスタッフと「もっと頼ってもらっていいい」というスタッフの板挟みになったり、ほかの利用者さん同士の口論で過呼吸を起こしたこともあります。実習で、「姿勢が悪い」とフィードバックを受けたこともあります(脳性麻痺の特性で座位の保持が大変なのを、支援する側も、企業側にも理解いただけていないことを痛感しました)。Upload By ユーザー体験談A型では事務補助全般をやらせていただきましたが、個人情報を扱っている入力メインの職場だったので常に緊張感がある職場でした。当時新規で新たに施設を増やしたところだったので、スタッフも利用者も皆手探り状態で、ストレスを強く感じました。学びなおしへの一歩、通信制短大を卒業このように働く中で私は発達障害の可能性を指摘され、24歳でASD(自閉スペクトラム症)、LD・SLD(限局性学習症)の診断を受けました。境界知能や視覚認知に困難さがあることも分かりました。その後、精神保健福祉手帳を取得しています。医師から「一般的にこんな簡単に仕事を辞めない」と言われ、自分の社会性の弱さに気づかされましたが、逆に「これで自分の特性を知ることができた」とほっとした部分もありました。そんな中も、私は法学を学び直したいという気持ちが消えませんでした。ただ、独学で法律を勉強するのは難しいとわかっていたので、次に興味のあった、高齢者福祉と心理学を通信制短大で学び、何とか2年間で卒業することができました。基本的にスクーリングは金土日の週末で開催され、さまざまな年齢や立場の方が参加されていました。「一緒にがんばろう!」と過ごす3日間はとても貴重な時間でした。中でも特に手話のスクーリングは印象的で、最後の単位認定試験が手話の自己紹介だったので、仲良くなった方々と何度も練習したのが良い思い出です。また学生同士の集まりも多く、年齢的にまだ一番年下くらいだった私は、いつもありがたいことにいろんな先輩に可愛がっていただけました。周りには短大を卒業後、そのまま大学3年次に編入される方も多かったのですが、私は経済面に加え、残り2年間をこのまま突き進むには体力面で不安があるため、一旦編入は見送りました。選択肢はAかBだけではなく、Cを作ることもできる今、私は創作活動を中心とする就労継続支援B型事業所で、イラスト制作やピアノ演奏に取り組んでいます。最近ではクリスマスカードが商品化され、これからもっと多くの作品を作っていきたいと思っています。これまでの経験で感じているのは、「選択肢はAかBだけではなく、Cを作ることもできる」ということです。そう考えることで、開く道があるのだと思います。大学への登校中、「もう無理だ」と糸が切れたあの日から思いもしなかった道を歩む自分がいます。今後の目標は、通信制大学で学び直し、最終的に卒業することです。Upload By ユーザー体験談今も自分の特性に悩むことは多いです。でも「頑張る」のではなく、自分が笑顔でいられることを指標にした「顔笑る(がんばる)」気持ちで、一歩ずつ進んでいこうと思っています。エピソード提供/YOSHIMIイラスト/マミヤ(監修:初川先生より)卒業、そして福祉的就労の今という流れを共有ありがとうございます。さまざま大変な思いをされたり、理解されないつらさもありながらもご自身がつらくない道を開拓され、また学びたいことを大事に持ち続けられていることが印象的です。発達ナビをご覧の保護者の方には、高校・大学や特別支援学校高等部などをお子さんが卒業したら、そのままどこかしらに就職し、そこでずっと働いていくものだというイメージを持たれていることもあるかもしれません。もちろんそうした場合もありますが、お子さんの発達的な特性や得意不得意と仕事やその職場が合っているかどうかは、予想しきれない面もありますし、つらいところで無理して働くことがよいわけでもありません。さまざまな経験の中で、自分にはこれが合っている、これができる、こうしてくれると助かるということをつかみながら、仕事や職場を変えることもあることは知っておきたいところですね。また、仕事をするうえでは、発達的な特性や得意不得意がなかなか作用してくる面もあります。指示の出し方1つにしても、言葉での指示がよいのか、文字による視覚的なものがよいのか。1つずつがよいのか、あらかじめリストのように見通しを持ちつつまとまった指示出しがあるとよいのか。そうしたあたりについて、今は民間事業者でも合理的配慮が義務になりましたが、まずは本人が自分の特性や得意不得意をわかったうえで、事業者や企業側と話し合っていくプロセスを経由するということです。YOSHIMIさんも語られているように、経験の中でこうしてくれると助かった、こういった配慮がないと難しかったなどを、できれば学齢期から積みながら仕事選びや大学での学びの継続等に活かしていけるとよさそうですね。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2025年01月29日小学校での生活を振り返ってUpload By もっつん息子のタクは小学1年生の時にASD(自閉スペクトラム症)とADHD(注意欠如多動症)と診断されました。小学校の6年間は長いようであっという間でした。子育てと仕事、タクのサポートや習い事など大変かつ充実した日々を送っていました。高学年の頃のタクの学力は、真ん中くらいだったのではないかと思います。好きな教科や分野はすごい記憶力を発揮してどんどん理解できるのに対して、苦手意識のある教科はほとんど学習拒否状態でした。例えば算数の暗算や公式の暗記は得意ですが、筆記が苦手なので途中の式を何度言っても省略して減点になってしまったり文章問題になると意図が読み解けずに固まってしまったりすることがありました。そんなタクをなんとか机に向かわせてくれたのが、特別支援学級という居場所でした。授業参観で何度も見学に行きましたが、タクに構いすぎず放任しすぎずちょうど良いタイミングでアドバイスの声かけをしてくださる先生を見て「さすがだなぁ」と感心しました。おかげで学力テストを受ける際は得意教科は通常学級で受けることができました。仲が良い友だちと点数を競い合ったのは、タクにとって学習への自信がつくきっかけになったと思います。学習面以外でも学校での過ごし方は高学年になるにつれて、分かりやすい問題行動は目立たなくなっていきました。家庭で全力で向き合ってきたことに加えて、特別支援学級で過ごした時間がタクの情緒も成長させてくれたのだと思います。通常学級に戻りたいと思っていたあの頃Upload By もっつん小学1年生の後半にスクールカウンセラーの先生と相談しながら特別支援学級へと転籍を決めたわが家ですが、「学力と生活態度次第で通常学級に戻れるかもしれない」ということだけが当時の私には希望のように思えていました(入学した時が通常学級だったのでタクの本来の居場所だと思い込んでいました)。早く通常学級で過ごせますように……と思いながら、3年生・4年生と進級する度に引き続き特別支援学級が相応しいと学校から知らされる度に落胆していました。今となっては特別支援教育への知識や理解が乏しく、気持ちの余裕がなかったからそんな思考になっていたのだと分かります。ですが、当時はマイナス思考になってしまうことについて、さらに悩むというループに入ることもありました。そして5年生・6年生へと進級する頃にはだんだん受け入れられるようになっていきました。途中で何度も大きなトラブルが起きて投げ出したいほどつらい時期もあったけどなんとか乗り越えて、ありのままのタクを受け入れる覚悟が積み上がってきたのではないかと思います。中学校進学に向けて6年生の後半に学校で面談した際に「中学校も引き続き特別支援学級が相応しい」と言われた際には何の躊躇もなく受け入れられました。タクにとって過ごしやすくて、実力を伸ばしてくれる環境が何よりも大切だと実感した結果だと思います。ちなみにタク本人は「どっちでもいい」と言っていました。タクにとっては特別支援学級で学習することはとても自然な日常になっていたので、中学でもこの調子で過ごしてほしいと思いました。中学校でも特別支援学級?Upload By もっつん小学生から中学生になる際に心配なことはたくさんありました。学習内容が難しくなり授業時間も伸びるので、今まで以上に困難を感じるのではないか?慣れ親しんだ支援の先生とタイプが全然違う厳しすぎる方針だったらどうしよう?あとは中学卒業後の進路について特別支援学級だということが不利にならないか(内申点の有無など)。私たちが住んでいる地域は、子どもの数が少なく進学先は地元の公立中学校の1択で同級生全員持ち上がりでしたが、中学生特有の人間関係の複雑化によるいじめなども心配していました。入学前には特別支援学級の担任になる予定の先生と面談をしました。中学の特別支援学級の教室も少人数制でクールダウンのためのソファが置いてありました。内申点についてはいろいろな対応をとっている学校があるかと思いますが、タクの通う中学では通常学級と同じように評価されるということでした。心配事がたくさんありましたが、直接教室を見学して話すことで心配事をどんどん消化することができました。事前に小学校から引き継ぎがあり、タクの大まかな性格や、学力を把握してくださっていました。そして小中交流授業の際に、すでにタクは担任予定の先生と挨拶を済ませていました。改めて私からもタクの得意不得意や要注意してほしい点などを直接伝えることができて、面談をやってよかったなと思いました。中学校は学習量が増えていきます、求められる自主学習Upload By もっつんタクが中学校に進学した頃は世の中はちょうどコロナ禍で、行事や面談が簡略化されたりリモートに切り替わっている時期でした。濃厚接触者とみなされた方もいらっしゃるので、慎重に慎重を重ねて入学式は何度かに分けて少人数で行われました。PTAなどの仕事も控えめだったので私としても助かりました。入学してみて小学校との一番の違いは学習量の多さだと思いました。中学校は毎月のように定期テストや実力診断テストがあります。それは(個別に配慮はありますが)特別支援学級でも同じでした。クラス全体での成績の順位も具体的な数字で出るので、本人のやる気がかなり重要だと思いました。宿題は自主学習を提出することになっていたのですが、自ら課題を考えてこなすのが苦手なタクは、市販のテキストを使って勉強していました。それをそのまま提出しても自主学習とみなす配慮をいただき助かりました。勉強は好きじゃないようでしたが、先生やお友だちに恵まれて過ごすことができました。たくさんの人のサポートのおかげで充実して過ごせた事に感謝Upload By もっつん中学生活を振り返ると、大変なトラブルも何度かありましたが、きっと楽しく生活できたのではないかと思います。これまで、タクの気になる行動に対して、私も間違った接し方をしてしまった事もありますが、その時はタクの子育てや躾を自分でしっかりしなくちゃいけない!と過度にプレッシャーを感じすぎていたのが原因の一つになっていました。一人で抱え込もうとして失敗したのをきっかけに自身の通院やカウンセリングを受けて、中学校生活では自分自身の恥を捨てて多方面に相談するように意識しました。学校外で起こったトラブルも包み隠さず、速やかに先生に報告して翌日から注意して見てもらったりと協力してもらいました。児童相談所と家庭支援センターで定期的に面談をしたり、教育委員会の窓口に行ったりしたことがあります。ただでさえ思春期に差しかかると子育ては難易度が増す傾向にあるので、たくさんの人の力をお借りするのが大切だと思います。わが子がより充実して幸せな人生を歩むためという視点を忘れなければ、「支援を受ける・制度を活用する」という選択はすごく素敵なことだと思います。タクは中学校の3年間で身長もぐんぐん伸びたし内面も成長してくれたと思います。今は中学・高校卒業後にやりたい道も定まってきたようです。やりたい事が見つかってからはあれだけ苦手だった勉強を自主的に勉強をするようになり、自ら湧き上がってくるヤル気の大切さが見えました。これからもタクのことを応援していきたいと思います。執筆/もっつん(監修:新美先生より)息子さんの中学進学時について詳しく聞かせてくださりありがとうございました。通常学級と特別支援学級を比べて、なんとなく、通常学級のほうが上、できれば通常学級に行きたいけどやむを得ず特別支援学級に行っているみたいなイメージを持ってしまうことはあるとは思いますが、本来そこに上下関係はなく、お子さんにとって一番学びやすい、過ごしやすい場所を選ぶという意識が大事ですよね。通っていると、お子さんの様子を見て、こうしたことが実感できてくるのかなと思います。タク君は、小学校中学校と特別支援学級の先生やそのほか周囲のさまざまなサポートもあって、大きく成長されたのですね。お子さんの成長には、家庭の支えが何より大事ですが、家族以外の他者との関わりも非常に大事です。苦手なことや、心配な行動があっても隠したりごまかしたりしないで、さまざまな方に関わってもらうことが、ご本人の成長につながることは多いですね。素敵なエピソードを聞かせてくださり感謝です。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2025年01月26日具体的な解決策が満載!『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に体調管理するための本』Upload By 発達ナビBOOKガイド大人になってから発達障害の診断を受けたという方の中には、日頃から疲れやすさや体調不良に悩んでいるという方も多いのではないでしょうか。実は、多動性や不注意、こだわりといった特性や、感覚過敏や感覚鈍麻が、その原因のひとつかもしれません。本書では、発達障害当事者の方が抱えやすい「睡眠」「食生活」「病気」「健康」「生活の乱れ」「メンタル」などの悩みについて、体調管理をしやすくなるためのアイデアを数多く紹介しています。例えば、デジタル機器を使った管理方法や、100円ショップのアイテムで実践できる内容など、紹介されているアイデアはご自身のペースで取り入れやすいものばかり。こんなサービスがあるんだ!こんな便利なものがあるの?と新たな発見があるかもしれません。ぜひ本書を参考にためしてみてはいかがでしょうか。早期発見で適切な支援へつなげる!『学習障害(LD)がわかる本 気づいて、支えるために』Upload By 発達ナビBOOKガイド学校に行くのを嫌がる、勉強をやろうとしない……そんなお子さんの困りごとの背景には、もしかしたら学習障害(LD・SLD/限局性学習症)があるのかもしれません。学習障害(LD・SLD/限局性学習症)は、発達障害の一つです。読み書きや算数といった、学習の特定の分野で困りごとが起こります。知的な遅れはないため、幼児期では気づきにくく、就学後に初めて「みんなと同じように読み・書き・計算ができない」という事態に直面してから判明する場合も多いため、適切な支援がないまま勉強が嫌になり、登校渋りにつながることもあります。本書は、学習障害(LD・SLD/限局性学習症)に関する基礎知識だけでなく、学校で受けられる合理的配慮、家庭でのサポート方法、お子さんの困りごとに合わせた具体的な学習の工夫なども紹介しています。学習障害(LD・SLD/限局性学習症)への理解と適切な支援に役立つ一冊です。自分らしさに自信を持って『あなたがあなたであるために 補注新装版 自分らしく生きるための自閉スペクトラム・ガイド』Upload By 発達ナビBOOKガイド2005年の初版刊行以来、累計発行5万部のロングセラーとして親しまれてきた『あなたがあなたであるために 補注新装版 自分らしく生きるための自閉スペクトラム・ガイド』が、この度補注新装版としてアップデートされました。本書は、臨床医として多くの子どもたちに関わってきた著者による、ASD(自閉スペクトラム症)の当事者、主に中高生を対象に書かれたガイドブックです。ASD(自閉スペクトラム症)を脳の特徴として捉え、自分自身や周囲の人との付き合い方、暮らしやすくするための工夫を解説しています。本書の大きな特徴は、ASD(自閉スペクトラム症)の特性のポジティブな面が強調されていることです。個性を大切にしながら、その人らしい人生を謳歌していくために、まずは自分自身を知り、サポーターを見つけ、暮らしやすくなる工夫を実践していく……そういった一連のプロセスについて、分かりやすい言葉で、具体的な手立てが記されています。もっと自分自身のことを知りたいと思い始めたお子さんに、おすすめしたい一冊です。読む楽しみを一人でも多くの子どもに!『学校の「読書バリアフリー」はじめの一歩学校図書館10の事例』Upload By 発達ナビBOOKガイド目が見えない・見えにくい、活字の図書を読むのが難しいなど、さまざまな事情で本を読みたくても読めない子どもたちがいます。そんな「本の飢餓」の状態を解消するために、いま「読書バリアフリー」へのニーズが高まっています。2019年、「読書バリアフリー法(視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律)」が施行されましたが、今でも十分な環境整備が進んだとは言えない状況です。本書では、読書バリアフリーを学校で推進するための環境づくりのポイントや、読書バリアフリーに取り組んでいる学校図書館の10の具体的な事例を、実際の写真と共に紹介しています。また、学校の先生方から寄せられた疑問について、Q&A方式で分かりやすく解説しています。さらに、高知県と高知市の図書館等複合施設「オーテピア」が備える多様なバリアフリー図書、国立国会図書館の取り組み、日本点字図書館・サピエ図書館の教育機関との連携などをコラムで取り上げ、読書バリアフリーについてより理解を深めることができます。「みんなが読める」を理想で終わらせないために、読書バリアフリーにどのように取り組んでいくべきか示してくれる一冊です。誰もが読書をできる社会を目指して~読書のカタチを選べる「読書バリアフリー法」~(啓発用リーフレット)|文部科学省LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2025年01月25日「こども園に行きたくない」にショック!フルタイム勤務を辞めた私特別支援学級に通う7歳の息子がいます。医療機関での診断はまだ受けていませんが、3歳で受けた発達検査の結果などを見ると、ADHD(注意欠如多動症)、ASD(自閉スペクトラム症)の特性がそれぞれあるような気がしています。私は、息子が生まれる前からフルタイムで働いていましたが、息子がこども園の年中になった頃、発達特性が目立ってきて、登園をぐずるようになったことに伴い、働き方をフリーランスに変えました。目立ってきたのは「不器用さ」と「認知のゆがみによるネガティブ思考」です。息子が年中さんになったあたりから、周囲の子たちに比べて不器用さが目立ってきました。教室に飾ってあるお絵かきや塗り絵が飛び抜けて拙かったのを覚えています。縄跳びは今もできませんし、ボール遊びも苦手でした。息子は自分でもそれが分かるみたいで、「下手だからやりたくない」という発言が増えていました。また、この頃から被害妄想的な発言、「○○くんが僕のこと笑ってる。僕のことをバカにしてる!」などと主張することが増えたのです。ですが、園への送迎の時に友だちとのやり取りを見ていても、先生から園での様子を聞いても、そのような事実はなく、何やら本人が誤解しているという感じでした。Upload By ユーザー体験談そして息子は「こども園に行きたくない」と言うようになりました。これまでにはそんなことはまったくなく、楽しそうに登園していたので、少なからずショックでした。何となくの直感なのですが、「ここは適当にやり過ごしてはいけない。息子が今抱えているしんどさに気づかないふりをして無理にこれまで通りのペースを保とうとすると、あとで余計にこじれるのでは」という気がしたのです。持ち帰り仕事で私が深夜に作業していることも、息子への対応で苦慮していることも夫は心配してくれていたので、「当面はフリーランスで働いて、環境を整えながら過ごしたい」と言っても、特に反対はありませんでした。Upload By ユーザー体験談児童発達支援、宿題対応……フリーランスになって受けた恩恵時間調整がしやすい働き方に切り替えたことで、就学準備や息子のケアに充てられる時間が確保でき、平日昼間の児童発達支援利用もできるようになったので、息子の不安定さは目に見えて落ち着きました。現在息子は小学校1年生で、知的障害特別支援学級に在籍していますが、担任の先生やお友だち達にも恵まれ、心理的安全性を確保しながら過ごせているためか、勉強も意欲的に取り組めていて、いい感じに子育てできていると思います。今息子が苦戦しているのは「宿題」です。1問解くのに時間がかかっているのですが、問題が分からないというよりは宿題に取り掛かるための気持ち作りに時間がかかっている印象です。息子は私が隣にいることで宿題への負担が軽減されているようなので、私は「待つ」姿勢に徹して一緒に宿題を見ています。宿題を見る時間をじっくり取れるのも、時間に比較的融通がきくフリーランスだったからかなと思います。その結果、時間がかかりますが、息子は「宿題しんどいな~」と言いながらも必ず最後まで取り組むことができています。授業参観などでは先生の質問に積極的に発言し、担任の先生からも「授業に楽しんで参加できていますよ。朝のスピーチなども自分から進んでやってくれるし、とてもいい状態です!」とのお言葉。年中時代のネガティブ&無気力な姿を見ていただけに、その言葉がとても嬉しかったです。Upload By ユーザー体験談いいことばかりじゃない⁉経済的な不安しかし、その代償と言いますか、今、私の貯金が大大大ピンチです。仕事に充てられる時間が激減したため、今は会社員時代の貯金を取り崩している状態です。夫婦の生活費はほぼ折半ですが、私が育児にかける時間が多いため、負担割合は「夫6:私4」としています。それでも、貯金が底をつくのは時間の問題です。今後の働き方を再検討しなければなりません。Upload By ユーザー体験談子どもが生まれる前、夫に代わって私が生活を支えていた時代があったので、夫は私に「働き方を変えて、もっとしっかり稼いで」とは言いにくいんじゃないかと思います。とはいえ、「休みの日は、もっと俺が息子を見るわ。息子の送迎とかも、できる限り協力するし」と言われるので、私にもうちょっと働いてほしいと思っているのかな~とも感じています。