認知度が上がり、世間の理解が深まりつつある、発達障害。ですが、まだまだネガティブな受け取り方をされることが多く、発達障害の子を持つ親として、ちょっとだけ残念な思いを抱いていました。そんなモヤモヤを解決してくれたのが、信州大学医学部子どものこころの発達医学教室教授である本田秀夫先生の著書 『発達障害 生きづらさを抱える少数派の「種族」たち』 でした。第2回のインタビューでは、本田先生が考える「療育の本当の意味とは?」についておうかがいします。お話をうかがったのは…本田秀夫(ほんだ・ひでお)先生信州大学医学部子どものこころの発達医学教室教授特定非営利活動法人ネスト・ジャパン代表理事精神科医師。医学博士。1988年、東京大学医学部医学科を卒業。東京大学医学部附属病院、国立精神・神経センター武蔵病院を経て、横浜市総合リハビリテーションセンターで20年にわたり発達障害の臨床と研究に従事。発達障害に関する学術論文多数。英国で発行されている自閉症の学術専門誌『Autism』の編集委員。2011年、山梨県立こころの発達総合支援センターの初代所長に就任。2014年より現職。日本自閉症協会理事、日本自閉症スペクトラム学会常任理事、日本児童青年精神医学会代議員。■発達障害「早期発見・早期療育は子どもではなく親のため?」―― 前回 、親が早期に子どもの特性を知っておくことの重要性を教えてもらいましたが、早期発見は早期療育の効果へとつながるのでしょうか? よく、療育を始めるのは早ければ早いほど良いなどと言われますが…。本田秀夫先生(以下、本田先生):僕は、絶対そういうことは言わないようにしています。――なんと…(驚)。そういったお話も聞いたことがありますが、臨床の現場で約30年、幼児期から成人期まで一貫して診てきた先生がそうおっしゃるのは、また違った重みを感じます。本田先生:そもそも早期に発見される子の方が、大人になった時の障害は重いのですよ。なぜなら、症状が重い子の方が早く発見されるから。症状が軽くて、知的障害がない発達障害の場合は、就学時健診でもわからないことも多いのです。ですから、早く発見された人ほど良くなるというのは正確ではありません。――確かに…。本田先生:でも、僕は早期発見・早期療育を推進しています。理由はただ一つ、親御さんの認識を変え、親御さんが学ぶチャンスが早くなる、ということです。実は僕、子どもを療育しているフリをして、親の認識を変えることこそが療育だと思っていますから。つまり、子どもをどうこう療育するというより、親がコペルニクス的に認識を変えられるかどうかが非常に大事なのです。――深いお話…。本田先生:早期に親御さんがわが子の特性を知れば、対処法を学ぶこともできます。例えば、たびたびパニックを起こすようなお子さんだと、親御さんは疲弊してしまいますよね。でも、これを防ぐのは意外と簡単で、パニックを起こしたくなるような刺激を与えなければいいのです。例えば、子どもが好きなことをやっている最中に止めさせようとするとパニックを起こすということがわかれば、大好きなことはある程度切りのよいところまでやらせて次の活動に切り替えさせればよいわけです。ほかの子が近づくとたたいてしまう場合は、ほかの子が近くにきたら、その間に親御さんがスッと割って入って、その子の手が届かないようにすればいい。知っていれば未然に防げるけれど、知らないと結局、親子ともども嫌な思いを重ねることになってしまいます。■「療育でグレーは白にならない」子どもファーストの環境を――親への効果はよくわかりましたが、子どもにとっては本当に効果がないのでしょうか?本田先生:私たちの療育では、基本的に子どもファーストで考えてプログラムを組みます。例えば、一般の子育てなら、2歳の子どもに箸を使う練習はさせませんよね? 2歳くらいならスプーンを使ったり、大人がフォローしてあげればいいわけです。それが、成長につれて箸を使うようになったり、だんだん変わっていくのですが、そのペースが発達障害の子たちはほかの子と違います。ですから、今何を教えたらその子に身につくのかということを、一人ひとり厳密に考えていきます。そうして子どもに合った環境やプログラムを整えてあげれば、情緒的に安定して、活動に意欲的に取り組め、子どもも伸びると思いますよ。――ということは…? と、親はつい期待してしまいますが。本田先生:ただし、ここで一つ注意が必要です。親御さんは「療育で子どもが良くなった! このままいけば治るのでは…?」と思ってしまいがちですが、子どもが良い状態にあるのは、こちら側が相当に配慮した環境だからであり、環境が変われば元の木阿弥です。前回も言いましたが、「グレーとは 白ではなくて 薄い黒」ですから。特性そのものは消えません。ですから、そこまで伝えるために、僕たちの療育では親御さんにも時々参加してもらって、どういう状態だったら子どもが落ち着いた良い状態になるのかを学んでもらうようにしています。■発達障害「どのような大人になるかは、親の育て方次第」――いかに子どもを取り巻く環境が大事か、ということなのですね。本田先生:そうです。発達障害というのは、もともともの原因は育て方のせいでなるわけではないのですが、「どのような大人になるのかは、育て方次第」と僕は思っています。例えば、背が低いことで悩んでいる人がいるとして、「別にいいじゃん」と言ってもらえるのと、「このままじゃヤバいよ! 早くなんとかしないと!」と言われるのでは、本人の受け取る印象はずいぶん変わってきますよね。それと同じで、親御さんがなんとか子どもの苦手を克服させたい、平均にそろえたいと思えば思うほど、克服できない部分が残った時に、子どもは親の期待に応えられない自分を責めてしまうのです。否定的な雰囲気の中で育つと、自己肯定感も低くなりますし、さらに責めたてられるような雰囲気の中で育つと、抑うつ的になってしまったり、逆に、自己防衛する意味で攻撃的な性格になってしまう危険性があります。――確かに…。でも、親は、わが子に対して「こう育ってほしい」という理想を持ってしまうものなのかもしれません。良かれと思って、つい…(苦笑)。本田先生:申し訳ないけれど、いかに親の価値観や考え方をリセットできるかが大事なのです。難しいかもしれませんが、先に理念を変えるというより、実践しながらの方が価値観は変わりやすいと思いますよ。どんな時に子どもが情緒的に不安定になって、どんな時に落ち着いているのか、その両方の状況の違いがわかれば、だんだんと親御さんのとらわれが溶けていくと思います。そのプロセスをなるべく幼児期のうちに通過しておくと、学校に入ってからが楽になると思います。――学童期になると、別の難しさが発生するのでしょうか?本田先生:学校に入ると、親御さんだけではなく先生の中にも「学校ではこういう子どもを育てるべき」という考えを持つ人がいるので、子どもは、家でも学校でも問題児というレッテルを貼られてしまう危険性があります。子どもがトラブルを起こして、先生に怒られて、親御さんも学校から「家庭のしつけが悪い」などと責められて心が病んでしまったり…。そうなってからですと、非常に対応が難しくなります。――確かに…。自由な幼児期と違って、学校では勉強が始まるので、クラスの雰囲気を乱すような子に対して、先生だけはなく保護者の目も厳しくなるように感じます。本田先生:実際のところ、文部科学省の発表では、通常学級の生徒の中になんらかの発達障害を持つ子が6.5%いるということですからね。クラスに必ず数名はいるということになります。早いうちに子どもの特性を理解して、周囲にきちんと説明できるような親御さんが増えて、そういう子がいるのがむしろ当たり前、という雰囲気になってきたらよいですよね。そして、学校もそういう子がいるという前提で、活動内容を組み立てるのが、当たり前になってほしいと思います。社会集団には、個性の凸凹がある程度存在します。「よくある個性」と認める範囲が広い集団では、「少数派」の人がそれほど目立たなくなります。発達障害の人も、その他のさまざまな個性がある人も、それぞれが自分のことをよく理解し、それが自分の普通だと思って生きていけるような社会が、本来あるべき社会の姿だと、僕は思っています。今回のお話や本を通して、いろいろな普通があることを、多くの人に理解してもらえればと思います。もし、わが子の発達に不安を感じている方や、すでに子どもが発達障害と診断され悩んでいる方がいたら、ぜひ一度、本田先生の著書を手に取ってほしいと思います。本を読む前と読んだ後では、きっと発達障害への印象がガラリと変わることでしょう。もちろん、そんな気持ちの部分だけではなく、「発達障害とはどんな障害か」ということもわかりやすく解説し、具体的な環境設定や支援方法まで紹介してあり、発達障害への理解と対応力が一段と深まることと思います。「どのような大人になるかは育て方次第」――その言葉に改めて、発達障害児の子育てにおける、親の役割の重要さを感じた取材でした。参考図書: 『発達障害 生きづらさを抱える少数派の「種族」たち』 (SBクリエイティブ)精神科医として30年以上、臨床経験の大半を発達障害の診療に費やし、乳幼児から成人まで、さまざまなライフステージの方たちによりそってきた、本田秀夫医師による著書。発達障害とは、なんらかの機能や能力が劣っているのではなく、「病気」というよりも、「選好性の偏り」と考えるほうが、ずっと当事者の理解に役立つ。そんな視点から発達障害を理解し、発達障害の人の行動や心理、支援の方法までをわかりやすく解説。まちとこ出版社N
2019年04月02日認知度が上がり、世間の理解が深まりつつある、発達障害。ですが、まだまだネガティブな受け取り方をされることが多いように思えます。例えば、園や学校の先生から子どもの発達相談を勧められると、「失礼だ」と怒る保護者がいたり、クラスで浮いた子がいると「あの子、発達障害なんじゃない?」などと保護者が陰口のように使ったり。発達障害の子を持つ親として(著者は2人きょうだいの下の子が自閉症スペクトラム障害)、認知が広まったのは喜ばしいことですが、ちょっとだけ残念な思いを抱いていました。どう伝えたら、こうした考えを変えられるのだろう?と。それを解決してくれたのが、信州大学医学部子どものこころの発達医学教室教授である本田秀夫先生の著書 『発達障害 生きづらさを抱える少数派の「種族」たち』 でした。それによると、「発達障害は何かができない「障害者」というよりも、独特のスタイルをもつ「少数派の種族」であり、その間にあるのは「多数派」か「少数派」という「割合の差」である」とのこと。その解説が非常に腑に落ちて、以来、息子の子育ての指針にしています。もし、同じように子どもの発達に不安を抱えていたり、悩んでいるお母さんがいたら、ぜひこういった考えを知ってほしい――そんな思いで取材を申し込みました。お話をうかがったのは…本田秀夫(ほんだ・ひでお)先生信州大学医学部子どものこころの発達医学教室教授特定非営利活動法人ネスト・ジャパン代表理事精神科医師。医学博士。1988年、東京大学医学部医学科を卒業。東京大学医学部附属病院、国立精神・神経センター武蔵病院を経て、横浜市総合リハビリテーションセンターで20年にわたり発達障害の臨床と研究に従事。発達障害に関する学術論文多数。英国で発行されている自閉症の学術専門誌『Autism』の編集委員。2011年、山梨県立こころの発達総合支援センターの初代所長に就任。2014年より現職。日本自閉症協会理事、日本自閉症スペクトラム学会常任理事、日本児童青年精神医学会代議員。■「純粋な発達障害」とは? 誤解を生む理由は「二次障害」――発達障害はずいぶん世間に認知されるようになりましたが、まだまだネガティブな受け取り方をされることも多いように思えます。そんな中で、先生の本の「発達障害は障害というより『少数派の種族』」というお話は非常に腑に落ちました。本田秀夫先生(以下、本田先生):発達障害は障害というより、「少数派の種族」と考えると理解しやすいと思います。その両者には優劣の差はなく、その間にあるのは「多数」か「少数」か、という割合の差だけなのです。でも、割合の差があるからこそ、発達の特性は「少数派」の「選好性(※)」となり、「多数派」の人の理解を得ることが難しくなり、それが生きづらさにもつながってしまうのですよね。――単なる「少数派」であり、なんらかの機能や能力が劣っているというわけではないのですね。本田先生:いきなり関係ないような話をしますが、僕は「X-メン」という映画が大好きでして。あのお話では、普通の家族の中に、時々、遺伝子変異を起こしたミュータントが出現するのです。「ハリー・ポッター」もそうですが、映画の世界では、主人公が何か特殊な能力を持ってしまうというお話がたくさんありますよね。そこに共通してあるのは、彼らのような特殊能力をもった人たちは、一般の人間から見ると得体が知れず、脅威に思えるということです。――確かに。わからないものに対して、怖いという感覚はわかるような気がします。本田先生:発達障害も似たところがあって、自分たちが慣れ親しんでいる文化や流儀とは違うものを異端視している人たちから見ると、彼らの存在そのものが脅威なのです。もしくは、その脅威を打ち消すために、強烈な差別意識でかぶせているのです。例えば、「ああいう子にだけはなってほしくない」という思いもそう。そういう価値観を持っている人たちが一部いるのも事実です。また、実は純粋な発達障害の人というのは、あまり表には出てこなくて、僕のような専門家と本人や家族しか知らないのですよ。そこが、発達障害が誤解される一番のポイントかもしれませんね。――どういう意味でしょうか?本田先生:メディアに出演してカミングアウトしている方の多くは、どこかで傷ついた人たちなので、すでに二次障害をともなっているからです。例えば、会社でよく「困った人」と言われる発達障害の人たちは、だいたいみんなと協調できないことが多いのですが、実は、僕が幼児期からずっと診ている発達障害の人たちのほとんどが、まじめで素直な良い人たちなのです。つまり今、会社で「困った人」と言われる発達障害の人たちの多くは、適切な環境で育てられなかったために、すでに二次障害をともなっていて、それをメディアで発達障害と紹介してしまっているわけです。――なるほど…。本田先生:二次障害をともなわない、純粋な発達障害の特性だけが残っている人というのは、比較的順調に生活しているので、メディアに出演して主張するモチベーションもないのです。ですから、一般の人たちはあまり知る機会がないと思いますよ。今、残念ながら発達障害というと、二次障害をともない複雑になってしまった人たちばかりがクローズアップされているので、このような形で啓発するだけでは、あまり溝が埋まらないのでは? という思いはありますね。■発達障害「グレーとは 白ではなくて 薄い黒」――では、発達障害の特性そのものだけであれば、もう少し順調に生きられると? 本田先生:もちろん、純粋な発達障害の人も、「多数派」向けに作られた社会で生きていこうとしたら多少は苦労しますよ。はじめにお話したように、「多数派」と「少数派」という割合の差があるからこそ、発達の特性である「少数派」の「選好性」は、「多数派」の理解を得ることが難しくなるので。また、知的障害や学習障害などがある場合は、能力の凸凹問題は残りますので、自信がないと感じることもありますし、一般の会社勤めが難しくて、就労支援に通っている方も大勢いらっしゃいます。ですが、そうやって生活しながら、その人なりに楽しく暮らしている方も大勢いるわけです。――自分に合った生き方や環境が選べれば良いのですね。本田先生:発達障害の特性が、致命的な弱点になるのは、その特性を本人やまわりの人が理解できず、無理を重ねて失敗や衝突を繰り返し、本人の自尊心やまわりの人との人間関係などが傷ついてしまった時です。ですから、発達障害の人は、いかに自分の特性を認めてもらえるような生き方や苦労しなくてすむ環境を選べるかが重要なのです。――その生き方や環境を選べるようになるために、必要なことは何でしょう?本田先生:自分の特性を知ることがすごく大事になってきます。苦手なことは克服しようとせず、堂々と逃げた方がいいですよ。苦手なことを努力で克服することを強いられて育つと、「ここまで努力してでもできない自分は人としておかしいのではないか?」という価値観を身につけて、二次障害になりやすいので。いかにラクして人生を送るか、ということだけを考えて生き続けることが結局、一番成功するのですよ。――そうなると、子どもの場合は、早期に親が特性を知っておくことが大事になりますね。本田先生:非常に大事だと思います。ただ、よく「早期に発見して療育を受ければグレーが白になる(発達障害が治る)」と思っている親御さんもいるのですが、グレーというのは絶対に白にはなりません。それを広めるために僕、川柳を作ったのですよ、「グレーとは 白ではなくて 薄い黒」と。――特性は一生消えないのですね?本田先生:グレーならグレーな大人になればいいのです。白にならないで生きていく方法を探せばよいのです。中には、診断を下されるのを恐れる親御さんもいますが、これも受け取り方次第ではないでしょうか? 例えば、遠くの字が見えない人に「あなたは近視です」と診断したとしても、「まぁそうだよね」って思うだけですよね。要するに、近視の人は、別に医者に診断されなくても、遠くの字が読めないことはわかっているわけです。そこに診断名がついたからといって、その日から何かが変わるわけではありません。■発達障害「〇〇が苦手」ではなく「〇〇より△△を優先」ととらえる意識――私自身も昔、子どもが診断を受けた時は重みを感じました。スッキリしたと同時に「覚悟を決めねば」という思いが交錯して(苦笑)。本田先生:医者の伝え方も大事かもしれませんね。例えば、「自閉スペクトラム症です」と伝えるより、「この子には『空気を読むのが苦手』とか『こだわりやすい』という特徴があって、こういう特徴が大人になっても残ります」というふうに説明すると、納得してくれる親御さんが多いです。僕も、親御さんによって伝え方を工夫しています。…でも、診断名を過剰に恐れるのは、発達障害を何か悪い病気だと誤解しているのかもしれませんね。――その通りですね。私自身、発達障害のことをきちんと知る前は、何かが欠陥した障害のように誤解していました。だからこそ、もし同じように悩んでいるお母さんがいたら、先生のようなお考えを広く伝えていきたいです。本田先生:はじめにお話したように、発達障害は障害というより、「少数派の種族」のようなものですから。発達障害の人は自分の「選好性」をきちんと理解し、身近な人にも理解してもらい、「多数派」向けに組み立てられている生活を「少数派」向けに調整すれば、きっと生きづらさは軽減するはずです。親御さんにはぜひ、この「選好性」という視点から、お子さんの特性をとらえてみていただきたいと思っています。発達障害の特性を「~が苦手」というように、なんらかの機能の欠損としてとらえるのではなく、「~よりも~を優先する」というふうに考えてみてください。例えば、「雑談が苦手」というとらえ方を「雑談よりも内容重視の会話をしたがる」というふうに。その方が、より発達の特性を適切に理解できると思います。「グレーとは 白ではなくて 薄い黒」――。特性が薄いほど、親は障害に気づかず、とかく「白」に近づけようと努力を強いてしまいがちですが、それは、むしろ逆効果。グレーのまま生きやすい環境調整をすることこそが親の重要な役目なのだと、教えていただきました。 次回 は、本田先生が考える「療育の本当の意味」についておうかがいします。※ここでいう「選好性」とは、好き嫌いの「嗜好性」ではなく、心が特定の方向に向かうという「志向性」のこと。参考図書: 『発達障害 生きづらさを抱える少数派の「種族」たち』 (SBクリエイティブ)精神科医として30年以上、臨床経験の大半を発達障害の診療に費やし、乳幼児から成人まで、さまざまなライフステージの方たちによりそってきた、本田秀夫医師による著書。発達障害とは、なんらかの機能や能力が劣っているのではなく、「病気」というよりも、「選好性の偏り」と考えるほうが、ずっと当事者の理解に役立つ。そんな視点から発達障害を理解し、発達障害の人の行動や心理、支援の方法までをわかりやすく解説。まちとこ出版社N
2019年04月01日夫に聞いてみた。発達障害育児、父親のホンネって?広汎性発達障害の娘を育てる私たち夫婦。これまで子育てと療育を話し合い、協力しあってきましたが、実は夫の気持ちについては面と向かって聞いてこなかった…そうだ、質問してみよう!と思い立った私。前回、娘の障害に気づくまでのことを聞いたところ、実は母親の私よりも先に気づいていたと、初めて分かりました。そしてそのことを言わなかったのは、私のことを考えてくれていたからだったのです…。夫婦でも、聞いてみないと分からないこと、あるなあ…と再発見した私。第2弾では、父親としての気持ちについて突っ込んで聞いてみました!Q4.娘の今後について、不安はあった?Upload By SAKURA聞いてみると、夫は父親として、娘の将来にかなり不安があったそうです。それは、この障害に対しての情報が無さ過ぎたからでした。私は…夫が不安を抱えていることに、恥ずかしながら、まったく気がつきませんでした。夫はいつも明るく、話もよくするタイプですが、基本的にネガティブな感情は外に出しません。娘の発達障害が分かってからもそれは変わらず、騒ぐのはいつも私で、夫はいつも冷静に私たちを見守ってくれていました。見た目には冷静であっても、心の中にはいろんな不安を抱え、それを自分の中に留めている夫。それは、私の不安を煽らないようにという、気づかいだったのかもしれません。Q5.わが子の療育に、腰が引けてしまう…ということはなかったの?Upload By SAKURA確かに…世の中には、障害に対して情報があまりなく、ネガティブなイメージがかなりあります。情報が少ないと腰が引けてしまう人もいるんじゃないかと思います。ただ…夫の場合、子どもの未来を考えたら、そんな感情はゼロとまではいきませんが、それに近いぐらい、どうでもよくなったそうです。それは「どれだけ早く、長く療育に取り組めるか」が重要だと思っていたからです。"障害を治す特効薬"と言うのは無く、時間をかけて、心(精神)と知識を育くんでいかないといけない、そんな風に思っていたのだと…。だからこそ「腰が引けてる場合じゃない!」「早く動かないと!」という気持ちが強く出てきたといいます。夫は、娘のことや療育のことで動く時、ネガティブなことはあまり考えないようにしているそうです。Q.「理解したり、自分ごととして考えるのが難しい…」と感じるパパもいるみたいだけど、夫の場合は?Upload By SAKURA父親と言う立場から考えると、子どもと少し距離があるお父さんもいるのかな~と感じるそうです。仕事で忙しく、夜遅く帰ってきて起きている子どもに会えなかったりすることもその原因かもしれません。夫の場合は、娘とよく遊んで、遊びながら行動を見るようにしていました。仕事で忙しい時は遅く帰ってからも、昼間、娘を一人で見ている私の話を、よく聞くように意識していたそうです。発達障害の特性ゆえに、いつも娘が苦手な言語関係やコミュニケーションに苦しむ姿を母親である私から見聞きしていたので、常に自分のことのように真剣に考えてくれていました。今回の質問で、子どもラブ♡な夫の秘密がちょっと分かった…(笑)第3弾では、さらに突っ込んで、これからのことについても聞いちゃう予定です!お楽しみに!Upload By SAKURA
