ランバン オン ブルー(LANVIN en Bleu)は、ブランドを象徴する「ダブルJLマーク」にフォーカスしたアートエキシビション「L’ATELIER」を、3月30日から4月7日までの9日間にわたり、昨年オープンした東京・原宿のギャラリースペースthe cornerにて開催する。今回のアートエキシビションでは、日本が世界に誇る4組5名のアーティストがランバン(LANVIN)のルーツでもあるパリの街を実際に訪れ、現地で感じ取ったインスピレーションをもとにアート作品を制作。それらを期間限定で展示・販売する。ランバンの創始者ジャンヌ・ランバン(Jeanne Lanvin)のイニシャル「J」と「L」を用いたロゴである「ダブルJLマーク」。会期中はそれぞれの参加アーティストによるこの「ダブルJLマーク」が施されたTシャツ(4,500円)やトートバッグ(2,500円)などオリジナルプロダクト及びエキシビショングッズが数量限定で販売される。参加クリエイターは、河村康輔とYOSHIROTTENによるアートユニットUTOPIE、旅をして出会ったコトやモノにインスパイアを受け作品を制作しているRyohei Sasaki、目が特徴的な人型のモチーフを中心にドローイング・絵画・立体作品など、様々な手法で独自の世界を発表しているColliu、ドローイングや写真作品を発表しているSAIKO OTAKEの4組。パリのアトリエに実際に持ち込まれ、それぞれのアートワークやスケッチを組み合わせ作られたエキシビションのシンボル『ダブルJLオブジェ』も特別に展示。各アーティストの手によりアートな風が吹き込まれた「ダブルJLマーク」、そして東京から世界に発信するアーティストたちの作品を体感してみては。【イベント情報】LANVIN en Bleu Presents “L’ATELIER”会期:3月30日~4月7日会場:the corner住所:東京都渋谷区神宮前5-29-1 J529ビル1-2F時間:11:00~20:00 ※最終日のみ18:00まで料金:無料会期中は無休
2019年03月26日芥川賞作家・中村文則の処女作を原作とし、銃に魅入られた男・トオルの狂気をスリリングに描いた『銃』。村上虹郎さんに熱烈な出演オファーを送ったのは、企画・製作を手掛けた奥山和由さん。奥山さんは、深作欣二監督の『いつかギラギラする日』や北野武監督の『ソナチネ』などを手掛けた日本映画界のレジェンド。虹郎さんは、キャストとスタッフが誰ひとり決まっていない段階で、出演を快諾したそう。「奥山さんはお金のためだけに映画を作りません。自分が観たいと思った映画を、奥山さんの心意気に共感したキャストとスタッフで作るというスタイル。僕も奥山さんに共感し、憧れを抱いていたので、出演することに迷いはありませんでした」武正晴監督は、そんな虹郎さんの演技に魅了されたそう。“表情から立ち振る舞い、雰囲気、何から何まで本当に驚いた”と手放しで大絶賛。「武監督から、細かい演技指導はありませんでした。撮影現場では、僕自身がトオルとして存在していて。役を作るというよりも、自分の中に湧き出る感情を表現しました」トオルの危うさを男の色気全開で表現した虹郎さん。とりわけ、銃を構えるシーンは官能的。「色気を出す演技をしようと思ったことはありませんが、俳優に色気は必要だとは思っています。色気のない俳優にはなりたくないです」『銃』には観客の度肝を抜く、とっておきのサプライズも。トオルと対峙する「オッサン」を熱演したのは、虹郎さんの父親で俳優の村上淳さん。虹郎さんのデビュー作『2つ目の窓』以来の親子共演を果たした。「お互いをよく知っている者同士でお芝居をするのは難しかったです。相手が親父だからこそ、僕にとって意味のあるハードルでした。『オッサン』がトオルを執拗に挑発するセリフは、親父のアドリブ。本編を観て、俳優・村上淳を改めて尊敬しましたし、僕の演技を良いほうへ引っ張ってくれたと思っています。親父は僕の演技を褒めてくれ、ふたりで“良い作品に出合えてよかった”という話をしました。実は撮影当初、トオルとして『オッサン』と向き合ったとき、“一瞬、息子の顔をした”と親父に突っ込まれて(笑)。