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マンガ「発達障害の子どもと私たち」2章みき編が完結!マンガ「発達障害の子どもと私たち」は発達ナビ読者の体験談から生まれたセミフィクションストーリーです。特性による困りごとに、ストレスを感じ学校へ行けなくなってしまう子ども、そしてそんな子どもが幸せに、笑って過ごしてもらえる環境を求め続ける家族。それぞれの家族の決断は?プロローグはこちらからご覧いただけます。身体症状が出て不登校になった1章はるき編に続き、みき編も完結しました。5歳でASD(自閉スペクトラム症)の診断を受けたみき。小学校入学の際、就学相談で通常学級へ進学するか知的障害特別支援学級に入るか悩みましたが、IQが入級基準以上だったため通級指導教室へ通いながらの通常学級判定に。小学校2年生までは問題なく登校できていたのですが、小学校3年生から勉強に難しさを感じるようになり、小学校4年生になると「学校へ行きたくない」というほどに……。また、みきの担任の先生はそんなみきの困りごとにどう対応していいのかも分からない様子。保護者はどうすればいいか悩んだ末、ある結論を出すのですが……。「今のクラスだったらもう学校行けない!」転籍を希望した結果は?「みき編」を完結まで一気読み以下関連リンクから全4話を一気にご覧いただけます。はるきとみきのその後は……?次週二人のエピローグをお届け無理に登校はせず、家で過ごすことにしたはるき、そしてみきのその後については次週公開のエピローグでご紹介します。お楽しみに。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年09月19日DQ(発達指数)が境界域の息子は何につけても「ママがいい!」。パパは……?わが家には特別支援学級に通っている小学校1年生の息子がいます。息子は全領域DQ(発達指数)が境界域で、医療機関での診断はまだ受けていませんが、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)の特性があると感じています。もうすぐ7歳になりますが、何につけても「ママがいい!」と言いがちです。そして夫は、それをいいことに、息子と積極的に関わりたがらない傾向があります。こういうことは子どもの発達に関係なく多いだろうとは思いますが、わが家の場合は、そこに息子のこだわりの強さも加わり、夫、私、息子のそれぞれの関係性や役割が固定化されてしまっているのが悩みです。関心がないわけじゃないけれど……夫は息子との絡み方が絶望的に下手夫は息子に関心がないわけではなく、「お風呂に入れてやって」「宿題をみてあげて」など、こちらが頼んだことはやってくれます。特別支援学級の先生と私とのやり取りが書かれた連絡帳を読んでいたり、私が息子の様子について話すと真面目に耳を傾けてくれていたりもします。ただ、残念ながら、息子との絡み方が絶望的に苦手なんです。息子が機嫌良くしゃべっている時に、小さな子どもには分かりづらい皮肉っぽい言い回しでコメントしたり、息子の言い間違いのあげ足を取ったり……。息子がごっこ遊びをしているとき、夫がクスクス笑いながらその様子をのぞき見していることがあるのですが、息子はそれを非常に嫌がり、「ごっこ遊びは絶対にママとしかしない!」と決めてしまっています。Upload By ユーザー体験談「笑われる=バカにされている」と思ってしまう息子息子は、非言語コミュニケーションが苦手なので、「笑い」を誤解しがちな傾向があります。彼の中では「笑われる=バカにされている」という図式が強固なので、こちらが息子の発想のユニークさに笑ったり、息子の行動がほほえましくて笑ったりしたとき「今、僕のことバカにしたでしょ」と言って怒ることもしばしば。私は、「違うよ、○○くんが面白いことを上手に言ったから、思わず笑っちゃったんだよ」「その踊りがかわいくて、すてきだなぁと思って、ニコニコせずにはいられなかったの!」などと、人が笑うのはバカにしているときだけじゃないことを、そのつど説明していますが、夫との距離は開くばかり……。Upload By ユーザー体験談もっと息子に寄り添った接し方をできないの?批判に弱い夫にどう言えばいいか……夫に対して「もっと息子に寄り添った接し方はできないのかな~」と思いはしますが、そこを突くとまずい予感がして、何も言えていません。夫は物腰が柔らかく、一見聞く耳を持っているようにみえるのですが、実はプライドが高く、批判にかなり弱いタイプだからです。会話が弾まないなら弾まないで、一緒にどこかに出かけたり、外遊びをしたりしながら仲良くできればいいのですが、息子はかなりの外出嫌い。知らない所へ行くことや、長時間の移動が苦手です。なので、外出先は近場の公園やショッピングモールに限定されがちです。また、夫は休日の仕事が多く、息子はじいじ(私の実父)に遊んでもらうこともよくあるのですが、じいじは根っからの子ども好きなので、結果、息子はじいじになつき、夫とはさらに距離が生まれている感もあります。Upload By ユーザー体験談今はこれでいいのですが、本当は私ももっと仕事がしたいので、夫にも積極的に息子への関り方を学んでほしいです。それに、父も私も今は健康ですが、人生、先のことはわかりません。夫だけになったら、息子はどうなるのか……。こうしたことを考えると、夫と息子の心の距離がもっと近づいていてくれると助かるのになぁと思わずにはいられません。夫へどのように声がけをしていくか……これが今の課題です。Upload By ユーザー体験談イラスト/keikoエピソード参考/苗(監修:井上先生より)お父さんは育児にまったく無関心なわけではなく、連絡帳を読んだり、頼まれたことに協力などはしているので、ご自分では「できることは頑張っている」という認識なのかなと思います。それだけにお子さんへの接し方についてはプライドを傷つけないように伝えてみてはどうでしょうか。例えば「最近、友達や先生に皮肉っぽく言われたことをすごく気にしているから、ストレートにいいところを褒めてあげてほしい」のように「最近〇〇な感じだから××のようにしてくれると助かる」といった言い方などです。また、子育ての方針について違いがある場合には、主治医や専門機関に相談するときに夫婦で一緒に行って話を聞いたりするとお父さんも納得しやすいかと思います。心の距離についても今はもどかしい気持ちもあると思いますが、子どもも日々成長し、どこかのタイミングでお父さんと共通の趣味ができ、急に距離が縮まる場合もありますので、育児に協力してもらいながら長い目で見守っていきましょう。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年09月17日小4「学習の壁」の苦悩…『マンガ発達障害の子どもと私たち』みき編がスタート!そのほか不登校や登下校トラブルエピソードなど【2024年8月】発達ナビでは発達ナビ読者から寄せられた「困った経験」「こうしたら良かったといった経験」などを読者体験談としてお届けしています。今月も、読者の皆さんからさまざまなエピソードが集まりました。そのエピソードをもとに漫画コラム化!8月は大反響のあった『マンガ発達障害の子どもと私たち』はるき編に続き、小4の「学習の壁」で悩む【みき編】がスタートしました。そのほか「不登校」や「登下校トラブル」の体験談なども紹介いたします。小学4年生のみきさんは5歳でASD(自閉スペクトラム症)の診断を受けました。就学相談では通常学級判定となり、通級指導教室に通いながら楽しく学校へ行っていました。ですが、小学校3年生から勉強につまずきが見られるようになり……。専門家による「勉強の苦手さの背景にある書字困難」についての解説もぜひご覧ください。「学習の壁」にぶつかり、終わらない宿題に涙を流すようになったみきさん。「学校へ行きたくない」という娘の姿に母は苦悩しますが、学校公開でのみきさんの様子を見てある思いが芽生えます。専門家による解説「心理面の支援と通常学級の中での特性にあわせた支援」では担任・特別支援教育コーディネーター・通級指導教室の先生との連携についてなど参考にしたいアイデアも詰め込まれています。小4から不登校になりASD(自閉スペクトラム症)、反抗挑戦性障害(反抗挑発症)の診断を受けた現在中学1年生の息子さん。完全不登校となってからは家庭内での他害といったトラブルも多く、どうしたら外へ気持ちを向けてくれるか、中学校はどこへ進めばいいか悩みは尽きずで……。小学1年生の3学期にADHD(注意欠如多動症)、ASD(自閉スペクトラム症)と診断を受けた14歳の息子さん。小学1年生の運動会前から、登校班での登校渋りが始まり、なんとか登校するようにさせていたのですが、ある朝、担任の先生から「学校に通報があった」と連絡があり……!?ご自身のエピソードを投稿してみませんか?『発達ナビ 読者体験談』は皆さんのご経験を基に制作されています。ご投稿いただいたエピソードは、連載ライターさんのイラスト、専門家の先生からのコメントをつけた上で掲載させていただきます。「あの時は悩んでいたけれど、今はこうなった……」など、発達障害のあるお子さんを育児している皆さんへ、ご自身の経験をお届けいただけないでしょうか。ご応募は以下の応募フォームから受け付けております。皆さんのご投稿を、お待ちしております。【現在の募集テーマ】・障害告知・パートナー(夫婦) 関係・両親(義両親)、親族関係・進学・受験関係・冠婚葬祭関連・反抗期、思春期・自傷・学習関係・不登校、行き渋り・ゲームとの関わり・不器用さについて・ママ友や、ほかの保護者の方とのエピソード・ご近所関係(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年09月14日初めての参観日二学期が始まり、子どもたちも新しい環境に少しずつ慣れてきました。これからの季節は、学校行事も目白押しで忙しくなりそうですね。今回は、そんな行事の一つである参観日のエピソードについてお話ししたいと思います。ハジュが3歳のとき、家の近くの幼稚園に入園しました。すでにASD(自閉スペクトラム症)の診断を受けていたため、入園当初から加配の先生がサポートをしてくれていました。二学期に入り、ハジュも少しずつ園生活に慣れてきました。そんな中、初めての参観日がやってきました。私は「お母さんが来た!」と喜んでくれるかな?それとも、お友達と遊んでいるかな?と、期待を胸に幼稚園へ向かいました。しかし、ハジュはいつもとは違う参観日の雰囲気に少し興奮してしまったようでした。独り言をつぶやいたり、落ち着かない様子で、教室の中を行ったり来たりしていました。Upload By スパ山ハジュのこだわり参観中も教室の中にほとんどいないハジュを追いかけて、園内を駆け回る、なんともアクティブな参観日となりました。給食の時間になってもハジュは廊下に飛び出してしまい、私はもう追いかけるのに疲れ果てていました。「どうしてこの子は、こんなに言うことが聞けないんだろう……」と、涙が出そうになりました。そのとき、クラスメイトの子が「ハジュくんはいつもこの時計が鳴るのを聞いてるんだよ」と教えてくれました。私はハジュが一体何をしたいのか分からず、ただ追いかけていただけだったことに気づかされ、ハッとしました。Upload By スパ山ハジュのルールと成長ハジュはただ自分のルールに沿って行動していただけなのかもしれません。思い返してみると、駐車場の園バスの位置が違ったり、いつも閉まっている玄関が開いていたりと、参観日ならではの「いつもと違うこと」がたくさん起こっていました。ハジュはそれを元の状態に戻そうとしていたのではないかと感じました。この気づきを先生方と共有し、振り返りや懇談を通して、ハジュもクラスのみんなも楽しく幼稚園生活を送れるようにたくさん考えました。例えば、園の一日の流れが分かる絵カードをホワイトボードの見えるところに貼るようにして、同じ絵カードを持つ加配の先生からハジュへ、見通しが持てるように活動の前に声かけをしてもらいました。また、ハジュは時計が読めたのと、決まったことに沿うのが好きだったので、「何分になったら外に行けるよ」と時間を明確にした声かけをしてもらいました。家でもカレンダーや絵カードで視覚的にアプローチするようにしました。Upload By スパ山そして、年長になって迎えた何度目かの参観日。ハジュは相変わらず走り回ったり、いつもと違う雰囲気に興奮していましたが、なんとその日、最初から最後まで教室で過ごすことができたのです!レクリエーションには参加しなかったものの、「今は教室にいる時間」ということをしっかり理解して、楽しそうに過ごしていました。ハジュの成長を目の当たりにして、私は涙が止まりませんでした。Upload By スパ山現在、小学4年生のハジュ。先日の参観日では、マイクを持って堂々と自己紹介をし、とても立派な姿を見せてくれました。あの頃、不安で悩んでいた私に「大丈夫だよ」と言ってあげたいです。Upload By スパ山執筆/スパ山(監修:鈴木先生より)教室にいられたり、自己紹介ができたりしたら「できたよ カード」(家庭版&学校版)にシールを貼ってあげましょう。家庭でできたら保護者の方が、学校でできたら担任がシールを貼って褒めてあげると自尊心が上がっていきます。こういったトークン法で自分のやったことがいいことだと気づき今後も継続してできるようになるはずです。できて当たり前だと思われがちなことも、発達が気になる子どもは努力して取り組んでいます。だからポイントが必要なのです。一つクリアしたらさらなる目標を掲げてスモールステップアップを試みていきましょう。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年09月11日気になる様子は特になかった小1の頃。けれど小2の2者面談で……入学してから1年、コチ丸は特にこれといった問題もなく小学校に通っていました。唯一、気になっていたのは通学の班が2人だけで、班長の女の子はよくお母さんに車で送ってもらっていることでした。小1のコチ丸を1人で学校に行かせるわけにはいかないので、必然的に私が送ることになります。週に1・2回はそんなことがあり、通勤前にちょっと大変だな……と思っていました。後々、その送り癖がコチ丸の自由登校を促すきっかけの1つにもなるのですが……。それ以外は友達の家に遊びに行ったり、友達が遊びにきたり、楽しい小学生ライフを過ごしているようで私も安心していました。また児童クラブにも通っていて、基本的には放課後はそこで過ごしていたので特に悪事を働くこともなく(笑)私も安心して仕事を続けておりました。小2の夏頃のことです。担任の先生と2者面談があった際に「コチ丸くんが座って授業を受けられないときがあります」という話をされました。幸いなことに、その担任の先生は特別支援学校で働いていた経験があり、とても熱心で、コチ丸の様子をしっかりみてくれていました。座れないときや落ち着けないときがあると、段ボールで机の下を暗くして、そこにコチ丸の落ち着けるクールダウンスペースをつくるなどして、対応をしてくれていました。当時はそのような対応をしてくれていた先生に感謝と同時に、「私とコチ丸はこれからどうしたらいいのか?」という不安は日に日に募りました。Upload By あき担任の先生の勧めで児童精神科を受診することに担任の先生から、児童精神科の受診を勧められたのをきっかけに、私はコチ丸に合った病院を探し始めました。コチ丸にどんな診断が出されるのか、どんな治療をしていくのかなど全く分かりませんでしたが、私自身が若いときに鬱で精神科にかかっていたこともあり、「できるだけ薬は飲ませたくない」「カウンセリングや普段の行動から変われる方法を見つけたい」という、治療方法もまだ分からない中でも自分なりの希望がありました。しかし、児童精神科は初診まで数ヶ月待ちというところが多く、さらに自分が納得のいく病院を見つけるのにも時間がかかりました。初めてかかったのは隣町にある小児科の傍らで児童精神科を行っている病院でした。そこでコチ丸の幼少期についての聞き取りや、診察室で先生と会話する様子の観察などをしていただき、ADHD(注意欠如多動症)とASD(自閉スペクトラム症)と診断されました。診断を受けた後に起きた心境の変化当時の記憶で一番残っているのは、診断書を書いていただいた時に「あぁ、やっぱり発達障害だったんだな」というこれまでのコチ丸の様子が腑に落ちた思いと同時に、これでコチ丸も私も悪くないんだという許されたような気持ちを持ったことです。というのも、学校では担任の先生の配慮もあり、順調に過ごしているように見えたコチ丸ですが、家での様子は全く違っていたのです。宿題はやらない、片付けはできない、相変わらず気になるものがあるとすぐに手を出してしまう、外出すると姿を見失う……など、保育園の頃から変わっていない……というより、さらにパワーアップしていました。大きな声で怒鳴ったり、じっとしていられないコチ丸を宥めたりするのに疲れていた私でしたが、「自分の育て方のせいでは?」と日頃からずっと心のどこかで思い続けていました。不謹慎かもしれないですが、それらを「発達障害のせい」にできたことで、心は随分と楽になりました。また、自分自身やコチ丸に対しても、徐々に「まぁいいか」という気持ちが持てるようにもなってきました。コチ丸に、毎日寝る前には必ずするように言っていた部屋の片付けも、週1回すれば良いことにしました(自分も仕事していると週1回の掃除しかできないから)。スーパーでコチ丸が自分の好きなところに走って行ってしまっても、あえて追いかけ回すことはせず、戻ってくるまで私も好きなところを見るようにしました(もし迷子になったらどうしたらいいか、自分で考える経験も必要だと思ったので……)。特性で仕方ない部分もあるのだから、コチ丸の発達にあったレベルでできることをすれば良いやと思い、過度に焦らず、余裕をもって接することができるようになりました。Upload By あき発達障害に関する本を読み漁り、対処法を試す日々同時に、私は発達障害に関する本を買い漁り、たくさん勉強もしました。本に書いてあるさまざまな特性の中から、コチ丸に当てはまるものとその対処法を試しては失敗して……の繰り返しでした。私自身にはそれが意外にハマり、うまくいくと次はこうしてみようと考えることが楽しくなってきて、「壮大な子育て実証プロジェクト」が始まったような感じでした。コチ丸の通う小学校には診断のことは伝えたものの、小さな学校だったこともあり、通級指導教室はもちろん、特別支援学級もまだなかったので、当時はみんなと同じ授業を受けるしかありませんでした。小2の時は担任の先生がいろいろと試してくれたり、逐一報告をくれたりしていたので、学校に通うこともそこまでハードルは高いものではありませんでした。が、あんなに「イージーモード(笑)と思っていた学校」と「地獄絵図のようだった家」での生活が逆転するとは……まだ知る由もない私とコチ丸でした。わが家の「壮大な子育て実証プロジェクト」のその後「壮大な子育て実証プロジェクト」ですが、高2の現在も相変わらず続いております(離れて暮らしているので、予定していたよりはちょっとイレギュラーな環境ではありますが……)。「こう育てたらこうなるのかな?」という予測を立てながら育てていって、伏線回収のように忘れた頃に「あの時のこれが今効いてきたのか」みたいなことが多々あって面白いです。その中の1つで、「やりたいと思ったことは全てやる」をコチ丸が子どもの頃から実践し続けてきたわが家。最近、高校卒業後の進路を決める時期になって、馬の勉強をしに北海道に来たのに、「ちょっと海の勉強もいいな」と海洋学部を受けようかと相談された時にはさすがに唖然としましたが……。