KDDI、沖縄セルラーは11月30日、12月1日より、スマホと連携して使用するIoTを活用したauオリジナルのインテリア雑貨を「au WALLET Market」にて発売すると発表した。「au WALLET Market」は、auショップやLUXA(ネットショップ)で展開する同社のショッピングサービス。ここで販売を開始するのは、auオリジナルのインテリア雑貨「Umbrella stand(傘立て)」と「Dust bin(ゴミ箱)」。「Umbrella stand」は、専用のアプリ「Mono Manager」をダウンロードしたスマートフォンを持って近づくと、降水確率に応じて晴れならオレンジ、曇りなら白、雨なら青に光ることで、「今日傘を持っていく必要があるかどうか」をLEDの色で知らせてくれるという。一方、「Dust bin」は、同じ専用のアプリ「Mono Manager」をダウンロードしたスマートフォンを持って近づくと、ゴミ箱が光ると同時にアプリ側にも通知が届くことで、ゴミの収集予定を知らせてくれる。通信方式はいずれもBluetooth(約3m以内)。
2015年11月30日○HEMSとスマートグリッドIoT実用例の1つが「HEMS(Home Energy Management System)」です。一般的に「家庭で電力を管理する」と聞くと、「電気を使いすぎないように省エネを心掛ける」とか「電気の使いすぎで、ブレーカーが落ちてしまわないよう気を付ける」といったことを連想するでしょう。しかし最近では、太陽光発電のソーラーパネルを設置し、蓄電機能を備えたハイブリッド車や電気自動車を利用する家庭も増えています。こうした家庭の住宅では、「どれほど発電したか」「どれほどの電気を消費しているのか」「売電できるか」などをリアルタイムに把握して制御する必要があります。「HEMS」はこれらの電気を効率よく運用するシステムです。HEMSでは、ソーラーパネルなどの電力を発生する装置や電力を消費する装置にセンサーを取り付け、リアルタイムで電力を測定・制御します。これだけでは住宅内に閉じたシステムですが、通信網を介して情報をクラウドへ送信することで、家族がスマートフォンなどから電力消費量を見ることができるようになります。この見える化によって、無駄な電力消費を把握できたり、消し忘れた電灯やエアコンなどがあることを知ることができたりします。さらに、各家庭で情報を見るだけではなく、そこから送られてくる大量の電力データに基づいて、電力会社がリアルタイムに電力の需要予測や発電予測を行い、それに基づいて安定した電力供給や効率的な電力利用を各家庭に働き掛けることができるようになります。この技術は次世代送信網の「スマートグリッド」と呼ばれ、国内外で取り組みが進められています。このHEMSへの取り組みは以前から行われていましたが、特に東日本大震災以降、電力の利用効率化や省電力化のために注目が高まってきました。さらに2016年に行われる電力小売りの自由化を目指し、さらなる注目が集まっています。日本政府もグリーン政策大綱においてHEMSを推進すること、2030年を目標に普及させることを表明しています。○スマートホームIoTを電力だけではなく、宅内にある家電まで広げるとスマートホームと言われる事例になります。例えば、家電を通信網に接続した場合、外出先から電源の消し忘れに気付いて電源を切ることができます。また「ジオフェンシング」と呼ばれる技術を用いると、自宅の一定距離以内に近づくと自動的にエアコンの電源を入れるといったことが可能になります。さらに、家電のみならず、明るさや色をスマートフォンから変えられる電球や鍵をシェアして入退室記録ができるスマートロック、温度計や湿度計などのさまざまなモノが情報網につなげることが始まっています。このように多くのモノが高機能化され、情報網につながり始めているのは現在のスマートホームの特徴でしょう。これらの用途でキーとなるのはやはり「スマートフォン」です。組み合わせると、室内気温が高くかつ帰宅10分前であればエアコンを自動的につけるという動きができますし、誰も家におらず帰宅1分前になったら宅内の灯りをつけるといったことも可能になります。一つ一つのモノはシンプルで小さくても、通信網を介してリアルタイムに情報を送受信して連携させることで、より便利なことが実現できるのです。現在は手動で設定したモノ同士の連携にとどまりますが、今後は集められた膨大な情報から、人々が行う動きを学習して「連携が自動化される」「消費電力が低くなるように温度設定を自動的に行う」「ロボット掃除機が掃除経路を学習して効果的な掃除経路を見つけ出す」など、人々が意識することなく快適な生活が送ることができるようになると想定されます。○ヘルスケアと見守りサービス人体のバイタル情報や、生活のデータを集めて活用するIoT事例がヘルスケアです。心拍数や歩数、消費カロリー、睡眠状態といった1日のバイタルデータを集める活動量計は、そのデータに基づいて食生活や運動などの生活改善に役立てます。また、歯の磨き方のデータを集めて改善を指示してくれるスマート歯ブラシや、睡眠状態を監視してくれるベッドのマットレス、食べる速度を測るフォーク、体重のかけ方などの走り方をチェックする靴の中敷きや靴下など、身の回りのさまざまな生活用品がIoT化され始めています。現在は、これらのモノはスマートフォンとBLEで接続され、直接スマートフォン上でデータを確認したり、クラウド上へデータを保存したりすることが主流ですが、これらについても将来的には集められたデータから、より的確な改善を自動的に提案、また医療に役立てるようになるものと想定されます。また、生活データを集めて通信網でリアルタイムに送受信して役に立つのが、見守りサービスです。例えば、ご高齢者が日常的に使用するポットなどの電気製品、開け閉めするドアにセンサーを取り付けておき、遠隔からその状態を監視し一定時間利用がないなど異常を検知すると通知します。また、認知症の方の徘徊や子供の迷子においても、充電不要で長期間動作可能なビーコン発信機と多くの方の持つスマートフォンでのビーコン検知データを用いて、早期に場所を特定する検証が行われています。これらについても大量に収集したデータを処理することで、より正確な異常判断や位置特定が可能になることが期待されます。著者プロフィール○小森田 賢史(こもりた さとし)KDDI 商品・CS統括本部 商品企画部モバイル通信(SIP, IMS)の高度化に関する研究開発、IEEE標準化活動を経て、オープンソース系OSを活用したスマートフォン端末の企画開発、IoT機器・プラットフォームの企画開発、新規商品企画を担当する。
2015年11月30日つい先日、映画「BACK TO THE FUTURE Part2」(1989年公開)で未来都市として描かれていた「2015年」のまさにその日付が現実にやってきたことに、ネットを中心に盛り上がりをみせました。実際の2015年はというと、映画の中で描かれていた空中を飛べる未来的なボードなどはまだありませんが、当時から比べると身近なところで驚くほど進化を遂げたものが数多くあります。進化をとげたアイテムには、話題の「IoT」(アイオーティー)を駆使したものが数多く見受けられます。今回は、多忙なアラフォーの暮らしに役立つ、注目のIoT 新アイテムをご紹介しましょう。そもそも「IoT」(アイオーティー)って何?昨今注目が集まっている「IoT」(アイオーティー)の分野。あまり聞き慣れないこの言葉、一体何なのでしょうか?IoTとは “Internet of things”の略で、「モノのインターネット」と言われることもあります。インターネットを経由して、家電やロボットなどとスマホやPCが連動していたり、モノとモノ、モノとヒトとが相互に通信できる仕組みだそう。なんだか難しそうだけれど、ビジネスなどだけでなく、実は日常生活にも徐々に広がってきています。家族とのコミュニケーション不足に活躍!愛らしいロボット「BOCCO」(ボッコ)働き盛りの共働き家庭も多いのが、アラフォー世代。両親も高齢になり離れて暮らしていたりと、なにかと家族間のコミュニケーションが希薄になりがちです。そこで、そんなコミュニケーション不足を解消するために楽しく取り入れられる身近なテクノロジーに注目してみましょう。未来的でありながら、どこか親しみを感じるデザインのコミュニケーションロボット「BOCCO」(ボッコ)は、インターネット経由で家族のスマホとつながり、相互に声のメッセージを送りあったり、スマホからBOCCOに送ったテキストメッセージを読み上げてもくれるロボットです。受け手側にスマホがなくても簡単にコミュニケーションがとれるのが、嬉しいポイント。さらに、玄関ドアに付属のセンサーを設置すれば、留守中でも誰かが帰宅した際のドアの開閉により通知が届き、無事の帰宅を確認することができるのです。開発しているのは、ユカイ工学の青木さん。自身も共働きで子育てをしているパパ。普段、子供と奥さんがやりとりしている内容をパパも共有でき、子供からの何気ない声のメッセージが届くことで多忙な仕事中も癒やされるそう。それぞれの家庭では、メモ書きを置いてきたり、交換日記をつけたり、子供が帰宅したら親に電話やメールを入れるルールにしたり… と創意工夫しながらコミュニケーションをとっているかと思います。でも、電話がかかってきてても、仕事の会議中や電車移動中などではすぐに電話をとることができず、コミュニケーションが行き違いになってしまうことも。そもそも家庭の方針や年齢的に子供に携帯を持たせていなかったり、まだメール操作ができなかったりと、スマホや携帯に関する心配事も多く聞かれます。また、離れた場所に住む高齢の親の生活も気になるところです。スマホが苦手な世代、スマホをまだ使えない世代の家族とのコミュニケーションにもひと役かってくれるでしょう。今後は、スマートハウスとの連動でBOCCOが照明のON/OFFのコントロールをしたり、天気を教えてくれたりと、ライフスタイルに合わせた機能が追加されていくのだとか。家族の一員になったロボットが進化していく過程を肌で感じられるのも楽しいですね。女性の必需品、「鏡」にもIoTが!?今やSNS用に自撮り写真をアップする機会も多い時代。でもセルフィー棒を買うのはちょっと、、と思う方に、朗報です。まだ日本では発売されていませんが、海外ではこんなアイテムも話題に。一見普通の鏡のように見えますが、自分の姿を確認しながら写真を撮ったり、そのままSNSにアップもできる優れもの。外出先からは、搭載されたカメラで家族の様子を見守ったり、物騒なこの時代、泥棒対策にも。さらに内蔵スピーカーで音楽を楽しめたり、家のエアコンなどと連動してリモコン代わりにもなるのだとか。今後はどんな身近なものがIoT化されていくのか楽しみですね。家事もロボットに任せる時代に!?先日話題になっていた自動洗濯機ならぬ全自動洗濯物たたみ機の出現など、将来的には今まで手でしか行えないと思っていた家事も、これからもっと進化していくことでしょう。身近なところで言うと、今では定番となったお掃除ロボット。勝手に部屋を動き回りお掃除してくれる姿を初めて見たときは驚きでいっぱいでしたが、さらなる進化を遂げているのだそう。最近ではスマホと連動して外にいながら操作もできるようになりました。まさにIoTの新領域です。今までのルンバは、同じ場所を数回通り掃除していたのに対し、最新のルンバは自分の居場所を搭載されたカメラで把握してマッピングすることにより、一度通るだけでキレイにできるようになったそう。それにより充電が切れても、ルンバ自身で充電スポットに戻り充電し直した後、掃除しきれなかったスペースに行き仕事を続けてくれる、まさにお掃除スペシャリスト。またスマホと連動することにより、外出先から別の部屋にあるルンバを移動させたり、「急な来客が!」という時にもルンバを起動して掃除をしたりもできるのだとか。昔は夢の世界のみの話だったロボットとの暮らし。仕事と家庭の両立に忙しいアラフォー世代こそ、最新のロボットの力を借りて、スマートライフを楽しんでみてはいかがでしょうか。