そのカットは本編には使われていませんが、無意識のうちに息子としての感情が顔に出たのかもしれません」17歳で俳優としてデビューした虹郎さんは、現在21歳。役者として急成長を続け、天才と評されることも少なくない。「天才とは自分の才能に気付き、伸ばしていく人だと思います。すべての人が才能を持っていて、それを伸ばしていけば、天才になれる。僕は今の環境に生まれたことで、才能を伸ばす機会に恵まれました。そこはラッキーだったと思います」20歳の夏に撮り終えた『銃』が、早くも20代最初の代表作となりそうな虹郎さん。今後の目標は、役に深みを出し、役の幅を広げていくこと。「僕の俳優人生において、『銃』は序章の終わりを告げるものだと思っています。これからは年齢的にも違和感なく学生以外の役を演じることができる。仕事を詰め込みすぎず、深みのある役作りをして、役の幅を広げながら、人としての余白を大切にしていきたい。どんどんまわり道をしていきたいですね」『銃』銃を拾った男の理性が崩壊していくさまを描いたサスペンス映画。企画・製作/奥山和由監督・脚本/武正晴出演/村上虹郎、広瀬アリス、リリー・フランキーほか11月17日よりテアトル新宿ほか全国公開。©吉本興業むらかみ・にじろう1997年3月17日生まれ、東京都出身。カンヌ国際映画祭出品の主演作『2つ目の窓』で俳優デビュー。出演映画『チワワちゃん』が来年1月18日公開、5月には舞台『ハムレット』に出演予定。カットソー¥30,000(YOHJI YAMAMOTO/ヨウジヤマモト プレスルームTEL:03・5463・1500)シューズ(beruf Harajuku TEL:03・6427・6563)その他はスタイリスト私物※『anan』2018年11月21日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・Ryohei Matsudaヘア&メイク・TAKAIインタビュー、文・田嶋真理(by anan編集部)
2018年11月15日海外旅行の際に知っておきたい英語のお役立ちフレーズ。このたび書籍化されたananの人気連載「鈴木亮平の中学英語で世界一周! feat.スティーブ・ソレイシィ」のなかから厳選した、リアルに役立つフレーズをお届けします。旅先でのコミュニケーションには、難しい単語や長い構文は不要です。少しの機転とわずかな中学英語を駆使するだけで言いたいことはしっかり伝わります。質問が聞き取れなかったら…Sorry?/はい?鈴木亮平:飛行機を降りて次にぶつかる英語の壁といえば、入国審査。想定外の質問をされて困ることって、みんな結構あるみたいです。スティーブ・ソレイシィ:審査官に何を質問されるかなんて、完璧には予想できないものだからね。鈴木:早口だったり、訛りがあったりで、聞き取れないこともあるし。ソレイシィ:そこで大事なのは、聞き返すこと。わかったふりして下手に“Yes”とか“No”とあいづちを打つと、理解してるって思われちゃうことが多いんです。鈴木:ただ、とっさに聞き返す言葉が出てこなかったりするんですよね。簡単で便利な聞き返しのフレーズはぜひ知っておきたいところですね。ソレイシィ:ついつい、“え?”とか“What?”(何?)って言いがちですが、僕がおすすめする聞き返しは“Sorry?”。語尾を上げて言えば、「すみません、もう一回言ってもらえますか?」という意味になって、格段に印象がよくなります。入国審査官への印象はいいに越したことはないからね。道を上手に聞くコツは…Where am I now?/(地図を見せながら)私は今どこにいますか?鈴木:道を聞くことって旅行中必ずあるけど、なかなか厄介なんですよね。“Where is ◎△×?”(◎△×はどこですか?)って聞いて、わかりやすい答えが返ってきたためしがない(笑)。ソレイシィ:親切な人ほど細かく教えてくれようとして、結局聞き取れない。鈴木:僕は地図を片手に“Where am I now?”(私は今どこにいますか?)って聞いちゃいます。ソレイシィ:へえ、面白いね。