婚活で約1000人の男性と出会い、年下夫を射止めたライター・かわむらあみりがお届けするコラム【結婚引き寄せ隊】連載第162回は、お目当ての男性とうまくいっていると思ったら、そう思っていたのは自分だけだった!!という穴があったら入りたいと思う女性たちのエピソードをお届けします。1.デートと思ったら食事会だった【結婚引き寄せ隊】vol.162気になる男性との距離が縮まり、すっかり彼氏と彼女のつもりでいたら、そんな浮かれ気分は自分だけだった…と知り、愕然としたという女性がいます。相手にその気があるのかないのかを見極めつつ、時間を大切にしましょうというお話のひとつめは、婚活に勤しんでいるAさんのお話から。婚活しているなか、異業種交流会で好みの男性と知り合ったというAさん。長身でさわやかなタイプだというその男性をひと目で気に入ったAさんは、大勢が参加していた交流会において、ほとんどの時間をその男性とふたりで話し込んでしまったといいます。たくさん女性も参加しているなかで、自分を選んでずっとツーショットでいられたことにも手応えを感じていたAさんは、相手から「今度ごはんに行きませんか」と誘われたのだそうです。いろいろな婚活に顔を出していたけれど、好みど真ん中の男性に出会ったのが初めてだったということで、会う日が近づいてくるたびにウキウキしていたのだとか。そして、当日。その男性に指定されたレストランへ足を運んでみると、お店の前で男性が待っていてくれました。Aさんを見かけると、男性は「もう始まってるよ」とひとこと。「へ?」と思って一緒に店内へ入っていくと、なんとほかにも異業種交流会で知り合ったという男女が数人いたのだそうです。つまりは、ふたりでデートだと思い込んでいたら、ふつうに食事会だったということで、ガックリきたと同時に、けっしてデートだと思って来たことを悟られまいと気をつかいすぎて、疲れてしまったAさんなのでした。いやあ、その男性もハッキリと食事会だと言ってくれていたらねえ…。2.みんなに同じことを言っていた彼氏と別れて半年が経っていたBさんは、ふんわりとした雰囲気がかわいらいしい女性。けっこうモテそうなのにもかかわらず、好みがハッキリしていて、Bさんのストライクゾーンに入る男性がなかなか出てこなかったのだそうです。そんなある日、Bさんの好みをわかっている友人から、「ちょうど合いそうな人がいる」と、紹介された男性は、まさに好みにピッタリ。「彼女募集中なんだよね」と言いながら、Bさんともいろいろな話をしていて、すぐに意気投合したのだとか。グループで遊ぶことが多かったため、ほかのシングル女性ともその男性が仲良くなると嫌だったBさんは、思い切って彼をデートに誘いました。しかし、デートの最中に、同じグループのほかの女性の名前を出して「ちゃんとはこの間カラオケに行ったよ」などと悪びれもせずに会話に出してきたんだそうです。デリカシーがないと憤慨したBさんは、ちょっと距離を置くことにしました。その間、グループのほかの女性たちにその男性の話をしてみたところ、「私にも彼女募集中って言ってた」「誘ったらすぐ遊びに行くことになったから会ったよ」などと、ほかの女性たちともまんべんなく会っていたことが発覚。男性はみんなに同じようなことを言って、品定めでもしているつもりだったのでしょうか…。不評を買った男性は、その後集まりにも来なくなって、連絡も途絶えたそうですが、みんなにいい顔をするようなタイプは、むしろひとりも手に入らないことの典型だなと思ったのでした。3.ただのいい人だった惚れっぽいCさんは、合コンに行っても、「あの人すごくいい笑顔だったよね」などと、必ず相手の良いところを見つけるようなタイプで、人当たりのいい女性。ある飲み会で、そんなCさんと同じように、物腰の柔らかい男性と出会いました。その飲み会では、どちらかというと自分が前に出たいというような男性が多く、物腰の柔らかい男性は周りに気をつかいながら、女性たちとも話しやすい雰囲気があって、和気あいあいとした空気をもたらしていました。Cさんはその男性の様子をずっと見ていて、「あの人いいかも」と言い出し、積極的に自分からアプローチをスタート。とんとん拍子にふたりで会うようになったそうですが…。「何度会っても手応えがないんだよね」と言うのです。温和だし優しいけれど、Cさんが何を言っても肯定してくれるものの、物足りないのだそうで、「ただのいい人だったみたい」とのこと。結局のところ、Cさんが会おうというから会ってくれるだけで、その男性は親切心や断れない性格から応じていただけのようでした。いい人であることはいいことなのに、なんとも言えないなあと思ったのでした。婚活していると、いろいろな人に出会うことがあります。必ず、いつか運命の人に出会うはずですから、みなさんの恋活や婚活を応援しています。文・かわむらあみり©Mangostar/Adobe Stock文・かわむらあみり
2023年12月15日キャラクターのかわいさとストーリーのおもしろさから、子どもたちに大人気のアニメシリーズ「パウ・パトロール」。主人公の少年ケントと個性豊かな子犬たちが、街で起こるさまざまなトラブルをパウっと解決していく様子が描かれています。そこで、まもなく公開を迎える劇場版最新作『パウ・パトロール ザ・マイティ・ムービー』の魅力について、こちらの方にお話をうかがってきました。仲間由紀恵さん【映画、ときどき私】 vol. 624アドベンチャー・シティに落ちてきたまほうの隕石から手に入れた“マイティパワー”を巡る大騒動が繰り広げられている本作。仲間さんは、日本語吹替版でパウ・パトロールたちの“最大の敵”となる科学者ヴィクトリアの声を演じています。今回は、声優としてのおもしろさや母親になってから変化したこと、そして育児での悩みを解決する方法などについて語っていただきました。―まずは、オファーがあったときのお気持ちからお聞かせください。仲間さん子どもたちが好きな作品ということもあり、以前から一緒に観ていたので、まずは素直にうれしかったです。観たいと何回もお願いされるくらいお気に入りで、大人が笑わないような意外なところでいろんな反応をしてくれるので、私も楽しんでいます。―ということは、出演が決まってお子さんたちも喜ばれたのではないでしょうか。仲間さんまだ小さいので、私の仕事のことはよくわかっていないんじゃないかなと思います。声を聞いて気が付いてくれればいいですけど、いつもとは違うだけにどういうふうに受け取るのかは私も楽しみですね。ちなみに、子どもたちは映画館に行ったことがなく、この作品が映画館デビューになる予定なので、そういう意味でも期待しています。物事をスピーディーかつ的確に終わらせる力がほしい―まさかの悪役なので驚かれるかもしれませんが、今回はこの役をどのように演じようと思って挑まれましたか?仲間さん事前に自分のなかで何度もイメージしていきましたが、現場でやってみないとわからないこともたくさんありました。でも、とても自由にやらせていただいたので、楽しく挑戦できてよかったです。普段のお芝居では出さないような声を出したり、現実世界で自分ができないようなことを疑似体験できたりするのがおもしろかったですね。キャラクターとしては、自分の力を周りに認めてもらいたいという欲望が強い女性だと思いました。ただ、そうなってしまうまでには、自分のがんばりを誰も見てくれなかった過去があったはずなので、そこがヴィクトリアの憎めないところかなと。根本には彼女の切実な思いがあると感じました。―もし自分もマイティパワーを得られるとしたら、いまはどんな力がほしいですか?仲間さんほしいパワーはいっぱいありますが、物事をスピーディーかつ的確に終わらせることができる力や速さがあったらいいですね。最近は1日があっという間に過ぎてしまいますが、仕事にも育児にも、もう少し時間がほしいです。子育ては解決したのかわからないことが多い―毎日お忙しいと思いますが、時間を作るために工夫されていることなどがあれば教えてください。仲間さん私もできるのであればもっと時短をしたいなと思ってはいるのですが、あまりアイデアが豊富なほうではなくて…。ただ、仕事に関しては、事前に準備をしておかないと間に合わないので、前日の夜にがんばっています。とはいえ、日常生活に関しての準備をつねにするのは、なかなか難しいですよね。それできたら素晴らしいですが、私も「毎日はできません!」と思っています(笑)。―みなさん同じ気持ちではないでしょうか。では、子育てのトラブルなどはどのように解決していますか?仲間さん子育てに関しては、解決したのかわからないことのほうが多いので、「あれでよかったのかな?」と思うことばかりです。特にうちは双子ということもあって、仲よく遊んでくれるいっぽうで、ケンカも多いですからね…。以前は、喧嘩両成敗みたいなやり方をしていましたが、彼らもそれではだんだん納得しなくなってきたのかなと感じることも。なので、最近はまず1人ずつに事情聴取をして、ケンカについて検証するようになりました(笑)。どちらがいいとか悪いとかを言わず、とりあえずどういうふうに感じていたのかについて一回話を聞くようにしています。大人も一緒かもしれませんが、共感をしてあげることによって、腑に落ちることってありますからね。母親になって物事を広くとらえられるようになった―なるほど。事情聴取には俳優としてのご経験も生かされているのかもしれませんね。仲間さんどうなんでしょうか(笑)。なかなかうまくいかないので、役に立っている気はしないですが、思い通りにいかないことも楽しいと考えるようにしています。とはいえ、「人を思いやる気持ちを持ってほしい」とか「共感力を身に付けてほしい」とかこちらが伝えたい大事なことがまったく伝わらない時期に入ってしまったので、返ってくる反応に驚く毎日です(笑)。―ということは、仲間さんでも心が折れそうになるときもあると。仲間さんありますよ!膝がガクンとすることなんてしょっちゅうですから(笑)。でも、ずっと言い続けていれば、きっとどこかには残ってくれるのではないかなと。ガックリしながらではありますが、いつか自覚してくれるときがくればいいなと思っているので、これからも伝え続けていきます。―母親になったことで、ご自身でも変わったなと思うことはありますか?仲間さん当たり前のことができないとか、計画通りにいかないことが多いので、何が起きてもいいように物事を広くとらえられるようになったところはあるように感じています。あとは、人に対しての見方も、より柔軟になったのかなと。以前なら「こういうタイプの人かな?」と先に決めつけてしまうこともありましたが、話してみないとわからないですし、イメージ通りではないこともあると考えるようになりました。諦めない気持ちはこれからも忘れたくない―そのなかで、仕事に対しての向き合い方にも変化はあったのではないでしょうか。仲間さんそうですね。仕事については、対応できる時間が限られてきたこともあって、より集中できるようになりました。あとは、客観的にも見られるようになったぶん、視野が広がった気がしています。―仕事や育児に追われるなかで、幸せを感じる瞬間といえば?仲間さんそれは、家族みんなで食卓につけたときですね。毎日食事の時間に合わせて準備するのも、プレッシャーのかかる仕事ではありますが、家族が集まれる時間を持てるとやっぱり楽しいなと感じます。―素敵ですね。また、本作ではパウ・パトロールの一員であるスカイが自分の弱さを克服して奮闘する姿が描かれていますが、仲間さんは悩みを抱えたときはどのようにして乗り越えていますか?仲間さん私は昔から自信過剰なタイプではないので、毎回仕事のあとは不安になったり、反省したりしながらゴールに向かっているほうです。作品によって役柄が違うので、そのたびに悩みも変わりますが、そういうなかでも意識しているのは、自分なりの答えをちゃんと導きだすこと。そして、それを現場で披露する勇気を持つようにしています。1歩踏み出してもできないことはありますが、1歩踏み出したことでできるようになることもありますから。そうやって毎回いろんなことに少しずつ挑んでいる感じなので、スカイが諦めずに前に向かって突き進む姿には、私も感動しました。物事をより良くするためにも、諦めない気持ちはこれからも忘れないようにしたいですね。そのためには準備も必要ですが、「前にできなかったことがちょっとだけできるようになった」という成功体験を積み重ねることが大事だと思っています。もっと自信を持ってもらえたらいいなと思う―それでは最後に、ananweb読者にメッセージをお願いします。仲間さん20代や30代の頃というのは、社会のなかで緊張しながら仕事を覚えたり、経験を積んだりする時期だと思います。だからこそ、必死になりすぎて周りが見れなくなってしまうときや自信をなくしてしまうときもあるかもしれません。でも、仕事を離れて個人になったときは、もっと自信を持ってもらえたらいいなと感じています。あと、これは私が育児をしていておもしろいなと思ったことですが、最初は人見知りだった子どもたちが挨拶をできるようになってから変わりました。これは大人にも言えることなので、進んで挨拶をしたり、自分から声をかけたりできるようになるだけでも人間関係はかなり違ってくるのかなと。そんな小さいことでも「今日はできた!」と考えるだけで気持ちも変わるはずですからね。すでにみなさんがんばっていらっしゃると思いますが、ぜひそのまま行ってほしいです。インタビューを終えてみて…。仕事と育児のなかで感じている悩みもオープンに明かしてくださり、自然体で飾らない姿が魅力的な仲間さん。お子さんたちとのエピソードをはじめ、お話のおもしろさにも引き込まれました。本作では、ご自身の声を生かしつつキャラクターと見事に融合し、ヴィクトリアの存在感を際立たせています。ぜひ、普段のイメージとは違う仲間さんの悪役っぷりをお楽しみください。どんなトラブルにも負けない強さを学ぶ!誰もが悩みやコンプレックスを抱えながら生きるなか、大事なのは自分を信じる勇気を持つことだと教えてくれるパウ・パトロールたち。「パウっと解決!パウフェクト!」の合言葉を胸に、子どもも大人も新たな冒険に向かって走り出したい気持ちが高まるはずです。写真・幸喜ひかり(仲間由紀恵)取材、文・志村昌美ストーリーある日、大都市アドベンチャー・シティにマイティ座流星群のなかにあった隕石が落ちてきた。その隕石によってパウ・パトロールたちは新しいマイティパワーを手に入れ、最強の子犬「マイティ・パウ・パトロール」に大変身する。ところが、宿敵のライバール市長が“最強のトラブルメーカー”と言われるマッドサイエンティストのヴィクトリアと手を組み、彼らのマイティパワーを奪おうと悪だくみを企てていた。この大ピンチをリーダーのケントとパウ・パトロールたちは、マイティパワーで解決できるのか!?ワクワクする予告編はこちら!作品情報『パウ・パトロール ザ・マイティ・ムービー』12月15日(金)全国公開配給:東和ピクチャーズ(C)2023 Paramount Pictures. All rights reserved.写真・幸喜ひかり(仲間由紀恵)
2023年12月15日いつの時代も多くの人を惹きつけてやまないものといえば、極上のグルメ。そこで今回ご紹介するのは、心と胃袋を鷲づかみにされてしまうこと間違いなしのフランスから届いた話題作です。『ポトフ 美食家と料理人』【映画、ときどき私】 vol. 623〈食〉を追求し芸術にまで高めた美食家ドダンと、彼がひらめいたメニューを完璧に再現する料理人でパートナーでもあるウージェニー。2人が生み出した極上の料理は人々を驚かせ、類まれなる才能はヨーロッパ各国を熱狂させていた。あるとき、ユーラシア皇太子から晩餐会に招待されたドダンは、豪華なだけで論理もテーマもない大量の料理にうんざりする。ドダンは〈食〉の真髄を示すべく、もっともシンプルな料理「ポトフ」で皇太子をもてなす計画をウージェニーに打ち明けるのだった。ところが、準備の最中にウージェニーが倒れてしまう。ドダンは人生初の挑戦として、すべて自分の手で作る渾身の料理で、愛するウージェニーを元気づけようとするのだが…。「新たなグルメ映画の傑作が誕生した」と絶賛されている本作。そこで、完成までの裏側について、こちらの方にお話をうかがってきました。トラン・アン・ユン監督『青いパパイヤの香り』や『ノルウェイの森』などで知られ、多くの映画ファンを魅了してきたトラン・アン・ユン監督。今回は、料理にかける熱い思いや撮影時の忘れられないエピソード、そして日本の観客に伝えたいことなどについて、語っていただきました。―6年前にananwebで取材させていただいた際、「フランス料理についての作品を考えている」とおっしゃっていて、それを実現されたわけですが、料理を題材にしたいと思ったきっかけは何ですか?監督料理に関してのプロジェクトというのは、アメリカや日本をはじめさまざまな国を舞台にした企画や食いしん坊で知られる小説家ジム・モリソンの映画など、いくつか話はありました。そのなかで、着地したのが本作でしたが、僕が一番やりたかったのは芸術を映像化すること。僕にとって料理というのは、具体性のある芸術だと思っています。肉や野菜などを使って素晴らしい一品を完成させるのが料理ですが、それこそがまさにアートの縮図ではないかなと。そう感じていたこともあり、今回は料理という芸術に焦点を当てることにしました。フランス料理に決まったのは偶然なので、いまでも日本やほかの国の料理映画を撮りたい気持ちはあります。正しいものより、ふさわしいものを探すのが大事―以前の取材では、「もしプロジェクトが実現したら、死ぬまで料理のシリーズしか撮らないかもしれない」ともお話されていました。ということは、今後も料理をテーマにされるのでしょうか。監督この作品を終えた直後ということもあり、正直に言うといまは違うことをしたいと考えています。だから、映画監督の言うことなんて信じてはいけませんよ(笑)。監督というのは、そのときのフィーリングと合ったり、自分の感性が動くものを見つけたりすると、すぐそっちのほうに向かってしまうものですからね。―気を付けます(笑)。また、料理については、ミシュラン三つ星シェフのピエール・ガニェールが完全監修ということですが、ご一緒されてみていかがでしたか?監督この作品では、料理の準備がとにかく大変だったので、彼の存在は本当に必要不可欠でした。彼はシナリオに書かれていたすべての料理を再現してくれましたし、俳優たちは調理をする際の手やカラダの動かし方を彼から学んでいます。そして、「自分が一番ふさわしいと思うものを見つけてさえいれば、それがおいしいものに繋がっている」という彼の考え方は、僕と呼応していると感じました。僕自身も「正しいものを探しに行く」というよりも、「ここにふさわしいものを見つければ、おのずと美しいものができあがる」という考え方ですからね。本作では、2つの官能性を合わせて表現している―本作は料理映画ではありますが、官能性を持って表現されているのがトラン・アン・ユン監督ならではだと感じました。そのあたりはどのような意識をされていましたか?監督映画というのは、アイデアや言葉を具現化するものだと思っているので、この映画では料理が持つ“肉体性”というのを描き出したいと考えていました。本作で感じられる官能性については、俳優たちの内から湧き出るものとカメラワークが重要で、それらが交わり合って1つのハーモニーとなっています。僕が人間の営みのなかでもっとも官能的な行為と考えているのは、食べることとセックスをすること。劇中でわかりやすい例を挙げるなら、洋ナシのコンポートが登場するシーンのあとに、まるで洋ナシのようなフォルムをしているウージェニーの裸体を映しています。そんなふうに、2つの官能性を映像で表現しました。―なるほど。調理過程の撮影はワンカットで行い、カメラは1台しか使われなかったというのも驚きです。監督みなさんからすると、とても自由で優雅な感じに見えるかもしれませんが、今回のカメラワークは非常に複雑でした。事前に作り込まず、俳優たちに好きなように動いてもらうなかで一番いいタイミングをカメラに捉えようとしていたので、そこは大変だったかなと。でも、余白を残すからこそ、そこに発見や即興の余地がありますし、しなやかさも生まれたと思っています。