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大学での「合理的配慮」の広がりは?2021年5月に障害者差別解消法が改正・公布され、2024年4月1日より国公立、私立問わず、大学・短期大学・高等専門学校では以前から禁止されていた「障害者に対する不当な差別的取扱い」に加えて「合理的配慮の提供」も法的に義務付けられることとなりました。ある調査によると大学に在籍する障害のある学生は、2012年度:10,916人から2018年度:30,190人へと2.8倍増加をしているとのことでした。その中で発達障害のある学生数も年々と増加し、2012年度:1,573人から2018年度:5,063人へと3.2倍になっています。(※全学生に占める障害のある学生の割合は2012年度0.4%、2018年度は1.0%と0.6ポイントの上昇にとどまる)Upload By 発達ナビ編集部参考:障害のある学生の修学支援に関する検討会報告(第三次まとめ)|文部科学省参考:障害のある学生等に対する 大学の支援に関する調査|総務省オープンキャンパスの季節!発達障害のある子どもの大学進学のために今できることは?受けられる合理的配慮の具体例なども【専門家に聞きました!】Q:発達障害のある子どもがいます。夏休みに大学のオープンキャンパスに行く予定ですが、見ておくべき点や聞いておくべき点などあれば知りたいです。A:オープンキャンパスでも学生相談の担当の方が参加されていると思います。障害のある学生の支援に関して、専門の相談部門があるかどうか、保健管理センターなどの利用、合理的配慮の相談に関する窓口はどこかなど、確認しておくとよいと思います。また、実習などの卒業要件となっている科目について、その内容や合理的配慮によって基準がクリアできるかどうかなど各専攻やコースの教員に尋ねてみるのもよいと思います。Upload By 発達ナビ編集部Q:発達障害のある生徒は大学でどのような合理的配慮が受けられるのでしょうか?具体例が知りたいです。A:全ての要望に対しての合理的配慮が得られるわけではありませんが・提出物の期限の延長、リマインド・授業中の配布物や板書の撮影・別教室での試験や試験時間の延長・パソコンの使用など、本人の障害の種類や程度に合わせて考えていきます。これらの配慮については本人との話し合いの中で決定されます。Upload By 発達ナビ編集部発達障害の大学生のよくある困り、大学での合理的配慮の取り組み、通信制の大学について知りたい!発達障害の大学生、どんなことに困りやすい?「支援の厚い大学」の見分け方や合理的配慮の具体例、合理的配慮をすることで過保護な保護者に思われないか不安……などの質問、疑問に専門家が回答!中央大学の発達障害学生支援の新たな展開。支援に必要な「連携」をどうつくる?同研究チームの主査を務めた山科満教授に、学生支援の根底にある想いや、具体的な支援事例、支援者の方へのメッセージを伺いました。中央大学で発達の特性がある学生への支援体制の構築と支援のノウハウについての臨床研究を続けている山科満教授へのインタビュー。学生支援の現状や、発達による特性がある学生、保護者の方への願いについて伺いました。発達障害がある学生の相談は年々増加傾向に。障害のある学生の修学や大学生活の困りごとに寄り添い、教職員への支援も行う、東北大学の「学生相談・特別支援センター 特別支援室」の取り組みをインタビューしました。障害のある学生を支援するための教職員向けの研修事業や、各大学などにおける障害のある学生の修学支援に関する実態を把握するための調査などを行っている「日本学生支援機構」。発達障害がある学生への支援データや調査結果、実際の支援事例など気になる情報が満載です。発達障害のあるお子さんの大学選び、「通信制のほうがわが子に合うかもしれない」と思っている保護者の方も多いのではないでしょうか。8万人を超える学生が在籍する通信制の大学「放送大学」学びの特徴と障害学生支援についてお聞きしました。「大学選び」「オープンキャンパス」「合理的配慮」「大学生活」についての連載コラム連載ライターさんたちの「大学選び」「オープンキャンパス」「合理的配慮」「大学生活」などのコラムをまとめました。具体的なエピソードは大学探し、大学生活のヒントになるのではないでしょうか。まだお子さんが小さいご家庭も、将来の進路について考えるきっかけになりそうです。寺島ヒロさんの娘さん、いっちゃんは高校3年生。ASD(自閉スペクトラム症)に加え、非24時間性睡眠覚醒症候群と呼ばれる睡眠障害もあるため、日中登校することが難しく高校は通信制を選びました。大学に進学したいという希望のあるいっちゃんのオープンキャンパス参加エピソードです。発達特性のある次男、ウッシーヤさんは受験にあたり中学生の頃から通っている発達支援施設で助言を受け、県が作成しているテンプレートを活用して「合理的配慮申請書」を提出することに。実際の申請書の写しや合理的配慮の内容など参考になる内容満載です!通信制の高校に通っている寺島ヒロさんの娘さん、いっちゃん。大学進学のために学校外の試験や模試を継続的に受け、対策をするようすすめられたのですが、勉強以前の問題が……!?公立高校の普通科へ通う2年生の娘さん。小学校1年生のときADHD(注意欠如多動症)、ASD(自閉スペクトラム症)と診断を受けました。義務教育期間はスクールカウンセリングや担任との臨時の個別面談など、手厚い支援がありましたが、高校に入って支援が不足していると感じ……そんな娘さんの高校受験、そして大学を目指す、現在のエピソードです。高校1年生の2学期になって、いきなり学力がアップし、同級生たちに追いついた次男ウッシーヤさん。「高校を卒業したら保育科のある大学に進学したい」と目標を持ち大学受験にチャレンジしますがまさかの手続き失敗が起こり……!?私立の中高一貫校に通っていた、寺島ヒロさんの息子さんのタケルさん。今回は高校の進路指導を受けたときのことについて書いていただきました。ASD(自閉スペクトラム症)のある宇樹義子さん。大学に入ると、高校までと一転して自由なぶん、すべてのことを自分で考えて積極的に決めていかなければならず、とても戸惑ったとのことでした。宇樹さんが経験した「大学生活の自由さゆえの困難」とは……。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年07月29日マンガ「発達障害の子どもと私たち」1章はるき編が完結!発達ナビユーザーから寄せられた体験談を元にしたストーリー・マンガ「発達障害の子どもと私たち」。この物語の主人公は、発達障害のある子ども、そして彼らを育てる保護者たちです。子どもたちと保護者は、幸せに暮らすことができる環境を迷いながら求め続けます。それを乗り越えるため、それぞれが選んだ道は――。プロローグはこちらからご覧いただけます。はるきは3歳でASD(自閉スペクトラム症)と診断を受けました。小学2年生まで元気に学校へ通っていましたが、運動会が終わった5月の下旬頃から「学校を休みたい」というようになって……。母親は発達障害の勉強をしていて理解はあるのですが、完全な不登校となったらどうしようという気持ちもあるようです。なぜはるきは学校へ行けなくなってしまったのか。はるきの気持ち、そして保護者の決断は……?学校へ行くとさみしくて涙がでてしまう……。不登校トラブルに悩む「はるき編」を完結まで一気読みはるき編全4話は現在公開中です!以下関連記事からぜひご覧ください。そして2章みき編、8月中旬から連載スタートそしてもう一人主人公・みき編が8月中旬から連載スタートします。小学4年生のみきは、5歳でASD(自閉スペクトラム症)と診断されました。小学校では通常学級に在籍していたのですが、小学3年生から勉強が難しくなり、そして今4年生では――。また、みき編の完結後は、はるきのその後についてもお届けいたします。お楽しみに。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年07月25日ナツメ社は7月11日、『「発達障害」「うつ」を乗り越え@小鳥遊がたどりついた「生きづらい」がラクになるメンタルを守る仕事術&暮らし方』を発売しました。同書は、10万部突破のベストセラー『要領がよくないと思い込んでいる人のための仕事術図鑑』(サンクチュアリ出版)の著者、小鳥遊さんによる待望の新刊。仕事の進め方のノウハウ&心穏やかに暮らすヒントが満載です。■「発達障害」「うつ」を乗り越えた著者が編み出した仕事術を紹介仕事・生活面で困りごとがあり、生きづらさを感じている人や、毎日の不安・心配・焦りが強く、自己肯定感が低くなっている人にぜひ手に取ってほしい一冊。不注意やミスが減らない、マルチタスクが苦手、先延ばしグセが直らない……そんな仕事の悩みを解消!すぐに取り入れられる仕事の進め方のコツが満載です。発達障害の一つであるADHDの診断を受け、会社員として勤務するも、仕事の抜けもれや要領の悪さなどから自分を責め、抑うつや適応障害を起こし休職や退職を余儀なくされた小鳥遊さん。その後、自身の特性をカバーするためにExcelで仕事管理ツールを自作し、独自のタスク管理手法を編み出し、安定して働くことができるようになりました。自分を変えるのではなく、しくみを変えることで、しんどさから抜け出し、仕事を進められるようになるという、小鳥遊流「タスク管理」。誰でも実行できるこの仕事術のノウハウを、余すところなく紹介しています。■生活スキル&人間関係を円滑にするヒントも満載!生活スキル&人間関係を円滑にするコツも紹介仕事だけでなく、「心の余裕」を保ちながら、暮らしの様々な困りごとを解決するヒントも紹介。片付けや環境を整えるちょっとしたコツや、自己管理、良好な人間関係を築くちょっとした心がけやコミュニケーションのコツ、穏やかに過ごすためのリラックス法や考え方のヒントも取り上げています。◇【著者プロフィール】小鳥遊(たかなし)発達障害の一つADHD(注意欠如・多動症)の診断を受ける。会社員として勤務するも、仕事の抜けもれや要領の悪さなどから自分を責め、抑うつや適応障害を起こし休職や退職を余儀なくされる。その後、自身の障害特性をカバーするためにExcelで仕事管理ツールを自作し、独自のタスク管理手法を編み出して安定して働くことができるようになる。その経験やノウハウを伝えるイベント「自分は要領が良くない、と思い込んでいる人のための仕事術」を継続的に共催し毎回満員の好評を博す。また、自作ツールをだれにでも簡単に使えるようクラウド化し、社会福祉法人SHIPの協力のもとタスク管理習得支援ツール「タスクペディア」として無料提供。現在は会社員からフリーランスへ転向し、書籍執筆・ウェブ記事ライティング・個人/企業へのコンサルティングや研修・就労移行支援事業所での講師など、同じような特性や悩みを持つ人たちへ自身の経験やタスク管理などのノウハウを伝える活動を精力的に行っている。著書に『要領がよくないと思い込んでいる人のための仕事術図鑑』(サンクチュアリ出版)がある。■書籍概要『「発達障害」「うつ」を乗り越え@小鳥遊がたどりついた「生きづらい」がラクになるメンタルを守る仕事術&暮らし方』著者:小鳥遊(たかなし)発行:ナツメ社定価:1,540円仕様:四六判/224ページ/2色刷発売日:2024年7月11日Amazon ⇒ (エボル)
2024年07月22日子どもの性にまつわる悩みや疑問に!『親子で話そう!性のことー3歳から始める性教育ー』Upload By 発達ナビBOOKガイド「性について子どもにどう教えればいいか分からない」「子どもの気になる行動をやめさせたいけれど、伝え方に悩む」など、大切なこととは分かっていても、子どもの性教育についてお悩みの方も多いのではないでしょうか。本書の著者である臨床心理士の高山恵子さんと、保健師の佐々木睦美さんのお二人は、長年にわたり子どもたちや教職員に向けた性教育講座を実施しているエキスパートです。子どもからの質問にどう答えればいいのか、子どもの性にまつわる悩みや疑問など、分かりやすくQ&A方式で解説しています。命に繋がる「性」について知ることは、自分自身を大切にすることにも結びつきます。まずは大人が正しい知識を身につけることができれば、子どもからの突然の質問にも 、恥ずかしがったりすることなく、自信をもって答えることができるはず。巻末には取り外せる絵本もついており、親子で楽しみながら学び、性のことについて話し合うきっかけになるのではないでしょうか。遊びながら「できた」が増える!『発達障がい・グレーゾーンの子のための水中療育 からだ・こころ・ことばを育むスイミング』Upload By 発達ナビBOOKガイド本書の著者である酒井泰葉さんは、元アーティスティックスイミング日本代表選手で、長年にわたり発達障害がある子どもに水泳指導を行っていらっしゃいます。本書で紹介されている「水中療育20の実践プログラム」は、リラクゼーション・ウォーキング・ジャンプ・潜水など、さまざまな水遊びを楽しみながら、体性感覚・平衡感覚などを養うというものです。本書で紹介されているプログラムの実際の様子を動画で見ることもできるので、合わせて活用することで、より理解が深まります。体の動かし方に苦手さがあったり、水が怖かったりするお子さんにも、取り組みやすい工夫がたくさん紹介されている本書。この夏、水に親しみながら心身を成長させる機会として、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。55の実例で手立てを紹介!『少しの工夫で変わる!気になる子が過ごしやすくなる保育の環境構成』Upload By 発達ナビBOOKガイド発達が気になる子どもの「遊びに集中できない」「友だちとトラブルになる」「パニックやかんしゃくを起こす」といった行動へ、どのように対応すればよいのか困った経験のある方は多いと思います。本書では、子どもが「できない」のではなく、周りの環境が子どもに「合っていない」という考えのもと、環境構成による支援を紹介しています。実際の保育の現場でみられる全55の実例を掲載し、「お支度」「着替え」「集まり」「食事」「トイレ」「午睡」「室内遊び」「外遊び」など、さまざまな場面で起こりがちな困りについて、ビフォーアフターの写真付きで分かりやすく手立てが紹介されています。「段ボールでパーテーションをつくる」「給食の配膳の仕方を変えてみる」「おもちゃの片づけ方を変えてみる」「保育室の隙間を落ち着けるスペースとして活用してみる」など、本書で紹介されている実例はどれも手軽にできるものばかり。ぜひ本書を参考に、保育の現場やご家庭でも、お子さんに合った環境の工夫に取り組んでみてはいかがでしょうか。最新の臨床精神医学に関する知識を深める!『神経発達症群(講座精神疾患の臨床 9)』Upload By 発達ナビBOOKガイド近年、「発達障害」という言葉の認知度は高まっていますが、医学的には知的発達症(知的障害)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、SLD(限局性学習症)といった疾患を総称して「神経発達症」としています。本書は、発達ナビでも多くの記事をご執筆いただいている本田秀夫先生が編集を担当され、神経発達症群全般における概念や、各疾患の分類の歴史的変遷についても詳しく解説されています。医学専門書ではありますが、「神経発達症群」の各疾患の診断概念や症状、原因、治療・支援に関する正しい情報を知りたい医師以外の医療・福祉関係者の方や、より深く学びたいと考えている方にとって、ぜひ手に取っていただきたい一冊です。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2024年07月21日社会人になってからできないことが浮き彫りとなり、発達障害に気づくというケースも。今回は、MOREDOORのオリジナル漫画『大人の発達障害』をご紹介します。※少しでも多くの方に、このことについて考えるキッカケづくり目指して制作されました。当事者の声はさまざまです。あくまで一例として、考えるキッカケになれば幸いです。あらすじもうすぐ社会人2年目となる田所。幼少期から友人との関係も良好で、スポーツでも成果を出していました。しかし、会社で働くようになると、ミスが目立ち始めるように……。友人のすすめで心療内科を受診すると、ADHDと診断されたのでした。田所は彼女にADHDであることを打ち明け……今までを振り返り……ADHDだったと打ち明けた田所ADHDと診断されたことを、彼女に打ち明けた田所。その後、友達が田所と「似た感じの人」と会うことになり……。その人との会話で得たこととは一体!?※この漫画はフィクションです。■監修:三崎てるひこ(臨床心理士・公認心理師)■作画:長月よーこ(MOREDOOR編集部)
