いまや女性の働き方や生き方を選べる時代。ロールモデルにならうより、自分で新しい生き方を生み出す人が増えています。「好き」を仕事にして、自分らしい幸せのカタチを見つけた女性たちがどうやってそこにたどり着いたのか、インタビューしていきます。第7回目は、CA時代に客室乗務員の口コミサイトを作り、それがきっかけで起業家になった株式会社KoLaboの駒崎クララさんです。企画・ZENKUMI /ライター・MIDORI(Mediajo)【好きなことで未来を創る】私がこの仕事をしている理由 vol. 7株式会社KoLabo駒崎クララ さん客室乗務員の口コミサイト運営と人材紹介事業をしています客室乗務員の経験を活かし、「客室乗務員のチカラで社会に貢献する」というコンセプトのもと株式会社KoLaboを設立し2つの事業を展開しています。ひとつは客室乗務員の口コミサイト「CREW WORLD」で、客室乗務員の女性たちが世界各国で見聞き・体験した情報を投稿できるプラットフォームを運営しています。当時の航空業界は、縦のつながりは非常に強いのですが、他社といった横のつながりでの情報共有の機会がほとんどありませんでした。どうしたら横の情報共有もできるのだろうと考えた時にコミュニティサイトにヒントを得てサイトの運営を始めました。横の繋がりができることでひとつの国に対しての情報量が増えることになります。そうするとお客様へより適切な情報提供ができるようになりサービスの向上に繋がります。もうひとつは、客室乗務員のセカンドキャリア向け人材紹介事業「KoLabo Crew Concierge」です。これは、先に述べたプラットフォームでの情報共有から、客室乗務員の生き方の共有と視点が広がったことで始めたものです。客室乗務員の経験はコミュニケーション力やホスピタリティ力など可視化できないスキルばかりです。セカンドキャリアのサポートをすることで、本来もつ客室乗務員一人ひとりの才能や能力を適切に活かし社会でも活躍できる場が増えていくことを願っています。私を変えてくれた3つの「や」のワーク今は私自身が人材紹介事業をしていますが、現在まで続くキャリアを意識するようになったのも25歳の時に初めてキャリアカウンセリングを受けたことがきっかけです。そもそも、私は大学時代に国際ビジネスコミュニケーション論という授業のなかで、「ハネムーン症候群」というものに出会いました。“ひとつの目標を達成した人が次の目標に向かう時、自らをモチベートする方法について悩んでしまう” ことをいいます。それを知った時にそういった人たちのためになれることをしたいと思うようになったのです。ではその目標に対して具体的なアプローチ方法は何があるのか……。そのときキャリアコンサルタントの方に会って、自分の軸を見つける「3つの『や』」というワークをしていただいたんです。ひとつめの「や」はやりたいこと、2つめの「や」はやれること、3つめの「や」はやらなければならないこと……。それぞれ20個ずつリストアップして3つの「や」がかぶっているところが『人生の軸となる』というものでした。わかりやすいように私の場合の最初の4つの「や」のワークの例をご紹介するとこうなります。やりたいこと•海外を飛び回るような仕事がしたい•世界の人に日本の良さに触れてほしい•人と人の繋がりを大切にしたい•仕事だけではなく、プライベートも充実させたいやれること•初対面の人にも臆しないコミュニケーション力がある•英語が自由に話せる・読める・書ける•日本文化への造詣が深い•国境を越えてコミュニケーションが図れるやらなければならないこと•体験してきた海外の文化を伝えたい•生まれ育った日本の良さを次の世代に伝えたい•大学で磨いた語学能力を活かしたい•大きなチームの一員として責任を果たしたい例からは、といった姿勢が特徴として挙げられると思います。こうして「や」が重なる場所、特徴を言語化し、社会にどう貢献していくかということを考えていくのがこのワークです。こうして一度道しるべが見つかると、あとはそれに沿って進んでいけばいいと気持ちが前向きになったのを覚えています。実はその時のキャリアカウンセラーの方が今は弊社の役員となり、実際に3つの「や」のワークはカウンセリングでも実践しています。幼少期のヨット航海に自分の原点がある3つの「や」のワークを繰り返すことで自分の軸をさらに明確にしていくのですが、私自身の軸の原点は幼少期(5〜10歳まで)に両親と共にヨットで海外生活していた体験にあります。フランスからジブラルタル海峡を通って、大西洋から、太平洋を渡り32フィートのヨットで日本まで約4年、父と母そして私の3人で航海していました。