1月26日、第44回日本アカデミー賞の優秀賞が選ばれ、優秀作品賞に『浅田家!』『男はつらいよ お帰り 寅さん』『罪の声』『ミッドナイトスワン』『Fukushima 50』の5作品が選ばれた。コロナ禍による映画館休業などを考慮し、今回は2019年12⽉16⽇(⽉)〜2020年12⽉31⽇(⽊)までに公開され、選考基準を満たした作品(⽇本映画154作品、外国映画210作品)に対し、⽇本アカデミー賞協会会員(3953名)の投票が実施された。今回は⽻⿃慎⼀と、昨年外国⼈俳優で初の最優秀主演⼥優賞を受賞したシム・ウンギョンが司会を務め受賞者を迎える。羽鳥は、「今年も間近ででそれぞれの俳優さんの知られざる関係性を知ることができるのがとても楽しみです」とコメント。シム・ウンギョンは「司会を務めるのは⼈⽣で初めてですので、しっかりと⾔葉を届けられるように、⽇本語の勉強を頑張っております」と意気込みを語っている。なお、授賞式は3⽉19⽇(⾦)にグランドプリンスホテル新⾼輪にて開催される。優秀賞受賞者や新⼈俳優賞受賞者が⼀堂に会し、優秀賞の中から最優秀賞が発表される。第44回日本アカデミー賞の主な受賞結果は以下の通り。■優秀作品賞『浅田家!』『男はつらいよ お帰り 寅さん』『罪の声』『ミッドナイトスワン』『Fukushima 50』■優秀アニメーション作品賞『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』『映画 えんとつ町のプペル』『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』『ジョゼと虎と魚たち』『STAND BY ME ドラえもん2』■優秀監督賞内田英治(『ミッドナイトスワン』)河瀨直美(『朝が来る』)土井裕泰(『罪の声』)中野量太(『浅田家!』)若松節朗(『Fukushima 50』)■優秀主演男優賞小栗旬(『罪の声』)草彅 剛(『ミッドナイトスワン』)佐藤浩市(『Fukushima 50』)菅田将暉(『糸』)二宮和也(『浅田家!』)■優秀主演女優賞小松菜奈(『糸』)永作博美(『朝が来る』)長澤まさみ(『コンフィデンスマンJP ブリンセス編』)長澤まさみ(『MOTHER マザー』)広瀬すず(『一度死んでみた』)■優秀助演男優賞宇野祥平(『罪の声』)妻夫木 聡(『浅田家!』)成田 凌(『窮鼠はチーズの夢を見る』)星野 源(『罪の声』)渡辺 謙(『Fukushima 50』)■優秀助演女優賞江口のりこ(『事故物件 恐い間取り』)黒木 華(『浅田家!』)後藤久美子(『男はつらいよ お帰り 寅さん』)桃井かおり(『一度も撃ってません』)安田成美(『Fukushima 50』)■優秀脚本賞内田英治(『ミッドナイトスワン』)中野量太/菅野友恵(『浅田家!』)野木亜紀子(『罪の声』)前川洋一(『Fukushima 50』)山田洋次/朝原雄三(『男はつらいよ お帰り 寅さん』)■新人俳優賞服部樹咲(『ミッドナイトスワン』)蒔田彩珠(『朝が来る』)森 七菜(『ラストレター』)岡田健史(『望み』『ドクター・デスの遺産-BLACK FILE-』『弥生、三月-君を愛した30年-』)奥平大兼(『MOTHER マザー』)永瀬 廉(『弱虫ペダル』)【授賞式司会者からのコメント】<⽻⿃慎⼀(第43回授賞式に続き2回⽬)>「この賞は、映画に関わる今年1年の総決算、1年に1度のお祭りなんだ」と去年お伺いしました。今年もそのお祭りに進⾏役・サポート役として携わらせていただきます。緊張はしますが、晴れの舞台を特等席で観られるという、こんな素晴らしい機会に⽴ちあうことができます。普段、集うことができない第⼀線の俳優さんが⼀堂に会します。去年、「この⽅々はこういう関係性なんだ」と感じることができました。今年も間近ででそれぞれの俳優さんの知られざる関係性を知ることができるのがとても楽しみです。<シム・ウンギョンさん(第43回授賞式にて、『新聞記者』で最優秀主演⼥優賞受賞)今年も素晴らしい作品が多いので、受賞者の皆さんにお会いして、お話をお伺いするのを楽しみにしています。昨年、本当に貴重な賞をいただいて、未だに感謝の気持ちや喜びがあふれています。今年は司会者として授賞式に参加します。司会を務めるのは⼈⽣で初めてですので、しっかりと⾔葉を届けられるように、⽇本語の勉強を頑張っております。よろしくお願いします。【「第44回⽇本アカデミー賞 授賞式」実施概要】実施⽇:3⽉19⽇(⾦)会場:グランドプリンスホテル新⾼輪 国際館パミール司会:⽻⿃慎⼀、シム・ウンギョン副賞協⼒:ブルガリ協賛:サラヤ 横井定
2021年01月27日全米映画批評家協会賞が発表された。作品賞に輝いたのは、『ノマドランド』。今作ではほかに、クロエ・ジャオが監督賞、フランシス・マクドーマンドが主演女優賞を受賞した。主演男優賞は『ザ・ファイブ・ブラッズ』のデルロイ・リンドー。助演男優賞は『サウンド・オブ・メタル〜聞こえるということ〜』のポール・レイシー、助演女優賞は『続・ボラット 栄光ナル国家だったカザフスタンのためのアメリカ貢ぎ物計画』のマリア・バカローヴァ。脚本賞は『First Cow』のイライザ・リットマンだった。文=猿渡由紀『ノマドランド』3月26日(金)公開
2021年01月11日ゴールデングローブ賞を主催するハリウッド外国人映画記者協会(HFPA)が、映画『Minari』を作品賞ではなく外国語映画賞の選考対象とすることを発表。ルル・ワン監督、フィル・ロード監督、ダニエル・デイ・キム、シム・リウなど多くの映画人から批判が上がっている。ゴールデングローブ賞の作品賞の選考対象となるには、全編を通して少なくともセリフの半分以上が英語でなければならないというルールがある。これに則り、HFPAは『Minari』を“外国語映画枠”に当てはめたのだろう。しかし、『Minari』は韓国語を話すキャラクターたちが主役ではあるものの、韓国からアメリカ・アーカンソー州に移民してきた一家を中心に描き、監督はアメリカ人のリー・アイザック・チョンだ。HFPAを批判した1人のワン監督は、「私は今年、『Minari』ほどアメリカらしい映画を観ていません。これは、“アメリカ”を舞台に、移民一家がアメリカン・ドリームを追い求める物語。英語話者であるというだけでアメリカ人だとみなす時代遅れなルールは、本当に変える必要があります」と『Minari』を作品賞の選考対象にするべきだとツイッターで主張している。『シャン・チー』(原題)でMCU初のアジア人ヒーローに抜擢されたシム・リウは、「念のために言っておきますが、『Minari』はアメリカ人のフィルムメーカーが脚本を書き、監督し、アメリカの製作会社がプロデュースしたアメリカ映画で、主役はアメリカ人、舞台はアメリカです」と『Minari』がいかにアメリカらしいアメリカ映画であるかを説いた。(Hiromi Kaku)
2020年12月24日日曜日(現地時間)、第46回ロサンゼルス映画批評家協会賞が発表された。作品賞を受賞したのは、Amazonのアンソロジー映画『Small Axe』。同協会賞の歴史において、複数の映画で構成されたアンソロジー映画が作品賞を受賞したのは初めて。同作はエミー賞や全米映画俳優組合賞などでは、「リミテッド・シリーズ」部門で選考される模様だ。主演男優賞には、今年8月に結腸がんのため43歳で亡くなったチャドウィック・ボーズマンが選ばれた。遺作である『マ・レイニーのブラックボトム』での好演が話題となっており、これから開催される数々の授賞式でのノミネーションや受賞が予想されている。主な受賞リスト作品賞受賞:『Small Axe』(スティーヴ・マックイーン監督)次点:『ノマドランド』(クロエ・ジャオ監督)監督賞受賞:クロエ・ジャオ監督(『ノマドランド』)次点:スティーヴ・マックイーン監督(『Small Axe』)主演男優賞受賞:チャドウィック・ボーズマン(『マ・レイニーのブラックボトム』)次点:リズ・アーメッド(『サウンド・オブ・メタル-聞こえるということ-』)主演女優賞受賞:キャリー・マリガン(『Promising Young Woman』)次点:ヴィオラ・デイヴィス(『マ・レイニーのブラックボトム』)助演男優賞受賞:グリン・ターマン(『マ・レイニーのブラックボトム』)次点:ポール・レイシー(『サウンド・オブ・メタル-聞こえるということ-』)助演女優賞受賞:ユン・ヨジョン(『Minari』)次点:アマンダ・サイフリッド(『Mank/マンク』)脚本賞受賞:『Promising Young Woman』(エメラルド・フェンネル)次点:『Never Rarely Sometimes Always』(エリザ・ヒットマン)(Hiromi Kaku)
