トロント映画祭で世界プレミアされた『Lakewood』は、ナオミ・ワッツがほぼ一人芝居状態のサスペンススリラーだ。ある1日の朝から午後までの物語。エイミー(ワッツ)いつものように高校生の息子を起こしにいくと、息子は、今日は学校に行きたくないと言った。そんな息子に、学校に行ったほうがいいと言い残して、エイミーはジョギングに出る。走っている途中、何台かのパトカーがすごい勢いで通り過ぎていくのを見たエイミーは、まもなく、息子の通う学校で銃撃事件があったことを知った。息子は今日、学校に行っていないはず。そう信じたいものの不安を拭えないエイミーが知人に連絡を取ると、息子が乗るトラックが学校の駐車場に停まっているという。結局、息子は学校に行ったのだ。急いで駆けつけたいが、彼女がいるのは森の中。携帯でできるかぎりの人々と話ししつつ、エイミーは走り続ける。そんな中で電話を通じて得られる情報は交錯し、エイミーのパニックは極限に達するのだった。脚本を書いたのは、ライアン・レイノルズのほぼ一人芝居だったスリラー『リミット』のクリス・スパーリング。監督は、『今そこにある危機』『ボーン・コレクター』『ソルト』のフィリップ・ノイス。パンデミックのため、トロント入りをしなかったノイスは、上映前のビデオメッセージで、この脚本に惹かれたのは、親になって以来、常に抱える恐怖について語りたかったからだと述べた。また、同じオーストラリア出身のワッツについては「彼女が10代の若手女優だった時から知っている」と語っている。ワッツは今作でプロデューサーも務めている。ノイスがこの脚本を読んだのはちょうど1年前で、撮影はパンデミックの中で行われた。登場人物がとても少なく、ほとんどの舞台がアウトドア、しかも誰もいない森の中という設定のこの映画は、コロナ対策をしながら作るのにもってこいだ。配給はまだ決まっていないが、この映画祭中に動きがあるか注目される。文=猿渡由紀
2021年09月14日トロント国際映画祭が現地時間9日から開催される。昨年は圧倒的にヴァーチャル中心で、劇場での上映はドライブインシアターに限られていたが、ワクチン接種が進んだ今年はヴァーチャルと並行しての実施だ。オープニング作品は、世界プレミアとなるスティーブン・チョボスキー監督の『Dear Evan Hansen』。ミュージカル劇の映画化で、ベン・プラット、エイミー・アダムス、ジュリアン・ムーアらが出演する。クロージング作品はチャン・イーモウ監督の『One Second』。こちらは北米プレミアとなる。世界プレミアとなる上映作には、ジェシカ・チャステイン主演の『The Eyes of Tammy Feye』、メラニー・ロランが監督と主演を兼任する『The Mad Women’s Ball』、バリー・レビンソン監督の『The Survivor』、アントワン・フークア監督、ジェイク・ギレンホール主演の『The Guilty』、セオドア・メルフィ監督、メリッサ・マッカーシー主演の『The Startling』、フィリップ・ノイス監督、ナオミ・ワッツ主演の『Lakewood』、アラニス・モリセットのドキュメンタリー『Jagged』などがある。すでにほかの映画祭で上映された作品には、エドガー・ライト監督の『ラストナイト・イン・ソーホー』、ジェーン・カンピオン監督の『The Power of the Dog』、ベネディクト・カンバーバッチ主演の『The Electrical Life of Louis Wain』、ケネス・ブラナー監督の『Belfast』、オクタヴィア・スペンサーとリズ・アーメッドが出演する『Encounter』、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督、ティモシー・シャラメ主演の『DUNE/デューン 砂の惑星』、濱口竜介監督の『ドライブ・マイ・カー』などが含まれている。トロント映画祭では一般人もチケットを購入すれば映画を見られるのが魅力。ヴァーチャルであれば、世界のどこにいても参加できる。しかし、注目作の多くはカナダに住む人のみのアクセスに限定されており、『Dear Evan Hansen』や『ラストナイト・イン・ソーホー』のように、いっさいデジタルはやらない作品もあるのがやや残念だ。映画祭は18日まで。文=猿渡由紀
2021年09月09日今年のアカデミー賞で『サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~』でアカデミー主演男優賞にノミネートされたリズ・アーメッドが、トロント国際映画祭のコンペ部門「プラットフォーム部門」の審査員長を務めることが分かった。同映画祭が発表した。リズと同映画祭には、2019年の同映画祭の同部門で『サウンド・オブ・メタル』が世界初上映されたという“縁”がある。リズは「今年のトロント国際映画祭で、プラットフォーム部門の審査員長に指名を受けたことを光栄に思います」とコメント。「『サウンド・オブ・メタル』のような、小さなインディペンデント系の映画を祝福するというこの映画祭のコミットメントは、私や他の人々のキャリアに本当に大きな影響を与えています。今年、選出されたすべての作品を観ること、他の審査員たちと一緒に審査をすることを、楽しみにしています」と審査員長として意気込みを語った。ほかの審査員は今後発表される。今年のトロント国際映画祭は9月9日から18日まで開催。プラットフォーム部門ではスコット・マッギーヒー&デヴィッド・シーゲル監督の『Montana Story』(原題)など8作品がプレミア上映される。同映画祭は、2015年にプラットフォーム部門が設立されるまで、コンペ部門は存在しなかった。(Hiromi Kaku)■関連作品:サウンド・オブ・メタル聞こえるということ 2021年10月1日より全国にて公開© 2020 Sound Metal, LLC. All Rights Reserved.
2021年08月12日トロント映画祭のラインナップの一部が発表された。オープニング作品は、スティーブン・チョボスキー(『ワンダー 君は太陽』)の『Dear Evan Hansen』。ブロードウェイ劇の映画化で、ジュリアン・ムーア、エイミー・アダムスなどが出演する。クロージング作品はチャン・イーモウの『One Second』。ほかには、ケネス・ブラナーの『Belfast』、エドガー・ライトの『Last Night in Soho』、アントワン・フークアの『The Guilty』、セオドア・メルフィの『The Starling』などが上映される。また、先のカンヌ映画祭で脚本賞を受賞した濱口竜介の『ドライブ・マイ・カー』も北米プレミアとして上映される予定。映画祭は9月9日から18日まで。文=猿渡由紀
2021年07月21日NBAロサンゼルス・レイカーズのレブロン・ジェームズが、自身のツイートが原因で激しい批判を浴びている。20日にコロンバス市警の警官が16歳の黒人少女マキア・ブライアントさんを射殺。ジェームズは、この警官の写真に「次はおまえだ」というキャプションを付けてツイートした。これが大炎上を招いているのだが、なぜそこまで問題視されるに至ったのだろうか。経緯を辿ってみよう。BLM運動の引き金となったジョージ・フロイドさんの死亡事件で、彼の首を膝で圧迫して死に至らしめたミネアポリス市警の元警官デレク・ショーヴァンの裁判が21日行われた。The New York Timesなど複数のメディアの報道によると、第2級殺人など3件の罪状で、陪審員の評決はいずれも有罪。量刑の言い渡しは8週間後だが、3件合わせて75年ほどの禁固刑になるだろうと見られている。ジェームズは、ショーヴァンへの判決を受け、ブライアントさんを殺害した警官に「次はおまえ(が有罪になる番)だ」と発言したのだ。しかし、ブライアントさんの事件はフロイドさんの事件とは全く性質が異なる。NPRによると、ブライアントさんは事件のあった日「年上の子たちに暴行される」と警察に通報していたという。警官が急行し発砲する事態となったが、撃たれたのはなぜかブライアントさんだった。コロンバス市警が公開した警官のボディカメラの映像には、3人の少女がケンカをする様子が映っている。ナイフを持ったブライアントさんが、少女の一人を止まっていた車の方に押し倒して刺そうとしたため、これを止めるために警官は彼女に向けて発砲。警官は発砲するまでに3回「伏せろ!」と叫んでいた。コロンバス市のアンドリュー・ジンサー市長は「この映像を見る限り、彼は我々のコミュニティに住む女性を守るために行動したことがわかります。しかし、家族は今、悲しみに暮れている」とコメント。黒人の少女を白人の警官が撃ったという構図だけが一人歩きし、米国各地でデモが起きているが、この警官は二人の少女を救ったとも言える。以上の事実を鑑みると、ジェームズのツイートは的外れであると言わざるを得ない、という意見があがっているのだ。アーカンソー州選出のトム・コットン上院議員は「レブロン・ジェームズはオハイオ市警への暴力を煽動している。これは恥ずべきことであり、危険なことだ。NBAはこれを良しとしているのか?Twitterは?」とツイート。警官が黒人を殺害するケースが多発したことで、白人警官への憎悪感情が高まっている昨今。4,960万人のフォロワーを持つジェームズが暴動を扇動したとなれば、その影響は計り知れない。ジェームズは当該ツイートを削除し、「もう黒人が警官に殺されるのを見るのはうんざりなんだ。俺がさっきのツイートを消したのは、さらなるヘイトを生み出してしまうからだ。これは一人の警察官の問題じゃない。システム全体の問題であり、彼らは俺たちの言葉を使ってさらなる人種差別を作り出す。彼らがより多くの責任を負うことを切望している」と釈明。これが火に油を注ぎ、「あの子が別の人を刺そうとしていたって事実を無視するの?」「あんた自身がヘイトを生んでるんだよ」といったコメントが数万件寄せられている。
