エントランスでロボットがお出迎えしてくれると、なんだか遊園地のアトラクションのようで楽しくなることがあります。そんなロボットがおもてなしまでしてくれる〔ネスカフェ・Pepper・duAroおもてなし無人カフェ〕が、〔ネスカフェ原宿〕に期間限定でオープンしました。コーヒーマシンとロボットが連携しコーヒーを提供ロボットがサービスを提供するおもてなしなんて、なかなか想像ができませんよね。なんだか無機質で冷たい感じがして、「おもてなし」という言葉が似合わないのではないのかと思っていましたが、予想を裏切るユニークさで楽しいカフェでした。今回の無人カフェでは、《ネスカフェゴールドブレンドバリスタ50》と、〔ソフトバンクロボティクス〕の人型ロボット《Pepper》、さらに、〔川崎重工〕が製造販売する双椀スカラロボット《duAro》が連携し、注文の受付からコーヒーの提供までを、自動で行います。人がいないことでちょっと戸惑いそうですが、近づくと《Pepper》が話しかけてくれます。その後は、誘導に従って、自分の好みのコーヒーを選びます。エスプレッソやブラックだけでなく、コーヒーの濃さと量も自分好みに細かくセットすることができます。決定したら、《duAro》の出番。《バリスタ50》にカップをセットし、コーヒーの抽出が終わると、カウンターにカップが出され、「熱いのでお気をつけください」というやさしい言葉もかけられました。一緒に《キットカット》も出してくれます。一連の動作が、スムーズで違和感もなく、逆にわくわくしました。登録すれば、次回から好みのコーヒーがコーヒーのオーダー後、「お友だちになってくれる?」と《Pepper》に声をかけられるのですが、そこで、お友だち登録すると、次回から顔認証で、自分の好みに合わせたコーヒーをいれてくれるようになります。次回からは、「いつものでいいですか?」なんて、常連気分も楽しめますよ。この機能は、スマホのアプリでも可能なので、《バリスタ50》があるところなら、設定した好みのコーヒーを抽出できるのだそう。毎回、濃さを変えてみるのも楽しいですが、好みのものをいつもという人には、とても便利ですね。このコーヒーのサービスは、なにか一品注文したら、無料で利用できます。ドリンクがフリーというだけでなく、ちょっとした近未来体験ができます。この無人ということを、それほど意識することなく、自然にコーヒーを受け取ることができるのが、今回の「おもてなし」のおすすめポイントなのかもしれません。《バリスタ50》を使用したほうが、カップにコーヒーとお湯を入れたときより、おいしくいただけるそうで、自宅でも使ってもらえるよう、よりコンパクトになったそう。自宅にあれば、眠る前に、ちょっとカフェインレスコーヒーでリラックスという時などに手軽で便利そうですね。まずは、ロボットたちにおいしいコーヒーをいれてもらって、ほっとひと息つきたいです。【ネスカフェ・Pepper・duAroおもてなし無人カフェ】●場所:ネスカフェ原宿東京都渋谷区神宮前1-22-8●期間:2017年11月16日(木)~26日(日)●時間:11:00~21:00(ラストオーダー20:30)●利用条件:ドリンクもしくはフードメニューいずれか1品以上の注文●ライター林ゆりネスカフェ
2017年11月17日ソフトバンクロボティクスは4月上旬より、充電ベースの配布を開始する。充電ベースは試供品で、修理などは行われない。充電ベースの提供により、Pepperは自律的に充電を行うようになる。配布対象は、基本プランと保険パックに同時加入した一般販売モデル購入者と、CPUアップグレードプログラム実施済みのPepperデベロッパー先行モデルの購入者。Pepper for Biz契約者については配布対象外となる。自動充電機能は、Pepperの最新OS「NAOqiOS 2.4.3」にアップデートすることで利用できる。自動充電設定画面を表示して自動充電機能をオンにする操作が必要で、バッテリー残量値の設定や、充電ベースでの待機時間設定などが行える。同時に公開された動画では、Pepperが自動掃除ロボットかのように充電ベースにたどり着く様子を確認できる。
2016年04月06日宮藤官九郎脚本の4月期ドラマ「ゆとりですがなにか」、映画『ディストラクション・ベイビーズ』などの柳楽優弥が、感情機能を持つヒト型ロボット・PepperとW主演を果たしたWEBムービー「404」が公開。柳楽さん演じる主人公が、“ある朝、目覚めるとPepperになっていた”という衝撃の展開から幕を開けることが分かった。ある朝、目覚めた田中祐介(柳楽優弥)は鏡を見て愕然とする。なんと、そこに映っていたのはPepper。パニックに陥る祐介は、部屋に残されたさまざまなヒントとわずかな記憶を頼りに部屋を飛び出し、“人間”に戻るために奔走する。記憶の中にあるのは、恋人らしき女性(真野恵里菜)の姿。やがて、充電が切れたPepperは謎の集団にトラックで運ばれてしまう…。本作は、みずほフィナンシャルグループがソフトバンクロボティクスの全面協力のもと製作した全5話からなる長編WEB限定ムービー。ある朝、突然Pepperの姿となり、元の自分を取り戻すために記憶を辿る男を柳楽さんが演じ、ヒロインには『新宿スワン』『リアル鬼ごっこ』など園子温監督の新たなミューズとして知られ、初ミュージカル「グランドホテル」も控える真野恵里菜。さらに、物語の鍵を握る男としてテリー伊藤が登場するなど、豪華なキャストが集っている。タイトルの「404」とは、WEBの404エラーと同様の意味を持ち、主人公・田中祐介がPepperとなり“存在しない”“見つけてもらえない”という状況とリンクしており、映像中では、404のロゴマークが「SOS」に見えるようにも工夫がなされている。シリアスでミステリアスな雰囲気の中でも、おなじみのPepperの高音ボイスはそのまま。それがかえって不思議なバランスをもたらし、思わず笑いを誘うひと幕も。実力派俳優たちの中で、彼がどんな“演技”を見せるかは注目だ。撮影では、もともと屋内専用に設計されているPepperを屋外で使用しており、直射日光を防ぐために日傘が欠かせなかったり、凹凸ある地面を安全に動いてもらうため、常に地面の状況に細心の注意を払ったりと、スタッフ総勢でPepperの“演技”をサポート。また、屋外ではさまざな電波が飛び交うため、ときには動かなくなってしまうトラブルも!しかし、そばを通りかかった少年が「あ、Pepper!」と声をかけた瞬間、なんと動き出したPepper。撮影を断念しなければならないかという瀬戸際に起こったこの奇跡に、現場は沸き返っていたという。まるで1本の短編映画とでもいうかのように、本格的に製作されている本作。果たして、祐介は人間に戻れるのか、それともPepperのままなのか…。かつてない物語の続きは、その目で確かめてみて。Pepper the Movie「404」はWEBにて公開中(全5話)。(text:cinemacafe.net)
2016年03月22日デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム(以下 DAC)と、IoTおよびAI事業を展開し、Pepper向けアプリケーション開発も手がけるワン・トゥー・テン・ドライブ(以下 1→10drive)は、DACのLINEビジネスコネクト対応ソリューション「DialogOne」をハブに、LINEとPepperをつないだ、Pepper導入企業向けの新たなコミュニケーションサービスの提供を共同で開始したと発表した。「DialogOne」は、広告主が保有する顧客情報とLINEのアカウント情報などを掛け合わせOne to Oneコミュニケーションを実現するメッセージングサービス管理ソリューション。両社は「DialogOne」と、1→10driveが開発する「Pepper向けアプリケーション」を連携させ、LINEとPepperをつなぎ、企業と顧客の間でのコミュニケーションを活性化させる新たなサービスの提供を開始する。提供するコミュニケーションサービスは、「来店促進 & 新たな店頭体験の創出」と「販売店から離れた顧客との継続的なコミュニケーション」の2つ。「来店促進 & 新たな店頭体験の創出」では、Pepperとの会話と来店客へのLINEスタンプやその他デジタルインセンティブのプレゼントをフックに、店舗への来店を促進。来店した顧客には、Pepperとの会話体験(会話の中でアンケート実施)と、その場でPepperからLINEに送られるLINEスタンプやその他デジタルインセンティブの受け取りの体験を通して、印象深く、記憶に残る店頭体験を創出する。「販売店から離れた顧客との継続的なコミュニケーション」では、上記の施策で取得した来店客の来店日時・店舗名およびアンケートへの回答内容をもとに、顧客一人一人に合わせた「キャンペーン案内」や「商品案内」、そして 「グリーティングメッセージ」等をPepperと会話しているように定期的に送信し、来店客との継続的なコミュニケーションを行うという。今後は来店以後のLINE上のコミュニケーションだけではなく、顧客が再来店した際、前回までの会話を踏まえて継続的なコミュニケーションが行えるよう、サービスの提供範囲を拡大するほか、今回のPepperへの対応を皮切りに他のロボットとの連携を進めるとともに、近年注目が集まっているAI技術を積極的に活用していくことで、新たなコミュニケーションを実現していくという。
