世界一有名な名探偵と言っても過言ではないシャーロック・ホームズ。人気は根強く、映像化はもちろん、作風を模倣したパスティーシュやパロディ小説が次々と誕生している。そのなかでも異色といえるのが、ナンシー・スプリンガーによる『エノーラ・ホームズの事件簿』シリーズ。ヒロインはなんと、シャーロックの妹エノーラ!お転婆で知的で独立心旺盛なエノーラが、事件を解決しながら成長する姿を追うヤングアダルト小説だ。アメリカで出版された優れたミステリーを称える、エドガー賞ジュブナイル部門の候補となってもいる。本作は、その人気シリーズ第1弾「消えた公爵家の子息」を軸にしたミステリー・アドベンチャー。名探偵と同じDNAを持つキュートな少女探偵が大活躍!生まれてすぐに父親を亡くしたエノーラは、物心ついたときには母親ユードリアと二人暮らし。母親はかなり風変わりで、自ら娘を教育。楽しく過ごしていた母娘だが、エノーラが16歳の誕生日を迎えた朝に母親が失踪。ロンドンに住む兄マイクロフトとシャーロックに助けを求めたエノーラは、堅物の長兄から寄宿学校に送られそうになり、「刺繍なんかやってられない」とロンドンへ向かう!旅の途中で何者かに殺されかけたテュークスベリー子爵を助けた彼女は、自分でも気づかぬ間にある陰謀に巻き込まれていく!?エノーラと母親の関係性がとてもユニーク。ビクトリア朝の女性に必須のレディ教育や良縁には重きを置かないユードリアが娘に教えるのは、化学やテニス、柔術やアーチェリーにボクシング。フェミニズムに関する本も愛読し、女性参政権を求めたサフラジェットの前身的な存在だ。母がエノーラを鍛えるのも、男性に頼ることなく生きられるようにという考えからだろう。困難に遭遇したエノーラの推理能力が開花するのも時代を先取りした教育と生まれ持った才能のおかげ。言葉遊びや花言葉は暗号解読に役立つし、危険な男と格闘するのも躊躇なし。爆薬の知識はあるし、抜群の記憶力も兄シャーロックと同じ遺伝子を感じさせる。時代設定は19世紀後半だが、現代にも通じる問題を交えた脚本が巧み。しかも困難に立ち向かうエノーラが快活でたくましく、痛快な快進撃に思わずニンマリ。『デッドプール』や『フリーバッグ』と同じく主人公が観客に語りかける、いわゆる“第四の壁”を破るスタイル。なのでエノーラが女友達のように感じられ、彼女への共感が増す仕掛けだ。エノーラをチャーミングに演じたのは『ストレンジャー・シングス』でブレイクしたミリー・ボビー・ブラウン。少年に化けたかと思えば、兄たちの裏をかくためにレディに大変身したり。『ストレンジャー~』とはひと味違うミリーに魅了されること間違いなしだ。本作では姉ペイジとともにプロデューサーとしても活躍。そのミリーを盛り上げるのが、エキセントリックな女性役がお得意のヘレナ・ボナム=カーターと、スーパーマンやウィッチャーといったアイコニックなキャラクターを演じているヘンリー・カヴィル。それぞれの役になり切った上でミリーを立てているのはさすがだ。そしてテュークスベリー子爵役のルイス・パートリッジも要注目。弱冠16歳の新星は、ミリーとの相性抜群のイケメン君。見終わったらきっと、シリーズ続行と子爵の再登場を願うはずだ。『エノーラ・ホームズの事件簿』監督/ハリー・ブラッドビア出演/ミリー・ボビー・ブラウン、ヘンリー・カヴィル、サム・クラフリン、ヘレナ・ボナム=カーター、アディール・アクタル、フィオナ・ショウほかNetflix映画『エノーラ・ホームズの事件簿』全世界独占配信中※『anan』2020年9月30日号より。文・山縣みどり(by anan編集部)
2020年09月28日Netflixオリジナルアニメシリーズ『BIOHAZARD:Infinite Darkness(バイオハザード:インフィニット ダークネス)』が2021年に配信されることが発表になり、ビジュアルと映像が公開になった。『バイオハザード』は全世界でシリーズ累計出荷本数が1億本以上を超える超人気ゲーム。これまでも繰り返し映画化され、フルCG映画や、ミラ・ジョヴォヴィッチ主演の実写映画シリーズは大ヒットを記録した。来年はシリーズ開始から25周年を迎える記念すべき年で、シリーズ初の連続CGドラマの制作が決定。人気キャラクターのレオン・S・ケネディとクレア・レッドフィールドを主軸にした物語で、アクションだけでなくサスペンス要素も加わったドラマになるという。カプコンの小林裕幸プロデューサーが製作と原作監修を、トムス・エンタテインメントが制作プロデュースを担当。『バイオハザード:ヴェンデッタ』で制作プロデューサーを務めた宮本佳が率いるQuebicoがフル3DCGアニメーション制作を担当する。このほど公開になったティザー映像は約1分ほどで、クレアが廃屋の闇を小さな明かりで照らしながら進んでいく場面から始まる。さらに後半にはレオンが何者かを救出する場面が登場。細部まで作り込まれた映像、暗闇で何かヒントが見えるか見えないか目をこらしたくなるライティング、緊迫感を高める音響、そしてショッキングな展開……“バイオ”好きにはたまらない、来年に向けて期待値が高まる内容になっている。『BIOHAZARD:Infinite Darkness』Netflixにて2021年より全世界独占配信(C)CAPCOM CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED.
2020年09月27日最近、私の周りの20〜30代はサブスク(一定期間・定額料金制のサービスや製品)三昧。音楽や映像のストリーミングサービスや、ジムやマッサージなどなど、多種多様なサービスを使って楽しんでいる様子です。一方私はというと、仕事で使うソフトで仕方なく定額制を利用しているほかは、たまにAmazonプライムやHuluを利用して、やめての繰り返し。ケチなので、なるべく無料期間を使うようにして、ゆるく楽しむ程度でした。ところが、数カ月前なんとなくNetflixを始めてみたところ……。新型コロナウイルスの影響もあり、Netflix利用者が増大したそうです。私はちょうど某SNSを使い始めていたため、そこでおすすめ作品を聞いてみたのですが、いろいろな人に今まで知らなかったおもしろい作品を紹介されて、ズブズブと「Netflix沼」にハマってしまいました。映画が見られるサービスはほかにもありますが、Netflixはなんといってもオリジナル番組が豊富! かつ、おもしろい! 字幕の切り替えが簡単だったり、スマホでも見やすい作りになっていたり、おすすめ作品のチョイスが的確だったりと、使い勝手も大変良くできています。個人的には、英語学習にも大変役立っているので、もう戻れない感じ……(ちなみにこれは宣伝ではありません。個人の感想です・笑)。サブスクの怖いところは、便利だから、おもしろいからとあれもこれも使っていると、結構な経費になってしまうこと。使いたいサービスはほかにもいろいろあるけれど、お財布と相談して賢く利用していきたいと思います。
2020年09月17日動画配信サービスのNetflixが、制作会社スターサンズと共同で企画製作したNetflixオリジナルシリーズ『新聞記者』を2021年に配信することを発表した。2019年6月に劇場公開され、大きな話題を呼び大ヒットした映画『新聞記者』。同作は近年の政治事件やスキャンダルなどに真正面から切り込み、タブーに挑戦した衝撃な内容が話題を呼び、第43回アカデミー賞の最優秀作品賞を含む主要3部門を獲得した。今回は、米倉涼子を主演に迎え、新たな物語であるNetflixオリジナルシリーズ『新聞記者』を制作することが決定。映画版とは違った角度からで、さらに深く奥に沈み込んだ現代の社会問題をつまびらかにしていく。これまでTVドラマや映画で様々な「闘う女性」を演じてきた米倉は、“新聞業界の異端児”と呼ばれる東都新聞 社会部記者・松田杏奈に抜擢された。監督は映画版に引き続き、藤井道人。米倉は今回の発表に併せて、「全く新しい、強く、ひたむきで魅力的な女性を演じられるよう精一杯挑みます!」と決意を語っている。◆米倉涼子(松田杏奈 役)コメント自身の信じるものを貫くことが難しいこの世の中で、忖度なく、慣例や慣習を打ち破って突き進む新聞記者・松田杏奈。全く新しい、強く、ひたむきで魅力的な女性を演じられるよう精一杯挑みます!杏奈がどのように、正義を貫き、今の時代と対峙するのか。ぜひご期待ください!◆河村光庸(原案・企画・制作)コメント世界の人々の価値観を根底から変えようとしているWithコロナの時代。社会の「自主規制」の強要に呼応するかのように多くの報道メディアは、「同調圧力」を加速させ、社会に「分断」と「委縮」を持たらしました。果たして我々は「多様性」「創造性」を踏みにじられ、「寛容な社会」のカケラさえ見出すことのできない時代に葬られてしまったのでしょうか?「映画こそ自由な表現を」の旗を掲げ、報道の在り方を問い、多くの賛同を得た映画『新聞記者』は、全く衣を変え、Netflixオリジナルシリーズ「新聞記者」として世界へと羽ばたきます。どうぞお心を向けて下さるようお願い致します。◆坂本和隆(エクゼクティブ・プロデューサー/Netflix コンテンツ・アクイジション部門 ディレクター)コメント政治への関心が高まる今だからこそ、映画『新聞記者』の藤井道人監督、河村光庸プロデューサーと共に、米倉涼子さんを主演に迎え、映画版とは違う主人公、物語で描く、Netflixオリジナルシリーズ「新聞記者」を楽しみにしてください。Netflixオリジナルシリーズ『新聞記者』2021年、Netflixにて全世界同時配信予定
2020年09月15日韓国の4人組ガールズグループ「BLACKPINK」の軌跡をたどるドキュメンタリー映画『BLACKPINK ~ライトアップ・ザ・スカイ』が「Netflix」にて配信が決定した。「BLACKPINK」は2016年のデビュー後、ミニアルバム「BLACKPINK」がいきなりオリコンアルバムランキングで1位を獲得。1stミニアルバム「SQUARE UP」は、全世界44か国のiTunesチャートで1位に輝いた。さらに最近では、レディー・ガガやセレーナ・ゴメスらとのコラボなどグローバルな影響力も高まっている。本作では、メンバーの独占インタビューや未公開映像を織り交ぜながら、練習生時代の過酷なトレーニングやレッスンを経て、メンバーそれぞれが素晴らしい才能を融合させていくまでの様子を捉えた映像から、デビューしてヒットを勝ち取り、アメリカ最大級の音楽フェスティバル「コーチェラ・フェスティバル 2019」に出演、歴史的なパフォーマンスを披露し、世界的ブレイクを果たした現在までに迫る。今回の配信について「BLACKPINK」は「この映画が視聴者の皆さんに喜びと光をもたらし、過去4年間の私たちの歩みを一緒に楽しんでいただけることを願っています」とコメント。配信に先駆け、「Netflix」のプロフィール画面を模して作られたメンバーのアイコンがポップなキービジュアルも公開された。Netflixオリジナルドキュメンタリー『BLACKPINK ~ライトアップ・ザ・スカイ』は10月14日(水)より独占配信開始。(cinemacafe.net)■関連作品:【Netflix映画】ブライト 2017年12月22日よりNetflixにて全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】マッドバウンド 哀しき友情 2017年11月17日よりNetflixにて全世界同時配信【Netflixオリジナルドラマ】オルタード・カーボン 2018年2月2日より全世界同時オンラインストリーミング2月2日(金)より全世界同時オンラインストリーミング
