ふだん何気なく使っているカタカナ語の由来や、意外に知らない略語の正式名称など、外国語の雑学をクイズ形式でご紹介。語学教材元編集者の “語学大好き”ライターがお届けします。初回のワードは「OK」!今回のお題は…「OK」いつも当たり前のように使っている「OK」。これって、もともと略語だったの?と思うくらい、深く考えずに使っている言葉ですが、はたして、なんの略でしょう?ヒント:英語由来。とはいえ、OKというアルファベットから類推するのは、かなり難しいです!OKの由来は…正解は、英語のall correct「すべて正しい」。ちょっと待って。それなら「AC」では?とツッコミたくなりますが、辞書によると、all correct のスペルミスoll korrectからきているとのこと。ほかにも、昔の米国大統領選挙でMartin Van Burenの支持者が、彼の生誕地にちなんだあだ名Old Kinderhookをスローガンにして広まった、という説もあります。ちなみに、最初にOKが記録されたのはボストンで、1839年とのこと。日本で使われはじめたのは1920年代で、若者の間ではやりはじめ、広まっていきました。ヨーロッパでもOK!短くてわかりやすい「OK」は、英語圏以外でも市民権を得ています。例えば、ドイツ語やフランス語、イタリア語、スペイン語などの辞書にもOKは載っていて、発音もほぼ同じ。ヨーロッパでも、日本と同じ感覚でOKを使えます。また、英語も含めて「okay(またはokey)」と書くこともあります。OKいろいろOKは、ほかにアメリカ・オクラホマ(Oklahoma)州の略語としても使われています。昔の西部劇映画『OK牧場の決斗』のOKもオクラホマかと思いきや、こちらは決闘が行われたアメリカ・アリゾナ州の場所Old Kindersleyの略でした。ちなみに、昭和時代に流行したガッツ石松さんのギャグ「OK牧場」のOKの由来は、わかりません……。OKの由来は、all correct!今回は、OKの由来をご紹介しました。大きな辞典を見ると、語源や由来が載っていることもあるので、調べるだけでなく読んでみるのもおすすめです!参考資料:『広辞苑』(岩波書店)『ランダムハウス英和大辞典』(小学館)『日本国語大辞典』(小学館)
2022年02月11日どんな嘘も見破る天才ギャンブラーの斑目貘(まだらめばく)を主人公に描き、熱狂的な人気を博しているギャンブル漫画『嘘喰い』。ついに完成した実写映画の公開と同時に、dTVではスピンオフとなるオリジナルドラマ『嘘喰い -鞍馬蘭子篇/梶隆臣篇-』の配信がスタートします。そこで、こちらの方にお話をうかがってきました。白石麻衣さん【映画、ときどき私】 vol. 453本作で暴力団鞍馬組の組長でありながら、闇カジノを仕切るオーナーでもある鞍馬蘭子(くらまらんこ)を演じている白石さん。今回は、役作りのうえでの苦労や現場の裏話、そしてイイ女を目指すためにしていることなどについて、語っていただきました。―まずは、『嘘喰い』の原作や脚本を読まれたときの印象から教えてください。白石さんいままで少年漫画系はあまり読んだことがありませんでしたが、今回の原作では迫力のある描写やゾクゾクするようなところがたくさんあって、読めば読むほどハマっていく感じがありました。脚本でも「このシーンはどうやって撮るんだろう?」と自分が出ていない場面でも気になるところが多かったので、撮影に入る前は楽しみな気持ちがすごく強かったです。あと、蘭子に関しては、男っぽいところがありながら凛とした美しさもある女性なので、純粋にカッコイイなと思いました。―ドラマでは主演を務められていますが、お話があったときのお気持ちはいかがでしたか?白石さん実は、映画に集中するために、スピンオフがあることは最初聞かされていなかったんです(笑)。でも、映画を撮影している最中に蘭子篇もあると聞いたときは、「がんばろう!」と思いました。―蘭子といえば、「サディスティックな“最狂“女組長」と称されるほど強烈なキャラクター。普段の白石さんとはかなりイメージが違っていて驚きましたが、演じるのも大変だったのでは?白石さんそうですね。セリフだけでなく、動きも激しいシーンが多かったので、初めてのことばかりでしたが、中田(秀夫)監督と一緒に何度も動きを確認しながら自分なりに感覚をつかんで役を作っていきました。ドラマでは、映画で演じた蘭子を軸に持ちつつ、蘭子のカッコよさをより出せるように私なりに表情や目の動かし方などを意識して取り組んでいます。一生懸命に突き進む蘭子の姿には、憧れがある―ご自身と蘭子に似ているところがあれば、教えてください。白石さん蘭子は友達のために自分の身を削るタイプですが、私も友達がいてくれたおかげでいまの自分があると思っているので、友達を大切に思う気持ちは共感できました。あと、何かのために突き進む蘭子の一生懸命な姿には憧れるところもあるので、そういう部分は自分にも身についたらいいなと思っています。―映画のなかで、貘と一緒のシーンだけは“恋する乙女”のような部分が出ていて非常にかわいかったですが、工夫されたことはありますか?白石さん蘭子が女性らしくなる瞬間は、この作品のなかでも唯一のラブを思わせるシーンだったので、実は監督が一番ノリノリになっていましたね(笑)。それを見て私も盛り上がりましたが、作り込み過ぎることなく、素直な感情で蘭子のかわいさを引き出せたのではないかなと。ほかのシーンと比べると、より落ち着いてナチュラルに演じられましたが、貘が思わせぶりなので、ドキッとする気持ちにはなりました。―確かに、貘は天然なのか、かなり思わせぶりなところがありますよね。実際、こういう男性はどうですか?白石さん勘違いしてしまう女性はいっぱいいると思うので、はっきりにしてほしいですね……。私はあまり惑わされると、もどかしくなってしまうので(笑)。でも、そこが貘のうまいところというか、彼の“手口”なんだとは思いますが。横浜流星さんは、座長として引っ張ってくれた―貘を演じられた横浜流星さんと共演されてみて、いかがでしたか?白石さん今回初めて共演させていただきましたが、本当にお芝居に対してまっすぐな方だなと。監督とつねに話し合いをしながら、座長としてみんなの中心に立ってこの作品を引っ張ってくれました。―撮影の合間は、どんなお話をされていたのか教えてください。白石さん意外と撮影の話はあまりせずに、他愛のない話をすることが多かったですね。たとえば、銀色に染めていた髪の色をどうやって維持しているかとか、役作りで料理を始めた横浜さんが自炊で作っている料理の話とか、そんな話ばかりしていました。―そのほかにも印象に残っている現場でのエピソードがあれば、お聞かせください。白石さん貘が自分の仲間である梶とマルコを蘭子の家に連れてきて、みんなでご飯を食べているシーンを撮ったときのこと。ここが唯一ほっこりできる場面ということもあり、梶を演じていた佐野(勇斗)くんがアドリブをたくさん出していたんです。現場でも笑いが起きていたので、私たちは絶対に使われると思っていたんですけど、映画を観たら全部カット……。佐野くんがけっこう落ち込んでましたね(笑)。―ちなみに、どんなアドリブをされていたのでしょうか。白石さんお肉を食べているシーンで、次はクマの肉を食べるかどうかみたいな話をしている最後に佐野くんが毎回違う動物の名前を言うボケで締める、というのを何パターンか撮りました。私たちのなかではけっこう盛り上がったので使われなくて残念でしたが、メイキングとかに入ったらいいなと思っています。嘘はつけなくても、他人の嘘は見破れる―ぜひ観たいですね。本作ではさまざまなイカサマが出てきますが、白石さんは嘘をつくのは得意ですか?白石さん私は嘘をつくと顔に出てしまうタイプなので、「絶対にこの嘘をつき通そう」と思うくらい覚悟を決めた嘘ではないとバレるでしょうね。いまのところそこまでしてつこうと思った嘘がないですし、おそらくこれからもつけない気がします(笑)。ただ、逆に人の嘘を見破ることはできるんじゃないかなと。目や手の動きとか、ちょっとした落ち着きのなさが出ると思うので、相手を観察していたら嘘は見破れる気がします。―ギャンブルといえば運も大きく左右しますが、白石さんが「自分には運があるな」と感じる瞬間といえば?白石さんたとえばタクシーに乗っているときに、運転手さんがちょうどいいところで止めてくれて料金が若干安くなったときとかですね(笑)。優しい方に巡り合うことが多いので、そういうときは「ラッキー!」って思います。あとは、令和3年製造のピカピカの硬貨をもらうとうれしくなっちゃうので、本当に小さなことでも幸せを感じるタイプです。―そういう感覚は大事にしたいですね。今年の初めにInstagramで「今年はイイ女になれるようにがんばります」とおっしゃっていましたが、イイ女になるために陰ながらしていることがあれば、教えてください。白石さん最近ハマっているのは、汗をかいて内側の老廃物を出すこと。時間があれば、サウナやホットヨガ、キックボクシングに通うようにしています。30代は年齢にとらわれない楽しみ方をしたい―20代後半になってから、美容や健康のケアも変わってきましたか?白石さんそうですね。以前よりも、保湿をしっかりとしようとか、体にいい食べ物を取り入れようとか、ちょっとだけ気をつけるようにはなりました。―2022年は、20代最後と30代の始まりを迎える年になります。何か意識していることもあるのではないかと思いますが。白石さん文字にすると大きな変化のようですが、自分の感覚としてはあまり変わっていないですね。でも、より大人への第一歩を踏み出せる瞬間になると思うと、いまは30代を迎えるのがすごく楽しみです。もっといろいろなことに目を向けられるようになるはずなので、年齢にとらわれない楽しみ方をしたいなと思っています。―20代最後の日はどのようにして迎えたい?白石さんまだ計画は立てていないですが、それまでに興味があることはできるだけやっておきたいなとは考えています。世の中がこういう状況なので、なかなかアクティブに動くのは難しいかもしれませんが、一番は車の免許を取りたいです。いつか車で旅行できたらいいですね。自分が思い描くイイ女像を目指してがんばりたい―白石さんといえば笑顔がステキですが、白石さんを笑顔にしてくれる存在やものといえば?白石さん私は食べることが大好きなので、おいしいものを食べたときは気持ちも上がって笑顔になりますね。あとは、ドラマや映画、好きなお笑い番組を見ているとき。テレビっ子なので、その時間はすごくリラックスしています。そんなふうにテレビを見ながら笑っている瞬間は、私にとって元気のもとです。―それでは最後に、白石さんのような素敵な女性を目指しているananweb読者にメッセージをお願いします。白石さん私もまだまだイイ女を模索中ではありますが、今年30歳になるということもあって、より楽しみが増えるのではないかなと思っています。みなさんも興味があることにはどんどん挑戦しながら、そのなかでいいものを少しずつ吸収していっていただけたらいいかなと。私もみなさんと同じように自分が思い描くイイ女像を目指してがんばります。インタビューを終えてみて……。透き通るような美しさと柔らかいオーラを放っている白石さん。お茶目な笑顔にも、釘付けになってしまいました。劇中では、これまでのイメージを覆す見事な最狂っぷりを披露しているので、ぜひそのギャップもお楽しみください。史上最恐の騙し合いゲームがついに開幕!喰うか喰われるかの命を懸けた究極のかけひきに、アドレナリン全開になること間違いなしの『嘘喰い』。映画とドラマのいずれも制覇すれば、あなたも最強のギャンブラーになれるかも写真・北尾渉(白石麻衣)取材、文・志村昌美ヘアメイク・PONスタイリスト・山本隆司(style³)ドレス¥151,800、ベルト¥69,300/共にELISABETTA FRANCHI(エリザベッタ フランキ)ストーリー天才ギャンブラー“嘘喰い”こと斑目貘が挑んでいるのは、日本の政財界そして裏社会をも支配する会員制の闇ギャンブル倶楽部“賭郎”。そこでは、賭郎の会員権を所有する一流の権力者にして欲望にまみれた凶悪なイカサマ師たちによる嘘も、イカサマも、殺し合いも、なんでもありの超危険なデス・ゲームが行われていた。そんな究極の騙し合いに参戦するのは、借金まみれの人生から抜け出すためギャンブルの世界に足を踏み入れる青年・梶隆臣と“最狂”女組長・鞍馬蘭子。2人は自らが背負うもののために生死を賭けた頭脳心理バトルに立ち向かうことに……。心拍数が上がる予告編はこちら!作品情報映画『嘘喰い』2月11日(金)より劇場公開dTVオリジナルドラマ『嘘喰い -鞍馬蘭子篇/梶隆臣篇-』2月11日(金)より dTVにて独占配信出演【映画】横浜流星佐野勇斗白石麻衣本郷奏多森崎ウィン櫻井海音木村了鶴見辰吾村上弘明三浦翔平【ドラマ -鞍馬蘭子篇-】白石麻衣佐野勇斗西村和彦森崎ウィン山本千尋猪塚健太木月あかり佐藤友祐村上弘明【ドラマ -梶隆臣篇-】佐野勇斗白石麻衣忍成修吾赤星昇一郎工藤美桜しゅはまはるみ荒井レイラ村上弘明©迫稔雄/集英社 ©2022映画「嘘喰い」製作委員会 ©エイベックス通信放送写真・北尾渉(白石麻衣)
2022年02月08日婚活で約1000人の男性と出会い、年下夫を射止めたライター・かわむらあみりがお届けするコラム【結婚引き寄せ隊】連載第99回は、婚活していると出会う“男性”についてのエピソードです。なかでも、いまでも印象に残っている「婚活男性3選」その33をお届けします。1.自分のことしか話さない男【結婚引き寄せ隊】vol. 99それは30代と40代が集まる婚活パーティへ参加したときのこと。年齢的にも大人の男女が多かったことから、会場は落ち着いた空気に包まれていました。まず1対1で自己紹介をしながら、女性は着席のまま、男性はひとつずつ隣りの席へずれていきます。女性参加者は30代のほうが多いようでしたが、男性参加者は40代が多く、自己紹介を聞いていても安定している感じでした。ただ、20代や30代前半の男性のように、イメージとしては「なんとしても女性をつかまえるぞ!」というような勢いはあまりなく、少し物足りなさもありました。そんななか回ってきたある40代前半の男性は、仕事のこと、普段の様子、思い描く家庭像などを短い時間に一気に力説。他の参加者がゆったりしたテンポだからか、その男性のアピール力に、本気度が高いのだと感じ、その後のフリータイムで話しかけにいくことにしました。こちらがちょっと質問したことにも、3倍ぐらいの答えが返ってくるその男性。最初はじっくり話を聞いていましたが、こちらが話をしようとすると、会話をさえぎってまで「そうえいば僕もね」と自分の話をしてくるのです、それも何度も。次第に、おや…?と強烈な違和感を覚えた私。そうです、この男性は本気度が高いから自己アピールに熱心なのではなく、ただ単に“自分のことしか話さない男”だったのです。こちらは名前しか言っていないのに、なにも質問してこず、相手になる女性は誰だっていいんだろうなという印象。とにかく自分の話を聞いてくれる人がほしいだけで、ひたすら自分の生い立ちを話す男性の話が長くなりそうだったので、トイレに行くのでと伝えて、その男性のもとを去りました。一面だけ見ると好印象でも、深掘りすると「違った…」と感じることも少なくない婚活。道のりは長いなと感じたのでした。2.市場価値を気にする男それは30代がメインの婚活パーティに参加したときのこと。フリータイムが多めで、立食タイプのスタイルをとっていたため、テーブルに置いているソフトドリンクを自分たちで取りにいきながら、気に入った男女で自由に会話するというような場でした。パッと見たところ、清潔感のある服装できれいにしている女性がたくさん参加していて、男性もさわやかな印象の参加者ばかり。とはいえ、とくに第一印象でピンとくる参加男性もいなかったことから、できればまんべんなく会場にいる男性と話をしていこうと思い、会話の輪ができているところへ少しずつ顔を出しながら、相手の人となりを観察していきました。ひとつの輪を離れ、次にどの男性のところへ行こうかと思っていたら、目の前の男女が会話を終えたのか、女性がちょうどその男性のもとからサーっと別の男性のところへと去っていく様子。そこに残った白いシャツ姿の男性のところへ行くことにして、会話をしていたら、「今日でだいたい僕の市場価値がわかった」と言ってくるのです。え?と思って聞き返すと、婚活パーティに参加するのは乗り気ではなかったが友人に連れられて初めて来たということ、仕事ばかりで女性と縁がないため自分のポジションを確認するつもりで来たということ。どうやら本気で婚活しているというよりも、「俺ってどのくらいのもんかな?」という力試しでの参加のようでした。私がうっかり話しかけにいってしまったように、他の参加女性も何人か話しかけに来たことから、自分はモテる、そこそこの価値がある、と解釈している様子。でもそれって、違いますよ、ただ単に婚活パーティだから話しかけているだけでモテているわけではないんじゃあ…とは、初対面の男性に言えるわけもありません。さっきこの男性と会話していた女性がサーっとこの場を去ったのも、真剣に婚活していたらこの手の男性の力試しに付き合っている暇はない、と判断したのでしょう。そういう私も、話はそこそこにすぐ別の輪へと移動したのでした。3.「若いね」を連発する男それは30代から40代の男女が参加していた飲み会に参加していたときのこと。とくに出会いを探す人たちに向けた会ではなかったものの、週末ひとりでいるのが寂しい男女が集まる飲み会だからと、婚活の女友達に誘われて、仕事のあとに遅れて合流しました。すると、すでに少しお酒が入っていてゴキゲンぽい人もチラホラいて、こっちはまだしらふだったために冷静に参加者を確認。すると、目の前に座っていた30代後半ぐらいの男性が、横に座っていた同年代ぐらいの女性に向かって「いやあ、なんかキミ、若いね」と言っています。とりあえずビールを飲みながらその様子を見ていたら、またもや「若いね」という男性。その女性が童顔なわけでもなく、どちらかといえばちょっと年上風で、どうやら言動が幼いための皮肉で「若いね」と言っているらしいということが判明しました。そんなことを言われて女性もうれしいわけではなく、ムッとした表情で、友人と思われる女性がいる別の席へ移動。じっとその様子を見ていた向かいに座る私の視線に気づき、その男性から「なんの仕事してるの?」「今日はなんで来たの?」と質問攻めに。あわてて応えていたら、しばらくして「…若いねえ」という言葉。聞かれたからフツーに応えただけなのに…「はあ?」とつい口から出てしまい、ちょっとびっくりした顔になったその男性を尻目に、さっさと席移動したのは言うまでもありません。婚活していると、いろいろなタイプの男性に出会うことがあります。くれぐれも、みなさんも素敵な人に巡り会えますように。文・かわむらあみり©Westend61/Getty Images©Cavan Images/Getty Images©praetorianphoto/Getty Images文・かわむらあみり
2022年02月05日2月も国内外からさまざまな話題作が続々と公開を迎えますが、そのなかから大人の女性たちにオススメしたい1本は『夕方のおともだち』。SMの女王様とドM男による不思議な愛のカタチを描いたヒューマンラブストーリーです。そこで、こちらの方々にお話をうかがってきました。村上淳さん & 菜葉菜さん【映画、ときどき私】 vol. 452本作で筋金入りのドM男・ヨシダヨシオを演じた村上さんと、女王様・ミホを演じた菜葉菜さん。「恋愛映画の名手」「エロティシズムのマエストロ」などと称される廣木隆一監督のもとでW主演を務めたおふたりに、ハードな撮影の裏側やエロスとは何かについて語っていただきました。―廣木組の常連である村上さんにとって、本作が廣木監督作品では初主演となります。10年前にはお話があったそうですが、最初の印象はいかがでしたか?村上さんSMに関してはまったく抵抗はなかったですし、廣木さんらしい物語だなと。言葉にするのが難しい男女の揺れ動くさまを描いた繊細な題材だと思いました。ただ、企画が立ち上がってから数年経ったとき、僕よりもほかの人のほうが映画的にうまくいくような気がして、「オファーをいただいてありがたいんですが、あの人はどうでしょう?」と廣木さんに推薦したこともありましたね(笑)。というのも、あまり年を取ってから演じると、年齢に見合わない社会的立場にいるヨシオが無能に見えてしまったりとか、無意識のうちにいろいろな意味合いが入ってしまうと思ったので。だからこそ、“宙ぶらりんの状態”のうちに演じたいというのがあったんですが、結果的には2年前の46歳のときに撮れてよかったなと感じています。―つまり、年齢も経験も重ねたいまだからこそできた表現できた部分もあると。村上さんそうですね。まずは、考えることをやめました。といっても、放り投げるということではなく、現場の状況に対する自分の反射神経や順応力を信じようと。いずれにしても、どんなに組み立てて行ったところで、廣木さんの脳みそには到底かなわないですからね。ただ、廣木さんは何も考えていない俳優は好きじゃないんだと思います。そういう難しさもありますが……。実際、何も考えていない場合、廣木作品はそのまま映ってしまう。ある意味、残酷な人ですよ(笑)。押しつけがましくない人間の感情が描かれている―菜葉菜さんは企画が立ち上がった当初から、「この映画にだけは出たい」とずっと思っていたそうですが、そういう気持ちにさせたものとは?菜葉菜さんこの世界に入ったとき、事務所の社長からたくさん映画を観るように言われて、そのなかで出会ったのが廣木さんの作品でした。いろいろと観ているうちに、映画として素晴らしいのはもちろん、廣木組の女優さんはみんな魅力的に映っているなと。それからは、自分もいつか廣木組で主演をしたいと思っていました。いまでは考えられないですが、初めてオーディションで廣木さんに会ったときには、「あの役は私がやったほうがよかったと思います!」と言ってしまったこともあったくらい。すごい食いつき方をしてしまったこともあります(笑)。村上さんあはは。でも、いまでもやりそうじゃない?菜葉菜さんさすがに、もう大人になりましたよ。そんなふうに、廣木組での主演をひとつの目標としているなかで声をかけていただいたのが『夕方のおともだち』。原作を読んだときに、最初と最後の印象がこんなにも違うことに驚きましたし、押しつけがましくない人間の感情やその裏に隠された人間関係がすごく素敵だと感じたので、絶対にやりたいと思いました。いつまで役者を続けられるかわかりませんが、この役をやるまではやめられないなと。それくらいの気持ちにさせられる作品でしたし、廣木さんも「絶対にやろうね」とずっと言ってくださっていたので、モチベーションが落ちることはありませんでした。待ち続けてよかったです。女王様から教えてもらったのは、信頼関係の大事さ―役作りのために、おふたりで本物の女王様からレッスンは受けたとか。その過程で衝撃を受けたことといえば?村上さん実は、SMに対して僕は免疫があるんですよ。といっても、知り合いに女王様がいるとかではなくて、廣木さんの『不貞の季節』という作品でもSMが題材だったので。でも、そのころから美しくもありある角度から見るとおもしろいというイメージのほうが強いですね。菜葉菜さん今回は、おふたりのM男さんに来ていただきましたが、そのうちのひとりは、少しぽっちゃりとしたM男役として映画にも実際に出ていただいています。村上さんその方がレッスンのときにものすごく爽やかに登場した時点でおもしろかったですが、女王様にムチで叩かれたときに「痛い!」ってずっと言ってたんですよ。「気持ちいい」かと思っていたのに、やっぱり普通に痛いんだと。そう考えたら、おかしくて笑いをこらえるのが必死でした。菜葉菜さんあれは本当におもしろかったですよね。―そのなかで、参考にされたこともありましたか?村上さんもうひとり初老の男性がいたんですが、女王様から唾液をいただくというプレイを見せていただいたときのこと。女王様の唾液をありがたそうにむにゃむにゃしながら味わっていたので、それは劇中でも真似させてもらいました。―“女王様の極意”として学んだことがあれば、教えてください。菜葉菜さん今回は、技術的な面での苦労が多く、特に難しかったのはムチの振り方。