2021年04月22日ナイキ(NIKE)とアンブッシュ(AMBUSH)のコラボレーションによる「ナイキ x アンブッシュ NBA コレクション」が登場。アパレル&スニーカーが、2020年12月11日(金)より、ナイキラボ MA5、アンブッシュ ワークショップ各店、ドーバー ストリート マーケット ギンザなどで発売される。なお、販売にあたっては事前にオンライン抽選を実施する。90年代からインスパイアされたバスケットボールスタイル「ナイキ x アンブッシュ NBA コレクション」は、メンズファッションを着こなす90年代の力強く自立した女性たちのスタイルからインスピレーションを得たコレクション。バスケットボールのカルチャーを取り入れつつ、フェミニンなスタイルに仕上げている。ウォームアップウェア&ユニフォーム着想のアパレル展開されるアパレルは、ロサンゼルス・レイカーズとブルックリン・ネッツのもの。アンブッシュのデザイナーYOONが特にこだわったのは、サイドボタンが特徴的なバスケットボール ウォームアップ パンツだ。バスケットボール選手がパンツの下にゲーム用ショーツを履くスタイルに着想し、腰の部分にコントラストの効いたダブル ウエスト バンドをあしらった。このパンツをクラシックなNBA ジャージーを取り入れたロングスリーブ トップと組み合わせると、バスケットボールプレイヤーのユニフォームのようなルックに仕上がる。アパレルには、その他にも、チーム名を大胆に記したジャケットなどを用意。“バイクのマフラー”イメージのスウッシュ付きスニーカースニーカーは、アイコニックな「ナイキ ダンク」に、日本のバイク、車、トラックに見られるカルチャーを落とし込んだもの。立体的なスウッシュモチーフを、バイクのマフラーのようにかかとの先まで伸ばしたデザインが目を惹く。なお、アンブッシュのデザイナーYOONは、ナイキとNBAとコラボレーションする初めての女性デザイナーとなる。【詳細】ナイキ x アンブッシュ NBA コレクション発売日:2020年12月11日(金)販売店舗:ナイキラボ MA5、SNKRS、アンブッシュ ワークショップ、アンブッシュ ワークショップ 2、アンブッシュ ウェブショップ、ドーバー ストリート マーケット ギンザアイテム:・NIKE x ANBUSH DUNK HI 20,000円+税・NIKE x ANBUSH JKT 35,000円+税・NIKE x ANBUSH TOP 12,500円+税・NIKE x ANBUSH PANT 20,000円+税【事前入店抽選及び購入について】抽選申し込み期間:2020年12月7日(月)9:00~12月8日(火)18:00抽選用リンク (12月7日(月) 9:00スタート):【事前抽選について】※申込みは、1人1回限り。※12月10日(木)中(時間未定)に、当選者のみへメールで案内。落選の場合は連絡なし。※当選した権利の譲渡・転売行為厳禁。※当選の場合でも希望の商品をご購入できない可能性あり。※応募した場合に、今後アンブッシュ ニュースレターを送付する場合あり。※応募した時点で注意事項を了承したものとする。(抽選用リンクより内容は確認)※当選した場合、入店時に当選メールと顔写真付きの身分証を提示。情報が一致しない場合は入店不可。【問い合わせ先】ナイキ カスタマーサービスTEL:0120-6453-77
2020年12月05日AMBUSH(R)︎は、NikeおよびNBA(National Basketball Association)と共同でYOONがデザイン監修したバスケットボールのアパレル・カプセルコレクションと「NIKE x AMBUSH DUNK HI」を12月11日、AMBUSH(R)︎ WORKSHOP、WORKSHOP 2、WEBSHOP、SNKRS、NIKELAB MA5、Dover Street Market Ginzaにて発売します。NBAとコラボレーションする初めての女性デザイナーとなるAMBUSH(R)︎のクリエイティブディレクターYOONは、このコラボレーションにおいて、バスケットボールファンの女性に向け、エネルギッシュでAMBUSH(R)︎らしいディテールのフレッシュなスタイリングを提案します。YOONは多角的で幅広い視野のもと、ロサンゼルス・レイカーズとブルックリン・ネッツのユニフォームを再解釈しました。脇にボタンがついた伝統的なバスケットボールのウォームアップパンツからインスピレーションを得た遊び心あふれるパンツは、シーズンに合わせて保温性を高め、コントラストカラーのダブルウウェストバンドでまとめています。コレクションはパンツの他、NBAのクラシックなジャージーを思わせるスリムフィットの長袖トップス、チーム名を大胆に配した90年代への賛歌ともいえる2タイプのジャケットから構成されます。AMBUSH(R)︎らしく再解釈しデザインしたアイコニックな「NIKE DUNK」は、日本のバイク・車・トラックのカルチャーにインスパイアされ、スウッシュがバイクのパイプのように飛び出したデザインとなっています。シューズのプロポーションに変化が加えられたディテールが特徴的です。■Nike x AMBUSH NBA コレクション 概要商品名:Nike x AMBUSH NBA コレクション価格(税抜):NIKE x AMBUSH JACKET BK 3万5,000円NIKE x AMBUSH PANTS BK 2万円NIKE x AMBUSH TOP BK 1万2,500円NIKE x AMBUSH JACKAT LA 3万5,000円NIKE x AMBUSH PANTS LA 2万円NIKE x AMBUSH TOP LA 1万2,500円NIKE x AMBUSH BASKETBALL 1万円発売日:2020年12月11日(金)AMBUSH(R)︎ WORKSHOP、WORKSHOP 2、WEBSHOP、SNKRS、NIKELAB MA5、Dover Street Market Ginzaにて※AMBUSH(R)︎ WORKSHOP、WORKSHOP 2 での「Nike x AMBUSH NBA コレクション」の販売は事前抽選制となります。抽選は12月7日(月)9:00より12月8日(火)18:00までの間、特設サイトにて行います。詳細は下記にてご案内いたします:■Nike x AMBUSH DUNK HI概要商品名:Nike x AMBUSH DUNK HI価格(税抜):NIKE x AMBUSH DUNK HI 2万円発売日:2020年12月11日(金)AMBUSH(R)︎ WORKSHOP、WORKSHOP 2、WEBSHOP、SNKRS、NIKELAB MA5、Dover Street Market Ginzaにて※AMBUSH(R)︎ WORKSHOP、WORKSHOP 2 での「Nike x AMBUSH NBA コレクション」の販売は事前抽選制となります。抽選は12月7日(月)9:00より12月8日(火)18:00までの間、特設サイトにて行います。詳細は下記にてご案内いたします:■YOONコメントこのプロジェクトは、女性が誇りを持って自分の好きなチームを応援できたら、という思いから生まれました。スタイルを犠牲にすることなく、バスケットボールのカルチャーをバランスよく表現することを考え、メンズファッションを着こなす90年代の強く自立した女性たちを思い出したのです。その態度をキープしつつよりフェミニンなシルエットにすることを意識しました。― YOON、AMBUSH(R)︎ クリエイティブディレクター固定概念にとらわれないYOONの独自のデザインの発想から誕生した一見シンプルかつ初の試みだらけのDUNK。アティテュードを感じるレディースのNBAカプセルコレクションも要チェックです。― VERBAL、AMBUSH(R)︎ CEO■YOONについてAMBUSH(R)︎ クリエイティブディレクター、Dior Men ジュエリーディレクター2008年自主的にジュエリーデザインを追求していたVERBAL と共にAMBUSH(R)を発表。東京カルチャーをキャプチャーした実験的なジュエリーラインは、ポップアートが根幹となり始まった。代表作ともいえるPOW!(R) モチーフは、世界中のメディアやアーティストから注目の的となる。ブランドのコンセプトを更に表現するために、ジュエリーのキャンバスとしてアパレルを制作し、ユニセックスなコレクションのデザインへと進化を遂げていった。2015年にはパリで初の展示会を開催し、その後世界のファッションビジネスを中心とするオンラインニュースサイト“Business of Fashion (BOF)” が発表する「ファッション界を変える世界の500 人」にYOONとVERBALの 2人が2015 年度以降、4年連続選出された。2017 年にはモエヘネシー・ルイヴィトングループ(=以下LVMH)が、若手デザイナーの育成・支援を目的としたファッションコンテスト「LVMH PRIZE」にてAMBUSH(R)はトップ8のファイナリストに選ばれた。AMBUSH(R) のユニークな技術で造られた唯一無二のスタイルは、各界のインフルエンサーにも絶大な指示を受け、Louis Vuitton ( Kim Jones )、 sacai、Undercover、Shu Uemura、Nike、Converse、Rimowa、Gentle Monster、Bvlgariといったブランドとのコラボレーションを実現させた。 2018年にはAMBUSH(R) 初となるランウェイプレゼンテーションをAmazon Fashion Week Tokyo の一環として披露。また、Dior MenのKim Jones が同ブランドのジュエリーディレクターとしてYOON を任命し、2019 SSシーズンにパリで初コレクションを発表した。2016年9月に東京にてブランド初となるショップを、2019年11月には第2号店をオープンし、ブランドの精神を発信するスペースとして大きな注目を集めている。企業プレスリリース詳細へ本記事に掲載しているプレスリリースは、株式会社PR TIMESから提供を受けた企業等のプレスリリースを原文のまま掲載しています。FASHION HEADLINEが、掲載している製品やサービスを推奨したり、プレスリリースの内容を保証したりするものではございません。掲載内容に関するお問い合わせは、株式会社PR TIMES()まで直接ご連絡ください。