2020年12月21日ヨーロッパ映画賞の作品賞に、デンマークの『Another Round』が選ばれた。今作ではさらにトマス・ヴィンターベアが監督賞と脚本賞(共同脚本家と一緒に受賞)、主演のマッツ・ミケルセンが男優賞を受賞している。この映画はロンドン映画祭、サンセバスチャン映画祭でも受賞しており、次のオスカーでも健闘しそうだ。女優賞は『Undine』のパウラ・ベーア、ドキュメンタリー賞はルーマニアの『Collective』が受賞した。文=猿渡由紀
2020年12月14日村上春樹の短編小説「ドライブ・マイ・カー」が映画化。同作は第94回アカデミー賞にて日本映画初となる作品賞、脚色賞に加えて監督賞、国際長編映画賞にノミネートされる快挙を達成。そして、2022年3月28日(月)に開催された第94回アカデミー賞 授賞式にて、国際長編映画賞を受賞した。日本映画が同部門を受賞するのは滝田洋二郎監督の『おくりびと』以来13年ぶりだ。村上春樹の短編小説が「ドライブ・マイ・カー」映画化村上春樹が2013年に発表した短編小説「ドライブ・マイ・カー」。舞台俳優の家福(かふく)を主人公に、亡き妻の記憶が呼び起こす深い喪失感と仄かな希望を綴ったこの物語を、『寝ても覚めても』(カンヌ国際映画祭コンペティション部門正式出品)、『スパイの妻〈劇場版〉』(ヴェネチア国際映画祭銀獅子賞受賞)で脚本を担当した気鋭・濱口竜介が映画化する。登場人物/キャストかねてから『ドライブ・マイ・カー』の映画化を切望していたという濱口のもとに集まったのは、実力を備えた豪華キャスト達。『サイレント・トーキョー』『奥様は、取り扱い注意』の西島秀俊を主演に、『ロマンスドール』の三浦透子、『さんかく窓の外側は夜』の岡田将生、『ノルウェイの森』の霧島れいかが、メインキャラクターを演じる。主人公・家福悠介(西島秀俊)舞台俳優・演出家。脚本家の妻・音と満ち足りた日々を送っていたが、秘密を残したまま妻は死去。そして、演劇祭で演出のため、愛車のサーブで広島へと向かう。そこで、寡黙な専属ドライバーみさきに出会う。家福の希望へと一歩踏み出す心の機微を、西島秀俊が繊細に表現する。渡利みさき(三浦透子)主人公・家福の愛車を運転するドライバー。寡黙でありながら、芯のある女性。みさきと過ごすことで、家福は目を背けていたあることに気づかされていく…。⾼槻耕史(岡田将生)家福の妻・音と親密そうな気配を漂わせる 俳優。物語を大きく動かすキーパーソン。家福⾳(霧島れいか)秘密を抱えたままこの世を去った、家福の妻。脚本家。日本映画史上初、第94回アカデミー賞で作品賞&脚色賞にノミネート映画『ドライブ・マイ・カー』は、第94回アカデミー賞にて作品賞・脚色賞・監督賞・国際長編映画賞の全4部門にノミネート。作品賞・脚色賞にノミネートに日本映画がノミネートされるのはアカデミー賞史上初の快挙となり、映画史に新たな歴史を刻む作品となった。なお、監督賞ノミネートは1986年の黒澤明監督映画『乱』以来、国際長編映画賞は2019年の是枝裕和監督映画『万引き家族』以来となる。第94回アカデミー賞で国際長編映画賞『おくりびと』以来13年ぶり3月28日(月)開催の第94回アカデミー賞 授賞式で、映画『ドライブ・マイ・カー』は国際長編映画賞を受賞。日本映画が同部門を受賞するのは滝田洋二郎監督の『おくりびと』以来13年ぶりだ。<濱口竜介監督 国際長編映画賞 受賞コメント>Thank you very much. Ohh..You are the Oscar.アカデミーの皆さまへ感謝いたします。ヤヌスフィルムとサイドショウとワーナーメディア150とシネティック、この映画をアメリカに持ってきてくれてありがとう。ここにいる出演者のみなさんに感謝します。⻄島秀俊さん、岡田将生さん、霧島れいかさん、パク・ユリムさん、ジン・デヨンさん、アン・フィテさん、ソニア・ユアンさんおめでとうございます!また、ここに来れなかった出演者のみなさんにも感謝します。特に赤いSAAB900を見事に運転してくれた三浦透子さんに感謝します!みなさん獲りました!第74回カンヌ国際映画祭で脚本賞なお、第74回カンヌ国際映画祭では、日本映画として初となる脚本賞を受賞。また授賞式を前に発表された同映画祭の独立賞である国際映画批評家連盟賞(FIPRESCI賞)、AFCAE賞、エキュメニカル審査員賞も獲得した。国際映画批評家連盟賞を日本映画が受賞するのは黒沢清監督『回路』以来20年ぶり。また、AFCAE賞は、これまでにパルムドール受賞作『パラサイト 半地下の家族』などの受賞歴がある名誉ある賞だ。第79回ゴールデングローブ賞で非英語映画賞受賞(旧外国語映画賞)また第79回ゴールデングローブ賞においては、<非英語映画賞受賞(旧外国語映画賞)>を受賞。日本映画として、同映画賞の外国語映画賞にノミネートされる日本映画は、是枝裕和監督『万引き家族』(2019)以来3年ぶりの出来事であり、受賞は62年ぶりだ。第56回全米批評家協会賞では、作品賞、監督賞(『ドライブ・マイ・カー』『偶然と想像』の2作品に対して)、脚本賞、主演男優賞の主要4部門を受賞。第45回日本アカデミー賞8部門で優秀賞第45回日本アカデミー賞では、作品賞を含む最多8部門で最優秀賞を獲得し、賞レースを席巻した。<映画『ドライブ・マイ・カー』あらすじ>舞台俳優であり、演出家の家福悠介。彼は、脚本家の妻・音と満ち足りた日々を送っていた。しかし、妻はある秘密を残したまま突然この世からいなくなってしまう――。2年後、演劇祭で演出を任されることになった家福は、愛車のサーブで広島へと向かう。そこで出会ったのは、寡黙な専属ドライバーみさきだった。喪失感を抱えたまま生きる家福は、みさきと過ごすなか、それまで目を背けていたあることに気づかされていく…。◆作品詳細映画『ドライブ・マイ・カー』公開日:2021年8月20日(金) TOHO シネマズ日比谷ほか全国ロードショー監督・脚本:濱口竜介出演:西島秀俊、三浦透子、岡田将生、霧島れいか原作:村上春樹「ドライブ・マイ・カー」2013年初出、短編小説集『女のいない男たち』(文春文庫、2014年)所収配給:ビターズ・エンド
2020年11月01日アカデミー賞を主催する映画芸術科学アカデミーが、2024年の第96回アカデミー賞から適用する、作品賞についての新しい応募資格を発表した。「Academy Aperture 2025」と銘打った、多様性と包括性を推進する新基準に基づいたものだという。アカデミーの会長デヴィッド・ルービンとCEOのドーン・ハドソンの声明によれば、新基準は「私たちの業界において、長く続く促進剤となり、本質的な変化になるだろう」と自信を見せている。作品賞の応募資格は、大きく分けて4つ(基準A~D)あり、そのうち少なくとも2つをクリアしていなければならない。また、基準A~Dの中にも複数の条件があり、これらの1つないしは全てを網羅しなければならない。たとえば基準A「スクリーン上の表現、テーマ、物語」には、A.1からA.3までの条件があり、そのうち2つを満たしていることが必要だ。A.1は主演または重要な助演俳優の少なくとも1人がアジア人、黒人、ラテン系、その他少数民族であること。A.2は二番手または脇役の少なくとも30パーセントが、「女性、少数民族、LGBTQ+、障害者」の2つを占めていること。A.3はストーリー展開、テーマ、物語が「女性、少数民族、LGBTQ+、障害者」に沿った内容であること。その他、出演者だけでなく、スタッフや見習い生、インターンなどについても条件を明示し、全体的にまさに「多様性と包括性を推進する」内容となっている。(Hiromi Kaku)