撮影中は、ステディカムを持ったカメラマンの後ろで腰を持ち、僕が誘導していく形を取りました。自分と妻との関係性が反映されている―官能性を意識されていたとはいえ、監督の過去作で描かれているエロティックさとは異なるような印象を受けましたが、ご自身のなかでもそのあたりの感覚に変化はありますか?監督下手すると退屈に見えてしまうので、そもそも官能性を映像化するのは非常に難しいことなんですよ。しかも今回は、人物の精神性や魂の美しさを含めたうえで官能性を出さなければいけなかったので。劇中にドダンがウージェニーに対して「君が食べているところを見ていてもいい?」というシーンがありますが、これはフレーズ自体がとてもエロティックですよね。そんなふうに、本作では2人がお互いの話に耳を傾け、穏やかな視線を向け合うなかで生まれる官能性を描きました。とても繊細な感覚ですが、みなさんにも感じ取っていただけると思っています。―本作でドダンが素材を料理に変換していく姿は、映画監督の仕事にも通じるところがあるのではないかなと。主人公にご自身を重ねている部分はありましたか?監督恋愛の要素がない原作にラブストーリーを加えたので、そういう意味では僕と妻の関係を料理という場を借りて映画化したと言えるかもしれませんね。僕たちの夫婦生活も長く続いており、すでに37年になりますが、いまでも愛し合い、お互いを尊敬し合っていますから。―トラン・ヌー・イェン・ケーさんといえば、監督にとって公私ともに長年のパートナー。本作でもアートディレクションと衣装を担当されているので、まさにドダンとウージェニーのような関係ですよね。監督それに私の妻は、ウージェニーと似ているところがあるんですよ。なぜかというと、僕は彼女にすごく優しいのに、彼女は僕にちょっとつれないところがありますからね(笑)。そういう部分にも僕たちの関係性が投影されていると思います。怖さもあったが、偉大な俳優に心配はいらなかった―また、キャスティングで話題となっているのは、主演のブノワ・マジメルさんとジュリエット・ビノシュさんが私生活でかつて恋人同士であったこと。そういうおふたりだからこそ、できたこともありましたか?監督彼らはケンカ別れをしたようなところがあったので、本作で再会させることに対して、実はちょっと怖さもあったんです…。でも、彼らは偉大な俳優ですからね。実際は何の心配もいりませんでした。ただ、印象に残っているのは、2人が野原を歩いているシーンを撮影したときのこと。ジュリエットが振り向いて、ブノワにキスをしたんです。すると、「カット」がかかった瞬間に、ブノワが僕のところにきて「シナリオに書かれていなかったけど、ジュリエットにキスをしろって言ったんですか?」と抗議されました(笑)。―裏でそんなことがあったとは驚きですが、どのように対応されたんでしょうか。監督「僕は俳優じゃないからジュリエットの気持ちはわからないけど、彼女が『そのほうが美しい』と感じてキスをしたんだと思うよ」と答えました。撮影のなかでも最後のシーンだったので、彼女にとってはキスをするラストチャンスだと思ったのかもしれないですね(笑)。―事前におふたりの過去についてはご存じで怖さも感じていたにもかかわらず、それでもこの2人に決めたのはなぜですか?監督まず、ジュリエットはウージェニーの役柄に見事にマッチングしている俳優だと思ったからです。そして、少し脆弱で女性的な感じがありつつ、オープンな部分も持ち合わせているブノワもドダンには完璧だなと。なので、最初から2人で行きたいと決めていました。日本料理は、素材に対するリスペクトが素晴らしい―そんなおふたりが劇中で交わす言葉がとても詩的でロマンチックでしたが、脚本を執筆している際や演出時に意識されていたことはありますか?監督何気ない会話でも、彼らの気持ちや関係性が一瞬にしてわかるように作り上げることを大切にしていました。あと、映画を作っているときに、僕がつねに思いをはせていたのは日本のみなさんのこと。なぜなら、日本人は思っていることや自分の感情についてあまり言えない印象があるからです。スピリチュアルな言葉もわりと簡単に口に出せるフランス人たちを見ていて、対極にいる日本の方々のことを考えていましたが、みなさんも思っていることは言ったほうがいいですよ!―ぜひ、見習いたいところです。ちなみに、「納豆以外イナゴも食べられるくらい日本食は全部大好き」とおっしゃっていましたが、監督が思う日本食の魅力についてもお聞かせください。監督まずは、素材の良さがありますが、素材が持つ風味を変えることなくリスペクトしているところも素晴らしいと思っています。それに比べて欧米の料理は、素材を変換させてより濃厚なものにしようとすることが多いですからね。そんなふうに、感動を生み出す方向性がまったく違うように感じています。―それでは最後に、日本の観客に向けてメッセージをお願いします。監督映画館のなかで、“食べる喜び”というのを感じていただけたらいいなと。みなさんに受け取っていただけることを心から願っています。美食と愛の奥深さを堪能する実り豊かな人生に欠かすことのできない「食」と「愛」に対する情熱が、観る者の五感を刺激する本作。官能的で美しい世界観に、誰もが引き込まれてしまう珠玉の1本です。取材、文・志村昌美釘付けになる予告編はこちら!作品情報『ポトフ 美食家と料理人』12月15日(金)Bunkamura ル・シネマ 渋谷宮下、シネスイッチ銀座、新宿武蔵野館ほか全国順次公開配給:ギャガ(c)Carole-Bethuel(c)2023 CURIOSA FILMS- GAUMONT - FRANCE 2 CINEMA(c)Stéphanie Branchu(c)2023 CURIOSA FILMS- GAUMONT - FRANCE 2 CINEMA(c)2023 CURIOSA FILMS- GAUMONT - FRANCE 2 CINEMA
2023年12月13日この冬もさまざまな話題作が並ぶなか、子どもから大人まで楽しめること間違いなしの1本として注目を集めているのは、『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』。大ヒットを記録した『チャーリーとチョコレート工場』に登場する工場長ウィリー・ウォンカの“夢のはじまり”を描いた最新作です。そこで、日本語吹替版の声優に抜擢されたおふたりにお話をうかがってきました。花村想太さん & セントチヒロ・チッチさん【映画、ときどき私】 vol. 622セリフも歌もすべて日本語で吹き替えをしている“完全吹替版”に挑んだのは、5人組男性アーティスト「Da-iCE」でボーカル兼パフォーマーを務める花村想太さんと、BiSHの元メンバーであるセントチヒロ・チッチさん。本作では、ハリウッドを代表する若手トップスターのティモシー・シャラメが演じる若き日のウォンカと、その相棒的存在となる少女ヌードルの声をそれぞれ担当しています。今回は、声優初挑戦となるおふたりにお互いの魅力や来日したキャストとのエピソード、そして夢を叶えるために実践していることなどについて語っていただきました。―花村さんは以前から声優のお仕事に興味があったそうですが、実際に挑戦してみていかがでしたか?花村さんこれまでにお芝居の仕事もいろいろと経験させていただいたこともあり、そこで身についた対応力や応用力がすごく糧になっているなと思いました。とはいえ、わからない部分もいっぱいあったので、回を重ねるごとに「どうしたら自分のイメージ通りにできるのか」というのを勉強していった感じです。―チッチさんは、どのような意識で挑まれましたか?チッチさん私はどれだけ自然に役に入り込めるかというのを考えていたので、あまり作り込まずにいきました。難しいこともたくさんありましたが、それ以上に魅力的な時間があったので、私にとってはすごく素敵な経験になったと思います。限界を決めずにチャレンジするというのは、これまでもずっとしてきたことですが、そのおかげで今回も楽しみながら挑むことができました。チッチさんのかわいくてキレイな声は武器―劇中では、相棒となるおふたりですが、お互いの印象などについて教えてください。花村さんチッチさんは地声がかわいいので、初めて声を聞いたときに「このまんまでヌードルになれるな」と感じました。自然体の声がこんなにかわいくてキレイというのは武器ですし、本当にハマり役ですよね。チッチさんお恥ずかしいです(笑)。私は自分にあまり自信がないタイプなので、生まれ持ったものを褒めていただけるのはすごくうれしいです。―では、チッチさんから見た花村さんの魅力はどんなところですか?チッチさん以前から花村さんは歌がお上手な方だとわかっていましたが、今回知ったのは、そのなかにすごく努力家な部分があるということ。“頼れるお兄さん”でもあるので、私は身をゆだねて一緒にお仕事できました。歌を一緒に歌うイベントのときには不安な気持ちがありましたが、花村さんが「どんとこい!」と構えていてくださったおかげで、自分らしくできてありがたかったです。花村さんがウォンカじゃなきゃダメだったと思います。花村さんよかったです。“頼れるおじさん”じゃなくて、お兄さんで(笑)。チッチさんあはははは。花村さんのプロ意識の高さに驚かされた―ちなみに、花村さんの知られざる一面を垣間見た瞬間などもあったのでしょうか。チッチさん初めてお会いしたのは神社でのイベントでしたが、話をするだけなのに裏で声出しをされていたんです。それを見たときに、「今日って歌うんだっけ?」とすごくびっくりしましたが、プロ意識があるからこそしゃべるだけでも声出しをしているんだなと。その姿に、「並大抵の意識ではここに立てないんだ」と感じました。花村さんイベントのときは、実は僕も緊張していたので、いつも通りしゃべれるように普段のルーティンをやっていただけなんですよ。大きな声を出さないと、テンションが下がっちゃうほうなので(笑)。―ということは、以前からしゃべるだけのお仕事でも声出しは欠かさずされていると。花村さんそうですね。もともとは、10年くらい前にあるラジオDJの方が声出しをされているのを見たのがきっかけでしたが、僕もそのときは「しゃべるだけなのに?」と驚いた覚えがあります。でも、大きな声を出すためだけではなく、気持ちを上げるためにも大事だと学んだので、自分もするようになりました。特にメンバーと一緒ではなく、1人で参加する大きなイベントとかだと全然違いますからね。チッチさんわかります!花村さんキャストの方が来日したときのイベントでも、「いつもと同じようにボケようかな?」と思いましたが、無理でした(笑)。「英語をしゃべる!」という夢ができた―イベントでは、「ティモシーさんのオーラがすごくて、固まってしまった」ともおっしゃっていましたよね。直接キャストのみなさんとお会いしてみて、裏ではどんなやりとりがあったのでしょうか?チッチさんティモシーには、吹替の台本にサインをしてもらいましたが、本当にかっこよかったです。あと印象的だったのは、ウンパルンパ役のヒュー・グラントさん。握手をしながら「初めまして」と言ってくださいましたが、誰だかわからない私に対しても、こんなに優しくしてくれるなんてと感動しました。花村さん僕は、ティモシーとは握手をしただけでお互いすべてを悟った感じですね(笑)。と言いたいところですが、英語がしゃべれないので、コミュニケーションが取れないことがもったいなかったなと痛感しました。もし、英語ができたら短い時間のなかでも僕のことをもう少し知っていただけたと思うので…。「英語をしゃべる!」という新たな夢ができました。大事なのは、小さな夢を1つずつ叶えていくこと―ますます夢が広がるところですが、本作では夢を持つことの素晴らしさも描かれています。実際に、夢を叶えられたおふたりが思う“夢を実現させる秘訣”があれば教えてください。花村さん夢を叶えるのは、難しいことだと僕自身も感じています。というのも、夢はゴールではなく、気が付いたらスタート地点や通過点になっていることがあるからです。僕の子どもの頃の夢は音楽でメジャーデビューすることでしたが、デビューしてみたら実はそこが始まりだと気付かされたので。そのときに、大きい夢さえも目の前に来たら意外とすぐ次に別の大きな夢が出てくるものなんだなと実感しましたし、おそらくこれは一生終わることがなさそうですね。大きな夢に繋げるためにも、大事なのは小さな夢を1つずつ叶えていくこと。「お腹いっぱい食べたい」とか「お菓子の金額を見ずに買えるようになりたい」とか、なんでもいいので、そういったことを続けていくことで、前に1歩1歩進んでいけると考えています。チッチさん私は夢を叶えるために、「好きなことは好き」と大声で言うようにしてきました。自分がしたいことを発信していると、そこから何かに繋がることもありますし、自分を鼓舞することにもなると思っているので。私は「夢を見続けることを諦めずにいたい」という気持ちをずっと大切にしてきましたが、これからもそれは自分のなかに持っていたいです。日常生活にスリルや恐怖がないと生きていけないタイプ―おふたりとも素敵な心がけですね。では、ウォンカにとってのチョコレートのように、人生に欠かせないものといえば?花村さんそれはやっぱり音楽ですが、プライベートならバイクです。仕事のあとや休みの日に友達と走るのが楽しいですね。あとはダンスも好きですが、音楽もバイクもダンスも全部、時間を忘れて夢中になれる瞬間が僕にとっては大事だなと思っています。チッチさん私は、「恐怖」です。スリルや恐怖がないと生きていけないタイプなので、子どもの頃から怖いものを毎日意識しています。昨日も、ホラー映画を観て寝ました(笑)。私は日常に転がっているちょっとした恐怖も“生活のスパイス”だと思っているほど。「平凡には暮らしていられないな」と日々感じています。自分にご褒美を与えながら夢を持ち続けてほしい―それでは最後に、ananweb読者に向けてメッセージをお願いします。花村さんもし僕と道端で出会ったら運命だと思ってください…というのは冗談ですが、まずこの記事で僕のことを知っていただけたらうれしいです。そのうえで、この作品を字幕版だけでなく、吹替版でも観てみようかなと思っていただけたらいいなと。観てくださった方には、最高の時間を届けられると思いますので、ぜひ楽しみにしてください。チッチさん大人になっていくと、夢を見ることを諦めたり、モヤッとする時間が増えてきたりすることもあるかもしれません。でも、この作品を観ることで「いくつになっても夢を見てもいいんだ!」と思っていただきたいです。そして、がんばっている自分にご褒美を与えながら日常を戦い、おばあちゃんになってもずっと夢を持ち続けてほしいなと。私もみなさんと一緒に、日々がんばっていきます。インタビューを終えてみて…。劇中のウォンカとヌードルのように、息の合った楽しいやりとりを見せてくださった花村さんとチッチさん。いろんな夢を叶えながらも、つねに新しい夢に向かって全力なおふたりだからこそ、言葉にも説得力があると感じました。これからの活躍も楽しみなところですが、まずは本作でおふたりの素敵な歌声とハマり役の吹替を堪能してください。夢と感動が詰まった魔法のような時間に心が躍る!どんなときでも、いくつになっても、夢を見続けることでしか得られない喜びと幸せがあることを教えてくれるウィリー・ウォンカ。その姿に、「自分のなかにも譲れない夢がある!」と気持ちが高まるのを感じるはずです。チョコレートのような甘い歌声にも、心がとろける至福のときを味わってみては?写真・園山友基(花村想太、セントチヒロ・チッチ)取材、文・志村昌美ストーリー幼い頃から、いつか母と一緒に美味しいチョコレートの店を作ろうと夢見ていたウォンカ。亡き母との夢を叶えると決めたウォンカは、一流のチョコレート職人が集まるチョコレートの町へと向かうと、“魔法のチョコレート”で一躍人気者となる。しかし、そこは夢を見ることを禁じられた町であり、ウォンカの才能を妬んだチョコレート組合3人組にも目をつけられてしまう。さらに、ウォンカのチョコを盗むウンパルンパという小さな紳士も現れたから、さあ大変!相棒となる少女ヌードルと出会ったウォンカは、無事に世界一のチョコレート店を作ることができるのか?胸が高鳴る予告編はこちら!作品情報『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』全国公開中配給:ワーナー・ブラザース映画(C) 2023 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.写真・園山友基(花村想太、セントチヒロ・チッチ)
2023年12月13日ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。今回は1年中愛用できるオールインワンスタイルのオシャレさんをスナップしてみました。夏はオールインワンのままですが、冬は上からジャケットやデニムを羽織るとまた雰囲気が変わりますよ!1.清潔感と爽やかさが印象的ホワイトは女性らしさや優雅さを引き立てる効果があります。肌の色をきれいに見せ、柔らかな雰囲気を演出します。また寒い時期は、上からコートを羽織るだけでバッチリ決まります!ホワイトのオールインワンは他の色や柄との相性が良く、どんなアウターにも似合いそう。また、アクセサリーや小物使いでアレンジがしやすいですよ!2.フォーマルなシーンでも活躍シルキー素材は光沢感があり、なめらかな肌触りで大人気。これがブラックの色合いと組み合わさることで、上品で華やかな印象を生み出します。そして特別なイベントやフォーマルな場面での着用にぴったりなデザインです。シンプルななかにも高級感が漂い、洗練された女性らしいスタイルを演出してくれます。3.季節やシーンに合わせやすいベージュは自然で温かみのある色合いで、肌に馴染みやすい特徴があります。そのため、優雅ながらも親しみやすい印象ですよね。写真のオールインワンは半袖タイプですが、やはりベージュは女性の柔らかな印象を醸し出してくれる、最高のカラーかもしれません。4.クラシックで洗練された印象カーキ色のオールインワンは、そのユニークで温かみのある色合いから洗練されたスタイリングを演出する素敵なアイテム。独特な色合いで、自然な雰囲気や温かみを感じさせることができます。また、シンプルなデザインでも個性を引き立て、カジュアルからドレッシーまで様々な場面で活躍するカラーでもあります。5.きらびやかなデザインパーティやイベントで存在感を発揮するブラックですが、このかたのように光沢感やラメ、ビジューなどが取り入れられていると、一層華やかな雰囲気を醸し出します。彼女のようにオールブラックで決めてもかっこいい!ブラックは暗い色のはずですが、とってもゴージャスで目を惹くカラーでもあります。6.カジュアルでリラックスした雰囲気デニムのオールインワンは、カジュアルでありながらもスタイリッシュで万能なアイテムです。そのため、デニムのオールインワンはさまざまなスタイルやコーディネートに合わせやすく、日常的な着こなしにも適しています。デニムは特に重ね着やレイヤードを楽しんだりしやすい生地なので、季節に合わせてアウターやインナーを調整して着こなすことができます。これらの魅力が組み合わさり、オールインワンは忙しい日常でもおしゃれを楽しむための便利なアイテムとなっています。シルエットが美しく見えたり簡単なスタイリングで時間短縮できたり、魅力がたくさんあるオールインワン。年中使えるスタイルなので、ぜひ今後も注目していきたいと思います。写真・文 平野秀美