2024年07月20日マンガ「発達障害の子どもと私たち」はるき編 第4話(最終話)Upload By ユーザー体験談Upload By ユーザー体験談私も息子と同じだった……?Upload By ユーザー体験談Upload By ユーザー体験談わが家が選んだ道――Upload By ユーザー体験談Upload By ユーザー体験談家族で話し合い、不登校に取り組んでいく発達ナビユーザーから寄せられた体験談を元にしたストーリーマンガ「発達障害の子どもと私たち」の最終話(第4話)をお届けします。小学2年生のはるきさんは、3歳でASD(自閉スペクトラム症)、4歳で知的障害(知的発達症)と診断を受けています。2年生の5月、運動会のあとから学校を休みがちになり、保護者はそんなはるきさんを受け止めていました。しかしある日登校をうながされたはるきさんは、教室で腹痛を訴えることに。身体症状がでたはるきさんは、完全に不登校となりました。保護者である母は、自宅でリモートワークをしているのですが、仕事が忙しいためはるきさんを全く構えない状態。部屋の隅で気配を消してゲームをしているはるきさんを見て、心を痛めていました。A家がとった選択は「母が仕事を辞めて、今ははるきさんと向き合う」こと。長期で休むことによって、学校の先生やスクールカウンセラーと話す機会が減っていくかもしれません。自分ひとりで悩みを抱え、孤独になりがちだった母とパートナーが話し合いをし、一つの決断をできたのはとても大切なことです。もちろんこれは選択肢の一つであって、唯一の正解があるわけではありません。このことによってはるきさんとの時間がとれるようになった母は、はるきさんと会話したり、はるきさんの居場所探しをすることができるようになりました。はるきさんたちのその後は、2章みき編完結後にお届けする「エピローグ」でご紹介します。不登校の子どもの居場所は?今や将来についての情報を集める【専門家解説】ずっと家にこもりっきりでいいのだろうかと不安になることも多いと思いますが、今は家にいるだけで精一杯のお子さんも、少し元気が出てくると、家にいながらオンラインなどで興味関心のあるイベントに参加したり、やがて実際に行われているイベントへ行ってみたいという気持ちが湧く場合もあります。また、同世代の友達がほしいと思う場合、「不登校」仲間がいると心強いと感じるお子さんもいます。そうした単発イベントや継続して通える公的・民間の居場所についての情報を集めてみるといいでしょう。フリースクール、放課後等デイサービスなどは地域の相談支援専門員などと相談しながら進めていけるとよいでしょう。※放課後等デイサービスの利用には「通所受給者証」(受給者証)が必要となります。取得の条件や手続き方法は自治体により異なります。在宅勤務で家にいるのに、はるきさん相手にできない罪悪感があったと思います。はるきさんとお母さんの場合、退職をするという一大決心をされたのは良い側面もあるでしょう。寄り添う時間をもつことが、大きなプラスになったと思います。一方、不登校状態になってしまったお子さんに対する親御さんの関わり方として、一定の答えがあるわけではありません。寄り添うことが親御さんにとって過度な負担になって、お子さんとの関係が悪化してしまうケースもあるので、一人ひとりに合わせて判断する必要があるのでしょう。Upload By ユーザー体験談不登校への対応については、以下記事を是非ご覧ください。次回からは2章「みき編」がスタートします。通常学級に通うみきさんは、小学校4年生になりだんだんと学校の勉強についていくことができなくなりました。苦しむみきさんを見て母は「このままではみきの心が壊れてしまう」と感じ、転籍を求め学校、教育委員会との話し合いに臨むのですが……。お楽しみに。【マンガ発達障害の子どもと私たち】(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年07月18日成長しても「何でも口に入れる」息子。外出時も……息子は赤ちゃんの頃から、自分の指はもちろん、固いおもちゃから柔らかいおもちゃ、絵本など何でも口に入れてしまうところがありました。赤ちゃんとはそういうものかもしれません。でも、息子は大きくなってきてもそれを止める気配がありませんでした。特に冷たくてつるつるしたものを口で確かめたくなるようで、家の中では床や窓ガラスに口をつけていることが多かったです。外でも油断は禁物で、できるだけ気をつけていましたが、防ぎきれないこともあったので、常に除菌ウェットティッシュを持ち歩くようにしていました。注意するとその場では止められるけれど、また気づくとどこかに口をつけている……という状態でした。Upload By メイついに恐れていたことが!幼稚園年少での誤飲トラブル物をなめたり口の中に入れたりする癖が災いし、息子は幼稚園の年少の時、小銭を飲み込んでしまったことがあります。その日私が家事をしていると、急にむせるような息子の声が聞こえました。慌てて息子のもとに駆けつけましたが、息子はけろっとしています。周りを見ると、幼稚園への支払い用に準備してあったお金が散らばっていました。金額を確認すると50円足りません。息子に、「もしかしてお金飲み込んじゃった?」と聞くと「うん」と答えました。Upload By メイ急いで口の中を見ましたが、もう飲み込んでしまっていて、口の中に50円玉はありませんでした。息子は何事もなかったかのように平気そうな様子でしたが、異物を飲み込んでしまうのは初めてのことだったので、どうしたらいいか分からず、かかりつけの小児科に電話をかけました。その時はすでに夜だったのですが、かかりつけの先生の勧めで夜間もやっているこども病院を受診することにしました。子ども病院の夜間救急を受診。レントゲンを撮ってもらうと……こども病院で、お腹のレントゲンを撮ってもらいました。すると、50円玉が胃の中にあることが確認できました。Upload By メイお腹の中まで入ってしまっていたら後は出てくるのを待つしかないということで、ちゃんと50円玉が出てくるか、これからしばらくの間は便を確認するように言われました。それから数日間、息子が排便をするたびに割り箸を使って探しましたが、結局見つかりませんでした。その後再びこども病院で診察をしてもらい、もうお腹の中に50円玉はないということを確認してもらいました。一度だけ息子が自分で便を流してしまったことがあったので、その時にもしかしたら入っていたのかもしれません。この時は大事に至らずに済んでよかったのですが、もしうまく胃の中まで入らず、途中の食道で引っかかって止まってしまっていたら、手術をしないと取り出せなかったかも……とお医者さんに言われてゾッとしました。小学生になった今も「物を口に入れる癖」は残っていて……実は小学生になった今も、食べ物ではないものを口に入れたがることがあります。さすがに懲りたのか、小銭を口に入れることはありませんが、プラスチックのお菓子のゴミやティッシュなどを口に入れている時があります。Upload By メイ特に宿題をしている時に口に入れていることが多いので、何かしらのストレス発散になっているのかもしれません。学校や外ではやっていないようですが、誤って飲み込まないように注意しつつ「それはゴミだから口に入れるものじゃないよ」ということはその都度伝えています。最近では何か口に入れたくなった時のために、ボトルのガムを常備するようにしていて、異物を口に入れることは少しずつなくなってきています。執筆/メイ(監修:新美先生より)乳児期を過ぎても何でも口に入れてしまうことが続くタイプのお子さんがいます。口腔内の感触でどのようなものか確かめたい場合や、口腔内の触感の刺激を好んでいる場合、口腔内の感触で気持ちが落ち着く安らぐ場合などがあります。大人から見ると誤飲・窒息のリスクが高いことはもちろん、衛生面の心配や、周りからどう見られるかマナー面での心配などがあり、やめさせたい行動ですが、無意識的にやっていることも多く、やめさせるのがなかなか難しいこともあります。まず、誤飲・窒息を避けなければいけないので、口の中に入るサイズのものや、たばこ・薬など少量でも毒性のあるものは、絶対に、子どもの手の届く場所に置かないというのは大人の責任でやっていくしかありません。親戚の家に遊びに行ったときなどは、もう、目を離さず見ているしかないでしょう。……とはいえ絶対に目を離さないということは現実的ではないし、どんなに気をつけていてもついうっかりと言うことは、あるものですよね。本当に大変です。ある程度理解できるようになってきた場合、なぜ、口の中にものを入れてはいけないのかを、4コマ漫画などを使って視覚的に具体的に伝えることで、本人が自覚してやめようと思えるようになることもあります。この際は本人が気にしていること……例えば病気になるのが怖いお子さんだったら、衛生面から病気になる可能性があることを伝えるなど、本人が納得しやすい観点から理由を説明するとよいでしょう。消しゴムをかむのをやめられない子どもが腹痛で入院した時に、お医者さんから指導されて、消しゴムをかむのはやめられた……なんていうエピソードがあったりもします。何かのきっかけで本人が納得できるとやめられることもあります。本人が、その行動をやめようと思えた場合であっても、代わりになる行動を提案しないと、無意識的にやってしまうことはあります。なめたりかんだりしても差し支えないもの、ガムやカミカミグッズ(かんでもOKなタオルや、それ用に販売されているグッズもあります)などを手に取りやすい場所に置いておくなどがいいかもしれません。集中したい時にかむ刺激があることで集中できるお子さんもいます。じゃあ、ガムで!といっても、ガムの味や触感が好きじゃないという子どももいて、どうしても不適切なものをかんでしまうことをやめられない場合もあります。TPOを考慮する(学校など公共の場ではしないけれど家ならOK)など、徐々に折り合いをつけていけるといいですね。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年07月18日ヘルプマークって?みなさんヘルプマークをご存知でしょうか?発達がゆっくりな子どもを持つ親御さんは、一度は聞いたり見たりしているのではないかと思います。一般的には「外見では分からない、見えない疾患や障害がある方など、援助や配慮を必要としている方々が、そのことを周囲の方に知らせることができるマーク」として周知されていると思います。 私自身、子どもが生まれる前……独身時代からテレビや電車の掲示で存在は知っていましたが、どちらかというと「ペースメーカーや内臓の疾患などの外見で分からない方が使用するマーク」という認識が強かったと思います。2歳半で息子がASD(自閉スペクトラム症)と診断され、療育などいろんな手続きをしているうちに、発達障害がある場合でもヘルプマークを使用するケースがあることを知りました。Upload By 海乃けだまヘルプマーク、つける?つけない?……悩んだ末に息子は年少・年中の年は療育園に通い、年長の年から地域の幼稚園に転園したのですが、まず最初にヘルプマークをつけようか悩んだのはこの転園のタイミングでした。というのも、療育園と違い、地域の幼稚園は定型発達の子どもが大半だったので、その親御さんたちの中に「発達障害のことをよく知らない方もいるのでは?」と思ったからです。私自身息子の診断がなければ、発達障害についてこんなに深く調べることもなかったでしょうし、実際育児の"い"の字も知らない独身時代は「子どもは保護者のしつけ次第」なんてお恥ずかしいことを思っていました……(恥)。転園する頃には、一応一通りの生活動作は自立していた息子ですが、なんせ何事にも時間がかかり、場面の切り替えも苦手で、特に運動面と食事動作は「本当に5歳?」と初めて会ったお友達に言われるほどでした。幼稚園児といえど、もう年長……定型発達の子どもたちは自分と他人の違いも分かっている年齢……。診断名をカミングアウトとかそんな大それたことはせずとも、ほかの親御さんに息子が発達ゆっくりさんであることをそれとなく知ってもらうためにヘルプマークをつけようか迷いました。メリット、デメリット、そして息子本人の気持ち……(息子には診断名は伝えていませんが、改まったカミングアウトという形ではなく、日常的に「お友達よりも苦手なことがある、難しくて時間がかかってしまう。でも息子のペースでできるようになるからね」という話はしていました)。夫とも話し合った結果、幼稚園での生活では、先生が常に子どもたちのそばにいて見守りをしてくれているし、登園降園も必ず保護者が付き添うので、ヘルプマークはつけない選択をしました。いよいよ小学校入学。ヘルプマークをつけようと思った理由。そしてヘルプマークを見た上級生の子が……!?無事幼稚園を卒園し、いよいよ小学校入学となりました。幼稚園は少人数で3クラス(年少・年中・年長)、そして異年齢の交流も多々あったので、園児のみんなが息子のことを知っていました。しかし小学校は1年生~6年生、異学年の子どもたちは名前も知らなかったり……。そんな中で、登下校には息子が慣れるまで付き添いをするつもりでしたが、学校生活では息子のことを知らない子どもたちが多いのでヘルプマークが必要だと感じました。地域の登校班で登校する初日、息子のランドセルにヘルプマークをつけて、息子以上にドキドキしながら集合場所に到着しました(上級生の親御さんたちには軽く息子が発達ゆっくりさんであることを話しました)。道徳の授業でヘルプマークについても習っていることを聞いていたので、子どもたちがどんな反応をするかドキドキでしたが、初日は歩き慣れてない息子が「疲れたーー!ランドセル重いー!」と不機嫌になるのをなんとか励ましながら歩くのが精一杯で、ほかの子どもたちを気にすることができませんでした(汗)。やっとの思いで校門に到着し、息子を見送ろうと手を振っていた際、目撃してしまったのです……!!上級生の女の子が息子のランドセルを指さして(ヘルプマークがついてるあたり)、お友達に耳打ちしている姿を……。Upload By 海乃けだまやっぱりつけないほうがよかったかも……落ち込んで帰宅。翌日からの周りの反応は?上級生の女の子がランドセルを指さして耳打ちをしている姿を見てしまった後、見送りの帰り道は頭の中でずっと「あの子はお友達になんて言ったんだろう。ヘルプマーク、つけないほうがよかったかな」とマイナスなことばかり考えていました。家事も手につかず(←いつも手につかず(笑))、息子に申し訳ないことをしてしまったんじゃないかと気持ちも沈んでいました。落ち込んでいても仕方ないので、下校のお迎えに行った際に息子との距離感をそれとなく確かめようと思いましたが、その上級生の女の子とは下校時間が違い会えませんでした。そして翌日……昨日の登校よりさらにドキドキして集合場所に行きました。「昨日耳打ちしてた女の子はどの子だったかな……」と考えていると、上級生の女の子2人が息子の近くに寄ってきて「ひとでくん、一緒に手繋いで歩こう?」と声をかけてくれたのです…… (感動)!!そう、その女の子たちは昨日耳打ちしていた女の子とそのお友達でした……!!耳打ちしているところを見たことで、悪い方向に考えてしまっていた自分を恥じました。今ではその優しい上級生の女の子たちのことがとっても大好きな息子。毎朝姿が見えると「〇〇ちゃーん!」と息子からニコニコ寄っていきます。Upload By 海乃けだま入学して3ヶ月経った今でも登下校には必ず付き添っていますが、元々インドア志向で登校しぶりのある息子が楽しく登校できているのはこの上級生の女の子をはじめ、優しい登校班のお友達のおかげです。ヘルプマークをつけるか、つけないかとても迷い、悩み・葛藤がありましたが、今のところつけていて良かったと思います。執筆/海乃けだま(監修:新美先生より)お子さんのランドセルにヘルプマークを付けることにした経緯とその反響についてのエピソードを聞かせていただきありがとうございます。ヘルプマークは、援助や配慮を必要とされるすべての方が、「援助や配慮をしてほしい」という意思を示す目印です。対象となる障害や疾患が特に決まっているわけではなく、必要な方は誰でもつけることができます。メリットは、援助や配慮が必要になる場合があるということを明示できることです。例えば、「がんの治療中で体力がない」ということをわざわざ言わないで優先席に座っていても、ヘルプマークがあれば何らかの事情があるのだろうと理解してくれるかもしれません。ヘルプマークの意味を認知している人の中には、困っている様子を見て声をかけてくれることがあるかもしれません。また、緊急事態のために、ヘルプマークの裏面に必要事項をメモしておくことも可能です。緊急連絡先やしてほしい対応などを書いておくこともできます。デメリットもないとは言えません。なんらかの「障害」がある人とみなされて、差別や偏見の目で見られることがないとは、今の世の中で言えません。また、お子さんの場合、ご本人が自発的にというのではなく、保護者が良かれと思ってつける場合、お子さんが物心ついて、ヘルプマークの意味を知った時に、疑問を抱いたり、自分の意志とは無関係につけられていたことに反感を持つかもしれません。周囲の子どもから「なんでこれをつけているの?」と聞かれて、困ってしまうというようなことも起こり得ます。今回は、ヘルプマークをつけることで、理解のある上級生が声をかけてくれるきっかけになったという、あたたかいエピソードをきかせていただきほっこりした気分になりました。ヘルプマークをつけるかどうかは、ご本人の性格・特性や周囲の環境を考えて、メリット・デメリットを検討して、各自に決められたらよいかと思います。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年07月15日幼少期は困った事はなかったものの、社会に出てから自身の発達障害に気づくというケースも。そこで今回は、MOREDOORのオリジナル漫画『大人の発達障害』をご紹介します。※少しでも多くの方に、このことについて考えるキッカケづくり目指して制作されました。当事者の声はさまざまです。あくまで一例として、考えるキッカケになれば幸いです。あらすじもうすぐ社会人2年目となる田所。幼少期から友人との関係も良好で、スポーツでも成果を出していました。しかし、会社で働くようになるとミスが目立ち始め、そんな自分に嫌気がさし仮病で欠勤するように。友人に相談すると、病院の受診をすすめられ、実際心療内科に行ってみると……?診断の結果は……話を聞いている間も、気がそれてしまう……治るものなの……?「ADHD」であることを友人のすすめで心療内科を受診したところ、ADHDだと診断された田所。子どもの頃は周りのフォローがあったため、困り感には繋がらなかったようです。ADHDであることを彼女に打ち明けると……?※この漫画はフィクションです。■監修:三崎てるひこ(臨床心理士・公認心理師)■作画:長月よーこ(MOREDOOR編集部)
2024年07月14日マンガ発達障害の子どもと私たち/はるき編 第3話Upload By ユーザー体験談Upload By ユーザー体験談「こんなときみんなはどうしているの……」孤独を感じ、一人で抱え込む母Upload By ユーザー体験談Upload By ユーザー体験談分からない不登校の理由……このままでいいの?発達ナビユーザーから寄せられた体験談を元にしたストーリー、マンガ「発達障害の子どもと私たち」の第4話をお届けします。3歳でASD(自閉スペクトラム症)、4歳で軽度知的障害(知的発達症)と診断を受けた小学2年生のはるきさんは、5月、運動会のあとから学校を休みがちになりました。保護者は「学校へ行きたくない」というはるきさんの気持ちを受け止めていますが、完全な不登校にはなってほしくないと思っています。ある日、頑張って登校したはるきさんはおなかが痛くなってしまいました。身体症状がでてしまったことにショックを受けた母は学校の先生と相談、でもはるきさんが学校へ行けない理由や、どうすれば学校へ行けるのかははっきりした答えがでません。夫の意向で療育手帳を返納したはるきさん。母はASD(自閉スペクトラム症)や知的発達の偏りについて支援が受けづらくなるのではないかと不安になります。また相談できる相手もいないため押しつぶされそうです。次回はついに第1章最終話。はるきと母はどうするのか……。第4話「不登校、内にこもる息子と向き合えず焦り…私の選択は」ぜひご覧ください。保護者も頑張りすぎない。不登校の悩みは一人で抱えず、適切な相談先へ【専門家解説】相談先としては、学校、まずは担任の先生と面談などを設定してもらいお話できるといいでしょう。お子さんの状態やお子さんの今の思い、そして保護者としての思いなどを学校に伝え、今後どのようにお子さんが不登校という状態に学校・家庭が対応するか、そのためにどのように連絡を取り合うかといった当座の方針を検討できるとよいと思います。お子さんの状態や思いは時間によって変化しますので、永続的な方針というよりも、まずどのようにしてみるかの当座の方針を確認するのがお勧めです。担任の先生に相談しづらい場合は、スクールカウンセラー、また自治体の教育支援センターなどの教育相談室で、心理の専門家に相談してみるのもよいでしょう。保護者の気持ちや、お子さんの気持ちを整理してもらい、学校とのよい連絡、協働のあり方について提案がもらえるのではと思います。お子さんの不登校のサポートで大切なことは「保護者も頑張りすぎない」ということです。保護者自身も不安な気持ちを信頼できる人に話したり、今だけでなく将来への情報を集めてみると、想像より選択肢が多く、不安が少し解消されるかもしれません。そして、保護者が自分自身を休める時間をつくるようにしましょう。最近の研究では、ASD(自閉スペクトラム症)のある子の多くがDCD(発達性協調運動症)を併存しているという結果も示されてきています(※)。学年があがり高度な学習が求められるようになると、不器用さが目立つようになったり、学習の問題が表出してくることもあります。このように、学年が上がることで求められる要求水準が変わり新たな困難が生じることもあります。また、そのような困難が心理的なストレスを強め自己効力感や自信が低下し、抑うつや不安を強めてしまうこともあります。担任の先生とは連携を密にしていく必要があります。不登校に関してはその時の子どもの状態にあわせたさまざまな対応やステップがあります。将来のことも気になり、親御さんのメンタルヘルスが悪化することもあります。一人で抱えずに勇気を出して身近に相談できる人を持つことが解決への一歩になります。