2020年12月03日11月20日NBA とのコレボレーションによるカプセル・コレクション「LV x NBA」の発売に際し、「ルイ・ヴィトン 渋谷メンズ店」にてNBAコラボレーション仕様のウィンドウとポップアップスペースが登場しました。メゾンにとって世界初となるメンズ フラグシップストアの「ルイ・ヴィトン 渋谷メンズ店」。オープニング時には、ルイ・ヴィトン メンズ アーティスティック・ディレクターのヴァージル・アブローと日本人アーティスト NIGO(R)によるコラボレーション「ルイ・ヴィトン LV スクエアード コレクション」の世界観を表現したウィンドウとポップアップスペースが話題となりました。シーズン毎に新作を紹介するアニメーションが展開されるポップアップスペースは、このたび「LV x NBA」のコラボレーション製品と共に斬新でユニークな空間へ。ツイストメタルとガラスによるアイコニックなダミエ・パターンが特徴のファサードは昼夜問わず全面が明るく照らし出され、ウィンドウ・ディスプレイのガラスには、NBAロゴの赤とブルーのベースカラーにホワイトモノグラムをあしらい、フロアにはバスケットボール殿堂The Hall of Fameにも採用されているハードメイプル材を使用。製品を展示するポディウムは、ゴールネットで製作されています。エントランスでは、大きなバスケットボールビジュアルがお迎えします。ポップアップスペースには、赤とブルーが基調としたカラーのバスケットコートが登場。コートに見立てたフロアにはラインが引かれ、ルイ・ヴィトンのロゴがあしらわれています。リアルなバスケットゴールやボールラック、NBA公式球を配し、トライオンの前にはロッカーやチェアも。NBAの世界観を感じられる空間と遊び心溢れるインスタレーションにて皆様をお迎えいたします。写真:(C)LOUIS VUITTON DAICI ANOルイ・ヴィトン 渋谷メンズ店東京都渋谷区神宮前6-20-10MIYASHITA PARK North 1F#LouisVuitton #ルイヴィトン #LVxNBA #LVShibuyaMens企業プレスリリース詳細へ本記事に掲載しているプレスリリースは、株式会社PR TIMESから提供を受けた企業等のプレスリリースを原文のまま掲載しています。FASHION HEADLINEが、掲載している製品やサービスを推奨したり、プレスリリースの内容を保証したりするものではございません。掲載内容に関するお問い合わせは、株式会社PR TIMES()まで直接ご連絡ください。
2020年11月23日ルイ・ヴィトンは、2021春夏メンズ・プレコレクションの一部として、メゾン初となるナショナル・バスケットボール・アソシエーション(NBA)とのコラボレーションによるメンズ・ウエアのカプセル・コレクション「LV x NBA」を発表いたします。メンズ アーティスティック・ディレクター ヴァージル・アブローにより、NBAとの間で締結された3年間のパートナーシップ契約を記念してデザインされた本コレクション──2020年 1月、ルイ・ヴィトンは、NBAチャンピオンに受け継がれてきた「ラリー・オブライエン・トロフィー」を収める特製のトロフィー・ケースを発表しました。フランスのメゾンが誇るクラフツマンシップとアメリカを代表するスポーツであるバスケットの交流というテーマを受け、ヴァージル・アブローは、NBAとルイ・ヴィトンの2つのエンブレムを組み合わせたデザインがアクセントになったウエアやアクセサリーなどのエクスクルーシブなアイテムを製作。自身のコードをバスケットボールの世界観に落とし込み、ルイ・ヴィトンでのヴァージル・アブローのビジョンに欠かせない共感性と包括性の価値観を体現しています。©LOUIS VUITTONプレーヤーのワードローブをベースに、コレクションでは3つのドレスコードを中心に据えています。1つ目は「旅と乗り継ぎ」。バスケットボールのラインがアクセントのグラフィカルなグレーのカシミヤを使用したトラックスーツに反映されています。2つ目は「ゲーム当日」。ブルーのフード付きレザージャケットに、モノグラム・モチーフを配したジーンズとTシャツを合わせたコーディネートで表現。そして3つ目は「記者会見」。ドレスコードをスーツとエレガントなシャツで表しています。各アイテムには、NBAのロゴがルイ・ヴィトンのモチーフと組み合わさり、それぞれのアイデンティティを主張します。千鳥格子のスーツやニットジャケット、シャツ、ネクタイにもNBAロゴがデザインされています。機能性に優れたバッグには、NBAロゴのレッド、ブルー、ホワイトのカラーパレットを採用。コレクションに登場するマルチポケットを配したバックパックにも、クラシカルなモノグラム・モチーフをベースに、バスケットボールを彷彿させるホワイトのストラップが鮮やかなコントラストを描きます。「クリストファー PM」や「ナイル・メッセンジャー」も、NBAのレンズを通して再解釈。「キーポル・バンドリエール」は、側面のデザインに取り入れたバスケットボールのフープを連想させるネットのディテールが印象的です。シューズは、ルイ・ヴィトンのコードとNBAのエレメントが共存。クラシックローファーや、チャンキーソールのレザーダービー、スリッポン、スニーカーのディテールを取入れたレースアップのレザーブーツには、インソールにエンボス加工された新たな「LV x NBA」のエンブレムが光ります。アクセサリーにも、NBAロゴを採用し、スポーツとクラフツマンシップの対話をビジュアル化しています。ルイ・ヴィトン メンズ アーティスティック・ディレクター ヴァージル・アブローは次のように語っています。「ファッションのミューズは、予測不可能な存在。ラグジュアリーのアイディアは、伝統的なアートに隣接したファッションの分野だけでなく、スポーツの世界、そしてそのチャンピオンの中にも見つけることができます。本コレクションは、バスケットボールの文化面での貢献、多様性、そして世界を1つに纏める共感性というアイディアに敬意を捧げるものです」「LV x NBA」は、一部のルイ・ヴィトン ストアおよび公式サイトwww.louisvuitton.com にて11月20日より発売予定です。#louisvuitton企業プレスリリース詳細へ本記事に掲載しているプレスリリースは、株式会社PR TIMESから提供を受けた企業等のプレスリリースを原文のまま掲載しています。FASHION HEADLINEが、掲載している製品やサービスを推奨したり、プレスリリースの内容を保証したりするものではございません。掲載内容に関するお問い合わせは、株式会社PR TIMES()まで直接ご連絡ください。
2020年10月21日2020年10月12日、YouTube TVで放映されたNBAファイナル2020において、バスケット界で最も名誉ある賞杯「ラリー・オブライエン・トロフィー」が、史上初めてルイ・ヴィトン特製のトロフィー・ケースに収められ、勝者ロサンゼルス・レイカーズに授与されました。ルイ・ヴィトンは、今後数年にわたりNBA初の公式トロフィー・ケースを製作するメゾンとしてのパートナーシップ契約を締結。これを記念し、このたびメゾン初となるNBAとのコラボレーションによるメンズ・ウェアのカプセル・コレクション「LV x NBA」を発表します。メンズ アーティスティック・ディレクター ヴァージル・アブローが手掛ける同 コレクションは、ルイ・ヴィトンとNBAの2つのエンブレムを組み合わせたデザインがアクセントとなったプレタポルテ、アクセサリー、レザーグッズ、シューズなどを展開し、11月20日より発売予定です。また、ルイ・ヴィトンは、大切な衣類やアクセサリー、シューズなどを収納するためのトランク「LV x NBA トランク」も同時に発表。ワードローブ型トランクは、両開きの ドアが圧巻のデザインです。クラシカルなモノグラム・キャンバスの外装は、トランクの開閉やコーナー保護に使用されているホワイトのロジン、ゴールドカラーのメタル パーツと鮮やかなコントラストを描きます。内側には、NBAの公式カラーを彷彿させるディープブルー、ポピーレッド、クリスプホワイトのライニングが施されています。#louisvuitton企業プレスリリース詳細へ本記事に掲載しているプレスリリースは、株式会社PR TIMESから提供を受けた企業等のプレスリリースを原文のまま掲載しています。FASHION HEADLINEが、掲載している製品やサービスを推奨したり、プレスリリースの内容を保証したりするものではございません。掲載内容に関するお問い合わせは、株式会社PR TIMES()まで直接ご連絡ください。
