リモワ(RIMOWA)のスーツケース「エッセンシャル(ESSENTIAL)」シリーズに新色「パイン(Pine)」と「ラズベリー(Raspberry)」が登場。2022年12月1日(木)より全国のリモワストアなどにて発売される。”北欧の森”イメージの新色が登場リモワのスーツケース「エッセンシャル」シリーズに、”北欧の森の未開の風景”からインスピレーションを得た新色が仲間入り。木々を思わせる優しい色合いの「パイン」と、目を引く鮮やかなカラーの「ラズベリー」の2色がラインナップする。パイン&ラズベリー展開するのは、機内に持ち込みできるコンパクトな「キャビン」、長期旅行にぴったりな大容量の「トランクプラス」の2型。また、「パイン」限定の「チェックインL」、「ラズベリー」限定の「チェックインM」も用意している。一部内装をアップデートいずれも、ボディだけでなく、ハンドル、ロゴバッジ、フレームまで全てを同色でまとめることで、スタイリッシュな佇まいに仕上げた。さらに今回のスーツケースより、一部内装をアップデート。収納部分の片側に、ジッパー付きのメッシュポケットをあしらったコンパートメントを配している。クロスボディバッグ&アイフォン ケースもスーツケースに加えて、新色で彩ったバッグやアクセサリーも展開。「パイン」は、スーツケースと合わせて使用したいクロスボディバッグに、「ラズベリー」は、アイフォン ケースに採用されている。【詳細】リモワ 新色「パイン」「ラズベリー」発売日:2022年12月1日(木)取扱店舗:全国のリモワストア、オフィシャルウェブサイト価格:・リモワ エッセンシャル キャビン 116,600円・リモワ エッセンシャル トランク プラス 185,900円・リモワ エッセンシャル チェックインL 147,400円 ※パインのみ・リモワ エッセンシャル チェックインM 135,300円 ※ラズベリーのみ・リモワ パーソナル クロスボディバッグ 170,500円 ※パインのみ・リモワ アイフォン ケース 16,500円 ※ラズベリーのみ※サイズはアイフォン 14 Pro/14 Pro Max【問い合わせ先】リモワ クライアントサービスTEL:072-994-5522
2022年12月03日Western DigitalのWDLabsが「円周率(Pi)の日」(3月14日)に、Raspberry Pi用にカスタマイズしたHDD「WD PiDrive 314GB」を発売した。価格は45.81USドル。期間限定で31.4%オフの31.42USドルで販売している。314GBであるのは、Raspberry Piの用途において手頃な価格で大容量ソリューションを実現できる容量であり、そして円周率が3.14...であるためだ。価格も31.4%オフで31.42になる数字にしているなど、314にこだわっている。7ミリのスリムな筐体、消費電力を抑えた設計になっており、Raspberry Piの特徴を損なうことなく大容量ストレージを追加できる。ベースはWD Blueドライブで、動作の信頼性は高い。インターフェイスはUSBだ。サポートするRaspberry Piは、Model B+、2 Model B、3 Model Bなど。ユーザーは、WDLabsのサイトからOSインストーラ/ブート選択ツールの「BerryBoot」をダウンロードして利用できる。
2016年03月15日リンクスインターナショナルは9日、米Piperがリリースしている電子工作キット「Piper」を、国内の各通販サイトにて発売した。税別価格は49,800円で、取り扱う通販サイトは、直販(Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピング)、およびRAKUNEWだ。Piperは、人気ゲームのマインクラフト、ボードコンピュータのRaspberry pi 2、各種パーツ類を使って、電子工作を楽しんだり学んだりできるツールボックス。必要な機材一式がセットになっており、実際のブレッドボードで組んだ電子回路を、マインクラフト上でミニチュアとして再現する。マインクラフトも同梱され、通常のプレイも可能だ。キット内容はすべてパーツの状態なので、まずは組み立てが必要。配線に半田付けは不要で、付属のドライバーとネジを使うだけですむ。米国をはじめ、教育現場で採用実績が増えている。キット内容は以下の通りだが、図解組み立てマニュアルを含めて、表記はすべて英語だ。組み立て後の本体サイズはW290×D90×H165mm、重量は1.8kg。1× 7インチ液晶モニタ1× Raspberry pi 21× microSDカード1× ラズベリーパイ用アクリルベース1× バッテリー1× スピーカー1× マウス1× ウッドパネルセット1× パワーアップボックス用アクリル上ぶた1× Wi-Fiドングル(USB)1× モーションセンサー1× モレックスUSBケーブル1× マイクロUSBケーブル1× HDMIケーブル5× LEDダイオード(各1色)3× ブラッドボード(大×1、小×2)5× ボタン(各1色)1× PIPERアクリルロゴカット1× 図解組み立てマニュアル(PDF)
2016年03月09日2月29日(現地時間)、MicrosoftはRaspberry Pi Foundationが発表した「Raspberry Pi 3」を自社のオンラインストアで取り扱い、Windows 10 IoT Coreでサポートすることを公式ブログで明らかにした。2016年3月31日(現地時間)から49.99ドルで販売するものの、日本のMicrosoft Storeで販売が行われるかは現時点で不明。Raspberry Piシリーズは前モデル「Raspberry Pi 2 Model B」を2015年2月にリリースしていたが、CPUをARM Cortex-A7からARM Cortex-A53に変更しているが、後方互換性は維持する。また、Wi-FiとBluetoothを標準搭載し、多くの場面で必要だったドングルを不要にした。Microsoft Windows IoT Program ManagementディレクターのBilly Anders氏は、「我々はRaspberry Piに接続できるWi-Fiドングルに対し、Windows 10 IoTから容易にアクセスできる機能を持たせた」と述べつつ、Windows 10 IoT Core Insider Previewの最新ビルドでRaspberry Pi 3をサポートしていることを明らかにした。現在Windows 10 IoT Coreはダウンロードページから誰でもダウンロードでき、執筆時点のビルドは14262。また、MicrosoftはRaspberry PiシリーズへのWindows 10 IoT Core展開を容易に行う「Raspberry Pi installer」の提供も行っている。阿久津良和(Cactus)
2016年03月01日Raspberry Pi Foundationは2月29日(英国時間)、「Raspberry Pi 3 on sale now at $35 - Raspberry Pi」において、Raspberry Piの最新版となる「Raspberry Pi 3」を公開した。既存のRaspberry Pi 2と同様に35ドルで販売している。「Raspberry Pi 3」の主なスペックは次のとおり。ARM Cortex-A53 64ビットプロセッサ(1.2GHz、4コア)統合された802.11n対応の無線LAN統合されたBluetooth 4.1統合されたVideoCore IVグラフィック機能1GBの主記憶メモリ「Raspberry Pi 3」は既存のRaspberry Pi 2およびRaspberry Pi 1と互換性がある。「Raspberry Pi 3」のプロセッサは4年前に公開されたRaspberry Pi 1のプロセッサと比較して最大で10倍高速化されており、統合された無線機能を含め利便性が向上している。Raspberry Piは廉価でPCが必要としている機能を一とおり提供していることから、教育向けの教材としてのみならず、さまざまな分野で活用が進んでいる。「Raspberry Pi 3」はRaspberry Pi 2と同じ価格を維持したまま機能の追加や処理の高速化を実現している。
2016年03月01日アールエスコンポーネンツとアライドエレクトロニクスは29日、ワンボードコンピュータ「Raspberry Pi」の第3世代モデル「Raspberry Pi 3 Model B」を発表した。近日発売の予定。新モデルでは、Broadcom製のBCM2837チップセットを採用し、CPUにARM Cortex-A53 (1.20GHZ)、メモリにLPDDR2 1GBを搭載。「Raspberry Pi 2 Model B」より処理性能が約50%向上した。新たにIEEE802.11b/g/n対応の無線LAN機能を追加し、Blutooth 4.1にも対応。従来のBluetoothとBluetooth Smartのデュアルモードも利用できる。従来モデル「Raspberry Pi 2」とフォームファクタ(ボード形状)などの互換性も確保した。本体サイズはW85×D56×H17mm。インタフェース類は、40ピンGPIO、10BASE-T/100BASE-TX対応有線LAN×1、USB×4、HDMI×1、3.5mm オーディオ/コンポジットビデオ端子、microSDメモリーカードスロットなどを備える。電源はmicroUSBから得る。インストールマネージャーとして、NOOBS(New Out Of the Box Software)を提供。このツールをmicroSDメモリーカードから起動することで、OSのセットアップが可能となっている。OSは特定バージョンのLinux OS、および Windows 10 IoTを、microSDメモリーカードから実行可能だ。推奨OSである「Raspbian」のパッケージには、プログラミングツール「Scratch」、高等数式処理システム「Mathematica」などが含まれ、新たにオープンソースIoT開発環境の「Node-RED」が追加された。「Node-RED」は、デバイス、API、オンラインサービスなどをビジュアル的に開発できる環境で、IoTシステムのプロトタイプ開発ソリューションとして注目されている。
2016年02月29日キーサイト・テクノロジー(キーサイト)は1月28日、シグナルインテグリティ(SI)およびパワーインテグリティ(PI)に取り組むエンジニアに向けた電磁界(EM)解析ソフトウェアソリューション「SIPro」と「PIPro」の販売を2月より開始すると発表した。両ソリューションは同社のEEsof EDAのAdvanced Design System(ADS)で使用することが可能となる。「SIPro」には新しいコンポジットEMテクノロジーが使用されており、高密度化されたPCBデザインに必要な解析速度と解析規模に対応するだけでなく、高い周波帯域まで精度の良い解析が可能。また、20GHzを超える周波帯域まで有限要素法(FEM)シミュレーションと同等の結果を、短時間かつ少ないメモリで解析することができるとしている。一方の「PIPro」には、DC IRドロップ、電源供給ネットワーク(PDN)のインピーダンス、および電源プレーン共振の3つのPI専用シミュレーションエンジンが含まれている。また、DC IRドロップ解析により、PDN内の各ビア、ピン、シンク、電圧レギュレーターモジュールのDC電圧/電流テーブルが得られるため、SI/PIエンジニアは、電流をシンクするICのピンにおけるDC電圧を予測できるようになるほか、電源/グランドプレーンの電圧、電流密度、消費電力を表示することで、デザインの問題点を簡単に特定することも可能となっている。「SIPro」と「PIPro」の解析環境には3次元ビューワーが装備されており、設計者は、電磁界解析前に解析対象のネットの確認が、解析後にはフィールドデータを3次元で表示することができる。解析設定は、ネット・ドリブンで実施でき、設計者が解析したいネットを選択するだけで済むため、シミュレーション前にレイアウトを手動で編集したり、操作する作業は不要となる。同社は「『SIPro』および『PIPro』を利用した新しい設計フローでは、プリント基板の電磁界解析データをADSのチャネル、DDRバス、トランジェント・シミュレーションで簡単に利用できる様に、回路図が自動的に生成されます。設計者は、これらのシミュレーションエンジンを使用してSI解析(BER等高線測定など)を実行し、規格に準拠したコンプライアンス・テスト・ベンチを使ってデザインを検証できます。」とコメントしている。