※ Saito,M.,Hirota,T.,Sakamoto,Y.,Adachi,M.,Takahashi,M.,Osato-kaneda,A.,...& Nakamura,K.(2020).Prevalence and cumulative incidence of autism spectrum disorders and the patterns of co-occurring neurodevelopmental disorders in a total population sample of 5-year-old children. Molecular autism,11,1-9.Upload By ユーザー体験談不登校のサポートで不安が強い、疲弊している方は以下の記事をぜひご覧ください。前の記事はコチラ(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年07月11日夏休みのお出かけにも!「オーディオゲームセンター + CCBT」、7月13日(土)から開催Upload By 発達ナビニュースシビック・クリエイティブ・ベース東京 [CCBT] (東京・渋谷)では、「オーディオゲームセンター + CCBT」を7月13日(土)から夏休み期間にわたり開催します。オーディオゲームとは、映像を見てプレイする一般的なビデオゲームとは違い、「音から発想し、音だけでつくるゲーム」のことを指します。本イベントでは、国内外で制作されたオーディオゲームの展示のほか、体験会やトークイベントなどを実施します。普段は視覚に障害のある人がパソコンなどの端末からオンライン上でプレイすることが多いというオーディオゲームですが、今回のイベントでは、実空間でみんなでゲームをプレイすることができます。例えば、プレイヤーの進むべき方向を示す「ガイドメロディ」を頼りに車を走らせるレーシングゲームや、音を手がかりにエピソードをたどるストーリーテリング・ホラーゲーム、音に合わせて叩くことで敵を倒す新感覚のリズム・アクションゲームなどが展示され、実際にプレイできるとのことです。そのほか、目の見える人も見えない人も操作ができるように設計されたオーディオゲーム制作アプリも体験することができます。オーディオゲームを楽しむだけでなく、ゲーム創作にも挑戦できる貴重な機会です。音だけで楽しむ新感覚のゲームセンター「オーディオゲームセンター + CCBT」を、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。【詳細】会期:2024年7月13日(土)〜9月16日(月・祝)休館日:月曜日(祝日の場合は開館、翌平日休館)開館時間:13:00〜19:00会場:シビック・クリエイティブ・ベース東京[CCBT]観覧料:無料※会場で音を聞くために、ぜひスマートフォンとイヤフォンをお持ちください。※クリックすると、発達ナビのサイトからシビック・クリエイティブ・ベース東京『オーディオゲームセンター + CCBT』Webサイトに遷移します。共生社会について学ぼう!東京都理学療法士協会、7月28日(日)に小学生対象のインクルーシブ体験イベント無料開催Upload By 発達ナビニュース東京都理学療法士協会が主催する、小学生を対象としたインクルーシブ教育体験事業「2024年度夏休み無料体験イベント 学びの探検隊、始動!~共生社会ってなんだろう?~」が7月28日(日)に東京都内で開催されます。理学療法士(PT)とは国家資格の一つで、けがや病気、高齢などさまざまな理由で日常生活に必要な基本動作が難しい方に対し、運動療法や物理療法(温熱、電気等の物理的手段を治療目的に利用するもの)などを用いてリハビリテーションを行い、自立した生活が送れるようにサポートする医療専門職です。昨年度に引き続き、夏休みに開催されることになったこのイベントは、日頃から障害のある人に接している理学療法士の方々により、子どもの頃から「心のバリアフリー」を自然に学べる環境をつくりたいとの思いから企画されました。イベントでは、身近な「エスカレーター」の乗り方を題材に、多様な人の視点に立って危険や問題点などを考えるワークショップのほか、ボッチャ体験なども行われます。東京都理学療法士協会が作成したまんが教材「わけがあってこちら側に止まっています~心のバリアフリー~」は、ワークショップで使用されるほか、Webページからも閲覧が可能です。公益社団法人東京都理学療法士協会エスカレーターマナーアップ推進委員会「わけがあってこちら側に止まっています~心のバリアフリー~」※クリックすると、発達ナビのサイトから「エスカレーターマナーアップマンガ わかげあってこちら側に止まっています 〜心のバリアフリー〜」Webページに遷移します。夏休みに共生社会について学ぶことができる本イベントに、ぜひ参加してみてはいかがでしょうか。【詳細】日時:2024年7月28日(日)13時30分~16時(受付13時~)場所:BPM(池尻大橋駅徒歩1分) 東京都世田谷区池尻2丁目31-24信田ビル2階主催:公益社団法人東京都理学療法士協会参加費:無料定員:25名対象:小学3年生~6年生※付き添いの方の待機スペースあり※東京都内の小学生に限らずご参加可能です申込方法:2024年7月20日(土)までに以下リンクから申し込み※クリックすると、発達ナビのサイトから「2024年度夏休み無料体験イベント 学びの探検隊、始動!~共生社会ってなんだろう?~」参加申込フォームに遷移します。「チック・トゥレット症の医学的理解」医療講演会の貴重動画を初公開!Upload By 発達ナビニュース本人の意思に関係なく、まばたきや咳払い、首振りや奇声などを繰り返すトゥレット症(トゥレット症候群)。ASD(自閉スペクトラム症)やADHD(注意欠如多動症)と併存することも多いと言われている発達障害の一つですが、いまだに誤解や偏見などから、当事者の日常生活や社会生活に支障をきたすこともあります。「トゥレット友の会」はトゥレット症(トゥレット症候群)やチック症の啓発と、患者・家族への支援を目的としたボランティア団体で、さまざまな活動を行っています。2024年5月26日(日)、「トゥレット友の会」によって開催された「トゥレット症候群 啓発イベント2024」の医療講演会動画が、現在、Youtubeで一般公開されています。講師の新井先生は2010年~2022年まで神奈川県立こども医療センターで児童思春期精神科部長に就いていらっしゃり、トゥレット症(トゥレット症候群)にお詳しい先生です。また、本イベントのチラシのイラストは、トゥレット症(トゥレット症候群)のMarieさんによって描かれたものです。こちらのイベントは毎年行われていますが、今回の講演会では医学的な知識の解説だけではなく、保護者・支援者の適切な関わり方や具体的な対応方法、心理的ケアなど、幅広い情報がふんだんに盛り込まれています。また、講師の新井卓先生と参加者による質疑応答も視聴することができます。「子どものチックに悩んでいる」「トゥレット症(トゥレット症候群)について聞いたことはあるけれど、あまりよく知らない」という方は、この機会にぜひご覧になってみてはいかがでしょうか。【詳細】「トゥレット症候群 啓発イベント2024」医療講演会講師:新井 卓 医師(子どもメンタルクリニック院長)主催:トゥレット友の会共催:世田谷区後援:厚生労働省・社会福祉協議会・NPO法人日本トゥレット協会:チック・トゥレット症の概説。経過および併存症:治療と対応。治療動機の変遷:質疑応答※クリックすると、発達ナビのサイトから「トゥレット友の会」Webサイトに遷移します。※トゥレット症は、チック症群の一つです。チックとは、突然、速く、反復的に繰り返される運動や発声のことをいいます。まばたき、肩すくめ、手足の曲げ伸ばしなど身体の動きのチックを「運動チック」、咳払い、鼻ならし、うなりなどの発声に関するチックを「音声チック」といいます。いくつかの運動チックと1つ以上の音声チックが同時(または症状のある同時期)にあらわれる症状が1年以上続いており、その症状が18歳以前に発症している、物質の生理的作用やほかの疾患が原因ではない場合に「トゥレット症」と診断されます。田辺・弁慶映画祭受賞作品『99%、いつも曇り』8月28日(水)〜31日(土)テアトル新宿、9月25日(水)テアトル梅田で上映決定Upload By 発達ナビニュース第36回東京国際映画祭Nippon Cinema Now部門にも出品された映画『99%、いつも曇り』。第17回田辺・弁慶映画祭のコンペティション部門にて、グランプリ・観客賞・俳優賞(瑚海みどり・二階堂智)・わいず倶楽部賞の5冠に輝いた同作が、『田辺・弁慶映画祭セレクション2024』にて上映されることが決定しました。主人公・一葉を演じるのは、本作の監督・脚本も務めた瑚海みどりさん。「アスペルガー(※)じゃないの?」と言われたこともあるという経験が、制作のきっかけになったといいます。※アスペルガー症候群は、現在ASD(自閉スペクトラム症)という診断名に統一されています。45歳の一葉は、母親の一周忌で叔父に「子どもはもうつくらないのか」と言われ、大きく揺れます。夫の大地が子どもを欲しがっていることは分かっていても、流産の経験もあり前向きになれないでいました。一葉は、自分にアスペルガー症候群(現在の診断基準ではASD/自閉スペクトラム症に統一)の傾向があることに悩んでいました。養子をとることを勧められた夫婦は、次第にすれ違うことが多くなっていき……。懸命に生きているのに、空気が読めず不器用で生きづらさを抱える妻と、そんな彼女を支える夫の苦悩が、何気ない日常生活の一つひとつのシーンからリアルに迫ってくる作品です。俳優・声優としても活躍する瑚海みどりさんの長編初監督作を、ぜひ劇場でご覧になってはいかがでしょうか。【開催期間】テアトル新宿2024年8月23日(金)〜8月31日(日)テアトル梅田(旧シネ・リーブル梅田)2024年9月25日(水)【料金】一般・大専:1,500円/シニア:1,300円/TCG会員1,400円※クリックすると、発達ナビのサイトから映画「99%、いつも曇り」公式Webサイトに遷移します。ぜんち共済が、「旧優生保護法裁判~最高裁判決の問いかけ~」オンラインセミナー7月27日(土)を開催Upload By 発達ナビニュース旧優生保護法は1948年に施行され、精神障害や知的障害などを理由にした強制不妊手術を認めるもので、1996年に改正されるまでの48年間に手術を受けた人はおよそ2万5,000人に上るとされています。旧優生保護法のもとで不妊手術を強制された人たちが国を訴えた裁判で、最高裁判所大法廷は2024年7月3日、同法は憲法違反であるとして、国に賠償を求める判決を言い渡しました。今回の最高裁判決を受けて、ぜんち共済株式会社顧問弁護士で原告弁護団弁護士の関哉 直人氏が、原告の一人である北三郎さん(仮名)と共に、この判決が持つ意味を解説します。人権や法の下の平等について理解を深めると共に、社会や個人の中にある偏見や差別といった問題に向き合う機会にしてみてはいかがでしょうか。〈詳細〉日時:2024年7月27日(土)10:00~11:45参加費:無料講師:関哉 直人場所:オンライン(YouTubeライブ)申込方法:下記URLよりお申し込みください。主催:ぜんち共済株式会社※7月26日(金)までに申し込みをいただいた方は、アーカイブ配信(一部編集の可能性あり)をご視聴いただけます。【講師プロフィール】関哉 直人岐阜県出身2000年名古屋大学法学部法律学科卒2001-2023年3月五百蔵洋一法律事務所勤務2023年4月関哉法律事務所開所※クリックすると、発達ナビのサイトから「ぜんち共済<7月27日(土)開催セミナー申し込みフォーム>」Webサイトに遷移します。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年07月10日年少になる直前に離婚、2人だけの生活がスタート!!コチ丸が保育園の年少になる直前、コチ丸パパと私は離婚をしました。離婚後、私は実家の隣町で保育園近くのマンションを借りて、コチ丸との2人暮らしを始めました。仕事は以前と変わらず、名古屋にある育児関係の会社で働いていたので、毎日1時間半かけて電車通勤をすることになりました。そのため、コチ丸は朝7時半頃には保育園に登園し、帰りは19時頃。まさに保育園のヌシのように「一日中園にいる男」でした(笑)。当時、私は正社員だったもののお給料はそれほど高いわけではなく、家賃や光熱費などは毎月ギリギリ。「来月電気止めますよー」、「家賃引き落とせませんでしたよ」という紙をポストに入れられたことも何回かありました。そんな生活だったので、この頃の私は心に余裕がなく、常に気が立っていました。Upload By あき波乱の2人暮らし。保育園児にして家出騒動勃発!あらゆる面で余裕のない生活に追い討ちをかけるように、マイペースでこだわりの強いコチ丸との暮らしは、怒鳴り合いの大喧嘩の連続でした。当時の私は、「なぜこんなにも育児がうまくいかないのか」と理由も分からず苦悩していました。ちょっとしたことで言い合いになったり、怒ってコチ丸が床をドンドン足踏みしたり……。当時はマンション住まいだったので、隣の方から壁をドンドンと鳴らして騒音への無言の苦情をうけることもありました。わが家の騒音に耐え切れなくなって、隣の方が乗り込んでこられるかもしれないと、常にハラハラしていました。ある日、いつものように大喧嘩をしたあと、疲れ果てた私が部屋でテレビをぼんやり見ていると、隣の部屋にいるはずなのに妙に静かなコチ丸。気になってそっと部屋を覗き込むと、自分の大事なおもちゃや本、三輪車などを玄関から廊下を通り部屋まで全て一列に並べているところでした。Upload By あき「何やってるの?」と恐る恐る尋ねると、「ママなんか嫌いだ!これから家出する!」当然、並べた荷物たちがコチ丸について動くわけもなく(笑)、全て持ちきれもせず、コチ丸の人生初の家出計画は失敗に終わりました。どんな人生を歩んで欲しいか?保育園の頃から考えていた私この時期からコチ丸のじっとしない様子は顕著に表れるようになっていました。病院や買い物なども、家に1人では置いていけないので連れていくしかないのですが、3分と同じところでは待てません。2人きりの外出では、いかにコチ丸の気を長く引けるかが常に課題でした。そんななかでも私はコチ丸には早くから大人と付き合う環境を意識して与えてきました。「手が掛かる子」という私だけの偏った見方で育てるのは良くないという気持ちが強かったからです。シングルで育てているがゆえに私の考え方の押し付けが強く出てしまわないよう、コチ丸にはいろんな大人の考えに触れて、「環境」に育ててもらいたいと思っていました。今もコチ丸が地元に帰ってくると髪を切りに行く美容院がありますが、そこへ通い始めたのもこの頃からです。初めてお店に行った時、座っているのが嫌で店内で大暴れ(焦)して、保育園児にして店長に出禁を食らいそうになったコチ丸……。今となっては店長と男同士の大事な話(主に下ネタ)をする仲です(大感謝)。Upload By あき歯医者さんもこの時期から定期的に通っていましたがやはり最初は大暴れ。首にエプロンが掛かるのがイヤなど敏感なところが多いコチ丸でしたが、担当の歯科助手さんが根気よく付き合ってくれました。コチ丸が歯医者でエプロンを掛けられるようになったのは中学に入ってからでした(笑)。私たち親子の周りには、コチ丸を子ども扱いせず、同じ目線で話してくれる方が多く、幼いうちからいろんな世界観や選択肢をコチ丸は親以外から与えてもらって育ったと思います。子どもを1人で育てていくことへのプレッシャーのなかで過ごした2年間コチ丸との2人暮らしは、ほかにもいろんなことがありました。大雨の中、膝まで水に浸かりながらコチ丸をおんぶして保育園から帰ったり、私が割れた皿で手を深く切ってしまい、コチ丸を病院の待合室で待たせたまま緊急縫合手術を受けたり(怖)。この時期が一番大変だったなと、今振り返っても思います。もちろんコチ丸のマイペースさや、個性に翻弄されていたことも事実ですが、それよりも「私が子どもを自分の力で育てなければいけない」というプレッシャーが常に続いていました。Upload By あきしかし本当にあの頃はよく頑張ったな、私。と褒めてあげたいです、とりあえず(笑)。そして何より、「よくこんな母に1人でめげずについてきてくれたな、コチ丸」と、もっともっとコチ丸も褒めてあげたいです。ありがとう。執筆/あき(監修:鈴木先生より)母子家庭であることだけでも大変なのに、ASD(自閉スペクトラム症)とADHD(注意欠如多動症)のコチ丸さんを頑張って育てている私こと、お母さまはよく考えて行動していると思います。お母さまの努力は決して無駄にはなりません。最終的にコチ丸さんが自立できればいいのです。北海道での寮生活がさらにコチ丸さんの社会性を磨いていることでしょう。「かわいい子には旅させよ」の精神で、早めの親離れはお母さまにとっては寂しいかもしれませんが、コチ丸さんご本人の自立性を磨くにはいい機会だと思います。数年後には必ずやお母さまに恩返ししてくれることでしょう。会えなければ手紙でもいいので寮で頑張っているコチ丸さんを褒めてあげてくださいね。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年07月08日長男に合った就学先は?療育の先生からの提案で再度就学相談へ長男が通っている療育の先生から、「学習意欲が高いけれど聴覚過敏がある長男には、環境的に自閉症・情緒障害特別支援学級のほうが合っているのでは?」といわれ、改めて就学相談に来た私と夫。Upload By プクティ私たちとしても、療育の先生いわく「騒がしい雰囲気」だという知的障害特別支援学級は、長男には合っていないように思えました。だからといって通常学級で学ぶことには不安が残っていたため、やはり自閉症・情緒障害特別支援学級を検討したいと思っていました。Upload By プクティしかし相談員さんの話だと、初めて受けた知能検査の数値と、知的障害(知的発達症)と診断されている現状から、長男は自閉症・情緒障害特別支援学級に入る対象にはならないとのことでした。初めての知能検査から1年近く経っていたので、現段階の長男の知能を知るために、改めて検査を受けさせていただくことになりました。※編集部注:子どもが受けることのできる知能検査には、さまざまな種類(田中ビネー、WISCなど)がありますが、同一の検査は1年から2年程度の期間を空けることが望ましいとされています。知能検査の結果、話は意外な方向に……Upload By プクティ2回目の知能検査を受け終え、結果を聞きに改めて就学相談へ。やはり前回の検査からはかなり結果が変わり、IQが100あるということでした。今回は落ち着いて知能検査を受けられたこと、検査の数値では理解する能力が高いということで、相談員さんからは通常学級への就学を勧められました。Upload By プクティしかし知能検査は、検査を担当する方と1対1で行われます。長男は、1対1のやり取りでの理解力は高くても、幼稚園などの集団生活の中では、指示を聞けなかったり、活動に参加できなかったりすることがほとんどだったため、やはり自閉症・情緒障害特別支援学級を検討したいということを改めて伝えました。すると、自閉症・情緒障害特別支援学級は、医師からASD(自閉スペクトラム症)の診断を受けているお子さんしか対象にならない(ADHD/注意欠如多動症も非対象)とのことだったため、相談後すぐに知的障害(知的発達症)の診断を受けた病院で、再度診察を受けることにしました。