2020年10月15日トロント映画祭の受賞結果が発表された。観客賞に選ばれたのは、クロエ・ジャオ監督、フランシス・マクドーマンド主演の『ノマドランド』。今作は先のヴェネツィア映画祭でも金獅子賞を受賞している。トロントとヴェネツィアの結果が一致するのは初めてのこと。過去10年以上、トロントの観客賞を受賞した作品はオスカーの作品部門に候補入りを果たしており、今作もオスカーに向けて弾みをつけた形だ。次点はレジナ・キングの監督デビュー作『One Night in Miami』。ドキュメンタリー部門の観客賞はミシェル・ラティマーの『Inconvenient Indian』。ミッドナイト・マッドネス部門の観客賞はロザンヌ・リアンの『Shadow in the Cloud』で、女性陣が圧勝する画期的な結果となった。また、キャリアを通じて多くの貢献をしてきた人々に贈られるトリビュート・アワードでは、ケイト・ウィンスレットが女優賞、アンソニー・ホプキンスが男優賞、『ノマドランド』のジャオが監督賞を受賞している。文=猿渡由紀
2020年09月23日ナオミ・ワッツが主演とプロデューサーを兼任する『Penguin Bloom』がトロント映画祭でお披露目された。実話にもとづく感動のストーリーで、ナオミは、海が大好きなオーストラリア人女性サマンサ・ブルームを演じる。サマンサは、夫、子供と一緒に旅行したタイで事故に遭い、胸から下が不随になってしまった。オーストラリアに戻り、絶望の日々を送っている彼女と家族に小さな喜びを与えてくれたのは、舞い込んできた飛べない鳥。娘がペンギンと名付けたその鳥が、サマンサに、新たな人生を生きていく勇気を与えてくれる。サマンサの夫キャメロンは、ペンギンと家族の毎日を写真に撮っては、インスタグラムに投稿した。やがてそれが本として出版され、プロデューサーで、ナオミの長年の友人でもあるエマ・クーパーに送られる。ヴァーチャル記者会見で、ナオミは、写真がたっぷりのこの本に「わが子もすぐ引き込まれた」と語った。「そして私は彼女のジャーニー、サバイバルの物語にも強く感動したの。彼女はどん底から立ち直っていく。役者として、それはとても魅力のあるキャラクターなのよ」とも、彼女は述べている。映画で使われる家は、ブルーム一家が実際に住む家。ブルーム一家に会いに行ったグレンディン・イヴィン監督が、ここで撮影させてくれないかと聞くと、夫妻はすぐに了承してくれたという。映画で描かれる出来事のひとつひとつも、「実際に起こったこと」と、キャメロン。撮影の初日、目の前で自分たちの人生が再び展開するのを見て、夫妻は泣いてしまったそうだ。それを見て駆けつけてきたナオミもまた泣いていたという。初日の後も、サマンサは現場をしょっちゅう見学に来ている。また、キャメロンは現場のフォトグラファーを務めた。「今も生きている人を演じることには、大きな責任が伴う。撮影が始まる前に彼女とはたっぷり会話をし、準備を整えていたけれども、ふと何か疑問が出た時に、そこにいる彼女にすぐ聞けるのはありがたかったわ」とナオミ。撮影で難しかったのは、車椅子に乗り降りすること。「ついつい、うっかり脚を使いそうになってしまう。下半身が動かないんだということを常に自分に思い出させなければいけなかった。それに、車椅子に乗っていて、後ろにひっくり返ってしまうアクシデントもあったわ。あれはかなり怖かった」(ナオミ)。アメリカ公開は決まっていないが、オーストラリアでは来年1月に公開される。文=猿渡由紀
2020年09月23日「第45回トロント国際映画祭」に正式出品作品された、直木賞作家・佐木隆三の小説「身分帳」原案の役所広司主演映画『すばらしき世界』が、現地時間9月10日にワールドプレミア上映され、役所さんと監督の西川美和がリモート参加した。新型コロナウイルス感染拡大の影響により、トロント国際映画祭は例年の1/4程度に絞られる中での非常に狭き門を見事突破し、正式出品作品として選出された本作。上映作品は、コロナ禍の試みとしてソーシャルディスタンスを守った劇場、ドライブインシアター、野外やインターネット上で披露され、レッドカーペットや記者会見はバーチャルで行われている。原作のどんな部分に惹かれたのかという問いに、リモートで参加した西川監督は「前作『永い言い訳』の撮影中に佐木隆三さんが亡くなられたと新聞を見て知りました。その記事の中で、佐木さんをよく知る作家の方が、佐木さんの真骨頂は非常に有名な『復讐するは我にあり』よりも『身分帳』ではないか、と書かれていたんです。それがきっかけでこの原作を手に取りました」と明かし、そして実際に物語に触れ、「犯罪者が刑務所を出た後になんでもない日常を取り戻すために、こつこつと生きる地味な話だった(笑)。これは、自分で探しても見つけられるテーマではないと思い、映画化してみたいと強く思いました」と映画化に至った経緯をふり返った。かつて殺人を犯し、13年の刑期を終えて出所したばかりという、三上正夫役に役所さんをキャスティングした理由については「17歳の時に、役所さんが連続殺人鬼の役をやられたテレビドラマを観ていたくショックを受け、それがきっかけでものを書く仕事につきたいと思うようになりました。映画監督をやることになり、いつか役所さんを主役に映画を撮れないかと考えてきました。本作の三上という男は非常に面白い役なので、憧れの役所さんに一念発起してオファーをしたところ、『前向きに考えます』とお返事をいただき、それが自信となって脚本を書き進めることができました」とコメントした。一方、この三上役の役作りについて役所さんは「原案である小説『身分帳』と西川監督が書いた脚本を比べて読みながら、小説はもちろんト書きが多いのでその部分は脚本と照らし合わせて、三上という男を探し求めていました。しかしこの男がなかなか掴めなかった。撮影が始まってから、ワンシーン撮ったものがまた次のシーンのヒントになり、少しずつ三上という男に近づいていく感じがありました」と言い、「あとは、ミシンの練習を一生懸命やりました(笑)。また監督と一緒に旭川刑務所を見学できたことは非常によい経験になりました」と明かしていた。そして今回、特報映像が到着。社会のレールから外れた男・三上の様子と、それをネタに食い物にしようとするテレビマン津乃田(仲野太賀)とプロデューサー吉澤(長澤まさみ)の姿が映し出されている。また新たに白竜、キムラ緑子の出演が明らかに。白竜さんは、三上のかつての兄弟分である組長、キムラさんはその妻を演じている。『すばらしき世界』は2021年2月11日(木・祝)より全国にて公開。(cinemacafe.net)
2020年09月14日ヴェネチア、テリュライド、トロント、ニューヨークという、秋の4つの映画祭すべてでかかる『ノマドランド』が、10月のニューヨークを除3つの映画祭で、ほぼ同時にプレミア上映された。テリュライドは今年、コロナのためにキャンセルされたが、L.A.のローズボウルに特設されたドライブインシアターで、「テリュライド・イン・L.A.」の名のもとに、一般に向けて上映されている。トロントでも現地の一般観客のためにドライブインシアターで上映が行われたが、マスコミ試写はデジタルのみだった。この同時プレミアの翌朝、今作は、ヴェネチアで、最高賞にあたる金獅子賞を受賞。主演のフランシス・マクドーマンドは受賞を逃したものの、オスカー候補入りはほぼ間違いないと思われる。『ノマドランド』は、夫を亡くし、勤めていた会社が倒産したために仕事も失った60代の女性ファーンが、RV車で移動しつつ、あちこちで仕事を探して生活していく様子を描くもの。原作であるノンフィクション本の映画化権を買った主演のマクドーマンドは、『Songs My Brothers Taught Me』と『The Ryder』でアメリカ西部を描写した中国生まれのクロエ・ジャオ監督にこのプロジェクトを持ち込んだ。ジャオは過去作品で、プロの俳優ではない、一般人を映画に起用してきたが、オスカー女優マクドーマンドが主演する今作でも、基本的にその方針を貫いている。その結果、映画は、時にドキュメンタリーを見ているような錯覚を起こす、とてもリアルなものに仕上がっている。ファーンをはじめとするノマド(遊牧民)たちが見せつけるのは、現代社会で見逃されている、リタイアする経済的余裕のない高齢者たちの実態だ。60代かそれ以上の彼らは、働きたくても安定した雇用がなく、アマゾンの倉庫業務など、季節労働の職を求めて動き回るしかない。だが、彼らには威厳があるし、決して不幸ではないのだ。そんな彼らを、温かな目線で、敬意を持って見つめるのが、この映画なのである。アメリカの話ではあるが、日本を含む多くの先進国では、多くの高齢者が同じような問題に直面している。それらの人々に共感を呼ぶであろう今作は、これからのアワードシーズンで健闘が期待されそうだ。アメリカ公開は12月4日、日本公開は来年1月。文=猿渡由紀