Upload By あき好きなことを好きなだけやらせた結果、「なんでもやれる気がする自信満々な子」が育ちつつあります(笑)。それもまた面白いな、と息子の成長を楽しんでいる母です。Upload By あき執筆/あき(監修:藤井先生より)対処法を試す日々が積み重なって「なんでもやれる気がする自信満々な子」にコチ丸さんが成長されたんですね。成長を楽しんでいるあきさんの経験が、子育て中の親御さんの励ましになりますね。私自身も読みながらとても温かい気持ちになりました。ありがとうございました。発達障害に関する本には、さまざまな対処法が載っていますが、必ずしも全ての方に効果があるとは限りません。そのため、学校などと連携しながら、少しでも効果がありそうな方法を試されるのは良いですね。受診したことで診断を受けられたのが大きな一歩だったと思います。今、お子さんが学校や園などの集団生活でうまくいかないことなどがあり、対処法が分からない場合には、受診することをお勧めします。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年09月09日練習をせず、ずっと参加できなかった運動会ASD(自閉スペクトラム症)の疑いがあると言われているわが家の長男。現在は特別支援学級に通う小学1年生です。長男は、年少で入園した幼稚園が合わず、途中で退園し、別の保育園に転園しました。転園したのが年中の12月だったので、その年に予定されていた行事は全て終わっていました。そのため、長男は年長になってから初めて保育園の運動会に参加しました。Upload By プクティ幼稚園に通っていた時の運動会では、練習に参加できないからと団体競技には一切参加させてもらえませんでした。運動会の本番で、みんなに背を向けて寂しそうに座っている長男の姿を目にして、非常に残念な気持ちになったため、保育園ではそのことを説明して、ぜひ参加させてほしいとお願いをしていました。そういった経緯もあり、保育園の運動会では、きっと長男も団体競技に参加できるはず……と楽しみにしていました!Upload By プクティしかし運動会当日、団体競技には参加させてもらえず、一人体育館の隅で座っている長男の姿があり本当にショックでした……。後々先生になぜ参加させてもらえなかったのか確認したら、やはり練習に参加できなかったからとの回答があり、もっと前から先生に確認していれば良かったと心から後悔しました。保育園最後の行事は参加させてあげたい!始まった特訓運動会の次の行事は発表会。その年に保育園で行われる行事は、卒園式を除けばそれが最後となります。運動会で一人で座っていた長男の姿が目に浮かび「今度こそ絶対に全部参加させてあげたい!」と思った私は、発表会の練習が始まる頃に先生にお願いをしに行きました。Upload By プクティ発表会で発表する予定の演目、内容、楽器を全て教えてもらい「家でも練習するので、発表会では全ての演目への参加を目指していきたい」と先生に気持ちを伝えました。Upload By プクティそれからは毎日家で特訓!楽器の練習から歌の練習、劇の練習を本人が自信をもってできるようになるまで一緒に頑張り、保育園での練習にも嫌がらず参加してほしいということを長男にたくさん言い聞かせました。また、先生からのご厚意で特別に保育園での練習を見学させてもらったり、お迎えの時などに練習にどのように参加できているか確認したり、意識的に保育園の先生とのコミュニケーションを増やすようにしました。そして迎えた発表会当日……Upload By プクティそして迎えた発表会当日。そこには自信をもって発表会の演目全てに参加する長男の姿が!最後まで嫌がっていた演劇にも楽しそうに参加していて心から感動しました……!本人も発表会後、全てに参加できたことが本当にうれしかったのか、何度も発表会の話をしたり、撮影したビデオを何度も観たりしていました。今まで行事にはきちんと参加できていなかった長男が初めて全て参加できたことにより、忘れられない貴重な成功体験となりました。執筆/プクティ(監修:新美先生より)園での行事参加について、詳しく教えていただきありがとうございます。園や学校の行事は、一般の多くのお子さんがそれなりに楽しんで参加されますが、自閉特性、ADHD特性、不器用さなどのあるお子さんにとっては、いつもと違って見通しが持てない、練習が大変、興味が持てない、注目されるのが苦手、人が多いのがつらい、放送や音響の音がうるさい、などなど、書ききれないほどのトラップがあってなかなか参加できないことはしばしばあります。ただ、お子さんによっては練習には参加できなくても当日ぶっつけ本番でやってのける子もいる中で、練習に参加していないから当日の集団演技に参加させてもらえないなんて、切ない対応ですよね。めげずに、最後の発表会は準備をしっかりして臨んだプクティさんの親としての思いに心を打たれました。まだ習得していない、運動・ダンスや楽器演奏、劇のセリフなどは、集団で練習するよりも個別で練習したほうが安心して練習に専念できるので身につけやすいです。個別に練習してだいたいできるようになってから、園での集団の練習に加わるというのは、とてもよいやり方だと思います。小学校での行事でも応用できますね。身につけるのに時間がかかりそうな場合、少し早めに内容を教えてもらって、余裕をもって家で練習を始めるというのもよいかもしれませんね。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年09月07日勉強についていけない娘。特別支援学級への転学を考えるようになるも……5歳でASD(自閉スペクトラム症)の診断を受けている小学4年生のみき。小学校へ入学する際は、就学相談で知的障害特別支援学級に入るか相談しましたが、IQが入級基準以上だったため通常学級に通っていました。しかし学校の勉強についていけなくなったみきの自己肯定感は下がるばかりで、追い詰められたみきは「学校へ行きたくない」というように。一方母は、学校公開でのみきの様子を見て、少人数で見てもらえる特別支援学級のほうがいいのではと考えるようになったのですが――。マンガ「発達障害の子どもと私たち」みき編第3話Upload By ユーザー体験談Upload By ユーザー体験談教育委員会へ転学希望申請を提出。判定委員会の結果は?Upload By ユーザー体験談Upload By ユーザー体験談ASD(自閉スペクトラム症)小4のみき。希望するも自閉症・情緒障害特別支援学級には入れなくて……発達ナビユーザーから寄せられた体験談を元にしたストーリー「発達障害の子どもと私たち」みき編第3話をお届けします。ASD(自閉スペクトラム症)のあるみきは、通級指導教室へ通いながら通常学級に所属しています。ですが、小学4年生になり学校の集団授業についていけず、登校渋りが出るようになりました。保護者は少人数で見てもらえる特別支援学級を考え、自閉症・情緒障害特別支援学級を希望したのですが、判定は不可。「クラスが変わればきっと楽になる」と思っていたみきは、その結果を聞いて大泣きしてしまいました。「今のクラスだったらもう学校に行けない」というみき、果たしてこのままみきはつらい思いのまま学校へ行かなければいけないのでしょうか。次回は第4話(最終話)「特別支援学級への転学は白紙に、娘は号泣…しかし「あること」に望みを繋げ教育委員会へ【マンガ発達障害の子どもと私たち/みき編第4話】」ぜひご覧ください。特別支援学級へ転籍するときの留意点は【専門家解説】在学中に通常学級から特別支援学級へ転籍するときには、実際に見学に行き体験してみることが大切になってきます。また、本人の希望や保護者の意見が分かれてしまうのはよくないので、どうしたいか考えを一致させていくことが大切です。通級指導教室は特別支援学級に行くと受けられませんので注意が必要です。一般的には学級を変えるチャンスは年度の始めしかないので、早めに相談を始めておくほうがいいと思います。特別支援学級へ途中で転籍するときには、本人の希望、実際に体験してみることが必要になってきます。もう一つ大事なことは、みきさんの事例のように、特別支援学級の種類に関するところです。一般的に自閉症・情緒の特別支援学級では、通常の学年と同じように学習内容は進行していきますが、知的障害の特別支援学級については、学習の進度は学年相応というようりは本人の発達や学力に合わせて行われます。ただし、みきさんのように自閉症・情緒の学級の条件にも当てはまり、知的の申請条件にも当てはまる場合は、クラスの人数やメンバーとの相性なども考慮してより適切な環境で学習できるように相談していくことが大切です。一般的には学級を変えるチャンスは年度の始めしかないので、早めに相談を始めておくほうがいいと思います。Upload By ユーザー体験談発達が気になるお子さんの就学先、所属クラスなどについて詳しくは以下をご覧ください。【マンガ発達障害の子どもと私たち】ぜひご覧ください。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年09月05日秋冬は忘れ物の季節…こんにちは!ASD(自閉スペクトラム症)&ADHD(注意欠如多動症)の中1長男、ADHD小3次男、母である自分もADHDグレーゾーンのよいこです。さて、ADHDの特性が強めのわが子たち、そして私には、もうすぐ受難の季節がやってきます……。そう、秋冬は手袋、マフラー、帽子など、防寒のために身につけるものが多くなります。例えばここに座ろうか、ごはんは何にしようか、電車から降りようか……と意識をほかに向けたそのほんの一瞬で、手品のようにモノを失くしてしまうのです……!手袋が片方ない、帽子をどこで脱いだか忘れたなんてのは日常茶飯事。怒るのにも疲れて、失くしたら新しいものを買う、の繰り返しで増える片方の手袋たち……。ため息しか出ません(笑)。Upload By よいこ『忘れ物防止ゴムホルダー』をモニターしてみた!(開発中)そんな中、LITALICO発達ナビ×フェリシモC.C.Pのコラボ企画で開発中の『忘れ物防止ゴムホルダー』の試作サンプルを使わせていただきました。手提げカバンやリュックなどにキーホルダーのように取り付けて1.帽子やマフラーなどを挟んで2.ベルトを引っ張って固定して使用するたった2ステップ、しかも工程がとても簡単なので、手先が不器用な小3次男でもすぐに使いこなすことができました。おかげさまで、注意力散漫でモノを失くしやすい一家が、モノを失くさず秋冬を乗り越えられそうな予感です!Upload By よいこ執筆/よいこ発達ナビ×フェリシモC.C.Pの、発達が気になるお子さまやご家族が快適に過ごせるための商品づくり第6弾が進行中です。今回よいこさんにモニターいただいた『忘れ物防止ゴムホルダー』について簡単なアンケートを行っていますので、ぜひご協力をお願いします!お寄せいただいた回答を参考に、2025年2月リリースを予定しています。お楽しみに!(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年09月04日一生懸命甘えさせても、自己肯定感が育ってくれない娘わが家は姉・弟・弟の3人姉弟、3人共にそれぞれ診断が出ています。一番上の娘は現在中学3年生、11歳直前でADHD(注意欠如多動症)、ASD(自閉スペクトラム症)、LD・SLD(限局性学習症)の診断を受けました。授業中折り紙など別のことに熱中し、気付くとほかの人は別のことをやっていてる……ということが多かった娘。不注意の傾向が強いため、苦手な「ー(マイナス)」がある数学の式は大体間違えます。私が解き方を教えたりして対応しています。私に対してや、信頼している先生にはすごく甘えますが、私が一生懸命甘えさせてもなかなか自己肯定感が育ってくれません。先生たちには「娘はほかの人より愛情で満たしたい器が大きすぎて、いくら頑張ってもいっぱいにならないように感じています」と説明しています。そんな娘は、中学校の一時期学校へ行けなくなる事がありましたが、ある出来事がきっかけで登校できるようになりました。その経験をお話したいと思います。少しずつ積みあがった小学校時代の友だちトラブル。そして娘はストレスで髪を食いちぎるように……娘は、2学年上の近所のお姉さんと一緒に登校していました。こちらは送り出したら一安心でしたが、娘は途中の草花などにいちいち立ち止まるそうで、お姉さんが何度も声をかけて学校に連れて行ってくれたようです。ですので一人で帰る時は寄り道ばかりになり、大人の足で16分の距離を1時間以上かけて帰ってくることもありました。小学1年生の頃、幼稚園の時仲が良かった男の子と一緒に帰るところをほかの男の子たちから「カップルだ」とからかわれ、それ以来男の子が苦手になりました。また休み時間「外で一緒に遊ぼう」と女の子から声をかけてもらった時、「今、本を読んでいるから」と断った娘。それから「女子たちから陰口を言われている気がする」と感じるようになり、クラスで孤立していったようです。仲がいい特定の女友だちの存在が救いでしたが、彼女とは途中でクラスが別れることとなりました。Upload By ユーザー体験談このように、友だち関係でのトラブルが増えて行った娘。小学4年生の時、一緒に学校に行っていたお姉さんが卒業、続いて小学5年生の始めにコロナ禍で休校になった時、限界を迎えました。休校中のある日、末の弟が家のあちこちに髪の毛の束が落ちていることに気づきました。娘がストレスで髪を食いちぎっていたのです。「これはまずい」と思った私は、娘にゆっくりとなにか苦しいことがあるのか話を聞きました。そこでそれまでの友だちトラブル、「もう私、ぼっち確定だ」と嘆くに至った背景を知ることができました。Upload By ユーザー体験談そして、娘は弟が通っていた児童精神科でADHD(注意欠如多動症)、ASD(自閉スペクトラム症)と診断。そこから小学校に相談をして、スクールカウンセラーの先生に話を聞いてもらったり、教頭先生やほかのコーディネーターの先生などにも様子を見てもらいながら、休校開けはどうにか学校へ通うことができました。担任の先生が優しい女性だったのが幸運だったと思います。そこからは仲のいい友だちと同じクラスにしてもらうなどの配慮を受けながら、学校へ通い続けることができました。中学校へ進学。巡回相談、放課後等デイサービスを利用し環境を整え学校へは通えていたけれど……中学校では通常学級へ在籍することになりました。学校との協力、巡回相談、放課後等デイサービスを利用しながら、娘が苦しくない方法を模索し続けました。放課後等デイサービスには中学1年4月から通い始め、学習面のサポートや居場所を作ってもらえました。他校の友だちができたり、料理や裁縫、小物づくりなどで先生に褒めてもらったり、そこにいくと楽しすぎて120%のエネルギーが出るそうです。放課後等デイサービスに行き始めて半年ほどで驚いたことは、爪が伸び始めたことでした。ストレスで爪を嚙むことがある娘は常に深爪で、きれいに爪が伸びた姿を見ることはないと思っていた私。足、手としっかり伸びた美しい爪を見たときは、とても嬉しく、感動しました。担任の先生は巡回相談以外の時間にも細かく娘の状況を教えてくださいました。1年、2年と仲がいい友だちと同じクラスにしてもらえたおかげで、学校にも安心して行けていました。ですが、中学2年生の10月頃から2ヶ月程、急に不登校になりました。中学2年生の秋、突然学校へ行けなくなった娘原因はこれと言い切ることはできませんが、おそらく体育祭を欠席したことだったのかもしれません。体育は苦手ですが頑張って練習をしていた娘。ですが、当日体温が37度になり、喉頭痛もあったことから「新型コロナウイルスかもしれない」と体育祭には行くことができませんでした。それから朝になるとうつっぽくなったり、微熱が出ることが増えました。コロナは陰性だったにも関わらずです。部屋にこもった娘はこのように話していました。・なぜか気分が上がらない。やる気がおきない。自分がだめだと思ってしまう。・友だちがいる学校に行きたいけれど、勉強が全然分からない。・ママに言われて頑張って苦手な数学の通信教育を頑張っても全部バツになってしまう。頑張っても頑張ってもバツになるからとても悲しい。・パパやおばあちゃんにいろいろ言われている。「やらないならもったいないから通信教育をやめろ」「あの子は学校行かないで大丈夫なのか」「また学校休んでる」など1階で話しているのが聞こえる。部屋で動画を見て聞かないようにしている。少しでも娘の気持ちが楽になるようにと、私の姉二人と姉の息子でグループチャットを作り、なにかやったら写真に載せてみんなから褒めてもらったり、AIとおしゃべりできるアプリを利用したりしました。病院でさまざまな検査をしましたが、身体的な病気はありませんでした。心の問題かもしれないということで、かかりつけの精神科と相談し投薬を調整、12月から朝行けそうな様子であれば、1時間や2時間ほどの短い時間、学校に行くようになりました。私が学校まで送り、帰りは自力で帰り、できたら褒めるを繰り返しました。初めて学校へ復帰した日は、仲良しの友だちと休み時間に抱き合って再会を喜んでいたと、当時の担任先生から教えてもらいました。学校へ行きたいのに、さまざまな苦しみを抱えて行けない娘。やっと友だちに会えてよかった……と感無量でした。Upload By ユーザー体験談「学校へ戻らないと」スイッチが入った娘が始めた「あること」中学3年生に進級する前の3月のことです。娘より年上の従兄は高校に進学を控えていました。従兄は雑談の中で娘に「高校に行くには遅刻も欠席もしちゃだめなんだよ」と言ったそうで、これを聞いた娘は「自分で学校へ戻らないと」と、スイッチが入ったようでした。ある日娘は「春休み中、ママのお弁当を作るね」と言い出しました。インターネットでお父さんのお弁当を作る娘の動画を見て、自分もやってみようと思ったそうです。「今まで7時に起きられなかったけど、もっと早く起きることになるよ?」と言うと「やってみる」と娘。朝6時に起きてお弁当を作る日々が始まりました。パパが「いいな~。ママだけ」と言うので、「じゃあパパの分もおまけで作ってあげる」と夫の分も作ってくれる事になりました。そして4月、学校が始まってからも6時になると自分で起きて野菜を切ったり、炒めたりしてしっかりしたお弁当を作り続けてくれています。中学1年になった弟の弁当も加わりました。娘はお弁当の残りを自分の朝ごはんにして、身支度をして7時40分に家を出発。遅刻することなく登校する生活ができるようになりました。「今のところ無遅刻無欠席だからこれからも頑張る!」と言って……。Upload By ユーザー体験談自分で決めて一歩踏み出した娘なにがきっかけになるか分からないですが、本当に嬉しいです。これがさまざまなやる気につながるように、よく褒めて見守っていきたいと思います。ただ、頑張りすぎて疲れてしまうことも当然あると思います。そんなとき、娘の安全基地でいられるよう、娘の様子には目を配っています。これからどんどん大人になっていく娘。自分の力で自分のやりたいこと、なりたいことに真摯に向き合って、夢をかなえて幸せになってほしいです。自分に自信をもってチャレンジする力を持ってほしいです。その一歩に今、立ち合えている気がします。娘のお弁当に私は毎日幸せと元気をもらっています。イラスト/ネコ山エピソード参考/まんまゆうまま(監修:鈴木先生より)ASD(自閉スペクトラム症)のお子さんはこだわりが強い傾向にあります。そのルーティンをやらないと気が済まないのです。そのために、からかいやいじめのターゲットになりやすいという面があります。