今は、息子の登校に付き添いをしていたり、平日の午後に、送迎が必要な個別療育の放課後等デイサービスに通っています。まとまった収入を得やすい週5の時短勤務や、フルタイムなどの働き方にシフトすると、おそらくこれらを続けることは難しく、こだわりの強い息子を説得するのは大変だろうなぁ……と悩みは尽きません。あと、転職適齢期を大幅に過ぎた自分が、どこで働くかという問題もありますよね(汗)。母子分離不安がある息子。障害者手帳の取得も視野に入れてさらに、働きかたを変えていくための第一歩は、息子の「母子分離不安」を軽減することです。息子は「6年生になるまで一緒に登校して!」と言うほど、私への依存が強い状態。どうしたらいいか考えていたのですが、今後障害者手帳の取得に向けて、児童精神科を受診しようと思っています。これまでは特に必要性を感じる場面がなかったので手帳の取得を検討していなかったのですが、手帳取得によってなにか現状が変わればいいな、との思いからです。手帳取得によって手当が得られるわけではないことは知っていますが、収入を増やすことと支出を減らすことについて、いろいろな角度から考え続けたいと思っています。エピソード参考/苗イラスト/keiko(監修:室伏先生より)息子さんの特性や、お母様のお仕事についての悩みなど詳しく共有くださり、ありがとうございました。フルタイムからフリーランスでのお仕事に変更される時には、大きなご不安やさまざまな葛藤があったことと思いますが、「ここは適当にやり過ごしてはいけない」と息子さんに全力で向き合われてきたお姿、とてもかっこいいなと思いました。発達障害のあるお子さんへの経済的な支援の一つに、特別児童扶養手当があります。特性はあるものの生活への支障がそれほど強くないお子さんや、知的障害(知的発達症)の軽いお子さんでは手当を受けるのが難しい場合が多いですが、生活に一定程度以上の困難さを伴う場合には手当を受けることができます。児童精神科の受診には、手帳の取得や、手当に関する相談以外にも、医師、医療スタッフによる問診、お子さんの観察、発達・知能検査などを通して、ご本人の特性の理解を深めたり、その子に合った支援の方法を一緒に考えることができるというメリットもあります。息子さんとお母さまが共に安心して過ごせる道が見つかりますことを、私もお祈りしております。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2025年01月21日小3から特別支援学級に転籍し、ありがたかった個別の配慮ASD(自閉スペクトラム症)とADHD(注意欠如多動症)の診断を受けている息子のトールは、小学2年生まで通常学級に在籍し、小学3年生から特別支援学級に転籍しました。トールは特別支援学級に行くようになって、イライラしたり不安を感じたりすることが減っていったように思います。通常学級では、人の多さや周りの物音に過敏になって、ストレスを溜めているようでしたが、特別支援学級ではそれが解消されていました。また、特別支援学級の先生は、トールのその日の調子に合わせて宿題を出してくれるので、宿題のことで家でイライラするようなこともなくなっていきました。Upload By メイまた、トールの様子に合わせて1日のスケジュールを柔軟に変更してくれることもありました。トールは国語と算数だけを特別支援学級で受け、それ以外は通常学級で受けていたのですが、今日は朝から不安感やイライラが強いな……と感じた日は、そのことを先生に伝えておくと、通常学級に行く時間を減らして特別支援学級で少しゆっくり過ごすなどの対処をしてくれました。そのように個別に対応してくれるので、配慮してほしいことやトールのことで悩んでいることを、担任の先生に話しやすくなったのは大きな変化でした。トールにとっても、時間をかけてじっくり話を聞いてくれる担任の先生は、とても大きな存在になったと思います。Upload By メイまた、特別支援学級の先生の話し方や子どもたちへの声かけの仕方は、わたしにとっても参考になる部分が多く、発達障害に理解のある先生と日々を過ごせることに、大きなメリットを感じています。心配だった友だち関係や勉強面……特別支援学級へ転籍した影響は?転籍前に心配していた、通常学級の子どもたちとの関わりですが、やはり転籍前と比べて関わりが減ったのは事実です。通常学級の子どもたちが休み時間に遊びに誘ってくれることもあったようですが、トールは元々一人で過ごすことが好きなので、特別支援学級で落ち着いて静かに過ごすことが多いようです。交流学級(特別支援学級に籍を置きながら、通常学級で授業に参加すること)でどのように過ごしているのか心配もありましたが、授業参観や運動会、修学旅行などで、通常学級の子どもたちと仲良く話していたり、みんなとの楽しそうな写真を見たりすると、トールなりの距離感で周りの子どもとの関係を築いているのだと分かり、安心しています。Upload By メイまた、勉強面に関しても、通常学級の子どもたちから遅れることなく受けられています。テストも同じものを受けていて、平均よりも良い点数を取れている教科も多いとのことです。最近は特に熱中している分野があり、その分野のテストではいつもとてもいい点数をとっていて、自分で検定に挑戦するなど、日々知識を深めています。Upload By メイ自分らしく過ごした4年間。中学校でも特別支援学級へ最初は不安の多かった特別支援学級への転籍ですが、トール本人にとっても、親であるわたしにとっても、とても良かったのではないかと思っています。トールはもうすぐ中学校の特別支援学級に進学します。慣れ親しんだ小学校や担任の先生と離れることに不安はありますが、仲良くしてくれる同級生のお友だちと一緒に進学できることや、去年まで小学校の特別支援学級に在籍していた先輩がすでに中学校にいてくれることは、トールにとってもわたしにとっても大きな安心になっています。中学校もトールにとって楽しい場所になるよう願いながら、わたしもサポートしていけたらと思っています。執筆/メイ(監修:新美先生より)通常学級から特別支援学級に転籍したことについて詳しく教えていただきありがとうございます。通常学級は35人程度の生徒が一つの教室で、基本的に同じことを同じやり方で授業を受けたり活動したりします。このため発達障害特性があると、多くのお子さんにとってはそれほど気にならないことがストレスになったり、ベストパフォーマンスが出しにくいことがあります。トール君の実例からも分かるように、特別支援学級だと、自分のペースに合わせてある程度時間配分したり、活動のしかたを柔軟に調整したりなど、通常学級より合理的配慮を受けやすいですね。また、人数が少なく先生との距離も近いので、先生とコミュニケーションも取りやすいのもメリットです。先生も特性についての理解が厚いとより、相談もしやすいですね。学童期のうちに自分の特性に合った環境や活動のやり方を自分で選んだり調整する練習ができることや、他人と自分のことについて相談する練習ができることは、大人になってからの自立のためにとても役に立つスキルを練習していることにもなります。不安だった転籍も、親子ともにとてもよかったと思えたのは何よりです。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2025年01月16日息子に発達障害があると分かってからも、相談できるママ友がいなかったもともと人見知りで、人付き合いがあまり得意ではない私。コチ丸が小学3年生でASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)と診断を受けた時も、相談できる相手は昔からの友だちのみでした。しかも私は出産が周りより早かったこともあり、育児の相談というよりも愚痴を聞いてもらうという感じで、解決にはなりませんでした。コチ丸と年が近い子どものいる……なんなら同じ悩みを抱えているママ友ができたら現状を相談できたり、理解してもらえたりするのになーとどこかでは思っていましたが、当時の私は普段仕事をフルタイムでしていて、ほかのお母さんと顔を合わせる機会も滅多になく、会っても何を話せば良いのか分からず挨拶をするのが精一杯でした(というのも今となっては言い訳だったのかなと思ったりもしますが……)。人付き合いが苦手な母。できたらPTAも避けて通りたい……(願)。しかし小学校には人付き合いを避けられないものがありました。そう……PTAです。コチ丸が通っていた小学校は田舎の小さな学校だったため、どう足掻いても6年間のうちに1度はPTAの役員が回ってくるようになっていました。しかし、コチ丸は3、4年生の頃から学校を行き渋り出したため、必然的に私の足も学校から遠のき、なんとなくほかのお母さんたちとも(自分が勝手に)壁を感じるようになりました。振り返ると、やはりどこかで「わが子は学校に行ってないし、自分はフルタイムで働いているし……できるだけ距離を置きたい」という思いが強かったんだと思います。たまたま小学校の人数が増えてきた年に、コチ丸の学年に役員の順番が回ってきたため、私は結局6年間PTA役員をすることはありませんでした。コチ丸はといえば、小学校にはそんなに行っていなかったのですが、不思議と友だちがいて、何人かでお泊まり会をしたり、友だちのお母さんに映画や遠出に連れて行ってもらったりしていました。ありがたいとは思っていたものの、逆にわが家で他所のお子さんの面倒をみるという流れに発展することもなく、顔を合わせたら挨拶をする程度で、「仲が良い」ママ友付き合いはついに小学校卒業までありませんでした。Upload By あきママ友付き合いが苦手な私も性格や物の見方を大きく変える中学校生活に……。そんな息子以上に頑固で頑なな私(笑)ですが、コチ丸が中学受験して私立の「学びの多様化学校(いわゆる不登校特例校)」へ入学することになった際に、1つ決めたことがありました。それは、中学校の親の会(いわゆるPTA)の役員になるということでした。コチ丸の決断にとことん関わって応援するため、中学3年間、私は親の会の役員として活動しました。その時はコチ丸の中学校生活をサポートしたい一心だったので、あまり考えていなかったですが、結果的に私自身の性格をも変える、大きな分岐点になりました。役員会は月に1~2回程度、丸1日行われるので、当然会社は休むことになります。私は有給を消費しながら、役員会がある日はコチ丸と車で学校まで通学し、1日役員の仕事をしてコチ丸とまた車で帰るという3年間を過ごしました。会社にはずいぶん無理を聞いていただきました。特に最後の1年は成り行きとはいえ、なんと私が親の会の会長をやらせていただくことになり、行事の度に休むうちに、ずっと溜め込んでいた有給休暇は中学校生活が終わる頃にはゼロに等しかったです……。それでも役員会の最中に親同士で子育ての悩みや進路について話したり、時には飲みに行ったり(笑)、この3年間でママ友が一気に増えたのは心強いことでした。また、会長になって、人に支えてもらいながら自分が主導して物事を動かしていくこと、時には人に頼ることなど、いろんなことを学ぶ時間になりました。なにしろ、会長をやっている以上、責任もあるので、人見知りだから……とも言っていられなくなりました。中学最後の文化祭で、親子で生徒会会長と親の会会長として、お互いの成功を手を叩いて讃えあったことは今でもうれしくて忘れられない、健気な母です(笑)。きっとコチ丸は覚えていないかもしれませんが……(涙)。Upload By あき最後に卒業式で会長として挨拶をした際には、舞台でわが子への想いも伝えることができ、ママ友、先生、会社の人たち、そしてこんな機会を与えてくれたコチ丸にも感謝ばかりでした。Upload By あき結果的に親子関係や自分の性格まで変わり、経験値を上げる素晴らしい体験に。当時を振り返って一番良かったなと思うのは、中学校でコチ丸と頻繁に顔を合わせたり、役員会のある日は1時間半近く、車で一緒に中学校に通ったりする中で、小学校の時以上に親子の時間を持てたことでした。コチ丸もまた、入学当初は親がそばにいる環境が安心感につながっていたのではないかと思います。コチ丸が通っていたのは学びの多様化学校(いわゆる不登校特例校)ということもあり、親の会は子どもたちの中学卒業後もサポートしていくという考えで、子どもたちが二十歳になる際に中学校で行う「二十歳を祝う会」の実行委員として、役割はまだ続いております。そして未だに役員を一緒にやったママ友たちと飲みに行ったり遊んだり……。卒業後の子どもたちより会っているかもしれません(笑)。最近では、PTAは悪しき風習なんて言われているところもありますが、3年間、とことんPTAをやってみた感想は、「やってみてよかった」です。大変なことも理不尽なことも、学校側や親同士の大なり小なり衝突もありましたし、公立や私立などで考え方や運営もさまざまだとは思いますが、母親自身が成長したり、新しいアイデンティティの場を持ったり、子どもとの関わりを深めるのに上手に活かしていけば、親子で成長する貴重な場になるのではないかと感じました。人付き合いを避けることばかり考えていた頃と比べると、自分でも驚くほどの変わりようですが、たくさんのママ友だちに恵まれている今、そんなふうに思っています。Upload By あき執筆/あき(監修:初川先生より)ママ友付き合いが苦手ながらも中学でPTA活動を始めたら「やってみてよかった」と思うに至るまでになられたエピソードのシェアをありがとうございます。ママ友がいたらいいとご自身で思ってらしたり、あるいは知識としてママ友がいると何かと助かると聞いたことがあったりしつつも、実際にはママ友づくりが難しいというお声はよく相談場面で話題に上がります。「こんな話できるのはここ(相談)だけなのでありがたい」といった感じで、なかなか(障害のある)お子さんのことをほかの保護者に話せなかったり、そもそも女性コミュニティでの付き合いが苦手であったりする方もおられます。その一方で、ママ友をつくろう、仲よくしようとすると難しくとも、PTAをやってみたら意外とよかったという話もよくうかがいます。役割がある、仕事があることでコミュニケーションが取りやすくなりますし、学校に頻繁に出入りすることで先生方と話す機会が増えたり、お子さんの様子を目にすることも増えたり、顔見知りのクラスメイトが増えたり。あきさんの場合には、一大決心されて中学校からPTA活動をされたとのこと。中学校という新しい環境で、PTA活動をされるのには不安もあったと思いますし、あきさんも書かれていたようにお子さんも新しい環境に入る時期なので良かった面もあったようですね。そして3年時には会長にまでなられて、大活躍の3年間でしたね。あきさんが書かれた通り、仲間ができ、作業中に自然と会話も増え、仲良くできる保護者さんが増えたのは何よりです。今は共働きのご家庭も多いですし、活動に参加したくともできない事情がある場合もあると思います。時代に合わせてPTAも変化している時期でもあります。ご自身に合った形で、無理なく関われる関係性づくりがなされるといいですね。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2025年01月12日毎月お小遣いが足りない!と言う息子Upload By かなしろにゃんこ。息子のリュウ太には、ADHD(注意欠如多動症)とASD(自閉スペクトラム症)の診断があります。中学時代のリュウ太は、お金の使い方がひどいものでした。リュウ太の仲の良い友だちには両親の帰宅が遅いということで、毎日1,000円のお小遣いをもらっている子もいました。一方、リュウ太のお小遣いは毎月3,000円。周りの友だちより少なかったかもしれませんが、わが家は、母の私が家で仕事をしているため、お腹が空いたときはオヤツなどを用意できるので、毎月3,000円で十分だと思っていました。しかし、リュウ太はそれがかなり不満だったようで「お小遣い5,000円にアップしてくれよ!友だちはみんな毎月5,000円以上もらってるのにさー」とお小遣いの値上げ要求を頻繁にしてきました。ですが、小遣いの金額は夫が決めていたため、私はリュウ太の要求に応えることはできませんでした。Upload By かなしろにゃんこ。そのリュウ太は、学校から帰ると友だちと週に3回は出かけるようになりました。帰宅後に「どこに行ってきたの?」と聞くと「友だちとゲームセンターに行ってきた」と言うのです。リュウ太は、ゲームセンター通いをするほどお金を持っていないはず……?週3のゲームセンター通い、お金は一体どこから?……なんと、リュウ太は私の財布からお金を持ち出していたのでした(私はお金の管理を細かくしていないため、持ち出されたことにしばらく気がつきませんでした……)。ゲームセンターで遊ぶために500円や多いときは2,000円を私の財布から持ち出していたようでした。ほかにも、私は電車に乗るためのICカードに数千円チャージしていたのですが、リュウ太はそれも持ち出し、飲み食いに使っていたようなのです。Upload By かなしろにゃんこ。Upload By かなしろにゃんこ。ICカードのチャージや財布の中の紙幣が少なくなっていることに数回「あれ?」と思ってはいたのですが、犯人と決めて子どもを疑うのは良くないと思っていました。しかし、とうとう私はリュウ太がお金を持ち出している現場を目撃してしまったのです。私は、リュウ太を叱り、どうしてお金がそんなに必要なのかを聞いてみました。Upload By かなしろにゃんこ。すると「お金がない日は、ゲームセンターで友だちや周りの人がプレイしているところを覗きこんで楽しんでいたけど、自分はもっと上手にプレイできるし、仲良くなった他校の友人を競い合ったりしたくなった」と言います。そして、(みんながゲームをしているのに自分だけできないのは惨めな気分。どうしてうちは貧乏なんだろう……お小遣いをくれないならこっそり持ち出すしかない……)という考えに行きついたそうなのです。Upload By かなしろにゃんこ。「お金って大事、お金を稼ぐのって大変なんだとか、そんなこと言われても分からない」「ゲームセンター通いは今一番やりたいことだからやめられない!」と言うので、リュウ太のこれまでを振り返っても無理に言い聞かせたり、止めてもやめることはできないだろうと思いました。勝手に持ち出すくらいなら……「親への借金」という苦渋の選択Upload By かなしろにゃんこ。きっとお金の持ち出しは繰り返されてしまう。だったら「お金を貸して、高校生になったらアルバイトをしてもらって返済してもらうしかない」と思いました。やりたいことを意地でも貫く性格なので親が根負けしてしまうんです……。きっといくら言っても止めてはくれないだろう……というあきらめの気持ちがありました。お金のことで親子喧嘩も頻発し、その喧嘩が原因で学校の課題をやらなかったり、生活態度が悪くなったりとほかの問題も大きくなっていたため、私はお金を貸すことを決めました。私の心が楽になるための選択だったかもしれません。それから、リュウ太には毎月お小遣いでは足りない分を上限2,000円で貸すことにしました。高校生になりアルバイト代で借金返済。一方で……リュウ太は、高校生になりアルバイトをはじめてから順調に返済し、中学時代に作った親への借金は3年間で返済できました。幸いなことにアルバイトや部活など、他に楽しいことができたためゲームセンター通いもなくなりました。Upload By かなしろにゃんこ。一方、親のお金の持ち出しはなくなったかというとそうでもなくて、高校生になってもバイト代が入る前のカツカツなときは私の貯金箱から持ち出していました。年齢とともに徐々に減っていき、20歳になる頃にやっとしなくなりました。息子との長い戦いでした。親子であれど人のお金を持ち出すのはよくないので、せめて親に借金することで自覚を持ってほしかったのです。今でも中学生の息子にお金を貸したことが良かったのか悪かったのか分かりません。わが家の苦渋の選択だった気がします。みなさんはマネしないでくださいね。執筆/かなしろにゃんこ。(監修:井上先生より)思春期の親子のそれぞれの思いの葛藤の中で親自身も追い込まれてしまうことがあります。客観的にみると子どもさんも「無制限」ではなく「5000円」という本人なりの妥協ラインを示してきていますが、「さらにエスカレートするのでは」などの不安から親としては感情的に容認したくないという気持ちになってしまうかもしれません。かなしろさんも回想しておられるように親から借金をして、お小遣いを前払いするのは当時としてはやむを得ない決断であったと思います。アルバイトを始めて、労働に対する報酬としてのお金の価値や実感が得られたことで浪費癖も少しずつ改善していったのかもしれません。お小遣いが不足している場合、暴れたり癇癪をすることでそれが得られるのではなく、家庭の中でお手伝い労働をすることで得られるような「出来高払い」を組み合わせるなどのアイデアもあるかと思います。それぞれのご家庭で状態は異なるので唯一の正解はありませんが、お金を与える/与えない、という二分的な条件ではなく、暴れることでお金を得るのではなく、特定の労働や努力の対価としてお金が得られるなどのルールを本人と一緒に考えていくのがよいと思います。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2025年01月11日「アクセプタンス&コミットメント・セラピー、ポジティブ行動支援、WISC研修、、、 そしてLD/ADHD体験!?:宮崎を選んだわけは?」日本公認心理師ネットワークが、2025年1月7日(火)19:00~20:00にオンラインで無料イベント「アクセプタンス&コミットメント・セラピー、ポジティブ行動支援、WISC研修、、、 そしてLD/ADHD体験!?:宮崎を選んだわけは?」を開催いたします。無料イベントへのお申し込みはこちら : 日本公認心理師ネットワークでは、2025年1月25日(土)、26日(日)の2日間、初の宮崎県宮崎市で4つの対面型研修を行います。研修に先立ちまして、キックオフイベントとして、研修開催地として「宮崎」を選んだわけや、企画内容・企画前後での宮崎でのおすすめの過ごし方についても紹介します。「なんだろう」と思っておられる方も、「どうしようかなあ」と迷っておられる方も、「宮崎」について知りたい方も、ぜひご覧ください!