2023年12月10日ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。今回はひと目見ただけでオシャレと感じさせるスタイルをピックアップしてみました。参考になる点はどんどん取り入れていきましょう。1.色のトーンでお洒落に見せるこちらはスウェードのパッチワークのスカートとオーバーサイズのシャツを上手に組み合わせたスタイル。何よりも色のトーンが全体的にマッチしていて、深みのある色たちがなんともお洒落に感じさせてくれます。スウェードの洋服は意外と重ね着が難しそうですが、色を合わせることで着こなしやすくなります。2.タイプ違いのスタイルの組み合わせ私がとても参考になると感じるスタイルはこちら。よく見るとカッコイイボンバージャケットに、かわいらしい花柄やレーススカートを組み合わせた甘辛スタイル。そう、かわいいや、カッコよすぎるなと思うファッションに意外性を加えると、他の人とは異なるファッションで目を惹きます。3.差し色はどれにする?!色の使いかたがとても参考になるこちらのスタイル。一見オーバーサイズのジャケットやトップスに注目してしまいますが、なんとも強烈な色を発しているきれいなイエローバッグとシューズはやはりこのかたのキーカラー!イエローの小物たちをブラックにしてみると、印象は断然暗いですよね。ポイントカラーを上手に選んでるところが、参考になります。4.ボトムスの着こなし方いろんな点で参考になるこちらのファッション。何よりも大きめのズボンをブーツインしてすっきりと見せている点は、注目したいです。また色や柄の使いかたも参考になりますよね。異なる柄を使いたいけどミックスするのに自信がない場合は、間に無地のものを持ってくるとバランスが保てますよ!5.インしてセクシーに!上品でスタイリッシュなこちらは、レザーのワンピースにインしたタートルネックが差し色にもなって素敵!また大胆にスリットの入ったスカートから見えるロングブーツも、スタイルをよりセクシーに見せてくれます。6.見せるポイント、隠すポイント今年はとにかくよく見かけた、このアミアミトップス。最初は大胆すぎるのでは?と思っていましたが、見せるポイントを上手に見せ、隠す部分はしっかり隠す、メリハリのついたスタイルで大人気。またズボンに見えますが、実はオールインワン。上の部分を腰でまとめているという、とっても勉強になるスタイル。腰の位置が高く見え脚長効果もあって一石二鳥!いかがでしたでしょうか?一般的な着こなしではなく、オシャレさんはそれぞれの着こなしを楽しんでいるのがよくわかりますよね。少しでも参考になる部分があれば嬉しいです。写真・文 平野秀美
2023年12月09日婚活で約1000人の男性と出会い、年下夫を射止めたライター・かわむらあみりがお届けするコラム【結婚引き寄せ隊】連載第161回は、婚活していると出会う“男性”についてのエピソードです。なかでも、いまでも印象に残っている「婚活男性3選」その55をお届けします。1.頬杖をつく男【結婚引き寄せ隊】vol.161それは婚活飲み会に参加したときのこと。30代から40代まで、さまざまな職種の男女が集まっていました。婚活友達から誘われて行ったその場所は、学生が飲み会で盛り上がるような印象のあるカジュアルな居酒屋で、早くから到着した人たちはすでに飲んでいて楽しげ。仕事の都合でちょっと遅れて行ったため、すみっこのほうでまずは静かに参加することにしました。同じように遅れて参加してくる人たちもだんだんと集まり、しばらくすると、飲み会もにぎやかに。おたがいの仕事のことや、好きな映画の話など、たわいもない話をしていました。そのうち、「ちょっと席替えしようか」という話になり、座っていた位置を移動して、ざっくりと席替えをしました。すると、長い前髪が目に入りそうなルックスのサラリーマンの男性が、向かいの席へ。空を見つめながら、お酒の入ったグラスを片手にどこかつまらないような雰囲気を漂わせています。とりあえず、当たり障りのないようにと声をかけてみても、「ああ、そうだね…」と聞こえているのかいないのか、返答もテキトーで上の空です。しまいには、頬杖をついたまま、まわりの会話にテキトーにうなずいたり、スルーしたり。片手にお酒のグラス、もう片手は頬杖。あきらかに、ハズレの席になった、その日の飲み会も終わったなと思いながら、とにかく会費のぶんだけしっかり飲んで食べて、おひらきになった瞬間すぐ帰宅。たまたまこういう男性に遭遇してしまいましたが、ひとりで飲んだほうが気楽そうなのにね、と不思議で仕方なかったのでした。2.すぐに住所を聞く男それは30代がメインの婚活パーティに参加したときのこと。いつものようにプロフィールカードを持参し、婚活会場に集まった人たちと自己紹介タイムが始まりました。男女ともにまじめそうな人たちが集まっていたので、安心して「こんにちはー」とご挨拶。そうこうするうちに、次のフリータイムに突入。正直なところ、ものすごくいいなと思えるようなタイプの男性がいないように感じて、どうしようかなと思っていたら、「ちょっといいですか?」と声をかけてくれた開襟シャツの男性がいました。さっそくふたりで座席へ移動し、ソフトドリンクで乾杯しながら、会話しようと自己紹介カードを交換しました。ササっと目を通したかと思いきや、その男性はすぐに「どこに住んでるんですか?」と、質問してきました。初対面だし、これから仲良くなるかどうかわからない相手に、住所はいえないしと思い、「線沿線に住んでいます」と沿線のみ応えると、「いや、住所はどのあたり?」とまた質問が…。なんで初対面の相手に住所を言わなきゃいけないんだろうと、ちょっと気持ち悪くなって、「いやあ」とかなんとか言ってはぐらかしていたら、あっという間にフリータイム終了。すぐに住所を聞いてくるような男性につかまってしまい、貴重なフリータイムをつぶしてしまったとガックリしました。テンションが下がってしまい、この日も空振りで帰ることになったのでした。3.ジロジロ見てくる男それは20代から30代が集まる婚活パーティに参加したときのこと。いつもとは違う婚活会社が主催するパーティにでも行ってみようと、いろいろな企画を探していたところ、動ける日にちと時間でちょうどよいタイミングの婚活パーティがあったので、行ってみることにしました。会場に着くなり、「場違いだったかなあ」と腰が引けてしまうぐらい、いつも行く婚活パーティの参加者よりも男女ともにちょっとギャルっぽい人たちが多く、アラフォーの自分よりもはるかに若そうな参加者にたじろぎました。とはいえ、せっかく足を運んだのだからと、気を取り直して参加。パーティが始まってみると、いつもの婚活パーティと同じように自己紹介タイムが進んでいきました。あまり収穫はないけれどいろいろなタイプの人と話す訓練だと思って、とりあえずは最後までがんばろうと思っていたところ、30代後半とやっと同年代の男性がまわってきました。と思ったら、挨拶もそうそうに上から下までジロジロと見てくるではないですか。え、なんか気持ち悪い…と拒否感マックスになっていたところ、最後までジロジロと人のことを見てきたその男性は、ニヤニヤしたままとなりの席へと移動。不快感を残しながらも、次にまわってきた男性が20代のさわやか青年だったため、ちょっと持ち直してなんとかパーティが終わりました。遠巻きにちらちらとジロジロ男性を見ると、ほかの女性たちのこともジロジロ見ていたので、クセなのかとにかく関わりたくないな、と強く思ったのでした。出会いを探していると、ときどきビックリするような男性に出会うこともあるかもしれません。でも、いつか運命の人に出会うはず!みなさんの恋活や婚活もうまくいきますよう願っていますよ。文・かわむらあみり©kapinon/Adobe Stock文・かわむらあみり
2023年12月08日これまでに数多くの良作と世界的な俳優を生み出してきたフランス映画界ですが、そのなかでも現在話題となっているのがまもなく公開の『Winter boy』。主演を務めた若手俳優は、「新たなスター誕生」「美しくすぐれた演技」「並外れた存在感」などとメディアから絶賛されています。そこで、“フランス映画界の新星”とも呼ばれているこちらの方にお話をうかがってきました。ポール・キルシェさん【映画、ときどき私】 vol. 621さまざまな葛藤を経験する17歳の少年リュカを演じたのは、俳優のジェローム・キルシェさんとイレーヌ・ジャコブさんを両親に持つポールさん。本作で第70回サン・セバスティアン国際映画祭の主演男優賞を受賞し、2023年セザール賞とリュミエール賞では新人賞にもノミネートされ、高く評価されています。今回は、名監督と大女優と一緒の現場で感じたことやいま興味を持っていること、そして日本での思い出などについて語っていただきました。―本作への出演はオーディションがきっかけだったそうですが、受けようと思った理由から教えてください。ポールさんまずは、この物語に惹かれたからというのが大きかったと思います。思春期というのは世の中の現実とぶつかる年代ですが、そういう時期を過ごしている人たちにとって訴えかけるものが多くある作品だと感じたからです。あとは、やはりクリストフ・オノレ監督と仕事をしたかったというのがありました。私小説的な映画を作らせたら「彼の右に出る者はいない」と思っているくらい、本当に素晴らしい監督です。オーディションで意識していたのは、客観的な視点―ポールさんは300人近い候補者のなかから抜擢されたということですが、なぜ選ばれたのかをご自分で分析したことはありますか?ポールさんおそらく僕と同じくらいの年齢の少年たちは、まだ本格的な俳優ではない人が多いので、演技が上手いかどうかで決めているのではないというのは感じていました。それよりも自分の内側にあるものを見せることができて、持っているエネルギーを撮影で出せる人を監督は探していたんだと思います。そういうなかで、僕がほかの人たちと違ったところがあったとすれば、オーディションのときの“立ち位置”。僕はすべてに対して客観的な視点を持つことを意識していたので、少し引いたところに立っていましたが、そうやって観察している姿が野性的に見えてよかったのかなと。実際、「オーディションのとき、楽しそうじゃなかったよね」とあとから言われました(笑)。―本作はオノレ監督の自伝的作品でもあるので、監督のリュカに対する思い入れも強かったのではないかなと。現場ではどのような演出がありましたか?ポールさん実は、撮影していたときは、彼の自伝的な作品であることを知らされていなかったんです…。偉大な監督を前に緊張していて、こちらから話しかけるようなこともあまりできなかったせいかもしれませんが(笑)。とはいえ、オノレ監督くらい経験が豊富な方の場合、たとえ自分を投影した役だったとしても、「自分が体験したことをそのまま再現してほしい」みたいに言うことはありません。ただ、本や物をくれたり、撮影中に自分の手袋を貸してくれたりすることはあったので、そういうところや美術的な部分で彼の人生における要素が映画のなかに入っているように感じました。ジュリエット・ビノシュさんのインパクトはすごかった―自伝的な物語であることを言わないほうがプレッシャーを与えないだろう、という監督の気遣いもあったかもしれないですね。ポールさんあとは、あくまでも過去の自分自身としてではなく、現代によくいる若者として描きたいという気持ちが監督のなかに強かったのもあったと思います。とはいえ、劇中で使われている音楽が80年代にヒットしたイギリスのシンセポップ・デュオであるオーケストラル・マヌーヴァーズ・イン・ザ・ダークの「エレクトリシティ」だったり、半野喜弘さんによるオリジナルサウンドトラックがノスタルジックだったりするので、この物語の源に過去がつながっているのは感じていました。―また、演じるうえでは、母親役のジュリエット・ビノシュさんの存在も大きかったと思いますが、共演されてみて印象に残っていることがあれば教えてください。ポールさん初めて出会ったときのインパクトがすごかったので、そのときのことはいま思い出しても、微笑みが出てしまうほど。というのも、彼女は本当に美しくて、存在感があって、俳優としての才能が明らかですからね。一緒にカメラテストをしたときは、思わずずっと見つめてしまいました。そして、この映画において欠かせないのは、彼女の母性的な強さ。それがあまりにもリアルだったので、そのおかげで家族が出来上がったと思います。撮影期間はあまり長くはなかったのですが、彼女が監督やキャストたちに料理を作ってもてなしてくれたり、親しく接してくださったりしたからこそ、家族としての関係性を築くことができました。日本で過ごした3か月間は、とてもいい思い出―リュカは父親の死や年上の男性との出会いによって運命が大きく変わっていきますが、ご自身の人生において転機となった出来事といえば?ポールさんそれはやっぱり映画と出会い、初めて演技をした17歳のときですね。とはいえ、そのときは周りに勧められてオーディションを受けただけだったので、自分で決めたわけではないのですが…。ただ、僕の場合は両親ともに俳優なので、映画や舞台に対して自分でも気が付かないうち興味が高まっていったのだと思います。大学では経済学と地理学を専攻していたこともありましたが、時間が経つにつれて「映画に出たい」という気持ちが徐々に強くなっていったので、そう考えると最初に映画出演した経験が自分にとっては重要だったんだと思います。―お母さまであるイレーヌ・ジャコブさんは、深田晃司監督や演出家の平田オリザさんともお仕事されていらっしゃいますよね。ご自身もいつか日本の作品に出てみたいですか?ポールさん母が平田さんの舞台に出演したとき、実は僕と弟も一緒に日本へ来ていて、城崎温泉に3か月間滞在をしていたことがあるんです。日本チームの方々には本当によくしていただきましたし、おもしろい作品でもあったので、とてもいい思い出となりました。なので、僕も日本の作品にはぜひ出たいです。普段は、冒険をすることが大好き―楽しみにしています。ちなみに、日本のカルチャーで影響を受けているものや好きなものは?ポールさんパッと思いついたのは、小津安二郎監督。なかでも、『父ありき』という作品に感銘を受けました。ほかにも、日本に滞在していたときに日本の演劇もいくつか観て、とても感動した覚えがあります。―仕事以外で、ハマっていることはありますか?ポールさん僕は冒険することが大好きなので、知らない土地を旅行したり、新しいことを発見したりするのを楽しんでいます。最近だとアイスランドに行ってきたんですが、農場で働きながらヒツジの世話を数か月間してきました。そんなふうに、まったく違う場所に行くのが好きなんですよね。いろんな経験をして、俳優の仕事に“栄養”を与えたい―それはすごいですね。今後も俳優をしながら、いろんなことに挑戦されていくのでしょうか。ポールさんそうですね。俳優の仕事は好きなのでこれからも続けていきたいですが、そこに違う体験を混ぜていったほうが俳優であることにもより意義が出てくると考えています。なぜなら、いろんな経験が俳優の仕事に“栄養”を与えてくれるからです。あと、僕は人類学にも興味があるので、さまざまな場所で、たくさんのことを観察したいなとも思っています。俳優というのは、そんなふうにリアルなことといかにつながっているかが大事なのではないのかなと。次はぜひアジアに1か月くらい滞在してみたいですね。―それでは最後に、ananweb読者に向けてメッセージをお願いします。ポールさんこの映画が日本で公開されるなんて、本当に信じられない気持ちでいっぱいです。でも、本作でも描かれているように、思いがけないことが素晴らしい出来事へとつながっていくこともあるんだなと感じています。ぜひ、『Winter boy』に関心を持っていただけたらうれしいです。インタビューを終えてみて…。ときおり少年のような笑顔を見せていたものの、21歳とは思えない落ち着きと貫禄を漂わせていたポールさん。そういった芯の強さとオーラが、監督の目に留まったのもうなずけます。髪の毛をバッサリと切っていたこともあり、劇中とはかなり雰囲気が変わっていましたが、次はどんな役どころでスクリーンに登場するのかが楽しみなところ。今後、フランス映画界をけん引する存在になると思うので、ぜひいまから注目してみてください。儚さと美しさに引き込まれる琴線に触れる繊細かつ大胆な俳優陣の演技に魅了され、心を揺さぶられる本作。喪失を経験したからこそ見い出す希望と再生を描いた物語は、観る者の共感と感動を呼ぶ珠玉の1本です。写真・園山友基(ポール・キルシェ)取材、文・志村昌美通訳・加藤リツ子ヘアメイク・久保マリ子ストーリー冬のある夜、17歳のリュカは父親が事故で急死したことで、寄宿舎からアルプスの麓にある家に連れ戻される。深い悲しみと喪失感を抱えるリュカは、葬儀が終わると兄の住むパリへと向かうことに。はじめて訪れたパリで、リュカが出会ったのは、兄の同居人でアーティストのリリオ。年上で優しいリリオに心を惹かれるリュカだったが、彼には知られたくない秘密があった。そして、パリで刺激的な日々を過ごすなかで、リュカの心に新たな嵐が巻き起こる…。釘付けになる予告編はこちら!作品情報『Winter boy』12月8日(金)よりシネスイッチ銀座、新宿武蔵野館ほか全国順次公開配給:セテラ・インターナショナル(C) 2022 L.F.P・Les Films Pelléas・France 2 Cinéma・Auvergne-Rhône-Alpes Cinéma写真・園山友基(ポール・キルシェ)
2023年12月07日人生において誰もが避けて通れないもののひとつといえば、年を取ること。そこで今回ご紹介するのは、作品を発表するたびに過激な性描写で世界中に賛否を巻き起こしてきたフランス映画界の鬼才ギャスパー・ノエ監督が「老い」に挑んだ話題作です。『VORTEX ヴォルテックス』【映画、ときどき私】 vol. 620映画評論家である夫と元精神科医で認知症を患う妻。離れて暮らす息子は両親のことを心配しながらも、家を訪れては金を無心していた。心臓に持病を抱える夫は、日に日にひどくなる妻の認知症に悩まされ、日常生活に支障をきたすようになる。そして、刻一刻とふたりに人生最期のときが近づいていた…。“ホラー映画の帝王”で知られるダリオ・アルジェント監督が80歳にして人生初の主演を務め、“伝説的女優”と称されるフランソワーズ・ルブランと夫婦役を演じていることでも注目を集めている本作。そこで、見どころなどについてこちらの方にお話をうかがってきました。ギャスパー・ノエ監督『アレックス』や『CLIMAX クライマックス』など、暴力的な描写と刺激的な作品で映画界を挑発し続けてきたノエ監督。本作では、これまでの作風とはまるで異なるアプローチで新たな題材を描き切っています。今回は、作品が誕生した経緯や死の恐怖を味わった実体験を通して感じたこと、そして日本映画から受けている影響などについて語っていただきました。―以前から「病」や「死」には興味があったそうですが、このテーマを取り上げようと思ったきっかけを教えてください。監督数年前から年配の方と一緒に映画を作りたいと思っていましたし、「老い」について描きたいと考えていました。そのなかでも影響を受けた映画は、ヴィットリオ・デ・シーカ監督の『ウンベルト・D』と黒澤明監督の『生きる』。映画を通して疑似体験することができたのも大きかったかもしれませんが、そういったことを通して少しずつこういったテーマを取り上げたいという気持ちになりました。そんななか、自分の母がアルツハイマーになり、混乱や恐怖心からつねに脳が興奮しているような状況に陥ってしまいましたが、そういう姿を目の当たりにしてこれほど恐ろしいことはないなと。そのときに、老後には生きていくうえで非常に複雑で困難な問題が伴うことに気付いたんです。と同時に、そういった部分はこれまでの映画でも見たことがないとも感じたので、自分が描きたいと思うようになりました。「命というのは儚いものだ」と痛感した―その過程で、2019年にはご自身も生死をさまよう病に見舞われてしまいましたが、死を間近に感じたことによって映画作りにも影響を与えたのではないでしょうか。監督僕の場合は、脳出血を起こして突然倒れてしまい、50%の確率で命を落としていた可能性がありましたが、病院に運ばれたのが早かったおかげで助かりました。ただ、一命を取り留めても、発症から5日の間に亡くなる方も多く、35%の人に後遺症が残ると言われていたのでかなり厳しい状態。最初のうちは、自分が生きるか死ぬかわからないような状況にいたので、「命というのは儚いものなんだな」と実体験を通して痛感していました。そんななか、幸いにも元の健康を取り戻すことができたので、それ以降はタバコをやめてお酒は控えめに…。自分の身体に気を付けるようになったのが、大きく変わったことですね。