2016年01月29日玄人志向は7日、ボードコンピュータ「Raspberry Pi 2」をベースとした「自作IoT体験キット(KURO-IOTEXP/KIT)」を発売した。価格はオープン、店頭予想価格は15,000円前後(税別)。直販価格は16,200円(税込)で、1月下旬の出荷予定、1月7日時点では予約受付中となっている。Raspberry Pi 2とさまざまなパーツがセットになっており、自宅のPCをスマートフォンからの遠隔操作で電源ONするマニュアル「玄人指南書」が付属。使う工具はドライバーだけだが、Linuxの知識が必要で、ユーザーサポートも初期不良対応のみとなる。キットの内容は以下の通り。付属の玄人指南書では使わないパーツも同梱され、今後の玄人指南書(更新版)で利用していく可能性もある。マイコンボード関連Raspberry Pi 2 Model B ×1USB ACアダプター ×1スイッチ付きUSB電源ケーブル(USB A―MicroB) ×1ケース x1MicroSDメモリ 8GB ×1ヒートシンク ×2(大小計2個)デバイス関連温湿度センサーモジュール ×1リレーモジュール ×15Vブザー ×1GPIO関連GPIOエクステンションボード ×1GPIOケーブル ×1830穴ブレッドボード ×1ジャンパーワイヤ(オス~オス) ×30ジャンパーワイヤ(メス~メス)20cm ×10ジャンパーワイヤ(オス~メス) 20cm ×1010kオーム抵抗 ×101kオーム抵抗 ×10黄色LED ×4赤色LED ×4タクトスイッチ ×2書籍玄人志向指南書 自作IoT編
2016年01月07日Raspberry Pi Foundationは11月26日(英国時間)、「RASPBERRY PI ZERO: THE $5 COMPUTER」において、Raspverry Piファミリーの最新版となる「Raspberry Pi Zero」を発表した。「Raspberry Pi Zero」は価格が5ドルとされており、これまでのRaspberry Piの中で最も廉価なモデルとなる。「Raspberry Pi Zero」の主なスペックは次のとおり。Broadcom BCM2835プロセッサ(1GHz ARM11、初代Raspberry Pi 1よりも約40%高速)512MB LPDDR2 SDRAMmicro-SDカードスロット x1mini-HDMI助っ人 x1(1080p60ビデオ出力)Micro-USBソケット x240ピンGPIOヘッダ x11ビデオヘッダ x165mm x 30mm x 5mmRaspberry Piはもともとより多くのユーザにPCを使ってもらおうと20ドルから35ドルほどの価格帯でプロダクトを提供してきたが、この価格帯でもまだ高いとして、さらに価格を下げたプロダクトを発表したことになる。Rasberry Piは教育用のハードウェアとしてのみならず、組み込みや研究分野でも活用されており、今回の新製品の登場によってより多くのシーンで活用が進むと見られる。
2015年11月30日Raspberry Pi Foundationは11月26日(英国時間)、Raspberry Piをより多くの人に使ってもらうことなどを目的に5ドル/4ポンドの低価格を実現した「Raspberry Pi Zero」を発表した。アプリケーションプロセッサ(SoC)としては、1GHz動作のARM11コアを搭載したBroadcomのBCM2835を採用しているほか、512MBのLPDDR2 SDARMも搭載。インタフェースとしては、Micro-USBポートならびにmicro-SDカードスロットのほか、1080p60出力対応のmini-HDMIポート、RaspberryPi A+/B+/2 Model Bとピン配置互換の40ピンGPIOなどが用意されており、基板サイズは65mm×30mm×5mmとしている。
2015年11月27日英Raspberry Pi Foundationは11月26日、シングルボードコンピュータ「Raspberry Pi Zero」を発表、同日より販売を開始した。より多くの人がプログラミングに挑戦できるように低価格化に焦点を絞って開発された製品で、価格は5米ドル/4英ポンド。また雑誌「The MagPi」の12月号に付録として付けられる。Raspberry Pi ZeroはボードサイズがModel A+の半分の65×30ミリで、高さは5ミリ。Raspberry Piシリーズでは最小の製品になる。SoCはBroadcom BCM2835。ARM11コアで1GHz動作のCPUを備え、メモリは512MBのLPDDR2。オリジナルRaspberry Piよりも40%高速になっており、「Raspbianで動作し、Scratch、Minecraft、Sonic Piといった人気アプリケーションを全て使用できる」としている。インターフェイスは、micro-SDカードスロット、mini-HDMIソケット、micro-USBソケット、40ピンGPIOヘッダなど。
2015年11月27日Raspberry Pi Foundationは9月8日、7インチのタッチスクリーン「Raspberry Pi 7" Touchscreen Display」を発表した。Raspberry Piと組み合わせて、インフォテインメント・システムやタッチスクリーン・タブレットなどの製作に利用できる。すでにSwag Storeなどで販売が始まっており、価格は英国で48ポンド、米国では60ドルだ。7” Touchscreen Displayは、解像度が800×480ピクセルの24bitカラーディスプレイを備える。10本の指を同時に認識できる10点マルチタッチに対応。本体サイズは194×110×20ミリだ。対応するRaspberryは「Raspberry Pi 2 Model B」「Raspberry Pi Model B+」「Raspberry PI Model A+」など。DSIポートを通じてModel AやModel Bも接続できるが、ディスプレイ背面のマウンティングホールを使ってRaspberry Piをディスプレイに固定することはできない。キットにはディスプレイのほか、アダプターボード、DSIリボンケーブル、ジャンパーケーブルが含まれる。最新のドライバがオンスクリーン・キーボードをサポートしており、キーボードやマウスを接続することなくタッチスクリーンのみの操作が可能になる。
2015年09月09日Yosemiteの次、「El Capitan」の足音が迫りつつある今日この頃。開発者版/Public Beta版に手を出すのもいいが、趣味でOS Xを使うのならば、正式リリースまで他ジャンルをチェックして見聞を拡げてもいいのでは……というわけで、「OS XとRaspberry Pi」の第2弾をお送りする。○Raspberry Piでも「Bonjour」をRaspberry PiでRaspbianベースのLinuxディストリビューションを利用していると実感するのが、「Zeroconf」というコンセプトの有難味だ。アップルを中心としたIETFのワーキンググループは、仕様をRFC 3927として標準化するとともに、mDNSResponderなど主要部分はオープンソース化された。Bonjour(旧称:Rendezvous)はそのOS X/iOS向け実装であり、Linuxに収録されている「Avahi」も基本的な仕様は変わらず、両者には互換性が確保されている。乱暴な表現をすれば、LinuxなどのフリーなOSで動作するBonjourがAvahi、という理解でいいだろう。Raspbianの初期設定ではAvahiが有効なため、有線/無線LANの基本設定を終えれば「○○.local」の形式でアドレスを指定できる。Raspberry Piはローカルにキーボードを接続しない活用スタイルが一般的 -- 好みの問題だがバッテリー消費量やGUIの負荷からするとリモートアクセスがベター -- という事情もあり、IPアドレスの設定なしに運用を開始できることは大きなメリットだ。前置きが長くなったが、その「Avahi」はBonjour互換でありつつも独自に実装されているソフトウェアだ。Raspbianに収録されているAvahiは、デーモンやライブラリ以外にも「avahi-utils」というパッケージを提供しており、OS XのBonjourにはない機能を備えている。○サービスをリストアップ「avahi-browse」は、同じネットワークに属すZeroconfネットワーク(Bonjour/Avahi)をブラウズするためのコマンド。実行中のすべてのサービスを表示するには「-a」オプション、ひととおり表示したあとにコマンドを終了するための「-t」オプションとセットで利用するのがオーソドックスな利用法だ(例1)。例1:すべてのサービスをリストアップする(処理後停止)$ avahi-browse -a -tサービス名を特定できる場合は、「_ssh._tcp」(SSHサーバ)や「_afpovertcp._tcp」(AFPサーバ)といった文字列を引数として与え、さらに前述の「-t」オプションもあわせて指定する(例2)。これで、LAN上に存在するすべてのAFPサーバを表示できる。例2:ネットワーク上のAFPサーバをリストアップする$ avahi-browse _afpovertcp._tcp -t○IPアドレスとホスト名を相互変換ホストのIPアドレスを知りたい場合には、「-n」オプションに続けて対象のホスト名(Bonjour名)を指定する。これで、そのホストのIPアドレスが表示されるはずだ(例3)。「-a」オプションを使えば、反対にIPアドレスからホスト名を割り出すこともできる(例4)。OS Xにはありそうでない機能なだけに、このコマンドの存在を知っていれば(当然Avahi収録のマシン使用時に限るが)役に立つこともあるはずだ。例3:ホスト名からIPアドレスを割り出す$ avahi-resolve -n LaCie-d2.localLaCie-d2.local 192.168.12.25例4:IPアドレスからホスト名を割り出す$ avahi-resolve -a 192.168.12.7192.168.12.7 MBAir.local○ホスト名にIPアドレスを割り当てるホスト名にIPアドレスを割り当てることができる。OS XのBonjourでは、自分のマシンについてのみ「システム環境設定」の「共有」パネルでホスト名(Bonjour名)を設定できるが、ネットワーク上に存在する他のホストに対しては何もできない。しかし、avahi-publishコマンドを使えば、Bonjour/Avahiが動作していないマシンも「○○.local」の形式でホスト名を割り当てることができるのだ。たとえば、IPアドレスが192.168.12.4のホストに「nasne.local」という名前を割り当てるには、例5のとおりコマンドを実行する。ただし、サービスとして実行することはできず、Control-Zを押してジョブをバックグラウンドに切り替えなければ他のコマンドは実行できない。一時的にBonjour名を割り当てたいときに使える方法だ。例5:ホスト名にIPアドレスを割り当てる$ avahi-publish -a nasne.local 192.168.12.4Established under name ’nasne.local’
