三笘薫、旗手怜央、田中碧。今シーズンのJ1リーグでの川崎フロンターレ独走の立役者の3人。U‐24日本代表にも選ばれ、その活躍に注目が集まる。取材後、田中が海外移籍を発表。期せずして奇跡の3ショットとなった彼らがさまざまな思いを明かしたロングインタビューを公開。前後編のまずは前編をお届けします。プレーの強みや成長点、“僕”から見た“二人”。「日本サッカーの歴史を築いた先輩たちのようにはなれない」。3人が口を揃えて発したのは、拍子抜けしてしまいそうな意外な言葉。でも、そこには共通の思いが込められていて…。それぞれの強みや転機、さまざまな思いから見えたのは“逞しい闘志”。3人が明かしてくれた胸の内をたっぷりとお伝えする、前編です。――まずは、3人の関係性を。旗手怜央:いきなり難しい(笑)。歳が近いから、3兄弟かな。田中碧:それで言うと、僕はキャラ的にも三男。長男と次男は、同い年の怜央(旗手)君と薫(三笘)さんが日替わりだね。三笘薫:碧(田中)はたまに生意気な時があるよ。3人の中では一番しゃべるし、ツッコむし。田中:ツッコんでない(笑)。でも正直、俺はタメだと思って二人と話しているかも。三笘:そういうところだよ(笑)。とはいえ、碧とは小中学校もチームも同じで、お互いずっと見てきた仲だよね。顔も似てると言われていたくらい。旗手:僕も碧とは昨年くらいからよく話すようになったかな。かわいいなと思っていた後輩が、いつの間にか友達になっていた。――プレーヤーとしての田中選手はどんな印象ですか?三笘:ここ2~3年で“中盤(ボランチ)といえば碧”という地位が確立できていると思います。同世代の中盤なら、断トツのうまさですね。練習はもちろん筋トレなど、いろいろな努力を重ねて、プレーだけでなく、フィジカルでも日本人にはない能力の高さがあると思う。旗手:ボールを持っているとき(攻撃)、持っていないとき(守備)のどちらもうまいよね。特に相手との駆け引きからのボールを奪うプレーだったり、絶妙なところへパスを出してゲームの流れを作ったり。そういうところが本当に素晴らしい。初ゴールという結果が向上心を芽生えさせた。――何かきっかけが?田中:2018年に初めてスタメンで出た試合がターニングポイントだったと思います。自分が思っていた以上の結果を残せて、手応えというか、そこで初めて自信がついて、やってきたことが間違ってなかったと感じたし、向上心が芽生えたんです。ボランチは、攻撃と守備すべてに関われるのが醍醐味。フォワードのように目立つ存在ではないけれど、実は勝敗に一番影響を及ぼす大事なポジション。それだけにやりがいがあって、一番楽しいと思える。僕はずっとボランチを続けていきたいです。三笘:碧はアンカー(守備的MF)の経験も、今のU‐24代表ではインサイドハーフ(攻撃的MF)をすることもあるけれど、それらの経験を踏まえて出たのが、その答えなんだね。――では旗手選手については?三笘:怜央は本当に万能型プレーヤー。こんなタイプがひとりいれば、チームはだいぶ楽になる。監督からしたら、かなり価値のある存在だと思います。田中:どのポジションもこなせる器用さと、技術もフィジカルもしっかりしているから、どこでも自分の特徴を出せる。そして、どこからでも点が取れるのがすごい。参考になりますね。三笘:もとはストライカーだから、シュートの技術など攻撃のセンスも抜群だよね。特にオーバーラップしてからの、ゴール前のクオリティを多くの人にぜひ見てもらいたいです。旗手:僕のことを何でもできると言ってくれて嬉しいけれど、最近任されることが多いサイドバックは、初めてやったのが昨シーズン。薫が言うように、それまでの僕は、ずっとウィングやインサイドハーフといった攻撃型の選手だった。三笘:怜央とは大学1年の全日本大学選抜で初めて一緒になったんだけど、その前から前線のプレーヤーとして、すごく活躍していたよね。当時からすでにスター選手だったから、正直近寄りづらかったのを記憶しているよ。でも、話せば接しやすい人とわかったけれど。旗手:そうやってずっと攻撃をしていたから、サイドバックをやり始めた最初の頃は、正直戸惑っていたのは事実。でも、今はもうこだわりはないよ。――吹っ切れた理由は?旗手:自分がこの先ずっと生き残るためには、どんなポジションでもいいと思えたのと、サイドバックをやったことで自信が持てて、プレーの質が変わったと思うからです。何より、オフェンスもディフェンスも経験できたことで、各ポジションの特性がよくわかるようになりました。また、他の選手の活かし方、自分の活かされ方というのを深く考えられるようになったんです。それらは、今まで不足していた部分だったから、大きな収穫になったと思いますね。――最後は三笘選手について。田中:とにかく薫さんは、ドリブルがすごい。それに、足がめちゃくちゃ速いよね。旗手:普通は、ドリブルで人を抜くなんてなかなかできないのに、簡単に抜いていっちゃう。あのドリブルのテクは謎レベル。私生活も謎だけど(笑)。三笘:オフはひとりでいるのが好きなんだよ(笑)。ドリブルは、ボールを持ってからの仕掛けとともに僕のストロングポイント。そうはっきりと言える自信をつけられたのは、プロ入り1年目だった昨シーズンの経験がとても大きいと思う。――具体的には?三笘:昨年の6月頃までは試合にも出られないことが多かったのですが、7月にやっと初ゴールできて、そこから5試合連続で点を決められたんです。そこで初めて、勝利に貢献できたと思えました。また同時に、チームから認められたという実感が湧き、自信につながったんですよね。結果を出すことの重要性を理解することができました。三笘 薫(Kaoru Mitoma)Birthday/Place:1997.5.20/神奈川県川崎市Team:川崎フロンターレPosition:MF小学3年生で川崎フロンターレ・アカデミーのセレクションに合格し、ジュニアユース、ユースチームでプレー。トップチームへの昇格を打診されるが、さらなる成長を求め筑波大学へ進学。2017・2019年ユニバーシアード日本代表。2018年7月、大学3年時に2020年シーズンからの川崎フロンターレへの加入内定。1年目から、スピードの緩急と足元の技術でディフェンダーを置き去りにするドリブルで、アシストとゴールを量産。新人史上最多タイの13ゴールを記録し、ベストイレブンに選ばれる。2017~2019年、2021年、年代別日本代表。東京五輪後にイングランド・プレミアリーグへの移籍も噂される。シャツ¥16,500パンツ¥19,800(共にミスター・ジェントルマン TEL:03・6418・1460)その他はスタイリスト私物旗手怜央(Reo Hatate)Birthday/Place:1997.11.21/三重県鈴鹿市Team:川崎フロンターレPosition:FW静岡学園高校2年時に全国高校サッカー選手権に出場しベスト8に進出。関東大学サッカーの名門、順天堂大学に進学し、1年時から活躍。2017・2019年ユニバーシアード日本代表。2017~2021年、5年連続で年代別日本代表に選ばれる。2018年7月、大学3年時に2020年シーズンからの川崎フロンターレへの加入内定。2020年2月ルヴァンカップ開幕戦でプロデビュー。1年目からウィングやインサイドハーフで出場し勝利に貢献する。今シーズンからは、攻撃的なポジションだけでなくサイドバックでも先発出場。強靭なフィジカル、テクニックを兼ね備え、複数のポジションをこなすユーティリティプレーヤー。衣装はすべてスタイリスト私物田中 碧(Ao Tanaka)Birthday/Place:1998.9.10/神奈川県川崎市Team:フォルトゥナ・デュッセルドルフPosition:MF小学3年生で川崎フロンターレ・アカデミーのセレクションに合格し、ジュニアユース、ユースチームを経てトップチームに昇格。2年目の2018年9月15日、Jリーグデビュー。2019年にJリーグベストヤングプレーヤー賞、2020年にはベストイレブンに選ばれる。代表歴は、2014年U‐16日本代表、2019~2021年に年代別日本代表。また、2019年12月14日香港戦でA代表デビューを果たす。中盤センターでのハードワークで攻守にわたり貢献、今シーズン、J1リーグ首位を独走するチームに欠かせぬ存在だったが、6月、ドイツ・ブンデスリーガ2部のフォルトゥナ・デュッセルドルフに期限付き移籍を発表。Tシャツ¥8,800(ミスター・ジェントルマン)パンツ¥16,500(ラッド ミュージシャン 原宿 TEL:03・3470・6760)その他はスタイリスト私物取材は2021年6月17日に行われました。※『anan』2021年8月4日号より。写真・彦坂栄治(まきうらオフィス)Getty ImagesAFLOSPORTスタイリスト・壽村太一インタビュー、文・伊藤順子取材協力・Jリーグ川崎フロンターレ(by anan編集部)
2021年07月31日本当の意味での選手ファーストを実現するためのリーグ戦として、一般社団法人あしたのためにプロジェクト「アシタノタメニリーグ・U‐10」を立ち上げました。子ども達のためでなく「ただ消化するため」につくられている試合形式が多かったり、「大人が満足するため」にやっているような目的が形骸化してしまっている現状が多い中、ジュニア年代の試合として本来あるべき姿に戻そう、という思いがキッカケで作られたこのリーグは、子どもを伸ばすために考えられた他ではないレギュレーションが特長です。一般社団法人あしたのためにプロジェクト代表理事の久保田大介さんに、リーグ立ち上げについての思いなどを伺いました。(取材・文:松尾祐希)本当の意味での選手ファーストを実現するU‐10リーグが開幕(提供:アシタノタメニリーグ・U‐10)■U‐10年代は本当のフットボールの入り口――"アシタノタメニリーグ・U‐10"を創設された理由を教えて下さい。理由はふたつあります。ひとつ目は10歳を一つの区切りとし、フットボーラーとしてのターニングポイントにしてほしかったからです。小学校4年生は10歳を迎え、そろそろフットボーラーとして一段ステージを上がってもおかしくない年齢。低学年の頃は遊びの中でサッカーに触れていく中で、4年生からはジュニアユース年代に進んでいく入口として競技に向き合ってほしかったんです。そして、ふたつ目の理由はU‐10のリーグ戦がU‐12年代、U‐11年代と比較すると、リーグ戦の機会が多くはありません。そうした疑問を持っていたので、新たにリーグ戦を創設する際にどの年代で行うべきかをTwitter上でアンケートを取りました。すると、U‐12が最もリーグ戦を開催している年代でニーズがなく、逆にU‐10の需要があったんです。そうしたふたつのことから、本当のフットボールの入り口として、U‐10年代でフットボールの本質に基づいたリーグ戦を創設しました。「アシタノタメニリーグ・U-10」のレギュレーション基本は8人制だが、対戦チーム同士の合意があれば、人数変更もOKハーフタイム7分のうち、5分は選手だけの時間とし、指導者はベンチから離れる。指導者は何か伝えたいことがあるならば、2分以内にまとめる力が必要になる。試合時間を長くし(25分ハーフ)、試合運びに緩急をつけることを学ぶ。また、長い時間なので必然的に多くの選手を出さなければいけなくなる。リトリートラインの設置(ゴールキックは必ずGKが蹴る)ユニフォーム&用具の細かすぎる規定を廃止しきたりだけの挨拶、やめましょう(試合後は歩み寄ってグータッチ)得失点差、総得点の廃止。大差ゲームをなくすため勝ってるチームがゴール後にボールを持ち帰る行為はイエローカード。試合開催日の夜、オンラインで指導者同士の「感想戦」を実施■出場機会を作るための25分ハーフ――確かに、ジュニア年代に限らず、各カテゴリー最上級位のリーグ戦は充実しています。その一方でその間に当たる年代のリーグ戦は数が限られていますよね。しかし、海外に目を向けると、特に欧州では年齢ごとにリーグ戦を行っているケースがほとんどです。そういう意味では定着すれば、選手のレベルアップに繋がりそうですよね。例えば、神奈川県の横浜市ではU‐10年代の大会として市大会を行っています。数チームでのリーグ戦で決勝トーナメントに進むチームを決めますが、リーグ戦では行っていません。そうした事情を踏まえ、私は年間を通じて週末に試合がある状況を作りたかったんです。同じチームと2度対戦することでチームとしても個人としても成長具合を測れます。1つの試合で上のステージへの進出が決まってしまうと、指導者の人は目先の勝敗に意識がいく場合も少なくありません。また、リーグ戦は選手たちの出場機会を増やすきっかけになります。一番望ましいのは指導者の方が良識を持つことです。大人はリーグ戦を行う意味を考えながら、子どもたちと接する環境を作っていかなければいけません。成長を促したり、進級してもサッカーを続けること。そういう目的を大人たちが持っていれば、自ずと全員を出場させますよね。25分ハーフにしたのも出場機会を作るためです。全日本少年サッカー大会は20分ハーフですが、試合時間を長くすれば自ずと選手交代が必要になります。ルールとして設けているわけではありませんが、全選手の出場を奨励しています。暑い時期でも25分ハーフでやるので、自ずとスタートの選手だけで試合は成り立ちません。ルール化はしていませんが、全選手が試合に出場するリーグ戦を行うことで、選手の成長を促せると考えています。■必ずしも8人でなくてOK、チームやピッチ状況に合わせて臨機応変に対応すればいい――試合を行う人数も基本は8人制ですが、ピッチ状況やチーム事情を考慮して7人から9人で行うことも認めています。そこの狙いを教えて下さい。僕は8人制が必ずしも正解だとは思っていません。10年前にジュニア年代のサッカーが8人制へ移行する際、JFAが移行の理由に挙げたのはボールタッチを増やすためでした。しかし、単純に8人制をやるだけでは意味がありません。ボールタッチを増やすことに意欲的ではなかった指導者が8人制のサッカーをやったとしても、効果が出るとは思えなかったんです。ピッチサイズが小さくなり、8人制の場合はミスが即失点につながります。11人制で信念のない指導をしている人であれば、間違いなくリスクを考えて省略したサッカーをする可能性があります。出場させられる人数も減ってしまうので、スタメンで出場する選手のタッチ数が多くなる一方で、その分補欠に回った選手は出場機会がなくなってボールタッチが減ってしまうのも懸念材料です。そうした指導者の問題を解決するために"アシタノタメニリーグ・U‐10"では臨機応変に出場する人数を変えていくつもりです。ピッチが広いのであれば人数を増やしてもいいですし、ピッチが狭いのであれば減らす。柔軟に考え、一番良い形で試合をさせてあげることが大事ではないかと。"アシタノタメニリーグ・U‐10"は一応8人制というレギュレーションにしていますが、環境に合わせて決めてもらって構いません。8人制ありきではなく、選手が成長するためには何が良いのか。大人たちが子どもたちのために考えることを望んでいます。■走り切れない試合時間にすることで、ペース配分や試合運び学ぶきっかけになるハーフタイム7分のうち、5分は選手だけの時間としているので、子どもたちが主体的に話し合う場になっている(提供:アシタノタメニリーグ・U‐10)――"アシタノタメニリーグ・U‐10"は25分ハーフで行われます。U‐10の試合では15分のレギュレーションがほとんどで、U‐11でも15分で行う場合が少なくありません。15分だと走り切れる選手もいますが、25分ハーフだといくらスタミナがあっても最初から最後まで走り続けることは不可能です。ペース配分も求められますが、考える力を身に付けることも意図しているのでしょうか。15分ハーフであれば、最初から最後まで走り切れるかもしれません。しかし、走り切れたとしてもプレーでゆとりを失い、周りを見る余裕がなくなってしまいます。あまりにも忙しい試合になってしまいますし、試合時間が短ければ相手も素早く寄せてくるので、セーフティーに試合を進めるチームも多くなってしまうのではないでしょうか。その結果、忙しない試合になってしまうので、あえて長い時間をプレーしてほしかったんです。考えながら試合を進めていくきっかけになりますし、「今は慌てなくて良いからゆっくりボールを回そう」など、試合運びを学ぶ場になるんです。あまりジュニア年代でやっていない取り組みなので、そういうところも"アシタノタメニリーグ・U‐10"で培っていければいいなと思います。■ボールを大事にすることはフットボールを知る第一歩――試合時間以外にも独自のルールが設けられています。リトリートラインを設けた理由を教えて下さい。リトリートラインは、まずGKから試合をスタートしてほしいという想いからルールに入れました。基本的にGKキックはGKが蹴ります。しかし、キック力がなければ、パワーがあるフィールドの選手が前に大きく蹴ります。なので、クリエイティブではないプレーを避け、リトリートラインを作るので下から始めたかったんです。ボールを大事にしていくことはフットボールを知る第一歩になりますし、逆に相手が後ろに引かずに始めるのであれば、選手たちは対応する知恵を出すことになります。選手全員でこの状況をどうすればうまく持っていけるかを考える機会を作り、それをピッチに立つ選手が主体となって取り組める環境を作ってあげる狙いがあります。久保田大介(くぼた・だいすけ)東京都出身。1999年~2020年5月まで、SUERTE juniors横浜(現・LOBØS.FC)代表・監督を務める傍ら、2004年~2016年3月まで都立国際高校女子サッカー部 や世田谷区の公立中学サッカー部などで指導に携わる。現在は"一般社団法人あしたのためにプロジェクト"の代表を務め、2021年6月に"アシタノタメニリーグ・U-10"を創設した。
2021年07月27日プロダンスリーグ「第一生命 D.LEAGUE 20-21」のCHAMPIONSHIPが1日、都内で開催され、avex ROYALBRATSが初代王者に輝いた。「D.LEAGUE(Dリーグ)」は、日本のダンスの発展と普及、ダンスのプロフェッショナルの輩出を目指して発足。今年1月10日に開幕し、9チームによるレギュラーシーズンを勝ち抜いた4チーム、総合1位のFULLCAST RAISERZ、同2位のavex ROYALBRATS、同3位のSEGA SAMMY LUX、同4位のKOSE 8ROCKSが、CHAMPIONSHIPへと進んだ。CHAMPIONSHIPはトーナメント方式で行われ、セミファイナルを勝ち抜いたFULLCAST RAISERZとavex ROYALBRATSがファイナルに進出。そして、自分たちが得意とするヒップホップで勝負したavex ROYALBRATSが最終決戦を制し、初代王者に輝いた。なお、3位決定戦も行われ、SEGA SAMMY LUXが3位となった。優勝したavex ROYALBRATSのリーダー・KAITAは「この6カ月間楽しく終わりました。全員が挑戦の意味でやったことないことをやったり、挑戦した6カ月間になりました。Dリーグという機会を与えてくださったみなさんに感謝しています。本当にありがとうございました」と涙。「6カ月間やってきてDリーグは素晴らしい大会だなと実感しました。シーズン2も、この先もさらに盛り上がると思うので、これからもDリーグをチェックしてください。盛り上げます!」と熱く語った。大会後、報道陣の取材に応じたavex ROYALBRATS。ディレクターのRIEHATAは「最高にうれしいです。今までの12人の努力が報われたなというのを噛みしめています」と喜びを爆発。最終決戦を振り返り、「ステージに立つ8人が一つの脳、一つの心でステージに立っているというのを感じていました。8人一体となって、8人以外の4人の顔も思い浮かび、ROYALBRATSで心が一つだなと考えていました」と心境を明かした。
2021年07月01日ザック・スナイダー監督版の『ジャスティス・リーグ』が配信されてからまもなく3か月。主役の1人のアクアマンを演じたジェイソン・モモアが、このスナイダーカットの『ジャスティス・リーグ』に関してある発言をし、ファンを驚かせている。先日、ジミー・ファロンが司会を務める「ザ・トゥナイト・ショー」に出演したジェイソン。ジミーから『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』について感想を求められると、「ザックのことが大好きです。私が8年前に出演契約したのは、どんな風であれ彼のヴィジョンを形にするためでした」と語り始めた。「最高だったのは、4時間の作品になりましたが、私の再撮影が全くなかったことです。あれが(以前に撮影した)すべてです」と、アクアマンの登場シーンはスナイダー監督が降板する前に撮影したものでまかなわれたことを明らかにした。「だから、みんなに『すごくよかったよ。詳細に描かれていた。たくさんのことが明らかになったね』なんて言われるのがおもしろくて。私は『そうそう、これがみんなで(再)撮影して作ったものなんです』と言ったりするのですが、私自身はなにもやり直しをせずに済んだのです」と語った。2017年に公開されたジョス・ウェドン監督の『ジャスティス・リーグ』は、当初スナイダー監督がメガホンを取っていたが、娘の死によりスナイダー監督が降板。ウェドン監督が引き継いで完成させたものの、ファンが「スナイダーカット版が観たい!」と長年にわたって声を上げ続けたことで、『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』が実現。今年3月にアメリカなどで配信された。ジェイソンは「ザックの芸術をリリースすることができて本当にうれしいですし、たくさんのファンも喜んでくれました。最高の4時間ですよ!」と満足げだった。(Hiromi Kaku)■関連作品:ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット 2021年夏、デジタル配信開始©2021 Warner Media Direct, LLC All rights reserved. HBO MAX(R) is used under license.