2019年03月27日学校から「物を持ち帰ること」が苦手だった息子Upload By かなしろにゃんこ。小学校に入学後、リュウ太は元気に通学していましたが、学校からのお手紙や教科書、ノート、筆箱のような「毎日持ち帰るもの」を持って帰ることができませんでした。毎日のように「机の中の物は全部持って帰ってきてね」と声をかけても、やっぱり忘れてきてしまう毎日…。Upload By かなしろにゃんこ。さらに、通学帽子や体育の授業で使う赤白帽子、靴下や水筒も学校に置き忘れていました。先生も声をかけてくださっていたようなのですが、息子はそれでも持ち帰ってくることができず、失くした物が学校の落とし物箱から見つかることもよくありました。保育園時代は親が持ち物の準備をしてきましたから、小学校に入学したからと言っても、急に1人で全部やるのは無理だというのも分かります。でも「物を持って帰る」という行為をそんなに難しいことだと思っていなかった私。「今日は必ず持って帰ってね」と声をかけては期待して、でもやっぱりダメで…ということの繰り返しでした。よく観察すると…問題は「物を持ち帰るかどうか」だけじゃなかった!Upload By かなしろにゃんこ。息子の小学校ではPTAでの集金があり、集金日になると、担当のお母さんたちが教室にお金を集めに行っていました。そのため、その日は所定の封筒の中にお金を入れて学校に持たせる必要があったのですが、息子がこの集金袋を持って帰らなくて困ることがありました。「先生からクリーム色の封筒を預かってるよね?机の中に置いてきたのかな?」と聞いても、リュウ太は「そんな封筒知らないよ、本当だよ!もらってないよ!」の一点張り…。これでは集金日にお金を持たせられないので、机の中を確認するために一緒に学校に行くことにしました。すると…集金袋は、やはり机の中にありました。そして私はようやく気づいたのです…。・息子はそもそも集金袋がどんなものなのか知らなかった・集金袋をPTAのお母さんたちが集めに来ると説明しても「そんな人来ないよ」と言っていた息子。そもそも、教室に先生以外の大人がいても気にとめず、何をしているかも気にしていなかったこれでは、持ち帰ることも提出することもできません。さらに、息子の机の中は、持ち帰るはずのお手紙や先生が作ってくれたプリント用紙、教科書などでゴチャゴチャ!机の周りにもいろいろなゴミが落ちていて、その汚さに愕然です。うちの子は、こんなに整理整頓や物の管理ができないなんて…と落ち込みました。担任の先生から、息子の学校での様子を聞いてショック!Upload By かなしろにゃんこ。そんな時、担任の先生からこんなお話がありました。「リュウ太くんは、学校で物を失くすと『お母さんに怒られる』といってパニックになります。物を失くしても、怒らずに注意するくらいにしてあげてください。」どうやら息子は、学校で失くし物をすると「色えんぴつなくなっちゃった、お母さんに怒られる~」と泣きながら先生にすがり、一緒に探してもらっていたそうなのです。きちんと物を管理してもらいたいがために、私が息子にきついことを言い過ぎて、追い詰めていた…。この時、それを初めて知りました。叱るのではなく、一緒に、繰り返してUpload By かなしろにゃんこ。この頃の息子は、小学校生活をスタートしたばかり。慣れない環境の中、よく分からない新ルールばかりで、毎日頭がいっぱいいっぱいだったと思います。それを考えると、息子が脅えてしまうほどきつく怒るのはやめよう。そして、何度言ってもなかなかできないのであれば、親が定期的に学校に行って机の中を確認するしかないと、考えを改めました。物の管理について悩んでいた小学校入学当時、息子はまだ発達障害の診断を受けていませんでした。物を大事にする心があってもなくても、気をつけて管理することができないのがADHDの特性なのですが、当時の私はそういった背景も分からずに、ただただ困っていたのです。まだ1年生の小さな息子を怒りすぎてしまったな…と、今となっては申し訳なく思います。小学校4年生でADHD、特に注意欠陥の傾向が重度だという診断を受けてからは、見方が大きく変わりました。物を管理することができなくても仕方がないし、これは息子の特性なのだから、無理して「変えるべきもの」ではないのだと考えられるようになりました。そして、親と一緒にくり返し行動しながら言い聞かせていれば、何でも少しずつ1人でできるようになるということも分かりました。20歳になった息子の毎日は?Upload By かなしろにゃんこ。息子がようやく1人で物の管理をできるようになったのは、高校生になってからでした。ふふふ…中学校ではまだまだできませんでしたよ(涙)。それに20歳になった今でも、たまに「わー、財布無くしたー!」とパニックになることもあります。でも、少しずつ成長しているのも確かです。最近、財布の位置をアプリで特定できるGPSがあると知り、息子に「買ってみる?」と聞いてみたのですが、本人はまだ迷っているとのこと。GPSを使えば便利になる点もあると思いますが、息子はまだこれには頼らずにいたいらしいのです。ひょっとすると息子は、自分の力を信じたいのかもしれません。私も息子の力を信じて、これからも長い目で見守っていきたいと思います。
2019年03月21日ADHDとASDの診断を受けている私の特性出典 : 私はベンチャー企業で、社内プログラマとしてシステム開発の仕事をしており、現在は管理職にも就いています。そんな私が「仕事上、特性が役に立っている」と感じる場面について書こうと思いますが、まずはその前に、私自身の特性について簡単に紹介します。私はADHD(注意欠陥・多動性障害)とASD(自閉症スペクトラム障害)と診断されていて、自分としては特にASDの特性が強いと感じています。普段自覚している特性は以下の通りです。・感覚過敏(聴覚・視覚)・過集中・感情よりも論理を重視する(ひとの気持ちを想像するのが困難)・自分の興味が狭くて深い・興味がないことは全然覚えられないけれど、興味があることはすぐ覚える感覚過敏に関しては、以前別の記事で詳しく書いていますので、気になる方はご参照ください。仕事の場面で「特性が役に立っている」と感じること私がやっているシステム開発の仕事は、おおまかに以下のような流れで進めています。①お客様が現在抱えている課題をヒアリングしながら、どこをどう自動化するのが効果的かを考える②自動化する内容についてお客様と合意が取れたら、具体的にどう作っていけばうまく自動化できるのかを考える③実際にプログラムを組んで自動化するためのシステムを作っていくこのような仕事をする中で、自分の特性が役立っていると感じることについてご紹介します。出典 : 会社で仕事をしていると、他人の感情に配慮して振舞いを変えなければいけない場面がよくあります。一方で、データや状況を客観的に分析した上で、感情を抜きにして何か厳しいことを決断しなければいけない場面もあります。それぞれの場面でうまくバランスをとるのが仕事の難しさだと思いますが、私の場合、「感情よりも論理を重視する」という特性が役に立つことがあります。特に業務改善や“あるべき論”を考える時に、力を発揮します。例えば以前、5人で実施している事務処理の業務改善を行うために、その事務処理を自動化するためのシステムを作ったことがあります。このようなシステム開発を行う場合、まずは「現在どのように事務処理を行っているのか」を担当者の方々にヒアリングしながら、どこをどう自動化するのが最適なのかを検討していくのですが、その中で以下のような問題が見つかりました。【自動化できそうだと分かった仕事】・大量の売上金額を手動で計算する・お客様に送付するものを大量の書類の中から選別し、手書きで書き写す【これらの仕事の現状】・担当者の作業スピードが早いため、現在は問題になっていない・その担当者は仕事に誇りや自信を持っており、他メンバーもこれを効率化しようという発想がなかった・今は良くても、今後担当者が変わったりお客様の数が増えたりすると、業務がたち行かなくなる可能性があるこの作業を自動化することで、現在の担当者からは「今は問題になっていない」「私の仕事をなくさないでほしい」といった反発が考えられましたし、他メンバーもこの担当者の気持ちに配慮して、自動化に賛成しないだろうとも思いました。でも、こんな時に「感情より理論を重視する」という特性が活きてきます。私は、それでもこれらの作業を自動化した方が全体としての業務効率が上がると考え、すべて自動化することに決めました。その代わり、今までこの業務を担当していた方には、その経験を活かして、事務処理全体の統括をするという新しい仕事を提案したのです。もちろん、現場の反発が大きかったり、他の要因があったりして、提案通りにならないこともあります。それでも、特性ゆえに「全体としての最適案を考えることができる」のは、システム開発の仕事にとても役に立っていると思います。出典 : 私は自分が興味のある分野であれば、仕事の時間外であっても、本を読んだりして勉強することが苦になりません。私が新卒から脱却して一人前のプログラマになったころ、「まったく使ったことがないプログラミング言語を使って、2ヶ月でアプリを作らなければいけない」という仕事がありました。実は私たちが話している日本語や英語のように、プログラムにも色々な言語があります。その時私がお願いされた仕事というのは、普段日本語を使っているひとが「明日から2ヶ月間、イタリア語で生活をして仕事を完成させてほしい」と言われるようなものでした。正直無茶な仕事だな…とは思ったのですが、そのプログラミング言語に関する本を買って通勤時間中に読んだり、既存の似ているプログラムの中身を読んだりして、自分なりに勉強をしながら開発を進めていきました。締め切りが厳しいプレッシャーはありましたが、そもそもプログラミングに興味があるので、勉強自体は楽しく取り組むことができました。そして結果的に、かなり大変ではありましたが、なんとかアプリ作成を終えることができたのです。その後も、一度も使ったことがないツールを使った開発や、業界でその時に流行っている技術を使った開発など、さまざまなことにチャレンジして成功してきました。日進月歩で新しいことが増えていくプログラマの業界では、継続して勉強し続けることがかなり大事なので、この特性にかなり助けられています。出典 : 社会人として仕事をするようになってから、失敗して自信を失った時期もありましたが、そんな時も含めても私が特に自信を持っているのが、過集中という特性ゆえの「集中力」です。時には作業に没頭するあまり、周りの人から話しかけられてもすぐに反応できないこともありますし、隣の人がトイレ休憩のために席を外したことに気づかず、戻ってきた時に驚いて大きな声をあげてしまったこともありました(笑)。それでも、プログラミングやシステム開発に関わることであれば、かなり興味をもって取り組むことができるので、周りから驚かれるくらい作業を進めることができます。その分、家に帰るとぐったりして、1時間以上何もできないということもありますが…。出典 : 「興味が狭くて深い」という特性のおかげなのか、それとも過集中だからなのかは分かりませんが、私は自分が書いたプログラムを覚えておくことができます。プログラムとは「このシステムはこう動くものですよ 」という説明書のような文章になっています。以前仕事で、半年くらい前に作ったプログラムを修正するということがありました。この状況を例えるなら、「半年前にSNSでつぶやいたこと」について、もう一度整理して議論しなくてはならなくなったようなものです。そういった状況では、当時の自分がどんな意図で、どんなことを考えてその文章を書いたのか、すぐには思い出せない人も多いと思います。そのため、上司からは「かなり前に作ったものだし、修正に1週間かかっても仕方がない」と言われていました。しかし私はこの時、30分ほどプログラムの全体を見ているうちに、作った当時の記憶がよみがえってきました。そして何をすればいいかがはっきり分かったので、上司から伝えられた期限の半分で対応を終えることができました。私としては、やれることを普通にやっただけのつもりでしたが、上司からはかなり驚かれ、ほっとしたのと同時に誇らしい気持ちになったことを覚えています。発達障害の特性は、悪いことばかりじゃない!出典 : 発達障害の特性は個人ごとに異なりますし、日常生活を送る上で大変な部分ばかりが目立つこともあると思います。でも、自分の特性とうまく付き合っていけば、“クセが強い”からこそ“特化された武器”として、様々な場面で活かすことができると思っています。今回の記事でご紹介した内容は、「やっぱりそうなんだ」というものから「ちょっと意外だった」というものまで、いろいろあるかもしれません。私の個人的な経験談ではありますが、さまざまな仕事をされる中で参考にしていただければと願うとともに、私が誇りを持って取り組んでいるシステム開発の仕事についても、発達障害当事者の職業選択のひとつとして興味をもっていただけたら嬉しいです。
2019年03月19日【ニュース】4/2は国連が定める「世界自閉症啓発デー」!東京と大阪でシンポジウム開催Upload By 発達ナビニュース毎年4月2日は国連が定める世界自閉症啓発デー。世界中で自閉症を知ってもらう・理解してもらうためにさまざまなイベントがあります。今回は、東京・大阪で行われるシンポジウム、各地のランドマークで行われるライトアップやイベントを紹介します。地域、TVの中、暮らしの中といった切り口から「輝く人・照らす人」をテーマに、広く「自閉症」について理解を深める内容になっています。発達ナビで記事の監修なども行っている臨床心理士で鳥取大学大学院教授の井上雅彦先生もご登壇されます。自閉症について、共に暮らしやすい社会について考えるきっかけとして足を運んでみてはいかがでしょうか。【日時】2019年4月6日(土) 10:00〜16:30【場所】全社協・灘尾ホール(東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル)【定員】250名(事前予約必要)【参加費】無料【内容】総合司会 国沢真弓(一般社団法人発達障がいファミリーサポート Marble)<午前の部>・開会式・シンポジウム①「地域を照らす人」司会: 西牧謙吾、田中尚樹登壇者: 秀島敏行(佐賀市長)、染谷絹代(島田市長)、高橋陽子(神奈川県中小企業家同友会 ダンウェイ株式会社代表取締役社長)・東京タワー啓発イベントのビデオ上映<午後の部>・シンポジウム②「TVの中で輝く人・照らす人」司会: 小林洋志、加藤永歳登壇者: 齋藤真貴(NHK制作局 生活・食料番組 「あさイチ」チーフ・プロデューサー)長岡学(セサミワークショップ ヴァイス・プレジデント エクゼクティブプロデューサー兼日本代表)、井上雅彦(鳥取大学 大学院医学系研究科臨床心理学講座 教授)・シンポジウム③「暮らしの中で輝く人・照らす人」司会: 加藤潔、上江昇一登壇者: 嶋田知詠子(特定非営利活動法人障がい児者ライフサポートたんぽぽの会 理事長)、松尾浩久(特定非営利活動法人HEROES理事長)【申込み】締め切り 2019年3月18日(月)登録フォーム・FAXにて申し込みが必要です。【問い合わせ】一般社団法人日本自閉症協会電話: 03-3545-3380FAX: 03-3545-3381メール: asj@autism.or.jp*世界自閉症啓発デー日本実行委員会〈公式サイト〉へ遷移します世界自閉症啓発デー2019・啓発イベント | 世界自閉症啓発デー日本実行委員会〈公式サイト〉Upload By 発達ナビニュース教育現場の先生の経験に基づく関わり方を知り、専門的な医師の知見による特性の理解を深める内容です。当事者の方の困りごとや特性、関わり方をわかりやすく扱うため、幅広い方々におすすめです。【日時】2019年4月5日(金) 14:00〜16:30(開場13:30)【場所】大阪府立男女共同参画・青少年センター「ドーンセンター」7Fホール (大阪市中央区大手前1丁目3-49)【定員】定員500名(事前予約必要)【参加費】無料【内容】<第一部>「子どものやる気を引き出す子育て・関わり方を考える~一人一人の特性をとらえよう~」登壇者: 山田充(廿日市市教育委員会 特別支援教育アドバイザー・堺市教育委員会 特別支援教育アドバイザー)<第二部>「発達障がい(発達症)の現在(いま)」登壇者: 十一元三(京都大学大学院医学研究科 教授)【申込み】締め切り 3月28日(木)※申し込みが定員に達した場合には申し込みを締め切ります。登録フォームにて申し込みが必要です。※インターネットで申し込みができない場合はFAX・メールでの申し込みも可能です。【問い合わせ】府民お問合せセンター「ピピッとライン」電話: 06-6910-8001大阪府福祉部障がい福祉室地域生活支援課発達障がい児者支援グループFAX: 06-6944-2237メール: chiikiseikatsu@sbox.pref.osaka.lg.jp*大阪府のページに遷移します発達障がい講演会「世界自閉症啓発デー in OSAKA2019」を開催します! | 大阪府ライトアップや展示など、関連イベントも各地で盛んに!(東京・大阪・京都)世界自閉症啓発デーには全国各所がテーマカラーの「青」に染まります。ライトアップに加えて日中のイベントもチェックしてみてください!Upload By 発達ナビニュース【日時】2019年4月2日(火)日没(午後6時30分頃)より午後11時まで※大阪府立男女共同参画・青少年センター(ドーンセンター)は午後9時半、天保山大観覧車は午後10時まで【会場】・大阪城天守閣・大阪府咲洲庁舎・大阪府立男女共同参画・青少年センター(ドーンセンター)・通天閣・天保山大観覧車・万博記念公園太陽の塔(50音順)【主催】大阪自閉スペクトラム症協会、大阪府、大阪市【共催】日本発達障害ネットワーク大阪【協力】塩野義製薬株式会社Upload By 発達ナビニュース<イベント>【日時】4月2日(火)18:15〜19:30【場所】京都駅ビル駅前広場(ホテルグランヴィア前)【内容】16:30〜18:30京都市障害者相談員(発達)による相談コーナー写真(フォトプロップス)コーナー18:15〜19:30京都女子大学チアリーディング部GALAXIE京都府自閉症協会青年成人部ダンスサークル「Kirala」音楽サークル「The BEAT(We Love Music!)」京都府立桃山高等学校吹奏楽部<ライトアップ>【日程】4月2日(火)【場所】・京都タワー(2日、3日両日ライトアップ)・福知山城・中丹東保健所・二条城西南隅櫓・京都府庁・丹後王国「食のみやこ」(3月31日にライトアップ)Upload By 発達ナビニュース【日時】2019年4月2日(火) 13:00〜18:30【場所】東京タワー広場・特設ステージ(東京都港区芝公園4丁目2-8)【内容】13:00~17:00各種イベント18:15~18:30厚生労働省主催啓発イベントUpload By 発達ナビニュース板橋区にある放課後等デイサービス、ドリームボックスときわ台が手がける作品展です。自閉症啓発デーのテーマカラーである青を用いて子ども達がつくった巨大な竜が展示されています!他にも先着50名でハーバリウムやせっけんづくりの体験コーナーもあり、親子で楽しめるイベントになっています。【日時】2019年3月23日(土)11:00〜16:00【場所】常盤台地域センター レクリエーションホール第一(板橋区常盤台4-14-1 教育科学館)【参加費】入場無料、体験コーナーのみ有料(100円)【内容】<展示>①日々の制作②利用児童21名、保護者(両親、兄弟、祖父母)54名、利用児童が通う小中学校の担任の先生8校15名、職員10名の総勢100名が書いた「百福」③青い巨大な竜④子どもたちの手形で作成した花火<体験コーナー>ハーバリウムとグリセリンソープづくり【申し込み】不要【問い合わせ】ドリームボックスときわ台TEL 03-6789-1260【イベント】生きづらいけど生きのびたい!「発達ハック」コンテスト(東京)Upload By 発達ナビニュース『私たちは生きづらさを抱えている』著者・姫野桂さん、OMgray事務局代表・オムさん、発達障害バー「The BRATs」代表・光武克さん、発達ナビ編集長・鈴木悠平がゲスト審査員のコンテストイベントです。発達障害の人たちが実践している、日常のお困りごとを楽にするちょっとした工夫・ライフハックをコンテスト形式で紹介します。事前にツイッターで「#発達ハック」のハッシュタグとともにライフハックを募集しています!参加者と一体となった雰囲気のなか、気軽に楽しくためになる時間が過ごせます。【日時】2019年3月31日(日) 開演 13:00(開場 12:00)【場所】LOFT9 Shibuya (東京都渋谷区円山町1-5 KINOHAUS 1F)【参加費】前売: 1,700円 / 当日: 2,200円(税込・要1オーダー500円以上)【内容】発達障害のライフハックを事前に公募し、ゲスト審査員がコンテスト形式で紹介します。また、私の「やっちまった」エピソードや質疑応答の時間などもあります。<ゲスト審査員>姫野桂(ライター/『私たちは生きづらさを抱えている』など著者)オム(OMgray事務局長)光武克(発達障害バー「The BRATs」代表)鈴木悠平(「LITALICO発達ナビ」編集長)生きづらいけど生きのびたい! 「発達ハック」コンテスト | LOFT9 Shibuya*イープラスのページに遷移します【ニュース】介護者と二人三脚、自閉症・知的障害のある人たちの一人暮らしとは。ドキュメンタリー映画『道草』上映中!Upload By 発達ナビニュース自閉症・重度の知的障害のある人たちはどのような生活を送っているのでしょう。少しずつ暮らしの場が広がりつつある昨今ですが、入所施設や病院、親元で過ごす方がほとんどです。そんな中、介護者と二人三脚をしながら一人暮らしをしている方もいます。暮らしのリアルな様子がつまったドキュメンタリー映画です。各地で公開が始まっており、これから上映される地域もあります。お近くの地域の上映日をご確認ください!【公開日】2019年2月23日(土)から全国順次公開【上映地域】北海道・東京・横浜・名古屋・大阪ほか【作品データ】監督・撮影・編集: 宍戸大裕音楽: 末森樹、永原元音響構成・整音: 米山靖宣伝・配給: 映画「道草」上映委員会2018年/95分/16:9/カラー/日本映画『道草』公式サイト