2020年09月09日講談師の神田伯山のYouTubeチャンネル「神田伯山ティービィー」が、第57回ギャラクシー賞テレビ部門フロンティア賞を受賞したことが1日、放送批評懇談会ホームページで発表された。同チャンネルは、2月の真打昇進を機に襲名した、神田松之丞改め神田伯山が「何としても講談の面白さを知ってもらいたい」と立ち上げた。襲名披露パーティから披露興行まで、口上や高座の映像だけでなく楽屋の風景までもが臨場感たっぷりに編集され、約1カ月間リポート動画として、興行の翌日に毎日配信された。選考理由として、「撮影は芸人仲間の落語家たち。芸人同士だからこそ撮れる楽屋での芸人たちの姿は茶目っ気たっぷり。これまでテレビや寄席の現場では知ることができなかった寄席演芸の世界を魅力的に伝え、貴重な記録映像となっています。現在チャンネル登録者数は12万9千人、ユニーク視聴者数は126万人にのぼり、講談界に新風を吹き込む新しい映像コンテンツとして注目されています」としている。
2020年06月01日エミー賞を主催する「テレビジョン・アカデミー」が、2021年3月から適用される新しいルールを発表した。先月末に「映画芸術科学アカデミー」がアカデミー賞のルールを変更したことが大きく影響した模様。今年は新型コロナウイルスの影響でほぼ全ての映画館が営業中止になったため、「映画芸術科学アカデミー」は、アカデミー賞のノミネート資格を得るための条件「ロサンゼルス郡で7日間以上上映しなければならない」というルールを一時的に廃止。劇場公開日を設定していた作品なら、デジタル配信のみでの公開でも可能と決定した。「テレビジョン・アカデミー」は声明文の中で、「映画芸術科学アカデミー」が発表したこのルール変更を支持すると表明した上で、「アカデミー賞にノミネートされた作品は、エミー賞では選考対象外とする」というエミー賞側のルール変更も明らかにした。ここ数年、特にドキュメンタリー作品の「映画」と「テレビ」の境界線があいまいとなっており、アカデミー賞とエミー賞のどちらにもノミネートされたり、受賞するという作品が増えている。昨年は「ナショナルジオグラフィック」の長編ドキュメンタリー映画『フリーソロ』がアカデミー長編ドキュメンタリー映画賞を獲得し、エミー賞でも7部門受賞を果たした。(Hiromi Kaku)
2020年05月08日第43回日本アカデミー賞の授賞式が6日、東京・品川のグランドプリンスホテル新高輪にて行われ、最優秀主演男優賞を受賞した松坂桃李が登場した。昨年の第42回日本アカデミー賞では、最優秀助演男優賞を受賞した松坂。今年は映画『新聞記者』で最優秀主演男優賞に輝いた。優秀主演男優賞を受賞した菅田将暉と並ぶと、実は連絡先も知らないという2人の関係について「不思議な感覚なんですよね。僕はライバルという風にも思ってますし、同じ事務所の一人として、同志とも思ってますし」とコメントする一幕も最優秀賞の受賞が発表されると、驚いた様子で登壇し、「ハードルが高い役だなと思いましたが、ウンギョンさんと一緒にお芝居をすることがで きて最後まで駆け抜けることができました」とコメントすると、最優秀主演女優賞を受賞したシム・ウンギョンも見守った。『新聞記者』はさらに、作品賞も受賞。松坂は「ここにいないスタッフとも、喜びを分かち合いたい」と喜び、ウンギョンは「計り知れません。本当に光栄です」と笑顔を見せた。○最優秀主演男優賞 松坂桃李 コメントこの作品は僕の知る限りでは実現するまでに二転三転四転、五転くらいおそらく色々なことがあって、それでもこの作品をしっかりと映画を見てくださる方に届けたいという人が一致団結し、藤井監督の舵の元、撮影を終えることができました。僕自身も、10年ちょっと(俳優を)やってきて、ハードルが高い役だなと思いましたが、ウンギョンさんと一緒にお芝居をすることがで きて最後まで駆け抜けることができました。何より、「この作品で頑張ってこい」「行ってこい」と行ってくれた事務所のマネージャーさん、社長含めて後押ししてくれて嬉しい気持ちでいっぱいです。今日という日を糧に、また新たに作品の一部に自分がちゃんとなれるようにいけたらと思っております。今回は本当にありがとうございました。■最優秀賞受賞リスト作品賞…『新聞記者』監督賞…武内英樹(『翔んで埼玉』)主演男優賞…松坂桃李(『新聞記者』)主演女優賞…シム・ウンギョン(『新聞記者』)助演男優賞…吉沢亮(『キングダム』)助演女優賞…長澤まさみ(『キングダム』)アニメーション作品賞…『天気の子』外国作品賞…『JOKER』新人賞…岸井ゆきの、黒島結菜、吉岡里帆、鈴鹿央士、森崎ウィン、横浜流星(C)日本アカデミー賞協会
2020年03月06日インディペンデント・スピリット賞が発表された。作品賞に輝いたのは、『フェアウェル』。この部門のほかの候補作は、『マリッジ・ストーリー』『名もなき生涯』『アンカット・ダイヤモンド』『Clemency』だった。主演男優賞は『アンカット・ダイヤモンド』のアダム・サンドラー、主演女優賞は『ジュディ 虹の彼方に』のレニー・ゼルウィガー。助演男優賞は『ライトハウス』のウィレム・デフォー、助演女優賞は『フェアウェル』のチョウ・シュウチン。監督賞は『アンカット・ダイヤモンド』のベニー&ジョシュ・サフディ、脚本賞は『マリッジ・ストーリー』のノア・バームバック。国際映画賞は『パラサイト/半地下の家族』だった。文=猿渡由紀『フェアウェル』4月10日(金)公開
2020年02月10日アニー賞の結果が発表された。作品賞を受賞したのはNetflixオリジナルの『クロース』。インディーズ作品賞は、Netflixが世界配信権を獲得したフランスの『失くした体』だった。日本からはインディーズ作品部門に『天気の子』『プロメア』『若おかみは小学生!』がノミネートされていた。これら3本はいずれも無冠に終わったが、意外だったのは『トイ・ストーリー4』『ヒックとドラゴン 聖地への冒険』、またゴールデン・グローブを受賞した『Missing Link』も無冠だったこと。『アナと雪の女王2』も、ジョシュ・ギャッドが声優部門を受賞したのにとどまっている。過去にはピクサー、ディズニーが制覇してきたオスカーの長編アニメ部門も、今年は予測が難しくなりそうである。文=猿渡由紀