2020年09月09日定額制動画配信サービス「Netflix」が9月7日、日本ローンチ5周年を迎えるにあたり、オンライン記者説明会を開催。Netflixオリジナルシリーズ「今際の国のアリス」を手がける佐藤信介監督(『キングダム』)が出席し、「自由な気持ちで作れた。原点に立ち戻り、本当に面白いもの、楽しめるものは何だろうと考え続けた。ポストプロダクションの現場でも、予算よりもまずは『こうしたい』というものを提案してほしいと言われた」と初めて挑んだNetflixの製作現場を振り返った。謎に満ちた荒廃世界に迷い込んだ主人公たちが、命懸けの“げぇむ”でサバイバルに挑むSFサバイバル。“げぇむ”に巻き込まれる有栖(アリス)良平を山崎賢人、アリスと出会う驚異の身体能力を持つクライマー・宇佐木(ウサギ)柚葉を土屋太鳳がダブル主演で演じる。シリーズ全8話で構成され、撮影には5ヶ月を要したといい「ドラマではあるけれど、長い映画だと思ってほしいという部分が始まり、トーンやルックの統一を吟味した」と回想。「これだけの規模感で、8話シリーズを作り切ったのは、日本の映画史、ドラマ史でもなかなかないこと。ちょっと見たことないことが体感できるんじゃないかと思う」と強い手応えを示していた。最新の4Kカメラで撮影が行われ、「劇場以上のクオリティで、CGの細やかさも(劇場の)2Kよりさらに繊細。音響は劇場と同じ5.1chなので、まさに新しい規格に向けて作った」。全世界同時配信については「映画祭や海外配給とは違い、各家庭に直結し選んで見られるのが大きい」と語った。代表作の1つである『BLEACH』が、海外ではNetflixオリジナルとして190ヶ国に独占配信されており、「アメリカでタクシーの運転者さんが、娘さんが作品の大ファンだと話してくれた」と実体験も明かしていた。オンライン記者説明会には、坂本和隆氏(Netflix コンテンツ・アクイジション部門 ディレクター)が同席し、Netflixの国内有料メンバー数が、500万人を突破(2020年8月末時点)したことを報告。「これは通過点」と背筋を伸ばした。現在、全世界で50作品以上の日本発オリジナル作品(実写とアニメ含む)が配信されているが、「(日本発のオリジナル)実写は第2ステップ。見たことないものを届けるため、スタジオとして自由な作品づくり追求している」とし、2022年までに、さらにオリジナル実写15作品の配信を予定していることも発表した。取材・文=内田涼
2020年09月07日ヘンリー王子&メーガン妃夫妻がNetflixと複数年にわたる契約を結び、ドキュメンタリーやTV番組を制作することが明らかになった。「The New York Times」紙が伝えた。メーガン妃は今年「Disney+」の作品『ディズニーネイチャー/ゾウの足跡を追って』でナレーションを務め、女優復帰の可能性も取りざたされていたが「演技をする」予定はなく、製作陣として活動するという。すでに自然に関するドキュメンタリーシリーズやアニメ番組など、複数の作品の企画が進行しているとのこと。夫妻は「親になったばかりの自分たちにとって、インスピレーションの源になるようなファミリー向け番組を作ることはとても重要です。信頼・共感できるレンズを通してパワフルな物語を紡ぎます」と声明を発表。Netflixの共同最高経営責任者で最高コンテンツ責任者のテッド・サランドスは「ハリーとメーガンは、信頼性、楽観主義、リーダーシップを持って世界中の何百万人という人たちに刺激を与えてきました。彼らが創作の拠点にNetflixを選んでくれたことを、私たちは大変誇りに思っています」とコメントしている。平穏な生活を求め、イギリス王室から“離脱”し、北米へと拠点を移したヘンリー王子一家。しかし、7月には息子アーチーくんの写真をドローンで盗撮されたとしてパパラッチを提訴したり、最近では引っ越し先のモンテシトにパパラッチが押し寄せ近隣住民の怒りを買ったりなどトラブルが絶えない。今回のNetflixの件についてもネット上に辛らつなコメントが多数寄せられている。(Hiromi Kaku)
2020年09月03日『バイオハザード』シリーズに基づく実写のNetflixオリジナルシリーズ『バイオハザード(原題)』が、Netflixで全世界独占配信されることが決定した。『バイオハザード』は、1996年、カプコンから第1作が発売されたサバイバルホラーの金字塔。今日に至るまで全世界で1億本以上を売り上げ、ゲーム史有数のベストセラーシリーズとなった。同作はゲームの枠を越え、映画やテーマパークのアトラクションなど幅広いジャンルへと展開。コンスタンティン・フィルムが製作した全6作の映画版の収益は全世界で累計12億ドルを超え、ビデオゲームを原作とする映画シリーズとしては過去最高の興行成績を収めている。Netflix版では、ふたつの時間軸で新たなオリジナルストーリーが描かれていく。ひとつ目の時間軸は、14歳のジェイドとビリーのウェスカー姉妹が、ニューラクーンシティに移り住むところから始まる。人工企業都市でウェスカー姉妹は青春を謳歌するが、次第に街の実態に気づき始め、父親が何か隠しているのではないかと疑念を抱くように。それは世界を破滅へと導く危険な秘密だった……。ふたつ目の時間軸は、それから10年以上経った未来の世界。地球上の人類は今や1500万人足らずとなり、T-ウィルスに侵された人間や動物が60億を超える怪物となって地上を埋め尽くしていた。この新たな世界で、30歳になったジェイドは生存を賭けて戦う一方、妹、父親、そして彼女自身を取り巻く過去の秘密に苦しめられる。本作のショーランナー、製作総指揮、脚本を務めるアンドリュー・ダブは、「バイオハザードは私の一番のお気に入りのゲームです。この壮大な物語の新たな一幕の語り手となれること、そしてバイオハザード史上初のTVシリーズ作品を世界のNetflixメンバーにお届けできることに興奮しています。馴染み深いキャラクターが数多く登場すると同時に、これまで目にしたことのない新たな側面(残虐で狂気に満ちた側面)を見せる本作は、すべてのバイオハザードのファンにとって、そして初めてバイオハザードに触れる視聴者にとっても最高の作品となるでしょう」とコメントを寄せている。第1話、2話の監督、および製作総指揮を、『ウォーキング・デッド』『ダン・エルドン 〜運命の旅〜』のブロンウェン・ヒューズが担当している。Netflixオリジナルシリーズ『バイオハザード(原題)』全8話(各60分)
2020年08月28日近日Netflixにて配信予定のNetflix映画『ピノキオ/Pinocchio(原題)』のボイスキャスト陣が公開された。本作は、1883年に出版されたイタリア人作家カルロ・コッローディによる児童文学『ピノッキオの冒険』を、アカデミー賞受賞のギレルモ・デル・トロ監督・脚本・製作により映像化したミュージカル長編アニメーション。ムッソリーニ政権下のイタリアでファシズムが台頭する中、父親の願いによって魔法のように命を吹き込まれた木製人形の少年・ピノキオが父の期待に応えようと奮闘する愛と冒険の旅を描く。デル・トロと共に『ファンタスティック Mr.Fox』のマーク・グスタフソンが監督を担当。パトリック・マクヘイルも脚本を務め、音楽は『シェイプ・オブ・ウォーター』『グランド・ブダペスト・ホテル』など、オスカー受賞の作曲家アレクサンドル・デスプラが手掛ける。キャラクターのオリジナルデザインはグリス・グリムリー、パペットはマッキノン・アンド・サンダースが担当。制作チームには『ダーククリスタル』などのマペットやアニマトロニクスの第一人者であるジム・ヘンソン・カンパニーが参加している。デル・トロは本作の制作にあたって「この夢のプロジェクトを何年も追求してきた結果、Netflixで完璧なパートナーを見つけました。私たちは長い時間をかけて素晴らしいキャストとクルーを集め、Netflixからの継続的なサポートに恵まれ、静かに、慎重に、辛うじて一歩を踏み出すことができました。 私たちは皆、アニメーションを愛し、情熱を持って練習しており、この古典的な物語を全く新しい方法で再現するには理想的なメディアだと信じています」と熱くコメントした。今回ピノキオ役に、新人・グレゴリー・マンが抜擢された。“流れ者のコオロギ”ジミニー・クリケット役を『トレインスポッティング』『スター・ウォーズ』シリーズのユアン・マクレガー、ゼペットじいさん役を『ゲーム・オブ・スローンズ』『ハリー・ポッター』シリーズのデヴィッド・ブラッドリーが担当。他にも『ドクター・ストレンジ』『オクジャ/okja』のティルダ・スウィントン、『イングロリアス・バスターズ』『ジャンゴ 繋がれざる者』のクリストフ・ヴァルツらアカデミー賞受賞俳優たちに加え、『ストレンジャー・シングス 未知の世界』『IT/イット』シリーズのフィン・ヴォルフハルト、『ブルージャスミン』『オーシャンズ 8』のケイト・ブランシェット、『ヘルボーイ』『バシフィック・リム』のデル・トロ作品でおなじみのロン・パールマンなど。豪華実力派俳優陣がボイスキャストを務めることが決定し、ますます作品への期待が高まっている。Netflix映画『ピノキオ/Pinocchio(原題)』近日独占配信予定
2020年08月20日自身の可能性を広げる手段として有効なのが語学スキル。様々な学習法が登場する中、ここでは楽しみながら学べるメソッドを厳選!手軽だから続く、好きだから頑張れる。楽しさが基準の学習スタイルが新定番に。挑戦はするものの、途中で挫折しがち…。そんな“語学学習あるある”を払拭するには、続けたくなる勉強法を選ぶことが重要に。そこでおすすめなのが、映画やマンガ、ゲームといった自分の好きなものを介して他言語に触れる学習スタイル。以前に比べてジャンルやコンテンツが増加していて、選ぶ楽しさもアップ。机にかじりつくよりもやる気が増して、頑張れること確実です。映画、マンガ、ドラマ…エンタメで学ぶ。物語のチカラで学習意欲を刺激!語学の入門編として最適なのが、映画やドラマなどの既存作品で言語を学ぶ方法。ストーリーを追う楽しさで続けることが苦にならず、ビジュアルによって言葉が頭に入ってきやすいというメリットも。英語のフレーズや言い回しをしっかりと学びたい時は日英字幕を同時に確認できる超字幕シリーズ、様々な言語に触れたい時は多国語対応のNetflixなど、それぞれの特性を生かして学習を。“ディスカバリー英会話”で超実践(?)練習。CS放送や動画配信サービスDplayでサバイバル番組などを配信している「ディスカバリー」の、公式YouTubeチャンネル内の1コーナー。“いつか役立つかもしれない便利なフレーズを紹介する講座”を謳っているものの、実際は熊に向かって放つ「お前の実力を見せてみろ」というフレーズやサソリの種類を聞かれた時の答え方など、一生使う機会がなさそうなものばかり。ほかにも「ディスカバリー3分クッキング」など、ニヤッと笑えるしょうもない字幕付き動画が充実。学べる言語:英語日英字幕を徹底活用!“超字幕”シリーズ。超字幕シリーズは、映画を丸ごと1本収録した英語学習ソフト。新旧の名作映画やドラマなど150以上のタイトルが揃う。日英字幕の同時表示のほか、各言語のみの字幕表示、前後のセリフ表示なども可能で、英語の理解度に合わせて学習レベルを自在に変えることができる。また、46万語が搭載された辞書を収録。ポップアップ辞書機能や速度調整機能など、便利な機能が満載。超字幕プラダを着た悪魔/Windows版¥3,839(税込み)iPhone/iPad版¥1,840(税込み)学べる言語:英語名作マンガを“バイリンガル版”で読む。音声を聞き取る必要がない分、よりシンプルに英語の言語表現を学ぶことができるのが、日本語と英訳されたセリフが同ページに表示されているバイリンガル版コミック。わからない単語や言い回しがすぐに確認できるうえ、自分のペースでゆっくりと読み進められる点も初心者にピッタリ。『ちはやふる』などの学園モノや『ドラえもん』のように日常シーンを描いた作品を選ぶことで、生活で使えるリアルな表現を習得できるはず。バイリンガル版ちはやふる1末次由紀著ステュウット.V・アットキン、とよざきようこ訳¥1,200Kindle版¥1,000/講談社バイリンガル・コミックス学べる言語:英語“Netflix”で多言語字幕&音声視聴!世界190か国以上で展開するグローバルな動画配信サービスならではの多彩な字幕&吹き替えが魅力的なNetflix。『全裸監督』など多くの日本発の作品も多言語化しており、日本語音声&他言語字幕、他言語音声&日本語字幕など、学習したい内容に合わせた組み合わせで視聴が可能に。移動中などでもスマホで気軽にアクセスでき、中国語や韓国語のほか、ポルトガル語といった普段触れる機会が少ない言語も学べる点は嬉しい限り。Netflixオリジナルシリーズ『全裸監督』全世界独占配信中。学べる言語:英語、韓国語、フランス語など12言語(字幕は29言語)人気急上昇中!タイエンタメから学ぶ!推しへの愛があれば、タイ語の習得も夢じゃない!?韓流に次ぐブームとしてSNSで話題のタイカルチャー。イケメン揃いのBLドラマをきっかけに人気が加速し、タイ語を学び始める人が急増しているよう。とはいえ、なじみが薄い言語だけに難易度はやや高め。そこでご紹介するのが、タイ俳優によるYouTubeチャンネル&タイドラマなどを教材としたオンライン講座。憧れの人&好きな作品から学べば、難しい勉強も乗り切れそう。トリリンガル・タイ俳優がYouTubeでレクチャー!タイで俳優として活躍するPerth Nakhunさんが、YouTubeチャンネルを開始。日英タイ語でわかりやすく解説するタイ語講座のほか、Vlogなども字幕付きでアップしている。好きなマンガをきっかけに日本語を学び始め、この取材も全て日本語で返すほど。「僕は英語が母国語なので、自分がタイ語を学んだ時の経験をもとにレッスン動画を作っています。タイ語は難しい言語ですが、Perthチャンネルで楽しく勉強してもらえたら嬉しいです。僕ももっと日本語を勉強するので、一緒に頑張りましょう!」(Perthさん)Perth Nakhunタイとオーストラリアのハーフで、5年前よりタイ在住。ドラマ『My Engineer』(YouTubeで視聴可能)で無口な大学生のRamを演じ、一躍人気に。オンラインのタイ語講座も受講者急増。オンラインレッスンサービスの「カフェトーク」は、幅広く揃う講座の中から自分の希望に合うものを手軽に受講できる点が人気の理由。なかでもイチオシは、タイ語の通訳経験も豊富なRyoko Koko先生のレッスン。「生徒さんのモチベーションをアップするため、基本の教材の間にドラマやバラエティなどお好きな動画を挟んでいます。最終的にはタイの文化や価値観なども理解してもらえるレッスンを心がけています」(Ryoko先生)※『anan』2020年8月5日号より。写真・大内香織取材、文・真島絵麻里(by anan編集部)