2016年03月22日M-SOLUTIONSは3月9日、ミラクル・リナックスと共同開発した、ソフトバンクの人型ロボット「Pepper」とデジタルサイネージの連携機能を、「Smart at robo for Pepper」のオプションサービスとして、4月5日より提供を開始すると発表した。本連携オプションは、Pepperのディスプレーに表示される画像や動画コンテンツを、デジタルサイネージで表示可能にするもの。アンケートや質問の回答に応じて、複数のコンテンツを出し分けすることもできるという。料金は次のとおり。また、考えられる想定利用モデルは、次のとおり。
2016年03月10日●最高のおもてなしを提供ソフトバンクの人型ロボット「Pepper」が、人間の代わりにショップ店員となる日も近いかもしれない。ソフトバンクロボティクスとマイクロソフト コーポレーションが8日に行った共同記者説明会の内容は、そんな”小売業の近未来”を予感させるものだった。○両社が作る「未来の商品棚」小売業では現在、労働人口減による人材難、訪日客の増加による環境の変化、Eコマースの台頭といったことが課題になっている。ソフトバンクロボティクスとマイクロソフト コーポレーションがこの日に発表した、クラウドプラットフォーム「Microsoft Azure(マイクロソフト アジュール)」やPepperを活用したソリューションは、こうした小売業の課題の解決を目指したもの。ソフトバンクロボティクス代表取締役社長の冨澤文秀氏は「クラウド×ロボット×デバイスで、ロボットが接客する”未来の商品棚”をつくる。これにより人件費を下げ、売り上げを伸ばし、顧客体験を向上できる」とアピールした。ちなみに両社はクラウドロボティクス分野で戦略的協業を締結しており、今後もお互いの長所を活かしたサービスを実現させていく構えだ。具体的な利用シーンについては、日本マイクロソフトの代表執行役社長である平野拓也氏から紹介があった。例えばPepperは人間の顔、年齢、性別のほか、会話の内容や相手の感情などを適宜取得できる。マイクロソフトではこれを小売業に向けて応用。Pepperの接客が商品の購入に直接結びついたか否かを、その際の顧客行動などを含めてPOS売上などのデータと紐付け、Microsoft Azure上にあるAzure IoT Suiteで解析することで、顧客のニーズをリアルタイムに把握できるプラットフォームに仕上げた。会場で流されたイメージ映像では、Pepperが来店者に「また来てくれたんですね。今日はメガネを外しているんですね。前に買ったスマホケースの調子はいかがですか。メールでオススメしていた製品はいかがですか」などと話す様子が紹介された。外国人の接客には、多言語翻訳機能「Microsoft Translator」を活用。店頭のPepperが同時通訳をこなすことで、店主は外国人を相手にスムーズに接客できる。また、系列店舗の在庫データを照会してSurface HubやSurfaceに表示することで、来店者は在庫の有無を容易に参照でき、経営者は事業計画、仕入れ計画の参考にできる。在庫の状況に応じてPepperが別の商品の提案をすることも可能。平野氏は「データが可視化されることで、経営者は最適なアクションをとれる。これにより、在庫がなくて売り逃すなどの機会ロスを減らせる。将来のリテール(小売)のフォーマットにしていきたい」と意気込んだ。「これまでも、ソフトバンク様とは様々なディスカッションを重ねてきた」と平野氏。”未来の店舗をつくる”をキーワードにした今回の取り組みについて、「最先端のテクノロジーにより、クラウドロボティクスの分野でイノベーションを起こしていきたい。お客様にとって、最高のおもてなしを提供できるのではないか」と期待感を口にしていた。●Watsonとはどう使い分けるのか○IBM Watsonとの棲み分けは?質疑応答には冨澤氏、平野氏の両社長が対応した。価格、販売形態について平野氏は「乞うご期待、といったところ。現在、詰めている」と回答。またプラットフォームにPepperを絡ませる利点について、冨澤氏は「例えば翻訳に関してはPCやスマホなどの端末を使う方法もあるが、人型ロボットを使うことで利用者はより感情移入しやすくなる。また、Pepperには表現力もある。ソリューション全体で考えたとき、Pepperが貢献している部分は大きい」との見方を示した。海外展開について、冨澤氏は「今秋は日本国内だけで展開する」としながらも、将来的には、グローバルも視野に入れているという。他業種への展開について、同氏は「小売り以外は、介護施設、ハウスメーカーなどから引き合いがあり、例を挙げていけばきりがない。そのうちの一部は、マイクロソフト社との提携になる」と説明している。このあと冨澤氏は、記者団の囲み取材にも応じた。この中で多くの質問があがったのは、IBM Watsonとの棲み分けについて。ちなみにWatsonとは、情報から学び、経験から学習する米IBMの人工知能システムだ。ソフトバンクではIBMと共同でWatsonの開発を進めており、Pepperへの活用も期待されている。マイクロソフトとの取り組みとIBM Watsonを、どのように使い分けていく方針なのだろうか。これについて、冨澤氏は「ニーズに適したものを使っていきたい」とコメント。明確な線引きについては触れず、「IBM WatsonはAIであり、Microsoft Azureは分析機能に優れている。利用者のQ&Aに答えるのはIBM Watsonの方が得意で、売上や在庫を的確に分析するのはMicrosoft Azureではないか」と私見を述べるにとどまった。流通・小売はMicrosoft Azure、金融はIBM Watson、などのような使い分けが予想される。***現在、国内外でロボットによるソリューション開発が進められているが、あらかじめターゲット層と用途を想定して作られた商品が少なくない。もっとも、従来のモノづくりではそれが常識だった。一方でPepperは用途を限定せずに開発された、オープン・プラットフォームのロボットである。業種・企業の枠組みを越えた、新たなソリューションが生まれやすい土壌がある。そこがPepperの強みとなっている。ではPepperを使った取り組みを軌道に乗せるためには、今後どのような課題を克服する必要がありそうか。例えば、世間のロボットに対する認識が進んでいない、という事実は乗り越えなければならない”壁”になることが予想される。Pepperが世間に「おもちゃ」と認識されているうちは、経営者は会社の業績を任せることに躊躇するだろうし、一般の消費者は金融の込み入った相談をPepperにはしないだろう。逆を言えばソフトバンクロボティクスでは今後、企業のユースケースを増やし、成功事例をコツコツと積み重ねていく必要がありそうだ。世間の認識が変わったとき、Pepperによるソリューションが軌道に乗り、”Pepper店員”が街のそこかしこに出現するかもしれない。
2016年03月09日ITホールディングスグループのTISは2月19日、「Pepperパートナープログラム」において「ロボアプリパートナー」に認定されたことに加え、「IBM Watsonエコシステムプログラム」において「テクノロジーパートナー」に選定されたことを発表した。これまでTISでは、AI関連ビジネス推進のため、機械学習や自然言語処理といったAI技術の検証・開発や関連技術を用いたソリューションの開発、PoC(Proof of Concept:概念実証)を進めており、大学とのAI技術に関する共同研究の実施など産学連携での活動も行っている。AI活用のインタフェースとなるロボティクスの分野では、ソフトバンクロボティクスが提供する人型ロボット「Pepper」向けのカード入会案内アプリを構築。TISはこれらの実績や技術力が評価され、ソフトバンクロボティクスがPepperのロボアプリの開発者などを総合的に支援するPepperパートナープログラムにおいてロボアプリパートナーとして認定された。また、コールセンターやユーザー向け質問応答システムの分野などで活用が期待されているIBMのコグニティブ・システム「IBM Watson」では、ソフトバンクと日本IBMが共同で展開しているIBM Watsonエコシステムプログラムにおいてテクノロジーパートナーとしても選定された。TISでは、金融業や製造業などをターゲットにPepper向けアプリの提供とIBM Watsonのビジネス活用の提案や、AI関連技術とビッグデータ、IoT(Internet of Things)領域のソリューションを組み合わせたサービス提供を進めていく。今後は新規ビジネス立上げの迅速化を企図する「インキュベーションセンター」でも、AI分野での社内ビジネス立ち上げ支援やAI関連子会社の創設、関連ベンチャー企業への投資などを推進・サポートし、AIビジネスの拡大を目指すという。
