ビューティ情報『「元気」はもうあきらめた』

「元気」はもうあきらめた

もちろん、元気はないよりあったほうがいいよ、と言う人のことは否定したくないのだけれど、私の場合は、人に「元気になってね」と言われると、なんとなくソワソワする。ありがとう、でも、元気じゃなくても社会に存在させてくださいよ、私はこれでも健康なんですよ、と思ってしまう。

■“病気”は絶対的な悪、なのか?

すこし前、自分が漠然と抱えていたそんな気持ちに寄り添ってくれるような本に出会った。『やさしくなりたい』という、“ままならない身体”をテーマにした個人発行のZINEだ。

先天的な病気や心身の不調など、身体になんらかの不安を抱え込んでいる人たちの寄稿やインタビューを集めた1冊で、発行者の野地洋介さん自身も心臓発作で緊急入院するという経験をしている。この本に、医師・稲葉俊郎さんへのインタビューが収録されているのだけれど、インタビューの中にとても印象的な一節があった。

“健康とは、100人いれば100通り異なる状態。絶対的な定義は不可能だとぼくは思っています。
しかし医者も患者さんも、病気のないまっさらな状態を「健康」としてゴールに置き、物語を組み立てている。その裏には、病気とは絶対的な悪であり、もし見つかれば速やかに取り除かなければならないという前提があります。

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