そのあと、コロナ禍で身近な人が何名も命を落としてしまったり、母がアルツハイマーでこの世を去ったりして、死に直面する機会が増えたので、こういったテーマについてじっくりと考えるようになりました。これらの経験がなかったら、おそらくこの作品は生まれていなかったと思います。―ということは、本作には実体験もかなり反映されていると。監督自伝的な作品ではありませんが、自分の経験をそのまま再現したようなシーンはところどころに含まれています。たとえば、アルツハイマーになってしまった母親から息子ではなく夫と間違えられたとか、自宅にいるのに「家に帰りたい」と何度も言い出す母親の様子は、現実と重なっている部分です。そういった母の姿は、見ていてもつらかったですね。自分も日本映画のような真面目な映画を作りたくなった―また、本作は先ほど挙げていた『生きる』だけでなく、木下恵介監督の『楢山節考』や篠田正浩監督『心中天網島』にもインスパイアされているとか。監督退院したあと、ロックダウンの影響ですることがなく、最初はパリの街を自転車で走ったりしていました。そのうちに、日本映画を観るようになり、日本の偉大な監督たちのメロドラマな作品を発見するのに何か月も費やすようになっていったのです。おかげで憂鬱さや残酷さ、美的独創性など、本当に素晴らしい映画とは何なのかを思い出させてもらいました。それまでの自分は大人向けでも若者向けでもない、中途半端な位置づけの作品が多かったのですが、日本映画を観たことで「僕も溝口健二監督や成瀬巳喜男監督のように真面目な映画を作りたい」と考えるようになっていったのです。―4年前に取材させていただいた際にも「欧米で制作された傑作と日本で制作された名画を比べると、日本映画の持つ力は抜群に大きいと感じる」とおっしゃっていましたが、そう思われているのはなぜですか?監督まず、「日本映画にはヒット作が多い」というのが理由のひとつです。日本は1950年代から70年代が映画の最盛期と言われていますが、戦後の日本には素晴らしい作品が数多く誕生しました。ヨーロッパと比べてみると、たとえばスペインにはいわゆる“最高傑作”と言われる作品が50本もないように感じますが、日本だったら50本をはるかに超えるのではないでしょうか。僕は、そういった部分での違いだと考えています。撮影のすべてがアドリブのような感じだった―では、本作の現場に関してもおうかがいしますが、今回はほとんど台本がなく、大半が俳優たちの即興による演技だったとか。それでも、キャストからは「監督の頭の中には何をするかという全体的なビジョンは見えていた」という声が上がっていますが、どのような演出をされていましたか?監督老夫婦役のダリオ・アルジェントとフランソワーズ・ルブラン、そして息子役のアレックス・ルッツの3人は、とても頭がよくて協力的なので、台本がなくても事前に話し合いをするだけで、だいたいの方向性を決めることができました。撮影では30分くらいカメラを回しっぱなしにすることが多く、そのなかから使える7~8分くらいを抜き出すという形を取っています。―俳優たちの即興に感銘を受けたり、驚かされたりしたことはありましたか?監督それはたくさんありましたね。なかでも印象に残っている場面を例に挙げるとすれば、孫を演じた子役がテーブルにおもちゃを叩きつける様子を見ていたフランソワーズが突然泣き始めるシーン。事前に決めていたわけではなく、本人も無意識のうちに自然と涙が出てしまったことがありました。そのほかにも、予定していなかったことや思いもしないようなことが撮影中はいっぱいあったので、撮影すべてがアドリブみたいな感じだったなと。あるときは撮影場所の近くにあった金物屋さんにたまたま入って、急遽撮影させてもらったこともありましたが、その映像も本編には使われています。本当に、今回は予期せぬことばかりが起きた現場でした。観た人が泣けるような映画を目指して作った―タイトルの『VORTEX ヴォルテックス』には「渦」という意味がありますが、どういった思いを込めてつけられたのでしょうか。監督「一度巻き込まれたら奈落の底まで落ちていく」という意味と、上に向かっているハリケーンと違って下に向かっているところも意識してつけました。フランス語だと「Tourbillon」という単語もありますが、「VORTEX」もほうがより巻き込まれるという意味合いが強いですし、ドラマティックで音もいい。しかも、自分の過去作品である『アレックス』や『CLIMAX クライマックス』との並びもよく、インターナショナルであるというのも理由です。―それでは最後に、日本の観客へ向けてメッセージをお願いします。監督本作は、僕にとってはすべての観客に向けた初めての長編映画です。描かれているのは、多くの人が経験している、または今後経験するであろう普遍的なシチュエーションなので、もっともつらい映画であるとも言われています。でも、僕は人々を怖がらせたり、興奮させたり、笑わせたりする映画を作ってきたので、今回は思いっきり泣けるような映画を目指したいと思って作りました。涙はまぶたの膜に触れると鎮静効果があり、この世でもっとも快感をもたらす物質のひとつですからね。なので、映画が終わったときに、全員が泣いてくれることを期待しています。もし泣かない人がいたら、それは本作が失敗作だということになるので…ぜひとも泣いてください!人生に潜む暴力なき恐怖をあぶり出す静かに破滅へと向かっていく人間の姿をリアルに映し出し、観る者に「死」や「老い」を追体験させる本作。「暴力」や「セックス」を封印することで新境地を開いた鬼才ギャスパー・ノエが生み出す“渦”に、身も心も震える唯一無二の異色作です。取材、文・志村昌美胸に迫る予告編はこちら!作品情報『VORTEX ヴォルテックス』12月8日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷、新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開配給:シンカ(C) 2021 RECTANGLE PRODUCTIONS – GOODFELLAS – LES CINEMAS DE LA ZONE - KNM – ARTEMIS PRODUCTIONS – SRAB FILMS – LES FILMS VELVET – KALLOUCHE CINEMA
2023年12月06日ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのスナップレポートです。今回は普段着としても着用できるけど、パーティーでも派手すぎず地味すぎないドレスをピックアップしてみました!個性とスタイルの表現こちらはひと目でとってもオシャレな人!と感じるドレス。パーティドレスはさまざまなスタイルやデザインが豊富に存在し、個性を表現する素晴らしいアイテムです。色は黒でシックに決まっていますが、カッティング、ディテールなど繊細で細かな部分が洗練されたデザイン。このようなドレスは、他の出席者と差をつけることができます。快適さと着心地パーティドレスは、派手なだけではなく、しばしば長時間のイベントでの着用を考慮して着やすいデザインを選ぶことも重要です。素材やカッティングを選ぶことで、優れた快適さと着心地を実現できます。これにより、パーティ中もリラックスして楽しむことができます。彼女のドレスはシンプルで落ち着いたデザインでありながら、トレンディーなベージュで大人っぽさを表現していて多くの人に人気が高そう。女性らしさと華やかさ通常花柄は、女性らしさや優雅さを引き立てる効果があります。花柄がドレスに施されていることで、着る人に優雅で華やかな印象を与えてくれます。これは特にカジュアルなパーティにぴったりです。また普段でも愛用できるので、1度着用したきりということがないのもいいですよね。華やかさとエレガンスさパーティドレスは、特別なイベントや祝祭にふさわしいデザインや素材で作られているものがほとんど。そのため、華やかでエレガントな雰囲気を醸し出し、気持ちもアガるので、その場を思いっきり楽しめるのが特徴です。無地で落ち着いた色をセレクトしても、素材やディテール次第で、とってもエレガントで上品に見せてくれます。バリエーションとスタイルの自由度高め!花柄はさまざまなサイズやデザインがあり、そのバリエーションは無限に近いほど。これにより、個々の好みや体型に合わせて、ドレスが選択できるのが魅力のひとつ。また、カラーバリエーションも豊富で、季節や場面に応じてコーディネートすることができます。このかたのように、ハイネックになったドレスもとても珍しい!そしてバルーンタイプの袖や腰周りがしっかりと絞られたデザイン、やはりひとつひとつこだわり抜かれたドレスだと印象つけてくれる重要なポイントです。初めてのパーティだったり、どんなドレスを着ていけばいいかわからないという場合は、ぜひこのようなドレスを参考に選んでみてください。何よりも、自信をもって着ることが、一番のポイントでもあります。写真、文・平野秀美
2023年12月03日身体の悩みはいつになっても尽きないもの。とくに日本人は下半身に自信が持てない方が多いので、パンツ選びに失敗することも少なくありません。そんなとき、役立つのが骨格診断。今回は、みんな大好き!ユニクロで見つけた、骨格タイプ別おすすめのパンツアイテムをご紹介します。そもそも骨格タイプとは…骨格タイプとは、人体の特徴を「ストレート」「ウェーブ」「ナチュラル」という3タイプに分けた体型診断のことです。カラダの骨組み、肉感、ボディバランスの特徴を触診や目視で診断し、3タイプに照らし合わせて似合う服や着こなしを導き出します。骨格やボディバランスと相性の悪い服を身につけると、痩せていても太って見えたり、ガタイがよく見えたりと、着こなしで損してしまうことがあるのです。骨格タイプをざっと説明すると以下の通り。【Straight(ストレート)】全体的にカラダに厚みとハリがあるタイプ。【Wave(ウェーブ)】上半身が華奢なイメージで、下半身にボリュームがあるタイプ。【Natural(ナチュラル)】カラダの厚みがなく、骨格がしっかりしているタイプ。【骨格ストレート】ツイードタックワイドパンツボディにメリハリのあるストレートタイプの方は、服の素材が柔らかいものだと余分な肉感を拾ってしまうので、やや厚みのある服地のパンツを選ぶのが正解です。ニットパンツよりも、ウールやツイード素材で形のキレイなものを選びましょう。ユニクロでおすすめのパンツは、ツイードタックワイドパンツです。タックデザインが入ることでシルエットが立体的になり、気になる脚のラインをシャープに見せてくれます。組み合わせるトップスは、コンパクトなショート丈ニットもしくはリブニットをシャツインして着ると良いでしょう。【ウェーブタイプ】感動パンツウェーブタイプの方は、下半身が目立ちやすいボディバランスと言われていますが、実はパンツにおいては細身シルエットが似合うタイプ。確かに上半身の華奢さに対して下半身が目立ちやすい点はありますが、そもそもの骨格が華奢なので、たとえスキニーパンツでもキレイに履きこなせる方が多いです。とはいえ、シルエットがどうしても気になる…という方は、ユニクロの感動パンツを選んで。適度な細さをキープしながらも肉感を拾い過ぎないシルエットが特徴的な感動パンツは、ウェーブさんにぴったりです。このほか、スキニーパンツに挑戦する場合は、ヒールのあるブーツを合わせて背の高さを出すと頭身バランスが整って細見えします。【ナチュラルタイプ】ワイドストレートジーンズ骨格がしっかりしているナチュラルタイプの方は、スキニーのような細身シルエットのパンツだと骨ばった印象が出てしまいます。そのため、ルーズなシルエットのワイドパンツで骨格を目立たなくさせるのがポイント。全体的にカラダの厚みがないため、ワイドシルエットのパンツで下半身にボリュームを足すことでメリハリの効いたボディバランスを生み出せます。デニムでも、素材は柔らかいコットン地だとより似合います。上半身はコンパクトなショー丈ニットで着こなしのバランスを整えましょう。パンツは骨格が大きく影響するアイテム筋肉量や脂肪のつき方、骨格やカラダの厚みは千差万別。そのため、どのアイテムよりもカラダの線が表面化しやすいパンツアイテムは、とくに骨格タイプに合わせたアイテム選びが重要です。今回ご紹介したのはユニクロのアイテムですが、他のブランドでパンツを探す際にも参考にしてみてくださいね!・感動パンツ・ワイドストレートジーンズイラスト・文 角 佑宇子
2023年12月03日着る服を間違えると、実際より太って見えたり、ガタイがよく見えたりしてしまいます。その理由は、骨格に合っていない服を着ているから。たとえ骨格タイプを把握していたとしても、何が原因で太って見えるのかわかっていなければ、失敗しない服を探し当てることは難しいです。そこで今回は、各骨格タイプ別、太って見えるNGファッションアイテムの特徴をご紹介します。そもそも骨格タイプとは?骨格タイプとは、人体の特徴を「ストレート」「ウェーブ」「ナチュラル」という3タイプに分けた体型診断のことです。カラダの骨組み、肉感、ボディバランスの特徴を触診や目視で診断し、3タイプに照らし合わせて似合う服や着こなしを導き出します。骨格やボディバランスと相性の悪い服を身につけると、痩せていても太って見えたり、ガタイがよく見えたりと、着こなしで損してしまうことがあるのです。骨格タイプをざっと説明すると以下の通り。【Straight(ストレート)】全体的にカラダに厚みとハリがあるタイプ。【Wave(ウェーブ)】上半身が華奢なイメージで、下半身にボリュームがあるタイプ。【Natural(ナチュラル)】カラダの厚みがなく、骨格がしっかりしているタイプ。【ストレートタイプ】首詰りトップス・薄手素材ボトムスストレートタイプの方は、いわゆる出るところは出て、締まるところは締まっているメリハリボディの持ち主。カラダの厚みもあるので、首の詰まったトップスだと窮屈で苦しい印象になります。できるだけデコルテラインは出したほうが良いでしょう。また、肌の露出は横に広がるよりも縦に長く見せるほうがスッキリして見えるので、Vネックタイプのシャツやニットのほうが相性抜群。ボトムスも同じく、骨格に合わせて肉感を拾い過ぎない、厚手でハリと立体感のあるアイテムが良いでしょう。なので、リラックス感の強いニットパンツや薄手のシフォンスカート、ストレッチの効いたスキニーパンツだと、逆に下半身が張って見えるのを強調するので避けたほうがベター。【ウェーブタイプ】胸開きトップス・ワイドボトムス華奢で柔らかい肌質を持つ、ウェーブタイプの方。上半身は華奢な一方、下半身には肉がつきやすく、ボディバランスは下重心です。そのため、重心を上に引き上げてくれるショート丈や細身シルエットのボトムスが似合うタイプ。逆に相性が悪いのは、下重心を増長させるワイドボトムスです。ワイドボトムスは脚のラインをカバーしてくれる効果はありますが、ウェーブタイプの方が履くと、上半身の華奢さに対して下半身にボリュームが出過ぎてしまい、全体の頭身バランスが悪く見えやすくなるのです。トップスは、バストがさみしく見える胸開きトップスはNG。代わりにフリルやパフスリーブ、首の詰まったホルターネックやボートネックのリブトップスなどは相性が良いのでおすすめ。【ナチュラルタイプ】ボリュームトップス・細身ボトムスモデルに多いと言われるナチュラルタイプの方は、カラダの厚みが薄くて骨格がしっかりしています。そのため、ジャケットなどのかっちりした質感の服だと決まり過ぎた印象に。骨格ラインを柔らかく見せる薄手素材や落ち感のキレイなルーズニットなどがおすすめです。また、肩幅がいかつく見えてしまうパフスリーブは鬼門と心得て。ボトムスは、意外とスキニーパンツよりボリュームのあるワイドシルエットのほうが合います。細身シルエットのパンツだと、脚が太って見えるわけではありませんが、カラダの重心が引き上がって見えるため、上半身のガタイがよく見えやすいです。なので、ロング丈やワイドボトムスで下に重心を持ってきたコーデにすることによって良いバランスが保たれます。骨格タイプに合わせてボディパーツを上手にカバースタイルが良く見える上手な着こなしとは、上半身と下半身のバランスを服のデザインやシルエットでうまく補うということ。そのため、バランスの整え方を意識せず、なんとなくで服を選ぶと、ときにファッションで失敗することに...。今回ご紹介したような骨格タイプの特徴をもとにして服を選ぶと、頭身バランスを考慮した着こなしができるので、失敗が格段に減るはず!ぜひ新しい服を購入するときの参考にしてみてくださいね。イラスト・文 角 佑宇子
2023年12月03日かわいいと思って買った服だけど、着てみるとまったく似合っていない…。その原因は、着たい服と自身の骨格タイプの相性が悪いからかもしれません。とくに昨今のトレンドアイテムは個性的なデザインも多いので、似合わない服を選ぶと悲惨な状況に…。そこで今回は、骨格タイプ別、失敗しやすいトレンドアイテムの特徴をご紹介します。そもそも骨格タイプとは?骨格タイプとは、人体の特徴を「ストレート」「ウェーブ」「ナチュラル」という3タイプに分けた体型診断のことです。カラダの骨組み、肉感、ボディバランスの特徴を触診や目視で診断し、3タイプに照らし合わせて似合う服や着こなしを導き出します。骨格やボディバランスと相性の悪い服を身につけると、痩せていても太って見えたり、ガタイがよく見えたりと、着こなしで損してしまうことがあるのです。骨格タイプをざっと説明すると以下の通り。【Straight(ストレート)】全体的にカラダに厚みとハリがあるタイプ。【Wave(ウェーブ)】上半身が華奢なイメージで、下半身にボリュームがあるタイプ。【Natural(ナチュラル)】カラダの厚みがなく、骨格がしっかりしているタイプ。【ストレート】NGトレンドは「シャギーニット」カラダに厚みと立体感がある、ドラマティックな体型のストレートタイプ。このタイプの方が、毛羽だった素材かつカラダにフィットするシャギーニットを着ると、太って見えてしまいます。シャギーニットは見た目こそふわふわとしていてかわいいのですが、そのぶん横幅も広く見えやすいからです。そのため、上半身の骨格が華奢なウェーブタイプの方や、骨太さをカバーできるナチュラルタイプの方は似合うのですが、ストレートタイプの方はカラダの大きさを強調しかねません。もちろん、アイテムによってはマッチするシャギーニットもあるので、必ず試着をして着用感をチェックしてから購入しましょう。【ウェーブ】NGトレンドは「ハーフジッププルオーバー」上半身の骨格が華奢なウェーブタイプの方が、ゆるっとしたシルエットのオーバーサイズニットを着てしまうと、せっかくの華奢なシルエットが目立たないのでもったいないです。とくに近年流行中のハーフジップは、ジップを下げると襟元が大きく開くので、デコルテの華奢さとあいまって少し貧相に見えてしまうかも。似合わないというわけではありませんが、骨格の持ち味を活かすなら、ボディラインにピッタリとフィットしたトップスで女性らしいシルエットを表現しても良さそうです。【ナチュラル】NGトレンドは「パフ&ギャザースリーブ」カラダの厚みがなく、3タイプの中でも骨格がしっかりしているナチュラルさんにとって、甘かわいいデザイントップスは苦手とする領域。なかでも肩が盛り上がっているパフスリーブ・ギャザースリーブは、肩幅の広い方が多いナチュラルタイプにとっては、ガタイがよく見えてしまうかもしれません。本来はルーズなシルエットが似合うタイプなので、落ち感のある柔らかな素材で甘めな配色のオーバーサイズニットなどがおすすめ。「流行っているから買う」はキケン!SNSで何かバズれば、とにかく取り入れてみたくなる今日この頃のファッショントレンド。ですが、本当に自分に似合うかどうかは別問題。とくに近年のファッションは、服のデザインも素材も個性的なものが多いので、一点一点ご自身に似合うかをチェックする必要があります。今回ご紹介したトレンドアイテムもいずれも試着必須なので、購入の際には気をつけてみてくださいね。イラスト・文 角 佑宇子