今回は従兄との雑談が功を奏したようですね。ちょっとした一言にこだわり、結果登校できたのならばそれで良しとしましょう。そして、お弁当作りもたまたまインターネットを見て自分でやってみようと考えたのは立派なことですね。なお、お弁当作りや無遅刻無欠席もこだわりがあれば継続できますが、ちょっとでも寝坊したり、遅刻したりした場合はその法則が崩れてしまう可能性も秘めています。ASD(自閉スペクトラム症)のお子さんはほかの子同様、自分の思った通りに事が運み、その結果親から褒めてもらうと機嫌よく過ごすことができます。それが継続できるようにお母様は日々娘さんを見守ってあげてくださいね。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2024年09月03日中学校のギャップについていけず、少し落ち込むハルわが家の長男ハルは、小4の時にASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)と診断されています。中学生になったハルが最初に戸惑ったのは「制服」でした。制服がダボダボで重いこと、暑い日でも衣替え前は校則上学ランを着ていかなければならないことへの不快感を、私に訴えていました。また、中学生になって初めて着けたベルトの感覚にも慣れないようでした。重い鞄をロープで荷台にくくりつけての自転車登校も「校則」だったのですが、慣れるのに時間がかかり、よく転んでいました。Upload By 安田ふくこさらに、「部活動」でも戸惑いがありました。スポーツが苦手だったハルですが、わが家が暮らす地域の中学は必ず運動部に入らねばならず、バスケットボール部に入部しました。バリバリ「体育会系」の顧問の先生と相性が良くなく、よく怒られていたようです。・先輩よりも先に水を飲まない・自分が受け持ったノルマや、部活後の掃除が終了してもそのまま終わりにせず、周囲を見渡してほかにやることがないか探すなど、『暗黙の了解』として特に言われなくともほかの部員たちがやっていることが、ハルには分からないことが多かったです。Upload By 安田ふくここれは「どうして良いか分からない」状態なのですが、周囲からは「やる気がない」と捉えられてしまい、本人は苦しんでいました。さらに、「定期テスト」も大きなハードルでした。中学校では一度に全教科、広範囲の内容が出題されます。初めての定期テストで思いのほか点数が低かったことに、少しショックを受けていました。小学校では範囲も単元ごとだし、記憶力だけでそれなりの点数がとれていたので、初めての定期テスト後は自分のできなさに驚きを隠せない様子でした。さらに中学では『順位』という、分かりやすい数字で自分の立ち位置が分かります。中学校生活が始まって早々、数々のギャップに落ち込んでいるようでした。中学生、親はどこまでサポートすべき?迷いつつも私がとった行動は……そんなハルの様子を見ていた親の私は、とりあえず、部活の先生にアポイントを取りつけ、本人の特性について話をすることにしました。すると、入学前にも教頭先生や養護教諭に面談をお願いして話をしておいたのですが、先生内で周知されていなかったことが分かりました(あとから周りの話を聞くと、そのようなケースは多かったようです)。そのため、特に接触の多い部活の顧問や、担任の先生には、改めて入学後にも親から個別面談を申し込むなりしたほうが良かったのだな……と思い知りました。Upload By 安田ふくこ学習面では、中学生になってまで……との考えも頭をかすめましたが、その気持ちは横に置いておいて、日頃の勉強やテスト対策に、最初から「中1の2学期までは」と決めて付き合いました。期限を決めることでこちらも心に余裕ができますし、ハル本人には「あとはなるべく自分で!」という気持ちが持てると思ったからです。一問一答形式を繰り返すことで、記憶力が必要な歴史や地理、国語の漢字などは成績がアップすると、本人も分かってきたようでした。英語はまず親しむことから……と、ポップスで英語のみの歌詞を良く聞くようになりました(コレはそのとき英語に興味があった弟からの提案でした)。親しむ、楽しむという点において、それは大正解でした。数学は元々好きな教科だったので、ノータッチでも自分で勉強を進めていました。そんなふうに、自分の特性や得意と苦手のバランスを見て、いろいろ親子で試行錯誤した結果、主要5教科の成績に関しては学年の中でも上位の成績になり、ハルのやる気もぐんとアップしました(不器用ボーイなので、美術や技術・家庭科など実技4教科の成績は、相変わらず底辺のあたりをさまよっていました……)。中学生になる直前、分かった目の特性ハルが中学校に入学する以前から、よく光を異様に眩しがることがあり、私は気になっていました。本人もつらいと訴えるようになったので病院を受診してみると、これは光過敏という症状で、目で光を感じやすい敏感な体質だということが分かりました。受診結果を持って担任の先生や部活の顧問と相談した上で、帽子をかぶらせてもらう、座席を光の影響が受けづらい場所にしてもらう、屋外練習などで光に当たりすぎてつらくなったら、一時的に休憩をさせてもらう、などの配慮を学校で受けられるようになりました。高校受験の際にも、学校に願い出て校長から話をしてもらい、合理的配慮を受けるための書類を提出して、窓際ではない席で受験させてもらうなどができました。Upload By 安田ふくこ本人に聞くと、「小さな頃は『眩しいのが当たり前』だと思ってずっと我慢していたけれど、周囲と比べてもどうしてもおかしいと思った。中学生になって、やっとどれだけツラいかを言葉で伝えられるようになった」とのことでした。障害というほどではないけれど、人より敏感な部分があり日常的に困っている……そんな言葉で伝えるのが難しかった自分の症状を、12、3歳になってやっと言語化できるようになったのでした。高校に合格し進学した後も、校則上の服装にはない、帽子やサングラスなどを使うため『異装届』を学校側に提出して許可をもらうなど、特性からくる困りごとへの対策は今も続いています。そんなハルですが、困りごとを自分の力で克服したこともあります。中1までは足がとても遅く、協調運動も苦手なことがコンプレックスでしたが、「そんな自分を変えたい!」と中1の秋からランニングを始めました。Upload By 安田ふくこそれからは毎日4キロ走るようになり、中2から駅伝選手にも選ばれるようになりました。これは、「一度決めたら曲げられない、ルーティンにこだわる」というASD(自閉スペクトラム症)の特性が、良いほうへ作用したのかもしれない、と見ていて感じました。特性を理解して自ら強みに変えたり、どうしても困ったときは周囲に助けを求めたりできることも、人としての成長の一つなのかなと、私は感じています。今現在、あくまで見た目ではふつうの高校生。身長は私よりもずっと高くなってとても大人っぽく見えるけれど、コミュニケーションスキルに関しては、やはり周囲の同年代よりもずっと苦手です。「好きなこと」や「趣味」も、まぁほかの子どもと同じような部分もありますが、特定のものにこだわりが強いのは相変わらずです。Upload By 安田ふくこ親の私も忘れがちですが……どうしても譲りたくない自分のこだわりや、ルーティンを大事にするからこその「初めてのこと」への柔軟性のなさ、適応力の乏しさなど、まだハル自身の課題は多くあるのだなと感じます。それをハルが自ら認めて受け入れたり、周囲に理解してもらうためにも、自分もまた周囲を理解しようと努力する……大人になるまでに少しずつでもそうなっていけるよう、今後も見守っていこうと思っています。執筆/安田ふくこ(監修:室伏先生より)ふくこさん、ハルくんの中学生生活における困りごとと、それに対する工夫や支援、その結果について詳しく共有くださり、ありがとうございます。小学生、中学生、高校生と年齢が上がるにつれて、どの程度家族が関わっていくのが望ましいのか、お悩みの親御さんも多くいらっしゃることと思います。ふくこさんが書いてくださった、「特性を理解して自ら強みに変えたり、どうしても困ったときは周囲に助けを求めたりできることも、人としての成長の一つ」というお言葉、多くの親御さんに届いて欲しいと思いました。「自立」という言葉には、「周りからの助けを受けずに自力で生きていくこと」の意味もありますが、福祉の分野では、「自己決定に基づいて主体的な生活を営むこと」「自分の能力を活用して社会活動に参加すること」と定義づけられています。自分の苦手なこと・不快なことを知ること、自分の得意なこと・好きなことを知ること、そしてそれを周りに向けて表現して必要な支援を求めたり、自分に合ったやり方を模索したりすることは、とても大切な自立への歩みです。全てをこっそりとやってあげてしまうのではなく、どんなことになぜ困っているのかについて話し合うことや、生活しやすくなる方法や支援の求め方を本人にも知ってもらうことは、自立に向けての手助けになるかもしれません。ハルくんは、ご自身の気づき、そして努力と、ご家族のサポートによって、自立への道を着実に歩かれていますね!これからのハルくんを、私も応援しております。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年08月31日勉強についていけず自己肯定感は下がるばかり。ついに「学校へ行きたくない」と言い出した娘発達ナビユーザーから寄せられた体験談を元にしたマンガ「発達障害の子どもと私たち」。今回はみき編 第2話をお届けします。5歳でASD(自閉スペクトラム症)の診断を受けた小学4年生のみきさん。小学3年生から勉強に困難さを感じるようになり、「学校へ行きたくない」というほどに苦しむようになりました。そんなみきさんを見守る保護者は、どうすればいいのか迷っていて――。マンガ「発達障害の子どもと私たち」みき編第2話Upload By ユーザー体験談Upload By ユーザー体験談「授業についていけないのは私だけ」という娘に母は――Upload By ユーザー体験談Upload By ユーザー体験談勉強についていけなくなったASD(自閉スペクトラム症)小4のみき発達ナビユーザーから寄せられた体験談を元にしたストーリー「発達障害の子どもと私たち」みき編第2話をお届けします。5歳でASD(自閉スペクトラム症)の診断を受けているみきは、就学相談で知的障害特別支援学級に入るか相談しましたが、IQが入級基準以上だったため通常学級と判定されました。今は通級指導教室へ通っています。小学4年生になったみきは学校の勉強にだんだんとついていけなくなり、自己肯定感は下がるばかり。頑張っているのに上手くいかない状況に追い詰められていきます。一方母は、みきの様子を見て、集団授業についていけないなら少人数で見てもらえる特別支援学級を考えるように。次回、第3話では学校との転籍への話し合いが始まります。第3話「「学校がつらい」娘の心が壊れそう…!特別支援学級へ転学希望も、担任は反対で…」ぜひご覧ください。心理面の支援と通常学級の中での特性にあわせた支援【専門家解説】小学校中学年になって学習内容も複雑になり、一部の授業での理解が困難になってしまうことに加え、そのことが大きなストレスや不安につながり、みきさんはとても苦しんでおられます。お母さんは、みきさんの自己肯定感を上げようと社会や理科は頑張れているという話をされていますが、本人はできないところに注目してしまっているようです。お母さんや通級の先生だけでなく、通常学級の担任の先生が普段の授業の中でみきさんの頑張りを認めていくことが重要になっていきます。通常学級の授業の中で、例えば「主人公の気持ちを理解する」という課題は、ASD(自閉スペクトラム症)のある子どもにとって難しい課題だと思いますし、グループの話し合いに積極的に参加することはなおさらです。こうした特性を担任の先生が理解し、適切なヒントや援助を出せるかどうかが通常学級の中での本人の学びに大きく影響します。担任の先生だけで困難な場合は、特別支援教育コーディネーターや通級指導教室の先生に親や本人の間に入ってもらうことも考えられると思います。通級指導教室の先生に通常学級での授業を見学してもらったり、担任の先生と情報交換をしてもらうことも一つのアイデアです。Upload By ユーザー体験談発達障害のあるお子さんの学習を含めたサポート方法について詳しくは以下をご覧ください。【マンガ発達障害の子どもと私たち】ぜひご覧ください。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年08月29日何の疑いもなく迎えた入学式。なぜうちの子に補助の先生が?Upload By もっつんタクは振り返ってみると、幼少期から発達障害の多動や衝動性が強く表れている子でした。しかし3歳児健診での担当医師の言葉、家庭環境、園の先生から指摘を受けたことがなかったなど……いろいろな要因が重なって発達障害の可能性を考えずに、小学校入学を迎えました。就学先は通常学級でした。そして入学式の当日、落ち着きがないタクは補助の先生に手を引かれて入場してきたのです。今まで先生方には、タクの発達や進級について何も言われたことがなかったので、正に青天の霹靂でした。通常の名前順の並びとは違って、明らかに違う列で先生と共に入場する姿を見て……あれ?やっぱりウチの子って何かある?と不安になったのを覚えています。入学式の間は、ずっと先生が横についてくれていて、着席して楽しそうに手遊びをしているようでした。後日、先生に聞いてみると、ほかの子に付いていた支援員の方からタクが離れようとせず付いてくださっていたとの事でした。教室で座っていられない!何でこんなことするんだろう??Upload By もっつん通常学級で学んでいたタクは、入学してしばらくすると、少しずつトラブルが表面化してきました。授業中に何度も教室を脱走したり、放課後の学童でも同じように脱走してしまいました。朝の登校班では「疲れた」と言ってその場に座り込んでしまったり、ランドセルを道端に置いていこうとしたり……。私がそばにいられたら声をかけられますが、四六時中一緒にいることはできません。学校からトラブル報告の電話を受ける度に、精神疲労がどんどん蓄積されていきました。教室から出ていくなんて、当時の私には考えられない事でした。私の小学校時代の記憶では教室から出ていく同級生はおらず、先生に叱られないように「規律は必ず守るもの」と思っていました。なので、まさかわが子が授業中に立ち歩いて教室から出て行っているなんて想像もできなかったのです。「何で立ってしまうの?皆と同じようにできないの?」と当時の私には知識も余裕もなくて、つい質問責めにしてしまっていました。スクールカウンセラーとの出会いで支援の道へUpload By もっつんタクの問題行動の連絡を受けるたびに、私はタクに注意したり怒ったり話をきいたり気分転換させたり……試行錯誤をしました。しかし繰り返される教室脱走。教室内でトラブルを起こす日々が続いて、別の子に付いていたはずの支援員の方に負担をかけることが増えていきました。私は、先生やクラスメイトに対して申し訳ない気持ちが大きくなっていくけど、行動改善ができずに日々焦りと苛立ちが積もっていきました。そんなある日、担任の先生から「スクールカウンセリング」について教えてもらいました。学校に配置された公認心理師などの資格を持つスクールカウンセラーの方のカウンセリングを受けたり、アドバイスをもらえたりするというものです。私がお世話になったスクールカウンセラーの先生は月に2回ほど学校に来てくれて、子どもだけ・親だけ・子どもと親などさまざまな形でお話してくれました。物腰が柔らかく、とても優しい先生でした。当時の私は子育てだけではなく、仕事や義実家同居のストレスがとても大きくて……!それを踏まえて私のメンタルが安定するように親身になってたくさんの話を聞いてもらえました。タクだけではなく、私も救ってくれた恩人であり、今でも感謝しています。特別支援学級という選択Upload By もっつん面談を重ねていくうちに、私もタクと落ち着いて話せるようになっていきました。そして、「なんで教室を出ていきたくなるの?」と聞いてみると、タクには聴覚過敏の傾向があり、「教室がうるさい」と感じて出ていきたくなるのだと分かりました。今までずっとワガママで出ていきたくなっているんだと、ルールを破ることに罪悪感がないんだと思い込んでいた私。タクなりにきちんと理由があったことを知りました。それが分かった時はショックでしたが、より一層タクの学校生活に向き合っていかなくてはと思いました。そしてついに小1の秋ごろ、「次年度から特別支援学級への転籍を考えてみてください」とお話がありました。Upload By もっつん正直なところ、転籍を打診されてすぐはマイナス思考のほうが大きかったです。しかしWISC知能検査、小児神経科の受診を進めるうちにだんだんと私の心に変化がありました。教室にいるだけでストレスを感じてしまう通常学級よりも、タクの特性を把握してくれている支援の先生に見てもらうほうがタクにとって良いんじゃないのか……?と。読み取る力が弱いタクは、国語や算数の文章問題が苦手なようでした。でも、横に付いて問題を声に出して読んであげると理解できるのです。通常学級では横に付いてここまで細かく指導してもらうことはできないけど、特別支援学級であればそれが可能です。特別支援級を見学をして説明を受けるうちに、今のタクにとって必要な手厚い指導が受けられるありがたい場所なんだという意識が芽生えていきました。実際に発達障害の診断を受けるまでには、大変な思いやトラブルもありましたが、あの期間と向き合ったからこそタクにとって良いと思える選択ができたんだと思います。仕事を休んでスクールカウンセリングに向かうのは罪悪感もあって、時間的に負担を感じることもありましたが、何よりも大切な時間だったと思います。スクールカウンセラーの方が担任の先生と保護者の中間に立ってくれて、的確な助言をくださったおかげでうちの家族は支援に繋がれたのだと思います。こうしてタクは小2の進級のタイミングで特別支援学級に転籍することになり、中3の現在も特別支援学級で学んでいます。将来のことを考えると不安になる時もありますが、あの時に特別支援学級に転籍するという決断は正しかったと胸を張って言えます。これからもタクの良さが生きる環境で、輝いていってほしいと願います。執筆/もっつん(監修:初川先生より)タクくんが小学校入学後、教室から出てしまうことなどが続き、スクールカウンセリングを通して特別支援学級に転籍されたエピソードをありがとうございます。小学校に入学してみたら、できるだろうと思っていたのに集団生活や学習に困難さが表れ、どうしてと困惑されること、ありますね。それまでの家庭での様子、園での様子からはそこまで不適応になると思わなかったと語られる保護者の方は結構いらしゃいます。小学校という枠組み、例えば多ければ35人で一クラスで過ごすこと、45分間着席していることが基本であること、時間割が決まっていて気分が乗らなくともその時間に決められた学習に取り組むことなど、それまで経験してきたこととは多かれ少なかれ異なる環境への適応が求められます。だからこそ、「小学校に入ってから問題行動が」ということが起きる場合があるのです。お子さんが学校でうまく過ごせていないとなれば、保護者としては困惑や焦り、怒り、不安が湧き立つことがあるでしょう。学校からの電話や連絡帳が恐怖に感じられる方もいらっしゃいます。もっつんさんは当初「何で立ってしまうの?」と責めてしまったとのこと。ここに心当たりがある保護者の方は多いと思います。