2016年02月19日ソフトバンクと三重県は2月16日、三重県の臨時職員としてPepperを採用すると発表した。この臨時職員採用は、5月26日、27日に三重県で行われる「伊勢志摩サミット」に向けたもので、同サミットで報道関係者の拠点として設置される「国際メディアセンター」の「三重県情報館(仮称)」で、Pepperが三重県のPR活動を行う。三重県は「実はそれ、ぜんぶ三重なんです!」という観光キャンペーンを実施しており、三重県内の熊野古道やナガシマリゾート、伊勢神宮といった県内各地の観光名所、松阪牛や伊勢海老、南紀みかんといった名産品などを、キャンペーンに沿った形でPepperが案内する。解説する際の言語は日本語と英語を用意する。現段階で、用意するコンテンツは調整中で、サミットが開催される時期の5月20日頃~5月末まで、三重県情報館で"職員"として働く予定だ。○伊勢音頭を踊るPepper同日行われた「入庁式」には、三重県知事の鈴木 英敬氏とソフトバンク 専務取締役の榛葉 淳氏、Pepperが登壇し、各々が伊勢志摩サミットへ向けた"意気込み"を語った。はじめに知事の鈴木氏は、Pepperを臨時職員として採用した理由について「Pepperは旬な存在。日本を代表して世界にPRできるんじゃないかと期待している」と語り、大いなる期待を寄せていることを明かした。続いてソフトバンクの榛葉氏は、「サミット開催100日前という節目のタイミングで入庁式が行えて嬉しい。ソフトバンクとして、2016年は"スマートロボット元年"と位置づけている。世界中の人々に、三重県の素晴らしい自然・観光・歴史を発信して、サミットの成功と三重の発展に寄与できれば」と、全面的なサポートを約束した。両氏が抱負を述べたあと、Pepperが満を持して登場。サミット開催100日前のため、実際の現場で使われる専用アプリは公開されなかったが、三重県のPRや鈴木氏と掛け合いを見せたほか「三重県を第二の故郷にしても良いですか? 榛葉専務」と問いかけるなど、いつもの"Pepper節"で会見場を沸かせた。また、地元の「伊勢音頭保存会」の前で、Pepperが伊勢音頭を披露。踊り子の女性から「音頭保存会の一員になれる」と褒められる一幕もあった。こうした、動きを再現できるロボットの特性を活かした観光情報の発信や、Pepperというわかりやすいマスコットで伝えることが重要だと鈴木知事は話し、「私たち自身が、観光で訪れた方々に説明すると、どうしても詳細に、事細かく伝えようとしてしまう。だけど、初めて来られた方に、三重県を知ってもらうためには、コンテンツと、何より話し手のインパクトが大事。動画で私自身が話すよりも、Pepperに話をしてもらう方が、知ってもらえると思います(笑)」としていた。○鈴木知事がPepperをサミット用職員に採用入庁式にあわせ、サミットでPepperが採用された経緯について、担当したソフトバンク 法人第五営業本部 東海支社 第3営業部 部長の井上 拡氏に話を伺った。井上氏によると、昨年10月に鈴木知事を訪問し、Pepperや、ソフトバンクが日本語版の展開をIBMと共同で行っているコグニティブ・コンピューティング「IBM Watson」を、三重県として活用しないかという提案を行ったという。すると、鈴木知事は、伊勢志摩サミットが行われるタイミングで、良いアピールの機会があるとして、Pepperの活用に踏み切ったようだ。意外と知られてないポイントでは、家庭向けPepperには、自由に会話できる機能があるものの、法人向けの「Pepper for Biz」では特定用途のアプリケーションを開発する必要があり、自由な会話や、観光地案内、個人の識別など、多くの機能を1つにまとめて動作させることは難しい。今回のミッションも「三重県のPR」であり、例えば「外国人っぽい顔を認識したら英語、日本人っぽい顔なら日本語」といった、Pepperの顔認識技術を用いた"おもてなし"もアリなのでは?と井上氏にたずねたが「現状ではなかなか難しい」という回答だった。ただ、機能的にはすでに実装されているものを活用するだけなので、将来的に処理性能が向上すれば、ありえない話ではないだろう。実際に、日産自動車が販売店で展開しているPepperでも、将来的に顧客の顔のデータベースを持ち、既存顧客の満足度向上に繋げたいといった話もある。また井上氏は、今回のサミットにおける展開を自治体展開のモデルケースになればと、期待を込めて語る。「Pepperに特に興味を寄せてくれているのは、外国人と年配の方です。今回のサミットでは、海外メディアの方に、Pepperに関心を持ってもらい、取り上げていただけるようにと思っています。Pepper for Bizでアプリを作りこむのか、自治体向けアプリを用意するのか、今回をモデルケースとして、観光地で使いたいところや、今後の拡販に向けてコンテンツの作り込みは頑張りたいと考えています」(井上氏)主要都市圏では、Pepperを見たことがあるという人はある程度いるだろうが、三重県ではPepperの販売店が1店舗、ショップ店員としての展開も28店舗にとどまり、まだまだ浸透していない。実際に、地方メディアの反応も、首都圏とは異なり「もう販売しているのか」「何の目的で作られているのか」といった質問が、ソフトバンク社員に投げかけられていた。現状は、こうしたまだPepperを見ぬ層への"客寄せパンダ"としての活用が多いものの、だからこそ目に留まる存在として、観光案内に期待を込めているところも多い。子供から大人まで、そして訪日外国人にも「わかりやすく、地元の魅力を伝える」役割を、Pepperは担っている。「写真を撮るアプリや、観光地案内アプリなど、細かいニーズをPepperは拾っていける。英語での会話や踊りなどのコミカルな動きは、海外の方にもウケるはず。"観光地"を知るためには、ネットで調べるだけで、いくらでも情報は出てきます。でも、それらの情報は、長くてちょっと小難しいものに感じてしまいます。もちろん、Pepperに長い説明をさせることもできますが、それではお客さまも飽きてしまう。Pepperは、簡単な言葉でわかりやすく説明することに長けてる。そうした魅力発信を行うには、最適な存在だと思っています」(井上氏)
2016年02月16日小田急電鉄は2月8日~29日まで、新宿駅西口地上コンコースの箱根旅行専門店「はこね旅市場」で、ソフトバンクロボティクス「Pepper」を観光案内コンシェルジュとして試験運用すると発表した。このPepperは、ブリックス、フューブライト・コミュニケーションズと連携して、多言語で切符売り場案内や観光スポット紹介、観光客との記念撮影を行うほか、通訳コールセンターへの取次を行う。対応言語は英語、中国語となる。フューブライト・コミュニケーションズは、観光・介護分野を中心にPepperアプリ開発を行っている一方、ブリックスは24時間365日で6カ国語対応の通訳センターを運営している。Pepperは、Pepper自身を介して観光客と通訳オペレーターと繋ぎ、案内を行えるようにする。Pepperを利用した接客対応では、日産自動車やネスレ日本、ホテルグループのハイアットのほか、一般の小規模カフェでも導入事例がある。
2016年02月09日ソフトバンクロボティクスとエヌ・デーソフトウェア(NDソフト)は2月3日、ソフトバンクロボティクスの人型ロボット「Pepper」とNDソフトの福祉業務支援ソフトウェアである「ほのぼのNEXT」を利用した、高齢者介護におけるロボット活用に向けた実証実験を、社会福祉法人セイワの協力の下で2月5日までの予定で開始した。今回の実験では、異なる医療・介護システム間での情報交換を可能にする在宅医療・介護情報連携基盤を介して、ほのぼのNEXTと連携するPepperを利用し、セイワが運営する介護老人福祉施設である「幸風苑」の高齢者を対象に、それぞれの介護レベルに応じた服薬管理や体操などのレクリエーションを行う。ほのぼのNEXTに登録済みのケア情報を基にした介護施設利用者とコミュニケーション・ロボットとの交流により、介護施設利用者にどのような変化が現れるかに加え、コミュニケーション・ロボットが介護予防を実施する上で介護職員にとって有用な補助ツールになるかを検証するという。なお同実験は、総務省の「平成27年度 医療・介護情報連携基盤の活用の推進に関する調査」の一環で実施するもの。