2023年12月02日ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。今回はこの時期に着用する機会の多い、ニットやカーディガンの着こなしをご紹介いたします。タートルネックニットはこれからの季節に!タートルネックは、通常、首を包み込むようにデザインされており、寒い季節に暖かく体を守ってくれます。タートルネックのニットは、首元をしっかりと覆うことで寒さを防ぐだけではなく、ファッションアイテムとしても人気があります。このかたのニットは、さらに袖部分が特徴的なデザイン。ニットだけでも十分な存在感があり素敵!ミドルネックのニットもこちらはミドルネックで、タートルネックがちょっと苦手というかたにおすすめのニット。また丈が長すぎず短すぎずのちょうどいいサイズだと、スタイリッシュに見え脚長効果もあります。アイボリーはどんな服装にも合わせやすいので人気が高いです。ヘソだしニット!?こちらは珍しいデザインのニット。袖が通常よりも長めのデザインながら、丈は短くヘソだしルックもできちゃいます。体を温めるというよりも、スタイリッシュに見せたい時などにおすすめ。ショート丈のニットは脚長効果抜群です。穴あきニットで個性的スタイルにこちらは穴あきニットで、中に何を着るかで雰囲気がガラリと変わる優れもの。このかたは柄ものを着用しているので、よりファンキーなスタイルに仕上がっていますが、例えば中にネイビーのシンプルなものを着用すると、落ち着いた雰囲気になるなど、遊べるニットです。ステラ マッカートニーのニットで上品にこちらはステラ マッカートニーの大人気のニット。全面に描かれたデザインが目を惹いておしゃれです。シンプルなスタイルにぴったり。また色もアイボリー系なので、どんな服装にも合わせやすいのも特徴。インナー次第で雰囲気が変わる袖部分がバルーンタイプで、とってもユニークニットです。着こなしの特徴は、インナーに何を着用するかで雰囲気が変わってきます。このかたは、大きく真っ白な襟でパープルニットをより魅力的にアレンジしています。オーバーサイズのゆるいニットこのタイプのニットは、ヨーロッパでも多く見かけます。オーバーサイズだと可愛らしく見えるだけでなく中にも厚めのものを着用できたり、ピタッとした服装が苦手な方にもおすすめ。またなんといっても目を惹くオレンジカラーが特徴的。小物で使用しているレッドカラーとの相性も抜群で、さすがコーディネート力が高い!全体の雰囲気にあった色をチョイスこちらはニットのカーディガン。派手目なボトムスに合わせたレッドのニットは、全体の雰囲気にうまく溶け込んでいますよね。インナーで全体の色を落ち着かせている印象で、バランス最高!参考になる色の使い方です。いかがでしたでしょうか?ニットは伸縮性があり、素材にもよりますが、着心地が良く、動きやすい服です。まだまだ寒い季節が続きますので、体を冷やさないように、ニットやカーディガンをぜひ愛用してください。写真、文・平野秀美
2023年12月02日いよいよ2023年も、最後の1か月へと突入。そこで、ラストスパートをかける前にオススメの映画として、再起をかけた2人の女性を描いた『女優は泣かない』をご紹介します。今回は、主演を務めたこちらの方にお話をうかがってきました。蓮佛美沙子さん【映画、ときどき私】 vol. 619数々の話題作に出演し、近年は『鋼の錬金術師 完結編 最後の錬成』や『スイート・マイホーム』などでも注目を集めている蓮佛さん。本作では、崖っぷちに立たされた女優・梨枝をユーモアたっぷりに好演しています。そこで、自身が苦境に立たされた経験やどん底を抜け出せたきっかけとなった出会い、そして挑戦中の新たな夢などについて語っていただきました。―脚本を読み終わった瞬間に「絶対にやりたい」と思われたそうですが、決め手となったのは何ですか?蓮佛さんコメディ作品は、テンポや間が1秒違うだけで面白みが変わってしまう奥深さがあるので以前から好きでしたが、この作品は脚本で描かれている笑いの方向性がとにかく面白くて、大好きだったんです。しかも、ただのコメディではなくて、家族との関係性などの普遍的なテーマも描かれていて、気が付いたら泣いていて。映画のキャッチコピーで「笑って泣ける」というのをよく耳にしますが、この作品は私にとってまさにそんな映画だな、と。これほどまでにコメディ要素とハートフルな要素が無理なく共存している映画というのはなかなかないですし、キャラクターも面白かったので、ぜひ出たいと思いました。「いま撮りなさい」と映画の神様に言われていると感じた―撮影中はたくさんの奇跡が起きたそうですが、そのなかでも印象的なエピソードがあればお聞かせください。蓮佛さん今回は熊本県の荒尾市で3週間ほど撮影をしていましたが、いつもなら雨が多い時期だったにもかかわらず、地元の人が驚くぐらいとにかく天気がよかったんです。あとは、ロケハンで行ったときは風が強かった場所があって、私の髪の毛がメデューサみたいにならないか監督と心配していたんですけど、本番になったら無風だったり。一番びっくりしたのは、撮影最終日に外ロケを終えた後、屋内のシーンを撮るためにすべての機材を部屋のなかに運び終わった瞬間、雨が降ってきたことです。コロナ禍の影響で2021年から撮影が1年以上止まったこともありましたが、「いま撮りなさい」と映画の神様に言われているみたいで、鳥肌が立ちました。―それはすごいですね。また、ドラマ部志望の若手ディレクター・咲を演じた伊藤万理華さんとのやりとりも絶妙でしたが、共演されてみていかがでしたか?蓮佛さん万理華ちゃんは役者として私と真逆のタイプだと思いますが、ほんとに天才だなぁと思いました。それが私にとっては刺激的でしたし、彼女の自由さやフワッとした本能的な感じがすごく好きでした。あと、お芝居をしていて思ったのは、「相性がいいってこういうことなのかな」ということ。初めてご一緒しましたが、テンポ感がバチっとハマる瞬間がすごく多かったので、最高の相棒に出会えて本当に幸せでした。終わったことは考えすぎないようにしている―撮影の合間は、どのようにして過ごされていましたか?蓮佛さんお互いに「無理に話さなきゃ」とかもなかったので、本当に居心地がよかったです。万理華ちゃんはどこでも寝る子なので、気が付いたら衣裳部屋でベンチコートにくるまってミノムシみたいに寝てたりして。私はその様子をこっそり写真に撮って、「まりっかの寝相フォルダ」を作るのが楽しかったです(笑)。―素敵な関係性ですね。劇中で梨枝は“カメラの前では泣けない女優”として描かれていますが、ご自身にも実は苦手なことはありますか?蓮佛さん私も泣くのは得意ではないですね。脚本のト書きに「一筋の涙」と書いてあると、「そんな簡単に言わないで」とか思ってしまうので(笑)。いまはもう割り切って向き合ってはいますけど、いくら心が泣いていても、物理的な表現がないと正解とされない感じに少し構えてしまうというか。でも、泣き芝居の話とは変わっちゃうんですけど、最近は苦手なこと、うまくいかないことがあっても、「まぁそんなこともあるよね」と考えるようにしています。―ということは、それまでは引きずってしまうことが多かったと。蓮佛さんそうですね。家に帰ってからもずっと一人反省会をしていましたが、いまはなるべく終わったことは考えすぎないようにしています。自分のなかでいろんな変化を感じている―そんなふうに心境が変化したきっかけがあったのでしょうか。蓮佛さん心に負担のかかる役が多かった時期に自分のコンディションも悪くなってしまい、もう少しいろんなことを切り離す必要があると思うようになって。もちろんまだ反省することはあるものの、このスタイルのまま行くのはよくないなと感じたので、ここ数か月の私のスローガンは、何事においても「まぁ、いいか」です(笑)。15歳で仕事を始めてから基本ずっと同じスタイルでやってきましたが、いまが変えるタイミングなのかもしれませんね。私はお家が大好きで引きこもり体質なのですが、最近旅行に行ったりして、「次はここに行くためにがんばろう」みたいなのもいいな、と思ったり。ここ最近で、いろいろと自分のなかで変わってきているのを感じています。―そういう気持ちは大事だと思います。ちなみに、現場で無理難題を言われる劇中の梨枝のような経験もありますか?蓮佛さん無理難題とはちょっと違うんですが、『ドン・ジュアン』というミュージカルに参加させていただいたときに、事前に踊れないことは伝えていて、「蓮佛さんの役は踊らないから大丈夫です」と言われていたのに、稽古場に行ったら踊りがたくさんあって「聞いてた話と違う!」となったことはありました(笑)。私以外みんなダンスの経験者だったので、本当にあれは苦しい時間でしたね(笑)。―でも、そんな大変な局面でもプロとして最後までやり切ったところはさすがですが、ご自身が貫いていることといえば?蓮佛さんプロの定義というのは難しいところですが、私が個人的に意識しているのは、「自分の役に顔向けできないことはしない」です。それがどんな役でも、いただいた役の顔に泥は塗りたくないので、どれだけ役に対して誠実でいられるかは自分にずっと問いかけています。適当にやったり、「こんなもんでいいか」と思ったりは絶対にしたくないです。人との出会いに恵まれたおかげで、乗り越えられた―どんな仕事にも通じるような素晴らしい心がまえですね。また、本作では人生のリスタートも描かれていますが、ご自身にとっても転機となった出来事はありますか?蓮佛さん『リトル・ナイト・ミュージック』という作品で初めてミュージカルに挑戦したのですが、公演期間中ずっと良いコンディションを維持することが私には難しくて。喉を壊してしまって、生まれて初めてボロボロに挫折しました。―どん底の状態から、どうやって這い上がってきたのでしょうか。蓮佛さん抜けたと思えたきっかけは、先程もお話した『ドン・ジュアン』に出演したとき。オファーをいただいたとき、お断りする選択肢もあったのですが、「ここを逃したらずっとトラウマのままになってしまうかもしれない」という思いもあったので、やってみることにしました。緊張からご飯が喉を通らないときもありましたが、主演を務めたKis-My-Ft2の藤ヶ谷太輔くんがあるとき、すごく体調が悪いなかそれを観客にまったく気づかせないくらいのパワフルなパフォーマンスをされていて。そんなふうにピンチを乗り越えている人を初めて目の当たりにして、衝撃を受けました。そういう背中を見せてもらったおかげで、別の舞台に出演したときにはなぜかほとんど緊張しなくなっていて。そのときに「少しは克服できたのかな」と思えたので、藤ヶ谷くんには足を向けて寝られません(笑)。私は人との出会いに恵まれている人生だと思っていて、こうやっていろんな方から力をもらうことで、乗り越えてきたと感じています。周りに感化されることなく、心のままに生きてほしい―そして現在は、海外作品のオーディションにも挑戦されているとか。蓮佛さん25歳のときに、お休みが取れたので、ロサンゼルスに2週間の語学留学をしたことがありました。事前にちゃんと勉強をしていなかったこともあって、学校に行っても何も成果が出ず、あとでもったいないことしたなと。いい経験はできましたが、お金を無駄にしてしまった気がしたので、「無駄ではなかった」と思うために日本に帰ってからオンラインの英会話教室に入りました。それからは、走り出したら止まらない3歳児みたいにやめられなくなっちゃったんですよね(笑)。でも、海外のオーディションで味わう緊張感はいまの自分には必要だと感じていますし、好奇心も強いほうなので、日本にはない未知の世界を知りたいなぁ、と。1回きりの人生、目標に向けてがんばっています。―楽しみにしています。それでは最後に、蓮佛さんと同世代のananweb読者に向けて、メッセージをお願いします。蓮佛さんライフステージ的に「結婚や仕事はこれでいいのかな?」と思うことも多いかもしれませんが、まずは好きに生きましょう!世の中が自分を焦らせているように感じることがあっても、いまはいろいろと選択肢が広がってきた時代ですし、周りに感化されることなく、心のままに生きられたらいいなと。これは自分自身に対しても、思うことですね。インタビューを終えてみて…。透き通るような美しい肌と、柔らかい笑顔が印象的な蓮佛さん。過去のつらかった出来事から現在の心境の変化まで、興味深いお話をたくさんしていただきました。そういった経験が糧となり、今回の役にも生かされていると思うので、そのあたりも踏まえたうえでお楽しみください。どん底だからこそ、できることがある!人生で崖っぷちに立たされたときこそ、新たなスタートを切るチャンスでもあると感じさせてくれる本作。涙を拭いたあとには、きっと笑顔が待っているはずだとそっと背中を押してくれる1本です。写真・園山友基(蓮佛美沙⼦)取材、文・志村昌美スタイリスト・道端亜未ヘアメイク・SAKURA(Makimura office)スリーブレストップス¥31,900、ハイネックトップス¥39,600、パンツ¥55,000(CFCL/CFCL Inc. support@cfcl.jp)、イヤカフ(右耳)¥60,500、イヤカフ(左耳上部)¥49,500、イヤカフ(左耳下部)¥121,000、リング(右手人差し指)¥99,000、リング(左手人差し指、中指)¥62,700(Hirotaka/Hirotaka 表参道ヒルズ TEL:03-3478-1830)ストーリースキャンダルで女優の仕事を失った梨枝は、“女優が生まれ故郷の熊本で素顔を見せる”密着ドキュメンタリー撮影のため、10年ぶりに帰郷。ドラマ部志望の若手ディレクター・咲とともに渋々撮影に挑んでいた。女優復帰と希望部署への異動をかけて、それぞれ再起を図っていた2人だが、まったくソリが合わずたびたび衝突する。かつて父親と大喧嘩の末に家を飛び出していたこともあり、こっそりと撮影をしたい梨枝だったが、小さな町で噂が広まり、家族の耳にも入ってしまう。がんに冒されている父の病状を知りながら、父を避けていた梨枝に怒り心頭の家族。果たして、前途多難なドキュメンタリー撮影の行方はどうなってしまうのか。そして、梨枝と父親の確執は…。目が離せない予告編はこちら!作品情報『女優は泣かない』12月1日(金)ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開配給:マグネタイズ(C)2023「女優は泣かない」製作委員会写真・園山友基(蓮佛美沙⼦)
2023年11月30日世界的な人気を誇るアニメーションのなかで、“新潮流”として注目が高まっているのは、欧州及び中南米のスペイン語・ポルトガル語圏諸国から構成される「イベロアメリカ」。そこで、ブラジルから届いたオススメの新作をご紹介します。『ペルリンプスと秘密の森』【映画、ときどき私】 vol. 618テクノロジーを駆使する太陽の王国から来たクラエと、自然との結びつきを大切にする月の王国から来たブルーオ。2人の秘密エージェントは、巨人によって存在を脅かされている魔法の森に派遣されていた。クラエはオオカミにキツネのしっぽを持ち、ブルーオはクマにライオンのしっぽとホタルの目を持つ不思議な姿をしている。正反対の世界からやってきた2人は、まったく異なる文化を持っており、一世紀にわたって対立を続けていた。そんな彼らが探しているのは、森を救うという「ペルリンプス」。光として森に入り込み、さまざまなエネルギーをもたらしていたが、巨人の支配が始まり、その存在は忘れられていた。反発しながらもペルリンプスの手がかりを探すために協力し合う2人だったが、物語は思いがけない結末にたどり着くことに…。2022年のアヌシー国際アニメーション映画祭でオフィシャル・セレクションに選出され、「純粋な宝石」とも評された冒険ファンタジー。そこで、その魅力についてこちらの方にお話をうかがってきました。アレ・アブレウ監督「イベロアメリカ」のアニメーション業界において、もっとも重要な作家のひとりとされているブラジル出身のアブレウ監督。前作『父を探して』では、2016年アカデミー賞長編アニメ賞に南米の長編アニメ作品として初ノミネートを果たしています。今回は、最新作にかける思いや日本のアニメーションから受けている影響、スタジオジブリを訪問した際の忘れられない思い出などについて語っていただきました。―タイトルにある「ペルリンプス」とは、ポルトガル語でホタルを意味する「ピリランポス」にヒントを得た造語ということですが、どのようにしてその言葉が生まれたのかを教えてください。監督過去にあった映画『グレムリン』や『グーニーズ』みたいな感じで、「いままでにない生き物の名前を作ろう」とみんなで打ち合わせをしていたんです。そのときに「ピリランポス…ペルリンプスはどう?」とあるスタッフが言い出し、「それにしよう!」とすぐに決まりました。―直感的に音の響きがいいなと思われたのでしょうか。監督そうですね。一番は音が気に入ったというのがありますが、この言葉を聞いたときにみなさんが「なんだろう?」と思えるようなオープンな言葉でもあると思ったので、それで決めました。問題に対して目をつぶることはできない―確かに、日本人の私たちにとっても、気になる言葉ですし、劇中で意味を明確にしていない部分も含めて想像力をかき立てられます。監督まさにそれがこの映画のコンセプトでもあります。―では、主人公のクラエとブルーオのキャラクター造形については、どのようにして誕生したのかをお聞かせください。監督最初に浮かんだのは、クラエのイメージ。衣装を身に付けていて、お化粧をしている男の子が森と水のあるところから出てくる様子が自分のなかに湧いてきました。そのあとに、ブルーオのキャラクターを思い付いたので、そこから彼らの関係性を考えることに。そして、2人のことをいつも見守っている第三の存在というのを作り上げていくうちに、今回のような物語になりました。―なるほど。「本作ではエコロジーのメッセージを強調しているわけではない」とのことですが、それでもご自身のなかで森林伐採や先住民の問題への危機感が高まっていたからこそ、こういった作品になったのではないかなと。監督確かに、その通りですね。こういったことに対して目をつぶることができないというのはありますが、たとえ直接的に語らなくても、作品のどこかに環境や政治というものがかかわってきてしまうように感じています。特にアーティストというのは、外から受けたものを自分のフィルターを通して外に出すことが多いので、こういった緊急性の高い課題が作品に混ざってくるのは当然かもしれません。子どもたちの信じる力が世界をよくしてくれる―そのうえで、問題改善に必要だと考えていることはありますか?監督それは、子どもたちの信じる力です。だからこそ、映画を通して「世界には美しいものがある」と子どもたちに伝えるのは大切なことだと考えています。なぜなら、子どもたちの持つ信じる力が希望へと繋がり、世界をよりよくしてくれるからです。子どもたちのなかにある“希望の光”は、大人になっても宿り続けると思いますし、それこそが困難に直面したり、闇のなかにいると感じたりしているときに、灯台の光のように私たちを導き、道を照らしてくれるものになると思っています。―素晴らしいですね。実際、観客からはどのような反応がありましたか?監督ブラジルやフランスで上映した際には、多方面からいろんな反響があり、いい感想をたくさんいただきました。ただ、この映画は観客にとっては簡単な映画ではないというか、何も考えずにリラックスして観られる作品ではないかもしれません。というのも、とてもオープンに作った映画なので、観ている人たちが考えながら自分に合わせて映画を完成させていくような側面があると考えているからです。受動的な作品ではなく、課題や心に残ったものをみなさんに持ち帰っていただき、それぞれの映画にしてもらいたいなと。もともと僕の映画はすべてが解決しない作品が多いほうですが、あとはみなさんの考え方や問題に合わせて観ていただけたらと思っています。日本のアニメーションからは、多くのことを学んだ―監督を筆頭に「イベロアメリカ」に対する注目も高まっていくと思いますが、ブラジルのアニメーション業界の現状についても教えてください。監督おそらく、いまブラジルで活躍しているアニメーション作家は、ブラジルのアニメーション業界においては、最初の世代と言えるかもしれません。なので、まだまだこれからですが、最近はアニメーション作家を目指す人も多くなってきました。その背景としては、国際映画祭などで作品を発表する機会が増えてきたことやブラジル政府が映画制作に対して資金援助をしてくれる制度ができたことも大きいと感じています。―今後の発展が楽しみなところですね。監督はジブリや手塚治虫さんなどがお好きなようですが、ご自身にとって日本のアニメーションというのはどんな存在ですか?監督子どもの頃から日本のアニメーションを見ていたので、ものすごく影響を受けていますし、多くのことを学びました。これは僕だけでなく、ブラジルにいるほかのアニメーション作家たちもみんな同じではないかなと。なので、僕が思う世界的な監督といえば、いつも日本の方が浮かびますね。最近も、7歳の息子と一緒に新海誠監督の『すずめの戸締まり』と細田守監督の『竜とそばかすの姫』を観て気に入りました。今回の作品に関しても、直接的ではなくても間接的に日本のアニメーションから影響を受けているのは間違いないと言えるかもしれませんね。もちろん、自分のフィルターを通して表現していますが、これまでに外から自分のなかに入ってきたものを出している部分があるので、そういう意味で日本の要素が随所に見られるのではないかなと思っています。正直さや友情の絆が持つ強さを感じてほしい―過去に、スタジオジブリを訪問されたこともあるそうですが、印象に残っていることはありますか?監督僕にとって絶対に避けて通れないのがジブリですが、宮崎駿監督と高畑勲監督のおふたりとお会いできたことは、名誉なことだと感じています。そのなかでもうれしかったのは、おふたりから僕の作品である『父を探して』に関して、「白という色を映画に多用するのはすごく勇気がいることだよね」と評価していただいたことです。彼らのような巨匠と呼ばれる存在の方々と同席し、コーヒーを飲みながら彼らの作品や僕の作品について話せるなんて、本当に素晴らしい機会でした。―それでは最後に、ananweb読者に向けてメッセージとしてお願いします。監督いま、世界では戦争が起きている地域がありますが、この映画はそういった争いについても考えるきっかけになると思っています。特に、正直さや友情の絆が持つ強さといったことについて、ぜひみなさんで話し合っていただきたいです。見たこともない景色が広がる!監督独自の豊かな色彩表現に、目も心を奪われる本作。ふたりのかわいい主人公たちに誘われるカラフルで美しい世界のなかで、希望の光と現代が抱える闇に触れることよって、人間にとって大切なものは何かを改めて考える時間と向き合うことができるはずです。取材、文・志村昌美引き込まれる予告編はこちら!作品情報『ペルリンプスと秘密の森』12月1日(金)YEBISU GARDEN CINEMAほかロードショー配給:チャイルド・フィルム/ニューディア―(C) Buriti Filmes, 2022