2020年08月04日「ストレンジャー・シングス」のミリー・ボビー・ブラウンが、「Netflix」の映画『The Girls I’ve Been』(原題)で詐欺師を演じるという。「Netflix」が発表した。同作は来年初期にペンギン・ランダムハウスから発売されるテス・シャープ著の同名小説を基に描く。ミリーが演じるのは犯罪者をターゲットに詐欺を働いていた母親の娘ノラ。ある日ノラは“今カノ”と“元カレ”と一緒に銀行強盗に巻き込まれ、人質になってしまう。幼い頃から母親の詐欺のテクニックを身につけてきたノラが、窮地を脱するためにそのテクニックを駆使し…というストーリー。ミリーは主演とともに、自身の制作会社「PCMA」を通してプロデューサーも務める。「Netflix」の「オザークへようこそ」のジェイソン・ベイトマンや『ゴースト・イン・ザ・シェル』のプロデューサー、マイケル・コスティガンも製作に名を連ねている。ミリーと「Netflix」の結びつきは強く、今後も出演&プロデュース作品が目白押し。現在は姉のペイジと書いた物語を原案とした『A Time Lost』(原題)を製作中。シャーロック・ホームズの妹エノーラが主人公として活躍する『エノーラ・ホームズの事件簿』でも主演&製作を担当。9月に配信予定だ。もちろん「ストレンジャー・シングス」シーズン4の配信も世界中のファンが待っている。(Hiromi Kaku)■関連作品:【Netflix映画】ブライト 2017年12月22日よりNetflixにて全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】マッドバウンド 哀しき友情 2017年11月17日よりNetflixにて全世界同時配信【Netflixオリジナルドラマ】オルタード・カーボン 2018年2月2日より全世界同時オンラインストリーミング2月2日(金)より全世界同時オンラインストリーミング
2020年07月29日シャーリーズ・セロン主演の映画『オールド・ガード』がNetflixで大ヒットしている。同社の予測によると、最初の4週間で7,200万世帯がこの映画を見ることになるとのことだ。あくまで予測だが、そのとおりになった場合、今作はNetflixのオリジナル映画で史上6位のヒットとなる。上位5作は『タイラー・レイク -命の奪還-』『バードボックス』『スペンサー・コンフィデンシャル』『6 アンダーグラウンド』『マーダー・ミステリー』。文=猿渡由紀
2020年07月20日近未来SFアニメの金字塔『攻殻機動隊』の最新作『攻殻機動隊 SAC_2045』がNetflixオリジナルアニメとして全世界へ配信中。筋金入りの攻殻機動隊ファンの西川貴教さんが、アニメーション監督である神山健治さんと荒牧伸志さんにその熱い想いをぶつけました。西川:攻殻機動隊を観ていると、未来に期待を抱いてしまう。自分の身体を義体にしたら、何百年という命を得られるかもしれない、と希望的観測を強く抱きました。僕は子どもの頃、死への恐怖心がすごく強くて。というのも、父方の祖母のお葬式で棺に釘を打っている時の記憶がずっと脳裏に焼き付いていて…当時から、死はいずれ必ずやってくる、恐怖の対象でした。そこから何となくの人生設計、たとえば20歳までにデビューするとかを考えるようになったんです。そんな中で攻殻機動隊に出合って、もしかしたらこんな未来が来るのではないか、そうなってほしい、と希望を抱くようになった。どんどん攻殻機動隊に魅了されていきました。…僕が喋り続けて申し訳ないのですが(笑)。神山:いえいえ、そういった観点はとても興味深いですね。荒牧:すごくおもしろいです。西川:ありがとうございます。最初に触れた押井守監督の『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』は、背景の街の描き込みがとても美しく、世界観にのめり込んでいきました。『イノセンス』は詩的で、アニメという枠だけでは括ることのできない、内面的な部分が深く描かれています。そこから神山監督の『攻殻機動隊S.A.C.』シリーズに触れて、これだ!と。何度も観返している作品です。そこで描かれた社会と昨今の社会は、紐づいている部分がたくさんある。約20年前に、すでに我々に情報として与えられていたのかと思うと本当にすごいなと。これまでの攻殻機動隊作品は日本ならではのカルチャーが内包されている気がしますが、今回の『攻殻機動隊 SAC_2045』はNetflixで配信されていることもあって、世界に向いている印象を受けました。いい意味でとても分かりやすい作品だと感じます。アメリカの西海岸から話がスタートして、日本と世界の関係性が描かれている。世界から見た日本や、日本という国がこの先存続し続けられるのか、と考えさせられる奥深い作品です。神山:’19年に、西川さんのライブ演出をお手伝いさせていただいた時、今作のお話はしていたんですけど、配信直後に西川さんが「観た」とツイートしてくださって。おそらく日本で一番早く観ていただいたんじゃないかな(笑)。西川:そうですね(笑)。神山:ありがたいです。しかも、作品の世界観を深く考察していただいている。攻殻機動隊の原作が描かれた’80年代、ハイテクといえば日本だと世界ではいわれていました。でも、この30年間で日本を取り巻く状況が変わってきて、意外に日本は衰退している。フィクションなので作品の世界観を地続きにつくっていくことはできます。けれど、僕は「今」起きていることと作品の世界をリンクさせ、こうあったらいいなと思うものを落とし込んで、今まで物語をつくってきたので、今回もそうしようと。現在、世界ではすでに資源や市場など経済の奪い合いが起きています。この先どうなるのかと考えた時、経済とは切り離せない形で戦争が始まっていくのではないかと。それを言葉にしたのが“サスティナブル・ウォー(経済を継続させていくための戦争)”でした。荒牧:なので、グローバルに向けたというより、サスティナブル・ウォーが世界で顕在化している状態を分かりやすく描きたいと考え、アメリカを舞台に物語をスタートさせたんです。そうすることで、世界と日本の対比を描くこともできます。アメリカは戦争しているけど、一方日本では何が起きているのか、と。神山:あとは、(草薙)素子たちが久しぶりにみなさんの前で暴れる姿をどう描こうかと考えた時、彼らは公安9課だけど、それ以前に軍人なので、やっぱり戦場が似合うんじゃないかなと。サスティナブル・ウォーが起こり、貧困格差が進んでいく中、テクノロジーは進化している。そんな社会で起こる犯罪と、素子たちはどんなふうに対峙していくのだろう、という発想で物語をつくり始めた感じですね。西川:お二人は日本の未来がどうなるのかを早い段階で知っていて、こうなるよと教えてくれているのかな?と思いました…。CIAとか、どこかのルートから「こうなるから、みんなに早めに教えてあげて」と言われているんじゃないかという気さえしました(笑)。今作はモーションキャプチャを使った3DCGの映像もすごい。全体的な人の動きは緻密につくられているのに、表情や口元の動きに関しては甘めに感じました。そこは英語などの多言語展開にも対応できるようにしたのかなと。神山:さすがですね。多言語を意識しているわけではないけど、アフレコにも対応できるようにわざとルーズにしています。また、3DCGにしたことで動きがすごくリアルになっている。でも、これはアニメであるということを残したかった。アニメの良さである「曖昧さ」を意識したつもりです。西川:荒牧さんが監督に加わっていることもあって、『APPLESEED』との符合みたいなものも感じます。神山:『APPLESEED』的な要素を感じてくれた人は多いんじゃないかな。特に1、2話は。西川:振り返ると、荒牧さんがメカニックデザインをしていた『機甲創世記モスピーダ』が大好きで、ずっと絵を描いていました。荒牧:ありがとうございます(笑)。西川:これまで違うアプローチで作品をつくられてきたお二人が、こうやって一緒に作品をつくられている。すごいことだと思います。神山さんの脚本づくりにおけるアプローチと、荒牧さんの培ってきた技術が見事に融合されて、素晴らしい作品になっている。今、日本が世界に認められることといえば、アニメくらいしかないと思っていて。そんな中で、日本を代表するアニメーション監督のお二人が世界に配信する作品をつくってくださったことが、僕はとても嬉しい。何より今作は、このコロナ禍の中で蓋を開けたじゃないですか。そこに深い意味を感じてしまいます。作品の後半には、SNSの誹謗中傷問題を彷彿とさせる話もあって、エンタメとして楽しめるだけではなく、現代のさまざまな問題提起をお二人はしてくれていると思うんです。問題を考えたり、議論し合ったりできる機会をこの作品は与えてくれた。それは、すごく幸せなことだと感じます。とはいえ、お二人とも感染症が世界にここまで影響を与えることは想像されていなかったと思うのですが、今後作品づくりに影響はありそうですか?神山:コロナ禍を全くなかったことにして作品をつくるのは、フィクションとはいえ明らかに難しくなりましたね。今作で描いた“全世界同時デフォルト”を画にする時、どんなビジュアルにしようかと悩んでいたけど…街から人がいなくなることが実際にあるんだ、予想は間違っていなかったんだと思いましたね。荒牧:今回の感染症で、経済が止まった世界が可視化されたんですよね。過去に見たことがない事象が起きたという意味で、本当に衝撃でした。だからこそ、無事に配信できるのか心配もありましたよ。西川:経済が止まることを予想していたのかな、とすら思いました。でも、またこうやって素子を見られて、『S.A.C.』シリーズのオリジナルキャストメンバーが帰ってきたことが本当に嬉しいです。パズとボーマの今後の活躍にも期待しています(笑)。神山:一言しか喋っていないですからね(笑)。西川:何回観ても楽しめるし、物語もスタートしたばかりだと思うので、これからさらにのめり込んでいくことになるのかなと。今後も観続けていきたいと思います。荒牧&神山:制作頑張ります!にしかわ・たかのり1970年生まれ、滋賀県出身。’96年T.M.Revolutionとしてメジャーデビュー。2017年西川貴教名義で活動スタート。アニメ、ドラマ、舞台、バラエティなど幅広い分野で活躍。あらまき・しんじ1960年生まれ、福岡県出身。2004年映画『APPLESEED』でモーションキャプチャ技術を導入した世界初の3Dアニメを制作。日本における3DCGアニメの第一人者。かみやま・けんじ1966年生まれ、埼玉県出身。2002年映画『ミニパト』でアニメ監督デビュー。『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』はTVアニメ初監督作で国内外問わず人気に。『攻殻機動隊 SAC_2045』経済災害が発生し、AIが劇的に進化した世界では“サスティナブル・ウォー”が勃発。元公安9課(内務省直属の対テロ攻性組織)メンバーはある事件へ巻き込まれていく。Netflixで全世界独占配信中。©士郎正宗・Production I.G/講談社・攻殻機動隊2045製作委員会※『anan』2020年7月15日号より。取材、文・阿部裕華(by anan編集部)