鈴木:地図上で自分がいる地点がわかると、たいていのことは解決するんです。グーグルマップでも最初に確認するのは自分の現在地でしょ。なので僕はこれを「グーグルマップ作戦」と呼んでいます(笑)。ソレイシィ:指をさして“This way?”(こっち方向?)も使えますよ。鈴木:実は、日本人にとって一番高いハードルは最初のひとことかも。知らない人に声をかける勇気。ここを乗り越えれば、その後のやりとりは難しくないと思うんです。クレジットカードが使えるか聞くときに…Do you take this credit card?/このクレジットカードは使えますか?鈴木:海外での買い物のトラブルって、クレジットカード関係のことも多いですよね。ソレイシィ:そうだね、旅行先でクレジットカードは今や必須だもんね。特にアメリカは、ほとんどの場所でカードOK。だけど、種類によって使える場合と使えない場合があるんだよね。鈴木:日本ではポピュラーなカードでも使えないっていうケース、確かにありますよね。ソレイシィ:そのカードが使えるか確認したい場合の聞き方は“Do you take this credit card?”(このクレジットカードは使えますか?)。鈴木:なるほど、“take”を使うんだ。ソレイシィ:“take”には、「受け入れる」という意味があるからね。鈴木:日本語の感覚だと、“Can I use this credit card?”のほうがスッと出てくるんですが…。ソレイシィ:ネイティブが使うのはどちらかというと“Do you take”だけど、“Can I use”も問題なく通じるよ。Ryohei Suzuki1983年生まれ。兵庫県出身。東京外国語大学卒。2006年、俳優デビュー。’14年、連続テレビ小説『花子とアン』で注目を集める。現在、NHK大河ドラマ『西郷どん』で主人公の西郷隆盛役を熱演中。映画『羊と鋼の森』が6月8日公開。Steve Soresi英会話コーチ、「ソレイシィ研究所」代表。アメリカ出身。NHKラジオ第2『英会話タイムトライアル』メイン講師。『英会話なるほどフレーズ100』(アルク)、『難しいことはわかりませんが、英語が話せる方法を教えてください!』(文響社)など著書多数。『こんなに簡単! 鈴木亮平の中学英語で世界一周! feat.スティーブ・ソレイシィ」』鈴木亮平さんによる初の英語書籍。鈴木さんが実体験を通して身につけた実践的な英語フレーズが満載。スティーブ・ソレイシィさんとの掛け合いが楽しい対談では、言葉の持つ細かなニュアンスや使い方も学べます。※『anan』2018年4月25日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・八木啓紀ヘア&メイク・宮田靖士(THYMON Inc.)イラスト・長場 雄文・東海林美佳(by anan編集部)
2018年04月25日近年増加中の外国人観光客。日本語や日本の習慣がわからずに困っている人を見かけたら、助けたい。そんな親切心を行動に移すのに便利なフレーズを今回書籍化されたananの人気連載「鈴木亮平の中学英語で世界一周! feat.スティーブ・ソレイシィ」のなかから厳選!困っている人を見かけたら…Do you need some help?/何かお困りですか?Hi. Are you OK?/あの、大丈夫ですか?鈴木亮平:僕は困っている外国人観光客を見たら声をかけることにしています。スティーブ・ソレイシィ:それは外国人だからというより、困っている人を助ける心だね。鈴木:まず言いやすいひとことは“Hi.”かな。そして“Are you OK?”(大丈夫ですか?)と聞きます。普通は具合の悪そうな人に使う表現だけど、こういうときに使ってもいいと思う。ソレイシィ:その後に“Do you need some help?”(何かお困りですか?)と聞けばいい。鈴木:あとは、相手が英語を話せるとは限らない。そのときに便利なのが“OK”という言葉。世界でもっとも使用頻度が高い単語で、誰でもわかる。そういう言葉を交ぜたほうがいいと思ってるんです。