2023年11月29日ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。今回は今年の『ディオール』のパリコレクションのランウェイ後に撮影したストリートスナップの中から、気になったアクセサリーの身につけ方をご紹介いたします。ディオールらしいチョーカーを重ねて!ディオールのアクセサリーはかなり種類も多いですが、中でもチョーカーはやはり人気の定番アクセサリー。 首元を引き立て、セクシーさを演出してくれると同時に、エレガントで洗練された雰囲気も併せもちますよね。このかたはさらに重ねつけしていてカッコよく表現しています。とにかく重ね付け!ネックレスもブレスレットもかなり重ね付けされているこちらの女性、とにかく独自のスタイルや個性を表現していて素敵!異なるデザインや素材を組み合わせることで、自分らしいファッションを楽しめます。重ね付けをする際には、アクセサリー同士の相性やバランスに気を付けることが大切ですよね。色、素材、モチーフなど、相性が良く調和が取れた重ね付けは、このかたのように、より美しく洗練された印象を与えます。目を惹くパールジュエリーは服のイメージと合わせてパールは古くから上品でエレガントな印象をもつ宝石です。重なっていることで、そのエレガントな雰囲気が一層強調され、魅力を引き立てます。さらにこのかたのファッションとの調和も抜群。雰囲気を表現しつつ見せるところを大胆に、強調するバランス力が参考になります。ゴージャスなブレスレットの重ね付けブレスレットの重ね付けは、カジュアルなデイリーウェアから、よりフォーマルなイベントまで、さまざまなシーンで適用できます。さらにファッショントレンドに敏感なスタイルでもあり、かなり多くのかたがブレスレットの重ね付けを楽しんでいる印象でした。自分を表現するアクセサリーはシンプルなスーツでとてもインパクトのあるピアスを大胆に、そしてカッコよく着こなしているこちらのかた。ネックレスの重ね付け以上に、やはりピアスの使いかたが印象深く魅力的。スーツスタイルに合わせてしまうところが、またかっこいいですよね!アクセサリーを主役にするとっても個性的なアクセサリーが全体の主人公になっているこちらのファッション。あえて全体のスタイルをシンプルにすることで、素敵なネックレスを強調しているようです。アクセサリーがあるかないかで、印象がガラリと変わるんですね。今回はディオールのショーでのストリートスナップから、ピックアップしてみました。基本ファッショニスタ達は本当にアクセサリーをよく愛用しています。個性的な身につけかたからシンプルで今すぐ真似できそうなスタイルまで幅広いのが特徴です。今後もアクセサリーの使い方はより注目していきたいと思います。写真、文・平野秀美
2023年11月26日ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。サングラスは夏だけのものではなく、1年中愛用できるアイテム!ということで、今回はヨーロッパで見かけた、今年の冬に身につけたいサングラスをご紹介いたします。徐々にサングラスのトレンドが変化しているのがわかります。世界的女優のAnya Taylor-Joyさんらしいサングラス女優のアニャ・テイラー・ジョイさんのサングラスは、彼女らしくてシャープで洗練されたスタイルにぴったりですよね!個性的なサングラスでも、難なく着こなしちゃうところがさすがです。こちらはさらに個性的な二重スタイル!シャープな三角の形のサングラスが今季人気のようですが、こちらはなんと二重になってる!もうここまでくると、ファッションのメインアイテムになっていますよね。かっこいい!大きめのスクエアタイプ一時期あまり見かけなくなりましたが、このような大きめタイプのサングラスが徐々に復活してきています。このようなサングラスはメリットも多く、小顔効果以外にも目が大きく見えたり、目や肌を保護してくれる役割もしっかり担ってくれます。オシャレ以外でもひとつは持っておきたいサングラスです。細長サングラスがより人気!細身のサングラスはかなり人気が盛り上がりましたが、今年もそのトレンドは継続!多くのセレブやファッショニスタが愛用しています。モダンでスタイリッシュな雰囲気を醸し出すだけでなく、フェイスラインを引き締めてくれる印象があるので、多くの女性に人気です。大きめのラウンドサングラス一時期は本当に大人気だった大きめのラウンドサングラス。最近は細身だったりシャープな印象のものがトレンドではありますが、とはいえ、いまだに個性的なラウンドサングラスは人気です。何より、やはり小顔効果抜群な点は譲れないですよね!ロエベの超個性的サングラス『ロエベ』のサングラスは本当に個性的すぎて驚くことが多いのですが、どのサングラスも身につけてみると意外と素敵!?インパクトはどんなサングラスよりもありますよね。ロエベのサングラスがどんな進化を遂げるか、これからも見守りたいです。ファッションアクセサリーとしても機能し、スタイリッシュな印象を与えてくれるサングラス。実は冬でも太陽の光は強烈で、雪や氷の反射によって紫外線が乱反射されることがあります。サングラスをかけることで、目を紫外線から守り、まばたきの頻度を減らすことができるんですよ。今回はファッションとしてのサングラスのスタイルを紹介しましたが、ぜひ目を守る点からもサングラスはいつも愛用したいところです。写真、文・平野秀美
2023年11月25日ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。キャップはファッションアイテムとして非常に人気があり、さまざまなスタイルやシーンで取り入れられています。今回はそんな人気のキャップを被った男女のファッションをご紹介いたします。定番ブラックでカッコよくキャップには数え切れないほどのデザインやカラーがありますが、やはり定番はブラックではないでしょうか。どんな服装にも合わせやすく、決してファッションの邪魔をしない安定した存在感。今回はキャップにサングラスをかけて、よりクールに見せてますね!こういうのも、ポイント高いです。女性に人気のレッド一見彼女の全体のスタイルにはキャップが合っていないように見えますが、キャップはだからこそ使いやすいんです。服装と合っていなくても、それなりに見せてくれるので、ついつい集めちゃうというかたも多いのではないでしょうか。また真っ赤なキャップは女性に好まれているアイテムでもあります。スポーティ系のキャップ個性的でスタイリッシュなファッション。全体的にインパクトが強いコーデですが、違和感なく溶け込んでるキャップがまた個性的!キャップがあるのとないのでは、印象がだいぶ変わりそうですね。ホワイトのキャップは男性に人気ホワイトのキャップを被るのは、自然とホワイトを使用したスタイルの時が多いようです。上記のどちらのかたもホワイトの入ったトップスと合わせて、キャップを選んでいるよう。今年話題のグレーも魅力的一見ブラックのように見える濃い目のグレーですが、印象が暗すぎず落ち着いた大人のかっこよさを出してくれています。ブラックのようにどんな服装にも合わせやすいので、定番カラーとして最近ではブラック以上に人気かも?!グレーキャップも今後どんどん人気が出てきそうです。服装に合ったデザインキャップこのキャップは、かっこよさよりも、スタイリッシュな雰囲気を出してくれるデザイン。全身のお洒落な柄とマッチしたキャップデザインが、このファッションの完成度をより高めているようです。このようにキャップを被るのと被らないとでは、雰囲気が大幅に変わることが多く、ファッション小物としては、必要不可欠なアイテムになりつつあります。キャップは非常に多目的なファッションアイテムであり、様々なスタイルに合わせて使えます。自分自身の好みやファッションセンスに合ったキャップを選び、クリエイティブにスタイリングして楽しんでください。写真、文・平野秀美
2023年11月23日東京・上野にある東京都美術館で、2024年1月27日から「印象派モネからアメリカへウスター美術館所蔵」がはじまります。本展のオフィシャルサポーターは、俳優の鈴鹿央士さん。音声ガイドにも初挑戦された鈴鹿さんに、展覧会への熱い思いを語っていただきました!鈴鹿央士さんがオフィシャルサポーターに!鈴鹿央士さん【女子的アートナビ】vol. 319本展では、アメリカ・ボストン近郊にあるウスター美術館のコレクションを中心に、モネやルノワール、ピサロ、カサットなど印象派を代表する画家たちの油彩画約70点が集結。そのほとんどが初来日作品です。さらに、日本ではなかなか見ることができない「アメリカ印象派」の作品も多数展示されます。この展覧会が開催される2024年は、第1回印象派展から150周年を迎える記念の年。フランスで生まれた印象派が、アメリカ各地でどのように広がっていったのか、その影響を本展でたどることができます。本展のオフィシャルサポーターを務めるのは、鈴鹿央士さん。記者発表会に登壇した鈴鹿さんにインタビューも行い、展覧会への思いについて、お聞きしてきました!ワクワクしています!クロード・モネ《睡蓮》1908年油彩、カンヴァスウスター美術館Museum Purchase, 1910.26/Image courtesy of the Worcester Art Museum――まず、オフィシャルサポーターに選ばれて、いかがでしたか?鈴鹿さんはじめて展覧会のオフィシャルサポーターを務めさせていただくので、非常にワクワクしています。みなさんに気軽に楽しんでいただけるよう、また僕自身も楽しみながらやってみたいと思っています。――印象派については、どんなイメージをお持ちでしたか?鈴鹿さんあまり美術の知識はなかったので、今回のお話をいただいてから、学ばせてもらいました。それまでのイメージは、はっきりした絵というより、淡い色合いの風景を描いた作品が多いのかな、という感じで、モネの睡蓮ぐらいしか知りませんでした。――今回、印象派を勉強されたとのことで、何かイメージが変わりましたか?鈴鹿さん変わりました。印象派の歴史的背景を学んで、おもしろいと思いました。印象派が出てくる前は、風景画であっても戸外では下絵を描き、アトリエに持って帰って油彩画を仕上げる手法でしたが、印象派の画家たちは、その場で見た色やありのままの風景を描くのです。その一瞬を切り取るのがすごくステキだと思いました。すごく印象に残った言葉は…――今回、音声ガイドにも初挑戦されました。スペシャルトラックとして収録されたそうですが、いかがでしたか?鈴鹿さん収録のとき、たくさん噛みました(笑)。自分はこんなにしゃべれなかったかな、と思いながら収録しました。でも、ウスター美術館は地域と距離感が近い美術館だそうで、絵画以外にもいろいろな作品が展示されていて、地域の人たちが気軽に立ち寄る美術館とお聞きしました。その気軽な雰囲気を僕の声で出せたらな、と意識しながら収録していたので、楽しく録ることができました。――収録を終えて、印象に残っているセリフはありますか?鈴鹿さん画家の黒田清輝さんの言葉が印象に残っています。彼は、印象派を日本に持ち込むうえで大きなお仕事をされた方ですが、僕の言葉で要約すると、印象派というものがほかの土地に行ったときに、その土地のものになる、というようなことを仰っていたのです。フランスで生まれた印象派がアメリカに行ったら、それはアメリカの印象派になる、ということですよね。それは今にも通じることだと思いました。僕は、いろいろ無駄なことを考えるのが好きで、例えばお寿司は、日本では生のお魚ですけど、アメリカに行ったらカリフォルニアロールになって、それが寿司になっています。僕らもそれを受け入れる心が大事なんだな、と思いました。黒田さんの言葉がすごく大切な言葉だと感じながら収録しました。この部分のセリフは、ぜひ音声ガイドで聴いてみてください。気になる作品は…デウィット・パーシャル《ハーミット・クリーク・キャニオン》1910-16年油彩、カンヴァスウスター美術館Museum Purchase, 1916.57/Image courtesy of the Worcester Art Museum――今回、アメリカ印象派の作品も多く展示されます。作品を資料でご覧になって、気になる作品はありましたか?鈴鹿さんアメリカならではの広大な自然が描かれている作品が印象に残っています。特に気になる作品は、デウィット・パーシャルさんの《ハーミット・クリーク・キャニオン》です。グランド・キャニオンを描いたもので、太陽の光に淡いピンクやオレンジを使い、全体的に明るい印象を受けました。この絵が好きな理由は、エピソードがおもしろいのです。パーシャルさんが、この絵を描いてくださいといわれたとき、グランド・キャニオンまで目隠しをされて連れて行かれ、目隠しをとって見た景色がこの絵になっているそうです。なんでそんなことしたんだろう?と思ったのですが(笑)、そんな話を知ると、おもしろい絵だなと感じました。また、今回は北欧の人が描いた印象派作品も展示されるそうで、土地ごとの違いを見比べるのも楽しそうです。――フランスからはじまった印象派は、アメリカや北欧、日本など世界に影響を与えたのですね。鈴鹿さんでも、当時の絵画はきれいに描くというのが重要視され、印象派の粗いタッチは評価されなかったらしいのです。印象派の画家たちは、一瞬の自然や草の色は緑だと決めつけず、いろいろな色で表現していましたが、そのような絵を当時の社会で発表するのは勇気がいるものだと思いました。それでも、彼らの絵は世界中に広がる力と勢いがあった。やはり、印象派の技法とか、すごい衝撃だったのだろうと思います。僕も、よくカメラで風景を撮るので、一瞬を切り取るというのは通じるような気がします。――写真を撮るのがお好きなんですね。印象派の作品とつながる部分がありそうですね。鈴鹿さん僕はフィルムで風景の一瞬を撮るのですが、現像して振り返ってみると、撮ったその場所の空気感とか匂い、温度を思い出します。きれいにその場所を切り取るのではなく、そのときの自分の感覚を含めてその一枚を大切にするという思いがあります。例えば、モネの睡蓮は連作になっていますが、同じ場所の睡蓮でもいろいろな色や水面があり、写真とも似ているのかなと思いました。その風景の「一瞬」を追っているのだと思います。どんどん印象派にのめりこんだ!――ところで、本展のオリジナルグッズにウスターソースが出るそうですね。鈴鹿さん美術館の名前がウスターだからウスターソースを作ったそうで…ちょっと「そうなんですか」としか僕も返せなかったのですけど(笑)、そういうおもしろさもある展覧会ですね。僕の岡山の実家には、ウスターソースは常備していなかったので、これを機にウスターソースを使って料理してみたいです。――最後に、メッセージをお願いします。鈴鹿さん展覧会には初来日の作品も多く展示されるので、美術が好きな方も来ていただいて価値のあるものだと思います。僕自身、あまり美術の知識がなかった人ですけど、どんどん印象派の絵にのめりこんでいきました。その魅力を、まだあまり美術を知らない人にも、ぜひ楽しんでいただきたいです。たくさんの方に気軽に足を運んでいただきたいと思います。――ありがとうございました!取材を終えて…優しい笑顔がとてもステキだった鈴鹿さん。オフィシャルサポーターに選ばれてから印象派について学んだと仰っていましたが、本当にのめりこんでしまったそうで、その魅力について熱く語ってくれました。鈴鹿さんは、お声もソフトで優しいので、スペシャルトラックとして収録された音声ガイドを聴くのが楽しみです。音声ガイドではクイズの企画もあるそうなので、ぜひガイドを聴きながら展覧会を楽しんでみてください。Information会期:2024年1月27日(土)~4月7日(日)会場:東京都美術館(東京・上野公園)開室時間:9:30〜17:30金曜日は20:00まで(入室は閉室の30分前まで)休室日:月曜日、2/13(火)※ただし2/12(月・休)、3/11(月)、3/25(月)は開室観覧料:一般¥2,200 (¥2,000)、大学生・専門学校生¥1,300(¥1,100) 、65歳以上¥1,500(¥1,300)・()内は前売料金。・高校生以下無料。※土日・祝日及び、4月2日(火)以降は日時指定予約制(当日の空きがあれば入場可)問い合わせ先:050-5541-8600(ハローダイヤル)※本展は、東京都美術館で開催したあと、郡山市立美術館、東京富士美術館、あべのハルカス美術館に巡回します。This exhibition was organized by the Worcester Art Museum