2020年07月12日近未来SFアニメの金字塔『攻殻機動隊』。その最新作『攻殻機動隊 SAC_2045』がNetflixオリジナルアニメとして全世界へ配信中。屈強な男たちを束ねる公安9課のリーダー・草薙素子を演じる声優・田中敦子さんにお話をお聞きしました。「草薙素子は唯一無二の存在。私にとって憧れの人です」こう語るのは、『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』から25年以上素子を演じている田中敦子さん。長い間共に歩んできた田中さんの考える、素子の魅力とは。「公私混同せず、自分の決めたことをやり切れる精神力は、とてもカッコいいです。それでいて、人間味や女性らしさも兼ね備えています。タチコマに接する時の素子に、母性のようなものを感じる瞬間もあって。バトーからのモーションをするりとかわしていくところも女性らしいですよね」これらの魅力から、作中では公安9課のメンバーに慕われ、信頼される存在だ。「自分と素子は真逆なんです」と話す田中さんだが、“仲間からの愛”は唯一、素子と共通する部分だそう。「素子が公安9課のメンバーに愛されてきたように、私も公安9課のキャストのみなさんにとても可愛がっていただきました。一番年下で至らない点も多かった中、いつもフォローしてくださって。仲間からの愛、というのは大げさかもしれないですけど…(笑)」初めは、全身義体で謎の多い女性を演じることへ、迷いや気負いがあった、と田中さんは当時を振り返る。一生懸命演じなければと必死だったとも。しかし、25年の月日を経て、徐々に素子との溝が埋まってきたよう。「『STAND ALONE COMPLEX』も『イノセンス』も、キャストのオーディションをしています。だけど、毎回素子は私のところに戻ってきてくれました」今作の制作決定が発表された時点でも、キャストの発表は行われていなかった。イリヤ・クブシノブさんの描く新しい素子を見た時、「私はキャスティングされないと思った」と田中さんは話す。「若々しくて、可愛らしくて、エネルギッシュさを持つ、新しい素子だなという印象を受けました。大塚明夫さん(バトー)、山寺宏一さん(トグサ)と3人で、私たちはキャスティングされないだろうね、と話していたことも」ところが、『攻殻機動隊 SAC_2045』でも素子は田中さんの元へ戻ってきた。「私に、演じてよ、と言ってくれているような気がします。だからもう、気負わなくてもいいのかなって。今も、作品の持つテーマの重厚さやスケールの大きさに、プレッシャーは感じます。でも、素子と付き合いが長くなって、私の人生の経験値も多少は上がったことで、今作では素子に寄りかかって演じることができました」新しくなっても、素子は素子。変わらずに演じきる。ダブル監督、キャラクターデザイン、3DCG…シリーズ初となる要素が満載な今作だが、アフレコでは今まで通り、素子を演じることができたと言う。「10年以上間はあいていますけど、公安9課のメンバーも神山(健治)監督も何度もご一緒してきたので、あの頃と変わりなく、みんなで作品づくりができました。それに、デザインは変わっても、素子は素子ですから、演じる側として変える部分はありませんでした」変わらずに素子を演じた田中さんだが、これまでにない“解放感”を今作では感じていた。第1話では、アメリカ西海岸の広い空の下で、休暇を楽しむ素子たちの様子が描かれている。今まで抱えていた重責から解放されたような印象を受ける場面だ。冒頭に素子が発する「ノイズがないって素晴らしいわ」という言葉は、それを象徴的に物語っている。このセリフは田中さんにとっても特に思い入れが深いそう。「一番初めのこの言葉はとても重みを感じました。またしばらくの間、素子と付き合っていくんだ、演じていけるんだと。全12話の中で最も印象的なセリフです」今作では新しい仲間も登場する。「バラエティに富んだメンバーになった」と田中さん。「スタン(ダード)は一風変わった個性的なキャラクターですし、(江崎)プリンちゃんは今までの『攻殻機動隊』では見たことのない可愛らしいキャラクターです」新しいキャラクターの中でも注目してほしいと語るのが、物語の鍵を握る少年・シマムラタカシだ。「登場話数は多くないけれど、後半に向かって見どころになるのは彼だと思います。そして、そんな彼の声を林原めぐみさんが見事に表現している。タカシの年齢(中学生)的には、若い男の子を演じられる男性声優さんでもいいラインだと思いますけど…そこにあえてめぐみちゃんを起用するところが、“キャスティングの妙”だなと。今作の注目のポイントではないでしょうか?」3DCGのアフレコはアニメと実写の中間だという。モーションアクターの声を聞きながら挑んでいるそう。謎多き少年・シマムラタカシの声は林原めぐみさんが担当。憂い漂う雰囲気を見事に表現している。たなか・あつこ1962年生まれ、群馬県出身。’90年、米テレビドラマ『ENG』の吹き替えでデビュー。数多くのアニメ・洋画作品に参加。2020年声優アワード外国映画・ドラマ賞を受賞。『攻殻機動隊 SAC_2045』経済災害が発生し、AIが劇的に進化した世界では“サスティナブル・ウォー”が勃発。元公安9課(内務省直属の対テロ攻性組織)メンバーはある事件へ巻き込まれていく。Netflixで全世界独占配信中。©士郎正宗・Production I.G/講談社・攻殻機動隊2045製作委員会※『anan』2020年7月15日号より。取材、文・阿部裕華(by anan編集部)
2020年07月12日Netflixオリジナルアニメとして全世界へ配信中の、『攻殻機動隊』の最新作『攻殻機動隊 SAC_2045』。そのアニメーション監督である神山健治さんと荒牧伸志さんにお話を伺いました。――今作は、『攻殻機動隊S.A.C.』シリーズの世界観を引き継ぎながら、モーションキャプチャを駆使した3DCGという新しい映像表現を用いています。このようなアプローチに至った経緯とは?荒牧:最初はシリーズではなく、一本の映画をつくろうと話していて。どういう切り口がいいかと悩んでいました。神山:S.A.C.の続編としてつくるか、全く新しい攻殻機動隊としてつくるのか、どんなアプローチが一番いいのだろうと。でも、S.A.C.に全く触れないとなると、僕が参加する意味がないんじゃないかとも考えて。S.A.C.の世界観を生かして、続編的な意味合いでつくっていくことになりました。荒牧:それが2015年かな。今作は、僕から神山さんに声をかけました。その段階から3DCGでやりたいと頼んでいました。20年間3DCGでつくってきて、さらなる可能性の手応えを感じていて。同時に、一人で突き詰めることに限界があるなと。攻殻機動隊という題材を3DCGで、かつ僕とは違う経験を持つ神山さんとつくることができれば、表現の幅が広がるのではと期待しました。――今作ではどのようなテーマを意識して物語をつくりましたか?神山:僕は脚本を書く時、「人間」と「社会」と「今」の要素を対比させながらイメージを膨らませています。特に、いつも「人間」を深く掘り下げて描いていると思うんです。『STAND ALONE COMPLEX』でも「人間」を描いていました。人は個でありながら、社会を形成して初めて人間たり得ている。テクノロジーを使うのも人間です。今作では、人間と対比した「社会」と「今」を描くために、「経済(社会)」と「AI(今)」の要素を取り入れています。経済を継続させていくための戦争“サスティナブル・ウォー”や、いずれ来ると言われているAIが人の知性を超える瞬間“シンギュラリティ”の設定を物語の中心に据えている。経済が破綻し、テクノロジーが発達した世界で、人間はどう生きていくのか、そんなことを考えて今作の物語を描きました。――作品の制作過程において、どのような苦労を感じましたか?神山:僕ら自身、この物語がどこに帰結していくか分からず手探りで、紡いでいくのが大変。つくっているというより探している感覚。その物語を可視化するためのアイデア出しも、設計図に起こすのも、予算の中でCGを依頼するのも、死ぬほど大変です。荒牧:脚本で固めたつもりでも、モーションアクターさんに演じてもらうと気づくことがあります。いろいろな段階で行ったり来たりを繰り返しているので…どの作業も大変ですね。素子の魅力は完璧さ。それゆえに描きづらさも…。――監督お二人から見て、草薙素子にどんな魅力を感じますか?神山:あれだけ屈強な男たちを束ねるリーダーシップや行動力。それでいて人間味や思いやりのある人。その完璧さですかね。描いていておもしろい。普通、隊長というのは成長を描くのが難しく、おもしろみに欠けるから、物語の主人公になりづらい。でも映画『プレデター』で隊長役のシュワちゃんを観て、素晴らしい主人公が登場した!と思った。それが影響しているのかもしれません。荒牧:全身義体の女性という特殊性と自分の信念を持っている安定感。とても魅力的だけど、物語をつくる上では大変です。完璧ゆえに失敗させられない。失敗しても、先を見据えての失敗というか。それが動かしづらくて…。なので、今作では新人のキャラクターである(江崎)プリンを登場させました。物語を動かしてもらうために。――プリンにはそんな役割が…。神山:プリンはいろいろな狙いがあります。紅一点だった素子の近くに、可愛らしい女性が出てくると嫌われる部分はあるだろうと思いつつ、出しました。最初はどうしても異物感を抱かれると想定していたので、中途半端に好かれるより振り切ってしまおうと考えてつくりました。――今作の素子についてはいかがですか?イリヤ・クブシノブさんの描く素子はこれまでのクールな印象と異なり、可愛らしさを感じます。神山:イリヤくんの描くイラストは、少女の最も美しい瞬間を切り取っているところ、瑞々しいところが一番の良さだと思っています。今作の素子には上手いことそれが出ているなと。イリヤくんのデザインによって、より素子が身近な存在になった。可愛いお姉さんのような感じですよね。あらまき・しんじ(写真右)1960年生まれ、福岡県出身。2004年映画『APPLESEED』でモーションキャプチャ技術を導入した世界初の3Dアニメを制作。日本における3DCGアニメの第一人者。かみやま・けんじ(写真左)1966年生まれ、埼玉県出身。2002年映画『ミニパト』でアニメ監督デビュー。『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』はTVアニメ初監督作で国内外問わず人気に。作中で実際に登場する背景のラフ画。アニメでは大道具や小道具の一つひとつを3DCGでつくり込んでいる。屈強な男たちを束ねる公安9課のリーダー・草薙素子。神山監督は彼女を「理想の上司」と表す。『攻殻機動隊 SAC_2045』経済災害が発生し、AIが劇的に進化した世界では“サスティナブル・ウォー”が勃発。元公安9課(内務省直属の対テロ攻性組織)メンバーはある事件へ巻き込まれていく。Netflixで全世界独占配信中。©士郎正宗・Production I.G/講談社・攻殻機動隊2045製作委員会※『anan』2020年7月15日号より。取材、文・阿部裕華写真・後藤利江(by anan編集部)
2020年07月11日近未来SFアニメの金字塔『攻殻機動隊』の最新作『攻殻機動隊 SAC_2045』が、Netflixオリジナルアニメとして全世界へ配信された。作品の魅力をキーワードとともに読み解いていきます。未来像を提示した、攻殻機動隊の最新形。攻殻機動隊の舞台は高度な技術が発達した近未来。脳神経をネットに直接アクセスする“電脳”化や体を“義体(サイボーグ)”化できるようになった世界が描かれている。’89年に発表された士郎正宗原作コミック『攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL』を皮切りに、アニメ、ハリウッド実写映画などさまざまなシリーズが展開されてきた。そして今年、新たなるシリーズ『攻殻機動隊 SAC_2045』が登場。“AIが発展”し、“経済が衰退”した2045年の未来像が提示された今作。メガホンをとるのは日本を代表するアニメーション監督・神山健治さんと荒牧伸志さん。キャラクターデザインには気鋭のクリエイター、イリヤ・クブシノブさんを起用し、モーションキャプチャ技術を駆使したフル3DCGでアニメーション映像を表現。時代を先読みしていたかのようなストーリーは大きな話題となり、Netflixの毎日更新される日本国内の「今日の総合TOP10」では常時上位にランクインするほど。ほかにも、常田大希さん率いるmillennium paradeが主題歌を手掛け、アニメソングとしては異例のオリコン首位を獲得するなど、話題が尽きない。熱狂を巻き起こすその魅力をひもといて、最新の攻殻機動隊が描く未来を体感しよう!ここがスゴイ!熱狂を読み解くキーワード。1、STORY:社会問題と向き合うテーマの提示。経済を継続させるための戦争“サスティナブル・ウォー”と、AIが人類の知能を超える“シンギュラリティ”を物語の根幹に据え、未来の世界が描かれる。SNSの普及によるネットリンチ問題など、現代の社会問題がテーマに取り上げられ、深く考えさせられる。2、VISUAL:圧倒的な臨場感!フル3DCGアニメ映像に注目。シリーズ初となるモーションキャプチャ技術を駆使したフル3DCGアニメーションは、今作の見どころの一つ。特にアクションシーンは見応え十分だ。また、CGでつくり込まれた背景にも注目してほしい。アメリカの広大な風景や日本の混沌とした街並みの美しさに感動する。3、CHARACTER:最強の元公安9課に、頼もしい新キャラが参戦。攻殻機動隊の圧倒的リーダー・草薙素子の活躍に今作も目が離せない。バトーやトグサなどお馴染みのメンバーや、多脚思考戦車タチコマの存在がより一層頼もしくなっているのも今作のポイントだ。スタンダードや江崎プリンといったバラエティに富んだ新しい仲間の登場も見もの。4、GLOBALIZATION:シリーズ初、アメリカを舞台に物語が開幕。日本のみならず世界からも人気の高い攻殻機動隊。最新作となる今作は、Netflixオリジナルアニメシリーズとして全世界独占配信されている。本編冒頭、アメリカ大陸西海岸を舞台に物語が進んでいく。経済災害“全世界同時デフォルト”後に崩壊した世界が分かりやすく描かれている。『攻殻機動隊 SAC_2045』経済災害が発生し、AIが劇的に進化した世界では“サスティナブル・ウォー”が勃発。元公安9課(内務省直属の対テロ攻性組織)メンバーはある事件へ巻き込まれていく。Netflixで全世界独占配信中。©士郎正宗・Production I.G/講談社・攻殻機動隊2045製作委員会※『anan』2020年7月15日号より。取材、文・阿部裕華(by anan編集部)
