2月17日(土) 下北沢ザ・スズナリにて、ゆうめい新作公演『養生』が開幕し、併せて舞台写真と作・演出・美術の池田亮の開幕コメントが公開された。香取慎吾主演『テラヤマキャバレー』の脚本を手掛け、今年9月にはシアタートラムで新作書き下ろしを控える池田亮が、ホームグランドである「ゆうめい」で上演する本作。夜間勤務の現場での実体験を基に、“諦めたいのに諦めない”という矛盾を抱える人物たちを描く。美大生の橋本は、画家になりたかった。画材を買うために始めた夜勤の内装バイトで、気がついたら、正社員になっていた。橋本の働く百貨店内の画廊スペースで、人気画家になった同期の個展が決まる。なれなかったものに、まだなりたい。「何を、諦めれば──」キャストは、『動く物』で北海道戯曲賞にて大賞を受賞したウンゲツィーファ主宰の演劇作家・本橋龍、ウンゲツィーファ&ゆうめい常連組であり青年団所属の俳優・黒澤多生、ゆうめい主宰の俳優・田中祐希の3人が出演する。■池田亮(作・演出・美術)開幕コメント夜勤現場で仲良くなれた人は、一緒に怒られた人でした。ひたすらに米袋を2人でコンベアーに朝まで運び続けるという仕事でした。当時彫刻家一本を目指していた自分は石を運んだ際に腰を痛めてしまっていたので動きが遅く、相方も足の深爪が痛い的な理由で同じく遅く、社員さんから「速度ナメクジかお前ら。初めてだぞこんなん」と喝を入れられ、使い物にならないからと倉庫の掃除を任されました。独特な臭いのする地下倉庫の中で片付けていると、お互い愚痴をこぼし始め、そしてぽつぽつと自分についてを話し出す空気になりました。1日でこんなに人と仲良くなれることってあるんだと思って、そして朝帰る頃には駅で手を振りあって「またどこかで」と挨拶するほどになりました。でも連絡先は交換しておらず、それ以降会えていません。そんな時も思い出しながら『養生』を作りました。そして今回の座組みの皆様はどこか、あの時に出会った人のような雰囲気がしています。みんなが寝静まる夜から朝にかけて仕事をするという特別な時間に生まれる出会いも別れも詰め込みました。ゆうめいとウンゲツィーファのコラボレーションとしてもお楽しみください。2月20日まで、スズナリにて心よりお待ちしております。<公演情報>ゆうめい『養生』2月17日(土)〜 2月20日(火) 全5ステージ会場:下北沢 ザ・スズナリ【スタッフ・キャスト】作・演出・美術:池田亮出演:本橋龍(ウンゲツィーファ)/ 黒澤多生(青年団)/ 田中祐希ビジュアル出演:小松大二郎【チケット料金】前売一般:3,800円前売U-39:3,500円前売学生:2,500円当日(一般・U-39・学生一律):4,500円応援チケット:5,000円(『養生』ステッカー付)※日時指定・全席指定席
2024年02月18日ペットボトル温灸の実技も学べる1日講座2024年3月16日(土)、NHK文化センター梅田教室で、1日講座『若林理砂先生に聞く 不調を治す「養生法」』が開催されます。同講座では、鍼灸師の若林理砂氏が体の不調を自分でケアする養生法を紹介します。体を整えるボディワークや、ペットボトル温灸などを通じて、心と体を整えていきます。開場時間は13:45、開催時間は14:00から15:30までです。受講料はNHKカルチャー会員が3,432円、一般が4,125円となっています。持ち物は、ペットボトル温灸のためのペットボトル1本(ホット専用または電子レンジ可能)です。ボディワークを行うため、動きやすい服装での参加がオススメです。講座の申し込みはNHKカルチャーのホームページにて受け付けています。予約がとれない人気鍼灸師若林理砂氏は1976年生まれです。高校卒業後に鍼灸免許を取得し、臨床家・鍼灸師として活躍しています。2004年に東京都目黒区にアシル治療室を開設。2019年に東京都品川区に移転しました。著書には『絶対に死ぬ私たちがこれだけは知っておきたい健康の話』『安心のペットボトル温灸』『決定版からだの教養12ヶ月』などがあります。(画像はアシル治療室より)【参考】※NHKカルチャー※アシル治療室※Amazon
2023年12月05日自然豊かな竹富島で、感性を解放しよう星のや竹富島は2023年11月1日、竹富島の文化と自然が体感できるウェルネスプログラム『島時間養生』をリニューアルします。リニューアルに伴って、医師である横倉恒雄監修のマインドフルネス体験を追加。体験を通して感性を解放する、3泊4日のプログラムとなっています。マインドフルネスに導く「島あそび」は、好きな時に何度でも体験することができます。「島あそび」には、竹富島伝統の「機織り」や、スタッフのガイドのもとでウォーキングを楽しむ「竹富島内の集落をめぐるガイドウォーク」、自然に囲まれたプールサイドで行う「深呼吸とストレッチ」などがあります。専属スタッフがマインドフルネスな滞在をサポート同プログラムでは、専属スタッフ「ティガナイ人(手伝う人を表現した造語)」がマインドフルネスな滞在をサポートします。食事時間はあらかじめ決めておく必要はなく、空腹を感じたタイミングでとることができます。料金は1名187,500円(税込み・サービス料込み、宿泊料別)です。料金には、客観的に「健幸」を把握するチェックリストの実施やスパトリートメント3回、島の自然や文化を活かした体験、インルームダイニング「海鮮しゃぶしゃぶ御膳」1回などが含まれています。定員は1日1組(1名)です。予約は星のや竹富島公式サイトにて受け付けています。(画像はプレスリリースより)【参考】※星野リゾート ニュースリリース※星のや竹富島公式サイト
2023年09月22日がんばらずに10kgやせた漢方家×20kgやせた美容家2023年8月3日、Gakkenから『やる気1%から始める やせる養生:10kgやせた漢方家と20kgやせた美容家が考えた』が発売される。著者は漢方家の櫻井大典と、ダイエット・セルフケア美容家の本島彩帆里。同書では、自分の体質や今の状態にあったやせ方を紹介。食養生やボディケアで、体と心を内側からととのえていく。自分に合ったダイエット方法が知りたい人や、これまでに何度もリバウンドしている人などにオススメだ。販売価格は1,650円。Amazonなどで予約を受け付けている。健康的に20kgの減量の成功した本島彩帆里本島彩帆里はカウンセリングや妊娠出産をきっかけに、健康的に20kgの減量に成功。エステサロンで施術者として勤務した経験を持ち、現在はダイエット美容家として活躍している。SNSでは、ダイエットや美容情報などを積極的に発信。インスタグラムのフォロワー数は23万人を超えている。著書には、『ぽかトレ ぽかぽかすれば体は勝手にヤセたがる』などがある。櫻井大典は国際中医専門員A級資格を持ち、漢方家、漢方コンサルタントとして活躍。中医学の食養生を実践し、1年間で10kgの減量に成功した経験を持つ。『まいにち漢方―体と心をいたわる365のコツ』『つぶやき養生』など著書多数。(画像は本島彩帆里オフィシャルサイトより)【参考】※Amazon※本島彩帆里オフィシャルサイト※本島彩帆里オフィシャルインスタグラム※櫻井大典オフィシャルサイト
2023年07月13日剥がすことを前提としているため、粘着力が弱めで、のりが残りにくいのが特徴的な養生テープ。工事現場などさまざまな場面で使われています。消防器具などを取り扱っている株式会社報商製作所でも、養生テープを使う場面がありました。とはいっても、工事現場などで使ったのではありません。社内にある机を動かす際、引き出しが飛び出さないよう、養生テープで仮止めしたのです!パイオランテープの正しい使い方①・引き出し飛びだし防止 #新人さんがくるので席移動中 #養生テープ便利 pic.twitter.com/wcFqTScmVD — ㈱報商製作所 担当者:ほうちゃん (@hosho_koho) March 10, 2023 机を持ち上げたり、移動させたりする時に引き出しが飛び出してくると、作業に支障が出ることがあります。そんな時に仮止めとして養生テープを使えば、飛び出てくる問題を解決!上述したように、養生テープはのりが残りづらいため、机に跡が付着する心配もなさそうです。ただし、ポリ塩化ビニルまたは塩化ビニル樹脂からできている塩ビマットなど、素材によっては養生テープが使えない場合も。貼る前に確認したほうがベターです。ネット上では、「個人の引っ越しの時にも使えそう!」「このために作られたのかと思うくらいピッタリ!」「そんな使い方があったとは!」と多くの人が驚いています。家具の移動や搬入をする時に、参考にしてみてはいかがですか。[文・構成/grape編集部]
2023年03月17日工事現場や引っ越し作業など、さまざまな場面で使われている養生テープ。粘着力は強くなく、はがしやすさが特徴的です。Twitterで投稿された、養生テープを使って作られたものが話題を呼んでいます。会社員である投稿者さんは、仕事のちょっとした息抜きとして作品を制作。養生テープから作られたとは思えない、作品がこちらです。投稿者さんが作ったのは、花!花びらの形などが、とても本物にそっくりですね。投稿者さんによると、20~30秒ほどの作業を繰り返し、合計3分ほどで、完成させたとのこと。完成後、社長にプレゼントしたようです。ネットを通じオリジナルの花は拡散され、養生テープメーカーであるダイヤテックス株式会社も「すごい!」と絶賛していました。仕事中でも、そうでなくとも、作ってみるといい息抜きになりそうな、養生テープの作品。試しに、あなたも作ってみてはいかがですか。※掲載許可はいただいておりますが、投稿者様のご意向で匿名にしております。[文・構成/grape編集部]