2023年11月22日気になる話題の映像作品をおすすめするコラム【テレビっ子の窓】第10回。日本の作品から韓国の作品まで日々チェックしている、テレビウォッチャーで、ライター・エディター・コラムニストのかわむらあみりがお届けします。『ワンダフルデイズ』 U-NEXT独占配信中©2023 Lifetime & Group8【テレビっ子の窓】vol.10秋も深まり、さまざまなジャンルの韓国ドラマがまた充実している今日このごろ。登場人物たちに思わず見入ってしまう、とっておきの韓国ドラマをご紹介します!ファンタジーラブコメディ『ワンダフルデイズ』『ワンダフルデイズ』 U-NEXT独占配信中©2023 Lifetime & Group8「キスをすると犬に変身する」という呪いをかけられた高校教師ハン・ヘナ(パク・ギュヨン)と、呪いを解く唯一の鍵となる、同僚の数学教師チン・ソウォン(チャウヌ/ASTRO)のファンタジーラブコメディ『ワンダフルデイズ』(2023年)。ヘナは、ひょんなことからソウォンにキスをしてしまうものの、彼は犬を怖がっているためになかなか思い通りにいかなくて…。『ワンダフルデイズ』 U-NEXT独占配信中©2023 Lifetime & Group8アクションファンタジードラマ『アイランド』や、ファン・イノ監督の最新映画『デシベル』ではシリアスな演技に取り組み、新しい顔を見せているチャウヌと、インフルエンサーの闇を描いた『セレブリティ』や法廷ドラマ『悪魔判事』などのパク・ギュヨンが繰り広げるストーリーにドキドキ。ヘナが犬になったシーンも“カワイイ”が満載です。アクションスリラー『ヴィジランテ』『ヴィジランテ』 ディズニープラス スターで11月8日(水)より独占配信開始© 2023 Disney and its related entities警察学校で首席のトップクラスを誇るキム・ジヨン(ナム・ジュヒョク)は、昼間は法律を遵守する模範的な学生であり、スター的な存在。その半面、夜は法の網をかいくぐる悪人たちを裁く「ヴィジランテ」としての顔も。それはジヨンの幼い頃に起こったある出来事が原因で、犯罪を繰り返す人間や犯した罪に比べて罪が軽い犯罪者たちがすぐ釈放される法制度を憎み、私的に制裁を決心して…。『ヴィジランテ』 ディズニープラス スターで11月8日(水)より独占配信開始© 2023 Disney and its related entities現在入隊中のナム・ジュヒョクが、独自の正義を持つ二面性のある主人公を演じているのも見どころのダークスリラー『ヴィジランテ』(2023年)。これまではドラマ『二十五、二十一』『スタートアップ:夢の扉』などで爽やかな姿を見せていた彼が、初めて「ダークヒーロー」となり、自身初の激しいアクションに挑んでいる姿も見逃せません。ファンタジーラブストーリー『九尾狐伝~不滅の愛~』『九尾狐伝~不滅の愛~』 U-NEXT配信中© STUDIO DRAGON CORPORATION1999年に狐峠で起きた奇妙な事故で両親が行方不明になり、大人になってからはテレビ番組のプロデューサーとなり、その行方を捜し続けている30歳のナム・ジア(チョ・ボア)。ある日、取材先で、21年前に自分を助けてくれた九尾狐イ・ヨン(イ・ドンウク)と出会います。ヨンもまた、ジアが死んだ恋人に似ていることから、おたがいに意識し合うふたりは事件に巻き込まれて…。『九尾狐伝~不滅の愛~』 U-NEXT配信中© STUDIO DRAGON CORPORATION「九尾狐」という斬新なヨン役のイ・ドンウクは、名作『トッケビ~君がくれた愛しい日々~』では死神役を演じるなど、人間以外のキャラクターを今回も妖美に魅了しています。ロウンと共演した『この恋は不可抗力』でもチャーミングだったチョ・ボアは、今作でイ・ドンウクと不思議な縁でつながる恋模様にも見入ってしまうファンタジーラブストーリー『九尾狐伝~不滅の愛~』(2020年)。伝説を現代風にアレンジしたストーリーにも釘付けです。ノワールクライムアクション『最悪の悪』『最悪の悪』 ディズニープラス スターで全話独占配信中© 2023 Disney and its related entities1995年、韓国から日本へ流れる麻薬の密売情報が入り、韓国と日本の合同捜査がスタート。田舎町の刑事パク・ジュンモ(チ・チャンウク)は、昇進の野望を抱いて、江南の新興勢力に潜入捜査をすることに。犯罪組織のリーダーであるチョン・ギチョル(ウィ・ハジュン)に出会い、ジュンモの妻で麻薬保安官のユ・ウィジョン(イム・セミ)らも巻き込んで…。『最悪の悪』 ディズニープラス スターで全話独占配信中© 2023 Disney and its related entities非常に危険な潜入捜査という任務がバレるかバレないかにもハラハラし、ジュンモとギチョルとウィジョンの関係もスリリング。アジアの貴公子といわれるチ・チャンウクの、ロマンスを封印した硬派な演技と、ハードなアクションにも息をのみます。クライムアクションからラブコメディまで、さまざまなストーリーの韓国ドラマをお届けしました。お気に入りのキャストや、そのときどきの気分などから、お好きな作品を楽しんでみてくださいね!文・かわむらあみり文・かわむらあみり
2023年11月22日ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。今回はこの時期見かけるイケメンのオシャレなファッションをピックアップしてみました。海外のイケメンたちはどんなスタイルを楽しんでいるんでしょうか。冬の定番ダウン&ニット帽スタイルひとつひとつのパーツがとっても個性的でオシャレ!なんといってもインパクトあるオレンジカラーのダウンジャケットと、ダメージパンツが印象的ではないでしょうか。海外でも人気のデザインTシャツも雰囲気がぴったりです。イケオジの雰囲気が出ているスタイルイケおじ的な雰囲気が溢れ出ている、こちらのかたのファッションは、色の使いかたと小物の選びかたが絶妙!ブラックとブラウンをベースとした温かみある雰囲気です。また、ハットやサングラス、シューズやバッグといった小物の質感やデザインに統一感がありながら、個性を感じます。センスの良さも抜群ですね。今の季節真似したいオーバーサイズニットこんなファッションが似合うなんてかっこいい!コーデがオシャレだとイケメンの雰囲気が十分感じられますよね。大きめニットをアウターのように使用したこのスタイル、ちょっと長めのアンクルブーツとの相性も抜群で、かなりのハイセンス!クリーンな印象も好感度抜群です。柄の重ね着の天才!このかたのように、異なる柄を同時にファッションに取り入れるのは、実はかなり難しいんです。この柄にはコレといった明確なルールはありません。とは言っても、自分では何がいいのかわからないもの。こちらのかたは、色に統一感があるので、柄が違っても違和感なくまとまっています。よりオシャレに見せてくれているかも!?デニムオーバーオールが可愛い!女性のオーバーオールをよくピックアップしますが、今回のこのデニムのメンズオーバーオールもなんともかわいい!デニムなので、カラフルなシューズやアウターにもぴったり合っていて、自分流スタイルを楽しむことができます。女性にも男性にもおすすめできるスタイルです。秋冬はボンバージャケット愛用の季節秋冬は私にとってもボンバージャケットは欠かせないアウターのひとつですが、このかたのように男性のボンバージャケットもクールでかっこいい!細身ボトムスに革靴なんてイケメンスタイルですね!クールな着こなしがより魅力的に見えてしまいます。いかがでしたでしょうか?今回は海外の街中で見かけた、秋冬ファッションを上手に着こなすイケメンスタイルをご紹介いたしました。メンズスタイルですが、女性も真似できるスタイルもあるので、参考にしてみてください。写真、文・平野秀美
2023年11月19日東京・新宿のSOMPO美術館で、「ゴッホと静物画―伝統から革新へ」が開かれています。本展では、日本でも人気の高い画家、フィンセント・ファン・ゴッホ(1853~1890)が描いた静物画に焦点をあて、国内外から油彩画が集結。彼が影響を受けた画家たちの作品も見ながら、ゴッホの変遷をたどることができる展覧会です。静物画を見なければ、ゴッホは語れない!「ゴッホと静物画―伝統から革新へ」展示室入り口※本記事の写真は、プレス内覧会で許可を得て撮影しています。【女子的アートナビ】vol. 318本展では、ゴッホの画業のなかでも静物画にフォーカスして、彼の初期作から晩年の大作まで25点の油彩画を紹介。さらに、ヨーロッパにおける静物画の歴史のなかで、ゴッホが影響を受けたドラクロワやマネ、モネなど、著名な画家たちの作品もあわせて展示。出展作品全69点を通して、彼が何をどのように学んでいったのか、画業の変遷をたどることができます。展覧会を担当されたSOMPO美術館上席学芸員の小林晶子さんは、次のように述べています。小林さんゴッホは、当初、人物を描く画家になりたかったので、静物画に対してそれほど興味をもっていませんでした。絵を学ぶ鍛錬のためのものが静物画でした。鍛錬しているうちに自分の芸術を確立し、静物画のなかでも「ひまわり」が自分の代表作であると思うようになりました。本展のキャッチコピーは「静物画を見なければ、ゴッホは語れない」です。ゴッホがどんなふうに鍛錬して、代表作を描くまでに至ったのか、静物画の歴史もあわせてご覧いただけます。ハーグ時代の初期作からスタート!フィンセント・ファン・ゴッホ《麦わら帽のある静物》1881年クレラー=ミュラー美術館蔵、オッテルロー © 2023 Collection Kröller-Müller Museum, Otterlo, the Netherlands最初の章では、まずゴッホが油彩画に取り組み始めたハーグ時代の初期作からスタート。《麦わら帽のある静物》は1881年に描かれたものです。その前年、27歳のときに、ゴッホは画家になることを決意。ブリュッセルの王立美術アカデミーに通い、その後、オランダ南西部のハーグで、画家マウフェから指導を受けました。「ゴッホと静物画―伝統から革新へ」展示風景1章の前半では、17世紀のオランダ絵画もあわせて展示。ヨーロッパ絵画史のなかで、静物画というジャンルが確立したのは17世紀ごろといわれています。当時、市民階級が豊かになったネーデルランド(現在のオランダ)では、身の回りの事物や工芸品などをリアルに描いた小さな静物画が流行。市民たちは、それらを自宅に飾り楽しんでいました。静物画について、はじめは油彩を描くための修業としてとらえていたゴッホは、瓶や壺、鳥の巣など伝統的なモチーフを描いていました。ゴッホ、ドラクロワに学ぶ!「ゴッホと静物画―伝統から革新へ」展示風景1章の後半では、19世紀の静物画を展示。ドラクロワやピサロ、ルノワールなどの華やかな作品が並んでいます。ゴッホは、特にドラクロワ作品の色彩に感銘を受け、弟のテオに手紙で作品や制作姿勢について語っています。ドラクロワは、ゴッホの作品に大きな影響を与えた画家のひとり、といわれています。1886年、パリに移住したゴッホは、印象派の明るい作品からも影響を受け、初期のころと比べると、色彩も描き方も大きく変化しました。会場に展示されているパリ初期時代の花作品は、驚くほど色彩が鮮やか。ゴッホの画風の変化がよくわかります。ゴッホ、モンティセリに学ぶ!アドルフ=ジョゼフ・モンティセリ《花瓶の花》1875年頃 クレラー=ミュラー美術館、オッテルロー © 2023 Collection Kröller-Müller Museum, Otterlo, the Netherlands2章では、花の静物画に焦点を当てて紹介。ここで注目したいのが、ゴッホと同時代の画家、アドルフ=ジョゼフ・モンティセリ(1824-1886)の作品《花瓶の花》です。彼は、肖像画や静物画などを手がけ、筆跡が残るタッチや絵具を厚塗りする描き方など、当時としては珍しい表現をしていた画家です。ゴッホは、モンティセリの作品を収集し、表現方法や技法も参考にしたといわれています。モンティセリ作品に似たようなゴッホの絵も、近くに展示されています。ゴッホがモンティセリからどう学んだのか、描き方など比べてみるとおもしろいです。ゴッホの代表作が登場!フィンセント・ファン・ゴッホ、左:《アイリス》 1890年 ファン・ゴッホ美術館、アムステルダム(フィンセント・ファン・ゴッホ財団)Van Gogh Museum, Amsterdam(Vincent van Gogh Foundation)、右:《ひまわり》 1888年 SOMPO美術館本展のハイライト、ゴッホの代表作《ひまわり》と《アイリス》は2章で登場!さまざまな画家の作品から影響を受け、静物画を通して修業していたゴッホが、いよいよ自身のスタイルを確立。《ひまわり》は1888年、《アイリス》は1890年に描かれています。強烈な色彩、荒々しいタッチ、厚塗りの絵具などは、ゴッホの代名詞ともいえる表現法ですが、本展を見ていくと、彼が独自に生み出したのではなく、さまざまな作品から学んでいたことがわかります。画風を確立したゴッホですが、《ひまわり》を制作した1888年に、画家仲間のゴーギャンと口論して、自分の耳を切り、アルルの病院に入院。その後、サン・レミ・ド・プロヴァンスにある病院で精神科の治療を受けました。《アイリス》を制作した後、1890年の7月に37歳で死去。銃で自らを撃ったと伝わっています。ゴッホに影響を受けた画家たちの作品も!「ゴッホと静物画―伝統から革新へ」展示風景最後の章では、ゴッホ、ポール・ゴーギャン、ポール・セザンヌなど「ポスト印象派」と呼ばれた画家たちの作品や、ゴッホから影響を受けたモーリス・ド・ヴラマンクの作品などを紹介。新しい静物画のスタイルを切り拓いていった画家たちの、自由で革新的な作品を楽しめます。静物画を通してゴッホの変遷をたどることができる展覧会は、2024年の1月21日まで開催。人気の展覧会なので、ぜひ日時指定予約をしてお出かけください。Information会期:~24年1月21日(日)会場:SOMPO美術館時間:10時~18時(ただし11月17日(金)と12月8日(金)は20時まで)※最終入場は閉館30分前まで休館日:月曜日(ただし1月8日は開館)、年末年始(12月28日~1月3日)観覧料:一般¥2,000(¥1800)、大学生¥1,300(¥1100)※()内は日時指定料金問い合わせ先:050-5541-8600(ハローダイヤル)
2023年11月19日大ヒットドラマ『愛の不時着』と『梨泰院クラス』の制作陣が生んだ、Hulu初のオリジナル韓国ドラマ『プレイ・プリ』。配信はスタートしたばかりですが、素顔を隠している女子大生と超人気アイドルによる“ワケありラブストーリー”は、すでに大きな注目を集めています。そこで、こちらの方々にお話をうかがってきました。キム・ヒャンギさん & シン・ヒョンスンさん【映画、ときどき私】 vol. 617平凡な女子大生でありながら、登録者数10万人を誇る「プリ」という名の人気覆面シンガーとして裏の顔を持つハンジュを演じるキム・ヒャンギさん。天才子役として活躍したのち、『神と共に』シリーズなどの話題作に数多く出演し、いまでは“韓国の国民的女優”とも呼ばれている存在です。その相手役を務めるのは、天性のカリスマ性を持つ超人気アイドルのドグクを演じるシン・ヒョンスンさん。2020年カカオエンターテインメントが開催した新人俳優統合オーディションでは、5000倍もの競争率を勝ち抜いて優勝しており、華やかなデビューを飾った“ライジングスター”とされている若手の注目株です。本作では、そんな2人が初共演を果たし、誰にも言えない秘密の恋が展開されています。そこで、役作りで苦労したことや知られざる一面、そして日本の好きな音楽などについて語っていただきました。最大のミッションは、ギターの演奏だった―今回はおふたりともドラマ初歌唱に挑戦されていますが、事前にどのような準備をされましたか?ヒャンギさんこの役を演じるうえで最大のミッションだったのは、ギターの演奏ですね。というのも、私はこれまで楽器を扱ったことがないんですよ。しかも、出演が決まってから撮影まで準備をする時間的な余裕があまりなかったので、そういう意味でもとても心配でした。とはいえ、何とかしたいという思いは強かったので、撮影中でも休みがあればとにかく練習。おかげでいろんなコードを覚えましたが、「楽器を弾くというのは本当に難しいことなんだな」としみじみと実感しました。―そんなことを感じさせない素敵な演奏でした。ヒョンスンさんも歌がお上手でしたが、もともと得意だったのでしょうか。ヒョンスンさん歌は前から好きでした。といっても、上手いかどうかはわかりませんが(笑)。今回は、ギターの練習だけでなく、歌もダンスもあったので、1つ1つをやり遂げるような気持ちで準備していました。僕としては、ゲームのステージを順番にクリアしていくような感覚でしたね。準備期間が短くて大変ではありましたが、そういうミッションを乗り越えるために、がんばって練習しました。これからもっと素顔を知っていきたい―共演してみて気が付いた相手の素顔や驚いたことなどがあれば、教えてください。ヒョンスンさん今回は撮影期間があまり長くなかったので、ヒャンギさんの意外な一面を知るには時間が足りなかったなと。なので、これから知っていけたらいいなと思っています。ヒャンギさん私もヒョンスンさんについてはまだまだ知らないことが多いですが、そのなかでも意外だなと感じたことはありました。初めてお会いしたとき、外見的なイメージが自分の気持ちを隠すことなくありのまま表現するタイプのドグクとぴったり合っているなと思ったんです。でも、実際のシンさんはすごく慎重な性格で、内気なところがある方なので、そこは驚きました。ヒョンスンさんまさにその通りです(笑)。よく見ていますね。強い憧れがあったから諦めずに続けられた―さすがヒャンギさんですね。本作ではハンジュやドグクが自分のやりたいことに向き合う姿も描かれていますが、おふたりも夢を叶えるまでに苦労したり、周りから反対されたりしたことはありますか?ヒョンスンさん実は高校生の頃、僕は太っていたんですよ。なので、演技をしたいと考えていることを話したら、周りから「そんな体型では無謀だね」と言われてしまったこともありました。しかも、僕は小心者で、人前に出るのも怖がっていたようなタイプ。それだけに、俳優を目指すことをみんなから疑問に思われていました。ヒャンギさんそうだったんですね。―とても意外な過去ですが、そんななかでも夢を諦めずに続けられたのはなぜですか?ヒョンスンさん俳優の仕事が楽しそうに見えましたし、とてもかっこよかったので憧れが強かったというのはありました。ただ、なかなか体重を減らせなかったので、痩せるまでが一番つらくて大変でしたね(笑)。混乱した時期もあったけど、いまは演技が楽しい―ヒャンギさんは23歳の若さにもかかわらず、キャリアはすでに20年ほどになりますが、その間にも挫折を経験されたこともあったのでしょうか。ヒャンギさん私の場合は、夢とは何かを理解していないうちから仕事をしていたので、ある意味それが長所であり短所でもあるかもしれません。ただ、まったく何もわからない状況のなかで、自分が得意としているものを周りが発見してくれたのは、ありがたいことだったなと感じています。それでも、徐々に自我が芽生えてきたときに「俳優はあなたの仕事です」と言われるようになったり、周りから芸能人として見られたりすることに混乱してしまったことも…。演技が好きで俳優をしている自分と、芸能人として顔を知られている自分、そして日常生活をしている自分との間に“解離現象”のようなものが出てつらいと感じることもありました。でも、いまは演技をするのが楽しくてしょうがないと感じるくらい好きなので、これからも俳優を続けていきたいです。日本では自分の計画通りに楽しんでみたい―順調に見えていても、そういった思いも経験されていたんですね。では、日本についてもおうかがしますが、日本にまつわるエピソードはありますか?ヒャンギさん子どもの頃から休みがあると、日本にはよく遊びに行っていました。各地にある美術館を訪れたり、キレイな建物を見学したりするのが私の日本での楽しみです。あと、これはほとんどの韓国人に言えることですが、子どものころから大好きな日本のアニメーションや漫画を見て育ちました。ヒョンスンさん僕はまだ日本には行ったことがありませんが、実は行くつもりで計画まで立てていたことがありました。そのときは撮影と重なってしまって実現できなかったので、ぜひ日本に行って自分が立てた計画通りに楽しみたいです。―ちなみに、どんなことをしたいと考えていたのでしょうか。ヒョンスンさんまずはユニバーサル・スタジオ・ジャパンに行って、夕方は『深夜食堂』に出てくるようなお店で生ビールを飲みながらおいしいものを食べたいなと思っていました。計画の大半が、食べ物に関するものですね(笑)。この作品を観ているときは癒しを感じてほしい―とてもいい計画ですね。本作は音楽がテーマのドラマですが、いまハマっている音楽などがあれば、教えてください。ヒャンギさん私が最近よく聞いているのは、韓国の歌手ホ・フェギョンさんの「My Dear Love」とユン・ジヨンさんの「tomotomo」。あと、このドラマに出演することになってから聴くようになったのは、あいみょんさんの「マリーゴールド」や「ハルノヒ」です。シンさん僕は韓国の歌手OOHYOさんの「Dandelion」という曲を聴くと、とても癒されます。日本の曲だと、米津玄師さんの「Lemon」が好きです。―それでは最後に、ananweb読者に向けてメッセージをお願いします。ヒャンギさん私もみなさんと同じ働く女性として伝えたいのは、「健康で仕事ができるように、まずは体力をつけてください。そしてお互いに努力してがんばりましょう」ということです。それから、この作品でみなさんが癒しを感じていただけたらうれしいなと思います。とにかく、みなさん元気でいてください。ヒョンスンさんこのドラマでも描いているように、無謀な挑戦はしていいと考えていますし、挑戦する人を僕たちはいつも応援しています。『プレイ・プリ』を観ているときだけは、みなさんにとっての休息時間になったらいいなと思っています。インタビューを終えてみて…。とても穏やかで、癒し系のオーラを放っているヒャンギさんとヒョンスンさん。控えめで仲睦まじいおふたりの様子にも、思わずほっこりとしました。まだまだ若いおふたりですが、いろんな葛藤を乗り越えてきたからこそ、内に秘めた強さも感じたので、今後さらなる活躍を楽しみにしたいです。本作では、息の合ったやりとりをお楽しみください。最高にキュートな2人から目が離せない!心に響く音楽に乗せて盛り上がりを見せる秘密の恋だけでなく、笑いありドキドキの三角関係もありの王道ラブコメディ。不器用ながら夢にも恋愛にも一生懸命な2人の姿に、胸がキュンとなるこの冬オススメのドラマシリーズです。取材、文・志村昌美ストーリー大学に通いながらバイトに明け暮れる日々を送っていた普通の女子大生ハンジュ。平凡で安定した人生を手に入れるために、大手企業への就職を目指して就活に励んでいる。しかし、裏では「プリ」という名前でカバー楽曲を SNSにアップし、顔も本名も年齢も隠したままひそかに歌手への夢を育んでいた。いっぽう、人気グループ「セズ」のビジュアル担当“レビ”として活躍するアイドルのドグク。事務所との契約終了を控えて、ソロアルバムを出そうとしていた。そこで、プリに憧れていたドグクは、プリを捜し出すことを決意する。プリの正体を突き止めるため、ドグクは大学に潜入するが、2人は最悪な出会いを果たすのだった…。続きが気になる予告編はこちら!作品情報Huluオリジナル『プレイ・プリ』Huluにて独占配信中