その途中で妹が生まれて、4人になりました。港に寄ってその地に滞在することもありましたが、基本はずっと海の上でした。ヨットの航海をしていると寄港先で出会う人たちを繋ぐ役割になったりするんですよね。例えば何かトラブルがあったら「◯◯さんなら解決法を知ってるよ」「あの船の◯◯さんも同じトラブルがあったからわかるはずだよ」など覚えたての現地の言葉を使って話して、役に立つことがありました。コミュニケーションをとるのが得意だった私は幼いながらに自分らしいなと感じていたんですね。これらが、私の軸のキーワードのひとつ、「人と人とをつなぐこと」に繋がります。インターネットが発達していなかった当時、行き交う船同士の情報収集の手段は無線のみでした。「情報共有できて、お互いが安全に航海できる技術って素晴らしいな」と、子供ながらに思っていました。帰国後は、自由にパソコンを使える環境だったこともあり、出会った世界中の人と連絡をとるようになりました。無線からインターネットに変わり、ITは人と人との繋がりに欠かせないと興味を持つように。私にとってはコミュニケーションを豊かにする大切なツールとして「ITの技術」というものが欠かせないもうひとつの軸になったのです。相談する人がいない不安は外部メンターに力を借りる私は、生きてきたなかでの強みを最大限に活かそうと客室乗務員になりました。幼少期のヨット航海での経験から語学力やコミュニケーション力は強みになったんです。それでも最大の目標は「ハネムーン症候群」をサポートすることです。3つの「や」から気づくことのできた私の軸を組み合わせた時に、結果的に客室乗務員の口コミサイト「CREW WORLD」の事業を大きくすることが目標に変わったのです。自分が起業するとは思っていなかったので、実際には手探りからのスタートでした。サービスのベースの構想や想いはあったものの、会社をつくること、事業を創ること、ひとりでやるしかない環境はとても辛いことでした。会社員時代は悩みをシェアしたり、チームで問題を解決することができます。そういったことができないのは大変でしたが外部でサポートしてくださる方に出会えました。私の軸のひとつが「ITという技術」だったこともあり、客室乗務員時代からカンファレンスやサミットへボランティアスタッフとして参加していたんですね。そこでは、社会の「最新のトレンドや課題」を把握できます。異業種で参加する女性は少なかったのでおもしろがって話を聞いてもらえたんです。その時に出会った経営者の先輩たちが、起業の相談や営業同行をさせてくれたりと、今思うとたくさんの機会をくれました。感謝をしてもしきれないですが、最強で最高のメンターです。モヤモヤこそ成長のチャンスCREW WORLDのロゴの下に “FLYING IS BEAUTIFUL” という言葉をいれています。「なにか」に向かう気持ちを大切にして、行動する姿こそが美しいものだと思います。人生は例えると階段のようなものです。階段を上がっている時は夢中なので不思議と頑張れたりします。ですが、ちょっと落ち着いてもう1段上に上がろうとする時にどこに向かっていいのかモヤモヤした不安を感じることはありませんか?実はその時が人は一番成長するものだと思います。モヤモヤした時こそ、まず「3つの『や』」のワークをおすすめしたいです。たとえ20個ずつ挙げられなくてもそれが今の自分というだけです。まずはそのワークを続けてもらいたいですね。1か月後にもう一度すると、リストアップできるようになっていたり、自分の変化が見えてくるようになります。自分の軸に気づくことができるだけ早くできれば好きなことを仕事にする近道になると思うんです。プライベートで最近はまっていることプライベートでお能をたしなんでいます。日本の文化に携わりたいという理由もありますが、これまでの人生を振り返ったときに自分でルールを作る機会がとても多かったんです。だから逆に、“ルールや枠に自分を当てはめること” “枠に当てはめてもなお出てしまう個性” に興味がありました。それに、昔の武将がそうだったように、お能は積極的に「無になれる」ことも良いところだなと感じています。コスメポーチの中身で欠かせないアイテム24時間つけてても負担にならないようなアイテムと、アンチバクテリアジェル イソップのは香りがよくて気分転換にも使ったりしてます。ポーチは大好きな飛行機のデザインが入っていてそれだけで気持ちがあがります。Information取材協力:株式会社KoLabo企画:ミーズハー株式会社(C)izusek/Gettyimages(C)junce/Gettyimages