宮崎県で行う4つの企画①2025年1月25日(土)14時~17時開催「今、注目の「アクセプタンス&コミットメント・セラピー」と「ポジティブ行動支援」を学ぶ」②2025年1月25日(土)17時30分~19時30分開催「LD・ADHD等の心理的疑似体験プログラム in 宮崎県」③2025年1月26日(日)9時30分~12時30分「見ながら学ぶ初心者のためのWISC-V (宮崎)」④2025年1月26日(日)9時30分~12時30分「ACTを体感する in 宮崎〜マインドフルに歩く・聴く・撮る〜」4つの企画に関する特設サイトはこちら : キックオフイベントの内容(予定)・企画の経緯・開催地として宮崎を選んだ理由・各企画の紹介・各企画前後のおすすめの過ごし方の紹介などスピーカー安東大起(日本公認心理師ネットワーク主宰・兵庫県公認心理師会常務理事・公認心理師・臨床心理士)香川葉月(公認心理師・臨床心理士・宮崎県宮崎市出身)見逃し配信について参加をお申し込みの方全員に、見逃し配信を行います。視聴用URLは、ライブ配信終了後1週間後に、Peatixよりメッセージでお送りいたします。端末の設定により、迷惑メールフォルダに振り分けられることがありますので、ご注意ください。視聴期限は、2025年1月25日(土)23:59です。お問い合わせ先日本公認心理師ネットワーク事務局Mail: japancertifiedpsychologist@gmail.com お申し込みはこちら : 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2025年01月04日【放デイ・児発探しは大変だった?何か所利用してる?】皆さんのアンケートの結果発表!発達ナビ会員から寄せられたコメントも紹介!Upload By 発達ナビ編集部施設探しはおおむねスムーズにいった:51%施設探しは大変だった:37%その他 :12%発達ナビ利用者の皆さんへのアンケートでは「施設探しはおおむねスムーズにいった」を選んだ方が51%、「施設探しは大変だった」を選んだ方が37%という結果となりました。約半数の方がスムーズに探すことができた一方で、大変だった方も40%弱いらっしゃったようです。Upload By 発達ナビ編集部発達支援施設を1か所利用している:39%発達支援施設を2か所利用している :26%発達支援施設を2か所以上利用している:17%発達支援施設を利用していない:17%その他 :2%「1か所利用している」を選んだ方が約39%、「2か所利用している」を選んだ方が約25%、「2か所以上利用している」という方は約16%となりました。1か所以上利用している方は約41%と多いようです。施設探しについては以下のようなコメントが寄せられています。・施設探しはおおむねスムーズにいった私が仕事をしているので、毎日入れる新規の事業所を紹介してもらいました。当時の相談支援の方がすごく仕事のできる人だったなと思います。今はもう週1でしか行ってませんが、良かったです。・施設探しは大変だった就学前に、10カ所くらいの放デイに、まずは電話で問い合わせしました。最初の電話の時点で、ほとんどが満員で門前払いのような対応でした。’この状況だと空きが出ないから、見学に来ても意味がないかもしれません。’と言われたり。そのうち4割くらいが、’満員なので、かなり空きを待つ状況になると思いますが、見学は予約ができます。’と言われました。併用利用については以下のようなコメントが寄せられました。・発達支援施設を2か所利用している放デイ、2個所使っています。ちょっと人多いけどしっかり体動かせる系と、動きは少ないけと人少なめな所、と。デイでのちょっとしたことで「もう行かない」と言い出すので。複数使ってると、いい気分転換?になるようです。・発達支援施設を2か所以上利用している集団療育メインのところ、個別療育メインのところ、と棲み分けして児童発達支援を利用しています。集団に関しては、親子同伴のところだけ通所していましたが、本人の体力がついてきた年中から、一人で日中を過ごす生活メインの療育にも通い始めました。合計3カ所ですが、それぞれの色や雰囲気が違うので、本人なりに気分を変えながら、楽しみを見つけて利用しています。お住まいの地域や担当の相談員によって、施設探しの難しさには違いがあるようです。また、施設の利用に悩まれている方は、ご家庭の事情やお子さまの特性に合わせて、1か所に限定せず複数の施設を併用することもいいかもしれませんね。では以下から施設に関する記事をまとめてご紹介します。どうやって探した?通った変化は?児童発達支援に関するコラム、基礎知識はこちらからプクティさんのご長男は、幼稚園でのさまざまな困りごとがきっかけで、年中の夏頃から発達支援施設に通い始めました。ご長男が小学校へ入るまでに通った2か所の発達支援施設についてご紹介いただいています。鳥野とり子さんの息子さん・ねこ太くんは1歳11か月で発達遅滞と診断されたため、2歳4か月から児童発達支援施設に通うことになりました。通い始めて息子さんに起こった変化、そして保護者としての思いも語っていただいています。にれさんのご長女・まゆみさんは1歳8か月から療育を始めました。その際、どんな風に児童発達支援施設に通い始めたのか、相談支援員、施設での面談なども振り返っていただきました。児童発達支援とはどういう施設なのか、利用の仕方、料金などについて知りたい方は、以下の施設記事をご覧ください!児童発達支援(児発)とは?支援内容、探し方、料金や保護者の声も小学校入学後も支援に繋がりたい!放課後等デイサービスに関するコラム、基礎知識はこちらから特別支援学級に進学したプクティさんのご長男。「放課後の居場所」を学童にするか、放課後等デイサービスにするか悩まれていました。プクティさんたちの選択と、現在の変化についてご紹介いただきました。集団活動が苦手で先生からの集団への指示が通りにくく、スーパー不器用な息子・スバルくんには習い事は難しいと諦めていた星あかりさん。しかし、放課後等デイサービスを探し始めると、諦めていたあれやこれを経験できる素敵な施設を見つけ、舞い上がって契約したのですが……。放デイ探しの反省点をお話いただきました。小学2年生から放課後等デイサービスを利用しているSAKURAさんのご長女・あーさん。中学生になってから、勉強や部活で忙しくなり、長い休み期間などに、数日しか通えなくなりましたが、あーさんにとって放デイは大切な場所でした。小学校~中学校での放デイ利用についてのエッセイです。放課後等デイサービスとはどのような場所か、利用までのステップ、料金といった基礎知識についてはこちからご覧ください。放課後等デイサービス(放デイ)とは?支援内容、探し方、料金や保護者の声もLITALICO発達ナビ「施設情報ページ」をご活用ください!LITALICO発達ナビの施設情報ページでは、日々新たな発達支援施設が掲載、利用者の声も更新されています。施設ブログでは、各施設の日常もお届けしています。「以前探した時は施設が近くになかった……」「なかなかお子さまに合う施設が見つからない」という方がいらっしゃいましたら、是非ご利用ください。発達ナビ|施設情報ページ(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2025年01月03日2024年版!人気の発達ナビ読者体験談10選昨年も発達ナビ会員の皆さんの体験を参考に制作をした「発達ナビ読者体験談」をたくさんご覧いただきありがとうございました。このコラムでは2024年に人気のあった読者体験談をピックアップしてお届けします。施設入所で絶縁を決意、勉強のつまずきと就職、志望校選択トラブル、子どもの居場所探し、特別支援学級への転籍、「親なきあと」に向けての準備、問題行動の多かった子どもの変わるきっかけなどなど……さまざまな体験談に加えて、大反響のあったマンガ「発達障害の子どもと私たち」シリーズもご紹介いたします。※コラムのView数は2024年12月23日時点のものです小学校1年生のときADHD(注意欠如多動症)、ASD(自閉スペクトラム症)と診断を受けた息子さん。小学校までは通常学級に所属していましたが、小学校5年生の時、コロナ禍による休校をきっかけに『いつから学校に行けるのか?』とパニックとなり、昼夜逆転や家庭内暴力が始まり、中学1年生の冬から児童養護施設に入所を選びました。しかしそれを知った実母は激怒して……。小さい頃から「もしかしたら特性があるのかも?」と感じる場面はあったものの、通常学級で過ごしていたやぎ母さんの息子さん。中学校入学以降はあれよあれよと成績が下がっていき、高1でASD(自閉スペクトラム症)の診断。今は就職についてまさに立ち向かっている息子さんですが、やぎ母さんが後悔していることはーー。「これを渡したからと言って合格と思わないでほしい」中高一貫校に通う中学2年生のりぃさん親子が中学受験の際に面接官の先生から言われた言葉です。発達障害を理由になにかを断られたという経験がなく、衝撃・混乱。志望校選択を間違えた?と感じたりぃさん親子が最終的に選んだ中学進学先は……。小学校に入学後、1年生のうちは通常学級に、2年生からは特別支援学級で卒業までお世話になろうと思っていたお気楽ママさんの息子さん。明るくて元気で人懐っこい性格の息子さんがたくさんの友達と楽しく過ごしてくれたらという思いからの選択でした。しかし、入学後学校で癇癪を起こされては対応できないと言われ、限られた時間の登校、オンライン授業や放課後登校という生活をすることになり……。小学校入学後「ほかの子と違う対応をすることは特別扱いだからできない」「配慮はできない」といわれ、毎日先生から怒られるばかりの日々になってしまったAAAさんの息子さん。学校へ対する不安が大きくなり、1年生2学期に自閉症・情緒障害特別支援学級のある学校へ転校をしました。大きな決断でしたので不安もありましたが、ここで転機が訪れました。4歳で知的障害(知的発達症)と診断された現在33歳の息子さん。中学生からレスパイトを利用し、20歳でショートステイに登録、現在はグループホームで暮らしています。小さい頃はできないことも多く、悩んだこともあったとのことですが、嘆くより「どうしたらできるようになるか」「こんなことができるんだ」と思うようにし、息子さんと一緒に成長してきた経験をご紹介します。学校からの連絡がない日はない!問題行動が多かったしのっぺさんの息子さん。そんなしのっぺさんの育児の転機は小学2年生の時に先生に言われたとある一言だったそうです。学校で荒れていた息子さんが、あることをきっかけで前を向くようになりました。小学校5年生の一卵性双生児の男の子の母であるくまごろうさん。診断はありませんが、二人ともADHD(注意欠如多動症)、さらに弟の方にはASD(自閉スペクトラム症)の傾向があると感じているそうです。そんな息子さんたちは1歳の頃から集団行動を全拒否!もしかして発達障害なのでは?と心配していました。大反響!不登校、親の苦悩、勉強についていけない…マンガ「発達障害の子どもと私たち」シリーズをまとめ読み!マンガ「発達障害の子どもと私たち」は、発達ナビユーザーから寄せられた体験談を元にしたセミフィクションストーリーです。3歳でASD(自閉スペクトラム症)と診断を受けたはるきは小学校3年生の5月の下旬頃から「学校を休みたい」というようになりました。なぜはるきは学校へ行けなくなってしまったのか?はるきの気持ち、そして保護者の決断は……。5歳でASD(自閉スペクトラム症)の診断を受けたみきは、小4で「学習の壁」にぶつかり登校渋りが始まりました。集団授業についていけないなか、特別支援学級への転籍を希望するのですが、結果は……?全4話をまとめ読み!2025年も発達ナビでは読者の皆さんのエピソードを募集しております。現在の募集テーマはこちらです。・障害告知でのトラブル・パートナー(夫婦) との間でのトラブル・両親(義両親)、親族などの間でのトラブル・進学・受験関係でのトラブル・冠婚葬祭関連でのトラブル・お子さまの反抗期、思春期でのトラブル・お子さまの自傷でのトラブル・お子さまの学習関係でのトラブル・不登校、行き渋りでのトラブル・お子さまとゲームの関わりでのトラブル・子さまの不器用さでのトラブル・ママ友や、ほかの保護者の方とのトラブルでのトラブル・ご近所関係でのトラブルお寄せいただいたエピソードの中から数作品、発達ナビの連載ライターさんなどにコラムとしてコミックマンガエッセイ化していただき、発達ナビで公開いたします!あるあるのエピソードからヒヤリとしたエピソード、なかなか相談できずにいたご家族の中での悩みや保護者間のトラブルまで。いろいろな「困った」エピソードをぜひ教えてください。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2025年01月02日2024年、発達ナビライター陣に新たに加わった7名をご紹介します!2024年、発達ナビでは新たに7名のライターを連載メンバーに迎えました。改めて新ライター陣のプロフィールと、それぞれのおすすめコラムをご紹介します。3人のお子さんを育てているねこじまいもみさん。繊細な長女さん、ASD(自閉スペクトラム症)の長男さん、言葉がゆっくりな次男さんと、3人それぞれに違った特性があります。小学3年生でASD(自閉スペクトラム症)の診断を受けた長男さん。最初に違和感を覚えたのは1歳半頃で、同じ場所を行ったり来たりする「常同行動」をしていたことでした。そのほか、幼い頃の気になる行動についても振り返っていただきました。サチコさんは長女・次女・夫の4人家族です。現在4歳の長女・マユユちゃんは、2歳で軽度知的障害(知的発達症)とASD(自閉スペクトラム症)と診断されました。社会性・ことばの遅れ、切り替えの苦手さから癇癪を起こすことがあり、3歳頃から療育に通い始めました。マユユちゃんが赤ちゃんの頃から育てにくさを感じていたサチコさん。当時は理由が分からないままヘトヘトになっていたとのことですが、今思い返すと合点のいくことばかりだったそうです。ASD(自閉スペクトラム症)、強度行動障害と診断されている息子さんと、ASD(自閉スぺクトラム症)の娘さんを育てている花森はなさん。お子さんの不登校や行き渋りで感じたことなどを書いていただいています。現在中学3年生の息子さんは、ASD(自閉スペクトラム症)と強度行動障害がありますが、この診断が出るまでには、初診から約3年かかったそうです。息子さんが小学3年生で突然不登校となり、「発達障害があるかもしれない」と考え始めた頃を振り返っていただきました。もっつんさんの息子さんのタク君はASD(自閉スペクトラム症)とADHD(注意欠如・多動症)、ご自身も大人になってから発達障害の診断を受けています。タク君は現在中学3年生。穏やかな今に至るまでの、苦労を乗り越えてきた育児について書いていただいています。未就学期のタク君は他害や多動が激しく、どこに行っても振り回されていたもっつんさん。周囲からポジティブな言葉をかけられても、悩みは消えずに大きくなるばかりだったと言います。シングルマザー歴13年のあきさん。もうすぐ高校2年生になる息子・コチ丸君は、小学校の頃は問題行動が目立ち、ほとんど学校に行かない日々でした。そんな状況ががらりと変わるきっかけとなったのは、コチ丸君が中学受験を経て、学びの多様化学校(いわゆる不登校特例校)へ進学したことでした。保育園の先生から、コチ丸君の落ち着きのなさや気になる行動について報告を受けるたび、「自分の育て方のせいなのでは…」と自信をなくしていたあきさん。試行錯誤してきた育児について、そして今やすっかり落ち着いたコチ丸君の様子を書いていただきました。トール君、リンちゃんの兄妹を育てているメイさん。トール君は1歳半健診で言葉の遅れを指摘され、小学校1年生でASD(自閉スペクトラム症)とADHD(注意欠如多動症)と診断されました。娘のリンちゃんは3歳児健診で発達検査を受け、その後ASD(自閉スペクトラム症)と診断されました。転勤などでなかなか支援に繋がることができず、育児に悩みながらもお子さんたちと向き合って過ごしてきた日々を書いていただいています。トール君が1歳頃のある日、スーパーでの買い物中に癇癪を起こし、2時間も泣き続けて家に帰れなくなったことがありました。頼れる人のいないワンオペ育児の中、メイさんは心身ともに疲れ切ってしまい……。発達障害と診断される前のエピソードです。ASD(自閉スペクトラム症)の長男りーくん(6歳)、発達のゆっくりな次男かーくん(3歳)、そして三男おーくん(1歳)の3人の息子さんを育てるかしりりあさん。長男りーくんは、2歳頃から発達の遅れを感じ、療育園に通い始めました。次男かーくんも言葉の遅れがあり、長男りーくんと同じ児童発達支援に通っています。三男おーくんは、1歳半健診で発達の遅れを指摘されています。発達支援施設や特別支援学校などの支援者と共に、子どもたちの成長を温かく見守る日々を書いていただいています。1歳半健診で長男りーくんの発達の遅れを指摘され、大きなショックを受けたかしりりあさん。しかし、周囲のサポートを受け、りーくんのペースに合わせた育児を始めることに。療育の相談も受け、まずは家庭でできることを試してみることにしました。インターネットで情報を集めながら、りーくんの成長を信じていましたが、心のどこかでは不安も抱えていました。発達ナビ、新しい仲間とともに進化中! 発達特性を知り、子育てをもっと楽しくいかがでしたでしょうか?新連載ライター陣には、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、言語発達の遅れなど、さまざまな発達特性を持つお子さんと向き合う中で、ご自身が学んだこと、工夫したことなどをコラムでご紹介いただきました。来年も発達ナビでは、役立つ情報を読者の皆さまにお届けできるよう、ますますパワーアップしてまいります。どうぞご期待ください!(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年12月31日【発達障害のある子どもの思春期、どうだった?】お子さんの思春期での困りごと、アンケートの結果は?発達ナビ利用者から寄せられたコメントも紹介!Upload By 発達ナビ編集部思春期ならではの困りごとがあった :72%思春期には困りごとは減った、なかった :11%その他 :17%発達ナビ利用者の皆さんへのアンケートでは、「思春期ならではの困りごとがあった」を選んだ方が72%、「思春期には困りごとは減った、なかった」を選んだ方が11%、「その他」を選んだ方が17%という結果となりました。70%以上の方が、思春期ならではの困りごとを経験されているようです。姉弟ともに、思春期&反抗期の真っ只中です。娘(現高三)は、少し落ち着いてきたかな。中学生時代は、「おはよう」の挨拶もありませんでした。パニックを起こせば直ぐに自傷行為が始まるので、注意の仕方や口調に、慎重にならざるを得ませんでした。息子(現高一)は、反抗期真っ只中です。(中略)最終的には癇癪を起こし、家の壁を蹴り、穴を開けたり。物を壊します。息子の力には、私はかなわないので、かなり、なめられています。なので、注意すべきことや指導は夫に任せることにしました。息子の反抗期は、まだまだ続きそうです。小学校低学年が1番大変でした。親子でどう対応したら良いのか分からず八方塞りでした。思春期は、息子が不登校になる事もありましたが…。親子の会話が無いといった事は無く意思疎通は出来たので、その点では良かったです。(中略)あの頃は病んでいたな…俺。って笑い話が出来る程落ち着きました。現在、高校2年。進学して自宅を離れたいと言ってはいますが、何事も経験!!って前向きな発言でしたので。応援したいと思っています。思春期中(中学)息子は思春期の中でも穏やかな方みたいですただ、周りはかなり思春期真っ只中の環境を乗り切るのは…かなりのタフさが必要。背の伸び方がヤバイ髭もニキビも全てが変わってくる感じです…注意が必要なのは起立性うちは、酷くはないですが立ちくらみ、めまいがあります難しい年頃ですね。寄せられたその他のコメントなどもアンケート先でご覧いただけます。ぜひ参考になさってくださいね。2024年に読まれた思春期にまつわるコラムを一挙ご紹介!ここからは、2024年によく読まれた「発達障害のある子どもの思春期」にまつわるコラムをご紹介します。安田ふくこさんの長男・ハルくんはASD(自閉スペクトラム症)とADHD(注意欠如多動症)の診断を受けています。中学生になり、慣れない制服や校則など、新しい環境に戸惑いを感じていました。さらに、部活動での上下関係や暗黙の了解、定期テストなどにも苦労して……。寺島ヒロさんの息子、タケルくん(ASD/自閉スペクトラム症)は中学受験に成功し、中高一貫の進学校に入学しました。しかし学校は自宅から遠く、早朝からの通学で電車の便も少なく、少しでも遅れると遅刻に……。しかも、タケルくんは音に敏感で、小さな変化にも体調を崩しやすく、学校でパニックを起こしたり、途中で帰宅したいと言ったりすることが頻繁にありました。寺島さんの負担は決して小さいものではありませんでしたが、それでも、小学校の頃と比べると「精神的には楽になった」と言います。丸山さとこさんの息子・コウくんは、中学3年生になり高校受験を控えています。小学校の頃から「宿題を出さない」ことで苦労してきましたが、中学3年生になって、夏休みの宿題を早めに終えるという大きな進歩がありました。しかし、依然として宿題の提出忘れが多く、成績も伸び悩んでいました。高校受験まであと半年となった頃、コウくんは体重が増えたことをきっかけに、自ら「ADHD(注意欠如多動症)の治療薬を増量したい」と相談してきて……。花森はなさんの息子さんは、ASD(自閉スペクトラム症)と強度行動障害と診断されています。小学3年生から登校渋りが始まり、特別支援学校中等部に進学した後も不登校になり、高等部進学への不安を抱くようになりました。特に、高等部卒業後の進路について、一般企業への就職が難しくなるのではないかという心配を抱えていました。そこで花森さんは、息子さんの将来の選択肢の一つとして、福祉事業所合同説明会に参加してみることに。説明会を通して、就労支援に対する認識が大きく変わるきっかけとなったそうです。かなしろにゃんこ。さんの息子、発達障害のあるリュウ太くんは、小さい頃から人間関係がうまくいかず悩んできました。特に小学校時代は周囲との衝突が多く、ケンカになることもしばしばあったと言います。