ムチを家に持ち帰って、壁をペチペチと叩いて練習したほどです(笑)。女王様にはいろいろなお話を聞かせていただきましたが、そこで教えていただいたのは、信頼関係がいかに大事であるかということ。女王様と相手が一緒に世界を作り上げていくからこそ感じるのであって、私が同じことをしても、きっと気持ちよくはないでしょうね。村上さん確かに、一歩間違えれば……というような世界ですから。もしかしたら、普通の恋人同士よりも精神的なつながりは強いんじゃないかな。今回の映画では、そういった部分もきちんと映すことができたのでよかったです。エロティシズムを表現できる女優に憧れていた―菜葉菜さんは、以前から「エロスを追求している」とお話されていますが、本作を通じてエロスに対する理解に変化はありましたか?菜葉菜さんそういう発言をしていた自分が恥ずかしいんですが、いま思うと若いころは追求の仕方を間違っていたんじゃないかなと。昔の女優さんたちがエロティシズムを表現している姿に憧れていたので、「脱ぎたくないとかありえない」とか言って尖っていただけだと思います。でも、そのときはエロスを身につけないといい女優になれないと思っていたんですよね。―劇中の菜葉菜さんには、同性から見ても感じる色気やエロスがありました。菜葉菜さん本当ですか!?これまで、友達からはエロスのかけらもないと言われてきたので、もし少しでも私からエロスを感じていただけたのならすごくうれしいです。―特に、女王様の衣装を着ていたときのお尻が美しかったです。菜葉菜さんありがとうございます。確かに、お尻だけは唯一褒められるので、ぜひそこは注目していただけたらと(笑)。村上さん発言し続けていたことが、実ってよかったね。菜 葉 菜さんそうですね。でも、ムラジュンさんは「菜葉菜のどこにエロスを感じたの?」と思ってますよね。村上さんそんなことないよ!現場で、“歩くエロス”だなと思って見てましたよ。「エロスが来た」とか「エロスがお弁当食べてるな」とか「咀嚼音すらエロスティック」だった(笑)。菜葉菜さんちょっと、鼻がヒクヒクしてますけど!村上さんあはは。女性に対しては、“在り方”を見るようになった―ちなみに、村上さんが女性にエロスを感じる瞬間があれば、教えてください。村上さんここ1年くらいですが、女性を一般論としてのエロの対象として見なくなったような気がしています。もちろん人並みに性欲はありますよ。それよりもいまは、魂のレベルというか、その人の“在り方”を見るようになりました。―なるほど。もはやエロスを超越してしまっている感じなんですね。村上さんただ、脇パイは好きですね。菜葉菜さんえ?トップではなくて脇のほう?初めて聞いたんですけど(笑)。これはおもしろいので、ぜひ書いてもらいましょう!―書いていいのでしょうか!?村上さん大丈夫ですよ、僕NGありませんから。―では、脇パイに(笑)はつけておきます。村上さんいやいや、笑ってないです。真顔です。―(笑)。では、「(真顔で)脇パイが好き」ということで。ありがとうございます。劇中では、容赦なくムチで叩かれたり、縛られて海に入れられたりしていたので、苦労したシーンもあったと思いますが。村上さん僕は縛られるが意外と屈辱的でしたね。自分では身動きが取れないので、縛られた状態のまま助監督たちに運ばれるんですが、それが屈辱的でとにかく早くほどいてほしかったです。ちなみに、今回使用しているムチは素材がウレタンだったので、本物に比べると実はあまり痛みはありません。ただ、そのおかげで感情が乗せやすくなり、芝居のボリュームをコントロールできるようになっています。現場があれば、ほかには何もいらない―なるほど。そういった理由があるんですね。村上さんただ、ヨシオの同僚役を演じた鮎川(桃果)さんに皮のベルトで叩いてほしいとお願いするシーンだけは、めちゃくちゃ痛かったですね。あのシーンは、セットを壊す関係上、1発OKしか許されなかったので、本番の前に「いいのが(痛いのが)入るまで次のセリフを出さないから本気で来て」と言っていたんです。そのときの鮎川さんは戸惑っているような感じでしたが、女優って怖いですよね。始まったら、いきなりバチコーンって(笑)。本当に痛かったです。完成した作品をよく見たら、鮎川さんはベルトを2回手に巻いていたんですよ。彼女みたいなタイプは、本来だったらそういうことをできないはずなんですが、それを自然にしてしまうのが“廣木マジック”だなと改めて思いました。―そのシーンは、ぜひ注目ですね。ヨシオはSMによって、生きる喜びを感じていましたが、おふたりがそういう感覚を得る瞬間といえば?村上さん僕は、やっぱり現場に立っているときですね。今回で言うと、コロナ禍前でみんな楽屋も一緒だったので、そこで雑談している瞬間が一番楽しかったなと。あれがあれば、僕はほかに何もいらないですね。菜葉菜さん確かに、私も現場が本当に好きですね。村上さん女性らしく、ヨガとかピラティスしているときじゃなくていいの?菜葉菜さん(笑)。どっちもやっていません!実は最近もマイナス10度の場所で、毎朝4時起きが続いたことがあって、「私は何やってるんだろう」と思っていたんですけど、いざ撮影が終わって「やっと解放されたー!」となったら、一気に抜け殻みたいになってしまって。あんなに毎日つらかったはずなのに、あの瞬間に生きている実感を味わっていたんですよね。だから、現場にいるときが、一番充実しているんだと思います。村上さんこの仕事向いているんだろうね。ナチュラルボーン女優だと思うよ。菜葉菜さんじゃあ、もう少しがんばって続けていきます!怖がらずに、この世界に飛び込んでほしい―それでは最後に、ananweb読者にメッセージをお願いします。菜葉菜さん女性のなかには、もしかしたらSMという部分に抵抗がある方もいるかもしれませんが、観る前と後で本当に大きく印象が変わります。せつなくて、せつなくて、堪らないのに、こんなに爽やかな気分になれる映画はないです。何気ない男と女の日常を切り取っているので、彼らの感情には共感できる部分もあるのではないかなと。ぜひ、怖がらずにこの世界に飛び込んでいただきたいです。村上さんキラキラ系ではないものの、ラブが詰まっている優しい作品になっているので、身構えることなく気軽に観ていただきたいですね。SMを全面に押し出しているわけでもないので、友達との会話のなかで出てくる「私ってMかも?」みたいな話題の延長だと考えてもらうくらいでいいのかなと。数ある作品のなかで、選んでいただけるのであれば、期待を裏切ることはないと思います。インタビューを終えてみて……。終始、息の合った絶妙なやりとりを見せてくださった村上さんと菜葉菜さん。思いがけない回答には、笑いが止まらなくなるほど楽しませていただきました。おふたりから教えていただいたそれぞれの見どころポイントなどにも注目しながら、ぜひこの世界観を堪能してください。愛の儚さと美しさが心の奥に優しく染みる性別や立場を超えた絆で結ばれたヨシオとミホが繰り広げる異色の愛を描いた唯一無二のラブストーリー。閉塞感が漂う日々を生きる私たちに、人とつながることの大切さ、そして癒しと生きる実感を与えてくれるはず。爽快感に包まれる予想外のラストもお見逃しなく!写真・山本嵩(村上淳、菜葉菜)取材、文・志村昌美ストーリー寝たきりの母親と暮らし、市の水道局に勤める一見真面目なヨシダヨシオ。しかし、いっぽうで筋金入りのドMな一面を持ち、夜な夜な街で唯一のSMクラブへ通いつめ、女王様のミホからお仕置きを受けていた。ところが、ヨシオをこの世界に目覚めさせ、突然目の前から姿を消してしまった“伝説の女王様”ユキのことが忘れられず、このところプレイに身が入らない。そんなある日、思いもしないところで彼女を見かけたヨシオは、ミホを置き去りにしてユキを必死に追いかける。その先でヨシオとミホを待ち受ける結末とは……。続きを覗きたくなる予告編はこちら!作品情報『夕方のおともだち』2月4日(金)TOHOシネマズ六本木ヒルズ 大阪ステーションシティシネマ 全国順次ロードショー配給:彩プロ©2021「夕方のおともだち」製作委員会写真・山本嵩(村上淳、菜葉菜)
2022年02月02日話題のドラマや舞台などで活躍中の俳優、杉野遥亮さんが、『ミロ展―日本を夢みて』の展覧会ナビゲーターに就任!今回、音声ガイドの収録を終えた杉野さんに、アート体験やご自身の活動などについて語っていただきました。杉野遥亮さんが展覧会ナビゲーター!【女子的アートナビ】vol. 235東京・渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムで開かれる『ミロ展―日本を夢みて』では、スペインが生んだ巨匠、ジュアン・ミロ(1893-1983)の初期作品や代表作を展示。さらに、日本好きのミロが所有していた民芸品や、日本と深いつながりを示す資料なども含め、約130点の作品と資料が紹介されます。ミロが生まれたのは、スペイン・カタルーニャ地方にある都市バルセロナ。1888年に当地で開かれた万国博覧会の影響で、ミロの幼少期にもジャポニスム・ブームが続いており、生家近くには日本美術の輸入販売店もありました。日本にあこがれて育ったミロは、美術学校で学んだあと、画家として創作活動を開始。浮世絵をコラージュした作品を制作するなど日本への興味は尽きず、また、第二次世界大戦後は日本でもミロの展覧会が開かれるようになり、彼は二度も来日しています。本展では、相思相愛となったミロと日本の関係を、作品や資料を通して楽しむことができます。杉野遥亮さんにインタビュー!――まず、『ミロ展―日本を夢みて』のナビゲーターに就任されたご感想をお聞かせください。杉野さん光栄です。とってもうれしいし、このような経験ができたことは自分にとって、とてもよかったなと思っています。その“就任”という言葉、なんだかいいですね。――音声ガイドの収録もされたのですよね。いかがでしたか?杉野さん音声ガイドの収録は、はじめての経験でした。良いものをつくりたいという意識で臨みましたが、結果的に、それがどうなっているのか、自分でも気になります。この仕事でインプットできるものがとても多くありましたし、良い経験となりました。――展覧会がはじまったら、ご自身で音声ガイドを聞いてみたいですか?杉野さんそうですね、聞きながら作品を見てみたいです。でも、内容は知っているので、自分の仕事を確認する感じになっちゃいますね。どうして日本を愛してくれたのか…――特に見てみたい作品はありますか?杉野さん全部見てみたいです。(展覧会チラシを見ながら)この絵(《ゴシック聖堂でオルガン演奏を聞いている踊り子》)とか、あと新聞など切り貼りしたコラージュ作品も気になります。でも、資料だけではわからないので、ちゃんと展覧会で実物を見てみたいなと思いました。――この展覧会には、誰と行きたいですか?杉野さんひとりがいいです。展覧会で、自分が何かを感じたり思ったりするときに、誰かに対して意識がいくと集中できないので……。じっくり、ひとりで見てみたいです。――ミロは日本好きとのことですが、ミロの作品を通して、日本を感じられそうでしょうか?杉野さん日本を感じる、というところまでいくのかどうかはわからないけど、ミロがなんで日本をリスペクトしてくれたのか、どうしてこんなにも日本を愛してくれていたのか、という点は、自分で調べたり感じたりしてみたいです。それが、改めて日本の文化に目を向けて見る、ということになるかもしれません。相思相愛のお相手とは…――ミロは書道風の絵も描いています。杉野さんも、書がとてもお上手ですよね。杉野さん書道は、今はやっていないです。昔も、特に習っていたわけではありません。――以前ラジオ(『杉野遥亮の今夜もオフトーク』『杉野遥亮の「今度は長ズボン」』)で、小学生のころ何度か書道で金賞をとったと話されていたのを聞きました。ほかにも、英語のコンテストにも選ばれたとか。杉野さんあれっ、僕、ラジオで話しましたか!その話は、僕の「あるある」なのです。不思議なのですが、いつも“やっつけ仕事”みたいに「はい!」と提出したものが、たまたま評価されてしまうんです。英語も、スピーチコンテストに出るということを口実にして、みんなで部活をサボろうとしたのですけど、なぜか僕だけ受かってしまって。結果的に、夏休みは部活のあと、英語の練習もしなければならないという超ハードスケジュールになりました。サボろうとしたので、バチがあたったんです(笑)。――いやいや、書道でも英語でも、賞をもらえるというのは本当にすごいことだと思います。ところで、この展覧会には「ミロと日本は相思相愛」というキャッチフレーズがあるのですが、杉野さんの相思相愛体験について、教えていただけますか?杉野さんえーっ、相思相愛ですか……。人、ですよね?誰かなぁ。あ、でも以前、テレビの仕事でバルセロナに短期滞在していたときに、僕は相思相愛だと思っていましたよ、蝶野正洋さんと(笑)。――なるほど、蝶野さん!お二人で共同生活をするという番組ですよね。確かに、楽しそうでした。バルセロナでは、アート体験もしましたか?杉野さんバルセロナは、芸術のなかに住まわせていただいた感じだったので、それが当たり前になっていました。今となれば、とても貴重な経験だったし、ちゃんと目に焼き付けるべき場所だったと思います。本当に贅沢な環境でしたよ。だって、歩いていたら世界遺産があるのですから。サグラダ・ファミリアをはじめ、いろいろなガウディの建築物が見られますし、町中にアートがあふれていました。『恋です!』出演で味わったこと――2021年は、さまざまなドラマや舞台でご活躍でしたが、印象に残った出来事を教えていただけますか?杉野さん2021年は、全体通して、すごく駆け足でした。いろいろなことを経験させてもらい、どの仕事にも愛着があります。初めて舞台に立つ経験もしましたし、そのあとは『恋です!』に出て、いろいろな人に自分のことを知ってもらえました。初めて小さい子どもに声をかけられたり、おじいちゃんに「見てるよ」といってもらえたり。温かい気持ちになりました。――2022年になったばかりですので(取材時は1月初旬)、今年の抱負も聞かせていただけますか?杉野さん自分のペースで、自分の軸をぶらさずにやっていけたらいいなと思います。忙しかったり、疲れたりしているときは、どうしても自分自身に戻れない時間、自分がわからなくなる瞬間があるので、そういったときに、どうやって自分を保てるのか、というのが目標かなと思っています。――社会貢献にご興味がある、というお話も以前されていましたが、今年やってみたいことはありますか?杉野さん興味はあるのですけど、実際にそれができるのは、まだ自分的にはもう少し先かなと。まだ、自分のなかでも人間的に確立されていない部分があったりとか、ちゃんと整っていないことがあったりするなかで、人のために何か、というのはまだ自分には早い気がしています。時機がきたら、ですね。――杉野さんの言葉には、誠実さがあふれていますね。ラジオを聞いていてもステキな言葉が多いです。実は、心に響いた杉野さんの言葉をリストアップしているのです。杉野さん(リストを見て)へぇ、これ、すごい!でも、こういうのは、自分から出た言葉でも、自分だけでつくった言葉ではないですからね。誰か、例えば番組にメッセージをくれるリスナーさんと心を通わせてわかったこととか、例えば父親からもらった言葉とか、そういうものなので。――今のお話も、とてもステキです。最後に、展覧会を見る読者のみなさんにメッセージをいただけますか?杉野さん『ミロ展』は、展覧会に足を運ぶことが好きな方も、そうでない方も楽しめるようになっていますし、魅力がつまっています。何か気持ちをもらえたり、感じるものがあったり、人それぞれかもしれないけれど、受けとめられるものが何かあると思います。こんな時期だからこそ、芸術に触れることをしていただきたいなと思います。――ありがとうございました!インタビューを終えて…小顔で背が高く、信じられないほどスタイルの良い杉野さん。話し方に誠実なお人柄が表れ、どんな質問にも丁寧に答えてくれました。インタビュー中はクールで落ち着いた雰囲気でしたが、雑談になると表情が少年のような雰囲気に変化。そのギャップがまたステキでした。『ミロ展』では、声も「イケボ」な杉野さんが収録した音声ガイドを聞きながら、ぜひ作品を楽しんでみてください!※展覧会の最新情報など詳細は、公式サイトをご覧ください。Information会期:2月11日(金・祝)~4月17日(日)※2/15(火)、3/22(火)は休館会場:Bunkamura ザ・ミュージアム開室時間:10:00-18:00(入館は17:30まで)毎週金・土曜日は21:00まで(入館は20:30まで)観覧料:一般¥1,800(¥1,600)、大学生・高校生¥1,000(¥800)、中学生・小学生¥700(¥500)※カッコ内は前売り券の価格です。※会期中すべての土日祝および4月11日(月)~4月17日(日)は事前に【オンラインによる入場日時予約】が必要です。※状況により、会期、開館時間、日時指定予約対象日等が変更となる可能性があります。ご来場の際は最新情報を公式サイトにてご確認ください。
2022年02月02日1児のママでもあるライター・かわむらあみりがお届けするコラム【ママライフばんざい!】連載第37回は、まだ終わりが見えないコロナ禍の影響を受けるママたちの状況をお届けします。1. 園や小学校が休みになり困るママ新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか「まん延防止等重点措置」の対象地域も増えて、10代以下の子どもたちの感染も広がっているようです。お子さんのいるご家庭では、まず大人が感染しないこと、そして知らずに感染して子どもにうつさないなど、気を配るママやパパも多いはず。そんななかで、お子さんの通う保育園や幼稚園、小学校のクラスにひとりでも感染が確認されると、まわりの子どもたちも濃厚接触者となり登校禁止になるなど、集団感染を避けるための影響が拡大してきているようです。筆者のまわりでも、「会社の先輩のお子さんが通う小学校が突然学級閉鎖になった」など、休園や学級閉鎖の話を度々耳にするようになってきました。事前にわかっていれば子どもの預け先をきちんと確保できることもありますが、本人が感染していなくても、園や学校の状況によっていきなり休みとなってしまうため、準備ができなくて困るママが続出。はやくコロナ禍が収束することを祈るばかりです。2. いきなり「濃厚接触者の疑い」になってしまったママ外出自粛が続くいま、感染者が増加することにともなって、濃厚接触者も増えています。たとえPCR検査をして陰性で無症状だったとしても、一度濃厚接触者に該当してしまえば、自宅待機を余儀なくされてしまいます。濃厚接触者の定義といえば、現時点では陽性者の同居者、マスクなど適切な感染防護をせずに陽性者と接触した人などいろいろな線引きはありますが、身に覚えがないのに保健所から突然連絡が入ると驚いてしまうこともあるかもしれません。今年に入って、休園となる保育園が相次ぎ、過去最多となったといわれていますが、まわりのご家庭でも「子どもの通う保育園が休園になった」というママや、「子どもが濃厚接触者とされる人と接触して自分も濃厚接触者の疑いが出た」という話も。PCR検査で陰性であればひとまず安心ではあるものの、のちの再検査で陽性になるケースも少なくないようで、ここまで感染拡大が続くと、いつどこで誰が感染してもおかしくありません。引き続き、ママはもちろん、子どもら家族全体で、厳重な感染対策を行いたいものです。3. リモートワークも滞るママ今年に入って、全国でオミクロン株による第6波が懸念される状況で、子どもたちが通うところがいきなり休園したり学級閉鎖になったりと、仕事を持つママは頭の痛いところ。急きょ子どもの一時預かり先を探すために奔走することとなり、それを見て戦々恐々としているワーママも増えているようです。ここにきてあらためて保育園のありがたさを実感するワーママや、外部の預け先が見つからずに急きょ両親を頼って子どものお世話をしてもらうことにしたワーママなどさまざま。とはいえ、お子さんの年齢によって、そこからさらに違いがあるようです。自身の勤め先も在宅ワークが可能となり、かろうじて自宅での子どもの見守りができて安心するワーママでも乳幼児の場合は手がかかるため、リモートワークが滞ってしまうことがあります。混乱してしまうママもいるかもしれませんが、世界的にコロナ禍となる今、自分だけではなくみんな同じだと思って、なんとかこの状況を乗り切っていけたらいいですよね。新型コロナウイルスの感染状況や防止策、定義などについての詳細は、その都度きちんと厚生労働省やお住まいの都道府県のサイトなどの最新情報を見て、確認しておくと安心です。みなさんが健全なママライフを送れますように。文・かわむらあみり©nicoletaionescu/Getty Images©Nando Martinez/Getty Images©SDI Productions/Getty Images
2022年02月01日現在ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。やっぱり足元からお洒落を楽しみたい方に、春まで履けるシューズを紹介します。定番ブラックはどこの国でも大人気秋冬から春にかけては、まだまだ大人気のブーツスタイル。中でもブラックは1つあればどんなスタイルにも合わせやすいので、ぜひおすすめです!ヌーディカラーでひと足早く春の雰囲気!ベージュやヌーディな色のサンダルは、セクシーに見えてさらにヨーロッパの女性にも大人気。春らしく足元も軽く見えるのでスタイリッシュに着こなせます。大人っぽさを出したい場合は、ぜひ参考にしてみて!ヨーロッパで大人気!1年中使える厚底アンクルブーツ厚底でかっこいいアンクルブーツは、ここヨーロッパでは大人気!1つあればパンツスタイルからスカートにだって合わせやすく、何よりも歩きやすいんです。厚底なので足長効果も抜群で1つ持っていて損なし!厚底スニーカーは今季も根強い人気上品なドレススタイルにだってスニーカーは人気。なかでも最近は厚底スニーカーが人気急上昇!比較的カジュアルなスタイルのスニーカーも、パーティやイベントにだって履いていける優れもの。最近は長く使える品質の良いものをゲットする人が増えているようです。春先まで人気のニーハイ!断然セクシーに見えるニーハイは脚長効果以外にフェミニンさもアップ!最近ではヴィーガンレザーなどを使用した環境にいいものもおすすめ。何より履きやすさを重視すると、長く愛用できそう。いかがでしたでしょうか。お洒落に気を遣うファッショニスタは、常に足元も素敵に着こなしていますよね。今年は私も足元からスタイリッシュに変えてみたいと思ってます。写真、文・平野秀美写真、文・平野秀美