※自閉症・情緒障害特別支援学級への入級の基準は自治体によって異なります。知能検査の数値では分からない「長男の困り」はどうしたら伝わるの?療育先へ相談受診希望者が多く、病院を予約できたのは数ヶ月後になってしまいましたが、何とか無事予約ができました。私たちは、2度目の知能検査の結果と就学相談で聞いた話を相談するため、療育先へ行きました。Upload By プクティ療育の先生は事情を聞いてすぐに動いてくださり、病院からASD(自閉スペクトラム症)の診断をスムーズにもらえるよう、長男の療育での様子や困りごとをまとめた意見書を用意しますと言ってくれました。療育の先生のサポートで光が見えてきた私たちですが、果たして自閉症・情緒障害特別支援学級への就学を認めてもらえるのか、数ヶ月後の病院の受診日まで落ち着かない日々を過ごすことになったのでした。執筆/プクティ(監修:室伏先生より)就学相談にまつわるエピソードの続きについて、詳細を共有くださり、ありがとうございます。知能検査を再度受けられて、IQと診断が大きく変わったとのことで、一気に道筋も変化しましたね。周りとのコミュニケーションや、コミュニケーションツールとしての言語に関心が向きづらいお子さんの場合、幼児期には言語発達が伸び悩むことも多いですが、言語理解や発語が進みだすとぐんぐん習得して、定型発達のお子さんと同程度の言語能力(場合によってはとても難しい言葉を使うことを好むお子さんもいますが)を身につけることはよく経験します。知能検査は、言語でのやりとりが必要なものが多いので、特に就学前のお子さんでは、本来お子さんが持っている理解力や判断力よりもIQとしては低く算出されてしまうこともあります。そのような場合には、言語能力が追いついた後に検査を受けると、ぐんとIQが上昇することもあります。なお、お子さんが受けることのできる知能検査には、さまざまな種類(田中ビネー知能検査、WISCなど)がありますが、同一の検査は1年から2年程度の期間を空けることが望ましいとされています。これは、短期間のうちに検査を反復すると、以前の検査内容を覚えていて次の検査結果の信憑性が落ちてしまうことあるというのが理由です。どうしても再検査が必要な場合、検査を行う年齢や、ご本人の能力にもよりますが、異なる検査を行うこともあります。再検査を希望されても実施できないという可能性もありますので、知能検査の実施時期については就学相談も見越しての検討が必要です。これについては、実施する機関でご相談いただくとよいかと思います。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年07月05日マンガ「発達障害の子どもと私たち」はるき編 第2話Upload By ユーザー体験談Upload By ユーザー体験談頑張って学校へ行ってみるも……Upload By ユーザー体験談Upload By ユーザー体験談学校に行きたくない理由は?ASD(自閉スペクトラム症)小2のはるき発達ナビユーザーから寄せられた体験談を元にしたストーリー「マンガ発達障害の子どもと私たち」の第2話をお届けします。はるきさんは、3歳でASD(自閉スペクトラム症)と診断を受けた小学2年生。それまで行き渋りはなかったのですが、2年生の5月、運動会のあとから学校を休みがちになりました。保護者は発達障害についてよく勉強をしていて、「学校へ行きたくない」というはるきさんを受け止めています。ですが、完全な不登校になったらどうしようという不安も抱えています。学校を休んでいる間のはるきさんは、リモートワーク中のお母さんを邪魔しないように、気配を消して過ごしているようです。その姿を見たお母さんは心配そう……。お姉さんが学校から持ち帰るプリントを楽しみにしているはるきさんですが、頑張って登校したらとうとう腹痛という身体症状がでてしまいました……。次回、母親と学校の面談が行われます。第3話「分からない不登校の理由。周りの励ましがあるも母は葛藤、孤独を感じて…」ぜひご覧ください。不登校の原因は一つではないことが多い【専門家解説】子どもが不登校になったとき、周囲は学校へ行きたくなくなった「きっかけ」や「原因」はなにか探ろうとすると思います。しかし、「きっかけ」は思い当たることがある場合もありますが、不登校の「原因」は、実は一つではないということがとても多く、子ども自身もうまく言葉にできないことがあります。はるきさんの場合、不登校の原因は宿題や勉強自体ではない可能性があります。例えば、先生からあてられるのではないかなど先生からの声がけに過敏に反応してしまったり、授業中以外にクラスの中で感じる不安もあるかもしれません。身体症状は子どものうそでもわがままでもなく、ストレスのかかる場面でおなかが痛くなってしまって保健室へ行ったのに、帰宅するとおさまってしまう場合などは心因症状といえるかもしれません。言葉での表現だけでなく、体からもSOSが出ていることを学校とも共通理解して対応していきましょう。Upload By ユーザー体験談不登校になったとき大切にしたいのは「子どものエネルギーチャージの方法」です。詳しくは以下の記事をご覧ください。学校でわが子が苦しんでいたら…保護者の「あなた」はどうする?【マンガ発達障害の子どもと私たち】プロローグこのままだと完全な不登校に…?母の焦り【マンガ発達障害の子どもと私たち/はるき編第1話】(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年07月04日通級指導教室に通うADHD(注意欠如多動症)傾向の一卵性双子の息子たちわが家には小学5年生の一卵性双生児の男の子がいます。生後6ヶ月でハイハイを始めた頃からその動きの激しさに「多動では?」「もしかして発達障害があるのでは?」とずっと悩んでいたのですが、保育園、幼稚園の先生からは「大丈夫ですよ」と言われ続けていました。ですが就学後すぐ、弟の担任の先生から「指示が聞き取れていないことが多いです。また、なわとびなどできないことがあると癇癪が出るので、通級指導教室をおすすめします」と言われWISC-Ⅳを受け、小学1年生の終わりから通級指導教室に通っています。また、遅れて兄も同じように指摘をされ、小学2年生から通級を開始しました。診断は受けていませんが2人ともADHD(注意欠如多動症)、さらに弟の方にはASD(自閉スペクトラム症)の傾向もあると感じています。そんな息子たちが1歳、2歳の時、感じた違和感をお話したいと思います。児童館の1歳児教室で1年間全く踊らなかった息子たち息子たちが1歳になった頃、地域の児童館の1歳児教室に入りました。週1で15名程の1歳児が保護者と一緒に手遊びや工作、ダンスなどを集団で楽しむところです。教室初日、息子たちは場所見知りが全くないためサササーっと教室入り、部屋の中をぐるぐる走り回りだしました。(止めなきゃ!)と焦った私が目にしたのは、保護者の膝の上に座って待っているお子さんたち。(すごい!みんなちゃんと待ってる!)と驚きながら、一人を追って抱っこし、もう一人を捕まえようとしたところ、児童館の先生が「いいのよ~。好きに走ってて」と声がけをしてくれ、もう一人は先生が見てくださることになりました。いつも息子2人を一人で見ていたので、なんてありがたいことだと感動しつつ、教室がスタートしました。Upload By ユーザー体験談まず手遊びが始まりました。先生がゆっくり手本を見せてくれるのですが、息子たちは先生の方を全く見ません。周りの子は手を叩いたり反応しているのに……と不安を感じました。そして次に明るい幼児向けの曲が流され、それに合わせて踊ろうということになりました。ほかのお子さんは、楽しそうに足踏みをしたりして踊っているのですが、息子たちは踊ろうという素振りもありません。耳を抑えながら、嬉しそうに「キャー」と声を上げ、教室を何周か走り、そのまま二人で教室を出ていってしまいました。私と児童館の先生が追いかけると、おもちゃのある部屋に駆け込んでいった2人。先生も「おもちゃで遊びたいみたいだから、今日はここにいましょうか」とおっしゃってくださったので、そうすることにしました。初日だから仕方ないよね……と思いましたが、この後1年を通して息子たちは一度も踊ることはありませんでした。音楽が鳴ると教室の外に走って出ていってしまうのです。私も諦めて一緒に教室から出て、ほかの子どもたちが活動をしている音を遠くに聞きながら、別室でおもちゃで遊ぶ息子たちを暗い気持ちで見ていました。Upload By ユーザー体験談歌を聞く、紙芝居を見るなどができない。保育園では「集まりが苦手そうね」と配慮1歳児教室で感じた「じっと座っていられない」「先生の指示を全く見ない」ことに不安を覚えていた頃、保育園での一時保育を始めました。当時フリーランスで働いていたため、その作業時間を確保するため週1~2回預かってもらうことになったのです。その保育園は、一時保育クラスの先生が2人、一時保育の子どもは1日4人までしか受け入れない体制をとっていたため、かなりきめ細かく対応していただけました。一時保育の先生は息子たちをよく見てくださり、集団行動が苦手だということにすぐ気づいてくださいました。先生から「少人数相手に紙芝居を見せると見るときもあるのですが、大勢がいる場所で紙芝居を見たり、歌を聞いたりするのは嫌みたいです。じっとしていられなくて、外に逃げていってしまいます。大人数の集まりが苦手なのかもしれません。そういう時は無理に参加させず園庭で遊ばせてもいいですか?」と聞かれました。私は先生に1歳児教室でのことを話し、「2人とも多動ではないでしょうか。発達障害かもしれないと思っていて……」と聞いたのですが、「まだ1歳ですし、そんなに気にすることはないと思いますよ。元気でいいじゃないですか」とのこと。そういうものかと思いつつ、3歳で別の幼稚園に入るまで集団行動的なイベントがある時間は、2人だけで園庭で遊ぶのが決まりになりました。もう集団行動は無理だと諦めた私。でも3歳になって……その後も子育て支援施設で絵本と音楽を合体させたショーを見たり、子ども向けの美術系のイベントに参加したり、児童館でリトミックをやってみたりといろいろ集団行動をするような場所へ行ったのですが、どれにも参加してくれず、私は走り回る息子たちを捕まえるばかり……。また親子スイミングへも通っていたのですが、準備運動を拒否し一人で即プールに入ろうとするのをいつも止めていました(コーチにはよくフォローしていただきました……)。私は(これはもう諦めよう……。集団行動が苦手なら、無理に参加する必要はない)と思うようになりました。しかし、息子たちが3歳になった頃、変化があったのです。息子たちが大のお気に入りの場所の一つに室内アスレチックが豊富な市営の子どもの遊び場がありました。そこではいつも決まった時間に手遊びと紙芝居が始まります。アスレチックで遊んでいる子どもたちはそれが始まるとみんな集まって、手遊びをし紙芝居を見るのですが、息子たちは決して参加せず、アスレチックで遊び続けていました(みんなが紙芝居を見ている背後で駆け回っていました)。しかし3歳のある日、突然長男が紙芝居の真ん前にちょこんと座り、紙芝居を見だしたのです。その姿に私はびっくり!今まで声がけをしても一度も見なかったのに、いきなりどうして!?しかし、その日を境に長男はその遊び場で紙芝居が始まると必ず見るようになり、また弟もそれから1ヶ月ほど後から一緒に見るようになったのでした。Upload By ユーザー体験談「集団行動ができない」と悩んでいたけれど……それからというもの、息子たちは紙芝居が大好きになり、大きなイベントのショーなどにもがぜん食いつくようになったのです。おそらく、それまでは手近にある遊びたいものに目を奪われていて、それ以外のもの(紙芝居など)に気づいていなかったのではないかと思っています。その後、2人とも幼稚園に入園し、遠足や運動会といった集団活動もできるようになりました。また、入園後もリトミックにはなかなか参加できなかったのですが、年少の終わり頃から喜んで参加するようになりました。小学校入学後は通級指導教室に通いつつ、一斉指示が入りづらい面はあるとはいえ集団活動に大きなトラブルもなく小学5年生になりました。0歳、1歳の頃に感じた「多動かも」「発達障害かも」というのは間違っていなかったとは思います。ですが、「集団行動ができない」と悩んでいたのが嘘のように、学校が好きで、遠足を楽しみにしたり、運動会のダンスも(不器用なので上手く踊れないのですが)楽しそうにやっています。今は「苦手なものはあるけれど、この子たちの得意を伸ばせればいいのかな」と思えるようになりました。Upload By ユーザー体験談息子たちは人との距離感が近くハラハラする時もありますが、その分さまざまな人と仲良くなれるので、これからもたくさんの人とつながりつくって、楽しい毎日を過ごしてもらえたらと思っています。イラスト/星河ばよエピソード参考/くまごろう(監修:森先生より)お母さんが辛抱強くサポートしたおかげで、お子さん達の興味の幅をひろげることができたのですね。さて、子育て中の方からの「集団行動が苦手」というお悩み相談は多いのですが、お子さんが小さいうちは特に個人差が大きい部分ではあります。興味をひかれるもの、興味の芽生えるタイミングなどは、本当にお子さんによってばらばらだからです。保護者の方から見たら「集団行動ができないのかな?」と不安になってしまうかもしれませんが、「周りのみんながしていること」よりも「自分が本当に興味のあること」を大切にするタイプということもあるのです。ダンスや紙芝居に興味が持てないとしたら、周りの人に興味がない、聴覚の過敏さがあって音楽や読み聞かせがあまり好きではない、身体を動かすのが苦手、単純にまだ面白さに気づいていない、などいろいろな理由が考えられます。ダンスや紙芝居など、今は興味が持てないとしても、身近にあればいつかは面白さに気がつくかもしれません。もちろんお子さんの気が向かない時には、無理に集団活動に参加させる必要はありません。児童館、子ども向けのイベントや療育機関などに積極的に参加して、その中で自由に楽しく過ごせるといいですね。「発達障害があるかないか」や「みんなが興味を持っていることに参加しているかどうか」よりも、お子さん自身の興味の向くことを深め、ひろげてあげるようにサポートをすることが重要なのです。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年07月03日青春は勉強に費やして。勉強ができてもトラウマに大学受験当時、私の発達障害に気づく人は誰もいませんでした。学校の成績も良かったため、私自身も含め誰もが「宇樹は難関大学に入ってエリートになるべき」と信じていて、かかっていたプレッシャーは相当なものでした。親は「勉強しろ」と直接的な言い回しこそしなかったものの、「学生の本分は勉強だ」「お前が勉強に集中できるように」とよく言っていました。家事の手伝いなどを免除するから、その時間を勉強に回すべきという雰囲気だったのです。自分にとって長時間の通学も含んだ学校生活だけでも疲労困憊するということも、自分がたとえ疲れていなくても比較的長時間の睡眠が必要だということも知らなかった当時。私はプレッシャーにせきたてられるまま、自分の体力の3倍ぐらいの無理を重ねました。青春らしい経験もいっさい重ねることなく、すべての時間を勉強に使ったのです。毎朝5時半に起きて2時間の通学をし、16時ぐらいに学校が終わるとゼイゼイするほどダッシュして電車に飛び乗って予備校へ。途中で、昼の分と合わせて2個持ってきた夜の分のお弁当を食べながら22時半ぐらいまで予備校の授業を受ける。23時過ぎに帰ってくると短時間でお風呂を済ませ、夜中の1時ぐらいまで船を漕ぎながら予備校の復習。そうしてようやく就寝、睡眠時間は4時間半あればいいほう、という感じでした。勉強=身体を壊すほどの疲れに耐えること になってしまった慢性的に過労状態だった私は、いつも耳鳴りがしていて、顔はニキビだらけ、顔は真っ赤にのぼせて手足は氷のように冷たく、歩きながらでも意識が落ちてしまいそうなほどに眠かった……。自律神経が悲鳴を上げていたと思います。そして、高校3年の10月頃、私はついに激しい腹痛と血便血尿を起こして倒れました。過労による腸炎と腎盂炎との診断で、1ヶ月ほど寝込むことに。なんとか持ち直した私は、学校が休みに入った受験直前には、食事やトイレの暇も秒単位で惜しむようにして時間を捻出し、毎日16時間の勉強をして、有名難関私大に合格しました。受験が終わった瞬間、私はプツリと糸が切れたかのように、何もかもやる気がなくなってしまいました。バーンアウトです。大学が始まっても、一度深刻に壊れてしまった心身は回復することはなく、せっかくあれほど努力して入った大学の授業にまったく身が入らないまま、漫然と4年間を過ごしました。それ以来、何十年といった単位で、私は「勉強」がダメになってしまいました。資格試験だとか、キャリアのためとか、そういったもののために勉強しようとすると、自動的に大学受験当時の、全身を300%張り詰めていたモードのスイッチがオンになって、体調が悪くなってしまうのです。もうこれは「勉強トラウマ」のフラッシュバックと言っていいと思います。40代の私、学びは生きがいけれど、私はそれでも、学ぶことは常に楽しんできたと思います。大学受験のためとかキャリアのためとか社会的評価のためとかいった、自分の価値をジャッジされることとは離れたところで、純粋に、知らなかったことを知る営みとして。「勉強」は訓読みすると「勉(つと)める、強(し)いる」となります。ここから、勉強には「外的にしろ内的にしろ、何か圧力のようなものがあって頑張ること」というようなニュアンスが感じられます。しかし、「学び」の語源は「まねび(真似)」から来ているそうです。先人の考え、知ってきた軌跡を、同じようにたどりながら知識と意識を身に着けていく。そんな「学び」が、私は大好きです。知らなかったことを知ることで、「これはこういうことだったのか!」「これとこれはこんなふうにつながっているのか!」と知的な興奮があったり、「こういうしくみだったのなら仕方ないな」とある種の納得や癒やしがあったり。「では、これをこうすればこれが実現できるのでは?」と、見通しや希望が持てたり。誰に強制されるでもなく、興味の赴くままに学ぶことは、生きるのを楽にしてくれ、また、人生の解像度を上げて、より楽しくしてくれます。勉強せざるをえなかった学校の教科の中でも、私は常に学びを発見してきました。勉強から離れたあとも、宗教学、哲学、心理学、神経科学、言語学……いろいろなことを学んできました。40代になった今、学びは私にとって不可欠なものとなっています。勉強と学び、それぞれ違う魅力がある私にとって勉強は非常につらいものではありましたが、それはあまりに無理を強いられたために極端につらかっただけ。本来勉強は、学びの基礎をつくるものとして不可欠なものだと思っています。たとえば私の場合、英語が読めなければ、英語で資料を探すこともできなかったでしょう。評論用語を知らなければ人文系の本を読んでも意味が分からなかったでしょう。数学が分からなければ心理統計が分からず、理科が分からなければ自律神経の話も理解できなかったでしょう。国語や古文の積み重ねがなければ言語学も分からなかったでしょう。勉強はこうした基礎を示すものだからこそ、大学受験や資格試験で試されるのであって、上手に努力すれば「合格」という比較的短期的に分かりやすい結果に結びつきやすいところは大きな魅力だと思います。学びはその点では短期的に分かりやすい結果に結びつくことは少ないですが、確実に人間性に深みを出してくれるし、そこはまさに人生そのものを充実させてくれる大事な要素だと思っています。