2016年02月04日ソフトバンクロボティクス、エヌ・デーソフトウェアは3日、人型ロボット「Pepper」と福祉業務支援ソフト「ほのぼのNEXT」を活用した高齢者介護における実証実験を、社会福祉法人セイワの協力の下、同日から5日まで行うと発表した。同実証実験では、異なる医療・介護システム間での情報交換を可能にする在宅医療・介護情報連携基盤を介して「ほのぼのNEXT」と連携した「Pepper」を活用。セイワが運営する福祉施設「幸風苑」の高齢者を対象に、それぞれの介護レベルに応じた服薬管理や体操などのレクリエーションを行う。ソフトバンクロボティクスとエヌ・デーソフトウェアは、介護施設利用者が「Pepper」との交流により、どのような変化が現れるかに加え、「Pepper」が介護職員にとって有用な補助ツールとなり得るのか検証していくという。
2016年02月03日ソフトバンクロボティクスとソフトバンクは、1月27と28日の2日間、人型ロボット「Pepper」の法人向けモデル「Pepper for Biz」の活用事例を紹介するイベント「Pepper World 2016」を開催した。小売・店頭での集客や商品説明、病院などでの受付、介護・医療、教育のジャンルで、Pepperによる最新のソリューションが展示された。その中で目についたサービスをいくつか紹介する。○Pepperによる集客やコミュニケーションリクルートライフスタイルは、同社が運営する受付管理アプリ「Airウェイト」と連携させたPepperを展示した。Airウェイトは、発券機とiPadで来客者の受付管理、番号札の発券、入店までの案内が行えるアプリだが、Pepperと連携させることで、集客やコミュニケーションが期待できるという。また、長時間待たされるときは、お勧めの商品を説明したりゲームで遊んだりして、待ち時間のイライラを緩和する。(関連記事:2018年の接客業務はロボットが当たり前の時代に?)ネスレ日本は、スマホで撮影した写真をカラープリントできるラテアートマシン「ネスカフェ フォトラテ」をPepperと連携。Pepperが写真撮影を行い、画像データをラテアートマシンに送信する。Pepperのディスプレイにタッチして、写真にスタンプでデコレーションすることも可能だ。○独自のAIを搭載して人との会話を実現Pepper for Bizは一般向けと異なり、会話機能が搭載されていない。そこでリクルートテクノロジーズは独自AIを開発し、自由な会話を実現している。また、Pepperの前を通過した人数、性別、年齢など、顧客データの集計なども行っているという。現在は住宅用のデータベースを開発しているが、業態に応じたデータベースを追加すれば、幅広いジャンルの会話が可能だという。会場は雑音が多いため会話できなかったものの、通常の売り場ではスムースに会話できるとのことだ。○測定機器のデータを元にPepperがアドバイスイサナドットネットの「ウェルネス for Pepper」は、体組成計、ウェアラブル機器、スマートフォンなどが取得したデータがクラウドを介してPepperと連携。Pepperがその情報をもとに、健康に関するアドバイスをしてくれる。また、病院で事前の問診をやってくれるPepperも展示されていた。身体に関するさまざまな質問に対して、選択肢にタッチすることで回答が可能だ。選択肢が多すぎる場合は自由に入力できる方が望ましいが、ディスプレイにタッチする文字入力は操作が難しいこと、かといって音声ではプライバシーの問題があるのが課題だという。入力したデータは、リアルタイムに外部の管理画面に飛んでいき、医師はそこで確認できる。○楽しんでもらいながらマーケティングデータを取得勉強や将来のことなどを無料で相談できる「エリアベネッセ」に導入されているPepperも展示されていた。Pepperのディスプレイで年齢を入力すると、その年齢に応じたアプリが起動し、ゲームなどで楽しめる。年齢が低い場合は、Pepperが子どもの身長に合わせて腰をかがめ、目線を合わせる調整機能があるという。「勉強タイプ診断」は、各種質問に答えることで、どんな勉強プランがいいかレコメンデーションしてくれるアプリだが、マーケティング的な質問もはさみ込まれており、ビジネスに活かせるデータも取得できるという。また、音声認識を使って英会話の練習ができるPepperも展示。Pepperの英語はネイティブに近く、かなり上級者向けの印象だったが、難易度によって速度を変えることができるほか、カタカナ英語でもある程度は認識してくれる。○「Pepperだらけの携帯ショップ」のデモも展示3月28日から4月3日の期間限定で表参道にオープンする「Pepperだらけの携帯ショップ」を体験できるコーナーも用意されていた。ディスプレイに表示される質問に回答していくことで、携帯電話の契約手続きも行えるようになっていた。
2016年01月30日●Pepperの魅力は集客力のみか人のように動き、仕事をこなすロボットがいる職場。数年前までは夢物語だったが、人工知能搭載ロボットのPepperはそれをすでに実現しつつある。今では企業や量販店などの受付・応対がメインで、実行できることは限られているが、今後は様々な分野で活躍すると見られている。Pepperはどんなシーンに入り込んでいくのか。○Pepperはすでに500社以上に導入Pepperが企業に導入されたのは2014年末のこと。まだわずか1年強の時間しかたっていないが、すでに500社以上に導入されている。その主な活用は、応対・接客だ。ネスレ日本は、集客効果を期待して、コーヒーメーカーの販売スタッフとしてPepperを活用。販売店に配置して、Pepperに商品紹介を行わせたところ、売上は15%アップしたという。みずほ銀行も集客効果、窓口への誘導などを期待し、Pepperを導入。来客を応対し、金融商品の提案を行うなど、応対した客の10%以上をカウンターに送客し、成果を挙げた。こうした事例は増えており、Pepperがビジネスシーンで活躍する姿を見聞きする機会が増えた。しかし、今現状でPepperに期待されているのは、物珍しさによる"集客力"だ。その位置づけはまだ"客寄せパンダ"という域からは出ていない。そんなPepperに求められているのが新たな力。それを付加するのが、アプリケーションであり、新たなビジネスシーンに入り込む力になりうる。その可能性を見える形にしたのが、27日、28日の2日間開催されたイベント「Pepper World 2016」である。●医療、介護、教育分野に入り込むPepper○Pepperが入り込むシーン「Pepper World 2016」で示されたPepperの利用シーン。そこから見えてきたのは、医療、介護、教育分野への利用の広がりだった。医療分野では、GE HealthcareがMRI検査でのPepper活用法を紹介する。同社は、Pepperに説明能力と"和ませ力"に期待する。MRIは精密検査であり、検査の注意事項が多いため、実施前に緊張がとけない人も多い。そこで、Pepperに手順や注意事項の説明役を担わせる。これにより、注意事項の説明の漏れがなくなる。愛嬌のある動作をすることで、患者を和ませることも可能だ。同社の説明員によると「まだ実証実験を行っていないので、何ともいえないが、Pepperには、緊張感を和らげる効果を期待したい」と話す。介護分野でも医療同様の効果が期待される。エクシングは介護施設向けレクリエーションアプリを開発。体操、クイズ、カラオケといったコンテンツでPepperと遊べるようになっている。実際に高齢者が使ってみると、Pepperを「孫みたいに思った」というケースもあったという。教育分野では、英会話能力をPepperがアップしてくれるかもしれない。G-angleは英会話アプリを開発。Pepperと会話をすることで英会話能力を高めるというものだ。英会話教室などで外国人を相手に練習するが、そこにあるのが心理の障壁。「間違えたら恥ずかしい」と及び腰になりがちな気持ちをPepperが和らげる。Pepperならあくまでロボットであるということで恥ずかしさを感じることなく話せるようになる。●ソフトバンクが目指す近未来○ソフトバンクが目指すは「接客データの見える化」今ではPepperのメーン業務となっている接客・応対については、ソフトバンクが一歩踏み込んだ取り組みを行う。それは、Pepperが接客から、契約までをこなす期間限定の携帯ショップである。契約の最終段階では、人の手が介在するというが、業務の大多数をPepperだけでこなしていく方針だ。もしそれが可能ならば、接客・応対がロボットでこなせる証左となり、小売分野におけるインパクトは大きなものになるだろう。さらに同社は、応対・接客の一歩先の未来も描く。Pepper内蔵のカメラやセンサーを介して、接客・応対相手の年齢や男性女性などといった性別を判別して、クラウドに蓄積、マーケティング分野に生かしていくというものだ。企業における受付・応対では、Pepperが受付として来客の顔認識を行ない、来客がどこの会社の誰か、自社の誰に会いに来たのかを瞬時に判別する。また、家電量販店では、顧客が過去に何を購入したのかを認識、それに応じて会話をする。個人情報の取扱いをどうするか、という問題もあるが、いかにも実現しそうなシーンである。○Pepperは飛躍できるかPepper World 2016で示された様々な想定利用シーン。一連の取り組みに共通するのは、身振り、手振り、間の取り方が人間臭くありながら、完全な人間ではないというPepperの特徴を生かしたところだ。人の形に近いヒューマノイドは、人の関心を高め、人に親しみを湧かせる。その特性にマッチするビジネスシーンに、Pepperは馴染み、入り込んで行きそうに思われる。そこに物珍しさが加わり、集客力を期待して、応対・接客分野での活用が進んできたのは当然の流れともいえるかもしれない。逆にいえば、利用シーンの広がりは感じられつつも、特性そのものは大きく変わっていないとも言えそうだ。Pepperにはできることが限られており、そこはまだ仕方がないという見方もある。一般販売用のPepperの知能は、人間に当てはめた場合、まだ2歳児程度とされ、機能的にもできることは限られている。Pepperが世に出てからまだ1年ちょっと。Pepperが大きく飛躍するためにも、新たな機能の付加、新たな価値の創出に期待したい。