2022年01月28日2020年に公開され、キモカワで人気を博したアニメーション映画『アダムス・ファミリー』。その第二弾となる『アダムス・ファミリー2アメリカ横断旅行!』が、まもなく日本にも上陸します。そこで、こちらの方にお話をうかがってきました。吹替版キャストの杏さん【映画、ときどき私】 vol. 451前作に引き続き、アダムス家のクールビューティな母モーティシア役を演じた杏さん。今回は、本作の見どころや同じ母親として意識していること、そして悩みの乗り越え方などについて、語っていただきました。―モーティシアの声を担当するのは約1年振り2度目となりますが、ふたたび演じてみていかがでしたか?杏さん最初は戻れるか心配しましたが、わりとすぐに感覚をつかむことができました。前作のときは、すべてが手探りのようなところがありましたが、今回はモーティシアとしてこの世界を楽しむことができたのでよかったです。―同じ母親として、共感されるようなこともありましたか?杏さん 娘のウェンズデーは人間で言うと中学生くらいなので、まだ幼い私の子どもたちとは年齢が違いますが、「こうやって親離れして行くのかな?」とか「きっとこれから私もモーティシアと同じ悩みをリアルに体感するんだろうな」と考えることも。ただ、この映画で描かれているということは、万国共通で起きている証でもあるので、そう思ったら心が少し軽くなりました。親としてときにはこらえることも必要だと感じる―ウェンズデー役の二階堂ふみさんをはじめ吹替版キャストでご一緒されている方々とは、何かやりとりできたのでしょうか。杏さんできていないですね。これまでだったら作品の打ち上げがありましたが、そういうこともコロナ禍でこの2年くらいは一切ありませんから。ということで、ぜひ3作目も作っていただけたらと(笑)。実際、まだ広がりがありそうな感じはあるので、どんどんシリーズを続けて行って欲しいと思っています。―続編も期待したいですね。実写版も昔から人気ですが、杏さんが思う『アダムス・ファミリー』の魅力とは?杏さんこんなに突飛な家族なのに、世界中どこにでもある悩みや普遍性を感じられるところですね。人と違うどころか、逆のことをしているのに共感を覚えてしまうギャップは魅力的だと思います。―モーティシアに関しては、「何もせず優しく見守ることができる女性」とコメントされていますが、ご自身はお子さんと向き合ううえで意識していることはありますか?杏さん私は自分の経験から、このまま行くと失敗しちゃうだろうなと予測できたときに、先に伝えてしまうことがありますが、実はモーティシアのようにあえて失敗を見守るというのも大事なのではないかなと。何も起こらないほうが親としては楽なところもありますが、最近は子どもたちもしっかりとしゃべるようになり、自分の考えを持つようになってきたので、親としてグッとこらえることもときには必要だと考えています。私が気づいてないことを教えてくれるのは子供たち―なるほど。そんななかで、逆にお子さんから学ぶこともありますか?杏さんたとえば、私が全然気がついていない景色や通りすがりの匂いとか、ちょっとしたことも全部教えてくれるのは子どもたち。いま、こういうことを感じているんだなと知れることはうれしいですし、独立したひとりの人間に育ってきたんだなとより実感するようになりました。―劇中では、家族旅行をしているシーンがありましたが、もしいまお子さんと一緒に旅行できるとしたら?杏さん子どもたちは鹿がものすごく好きなので、北海道と奈良に行けたらいいですね。鹿島神社には行ったことがありますが、ぜひエゾシカや奈良の鹿も見せてあげたいです。―杏さん的に本作の見どころを挙げるとすれば、どんなところでしょうか。杏さん今回は、ロードトリップのような感覚で、いろんな景色をアダムス・ファミリーと楽しんでいただきたいですね。子ども向けの作品のようで、実は親世代、さらにその上の世代も知っているような往年の洋楽ヒットナンバーが歌われているので、世代を超えて楽しめる内容だと思います。いまはなかなか旅行をするのが難しい時期ですが、そんなときだからこそ、この映画で旅行気分を味わっていただきたいです。悩んでいるときは、広い視点を持つようにしている―ご自身にもウェンズデーのように思春期に反抗していたような経験があれば、お聞かせください。杏さん私は15歳のときから仕事を始めていて、反抗期とされる時期にはすでに社会に出ていたので、“人生におけるモラトリアム”みたいな鬱屈とした思いを経験することなくここまで来てしまったような気がしています。ただ、こんなふうに反抗したり、ぶつかり合えたりするのは信頼関係があるからこそなので、それはアダムス・ファミリーの良さとも言えるでしょうね。―とはいえ、お仕事を続けるなかで、悩みを抱えることもあると思いますが。杏さんそういうときは、まず広い視点を持つようにしています。たとえば、「戦国時代よりはマシだよな」とか(笑)。実際、いまの日本や私が置かれている環境は恵まれたものですからね。あとは、「よくあることだから、そんなに考え過ぎなくてもいいのかな」とか「歴史で考えたら、自分の一生なんて短い点のような存在なんだろうな」というところまで意識を飛ばすと、けっこう消化できることもあると思います。―確かに、戦国時代と比べたら、悩みも吹き飛びそうです(笑)。杏さんは、現在語学の勉強もされているそうですが、仕事と育児だけでもかなりお忙しいのではないかなと。どのようにタイムマネジメントされているのか、コツがあれば教えてください。杏さんたとえば、語学の場合だと、とりあえず先にレッスンを組んでしまうようにしています。そうすると、その時間は向き合わざるを得ないですからね。語学の勉強は一人でするのがけっこうつらいところもあるので、そういうときはなるべく対人のレッスンをするように意識しています。達成感を味わえるのがモチベーションになる―そのモチベーションを支えているものといえば?杏さん一番は、達成感ですね。気になることはとことん調べたいほうですし、探求心も強いので、知識欲を満たしてくれる勉強がもともと好きというのはありますが。特に、これだけやったという数字が見えたりすると、山を登っているような達成感が味わえてうれしいです。―そんななかで、いま一番達成させたい目標といえば?杏さん語学のアプリを全クリしたいです!いま、フランス語や英語を学ぶために毎日続けているアプリがあって、500日以上続けているんですが、どんどん新しいものがアップロードされてものすごい分量なので……。あと2~3年くらいはかかりそうですが、それが達成できるころにはきっと自分の語学レベルも上がっていると思うので、何とか全部埋めたいですね。私はウサギとカメで言うと、カメのタイプ。最短でゴールには行けませんが、進んでいる一歩一歩が楽しいので、毎日地道に続けるのが好きです。―ぜひとも見習いたいところです。では、そんな忙しい生活のなかで、癒しとなる時間についても教えてください。杏さんソファーでゴロゴロしながら、映画やドラマを観ているときですね。最近だと、大河ドラマやアニメを観ています。自分を褒める気持ちがもっと浸透してほしい―また、昨年からはYouTubeも始められ、さらに活動の場を広げられています。杏さん以前からアウトプットはしたいと考えていたので、SNSでは自分がやりたいと思ったことを思いつく限りできたらいいかなと。響くものと響かないものとあるかもしれませんが、みなさんにおもしろいと思っていただけるものをこれからも共有していきたいです。―杏さんのような素敵な女性を目指せるように、ananweb読者にアドバイスがあれば、お願いします。杏さん日本人は自己肯定感が低いという統計が出ていると言われていますが、私はみんながんばっていて、みんなすごいと思っています。なので、そんな自分を褒める気持ちがもっと浸透してほしいですね。そうすれば、世代や性別に関係なく、自分を見直すきっかけになると思うので。まずは、自分が楽しんでいること、そしてがんばっていることを自覚できることが大切なのかなと。私自身も、そういう心がけを持つようにしています。インタビューを終えてみて……。「まさに才色兼備」という言葉がふさわしいほど、知的で美しい杏さん。悩みの乗り越え方や語学の勉強法など、参考にさせていただきたいお話ばかりでした。本作では、杏さんの魅力的な声にもぜひ注目してください。待っていたあの家族が帰ってくる!今回も期待を裏切らないブラックユーモア全開でありながら、家族愛や人と違うことの素晴らしさも教えてくれる本作。これを観たら、あなたもアダムス家の一員に加わりたいと思うかも写真・北尾渉(杏)取材、文・志村昌美ストーリー思春期を迎え、家族の食卓に顔を見せなくなったのは、アダムス家の長女ウェンズデー。そんな娘を心配した父ゴメズは、絆を深めようと妻のモーティシアをはじめ家族みんなをキャンピングカーに乗せてドライブ旅行に出る。愉快な騒動を巻き起こしながらも、ナイアガラの滝、マイアミビーチ、グランドキャニオンなど、観光名所をめぐる旅を続けていた。しかし、そんな一家を“ある事件”が待ち受けていることに……。胸が高まる予告編はこちら!作品情報『アダムス・ファミリー2アメリカ横断旅行!』1月28日(金)より、TOHOシネマズ日比谷、渋谷シネクイントほか全国ロードショー配給:パルコユニバーサル映画© 2021 Metro-Goldwyn-Mayer Pictures Inc. All rights reserved.写真・北尾渉(杏)
2022年01月27日寒さに体が震える日々が続いていますが、できれば心を震わせる体験を味わいたいもの。そこで今回ご紹介するオススメの1本は、感動の波が押し寄せると各国で絶賛されている注目作です。『クレッシェンド音楽の架け橋』【映画、ときどき私】 vol. 450紛争中のパレスチナとイスラエルから若者たちを集めてオーケストラを編成し、和平コンサートを開くという企画を引き受けた世界的指揮者のスポルク。オーディションを勝ち抜き、家族の反対や軍の検問を乗り越えて音楽家になるチャンスを掴んだのは、20余人の若者たちだった。しかし、憎み合う2つのグループは、激しくぶつかり合ってしまう。そこで、スポルクは彼らを南チロルでの21日間の合宿に連れ出す。寝食をともにし、互いの音に耳を傾け、経験を語り合ううちに、少しずつ心の壁がなくなり始めていた。ところがコンサートの前日、ようやく心がひとつになった彼らに、想像もしなかった事件が起きることに……。「世界で最も解決が難しい」とも言われているほど、長年にわたって続いているパレスチナとイスラエルの紛争。本作では、両者の抱える問題を背景に、実在するユダヤ・アラブ混合の管弦楽団から着想を得て描かれています。そこで、こちらの方にお話をうかがってきました。ドロール・ザハヴィ監督イスラエル・テルアビブの貧しい地域に生まれ育ち、現在はドイツを拠点にドラマから映画まで幅広い活動を行っているザハヴィ監督。今回は、現場で感じた苦労や相互理解に必要なことなどについて、語っていただきました。―本作では実在の管弦楽団に行った徹底的なリサーチがもとになっており、実話の要素も入れているということですが、具体的なエピソードを反映しているところはありますか?監督確かに、いくつかの管弦楽団をモデルにしているところはありますが、脚本を書き進めいくうちに、最終的には実際の彼らとは少し離れた物語になりました。ただ、そのなかでも取り込んだのは、2つのグループに分かれていた演奏者たちでも、ひとつになって音を奏でることができるという可能性。そのこと自体は、ストーリーの核となるほど大きなインスピレーションを与えてくれたものになっています。―完成までの過程で、苦労したことを挙げるとすればどんなことがありますか?監督今回、役者は3~4名ほどで、あとは実際の音楽家たちを集めましたが、キャスティングの段階で会った候補者の数は400人ほど。その際、映画と同じようにイスラエル側の数が多くてパレスチナ側の人数が足りないという事態に直面したこともありました。最終的には何とか集めることができましたが、そういう意味では劇中の指揮者と同じような苦労を味わったと言えますね。劇中のキャラクターと同じ道のりを経験した―現場では、最初は他人行儀だったキャストたちが映画同様に友情を育んでいったそうですが、そんな彼らをひとつにまとめるというのも大変だったのではないでしょうか。監督そうですね。撮影中に難しい瞬間は訪れるだろうと思ってはいましたし、人がどんなにすべてを予測したつもりでも必ず意外な展開が待っているものですから。ただ、そういったプロセスも演じたキャラクターたちが経験したのと同じような道のりだったのではないかなと思っています。今回私が意識したのは、グループ内における彼らの“力学”などを見ながら、ひとつにまとめること。私たちは3つの国をまたぎながら、同じホテルで一緒に過ごし、毎日食事をともにしながら話をする生活を7週間にわたって繰り返しました。そういった過程を経て、みんなが劇中のキャラクターと同じようにひとつのグループとして成長してくれたのです。撮影が終わったころには実際に友情を育んでいたキャストたちもいましたし、友人ができなかった人でも相手について学ぶことはできたのではないかと感じました。何よりも大事なのは、相手に敬意を持つこと―中東に限らず、さまざまな国でも対立は起きているので、劇中の彼らの姿は“世界の縮図”のようにも見えました。お互いに理解し合い、歩み寄るために必要なことは何だとお考えですか?監督映画のなかでしたのと同じように、対立しているグループの間にひもを置いて、相手に対する攻撃的な思いをお互いにすべて出し切るというエクササイズをするのがいいんじゃないかな(笑)。というのは冗談としても、僕自身がひとりの人間として経験してきたことを通して言うのであれば、何よりも大事なのは相手に対して敬意を持つこと。たとえお互いの意見が同じではなくても、敬意さえ持っていれば、問題は解決できるはずですし、相手への攻撃的な態度も消えるものと考えているからです。そういった部分は、この作品が世界のさまざまな国で公開された際にも多くの観客に強く響いていると感じました。これらの問題は中東特有のことではなく、あらゆる国でも起きていることですが、お互いの言葉に耳を傾け、リスペクトし合えれば、私たちの間にある対立や紛争といったものはなくなるのではないでしょうか。ぜひみなさんにも自分の文化や人生の視点から、自分ゴトとして観ていただけたらうれしいです。日本の料理や映画、文学がすごく好き―まもなく公開を迎える日本に対しては、どのような印象をお持ちですか?監督やっぱり、まずはお寿司ですよね(笑)。というのも、私はいまベルリンに住んでいるのですが、家の近くにたくさん日本料理屋さんがあって、よく通っているほど好きなので。あとは、日本映画の大ファンで黒澤明監督から最近の監督まで観ていますし、日本の文学もすごく好きです。この映画と一緒に来日できずに残念ですが、いつか訪れたい国のひとつなので、必ず実現したいと思っています。日本が好きな理由として挙げるとすれば、それはイスラエルと日本には奇妙なつながりがあると感じているからです。立場は違うものの、私たちは第二次世界大戦中に強い苦しみをそれぞれ経験してきました。そして、それが国民性に与えた影響に近いものがあると私は考えています。あとは、日本が軍事力を使わずに平和主義の道を歩んでいるところもすばらしい思っているところです。―それでは最後に、日本の観客に向けてメッセージをお願いします。監督まずは、たくさんの方に観ていただき、この作品がみなさんの心のなかに届くことを願っています。中東の対立における基礎に関しては、本作を観ていただければわかっていただけると思いますが、この紛争というのは、世界に影響を与えるものでもあるので、ぜひ両者の立場というものを知っていただければと。どちらの立場もバランスよく、敬意を持って描いたつもりなので、それがみなさんにも伝わればうれしいです。琴線に触れる音楽が心に響く!音楽の力が生み出す“奇跡の瞬間”を目の当たりにする本作。憎しみを慈しみの気持ちへと変えてしまう美しいハーモニーを奏でる若者たちの姿は、言葉や文化を超えて観る者の心を大きく揺さぶるはず。いまの時代において、真の平和とは何かを改めて考えさせられる珠玉の1本です。取材、文・志村昌美美しい音楽を奏でる予告編はこちら!作品情報『クレッシェンド音楽の架け橋』1月28日(金)新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、シネ・リーブル池袋ほか全国公開配給:松竹© CCC Filmkunst GmbH
2022年01月27日現在ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。本日は、自宅で眠っている手持ちの服を上手に重ね着するための、ブラック、ホワイト、ベージュのモノトーンの着こなしスナップショットです。重ね着方法でお洒落度アップ!全体的に、誰もが持っていそうな服に見えますが、上手に重ね着することでトレンド感アップ。スーツっぽいスタイルにスニーカーも意外にスタイリッシュに見えますよね。またスーツの上にニットを羽織ってるところが、重ね着の上級ポイント!参考にしたい一押しのスタイルです。スカートスタイルでもブラックでシックに!かっこよく見えるブラックも、スカートでセクシーさアップ。あえてペタンコサンダルにしたことで、可愛い雰囲気にも見えます。シンプルな着こなしなので、こちらも今すぐ真似できる着こなしスタイルです。上級スタイルに見える!純白ホワイトで品格アップ難しく見えますが、意外と簡単なオールホワイト。ただ、真っ白はやっぱり少し抵抗がある方もいますよね。ブラックとは違う品のあるスタイルが楽しめるので、今年こそはオールホワイトを楽しみたい!という方はこちらを参考にしてもいいかも!?いろんなトーンの白アイテムを重ねたり、シンプル、ブランド、ごつめのシューズなどテイストを混ぜたり、変化を加えて。淡いベージュ系で大人可愛いが急上昇!ブラックや真っ白の全身スタイルはちょっと上級すぎると感じる方は、こちらはどうでしょう。とても柔らかい雰囲気があるベージュなら、比較的真似しやすいかも!?参考スタイルを見ながら、ぜひ自分のお手持ちのベージュやブラウン系を組み合わせて楽しんで!モデルも楽しむ、オールブラック!やっぱり存在感が違いますよね!かっこいいの一言ですが、モデルもブラックを愛用している人が多いのも事実。合わせやすいし重ね着しやすい、雰囲気も楽しめる1年中楽しめるおすすめカラー。そんなブラックの全身オールも、モデルを参考に着こなしてみて。いかがでしたか?新しいお洋服を買わずに、タンスにしまってある同じカラーのお洋服を上手に重ね着するだけで、全身同色のかっこいいスタイルが完成します!色の組み合わせにいつも悩んでいるという方は、ぜひ参考にしてみてください。写真・文 平野秀美
2022年01月25日1児のママでもあるライター・かわむらあみりがお届けするコラム【ママライフばんざい!】連載第36回は、ママ友の知り合いが増えると出てくる、あまり「近づきたくない」と思うタイプをご紹介します。1. 習い事自慢をするママ【ママライフばんざい!】vol. 36子どもが通園・通学をしていると、どうしても関わりができてしまうのが、親同士のつながり。そんな親同士の交流のなかで、なるべく「近づきたくない」ママ友のエピソードをご紹介します。まずひとつめは、「習い事自慢をするママ」です。コロナ禍となっている現在は、あえて人の多い教室へ通う習い事を控えているママも多いようですが、なかには習い事もひとつのブランディングのように考える方もいて、子どもの習い事に熱心なママも変わらず存在します。そういったタイプのママの場合、すでに子どもがお腹のなかにいるときから、例えば英語を聞かせるなどの教育がスタートし、子どもが小さいうちはのびのびとさせるという考えを持たない人が多いように思います。だからこそ、習い事の数も、成長するにつれてどんどん増えていくようです。習い事自慢をするママと関わると、「今日もお稽古事で忙しい」などと、いつも何かしらの子どもの習い事の予定が入っていて、ママも忙しさをアピールしていることも。さらに、「おたくはどんな習い事をしているの?」と、まわりのママ友にもすかさず習い事の有無をリサーチ。たまたま同じ習い事をしていたら、今度はどのくらい進んでいるのか、子どもの様子を聞いてくるなど、付き合いきれません。習い事自慢をするママとは、なるべくお近づきになりたくないものです。2. 洋服のブランド確認をするママ続いては、「洋服のブランド確認をするママ」です。ママ自身の服装はもちろんのこと、自分の子どもの服装にも気合を入れつつ、まわりの家庭の子どものファッションにも目を光らせているタイプのママも存在します。子どもが通う幼稚園や小学校に制服があるときは、まだそれほど表立ってブランド確認をしていないママも、いざプライベートで遊ぶときの子どもの洋服のブランド確認は欠かしません。「いい服ねえ、それどこのブランド?」などと、褒めていると見せかけつつ、すかさずチェック。子どもが私服で園や学校に通う場合は、この手の確認が、さらに日々のものとなります。クラスの誰よりも自分の子どもがステイタスのあるファッションをしていることが自慢になるママの場合、いかに目に見える持ち物で勝負をするのかが、重要なようです。本来は子どもの健やかな成長や、友だち同士との交流、園や学校での学びなどが主軸のはずですが、それ以外のところでマウンティングを取ろうとするママ友には、お近づきになりたくないものです。3. 勉強のできを強調するママときどき、自分の子どもの「賢さを強調するママ」もいるようです。「クンはここまでしかできなかったらしいけど、うちの子はこんなに進んでいるんです」といったことを、さりげなくアピールしてくるといった、勉強ができる自慢をしてしまうタイプ。こういったママは、とにかく子どもの優秀さを誰かにホメてもらいたい意識が強いよう。ですから、近くにこの手のママ友がいたら、「すごいですねえ〜」などと適当にホメつつ、持ち上げておけば問題なし。とはいえ、それが毎回のことだと、辟易してしまうこともあるでしょう。それに、たとえそのママの子どもより自分のところの子どものほうが優秀であっても、あえてそれを言わないほうが無難。なぜなら、よけいにやっきになって勝とうとしてくるかもしれないからです。その影響がそのママ友の子どもにも及んで勉強漬けになると、なんだか気の毒ですよね。いずれにしても、度を過ぎた言動のママ友には、お近づきにならないのが、健全なママ友ライフを送るコツかもしれません。ママになると、どうしても出てくる子どもから派生するお付き合いですが、なるべくそこでは無理をしたくないものですよね。とはいえ、ママによってはいろいろな考え方があるので、さまざまな価値観の違いもあるんだなと、受けとめておくといいかもしれません。みなさんが親子で楽しい生活が送れますように!文・かわむらあみり©FatCamera/Getty Images©Zinkevych/Getty Images©SDI Productions/Getty Images