2015年11月27日日立コンサルティングと日立システムズは11月26日、企業のIoT導入を支援するサービス「IoT導入支援パック」を販売開始したと発表した。同サービスは、日立コンサルティングが提供してきたIoT構想策定支援を行うコンサルティングサービスと日立システムズが提供するクラウド型のデータ収集/管理/分析環境をトライアルパックとして提供するもの。同サービスの活用により、IoTのビジネス活用に向けたテーマ設定、計画立案、検証、検証結果に基づく計画見直しといった一連のプロセスを短期間・低コストで行うことができる。また、データ収集/管理/分析環境は、日立システムズの「ファシリティ・モニタリングサービス」を活用し、セキュリティの確保された日立システムズのデータセンターから管理対象数、利用期間に応じたクラウド型で提供するため、大きな初期投資を行うことなく計画策定から効果検証までを実施できるという。同サービスの利用後には、IoT本格導入にあたってのM2Mネットワークの構築や制御系システムセキュリティ、大規模データの保管といったニーズに日立システムズが対応する。両社は主に工場やプラント設備を持つ製造業向けに同サービスを拡販し、2018年度末までに累計50社への販売を目指すとしている。
2015年11月26日○IoTという考え方近年、IoT(Internet of Things)という言葉をよく耳にするようになりました。日本政府が出す「日本再興戦略」改訂2015でも、ビッグデータやAI(人工知能)と並び、ビジネスや社会そのもののあり方を根底から揺るがす改革の要因として扱われています。IoTは「モノのインターネット」と呼ばれます。1990年代に世間へ広がり始めたインターネットは、通信網を介し、人々が家に居ながらにしてさまざまな情報を収集できるようになりました。買い物を行い、メールやチャットでコミュニケーションを図り、これが新たな価値を次々と生み出し、生活がとても便利になりました。現在、これと同じことが"モノ"にも起ころうとしています。今までただの"モノ"でしかなかった"物"が通信網につながり、情報を収集・発信・処理するようになります。この変革によって、これまで人力で処理していた膨大な情報を、リアルタイムで"ビッグデータ処理"できるようになるのです。さまざまな処理が効率化・自動化されて、新たな価値を生み出します。IoTとは、ただモノが通信網につながることを指すのでなく、そうした考え方も示しているのです。ただ、類似した考え方は、IoTという言葉が台頭する以前からあったことをご存じでしょうか?代表的なものはM2M(Machine to Machine)です。M2Mは、モノとモノ同士が人の介在なく情報をやり取りし、処理を行うシステムを指しています。車両管理を行う「テレマティクス」や電力管理の「スマートメーター」などの遠隔監視機能として実用化され、すでに普及しているものもあります。M2Mは主に"産業分野"で活用されていましたが、これに対してIoTは「宅内」や「ヘルスケア」など、より身近なモノにまで範囲を広げています。また、つながるモノの数も膨大で、その膨大なデータを活用した高い付加価値を生み出す傾向があります。なお、厳密な切り分けの定義があるわけではなく、M2MもIoTの1つとして扱われることもあります。○さまざまな分野で活用されるIoT幅広い概念を持つIoTはさまざまな分野で活用されようとしています。大規模な例には、都市環境を改善しようという「スマートシティ」があります。これにはいくつかの取り組みが組み込まれており、エネルギー面では「各家庭の電力使用量を一定時間ごとに収集して、電力の供給を安定・効率化」、交通の面では「道路や駐車場などの交通情報を収集して、都市の渋滞を軽減」などの効果が考えられています。自動車では、各所に取り付けられたセンサー情報に基づいて、自動車の状態や修理の必要性を把握。これを利用して、「安全運転を行っているか」「事故を起こしていないか」を確認できるほか、近年研究が進んでいる「自動運転」では、ほかの車の動きや交通管制といった情報に基づいて、より安全・効率的な運転が可能になると期待されています。工場においても、機械の管理だけではなく、工場内外の膨大な情報に基づいた最適的な生産、品質管理を行う「インダストリー4.0」がドイツを中心として提案されています。農業においては、気温や水分量などの気象条件や農作物の成長状態を収集し、その時の対応を学習して自動化することで人的労力を削減したり、農業のノウハウを機械化することで容易に次世代へ引き継げたりするような試みが進んでいます。より身近なところでは、家庭に向けたスマートホームがあります。宅内の灯りやエアコンなどの家電、ドアの鍵を操作でき、家族の帰宅を外でも知ることができるようになります。さらに生活パターンの情報を収集して、快適に過ごせるように温度を自動で設定してくれる自動化や、省電力化が期待されます。小型のウェアラブルデバイスを用いて、人の脈拍や血圧などのバイタルデータを収集し、健康管理を行うなど医療に役立てる取り組みもあります。これらの例を見てわかるように、IoTは幅広い分野に広がっています。いずれの分野でも"モノ"が情報を発信・収集して、膨大な情報から「より、価値のある便利なサービスを生み出す」「効率化を進める」という傾向があるのが特徴です。○IoTを実現する仕組み多くの分野で活用が期待されるIoTですが、1つの技術によって実現されるものではなく、モノから情報を取り出して集積し、処理を行う複合的なシステムとなります。どのようにIoTが実現されるか、分野によって細かな部分は異なりますが、およその仕組みを下図に示します。大きく分類すると、「情報を収集するセンサー」「カメラ」「車」「灯り」といった物理的に作用する"モノ"があります。そして、これらが情報を送受信するために通信網につながります。この通信網には3G/4Gなどのセルラー網や、ADSLや光回線などの有線網があります。小型化・省電力化が進むセンサーデバイスなどでは、BLE(Bluetooth Low Energy)やZigbeeなどの省電力通信が利用されることも増えていますが、この場合は通信網につなげるために、ゲートウェイと呼ばれる通信の中継装置が必要になります。なお、モノが「ウェアラブルデバイスや「アクセサリー」の場合は、ゲートウェイの機能をスマートフォンが果たす場合も多く見られます。そしてこの通信網を介して、膨大な数のモノの情報をクラウド上に集積します。この情報をビッグデータとして処理し、それに基づいて人もしくは機械が自動的に物事を判断、モノの動きを決定し、必要に応じて通信網を介しモノの制御を行います。このようにIoTの実現には複数の要因が必要です。近年のIoT発展にはセンサーデバイスなどの「モノを安価に製造できるようになった」ことと、「通信網や情報を集積、処理するクラウド技術が発展した」こと、さらにAIに代表される「より高度な情報処理技術」など、多くの要因が集まってIoTが成り立つようになったのです。著者プロフィール○小森田 賢史(こもりた さとし)KDDI 商品・CS統括本部 商品企画部モバイル通信(SIP, IMS)の高度化に関する研究開発、IEEE標準化活動を経て、オープンソース系OSを活用したスマートフォン端末の企画開発、IoT機器・プラットフォームの企画開発、新規商品企画を担当する。
2015年11月26日日立コンサルティングと日立システムズは11月26日、企業のIoT導入を支援するサービスの「IoT導入支援パック」を販売開始した。同サービスは、日立コンサルティングのビジネス計画の策定を支援するコンサルティングサービスである「IoTビジネス構想策定コンサルティング」と、日立システムズの設備の稼働状況やエネルギー利用状況を集中管理する「ファシリティ・モニタリングサービス」のトライアルパックとして提供する。価格は個別見積。同サービスはIoTのビジネス活用に向けたテーマ設定、計画立案、検証、検証結果に基づく計画見直しといった一連のプロセスを短期間・低コストで行うことができる。また、データ収集/管理/分析環境は、日立システムズのファシリティ・モニタリングサービスを活用し、セキュリティの確保された同社のデータセンターから管理対象数、利用期間に応じたクラウド型で提供するため初期投資の抑制につなげ、計画策定から効果検証までを実施することが可能だという。さらに、同サービスの利用後はIoT本格導入にあたってのM2Mネットワークの構築や制御系システムセキュリティ、大規模データの保管といったニーズにも日立システムズが対応し、顧客のIoT活用全体をサポート。今後、両社は連携し、IoTへの取り組みを強化するとともに、IoTを活用した顧客の新たな利益を生み出すビジネスモデル創出を支援していく。両社は主に工場やプラント設備を保有する製造業向けに新サービスを拡販し、2018年度末までに累計50社への販売を目指す。