初期はそうして「なんで」と疑問と怒りとが入り混じることがあると思います。もっつんさんの場合には、担任の先生からスクールカウンセラー(以下SCと表記)に相談することを勧められたのですね。相談しようと思っていただけたのは、SCとしてとてもうれしく感じました。担任にSCへの相談を紹介されると、人によっては「担任に見放された」「うちの子は相当ひどいってことなんだ」と傷つかれる方もいらっしゃいますが、担任の先生方はお子さんが学校で健やかに学べることを願っていて、心理の立場からの助言があればもっとお子さんに良い支援や対応ができるかもしれないと考えられてSCへ繋ぐことをされています。校内のリソースとして、SCを気軽にご活用いただければと思います。SCとの相談では、保護者の混乱する思い、不安、怒りなどもうかがい、保護者の方がまずは落ち着いてお子さんの今のつまずきや苦戦を考えられるように整えたり、保護者の方からお子さんのこれまでの育ちや家庭での様子を聞き取りながら「何でつまずいているか」を一緒に考えたり、またSC自身がお子さんの様子を観察して見取り、どんなつまずきがありそうか、そしてどんな手立てがあると良さそうかとお伝えして一緒に考えていく。そんなことをやっていきます。担任の先生と相談することでも同じようなことは達成できますが、担任の先生は直接お子さんに対応されていて、保護者からすると担任の先生の疲れた様子や表情に自責的になってしまうこともあり、そういう意味でも違う立場のSCと話すことが、話しやすく感じられる場合もあります。SCとの相談の中で、タクくんが音に過敏な面があることに気がつくなど教室の環境につらさがあると見えてきたのは何よりです。また、今はお仕事をされている保護者の方も多いので、SCへの相談が保護者の勤務時間と重なることもあります。お仕事を休んでお越しいただくことは恐縮ではありますが、だからこそ有意義な時間、心の荷下ろしになる時間、さまざまな問題や状況を整理する時間、一緒に作戦会議する時間として機能できればと思います。タクくんは特別支援学級への転籍されたとのことですが、そこにあたってもっつんさんが検討されたポイントも書かれていますね。タクくんの苦手さとそれをふまえた対応ができる環境としての特別支援学級。特別支援学級の種別にもよりますが、知的発達の水準やお子さんの特性・苦手さとその学級で提供できるものとを合わせて考えてみることは大事です。その準備として発達検査の受検であったり、見学・体験であったりということもあるでしょう。そうした1つひとつの検討点にしても、そこにまつわる保護者の思いの逡巡にしても、SCは一緒に考えていく存在だと思っています。うまく活用していただければと思います。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年08月27日子どもの頃に”困り感”はなかったものの、社会人になり悩みはじめ、発達障害に気づくというケースも。そこで今回は、MOREDOORのオリジナル漫画『大人の発達障害』をご紹介します。※少しでも多くの方に、このことについて考えるキッカケづくり目指して制作されました。当事者の声はさまざまです。あくまで一例として、考えるキッカケになれば幸いです。あらすじもうすぐ社会人2年目となる田所。幼少期から友人との関係も良好で、スポーツでも成果を出していました。しかし、会社で働くようになると、ミスが目立ち始めるように……。友人のすすめで心療内科を受診すると、診断結果はADHD。友人の同僚でADHDのだいごからアドバイスをもらった田所は、少しずつ自分と向き合えるようになっていきます。そんな田所は、会社で信頼できる上司にADHDをカミングアウトしようと思い……?上司に打ち明けると部長の優しい一面を知れた……素直に助けを求める大切さを実感……自分自身を受け入れ、素直に助けを求めることの大切さを実感した田所。その後、上司は田所のためにとある提案をしてくれて!?※この漫画はフィクションです。■監修:三崎てるひこ(臨床心理士・公認心理師)■作画:長月よーこ(MOREDOOR編集部)
2024年08月25日日本公認心理師ネットワークが、2024年8月23日(金)から2025年1月末までの期間限定で、「『大学生の時間管理ワークブック』 発売記念セミナー〜大学生の時間管理のコツ〜」に関するオンラインセミナーをオンデマンド配信します。講師は、中島 美鈴(なかしま みすず)先生(中島心理相談所所長。肥前精神医療センター臨床研究部。公認心理師,臨床心理士。)若杉 美樹(わかすぎ みき)先生(東京大学相談支援研究開発センター特任助教。公認心理師,臨床心理士,社会保険労務士。)渡辺 慶一郎(わたなべ けいいちろう)先生(東京大学相談支援研究開発センター教授。精神科医。医学博士。)です。この配信は、2024年8月8日(木)に開催されたオンラインセミナーの見逃し配信です。モデレーターは、日本公認心理師ネットワーク主宰の安東大起(一般社団法人パーマネント・クリエイティブ・マインド代表理事・公認心理師・臨床心理士)が務めます。【内容】セミナーでは・大学生にとって、なぜ時間管理が重要になるのか?・時間管理を促すための支援方法・このワークブックができるまで・ワークブックの使い方の紹介・さらに学びたい方向けのリソースの紹介など、以上の内容を含む予定です。【受講対象者】大学生や大学院生、数年後に大学を目指している方と保護者のみなさま、大学生を支援する対人援助職や大学関係者【講師】中島 美鈴(なかしま みすず)先生中島心理相談所所長。肥前精神医療センター臨床研究部。公認心理師,臨床心理士。2020年九州大学大学院人間環境学府博士後期課程修了。『ADHDタイプの大人のための時間管理ワークブック』(共著,星和書店)など著書多数。若杉 美樹(わかすぎ みき)先生東京大学相談支援研究開発センター特任助教。公認心理師,臨床心理士,社会保険労務士。2020年早稲田大学大学院人間科学研究科臨床心理学研究領域修士課程修了。2009年オランダ社会科学大学院(現エラスムス大学ロッテルダム)開発学修士課程修了。渡辺 慶一郎(わたなべ けいいちろう)先生東京大学相談支援研究開発センター教授。精神科医。医学博士。1993年信州大学医学部卒業。【配信の概要】公開期間:2024/8/23 (金)から2025/1/31 (金)23:59まで視聴方法:配信されたURLより視聴チケット料金:1.新刊『大学生の時間管理ワークブック』付きチケット4,460円(税込)←セミナー代金の1,500円引き2.「支援者向けの3点セット」付きチケット:新刊『大学生の時間管理ワークブック』、既刊『ADHDタイプの大人のための時間管理ワークブック』、既刊『ADHDタイプの大人のための時間管理プログラム:スタッフマニュアル』付きチケット8,860円(税込)←セミナー代金の1,500円引き3.配信のみチケット3,980円(税込)*(2)は、新刊の内容と関連する既刊2点と新刊1点を合わせた3点(各1冊)セットです。*書籍は、順次、星和書店より発送されます。【参考】注目の新刊『大学生の時間管理ワークブック』勉強に、バイトに、サークルに、就活――大学生活は忙しく、時には困難ですが、充実させることができれば明るい人生が開けるでしょう。 いつもギリギリ、いつもバタバタ、決まった時刻や期限に間に合わない、やることが多すぎてパニック、何から手をつけたらよいか分からない、他者の都合に振り回されて自分の時間がない、スマホに時間を取られてやるべきことができないなど、困りごとはありませんか。日常的にそうした困りごとがある方はもちろん、タイパ重視で効率よく時間を使いたい方、無事に卒業して目標達成したい方に最適なワークブックです。 大学生が入学直後から卒業までにつまずきやすい場面をピックアップして対処法を示しました。本書で身につけた時間管理術は、卒業後にもあなたの財産になります。中島 美鈴 (著), 若杉 美樹 (著), 渡辺 慶一郎 (著)定価 1980 円(税込)ISBN:9784791111381『ADHDタイプの大人のための時間管理ワークブック』時間を上手に使えるようになれば、バタバタしてやるべきことが終わらず、約束を守れず、混乱する毎日を送るのではなく、余裕のある、やりたいことも楽しめる、人から信頼される、充実した生活を送れるようになります。本書では、朝、昼、夕方の、日常によくある困った場面別にスケジュール帳の活用方法を学べるので、早い改善が見込めます。ひとりでも、グループセラピーでも使用できるワークブックです。中島 美鈴 (著), 稲田 尚子 (著)定価 1980 円(税込)ISBN:9784791109470『ADHDタイプの大人のための時間管理プログラム:スタッフマニュアル』本書は『ADHDタイプの大人のための時間管理ワークブック』を使ってグループセラピーを実施したい方のためのガイドブックです。ワークブックと合わせて,本書を手引書として使うことにより,質の高いグループ運営がめざせます。「ADHDタイプの大人のための時間管理プログラム」は, ADHDをもつ人やその傾向のある人が,上手に時間管理ができるようになる方法を学ぶためのものです。本書では,各セッションにおける目標,進行例,つまずきがちな点と対処法 Q&Aをまとめました。全8回のセッションはワークブックの各章に対応していて参照しやすく,スタッフが知りたい情報がこまやかに解説されています。中島 美鈴 (著), 稲田 尚子 (著), 谷川 芳江 (著), 山下 雅子 (著), 高口 恵美 (著)定価 2420 円(税込)ISBN:9784791110674pcmhimeji powered by BASE : お申込みはこちら : 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2024年08月24日共通テストでは、合理的配慮を「制度上」申請できるが…こんにちは。『発達障害&グレーゾーン子育てから生まれた楽々かあさんの伝わる! 声かけ変換』ほか、著者・楽々かあさんこと、大場美鈴です。今回のコラムでは、発達障害のある子が大学入学共通テストで合理的配慮を受けるために必要な申請について、受験生の現実と「なんとかしてあげてほしい」という私の意見を 述べたいと思います。なお、私は昨年度、ASD(自閉スペクトラム症)の診断と、LD、ADHDの傾向がある長男の大学受験を見守りましたが、長男は配慮申請や共通テスト受験をしていないため、一般公開されている情報から私が読み取れたことをまとめています。今年も大学入試センターから、令和7年度大学入学共通テストの「障害等のある方への配慮案内」が公開されました。独立行政法人 大学入試センター|令和7年度 受験上の配慮案内大学入学共通テスト(以降、共通テスト)では、発達障害を含む障害等のために受験に際して配慮を希望する志願者に対して、個々の症状や状態等に応じた受験上の配慮を行っており、例えば、LD(SLD/局所性学習症)があり、読み書きに困難さがある場合には、代読・代筆や、拡大文字の問題冊子配布、試験時間の延長などの配慮を受けることが制度上可能です。ですが、現時点では、発達障害のある子が配慮を受けて共通テストに挑戦するのは、私にはあまり現実的な選択肢だとは思えません。なぜなら、配慮を受けるために必要な申請書類を、発達障害のある子が揃え、必要な手続きを行うことのハードルが非常に高くて、非現実的だと感じるからです。発達障害区分での配慮決定者数は約500名まず、配慮申請に必要な手続きについて、大まかに解説します(詳細は大学入試センターの公式の配慮案内をご確認ください)。共通テストで、発達障害のある子が配慮申請をする場合、以下の3つの書類が必要です。・受験上の配慮申請書・診断書(発達障害関係)・状況報告書(発達障害関係)これを、現役生の場合、高1・高2の頃から学校や医療機関等と連携して下準備し、高3の申請時期(8月または9月)までに揃え、その「結果の通知書」で配慮の可否や受けられる配慮内容を確認。9月下旬〜10月上旬に共通テストの出願、配慮事項の再確認等の手続き(場合によっては、「問い合わせ大学」と打ち合わせ)を踏まえて、1月に共通テストの受験。それから各大学の一般入試等の出願と受験……というのが大まかなスケジュールです。これらは、発達障害のある子にとって、かなり困難なことなのではないでしょうか。実際、昨年度(令和6年)では、配慮ありで共通テストを受けた発達障害のある子は、志願者全体の僅か0.1%でした(令和6年度発達障害区分での受験上の配慮決定者数:507人/共通テストの志願者数:491,914人。大学入試センターHPの公開データを元に筆者算出)。では、どれほど、この3つの申請書類を揃えるのが現実的には難しいことなのか、具体的に詳しくお伝えします。独立行政法人 大学入試センター|令和6年度大学入学共通テスト受験上の配慮決定者数独立行政法人 大学入試センター|共通テスト 志願者数・受験者数等の推移まず、「診断書」について。共通テストの場合、申請には"所定の形式の"医師の診断書が必要です。もちろん、対応する側にも限度があるでしょうし、公的な試験ですから、医学的に客観的な根拠資料を求められるのはやむを得ない部分もあると思います(ただし、法律上、合理的配慮の提供に医師の診断書等は必須ではありません)。ですが、例えば、以下のようなケースでは、受験生が診断書を準備できない、または、申請に間に合わない場合があります。<医療機関の受診に、保護者の理解が得られない>「医師の診断書が必要」となれば、当然、医療機関を受診する必要があります。しかし、高校生が「自分は発達障害かもしれない」と思っても、保護者の理解が得られなければ、未成年が一人で専門の医療機関の受診をするのは困難です。発達障害の診断には、養育者から乳幼児期や小さな頃のエピソードなどの聞き取りを行うことも多く、自治体の子どもの医療費無料化政策なども大抵は高校生は対象外で、診断書の文書料や各種検査も自費となる場合も多く、保護者が協力的でないと難しいでしょう。<医療機関の初診/再診・診断までに時間がかかる>現在、発達障害専門の医師・医療機関の数が十分ではなく、初診までにかなり時間がかかることが多いようです。さらに、発達障害の正確な診断に必要な検査や経過観察などにも時間がかかり、診断書もお願いして即日発行できるとは限りません。うちの長男が小学1年生でASDの診断を受けた時の場合も、予約から初診まで3-4ヶ月待ち、知能検査も事前説明〜結果まで1ヶ月程度かかり、経過観察も含め、診断までに最低半年以上は必要でした。その後の診察も1-3ヶ月に一度、一回10分程度で、必要に応じて予約を取ることは難しかったです。また、児童精神科や発達小児科の診療対象は15歳まで(初診時)のことも多く、初診の時点で15歳以上の子の場合は、主に成人向けの精神科や心療内科等での受診となります。医療機関自体の数は増えるものの専門医は少なく、発達障害に詳しい医師でないと、必要な検査を行ったり、配慮等への意見を詳細に記入するのは難しいかもしれません。「小さな頃、専門病院で診断されたけど、しばらく受診していない」などの場合、再診の予約がすぐに取れない、成人向けの医療機関への移行がスムーズに行かない……などの諸問題が起こる可能性もあります。<グレーゾーン等で、診断名がつかない>「診断書が必要」ならば、当然「その子に診断名があること」が前提でしょう。ところが、「発達障害」はその子の個性と周囲の環境との関係次第で、困難さが強く出たり出なかったりもし、また、思春期から青年期にかけて子どもは不安定になりやすく、次々と直面する課題も変化していきます。診断があっても環境次第であまり支障を感じない場合もあれば、逆に、グレーゾーンで診断がない子でも、例えば、いじめや不登校、虐待やハラスメント、過剰に不安を煽る情報社会の影響など、置かれた環境や直面する課題によっては、いつも以上に困難さが強くなる可能性もあります(そういう子ほど、環境を変えるチャンスを必要としています)。特に、「受験生」は、子どもの心身に大きな負担やプレッシャーが長期的にかかりがちなので、「通常の状態ではない」ことも、十分考慮する必要があると思います。共通テストに限らず、さまざまな場面で「合理的配慮の提供には、医師の診断書を」と線引きされることも多いのですが、このような事情などから、現実的には診断書の提出が難しい子たちもいるのです。次に「状況報告書」について。これは、高校等で受けた配慮について、高校の先生などに具体的に記入してもらう書類です(校長と担任等の記載者の署名が必要)。つまり「申請時期までに高校等での配慮実績が必要」なのです(ちなみに、高校等に在籍していない子の場合は、塾などの教育機関での配慮の状況や、専門家の意見を保護者が記入しても良いようです)。ですから、高3の8月よりの申請時期に間に合うには、高1・高2から遅くとも高3の1学期までに、定期テスト等で試験時間を延長してもらったり、別室で受けたり、拡大した問題用紙を用意してもらったり、あるいは独自の配慮を実施して、それを学校側にも「個別の指導計画」「個別の教育支援計画」等にできるだけ記録してもらう必要があります。……こうしたことにスムーズに対応できる学校は、現状どれだけあるでしょうか。今年(2024年)4月より、通称「障害者差別解消法」が改正され、公立校だけでなく、私立学校等でも合理的配慮の提供は、法的義務となりました。ですから、本来、すべての高校で生徒からの要望があれば、学校側は可能な範囲での合理的配慮を提供する必要があります。ただし、現在、高校には特別支援学級はなく、一部の自治体で通級指導教室の設置が少しずつ増えている……という中で、発達障害対応の知識・経験の豊富な高校の先生は、まだまだ少ないのが現状のようです(大学の教員免許取得の必修科目に特別支援教育が組み込まれたのは2019年度から)。大学入学後は、未診断も含めた障害学生への理解・配慮などもかなり進んでいる印象なので、特に高校時代は「支援のエアポケット」状態にあると思います。そんな中、現実的には、一部の先進的な取り組みをしている国公立高や、発達障害の生徒を積極的に受け入れている私立高等でなければ、大部分の高校で現場の先生方が手探りをしている中、配慮実績を作ることはそんなにスムーズに行かないことも多いでしょう。受験勉強だけでも大変なのに、定期テスト等での配慮を受けるために、根気強く学校側と交渉する必要があるのなら(ここでも「診断書」等が必要な場合も)、受験生の心身の負担は過大になってしまいます。また、高校側が生徒全員に柔軟に対応している、自然な形で配慮している……等の場合も、書面化しなければ「配慮実績」にはなりません。例えば、長男が通っていた私立中高一貫校では、柔軟な教科担任の先生が「課題の提出は、自筆でもワープロでも、どっちでもいいですよ」など、口頭でクラス全員に言ってくれ、発達障害の有無にかかわらず、字を書くのが苦手な子はみんな助かりましたが、それだけでは書類上、実績とはなりません。自然な形で先生がさり気なく配慮してくれても、友だちが板書のノートを写させてくれても、書類に書ける配慮実績にはならないのです。あるいは、例えば「文字が全く読めない訳ではないけど、文章を読むのに少々時間がかかる」などのLDグレーゾーンの子も、例えば、読字ガイド代わりに定規を当てるなど自分でちょっとした工夫をしながら定期テストなどを乗り切ってきた場合でも、同じことを「定規の持参使用」の配慮申請なしに共通テストで行うと、定規の使用は全科目禁止なので「失格」となります。もちろん、不正のないよう持ち物等のチェックを厳しくする必要もあり、「診断書」同様、「配慮実績が必要」という線引きがあるのも理解できます。