2022年01月21日単調な毎日が続いていると、刺激を求めたくなるものですが、そんなときこそ映画でしか味わえない興奮を楽しみたいところ。そこで、今回オススメするのは、フランスで大ヒットを記録した体感型サスペンススリラーです。『ブラックボックス:音声分析捜査』【映画、ときどき私】 vol. 449ヨーロピアン航空の最新型機がアルプスで墜落したという一報が入り、航空事故調査局の責任者であるポロックが現場に駆けつける。いつもなら、局で最も鋭い聴覚を持つ音声分析官のマチューが同行するはずだったが、天才的なあまり孤立していた彼は外されてしまう。ところが、まもなくしてポロックが謎の失踪を遂げ、マチューが引き継ぐことに。その後、通称“ブラックボックス” と呼ばれるボイスレコーダーから、テロの可能性を指摘したマチューは高く評価される。しかし、本格的な捜査に乗り出した際に、ブラックボックスからある音声が消えていることに気がつく。テロか、人的ミスか、それとも陰謀か。マチューは、自らのキャリアと命をかけて、真相究明へと突き進むことに……。『イヴ・サンローラン』などで高く評価され、現在のフランス映画界でも注目の俳優ピエール・ニネが主演を務めていることでも話題の本作。今回は、こちらの方にお話をうかがってきました。ヤン・ゴズラン監督2015年の『パーフェクトマン 完全犯罪』に引き続き、ピエール・ニネと再びにタッグを組んだゴズラン監督。本作完成までの舞台裏や影響を受けている日本の作品などについて語っていただきました。―まずは、航空業界やブラックボックスを題材として選んだ理由から教えてください。監督興味を持った理由は、大きく2つあります。ひとつめは、航空業界という世界がとても映画的だと感じたから。飛行機事故を扱った映画はよくありますが、その事故を調査する映画は少ないと思ったので、ぜひ取り上げたいと考えました。そしてもうひとつは、やはりブラックボックスの存在です。事故が起きた際、メディアでもブラックボックスについては触れますが、それが実際にどういうものなのかというのは、航空業界に詳しい人以外、ほとんどの人が知らないと思います。そういったこともあって、ブラックボックスについて深く掘り下げて語ったらおもしろいだろうと感じました。―今回は、映画史上初となる国家機関である BEA (フランス民間航空事故調査局)が全面協力しているそうですが、どのようにして協力を得ることができたのですか?監督脚本を書き始めた際、自分でいろいろと資料を探して物語を作ろうとしたんですが、技術的な内容を入れるためには、やはり専門家に会う必要があると感じました。そこで、最初は飛行機を製造している会社に連絡してみたのですが、まったく相手にしてもらえず。そこで、BEAに問い合わせてみたところ、なんと彼らは僕たちに門戸を開いてくれたのです。今回の物語が実際の事件を扱ったものではなく、まったくのフィクションであったことも協力をしてくれた理由ですが、とても親切に対応してくれました。リアルな部分をきちんと出したかった―具体的には、どのようなことを教えてもらったのでしょうか。監督BEAのスタッフには数年間にわたって何度も話を聞かせていただきましが、たくさんの調査官と会うなかで教えてもらったのは、仕事内容や取り組み方、さらに生活のリズムについてまで。本当にいろんなことをたずねさせてもらいました。というのも、仕事のプロセスや技術的な面など、できるだけ事実に即したものにしたいという思いがあったからです。本作のストーリー自体はフィクションですが、劇中で描かれている航空業界における問題点というのは、いま現実に起きていることばかり。なので、そこに関してはフィクションではなく、実際に彼らが抱えている問題であると言えます。―確かに、航空業界の裏側を覗いているようなリアル感がありました。監督BEAの事務所というのは飛行場のなかにあり、そこに音響用のラボがあるのですが、劇中でブラックボックスを開ける作業をしているシーンでは、普段本当に使われている場所で撮影しています。メガネをかけた女性がブラックボックスを開けているところが映っていますが、実はあの女性も実際の調査官。本物の場所で、本物の人を使って撮影することで、この作品のリアルな部分をきちんと出したいと考え、そのようにしました。ブラックボックスを開ける作業には、驚きがあった―本物へのこだわりは、ぜひ観る方にも注目してほしいところですね。ちなみに、実際にBEAのなかに入ってみて、監督が驚いたことといえば?監督やはりそれは、ブラックボックスを開ける瞬間ですね。数年前に海に落ちてしまったブラックボックスを開けているときの映像を見せてもらったのですが、何時間もかけて丁寧にゆっくりと開けているのにはびっくりました。特に何年も前のものだと、慎重に扱わなければいけませんからね。ただ、それを今回の映画でしてしまうと実験映画みたいになってしまうので、同じようにはできませんでしたが、編集ですべての段階をうまく見せられるようしています。あともうひとつ驚いたのは、ブラックボックスを開ける作業がとても儀式的なものであること。調査員だけでなく、航空業界のいろいろな人が集まって、ものすごい緊張感をのなかで一連の作業を見つめているのです。というのも、メモリーカードのなかには“事故の真実”が入っていることがありますからね。原因を知りたい遺族の気持ちと、内容によっては経済的ダメージを受けるかもしれない業界の人たちの思いという2種類の緊張感が走っていたのは、非常に印象的でした。どうしてもピエールに演じてもらいたかった―ピエールさんの演技も素晴らしいです。天才的な聴覚を持つマチュー同様に、彼は役者として天才的な感覚を持っている方だと感じました。監督彼には別の作品でも主演を務めてもらったことがありますが、僕が初めてもう一度仕事をしたいと思った俳優がピエールです。今回の脚本を書くにあたっては、彼のことをあてがきして書いたほど。それくらいこの役は彼に演じてもらいたいという強い思いがありました。なぜなら、彼はとても才能のある俳優なので、マチューが持つ弱さや内面の葛藤といったものをすべて表現できる俳優だと思ったからです。特に今回の役は自分の殻に閉じこもっているようなところがあるだけでなく、物語が進むにつれて神経質でノイローゼ気味になってしまう人物。そういった部分もきちんと演じてもらえる役者にお願いしたかったので、彼を選びました。日本の歴史や美的感覚に魅力を感じる―日本のことについてもおうかがいしたのですが、劇中では日本料理屋さんと思われるお店の名前が会話のなかに登場していましたし、前作『パーフェクトマン 完全犯罪』では登場人物が日本に出張に行っていたというくだりがありました。日本に対して特別な思いがあるのでしょうか。監督そうですね。10数年前になりますが、何度か日本を訪れたことがありますし、実は若いときに日本人の彼女がいたこともありますから(笑)。僕が日本のなかで大好きなものと言えば日本映画ですが、特に黒澤明監督が好きで、一番記憶に残っているのは思春期のころによく観ていた『天国と地獄』です。最近で言うと、黒沢清監督のファンでもあります。彼の作品はフランスでほとんど配給されているので、『CURE』『カリスマ』『回路』といった作品がお気に入りです。さまざまなタイプの映画を作る監督ですが、どんな作品でも雰囲気の出し方や人間が持つ不安感といったものを表現するのがとてもうまいので、素晴らしい監督ですよね。ほかにも日本映画には好きな作品はいろいろとありますが、いずれも日本の歴史や美的感覚が非常に魅力的だと感じています。すべての真実は、音のなかにある!次々と湧き上がってくる疑惑と衝撃の展開に、息をするのも忘れてしまうほどの没入感を味わえる本作。はたして、あなたは音だけで、真実にたどりつけるか。研ぎ澄まされた聴覚の先に待ち受ける驚愕の真相は、自分の耳で確かめてみて。取材、文・志村昌美心拍数が上がる予告編はこちら!作品情報『ブラックボックス:音声分析捜査』1月21日(金)TOHOシネマズ シャンテほか全国公開配給:キノフィルムズ© 2020 / WY Productions - 24 25 FILMS - STUDIOCANAL - FRANCE 2 CINEMA - PANACHE Productions©Philippe Quaisse Unifrance
2022年01月20日便利な反面、さまざまな危険も潜んでいるインターネット。いつ誰が巻き込まれてもおかしくない時代ですが、今回は“サイバー犯罪の先駆け”とも言えるある驚愕の実話を基にした話題のサスペンスをご紹介します。『シルクロード.com―史上最大の闇サイト―』【映画、ときどき私】 vol. 4472011年、天才的な頭脳に恵まれたロス・ウルブリヒトは、自由な世界を求め、表では絶対に買えない違法物を匿名で売買できる闇サイト「シルクロード」を立ち上げる。瞬く間に熱狂的なブームを巻き起こし、1日の売り上げは1億円にも及んだ。すぐに警察にマークされるが、ロスは検索エンジンではヒットしないダークウェブと暗号通貨“ビットコイン”を駆使して身元がバレない強固なシステムを作り上げていた。そんなロスを追う捜査官のなかにいたのは、はぐれ者の刑事リック・ボーデン。問題行動を起こし、麻薬捜査課からサイバー犯罪課へ左遷されていた。アナログ全開で足手まといのリックだったが、独自の捜査でロスとの接触に成功する。一線を超えてしまった二人を待ちうける運命とは……。ドラッグから殺人の依頼までが売買され、“闇のAmazon”などと呼ばれた史上最大のダークウェブの裏側に迫った本作。今回は、こちらの方にお話をうかがってきました。ティラー・ラッセル監督検察局で働いていた父親の影響で、子どもの頃から裁判所や刑務所、警察署に出入りしていたというラッセル監督。いまでは映画やテレビにおける犯罪というジャンルにおいて、重要な役割を果たす存在となっています。そこで、制作過程の秘話や自身の経験を通して感じたことなどについて、語っていただきました。―さまざまな犯罪を調べているなかで、このシルクロード事件に興味を持ったきっかけから教えてください。監督まず、僕が犯罪モノを好きな理由からお話しすると、それは物語の形が非常にキレイであることです。キレイというのは、世界があって、犯罪が起き、そこから犯罪者と追手による展開があり、最後に法の裁きが下されるのかどうか、といった形のキレイさのこと。最終地点までまっすぐ進んでいく流れに魅力を感じています。この事件について知ったのは、ある映画の撮影中にたまたま新聞で読んだ記事がきっかけでした。そのときのことはいまでも鮮明に覚えていますが、すぐに「これはいい映画になるに違いない」と直感したのです。何者がしたことで、シルクロードとは何なのかはっきりとはわかっていませんでしたが、とにかくいいものになりそうだなと。そこから、シルクロード関連の情報をむさぼるように調べ始め、「自分だったらどういうストーリーを描くかな?」といったことを頭のなかで考えながら進めていきました。自分の経験を活かしながら、ロスの精神性に迫った―監督は、実際のロス・ウルブリヒトにかつての自分を重ねていたそうですが、どのあたりがそう感じさせたのでしょうか。監督僕はフィクションもノンフィクションも手がけますが、どんな物語を紡ぐにしても、その渦中にいる当事者たちの視点から描くことを大事にしています。この作品でいうとロスとリックのいずれにも感情を揺さぶられましたが、特にロスには個人的に共感するところがありました。というのも、僕も彼と同じテキサスに住んでいたことがありますし、ドラッグなどの軽犯罪に手を染めてしまったという似たバックグラウンドがありましたからね。ただ、僕の人生はロスのようにはならずに済んだので、彼の物語を見ていると、「もしかしたらあれは僕だったかもしれない」という感覚があるんだと思います。そういったこともあって、自分の経験を活かしながら、なるべく近い視点でロス・ウルブリヒトという人物の精神性に迫っていきたいという気持ちがありました。―制作する過程で、実際にロス本人と会ってお話をしたことはありましたか?監督何度も手紙を書いて連絡を取ろうと試みましたが、この企画が始まったときはまだ判決が下っていなかったので、弁護士に止められてしまい、残念ながらそれは叶いませんでした。なので、その代わりに僕がしたのは、彼に関するあらゆる資料をあさること。彼がパソコンに残していた日記やペンネームを使って書いていたブログを読むことにしました。あと、実はこの作品では、当時彼が付き合っていた恋人をコンサルタントとして雇っているんです。2人の関係性やロスの性格については彼女からじっくりと時間をかけて聞かせてもらい、彼の人物像を築き上げていきました。なので、フィクションではありますが、ドキュメンタリーを撮るときと同じ手法を用いて下調べをしています。目指していたのは、事実に忠実であること―なるほど。つまり、そのあたりはかなり真実に近いということですね。監督それから、ロスが声だけで語っているボイスオーバーの部分に関しては、彼の日記からそのまま取った文言を使っているので、そこにも彼自身の思いが反映されています。ちなみに、僕はいまでもロスに手紙を書き続けているので、もし会えるチャンスがあるのであれば、明日にでも飛んで行って彼に会いたいですね。この映画がどこまでリアルに描けているのかを彼に聞いてみたいと思っています。―今回は、実際の事件をエンターテインメントとして見せるうえで、どういった意識をされていたのかをお聞かせください。監督「事実は小説よりも奇なり」という言葉があるように、事実ほど驚くストーリーはないと考えています。どうしてもわからないところは下調べした結果から推測して“穴”を埋めていますが、目指していたのは事実に忠実でありながら、観客が登場人物を応援したくなったり、怖く感じたりするようなバランス。それはまさに宙づりにされたロープを歩くような難しいバランス感覚でしたが、人物の精神性をなるべくリアルに感じてもらえたらいいかなと。それをどのように受け止めたのかは、観客のみなさんにお尋ねしたいところです。犯罪事件には、毎回驚きが絶えない―この事件から私たちが学ぶべきことがあるとすれば、どのようなことが挙げられますか?監督まずは、おもしろい観点のひとつとして見ていただくのがいいかなと思います。たとえば、シルクロードがなければ、ビットコインのようなものがこれだけ世の中で一般化されることはなかったでしょうからね。ある意味では、ビットコインの起源ストーリーであると言えるのではないでしょうか。こういったものは、意外とブラックマーケットやアンダーグラウンドから始まることも多くあるので、これもそのひとつの例だと思います。いまはさまざまな犯罪やいろいろな危険が世の中にはびこっているわけですが、いつそれが自分にも降りかかってくるかはわからないですよね。家を出た途端に事件に巻き込まれることもあるでしょうし、テクノロジーが発展した現代ではパソコンや携帯を開いただけでそういった危険性にぶち当たることもありますから。そういう意味で危険性は高まっていると言えますが、犯罪の危険性や誘惑というのは、昔からさほど変わらないものだとも思っています。―監督は数多くの犯罪事件を調べていらっしゃいますが、何か監督を惹きつけているのでしょうか。監督正直言って、毎回驚きが絶えませんね。こういった犯罪捜査に関わる警察官や犯罪者というのは、仕事で生死の境をさまようことのない我々には想像できないようなものすごい緊迫感のなかで日々を生きているわけですから。だからこそ、私たちを引き込むようなストーリーがあり、僕もそれを語りたくなるんだと思います。日本で仕事をしたのは、すごくいい経験だった―まもなく日本での公開を迎えますが、何か日本にまつわるエピソードがあれば、教えてください。監督実は、まだフィルムメイカーとして駆け出しだった若いころに、あるテレビ番組を制作するために大阪で仕事をしていたことがありました。そのときの経験がすごくよかったので、一緒に働いた人たちとはいまでも付き合いがあるほど。そういった個人的な思いもあるので、この作品を日本で公開できることをとても誇りに感じていますし、非常にうれしいです。―日本でお仕事をされていたことがあったとは驚きです。監督ちなみに、影響を受けている監督について話をするとすれば、それは是枝裕和監督ですね。いま現役で活躍している監督のなかでも、世界最高峰だと感じているので、僕もいつか是枝監督と同じレベルの作品を作れるようになりたいと考えています。―それでは最後に、日本の観客に向けてメッセージをお願いします。監督本作では、非常に有能な若者が世界を変えたいという夢を持ってウェブサイトを設立したものの、たちまち怪物を化していく様子とそれを追う捜査官との物語が展開されています。僕にとっては非常にパーソナルな話として響いたテーマなので、ぜひ観客のみなさんにも楽しんでいただきたいです。闇へと堕ちていく男たちの運命とは?世界を揺るがせた闇サイトを作り上げた天才サイバー犯罪者とパソコンも使えないアナログ人間の捜査官との刺激的な攻防を描いた本作。目が離せないスリリングな展開とその裏に隠されたそれぞれの葛藤に、思わず誰もが釘付けになってしまうはずです。取材、文・志村昌美スリル満点の予告編はこちら!作品情報『シルクロード.com―史上最大の闇サイト―』1月21日(金)より新宿バルト9ほか全国公開配給:ショウゲート©2020 SILK ROAD MOVIE, LLC ALL RIGHTS RESERVED.
2022年01月19日1月といえば、新しいドラマが始まるシーズン。何を観ようか悩むところですが、良質なドラマと出会いたいと思っている人にオススメしたいのが本国イギリスで社会現象を巻き起こした『IT’S A SIN 哀しみの天使たち』です。英ガーディアン紙の「2021年TV作品ランキング1位」や米ニューヨーク・タイムズ紙の「2021年TV作品ベスト10本」に選出されるなど、大きな注目を集めています。そこで、こちらの方にお話をうかがってきました。オリー・アレクサンダーさん【映画、ときどき私】 vol. 4461980年代のロンドンで生きるゲイの若者たちが、HIV/エイズに関する正しい情報と理解が少ない社会のなかで、葛藤を抱えながらも明るく生きる姿を描いた本作。オリーさんは、主人公のリッチーを演じ、初主演を務めています。「Years & Years」として世界的人気を誇るミュージシャンであり、LGBTQ+アクティビストとしても活躍するオリーさんに、本作を通して伝えたいメッセージや日本のファンへの思いを語ってもらいました。―本作がイギリスで放送開始された際、HIV検査数が記録的な伸びを見せ、大きなムーブメントを巻き起こしたそうですが、この作品がいまの時代に与えた影響をどう受け止めていますか?オリーさん社会現象が起きることも、放送される時期にいまのような状況に陥っていることも、撮影段階では僕たちにも予想できませんでした。とはいえ、どんな状況でもこのドラマが伝えるストーリーとHIVが当時のLGBTコミュニティに与えた影響を語るこのドラマの本質は変わりません。ただ、放送がコロナ禍と重なり、死に至るウィルスの蔓延を体験しているからこそ、観客はこのドラマをより自分ごととして受け入れることができたとは思っています。もちろん、新型コロナウイルスと当時のHIVが与えた影響とは異なるものですが、80年代にHIVの脅威にさらされていた人々のことをより考えやすくなったのではないかなと。実際、このドラマがきっかけとなって、HIV検査キットの1週間の注文数が史上最高を記録しました。これだけの反響があったというのは信じられないことです。自分の人生とリンクするところが多かった―リッチーという役と、ご自身の人生がリンクする部分もありましたか?オリーさんリッチーと僕とは似ている部分が多いと感じています。役者を目指していた点、18歳のときにロンドンに移住した点、そして大きな夢を持っていた点などはまさにリンクしているところです。リッチーは、演技をしたり、ステージに立ったりして、ひと際目立つ人物になりたいと思っていますが、それも僕が持っていた夢と重なる部分。そういったこともあって、リッチーの言動を理解するのは、僕にとってはとても容易なことでした。―演じるうえで、リッチーという人物をどのように分析されたのでしょうか。オリーさんリッチーは現実をそのまま受け入れようとしないので、つねに隠しごとを持っている人だと感じました。そういう傾向になってしまう大きな原因は、自分のセクシャリティに対する恥の感情を持っているから。それによって、自分をオープンに表現することができないのです。そして、それは僕が若いころに持っていた感情と同じものでもあります。僕自身もゲイである自分が嫌で、自分ではない他の誰かになろうとしていたことがありましたから。ほかにもリッチーはグループの注目を浴びるためにジョークを言ったりしますが、目的は自分の本心を隠すこと。僕も以前はそのような行動をよく取っていたので、その部分も彼には非常に共感できました。この経験が僕自身にも大きな影響を与えている―そんな彼を支える友人たちとのやりとりも、非常に印象的でした。オリーさんリッチーは時々とても自己中心的な言動を取ることがありますが、そこで彼を諭してくれるのが彼の仲間たち。そんな彼らのことを愛しているにもかかわらず、リッチーは失礼な態度を取ることがあって、そういう彼の部分は個人的に少しうんざりすることもありましたけどね。仲間に対する思いやりに欠けているなと。なぜなら、僕自身はもっと思いやりのある人間だと思っているので(笑)。とはいえ、僕にとってリッチーの一番の魅力は彼の複雑な人間性。人は誰でも複雑な内面を持っているものですが、そういう複雑さを感じられるのは、ドラマで描かれるゲイのキャラクターとしては珍しいと思いました。―この役を演じた経験は、オリーさん自身の演技やアーティストとしての活動にも影響を与えたのではないでしょうか。オリーさんそうですね、大いに影響を受けました。なぜなら、このドラマでリッチーを演じたことは、アーティストとして僕がこれまで持っていなかった創作プロセスを僕に与えてくれましたから。それは音楽を作ってツアーを回る活動とはまったく別の体験でした。この物語が持つ強力なメッセージ性はもちろん、素敵な撮影チームと共演者からもたくさんの良い影響を受けていると思います。仕事とは思えないほど、すべてを楽しめている―では、役作りで苦労した点といえば?オリーさん彼はオシャレ好きで陽気で、いろいろな人と寝たい、グループの中心でありたい、とにかく人生を謳歌したい、と思っているような人。そんなリッチーを作り上げるのは簡単ではありませんでしたが、とても楽しかったです。撮影現場では80年代の素晴らしい音楽をよく聴いていたのですが、そこからやる気やインスピレーションを得ることができました。そのほかに、僕個人として一番難しさを感じたのは、母親とのシーン。お互いに愛しているのにそれをうまく表現できなかったり、激しい感情のやりとりが多かったりしたので、自分と両親との関係性がオーバーラップすることもありました。そういう意味でも、僕にとっては大きなチャレンジをしたシーンだったと思います。―初主演を経験したり、3ピースバンドだった「Years & Years」をソロ・プロジェクトにされたりと、オリーさんにとって2021年は激動の1年だったと思います。俳優とアーティストを両立するうえで大事にしていることついて教えてください。オリーさん2つのことをしているように見えますが、音楽活動では、歌手であり、プロデューサーであり、曲を書くライターであり、映像を作り上げる監督であったりと1人で何役もこなしているイメージです。俳優としては、1つの役にのめり込むので、そういった部分で音楽活動との違いはありますが、「表現」という意味ではまったく一緒。お互いが助長しあっているような感覚ですね。そんななかで、今回は非常に素晴らしいプロジェクトに恵まれたと思っています。ストーリーもチームとしても、すべてが完璧だったなと。歌手と俳優、どちらも仕事とは思えないほど楽しんでいるので、本当に僕はラッキーだと思います。自分のユニークさこそが力になることに気づいてほしい―劇中では、「5年後にどうなっていたい?」と聞かれるシーンがありましたが、ご自身は5年後の自分をどう見すえているのでしょうか。オリーさん18歳のころを振り返ってみると、リッチーと同じように成功したいという願望があり、25歳までに自分の作った音楽を出して成功したいといろいろな計画を思い描いていました。そして、実際に25歳までにすべてを実現させてしまったので、正直に言うと、いまは昔のように次のゴールというのを考えなくなっているような気がしています。しかも、コロナ禍で明日がどうなるかわからないような状況のなかにいますからね。とにかくいま思うことは、キャリアを続けられること、そして家族や友達が周りにいてくれること、それだけでハッピーだと思っています。―いまの時代もリッチーたちのようにありのままで生きることに難しさを感じている人も多いと思います。そういった葛藤を抱えている人に、オリーさんから言葉をかけるとすれば?オリーさん周りの目が気になって恥ずかしい思いをしたり、人と自分が違うことに後ろめたさを感じたりしている人は多いと思います。実際、僕もそうでしたから。ゲイであることも、人と違うことも嫌で、いつもその場になじんでいないような感覚がありました。それを克服するのに時間はかかりましたが、いまは人と違うことこそが“スーパーパワー”なんだと。そして、自分の持つユニークさこそが自分の力になるんだと気がつくことができました。そう思えるようになるのは簡単なことではないかもしれませんが、少しずつ自分の胸のうちを探っていけば、みなさんにもそういう気づきの瞬間がきっと訪れるはずです。僕がいる音楽業界は非常に厳しい世界ですし、似たようなアーティストが出てくることもありますが、僕自身は自分の持つユニークさを貫いていけば大丈夫だと信じています。できるだけ早く日本に戻りたいと思っている―公演などで来日されたことがありますが、日本の印象や思い出についてもお聞かせください。オリーさんこれまでに何度も訪れていますが、僕は日本が大好きなんです!日本とイギリスは文化がまったく違いますが、そういったことを経験できるのも楽しみのひとつ。それに、日本のみなさんは本当に親切ですよね。東京で道に迷っていたときには、助けてくれる人がたくさんいたので心強かったです。あと、いい思い出として残っているのは、電車で鎌倉に行ったときのこと。神社や森のなかを散策したり、駅の近くで日本のおいしいスイーツを食べたりしたのは楽しかったです。とにかく、日本にはもう一度戻りたいと思っています。―ちなみに、影響を受けている日本の文化や作品などもありますか?オリーさんまず、僕はジブリ作品の大ファン。美術館に行ったこともあります。なかでも特にお気に入りは、『ハウルの動く城』と『千と千尋の神隠し』です。あと、村上春樹さんの小説も読ませていただいています。とはいえ、もっと日本の作品を観たり、読んだりしたいなと思っているところです。―それでは最後に、日本のファンに向けてメッセージをお願いします。オリーさん(日本語で)ありがとうございます!日本にいるみなさんに、僕からたくさんの愛を送りたいです。できるだけ早く日本に戻れるように願っているところですが、それが叶うまではぜひドラマを楽しんで待っていてください。インタビューを終えてみて……。終始チャーミングな笑顔を浮かべつつ、ひとつひとつの質問に丁寧に答えてくださるオリーさん。日本が好きなことが画面越しでも伝わってきて、非常にうれしかったです。本作では初主演とは思えない存在感を見せており、俳優としての今後もますます楽しみなところ。また、ソロ・プロジェクトとして再始動した「Years & Years」の約3年半ぶりとなる新作アルバム“Night Call”がまもなく1月21日より発売となるので、こちらでは歌手としてどんな表現に挑まれているのかにも注目です。ありのままで生きる姿がまぶしく、愛おしい社会からの偏見に悩み、恐れや不安を抱えながらも、自分の感情にひたすら正直に生きようとする若者たちを描いた本作。自分らしい人生を得るために闘い続ける彼らの姿と、仲間や家族の深い愛には、心が震えるのを感じるはず。まさに、いまの時代に観るべき傑作ドラマシリーズです。取材、文・志村昌美ストーリー1980年代のロンドン。離島出身で同性愛者のリッチーは、コリン、ロスコー、アッシュと彼らの親友ジルとともに「ピンクパレス」と名付けたアパートで共同生活を始める。同性愛に理解のない家族など、さまざまな葛藤を抱えながらも楽しく暮らす5人だったが、そんななかHIVの感染が急激に拡大。仲間が次々とエイズを発症していくことに……。引き込まれる予告編はこちら!作品情報『IT’S A SIN 哀しみの天使たち』スターチャンネルEXにて全話配信中© RED Production Company & all3media international