しかし、中学生になると、友だちの趣味に合わせて会話をしてみるなど、相手への配慮を心がけることを意識するように。試行錯誤しながら、周囲の人々とのコミュニケーションがうまくいくようになったリュウ太くんの「人付き合いのコツ」は、同じように悩んでいる人も参考にできそうです。発達障害のある子どもの思春期は、親も子も成長のチャンス!2024年、発達ナビでは発達特性のあるお子さんを持つ親御さんからの共感の声が多く寄せられました。特に「思春期」は、親子ともに大きな試練となる時期であることが分かりました。読者アンケートでは、挨拶をしない、パニックを起こす、反抗的な態度をとるなど、さまざまな困りごとが挙げられた一方で、思春期を乗り越え、親子関係が良好になったという声も聞かれました。また、コラムでは、小学校と中学校のギャップ、不登校、高校受験、人間関係など、親御さんの葛藤や、それを乗り越えるための工夫など、たくさんのエピソードを聞かせていただきました。発達障害のあるお子さんの思春期は、決して楽なものではありませんが、子どもも保護者も成長できる大きなチャンスでもあるのかもしれません。無理せず、周りの人にも頼りながら、お子さんをサポートしていきたいですね。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年12月30日【新版K式発達検査、WISC(ウィスク)など】発達検査・知能検査受けたことがありますか?アンケートの結果は…発達ナビ利用者から寄せられたコメントも紹介!発達検査とは、子どもの心身の発達の度合いを調べる検査のことです。質問や観察、実際に道具を使って実施するなどさまざまな方法があります。知能検査は、主に物事の理解、知識、課題を解決する力といった、認知能力を測定するための心理検査の一つです。発達検査や知能検査を受けることで、子どもの特徴を客観的に知ることができ、今後の関わり方のヒントにすることができます。このコラムでは発達ナビ会員の皆さんにお答えいただいた「発達検査・知能検査」アンケートの結果や寄せられたコメントを紹介。また、発達検査や知能検査に関するコラムなどについてもまとめました。Upload By 発達ナビ編集部発達検査、知能検査を受けたことがある:95%発達検査、知能検査を受けたことがない:4%その他:1%発達ナビ利用者の皆さんへのアンケートは「発達検査、知能検査を受けたことがある」を選んだ方が95%と大多数を占める結果となりました。検査などを行い、お子さんの発達について向き合う様子が伺えます。(略)姉が小四、弟が小二で発達検査を受けました。娘は、頭の回転は良いけれど、視覚的認知やワーキングメモリーが低いとのこと。息子は、集中力が続かないが、得意なことへの集中力への強みがあると。IQも判定してもらい、しっかりと文書化してもらったので、担当医やスクールカウンセラーに提出して、関わり方のポイントのアドバイスがもらえるようになりました。それ以降、検査はやっていませんが、子供達の特性を早めに知ることが出来て、良かったと思っています。新版K式発達検査は息子がこども園年少の頃から、半年に1回程度の頻度で受けていました。息子の特性を検査結果で示してもらうことで、夫や両親にも説明しやすくなり、園の先生との情報共有にも役立ったので、とても助かりました。(略)息子が園児時代は…スコアの数字に振り回されまくりました。「数字」って、素人にはメチャクチャ強烈なインパクトなんですよね。判定員(心理士)の先生方は、数字は伝えるけれど、それよりなにより「中味」をとてもとても丁寧に説明してくれているんです。どういうところが得意なのか、どういうところが苦手なのか。苦手部分を得意なところで「カバー」するにはどうしたらいいのか?日常生活ではこういうところに困りそうだけれど、こういう「強味」があるから、こう工夫したらどうだろう?小さいころは「数字」しか頭に残ってなくてですね…後から「数字」に囚われたことを後悔しました。ただ、小学生になってからは…親の方も「特性把握」が進んだこともあり、Wiscの結果は「ですよねーw」という、「息子の特性再確認」みたいな状態でした。(中略)「言語理解(話言葉)が苦手」な息子の名言……(当時小学校低学年)「口から出る言葉は、空中に消えて無くなって、見えへんようになるからワカランねん。そやから、大事なことは書いて見せて」この結果から、「大事なこと」は「目に見える形で伝える」が基本です。息子とは大事なことほど「LINE」でやりとりです。寄せられたその他のコメントなどもアンケート先でご覧いただけます。ぜひ参考になさってくださいね。新版K式発達検査、WISC(ウィスク)、田中ビネー知能検査…さまざまな検査についての詳しいコラムはこちらから発達検査は子どもの社会性や認知、言語などのさまざまな領域の発達度合いを測っていく検査です。園などから発達検査をすすめられると不安な気持ちになるかもしれません。発達検査を受けるかは任意ですので、家庭で話し合って選択していくとよいでしょう。発達検査を受けることで、子どもの特徴を客観的に知ることができ、今後の関わり方のヒントにすることができます。また、検査結果は療育支援にも活かすこともできるなど、受けることのメリットは多くあります。発達検査は発達支援や育児支援、学習支援などさまざまな支援の場におけるアセスメント・ツールとして活用されています。その中でもさまざまな支援の場で使用されることの多い新版K式発達検査は、子どもの心身の発達の状態を観察し、支援に役立てるための検査で、検査課題への子どもの反応から、発達の状態を多面的に評価します。このコラムでは発達検査と知能検査の違い、新版K式発達検査の特徴や適用年齢、実施時間、費用や受ける前の心がまえなど解説いたします。子どもの支援に役立てるために実施される新版K式発達検査。このコラムでは、・新版K式発達検査、準備するものや心構えなどは?・新版K式発達検査、結果の見方は?など、気になる新版K式発達検査への疑問について鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授で公認心理師の井上雅彦先生にイラストを交えて分かりやすく回答いただきました。知能検査は一人ひとりの特性を把握するための手段として、発達支援や学習指導、就学相談などで活用されています。知能検査は種類が複数あるとともに、その問題の内容が非公開なこともあり、内容について分からないという方も多いのではないでしょうか。このコラムでは、「ウェクスラー式知能検査(WAIS・WISC・WPPSI)」「田中ビネー知能検査」「鈴木ビネー知能検査」などの知能検査の種類、受けられる機関や費用、結果の活かし方のほか、知能指数などについて解説します。WISCは5歳から16歳の子どもを対象とした日本で広く使われている知能検査の一つです。WISC検査ではさまざまな問題が出題され、その回答結果によって子どもの知的機能を数値化しています。目にすることも多いWISCですが、どこで受けたらいいのか、どのような問題が出されるかなど分からないという方もいると思います。このコラムでは検査の概要や結果の見方、受けるメリットデメリットを解説します。田中ビネー知能検査は、子どもの知的側面の発達状態を客観的に捉えるための検査です。ASD(自閉スペクトラム症)やADHD(注意欠如多動症)、LD・SLD(限局性学習症)など、発達の遅れや偏りのある子どもの状態を把握し、支援方法や指導内容を検討することにも使われています。このコラムでは田中ビネー知能検査の特徴や適用年齢、実施時間や費用、検査結果の説明などについて解説をします。発達検査、知能検査の結果を子どもの支援につなげていくために発達検査、知能検査の結果はさまざまな支援・相談の場におけるアセスメント・ツールとして活用されています。発達ナビ利用者の皆さんへのアンケートの結果では「発達検査、知能検査を受けたことがある」を選んだ方が95%という結果にもなりました。発達検査、知能検査の結果を有効活用してお子さんの日々の過ごしやすさにつなげていけると良いですね。<(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2024年12月29日「経済的支援」の必要性、大切さを知ろう!『発達障害・精神疾患がある子とその家族がもらえるお金・減らせる支出』Upload By 発達ナビBOOKガイド発達障害や精神疾患のあるお子さんを持つご家庭では、医療費や療育費など、多くの費用がかかります。国や自治体では、こうしたご家庭を支援するためのさまざまな制度が設けられていますが、制度をよく知らなかったり、利用することをためらったりして、活用できていない……という方もいらっしゃるのではないでしょうか。『発達障害・精神疾患がある子とその家族がもらえるお金・減らせる支出』は、経済的な支援を必要とするご家庭に、役立つ情報が満載の一冊です。障害者手帳の取得方法から、特別扶養手当、障害年金、医療費助成制度など、具体的な支援制度をマンガと図解で分かりやすく解説。さらに、自治体ごとの独自の支援制度についても詳しく紹介しています。制度の存在や申請方法を知らないことで、受けられるはずの支援を受けられないケースもあります。また、経済的な支援制度は複雑で、どこに相談すれば良いのか、何を準備すれば良いのか、迷ってしまう方も多いはず。本書を読めば、ご家庭に合った支援制度を見つけ、経済的な負担を軽減することができます。ぜひ、本書を参考に、ご自身の状況に合った支援制度を探してみてください。検査結果を支援に生かす『WISC-ⅤKABC-Ⅱ対応版 子どもの心理検査・知能検査 保護者と先生のための100%活用ブック』Upload By 発達ナビBOOKガイド『WISC-ⅤKABC-Ⅱ対応版 子どもの心理検査・知能検査 保護者と先生のための100%活用ブック』は、お子さんの成長をサポートしたい保護者や、子どもに関わる専門家の方々必見の一冊です。本書では、2021年に日本版が刊行されたWISC-Vを軸に、KABC-IIとのクロスバッテリーアプローチを詳しく解説。クロスバッテリーアプローチとは、WISC-VとKABC-IIという異なる2つの知能検査の結果を組み合わせることで、お子さんの能力を多角的に評価できるというものです。「Part3 子どもを支援する10のポイント」では、検査結果を読み解いたうえで、実際の事例と共に支援のポイントを解説しています。また、巻末には検査結果を保護者や先生と共有するための「検査活用サポートシート」もついていて、保護者だけでなく、学校の先生や支援者が連携し、お子さんの成長を一緒に見守ることに役立ちます。IQの意味や、WISC-VやKABC-IIなどのさまざまな心理検査の種類、心理検査・知能検査について結果の見方を理解することで、お子さんの強みや苦手さを客観的に知ることができる本書。検査結果を活かして、お子さんに合った教育や支援方法を見つけてみてください。お金の知識が楽しく身につく『おかねをまなぶ・つかう・たのしい! 知育コインケース ニコニコイン わくわくおかねワークブック』Upload By 発達ナビBOOKガイド「うちの子、お金の使い方がよく分からないみたい……」「お金の大切さを教えたいけど、どうすれば?」そのようなお悩みを持つ保護者の方にお勧めしたい『ニコニコイン わくわくおかねワークブック』は、小さなお子さんでも楽しくお金の概念を学べる知育セットです。キャッシュレス化が進み現金に触れる機会が減り、お金の価値が実感しにくくなっている現代。お金の大切さや価値を理解することは、将来、お金を上手に使える大人へと成長するために不可欠です。2023年グッドデザイン賞受賞のコインケース「ニコニコイン」は、 硬貨が落ちにくく、視覚的に10進法が分かる工夫が満載。また、ワークブックとお金がくしゅうボードを使って、お金の単位、値段、お買い物のシミュレーションなど、さまざまな角度からお金について学び、お店屋さんごっこなどの遊びを通じてお金のやり取りを自然に体験できます。お子さんの経済観念を育む第一歩に、ぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。ライフステージごとの事例を豊富に紹介『教師、支援者、親のための 境界知能の人の特性と支援がわかる本』Upload By 発達ナビBOOKガイド『教師、支援者、親のための 境界知能の人の特性と支援がわかる本』は、IQが70から84の間にある、いわゆる「境界知能」とされる人たちの特性や、彼らが抱える困難について、詳しく解説した一冊です。境界知能(知的機能が「知的障害」と「正常知能」の境界域にある状態)の人々は、学習や社会生活で困難を抱えながらも、福祉的な支援を受けにくいという困りごとがあります。そのため、周囲から「努力が足りない」と誤解され、孤立感や自己肯定感の低下に繋がることがあります。本書では、学習の遅れ、コミュニケーションの難しさ、社会性の低さなど、境界知能の人が直面している具体的な困難を解説。また、境界知能の人が、自分の強みを活かし、やりがいのある仕事に就けるよう、将来に繋がる必要なスキルやサポートについても書かれています。図や表が豊富に盛り込まれており、分かりやすい表現で専門知識がない人でも理解しやすい工夫が凝らされている本書。教師、支援者、保護者など、さまざまな立場の人に向けた具体的な支援のヒントが満載です。日常生活での「感覚の困りごと」に着目『感覚の困りごとへの心のケア―センサリーフレンドリーをめざす支援の実際』Upload By 発達ナビBOOKガイド『感覚の困りごとへの心のケア―センサリーフレンドリーをめざす支援の実際』は、音、光、触覚など、五感に過敏に反応してしまう「感覚過敏」に悩む人々とその周囲の人々のための、実践的なガイドブックです。本書は、感覚過敏の原因やメカニズムを深く掘り下げて解説する「理論編」と、生物学、心理学、社会学の3つの視点から、感覚の問題をどう支援するかを示した「実践編」で構成されています。特に「実践編」では、乳幼児期から大人までのさまざまなケーススタディを通して、感覚過敏による日常生活での困りや支援の成果を紹介するとともに、著者の高橋秀俊先生が日常的によく受ける質問をQ&A方式で示しており、感覚過敏による困りごとをサポートするヒントとなるのではないでしょうか。感覚の問題は一人ひとり異なりますが、感覚過敏への理解を深め、それぞれが対処法を工夫することで、きっと「センサリーフレンドリー」な社会へと繋がっていく……そう思わせてくれる一冊です。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2024年12月27日通常学級についていくのは難しそう……自閉症長男の年長の頃幼稚園の年長当時、超絶マイペースだったわが家の長男あーくん。就学先について検討を始めた時から、通常学級は難しそうだという気がしており、特別支援学級にしようとぼんやりと当たりをつけていました。 というのも、通っていた幼稚園に「子どもの発達に悩める親の会」的なものがあり、そこでいろいろ聞いていたのと、上のお子さんが特別支援学級に行っている……という親御さんもちらほらいたので、(特別支援学級良さそうだなあ)という下地があったんですよね。しかしながら何より本人の意向が1番大事……。ということであーに聞いてみました。ズバリ、「30人クラスと8人クラスどっちがいい?」視覚優位のあーにも分かりやすいよう絵に描いて、それぞれのメリット・デメリットもあーに伝わりやすいよう言葉を砕いて説明(30人クラスはたくさんのお友達と勉強できるよ。8人クラスは先生が丁寧に指導してくれるよ。くらいのざっくり感で)。けれど、実感が湧いてないせいかさほど反応もなく……。ならば見学だあー!ということであらかじめ電話で予約し、あーと弟のいーを伴い、いざ小学校へ見学に向かいました。Upload By よいこ小学校の見学へ。初めて見た特別支援学級は……小学校に着くと、先生が待っていて学校の中を案内してくださいました。よく考えると私自身も親として足を踏み入れるの、実は初めてだ……! とドキドキしながら校内を進みます。まず見学したのは通常学級。私が小学校に通っていた頃とおおよそ変わらない、記憶にある小学校のイメージ通りのクラスでした。30人くらいの同い年の生徒が小さな教室にぎゅうぎゅう詰めで、にぎやかで、キラキラしてて……。この場でさまざまな思い出や成長がつくられていくんだなあ……と自身の幼少期を思い出すと同時に、「おそらくここであーは過ごさないんだな」と少しセンチメンタルな気持ちに。あーはといえば……特に興味はない様子(笑)。授業ではなく、弟のいーと一緒に教室にある水槽の亀を見ていました。その後は特別支援学級の見学へ。特別支援学級は通常学級の半分ほどの広さの教室で、学年混合で6人くらいの生徒が学習していました。驚いたのは、一人ひとりの机がパーティションで仕切られていたことです。 先生いわく、「雑音や周りの子の様子が気になって学習がすすみづらいお子さんもいるので」とのこと。教室には生徒の描いたイラストが掲示してあったり、通常学級にはない本やおもちゃが置いてあったり、休憩できるように大きなソファが置いてあったり、教室の隅には高い仕切りが置いてあってクールダウンスペースになっていたり……。隅々まで個別の配慮が行き届いた環境づくりを実感しました。あーはと言えば、見学したからといって特段何かを感じた……ようにはやはり見えず。これはやはり親が決めなければならない……!そう考えると答えはすぐに出ました。Upload By よいこ特別支援学級しかない!学校見学で決意が固まるあーにとって、特別支援学級が過ごしやすい環境であることも体感できたし、何より常日頃からしっかり先生と連携できて、何かあった時に親の声が届きやすいことが必要不可欠……そう考えた私は、見学してすぐに「特別支援学級しかない!」と心に決め、特別支援学級へ就学の希望を出すことにしたのでした。あれから6年間……実にさまざまなことがありましたが、この決断を誤りだと感じたことは一度もありません。でもね、就学で思い悩む親御さんに伝えたい。ここまでいろいろ悩んだだろうし、きっとこれからも悩むことはたくさんあると思うけれど、あなたが大切なお子さんのことを心から考えて下した決断に間違いなんてありません。決断した自分自身に、どうか誇りを持ってほしいと思います。Upload By よいこ執筆/よいこ(監修:室伏先生より)よいこさん、学校見学のご様子や特別支援学級への進学の決断、そしてよいこさんご自身の心境について共有してくださり、ありがとうございました。進学する学級を決めるにあたり必要な情報の一つに、発達指数(DQ)や知能指数(IQ)があります。IQは100が平均であり、70〜84は境界知能、70未満は知的障害(知的発達症)と定義されることが多いです。たとえばIQ70ですと、実年齢が6歳の時、知的な年齢が4歳2か月と計算されます(ASD/自閉スペクトラム症やADHD/注意欠如多動症などの特性がある場合には、知的な年齢から判断すると難しいと思われることが得意だったり、できると予想されることが困難だったりということもあります)。70未満の場合には、行動面含めて通常学級での生活は困難と判断されることが多いです。しかし、境界知能またはIQが平均的の場合には、通常学級と特別支援学級のどちらが望ましいかは、生活や学習面のサポートがどの程度必要か、集団行動が可能であるか、周囲への影響力の強い困りごと(教室からの脱走や他害など)、ご本人の情緒面(自己肯定感低下や強い不安があるか)、ご本人の意向なども含めて総合的に判断しなければならず、とても難しいこともあります。また、特別支援学級は、知的障害(知的発達症)のお子さまを適応とする学級と、知的障害(知的発達症)を伴わない神経発達症(ASD/自閉スペクトラム症やADHD/注意欠如多動症)のお子さまを適応とする学級が分かれている地域もあります。学校によって学級の雰囲気やサポートは異なりますので、見学もとても大切ですし、地域のことやお子さまをよく知っている方(通っている医療機関や療育機関のスタッフ、園の先生方)などに相談してみるのもよいでしょう。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年12月24日テストにミスはつきもの?Upload By 丸山さとこ現在中学生の息子のコウは、ADHD(注意欠如多動症)によるものなのか、日常生活でミスが目立ちます。ADHD治療薬を服用するようになり以前よりは軽減していますが、毎日何かしら「そうだっけ?」「あっ、そうだった!」を繰り返している状態です。登校しては家に忘れ物、下校しては学校に忘れ物、塾に手ぶらで向かい、宿題をすれば丸つけを忘れ……といった調子のコウです。内申点に関わる定期テストもミスが多く、中学入学以降頭を悩ませてきました。持ち物も宿題もテストも、コウに聞けば「見直したよ」と言います。ですが、ミスを防ぎきれてはいない状態です。見直しによりミスを発見できることもありますが、実際に見直している姿を見ると「見直しかたが雑だな」と感じることもしばしばです。私自身もADHD(注意欠如多動症)があり、見直したつもりでもミスをしていることは多いです。「1時から30分」の予定を「1時30分から30分の予定」と間違えて覚えてしまったり、歯医者の予約日と仕事の予定が入れ替わってしまっていたりします。リマインダーを設定するなど自分なりに対策を心がけてはいますが、そのリマインダーの設定日時が既に間違っていたりします。そのため、家族の助けを借りて何とか生活を回しています。Upload By 丸山さとこ最近は息子の受験関係のスケジュールや宿題のチェックに追われて、私のミスが雪だるま式に増えている状態のため、「私から息子に言えることなどあるのだろうか?」という気持ちが正直なところです。とはいえ、そんな私から見て「見直しが雑だな」と感じるのですから、コウの見直しの穴は相当大きいのでしょう。二学期の学期末テストに向けて、ここ数日は「見直しして~!宿題付箋つけてあるとこ確認して~!!」といった具合にコウに毎日何度も見直しを迫っていました。Upload By 丸山さとこテストの見直しをしたと言うコウのビックリ発言と、母のあたたかい一言そんな中、ついにやってきた期末テスト最終日、コウは「今日のテスト、時間が15分余ったから見直ししたら、ミスを2つ見つけたんだよ~」と教えてくれました。「お~!