人生にとって分かりやすい成果も大事ではありますが、人生を過ごす本体は自分という人間です。私は、つらくてもたくさん勉強をした過去の自分自身に感謝していますし、これからもたゆまぬ学びによって、自分の人間性を深めていきたいと思っています。文/宇樹義子(監修:森先生より)本当によく頑張られたのですね……。100%の限界を超えて力を出し切ってしまい、しばらくの間、燃え尽き症候群(バーンアウト)になってしまったと考えられます。 実は、発達障害の傾向のある方はご自分の疲労に気づきにくく、仕事や勉強に没頭しすぎてしまってエネルギーを出し尽くしてしまうことがあるのです。その結果、適応障害やうつ病になってしまうことも少なくありません。 宇樹さんの「勉強」と「学び」の考察についても、たしかにおっしゃる通りで、読んでいてとても学びになりました。 実は英語でもニュアンスの異なる「study(勉強する)」と「learn(学ぶ)」という2つの表現があります。英語の「study」は、ラテン語の「studium」からきた単語で、「没頭する」という意味を持つそうです。「learn」の語源は「leornian」という単語で、「知識を得る」「習得する」という意味だそうです。 宇樹さんの場合は、「勉強」「study」をしようとすると、健康を害しかねないレベルでご自分の時間・健康・興味のすべてを投入して没頭してしまうのでしょうね。知的な好奇心が旺盛で、常に楽しく興味の向くものを学ばれているとのこと、大変素晴らしいですね。これからも、ご自分の体調に気を配りながら、人生を豊かにするような「学び」を続けていけるように願っております。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2024年07月02日マンガ「発達障害の子どもと私たち」はるき編 第1話Upload By ユーザー体験談Upload By ユーザー体験談休む日がどんどん増えていって……Upload By ユーザー体験談Upload By ユーザー体験談運動会後、行き渋りが始まったASD(自閉スペクトラム症)小2のはるき発達ナビユーザーから寄せられた体験談を元にしたストーリー「マンガ発達障害の子どもと私たち」はるき編 第1話をお届けします。3歳でASD(自閉スペクトラム症)と診断を受けたはるきさんは、小学2年生まで元気に学校へ通っていました。しかし運動会が終わった5月の下旬頃から「学校を休みたい」というようになって……。保護者さんは自分で発達障害の本を読んだり勉強をしていたため、子どもが学校へ行きたくないといったとき「責めずに受け入れる」対応をとりました。ですが、いつまでも休みがちな様子に、完全な不登校になってしまったらどうしようと焦りが募ってきます。はるきさんの「先生も友達もやさしくしてくれる……。ただ学校だとさみしくてしょうがなくて口を開いたら涙がでそうになるんだ……」のセリフに、行き渋りのヒントがあるのでしょうか?次回は、はるきさんの視点でお話が進んでいきます。はるき編 第2話「『お母さん、迷惑かけてごめん』不登校で揺れる自閉症息子の気持ち」ぜひご覧ください。行き渋りは子どものSOS【専門家解説】子どもは「学校へ行った方がいい」と分かっていることがほとんどです。それでも「学校に行きたくない」と言ったとき、それは子どもからの「SOS」であると受け止めることが大事です。発達障害のある子どもは、「学校」という社会の枠組みや「標準」とよばれるようなものにフィットしづらい傾向があります。能力として「できる/できない」以前に、学校へ通い続けることで消耗し、自分自身のコンディションによって思うような行動ができず、困りごとを抱えてしまうことも多いと考えられます。まずは、「学校に行きたくない」と言われたら、まずはその気持ちを受け入れると同時に、その理由を本人、またはそれ以外の学校の先生方からも情報を集め、子どもがどういった環境要因によって困難を感じているのか考えていきましょう。Upload By ユーザー体験談子どもが不登校になったときのサポート方法については、以下の記事を是非御覧ください。前の記事「【新連載】学校でわが子が苦しんでいたら…保護者の「あなた」はどうする?【マンガ発達障害の子どもと私たち】」はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年06月27日マンガ「発達障害の子どもと私たち」プロローグUpload By ユーザー体験談Upload By ユーザー体験談マンガ「発達障害の子どもと私たち」の連載がスタートします発達ナビユーザーから寄せられた体験談を元にしたストーリー・マンガ「発達障害の子どもと私たち」のプロローグをお届けします。この物語の主人公は、発達障害のある子ども、そして彼らを育てる保護者たちです。子どもたちと保護者は、幸せに暮らすことができる環境を迷いながら求め続けます。子どもたちがぶつかった学校という社会の「壁」、それは乗り越えるものなのでしょうか?それとも……。次回からは「はるき編」が始まります。ぜひご覧ください。発達障害の子どもと小学校発達障害の特性が目立ってくる時期は、障害のタイプや個人によって異なります。ただ、小学校就学後は、幼児期までは目立ちにくかった落ち着きのなさや忘れ物の多さ、対人関係のスキル、学習面での凸凹などについて指摘されることが多くなり、トラブルも増えてくる傾向があります。幼児期は保護者や園のフォローで乗り越えられていた面も、小学校の通常学級(普通学級)だと1年生で1クラス35人、2年生~6年生だと1クラス40人になるため、集団の中での手厚いフォローを期待しづらい面も否めません。合理的配慮などさまざまな方法もありますので、担任の先生を含め連携をとりながら進めていきましょう。Upload By ユーザー体験談発達障害のある小学生のサポート方法については、以下の記事をぜひご覧ください。次の話「このままだと完全な不登校に…?母の焦り【マンガ発達障害の子どもと私たち/はるき編第1話】」はコチラから(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年06月27日沖縄県出身のだいすけさんはフォトグラファー・ビデオグラファー。岐阜県出身のちゃんまりさんはヘアメイク・着付師。病院で重度のADHDと診断されているだいすけさんと奥さんのちゃんまりさんは、2017年に結婚し、現在沖縄で2人暮らし。YouTubeチャンネル「ナカモトフウフのOkinawa Life Vlog」では、そんな2人の暮らしを動画でご紹介しています。「ADHDの旦那さんにやさしくできなくて困っている人や、どうやってうまく付き合えるようになったのか知りたい」と言う声が多く、少しでも悩んでいる人の役に立てば良いなと、この動画を作成したというナカモトフウフ。 同棲を始めたころは、毎日涙を流し、カサンドラ症候群になりかけたちゃんまりさんが「だいすけさんのADHDを、本当に受け入れられるようになるまでの出来事」をご紹介します。 ADHDのだいすけさんってこんな人まずは、だいすけさんの特性について簡単にご紹介します。 ①自分が興味あることへのこだわりが強過ぎる②基本、電気は消し忘れる③片づけができない④圧倒的な物無くし力⑤何かに集中しているときは、何も耳に入らない⑥欲しい物は、後先考えずに衝動買い⑦自分の物差しで考え方を押し付ける 同棲してみてわかった6つの大変なことちゃんまりさんがだいすけさんのADHDを知ったのは、交際スタートのタイミングですが、同棲前までは交際していても困ることはありませんでした。 その後、だいすけさんの地元である沖縄に移住し、同棲をスタートさせた2人。そのころから、大変さに気づき始めました。 ①片づけができない②ゴミを散らかす③物をなくす・忘れる④電気を付けっぱなし⑤ドア・引き出しを開けっ放し⑥トイレを流し忘れる 「なぜ、成人男性の子守りをしなければいけないのか」と悩んだ、ちゃんまりさん。移住先で頼れるのはだいすけさんしかいないのに、1番のストレスの元でもありました。 ですが、掃除などの物理的な困りごとは仕事だと思い、耐えることができました。そんな2人にある事件が……! 2人の転機となった、ワイパー事件 ある日、車に乗っているときに「ワイパーがボロボロだから、替えなきゃね」とちゃんまりさんが言うと、だいすけさんも「そうだね」と答えました。 後日、また同じやり取りがありました。 さらに数日後、だいすけさんが「ワイパーがボロボロだね。気づかなかったの?」とちゃんまりさんに言いました。 だいすけさんの言葉を聞き、「私が言ったつもりになっていただけ!?」と自分の言葉や記憶を信用できなくなってしまった、ちゃんまりさん。 「自分に落ち度があるのでは?」と思い、発達障害などについて調べました。自分で発達障害のチェックを試してみましたが、どれも当てはまりません。しかし、現状は変わらないことに戸惑ってしまい、感情のコントロールができなくなり、急に泣き出してしまうこともありました。 一方、泣いているちゃんまりさんを見て、「やばい」と思っただいすけさん。 自分がADHDということは知っていましたが、他人と住むことで「こんなにも人に迷惑をかけてしまうんだ」ということを知り、病院を再度受診(セカンド・サードオピニオン)へ。 だいすけさんは初めて自分を客観視することができて、「自分はこんな簡単なやり取りも覚えていないのか?」と気づき、衝撃を受けました。 彼を理解する中で知った「カサンドラ症候群」だいすけさんが病院に行き出したころ、ちゃんまりさんはADHDについて自分自身がよく知らないことに気づき、調べてみることに。知識として深く知ることで、だいすけさんの行動を理解できるようになりました。行動が理解できると、不安やイライラはとてもラクになったそうです。 その中で知ったのが「カサンドラ症候群」でした。 ※カサンドラ症候群:相手が発達障害のためにうまく関係を構築できず、身近にいる人が不安や抑うつなどの心身の不調が出る状態のこと。正式な医学用語や診断名ではありません。 特性にイライラ…しかし2人で乗り越えていこうと決意ちゃんまりさんは、だいすけさんの好きなところと嫌いなところを書き出してみて、嫌な点はADHDの特性に当てはまる部分が多く、仕方がないと思えるようになったそう。 それと同時に、ADHDで困っているのはだいすけさんだけではなく、自分だけでもない。2人が困っていることだから、2人で乗り越えようと思いました。 ちゃんまりさんが気をつけている伝え方は?発達障害の旦那さんを持っている方へのアドバイスは、「感情的に伝えてはいけない」ということ。 だいすけさんは、口がうまくて頭の回転が早いため、理詰めで論破されてしまうことがあります。なので「あなたにこういったメリットがあるよ」と、根拠と理論をもとに前向きに話をするように心がけているそうです。 この伝え方をしても結局できるようにはなりませんが、次に指摘したときに素直に動いてもらいやすくなるそうです。 ちゃんまりさん曰く、相手の失敗に対するイライラの大半は「注意を素直に聞き入れてもらえないこと」。素直に聞いてくれるようになるだけでイライラは大幅に減る、とのことです。 今は幸せいっぱい! いろいろなことを乗り越えて「今は幸せいっぱい」と語るちゃんまりさん。 「だいすけさん自身が障害について理解し、人一倍努力する、尊敬できる夫だから、ここまで頑張ることができた。1つの成功例として、参考にしてみてください」と語るちゃんまりさん。 この動画には、ADHDの旦那さんを持つ方から、「今、まさに急に泣いたり怒ったり情緒不安定な状態の時期で、誰にも言えずに孤独を感じていました」と共感の声や、「ちゃんまりさんの考え方は、子育てや仕事にも参考になる」と実際に参考になるとの声も届いていました。 今回は旦那さんへの対応の仕方でしたが、ADHDのお子さんを持つママさんにも参考になりそうですね。 画像提供・協力/ナカモトフウフのOkinawa Life Vlogさん 著者:ライター 廣瀬尚子 監修者・著者:助産師 松田玲子医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。
2024年06月25日「ランドセルをロッカーにしまいましょう!」と何度も先生に注意されたリュウ太は!?ADHD(注意欠如多動症)とASD(自閉スペクトラム症)がある息子リュウ太は、現在26歳。一昨年結婚しました。5歳年下のお嫁さんとリュウ太の母である私は一つ屋根の下で同居しています。母の私から見れば今でも立派とは程遠いですが、リュウ太の学童期は特に課題がたくさんありました。小学1年生~小学3年生の期間、担任の先生から「リュウ太くんがランドセルをしまってくれません」と報告を受けること数知れず……。机の横に置いたり机の上に置いたままだったり、学童帽子も同じく片付けられなくて、教室ではかぶったままだったりします。「ランドセルはロッカーにしまいますよ」と優しく促してくれる先生に対して「やだ!」とか「ムリ!」というような返事しかしなかったのです(先生談)。Upload By かなしろにゃんこ。Upload By かなしろにゃんこ。注意を受けても動かないリュウ太に先生は言い疲れてしまったのか、「リュウ太くんが自主的に片付けるのを待ちます!」ということなりました。しかし、なかなかランドセルをロッカーにしまわないのでクラスメイトからは机の横を通る際に「ジャマだな」とか「通りにくい」など文句も出ていました。なのにリュウ太は「仕方ないだろう」と言い返し、通行の迷惑になっていることに気がつきませんでした。周囲からは自分さえよければお構いなし!という身勝手な行動にみられてしまっていたと思います。ランドセルをロッカーにしまえるようになったのは小学4年生の時。担任の先生が何度も何度も無視できないほど注意を促してくれたからでした。(えーー!就学してから丸3年間もかかる?ってお思いになる読者もいるかしら、はははは)。リュウ太にどうして片付けたくないのか聞いたことがあるのですが、こんな理由だったそうです。Upload By かなしろにゃんこ。Upload By かなしろにゃんこ。Upload By かなしろにゃんこ。「ロッカーは遠いからイヤだよ。ロッカーにしまう、っていうルールがイヤなんだ。自分の持ち物はいつも手に届く場所にないと不安だから机の横に置いているだけ、それの何がいけないの?」目に入らなくなったものはリュウ太にとってはないものと同じです。あると認識するには常に目に入る位置に置いておかないと失くしてしまう特性があります。また「失くすとお母さんに怒られるから恐い」という思いから物がないと不安になるとも言われました。はい……私がしつけと称して怒りすぎたことが原因かもしれません。反省です。この行動はクラスメイトや先生にとって迷惑行為だったと思いますが、リュウ太は小学3年生にして自分の特性に気づきはじめていて、本人なりの物の管理の工夫の一つだったのではないか?とも思いました。とはいえ、周りから苦情が来てるんだから、周りの声にも気づこうね!と思う母でした。執筆/かなしろにゃんこ。(監修:初川先生より)リュウ太くん小学校低学年時代のランドセルがしまえないエピソード、ありがとうございます。面白いですね。とても興味深く読みました。見えないところに物があると「ない」となってしまう子いますね。大人でもいらっしゃいますね(ストックを買っても、しまいこんでしまうと存在を忘れて、また安いタイミングで買って、しまおうとしてストックの棚を開けると「あ……」となるような)。ランドセルや自分の持ち物を手元に置いておかないと不安だ、失くしたくない。そういう気持ちがあってのランドセルをそばに置いておく。友逹に苦言を呈されても「仕方ないだろ」という返しなのはそういうことだったのですね(「うるさいなぁ」じゃないのが興味深いです。仕方ないのですね。本人なりに、ランドセルロッカーにしまうほうがいいのは分かっている、しかしできない、だから「仕方ない」といったところでしょうか)。一口に「片付けができない」「物の管理ができない」と言っても、やり方が分からない、やる気がわかない(めんどくさい)、そして、物が遠くに置かれるのが不安だ、視界から消えるのが不安だというパターンもあるのだなと改めて思いました。小1の頃のリュウ太くんはさすがにそこまで説明できなかったかもしれません。ただ、今回こういったエピソードを知ると、同じように物の片付けで独特のこだわりや難しさを持つお子さんにかける言葉かけのバリエーションが増えるように感じました。視界から消えるのが不安なのであれば、もしかしたら、教室前方の邪魔にならないところにランドセルを収納できる可能性も出てきますね。ところで余談ですが、このエピソードを読んで、私は子どもが小さかった頃、抱っこ紐で子どもを連れていた時期が長かったので、ベビーカーに乗せて出かけるときはたかだか1メートル程度でも子どもと距離ができることが不安だったことを思い出しました。大切な存在をそばに置いておきたい気持ちは分かる気がします。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年06月25日支援者の不安を軽減『マインドチェンジでうまくいく! 配慮が必要な子どもの発達支援』Upload By 発達ナビBOOKガイド本書は、配慮を必要とする子どもの支援者自身が、過度な心身の負担なく、子どもにとって最善の支援を行うために持ちたいマインドについて紹介しています。チェンジしたい20のマインドのテーマが紹介されており、それぞれのテーマごとに、マインドチェンジの理由、マインドからの保育実践、WORK、マインドチェンジの確認チェックが掲載されています。そのほか、支援の実践エピソードや、用語解説などのコラムもふんだんに盛り込まれています。また、巻末にはマインドチェンジのためのコピーツールもあり、活用することができます。著者である藤原里美さんは「子どもは1ミリも変えずに」、子どものまわりの世界を変えるマインドを持つことーーそうすることで見える世界は一変し、たとえ子どもの不適切な行動は変わらなくても、安心して支援に取り組むことができる、と言います。支援者だけではなく、発達が気になるお子さんとの関わり方に悩む保護者にとっても、子育てのヒントが詰まった一冊です。現役小児神経科医による解説本『発達が気になる子どもが小児科の専門外来を受診するとき 診察室で行われていること』Upload By 発達ナビBOOKガイド公立病院に勤務する現役の小児神経科医・柏木充先生によって書かれた本書は、受診から診断までの一連の流れが、小児神経科医ならではの解説と共に紹介されています。なかには、受診前の心構えや初診時の問診で聞かれることなど、日々の診療で多くの親子に接している医師だからこそ分かる、専門外来を初めて受診する時に不安に感じやすい内容についても触れられています。診察や検査、主な神経発達症(ASD/自閉スペクトラム症、ADHD/注意欠如多動症など)とその併存疾患、薬剤治療などの医療に関する内容だけではなく、支援者間の連携などについても丁寧に解説されており、発達が気になるお子さんの保護者や学校の先生などにとって、手元に置いておきたいガイドブックのような一冊です。吃音のある人への支援や合理的配慮について、理解を深める『吃音ドクターが教える「なおしたい」吃音との向き合い方 初診時の悩みから導く合理的配慮』Upload By 発達ナビBOOKガイド自身も吃音のある医師・菊池良和先生によって書かれた本書。タイトルにあるように、吃音をなおしたいと思う当事者や家族の方は多くいらっしゃると思います。しかし、本書には「なおす方法」が書いてあるわけではありません。