2019年03月15日子育てをする中で、母親と父親の関わり方や考え方は違う?発達障害の子にとって、親の理解と協力は不可欠です。その子の特性を理解し、療育に取り組むことが重要になってくるからです。とは言え、実際、育児をしている母親の方が負担が多いのが現実…。普段仕事をしている父親は、子どもと関わる時間も少なく、つい楽観視してしまうのかもしれません。子どもの特性や、母親の負担を理解するのが難しい、そんな話も聞きます。Upload By SAKURAうちの夫は、そこのところ(妻の私が言うのはなんですが…)完璧です。わが家の場合、どうして発達障害を理解できたのか…療育に協力的になったのか…夫に聞いてみました。Q1.娘の発育遅れがわかった時、どう思った?Upload By SAKURA初めて発育の遅れを指摘された時、夫は驚かなかったそうです。Q2.どうして驚かなかった?Upload By SAKURA昔、接してきた子どもたちとは少し違う行動をしていたので、気になり、行動パターンをネットで調べた夫。障害のある子どもたちと似ている行動だったので、薄々「障害があるのではないか…」と感じていたといいます。それを聞いて、「知らない間に、この人はこの人で悩んでいたんだ…」と、私は気づけなかったことを少し申し訳なく感じました。Q3.妻が動揺して、落ち込んでる姿を見てどう思った?Upload By SAKURA夫が、娘の障害に気づいた時、私に相談せずに黙っていたのは「医者による正式な診断結果が出るまでは、余計な事を言って落ち込ませたくない」という思いからだったのです。娘の障害の可能性に悩みながら、私のことを考えてくれていた夫。素直に嬉しく思いました。Upload By SAKURA次回に続きます。
2019年03月13日発達障害のある長女と5歳年下の長男、どこが違う?広汎性発達障害のある7歳(小2)の娘には、2歳の弟がいます。おしゃべりも上手で、着替えや食事といった自立も早い息子。5歳の歳の差がある二人ですが、息子がすごい勢いで娘に追いつきつつあります。同じことを何度も教える必要がある娘と、気がついたらできるようになっている息子…。Upload By SAKURA何故ここまで違うのか…普段の過ごし方に、何か基本的な違いがあるのではないか…そこから娘に何か活かせることはないか…。そう思い、現在7歳の娘と、2歳の息子の違いを、よく観察してみると、あることに気がつきました。マイワールド全開な娘、一方息子は?普段娘は…Upload By SAKURA目線は、テレビや本、ゲーム機にあり、用事があるときか、呼ばれた時しか私のことを見ません。さらに、何かを教えている時も私の手元を見ていなかったり、違う方を見ているので、「こっちを見ないとわからないよ?」と促さなければいけません。一方息子は…Upload By SAKURAテレビがついている時も絵本を読んでいる時も、私をチラチラ確認していて、私が何かを始めると「なにしてるの?」と聞いてきます。そして私の動きをじーっと見つめるのです。そうやって息子は、吸収しているのです。わからない言葉に出会った時、二人の反応はさらに言葉に関しても二人には大きな違いがありました。Upload By SAKURA娘は、質問しても聞くまでで満足しているのか、私の答えをほとんど聞いていないことがあります。結局、教えた言葉は使うことはなく、その後もまた同じことを聞かれることもよくあります。Upload By SAKURA一方息子は、教えた言葉を必ず繰り返し、その説明を最後まで聞きます。そして教えた言葉を、不確かな状態でも使おうとします。そこで私がまた訂正して教えることで、息子はどんどん言葉を覚えていくのです。コミュニケーションが苦手な娘に、ちょうどいい見本娘は、人とのコミュニケーションや言葉が苦手な特性があります。自分以外の人の動きに目を向けないのも、説明を最後まで集中して聞くことができなかったり、教えた言葉をなかなか覚えられないのも、その特性からくるところなのでしょう。それは十分理解している私ですが、だからと言ってこのままでいいというわけではありません。他の人がなぜ、色んなことを自分よりも覚えるのが早いのか…それを意識させ、学ばせる必要があります。その他の人…として、身近で、ちょうどいい見本になるのが息子です。Upload By SAKURA今はなるべく意識して、息子の行動を見せるようにしています。「あぁ!そうやるんだ!」と思ったり「悔しい!私もできるようになりたい!」という気持ちが生まれたり、少しでも成長する刺激になるかもしれない…と思ったのですが…きっといい影響がある!今はきょうだいの成長が楽しみ今はまだ、弟の行動を見ても悔しいという気持ちにはならない様子の娘。これからどんどん息子の言葉が成長して、もしかしたら娘の言語能力を追い抜く日も来るかもしれません。でも私はその日が怖いとは思っていません。私は、息子の存在はきっと、娘に必ずいい影響を与えてくれると信じています。だから、追い抜かれそうになった娘がその時どう感じるのか、ちょっと期待しているのです。姉として弟の見本になろう!って思ったり、弟の行動からヒントをもらえたりする関係になればいいな~と思っています。今は娘同様、息子の成長も楽しみにしています。
2019年02月27日「なんで同じようにできない?」まわりと比べて自信をなくした子ども時代出典 : 私は物心ついたころからまわりと違う自分が嫌いでした。例えば、真夏の晴天の日。元気に外で遊ぶほかの子に対して、まぶしくてほとんど目も開けていられない私。プールで遊ぶときに、楽しそうなほかの子たちと、水に顔をつけるのが怖い私。当時は、みんな自分と同じ感覚なのだと思っていました。なので、「みんなこんなつらい状態で頑張ってるのにどうして自分は同じようにできないんだろう」と考えてしまい、どんどん自分がダメな人間だと思うようになっていきました。小学生で不登校になってからは自分の将来を悲観してしまい、さらに自分を嫌いになっていきました。そんな私も中学校に入ったころに、プログラマになりたいという気持ちを強く持ちました。「こんなに楽しくて、ずっとやり続けたいことが見つかるなんて!」。将来を悲観していた私にとって、大きな前進です。このとき、少し自分を好きになれました。それからは、もう自分を嫌いにならないよう、プログラミングに関してかなりの勉強をして努力してきました。…一見とても前向きな話のようにも思えるかもしれません。でも、今振り返ってみると、「こんなにダメな自分が唯一、人並み以上にできるのがプログラミング。これを頑張らなかったら自分には価値がなくなってしまう」と思い必死になっていた気がします。そんな気持ちでいたためか、相変わらず、まわりと自分との比較は続き、気分が落ち込んだり、ちょっと褒められると嬉しくなって調子に乗ってしまったりを繰り返していました。社会に出てうつ病に…。同業種への転職で「まわりからの評価」に変化出典 : 社会人になって、ずっとやりたかったプログラミングの仕事に就くことができました。でも、同期の人たちや先輩たちとは馴染めず、せっかく鍛えたプログラミング能力を活かすこともあまりできませんでした。当然、会社からの評価も散々でした。その後、うつ病になってしまったこともあり、失意のうちに退職。それでも、中学生のころから努力してきた思いは捨て切れません。しばらくの療養を経て、「これでダメならプログラマをやめよう」と思い、同業種の会社に転職。するとその会社では、それまでの経験からは想像できないくらい高い評価をしてもらいました!私がやっていることはそれほど変わっていないのに、周囲の反応や関係については本当に劇的な変化があったのです。■例1: 自分が最善だと思うプログラムを組んだとき1社目の場合: 「勝手なことをするな!」とか「ほかのところと同じようにすればいいから」と言われた。転職後の場合 : 「おお!その手があったか!」とか「神!」「先生!」みたいなことを言われた。■例2: 飲み会の場であまり話さなかったとき1社目の場合: 「なんだよあいつ、愛想悪いな」と先輩が言っているのを耳にした。転職後の場合: 特に陰口を言うわけでもなく、たまに話をしてくれるくらいでそっとしてくれた。これらの経験から、同じような対応や行動をとっていても、環境によって人が言ってくることや反応が全然違うんだ!ということに気づきました。「不確かなまわりの評価をずっと気にして自分を嫌いになってしまっていたのか…。なんだかバカバカしいな」と思うようにもなりました。それからは徐々に、自分が人と違うことや、どう思われているのかを気にしないようになりました。いつの間にか自分を好きになっていた出典 : 「人の評価を気にしなくていいや」と思えるようになってから、いろんな面で自分がやりたいように振る舞えるようになってきました。(まわりの人を不快にさせる言動を意図的にするようなことはもちろんありませんが。)例えば、職場の人たちからランチに誘われたとき、気分が乗らなかったら断れるように。また、自分の意見を話すとき、堂々と言い出せるようになりました。これらは単に、社会人になってから経験を積んだことで、私自身の振る舞いが、人に受け入れてもらいやすいものになっていったという側面もあるかとは思います。いろいろな歯車がようやく噛み合ってきただけなのかもしれません。でも、こうして自分が自然に振る舞える時間が増えてきたら、いつの間にか、まわりと違う自分を認めることができるようになり、自信が持てるようになっていました。自信を持てた今の私が、かつての私に伝えたいこと出典 : ありのままの自分が受け入れられていると確認できたり、自然なままの自分を誰かに否定されないことで自分は自分のままでいいんだと感じることができました。これが、自分を好きになり、自信を持てるようになった理由だと考えています。自分のことが嫌いで自信も持てなかったころの私に対して、今の私から何か伝えることができるなら、「自分が嫌いでいろいろともがいているかもしれないけど、自分が自然なままに振る舞っても普通に接してくれる人たちはいるよ。今磨いている技術力を高く評価してくれる環境がみつかるよ」と言葉をかけたいです。
2019年02月24日コラボ商品企画スタート。発達ナビユーザー×フェリシモ座談会開催!Upload By 発達ナビ編集部フェリシモでは障害のあるお子さんと家族に向けた「チアフルスマイル」企画が購入者から好評を得て話題に!今回の第2弾の商品制作を発達ナビユーザーと進めています。2019年夏の商品化を目指すのは、発達凸凹親子のおでかけをラクにする「本当に欲しいサポートグッズ」です。2018年12月に発達ナビユーザー450名以上に協力いただいたアンケート結果を参考に、商品化するアイテム候補を絞り、さらにアンケートで同時募集したモニターの皆さんが参加する座談会を実施しました!このコラムでは、座談会の様子や、企画がすすめられている商品について紹介します。<アンケート調査対象について> 「LITALICO発達ナビ」掲載の上記コラムでリンクしたアンケートフォームにて回答いただいた発達障害の当事者455名の回答を集計しました。(調査期間:2018年12月8日~12月25日) ※設問によっては455名全員が回答していないもの、複数回答可のものがあります。 ※調査結果の構成割合は四捨五入をしているため、合計が100%にならない場合があります。2019年1月17日(木)、神戸三宮にあるフェリシモ本社で、フェリシモ×発達ナビのコラボ商品についてのモニター座談会が開催されました。出席したのは、関西・中部地方在住の発達ナビユーザーで、発達が気になるお子さんを育てる8名です。発達ナビユーザーへのアンケート結果を参考に、たくさんの候補の中から次の5つの商品に絞り込んだ上で、モニターの皆さんにサンプルや図案などを見てもらいました。そして、率直な意見やさまざまなアイデアをいただくことができました。■ヘルプマークホルダー■ネームタグのチクチクを解決するタグカバー■リュックの中のごちゃごちゃを解決するリュックインナー■レジの前でもたつかない財布■締めつけが苦手でもOKなシームレス靴下それぞれのアイテムについて、フェリシモの開発担当からのプレゼンや、モニターの皆さんとの意見交換が行われました。Upload By 発達ナビ編集部発達ナビユーザーへのアンケートでは、31%が持っていると回答した「ヘルプマーク」。ですが、持っていても実際に使っている人は約65%にとどまっています。理由はさまざまですが、使いづらい、なくしてしまう、ヘルプマーク自体の認知度が低いといった理由も目立ちました。Upload By 発達ナビ編集部・かばんにつけはずしする際に、つけにくく、はずしづらかった。症状などを記すシールをどこに貼っていいのか、どちらが裏表なのか分からなかった。周囲の認知度も低かったため自宅保管している。・子どもがすぐになくしてしまいそう。何に困ってるのかを結局は分かってもらえないし、説明が難しい。また、障害があることが分かることで、逆に犯罪に巻き込まれたりするのではないか?という危険を感じているという声も。ヘルプマークには、何かあったときに連絡が取れるよう、個人情報を記載できるシールを貼ることができますが、個人情報が外から見えてしまうことへの危惧もあるようです。Upload By 発達ナビ編集部こうした意見を受けて、ヘルプマーク用のホルダーについてサンプル案を作成し、モニターの方たちの意見を聞きました。可愛いキャラクターデザインのもの、スライド式、かばんへのつけ替えがラクなものなど、複数のサンプルを見ながら、活発な意見が交わされました。・子どもが持っても壊れにくく、防水仕様で、当たってもケガしない形状がいい・障害があることをはっきり見せたい人と、必要なとき・場所などでだけ見せたい人がいるから、それぞれのニーズにこたえられるデザインがいい・個人情報は記載しておきたいけれど、ぱっと見では分からないようなデザインの工夫が欲しい。正面からは見えるけれど横からのぞき込んでも見えないようなカバーをつけたらよいのでは?など、具体的なアイデアが出されました。アンケートでも半数以上の人が「非常に気にする」「気にする」と回答した、洋服のタグについても、話し合われました。Upload By 発達ナビ編集部洋服のネームタグを切り取ったり、上から肌触りのいい布で覆うなどの対策をしているご家庭も多く、「きれいに切り取れない」「縫いつけが大変」という声があげられました。また、隠すための布のデザインがおしゃれだといいという声も。Upload By 発達ナビ編集部座談会では、肌ざわりが確認できるよう生地のサンプルや、縫いつけが不要な生地の見本、デザイン案などの資料をもとにディスカッション。・(縫いつけるのは大変なので)アイロンで貼りつけたい。でも、ごわつく生地はダメ・肌着だけでなくアウターのタグ対策もできるように、ニットやナイロンなどの洋服にも対応できるようにしてほしい・名前が書けるといい・制服用に、可愛い色柄のものだけでなく、白・黒も必須といったアイデアも出されていました!可愛くてやわらかな肌触りで、縫いつけ不要のタグシールカバー…ぜひ実現させたいです。Upload By 発達ナビ編集部「バッグの中身がすぐ取り出せなかったり、入っているものが分からず忘れ物をしたりして、困った状況はありますか?」という問いに、460人中356人、約77%の人が「はい」と回答。トートバックより、お子さんが持つことが多いリュックの対策ができたらという声が多くありました。この「困りごと」を解決できるよう考えられたのが、リュックインナーです。座談会では、・ポケットはすべて色や形を変えてほしい。同じような色や形だとどこに何を入れたのか忘れてしまう。ポケットの中に何を入れるのかが分かるような写真カードが入れられる仕様にしてほしいというように、忘れっぽさをフォローしてくれる形状への希望がたくさんあがりました。・ペットボトルを入れる場所をつくり、防水にしてほしいという声も複数。これは、お子さんがキャップをするのを忘れてしまい、バッグの中が水浸しに…という経験から生まれた意見です。将来の自立に向けても、買い物や金銭管理を自分でできるようになってほしい…そんな保護者の皆さんの気持ちが感じられた、財布についてのご意見。Upload By 発達ナビ編集部アンケートでも「レジ前でもたつくのが改善されたらうれしい」という意見が多くあげられました。特に小銭のやり取りに苦戦することから、座談会ではお財布の形状についてのアイデアだけにとどまらず、・お札で払ってしまい小銭がたまりがち。小銭を入れておく場所が自宅にあるといいと、お財布だけでなく、セットでつかうアイテムの話まで発展。生活動線を幅広くとらえた意見も出ました。また、手先の不器用さがあってもあけやすいがま口の金具の形や、ファスナーの形状についても、具体的にヒアリングすることができました。レジ前でもたつかない財布は、子どもだけでなく、お子さん連れで買い物するときにさっと会計したい保護者にとっても便利なグッズになりそうですね。Upload By 発達ナビ編集部また、アンケートの自由回答などでも多くあげられていた「洋服の締めつけが苦手」という声に応えて開発を考えている、シームレス靴下についても意見交換がされました。座談会では、締めつけが苦手なお子さんのママから支持する声がある一方、「ゆるい靴下で、靴の中でもたつくとそこが気になってしまう場合もある」と、ぴったりフィットするほうがいいという意見も出されました。困っている人のためのアイテムを、社会のスタンダードにしたい「いろいろな局面で困りごとにぶつかったり、生きづらさはあるけれど、何かの助けがあることでまわりの環境がちょっと優しくなれたり、トラブルが減って笑顔を増やすことができると思う」(京都府ゆきゆき様)「使いやすいものをという要望を詰め込んだ機能的なものであっても、ダサい、可愛くないものは望みません。フェリシモならではの+可愛さはすべての商品においてあってほしい。ユニバーサルデザインで障害がある人に寄り添ってつくったものが、他の多くの人にとっても便利なものになり購入してもらえるのは、大企業のなせる業で素敵だなと感じました」(兵庫県くるみちょこ様)これは、座談会に参加してくれた発達ナビユーザーから、座談会後に寄せていただいた言葉です。便利で快適を目指す服飾雑貨を広く手掛けるフェリシモとのコラボだからこそ、さまざまな意見を反映したバリエーション豊かな商品づくりができる。そしてその商品は障害や特性がある人だけでなく、どんな人にとっても「ちょっと便利」「使いやすい、着やすい」アイテムとなって、世の中のスタンダードとして広まっていくといいなと改めて感じることができました。発達ナビユーザーの声を、もっともっと聞かせてください!フェリシモとのコラボ企画の進捗は、今後も随時コラムやSNSで紹介していく予定。4月頃には、サンプルモニターの報告などを発達ナビやフェリシモのFacebookやインスタグラムなどでも随時ご紹介していきます。お楽しみに!また、今回のコラムを読んで「こういう工夫があると嬉しい!」という声があったら、ぜひ「みんなのアンケート」で教えてもらえるとうれしいです。発達ナビユーザーの皆さんと一緒に、発達凸凹による困りごとをサポートでき、毎日を楽しく・ストレスなく過ごすことができる商品を開発していきたいと考えています!取材協力・写真提供/株式会社フェリシモ便利で快適な自社企画商品を中心に、独自の視点でセレクトした国内外の商品やサービスをカタログやウェブなどの独自のメディアで販売しています。ファッションから生活雑貨、手づくりキット、美容関連、食品など幅広い商品を展開しています。ホームページフェリシモCCP(チャレンジ・クリエイティブ・プロジェクト)
2019年02月21日こんなときどうする?がわかる本『最新版アスペルガー・ADHD発達障害シーン別解決ブック』発達障害といっても、その特徴やお困りごとは一人ひとり異なり、成長とともに悩みの内容も変わってきます。発達が気になるお子さんを育てるにあたって、対処に悩むシーンも出てくることもあるでしょう。この本では「アスペルガー症候群」や「ADHD」の特徴の基本的な説明に加えて、幼少期から思春期までの成長の段階に応じて、遭遇しやすい困りごとのシチュエーション別に対策が紹介されています。発達障害があるお子さんや女性を数多く診ている精神科医の司馬理英子先生が手がけたこともあり、専門的な知識だけでなく、毎日の生活の中で実践できそうな、具体的な対処法までが載った一冊です。詳しく特徴が知りたい!実際の子育てに活かしたい!と考える親御さんにもぴったりです。待望の新作!発達凹凸の子どもとのリアルな話『生きづらいと思ったら親子で発達障害でした入学準備編』発達ナビでの連載も人気だった漫画家・モンズースーさんの新作が出版されました!発達に凹凸がある二人の息子との日々を、リアルに描くモンズースーさんのコミックエッセイも、今回で第3作目。お兄ちゃんのそうすけくんの小学校入学を前に、進路選択という大きな壁に立ち向かい、乗り越えていく様子が描かれています。勉強が始まる小学校への入学は、発達が気になる子どもたちの保護者にとって、「どうしたら、この子のために最善の道なんだろう」と悩む時期でもあります。モンズースーさんも同様に、さまざまなことに悩み、ぶつかりながら、子どもの進路を決めていきます。いろいろな条件を考慮しながら、わが子の特性をにあった一校を選び出していきます。そのプレッシャーや悩み、アドバイスや支えてくれる周囲の人たちとのやり取りなど、この本には密度の濃い一年間の様子が詰まっています。また、2人の息子たちの成長を感じる場面も描かれ、できるようになったことへの喜びもまた感じることができます。次のステップへと歩んでいく親子のチャレンジを辿り、前向きな気持ちになれる一冊です。子どもの発達を見える化!『子どもの発達を支えるアセスメントツール』発達が気になるお子さんを育てる親御さんにっとって、その不安の多くは「どのようにしてあげたらよいかがわからない」ことにあるのではないでしょうか。どのように接すればいいのか、どんな支援が必要なのかといった見通しが立たないと、必要以上に不安やとまどいを感じてしまいがちです。逆に、発達の段階とそれぞれの課題が把握できると、今できることに目が向けられるようになるものです。この本には、特別支援教育の専門家の視点が沢山組み込まれ、保護者から先生まで実際の支援で活用できるアセスメントツールが詰め込まれています。15年にもわたる試行錯誤を経て完成したこの本は、困っていること確認シート、発達段階アセスメントシートといった発達凹凸の子どもと向き合う際に必要なツールが掲載されています。こうしたツールを活用することで、お子さんの発達の段階に合わせた、適切なサポートができるよう考えられています。使い方も丁寧に解説され、初めてでも使いやすく工夫されています。