2021年06月14日5月13日に開幕した、Bリーグチャンピオンシップ。締め切りの都合上、取材時点でセミファイナル進出チームは未定だったが、今シーズンの戦い方などを振り返り、総合情報サイト「バスケット・カウント」編集長の鈴木健一郎さんに、優勝候補4チームについて話を伺った。コロナとも戦った今シーズン、最後に栄冠に輝くのは…。「リーグ戦の成績から考えると、優勝に最も近いのは東地区1位の宇都宮と、天皇杯決勝で宇都宮に勝った川崎でしょうね。川崎は天皇杯では、帰化選手のファジーカスと外国籍選手2人を同時に起用する“ビッグラインナップ”が見事にハマった。Bリーグで一番点を取るファジーカスが2人のアシスト役に回り、チーム全体の得点力がアップ。リーグ戦よりこのシステムが機能していたので、今回も期待できます。しかし、本命はやはり、今シーズンの勝率が圧倒的だった宇都宮です。徹底したディフェンスとリバウンドへの意識。苦しいときでも全員でハードワークできる。先発と控えの戦力差も小さく、安定した強さがあります。チームの戦い方に選手をはめる宇都宮と対照的に、選手一人一人の持ち味を生かすことを優先しているのが、西地区1位の琉球です。クーリーはディフェンスに戻るよりオフェンスリバウンドを狙う。岸本は、味方の位置やリングまでの距離に関係なく自分のリズムで得意のスリーポイントを放つなど、個々の強みを出す戦い方をチームで共有していますね。さらに、NBAのような最新鋭のアリーナが今春完成。琉球は熱狂的なファンも多いし、ホームアドバンテージはどこよりも大きいかもしれません」また多くのチームがコロナとの戦いも強いられた。その影響で、シーズン終盤にハイペースで多くの試合をこなしてきた千葉もその一つ。「おそらくここに向けての調整が難しかったはずですが、エースの富樫勇樹は『ひたすら試合をして上げていく方法もあるし、逆にそっちの方がやりやすい』とも。それが上手くいっていれば、この記事が出る頃には千葉も面白い存在になっているかも。外国籍選手枠のルール上、帰化選手を擁しているチームが有利なのは間違いない。誰が最強の帰化選手か、下で紹介した3選手の競り合いも見どころの一つだと思います」優勝候補の4 チーム。日本に帰化した選手に注目を!【宇都宮ブレックス】ライアン・ロシター ©TOCHIGI BREX INC.2019年12月に日本国籍を取得。日本代表に選ばれアジアカップ予選に出場。ポジションはPF/C。テーブス海 ©TOCHIGI BREX INC.厳しいチームバスケの中でタフに揉まれながら、生き生きとプレーする東京五輪候補。【川崎ブレイブサンダース】ニック・ファジーカス ©KBT2018年4月に日本国籍取得。代表の中心選手として‘19年W杯に出場。ポジションはC。【千葉ジェッツ】ギャビン・エドワーズ ©B.LEAGUE2020年1月に日本国籍取得。2017年、三河より移籍。日本代表候補。ポジションはPF。新アリーナも完成、ダークホース的存在!【琉球ゴールデンキングス】ジャック・クーリー ©B.LEAGUE2019年に琉球に加入。1試合平均4.9のオフェンスリバウンドはリーグ断トツ。ポジションはC。岸本隆一 ©B.LEAGUE地元出身のエース。ロングのスリーポイントを自分の武器と言えるのは彼だけだ。ポジションはG。B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2020-21セミファイナルは5月21日~25日。ファイナルは5月29日・30日、横浜アリーナにて開催。第1戦はNHK総合、第2戦は日本テレビ系列、NHK BS1で生放送予定。バスケットLIVE、スポーツナビなどでも配信。※記事内容は4/30時点での情報です。※『anan』2021年5月26日号より。(by anan編集部)
2021年05月19日最後のチャンピオン争いは、とうとう4強に絞られた。『ジャパンラグビー トップリーグ2021』プレーオフトーナメントが準決勝に突入。勝ち残ったのは『トップリーグ』優勝5回の最多タイ記録を持つサントリーサンゴリアスに優勝4度で続くパナソニック ワイルドナイツ、最後のシーズンで初優勝を目指すトヨタ自動車ヴェルブリッツ、そして初のトップ4入りを達成したクボタスピアーズだ。準決勝の組み合わせはトヨタ自動車×パナソニックとサントリー×クボタ。カンファレンス1位の強豪に、初の日本一を目論むチャレンジャーが挑む形となった。5月12日・13日には準決勝進出チームの監督(ヘッドコーチ)・キャプテンによる取材機会が行われた。大一番を前に指揮官・主将たちは意気込みを語った。トヨタ自動車はここまでタフな戦いを積み重ねて来た。レッドカンファレンス第5節・サントリー戦では後半37分に追い付き引き分け濃厚と思われたラストプレーでニュージーランド代表司令塔ボーデン・バレットのサヨナラペナルティゴール(PG)を喫して36-39、第7節・クボタ戦では逆にラストプレーで自陣22mラインからセンターCTBロブ・トンプソンがゲインラインを破り、パスを受けたフルバック(FB)チャーリー・ローレンスが距離を稼ぎ、最後はウイング(WTB)高橋汰地が走り切りトライ!SOライオネル・クロニエがゴール(G)を決めて25-24と大逆転劇をやってのけた。プレーオフ準々決勝でもNTTドコモレッドハリケーンズの勢いに乗ったアタックに苦しみながらも33-29の逆転勝ち。サイモン・クロンヘッドコーチ(HC)は準決勝に向けて「我々は一試合一試合集中し積み上げたことをさらに磨いていきたい。キックオフから今季の成果を見せたい」と自信を口にした。さらにHCは「パナソニックという素晴らしい相手と戦えるのは光栄。素晴らしい選手が揃い、素晴らしいシステムを持ち、キッキングゲームを得意とする。FWを使って前へ出ることもできるし、ターンオーバーからもスコアできる」と評価しつつ、「パナソニックと対する時は攻守の切り替えが大事になる。アタックからディフェンス、ディフェンスからアタックの切り替えはトヨタも得意としているところ。パナソニックはFWを使ってゲインラインを切りに来るので、トヨタとしてはいかにラックスピードを抑えていくかが大事」とポイントを挙げた。また5月11日の取材機会では「フェーズを重ねてプレッシャーをかけたい。パナソニックはキックが多いので、自分たちとしてはテリトリーとボールポゼッションを大事にしたい」とも語った。共同主将を務めるナンバーエイト(NO8)キアラン・リードは「(ロビー・ディーンズは)素晴らしいコーチ。最初の2年間(『スーパーラグビー』クルセイダーズで)彼のもとでプレーできたのは幸運。パナソニックと対戦する時はディシプリンが大事。弱みを見せると徹底的に突いて来る。長い間プレーをしてさまざまな経験を積んできた私にとっても、次は非常に重要なゲーム。決勝へ行けるよう、仲間のために戦いたい」と誓った。同じく共同主将のスクラムハーフ(SH)茂野海人は11日のオンライン取材でパナソニック戦のポイントに「ディフェンスラインの幅であったり、ブレイクダウンに誰が入るのかなどを修正したい。1週間で全部改善できるとは思わないが、できる限り修正してパナソニック戦に臨みたい」と挙げた。また茂野はニュージーランド代表オールブラックスの前主将リードとオーストラリア代表ワラビーズの現主将マイケル・フーパーのリーダーシップを「リードからはチームに向けての話し方を学んでいる。リードは伝え方がうまい。毎回みんなの頭に残る話し方をする。フーパーはポジティブなことしか言わない。ネガティブな問題が発生してもポジティブな言い方をする。このやり方はまだ取り入れられていないので今後取り入れていきたい」と手本としていた。一方のパナソニックはここまで危なげない戦いを見せて来た。競った試合は雨のコンディションで行われ13-13に終わった第6節・神戸製鋼コベルコスティーラーズとのホワイトカンファレンス首位攻防戦のみ。9試合で100失点という鉄壁のディフェンスを誇っている。準々決勝もスコアを見ると32-17とキヤノンイーグルスが善戦したと思われかもしれないが、20-3と前半を支配したパナソニックが終始余裕を持って試合を進めた。ロビー・ディーンズ監督は「チームとしてすべての局面で成長している。大事なのはディシプリン。今季はアタックでもディフェンスでもディシプリンを発揮している。チームの人間関係は非常にいい。ラグビーは究極のチームスポーツ。今チームモラルは非常に高いところにある」と手応えを語るとともに、好調の要因を「今季は代表選手がチームで長い時間を過ごしている。彼らが長くいればいるほど、チームは成長できる。今季はディフェンスも強化してきた」と分析した。もちろん、ディーンズ監督に抜かりはない。「プレーオフはリーグ戦とは全く異なる戦いになる。トヨタは全力で向かって来るし、今までやってこなかったようなイノベーティブなプレーも用意しているだろう。タフな80分間になる。トヨタは素晴らしいチームだ。そもそもトップ4に残るチームはみないいチーム。トヨタは大きくボールを動かしてくる。我々も最大限のパフォーマンスを見せたい」と警戒した。ケガのため準決勝はメンバー外となったフッカー(HO)坂手淳史主将も「毎週の準備の形がよくなっている。ノンメンバーが練習でゲーム以上のプレッシャーをかけてくれる。ディフェンス、アタックとともにペナルティが少ないのもワイルドナイツの強み。今季は強みを出せている」と手応えを口にした。準決勝が無観客試合で実施されることについては「僕らのやることは変わらない。ファンがスタンドで見ていないが、テレビで見ているという違いだけ。残念だが、テレビ越しで応援してくれると感謝しながらプレーしたい」とコメント。さらに今季限りで引退する同期のWTB福岡堅樹について、「堅樹は堅樹らしいプレーをしてくれている。ピッチ外で勉強があってもピッチ内のパフォーマンスは変わらない。キャプテンとして心強い。アタックでもディフェンスでもいい仕事をしてくれる。もったいないと言うか、もっと一緒にプレーしたい気持ちもあるが、堅樹の夢も叶えてほしい。多くてあと2試合、楽しみたい」と複雑な胸中を明かした。もうひとつの準決勝サントリー×クボタは同カンファレンスの戦いである。第6節ではSOバーナード・フォーリーのシンビン(10分間の一時退場)があり前半に23-7と突き放されるも、後半はクボタが巻き返し、後半29分には残り5mでのラインアウトからドライビングモールをFLトゥパ フィナウが押し込んで26-26の同点。勝点2を分け合う好試合と思われたが、ノーサイド間近にSOバレットが絶妙なランラインでトライを奪い、Gも決めてサントリーが33-26で勝利を手繰り寄せたのだった。サントリーはそのまま全勝でレッドカンファレンス(RC)を1位突破、NECグリーンロケットとのプレーオフ2回戦も76-31と一蹴。リコーブラックラムズとの準々決勝は中止となり、準決勝が2週間ぶりの試合となる。敗れたクボタも逆転負けのショックは完全に払拭した。サントリー戦の翌週のトヨタ自動車戦でもショッキングな逆転負けを喫し、RC3位となったクボタはプレーオフ2回戦から難敵ヤマハ発動機ジュビロと対峙。ここで2連敗の苦い教訓を生かした。前半から主導権を握り、コンスタントにスコアしていった。試合開始早々にトライを許しても、一家言持つスクラムで押されても、決して焦れずにゲームをコントロールし、終わってみれば46-12の完勝を収めた。続く準々決勝・神戸製鋼戦では前半30分を待たずにフォーリーが一発退場となるピンチに陥るも、そこから驚異的な運動量と粘りのディフェンスを展開し続け、後半31分についに前回王者に逆転を許す。クボタの善戦もここまでかと思われた中、残り燃料をすべて注ぎ相手陣内に攻め入ると36分にペナルティを獲得し、WTBゲラード・ファンデンヒーファーのPGで23-21と再逆転、その後は泥臭く体を張り続けてノーサイドの笛を聞いたのだった。初のトップ4入りを果たしたフラン・ルディケHCは準決勝へ向けて、「自分たちフォーカスに変わらない。これまでずっと自分たちにフォーカスしてきたし、今週も変わらない。自分たちのベストゲームをすることによって、勝利が近付く」とこれまでと同じセリフを言い、初のタイトルへ向けても「今週末にフォーカスしている。できることにフォーカスしたい。今週勝ってから決勝については考えたい」とした。これまでと変わらぬ姿勢を強調する指揮官だが、それは逆に5季目の今季に対する自信の表れでもある。ルディケHCは「5季やってきてチームとして成長してきた。今季はオールラウンドにできている。アタックやキック、ディフェンス、ひとつのことで勝っているわけではない」と胸を張った。立川理道主将も「1試合1試合学びを感じて成長している。特にメンタル。試合に出た選手は同じミスをおかさないよう選択ができている。一戦一戦学びを生かせているし、このプレーオフに入ってからも成長を感じている」と同意する。だからこそ、豪州代表71キャップの司令塔フォーリーに3試合の出場停止を課せられても指揮官にも主将にも気後れはない。「スコッド全員がクボタウェイを知っている。確かに10番はドライブしなくてはいけないし、コントロールしなくてはいけないし、判断をしなければいけない重要なポジション。ファレヌイ・ハウェラや岸岡智樹、10番になる得る選手はしっかりしたパフォーマンスを見せてくれると思う」(ルディケHC)「神戸戦はあの状況でもコントロールできたのは同じページを見ていたから。FWのがんばりがあったから。14人でもボールを持ってアタックできたことは自信を持っていい。フォーリーは試合に出る出ないに関係なく、チームの準備に関わっている。アタックもリードしてくれているし、ゲームメンバーをサポートしてくれている」(立川主将)立川もまたサントリー戦へ向けて「いいプランを持っているので実行したい。FW戦で優位に立ち、いいアタックをしたい。相手のBKのキーマンはバレットであり、CTB中村亮土主将。(SOかCTB)どっちに入っても、自分の力を出して目の前のその選手をしっかり抑えていきたい。でもそこの勝負にこだわるのではなく、23名の勝負で勝っていきたい」と決意を新たにした。ルディケHCとは対照的にミルトン・ヘイグ監督は優勝を意識した上で狙うとキッパリ。「最終的な目標は優勝すること。期待されているので、そこに対してプライドを持って優勝へ突き進みたい」準決勝の相手を「クボタは神戸戦でいいプレーをしたし、チームとして仕上がっている。リーグ戦でもかなり接戦になったし、今季はボールをキープし、フェーズを重ねてアタックして来る。フォーリーのようなインターナショナルレベルの選手の不在は影響があるだろうが、神戸戦では14名であれだけ素晴らしいプレーをした。自信を持っているだろうし、決して油断はできない」としながら、「リコー戦がなくなり、フレッシュな状態でプレーできると思っている。最後の20分で差を見せられと思っている」と日程の追い風を口にした。また指揮官は8試合で496点という爆発的なアタックについて「自分たちのストラクチャーの中いい判断でプレーできている。スキルをエクスキューション(遂行)するトレーニングをしているが、その結果が71トライという数字に表れているだろう」と評価しつつ、直近2試合で62失点を喫しているディフェンスについては「私はディフェンス中心に見ているので責任を感じる。50点差ついても集中力を切らしてはいけない。個人の判断が入りすぎた局面があったし、スイッチオフし軽いプレーも見られた。ただNEC戦から修正した。これからはいいディフェンスを見せられるだろう」と修正済みだとした。中村主将もクボタ戦へ「前回も厳しい戦いになった。また違った戦いを見せられと思う。お互いにプレースタイルをわかった中での遂行力が大事。勝負のポイントでの判断が大事になって来る。いちリーダーとしていい判断をしたいし、いちプレイヤーとしてベストプレーをしたい」と意気込み、同じCTBの立川理道について「ハルさんがいるので負けられない。僕がずっと見て来たCTBが目の前にいるので意識する。今季は(中野)将伍と組むことが多いが、彼が持っていないものを持っているので生かしてあげたいし、将伍がいるから自分も生きるということもある」とマッチアップを楽しみにしていた。楽しみはマッチアップだけではない。中村主将はヒリヒリするこの準備期間を楽しんでいた。「(準決勝がなくなり)先週くらいは試合勘がどうとか、リカバリーで有利だとか考えていたが、今週からはそんな言葉が出ないくらい自分たちに集中している。現段階で気になっていない。緊張感も出て来たし、これまでよりも負ける可能性も高まったが、この緊張感も楽しみたい。このチームでラグビーができるのも長くて2週間。色々準備があるので早く試合がしたいとは言わないが、この準備期間が楽しい。試合がすごく楽しみ」西の聖地・花園ラグビー場で東の聖地・秩父宮ラグビー場へのキップを手に入れるのはタイトルの常連であるパナソニック、サントリーか、それとも初タイトルに燃えるトヨタ自動車、クボタが割って入るのか。『第58回日本選手権』兼『トップリーグ2021』プレーオフ準決勝・トヨタ自動車×パナソニックは5月15日(土)、サントリー×クボタは5月16日(日)、場所は同じく花園ラグビー場にてキックオフ。試合は無観客で実施。決勝は上限5000人の有観客にて5月23日(日)・秩父宮ラグビー場で開催。チケットは5月16日(日)午前10時~17日(月)午後11時59分まで先行抽選販売、20日(木)午前10時より一般発売。試合の模様は3試合ともNHK総合にて生中継。取材・文:碧山緒里摩(ぴあ)チケット情報
2021年05月15日『ジャスティス・リーグ』のレイ・フィッシャーを筆頭に、過去手掛けた「バフィー~恋する十字架~」「エンジェル」のキャストからも横暴な振る舞いが暴露されたジョス・ウェドン監督。このたび、『ジャスティス・リーグ』のガル・ガドットも、同作の撮影中にウェドン監督からキャリアを台無しにしてやると脅される経験をしていたことを明らかにした。ガルの母国イスラエルのメディア「N12 News」に語っている。「ジョスと私には問題がありましたが、なんとか対処しました。彼は私のキャリアを脅かしました。もし私がなにかをしたら、『キャリアを台無しにしてやる』と言われたんです」。今年4月、「The Hollywood Reporter」は『ジャスティス・リーグ』の撮影中に、ガルが新たに作られたセリフに疑問を呈するとウェドン監督が「私は脚本家でもある。だまってセリフを言え。そうでなきゃ、この映画の中でお前をものすごくバカに見せることもできるんだぞ」と脅迫したことを報じていた。上記のガルの発言はこの件について語ったものと思われる。ワーナーメディアは、『ジャスティス・リーグ』の撮影現場で起きたとされるウェドン監督のひどい言動や態度に対する調査を行い「是正措置が取られた」と発表したが、その具体的な内容は明らかにしていない。(Hiromi Kaku)■関連作品:ジャスティス・リーグ (原題) 2009年、全国にて公開ジャスティス・リーグ 2017年11月23日より全国にて公開© 2017 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC
2021年05月10日ザック・スナイダー監督が思い描いた全てが結実した『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』が、5月26日(水)よりデジタル配信開始、6月25日(金)よりリリース。この度、日本語版予告編が解禁となった。本作は、2017年に公開され、全米NO.1大ヒットを記録した『ジャスティス・リーグ』製作中に降板したザック・スナイダー監督の初期構想に基づき、150分にもおよぶ蔵出し映像や新たに撮影された4分の新映像を加えて、再編集し製作された約4時間にわたる超大作。スナイダー監督が伝えたかった全てが詰め込まれている。あの“ジョーカー”やブラックスーツを纏うスーパーマンの姿も!2017年版『ジャスティス・リーグ』には登場しなかったジャレッド・レト演じる“ジョーカー”が、予告編映像ではほんの一瞬だけだが姿を見せる。どのようなシーンで、宿敵バットマンとどのような会話を交わすのか注目が高まる。また、ブラックスーツ姿のスーパーマン、スーパーヴィランのダークサイドや、ジョー・マンガニエロ演じるデスストローク、初登場となるマーシャン・マンハンターや、戦闘シーンにはグリーン・ランタンの姿も!?次々と登場するDCキャラクターに一時も目が離せない。ヒーローたちのサイドストーリーが明かされる本作では、アクアマン、フラッシュ、サイボーグのサイドストーリーが丁寧に描かれ、特にレイ・フィッシャーが演じたサイボーグについてはその苦悩や、家族との関係がより分かるストーリーに。ヒーローである以前に、様々な悩みを抱える等身大の姿が作品にさらなる深みを与えている。なお、2017年版『ジャスティス・リーグ』と同じ声優キャストで日本語吹替版を収録。約24分の映像特典には、スナイダー監督とベン・アフレックやヘンリー・カヴィル、ガル・ガドットらジャスティス・リーグ6名のキャストインタビューも収められ、『マン・オブ・スティール』『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』の製作を通しての思いを語る貴重な映像に。セル商品にはストーリーをジェフ・ジョーンズ、作画をジム・リーが担当した28ページにわたる「ジャスティス・リーグ」コミックブック(日本語版)が日本限定で封入される。『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』は5月26日(水)よりダウンロード販売/デジタルレンタル先行配信開始、6月25日(金)より4K ULTRA HD&ブルーレイ発売。(text:cinemacafe.net)