2020年09月14日西川美和監督の『すばらしき世界』が、トロント映画祭で世界プレミアを迎えた。これまでオリジナルの脚本を書き下ろしてきた西川監督にとって、他人が書いた小説を映画化するのは初めてのこと。しかし、今作は、佐木隆三の『身分帳』をベースにしながらも、舞台を現代に置き換え、ストーリーにも変更を加えて、今の日本社会に訴えかける映画となっている。物語は、殺人罪で刑務所入りをした主人公の三上正夫(役所広司)が出所するところからスタート。元ヤクザで、13年も実社会から離れていた上、病気ももつ彼は、仕事を探そうと思ってもうまくいかない。しかたなく生活保護を申請することにし、失効した免許の取り直しにも挑むのだが、そこでもまた困難にぶつかった。そんな中、身分帳と呼ばれる、彼の刑務所内での詳細な記録を入手したテレビ局のプロデューサーは、前科者の彼が世の中に適応していく姿を番組にできないかと思いつく。しかし、短気で、すぐ熱くなり、喧嘩っ早い三上は、若いディレクター(仲野太賀)の手に追えなかった。一度レールをはずれると、本人がどんなにやり直したいと思っても、なかなか受け入れてもらえないのが、世の中の現実。だから多くは挫折をし、また悪い方向に戻ってしまう。一方で、レールの上をきちんと走っている人たちも、決して幸せではない。自分も苦しいから、自分より困っている人たちに厳しいのだ。それでも、ひとりひとりと接してみると、思いやりのある人は、たくさんいる。社会は冷たくても、人は温かい。三上がそう発見していく様子を描く今作は、たっぷりの感動と、ヒューマニティに満ちている。私たちはみんな、もっと他人に優しくするべきではないか。世の中は、もっと人にセカンドチャンスを与えてあげるべきではないか。泣かせてくれた後、そんなことを考えさせてくれる傑作である。文=猿渡由紀日本公開は来年2月11日。
2020年09月11日直木賞作家・佐木隆三の小説「身分帳」を原案に、役所広司を主演に迎えた西川美和監督最新作『すばらしき世界』が、第45回トロント国際映画祭に正式出品されることが分かった。公開日も2021年2月11日(木・祝)に決定した。トロント国際映画祭は、北米最大の国際映画祭であり、米アカデミー賞前哨戦とも言われている。今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響により、世界中の映画祭が規模縮小を余儀なくされ、同映画祭も長編映画50本、短編映画プログラム5本と、例年の1/4程度に絞られている。そんな非常に狭き門を見事突破した本作は、西川監督が初めて実在の人物をモデルとした原案小説を基に、その舞台を約35年後の現代に置き換え、徹底した取材を通じて脚本・映画化に挑んだ作品。西川監督作が同映画祭へ出品されるのは、本作で3作品連続の快挙だ。また本作は、英題『Under The Open Sky』としてワールドプレミア上映を予定。劇中で主人公が生きる世界を印象付けるあるセリフから引用したという。なお、トロント国際映画祭の開催期間は9月10日から19日までとなっており、受賞結果は最終日に発表される。トロント国際映画祭には格別な思い出があるという西川監督は「『夢売るふたり』(2012)の上映中、ラスト20分のところで観客の目の前でフィルムが燃えたのです。映画は突然中断し、私は映写技師のところに駆け込み、スタッフは大慌てでしたが、応急処置で上映が再開されるまでの30分間、地元の映画ファンのほとんどが席を立たずに辛抱強く待っていてくれており、最後は同じ旅を終えた仲間のような拍手で迎えてもらいました。北米最大の映画祭であると同時に、市民や映画ファンと距離の近い、大好きな映画祭です」とふり返り、「『すばらしき世界』の招待を決断して頂いたことに、心から感謝しています。今作も、“燃えるような”上映になりますように!」と今回の出品を喜ぶ。主演の役所さんは「『うなぎ』で初めてカンヌ国際映画祭に参加しました。その時、海外の観客と一緒に観て『こんなにも、笑ってくれるんだ!』って驚きましたが、この『すばらしき世界』にも、『うなぎ』と共通するような、ユーモアや笑えるところがあります。まっすぐ過ぎて不器用な三上と本作を、是非楽しんで頂けたらと思っています」とコメントしている。『すばらしき世界』は2021年2月11日(木・祝)より全国にて公開。(cinemacafe.net)
2020年07月31日トロント映画祭が、ラインナップの一部を発表した。映画祭まで2カ月半ある、この早い時期に発表するのは異例だが、新型コロナにどう対応するのかの報告にからめてのものだ。今回明らかにされた上映作は、ケイト・ウィンスレット主演の『Ammonite』、イドリス・エルバ主演の『Concrete Cowboy』、マーク・ウォールバーグ主演の『Good Joe Bell』、ハル・ベリーの監督デビュー作『Bruised』、河瀬直美監督作『朝が来る』など。上映作品数は、通常より大幅に減らされた50本。映画祭の最初の5日は、ソーシャルディスタンスを守りながら、シアターやドライブインシアターで上映される。しかし、今年はデジタルでの上映も用意され、レッドカーペットもヴァーチャルとなるとのことだ。トークイベント、業界向けコンフェレンスもデジタルで開催される。これらを含めた詳細は、追って発表される。今年のトロント映画祭は9月10日から19日まで。文=猿渡由紀
2020年06月25日ナイキ(NIKE)のジョーダン ブランド(JORDAN BRAND)新コレクション「NBA オールスター 2020」より新作シューズが登場する。エア ジョーダン 34「エア ジョーダン 34」からは、「エア ジョーダン 34 PF」と「エア ジョーダン 34 SE PF」の2種が登場。「エア ジョーダン 34 PF」は、7色に光る素材をヒールなどに散りばめ、かかとのタブには、2020年のNBAのオールスターゲームが開催されるシカゴの交通機関から着想したカラーを取り入れた。もう一方の「エア ジョーダン 34 SE PF」は、「エア ジョーダン 34」のアッパーにシューレースカバーを配置。通常モデルとは一線を画すスペシャルなディテールをプラスした。ジョーダン ホワイ ノット? Zer0.3 PFヒューストン・ロケッツに所属するバスケットボール選手、ラッセル・ウェストブルックを着想源にした「ジョーダン ホワイ ノット? (JORDAN Why Not?)Zer0.3 PF」は、2パターンのカラーで展開。90年代のテイストを反映した鮮やかな色使いのモデルと、彼のバスケットボールに対する信念からインスピレーションを得たカラーリングのモデルをラインナップする。エア ジョーダン 3 レトロ SEエア ジョーダンのシューズシリーズの中でも高い人気を誇る「エア ジョーダン 3」をリモデルした「エア ジョーダン 3 レトロ SE」。今回登場するフラッドレッドカラーのモデルには、2020年のNBAのオールスターゲームが開催されるシカゴに地にちなみ、“Nike Air”の代わりに“Nike CHI”の文字を刻んだ。ウィメンズ エア ジョーダン 1 ハイ OG新作の「エア ジョーダン 1 ハイ OG」が、ウィメンズサイズで登場。マイケルジョーダンが過去に所属したバスケットボールチームの、ノースカロライナ大学とシカゴ・ブルズのそれぞれのチームカラーであるブルーとレッドを組み合わせた。原宿B-SIDEで限定ストア原宿のB-SIDEでは、ジョーダンブランドのコレクションを先行販売する限定ストア「UNITE - NBA All-Star 2020」を実施。店内では、新作販売のほか、限定のアパレルカスタマイズや、NBAとジョーダングッズのコレクション販売も行う。【詳細】NBA オールスター 2020 コレクション販売店舗:NIKE/JORDAN販売店舗およびNIKE.COM価格:エア ジョーダン 34 PF 20,900円(税込)エア ジョーダン 34 SE PF 20,900円(税込)ジョーダン ホワイ ノット? Zer0.3 PF 各17,050円(税込)エア ジョーダン 3 レトロ SE 23,100円(税込)ウィメンズ エア ジョーダン 1 ハイ OG 17,600円(税込)※エア ジョーダン 34 PFおよびジョーダン ホワイ ノット? Zer0.3 PFのビビッドでない方のモデルは発売中。その他のモデルは2月13日(木)より順次発売。■限定ストア「UNITE - NBA All-Star 2020」開催日:東京都渋谷区神宮前5−11−1 B-SIDE営業時間:15:00~20:00【問い合わせ先】NIKE カスタマーサービスTEL:0120-6453-77