でも、理解者や周りの教育環境に恵まれているかどうかにかかわらず、共通テストでは、どんな子にも公平・公正に大学入学のチャンスを与えてあげてほしいと私は思います。そして、「配慮申請書」について。基本的な個人情報や希望する配慮等を志願者本人と、保護者・担当教員等(校長・担任等の署名が必要)で相談の上記入する書類です。したがって、当然ながら、受験生自身が受験上の合理的配慮を希望していることが大前提となります(保護者や担任の先生が「よかれ」と思って勝手に申請しないこと)。そのためには、受験生が「自分は発達障害である」と受け容れ、「このような配慮があれば、受験できる」と理解していることが必要です。このように、障害者本人が主体となって配慮等を求め、相手側と建設的な対話をしていく姿勢を「セルフアドボカシー」と言い、理念としては大変素晴らしいのですが、現実的には発達障害のある子が周囲の理解と協力なしに実行するのはハードルが高いように思います。障害受容や自己理解には時間がかかり、特に思春期・青年期の子には「自分だけ特別扱い」などと思う/思われることは、デリケートな問題でもあります。うちの長男も高校時代、クラスメイトに発達障害があると知られることをとても不安に思っていました。なぜなら、発達障害に対する偏見やよくないイメージ、差別的な言葉など、さまざまな情報に囲まれながら、今の子どもたちは育ってきているのが現実だからです。そんな中、「自分は発達障害があるので、共通テストで配慮を受けて受験したい」と、自ら堂々とお願いすることはハードルが高いのではないでしょうか。発達障害をオープンにする人が増えて、世間の理解も合理的配慮も進めば理想的かもしれませんが、それを人一倍多感な高校生に求めるのは酷だと感じます。そして、私には、16〜18才の子が、周囲の協力なしに受験勉強と同時進行で、こうした煩雑な段取りを数年がかりで計画的にこなし、難しい書類の内容を正確に読み取った上で事務作業を粛々と進め、高校・医療機関・志望大学に自ら相談し配慮を求めるコミュニケーション力や根気強く交渉する強靭なメンタル、審査結果次第で短期間に臨機応変に動く力などがあったなら……「本当に発達障害があるのだろうか」と感じてしまいます。多くの「例外的」な受験生に、柔軟な対応を…このような現実の壁に直面する中、そもそも「例外」として扱われがちな発達障害のある子たちから、診断書や配慮実績を準備できない子や、発達障害をオープンにできない子、周囲の協力を得られない子などを、さらに「例外中の例外」として想定していたら、配慮を希望しても実際に申請できる子はごく僅かになってしまいます。障害のある子にも平等に受験機会を確保するのが、合理的配慮実施の本来の目的だと思いますが、実際のところ、人にも環境にも恵まれた"選ばれし子"しか申請できないのでは本末転倒になってしまいます。そして、さらに課題だと思うのが、共通テストでの配慮申請の結果を、大学独自の一般入試等でも合理的配慮実施の可否や配慮内容の判断基準としている大学もあることです(大学独自の申請書類だけで、受験時の合理的配慮が可能な大学もあります)。逆に言えば、共通テストの申請ハードルが下がれば、各大学の入試や、高校での合理的配慮も理解が進んでいくのではないでしょうか。とはいえ、繰り返し述べたように、対応する側にも限度があり、申請には客観的な根拠資料が必要、という事情も理解できます。これを少しでも解決するために、希望者の多い配慮については、すべての受験生に向けて、UD(ユニバーサルデザイン)化や、選択肢を増やす工夫等で全体のハードルを下げて頂けると、診断や障害の有無を問わず、負担が減る子はたくさんいると思います。例えば、大学入試センターでは、令和6年度大学入学共通テストより、配慮が許可された障害のある受験生に配布する「拡大文字問題冊子」のうち、22ポイントの問題冊子では、UD(ユニバーサルデザイン)フォントのゴシック体が使用されています。UDフォントは誰もが読みやすい字体を意識してデザインされており、ディスレクシア等の子でも誤読しにくいようです。このUDゴシック体のフォントを、一般向けのすべての問題冊子でも、使用していただけないでしょうか。独立行政法人 大学入試センター|拡大文字問題冊子のサンプルあるいは、例えば図書館で「どなたでも、ご自由にお使いください」と貸し出している老眼鏡等と同じように、当日の会場入口等でも、必要な受験生は理由を問わず誰でも使えるように、(不正利用できないアナログの)イヤーマフ、リーディングトラッカー、置き型ルーペ等の公認グッズを貸出す……などは、できないでしょうか(障害がなくても、当日急に、過度の緊張や寝不足で音に過敏になったり、文字が見づらくなる子もいるでしょう)。すべての受験生や、困難さが比較的小さめの"多くの「例外的」な受験生"に柔軟に対応することで、より困難さが大きな受験生にも個別に丁寧に対応しやすくなるのではないでしょうか。まずは、発達障害のある受験生の置かれている現実を、みなさんに知っていただければ幸いです。文/大場美鈴(楽々かあさん)(監修:井上先生より)楽々かあさんがご指摘のように、大学入学共通テストの配慮申請に必要となる書類一式を受験生自らが一人で準備するのは難しく、もともとそこまでは想定されていないように思います。しかしながら、大学入学後は多くの大学で合理的配慮申請は基本的にご本人からの申請が必要となります。また、楽々かあさんが指摘されているように、ユニバーサルな受験環境を整えることは必要性も高く現実的だと思います。現状では、発達が気になるお子さんで配慮申請をお考えの場合は、高校入学の時点から高校卒業後の進路を見据えて、保護者の方とお子さんが共に準備を始めることが大切です。共通テストの受験についても、合理的配慮の内容や、申請に必要となる書類などの確認をしておくことをおすすめします。基本的に、高校で合理的配慮を受けている場合に、共通テストでも申請できると考えられます。なお、高校1、2年生の頃は合理的配慮が必要なかったけれど、何かしらの事情で高校3年生から必要になった場合は、その理由も含めて診断などの客観的な証明を求められる可能性があると思います。ユニバーサルな支援を行っている高校に通っている場合は、高校に相談し、「状況報告書」を作成する必要がありますので、早めに相談をしましょう。独立行政法人 大学入試センター|受験上の配慮事項独立行政法人 大学入試センター|受験上の配慮内容前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2024年08月23日新章「みき」編がスタートします!マンガ「発達障害の子どもと私たち」は、発達ナビユーザーから寄せられた体験談を元にしたセミフィクションストーリーです。はるき編に続いて、今回から新章みき編がスタートします。5歳でASD(自閉スペクトラム症)の診断を受けた小学4年生のみきさん。就学相談では通常学級判定となり、通級指導教室に通いながらトラブルもなく学校へ通っていました。ですが、小学校3年生から勉強に困難さが見られるようになってきて……。マンガ「発達障害の子どもと私たち」みき編 第1話Upload By ユーザー体験談Upload By ユーザー体験談宿題が終わらず、毎晩親子関係は険悪に。配慮を受けるも漢字テストの点数は……Upload By ユーザー体験談Upload By ユーザー体験談勉強について行けなくなったASD(自閉スペクトラム症)小4のみき発達ナビユーザーからの体験談を元にしたストーリーマンガ「発達障害の子どもと私たち」第2章みき編がスタートしました。みきは、5歳でASD(自閉スペクトラム症)の診断を受けています。小学校入学の就学相談の際、通常学級へ進学するか知的障害特別支援学級に入るか相談しましたが、IQが入級基準以上だったため通級指導教室へ通いながらの通常学級と判定されました。小学校2年生まではつまづきもなく学校へ通えていたのですが、小学校3年生から勉強に困難さを感じるようになり、小学校4年生になると「学校へ行きたくない」というほどに……。今は学校へ行くように促している保護者さんも、葛藤があるようです。勉強についていけないと訴えられた場合、保護者はどうすればいいのか――。次回第2話「授業についていけないのは私だけ。自信をなくす娘、担任からもまさかの言葉が…」ではみきの気持ち、そして学校での様子に迫ります。勉強の苦手さの背景にある書字困難【専門家解説】学校へ行きたくなくなるほど勉強のつらさがでてきたということについて、本人も親御さんも非常につらいと思います。知能検査で通常の知的発達の程度という判定を受けた場合も認知能力の凹凸があるお子さんも多いと思います。また、ASD(自閉スペクトラム症)のある人はかなりの割合でDCD(発達性協調運動症)の併存もあることが最近の研究結果で指摘されています。ASD(自閉スペクトラム症)という側面からの支援だけでなく、書字の苦手さを本人の特性として共通理解し、必要であれば合理的配慮を検討することも考えられます。参考: By ユーザー体験談発達障害のあるお子さんの学習を含めたサポート方法について詳しくは以下をご覧ください。【マンガ発達障害の子どもと私たち】是非ご覧ください。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年08月22日漢方薬「柴胡加竜骨牡蛎湯」は不眠やイライラに処方?特徴、効果、副作用や子どもへの処方についても解説柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)は、不眠や不安、ストレスによるイライラ、子どもの夜泣きなどがある際に用いられる漢方薬です。柴胡加竜骨牡蛎湯には身体の炎症を鎮める柴胡(さいこ)や気分を落ち着ける竜骨、牡蛎などが配合されています。漢方医学には体内をめぐる「気」と呼ばれる生命エネルギーの概念があり、気が乱れることで神経が過敏になり、不安やイライラなどの症状が表れるとされています。漢方薬を服用することで気の流れに作用し、自律神経を整え症状を落ち着ける効果があると考えられています。柴胡加竜骨牡蛎湯は子どもから大人まで服用できる漢方薬で、場合によっては0歳児から処方されることがあります。しかし、子どもへの市販薬の使用を考えている場合には、医師や薬剤師にあらかじめ相談するようにしましょう。柴胡加竜骨牡蛎湯は即効性のある漢方薬ではないため、効果を実感するまでにある程度の期間が必要です。一般的には1ヶ月程度で効果が表れてくると言われており、子どもの夜泣きや便秘に用いられる場合は1週間程度で効果が表れるとされています。個人差はありますが、上記の期間服用を続けても症状が緩和されない場合は医師や薬剤師に相談してみるといいでしょう。柴胡加竜骨牡蛎湯の用法、容量は?病院で処方してもらえる?柴胡加竜骨牡蛎湯は薬局やドラッグストアなどで市販されていますが、病院で処方されることもあります。15歳以上(成人)の場合は7.5gを一日2~3回に分けて服用します。年齢によって用法・用量は異なり、以下の基準が厚生労働省から示されています。・2歳未満:成人用量の1/4以下・2歳以上4歳未満:成人用量の1/3・4歳以上7歳未満:成人用量の1/2・7歳以上15歳未満:成人用量の2/3実際には体重や症状、そのほかの要素によっても変わってきますので、病院で処方された場合は医者の指示に従って服用するようにしましょう。柴胡加竜骨牡蛎湯は食前または食間に水か白湯(さゆ)で服用します。なお、「食前」とは食事の30分~1時間前で胃の中に食べ物が入っていない状態を指し、「食間」とは食事と食事の間のことで、前の食事から2時間後が目安です。食間と言っても食事の最中ではありません。また、漢方薬を服用するのが苦手な子どももいると思います。そういったときは、オブラートで包む、医療補助ゼリーに混ぜる、白湯で溶くなど工夫してみましょう。どうしても嫌がる場合は、子どもが好きなジュースやヨーグルトなどに混ぜる方法もありますが、成分に影響が出る可能性もあるため、あらかじめ医師と相談してから試してみてください。参考:都道府県知事が承認する漢方製剤の製造販売承認事務の取扱いについて|厚生労働省柴胡加竜骨牡蛎湯は発達障害の症状に効果があるの?柴胡加竜骨牡蛎湯は発達障害(発達神経症)のある方へ処方されることもあります。発達障害は生まれつきの脳機能の偏りによるもので、ASD(自閉スペクトラム症)やADHD(注意欠如多動症)などの種類があります。なお、柴胡加竜骨牡蛎湯は発達障害そのものの治療ではなく、発達障害に付随した不安や不眠、夜泣き、神経過敏などの周辺症状の緩和を目的に使われます。また、発達障害のある方に処方される漢方薬は柴胡加竜骨牡蛎湯だけではありません。困りごとに合わせて、抑肝散(よくかくさん)などが処方されることもあります。発達障害による困りごとの緩和には、環境調整や療育などさまざまな取り組みがあり、薬の服用だけでなくほかの方法も合わせて行っていくことが大切です。医師や支援機関などと連携しながら、それぞれに合った取り組みを行っていくといいでしょう。参考:発達障害(神経発達症)|国立精神・神経医療研究センター柴胡加竜骨牡蛎湯の使用はハイリスク?副作用について漢方は副作用が比較的少ないと言われていますが、全くないわけではありません。柴胡加竜骨牡蛎湯にもいくつか副作用が報告されています。柴胡加竜骨牡蛎湯の副作用としては、・発疹、発赤・かゆみ・腹痛や下痢・胃の不快感などが表れることがあります。また、重大な副作用として肝機能障害と間質性肺炎が生じる可能性があるとされており、それぞれ・肝機能障害:身体のだるさ、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる(黄疸)、茶褐色の尿・間質性肺炎:から咳、息苦しさ、少し動くと息切れ、発熱などの症状が表れることがあります。重大な副作用が出るのはまれであり、柴胡加竜骨牡蛎湯が特別ハイリスクな薬というわけではありませんが、自身や子どもが服用して気になる様子があれば直ちに医師に相談するようにしましょう。まとめ柴胡加竜骨牡蛎湯は不眠や不安、イライラ、子どもの夜泣きなどに用いられる漢方薬です。薬局やドラッグストアなどで市販されているほか、医師から処方されることもあります。子どもから大人まで服用することができ、発達障害の周辺症状の緩和のために使用されることもあります。まれにですが、重大な副作用が生じることもあるため、気になることがあればすぐに医師や薬剤師に相談するようにしましょう。参考文献:柴胡加竜骨牡蛎湯|おくすり110番(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年08月20日株式会社Gotoschoolが全国展開する「子ども運動教室 LUMO(ルーモ)」が20校舎に。さらなる展開を予定株式会社Gotoschool(本社:東京都渋谷区、代表:松本 哲)が「あきらめを、チャレンジに」「眠れる可能性の顕在化」をモットーに全国展開する「子ども運動教室 LUMO(ルーモ)」が2024年8月1日時点で20校舎となりました。「子ども運動教室 LUMO」は、児童福祉法に基づく児童発達支援、放課後等デイサービスの機能を持つ運動療育施設です。これまで、発達に悩みがある子どもたちに、医師監修のもと、原始反射の統合を通じて成⻑に蓋をしている脳の未発達領域を活性化できる独自の運動プログラムを提供。利用されるお子さま、保護者の方々が「成⻑を実感できる場」を創出してきました。2020年10月に創業、2021年3月に第1号店となる「子ども運動教室LUMO 武庫之荘校」を開校して以来、着実に校舎を増やし、現在会員児童数は約930名となりました。保育士や臨床心理師、看護師などの有資格者を擁するスタッフも125名となりました。さらに、2024年9月には守口第二(大阪府)、南浦和(埼玉県)、夙川(兵庫県)、柏(千葉県)の4校の開校を予定しており、今後さらに展開を加速していく方針です。(㈱アップルシード・エージェンシーはGotoschoolの広報活動をサポートしています。)LUMO園田校(兵庫県尼崎市)LUMOの提供する運動プログラムと伸ばす力■体験・発達チェックお子さまの特徴を運動とカウンセリングでチェックし、発達段階の見通しをお伝えします。■保護者の方とは分離して運動療育成長への一歩を踏み出すために、家庭というコンフォートゾーンからラーニングゾーン(学びの場)へ踏み出すことが必要です。初めは泣いてしまっても、徐々に楽しさを感じ、挑戦したくなるステップをたくさん用意しています。●マナー挨拶・ルール片付けなどのお手伝いに感謝の気持ちを伝えます。また、お友達と仲良くすることはコミュニケーションの第一歩としています。●マット運動前転・後転・側転ブリッジ・倒立様々な方向にカラダを動かすことにより、バランスをコントロールする力を養います。手で自分のカラダを支えることができると、転んだときでもしっかりと手で守ることができるようになります。●コントロールスキップ・ボール足の裏、手の平を使うことで鉛筆を握ることや文字を書くこと、手を使う細かい動作につなげていきます。●ジャンプパーグー・パーケン・ケンケン・跳び箱・縄跳び手の平、足裏、そしてカラダ全体の連動性を高めることができます。●チャレンジ上体起こし・手押し車・ぶら下がり・立ち幅跳び・腕立て伏せ手足・体幹に刺激を与えることによってカラダの成長はもちろんのこと、脳への刺激、そして神経の発達を促します。身体の各部位に対し、様々な動かし方をすることで、カラダの使い方が上手になりできることが増え、自信につながり、チャレンジ精神が生まれます。■集団の療育で自立を目指すお友達と競争したり、褒め合うことができる環境でチャレンジと失敗・ 成功を繰り返し「自立」を達成することができます。■心身ともにたくましさを身につける運動を通して、挫けそうになっても這い上がってみせる心のたくましさ(リバウンドメンタリティ)を身につけることで、自分自身やお友達と向き合う環境を作ります。壁を感じ、壁を乗り越える力(マインド)を育みます。■運動療育を通して生活の困りごとを改善じっとしていられない、歯磨きが自分でできない、着替えができないといった日々の生活の困りごとを最初から改善するのではなく、運動療育を通して「できる」気持ち、達成感を醸成し、暮らし面や学習面にも改善の影響をもたらすことを目指します。原始反射と発達障がいの関係原始反射とは、ハイハイや歩行、摂食など、乳幼児が生きていくために無意識に行う脳の働き。残存すると、感覚過敏や過緊張、学習困難など、本人がコントロールできないトラブルが起こり続ける可能性があることから「子ども運動教室LUMO」では、原始反射統合の運動プログラムをメインにトラブルの原因にアプローチ。効果的な運動で原始反射を調えていくことで、トラブル減少を目指している。㈱Gotoschoolは、原始反射と発達障がいとの関係について早稲田大学と共同研究(※)を実施。学童期でも原始反射の残存が一定の割合で確認され、定期的な原始反射統合運動によって原始反射が統合される可能性を明らかにした。※被験者はASDまたはADHDと診断された男女児童それぞれ10名。原始反射テストの結果とASD/ADHD評価尺度(SRS-2/Conners3)の結果について、原始反射統合運動の提供前後におけるそれぞれの変化を3ヶ月間追跡調査。現在、学会発表および論文準備中。Gotoschoolが目指すインクルーシブな教育周囲とのコミュニケーションが上手にはかれない、発達が遅い、感情を抑えることが苦手など、いわゆる発達障がい、グレーゾーンと診断される子どもの数が増えています。