2021年04月16日熱戦続きのリーグ戦最終節から1週間、『ジャパンラグビー トップリーグ2021』がいよいよプレーオフトーナメントに突入する。来季スタートする新リーグ1部入り、そして最後のチャンピオンを決する戦いが始まるのだ。それにしても、リーグ戦は最後の最後まで目が離せなかった。4月10日・花園ラグビー場ではNTTドコモレッドハリケーンズが躍動。昨季0-97と記録的大敗を喫した神戸製鋼コベルコスティーラーズを相手に80分経過時点でリード、ラストプレーでモールからトライを許し29-31の逆転負けとなった。惜しくも金星を逃したヨハン・アッカーマンヘッドコーチ(HC)は、試合後の会見で「今日のパフォーマンスをひと言でまとめると、非常に誇らしい」と胸を張った。翌日の花園でもラストプレーでドラマが起こった。トヨタ自動車ヴェルブリッツとクボタスピアーズのスリリングなシーソーゲームは、自陣22mラインでの連続アタックからオフロードパスを受けたWTB高橋汰地が独走トライ、SOライオネル・クロニエが決勝コンバージョンを決め25-24とカンファレンス2位を獲得したのだった。前節・サントリーサンゴリアス戦に続き2試合連続逆転負けとなったクボタだが、「結果は残念だが、ここから立て直すことが大事。この負けがプレーオフへ向けて重要な糧になるようにしっかり修正していきたい」(立川理道主将)、「この試合はいい学び、ポジティブに捉えて成長していきたい。自分たちにフォーカスして、ノックアウトステージを戦っていきたい」(マルコム・マークス)と前を向いた。各カンファレンスの順位、個人賞は次の通り。【レッドカンファレンス(RC)】1サントリーサンゴリアス7勝・420得点129失点・勝点342トヨタ自動車ヴェルブリッツ6勝1敗・288得点186失点・勝点283クボタスピアーズ5勝2敗・236得点130失点・勝点254NTTコミュニケーションズシャイニングアークス3勝1分3敗・236得点254失点・勝点175東芝ブレイブルーパス3勝4敗・224得点229失点・勝点166Honda HEAT1勝6敗・133得点240失点・勝点67三菱重工相模原ダイナボアーズ1勝1分5敗・123得点309失点・勝点68宗像サニックスブルース1勝6敗・139得点322失点・勝点5【ホワイトカンファレンス(WC)】1パナソニック ワイルドナイツ6勝1分・318得点76失点・勝点312神戸製鋼コベルコスティーラーズ6勝1分・289得点138失点・勝点293NTTドコモレッドハリケーンズ4勝3敗・175得点175失点・勝点174リコーブラックラムズ3勝4敗・179得点184失点・勝点175キヤノンイーグルス3勝3敗・176得点230失点・勝点166ヤマハ発動機ジュビロ3勝4敗・239得点240失点・勝点157日野レッドドルフィンズ1勝5敗・90得点238失点・勝点78NECグリーンロケッツ7敗・139得点324失点・勝点1※第6節・日野×キヤノンは中止、規定により引き分け扱い、勝点2ずつ加点。個人賞【最多トライゲッター】テビタ・リー(サントリー)/マロ・ツイタマ(ヤマハ発動機)10トライ/初受賞【得点王】ボーデン・バレット(サントリー)128得点(6T/37G/8PG)/初受賞【ベストキッカー】田村優(キヤノン)キック成功率(G:21回中19回成功/PG:3回中2回成功)87.0%/初受賞RC1位・サントリーのアタックは凄まじいものがある。420得点ということは1試合平均60点である。カンファレンスが異なり一概に比較はできないが、得点2位のパナソニックに100点差以上付けているのだから恐れ入る。合計60トライもダントツだ。トライ数2位はパナソニックと神戸製鋼の43トライである。最終節でもサントリーのアグレッシブなアタッキングラグビーは全開となった。センター(CTB)中村亮土主将、フルバック(FB)尾崎晟也らを温存、スクラムハーフ(SH)流大、スタンドオフ(SO)ボーデン・バレット、ウイング(WTB)/CTB中野将伍をベンチスタートに回しながらNTTコムを94-31と粉砕。圧巻はバレットだ。後半22分にピッチへ入ると、相手に触れさせないピンポイントのライン取りを見せてハットトリック、文句なしの得点王に輝いた。得点ランキング2位がクロニエの76得点と言えば、いかにバレットの128得点が傑出しているかわかるだろう。試合後、ミルトン・ヘイグ監督も「バレットはワールドクラスの選手だということを毎回言っているが、現役のオールブラックスでもある。20分間で挙げた3トライは、彼のワールドクラスの実力をしっかり示してくれたものだ」と全幅の信頼を口にした。第5節・サントリー戦ではバレットのサヨナラPGで勝点2を逃したトヨタ自動車だが、2位の座を死守。サイモン・クロンHCも「この7試合でどんなコンビネーションがいいのか探り、自分たちのプロセスと確固たるチームカルチャーを確立することができた。いいリーダー陣、いい選手が揃っている。トーナメントへ向けて自分たちのやるべきこと、プロセスに集中したい」と手応えを口にすれば、茂野海人共同主将も「目標は変わらない。日本で一番のチームになること。でもあまり先のことを見過ぎても仕方ないので、目の前の試合、自分たちの果たすべき役割に集中したい」とキッパリ。WCではパナソニックが最終節に先発を7位に入れ替えながら、強さを見せ付けた。4月10日・熊谷ラグビー場でプロップ(PR)グレイグ・ミラー、フッカー(HO)堀江翔太、SO山沢拓也らが先発、PR稲垣啓太、SH内田啓介、SO松田力也、WTB福岡堅樹がベンチに回りヤマハ発動機と対峙。開始早々56秒でミスを突き、WTB竹山晃輝が独走トライを決めると、CTBディラン・ライリーのハットトリックなどで55-19と難敵相手に危なげない勝利を飾った。試合後、ロビー・ディーンズ監督は「今日はチームとしても特別な日。堀江翔太選手がワイルドナイツとして通算150試合出場の試合だった。コーチとしてこのような選手を指導できること、一緒にラグビーができることを光栄に思う」とゲームキャプテンを称えるとともに、「トーナメントはやるか、やられるかの戦いになる。さまざまなことを準備していきたい」と次なる戦いを見据えた。第6節のパナソニック戦は13-13の引き分けながら、勝点2差で2位なった神戸製鋼だが、プレーオフには3試合出場で9トライを量産したNO8ナエアタ ルイが帰って来る。デーブ・ディロンHCは「パナソニックに次いで2位通過であるが、大きく離されていない。成長しなければならないが、コロナ禍で開幕が延期となり準備が難しい中、リーグ戦を終えてハッピーだ」と及第点を与えた。最後尾からチームを見続けたFB山中亮平は第4節・リコー戦に続き、最終節も苦戦を強いられたことを反省。「勝つ時はいいラグビーができるが、リコー戦など取り切るところで取り切れない。取り急いで普段の自分たちを出し切れていない。試合中の早い段階で修正できればいいが、今日は最後まで引きずった」と課題を口にした。プレーオフでは『トップチャレンジリーグ2021』1位・豊田自動織機シャトルズ、2位・近鉄ライナーズ、3位・コカ・コーラレッドスパークス、4位・清水建設ブルーシャークスも戦いの輪に入って来る。下部リーグと侮ってはいけない。豊田自動織機がイングランド代表フレディー・バーンズ&サモア代表トゥシ・ピシという屈指のゲームメーカーを揃えれば、近鉄にはSHウィル・ゲニア&SOクウェイド・クーパーという元ワラビーズハーフ団とともに1月の『第57回全国大学選手権大会』で天理大学を初の日本一へ導き、4月12日の日本代表候補にも選出されたCTBシオサイア・フィフィタも名を連ねる。プレーオフトーナメントの組み合わせは以下の通り。【1回戦】4月17日(土)M57三菱重工×コカ・コーラパロ瑞穂ラM58豊田自動織機×NEC花園4月18日(日)M59清水建設×日野たけびしM60宗像サニックス×近鉄秩父宮【2回戦】4月24日(土)M61東芝×リコーパロ瑞穂ラM62サントリー×M58勝者秩父宮M63クボタ×ヤマハ発動機江戸川M64M57勝者×神戸製鋼花園4月25日(日)M65M60勝者×パナソニック花園M66トヨタ自動車×M59勝者秩父宮M67NTTコム×キヤノン江戸川M68Honda×NTTドコモパロ瑞穂ラ【準々決勝】5月8日(土)M69M67勝者×M65勝者熊谷M70M66勝者×M68勝者えがおS5月9日(日)M71M63勝者×M64勝者エコパM72M62勝者×M61勝者昭和電ド【準決勝】5月15日(土)M73M70勝者×M69勝者 花園5月16日(日)M74M72勝者×M71勝者 花園【決勝】5月23日(日)M75M74勝者×M73勝者秩父宮初戦から興味深いカードがズラリと揃う。豊田自動織機×NECと宗像サニックス×近鉄は、トップチャレンジ勢が下克上を果たすのか、トップリーグ勢が意地を見せるのか、注目される。WC3位となったクボタは2回戦でヤマハ発動機と当たる厳しい組み合わせとなった。清水建設×日野の勝者と対峙するトヨタ自動車とはカンファレンス2位と3位の大きな隔たりが生じたと言える。4月11日、キヤノンで今季初出場初トライをマークしたNO8アマナキ・レレイ・マフィはいきなり古巣NTTコムと顔を合わせる。東芝×リコー、Honda×NTTドコモなどという好カードも並ぶ。NTTドコモ大躍進の原動力であるTJ・ペレナラはプレーオフへ向けて、「3位はうれしいし、誇りに感じるが、勝てる試合を落としている。もっと勝ち切り、成長しなければならない。トーナメントは全部勝ちにいくつもり。まずは目の前のことをひとつずつやり、ビッグチームに対して最後のもう一歩を改善していけば、どのチームでも勝てると思う」と鼻息が荒い。『トップリーグ2021』プレーオフトーナメントは4月17日(土)に開幕。1回戦のチケットは発売中。2回戦のチケットは4月21日(水)午前10時より一般発売。準々決勝のチケットは4月25日(日)午前10時~26日(月)午後11時59分まで先行抽選プレリザーブ、5月1日(土)午前10時より一般発売。準決勝のチケットは4月25日(日)午前10時~26日(月)午後11時59分まで先行抽選プレリザーブ、5月12日(水)午前10時より一般発売。決勝のチケットは5月9日(日)午前10時~10日(月)午後11時59分まで先行抽選プレリザーブ、5月19日(水)午前10時より一般発売。取材・文:碧山緒里摩(ぴあ)トップリーグ特設ページジャパンラグビートップリーグ2021プレーオフトーナメントチケット情報
2021年04月16日『ジャパンラグビー トップリーグ2021』第6節でふたつの全勝対決がラインナップされた。ホワイトカンファレンスの神戸製鋼コベルコスティーラーズ×パナソニック ワイルドナイツと、レッドカンファレンスのサントリーサンゴリアス×クボタスピアーズだ。『トップリーグ』初代王者であり前回覇者でもある神戸製鋼に最多タイの優勝5回を誇るサントリー、優勝4度のパナソニックと強豪ひしめく中、クボタが堂々と名を連ねる。これまでクボタはトップ4に入ったことすらない。最高位は6位である。2011・2012年度は下部リーグでの戦いを余儀なくされた。シーズン不成立となった昨季も4勝2敗に終わっている。立川理道(クボタスピアーズ)(C)スエイシナオヨシそれが今季は開幕5連勝を飾った。第6節・サントリー戦の結果次第ではターゲットであるトップ4入り、さらには悲願である日本一も見えて来る。大一番を前にさぞや気合も入っているだろうと思われたが、3月31日・オンライン取材に出席した立川理道主将には気負いもなければ気後れもなかった。「この試合が特別な試合だとは思ってはいない。全勝対決はうれしく思う。ポイントのセットピースで強みを出していきたい。セットピースで優位に立てれば、クボタのラグビーができるのでは」決してサントリーを軽んじているわけではない。今季のレギュレーションはリーグ戦後のプレーオフトーナメントで覇権を争う。勝負の時はまだ先である。主将は目の前の試合にフォーカスする重要性を説く。「この試合はレギュラーシーズンの1試合。自分たちはまだ優勝したことがないので、プレッシャーはない。今までやって来たプロセスを信じてやるだけ。あまり先を見ずに目の前の一戦一戦を見ていくことが重要」フラン・ルディケヘッドコーチ(HC)はサントリー戦へ向けて、興奮を隠そうとはしなかった。「エキサイティングな気持ち。この試合のために36週かけてきたと言っても過言ではない。ピークを迎えられるよういい準備をしている。我々のプランもある。土曜日の試合でどれだけベストなパフォーマンスを出せるか。両チームともレベルが高く、互いに強みがある中、鍵はいかに状況に応じたプレーができるかだ」2016-2017シーズンに就任して以来、チームを強化し続けて来たHCは今季の快進撃をこのように説明した。「過去5シーズンハードワークしてきたが、今季はいいスタートを切り、コンスタントにいいパフォーマンスができている。それはメンタルの成長が大きい。あとリクルートの部分。ライアン・クロッティ、マルコム・マークス、バーナード・フォーリーが加わり、彼らがチームを助けてくれている」今季加入した南アフリカ代表33キャップのフッカー(HO)マークスについて、指揮官が「ほかのチーム、どこに行ったとしても試合に出られる選手。フロントロウにもラインアウトにも自信を植え付けている」と称せば、主将も「これまでもセットピースに自信を持っていたが、彼が入ってトップリーグトップクラスのセットピースに押し上げてくれた」と評した。ここまでMVP級のパフォーマンスを披露しているマークスもサントリー戦を楽しみにしていた。「サントリーがいいチームなのは理解しているが、まず自分たちのやるべきことにフォーカスしたい。サントリーのアタックがいいことは知っているが、自分たちのラグビーに集中したい。(セットピースでは)すごいに戦いになるだろう。サントリーはセットピースが強いが、我々もセットピースに自信を持っている」所属2年目となるニュージーランド代表48キャップのセンター(CTB)クロッティもマークスらFW陣を頼もしく感じている。「FWパックは我々の強み。デカくて強い彼らもエキサイティングな気持ちだと思う。クボタのインパクトはトップリーグでも上位だと思う。自分は自分の仕事をするのみ。ハイスタンダードで臨めば、自分たちのラグビーはできるはず」ピッチ上の仕事だけではない。今季は外国人登録の関係でフル稼働できていないが、クロッティは問題ないと語る。「私の仕事はチームをよくすること。試合に出てなくてもほかの選手の成長に貢献できることはたくさんある。現在はノンメンバーがエネルギーを持ち、アグレッシブに準備することでチームの成長につながっている。このチームがうまくいっているのはクボタのチームカルチャーがよく影響している」勝利のためにできることはすべてやる。オーストラリア代表71キャップのスタンドオフ(SO)フォーリーに、オールブラックスのチームメイトだったボーデン・バレットの弱点は伝えたとクロッティは笑う。「バレットとは代表でも長いことやってきた。『スーパーラグビー』では敵同士だったが、日本で対戦するのは楽しみ。彼のプレースタイルを考えると、ディフェンスで時間とスペースを奪うのが大切。彼のラン、パス、キックを取り除けば効果的に止められる。フォーリーはアタックで多くの役割を担っているので、バレットの秘密もすべてを話した(笑)。今自分はクボタのキャップをかぶっているので、チームのために話した」ボーデン・バレット(サントリーサンゴリアス)(C)F.SANO対するサントリーここまで一切隙を見せていない。スコアから両軍の力関係は計れないが、これまでの戦いぶりを振り返ってみたい。【第1節】クボタ43-17宗像サニックス三菱重工7-75サントリー【第2節】東芝7-39クボタHonda14-31サントリー【第3節】クボタ34-24NTTコムサントリー75-10宗像サニックス【第4節】クボタ38-7Honda東芝5-73サントリー【第5節】クボタ32-17三菱重工トヨタ自動車36-39サントリー改めて見ると、サントリーの圧勝ぶりが際立っている。しかも、前節はトヨタ自動車との接戦を制した。ブレイクダウンでトヨタが優位に立ち、前半は12-26とリードを許すも、後半に早々にテビタ・リー&中野将伍のウイング(WTB)勢の連続トライで主導権を握る。すると、19分にスクラムハーフ(SH)流大のトライでついに同点と思われたが、長いTMOによってトライは無効となった。並のチームならばここで流れを失うのだが、サントリーは慌てず騒がず。23分にテビタ・リーがこの日2本目、リーグトップタイに並ぶ9トライ目を奪い、あっさり同点に。その後1本ずつトライとコンバージョンを決めて36-36で迎えた41分、10mラインを超えた左側からサントリーはペナルティゴール(PG)を選択。ここまで6本中3本成功とショットの精度を欠いていたバレットだが、最後の最後でポールに当てながら成功、劇的勝利となったのだ。ワンサイドゲームで圧倒するだけではなく、負けパターンでも最後に勝利を手繰り寄せる勝負強さをサントリーは見せ付けたのだ。試合後にミルトン・ヘイグ監督は「接戦となったがボールがよく動いたいいゲームだった。前半はミスが多く、トヨタにプレッシャーをかけられた。後半はフェイズをしっかり重ねることで修正できた。後半の出来には満足しているが、試合を通して自分たちのプレーを出せなかった」と反省の弁を忘れなかった。またCTBを務める中村亮土主将は苦戦する展開にも「試合前から80分でポイントを勝っていればいいというマインドセットで臨んだ。前半からプレッシャーをかけ、これが後半に効いてくると思っていたので、余裕を持ってプレーできた」と想定内だったと明かした。さらにクボタ戦へ向けて「今まで大勝の試合が続いていた中、こういうタフな接戦を経験できたのは今後2試合、トーナメントへ向けてもいい反省ができるのがよかった。次もこれまでと同じようにベストの準備をすること。メンバー・ノンメンバー含めて一体感を持っていい準備をしたい」と続けた。シビれる場面でのキックを託されたバレットも「(最後のPGは)接戦だったが、その中でも落ち着いて自分のプロセスを大事に蹴られるように常にトレーニングしている。重要なキックだと理解しているが、落ち着いてキックできた。風の向きがコロコロ変わって難しかったけど」と落ち着き払った様子だった。キックオフ48時間前に発表される試合登録メンバーは以下の通り。【サントリー】1森川由起乙、2中村駿太、3セミセ・タラカイ、4ハリー・ホッキングス、5辻雄康、6飯野晃司、7小澤直輝、8ショーン・マクマーン、9流大、10ボーデン・バレット、11テビタ・リー、12中村亮土、13中野将伍、14江見翔太、15尾崎晟也、16堀越康介、17石原慎太郎、18垣永真之介、19小林航、20西川征克、21齋藤直人、22田村煕、23サム・ケレビ【クボタ】1海士広大、2マルコム・マークス、3山本剣士、4デーヴィッド・ブルブリング、5ルアン・ボタ、6トゥパ フィナウ、7ピーター・ラピース・ラブスカフニ、8バツベイ シオネ、9井上大介、10バーナード・フォーリー、11山崎洋之、12立川理道、13テアウパ シオネ、14ゲラード・ファンデンヒーファー、15金秀隆、16杉本博昭、17羅官榮、18北川賢吾、19青木祐樹、20末永健雄、21藤原忍、22岸岡智樹、23ライアン・クロッティサントリーは中野が満を持して本職CTBで初先発、トヨタ戦でフィニッシャーの役割を担ったオーストラリア代表33キャップのサム・ケレビはベンチで戦況を見つめる。一方のクボタ、天理大を『大学選手権』初優勝に導いたSH藤原が早速メンバー入り。中野、SH齋藤との再会を「早稲田の同期のふたりがいるサントリー戦、彼らもおそらく出てくるので、自分自身もメンバーに入って勝負したい」と待ち望んでいたSO岸岡もメンバーに名を連ねた。今季もサントリーが勝利し、対クボタ12連勝をマークするのか、今季こそクボタが白星を獲得し、2004-2005季以来の勝利を飾るのか。果たして、全勝をキープするのはどっちか。『トップリーグ2021』レッドカンファレンス第6節・サントリーサンゴリアス×クボタスピアーズは4月3日(土)・秩父宮ラグビー場にてキックオフ。取材・文:碧山緒里摩(ぴあ)
2021年04月02日抜群のスピードとテクニックに視線集中、バスケットボール界の注目株、Bリーグ・宇都宮ブレックスのテーブス海選手に迫ります。今のバスケ選手には賢さが必要。そこが魅力でもある。国内男子プロバスケットボールリーグ「B.LEAGUE(Bリーグ)」の宇都宮ブレックスに所属するテーブス海選手。アメリカの大学でのプレーを中断し、チームに加入したのが昨年1月。試合に出場するや主戦力として早々に活躍し、Bリーグがバレンタイン時期に実施している「B.LEAGUE モテ男No.1決定戦」では、ダントツの投票数で今年の1位に。でも、本人は謙遜気味。「ブレックスは本当にファンが多いチームですから。それで僕も応援してもらえたんだと思います(笑)。もちろん応援してもらえるのは嬉しいですし、プレーでもっとカッコよさを見せていきたいと思うようになりました」ファンから「セクシー」と言われる低めの声と、あどけなさが残る顔立ちとのギャップもテーブス選手の魅力。「本当はヒゲを生やしたいんですけど、なかなか生えなくて。チームでは僕が一番年下で、メンバーは見た目も大人なので、ベビーフェイスが目立ってしまうんです」とはいえプレーでは、その存在感を遺憾なく発揮。スピードに乗ったアグレッシブなオフェンスで会場を魅了。「アメリカでやっていた頃は対戦する相手の体が大きかったので、自分もパワーを重視していたんですけど、日本に帰ってきたら、体の大きさはあまり関係なく、とにかくみんな速い。そうなると自分もスピードを重視しなければと思い、9kgくらい体重を落としました」今のバスケットボールは、日本はもとより世界的にも、身長よりスキルやバスケットIQの高さが重要視される傾向に。テーブス選手も、バスケットボール選手の魅力は、そんなクレバーさにあると言う。「たとえば対戦相手が自分よりも身体能力があって、身長も大きかったとします。でも、自分のほうが賢いプレーをできたら勝てることもあるスポーツなので、そういうところが面白いし、カッコいいんじゃないかなって思います。僕のポジションはポイントガード(PG)といって、メンバーに指示を出す司令塔のような役割だから、まさにバスケットIQが必要。誰がどこにいるか、試合の流れや、相手のディフェンス、自分たちのオフェンスなど、常にいろいろ考えないといけないので、難しいポジションではありますが、やりがいも大きいんです」ベビーフェイスとは言うけれど、バスケットボールを語る真っすぐな眼差しや、しっかりとした考え方からは成熟した内面が窺える。そんなテーブス選手に、色気を感じる魅力的な男性について聞いてみると、「僕は、性格だと思います。顔とか髪型とか、見た目がカッコいい人はいますけど、実際に会って性格がそんなによくなかったら、そうは思えなくなってしまう。逆ももちろん、ありますよね。僕が思う色気のある人とは、自信を持っていて、頼りになる人。親切で、自分の感情を表せる人。子どもの頃は、お父さんがその理想像でした。見た目は怖かったけど(笑)」現在、ブレックスはBリーグ東地区1位※をひた走る。「昨シーズンも強かったけど、残念な終わり方で(コロナ禍で中断)。今季はなんとしても優勝したいです」※2021年3月12日現在てーぶす・かい1998年9月17日生まれ、兵庫県出身。身長188cm。高校2年でアメリカに渡り、高校、大学でプレー。NBAを視野に日本で腕を磨こうと、2020年、宇都宮ブレックスに加入。©B.LEAGUETシャツ¥15,000腰に巻いたスウェット¥26,000ショーツ¥27,000(以上アクネストゥディオズ/アクネ ストゥディオズアオヤマ TEL:03・6418・9923)※『anan』2021年3月31日号より。写真・天日恵美子スタイリスト・中根美和子取材、文・保手濱奈美(by anan編集部)