2023年02月16日工事や引っ越し、はたまた台風が近付いた時に窓ガラスに貼り付けるなど、さまざまな場面で使われている『養生テープ』。各メーカーが養生テープを製造している中、『パイオランテープ』と呼ばれる製品を取り扱っているのがダイヤテックス株式会社です。同社は、Twitterアカウントで養生テープに関する多くの情報を紹介しています。2023年1月31日に同社が投稿したのは、養生テープの意外な使い方。それは、養生テープが違うものに転生したら…と妄想が膨らむものだったのです!転生したらドリンクホルダーだった件 pic.twitter.com/YHFESjyQ8n — パイオランテープ【公式】 (@PYOLANTAPE_DTX) January 31, 2023 デスクの上に置いた養生テープ。その中にカップを入れると、即席のドリンクホルダーの完成です!養生テープは、厚さが特徴的なだけあって、安定感がありそうですね。同アカウントの担当者はほかにも、ハンコや爪切りといった小物入れとして使っているとのこと。養生テープを、ちょっとした小物入れとして使う人は一定数いるようで、ほかにも多くのアイディアが集まりました。・自分は、ペットボトルを入れています!ちょうどいい形なので、スポっとしたくなるんですよね。・めちゃくちゃ気持ちが分かる使い方!・もちろん、もともとの用途でも使えるので、一石二鳥な気分に浸っています!養生テープを、本来の用途以外で使う人は、少なからずいる様子。しかし製造している企業の担当者までもが変わった使い方をしているのは、意外です。ちょっとした親近感を抱きますね![文・構成/grape編集部]
2023年02月01日ニッコースタイル名古屋で、ココロとカラダを整えよう2023年2月15日(水)、ニッコースタイル名古屋において、「ピラティス&韓流「養生」講座~ホテルで整う、ココロとカラダ~」が開催されます。同イベントでは、ピラティスインストラクターのソン・アグン氏が、美姿勢メイクピラティスと漢方茶&心身のケア講座を実施。野菜をふんだんに使ったヘルシーランチが付いて、参加料は3,600円(サービス料込み)となっています。受け付けは10:30からスタート。ピラティスレッスンは11:00から11:50まで、韓流『養生』講座・韓方茶サービスは11:50から12:10までとなっています。着替えを済ませた後は、12:40から13:40まで、ソン・アグン氏とともにランチを楽します。ニッコースタイル名古屋の住所は、愛知県名古屋市中村区名駅5-20-13です。申し込みはPeatixにて受け付けています。3児のママでもあるソン・アグン氏ソン・アグン(宋亜弓)氏は在日コリアン3世で、ピラティスインストラクターとして活躍しています。丁寧で分かりやすい指導が人気で、韓医学についても豊富な知識を有します。ピラティス指導歴は18年以上。「美は内面に宿る」を信念に掲げ、レッスンや講演会をパワフルに行っています。(画像はニッコースタイル名古屋より)【参考】※ニッコースタイル名古屋※Peatix
2023年01月27日17万人からフォローされている櫻井大典氏Twitterで人気の漢方コンサルタント・櫻井大典(さくらいだいすけ)氏による新刊『ますます つぶやき養生 春夏秋冬、12か月の「体にいいこと」』が幻冬舎から発売された。同氏は国際中医専門員で、日本中医薬研究会会員。Twitterでは17万人からフォローされており、2019年1月にTwitterでのつぶやきをまとめた『つぶやき養生』を発表、2022年11月にはその文庫版も発売されている。新刊はその第二弾であり、定価は1,540円(税込)である。一つでも実行できそうなことから体のためには、もっと長い睡眠時間が必要で、もっと野菜を食べなくてはならないこともわかっている。運動もしなくてはならない。わかってはいても、なかなか続かないものなのだ。櫻井大典氏は新刊の冒頭で「昨日より10分でも早く寝ましょう」「野菜はまずプチトマトを食べてみましょう」「食後に100歩歩いてみましょう」と提案。これならば難しくはない。命を養う「養生」は、生涯通しての継続が重要であり、頑張りが続かない努力にあまり意味はないのだろう。新刊では春夏秋冬、月別に構成され、「春のそわそわ&イライラは木に触れて」「アイスは冬に食べるほうがいい」「舌で健康状態をチェックする方法」などのちょっとした知恵を紹介。気張らずに楽しくできるセルフケアが紹介されている。(画像はAmazon.co.jpより)【参考】※ますます つぶやき養生 春夏秋冬、12か月の「体にいいこと」 - 株式会社 幻冬舎
2022年12月31日養生テープとマスキングテープのコラボ商品など、限定商品も販売。文具女子博2022株式会社新建新聞社の小屋女子DIYカフェでは、12月23日から開催する、文具の祭典「文具女子博2022」にブース出店いたします。【イベント概要】開催日:2022年11月23日(水・祝)~27日(日)会場:東京流通センター入場料・開催時間などは、文具女子博の公式HPでご確認ください。文具女子博2022(bungujoshi.com)養生テープといえば、白と緑色の業務用のテープ。という印象を持たれる方も多いかと思いますが。小屋女子DIYカフェでは、実用性はもちろんのこと、テープが可愛かったら使いたいとう声から、デザイン養生テープの企画・販売をはじめました。今回は、マスキングテープと養生テープのコラボ商品も2柄販売いたします。細いテープがマスキング、幅広が養生テープ「パンと牛乳」細いテープがマスキング、幅広が養生テープの「レトロ喫茶メニュー」今回の文具女子博でも、マスキングテープと養生テープのコラボ商品を2柄発売いたします。商品名:「パンと牛乳」牛乳柄のマステとパン柄の養生テープの2本入り「レトロ喫茶メニュー」食品サンプル柄のマステと喫茶メニューの養生テープの2本入り発売開始:12月23日価格:各990円(税込)イベント会場にて発売12月発売の新柄「ふゆのもり」商品名:ふゆのもり(45mm×3m巻)販売開始:12月1日販売価格:528円(税込)文具女子博2022商品ラインナップ : 会社概要会社名:株式会社新建新聞社代表者:代表取締役三浦祐成所在地:長野県長野市南県町686-8設立:1966年11月25日URL: お問い合わせ先新建新聞社DIY事業部担当:藤井電話番号:026-219-1081mail: info@yojotape.com 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2022年11月21日国際中医専門員・鍼灸師の新刊10月28日、ツボを刺激することで心身の不調を改善しようという新刊『こころと体がラクになるツボ押し養生』が学研プラスから発売された。著者は兵庫県神戸市垂水区にある「CoCo美漢方(ここびかんぽう)」の国際中医専門員である田中友也(たなかともや)氏で、鍼灸師、登録販売者、メンタルヘルス・マネジメントII種の資格を保有し、Twitterでの漢方に関するつぶやきが人気となっており、現在、12万人以上がフォローしている。季節ごとの不調・急なトラブルに頼れるツボ体だけでなく精神的なトラブルの改善効果が期待できるのがツボ押しである。自分で押せるということもあり、手軽にできる健康法なのだが、正確な場所がわからないという人が多く、わからないため面倒になり、諦めてしまう人も少なくない。田中友也氏は「ツボ押しってざっくりでいい。いい意味で適当でもいい」と語る。正確な位置がわからないからやらないというのでは、あまりにももったいない。だいたいのところを刺激すればいいのである。新刊では中医学の基本から始まり、ツボ養生のコツ、おすすめの刺激法などを紹介し、季節ごとの数々の不調に対応するツボ、腹痛や乗り物酔い、二日酔い、歯痛といった急なトラブルに頼れるツボを掲載。押す、さする、もむ、たたく、温める、伸ばすなどの刺激により不調を改善する。(画像はAmazon.co.jpより)【参考】※『こころと体がラクになるツボ押し養生』 - 学研出版サイト
2021年11月03日京都人が考えるスモールラグジュアリーホテル『東山 四季花木』は、「養生」をテーマに美しく、深く「茶」と「食」を味わっていただく宿泊プラン【第二回「茶養生」リトリート@ホテル東山 四季花木(京都)】の販売が決定いたしました。一般予約受付は2021年10月30日より開始し、宿泊日程は、12月11日(土)~12月13日(月)です。紹介制レストラン「Farmoon」船越雅代氏がこの「茶養生」プランにあわせて作ってくださる特別コース料理の夕食、そして朝食も味わっていただけます。茶養生1【メッセージ】「身体が疲れた時、食にあたった時、気を養い回復させたい時お風呂上がりに良い景色を眺めながら友や親しい人達と深く長い時間を過ごしたい時私はいつも旅をする時、目的別でいくつかの茶葉を小分けに携帯します。茶の葉がもつ自然のエネルギーは気を緩ませ、整え、補い、高めるそして意識して茶湯を飲むと身体への響きもかわるもの。そんな体験をたっぷり二日間味わっていただく「湯治」のような「茶養生」の滞在をどうぞ楽しみにお越し下さい。」 - Peru【茶養生】茶養生2迎茶・昼流茶・夜留茶・朝醒茶・送茶【茶夕食・茶朝食】ファームーン2ファームーン1紹介制レストラン「Farmoon」船越雅代氏がこの「茶養生」プランにあわせて作ってくださる特別コース料理の夕食、そして朝食も味わっていただけます。【プラン名】第二回「茶養生」リトリート@ホテル東山 四季花木(京都)【日程】(1)12/11(土)- 12/12(日)(2)12/12(日)- 12/13(月)【料金】1泊2日85,000円~ (宿泊・茶・朝夕食込) / 人【部屋タイプ】1名1室 スーペリアツイン4部屋2名1室 ジュニアスイート2部屋 / エグゼクティブスイート1部屋3名1室 エグゼクティブスイート1部屋【予約開始】一般受付2021年10月30日より開始【場所】ホテル 東山 四季花木〒605-0023 京都府京都市東山区今小路町85-1TEL:075-744-6654 【申し込み・お問い合わせ先】件名に「茶養生@四季花木」内容欄に「(1)名前、(2)住所、(3)電話番号、(4)参加希望日程、(5)食物アレルギー、ご質問等」を記載の info@shikikaboku.jp (担当:山口)までメールにてお申し込みください。TEL:075-744-6654(9:00~18:00)【プロフィール】【茶】珮如(Peru)台湾省・南投県生まれ茶人。台湾茶道教室「留白(るはく)」主宰。