2024年1月時点の療育手帳交付台帳登載数124万9,939人と、前年度から36,876 人増えていると厚生労働省では発表されています。※参考:厚生労働省2024年1月26日発信プレスリリース 児童福祉領域では発達障がいと言われる特性について、未解明である部分が多く、解決策に困窮しています。さらに、症状の社会的認知が急激に進み発達トラブルに悩む子どもが増えています。<集団生活やお友達とのコミュニケーションが苦手><癇癪が多い><長時間座っていられない>などの悩みによって、様々なことを「あきらめ」てしまう事例も多いようです。株式会社Gotoschoolは、そうやってあきらめてしまった様々な困りごとをチャレンジに変え、発達障がいのある人が持つ可能性を伸ばしていくサポートができればと「子ども運動教室LUMO」のメソッドを作りました。運動療育だけでなく、アートやプログラミングなど、様々な分野で子どもたちの持つ可能性を顕在化させることを目標としています。株式会社Gotoschool | 障がい者への療育事業と就労支援 : 【運動療育】発達トラブルのことならLUMO(ルーモ) | 児童発達支援・放課後等デイサービス : 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2024年08月19日わが家が放課後等デイサービスを探し始めたきっかけわが家が放課後等デイサービスを探し始めた理由は、息子が小学2年生の頃学校で過ごすのがつらくなってしまったからでした。当時、息子はまだ通常学級に在籍していました。授業の間おとなしく座っていることが難しく、立ち歩いたり、大きな声を出したりしていました。その頃は新型コロナが流行し始めていて、息子にとってもストレスが大きかったのか、常に何かにイライラしたり怒ったりしている状態でした。Upload By メイ学校で対応してもらうのにも限界があり、だんだん学校に行くのがつらくなってきているようでした。そこで、学校以外にどこか息子の安心できる居場所があればいいなぁと思って、放課後等デイサービスを探すことに決めたのでした。最初に施設を選んだポイントは「自宅からの近さ」最初は心配も大きかったので、何かあったときにすぐに帰ってこられるように、家から近いというのを1番の条件にして施設を探していました。そこで、まずは息子の通う小学校の学区内にある唯一の放課後等デイサービスに見学に行くことにしました。実際に見学に行ってみると、職員の皆さんが子どもたちと全力で遊んだり、関わったりしていて、ここなら安心して預けられるかもしれないなと思いました。Upload By メイしかし、スタッフの方に詳しく話を聞いてみると、こちらの施設には主に知的障害(知的発達症)のお子さんが多く通っているということでした。そこで初めて、放課後等デイサービスは事業所ごとに特色があり、違いが大きいということが分かりました。施設を探し始めた当初は、とにかく息子が安心して過ごせる居場所になればとしか考えていませんでした。でも、やっぱりせっかく通うのだから、安心だけではなく、少しでもお友だちとの関わりや生活習慣を身につけてくれたらいいなぁと考えるようになりました。次第にはっきりしてきた「放課後等デイサービス」に求めることそこでもう1件見学に行ってみることにしました。次に見学に行った施設も、職員さんたちはとても誠実に対応してくれました。部屋の中にはいろんな工夫がしてありました。入り口から連絡ファイルを提出するまでの流れがイラストになって書かれていて、行動の導線が分かりやすくなっているのは、さすがだなぁと思いました。あまり広くない部屋でしたが、お勉強をするスペースと遊ぶスペースがきちんと区切られていたし、一人になりたい時はなれるようなそんな工夫もされていました。Upload By メイそのような工夫を見て、1件目の施設よりも、こちらの施設のほうが息子にとって学びが大きいかもしれないと感じました。そこで、2件目に見学に行った放課後等デイサービスでお世話になることに決めたのでした。放課後等デイサービスに通い始めて4年。現在の様子は?小学2年生の秋から通い始めて小学6年生になった今でも、息子はとても楽しく放課後等デイサービスに通っています。外遊びは好きではない息子ですが、デイサービスでみんなと公園に行くときには「あんまり行きたくないなぁ」と言いながらも、年下の子と手をつないで歩いて行っているそうです。職員さんが公園のゴミ拾いをしようと声をかけてくれると、息子は喜んでたくさんのゴミを拾っているみたいです。Upload By メイ初めて施設を探すときには何を目的にどんなところを探したらいいのかよく分からずに悩んでしまいましたが、実際に行ってみることで、どんなことを求めたいのか自分の中ではっきりしたような気がします。デイサービスの職員さんはみんな子どものことよく見てくれていて、私が家で関わっているだけでは気づけないような息子の改善点なども共有してくれて、とてもありがたいと思っています。執筆/メイ(監修:新美先生より)放課後等デイサービス探しについて具体的に聞かせていただきありがとうございます。メイさんの息子さんは、学校で過ごすのがつらくなったのをきっかけに放課後等デイサービスを探し始めたのですね。このようなニーズの場合は、放課後等デイサービスではとにかく居心地よく安心して楽しく遊べるかどうかを大事に探されるとよいですね。学校で頑張ったあとの気分転換、ストレス発散ができたり、もし学校に行きづらくなったとしても、家以外に他者とつながって自宅でできない活動ができる居場所があることはお子さんにとって大きいメリットになると思います。メイさんの息子さんは2年生から6年生までずっと同じ放課後等デイサービスに通っているとのことですので、きっと息子さんにとって居心地の良い大事な居場所になっているのですね。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年08月17日主治医からの勧めで児童発達支援センターに通うことに2歳の誕生日を迎えた頃、早産児発達外来を受診した際に主治医から「ねこ太くんは運動発達の遅れを主とする発達遅滞です。児童発達支援事業所に通って発達をサポートしませんか?」と提案がありました。前々から発達の遅れが気になっていたので私はその場で通うことを決めました。この時の私は、児童発達支援は通いたいと思ったらすぐに通えるものだと思っていたのですが、それは大間違い!たくさんの手続きが私を待ち構えているのでした……。療育手帳もしくは受給者証が必要?知らないことだらけの公的手続きまず医師の意見書を持って市の福祉医療課窓口へ。たくさんある書類に記入して提出したのですが、ここで担当さんが「いつもなら1ヶ月ほどで受給者証発行できるのですが、今大変混みあっているので3ヶ月はかかると思います」と……。「ええええええええ!そんなにかかるんですか⁉」と思わず窓口で言ってしまいました。私はてっきりすぐ発行してもらえると勘違いしていたのです。そしてもう一つ誤算が。それは事業所選びは自分でしなければいけないということ。市の窓口である程度おすすめの事業所を教えてもらえるのかと思いきや、事業所一覧の用紙を渡され「ここからホームページを見て条件的に通える所に問い合わせてください」と(自治体によると思います)。療育というものに関して右も左も分からない私はどう調べていいか分からずなかなか大変でしたが、ホームページを見て2歳でも受け入れてくれる近場の事業所をあたってみることにしました。Upload By 鳥野とり子最初に問い合わせた児童発達支援事業所がとても良い感じで見学に行くも……比較的近くの児童発達支援事業所のホームページを見たところ、とても良さそうだったので問い合わせをして見学に行きました。清潔な施設内に、充実した支援内容、経験豊富な先生たち。私は即「こちらに通わせたいです!」とお願いしました。すると先生が「大変申し訳ないのですが、今最低でも1年待ちでして……」と。ここでも予想外の待ち時間が!1年待ちなんて大人の私からすると大した期間ではないのですが、2歳のねこ太にとってはとても貴重な期間です。でも空きがないものはどうしようもないので、待機リストに登録をして帰ってきました。Upload By 鳥野とり子私が重視した児童発達支援事業所選びのポイントは?とりあえず近場で探したという風に書きましたが、ちゃんと支援内容はおさえて事業所を選びました。私が重視した内容はこちらです。・PT(理学療法士)やOT(作業療法士)が在籍していて、運動発達の遅れをフォローする支援をしてもらえるか・しっかりと体を動かせるスペースが確保されているか・母子分離での療育が可能かねこ太は全体的に発達が遅かったのですが、特に運動発達が遅れていたのでそこを重点的にフォローしてもらえる事業所を探しました。事業所によって設備や療育方針はさまざまなので、子どもの特性に合わせた事業所選びはとても重要だなと思います。Upload By 鳥野とり子児童発達支援に関わる施設はとにかくどこもいっぱい!ほかにもいくつか事業所をあたってみましたが、すぐに入れる所はありませんでした。どこの事業所も待機児童がいて、いつ空きがでるか分からないとのこと。どこに空きが出るか分からないので、入所したいと思った事業所3ヶ所で待機リストに登録してもらいました。そして登録から1ヶ月、1本の電話がかかってきました。一番最初に見学に行った第一希望の事業所からでした。なんと、3ヶ月後に引っ越しの為に1人退所されるとのことで週に3日でよければ通えると!本当にラッキーだったと思います。大喜びでこの事業所と契約をし、3ヶ月後に療育を開始したのでした。息子の療育探しで感じたことは、療育関係の受診や申請の手続きや入所はとにかく時間がかかるということ。「療育に行きたい!」と思ったとしてもすぐに通えるものではないので、先延ばしにせずにとにかく早目に動くのが良いなと思いました。執筆/鳥野とり子(監修:新美先生より)児童発達支援事業所に通うまでのエピソードについて聞かせてくださりありがとうございます。記事でも言及していただいているように地域・自治体による差は大きいですが、それにしても想像以上に時間と手間がかかったという方はどこでも多いようです。鳥野さんはもともと「早産児発達外来」に通われていたとのことで、初めの関門、「医師の意見書」をもらうプロセスはスムーズだった方といえるかもしれません。見学は面倒でも実際に足を運んでみないと分からないことはいっぱいあります。通える可能性のあるところはぜひ見学・相談に行ってみてください。そこで保護者の方が感じる相性の直感って意外とあっていることが多いように感じています。またどこも混んでいるので待機は仕方ないですが、ダメ元でも待機リストにエントリーしておくのも重要ですね。具体的なお話を聞かせていただきありがとうございました。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年08月16日「とにかく学校へ行かせなくては」焦った私現在14歳(中3)の息子がいます。7歳(小学1年生の3学期)のときにADHD(注意欠如多動症)、ASD(自閉スペクトラム症)の診断を受けました。聴覚過敏、偏食があります。幼稚園に通っている時から「あれ?」と思うことがあり、児童発達支援センターへ通っていました。特別支援学級の見学もしましたが、就学相談の結果通常学級で大丈夫と言われ、小学校へは児童発達支援センターから連絡が入っていた状態での入学でした。入学式、初めての班登校など心配だらけで始まった小学校生活。でも、息子は駄々をこねることも周りを困らせることもふざけることもなく、静かに淡々とこなしていきました。今思えば、本人は相当頑張っていたのだと思います。春の運動会の練習が始まる頃に、行き渋りが始まりました。その時の私は『とにかく学校へ行かせなくては』と必死で、なだめたり、ひどい時には登校班の集合場所が家の前だったこともあり、息子に行くように告げドアを閉めてしまったりしたこともありました。そしてある朝、学校から電話がかかってきたのです。Upload By ユーザー体験談「近所の人から通報された」担任の先生から電話が朝、息子を送り出してしばらくしたあと、担任の先生から電話がかかってきました。先生はイライラした様子で「息子さんが登校途中で動けなくなってしまったと、近所の人から通報がありまして……」と告げました。登校途中で動かなくなってしまった息子は、登校班において行かれ(仕方がなかったと思います)、近所の方に発見されて学校に連絡が入ったとのことでした。Upload By ユーザー体験談わが家は、学区の端のほうなのですが、動かなくなった場所は学校のほど近くのところ。息子は、もうどうしても学校へ行きたくなかったのでしょう。2日後に先生と面談をしたのですが、「これからは班登校ではなく、保護者と一緒に登校してください」と有無を言わさない様子で言われたため、この日から息子が小学3年生になるまで、私は幼稚園児の下の子を連れて毎日一緒に登校することになりました。弟も連れた母子登校。つらいことが多かったけれど、幸せな思い出も保護者も一緒に登校するようにと言われた私には、正直(困ったな……)という思いがありました。息子より3歳下の弟は、幼稚園が始まったばかり。息子の送り迎えをすると幼稚園バスの時間に間に合いません。でも、仕方がありません。バス送迎を辞め、私が車で下の子を連れて行くことでそこは解決しました。また、学校が少し遠かったので、弟は一緒に歩くことはできないだろうと思いました。そこで、少し遠回りになりますが、まず私の両親の家まで行き、下の子を預けてから小学校まで息子と歩きました。息子は、登校中何度か止まってしまったことがありましたが、対処できないようなことはありませんでした。また、途中までとはいえ弟が一緒だったので、お兄ちゃんとして頑張れた部分もあると思います。小学1年生の時は、校門まで行けばそこから一人で行ける日もあったり、教室まで一緒に行く日もありました。また、一度連れて行っても再度学校に戻って下校時刻まで待機したり、学童を使っていたので、夕方にお迎えに行くなどしていました。家→両親の家→学校→両親の家→幼稚園→学校で待機という日が続きました。正直、私もつらかったですし、学校でつらそうにしている息子を見るのも苦しく、もうどうしたらいいのか分からない日々でした。Upload By ユーザー体験談でも、つらいことばかりではありませんでした。息子は、学校で先生にいろいろ言われると扉を閉じたように何も話さなくなると言われていたので、語彙が足りないからうまく話せないのかと思った私は、弟と3人で歩きながらしりとりをしたり、簡単な看板を読んだりしながら歩きました。幸いにも子どもたちはそれを楽しんでくれました。1番楽しかったのは、雪が積もった日にみんなで歩いたことです。雪というだけで子どもたちはテンションが高く、雪を触りながら楽しく通学できました。学校にはいつもより遅れて着きましたが、今となればいい思い出です。また、学校の側に住んでいる方が、きっと登校渋りの子どもを何度も見ているのでしょう、「おはよう!いってらっしゃい!頑張ってるね!」など毎朝優しく声をかけてくれて、1度はお庭のお花までいただいたりしました。優しさが本当にありがたかったです。Upload By ユーザー体験談そして小学3年生になった息子は……小学1年生の3学期、息子はADHD(注意欠如多動症)、ASD(自閉スペクトラム症)の診断が出て、2年生からは通級指導教室に通うようになりました。また2年生の時の担任の先生は、息子のことをよく見てくれ、さまざまな配慮をしてくださり、息子自身少しずつ自信がついてきたようでした。また、息子も学校という新しい環境に、やっと慣れきたのかもしれません。おそらく当時の私は、学校にいる時間が一番長い保護者でした。教育相談の際「いろいろな先生に挨拶したほうがいい」とアドバイスをいただいたので、先生たち、図書室の司書さんや事務の先生など皆さんに「見守りをお願いします」「ありがとうございます」と挨拶をしました。それほど息子は学校で目立つ生徒だったとも言えますが、たくさんの先生方から、温かく見守ってもらえたと感じています。そして息子が小学3年生になった初日のことです。突然「登校班で行く」と本人が言いました。そうは言うも心配だった私は、登校班から少し離れてついて行きました。それから少しずつ、私が班との距離をとるようになり、とうとう本人が「一緒に来ないで」と言うまでになったのです。こうして1年半を超える母子登校が終わったのです。やがて小学6年生になった息子は登校班の班長になり、うしろを歩く新1年生に気を配りながらゆっくり歩き、お休みの子の連絡帳を職員室に届けたり、しっかり務めを果たすまでになりました。現在は中学生。今は今で大変だけれど、あの頃を振り返ると、成長したと思えます中学校への進学の際は、本人と話し合い特別支援学級を選んだのですが、息子にはフィットしなかったようで中学2年生からは不登校を選んでいます。心の健康が1番と考え、今は無理な登校刺激はしていません。学校に行っていない間は、英検などに挑戦しています。息子は高校進学を希望しているので、次こそ息子に合う場所をと高校探しの真っ最中です。今は今なりの悩みがありますが、小学校の頃のことを振り返ると、あの頃も大変だったけれどこうして成長したのだ……と思います。手伝えるうちは私たち親が手伝って、いずれ(できれば近い将来)は、自分で自分に合った環境を見つけて、そこで頑張れるようになってほしいなと思っています。イラスト/マミヤエピソード参考/エマ(監修:森先生より)母子登校をされていた期間の体験談をありがとうございます。下のお子さんもいて大変な中、お子さんの学校生活を支えてこられたのですね。実際、お子さんの登校がスムーズにいかずに悩まれる保護者の方は少なくありません。発達障害の傾向があるお子さんは、感覚過敏があって疲れやすかったり、同級生と行き違いが起きてしまったり、見通しが立てにくくて不安になってしまったりといったことで、学校に行くときに気が重くなってしまうことがあります。行き渋りが出た時、「学校に行きなさい!」と頭ごなしに叱っても、お子さんの不安は解消されません。保護者の方と一緒になら安心して登校できるというケースは多いのです。お仕事や下のお子さんの育児など、保護者の方にもいろいろな事情があるので、大変なことも多いでしょう。でも、母子登校は悪いことばかりではありません。学校のお友達との様子や、近所の方、いろいろな先生方の様子も知ることができます。お子さんがどんなことに不安を感じているか、肌で感じて気持ちに寄り添うことができるようになるというメリットは大きいのではないでしょうか。今回のケースでは、1年半の母子登校を経て、お子さんは自分で登校したいと思うまでに自立しましたね。また、登校がつらいときにお母さんが寄り添ってくれた経験があったからこそ、お子さん自身が最高学年になったときには、下級生たちにも気を配る優しい班長さんになれたのではないでしょうか。お子さんの登校渋りでは、保護者の方も先が見えない不安で頭がいっぱいになってしまうかもしれませんが、お子さんの不安に寄り添って今できることをしていきましょう。これからも、お子さんが自分に合った環境で頑張れるよう、応援しております。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年08月15日大人になってから、からだの異変に気づくというケースも少なくありません。今回は、MOREDOORのオリジナル漫画『大人の発達障害』をご紹介します。※少しでも多くの方に、このことについて考えるキッカケづくり目指して制作されました。当事者の声はさまざまです。あくまで一例として、考えるキッカケになれば幸いです。あらすじもうすぐ社会人2年目となる田所。幼少期から友人との関係も良好で、スポーツでも成果を出していました。しかし、会社で働くようになると、ミスが目立ち始めるように……。友人のすすめで心療内科を受診すると、診断結果はADHD。友人の同僚でADHDのだいごからアドバイスをもらった田所は、少しずつ自分と向き合えるようになり……?少しずつ受け入れられるようになった彼女からは……ADHDをカミングアウトしようかと考え……”ADHD”と会社の人に言う……?徐々に自分の診断を受け入れ始め、吹っ切れてきた様子の田所。会社の上司にカミングアウトすると「えぇ、ちょっと……」と言われ……?※この漫画はフィクションです。■監修:三崎てるひこ(臨床心理士・公認心理師)■作画:長月よーこ(MOREDOOR編集部)