2020年01月27日日本のみならず世界中で大ヒットした『ジョーカー』をはじめ、今年も話題となっているアカデミー賞。中でも作品賞にノミネートされる映画は毎年良作揃いで、見ごたえのあるものばかり。とりわけ今年は、近年稀に見るほど授賞式以前に劇場で鑑賞できる作品賞ノミネート作が多いことでも注目されている。マット・デイモン&クリスチャン・ベイル主演『フォードvsフェラーリ』公開中マット・デイモンとクリスチャン・ベイル、アカデミー俳優の2人を主演に起用し、歴史上最も伝説的なレースで、絶対王者フェラーリに立ち向かった男たちの奇跡のような挑戦の実話を描いた『フォードvsフェラーリ』。舞台は世界が熱狂した1966年のル・マン24時間レース。歴史を変えた、2人の男の熱い友情と、チームの絆、そして不可能に挑戦し続ける姿を描いた奇跡の大逆転の物語には共感する人が続出中。本年度アカデミー賞では作品賞のほか、編集賞、録音賞など4部門にノミネートされ、レースをテーマにした映画としては初めて作品賞にノミネートされた。さらに先日、本国で発表されたように、ディズニーとの合併に伴い「20世紀フォックス」は「20世紀スタジオ」に名称変更されるため、オープニングの「20世紀FOX」のロゴは本作で見納め。映画ファンにとってはその意味でも見逃せない1本となっている。ポン・ジュノ監督&ソン・ガンホ『パラサイト 半地下の家族』公開中カンヌ国際映画祭にて、審査員満場一致で最高賞のパルムドールに輝き、各国で大ヒットとなっている超話題作。『殺人の追憶』『グエムル漢江の怪物』『スノーピアサー』の監督ポン・ジュノとソン・ガンホが4度目のタッグを組み、本作では、あらゆるジャンルを完璧に融合させながら、いま世界が直面している貧富格差への痛烈な批判をも内包した超一級のエンターテインメントとなっている。本年度アカデミー賞では、韓国映画初となる作品賞、監督賞(ポン・ジュノ)のほかに、国際長編映画賞、脚本賞、編集賞など6部門にノミネート。タイカ・ワイティティ監督、空想上のヒトラーにも『ジョジョ・ラビット』公開中『マイティ・ソー バトルロイヤル』のタイカ・ワイティティ監督が、第2次世界大戦時のドイツに生きる人びとの姿を辛辣なユーモアを交えて描き、第44回トロント国際映画祭で最高賞の観客賞を受賞したヒューマン・エンターテイメント作品。本年度アカデミー賞では、作品賞のほかに、助演女優賞(スカーレット・ヨハンソン)、脚色賞など6部門にノミネートされている。マーティン・スコセッシ監督&ロバート・デ・ニーロ『アイリッシュマン』Netflix配信中&劇場公開中『タクシードライバー』『レイジング・ブル』など数々の名作を生み出してきた巨匠マーティン・スコセッシとロバート・デ・ニーロが、『カジノ』以来22年ぶり9度目のタッグ。裏社会のボスに長年仕えてきた殺し屋(デ・ニーロ)が秘密と暴力にまみれた自らの半生をふり返る。最新VFXで“若返った”ベテラン俳優たちにも注目。本年度アカデミー賞では、作品賞のほか監督賞(マーティン・スコセッシ)、助演男優賞(アル・パチーノ、ジョー・ぺシ)など、9部門10ノミネートされている。スカーレット・ヨハンソン&アダム・ドライバー主演『マリッジ・ストーリー』Netflix配信中&劇場公開中『イカとクジラ』『ヤング・アダルト・ニューヨーク』のノア・バームバック監督が、スカーレット・ヨハンソンとアダム・ドライバーを主演に迎え、離婚のプロセスに戸惑い、子の親としてのこれからに苦悩する夫婦の姿を、リアルで辛辣ながら思いやり溢れる視点で描いた話題作。本年度アカデミー賞では、作品賞のほか主演男優賞(アダム・ドライバー)、主演女優賞(スカーレット・ヨハンソン)、助演女優賞(ローラ・ダーン)ほか6部門でノミネートされている。そのほか、“全編ワンカット”サム・メンデス監督の『1917 命をかけた伝令』は2月14日(金)から、名作小説「若草物語」をグレタ・ガーウィグ監督が新たな視点で映画化した『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』は3月27日(金)からと、アカデミー賞の結果が出た後での日本公開作品も。第92回アカデミー賞授賞式は日本時間2月10日(現地時間2月9日)に開催される。(text:cinemacafe.net)■関連作品:フォードvsフェラーリ 2020年1月10日より全国にて公開©2019 Twentieth Century Fox Film Corporation【Netflix映画】アイリッシュマン 2019年11月27日よりNetflixにて全世界同時配信開始パラサイト 半地下の家族 2020年1月10日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVEDジョジョ・ラビット 2020年1月17日より全国にて公開©2019 Twentieth Century Fox&TSG Entertainment
2020年01月25日2020年の「エランドール賞」各賞が17日に発表され、新人賞に神木隆之介、安藤サクラ、横浜流星、清原果耶、吉沢亮、橋本環奈が選ばれた。授賞式は、2月6日に都内のホテルで行われる。一般社団法人 日本映画テレビプロデューサー協会が主催する「エランドール賞」は、1年を通して優秀な活躍をした俳優や映画・ドラマなどを表彰するもの。その他の賞は、プロデューサー賞に、映画『翔んで埼玉』の若松央樹氏(フジテレビ)、古郡真也氏(FILM)、NHK大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』の清水拓哉氏(NHK)、家冨未央氏(同)、大越大士氏(テイクファイブ)。プロデューサー奨励賞に、映画『蜜蜂と遠雷』の石黒裕亮氏(東宝)、TBS系ドラマ『凪のお暇』の中井芳彦氏(TBS)を選出。また、特別賞には、映画『新聞記者』製作チームが選ばれた。
2020年01月17日「第43回日本アカデミー賞」の正賞15部門各優秀賞および新人俳優賞・正賞外賞が1月15日(水)に発表された。なお、司会は羽鳥慎一と安藤サクラが務める。優秀作品賞最多12部門は『翔んで埼玉』優秀作品賞に選出されたのは、『キングダム』、『新聞記者』、『翔んで埼玉』、『閉鎖病棟―それぞれの朝―』、『蜜蜂と遠雷』と強力なエンターテインメント作品から社会派作品まで、例年と比較しても実にバラエティに富んだ5本となった。最多12部門を受賞したのは、島谷能成会長が「新しい観客を掘り起こした」と評した『翔んで埼玉』。次いで11部門受賞は『閉鎖病棟―それぞれの朝―』、次に『キングダム』が8部門となっている。なお、第43回日本アカデミー賞は、2018年12月16日~19年12月15日に東京地区の商業映画劇場にて有料で初公開され、1日3回以上、2週間以上継続して上映された40分以上の劇場用劇映画及びアニメーション作品が対象になっている。司会の羽鳥さん&安藤さんが意気込みこれまで授賞式会場でのインタビューやテレビ放送司会の経験はあれど、今回初の司会に抜擢された羽鳥さん。「当日はひとつの作品に多くの方が携わって久々に会う日、同窓会のような場の認識を持ちながら、少しでも授賞式がたくさんの笑顔で包まれるような会になるように、貢献したいという思いで参加します」と神妙な面持ちで語った。しかし、誰にどんな話を聞きたいかという質問が飛ぶと、羽鳥さんは「助演男優賞の岡村隆史の文字を見たとき、すごく安心しました。ひとつ休憩場所にして、あとは緊張感の中、頑張っていきたいと思います」と場内の笑いを誘った。同じく司会を行うのは、第42回同賞で『万引き家族』にて最優秀主演女優賞を受賞した安藤さん。『百円の恋』以来2回目の司会となる安藤さんは、「前回初めてやったとき、なんて特別な時間だろう、特等席だな、とずっと思いながら司会をしていました。2回目だからということで、気が緩まないように、より一層緊張感を持って受賞者の皆さんにとって素敵な時間になることを一番に頑張ってやらせていただきたいです」と笑顔で楽しそうに決意表明していた。主な優秀賞受賞リストは、以下の通り■優秀作品賞『キングダム』『新聞記者』『翔んで埼玉』『閉鎖病棟-それぞれの朝-』『蜜蜂と遠雷』■優秀アニメーション作品賞『空の青さを知る人よ』『天気の子』『名探偵コナン 紺青の拳』『ルパン三世 THE FIRST』劇場版『ONE PIECE STAMPEDE』■優秀監督賞佐藤信介『キングダム』周防正行『カツベン !』武内英樹『翔んで埼玉』平山秀幸『閉鎖病棟-それぞれの朝-』藤井道人『新聞記者』■優秀脚本賞片島章三『カツベン !』