これまでの吃音のセラピーは、吃音のある本人へのアプローチが主流でしたが、本人が困りごとを抱えている背景には、聞き手側の配慮・理解が影響していることも多いと言います。第一章では当事者が吃音をなおしたいと思う背景、第二章では32の事例紹介と治療の実践編について紹介されています。また、巻末資料として、園や学校、職場などで合理的配慮を受けるためのテンプレート文が掲載されています。吃音のある人への理解・配慮があれば、吃音があることで困ったり悩んだりすることは減らせるのではないか?一人でも多くの“アライ(味方)”を増やしたい、そんな思いで書かれた本書。吃音のある人への支援や合理的配慮について、理解を深めることができる一冊です。親子で心について学ぶ絵本『こころをなくしたかいじゅう』Upload By 発達ナビBOOKガイド主人公のかいじゅう・オルーガは、自分の勘違いから親友を傷つけ、友情を壊してしまいました。一人ぼっちになったオルーガは、その後悔と悲しみのあまり、心まで失ってしまったのです。何も感じない、何をするにも意味なんてない……そんな毎日を送っていたオルーガのもとに、ある日封筒に入った地図が届きます。地図に記された宝が何なのか気になったオルーガは、宝を探す旅に出ます。地図には、「ケラケラ村」「イライラ村」「エーンエーン村」「ワクワク村」など、ふしぎな村の名前がたくさん。それぞれの村を訪れると、笑ったり、怒ったり、泣いたり、楽しんだり……いろいろな心を持ったかいじゅう達が住んでいました。個性豊かなかいじゅう達の感情に触れるうちに、オルーガは心を持っていた頃の自分を少しずつ思い出していきます。可愛らしくユーモラスな姿のかいじゅう達が描かれた絵本の世界を通じて、心って、感情って何だろう?と親子で話しながら、自分の気持ちやほかの人の気持ちを考えるきっかけになるのではないでしょうか。発達障害のある子どもの睡眠問題を理解する『日常生活から学ぶ 子どもの発達障害と睡眠』Upload By 発達ナビBOOKガイド日本の子どもたちは世界の中でも睡眠時間が少なく、睡眠の問題を抱えている頻度が高いとされています。特に発達障害のある子どもでは、睡眠障害の有病率が高いと言われています。本書では、食事や運動、昼寝といった日常生活の場面や、乳幼児期から青年期までの子どもの成長段階に応じて、睡眠が子どもの発達にどのような影響を及ぼすのか、専門的な知識を交えながら詳しく紹介しています。睡眠は、生きていく上で必要不可欠であり、子どもの心身の成長に大きな影響があります。子どもの睡眠の問題と発達障害の関連について焦点を当てた本書は、最新の知見に基づいた適切な治療や対応方法を体系的に学ぶことができる、数少ない一冊といえるのではないでしょうか。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年06月22日初めての参観日。うれしすぎて離席を繰り返すタクにビックリUpload By もっつんタクはイヤイヤ期は激しかったものの、後追いはありませんでした。幼稚園に通い始めた当初でも行き渋りはほぼありませんでした。初めての保育参観の時のエピソード。教室の後ろのほうから静かに授業を見守ろうと思っていたけれど、私を見つけたタクは「ママ!ママが来た〜!」と一目散に駆け寄ってきました。突発的に動いてしまう特性が強く出ていたと思います。席に戻るようにたしなめても、うれしくて興奮している様子で、なかなか声が届きません。先生に手を引かれて渋々戻っていったけど、ほかの保護者やお友達からも注目されて、恥ずかしくて困惑しました。その後も何度も立ち歩いたり、キョロキョロと落ち着かない様子のタク。そんなタクを先生方は叱るようなことはなく見守ってくださいましたが、どのような声がけをすればよいのか少し困っている様子でした。きちんと自分の席に座って先生の話を聞くお友達を見て、なんて落ち着いてるんだろう……とびっくりしたのを覚えています。集団行動の中で一人だけ違う行動……目立つ息子Upload By もっつんまた体操の参観の時には、タクなりのこだわりを強く感じる場面がありました。玉入れをする時に、タクはなかなか玉を投げようとしないのです。両手いっぱいに玉を集めることに夢中で、最後まで一つも投げてくれませんでした。先生やお友達が玉を投げている姿は目に入らないのか、まるで興味がない様子でした。ルールが分かっていないだけなのか、分かっていて違うことをやっているのか周りの人には分かりません。ほかにも、列に並ばない座らないなど集団行動を乱すことが多く、母としていつもヤキモキしながら見学していました。当時の録画した映像を見ると「あぁ……ちゃんとやってよ……はぁ……」と私の音声が録音されていました。10年経った今は笑い話にできますが当時は本当につらくて、居心地が悪くて、頼むから周りの子と同じように行動して!と何度も念じていました。キチンと目を見て丁寧に説明すれば理解はしているようだけど、集団の中に入ると指示の通りにくさがあったのだと思います。集団生活のルールを教えるのは難しいUpload By もっつん人との距離感を計るのが苦手で、どんどん距離を詰めてしまう。悪気なく、誰にでも構わず抱きついてしまうこともありました。好意の伝え方がスキンシップ以外にピンと来ていなかったのかもしれません。そんなタクと仲良くしてくれる子もいれば、なんとなく合わない子も出てきました。家庭の事情で保育園に転園した際は、気が合わない子と上手くいかずケンカになってしまいました。タクが遊びのルールを守らない、気まぐれで自分勝手な行動を取ろうとするのがケンカのキッカケになっている様子でした。タクの言い分も聞きながら「タクの気持ちは分かるけど、勝手に歩き回ったりするところは良くないと思うから、明日は止めてみてね」と言ってみてもなかなか行動は変わりませんでした。先生が根気よく子どもたちそれぞれに話を聞いてくれて、その都度仲直りするというのを繰り返して段々仲良くなることができました。誤学習で笑いを求めるタクUpload By もっつんお友達と小さなトラブルを起こしつつも、タクは保育園が大好きでした。目立ちたがり屋でお調子者な面もあったので、あの手この手を使って周りの注目を集めていました。ある日、お着替えの時にズボンと一緒にパンツまで下ろしておしりが丸出しになってしまい、周りの子から大笑いされたことがあったそう。タクはみんなに爆笑されたことがうれしくて、何度もパンツを下げる行動を取るようになりました。数日経って、もう周りの子が笑ってくれなくなっても繰り返しパンツを下ろすようになってしまったと、先生からの連絡帳で知りました。「おしりを出す = 皆が笑ってくれる」と誤学習してしまった結果だったと思います。その後、おしりを出すことで笑いを取るのは間違っているという事を、家でも先生からも根気強く言い続けてなんとか止めさせることができました。具体的には、おしりを見せても一切笑わずに、「おしりを何度も見せても面白くないよ」「トイレ以外でおしりを見せるのは失礼なことだよ、嫌な気持ちだよ」「あの時に皆が笑ってくれたのは、いろんな要因が重なった偶然の笑いなんだよ」とかみ砕いて簡単に説明するように。そして、最終的にズボンとパンツを戻すまで無視をするのを徹底しました。転園の中で、タクも私も必死だった日々Upload By もっつん保育園生活では年齢が上がるにつれて、お友達トラブルが少しずつ増えてきました。皆と同じ動きがなかなかできずに、別の遊びを続けていることもあったようです。わが家の場合は家庭の都合で2度転園をしてしまったので、幼いタクにも負担をかけてしまいました。家庭内で元気にしていたけど、外ではさらに外弁慶になってフラストレーションを発散していたのかもしれません。この頃タクは、短期間ですがまばたきチックを発症してしまいました。短期間で転園で、私と先生との信頼関係を築ける時間が少なかったのが悔やまれます。もしずっと同じ園だったら……先生から発達について相談されたり、療育を勧められたのかな?と考えてしまいます。3歳児健診で言われた「この子は発達障害じゃない。考えすぎですよ」という言葉を完全に信じて、ほとんど動けてなかったなぁと思いました。もしも発達障害の可能性を感じて、こちらから先生方にご相談できていれば、タクの園生活がもう少し落ち着いて過ごせたのかな……と考えてしまうこともあります。しかし小学校1年生の終わりに発達障害の診断を受けるまでに、タクに向き合ったことで親子の信頼関係は大きく育ちました。悩んだ期間や試行錯誤は決して無駄ではなかったと思っています。執筆/もっつん(監修:初川先生より)幼児期のタクくんの集団でのエピソードをありがとうございます。同級生らの中でだと落ち着きのなさやルール理解のズレを保護者が感じることも多いと思います。集団の中でのルールにのっとった行動やよき振る舞いというものは、先生から言葉での説明がなされたり、周りのお子さんの適応的な行動を見て真似したりということで身についていくことが多いので、初期はそのように対応されると思います。ただ、言葉での理解は個人差が大きかったり、聞いた時は分かっていても(言葉は)消えてなくなってしまったり、周りの子の言動まで目に入っていなかったりで、発達につまずきのあるお子さんには個別の手立てが必要になることがあります。そうした場合、家庭でだけ、園でだけというよりも、連携しながら一緒に同じようなことに注意しながらやっていけるといいでしょう。今回のお話の中では、おしりを出して気を引く行動を誤学習したという話がありましたが、園でも家庭でも同じように「おしりを出すのは良いことではない」ということを伝えて行けたのがよかったと思います。言葉のみならず絵を使って、あるいは映像を使ってなどさまざまやり方はあると思いますが、そのお子さんの特性として伝わりやすい方法で伝えてゆけるとよさそうです。もっつんさんは事情があって転園が多かったこと、また、検診での医師のコメントなどがあり、なかなか先生方と密に一緒にやっていくことが難しかったり、発達障害かもという、お子さんのつまずきを理解する上での縦軸を持ちづらかったりしたのだと思います。もっつんさんが書かれている通り、さまざま悩み、逡巡する時間も大切な時間・プロセスになります。早く気づいて早く手立てが取れることももちろん良さはあります。しかしそうでなかったとしてもダメだということでは全くありません。のちに「悩んだ期間や試行錯誤は決して無駄ではなかった」と感じられていること、何よりだなと思います。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年06月21日外出先での癇癪、大泣き。通りすがりの人に怒られてしまい……息子が1歳くらいの頃、ショッピングモールに連れて行った時のことです。息子が泣き出してしまい、なかなか泣き止まず困ったことがありました。その時はとりあえず、人のいない奥まった場所に連れて行ってなだめていたのですが、近くを通った男性に「うるさい!」と怒られてしまったことがあります。また別の日に、いつものスーパーに行った帰り道で泣き始めてしまい、なかなか帰れなかったことがありました。困って立ち往生していたら、通りすがりの方に「親なら泣き止ませろ」と怒られたことがありました。Upload By メイこんなふうに外で怒られることは何度かありました。泣き始めたらいろいろと対処してもうまくいかないことも多く、どちらかと言うと切り替えが上手くなかった息子なので、時間がかかることがほとんどでした。親として対応に手を抜いているつもりはありませんでした。ただ、大声で怒ったり怒鳴ったりしても息子には無意味だと分かっていたので、穏やかな声かけだったり、タイミングを見ようと様子を伺って観察していたりすることも多く、周りの人から見ると、迷惑をかけているのにちゃんと対応していないように見えたのかもしれません。厳しくしているほうがちゃんとしているように見えるものなのかもしれません。息子と外出するのが怖くなり、家にこもりがちに……外で人から怒られてしまうと、私も外出するのがだんだん怖くなっていきました。買い物など家にいながらインターネットでいくらでもできる状況でしたし、外に出ず、家で息子と2人で引きこもって過ごしていたほうが、私にとっても周りの人にとっても良いのではないかと考えました。Upload By メイでも、肝心の息子にとって、それが良いことなのかどうか考えるようになり、やっぱり私はちゃんと息子と外に出て、買い物をしたり遊んだりしたいと思いました。周りの人に迷惑をかけてしまうこともあるかもしれない。それでも私は、息子の成長のために行動していきたいと思ったのです。困ったときには、助けてくれる人もたくさんいるこんなふうに怒られる経験ばかりではなく、反対に周りの人から助けられたケースもありました。息子は消防車が好きで、消防車を見かけると立ち止まってじっと見ていることがよくありました。ある日、消防署の前で立ち止まって動かなくなってしまったことがあります。帰らなければいけない時間になってもなかなか動くことができず困っていたのですが、その時に消防士さんが出てきてくれて、息子に「消防車好き?また見に来てね」と言って、消防車の形の消しゴムをくれたのです。消防車の消しゴムをもらって、息子はすんなりと帰宅することができました。Upload By メイまた、息子が幼稚園の年少の頃、私は生まれたばかりの娘を抱っこ紐で抱いて、息子の幼稚園のお迎えに行きました。帰り道で息子が私に抱っこしてほしいと泣いてしまい、私は娘を抱っこして息子をおんぶして何とか歩いていました。その様子を見た通りすがりの方が息子に声をかけてくれて、「今買ってきたばかりだから」と言って、お菓子を息子に渡してくれました。その方は、「お母さんを助けてあげてね」と、息子に言ってくれました。外で注意されたり怒られたりして、人の目が怖くなって、人とできるだけかかわらずに生活したほうが良いのではないかと考えてしまったこともありました。でも、困ったり落ち込んだりした気持ちを救ってくれるのもやっぱり人との関わりの中で生まれるものだなぁと、今では思っています。Upload By メイ小学生になった今、外で癇癪を起こすことはなくなったけれど息子は今では小学生になり、外で大声で泣いたり癇癪を起こしたりすることはなくなりました。ただいまだに、びっくりしたり不安な気持ちになったりしたときには、思わず大きな声を出してしまうこともあるので、その都度注意して気をつけていっている現状です。まだまだ教えることはたくさんありますが、少しずつ成長して、少しずつ社会に溶け込んでいっているのではないかと思います。執筆/メイ(監修:鈴木先生より)スーパーなどで「うるさい!」と言う方はもしかしたら聴覚過敏がある方だったのかもしれません。世の中にはちょっとした音に敏感で、特にお子さんの泣き声が嫌いな方もいるのです。そういう時には「すみません」とひとこと言ってその場を去るしかありません。電車などの公共機関で静かにすることが難しい場合、周囲に迷惑をかけないように車で移動するケースもあるかと思います。世の中にはいろいろな人がいます。ひきこもるよりは勇気を出して外の空気を吸いながらいろいろな人に触れ合うことで子どもは成長していくものです。その中で相性の合う方がいれば、それだけでも救われますね。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年06月18日呼んでも振り向きもせず、手を繋ぐのも拒否してひたすら歩き回る息子わが家の息子ねこ太は現在小学校2年生。ADHD(注意欠如多動症)グレーゾーンで特別支援学級に在籍しています。ねこ太は運動発達に遅れがあり、2歳3ヶ月でようやく歩けるようになりホッとしていましたが、歩けるようになったとたんに息子の歩みが止まらなくなりました。外に出かけると一度も立ち止まることなくひたすら歩きまわるのです。景色なんて全く見ず、呼んでも振り返らないし止まらない。ベンチに座って休憩したりレジャーシートを敷いてお昼ご飯を食べることは不可能で、とにかくずーーーっと歩いていました。手を繋ぐと嫌がって振り払われるので、安全な場所では手を繋がずに歩かせていました。そのうち疲れて止まるだろうと思っていたのですが、全く疲れる気配なく歩き回り、大人の方が疲れてクタクタになるくらいでした。Upload By 鳥野とり子あまりにも周囲を見ず動き回る息子に違和感を感じ、療育の先生に相談してみたけれど…あまりにも歩き回って止まらないことに少し違和感を感じたので療育の先生に相談したところ「ようやく歩けるようになって嬉しくて動きたくてたまらないんだと思いますよ」とのこと。「なるほど、動きたくてたまらないだけなのね」と納得したのですが、数ヶ月経っても動きは収まるどころかエスカレートしていき、ねこ太を連れている時にATMでお金をおろしたりレジでお会計するのが大変になってきました。ATMではねこ太を股に挟んで動きを封じその間に操作をするしかないくらい、とにかく1秒も大人しくしていてもらえなくて大変でした。Upload By 鳥野とり子ハーネスをつけて外出すると周りから白い目で見られ日に日に歩く力がついて公共の場でも全くじっとしていることができないねこ太に困った私は、子ども用のハーネスを使ってみることにしました。ある日郵便局の窓口で小包を発送する時にどこかに行ってしまわないようにねこ太にハーネスをつけていたのですが……走りたがって泣くねこ太をハーネスで引っ張った時にふと周囲を見ると、周りがハーネスを見て引いていることに気づきました。ハーネスはだいぶ一般的になったとは言え、泣いて嫌がる子どもに着けていると見た目は決して良いものではなく、子どもの動きを制限しているように見えたのかもしれません。とても便利なアイテムなのですが使うことに後ろめたさを感じるようになってしまいました。Upload By 鳥野とり子独特の動きをするようになってきた息子歩けるようになって半年ほどたった頃から、ねこ太は木の周りをグルグル歩くのにハマり始めました。大きめの木の周りを飽きることなくずーっとグルグル歩いているのです。そしてこの頃あることに気づきました。木やフェンスを横目で見ながら走っているのです。それは独特の目つきで、黒目を寄せられるだけ端に寄せて物を見るのです。顔や体は進行方向を向いたまま、横目で木を見てグルグル走っていました。独特すぎる動きに「あぁ、これは絶対なにかある」と確信した私は、この行動についてインターネットで検索しました。すると【横目はASD(自閉スペクトラム症)によく見られる行動】という記事が……。私は「あぁ、やはりねこ太は発達障害なんだろうな」と思いました。Upload By 鳥野とり子てっきり診断を受けるのかと思いきやねこ太のこの行動を医師に相談したところ、「歩けるようになったばかりなので、少し様子を見ましょう」と言われました。私はてっきりASD(自閉スペクトラム症)の診断を受けると思っていたので診断名がつかないことに戸惑いましたが、医師に言われたとおりにねこ太の様子を見ていると、3歳を過ぎたあたりから徐々に多動が落ち着いてきて、ひたすら歩いて行ってしまうことが減り横目も全くしなくなりました。3歳半になる頃にはベンチに座って休憩したり、お花を愛でたりできるようになったのです。ねこ太を連れているとレジでお会計をするのも苦戦するほどの多動だったので急な変化に驚きました。一連の行動が落ち着いたことで結局診断は受けないまま。短期間だったとは言え、かなり特徴的な行動をしていたので診断名がつかなかったことは不思議なのですが、発達障害の診断はそれくらい慎重なものなのだなと思いました。Upload By 鳥野とり子執筆/鳥野とり子(監修:鈴木先生より)ASD(自閉スペクトラム症)やADHDの診断は医師のセンス(知識と経験)によってかなり違いがあります。