見直しでミスを見つけられるの珍しいやん。よかったね!見直した甲斐があったね」と私が感心していると、コウはニコニコしながら「前半見直してたらミス見つけて『あっぶね!』ってなってさ」とさらに詳細を話してくれました。それを「うんうん」と聞いていると、話は予想外の展開を迎えました。「そのあと見直しを続けてたら、後半は面倒になってきちゃって~」と言うのです。Upload By 丸山さとこ予想外の話の展開に「面倒になってきちゃって……!?」と驚いていると、コウは「けど、見直さなきゃなって続けてたら、ミスがもう1つ見つかったんだよ」と頷きました。『進学に関わる内申点に影響するテストの見直しで「面倒になってきちゃって~」ってある!?』と驚きましたが、それを乗り越えて見直したんだなと思うと、コウの頑張りを感じて少しうれしくなりました。それを伝えると、コウも満足そうに「頑張ったんですよ~!」と笑いました。そんな期末テストのエピソードを母に電話で伝えたところ、母は「いやー、『面倒になってきちゃって』を親に言えるのってすごいよ」と、私にとって予想外の感想を言いました。「怒られるかな?って思ったら言えないでしょう。『面倒になったけど、そこを乗り越えて見直しをしたんだな』ってお母さんに思ってもらえるだろうと考えたから、コウは言えたんだよ」と母に言われて、私は「そう言われれば、そうだね」と納得しました。受験生の親としては、「突っ込みたくなるエピソードはないのが一番だよー!」と思ってしまいますが、子どもから『突っ込みたくなるほど素直なエピソード』を聞けることはありがたいことなのかもしれませんね。Upload By 丸山さとこ執筆/丸山さとこ(監修:新美先生より)ミスと見直しについてのエピソードを聞かせてくれてありがとうございます。ADHD(注意欠如多動症)の方にとって、うっかりミスはデフォルト設定、避けては通れないものです。「見直しを」とはさんざん言われるけど、それができるなら苦労しないよと言う話です。「めんどくさがり」という特性もほぼ漏れなくついてくるので、見直しなんてめんどくさいことは、そうそうできるものではありません。ボロボロボロと、ミスをそこら中に落とまくりながら生きていくのがADHD者と言っても過言ではないのです(自分のことを話しています)。周りがいくら、「見直しをしなさい」「リマインダーを」「メモを取って」などと言ってもなかなかできないものですが、それでも本人がある程度自覚して、目的感を持つと、少しだけわずかに意識するようになります。そこに至るまでが本当に大変。コウ君が、テストで意識して見直しをしたということは、ご本人なりに自覚と目的感をしっかり持てているということですね。2つもミスを発見したなんて相当すごいです!!そして、丸山さんも書いておられることですが、中学生が「見直してをしてミスを見つけたよ!」「めんどくさくて途中でやめようと思ったけど最後まで見直したよ」なんていう、特性にまつわる話を屈託なくお母さんに報告できるとは、とても良好な親子関係があるんだなぁと、ほっこりしました。さらに丸山さんが丸山さんご自身のお母さんにまでエピソードをシェアしているなんて、三代にわたって良好な親子関係なんだなーって、とっても素敵だと読んでいて幸せな気分になりました。ADHD(注意欠如多動症)のお子さんは突っ込みどころエピソードの宝庫ですが、それをいちいち細かく指摘して、ネガティブな気持ちを募らせていると、中学生年代頃には自分のミスを隠したりするようになるものです。丸山さんが、ネガティブな指摘でなく、具体的な戦略・方略とサポートを続けてこられたから、親子間の信頼関係がしっかりできているんだなと思いました。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年12月23日放課後の居場所はどこがいい?Upload By もっつんタクが小学校に入学した頃の私はフルタイムで働いていました。当時はタクに発達障害の特性があるとは思わずに、悩むこともなく地域の学校の通常学級に進学。そして当たり前のように地域の学童に申し込みをして利用を始めました。入学からしばらくすると授業中に教室を脱走してしまったり、お友だちとのトラブルが増えてきて、学校から電話で報告される度にとても悩んだことを覚えています。そしてタクの教室脱走癖は学童でも続いていました。仕事でヘトヘトになって学童に迎えに行くと「今日は〇〇を壊しました」「勉強時間なのに勝手に外で遊んでいました」と耳の痛い報告ばかりで……私はいつも謝罪をしてタクを叱らなくてはいけないストレスを抱えていました。その後、タクは小学校1年生の終わり頃に発達障害と診断されました。学童と改めて面談を行い、通常学級から特別支援学級に転籍したことや多動を抑えるために服薬をしていること、それでも特別扱いはせずにルールを破った際にはしっかりと叱ってほしいという希望を伝えました。当時の学童の先生は発達障害などにとても理解があって快く迎え入れてくださり、2年生からも学童の利用を継続することにしました。お迎えの時間は憂鬱…悩み多かった学童利用期Upload By もっつんタクの放課後の過ごし方に変化があったのは2年生の終わり頃のことで、タクの下に妹が産まれたのがきっかけでした。私は1年間の育休を取得して、タクは学校が終わったらそのまま自宅に帰宅するようになりました。タクとゆっくり過ごせる時間はとても有意義だったと思います、宿題を見たり一緒に工作をしたり……あっという間に1年が過ぎていきました。大きなトラブルが起こってしまったのは、タクが4年生になり久しぶりに学童を再利用し始めてからでした。私は1年ぶりに職場復帰をしましたが、人事異動などもあって毎日精神的にも肉体的にもものすごい疲れを抱えながら過ごしていたのを、タクも敏感に感じ取ってストレスになっていたのかもしれません。毎日服薬してから登校していましたが、下校時間頃になると薬効が薄れてきているのか「タクくんが落ち着きがなくて困ります」と報告を受けるようになりました。その都度厳しく注意はしていましたが、何度言っても同じ過ちを繰り返してしまうのも特性の一つで……タクは学童にとって先生を困らせる問題児になっていきました。そしてある日、学童の先生の一人に「もうタクくんは面倒みられません」と言われてしまい、学童を即日退所することになりました。この問題については後々市役所職員の方や学童責任者から謝罪がありましたが、とても悲しくつらい時期でした。障害児通所受給者証を取得し、放課後等デイサービスの利用手続きを済ませてUpload By もっつん地域の学童を退所してからしばらくは、タクは放課後は近くの義実家で面倒をみてもらうことになりました。しかし、タクは勝手に工具箱を開けて家電を分解してまう、義両親に気づかれないように家を出て近所の友だちの家に手当たり次第押しかけるなど問題行動を起こしてしまいました。私は学童退所問題の際にお世話になった市役所の相談員の方に現状をお話しして、早急に放課後等デイサービスを探し始めました。また、大急ぎで障害児通所受給者証を取得して、指定特定相談事業所へ支援計画の作成をお願いしました。この頃の私は無我夢中で動いていて、初対面の相談員さんや職員さんの前で泣いてしまうことも。普段の生活をするだけでもストレスや疲れが溜まりがちな環境に加え、放課後等デイサービスを利用開始するまでの手続きがとても負担に感じました。必死に動いた末に、4年生の途中からタクは放課後等デイサービスを利用できるようになりました。脱走癖に疲弊!学童に続いて放課後等デイサービスでも!?Upload By もっつん私の住む地域は田舎ということもあり、放課後等デイサービスの数自体がとても少ないようでした。それに加えて私が仕事をしているために学校への送迎有りが希望条件だったので、利用可能な施設の選択肢は1か所しかありませんでした。最初に利用した放課後等デイサービスは、重度の身体障害がある子どもも在籍しておりどちらかというとのんびり静かな教室だったかと思います。やっとのことで放課後デイサービスの利用を開始して、これで私も仕事に集中できるかと思ったのも束の間……タクは放課後等デイサービスの教室も繰り返し脱走してしまいました。周りの静かな子に合わせて、音読鑑賞や塗り絵などのインドアな過ごし方が合っていなかったのだと思います。個室に鍵を閉めて閉じこもって窓から庭へ脱走、そして駐車場に座り込み先生を困らせました。当時のタクは石が大好きで、お気に入りの石を探すことを何時間でもやりたいという衝動が我慢できませんでした。仕事中に「タクくんが出て行っちゃって困ってます、落ち着かないからお迎えお願いします」と電話が頻繁にかかってくるようになりました。当時の私はかなり精神的に参ってしまっていて「学童も放課後等デイサービスも無理なんて……私たちはどうすればいいの?」と泣いてばかりの日々でした。その後タクは、遠いけれど運動療育に力を入れている事業所に出合い、楽しい時間を過ごすことができました。タクと似てるタイプの子と意気投合して遊んだ話を楽しそうに聞かせてくれて安心しました。さまざまな環境で過ごし、いつの間にか大きく成長していたタクUpload By もっつん現在のタクは中学3年生になりました。中学生になってからは部活に真剣に取り組むようになったので、平日は利用せずに夏休みなどの長期休みのみ利用しています。放課後等デイサービスを通してタクと気が合う友だちができたのはとても素晴らしいことで、タク自身もさまざまな特性がある子どもたちと共に成長しました。先日タクのひいおばあちゃんが遊びにきた際には、タクが上手に車椅子を押しながら「デイで友だちを手伝っていたんだよ!」と教えてくれました。いつの間にか広い視野を身につけていて、胸が熱くなりました。特性がある子の子育てはバランスが難しく、親の負担が大きくなってしまうことがあります。放課後等デイサービスは子どもの発達支援の場でもありますが、親のレスパイトの場でもあるように思います。放課後等デイサービスとは相性問題があるので、もし選択肢がある環境ならばいろいろな事業所へ見学に行くことをおすすめします。当時のわが家には最初は選択肢がなかったのですが、ここ数年で放課後デイサービスの数が急激に増加した印象です。放課後等デイサービスをはじめいろいろなサポートを受けながら、長い子育てを少しでも明るい気持ちで過ごして行けたらいいですね。執筆/もっつん(監修:室伏先生より)学童から放課後等デイサービスへ移られた経緯や、放課後等デイサービス利用の手続き、もっつんさんのお気持ちなど共有くださり、ありがとうございます。もっつんさんも書いてくださったように、放課後等デイサービスは、活動内容、雰囲気、条件(送迎の有無など)は施設によって異なり、お子さんによって合う施設を見つけることは簡単なことではないかもしれません。一方で、一つの施設で合わなかったとしても悲観せず、新しい施設にチャレンジしてみてもよいということでもあります。市町村の公的な窓口では、公平性の担保のため、どこかをおすすめしてもらうということが難しいことが多いです。また、お子さんの特性や好きなこと、ニーズ(コミュニケーションスキルを伸ばすような集団での活動、学習のサポート、音楽や運動などを用いた療育的な活動、安心してほっと一息つける場所、etc)などを総合的に判断して決める必要があるので、お子さんのことをよく知っている人でないとアドバイスは難しいかもしれません。お子さんが雰囲気や活動内容を好むかどうかは実際に体験してみないと分からないことも多いので、お仕事や育児が忙しい中大変ですがいくつか見学して、ご本人に合った場所を見つけられると良いですよね。放課後等デイサービスが、ご家族が安心してお子さんを預けられる場所でもあり、またご家族がお子さんとのよりよい関わりについてヒントをもらえる場所にもなるといいなと思います。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年12月20日進学先アンケート(中学校編)の結果は?発達ナビ利用者から寄せられたコメントも紹介!Upload By ユーザー体験談通常学級を選んだ/選ぶ予定…29%通常学級+通級指導教室を選んだ/選ぶ予定…8%知的障害特別支援学級を選んだ/選ぶ予定…15%自閉症・情緒障害特別支援学級を選んだ/選ぶ予定…30%特別支援学校を選んだ/選ぶ予定…12%発達ナビ利用者の皆さんへのアンケートの結果、中学校選びで最も多かったのは「自閉症・情緒障害特別支援学級を選んだ/選ぶ予定」の30%で、次いで「通常学級を選んだ/選ぶ予定」が29%、「知的障害特別支援学級」が15%と続きました。そして、「通常学級+通級指導教室」が8%、「特別支援学校」が12%となっています。将来を見据えて慎重に進学先を選んでいる様子が伺われます。アンケートに寄せられたコメントはこちら。Upload By ユーザー体験談高校進学を考えての選択です。高等支援への進学はないので。進学先の中学校では、高校進学するなら、支援級でも全交流が必要とのことでした。通級も検討しましたが、通級を利用すると、その教科は評定が「1」しかつかないそうで、それなら自力のほうが良いかなと。薬調整でだいぶ落ち着いてきたので。本人もみんなと一緒を希望してるのが、1番です。※地域によって評定の付け方は異なります※高等支援:特別支援学校高等部もしくは高等特別支援学校を指していると思われます長男は3歳児健診より発達障害を疑われており、年少より支援センターに通い、小学校入学時にも学校側と保育園側と面談をし、双方の納得で通常級でスタートしました。小2で発達の診断(ADHDとASD)を受けて、小3より支援級に在籍しましたが、勉強はとにかくできる子であったため、授業中の放置が酷く、勉強をほとんど教えて貰えなかったり、通常級の担任と支援級の担任の交流も薄く、逆にクラスで浮いてしまい、酷い言われようをしました。(中略)そんな中、来年度中学のクラスは、情緒級を選びました。それは、まずは学校へ2人で見学に行った際、先生からは生徒に対してのサポートが厚いことは説明して頂きました。それでも小3みたいになりたくなかったので、かかりつけ医にも相談(かかりつけ医はそういうクラス分けの委員会の委員でもある)したところ、情緒クラスが良いと思うと言って頂いたこと。その代わりにサポート体制についての話し合いを求める事を条件とするなど言って頂きました。(略)長男は、1歳から3歳半ばまで保育園に通い、年少途中から引っ越しに伴い療育園に転園しました。年長になってから単語が少しずつ出てきましたが、コミュニケーションをとるのが難しいのと、こだわりや癇癪のつよさがあることから、小学校の進路は支援学校に決めました。(中略)中学の進路は、このまま支援学校に進む予定です。本人のペースで、できることをゆっくり伸ばしていければよいと考えています。次に、アンケートに寄せられた体験談の中から中学校への進学についてのエピソードについてご紹介します。なのははさんの息子さんは現在14歳。11歳でASD(自閉スペクトラム症)の診断を受けています。小学2年生の秋頃から、不登校、登校渋りが始まったそうです。そんな息子さんが進学した中学は「不登校特例校」。進学までの道のり、オープンスクールへの参加、実際に進学してみて感じたメリットデメリットなども振り返ってくだきました。ぜひご覧ください。不登校の始まりと小学校での葛藤現在14歳(中3)の息子がいます。11歳でASD(自閉スペクトラム症)と診断を受けました。息子は小学2年生の秋頃から、不登校、登校渋りが始まりました。きっかけはなんだったかを考えるならば教室で吐いてしまったことですが、正確なところは分かりません。その前から、児童館を嫌がったり習い事を辞めたがるなど、兆候はあったと思います。2年生の3学期には完全に学校に通えず、私自身も「学校に行かせなければ」と焦りと不安が募る日々でした。その後、3年生進級時のクラス替えをきっかけに再び登校するようになり、担任の先生にも恵まれ、私も毎日息子に付き添って学校に行きました。この頃、発達検査で発達の凹凸が判明し、5年生でASD(自閉スペクトラム症)の診断を受けました。そして通級指導教室にも通い始め、4年生の間は毎日通学ができましたが、5年生のコロナ禍による休校明けには再び不登校になってしまいました。この頃から、私たちは小学校卒業後の選択肢を探し始め、不登校特例校の存在を知りました。※編集部注:現在不登校特例校は「学びの多様化学校」となっていますが、このコラムでは当時の名称をそのまま使用しています。参考:学びの多様化学校(いわゆる不登校特例校)(不登校児童生徒を対象とする特別の教育課程を編成して教育を実施する学校)について|文部科学省中学校への進学を考えるとまず学区内の中学校が浮かびましたが、そこには特別支援学級がありませんでした。そうなると、通常学級に在籍しつつフリースクールに通うか、学区外の中学校の特別支援学級を選ぶかになります。どちらにするべきなのか悩む中、私は不登校特例校の存在を知りました。その不登校特例校は私立でした。学費の不安はありましたが、環境に魅力を感じました。また、登校以外にオンライン授業もあるという柔軟さも、息子に合っていると思いました。息子にこういう学校があるんだけどと話すと「行けと言うなら行ってみるよ」と前向きではないものの反発することもありませんでした。そこで息子と不登校特例校のオープンスクールに参加することにしました。Upload By ユーザー体験談オープンスクールでは堅苦しさのない授業が印象的で、息子も体験授業や体育を楽しむことができました。先生やスタッフの柔らかな雰囲気に、私自身もここはいいかもしれないと感じることができました。Upload By ユーザー体験談そして家族、先生方などと話し合いながら、6年生の3学期、息子自身がこの不登校特例校に行くと決め、進学をすることになりました。テストではなくゲームや鬼ごっこ!不登校特例校のメリットデメリットUpload By ユーザー体験談不登校特例校での生活は、息子にとって大きな転機となりました。一番のメリットは「毎日通わなくてもいい」という点で、親も子もプレッシャーが軽減されました。1クラスの人数が少ないため、大人数が苦手な息子にとって居心地の良い環境だったようです。不登校特例校での授業はとても柔軟でした。例えば、長期休み明けにはテストではなく、ゲームや鬼ごっこなどを選べる活動が用意されていました。授業もSSTが取り入れられ、理解度に合わせたクラス分けもされていました。宿泊学習で遊園地に行ったこともあり、子どもたちの学校に対するイメージが良いものになったのではないかと思います。「毎日学校へ行ける」ことよりも大事なこと一方で、課題もあるように感じました。高い学力を目指す場合、ともかく個人の努力が重要だった点です。高校、大学への進学を考える場合は、学校以外でのフォローが必要だと感じました。Upload By ユーザー体験談中学校入学当初、私は「中学生の間に毎日通えるようになり、普通科高校に進学してほしい」という希望を抱いていました。しかし、息子と向き合ううちに「この子は、カリキュラム通りに、好きな教科と興味のない教科を同じように勉強するのは難しいのではないか」と感じることが多くなりました。ですので、好きなことをたくさん学んだり経験したりできる高校を選んで、楽しみながら得意なことを伸ばしてもらえればと思っています。そして、高校卒業後も、息子自身が自信を持って進んでいけるよう、家族として支えていきたいです。エピソード参考/なのははイラスト/よしだ通常学級、特別支援学級、特別支援学校――発達障害がある子どもたちの中学卒業後……将来への選択を見据えて小学校の就学先とは違い、中学校での在籍クラスはその先の高校や大学、就職にも関わってくる重要な選択となり、慎重に選ぶ保護者の方も多いと思います。入学直後は問題なく過ごしていても、その後トラブルが起き「本当にこの進路先が正しかったのだろうか」と悩みや後悔も尽きないかもしれません。中学校に通うことが難しくなった場合もこの体験談のように不登校特例校やフリースクールなどさまざまな居場所があります。お子さまと向き合い、成長を見守り、サポートを続けていきたいですね。(監修:藤井先生)学びの多様化学校(不登校特例校)は令和6年度は35校の学校が設置されています。まだ不登校の児童数に対して、少ない状況ですが、令和5年度の24校から1年で11校増加しています。不登校の状況になると、生活リズムの乱れ、同年代の仲間との対人関係が希薄になる可能性があります。お子さんが心身共に健康に過ごせるように、お子さんが社会とのつながりを持てる場所がないか、探していく必要があります。学びの多様化学校が近くにない場合には、フリースクールを検討されても良いでしょう。いろいろな困りを感じているお子さんが、それぞれに合った形で社会とつながることができる場所、選択肢が広がることを願っています。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年12月19日すでに診断やほかの検査を受けている場合、検査をする意味はあるの?公認心理師の井上雅彦です。LITALICO発達特性検査では、検査結果テキストの監修を担当しています。また、臨床の現場では発達検査などを実施する立場でもあります。LITALICO発達特性検査を受検されるかどうか、迷っている保護者の方の中には、すでにお子さまが医療機関や相談機関とつながっていて、これまでに診断を受けている場合や、発達検査や知能検査など、なんらかの検査を受けたことがある方もいらっしゃると思います。私はそのような場合も、LITALICO発達特性検査の受検は意味があると考えています。診断や、ほかの心理検査とは別のものとして、検査結果で得られるものが異なり、そして、医療機関や相談機関と連携し、併せて活用していただくことで、より意味が増してくるツールがLITALICO発達特性検査だからです。今回はそのことをテーマにお話しします。診断を受けている場合のLITALICO発達特性検査LITALICO発達特性検査は診断の有無にかかわらず、お子さまがサポートを受けやすくすることを目的としています。その前提のうえではありますが、すでに医療機関とつながっている場合には、LITALICO発達特性検査を併せて使っていただくことで、より具体的な支援に役に立つと思っています。一般的に医療機関での診察時間というのは、限られた短い時間であることが多いです。