日本、台湾、中国を中心に茶を伝える。 【食】船越雅代 / Masayo Funakoshi [Farmoon]Pratt Instituteで彫刻を専攻後、料理に表現の可能性を見出す。NYの料理学校 Institute of Culinary Education卒業。Blue Hill をはじめとするNYのレストランに勤めた後、ヨーロッパからアジアを放浪。オーストラリア船籍の客船のシェフとして大平洋を巡り、バリの老舗ホテルTandjung Sariのシェフを務め、2012年から拠点を京都に移し、国内外で、その土地を食文化、文化人類学、歴史などの視点から掘り下げ、食で表現する活動を展開する。2018年より京都Farmoon 主宰。東アジア文化都市 2016 奈良市 食部門ディレクターNara Food Caravan 主宰映画「空の器 An Empty Vessel」制作(監督:二宮宏央、撮影:印藤正人)土祭 2018 招聘アーティスト 【コーディネート】笹山かおり10代より世界各地を旅し、多くの国の風土・人・食・文化に出会い、2009年より日本各地、さらには海外にて音楽や文化、衣食住、体やこころに触れるイベント、旅やリトリート等をコーディネート、デレクション、オーガナイズする。“Flowing & Crossing”をコンセプトに美しい化学反応を生む、新たなスタイル、空間、企画を創る。 【主催】ホテル東山 四季花木京都市京セラ美術館オープンで話題の岡崎エリアに誕生した知る人ぞ知る大人の隠れ家「東山 四季花木」京の簡素美をコンセプトし、シンプルで本質を貫いたわずか8室だけのスモールラグジュアリー。移ろいゆく京都の四季を肌で感じる事ができる開放的なルーフトップテラス。小さいながらもホテル5階には貸切露天風呂も完備。ホームページ: Instagram : @shikikabokuFacebook : 東山 四季花木~新型コロナウイルス感染症対策~新型コロナウイルス感染拡大を受け、東山 四季花木ではお客様・従業員の安全・安心な環境を守る為下記の通り感染予防・感染拡大防止策を日々講じております。ソーシャルディスタンスを保ちながらもお客様一人ひとりとの距離を縮められるようお迎え致します。どうぞ安心してご滞在をお愉しみ下さいませ。<スタッフ対応>・出勤時の手洗い・うがい・検温の実施、従業員のマスク着用、お客様との距離を意識した接客・定期的なアルコール消毒<換気対応>・カフェラウンジの換気、共用廊下の換気、定期的な客室の換気<客室対応>・客室清掃後オゾン噴霧器による空間除、清掃の都度アルコール消毒、アルコールスプレーの設置<露天風呂対応>・時間貸切対応の実施、インターバル時に更衣室の消毒<除菌対応>・館内各所にアルコール消毒液の設置、バータイム終了後オゾン噴霧器による、カフェバーエリアの空間除菌<チェックイン対応>・アクリル板設置による飛沫防止、混雑状況に応じた客室での手続き対応<食事対応>・距離を保った席への誘導、離席後のアルコール消毒<宿泊ゲストへのお願い>・健康管理シートへの記入、検温のご協力、共用スペースでのマスク着用、来館時のアルコール消毒<緊急時対応>・感染者発生時のマニュアルの整備■お客様へのお願い〇発熱、また体調が優れないお客様はご来館をご遠慮下さいますようお願い致します。〇入館時のホテルスタッフによる検温のご協力、測定時に37.5℃以上の熱がある方、または咳や咽頭痛の症状がみられるお客様には入館をご遠慮頂いております(厚生労働省からの協力依頼)〇館内公共エリアでのマスク着用のご協力 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2021年10月16日漢方を飲んでみたいけど、「苦い」「まずい」「続かない」というイメージがありませんか?そんな先入観を覆す飲みやすくて美味しい調合をした漢方を使用した「養生茶」を紹介。ananで人気連載の『カラダにいいもの』コレクション。今週は、京都の老舗『亀田利三郎薬舗』が作った飲みやすい「養生茶」です。漢方の知恵でデイリーケア。美味しさにこだわった養生茶。各¥324(1包)京都の老舗薬舗が手がける、漢方の知恵を生かした養生茶に、新シリーズが登場。高品質の薬草を贅沢に使った3種類で、心身の不調が特に気になる今、自分の症状に合わせて飲み分けてほしい。カップやティーポットで使えるティーバッグタイプなので手軽。さらに飲みにくさを徹底的に排除した調合なので、味も香りも良く、日々取り入れたくなるはず。苦くて飲みにくい、という漢方のイメージが一新された。(34歳・編集)養生茶を飲む時間は、心身へのご褒美タイムです!(27歳・広告)飲みやすい、美味しい!食事にも合う「養生茶」。夏バテがツライ時は…孔雀青Premium・体が重くだるい、食欲がない、頭をすっきりさせたい時・食事にも合わせやすい飲み心地・甘いもの、脂っこいものや濃い味付けの好きな人【使用生薬】レモングラス、はと麦茶、黒豆、とうもろこしのひげ、焙じはと麦、みかんの果皮冷房冷えで体調がすぐれない時は…唐紅Premium・手足の冷え、首肩のこわばりが気になる時・スパイシーな味わいで、食事との相性も抜群・ついつい食べすぎ、うっかり飲みすぎた時【使用生薬】生姜、胡椒、プーアール茶、黒豆茶、棗、みかんの果皮、紅花、小豆心身の不調が気になる時は…東雲京都の老舗『亀田利三郎薬舗』が作りました。医者に行くほどではない不調を治す、家庭の常備薬として100年以上愛用されている、漢方が主成分の家伝薬「六神丸」。この薬を作り続けてきた老舗が、より身近に漢方の効能を体感してほしいと、入浴剤や養生茶も製造。亀田利三郎薬舗 TEL 075・462・1640※『anan』2021年9月1日号より。写真・多田 寛スタイリスト・仮屋薗寛子文・板倉ミキコ
2021年09月03日暑さに加え、新型コロナウイルスや豪雨など、私たちは体と心の両方に知らず知らずのうちにダメージを受けているかもしれません。秋への季節の変わり目は、そんな夏の疲れが出やすい時期。体と心を整えて新しい季節を迎えるにはどうすればよいのでしょうか?中医学や養生法に詳しい櫻井大典さんによる連載「Daily(デイリー)養生」をまとめました。夏の終わりから秋にかけて食べたい果物この時期、喉がいがいがしてきたな、と感じたら、まずは体内の乾燥を防ぐ養生を。中医学では喉の痛みには「麦門冬湯(ばくもんどうとう)」という漢方薬を使うのですが、これと同じパワーを持つのが、これから旬を迎える梨。熱を抑える「清熱(せいねつ)」作用があるうえ、呼吸器系を潤す「潤肺(じゅんぱい)」の効果もあって、一石二鳥のフルーツです。生のままだと体を冷やすことがあるので、食養生的には蒸して食べるのがおすすめ。蒸し器で数分加熱すると、甘みも増しておいしくなります。ほかに菊花茶やミント、緑茶にも清熱作用が。香りの良いものにはストレスを鎮める効果もあります。熱をこもらせる辛いものや脂っこい食べ物は、喉が痛い時は避けたほうがいいでしょう。※『anan』2020年9月9日号より。イラスト・原田桃子文・新田草子(by anan編集部)※ 2020.9.8配信体を秋へとシフトチェンジ冷たいものは一時的に爽快感を与えてくれますが、実はそれ以上に体にダメージを及ぼすものでもあります。消化を司って、体を働かせるエネルギー、「気」を生み出す大事な場所である「脾(ひ)」は、冷えることが大嫌い。冷たいものの摂りすぎは、てきめんに脾を弱らせます。ただでさえ夏は、暑さに抵抗しようと体がエネルギーを消耗し、気が不足しやすい時期。一方で冷房によって外側から冷やされる時間も長く、それが脾をさらに失調させてしまいます。こうした生活が続くと体は徐々に元気を失い、気づくとだるさや疲れがいつまでも抜けない状態に。秋口に体調を崩すいわゆる「秋バテ」は、知らない間に積み重なった夏のダメージが大きな原因です。今のうちに汗をかいておくことも大事。秋のだるさや疲れを防ぐには、夏の間に気を回復させておくことがカギ。まずは気を作る工場、脾を弱らせる冷たいものを控えることが先決です。朝一番の冷たい水を白湯に替える、もりそばを頼みたいところを具入りの温かいそばにする、アイスラテは今日は我慢…。そんなちょっとした心がけで、脾は調子を取り戻していきます。※『anan』2020年9月2日号より。イラスト・原田桃子文・新田草子(by anan編集部)※ 2020.8.26配信「疲れ目」の対策法血の消耗を防ぎ、肝を養うためにも、目の疲れを感じたら放っておいてはいけません。少しでも目を休めるのが先決です。無意識にスマホを手にするクセのある人は、食事の間や夜のリラックス時には電源をオフにする、といったことから行動を。シンプルなことですが、画面を見る時間を減らすことが、何よりの目の養生になります。そして、パソコン作業中の疲れ目におすすめなのが菊花茶とクコの実。どちらも目に栄養を巡らせて養う力があり、「飲む目薬」といわれる漢方薬、「杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)」にも使われています。菊花茶は、最近は通販などでも手に入るよう。飲みにくく感じたらウーロン茶などと混ぜてもいいでしょう。クコの実も、コンビニで売っているドライフルーツミックスに入っていたりと、身近になりつつある食材。デスクワーク中のおやつにいかがでしょう?また、ホットタオルで目を温めたり、目頭にある「晴明(せいめい)」やこめかみの「太陽」というツボを刺激したりするのも、血を巡らせて目を休めるのに有効。日頃、気づかないうちに負担をかけているのが目です。こまめな養生を心がけてくださいね。※『anan』2020年8月5日号より。イラスト・原田桃子文・新田草子(by anan編集部)※ 2020.8.4配信不安感を和らげる2つの対策五臓が互いに影響し合い、成り立っているのが私たちの心身。不調改善にも多くの方法がありますが、とくにメンタルに関する要素は複雑です。ここでは、優先順位の高い2つの対策法をお伝えしたいと思います。気持ちが落ち着かないと感じたら、まずは不安のもとである情報から離れることが先決。ニュースを検索するのをやめましょう。心理学の領域の話ですが、もともと人は情報を探すとき、不安を強化する方向に目が行きがちです。スマホの見すぎは血を消耗するので、心に悪影響。視線の固定は気の停滞にもつながります。スマホもパソコンも、TVもオフを。そして自然に触れられる場所に出かけること、これが2つめ。中医学では感情にも自然の事物が呼応すると考え、緊張を静めるには水に、思い悩むときは木に、恐怖を感じたときは土、そして怒りを感じたときは金属に触れるのが良いとされています。そうした観点からいうと、個人的におすすめなのは神社。どんなに小さくても、神社にはこのすべての要素が揃っています。視界が広がり、気を巡らせるのにも有効。通勤や休日の散歩で、気持ちを整えに立ち寄ってみてください。櫻井大典さくらい・だいすけ漢方専門家、国際中医専門員。完全予約制の漢方相談処「成城漢方たまり」で相談を行う。『体をおいしくととのえる! 食べる漢方』(小社刊)ほか、監修書、著書多数。※『anan』2020年9月30日号より。イラスト・原田桃子文・新田草子(by anan編集部)※ 2020.9.25配信身体と心を整えて秋を迎えよう暑さに加え、新型コロナウイルや自然災害で身体も心もお疲れ気味な私たち。秋へ向けて、しっかりと今のうちに養生しましょう!まとめ構成・小田原みみ