2020年02月06日東京ミッドタウン日比谷にて開催される「HIBIYA CINEMA FESTIVAL(日比谷シネマフェスティバル)」。このイベント期間中に開催する「トロント日本映画祭 in 日比谷」での上映8作品が決定した。「HIBIYA CINEMA FESTIVAL」は、普段は静かな空間で観ることの多い映画を、屋外大型ビジョンを中心に“観る”だけでなく“参加する”ことにもこだわった“体験する映画祭”。今年は、大型ビジョンへデバイスをかざすと最新作『ルパン三世 THE FIRST』のキャラクターが街へ飛び出す…!?最新AR技術を活用し映画の世界が現実へ拡張する体験が味わえる「ルパン三世 THE FIRST インタラクティブシアター」と、今年6月の「トロント日本映画祭」で上映された最新作を上映する「トロント日本映画祭 in 日比谷」が、10月18日(金)~10月27日(日)の期間で開催。さらに、10月28日(月)~11月4日(月・祝)の期間でアジア最大級の国際映画祭「第32回東京国際映画祭」の日比谷会場が登場。「日比谷オープニングイベント」「東京国際映画祭屋外上映会」「ゴジラ・フェス 2019」の3つのプログラムを実施予定だ。そして今回発表されたのは、「トロント日本映画祭 in 日比谷」の全8作品。ここでは、外国人の方にも邦画を楽しんでもらえるように英語字幕付き邦画上映を実施。矢口史靖監督によるミュージカルコメディ『ダンスウィズミー』や、二階堂ふみが初の男役、GACKTが高校生役に扮し、魔夜峰央の漫画を実写化した『翔んで埼玉』、山崎努と樹木希林さんが初共演した『モリのいる場所』をはじめ、『恋のしずく』『ウスケボーイズ』『ねことじいちゃん』『かぞくいろ―RAILWAYS わたしたちの出発―』『ビブリア古書堂の事件手帖』を上映。また矢口監督、柿崎ゆうじ監督、吉田康弘監督、三島有紀子監督と上映作品の監督が挨拶&トークセッションも行う。さらに、今年は“リラックスエリア”も登場!都心の真ん中で上質な映画体験を楽しんでもらうための特別シートとして、デッキチェアとブランケットをセットで貸し出すという(40席※先着順、500円)。ほかにも、『ルパン三世 THE FIRST』コラボレーションメニューが登場。ハンバーガー/ホットドッグを提供する全5店舗で同作のキャラクター5種のオリジナルフラッグピックつきのメニューを提供。各店でルパン三世をイメージしたオリジナルスイーツ・ドリンクメニューも展開予定だ。「HIBIYA CINEMA FESTIVAL」は10月18日(金)~11月4日(月・祝)日比谷ステップ広場、日比谷アートゲートほかにて開催。(cinemacafe.net)
2019年10月06日トロント映画祭が、現地時間15日に閉幕した。観客賞を受賞したのは、タイカ・ワイティティ監督の『ジョジョ・ラビット』(来年1月日本公開予定)。第2次大戦時を舞台にした、笑いと感動の映画で、主人公ジョジョは、ナチに憧れるドイツ人少年。ヒトラーは彼の想像の中にもしょっちゅう出てくる特別な存在だが、ある時、母がユダヤ人の少女を家の中に匿っていることを知る。母を演じるのはスカーレット・ヨハンソン。ヒトラーをワイティティ監督、ジョジョにとって教官となるナチの軍人をサム・ロックウェルが演じている。次点は、やはりヨハンソンが出演する『Marriage Story』(Netflixが世界配信)。こちらの映画で、ヨハンソンの役は、夫と離婚すると決めた、ひとり息子を持つ妻だ。監督、脚本はノア・バームバック。3位はカンヌで最高賞パルムドールを受賞したポン・ジュノ監督の『パラサイト 半地下の家族』(来年1月日本公開予定)だった。トロント映画祭の最高賞に当たる観客賞は、カンヌ、ヴェチア、ベルリンと違い、審査員でなく、その名のとおり一般観客が投票で決める。つまり、アカデミー会員が投票するオスカーとは、まるっきり投票者が被らないのだが、この賞を取った作品がオスカーでも大健闘する確率は、極めて高い。昨年も、ここで観客賞を取った『グリーンブック』がオスカー作品賞を受賞したし、ほかにも『それでも夜は明ける』『英国王のスピーチ』『スラムドッグ$ミリオネア』『アメリカン・ビューティ』などが、同じ道を辿っている。昨年の受賞作『スリー・ビルボード』、そのひとつ前の『ラ・ラ・ランド』も、オスカー作品賞を最後まで争った。『ジョジョ・ラビット』『Marriage Story』『パラサイト 半地下の家族』は、上映が行われた時からどれも観客、ジャーナリストの間で非常に受けが良く、この結果は決して驚きではなかった。ただ、やや残念なのは、これら3本とも男性監督の作品であること。今年、トロントは女性監督の作品を積極的に上映するだけでなく、ウェブサイトやメールを通じても、彼女らの映画を観に行くことを観客や記者に奨励し続けたのだ。それらの中には、マリエル・ヘラー監督、トム・ハンクス主演の『A Beautiful Day in the Neighborhood』、 ロレーン・スカーファリア監督、ジェニファー・ロペス主演の『Hustlers』、ガブリエラ・カウパースウェイト監督の「The Friend」、ジュリー・デルピー監督の『My Zoe』、ブライス・ダラス・ハワード監督のドキュメンタリー『Dads』などがあった。カンヌやヴェネチアは、この面において今も非常に遅れを取っているだけに、トロント映画祭の姿勢には、大きな拍手を贈りたいと思う。取材・文=猿渡由紀
2019年09月17日『グリーンブック』や『ラ・ラ・ランド』『スリー・ビルボード』などアカデミー賞に直結する作品を多数送りだしてきたトロント国際映画祭の最高賞「観客賞」に、タイカ・ワイティティ監督最新作『ジョジョ・ラビット』が輝いた。『マイティ・ソー バトルロイヤル』のタイカ・ワイティティ監督が、4度アカデミー賞作品賞に輝き、創立25周年を迎えたFOXサーチライト・ピクチャーズのもと、スカーレット・ヨハンソンやサム・ロックウェルら世界を代表する豪華キャスト陣と共に、第2次世界大戦下のドイツを舞台とした壮大なヒューマン・エンターテインメントを作りあげた。第44回トロント国際映画祭では開幕前からマスコミ陣も映画ファンも注目、ワールドプレミアは熱狂をもって迎えられた。ワイティティ監督自身が、主人公の少年ジョジョの空想に登場するアドルフ・ヒトラーを演じるとともに、オーディションでジョジョ役をつかんだローマン・グリフィン・デイビスがその愛くるしいルックスと確かな演技力を披露し、一躍注目の新星の座に躍り出た。戦争に対する風刺をハートフルなコメディの形をとりながら表現し、戦時下における人々の生きる喜びを正面から描いた本作は、最もアカデミー賞に近い賞といわれるトロントの観客賞を獲得したことで、今季の映画賞レースの目玉となりそう。なお、観客賞次点2位にはノア・バームバック監督の『マリッジ・ストーリー』、3位にはポン・ジュノ監督の『パラサイト 半地下の家族』が選ばれている。『ジョジョ・ラビット』は2020年1月、全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2019年09月17日ライアン・ジョンソンが監督、脚本、プロデュースを兼任する『Knives Out』が、トロント映画祭で世界プレミアされた。アガサ・クリスティを思わせる密室の犯罪スリラーで、娯楽性たっぷりの作品だ。“泣かせる”、“意義がある”、というタイプの映画ではないため、オスカーとは無縁だろうが、映画祭での受けは非常に良く、ここでの観客賞はまったく不可能ではない。少なくとも、劇場公開時にはヒットが見込めそうだ。主人公は、すご腕の私立探偵ブランク(ダニエル・クレイグ)。大富豪一家の長ハーランが85歳の誕生日に自殺を図った時、彼は、匿名の人物から捜査を依頼された。ブランクは、その日に家にいた家族のメンバーと使用人をひとりひとり取り調べする。この中の誰かが嘘をついているのか、あるいは、犯人はまったく別のところにいるのか。そもそも、どこから見ても自殺なのに、ブランクに捜査を依頼したのは、誰なのか。映画は次々に糸口を見せつつ、どんどん違う方向に展開し、見る者を引き込んで離さない。今作をジョンソンのキャリアの最高作と呼んでも、恐らく間違いはないだろう。イギリスのスマートなスパイ、ジェームズ・ボンド役で知られてきたクレイグは、今作で南部訛りに挑戦し、まったく違う味を出す。彼を囲むキャストも実力派揃いだ。自殺する大富豪を演じるのは、オスカー俳優クリストファー・プラマー。彼の子供、その配偶者、孫らを、ジェイミー・リー・カーティス、マイケル・シャノン、ドン・ジョンソン、トニー・コレット、クリス・エヴァンスら。献身的にハーランの世話をしてきた看護婦をアナ・デ・アルマスが演じている。純粋な娯楽作でありながら会話の端々に、移民問題など、今のアメリカならではの事柄が含まれているのも、映画にさらなるスパイスを与える。アメリカ公開は、アメリカ人が家族で感謝祭を祝う11月27日(水)。その後には日本公開も決まっている。取材・文=猿渡由紀
2019年09月12日クリスチャン・ベールとマット・デイモンが、『Ford v Ferrari』で初共演を果たした。トロント映画祭で行われた記者会見で、ベールが、その体験について語った。映画の舞台は、1966年のル・マン24時間耐久レース。どうしてもフェラーリを打ち負かしたいフォードは、アメリカ人として珍しく優勝した経験を持つキャロル・シェルビー(デイモン)と、彼が運転の腕を認めた無名の男ケン・マイルズ(ベール)を雇い、その念願を果たそうとする。だが、そもそもフォードがこのレースに参加するのは、企業イメージをアップして、もっと車を売るためだ。車の修理店のオーナーであるマイルズにこの重要なレースのドライバーを任せることへの反発は社内で根強く、シェルビーとマイルズのコンビは、レースの前にも、レース中にも、さまざまな障害に直面するのだった。ベールは今作でフォード側の男を演じるわけだが、過去に彼は、エンツォ・フェラーリの伝記映画に主演を検討した結果、断った経緯がある(この映画にもエンツォ・フェラーリは登場する)。今作の監督ジェームズ・マンゴールドによると、その頃、このテーマにからむ映画のプロジェクトは数本あり、彼もそれらについて耳にしていたらしい。「予算がかかるため、どれも先に進まない状態だった」が、彼は、その頃からリサーチを始め、『LOGAN/ローガン』(2017)が完成した後、今作を手がけることに決めたのだという。「車オタクではない僕にとって、これは友情の物語」と、マンゴールド。それを表現する主演俳優ふたりの細やかでリアルな演技には、編集室に入ってからも感心させられることの連続だったそうだ。この会見にデイモンは来なかったが、ベールも彼について「すごくニュアンスに満ちた演技をする人。それに、人間としても非常に寛大で心優しい人だ。変な競争心は皆無。彼はいつも協力し合おうとする」と絶賛を送った。映画のラストシーンに関しては特に、ふたりの間で相当に綿密な話し合いがなされたとのことだ。そんなふうにベールが仲良しぶりを語ったところへ、ある記者が「マット・デイモンは、ジョージ・クルーニーと長年の友達。ベン・アフレックとは幼馴染み。そこへ来て、やはりバットマンを演じたあなたと今度は友達になったわけですね?」と質問した。意外な指摘をされたベールは、「じゃあ、今ごろマットはロバート・パティンソンとお近づきになろうとしているのかな」と受けて、笑いを取っている。映画のアメリカ公開は11月15日(金)。日本での公開も決まっている。取材・文=猿渡由紀