2015年08月27日成り行きで引き受けた「大人の自由研究」。ラズパイを使って『スズメ激写装置』をつくるというテーマのもと見切り発車でスタートしたが、あっさりと動体検知撮影を実現した。残るは仕上げの部分、起動プロセスの自動化や写真の解像度をどうするか。肝心の被写体が不在のまま、作業は進む。○Motionの設定I氏:「さあ、いよいよ大詰めですね」海上:「環境設定に関してはそうですけど、箱はドリキャスのままですよ?」I氏:「箱とか飾り付けは好みの問題だから、いいんじゃないですかね」海上:「もうチョイ本格的に仕上げたかったんですけど」I氏:「スズメを撮影できれば企画的にはOKかな、と。そこ、押さえてますよね?」海上:「……」I氏:「おいおい……」さて、動体検知撮影システム「Motion」の設定である。まずは、/etc/init.d/motion(Motionの起動時に参照される設定ファイル)をnanoで開き、59行あたりにある「--chuid motion」の部分をDELキーで削除、Control-Xを押して上書き保存しよう。なお、カーソル位置の行番号は、Control-Cを押せば画面下部に表示される。$ sudo nano /etc/init.d/motion次に、Motionをデーモン(システムのバックグラウンドで稼働するプログラム、「サービス」と同義)として作動させるための設定を行う。nanoで「/etc/default/motion」を開き、「start_motion_daemon=no」の「no」の部分を「yes」に書き換え、Control-Xで上書き保存すれば完了だ。$ sudo nano /etc/default/motion続いては、Motionの環境設定を。設定ファイルは「/etc/motion/motion.conf」、これもやはりnanoで開き作業を行う。主要な変更点を表1にまとめたので、参考にしてほしい。行番号はControl-Cをタイプし、画面下に「Line 11/638 (1%)」などと表示される情報から確認できる。肝心の解像度だが、利用するWEBカメラにより設定できる値が異なる。第2回で選定した「iBuffalo BSW32KM04WH」に関していえば、指定した値に近い解像度を適用する仕様のようで、width=800/height=400のとき640×360、width=1200/height=800のとき1280×720、width=1280/height=960のとき1280×720という解像度が適用された。個人的には、動体検知という目的に照らすと640×360か640×480がちょうどいいと考えるが、いかがだろう。$ sudo nano /etc/motion/motion.confこれで「sudo service motion start」を実行すれば、新しい設定でMotionが動作を開始する。ただし、毎回実行するのは手間がかかるため、insservコマンドを利用してシステム起動時に自動実行されるサービスとして登録しておこう。これで、Raspberry Piに電源を投入すれば自動的にMotionが起動し、WEBカメラで動体検知撮影できるようになるはずだ。$ sudo insserv motion$ sudo service motion start○ついにアイツが飛んでくる……大団円なるか?待てど暮らせど来ぬ鳥を……と口ずさみながら待つこと6日。昼夜通して待ち続けると、手持ちぶさたで宵待草ならぬ酔待草になってしまいそうだが、スズメは夜間に行動しない。だから日没後にはシステムをシャットダウンしてベランダから撤退、バッテリーを充電して翌朝に備えるというスケジュールで進行した。それにしても、スズメは来ない。肝心なときにかぎって来ない。8月も残すところ10日となり、このままでは夏休みの自由研究という企画が台無しになってしまう。とはいえ、ベランダに餌を撒いても効果はないし、鳥獣保護法により許可なく野鳥を捕獲することは禁止されているしで、打つ手も尽きた。そんなとき、予想外の出来事が。いればうっとうしいがいなけりゃ寂しい夏の風物詩「セミ」がやってきたのだ。まさに奇跡、いつのまにかカメラに収まっている。企画の目的はあくまでスズメだが、不意にフレームインしてきた物体に反応して自動撮影するという企画趣旨は満たした。セミ、いいじゃないか。いいぞ(「孤独のグルメ」風に)!I氏:「なんか、話がうまくないですかね?」海上:「(ギクッ)」I氏:「壁にとまるのならともかく、床ですからね。それもカメラの前」海上:「(ギクギクッ)」I氏:「動体検知だと、前後の写真も撮影されてますよね。見せてもらえません?」海上:「……」I氏:「なんですか、これ。完全なヤラセじゃないですか!」海上:「黒子が写りこんだとでもいいますか」I氏:「どう見ても、あなたの手じゃないですか!」海上:「でも、手の動きはじゅうぶん動体撮影らしさが出ていますよ」I氏:「セミが動かなきゃ! ひょっとして、手にかけました?]海上:「いや、木にとまった状態で事切れていたセミを連れ帰りました」 ※実話I氏:「しょうがないなあ……でも、なにゆえにセミなんです?」海上:「この企画、今回で終わるじゃないですか」I氏:「ええ。そこそこ話題になったのは救いですよ」海上:「話題になれば続編の可能性もなくはない、と」I氏:「可能性はゼロではないかな」海上:「まだ先がある終了、完全終了ではない終了、と」I氏:「はあ」海上:「……セミ・ファイナル」I氏:「延々続けて、そのオチですか」海上:「いやあ、夏らしい企画でビールがうまい。というわけで皆さん、機会があればまたいつか!」
2015年08月24日成り行きで引き受けた「大人の自由研究」。ラズパイを使って『スズメ激写装置』をつくるというテーマのもと見切り発車でスタートしたが、大方の予想を裏切りとんとん拍子で進行中。そしてついに、WEBカメラを使った動体検知撮影に漕ぎ着けた。○Wi-Fiが途切れる?I氏:「どうなってるんですか!」海上:「はい?」I氏:「Wi-Fi化してからネットワークがすぐ切れると、読者から質問が来ましたよ!」海上:「それね。『8192cu』というドライバで動くWi-Fiアダプタで起きる現象ですよ」I氏:「型番だけ言われたって、普通の人はわかりませんよ!」海上:「『lsmod』コマンドを実行し、8192cuと表示されるかどうかでわかりますよ」I氏:「で、対策は?」海上:「以下のコマンドラインをSSHクライアントにコピペして実行、その後再起動すればOK」echo "options 8192cu rtw_power_mgnt=0 rtw_enusbss=0" | sudo tee /etc/modprobe.d/8192cu.confI氏:「……確かに、通信が途切れなくなったような。なんですか、これ?」海上:「Wi-Fiアダプタのドライバを読み込むとき、USBの省電力機構を無効化するようにしたんですよ」I氏:「じゃあ、消費電力が増えると」海上:「バッテリーのもちに大きく影響するほどではないです。たびたび通信が途切れるよりいいでしょ?」○いよいよWEBカメラを接続RaspbianをインストールしてUSB Wi-Fiアダプタの設定が完了すれば、あとはWEBカメラシステム「Motion」をインストールするだけ。Raspbianはdebian系のLinuxディストリビューションなので、apt-getコマンドを使えばかんたんにインストールできる。結論からいうと、以下の2行をSSHクライアントで実行すれば準備完了だ。$ sudo apt-get update$ sudo apt-get install motion念のため説明しておくと、1行目ではパッケージ情報が保管されているインデックスファイルを更新し、2行目でMotion本体および依存関係にあるパッケージ群をサーバからインストールしている。Motionは「ffmpeg」や「libav-tools」など映像系のプログラムに依存しているため、AにはBが必要で、Bをインストールしようと思ったらCが必要で、CにはDが必要で……といった事態に陥る。apt-getは、そんな依存関係にあるパッケージを芋づる式にインストールしてくれるのだ。なお、ときどき「Do you want to continue [Y/n]?」などと質問されることがあるが、そのときには「Y」と答えればOK。しばらく放置すれば、多数のパッケージが次々インストールされるはずだ。○ファイルを取り出す準備Motionが撮影した静止画/動画は、microSDカードの空き領域に書き込まれる。それを取り出すには、『スズメ激写装置』でファイル共有サービスを動作させておき、WindowsのエクスプローラやMacのファインダーで操作することが近道だ。しかし、『スズメ激写装置』で使うシステム(Raspbian)では、あらかじめファイル共有サービスがインストールされていないため、手動でセットアップしなければならない。利用する共有サービスは、WindowsでもMacでもシステム標準で対応していることを考慮すれば、Samba(Windowsネットワーク互換のOSSファイル共有機能)が妥当だろう。apt-getを使えば、以下の1行を実行するだけでインストールできる。$ sudo apt-get install sambaネットワーク上で共有する領域の準備も必要。「Motion」の初期値では、/tmp/motionディレクトリに静止画/動画を記録するよう設定されているため、「path=/tmp/motion」とパスを記述しておけばOK。sudoと組みあわせてnanoを起動し、Sambaの設定ファイル(/etc/samba/smb.conf)の末尾へ以下のとおり記述をくわえ上書き保存すれば準備完了だ。$ sudo nano /etc/samba/smb.conf(末尾に追加)[share]path=/tmp/motionread only=no1browsable=yesguest ok = yesforce user = pi設定を有効にするには、Sambaの再起動が必要(sudo service samba restart)。さらに、次回以降『スズメ激写装置』を起動したときSambaを自動的にスタートさせるため、起動スクリプトにもひと手間くわえておこう(sudo update-rc.d samba defaults)。$ sudo service samba restart$ sudo update-rc.d samba defaults○『スズメ激写装置』を起動、すると……これでとりあえずの準備は完了、あとはベランダに『スズメ激写装置』を置き、ひたすら待つのみ。利用するWEBカメラ「iBUFFALO BSW32KM04WH」は予想以上に広角なので、適当な方向に向けておけばおそらくだいじょうぶと思う。ただ、この暑さの中、飛んできてくれるかどうか不安なので、ちょっとしたプレゼント(ヒエとかアワとか)を用意してみた。そうそう、肝心の「Motion」の起動を忘れずに。$ sudo motion -n待つこと4時間。時折ファイルブラウザで「Motion」の撮影状況をチェックするが、特に変化なし。ベランダに置いた植物の葉の揺れか太陽が雲に隠れたことかを検知したのか、数枚の静止画が撮影されていたが、どこにもスズメの姿はない。バッテリーを使い切ったのか、通信が途絶えたところで最初の運用テストを終えた。I氏:「来ないじゃないですか!」海上:「そういわれても。動作検知は期待どおりなんですけどね」I氏:「それに、なんですか、あのドリキャスコントローラの箱は」海上:「お目が高い。Pippin@のコントローラの箱もありますよ」I氏:「そうじゃなくて。もうちょっと"らしさ"ってものがあるでしょ?」海上:「ドリキャスのなにがいけないのかと(略)」I氏:「ともかく、解像度の低さとかタイムスタンプの狂いもどうにかしてくださいよ」海上:「次回、シリーズ最終回。『スズメ激写装置』の変貌ぶりにご期待を!」