2022年01月18日婚活で約1000人の男性と出会い、年下夫を射止めたライター・かわむらあみりがお届けするコラム【結婚引き寄せ隊】連載第98回は、したくてしているわけではないけれど、気づくとイマイチな男性に夢中になっていたり、自分自身の恋愛のクセから恋をつかみそこねてしまう、ダメ恋に陥りやすい女性の特徴をお届けします。1.つい見返りを求めてしまう【結婚引き寄せ隊】vol. 98妙な男性には絶対に引っかからない女性もいれば、まわりから心配されてアドバイスを受けたとしても、どうしてもダメな男性にばかり思いを寄せてしまう女性もいます。また、相手の男性のタイプにかかわらず自分自身の恋愛のクセによって、なかにはダメな恋を続けてしまったり、せっかくのご縁さえも遠ざけてしまったりする女性も。そんなダメ恋をつかんで時間を無駄にしないためにも、事前にこんな特徴があったら改善したいものです。ひとつめは、相手に「つい見返りを求めてしまう」タイプ。実際のところ、あまり自覚がない場合も多いようですが、何かをしてあげることでそのぶんのリアクションを期待してしまうタイプが当てはまります。とくに相手の男性が喜んでもいないのに、自分自身の勝手な思い込みで親切の押し売りをしてしまったり、尽くしすぎてしまったり。そうされることがうれしいタイプの男性ならその行為も喜んで受け入れられるはずですが、そうではないことに気づかず見返りを期待してしまうと、うまくいくはずの恋でも、うまくいかなくなってしまいます。もしもそういった傾向があると感じたら、改めたいものです。2.人を見かけだけで判断する「人を見かけだけで判断する」タイプの女性は、外見的要素のみで恋に落ちたり、相手を遠ざけたりしてしまいがちです。よくあるのは、イケメン好きで相手の男性を顔の好みだけで選んでしまい、付き合ったはいいが浮気されて全然幸せな恋ができなかったり、そもそも自分自身がセカンドや遊びの立場だったとしても甘んじてそれを受け入れてしまうような、はたから見ると自ら不幸を選んでいる場合です。ルックスの良し悪しは別としても、パッと見た感じがものすごく“いい人そう”に見えるのに、実は裏ですごく遊んでいた……など、外見的要素を重視しすぎると、思わぬ結果を招いてしまうこともあるでしょう。確かに相手を表す要素として、表に出ているものは判断材料にしやすいものではありますが、あくまでも参考程度にしたいところ。知り合った段階から、できれば相手の男性の内面的な部分をしっかりと知っていくプロセスを経てから、どんな人なのかを再確認したり、幸せな恋ができそうなのかを把握したりできると安心です。見かけだけで恋心をスパークさせてしまうと、あとが大変になりますよ。3.おごられ癖がある続いて、恋をつかみそこねてしまったり、男性から敬遠されたりしがちなのが、「おごられ癖がある」タイプの女性。まだ若くて相手の男性の保護本能をくすぐるようなタイプは、守ってあげたいと思わせると同時に、食事などの際のお会計でも自然と「ごちそうしてあげたい」と思ってもらえることもあります。そういった場合や、女性にお金を出してもらうことに抵抗のある男性の場合は、そのまま金銭的な面はお任せでいてもいいかもしれません。ですが、一度ならともかく、何度もお茶や食事に行く機会があっても、お会計のときにあえてトイレに立って支払わなくて済むようにする女性や、一緒にレジに行ってもたとえポーズでさえ自分のお財布すら出さないという女性も。こういったタイプの女性は、男性から敬遠されてしまいます。本当にお金がない、という理由でおごられ癖がある場合もあるでしょうが、若い頃おごられすぎてある程度年齢を重ねても昔の気分のまま支払わない癖が残っている女性、金銭面にルーズな女性、相手への感謝が足りない女性と思われてしまうこともあるでしょう。毎回が難しい場合でも、せめて何度かに一度は自分からごちそうしたり、ふたりの仲を進展させたいなら手料理を振る舞う機会を作るなど、感謝の気持ちを見せられるようになると、恋の展開も変わってくるかもしれませんね。いい恋がしたいなら、相手探しも大事ですが、自分自身のことを振り返ってみると、何かヒントがあることも。くれぐれも、みなさんにとって素敵な恋ができますように。文・かわむらあみり©JackF/Getty Images©martin-dm/Getty Images©Drazen Zigic/Getty Images文・かわむらあみり
2022年01月17日東京ステーションギャラリーで『ハリー・ポッターと魔法の歴史』展が開かれています。本展では、ファンタジー文学の世界的ベストセラー「ハリー・ポッター」シリーズの背景にある「魔法」をテーマに、大英図書館が所蔵する貴重な資料や原作者J.K.ローリングの直筆原稿、スケッチなどを展示。物語の世界にどっぷり浸れるステキな展示空間をご紹介します!東京駅から魔法学校へ!【女子的アートナビ】vol. 235『ハリー・ポッターと魔法の歴史』展の会場は、東京駅丸の内駅舎内にある東京ステーションギャラリー。この美術館には、物語に出てくる「9と3/4番線」のような、東京駅創建当時(1914年)の赤レンガが残る趣のある展示室もあり、「ハリー・ポッター」の世界を楽しむには絶好のロケーションです。展示は10章で構成。ハリーが通ったホグワーツ魔法魔術学校の科目「魔法薬学」「錬金術」「呪文学」「天文学」などに沿って、大英図書館が所蔵する貴重な資料やJ.K.ローリングの原稿、スケッチなど約140点が紹介されています。「ハリー・ポッター」とは、主人公である魔法使いの少年ハリーが、ホグワーツ魔法魔術学校で学んだ魔法や魔術を駆使して仲間たちと協力し、邪悪な魔法使いと戦う物語。スリリングな冒険や、仲間との友情がドラマチックに描かれ、さまざまな魔法アイテムも登場します。担当学芸員の柚花文さんは、「魔法はファンタジーのなかにしか存在しないもののように思えるのですが、実は人類が何世紀にもわたって研究して書物に記録してきた例がたくさんある」と解説。「この展覧会では、大英図書館などの資料を通して、現実に記された魔法の歴史と、物語の創造世界とをつないでいる。このつながりを楽しんでほしい」と語りました。本展は、大英図書館が2017年に企画・開催した"Harry Potter : A History of Magic"の国際巡回展。2017年から2019年にかけてロンドンとニューヨークで人気を博した展示を、いよいよ東京で楽しめます。「賢者の石」のレシピ登場!では、いくつか見どころをピックアップしていきます。展示は、3階の展示室にある第1章「旅」からスタート。J.K.ローリングの本がどのようにして誕生したのか、主人公のハリーの旅立ちとともに紹介されています。作家がタイプした「あらすじ」やスケッチ、原作の挿絵を担当したイラストレーター、ジム・ケイの《『ハリー・ポッターと賢者の石』の9と3/4番線の習作》などが展示されています。第3章「錬金術」では、必見作『リプリー・スクロール』が登場。これは16世紀にイングランドで記された写本です。科学が発展する以前、ヨーロッパでは、卑金属を黄金に変えたり、不老不死の薬を生み出したりすることができる「賢者の石」のつくりかたを真剣に研究していました。4メートルを超える『リプリー・スクロール』には、その製造工程が美しい色彩で描かれています。ほかにも錬金術関係の資料や絵画、書物を展示。物語のなかでも重要な役割を果たす「賢者の石」のリアルな歴史がわかります。“美”魔女も…!第6章「天文学」では、レオナルド・ダ・ヴィンチの手稿「天体にまつわるメモとスケッチ」や、太陽系の模型「大太陽系儀」、「天球儀」などを展示。特に、側面に装飾が施された「大太陽系儀」は大変美しく、見ごたえがあります。「大太陽系儀」は昔から教材に使われ、ホグワーツ魔法魔術学校でも天文学や星座占いで使用されています。資料類だけでなく、絵画も楽しめます。第8章「闇の魔術に対する防衛術」では、イギリスの画家、ジョン・ウィリアム・ウォーターハウスの作品《魔法円》が展示されています。中世ヨーロッパの魔女は、醜悪なイメージで描かれることが多かったのですが、ウォーターハウスの魔女は青く美しいドレスを身につけ、神秘的な美人風に描かれています。彼女は、身を守るために杖で周囲に円を描き、魔法円の外には不気味な動物や頭蓋骨が見えています。「ハリー・ポッター」のなかでも、ハーマイオニーが円を描きながら保護呪文をとなえる場面が出てくるので、この作品でも物語世界とリアルな魔法史とのリンクが感じられます。創作の秘密も…!原作ファンにとってうれしいのは、J.K.ローリングの創作資料やスケッチの展示作品です。特に、最後の章で展示されている「『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』の構想」は必見作のひとつ。時系列で登場人物の居場所などが書いてある資料で、名作が生まれるまでの試行錯誤が伝わってきます。リアルな魔法の歴史を紹介する本展を見終わると、きっともう一度、原作で「ハリー・ポッター」を読んでみたくなるはず。今まで以上に、物語世界をより深く理解でき、楽しめると思います。『ハリー・ポッターと魔法の歴史』展は3月27日まで開催。※最新情報などの詳細は公式サイトをご覧ください。Information会期:~3月27日(日)会場:東京ステーションギャラリー開館時間:10:00 - 18:00※金・土曜日は20:00まで開館※入館は閉館30分前まで観覧料:一般¥2,500、高校・大学生¥1,500、小・中学生¥500※日時指定予約制※最新情報などの詳細は公式サイトをご覧ください。
2022年01月15日人生における大きな目標のひとつと言えば、自分探し。とはいえ、その過程で思い通りに行かず、葛藤を抱えているという人も多いのでは?そこで今回ご紹介するのは、自分自身を見つめ直す旅に出た主人公を描いた注目のロードムービーです。『MONSOON/モンスーン』【映画、ときどき私】 vol. 445両親の遺灰を埋葬するため、祖国ベトナムへと足を踏み入れたキット。6歳のとき、家族とともにベトナム戦争後の混乱を逃れてイギリスへ渡った“ボート難民”だったキットにとって、30年ぶりの帰郷となった。両親の故郷であるハノイに向かい、大事な場所を探し始めるものの、思うようには進まない。そんななか、キットは従兄弟のリーから家族の亡命にまつわる“ある真実”を聞かされることに……。『クレイジー・リッチ!』や『GIジョー: 漆黒のスネークアイズ』など、ハリウッドでも注目を集めているヘンリー・ゴールディングが主演を務めていることでも話題の本作。今回は、こちらの方にお話をうかがってきました。ホン・カウ監督世界各国の映画祭で高く評価され、BAFTAロサンゼルスの「注目すべき英国人の1人」に選出されたこともあるカウ監督。カンボジアで生まれたのち、ベトナムに渡り、ベトナム戦争後に“ボート難民”として家族とともに渡英したという過去を持っています。そこで、主人公と近い経験を持つ監督に、作品を通してたどり着いた心境や現場での忘れられないエピソードなどについて、語っていただきました。―本作は自身の経験に基づいた物語ということですが、過去と向き合うつらさなどはなかったのでしょうか。監督完全な自叙伝というわけではありませんが、8歳でベトナムからイギリスに移住したことなど、この作品では僕自身のことを多く描きました。キットと同じように30代後半で、移住後初めてベトナムに戻りましたが、そのときには非常に奇妙な感覚に襲われ、感情的になったことも。ベトナムで生活していた頃の記憶が僕のなかで消えつつあったので、激しく変わっていく街の様子を見ながら、つらいというよりも、過去の記憶に必死にしがみついているようなところはありました。―作品を完成させる過程で、心境に変化を与える部分もあったのではないかと思いますが。監督現地でのリサーチを終えて脚本を書いているときは、気分が高ぶるときもあれば、どん底まで落ち込むこともありましたが、そういった作業を通して僕自身は“デトックス”できたのかなと。自分自身の感情を洗い流すような感覚を味わうことができ、非常にいい経験になりました。―30年ぶりにベトナムを訪れてみて、ご自身がずっと抱えてきたというアイデンティティの問題に対して、答えとなるようなものに出会えた瞬間もありましたか?監督映画で描いているのと同じように、明確な答えというものを見つけることはできませんでした。ただ、ベトナムを訪れたことによって気がついたのは、自分のなかにある葛藤は自分の一部であるということ。「自分は何者なのかという問いには永遠に答えが出ないのだろう」という考えに到達して、それを受け入れることができました。この先、楽しい日だけではなくつらい日もあるかもしれませんが、この旅を通してそういった結論にたどり着けたのはよかったと思います。ヘンリーは何かを持っていると直感した―今回、キット役の俳優を探すのにかなり苦労されたそうですが、なぜキャスティングが難航したのでしょうか。監督確かに、ヘンリーと出会うまではとても長い間オーディションを行いました。なぜ時間がかかったかというと、キットという役はすべてのシーンに出てくるような役どころなので、観客のことをずっと引きつけられる役者が必要ですが、そういう人をなかなか見つけられなかったからです。そんななか、送られてきたのがヘンリーのオーディションテープ。当時は、ハリウッドの映画を2本撮影したと聞いてはいましたが、まだ公開されていなかったので、僕としてはまだ経験の少ない役者だなと思っていたくらい。まさかこれほどの大スターになるとは考えてもいませんでしたね(笑)。―では、最終的にヘンリーさんにお願いしたいと思った決め手は?監督彼の映像を見たとき、言葉では言い表せないけれど、彼は何かを持っていると直感してワクワクしたんです。そこで、彼に会うためにLAまで行き、いくつかのシーンの読み合わせをすることに。そのときに彼の感情がリアルで純粋であること、そして心の奥から来ている自然なものだと感じたんです。実際に会ったときに僕のなかで「彼がキットだ」という確信もあったので、キャスティングすることになりました。―イギリス人の父とマレーシア人の母を持つヘンリーさんも、監督同様に自身の国籍に関する問題には葛藤があったようですね。監督確かに、ヘンリーにも僕と同じようなバックグラウンドがあったので、そういったことに関してはたくさん話し合いをしました。彼も自分自身の居場所や存在についていろいろな迷いがあったからこそ、キットのことをきちんと理解し、あのような演技をしてくれたのだと思います。ベトナム人たちの勤勉さに、自分が恥ずかしくなることも―監督から見たヘンリーの魅力について、教えてください。監督彼は本当に気さくな人なんですが、おもしろいと思ったのは、ベトナムという国にすごくなじんでいたこと。マレーシアに住んでいたことがあったからというのもありますが、ハノイでは線路わきの木になっていた果実をとっていきなり食べたこともありましたから……。僕としては、安全かわからないものを食べてお腹を壊したら大変なので、「やめてくれ!」と心配していたのですが(笑)。一応、彼は食べられるものだと知っていたそうですが、それくらい自然体な人なんですよ。あとは、スタッフのみんなにいつもいろいろな食べ物を買ってきてくれたりして、本当にフレンドリーな人だなと思いました。―また、映像からはベトナムのリアルな感じが伝わってきましたが、撮影中の出来事で印象に残っていることといえば?監督キットがバイクで橋を渡るシーンでは、壊れそうなバイクが用意されていて不安になったことは記憶に残っていますね。そのほかに文化的な違いや技術的な問題からミスコミュニケーションが発生することも時折ありましたが、ベトナムの人々はとにかく勤勉。「暑いからエアコンがほしい」と騒いでいた僕たちは、どんなときももくもくと働いてくれる彼らの姿を見て、自分たちが恥ずかしくなることもありました。日本のみなさんなら、この作品を理解してもらえるはず―では、まもなく公開を迎える日本にはどのような印象をお持ちか教えてください。監督日本には前作が公開されたときに1度だけ訪れたことがあります。イギリスでも日本文化はすごく人気ですし、親友が大阪に住んでいるので、僕にとっては近い国だと感じています。印象的だったのは、東京に足を踏み入れたときのこと。見た目は近代都市そのものですが、たまに自分が考えている常識とは違うところがあって、そのズレにおもしろさを感じました。たとえるなら、逆向きのハンドルがついている自転車に乗っているような感覚でしたね。あと、僕はよく日本のブランドの洋服を着ているので、洋服を通して日本の文化に触れているところです。―日本の観客へメッセージがあれば、お願いします。監督今回、この作品が日本で公開されることはとてもうれしいですし、興奮もしています。ただ、日本のみなさんがどのように受け止めて理解してくださるのかについては、少し不安なところも。とはいえ、日本のみなさんならこの作品が持つ静けさをわかってくれるのではないかと思っています。―それでは最後に、映画監督として今後どのような作品を手掛けていきたいのかを教えてください。監督いつも同じ質問を自分自身に投げかけているのですが、なかなか言葉にするのは難しいなと感じています。ただ、これからも自分が惹かれるようなストーリーを語っていけたらいいなと。あとは、自分らしい掘り下げ方で、いままでにないような映画を作りたいとも思っています。そういったことをつねに模索し、努力を続けているところです。まだどんなストーリーを描きたいかということをはっきりとは言えませんが、本作同様にアイデンティティというのは自分のなかでも大切なテーマとしてこれからも向き合い続けていければと考えています。悩める心に癒しと希望を与えてくれる静かでありながら、観る者に強いメッセージを突きつけ、深い味わいのある本作。多くの人が「自分とは何者か?」という葛藤を抱えるなか、心に寄り添ってくれる1本となるはず。活気あふれるベトナムの景色を眺めながら、自分のなかに湧き上がる思いを噛みしめてみては?取材、文・志村昌美心が震える予告編はこちら!作品情報『MONSOON/モンスーン』1月14日(⾦)より、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開配給:イオンエンターテイメント©MONSOON FILM 2018 LIMITED, BRITISH BROADCASTINGCORPORATION, THE BRITISH FILM INSTITUTE 2019
2022年01月13日「今年こそ、理想の恋人を手に見つけたい!」という願望を胸に抱いている人も多いと思いますが、まだ出会えていないのであれば、その欲求を満たしてくれるラブロマンス『アイム・ユア・マン 恋人はアンドロイド』がオススメ。そこで、こちらの方にお話をうかがってきました。ダン・スティーヴンスさん【映画、ときどき私】 vol. 444ドラマ『ダウントン・アビー』や映画『美女と野獣』で人気を博し、日本にもファンが多いイギリス人俳優のダンさん。劇中では、学者として研究に没頭する女性アルマのために作られた高性能AIアンドロイドで、“理想の恋人”としてプログラミングされているトムを演じています。そこで、役作りの裏側や人間関係で大事にしていること、そして日本の好きなものについて、語っていただきました。―アンドロイド役ということもあり、目や体の動き、話し方など、普段と違ったところも多かったと思います。演じるうえで苦労したこともありましたか?ダンさんまず全編ドイツ語だったのはもちろん大変でしたが、アンドロイドを表現するというのはとても奇妙な体験となりました。しかも、トムは単なるアンドロイドではなく、人間になりたいアンドロイド。なので、どこかで「人間らしいとはどういうことなんだろう?」と人間をお手本にしている姿を見せられるような演技を意識しました。この作品から飛び出してしまうとトムはけっこう変わった行動をしているようにも見えますが、そのあたりは人間に憧れている設定にされたアンドロイドというのを考えたうえで役作りしています。―以前、ananwebでダンさんの主演作『ブライズ・スピリット』のエドワード・ホール監督に取材した際、監督は「ダンにはチャーミングさを表現できる力と周りを惹きつけるカリスマ性がある」とおっしゃっていました。その部分は今回の役でも活かされていたと思いますが、ほかにも参考にした作品やキャラクターなどはあったのでしょうか。ダンさんまずは、そんなふうに褒めてもらえてうれしいですね!この役を演じるために観たのは、1930年代から40年代にかけてハリウッドで作られていた「スクリューボール・コメディ」というジャンルの作品。住む世界が異なる男女のラブロマンスを描いているものが多かったので、そういった作品に出ていたケーリー・グラントやジェームズ・ステュアートといった俳優たちを参考にしました。特に、トムの髪色はケーリーを真似させてもらっているんですよ。今回は、スクリューボール・コメディをアップグレードしたような作品だと僕は考えています。相手のために存在し、オープンな心でいるようにしている―では、本作のなかで印象に残っているシーンがあれば、教えてください。ダンさんそれはルンバを踊ったシーンです。これまでもほかの映画でいろんなダンスを踊ったことはありましたが、ルンバは初めてでしたし、正確性を求められる難しい踊りですからね。撮影をしたのは一番最後でしたが、そこにいたるまでずっとレッスンを続けて挑みました。大変ではあったものの、トムの持つ身体性を表現するうえでは、非常に大きな助けになったと思います。―もし、ご自身がアルマの立場だったら、アンドロイドと暮らしてみたいですか?ダンさん恋人としてというよりも、家の掃除をしてもらえるとうれしいので、そういうリクエストをしたアンドロイドとは暮らしてみたいですね。―確かに、それはほしいですね。ちなみに、恋人のアンドロイドを作るなら、入れたい要素はありますか?ダンさんうーん、赤毛がいいかな(笑)。―かなりピンポイントですね(笑)。でも、好みの外見にできるのも楽しみのひとつですよね。また、本作では人間関係における大切なものについても改めて考えさせられましたが、ご自身が人間関係を築くうえで大切にしていることは何ですか?ダンさんまずは、そこにしっかりと自分が存在すること。つまり、相手にオープンな心で向き合い、その人のためにいるということをとても大事にしています。