そうすると、その時間内に日々の具体的な困りに対する対応方法を一つひとつ医師と相談して解決法を探っていくというのは難しいかもしれません。また、医療の観点からのアドバイスを得たい場合もあると思いますので、ある程度相談したいことや、保護者の方が課題だと思っていることを整理しておくというのが、とても役に立つと思うのです。そのような場合に、あらかじめ整理したり、お子さまに合いそうなサポートの方法を試してみたりしておくツールとしてLITALICO発達特性検査を使うといいと思います。また、診断や特性自体は変わらなくても、お子さまの環境や年齢などによるライフステージの変化によって困りごとや特性の現れ方は変化することもあります。そのような場合に、この検査はお子さまの具体的な状態を把握するためにも大きな意味があると思います。ほかの検査を受けている場合のLITALICO発達特性検査検査と言っても、WISCや田中ビネーなどの知能検査や、Vineland(ヴァインランド)などの適応能力を調べるための検査、本人の不安やうつ傾向を調べる検査など、種類はたくさんあり、目的もそれぞれ異なっています。これらの検査はそれぞれ測定したいものがあって、それを数値で表すものです。例えば、知能検査では、認知機能の偏りについて測定し、IQ(知能指数)という数値で表します。この数値は、全体と比較してどの水準にあるかを示すことで公的な支援に繋げやすくするという役割があります。また認知機能の中でもどの領域に凸凹があるかというのを数値にすることで本人の困難さをより具体的に示すことを目的としています。検査結果として数値やグラフで示される検査が多く、保護者の方がもらえる検査結果レポートも、検査を実施する機関によって異なりますが、簡易なものが多いです。検査を実施した心理士などによるアドバイスが示される場合もあると思います。しかし、文量的にレポートだけで保護者の方がさまざまな場面で生じている困難の背景を理解し、日々のお子さまへの具体的な対応に役立てるということは難しいかもしれないですね。一方、LITALICO発達特性検査は、オンラインで保護者の方が受検して、日々のサポートに活かすことを目的にした検査です。その点で、レポートはお子さまへの特性理解を踏まえた対応をすることを目的とした作りになっていて、検査で分かったお子さまの特性に合うようなサポート方法のヒントが提示されます。また、検査で分かる領域も、まずはお子さまの特性や苦手を広く測れるように、7つの大分類、18の小分類を扱っています。生活と関連が深い睡眠の課題や、発達に特性のあるお子さまに現れることが多い行動や情緒の課題なども検査項目に含まれています。LITALICO発達特性検査はこうした広い領域を広くカバーするものであり、そのお子さまの特性や苦手なことの背景要因から具体的な対処法まで保護者の方にとって理解しやすい内容で説明されています。このことでお子さまの全体的な発達特性と一緒に対処法を理解することができます。ほかの検査と併用する場合、例えば、それぞれの検査結果をみて、「ああ、この検査の数値で表れている部分は、こういう背景要因があったからなんだ。ではサポートの方法を変えてみよう」などと理解を深めるきっかけにしていただきやすいと思います。また「以前受けた検査では苦手だった部分が、サポートの方法でカバーできている」という点も見つかるかもしれません。Upload By LITALICO発達特性検査 編集部医療機関や相談機関の指示を仰がずに受検しても大丈夫?LITALICO発達特性検査は、検査という名前ではありますが、保護者の方がお子さまの困りごとや支援方法を把握するためのツールです。したがって、ほかの検査を受けている場合やかかっている医療機関がある場合にも、気軽に受検していただいて問題はないと考えています。もちろん気になる場合は、受検前に相談していただいてもいいと思います。中には、「すでに受けている診断や検査と矛盾する結果が出たらどうしよう」と悩まれる方がいるかもしれません。LITALICO発達特性検査は保護者の方の主観で回答する検査ですので、ほかの検査や医師の見立てとは異なる可能性もあると思います。もし、これまでの結果や見立てと違うという場合には、その点が医療機関や相談機関で相談されるいい視点になると思います。例えば、それぞれが課題に感じている点、それほど課題ではないと思っている点が違う場合は、詳しく相談したりすり合わせていくとスムーズです。課題の出る状況や場面が限定的な場合は、それを見つけること自体が環境調整のヒントになることもあります。検査結果は情報の一つとして捉えていただき、決めつけずにフラットな見方をしていただくと、前向きな話し合いやアセスメントがしやすくなります。また、そうした相談の際には、保護者の方が事前に相談の優先順位と要点を整理しておくと、短い相談の時間を有効に使えると思います。お子さまの困りごとは環境や状況、お子さま自身の発達やスキル獲得などによっても変化するので、お子さまの特性や困りごとをどのように把握してどのようにサポートしていくかという視点で、協力体制をつくれるといいですよね。受診・受検から時間がたった場合の「点検」にもUpload By LITALICO発達特性検査 編集部診断のある方でも、服薬治療がない場合には、頻繁な通院をしないというケースもありますし、頻繁に検査をしたり、診断を受け直すという方はそれほど多くないと思います。心理検査も、現状では費用やリソースの観点から、なかなか頻繁には受けられないかもしれません。そうなると、例えば、5歳児健診の時に診断や心理検査を受けて、それからしばらく間が空いているという場合もあると思います。また、発語の課題があって未就学の一時期に専門機関と繋がっていたけれども、その後言葉が出るようになったなどで、一度支援から離れているという方もいるかもしれません。特性のあるお子さまにとって、成長に伴って環境や状況が変わることで新たな課題や困りごとが現れるということは、珍しいことではないのです。例えば、限局性学習症に含まれる学習面での苦手は、その現れ方が一人ひとり違うので、例えば算数の筆算だけが苦手だとか、その学習をする年齢になってはじめて現れる困りごともあります。また、成長に応じて求められる態度やスキルが変化してくることもあるかもしれません。小学校までは許容されていた行動が、中学や高校では認められないという場合もあるかもしれません。人間関係やコミュニケーションや学習など、年齢によって複雑になっていき、そこで課題が出てくるというケースは多いと考えられます。そうすると、特性は変わらないのだけれども、困りごとが変わってきた、対応方法も変えた方がよさそう、という場面は結構あると思うのです。そのような時に、ぜひLITALICO発達特性検査を受検していただいて、変化がないかをみたり、対応方法を変えるきっかけにしていただくといいのではないかと思います。受検してみて、以前受けた診断や心理検査の結果と違うなと感じたり、家庭では対応が難しいと感じたら、その点を相談するために、ぜひ医療機関や相談機関と連携してみてください。医療・専門機関との間を繋ぐ共有ツールとしてすでに診断を受けられている場合、医療機関や専門機関で相談する機会もあるでしょうし、保護者の方もご自身でいろいろと知識を得て、日々のお子さまへのサポートを工夫されていると思います。検査結果のレポートを見て、「私のやり方で合っていた」「私の見立てと同じ」と感じる方もいるでしょう。そういった場合、自信を持って支援を進めていただく根拠になるかもしれないですね。また、背景要因としてまとめられているテキストを使ってよりお子さまの理解を深めたり、今まで試していない方法を見つけて、ヒントにしていただくのもいいと思います。もう一つ、LITALICO特性検査は保護者の方が感じていることの言語化ツールでもあります。ぜひ、医療機関や専門機関、あるいは園・学校・支援者・家族など、周りの方にも、課題に感じていることやお子さまの特性、その背景要因を周りの方と共有するためにも使っていただけることを願っています。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2024年12月18日特別支援学級で過ごし始め、落ち着きを取り戻した息子小学校入学当初は通常学級に就学したわが家の息子トール。小学1年生の終わり頃、ASD(自閉スペクトラム症)とADHD(注意欠如多動症)の診断を受けました。小学2年生の秋頃から、学校や家庭でもイライラしたり、泣いたりすることが増えてきて、特別支援学級への転籍を本格的に考えるようになりました。その頃は通常学級に在籍しつつ、特別支援学級の先生の都合の良い時に、特別支援学級で過ごす時間をつくってもらっていました。特別支援学級で過ごす時間を取るようになって、トールは少しずつイライラする時間が減っていったように思います。周りの視線を気にせず、マイペースに過ごせる時間が取れるようになったおかげだと思っています。Upload By メイ通常学級から特別支援学級へ転籍すべき?不安や迷いが押し寄せて特別支援学級に在籍したほうが、トールが穏やかに過ごせるかもしれないと、私も考えるようになりましたが、私自身、特別支援学級に関する知識は全くなく、転籍したらどうなるのか、いろんな疑問や不安が湧いてきました。実際に在籍したら毎日どのように過ごすのか。どのくらい通常学級に在籍する子たちと関わりがあるのかも心配でした。日々怒ったり泣いたりしながら過ごしていたトールでしたが、通常学級にはお友だちもいました。トールの転籍について悩んでいた頃、クラスのお友だちに「トールくんをほかの教室に行かせないで」と言われたことがありました。Upload By メイわたしは、トールが教室で騒いだり、マスクをすぐ外してしまったりして(当時はコロナ禍で、教室ではマスクを着用するルールでした)、周りの子から嫌がられていると思っていたので、そのお友だちの言葉はとてもうれしいものでした。同時に、せっかく仲良くしてくれているお友だちがいるのに、特別支援学級に行くことで関わりがなくなってしまうのではないか?とも考えました。また、勉強は通常学級より遅れてしまうのではないか、そしてその後の進路に影響があるのではないか?なども心配でした。特別支援学級に転籍することで、それまで一緒に学んでいた通常学級の子たちから取り残されるかもしれないという漠然とした不安が、心の中に広がっていました。集団の中にいることが苦痛だからと集団から離れて生活したら、ますます集団の中に入ることができなくなって、将来の進学や就職の時の選択肢が狭まってしまうのではないか。わたしの今の選択が、トールの将来を決める可能性があると思うと、とてつもない重圧がわたしの肩にのしかかってるような、そんな気持ちになりました。Upload By メイ勉強、友だち関係、将来……分からないことばかり。悩んだ末に出した結論もちろんトール本人にも、どうしたいかという気持ちは聞いていました。しかしトールは当時まだ小学2年生。それを自分ではっきりと決められるような年齢ではなく、トール自身もどうしたらいいかよく分からないという様子でした。長い時間をかけて、わたしは「特別支援学級に転籍する」という決断をしました。心配な気持ちは消えませんでしたが、将来のトールのことばかり考えるより、今のトールが楽しく学校に通えることを一番に考え、そのためにはどうしたらいいかと考えるようになったからでした。今のトールが楽しく過ごせることが、将来のトールの笑顔につながるのではないか。将来は今の延長線上にあるのだから、まずは今を最優先にしようと考えた末の、決断でした。Upload By メイそして、トール本人にも最後の意思確認をし、通常学級の担任の先生、特別支援学級の先生、校長先生とも話し合い、小学3年生に上がるタイミングで、特別支援学級に転籍することが決まりました。現在、小学6年生になったトール。高学年になってぐっと落ち着いてきて、迷った末に決断した特別支援学級への転籍という選択は、今ではよかったと思っています。これから先も、進学や就職という節目ごとに悩んだり迷ったりしつつ、その時その時の息子にとってのベストを探していけたらと考えています。執筆/メイ(監修:鈴木先生より)本来であれば、小学1年生の時にASD(自閉スペクトラム症)とADHD(注意欠如多動症)の診断が出た時点で、特別支援学級へ通級するのが丁寧です。ASD(自閉スペクトラム症)の特性の一つに聴覚過敏があり、先生やクラスメイトとの相性にもよりますが、少人数の環境のほうが向いている場合が多いからです。今回のケースでは、小学3年生で転籍したということでしたが、日本には教育委員会と言う組織があり、そこを通さないと通級や転籍を決定できないというシステムがあります。残念ながら、子どもファーストではなく、事務ファーストになっている状況が多く見られます。親御さんにできるだけ早くお子さんに合った環境で勉強させてあげたい気持ちがあっても、IQテストをしないと判断できなかったり、委員会を通さず校長や主治医の意見だけでは判断できなかったりという慣習が足を引っぱっています。ただ、特別支援学級に在籍できたとしても、担当の先生方が必ずしも特別な研修を受けているわけではないことも課題といえるでしょう。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年12月17日ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)のある高校3年生の息子の小学校時代現在高校3年生の息子は、6歳でASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)の診断を受けています。息子は、小学校入学時から自閉症・情緒障害特別支援学級に在籍し、学年や科目によって通常学級にも通うスタイルで、学校生活を送っています。通った地域の小学校は、通級指導教室の受け入れを行うなど支援が手厚い学校でした。この環境があったからこそ、息子は自分のペースで学び、成長することができたと思っています。小学校4年生の時に引越ししましたが、転校はせずにそのまま学区外通学を選択しました。私は毎日車で送迎、大変でしたが、「ここに通わせて良かった」と思えるほど学校の支援体制や先生方の理解が深かったのです。そして小学校6年生になり、中学への進路を考える時期になりました。私の住んでいる地域では小・中連携の取り組みが積極的に行われていたため、中学進学を見据えた事前見学や面談が多く、学校側からのフォローが非常に手厚かったです。こちらでは、中学校進学への準備や学校生活など、わが家の体験をお話したいと思います。苦手な板書や書き取りはほぼ免除、デジタル教材の活用。「困ったらすぐ相談しましょう」といってくれた中学校中学進学を控え、地域の中学校で行われた事前の見学や面談では、校長先生自らが対応してくださいました。これを聞けて助かったと感じたのは、授業や部活動、試験に関する具体的な話でした。例えば、教科ごとに先生が変わること、定期試験があること、体育などで着替えがあった場合の男女の分け方など、細かな点もすべて丁寧に説明していただき、息子も私たち家族も安心して新しい環境に入ることができたと思います。また息子は療育手帳が取得できなかったため、将来は高等特別支援学校に進むことが難しく、高校では一般入試を受ける必要がありました。そこに向けた相談もできたのは大きかったです。校長先生から「やってみて、もし困ったらすぐ相談してください。息子さんの過ごしやすいように変えていきましょう」と言っていただけたため、入学後も相談しやすい環境を作ってくださったと思っています。Upload By ユーザー体験談中学校生活では連絡帳を活用し、授業の受け方や席の配置、クラスの中でのトラブル対策など、状況に応じて調整が行われました。学習面でもIT化が進んでおり、苦手な板書や書き取りはほぼ免除され、デジタル教材を活用したことで理解度は高まったと思います。Upload By ユーザー体験談ただし、試験中、集中力が持続しないという面は解決できず、成績には課題が残りましたが、担任の先生が席の向きやタイマーの位置など工夫を凝らしてくださり、助けられました。また、勉強に自信がついてきた息子は数学検定に挑戦、無事合格をもらい喜んでいる姿を見て、私も嬉しかったです。このように順調だった中学校生活ですが、一つ大変だったなと思うことは電車通学のことでした。中学校で電車通学を開始。トラブルと自信の芽生え中学進学に伴い、息子は電車通学を始めました。事前に駅でのリハーサルを何度も行い、駅員さんに挨拶をして困ったときの対処をお願いするなど、私も念入りに準備を重ねました。Upload By ユーザー体験談電車通学は、単に学校への移動手段にとどまらず、息子にとって大きな成長の機会となりました。乗り遅れや忘れ物などのトラブルが起こった時、パニックにならず駅員さんに聞くなどして冷静に対処することができるようになり、息子は少しずつ自信をつけることができました。また、電車という他人と同じ空間を共有する場に一人でいるという経験を積むことで、少しずつ「他人を意識する」という感覚が育まれたようです。この変化は、家庭ではなかなか得られないものでした。Upload By ユーザー体験談やはり親としては一人で電車移動する子どものことは心配でしたが、チャレンジしてよかったと思っています。高校生活の終わりも間近。「自立」に向けた1歩を前にして現在、息子は定時制高校の3年生です。精神障害者保健福祉手帳を取得したので、卒業後は就労移行支援を経て社会に出ていく準備を進める予定です。生活面ではグループホームの利用を考えていて、少しずつ自立に向けたステップを踏み始めています。息子がここまで成長できたのは、周囲の支援のおかげだと思っています。感謝しかありません。小さい頃から比べるとできることも増え、大きく成長した息子ですが、それでも息子が周囲の人に興味を持ち始めたのはつい最近のことです。これからの課題は多いと思いますが、本人のペースで少しずつ「自立」に向けた歩みを進めていければと思います。イラスト/ネコ山エピソード参考/まつ(監修:鈴木先生より)小学校でも中学校でも社会性を身につけることは大事であり、誰に相談したらいいかが決まっていれば安心です。最近は小中連携した一貫校スタイルが公立でも見受けられるようになってきました。小学校での問題点などがそのまま同じ中学校へ引き継がれるため環境の変化に弱いASDの患者さんにはいいことなのです。また、6歳からADHDの治療はできるので、集中できないこと、忘れ物があること、時間処理の問題などは投薬である程度コントロールが可能です。ただ、高校生になると小児科では診てくれなくなり、精神科でもADHD治療のできるクリニックは限られてしまいます。今後は高校卒業後の就労支援がどの程度できるかで将来像が変わってきます。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年12月15日三児の母であり、発達専門小児科医の西村佑美先生。「ママ友ドクター®・ゆみ先生」としてオンラインで育児・発達相談に答える活動も行っています。『発達特性に悩んだらはじめに読む本』(Gakken)では、発達特性がある子どもの1歳からの子育て法を網羅。今回、mamagirlではゆみ先生に特別インタビューを実施! 前編では、発達特性の基礎知識や、我が子の発達特性が気になった時のママとしての心得を伺いました。■西村佑美先生 プロフィール発達専門小児科医/一般社団法人 日本小児発達子育て支援協会 理事1982年、宮城県仙台市出身。日本大学医学部卒。三児の母。重度自閉症のきょうだい児として育ち、障害児家族に寄り添える仕事がしたいとの想いから医師を志す。2011年から日本大学医学部小児科医局に所属。その後、地方病院と大学病院で発達専門外来を新設。のべ1万組以上の親子を診てきた。2020年「ママ友ドクター®」プロジェクトを始動。SNSでの情報発信や主宰する「子ども発達相談アカデミーVARY」での活動を通し、子育てに悩むママたちの支援を行ってきた。Instagramはこちら発達特性を持つ人が世の中で活躍する時代―そもそも発達特性とは、なんなのでしょうか?ゆみ先生:子どもが脳の中に持ってる神経回路の違いによって表れる、思考や行動のパターンのことです。基本的に脳の神経回路は一人ひとり異なるので、みんな多かれ少なかれ発達に特性はあります。その中でも、「一つのことに対する集中力がすごい」「好きなものに対しての興味が強い」「好奇心が強くて行動的」という特徴が、程度によってはいわゆるASD(自閉スペクトラム症)やADHD(注意欠如・多動症)などの特性と言われることもあります。―ASDやADHDという言葉は最近になってよく耳にするようになった気がします。発達特性の子どもが増えている…ということでしょうか?ゆみ先生:増えたわけではなく、認識が広まったのだと思います。この20〜30年で「目に見えない障害」をマスコミも取り上げるようになりました。バリアフリーや多様性にも理解が進み、「困ってる人たちがいるんだ」「普通とされることをうまくできない人がいるんだ」という考えが浸透した結果だと思います。なので、医師の診断がなくても「我が子は発達特性があるのかな」と考えるママも増えたのではないでしょうか。一方、認識が広まったことにより、ちょっと個性が強いだけの子どもも、世間から「発達障害」とレッテルを貼られてしまうようにもなりました。「障害」という表現によりネガティブなイメージもついてしまい、逆に苦しんでいるママもいる。なので、医学的にはここ数年「発達障害」という表現は使わないようになっているんです。AIが浸透した現代は、「普通じゃない」ことに期待を持てる時代です。発達の特性がある子どもたちをどう伸ばして、活かしていくかを考えるために、今回、私の書籍でも様々な研究に基づいた、子育て方法をまとめました。―発達特性を持つ子どもが大人になった時の不安を抱えるママもいます。ゆみ先生:時代は変化しましたし、特性が無い普通の子どもだから将来が明るいわけではありませんよね。まずママたちには、自分たちが進学・就職した時代のイメージからアップデートをしてほしいと思います。私たち世代は、幼い頃から丁寧にバランス良くできる人が良しとされて育ってしまいました。でも今は、いわゆる普通ではない人たちがビジネスシーンでも活躍しています。現在活躍しているビジネスマンがどういった子ども時代を過ごしていたか、書籍などで調べてみると、きっと「みんなと一緒ではない」エピソードが出てくると思います。