2019年09月11日トム・ハンクスの最新主演作『A Beautiful Day in the Neighborhood』が、トロント映画祭で世界プレミアされた。ハンクスが演じるのは、60年代末から長年にわたって子供向け番組の司会者を務めたフレッド・ロジャース。歌ったり、踊ったり、ぬいぐるみを使って話しかけたりしながら、ミスター・ロジャースは、子供たちにポジティブなメッセージを送り続けた。彼の人生全体については、昨年アメリカで公開され、スマッシュヒットとなったドキュメンタリー『Won’t You Be My Neighbor?』があるが、今作は、彼を取材した『Esquire』誌のライターの記事をもとに、彼の視点から語るものだ。映画ではロイドという名前になったそのライターは、他人に対して批判的になりがちで、それが記事にも表れる。それだけに、彼にインタビューされることを拒否する人物は多いのだが、ミスター・ロジャースは、喜んで引き受けてくれた。彼とのインタビューは奇妙なことだらけだったが、そうやって接触していくうちに、ロイドの生き方は大きく変わっていくのである。監督は、昨年トロントで上映されて好評を得た『Can You Ever Forgive Me?』のマリエル・ヘラー。プレミアの翌朝の記者会見でヘラーは、プレミアが終わった深夜1時半頃にミスター・ロジャースの妻であるジョアンから「あなたが彼に直接会えることがあったらよかったのにと思います。あなたたちはとても良い会話をしたでしょう。そして彼はこの映画をとても誇りに思うことでしょう」とのメールが届いたと、感激しながら報告をした(ロジャースは2003年に74歳で亡くなっている)。1956年生まれのハンクスは、ミスター・ロジャースの番組が人気になる頃にはすでにティーンエイジャーだったため、個人的な思い入れはそれほどなかったという。しかし、ミスター・ロジャースと車椅子の子供が対話する映像を近年見た時には、心から感動させられたと語った。とは言え、ミスター・ロジャースのおなじみの歌、振り付けをそのとおりに再現するのは「生き地獄だった」とまで言っては記者たちを笑わせている。意外にも苦労させられたのは、カーディガンのファスナーを引き上げるタイミングだったそうだ。ミスター・ロジャースが実際に着ていたのは妻の手編みで、そのニュアンスを出すためにハンクスの衣装も手編みで作られたため、ファスナーがすんなりと上がりにくかったのだそうである。あのオープニングシークエンスは「何度テイクをしたかわからないが、たくさんだった」とハンクスが言うと、横からヘラーが「22回テイクをやったわよ」とフォローした。また、言ってみれば有名な歌のお兄さんを演じる上では、「自意識過剰にならないようにすること、キャラっぽくならず、人間らしさを出すこと」に注意したとも振り返っている。今作のアメリカ公開は11月22日。日本公開も決まっている。取材・文=猿渡由紀
2019年09月10日先日開幕した「第44回トロント国際映画祭」にてスペシャル・プレゼンテーション部門に出品された新海誠監督最新作『天気の子』。現地時間9月8日に本作の公式上映が行われ新海監督が出席、世界でも盛り上がりを見せている。7月19日に全国359館448スクリーンで公開スタートした本作は、公開から34日間で興行収入100億円を突破し、歴代邦画興行収入ランキングトップ10入り。また、公開初日から9月8日までの52日間で観客動員900万人、興行収入120億円を突破。140の国と地域での配給が決定し、米アカデミー賞の日本代表にも選出されるなど、世界中から大きな注目と期待を集めている。そんな本作が、ベルリン国際映画祭、カンヌ国際映画祭に次ぐ規模の来場者数32万人を集める、北米最大の映画祭「トロント国際映画祭」に出品。同映画祭初参加となる新海監督は、この公式上映にあわせて現地入りし、上映前には「海外の方がどうのように受け止めてくださるのかとても興味深いです」と期待を膨らませていた。プレミア上映会場となったスコシアバンクシアタートロント(キャパ552席)では、18:00(現地時間)からの上映のチケット即日完売、当日券にも長蛇の列ができ、100人以上が入手できずという現地での期待値の高さが伺えた。上映前の舞台挨拶に登壇した新海監督は、大喝采と歓迎の拍手で迎えられ英語で挨拶し、「カナダに来るのは初めてなのですが、僕の作品を見たことある方いますか?」と観客へ逆質問する場面も。そして「トロント国際映画祭に出品が決まった時は驚きました。なぜならば『天気の子』は5年10年と残るものというよりは、2019年のこの夏に、日本の若者に見てほしいと意識して作った作品です。この数年間、天気や気候といったものが変わってきていると実感しており、その今起こりつつある変化を、今みんなに見てもらえる映画として作りました。どのように感じてくださるのか楽しみにしています」と語った。その後の上映では、笑いと感嘆の声があがったり、クライマックスではすすり泣いたりする声も。上映後のティーチイン舞台挨拶に登壇した新海監督は、観客からの「今までSFと日本の神道をモチーフにしてきたものが多いですが、それについての背景と、『晴れ女』のことについて教えてください」という問いに「晴れ女とか雨男だよとか、日本ではよく言うのですがカナダではないのですか?天気の子という映画では日本に住んでいる自分たちの足元を深く掘ることをしたいと思いました。例えば鳥居を通るときは手を合わせるとか、自分たちに染みついている習慣をこの映画の仕掛けにしたいと思いました」と回答。また、前作『君の名は。』でも「RADWIMPS」とタッグを組んだ新海監督。「新海監督とRADWIMPSはセットのように思えますが、次も一緒にやりますか?」という質問には、「今日は歌の歌詞に字幕がついていなかったので、残念でした。歌詞がわかればより作品に込めたメッセージを感じていただけて、作品がより魅力的に見えたのではと思います」と前置きし、「次はまだ決めていません。一緒にやりたい気もしますし、違うチャレンジをしたくもあります」と答えるなど、終始大盛り上がりの舞台挨拶となっていた。そして映画祭後、新海監督は「映画ファンとアニメーションファン、僕の作品の昔からのファンが多く集まってくれた。映画を鑑賞中の反応も、随所に笑い声や泣き声を上げてくれてとてもビビッド。とても幸せなフェスティバルだなと感じました」と初参加の感想を明かしている。『天気の子』は全国東宝系にて公開中。(cinemacafe.net)■関連作品:天気の子 2019年7月19日より全国東宝系にて公開(C)2019「天気の子」製作委員会
2019年09月10日トロント映画祭はオスカー予測上、非常に大事な指針となる映画祭だ。今年も、早くも3日目にして、賞レースに食い込みそうな作品が世界プレミアされた。マイケル・B・ジョーダンが主演とプロデューサーを兼任する『Just Mercy』だ。時事的な社会問題を取り上げる実話でありながら、前向きな姿勢も失わない今作は、アカデミー会員にもアピールする要素が十分。それ以前に、このトロント映画祭でも、観客賞を得る上でかなり健闘するのではと思われる。主人公は、若手黒人弁護士ブライアン・スティーブンソン。せっかくハーバードを出たというのに、彼が選んだのは、人種差別の根強い南部で不当に刑務所入りをさせられた人々を助ける弁護士になること。そんな彼が出会ったひとりが、ウォルター・マクミラン(ジェイミー・フォックス)だ。物質的証拠がまるでなく、唯一の証言も矛盾だらけであるにもかかわらず、彼は死刑囚として獄中生活を強いられている。スティーブンソンは、自身も差別や脅迫にさらされつつ、勝ち目の非常に少なそうな戦いに挑んでいくのだった。現地時間7日に行われた記者会見には、ジョーダン、フォックス、スティーブンソンの仕事上のパートナーを演じるブリー・ラーソン、デスティン・ダニエル・クレットン監督らに加え、スティーブンソン本人も登壇。ジョーダンは、彼が書いた原作本を読むまで、「恥ずかしながら、彼のことをよく知らなかった」と告白。しかし、人に勧められて本を読んだとたん、「これはどうしても映画にしたい。そうすることで、この重要なメッセージを伝えることにかかわりたい」と思い、積極的に実現に向けて猛プッシュしたのだと振り返る。一方でフォックスは、不条理な形で刑務所に入れられることは、悲しいことに、普通に生活している黒人にも当たり前に起こることなのだと語った。この映画はまさにそれを語るものだが、彼は、今作は黒人には受けても、白人からは嫌われるかもしれないと思っていたようだ。だが、一般人を入れたテスト上映では、黒人の評価が100点中97点だったのに対し、白人は98点と聞き、驚いたと彼は明かした。最近“#BlackLivesMatter”運動が起こったことが示すように、その問題は今も続いている。「この映画は、そういった人たちがただの数字、データなのではなく、人間なのだということを、このすばらしい俳優たちの演技を通じて伝えるものなんだ」と、スティーブンソンは述べた。アメリカでは、年末にオスカー資格を得るための限定公開があり、年明けに本格公開となる予定。その後には、12月末に日本公開も決まっている。取材・文=猿渡由紀