2021年08月25日夏バテ、寝苦しさ、食欲不振…夏の猛烈な暑さは私たちの体に大きなダメージを与えます。ダメージに強い身体になるためには、どうすればよいのでしょうか。中医学や養生法に詳しい櫻井大典さんによる連載「Daily(デイリー)養生」をまとめました。注意すべき汗のかき方と対策漢方的に注意するべき汗のかき方は、大きく分けて2つあります。ひとつめは「自汗(じかん)」といって、だらだらと汗が止まらなくなる状態。暑いところから涼しい場所に移ってもすぐに汗が引かず、いつまでも出続ける…などが典型的な症状です。これは「衛気(えき)」と呼ばれる、体表にある気の活動が低下していることが原因。衛気は体を守るバリアのような働きをしていて、毛穴を閉じたり開いたりする役目も担っています。この衛気が働かないと汗腺が開いたままになり、体液がどんどん出ていってしまう。同時に外からの邪気も入りやすくなるため、風邪をひきやすくなったり、花粉症がひどくなるなどの不調も起こり得ます。衛気を養うには、体全体の「気」を底上げするのが早道。少しでも早めに眠るようにして、まずは体をしっかり休めましょう。その上で気を補う食材であるしいたけなどのきのこ類、さばやいわしといった青魚を。甘酒にも「補気(ほき)」の作用があります。※『anan』2020年6月17日号より。イラスト・原田桃子文・新田草子(by anan編集部)※ 2020.6.10配信熱中症対策によい果物は…内側でも熱がたくさん作られるうえ、高い外気温によっても熱が増えやすいのが夏の体。熱がこもった状態が続くと、熱中症のような疾病につながることもあります。熱を溜めない養生を、早めにスタートさせましょう。まずは、体を極力熱邪にさらさないようにすることが基本です。帽子や日傘で太陽の熱をシャットアウトする、室内の温度調整が難しいときは無理をせずにエアコンを使う。どれも、夏になると必ず言われることですね。プラス、漢方的養生として心がけてほしいのは、脂っこいものや甘いもの、味の濃いものを控えること。「肥甘厚味(ひかんこうみ)」と呼ばれるこれらの食べ物は体に熱をこもらせる作用があるからです。反対におすすめしたいのがスイカ。体の熱を取るのによく使われる「白虎湯」という漢方薬があるのですが、スイカはそれに匹敵する「清熱(せいねつ)」作用があり、“天然の白虎湯”と呼ばれることも。朝出かける前や、食後の熱がこもりやすいときに口にしておくとよいでしょう。ただしキンキンに冷えたものは胃腸の負担になるので、なるべく常温に近い状態で食べてくださいね。※『anan』2020年6月24日号より。イラスト・原田桃子文・新田草子(by anan編集部)※ 2020.6.17配信夏バテよりもツライ?夏冷え対策まずはできるだけ体を冷気から守ることが必要ですが、なかでも大切なのがお腹を冷やさないこと。中医学で腹部は「血」が集まる「血府」のひとつであり、ここを温めることで体じゅうに温かな血を巡らせることができます。冷房の効いた部屋に一日いる必要があるときは、お腹にカイロを。このとき、熱の生産を司る「腎(じん)」がある腰にもカイロを貼るとさらに良いでしょう。体全体を効率的に温めることができます。一日の終わりには、短時間でいいので湯船で体を温めるのがおすすめ。冷気は、放置すると徐々に体に溜まっていきます。その日の冷えはその日のうちに取り除くのが養生のコツです。ナイトウェアも、お腹を冷やさないものを。腹巻きはお腹も腰も温められる、夏冷え予防にぴったりのアイテムです。ぜひ習慣にしてみてください。※『anan』2020年6月10日号より。イラスト・原田桃子文・新田草子(by anan編集部)※ 2020.6.3配信夏の下痢対策お腹の調子を保つためにいまできることは何でしょうか。もちろん冷たいものを控えるのはマストですが、暑さが厳しいと熱を冷ますものがどうしても欲しくなります。そこでおすすめしたいのが、苦みのある食べ物。苦みには解毒とともに熱を冷ます作用があり、「心(しん)」の働きを落ち着かせる効果があるからです。「ほてり」対策でもお伝えしましたが、心は体に気血(きけつ)を巡らせるポンプのような存在で熱を帯びやすいうえ、夏は心が主役の季節。活動がより活発になるために熱もこもりやすく、清熱(せいねつ)食材をまめに摂る養生が欠かせません。それに役立つのが、苦い食材なのです。こもった熱を冷ますのにスイカが良いとお伝えしました。が、胃腸が弱っているときはかえって負担になることもあります。お腹を壊しやすい場合は、苦みのある食材の性質を利用して熱を除くのが良いのです。夏の苦い食べ物といえば、そう、ゴーヤです。とりわけゴーヤチャンプルーは、清熱作用のあるゴーヤと適度な潤いを補う豆腐という、素晴らしい食材の組み合わせ。同じく熱を冷ます力のある、トマトが加わっていればさらに効果的ですね。冷たいものが欲しくなる原因である熱を上手にコントロールし、がぶ飲みを控えて脾を乾燥気味に保つ。この2つが、夏のお腹の養生ポイントです。※『anan』2020年7月1日号より。イラスト・原田桃子文・新田草子(by anan編集部)※ 2020.6.24配信薬味を冷たい麺にのせる理由夏になると食欲がなくなる、という悩みをよく聞きます。でも、高い気温が直接食欲を抑えるわけではないし、そもそも暑くても食欲がなくならない人もいますよね。中医学では、夏の胃腸=脾(ひ)の不調は、まずは水分や冷たいものの摂りすぎで起こると考えます。さらに冷房による冷えが重なり、ますます胃腸は動かなくなります。異変に気づいたら、すぐに“温める”生活にスイッチしましょう。冷たいものは摂らない、お風呂でお腹を温める、冷房の影響を受けない服装を心がける。どれも地道ですが、徹底することで、胃腸は自然と良い状態を取り戻していきます。それでも、冷たい麺を食べたい日もあるでしょう。そんなときは、体を温めるしょうがやねぎ、しそなどをたっぷり添えるようにしてください。そして、よく噛むこと。実はこれがとても大切なんです。基本的なことですが、消化器のうち、食べ物を細かく刻むことができるのは歯だけです。胃の中の消化液はあくまで化学物質なので、入ってきたものをすり潰す作業はできない。食べ物をよく噛まないで飲み込むと、胃は粘膜と筋肉を一生懸命動かして消化液と混ぜ合わせなければなりません。水と一緒にビニール袋に入れた固形物を混ぜることを想像すると分かりやすいのですが、固形物が大きいほど、混ぜ合わせるのに時間も労力も必要ですよね。※『anan』2020年7月29日号より。イラスト・原田桃子文・新田草子(by anan編集部)※ 2020.7.23配信理にかなっているからスッと入ってくる中医学や養生法というと、ちょっと難しいのかな、という印象がありませんでしたか?櫻井大典さんによる解説はわかりやすくて、スッと入ってきます。いよいよ夏本番。暑さに負けない体づくりを心がけましょう!まとめ構成・小田原みみ
2021年07月30日憂鬱な時期を、体質別養生で快適に。中医学や養生法に詳しい櫻井大典さんによる「Daily(デイリー)養生」。今回のテーマは「時間と漢方」です。冬至を過ぎ、今年もあとわずかとなりました。日が短く、年末の慌ただしさもあって、体のリズムを崩しやすい時期です。今回は漢方的な視点から、一日の体のリズムに沿った理想の過ごし方をお伝えしたいと思います。心(しん)や肝(かん)などの体を構成する「臓腑(ぞうふ)」は、常に体内を巡る「気」や「血(けつ)」によって養われているとするのが中医学ですが、このとき、気血がとくに多く流れ込む時間は、臓腑ごとに少しずつ異なると考えられています。この気血が注がれるタイミングによって各臓腑は活発になったり休んだりするため、人間もそれに合わせて行動することが、養生につながります。例えば朝7時から11時の間は、消化器官である「胃」や「脾(ひ)」が活発になるとき。この時間にきちんと食べることで、栄養を効率よく活用することができます。午後3時から7時は、膀胱と腎臓の時間です。それに則れば、3時の休憩には利尿作用のあるお茶を飲んで排泄を促し、仕事帰りには腎を刺激するためにひと駅分歩く。そんな過ごし方が理想的というわけです。そしてとりわけ大事なのが、夜の時間帯です。夜11時から翌1時の間は、消化を進めると同時に体の中を掃除する「胆(たん)」が活発になる時間帯。続く1時から3時は、体を巡っていた血が肝に戻り、浄化される時間です。血は肌や髪を養いますが、目を使うことで消耗される物質でもあります。夜11時から3時の間に起きていると胆が働けないために脂肪が蓄積し、きれいな血が蓄えられないので肌や髪にも悪影響。ダイエットにも、美容のためにも、夜更かしはやはり厳禁です。そのあと、3時から5時は肺の時間。きれいで新鮮な空気で、肺を養うときです。とくに呼吸器のトラブルに気をつけたい昨今、この時間もしっかりと眠っていることが大切ですね。養生は、未来を健康に過ごすための土台作り。さて、1年にわたり日々の養生を紹介してきたこのコーナーも、今回が最後となりました。養生とは長い中医学の歴史のなかで積み上げられてきた、次の季節、そして未来をより健康に過ごすための知恵の集大成です。自分に合う部分だけを抜き出し、活用する。そんなスタンスでいいので、ゆるく、楽しみながら続けてもらえたらと思います。どうぞ、この年末も健やかに。そして良い新年をお迎えください。さくらい・だいすけ漢方専門家、国際中医専門員。完全予約制の漢方相談処「成城漢方たまり」で相談を行う。『体をおいしくととのえる! 食べる漢方』(小社刊)ほか、監修書、著書多数。※『anan』2020年12月30日‐2021年1月6日合併号より。イラスト・momokoharada文・新田草子(by anan編集部)