2020年07月11日2000年に最初のオリジナルビデオが発売され、日本だけでなくアメリカでも製作された超人気シリーズが『呪怨:呪いの家』のタイトルでNetflixオリジナルシリーズとして配信される。本作は郊外にある空き家に足を踏み入れていった人たちと、その周囲の人間の運命を、昭和の終わりから平成を通じて描く壮大な作品で、初期の『呪怨』で監修も務めた高橋洋と、一瀬隆重が共同脚本を手がけ、高橋が講師を担当する映画美学校出身で『きみの鳥はうたえる』『ワイルドツアー』など傑作を次々に発表している三宅唱が監督を務めた。本作はこれまでの『呪怨』シリーズの恐怖やキャラクターを引き継ぎながら、新たな要素を取り入れ、呪いの家に隠された秘密を、呪いがなぜ生まれたのかを、人は誰かの抱いた怨念や哀しみにどう向き合っていくのかを描いた新しい作品で、多くの映画ファンが“恐怖”を超える衝撃を受けるはずだ。本作はいかにして生まれたのか? なぜキャリア初のホラー作品に挑んだのか? 三宅監督に話を聞いた。――最初にこの企画がきたときのお話を教えてください。三宅監督2019年の春に高橋(洋)さんから「監督に推薦したい。興味はありますか?」と声をかけていただきました。最終的に撮影に使われたものとほぼ同じ脚本をいただいて読ませていただきました。僕は恥ずかしいぐらい怖がりで、ビビりなんですが(笑)、いただいた脚本が、とにかく怖いのにめちゃくちゃ面白くて。一気に読みました。「ホラーは意外だ」と知人には言われたりもしますが、いろんなタイプの映画を撮ってみたいと常々思っていたので今回のファーはとても嬉しく、即答に近い感じでお受けしました。「僕、怖がりなんですけど大丈夫ですか?」とは聞きましたが。――当初からこれまでの『呪怨』とは違うコンセプトで、というお話だったのでしょうか?三宅監督そうですね。最初からこれまでの『呪怨』とは少し違って、実録犯罪映画的なアプローチでこれまでとは違った怖さも引き出したい企画なんだと言われて、何となくピンときたというか、すぐに自分のやるべきポイントが見つかりました。――『呪怨』は最初のビデオシリーズからオムニバス形式で、ひとつのエピソードが30分程度で展開される構成でしたが、今回は長い時間を扱って群像劇を描くこれまでとは違う形式の作品になりました。脚本のどこに力点を置いて撮影していったのでしょうか?三宅監督ひとことで言うとしたら“生々しさ”ですかね。劇中に年号が出るような話ではあるので、それが嘘くさかったらシャレにならないので本当にあったように描く、それもフェイクドキュメンタリーではなくてフィクションの手法で描く。そのことで“生々しい恐怖”が映ればいいな、と。――しかし、“生々しい恐怖”はこれまでの『呪怨』が描いてきた恐怖とは少し毛色の違うものですよね?三宅監督自分としては受け取った脚本にバランスだったり、新しい側面だったり、これまでを引き継いでいるもののすべてが書かれていると思ったので、脚本を真剣に読み解いて撮影することの一点でしたね。――本作は1988年から始まって、長い時間が経過します。三宅監督今回は約10年ほどの時間を扱うことになったんですけど、そういうものは前からやってみたかったんですよ。僕がパッと思ったのは(デイヴィッド・)フィンチャーの『ゾディアック』で、あれは20年ぐらいの時間を扱ってますけど、一番最初の被害者カップルの生き残った男性が最初はティーンエイジャーだったのに最後の方にもう1回出てくるじゃないですか。あの瞬間に「ああ、めちゃくちゃ時間が経ったんだな」って。映画を観ている間に20年の時間がちゃんと流れたんだってことが俳優の姿だけでわかる。だから今回も登場人物が年をとるわけですよね。その時に、生きていく中で“擦り切れていく”感じが観る人の中にちゃんと残っていれば、時間が流れていく感じだったり、時代の変化はちゃんと伝えられるんだろうなと。――このシリーズでは人間の“怨念”が重要な位置を占めています。つまり、シリーズを突き詰めていくと恐怖描写よりも、人間ドラマが中心になると思うのですが、本シリーズも人間の心理や変化が重要な位置を占めていますね。三宅監督今回の脚本の面白さであり、また僕にとって難しさでもあったのは、人がこんなこと言うってどういう状況なのかな? 俺がもし俳優だとしてこのセリフ言えんのかな?」という要素の多さでした。想像力を駆使しないとすぐウソになってしまうような、すごく「強いホン」でした。ただ、どの役者も素晴らしかったです。彼らのおかげで、人間の“底知れなさ”だったり、人間の醜さだったりが、僕の想像をはるかに超えて立体的に立ち上がってくれたように思います。――本作はこれまで『呪怨』のやってきたことを引き継ぎつつ、新しい要素、三宅監督の視点、続きが気になるドキドキ感が混ざり合った超個性的なシリーズになった気がします。三宅監督それはうれしいですね。自分は基本的には1980~90年代のアメリカ映画で育ってきたので、そこがベースにあって、どんな低予算の作品でも“映画を観るときのワクワク感”みたいなもの、誰にでも伝わる映画の魅力みたいなものは多少でもやれたらなぁとは思ってきたんですけど、今回はそこで勝負できたので、楽しかったですね。Netflixオリジナルシリーズ『呪怨:呪いの家』7月3日(金) Netflixにて全世界独占配信
2020年07月02日CD PROJEKT RED、TRIGGER、Netflixの3社によるNetflixオリジナルアニメシリーズ「サイバーパンク エッジランナーズ」(原題)の制作が決定。2022年に「Netflix」にて配信される予定だという。本作は、ゲーム開発スタジオ「CD PROJEKT RED」にて制作中のゲームタイトル「サイバーパンク2077」と同じ世界が舞台。テクノロジーと人体改造が一般化した巨大都市で、多くの犠牲を払い困難を乗り越えながらアウトローの傭兵、すなわち“サイバーパンク”の道を歩んだ少年の物語を追う10話構成の「サイバーパンク2077」のスピンオフ作品となっている。監督を務めるのは、「天元突破グレンラガン」『プロメア』などを手掛けた今石洋之。「サイバーパンクは大好きなジャンルですが、オリジナルの作品としてはなかなか作れない題材だったので、今回CD PROJEKT REDと一緒に制作できることが嬉しい」と制作参加を喜び、「ゲームの完成度が素晴らしい分、ゲームのファン、アニメのファンの両方を納得させるのは簡単でないが、だからこそのやり甲斐を感じているし、制作も楽しめている。期待を裏切らず越えていけるように、精一杯取り組んでいきたい」とコメントしている。Netflixオリジナルアニメシリーズ「サイバーパンク エッジランナーズ」(原題)は2022年、Netflixにて配信予定。(cinemacafe.net)■関連作品:【Netflix映画】ブライト 2017年12月22日よりNetflixにて全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】マッドバウンド 哀しき友情 2017年11月17日よりNetflixにて全世界同時配信【Netflixオリジナルドラマ】オルタード・カーボン 2018年2月2日より全世界同時オンラインストリーミング2月2日(金)より全世界同時オンラインストリーミング
2020年06月26日“対話”を通じて、哲学する。アメリカ発、新感覚SFアニメ『ミッドナイト・ゴスペル』とは?舞台は、どこか遠くの星。小さな小屋に住むひとりの青年が、広い宇宙に向かってポッドキャストを配信している。その番組名は「ミッドナイト・ゴスペル」。このアニメ作品自体のタイトルにもなっている。主人公のクランシーが暮らす部屋中に張り巡らされた、カラフルな配線やディスプレイの数々。これらは《多元宇宙シミュレーター》につながっている。このサイケデリックなメカが叶えるのは、仮想の宇宙旅行。「こんにちはマスター、今日はどの仮想世界に入りますか?」。AIが提案するクールなアバターを選び、シミュレーターに入れば、意識は宇宙へ。クランシーは、マイクを持って飛び込んだ星の先々で、そこに暮らす生き物と対話し、その音声をポッドキャストとして配信している。このアニメの構成のほとんどを占めるのは、まさにその“対話”。主なテーマとなるのは、生きるうえで抱えうる恐怖、不安、寂しさ…といったネガティブ感情との向き合い方。そして、時にスピリチュアルに、哲学するためのヒントをくれる。制作は、ペンデルトン・ウォード。言わずと知れた米アニメ『アドベンチャー・タイム』の総監督で、今作では大人向けの作品に初挑戦する。そこに名を連ねるのは、ダンカン・トラッセル。コメディアンであり、自身でもポッドキャストを配信。実は、彼がその番組内で様々な人にインタビューした“対話”の音声そのものをこのアニメ作品に用いている。計算された映像は、まるで視覚と聴覚の双方から瞑想の世界へ引きずりこまれるよう。最新の話題シリーズ作を見尽くし、物足りなさを感じる人にこそおすすめしたい異色作だ。ポッドキャスト「ミッドナイト・ゴスペル」の配信者クランシー。仮想宇宙で出会った人にインタビューし、番組を作る。Netflixオリジナルシリーズ『ミッドナイト・ゴスペル』独占配信中※『anan』2020年6月24日号より。(by anan編集部)
2020年06月22日映画やドラマ漬けの生活を送っている人にとって、過去の名作をじっくり鑑賞するのというのは楽しみ方のひとつですが、いっぽうで新作を待ちわびるときのドキドキ感も何にも代えがたいもの。そんななか、話題のアニメ『泣きたい私は猫をかぶる』がいよいよNetflixにて全世界独占配信スタートとなります。そこで、本作についてこちらの方にお話をうかがいました。主演を務めた女優の志田未来さん!【映画、ときどき私】 vol. 303新進気鋭のアニメーションスタジオとして注目を集めている『スタジオコロリド』の最新作は、かぶると猫に姿を変えることができる不思議なお面を手にした中学生の少女とクラスメイトの少年との物語。劇中で志田さんは、「ムゲ」というあだ名で呼ばれている主人公・笹木美代の声を担当しています。今回は、アニメファンであり、『借りぐらしのアリエッティ』や『風立ちぬ』などでも声優を務めた経験のある志田さんに、作品の魅力や見どころについて語っていただきました。―まずは、脚本を読んだときの印象から教えてください。志田さんお面をつけて猫になり、好きな人に会いに行くというストーリーだけで、気持ちがワクワクしました。しかも、日常の風景がありつつ、ファンタジーな要素もあるので、すごくおもしろい作品になるだろうなと思いました。―演じられたムゲについては、いかがですか?志田さんすごく明るいけど、ちょっと空回りしている部分もあるのかな、と最初は感じました。でも、実は登場人物のなかで一番大人な考えを持っているキャラクター。想いを寄せる日之出に対する気持ちがまっすぐなところも、すごくステキだなと思います。―そんなムゲと志田さんの声は見事にリンクしていたと思いましたが、演じるうえで意識したのはどのあたりですか?志田さん収録の前に、1日リハの時間を作っていただいたので、そこで監督から「声を作りすぎないように」など、いろいろなアドバイスをいただけたのはよかったです。あとは、普段の私は声が低めなので、少し若々しい女の子の感じを出すように意識して演じました。いままでにない難しさを感じることもあった―今回は、ムゲが変身した猫の太郎のパートも演じられていますよね。これまで声優のお仕事をされたなかでも、動物の役は初めてだったのでは?