2015年08月14日成り行きで引き受けた「大人の自由研究」。ラズパイでつくる『スズメ激写装置』、一見順調そうに見えるが……さて。今回は、使い勝手を大きく変える「Wi-Fi化」を進める。○まずはWi-Fiの設定をうだるような暑さの昼下がり、編集部I氏から電話がかかってきた。そこまでダメ人間ではないので、ビールは注いでいない。I氏:「またチマチマと環境設定ですか!?」海上:「ハードウェアを絞り込んでいるからラクですよ」 ※:第2回を参照I氏:「コマンドはほどほどに。一般読者には難しすぎるから」海上:「PCからSSHで遠隔操作すれば、コマンド入力もコピペ対応できますよ」I氏:「とはいえ、viやemacsといったエディタでの作業は必要でしょ」海上:「扱いやすいテキストエディタ『nano』がありますから」I氏:「そうなの?」海上:「……座布団全部、って感じですかね」気を取り直して、Wi-Fiの環境設定に進もう。前回、SSHを使い有線LAN経由でリモートログインするところまで説明したが、そのままでは長いEthernetケーブルを引き回さねばならず、ベランダとはいえ屋外利用には不向き。Wi-Fi化すれば自宅のルータ/アクセスポイントだけでなく、スマートフォンをルータ代わりにできるので(テザリングを応用)、屋外へも持ち出せる。なお、第2回で紹介したUSB Wi-Fiアダプタは2.4GHz通信のみ対応するため、電波法に抵触する心配はない。Wi-Fiの設定だが、SSHでリモートログイン後、まずは「ifconfig」コマンドを実行しよう。第2回で紹介したUSB Wi-Fiアダプタであれば、システムの起動とともにモジュール(ドライバ)が読み込まれ、自動的に「wlan0」というネットワークデバイス名で認識されているはず。この確認ができれば、最初の関門はクリアだ。ネットワークデバイスとして認識されていれば、以下のコマンドラインをPCのテキストエディタへコピー&ペーストし、「○○」部分を接続するWi-Fiアクセスポイント名に、「△△△」部分を接続用パスワードにそれぞれ置き換え、さらにそれを端末画面(SSHクライアント)へコピー&ペーストしよう。もちろん直接入力してもいいが、コマンド入力に不慣れな場合は無理をしないほうがいい。これで、Wi-Fiアクセスポイントの設定は完了だ。wpa_passphrase "○○" "△△△" | sudo tee -a /etc/wpa_supplicant/wpa_supplicant.conf続いてはIPアドレスの設定を。現在、家庭で利用されているルータ(兼Wi-Fiアクセスポイント)の多くにはDHCPサーバが用意されており、アクセスポイントに接続したクライアントに対しIPアドレスを貸し与える機能がある。IPアドレスは固定でも構わないのだが、『スズメ激写装置』は接続のつど変わる可能性がある変動型のほうが好都合なのだ。その理由は、冒頭にも挙げた「テザリング」。iOSにしてもAndroid OSにしても、テザリング子機(本稿の場合『スズメ激写装置』)に対しIPアドレスを割り振ってくれるため、変動型のほうが運用はラクなのだ。それに、利用するLinuxディストリビューション「Raspbian」は、AvahiというBonjour互換のIPアドレス自動設定機能がデフォルトで稼働しているため、変動型でも不便はない。というわけで、いよいよ「nano」を使いネットワークの設定ファイルを編集する。ファイルは「/etc/network/interfaces」、これを引数として与え実行すればいい(変更には管理者権限が必要なのでsudoを使う)。初期設定でいろいろ定義されているが、それをすべてクリアしたうえでリスト1の内容をコピー&ペーストしよう。有線LANポートはケーブルを接続しないかぎり使わず、ふだんはUSB WI-Fiアダプタで通信するための設定だ。Control-Xとタイプすると、画面下に「Save modified buffer」と確認のメッセージが表示されるので「y」をタイプし、続いて現れる「File Name to Write: /etc/network/interfaces」ではそのままreturnキーを押せばいい。これで、IPアドレスの設定は完了だ。$ sudo nano /etc/network/interfacesリスト1:/etc/network/interfacesauto loiface lo inet loopbackallow-hotplug eth0iface eth0 inet dhcpallow-hotplug wlan0iface wlan0 inet dhcpwpa-conf /etc/wpa_supplicant/wpa_supplicant.confiface default inet dhcp○ついでにテザリングの設定もこれでWi-Fiの設定はひとまず完了。動作確認のためにも、いちどシステムを停止させ、Ethernetケーブルを抜いたうえで(USB Wi-Fiアダプタだけで)起動するかテストしてみよう。システム停止のコマンドは以下のとおり、Raspberry Pi前面の緑色LEDが10回点滅したことを確認のうえ、電源(USB micro-B)ケーブルを引き抜くこと。$ sudo halt次回Raspberry Piの電源をオンにすると(スイッチがないのでケーブルを接続するのだが)、DHCPサーバから貸し出されたIPアドレスがUSB Wi-Fiアダプタに割り当てられ、そのIPアドレス経由でリモートログインできるようになる。ただし、前述したとおり接続のつど変更されることがあるため、OS Xの場合は以下のとおりBonjour名を指定したほうがいい。Bonjour名はiOSのSSHクライアントアプリ「Serverauditor」でも利用できるので、念のため。$ ssh pi@raspberrypi.local最後に、テザリングの設定を。以下のとおり管理者権限でnanoを起動し、リスト2の内容を追加しよう。ssid行にはスマートフォンの名称を、psk行にはテザリングで使うパスワードを入力すればいい。/etc/network/interfacesのときと同じ要領で上書き保存すれば設定完了、次回システムを起動したときには手もとのスマートフォンがWi-Fiアクセスポイント代わりとなる。なお、テザリングを使う場合、Raspberry Piの電源を入れる前にスマートフォン側で受け入れ体制を準備しておくこと。たとえばiPhoneの場合、『設定』の「インターネット共有」画面にあるスイッチを有効にしたうえで、その画面を表示したまま待機していれば確実だ。$ sudo nano /etc/wpa_supplicant/wpa_supplicant.confリスト2:/etc/wpa_supplicant/wpa_supplicant.confに追加network={ssid="Shinobu6" ←スマートフォンの名称psk="suzumechan" ←テザリングのパスワードkey_mgmt=WPA-PSK ←暗号化方式}I氏:「なんだかんだ、ここまで順調じゃないですか」海上:「もうWi-Fiで遠隔操作できるし、スマホがあれば外へ持ち出せるし」I氏:「残る課題はカメラのセットアップと動体検知ですかね」海上:「ですね」I氏:「スズメが飛んでこなかったときのオチも考えといてくださいよ」海上:「(泣)」I氏:「これがほんとのスズメの涙とか、そういうオチはいりませんから」海上:「……(バレたか)」
2015年08月11日成り行きで引き受けた「大人の自由研究」。ラズパイを使って『スズメ激写装置』をつくるというテーマは決めたが、さて。今回は、避けては通れぬ「Linuxのインストール」を進めたい。○味気ない作業だけれどマイナビニュースの担当編集から電話がかかってきた。今回はいやな予感があったので、ビールの用意はしていない。I氏:「ひとつ、お願いなんですけど」海上:「はあ」I氏:「Linuxのインストール、工夫して書いてもらえません? それ自体面白くないので」海上:「避けては通れないんですけどね」I氏:「なんか、こう、自動化みたいなことをすれば?」海上:「どのみち、味気ない単純作業になりますよ」I氏:「そこは、ほら、自由研究らしく創意工夫で」海上:「どうにもなりませんって」I氏:「創意工夫で」と、相変わらずの無茶振りだが、確かにいまどきのLinuxのインストールは面白味がない。特にRaspberry Piの場合、ダウンロードしたLinuxのイメージファイルを解凍、microSDカードに書き込むだけの作業で完了してしまう。とはいえ、Linuxの経験が浅いユーザにとってハードルが高い作業ではあるし、避けて通ることは不可能。端折ってしまうと、カメラのセットアップもうまく行かない……。一理あるな、ということで可能なかぎりGUIで事を進めることに決めた。WindowsとOS Xとでは利用するツールが変わってしまうが、利用する「Raspbian」(Raspberry Pi財団推奨のDebain系Linuxディストリビューション)をWEBブラウザでダウンロードしておき、デスクトップに移動しておくという準備作業を完了しておけば、あとはOS X/Windowsそれぞれの項目に分岐してインストールを進められる、という目算だ。なお、microSDカードは書き込み可能な状態にしておくこと。他用途で使用済のmicroSDカードを流用する場合、すべての領域に書き込めないこともあるため、SDカードフォーマッターで初期化しておこう。書き込めないなど問題が生じる場合は、オプション設定で「論理サイズ調整」をオンにしてからフォーマットを実行すること。これは、OS X/Windowsとも同じだ。○OS Xの場合OS Xには「dd」というデバイスからデバイスへ直接データコピーするコマンドが標準装備されているため、イメージファイルを書き込むための専用ツールを用意する必要はない。しかし、ターミナルでコマンドを実行するスタイルを敬遠するユーザが少なくないことから、GUIツールを使うことにした。まず、microSDカードを装着していない状態から以下に示すフリーソフトウェア「Pi Filler」を起動しよう。その後、画面の指示に従いmicroSDカードを装着、書き込むイメージファイル(2015-05-05-raspbian-wheezy.img、ZIPファイルを解凍したもの)を指定しよう。microSDカードが消去される旨を確認するメッセージが表示されたあと、管理者権限行使のためのパスワードを入力し数分待つと、Raspbianの起動ディスクが完成する。Pi Filler○Windowsの場合Windowsでの作業には、「DD for Windows」がお勧めだ。イメージファイルの選択からmicroSDの指定まですべてGUIで処理できるうえ、メッセージやメニューが日本語化されているので操作に戸惑うことがない。