2021年01月04日憂鬱な時期を、体質別養生で快適に。中医学や養生法に詳しい櫻井大典さんによる「Daily(デイリー)養生」。今回のテーマは「爪の割れ」です。欠け爪は、夜更かしや食の偏りが原因。ときどき「爪がよく割れるので、ジェルネイルが欠かせません」という方がいます。この場合、漢方家としてまず疑うのは、血の不足、「血虚(けっきょ)」です。中医学では爪は肌の一部であり、肌と同じように血で養われているもの。血には全身に潤いと栄養を運ぶ働きがあり、不足すると全身の乾燥や顔色の悪さ、月経量の減少や便秘といったトラブルが起こります。さらに不眠や強い不安感も、血虚が原因。血には精神を安定させる作用もあるからです。よく貧血と間違われるのですが、血虚は物理的に血が足りないだけでなく、「血がきちんと働いていない」状態も含む概念です。一見、血とは関係ないように思えるこうした不調も、中医学の世界では、実は血の不足が関わっていると捉えるのです。爪のもろさに加えてこうした症状があれば、血を補う養生を早めに始めましょう。毎日の心がけで、血を少しずつ増やして。血を十分に巡らせるために必要なのはまず、補血(ほけつ)の食材。きくらげやしめじ、肉類のほか、たらやぶりなど冬が旬の魚もおすすめです。血はすぐには作られないので、普段からこうした食材を摂るように心がけつつ、とくに血が失われやすい生理中はしっかりと。魚介やきのこたっぷりの鍋ものなら、体も温まって一石二鳥です。さらに、血が作られるのは夜中、23時から3時頃の間。この時間にきちんと体を休めることが、血を増やすことにつながります。また、目は血を消耗する器官なので、夜はできるだけ目を休めることも大切です。理想は22時就寝ですが、それが難しくても、目の刺激となるスマホやTVは控えめに。極度の乾燥やストレス。こんなサインも要注意。爪からはほかにもさまざまなことが読み取れます。縦じわはとりわけ乾燥がひどいときに生じます。補血食材に加え、豆腐やれんこんなど潤いを補う白い食べ物を増やしましょう。でこぼこしているときは肝のトラブルの可能性大。ストレスを溜めていませんか?爪は10日で約1mm伸びるので、とくに凹凸がある部分が根元から何mmかを見ることによって、ストレスが強かった時期が分かります。気付かぬうちに抱えていることも多いのがストレスです。爪からのサインを、日々の生活を見直すきっかけにしてくださいね。さくらい・だいすけ漢方専門家、国際中医専門員。完全予約制の漢方相談処「成城漢方たまり」で相談を行う。『体をおいしくととのえる! 食べる漢方』(小社刊)ほか、監修書、著書多数。※『anan』2020年12月23日号より。イラスト・momokoharada文・新田草子(by anan編集部)
2020年12月17日憂鬱な時期を、体質別養生で快適に。中医学や養生法に詳しい櫻井大典さんによる「Daily(デイリー)養生」。今回のテーマは「二日酔い」です。12月も2週目。例年ほどではないとはいえ、お酒を口にする機会が増えてくる時期ではないでしょうか?以前もお伝えしましたが、中医学ではお酒は、体に不要なものとされています。けれど、必ずしも毒とは言い切れない。なぜなら、どんなお酒にも効果効能が少しずつ備わっているからです。例えばビールには、水分代謝を整えながら過剰な食欲を抑える働きがあります。日本酒には、気血(きけつ)を巡らせ、冷えからくる痛みを和らげる作用が。ウイスキーや焼酎は冷えの改善に使われることがありますし、ワインは不安や不眠に良いと考えられています。そしていずれのお酒にも共通するのが「解鬱(げうつ)」という働き。ストレスや気持ちの落ち込みを取り除き、リラックスした気分に導きます。そういう意味でお酒は薬であるといえますが、精神作用が高いだけに気をつけたいのが飲みすぎです。あくまで適量にとどめることが前提です。「適量」とは、それぞれのお酒に適した器で1杯、が目安。グラスに1杯程度と心得ましょう。また、お酒は総じて冷たくして飲むことが多い上、一緒に食べるものが塩気の強いものや脂っこいものに偏りがち。胃にダメージを与えないように、湯豆腐など温かくてさっぱりした料理と一緒に、そして適量を守って楽しむことをぜひ忘れないでください。翌日は解酒毒(げしゅどく)食材で養生をしっかりと。それでもうっかり飲みすぎて二日酔いになってしまった…というときは、翌日の養生をしっかりと。前の日に食べすぎたから、と、間違っても朝から生野菜のサラダを口にしてはいけません。水分と冷たいもので弱った脾(ひ)を、ますます弱らせてしまいます。味噌汁やスープなど、消化に良くて温かいものをゆっくり摂ります。その上で、体を癒す「解酒毒食材」を。おなじみのしじみのほか、コーヒー、フルーツがおすすめです。とくにグレープフルーツや梨、柿、りんごは、お酒によって生じた熱を抑え、潤いを補給してくれる食べ物。常温か、梨や柿、りんごは、温かくして食べても良いでしょう。飲み会も、家で親しい人と少人数で、という形が多くなっていると聞きます。お酒の量をコントロールしながら、体に良いおいしい食べ物と一緒にゆっくりと楽しむ。今年は、そんな忘年会はいかがでしょうか?さくらい・だいすけ漢方専門家、国際中医専門員。完全予約制の漢方相談処「成城漢方たまり」で相談を行う。『体をおいしくととのえる! 食べる漢方』(小社刊)ほか、監修書、著書多数。※『anan』2020年12月16日号より。イラスト・momokoharada文・新田草子(by anan編集部)
2020年12月11日憂鬱な時期を、体質別養生で快適に。中医学や養生法に詳しい櫻井大典さんによる「Daily(デイリー)養生」。今回のテーマは「トイレが近い」です。腎(じん)を弱らせる、ちょこちょこ飲みに注意!体が冷えて、トイレに行きたくなる。とくに冬場は経験上誰でもあることだと思いますが、あまり頻繁に行きたくなるようなら、中医学では「未病」、病気とまではいかないけれど不調であるという状態を疑います。朝起きてから寝るまで、4~7回なら健康の範囲内ですが、8回、10回となると黄色信号。要注意です。頻尿の原因で一番多いのは、水分と熱のバランスを司る「腎」が弱っていること。「腎陽虚(じんようきょ)」といって、腎が本来持っているはずの、体を温める作用が低下していると考えます。本来、熱が足りていれば水分は気化され、必要とされる場所へと分散していきます。ところが熱が不足して気化が進まないと、余った水分が漏れ出てしまう。これが、トイレにしょっちゅう行きたくなってしまう理由。薄い尿がたくさん出るほか、顔が青白い、お腹を壊しやすいなども腎陽虚の特徴です。多くの人が、必要以上に水分を摂っている。腎のテリトリーは腰まわりなので、ここを冷やさないこと、しっかり歩いて振動を与え、腎に適度な刺激を入れることなどが養生になります。こうしたケアも大切なのですが、一方で、トイレの回数が多い方にまずチェックしてほしいのが、水分を摂りすぎていないか、ということです。僕もよくカウンセリング中にお伺いするのですが、たいていみなさん、「そんなに飲んでいません」とおっしゃいます。でも、1日に何Lも水を飲んではなくても、実はちょこちょこ口にしているんです。朝起きてコーヒーを飲み、食事中にお水、出勤途中に飲み物を買い、お昼ごはん中はお茶、午後の仕事のお供にカフェラテ…。どうでしょう、心当たりはありませんか?水分を適度に摂ることは必要ですが、実は飲みすぎてトラブルを招いていることも少なくありません。腎を弱らせるだけでなく、食べながら飲むと咀嚼が十分にできなかったり、胃酸が薄まって殺菌力や消化力が低下したりする原因にもなります。頻尿気味の方は、一度一日に飲んだものを書き出してみることをおすすめします。その上で、何となく飲んでいる甘いものをやめる、食中のお茶は一杯のお味噌汁に代える。そんなことから始めましょう。水分の調整は、腎だけでなく胃腸を休める助けにもなります。ぜひ見直してみてください。さくらい・だいすけ漢方専門家、国際中医専門員。完全予約制の漢方相談処「成城漢方たまり」で相談を行う。『体をおいしくととのえる! 食べる漢方』(小社刊)ほか、監修書、著書多数。※『anan』2020年12月9日号より。イラスト・momokoharada文・新田草子(by anan編集部)