2018年03月21日いまや女性の働き方や生き方を選べる時代。ロールモデルにならうより、自分で新しい生き方を生み出す人が増えています。「好き」を仕事にして、自分らしい幸せのカタチを見つけた女性たちがどうやってそこにたどり着いたのか、インタビューしていきます。第6回目はPRやブランディングの経験を活かし、インフルエンサー事業で邁進するタグピク株式会社の安岡あゆみさんです。企画・ZENKUMI /ライター・NAHOMI(Mediajo)【好きなことで未来を創る】私がこの仕事をしている理由 vol. 6インフルエンサー事業を営んでいます。タグピク株式会社安岡あゆみ さん最近、インフルエンサーという言葉をよく聞きますよね。FacebookやTwitter、Instagramなどのソーシャルメディア上にたくさんのフォロワーを抱えている人を指しますが、私はそのインフルエンサーを起用したマーケティング事業を行う会社を経営しています。27歳で創業し、経営のほか企画提案、インフルエンサーディレクション、撮影イベントディレクション、企業アカウント運用、広告運用などをしています。読者モデル時代のSNSで、PRとブランディングが好きになぜこの分野で起業しようと思ったのか。それは学生時代にさかのぼります。オシャレが好きだったので読者モデルをしていたんですね。当時、読者モデルはSNSで情報発信をすることがパフォーマンスのひとつでした。ブログをはじめ、Twitter、InstagramとあらゆるSNSを使いました。私もインフルエンサーのひとりだったのです。それらを駆使してさまざまなものをPRしているうちに、PRやブランディングというものに興味を持ちはじめました。将来の仕事にするという考えは夢にも思っていませんでしたが、自分というフィルタを通して何かを伝える楽しさや、誰かに喜んでもえる嬉しさをとても感じたのです。その経験もあり就職は得意分野を活かしたいと思い広告代理店に入社しました。PRやブランディングがどんどん好きになりましたね。そのうち、海外のPRも学びたいと留学するつもりで会社を辞めたのですが、インフルエンサーのキャスティングを頼まれるようになり、気づくとフリーランスでPRの仕事が増えていきました。1年くらいたった頃でしょうか。ひとりでできることには限界があると感じるようになって……。そんな時に事業を創るプロフェッショナルである現在の役員と出会ったのです。Instagramの可能性にかける想いを伝えていくうちに事業のアドバイスももらうようになり一緒に会社を創ることになりました。Instagram市場に感じた可能性創業当時はSNSを活用したプロモーションが主流になりつつありました。商品やサービスのターゲットに沿ったカテゴリー(美容、食品、旅行など)のインフルエンサーに、企業の商品やコンテンツを実際に利用してもらいます。例えば、化粧品を実際に試してもらい、使用感や体験した感想などをPRとして自身のSNSに紹介してもらいます。ブランドや商品の認知度があがるきっかけとなり、その結果として人気に繋がることもあります。現在ももちろんですが、当時は、SNSのなかでも、特にInstagramの市場の成長と可能性を肌で感じていました。というのも2015年は本国アメリカでは今の日本以上にInstagramが日常的に使われていて、街のいたるところにInstagramを使った広告やキャンペーン告知がありました。実際私の周りの感度の高い女性もブログやTwitterに少し飽きを感じ、今まで写真加工のみで使っていたInstagramにハッシュタグやブランドタグをつけたり、活用方法が変わってきたタイミングだったんです。日本でも市場的に成長するだろうと確信しましたね。Instagramをプロモーションの中でうまく活用できている会社はありませんでしたから、誰もが使うSNSの1つになる前に基盤を作りたいと思いました。Instagramのフォロワー数を多くもつインスタグラマー(※)のリレーションを増やすこと、効果的なハッシュタグの付け方や写真の見せ方、プロモーションの1つとして有効的な活用方法を検証していきたかったのです。今では多くの方がInstagramをやる時代。あの時に事業を始めたことで日本国内及びアジア圏の 3,500名超のインスタグラマーを束ねることができ、今は人工知能(AI)を活用した次世代型キャスティングシステムの開発など取り組んでいます。※インフルエンサーの中でもInstagramのフォロワー数が多い人「好き」だけでは成立しない難しさに直面こうお話すると、順風満帆と思われそうですが、実はそんなことはなくて。人並みに挫折や悔しさは経験しています。それは、会社員時代のこと。