2016年01月29日ソフトバンクロボティクスとソフトバンクは1月27日、人型ロボット「Pepper」の法人活用事例を紹介するイベント「Pepper World 2016」を開催した(28日まで)。イベントに合わせて法人活用が進むPepperの記者説明会が行われ、ソフトバンク 代表取締役社長兼CEOの宮内 謙氏とソフトバンクロボティクス 代表取締役社長の冨澤 文秀氏が登壇。Pepperの法人活用事例や将来の展望について語った。○人材不足を解消する救世主に?2045年には日本の労働人口が今より30%減るという予測が示す通り、現在から将来にわたる日本全体の課題として「人材不足」が懸念されている。現時点でも、人材不足を感じている日本企業が83%に上ると説明する宮内氏は「Pepperが救世主になる」とアピールする。10月に提供を開始した法人向けの「Pepper for Biz」は企業ごとにカスタマイズが可能で、対応アプリも増えているそうだ。特に、Pepperの顔認識機能を活用し、来客者の属性データを集めて分析できる「接客データの見える化」は大きな価値があるとのことで「それらが月額5.5万円で使える」と、宮内氏は胸を張る。その上で、2016年は「企業のためのスマートロボット元年」と同社では位置づけ、Pepperが単なる集客ツールとしてだけではなく、接客や販売、介護の現場にも活用され、人をサポートできる存在になるという見通しを示した。○Pepper導入は500社超に現在、Pepperを導入している企業は500社を超える。宮内氏はそうした企業から数社の導入事例を紹介した。例えば、みずほ銀行はいち早くPepperを行員として採用しており、最適な金融商品を勧めるなど、対応した顧客の10%以上をカウンターに送客しているという。同行以外にも、37の銀行や信用金庫で導入されている。日産自動車は、女性客向けにレディー・ファースト・ショップを展開しているが、その100店舗にPepperを導入。クルマに関連した説明のほか、エンタメアプリを使って来客者を楽しませている。ネスレ日本は、コーヒーマシンの販売スタッフとして150店舗に配置。Pepperはマシンの説明や接客データの取得に活用されており、集客効果により売上が15%上がっているという。小売業では、イオンモールがイオンカードの説明などセールスプロモーションに活用している。また、ヤマダ電機はConcept LABI TOKYOに6台導入。日本語、英語、中国語でフロア案内や誘導を行い、主に訪日外国人客の満足度や店内回遊率の向上に貢献している。もちろん、全国のソフトバンクショップでも稼働しており、2月末までに2000店舗に導入する予定だ。呼び込みや来客者へのヒアリングといった店員がさばき切れない細かな仕事を支援しており、従来の1.5倍の集客で販売増に貢献しているという。将来的には全店舗に導入する。宮内氏は「Pepperはクラウドコンピューティング、AI、ロボットが合体したもの。登場してからそれほど時はたっていないが、毎日進化している」と語り、より進化した受付や過去の購入履歴を考慮した最適な商品の提案、外国人に対するスムースな多言語対応などは「すぐにでも実現できる未来」だと自信を覗かせていた。○Pepperは最新テクノロジーを体感できる存在続いて登壇した冨澤氏は、Pepper for Bizの取り組みについて説明。現在、200社以上のパートナーがアプリを開発しており、「もっと汎用性のあるアプリ、業種別アプリ、完全にカスタマイズされたアプリなど、さまざまなアプリを出していく」と語った。また、IBM Watsonとの提携について、「世界のITジャイアント、最新テクノロジーと提携していきたい。Pepperを中心に位置づけ、パートナーさんを通して身近に最新テクノロジーを体感できる世界にしていきたい」と意気込みを見せたほか、珍しさもあって「客寄せパンダ的なイメージ」でとらえられているPepperを、今後は「コスト削減や売上拡大など、リアルに企業に貢献していくことになる」と実理にかなった存在になる期待感を示した。○「Pepperだらけの携帯ショップ」が期間限定オープン説明会では、受付も接客もPepperだけで行う携帯電話ショップ「Pepperだらけの携帯ショップ」のオープンも発表された。このショップは期間限定だが、複数台のPepperが来店客の呼び込み、受付、来店目的のヒアリング、商品紹介などの業務を行う。宮内社長は「個人認証やレギュレーションもあるので、契約の最終作業は人が関与するが、セールスのアクティビティはできるだけPepperでカバーしたい」と語った。また、小泉今日子さん、広瀬すずさん、ピース・綾部祐二さん、又吉直樹さんがゲストとして登場し、Pepperだらけの携帯ショップのデモンストレーションが行われた。店員として「店長Pepper」「ご契約Pepper」「暇つぶしPepper」の3台のPepperが登場。暇つぶしPepperが言うギャグや胸のディスプレイで遊ぶゲームなどで楽しんだ。
2016年01月28日ソフトバンクとソフトバンクロボティクスは27日、人型ロボット「Pepper」を活用した携帯電話ショップ「Pepperだらけの携帯ショップ」を東京都港区の表参道駅付近に期間限定でオープンする。開店期間は2016年3月28日から2016年4月3日まで。「Pepperだらけの携帯ショップ」は、複数台のPepperが顧客の呼び込み、受付、来店目的などのヒアリング、商品紹介などを行う携帯電話ショップ。ユーザーは、Pepperの案内に沿って店内を回ることで商品を購入できるという。出店予定地の住所は東京都港区南青山5-1-25で、営業時間は、正午から午後7時まで。取り扱う商品は、SoftBankスマートフォンの新規契約となる。なお、契約手続きの一部は、ソフトバンクショップの店員がサポートするとしている。
2016年01月27日ソフトバンクロボティクスとソフトバンクは、パーソナルロボット「Pepper」の購入受付を28日より全国約100店舗のソフトバンクショップで開始する。「Pepper」の一般販売は、2015年6月に毎月1,000台の限定で開始。7カ月連続、1分で完売してきた。これまで購入申し込みは、ホームページのみで受け付けていたが、28日よりソフトバンクショップでも受け付ける。「Pepper」は、人の感情を認識し、コミュニケーションがとれるパーソナルロボット。本体価格は、税別(以下同)198,000円、ロボット手続き手数料として9,800円が別途かかるほか、「Pepper」のフル機能を利用するには、「Pepper 基本プラン」への加入が必要となり、3年間での総額は108万3,600円となる。販売店舗の詳細は、ソフトバンクホームページを参照いただきたい。
2016年01月20日M-SOLUTIONS(M-SOL)は1月14日、太陽ハウジングの運営するカフェ「SUN’S CAFE」が、M-SOLのPepper動作設定サービス「Smart at robo for Pepper」を導入したと発表した。Smart at robo for Pepperは、プログラム開発ソフト「Choregraphe」とサイボウズの開発プラットフォーム「kintone」を連携させることで、Pepperの会話や動作を簡単に設定できるサービス。通常、Pepperの個別動作の作成や追加の開発を委託すると数百万円以上かかることが多いが、同アプリケーションを利用すると、プログラミングの知識を持たないユーザーでも、Web画面から、挨拶やディスプレイ表示などの設定ができ、自由にPepperを動かすことが可能になる。SUN’S CAFEでは、2015年9月よりPepperを店頭に設置しているが、Pepperを動かすためのアプリ開発に、手間やコストが掛かる点が課題となっていた。これを解決するため、2015年12月下旬にSmart at robo for Pepperを導入。従来のPepper向けアプリケーション開発期間よりも短い3週間で、カフェのスタッフ自身がPepperアプリの設定を完了することができたという。これにより、今後は定期的なセリフ・動作の変更もカフェの従業員が行えるようになることから、Pepperの本格的な活用を目指す予定だという。