2020年12月03日憂鬱な時期を、体質別養生で快適に。中医学や養生法に詳しい櫻井大典さんによる「Daily(デイリー)養生」。今回のテーマは「末端の冷え」です。今や冷えは通年のトラブルですが、やはり冬の寒さは別格。今年も、手足が冷たくてつらいという悩みが女性からたくさん寄せられるようになりました。本格的な寒さが始まる前に、養生法をチェックしておきましょう。末端の冷えには、3つの原因が考えられます。まず、血が何らかの理由でドロドロになる「お血(けつ)」。血液が手足に届くのに時間がかかり、途中で外気に熱が奪われてしまいます。血自体の質の悪さに加えて、西洋医学でいうところの血管の硬さもこのお血の一環。いわゆる動脈硬化と呼ばれるものですが、これは必ずしも高齢者だけのトラブルとは限りません。若い世代、とくに甘いものが好きな人は要注意。過剰な砂糖はヘドロ様の「痰湿(たんしつ)」を生み出して血管を弱らせ、血液も濁らせてしまいます。甘くて温かいラテは寒いときにおいしいものですが、砂糖の摂りすぎにはくれぐれも注意してくださいね。酒粕や味噌、甘酒など血の巡りを良くする食材や、痰湿を取り除く豆類や玄米、大根なども食養生として取り入れましょう。時には「完璧」を忘れてのんびり、が冷え解消に。冷えの原因として次に挙げられるのが、体を温める「腎(じん)」の働きの低下です。これまでも何度か出てきましたが、腎の本拠地は腰のあたり。手足が冷たいときも局所だけに気を取られず、腰まわりを温かくすることを心がけてください。山芋や銀杏、牡蠣などは、「補腎(ほじん)」の働きがあって今がちょうど旬の食べ物。こちらもおすすめです。そしてもうひとつ、冷えの大きな原因が、気の巡りが悪くなる「気滞(きたい)」です。気には血や水などとともに熱を体中に巡らせる役割もあり、その循環が悪くなると当然、末端が熱不足に。気が滞る一番の要因は、おなじみのストレスです。とくに何ごとにも真面目に取り組む人ほど、ストレスから受ける影響は大。気滞と冷えを防ぐ、メンタル面での養生を心がけましょう。気は、伸び伸びとした状態を好みます。「~ねばならない」という考え方は体の内外に壁を作り、気が循環するスペースを奪ってしまいます。大切なのは、自分を開放すること。週に1日は、完璧じゃなくてもいいと開き直って過ごす日を作りましょう。お風呂にのんびり入るのもよし、好きな映画を観倒すのもよし。冷え解消には、リラックス。これを忘れないでくださいね。さくらい・だいすけ漢方専門家、国際中医専門員。完全予約制の漢方相談処「成城漢方たまり」で相談を行う。『体をおいしくととのえる! 食べる漢方』(小社刊)ほか、監修書、著書多数。※『anan』2020年12月2日号より。イラスト・momokoharada文・新田草子(by anan編集部)
2020年11月28日憂鬱な時期を、体質別養生で快適に。中医学や養生法に詳しい櫻井大典さんによる「Daily(デイリー)養生」。今回のテーマは「赤ら顔」です。長引く赤みは、「心(しん)」の不調のサイン。風邪をひいたわけでもないのに顔が赤い、緊張すると赤くなる。外気温の低さも手伝ってか、冬に近づくと増えてくる悩みが「赤ら顔」です。中医学では診断の際、舌やその人の全体の雰囲気など、目に見えるものから状態を推しはかる「望診(ぼうしん)」をよく行いますが、顔色もその判断材料のひとつ。体の中に溜まった熱がにきびのように吹き出て赤くなることもありますが、全体的に赤っぽい感じが続く場合は、別の原因があると考えます。顔の赤みが引かないときにまず疑うのは「心」のトラブル。心は血を循環させるポンプの役割を持つ一方で、精神を司る場所でもあります。ここに不具合が生じると、動悸やのぼせなど循環器の不調が起きるほか、「心火(しんか)」といって、余分な熱がこもった状態になることも。こうなると生じてくるのが不安や不眠、イライラなどです。赤みに加えてそうした不調がある場合は、心をいたわる養生が必要です。不要なものを減らす、「引き算」の養生を。気を増やすには「補気(ほき)」、血を養うには「補血(ほけつ)」の食材を摂っていたわる方法もありますが、心の場合、大切なのは“引き算”の養生。まずは、過剰な熱を生む脂っこいものや味の濃いものを多く口にしていないか、食生活を見直してください。とくに顔が赤い上にくすんで見える場合は、血がどろどろになる「お血(けつ)」も併せ持っている可能性が大。脂肪分や塩分の摂りすぎには、ことさら気をつけたいものです。そして、心に負担をかけるストレスも、減らしたいもののひとつ。とりわけ緊張で顔が赤くなるという人は、「心」とともに「肝(かん)」のトラブルも隠れていることが考えられます。この場合は深呼吸やストレッチのほか、みかんなど香りの良い食べ物が緩和に有効。プレゼンなど緊張することが想定される場面では、こうした工夫で早めに手を打っておくとよいでしょう。ちなみに顔が黄色っぽいときは、暴飲暴食によって胃腸が弱っているサイン。しばらくは温かくさっぱりとした食事を心がけてください。目の下にクマがあったりして何となく黒っぽく感じるなら、「腎(じん)」が弱っているしるし。腰から下をしっかり温めましょう。顔色は自分の状態を知る大事な手がかり。いつもと違うと気づいたら、食生活が偏っていないか、無理をしていないか、振り返ってみてくださいね。さくらい・だいすけ漢方専門家、国際中医専門員。完全予約制の漢方相談処「成城漢方たまり」で相談を行う。『体をおいしくととのえる! 食べる漢方』(小社刊)ほか、監修書、著書多数。※『anan』2020年11月25日号より。イラスト・momokoharada文・新田草子(by anan編集部)
2020年11月21日憂鬱な時期を、体質別養生で快適に。中医学や養生法に詳しい櫻井大典さんによる「Daily(デイリー)養生」。今回のテーマは「耳鳴り」です。疲れたときや寝不足時にキーン、ジージー、などと外には存在しない音が聞こえてくる、耳鳴り。一過性の場合がほとんどですが、頻繁に起きると気になりますよね。耳鼻科などで検査をしても異常が見つからないことが多く、医学的にも謎の多い不調です。この耳鳴り、中医学では体内に余分な熱が溜まっていることによって起きると考えます。熱はさまざまな影響を及ぼしますが、耳に不調が出るケースの多くは、「腎(じん)」が関係しています。以前も解説しましたが、腎や「肝(かん)」「心(しん)」などの体の5つの基本システム「五行」にはそれぞれ呼応する器官があって、腎と対応しているのが耳だからです。腎は、水分と熱、両方のバランスを保つところ。腎が、潤い=陰が足りない「腎陰虚(じんいんきょ)」になると熱が余って暴走し、耳にも影響するのです。熱は、本来澄み渡っているべき頭を曇らせ、音の聞こえを阻害します。すると耳は外からの音をキャッチしようと、感度を上げる。その過剰な反応の表れが、耳鳴りというわけです。ストレスも熱を生む一因。小さな気晴らしを大切に。熱をこもらせず、腎を健やかに保つことが耳鳴り予防の秘訣ですが、そのためには、過剰な熱を生む原因を避けることが先決です。まずは暴飲暴食、とくに脂っこいものの食べすぎに注意を。「脾(ひ)」や肝に熱が溜まり、それが腎の乾燥も招きます。こってりとしたものを食べたくなる季候ですが、過剰にならないよう気をつけましょう。そしてもうひとつ、おなじみのストレスにも要注意。イライラや不安感は体の中に熱を生み出すだけでなく、気のスムーズな循環を妨げます。気が滞ると、熱はさらにひとところに溜まりやすくなります。とりわけ細身で舌が赤く、お腹にガスが溜まりやすい人は、気滞になりやすいタイプ。耳鳴りの原因にストレスが関わっていると考えられる場合は、まずはそのケアから始めることが肝要です。僕の最近のおすすめは、お気に入りの曲を5曲ほど用意して、いつでも聴けるようにしておくこと。好きな曲は脳をダイレクトにリラックスさせ、耳鳴りをカバーする利点もあります。曲が思いつかなければ、写真集や香りなど何でもいい。小さな「気晴らし」で、嫌なことを考えない時間を増やしましょう。イライラして耳鳴りが…というとき、ぜひ試してみてください。さくらい・だいすけ漢方専門家、国際中医専門員。完全予約制の漢方相談処「成城漢方たまり」で相談を行う。『体をおいしくととのえる! 食べる漢方』(小社刊)ほか、監修書、著書多数。※『anan』2020年11月18日号より。イラスト・momokoharada文・新田草子(by anan編集部)
2020年11月13日憂鬱な時期を、体質別養生で快適に。中医学や養生法に詳しい櫻井大典さんによる「Daily(デイリー)養生」。今回のテーマは「お腹のハリ」です。せっかちな人は要注意!よく噛む習慣を。便秘は女性に多い悩みですが、次いで多いお腹のトラブルが「ガス溜まり」です。お腹が張って苦しい、静かなときに限って音が出そうになり緊張する…、そんな声をよく聞きます。ガスが溜まっているとき、体では「気滞(きたい)」が起きていると考えられます。中医学でいう「気」は、体を動かすエネルギーを意味し、これが滞るとさまざまな不調が生じると考えます。月経前に胸が張って痛むほか、イライラするなどの情緒不安定感、不眠など、メンタルにも影響大。症状が安定しないことも気滞の特徴で、気持ちが浮き沈みする、便秘と下痢を繰り返す、など相反する状態を行ったり来たりします。箸置きで早食いを予防。補気(ほき)の食材も控えめに。こうした気滞体質の人はたいていせっかちで、食事も早食いの傾向が見られます。短時間で済ませる食べ方は、食べ物と一緒に空気をたくさん飲み込んでしまうため、ガスが溜まる要因に。また、よく噛まないで食べることは消化吸収と気の配分を司る「脾(ひ)」にも負担をかけるため、さらに気の滞りを生んでしまいます。早食いでガスが溜まりがちな人はまず、ゆっくり噛んで食べることから始めましょう。僕のおすすめは、食事の際に箸置きを使うこと。ひと口食べたら箸を置き、よく噛みます。最後までそれで通すのが難しければ、せめて最初のひと口めは100回噛むことを目標に。それだけでも、食べるスピードは落ち着いていきます。同時に食事の内容も見直しを。気を補う働きのある、いもや豆類をたくさん食べていませんか?補気食材は元気のない方には積極的に食べてほしいものですが、気が十分足りていて流れが滞っている場合は控えめにするのがベター。ほくほくした食べ物が多くなっていないか、チェックしてください。そして、食後はみかんやグレープフルーツなどの柑橘類を。香りのよい食べ物は、気の巡りを助けてくれるのです。セロリやしそ、ミントなどの香味野菜も有効です。気滞気味の方は、何ごとにもエネルギッシュに取り組むタイプが多いようです。知らない間にストレスが溜まってしまい、それがもとで気が滞っていることも少なくありません。お腹のハリは体からの大事なサイン。「たかがガス」と軽視せず、養生を心がけてくださいね。さくらい・だいすけ漢方専門家、国際中医専門員。完全予約制の漢方相談処「成城漢方たまり」で相談を行う。『体をおいしくととのえる! 食べる漢方』(小社刊)ほか、監修書、著書多数。※『anan』2020年11月11日号より。イラスト・momokoharada文・新田草子(by anan編集部)