2023年11月18日ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。今回は、ファッショニスタがよく着こなすスタイルである上下同じカラーのセットアップを、いくつかご紹介いたします。どちらも魅力的なモノトーンカラーキレイめのスタイルで、今すぐ参考になるおふたりのファッション。それぞれ別の色をピックアップされていますが、どちらも上下同色を上手に着こなしていますね。どの色を選ぶかはお好みだと思いますが、オフホワイトは明るく清潔感あり、グレーはモダンで大人っぽく見せてくれます。珍しいスーツスタイルこちらはベージュ系のスーツが優しい雰囲気を醸し出しています。ショートジャケットが個性的なだけではなく、スーツのズボンをアンクルブーツにインするかっこいいスタイル。足元を変えるだけで、かなり印象が変わるんですね!清潔感あるホワイト男性にも人気の上下ワントーンセット。右側の人は清潔感あるホワイトをカッコよく着こなしたスタイリッシュファッション。お隣のマスタードカラーのコートとぴったりなふたりのコンビネーションです。優しいイエローは人気上昇中最近見かけた淡いイエローの上下セットスタイル。このかたのように中はブラックでもホワイトでも、はたまた全く異なるカラーでも、実はなんでも合ってしまうのが特徴。そして淡いイエローは優しい雰囲気を出してくれるだけでなく、ユニークで他の人と被ることも少ないのが特徴です。上下グレーは今や超トレンド!こちらはグレーのデニムの組み合わせですが、どんなデニムでも上下セットは最近のトレンド。さらにグレーは今年よく見かけるイチオシカラー。こんな組み合わせ、素敵じゃないわけがない!目を惹くグリーンが魅力的このかたは、全く異なるデザインのトップスとズボン。しかしカラーをまとめるだけで、セットのように上手に着こなせちゃうのが上下同色スタイリングの特徴。グリーンをメインカラーに持ってくるかたはあまり多くないなか、とても繊細で温かみのあるスタイルに仕上がっています。上下同じ色のコーディネートは非常にシンプルで洗練されています。同じ色を使用することにより、統一感が生まれ、整った印象をプラス。また、異なる素材や質感を組み合わせることで、ワンカラースタイルをさらに魅力的に、そして楽しむことができます。ファッションにぜひ取り入れてみてください!写真、文・平野秀美
2023年11月18日ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。今回はオシャレで真似してみたいヘアスタイル、ヘアアレンジやスタイリングをご紹介いたします。可愛いらしさが花咲く大人気インフルエンサーのオリビアのヘアスタイル。もちろん彼女にはスタイリストさんがついていると思いますが、この可愛らしい髪の結び方は一度はやってみたい。可愛いの塊のようなスタイルです。個性の塊のようなスタイルクールなボブスタイルに、個性を加えたかっこいいスタイル。前髪の片方の部分をピンで留めたスタイルですが、アイディアがすごい!そしてかっこいいですよね。真似しやすそうなのでやってみたい。キュートなツノ結びインパクトあるツノのようなスタイルは、パッツン前髪以上に印象強い!ヘアカラーもしかり、全体的な彼女自身を表現しているかのような印象深いヘアスタイルになっています。ボブヘアもスタイリング次第で…こちらのモデルさん、通常のボブヘアをスタイリング剤でばっちりオールバックに。外はねさせてキュートな印象。ボブだって、スタイル次第で、印象が大幅に変わるんですね!後ろ結びも可愛らしくこちらもボブへアですが、可愛らしくリボンと組み合わせて結んでいます。普通にゴムで結ぶだけではなく、リボンやジュエリーと絡めて印象を変えているところがポイント。巻き方も工夫して大人っぽく髪の毛を巻いて内側に留めているだけで、大人っぽい雰囲気に早変わり。すっきりとした髪型に大変身です。どんなファッションにも合わせやすそうですが、特に綺麗めなスタイルにピッタリ!髪型のアレンジは個人の好みや髪質に合わせて行うべきものであり、トレンドや他の人の意見よりも、自分自身がどれだけ自信をもってそのスタイルをしているかが大切だと思います。今回ご紹介したいくつかのスタイルは、より多くのかたに楽しんでいただけるかな?と思います。自分の髪の質やタイプを理解することで、よりアレンジを楽しむことができますので、ぜひトライしてみてください。写真、文・平野秀美
2023年11月12日ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。今回は、1年中愛用できるワンピースのコーデをピックアップしてみました!定番のブラックワンピースブラックカラーはとても多くのシーンやイベントに適しており、さまざまなスタイルに合わせやすいため、着る機会が多いカラーです。こちらのようなブラックワンピースは、シンプルでエレガント。アクセサリーや靴を変えることで、カジュアルな日常の装いからフォーマルな場面まで幅広く対応できる、万能なデザインでもあります。フェミニンなワンピースを秋冬も花柄は一般的に明るく、華やかな印象を与えるため、多くの人々にとって魅力的な選択肢となるかと思います。花柄ワンピースは、特に春や夏に人気という印象があります。しかし、トレンチコートやデニムジャケットといったアウターと合わせることで、秋冬まで幅広く愛用できます。また、さまざまなスタイルやデザインがあり、個々の好みに合わせて選択できるため、幅広いスタイリングに対応できます。素材と質感をエンジョイ!触り心地が柔らかく、ふわふわとした質感の、もこもこワンピース。とても珍しいデザインのように感じるのですが、実はここ最近このような立体的なデザインが増えているように感じます。寒い季節に暖かさと快適さを提供してくれるようなデザインであると同時に、ファッションアイテムとしてユニークで個性的なインパクトで楽しませてくれます!可愛らしさと洗練されたデザイン小さなドット柄は繊細で魅力的な印象を与え、一般的には女性らしいスタイルに適しています。ミニドットのワンピースは、カジュアルな日常の装いからフォーマルな場面まで幅広く着用でき、アクセサリーや靴を調整することで多くのスタイルに合わせることができます。また、時代を超えて人気のある柄であり、ワンピース以外でも長く楽しむことができるモチーフと言えます。快適でスタイリッシュなデザインシャツワンピースは、デイリーウェアとして着るのに非常に適しており、シンプルなカジュアルスタイルにピッタリです。秋冬にはデニムやレギンスと組み合わせて、快適でスタイリッシュなコーディネートを楽しむことができます。注目の的!斬新な切り替えやディティール、非対称のシルエットで思いっきり楽しませてくれる、こちらのワンピース!誰とも被ることがなさそうなデザインは、一瞬で周囲の注目を集める最強ワンピースです。ワンピースは、着るのが簡単でスタイリッシュな外見を即座に作り出してくれるので、ちょっとしたお出掛けやイベントなどにもってこいのスタイルです。個性的なデザインから定番のシンプルで可愛らしいデザインまで幅広く選べますし、1年中使えるので、これからもどんどんワンピースを愛用したいところです。写真、文・平野秀美
2023年11月11日気になる男性とのデートは、いつも以上に服装に気をつかうもの。とくに出会ったばかりの時期はお互いをよく知らないので、外見から見て取れる印象が今後の関係性を左右します。無難すぎて印象に残らないのもイマイチですが、それよりも避けるべきは軽く見られること…!そこで今回は、初デートで絶対にやってはいけないNGデートコーデの特徴をご紹介します。狙い過ぎ!?カットオフワンピース昨年あたりからドッと増え出した、カットオフデザイン。カットオフとは、服の一部分に切れ込みが入っていているデザインのことを指します。肩やウエスト、また胸元などの一部分の素肌を露出することで、さりげなくヘルシーな色気を表現できるということで人気となっています。たしかにおしゃれなトレンド服ですが、初デートのコーデで採用するのは少し考えもの。とくに胸元がチラ見えするタイプのニットワンピースは、胸への視線を集中させるので、あざとさが際立った着こなしになります。相手の男性によっては、少々目のやり場に困ってしまうかも…。適度に素肌露出をさせたいのなら胸は出さずに、肩や鎖骨といったセクシャリティが強くないパーツを露出させましょう。だらしなさ過ぎ!?ゆるニット+ノースリトップスあざといコーデの基本は、“緩さ”と“露出”です。緩さは、ゆったりしたニットやカーディガンなど、ラフなアイテムを取り入れること。そして露出は、インナーはキャミソール、ボトムスはショートパンツやミニスカートなどで、素肌が見える面積を増やすこと。このラフな着こなしに素肌が見えるというギャップのあるコーデは、男性にときめきを与えます。しかし、ときめきを与える一方で、場合によっては相手の男性に「軽そう」「すぐ落とせそう」といった悪印象を抱かれる可能性も否めません。相手の男性がパートナーに求める貞操観念の度合いが把握できない段階では、過度なあざとさや緩そうな服装で勝負を仕掛けないほうがベターです。初回はシンプルでジャストサイズな服装に!では、初デートの時はどのような服装が良いのか。やはり王道ではありますが、パンツ・スカートスタイルどちらにしても、シンプルで清潔感のある着こなしがベストです。また肌は見せず、サイズに合った服装でスタイルが美しく見えるテクニックを追求しましょう。そして、コーデ全体の色合いを華やかにすることも忘れずに。服のサイズ、配色、コーデバランスを整えれば、品のある好感度の高いデートコーデが実現できるので、ぜひこれらのポイントを意識して取り入れてみてくださいね。イラスト・文 角 佑宇子
2023年11月11日婚活で約1000人の男性と出会い、年下夫を射止めたライター・かわむらあみりがお届けするコラム【結婚引き寄せ隊】連載第160回は、せっかく出会った男性から「ちょっとムリ」と残念ながら思われてしまった、女性の特徴を3つお届けします。1.理解のあるフリをする【結婚引き寄せ隊】vol.160恋を探している男女が出会って、すぐにうまくいくのならいいのですが、どちらかの一方通行の思いだったらなかなかしんどいものがありますよね。出会った男性に「ちょっとムリ」と思わせてしまった特徴のうち、ひとつめは、理解のあるフリをする女性でした。婚活パーティで知り合ったある男性は、よく見ると整った顔で、清潔感もあって女性にはそれほど困っているようには見えませんでした。ざっくばらんに好みのタイプを話していたときに、前はどんな人と会ったのか、という話になり、なかなかよい感じの女性とうまくいきかけたようだったのですが…。その男性は非常に多忙で、婚活パーティの参加も何か月かに1回とのこと。その機会を逃さないようにと前回参加したパーティでマッチングした女性とお茶に行ったら、まったく業種の違う者同士なのにもかかわらず、彼の話を「うん、わかるぅ〜」と相槌を打ちながら聞いてくれたそうです。すごく仕事に理解があるように見えたのに、いざ「さっきの話ですが」と確認をすると、話した内容をほぼ覚えておらず、ただ単に“理解のあるフリをしていただけ”だとすぐにわかったのだとか。話し込んでみても、男性の話を肯定してはくれるものの、どうやら右から左にスルー。「本当の意味で理解してくれる女性がいい」とボヤいていたのでした。2.相性占いをしたがるそれは出会いを探して合コンに参加したときのこと。もうすぐ誕生日という女性がいたため、「おめでとう」などと言いながら、星座占いの話になりました。私が占い好きということもあって、「月生まれだと座?」などと、それぞれの星座を言いながら活気づいていました。そのとき、ある女性が「そういえば何座でしたか?私と相性いいのか調べたいので!」と、ある男性に向かってグイグイ迫っていました。こっそりその女性に聞いてみると、その男性の顔がどストレートに好みだそうで、絶対仲よくなると気合が入っている様子。だからなのか、相手の男性は見る限りちょっと引き気味だったものの、その女性はそんなことはおかまいなしに一方的に「相性が知りたいから」と迫っています。タジタジになりながらも、女性の気迫に押されて、相性を調べられてしまった男性でしたが、結局のところそのふたりはうまくいかず、最終的に男性は別の女性と親しげになっていったのでした。占いはみんなと盛り上がることができる楽しいツールですが、自分に気の無い相手にしつこく迫っていくのは、占いに関係なく、引かれてしまう可能性もあります。時と場合によって、うまく自分を出していけるといいですよね。3.運命と言いすぎるそれは婚活パーティに参加したときのこと。そこには20代の女性もいて、なんとなく「今回は難しいパーティになるかなあ」と思っていました。なぜなら、男性の本能なのか、若い参加者がいるとどうしてもそちらの人気が高くなりがちで、アラフォー参加者には寂しい結果になってしまうことも少なくないからです。でも、途中から、そんな心配は無用になりました。それというのも、一番若そうに見えた20代の女性は、フリータイムで男性たちに囲まれながら、「すご〜い、運命かも!」を連発。な、何が運命だって?と人間観察が好きな私は、移動がてらに一番若そうなその女性のいる輪の会話を聞いていると、囲んでいる男性の誰彼問わず、キラッキラなよいしょフレーズを発していることを確認。ターゲットを決めて落とすためにキラーワードを言うのではなく、自分のところに来てくれた男性すべてによい顔をしてみせるなんて、すごい肝が座っているのだろうか…などと思っていたところ、その輪にいた男性とあとで話す機会がありました。さりげなく、さっきの女性について聞いてみると、「ちょっと運命だと言いすぎていて(苦笑)」と、意外にも怪訝な表情。何事もやりすぎるとよくないんだなあと実感したのでした。普段まわりにはいないようなタイプの男女に出会うこともありますが、まずは行動しないとどうにもなりません。自分の運命は自分で決める!みなさんの未来が輝きますように。文・かわむらあみり©buritora/Adobe Stock文・かわむらあみり
2023年11月11日ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。今回は全身ブラックスタイルをピックアップ!ブラックは体型を引き立ててくれるだけではなく、クラシックでエレガントな印象を持ち、重要な場面で着用するのにふさわしい選択でもあります。そんなブラックの着こなしを見てみましょう。シンプルで洗練されたルックスブラックのオールインワンスーツはフォーマルなイベントやビジネスの場面に特に適しています。クラシックでエレガントな印象を感じさせてくれるので、重要な場面で着用するのにもふさわしい選択だと思います。また、さまざまなスタイルやアクセサリーと組み合わせることができるので、オシャレ好きにも人気のスタイルです。シンプルでエレガントブラックのスカートとタートルネックはモノトーンスタイルを作り出し、全身を引き締めます。このモノトーンのルックは、スタイリッシュで洗練された外観になります。またこのかたのように透け感のあるスカートはより軽い印象を与えてくれるので、ブラックならではの重い印象にはなりません!季節感を楽しむブラックジャケットブラックジャケットとブラックブーツの組み合わせは非常に多くのバリエーションが可能で、シンプルでありながらおしゃれなスタイルを楽しむことができます。特に引き締まって見えるブラックカラーと、スリムデニムがよりスタイリッシュに見せてくています。コントラストと調和を楽しむ組み合わせ!ブラックのレザージャケットはエッジのあるアイテムで、ロングスカートはよりエレガントで女性らしい要素を持っています。このコントラストと調和が、ユニークで洗練された見た目を作り出します。また彼女のメイクやヘアスタイルもスタイルの全体に影響を与えているように、とっても整ったかっこいいスタイルに仕上がっています。ストライプが入るだけで印象が異なるストライプのブラックスーツはクラシックでフォーマルな要素をもちますが、彼女のジャケットはオーバーサイズでトレンディー感も高め。さらにカジュアル感も出ています。そして今年も人気のブーツが、エッジの効いたデザインで全体のバランスが整っています。このコントラストがスタイルに深みを与え、オシャレな印象を作り出します。また、彼女の選ぶジュエリーのセンスもかなりインパクトが高く印象強くなっています。ちらっと見えるバーバリーチェックがまた魅力的バーバリートレンチコートはクラシックで一生着用したいアウターアイテムであり、なかでもブラックの色合いはシックで洗練された印象を与えます。ロングブーツも一般的にエレガントな印象をもっています。そのため、この組み合わせはクラシックでありながらも、いつの時代にも支持されるスタイル。また透け感のあるトップスが、コントラストを上手に強調しているよう。いかがでしたでしょうか?全身黒のスタイルであっても、印象が異なりますよね!自分の個性と季節に合わせてカスタマイズして、おしゃれなスタイルを作り出してみてください。写真、文・平野秀美
2023年11月11日