志田さん台本をいただいたときは、まさか自分が声を入れるとは思ってもいなかったので、リハのときに、監督から「猫の声も練習してきてね」と言われて初めて知り、すごく驚きました(笑)。家でもかなり練習しましたが、かなりハードルは高かったです。―その際、何かを参考にして練習されたのですか?志田さん猫の映像を見たとかではなく、これまで声のお仕事をしたときと同じように、自分の声を録音して聞く、という方法で練習しました。とはいえ、最初に「ニャー」と言ったときは、緊張と恥ずかしさから、正直これでいいのかなと……。でも、監督から「いいね」と言っていただけたので、よかったです。―猫の声以外にも、苦労したシーンはありましたか?志田さんムゲが家族に対して感情を爆発させるシーンがあるんですけど、そこは「もう猫のままでもいいや」と思ってしまうきっかけであり、大切に演じなければいけない場面だったので特に難しかったです。声に感情を乗せるという意味でも、1人で感情を爆発させなければいけないという意味でも苦労しましたが、それを時間内に収めなければいけない難しさも同時にありました。何度か録り直したあと、最後は映像なしで自分の気持ちに向き合って録るという方法にも初めて挑戦したほどです。―これまで声優としていろいろな役を演じてきた志田さんでも、それほど苦労したシーンだったんですね。実際に完成した作品を見たときのお気持ちはどうでした?志田さん映像がとにかくきれいなので、どのシーンも印象的だなと感じました。そのなかでお気に入りを挙げるなら、日之出が太郎を抱きかかえるシーンで見せる崩れた笑顔。本当にステキで、すごく好きです。感謝や好きな気持ちを表すのは大切なこと―日之出くん、カッコイイですよね!ちなみに、日之出くんのようなタイプの男の子がもしクラスにいたら、気になりますか?志田さんなりますよね(笑)。日之出は大人びているように見えて、実はそうではなくて、いろんなことに葛藤があって迷っている子ですから。あと、ムゲに見せるクールな感じと、太郎に見せる優しい顔の表情にもギャップがあって、かわいいなと思います。―ただ、日之出くんのように、なかなか思っていることを口に出さない男性というのはどうですか?志田さん私は自分のことでいっぱいいっぱいですし、気持ちを察したりとかもあまりできないので、できれば口に出してほしいなと思います。やっぱり言葉にしないとわからないこともありますから。―そういう意味でも、この作品で思っていることを口に出すことの大事さを改めて感じましたか?志田さんそうですね。ムゲのように本当は違うのにマイナスの方向に受け止めてしまったり、自分のなかだけで考え込んでしまうこともありますが、感謝を伝えたり、好きだという気持ちを表すことの大切さを今回、改めて感じました。―ムゲも一見言いたいことを言えているようで、本当に言いたいことは言えない葛藤を抱えていました。志田さんは言いたいことは言えるタイプですか?志田さん私も中学生のときはムゲのように言えなくて、モヤモヤが自分のなかで募って、家族に当たってしまうこともありましたが、いまは結構言いたいことは言えてると思います。―年齢や経験を重ねたのもあると思いますが、そういうふうになれたきっかけはありますか?志田さん自分が思っていることを言ったことによって、必ずしも嫌われるわけではないと考えられるようになったことがきっかけだったかもしれません。学生のときはみんなからわがままだと思われるのが嫌で言えなかったんですけど、周りの人たちが自分に対してしっかりと愛を持って接してくれていることがわかったので、それからは自分の気持ちもきちんと出せるようになりました。家族や友達と話しているときに幸せを感じる―それはステキな気づきですね。ちなみに、学生時代はどんな子でしたか?志田さんムゲのようにやんちゃな子というよりも、わりと淡々と目の前のことをこなしていくような感じだったかなと。忙しかったのもありますが、おそらく自分のやりたいことがまだあまりわかっていなかったのかもしれないですね。そのあと学校を卒業して、学生という肩書に甘えられなくなってから、心境が変わったところはあったと思います。―なるほど。それでは、タイトルの『泣きたい私は猫をかぶる』にかけておうかがいしますが、志田さんが泣きたいときはどうやって乗り越えていますか?志田さん私は泣きたいときは、泣きますね(笑)。こんなに悲しくてつらいんだというのを誰かにわかってもらいたい気持ちがあるので、家族の前で泣くことはあります。―それを家族が受け止めてくれることで、嫌な気持ちも解消されるんですね。志田さんそうですね。もともとすごく泣き虫だというのもありますが、誰かにわかってもらえて、言葉をかけてもらえれば安心できますし、それによって周りに支えられていると感じられて、自分自身の気持ちを持ち上げることもできるので、あまりひとりで抱え込んだりはしないです。―では、ムゲのようにお面で何かになれるとしたら、何になりたい?志田さんいまは鳥になって空を飛びたいです。自由に動き回りたいので(笑)。―確かに、空なら何の心配もないので鳥はいいですね!そんなふうに、こういう状況だからこそ、心境の変化があると思いますが、いま一番幸せを感じる瞬間は?志田さんなかなか会えない家族や友達とテレビ電話をしているときに感じます。これまでは、必要なことがあるときに連絡するのが多かったですが、最近は今日あったことを話したり、近況報告をしたり。そういうことを言い合えることが幸せですし、目の前にはいなくても、つながっている感じがするのもいいですよね。家にいる時間で自分を知ることができた―そうですね。そのほかに、ストレスが溜まったときにしていることといえば何でしょうか?志田さんあまりストレスは溜めないほうなのですが、天気のいい日にベランダに椅子とテーブルを置いて、外でご飯を食べて、カフェのテラス席にいるような気分を味わったりしていました。そういうことが、もしかしたらストレス解消につながっているのかもしれないです。―体を動かすのもお好きだそうですが、健康のために心がけていることはありますか?志田さん友達がトレーナーをしていて、筋トレメニューを送ってくれたので、それを一生懸命黙々とひとりでこなしています(笑)。そうすると、けっこう汗をかきますし、家の中にいても運動している感覚にはなりました。―運動は大事ですよね。新たに始めたことやハマっていることもあれば、教えていただきたいです。志田さん掃除を念入りにするようになりました。いままで手行き届かなかったぶん、意外と汚れてるところがあったので……。おかげで家がすごくきれいになって、居心地もよくなりました。あとは、いままでまったくしてこなかったお菓子作りを始めました。ケーキやクッキーを焼いたりしていますが、いつかオシャレなお菓子を作れたらいいなと思うので、もう少し極めてみようかなと。そんなふうにいままでできなかったこともできるようになったという意味では、自分を知れる時間になったと感じています。多くの人の癒しとなる作品であってほしい―それでは最後に、作品を楽しみにしている方々へ向けてメッセージをお願いします。志田さん今回は劇場での公開が延期になり、Netflixでの独占配信となりましたが、映画は観てくださる方がいてはじめて完成するので、もともとの公開日に近い日程でみなさんにお届けできることをうれしく感じています。しかも、日本だけでなく全世界での配信。海を越えてひとりでも多くの方にご覧いただけるのは、光栄なことでもあります。人と人とのつながりや人の優しさ、愛といったことについて描いているので、みなさんにとって癒しになればいいなと思いますし、大切な方と一緒に観ていただきたい作品です。あとは、映像のきれいさとムゲが猫になったときのかわいさも、ぜひ楽しんでください。インタビューを終えてみて……。癒し系の笑顔が印象的で、どんな質問も気さくに答えてくださる志田さん。今回苦労したという猫の声は、誰もがキュンとしてしまう悶絶級のかわいさです。さすが志田さんと言わずにはいられないほど、はつらつとしたムゲの声とのギャップとともに、ぜひ注目してみてください。日常生活で沸き起こる感情に共感!思春期だけでなく、大人になっても、泣きたいときやすべてを投げ出したくなってしまうときはあるもの。そんなときにこそ、自分に素直になって、相手に気持ちを伝える大切さを教えてくれる本作は、きっと新たな一歩を踏み出す勇気を与えてくれるはずです。ストーリーいつも明るくて、陽気な中学二年生の美代。空気を読まない言動で周囲を驚かせ、クラスメイトからは「ムゲ(無限大謎人間)」というあだ名で呼ばれていたが、実は周りに気を使い、自分の感情を抑えて日々を過ごしていた。そんなムゲが、熱烈に想いを寄せるのは、クラスメイトの日之出賢人。毎日果敢にアタックをするも、まったく相手にしてもらえないままだった。ところが、ムゲにはある秘密があった。それは、かぶると猫に姿を変えることができるというお面で猫の太郎となり、日之出の家に通っていること。そんな生活を楽しんでいたムゲだったが、徐々に猫と自分との境界があいまいになってしまうことに……。引き込まれる予告編はこちら!作品情報Netflixアニメ映画『泣きたい私は猫をかぶる』6月18日(木)より、Netflixにて全世界独占配信出演:志田未来花江夏樹小木博明山寺宏一監督:佐藤順一、柴山智隆脚本:岡田麿里企画:ツインエンジン制作:スタジオコロリド製作:「泣きたい私は猫をかぶる」製作委員© 2020 「泣きたい私は猫をかぶる」製作委員会
2020年06月17日映画評論ユニット「お杉とB子」が今回おすすめするのは「サブスクで楽しむ注目コメディシリーズ」です。クスクス、ニマニマ、大爆笑。“笑い”は気分転換の最高の妙薬。お杉:巣ごもりで定着したサブスクから、今回は笑える作品をピックアップ。まずは超話題の『愛の不時着』。B子:韓国の財閥令嬢セリがパラグライダーの事故で北朝鮮に不時着。北朝鮮のエリート将校ジョンヒョクと恋に落ちるわけ。ラブストーリーだけど、コメディパートが素敵すぎ。お杉:恋の行方もさることながら、北と南のカルチャーギャップがもたらす笑いも大きな魅力。B子:北朝鮮の生活ぶりが、実はリアルらしいよ。国境警備の兵士がこっそり韓国ドラマを見てたり、闇市でKコスメが売られていたり。お杉:ジョンヒョクの部下が可愛いよね。セリから譲られたいい香りのシャンプーの虜になったり、韓国の豊かさに驚きっぱなしだったり。B子:セリと、村の奥さん軍団の絡みなど、あらゆるシーンでクスクス。豪華カメオ出演も見ものよ。お杉:ヒョンビンが演じるジョンヒョクの素敵さにも、ニマニマが止まらないわよ。ルックスだけじゃなく、中身も最高。その完璧すぎるイケメンぶりが終盤巻き起こす騒動もお楽しみに!B子:イケメンといえば、『エマ ~恋するキューピッド~』のジョニー・リー・ミラーね。デビュー時からほとんど変わらない、奇跡の47歳!お杉:サブカル色が強い俳優だから、J・オースティン原作の貴族様がハマるなんて意外だった。自分は縁結びの天才と思いこむエマを、ときに厳しく諭す大人の男っぷりが素敵。B子:で、笑わせるのがエマ。勘違いばかりで、常に空回り。美人なのに、もったいないドジっぷり。お杉:庶民としては、彼女に振り回される親友ハリエットに感情移入しちゃった。エマのせいで、見当違いな結婚の夢を見させられちゃう。私の青春返して!って感じ(笑)。B子:でもさ、資産家令嬢との逆玉婚を狙っている男なわけでしょう。そんな男とは結婚しなくて正解よ。お杉:確かにお金と時間があるエマが縁結びに熱中したように、現代の富裕層は政治に熱中するのかな。トランプ大統領みたいに。それを笑いにしたのが『ザ・ポリティシャン』。B子:アメリカ大統領を夢見る高校生ペイトンがその第一歩として生徒会長選に立候補。大統領選顔負けの戦略を駆使し、当選を目指すんだけど、次々に問題が持ち上がる。お杉:副会長候補探しとか、対立候補の自殺とかね。主役級のイケメンが初回に自殺しちゃって、驚愕よ。B子:選挙スタッフの暗躍や副会長候補インフィニティの病の真相とか、高校でこんなことある?って感じ。お杉:ぶっとび展開の連続。でも、妙な説得力と、「そうくるか」という意外性とのバランスが絶妙。しかも、ベン・プラットら出演者の歌唱力でも楽しませる。アメリカ連ドラ界の底力、恐るべし。B子:連ドラ界といえばね、クリエイターが執念で再ドラマ化したのが『The Tick/ティック~運命のスーパーヒーロー~』。お杉:トラウマを抱える青年アーサーが、突然彼の前に現れた青いスーパーヒーロー、ティックに振り回されながら、最強の悪・テラーに立ち向かう。B子:テラーが世俗的だし、ティックとアーサーの凸凹ぶりも楽しい。ゆる~い笑いは好き嫌いが分かれるかもだけど、ダメ男の成長を見守るのが好きな女性にはオススメね。お杉:そうよ。やる気ない系だったアーサーが、シーズン2には結構頼れる男になってる。ティックも脱皮して(笑)、マッチョになっていくし。これからってところなのに、シーズン3がないなんて、残念すぎる。『愛の不時着』パラグライダーの事故で北朝鮮に不時着した韓国の財閥令嬢セリと、北朝鮮のエリート将校ジョンヒョクの恋物語。『ザ・ネゴシエーション』でも組んだソン・イェジンとヒョンビンのケミストリーが最高。Netflixオリジナルシリーズ『愛の不時着』独占配信中。『エマ ~恋するキューピッド~』マッチメイクの才能があると信じる女性エマの成長と恋の行方は?透明感のある女優ロモーラ・ガライがドジでお茶目なエマを爽やかに好演。エンパイアラインのドレスなどファッションも素敵。huluにて配信。©BBC 2009『ザ・ポリティシャン』未来のアメリカ大統領を目指すサンタ・バーバラの高校生ペイトン。その第一歩となる高校の生徒会長選挙は波瀾万丈。グウィネス・パルトローが演じる母親ジョージナがブラックな笑いを誘って、ハマり役。Netflixオリジナルシリーズ『ザ・ポリティシャン』独占配信中。『The Tick/ティック~運命のスーパーヒーロー~』ヒーローとヴィランが存在する世界に現れた謎のヒーロー、ティックと気弱な青年アーサーの活躍を描くアクション・コメディ。ヒーローの自分探しなど意外に深い側面もあり、カルトなファン多数。Amazon Prime Videoにて独占配信中。お杉とB子巣ごもり生活中に七王国に囚われてしまい、ティリオンの声と知性にうっとり。でも、ジョンヒョク株急騰中。(お杉)『SEE 暗闇の世界』を堪能後、ネトフリから『フロンティア』をオススメされ、サブスク界で情報共有?と疑心暗鬼に。(B子)※『anan』2020年6月17日号より。(by anan編集部)