詩森ろば/高石明彦/藤井道人『新聞記者』徳永友一『翔んで埼玉』平山秀幸『閉鎖病棟―それぞれの朝―』三谷幸喜『記憶にございません!』■優秀主演男優賞笑福亭鶴瓶『閉鎖病棟-それぞれの朝-』菅田将暉『アルキメデスの大戦』中井貴一『記憶にございません!』松坂桃李『新聞記者』GACKT『翔んで埼玉』■優秀主演女優賞シム・ウンギョン『新聞記者』二階堂ふみ『翔んで埼玉』松岡茉優『蜜蜂と遠雷』宮沢りえ『人間失格太宰治と3人の女たち』吉永小百合『最高の人生の見つけ方』■優秀助演男優賞綾野剛『閉鎖病棟-それぞれの朝-』伊勢谷友介『翔んで埼玉』柄本佑『アルキメデスの大戦』岡村隆史『決算!忠臣蔵』佐々木蔵之介『空母いぶき』吉沢亮『キングダム』■優秀助演女優賞天海祐希『最高の人生の見つけ方』小松菜奈『閉鎖病棟-それぞれの朝-』高畑充希『こんな夜更けにバナナかよ愛しき実話』長澤まさみ『キングダム』二階堂ふみ『人間失格太宰治と3人の女たち』■新人俳優賞岸井ゆきの『愛がなんだ』黒島結菜『カツベン !』吉岡里帆『見えない目撃者』『パラレルワールド・ラブストーリー』鈴鹿央士『蜜蜂と遠雷』森崎ウィン『蜜蜂と遠雷』横浜流星『愛唄 -約束のナクヒト-』『いなくなれ、群青』『チア男子!!』授賞式は3月6日(金)にグランドプリンスホテル新高輪の国際館パミールで行われ、各部門の最優秀賞が発表される。(cinamacafe.net)
2020年01月15日1月15日、第43回日本アカデミー賞の優秀賞が発表され、優秀作品賞に『キングダム』『新聞記者』『翔んで埼玉』『閉鎖病棟—それぞれの朝—』『蜜蜂と遠雷』の5作品が選ばれた。正賞15部門のなかでは『翔んで埼玉』が最多12部門、『閉鎖病棟—それぞれの朝—』が11部門の優秀賞に輝いた。授賞式で司会を務めるのは、昨年『万引き家族』で最優秀主演女優賞を受賞した安藤サクラと、フリーアナウンサーの羽鳥慎一。羽鳥は、昨年まで6年連続で司会を務めていた西田敏行からバトンを受けるという大役だが「日本テレビに在籍時代、インタビューアとして何度か賞に参加したことはあったのですが、俳優さんに直接お話を聞く機会はなかったので、緊張しますね」と語っていたが「でも映画は大好きなので、機会をいただけて嬉しいです」と笑顔を見せる。さらに羽鳥は「日本アカデミー賞というのは、映画に携わる人が選ぶ大切な賞。作品に参加したスタッフやキャストたちが久々に再会する場でもあるので、たくさんの笑顔を引き出せるように務めたい」と意欲を見せた。一方、2度目の司会となる安藤は「前回『なんて特別な時間なんだ』と感じたことを思い出します。あのときの経験は大きな財産になりました。2回目だからといって気を緩めることなく、より緊張感を持って臨みたいです」と意気込む。また受賞者の一覧を見た安藤は「普段、俳優さんや女優さんにインタビューすることがないので、緊張しますし、先輩にお話を聞くのはおこがましいと思ってしまうかもしれませんが、せっかくのチャンスなので、一視聴者として、素直に聞きたいことをぶつけてみたいです」と抱負を語っていた。今年から日本アカデミー賞協会の会長に就任した島谷能成氏は、昨年まで司会を務めた西田に対して「西田さんの作品への愛や、受賞者への溢れる友情や思いのおかげで、温かい雰囲気の授賞式になりました」と感謝を述べると、興行成績が好調だった2019年の日本映画界を振り返り、「受賞リストを見ると『翔んで埼玉』など、新しい層の鑑賞者を開拓できた年だったなと思います」と総括していた。第43回日本アカデミー賞の主な受賞結果は以下の通り。■優秀作品賞『キングダム』『新聞記者』『翔んで埼玉』『閉鎖病棟—それぞれの朝—』『蜜蜂と遠雷』■優秀アニメーション作品賞『空の青さを知る人よ』『天気の子』『名探偵コナン 紺青の拳』『ルパン三世 THE FIRST』『ONE PIECE STAMPEDE』■優秀監督賞佐藤信介(『キングダム』)周防正行(『カツベン!』)武内英樹(『翔んで埼玉』)平山秀幸(『閉鎖病棟—それぞれの朝—』)藤井道人(『新聞記者』)■優秀主演男優賞笑福亭鶴瓶(『閉鎖病棟—それぞれの朝—』)菅田将暉(『アルキメデスの大戦』)中井貴一(『記憶にございません!』)松坂桃李(『新聞記者』)GACKT(『翔んで埼玉』)■優秀主演女優賞シム・ウンギョン(『新聞記者』)二階堂ふみ(『翔んで埼玉』)松岡茉優(『蜜蜂と遠雷』)宮沢りえ(『人間失格 太宰治と3人の女たち』)吉永小百合(『最高の人生の見つけ方』)■優秀助演男優賞伊勢谷友介(『翔んで埼玉』)柄本佑(『アルキメデスの大戦』)岡村隆史(『決算!忠臣蔵』)佐々木蔵之介(『空母いぶき』)吉沢亮(『キングダム』)■優秀助演女優賞天海祐希(『最高の人生の見つけ方』)小松菜奈(『閉鎖病棟—それぞれの朝—』)高畑充希(『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』)長澤まさみ(『キングダム』)二階堂ふみ(『人間失格 太宰治と3人の女たち』)■優秀脚本賞片島章三(『カツベン!』)詩森ろば/高石明彦/藤井道人(『新聞記者』)徳永友一(『翔んで埼玉』)平山秀幸(『閉鎖病棟—それぞれの朝—』)三谷幸喜(『記憶にございません!』)■新人俳優賞岸井ゆきの(『愛がなんだ』)黒島結菜(『カツベン!』)吉岡里帆(『見えない目撃者』『パラレルワールド・ラブストーリー』)鈴鹿央士(『蜜蜂と遠雷』)森崎ウィン(『蜜蜂と遠雷』)横浜流星(『愛唄—約束のナクビト—』『いなくなれ、群青』『チア男子!!』)取材・文・写真:磯部正和
2020年01月15日9日(現地時間)、ゴールデングローブ賞のノミネーションが発表された。注目を集めたのは、監督賞にノミネートされた5人だ。ポン・ジュノ(『パラサイト 半地下の家族』)、サム・メンデス(『1917 命をかけた伝令』)、トッド・フィリップス(『ジョーカー』)、マーティン・スコセッシ(『アイリッシュマン』)、クエンティン・タランティーノ(『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』)と全員が男性。女性監督が1人もノミネートされなかったことで、多くの人が遺憾の意を示した。自身は『スキャンダル』で主演女優賞にノミネートされたが、シャーリーズ・セロンもそのうちのひとり。「Los Angeles Times」紙に思いを語った。「厳しい。本当に、とても厳しい。それに、すごくフラストレーションを感じる。女性監督の数を増やそうとがんばっているところなのに。この業界で女性監督はわずか10%しかいない。それでも今年は彼女たちの仕事ぶりは素晴らしかった。だから本当に悔しい」と残念がった。『スキャンダル』は男性であるジェイ・ローチがメガホンを取った作品。シャーリーズは「女性はもっとチャンスを得られるべきだと強く信じているけれど、だからと言って女性の物語を伝えられるのが女性だけだとは思わないし、男性の物語を伝えられるのが男性だけだとは思わない。そんなことを言ったら、エイヴァ・デュヴァーネイが悲しむ。彼女は冤罪になった5人の少年についての作品(「ボクらを見る目」)を撮ったから」という意見も述べている。(Hiromi Kaku)
2019年12月10日インディーズ映画に贈られるゴッサム賞が発表された。作品賞に輝いたのは、『マリッジ・ストーリー』。今作では、ほかに、ノア・バームバックが脚本賞、アダム・ドライバーが男優賞を受賞している。同作品はまた観客賞も受賞した。女優賞は、『The Farewell』のオークワフィナ。ブレイクスルー賞は、『The Waves』のテイラー・ラッセル。ドキュメンタリー賞は『アメリカン・ファクトリー』。『マリッジ・ストーリー』も『アメリカン・ファクトリー』もNetflix作品で、このアワードシーズンも、今からすでに彼らの大健闘が予測される。文=猿渡由紀