2021年03月29日相手を翻弄するドリブルにファインゴール。華麗なテクニックで、皆を虜にさせる…。Jリーグのニューヒーロー、川崎フロンターレの三笘薫選手の素顔とは。難しいプレーを簡単そうに見せる選手に“色気”を感じます。午後まで雨が残るとの予報に反して、昼前には陽光が差した撮影日のように、予想は“いい意味で裏切られる”ことがある。三笘選手の昨季の活躍がまさにそれだ。「試合に出続ける」を目標に掲げたルーキーイヤー。蓋を開ければスーパープレーで度々会場を沸かせ、13得点(新人最多タイ記録)に12アシスト(リーグ最多数)とMVP級の活躍。クラブを優勝に導いた立役者の一人に。「充実したシーズンでしたが、満足した試合はひとつもないですね。たとえ得点に結びついても、そのプレーが実力かどうかは自分で判断しています。周りの評価や期待が気になる時期もありましたが、コンディション維持に集中することが結果につながると思うので、毎試合の反省点を練習に落とし込んで次に活かす。それを積み重ねていくしかないと思っています。武器であるドリブルや、パスの精度をもっと高めて、“どうやってるの?”と不思議に思われるようなプレーを見せたいですね」間近で見るほどに揺らぎのない強い眼差しは眩しく、謙虚さと強い意志が紡ぎ出す言葉の端々からは、プロ2年目の23歳とは思えない自信と風格さえも感じさせる。そこに、別次元のドリブルを繰り出すプレーだけじゃない、三笘選手だけの“色気”、人を惹きつける輝きがある。「そう言っていただけるのは嬉しいですが、僕自身は全くないと思っています(笑)。色気を感じるのは、いやらしいプレーをする選手かな。クラブで言うなら家長昭博選手。フィジカルが強くて、難しいプレーを簡単そうに見せるのもうまいし、スペースの取り方、味方を鼓舞するところでもいろいろと引き出しが多くて勉強になります。ビジュアルもカッコいいですしね。普段の僕は、あまりしゃべらないほうで、いじるでもなくいじられるでもなく、そのやり取りを端っこで見ているような悪いタイプ(笑)。休日は、部屋で好きな音楽を流しながらゆっくり過ごすことが多くて、あとはサッカーの動画や映画を観たり…。目的を持って生活したいとは思いますが、プライベートは地味な毎日を送っていますね(笑)」さらに、気になる恋愛面のことを尋ねると…。「何でも言い合えて、尊敬や刺激もし合える関係性が理想です。とはいえ基本的に女性を前にすると緊張するので、アプローチするとしても一気に仕掛けず、様子を窺いながら徐々に間合いを詰めていきます(笑)。僕のアピールポイントといえば聞き上手。ずっと話を聞いていられるし、共感もできるからそこが魅力と思ってくれたらいいのですが、どちらかというと鈍感で、相手の変化に気づけないんですよ。サッカーでは自信を持っている“状況判断”に失敗して、試合に負けています(笑)。攻める(=気づく)ことがなかなかできないので、相手に合わせてディフェンスするしかないですね。サッカーの練習同様に、反省しながら修正していきたいです(笑)」くしゃっと笑いながら少し自信なさそうに語る、誠実で好青年な一面も。精悍で自信あふれるプレーとのギャップもまた、三笘選手ならではの色気といえそう。今季も開幕戦から大活躍。加速する煌めきに目が離せない。みとま・かおる1997年5月20日生まれ、神奈川県出身。筑波大学卒。ポジションはMF。2020シーズンJリーグベストイレブン。「今年は“2年目のジンクス”なんて言われないような活躍をしてみせます!」。©KAWASAKI FRONTALEシャツ¥14,600パンツ¥19,700(共にA│Xアルマーニ エクスチェンジ/ジョルジオ アルマーニ ジャパン TEL:03・6274・7070)※『anan』2021年3月31日号より。写真・岡本 俊(まきうらオフィス)スタイリスト・中根美和子取材、文・伊藤順子(by anan編集部)
2021年03月27日『ジャパンラグビー トップリーグ2021』第5節で全勝対決がラインナップされた。トヨタ自動車ヴェルブリッツ×サントリーサンゴリアス。今後のレッドカンファレンス上位争いを占うのはもちろん、プレーオフトーナメントに向けて重要な試金石となる一戦である。最後の『トップリーグ』で最多優勝記録更新を目指すサントリーと、初のタイトル獲得を目論むトヨタ自動車のそれぞれの現在地がわかる80分間になるだろう。タイトルを見据える両チームだが、『トップリーグ』以降の対戦成績を見るとサントリーが15勝1分2敗と圧倒する。シーズン不成立となった昨季もサントリーが60-14で大勝している。トヨタ自動車の勝利は2010-2011季まで遡らなければならない。トップリーグ2018-2019開幕戦・トヨタ自動車×サントリーより姫野和樹(C)F.SANO通算成績は差がついたが、白熱した好ゲームを思い出すファンも多いだろう。『トップリーグ2018-2019』開幕戦では終盤までトヨタが25-20とリードするも、サントリーの怒涛の猛攻に遭う。攻めるサントリーに耐えるトヨタという構図の中、後半44分に姫野和樹主将(当時)がシンビンで一時退場……。数的不利に陥っても意地でもゴールラインを割らせないトヨタであったがとうとう後半49分、サントリーに認定トライを許し25-27の逆転負けを喫した。姫野は最後まで諦めないチームメイトの姿を見て涙を流したのだった。2017-2018季第8節では後半19分までトヨタが31-13とリード。しかしサントリーのスタンドオフ(SO)小野晃征にPGを決められて後半35分、ついに31-32と逆転された。それでもトヨタは後半41分に再逆転のチャンスを得た。ハーフウェイライン超えた地点でトヨタがPGを獲得。だがSOライオネル・クロニエのキックはわずかに届かず、サントリーが32-31の薄氷を踏む勝利を手繰り寄せたのだった。今季の両軍の戦いぶりを振り返ってみたい。トヨタ自動車は開幕戦で東芝ブレイブルーパスの猛烈な追い上げに遭うも34-33で逃げ切った。第2節では開幕戦の反省を生かし、NTTコミュニケーションズシャイニングアークスを相手に47-29ときっちりゲームを締めた。第3節・Honda HEAT戦では粘り強いディフェンスを披露、ゲームをコントロールしチャンスを決め切り45-3の完勝。3月13日の第4節・宗像サニックスブルース戦では初めてオーストラリア代表現主将のフランカー(FL)マイケル・フーパーと元ニュージーランド代表主将のNO8キアラン・リードがスタメンで揃い踏み。開始2分、FLフェツアニ・ラウタイミの先制トライを皮切りに前半の内に7トライをマークし勝負を決め最終的には61-29と大勝した。サニックス後のサイモン・クロスHCは前半の出来に満足したものの、「後半はラックなど密集でのプレーがうまくいかず、仕事をやり切れなかった。またオフロードをやり過ぎて、セットピースのチャンスを生かせず、相手に点を取られてしまった」と反省の弁を述べた。また、初めて同時出場したリード&フーパーについて、「リードはリーダーシップを体現してくれるプレーヤー。素晴らしいスキルを持ち、キャッチ&パス、キャリー、ラインアウトでリーダーシップを発揮し、チームへ付加価値を与える。フーパーはプレッシャー、キャリーで強みがある。特にセットピースでアタック・ディフェンスどちらでも細かいところでいい仕事をしてくれる。ふたりともチームにとても大きなインパクトを与えている」と評価した。マン・オブ・ザ・マッチに選出されたフーパーは「前半は非常に満足をしている。強いモールや風を強みに生かして、いい形で前半を終えることが出来た。後半に関しては、サニックスの追い返しでの自分たちのディシプリンに課題が残った。個人としてはレッグドライブ、キャリー、タックルといったところでいいパフォーマンスは出来たのかな」と振り返るとともに、「このタイミングで1週間バイウイークがあることは、本当にいいこと。4連勝からいかに進歩していくか、どこがうまくいったか、どこがうまくいかなかったか、4試合通じてレビューを重ねて、次のサントリー戦につなげたい」と第5節を睨んだ。3月23日のメディア対応にはクロンHCとラウタイミが登場。指揮官は「サントリーはすべてにおいてとても優れたチーム。どのポジションも選手層が厚く、ゲインラインを突破できる選手も多く、幅を使った鋭いアタックができる。チームとして成熟している」と分析し、「サントリーは東芝戦でも早いラックスピードからオフロードにつなげ、さらにラックスピードを上げていく攻撃を展開していた。そうさせないディフェンスが必要になってくる」と明かした。ラウタイミも「サントリーはすごくボールを動かすチームなので、それを止めることが必要。フィジカル面で勝てれば、勝機は十分あると思う」と同調した。一方のサントリーは問答無用のアタッキングラグビーで4連勝をマーク。三菱重工相模原ダイナボアーズとの開幕戦ではウイング(WTB)テビタ・リーの5トライなど計11トライを量産し75-7と大勝。第2節はHondaの魂のこもったタックル、粘り強いディフェンスに手を焼きながらも31-14ときっちりボーナスポイントも獲得した。第3節・サニックス戦もセンター(CTB)ケレビの3戦連続トライ、オールブラックスの司令塔ボーデン・バレットの1トライ10ゴールなどで75-10と圧倒。極め付けは前節だ。3月13日わずか12分での雷雨中止を受けて、20日に仕切り直しとなった東芝との第4節再試合である。サントリーは東芝が規律を乱しペナルティをおかせば、すぐさまPGで加点、バレットの3連続PGで主導権を握った。またバレットの多彩なキックで東芝の前へ出るディフェンスの出足を止めると、スピーディな連続攻撃やバレットのセンスが光るパス、中村亮土&ケレビのCTBコンビやNO8テビタ・タタフら個の能力を生かした突破で一方的にライバルを攻め立てる。ケレピの2試合連続2トライやタタフのハットトリック、バレットの24得点など府中ダービーで73-5の記録的大勝を収めたのだった。ボーデン・バレット(サントリーサンゴリアス)試合後、ミルトン・ヘイグ監督は「今日の試合結果については大変満足している。ボールを持っている時も持っていない時も、相手にいいプレッシャーをディフェンスで与え、いいターンオーバーもいくつかできた。今日はチームの総合力が出る形になった。これはノンメンバーを含めた選手たちがハードワークをしてくれた結果」と選手たちを称えた。第4節の中止・再試合によって貴重な休息がなくなった影響について問われたが、指揮官は「今週少しローディングは抑えた形でのトレーニングをした。ここからビッグマッチが続く。チーム内の競争がチームの総合力を生む。ポジションごとにしっかりチーム内の競争をした上で結果につなげていきたい」と選手層の厚さでカバーすると語った。ピッチ上で異彩を放つSOバレットが「来週はトヨタ戦があるが、しっかり自分たちのやっているシステムを信じてプレーすること。また、自分がチームに対して何か付加価値を与えられることがあれば、それをやりたい」とコメントすれば、マン・オブ・ザ・マッチに選出されたタタフも「来週の試合に向けてしっかり準備したい。相手にはインターナショナルレベルのプレーヤーがいるのでバトルに負けないようにがんばっていきたい」と前を向いた。キックオフ48時間前に発表される試合登録メンバーは以下の通り。【トヨタ自動車】1三浦昌悟、2彦坂圭克、3淺岡俊亮、4秋山大地、5マイケル・アラダイス、6吉田杏、7マイケル・フーパー、8フェツアニ ラウタイミ、9茂野海人、10ライオネル・クロニエ、11ヘンリー ジェイミー、12マレ・サウ、13ロブ・トンプソン、14高橋汰地、15ウィリー・ルルー、16加藤竜聖、17高橋洋丞、18伊尾木洋斗、19ジェイソン・ジェンキンス、20タウファ オリヴェ、21滑川剛人、22岡田優輝、23チャーリー・ローレンス【サントリー】1森川由起乙、2堀越康介、3垣永真之介、4ハリー・ホッキングス、5辻雄康、6ツイ ヘンドリック、7ショーン・マクマーン、8テビタ・タタフ、9流大、10ボーデン・バレット、11テビタ・リー、12中村亮土、13梶村祐介、14中野将伍、15尾﨑晟也、16中村駿太、17石原慎太郎、18セミセ・タラカイ、19飯野晃司、20小澤直輝、21齋藤直人、22田村煕、23サム・ケレビトヨタはリードがメンバー外となったことを受け、ラウタイミは本職のNO8でのスタメン出場となり、サントリーはCTBの先発を梶村が勝ち取り、ケレビが後半からの登場となる。果たして、トヨタ自動車がタイトルにふさわしいチームだと証明するのか、サントリーの快進撃が続くのか。全勝を守るのはどっちだ。『トップリーグ2021』レッドカンファレンス第5節・トヨタ自動車×サントリーサンゴリアスは3月27日(土)・パロマ瑞穂ラグビー場にてキックオフ。取材・文:碧山緒里摩(ぴあ)
2021年03月26日『ジャパンラグビー トップリーグ2021』は4試合を終えて、全勝は5チームのみ。ディフェンディング王者の神戸製鋼コベルコスティーラーズに最多タイとなる優勝5回を誇るサントリーサンゴリアス、優勝4回で続くパナソニック ワイルドナイツ、最後のシーズンで初優勝を狙うトヨタ自動車ヴェルブリッツとともにクボタスピアーズが名を連ねる。クボタはここまでタイトルはおろかトップ4に入ったこともない。2014年度から4シーズン連続でふた桁順位に甘んじた。最高位は6位である。2018-2019シーズンは7位、シーズン不成立となった昨季も4勝2敗だった。決して強豪とは言えないクボタだが、開幕4連勝はフロックではない。2016-2017季にフラン・ルディケヘッドコーチ(HC)が就任して種は蒔かれた。2019-2020季にはオーストラリア代表71キャップを誇る司令塔バーナード・フォーリーとニュージーランド代表48キャップのセンター(CTB)ライアン・クロッティが、今季は南アフリカ代表33キャップのフッカー(HO)マルコム・マークスら正真正銘のワールドクラスも加入。確かな成長を続けて来たクボタは今季結実の時を迎えようとしているのだ。最後の『トップリーグ』を前にチームはトップ4、さらに日本一をターゲットに定めた。シーズン前、ルディケHCが「勝つラグビーをする。応援してくれるファンに誇りに思ってもらえるよう戦っていきたい。チームの仕上がりは順調。新加入選手たちもチームの戦術をよく理解し、激しい競争が生まれ、チームや選手個人の成長を生んでいる」と語れば、立川理道主将も「経験豊富な外国籍選手やベテランがチームを牽引し、11人の新加入選手がチームに勢いを与えるバランスのいいチームに仕上がっている。みなさんが誇りに思ってもらえるようなプレーで、優勝を目指す」とキッパリ。開幕戦では宗像サニックスブルースを相手に43-17と大勝。シンビン(10分間の一時退場)が2回出るなど数的有利を生かすとともに、マークスがセットピースで違いを見せ付けた。早速2トライをマークしたマークスを指揮官は「彼の加入はストロングセットピースを我々にもたらした。彼はフィールドにおいてもほかの選手の見本」と評価したが、当の本人は「最初のトライはチームの奮闘があったからこそ。私はラインを越えてボールを置いただけ。2本目のトライはインターセプトできてラッキーだった」と謙遜した。翌週にはサントリーと並び最多Vを記録する東芝と激突。肉弾戦に一家言持つ東芝を接点で圧倒し、多種多様なアタックを見せて39-7の完勝を収めた。ルディケHCが「スクラムは我々にとって大事なカギ。しっかりプレッシャーをかけて東芝を苦しめた」とセットピースの手応えを語れば、立川主将は「アタックではいろんな形で取り切ることができたのは収穫」とアタックを評価した。第3節では千葉ダービーが実現。NTTコミュニケーションズシャイニングアークス戦ではフォーリーに代わってルーキー岸岡智樹がスタンドオフ(SO)で初スタメン、ケガの立川に代わりクロッティがCTBに今季初先発。マークス、ロック(LO)ルアン・ボタ、フランカー(FL)ピーター・“ラピース”・ラブスカフニらFW陣が強さを見せるとともにウイング(WTB)タウモハパイ ホネティがハットトリックを決めるなど34-24と逃げ切った。初めて10番を背負った岸岡は試合後、「サントリーでは中野将伍選手、齋藤直人選手が各試合でそれぞれスタートした。私自身、彼らの活躍に負けていられないなと思う」と早稲田大の盟友に対抗心を燃やした。先週の第4節はHonda HEATと対峙。得意のスクラムではペナルティを取られるなどフラストレーションが溜まる展開にも焦れずにスクラムハーフ(SH)井上大介の早いリスタートや自陣で相手パスをインターセプトした新人フルバック(FB)金秀隆の80m独走トライなど隙を見逃さない試合巧者ぶりで38-7の圧勝。試合後の記者会見ではHCと主将が開幕4連勝の要因を明かした。「継続の力。グループとして毎週毎週ハードワークを積み重ねてプロセスを信じてやって来てこういう結果につながった。プランをどれだけ遂行できるか、プロセスにフォーカスし、バランスよく準備してきた結果が試合に出せている」(ルディケHC)「ルディケが来てから積み上げてきたことをこの1・2年でしっかり試合で出せるようになった。もちろん、外国人選手の力は大きいが、ただの助っ人としてではなく、しっかりチームに力をもたらしてくれている。試合に出られないメンバーも含めてチームのために動いている。チームとしての力を感じている」(立川主将)立川理道(クボタスピアーズ)(c)スエイシナオヨシまた3月16日には新入団選手オンライン取材が行われた。4月以降、『トップリーグ2021』に出場可能となる日本体育大LO・FLの玉置将也、帝京大のLOオト ジョシュア輝恵、中央大SO侭田洋翔、法政大ユーティリティバック(UTB)根塚洸雅は次のように意気込みを語った。「体がまだまだ小さいので、体を大きくして、レギュラーに定着できるようがんばりたい。まずはLO。でも試合に出て日本一に貢献したいので、チャンスがありチームに貢献できるならバックローという気持ちもある」(玉置)「これからクボタが優勝できるようチームに貢献し、自分も試合に出られようにがんばりたい。大学からラグビーを始め、4年間もケガがあり、満足する結果も出せなかった。自分がどれだけできるかチャレンジしたくて、チャンスをくれたクボタでチャレンジすることになった。フィジカルやボールキャリーには自信ある、バスケをやっていたのでラインアウトのジャンプとかも得意」(オト)「今上昇しているチーム、僕も波に乗れるよう上昇していければ。試合を何試合か見て、クボタの雰囲気がいいと思ったので、入りたいと思った。(同じポジションのフォーリーや岸岡ら)素晴らしい選手がいる環境でやらせてもらった方が僕自身のレベルも上がると思ったので、この選択をした。まず1年目はチームに慣れて身体作りをし、2年目からしっかり試合に出てチームの役に立てれば」(侭田)「クボタに入団して、乗っているチームのいい雰囲気を実感している。クボタの好きなファミリー感も楽しんでいる。自分らしさを生かして、日本最高峰のリーグでどれだけできるかやっていきたいし、自分の味を出していきたい。クボタでは何番とは絞っていないけど、バックスリーに絞ってやっていきたい。兄(HondaのSH根塚聖冴)とは大学で同じチームだったので、次は敵として競り合った方が自分自身もお客さんも楽しめるかなと思った」(根塚)ちなみに天理大を悲願の日本一へ導いたSH藤原忍はひと足早い2月10日にオンライン取材を受けた。その際、藤原はこう意気込んでいた。「僕はまだ身体が小さいので、もっともっと身体を大きくしながら、『1年目から絶対にレギュラーで出るんだ』という強い気持ちを持ってやっていきたい。クボタは日本一を目指していると聞いた。天理と同じでまだ日本一にはなっていないチームで、一緒に日本一になりたいと思った。ボールを持ち出して自分から仕掛けることもできるし、早いテンポのパスでBKを動かすこともできるので、そこはクボタでもやっていきたい。井上さんのいいところをマネして、自分のいいところを出して、9番をしっかり取れれば。その後日本代表で活躍したい」クボタは2月28日(日)・江戸川区陸上競技場で三菱重工相模原ダイナボアーズ、4月3日(土)・秩父宮ラグビー場にてサントリー、4月11日(日)・東大阪市花園ラグビー場にてトヨタ自動車と対戦する。三菱重工相模原戦のチケットは3月20日(土・祝)午前10時より一般発売、サントリー戦のチケットは3月21(日)午前10時から22日(月)午後11時59分まで先行抽選プレリザーブ。クボタは負けられないプレーオフトーナメントを前に勝負のサントリー戦、トヨタ自動車戦へ挑む。文:碧山緒里摩(ぴあ)トップリーグ特設ページクボタスピアーズチケット情報