2020年06月10日映画評論ユニット「お杉とB子」が今回おすすめするのは「サブスクでしか見られない話題作」です。異色ドキュメンタリーから恋愛ものまで、巣ごもりのお供はサブスク。お杉:新型コロナウイルスの影響で巣ごもりが続くなか、大ヒット作が誕生したわね。ハリウッドセレブが話題にしたから私もうっかり観ちゃったよ、『タイガーキング:ブリーダーは虎より強者?!』。B子:主人公ジョー・エキゾチックはじめ、登場人物が全員強烈。愛する虎を守るという触れこみで動物園を経営する彼と、動物保護の観点からそれを阻もうとする資産家キャロルが戦いを繰り広げるのが本筋。お杉:そこに絡むのがまた、うさんくさい連中ばかり。動物好きはお金ができると、“最大”が売りの動物園を作りたくなるんだとも思った。B子:マイケル・ジャクソンとかね。キャロル暗殺未遂で有罪になったジョーの場合は、動物愛が感じられないのが逆にいい!有名になりたい病って、アメリカっぽいし。お杉:ヒットを受けて作られた特別編が超おすすめ、と言っておきたい。パンデミックの影響で、世の中的に“コロナ離婚”も取り沙汰されてるよね。というイージーな発想で選んだ『ザ・スプリット 離婚弁護士』も期待以上に面白かった。B子:弁護士ハンナが、自身の家庭生活に悩みつつ、さまざまな結婚トラブルを解決していく展開よ。お杉:母親の事務所から移籍した大手事務所にイケメンな旧友クリスティがいるのが、ミソよねえ。私的にはハンナの夫より、断然、洗練されているクリスティがタイプ。男同士のマウントの取り合いに笑っちゃう。B子:不倫サイトの名簿流出とか、スポーツ選手の婚前契約を巡るメディアの情報操作とか、今どきなネタも満載だよね。クリエイターのアビ・モーガンの着眼点に拍手!お杉:結果、浮かび上がるのが、いつの時代も変わらない男のだらしなさ(笑)。父親という存在の大切さを感じさせるのもいいよね。B子:そんな家族の愛をはじめ、さまざまな絆を見つめさせてくれるのが『モダン・ラブ~今日もNYの街角で~』。ニューヨーク・タイムズ紙の人気コラムに綴られた実話を基にしたドラマシリーズ。お杉:もう、第1話からハートをわしづかみにされちゃった。語り口もエピソードによって違うのよね。アン・ハサウェイ主演の第3話は、ヒロイン自身も茶化してるけど、『ラ・ラ・ランド』風のミュージカル仕立てもあるの。こちらもウキウキさせられつつ、気づけば号泣したわ。B子:そんなにヒロインに共感したの?!私のお気に入りは、第2話。IT起業家と女性記者それぞれの恋模様を絡ませ、映画『ビフォア・サンセット』を思わせる後半に痺れた。映画系のスターが出ているせいか、普通のドラマよりゴージャス感があるわ。お杉:ほんとにねー。同じく実話を基にしつつ、移民に焦点をあてた『リトル・アメリカ』は、スターがほとんどいないぶん、よりリアル。B子:ペーソスとユーモアたっぷりなの。移民が主人公だからと政治色を濃くしてないので、見やすい点も好き。お杉:貧しい不法移民の少女が、シューズ欲しさで始めたスカッシュで人生を切り開く第2話「ジャガー」には胸が熱くなる。導いてくれる存在の大切さも描かれていて、感動よ。B子:私は中国移民の母親アイの物語と、シリア人の同性愛者の青年ラフィークの物語に心動かされた。さまざまな移民のお国柄にもほっこりしたり、ドキッとしたり。アメリカが今でも移民国家なのもよくわかる。お杉:巣ごもりのおかげで配信に面白い作品がたくさんあるってこともよくわかったもんね。NETFLIX『タイガーキング:ブリーダーは虎より強者?!』自営の動物園で稀少動物の繁殖・売買に関わるジョー・エキゾチックを追う犯罪ドキュメンタリー。言動はもちろん、マレットヘア&キラキラ系ファッション、メイクで決めたジョーという人間に度肝を抜かれる。Netflixオリジナルシリーズ「タイガーキング:ブリーダーは虎より強者?!」独占配信中hulu『ザ・スプリット 離婚弁護士』法律事務所で働く弁護士ハンナの人生とキャリアを描く人間ドラマ。厳格な母親と出奔した父親、非婚主義者の次女なども絡み、ハンナの人生の行方は?結婚の終焉に出番という皮肉な職業だが、女性の強い味方だ。©BBC Worldwide 2017Amazon Prime Video『モダン・ラブ ~今日もNYの街角で~』新聞の人気コラムを基にした実話アンソロジー。男運の悪さをドアマンに指摘される書評家の恋物語やファザコン女子と年の離れた上司の関係などなど。笑って、泣けて、心に響くエピソードを小粋にまとめたドラマ。Amazon Prime Videoにて独占配信中Apple TV+ 『リトル・アメリカ』アメリカに移民した実在の人々の人生模様を描くアンソロジードラマ。『ビッグ・シック』でアカデミー賞脚本賞候補になったパキスタン系アメリカ人のクメイル・ナンジアニ&愛妻エミリーの視点が優しい。©Appleお杉とB子Netflixにログインするたび、『愛の不時着』をお薦めされちゃう。気になってるのは『スペンサー・コンフィデンシャル』なのに。(お杉)BSやCSでは観られないオリジナル作品はもちろん、名作クラシックも揃っていて、サブスク生活がやめられないよ。(B子)※『anan』2020年6月3日号より。(by anan編集部)
2020年05月27日Netflixで配信中のドラマ『ジ・エディ』は、パリのジャズクラブ「The Eddy」を舞台に繰り広げられる、イカしたギグとディープな人間ドラマ。小刻みにリズムをとる青年が製氷機からロックアイスを取り出して、戻った場所はジャズクラブ。バンドが演奏するステージやバーカウンター、客席、出入り口と流れるように店内を追うカメラはやがて、客席の奥から厳しい目でステージを見つめる黒人男性に向かう。男はクラブのオーナーのエリオットだ。ドラマには珍しい16ミリフィルムによるザラついた感じの映像がドキュメンタリー風味を醸し出す。手持ちカメラを使った臨場感あふれる、即興的な約5分間のオープニングを見るだけでも、既存のドラマとは一味違うという期待が高まる『ジ・エディ』。『ラ・ラ・ランド』で史上最年少のオスカー監督となったデイミアン・チャゼル監督が、自身のルーツでもあるジャズ愛と人生の半分を過ごしたパリ愛を前面に打ち出した音楽ドラマだ!主人公は、元有名ジャズ・ピアニストのエリオット。ある出来事がきっかけで演奏から遠のき、現在はパリで親友ファリドと共同でジャズクラブ「ジ・エディ」を経営中だ。明るく、人好きのするファリドがビジネスを仕切り、エリオットは出演者選択やハウスバンドの特訓といったクリエイティブを担当。しかしファリドがあることに手を出したことから、クラブ経営に暗雲が立ち込め、バンド仲間それぞれが抱える問題も噴出!?しかも最悪のタイミングで元妻と暮らしていた娘ジュリーがニューヨークから到着。仕事はもちろん、疎遠だった娘との関係修復まで加わって、エリオットの人生は想像もしなかった方向へ転がり始める。物語の舞台はパリだが、観光地とは無縁のベルヴィル界隈。住民にはアラブ系や中華系が多く、飛び交う言葉もフランス語だけではない。混沌とした地域だけに犯罪とも無縁ではなく、父娘ドラマとジャズ・バンドの成長ドラマにマフィアが絡む仕掛け。後半は特に、サスペンスフル要素が増え、見ていてハラハラする。主人公エリオットを演じるのは、『ムーンライト』で大人になったケヴィンを演じたアンドレ・ホランド。傷心を癒すはずのパリで様々な問題に直面しながら、仲間とクラブを守ろうと奔走する“パリのアメリカ人”を熱演。彼の娘ジュリーを演じるアマンドラ・ステンバーグは、思春期の少女らしい苦悩を体当たりで表現していて、一服の清涼剤となっている。エリオットと複雑な関係にある歌姫マヤ役で『COLD WAR あの歌、2つの心』のヨアンナ・クーリグが英語劇デビュー。ため息がもれるような歌声が耳に残る。また音楽担当者でもあるランディ・カーバーがピアニスト役で参加しているバンド・メンバーは、全員がプロのミュージシャン。劇中で流れるジャズが最高にクールで、演奏シーンでは思わず指を鳴らしたくなる。登場人物8人に焦点を当てる構成で、アラン・プール、ウーダ・ベニャミナ、ライラ・マラクシへと演出のバトンを繋ぐチャゼルは全体のトーンをきちんと掌握。立派なカルテット・リーダーが手掛けた、斬新な音楽ドラマをお見逃しなく!娘ジュリー(左)はクラリネットを演奏する設定だが、披露するのは父(右)のための歌でした。『ジ・エディ』パリのマルチカルチュラルなジャズクラブ「The Eddy」オーナーのエリオット(アンドレ・ホランド)をとりまくドラマが描かれる。時に軽快で時に物悲しいジャズサウンドにも注目。『ラ・ラ・ランド』のデイミアン・チャゼル監督が指揮をとる。Netflixにて配信中(全9話)。※『anan』2020年5月27日号より。文・山縣みどり(by anan編集部)
2020年05月20日テニス界に彗星のごとく現れたテニスチャンピオン・大坂なおみに密着したNetflixオリジナルドキュメンタリー「Naomi Osaka」(仮題)の制作・独占配信が決定した。2018年に全米オープンでグランドスラム初優勝し、2019年全豪オープンも制し男女通じてアジア人初となる世界ランキング1位を獲得した、プロテニスプレーヤー・大坂さん。本作では、約1年間という長期間にわたって彼女に密着。日本人の母親とハイチ系アメリカ人の父親を持つ彼女が日本から米国へ移住した子ども時代から、史上初となる日本人初のグランドスラム優勝、アジア人初の世界ランキング1位に輝くまでをふり返りながら紐解いていく。常人には伺い知れないプレッシャーを抱え戦う姿や、自身を見つめ直す様子、ユニークで誠実な彼女のプライベートの素顔にも迫り、彼女の歴史といまをリアルに映し出す。また、現在も密着撮影中だそうで、大坂さんは「自分にとって大きな意味を持つこの一年の間に、私のことを本当に理解してくれるチームと協力しながら、たくさんの出会いを通して自分自身のストーリーを語ることができ、とても有意義な経験になりました」とコメントし、「これまでのスポーツドキュメンタリーとは違うものになっているので、それをみなさんにお届けできることに、とてもワクワクしています」と期待している。なお、短編映画『Alone』(原題)でアカデミー賞ノミネートの最終候補作品にも選出される高評価を受けた、ドキュメンタリー界の新進新鋭の女性監督ギャレット・ブラッドリーが本作のメガホンをとった。Netflixオリジナルドキュメンタリー「Naomi Osaka」(仮題)はNetflixにて近日配信予定。(cinemacafe.net)■関連作品:【Netflix映画】ブライト 2017年12月22日よりNetflixにて全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】マッドバウンド 哀しき友情 2017年11月17日よりNetflixにて全世界同時配信【Netflixオリジナルドラマ】オルタード・カーボン 2018年2月2日より全世界同時オンラインストリーミング2月2日(金)より全世界同時オンラインストリーミング