2019年12月04日第44回報知映画賞の受賞作・受賞者が28日に明らかになり、中井貴一が主演男優賞、長澤まさみが主演女優賞に輝いた。『記憶にございません!』の演技が評価された中井は、1994年(第19回)『四十七人の刺客』で助演男優賞を受賞して以来、25年振り2度目の報知映画賞受賞に。また『マスカレード・ホテル』『コンフィデンスマン JP-ロマンス編-』に出演した長澤は、2004年(第29回)に『深呼吸の必要』『世界の中心で、愛をさけぶ』で助演女優賞を受賞して以来、15年振り2度目の報知映画賞受賞となった。全体では『蜜蜂と遠雷』が作品賞・邦画部門、新人賞(=鈴鹿央士)の2冠に。今年社会現象を巻き起こした『翔んで埼玉』が特別賞を受賞した。○第44回報知映画賞 一覧作品賞・邦画部門:『蜜蜂と遠雷』(監督 石川慶)作品賞・海外部門:『ジョーカー』(監督 トッド・フィリップ)アニメ作品賞:『天気の子』 (監督 新海 誠 配給 東宝)主演男優賞:中井 貴一『記憶にございません!』の演技に対して主演女優賞:長澤まさみ 『マスカレード・ホテル』『コンフィデンスマン JP -ロマンス編-』の演技に対して助演男優賞:成田凌 『チワワちゃん』『愛がなんだ』『さよならくちびる』の演技に対して助演女優賞:小松 菜奈 『来る』『閉鎖病棟-それぞれの朝-』の演技に対して監督賞:佐藤信介 『キングダム』の演出に対して新人賞:鈴鹿央士 『蜜蜂と遠雷』の演技に対して新人賞:玉城ティナ 『Diner ダイナー』『惡の華』の演技に対して特別賞:『翔んで埼玉』 社会現象化した稀有な作品。(監督 武内英樹)
2019年11月28日シネマトグララフィーのフェスティバル、カメリメージで、『ジョーカー』の撮影監督ローレンス・シャーが、最高賞にあたるゴールデン・フロッグを受賞した。この賞の受賞者は、過去、ほぼ確実にオスカーのシネマトグラフィー部門にノミネートされる。2番目にあたるシルバー・フロッグは『2人のローマ教皇』、その次のブロンズ・フロッグは『The Painted Bird』が受賞した。『ジョーカー』は、この週末、全世界興収が10億ドルの大台を超えるという快挙を達成した。公開から二ヶ月経つ今も、アメリカではトップ10圏内にとどまっている。文=猿渡由紀『ジョーカー』全国公開中
2019年11月18日エレン・デジェネレスが来年1月5日に開催される第77回ゴールデングローブ賞にて、キャロル・バーネット賞を受賞することが明らかになった。月曜日(現地時間)、ゴールデングローブ賞を主催するハリウッド外国人映画記者協会(HFPA)が発表した。エレンもSNSで「新しい週の始まりに、最高のニュース。ありがとう、ハリウッド外国人映画記者協会」と報告している。HFPAの代表ロレンツォ・ソリアは「彼女の番組はシットコムからスタンダップコメディまで、お茶の間に欠かせないものとなっています。彼女はテレビ界のパイオニアで、その魅力と知性で25年近く視聴者を引き付けてきました。また、テレビ界での成功に加え自分のプラットフォームが持つ影響力を通し、献身的な慈善家として声を上げ、優しさや喜びを広めてきました」とエレンの功績を称え、授賞の理由とした。今年新設されたキャロル・バーネット賞は、テレビ界への貢献者に贈られるもので、今年はキャロル・バーネット本人が受賞した。エレンは二代目の受賞者となる。なお、来年のゴールデングローブ賞で、映画界での貢献者に贈られるセシル・B・デミル賞はトム・ハンクスが受賞者に決定している。(Hiromi Kaku)
2019年11月05日国内映画賞のトップバッターとして注目を集める「第11回TAMA映画賞」の受賞作品及び受賞者が決定。『長いお別れ』と『嵐電』が最優秀作品賞に選ばれ、『天気の子』『新聞記者』が特別賞を受賞、『愛がなんだ』で共演した成田凌と岸井ゆきのがそれぞれ最優秀新進男優賞・女優賞に選ばれた。毎年晩秋に開催されている映画ファンの祭典「第29回映画祭TAMA CINEMA FORUM」が今年も開催。併せて、多摩市及び近郊の市民からなる実行委員が「明日への元気を与えてくれる・夢をみせてくれる活力溢れる<いきのいい>作品・監督・俳優」を、映画ファンの立場から感謝をこめて表彰するTAMA映画賞も発表された(2018年10月~2019年9月に劇場公開された作品が対象)。映画ファンを魅了した事象を表彰する特別賞に選ばれた『天気の子』は、「少年・少女が緻密に描かれた東京の街並みから壮大な天空に放たれた開放感は、言葉に表せないほどの映像体験を観客にもたらした」、そして『新聞記者』は「昨今の政治的題材に取り組みながら苦悩する個人に光を当てたドラマを作り、終演で拍手が起こる『新聞記者現象』を引き起こした」との受賞理由。『嵐電』『こはく』などに主演した最優秀男優賞・井浦新には「経験に裏打ちされる思慮深さ、知性と品、色気を自在に調節し作品のカラーに溶け込む、映画界になくてはならない存在」、『長いお別れ』で認知症が進行していく父親を演じた山崎努には「一瞬みせる敬愛される家族の長としてのお父さんの姿は、俳優・山崎努の凄みを感じさせた」との声が寄せられた。最優秀女優賞を受賞した蒼井優には「『長いお別れ』『宮本から君へ』『斬、』において、多岐にわたる役柄を演じ分け、観客の脳裏に鮮烈に焼き付けた」、同じく前田敦子には「『旅のおわり世界のはじまり』で演じた女性像は、女優・前田敦子の資質・魅力と鮮やかにシンクロし、稀有な存在感を放った」とのコメント。『愛がなんだ』から『人間失格 太宰治と3人の女』まで多彩な作品で大活躍を見せた成田凌には「身近にいそうな自然な佇まいで役に溶け込む一方、他方では誰もが持つ弱い部分を丁寧に演じ、多彩な表現力で観客を魅了した」、同じく『愛がなんだ』で主演をつとめた岸井ゆきのには「ヒロインを大胆な立ち居振る舞いと繊細な眼差しで体現し、リアルな恋愛群像劇のなかにキュートな魅力をもって立ち上がらせた」との受賞理由が寄せられ、『新聞記者』で松坂桃李とW主演をつとめたシム・ウンギョンも、「真実を追い続ける真剣な表情・確かな演技力は、観るものを強烈に作品に引き込み、初出演の日本映画で鮮烈な印象を残した」と最優秀新進女優賞を受賞した。<第11回TAMA映画賞 受賞作品・受賞者>最優秀作品賞[本年度最も活力溢れる作品の監督及びスタッフ・キャストに対し表彰]『嵐電』 鈴木卓爾監督、及びスタッフ・キャスト一同『長いお別れ』中野量太監督、及びスタッフ・キャスト一同特別賞[映画ファンを魅了した事象に対し表彰]新海誠監督、及びスタッフ・キャスト一同 『天気の子』藤井道人監督、及びスタッフ・キャスト一同 『新聞記者』最優秀男優賞[本年度最も心に残った男優を表彰]山崎努 『長いお別れ』井浦新 『嵐電』『こはく』『赤い雪』『止められるか、俺たちを』『宮本から君へ』ほか最優秀女優賞[本年度最も心に残った女優を表彰]蒼井優 『長いお別れ』『宮本から君へ』『斬、』『ある船頭の話』『海獣の子供』前田敦子 『旅のおわり世界のはじまり』『葬式の名人』『町田くんの世界』ほか最優秀新進男優賞[本年度最も飛躍した男優、もしくは顕著な活躍をした新人男優を表彰]成田凌 『愛がなんだ』『チワワちゃん』『さよならくちびる』『人間失格 太宰治と3人の女』『翔んで埼玉』ほか清水尋也 『ホットギミック ガールミーツボーイ』『パラレルワールド・ラブストーリー』『貞子』最優秀新進女優賞[本年度最も飛躍した女優、もしくは顕著な活躍をした新人女優を表彰]岸井ゆきの 『愛がなんだ』『ここは退屈迎えに来て』『ゲキ×シネ「髑髏城の七人」Season風』シム・ウンギョン 『新聞記者』最優秀新進監督賞[本年度最も飛躍した監督、もしくは顕著な活躍をした新人監督を表彰]山戸結希監督『ホットギミック ガールミーツボーイ』『21世紀の女の子』奥山大史監督 『僕はイエス様が嫌い』「第11回TAMA映画賞授賞式」は11月17日(日)、中央大学 多摩キャンパス クレセントホールにて開催。「第29回映画祭TAMA CINEMA FORUM」各種上映プログラムは11月23日(土・祝)~12月1日(日)、東京都多摩市内の3会場にて開催。(text:cinemacafe.net)■関連作品:長いお別れ 2019年5月31日より全国にて公開(C)2019『長いお別れ』製作委員会愛がなんだ 2019年4月19日よりテアトル新宿ほか全国にて公開©2019映画「愛がなんだ」製作委員会新聞記者 2019年6月28日より全国にて公開©2019『新聞記者』フィルムパートナーズ天気の子 2019年7月19日より全国東宝系にて公開(C)2019「天気の子」製作委員会