2015年11月26日インテルはこのほど、同社やそのパートナー企業によるIoTへの取り組みを紹介するイベント「Intel IoT Asia 2015」を開催した。基調講演では米Intel APJ DCS エンベデット・セールス エンベデット DCS ディレクターのロニー・マカリスター氏が登壇。IoTはAPJ地域(アジア太平洋と日本)だけでも、2015年の8,881億ドルの市場規模から、今後5年で2兆5,826億ドルへと、3倍以上の成長が見込まれる市場だが、Intelがこれまで行ってきたPCやサーバー事業と同様に水平的に要素を組み合わせ、イノベーションを実現することで成功するだろうとコメント。一方で、これに向けて業界が手を組んで標準化をすすめていく必要があるという認識を示した。続いて米Intel IoT事業本部 副社長のローズ・スクーラー氏が講演し、IoTを「(PC、インターネットに続く)第3のコンピューティングの波」と表現。IoTに対する今後の取り組みとして重要なのは、業界が一丸となって相互運用性を上げることだと主張する。スクーラー氏は、実証実験の例としてリーバイスの在庫管理を紹介。商品に付けられたRFタグから得られたデータをCloudera/TAPで解析することで過剰在庫と在庫切れを減らすことができたという。Intelが提供するIoTブラットフォームのリファレンスアーキテクチャは、いままでネットワークに繋がっていなかったモノをゲートウェイを通じて安全に接続するほか、ICCの標準に準拠しており、拡張性や接続性、管理性とセキュリティに配慮したものになっているとアピールする。すでにPoC(Proof of concept)やパイロット、本番導入を含めて市場に浸透しつつあるという。解析に関してはSAPがプラットフォームを作る事を発表しており、現在パイロット段階にある。スケーラビリティに関してはQuark/ATOM/Core/XEONに加え、ウェラブル向けのCurie/Quark SEとCPUのポートフォリオの充実をアピールした。ビックデータとその分析については、人材/スキル不足でデータサイエンティストの負担が大きいため、ビッグデータプロジェクトの実装をサポートする「TAP(Trusted Analytics Platform)」により、ビックデータエコシステムをけん引するとしている。IoTアプリケーション開発に関しては2つのエッジ用無償OS「Plusar Linux」と「ROCKET」を紹介。前者はYOCTO Linuxベース、後者はQuarkを中心とした32bit CPU向けの極小フットプリントのOSとなる。これにWind RiverのHELIX Cloudスイートを組み合わせることによって短期間にIoTシステムを作成できるという。最後に標準化とコンソーシアムについて触れ、IntelとしてはOIC(Open InterConnect)による業界標準とオープンソース・ソリューションの組み合わせや、IIC(Industorial Internet Consotium)によるリファレンス・アーキテクチャとフレームワーク・テストベッドに準拠することで相互運用性を高めるという。さらにエコシステムパートナーと一緒にIoTを拡大する意欲を見せた。○都市に集中する人口と課題をスマートシティで解決したい基調講演の後は6つの分科会でセッションが行われた。トラックA-1では「スマートシティ向けIoTソリューション」ということでIntel ソリューショングループディレクターのレイトン・フィリップス氏が講演した。フィリップス氏によると、都市で人口が2倍に増えると、都市で起こる問題は2倍以上に膨れ上がるという。そのうえで、大都市全体では現在、毎週100万人以上の人口が流入し、2030年には50億人が都市に集中という予測を紹介した。世界のTOP600の都市をマッピングするといくつかのホットゾーンに集中し、中でアジア太平洋地域ではホットゾーンが大きく、その分さまざまな問題も発生してしまう。これらの都市問題をIoTで解消するのがスマートシティの目指すところだ。Intelは都市開発における最も良い手法を模索しているが、交通や建築、インフラ、分析という4つの領域で、各都市による固有の問題と共通の課題があるという。例えば、交通渋滞はどの都市でも課題となっているが、個別の課題に目を向けるとドバイでは水の管理、東南アジアでは大気汚染が問題になっている。フィリップス氏は、問題解決に向けた基盤としてデータ統合やオープンスタンダード、アジリティ、トラスト、シームレスでシンプルなサービス体験、エコシステムのイノベーションの6つが重要であると説明する。また、複数のエッジを1つのゲートウェイで管理することや、複数の通信インフラを組み合わせることで価格優位性を確保し、データを融合して新しい発見に結び付けることが重要だという。引き続き日本国内の取り組み事例として、会津若松市 市長 室井照平氏が登壇。会津若松市では1995年から人口が減少し、さらに半導体産業がファブレスや事業統合の波にさらされて縮小している。また、ICT専門の会津大学を平成5年に設立し、1,300名の学生を抱えるものの、6割が県外からの学生で、地元就職率が80%と言うのもやや問題だという。一方で、12万人という規模の人口は、実証実験が行いやすいこともあり、自然エネルギーや少子高齢化の先端都市として「スマートシティ会津若松」という取り組みを平成25年から推進し、雇用創出や住み続けられる街づくり、地方創生に力を入れている。具体的な取り組みとしては、住民基本台帳とGISデータを紐付けることによって、住民のデータを位置情報とともに活用している。例えば、データを分析することで、災害時における避難マップの作成やバス路線の効率化を実現したという。このほかには、(価値の低い)間伐材を利用したバイオマス発電や、電気自動車を利用した緊急時の電源確保、GPS搭載の除雪車による効率的な除雪や運行管理なども行っている。さらに公用車に加速度センサーを導入し、急ブレーキが発生した地点と警察が持つ、人身事故発生個所の情報を組み合わせることで、潜在的な危険場所を把握する情報収集やスマートアグリも始まった。今後はさらにオープンな取り組みを行うほか、情報を解析するアナリストの育成に力を入れたいという。
2015年11月25日「IoT」という言葉が急激に広まっている。10月には経産省と総務省を旗振り役に産官学の連携を目指す「IoT推進コンソーシアム」が設立され、機を同じくして開催されたJapan IT Weekでは「IoT/M2M展」に多くの出展企業や来場者が集まった。「Internet of Things (IoT)」。モノのインターネットの意味で、身の回りにあるものがインターネットにつながることと説明され、この「IoT」というワードが使われ始めた頃には、卑近な例として「冷蔵庫がネットにつながると……」といった"スマート冷蔵庫"の話がよく取り挙げられ、すでにいくつかの製品が世に出ている。また、産業界としての話題では米General Electricの事例に注目が集まった。産業機器大手の同社は、自社の提供する航空機エンジンに取り付けた各種センサーをネットにつなげ、リアルタイムにモニタリング。運行中の航空機(のエンジン)から取得されるデータをもとに、整備や異常が感知された部品の取り寄せなどをより効率化させることで、コスト削減や顧客満足度の向上を図っている。このネットにつながる"モノ"の数は、各社の予想にばらつきはあるが、東京オリンピックが開催される2020年には500億個(Cisco)とも20兆個(Microsoft)とも言われている。そのような中で、先の冷蔵庫や航空機エンジンのように具体的な例を挙げるとわかりやすい「IoT」だが、実際にどのようなものかきちんと理解しているだろうか。○IoTがつなぐのは「モノ」だけではない10月に発売された「メイカーズ進化論 本当の勝者はIoTで決まる」(NHK出版)は、ちょうど1年前にオープンしたスタートアップのものづくり拠点「DMM.make AKIBA」で総合プロデューサを務めた小笠原 治氏の初めての著書。ものづくりに関わってきた同氏ならではの視点で「IoT」について書かれた内容となっている。著者はまず、モノのインターネットは"誤訳"だと言い切る。「IoT」において重要なのは「モノ」にインターネットが入ることではなく、物質としての「モノ」と、そして無形の「コト」がインターネットにつながることが肝であり、これまであった「モノ」が「モノゴト(サービス)」になっていくことこそが、大進化のポイントだとする。これまでのネットは、PCや携帯電話などのデバイスを利用して「ヒト」がネットにつながっていく世界であった。それが、「モノ」「コト」にインターネットが入ることによって、サービスとして新たな価値を作っていく。それが「IoT」の世界であり、その真価である。そもそも、「IoT」は個別具体的な意味を持つ用語ではなく、あらゆるものがネットにつながことによって生まれる「世界の概念」を示すものだ。○モノとコトから生まれるサービス国内の大手電機メーカが苦しむ一方で、近年は3Dプリンタなどを利用したものづくりベンチャー「メイカーズ」が活躍している。「メイカーズ進化論」は、そのようなメイカーズの製品を取り挙げ、その土台を支える3Dプリンタやクラウドファンディング、モジュール化、インダストリー4.0といったキーワードをもとに解き明かす内容となっている。激変する製造業を「売れる」「作れる」「モノゴトで稼ぐ」の3つの切り口で解説する同書、分かりやすい文章で気軽に読むことができる。「IoT」の意味はなんとなくわかるけど、なぜこれが世界を変えると言われているのかわからない…といった人におすすめだ。そして、読み終えたら、身近なものをネットにつなげたらどのようなサービスが生まれるのかを考えてみてもいい。例えば、すでにある製品だが、感圧センサーを入れた座布団。座っていることを検知できるので、居酒屋の各席に置いて、混み具合や席の空き具合をリアルタイムにWebサイトに表示できるだろう。あるいは、座ったり立ったりした動作をもとに、お年寄りの見守りサービスとしての利用も考えられる。ほかにも、会社の席や自宅の居間などに置いといて、どこにどれだけの時間いたのかを計るライフログ的な使い方もできるだろう。このような「座布団」「座っていること」といった、モノとコトがネットにつながる世界、そしてそこから生まれるサービスは可能性に満ちている。そして、IoTにより深い関心を持ったならば、同じくNHK出版から10月に刊行されたジェレミー・リフキン氏の著書「限界費用ゼロ社会<モノのインターネット>と共有型経済の台頭」を手にとってみるのもいいだろう。