そういうことができるようになると、人生という舞台でダンスをうまく踊るように、人との関係性を円滑にできるんじゃないかなと。あとは、あまりいろんなことに期待しすぎないことや自分だけ荷物を背負い過ぎないことも大切だと感じています。2人の様子は、人類史を体現しているように感じた―ちなみに、ご自身とトムと似ていると感じるところもあったのでしょうか。ダンさん共通していると思ったのは、いつも人を楽しませたい気持ちがあるところ。それから、自分をもっと向上させたいという願望や物事を正しいやり方で行いたいという思いも似ているところかなと。これは、自分でもいい資質と言えるんじゃないかなと思っていますが(笑)。―素敵ですね。では、アルマについては、どのような人物として受け止めましたか?ダンさんとても興味深い女性だと思いましたし、それをマレン・エッゲルトが非常に美しい演技で表現してくれました。シニカルなところもありますが、それによってスクリューボール・コメディのクラシックな型にハマった恋愛も見どころになっているのかなと。絶対にうまくいかないように見えるラブストーリーのなかで、徐々に恋が動いていく様子と彼女自身の物語が楽しめると思います。あと、アルマというのは、5000年近く前の言語を学んでいる人物ですが、そんなキャラクターにウルトラモダンなアンドロイドがやってくるという物語もおもしろいメタファーだなと。僕はこの物語で描かれているアルマとトムを見ていて、「人間はどこからきたのか。そして、これからどこへ行くのか」といった人類史の流れを2人が体現しているようにも感じました。日本全国を回って、いろんなものを見てみたい―なるほど。話は変わりますが、まもなく公開を迎える日本にはどのような印象をお持ちですか?ダンさん残念ながらまだ日本には行ったことがないんですが、訪れてみたい場所リストのかなり上位にあることは間違いありません。どこから回ったらいいのかわかりませんが、東京をはじめ、全国のいろいろなところを行ってみたいですね。そのほかに、僕が日本でいいなと思っているのは、ストリートスタイルのファッション。東京から発信されているメンズウェアが好きで、いつもインスピレーションをもらっています。なので、それらがどんなふうに作られているのかを見に行きたいですね。あとは、スタジオジブリのミュージアムにも行ってみたいです!―以前からジブリファンであることは公言されていますし、昨年はジブリ作品『アーヤと魔女』で英語版吹き替えも担当されていますよね。日本の作品から影響を受けているところもありますか?ダンさん『魔女の宅急便』や『となりのトトロ』、『ハウルの動く城』といった宮崎駿監督の作品が大好きで、よく子どもと一緒に家で観ています。魅力的だと思うのは、ディテールと芸術性がマジカルなところ。どれもとても美しいですし、ジブリが描いているようなマジックリアリズムは、子どもたちにもぜひ触れてほしいと考えているところです。―それでは最後に、日本の観客に向けてメッセージをお願いします。ダンさんまずは、とにかく楽しんでほしいですね。今回描かれているAIやロボット技術というのは、日本で発展したところもありますから、そういう部分も見ていただけたらと。日本から遠く離れたところで作られた物語ではありますが、同じ人間としての共通点を見い出しながら、楽しんでもらえたらうれしいです。インタビューを終えてみて……。劇中でも、吸い込まれそうな美しい青い瞳で女性たちを虜にしているダンさん。とても気さくな性格とさわやかな笑顔に、ますます魅了されてしまいました。「こんな素敵なアンドロイドがいたらぜひ恋人にしたい」と思う女性たちが続出するはずです。苦労したというルンバのシーンでも、カッコよさ全開のダンさんに注目してください。自分にとっての理想と幸せとは何かを考える!過去の傷から恋愛に素直になれない難攻不落の女性と、女心をくすぐる甘い言葉と完璧なふるまいを見せるアンドロイドとの恋を描いた本作。プログラミング通りにいかないからこそおもしろい恋愛の醍醐味を味わってみては?取材、文・志村昌美ストーリードイツ・ベルリンにある博物館で、楔形文字の研究に没頭する学者アルマ。研究資金を稼ぐため、とある企業が極秘で行う特別な実験に参加することとなる。その実験とは、「アルマを幸せにする」というミッションを課せられた高性能AIアンドロイドのトムと3週間一緒に過ごすというものだった。紺碧の瞳でアルマを熱く見つめ、積極的に口説いてくるハンサムなトム。全ドイツ人女性の恋愛データを学習し、献身的でロマンチックなトムのアルゴリズムは、過去の傷から恋愛を遠ざけてきたアルマの心を変えることができるのか……。恋の行方が気になる予告編はこちら!作品情報『アイム・ユア・マン 恋人はアンドロイド』1月14(⾦)新宿ピカデリー、Bunkamura ル・シネマほか全国ロードショー!配給:アルバトロス・フィルム©2021, LETTERBOX FILMPRODUKTION, SÜDWESTRUNDFUNK
2022年01月13日2022年も年明けからさまざまな話題作が顔を並べていますが、そのなかでも異彩を放っている注目作といえば『ポプラン』。ある朝、突然家出してしまったイチモツを見つけ出すために奮闘する男性を描いた異色の物語です。そこで、こちらの方々にお話をうかがってきました。上田慎一郎監督 & 皆川暢二さん【映画、ときどき私】 vol. 443今回、長年温め続けていた企画の映画化を実現したのは、『カメラを止めるな!』で社会現象を巻き起こした上田監督(写真・左)。本作では、映画『メランコリック』で主演・プロデューサーを務め、国内外の映画祭で高く評価された皆川さん(右)を主人公・田上役に抜擢し、タッグを組んでいます。完成するまでの道のりや見どころ、そして本作を通して感じたことなどについて、おふたりに語っていただきました。―まずは、劇中でイチモツを意味する『ポプラン』というタイトルが非常に気になります。由来をおうかがいできますか?監督実は、それは企業秘密です(笑)。というのも、僕が言ってしまうとそれが答えになってしまいますからね。そうではなくて、観た方それぞれに想像していていただきたいと思っています。―なるほど。本作は構想10年ということですが、どういった経緯で生まれたのか教えてください。監督アイディアが生まれたのは、僕が20代後半の頃で、フリーターをしながら自主映画を作っていたときのこと。ふと思いついただけだったので、最初は単なる奇抜なアイディアでしたが、すぐに脚本を書き始め、いなくなってしまったアレを捕まえる過程が自分を探す旅になるという物語に自然となりました。ただ、そのときは1本の長編映画にできる感触を僕自身がつかみきれていなかったので制作には至りませんでしたが、今回はCinema Lab(シネマラボ)という映画実験レーベルで「好きなものを作ってください」と言っていただいたので、ぜひ作りたいなと。僕もまだ若造ではありますが、この10年の間に成功も失敗も味わい、結婚して子どもを持つといういろいろな経験をしてきました。であれば、それらの思いを重ねて映画にできるのではないか、という実感を持てたのも大きかったです。成功のあとにくる“壁”も描きたいと思った―ということは、いまだから描けた部分もあったと。監督そうですね。もし10年前に作っていたらもっと軽い物語になっていたと思います。今回は漫画配信で成功を収めた経営者を主人公にしましたが、当初は小さなバーの店長でした。設定を変えたのも自分がある程度の成功を経験し、映画監督としてご飯を食べていけるまでになっていなければ思いつかなかったのかなと。そのうえで、成功のあとにくる“壁”みたいなものを描けたらいいなという気持ちもありました。―皆川さんは最初にオファーをもらったとき、どのような反応でしたか?皆川さんそれまで上田監督とはあまり接点がなかったので、びっくりしました。でも、そのあとに監督が描きたいものや作品の概要が文字で送られてくるのではなく、オンラインミーティングで監督が自らの言葉で丁寧に説明をしてくださったんです。それを聞いたうえで自分なりの解釈をし、ぜひやらせていただきたいとお答えしました。―そのときに、ご自身が選ばれた理由などについても考えられたのでしょうか。皆川さん監督に直接質問することはなかったですが、あとから聞いた話では、お互いにインディーズ映画を制作するなかで、『カメラを止めるな!』ほどではないものの、僕も『メランコリック』という作品で少し知っていただけるようになったので、同じ境遇にいる人間として共感してくれるんじゃないだろうかと。その話を聞いたときは納得しましたし、主人公の田上までいかなくても、僕にも忘れかけていたものがあったんじゃないかなと演じながら感じる部分はありました。親にどれほど支えられていたかを実感した―この作品で描かれているように、あることが当たり前なものでも、失くして初めて大切さに気づくことはよくあります。おふたりにもそういう経験はありますか?監督たくさんありますね。ちょっと恥ずかしいですけど、「幸せ」もそのひとつなんじゃないかなと。たとえば、学生時代の僕は映画監督になり、映画を作って生活していけるならそれはめちゃくちゃ幸せなことだと思っていました。で、実際にいまはそのときに思い描いていた自分になれているので、幸せなんですけど、それでもどこか満たされない瞬間を感じることも……。と言っても、幸せを失くしたわけではないんですけどね。皆川さんいやー、その気持ちわかります。僕は、父親の存在ですね。まだ健在ですが、これまで海外に1年行っていたときや親元を離れたりしたときに、一定期間失くすような状況を経験し、そのときに親のすごさやどれほど支えられていたのかを実感しました。監督そういうのありますよね。いま僕には4歳の息子がいて、毎日遊びに際限がないので、正直言って1日中一緒にいるのはけっこう大変だなと感じることも。でも、仕事が忙しくて妻の実家に預かってもらうと、寂しくなって、リビングがもうちょっと賑やかでもいいのにと思うことがありますから。身近にあるものがいかに大切かを知った―幸せも家族も、かけがえのないものですよね。監督あと、もうひとつ思い出しました!僕は20代前半で借金まみれになってしまい、友達も家も失ってホームレスをしていたことがあるんです。そのときにずっとお風呂に入れない期間が続いていたんですけど、そこからのシャワーはものすごかったですよ(笑)。シャワーってこんなにも人にとって大切で、幸せなものだったのかと知りました。皆川さんこれもめっちゃくちゃわかります。僕もアメリカを自転車で横断していた頃、基本的に野宿をしていたので1週間くらいお風呂に入れないこともありましたから。毎日すごい汗をかいていたこともありますけど、しばらくぶりのシャワーはヤバかったですね。いまそのときのことを鮮明に思い出しました。―幸せ、家族ときて、まさかのシャワーにたどり着くとは(笑)。監督あと、布団とかもそうかな。皆川さんつまり、身近にあるものがいかに大切かということですよね。僕のポプランは田舎に安らぎを求めているかも(笑)―そうですね。本作では、イチモツを失くした人たちは過去に関わりのある人たちや場所を訪ねる自分探しの旅に出ますが、もしご自身も朝起きてなくなっていたらどうしますか?監督自分ひとりで抱えていたら頭が狂いそうになるので、まずは妻に話しますかね。妻になら見せられますから。そのあとは地元に帰ると思います。コロナ禍で両親にも友達にも久しく会えていないのもありますが、もしかしたら僕のポプランが東京での慌ただしい日々のなかで、田舎に安らぎを求めているかもしれないので(笑)。皆川さん僕も実家のある横浜に帰って家族に話をします。近所に少し大きな川があるんですけど、小中高とよく遊んでいた場所でもあるので、「俺は何か初心を忘れてはいないだろうか」とポプランが失ったことの原因を自分に問いかけながら河川敷を歩く気がします。監督僕も琵琶湖のほとりでよく遊んでいたので、地元に帰ったら琵琶湖に行くかもしれないですね。―映画でも海が出てきますが、ポプランは水辺を求めがちなんでしょうか……。監督琵琶湖は「マザーレイク」とも呼ばれていて、母なる湖なので、ポプランは最初に生まれた母の胎内を求めて琵琶湖の周辺を飛んでいる気がしています。皆川さんというか、みんなで大真面目にこの話をしている図が一番シュールですよね(笑)。でも、これこそが『ポプラン』の世界観じゃないかなと。監督まさにそうですね。撮影は難しかったけど、おもしろかった―また、劇中ではポプランが飛んでいるシーンなども見どころですが、撮影で大変だったことがあれば、教えてください。監督実際にポプランがどのように表現されているかは劇場で見ていただきたいですが、まず実物は映らないのでご安心いただければと。撮影中は、ポプランの軌道をみんなで話し合い、イメージしながら慎重に進めていきましたが、そこはけっこう苦労したところですね。皆川さんそうですね。監督からどういう特徴なのかを聞きながら演じましたが、口のなかでモゴモゴ動いているシーンとか、地味に見えるところもいろいろと考えてやりました。難しかったですけど、おもしろかったです。あと、脱ぐこと自体に抵抗はなかったですが、僕的には前張りが大変でしたね。実は見えているところもあるんじゃないかと心配しているのですが……。監督(笑)。それはちゃんとチェックしているので、大丈夫です!普遍的な物語なので、性別問わず楽しんでほしい―それでは最後に、ananweb読者へ向けてメッセージをお願いします。監督あらすじを読んでギョッとする方や女性だと楽しめないのではないかと思う方もいらっしゃるかもしれないですが、試写で観ていただいた女性からは、「自分にイチモツはないけどすごく共感できた」という声も上がっているほど。極端な話のようですが、普遍的なことを描いているので、性別問わず、子どもからお年寄りまで楽しめる作品になっています。観る方によってかなり感想が変わってくる映画にもなっているので、ぜひ観た方同士で語りあっていただき、鑑賞後もこの映画を膨らませていただけたらうれしいです。皆川さん先ほど監督からもお話がありましたが、注意書きとしてまず伝えておきたいのは、はっきりイチモツが映ることはありません。なので、キワモノっぽい印象だけで判断せずに観ていただきたいです。おそらくみなさんが過去に経験したことのある部分とリンクするポイントが各エピソードに入っているはずなので、そういったところに共感などをしていただけたらと。あとは、単純に「男ってバカだな」とこの設定を純粋に楽しんでもらえるのもおもしろいと思います。インタビューを終えてみて……。どんな質問にも、真剣でありながら笑いも忘れずに答えてくださる上田監督と皆川さん。過去の経験や撮影の裏話、そして「もしも自分だったら……」の話など、どれも興味深く聞かせていただきました。気になるポプランの姿と正体は、ぜひ劇場でじっくりとご覧ください。見たことのないエンターテインメントに引き込まれる!想像の遥か上を行くコメディタッチな展開で笑いを誘いつつ、誰もが共感してしまうまさかの人間ドラマへとつながっていく本作。いい意味で予想を裏切る秀逸なストーリーを堪能しながら、「自分にとっての“ポプラン”とは何か」を考えてみては?写真・北尾渉(上田慎一郎、皆川暢二)取材、文・志村昌美上田慎一郎ヘアメイク・堀ちほ皆川暢二スタイリスト・沖田慧/ヘアメイク・Chieko Katayama (HMC)ストーリー東京の上空を高速で横切る黒い影が目撃され、ワイドショーでは「東京上空に未確認生物?」との特集が放送されていた。ある朝、漫画配信で成功を収めた経営者の田上は、自分のイチモツがなくなったことに気がつき仰天する。イチモツを失った人々が集う「ポプランの会」という名の集会に行き着いた田上は、取り戻すための説明を受けていた。「時速200キロで飛びまわる」「6日以内に捕まえねば元に戻らない」「居場所は自分自身が知っている」といったイチモツに関する情報を得ることに。そこで、田上は疎遠だった友人や家族の元を訪ね、家出したイチモツを探す旅へと出るのだった……。興味をそそられる予告編はこちら!作品情報『ポプラン』1月14日(金)テアトル新宿ほか全国公開配給:エイベックス・ピクチャーズ©映画「ポプラン」製作委員会写真・北尾渉(上田慎一郎、皆川暢二)
2022年01月12日できれば経験したくないけれど、多くの人が経験したことがあるものといえば失恋。まさにいま傷ついているという人もいるのでは?そこで、新たな一歩を踏み出したいと気持ちが高まるいまの時期にオススメのドラマ『失恋めし』をご紹介します。今回は、こちらの方にお話をうかがってきました。広瀬アリスさん【映画、ときどき私】 vol. 442失恋にまつわるさまざまなエピソードとともに、元気をくれる思い出の味を描いた本作で、エッセイ漫画「失恋めし」の連載を持つ主人公のキミマルミキを演じた広瀬さん。撮影の裏話や食にまつわる家族との思い出、さらに自身の失恋を乗り越えた話などについて語っていただきました。―まずは、本作のどういったところに惹かれたのかを教えてください。広瀬さん「失恋」というのは、ワードとしてはネガティブな印象がありますし、人生にとってもマイナスなことだとは思います。でも、この作品では、「悲しくて傷ついているかもしれないけど、おいしいものを食べたら、明日ちょっとがんばれるかもよ」と背中を押してくれるところが素敵だなと感じました。―広瀬さんと言えば、漫画がお好きなので、漫画家という設定にもテンションが上がったのではないかと思いますが。広瀬さんそれが漫画家さんに憧れたことが一度もないので、正直なところそういう感覚はなかったです。というのも、私には絵心がまったくないんです(笑)。でも、だからこそ絵を描いているシーンでは、「やっぱり漫画家さんはすごいなぁ」と思いながら演じていました。―今回、役作りで意識したのは、どのあたりでしょうか。広瀬さんちゃんとしているよりも、自然体でいられたらいいなというのはありました。そのなかでも一番意識していたのは、嫌な子に見えないように気をつけること。失恋ネタを探している女の子なので、他人の失恋トークが聞こえてくるのはうれしいんだけど、あからさまにうれしい顔をすると失恋した人に対して嫌な子に見える可能性があるので、そうならないように表情の出し方については、大九(明子)監督ともかなり話し合いました。どれもおいしくて、撮影中は太りました(笑)―なるほど。そのなかで、広瀬さんご自身の癖やリアルなリアクションが出ているシーンもあるのだとか。広瀬さんそうなんです。たとえば、私が本当に道を間違えてしまって戻ってきたときの様子とか、ボサボサの髪の毛を必死に戻しながらセリフを言っているところなど、全部実際の様子をそのまま使ってもらっています。そういった細かいところを生かしてもらったので、役にも重みが増す感じはありました。―大九監督の演出は、いかがでしたか?広瀬さん女性を主人公にした作品をよく撮られていることもあって、いろいろな感情が同時に来たときの女性の撮り方が繊細だなと思いました。自分の漫画が書籍化されることが決まったあと、家のなかで喜んでキャッキャしている最中にほかのことを思い出してシュンとしてしまうシーンでは長回しで撮っていただいています。そのおかげでリアルな反応がすべて映し出されているので、生っぽさが出ていてよかったなと。そういうところは、大九監督ならではだと感じました。―劇中で印象的だったのは、広瀬さんがさまざまな料理をおいしそうに食べる姿。なかでも、お気に入りの一品といえば?広瀬さん本当にどれもおいしかったです。さばの味噌煮定食は実際に全部食べてしまいましたし、翌日むくんでしまうと知りつつも、深夜に我を忘れて酒盗カルボナーラをバクバクと食べてしまったことも。とにかく全部おいしくて、そればっかり食べていたので、撮影中はしっかりと太りました(笑)。食べるシーンは朝から晩までずっと同じものばかりを食べていました。カニクリームコロッケのエピソードなら、1日中カニクリームコロッケしか摂取していない、なんてこともあったくらいです。自分の好きなもので体を満たすのが心のケアになる―事前に「いつか私が失恋したら、美味しいごはんをいっぱい食べよう!と思います(笑)」とコメントされていましたが、もし失恋したら何を食べたいですか?広瀬さん超高カロリーのラーメンです(笑)。ちょっとやけ食いに近いかもしれないですが……。普段あまり食べないものなので、気持ちが落ち込んでいるときほど、自分が食べたいものをいっぱい食べるのがいいのかなと。というのも、「おいしい!」と思っている瞬間というのは、不幸な気持ちと一番かけ離れている気がするからです。自分の好きなもので自分の体を満たして幸せを感じたいですし、結果的にそれが心のケアにもつながると思います。―ちなみに、いままでに失恋の痛みを癒してくれた食べ物があれば、教えてください。広瀬さんこれまでは食べ物よりも、時間に身を任せていましたが、今回のドラマでおいしいものを食べるというのはいい解決法だと学びました。―以前、子どもの頃に憧れていた水嶋ヒロさんが結婚したとき、中学生で失恋を味わったとお話されていたこともありますが、そのときはどうやって元気になったんでしょうか。広瀬さん当時はまだ若かったので落ち込みましたけど、絢香さんの曲をずっと聴いていました(笑)。―それはなかなか斬新な乗り越え方ですね(笑)。食べ物以外に、落ち込んだときの対処法はありますか?広瀬さん私はモチベーションを上げようとするよりも、リセットしようと考えるほうなので、まず半身浴をしてたくさん汗をかき、ストレッチをして体を温めたら、お酒を飲んで大熱唱して寝る、みたいな感じです。それがストレスの発散にもなっている気がします。今日やるべきことは、その日のうちに終わらせる―つまり、次の日まで持ち越さないと。広瀬さんそうですね。基本的に、今日やらないといけないことはその日のうちに全部終わらせるようにしています。というのも、いかに翌日の朝ゆっくり起きられるかを大事に考えているので。悩みごとも人には言わずに、自分のなかで消化するか、流すかのどちらかなので、自分のルーティンをこなしてすっきりして寝るというパターンが多い気がします。最後に決めるのは結局自分です。これは10代から仕事をするなかで徐々に培ってきた方法ではありますが、最近になってやっとできるようになりました。―では、広瀬さんの勝負めしといえば?広瀬さんめちゃくちゃ好きなのは、お肉です。焼肉もステーキもしゃぶしゃぶも、どれも大好きですね。―普段は自炊することが多いですか?広瀬さんそうですね。普段は、現場と家の行き来が多いので、自分で作ったものをお弁当に詰めて持って行くのが一番の理想です。―最近ハマっている得意料理があれば、教えてください。広瀬さん得意料理というのは、特にないんです。スーパーで安いものを買うか、気になる食材をバーッと買うか、事前に食べたいものを検索して材料を買うか、みたいな感じなので。できれば、食べる専門になって誰かに作ってもらいたいくらいです(笑)。恋愛に関しては、意外とビビりなところもある―食にまつわる忘れられないエピソードはありますか?広瀬さんうちは家族全員スポーツをしていたこともあって、体づくりに関しては、母が人一倍厳しかったので、ものすごい量を食べさせられた記憶があります。ハンバーグとかおいしかったですけど、小学生のときからご飯を丼に5杯とか食べさせられていたので……。あまりに量が多くて、一時は食事の時間が嫌になったこともありました(笑)。そんなこともありましたが、いまでは忙しいときに母が家に来て作り置きしてくれる料理がすごく楽しみです。―本作では、ミキと花屋の青年が繰り広げる淡いラブストーリーも見どころです。登場する青年は、どこかつかみどころのないおとなしい男性でしたが、どう思われましたか?広瀬さんああいう不思議な空気感をまとっている人は、まず人間として興味を持ちますよね。何を考えているんだろうと。いつもは静かなトーンなのに、好きなお花のことになると急に熱量が上がるところも魅力的だと思います。でも、あの2人はもどかしくて、小学生の恋愛を見ているような気分だったので、間近にいたら「早く行けー!」とか「2人でご飯に行ってきたら?」とかおせっかいなことを言ってしまいそうです(笑)。―ということは、ご自身は思ったらすぐに行動できるタイプということでしょうか。広瀬さんいや、意外とビビりなのでそんなに行動はしないほうです……。ただ、2人みたいに「見ているだけでいい」というのはないかなと。最低でも普通に話ができるレベルか、「ご飯に行こうよ」と言えるくらいにはするとは思います。ほっこりした気分で、次の日もがんばってほしい―ちなみに、もし友達に失恋した人がいたとして、広瀬さんならどんなアドバイスをされますか?広瀬さんまずは、「おいしいご飯を食べたら元気になるよ」と言って食事に誘い、「趣味とか、恋愛以外のことで楽しみを見つけてがんばらない?」と声をかけれたらいいかなと。といいつつも、実は私は優しい言葉をかけるのがあまり得意ではないんですけどね(笑)。―広瀬さんとご飯を食べるだけで元気になれそうです。それでは最後に、ananweb読者へ向けてメッセージをお願いします。広瀬さん最初にお話したように、失恋はマイナスイメージなものではありますが、この作品は「おいしいご飯を食べるだけで明日からがんばれるかも」と思わせてくれる心にもおいしい飯テロドラマとなっています。1月といえば、ちょうど心機一転がんばろうという気持ちになっている時期でもあると思うので、そういう意味でもぴったりの作品かなと。ぜひ、夜寝る前に観てもらい、ほっこりとした気分で頭をリセットしてから、次の日もがんばってもらえたらと思っています。インタビューを終えてみて……。とても自然体で、笑顔が絶えない広瀬さん。明るい人柄が伝わってくるようなお答えばかりで、とても楽しい取材となりました。劇中では素の広瀬さんが垣間見れるシーンもあるので、そのあたりにもぜひ注目です。おいしいご飯さえあれば、誰でも元気になれる!食欲を刺激されてお腹は空くものの、心は温かい気持ちでいっぱいにしてくれるエピソードの数々。失恋に落ち込むことがあっても、何気ないひと言や人との出会い、そしておいしいご飯があれば、誰もが笑顔を取り戻せるはず。あなたを元気にしてくれる“失恋めし”を探してみては?写真・山本嵩(広瀬アリス)取材、文・志村昌美ストーリー街のフリーペーパーで「失恋めし」という連載を持っている漫画家のキミマルミキ。街で見つけた失恋と、傷ついた心を癒すおいしいめしの物語を描いていた。フリーペーパーを発行するSTO企画の面々とともに、新しいネタ探しに奮闘するミキは、街の人たちからさまざまな失恋話を耳にする。そんななか、ミキは不器用すぎる花屋の青年と出会うことに……。続きが気になる予告編はこちら!作品情報『失恋めし』1月14日(金)よりAmazonプライム・ビデオで独占配信©木丸みさき・KADOKAWA/ytv写真・山本嵩(広瀬アリス)