2024年08月14日わが子の就学先、選択のポイントは?進路選択にまつわるコラム子どもの幼児期に発達障害や発達に特性があることが分かった場合、多くの保護者が小学校入学前から悩み始める「わが子の進路」問題。先輩保護者の皆さんが、迷いながらも就学先を決断したポイントはどんなものだったのでしょうか?また、わが子の障害について周囲の理解を得ることに苦労した……という方も。発達ナビライター陣や読者の皆さんから寄せられた体験談をご紹介します。4歳でASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)と診断を受けた息子さん。小学校入学後「特別扱いや配慮はできない」と言われ、小学1年生の2学期に自閉症・情緒障害特別支援学級のある学校へ転校する決断をしました。不安もあったものの、そこで転機が訪れて……。中高一貫校に通う中学2年生の息子さん。幼稚園年中の時にASD(自閉スペクトラム症)と診断されました。おだやかでおっとりした性格の彼が中学受験にチャレンジしたきっかけ、勉強の様子や進学先選びについて教えていただきました。現在6歳の息子さんは、3歳9ヶ月でDQが80で境界域といわれました。就学相談の結果、小学校では特別支援学級へ就学することを伝えると、実母に反対されてしまい……。小さい頃からの困りが、やがて勉強のつまずきに繋がって……。中高生の勉強にまつわるコラム子どもが成長するにしたがって、困りごとの性質も変わってくるもの。ご紹介するコラムは、小さい頃からの困りごとが、中学生・高校生になった時に勉強のつまずきとして表れたというエピソードです。高校1年生でASD(自閉スペクトラム症)と診断された息子さん。診断の時期が遅かったため、合理的配慮のない中で学校生活を過ごしてきました。中学から勉強につまずき、高校3年生になって就職を目標に頑張ることにしましたが……。寺島ヒロさんの長女・いっちゃんは、小学5年生から中学時代まで不登校でした。発達障害と睡眠障害(非24時間睡眠覚醒症候群)があり、朝決まった時間に登校することが難しかったため、通信制の高校に進学しました。大学受験にチャレンジしたいと決意を新たにしましたが、小学4年生の学習範囲からの遅れはいかんともしがたく……。子どもが「園や学校に行きたくない」きっかけは?行き渋り・不登校にまつわるコラムわが子の行き渋り・不登校にお悩みの方も多いのではないでしょうか。園や学校に行きたくない理由はお子さんによってさまざまですが、発達ナビライターや読者の体験談がお子さんの気持ちを知る手掛かりになるかもしれません。keikoさんの息子・しのくんは発達障害グレーゾーンの男の子です。しのくんが5歳頃、突然保育園に行き渋るようになりました。行き渋りの原因はなんと「ゲーム」?毎朝トイレに立てこもり号泣するしのくんに、keikoさんは「与えるのが早すぎた?」と後悔しますが……。スパ山さんの長女・姉子さんは、小学2年生の時にASD(自閉スペクトラム症)と母子分離不安と診断され、小学4年生の時に知的ボーダー、場面緘黙と医師から言われました。姉子さんの発達の凸凹が分かったきっかけは、小学校に入学したと同時に始まった行き渋りでした。10歳でASD(自閉スペクトラム症)と診断を受けた息子さんは、現在14歳の中学2年生。小学校、中学校と不登校、行き渋りを経験していますが、不登校の理由はそれぞれの時期で違ったそうで……。ケガをさせて謝罪、受け入れ先なし、家庭内暴力も……他害にまつわるコラムお友達や周囲の人たちを傷つけてしまう「他害」。傷つけてしまった相手への申し訳なさはもちろん、わが子が加害者となったショックで、保護者もつらい気持ちになりますよね。実際にわが子の他害行動に悩んだ連載ライターや読者の体験談をご紹介します。星河ばよさんの息子さんは発達障害グレーゾーンで、現在は中学校の特別支援学級に通っています。小学生の頃は切り替えが苦手で、癇癪を起こすことも多かったそうです。ある日、通っている放課後等デイサービスで大きなトラブルを起こしてしまい……。6歳でADHD(注意欠如多動症)、軽度知的障害(知的発達症)と診断を受けた息子さん。小学校入学後は、癇癪が激しく学校では対応できないと言われ、ごく限られた時間のみ登校するような毎日でした。小学1年生のときADHD(注意欠如多動症)、ASD(自閉スペクトラム症)と診断を受けた息子さん。小学5年生の終わりから昼夜逆転生活、家庭内暴力が始まりました。中学1年生で不登校になり、ますます生活は荒れ、児童相談所へ相談した結果……。まだまだあります!そのほかのヒットコラムはこちらから!(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年08月14日『マンガ発達障害の子どもと私たち』はるき編が完結!「親なきあと」に備えて今からできることや幼少期の「もしかして発達障害?」など【2024年7月】発達ナビでは、発達ナビ読者の困った経験、こうしたら良かったといった経験を読者体験談としてお届けしています。今月も、読者の皆さんからさまざまなエピソードが集まりました。そのエピソードをもとに漫画コラム化!7月は障害のある保護者の方なら皆さん気になる「親なきあと」に備えて今からできることについてや、幼少期に「もしかして発達障害かも?」と悩んだ双子の息子さんのコラムを公開しました。また、『マンガ発達障害の子どもと私たち』シリーズはるき編が完結!子どもの不登校、保護者の苦悩……保護者である「私」の決断は必見です。RINRINさんの息子さんは現在33歳。4歳で知的障害(知的発達症)と診断されました。中学生からレスパイトを利用し、20歳でショートステイに登録、現在はグループホームで暮らしているとのことです。「親なきあと」に備えて今からできることのヒントが詰まったコラムです。現在小学校5年生の一卵性双生児(男の子)の母くまごろうさん。診断はありませんが、二人ともADHD(注意欠如多動症)、さらに次男の方にはASD(自閉スペクトラム症)の傾向があると感じているそうです。1歳の頃から集団行動を全拒否の息子さんたちに、「もしかして発達障害?」と不安を感じ……。運動会が終わった5月の下旬頃から学校への行き渋りが始まったはるきさん。お母さんは「不登校を責めずに受け入れる」対応をとりました。ですが、完全な不登校になってしまったらどうしようと焦りは募る一方で……。学校への行き渋りが始まったはるきさん。頑張って久しぶりに学校へ行ってみたら身体症状が出てしまいます。学校の先生と相談してもはるきさんが学校へ行けない理由や、どうすれば学校へ行けるのか、はっきりした答えは分からずで……。不登校になってしまった小学校2年生のはるき。不登校のはっきりした理由は分からないまま、母は一人悩み、苦しんでいました。そして家族で出した答えは――。はるき編、最終回です!『マンガ発達障害の子どもと私たち』プロローグと1話は以下からご覧いただけます。8月下旬からは新シリーズ「みき編」が連載スタート。お楽しみに!ご自身のエピソードを投稿してみませんか?『発達ナビ 読者体験談』はみなさんのご経験を基に制作されています。ご投稿いただいたエピソードは、連載ライターさんのイラスト、専門家の先生からのコメントをつけた上で掲載させていただきます。「あの時は悩んでいたけれど、今はこうなった……」など、発達障害のあるお子さんを育児しているみなさんへ、ご自身の経験をお届けいただけないでしょうか。ご応募は以下の応募フォームから受け付けております。みなさまのご投稿を、お待ちしております。【現在の募集テーマ】・障害告知・パートナー(夫婦) 関係・両親(義両親)、親族関係・進学・受験関係・冠婚葬祭関連・反抗期、思春期・自傷・学習関係・不登校、行き渋り・ゲームとの関わり・不器用さについて・ママ友や、ほかの保護者の方とのエピソード・ご近所関係(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年08月10日好奇心旺盛?先生から注意されることが増えてきた年中時代コチ丸が保育園の頃、私は遠方の会社にフルタイムで勤務していました。コチ丸は保育園の預かり時間を目一杯に使い、平日は開園から閉園まで保育園にいるという“保育園の主”のような生活を送っていました。そういう事情もあり、保育園の先生方にもコチ丸のことは日頃からよく見ていただいていました。コチ丸が年中になる頃、先生とやりとりする保育園の連絡帳には「⚪︎⚪︎が気になったのか、触ろうとして突然走り出した」とか「お昼寝の時間に一人だけ興奮して眠れなかった」という言葉がちらほら目立つようになってきました。また、年長に上がる際に行った担任の先生との面談の際には、「少しほかの子に比べて落ち着きがないのかもしれないですね」と言われました。先生なりに気を遣った遠回しな言い方ではありましたが、私も仕事で子どもの発達に関わる仕事をしていたので先生の言いたいことにはピンときました。たくさんの子ども達を見てきている保育園の先生があえて言うくらいなのだから、コチ丸はやっぱりちょっと発達が気になる子なのかもしれないな……と思いましたが、当時は病院に連れて行くとか療育を始めるという、具体的な方法をとるということはしませんでした。周りを見ると、コチ丸以外にも手がかかりそうな子はまだたくさんいましたし、どこかで、私があまり一緒にいる時間がないから、こうやって人の気を引こうとしているんじゃないのかな?という自分を責める思いも強かったからです。Upload By あきオムツはいつはずれるの?生活のなかで「できること」の遅れにも悩まされ……。保育園の頃の悩みといえば、もう一つ、コチ丸のオムツがなかなかはずれないのも私の悩みの種でした。年中頃になるとオムツがはずれる子も多い中、コチ丸は年長に上がる頃でもまだオムツが必要でした。保育園に頼りきりで、日頃トイレトレーニングにしっかり付き添えないことが原因かなと考えたり、小学校に入ってもオムツだったらどうしようという焦りも出てきたりしました。思い切ってパンツに変えてしまえば、漏らした時に気持ちが悪いのが嫌でトイレに行けるようになると聞き、思い切ってパンツに変えてみたのですが、漏らしても気にならないのか、コチ丸には効果がありませんでした。なんだかんだとそれからもオムツがはずれるまでは苦戦しましたが、年長の秋が終わる頃にはオムツもなんとかはずれました。Upload By あき落ち着いた性格になるために習い事で情緒を育てられる?いろいろ試した2年間この頃、落ち着きのないコチ丸も何か習い事を始めれば変わるかもしれない!と思い、いくつか習い事を始めることを検討するようになりました。私が幼稚園の頃からピアノを習っていたこともあり、「音楽をやれば情緒が安定するかも?」とリトミックを始めたり、「武道をやれば少しは落ち着いて座っていられるようになるかも」と思い、空手を始めたり……。が。どちらも何回通ってもコチ丸は私の横から離れることはなく……。空手に至っては2ヶ月ほど通って、コチ丸がお稽古に参加したのは1回だけ、それも数分。それ以外はずっと泣き続けるだけという毎週地獄絵図のような状態が続いたので諦めました(笑)。情緒が落ち着く以前に、息子は新しい環境に馴染むのに時間がかかるのだということも発覚しました。逆に科学館や美術館などで行われるワークショップなど単発のイベントは、コチ丸も集中することができたので、よく参加しました。運転が苦手な私でしたが、とにかくコチ丸に何か夢中になれるものが見つかれば……という思いからいろいろなところに出かけました。また、寝る前の絵本の読み聞かせも毎晩欠かさず行っていました。読み聞かせは情緒が安定すると聞き、コチ丸に知識がつけば一石二鳥だなという思いから、小学校の高学年になる頃まで続けた習慣でした。その甲斐あってか、コチ丸は高校進学で家を出るまでたくさんの本を読みました。今でも何か気になることがあればすぐに調べたり、知識が豊富だったりするのは読み聞かせの賜物かなと思っています。なにより、忙しかった私にとって、寝る前の1時間ほど、コチ丸といろんな本を読むのが一番落ち着く幸せな時間でした。Upload By あき感受性豊かなコチ丸、ギャン泣きの卒園式いろいろと落ち着かないところはあったものの、無事に卒園式を迎えることができたコチ丸。私たち親子は、コチ丸の小学校入学を機に、私の実家に戻ることになりました。引っ越すこともあり、先生方やお友達とはこれで一旦お別れ。まだ幼いコチ丸がその別れの意味をちゃんと理解できていたのかは分かりませんが、卒園式では誰よりもギャン泣きしていました。顔を真っ赤にして大粒の涙をポロポロ流している写真を見ると、今でもあの日のことをリアルに思い出せます(笑)。当時は、なんでこんなに泣くのかと呆れるほどでしたが……今思うと感受性が豊かというか、人目を気にするという感覚も少ない幼少期は、感情の昂りが制御されることなくしっかり出てしまったのかもしれません。Upload By あき高校生となった今でも、私のスマートフォンへセンチメンタルなメッセージを唐突に送ってくるコチ丸(←きっと自覚なし)。とはいえ、今は人並みに気持ちの制御ができ、冷静に自分と向き合えているのかなと思います。そう思うと、なんでも気づけばちょっとずつ、のんびりではあるけれど成長しているのかもしれません。ちなみに、コチ丸のじっとしていない感じはいつまで続くのかと不安になった時期もありましたが、中学に入った頃にはすっかり落ち着き、今となっては悩まされていたのが嘘のように穏やかな性格をしています。なんなら私のほうが慌ただしいのをコチ丸からたしなめられるくらいです……(汗)。Upload By あき執筆/あき(監修:室伏先生より)あきさん、保育園の頃のコチ丸くんのご様子を共有くださり、ありがとうございました。フルタイム勤務をされながら、習い事を試してみたり、じっくりと読み聞かせをする時間をつくられたり、コチ丸くんと向き合ってこられたのですね。現在のご様子も共有いただいたことで、発達障害のあるお子さんを育てられている親御さんにとって、この記事がとても心強く感じられたのではないかと思います。ASD(自閉スペクトラム症)やADHD(注意欠如多動症)のお子さんに、いつまでこんな状態が続くのだろうか、と将来への強い不安を感じられる親御さんも少なくないと思います。しかし、子どもは大きく成長します。ASD(自閉スペクトラム症)のお子さんで幼児期に周りの人への興味が広がらなくても、年中、年長、学童期と年を経るごとにお友達が大好きになったり、ADHD(注意欠如多動症)のお子さんで、幼児期には落ち着きがなくて親御さんがいつも走って追いかけているような状況でも、学童期になると学校で座って授業を受けていらっしゃったり、と状況は変わっていきます。一方、以前困っていたことは成長とともに困らなくなったけれど、年齢が上がるにつれて課題が変わってくることもあります。とはいえ、同じ診断を受けていても、知的能力や性格、得意なこと、苦手なことはその子によって異なります。経過もそれぞれで予想が難しいことも多いので、見通しが立たないことで不安が募ってしまいますよね。将来を見通すことは難しいことかもしれませんが、このような経験談を共有していただくことで、ほかの親御さんの不安や焦りが少しでも軽減されることを願います。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年08月09日夏休み、お疲れさまです!夏休みに入って、24時間体制で大忙しの保護者の皆さま、本当にお疲れさまです。わが家の3人は、夏休みになって喜んでいるけど、「宿題がなかったらもっと最高なのに」という気持ちもあるようです(笑)。外が暑すぎるので、お家で過ごす時間も多くなりますよね。そこで今回は、「スパ山家流」夏休みのお家での過ごし方を書いていきたいと思います。Upload By スパ山長期休みは生活リズムが崩れるわが家の子どもたちは放課後等デイサービスに通っていないので、夏休みの生活リズムを学校がある時と同じように整えるのが難しかったです。そこで、お家の時間割を作りました。まず、みんなゴロゴロするのが大好きなので起床時間はいつもより1時間遅くしました。お母さんも朝寝坊したい(笑)。朝の会で、今日の予定を確認します。おやつやゲームなどの「楽しい時間」を間に盛り込みながら作り、見えるところに貼りました。うちの子たちは、「何をするか分からない時間」が苦手なので、見通しの立つ時間割作戦がとても合っていたようです。Upload By スパ山家の中で夢中になってくれる遊び?わが家は転勤族です。実家に預けることもできず、帰省も飛行機の距離があるので、簡単にはできません。先ほども述べた通り、放課後等デイサービスにも通っておらず、習い事もしていません。イベントのような人が大勢集まる場所も苦手ですし、児童館にも馴染めず、ほとんど家の中で過ごしています。そんな中で、夢中になってくれた遊び第一位が水遊びです!ただ、家には庭がなく、マンションのベランダも危ないので、お風呂で遊びます。シャボン玉を楽しんだり、洗面器に氷を入れて溶ける様子を観察したり、電気を消して光るおもちゃを浮かべてナイトプール気分にしたり(笑)。そのついでに、お風呂掃除も手伝ってもらって一石二鳥です。Upload By スパ山たぶんこれが一番大変……夏休み中、食事の準備が本当に大変です。特にお昼ごはんが大変です。給食のありがたみを感じています。そこで、曜日ごとに献立を決めてしまうことにしました。例えば、月曜日は納豆、火曜日はうどんといった感じです。忘れがちな曜日の感覚も保てますし、昼ごはんの献立を考える手間も省けるので、とても助かります。Upload By スパ山チートデイ(のようなもの)を設けます工夫して過ごしていても、子どもたちに付き合って遊んだり、宿題の丸付けをしたり……と、正直なところ大人もかなり疲れます。そのため、時々「今日1日、好きなことを好きなだけやっていい日」という、ダイエットのチートデイのような日を設けることにしています。この日は食事もデリバリーを利用することがあります。規則正しく過ごしたい長女はあまり参加しませんが、長男や次女はここぞとばかりに長編の映画を見たり、好きなだけゴロゴロしたり、大好きな絵や工作に没頭してリフレッシュすることもあります。Upload By スパ山いかがだったでしょうか。これはスパ山家流の過ごし方ですが、少しでもお役に立てれば幸いです。残りの夏休みも無理なく、楽しく、ぼちぼち過ごしていきたいですね。執筆/スパ山(監修:初川先生より)スパ山家の夏休みの過ごし方のシェアをありがとうございます。とても具体的で、参考にしたくなる方がたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。