2019年02月20日デジャブ!?療育友達の家で見つけたものUpload By 荒木まち子Upload By 荒木まち子発達障害の娘は二歳の頃から親子教室に通っていました。何度か通ううちに親同志のつながりもでき、お互いの家に遊びに行く事も度々ありました。ある日、娘と同じ年の女の子の家に遊びに行くと、机の上に塗りかけの塗り絵がありました。あまりにもきれいに塗れていたので、どうしてこんなに上手なのかとたずねると…Upload By 荒木まち子あるある談義に花が咲いたのでした。あるある!涙ぐましい努力にも共感Upload By 荒木まち子障害の種類や程度に多少の違いはあれど、未就園児で行くところもなく、同世代の子とうまく遊ぶことができない子どもを育てている。そんな同じ境遇の親同士だったからか、辛いことも笑い話にできました。問題解決に至らなくてもいい。話すだけで楽になれた「うちの子、赤ちゃんを見ると触りたがるから、相手の親御さんにビックリされちゃうの」「男の人が苦手で、男の先生がいると療育にならないんだ」「ルールを守らない子が気になりすぎて、自分もルールが守れなくなる」「暗くなっても公園から帰ろうとしない」これといった解決方法が見つからなくても、お互い口にするだけでよかったのです。おすすめの公園の話、○○式学習法を試した感想、親向けのセミナーで得た情報など、話は尽きることがありませんでした。話をしている最中に子どもが急に大声を上げたり騒ぎだしたりしても、お互い察することができるので「あぁ、何か気にいらないことがあったのね」「これかな?」「あぁ、はいはい、これね」と気兼ねなく対応できます。当たり前じゃないことが当たり前。困ってるけど、どうしようもない。それでも少しでも辛さを減らすための工夫を考える。あの頃の私達にとって、そんな時間を共有することは無くてはならないものでした。後ろめたさを共有すると、心が軽くなったUpload By 荒木まち子幼稚園の慣らし保育プログラムでは朝、連絡帳に朝食の内容を記入して提出するのですが、毎回しっかりと朝食をとることが難しかった娘。「果物だけじゃ恰好がつかないよなあ」と思い、”牛乳”や”パン”など、朝食のメニューを盛って書くことがちょくちょくありました。他のお母さん達の「うちも盛ってる!」「リンゴジュースだけだった時、”朝食:果物(りんご)”って書いたことがあるよ(笑)」「朝起きて、ここに来れてるだけでも凄いことだよ!」などホッとする(?)言葉に、後ろめたさがぐっと減ったことを覚えています。必死だった時間を共有した戦友とのつながり未就園、未就学の頃は将来の不安など感じる余裕もなく、ただ毎日を必死に過ごしていました。娘が小学生になった時、主人の転勤で引越しをしたわが家。住んでいるところは離れてしまったけれど、今でも彼女とは、手紙や年賀状で、お互いの子どもの様子を伝えあっています。それぞれ、さまざまな危機も乗り越え、なんとか無事に(?)過ごした19年。あっという間だったような気もしますが、いろんなことがありすぎて覚えていないというのが正直なところかもしれません。そんな子ども達も来年は成人式を迎えます。常に「いい親」でいるのは、とても大変です。しんどくなったら愚痴や弱音を吐いてガス抜きをすることも大切です。そしてたくさん話をして最後に少しでも笑えたら、私達はまた前に進むことができるのだと思います。子どもの人生はこれからの方がずっと長いはず。苦労と笑いを分かち合った「戦友」とのつながりはこれからもずっと続くことでしょう。
2019年02月05日【ニュース】2019年10月から、就学前の障害児の発達支援を無償化へ!出典 : 年10月から就学前の障害児の発達支援が無償化されます。就学前の障害児の発達支援を含む、幼児教育の無償化については、2017年から検討を進められてきました。2018年12月には関係閣僚会合で制度の具体化に向けて「幼児教育・高等教育無償化の制度の具体化に向けた方針」がまとめられました。対象は、満3歳になった後の最初の4月から小学校入学までの3年間。具体的には、・児童発達支援事業所・医療型児童発達支援事業所・居宅訪問型児童発達支援事業所・保育所等訪問支援事業所・福祉型障害児入所施設・医療型障害児入所施設の利用料が無償化されます。また、幼稚園や保育所、認定こども園をこれらの発達支援と一緒に利用する場合は、ともに無償化の対象となります。認可外保育施設等の場合は上限額があります。就学前の障害児の発達支援には、現行の障害児福祉サービスの制度と同じく、一般財源があてられます。自治体によっては、すでに独自の制度として一部で無償化しているところもありますが、全国的な動きとして、地域間の差がなくなっていくことで、どこで暮らしていても子育てしやすい環境が整えられていくといいですね。幼児教育・高等教育無償化の制度の具体化に向けた方針 | 文部科学省【ニュース】厚労省が「ゲーム依存」の実態調査を実施中!結果から予防や対策を検討出典 : 年1月17日から「ネット・ゲーム使用と生活習慣」についてのアンケートが実施されています!この調査は、2018年6月に世界保健機構(WHO)が、ゲームのやり過ぎで日常生活に支障をきたす依存症を「ゲーム症・障害」という疾患として認め、2019年5月の総会で正式承認する見通しとなったことを受けて計画されました。WHOは、■ゲームをする衝動を止められず、コントロールできない■ゲームを最優先する■日常生活に支障が出てもゲームを続けるといった症状が、12か月以上に渡って続くことを「ゲーム症・障害」という疾患とみなすとしています。2019年度にはネット使用、ネット依存、ゲーム依存等に関するさらに大規模な調査が行われる予定で、今回はその予備的調査の位置づけとされています。今回の実態調査は、厚生労働省依存症対策全国センター調査研究事業の一環で、久里浜医療センターが実施。無作為に選ばれた全国の6,000人が対象です。事前に依頼ハガキが送付され、調査員が直接訪問して行われます。対象となった人は、調査票に記入後、調査員に手渡すか、郵送、またはオンラインで回答することもできます。調査結果は、厚生労働省の政策企画・立案の基礎資料として活用され、予防や治療対策に役立てられます。【期間】2019年1月17日(木)〜2月中旬ごろ【対象】全国の10〜29歳の6,000人「ネット・ゲーム使用と生活習慣についてのアンケート調査」を実施いたします | 久里浜医療センター【ニュース】専門家に相談できる!オンラインの「育児発達相談窓口」を 経済産業省が福利厚生制度として導入Upload By 発達ナビニュース2019年1月から、株式会社WOODYが提供するオンライン育児サービス「育児発達相談窓口」を経済産業省が従業員向けの福利厚生制度として導入しました。「育児と仕事の両立の難しさ」を抱える従業員をサポートし、退職減に取り組むもので、WOODYでは、福利厚生制度として、年内に30社での導入を目指していくとしています。このサービスでは、従業員が周囲に相談しづらい育児の悩みをオンラインで気軽に相談できる機会を提供。臨床発達心理士、作業療法士、言語聴覚士、療育士、子ども向けワークショッププロデューサーといった専門家のカウンセリングを受けられます。WOODYは、発達障害のある子どもが興味を持っている分野の学生や専門家などをマッチングさせ、対面やオンラインでカウンセリングなどを行い、一人ひとりの可能性を伸ばすWEBサービス「Branch」を運営。これまでの経験をいかして、育児や子どもの発達に悩む従業員を対象に、この「育児発達相談窓口」を開設しました。株式会社WOODYの中里祐次代表取締役のコメント「育児に関してすべて相談できる場所というのは中々なく、一人で悩んでいる方が多いです。このサービスを始めたきっかけは、私個人宛に様々な方から育児や発達に関する相談をもらっていたからです。家庭の中の内容なため勤めている場所には相談しづらく、何も伝えないまま転職してしまったり辞めてしまったりということがこれまで多かったです。そういった一人ひとりの悩みをお聞きして、従業員の方を大切にしたい法人様の課題解決の一助となれば幸いです。」【お問い合わせ】Email: contact@thewoody.jp サービスサイト【イベント】自閉スペクトラム症の知覚をVRで体験できるワークショップが開催出典 : 年3月2日(土)と3月3日(日)に、自閉スペクトラム症(ASD)知覚体験ワークショップが開催されます。ワークショップでは、自閉スペクトラム症(ASD)当事者の知覚を、VR装置を用いて疑似体験できます。また、ASD当事者における知覚過敏・鈍麻のメカニズムについての講義や当事者の体験等に関する映像紹介、座談会を通じて、当事者への理解を深めていくプログラムが組まれています。【日時】3月2日(土)13:00~17:30(12時40分受付開始)3月3日(日)12:00~16:30(11時40分受付開始)※いずれの日程も同一内容です。※いずれか1日のみご参加いただけます。※過去に同一内容のワークショップにご参加いただいた方は、お申込みいただけません。ご了承ください。【場所】大阪府立男女共同参画・青少年センター(ドーンセンター)5F大会議室2京阪「天満橋」駅、Osaka Metro(旧大阪市営地下鉄)谷町線「天満橋」駅 ①番出入口から東へ約350mJR東西線「大阪城北詰」駅下車。②号出口より土佐堀通り沿いに西へ約550m大阪シティバス「京阪東口」からすぐ()【内容】1.講義「自閉スペクトラム症の視覚世界を体験~なぜ対人コミュニケーションが難しいのかを考える~」(情報通信研究機構長井志江 主任研究員)2.ASD視覚シミュレータの体験3.ASD当事者の体験および海外の支援設計事例についての映像紹介4.座談会:学びや気付きの共有、議論【対象】ASD当事者のご家族や支援者、障害者雇用を担当されている方など【参加費】無料【定員】両日ともに60名(抽選)【応募締切】2019年2月11日(月)※当選者の方にのみ、応募期間終了後1週間以内(2月18日(月)まで)にご連絡いたします。【主催】JST CREST「認知ミラーリング」情報通信研究機構脳情報通信融合研究センター東京大学先端科学技術研究センター当事者研究分野株式会社LITALICO【応募方法】下記のフォームよりお申し込みください。参考:CREST特設ページ【イベント】「世界ダウン症の日」「ダウン症啓発月間」直前!キックオフイベントへ参加しよう!(東京都)Upload By 発達ナビニュース3月21日は国連の定めた「世界ダウン症の日」、また3月は日本ダウン症協会(JDS)が定めた「ダウン症啓発月間」です!日本中でさまざまな啓発イベントが開かれるのに先立って、キックオフイベントが開かれます!ステージパフォーマンスやトークセッション、チャリティTシャツのお披露目ファッションショー、さらに関係団体による体験ブースなどなどさまざまなプログラムが予定されています。総合司会は、朝のテレビ番組でおなじみの笠井信輔アナウンサーと、ダウン症のイケメンタレントあべけん太さんが務めます。生き生きと活動するダウン症の人たちに触れながら3月の本番に向けて理解を広げるために、会場へ足を運んでみませんか?【日時】2019年2月11日(月)13:00〜16:00【場所】東京都新宿区立四谷区民ホール(東京都新宿区内藤町87)【対象】どなたでも参加可能【参加費】 1,500円 ※未就学児で大人の膝の上に乗せられるお子さんは無料【内容】・ステージ「TEAM RAMI DREAM TEAM( ゴールデンホークス)」によるチアダンスパフォーマンス玉井邦夫JDS代表理事がダウン症のある人とトークセッションパリコレモデル髙木真理子先生(スマイルウォーキング倶楽部代表)ディレクションのチャリティTシャツお披露目ファッションショー世界ダウン症の日、ダウン症啓発ポスター発表JDSからのアピール文採択・ブースNPO法人アクセプションズハンドスタンプアートプロジェクトによるハンドスタンプ体験東京都自閉症協会による自閉症啓発ブース新宿区手をつなぐ親の会知的障害疑似体験キャラバン「Winds」JDSによる書籍販売、子育て手帳「+Happyしあわせのたね」配布世界ダウン症の日 | 公益財団法人日本ダウン症協会【イベント】障害のある人たちが生み出す作品の"記録"と"伝えること"をゲストと語る座談会「かすかなしるしに耳をすます 」(東京都)Upload By 発達ナビニュースみずのき美術館(京都)、鞆の津ミュージアム(広島)、はじまりの美術館(福島)の合同プロジェクトによる障害のある人の創作物を記録し伝えることについて考える座談会です!各美術館は、障害者支援施設が運営母体となっています。このプロジェクトでは昨年度から、施設利用者の方をはじめ、各地域で生活されている障害のある方や人知れず表現活動を続ける方によって生み出された作品・創作物の調査を三館合同で行ってきました。そして作品をデジタル・アーカイブとして記録・保存・公開しています。これまで三者三様の「アーカイブ」を探りながら合同でプロジェクトを進めてきましたが、よりオープンな議論ができる場として、今回の座談会を開催。ゲストは医学書院で「ケアをひらく」シリーズを編集する白石正明さん。あらゆる領域で「ケア」に向き合ってきた人たちの技法や知を書籍として編み上げ注目されている編集者です。また、プロジェクト設計者である須之内元洋さんがモデレーターを務め、「生きること」の多様さや複雑さを記録し伝えていくための方法や可能性について語ります。【日時】2019年2月16日(土) 14:00〜16:30【場所】日本財団ビル8階(東京都港区赤坂1-2-2)【内容】ゲストスピーカー: 白石正明(医学書院『ケアをひらく』シリーズ 編集者)スピーカー: 奥山理子(みずのき美術館)、津口在五(鞆の津ミュージアム)、 大政愛(はじまりの美術館)モデレーター: 須之内元洋(プロジェクト設計者)【参加費】無料【定員】100 名※要申し込み。定員になり次第締め切り※文字支援のアクセシビリティサービスあり各美術館のアーカイブスは次の通りです。※みずのき美術館は美術館内で「みずのきアーカイブ」として公開福六アーカイブズ | 鞆の津ミュージアムはじまりアーカイブスunico file | はじまりの美術館*みずのき美術館のページに遷移します【ニュース】専門家の講演内容も見られる「サイエンスアゴラ2018公開シンポジウム」開催報告ページを開設!Upload By 発達ナビニュース2018年11月に東京都で開かれた、サイエンスアゴラ2018 公開シンポジウム「地域での発達障害支援を考えよう〜うちの子、少し違うかも...Final」。当日の様子を報告するウェブページが開設されました!当日、会場に行けなかった人も、いつでも専門家の講演やパネルディスカッションの内容を見ることができます!開催報告ページでは、発達障害支援について医療・療育・教育などの様々な視点で、研究者や現場支援者から、エビデンスに基づいた地域支援の実践例が紹介されました。当日の内容を見ながら、さまざまな分野の専門的支援と地域住民の生活支援が、『地域』の中で提供されるための方法について一緒に考えてみませんか。【内容】・講演資料(PDF及び動画)・パネルディスカッション映像及び主な議論・イラストを利用したまとめ(グラフィックレコーディング)・関連情報など*社会技術研究開発センターのページに遷移します【イベント】不登校ライブフェスが開催出典 : 年2月15日(金)、4月の新学期に向けて、「不登校」をキーワードにしたフェスが開催されます。新しい環境で新しい自分に出会うきっかけを、音楽を通して感じてほしいと企画されたイベント。「不登校だったことが、よかった」と思える居場所を見つけた、国立音楽院の生徒たちによる渾身のステージも。生きづらい系シンガーソングライター・風見 穏香さんや、子どものSOSシンガーソングライター・悠々ホルンさんのステージも予定されています。【日時】2019年2月15日(金)15:00開場、 15:30開始【会場】KMAパラダイスホール(〒154-0001東京都世田谷区池尻3-28-8 国立音楽院B1F)【参加費】500円【内容】15:00 開場15:30 弾き語りライブ生きづらい系シンガーソングライター・風見 穏香さん16:05 トーク + ライブ国立音楽院 中等部在校生の本人&お母様16:45 トーク + バンドライブ 不登校経験者としての悠々ホルンさん17:40 参加者全員にプレゼント抽選会 + テーマ曲を合唱【主催】国立音楽院
2019年02月01日発達障害育児はちょっぴり孤独…?発達障害がある娘を育てていて、だいぶ精神的に強くなって気がしている私ですが…周りの子と比べなくなっても、娘の個性を受け入れていても、どうしても若干の「孤独感」はあります。通常学級に通う子どもを育てるお母さんの悩みと、私の悩みは内容がやっぱり違うから…。Upload By SAKURA娘の学校で、保護者の方と立ち話をしていても、相槌を打ちながらも「そうか…小学二年生の子の親は、そういう悩みを持つんだ…」と思い、わが子のできることとのレベルの違いを感じることもあります。悲観的ではありませんが、相手に気をつかって、本当の悩みは言えなかったりします。発達ナビのタイムラインに投稿してみた娘は宿題の時、パニック状態になることが多くあります。連日続くパニックに疲れた私は、自分の頭を冷静にするために、その状況を一コマ絵に描き、なんとなくLITALICO発達ナビのタイムラインに投稿しました。Upload By SAKURA反応がほしかったわけではなく、自分の中で自己完結させる気持ちでした。しかし、投稿後、予想外にいいねの数は増えていき、同じような状況の人から、たくさんコメントを頂きました。タイムラインを見ていると「あ、うちだけじゃないんだ…みんなそうなんだ…」と思うと、気持ちが軽くなっていきました。そして…Upload By SAKURAというコメントを見た時…「私が投稿していることで、他の誰かも…気持ちが軽くなることがあるんだ。」と心が温かくなりました。同じ悩みを持つユーザー同士だから繋がれるタイムラインを見ていて思うのは、同じように悩む人がいる…でもみんな子どもを愛してて…我が子の「小さなできた」を一つひとつ喜んでいるということ。Upload By SAKURA学校の保護者の方とは違う、繋がり…会ったことはないけれど、心の中での繋がりのようなものを感じました。発達障害のある子の「あるある話」を遠慮なく話せるのは、そういう所から来るのかなと思います。私がコラムを書く理由は…LITALICO発達ナビのコラムを書く時、私は「発達障害を理解してほしい」というよりも、「同じように悩む人の参考になったり、気持ちが楽になったりしたら嬉しい」という気持ちで書いています。それは、私が昔、娘のことで悩んだ時に「同じような人はいないの!?」「医療・支援者側の意見じゃなくて、その状況真っただ中の人の話を聞きたい!」という気持ちになった経験があったからです。道しるべになるような、前を見ている人の存在を知りたかったのです。Upload By SAKURA私自身もこの場所(発達ナビ)で、皆さんのコメントを見て、勇気をもらえ、救われています。娘の特性ならではのこだわりや、壁に激突するたびに、書いて…冷静になって…客観的に見ることができています。皆さんにとっても、ここが癒しの場所…悩みをさらけ出せる場所になるように、微力ながら私もお手伝いさせていただければと思います。Upload By SAKURA
2019年01月30日「訪れるどんな子どもにも、楽しんでもらえるように」。仕事体験テーマパーク・カンドゥーでのスタッフ研修Upload By 発達ナビ編集部仕事体験テーマパーク「カンドゥー」は、3歳から15歳のお子さんが、モデルや警察官、パイロットをはじめ、約30種類の仕事を体験できる施設。日々、たくさんのお子さんが遊びに来ますが、その中には障害や病気のある子もいます。また特別支援学校や特別支援学級の校外学習の場として利用されることもあります。こうした中、「訪れる子どもたちに楽しんでもらいたい」と考えながらも、障害特性ゆえの困りごとに対して、どんな関わり・サポートをすればよいのかわからずに悩むスタッフも少なくありませんでした。そこで、発達障害をより深く理解し、多様な子どもたちが安心・安全に楽しめるような関わり方を身につけられるよう、スタッフ向けの研修を実施しました。研修には、現場で実際にお子さんたちと接するスタッフを中心に約50名が参加。講義だけでなく、グループワークやロールプレイを通して、「こんなとき、どんな風に関わったらいいのか」を体感していきました。2018年7月に研修が行われてから約半年後となる12月下旬、編集部は再びカンドゥーを訪れ、カンドゥーの安武覚さん(イオンモールキッズドリーム合同会社職務執行者副社長)と研修を受けたスタッフを取材しました。Upload By 発達ナビ編集部「私自身にとって、発達障害はとても身近に存在しています。1年数か月前にカンドゥーに着任したとき、“どんな子どもたちも無理なく楽しめる場にしたい”と強く思い、研修を企画しました」と語る、安武さん。カンドゥーでは、複数の子どもたちがグループとなり、一緒にお仕事を体験します。ですが、発達障害がある子にとって一斉指示を聞いて行動することの難しさや、パニックになってしまった場合に、「もっとソフト面で対応できることがあるのではないか」と考えたのがきっかけでした。Upload By 発達ナビ編集部では、実際に研修を行って、スタッフはどんなふうに受け止め、意識やサービスはどのように変わったのでしょうか?そこで、研修に参加したスタッフに話を伺いました。「研修を受ける前までは、“ハンディ”があるお子さんにどう対応したらいいのか戸惑うこともありました。でも研修で、“ハンディではなく特性”があるんだ、と考えられるようになりました」という添野さん。「暗いところが苦手、初めての場所が苦手など、お子さんによって感じ方や苦手なことは違います。研修をきっかけに、お子さん一人ひとりの状況を見て『なにか苦手なことがありますか?』など、お子さんや保護者の方に確認することが増えました。以前は、マニュアルにないことをやってもいいのかな?と迷う場合もありましたが、そういう迷いがなくなりました。たとえば、ファッションショーのお仕事ではお子さんに衣装を選んでもらいますが、お話するのが得意ではないお子さんの場合、着たい衣装を口では伝えるのが難しかったので、指差しで選択しやすいような環境をつくり、希望を伝えてもらうなどしました」大家さんも、研修を受けて、自信をもって対応ができるようになったと言います。「私は、ラジオ局のスタッフをすることも多いのですが、ラジオ番組の台本は文章量も多く、言葉遣いも丁寧です。文字を読んだり、音読するのが難しいお子さんの場合は、無理に台本通りに読んでもらわず、簡単なセリフにアレンジしたり、(スタッフが台本の)文字を指さしながら、ゆっくり読んでもらったりします。一言でもセリフが言えると、ラジオ番組の様子を録音したCDに声が残るので、記念にもなりますから」また、お話が苦手なお子さんへ、スタッフがどのように声かけするかによって、一緒に参加しているほかのお子さんの受け止め方も変わるとも感じているそう。「みんなが大らかに楽しめるよう、引っ張っていけるスタッフでありたいと思います」安武さんはこのようなスタッフの様子に、驚いたそう。「スタッフは、決められたタイムスケジュールの中で進行し、各企業の理念や魅力も伝えるというミッションがあります。その中で、一人ひとりに寄り添おうと自発的に考えられる柔軟性を持っていることに改めて気づかされました。研修を受ける前から持っていた寄り添う姿勢を、 “自発的に動いていいんだ”“お子さんそれぞれのちがいに寄り添っていいんだ”と、研修を受けたことで背中を押すことができたのではないかと感じました」ただ、スタッフ全員が研修を受けられたわけではないし、個人差もあるという安武さん。研修の内容を他のスタッフにシェアしたり、こんなときはどうすればいいの?とスタッフの間で聞く機会が増えたりという変化が生まれ、少しずつ変わってきているという実感があるそうです。2019年度も、研修などの機会をつくり、ソフト面での配慮をより充実させていきたいと、語ってくださいました。