何かほかのお子さんと違うなと思ったら、まずはかかりつけ医に相談するといいでしょう。ただ、神経発達症の診断には経験と知識が必要です。年齢が低いほど神経発達症の診断をするリスクは高いのですが、できるだけ早期介入ができるように小児科神経外来のある総合病院で相談するのがいいと思います。投薬治療やリハビリで感覚統合訓練ができるからです。そのためには1歳半または3歳児健診で医師や保健師さんに相談してみるとスムーズに運ぶことができますよ。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年06月17日主婦の友社は5月29日、『マンガで成功自分の時間をとりもどす時間管理大全』を発売しました。著者の臨床心理士の中島美鈴先生は、時間管理術の専門家。学校でも家庭でも教えてくれない「時間管理術」のノウハウをこの1冊にまとめています。中学生から大人までマンガで楽しく読めて、明日からすぐやる人、脱線しない人になれますよ!■トピックス◆学校では教えてくれない「時間管理法」。実は超むずかしい◆なぜ、あなたが間に合わないのか?がわかる◆マンガで読める、時間のつまずきタイプ別の解決法◆時間管理の合言葉は「すーぷもだ」◆あなたの時間のつまずきセルフチェックテストつき■なぜあなたは時間に間に合わないの?「時間に間に合わない人は本人の自覚が足りないせい」と長らく言われてきました。時間管理が苦手だと、「だらしないから」「ダメ人間だから」と自分を責めていた人も多かったかもしれません。でも、精神論で解決できるほど、実は時間管理は簡単ではないのです。そのしくみを学んでみませんか?■困ったら「すーぷもだ」の合言葉を思い出して「時間管理」は実はめちゃくちゃ複雑な機能。ざっくりとわけただけでも、開始から完了まで4つのステップがあります。ステップ1は「スタート・とりかかり」、ステップ2は「プラン・計画立て」、ステップ3は「モニタリング・進捗を気にする」、ステップ4は「脱線防止・やりぬく」。この頭文字をとって、合言葉は「すーぷもだ」、これを覚えておきましょう!いつも締め切りが守れない人は、この4つのステップのどこかにつまずきがあるというのです。■お悩みタイプ別のマンガで解決マンガで登場するのは、中学生からベテラン会社員まで。主人公の性別、年齢、学生か社会人かなど立場にかかわらず、実は悩みの解決法は同じです。どこから読んでも、あなたに役立つ時間管理のノウハウが満載です。■バーチカル手帳の使い方など、ノウハウ満載「早起き作戦」「モノの置き場所の見直し」「かかる時間の把握法」「10分ブロック計画表」「TODOリストの作り方」「注意持続訓練」などなど、すぐに真似できるノウハウを図解とイラストで、わかりやすく紹介しています。■セルフチェックできるテストつき4ステップの中で、あなたは、時間のどこでつまずいているかがわかるチェックテストで自己分析を。レーダーチャートも作れるようになっているので、あなたのつまずきのタイプと解決法がズバリわかりますよ。◇著者:中島美鈴(なかじまみすず)プロフィール1978年福岡生まれ、臨床心理士。公認心理師。心理学博士(九州大学)。専門は時間管理とADHDの認知行動療法。今作のマンガには、「りんりん」として登場している。肥前精神医療センター、東京大学大学院総合文化研究科、福岡大学人文学部などの勤務を経て、現在は中島心理相談所 所長。他に、九州大学大学院人間環境学府にて学術協力研究員および独立行政法人国立病院機構肥前精神医療センター臨床研究部非常勤研究員を務める。著書は『働く人のための時間管理ワークブック』(星和書店)、『ADHD脳で困ってる私がしあわせになる方法』『マンガでわかる精神論はもういいので怒らなくても子育てがラクになる「しくみ」教えてください』(ともに主婦の友社)など多数、本書を含めて全47冊ある。さらに最近では、時間管理の専門家としてNHK『あさイチ』に3回出演や、朝日新聞医療サイトアピタルでのコラム連載も人気と、多方面で活躍中。◇マンガ・イラスト:あらいぴろよ プロフィールイラストレーター・マンガ家。前作にあたる、子どもむきの時間管理法を紹介した『マンガでわかる精神論はもういいので怒らなくても子育てがラクになる「しくみ」教えてください』のマンガも担当。さらに近刊『48歳からのメイクの強化書。笑って学べるマンガで化け活。』も大好評。むずかしい実用情報をユーモアたっぷりのゆるいマンガで、楽しく簡単に伝えてくれる。■書誌概要『マンガで成功自分の時間をとりもどす時間管理大全』著者:中島美鈴マンガ:あらいぴろよサイズ、ページ数:A5判、224ページ定価:1,650円発売:2024年5月29日発行:主婦の友社【Amazon】【楽天】(エボル)
2024年06月12日育児業界で学んだ知識や情報と現実の息子に翻弄される日々……私が働き始めた会社は育児関係の事業を行っており、ベビーマッサージのインストラクターを養成する講座を開催していました。ベビーマッサージが赤ちゃんとお母さんのアタッチメント(愛着関係)を育むのにも良いツールだということを発達心理学の考えを使いながら伝えていました。入社当初、育児関係の会社なら自分の育児や生活にも何か役立つ情報が得られるのでは?という期待もありました。案の定、スタッフとしてテキストの製作過程で内容を読み込むうちに、発達心理学をはじめとした心理学や子どもの発達については結構詳しくなり、自分でも本を買い漁って勉強するほどになりました。ただ、当時の私が独学で得た知識の中で気になったのは、発達障害ではなく愛着障害(※)という言葉でした。当時はまだ、コチ丸は「手がかかる子」という感覚でしかなかった私は、コチ丸の困り事と発達障害とが全く結びついていませんでした。育児にも自信がなかった上に、一度癇癪を起こすと何をしても泣き止まず手に負えないコチ丸につい怒鳴って叱ってしまったり……。もしコチ丸が愛着障害だとしたら、思い当たる節が多すぎて(汗)、ますます「私の育て方が悪いのかも」という考え方が強くなりました。※ICD-10では小児期の反応性愛着障害、DSM-5TRでは反応性アタッチメント症とされており、乳幼児期に長期にわたって虐待を受けたり、両親の死やその他の要因で養育者と安定した関係が結べなかったりして、保護者との愛着関係を結ぶことができなくなることで引き起こされるとされています。参考:友田 明美著「アタッチメント(愛着)障害と脳科学」『児童青年精神医学とその近接領域』59 巻 (2018) 3号 p.260-265Upload By あき1歳半健診では別室に呼び出され、思わぬ大事にそんな中、1歳半健診がありました。コチ丸は保健師さんと目を合わせず、声かけにも反応せずでした。それまでもなんとなく「あれ?聞こえてないのかな?」と不思議に思うことがたまにあり、その日は別室に呼ばれて生活で困ったことはないかなど聞かれた末、念のためにと総合病院で聴力の検査をすることになりました。コチ丸を眠らせて検査する予定でしたが、途中で目を覚ましてしまったため、しっかり検査することはできませんでした。さらにその頃、コチ丸は中耳炎を何度かやっていたので、果たして耳が聞こえづらいのか、聞こえていても反応しないのか……何が原因かを特定するのはもう少し様子をみようということになりました。当時は中耳炎のほかにも、よく熱を出して仕事中にお迎えの連絡が来ましたが、さすがに育児関連の会社だけあって、早退や遅刻には寛容な会社でした。まだコチ丸も小さかったので、大変ありがたかったです。Upload By あき目を離したらすぐ行方不明!身につけるもので迷子を阻止!!そんなコチ丸もやがて歩けるようになりました。が、そうなると最早、私の手には負えず(汗)、とにかく足が早く、気になるものがあるとそこにめがけて一直線。スーパーや広いところに行くとしょっちゅう姿を見失いました……。当時、常に時間に追われていた私からしたら、買い物に行く時間すら惜しい状況なのに、さらに「コチ丸を探す」ことに時間を取られ日々のイライラが増すばかりという悪循環でした。そんなことが続いたので、当時からコチ丸の服選びには蛍光色や派手な柄物など、遠くからでも姿を確認しやすい目立つものを選ぶようにしていました(笑)。本人にとっても、視覚的に目立つ色の持ち物なら自分の物と認識しやすいかなとも思っていたので、靴や服はほとんど派手なものばかりでした。単純なことですが、意外に効果はてきめんでした!とにかくチカチカ目立つコチ丸を追いかけて日々翻弄されていました……(笑)。Upload By あき当時から変わらないもの、変わったもの高2になった現在は、好きなもののためには一人でバスや電車に乗って勝手に出掛けてしまうコチ丸。寮生活をしている北海道からバスを乗り継ぎ、飛行機に乗って一人で地元の愛知まで帰ってくるくらいなので迷子にもなりませんが(笑)。中3になりたての頃、好きなゲームの聖地巡礼のため、愛知から広島の呉まで、夜行バスや新幹線を駆使して、二泊三日の一人旅をしたのが大きな自信になったようです。駅に見送る時に、振り返りもせず改札を抜ける後ろ姿を見ながら、1歳の頃スタスタと勝手に歩いてどこかへいってしまった姿となんとなく重なりました。未だに母は案ずるばかりで(笑)、一生心配しているものなのかもな、と思っています。Upload By あきさらにコチ丸が自分で服や靴を選ぶようになってから気づきましたが、意外にモノトーンや地味な色が好きなようです(笑)。反していまだに派手な服や靴をコチ丸に選びがちな私ですが、これも成長と子どもの意見を取り入れて派手な服や靴は封印しつつあります(笑)。執筆/あき(監修:新美先生より)1歳頃の、まだ診断にたどり着く前の育児不安について聞かせてくださりありがとうございます。あきさんは、当時、育児関連業界のお仕事をされていたのですね。子どもの発達について学ばれたとのことで、得るものがたくさんあった半面、もしかしたら一般的な多数派の発達を知ることで、個性の強いわが子の行動とは異なるところが気になってしまうこともあったかもしれないですね。また「愛着」という観点は、子どもの基本的信頼感を形成するうえで大切な視点であるものの、発達の個性によっては、愛着、基本的信頼感の形成の道筋が異なることもあります。子どもを叱ったことがない親はいないので、「愛着障害」という観点からみると、親としての関わり方が悪かったのではないか?という過度の後悔にさいなまれることは、あるあるなのです。でも、精神医学的に「愛着障害」という診断になることは非常にまれな事例に限られており、中途半端に“愛着障害”というワードを使われることで、保護者に罪悪感を抱かせてしまうのはあまりよくないのではないかと、個人的には感じています。コチ丸くんが歩けるようになってからの迷子対策に、「蛍光色や派手な柄物」の衣服を身につけるというのは、応用しやすいライフハックですね!勉強になります。そして、歩けるようになった頃からどこまでも一人で行ってしまっていたコチ丸くんは、中3で二泊三日、愛知から広島までの一人旅ってめちゃくちゃ行動力ありますね!!自立心旺盛という形で三つ子の魂百までの行動力を発揮されている、素敵なその後まで聞かせて下さりありがとうございました。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年06月12日DCD(発達性協調運動症)娘は、走るのが遅いことをからかわれ学校を休みたがるように…現在9歳の娘は、3歳の時にASD(自閉スペクトラム症)とDCD(発達性協調運動症)と診断を受けました。DCD(発達性協調運動症)については、「この子の場合、身体的な機能の問題というより、経験不足による不器用さ」だと主治医から説明を受けました。幼児期から外遊びを嫌がる傾向が強く、体を動かす機会が少なかった娘。就学前までは主治医のいる病院内で粗大運動を中心に作業療法を受け、年長の終わりに作業療法は終了となりました(通院先の作業療法は未就学児のみ対象でした)。しかし就学後、体育の時に走るのが遅いことをからかわれてからは学校を休みたがり、「みんなの声がうるさいから」と体育を見学するようになってしまいました。私は静かな環境で運動の経験を積んだ方が良いのかもしれないと思い、運動療育の放課後等デイサービスに通うことにしたのです。そんなわが家が2つの事業所を経験して感じたエピソードをご紹介します。Upload By ユーザー体験談個々に応じたプログラムとは?体験の時と支援の内容が違って……初めに通った放課後等デイサービスでは、体験時の話と実際に通い出してからの「違い」を感じました。体験の時は娘の安心材料であるぬいぐるみの持参が可能であること、独自の能力テストによって娘の発達段階をはかりそれに応じたプログラムを提案され、本人も「通いたい」とのことで通所を決めました。ですが、実際にはぬいぐるみの持参は禁止され、毎回似たようなプログラム……。娘は飽きはじめてしまい、私も契約時に示された個々に応じたプログラムを踏まえた支援はしてもらえていないのでは?と疑問を抱くようになりました。スタッフの方に「娘が飽きはじめている」と伝えたものの「教具が娘さんの体のサイズに合っていないから」との返答。この事業所は児童発達支援と併設されているせいか、小学生の娘の身長に対してトランポリンやバランスボールが小さく、教具や療育内容が娘に合っていないようでした。また体験時の話と支援内容の違いを伝えても「うちにはうちのやり方がある」の一点張り……もやもやが募りました。この事業所については、対象となるお子さんの幅が狭く、それに娘があっていなかったのだろうと思います。Upload By ユーザー体験談そんな時、空き待ちしていた別の放課後等デイサービスから入室可能との連絡がきたため、娘はそちらへも通うことになったのです。ステップアップしていった個別トレーニングで、ついにDCD(発達性協調運動症)の診断が外れた!新しい事業所は、それまでとは全く異なりました。短期目標計画の面談は書面や電話対応でも可能などフレキシブルで保護者の都合に合わせてもらえました。また、臨床心理士さんや作業療法士さんが娘の発達段階を見極めた療育内容を考えてくれました。体育を想定した跳び箱や鉄棒、ボール投げ、縄跳びを個別でトレーニングをしていただきました。成長が見られるようになると個別ではできない集団でのドッチボールやサッカーの練習をするために少人数でのトレーニングを提案されました。Upload By ユーザー体験談本人が集団に慣れるペースを考慮し、同じ時間枠で個別トレーニングをしていたお子さんと指導員さんとのペア同士でドッチボールをする時間を設けてもらい、個別から集団への移行をゆっくり進めていただきました。跳び箱や縄跳びができるようになると、娘は学校の体育も嫌がらずに参加できるようになりました。そしてついにはDCD(発達性協調運動症)の診断がなくなったのです。そのほかにも面談では不安に感じていることを否定せずに傾聴してくれ、「他害や多動といった分かりやすい問題行動がないおとなしい子は困り事が分かりにくく、支援が受けにくい傾向があります。学校や家庭での様子をなんでも教えてください」と言っていただけ、ホッとしたのを覚えています。Upload By ユーザー体験談経験して思った、わが家の放課後等デイサービスを利用のポイント事業所が違うだけで、ここまで対応が違うとは思いませんでした。このような経験をして放課後等デイサービスに通う際に気をつけておけばよかったと思ったことは2つあります。1、通所時に子どもの気持ちが切り替わる場所かチェックする特性にあった療育内容はもちろん大事ですが、時にははっきりした理由が本人にも分からずに嫌がる時もあります。相性がいい指導員さん、好きなおもちゃや本、レクリエーションなどがあり、子ども自身がデイに通うことを楽しめているか、また通所時に前向きな気持ちに切り替わるような場所であるかは、見極めのポイントの一つになるのかなと思いました。2、疑問を感じたら無理に通い続けない子どもが通いたいと言っても事業所の対応に疑問を感じたら、無理に通い続ける必要はないと感じました。もちろん事業所との話し合いなどで疑問を解決できることが一番良いのですが、不信感を感じているところに通い続けていると保護者のストレスも溜まってしまいます。今も楽しく放課後等デイサービスに通っている娘。これからも社会とつながりをもちながら、楽しくのびのびと成長してもらえればと思っています。イラスト/keiko※エピソード参考者のお名前はご希望により非公開とさせていただきます。(監修:新美先生より)運動療育系の放課後等デイサービス探しについてのエピソードを教えていただきありがとうございます。DCD(発達性協調運動症)というのは、目から入る情報、触覚や自分の体の部分の位置や動き、力の入れ具合を感じる感覚などの情報を統合し、目的に合わせて対応、修正しながら体を動かす「協調運動」がスムーズにいかず、体の動かし方が極端に不器用になる発達障害の一つです。ASD(自閉スペクトラム症)やADHD(注意欠如多動症)などのほかの発達障害に合併することも多いです。ASD(自閉スペクトラム症)にDCD(発達性協調運動症)が合併すると、慎重さや、興味の偏りと相まって、体を動かす遊びに興味を示さなかったり、怖がったりするために、体を動かすことの経験不足も重なり、さらに運動が苦手になるという悪循環が起きやすいです。特に学校の体育の一斉授業では、活動のテンポが早かったり、集団の指示が分かりづらかったり、他者におくれを取ってコンプレックスが高まったりしてとても苦痛に感じやすいでしょう。病院などの作業療法といったリハビリで、本人の発達段階に応じて個別療育が受けられる機会があるとよいですが、枠などの制限があることはどこの地域でも多いです。放課後等デイサービスの中には「運動療育」「個別療育」をウリにしているところもあります。発達特性に理解のある事業所で、個別~少人数で運動療育を行うことで、本人のペースで体を動かす経験を積んで、楽しいと感じたり、自信をつけたりできるのは理想です。ただ、注意したいこともあります。放課後等デイサービスは学校が終わってから、または子どもにとって貴重なお休みに行く場所です。平日の日中、学校生活で十分疲れているところに、苦手に感じている運動の活動を行うのが本人の負担にならないかということです。このため訓練意識の強いところや、発達特性・本人の意思に無頓着なところはNGだと思います。大切なのは、本人がそれほどの負担なく、楽しんで通えるところです。記事にもあったように、通ってみて、疑問に感じることがあり、話し合っても解決しなければ、別のところを探す(ほかのところが見つからなくても、いったんやめる)という決断もとても大事だと思います。娘さんが大事にしたいぬいぐるみを、初めの見学では持っていけるといったのに、実際には持参を禁じられたというエピソードだけでも、疑問に感じるのは十分だったと思います。別のよいところを見つけられてよかったですね。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年06月11日中学生、高校生…発達障害のある思春期の子どもの悩みって?アンケート結果発表!親のフォローでカバーしていた未就学、小学校時代とは違い、中学・高校に進学すると学習面、生活面、人間関係などまた別の悩みが出てくる頃だと思います。精神面などで変化が大きい時期には、特性による困り事の表れ方にも変化がみられる傾向にあります。今回発達ナビでは「発達障害のある中学生・高校生の悩み」についてのアンケートを実施いたしました。結果は「学習面での悩みがある/あった(勉強、テスト、宿題、受験など)」が46%で一番多い結果となりました。また、アンケート内での読者の方のコメントも紹介させていただきます。