こういうブランドを立ち上げたい、プロデュースをしてみたい、とやりたいことがたくさんありました。環境にも恵まれていていろいろなことに挑戦することもできたのですが、「絶対にうまくいく!」と思っていることでも実現できないことがあったのです。どうしてかな?と市場調査のためにヒアリングを重ねたり、企画を練り直したり……。それでも実現できないことはあって悔しい思いもしました。今思うと、アイディアはよかったのかもしれないですが、それをビジネスに変えるという力が足りなかったのだと思います。会社はアイデアだけでは成り立ちません。それできちんと利益を上げられるのか、と問われたら、答えられなかったのかもしれないですね。それでも続けられてきたのは……あのときの悔しさは学びとなり、糧になったと思います。そして、好きなことを仕事にできたのは常に「自然体」を意識していたからだとも思います。私にとっての「自然体」とは2つ。まずは、いつでも正直に自分がやりたいと思っていることを発信し続けること。そして周囲の意見も受け入れるということです。いいアイデアだからといってもひとりでできることは限られています。拘りを持つことは大切ですが固執しすぎないということですね。Instagramに可能性を感じてアイディアがあっても、フリーランスの時の私には事業を創るというスキルが足りていませんでした。私が事業を大きくすることができたのは、現在の役員やメンバーと出会い、やりたいことを熱心に伝え続け、さらに意見を聞いてアイデアをブラッシュアップすることができたからこそ。社会人時代に足りなかった「アイデアをビジネスに変える力」は発信と受信の繰り返しで手にいれることができたのです。私の信念。失敗でもいいから進みたいもし、インフルエンサー事業やInstagramビジネスがこの先飽和を迎えても、私は成長を続けたいですね。成長というと人によって定義が違ったりすると思うのですが、「毎日一歩でも進むこと」ができているか確認するようにしています。新しい出会いを経験したり、知らなかったことを知ったり、新しい感情を抱いたり、毎日新しい扉を開き続けたいと思っています。たとえ周りからみて失敗と言われるようなことが起きたとしても、何か新しいことをしていたいです。プライベートで最近はまっていることインスタグラムと関連しているのですが写真にはまっています。週末は感性を磨くため、最新のカフェや美術館、建物、ミュージカルなどに足を運んでいます。撮影可能なスポットであれば、必ず写真を撮るようにしていますね。目の前にあるものをより良く魅せるというのは事業にも直結するので意識的に行っていますが、ただ美しいものを見るのが好きなんです。仕事の延長のようでもありますが趣味のひとつとして楽しんでいます。コスメポーチの中身で欠かせないアイテムイヴ・サンローランのリップが大好きでお気に入りの色は複数本もっています。家でも会社でもどこでもつけられるようにしていて、自然体でいるためのツールのひとつです。Information取材協力:タグピク株式会社企画:ミーズハー株式会社(C)alexalenin/Gettyimages(C)TARIK KIZILKAYA/Gettyimages
2018年02月28日いまや女性の働き方や生き方を選べる時代。ロールモデルにならうより、自分で新しい生き方を生み出す人が増えています。「好き」を仕事にして、自分らしい幸せのカタチを見つけた女性たちがどうやってそこにたどり着いたのか、インタビューしていきます。第5回目は「ひとりひとりの強みを活かす」を信条に掲げ、人事マネジメントに携わる信澤みなみさんです。企画・ZENKUMI /ライター・YUKI(Mediajo)【好きなことで未来を創る】私がこの仕事をしている理由 vol. 5現在までの経歴と仕事の内容を教えて下さい。株式会社サーキュレーション信澤みなみ さん新卒で人材総合会社に入社してすぐ、当時立ち上がったばかりの社内ベンチャーに配属となり経営支援のコンサルタントとして2年間働いていました。その社内ベンチャーを立ち上げた上司が、「これからの新しい働き方」をテーマとした会社を独立起業することとなり、私自身も設立から3か月後に参画しました。当時はコンサルタントと採用人事を兼務し、1年半後、組織拡大に向け人事専任となりました。現在は、マネージャーとして採用チームのマネジメントをしています。あなたが仕事に活かしたい「好きなこと、やりたいこと、大切なこと」は何ですか。私がやりたいことは、「人の強みが活きる、やりがいや生きがいに溢れる社会をつくる」ことです。社会人になるとライフイベントの変化もあり、自分ひとりだけでは選択できないことも増えると思います。