一人ひとり違う個性を、認め合える企業へ。ミュゼプラチナムの社員研修Upload By 発達ナビ編集部2018年度、ミュゼプラチナムにおいて、社員向け研修を複数回実施しました。研修の対象は、ブロック長やマネージャー、店長など、現場をまとめるリーダー的な社員。研修では、発達障害についての知識を深めるだけでなく、障害の有無に関わらず、相手の立場に立って考えることの大切さを感じられるワークなども行いました。そして、さまざまなお客さまへの関わりかたや、スタッフ同士のコミュニケーション、チームワークについて考え、学ぶ機会として研修を活用いただきました。Upload By 発達ナビ編集部ミュゼプラチナムは全国で177店舗の美容脱毛専門サロンを展開、社員数は4,200人以上。障害者雇用にも積極的で、さまざまな障害がある90人以上のスタッフが全国の店舗で働いています。研修を企画した柳沼さんは、「障害の有無に関わらず、人は一人ひとり違うのだということを意識し、『なんでできないの?』と相手に矢印を向けるのではなく、『相手に伝わるためには自分はどういう風に話したり伝えたりすればいいのか』と自分に矢印を向けてほしいと考え、研修を導入した」と言います。Upload By 発達ナビ編集部渋谷店の店長をつとめていたときに研修を受けたという杉村さん(現在は本社勤務)は、「お客さまへのお話の仕方、接し方などを指導するときに、こうしなさいと一方的に伝えるのではなく、『自分がお客さまだったらどう思う?』とスタッフ自身に考えてもらえるようにしました。信頼関係が築けるようになると、私の伝えたいことを理解してもらえるようになり、スタッフが結果を出せるようになってきました。もともとスタッフ自身に吸収力があったので、自信がついてどんどん伸びていけたのだと思います。それを見て、店舗の他のスタッフも『すごいね、どう伝えたの?』と関心を持ってくれたり、意識してくれるようになりました。その相乗効果で、店舗のチームワークがぐっとアップしたと感じました」。チームワークが上がった店舗では、スタッフ同士でも相手をねぎらう言葉が飛び交うようになったのだそう。スタッフはインカムをつけて業務を行っていますが、インカム越しに頻繁に「ありがとう」を言うようになり、店舗のよい雰囲気はお客さまにも自然と伝わっていったそうで、お褒めの言葉をいただくことも増えました。お客さまやスタッフに対しても、「一方的に自分の思いや考えを押しつけるのではなく、相手の立場に立って考える」。これは、ミュゼプラチナムが創業当時から大切にしてきたことです。社員数も増えていく中、その信念に改めて立ち戻ろうと導入した研修は、その狙い通りに参加した社員一人ひとりの中に浸透したようです。どんな人も、「ちがい」を認め合い、相手の立場を考えて行動できるようになったら、社会の中にある障害は、きっとなくなっていく――こうした取り組みがあちこちで行われるようになったら、どんな人も、より暮らしやすい社会につながっていくのではないかと感じられました。Upload By 発達ナビ編集部ミュゼプラチナムは、多くの女性に支えられている企業だからこそ、もっと女性が活躍できる社会にするための活動を行っています。ピンクリボン活動や、女性特有疾病の理解・予防を促すセミナーの開催などを、ミュゼハッピープロジェクト(MUSEE Happy Project)」として実施しています。その一環として行っている「乳がん啓発」では、各地で啓発イベントを行うほか、全国の店舗で乳がん検診体験を実施しています(毎月1回、店舗を巡回して実施)。通いなれた店舗で超音波検診を体験することで検診へのハードルも下がり、早期発見にもつながります。また、子宮頸がん啓発のための冊子も作成し、無料配布しているそうです。2019年よりテスト的にスタートする洋服のリサイクルは、店舗にリサイクルボックスを設置。実施店舗を順次増やしていく予定だそう。障害者雇用においても、働きやすい職場環境づくりなどこれまでの取り組みが評価され、東京都産業労働局が主催する「平成30年度障害者雇用エクセレントカンパニー賞」を受賞したそうです。社会に必要なこと・大切なことを積極的に取り組んでいこうという会社の姿勢があるからこそ、社員研修でのスタッフへの浸透も早く、チームワーク向上にも役立ったのではないかと、改めて感じました。参考:ミュゼプラチナムのCSR | ミュゼプラチナム2019年、障害のない社会を目指しての取り組みを、もっと進化させていきますLITALICOは、「障害は社会にある」と考え、どんな人も暮らしやすい社会となるよう、さまざまな企業の皆さまとともに取り組みを行っています。これからも研修や商品・サービス開発、イベント実施など、より幅広い企業の皆さまとのさまざまな取り組みを通して、一人ひとりのちがいを認め合い、支え合える「障害のない社会」を実現していきたいと考えています。2019年3月26日(火)には、「子育てフェスタ」も開催。専門家による講演やワークショップのほか、発達が気になるお子さんの生活に役立つ商品やサービスに取り組む企業の皆さまのブースなども予定しています。仕事体験テーマパーク「カンドゥー」の体験プログラムも「子育てフェスタ」に出張予定です!発達の気になるお子さんたちにも分かりやすく参加しやすい体験プログラムを特別にご用意いただくことになりました。ぜひご来場ください!撮影/近藤 誠、鈴木江美子
2019年01月28日広がる発達障害への認知、より求められる個別のサポート出典 : テレビや新聞などで取り上げられる機会もグッと増え、世の中全体の、「発達障害」に対する認知はずいぶんと高まったように思います。社会全体の認知が広がる一方、発達が気になるお子さんのいるご家庭からは、自分たちの具体的な悩みや困りごとに対して、「じゃあどうすれば良いのか?」というお声も数多くいただきます。ここ数年で開設数も激増した放課後等デイサービスや児童発達支援。「支援の質や、自分の子どもに合う合わないはどうやって見極めれば良いの?」学校や地域でともに過ごす人たちとのコミュニケーション。「自分の子どものことを、どのように説明すれば良いの?」学年が上がるにつれて考えざるを得ない、子どもの将来のこと。「進学や就職の選択肢は?子どもの自立に向けた見通しがほしい」みんなでつくる発達障害ポータルサイトとして2016年1月26日にスタートしたLITALICO発達ナビ。3年目となったこの1年間は、そういった保護者の方々の個別具体的なニーズに応え、発達が気になるお子さんやご家族の育ちを支えるための社会全体の環境を整える挑戦でした。子どもの育ちを支える、全国の発達支援施設のネットワークをつくる全国約18,000の児童発達支援・放課後等デイサービスの情報を検索・問い合わせできる「施設情報」コーナーでは、1600以上の施設がLITALICO発達ナビのパートナー施設として、支援のコンセプトやプログラムの内容について、詳しい情報を発信してくださっています。Upload By 鈴木悠平(発達ナビ編集長)新たにスタートした「施設ブログ」コーナーでは、それぞれの施設の「日常」の様子を、より詳しく覗いていただくことができるようになりました。また、編集部による「施設インタビュー」特集では、素晴らしい支援を行っている全国のさまざまな施設を取材しました。放課後等デイサービスと就労移行支援を併設することで、ワンストップで子どもの自立をサポートしている施設。地域や学校との連携に力を入れ、地域に関わる人みんなで子どもを見守り支えるネットワークをつくっている施設。それぞれにさまざな特色やこだわりがあり、同じ児童発達支援や放課後等デイサービスという制度の中でも、さまざまな可能性があるのだということを教えていただきました。※全てのインタビュー記事はこちらのコーナーからご覧になれます。施設インタビュー保護者の方々の施設探しのサポートだけでなく、支援施設を運営する方々や、施設で働く方々を支えるサービスもスタートしました。日々忙しく働いているなか、なかなか人材採用や教材開発に時間をつくることができない…もっと良い人材を集めて、プログラムを充実させて子どもたちにより良い支援を提供したいのに、今の状況ではなかなか難しい…施設を運営する方々からはそんなお声もお聞きしてきました。支援の現場の困りごとに対し、LITALICO発達ナビがサポートすることで、より良い人材が集まり、働く人たちが成長し続けられる環境を一緒につくっていきたい。そんな思いから、施設運営者やスタッフの方々向けに、求人検索サービスと研修・教材サービスも提供しています。・支援施設を運営する方々と、児童福祉現場で働きたいと思っている求職者との出会いをつくる「求人検索サービス」・施設で働くスタッフが日常のプログラムで使用できる教材や、支援に必要な視点やノウハウを得る「研修・教材サービス」プレスリリース: 「LITALICO発達ナビ」の福祉施設向け業務支援サービスに新機能 業界全体の支援力向上へ、「研修・教材サービス」を提供開始全国各地の児童発達支援・放課後等デイサービスへのサポートを通しても、子どもたちの育ちに貢献していきたいと思っています。「子どものために何かをしたい」保護者の声を社会に届けていくために「子どものために、今、自分に何ができるか知りたいんです」発達ナビを利用される保護者の方々からは、子どものために何か自分でアクションを起こしたいというお声も多くいただきました。「ペアレントメンター」として、自分と同じように子育てに悩む保護者の方々をサポートする活動を始められた方、自分の子どもだけでなく、後に続く親子のためにと、学校の先生との対話に臨まれた方、連載ライターさんのコラムの中でもさまざまなエピソードを寄せていただきました。きっと全国にいる発達ナビ会員の皆さんの中にも、それぞれの地域で、学校で、「自分にできることを」とアクションを起こされている方も多くおられるのだと思います。そうした保護者の方々の声や経験を、社会全体へと繋げていくべく、発達ナビではさまざまな企業の方々とのコラボも実施しています。昨年は、発達が気になる子どもと家族のために、企業に何ができるのかを考えるワークショップを定期開催。参加者の中には、自身も発達ナビ会員であり、子どもに発達障害がある、と話される方も少なくありませんでした。お子さんや保護者の声を生かし、発達が気になる子どもをサポートする新しい商品やサービスを開発したり、イベントやツアーを企画したり、さまざまな取り組みが生まれてきています。学習やコミュニケーション、食事や健康、お出かけや旅行など、生活場面全体を見据えて、サポートを広げていければと思います。一人ひとり違う子どもの発達。それぞれのご家庭にピッタリのサービスを目指してUpload By 鈴木悠平(発達ナビ編集長)4年目を迎えるLITALICO発達ナビ。目指すのは、一人ひとりの会員さんにとって、「わたし」にピッタリだと思えるサービス。お子さんの発達の仕方にも一人ひとりの個性があり、それぞれのご家庭、地域環境もさまざまだからこそ、どんな境遇・どんなお悩みに方が発達ナビを訪れても、「今、できること」が見つかるように。また、長く使えば使うほど、そのご家族の歩みが蓄積され、振り返ることができるように。次の一年でも、新たなサービス開発や機能の改善に取り組んでいきたいと思います。近日、発達ナビ会員の方々に向けた、年に一度のユーザーアンケート・ユーザーインタビューも実施予定です。ぜひこの機会にみなさんのお声をお寄せください。3月26日には、春休みのイベント企画「LITALICO発達ナビ子育てフェスタ2019」も開催決定。ぜひお越しくださいね。4年目のLITALICO発達ナビも、どうぞよろしくお願いいたします。
2019年01月25日デイサービスって知ってる?利用し始めたきっかけ「うち、デイサービスを利用してるよ」。そう教えてくれたのは、長男が6歳まで通っていた療育施設のママ友でした。Upload By シュウママ自閉症の長男と過ごす日々は楽しいこともありますが正直辛いことも多いです。イライラして物を投げたりする長男と接するとき、親である私も冷静ではいられません。そんなこともあり、小学校入学を控えた3月ごろに私はママ友が紹介してくれたデイサービスに藁をもすがる思いで向かったのです。週3回の利用。それは大きな変化でした対応してくださった先生はとても優しく、てきぱきと話を進めてくださり、4月から早速入所することが決まりました。Upload By シュウママちょうど小学校に通い始めるタイミングです。平日週2回の利用から始まり、少しずつ週3回の利用を増やしながら、定着していけるように移行していきました。デイサービスの連絡帳を見ると、子どもたちはみんなでダンスをしたり、竹馬をしたり、晴れた日は公園に行ったりととても充実した時間を過ごしているようでした。そのころ、単語が少しずつ増えていた長男は「〇〇ちゃん」と一緒に遊んだお友達の名前を教えてくれ、とても楽しそうにしていました。また、息子がデイサービスを利用する日は、午後6時に帰宅するので、私自身も時間に余裕が生まれて、ゆっくりと夕食の支度をすることができるようになりました。Upload By シュウママ心のゆとりもできて、まさにデイサービスの存在は「救世主」。本当にありがたかったです。デイサービスの先生がかけてくれた言葉次第に私は、できれば週5回、利用をお願いできないかと思うようになっていきました。けれど、やはりどこかで長男に対して申し訳ない気持ちもありました。「ちょっとラクしすぎではないだろうか…」「親としてもっと子どもと過ごす時間を持つべきではないだろうか…」。けれどそんなとき、デイサービスの先生から声をかけていただいたのです。「シュウくん、もしよかったら週5回、ときどきは土曜日もデイを利用しませんか?」私が驚いた顔をしていたからでしょう。先生は続けてUpload By シュウママ「お友達とも関わりが持てるようになって集団遊びも身についてきています。学校からデイという1日の過ごし方の流れを組み込んであげた方が、シュウくんにはプラスだと思うんです」。他人に頼ることも、ときには必要こちらからお願いしようかという気持ちもあったので、ありがたいお話でした。しかし、まだ迷いもありました。「なんだか、先生たちに頼ってばかりで申し訳ないです」と話すと、先生はくすっと笑いました。「お母さん、シュウくんのためですよ。今デイサービスにはたくさんの子どもたちがいます。これから先、シュウくんはいろいろな人と関わって生きていきます。そのために今から人と触れ合い、協調する心を育むことは大切です。そのための練習になるんですよ」Upload By シュウママそう言って、優しい笑顔を向けてくださいました。お母さん、私たちがシュウくんを見ている間ゆっくり休むんですよ─―。先生は言葉にはしなかったけれど、私の負担を取り除こうとしてくれているようにも感じられ、なんだか温かい気持ちになったことを覚えています。そして、長男はデイサービスに通っている間、私の目の届かないところでたくさんの経験をして、確かに成長してきています。離れている時間ができたことで、親の私にとっても、家族以外の人と自宅や学校とは違う場所で過ごすことの大切さを感じられるようになりました。もし私と同じように利用することに躊躇している方がいらしたら、一言。デイサービスは、子どもにとって、いろいろな成長ができる場所だと思います。そして、お母さん自身が自分の時間に余裕ができると、心にゆとりを持ってわが子に接してあげられるようになるかもしれません。後ろめたく思いすぎず、お子さんにとってもいいという視点で考えてあげてくださいね。
2019年01月25日女性ならではの困りごとや、実生活に生かしたい対策を解説!『よくわかる女性のアスペルガー症候群』女性のアスペルガー症候群の人は、男性よりも症状が目立ちにくいといわれています。どのように振る舞えばいいのか考え、対応しようとすることも多く、本人が困っていても気づかれにくい傾向があるためです。医療機関を受診しても診断されない場合もあるかもしれません。著者は、これまでもさまざまな女性の発達障害についての本を手がけられてきた司馬理英子先生。精神科医として、専門的な立場から女性ならではのアスペルガー症候群の特徴や困りごとのケースを紹介しているほか、仕事やプライベートの人付き合いの場で役立つ情報がイラストとともにまとめられています!アスペルガー症候群の女性だけでなく、周囲の人にとっても、本人の困りごとやサポートについて知ることができるかもしれません。(発行: 2019年1月10日)一人ひとりに寄り添った対応の具体策は?『イラストでわかる子どもの場面緘黙サポートガイド アセスメントと早期対応のための50の指針』年間200件以上、場面緘黙の相談を受けている長野大学社会福祉学部准教授の高木潤野先生と、場面緘黙の子どもたちの治療に携わってきた小児科医の金原洋治先生の著書。場面緘黙症の子どもたちは、全く話すことができないわけではないので、支援の対象となりづらいケースがあったり、やる気がないなど勘違いされたりすることも。また、自分から困っていることを発信できないことから、教育・医療・福祉分野の人の中でも適切な支援などについて認知が進んでいない状況があります。長年の臨床からさまざまなケースを紹介しながら、主に学校現場における環境調整や関わり方、特別支援教育制度の活用についてまで幅広く指針が示されています。場面緘黙のある子どもたちに関わる人に読んでもらいたい本です。(発行: 2018年12月15日)成長段階にそった症例から発達障害を解説!『発達障害 精神科医が語る病とともに生きる法』就学前、小学生、中学生、高校生、大学生と、初診時の年代をそれぞれ想定した症例を紹介しています。具体的な生い立ちなどが物語のように語られています。そして、一つひとつの症例に対して、「サングラスの使用はどのような効果があったのですか」「10歳から始まった『イライラ』は、どこからきているのでしょうか」といった質問が並び、著者で精神科医の崎濱盛三先生が回答。この本では、「一般的な症状」を個人に当てはめて語るのではなく、個々のケースを丁寧に読み解くことで、裏付けを浮かび上がらせていきます。子どもの成長の過程に合わせて、行動の裏にある理由や本人の心の変化などがわかりやすくまとめられています。発達障害のある子どもの思春期に向き合うために参考にしたい一冊です。(発行: 2019年1月15日)父がみた息子を取り巻く本当の問題と心の変化。『漢じがすくなくてすいません 中東のある国で息子のディスレクシアがわかった』異国の地で父子2人暮らしする中で、息子さんのディスレクシアがわかったという父親の武井直紀さんによる手記です。特に、読み書きができないことに対する同級生からのいじめ、理解のない教員の対応などが息子さんの心に影響を与えたことなどを取り上げています。文字を読めない・書けないといった状態そのものよりも、周囲の無理解さから生まれる心の苦しさが本人にあるということについて考えさせられます。さまざまな問題に向き合っていく中で、息子さんの心はどう変化してどんな道を選んだのか。衝突を繰り返しながらもその変化をつぶさに見つめた等身大の家族の姿が書き出されています。
2019年01月17日久々に発達障害の娘との家族旅行を計画!広汎性発達障害の娘は、現在小学2年生。娘が小さい頃、私たちはよく旅行をしていました。発語がない期間が長かった娘は、旅行中も騒ぐことなく、まったくと言っていいほど手がかかりませんでした。Upload By SAKURA娘が3歳の時、沖縄に引っ越して来た私たち。県を出るのは飛行機が必須で、旅行のハードルが上がってしまい、なかなか行けずにいました。息子を妊娠してからは、さらに旅行に行きにくくなり、一切沖縄から出ていませんでした。しかし、息子も2歳になり、そろそろ行けるんじゃないか?というとこで、去年の年末から、今年の年始にかけて、4人家族になって初めての旅行に行くことになりました。イヤイヤ期の息子を連れて、頼りにしてますお姉ちゃん正直、今回の旅行で、私たちが最も手がかかるであろうと思っていたのは、イヤイヤ期真っ盛りの息子でした。今までの旅行で全く手のかからなかった娘も、小学生になり、姉として弟の面倒も見れるようになってきたこともあって、今回の旅行では戦力になると思い、内心頼りにしていました。Upload By SAKURAパニック対策で、娘にはギリギリまで伝えないことに行き先は、東京に決定!前々から関東のテーマパークに行きたがっていた娘のための計画です。でも、娘には、事前に伝えないようにしました。それは、こだわりが強く、予定変更が苦手な娘がパニックになることを避けるためでもありました。Upload By SAKURA当日の朝、旅行を娘に伝えると、娘はとても喜び、ハイテンションになりました。いつもはなかなか起きてこないのに、「東京」という言葉を聞いただけで飛び起き、着替えもあっという間に完了!それを見ていて、私たちはとても嬉しい気持ちになりました。いざ出発すると、予想外だったのは…しかし、いざ出発してみると、楽しみな気持ちが空回りしてしまったのでしょうか、娘は初日から普段やらかさない失敗を繰り返しました。Upload By SAKURA息子に振り回されると予想していたのですが、実際は、娘の情緒不安定さに振り回されることになりました。「いつもと違う」旅行に興奮状態の娘一方、警戒していた息子は、状況をよく見ていて、話もちゃんと聞いてくれたので、順応も早く、よく食べ、よく歩き、良く寝ていました(笑)しかし娘は、普段はちゃんと聞ける説得や話も、上の空。Upload By SAKURA耳からの情報収集より、目で見たものを優先する娘。視覚優先の娘ならではのパニック状態なのだと、私たちは思いました。初めての地…そして嬉しすぎる場所…視覚情報の多さと興奮が重なり、いつもの状態を保てなかったのだと思います。やってみないとわからない。家族旅行から学んだこと今回の旅行で、私たちはまた娘の特性を学びました。そして、『もう小学生だから大丈夫』と勝手に決めつけてしまっていたことも、反省しました。しかし、同時にこれも、娘にとっても私たちにとっても経験。大変な家族旅行ではありましたが、娘が行きたかった所に行けたこと、娘や息子の楽しそうな顔を見れたことは、とてもいい思い出になりました。娘が旅行で起こりうるパニックを学ぶことができたので、次回に活かせるようにしていきたいと思いました。Upload By SAKURA