2022年01月12日人気俳優のみなさんがどんな休日を過ごしているのか、興味をそそられる人は多いですよね?そこで話題となったのは、撮影が突然休みになった俳優たちの1日を気鋭のクリエイターたちが妄想を膨らませ描くWOWOWオリジナルドラマ『撮休』シリーズ。好評を博した『有村架純の撮休』、『竹内涼真の撮休』に続き、第3弾『神木隆之介の撮休』が放送されています。今回は、こちらの方にお話をうかがってきました。神木隆之介さん【映画、ときどき私】 vol. 441ドラマや映画の撮影期間中にある休日を通称“撮休”と呼んでいますが、本作でさまざまなクリエイターたちが妄想して作り上げたのは、“オフの神木隆之介さん”。そこで、全8話にわたって自分自身を演じた神木さんに、思い出の撮休エピソードや彼女との理想の過ごし方、そして驚きの“職業病”などについて幅広く語っていただきました。―本人役とはいえ、他人が考えた自分自身を演じてみていかがでしたか?神木さんフィクションでありながら、まるでノンフィクションのように感じさせる必要があるので、私生活の僕がしゃべっているような雰囲気を見せたくて、役作りは一切しませんでした。たどたどしいところも含めて、「僕だったらこう話すかな」というのを考えながら演じています。―なるほど。各話はそれぞれのクリエイターの方々が神木さんに抱いているイメージが反映されていますが、実際のご自身と比べてみて、近いところはありましたか?神木さん「みなさん、好青年に描いていただいてありがとうございます!」という感じです。どの僕もちゃんとした人間でクズ感はないですよね、本人とは違って(笑)。実際の僕よりもまじめで、まっとうな意見を言っている部分が多かったですが、世間のみなさんから見ると、僕はふざけていないイメージなんでしょうか?(笑)―そういう印象を抱いている人は多いのかなと。この際、訂正しておきたいパブリックイメージがあれば、教えてください。神木さん公の場で余計なことを言わないだけで、僕は本当にお調子者ですし、ふざけてばかりいる人間ですよ。落ち着きもないですし、28歳にしては無駄にテンション高めかなと(笑)。ただ、僕は無駄なことも、ふざけることも大好きなので、そこは伝えておきたいですね。―過去には、世間のイメージとのギャップに悩まされるようなこともあったのではないかなと。神木さんそういうことに苦しんだりしたことは、まったくなかったですね。共演者の方から、「意外とうるさいんだね」とか言われることはありますが(笑)。でも、僕としては相手が僕にどんなイメージを持っていたとしても、実際に会って話しているときが真実。そこから新しく構築していけばいいと思っているので、イメージを気にしたことはないですね。似たような経験に共感することもあった―第4話「夢幻熊猫(むげんぱんだ)」では、女優業に興味を持つ姪っ子さんにアドバイスをしていますが、実際に悩みを相談されたらどうですか?神木さんあそこまでまじめには返さないと思いますし、「役者ってさ……」みたいに自分のことを話すことはないかもしれないですね。ちなみに、僕にも姪がいて、ここ最近「女優になりたい」と言い始めたみたいです。―まさに同じシチュエーションですね!神木さんまだそうらしいと聞いただけですが、僕としてはやってみなきゃわからないから、いいんじゃないかなとは思っています。無責任に聞こえるかもしれないですが、想像していた以上につらければやめればいいですし、耐えられれば続けたらいいんじゃないかなと。どんな仕事でもつらいことはあるので、僕としては「がんばれー!」くらいの感じです。―将来が楽しみですね。今回、一番自分に近いのは、どのエピソードですか?神木さん僕はしゃべることが本当に好きなので、第7話の「友人の彼女」は話しているシーンが多くて近いかなと思いました。この話は友達と仲が良すぎて、友達の彼女から嫉妬されるという内容ですが、実は僕にも同じような環境がありまして。ゲーム会社に勤めてる3つ上の親友がいるんですけど、毎日のようにゲームで遊んでいたとき、「この人、彼女とかいるのかな?」とふと思ったんです。優しい人なので何も言わないんですけど、もしかしたら僕がかなり独占しているんじゃないかなと。そしたら、最近結婚したんです。というか、彼女がいたんですよ!―ということは、その彼女から嫉妬されたとか……。神木さん紹介したいと言われて会ったんですが、奥さまから「隆さんとのいままでの関係を壊したくないので、私のことは気にせずにこれからもどうぞ誘ってやってください」と言われて、なんて優しいんだろうと。でも、同時にすごい申し訳ない気持ちにはなりましたね。だからこそ、このエピソードにはすごく共感しました。あと別の友達も、僕と一緒にカラオケに行き過ぎて、周りから予定を聞かれるときに「今日は神木くんと遊ばなくて大丈夫?」といつも聞かれると言っていましたね。一番優先してもらっているみたいです(笑)。彼女とは家でゆっくりして、買い物に出かけたい―そのお話も納得してしまうほど、神木さんといえば愛され力が高いですが、何か秘訣はあるのでしょうか。神木さん自分ではよくわかりませんが、「相手に楽しんでほしい」というのは第一に考えています。「神木と話せておもしろかった。悪い時間じゃなかったな」と感じてもらえることを目指しているので。周りからは、グイグイくる変なヤツだと思われているかもしれませんが、僕はウザいと思われてもいいんです。ただ、裏ではなくて、面と向かって「ウザい」と言ってほしいですね。そうすることで、ウザいキャラとしてお互いに“言葉のプロレス”ができますから。そんなふうに、一緒の時間を楽しく過ごしたいというのが伝わっているのかもしれないですが、それを受け入れてくれる人がいるのはありがたいことです。―また、第5話「優しい人」では、恋人と過ごす撮休が描かれています。神木さんが思う恋人との理想の撮休といえば?神木さんまず、午後までは寝たいですね。劇中では、カーテンをいきなり開けて起こされるのですが、あれはちょっと嫌だなと思いました。低血圧気味なので、もう少し優しく起こしてもらわないと機嫌が悪くなる可能性も……。家でゆっくりするのもいいですけど、一緒に買い物に行くのもいいですね。―彼女がキスシーンに嫉妬する場面もありましたが、こういう女性はどう思いましたか?神木さんすべてを理解してとは言わないですが、どんな仕事でも理解しようとしてくれない時点で、相手へのリスペクトがないと思うので、それがお互いの関係を壊すのであれば難しいのかなと。「そっちの世界のことはよくわからないけど、がんばってるよね!」みたいな感じがいいですよね。もちろん、キスシーンに嫉妬する気持ちはわからなくもないですけど、ちゃんと信頼関係が築けていれば、わかってもらえるはずなので。ここに出てくる彼女とは、お互いのためにならないので、速攻別れたほうがいいと思います!(笑)おもしろさを追い求める子ども心は大事にしたい―そのあたりも見る方に、委ねたいところですね。ちなみに、もし急に明日撮休になったら何をしますか?神木さんやっぱり午後までは寝て、ダラダラとお風呂に入り、一緒にカラオケに行ける人を探しますね。もし誰も募れなくても1人でカラオケに行って、散歩くらいはしたいかなと。あとは、ゲームして終わると思いますが、実際はそんなものですよ(笑)。―カラオケがお好きなんですね。神木さんカラオケが第一希望ですが、それは「何かした」というせめてもの救いになるからですね。何もしなかったというのはできるだけ避けたいので。いろんなジャンルを歌いますが、最近は桑田佳祐さんの「可愛いミーナ」やボカロ系を歌っています。カラオケに行けなかったら、1日中ゲームすることになるでしょうね。特に、新しく発売された『ファイナルファンタジーXIV』を買ったら、家にこもることになりそうですが……。パソコンの横に冷蔵庫も置いているので、そこですべて完結できるようになっています(笑)。パブリックイメージと全然違いますよね。―ちなみに、今までで一番いい撮休の思い出があれば、教えてください。神木さんコロナ禍の前ですが、秋葉原に行き、アニメグッズを探して、カラオケでアニソン歌って帰る、みたいなのは楽しかったですね。―もし長期で休みがあったら、したいことはありますか?神木さん1つだけ、本当にやりたいことあります。それは、鳥取砂丘に行ってラクダを借りて、石油王のコスプレをして写真を撮ることです。それをSNSのアイコンにして、「どうも石油王です」と書くことが僕の一番の目標です。―石油王!?なぜですか?神木さん一時期流行ったというか、「どうも石油王です」と書いたらモテるとネットで見たので。その次は、「どうも吉沢亮です」と言ったら全員落ちるそうなので、石油王と吉沢亮くんは二強みたいです(笑)。僕は人がしないようなくだらないことにものすごい労力を使って、語り継がれるようなことをしたいなと。メリットデメリットとかではなく、単純におもしろさを追い求める子ども心は大事にしたいと思っています。私生活でもカメラの位置を意識してしまうことがある―石油王、楽しみにしています。第1話「はい、カット!」では、“はい、カット!シンドローム”というカットがかかるまでは何でもできるという状況に陥っていましたが、その時間内にしてみたいことはありますか?神木さん「横浜流星だよ」と言いながら渋谷でナンパしまくりたいです(笑)―(笑)。横浜流星さんに憧れる理由は?神木さんだって、あんなにかっこよくて、背が高い王子さまみたいなタイプいないですよね!うらやましいですよ。横浜流星だと言えば、絶対イケると思うのでしてみたいですね。―“はい、カット!シンドローム”は、子役で仕事をしている人ならではの架空の症状として描かれていますが、俳優ならではの職業病もあるものなのでしょうか。神木さんありますね。ふとした瞬間に「カメラがここにあったら、こう映ってるだろうな」とか、音楽を聞きながら「この曲が主題歌だったら、こういう物語がいいだろうな」とかいろいろなことをつねに想像してしまいますね。―現実と区別がつかなくなることもあるのでは?神木さんそういうときは、だいたいボーっとしてますね。たとえば、買い物中に考え始めると、お店を出たあとに、「ちゃんと買ったんだっけ?」みたいになることも。あとは、カメラの位置を意識しているときは、目線とか顔の角度とかをなんとなくそれに合わせて変えたりすることもありますよ。もはや癖みたいなものです。―すごい職業病ですね。多くの俳優さんにある現象なのでしょうか。神木さん第1話でご一緒した安達祐実さんとは、「そういうのあるよね」みたいな話はしましたが、ほかの方には聞いたことがないですね。2022年も「よかった」と言ってもらえるようになりたい―そういうなかで、素に戻るためにしていることがあれば、教えてください。神木さん基本的に、ゲームやカラオケをしているときと、友達といるときは素になりますね。そもそも、僕としては普通に一都民の感覚なので、そんなに意識したことはないです。ただ、回転寿司のお店で「神木さま、4名さま!」と大きな声で呼ばれたときは、びっくりして素になりましたけど、それくらいですね(笑)。―20代も残り2年を切りましたが、30代はすでに意識されていますか?神木さんここ最近は、「もう30か、やばいな!」みたいに学生のノリでおもしろおかしく盛り上がっていますが、本心ではあまり気にしていないですね。でも、もう少し落ち着かないといけないかなと思ってはいますが。―今後やってみたい役はありますか?神木さん一番は、山田涼介くんと2人でアイドル役をすることですかね(笑)。あとは、配信者の役をして、リスナーとの絆を描いたらおもしろそうかなと思います。―では、始まったばかりの2022年はどういう年にしたい?神木さんいつも通り、がんばるんですけど、去年はドラマ『コントが始まる』で菅田将暉くんや仲野太賀くんといった素晴らしい人たちと出会えたので、刺激を受けている彼らから「よかったじゃん!」と言ってもらえるようなことができたらいいですね。―最後に、本作シリーズの見どころをお願いします。神木さん各話いずれも、みなさんに楽しんでいただける作品になっていると思っています。横浜流星くんは出ていませんが(笑)。一番見てほしいところをあげるとすれば、全話のオープニングに出演しているマネージャー役の池田鉄洋さんです。渾身の怪演なので、ぜひ注目してください!インタビューを終えてみて……。さすがの話術と頭の回転の速さで、おもしろい回答を続出させる神木さん。いい意味でパブリックイメージを壊してくださる姿に、取材中は笑いが止まらなくなりました。俳優としてはもちろん、気になる素の部分もさらに深掘りしたいところです。予想外の展開に、目が離せない!8つのパラレルワールドのなかで、個性豊かなキャストに囲まれながら、さまざまな表情を見せる神木隆之介さんが堪能できる本シリーズ。神木さんの知られざる撮休を一緒に過ごしている気分を味わってみては?取材、文・志村昌美ストーリー1995年のデビュー以来、数々の話題作で人々を魅了してきた人気俳優・神木隆之介。多忙な毎日を送っていたある日、マネージャーから突然撮影の休みを告げられる。はたして、彼は“撮休”をどのように過ごすのだろうか……。早く続きが観たい予告編はこちら!作品情報『WOWOWオリジナルドラマ神木隆之介の撮休』WOWOWにて放送・配信中毎週金曜よる11:00より放送・配信(各話放送終了後、WOWOW オンデマンドにてアーカイブ配信)。【WOWOWプライム】第1話無料放送/【WOWOWオンデマンド】無料トライアル実施中・出演:神木隆之介安達祐実/成海璃子、藤原季節/MEGUMI、矢本悠馬/長澤樹/木竜麻生松重豊、大塚明夫、田中要次/萩原みのり、井之脇海、北村有起哉/仲野太賀、坂井真紀/池田鉄洋・監督:瀬々敬久、森ガキ侑大、三宅唱、天野千尋、枝優花・脚本:狗飼恭子、高田亮、篠原誠、ふじきみつ彦、竹村武司、玉田真也・天野千尋、山﨑佐保子、山田由梨・番組HP:
2022年01月12日婚活で約1000人の男性と出会い、年下夫を射止めたライター・かわむらあみりがお届けするコラム【結婚引き寄せ隊】連載第97回は、婚活していると出会う“女性”についてのエピソードです。なかでも、いまでも印象に残っているちょっと勘違いしている女性の特徴をお届けします。1.上から目線がデフォルト【結婚引き寄せ隊】vol. 97出会いを探しているなかで、時に遭遇するのは、「自分はモテている」と勘違いしている女性。でも、ふたを開けたら実はけっこう、イタい女性だったりする場合もあるようです。そんな女性の特徴のひとつめは、上から目線がデフォルトのタイプ。女友達がみんな自分より下のレベルだと決めつけているような態度で、恋愛の話を女性同士でしていても、「うん、うんわかるよー」と肯定から入りながらも、「でもそれはすればになるから」など、なぜか常に上から目線で恋愛アドバイスをする場合も。アドバイスをするほど経験豊富ならまだしも、そうではない場合がほとんどのようです。さらに、飲み会などで男性と知り合うと、その場にいるみんなが連絡先の交換をしているなかで、ひとりだけ「私の連絡先を聞くなんて早すぎる」などと、妙にミステリアスを気取る場合もあります。男性たちがその手の女性をたいして気にしているわけではなくても、「私のこと気になってるでしょ!?」と、謎の自信をまとう始末。冷静にそんなタイプの女性を見ているまわりは、あちゃーと思ってしまうのでした。2.自慢話が多いイタい女性といえば、自慢話が多いタイプも、手に負えないことがあるかもしれません。いつも片想いの男性に呼び出されるのが夜中という女性がいて、「この間もすぐ来いって連絡されてさあ」と、それを自慢げに語っていました。「いつでも会いたくなっちゃうみたいで」などと話していましたが、まわりの友人たちは、いやいやそれは都合のいい女では…と、心配。でも、それとなくまわりが忠告しても、恋に落ちているその女性は聞く耳を持ちません。それどころか、他にも誰々が私に気がありそうだ、などと、どういう解釈なのか、自分がモテているアピールがすごいのです。「〇〇くんはこんなコトをしてくれた」といった、いかに相手の男性が自分のためにやってくれたことがあるか自慢もしばしば。たとえ勘違いじゃなかったにせよ、モテていることをあからさまにアピールすると、まわりにいる人たちはシラけてしまいます。とはいえ、それはそれで、勘違いしても幸せそうだから意外と本人はいいのかも、と思ったのでした。3.セクシーすぎるセクシーすぎる女性に遭遇したときも、いろいろな意味で、大丈夫かな?と心配になってしまいます。自分のことではないのにヒヤヒヤしてしまうのは、とくに飲み会の席での、セクシーすぎる女性。たいがい肌の露出の多いファッションをしているその手の女性は、天然なのかわざとなのか(きっとわざとでしょうね…)、胸が見えそうなトップスでまわりの男性を翻弄。見るに見かねた友人が「見えそうだよ!」と教えても、「ああ平気、平気〜」と、どこ吹く風。まあ、もともとファッションを気にする女性なら、お酒が入る場で、露出の高い服装はしませんよね。こういったタイプの女性は、肌にぴたっとフィットしすぎるファッションも好きだったりと、自分のカラダに自信があるのでしょうか。ボディアピール大の女性は、男性の視線を集めると、「今日もまた飲み会でみんなが私を見てくるの」と、女友達には、なぜかモテて困った風に、かつどこかうれしげに申告。いやあもう、勘違いも度が過ぎると、同性同士でも何も言えませんよね。本当に幸せはいずこへ…。出会いを探していると、男女問わず、さまざまなタイプに出会うことがあるかもしれません。くれぐれも、みなさんもお気をつけて、素敵なご縁をつないでくださいね!文・かわむらあみり©FG Trade/Getty Images©Justin Case/Getty Images©Juanmonino/Getty Images
2022年01月10日IDÉE とのコラボなど現在も注目を集める99歳の染色家・アーティスト、柚木沙弥郎(ゆのきさみろう)さん(1922~)。彼の展覧会『柚木沙弥郎life・LIFE』が、立川のPLAY! MUSEUMで開かれています。染色作品や絵本原画が並ぶ展示空間は、ワクワク感であふれています!どんな展覧会?【女子的アートナビ】vol. 234『柚木沙弥郎life・LIFE』では、創作活動70年超のアーティスト、柚木沙弥郎さんの作品約150点を展示。温かみのある布作品や、ほっこりする絵本原画、ユーモラスな人形など、彩り豊かな世界が広がっています。柚木さんは、作品制作だけでなく商業意匠も手がけています。最近ではインテリアショップ、IDÉEとのコラボが注目されましたが、ほかにも数多くのデザインを担当。日本各地でロゴやパッケージなどを制作しています。調べてみたところ、筆者の自宅近くにある民藝品店の看板や、よくお取り寄せする和菓子店の包装紙も柚木さん作と判明。きっと、みなさんの身近なところにも柚木さんデザインがあるはずです。本展では、誰もが親しみを感じられる柚木さんの作品群が一堂に集結。優しくて温かい「柚木ワールド」にたっぷりと浸れます。学徒動員、染色家転身、パリで成功…柚木さんは1922年、大正時代に東京・田端で誕生。父親は洋画家で、幼いころから絵を描くのが大好きだった少年は、東京帝国大学(現・東京大学)文学部美学美術史科に入学します。1943年、学徒動員で兵隊となり、終戦後は岡山の大原美術館に就職。そこで柳宗悦の民藝運動に出会い、美術館をやめて工芸・染色の道に進みます。1950年、女子美術大学の専任講師に就任。学生を指導するかたわら、染色家としてさまざまな作品を制作し個展も開きます。1987年には、同大学の学長に就任。1991年に退職した後は絵本原画も手がけ、染色、デザイン、造形など幅広いジャンルで活躍しています。また、柚木さんは国内だけでなく海外でも精力的に個展を開き、2014年にはフランス・パリのギメ東洋美術館で大規模な展覧会を開催し、大きな成功を収めます。99歳になる現在も、毎日絵を描くなど創作活動を続けています。ワクワクする作品がいっぱい!では、本展の見どころからいくつかピックアップしてご紹介。まずは、絵本の原画やスケッチなどを展示した「絵のみち」。柚木さんは72歳のとき、はじめての絵本を刊行。その後、ジャズピアニストの山下洋輔さんや、詩人の谷川俊太郎さんと一緒に本を出したり、宮沢賢治の絵本原画を担当したり、絵だけでなくお話も自ら手がけたりと数多くの本を出版しています。会場には、約80点の原画を展示。シカやネコなどの動物たちが楽しそうに飛び跳ねていたり、生き生きとした人物が描かれていたりして、見ているだけでワクワクします。学生時代に戦争を経験された柚木さんには「戦火に散った友人たちの分も、自分は何かしなくてはいけない」という想いが常にあるそうです。どの作品からも、柚木さんの“丁寧に生きる”というメッセージが伝わってくるようです。作家本人が感動…!「布の森」もうひとつの見どころは、約50点の染色作品が天井からつるされた「布の森」。柚木さんの作品は、初期のころは人物や動物などの模様が多く、近年では抽象画風のデザインに変化。会場には、幅広い年代の作品が集まっています。この空間に入ると、色とりどりの布に囲まれ、まさに森の中にいるような感じ。ダイナミックな展示に圧倒されます。床に敷かれている白い砂利も、作品をより美しく幻想的に引き立たせていて、展示室を歩いていると美術館にいることを忘れてしまいそうです。「布の森」の展示空間については、美術館が実施したインタビューで、作家本人が「涙が出るほど感動する」と述べています(※)。まさに圧巻の展示で、どの世代の人が見ても感激すること間違いなしです!キュートなオリジナルグッズも!最後に、ミュージアムショップにもお立ち寄りください。PLAY! MUSEUMのオリジナルグッズや、IDÉEのグッズも購入できます。特にタイルのデザインは、とってもキュート。全種類揃えたくなります。『柚木沙弥郎life・LIFE』は1月30日まで開催。Information会期:~1月30日(日)会場:PLAY! MUSEUM開館時間:平日:10:00-17:00(入場は16:30まで)休日:10:00-18:00(入場は17:30まで)観覧料:一般¥1,500、大学生¥1,000、高校生¥800、中・小学生¥500※最新情報などの詳細は公式サイトをご覧ください。