2016年01月14日クレイトンベイホテル(広島県呉市)ではこのほど、人型ロボット「Pepper」がホテルコンシェルジュとしての勤務を開始した。「Peppr」は、同ホテルが設けた特別採用枠(AI枠)で入社。同ホテルとしては、AIの利点を生かしながらPepperに活躍してもらうことで、人にしかできないより付加価値の高い仕事を従業員全員で行い、顧客サービスの向上を目指す意図があるという。また、将来的に訪日外国人客の増加も予想されることから、多言語対応や地域の観光案内の一翼をPepperが担うことで、国際化を進め、地域社会へ貢献をしていきたい、としている。入社後の「Pepper」は、ホテルコンシェルジュとして簡単なあいさつや会話などを実施。トレーニング後は、館内の利用客に対しての案内や、観光客に対しての観光案内などを業務の一環として行う。ホテル1Fにて勤務しているとのこと。
2016年01月14日広島県呉市にあるクレイトンベイホテルは1月8日、「Pepper」をホテルコンシェルジュとして、職場勤務を開始したことを発表した。「Pepper」はホテルコンシェルジュとして、まずは簡単なあいさつや会話などを実施し、トレーニング後は、来館者に対しての案内や、観光客に対しての観光案内などを業務の一環として行っていく予定とされている。今回の入社にあたって、クレイトンベイホテルは特別採用枠(AI枠)を設けたという。「Pepper」をコンシェルジュとして採用した理由については、インバウンド施策による訪日外国人の増加が予想されることから、多言語の対応や、地域の観光案内の一翼をPepperに担ってもらうとしている。
2016年01月08日米IBMとソフトバンクロボティクスホールディングス(SBRH)は1月6日(米国時間)、ソフトバンクの人型ロボット「Pepper」向けの「IBM Watson」を開発し、世界の企業に提供することを発表した。両社はソーシャルメディアやビデオ、画像およびテキストといった従来のコンピューターでは十分に活用ができないデータに隠された意味をWatson搭載のPepperが把握できるようにするため、IoTで得られる幅広いデータや知識を活用する。開発中のWatsonを搭載したPepperは、基幹機能および開発者やユーザーにより双方向の経験をあつらえることができるWatsonのソフトウェア開発キット(SDK)を備え、プリパッケージのAPIへアクセスすることを可能にする。現在、IBMはサービス業や消費財の企業とともにロボット技術を試験中で、Watsonを搭載したPepperによるソリューションを通じて、企業はユーザーがコグニティブ・コンピューティングを体験するさまざまな方法を拡充することができるという。この1年で両社はWatsonの日本語対応を推進し、Watsonを活用した新しいアプリケーションを構築する開発者やサードパーティーのパートナーによる日本のエコシステム全般にわたりコグニティブなAPIを提供するテクノロジー基盤をローカライズしている。今後、両社は教室内の教師アシスタントから看護補助までWatsonのコグニティブ機能によって補完されたPepper独自の物理的特性を活用して幅広い使用例を研究し、業界の領域全般にわたり新しい方法で人々を支援するという。なお、今回の計画は日本でWatsonを展開するというIBMとソフトバンクの戦略的な協業に基づいている。
2016年01月08日ドールは1月7日、宮城県仙台市内のスーパーでPepperによる「バナナたたき売り」を行うと発表した。「極撰バナナの大売り出し」は9日、10日の2日間、11時~16時30分に仙台市 ヨークベニマル新田東店で行われる。Pepperは福岡県北九州市門司港の「門司港バナナの叩き売り連合会」に叩き売りの公認を受けており、連合会のスタッフとペアを組んで店頭に立ち「さあさあ、門司港名物バナナの叩き売り、ご用事とお急ぎでない方は、見てらっしゃい、よってらっしゃい……」と呼びこみを行う。このPepperは、ドールのPepper開発メンバーが用意したもので、門司港にメンバーが出向いて連合会から直々に指導を受けて実演のプログラムを行ったという。連合会代表者と同じ「今村さん」という愛称が名付けられたPepperは、1日当たり10万円の売上目標が設定されている。なお、Pepperは購入した場合、月額2万4600円(基本プラン+保険パック、本体価格除く税別)、時給は4500円であることから、目標を達成することでドールから大量のバナナのご褒美がある……かも?
2016年01月08日ソフトバンクロボティクスホールディングスとIBMは6日(米国時間)、人型ロボット「Pepper」向けの学習システム「IBM Watson」を開発し、世界の企業に提供する計画を発表した。IBM Watsonは、システムの感知、学習、経験を通じて人と同じように言葉の意味を理解できる、コグニティブ・コンピューティング・テクノロジー。企業が活用すれば、IBM Watsonがユーザーが好むブランドや商品との関わり方を学習していくため、より効率的にユーザーへブランドや商品を訴求可能だ。両社は、同技術を搭載したPepperを世界の企業へ提供していく。提供の形や時期、価格などについては未定だとしているが、開発中のPepperは、IBM Watsonのソフトウェア開発キットを備えており、様々なニーズに対応したAPIへアクセスすることが可能だとしている。また、両社は今後、教室内の教師アシスタントや看護補助など、IBM Watsonの特性とPepper独自の物理的特性を活かした幅広い活用例を研究していくという。ソフトバンクロボティクスホールディングスの代表取締役社長である冨澤文秀氏は、「Pepper向けのIBM Watsonを開発していくことでIBMと協力することになり、とても興奮しています。Pepperは、ロボット開発のプラットフォームとして、優れた技術との連携を可能にしていく予定です。このたびのIBM Watsonとの連携が、幅広い分野におけるPepperの活用の可能性を広げてくれると期待しています」とコメントを寄せている。IBM Watsonのシニア・バイスプレジテントであるMike Rhodin氏も「今日、コグニティブ・コンピューティングの力はどのようなフォームファクターにも組み込むことができます。Pepperについてソフトバンクロボティクスホールディングスと提携することで、より多くの人がIBM Watsonを体験し利用することが可能になります。コグニティブの機能を搭載したロボットとの実際のやり取りを経験したとき、人々が密接に携わりながら、新しくエキサイティングな価値をこの技術から見出すことを目の当たりにするでしょう」と述べている。
2016年01月07日米IBMとソフトバンクロボティクスホールディングス(SBRH)は1月6日(米国現地時間)、ソフトバンクの人型ロボット「Pepper」向けのWatsonを開発し、世界の企業に提供する計画を発表した。日本IBMとソフトバンクテレコムとは、昨年の2月、日本でのIBM Watsonの開発と市場への導入において戦略的に提携することで合意しており、今回の発表は、それをさらに発展させ、IBM Watson搭載のPepperを世界展開していくというもの。今回の計画は、日本でIBM Watsonを展開するというIBMとソフトバンクの戦略的な協業に基づいており、この1年で両社は、IBM Watsonの日本語対応を推進し、IBM Watsonを活用した新しいアプリケーションを構築する開発者やサードパーティーのパートナーによる日本のエコシステム全般にわたりコグニティブなAPIを提供するテクノロジー基盤をローカライズしてきた。開発中のIBM Watsonを搭載したPepperは、基幹機能およびIBM Watsonのソフトウェア開発キット(SDK)を備えており、プリパッケージのAPIへアクセスすることを可能にするという。米IBMとソフトバンクロボティクスホールディングスは、コグニティブ・コンピューティングで応用できる分野を広げるために、Pepperのモビリティや機敏性を進化させ、教室内の教師アシスタントから看護補助まで、IBM Watsonのコグニティブ機能によって補完されたPepper独自の物理的特性を活用して幅広い使用例を研究し、業界の領域全般にわたり新しい方法で人々を支援するとしている。