結婚や出産、親の介護などいろいろなことが起こりますよね。「やりたいけれど叶わない」。そこには何かしら理由があるけれど、生きていくなかで働くということは切り離せないと思うんです。それなら自分自身の強みや価値観が活かせる働き方を選べるほうが人は幸せなんじゃないかと思っています。「好きなこと、やりたいこと、大切なこと」をみつけるために工夫したことはありますか。学生時代に社会活動や海外留学、インターンシップととにかく大学の枠を越えて行動しました。たくさんの人と出会って情報を取りにいくようにしたんですよね。やりたいことはなんなのかを見つけるために自分と向き合う時間を意識して作りました。-社会活動とは具体的にはどんなことですか?渋谷を拠点に活躍している社会人と一緒に「渋谷の街を良くする」というテーマでチャリティイベントをする活動をしていました。学生のサークルとは違って社会と触れることで経験値はあげられました。広報という役割だったこともあり、社会にでて必要なコミュニケーション力もここで基礎を作れたように思います。そのなかでおもしろさを感じながらも、もっと広い世界をみてみようと短期で海外留学をしました。-海外留学は2回されているんですよね。短期間のインターンを挟んで、台湾とアメリカへ短期留学をしました。英語はいつでもできそうだなと中国語を学ぶためにまずは台湾に行きました。その後、一時的に日本に戻って短期間のインターンをして、その後に今度はアメリカにも行きました。自分がこれがやりたい!と思えるものを具体的に見つけるためには、とにかく新しい経験をしてみることに価値があると思ったんですよね。-すごい行動力ですね。そんなふうに自分探しをされているイメージなかったです。そうなんです。何に対してなら情熱を注げるのかってことに、1・2年生の時は気づくことができなくて……。アメリカから帰ってきてから留学前と同じ会社で長期のインターンをしたんですね。そのタイミングでようやく自分の大切なことが見え始めたように思います。「好きなこと、やりたいこと、大切なこと」をみつけて仕事にしたいと思ったきっかけを教えてください。海外の音楽TVチャンネルの日本支社で長期のインターシップをしました。海外アーティストや大好きな音楽が身近にある環境は楽しいはずなのに、やりがいを感じることができなかったんです。任される仕事の大きさや内容ということじゃなくて、心が動かされるような情熱が持てないというか……。自分の可能性を活かしきれてないという感覚にも陥ってしまって……。自分に自信がなくなって働く目的を見失ってしまいました。楽しいのに苦しい時期でした。-学生の時からストイックですね。楽しいだけでは満たされなかったということ?その時に気づいたのですが、「働く」ということと「人生の楽しさ」が密接しているタイプだったんですよね。その気づきもあって「働く個人と組織の関係」を研究テーマにしました。社会の働く環境の実態を調べていくと社会問題のギャップに直面しました。例えば少子高齢化が進むことで労働力人口が減少していくと言われていますよね。それなのに、仕事で心を病んだり、働きがいを感じていない人が多いというのは違和感を感じませんか? 働き手を必要としているのにそこに大きな社会的な矛盾を感じたんですよね。-目線が変わった瞬間ですか?そうなんです。仕事にやりがいを求めている私ゴトから、課題解決をしたい社会ゴトに変わった瞬間でした。その分野での仕事をしたいと思うようになりました。これからの未来への展望を教えて下さい。今までは経営コンサルタントや人事の仕事を通じて、「人の強みが活きる、やりがいや生きがいに溢れる社会をつくる」ために仕事をし続けてきました。やっぱりこれからもその軸は変わらないですが、より社会に対して仕組みを創る側になっていきたいと思っています。自分自身も女性として働き続けるなかで、ライフイベントの多い女性が自分のライフスタイルや価値観に合わせて働き方を選べることが必要になってくると思います。仕事も育児も充実させることができる社会の仕組みを創るというのがひとつの展望かなと思います。この1年で新しい事業としてチャレンジしていきたいと思っています。好きなことで未来を創るためのヒントがあれば教えて下さい。自分自身の棚卸しから自分が好きなことは何かをまずは言語化して、それを納得できるテーマに落とすことがおすすめです。自分のテーマはいろいろな経験をしていくなかで、変化したりブラッシュアップしていけばいいと思っています。模索し変化し続けることで、いつか納得できる言葉になっていくと思います。私の場合は学生時代はインターンでの経験があったので、「人の強みが活きる、やりがいや生きがいに溢れる社会をつくる」というのが軸になりました。