2020年11月05日憂鬱な時期を、体質別養生で快適に。中医学や養生法に詳しい櫻井大典さんによる「Daily(デイリー)養生」。今回のテーマは「腰痛」です。人類の二足歩行が始まったときから運命づけられていたとさえいわれる腰痛。とくにデスクワークが多い人には、肩こりに次いで多い悩みですね。腰痛にはさまざまな原因がありますが、多いのが、生命力を司る「腎(じん)」が弱っている状態。腎は「腰の器」といわれるほど腰と密接に関係していて、歩くことで刺激を受けて活性化するところ。長い間座ったままでいるとエネルギーが蓄えられず、その不調が痛みとなって表れます。こうした、エネルギーや栄養が足りずに起きる痛みを、中医学では「不栄則痛(ふえいそくつう)」といいます。鈍痛が慢性的に続くのが特徴で、マッサージをしても良くならないことが多い。高齢者に多いのはこのタイプです。一方で時々強く痛む場合は、「不通則痛」であると捉えます。「通(つう)」は血の流れを意味し、血流の滞りで生じる痛みをこう表現します。マッサージによって多少改善することもありますが、滞りを解決しない限り繰り返す場合がほとんど。女性は男性に比べて「血(けつ)」に関するトラブルが多く、腰痛も血流障害による不通則痛型が多いようです。温かな血を巡らせて、腰を冷やさないことが大事。血流が悪くなる原因はいろいろですが、まず挙げられるのが血自体の少なさです。ちょろちょろとしか流れなければ、当然滞りが生まれますね。また、血が汚れて粘り気があることも、詰まりの原因になります。さらに大事なのが、温度。漢方では血には油のような特性があるとし、温めるとよく流れ、冷やすと固まって循環が悪くなると考えます。先ほど腎の機能低下も腰痛の一因とお伝えしましたが、腎には体を温めるストーブのような役割もあり、同じく冷えに弱い場所。ぎっくり腰のように急性のトラブルを除き、冷やすことは腰には大敵です。以上のことから、腰痛の養生としてまず心がけたいのは保温と補血です。とりわけ下半身を冷やさない心がけを。腰まわりを温かくして、デスクワーク中も時々歩き回るようにして血を巡らせることは、腎を元気に保つのにも有効です。その上で、血を補う食べ物を日々の食卓に。レバーやにんじんのほか、今ならほうれん草もおすすめです。血液をどろどろにする、脂っこいものや甘いものは控えましょう。もう11月。とくに冬に痛むという方は、どうぞ早めの養生を。さくらい・だいすけ漢方専門家、国際中医専門員。完全予約制の漢方相談処「成城漢方たまり」で相談を行う。『体をおいしくととのえる! 食べる漢方』(小社刊)ほか、監修書、著書多数。※『anan』2020年11月4日号より。イラスト・momokoharada文・新田草子(by anan編集部)
2020年10月28日憂鬱な時期を、体質別養生で快適に。中医学や養生法に詳しい櫻井大典さんによる「Daily(デイリー)養生」。今回のテーマは「眠り」です。10月も半ばを過ぎ、過ごしやすい季候になりました。「秋の夜長」といわれる通り、夜更かししたくなる時期でもあります。ごくたまにならいいのですが、たびたびとなると、それがもとで睡眠リズムが狂ってしまう心配も。今回は、中医学の視点で「睡眠」について考えてみたいと思います。私たちの体は気(き)・血(けつ)・水(すい)という3つの要素で成り立っているのですが、このうち睡眠ととくに大きく関わっているのが「血」です。血は体のすみずみを巡って、栄養や水分を届ける存在。精神を安定させる作用もあります。この血をコントロールする役割を担っているのが、五臓のうちの「肝(かん)」です。中医学では臓器はそれぞれに活発になる時間帯があると考えるのですが、肝と、付随して働く「胆(たん)」がもっとも力を発揮するのは、23時から3時の間。つまり眠っている間なのです。一日じゅう体を巡っていた血はこの間に肝に戻って蓄えられ、浄化されたのちに、また体を巡り始めます。ところがこの時間に起きていると、肝が働くためのエネルギーを他の臓器が消耗してしまう。その結果、きれいな血が作られず、さらには血が不足する「血虚(けっきょ)」を招いてしまいます。23時以降は目を休め、肝を健やかに保って。血が足りなかったり汚れたままだと、何が起きるのでしょうか。まず挙げられるのは冷えや肌の乾燥、貧血など、水分や熱、栄養が行き届かないことで起きる不調。血は目を使うときに必要なものなので、かすみ目や疲れ目といった目の症状も引き起こします。また、イライラしたり集中力が低下するなどのメンタルトラブルも、血虚が一因。血はこのように、心身の状態に深く関わっているのです。肝の働きをスムーズにし、活き活きとした血で体を満たすには、遅くとも23時には眠りにつきたいもの。寝付けないなら、横になって目を閉じるだけでもOKです。目を休め、血をムダに消耗しないようにしましょう。同時に、血を補う作用のあるレバーやごま、黒豆、しいたけなど赤や黒の食材を意識して摂ることをおすすめします。冬至に向かって日照時間が短くなっていくという自然のリズムに則れば、秋は本来、徐々に睡眠時間が伸びていく季節。気候も良く、深い眠りを得やすいときです。この機会にぜひ、ご自身の眠りを見直してみてくださいね。さくらい・だいすけ漢方専門家、国際中医専門員。完全予約制の漢方相談処「成城漢方たまり」で相談を行う。『体をおいしくととのえる! 食べる漢方』(小社刊)ほか、監修書、著書多数。※『anan』2020年10月28日号より。イラスト・momokoharada文・新田草子(by anan編集部)
2020年10月23日憂鬱な時期を、体質別養生で快適に。中医学や養生法に詳しい櫻井大典さんによる「Daily(デイリー)養生」。今回のテーマは「脚のつり」です。起き抜けに伸びをするなど、急に動いた拍子に脚が痙攣し、つってしまった。そんな経験はありませんか?高齢の方に多いトラブルと思われがちですが、比較的若い世代でも悩まされている人が少なくありません。脚のつりは、中医学ではまず「血虚(けっきょ)」が原因と考えます。筋肉は繊維の束で構成されていて、それらが伸び縮みすることで力を発揮します。ところが血が足りないと筋肉に栄養や水分が行き渡らず、収縮するときにひっかかりが起きてしまう。これが、脚がつる、「こむらがえり」と呼ばれる状態です。とくに脚の筋肉は心臓から遠いので、血の不足を生じやすいと考えられます。脚のつりは妊娠中の女性にも多いのですが、それも、赤ちゃんへの水分や栄養が優先されて、血が不足しがちになることが一因です。補血(ほけつ)&補陰(ほいん)がカギ。辛いときは頓服薬も。血は体に欠かせない要素のひとつですから、不足すると肌の乾燥や疲れ目、慢性的な疲れなど、さまざまな不具合が生じてきます。いまはこうした症状がなくても、脚がよくつるようならいずれ起きる可能性大。とくに目のあたりがよくぴくぴく痙攣するのは、血虚の典型的なサインです。早めに対策を始めましょう。血を補ってくれるのは、赤や黒の食べ物。鶏レバーやひじき、にんじん、黒豆などをこまめに食べるようにしてみてください。また、血は潤いを表す「陰」に属するので、陰を補う働きのある白い食材もおすすめ。豆腐や白菜など水気の多い食べ物のほか、白ごまや卵もいいでしょう。同時に血不足の人は血液がどろどろになって流れが滞る「お血(けつ)」も生じやすいので要注意。下半身を冷やさないことや、ストレッチなどの軽い運動で血の流れをよくしておくことが、お血防止につながります。ただ、こうした養生を心がけてもしょっちゅう脚がつるという人が時々います。どうしても困るようなら、「芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)」を常備しておくのも手。これは筋肉の緊張や痛みを和らげる漢方薬で、一般のドラッグストアでも扱っています。頓服薬があるだけで安心するのか、脚がつる頻度が減ったという声もあります。薬剤師と相談しながら、試してみるのもいいでしょう。脚のつりは、潤いや栄養不足のサインです。折しも、空気の乾燥が進む時期。しっかり養生したいですね。さくらい・だいすけ漢方専門家、国際中医専門員。完全予約制の漢方相談処「成城漢方たまり」で相談を行う。『体をおいしくととのえる! 食べる漢方』(小社刊)ほか、監修書、著書多数。※『anan』2020年10月21日号より。イラスト・momokoharada文・新田草子(by anan編集部)
2020年10月17日「みなさんは江戸時代の儒学者・貝原益軒(1630〜1714)の『養生訓』をご存じでしょうか?私は新型コロナウイルスに打ち克つ多くのヒントが、ここに書かれていると思っています」そう話すのは、『「養生訓」病気にならない98の習慣』(日本経済新聞出版)の著者で、南越谷健身会クリニック院長の周東寛先生。どうして、現代の新型コロナウイルス対策に、江戸時代の健康法が効果的なのか?西洋医学と東洋医学の両方を学んできた周東先生は、こう解説する。「もともと益軒は子どものころから病弱でしたが、日ごろから、健康を意識した暮らしを送り、当時としては超長寿である83歳まで生きました。晩年、自分の健康法を書き残したのが『養生訓』。そこには日本の風土と生活習慣に合わせた病気の予防法がたくさん紹介され、それらは現代医学から見ても、非常に学ぶことが多いんです。十分にいまの新型コロナに通用する対策と言っていいでしょう」今回は、そんな『養生訓』のなかから、感染予防に最も重要な「免疫力を上げる心得」を周東先生が厳選。ウイルスに克つ生活習慣を教わっていこう。■細かい字を読み書きするべからず!「人の免疫力を低下させる大きな原因はストレスです。益軒は“細かい字を読みすぎることはよくない”と戒めていますが、これは江戸時代、明かりが暗かったこともあり、こうした作業が大きなストレスの原因であったからだろうと私は解釈しています。この現象はまさに現代も同じ。長時間、スマホやパソコンで細かい字に接するのは、目に悪いだけでなく、知らずに、大きなストレスとなり、免疫力を下げてしまいます」■長時間、座り続けるべからず!