2016年01月07日●「生き物に見えるモノ」その具現化がPepper2014年6月の発表以来、注目を集め続けているソフトバンクロボティクスが提供する感情認識機能付き人型ロボット「Pepper」。個人向けには2015年6月より毎月1,000台限定で販売され、発売後わずか1分での完売が続いている。2015年10月からは法人向けモデル「Pepper for Biz」の提供が開始されたが、実はこれよりも以前から、Pepperのビジネス用途での活用は始まっている。例えばネスレ日本は、2014年12月1日より全国の家電量販店の「ネスレカフェ」コーナーにPepperを配置し、スタッフの代わりに接客を担当させている。その数は1,000台に上る。ソフトバンクショップでも全国2,000店舗にPepperが配備されている。2015年10月の「Pepper for Biz」の正式販売開始以降も、日産自動車が販売店に100台導入するなど、エンタープライズ分野でもPepperの活用は進んでいる。そして、2016年はさらに導入が進んでいくことだろう。ただ、これだけエンタープライズの分野での活用が進むとは、発売元のソフトバンクロボティクスも予想していなかったという。○300年続く企業になるために社員総意で選んだロボット事業ソフトバンクグループがなぜロボットを手掛けることになったのか? 人型ロボットの事業化プロジェクトが立ち上がったときから参加している、ソフトバンク ロボティクス 事業推進本部 本部長の吉田健一氏は次のように語る。「当社は創業時からずっと『情報革命で人々を幸せにする』ことを目標に、事業を展開してきました。そんな当社が2010年に30周年を迎えるにあたり、今後300年続く企業になるために、次の5~10年間で何を成していくのか、何を提供していけば人々を幸せにできるのか、経営陣をはじめ、全社員で議論しました。この10年はデバイスがインターネットにつながることで大きく世の中が変わりました。私たちが想定したのは、アルゴリズムがアルゴリズムをつくる、すなわちデバイスがデバイスをつくる時代が来るのではないかということです。人以外が何かモノを作ることができたら、有史以来の大革命です。だからこそ、私たちが次に手掛けるべきはロボットだろうと。とはいえ、当社にはロボットの知識のある社員がいるわけではありません。そこでフランスのアルデバラン・ロボティクス社を買収し、共同プロジェクトを立ち上げ、Pepperの開発に取り組みました」○ソフトバンクが考えるロボットとは?ロボットの定義は幅広い。生産現場に欠かせない産業用ロボットもあれば、自動で部屋を掃除するお掃除ロボットも「ロボット」と呼ばれる。そんな中、ソフトバンクが定義するロボットとは『人間が生き物として感じるもの』だという。だからこそ、大きさにもこだわったのだという。Pepperは身長120cm、体重28kgと、人間のような脚はないものの、まるで子どものようだ。吉田さん曰く「小学3年生の子どもとほぼ同じ体格」なのだという。実は人間のような脚があるかどうかは、「生き物として感じる」ことには影響しないのだという。それよりも重要なのは大きさだという。「たとえ人型でも、机の上に乗るような大きさだったら、それはあくまでもロボットで生き物として人は感じないんです」と吉田氏は説明する。また、コードで接続されていては、やはり生き物とは感じられない。そのため脚の部分に大型のバッテリーを搭載し、12時間連続稼働を可能にしている。吉田氏によれば、さらに「生き物として感じる」上で重要になるのが「認識の精度」だという。「Pepperは話しかければ答えてくれます。つまり、認識していることを伝えてくれる。その精度が高いほど、人は生き物だと感じます」(吉田氏)このようにPepperのヒットには、「人が生き物と感じる」ことに徹底的にこだわったことが大きい。●Pepper導入の最大の効果は「店舗に来た人のデータが取れること」冒頭で記載したように、Pepperはすでにさまざまな企業での活用が進んでいる。では、導入して1年になるネスレ日本では、いったいどんな効果が得られたのだろうか?「Pepper導入の効果の第一は、Pepperを配備したことでコーヒーマシンの売り上げが伸びたことです。サイネージでは足を止めなかった人が、Pepperなら足を止めるんです。これは数字にも表れています。加えて、ネスレショップに訪れた人の属性や動向などのデータが取れることも大きなメリットです」(吉田氏)これまでリアルの店舗では、eコマースのようにどんな人がどういう経路でショップに訪れ、購入に至ったのか、あるいは至らなかったのかということが把握できなかった。しかし、Pepperでは搭載したセンサーによって顧客の属性を取得することができる。Pepperを導入すれば、Pepperの前を通った人が何人いて、そのうちの何人がショップに入ったのか、またPepperが話しかけることで、その人の性別やおおよその年齢などがわかるようになる。さらに、顧客の感情なども表情や声のトーンから読み取ることができるという。つまり、Pepperが蓄積するデータを活用することで、どんな風にコミュニケーションをとれば顧客が購入してくれるのか、それを年代別や性別により良い手法を導き出すことができる。Webサイトでよく用いられているABテストのようなものが、Pepperを導入すれば実行できるというわけだ。「Pepperが収集した顧客情報をオンラインtoオフラインのツールとして活用できることがわかりました」と吉田氏は自信を深める。また、ある病院ではMRIの説明や問診を担当させていたり、別の介護施設では認知症予防のツールとして活用しているという。●Pepperの爆発的な普及には、キラーアプリの提供が欠かせない「このような活用が進んでいるのも、約200社のパートナー会社によるアプリ開発が活発化しているからです」と吉田氏。中でもPepper普及のキラーアプリとして注目を集めているのが、米IBMが開発した人と同じように情報から学び、経験から学習するコグニティブ・テクノロジー「Watson(ワトソン)」だ。2015年2月、ソフトバンクテレコムは日本IBMとワトソンの日本での事業展開においての戦略的提携を発表。もちろん、Pepperとの連携を視野に入れての提携だ。「例えば、FAQのインタフェースとしてPepperを使うとしましょう。Pepper単体であれば、FAQデータベースに完全マッチしたものしか答えることはできませんが、ワトソンと連携すれば、データベースの中で最も近いモノを選んで答えられるようになります。つまり、ファジーな会話ができるようになり、より人間らしいやり取りができます。このことから、ワトソンは将来のロボットアプリのスタンダードになっているかもしれません」と吉田氏はワトソン導入効果を期待する。提携はIBMだけではない。約200社のパートナーが、Pepperをさまざまなシーンで活用できるようにアプリの開発を行っており、「Pepper for biz」においては、アプリストアも16年早々にはスタートする予定だ。一方、個人向けのアプリについては、アプリストアという形は予定していないという。「個人向けはリスクが大きいと思います。例えば、悪意ある人が改ざんして人を傷つけたりすることが起こらないとも限らないですから。良いアプリは私たちが買い付けて、徹底検証をしてから公開するという方法を採用しようと思っています」と吉田氏はその理由を説明する。○今後はグローバル化今後の展望については「グローバルに展開」と吉田氏は言い切る。ブロードバンドのように爆発的な普及をするには、この1年でCPUのスピードや基本機能したとはいえ、今のPepperではまだ力不足だという。「現在のPepperは登場した当時のパソコンと同じで、ようやく表計算ソフトが搭載されたというレベルです。爆発的な普及のカギを握るのは、私たちの夢に賛同してくれたパートナー企業がより良いアプリやソリューションをいかに開発していってくれるかです。2016年にはそういう企業がさまざまなアプリやソリューションの提供を予定しているので、飛躍の年になると思います」と吉田氏。吉田氏が語るように、2016年はPepperの普及がさらに進むのか、また面白い活用事例が出てくるのか、今後に期待が高まる。
2016年01月04日日産自動車は12月17日、同社の販売店舗に導入した人型ロボットである「Pepper」に同社オリジナルのアプリケーションを搭載し、来店客対応を本格的に開始した。同社は、「お客さまにもっと気軽にお店に足を運んでいただきたい」という想いを具体化にするためとして、店舗運営や設備などに独自の認定基準を設けた全国の「レディー・ファーストショップ」のうち100店舗に、Pepperを11月下旬から順次導入しているという。同社販売店のPepperは、来店客に日産の自動車に興味を持ってもらったり、店舗にいる時間を楽しく過ごしてもらうため、同社オリジナルのアプリケーションを搭載して出迎える。これにより、Pepperによる商品説明や接遇を体験できる。なお、この同社オリジナルのアプリケーションは、吉本興業グループの「よしもとロボット研究所」と日産が共同で開発したとのことだ。現時点において日産の販売店で体感できるPepperの機能は、商品をPepper目線で説明する「商品紹介」、日産や自動車に関する質問にPepperが面白おかしく答えるというコミュニケーション・アプリである「クルマで一問一答」、自動車や日産をモチーフにした早口言葉やノリツッコミで子供から大人まで幅広い年代が楽しめるという日産オリジナル・ゲーム、Pepperが自律移動するアプリである「ブンブンPepper(仮)」の4種類。なお同社によると、ブンブンPepper(仮)はPepperのアプリ開発審査実施アプリとしては世界初の自律移動アプリといい、人を認識し自動追尾することで自動運転の技術を分かりやすく体験できるとしている。同社は今後、販売店のPepperにおいて、遊びやゲームを通して分かりやすく日産の自動車の装備や技術を知ってもらう機能や、得意客に対して顔認証機能や個々の反応を蓄積・分析する機能などを利用して従来に無い最適な対応を実現する機能を追加していく予定とのこと。また同社は、Pepperについてよりよく知ってもらうための特設サイトを開設した。同サイトでは、日産のレディー・ファーストショップに導入したPepperについて、分かりやすく解説しているという。