管理者として起動することさえ忘れなければ、つまずくことなくRaspbianをインストールできるはずだ。手順はかんたん、起動後に「ファイル選択」ボタンをクリックしてRaspbianのイメージファイル(事前に解凍しておくこと)を、続いて「ディスク選択」ボタンをクリックして対象ディスクにmicroSDを指定し、「<<書込<<」ボタンをクリックすればOK。これで数分ほど待てば、Raspbianの起動ディスクが完成する。なお、書き込む直前には「対象ディスクより小さなイメージファイルが指定されていますが、よろしいですか?」や「ディスクサイズが4GByteを超えています。よろしいですか?」と確認されるが、いずれも「はい」と答えてかまわない。DD for Windows○まずは起動、ただし操作は「SSH」で完成したmicroSDをRaspberry Piのスロットに差し込み、USB micro-Bケーブルをつなげば「Raspbian」が起動する。HDMIポートにディスプレイを、USBポートにキーボードとマウスをつなげば、Linuxマシンとして使えるRaspberry Piの完成だ。しかし、目指すのはあくまで『スズメ激写装置』。キーボードもマウスも不要、撮影用のUSBカメラと遠隔操作用のWi-Fiアダプタさえあればいい。そこで、若干難易度は高いが、最初から「SSHクライアント」を使い遠隔操作することをお勧めしたい。幸いRaspbianはデフォルトでDHCPサーバとSSHサーバが有効なため、ルータ/HUBとEthernetケーブルをつなげばただちにIPアドレスが割り当てられる。SSHで遠隔操作するためには、Raspberry Piに割り当てられたIPアドレスを知る必要があるが、それには「Fing」というスマートフォンアプリが便利だ。同じLANに接続した状態でアプリを起動し、製造者情報欄に「Raspberry Pi Foundation」とある行を見れば、IPアドレスがわかる。遠隔操作の開始は、OS XならばTerminalで「ssh pi@IPアドレス」(ユーザ名は「pi」、パスワードは「raspberry」)を実行すればOK。Windowsならば「RLogin」などの端末アプリケーションを入手しておこう。SSHクライアントはスマートフォン向けにもいくつか公開されているが、iPhone/Android版ともに無償の「Serverauditor」あたりがお勧めだ。I氏:「今回、これだけですか?」海上:「ですね」I氏:「"山"も"落ち"もないじゃないですか!」海上:「Linuxのインストールという大命題をクリアしましたから」I氏:「インストールがひとつの山、そういいたい?」海上:「落ちをつけたいのはやまやまなんですけどね」I氏:「……次回の件で、またすぐ電話しますから(ガチャッ)」海上:「おちおちビールも飲めんな」
2015年08月06日成り行きで引き受けた「大人の自由研究」。ラズパイを使って『スズメ激写装置』をつくるというテーマは決めたが、さて。実は企画自体も成り行き進行、ポイントを抑えつつも大雑把な流れで研究は進もうとしていた。○必要なパーツを集めようマイナビニュース編集部から電話がかかってきた。これはきっと、ラズパイの件だな。それにしても、なぜ申し合わせたかのようにビールを注いだタイミングで電話をかけてくるのか……I氏:「どうなってるんですか!」海上:「はあ?」I氏:「原稿の件ですよ。読者の記憶に残っているうちに続きを掲載しないと!」海上:「わかりました、わかりましたよ。明日には着手しますから」I氏:「遅い! 最近の学校は、8月中に新学期が始まるんですよ!?」海上:「じゃあなんですか、必要なパーツ集めをいますぐ始めろ、と?」I氏:「この前、通販で一式揃えられるって言っていたじゃないですか。今夜中に注文すれば、明日か明後日には届くでしょ?」海上:「まあそうだけど」I氏:「じゃあ、ヨロシク(ガチャン)」というわけで、夜の夜中に『スズメ激写装置』づくりに必要なパーツ選定を開始。ラズパイの最新型「Raspberry Pi 2 Model B」は当然として、問題は残りのパーツだ。結論から言うと、WEBカメラに「iBUFFALO BSW32KM04WH」、USB Wi-Fiアダプタに「PLANEX GW-USNANO2A」、microSDカードに「SanDisk SDSDQUAN-008G-G4A(海外リテール版)」、ケースやケーブルなど他の品々はあり合わせのものを流用することに。Raspberry Pi 2本体とケースは国内正規代理店のオンラインショップ、WEBカメラなど他の製品はAmazonや楽天で注文した。WEBカメラWEBカメラは、UVC(USB Video Class)に対応した製品を選ぶこと。理由は単純、UVCは多くのOS/カメラアプリケーションでサポートされており、原則ドライバ不要で動作する。Raspberry Pi上で動作するLinuxも例外ではなく、USBポートにカメラの端子を差し込めば認識され、撮影が可能になる。Raspberry Pi対応をうたう製品は(おそらく)存在しないが、UVC対応と記載されていればほぼ確実に動作する。ただし、UVCはカメラ撮影時におけるUSB通信を保証するための規格。扱える動画フォーマットや静止画フォーマットに関する定義はあるが、ホスト側がカメラの性能に追従できるかどうかの保証はなく、オートフォーカスなどの付随機能も動作するとはかぎらない。UVC対応は絶対条件として、画素数やフレームレートなどカメラに搭載されたイメージセンサの性能と、カメラ自体の大きさ/取り回しのよさを基準に製品を選ぶといいだろう。筆者が「iBUFFALO BSW32KM04WH」という製品を選んだ理由だが、UVC対応は当然のこととして(製品WEBページに記載はないが、パッケージには「UVC対応」のシールあり)、スタンドの角度調整やクリップ状に変形できるレイアウトの自由度を考慮した。画素数も320万画素と、スズメの羽毛がくっきり写りそうなレベル。価格も量販店で1,600円程度という水準、CPは申し分ない。USB Wi-FiアダプタRaspberry Pi 2 Model Bには、10/100BASE-TのEthernetポートが1基装備されているが、これは使いたくない。電源(モバイルバッテリー)とつなぐUSB micro-BケーブルとWEBカメラのケーブルは仕方ないとして、USB Wi-Fiアダプタを用意すればEthernetケーブルの取り回しを考えずにすむ。千円ほど出費は増えることになるが、設置場所の自由度は格段に増す。ここでケチってはいけない。USB Wi-Fiアダプタは、ふだん音楽再生用に利用しているRaspberry Piとまったく同じものを購入した。理由は単純、すでに運用していて勝手を知っているからだ。ドライバがRaspbian(『スズメ激写装置』で使う予定のOS)に収録されていることも確認済なので、Wi-Fiアクセスポイントを登録する程度で通信できるようになる。なお、Raspbianには数種類のUSB Wi-Fiアダプタ用ドライバが同梱されているが、そのドライバで稼働するチップのうちRealtek RTL8192CUは「PLANEX GW-USNANO2A」や「I/O DATA WN-G300UA」に、Ralink RT8070は「BUFFALO WLI-UC-GNM」や「Planex GW-USMicroN」に採用されていることを確認している。いずれも親指大の大きさでジャマになりにくいので、今回の自由研究にぴったりといえる。microSDカードどのmicroSDカードでも構わない……ことはないのがRaspberry Piだ。microSDカードは相性問題が多数報告されているため、動作確認が済んだ製品を選ぶことが思わぬトラブルを避ける鉄則といえる。筆者が「SanDisk SDSDQUAN-008G-G4A(海外リテール版)」を選択したのは、こちらのWEBサイト(リンクで動作報告があったことにくわえ、自分自身がすでにオーディオ用途で運用した実績があるからだ。Raspberry Pi 2ではSDHC/SDXCカードも利用できるが、高速規格のUHS-I(Ultra High Speed)には対応していないため、敢えて価格が高いUHS-I対応カードを選ぶ必要はない。ただし、カードのアクセス速度はシステムの起動時間やその後のファイルアクセス、ひいてはシステムパフォーマンスに影響するため、よりスピードクラスが大きいカードを選ぼうmicroSDカードには、2、4、6、10という4段階の速度規格(スピードクラス)があり、数値の大きいほうがより高速にデータアクセスできる。傾向としてClass 4よりは6、6よりは10のほうが高めだが、4GBや8GBといったカード容量であれば価格差はわずかだ。バッテリーバッテリーは、手近にあった「DE-KDD005AA」に決めた。これはどこかで……そう、au/KDDIが2013年秋の対象機種の予約でプレゼントしていたポータブル充電器だ。非売品のため迷ったが、バッテリー容量(2,500mAh)・出力(5V/1A)・ボディカラーいずれも今回の要求スペックを満たしており、大きさ(7×4×2.2cm)と重量(85g)も塩梅なことから、類似製品を買うまでもないと判断したのだ。I氏:「写真見ましたけど、ただつなげただけですかね?」海上:「ですね」I氏:「本当に動くんですよね?」海上:「たぶん」I氏:「たぶんじゃ困るんですよ、たぶんじゃ」海上:「そんなことより、問題はスズメが飛んでくるかどうかで」I氏:「その成り行き任せな性格、ホントどうにかしてくださいよ」海上:「雀百まで踊り忘れず、っていいますからね。あれ? もしもし。もしもーし!」
2015年07月29日夏休みの自由研究で、作りたかったが実現できなかったものがある。それは「電子工作」。モーターによる駆動部があり、スイッチを押すと麦球が光る程度のものだが、いかんせん小遣いが足りなかった。しかしいまは……大人なりに多少の余裕がある。そうだ、いまなら往時を超えるなにかを作れるはずなのだ。○きっかけは一本の電話マイナビニュース編集部から電話がかかってきた。妙だな、急ぎの原稿は昨日送ったはずだけど……電話口は予想どおり担当編集I氏、「いやあ、暑いですね! 夏ですね!」などとのたまっている。いいから早く要件を言ってくれ、キーンと冷えたビールを飲むところなのだから。I氏:「夏といえば!」海上:「はあ?」I氏:「自由研究でしょう!」海上:「ああ、小学生の夏休みの宿題ね」I氏:「なにか作ってみませんか?」海上:「貯金箱とかモーターで動く意味不明物体とか? なんでオッサンの俺が?」I氏:「いやだなあ、とぼけちゃって。アレを使うんですよ、アレを」海上:「アレって?」I氏:「いまが旬のラズパイですよ、ラ・ズ・パ・イ。得意でしょ?」Raspberry Piか。確かに、ここ半年ほど、時間を見つけてはラズパイをイジり倒している。特に、ラズパイをオーディオに活用しようと勝手に命名したプロジェクト「ラズパイ・オーディオ」は、勢い余って電子書籍を出してしまうなど仕事にも影響しはじめた(Amazon Kindleストアで好評発売中!)。だからといって、なぜ夏休みの自由研究なんだ?I氏:「この前、熱く語ってたじゃないですか。いろいろできるって」海上:「そりゃ、まあ。カメラとか計測器とか、周辺機器もいろいろあるし」I氏:「小さくて低消費電力でそこそこパワーがあって、なにより安いですしね」海上:「初期費用はトータルで1万円もあればじゅうぶんかな」I氏:「ほら。自由研究にピッタリじゃないですか。大人の夏休みの自由研究!」海上:「俺に夏休みはないっての」○『スズメ激写装置』を作りたい!という経緯で引き受けてしまった、「ラズパイで大人の夏休みの自由研究」なる珍妙な企画。