今はさまざまな経験を通じて、「一人ひとりが自分のライフスタイルややりがいを満たせる社会の実現」がテーマになっています。プライベートで最近はまっていることを教えて下さい。社会人になってからずっとヨガは好きで続けています。レッスンに行かなくても、朝起きた時やお風呂上がりの寝る前の短い時間で、好きなポーズやその時のコンディションに合わせて必要なポーズだけ取り、自分と対話し状態を把握する時間をつくる。新しい空気を体に入れて、体にある不要な想いや疲れを吐き出す。それだけで集中できたり、新しい自分でまた前に進もうという気持ちになれる、気持ちの切り替えにもオススメです。コスメポーチの中身で欠かせないアイテムを教えて下さい。強いこだわりはないですが、よく活躍してくれるのはリップ用美容液。イブサンローランのトップシークレットを使っています。あとヘアオイル(イースタンダード)と香水は持っているかな。気分を変えたり、気持ちを上げるためのアイテムです。Information取材協力:株式会社サーキュレーション企画:ミーズハー株式会社(C)alexalenin/Gettyimages(C)Poike/Gettyimages
2018年02月07日いまや女性の働き方や生き方を選べる時代。ロールモデルにならうより、自分で新しい生き方を生み出す人が増えています。「好き」を仕事にして、自分らしい幸せのカタチを見つけた女性たちがどうやってそこにたどり着いたのか、インタビューしていきます。第4回目は、カップルのデートに同行したフォト撮影サービスを提供する「ラブグラフ」創業者・村田あつみさんです。企画・ZENKUMI /ライター・NAHOMI(Mediajo)【好きなことで未来を創る】私がこの仕事をしている理由 vol. 4現在までの経歴と仕事の内容を教えて下さい。株式会社ラブグラフ村田あつみさんさん大学2年生の頃からベンチャー企業でデザイナーとして働いていて、3年生の時にはWEB関連会社のインターンシップに参加していました。ラブグラフというサービスをスタートしたのもこの頃です。新卒では副業が可能だったリクルートホールディングスに入社しました。現在は、株式会社ラブグラフで取締役CCOとして、カメラマンだった駒下と創業した「幸せな瞬間を写真に残すフォト撮影サービス」を運営しています。ラブグラフはカップルや家族のデートにカメラマンが同行して、自分たちでは残せない自分たちだけの想い出を写真に残す、フォト撮影サービスです。自然な笑顔や好きな人の前でしか見せない表情を写真やイラストのようなカタチにすることで、やっぱりこの人と一緒にいて良かったなと、少しでも幸せに感じる瞬間を増やしたいと思っています。そんなかけがえのない愛を写真に残して、世界中一人ひとりの幸せな瞬間を増やすことがいまのラブグラフの願いです。「好きなこと、やりたいこと、大切なこと」を仕事にしたいと思ったきっかけを教えてください。いろいろな習い事やアルバイトをするなかで絞り込まれていきました。習いごとはダンスやピアノ、アルバイトは飲食店や塾講師など、幼い頃はダンサーになりたかったのですが、本当に才能がなかったんです。--どうして才能がないと思ったのでしょうか?ピアノをやっている時、うまくできなくて泣いていたんです。嫌いだったんですよね。多分。ダンスは好きだしそんなに下手だと思っていなかったのですが、高校生の時にレギュラーを選抜する機会があって、落ちたんです。その時に自分が下手だということに気づきましたね。よく、好きなことを仕事にしているし得意なことがあっていいよねと言われるんですけど諦めたものがあるからこそ今があります。--デザインを始めるきっかけは?WEBデザイナーという仕事があることは、高校時代に知りました。そこから普通の四年制大学の社会学部に通い始めて、一般的には金融や営業職に就くのが周りの子たちの流れでした。だけど私の場合、それをやると他の人に絶対敵わないから技術職がいいなと思っていました。そんな時に初心者歓迎のWEBデザイナーの募集を見つけて、関西のベンチャー企業に入ってみたんです。全く何もできないところからスタートしていろいろな業界の案件に関わることができました。--それでデザインが好きになり、ラブグラフを始めることになったのですか?ただいっぽうで、いろいろなジャンルの案件に関わってみても、私がデザインを一生懸命やっていても何も世界が変わらない、と思い悶々としたりして……この状況を脱したいと思っていました。自分が本当にいいなと思っている領域のことをやらないと、状況は変わらないなと思いました。その時ですね、私の好きなことって何だろうって考えました。