2015年11月20日トレンドマイクロとユビキタスは11月16日、IoT(Internet of Things)分野におけるセキュリティソリューションを共同開発することに合意したことを発表した。具体的には、(1)IoT関連の管理装置に組み込む「セキュリティソリューションのソフトウェア開発キット(SDK:Software Development Kit)」の共同開発、(2)セキュアなIoTクラウドプラットフォームの実現、(3)自動車向けセキュリティの共同研究の3分野における協業を開始する。IoT関連の管理装置に組み込む「セキュリティソリューションのSDK」の共同開発では、スマートテレビやエアコン、給湯器といった住宅設備機器など家庭内のIoTデバイスを家の外から遠隔操作する際や、家庭内の電力使用状況を把握する際に必要な管理装置(ホームゲートウェイ)に組み込むセキュリティソリューションを共同開発する。具体的には、ユビキタスの提供するIoTデバイスと管理装置が通信するためのスマートホーム関連技術と、トレンドマイクロのIoTデバイスを保護するセキュリティ技術「Trend Micro Smart Home Network」を組み合わせて、管理装置を製造、提供する事業者にSDKとして提供する。事業者はこのSDKを利用することで、家庭内のIoTデバイスに対する脆弱性を悪用する攻撃やウイルスの感染から防ぐ機能を管理装置に実装できる。また、セキュアなIoTクラウドプラットフォームの実現を目指す目標では、ユビキタスが提供するIoTクラウドプラットフォーム「dalchymia」に、トレンドマイクロの総合サーバセキュリティ対策製品「Trend Micro Deep Security」を導入し、「dalchymia」サービスのAPIとして利用できる環境を構築する。(3)の自動車向けセキュリティの共同研究では、次世代自動車に求められるセキュリティ技術とそれを活用したセキュリティソリューションの共同研究を行う。
2015年11月19日11月18日~20日、組込み総合技術展「Embedded Technology 2015(ET 2015)」およびIoT総合技術展「IoT Technology 2015(IoT 2015)」が神奈川・パシフィコ横浜にて開催されている。本稿では東芝グループのブース展示についてレポートする。○IoTを活用した故障予測サービス東芝情報システムは、組み込み機器にセンサーを搭載し、ここから得られたデータに対してクラウド上で機械学習を行うことにより故障を予測するというサービスを提供している。ブースに展示してあった冷蔵庫を例に説明しよう。まずは冷蔵庫内の温度や振動の状態をセンサーで検知する。なお、センサーネットワークは920MHz/Wi-Fi/Bluetoothなどユーザーの要望に応じて構築される。センサーデータは、すべてクラウド上へ収集・保存された後、正常時および異常時の温度や振動の教師データをもとに機械学習が行われる。ここで異常が検知された場合、たとえばメールで担当者やサービスマンなどに通知するといったことができる。また同社は、ヘッドマウントディスプレイを取り付け、ARや音声認識を利用することでマニュアルをみながら修理を行うことができるというソリューションも提供している。修理を担当するサービスマンは、両手が空くのでスムーズな作業が可能となる。○高画質をリアルタイムに配信できるプラットフォームブースでは、先進安全支援システム(ADAS)やアラウンドビューモニターといった車載での利用を想定した、Ethernet AVBで数ミリ秒という低レイテンシーでのHD画像転送を実現できるプラットフォームのプロトタイプも展示されている。来春での提供開始を予定しているという。
2015年11月18日日本マイクロソフトは11月17日、Windows 10 IoTに関する説明会を開き、IoTの進化に向けたMicrosoftの考え方などを紹介した。Microsoft Generalmanager、IoT Device Experience Sales & MarketingのRodney Clark(ロドニー・クラーク)氏は冒頭、「IoTの進化はMicrosoftにとって好機となる」ということを強調。特にBtoB領域、いわゆるIndustrial IoT(IIot)での市場創出機会への期待は高く、活用されていないデータをいかに収集、分析し、情報として提供できるようにするかが重要になってくるとした。この流れは日本でも同様で、ICT市場の成長率は2014年から2019年までの5年間のCAGRで-0.1%だが、同様の期間でIoT市場は同12%という市場予測を同氏は掲げ、「IoT市場にはセンサデバイスだけでなく、ゲートウェイや通信ソリューション、データの分析能力なども必要になってくる。日本マイクロソフトとパートナーは、そうした予測されている市場に対して最大限の利益をあげるための取り組みを協力して行っていく」とする。そうしたIoT分野に対する同社が提供する価値が「BETTER TOGETHER」だ。Windows Embeddedとして長年OSを提供してきたノウハウと、Azure IoT Suiteによるクラウドの俊敏性の組み合わせで、パートナーのビジネスの加速を図っていこうというもので、OSやデバイスの種類を問わずに統一したアプローチを提供していくことが可能になるとしている。すでにデバイスを探すIoTプロジェクトにAzure IoT Suiteのテスト済みで認証を受けたハードウェア、プラットフォーム、サービスの紹介を行うプログラム「Microsoft Azure Certified for IoT」が提供されており、Texas InstrumentsやIntel(Edison)、Freescale Semiconductorといった半導体ベンダのほか、Beaglebone BlackやRaspberry Pi2、MinnowBoard MAXといった開発ボードもリストに記載されている。Windows 10 IoTとして提供されるのはx86プロセッサに対応し、デジタルサイネージやPOS端末、KIOSK端末、ATM、FA機器などをターゲットとした「Windows 10 IoT Enterprise」、ARMプロセッサに対応し、モバイルPOSや小型の業務端末をターゲットとした「Windows 10 IoT Mobile Enterprise」、そしてx86、ARMともに対応し、IoTゲートウェイやスマートホーム/ビル、ヒューマンマシンインタフェース(HMI)といった分野をターゲットとする「Windows 10 IoT Core/Core Pro」の3エディション。ただし、Universal Windows Platform(UWP)として、Windows 10が稼働するどのような機器であっても、デバイスやリソースを活用できるように設計されているため、例えば、1つのUWPアプリを開発するだけで、PCからモバイル、組込機器に至るまで利用が可能となり、ROIの向上を図ることができるようになっている。またドライバも1つのUniversal Windows Driverで、すべての機器に対応可能となるため、周辺機器の接続性に関する敷居を低くすることなども可能となった。「あるデバイスを追加した際に、従来のPCやサーバと同様に管理をしたいというニーズがエンドユーザーからよく聞かされるが、こうした課題の解決に向けてOpen Mobile Allianceが策定したOpen Mobile Alliance-Device Management(OMA-DM)を採用しており、一貫性を確保しているほか、AllSeenが推進する通信フレームワーク『AllJoyn』により、プロトコルやエコシステムを越えて、組込機器同士が連携して動作することも可能としている」(Microsoft GeneralManager、OEM Technocal Sales - IoTのCarl Coken氏)とのことで、Windows端末以外の機器とも接続性を確保していることも強調。さらにMicrosoft Azure IoT Suiteに接続することで、クライアントデバイスからAllJoynなどを用いてデータをゲートウェイ経由でIoTハブに送り、そこからさまざまなデータの処理や、実行可能な情報への変換などまで一貫して実現することも可能だとした。なお日本市場向けては、これまで組込業界に対しては、何らかの機器開発の際に、カスタマにOSの評価を行ってもらう、といった取り組みが主であったが、IoT時代が本格化すれば、どのようなビジネス上の課題の解決に向けたソリューションを構築できるのか、エンドユーザーに向けてどのような価値を提供できるのか、といった話まで行っていく必要があるとのことで、単に製品の提供のみならず、サービス全体の提供に向けた協力関係の構築などが進むことになるであろうとのことで、すでに機器の接続性に向けたパートナーシップやデータ分析に向けたパートナーシップといった分野も含めたパートナーとパートナーのマッチングに向けた手伝いなども進め、パートナー同氏のビジネスの変革に向けた手助けを行っていければ、としている。
2015年11月18日レッドハットとグレープシステムは11月17日、スマートハウスのIoT対応として、データ収集・解析を容易にするECHONET Lite-MQTT変換システム「Clotho For ECHONET Lite」を発表した。同変換システムは、グレープシステムが開発したシステムで、スマートハウスで使用されるスマートメーターや各種家電機器の状態監視や制御をするするためのプロトコルであるECHONET Liteを、IoTプロトコルとして注目されているMQTTに変換し、ECHONET Lite対応のスマートメーター、太陽光発電などの省エネ機器、各種家電機器の情報を広域に集め、リアルタイムで横断的に解析して、電力供給制御などの各種用途へのフィードバックを容易にするもの。OSはRed Hat Enterprise Linuxを、ミドルウェアとしてRed Hat JBoss Middlewareを活用し、特にMQTTプロトコルを中継するMQTTブローカーは、軽量でハイパフォーマンスなメッセージ通信機能を提供するオープンソースのRed Hat JBoss A-MQを用いている。国内のHEMS(Home Electronics Management System)プロバイダー、家電メーカー、スマートメーターを提供する電力会社、クラウドサービスを提供している事業者などへの提供を想定しているという。