ラズパイを使うことだけは決まっているものの、最終的になにを作ればいいというのか。オーディオ企画は他誌で進めているから無理で、監視カメラはヒネリがないしそもそも欲しくない。タッチパネルを付けたところで、スマートフォンやタブレットには見た目も操作性も適わないだろう。そこへスズメが1羽飛んできた。ソファーから見えるベランダの床に、ときどき遊びにやってくるかわいいヤツだ。しかしスズメは野性が強く人に慣れない。近くでカメラを構えようものなら、気配を察知して飛び去ってしまうほどだ。まてよ。これだ。目立たない場所にカメラを設置しておき、動体に反応して撮影を開始するようにすればいいのだ。幸い、Linuxには「Motion」というオープンソースのWEBカメラシステムがあり、都合のいいことに動体検知機能を備えている。我が家のベランダに飛んでくる小動物はスズメくらいなものだし、スズメが活動するのは昼間だから光量の心配もいらない。飛んできたスズメに反応して自動的にパシャリ、これですよ。Raspberry Pi向けには、GPIOという40ピンの拡張スロットに接続するタイプのカメラもあるのだが、リボンケーブルなので取り回しが悪くなるし、基盤もレンズ部もむき出しだから後々面倒なことになりそう。USBカメラのほうが安くて取り回しもかんたん、大人だからここは楽をさせてもらいたい。スズメにも反応するんじゃないかな? たぶん。試してないけど。心は少年だから先々のことは気にしない。海上:「てなわけで、『スズメ激写装置』を作りますよ!」I氏:「……もう少し、なんかこう、あるでしょ? グッとくる絵面というものが」海上:「スズメのかわいさたるや(以下略)」I氏:「ああ、もう、わかりましたよ。スズメでいきましょう、スズメで」○そもそも「Raspberry Pi」って?作りたいものはなんとなくわかったけれど、そもそもRaspberry Piって何? 本当にだいじょうぶなの? という声が編集部のある東京・竹橋方面から聞こえてくるので、かんたんに説明しておこう。Raspberry Piは、英国のラズベリーパイ財団が開発および仕様を定義する、ARMアーキテクチャを採用の小型コンピュータ。いわゆるパーソナルコンピュータに求められる機能はカードサイズ(67.6×30mm)の基板にすべて実装されており、4基のUSBポートやGPIOポート(40ピンの入出力端子)で機能を拡張できる。電源はUSB Micro-Bで供給、モバイルバッテリーを使えることがポイントだ。最新モデルは2015年春発売の「Raspberry Pi 2」で、CPUに900MHz/4コアのARM Cortex-A7を採用、メモリはLPDDR2 SDRAM 1GBを積む。初代Raspberry PiはARM 1176JZF-S 700MHz/シングルコア、512MB RAMと、画像処理を任せるには若干心もとない仕様だったが、スマートフォン級の処理性能を持つ最新モデルであれば動体検知や動画撮影も余裕でこなせる。OSにはLinuxを使うつもりだ。間もなくMicrosoftからRaspberry Pi 2対応の「Windows 10 IoT Core」が正式リリースされる予定だが、カメラシステムの管理にGUIは必要ないし、動体検知可能な撮影システムがリリース直後のOSにあるとは思えない。「Motion」を利用できるくLinuxのほうが確実だ。SSHでリモートログインしていくつかコマンドを実行できればそれでじゅうぶん、撮影した静止画/動画はLAN経由で取り出せばいい。さて、次回は『スズメ激写装置』に必要な部品の調達を行う。果たして動きのすばやいスズメを撮影できるのか? 動きの鈍いハムスターあたりでお茶を濁そうとしているのでは? そんな疑念を払拭すべく、諸々検証しながら自由研究を進めていきたい。
2015年07月23日Yosemiteの次、「El Capitan」の足音が迫りつつある今日この頃。開発者版/Public Beta版に手を出すのもいいが、趣味でOS Xを使うのならば、正式リリースまで他ジャンルを見て見聞を拡げてもいいのでは……というわけで、趣向を変え「OS XとRaspberry Pi」というテーマで迫ってみたい。○いろいろ遊べる「ラズパイ」はTerminal好きに超おすすめこのご時世、発売から数カ月で100万台以上を売り上げたコンピュータがある。Macの456万台(2015年4月期)と比べれば大したことはない数字に思えるかもしれないが、2012年に誕生したばかりのプラットフォームであること、販売は基板のみというスパルタンな外見であることを踏まえれば、大健闘であることがわかるはず。ご明察、カードサイズのワンボード・コンピュータ「Raspberry Pi(通称:ラズパイ)」だ。Raspberry Piは、そもそも学習用として開発されたが、その小ささとLinuxなどPC-UNIXが動作する汎用性の高さ、圧倒的な低価格(5,000円前後)も手伝い、監視カメラや各種計測など実務レベルでも利用されている。7月29日の公開が予定されているWindows 10もサポートされており、プラットフォームとしての認知度は今後さらに高まることだろう。かたやOS Xは、ポジティブな意味でもネガティブな意味でも「熟成期」に達している。アップデートが毎年恒例となり無償化されたことはありがたい限りだが、本音をいえば対価を払ってでも"あっと驚くような新機軸"を見てみたい。特に当コラムがターゲットとしてきたUNIX/BSDレイヤーは、ここ数年際だった変化がなく -- 「mDNSResponder」が廃止され一時的に「discoveryd」が代替技術として採用されるという事件はあったが -- 、話題性という点では燃料追加が必要な状況だ。だからといって、Raspberry Piに乗り換えろという話ではない。日頃の作業は使い慣れたMacでこなしつつ、趣味の部分を他に移せばいいだけのこと。その趣味とは、筆者の場合……オーディオ&ビジュアルだ(仕事にもしているが)。こんな電子書籍を執筆・編集からCSSのコーディングまで独力で、レギュラーの仕事をこなしつつも3週間で制作してしまったところに、筆者のテンションを察していただければ幸いだ。Raspberry Pi 2対応「Raspi Audio」導入編(海上 忍:著)Macでラズパイするなら「ext4」の読み書きをラズパイをどのように使おうと自由だが、OS Xを根城にする者としては、Terminalからイジり回したいところ。HDMI経由のディスプレイ出力は使わず、4基しかないUSBポートを消費するキーボードもマウスも不要、LANに接続していればSSHでリモートログインできる。筆者の場合、Ethernetポートを無効化しWi-Fiのみで運用している。安定動作しているかぎり、この使い方でまったく問題はないが、ネットワーク設定に誤りがあるまま起動すると困ったことに。SSHという入口が閉ざされるので、ローカルで(キーボードとマウスを使い)作業しなければ修正できないのだ。ふだん使わないHDMIケーブルやキーボード、マウスをセットアップせねばならないため、できれば避けたい作業といえる。そこで思いついたのが、ラズパイの起動ディスク(microSDカード)をMacで直接読み書きするという方法。システムは現在Linuxでメインのファイルシステム「ext4」に記録されているため、microSDカードをOS Xにマウントしても/etcなどシステム領域にはアクセスできないが、OS Xにext4を読み書きできる機能を追加すれば一件落着。困ったときには、OS Xのテキストエディタで修正すればいいのだ。「Paragon ExtFS for Mac OS X 9.0」を使うOS Xで標準対応していないファイルシステムをマウントする手段のひとつに「FUSE」がある。概要は当コラム第113回を参照いただくとして、結論からいうと、FUSEのext4サポートでは目的を果たせない。HomeBrewなどのパッケージングツールを使えば、導入はそれほど難しくないものの、FUSEプラグインのext4はリードオンリーのマウントであり、書き込みできないのだ。設定ファイルを表示できても誤りを修正できないようでは、ラズパイで使うには足りない。そこで探してきたのが「Paragon ExtFS for Mac OS X 9.0」。ext2/ext3にくわえext4にも対応、リード/ライト両方をサポートという点でラズパイで使うための条件はクリア。もちろんOS X Yosemiteをサポートしている。そのうえ、OS Xネイティブのドライバーと同等のパフォーマンスを達成するというのだから、ストレスなく利用できそうだ。製品は有償(オンラインストア価格は税込4,536円)だが、10日間機能制限なしで使える試用版が用意されているので、まずはそちらを利用するといいだろう。Paragon Softwareインストールが完了し、ふだんラズパイで利用しているmicroSDをカードリーダに差し込んだところ……あっけないほど簡単にマウント完了、ext4と覚しき領域が現れた。Finderでデスクトップからファイルコピーを試みてみたところ、問題なし。パーミッションを無視しているのか、/etcにコピーしても警告を受けなかった。OS Xのセオリーどおり/Volumes以下にマウントされるので、Terminalで「cd /Volumes/○○/etc」とすれば、そこをカレントディレクトリにすることもできる。さらにviを使い、/etc/network/interfaces(ネットワークの設定ファイル)に変更をくわえ上書きしても問題なし。これで、ネットワークのトラブルでリモートログインできないときの復旧作業が格段にラクになる。もちろん、デスクトップにコピーしてGUIのテキストエディタで書き換えても構わない(設定次第では文字コードや改行コードが変わりそうでお勧めできないが)。Paragon ExtFS for Mac OS X 9.0は、ファイルコピーも高速だ。こちらについては、他の「OS Xとラズパイ」ネタを交えつつ、また次回。
2015年07月09日アールエスコンポーネンツは6日、「Raspberry Pi」シリーズで使用できるアクセサリ製品として、「Raspberry Pi 2 Model B用ケース」、「3.5インチ タッチパネルディスプレイ」、「1.38インチ丸型ディスプレイモジュール」を発表した。同社が運営する「RSオンライン」での価格は、「Raspberry Pi 2 Model B用ケース」が875円、「3.5インチ タッチパネルディスプレイ」が7,431円、「1.38インチ丸型ディスプレイモジュール」が8,077円。○Raspberry Pi 2 Model B用ケース「Raspberry Pi 2 Model B用ケース」は、「Raspberry Pi 2 Model B」、および「Raspberry Pi Model B+」用の公式ケース。ABS樹脂を素材に使用し、簡単に組み立て可能。microSDメモリーカードスロットやコネクタ類に対応するようケースがカットされている。ケースには貼り付け式ゴム脚も同梱する。○3.5インチ タッチパネルディスプレイ「3.5インチ タッチパネルディスプレイ」は、「Raspberry Pi」専用の3.5インチディスプレイで、解像度は320×240ドット。タッチパネル仕様なので直接画面を操作することが可能となる。「Raspberry Pi」の公式OS「Raspbian Operating System」とともに使用できるよう設計されてる。「Raspberry Pi」との通信は、48MHzのSPIで行われ、通常の画像や映像であれば25fpsで表示可能。圧縮したデータならより高速で実行できる。給電はRaspberry Piから行う。○1.38インチ丸型ディスプレイモジュール「1.38 インチ丸型ディスプレイモジュール」は、「Raspberry Pi Model A」、「Raspberry Pi Model B」、「Raspberry Pi Model B+」で使用できる1.38インチの丸型ディスプレイモジュール。ゲージやFA機器などでの使用に適している。スタンドアロンで機能する4D System「DIABLO16」で駆動するチップを搭載。同梱品として、4Dシリアル Pi アダプタ」、「5極メス-メスケーブル」、「5極オス-オスアダプタ」が付属する。