2021年03月17日ユニバーサル・スタジオ・ジャパンとプロ野球 セントラル・リーグ6球団(以下、セントラル・リーグ)は、双方間におけるイベント・パートナーシップ契約締結を記念して、セントラル・リーグ各球団の代表選手やマスコットたちを迎えた発表イベントを開催した。この契約は招待形式の大規模イベントを2019年から検討しているセントラル・リーグが、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンの賛同を得て、パークを貸し切り、セ・リーグファンを招待。イベントを実施する内容だ。それだけでなく、各球団の本拠地球場のビジョンに球団マスコットとパークの人気キャラクターたちが、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンが20年間の集大成として贈る参加型ダンス・ショー「NO LIMIT! タイム」にも登場する「NO LIMIT!ポーズ」で盛り上がる様子を映し出すなど、球場側でもパーク20周年イベントと連携する企画もスタートする。発表イベントには、代表選手たちがリモートで参加。会場と一緒に野球の応援歌を連想させるトランペットや太鼓の音をポップにアレンジしたアップテンポな音楽に合わせ、「NO LIMIT!ポーズ」に挑戦した。ソーシャルディスタンスが必要なニューノーマルな社会でも、離れた仲間と一緒に盛り上がり、絆を深められることを体現していた。以下、各チーム代表選手のコメント●読売ジャイアンツ岡本和真選手子供のころ、よく遊びに行っていたユニバーサル・スタジオ・ジャパンとパートナーシップを結んだことを聞いたときは、本当にうれしく思いました。今年は皆さまを超元気にできるプレーをして、優勝!そして、日本一を目指してがんばりたいと思います。●阪神タイガース近本光司選手チームスローガン「挑・超・頂」は、挑戦する姿勢、自分自身を超える、頂点に立つことを意識し、強い意志で1年間しっかり戦っていこうという思いが込められています。自身も3年連続の盗塁王をめざして、自分の可能性を超えていきたいと思います。●中日ドラゴンズ高橋周平選手今回のパートナーシップ契約の中で、「セ・リーグ フェスティバル」に一番、興味をもちました。ぜひ参加したいです!●横浜DeNAベイスターズ三嶋一輝選手セーブのかかった場面、そうでない場面もマウンドに立って、チームのために、そしてファンの方々が超元気になってくれるようなプレーをがんばりたいと思います。●広島東洋カープ大瀬良大地選手僕にとって、手術明けのシーズンになるのですが、チームスローガンの「バリバリバリ」のように、超元気でバリ熱いプレーをファンの皆さんにお届けしたいなと思っております。ぜひ、球場に足を運んでいただきたいです。●東京ヤクルトスワローズ村上宗隆選手チームスローガン「真価・進化・心火」の通り、成長するためには進化することが大事なので、とにかく失敗を恐れずに、超元気にがんばりたいと思います。画像提供:ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(C)&(R) Universal Studios. All rights reserved.(text:cinemacafe.net)
2021年03月16日府中ダービーである。『トップリーグ』最多優勝5回を誇る名門チーム同士の対決でもある。東芝ブレイブルーパス×サントリーサンゴリアス。オールドファンを沸かせてきた名勝負数え歌が3月13日(土)『ジャパンラグビー トップリーグ2021』第4節にラインナップされているのだ。東芝は前節やっと今季初勝利を挙げた。開幕戦ではトヨタ自動車ヴェルブリッツ相手に後半怒涛の追い上げを見せるのも33-34とわずかに届かず、第2節はクボタスピアーズに後半何もさせてもらえず7-39の完敗を喫した。まさかの連敗発進にトッド・ブラックアダーヘッドコーチ(HC)はフレッシュなメンバーを組み込んだ。第3節・三菱重工相模原ダイナボアーズ戦では前節から8名先発を入れ替え、ルーキーのロック(LO)伊藤鐘平が初めてスタメンに名を連ね、スクラムハーフ(SH)ジャック・ストラトンがスタンドオフ(SO)に回り、2年目のSH高橋昂平も初先発、新人フランカー(FL)佐々木剛も初めてメンバー入りするなど、23名の試合登録選手は25歳以下の若手が半数近くを占めた。高橋昂平(東芝ブレイブルーパス)(C)スエイシナオヨシ東日本大震災から10年、3月6日・釜石鵜住居復興スタジアムで東芝のフィフティーンは躍動した。この日は相手に「痛い」と嫌がられる東芝伝統の強烈なタックルが炸裂。LO小瀧尚弘、FLリーチ マイケル、ナンバーエイト(NO8)山本浩輝、センター(CTB)ジョニー・ファアウリがハードタックルを連発した。アタックでは12分に連続攻撃からCTBセタ・タマニバルがトライを決めると、20分には自陣トライライン手前から高橋が90m以上を走り切る独走トライ。小瀧がディフェンスラインのギャップを突いたかと思えば、ドライビングモールから佐々木が2本目のトライを奪い、ロングパスからWTB松延泰樹が2本抜け出すなど、取りも取ったり9トライ。これまでのうっ憤を晴らすかのようなトライラッシュを披露したのだった。試合後、ブラックアダーHCが「チームが素晴らしい準備をしてきたことをいいパフォーマンスで証明できてうれしい。我々がやろうとしたこと、準備してきたことを試合に出せるようになった。ディフェンスもセットピースのプラットフォームもうまくいった。改善しないといけなのは規律の部分。80分通して満足している」と満足げな表情を見せれば、ゲームキャプテンを務めたリーチも「東芝としては2連敗して今週の準備、自分たちにフォーカスしていい形でできた。反省点があるとすると、それはディシプリンの部分」と同意した。若手たちの活躍について質問が飛ぶと、指揮官は「高橋だけではなく、チームが成長していると感じている。選手はよくなっている、自信が徐々についている。この試合で新しい選手を起用したが、それはプランではなく、ベストなメンバーを選んだ結果。彼らにチャンスを与え、彼らがチャンスをつかんだ。チームの競争としていいことだ」と歓迎した。さらにリーチは「サントリー戦は本当にタフな試合になる。フィジカルでもいい準備をして臨みたい」と気を引き締めた。中野将伍(サントリーサンゴリアス)東芝とは対照的にサントリーは開幕3連勝を飾った。開幕戦では11トライを量産し、三菱重工相模原に75-7と大勝。ニュージーランド代表の司令塔のSOボーデン・バレットが1トライ8ゴールで21点を叩き出せば、ウイング(WTB)テビタ・リーは5トライをマーク。WTB中野将伍もデビュー戦で初トライを記録した。続く第2節はHonda HEATの魂のこもったタックル、粘り強いディフェンスに手を焼きながらも31-14ときっちり勝利。初スタメンを果たしたSH齋藤直人が自ら2トライを奪うなど、ボーナスポイントも手繰り寄せた。早稲田大ルーキーコンビは、それぞれ初先発した試合後に「(WTBは)初めてのポジションだったので、最初はうまくいかない部分もあったが、練習をする中で、自分の持ち味であるフィジカル、突破力を活かせるように周りとコミュニケーションを取っている。WTBでもCTBでも出場できるように準備し、自分の持ち味を発揮したい」(中野)、「(バレットとのコンビは)今後のために経験を積めている。1日1日、1試合1試合学ばせてもらっている。9番でもリザーブでもチームとして準備してきた。サントリーで自分を成長させたい」(齋藤)と前向きなコメントを発した。先週行われた第3節では宗像サニックスブルースを75-10と圧倒。世界トップクラスのCTBサム・ケレビが3戦連続となるトライを2本決めれば、FLツイ ヘンドリックも2トライ、1トライ10ゴールのバレットは25点を積み重ねた。サニックス戦後、ミルトン・ヘイグ監督は「内容に関しては満足している」としつつ、「これから取り組まなければいけない課題もある。80分間通して、自分たちのやりたいことを体現できていない。これからもっとできる部分はある」と課題を口にした。サニックスのコーリー・ブラウンHCが「ポジティブな部分で言えば、ケガ人が出なかったこと。今日の試合でケガ人が出なかったことはポジティブだと考えている」と脱帽するほどの圧勝ぶりにも実に淡々としたものだった。さらにヘイグ監督は「シーズンが始まってから毎週改善していかないといけない点はある。自分たちの現在地は次の東芝戦を終えれば、明確に見えるのではないか。チームとしてのポテンシャルは、これからまだまだいい方向に仕上げていけると感じている」と先を睨んだ。中村亮土主将に代わってCTBで先発した梶村祐介は激しいポジション争いについて、「CTBはいろいろな選手がいい持ち味を持っているので、違いを出さないといけないと思っている。僕はボールを持った時のプレーや外を生かすスキルの高さで差をつけていきたい。練習の強度が上がる日が週に1日ある。やはりみんな試合に出たいので、僕も紅白戦でトイメンがサム・ケレビだと、その強度が試合以上になる。試合ほど長い時間はやらないが、強度で言えば試合以上」と明かした。キックオフ48時間前に発表される両チームの試合登録メンバーは以下の通り。【東芝】1金寛泰、2橋本大吾、3知念雄、4梶川喬介、5小瀧尚弘、6リーチ マイケル、7マット・トッド、8山本浩輝、9小川高廣、10ジャック・ストラトン、11松延泰樹、12ジョニー・ファアウリ、13セタ・タマニバル、14ジョネ・ナイカブラ、15豊島翔平、16平田快笙、17三上正貴、18深村亮太、19サム・トムソン、20佐々木剛、21高橋昴平、22巴山凌輔、23宇薄岳央【サントリー】1森川由起乙、2堀越康介、3垣永真之介、4トム・サベッジ、5ハリー・ホッキングス、6ツイ ヘンドリック、7小澤直輝、8テビタ・タタフ、9流大、10ボーデン・バレット、11テビタ・リー、12中村亮土、13サム・ケレビ、14中野将伍、15尾崎晟也、16中村駿太、17石原慎太郎、18中野幹、19飯野晃司、20ショーン・マクマーン、21齋藤直人、22田村煕、23塚本健太『トップリーグ』以降、直接対決の通算対戦成績は東芝の12勝11敗とほぼ互角。直近のゲーム『トップリーグ2020』開幕戦でも東芝が26-19で勝利している。果たして、サントリーが開幕4連勝で対戦成績を五分に戻すのか、東芝が下馬評を覆して『プレーオフトーナメント』に希望を見せるのか。最後の『トップリーグ』での府中ダービーは3月13日(土)・秩父宮ラグビー場にてキックオフ。チケットは予定枚数終了。文:碧山緒里摩(ぴあ)トップリーグ特設ページ東芝ブレイブルーパスサントリーサンゴリアスチケット情報
2021年03月12日米動画配信サービスHBO(R)maxにて配信される『Zack Snyder’s Justice League(原題)』が、『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』として日本国内でもデジタル配信及びBlu-rayリリースされることが決定した。2017年に公開され、全米No.1大ヒットを記録した『ジャスティス・リーグ』。その製作中に降板したザック・スナイダー監督が、初期構想に基づき追加撮影、再編集の上で製作したのが『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』。『ジャスティス・リーグ』では見られなかった、ジャレッド・レト扮するジョーカーの登場ほか、約4時間に及ぶ本編の内容に多くの注目が集まっている。なお、米配信開始に先駆けて、アメリカで開催される先行オンライン試写会(英語版のみ/字幕なし)に日本から限定招待する応募もスタート。本作の劇場公開予定は無く、詳しいリリース情報は4月16日(金)に発表を予定しているという。『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』は初夏、デジタル配信&Blu-rayリリース予定。(cinemacafe.net)■関連作品:ジャスティス・リーグ (原題) 2009年、全国にて公開ジャスティス・リーグ 2017年11月23日より全国にて公開© 2017 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC
2021年03月09日オールドファンもにわかも、ラグビーを心行くまで満喫していることだろう。『ジャパンラグビー トップリーグ2019-2020』は前半でシーズン中止となり、『トップリーグ2021』開幕は延期、ラグビーファンの飢餓感がピークを迎えた中、最後の『トップリーグ』は開幕した。今季も世界各国の超大物たちが大挙して来日。ニュージーランド代表の司令塔ボーデン・バレット(サントリーサンゴリアス)やオーストラリア代表現主将マイケル・フーパー(トヨタ自動車ヴェルブリッツ)、元スコットランド代表スクラムハーフ(SH)グレイグ・レイドロー(NTTコミュニケーションズシャイニングアークス)、オールブラックスでハカのリーダーを務めるTJ・ペレナラ(NTTドコモレッドハリケーンズ)らが全国各地で超一流のスキルを披露しているのだ。待ちに待った甲斐があるというものである。ナエアタ ルイ(神戸製鋼コベルコスティーラーズ)さて『トップリーグ2021』は2節を終えたところ。優勝候補たちのパフォーマンスを見てみたい。初代『トップリーグ』チャンピオンであり、連覇で最後の王者を目指す神戸製鋼コベルコスティーラーズは開幕戦でらしくない姿を露呈してしまう。昨季1勝も挙げられなかったNECグリーンロケッツを突き離せず、47-38と苦しんだのだった。初戦で守備と規律に課題を突き付けられた神戸製鋼だが、そこは王者。1週間後に一発回答して見せた。キヤノンイーグルスを相手に11トライを量産し、73-10と粉砕。5トライをマークしたNO8ナエアタ ルイが「コロナの影響でトンガに帰ることができず、日本でずっとトレーニングを積んできた。昨季より走れている。トライはみんながハードワークしてくれたおかげ」と語れば、デーブ・ディロンHCも「今日はキックオフから80分まで攻める姿勢を保ってくれた。最後のトライを見てもらえればわかるだろう。選手、コーチ陣を誇りに思う」と称えた。また2トライを決めたフランカー(FL)トム・フランクリン共同主将は「選手みんなで『トップリーグで優勝できるチームを2チーム作ろう』と言い合っている」と胸を張った。NZ代表50キャップのスタンドオフ(SO)アーロン・クルーデン、日本代表51キャップのSH日和佐篤、日本代表PR(プロップ)中島イシレリら主力を欠いてこのトライラッシュなのだから恐れ入る。テビタ・リー(サントリーサンゴリアス)サントリーも11トライを挙げた。東芝ブレイブルーパスとともに最多優勝5回を誇るサントリーは三菱重工相模原ダイナボアーズとの開幕戦で75-7の大勝。神戸製鋼がNO8なら、サントリーはウイング(WTB)である。テビタ・リーが5トライをマークした。リーは緩急と初速のスピード、キレキレのステップで相手を置き去りにしたのだ。続く、Honda HEAT戦では相手の強烈なタックルと粘り強いディフェンスに苦しみ、ペナルティもおかしながらもサントリーは31-14と連勝した。試合後、センター(CTB)中村亮土主将は「思っていた以上にプレッシャーを感じ、ペナルティが多く、自分たちがゲームを壊してしまった。もっと自分たちでコントロールできる部分を増やしたい。ここを調整しないと今後厳しい試合が続くので、修正したい」と課題に目を向けた。神戸製鋼然り、サントリーも然り。今季の『トップリーグ2021』はV候補と言えども、完勝の連続とはいかない。事実、第2節・クボタスピアーズに7-39で敗れたリーチ マイケル(東芝)は「トップリーグのレベルが上がっている。それぞれのチームのディフェンスのレベルが上がって、トライを取るのが難しくなかった。外国人選手のインパクトが大きい」と口にしている。山沢拓也(パナソニック ワイルドナイツ)そんな中、パナソニック ワイルドナイツはリコーブラックラムズに開幕戦で55-14と快勝すると、第2節も日野レッドドルフィンズに60-12の会心の勝利。リコー戦では前へ出るディフェンスからシンプルかつスピーディなアタックで7人がトライを奪えば、日野戦ではSOに入った山沢拓也が多彩な足技を駆使して2トライ5ゴール1ペナルティゴール・23点をマークする大活躍を見せた。試合後、名将ロビー・ディーンズ監督が「見ていただいたように、これぞ山沢というプレーをしてくれた。彼は誰も真似できないようなプレーをしてくれる選手だと評価している」と称えるも、当人は「前半のようなゲームマネジメントをしてしまうと国を代表するような試合に出場するのは難しいと思う。どんな試合でも、しっかりと勝ち切る、チームに勢いを戻せるプレーヤーにならないといけない。自分の持ち味は消さず、ゲームマネジメントを勉強、経験していきたい」とさらなるレベルアップを誓った。優勝4度を数えるパナソニックだが、最後のタイトルは2015-2016シーズン。リーグ随一の選手層を誇る野武士軍団は神戸製鋼、サントリーとともに優勝戦線の中心を担っていくことだろう。茂野海人(トヨタ自動車ヴェルブリッツ)初優勝をターゲットにするトヨタ自動車も連勝スタートを切った。東芝との開幕戦は前半こそ24-7とこれまでとの違いを見せたが、後半は一転して東芝ペースに。ミスからトライを奪われたが、34-33と辛くも勝点4を手にした。続くNTTコミュニケーションズシャイニングアークス戦も前半を25-8で折り返し、終盤に35-29と迫られも同じ轍は踏まなかった。最後に立て続けにトライを奪い、最終的に47-29とボーナスポイントも手繰り寄せた。連勝発進にSH茂野海人共同主将は「課題に関しては簡単に修正できると思うので、来週改善していきたい。一試合一試合を通してチームとして成長している。今週より来週の方がいいチームになっていると思う」と確かな手応えを口にした。バーナード・フォーリー(クボタスピアーズ)あと開幕2連勝を飾ったのはクボタとNTTドコモ。五郎丸歩のラストシーズンを日本一で送り出そうとチーム一丸となっているヤマハ発動機は第2節・リコーブラックラムズ戦では前半に10個ものペナルティをおかし22-23で敗れた。まさかの敗戦に堀川隆延監督は「この敗戦から何を学ぶのか。次は生まれ変わったつもりでヤマハスタイルを発揮したい」と巻き返しを約束した。果たして、リーグ戦7試合を経て行われるプレーオフトーナメントではどのような結末が待っているのか。神戸製鋼が連覇を飾るのか、サントリーが最多Vで締め括るのか、パナソニックが5季ぶり優勝を決めるのか、トヨタが悲願の初優勝を達成するのか、それとも……。優勝トロフィーの行方はわからないが、これだけは言える。5月23日(日)のプレーオフ決勝までかつてない熱戦が全国各地で繰り広げられるはずだ。今週末も『トップリーグ2021』が日本を熱くすることだろう。文:碧山緒里摩(ぴあ)チケット情報トップリーグ特設ページ