“help”もそう。ソレイシィ:それはいい視点!鈴木:あとは、はっきりわかりやすく発音することも大事。ソレイシィ:そう、この場合はネイティブっぽさよりも、誰もがわかるシンプルな英語のほうが機能するんです。おすすめ料理を聞かれたら…I would order this./私ならこれを頼みますねThis place is famous for~./ここは~が有名なんです鈴木:外国人観光客にメニューの説明をしていると、おすすめメニューを聞かれることも結構あるんですよね。ソレイシィ:メニューを端から全部説明するより、そのほうが手っ取り早いよね。鈴木:普通は“I recommend ◎△×.”(◎△×がおすすめ)かもしれませんが、僕はそれよりも、“I would order this.”(僕ならこれを頼みますね)って言っちゃう。ソレイシィ:それ、あたたかみがあっていいと思う。“would”を入れると“自分だったら”という仮定のニュアンスが出る。“order”の発音は「オーダー」じゃなく「オダ」でOK。カタカナ表記から音の数を引き算する感じでね。鈴木:なるほど。ソレイシィ:名物料理があるなら“This place is famous for ◎△×.”(ここは◎△×が有名なんですよ)も使える。鈴木:“famous for”は学校で習う代表的なフレーズですよね。これ、外国人ツーリストに日本を説明するときにはすごく使えます。道を聞かれたときにまず伝えたいことは…Just follow the signs./標識をたどって行ってみてIt’s that way./あっちの方向ですソレイシィ:人に道を説明する場合、重要なのは説明しすぎないこと。「まっすぐ行って3つ目の信号を左に曲がって…」とか長々と言うよりも、“It’s that way.”(あっちの方向です)と言って指さすぐらいのほうがわかりやすいと思います。鈴木:同感です。日本人の律儀さが裏目に出ることありますよね、こういうときって。迷っている人が知りたいのは、まずは“どっち方向か”なので、“It’s that way.”で十分。それを言わずに説明を始めちゃうと、反対方向に歩き出しかねない。あと、地下鉄の駅の乗り換えで迷ってる人がいたら、“Just follow the signs.”(標識をたどって行ってみて)と言うこともあります。丸ノ内線だったら“Look for that red circle.”(あの赤い丸印を探して)、銀座線だったら“orange circle”。ソレイシィ:それもわかりやすくていいね。1回ですべて説明するのはそもそも不可能だから、もっとシンプルに考えたほうがいいと思います。Ryohei Suzuki1983年生まれ。兵庫県出身。東京外国語大学卒。2006年、俳優デビュー。’14年、連続テレビ小説『花子とアン』で注目を集める。現在、NHK大河ドラマ『西郷どん』で主人公の西郷隆盛役を熱演中。映画『羊と鋼の森』が6月8日公開。Steve Soresi英会話コーチ、「ソレイシィ研究所」代表。アメリカ出身。NHKラジオ第2『英会話タイムトライアル』メイン講師。『英会話なるほどフレーズ100』(アルク)、『難しいことはわかりませんが、英語が話せる方法を教えてください!』(文響社)など著書多数。『こんなに簡単! 鈴木亮平の中学英語で世界一周! feat.スティーブ・ソレイシィ』鈴木亮平さんによる初の英語書籍。鈴木さんが実体験を通して身につけた実践的な英語フレーズが満載。スティーブ・ソレイシィさんとの掛け合いが楽しい対談では、言葉の持つ細かなニュアンスや使い方も学べます。※『anan』2018年4月25日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・八木啓紀ヘア&メイク・宮田靖士(THYMON Inc.)イラスト・長場 雄文・東海林美佳(by anan編集部)