2015年07月06日メカトラックスは23日、小型ボードコンピュータ「Raspberry Pi」に低消費電力動作や死活監視機能を実装できる電源管理モジュール「slee-Pi」を発表した。価格は11,800円。slee-Pi本体のほか、電源ハーネスと設定ツール入りmicroSDカードで構成される。slee-Piは、Raspberry Pi用の電源管理基板。「Raspberry Pi Model B+」または「Raspberry Pi 2 model B」に組み込むことができる。RTC(Real Time Clock)を搭載し、通常動作時において「Raspberry Pi」に接続されたRTCとして機能。ユーザーが設定したスケジュールで「Raspberry Pi」本体への電源供給や遮断が可能になる。RTCのクロック源には「TCXO」を採用。周囲温度変化などによる時計のズレを±10秒以内に抑える。常時動作させるため、「Raspberry Pi」本体の電源・電圧の監視も可能。電源供給用に高効率DC/DCコンバータを搭載しており、太陽光パネルやバッテリーなど、6V~35Vまでの入力電圧に対応する。「Raspberry Pi」単体ではOSシャットダウン後も通電されたままになるが、slee-Piを接続することで待機時の消費電力を抑えるほか、「Raspberry Pi」単体では行えなかったスリープ動作も実現できる。コールドブートにも対応し、動作をスケジューリングすることでも消費電力を抑えられる。
2015年04月23日ロボットとミニ四駆の専門店「Robotma.com(ろぼとまどっとこむ)」を運営する岡田商店は4月16日、小型シングルボードコンピュータ「Raspberry Pi」で簡単に利用できる、LTE通信モジュールを搭載した拡張ボード「LTEPi」の販売を開始したと発表した。同モジュールはRaspberry Pi B+やRaspberry Pi 2 Model Bの拡張コネクタに取付けることで、KDDI(au)のLTE網への接続を可能とするもの。モジュールの設定や接続・GPS測位などを簡単に行うためのPythonライブラリも提供されるという。LTE通信を行うには別途回線契約を行う必要があり、同社では「LTE 128Kフラット(データ量制限無し)」ならびに「LTE 75Mフラット(データ量制限:7GB/月、1GB/日)」の2つの通信プランを用意している。なお同社では、同モジュールの発売記念として、2015年5月末までにL字型アンテナなどが付属した「LTEPi スターターセット」を注文すると、先着100名限定ながら2万7700円(税別)で購入できる割引キャンペーンを実施するほか、同4月末までに注文した場合、先着50名限定で「LTE 128Kフラット(インターネット接続あり)」の3カ月利用可能クーポンをプレゼントするとしている。
2015年04月16日Mentor Graphicsは、高速プリント基板(PCB)設計向けのシグナルインテグリティ(SI)/パワーインテグリティ(PI)解析ツール「HyperLynx」の最新バージョンを発表した。新しいパワーアウェアモデル技術を活用することで、複雑な信号プロトコルのシミュレーションを正確に高速実行し、時間とコストを大幅に削減する。なお、最新バージョンは現在入手可能となっている。HyperLynx SI/PIの新機能には、パワーアウェアIBISモデルのサポート、DDR4/LPDDR4(ローパワー設計向け次世代メモリ)の妥当性確認ためのDDRxウィザードが含まれている。追加されたパワーアウェアSIシミュレーションは、DDR3やDDR4をはじめとする高速パラレルリンクの精密なモデル化と信号性能解析を実現。パワーアウェアIBIS v5.0モデリングに基づき、同時スイッチングノイズ(SSN)、タイミングの電源効果、SIを正確にシミュレートするほか、最新JEDEC規格に準拠するDDRxウィザードで、次世代DDR4とLPDDR4を含むあらゆる種類のDDRおよびLPDDRメモリを検証する。他手法と比べて5倍から10倍高速な統合Sパラメータ抽出とシミュレーションを実現。高性能のDC電圧降下/熱コシミュレーションは、電圧降下、高電流エリア、結果として生じる温度変化を、競合ソリューションと比較して何桁も速く予測する。最新バージョンは、非理想電源の効果を表すIC向けのIBIS(Input/output Buffer Information Specification)v5.0モデルをサポートしている。同機能は、プリドライバ効果や供給電圧降下によるスイッチング動作の遅れなど、供給される電流を正確にモデル化するとともに、バッファのキャパシタンスのモデル性能を高める。パワーアウェアIBISモデルは、DDRx解析を含むすべてのタイプのシミュレーションに適用可能で、タイミングの電源効果と信号品質を確認できる。HyperLynxは、次世代メモリのインターコネクトを設計する際に決定的に重要となるSSNをモデル化する。DDRxウィザードは最新のJEDEC規格に準拠しており、DDR4とそのローパワー版に相当するLPDDR4など、すべての種類のDDRメモリを検証できる。また、DDR3ならびに次世代のDDR4メモリシステムを完全に検証するためにアイダイアグラムを生成する。シミュレーション内の個々のビットすべての妥当性を確認するために、DDRxとLPDDRxのための統合タイミング解析などアイダイアグラムに基づくメトリクスチェックを実行する。適切なスタブ除去に伴うビアを正確にシミュレーションするためのバックドリルのサポート。「what-if」シナリオを迅速に確立し、ドリルを有効化あるいは無効化する。Touchstone Viewer機能は、IEEE 802.3 Ethernet仕様に定義されたILDやICRをはじめとするメトリクスに基づいて計算し、標準からミックスモードへのSパラメータモデル変換を含む、インターコネクトの差動クロストーク特性を評価する。SerDes機能の追加によって、新しいIBIS 6.0の機能、FastEyeウィザード内のCTLEイコライゼーション、バッチAMI実行のための128b/130bエンコーディングとコンフィギュレーションファイルをサポートする。
2015年03月19日ユニットコムは9日、スイッチサイエンス製のシングルボードコンピュータ「Raspberry Pi」スターターキットと、プラネックスコミュニケーションズ製のソフトキット「クラウド・パイ」の取り扱い開始を発表した。販売は同社が運営する「パソコン工房」の法人営業部。価格は税別3,600円から。○スイッチサイエンス製「Raspberry Pi」スターターキット「Raspberry Pi」をはじめるのに必要なものが全て入っているスターターキット。無線LAN版と有線LAN版の2種類を用意。価格は無線LAN版が税別10,500円、有線LAN版が税別10,000円。付属の4GB SDメモリーカードにOSイメージが保存されており、すぐに運用することが可能。同梱物は「Raspberry Pi B+」用のエンクロージャ、長さ1mのHDMIケーブル、50cmのUSB-microUSBケーブル、USB ACアダプタなど。○プラネックスコミュニケーションズ製 IoT スタートアップキット「クラウド・パイ」「Raspberry Pi」を使って外部ネットワークに接続し、スマートフォンやPCからリモートアクセスを行うためのソフトキット。価格は3,600円(税別)。外出先からローカルエリアネットワーク内の「Raspberry Pi」にリモートアクセスできる。サーバ対応OSはRaspbianで、対応ハードは「Raspberry Pi B / B+」。対応OSはWindows XP以降、Android 4.x(2.xは制限付き、MacとiOSにも対応予定。
2015年03月09日●第2世代のRaspberry Pi 2の実力○「6種類目のRaspberry Pi」は、CPUを大幅に増強して登場2012年2月29日に出荷が開始されたRaspberry Piは、もともと教育用というコンセプトで登場した。だが、一通りの機能がそろった「Raspberry Pi Model B」で35ドルと手ごろな価格から、Makers(自作で色々作ってしまう人達)からも人気を呼んだ。発売から約3年間に、500万台以上のRaspberry Piが販売されたという。Raspberry Piは当初、「LAN端子なし・USBコネクタ×1基・メモリ256MB」のModel Aからスタートし、これまで5種類が登場している。概要は以下の通りだ。・Model A : LAN端子なし、USBコネクタ×1基、メモリ256MB・Model B : LAN端子あり、USBコネクタ×2基、メモリ512MB(初期のModel Bには256MB版もあった)・Model B+ : 基板レイアウトを変更して電源強化、USBコネクタとGPIOピンを増やし、ストレージをMicroSDに・Model A+ : 基板サイズを小型化して低価格化・Compute Module : 組込み用上記のRaspberry Piすべて、心臓部となるSoCには「Broadcom BCM2835」を使っていた。一方、CPUには700MHz駆動の「ARM1176JZF-S」を使用していたので、「やや非力」ともいわれていた。これらを解消したのが、RSコンポーネンツから販売が開始された「Raspberry Pi 2 Model B」(以下、Raspberry Pi 2)だ。基本的なレイアウトは先代Model B+と同一なので、ケースなどを流用できる。スペック面では、SoCが「Broadcom BCM2836」となり、CPUは「ARM Cortex-A7」(4コア・900MHz)に、メモリは1GBにと、大幅にパワーアップした。しかも、想定価格は従来と同じだ。筆者もマイナビニュースの記事を見てさっそく注文しようとしたが、RSコンポーネンツの通販サイト「RSオンライン」で色々と入力している間に、「一時在庫切れ」となってしまった。今回は、マイナビニュース編集部から送られてきた評価ボードを使って、あれこれと遊んでみた(注文しておいたRaspberry Pi 2は、本記事を書いているときに届いた)。○基本的な基板デザインは従来モデルを踏襲Raspberry Pi 2の基本的な基板デザインはModel B+と同じだが、新しくなったBroadcom BCM2836 SoCは、RAMパッケージをSoCの上に載せておらず、Broadcomロゴが見える。RAMは基板の裏側に配置されている。●起動時間は約半分、ベンチマークで5倍以上の速度アップ○起動時間は約半分、ベンチマークで5倍以上の速度アップCPUがパワーアップしたためか、OSとしてインストールしたLinuxの起動も速い。Raspberry PiではDebianベースの独自パッケージ、Raspbianが標準的に使われており、最新(2015/01/31リリース)のRaspbianを16GBのmicroSDHCカード(SDスピードクラス10)に入れて試してみた。