2021年03月05日『トップリーグ』初優勝の可能性を計るひとつの試金石と言える。トヨタ自動車ヴェルブリッツにとって『ジャパンラグビー トップリーグ 2021』第2節は重要な戦いと言える。NTTコミュニケーションズシャイニングアークスとの一戦は、レッドカンファレンスの勢力図を見る絶好のカードである。オーストラリア代表100キャップを超える超大物フランカー(FL)マイケル・フーバーが加入し、優勝をターゲットにするトヨタ自動車だが、日本一は1998年度までさかのぼらなければならない。前身の『全国社会人ラグビーフットボール大会』の時の話である。『トップリーグ』では2007年度の3位が最高位。2017-2018・2018-2019シーズンはともに4位。4位はじつに6回とトップ4の壁をなかなか超えられずにいる。シーズン不成立となった昨季は3勝3敗……。黒星を喫したのはヤマハ発動機ジュビロ、パナソニック ワイルドナイツ、サントリーサンゴリアスといずれも強豪だが、不本意な成績に終わっている。グレイグ・レイドロー(NTTコミュニケーションズシャイニングアークス)(C)スエイシナオヨシ一方、NTTコムも元スコットランド代表主将だった世界的スクラムハーフ(SH)グレイグ・レイドローを獲得し、悲願のトップ4入りへ向けて虎視眈々。昨季はサントリーとクボタスピアーズに敗れて、4勝2敗。2016-2017・2018-2019季は5位と4強入りまであと一歩に迫ってきた。ここ3試合のリーグ戦での直接対決を見ても、2018-2019第6節・Nコム36-38トヨタ、2017-2018第12節・トヨタ22-15Nコム、2016-2017第7節・Nコム19-13トヨタといずれも熱戦を繰り広げている。そう、トヨタ自動車としてはNTTコムに勝利しない限りトップ4の先は夢のまた夢、Nコムとしてもトヨタを超えない限りトップ4は見えてこないのだ。ライオネル・クロニエ(トヨタ自動車ヴェルブリッツ)(C)JRFUここでそれぞれの開幕戦を振り返りたい。2月20日『トップリーグ 2021』開幕戦でトヨタ自動車はホームにサントリーとともに最多優勝5回を誇る東芝ブレイブルーパスを迎え撃った。4分、ラインアウトからのサインプレーでウイング(WTB)ヘンリー ジェイミーが抜け出すとそのままトライ。12分には東芝に22mラインを超えたところまで攻められるも、密集でのこぼれ球を南アフリカ代表61キャップをマークするフルバック(FB)ウィリー・ルルーが拾い、70m超の独走トライを披露。26分は鮮やかなパスワークからFLフェツアニ ラウタイミが右隅へトライ。スタンドオフ(SO)ライオネル・クロニエはこの難しい角度からのコンバージョンゴール(CG)を含め3本とも成功し、21-0と早々に試合を決めにかかる。キアラン・リード(トヨタ自動車ヴェルブリッツ)(C)JRFUしかし2分後、インゴールまで10mと迫った東芝にラインアウトからドライビングモールで1本返されたが、34分にはクロニエのペナルティゴール(PG)が成功し24-7、接点で優位に立ちポゼッションをコントロールしたトヨタ自動車はしてやったりの展開で前半を終えた。だが、後半は試合内容とスコアが一変。44分にPGで27-7とするも、その後2本東芝にトライを決められたのだ。8点差に迫られたトヨタだが、慌てず騒がず。すぐさまWTB高橋汰地がトライを奪い返し、CGも決めて34-21。残り20分、どのように試合を締めるか注目される中、東芝の勢いは止まらなかった。69・75分と立て続けにトライを決められてわずか1点差に詰め寄られたのだ。だが、最後はトヨタ自動車が時間を効果的に使い、ノーサイド。34-33の薄氷を踏む勝利で白星発進した。茂野海人(トヨタ自動車ヴェルブリッツ)(C)F.SANO試合後、指揮官も共同主将も反省の弁を口にした。サイモン・クロンヘッドコーチ(HC)が「前半はかなりいい形で試合を進められた。アタックもポゼッションもよかった。後半はスキルエラーもあり、簡単に攻められてしまった」と振り返れば、SH茂野海人も「前半は自分たちのラグビーができたが、後半はポゼッションのところのミスで自分たちのラグビーはできなかった」と課題を挙げた。50分からピッチへ投入され、日本デビューを果たしたフーパーは「ハードワークだった。疲れた。とてもフィジカルで、ボールの動きも速い。スコアも最後までわからない激しいゲームだった」と口にしつつ、元ニュージーランド代表ナンバーエイト(NO8)キアラン・リードとのコンビに「リードとはたくさん試合をしてきたが、まさか一緒にプレーするとは思わなかった」と感慨深げに話した。ウィリー・ルルー(トヨタ自動車ヴェルブリッツ)(C)F.SANOまた、スプリングボクスのエースとして君臨したルルーはオールブラックス前主将リード、ワラビーズ現主将フーパーと同じチームでプレーすることについて「今までニュージーランド、オーストラリア、南アフリカと異なるチームで対戦してきたが、同じジャージを着てトレーニングしていて、彼らから学ぶことはとても多い。敵ではないことが本当にうれしい。NZ代表や豪州代表でキャプテンをしてきた彼らは、どんな状況でも冷静にチームメイトに話している」と歓迎した。フレッチャー・スミス(NTTコミュニケーションズシャイニングアークス)(C)スエイシナオヨシ対するNTTコムは2月20日にHonda HEATと激突。NTTコムはSHレイドロー、SOフレッチャー・スミスの新しいハーフ団がアタックをリードし、自らも1本ずつトライを奪いながらも風下に苦しみ、Hondaを突き離せずに19-13で前半を折り返す。後半に入り、風上に立つとNTTコムが完全にゲームを支配する。50分にレイドローのPGで先にスコアを動かしながら、57分にロック(LO)ジミー・トゥポウがシンビンで10分間の退場……。一気にスコアを縮められるピンチに陥るも、3分後にはFLリアム・ギルが逆にトライをゲット。さらに集中力切れた相手のミスや隙を逃さずに33・40分ときっちりトライに結びつけ、終わってみれば41-13の快勝スタートとなった。金正奎(NTTコミュニケーションズシャイニングアークス)(C)F.SANO試合後、ヒュー・リース・エドワードHCが「例年、初戦は苦しい展開になりがちだが、勝点5を得られ、この結果に満足している。ボーナスポイントを取りつつ、課題をたくさん見つけられた。チームにとっていい勝利となった」と喜べば、金正奎共同主将も「勝って反省できるのはいいこと。伝統的にファーストゲームを落とす、またはギリギリの状態で勝つ試合が多かったので、例年と違ったシャイニングアークスを見せることができた」と胸を張った。さらにHCは日本デビューで13点をマークしたレイドローを「彼は、誰もが認めるワールドクラスの選手であり人間。今日も球出しをうまくコントロールしていた。味方がシンビンの時は、10番としてもプレーした。すぐに求められるポジションをこなせるワールドクラスの実力があることを証明してくれた」と評価した。続いて第2節の試合登録メンバーを見てみたい。キックオフ48時間前に登録選手は以下の通り。【NTTコミュニケーションズシャイニングアークス】1上田竜太郎、2三浦嶺、3三宮累、4中島進護、5ジミー・トゥポウ、6リアム・ギル、7金正奎、8ヴィリー・ブリッツ、9グレイグ・レイドロー、10フレッチャー・スミス、11張容興、12池田悠希、13シルヴィアン・マフーザ、14石井魁、15安田卓平、16セコナイア・ポレ、17齊藤剣、18平井将太郎、19佐藤大樹、20目崎啓志、21湯本睦、22石橋拓也、23トロケ マイケル【トヨタ自動車ヴェルブリッツ】1三浦昌悟、2彦坂圭克、3淺岡俊亮、4秋山大地、5マイケル・アラダイス、6フェツアニ ラウタイミ、7佐藤穣司、8キアラン・リード、9茂野海人、10ライオネル・クロニエ、11ヘンリー ジェイミー、12マレ・サウ、13ロブ・トンプソン、14高橋汰地、15ウィリー・ルルー、16加藤竜聖、17吉田康平、18崔凌也、19タウファ オリヴェ、20マイケル・フーパー、21滑川剛人、22岡田優輝、23チャーリー・ローレンス三浦昌悟(トヨタ自動車ヴェルブリッツ/中央右手前)(C)JRFUトヨタ自動車は2月23日のオンライン記者会見を実施。指揮官、ルルー、プロップ(PR)三浦昌悟がNTTコム戦へ向けて、次のように意気込みを語った。「ポゼッションとテリトリーのコントロールをしたい。ワールドクラスのコーチがいて、パワフルなプレーが強み。相手の弱みがどこにあるか探り、自分たちの強みを出せるようプレーしたい」(クロンHC)「開幕戦でハーフがいいプレーをしていた。9・10番はキック、ラン、パスすべてでよかった。彼らのオプションにうまく対応しないといけない」(ルルー)「NTTコムはHonda戦でスクラムを修正していた。僕らも第1節はいい形で組めたが、まだ個々の強さに頼ったスクラム。8名で組んだ方向性が次の課題。もっともっと成長できるように貪欲に戦っていきたい」(三浦)果たして、トヨタ自動車が初優勝への階段を一歩ずつ進んでいくのか、NTTコムが4強入りをしっかりと視界にとらえるのか。『トップリーグ2021』第2節・NTTコム×トヨタ自動車は2月28日(日)・ユアテックスタジアム仙台にてキックオフ。チケット発売中。チケット情報トヨタ自動車ヴェルブリッツコミュニケーションズシャイニングアークストップリーグ特集ページ
2021年02月27日今季のJリーグは神奈川ダービーで幕を開ける。川崎フロンターレ×横浜F・マリノス。2017・2018・2020年『明治安田生命J1リーグ』王者と2019年リーグ戦覇者の対決は、これぞ攻撃サッカーというスリリングな攻防を見せてくれるだろう。1試合3ゴールをノルマに掲げる鬼木達監督も、独自のアタッキングフットボールを標榜するアンジェ・ポステコグルー監督も、攻撃に一家言を持っている。2月24日に『2021明治安田生命Jリーグ』開幕直前オンライン会見を開催。開幕戦2日前に川崎F・鬼木監督、三笘薫、横浜FM・ポステコグルー監督、仲川輝人が登場し、次のように意気込みを語った。(写真左より)鬼木達監督(川崎フロンターレ)、アンジェ・ポステコグルー監督(横浜F・マリノス)「2021年の開幕一発目、とにかく自分たちのスタイルで戦い抜く。見てくれる人が喜んでくれる試合をしたい」(鬼木監督)「開幕戦を楽しみにしている。去年は大変なシーズンだった。しっかり勝っていいスタートを切りたい。自分たちのサッカーをしっかり出していきたい」(ポステコグルー監督)川崎F対策を問われたポステコグルー監督は「相手どうこうではなく、自分たちのサッカーをすることが大事。自分たちがどう戦うかに重点を置いている。開幕戦に勝って、第2節に負けるなんてマネはしたくない。私がマリノスの監督に就任してから3年間、フロンターレは素晴らしいサッカーを見せている。いいチームであり、個もいい。コーチ陣も素晴らしい。それを踏まえていい準備をしたい」と答えた。昨季、史上最速に最多勝点、最多得点など、記録尽くめの優勝を成し遂げた川崎Fは徹底マークが予想されるが、包囲網を打破する手立てについて質問されると、鬼木監督は「やはりハードワークし続けるのがベースにある。その上で自分たちのスタイルで得点を取り続ける。マークが厳しくなるのは2019年や昨季終盤もあった。今年は『ACL』もあり、過密日程になるので、ハードワークとメンタルが大事。気持ちの準備、一喜一憂せずに長いシーズンを戦いたい」と言及した。(写真左より)三笘薫(川崎フロンターレ)、仲川輝人(横浜F・マリノス)大卒ルーキーながら13得点とMVP級の活躍を見せた三笘と2019年にMVP&得点王を獲得しながら、昨季はまさかの2得点に終わった仲川は以下のように開幕戦の抱負を語った。「開幕戦で神奈川ダービー、気合が入っている。ここで勝てば勢いに乗れる。いい準備を臨みたい」(三笘)「開幕戦で神奈川ダービーなので、激しい試合になると思うが、結果が大事。結果を出せるようチーム一丸となっていいサッカーをしたい」(仲川)互いの印象について問われると、ふたりはこう答えた。「仲川選手はスピードがあり、カットインしてからのシュートやクロスなど、ひとりで脅威になる。ドリブラーとしてタイプは違うが、参考にさせてもらっている」(三笘)「緩急の付け方がうまい。引き付けて味方を使うこともできる。去年ホームでもアウェイでも点を取られたので、厄介な相手。僕らも止めに行くので、それを三笘君には楽しんでもらいたい」(仲川)さらにふたりのドリプラーは今季の活躍を誓った。「特徴はドリブルやアイデア。観客に楽しんでもらいたい。今季も数字にはこだわりたい。得点、アシストを残していきたい」(三笘)「去年ケガで半分出ていないので、フルで出られるようにしたい。1試合1得点を目指して、23得点に近付ければ」(仲川)課題についても言及した。三笘が「連戦が多くなるので交代の枠は重要。ただ自分も90分出たい。後半のプレーの強度を高めていかないといけない。プレーの選択、どこで力を使うかが重要。ドリブルの回数を減らしゴール前に行くのか、ドリブルでどんどん行くのか、味方を使いながら選択していきたい」と言えば、仲川も「去年と同様にマークは厳しく来ると思うが、個人でひとりふたり外す力がないとチームの力にならない」とキッパリ。また仲川は「いい仕上がりでキャンプを終えることができた」と振り返りつつも、「ただ公式戦をやっていないので、『FUJI XEROX SUPER CUP 2021』があったフロンターレが有利かも」と警戒する。仲川の危惧も理解できる。2月20日・『FUJI XEROX SUPER CUP 2021』でも川崎Fは強かった。三笘薫(川崎フロンターレ)(C)J.LEAGUE相手はガンバ大阪。11月25日・等々力陸上競技場での『明治安田J1』第29節直接対決で0-5の大敗で川崎Fの史上最速優勝を許し、2021年1月1日・国立競技場での『天皇杯』決勝で返り討ちに遭ったG大阪は並々ならぬ思いでシーズンを占う一戦に臨んだ。それでも試合開始とともにペースを掴んだのは川崎Fだった。立て続けに決定機を演出すると、29分にMF田中碧のパスでペナルティエリアに侵入した三笘はワンタッチからシュート一閃。先制点を叩き出した三笘は3分後、右SB山根視来のシュートを押し込んで2-0。完全に試合を支配する。だが、今季最初のゲームはこのままでは終わらなかった。60分にクロスをクリアし切れないと、2次攻撃からMF矢島慎也に技ありのゴールを決められた。67分にはPKを献上し、同点に追い付かれた。サッカーでよく見る負けパターンの典型的な展開だが、川崎Fはここで踏ん張る。遠野大弥(川崎フロンターレ)(C)J.LEAGUE72分にエース小林悠を投入し、レンタルバックしたFW遠野大弥をピッチへ送り出す。PK戦突入と思われた96分に田中の縦パスに遠野が反応、さらに前を向いた遠野のスルーパスに小林が抜け出し右足を振り抜きゴールネットを揺らしたのだった。試合後、鬼木監督は「前半に2点を取って、後半で3点目を取って決めたかったが、2点を取られて追い付かれたのは反省点。でも、そのあとも勝ち切るために全員で力を合わせて一発目を勝てたのはすごく評価できる。一発目で課題が出たのもポジティブにとらえている」と前を向いた。小林悠(川崎フロンターレ)(C)J.LEAGUE2得点した三笘が「2-0で折り返してから2-2に持っていかれてしまったのはすごく反省点。そこから3-2にしたのは力があるが、もっと楽に進められたと思う。自分としては得点以外は何もできなかった。もっと前線からの守備やプレッシャーをかけないといけない」と反省の弁を口にすれば、決勝弾を決めた小林は「シーズンの始まり、いいスタートを切りたかった。チームとしてしっかり勝ち切れたことはよかった。大弥が前向きにボールを持った時に、自分の特長の動き出しで相手より速くパスを出すスペースを作った。そこに大弥がいいボールをくれたので、あとは打つだけだった」とチームメイトを称えた。ジョアン・シミッチ(川崎フロンターレ)(C)J.LEAGUEいいパフォーマンスを見せた新加入のふたりはこのように振り返った。「碧からいい縦パスが来たのでワンタッチではたくか、シュートまで持って行こうと思ったが、悠さんがいい位置に走っていたのでパスにした。アシストという結果でチームに貢献できてうれしい」(遠野)「個人的には出せるものは出してチームに貢献できたと思う。今後伸ばしていかなければならない点もあるが、現時点で満足の行くプレーはできたと思う」(ジョアン・シミッチ)また、小林は中村憲剛が去ったチームを引っ張っていく決意を改めて口にした。「チームとして存在が大きかったし、僕自身も寂しかったが、シーズンが始まったのでそんなことは言っていられない。今週の練習でも新加入の選手にフロンターレが目指すところやほしいボールについて話したり、憲剛さんがやっていたことを意識してやっている」ストップ・ザ・フロンターレの包囲網にあっても、『ACL』との過密スケジュールを強いられても、中村憲剛が去っても、川崎Fは強い。果たして、川崎Fが2度目の連覇へ好発進するのか、横浜FMが王座奪還へ勝点3を手繰り寄せるのか。『明治安田J1』開幕戦・川崎F×横浜FMは2月26日(金)・等々力陸上競技場にてキックオフ。今季の幕開けに極上の攻撃サッカーを堪能したい。取材・文:碧山緒里摩(ぴあ)
2021年02月25日ザック・スナイダー監督が、3月18日にHBO Maxで配信されるスナイダー版『ジャスティス・リーグ』について、「Vanity Fair」誌に語った。スナイダー監督は撮り直しや再編集に与えられた予算は7000万ドル(約74億円)だったと明かし、「私はギャラを受け取っていない」と話している。(もちろん、降板前に撮った映画についてはギャラが支払われている)。その理由を、「だれにも借りを作りたくなかったから。また、ギャラをもらわないことで彼ら(ワーナーやHBO Max)に対して強くものを言える交渉権を保つことができた」と赤裸々に語っている。2017年に公開された『ジャスティス・リーグ』は、スナイダー監督が家庭の事情で途中降板したため、バトンタッチを受けたジョス・ウェドンが完成させた作品。これが残念ながら不評で、「スナイダー監督が最後まで手掛けた『ジャスティス・リーグ』が観たい!」という声が、ファンの間で何年も上がっていた。ベン・アフレックやガル・ガドットらキャストも「#リリース・ザ・スナイダー・カット」というハッシュタグでスナイダー版の製作を応援し、製作にこぎつけた。スナイダー版にはオリジナルのキャストに加え、『スーサイド・スクワッド』でジョーカーを演じたジャレッド・レトもジョーカー役で出演している。(Hiromi Kaku)■関連作品:ジャスティス・リーグ (原題) 2009年、全国にて公開ジャスティス・リーグ 2017年11月23日より全国にて公開© 2017 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC
2021年02月24日蹴春シーズンの到来を告げる『FUJI XEROX SUPER CUP 2021』。ご存じのようにJリーグ開幕前週に『明治安田生命J1リーグ』王者と『天皇杯 JFA 全日本サッカー選手権大会』覇者が激突するシーズン最初の公式戦は1年を占う重要な試金石として有名だ。昨季は川崎フロンターレが『2020明治安田J1』と『第100回天皇杯』の2冠を達成。リーグ戦2位で『天皇杯』準優勝のガンバ大阪が繰り上げ出場となる。そう、G大阪は11月25日・等々力陸上競技場での『明治安田J1』第29節直接対決で川崎Fの史上最速優勝を許し、2021年1月1日・国立競技場での『天皇杯』決勝で返り討ちに遭ったのだ。G大阪の今度こその思いは並々ならぬものがある。レアンドロ・ダミアン(川崎フロンターレ)(C)Jリーグ『2020明治安田J1』第29節のゲームは、川崎Fの大勝劇となった。22分、左SB登里享平のピンポイントクロスをCFレアンドロ・ダミアンがダイレクトで右足を合わせ、ゴールラッシュの幕開けとなった。前半終了間際にはコーナーキックを頭でダミアンがすらすと、3試合ぶりに先発に戻った右ウイング家長昭博が左足で押し込む。後半早々にはセンターラインから左ウイング三笘薫がドリブルで前進すると、ゴール前へ走った家長へ絶妙なパス。技巧派レフティはワントラップから右足で狙い澄ましたシュートを決めた。73分には登里、ダミアンとつないだパスから再び三笘が抜け出しラストパスを放つと、家長が今度はダイレクトに右足を当てて、ハットトリックを達成。家長昭博(川崎フロンターレ)(C)Jリーグさらに90分に途中出場の小林悠のパスから抜け出した同じく途中投入された旗手怜央がシュート、GKの弾いたボールを4分前にピッチへ入ってきた齋藤学が押し込んだ。川崎Fは5-0のワンサイドゲームで史上最速優勝を祝ったのだった。パトリック(ガンバ大阪)(C)Jリーグ約1か月後の再戦となった『天皇杯』決勝ではスコアは異なるものの、またもや川崎Fの強さが際立った。“元日・国立・決勝”で最初の決定機を迎えたのはG大阪だった。5分、宇佐美貴史のフリーキックをFWパトリックが頭で合わせ先制ゴールかと思いきやオフサイド。G大阪が立ち上がりのチャンスをつかみ損ねると、試合は完全な川崎Fペースとなる。三笘薫(川崎フロンターレ)(C)Jリーグ攻める川崎Fと守るG大阪の構図が続く中、ついにゴールが生まれる。55分、自陣でのパス回しからレアンドロ・ダミアンのラストパスで抜け出した三笘が殊勲のゴールを決めた。ここから川崎Fのゴールショーが始まりかと思いきや、GK東口順昭の好セーブで追加点を許さない。そして残り10分、G大阪の反撃がスタート。85分に宇佐美が、90分に途中出場の福田湧矢がゴールに迫るも、GKチョン・ソンリョンが見事に対応。鬼木達監督が延長になった場合の切り札としてラストマッチの中村憲剛を温存するヒリヒリした展開の中、川崎FがG大阪の猛攻をしのぎ切り『天皇杯』初優勝を手繰り寄せたのだった。リーグ戦では5-0で凄みを見せた川崎Fはこの日、1-0ながら勝負強さを見せ付けたのである。鬼木達監督(川崎フロンターレ)(C)Jリーグ2冠を達成した川崎Fは来るべきシーズンでリーグ戦と『AFCチャピオンズリーグ』の2冠をターゲットに定めた。ポルトガルに旅立ったアンカー守田英正に代わり、名古屋グランパスのジョアン・シミッチをピンポイント補強するとともにFW知念慶がレンタルバック。新体制発表の席で鬼木監督は「今年はリーグ連覇を軸に『ACL』制覇にチャレンジしたい。過去にJと『ACL』の同時優勝はないので難しいが、私たちはチャンピオン。川崎フロンターレなので、魅力あるサッカーをして目標に進んでいきたい。もちろん、『ルヴァンカップ』も『天皇杯』も狙えるタイトルはしっかり全力で取りにいく」とキッパリ。宮本恒靖監督(ガンバ大阪)(C)Jリーグ対照的にG大阪はタイトル奪還へ向けて攻撃陣を大型補強。昨季サンフレッチェ広島で15得点をマークしたレアンドロ・ペレイラ、韓国代表MFのチュ・セジョン、サガン鳥栖からチアゴ・アウベスが加入し、横浜FCから一美和成が復帰。ブラジル・フルミネンセのFWウェリントン・シウバも契約間近とのニュースも入って来た。新体制発表の際、宮本恒靖監督は「去年の戦いを繰り返してはいけない。質、量、頭の回転の速さもレベルアップしなければいけない。チーム力を上げてタイトルに挑戦できるようにやっていきたい。昨年作った守備のベースを生かしながら、もっと攻撃をしていきたい。去年はダイレクトにゴールを目指すサッカーを強調したが、今年は自分たちでボールを動かし、相手陣内に入っていく。そこで得点につなげていくというサッカーはやりたい」とさらなる進化を誓った。(写真左より)Jリーグ・村井満チェアマン、富士ゼロックス・玉井光一社長 (C)Jリーグ2月1日には『FUJI XEROX SUPER CUP 2021』開催概要発表記者会見が行われた。Jリーグ・村井満チェアマンは「今季もJリーグの開幕を告げる大会を開けることをうれしく思う。新型コロナウイルス対策をしっかりして、みなさんにエンターテインメントを届けたい。川崎フロンターレとガンバ大阪というビッグクラブ同士の対決、今から楽しみにしている。ファン・サポーターには安心・安全なスタジアム観戦を約束したい」とコメントした。また会見では同一企業の協賛で最も長く開催されたサッカースーパーカップの大会「Longest sponsorship of a football (soccer) super cup」としてギネス世界記録に認定され公式認定式も実施。ギネス世界記録認定を受けた富士ゼロックス・玉井光一社長は「コロナ禍でつらい状況が続くがサッカーで世の中を明るくしたい。この大会を協賛できることを誉に思う。(ギネス認定について)大変栄誉な認定をいただいた。長く続けることは大変なことではあるが、今後この記録をどんどん更新していきたい」と喜びを口にした。(写真左より)中村憲剛、本並健治 (C)Jリーグこの日は大会アンバサダーも発表。中村憲剛、本並健治という両クラブのOBが次のように大会の盛り上げを約束した。「選手としてお世話になった大会。アンバサダーとして貢献できることをうれしく思う。この大会はリーグ戦ともカップ戦とも違う独特の感じがあった。新シーズンへ向けて絶対に勝ちたい大会。ワクワク感しかなかった。(どこに注目するか問われて)去年あれだけの成績を収めたフロンターレが今年どれだけ上積みがあるか。去年まで在籍していてわかる部分もあるし、現役を退いてわからない部分もある。いちファンとして楽しみにしている」(中村)「タイトルのかかった重要な大会であり、1週間後の開幕へ向けて勢いを付ける大会であり、新戦力がどれだけフィットしているかはかる大会。選手としては勝って開幕を迎えたいし、監督としては新戦力がどれだけやれるか試したい。(どこに注目するか問われて) ガンバは去年、守備をベースに成績を上げて来た。今年は攻撃的な選手を補強し、キャンプでも攻撃面に時間を割いている。今季どれだけ攻撃面でレベルアップしているか楽しみ」(本並)宇佐美貴史(ガンバ大阪) (C)Jリーグ2月8日にはチケット販売方法決定のリリースが出された。埼玉県が対象とされている緊急事態宣言下において収容数は5000人に設定、全席指定で2月11日(木・祝)昼12時よりJリーグチケットでダイナミックプライシングにて販売を開始するとのこと。来場者全員に大会記念オリジナルブランケットをプレゼント。『FUJI XEROX SUPER CUP 2021』川崎F×G大阪は2月20日(土)・埼玉スタジアム2002にてキックオフ。当日は『NEXT GENERATIOM MATCH』川崎フロンターレU-18×日本高校選抜も開催。試合の模様は日本テレビ系全国ネットにて生中継。今季のJリーグを占う一戦は見逃すわけにはいかない。取材・文:碧山緒里摩(ぴあ)