2015年11月17日自動車、家電などさまざまなモノがつながるモノのインターネット(IoT)の時代が現実になりつつある。だが、「セキュリティなしには成功しない」と警告するのは、フィンランドNokiaのノキアネットワークスでセキュリティ事業部門バイスプレジデントを務めるGuiseppe Targia氏だ。沖縄で開催された「Cyber3 Conference 2015」に参加するために来日したTargia氏が11月9日、都内でNokiaの考えるIoT時代のセキュリティについて話をした。10年後の2025年、インターネットを利用する人は50億人まで増えると予測されているが、インターネットに対応する"モノ(Things)"は、その10倍となる500億台にまで拡大するという。モバイルデータのトラフィックは今後、年率40%のスピードで増加し、コンテンツの80%は動画が占めるようになる。さらに、50%の"モノ"が、人間が介在することなく、ネットに接続される。これらネット対応のモノは、Nokiaがいうところの「プログラマブルな世界」の素地を作る。そこでは「インテリジェンスを持ち、モノが通信しあう世界になる」とTargia氏は展望を語る。ネットワーク側では需要に応じてリアルタイムでコアネットワークや無線を適応させられるようになるのだが、その下支えとなる技術が、2020年に商用化されるとみられる次世代の無線通信規格「5G」だ。5Gはこの世界を見越し、下り最大10Gbps以上という高速性と、1ミリ秒以下という低レイテンシー、1万倍のトラフィックを支えるキャパシティーなどの要件を満たすように標準化が進められている。クラウドを利用することでアプリケーション環境がユーザーの移動に合わせて移動できるようになり、拡張現実(AR)や、自動運転カー、遠隔医療など、われわれに多大な利便性を及ぼすことが予想される。また、「インダストリー4.0」に代表されるように、製造現場においても大きなメリットが期待されている。「しかし、これらはセキュリティなしにはうまくいかない」とTargia氏は警告する。実際、サイバー空間の脅威は急速に変化/拡大している。かつては個人が趣味ベースで腕試し的に行われていたハッキングだが、いつしか組織化され、高度なプロによるオペレーションが増えている。モバイルのマルウェアはボットネット化するケースも出てきており、9月には初とされるiOSのマルウェア「XcodeGhost」が報告された。アンダーグラウンド市場では簡単に攻撃を開始できるエクスプロイトキットが販売され、サイバー攻撃の敷居をさらに下げた。このように、Targia氏はトレンドをまとめる。IoTの脅威に絞ってみると、「サービスの中断」「システムの破壊・妨害」「システムののっとり」「情報の不正収集」「システムの操作」の5つに大きく分類される。たとえばサービスの中断では、ネットに対応した監視カメラ、信号が動かなくなるなどの攻撃がすでに起こっているとのこと。街頭の看板が書き換えられた例も報告されている。この日Nokiaは、監視カメラをのっとり、クリック広告の仕組みを悪用して、不正に収入を得ると同時にスパムメールを送りつけるというデモを行った。ネットワーク機器ベンダーのNokiaがセキュリティを重視する理由は、単にセキュリティが重要になっているからだけではない。PCとは異なり、末端にある端末側はアンチマルウェアソフトを搭載しないものがほとんどだ。このような状況では「ネットワークレベルで脅威保護が重要になる」とTargia氏は主張する。そして、ネットワーク事業者とNokiaなどのネットワーク技術ベンダーの役割として、「ユーザーとIoTデバイス、IoTサービス事業者、インフラの4つの点から保護する必要がある」と説明した。○IoTのセキュリティ、具体的な課題は?IoT特有の課題はいくつかある。例えば製品ライフサイクルでいえば、スマートメーターなどのIoTデバイスは、これまでの携帯電話と比較すると長く使われる傾向にある。これは、「どのようにしてデバイスを最新の状態にアップデートするか」という課題をもたらす。また、デバイスが発するシグナル(信号)を、マルウェアから操作することでシグナルをたくさん送りつける「シグナルストーム」の可能性もあるという。ネットワーク側のセキュリティ対策としては、SIMやソフトSIM(UICC、eUICC)などを利用した確認と認証、ネットワークアクセス制御、データ保護、ネットワークのアベイラビリティ、そしてIoTデバイスの管理サービスなどがある。またTargia氏は、具体的な対策として、「望ましいIoTトラフィックのみを許可するなど攻撃のベクトルを減らす」ほか、「異常なトラフィックとシグナルの検出」「ファームウェアと設定のアップデートなどのセキュリティ管理」「最新のセキュリティプロトコルの利用」などのアプローチを紹介した。NokiaはTargia氏のもとで2014年にセキュリティ事業を立ち上げ、ソリューションの開発と提供を進めている。Targia氏は同日、Nokiaのセキュリティソリューションの中から「Mobile Guard」を紹介した。日本では営業活動を始めたところの製品だが、モバイルネットワーク上のデバイスのモニタリングが可能になるもので、検知機能と、マルウェアデータベース、アクションエンジン、ダッシュボードで構成されている。スマートフォンなどの既存の携帯端末に加えてIoTもカバーしており、携帯端末がすべきではない行動に基づく"ブラックリスト"のアプローチであるのに対し、IoTでは端末がすべきことのみを許可する"ホワイトリスト"のアプローチをとる。これにより、異常を検出して管理者に知らせたり、端末を隔離するなどの緩和策をとることができるという。
2015年11月14日さまざまなモノをインターネットにつなげることで情報のやりとりと新たな価値の創造が可能になるといわれているIoT(Internet of Things:モノのインターネット)。その考え方をデジタル化が進む企業のマーケティングに当てはめると、どのような変革がもたらされるのだろうか? IoT環境の構築を支援するマイクロサーバー「OpenBlocks IoT Family」シリーズを開発・販売する、ぷらっとホーム 代表取締役社長 鈴木友康氏に、幕張メッセで開催された「Japan IT Week 2015」の会場でお話を伺った。○“小さい”技術がコンピューティングの可能性を拡げる本題の前に、前提としてIoT環境においてマイクロサーバーがどのような役割を果たしているのかについて鈴木氏に聞いた。同氏によると、マイクロサーバーは工場や倉庫、店舗などモニタリングしている場所に散りばめられた複数のセンサーが集めたデータをサーバーに保存する前に、集約・整理することができるゲートウェイの役割を果たす。センサーがひとつひとつ通信機能を持ちサーバーと通信するよりも高い効率と低い通信負荷の環境を構築することができ、またセンサーの低コスト化も可能だ。同社はIoTが話題になる前の2000年に第1号機を発売し、以来9世代にわたり累計で約10万台近くを販売している。10月には全製品がマルチクラウド接続に対応したほか、Beaconによる位置情報管理システムの構築を想定した「OpenBlocks IoT BX0」を発表した。「超小型の機器だが、サーバーとしてしっかり機能することが特長だ。これにより、大型のサーバーが置けない環境にも設置が可能で、データ収集・解析のシーンを拡げることができる。インフラに導入しても安定的に運用できる信頼性の高さ、オープンソースを活用したプログラム構築ができる点、柔軟にプログラムの更新ができるためセキュリティの堅牢性を確保できる点なども特長だ」と鈴木氏は語る。特に、小型であるということはIoTの環境を構築する上において重要な要素だ。従来の環境にセンサーによるモニタリングを導入しようとした場合、大型のサーバーでは設置できるスペースがなく、大容量の電源を必要とするためコストも掛かる。鈴木氏は、「小さいことで、今までコンピュータが入り込めなかった世界にコンピューティングが入っていける。これまで手に入れられなかったビッグデータを入手することで世の中がすみずみまでわかり、企業の事業推進やマーケティングが大きく変わる」と語り、“世の中を知る”、“顧客のニーズや課題を知る”ということをミッションにしている企業のマーケティング活動によって、簡単にIoT環境を構築してこれまで知りえなかった真実をデータから知ることで、企業活動が大きく変わっていくことに期待を寄せた。「IoTとは結局のところ、見守ったり“見える化”したりするということ。課題を解決して価値を提供したいというマーケティング活動にとって重要な“見える化”を実現するためには、大掛かりな仕組みを入れずに安く手軽に安全にIoT環境を導入できることが重要ではないか。こうしたインフラの導入は、従来はSIerに高いコストを支払って全社的なシステムとして構築するほどの大きな事業になったが、マイクロサーバーと安価なセンサーを組み合わせれば、部署単位で導入してテストマーケティングを実施することも可能だ」(鈴木氏)。○IoTによって感覚値からデータドリブンへとマーケティングを変貌させる鈴木氏は、センサーとマイクロサーバーによるIoT環境の構築事例として、メーカー企業の生産ラインの管理、業務用機械のモニタリング、物流倉庫における荷物管理などを挙げている。そして、最近導入が進んでいるのが商業施設や介護施設、医療機関や学校などでBeaconと連動した位置情報管理システムの構築事例だという。また珍しいところでは、災害復旧工事が行われている原子力発電所の放射線モニタリングポストにも同社のマイクロサーバーが導入されているとのこと。これまでIT化が難しかった環境や非IT産業に導入が拡大しているのが印象的で、いずれの場合もこれまで見えなかったデータを“見える化”したり、収集したデータをリアルタイムに解析したり他のデータと組み合わせることで、環境の変化を即座に把握したりするといった狙いが見えてくる。こうした導入事例について、鈴木氏は「これまでは、“わかる”ためのコストが膨大だった。それが安くなることで、わかることが増える。良いことも悪いこともわかることで、次にどのようなアクションが必要かということがわかるようになる」と語る。これまで数値化することができなかった環境をIoTによってモニタリングすることによって、データドリブンの加速、データ解析の質向上が期待できる。もちろん、そこには見たくないデータも含まれるかもしれない。しかし、IoTは目を逸らすことができない“真実”をデータという形で目の前に提示する。