2018年04月21日ananの人気連載「鈴木亮平の中学英語で世界一周! feat.スティーブ・ソレイシィ」が、とうとう書籍になりました! 英語が苦手だと感じている人にこそ手に取ってもらいたい一冊。書籍化を記念して、鈴木亮平さんとスティーブ・ソレイシィさんが対談をしました。鈴木:ついに本が完成しましたね!ソレイシィ:しましたねー。この連載がスタートしてからもう3年経つなんて信じられない。鈴木:こうして書籍として一冊にまとまると、感慨深いものがありますね。ソレイシィ:意外なんだけど、鈴木さんにとってはこれが初めての英語本なんだそうですね。鈴木:そうなんです。なんだか緊張しますね。たくさんの人に読んでもらいたいな。ソレイシィ:この本を作るにあたって、細かく読み返したんだけど、この本は英語本としても、俳優さんやタレントさんが出す本としても、異色だと改めて感じています。鈴木:そうなんですか?どんなところが?ソレイシィ:鈴木さんは英語の専門家の気づかない部分を突いているんです。その視点がとてもユニーク。だからいわゆる“定番”の表現だけにとどまらない内容になっている。鈴木さんの発想があったからこそできた本だと思います。鈴木:照れますね。ソレイシィ:例えば病気を訴える場合、定番表現は“I have a problem with~.”(~に不具合があります)なんですけど、それに加えて“I feel~.”を使うといいっていう発想は、僕にとっては目からウロコでした。鈴木:ああ、“I feel bad.”(気持ち悪い)とか“I feel dizzy.”(めまいがする)とかのことですね。ソレイシィ:そう。言われてみれば確かに僕らネイティブもそういう言い方をしているんですが、無意識なのでなかなか気づかない。これこそが、現役の英語学習者としてのリアルな視点なんです。鈴木さんが英語を学ぶプロセスの中で自分のものにしてきた言葉という気がした。僕自身、気づかされたことがたくさんありました。鈴木:僕が迷いながら英語を学んできた過去の試行錯誤を詰め込んだつもりではあります。通じなくて苦労したこと、誤解されて失敗したこと、ブレイクスルーした瞬間とか、「あ、この単語はこういうふうに使うんだ」とか、「このフレーズを使えば楽だな」とか。自分がたどってきた道のりを思い浮かべながら話してきましたね。ソレイシィ:鈴木さんみたいに、ネイティブじゃないのに英語が話せるようになる人には、共通点があるんです。鈴木:え、どんなことですか?ソレイシィ:ひとつは表現意欲があること。「この言葉を使って自分の気持ちをこう表現してみよう」、と。もうひとつ、使おうとする意欲も旺盛。「あの場面でこのフレーズを使ってみよう」と思っている。鈴木:実は連載の対談でも、面白いフレーズを仕入れたら、どこかで絶対使ってみようと思っている部分がありますね。ソレイシィ:そうそう、それがいいんです。常に好奇心を持っているし、使う前提だから、新しい表現もどんどん自分のものになっていく。現役の英語コミュニケーターなんですよね。だから常に英語に対して好奇心のアンテナを張っていられるし、進化していけるんです。僕が日本語を覚えたのもまさに同じような感覚だったし、もっと言えば母国語だってそう。新しい言葉は常に生まれているから、覚えたり、忘れたり、思い出したり、その繰り返しなんですよね。鈴木:新しく覚えた言葉を駆使して、今まで表現できなかった次元のことが通じたときの気持ちよさってありますからね。ソレイシィ:そう、伝わる気持ちよさって、確かにある。その快感にハマると語学が楽しくなってくる。鈴木:僕は大学で言語学を学んできたので、言語そのものも好きなんですけど、実際通じるかどうかっていうのは言葉以外の部分も大きい。顔の表情とかジェスチャーとか、声のトーンとか。そういったコミュニケーション術みたいなものを身につけることも大事なんですよね。そこも含めた内容になっていると思います。ソレイシィ:僕が感心したのは、機転の利かせ方。道を聞くときに行き先ではなくて現在地から聞くとか、そういうのはもう、コミュニケーション術を超えた発想力の高さだと思いますね。Ryohei Suzuki1983年生まれ。兵庫県出身。東京外国語大学卒。2006年、俳優デビュー。’14年、連続テレビ小説『花子とアン』で注目を集める。