2021年02月10日ザック・スナイダー監督が、スナイダーカット版『ジャスティス・リーグ』よりジャレッド・レトが演じるジョーカーのファーストルックを公開した。ツイッターにジョーカーの画像を投稿するとともに、「きみは本当に素晴らしいキャラクターを作り上げてくれました」とジャレッドにメッセージを送っている。昨年10月、ジャレッドはスナイダー監督と配信元のHBO Maxに、ジョーカー役での出演オファーを受けたと報じられていた。ジャレッド演じるジョーカーは、デヴィッド・エアー監督の『スーサイド・スクワッド』に登場したキャラクター。スナイダー監督は、「2つの世界をぶつけ合わせることができて光栄です」とエアー監督にも感謝の意を表している。スナイダー監督のツイート後、「Variety」誌がジャレッドにインタビュー。ジャレッドは「秘密厳守を誓っているから」と前置きし、「スナイダー監督と仕事ができる機会をもらえて最高です。彼はみんなが影響されてしまうようなクレイジーなエネルギーを持っています。彼の作品にかける情熱と献身ぶりはすごいんです」とスナイダー監督を称えた。「だからファンも監督や監督の作品に、情熱的・徹底的に応えるんでしょうね」と、語った。今回のスナイダーカット版『ジャスティス・リーグ』は、ファンが何年にもわたって「製作してほしい!」と声を上げ続けたことで実現したともいえる。(Hiromi Kaku)■関連作品:ジャスティス・リーグ (原題) 2009年、全国にて公開ジャスティス・リーグ 2017年11月23日より全国にて公開© 2017 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC
2021年02月04日2008年に公開されたモンスター映画『クローバーフィールド/HAKAISHA』(マット・リーヴス監督)の続編製作が決定したという。J・J・エイブラムスが引き続きプロデューサーを務める。「Variety」誌などが報じた。エイブラムスは2018年のコミコンで、今作について企画していることを明かしていた。前作はリーヴス監督にとってブレイクのきっかけになった作品だが、今作には関与しない。『クローバーフィールド/HAKAISHA』からは、ほかに『10 クローバーフィールド・レーン』(2016)、前日譚映画の『クローバーフィールド・パラドックス』(2018)の2作品が誕生しているが、直接的なつながりはなかった。今作は『クローバーフィールド/HAKAISHA』の直接的な続編になるとのこと。前作は『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』のような「ファウンド・フッテージ」(発見された映像物)という手法の撮影が行われたが、今作はこの手法は使わないという。脚本は、つい最近『The Batman』(原題)のスピンオフドラマにショーランナーとして起用されて話題になったジョー・バートンが手掛けることが決定。『クローバーフィールド/HAKAISHA』のファンは、「13年も待っていたよ!」「ついにか」「やった!」と喜びの声を上げている。(Hiromi Kaku)■関連作品:クローバーフィールド/HAKAISHA 2008年4月5日よりTOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国にて公開© 2007 Paramount Pictures. All rights reserved.クローバーフィールド・パラドックス 劇場未公開
2021年02月01日1月12日、今季の『明治安田生命J1リーグ』のホーム開幕戦のカードが発表された。昨季は1月4日に『JリーグYBCルヴァンカップ』決勝・柏レイソル×FC東京を終えたばかり。これから各クラブとも補強も活発化していくが、まずは1月12日発表の『2021明治安田生命J1リーグ』ホーム開幕戦の対戦カードを振り返ってみたい。【第1節】2月26日(金)川崎フロンターレ×横浜F・マリノス等々力陸上競技場2月27日(土)北海道コンサドーレ札幌×横浜FC札幌ドーム2月27日(土)鹿島アントラーズ×清水エスパルス 県立カシマサッカースタジアム2月27日(土)浦和レッズ×FC東京 埼玉スタジアム20022月27日(土)湘南ベルマーレ×サガン鳥栖レモンガススタジアム平塚2月27日(土)セレッソ大阪×柏レイソルヤンマースタジアム長居2月27日(土)ヴィッセル神戸×ガンバ大阪ノエビアスタジアム神戸2月27日(土)サンフレッチェ広島×ベガルタ仙台エディオンスタジアム広島2月27日(土)大分トリニータ×徳島ヴォルティス昭和電工ドーム大分2月28日(日)アビスパ福岡×名古屋グランパスベスト電器スタジアム三浦知良(横浜FC)(c)J.LEAGUE【第11節】3月3日(水) 名古屋グランパス×ガンバ大阪豊田スタジアム※AFCチャンピオンズリーグ2021の大会日程との調整が見込まれるため、第11節の一部を3月に開催。【第2節】3月6日(土)ベガルタ仙台×川崎フロンターレユアテックスタジアム仙台3月6日(土)柏レイソル×湘南ベルマーレ三協フロンテア柏スタジアム3月6日(土)FC東京×セレッソ大阪味の素スタジアム3月6日(土)横浜FC×大分トリニータニッパツ三ツ沢球技場3月6日(土)清水エスパルス×アビスパ福岡IAIスタジアム日本平3月6日(土)ガンバ大阪×鹿島アントラーズパナソニック スタジアム 吹田3月6日(土)徳島ヴォルティス×ヴィッセル神戸鳴門・大塚スポーツパークポカリスエットスタジアム3月6日(土)サガン鳥栖×浦和レッズ駅前不動産スタジアム3月7日(日)横浜F・マリノス×サンフレッチェ広島日産スタジアム(写真左より)喜田拓也(横浜F・マリノス)、大島僚太(川崎フロンターレ)(c)J.LEAGUE今季のJリーグは昨年の王者・川崎Fと一昨年の覇者・横浜FMによる『フライデーナイトJリーグ』で幕を開ける。1月12日のメディアブリーフィングで村井満チェアマンは「土日に観戦ができない人にサッカーをお届けするのに『フライデーナイト』というのは貴重な機会。昨年は平日と週末のスケジュールがほぼ埋まっていたため、金曜日に開催ができなかったが、今シーズンはその可能性も許容できる。フライデーナイトで安全な環境で楽しんでもらいたい」とファン・サポーターへ向けて語った。神奈川ダービーだけではない。札幌×横浜FCでのカズと小野伸二の再会や神戸×G大阪の関西ダービー、浦和×FC東京、福岡×名古屋と大分×徳島の昇格組の一戦などなど、開幕戦の見どころは尽きないが、ここで今季のレギュレーションを確認したい。アンドレス・イニエスタ(ヴィッセル神戸)(c)J.LEAGUE今季は20チームによるホーム&アウェイのリーグ戦で順位を争いJ1の下位4チームが自動降格し、J2の上位2チームが自動昇格するサバイバルとなる。試合開催可否の基準は昨季より1人少ない13人登録、13人揃わなければ責を負うチームが代替日を探さなくてはならない。代替日を決められなかった場合は「みなし開催」とし、0-3の敗戦となることが昨年末のJリーグ理事会で決まった。1月12日のJリーグ実行委員会では、昨季のコロナ禍での特別ルールの継続にも言及。昨季に続き、「交代枠5人」と「飲水タイム」を継続する方向で話し合われた。原博実専務理事は「交代枠5人」について「監督が思い切った采配ができ、若い選手の出場時間が多くなったデータもある。多くのクラブから継続の希望が上がった」として、「飲水タイム」については「飲水タイムがあればお客さんもトイレに行ける。リスクを下げるためには『継続した方がいいのではないか』と提案した」とメリットを口にした。「交代枠5人」がもたらすメリットは若手の出場機会の増加だけではなく、選手の疲労軽減や故障リスク減少、さらに総ゴール数が『2019明治安田J1』が797得点だったのに対し、『2020明治安田J1』は866得点に伸びたことも挙げられる。「交代枠5人」と「飲水タイム」の継続は次回の実行委員会で正式に決定する運びとなった。埼玉スタジアム2002(c)J.LEAGUEまた、この日にはNPB、専門家チームとの『第23回新型コロナウイルス対策連絡会議』もウェブ会議システムで行われた。2021年最初の会議では、『ルヴァンカップ』決勝で実施された感染予防の調査データが共有されるとともに、Jリーグ、プロ野球のキャンプでの感染予防対策が話し合われた。専門家チームの3人は以下のようにコメントした。「今一番大切なことは各地域がどのような状況にあるかをしっかり確認し、キャンプを張れるかどうかを理解すること。受け入れ側が『難しい』と言うのであれば、それは避けるべき」(東北医科薬科大学・賀来満夫教授)「キャンプ地は宮崎、沖縄が多いが、どこで開催するにしても、地元の理解がないといけない。大きな問題は地元の医療がひっ迫している地域があること。医療体制をひっ迫させないためにどうすればいいかが今回の議論の中心になった」(愛知医科大学・三鴨廣繁教授)「沖縄や宮崎がウェルカムでなければ実現は難しい。ただ、まだ時間が少しあるので感染を下火にさせて、できるだけ予定通りできる方向を探っていくのが大事」(東邦大学・舘田一博教授)昨季2週間に一度行ってきたPCR検査の頻度をキャンプ中は増やしていくことや無観客を含めたキャンプ見学のファンへの対応なども議論された。村井チェアマンは「行政、知事からの中止要請があれば、リーグが判断することもあるが、現状ではキャンプが行われる前提で万全の対応をしていく。全クラブがPCRを実施してからキャンプ地に入るのを前提としている。ウイルスを持ち込まないのは当然の話。ファンには申し訳ないが、現地でのファンサービスは、今回は一切できないと考えている。無観客かどうかは協議が必要だが、まずは感染防止第一でしっかりキャンプを行いたい」と現時点で方針を明かした。村井チェアマンが覚悟している通り、今季も困難なシーズンとなるだろう。それでもJリーグは昨季の知見と経験、新たなエビデンスをもとに難しい舵取りを担っていく。村井満チェアマン(c)J.LEAGUE1月4日・国立競技場でFC東京の2009年以来となる3度目の優勝を見届けた村井チェアマンは、次のようにコメントを寄せた。「2021年も引き続き困難な状況は続くことでしょう。それでも私たちは歩みを止めず、国民の皆さまの健康を第一にしながらも、スポーツの持つ可能性を信じ、サッカーを届け続けます」と。取材・文:碧山緒里摩(ぴあ)
2021年01月14日川崎フロンターレひと筋18年の“クラブの象徴”、中村憲剛選手が現役引退を電撃発表したのは、大怪我から復帰し、40歳となる誕生日にゴールを決めた翌日。いま明かす胸の内とは……。無観客試合の味気なさ。コロナ禍で痛感したのは…。――シーズン中の引退会見は、我々が度肝を抜かれました。僕にとっては前々から思っていたことで、先輩である伊藤宏樹さん(現在、川崎フロンターレ強化部スタッフ)の引退も考えるきっかけのひとつになりました。宏樹さんは、僕が33歳の時に引退されたのですが、その発表をホーム最終戦の週初めにされたんです。僕たちは報告を受けて、気持ちを無理やり整理して試合に挑みました。結果は勝利こそしましたが天皇杯では負けてしまい、宏樹さんはドタバタしたまま退かれました。その様子を見て、チームメイトにも応援してくださる方々にも、お別れまでの気持ちの猶予みたいなものが必要だと思ったんです。また、今年改めてサポーターの存在の大きさを痛感したというのもありますね。無観客試合をスタジアムの上から観ていたのですが、何とも言えない味気なさを感じました。これまでサポーターがいて当たり前だったことが、実はそうではなかった。みなさんがいてこそエモーショナルな空間ができるのだと初めて思いました。ですから、ひとりでも多くの人に自分のプレーを見てもらいたい、そうじゃなかったら寂しいと思い、このタイミングでの発表となりました。――選手の方々の反応はみなさん同じだったそうですね。まずは絶句、次に「まだできるじゃないですか」の言葉でしたね。「そうだよね」や「おつかれさま」ではなく、そう言ってもらえるなんて、とても嬉しかったです。ただ、みんなが僕への思いもいろいろと話してくれたので、精神的にはこたえました(笑)。――中村選手も選手やクラブへの思いは相当あるでしょうね。僕は川崎フロンターレに拾ってもらったと思っています。最初はついていくのに必死でしたが、いつしか自分の立ち位置がわかるようになり、毎年すべてをクラブに捧げてきたつもりです。そこから、多くの人に「元気が出た」「勇気をもらえた」と言われるプレーヤーになれたのは、クラブおよび支えてくれたみなさんのおかげ。もう感謝しかないですし、これからはそれを還元していきたいです。なので、引退後もフロンターレを離れるつもりはありません。でも、クラブだけに携わるということでもなくて、まだ何も決まっていませんが、若い選手の育成や、Jリーグの普及活動もお手伝いしたいですし、ゲーム解説にも興味があります。今は指導者のライセンスを取っている最中で、将来的には監督も視野に。でもS級(最高位の指導者資格)を取るまでにあと3~4年はかかりますね。この仕組み、何とかしてくれませんか(笑)。って、これでは体がいくつあっても足りないですね。――ダメもとでお聞きします。現役復帰の可能性は、本当にもう1ミリもないのですか?本気で決断したことなので、それはないですね(笑)。自分を裏切ることになりますし、今はそのイメージは湧かないです。ともかく、これまで好きなサッカーを40歳まで続けたのは我ながらよくやったなと思います。そして、むしろここからだなと思っています。今まではいわば自分がメインで周囲を巻き込んでいましたが、これからはサポートや応援する側になりますから。自分なりにブランディングを考えていかなければいけない。でも、不安よりは期待のほうが勝っていますよ。第二の人生を思い切り楽しもうと思います。――とはいえ、現役生活はまだあります!(本誌発売日の)2日後は天皇杯の準決勝ですね。もちろん勝って、元日の決勝で優勝して引退できたら本当に幸せ。簡単ではないと思いますが、実現できたら、こんなに恵まれたサッカー選手はいないと思います。泣いても笑っても僕のラストになりますが、他の選手に余計なプレッシャーをかけたくないので、一選手として優勝を狙いにいきます。リーグ優勝も泣くかなと思ったら笑ってましたし、今回も笑って終えそうです。涙はきっと、グラウンドにひれ伏すほどに泣いたリーグ初優勝で枯れたのかな(笑)。なかむら・けんご1980年10月31日生まれ、東京都出身。川崎フロンターレ所属。ポジションMF。中央大学卒業後、同クラブ入団。幅広い視野と高度なテクニック、特にスルーパスが持ち味で、長年チームを牽引し3度のリーグ優勝に貢献、常勝軍団へと導いた。日本代表にも招集され活躍。2020年11月1日、今シーズン限りでの現役引退を表明。カメラマンがドリブルとシュートをいきなりリクエスト。「本当に怪我していたのかな、と思うくらい好調です。天皇杯は自分にとってラストの試合ですが、私情抜きに完全燃焼で頑張ります」。天皇杯準決勝は12月27日(日)、決勝は2021年1月1日(金)。クラブでは中村憲剛選手への感謝を込めて「One Four KENGO」プロモーションを実施中。※『anan』2020年12月30日‐2021年1月6日合併号より。写真・藤尾真琴インタビュー、文・伊藤順子(by anan編集部)
2021年01月01日地獄と天国を見た男。’19年から’20年にかけての中村憲剛選手を表すならば、これがしっくりくるかもしれない。選手生命を脅かすほどの大怪我からの復活、まさかの電撃引退表明、そしてリーグ優勝。記憶と記録に残る激動の現役ラストイヤーと、心に秘めていたある思いを中村選手に語っていただきました。――3度目となるリーグ優勝おめでとうございます!まずはこの一年を振り返っていかがでしたか。’19年11月、39歳を迎えた2日後の試合で、左膝前十字じん帯損傷という大怪我を負いました。手術を経てリハビリ中にコロナ禍となり、緊急事態宣言が出て練習場にも病院へも行けない日々が続いたのですが、周囲の方々のおかげで8月末には試合にも出られるようになったんです。その復帰戦や誕生日にゴールを決められただけでなく、クラブはJリーグ史上初の12連勝を遂げ、かつ史上最速で優勝することができました。その1か月前に現役引退を発表したのですが、思い描いていた以上の結果というかストーリーが生まれ、自分の想像を遥かに上回る素晴らしいシーズンになったと思います。――想像を超えていた、とは?妻以外は誰にも言わなかったのですが、実は35歳になった時に、40歳を迎えたら引退しようと決めていたんです。僕は計画的なほうではなくて、いつも目の前のことだけを考えて切り拓いてきたのですが、唯一未来を考えたのが引退だったんですね。自分が戦力として求められているうちに退きたいと、それだけは心に決めていたのですが、具体的な身の引き方は描けなくて。昨年10月にルヴァン杯で優勝した時点で、来年迎える引退に向けてどうやって終わっていくのだろうかと、漠然と考えていました。もちろんリーグ優勝は目標にありましたが、今シーズンの連勝や首位独走は想像できなかったですね。鬼木達監督や選手、スタッフの努力の賜物だと思います。――当然、怪我も想定外ですよね。全治7か月という、僕の選手生活で初めての大怪我でした。でも、予期せぬ出来事の一方で、これのおかげでラストまでの道は決まったとも思えたんです。そもそもサッカー選手を17年やってきた人間が、よりによって残り1年でここまでの大怪我なんてしないですよ。これは意味のあることなのだろうと。何が何でも克服し、復帰をしてプレーをみなさんに見せてからやめろと言われているのだと僕は受け止めました。とはいえ、早期に戻っても再断裂の危険があり、慎重に調整しながら進めました。今は痛みも全くなく、これまで通りに動けているので、プログラムを作ってくれたトレーナーや医師の方々に大変感謝しています。――焦りはなかったのですか?リハビリの時期がコロナ禍と重なり、自分だけじゃなく、Jリーグはおろか日本自体が止まっていたので、しんどかったですけれど、しゃあないと開き直れて、焦りはそこまで感じずに済みました。ただ、膝が思い通りに動かせなかったり、原因不明の痛みが出たりした時はすごく苦しい思いをしましたね。だから、妻にはしょっちゅう、「痛い」「無理」「もうやだ」と子どもみたいに弱音を吐いていました(笑)。妻は妻で、休校だった子どもたちの世話や食事作りで、言ってみればそれどころじゃなくて。毎回「そんなことを言ってもどうせやるんでしょ」と軽くあしらわれていましたけど、そのリアクションがありがたかったですね。――怪我がもたらしたものとは?大怪我は僕が唯一したことのない経験でした。というのは、35歳で40歳の年に引退すると決めてから、36歳でJリーグMVP初受賞、37歳でリーグ初優勝、38歳でリーグ連覇、ルヴァン杯初優勝と、立て続けにさまざまな経験を回収できていたので。これだけ並べると僕が“持っている”ように思われるかもしれませんが、大卒で入団した時は、クラブはJ2にいて、そこからJ1に上がれたものの、優勝まであと一歩の2位止まりで終わることが何度も続いていました。僕は、今の位置に辿り着くまで幾度も悔しい思いをしてきた人間で、近年得られた結果は、地道に鍛錬し積み重ねてきたクラブと自分へのご褒美だと思っています。だから、不謹慎かもしれませんが、この怪我によって、良くも悪くもすべての経験が揃って現役を終えられると。とはいえ、怪我については、そう捉えないと自分的に重すぎたことでもあって、終わりが決まっていたからこそポジティブに変換できたのだと思っています。怪我自体の痛みや辛さだけでなく、復帰する過程の苦しさ、試合に絡めない悔しさ。怪我を通して得た経験と湧き出たさまざまな感情は、今後指導者になるにしても、何にしても活かせるだろうし、説得力のある話ができると思っています。――では、現時点で夢がありながらもうまく進めていない人に対してアドバイスをするならば?中長期的なプランニングがあってこそですが、いま目の前のことをどれだけ頑張れるかが大事なのかなと。それを積み重ねた先に自分の望んでいた未来があるのだと思います。僕はそうやってきたから優勝という結果が出ましたが、努力しても報われないことや仕事なども多いと思います。それでも、努力してない人には絶対に何も転がってきません。自分なりにやったと思っても成果が出ていないのであれば、自分はまだ努力が足りないと思えるかどうかもポイントかな。そこに気づければ、足りない部分を補えて成長できるはずです。他人のせいにするのは簡単ですが何も残りません。僕も学生時代にそういうところがありましたが、結局選んだのは自分なのだから。努力している人に手は差し伸べられるという意味で、今を頑張ってほしいですね。絶対誰かが見てくれていますから。なかむら・けんご1980年10月31日生まれ、東京都出身。川崎フロンターレ所属。ポジションMF。中央大学卒業後、同クラブ入団。幅広い視野と高度なテクニック、特にスルーパスが持ち味で、長年チームを牽引し3度のリーグ優勝に貢献、常勝軍団へと導いた。日本代表にも招集され活躍。2020年11月1日、今シーズン限りでの現役引退を表明。カメラマンがドリブルとシュートをいきなりリクエスト。「本当に怪我していたのかな、と思うくらい好調です。天皇杯は自分にとってラストの試合ですが、私情抜きに完全燃焼で頑張ります」。天皇杯準決勝は12月27日(日)、決勝は2021年1月1日(金)。クラブでは中村憲剛選手への感謝を込めて「One Four KENGO」プロモーションを実施中。※『anan』2020年12月30日‐2021年1月6日合併号より。写真・藤尾真琴インタビュー、文・伊藤順子(by anan編集部)