私、恋愛の話とかゴシップとか大好きなんですよね。一見、ミーハーに聞こえるかもしれませんが他人のことなのにそんなに興味が持てるってすごいなと自分でも思って、恋愛や家族愛などに関われたら幸せだなと思いました。「幸せ」を連鎖させるようなサービスに関わりたいと思いました。そんなこと考えている時に、共同創業者の駒下をSNSで見かけて。彼はカメラマンとして活動していたのですが、カップルの写真を撮っていたことがあって、その写真を見てとても幸せな空気を感じました。これが連鎖する幸せなんだ、と思いましたね。私はデザインができるのでその写真のホームページを作ったりしました。最初は趣味でやっていたんですが、せっかくならサービスにしようという話になって株式会社ラブグラフを立ち上げました。「好きなこと、やりたいこと、大切なこと」を仕事にするために工夫したことはありますか。何が得意か、トライ&エラーを繰り返して早めに見つけることですね。私も趣味や習い事、アルバイトなどでいろいろなことにチャレンジしてやっと気づきました。何でもやってみないとわからないし、まずはやってみるということを意識していました。やってみて、結果できなかったことのほうが多いですが、とにかく一歩踏み出すことが大事だと思います。仕事をしていて一番つらかったこと、悩んだことはなんですか。自分の得意と不得意を理解しているので、できないことはどういう手段でできるようにするか、と考えます。もともとデザイナーで感覚的なものに向かっていたので言語化が苦手です。感性で作っているものをロジカルに伝えて欲しいと言われても、私としてはそんなにシンプルに言語化できるものがあったら誰もがやっているし、私の感性を信じてほしい、と思ったりすることもありました。今はそんなことばかりを言ってはいられないので、自分自身が表現力を高められるように意識しています。その時の工夫の方法や克服方法を教えて下さい。苦手なことをやってみて、その中でインプットとアウトプットを繰り返します。「言葉にするのが苦手」を克服する、が課題だとしたら、こうやって取材を受けたり、セミナーで登壇したり。またそういう時は、本屋にあるブランディング関連の本を読み漁って言葉のヒントを集めています。これからの未来への展望を教えて下さい。ラブグラフを大きくしていくことはもちろんですが、イメージとしては佐藤可士和さんのような、日本を代表するブランドマネージャーになりたいです。何歳になるかわからないけど、根気よく頑張り続けたいです。あとは今後も「幸せ」が連鎖するような事業に関わり続けたいですね。それが自分が幸せであり続けるために必要なことだと思っています。好きなことで未来を創るためのヒントがあれば教えて下さい。才能に気づき、それを活かせる仕事に就くこと。インターンシップやアルバイト、趣味、とにかくいろいろやってみることをおすすめします。あとは『カンブリア宮殿』とか『情熱大陸』をみたり、いろいろな職業にまつわる漫画を読んでみるとかも勉強になります。知らないことは選べないですからね。プライベートで最近はまっていることを教えて下さい。筋トレですね! ゴールドジムに通って、トレーニングやダンスをしています。コスメポーチの中身で欠かせないアイテムを教えて下さい。リップは、デスクに1本、カバンに1本、ポーチに3本……というようにどこでもすぐ塗れるよう常備しています。Inforomation取材協力:株式会社ラブグラフ企画:ミーズハー株式会社(C)diego_cervo/Gettyimages(C)Taras_Bulba/Gettyimages
2018年01月24日いまや女性の働き方や生き方を選べる時代。ロールモデルにならうより、自分で新しい生き方を生み出す人が増えています。「好き」を仕事にして、自分らしい幸せのカタチを見つけた女性たちがどうやってそこにたどり着いたのか、インタビューしていきます。今回はコミュニケーション力を武器にマーケティング支援をする飯田 安紗美さんです。企画・ZENKUMI /ライター・NAHOMI(Mediajo)【好きなことで未来を創る】私がこの仕事をしている理由 vol. 3現在までの経歴と仕事の内容を教えて下さい。トレンダーズ株式会社飯田 安紗美さん大学を卒業して、新卒でトレンダーズ株式会社に入社しました。現在はアカウントプランナーをしています。具体的にはクライアントがもつ商品やサービスの課題に対して解決策を企画し提案しています。あなたが仕事に活かした「好きなこと、やりたいこと、大切なこと」は何ですか。出会った人が幸せになれる「人生のきっかけ作り」ができたらと考えています。