Upload By 発達障害のキホン参考:「中学生、高校生の子どもの悩み」アンケート&エピソード募集!中学生になって、教科書のルビが見えていないことがわかりました。慌てて学校に「授業やテストでルーペを使わせて下さい」とお願いしました。スクールカウンセラーの先生に通級指導を勧められ、学校の提案で、次の年から一部の教科で拡大教科書を使うことになりました。最近、盲学校の先生が色々テストしてくれて、視力の問題ではなく、教科書が白くてまぶしいため、文字が消えたりしてしまうらしいことがわかりました。遮光レンズのメガネを作って、だいぶ楽になったようです。(以下略)(なまちゃんさん)引用:「中学生、高校生の子どもの悩み」アンケート&エピソード募集!読者の皆さんも気になる方の多い学習面での悩み。その中でも困り事として多い「家庭学習やテストの悩み」について今回は専門家にお答えいただきました。テスト勉強の仕方が分からない、ケアレスミスが治らない…発達障害のある中学生、高校生の定期テスト対策は?【専門家QA】Q:ASD(自閉スペクトラム症)の中学生がいます。こだわりが強く、テストは必ず順番通りに解かないと気が済まず、途中で分からない問題があるとそこで時間を取られてしまい、後半白紙で提出……ということがよくあります。どのようにアドバイスをしたらよいでしょうか。A:テストの本番ではなく、事前に問題を飛ばして回答する練習をしておきましょう。問題を飛ばしながら解く体験を重ね、それによって回答できる問題数が増えることが理解できると解決につながることが多いと思います。Upload By 発達障害のキホンQ:ADHD(注意欠如多動症)の高校生がいます。問題を解くスピードは早いのですが、見直しが苦手で回答欄がずれていたり、ケアレスミスも多く……本人も注意しているようなのですが中々治らず困っています。A:テストの本番ではなく、見直しのための練習をしておきましょう。最初は口頭で先生が見直し指示を出し、ミスを発見したり修正したりできるようにしておき、徐々に見直し指示がなくても自分でできるようにしていきます。見直し回数や見直しポイントを予め決めておくのも良いと思います。Upload By 発達障害のキホンQ:ASD(自閉スペクトラム症)グレーゾーンの中学生がいます。不器用さもあり、字を書くことが苦手です。テスト前にノートを確認すると解読不能なこともしばしば……。丁寧に書こうとすると時間が足りないようです。どのような支援が受けられるのでしょうか。A:ASD(自閉スペクトラム症)のお子さんの中にはDCD(発達性協調運動症)や発達性の読み書き障害を併存する子がいます。専門機関でそれらの診断や評価がなされれば宿題をノートに書くことや、板書などに対する合理的配慮が得られると思います。連絡帳などのメモに関しては、本人が読める字であることが最低条件だと思います。本人が理解できるようであれば、単語レベルや記号などで書いていくのも一つの方法です。Upload By 発達障害のキホンQ:ASD(自閉スペクトラム症)の中学生がいます。普段から提出物などを忘れたりして先生からたびたび注意をされています。また、テスト前はテスト範囲を把握していなかったり、間違えていたり……親がフォローすることもできますが自立も大切だと思い、どこまで手を出していいのか悩んでいます。A:発達障害のある大学生の場合、合理的配慮として提出物や試験の範囲などを個別に伝えることも可能です。また、年齢が上がればカレンダーアプリやTODOアプリなどを使って自動的に締め切りなどをアラートで知らせることもできるようになっています。中学生の場合、最初から完璧にできるようにすることを目指すのではなく、その年齢に合わせた親や教師からの指示や支援ツールを活用すること、支援やツールを活用して成功体験をしていけることを目指すのが良いと思います。Upload By 発達障害のキホンテスト、テスト勉強関連コラム(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2024年06月09日休み明けが鬼門⁉登校渋り、不登校エピソード、放デイ探し、てんかん寛解までの道のりなどをお届け!【2024年5月】発達ナビでは、発達ナビユーザーの困った経験、こうしたら良かったといった経験を読者体験談としてお届けしています。今回は2024年5月に公開した読者体験談をご紹介いたします。GW明けの登校渋り、不登校の体験談などぜひご覧ください。ASD(自閉スペクトラム症)のまこちゃさんの息子さんは、小学校、中学校で不登校、行き渋りを経験されています。ですが、それぞれ行き渋り、不登校の理由が異なるそうで……。中学生の現在、自ら登校できるように頑張るたくましい姿に感動です。長期休み明けは「学校に行くのがつらい」と感じるお子さんが多くなる時期です。こちらでは、不安感、劣等感、学業トラブル、友達トラブル、いじめ、起立性調節障害など、さまざまな理由で行き渋りや不登校を経験した読者体験談11エピソードをご紹介しています。みなさんがどうして不登校になったのか、またどうやって乗り越えたのか、ぜひご覧ください。エピソードを投稿いただいた苗さんのお住まいの地域には、なんと36の放課後等デイサービスがあったそうです。そこからお子さんにぴったりの放課後等デイサービスを見つける過程を、教えていただきました。これから放課後等デイサービスを探す方、必見です!生後1ヶ月で起こった脳出血(左脳)の後遺症で、長く難治性てんかんを患っていたみったんさんの娘さん。検査、転院、そして2度の手術をし、高校生になった今では服薬も終わったそうです。その長いてんかんとの闘いを、詳細に教えていただきました。ご自身のエピソードを投稿してみませんか?『発達ナビ 読者体験談』はみなさんのご経験を基に制作されています。ご投稿いただいたエピソードは、連載ライターさんのイラスト、専門家の先生からのコメントつけた上で掲載させていただきます。「あの時は悩んでいたけれど、今はこうなった……」など、発達障害のあるお子さんを育児しているみなさんへ、ご自身の経験をお届けいただけないでしょうか。ご応募は以下の応募フォームから受け付けております。みなさまのご投稿を、お待ちしております。【現在の募集テーマ】・障害告知でのトラブル・パートナー(夫婦) との間でのトラブル・両親(義両親)、親族などの間でのトラブル・進学・受験関係でのトラブル・冠婚葬祭関連でのトラブル・お子さまの反抗期、思春期でのトラブル・お子さまの自傷でのトラブル・お子さまの学習関係でのトラブル・不登校、行き渋りでのトラブル・お子さまとゲームの関わりでのトラブル・子さまの不器用さでのトラブル・ママ友や、ほかの保護者の方とのトラブルでのトラブル・ご近所関係でのトラブル(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年06月08日オンラインで特性を検査する「LITALICO発達特性検査」公認心理師の井上雅彦です。LITALICO発達特性検査では、企画段階から参画し、多動・不注意/情緒・行動/感覚/運動(くせ)の検査結果テキストの監修を担当しました。LITALICO発達特性検査は、お子さまと保護者さまが感じている困りごとに対して、その特性の現れ方や背景、具体的なサポート方法が分かる検査です。オンラインで検査に回答するとすぐに結果が得られることも特徴です。検査結果によって、お子さまの特性の現れ方の傾向や困っている事柄への対応方法のヒントが得られます。LITALICO発達特性検査は、医学的な診断を意味する検査ではありません。また、ほかの心理検査とは違って、発達指数や知能指数が表示されるものではありません。ですが、お子さま本人にとって障害となる困りごとや子育ての課題を解決するためには、この、お子さま本人の特性を理解し、その特性や困りごとに応じた対応方法を保護者さまやご家族、園や学校などの周りの人が理解することが、とても重要です。今回は特性を検査するとはどういう意味を持っているのか、また、特性を検査することで、どのようにお子さまやご家族の困りごとや課題をサポートしていけるのかということをお話ししたいと思います。「特性を検査する」とはどういうことかUpload By LITALICO発達特性検査 編集部LITALICO発達特性検査はお子さまと保護者さまが感じている困りごとに対して、その特性の現れ方や背景、具体的なサポート方法が分かる検査ですが、そもそも「特性」とは何でしょうか。特性は、その人の心身や脳の機能、感覚の受け取り方や考え方のくせなどの現れ方や性質です。個人の中でさまざまな特性があり、複雑に合わさって一人ひとり違うものとなり、結果として得意なことや苦手なこととして現れていると考えられます。概念としては「個性」や「障害」と似ていますが、障害というとネガティブな印象、個性というとポジティブな印象といったように、使われることもあります。私は、特性はそれ自体にはポジティブ、ネガティブ、どちらの色もないもので、環境によって障害や困難になることも、個性や強みとなることもあると考えています。分かりやすくいうと、「集中しやすい」という特性があった時に、ほかの人と同じ活動を一斉にしないといけない場面では、「好きなことに集中して、一緒に活動に参加できない」という困難や弱みになることもありますし、個人の趣味などでは「集中して本1冊読み切った」といった強みとなることもあります。本人にとっては、まずはそういった個別の特性や、個人の中の苦手と得意の差が、困ったこと→障害となって現れないように考えていくことが必要になりますし、そのためにお子さまと保護者さま、周りの方にとって、どのように本人に合ったやり方にしていくのか、できることを増やしていくのかという観点で考えていくことが大切になってきます。その意味で、まずは先入観がつかない「特性」という言葉を使うことが、その子を理解し、サポートしやすくするうえでも馴染む考え方なのではないかとも思っています。特性理解を「診断がないと支援できない」を変えるきっかけにLITALICO発達特性検査のように、特性をキーワードにすることは「困り」をスタート地点とする支援にもつながります。診断のある場合は支援対象とされるけれども、診断がない場合には支援が受けにくいという現状もまだまだありますね。ですが、「診断がないかぎり何もできないのか」というとそうではありません。先ほども言ったように、「その人に特性があって、それが本人にとって困った状況であれば変えていく」、その観点がすごく大事です。身近にいる保護者さまや周りの方が本人のもともと持っている得意や苦手に対して、できることを考えることが重要です。診断がないが、何らかの困りごとや特性がある場合「グレーゾーン」と呼ばれることもあります。現状だと、診断があることでサポートや制度が受けやすくなる傾向があるので、こうした診断がないグレーゾーンの方に、支援が届きにくい場合が出てしまうこと、また、本人の努力不足、あるいは保護者の育て方の問題ではないかとされてしまうこともあります。そうすると診断がないことが支援を遅らせてしまう場合もあるかもしれません。必要な支援が届かず、放置されることによって、困りごとや、生活をしていくうえでの困難が大きくなり、それぞれの特性が診断域になってしまうケースもあります。この問題は、何とかしていくべきではないかと思います。もう一つの課題として、診断名だけにとらわれていると、特性が合併している場合などに、診断のある症状や特性以外に困っていることがあっても、それに対しての支援が見過ごされがちになるということもあります。特性から読み解くことのメリットとして、診断にとらわれず子どものニーズや困りを包括的に見ていくことができるということです。ASD(自閉スペクトラム症)の診断がある人の多くは、ほかの発達障害の診断基準も満たしているという研究も出てきています。そのことから、ASDの診断だけをもとに支援を組み立ててしまうと、その子の診断名以外のさまざまなニーズや困難性を見逃してしまうというリスクや、適切な支援に繋がらないという場合もあるでしょう。よくあるケースをご紹介すると、SLD(限局性学習症)の傾向は、学年が上がってから分かったり、困りごとが強まることもあります。それを見過ごして、ASDの診断名があることにとらわれて、コミュニケーションへの配慮や支援はしたけれども、読み書きに対するサポートがないままで、学校や勉強が嫌いになってしまったというお子さまもいます。こうしたケースでは、診断名にとらわれて、実際のお子さまの状態や困っていること、新たに出てきた課題を見つけることが、難しくなってしまうこともあるのではないかと思います。本人の特性を理解せずに、この診断だからこの支援法、という思い込みで支援すると、実際のお子さまの状態や困っていること、新たに出てきた課題を見つけることが、難しくなってしまうこともあるのではないかと思います。そこで、今のお子さまの状態について評価し、包括的に特性や困りごとを見ていく必要があると考えています。LITALICO発達特性検査は、医学的な診断を意味する検査ではありません。ですが、今言ったような観点で、この「特性を検査する」ということが、一つの方法として選択できるということは、大きな意味があると思います。もちろん、心理検査や知能検査、診断、医学的な支援の重要性は、しっかりお伝えしたいです。LITALICO発達特性検査はそれらを否定するものではありませんし、それぞれのよさや目的、できることがあるので、必要に応じて、それぞれ、あるいは併用して使っていただくことが重要だと思います。いずれにしても、今、支援から取り残されている人を、特性というモデルで考えることで、境目をつくらずに支援の対象としていけることを願っています。そのために、診断の有無にかかわらず、その子にどんな特性があるのか、保護者さまの視点で今どんなことに課題や困りごとがあると感じているかに気づき、理解できるというのはとてもいいと思います。特性を具体的な行動に読み直していくUpload By LITALICO発達特性検査 編集部特性に着目することの意味は、それを「具体的な行動に置き換えて支援の対象にできる」ということにあります。よく保護者さまからの相談で、「うちの子は、わがままなのか障害なのか、どちらでしょう」と聞かれることがあります。「わがままだったらやめてほしい」と感じていることがあるけれども、「特性による障害だったら仕方がないかな」と考える保護者さまも多くおられます。わがままなのか、障害なのか、はっきり分けることが難しいと関わり方もそれでいいのか不安になることもあるでしょう。そうやって迷いながらお子さまと接することはかなりストレスになったり、うまくいかなかったりでつらい状況になることも多いでしょう。でも、「こういう特性があるな」ということに気づいて、それが出やすい状況を客観的に捉え直し、改善することで、その子が困る状況を減らし、結果的にできることが増えていきます。一つひとつの行動は環境との兼ね合いで変わっていくからです。一つひとつの困りごとは、その特性やどんなことに困っているかということについての気づきがあって、環境とのマッチングを修正することで改善することも多いのではないかと考えています。このような環境の調整は、最初の取り組みとして大切です。もう一つ、「特性だったら、変えられないのでしょうか」と言う疑問や、「特性より何より、今困っているんです」と言う保護者さまの声もよく聞きます。変わらないのであれば、検査をする必要があるのか?あるいは、改めて今のつらい状況を確認する必要があるのか?悩まれる方もおられるかもしれません。特性というのは、確かに持って生まれた場合もありますし、特性自体は変わらないこともあります。本人にとっては特性自体をコントロールすることが難しいというものも確かにあると思います。でも、先ほどお話したように、特性は変わりにくくても、そこから生じる行動や環境にアプローチしていくことができます。そのためには、特性という概念の中から、一つの行動に着目していくことです。特性を具体的な行動に読み直していくといいと思います。困っている行動や、その子の行動傾向を一つ見つけたら、その行動に対して適切な対応方法を考えてやってみる。ちょっと例を挙げて考えてみましょう。【特性】眩しさを感じやすい感覚過敏の特性がある【困りごととなる行動】教室で窓側の席に座ると、顔を伏せて授業に参加できない【原因】窓側の席の光の差し方が強すぎて、教科書を開いたり、前を向いて長時間過ごすことが苦痛【行動と環境への働きかけ】・授業に参加するという行動に変えるため、席を光の入りにくい内側にする・授業中はカーテンを引く・サングラスをかけるなどなくなってほしいのは、「授業に参加できない」という困りごとであって、特性ではないという考え方もポイントですよね。個人的には、「障害」という概念を、個々の環境と個人との相互作用である「行動」を単位として捉えることで、「障害者」「~障害のある人」というラベルづけから脱却できると思います。特性から生まれる困りごとや障害自体を具体的行動に落とし込むことで、環境や対応を変化させ、解決していくことはできるのではないかと思います。一つひとつの行動が変わっていくことで、最終的に、特性や困りごとについても、変わったり薄まったりしていくことはあると思います。LITALICO発達特性検査で分かること「特性」を知るための検査として、LITALICO発達特性検査で具体的に分かることをあらためてまとめると、以下が挙げられます。1. お子さまの特性や困りごとの傾向まずはお子さまの特性や困っていることの行動傾向に気づく2.お子さまの特性や困りごとの背景要因いくつかの背景要因が提示されることで理解がより進む3.特性や困りごとに合った対応方法やサポートの方向性サポートを試して本人に合うものを探していくこの3つのステップをセットでやってみることで、特性理解をスタート地点にして、行動に働きかけることができるのではないでしょうか。もちろん家庭でできることには限界もありますし、できることからやってみるだけでもいいので、提案された支援の中から試してみてください。お子さまに合っていたサポートなどを抽出してサポートブックなどに記録したり、プリントしてまとめたりしていくといいですし、もしうまくいかなかったとしても、専門家や周りの人に相談する材料にしたり、より本人や状況に合わせてカスタマイズする方法はないか、考えるのもいいと思います。Upload By LITALICO発達特性検査 編集部特性理解のための最初のツールとしてのLITALICO発達特性検査保護者さまや本人が特性を知り、それに適した対応法を知ることで、周りもサポートがしやすくなり、困りごとが減らしていける。特性が障害になるかどうか、環境に働きかけることで障害や困りごとがなくなる・軽減されることがある。LITALICO発達特性検査はそのような立ち位置から出発しています。私は、特性を検査すること、特性をスタートにして支援をすることは、お子さま自身が自分の特性について自己理解をすることがゴールではないかと考えています。もちろん、お子さまに検査結果を見せるという意味ではないですが、保護者さまや周りが特性を理解し、困っている行動に着目して、それを減らしたり変えたりするにはどうしたらいいか、と考えて対応していく。支援や学校での合理的配慮などを行っていくためのツールとして使っていただきたいと思っています。診断のあるなしによらず、特性が分かるということが本人に合わせた支援のカスタマイズに繋がることを、LITALICO発達特性検査の監修者の一人として、願っています。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2024年06月07日