「先日、米国がん協会による“座っている時間が長い人ほど寿命が短くなる”という研究報告がありました。驚くべきことに、300年前に、すでに益軒は“終日じっと座っていると病気になりやすい”と指摘しています。そもそも人間は座ってばかりで動かないと全身の血流が悪くなり、免疫系の働きが鈍ります。ぜひ毎日、体を動かすことを心がけて」■旅行先ではまず豆腐を食べるべし!「Go To トラベルの実施もあり、旅行する人も増えていると思います。ただ人は慣れない土地に行くと、体調を崩してしまうことがあります。こんなときは“まず豆腐を食べよ”と、益軒は言っています。現代の栄養学から見ても、豆腐は良質な植物性タンパク質、ビタミン、ミネラルを含み、非常に消化吸収のよい万能栄養食で、体の免疫力を高めてくれます」■寝る前には髪をとかすべし!「寝る前に髪をくしやブラシでとかすことで、頭皮の血流がよくなり、ストレス低減作用があります。益軒の時代は、髪を洗う機会も少なかったので、頭皮の汚れを取るという衛生面での効果もあったと考えられます」最後に、周東先生はこう語る。「新型コロナ対策は、まず手洗いとマスクで、体内にウイルスを取り込まないことが第一。そのうえで、もし体内に入ってしまったときのために、ウイルスを退治する免疫力を高めておくことが大事。その一助として、益軒の心得は非常に有効だと思います」江戸時代の賢者の知恵である『養生訓』。上手に活用して、新型コロナに打ち克とう。「女性自身」2020年10月20日号 掲載
2020年10月14日2020年、世界中で猛威を振るう新型コロナウイルスを撃退する方法が、約300年前の儒学者・貝原益軒の健康指南書『養生訓』に記されているという。その驚きの内容とはーー。「みなさんは江戸時代の儒学者・貝原益軒(1630〜1714)の『養生訓』をご存じでしょうか?私は新型コロナウイルスに打ち克つ多くのヒントが、ここに書かれていると思っています」そう話すのは、『「養生訓」病気にならない98の習慣』(日本経済新聞出版)の著者で、南越谷健身会クリニック院長の周東寛先生。どうして、現代の新型コロナウイルス対策に、江戸時代の健康法が効果的なのか?西洋医学と東洋医学の両方を学んできた周東先生は、こう解説する。「もともと益軒は子どものころから病弱でしたが、日ごろから、健康を意識した暮らしを送り、当時としては超長寿である83歳まで生きました。晩年、自分の健康法を書き残したのが『養生訓』。そこには日本の風土と生活習慣に合わせた病気の予防法がたくさん紹介され、それらは現代医学から見ても、非常に学ぶことが多いんです。十分にいまの新型コロナに通用する対策と言っていいでしょう」今回は、そんな『養生訓』のなかから、感染予防に最も重要な「免疫力を上げる心得」を周東先生が厳選。ウイルスに克つ生活習慣を教わっていこう。■朝一番のつばは飲み込むべからず!「益軒は『養生訓』で“朝起きたら、すぐにぬるま湯で口をすすぐべし”と勧めています。朝起きたときの口内は、一晩寝ているうちに細菌などが増殖し、とにかく不衛生。その唾液を飲み込んでしまうと、腸の免疫力を下げ、ウイルスに感染しやすくなります。起きたら、まず洗面所に行き、歯みがきをする習慣をつけてください」■食後はお茶でうがいをすべし!益軒はつぎに「食後には湯茶をもって口を何度かすすぐのがよい」とも書いている。「これは現代でも理にかなった口内殺菌法。日本茶に含まれるカテキンは強い抗酸化作用や殺菌作用があり、口内に入ってきた細菌やウイルスに殺菌効果があります。お茶でのうがいには、虫歯予防の作用もあるので、毎食後、こまめにするとよいでしょう」■トイレを我慢するべからず!「出すものを出さずにため込んでいると、体内に老廃物が増えて、免疫力が落ちてしまいます。これを益軒は“大小便は早く出してしまったほうがよい。我慢しているのは害がある”と書き、戒めています。このほか、おしっこは我慢すると、膀胱炎などになりやすく、うんこを我慢していると、大腸がんのリスクも高くなります。自然の摂理で行きたくなったら、トイレに行くことが大切です」最後に、周東先生はこう語る。「新型コロナ対策は、まず手洗いとマスクで、体内にウイルスを取り込まないことが第一。そのうえで、もし体内に入ってしまったときのために、ウイルスを退治する免疫力を高めておくことが大事。その一助として、益軒の心得は非常に有効だと思います」江戸時代の賢者の知恵である『養生訓』。上手に活用して、新型コロナに打ち克とう。「女性自身」2020年10月20日号 掲載
2020年10月14日憂鬱な時期を、体質別養生で快適に。中医学や養生法に詳しい櫻井大典さんによる「Daily(デイリー)養生」。今回のテーマは「胸焼け」です。食べ物がおいしいこの時季こそ養生を。今週から10月。食欲の秋が到来です。胃腸を表す「脾(ひ)」は、湿気を嫌うところ。湿度が高い夏は働きが低下しがちですが、空気が乾燥してくると元気になり、食欲も一気に増してきます。ついあれこれ食べたくなりますが、食べすぎは脾が弱る「脾虚(ひきょ)」の原因に。脾はエネルギーや栄養を生み出す「気血生化(きけつせいか)」を担う大切な場所。食べたくなる条件が揃うこの時季こそ、体に負担をかけない食事を見直してほしいと思います。脂っこいものや冷たいもの、味の濃いものや甘いもの。これらを避けて、温かい、さっぱりとした味わいの料理を増やしてくださいね。消化を促す大根を、ほかほかの鍋料理で。それでも、つい食べすぎてしまうこともあります。そんなときは、消化を促す「消食(しょうしょく)」効果のある食べ物や飲み物を。代表格はウーロン茶やプーアール茶。普段だと水分の摂りすぎになる可能性がありますが、乾燥し始める秋口なら大丈夫。温かいものを、食後に少しずつ飲むとよいでしょう。また、大根、にんじんなどの根菜や、オレンジ、パイナップルなど水分の多い果物もいいですね。とくに大根は、頼れる消化促進食材。みぞれ鍋やおでんにするなど、調理法も工夫しながらたっぷり食べましょう。果物は脾を冷やす場合もあるので、できるだけ体温に近い温度で食べてくださいね。多少食べすぎても、すぐに養生すれば脾は元気を取り戻しますが、暴飲暴食が続くと不調が慢性化してしまうことがあります。食後に胸焼けがするようなら要注意。食べ物を口から胃、腸へと下ろしていく力がなくなったという、胃からのSOSサインです。心当たりのある人はまず、食欲がないのに食べていないか見直しを。お腹がすいたら食べるというシンプルな食べ方を心がけてください。また、食べすぎた翌朝は、サラダや、シリアルと牛乳などで済ませていませんか?冷たいもの、糖分の多い食事は脾をさらに弱らせます。軽めの食事なら、具だくさんのスープなどがおすすめです。脾が弱ると気が作られず、疲労も感じやすくなります。疲れたときは焼き肉という人もいるようですが、実は逆効果であることも知っておいてくださいね。食を少なめにして、消食の食べ物を少しずつ摂る。脾を元気に保ちながら、実りの秋を楽しみましょう。さくらい・だいすけ漢方専門家、国際中医専門員。完全予約制の漢方相談処「成城漢方たまり」で相談を行う。『体をおいしくととのえる! 食べる漢方』(小社刊)ほか、監修書、著書多数。※『anan』2020年10月14日号より。イラスト・momokoharada文・新田草子(by anan編集部)
2020年10月07日憂鬱な時期を、体質別養生で快適に。中医学や養生法に詳しい櫻井大典さんによる「Daily(デイリー)養生」。今回のテーマは「アレルギー」です。ようやく秋めいてきましたが、この夏も酷暑でしたね。照りつける太陽による肌トラブル、それも今年はストレスが関係してか、アレルギー性の湿疹やかゆみなどに悩む声を多く聞きました。今回は、アレルギーについての養生法をお届けしたいと思います。アレルギーを引き起こすアレルゲンは、紫外線のほか、ハウスダストや花粉、最近では香料成分など多岐にわたります。中医学ではこれらはすべて、体に悪影響を及ぼす「邪気」のひとつ。邪気は常に外界に存在しますが、それらが体に入り込まないようにバリアの役割を担うのが「衛気(えき)」です。これは体表にある「気」の層で、地球に例えるならオゾン層のような存在です。アレルギー反応が起きやすい人は、この衛気の働きが弱い可能性が大。汗が止まらない、エアコンの風が苦手というなら要注意です。衛気は毛穴を開け閉めして体を守っているので、衛気が弱いと毛穴が閉じず、いったん汗をかくと止まらないほか、わずかな風なども刺激になりやすいのです。脾(ひ)を養うのは温かい料理。定食スタイルがベスト!邪気=アレルゲンから体を守るには衛気を厚くすることが第一。そのためには衛気が作られる場所、脾=胃腸を健やかに保つことが欠かせません。とりわけ、腸を元気にすることは必須です。西洋医学でも腸を整えることがアレルギー制御に有効であることが知られていますが、中医学でも、腸は必要なものを吸収して不要なものを排除する、体の要となるところ。気を十分に作り出すには、原料となる食べ物を選びつつ、それを胃腸に負担をかけない方法で食べることが大事です。衛気を作り出す食べ物は、米やもち米、栗、さつまいもや山芋、かぼちゃなど。甘みがある、あるいはほくほくした食感の穀類や芋類は、おおむね気を補う効果があります。しいたけやしめじ、ひらたけなどのきのこ類もおすすめ。さばや鮭、かつおも優秀な補気食材です。これらを、温かく、さっぱりとした味付けの料理で摂るのがポイント。生ものは脾を弱らせてしまうので、刺し身や揚げものは控えたほうがいいでしょう。先に挙げた食材は、いずれもこれから旬を迎えるものばかり。例えば栗ご飯と焼き鮭に、きのこたっぷりのお味噌汁。秋らしい定食メニューで脾を健やかに保ち、体のバリア機能を高めましょう。さくらい・だいすけ漢方専門家、国際中医専門員。完全予約制の漢方相談処「成城漢方たまり」で相談を行う。『体をおいしくととのえる! 食べる漢方』(小社刊)ほか、監修書、著書多数。※『anan』2020年10月7日号より。イラスト・momokoharada文・新田草子(by anan編集部)
2020年09月30日