IT関連企業が密集しているアメリカのシリコンバレーでも、ASDの特性を持つ人たちがすごく重宝されているんですよ。これからは得意なことがあれば生きていける時代です。特性がある人たちがむしろ世の中に必要になってくるのだと、認識して良いと思っています。自分の子どもがみんなと違うことがあると、学校生活で悩むこともあるかもしれません。でも、だからといって劣等生では決してないのです。親は、子どもの普通ではないところを、将来の自信に繋げられるようにしてあげてください。「みんなと同じだから安心」という思い込みから脱却しないと、自分の子どもを上手く見ることができませんよ。―ママたちも意識を変えなければなりませんね。ゆみ先生:そうですね。AIを使いこなさなければならない現代は、「答えを知っているか」ではなくて、「問いを立てる力」の方が必要になります。問いを立てる力は、好奇心や様々な知識、視点を持ってるからこそ育まれます。例えば、「1+1=2」と答えるだけならAIがしてくれる。だからこそ人間は、その答えを知っているだけではなくて、「なぜ2なの?」ということを追求できる力が必要。そのためにママは「1+1はなぜ2なのか」を、いかに面白く子どもに教えられるかがカギになってきますよね。特性に悩んだら、その行動の理由に思いを馳せてみて―ママが子どもの発達特性に気付くタイミングはいつなのでしょうか?ゆみ先生:様々なサインはあるのですが、「他の子とちょっと違うかも」と思うことが一つのきっかけになることが多いです。特に日本は「みんなと一緒が良い」とされる文化でもあるので。「他の子と違う」ことに落ち込むのではなく、「この子にはこの子なりの理由があってみんなと同じことをしていない」と捉える。そして、何か困っていることはないかと想像することが大切です。例えば、言葉の発達が遅くて癇癪が強い子どもは、言葉がうまく喋れない分、体で感情を表現している状態なんです。それがわかれば、「癇癪がある困った子」ではなく「自分の意見をきちんと主張できる子」と捉えられますよね。ちなみに、言葉の発達が遅い子どもは視覚情報で物事を判断することが得意な場合が多いんですよ。だから私も「子どもがなかなか言葉を話さない」というママの悩みを聞く時は、「言葉のやりとりに頼らず、目で見て判断する力がありそうですね」という話をします。他の子と違うと感じても、発達特性として捉えて子どもの思考パターンを理解できれば、子育てはもっと面白くなるのではないでしょうか。―私も子どもの癇癪に悩んだことがあったので、そうやって理解してあげれば良かったのか…と、反省もあります。ゆみ先生:私も自分の子育てでは、3人目から落ち着いて子どもの特性に対応できるようになりましたよ。でも、子育てって本当にあっという間に終わってしまいます! 辛いなと思っても、ちょっと発想を変えてみる。子どもがギャーギャー騒いでいるなら「そんなに泣くくらいママのことが好きなのね…」というように(笑)。良い意味で半歩引いた視点で見ると、冷静に対応することができると思います。子どもの行動には必ず理由があります。その理由や、その子ならではの思考パターンを見つめ直すトレーニングをすると、子育てが面白くなってきますよ。目の前で子どもに癇癪を起こされると、「なんて悪い子なの」と頭に浮かびがち。でも3回に1回で良いので、「理由があって泣いているんだ」「訴えたいことがあるんだ」「ママがすごく好きで寂しいのかもしれない」ということに思いを馳せてみてください。「得意」を見つけるために、外遊びや旅行などリアルな体験を―子どもの特性をその子の魅力として花咲かせるために、親はどんなことを意識すれば良いでしょうか?ゆみ先生:外遊びや旅行といったリアルな体験をさせてください。その中で何にハマるかを見れば、その子の将来像も見えてくるはずです。また特性がある子は、習い事も、ありきたりな枠にはまらないこともあります。我が家の長男にも発達特性があって。小学校に入るとMinecraftやプログラミングのスクラッチにハマっていたので、親としては、ちゃんと学んで将来に繋がったら…という思惑もあり、小学校3年生の時にプログラミング教室の体験に行かせました。すごく楽しそうだったので、「通って良いよ」と言ったところ、意外にも反応はいまいちだったんです。その理由を聞いたら「だって自分でできるんだもん」と。結局、特性とやりたいことがマッチすると、習わなくても理解できてしまうんです。だから、もし学校という小さな世界の中で苦手なモノが多くて馴染めず、上手くいかなくても、その子には他に輝ける世界があるはず。その子の得意を見つけるために、体験や、習い事や別のコミュニティにどんどん連れ出してあげてください。■書籍情報『発達特性に悩んだらはじめに読む本』(Gakken)著:西村佑美後編では、ゆみ先生の子育てについてや、子どもとの関係がもっと良くなる接し方などをご紹介。ママなら知っておきたい知識盛りだくさんです♪
2024年12月15日小学校への就学先どこにした?皆さんのアンケート結果と、寄せられたコメントは?発達ナビでは、2024年10月、会員の皆さまに、発達が気になるお子さんの就学先についてアンケートを行いました。Upload By ユーザー体験談通常学級を選んだ/選ぶ予定…27%通常学級+通級指導教室を選んだ/選ぶ予定…18%知的障害特別支援学級を選んだ/選ぶ予定…20%自閉症・情緒特別支援学級を選んだ/選ぶ予定…25%特別支援学校を選んだ/選ぶ予定…10%小学校での進路について、最も多かったのは「通常学級を選んだ/選ぶ予定」の27%で、次いで「自閉症・情緒特別支援学級」が25%、「知的障害特別支援学級」が20%と続きました。そして、「通常学級+通級指導教室」が18%、「特別支援学校」が10%となっています。皆さんわが子にはどこがあっているか、悩まれて慎重に選んでいる様子が伺われます。アンケートに寄せられたコメントはこちら。Upload By ユーザー体験談進学する小学校には情緒学級はなかったし、就学時検診でも特に何も言われなかった(こども園には発達障害は伝えていました)ので、とりあえず通常学級を選びましたが、1学期後半から問題行動が増えてきて息子も私も大変な思いをしました。2年生に進学し、情緒学級の新設を学校にお願いし、3年生から情緒学級に在籍することになりました。もっと積極的に小学校に発達障害の事を伝えておけばよかったと思いました。言葉の発達が遅いことは保育園でも言われていたのですが「みんなこんなものかな」と特に相談に行くこともなく通常学級へ入学しました。結果、文字が読めず、発言もできずクラスメイトに悪意なくバカにされ自己肯定感がどんどん下がり毎日学校を嫌がり泣いて過ごしていました。知的判定を重視し、支援学校で障害者として生きるための術(自立)を身につけるか。現在の姿を重視し、集団生活の中で社会性を伸ばすか。ギリギリまで悩みに悩み「今、子どもが必要としていること」を重視し、支援学級に行かせることを決めました。現在小学二年生。入学直後からすぐに学校生活に順応し、さまざまな刺激や困難に揉まれながらも大好きな先生や友だちと充実した毎日を送っています。皆さん「ああすればよかった」「いい選択ができた」などさまざまです。その他の回答についてはこちらからご覧いただけます。【小学校への就学先アンケート】通常学級、特別支援学級、特別支援学校どこにした?希望は通った?みなさんの経験を教えてください!次に、アンケートに寄せられた体験談の中から、小学校入学や中学校進学についてのエピソードについてご紹介します。小学校では知的障害特別支援学級を、中学校では「学区の知的障害特別支援学級」「国立大学附属の特別支援学校」「国立大学附属小中学校の知的障害特別支援学級」で迷われたというあきっちさん。どのようにして決めたのか、また進学後のご様子についても教えていただきました。ぜひご覧ください。【読者体験談】年長でほぼ月1ペースで小学校を見学、特別支援学級に決めたわが家わが家の息子は現在小学校6年生。3歳児健診での指摘をきっかけに療育へ通いだし、6歳の時に軽度知的障害(知的発達症)を伴うASD(自閉スペクトラム症)の診断を受けています。学区の小学校は幸いにも特別支援に力を入れていて、年長の時はほぼ月1ペースで小学校の行事に参加、小学生になった息子が安心して楽しんで過ごせる場所はどこか模索し続けました。通常学級、特別支援学級(この小学校にあるのは知的障害特別支援学級のみでした)ともに見学しましたが、息子がよりリラックスして楽しんでいられた特別支援学級を選びました。楽しい6年間、保護者参加型の授業、交流級、息子の成長、そして少しの後悔特別支援学級での6年間、息子は行き渋るどころか、毎日学校に行くのを楽しみにしています。特別支援教育に理解が深いこともあり、通常学級の児童たちにも特別支援学級のことを知る機会を持たせてくださるので、みんなに受け入れられて楽しく過ごせているようです。感謝の気持ちでいっぱいです。特別支援学級の授業参観には保護者参加型の授業が多くあるのですが、そこでみんなでポテトサラダを作りました。息子は調理の過程を楽しんで、できあがったサラダを食べて嬉しそうな笑顔。また外国語の授業では、タブレットを使用して外国語のポスター作りにも取り組んでいました。息子はエコラリアが英語というくらい英語が大好きなので、とても楽しかったそうです。交流級では理科と体育がメインで、家庭科の調理実習なども一緒に行っています。理科の実験は大好きなようで、積極的に取り組んでいるようです。6年生になってから、「『みんなと一緒に頑張る』という意識が強く感じられるようになってきた」と特別支援学級の担任の先生から教えてもらいました。Upload By ユーザー体験談担任の先生方も温かく支えてくださいました。3年生から4年生の間は少し控えめ先生が担任でしたが、息子はこの先生をとても慕い、離任式では先生にハグして別れを惜しんでいました。5年生以降は最初から一緒だった担任の先生が再び担任となり、息子との絆をさらに深めているように思います。一つ後悔があるとすれば、交流級での英語の授業のことです。4年生に進級する際、交流級で英語受けられないかと先生と相談したのですが、コミュニケーション力が問われるので、そこでつまずいて大好きな英語に苦手意識を持ってしまうともったいない……と言われ、それももっともだなと思ったのです。ただ先日、学校で保護者向けの英語の授業の体験会のようなものがあり参加したのですが、これならもしかしたらついていけてたかも……と思いました。あの時見学していればよかったと少しですが後悔しています。そしてあっという間に6年生になり、中学への進路を考える時期になりました。先生と相談し、見学に行ったのはこちらの3校です。・学区の知的障害特別支援学級・国立大学附属の特別支援学校・国立大学附属小中学校の知的障害特別支援学級それぞれの感想を紹介します。Upload By ユーザー体験談学区の知的障害特別支援学級への見学は、私だけで行きました(息子は小学校中学校合同行事として、特別支援学級の交流会や学校見学があります)。そちらは今の小学校と同じく複数担任制、習熟度に合わせて2グループに分けて、各々の先生が授業をされていました。保育園からのお友だちや元クラスメートもいていろんな面で安心できるなと思いました。なにより家からも徒歩数分で通いやすい立地であるのも魅力的でした。国立大学附属の特別支援学校は、自然豊かで設備なども充実しており、息子も少し興味をもったようでした。ただ、やはり授業は実技が多く、国語や数学といった授業が少ないのと、受けるなら第一志望にすることが条件だったので、勉強が好きな息子には少し物足りないかもというのと、単純に発達検査や知能検査の結果の数値的にはじかれるかもしれないなと思いました。国立大学附属の小中学校知的障害特別支援学級は、1クラス6人と決まっており、個人タブレットも駆使して授業を行っていました。その時の授業は国語でローマ字の読み方でしたが、息子はパソコンでローマ字入力をスムーズに行える程度には理解しているため授業内容が息子には物足りないかな……と思いました。またガイダンスで「進学先は附属もしくは県内の特別支援学校高等部です。全日制や定時制などに進学するための(いわゆる受験を目的とした)カリキュラムではないので、そちら方面への進学を考えておられるようならば、当校の受験は考えていただいたほうがいいです」というお話があったので、息子には合わないかな……と思いました。わが家が選んだ進路と決め手わが家が選んだのは、学区の中学校の知的障害特別支援学級でした。決め手は主に以下の4つでした。1、小学校の環境と大きく変わらない雰囲気での授業だったこと2、私の友人のお子さんが通常学級にいること3、家から近いこと4、知的障害特別支援学級の担任の先生とお話させていただい時、交流授業や内申点のことも逐一相談に乗りますと言っていただけたこと息子も納得の選択で、もうすぐ卒業することへのさみしさを感じながらも、進学を楽しみにしているようです。Upload By ユーザー体験談昔はランドセルに背負われてるんじゃないかと思うほど小さかったのに、今となっては母親の私の身長に追いつくほど成長した息子。これからの中学校生活がどういうものになるのかまだ想像もつきませんが、人見知りも場所見知りもあまりない子なので、きっと何とかなるのだろうとわりと楽観的な気持ちでいます。また少し、親の手から離れていくのかな、と少し寂しい気もしなくもないですが、ここまで息子なりに頼もしく成長しているので喜ばしいことですね。いろいろつまずくことも出てくるかと思いますが、母子二人三脚で乗り越えていきたいと思います。Upload By ユーザー体験談エピソード提供/あきっち通常学級、特別支援学級、特別支援学校――小学校への就学先を決断すること就学先を選ぶことは、家族にとって大きな決断です。選択肢が複数ある中、どの道が子どもにとって最善かを悩むのは当然のこと。「特別支援学級を選んでよかった」と安心する方もいれば、選択後も「これで本当に正しかったのか」と考え続けることもあるでしょう。ですが、たとえ選択に迷いや後悔が残ったとしても、その時「最善だ」と思う道をその都度選び直すこともできます。進学後も、学校と連携をとりながら子どもの成長を見守る日々が続きます。これからもその時その時のお子さまに向き合いながら、成長をサポートしていきたいですね。(監修:新美先生より)小学校就学時から、6年間特別支援学級での日々、さらに中学校進学への準備と選択について、たくさんのエピソードを聞かせていただきありがとうございます。小学校進学時も、中学進学時も、選択肢になりうる場に、できるだけ見学や体験をしたうえで、しっくり合いそうな場所を見つけるのがいいですよね。息子さんは、年長で月1回ペースで小学校の見学に行ったのはすごいですね。これだけ見学を重ねると、場にも慣れて入学時もスムーズにいきそうです。これだけの回数見学に行けるというのはめったにないことかもしれませんが、ぜひ読者の方々も参考にしていただけたらと思います。小学校は充実して過ごすことができて、さらに中学校進学の進路選択ですね。中学の進学は、卒業後の進路もある程度見据えて検討する必要があります。とは言え、3年間の日々の充実の先に本人に適した進路が見えてくるので、卒業後の進学先を決めてしまって中学の生活の場を選ぶのは本末転倒になることには注意が必要です。息子さんの場合は、いくつかの選択肢から、小学校での生活をふまえてご本人が充実して過ごせそうなところを選べたようですね。ご本人が納得して進学できたことがなによりですね。たくさんの選択肢から吟味される過程が、皆さんの参考になったと思います。ありがとうございました。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2024年12月13日就学先の選択、入学後のトラブル、転学……わが家の体験私には現在8歳になる息子がいます。4歳の時ADHD(注意欠如多動症)とASD(自閉スペクトラム症)の診断を受けました。多動や癇癪があり、勝敗や順位へのこだわりが強い性格です。一方で「学校へは行かなければいけない」「授業は受けなければいけない」と守る真面目な面もあります。そんな息子の就学に際しては選択の難しさや迷い、そして入学後にさまざまなトラブルを経験することになりました。今回は、就学相談でのやりとりや小学校生活での先生とのトラブル、そして転学についてお話しさせていただきます。同じように発達障害のあるお子さんをお持ちの方々の参考になれば幸いです。「IQが高ければ、配慮はいらないですよ」就学相談で一方的に決めつけられ……わが家が住む自治体には自閉症・情緒障害特別支援学級自体がなく、また知的障害特別支援学級は学区外の学校にしかありませんでした。また、知的障害特別支援学級には、基準のIQ内では入れないと聞いたため、悩んだ結果、わが家では学区内の学校の通常学級に在籍しつつ、通級指導教室の利用を希望することにしました。就学相談前に知能検査をすることになりました。普段なら座っていられず、一方的な会話をしたり話を聞けないことが多いのですが、「大人と1対1で質問をされ答える」という形式が息子は楽しかったようで、離席もあまりせず実施できたようでした。そして迎えた就学相談、知能検査の結果が「きちんと座って検査を受けることができた」「IQが高い」というものだったため、「通常学級で問題ない」と勧められたのです。私は息子の落ち着きのなさ、座っていられないこと、話を聞けないこと、一方的な話をすること、勝敗や順番へのこだわりが強いこと、切り替えが苦手こと、癇癪あることなどを説明しましたが、「通級指導教室も必要ないと思いますよ。現在の教育現場では、ある程度個別対応可能ですし、1年生になるまでに成長する部分もありますから」「IQが高いですし、配慮はいらないですよ。むしろ通級指導教室に1人だけ教室移動することを本人が嫌がると思いますよ」と、こちらが話す隙がないほど担当の方が喋り続けられて……。このままいくら話しても聞き入れてもらえなさそうと感じた私は、その日は通常学級ということで話をまとめ、終了するしかありませんでした。「何を考えてるか分からない」「強く叱っても効果がない」担任の先生の無理解に苦しんで結局、その後再度事情を話して別の方と就学相談をし、最終的に「通常学級+通級指導教室利用」で決定となりました。しかし、入学した学校では大変なことが連発しました。入学後息子について担任の先生に面談の時間をとってもらいました。そこで息子の特性について説明したのですが、担任の先生は「みんな同じように接します。特別扱いはしません」と宣言。息子を叱るときは強い口調だったそうです。「学校=怒られるところ」となってしまうも、真面目な息子は『学校には行かなくてはいけない』ということを守ろうとしました。ですが、校門の中に入ると不安感が押し寄せ癇癪を起こすようになってしまったのです。通級指導教室の先生は寄り添ってくれましたが、担任の先生と連携をとっていたのかは分かりません。Upload By ユーザー体験談その後息子は授業中も癇癪がでるようになり、担任の先生から「何を考えてるか分からない」「強く叱っても効果がない」と言われるようになりました。ここにいては息子がつらい思いをするだけだと感じるようになり、私は毎日悩んで泣く日々でした。Upload By ユーザー体験談『追い出されてしまった』癇癪を起こさず静かに涙を流す息子の姿そんな時、担任の先生から面談をしないかと提案され承諾すると、校長も同席すると言われました。当日は最近の様子や問題行動などの報告を受けたあと、ほかの保護者の方からのご意見もあるなどと言われながら、最終的に特別支援学級を見学に行ったらどうかと提案されました。息子は「転校する」ということにとてもショックを受けていました。学校でみんなと一緒に授業を受けることが楽しみだったので、『適応できなかった』『追い出されてしまった』『先生に嫌われてしまった』というような気持ちがあったと思います。本当に嫌なことは態度や口に出さない息子。転校を告げた時は癇癪を起こすこともなく、騒ぐこともなく、ただ静かに話を聞いて涙を流していました。私が「ごめんね」と言うと、「大丈夫だよ。泣いてないよ」と言われました。その姿が忘れられません。Upload By ユーザー体験談就学時の選択に後悔。わが家の場合は「先」よりもまず「現在」に目を向けたい転校し所属するようになった知的障害特別支援学級では、受け入れてもらえているという感覚が息子にも感じられるようで、先生にたっぷり甘えさせてもらいながら通学しています。宿題を嫌がったり、できなかったことや勝敗などで騒いでしまうことは多々ありますが、ひどい癇癪はなくなりました。行き渋りも全くなくなり、楽しく通学しています。先生方も不適切な言動はしっかり指導してくれますが、その行動は愛情たっぷりです。息子にはとても合っている環境だと思うので転校してよかったと思っています。Upload By ユーザー体験談ただ、今の私は後悔しかありません。最初から特別支援学級を選んでいれば、息子をたくさん傷つけることはありませんでした。通常学級に在籍することが息子にとってどのくらい負担になるか考えが及ばず、特別支援学級に行ったら選べる進路が少なくなるのではないかと先々への心配を優先した結果、息子につらい思いをさせてしまいました。もっとよく考えて入学先を考えてあげていれば、今抱えている問題ももう少し良い方向に進んでいたかもと思うことばかりです。今は先のことよりも息子の「現在」のことを考えていきたいと思っています。イラスト/志士ノまるエピソード参考/わかめ(監修:森先生より)わかめさん、お子さんの支援につながるまでの体験談を聞かせてくださってありがとうございます。 発達の偏りでお悩みの方の中には、高IQのために障害に気づきにくかったり、困っていても支援につながりにくかったという方が少なくありません。「IQが高いのだから配慮はいらない」と思われて必要な支援を受けられないと、問題が起きた際に周囲から頭ごなしに怒られてしまい、学校そのものに苦手意識を持ってしまう、ということにもなりかねません。 また、学校内での支援を受けられても、担任の先生との連携がうまくいかなかったり周囲の理解が得られないと、つらい思いをすることもありますよね……。理解のない環境で生きづらさを感じ続けて、二次障害につながってしまうケースもあります。 