現在、NHK大河ドラマ『西郷どん』で主人公の西郷隆盛役を熱演中。映画『羊と鋼の森』が6月8日公開。Steve Soresi英会話コーチ、「ソレイシィ研究所」代表。アメリカ出身。NHKラジオ第2『英会話タイムトライアル』メイン講師。『英会話なるほどフレーズ100』(アルク)、『難しいことはわかりませんが、英語が話せる方法を教えてください!』(文響社)など著書多数。『こんなに簡単! 鈴木亮平の中学英語で世界一周! feat.スティーブ・ソレイシィ』鈴木亮平さんによる初の英語書籍。鈴木さんが実体験を通して身につけた実践的な英語フレーズが満載。スティーブ・ソレイシィさんとの掛け合いが楽しい対談では、言葉の持つ細かなニュアンスや使い方も学べます。※『anan』2018年4月25日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・八木啓紀ヘア&メイク・宮田靖士(THYMON Inc.)文・東海林美佳(by anan編集部)
2018年04月20日今年も様々なムーブメントがファッションシーンを彩った。大きく分けると、2つの潮流に分けられる。ヴェトモンのデムナ・ヴァザリア(Demna Gvasalia)が再提示した90sライクなストリート感覚と、グッチのアレッサンドロ・ミケーレによる、フォークロアやヒッピーカルチャーを織り交ぜた70sレトロスタイルだ。当時の作り手たちが憧れた、近未来的でフューチャリスティックな世界観もその一つ。後者の“軌道”に乗せて紹介したい、若き“惑星”がKOTA OKUDA/奥田浩太だ。ロンドンの名門セントラル・セント マーチンズ ジュエリー科を卒業。在学中の2015年に、欧州最大のファッションコンテストの一つであり、世界中の若手デザイナーにとっての登竜門である「イッツ(ITS)」のジュエリー部門でグランプリを獲得した。現在、25歳。若き才能に対して“原石”と表現することがあるが、彼は既にして、ピカピカに磨かれた“貴石”のような輝きを放っている。KOTA OKUDAのデザイナー・奥田浩太ブランドについて、ロンドンでの学生時代、素材に対するアプローチなど、KOTA OKUDAの“これまでとこれから”を、拠点であるNYから帰省中の彼に話を聞いた。ーーまずは、セントラル・セント マーチンズを選んだ理由から教えてください新潟で地元の高校を卒業後、フラフラと東京へ出てきました。単純に都会への憧れです。東京で過ごしたのは1年間だけでしたが、そこで様々な人たちに感化されました。芸術やファッションに携わる人たちはやはり素敵に映りました。セントマを選んだのも、その延長といいますか、海外でクリエイティブな分野で学びたいという単純な憧れからです。その頃は『ジュエリーでやってやる!』みたいな、明確な意志を持っていたわけではありません。ーーでは、セントマが漠然とした“憧れ”を“ジュエリー”という具体的なものへと結びつけてくれたんですね?そもそもファッションを志していました。でも初日で『違う』と感じました。いい意味で面食らったといいますか。裁断もミシンも何もできなかったですし、「じゃあどうする、何をしよう」と改めて自問した時に、僕は“素材”が好きだと強く自覚しました。金属、ガラス、革、陶器、木材…。衣服よりも工芸的で、その前にある、よりフィジカルなものへと食指が動きました。ーー導かれるべくして導かれたのだと思います。「ジュエリーで臨む」と決めてからは早かったといいますか、のめり込みました。卒業制作のタイミングで「ITS」の募集があって、その時はスワロフスキー社が後援でした。テーマは「未来」。スワロフスキーを使っての制作でした。ーーで、グランプリを獲ってしまうという。未来のみではなく、“未来と過去” それぞれのエッセンスをミックスさせて映画『2001年宇宙の旅』のような世界観を目指しました。技巧的にはスワロフスキーの最大の魅力を逆手にとって、その“輝き”をいかに抑えるか、様々な手法を試しました。塗装したり、燃やしたり…。でも暴力的な要素は入れたくないですからね。