連載第3回「恋にも仕事にも効く。人を惹きつける香り選びの秘訣」では、人を香りで惹きつけるためにプルースト現象を活用することをご紹介しました。
「プルースト現象」というのは、特定の香りが、過去の記憶や感情を呼び起こす現象です。フランスの文豪、マルセル・プルーストの長編小説『失われた時を求めて』に登場する主人公が、紅茶に浸ったマドレーヌの匂いをきっかけに、幼少時を鮮やかに思い出す描写から名づけられています。
「でも、どうやって活用するの?」と思った方も多かったかと思います。今回はプルースト現象の具体例をいくつかご紹介します。
すれ違ったときの香りで、誰かを思い出す
プルースト現象の代表例です。「経験がある!」という人も多いはず。
昔好きだった人や過去の恋人の香水の香りなど、強く印象に残っている香りはあるもの。それに似た香りを嗅ぐと、初対面でもどこか懐かしく、親しみを感じ、場合によっては「キュン」とまでします。
これは、第1回「香りをまとわない女性に未来はない」にも書いた通り、香りを感じる嗅覚が感情や本能を司る大脳辺縁系に直接働きかけるから。
香りが記憶に深く刻み込まれていて、そのときの感情にリンクしているのです。