課題が数値という形で見えることで、これまで勘と経験値に頼っていたマーケティングを変革させ、“次に何をすべきか”という問いに対するヒントが手に入るのだ。○IoTがもたらすマーケティングの新世界、その実現に向けた課題とはそれでは、IoTによって企業のマーケティング活動はどのように変革していくのか? 変革を実現するために、企業にはどのようなアクションが求められるのか。鈴木氏は、大手コンビニチェーンであるセブン・イレブンを例に挙げて次のように語っている。「セブン・イレブンは小さいスペースで収益を最大化させるために、リアルタイムにモノ(商品)の動きを把握してそれに応じたアクションプランを作り出す環境、タイムリーに売れる商品を店頭に並べていくという環境を可能にする変革を生み出した。それにはPOSシステム(レジによる在庫・売れ行き管理)が大きく貢献したのだが、重要なのはセブン・イレブンがPOSシステムをどのように活用するかを考えたことだ」(鈴木氏)つまり、セブン・イレブンはPOSという“道具”に任せるだけでなく、POSが生み出すデータからアクションプランを構築するプロセスまでを一気通貫で企画・設計したことで、マーケティング活動を変革させることに成功したのだ。鈴木氏は「これはIoTにも通じるものがある」と語り、重要なのはIoTの環境を構築することではなく、それを活用してどのようなマーケティング・エコシステムを構築することだという認識を示した。IoT環境の導入によって、これまでPOSだけでは見えなかった人の動き、モノの動きが見えてくる。しかし重要なのはそうしたデータを収集する“道具”ではなく、そこから生まれたデータを活用して企業の事業にインパクトをもたらすためのプロセスを考えること。マーケティングの本質は、データを知ることではない。そこに潜む課題を見つけ出し、その課題に対する答えを考えていくことなのである。「重要なのはIoTそのものではなく、IoT環境が生み出したアウトプットに企業がどうスピーディに対応するかということ。これを理解して革命的なマーケティングを実現する企業は、今後必ず現れる。IoTの創成期である今は、どの企業にもチャンスがある状況であり、マーケティングは今後もっと面白くなってくはずだ」(鈴木氏)
2015年11月13日ADLINK Technologyは、産業仕様のクラウド・アプリケーション向けIoTゲートウェイとして、「Intel Quark SoC X1021プロセッサ」を採用し、Intel IoTゲートウェイに対応した「MXE-100iシリーズ」を発表した。同製品は、産業仕様のEMI/EMS規格(EN 61000-6-4、61000-6-2)に対応し、Wind RiverのIDPとADLINKのSEMAソリューションを共に使用することで、管理性と安全性を最大限確保することができるという。また、そのサイズは11.9cm×9.9cm×55.1cmで、-20~+70℃の環境でフル使用が可能。ケースはアルミニウム製ながら堅牢な構造であることは実証済みとしており、産業仕様のEMI/EMS認証のほか、それぞれ最大5Grmsおよび最大100Gの動作時耐振動および耐衝撃性に対応しているという。さらに、同社では、デバイスとクラウド間の接続を容易にし、IoTアプリケーションの開発を加速することを目的に、独自のIoTデバイス・センサ管理ユーティリティ「ADLINK EdgePro」の提供も行う。このデバイス・センサ管理アプリケーションはIntel IoTゲートウェイで使用可能で、ZigBeeやFieldbusのModbus TCPといったフィールド・プロトコルのプラグインを使ってデバイスやセンサを管理することが可能となっている。なお同社では、同製品のほか、Intel Atom E3826プロセッサ採用の「MXE-202iインテリジェントIoTゲートウェイ」や「EdgePro IoT管理アプリケーション」、光センサ、関連したサイレン出力、Modbus TCPモジュール、アクセサリを同梱したIoTゲートウェイ・スタータ・キットを提供しており、こちらはすでに入手可能だとしている。
2015年11月12日富士通エレクトロニクスは11月12日、IoT用途に適した920メガヘルツ特定小電力無線帯域を利用した「WisReed 通信モジュール MSB1402」の受注を11月末から開始すると発表した。同モジュールは、富士通のスマートネットワーク技術「FUJITSU Intelligent Society Solution WisReed」を搭載したもので、RSILインターフェースを搭載した量産対応型のモジュール。ARM Cortex-M3を搭載しており、センサーセンシングに使用可能なシリアルインターフェースやADC、機器制御に使用可能なPWM、GPIOの機能リソースを使用することができる。また、ユーザーがセンシングや機器制御プログラムを開発し搭載することも可能なため、同モジュール単体でネットワーク端末機器を構築することが可能。ユーザープログラムの開発には、標準的なARM開発環境が使用でき、通信制御およびリソース制御を含めた4種類のインターフェースを提供するという。ハードウェアはロームの「特定小電力無線モジュール BP35A1」を採用。サンプル価格は8500円(税別)。
2015年11月12日ノバルスは11月11日、スマホでコントロールできる乾電池型IoT製品「MaBeee」を製品化するためのプロジェクトをクラウドファンディングサービス「Makuake」にて開始したと発表した。同プロジェクトでは、90日間で50万円を集めることを目標としているが、11月12日午前の段階ですでに200万円以上の支援が集まっている。MaBeeeは、乾電池を装着することでスマホをリモコンやアクセルに変えることができる乾電池型のIoT製品。プラレールやミニ四駆など自分の作製した工作に装着することで、スマホのアプリからそれらの製品をコントロールすることが可能となる。3888円~16万3200円の8つの出資コース(いずれも税込)が設定されており、一般発売前に同製品を割引価格で購入できる権利が見返りとして提供される。
2015年11月12日アットマークテクノは11月11日、IoTシステムの実現に必要な組み込み型ハードウェアとその周辺サービスをまとめた「Armadillo-IoTデバイスプラットフォーム」を中心としたIoTシステム向けのものづくりを実現する仕組みを確立し、同月より順次提供開始すると発表した。同社は、IoTゲートウェイを中心としたデバイス群と、その長期運用に必要とされるサービスを網羅した「Armadillo-IoTデバイスプラットフォーム」、およびそれらを一括手配できる「BTOサービス」により、組み込み機器開発の知識・経験や安定的に機器を動かすためのノウハウを提供していく。BTOサービスは、同社が組み込みプラットフォーム「Armadillo」ユーザーの開発・製造をバックアップする「Armadilloモノづくり支援サービス」のひとつで、パソコンのBTO(Build to Order)と同じ感覚で、セミオーダー式メニューから選択して量産品を一括手配することができるもの。搭載するモジュールの種類やケースの有無、ROMイメージの書き込みなど、必要な機能を選択するだけで手配できる。Armadillo-IoTデバイスプラットフォームは、「Armadillo-IoT Devices」と「node-eye」という二つの要素から構成される。Armadillo-IoT Devicesは、Armadillo-IoTゲートウェイを中心に、デバイス部分をひとまとめにして提供できるプラットフォーム。node-eyeは、IoTデバイス運用管理に必要な基本機能をArmadillo-IoT Devices向けに提供するクラウドサービスとなっており、リモートからArmadillo-IoTゲートウェイのパラメータの設定やファームウェアアップデート、稼働状況のモニタリングなどのデバイス運用管理機能を、ポーティング作業なしにArmadillo-IoTゲートウェイに実装することができる。同社はこれらの仕組みにより、ものづくり経験の少ないクラウド事業者やサービス事業者でも手軽にIoTシステムの構築をスタートアップできるよう支援していくとしている。
2015年11月11日NECは11月9日、IoTソリューションを支えるICTプラットフォーム製品事業の強化として、エッジコンピューティングを中核に、デバイスを含めた統合運用管理やデータ分析など、IoT関連技術に注力し、2016年度中に開発要員を現状の300名から1,000名に増強することを発表した。また、製品強化の第一弾として、1ラックあたり572台のサーバを収容可能で、大量で多様なデータ分析に適したな集積サーバ「DX2000」や、離れた場所にあるCPUやGPU(3Dなどの画像に必要な計算処理を行う処理装置)などのコンピューターリソースを高速な通信を介して接続する「ExpEther 40G」を同日より発売を開始した。また、スマートデバイスからクラウドを介してデバイスを遠隔利用できるソフトウェア「Collaboration Assistant」を2016年度に発売する予定だと発表した。同社の執行役員常務 庄司信一氏は、同社が考えるIoTの5層モデルにおける強化ポイントとして、5つ挙げた。「1点目は、無数のデバイスから収集された大量なデータをリアルタイムで処理し、有効に利用するための高速なコンピューティング基盤と高精度な分析処理。2点目は、負荷の変動に応じて、アプリケーションを最適な場所で実行させることで、サービス提供を可能とする分散協調型処理。3点目は、データを安全かつ効率的に処理するデバイスの仮想化。4点目は無数のデバイスが接続される5層全体のセキュリティの確保。5点目はデバイスやネットワークを含めた統合管理。IoTシステムを迅速に導入し、安全に運用していただけるよう、組織を上げて取り組んでいく」(庄司氏)同社の執行役員 福田公彦氏は、「今後、大量のデバイス(モノ)がネットワークを介してシステムに接続されるようになると、モノから上がってくるデータを活用して、"コト"を理解し、新しい価値を生み出していくことが期待されてくる。大量のモノがつながり、システムが煩雑化し、大規模化する中でうまく円滑にシステムを動かすためには、エッジコンピューティングの概念が必要となる。また、複数のアプリケーションで連携しながら、最適な場所でサービスが提供されるような分散協調型の処理も必要だ」と、エッジコンピューティングと分散協調型処理の必要性を述べた。