結果的に、アクリル板で“覆う”という方法に落ち着きました。スワロフスキーの輪郭を消し、光を完全にではなく、ちょうどいい塩梅に抑えてくれて、思い描いていたものが形になりました。KOTA OKUDA「PIONEER DAYS EARLY LIFE」KOTA OKUDA「PIONEER DAYS FUTURE」ーー“覆う”という抑制の効いたミニマルな表現からは、日本独自の美意識も感じました。作品によっては身につけた人の顔が屈折により歪みます。ジュエリーを身につけることで、その人に変化を与えるーーこれが重要だと考えています。身につけた人への印象もそうですし、身につけた人自身の心理もポジティブなものへと導かれる、そんなジュエリーを目指しました。ーーそういった意味でいうと、コスチュームジュエラーとしてサポートした2016年春夏のRyohei Kawanishiのジュエリーたちは、綿棒や歯間ブラシ、ドアノブなど既にしてあるものを新たな価値あるものへと変化させていますね。このシーズン、川西はマルセル・デュシャンの大ガラスに強く影響を受けています。デュシャンはレディメイド(既製品)でアートの世界に影響を与えた人物です。デザイナーの川西ともミーティングを重ねましたが、2人して「とりあえず、ホームセンター行こう(笑)」って。陳列してあるものを違った角度から見つめ直して、新たな美的価値の付与を目指しました。コスチュームジュエラーとしてサポートした2016年春夏のRyohei Kawanishiのジュエリーーーデザインへのアプローチについて教えてください。リサーチを最初にします。集めた言葉や画像、全ての情報を軸にムードボードを作成します。それらのリサーチを基にスケッチや簡単な立体造形を制作し大まかなイメージを固めていきます。一部はコンピュータによるCAD設計で細部を詰め3Dプリンターで出力。その後、手作業による金属での形成や加工をしていきます。金属の重さや大きさ・用途・も大切なポイントになりますので、身につけていただけること、お買い求めいただけることなど逆算的なデザインも目指しています。ーー今回の伊勢丹新宿店でのポップアップ「Far Horizon」の見どころは?卒業制作を元に、よりミニマルでウェラブルな展開を目指しました。純粋にブランドやプロダクトの奥にあるテーマや思想、作りの過程などを見て感じて、楽しんでいただければと思います。ミニマルでウェアラブルな作品をそろえた「Far Horizon」ーー最後に5年後、10年後、この先のヴィジョンをお聞かせください。ロバート・グーセンスというジュエリーデザイナーがいます。彼は、ココ・シャネル(Coco Chanel)、クリストバル・バレンシアガ(Cristobal Balenciaga)、イヴ・サンローラン(Yves Saint Laurent)、マダム・グレ(Madame Gres)、クリスチャン・ディオール(Christian Dior) など当時のメゾン黎明期のジュエリーデザインを一手に引き受けながら、自身の表現を確立させた人です。全てハンドメイドで、彼の血肉や思想がそのままジュエリーとなって体現されるーーそんな迫力のある作品を何百点も生み出しています。彼のように多くの人と関わりながら、自分にしか作れないものを想像・模索していきたいです。前衛的でいて、機能的。アートであると同時に、日常を彩るアクセサリーでもある。この見事なバランス感覚は、天賦の才といって差し支えないだろう。LANDLORD・KOZABURO・YOHEI OHNO・BALMUNGなどをはじめ、同時代の若きアパレルデザイナーからの信頼も厚い。アートとジュエリーの可能性を押し広げるKOTA OKUDAの世界観。ぜひその手で実際に触って、身につけて、体感してほしい。【イベント情報】期間:開催中~2017年1月10日※2017年1月1日、2日は店舗休業日伊勢丹新宿店本館3階=ウエストパーク/プロモーションKOTA OKUDA「Far Horizon」伊勢丹新宿店本館3階では、17年1月10日まで『Far Horizon』と題したプロモーションを展開中
2016年12月30日