2015年12月18日ソフトバンク傘下のcocoro SBは12月11日、ロボット「Pepper」の貸出サービス「短期アルバイト派遣」でサービス提供エリアを18日より拡大すると発表した。「短期アルバイト派遣」は、cocoro SBが企業などにPepperを有料で貸し出すサービスで、7月より東京23区内でスタートした。貸し出しは、「Pepperをアルバイトで派遣する」という形をとり、1時間1500円の時給が発生する。スタート当初から好評で毎月20件ほどの申し込みがあったという。23区外以外への貸し出しについても多くの企業から要望が寄せられたことから、cocoro SBは提供エリアの拡大を決定した。今後、拡大する提供エリアは、埼玉県や千葉県、神奈川県、愛知県、広島県、福岡県、熊本県、鹿児島県、沖縄県。エリア拡大に先立ち、仮予約受付サイトで受け付けを開始する。エリア拡大するにあたっては、パンプレップスホールディングスとパートナー契約を締結。今後は、パートナーを増やす方針で、より広いエリアで提供するための体制を強化する。2016年夏には全国でサービスを提供するとしている。
2015年12月14日ソフトバンクロボティクスはこのほど、ロボット「Pepper」の法人モデル「Pepper for Biz」向けロボアプリの開発者などを総合的に支援する「Pepperパートナープログラム」を開始した。同プログラムは、ロボアプリを開発する「ロボアプリパートナー」とロボットのユーザーエクスペリエンス(利用体験)をデザインする「デザインパートナー」、Pepper for Biz導入企業にコンサルティングを行う「コンサルティングパートナー」の3種類のパートナーを認定し、開発者などを多角的に支援するもの。ロボアプリパートナー向けに、テクニカルサポートやトレーニングツールなどの技術的な支援、ロボアプリの安全性を審査する仕組み、販売促進のための機会などを提供。Pepper for Biz向けロボアプリの開発から販売までを総合的にサポートしていく。Pepper for Biz専用「for Bizアプリストア(仮称)」を年明け以降にオープンし、ロボアプリパートナーが開発したアプリの中でも優れたものは、このストアを通して導入企業に販売できるようになる。また、各企業固有のニーズに特化したロボアプリを必要とする導入企業には、同社が認定した信頼できる開発者であるロボアプリパートナーを紹介してビジネス機会を創出。ロボアプリパートナーは、筆記と実技試験で認定する。現在200社以上の企業がエントリーし、60社以上が合格している。また、Pepperの購入者とロボアプリ開発者をつなぐマッチングサービス「ロボアプリLab(ラボ)」を2016年春以降に開始する。専用サイトに投稿したロボアプリの企画の中から、Pepper購入者からの人気が高いものを選んで新しいロボアプリを開発する仕組みで、一定の基準を満たしたロボアプリを一般販売モデル向けのPepperアプリストアに登録。開発者にライセンス料を支払う。さらに、認定基準を満たしたPepper開発体験スペースを「Pepperアトリエサテライト」として運営できる認定制度を12月より運用する。制度開始に先立ち8つのアトリエを開設する。Pepperのアトリエは、2014年9月にオープンした「アルデバラン・アトリエ秋葉原 with SoftBank」を含めて全国9拠点となった。なお、「デザインパートナー」「コンサルティングパートナー」のプログラムは、準備ができ次第の開始となる。
2015年12月08日サイボウズとM-SOLUTIONS(M-SOL)は12月3日、サイボウズ東京オフィスで、kintone-Pepper連携に関する相談やデモ見学ができる、完全予約制の「Pepperアプリ導入相談Cafe」を12月10日よりオープンすると発表した。M-SOLは、サイボウズのクラウド型業務開発プラットフォーム「kintone」とPepperの連携ソリューションをサイボウズと共同で開発し、2015年にkintoneからPepperの動作を設定できる「kintone GET ボックス」、Pepperからkintoneに自動でデータ登録できる「kintone POST ボックス」をリリースしている。サイボウズは、エコシステム拡大を目的とし、パートナー企業による東京日本橋オフィスの利用を積極的に支援しており、今回新たな取り組みとして、引き合いの多い連携ソリューション「kintone-Pepper連携」専門の相談スペースの設置を決定した。Pepperアプリ導入相談Cafeでは、M-SOL社員が相談や疑問に答えるほか、kintoneと連携した「Smart at robo for kintone」などのkintoneとPepperアプリケーションの活用方法を知ることができる。サイボウズオフィスに常設されているPepperを使ったデモの閲覧もでき、サイボウズとM-SOLは今後、サイボウズの東京オフィスをPepperの実証実験の場として活用していく予定としている。Pepperアプリ導入相談Cafeは完全予約制で、営業時間は毎週木曜日10時~18時となっている(祝日の場合を除く)。
2015年12月04日イオンモールとソフトバンクは12月3日、ソフトバンクの人型ロボット「Pepper」の法人モデルである「Pepper for Biz」をイオンモール内のコンシェルジュとして利用していくことで合意し、2015年12月10日よりイオンモール幕張新都心(千葉市)に5台を試験導入すると発表した。単一のモール内に5台のPepper for Bizを導入するのは、業界初の試みだという。試験導入するPepper for Bizには、ソフトバンクとよしもとロボット研究所が共同で開発した、利用客とのコミュニケーションを重視した「楽しい」接客アプリケーションを採用したという。まずイオンモール幕張新都心に試験導入して利用客のロボットに対するニーズや運用などを確認し、機能を追加していくとしている。また、今後はイオンモール内のイベント情報やお勧め情報を案内する機能も追加予定とのこと。イオンモールは、顧客満足度の向上を目指し、各種の施策を実施しているという。今回、旗艦店であるイオンモール幕張新都心へのPepperの試験導入を機に、Pepperを利用した集客イベントの実施及び、新しいコミュニケーションの創出による顧客満足度の向上を実現していくという。また、将来的にはイオンモール内のコンシェルジュとして、Pepperが従来以上の高品質な接客サービスや従来に無い情報を利用客に提供できるよう、ソフトバンクとともに開発検討を進めていくとしている。ソフトバンクは、複数のPepperのアプリケーションの一括管理などが可能な「Pepper for Bizプラットフォーム」の提供に加え、Wi-Fi環境の提供や初期設定のサポートなど、イオンモールにおけるPepperの利用を全面的にサポートする。また、今後もイオンモールを始めとするイオングループが掲げるデジタルシフトの実現に向けて支援していくという。
2015年12月04日近畿日本ツーリスト個人旅行は、12月1日より、DTSと共同開発したコミュニケーションアプリを搭載したパーソナルロボット「Pepper」を、初めて東京、名古屋、大阪地区の計4つの店舗に導入すると発表した。設置する店舗は、有楽町営業所、ラゾーナ川崎営業所、名古屋中央営業所、グランフロント大阪営業所の4店で、導入するのはソフトバンクロボティクスが開発・提供するPepperの法人モデル「Pepper forBiz」。近畿日本ツーリスト個人旅行では、営業所の店頭に「Pepper」を設置することにより、来店した顧客への案内だけでなく、旅行会社ならではの世界遺産クイズなどコミュニケーションを提供する。その他にも、同社の主催する旅行セミナーや各種イベントでのアトラクション等に利用する。将来的には、旅行案内をはじめ、顧客に案内ができる範囲を広げていく予定だという。
2015年11月30日