新製品となる「DX2000」は、1ラックあたり572台のサーバを収容可能な集積サーバ。高速なインメモリ分散処理に適した設計により、大量・大規模・多様なデータの高速処理が必要なリアルタイム分析に最適とされ、事前に検証済みの分散処理ミドルウェア「Hadoop」と組み合わせることで、従来システムで数時間を要する分析を数秒~数分で処理することが可能だという。1シャーシ14台のサーバから導入可能で、データ量や必要処理量に応じてシステム拡張が可能となっている。価格は1シャーシ14台サーバ搭載時で1,150万円~(税別)、出荷日は2016年2月となっている。「ExpEther 40G」は、コンピューターの設置場所や筐体サイズ、電源確保などの物理的な制約を受けずにCPUやGPU、ハードディスクなどのコンピューターリソースを、高速な通信を介して遠隔接続することが可能となっている。複数のサーバの拡張スロットに「ExpEtherボード」を挿入し、Ethernetで接続することで、1つのコンピューターリソースとして利用可能だという。また、「I/O拡張ユニット」にGPGPUや高速なSSDといったPCI Express準拠の各種周辺装置を挿入することで、柔軟なI/O拡張も可能としている。さらに、通信にはNECの独自技術となる高速・軽量暗号技術「TWINE」が利用されており、データ量の増加に応じた効率的なシステム拡張や、安全で高速なデータ転送を実現するとしている。価格は「ExpEtherボード」と「I/O拡張ユニット」のセットで、55万円~(税別)、出荷日は2016年3月となっている。2016年度発売予定の「Collaboration Assistant」は、デバイス層において、センサーや周辺機器を活用したデータ収集や、機器操作、アプリケーション利用を可能とするクラウドサービス。同サービスを活用することで、例えば現場作業者がスマートフォンなどを用いて、収集したデータや作業状況がクラウドセンターを介して熟練技術者などと共有することができ、場所や距離の制約を超えてさまざまなノウハウを活かすことが可能になるとしている。同社は、2020年にはIoT関連事業で3,000億円を支える事業体制へ変革することを目標に掲げた。
2015年11月10日ベライゾンは11月4日、IoTの合理化によって市場での採用を迅速化させるグローバル戦略を発表した。グローバル戦略では、ThingSpace のリリースなど、複数の新たな発表を行った。ThingSpaceは新たなIoT プラットフォームで、開発者がアプリケーションを開発し、顧客がデバイスを管理し、パートナーがサービスを販売するためのオープン環境な統合型垂直ソリューションとなる。ほかにも、次世代IoT導入事例に向けた新しい専用ネットワークコアと接続オプションの提供を行うほか、農業・医療・家電の進化やシェアリングエコノミー(共有型経済)における大きな課題に対応するため、イノベーションを推進する。また、IoT導入のためのベライゾンのビッグデータ・アナリティクス・エンジンの商業化を図るほか、3種類の新しいエンド・ツー・エンドのスマートシティ・ソリューション「Intelligent Video」「Intelligent Lighting」「Intelligent Traffic Management」を提供する。ベライゾンのエンタープライズプロダクト担当シニアバイスプレジデントであるマイク・ランマン(Mike Lanman)氏は「スマートシティやコネクテッドカー、ウェアラブル分野での継続的なイノベーションは、将来の私たちの生活と働き方にIoT が大きく関わってくることを示している。IoT は大きな可能性を秘める一方で、極めて複雑であり、断片化され、接続が高額で、拡張が困難です。将来の成功は、複雑さを解消し、IoT モデルを変革できるリーダーにかかっている。ベライゾンの役割はまさにそこにあります。ネットワーク、デバイス、プラットフォーム、アプリケーションで豊富な経験を持つベライゾンは、包括的アプローチによってIoT の採用をシンプルにし、数百万の接続からなるIoT 市場を数十億の接続へと拡張する」と述べている。
2015年11月06日アドバンテックと三井物産エレクトロニクス(MBEL)は11月5日、アドバンテックのIoT向けハードウェア/ソフトウェアソリューション活用支援プログラム「WISE-Cloud Alliance」の基本契約を締結したことを発表した。WISE-Cloud Allianceは、センサモジュールやゲートウェイなどのIoT向けハードウェア、およびこれらのハードウェアから生成されたデータをクラウドサービスで活用できるようにするためのソフトウェアプラットフォームである「WISE-PaaS」の活用支援を行うプログラム。同アライアンス契約の締結により、MBELにはサーバ/エージェントソフトウェア&SDK、サンプルコード・ソースコードの提供、Microsoft Azureの使用ライセンス、IoTデータ収集ゲートウェイ・IoTエンベデッドシステムなどのハードウェア、および製品トレーニングとサポートが提供される。また両社は、共同での営業活動・イベントプロモーションを通じ、IoT導入を進める顧客やシステムインテグレータに、ワンストップでのIoTソリューション提供を推進。特に、各種製造業の生産現場、公共・社会インフラ、環境・エネルギーなど、無線センシングを活用できる市場に注力していくとしている。
2015年11月05日NECは11月4日、無線通信機器や放送機器を生産するNECネットワークプロダクツの本社工場(所在地:福島県福島市)において、IoT(Internet of Things)を活用した実証実験を10月から開始したと発表した。NECプラットフォームズでホームルータや組込み機器などを生産する掛川事業所においても、IoTを活用した実証実験を今年度中に開始する。今回の実証実験では、経営者・工場管理者・現場の各階層でのタイムリーかつ適切な意思決定を支援するため、複数工場の生産ラインにおける品質や稼働状況など人・設備・モノに関する情報のリアルタイムかつ一元的な可視化に取り組む。また、収集データの分析・活用として、同社の「物体指紋認証技術」を活用し、プリント基板の個体管理を実施。個々のプリント基板の側面をカメラで撮影し、物体指紋を取得・認証することで、バーコードやRFIDタグを貼付することなく容易にトレーサビリティを実現する。そのほか、人工知能ソフトウェア「NEC Advanced Analytics - RAPID機械学習」を活用し、装置組み立てラインのカメラ映像から作業員の異常作業をリアルタイムに自動検出。不良発生リスクをその場で検出・手直しするとともに、作業改善・作業者教育を行うことで、品質向上を実現する。今回の実証実験の結果を踏まえ、2016年度以降にIoT活用標準システムの構築および各生産拠点への展開を推進することで、生産効率の従来比30%向上を実現し、グローバルでのQCD競争力強化を図るとしている。
2015年11月05日東芝とGEデジタルは11月4日、産業用機器向けIoT分野で協業を推進していくことに合意し、東芝製の産業用機器においてGEのインダストリアル・インターネットのソフトウェアプラットフォーム「Predix」を活用したパイロットプロジェクトを共同で開始する契約を締結したと発表した。東芝はIoTサービスやソリューションの構築・提供を支えるIoTサービス共通基盤「Toshiba IoT Architecture」において、Predixの導入およびその活用に関する手法を検討。Toshiba IoT Architectureの機能・信頼性強化とサービスを迅速に提供する環境の構築を実現し、産業用機器、社会インフラ機器など東芝が持つ幅広い製品への適用を進めていくとしている。具体的な活動として、両社は東芝製ビル設備を対象としたパイロットプロジェクトを通じて、データ収集・見える化・分析・予測・最適化などによる保守業務の効率化や予防保守の高度化などの実現性についての検証を進めていく。また、東芝のChip to Cloud(C2C)ソリューション、メディアインテリジェンス技術などのIoT関連技術をPredixに導入することを検討するという。
2015年11月04日ソフトバンク・テクノロジー、エナジー・ソリューションズ、サイバートラスト、ユビキタスは、10月29日に、セキュアIoTプラットフォームの開発・構築及びサービス化を共同で実施することに合意したと発表した。10月19日には4社合同で、ソーラーモジュール等の検査対象物をカメラを搭載したドローンを用いて検査する検査システム、及び検査方法に関する特許を出願し、セキュアIoTプラットフォーム共同事業の第1弾として、太陽光発電所保守メンテナンスの義務化を前に、ソーラーモジュール検査サービスの提供に向けて開発を進めていくという。4社はそれぞれが持つ知見、経験と技術を生かして、スマートなIoTデータの接続とデータ収集、デバイスや利用者、サービスの認証、より効率的なクラウド環境の構築とBigData解析といったシステム面と、IoTデータを事業で利活用するためのユーザー的見地を合わせて、安心、安全にIoTデータを扱える「セキュアIoTプラットフォーム」を共同で提供することを目標に協業を推進する。また4社は、ドローンを活用した「ソーラーモジュール検査サービス」の可能性を評価し、その事業化を通じて、IoTデバイスを対象としたセキュアな通信・デバイス制御・データ収集/解析や機器のセキュアな運用をクラウド基盤上で実現する「セキュアIoTプラットフォーム」の構築を目指し、共同で必要な技術開発およびサービス提供を進めることに合意した。各社の役割は、エナジー・ソリューションズが、ソーラーモジュール検査システム、赤外線サーモグラフィーデータ解析システムの開発、ソーラーモジュール検査事業における事業展開、サイバートラストが認証機関およびセキュリティ構築、ソフトバンク・テクノロジーが、クラウド環境の構築・運用、BigData 管理・解析サービスの提供、ユビキタスがIoT データ収集、ドローン等の組込み・制御ソフトウェア開発を行う。今後は、デジタルビジネスを加速させるIoT分野の事業展開だけでなく、事業法人の設立も視野に、さまざまなIoT分野におけるサービス開発と事業を検討していく予定だという。サービス第1弾となる「ソーラーモジュール検査サービス」では、ドローンに赤外線センサーを装着上空よりホットスポットを検査を行う。ソーラーモジュールに発生する「ホットスポット」の現象は、製造時のハンダ不良などの不具合、落ち葉などの付着が原因となり、その部分が発熱してモジュールの一部が破損する現象。従来のモジュール検査方法は、人手によるドローン操縦や個別に赤外線カメラでソーラーモジュールを撮影してセルの異常温度部分を発見していた。4社が目指す「ソーラーモジュール検査サービス」では、自動航行をサポートするドローンを活用するため、専門操縦スタッフの配置が不要で、事前設定されたフライトスケジュールをオンラインで配布するため、検査コストが従来の1/2~1/3に削減されるほか、赤外線カメラをドローンに搭載し、自動航行による操作の自動化により1MWメガソーラーで20分程度の撮影時間と、クラウドへのリアルタイムの解析用撮影データの蓄積が可能だという。