電源を入れて画面のメッセージを見ていると、明らかに素早くメッセージが流れていく。Model B+では、メモリカードのマウントからログインメッセージが出るまで10秒程度かかったが、これもRaspberry Pi 2では明らかに速い。カーネルのメッセージバッファ(dmesg)を見ると、ログイン画面が表示される前に、swap領域を確保するメッセージが記録されている。これで判断する限り、起動時間は約半分程度になったといえるだろう。加えて、UNIX BENCH Version 5.1.3を使用して速度を比較してみた。単なる数値演算(Dhrystone/Whetstone)ならば1コアでも1.7倍、4コアをフルに利用すれば7倍と、大幅な向上だ。また、システムメモリが倍増したので、起動直後のフリーメモリも倍以上に増加している。CPUがパワフルに、そしてメモリ容量が増えたことによって、実際の利用環境で多くのプロセスを動作させても、以前よりメモリスワップが発生しにくくなった。処理が高速になったのもありがたい。一方、有線LAN(10BASE-T/100BASE-TX)やUSB 2.0を管理するチップ「SMSC LAN9514」は変わっていないので、例えばNASとして使おうとしてもさほどパワーアップしない。先のベンチマーク結果でファイルコピー速度の向上率が低いのは(それでも十分速くなっているが)、SoC以外の部分が大きく影響するためだ。CPUコアを1つしか使わないアプリケーションだけ動作させる場合も、パワーアップの恩恵が少ないだろう。●消費電力はModel B+比で増大、Model B比では大差なし○消費電力はModel B+比で増大、Model B比では大差なしパワーアップによって消費電力の増大はないだろうか?Raspberry Piは、Compute Moduleを除いて、すべてのモデルでmicroUSB Bコネクタから5Vの電源供給を行っている。そこで、USBの電圧電流モニターを使って消費電流を確認してみた。Model B+比では、アイドル時の消費電力増は誤差の範囲といえるが、CPU負荷の高いベンチマーク時は消費電力が1コア時で約1割増、4コア動作で6割~7割ほど高かった。Model B+とRaspberry Pi 2で同じ計算量ならば、Raspberry Pi 2のほうが短時間で終了するぶん、トータルの消費電力は変わらないかもしれない。しかし、負荷がかかると少々熱くなるRaspberry Piの泣き所は、Raspberry Pi 2でも変わっていない(蛇足だが、私物のRaspberry Piにはヒートシンクを取りつけている)。ただ、従来モデルがModel B+になったとき、電源効率を高めて消費電力を減らしているので、さらに古いモデルの「Model B」でも比較してみた。Raspberry Pi 2のアイドル時と1コア利用時はModel Bより省電力、4コア動作時はModel Bより1割前後の消費電力増となっている。つまり、古いRaspberry Pi Model B比なら大差なく、おおむね問題ないだろう。○積極的に選ぶ価値あるRaspberry Pi 2昨年(2014年)8月に、Raspberry Piを使った記事[]を書かせていただいたとき、当時はModel B+が登場して間もないころだった。ケース類がそろっていなかったので、「現時点ではおすすめしない」としていたのだが、現在はケース類の入手性がよくなっている。よって、Model B+やRaspberry Pi 2を積極的に利用しない理由はない。市場では、Model B+のRaspberry Pi 2で販売価格に差がある(Raspberry Pi 2のほうが高い)。できるだけ安く抑えたい、消費電流を可能な限り下げたいという人は、Model B+を選ぶ意味がある。ただほとんどの場合、CPUが大幅にパフォーマンスアップし、メモリが2倍に増えたRaspberry Pi 2を選択しない手はないだろう。○余談・「Death Flash現象」を回避するRaspberry Pi2には、カメラのストロボを光らせると動作が停止する「Death Flash現象」が知られていて、今回の評価機でも発生した。これは過大な光によって、基板の「U16」という位置にあるICが反応するのが原因だ。普段使っていて問題になることはない。気になるようなら、U16付近を覆ってやることで対処できる(アルミ蒸着されたお菓子の袋を当てると、ほぼ解消した)。
2015年03月06日アールエスコンポーネンツ(RSコンポーネンツ)は2月2日、名刺サイズのシングルボードコンピュータ「Raspberry Pi」の第2世代モデル「Raspberry Pi 2 Model B」を同社Webサイトにて販売を開始すると発表した。「Raspberry Pi」は、プログラミング教育用教材として開発されたLinuxベースのシングルボードコンピュータで、豊富なオープンソースソフトウェアがそのまま動作することや、コストパフォーマンスといった特徴により、2012年の発売以来、世界中で400万台以上が販売されている。今回リリースされた「Raspberry Pi 2 Model B」は、コストパフォーマンスはそのままに、プロセッサの強化とメモリの増大により6倍超の高速化を実現している。プロセッサには、動作周波数800MHzのARM Cortex-A7コアを4基備えたBroadcom製「BCM2836」が組み込まれ、メモリ容量も1GBに拡張された。その他、GPIO(汎用入出力)やUSBポートなどの入出力、高効率スイッチイング電源、ボード形状などは、従来品の「Model B+」と同じであり、既存のケースやHAT対応拡張モジュールを利用できる。これらにより、従来品を新モデルに置き換えることで、6倍超の性能が得られるとしている。
2015年02月03日英Raspberry Pi Foundationがカードサイズのシングルボードコンピュータの新製品「Raspberry Pi 2 Model B」を2日(現地時間)に発表したが、米MicrosoftがWindows 10で同製品をサポートすることを明らかにした。 「Windows Developer Program for IoT」を通じて、Raspberry Pi 2互換のWindows 10を無償提供する。リリースは今年後半の予定。Raspberry Pi 2は35ドルという価格はそのままに、性能を大幅に強化したRaspberry Piの第2世代モデルだ。従来のModel BのプロセッサがARM11を採用したBroadcom「BCM2835」(700MHz、シングルコア)だったのに対して、Raspberry Pi 2はARM Cortex-A7のBroadcom「BCM2836」(900MHz、クアッドコア)。メモリーも従来モデルの512MBから1GBに増量された。日本国内ではアールエスコンポーネンツから販売されており、価格は4,291円(税別)。Windows Developer Program for IoTは、成長著しいIoT(Internet of Things)の製品開発をWindowsプラットフォームでサポートするプログラム。すでにIntel Galileoボードのサポートを実現している。Raspberry PiとMicrosoftは6カ月前から協同開発を進めてきたというが、今回はRaspberry Pi 2にWindows 10を対応させることを発表したのみで詳細は不明だ。カスタムバージョンのWindows 10、Windows 10 "Athens"(リソースが限られる低価格デバイス向けに最適化)、.Net Micro Framework(ウエアラブルや小型センサー向け)など様々な可能性が考えられるが、All About MicrosoftでMary Jo Foley氏はWindows 10 "Athens"になると推測している。Windows IoT GroupのKevin Dallas氏は「これから数カ月の間に、Windows 10をIoT向けに展開する計画の詳細を説明する」としており、WinHEC 2015(中国深川、3月18日-19日)またはBuild 2015(米サンフランシスコ、4月29日-5月1日)で明らかになりそうだ。Windows 10のRaspberry Pi 2対応と共に、OneCore戦略を展開するMicrosoftが開発者やユーザーが増加するIoT市場にWindows 10をどのように浸透させるかも注目点になる。
2015年02月03日アールエスコンポーネンツは2日、小型シングルボードコンピュータ「Raspberry Pi」の第2世代モデルとして、「Raspberry Pi 2 Model B」を発売した。同社オンラインサイト「RSオンライン」での税別価格は4,291円。新モデルのRaspberry Pi 2 Model Bは、従来モデルのコストパフォーマンスはそのままに、プロセッサ強化とメモリ増量を図った。これによって、従来モデルの6倍を超える高速化を実現したという。プロセッサには、ARM Cortex-A7コア(800MHz)×4基を備えたBroadcom製「BCM2836」を採用し、メモリ容量は1GBに拡張。そのほか、GPIO(汎用入出力)やUSBポートなどの入出力、高効率スイッチイング電源、ボード形状などは、従来モデル「Model B+」と同等。既存のRaspberry Pi用ケースやHAT対応拡張モジュールも、Raspberry Pi 2 Model Bで利用可能だ。インタフェース類は、コンポジットビデオ(PAL/NTSC)出力、ステレオオーディオ出力、100BASE-TX対応有線LAN、HDMI 1.3/1.4、3.5mm 4極オーディオ、USB 2.0×4、15極MPI CSI-2コネクタ、Raspberry Pi HDビデオカメラ(775-7731)用15極ディスプレイコネクタ、MicroSDカードソケット、GPIOおよびシリアルバス用の40ピンヘッダ(Raspberry Pi 1の26ピンヘッダと互換性あり)など。本体サイズはW86×D56×H20mm、電源はmicroUSBソケット経由のDC5V2A。なお、Raspberry Pi 2 Model Bの販売開始に伴い、YouTubeのアールエスコンポーネンツ・チャンネルで関連動画を配信している。
2015年02月02日プラネックスは、シングルボードコンピュータ「Raspberry Pi」へスマートフォンなどから簡単にリモートアクセスできるソフトウェアプラットフォーム「Cloud Pi」を発表した。同製品は、クラウドを利用したトンネルシステムを「Raspberry Pi」向けに提供するソフトウェアプラットフォームで、外出先からローカルエリアネットワーク内の「Raspberry Pi」に、スマートフォンやPCなどから簡単にリモートアクセスすることができる。このプラットフォームに採用されているトンネルシステムは、同社のネットワークカメラ「スマカメ」に実装され、すでに商用利用されているという。また、IoTスタートアップキットとして「Cloud Pi」に対応する「Raspberry Pi」向けセンサモジュールをスイッチサイエンスが開発・販売する。プラネックスも自作ユーザー向けに「PLANEX標準回路」の回路図を無償でWebサイトにて公開するなど、「Cloud Pi」を皮切りにIoT関連事業およびメイカーズとの協業を推進していくとしている。なお、価格は3600円(税抜き)。AmazonやスイッチサイエンスECサイトなどから12月26日より発売する。ライセンス認証用のIDが記載されたカードとソフトウェアで構成されており、ソフトウェアはIDを登録した後、1年間有効となっている。
2014年12月24日