そのために日々のコミュニケーションを大切にすることを意識していますね。例えばクライアントとの関係や職場での後輩との関係、それから恋愛などにおいても。いつも相手にとって価値のある時間にしたいなと考えて行動するよう心がけているのですが、仕事も一緒で、例えるならクライアントに恋をしているような感覚ですよね。この人をなんとかサポートして今より良くしたい!という気持ちになります。ーー「人」が好きなんですね。苦手な人はいないのですか?苦手だなと思っても、「この人は何を考えているのかな」とどうやって向き合おうかと考えるようにしています。そうするとコミュニケーションの仕方が変わり、壁も超えて自然と向き合えるようになるんです。改めて考えると、好き嫌いで判断するのではなく、昔からコミュニケーションを重ねていくことが割と得意だったのかもしれません。ーー得意になったのはどうしてですか?10代の頃ずっとブラジル、タイなど言語が通じない国に住んでいました。言葉がなくても伝えなくてはいけない、言語がわからない人を見て何を考えているのか理解しなければいけないという環境だったので、自然とコミュニケーション能力が鍛えられたんだと思います。「好きなこと、やりたいこと、大切なこと」を仕事にするために工夫したことはありますか。就職活動のとき、「きっかけコンサルタント」をやりたいということを言い続けました。面接の場で会社のビジョンや方向性とは関係のない、自分の将来やりたいことを宣言し続けるには勇気が必要でした。でも、思っていることを伝えずに評価してもらうより、自由に発言をして本当に自分にあった会社で仕事がしたいと考えていたんですよね。結果的に、自ら働く環境にフィルタリングをかけるという意味でも、やりたいことを言い続けてよかったと思っています。そして、将来は「きっかけコンサルタント」になりたいという想いにエールを送ってくれたのがトレンダーズでした。仕事をしていて一番つらかったこと、悩んだことはなんですか。入社1年目のことです。その頃の私は一緒に働くメンバーに依存していて、この人に評価してもらいたいというモチベーションに支えられていました。当時の上司が異動し環境が変わった途端に、目標管理の仕方がわからなくなってしまって……目標がもてなくなったことがとても辛かったです。その時の工夫の方法や克服方法を教えて下さい。不思議なもので、仕事がうまくいかないと思ったら全てのことが本当にうまくいかなくなりました。会社の研修合宿で骨折したり、通勤途中で交通事故にあったり…。何か工夫したというよりも、「このままではいけない!」と目が覚めましたね。改めて当時の上司に目標管理に悩んでいることを伝えた時に、会社のこれからの成長のために一緒にやってほしいと言ってもらえて……。人に依存するのではなく「会社」という組織作りの大切さに向き合うことができて、「自分がやらなくちゃ!」という視点に変わりました。これからの未来への展望を教えて下さい。女性の生き方を変えたい、日本を元気にしたいということに大きな視点で取り組んでいきたいと思っています。私の今年のテーマは「概念からの解放」なのですが、先日先輩と話をしていたら、日本の女性の就職活動のスタイルが20年間変わっていないということに気づいたんです。例えば一般職か総合職かなど選択肢が限られていたりもするし、それ以外にどんな選択ができるのか知らない人も多くいます。もっとたくさんの選択肢があるし、どんな生き方を選んでも良いということを伝えていきたいですね。今の会社は事業としても女性のマーケティングに強いので、まずは女性の生き方に向き合っていきたいと思います。好きなことで未来を創るためのヒントがあれば教えて下さい。夢を見つける、好きなことを見つけるって、待っていても絶対に見つからないと思います。私は学生時代に20種類以上のアルバイトをしました。早いうちにいろいろなことを経験してみる、いろいろな大人に会ってみる。足を動かすことで自分の好きなことが必ず見つかると思います。プライベートで最近はまっていることを教えて下さい。学生時代に続けていた絵を描いたりモノづくりをしたりといった創造活動を再開しました。「日常に落ちている愛を切り取る」をテーマに自分の感性や日常と再度向き合おうと思っています。コスメポーチの中身で欠かせないアイテムを教えて下さい。香り系のもの。特にJO MALONEのフレグランスとAesopのハンドクリームはずっと使い続けています。Inforomation取材協力:トレンダーズ株式会社企画:ミーズハー株式会社(C)visoook/Gettyimages(C)Julia_Sudnitskaya/Gettyimages
2018年01月10日