2015年10月29日Qualcommは、Internet of Things(IoT)向けLTEモデムとして「MDM9207-1」および「MDM9206」を発表した。また、併せて、IPカメラのリファレンスプラットフォーム「Qualcomm Snapdragon 618」も発表した。MDM9207-1は、IoT機器向けに開発され、LTEカテゴリ1ダウンリンク最大10Mbps・アップリンク最大5Mbps、デュアルRxまたはシングルRxに対応しており、パワーセーブモード(PSM:Power Save Mode)により10年以上のバッテリー寿命を可能とするなどのカスタマイズ可能な機能をサポートしている。提供時期としては、2016年上半期に発売される製品に搭載される予定とするほか、MDM9206は、LTE Cat-M(eMTC)およびナローバンドIoT(NB-IOT)を策定する3GPPリリース13にあわせて仕様が決定され、提供される予定だとしている。一方のSnapdragon 618は、4K HEVCビデオやカメラによるビデオ画像解析などに対応したリファレンスデザインとIPカメラSDKで構成されたプラットフォームで、デュアルARM Cortex-A72コア(1.8GHz)+クアッドCortex-A53コア(1.2GHz)の6コア64ビットCPUを搭載しているほか、ダウンリンク/アップリンク最大2×20MHzのキャリアアグリゲーションなどが可能となっている。すでにOEMに利用可能となっており、2016年上半期に発売されるカメラに搭載される予定だという。
2015年10月27日英ARMは20日(現地時間)、ウェアラブルデバイスやIoT(Internet of Things)デバイス向けのGPU「Mali-470」を発表した。ライセンス供与はすでに開始しており、搭載デバイスは2016年後半に量産される見込みという。スマートウォッチやホームゲートウェイ、産業用制御パネル、医療モニターといった消費電力に制約がある製品向けに電力効率を高めたGPU。ARM Cortex-A7またはCortex-A53といったプロセッサと組み合わせることで、これらの機器に適したSoCが構築できるという。既存の「Mali-400」と比べて、フレームレートと反応速度の向上に加え、半分の消費電力、2倍のエネルギー効率を実現。また、シングルコア構成で最大640×640ドットの解像度に対応するほか、マルチコア構成の場合はさらに高い解像度をサポートする。このほか、ダイ面積を「Mali-400」比で10%削減した。
2015年10月26日日立製作所は10月23日、グローバルに事業を展開する製造業向けにIoT(Internet of Things)技術でバリューチェーン全体をデータでつなぎ、モノづくりに関するQCDR(品質・コスト・納期・リスク)の全体最適化を実現する「Hitachi Total Supply Chain Management Solution/IoT(TSCMソリューション/IoT)を10月26日から販売開始すると発表した。2016年1月4日の提供開始を予定しており、価格は個別見積もり。同ソリューションは経営管理、設計、製造、サプライチェーンマネジメント(SCM)など、製造業のバリューチェーンを支える各業務システムをクラウド経由で相互に連携させることにより、グローバルに分散する拠点間で、設計や製造設備、部品在庫の状況などに関する情報をリアルタイムに共有し、一体的な生産管理を行うことができる。これにより、グローバルに一体的な生産管理を行い、モノづくりのQCDR(品質・コスト・納期・リスク)を最適化し、例えば製品回収が必要となった場合、工場内に蓄積した3M(Man=人間、Machine=設備、Material=部品、原材料)に関するトレーサビリティ情報から回収の影響範囲を容易に特定し、経営への影響を最小限に抑えることができるとしている。そのため、メーカーのみならずサプライヤーまで情報の連携範囲を広げることで、バリューチェーン全体での影響範囲を最小限に食い止めることができる。また、特定拠点の設備の稼働状況に異常が発生した場合、設備の稼働を管理するシステムに異常を通知し、保全システムにメンテナンスの実行を指示するなど、機器の故障に伴う納期遅延や製品品質の低下を抑止することが可能だ。今後、日立は製造業のバリューチェーンの全体最適化を支援するサービス群を「Hitachi Total Supply Chain Management Solution」として体系化し、サービスラインアップの拡充と機能強化を推進していく。
2015年10月23日NECは10月22日、建設機械メーカーの竹内製作所から、SDNを活用した本社工場のネットワーク基盤を受注したと発表した。ネットワーク基盤は、将来的なIoT(Internet of Things)活用による「つながる工場」の実現を見据えて導入するもの。SDNの特長を生かして、仮想ネットワークによる制御系システムのセキュリティ確保や、GUI画面による容易なネットワークの設計・設定、IoT活用によるデータ量の増大に応じた迅速で柔軟なネットワークの拡張、サイバー攻撃対策の自動化などを実現する。竹内製作所は、既存のネットワーク機器を生かしつつNECのSDN対応製品「UNIVERGE PF シリーズ」を部分的に導入することで、コストの最適化を図る。稼働開始は2016年2月を予定している。
2015年10月22日テキサス・インスツルメンツ(TI)は10月19日、Microsoft Azure Certified for Internet of Things(マイクロソフトのIoT向けAzure認証)取得済のIoT向け低価格評価キット3品種を発表した。同社は、Microsoft Azure IoT Suiteに対応した最初の半導体ベンダの1社としてワイヤレス・マイコン製品やプロセッサの評価キットを供給。これにより、組込み製品開発各社がIoTの新時代に向けた製品の迅速な開発を可能にするとしている。Microsoft Azure IoT Suiteのエージェント・コードは、TIのローパワー SimpleLink Wi-Fi「CC3200」無線MCUローンチパッド・キットや、 Sitara「AM335x」プロセッサをベースとした BeagleBone BlackやBeagleBoard Greenキットなどに移植済みで、今月以降、追加のTI製品も発表を予定されている。今回のマイクロソフトの認証プログラムは、TIをはじめとしたメンバー各社のハードウェアがAzure IoT Suiteとの間に互換性を備えていることを証明するもので、TIの低価格開発キット製品を購入した開発各社は、IoTエージェントに対応するMicrosoft Azureをダウンロードし、クラウドに簡単かつ迅速に接続できるようになる。同社製品をベースとしたMicrosoft Azure Certified for IoTの認証取得済キットである、SimpleLink Wi-Fi「CC3200」ワイヤレス・マイコン・ローンチパッド・キットは、低消費電力、かつセキュアなクラウド接続を可能とするもの。また、1GHz動作のARMCortex-A8コアを統合済みのTI Sitara「AM335x」プロセッサをベースとしたBeagleBoard.orgのBeagleBone Blackボードは、Ethernetのほかに、TIのWiLink 8 Wi-Fi + Bluetoothcomboコネクティビティ・モジュール製品を経由し、Wi-Fiコネクティビティをサポートする。さらに、BeagleBone BlackをベースとしたSeeedStudioのBeagleBone Greenボードは、幅広いGroveセンサ製品ファミリーへの接続を簡単に追加可能にする。
2015年10月21日SAPジャパンは10月19日、日本におけるIoT(Internet of Things)を活用した「第4次産業革命」を推進する専任組織「IoT/IR4(Internet of Things/Fourth Industrial Revolution)」を発足した。同社によると、世界中でIoTをテコに製造業に新たな競争軸をもたらす活動が活発に行われているが、第1次~第3次までの産業革命が主に「製造業」革命であったのに対し、IoTとデジタル化がもたらす、今日の「第4次産業革命」は製造業と非製造業の境界をなくし、あらゆる業種・業態に広範なインパクトをもたらすことが明らかになってきたという。同社は、IoTは「顧客観察プラットフォーム」であり、顧客による利用状況を精緻に把握することで顧客のことを顧客自身よりも深く理解することを実現し、また、ERPは「企業のデジタル・ツイン構築」のためのツールであり、企業の競争力の源となっている既存の業務プロセスをデジタルに把握しシームレスにつなげることで、より高度な企業活動を実現しているととらえている。さらに、IoTによって得られる顧客理解を、デジタル化された業務プロセスとつなぐこと(IoP:Internet of Processes)により、企業は顧客の真の欲求をより高い次元で満たす、新たな競争軸を手にすることができるとしている。こうした背景をもとに、同社は第4次産業革命をより強力に推進し、パートナーとともに日本企業の競争力強化に取り組む専任組織を発足させた。組織は約50名で構成され、今後増強していく予定。同社は今年7月に「SAP Industry 4.0 Co-Innovation Center powered by COIL Tokyo」を設置し、インダストリー4.0に対する取り組みを進めてきたが、今回それを強化し、対象業種も全業種とすることで、日本企業が「第4次産業革命」を先んじて制するための支援を行っていく。
2015年10月20日