2019年01月16日発達が気になる子どもにかかわる仕事って?必要な資格や仕事内容、働く人の本音まで知ることができる!2019年1月27日(日)に、発達が気になる子どもにかかわる仕事について「資格要件・仕事内容などの基礎を学べる」「保育士から発達支援にキャリアチェンジした人の本音トークが聞ける」「大手法人と、仕事内容やキャリアに関してフランクに話せる」という、魅力たっぷりのイベント「LITALICO発達ナビしごとフェスタ」を開催します。出典 : イベントでは、関東近郊で児童福祉の事業所を運営する大手法人が個別ブースを出展。気になる法人と仕事内容・働き方・キャリアに関してフランクに話をすることができます。同時に「業界に関する知識がなくて不安」「未経験でも大丈夫?」という声にこたえ、児童福祉分野で働くうえでの基礎知識がわかる「児童福祉の仕事まるわかりセミナー」や、「保育の現場から児童発達支援へ転職した方のトークセッション」といった、どんな方にもきっと役立つプログラムも実施!会場には児童福祉分野に詳しいキャリアアドバイザーによる無料相談コーナーを設けるほか、児童福祉業界での働き方に関心がある方と気軽につながることができる交流会も開催します。現在児童福祉業界(児童発達支援・放課後等デイサービス)で働いている方、保育や教育・福祉の経験を発達支援に活かしてみたい方、児童福祉業界での働き方を知りたい方はぜひこの機会に、話を聞いたり、相談してみたりしてはいかがでしょうか。参加希望の方は、以下の概要を確認のうえ、申し込みフォームからお申し込みください。「LITALICO発達ナビしごとフェスタ」開催概要【日程】1月27日(日)13:00~18:00(開場12:45)※途中参加・途中退場可【会場】fabbit Global Gateway “Otemachi”東京都千代田区大手町2-6-1 朝日生命大手町ビル2階(東京駅・大手町駅直結)明るくお洒落なスペースを貸し切っての開催となります!【参加費】無料参加者全員にQUOカード1000円プレゼント!「LITALICO発達ナビしごとフェスタ」の見どころ紹介発達が気になる子どもの支援事業(児童発達支援・放課後等デイサービス)を運営する大手法人が、支援の特徴や、仕事内容、職場環境等について、説明いたします。アットホームな雰囲気の中、法人の担当者の方とフランクに話すことができます。参加法人(一部抜粋)・有限会社エスエヌ企画(ライズ児童デイサービス)・アース・キッズ株式会社(スタジオそら)・株式会社SKY(みなそら園)・ハッピーテラス株式会社・株式会社LITALICO(LITALICOジュニア)ほかみなさまの知りたいことに合わせた約30分のセミナーを開催いたします。【1】福祉の仕事まるわかりセミナー(13:00~13:30)児童福祉業界について、知識・経験がない方もご安心ください。・発達が気になる子の支援の仕事とは・「児童発達支援」「放課後等デイサービス」とは・指導員のなり方など、わかりやすく解説します。【2】保育の経験を活かして発達支援へ(14:00~14:30)元保育士で、児童福祉業界に転職した方をゲストに迎え、転職理由や、転職前後のギャップ、転職してよかったことなどを話していただきます。「保育・教育の資格や経験を発達支援に活かしたいが、実際のイメージがわかない」「発達障害の子どもへの支援ができるか不安」そんな方必見のトークセッションです。※各回定員30名(先着順)となります。※内容は変更になる可能性がございます。福祉の仕事全般に関する疑問点、転職の不安・悩み等、ぜひ何でもご相談ください。「私でも発達支援の仕事ってできるのかな?」「これまでの経験を活かしてキャリアアップしたいけどどうしたらいいかわからない」そんなあなたの悩み・不安・疑問をスタッフが一緒に解消します。軽食をとりながら、参加事業所の職員の方々とざっくばらんに話したり、他の参加者の皆さまと情報交換したりできます!事業所ブースをまわる中で特に気になった事業所の職員の方に、発達支援の仕事のリアルを聞いてみたり、児童福祉分野に興味のある参加者同士で情報交換してみてはいかがでしょうか。【同時開催】障害のある方の「働く」を支援する仕事についても知ることができる!Upload By 支援のひろば本イベントでは、お子さまへの支援だけでなく、”障害のある方の「働く」を支援する仕事”についても知ることができます。関東近郊で就労支援の課題解決に取り組む大手法人から、具体的な取り組みや働き方について詳しく聞けるブースの設置や、大手企業(GREE(グリー)株式会社)の障害者雇用担当者による「就労支援」の現状や期待を本音で語るトークセッションなども、同じ会場で実施予定。障害がある大人を支援する仕事について興味がある方も、ぜひご参加ください。※障害のある方の「働く」を支援する仕事に関して、どんなことがわかるの?という方は以下ページをご覧ください。以下ページからもイベントのお申し込みが可能です。障害のある方の「働く」を支援する仕事について、LITALICOしごとフェスタでわかること「LITALICO発達ナビしごとフェスタ」は、発達が気になるお子さまへの支援にかかわる仕事はもちろん、障害がある方の「働く」を支援する仕事についても知ることができるイベントです。ぜひご来場ください!【本イベントに関する問い合わせ先】LITALICOキャリア事務局(児童福祉・障害福祉分野に特化した就職支援サービス)info_event@litalico-c.jp
2019年01月10日あけましておめでとうございます!Upload By 発達ナビ編集部LITALICO発達ナビユーザーの皆さまあけましておめでとうございます!発達ナビは、2019年も発達障害に関するさまざまな記事をお届けしていきます。どうぞよろしくお願いいたします。また、ユーザーの皆さまにもっと手軽に、最新の情報を受け取っていただけるよう、SNSアカウントでの情報発信も行っています。そこで、各SNSとその特徴をご紹介します。2019年は、ぜひSNSもご活用いただけたらと願っています!Facebook・Twitter新着コラムのお知らせや、今まで公開させていただいてきたコラムからピックアップしたものを、毎日配信しています。最新の子育てエッセイや、発達障害にまつわる障害や支援にまつわるイベント情報などをいち早くお知らせするほか、発達障害にまつわる専門的な内容をわかりやすくお伝えする「発達障害のキホン」シリーズのコラムなどをご紹介しています。りたりこ)発達ナビFacebookりたりこ)発達ナビTwitterInstagram2018年11月から本格スタートしたInstagram。新着コラム情報に加え、コラム記事制作の裏側や取材の様子など、ここでしか見られない情報もお届けしていく予定です。発達ナビInstagramLINE@友達追加をしていただけると、新着コラム情報をお届けするほか、位置情報や市町村名から、発達が気になるお子さまが利用できる発達支援施設などを検索することも可能です。発達ナビLINE@Pinterest子育てでの困りごとへの対応方法を、わかりやすいイラストで解説する「親子のヒント」や、子育てにまつわるコラム・エッセイまで掲載しています。発達ナビPinterest
2019年01月01日NHKは27日、12月31日に放送される『第69回NHK紅白歌合戦』の曲順を決定したことを発表しました。大トリは2014年以来、4年ぶり5回目の出演となる、サザンオールスターズが担当します。曲順は以下の通り。前半1. 三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE「R.Y.U.S.E.I.」2. 坂本冬美「夜桜お七」3. 郷ひろみ「GOLDFINGER’99~GO!GO!2018~」4. Little Glee Monster「世界はあなたに笑いかけている」5. 山内惠介「さらせ冬の嵐~刀剣男士コラボスペシャル~」6. DAOKO「打上花火」7. Hey! Say! JUMP「Ultra Music Power ~ Hey! Say! 紅白スペシャルver.~」8. 丘みどり「鳰の湖」9. 天童よしみ「ソーラン祭り節2018~どさんこver.~」10. Suchmos「VOLT-AGE」11. 純烈「プロポーズ」12. あいみょん「マリーゴールド」13. 水森かおり「水に咲く花・支笏湖へ~イリュージョンスペシャル~」14. Sexy Zone「カラクリだらけのテンダネス~2018紅白ver.~」15. Aqours「君のこころは輝いてるかい?」16. 刀剣男士「刀剣乱舞~出陣!紅白歌合戦~」17. YOSHIKI feat. HYDE「Red Swan」18. YOSHIKI feat. サラ・ブライトマン「Miracle」19. 島津亜矢「時代」20. 五木ひろし「VIVA・LA・VIDA!~生きてるっていいね!~」後半21. DA PUMP「U.S.A.」22. いきものがかり「じょいふる」23. AKB48「恋するフォーチュンクッキー」24. 福山雅治「2018スペシャルメドレー」25. King & Prince「シンデレラガール」26. Perfume「Future Pop 紅白SP」27. 関ジャニ∞「ここに」28. 欅坂46「ガラスを割れ!」29. 三山ひろし「いごっそ魂~けん玉世界記録への道、再び~」30. 西野カナ「トリセツ」31. SEKAI NO OWARI「サザンカ」32. 乃木坂46「帰り道は遠回りしたくなる」33. 北島兄弟「ブラザー」北島三郎「まつり」34. TWICE「紅白メドレー2018」35. EXILE「EXILE紅白スペシャル2018」36. Superfly「Gifts」37. 三浦大知「Be Myself~紅白スペシャル~」38. aiko「カブトムシ」39. 松田聖子「SEIKO DREAM MEDLEY 2018」40. 氷川きよし「勝負の花道~世界に響く和太鼓SP~」41. 椎名林檎と宮本浩次「獣ゆく細道」42. 松任谷由実「私が好きなユーミンのうた~紅白スペシャル~」43. 星野源「アイデア」44. 米津玄師「Lemon」45. MISIA「アイノカタチ 2018」46. ゆず「うたエール」47. 石川さゆり「天城越え」48. 嵐「嵐×紅白スペシャルメドレー」49. サザンオールスターズ「勝手にシンドバッド」「希望の轍」『第69回NHK紅白歌合戦』はNHK総合の他、NHKラジオ第1、NHK BS4K、NHK BS8Kにて、2018年12月31日(月)19:15~23:45に放送されます。画像/Shutterstock
2018年12月27日発達障害と個性はどう違う?私はこれまで、発達障害の当事者やそのご家族の方たちから、こんな質問をよく受けてきました。「発達障害と個性」「自閉スペクトラム症とオタク」「注意欠如・多動症とうっかり屋」…これらはどう違うの?と。私はその違いについて、詳しくは『発達障害生きづらさを抱える少数派の「種族」たち』という本にまとめました。まずは、簡単に発達障害の特性について説明しましょう。発達障害には、自閉スペクトラム症や注意欠如・多動症、学習障害などの種類があります。自閉スペクトラム症には「対人関係が苦手」で「こだわりが強い」という特徴があります。そういう特徴を講演会などで説明すると、話を聞いた方のなかには、「私のまわりにそういう人がいます。こだわりがとても強い人ですが、その人のこだわりは障害というより、個性だと思います。発達障害と個性はどう違うんでしょうか?」と質問をくださったりします。ときにはもっと具体的に「自閉スペクトラム症の人は、個性的な人、たとえばオタクとは、どう違うんですか?」と聞かれることがあります。また、注意欠如・多動症には「不注意」と「多動性・衝動性」の特性があります。「不注意」は「気が散りやすい」に、「不注意」は「うっかり屋」に言い換えができそうです。発達障害は、個性とどう違うのでしょうか?次から、その違いについてご説明していきましょう。Upload By 本田秀夫発達障害と「オタク」の違いって?出典 : ここでは、ゴルフ好きな男性を例に解説しましょう。彼は休日になると、同僚や取引先の人たちとゴルフの練習やコースに出かけて、楽しんでいます。テレビのゴルフ中継やゴルフ雑誌、ゴルフ関係のインターネットを見るのも好きです。ゴルフ好きな友人と食事やお酒を共にして、熱い「ゴルフ」談義をすることも増えてきました。最近では周囲に「ゴルフ好き」として知られ、「接待ゴルフ」にも呼ばれるようになりました。熟練の腕前で、相手に合わせてレベルを調節することも、お手のものです。この方は「ゴルフオタク」と呼んでもけっして間違いではないでしょう。しかし、自閉スペクトラム症の特徴が見られるかというと、それは見られなさそうです。確かにゴルフにある種の「こだわり」を持っているようですが、この方はゴルフ仲間と良好な関係を築いています。「対人関係が苦手」な様子は見られません。じつはこの方のように、ある種のこだわりをもっていても、それを対人関係のなかで柔軟に調整できる場合には、むしろ「対人関係が良好」だったりします。この「対人関係」に着目すると、自閉スペクトラム症の人と「個性的な人」(いわゆる「オタク」)との微妙な違いが浮きぼりになっていきます。自閉スペクトラム症の人は、こだわりと対人関係を天秤にかけたとき、こだわりを優先する傾向があります。対人関係のために、大好きなことの優先順位を下げることには抵抗があるのです。そのため、「対人関係が苦手」で「こだわりが強い」という様子が見られるわけです。しかし、先ほど「微妙な違い」と表現したように、とても微妙な話です。発達障害の特性と個性の間に、境界線はない対人関係やこだわりの調整は「できる」「できない」の2つにはっきりと分けられるものではなく、あいまいなものです。調整できることが多ければ「個性的な人」や「オタク」に近く、調整の難しいことが多ければ自閉スペクトラム症の特徴に近いというふうに考えるのが自然かもしれません。発達障害と個性、自閉スペクトラム症とオタクには、明確な違いはないといってもよさそうです。私は、「個性」や「オタク」、発達障害は地続きのもので、そこには境界線はないと考えています。発達障害の特性がある人の交流スタイル出典 : 私はNPO法人などで、幼児から成人まで、発達障害の方たちの余暇活動を支援しています。そこに集う方たちの活動には、一般的な交流とは違った様子がみられることがあります。たとえば、アニメが好きな人たちの集いでは、みんなで集まってアニメをみたりアニメの話をしたりして、時間になったらそれぞれに帰っていきます。趣味についてはよくしゃべりますが、趣味以外の話や交流は別にしなくてもよいというつき合い方をしているのです。同じアニメを好きな人どうしが、アニメ映画をいっしょに見にいくということはあります。でも、そういう人たちが「今度いっしょにお茶でもしようよ」と誘いあう姿は、あまり見たことがありません。発達障害(とくに自閉スペクトラム症)の特性がある人たちの社交の仕方は、そういうスタイル――微妙な対人関係よりも自分の関心、やり方、ペースの維持を最優先させたいスタイルだとしかいいようがありません。あるとき、自閉スペクトラム症の人から「親友がいる」と言われたことがあります。親友どうしはいっしょに映画を見にいくのですが、映画館までの道すがらは無言だそうです。別におしゃべりをしていなくても仲間なのだから、それでいいのだそうです。一般の人は、映画を誰かといっしょに見にいったとき、相手がまったくしゃべらなかったら、親近感がないように受けとり、相手とよい関係が築けていないと不安になるかもしれません。でも、自閉スペクトラム症の特性がある人は、そのような不安をもたずに仲間と交流しています。そしてこれは,どちらがよいか悪いかという話ではなく、それぞれにスタイルがあるということなのです。もうひとつ、余暇活動のなかで「黒ひげ危機一発」で遊んだときのエピソードを紹介しましょう。「黒ひげ危機一発」というと、一般には「誰が刺したときに、黒ひげが飛び出すだろうか?」というスリルを共有して楽しむゲームです。この「黒ひげ危機一発」を使って、自閉スペクトラム症の子どもたちが、ユニークな遊び方をしていたことがあります。ひとりずつ順番に剣を刺すのではなく、ひとりが剣を刺し続け、人形が飛び出したら次の子に渡すという遊び方です。その子たちが興味をもったのはゲームのしくみであり、ほかの子とスリルを共有することは、二の次だったのでしょう。一般の人からすると、ひとりだけが剣を刺し、まわりではそれぞれ好きなことをしている光景は、楽しそうにみえないかもしれません。でも、子どもたちは「みんなで『黒ひげ危機一発』ゲームをして楽しかった!」と語り合っていました。では、「黒ひげ危機一発」の独特な遊び方をしているときに、ひとりだけ、「ふつうのやり方で遊ぼうよ!」と提案する子がいたとしたら、どうでしょう?そのひとりは、居心地が悪かったかもしれません。通常とは違う遊び方で「黒ひげ危機一発」ゲームを楽しんだからといって、別に「通常のやり方を楽しむ能力の欠損」とはいえません。ましては、能力が劣っているわけでもありません。もしも、楽しみ方に優劣があると考える人がいるとすれば、それは多数派のおごりでしょう。自閉スペクトラム症の人たちの楽しみ方は、ただ少数派というだけです。発達障害の特性を「選好性」としてとらえる少し専門的な話になりますが、私は発達障害の特性を「〜が苦手」という機能の欠損として考えるよりも、「〜よりも〜を優先する」という「選好性の偏り」として考えたほうが、自然なのではないかと思っています。ここでいう「選好性」とは、Aというものではなく、Bというものを選ぼうとする生来の志向性のようなもの。好き嫌いの「嗜好性」ではなく、心が特定の方向に向かうという「志向性」です。たとえば「雑談が苦手」という特性を「雑談よりも内容重視の会話をしたがる」という選好性としてとらえることができます。ほかにも、「対人関係が苦手」という特性を「対人関係よりもこだわりを優先する」、また、注意欠如・多動症の特性を「じっとしていることが苦手だが、それは思い立ったらすぐに行動に移せるという長所でもある」といったとらえ方ができます。発達障害は、少数派の「種族」私は、発達障害の人が向き合う困難は、マイノリティ問題と共通していると考えています。人種や民族、性的志向などの少数派(マイノリティ)といわれる人たちは、偏見や差別の目にさらされることがあります。では、なぜ偏見や差別が生じるのかというと、マイノリティの人たちがマジョリティ(多数派)を知るほどには、マジョリティはマイノリティのことを知らないという現実があるからです。発達障害は、病気というよりも、少数派の「種族」のようなものと考えるべきです。多数派が少数派のことを理解して、お互いに助け合っていくことによって、偏見や差別が少しでも減らせるのではないかと思います。そうすれば、自閉スペクトラム症や注意欠如・多動症の特性があっても「障害」とは言わなくてよい人たちが、今よりも増えていくのではないでしょうか。このコラムによって、少しでも多くの方たちが、発達障害に関心を持ち、理解を示すことにつながれば幸いです。
2018年12月26日『ムーちゃんと手をつないで~自閉症の娘が教えてくれたこと~』自閉症の女の子・「ムーちゃん」こと伊藤睦ちゃんと、その家族の物語を描いたコミックの1巻です。「ほかの子よりちょっと成長が遅いのかな」という思いが「わが子は自閉症かもしれない」となったときの不安やつらさ、それでもムーちゃんを愛さずにはいられない家族の温かい姿が描かれています。両親や祖母らの細やかな感情の描写は、作者のみなと鈴さんも自閉症のある子さんを育てるお母さんだからこそ表現できるものかもしれません。コミックではありますが、知的障害やチック症など、物語の中で出てくるキーワードなどについて、解説してくれる「ムーちゃん通信」のページもあります。ムーちゃんの成長を通して、自閉症について理解を深めながら読むことができます。(発行: 2018/11/25)『発達障害の子の遂行機能「何度言ったらわかるの?」を「できた!」に変える上手な伝え方』発達障害の困りごとには、「遂行機能(実行機能)」が大きく関わっていると言われます。臨床心理士として発達支援に携わってきた本多和子さんが、遂行機能に注目して「なかなか取りかかれない」「取りかかっても終わらない」といった子どもの困難にどう対応したらいいか、サポートの工夫を解説してくれています。遂行機能は、物事を成し遂げるための能力のことです。食事をしたり、歯を磨いたりする作業から、時間内に終わらせるために何からどうやって取りかかるかを考えたりする場面などに関わります。何度言っても、同じことを繰り返してしまう子どもを、怒ってばかりでつらい気持ちになってしまう保護者の方もいるかもしれません。子どもがうまくできない理由や、ちょっとした声掛けのコツなどがわかることは、前向きに親子の時間を過ごせるきっかけになりそうです。(発行: 2018/12/04)知りたいことは立場によってきっと違うから…。一人ひとりの背中を押す『ライブ講義 高山恵子I 特性とともに幸せに生きる』発達障害の当事者であり、ADHDのある人の支援などに取り組むNPO法人えじそんくらぶ代表の高山恵子さんの著書です。高山さんは、心理学・薬学・教育学を学んだ支援者として、全国各地で発達障害の支援について講演しています。この本は、これまでの講演をもとにまとめられました。講演では、当事者、支援者、保護者、パートナーといった立場の人が、診断名にとらわれず、特性の理解と幸せになるために大切なことを見つけるためのお話を意識されているそうです。この本も各章が「親御さんへ」「支援者の人たちへ」などに分かれ、それぞれの人に寄り添う眼差しが反映されています。自分が知りたいことを見つけやすかったり、ほかの人が困っていることに気づいて、課題を共有したりするのにも役立ちそうです。高山さんが具体的にどう考え、何をしたらいいのかを丁寧にアドバイスしてくれています。(発行: 2018/11/21)各地の事例、体験を保護者や事業所・自治体職員が紹介。『療育って何?親子に笑顔を届けて』この本では、専門家が療育について解説するだけではなく、さまざまな立場の人が手記を寄せています。例えば、実際に療育を利用した子の保護者や、支援に携わる理学療法士・作業療法士といった職員たちです。3歳までの親子支援の取り組み、児童発達支援事業と保育所との移行支援、そして就学に向けた支援についても、実際の事例がまとめられています。いずれも現場をよく知る事業所の職員などによって地域の事情も踏まえながら、紹介されているので、自分が住んでいる地域以外のことを知りたいという人の参考になりそうです。これまで行われてきた療育、そして今必要とされている支援、これからについて、それぞれの人たちの思いを知ることができます。支援が必要な子やその家族が地域で安心して生活を送るために、関係者の連携のあり方など考えさせられます。(発行: 2018/11/10)
2018年12月18日夢を語る子ども達Upload By 荒木まち子先輩に触発されたらしい娘が自ら一人暮らしの計画を立てているのはとても嬉しいことです。学生時代は親がグループホームや一人暮らしの話をしても、興味をそれほど示さなかった娘でしたが、どうやら職場の先輩が実家を出た話を聞き、触発されたようです。受動型の娘は、人任せになりがちでした。遊びに行くときも友達に“ついて行く”ことが多く、時間や場所なども周りを頼ることが多くありました。でも一人暮らしをするとなれば、自らが積極的に相談機関などを利用して行動をしていかなければなりません。役所や地域の生活支援センターへは学生時代から何度か足を運んでいるので話はしやすいはずです。「保護者無し」での相談に、どんどんチャレンジしていってほしいと、頼もしく思っています。グループホームにしても、一人暮らしを始めるにしても入居時にはある程度まとまったお金が必要ですし、またその後の継続就労も必要です。何年かかるかはわかりませんが、自らの夢の実現を励みにしながら、楽しく前向きに毎日を過ごしていって欲しいと思っています。ガンバレ、娘!