2019年09月09日トロント映画祭2日目、観客を本当に泣かせる映画が、早くも上映された。ダコタ・ジョンソン、ケイシー・アフレック、ジェイソン・シーゲルが主演する『The Friend』だ。原作は、米『Esquire』誌に掲載された記事。執筆者マシュー・ティーグの妻ニコールがガンで亡くなる時、ふたりの長年の友人であるデインは、彼らの家に住み込み、最後まで献身的に家族のために尽くしてくれた。当初は2週間程度のつもりで仕事を休んできたのだが、それが無期限になるうちに、彼は恋人から捨てられることにもなる。デインが、良い歳になってもバイトの延長のような職にしか就いていないこともあり、本当の事情を知らない仲間には、単にタダで住めるから住み込んでいるのかとバカにする人もいた。だが、ティーグ一家は、デインなくしてあの悲劇を乗り越えられなかったのだ。だから、マシューは、すべてが終わった時、妻よりも友達に焦点を当てた記事を書いたのである。デイン役にコメディで知られてきたシーゲルをキャスティングしたのは、今作の最高の勝因だろう。彼が放つ良い人のオーラとユーモアが、重くなりがちなテーマに明るいニュアンスをプラスし、アフレック演じるマシューとの友情に信憑性をも与えるのだ。アダルト向け恋愛映画『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』で知名度を上げたジョンソンにとっても、これは本当の演技力の見せどころ。公式上映後の舞台挨拶でジョンソンは、「この映画からは、これまでにないほど大きなことを学ばせてもらいました」と、今作の後は、自分が他人にいかに多くのことをしてあげられるのかを意識して生きるようになったと語っている。また、舞台にはマシュー本人も登壇し、ニコールとの間に持つふたりの娘のことは「元気にしています」と述べた。娘たちは、完成前に映像を多少見せてもらってもいるそう。映画でマシューを演じたアフレックは、出席しなかった。『The Friend』は、日本でも公開が決まっている。取材・文=猿渡由紀
2019年09月09日トロント映画祭初日、シャイア・ラブーフの自伝的映画『Honey Boy』が、メディアと業界関係者に向けて上映された。今作はラブーフが12歳だった頃に焦点を当てたもの。ラブーフは、自ら脚本を書き下ろしたほか、父親役で出演もしている。タイトルの“honey boy”は、父が彼に向かって時々使った呼び名だ。映画は、20代の俳優オーティスが、カウンセラーの指導で過去を見つめ直す形で展開する。彼の問題行動の根本にあるのは、子供時代に受けた父親からの虐待だ。両親が破局した後、オーティスは父親に引き取られ、安モーテルで生活をしていた。生活費を稼ぐのは子役として活躍するオーティス。父は、彼にタバコやマリファナを教えることはするが、どこかに連れて行ってくれることもなく、まともな愛情表現すらしてくれない。父もまた、不幸な子供時代を送り、それを引きずっているのである。大人になってからのオーティスを演じるのは、今最も注目の若手俳優ルーカス・ヘッジズ。子供時代を演じるのは、『クワイエット・プレイス』『ワンダー 君は太陽』のノア・ジュプだ。子役としてキャリアを積み、スピルバーグに見出されて『トランスフォーマー』などに主演したラブーフは、その頃から、自分がこの道に入ったのは「家が本当に貧しく、家計を支えるためだった」と語っていた。その後もオリバー・ストーンなど大物監督から演技力を評価されるものの、近年はプライベートでのトラブルが続出。警察沙汰になった中には、アルコール依存症と思われる事件もあった。そんな彼がすべてを吐き出したと思える今作は、見る人の心に直球で投げかけてくる。演技面ではもちろん、脚本家としても、彼のキャリアが新たなステップへと向かったことを確信させるものだ。この映画祭における今作の公式上映は10日(火)。アメリカでの劇場公開は11月で、日本公開も決まっている。取材・文=猿渡由紀
2019年09月06日トロント国際映画祭が、現地時間9月5日に開幕する。オスカー予測の上でも重要な役割を果たすこの映画祭は、今回もまた期待作が目白押し。ハリウッドスターが集まることでも有名で、今年もニコール・キッドマン、ジェニファー・ロペス、マイケル・B・ジョーダン、ダニエル・ラドクリフ、クリスチャン・ベール、マット・デイモンなどがレッドカーペットを歩く予定だ。オープニング作品は音楽ドキュメンタリー『Once Were Brothers: Robbie Robertson and The Band』。クロージング作品はロザムンド・パイク主演の『Radioactive』。この映画祭で世界プレミアを果たすのは、先に述べたオープニング、クロージング作品のほかに、タイカ・ワイティティ監督、スカーレット・ヨハンソン出演の『Jojo Rabbit』、トムハンクス主演の『A Beautiful Day in the Neighborhood』、ライアン・ジョンソン監督、ダニエル・クレイグ主演の『Knives Out』、マイケル・B・ジョーダンとジェイミー・フォックスが共演する『Just Mercy』、ブロードウェイ劇の映画化で、ケリー・ワシントンが再び主演する『American Son』などがある。ひと足先にヴェネチア、テリュライドでプレミアされた作品では、是枝裕和監督が初めてフランス語と英語で撮影した『真実』、ホアキン・フェニックス主演の『ジョーカー』、レネ・ゼルウェガーがジュディ・ガーランドを演じる『Judy』、エディ・レッドメインとフェリシティ・ジョーンズ共演の『Abominable』など。さらに、それより早くカンヌで受賞したボン・ジュノ監督の『パラサイト 半地下の家族』、ペドロ・アルモドバル監督の『Pain and Glory』なども上映される。トロントは、カンヌ、ヴェネチア、ベルリンと違い、審査員が話し合いで賞を決めるのではなく、一般観客の投票で決まるのが大きな特徴。つまりは、気取った小難しい作品よりも、ストレートに人々の心に響く作品が受賞するということ。昨年の受賞作も、『グリーンブック』だった。ご存知のとおり、この映画は、見事、オスカーも受賞している。その前にも、『スラムドッグ$ミリオネア』『英国王のスピーチ』『アメリカン・ビューティ』などがその道をたどった。今年もまたここから、次のオスカーが生まれるのだろうか?それを期待しつつ、これから映画祭レポートを書かせていただくことにする。受賞結果発表は、現地時間9月15日(日)。取材・文=猿渡由紀
2019年09月05日俳優の田中圭と米プロバスケットボールNBAのワシントン・ウィザーズの八村塁選手が、25日より全国で放送される「SoftBank 5G」の新CM「5Gチーム」篇で初共演。鮮やかなコンビプレーを披露する。ソフトバンクは、八村選手をイメージキャラクターに起用した5G(第5世代移動通信システム)のブランドである「SoftBank 5G」の新テレビCMとして、「5G 登場」篇(15秒・30秒・60秒)を8月22日から、ソフトバンクのテレビCMに出演する田中と共演した「5G チーム」篇(15秒・30秒・60秒)を8月25日から全国で放送する。八村選手と田中が初共演した「5G チーム」篇では、八村選手に加え、学生時代からバスケットボールが得意な田中がユニフォーム姿でコートに登場。田中は連続でジャンプシュート、八村選手はジャンプシュートとダンクシュートを決め、空中で田中のパスを受け取った八村選手がそのままボールをリングに叩き込むアリウープも。さらにハイタッチを交わし、お互いの肩をぶつけ合う2人の姿が描かれる。田中は八村選手との初共演を「NBAドラフトで一巡目に指名された時は『すげー!』と思いましたし、最近はYouTubeで試合とか、体型に合わせてシュートフォームを変える練習の動画とかも見ているので、今回の共演はすごくうれしいです」と喜び、「八村くんの方がだいぶ年下なんですけど、なんだか敬語になっちゃいますね。もちろん尊敬もありますけど、単純におっきくて、怖いというか(笑)」と印象をコメント。八村選手は「よく言われますが、実際に話してみると怖くなかったという人が多いので、田中さんもそうなるといいですね。僕自身、田中さんが出演されたドラマも見させていただいていて、日本のトップ俳優という印象です」と話した。田中はまた、「いやー、八村くん、カッコいいですね。何気ないプレーも画で見るとめっちゃカッコよくて。僕なんてもう必死にプレーをしすぎて、足ガクガクですから(笑)。本物のNBAプレーヤーは、やっぱりすごいなと思いました。一緒にバスケをするシーンでは、『おー、俺、八村くんにパス出してんじゃん』みたいな感じで興奮していましたし、すごくうれしかったです」と興奮気味に撮影を振り返り、「バスケをやめてから10年ぐらいブランクがあって、今は年に数回、友人がやっているチームの練習に参加させてもらうんですけど、年齢とか職業とか関係なくみんなでバスケをするのはやっぱり楽しいんですよね。最近はなかなか行けていないので、また久々に参加したいなと思いました」と語った。
2019年08月21日