2017年7月25日 10:56
子宮頚部異形成の各ステージから子宮頚がんへ移行する確率を医師が解説
女性特有のがんの一つである子宮頚がん。その名称を聞いたことがある人は多いだろうが、「子宮頚部異形成」という言葉を耳にしたことがある人となると、一気にその数は減るのではないだろうか。実はこの子宮頚部異形成は、子宮頚がんの手前の段階にあたる。
年間で約1万900人が新たに子宮頚がんに罹患している(2014年の人口動態統計より)だけに、その発病のメカニズムをきちんと理解しておけば、自身やパートナーの命を救うことにつながることになる。今回は一般にあまり知られていないであろう子宮頚部異形成について、産婦人科専門医の十倉陽子医師にうかがった。
――まず、子宮頚がん発病の原因をあらためて教えていただけますでしょうか。
最近になって、子宮頚がんが発生しているほとんどの人が、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスに感染していることがわかってきました。HPVには子宮頚がんを起こしやすいハイリスクタイプとローリスクタイプがあります。
日本人では、性交経験のある女性の約10%において、子宮頚部にハイリスク型のHPVが検出されています。
――HPVが子宮頚がんの原因なのですね。それでは、子宮頚部異形成と子宮頚がんの関係性について教えていただけますでしょうか。