2018年12月11日元TBSアナウンサーで、現在はタレント・エッセイストの小島慶子さん(46)が今夏、インターネットで発信したある手記が注目を集めた。それは連載中の『日経DUAL』7月2日付の記事。そこには、40歳を過ぎて発達障害の1つである、ADHD(注意欠如・多動症)と診断されたこと。そして子どものころはもちろんのこと、女子アナ時代も、子育てに励むいまも、常々生きづらいと感じてきたその根っこに、自らの発達障害の特性があると知って、得心がいったと、こうつづっている。《もっと早く知りたかったよ!》「知ってホッとしました。他人と同じようにできないのは、心がけの悪さが原因か、能力が低いからか、と悩み続けていたから。でも、それが、脳の機能的な問題だとわかったわけです。『私は牛乳を消化できない体質』というのと同じですよね。そうと知っていたら、無理やり牛乳を飲むこともなかったのに。いつか飲み慣れると無理し続けて、これまでの私はずっとおなかを壊していたようなものですから。だから、対処の仕方がクリアになってよかったなと思えました」小島さんは’72年、オーストラリア・パースに生まれた。父は商社マン、母は専業主婦で、9歳上に姉が1人いる。3歳までオーストラリアで過ごし帰国。その後、小学1年生のときに父の転勤に伴いシンガポール、翌年には香港へと一家で移り住んだ。帰国し、日本に腰を落ち着かせることができたのは、小学4年生になってから。「私は家でも学校でも、ひどい問題児でした。まず、落ち着きがない。常にもじもじして、じっとしていられない。声を出してはいけないところで出したり、グネグネしたり(笑)。それから、嫌なことに耐性がまるでなくて、受け流すことができずにすねて周囲を困らせたり、かんしゃくを起こしたり、駄々をこねたり」中学から大学までは学習院で学んだ。’95年、TBSに入社。’00年、仕事で知り合った7歳上の夫と結婚。2人の子宝にも恵まれた。’10年7月、アナウンサーとして籍を置いたTBSを退社しフリーになる。「’05年に次男を出産した後、心の底が抜けたようなパニック発作が起きてしまって。理由もなく全てが怖くなった。居ても立ってもいられない恐怖心と過呼吸と……」不安障害と呼ばれる症状だった。小島さんは臨床心理士のカウンセリングを受けた。そこで、改めて目を向けることになったのは、わが子との問題ではなく、自分と実家の家族、とくに母親との相克だった。「カウンセリングを受けて思い出したのが、幼いころの家族の関係でした。私は友達が1人もいなくて。人付き合いが下手な母と私は“母子カプセル”状態。母は『言葉遣いがよくないからあの子たちと遊んじゃダメ』などと、私を大事にしすぎて囲い込んでしまったんです。理想の子育てをしようと必死だったのでしょう」以来、母と娘の間には過度な干渉と執着、それに対する極端な反発が繰り返されてきた。「自分がイメージする『いい子』とわが子とが結びつかない、そんな感じだったと思います」小島さんはそのころ、9歳上の姉から言われた言葉がいまでも耳に残っている。姉は、両親の目ができの悪い妹ばかりに注がれることにいら立っていた。「あるとき、姉から『あんたは小島家の失敗作、あんたは本当にママをいじめている』って。そう言われてしまって。姉は寂しかったんだと思います。どうして自分はいい子にできないのだろうと、ずっと後ろめたかった。もう、呪縛のように。自分はダメ人間で厄介者なのだと。そして、その呪縛は女子アナという型に自分をあてはめようともがいた、TBS時代も同じだったんですよね」カウンセリングを受け、不安障害とどうにか折り合いをつけながら、小島さんは仕事に、子育てにと奮闘した。そして’14年。小島さんたち家族は、夫の退職を機に思い切った行動に出る。小島さんが生まれ、幼いころを過ごしたオーストラリアに移住したのだ。以来、小島さんは仕事のある日本と、夫や息子たちが暮らすオーストラリアを行き来する生活を続けてきた。「私が41歳のころですから、ちょうどオーストラリアに行く前後だったと思います。長いこと不安障害を診てもらってきた主治医の先生の問診を受けるなかで、こう診断されたんです。『小島さんは軽度のADHDでしょう』って」医師の説明によれば、小島さんが抱えてきた不安障害も、ADHDの二次障害と見ることもできるという。診断を聞きながら、小島さんは目からうろこが落ちる思いだった。「自分自身がそうだとわかって、いろいろ本を読みました。そこで改めてわかったのが、ADHDなど発達障害の特性を抱えた子がいる家族は、いろいろな苦労があるということ。崩壊してしまう家庭もある。いけないとわかっていても子どもに対して声を荒げてしまったり、手を出してしまったりすることがあると。家族も当人も、追い詰められてしまう。発達障害が知られていなかったころの育児はなおさらですよね」小島さんは「あくまで私の場合は、ですけど」と前置きして、こう続ける。「発達障害の特性が出やすいのって、親密な間柄の場合が多いんです。仕事先など公の場より、気が緩んでるプライベートで。衝動が抑えられず、しゃべりすぎたり、きつい表現になったり。たとえて言うなら高圧洗浄機みたい。上手に扱えば少し距離を置いた壁の汚れはきれいに落ちますけど、近くの人に向けようものなら『イタタタッ』となる。そう、私の家族もつらかったはずです」だから、あの日、ひどい言葉をぶつけてきた姉の心情も、いまなら小島さんは理解できる。かつて、『解縛』(新潮文庫)という自伝的エッセイで、過去のエピソードを紹介し、一時的とはいえ「毒母」のレッテルを貼ってしまった母のことも、いまでは思いやる気持ちが強い。「母もつらかったと思います。当時は情報もゼロですし、わが子が発達障害であることも知る由もなかったでしょうから」かつては距離を置き、7年もの間、顔を合わせなかった母を、いまでは小島さんはこうして、おもんぱかることもできていた。「父も母も姉も、そして私も、みんな困っていたんですよね。普通でなくちゃいけないと思い込むとしんどい。でも普通の家族とか普通の育児って、なんでしょう?」かつて、ともに暮らした家族とは、心の清算が進みつつある。では、現在進行形の家族との関りはどうなのだろうか。気になるのは、2人の息子との関係だ。「人との距離感がつかめないというのは、相手がわが子でも同じなんです。以前は上手な叱り方ができなかった。激しく怒りすぎた後で、謝ったことも何度もあります。『ごめんね、ママ、上手な怒り方ができなくて』って。息子たちもつらかっただろうと思います」小島さんはいま、息子たちには「ママにはADHDが理由でとても苦手なことがいくつかある」と説明している。「彼らもこれからたくさんの人と出会い、付き合うことでしょう。そのときのために、自分の母親が発達障害や不安障害など、困り事を抱えて生きているのを間近で見られたのはいい経験だと思う。『ママはその一サンプルだよ』と話しています。『同じ障害でも、困り事は人それぞれなんだよ』と念を押して」現在、オーストラリアで「家事全般を担ってくれている」という夫は、妻がADHDという診断を受けても動揺しなかった。「慶子はそもそもそういう人だから、別に驚かないよ」と。「それでも、彼もいっぱい本を読んで勉強してくれて。でもね……そうなると、こちらとしてはまた、過剰に期待しちゃって。『言わなくても、もっと私をわかってよ!』って(笑)。夫は高圧洗浄機のいちばんの被害者ですね。苦労も多いと思うんだけど、なぜか私を好きみたいです」自分の“個性”をしっかり受け止める家族がいる――。小島さんは前を向いて、穏やかな笑顔を浮かべた。
2018年12月10日「ピアジェの心理学を知れば、子どもの発達がよく分かる!?有名な『4つの発達段階』をまとめてみた」でもお伝えしたように、人間にはいくつかの「発達段階」があると考えられています。心理学者ジャン・ピアジェ (1896~1980)の場合、「感覚運動期」「前操作期」「具体的操作期」「形式的操作期」という4つでした。発達段階の区分や名称は、学者によって異なります。心理学者エリク・H・エリクソン(1902~1994)は、「乳児期」「青年期」「成人期」など8つの発達段階を提唱しました。こちらのほうがなじみ深く、イメージしやすいかもしれませんね。エリクソンによる発達段階論は、教員志望者だけでなく、保育士を目指す人たちにも学ばれています。保育士試験で頻出のためです。保育士志望者はなぜ、エリクソンの理論を学ぶことを求められているのでしょう?それは、子どもならではの特性を理解し、発達段階を意識して接する必要があるから。もちろん、子どもを持つ皆さんにとっても有用な知識です。我が子だけでなく、自分の発達段階も意識することで、人生観が新たになるかもしれません。今回はエリクソンの発達段階論を、できるだけ分かりやすくご説明しましょう。心理学者エリクソンの人物像エリク・H・エリクソンは1902年、デンマーク系ユダヤ人の母親からドイツで生まれました。父親は不明。エリクソンが3歳になると母親は小児科医と結婚し、彼が実の父親だと伝えましたが、エリクソンは信じられなかったそうです。また、エリクソンは実の父親に似たのか金髪に青い目で、母親夫婦とは異なる見た目だったそう。そのためユダヤ教会では「異邦人」、地元の学校では「ユダヤ人」と呼ばれ、アイデンティティーに苦しんでいたようです。この頃の経験が、心理学者としての研究に影響しているのかもしれません。学校を卒業後、エリクソンは画家を目指しましたが、やがて挫折。失意のうちに過ごしていたとき、ウィーンに学校を設立しようとしていた親友に呼び寄せられます。そこでエリクソンは教師として活躍し、周囲の人から才能を認められ、児童分析家となりました。1933年にドイツでヒトラー内閣が成立すると、反ユダヤ主義を恐れてエリクソンは米国に渡ります。そこで彼は次々と成果を挙げ、精神分析家・児童分析家として名声が高まりました。イェール大学の人間関係研究所では文化人類学者たちと交友を深め、精神分析に文化人類学を取り入れることを思いつきます。その成果が、1950年に出版された『Childhood and Society』(『幼年期と社會』全3巻、日本教文社、1954~1956年/『幼児期と社会』全2巻、みすず書房、1977~1980年)に反映されているといえるでしょう。この本は発達心理学の古典的名著として知られています。また、現代で「アイデンティティー」「モラトリアム」という心理学用語が一般的に使われるようになったのも、エリクソンの影響といえるでしょう。エリクソンの「心理社会的発達理論」とはエリクソンが提唱した論は、「心理社会的発達理論(psychosocial development)」と呼ばれています。人間の心理は、周囲の人々との相互作用を通して成長していくという考えです。その特徴は以下のとおり。-人間の発達段階を8つに分けている。-各発達段階に「心理社会的危機(psychosocial crisis)」がある。-人間は心理社会的危機を乗り越えることで、「力(virtue)」を獲得する。「発達課題(development task)」と呼ばれることもある心理社会的危機は、「〇〇対△△」というかたちで表されます。たとえば、18~40歳にあたる「初期成人期(young adult)」の心理社会的危機は「親密対孤立(intimacy vs. isolation)」。この時期、多くの人は、家族以外の他者との長期的で親密な関係を形成しようとします。うまくいけば、「力」として「愛情(love)」を獲得できるでしょう。愛は人生を豊かにします。結婚生活にもかかせないものです。しかし、他者との関りを避けたりコミュニーションを適切にとれなかったりすれば、この発達段階における心理社会的危機を乗り越えられず、孤独に陥る、ということになります。では、心理社会的発達理論における8つの段階を順に見ていきましょう。エリクソンの発達段階1:乳児期「乳児期(infancy)」という発達段階は、およそ0歳~1歳半にあたります。この時期に直面する心理社会的危機は「信頼感対不信感(trust vs. mistrust)」。人間の赤ちゃんは無力で、一人では生きていくことができません。そこで、泣くことで助けを求め、母親をはじめとする周囲の人から世話されることで育ちます。このとき、周囲の人から適切なケアを受けられれば、赤ちゃんのなかで世界に対する信頼感が構築されます。「みんなは自分を助けてくれる」という気持ちです。うまくいけば、「期待(hope)」という力を得ることができます。しかし、泣いても誰かが来てくれるわけでもなく、世話してもらえないとしたら?赤ちゃんは世界に対する不信感を抱き、「誰も自分を助けてくれない」と思うようになります。そのため、赤ちゃんに対し適切なケアが行われないと、その子の人生観に大きな悪影響を与えてしまうと考えられています。エリクソンの発達段階2:幼児前期「幼児前期(early childhood)」は、およそ1歳半~3歳にあたります。直面する心理社会的危機は「自主性対羞恥心(autonomy vs. shame)」。この時期の子どもは、歩いたりしゃべったりするようになります。とても活発な子もいて、親の手を振りほどいて走り出したり、何に対しても「イヤ」と言ったり……などは、よく聞かれる話ですね。子どもは積極的な挑戦や親のしつけを通し、排せつや着替えなど、赤ちゃんの頃は周りの人にやってもらっていたことを、一人でできるようになっていきます。親が子どもに、自分でやってみる機会を与え、適切なタイミングで手伝ってあげれば、子どもは自信をつけて、さらにいろいろやってみようという気持ちになれるでしょう。その結果、「意欲(will)」という力を獲得します。しかし、親が子どもに先回りして何でもしてあげたり、挑戦して失敗した子どもを過度に叱ったりすればどうでしょう?子どもの自主性は育たず、むしろ羞恥心を覚えてしまい、新しい物事に挑戦しようという意欲は生まれづらくなります。エリクソンの発達段階3:遊戯期3~5歳頃は「遊戯期(play age)」。「自発性対罪悪感(initiative vs. guilt)」が心理社会的危機です。保育園や幼稚園で、友だちと活発に遊ぶ時期ですね。世界に対して強い興味を持ち、「どうして○○なの?」という質問を連発したり、ごっこ遊びをしたりします。とにかくエネルギーがあり余っている状態といえるでしょう。このような子どもらしい様子に対し、親がうっとうしがる態度を見せたり、過度に厳しいしつけを施したりすると、子どもは罪悪感を覚えてしまいます。もちろん、公共の場所での適切なふるまいを教えるなど、適度なしつけは大切です。自発性と罪悪感のバランスがうまくとれれば、子どもは心理社会的危機を克服し、「目的意識(purpose)」という力を獲得できます。エリクソンの発達段階4:学童期およそ5~12歳は「学童期(school age)」です。克服するべき心理社会的危機は「勤勉さ対劣等感(industry vs. inferiority)」。小学校に通いはじめ、勉強の楽しさを知る時期です。学期中や夏休みにこなすべき宿題が次々に出されるので、「計画的に課題を仕上げ、提出する」ということを覚えます。それを繰り返すことで自信がつき、自分には「能力(competency)」があるということを理解するのです。しかし、勉強が最初から得意な子どもばかりではありません。数の概念が理解できなかったり、計画的な勉強のやり方がわからなかったりして困っている子もいます。そのような状況に対し、周囲の大人が適切にサポートせず、ただ叱っているだけでは、問題は解決できません。子どもは「自分にはできない」と劣等感を抱き、その影響はのちの人生に暗い影を落とすことでしょう。子どもが劣等感を抱かず、かつ傲慢にもならないよう、適度に褒めたりアドバイスをしたりする必要があります。エリクソンの発達段階5:青年期12~18歳頃は「青年期(adolescence)」です。立ち向かうべき心理社会的危機は「アイデンティティー対アイデンティティーの混乱(identity vs. identity confusion)」。思春期にあたるこの時期は、「自分って何だろう」「将来、どうやって生きていこう」など、自身について特に思い悩むときです。皆さんも「自分は何がやりたいんだろう?」「『自分らしさ』って何?」など、さまざまなことを考えた経験があるのではないでしょうか。「自分はこういう人間だ」とある程度確信できるようになれば、アイデンティティーが確立されたといえ、「忠誠(fidelity)」という力が得られます。自分で選んだ価値観を信じ、それに対して貢献しようとすることです。たとえば、「○○の国民として義務を果たそう」「地球に住む生き物として、自然環境を守らなければ」などと強く思い、行動することが該当します。一方で、アイデンティティーが確立できないと、「自分は何なのだろう」「何のために生きているのだろう」と悩みつづけることになります。共同体のなかに自分の居場所を見つけることが、アイデンティティーの確立につながるでしょう。エリクソンの発達段階6:初期成人期18~40歳頃は「初期成人期(young adult)」と呼ばれています。乗り越えるべき心理社会的危機は「親密対孤立(intimacy vs. isolation)」です。生まれた家庭や学校を離れ、多くの人との関係を築く時期です。恋愛を経て結婚に至る人も多いでしょう。新たな家族や友人との長期的・安定的な関係を通し、「愛情(love)」という力を獲得します。幸福な人生を送ることにつながるでしょう。しかし、他者に積極的に関わることをためらったり、長期的な人間関係を築くことを怠ったりすると、人間は孤独になります。家庭を持つことが難しくなってしまうでしょう。エリクソンの発達段階7:壮年期40~65歳頃は「壮年期(adulthood)」です。克服するべき心理社会的危機は「ジェネラティビティー対停滞(generativity vs. stagnation)」。ジェネラティビティーとはエリクソンによる造語で、「次世代育成能力」などと訳されます。子どもを育てたり、職場の後進を育成したりなど、自身が属する共同体において後の世代に貢献することです。自分の時間やエネルギーを子どもや若者に使うことで生きがいを感じるという人も多いのではないでしょうか。これにより、私たちは「世話(care)」という力を獲得します。一方、共同体に関与せず常に自分のことだけ考えて生きている……このような状況は「停滞」と呼ばれます。この年齢になると、「世界に自分の足跡を残せただろうか」と考える人もいるのではないでしょうか。次の世代に何も残せず「停滞」していると感じると、このあとの「老年期」で辛くなるかもしれません。エリクソンの発達段階8:老年期最後は、およそ65歳以上を指す「老年期(mature age)」です。乗り越えるべき心理社会的危機は「自己統合対絶望(ego integrity vs. despair)」。多くの人が仕事を定年退職し、老後の生き方を模索していることと思います。寿命を前にして、これまでの人生を振り返ることもあるでしょう。それぞれの発達段階において、心理社会的危機を乗り越え、「力」を獲得できたでしょうか。満足のいく人生だったでしょうか。自分の死後に残るものはあるでしょうか?これらの質問に納得がいったならば、最後に「賢さ(wisdom)」を得られるでしょう。しかし、自分の人生に満足がいかず、多くの後悔を抱えていたらどうでしょうか?子どもの頃や青春時代、大人になってから……それぞれの発達段階に対し「こんなはずじゃなかった」という気持ちが強いと、人生をやり直したくなるかもしれません。しかし、時間を巻き戻せるわけはなく、寿命が迫っています。絶望的な気分となり、穏やかに余生を送る、というのは難しそうです。***エリクソンの発達段階論を知ると、子どもへの接し方だけでなく、親である自分の人生にも思いを巡らすことになるのではないでしょうか。読者の皆さんの多くは、6段階目の「初期成人期」にいることと思います。それまでの6つの段階における心理社会的危機をクリアできていたか振り返りつつ、お子さんの心理社会的危機についても考えてみてください。(参考)StudyHackerこどもまなび☆ラボ|ピアジェの心理学を知れば、子どもの発達がよく分かる!?有名な「4つの発達段階」をまとめてみた東京工芸大学学術リポジトリ|教育心理学的視点からエリクソンのライフサイクル論及びアイデンティティ概念を検討するJ-STAGE|E. H.エリクソンの心理社会的発達理論における「世代のサイクル」の視点慶應義塾大学学術情報リポジトリ|エリクソンの発達論に関する一考察 : その基本的視座について京都大学学術情報レポジトリ|E. H. Erikson のアイデンティティ理論と社会理論についての考察東京国際大学|アイデンティティ概念の理論的背景と問題点について―精神分析的観点による再検討のために―Simply Psychology|Erik Erikson’s Stages of Psychosocial DevelopmentPoole, Sarah and John Snarey (2011), “Erikson’s Stages of the Life Cycle”, Encyclopedia of Child Behavior and Development, Vol. 2, pp.599-603.