ただ、学校に入学して生活を送るまでは、担任の先生やクラスメイトの雰囲気などの環境によるところが大きく、実際のところどうなるかわからない部分は大きいのではないでしょうか。わかめさんがお子さんの様子をしっかりと見て、学校や支援機関に相談を続けていたからこそ、今の支援につながることができたのです。素晴らしいことではないでしょうか。 保護者の方が、自分のつらい気持ちを受け入れてくれる、ベストな道を手探りでも探してくれるということはお子さんに伝わります。それはお子さんの自己肯定感につながるでしょう。 これからもお子さんの「現在」に目を向けて、その都度その都度最善の選択肢を探していけるように願っております。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年12月10日全てが初めてで手探り状態……。コロナ禍でオンライン授業から始まった中学校生活!小学校の卒業式の1か月くらい前から新型コロナウイルス感染症の流行が始まりました。小学校の卒業式はなんとか行えたものの、せっかく入った中学校もどうなるのかいろいろな意味で想像がつかない状態でした。コチ丸が入学した私立中学は「学びの多様化学校」(当時の名称は「不登校特例校」)でした。不登校の児童生徒に配慮して特別に編成された教育課程に基づく教育を行う学校だったため、オンライン授業もすでに導入されていました。当時、日本各地の小中学校でタブレットの導入が始まった時期でしたが、コチ丸の学校では入学当初からタブレットが配られており、当たり前のようにオンラインでの授業が始まりました。オンライン授業では、授業開始時に名前を呼ばれたら返事をするなど、いくつかの決められた規定を守れば授業に出席したことになります。理解ある上司に恵まれたこともあり、オンライン授業に慣れるまでは、会社にコチ丸を連れて行かせてもらい個室を借りて授業を受けるなど、周囲の協力も得ながら学習を習慣づけるようにしていきました。秋口からは、いよいよ学校での授業が始まりましたが、ほとんどの生徒は引き続き自宅からオンラインで授業を受けていました。コチ丸は、田舎の自宅からバスと電車を乗り継ぎ、片道約2時間くらいの道のりを通うことになりました。最初は週に2~3日ほどは学校へ通い、残りは自宅でオンライン授業を受けるという通い方をしていました。また、小学校の時からそうでしたが、「今日は学校行く?」という声かけでコチ丸の意思を確認する毎日でした。それがどんな回答でも受け入れ、「今日は何して過ごすの?」と聞き、本人の意思を尊重するようにしました(もちろん、コチ丸が計画通りに動くことはほとんどないのですが……)。Upload By あき好きなドラムを武器に大活躍した文化祭で学校生活も一変!そんな中、コチ丸の学校生活を大きく変える、おそらく地元の中学では体験できなかった出来事が2つありました。1つは部活動です。ドラムを習って1年ほど経っていたコチ丸は、地元の中学校にはなかった、軽音楽部に入ることを入学前から楽しみにしていました。入学後はもちろん、軽音学部に入部。初めての文化祭では、1年生ながら先輩たちと共にステージに立ち、会場を沸かせていました。そしてもう1つは、軽音楽部で同じバンドのメンバーになった先輩たちに勧誘されて、生徒会に立候補したことです。元来、目立つことが嫌いじゃないコチ丸の性格も幸い(?)して、コチ丸は学年でも一目置かれる存在になっていきました。1年生の後半から生徒会活動にずっと参加するようになり、3年生では生徒会長として活躍をしました。振り返れば小学校の時のコチ丸からは想像もつかない変貌でした。Upload By あき徐々に安定してきた特性の凸凹や多動な行動。でも勉強は相変わらず……中学校に通うようになると、小学校時代とは打って変わって、席にもちゃんと座り(よく居眠りはしていましたが……)、教室を飛び出すことなく授業も受けられるようになりました。年齢を重ねたせいで落ち着いたというのもあったと思いますが、授業や行事の内容がユニークだったのが良かったのかもしれません。例えば歴史の授業では教科書通りに進むのではなく、自分で興味のある時代や出来事について、とことん調べてまとめて発表するという課題が出ました。あんなに文字を書くのが苦手だったコチ丸がポスターサイズくらいある紙に、びっちり書きこんでいたのを見た時には正直驚きました。しかし、小学校3年間の不登校での勉強の遅れは、なかなか取り戻すことはできませんでした。保護者の中には高校からは普通科高校に通ってほしいと考える方もいましたが、わが家は高校に行かないならそれでも良いと思っていました。本人が必要だと思ったときに勉強をすれば良いと思っていましたし、それが例え社会人になってからでも遅くはないと思っていました。私がここまできて気がついたのは、学校の学年は目安でしかなくて、その子その子に合った学ぶ年齢があるということでした。しかもその学びは「Aを最初に学ぶ子」もいれば、「Bを最初に学ぶ子」もいたりして、みんなバラバラなんだなということです。あんなに小学校で暴れていたコチ丸も中学に入ったらすっかり落ち着き、人付き合いも上手になっていました。このまま高校に行かずに社会に出ても、案外うまくやっていけるのかもしれないなという雰囲気すらありました。Upload By あき先生・友達・先輩……。周りに大きく影響を受けた中学生活こんなふうにコチ丸が変わったのは、小学校まではほぼ家の中で過ごし、自分のことしか見えていなかったものが、中学に入って電車やバスで通学したり、友だちや先生方と関わったりする中で、他者の視線や気持ちに気づき、自分自身も周りを見られるようになって、「自分はこうなりたい」とか、「だったらどうしたら良いか」とか、いろいろなことを考えるようになったからだろうなと思います。また、コチ丸が通った中学校の先生方は、子どもたちを中学生である前に一人前の人間としてみてくれており、一人ひとりの考え方や意見を大切にしてくれていました。地元の小学校では取り合ってもらえなかった自分の意見に耳を傾けてくれる場所ができ、安心して学校に通えるようになり、友達が増え、自分の意見も言えるようになって……その過程で自信をつけたり、取り戻したりしていく子どもの姿を、中学校の3年間でたくさん見ることができました。また、私も含め、子育てに自信をなくして孤独だった保護者も、同じように成長できた3年間だったと思います。コチ丸にとっても、自分の社会での立ち位置を見つけ、自信を持って毎日を送れるようになったきっかけがこの中学の3年間でした。結果的に、コチ丸にはこの私立中学という進路選択が合っていて、人生を変えるために親子2人で頑張ってよかったと思っています。Upload By あき執筆/あき(監修:新美先生より)とっても素敵なエピソードを聞かせていただきありがとうございます。小学校にはほとんど通えていなかったコチ丸さんが、「学びの多様化学校」(不登校特例校)での中学校生活で、さまざまなことを経験して変化、成長していかれる様子を読ませていただき、読んでいるほうもパワーをいただけたように感じました。学びの多様化学校(不登校特例校)は、令和6年度時点で公立と私立の学校が全国に35校設置されています。文部科学省からも、各都道府県で1校以上の設置を促すような呼びかけも出ており、今後は各地に増えていくことが期待されています。そもそも、子どもの個性・特性・学び方は多様であり、現在の多くの公立学校のように何もかも一律で決められた生活・学習では、通いづらいお子さんがいるのは当たり前で不登校の児童生徒数は増加の一途をたどっています。通っているお子さんの個性・特性を尊重し、自分らしく登校しやすいよう、多様性を尊重し学び方、活動の仕方の選択肢を広くした「学びの多様化学校」が注目されています。コチ丸さんは、たまたま入学時にコロナ禍スタートで、オンライン授業が続いたのですね。それが学校の雰囲気に慣れ、授業を受けるのも大丈夫だと実感するのに、ちょうどタイミングがよかったのかもしれないですね。そのままオンラインで授業を受けてもいいというのに、2時間もかけて学校まで通うようになったというのは、コチ丸さんがここに通いたいという意思を明確に持てたのですね。部活動や生徒会など、自分からやりたいと思えて活躍できる場があり、とても充実した中学校生活が送れたのですね。コチ丸さんが、中学校は自分の意見を聞いてもらえる場だと感じられ、他者視点に気づきながら、自分のことを自分で考え行動する中学校生活になったことは、本当に素晴らしいと思いました。こんなふうに、どのお子さんにとっても、自分の居場所だと感じられる学びの場・居場所の選択肢がもっともっと増えて、多様な個性のお子さんだれもが自由に選べるようになるといいなと願っています。学びの多様化学校(いわゆる不登校特例校)の設置者一覧|文部科学省前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年12月07日教室にいられなかった小1のリュウ太の特別スペースUpload By かなしろにゃんこ。Upload By かなしろにゃんこ。ADHD(注意欠如多動症)とASD(自閉スペクトラム症)の息子リュウ太は小学1年生の時、なかなか教室で授業を受けることができませんでした。そのリュウ太のために担任の先生は、階段がある廊下の一角にリュウ太専用の特別スペースを作ってくれました。その場所は、リュウ太だけが使えるルールになっていました。周りの人の目が気にならないようにホワイトボードを衝立代わりにしてあり、個室のような空間でした。また「リュウ太くんがこの場所にいるときは、リュウ太くんに話しかけない」というルールも作ってもらっていました。Upload By かなしろにゃんこ。リュウ太は、みんなと一緒に教室で何の問題もなく勉強していると信じていた母の私は、その特別スペースの存在を最初はよくは思っていませんでした。でも、母の気持ちとは真逆でリュウ太にとってはオアシスそのもの。一畳分の広さしかない場所でしたが、リュウ太はその場所がお気に入りだったと言います。17歳になったリュウ太に当時のことを聞いてみるとUpload By かなしろにゃんこ。リュウ太が専修学校の高等課程2年生の時に「あの特別スペースをどう思っていたの?」と聞いたことがありました。すると「あの場所大好きだったんだよね。教室はいろいろな音がうるさくて落ち着かないし、勉強よりも絵や工作をやりたかったから。その場所では自由に好きなことをやってOKだったから、午前中はだいたいそこにいたよ」と話してくれました。Upload By かなしろにゃんこ。Upload By かなしろにゃんこ。私はリュウ太が小学1年生の頃は知らなかったのですが、リュウ太には感覚過敏があり、教室に居られなかった原因はどうも感覚の問題もあったようでした。教室では「いろいろな音が同時に耳に入ってくる」「みんなの話し声がうるさくて勉強なんて無理」「暑かったり、まぶしかったり、汗で体がかゆくなったり、体の不快感がたくさんあって先生の話に集中なんてできない」……などなど困った状態であったと教えてくれました。これらの不快な症状があるときにクラスメイトからからかわれたり、ちょっかいを出されると一気に我慢していた心が崩壊してしまい、周りの子に怒鳴ってしまったり大きな声を出してしまったり、イライラしてしまうと教室に居られなくなっていたと言うのです。「あの場所がある」イヤなことがあっても学校に通えたUpload By かなしろにゃんこ。そんなときに特別スペースで気持ちを落ち着けることができたそうです。教室が暑くてツライとき廊下は涼しく気持ちがよくてサイコー!そして、一人で好きなことをやってOK!というルールだったから、イヤなことがあっても「僕にはあの場所がある」と学校に通えたみたいです。落ち着く場所ということ以外にもリュウ太にとっての安全地帯だったのかな?と思います。小学2年生からはそのスペースはなくなってしまいましたが、廊下の心地よさを知ったリュウ太はその後廊下で過ごすのが大好きになっていきます。そのお話はまた次の機会に書きたいと思います。執筆/かなしろにゃんこ。(監修:井上先生より)教室の環境が合わないお子さんに対して、避難できる場所を作るということはときどき行いますが、階段の下というのはめずらしいですね。こういった場所を作ると“みんなと同じ教室に入れなくなるのでは”という懸念を抱く保護者の方もいらっしゃるかもしれませんが、その場所があるから学校に行けたり、登校を維持できる場合があり、お子さんにとって大切な場所です。リュウ太さんのように一時的にはこういうスペースにいるけれども、最終的にはみんなと一緒に勉強ができるようになっていくという事例もあります。またそのプロセスもお知らせいただけるとうれしいです。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年12月02日双極性障害(双極症)とは?原因や症状、ADHD(注意欠如多動症)との関連は?双極性障害(双極症)は、気分が極端に昂揚する躁状態と極端に落ち込む抑うつ状態を繰り返す精神疾患です。躁状態では、以下のような症状が見られます。・気分が高揚し、いつもより活発になる・睡眠時間が短くても平気・いつも以上に自信満々で、後先のことを考えずに行動してしまう・集中力が途切れやすく、一つのことを長く続けるのが難しい・衝動的な買い物やギャンブルをすることがあるなど一方、抑うつ状態では、以下のような症状が見られます。・気分が落ち込み、何もやる気が起きない・眠れない、または逆にいつも眠たい・食欲がない、または逆にいつもお腹が空いている・疲れやすく、身体が重い・何もかも嫌になり、自己否定的な考えが頭をよぎるなどこれらの症状は、人によって現れ方や程度が異なりますが、躁状態とうつ状態が交互に繰り返されることが特徴です。参照:双極性障害|MSDマニュアル家庭版双極性障害(双極症)は、状態によって1型と2型に分けられます。「双極1型障害」と診断されるのは、非常に高いエネルギーレベル、睡眠の必要性の低下、自己への過大評価、衝動的な行動など、日常生活に著しい支障をきたすほどの激しい「躁状態」がおこる場合です。双極1型障害では「うつ状態」(強い悲しみ、無気力、食欲不振など)も起きる場合がほとんどですが、躁状態があれば、うつ状態がなくても双極1型障害と診断されます。双極1型障害ほどの激しい躁状態ではなく、やや高揚した気分、多弁、活動量の増加などが見られる「軽躁状態」と、1型と同様の「うつ状態」の両方がおこる双極性障害(双極症)は「双極2型障害」と診断されます。双極性障害(双極症)の原因はまだ明らかになっていませんが、体内でつくられるノルアドレナリンやセロトニンなどの神経伝達物質の調節がうまくいかないことが原因の一つではないかと考えられています。双極性障害(双極症)は、ストレスを感じるような出来事のあとに発症する場合がありますが、因果関係は証明されていません。また、双極性障害(双極症)の発症には遺伝が関与していると考えられています。そのほか、甲状腺ホルモンの量が過剰になる甲状腺機能亢進症などの病気によって、双極性障害(双極症)の躁症状が見られることもあります。このコラムでは、・双極性障害(双極症)とADHD(注意欠如多動症)との関連・双極性障害(双極症)の注意すべき症状や関わり方のポイントなど、医師のアドバイスを交えてご紹介します。【医師に聞く】双極性障害(双極症)は子どもでもなるの?ADHD(注意欠如多動症)の症状と似ている?気になるギモンを医師が分かりやすく解説!ここからは小児科医の藤井明子先生に、双極性障害(双極症)とADHD(注意欠如多動症)の関連についての質問にお答えいただきます。Q:ADHD(注意欠如多動症)と診断された子どもがいます。双極性障害(双極症)を併発することがあると聞きましたが、子どもでも併発することがあるのでしょうか。A:ADHD(注意欠如多動症)やASD(自閉スペクトラム症)などの発達障害と双極性障害(双極症)が併発することもあります。ADHD(注意欠如多動症)と双極性障害(双極症)のどちらがメインなのかを診断するのは難しく、症状や経過を丁寧にみる必要があります。ADHD(注意欠如多動症)の診断には、幼少期、幼稚園の年長くらいまでの間に、何か兆候がなかったかを重点的に確認します。大人になってから急に発達障害があらわれることはありません。一方、双極性障害(双極症)の初発年齢は10代後半から20代前半が多いと言われています。小児期(10歳以下)での発症は稀ですが、報告例があります。幼い子どもにおいては、症状が非典型的であることが多く、診断が難しい場合もあります。Upload By 発達障害のキホンQ:ADHD(注意欠如多動症)と双極性障害(双極症)は重複する症状があり、診断が難しい場合があると聞きました。治療法には違いがあるのでしょうか?A:子どもの双極性障害(双極症)とADHD(注意欠如多動症)では、似ている症状が見られることがあります。Upload By 発達障害のキホンまた、双極性障害(双極症)と診断される特徴的な症状としては、以下のようなことが挙げられます。Upload By 発達障害のキホンADHDに対する治療薬(メチルフェニデート、アトモキセチン、グアンファシンなど)は多くの場合有効ですが、双極性障害(双極症)を伴う場合、躁症状の悪化を招く可能性があります。双極性障害(双極症)の治療薬(気分安定薬、抗精神病薬)を併用することで、症状のバランスをとる必要があります。Upload By 発達障害のキホンQ:高校生の子どもが双極性障害(双極症)と診断されました。どんな点に気をつけてサポートすればよいでしょうか。A:双極性障害(双極症)は躁状態と抑うつ状態を繰り返す病気であり、これが日常生活や人間関係に影響を及ぼします。家族が、病気の特徴を理解し、適切に対処することが大切です。双極性障害(双極症)は生活リズムが崩れることで症状が悪化しやすいといわれています。規則正しい生活を維持できるようにしましょう。また、症状を悪化を引き起こす環境がないか、学校との連携も大切になります。双極性障害(双極症)は、治療を継続することが安定した生活を送るために不可欠になっていきます。薬物療法を継続してできるように、サポートしていきましょう。Upload By 発達障害のキホン双極性障害(双極症)、ADHD(注意欠如多動症)にまつわるコラム(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年11月30日東京都児童発達支援Upload By 発達ナビ施設情報白金高輪駅より徒歩5分のリィスポーツスタジオ白金高輪では、運動や福祉の専門知識を持つスタッフが多数在籍。「子どもの発達には環境が大きな影響を与える」という考えのもと、自社開発のデジタルツールを用いて、お子さんが自ら動き出すような環境を設定し、ゲーム感覚で運動を楽しめるように支援しています。「運動で幸せな人を増やす」ことを目指し、日々お子さんの支援に取り組んでいるリィスポーツスタジオへぜひ一度見学に行かれてみてはいかがでしょうか。東京都の児童発達支援をもっとみる埼玉県放課後等デイサービスUpload By 発達ナビ施設情報ウィズ・ユー南浦和は、2024年6月1日にオープンした事業所です。「子どもたちの自己肯定力を育てる」を最大のテーマに、一人ひとりに合わせてサポートする継続的な発達支援プログラム・余暇活動を体験することにより、成功体験をもとにした「生きる力」を、そしてその結果として「自己肯定力」の向上を一緒に目指します。また、保護者の方には、ウィズ・ユー南浦和を利用していただくことで「ほっと一息」つける時間を確保するレスパイトケア機能や、保護者同士の交流を持つことのできる保護者会の開催もしているそうです。埼玉県の放課後等デイサービスをもっとみる埼玉県児童発達支援Upload By 発達ナビ施設情報てらぴぁぽけっと三郷駅前教室では、ABA(応用行動分析)を元に一人ひとりに合わせたセラピーを実施し、小さなステップを一緒に進んでいくことを大切にしています。そのためにすべての職員がABA(応用行動分析)専門トレーナーによる指導を受けており、「発語を促す」「困った行動を減らし望ましい行動を増やす」「集団の中での指示理解」など、お子さんが日々を充実させられる行動の獲得をお手伝いしています。見学や教室体験等、随時受付中とのこと。ぜひお気軽に相談されてみてはいかがでしょうか。埼玉県の児童発達支援をもっとみる大阪府放課後等デイサービスUpload By 発達ナビ施設情報MIKKE HOUSEでは、“子どもの自立と成長”を目的としています。そのために、毎日のカリキュラムや環境、保護者の方へのサポート体制を充実させるよう取り組んでいます。MIKKE HOUSEを見学した方々から「探していた場所がやっと見つかった」という言葉をもらうことや、お子さんが「ここがいい」と決めてくれることもあるそうです。気になる方はぜひ、お問合せしてみてはいかがでしょうか。大阪府の放課後等デイサービスをもっとみる大阪府児童発達支援Upload By 発達ナビ施設情報MIKKE HOUSEでは、さまざまなカリキュラムにおいて専門分野に特化したスタッフを配置しています。SST(ソーシャルスキルトレーニング)/制作/感覚/英語/そろばん/運動など、子どもの「できた!」を増やすカリキュラムも充実しています。週末は【体験型プログラム】として課外活動へ出かけ、本物の体験や実践的な体験を通して子どもたちに豊かな学びの機会を提供しています。大阪府の児童発達支援をもっとみる兵庫県児童発達支援Upload By 発達ナビ施設情報お子さん一人ひとりと向き合うをコンセプトに「やってみる!」「できた!」の気持ちを育み、自己肯定感を高めることを目指しています。また、集団生活に適応できるように幼稚園・保育所・小学校へのスムーズな移行を支援しています。落ち着いて学習ができる個室、小集団プログラムができるプレイルーム、通うのが楽しくなる設備も充実しています。保育士や児童指導員などの専門スタッフが、一人ひとりに寄り添いながら「楽しい!」を大切にした個別指導を行っています。兵庫県の児童発達支援をもっとみる「もっと施設の情報を詳しく知りたい!」「見学をしてみたい!」と思ったら、Webからもお問い合わせが可能です。施設情報ページでは、掲載されている施設の情報を地域ごとに検索して見ることができますよ。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2024年11月29日