2019年10月03日9月22日(現地時間)、ロサンゼルスのマイクロソフトシアターでエミー賞授賞式が開催された。今年のアカデミー賞と同様、エミー賞も司会者を立てずにプレゼンターたちが授賞式を進行するというスタイルを取った。注目されていたのは今年最終章を迎え、最多32ノミネーションを受けていた「ゲーム・オブ・スローンズ」。ノミネートされていたメインキャストたちがリミテッドシリーズ/テレビ映画部門の助演女優賞のプレゼンターとして登壇し、会場を沸かせた。主要部門では作品賞獲得の快挙を果たし、ピーター・ディンクレイジが助演男優賞を受賞した。主要な受賞者は以下のとおりドラマシリーズ部門作品賞「ゲーム・オブ・スローンズ」主演男優賞ビリー・ポーター「Pose/ポーズ」主演女優賞ジョディ・カマー「キリング・イヴ/Killing Eve」助演男優賞ピーター・ディンクレイジ「ゲーム・オブ・スローンズ」助演女優賞ジュリア・ガーナー「オザークへようこそ」監督賞ジェイソン・ベイトマン「オザークへようこそ」脚本賞ジェシー・アームストロング「サクセッション」コメディシリーズ部門作品賞「Fleabag フリーバッグ」主演男優賞ビル・ヘイダー「バリー」主演女優賞フィービー・ウォーラー=ブリッジ「Fleabag フリーバッグ」助演男優賞トニー・シャルーブ「マーベラス・ミセス・メイゼル」助演女優賞アレックス・ボースタイン「マーベラス・ミセス・メイゼル」監督賞ハリー・ブラッドビア「Fleabag フリーバッグ」脚本賞フィービー・ウォーラー=ブリッジ「Fleabag フリーバッグ」リミテッドシリーズ/テレビムービー部門リミテッドシリーズ作品賞「チェルノブイリ」テレビ映画部門作品賞「ブラックミラー:バンダースナッチ」主演男優賞ジャレル・ジェローム「ボクらを見る目」主演女優賞ミシェル・ウィリアムズ「Fosse/Verdon」(原題)助演男優賞ベン・ウィショー「英国スキャンダル~セックスと陰謀のソープ事件」助演女優賞パトリシア・アークエット「The Act」(原題)監督賞ヨハン・レンク「チェルノブイリ」脚本賞クレイグ・メイジン「チェルノブイリ」(Hiromi Kaku)■関連作品:ゲーム・オブ・スローンズ[海外TVドラマ]© 2012 Home Box Office, Inc. All rights reserved. HBO® and all related programs are the property of Home Box Office, Inc.
2019年09月23日『グリーンブック』や『ラ・ラ・ランド』『スリー・ビルボード』などアカデミー賞に直結する作品を多数送りだしてきたトロント国際映画祭の最高賞「観客賞」に、タイカ・ワイティティ監督最新作『ジョジョ・ラビット』が輝いた。『マイティ・ソー バトルロイヤル』のタイカ・ワイティティ監督が、4度アカデミー賞作品賞に輝き、創立25周年を迎えたFOXサーチライト・ピクチャーズのもと、スカーレット・ヨハンソンやサム・ロックウェルら世界を代表する豪華キャスト陣と共に、第2次世界大戦下のドイツを舞台とした壮大なヒューマン・エンターテインメントを作りあげた。第44回トロント国際映画祭では開幕前からマスコミ陣も映画ファンも注目、ワールドプレミアは熱狂をもって迎えられた。ワイティティ監督自身が、主人公の少年ジョジョの空想に登場するアドルフ・ヒトラーを演じるとともに、オーディションでジョジョ役をつかんだローマン・グリフィン・デイビスがその愛くるしいルックスと確かな演技力を披露し、一躍注目の新星の座に躍り出た。戦争に対する風刺をハートフルなコメディの形をとりながら表現し、戦時下における人々の生きる喜びを正面から描いた本作は、最もアカデミー賞に近い賞といわれるトロントの観客賞を獲得したことで、今季の映画賞レースの目玉となりそう。なお、観客賞次点2位にはノア・バームバック監督の『マリッジ・ストーリー』、3位にはポン・ジュノ監督の『パラサイト 半地下の家族』が選ばれている。『ジョジョ・ラビット』は2020年1月、全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2019年09月17日ヴェネチア国際映画祭銀獅子賞(監督賞)、フランスのアカデミー賞と言われるセザール賞で4冠(監督賞・撮影賞・美術賞・音響賞)を受賞した『THE SISTERS BROTHERS』(原題)が、『ゴールデン・リバー』の邦題で7月、日本公開されることが決定。ポスタービジュアルも到着した。時はゴールドラッシュ。普通を夢見る兄と、裏世界でのし上がりたい弟は、最強と呼ばれる殺し屋。政府の内密な依頼で偵察係と追うことになったのは、黄金を見分ける化学式をみつけた科学者。しかし、黄金に魅せられた4人は手を組むことになり…。本作は、イギリスの文学賞のひとつであるブッカー賞の最終候補作にもなり、様々なミステリ・ベスト10入りも果たすパトリック・デウィットの「シスターズ・ブラザーズ」を基に映画化。『真夜中のピアニスト』『君と歩く世界』などを手掛けるジャック・オーディアール監督の最新作で、オーディアール監督初の英語作品でもある。1851年のゴールドラッシュに沸くアメリカを舞台に、決して手を組むべきでなかった4人の男たちを黄金が狂わせていく、一攫千金ウェスタンサスペンス作品。西部劇のルックながらサスペンスドラマの要素が入り、読めない展開、誰が善で誰が悪なのか、ツイストしていく人間ドラマに目が離せない…。そんな4人を演じるのは、いずれも実力派揃い!最強と呼ばれる凄腕の殺し屋“シスターズ兄弟”の兄イーライを『シカゴ』『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』『ロブスター』のジョン・C・ライリー、弟チャーリーを『グラディエーター』『ザ・マスター』のホアキン・フェニックス。偵察係を『ブロークバック・マウンテン』『プリズナーズ』『ナイトクローラー』『ノクターナル・アニマルズ』などに出演、幅広い役柄を演じ切るカメレオン俳優のジェイク・ギレンホール、科学者を『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』『ヴェノム』のリズ・アーメッドが演じている。トラウマ、憧憬、疑心、かすかな友情――。黄金に魅せられた彼らは何を得、何を失うのか?思いがけないラストに注目だ。『ゴールデン・リバー』は7月、TOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開予定。(cinemacafe.net)■関連作品:ゴールデン・リバー 2019年7月、TOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開予定Ⓒ 2018 Annapurna Productions, LLC. and Why Not Productions. AllRights Reserved.