夏休み、暑いし長いし、昼ご飯問題もあって、保護者にとっては全然“休み”じゃない時期ですね。スパ山さんのお子さん方は、予定に沿うのが好きなお子さんが2人いらして、「お家の時間割」がとても有効だったとのこと、特性を活かした工夫として素晴らしいですね。ゆるめに時間割を組んでそこに縛られないようにするとか、チートデイを設定するなど、ストレスになりづらい工夫も通底していてとても参考になります。夏休みとなると、何か子どもにいい経験をさせたいとか、長い期間あるからこそだらだら過ごしているだけではダメだと決意される保護者の方は多いと思います。だからこそ、うまくいかない日が続くとイライラしたり、がっくりきたりすることもあるのではと感じます。特別なことももちろん大事ですが、淡々とした日常を刻み続けることも大切なことだと感じます。そういう意味で肩に力の入りすぎない「お家の時間割」は参考にしたいと感じました。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年08月08日自分らしい働き方を探せる「LITALICO仕事ナビ」LITALICO発達ナビの姉妹サイト「LITALICO仕事ナビ」は、働くことに障害のある人とその支援者をつなぐことを目的としたWebサイトです。「働くことに障害のある誰もが自分らしく働ける社会をつくる」をビジョンに、就労事業支援のサポートのほか、障害者雇用の求人情報や専門家監修の基礎知識記事、障害当事者の体験エッセイなどの情報を発信しています。※クリックすると発達ナビのWebサイトから仕事ナビのWebサイトに遷移します今回は、仕事ナビのお役立ちガイドの中から、仕事ナビライター陣の体験エッセイをご紹介します。発達障害、睡眠障害、精神疾患……大人ならではの困りごともUpload By 発達ナビ編集部子どもの発達障害が分かり、自分自身も似た特性があると感じたという経験がある方もいらっしゃるかもしれません。ゆたかちひろさんもその一人。思い返せば、高校卒業後からのアルバイトでは特性が活かされていたようです。大人になり、苦手を克服するより大切だと思ったことは……。もしかして発達障害?特性を把握すれば苦手も克服できた!フリーター、派遣社員、パート…私に合ってた仕事歴※クリックすると発達ナビWebサイトから仕事ナビWebサイトに遷移しますUpload By 発達ナビ編集部発達ナビでもお馴染みの寺島ヒロさんもASD(自閉スペクトラム症)のお子さんを育てている中で、自分にも同じ傾向があることに気がつきます。睡眠障害もある寺島さんの一日は「始まる前から怠さとの戦い」と言います。子育て、家事、仕事……寺島さんは、日々どんな工夫をしているのでしょうか。大人になって分かった自閉症傾向。睡眠障害当事者の在宅仕事術。起床から1日の組み立て方は?※クリックすると発達ナビWebサイトから仕事ナビWebサイトに遷移します出典 : くらげさんのお悩みは学び直しをしたいけれども、「勉強ができない」ということ。聴覚障害があっても学びやすい教材や教室の少なさ、ADHD(注意欠如多動症)による困りなど、くらげさんの考察は……聴覚障害・ADHDの重複障害の40代が挑む「学び直し」!まずは勉強の仕方から分からない!?試行錯誤の日々※クリックすると発達ナビWebサイトから仕事ナビWebサイトに遷移します出典 : 宇樹義子さんは、32歳のときにASD(自閉スペクトラム症)と診断されました。二次障害の苦悩を抱えている中、転機が訪れます。診断前の家庭での困りごとや社会に出てからの困りごとを振り返っていただきました。いじめ、母との確執…二次障害での苦悩。32歳でのASD診断、夫との出会いが転機に※クリックすると発達ナビWebサイトから仕事ナビWebサイトに遷移しますLITALICO仕事ナビは、仕事にまつわる情報満載!LITALICO仕事ナビでは、障害当事者の体験エッセイだけでなく、専門家監修のお役立ち記事、就労支援に関する情報や地域の事業所情報、障害者雇用の求人情報もご紹介しています。障害のある成人の方だけでなく、今後成人するお子さんや保護者の方が知りたい情報も掲載しています。ぜひアクセスしてみてください!※クリックすると発達ナビWebサイトから仕事ナビWebサイトに遷移します(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年08月06日熱中症、宿題、旅行、過ごし方、休み明けの不登校……発達障害や特性のあるわが子と過ごす夏休み、乗り切るコツは?夏休みに入り、熱中症、宿題、旅行やイベント、長期休みの過ごし方などに悩む保護者の方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。また、長期休み明けの行き渋りや不登校についても気になりますよね。 今回は、専門家監修の記事やインタビュー、対談、発達ナビ連載ライター陣のエピソードコラムなど「夏休みの困りごと」をテーマにご紹介します。ぜひ参考にしてみてくださいね。発達障害や特性のある子どもと熱中症「酷暑」とも呼ばれる気温の続く夏休み、気を付けたいのが「熱中症」ですよね。熱中症の予防や対処法をまとめた医師監修のコラムや、感覚過敏・鈍麻からくる熱中症についての連載コラムをご紹介します。熱中症は気温や湿度が高い日などに、さまざまな不調が表れる状態のことです。熱中症について、症状や原因、予防、対策、救急車を呼ぶ目安、発達障害のある子どもに関するQ&Aを紹介します。発達障害のあるコウさんはなかなか水分をとらず、母親の丸山さとこさんは熱中症の危険性にハラハラしていたそう。しかし、ある日学校から帰ってきたコウさんが言った言葉にさとこさんは……。ADHD(注意欠如多動症)とASD(自閉スペクトラム症)のリュウ太さん。小学校低学年のとき、山でのキャンプ中に熱中症になってしまいました。母親のかなしろにゃんこ。さんがそこで初めて気づいたリュウ太さんの「特性」とは?計画的にできない!?発達障害や特性のある子どもと夏休みの宿題計画的に進めるのが苦手、あと回し癖でなかなか宿題に手をつけられない……保護者がサポートすることもできるけれど、自主的にやってほしい!発達障害や特性のあるお子さんの夏休みの宿題問題で悩んでいる方は特に多いのではないでしょうか。皆さんどんな工夫で乗り越えているのでしょうか……?夏休みの宿題、うまくいかずに悩んでいる親子も多いのではないでしょうか?一人ひとりの特性ごとに、その困りごともいろいろ。フォローする親のストレスもたまりがちですよね。このコラムではよくある夏休みの宿題トラブルと解決のヒントを発達ナビがご紹介します!夏休みは期間が長いだけに出される宿題の量も多くなりがち。毎年「今年こそダメかもしれない……」と思いながら宿題を進めているという丸山さとこさんと息子のコウさんの奮闘・工夫を参考にしてみてはいかがでしょうか。ASD(自閉スペクトラム症)のあーさん。今までは母親のSAKURAさんのいうとおりに宿題をこなしていたのに、小学2年生の夏休みは、一味違っていて…!?反抗ばかりでなかなか宿題に取り組まないあーさんに、SAKURAさんがつくったものとは……?トラブルにどう対応する?発達障害や特性のある子どもとの旅行やプール、イベントを楽しむコツは……夏休みの楽しみと言えば……旅行や夏ならではのイベント!でも普段と違う場所でのトラブルやパニックなども悩みの種ですよね。旅行先や移動中の対処方法、キャンプでの過ごし方、プールでクールダウン、夏祭りトラブルなど、発達障害や特性のあるお子さんと過ごすコツが満載です。ASD(自閉スペクトラム症)の小学2年生のミミさん。1年生のときと比べて夏休みの宿題が増え、母のtaekoさんは混乱。ですが、たくさんの宿題と学童と家族旅行での自然体験から、ミミさん急成長の夏休みになりました。小学4年生の夏休みに、地元の福祉支援グループの方々が企画したキャンプに参加することになったASD(自閉スペクトラム症)のタケルさん。全く知らない子どもたちと、家族と離れて一人でイベントに参加するのは初めての経験で……。夏休みにキャンプに行く方も多いのではないでしょうか。ですが、発達障害のある子どもを連れてのアウトドアはさまざまな問題点や大変なことがあると思います。このコラムではみんさんにASD(自閉スペクトラム症)の次男Pくんとのキャンプでのさまざまな工夫を紹介していただきました。夏休み、旅行や帰省などで交通機関を利用することもあるかと思いますが、子連れの移動は本当に大変ですよね。ただでさえ大変なのだから、移動時はできる限りパニックを防いで速やかに行動したい!というわけで、今回初めて飛行機に乗ることになったASD(自閉スペクトラム症)のむっくんのために「旅のしおり」を作成し、旅行に臨むことにした母親のウチノコさんでしたが……。親が計画してくれる家族旅行。ですが、感覚過敏があると旅先でも苦労が多いかもしれません。このコラムでは「感覚過敏の子どもと行く家族旅行」について実際に感覚過敏の特性がある加藤路瑛さんに当事者目線でお話をしていただきました。ASD(自閉スペクトラム症)のあーさんが小さい頃は旅行によく行っていたというSAKURAさん一家。今回、4人家族になって初めての旅行を決行!しかし、「いつもと違う状況」であーさんに異変が……!?発達障害のあるむっくんは些細なことで興奮しやすく、嫌なことはもちろん楽しいことでも自分のコントロールが難しくなるときがあります。しかし、そんなむっくんを落ち着ける「夏ならでは」のいい方法があるとのことで……?夏と言えば虫取り、ひまわり、かき氷……いろいろありますが、寺島ヒロさんにとって忘れられないのが「地域のお祭りでの出来事」だそう。ほとんど接点のない子どもたちと大人がたくさんいると夏祭りに一人で参加することになったASD(自閉スペクトラム症)のタケルさん。母親の寺島さんは不安いっぱいで……。発達障害や特性のある子どもと過ごす長期休み……みんなどんな風に過ごしてる?夏休みのトラブルなども発達障害や特性のあるお子さんとの夏休み、毎日どんな風に過ごしたらいいのか、いろいろなことを経験させてあげたいけど仕事もあるし……そんな日々の過ごし方のヒントになるコラムをご紹介します。夏にありがちなトラブルについて書かれたコラムなど、お友達と出かけることも多い思春期のお子さんのいらっしゃるご家庭の参考になりそうです。子どもにとってはワクワクの夏休みも、「宿題が計画的にできない」「だんだん寝る時間が遅くなる」など、生活リズムや体調、学習など、何かとお悩みが出てくる保護者の方も多いと思われます。この記事では夏休みの生活に関する困りごとや計画立てのポイントをご紹介します!車が大好きなASD(自閉スペクトラム症)のスバルくん。冷房の効いた部屋でひたすらミニカーを並べ、大人向けの車のカタログを読み漁る夏休みを過ごしていましたが、母親の星あかりさんは「さすがに別のこともさせないと……」と焦る一方で……。子どもは夏休みでも、働く保護者の皆さんはいつも通り毎日仕事がある訳で……。夏休みは学校がなく放課後等デイサービスの預かり時間も短い!どうしたものかと悩んだシュウママさんはデイサービスの先生に相談してみました。今はもう成人している息子さんが中学2年生の時のエピソードです。幼児期の頃から我慢することが苦手な息子さん。夏休みに、警察から電話がかかってきてヒヤリ!理由は……不正乗車で補導!?夏休み明けに増える登校渋り、不登校……どう対応したらいい?長期休み明けの悩みで多い「行き渋り」「不登校」問題。もしお子さんが休み明けに「学校に行きたくない」と言ったら……精神科医・田中康雄先生の行き渋りや不登校についての対応方法や、不登校新聞編集長・石井志昂さんと考える自殺予防や「TALK」の原則、連載ライターさんの体験エピソードを読んでおくことで、夏休み明けの対応のヒントが見つかりそうです。夏休み明けの9月は、子どもの心身に影響がでやすい時期でもあります。今回は、子どもがどのようにSOSを出すのかや、学校に行きたくないというときの対応などについて精神科医・田中康雄先生にお聞きしました。日本で唯一の不登校専門紙「不登校新聞」。年々、夏休み明けに増え続けている子どもの自殺を止めるために、私たち親は何ができるのか、石井志昂編集長(不登校新聞)と牟田編集長(LITALICO発達ナビ)とともに考えました。寺島ヒロさんの娘さん、いっちゃんは小学5年生から不登校になりました。今までコラム内では「小学校、中学校では話し合って、学校のほうにもご理解いただき、いっちゃんの無理のない範囲で通えるようにしてもらいました」と、書いていましたが、実は!この話し合い、結構大変だったんです……。発達障害のあるリュウ太さんは、夏休み明けは毎年行き渋りがあったそう。気持ちは分かりますが、「行きたくない」「お腹痛い」と毎日朝から言われ母親のかなしろにゃんこ。さんも悩みの種でした。しかし、予想外の出来事で事態が好転して……!?ASD(自閉スペクトラム症)と構音障害の長男けんとさんは、現在小学2年生。入学時から特別支援学級に在籍しています。昨年、1年生の夏休み明け、2学期に入ると特別支援学級の生徒数が急に増えていて……。先生の人員不足…そしてクラスは毎日大賑わいでけんとさんにもよくない変化が……。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年08月03日みんな、僕の話を聞いてくれない……?Upload By かなしろにゃんこ。発達障害がある息子のリュウ太は、保育園でも小学校でも人付き合いがうまくいかず、人間関係で悩んできました。学童期には、周りと衝突してケンカになってしまうこともしばしば……。自分の好きな話ではなく、みんなに合わせた話をしたほうがいいの?Upload By かなしろにゃんこ。リュウ太は、小さい頃から電車や車が好きで、自分の好きな話題ではペラペラおしゃべり上手でした。しかし、自分の好きな話題ばかりしていたら、話が終わっていないのに「その話もういい」と目の前の人が離れていくのです。小学4年生のときに「あれ?みんなオレの話を聞いてくれないな」ということに気がついたそうです。話題を周りに合わせたのに、失敗?Upload By かなしろにゃんこ。その気づきから、リュウ太は「みんなに合わせた会話をしたほうがいいのかも?」とチャレンジし始めました。その頃特撮ヒーローアニメが好きな子たちと仲が良かったので、普段は自分の好きな電車や車の話しかしなかったリュウ太ですが、特撮ヒーローの話をしてみました。すると「見てないくせに噓ついて話を合わせてくるなよ!」と言われてしまいました。リュウ太は、毎週その特撮ヒーローアニメを見ていたので「見てるよ」と言い返しましたが、相手は納得してくれませんでした。Upload By かなしろにゃんこ。そのときリュウ太は「せっかく話を合わせたのに……」とイヤな気持ちになったそうですが、しばらく経ってから「何で相手が納得しなかったのか」を考えてみたそうです。そのとき、これまで電車か車の話しかしてこなかった人が突然、特撮ヒーローアニメの話をすると「急にどうした??」と不信がられるのかもしれないと思ったそうです。小学生時代の教訓を経て、中学生になったリュウ太は……Upload By かなしろにゃんこ。中学生になるとリュウ太は、小学生のときから仲が良い友逹の影響で深夜に放送しているアニメや海外ゲームを知り、「おもしろいものがあるんだな」とポップカルチャーにはまっていきました。そのときに「友逹の趣味に合わせて会話をしてみると発見がある!」と気がつき、また無理に相手の話に乗っかるのではなく、友逹が好きな話題に少しずつ合わせているといろいろ教えてもらえることにも気がついていきました。リュウ太は「小学生のとき自分の趣味を周りから『変なの』とか言われてイヤな思いをしたことがあるけど、オレは人の趣味は絶対に悪く言わないようにしている」とも私に教えてくれました。Upload By かなしろにゃんこ。リュウ太は、友逹と付き合う上で3つのルールをこう決めていたそうです。「友達の趣味を悪く言わない」「友逹の趣味にのっかって自分も好きになれるものを探す」「友逹の趣味で分からないものは質問してみる」この3つを気をつけて守っていたら、中学校に入学して数ヶ月でリュウ太には友達が増えていったそうです。学校の帰りに仲良しグループの5人で一緒に下校して、わが家に来てはゲームをして帰っていくようになりました。この人付き合いの『自分ルール』を息子が私に教えてくれたのは中学2年生の時でした。学童期にいじめられたり、嫌がらせを受けたりしてきたリュウ太でしたが、人嫌いにならずに周りと積極的に関わっていこうという変化が生まれたのだとうれしかったことを覚えています。人付き合いのコツはさまざまあると思いますが、この3つだけなら簡単にできそうだなと思いました。Upload By かなしろにゃんこ。現在成人したリュウ太は、年齢を越えて多くの人と交流していけるようになりました。そして、「人の趣味を悪く言わない、このことは自分の信念としていて、相手の趣味の話をするというのは相手へのリスペクトの意志表示になるから仲良くなりやすいんだよ」と教えてもらいました。中学生の時にここまで考えていたとは思いませんが、学童期に散々失敗して導き出したリュウ太なりの答えだったのだなと母は思いました。執筆/かなしろにゃんこ。(監修:室伏先生より)にゃんこさん、リュウ太さんの友達付き合いのコツ、3つのルールについて共有してくださり、ありがとうございました。リュウ太さん、悲しい気持ち、悔しい気持ちになったこともたくさん経験されたことと思いますが、試行錯誤される中でお友達との関わり方を学んでいかれたのですね!今後の人生でもとても大切なルール、教訓は、リュウ太さんの貴重な財産ですね。どんな人付き合いが向いているかは、人によりまちまちです。同じような特性をお持ちでも、リュウ太さんのように付き合い方のコツをつかんで友達付き合いを深めることを楽しむ方もいれば、最低限のコミュニケーションにとどめてストレスがかからないように上手にコントロールしている方もいます。お子さんの友達付き合いの難しさに直面され、不安なお気持ちを抱えられている親御さんもいらっしゃると思います。お子さんにとって苦く、つらいご経験もあると思います。それらのご経験も、お子さんの成長に繋がることを信じながら、私も一緒にサポートしていけたらと思っています。前のコラムはこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年08月03日幼少期は周りのサポートもあり気づけなかったものの、大人になってから発達障害が発覚するケースも。そこで今回は、MOREDOORのオリジナル漫画『大人の発達障害』をご紹介します。※少しでも多くの方に、このことについて考えるキッカケづくり目指して制作されました。当事者の声はさまざまです。あくまで一例として、考えるキッカケになれば幸いです。あらすじもうすぐ社会人2年目となる田所。幼少期から友人との関係も良好で、スポーツでも成果を出していました。しかし、会社で働くようになるとミスが目立ち始め、そんな自分に嫌気がさし仮病で欠勤するように……。友人のすすめで心療内科を受診すると、“ADHD”だと診断された田所。自分のできないことに向き合っていくと決めた田所でしたが……?急には変わらない……友人の同期に会ってみるとこうすけの友人にADHDの乗り越え方を聞くと……?こうすけの友人であるだいごから、ADHDの乗り越え方について聞いた田所。そんなだいごが、病院でもらったアドバイスとは……?※この漫画はフィクションです。■監修:三崎てるひこ(臨床心理士・公認心理師)■作画:長月よーこ(MOREDOOR編集部)
2024年08月02日