2018年12月10日割合が多いにもかかわらず、理解されにくい発達障害のケースがある私は精神科医として30年以上、臨床経験の大半を発達障害の診療に費やしてきました。今は、信州大学医学部附属病院にある「子どものこころ診療部」を中心に、乳幼児から成長して大人になった方までたくさんの方たちにお会いしています。ここでは、私の臨床経験から、発達障害と診断された人たちのなかで、割合が多いにもかかわらず十分に理解されずに困っているケースについてお話ししていきたいと思います。まずは、おさらいとして「発達障害」の種類から紹介しましょう。発達障害には、自閉スペクトラム症や注意欠如・多動症(ADHD)、学習障害など、いくつかの種類があります。そして、それぞれに特性があります。たとえば自閉スペクトラム症には「対人関係が苦手」で「こだわりが強い」という特性があり、ADHDには「多動性・衝動性」と「不注意」という特性があります。同じ発達障害でも、種類によって特性は違うわけです。■発達障害の基本的な特性Upload By 本田秀夫発達障害の各論だけでは説明できないことも私は、多くの方に発達障害について知っていただきたくて、これまで、自閉スペクトラム症やADHDについての本を多数出版してきました。ちなみに、自閉スペクトラム症やADHDは、「発達障害」を1本の木にたとえれば、その一部なわけです。しかし、最近、「発達障害の一部」を取り上げるだけでは、発達障害そのものを説明することが難しいし、発達障害を理解していただくのに十分ではない、と考えるようになってきました。そこで、「発達障害」そのものをタイトルにした本『発達障害生きづらさを抱える少数派の「種族」たち』を上梓し、発達障害のなかでも割合が多いにもかかわらず、十分に理解されていない人たちの話をまとめようと思い立ったのです。みなさんには、こんな経験はないでしょうか?本やインターネットなどで「発達障害」の解説を読んでも、その内容が自分や自分の子どもにいまひとつ当てはまらず、結局、発達障害のことがよくわからなくなってしまったというケースです。Upload By 本田秀夫ミスが多くて、コミュニケーションが苦手な人ここで、ある成人女性のケースを紹介しましょう。彼女は、仕事でミスが多く、職場でいつも苦労していました。本人はよく気をつけているつもりですが、見積書の金額を間違えたり、資料作成時に必要なページを飛ばしてしまったりします。ただ、彼女は余計なおしゃべりをせず、一生懸命に作業をするため、真面目な人と評価され、先輩にサポートされて、働いていました。ところが、キャリアを積むうちに仕事の幅が広がり、仕事量が増えると、ミスが目立つようになってきました。彼女は真面目な人でしたが、趣味がなく雑談も苦手で、社交的ではないため、「余計なおしゃべりをしない真面目な人」というよりは、「同僚とうまくコミュニケーションをとれない人」と評価されるようになっていきました。彼女は「このままでは、やっていけないのではないか」と不安を抱いています。Upload By 本田秀夫発達障害の特性が重複して現れるケースこの人が自分の生活や仕事に悩み、発達障害の可能性を考えて本やインターネットなどで解説を読んだ場合、「ミスが多い」という点を、ADHDの「不注意」の特性ではないかと感じるかもしれません。ところが、この人にはADHDの「多動性・衝動性」はあまりみられません。結果として、自分がADHDかどうか、わからなくなりそうです。いっぽう、「雑談が苦手」という点から考えていくと、自閉スペクトラム症の「対人関係が苦手」という特性があるようにも思えます。しかし、自閉スペクトラム症の「こだわりが強い」一面があるかというと、「趣味がない」わけですから、どちらかといえば、彼女は自分の場合、こだわりは弱いと感じています。つまり、この人の場合、自分にはADHDと自閉スペクトラム症、どちらの可能性もあるように感じながらも、どちらの確信ももてないという状態になってしまうわけです。本人は、人よりもミスが多いことや、人に比べて雑談が苦手なことによって苦しんでいます。その背景には、発達障害の可能性が感じられます。しかし、どの障害だと言い切ることができません。発達障害の一般的な解説には、この「発達障害の特性が感じられるけれど、発達障害の診断がつきにくい」タイプのことがあまり書かれていません。しかし、私はこのタイプの人も一定数いるように感じています。先ほどの女性には、ADHDと自閉スペクトラム症が「重複」しているのではないかと考えられます。そのために、ADHDの「不注意」の特性と自閉スペクトラム症の「対人関係が苦手」な特性がどちらもみられるのだと考えると、彼女の悩みを理解しやすくなります。また、彼女の場合、発達の特性に「強弱」の差がみられます。「不注意」と「対人関係が苦手」は強く現れていますが、「多動性・衝動性」と「こだわりが強い」ことは、弱いようです。ただし、本人が「自分には趣味がなく、こだわりは弱い」と感じている場合でも、実際にはこだわりが強いというケースがあります。人は誰でも、自分を基準にしてものごとを考えます。この人にとっては当たり前のことでも、ほかの人がみれば、こだわりとしか考えられないようなことがあるかもしれません。両親でも、わが子の見立てがそれぞれ違うことも次に、発達障害の特性を持つ、こんな男の子のケースを紹介します。その子のお父さんは「うちの子はほかの子にあまり関心を持たないし、こだわりが強いし、自閉スペクトラム症に違いない」と考えていました。いっぽう、お母さんのほうは「うちの子は落ち着きがなくて、いつもバタバタしていて、これはADHDね」と思っていたとします。同じお子さんなのに、お父さんとお母さんで見立てが違うのはなぜでしょう?それは、人は自分を基準にして相手を見るからです。この子のお父さんは、小学校のときの通信簿によく「落ち着きがない」と書かれていたそうです。お父さんからしてみると、自分を基準に考えれば、わが子は問題視するほど「落ち着きがない」ようにはみえないのでしょう。わが子の落ち着きのなさよりも、「対人関係が苦手」「こだわりが強い」という自閉スペクトラム症の側面のほうが浮き彫りになってみえたのです。いっぽう、お母さんは小さい頃から、落ち着きのあるお子さんだったそうです。そんなお母さんからしてみると、わが子はじっとしていられないし、常に関心ごとが移り変わって、十分に「落ち着きがない子」にみえたのでしょう。「自分」を基準にして考えると、同じ子どもの同じ親という立場でも、わが子への見立てが違ってきてしまうのです。この子の場合、医師に相談したところ、「自閉スペクトラム症」という診断を受けたそうです。ただし、「ピュアな自閉スペクトラム症」というよりは、ADHDの「多動性」の重複も考えたほうがいいかもしれません。発達障害の特性があって困っている人たち先にあげた成人女性のケースも、「自閉スペクトラム症」と診断された男の子のケースも、発達障害の特性に重複があって困っている人たちです。そして、 そうした重複例はかなり多いにもかかわらず、適切に理解・対応されていないケースが多くみられるのです。自閉スペクトラム症には、「対人関係が苦手」で「こだわりが強い」という特徴があります。そしてADHDには「うっかりミスが多い」「落ち着きがない」という特徴がみられます。「こだわりが強いこと」と「落ち着きがないこと」は、一見するとまじりあわない特徴です。一見正反対の特徴だからこそ、それらが重複すると、複雑な現れ方をして、十分に理解されなくなってしまうのです。逆にいうと、自閉スペクトラム症やADHDなどの障害特性のうち、どれか1種類だけが存在しているという場合には、非常に理解しやすくなります。なぜかというと、医学書で解説されている内容に近い行動がみられるからです。ピュアな自閉スペクトラム症、ピュアなADHDだったらもしも、先の成人女性が重複例でなかった場合には、どのように行動が変わるか、考えてみましょう。自閉スペクトラム症の単独例だった場合には、「雑談が苦手」というところは変わりませんが「ミスが目立つ」という特徴はみられなくなるでしょう。同僚に「人づき合いは悪いけど、仕事はできる人」という印象をもたれ、職場に適応できるケースも少なくありません。Upload By 本田秀夫いっぽう、ADHDの特性が単独の場合には、「ミスが目立つ」という特徴は残りますが、「雑談が苦手」ではなくなります。そうすると、同僚には「ミスはあるけど、明るくて活動的な人」という印象をもたれ、苦手な面も理解してもらえることがあります。単独例は、発達特性があるわりにはうまくいっているようにみえるかもしれません。Upload By 本田秀夫発達障害の人の悩みを理解し、支援するために、発達障害が「重複」するタイプで、「ちょっと自閉スペクトラム症で、ちょっとADHD」という人もいるのだということを、ぜひ知っておいてください。重複して現れることもある、と知っておくだけでも、発達障害の人の行動や心理を読み解くのに役立ちます。著者:本田秀夫(ほんだ・ひでお)信州大学医学部子どものこころの発達医学教室教授・同附属病院子どものこころ診療部部長、特定非営利活動法人ネスト・ジャパン代表理事。精神科医として30年にわたり発達障害の臨床と研究に従事している。
2018年12月06日【ニュース】売り上げは支援や啓発活動に!LINEスタンプ第二弾「冬ダウン症あってもなくてもスタンプ」発売!Upload By 発達ナビニュース公益財団法人日本ダウン症協会が企画・販売しているLINEスタンプの第二弾が発売開始されました!「あけましておめでとう」「メリークリスマス」など冬に活躍するデザインはもちろん、日常的に使いやすいワードも含め、8種類が登場しました。スタンプの売り上げは、ダウン症のある人やその家族の支援、ダウン症の啓発活動などにあてられます。40種類と豊富なデザインのある第一弾もあわせてチェックしてみてくださいね。【名称】冬ダウン症あってもなくてもスタンプbyJDS【種類】8種類【価格】120円※LINE STOREのページに遷移します公益財団法人 日本ダウン症協会【ニュース】平成30年度「障害者週間」みんなでつくる共生社会〜共に生き、共に考える、明日を〜Upload By 発達ナビニュース毎年12月3日から9日までの1週間は、政府が定める「障害者週間」です。全国各地で、障害のある人の自立と社会参加の支援などに関する活動をはじめ、いろいろな行事や啓発活動が行われています。東京都で開かれる連続セミナーでは、さまざまな障害の支援に関わる8団体が参加し、学習や就労、街づくりなど多彩なテーマのセミナーが開催されます。この機会に、改めて誰もが暮らしやすい社会について考えてみませんか?■「障害者週間」作品展全国から募集し、推薦された「障害者週間のポスター」の原画などを展示【日時】2018年12月3日(月)〜9日(日) 10:00〜18:00【場所】有楽町駅前地下広場(東京都千代田区有楽町2丁目7番1号先)【入場】無料■「障害者週間」連続セミナー2日間の日程で、関係団体がセミナーを開催【日時】2018年12月6日(木)〜9日(日) 両日9:30〜18:20【場所】有楽町朝日スクエア(東京都千代田区有楽町2丁目5−1 有楽町マリオン11F)【参加費】無料【定員】各100人【問い合わせ・申込み】各主催団体へ【内容】・12月6日(木)特定非営利活動法人カラーユニバーサルデザイン機構「見逃されてきた色覚障害者への社会の対応〜わかりやすいはずの色使いが混乱や危険を誘発する〜」独立行政法人国立特別支援教育総合研究所「障害のある子供の教育〜特別支援教育に関するQ&A紹介〜」公益財団法人日本障害者リハビリテーション協会「読み書き障害児の教育支援〜デジタル教科書(デイジー教科書)の取組と今後の課題〜」特定非営利活動法人全国言友会連絡協議会「吃音とは〜『発達障害者支援施策』&『当事者研究』から〜」・12月7日(金)全国手をつなぐ育成会連合会「命について」結婚、出産、医療を通して、障害者の人生を考える独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構「発達障害の雇用を促進するために〜雇用事例から学ぶ職場定着に向けた支援のポイント〜」社会福祉法人日本身体障害者団体連合会「ユニバーサルデザインの街づくりを考える〜好事例からみる街づくりの展望と期待〜」一般社団法人日本発達障害ネットワーク「クワイエットアワープロジェクト中間とりまとめ報告〜発達障害を手掛かりとして音環境について考える〜」※内閣府のページに遷移します【イベント】公開シンポジウム「子どもの親になること ダウン症のある子どもの父親から~子育てに関するメッセージ~」(東京都)Upload By 発達ナビニュースダウン症のある子を育てるお父さんたちのメッセージから子育てについて考えるシンポジウムが開かれます!第一部は専門家の視点から学ぶことができる父親と母親の違いに関する講演、第二部は実際にダウン症のお子さんがいる父親の講演・パネルディスカッションが予定されています。第二部で登壇されるのは、イケメンタレントあべけん太さんのお父様、出生前診断でわが子にダウン症があることがわかった方、「きょうだい児」のいる方、特別養子縁組された方の4人で、それぞれ異なる立場から「父親」についてのお話をきけそうです。【日時】2018年12月22日(土)13:00〜17:00【場所】お茶の⽔⼥⼦⼤学 ⼤学本館 3階306室(東京都⽂京区⼤塚2-1-1)【対象】どなたでも参加可能【参加費】無料【内容】第一部:「父親と母親の違いってなに?〜専門家の視点から〜」「生命倫理学からみた父親・母親」国立国際医療研究センター上級研究員高島響子先生「夫婦葛藤の心理学」山梨大学准教授・臨床心理士川島亜紀子先生第二部:「父親ってなに?〜ダウン症のある子どもの父親の視点から〜」幼児期、学童期、成人期のダウン症のお子さんがいるお父さん4人による講演。「パネルディスカッション」ダウン症のあるお子さんのお父さんたちがパネリストを務めて、「父親」をテーマにディスカッションをします。お茶の水大学大学院遺伝カウンセリング領域の三宅秀彦教授(臨床遺伝専門医)もコメントします。【お問い合わせ】Eメール: ocha.symposium1@gmail.com【申込み】2018年12月18日(火)までに事前登録をしてください。*お茶の水女子大学の申し込みフォーム(Formzuのページ)に遷移します公開シンポジウム「子どもの親になること」を開催します(12月22日(土)) | お茶の水女子大学
2018年12月05日発達障害と不眠の関係発達障害のある子どもの多くは、睡眠に何らかの問題を経験する場合が多いと言われています。不眠に悩む場合は、その原因として、感覚の過敏さなどの特性、睡眠リズムのシステムづくりに問題がある、感覚統合の未熟さによる不安感、うつなどの二次障害などが考えられます。自閉症やADHDなど、発達障害と診断された人は高い確率で睡眠の問題が起こります。特に乳幼児期には、寝つきが悪かったり、ちょっとの音で目を覚ましてしまい、途中で目を覚ますとなかなか寝ないなど、年齢相応の睡眠リズムが確立しにくい傾向が顕著にみられることも知られています。(『睡眠障害の子どもたち』大川匡子編著合同出版刊p49より)・気持ちの切り替えが困難こだわりや過集中などの特性により、寝る前にやっていたことからなかなか睡眠へと切り替えることが難しい場合があります。・感覚の過敏さ音や光などに対する感覚が過敏なため、覚醒しやすいといわれています。・セロトニン・メラトニンなど睡眠に関連するホルモンの不足発達障害がある人は、メラトニンの量や、セロトニン・メラトニンといったホルモンの元となるトリプトファンの量が、極端に多すぎたり少なすぎたりするのではないかと考えられています。体内時計をコントロールする、これらのホルモンの不足があると、不眠や概日リズム睡眠障害になりやすくなると考えられています。参考:メラトニン | 厚生労働省参考:セロトニン | 厚生労働省参考:概日リズム睡眠障害 |厚生労働省参考:生体機能リズムの発達と自閉症 | 第11回 日本小児耳鼻咽喉科学会総会・学術講演会また、感覚統合が未熟で、自分の身体の位置や動き、力の入れ具合を感じる感覚である「固有覚」などが十分に発達していないと、自分のボディイメージがつきづらく、コントロールもうまくできません。そのために不安感があり、不眠の原因になるのではないかと言われています。発達障害の二次障害であるうつなどを発症することで、不眠につながる場合もあります。上記をはじめとして、発達障害がある子どもの不眠には、いくつかの原因が考えられています。家庭でできる不眠の対処法早寝早起き、朝食をしっかりとる、昼寝させ過ぎない、日中体を動かす、夕飯やお風呂の時間を見直すなど、まずは生活リズムを整えてみましょう。特性などによって、睡眠への切り替えが難しい場合は、入眠儀式をつくることでスムーズに眠れるようになる場合もあります。寝る前に着替えて歯を磨く、絵本を読むなどの決まりごとをつくります。毎日同じ習慣や手順で眠りにつくことで、寝るモードに気持ちが変わりやすくなります。親子のスキンシップにもなるマッサージを、入眠儀式として取り入れてみるのもよいかもしれません。子どもがどんなことをすると眠りやすいか探しながら、合うものがあれば毎日繰り返して「入眠儀式」にしていきましょう。どうしても寝つきが悪い時には無理に寝かせようとせず、思い切って起きるという方法もあります。一度部屋を明るくして布団の外に出てみたり、音楽をかけてみましょう。眠れないことで不安になり、寝ようと意識しすぎるとかえって興奮してしまい眠れなくなってしまう場合もあるからです。寝室の環境も睡眠に影響します。落ち着いて眠りにつける空間づくりと、朝起きやすくなる工夫をしましょう。ベッドは日当たりのよい場所に置きましょう。遮光性のあるカーテンをして、朝決まった時間に開け、起床時に日光を浴びるようにします。インテリアは、淡い青や黄色、アースカラーなどの穏やかで落ち着いた色を選びましょう。不安を感じやすい場合や光に敏感な場合は、天井から布などを吊って高さを抑えた空間にしたり、照明を和らげたりもできます。眠る時間には静かな環境をつくってあげましょう。また、発達障害がある子どもの中には、感覚統合が未熟なためボディイメージの弱さが不安感につながっている場合があります。そのような場合には、以下に挙げられているような、重みのある寝具や、ぴったりと体に添う寝具などを取り入れると、安心して眠れるようになる場合もあります。本研究において使用されたチェーンブランケットは睡眠に対して主観的にも客観的にも肯定的な影響を及ぼした。触覚と固有受容覚の入力の増進により、重みのあるブランケットは不眠症を減少させる上で、助けとなるかも知れない。チェーンブランケットは睡眠の質を改善させるための革新的な非薬理学的方法であり、また薬理学的方法を補完するツールとなる可能性がある。「重い(重みのある)ブランケットが不眠症の人の睡眠に与える肯定的な影響」ヨーテボリ大学・サールグレン・アカデミー・臨床神経科学・生理学、 SDSクリニック(ヨーテボリ)、リンシェーピング大学 臨床実験医療(スウェーデン)より引用家庭での対処が難しいときの相談先生活リズムの改善や、環境調整、寝具の工夫などでも不眠が解消しない場合は、家族だけで抱え込まずに、かかりつけの小児科や地域の保健センターに相談しましょう。専門的な治療が必要な場合は、専門機関や対処を教えてくれるでしょう。医療機関では、不眠の原因の確認を行い、必要に応じて治療が行われます。医療機関で行われる代表的な治療法には、次のようなものがあります。子どもの睡眠障害は、保護者の生活習慣の影響を受けやすいため、家庭の生活習慣の見直しや、子どもがうまく眠れないときのかかわり方などについての指導など、行動療法的なアプローチが有効です。そこで、保護者の睡眠に関する知識を正し、睡眠環境や生活リズムを整えることで適切な睡眠が得られるようにします。睡眠リズムを記録する睡眠表をつけることもあります。子どもの薬物治療については、医師による治療方針やケースにもよりますが、生体リズムの改善のため、メラトニンやドーパミンを薬で調整する治療法があります。また、緊張や不安が原因の場合、それを和らげるための薬が処方されることもあります。薬物治療を行う際には主治医と相談の上、用法や用量を守って進めることが重要です。朝に強い光を浴びることで体内時計がリセットされる仕組みを使い、朝、身体の中心部の体温が上昇し始める時間に、人工的につくった明るい光を浴びる治療法です。参考: 概日リズム睡眠障害と光療法 | 文部科学省参考:小児神経科医のいる病院一覧 | 日本小児神経学会不眠の際に活用できる商品なども出ています。不眠の原因によっても対処法は異なってきますが、まずはご家庭でできることを試し、それでも改善が難しいようであれば、早めに相談機関につながるようにしましょう。
2018年12月03日