2020年02月13日尾田栄一郎氏による人気漫画『ONE PIECE』が、Netflixで実写ドラマ化されることがこのほど、明らかになった。Netflixオリジナルシリーズ『ONE PIECE』として、全世界独占配信される。『ONE PIECE』がNetflixで実写ドラマ化1997年『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載が開始された本作は、伝説の“海賊王”ゴール・D・ロジャーの残したと言われる“ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)”を巡って、主人公モンキー・D・ルフィが率いる海賊“麦わらの一味”が冒険へと繰り出す壮大な物語。Netflixは、トゥモロースタジオと集英社と提携し、海賊たちの波乱と冒険に満ちたストーリーを全10話のドラマシリーズとして製作する。共同制作となるトゥモロースタジオは、ドラマ『カウボーイビバップ』『スノーピアサー』などを手がけているハリウッド有数のスタジオ。脚本は、Netflixのマーベルドラマシリーズを手がけた実力派マット・オーウェンズが担当する。そして、エグゼクティブ・プロデューサーとして『LOST』を手掛けたことで知られるスティーブ・マエダ、マーティ・アデルスタイン、ベッキー・クレメンツ、マット・オーウェンズが参加する。さらに、原作者の尾田栄一郎氏がエグゼクティブ・プロデューサーとして参加。過去にも実写映像化のオファーは多数あったというが、尾田氏と週刊少年ジャンプ編集部が様々なハードルを乗り越えられると確信できたことから実現した。尾田氏は「2017年に製作を発表したんですけど時間かかるのよいろいろ! 水面下でずーっとじわじわ準備が進んでます。そして今回これを発表していいそうです。あの世界一の動画配信サービスNetflixが大きく力を貸してくれる事になりました! 心強い!! シーズンI 10話でストーリーがどこまで進むのか。配役はどうなるの!? もう少しお待ちください。そしてご期待ください!!」とコメントしている。
2020年01月30日ブラッドリー・クーパーが監督と主演を兼任するレオナルド・バーンスタインについての映画を、Netflixが世界配信することになった。当初はパラマウントが配給する予定だった。プロデューサーには、『アイリッシュマン』でNetflixと組んだばかりのマーティン・スコセッシも名を連ねる。映画は、バーンスタインと妻の関係に焦点を当てるものらしい。脚本はクーパーと、『スポットライト 世紀のスクープ』のジョシュ・シンガーが共同執筆した。撮影は来年開始の予定。今作は『アリー/スター誕生』に続く、クーパーの監督作第二弾。『アリー』は8部門でオスカーにノミネートされた。文=猿渡由紀
2020年01月22日王室離脱を宣言したハリー王子とメーガン妃に、Netflixが目をつけているようだ。Netflixのチーフ・コンテンツ・オフィサー、テッド・サランドスが、L.A.でのイベントで、記者から聞かれ、「もちろん興味がある。当然だろう」と答えたことから、メディアの想像を掻き立てたもの。Netflixは、オバマ前大統領夫妻とも製作契約を結んでおり、同じようなコラボレーションを提案する可能性は大きいと思われる。オバマ夫妻が関わった最初の作品は、オスカーのドキュメンタリー部門に候補入りした『アメリカン・ファクトリー』。メーガン妃は早くも、声の出演と引き換えにゾウのためのチャリティに寄付してもらうディールを、ディズニーと結んでおり、これからハリウッドでどのような活動をしていくのか注目される。文=猿渡由紀
2020年01月21日今、注目の女の子を紹介する『anan』で連載中の「イットガール」。今回は女優の中屋柚香さんです。「人を笑わせる芝居に興味があるので、コメディにも出たい!」と話す中屋さんの魅力に迫りました。園子温監督も高い演技力を絶賛!夢を次々に叶えるシンデレラガール。「園子温監督の作品に出る」という人生の目標を一般公募で叶えた。「本格的な演技は初めてで、園監督に疑問や不安なことを全部ぶつけてご指導いただきました。私が演じたアミを嫌な性格だという人は多いと思います。でも、演技中はアミを自然に受け入れていたので、完成後、作品を客観的に観て初めて気が付きました」。美術大学で脚本の勉強中。「卒業制作で脚本を一本仕上げました。園監督からは、お褒めの言葉もダメ出しも(笑)。脚本を常に書いているので、いつか映像にできたらいいな」大好きなおばあちゃんにスカーフをプレゼント。長崎に会いに行きます。ピンクが大好きな可愛いおばあちゃん!刺繍をしているときは時間を忘れて夢中に!台本を覚える息抜きに。今は漫画のキャラの刺繍を進めています。太宰治の聖地巡礼。やっと行けて感動!大人な雰囲気のバーだったけど、いつかここが似合う女性になりたいです。なかや・ゆずか1998年生まれ。昨年、Netflixオリジナル映画『愛なき森で叫べ』で尾沢アミを演じてデビュー。最新情報やオフショット満載のTwitter(@nakayayuzuka)も必見。※『anan』2020年1月22日号より。写真・土佐麻理子文・松下侑衣花(by anan編集部)
2020年01月16日謎めいたストーリーと息もつかせぬ展開がクセになる、ネットフリックス独占配信ドラマ『ストレンジャー・シングス 未知の世界(略して、ST)』。その熱狂が巻き起こす世界的な社会現象を読み解きつつ、こんなにも惹きつけられる魅力に迫ります!次々と浮かぶ謎の虜に。いま最もアツいドラマ。アメリカ・インディアナ州ホーキンスに住むウィルは、親友の家で友達3人とゲーム「D&D」を楽しんでいた。夜も更け、自転車で帰宅中のウィルが森の近くで忽然と姿を消す。その翌日、謎めいた少女イレブンが町に現れ…。2016年にシーズン1が配信されるや、世界的に人気が爆発した『ストレンジャー・シングス未知の世界』。’80年代の田舎町で展開される少年少女の友情&冒険物語は、『スタンド・バイ・ミー』や『E.T.』といった名作を彷彿させ、ドラマティックかつスリリング。クリエイターのダファー兄弟への注目度、出演者のスター度も急上昇。ファッション界など多方面で社会現象となっている。またウィルが消えた11月6日は「ストレンジャー・シングス・デー」として、番組SNSなどで特別映像などが公開された。2017年、第69回エミー賞は18部門ノミネート、5部門受賞!業界内での評価が高いのも本作の特徴。その証拠にシーズン1が対象となる2017年は、テレビ界のオスカーともいわれるエミー賞で18部門の候補となり、最優秀キャスト賞など5部門で受賞。シーズン2まで合わせると、ゴールデングローブ賞やMTVムービーアワードなど、さまざまな賞の198部門で候補となり、うち57部門で受賞している(2019年11月現在)。全米批評サイト「ロッテン・トマト」で批評家スコアが95%と高評価を獲得。映画ファンにとって、作品評価の基準のひとつである映画評論サイト「ロッテン・トマト」が2013年からドラマ評価もスタート。『ST』はなんと、批評家スコア95%という高い数字を得ているだけでなく、オーディエンススコアも91%!!ドラマ通と一般視聴者のどちらをも満足させ、まさに総合的にバランスのとれた作品ってこと!ユニバーサル・スタジオがコラボアトラクションをオープン。ハロウィン直前に第2シーズンが配信され、2017年には番組に触発された仮装をする人が続出!人気に目をつけたユニバーサル・スタジオでは、2018年にアメリカとシンガポールでシーズン1を舞台にしたアトラクションを開催。ハロウィン・イベントとしては最大の集客となった。2019年のアトラクションは、シーズン2とシーズン3が舞台で、こちらも大ヒット!出演者が続々とファッションアイコンに抜擢。登場時から強いインパクトを残すミリー・ボビー・ブラウンは、出演後すぐにカルバン・クラインとモンクレールの広告モデルに抜擢。さらにナタリア・ダイアーがプラダのクリスマス動画に出演し、ノア・シュナップがFENDIのアンバサダーに就任と出演者がファッションアイコンに。またフィン・ヴォルフハルトはミュージシャンとしても注目株。今後は音楽業界にも名を轟かす日が来るかも。リーバイス(R)の「PRINT SHOP」にて、『ST』のカスタムTが作れる!番組の大ヒットを受け、アパレル界でも続々とコラボが進行中!例えばリーバイス(R)はトップスやジーンズ、キャップなどのカプセルコレクションを発表し、現在はST仕様のカスタマイズプリントサービスが利用可能に。リーバイス(R) 原宿 フラッグシップストア内「PRINT SHOP」にて、世界に1枚だけの、STコラボTシャツを作ることができる。ファンにとってはまさに夢のような企画だ。「世界で最もGoogle検索されたTV番組」として、2017年末ギネス世界記録に認定。あっという間に社会現象となったドラマということもあり、配信をスタートするやたちまちGoogle検索のトップに躍り出たのも納得。検索内容は、ドラマでオマージュされた映画のタイトル、出演者やクリエイターについての情報収集だったりとまちまち。とはいえ誰もが「ストレンジャー・シングス」と入力していたのは間違いなく、2017年には「世界で最もGoogle検索されたTV番組」として、ギネス世界記録に認定された。世界的人気ホラーゲーム『Dead by Daylight』がコラボチャプターを発表。この9月からは、非対称型ホラーサバイバルゲーム『Dead by Daylight』とのコラボがスタート。追加コンテンツとして『ストレンジャー・シングス 未知の世界』チャプターが加わった。生存者で遊ぶ場合にはスティーブやナンシーを。殺人鬼ではデモゴルゴンを選択可能となっており、物語の恐怖感、緊迫感をリアルに感じながら、命がけの鬼ごっこを楽しむことができる。※PC版とコンソール版があり、ゲームソフト購入後はNintendo Switch OnlineやPlayStation(R)Plusへの加入(有料)が必要。Netflixオリジナルシリーズ『ストレンジャー・シングス 未知の世界』シーズン1~3:独占配信中※『anan』2019年12月18日号より。文・山縣みどり(by anan編集部)
2019年12月11日様々なジャンルの番組が見られる動画配信サービスの中でも、最近力作が目白押しなのがドキュメンタリー。政治や宗教、ビジネスといった硬派なものだけでなく、エンターテインメントの裏側をレポートしたものなども揃い、世界中の今をリアルタイムで体感できるので要チェック。ここでは社会派ドキュメンタリー3選をお届けします!リテラシーを高めたい人に…アメリカ大統領選の裏に隠れていた、巨大ネットワークの闇が明らかに。『グレート・ハック:SNS史上最悪のスキャンダル』題材は、2018年に明らかとなった、2016年アメリカ大統領選挙でのFacebook個人データ漏洩事件。世界を震撼させた大スキャンダルなだけに記憶の片隅にある方もいるかもしれないが、本作品では、この事件の一部始終にがっつり密着。新聞記者や当事者企業の元社員の内部告発から、個人情報が大企業に利用されているカラクリをわかりやすく展開している。事件の真の黒幕は企業なのか、大きな力によって生まれたプロパガンダなのか。来年に迫る次回の大統領選を前に、もう一度身を引き締め、自分のネットワークへの関わり方や姿勢を見直すきっかけ作りに、最適なドキュメンタリーとなっている。Netflixオリジナルドキュメンタリー『グレート・ハック:SNS史上最悪のスキャンダル』独占配信中音楽も楽しみたい人に…ヒップホップ・スターが新星発掘!『リズム+フロー』次世代のスターを発掘するオーディション番組はいくつもあるが、これはヒップホップに特化した番組。カーディ・Bやチャンス・ザ・ラッパーといった豪華な審査員/メンターが見守るなか、出場者はサイファー(複数人の即興バトル)やMV制作など、アーティストとのコラボ課題をこなしていく。厳しいチャレンジを終えたラッパーが人間的成長を遂げる姿に、視聴者が心を寄せてしまうのは確実。1話完結ではなく、3話構成だけど一気見必至でしょう。Netflixオリジナルシリーズ『リズム+フロー』独占配信中これから未来を考える人に…まさにホラーな国策の実態に迫る。『一人っ子の国』中国で1979年から36年間続いた一人っ子政策。自身も母となったアメリカ在住中国人女性監督が政策の実態に迫る作品。人々の証言から明らかになったのは、容赦なく残酷な、本当に起こったとは信じたくない様々な事実。強制中絶や不妊手術も行われたといい、国が人権を踏みにじった事実を前にどう思うのか。結果的に生まれた中国の男女不均衡が将来どんな問題を生むのかを考えるためにも向き合いたい作品。Amazon Prime Videoにて独占配信。※『anan』2019年12月18日号より。文・山縣みどり(by anan編集部)
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