2022年01月10日冬の足元コーデの大定番、黒タイツ。しかし黒タイツなら失敗しないからと、どんなコーデにも黒タイツばかりじゃ、おしゃれが決まるどころか場合によっては野暮ったくも見えてしまいます。そこで今回は、黒タイツが野暮ったく見えるNGコーデの特徴をご紹介します。膝丈スカート+黒タイツ+バレエシューズ黒タイツは他のカラーに比べて比較的、脚のラインを引き締めてくれる効果があります。ですが、いくら黒タイツといえどその引き締め効果にも限界が…。なので、脚の長さや太さが露呈するような着こなしはとにかくNG。特に気づかぬうちにやってしまいがちなコーデが、膝丈のスカートとバレエシューズの組み合わせです。膝丈スカートは膝下の脚の長さに視線が集中するので、人によっては胴長短足に見えかねません。加えてヒールで長さを誤魔化せないバレエシューズを合わせるとなると、余計に野暮ったくなるので気をつけて。ちなみにこの黒タイツとバレエシューズの組み合わせですが、脚が細ければ似合うのか…といったら実はそうでもありません。脚が細いと今度は下半身の細さが際立ち、上半身とのボディバランスにミスマッチを起こします。全体で見たときにいわゆる服に着られているような印象を与えてしまうのですね。脚が細い方は、ミドル丈のトラックソールブーツなどボリュームのある靴を合わせましょう。ふくらはぎが太い方は黒のロングブーツで体型カバーを意識してください。黒タイツにブーツを合わせる際、ついブラウンを選んでしまいやすいですが、あえて黒でまとめたほうがスッキリして見えます。明るい配色コーデ+黒タイツもうひとつ、黒タイツが野暮ったく見えるコーデはアウター、トップス、ボトムスを全身明るい色で構成したコーディネイトです。多くの方は冬になると黒やグレーといった暗い色を選ぶので、明るい配色コーデを取り入れていること自体はとてもおしゃれで素敵だなと思います。ただ、コーデ全体が明るく華やかなのに、急に黒タイツが入ることで重たさを感じるように。この違和感こそがコーデそのものを野暮ったく見せる原因です。なのでできるだけ、お洋服で取り入れているベースのカラーとなじむ色のタイツに変えると良いですね!例えば、ブルー系のアウターにベージュのニットワンピースなら黒よりもグレーのタイツのほうがなじみます。逆に黒のタイツがなじむのはモノトーンコーデや、ベージュ・ブラウン系のコーデ。着るお洋服の配色バランスによって黒タイツにすべきか、別の色を取り入れるかを考えるとコーデの失敗が少なくなるのでぜひ取り入れてみてくださいね。黒タイツの色あいにも注目!黒タイツと一口に言っても、ブランドやメーカーによって微妙にその色味や素材に違いがあります。あまり光沢がありすぎるものよりも、マットな質感が今のトレンドにマッチしています。また、タイツは40デニールほどが程よく透け感が出るので上品見えに。今年の冬はぜひご自身にとってお好みの黒タイツの厚さ、素材、色を探求してみてはいかが?イラスト 角佑宇子
2022年01月05日婚活で約1000人の男性と出会い、年下夫を射止めたライター・かわむらあみりがお届けするコラム【結婚引き寄せ隊】連載第96回は、婚活していると出会う“男性”についてのエピソードです。なかでも、いまでも印象に残っている「婚活男性3選」その33をお届けします。1.故郷暮らし前提の男【結婚引き寄せ隊】vol. 96それは婚活サイトで知り合った男性と初めて会う約束をしたときのこと。サイトに掲載されていた自己紹介欄には、年齢や職業、出身地、趣味といったリストがありました。その男性は、地方出身のサラリーマンで、大学卒業後に入社した会社で20年近く働いている真面目そうなタイプでした。事前に何度かメールでやりとりした後に、実際に都心のカフェで会うことになり、その男性はサイトで見ている通りの堅実そうな印象を受けてひと安心。というのも、サイトに掲載されていた写真と実物が全然違うことがあるので、このときはそのままの雰囲気の男性でした。結婚相手なら真面目な人がいいなと思っていたので、普段の様子から将来のことまで、初対面ながら順調に話が進んでいきました。そのうち子どもの頃の話になると「って行ったことありますか?」と、その男性が生まれ育った地方について質問され、「両親が向こうに住んでいて僕は長男だから帰るつもりなんです」と、突然切り出してきました。帰省という意味で、お休みなどに帰るのかと思いきや、「結婚したら故郷で暮らしたいのでいいですよね?」と、なかなかに重大な決断が要ることをサラッと聞いてきます。相手の男性の故郷についていくなんてまったく考えていなかった私は、「それはちょっと難しいかもしれません」と正直に答えると、無言になる男性。その後は、それまでの順調な会話がウソのように、とってつけたような世間話をちらっとしただけで、解散することになりました。どうやらその男性は、一緒に故郷で暮らす女性を探していたようで、ガッカリした様子。いやいやいや、だったら、手間もかかるんだから、最初からサイトに明記しておいてくれたらお互い無駄骨折らずに済んだのに。まあ、最初から書いてしまうと会える人が狭まるからなんだろうけど、なんとも消耗した1日なのでした。2.半ズボンの男それは20代から40代まで、幅広い世代が集まる飲み会に参加したときのこと。店内には大きめのテーブルがいくつかある程度のこぢんまりとした洋風居酒屋に集まって、わいわいと和やかに食事やお酒を楽しんでいました。奥のほうの席に座っていた短髪にソフトマッチョな外見で、いかにもスポーツマンタイプの男性は、ニコニコ笑顔を振りまいていて、そのテーブルのムードメーカーといったところ。その男性がトイレで席を立つときに気づいたら、真冬なのに半ズボン姿だったのが印象的でした。飲み会ではとくに出会い探しの場ではなかったものの、同じテーブルについた男女ともに、自然と仲良くなっていく感じでその飲み会の後日、同じ参加者でまた飲み会があるという知らせが。仕事終わりに急いで行くと、お店の前でばったり、そのスポーツマンタイプの男性と遭遇しました。もはや安定の半ズボン姿で、「ここに来るまで何駅分か走ってきた」というその男性。その日の飲み会も楽しく過ぎたけれど、とりあえず恋につながりそうな出会いはなく知り合いが増えただけでした。ですが、知り合いが増えたらそこからまた紹介の話などにつながる場合もあるので、今後に期待しようと思ったのでした。3.肩が白い男それは婚活パーティに参加したときのこと。おもに30代の男女が集まるそのパーティでは、決まった時間設定があるというよりも、フリータイムを何度か行って自力で交流するというスタイルで、とりあえず近くで目にした輪の中に入りました。男女5、6人が輪になったその場所では、飲み物を片手に、ざっくばらんに自己紹介がスタート。ひとりずつが話しているときに、ちょいちょい合いの手のようなものを入れる、スーツ姿の男性が笑顔で好印象でした。最初は気づかなかったのですが、しばらくしてから、スーツ姿の男性の肩がなんだか白いものが見えて、なんだろう?と凝視。ただ、あまり見すぎても気があると思われてもなんだし、とチラチラその男性の方を盗み見していました。なぜかその男性の横にいた女性が、右、左と、続いて「では〜」と別のグループへと移動していったので、どうせ空いているからと男性の横に行くと……。遠くから見ると、その男性の方に白いものが見えている気がして、糸くずでも落ちているのかと思ったら、なんと白いフケが肩にびっしり。至近距離でフケを確認してしまい、ムリ……と思ってすぐその場を離れたのでした。身だしなみは気をつけたつもりでも、どうしようもないときって、ありますよね。もしかしたら、体質の問題を抱えていたのかもしれません。でも、それなら目立たない色の服を着てくればいいだけで、初対面の相手と会う席では、なるべくきれいにしていきたいものです。婚活していると、さまざまなタイプの男性に出会うことがありますが、くれぐれも、みなさんもお気をつけて、運命の恋をつかんでくださいね!文・かわむらあみり©PeopleImages/Getty Images©Dusan Stankovic/Getty Images©JohnnyGreig/Getty Images文・かわむらあみり
2022年01月05日現在ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。2022年でも使える人気のバッグをご紹介します。本当に大人気!よく見かけるボッテガ・ヴェネタ BOTTEGA VENETAボッテガ・ヴェネタの中でも、今一番熱いのが写真のPadded Cassette leather ショルダーバッグ。色も数多く出ており、自分好みの色が探せるはず。また、ちょうどいいサイズなので、クラッチとしても、ショルダーバッグとして使用しても、必要十分荷物を入れることが可能です。ほしいブランドといえば、ルイヴィトン LOUIS VUITTON1つ持っておくと、数十年と代々受け継ぐバッグとしても人気のルイヴィトン。母から子へ受け継がれていく定番デザインから、限定品など、種類も豊富。私自身も初めての社会人のお給料でゲットしたのがルイヴィトンのメンズ限定バッグでした。10年以上経った今でも型崩れもなく、状態も良く使用できるのが、ヴィトンの良さ!末長く愛用できます。社会貢献に取り組むブランド、ステラマッカートニー Stella McCartneyレザーやファーを一切使用しない“ベジタリアン ブランド”として、注目を集めているステラ マッカートニー。環境、動物保護の観点もありつつ、長く愛される魅力溢れるデザインで人気。以前は、高級ブランドでは本物レザーやファーが当たり前でしたが、ステラマッカートニーはブランド立ち上げ時から、常に環境、動物保護を訴えてきました。ステラらしいシンプルながら遊び心あるデザインが多く、持っているだけでお洒落に見えますよね!最近注目度が急上昇!ジャックムス JACQUEMUS一時期ファッショニスタの間で超ミニチュアバッグが流行っていましたが、それもジャックムスバッグ!中に飴玉1つくらいしか入らないような小さいバッグを持ったインフルエンサーも良く見かけましたよね。しかしジャックムスは小さいバッグだけではなく、もちろん通常サイズのバッグも人気です!今後も注目したいブランドの1つです。やっぱり長く愛用したい、ロエベ LOEWEインフルエンサーの中で持っていない人はいないくらい、本当に大人気なのがロエベ。柔らかな革が上品に見える、革新的なデザインで注目を集めました。今後も男女ともにほしいブランド上位間違いなし!ヨーロッパでも人気絶大!アクネ ストゥディオズ Acne Studiosアクネはバッグのみならず、ファッション分野でもとっても人気。小物からコート、シューズまで本当にヨーロッパでは男女ともに人気のブランドです。その中でも欲しいバッグの1つとして注目したいのは、やっぱり人気のMusabi。写真はMusabi miniですが、通常サイズもたっぷり荷物が入って、普段使いから仕事用など、使い勝手が良いのでおすすめ!いかがでしたでしょうか?2022年も注目したいブランドと、そのバッグをご紹介しました。ボーナスや自分へのご褒美でバッグを検討してみたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
2022年01月04日誰がなんといっても絶対手放せないダウンコート 。一度この暖かさを知ると他のアウターは頼りなく感じてしまうものです。しかし、そんな機能性を優先するにしても太って見えるのはなるべく避けたいですよね。そこで今回は、ダウンコートでありがちな太って見えるNGコーデをご紹介します。ダウンコート+シャツアウトコーデロング丈のダウンコートは長さ、厚みともにボリューム過多になるのでオシャレを意識するならばやっぱり前ボタンは開けて着たほうがスッキリします。ただ、前ボタンさえ開ければどんなトップスやボトムスを着ていてもスッキリする…というわけではありませんので気をつけて。特にやってはいけないコーデはシャツアウトスタイル。ゆったりとしたニットにタックパンツを合わせたシャツアウトコーデは引き締まった印象を表現できません。そこにロングのダウンコートを合わせるとコーデ全体が丸みを帯びて、りんご体型のようなシルエットを生み出すので注意しましょう。ロングのダウンコートに合わせるインナーはくびれを見せるためのシャツインコーデもしくは、直線的なシルエットのニットワンピースが良いでしょう。ダウンジャケットにギャザースカートショート丈のダウンジャケットはダウンコートに比べてスッキリ見えやすいとも言われていますよね。もちろん着痩せ効果もありますが、それも組み合わせるボトムス次第です。ショートダウンはとく上半身を中心にシルエットが丸くなるのでボトムスはその対比となる直線的なシルエットをつくることが鉄則。なので、腰から足先にかけてふんわりと広がるギャザースカート、ワイドパンツはダウンジャケットとの相性が悪いアイテムになります。ギャザースカートは上半身が細身のシルエットだからこそ美しいラインが表現されるので、上半身がふっくらするダウンジャケットでは雪だるまのようなシルエットに。もし、ふんわりしたスカートを合わせたい時は裾がさりげなく広がるフレアスカート、マーメイドスカートだと比較的上手に着こなせますよ。靴のコーディネイトにも意識を置く!コーディネイトで気合をいれる部分といえばトップスとボトムス、そしてアウターの組み合わせですが、靴の組み合わせも同じく重要ポイント。全身コーデが完璧なのに、靴だけちょっと違和感のあるデザインだったり、ボトムスとの相性が悪かったりするとせっかくのおしゃれも決まらないので、合わせる靴にもこだわってみてくださいね。ハーフパンツにロングブーツ、細身スカートにミドルブーツの組み合わせはダウンコートとバランスが取れるのでおすすめです。ぜひお試しを!イラスト 角佑宇子
2022年01月02日1児のママでもあるライター・かわむらあみりがお届けするコラム【ママライフばんざい!】連載第35回は、関わりたくないママ友たちの特徴をお届けします。1.気に入らないママ友だけ連絡しない【ママライフばんざい!】vol. 35保育園や幼稚園に子どもが通っていると、ママたちとの付き合いが何年間か固まってしまうものですよね。だからこそ、多少イヤなことがあっても、できれば穏便に過ごしたいところ。ですが、人がたくさんいればいるほど、自分とは合わないママ友だって出てくる可能性は高まります。そんな関わりたくないママ友エピソードのひとつめは、「気に入らないママ友だけ連絡しない」人。これはママ友との交流だけに関わらず、明確に「気に入っている人」「気に入らない人」に分けて人と接しているタイプのママ友だと、そのクセは学生時代から続いている場合もよくあります。もともとグループに分かれることを好み、物事が正しいか、そうでないかということではなく、自分自身が好きか、嫌いかという二択だけで人を判断しがちなタイプがママになって、いい大人になっても同じようなことを繰り返していることが多いもの。こういったタイプがまったく関係のない立場のママ友ならほうっておけばいいですが、同じクラスに子どもが通う保護者同士だと、まったく関わらないわけにはいかなくて困ってしまいます。たとえ自分がその手のママ友に気に入ってもらったとしても、いつどんなタイミングで気に入らないチームに区分けされるかわかりません。この手のママ友には、なるべく普段から距離を詰めすぎずに、接していけるといいですよね。2.やたらと委員を強調するあるママ友の場合、もともとまわりを取り仕切るような役割が大好きなタイプで、クラス委員に率先して立候補している人がいました。他のママ友たちにしても、いつもお世話になっている園や学校に役立ちたいという思いはありながらも、ママ友たちの家庭事情はさまざまで、委員になると忙しくなることもあってどちらかといえばやりたくない人も。そんななかで毎年、率先してクラス委員になって、常にクラスのことを考えているそのママ友は、ありがたい存在でもあります。ただ、他のママ友は知っているのに、自分の耳には入ってこないような情報があると「クラス委員なのに連絡がきてませんけど」と、トゲのある言い方で報連相を強いてくるのだとか。確かに、クラスの何かに関わる重大なことなら、クラス委員に報告するでしょうが、けっこうどうでもいいような「くんのところが今度旅行に行くらしい」という世間話まで、クラスの間のすべての動きを知りたがるようです。それはもともとの性格なのか、それとも長年クラス委員をやっているから、知らない間にクラスの人たちの詳細をつかもうとするようになってしまったのかは謎。いずれにしても、あまり肩書きばかりを強調するようにはならないほうが、健全なママ友付き合いができそうですよね。3.そもそも感じが悪いこれを言ったらおしまいですが、そもそも感じが悪いママ友って、あまり近づきたくないですよね。とはいえ、自分自身では特定のママ友と会うと「感じが悪いな…」と思ったとしても、同じように感じない人もいるかもしれません。感じが悪い、苦手だな、と感じるママ友がいたとしても、もっと踏み込んで交流してみれば、意外と話のわかるママ友というパターンもなくはない話。ですが、言葉で言わなくてもだいたい肌で感じる雰囲気は、当たっているときもあるのかもしれません。なんであのママ友だけ仲良くなれないんだろうなと、思い悩んで頭を抱えていては体に悪いものですし、歩み寄ろうと努力してもなんともタイミングが合わない人だってこの世にはいます。そんなときは、ただ相性が合わないだけということ。100人いたら100通りの考え方や好みがあるので、全員と良好でいられるようにするのは難しいものです。感じが悪いママ友がいても、そしてママ友ではなくてもそれが感じの悪い知り合いだったとしても、人生のなかでそんな人たちと触れ合うのは、ほんのひとときだけのことと知っていれば、なんとかやりすごすことができることもあるのではないでしょうか。ママになると、さまざまな人たちと交流する場合もあるはず。でもそんなときになるべく穏やかな生活が送れるといいですよね。みなさんが健やかなママライフを送れますように!文・かわむらあみり©Sima_ha/Getty Images©draganab/Getty Images©Highwaystarz-Photography/Getty Images
2021年12月31日寒い冬に欠かせないコート。とはいえ暖かければなんでもいい...ということはありませんよね。せっかくならコートを着ている姿すらおしゃれに見られたい!そこで今回は、最新の人気コートのデザインと洗練見えするコートコーデのポイントをご紹介します。なぜ野暮ったく見える?NGコートコーデ当たり前ですが寒い日はコートの前ボタンやリボンをしっかり締めて着用しますよね。しかし、残念なことにそのコートを前閉じしたシルエットが美しくないせいでコーデ全体が野暮ったく見えてしまうのです。具体的には、前を閉じることによって生まれる服のラインが問題。バスト・胴回り・お尻が丸く楕円形のように膨らんでしまうと、それだけで太って見えます。リボンで結ぶタイプの場合、厚手のコートをギュっとリボンで結ぶことで生まれる余計な服ジワが着膨れた印象に。首元もマフラーで覆われ、コーデで使われている色も全体的に黒っぽいと軽やかやさが足りません。また、意外と見落とされがちなのがコート丈。もっとも使い勝手の良いミドル丈コートは中途半端な丈感がなのでワイドボトムだとより太く見え、細身のボトムスだとお腹まわりの膨らみが強調されるのであまりおすすめしません。もしミドル丈コートを取り入れたいときは、ロングブーツを合わせるのがAラインコートで背が高くスラッとした印象に今季、コートはロング丈が多いということもありその影響で生地をたっぷり使ったAラインコートが人気です。もちろんAラインコートがおすすめなのはトレンドだからという理由だけではありません。Aラインコートは裾に向かうにつれて生地のボリュームが出るので上半身がスッキリ見え、視覚効果としても背が高く見えやすいといった嬉しい要素を持ち合わせています。おすすめはメルトン生地のリバーコート、もしくはバルマカンコート。リバーコートは上品でクラシカルな印象があるのでロング丈のニットワンピースと合わせても良いですね。バルマカンコートは2021年冬を象徴する注目のアウター。丸い襟と、ゆったりした袖口のラグランスリーブが特徴的なデザインです。バルマカンコートは必ずAラインと決まっているワケではありませんが、Aラインシルエットだと前閉じした状態でもおしゃれに着こなせるのでおすすめです。コートの上から手触りの良いニットストールを羽織るなどするとさらに高級感がアップして洗練された印象にもつながりますね。小物のどこかに白を足すと手持ちコートも洗練見えしやすい手持ちコートを変えずに洗練された印象を見せたいときは、全身コーデのどこかに白を足すと良いですね。つい黒やグレーでまとめてしまいがちな方はとくに、顔まわりに柔らかく明るい色が入るとそれだけであか抜けた印象にもなります。なので、おすすめなのはマフラー、ストール。帽子に白orオフホワイトを加えましょう。そのほか、バッグと靴のどちらかにもプラスするとコーデで明るい色を占める面積が増えるため華やかな印象になりますよ。いきなり白を取り入れるのは勇気がいるという方はホワイトよりのライトグレーを投入してみてくださいね。イラスト・角佑宇子
2021年12月31日芯まで冷える真冬シーズン。新しい服を買うよりも今、ほしいのは“あったか小物”!今回は、2021~2022年冬に登場した最新マフラーの特徴とオススメの今っぽコーデのポイントをご紹介します。最推しトレンドは〈トップスとマフラーのセットアップ〉今年目立って特徴的なのは、ニットトップスと同素材で作られたマフラーのセットアップアイテムです。数年前のハイブランドコレクションでも小物とトップスのセットアップが登場していました。その影響もあってか、今年はそうしたセットアップアイテムの展開が、例年以上に多いようです。小物とトップスのセットアップだと、コーデの組み合わせに迷わなくて楽ちんですね!ボトムスに何を持ってきても全身がまとまった印象になるので、手っ取り早くおしゃれな着こなしをしたい方におすすめですよ。シンプル派は単色無地を、個性派は幾何学模様のデザインがよさそうです。その他に人気なのは、ざっくりとしたローゲージ編みのニットマフラー、ふわふわとした質感のメランジマフラー。よりボリューミィなシルエットが昨今のトレンドなので巻くだけで今っぽさを感じるスタイルが作れます。今っぽマフラーコーデの特徴セットアップがトレンドということで、セットアップ対応をしていないマフラーでもできるだけマフラーとトップスorアウターを同系色でまとめるスタイルがおすすめです。例えば、オフホワイトのトップスまたはアウターならベージュ、ネイビーならブルー系のマフラーを合わせるなど。とくにマフラーにボリュームがある場合はコーデ全体のシルエットが大きくなりやすいので、色合いで統一感を出したほうがスッキリ見えもしやすいです。また、上半身にまとまりがあるぶん、ボトムスに柄モノを取り入れると華やかさが出て良いですね。その他全身をモノトーンなど比較的落ち着いた色にしている場合、マフラーに柄を入れると無難な印象が払拭されますよ。靴はどんなものを合わせてもOK。バッグは小ぶりなミニタイプがボリュームのあるマフラーとのバランスが取れます。鉄板で外さないチェック柄は、服と同色を使う鉄板アイテムのチェック柄マフラーも、もちろん今季おすすめのアイテム。ですが、服の色が大きく違っているとマフラーだけが浮いて見えるので気をつけましょう。コーデで使用している色とマフラーの色をリンクさせるのを忘れずに取り入れてみてくださいね。イラスト 角 佑宇子
2021年12月30日