2019年03月20日話題のスポットやエンタメに本誌記者が“おでかけ”し、その魅力を紹介するこの企画。今回はアカデミー賞で、作品賞、助演男優賞、脚本賞を獲得した『グリーンブック』を見てきました!■映画『グリーンブック』(TOHOシネマ日比谷ほか全国公開中)舞台は’62年のアメリカ。無教養でガサツだけど頼りがいのあるトニー(ヴィゴ・モーテンセン)は、天才肌で神経質な黒人ピアニストのドクター(マハーシャラ・アリ)の運転手として、アメリカ南部へ演奏ツアーに出ることに。このときにタイトルにもなった『グリーンブック』が登場。黒人が利用できる飲食店・ホテルなどが記載されているガイドブックで、人種差別が色濃く残る当時のアメリカでは、これを利用することで安全を確保することができたのです。2人の旅は、真逆な性格もあってどこかちぐはぐな始まりでしたが、しだいに友人として距離を縮めていきます。名優、ヴィゴ・モーテンセンもよかったけれど、ドクター役のマハーシャラ・アリの演技にも目がくぎ付けになりました。ただ神経質なだけではなく、戦災で、黒人社会にも居場所がない深い孤独を抱えるドクターを見事に体現していました。人種差別の実態はおそらくもっと根が深く複雑だと思いますが、知らない者に対して知ろうとする意欲を持つことで変われる、というシンプルなメッセージを受け取りました。むしろ距離を縮めたくないから知ろうとしないのかも、と思ったり。実話をもとにした映画というのが感動をさらに呼ぶ作品です。
2019年03月18日第91回アカデミー賞で長編アニメ賞に輝いた『スパイダーマン:スパイダーバース』が本日から公開になる。本作は他にも英国アカデミー賞、アニー賞、ゴールデングローブ賞など多数の映画賞を受賞。単に“スパイダーマン”のアニメ作品ではなく、映画史にその名を刻む傑作映画として高く評価されている。マーベル・コミックの人気キャラクターのひとり“スパイダーマン”はこれまでに幾度となくアニメ化、実写映画化されてきたアイコン的な存在だが、本作は主人公が暮らす世界とは“異なる次元”にも同じようにスパイダーマンが存在し、ある事件をきっかけに複数のスパイダーマンが集結するドラマが描かれる。アメリカのブルックリンで暮らす高校生マイルスはある日、突然変異したクモにかまれたことで驚異的な力を得る。やがて彼は地下鉄で“異次元”との扉を開く装置を発見。さらに街の安全を守っていたスパイダーマン=ピーター・パーカーの死を目撃する。その後、異次元から“別の世界のピーター・パーカー”が出現。さらに別の次元からもスパイダーマンが現れ、マイルスは自身の能力を制御する術を学び、さらに自分は一体、何者なのか? 自分は何をするべきなのかを見出していく。複数の次元から複数のスパイダーマンが集まる設定はこれまでにもコミックで描かれてきたが、本作は『21ジャンプストリート』や『LEGO ムービー』など数々の傑作を手がけてきたフィル・ロードとクリス・ミラーのコンビが製作を担当。ロードは脚本も執筆しており、平凡な主人公がヒーローに成長する定番の物語を主軸に置きながら、ヒーローの継承の物語や家族のドラマを、掟破りのギャグや展開をアクセントにしながら巧みに描き出している。さらに本作はこれまでにないアニメーション表現に挑んでおり、単にデジタル3Dのアニメーションを制作するだけでなく、そこに手描きの線やコミックブックの質感(効果線やドット模様など)、グラフィティの要素をミックスし、観客が“コミックの世界に入り込んだ”ような映像世界を実現。音楽もストリングスを主体とした劇伴だけでなく、HIPHOP、エレクトロミュージックの音源をミックス&スクラッチして、これまでにないトラックが生み出されている。本作はすでに公開されている国と地域で高評価を集めており、日本でも絶賛の声が広がることになりそうだ。
2019年03月08日「第42回日本アカデミー賞授賞式」が3月1日(金)に開催され、『万引き家族』が最優秀作品賞を受賞した。12部門において優秀賞を受賞している『万引き家族』だが、作品賞以外にも、最優秀監督賞、最優秀主演女優賞、最優秀助演女優賞、最優秀脚本賞など、最多計8部門で最優秀賞を受賞した。なお、最優秀主演男優賞は『孤狼の血』の役所広司、最優秀助演男優賞は『孤狼の血』の松坂桃李が受賞した。『万引き家族』は、是枝裕和監督が、貧困と幸せ、血縁と心の絆など社会に抱いたある違和感に、10年間描いてきた家族に関するテーマを投入した渾身作。下町の一軒家で、家主である老女(樹木希林)の年金を目当てに暮らす柴田家。足りない生活費を万引きなどで稼いでいた彼らは、冬の日、親から虐待を受ける少女を拾い一緒に暮らし始める。しかし、ある事件をきっかけに家族の秘密は白日の下にさらされる。日本映画の頂点に立ち、抱き合って喜び合った是枝監督、リリー・フランキー、安藤サクラ、松岡茉優などの“家族”たち。是枝監督は「撮影からちょうど1年、長い旅をこの作品と続けてきました。本当にいいラストを迎えることができました」と簡潔ながら気持ちのこもったコメント。優秀主演男優賞を受賞したリリーさんは、「すごく小さく始まった映画でしたけど、知らないうちにお祭りが続いて、1年間いろいろなところに行かせていただきました。つらいこと、人のおわかれもいっぱいありましたが、この映画の魔法にかかって楽しく過ごさせていただきました」と、リリーさんらしい詩的な言葉に思いを乗せた。リリーさんの妻役となった安藤さんは「素敵な時間をありがとうございます!本当にたった1年と思えない1年間でした。(城)桧吏、(佐々木)みゆ、やったね!」とステージの向こうにいるであろう子役たちにも笑顔を投げかける。終始涙をこらえられない様子の松岡さんは、「ものが浮かぶタイプですけど、本当に浮かばない…」とマイクを返す仕草をしたものの「ありがとうございます」と伝え、この日何度目かの涙を流していた。(cinamacafe.net)■関連作品:万引き家族 2018年6月8日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2018フジテレビジョンギャガAOI Pro.
2019年03月01日2月24日(現地時間)に開催される第91回アカデミー賞授賞式において、撮影賞、編集賞、短編映画賞、メイクアップ&ヘアスタイリング賞の4つの賞が、コマーシャル中に授与されることが明らかになった。授賞式を主催する映画芸術科学アカデミーの会長ジョン・ベイリーが、メンバーたちにこの計画をメールで伝えたという。「Variety」誌などが報じた。今年のオスカーは、テレビでの生放送の時間を例年の4時間弱から3時間へと大幅に短縮。そのため、アカデミーはどこをどう削るかに苦戦しているとみられ、先日、候補者を集めて行われたランチパーティーでも、ベイリーはこんな“注文”を口にしたという。「(受賞して)舞台に向かうときは急いでください。早く舞台に上がりたいという感じを見せて…」。というのも、受賞者の名前が呼ばれてから舞台に上がり、スピーチを終えるまではたった90秒しかないからだそうだ。また、歌曲賞にノミネートされている5曲中、2曲のパフォーマンスしか行われないといううわさも出た。この件については現時点でアカデミーが5曲中4曲のパフォーマンスの確定を発表しているため、全曲が披露されるとみられる。ベイリーは、テレビの生放送では見ることのできない4部門の賞の受賞スピーチなどは、編集した録画を授賞式後に放送し、オスカーの公式HPやSNSでも公開すると話している。(Hiromi Kaku)
2019年02月12日27日夜(現地時間)、ロサンゼルスの「シュライン・オーディトリアム」で、アカデミー賞を占う賞としても注目を集める全米映画俳優組合賞の授賞式が行われた。司会は女優のメーガン・ムラーリーが務めた。最高賞にあたるキャスト賞は、アカデミー賞の作品賞にもノミネートされている『ブラックパンサー』が獲得した。受賞リストは以下の通り【映画部門】キャスト賞『ブラックパンサー』主演男優賞ラミ・マレック『ボヘミアン・ラプソディ』主演女優賞グレン・クローズ『天才作家の妻 40年目の真実』助演男優賞マハーシャラ・アリ『グリーンブック』助演女優賞エミリー・ブラント『クワイエット・プレイス』スタント・アンサンブル賞『ブラックパンサー』生涯功労賞アラン・アルダ【テレビ部門】男優賞(テレビ映画/ミニシリーズ部門)ダレン・クリス「アメリカン・クライム・ストーリー/ヴェルサーチ暗殺」女優賞(テレビ映画/ミニシリーズ部門)パトリシア・アークエット「Escape at Dannemora」(原題)男優賞(ドラマ部門)ジェイソン・ベイトマン「オザークへようこそ」女優賞(ドラマ部門)サンドラ・オー「キリング・イヴ/Killing Eve」男優賞(コメディ部門)トニー・シャルーブ「マーベラス・ミセス・メイゼル」女優賞(コメディ部門)レイチェル・ブロズナハン「マーベラス・ミセス・メイゼル」アンサンブル賞(ドラマ部門)「THIS IS US 36歳、これから」アンサンブル賞(コメディ部門)「マーベラス・ミセス・メイゼル」スタント・アンサンブル賞「GLOW:ゴージャス・レディ・オブ・レスリング」(Hiromi Kaku)■関連作品:ブラックパンサー 2018年3月1日より全国にて公開© Marvel Studios 2017 MARVEL-JAPAN.JP/blackpantherクワイエット・プレイス 2018年9月28日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開(C) 2018 Paramount Pictures. All rights reserved.ボヘミアン・ラプソディ 2018年11月9日より全国にて公開© 2018 Twentieth Century Foxグリーンブック 2019年3月1日よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開© 2018 UNIVERSAL STUDIOS AND STORYTELLER DISTRIBUTION CO., LLC. All Rights Reserved.天才作家の妻 -40年目の真実- 2019年1月26日より新宿ピカデリー、角川シネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国にて公開(c)META FILM LONDON LIMITED 2017
2019年01月28日