2020年12月31日圧巻である。『2020Jリーグアウォーズ』ベストイレブンの話だ。あらゆる最多記録を更新し『明治安田生命J1リーグ』史上最速優勝を果たした川崎フロンターレから9人が選ばれたのだ。11分の9。もちろんこれも史上最多記録である。(左より)三笘薫(川崎フロンターレ)、谷口彰悟(同)、鬼木達監督(同) (c)J.LEAGEU納得である。最優秀選手賞にはオルンガが選出された。柏レイソルは『明治安田J1』7位に甘んじたが、自身は28ゴールをマーク。得点ランキング2位のエヴェラウド(鹿島アントラーズ)が18ゴールと言えば、いかにオルンガの数字が傑出しているかわかるだろう。オルンガのMVP獲得も異論はないだろう。最優秀選手賞に選ばれたオルンガ(柏レイソル) (c)J.LEAGEU『2020Jリーグアウォーズ』主な受賞者は以下の通り。【最優秀選手賞】オルンガ(柏)【ベストイレブン】GKチョン・ソンリョン(川崎F)2DFジェジエウ(川崎F) / 谷口彰悟(川崎F)2 / 登里亨平(川崎F)/ 山根視来(川崎F) / MF家長昭博(川崎F)2 / 田中碧(川崎F) / 三笘薫(川崎F) / 守田英正(川崎F) / FWエヴェラウド(鹿島) / オルンガ(柏)【得点王】オルンガ(柏)【ベストヤングプレーヤー賞】瀬古歩夢(C大阪)【フェアプレー個人賞】山口蛍(神戸)【フェアプレー賞(高円宮杯)】大分【優勝監督賞(J1)】鬼木達(川崎F)3【優勝監督賞(J2)】リカルド・ロドリゲス(徳島)【優勝監督賞(J3)】吉田謙(秋田)【優秀監督賞(J1)】宮本恒靖(G大阪)【優秀監督賞(J2)】小林伸二(北九州)【優秀監督賞(J3)】三浦文丈(相模原)【最優秀主審賞】西村雄一11【最優秀副審賞】武部陽介【最優秀育成クラブ賞】東京V3【最優秀ゴール賞】齊藤未月(湘南)※チーム名の後の数字は受賞回数。数字のない選手は初受賞。ゴールデンブーツを手にするオルンガ(柏レイソル) (c)J.LEAGEUMVP、得点王、ベストイレブンの3冠を獲得したオルンガは『Jリーグアウォーズ』後に記者会見に登場。次のように喜びを語った。「まずJリーグに感謝したい。2020年は素晴らしいシーズンとなった。多くのゴールを決めることができたのは柏レイソルの関係者のお陰。2018年夏に来日した時のレイソルは困難な状況にあり、数試合に出て3得点に終わった。すごくフラストレーションの溜まるシーズンだった。だが、次の2年間はフルシーズン戦うことができた。ピッチ内外で多くを学び、気候にも対応し、日本の文化も知り、チームメイトともいい関係を築き、私のサクセスストーリーにつながった」ケニア人ストライカーは、ブラジル人指揮官との出会いを感謝する。「ネルシーニョがレイソルに戻って来た2019年はいいシーズンを送ることができた。監督がこだわるのはヴィクトリア。練習試合でもリーグ戦でもカップ戦でもすべての試合で勝つためにハードワークを求める。彼は規律を重んじる。ピッチ内だけではなく、ピッチ外も見て判断している。それがチームの成功につながっている。彼のもとでサッカーをすることで、結果につながった」印象に残るゴールには第7節・ベガルタ仙台戦でのハットトリックとなる73分のゴールと第20節・横浜FC戦の76分のゴールを挙げた。「横浜FCとの2試合目のゴールは気に入っている。ファーストタッチで決まったゴール。仙台戦の3点目もいいゴール。一瞬簡単に見えるが、ボールをうまくコントロールして短い時間でシュートまで持って行くことができた。それが私のJリーグでの初めてのハットトリックとなった」ベストイレブン受賞者もオンライン記者会見に次々登場。選手たちは異口同音に喜びと感謝の言葉を口にした。「感謝し、すごく光栄に思う。ほかのGKもいいパフォーマンスしていた中でベストイレブンを取れてうれしく思う。監督からは『ポジションを前に取れ、トライしろ、チャレンジしろ』と求められ、それを実行できたのが自分の中で非常に大きい」(ソンリョン)「本当に心から幸せな気持ちでいっぱい。神に感謝したい。努力の成果が見せられた。でもベストイレブンはチームメイトあってのこと。タイトルも取れてうれしいが、もうひとつタイトルが残っている。やるべきことをやって、もうひとつのタイトルを取りたい」(ジェジエウ)2度目となるベストイレブンを受賞した谷口彰悟(川崎フロンターレ) (c)J.LEAGEU「このような賞をいただき本当にうれしく思うし、1年間やり続けた結果。賞のためにプレーしているわけではないが、がんばりが報われた思いはある。なかなか出せないような数字を残せたと思うし、そこは誇っていい。選手、コーチングスタッフ全員が同じ方向を見てやり続けた結果。連勝が目に付くと思うが、一戦一戦一生懸命、総力戦で戦い、チャンスを得た選手が結果を残すといういいサイクルの中、全員で掴み取った優勝だと思う。ベストイレブンに9名選ばれるのはそう簡単ではない。他チームにフロンターレのサッカーがある程度認められ、評価された結果。そこはうれしいし、もっと強くなれるように、これからもやっていきたい」(谷口)「同じステージで戦い抜いた仲間から評価されて非常にうれしく思う。チームとしては2年ぶり3度目の優勝、個人としては初めての受賞と非常に充実した素晴らしいシーズンとなった。再開前に鬼木監督に『こういうシーズンだから優勝しよう、結果を出して関わった人を笑顔にしよう』と言われてスタートした。シーズンを通して、川崎から笑顔を届けられてよかった。この賞に満足することなく、チームとして、個人として、来年ステップアップしていきたい」(登里)※ケガのため、欠席。「チームメイトに自分の能力以上のものを引き出してもらっての受賞だと思うので、感謝したい。フロンターレに入って、自分も『うまくやらないといけない』と悩んだこともあったが、『湘南時代のプレーを出せばいい』と開き直れたのが、いい結果が出た要因。優勝してベストイレブンも受賞できたが、自分が下手なことには変わりないので、謙虚にやっていきたい」(山根)「優勝でき、このような個人的な賞も取れたことを本当にうれしく思う。いいシーズンを送ることができた。(ベストイレブンに)9人も選ばれることはめったにない。優秀選手も13人選ばれている。歴史的なことに自分も名前を連ねることができてうれしい」(家長)「Jリーグでプレーしている選手・監督から評価してもらったのは非常にうれしいし、1年間がんばってきてよかった。今まで2ボランチの一角しかやっていない中、4-3-3のアンカーやインサイドハーフをやらせてもらい大局的にサッカーを見られた。(中村)憲剛さんの素晴らしさを吸収して成長していきたい。憲剛さんは憧れの存在だが、超えていかないといけないと思っている。もっと圧倒的な選手にならないといけない」(田中)ルーキーながらベストイレブンに選出された三笘薫(川崎フロンターレ)(c)J.LEAGEU「ベストイレブンに入れたのはすごく光栄。MVPは狙っていないし、チームのことを考えてプレーしていた。MVPはオルンガ選手がふさわしい。最初は途中出場が多く、自分の価値をアピールしないといけないと思っていた。結果にこだわってやり、最後の方はスタメンも増えてきた。最後少しは形になったかなと」(三笘)「1年目は先輩に助けてもらっての優勝、今季は副キャプテンの役割を担いながらの優勝だったのでうれしい。前半戦、スタートから出る試合は少なかったが、準備はしっかりしていた。その準備を後半戦の結果につなげることができてよかった」(守田)「まず喜びと感謝の気持ちでいっぱい。今季は難しかった。コロナの影響もあり、日本のサッカーに慣れるのに時間かかったが、慣れてからは結果を出せるようになりよかった。ただ自分としてはチームとしての賞がほしい。来季、チームで賞が取れるようにしたい」(エヴェラウド)取材・文:碧山緒里摩(ぴあ)
2020年12月23日いよいよ、『2020明治安田生命J1リーグ』が最終節を迎えようとしている。今週末、コロナ禍の特別なシーズンが終わろうとしているのだ。シャーレの行方は決している。ご存じのように11月25日、すでに川崎フロンターレがJ1史上最速優勝を決めている。『天皇杯』出場権を手にする2位も12月16日にガンバ大阪で確定した。新型コロナウイルスによって公平性が担保できないため、J2降格はない。ヒリヒリした緊張感がスタジアムを包むJ1残留の崖っぷちの戦いはない。言わば今季の『明治安田J1』最終戦は無風である。上田綺世(鹿島アントラーズ)(c)J.LEAGUE無風だが、12月19日(土)の話題は尽きない。勝点60の3位・名古屋グランパスは8位に位置するサンフレッチェ広島と豊田スタジアムで対峙し、勝点58の5位・鹿島アントラーズは勝点59の4位・セレッソ大阪を茨城県立カシマサッカースタジアムで迎え撃つ。『ACL 2021』の出場枠は3位まで。順当に川崎F、G大阪の『天皇杯』優勝、逆にJ1相当ではないクラブがジャイアントキリングを起こせば、アジアへの道は4位まで広がる。名古屋とC大阪か、名古屋と鹿島か、はたまた『明治安田J1』3位と『明治安田J2』優勝か。答えは早くて12月27日(日)、遅くとも元日に出る。味の素スタジアムでは『ACL 2020』ラウンド16のFC東京とベスト4のヴィッセル神戸が激突し、ニッパツ三ツ沢球技場では横浜FCと横浜F・マリノスの横浜ダービーが実現する。ダービーと言えば、駅前不動産スタジアムではサガン鳥栖×大分トリニータの九州ダービーがキックオフ。西澤健太(清水エスパルス)(c)J.LEAGUEJ2降格がないとは言え、17位、ましてや最下位に沈むのはご免である。ユアテックスタジアム仙台で勝点27の16位・ベガルタ仙台と勝点26の17位・湘南ベルマーレが直接対決、勝点25の18位・清水エスパルスは『天皇杯』を睨むG大阪の本拠地パナソニック スタジアム 吹田へ乗り込む。埼玉スタジアム2002で顔を合わせる浦和レッズと北海道コンサドーレ札幌もシーズン最後の戦いを白星で締め括ろうとしている。そして、三協フロンテア柏スタジアムで行われる柏レイソル×川崎フロンターレである。川崎Fがどこまで記録を伸ばすのかに注目される。G大阪を5-0で粉砕し、2年ぶり3度目の『明治安田J1』制覇を果たした川崎Fだが、第31節は清水に2-2、第32節も鳥栖に1-1と下位を相手に足踏みを余儀なくされた。だが、このままズルズルと後退しないのは、さすがチャンピオン。12月16日・等々力陸上競技場でのホーム最終戦で本来の姿を取り戻した。興梠慎三(浦和レッズ)(c)J.LEAGUE11分にPKを興梠慎三に決められ浦和レッズに先制を許すも、試合は完全な川崎Fペース。ボールを握り、隙を伺い、ゴールに迫る。相手ボールになってもすぐさま奪い返し、攻撃を作り直す。決定機も次々と生まれる。31分にMF中村憲剛のコーナーキック(CK)をCBジェジエウがヘッドで叩き込むもポストに嫌われ、43分にはウイング三苫薫のシュートをGK西川周作がはじき、FW小林悠が詰め同点と思われたが、エースのシュートは倒れ込んだCB岩波拓也に当たってしまう。前半45分で川崎Fのシュートは打ちも打ったり14本、対する浦和はPKの1本のみ。川崎Fはゲームを支配しながら0-1で折り返した。守田英正(川崎フロンターレ)(c)J.LEAGUE後半に入っても攻める川崎F、耐える浦和の構図は変わらない。そんな中、ついに川崎Fが追い付く。53分、アンカーの守田英正が見事にコントロールされたミドルシュート一閃。中村憲剛(川崎フロンターレ)(c)J.LEAGUE王者はここから一気に畳み掛ける。前節、決定機でヘディングシュートを外し悔しい思いをした三笘が59分、右SB山根視来のクロスをきっちり頭で合わせて逆転。61分には流れるようなパスワークから中村のノールッククロスに小林が反応、走り込みながら右ボレーをズバリ。試合後、鬼木達監督が「分かり合っているふたりでしかなかなかできない得点。長年やっている研ぎ澄まされた部分が出た。クロスを上げた憲剛もそうだし、あそこのタイミングで入っていった悠もそう。試合の中で互いに感じてやれたのは素晴らしいこと」と絶賛する一撃だった。三笘薫(川崎フロンターレ)(c)J.LEAGUEベテランだけではない。若きスコアラーたちのコメントも、今季の川崎Fの強さを雄弁に語っていた。3年目にしてうれしいプロ初ゴールを決めた守田が「ずっと取りたかったけど、なかなか取れないで来てしまった。やっと数字でチームに貢献できた」と安堵の表情を見せれば、J1新人最多得点記録に並ぶ13ゴールをマークした三笘も「前戦(のヘディングシュート)では上へ行ってしまったので、当てるところを気を付けた」と前戦の反省を口にした。これまでチームになくてはならない活躍をしているふたりであっても、活躍し続けなければポジションを奪われる危機感を抱えているのだ。だからこそ、川崎Fは最多25勝を挙げ、最多勝点80をマークし、最多85ゴールを叩き出してなお、上を目指すのだ。最多記録を更新した直後の指揮官は「優勝したあとに記録を作ろうと選手に言ってきた中、超えられてよかった。選手たちがもう一度記録というものにチャレンジしてくれたことをうれしく思う。ただ、まだもう1試合あるので、もっといい記録を作りたい」とキッパリ。もちろん、ホームの柏も勝点3を譲るつもりはさらさらない。27ゴールと得点ランキングを独走するオルンガがチームを勝利へ導くシュートを虎視眈々と狙う。1月4日(火)には国立競技場での『JリーグYBCルヴァンカップ』決勝が控える。FC東京との決勝を前に、王者相手であっても下手な試合はできない。7月4日、無観客で再開した2020明治安田生命J1リーグ(c)J.LEAGUEコロナ禍の特別なシーズンは、サッカーに関わる全ての人々の尽力なくして、この週末を迎えられなかったのではないだろうか。選手・監督・コーチとその家族はもちろん、Jリーグやクラブ、レフェリーやスタジアム関係者、ファン・サポーターにボランティア、スポンサー、マスコミ、ホームタウンの地方自治体とその住民などなど、それぞれが試行錯誤に紆余曲折、トライ&エラーを繰り返しながらも、初めて尽くしの特別なシーズンを完走しようとしているのだ。言わば、サッカー界の勝利である。12月19日(土)はそれぞれが勝利の味を噛み締めつつ、『明治安田J1リーグ』を見届けてはいかがだろうか?文:碧山緒里摩(ぴあ)チケット情報
2020年12月18日18年目を迎える『ジャパンラグビー トップリーグ 2021』のチケットは、かつてないほど激しい争奪戦となるだろう。日本代表が悲願のベスト8進出を果たした『ラグビーワールドカップ(RWC)2019』後の『トップリーグ』は新型コロナウイルスの影響でシーズン前半での中止を余儀なくされ、来季には新リーグがスタートする。そう、今季の『トップリーグ』は最後のシーズンとなるのだ。さらに開幕戦は収容人数の50%以下の入場規制をかけて行われる。今週末一般発売となる『トップリーグ2021』ファーストステージ第1・2節のチケットは、プラチナチケットとなる条件が揃っている。マカゾレ・マピンピ(NTTドコモレッドハリケーンズ)ボーデン・バレット(サントリーサンゴリアス)マイケル・フーパー(トヨタ自動車ヴェルブリッツ)グラウンド上の話題も事欠かない。今季も大物選手たち大挙して来日を果たす。『RWC2019』を沸かした各国のスタープレイヤーたちがやって来るのだ。『RWC2019』チャンピオン南アフリカ代表スプリングボクスの最強&最速トライゲッターのマカゾレ・マピンピ(NTTドコモレッドハリケーンズ)にニュージーランド代表オールブラックスの10番ボーデン・バレット(サントリーサンゴリアス)、先日100キャップを突破したばかりのオーストラリア代表ワラビーズの主将マイケル・フーパー(トヨタ自動車ヴェルブリッツ)やヨーロッパ王者イングランド代表の大物ロック(LO)ジョージ・クルーズ(パナソニック ワイルドナイツ)、『RWC2015・2019』で日本代表の前に立ちはだかったスコットランド代表の司令塔グレイグ・レイドロー(NTTコミュニケーションズシャイニングアークス)などなど、スター選手は枚挙に暇がない。グレイグ・レイドロー(NTTコミュニケーションズシャイニングアークス) (c)Craig Watson開幕カードもズラリと好カードが並ぶ。サントリーとともに『トップリーグ』最多優勝を誇る東芝ブレイブルーパスと進境著しいNTTコムの一戦は「スタジアムでラグビーを見たい!」と言う声に応えるべく、会場を秩父宮ラグビー場から国立競技場へ変更。リーチ マイケルとアマナキ・レレイ・マフィの日本代表サードロウ対決やレイドロー&豪州代表クリスチャン・リアリーファノのNコムハーフ団など見どころは多い。流大(サントリーサンゴリアス) (C)F.SANO関東だけではない。中部地方ではトヨタ自動車×サントリーが豊田スタジアムでラインナップされている。トヨタのフォワード(FW)第3列には豪州代表現主将フーパーとNZ代表前主将キーラン・リードが並び、最後尾には南アフリカ代表フルバック(FB)ウィリー・ルルーが控える。まさに夢のような布陣だ。対するサントリーもスタンドオフ(SO)バレットとコンビを組むのは日本代表の流大か、次期代表候補のルーキー齋藤直人か。もうひとりのスーパールーキー中野将伍が日本代表中村亮土&豪州代表サム・ケレビのセンター(CTB)争いに割って入るかも気になる。五郎丸歩(ヤマハ発動機ジュビロ) (C)F.SANO関西では初代トップリーグ王者であり、前回覇者でもある神戸製鋼コベルコスティーラーズがヤマハ発動機ジュビロをノエビアスタジアム神戸で迎え撃つ。世界最高の司令塔ダン・カーターが去ったSOには元オールブラックスのアーロン・グルーデンが入った。世界最強LOブロディ・レタリックと究極のユーティリティプレイヤーのベン・スミスというNZ代表80キャップを超える大物がFW、バックス(BK)にそれぞれ配置されている。プロップ(PR)中島イシレリやCTBラファエレ ティモシー、フルバック(FB)山中亮平など日本代表戦士も続く。一方のヤマハ発動機の最後尾には今季限りでの引退を発表した五郎丸歩がいる。山中と五郎丸の新旧日本代表FB対決は見ものだ。堀江翔太(パナソニック ワイルドナイツ) (C)JRFU好カードはまだある。PR稲垣啓太、HO堀江翔太、ウイング(WTB)福岡堅樹らとともにクルーズ、ウェールズ代表CTBハドレー・パークスが新加入したパナソニックは新たな本拠地・熊谷ラグビー場に登場し、NECグリーンロケッツと対峙する。南ア代表HOマルコム・マークス、豪州代表SOバーナード・フォーリー、NZ代表CTBライアン・クロッティら充実のメンバーを並べるクボタスピアーズは三菱重工相模原ダイナボアーズと江戸川区陸上競技場で対戦し、SH田中史朗&SO田村優の司令塔コンビを擁するキヤノンイーグルスは駒沢オリンピック公園総合運動場でリコーブラックラムズと激突する。花園ラグビー場での日野レッドドルフィンズ×NTTドコモならマピンピとともにハカのリーダーとして知られるTJペレナラ(NTTドコモ)のプレーが見られ、鈴鹿サッカー・ラグビー場でのHonda HEAT×宗像サニックスブルースでは古巣に挑むWTBレメキ ロマノ ラヴァ(サニックス)の勇姿がバッチリ。今季の『トップリーグ』はまさにハズレなし。どのカードもどのチームも話題が尽きない。最後の『トップリーグ』は2ステージ制およびプレーオフトーナメントによってタイトルを争う。1月16日(土)~3月6日(土)のファーストステージで16チームを2カンファレンスに分け、1回戦総当たりのリーグ戦を行い、3月26日(金)~4月25日(日)セカンドステージでは『ジャパンラグビー トップチャレンジリーグ2021』の上位4チームも加えた計20チームを4プールに分けて1回戦総当たりのプール戦を実施。セカンドステージの各プール上位2チームによるプレーオフで5月8日(土)~23日(日)に一発勝負のトーナメントを繰り広げるのだ。ファーストステージ第1・2節のチケットは12月12日(土)午前10時より一般発売。さあ、あなたはどの試合を抑える?かつてない『トップリーグ』チケット争奪戦に乗り遅れるな!文:碧山緒里摩(ぴあ)
2020年12月11日