生活困窮者の自立をサポートする「一時生活支援事業」とは

2017年5月31日 08:10
 



世界的に見ても日本は豊かな国ですが、それでもホームレスなどの生活困窮者はまだまだ数多く存在します。これに対し国も対策を講じており、ホームレス自立支援法や生活困窮者自立支援法などを制定し、それぞれの枠組みの中でさまざまな事業を行っています。その中の一つに「一時生活支援事業」があります。そんな「一時生活支援事業」について、細かい対象要件や利用手順などをご紹介しましょう。

「一時生活支援事業」とは

一時生活支援事業とは、生活困窮者を支援する対策の一環として行われている事業の一つです。所得が低く、住居の持たない生活困窮者などを一時的にサポートすることが目的で、一定の期間だけ宿泊場所や食事・衣類など日常生活に必要な物資を提供し、本人の自立を図ります。

「一時生活支援事業」の対象者

一時生活支援事業の対象要件としては、基本的に以下の2つのいずれかに該当する方です。

・世帯の総収入が一定基準以下

・世帯の金融資産の合計額が基準額の6倍(ただし100万円は超えない)以下

また、この要件とは別に「生活困窮者の状態の緊急性などを勘案し、都道府県などが当該事業による支援が必要と認める者」であれば対象者となります。

一定の条件は設けているものの、結局対象者の定義自体は曖昧になっています。これは、あえて要件を絞らないことで「生活に困っている人を幅広く受け入れ、包括的な支援を行う」という基本的な考え方に基づくものです。対象要件は明確に決められていないということはつまり、対象者はホームレスに限りません。インターネットカフェで寝泊まりしているいわゆる「ネカフェ難民」の他、居住の不安を抱えている人であれば自治体の裁量で対象者となる可能性があります。

「一時生活支援事業」の利用手順

一時生活支援事業の基本的な利用手順は、各自治体の受付窓口に来訪することから始まります。来訪すると相談支援員と呼ばれる担当者と面談することになり、そこで利用申し込みとプラン策定が行われ、支援が必要だと判断されれば対象要件の確認に移ります。その後、自治体内で開かれる支援調整会議にて支援が決定されると、宿泊施設などに受け入れ可能かどうかの確認が行われ、問題が無ければ宿泊が決定するという流れです。宿泊施設の利用開始まで
宿泊することが決定すると、相談支援員により「宿泊施設利用上の留意事項」などの説明が行われます。宿泊先としてはホームレス自立支援センターなどの他、ホテルや旅館などが利用されることもあり、それぞれの施設におけるルールをしっかり把握することが大切です。宿泊施設までは車などで相談支援員が利用者に同行する場合や、利用者だけで向かう場合が考えられます。一人で向かう場合は、到着後に確認の報告が必要になるでしょう。

宿泊施設の利用が始まってから
担当の相談支援員とは、宿泊してからも定期的に報告や連絡、面談などを行うことになります。何かトラブルが起きた場合や、起きそうな場合などは相談支援員に連絡を入れましょう。宿泊中は衣食住に困ることはありませんが、利用期間は原則3か月、上限6か月と定められています。期間内に自立できるようになるかどうかが鍵だと言えるでしょう。

「一時生活支援事業」の詳細は自治体によって異なる

一時生活支援事業の運営方法については、それぞれの自治体が決定することなので、自治体よって細かい手順や方法が異なることがあります。紹介した利用手順はあくまで一例ですから、その点を踏まえておいてください。

「一時生活支援事業」の問い合わせは

一時生活支援事業の手引きは厚生労働省から出ていますが、実際の運営主体は各自治体なので、最寄りの都道府県並びに市区町村が問い合わせ先としては適切でしょう。特に自治体によって独自の規定などがあれば、確認しておくと安心です。

記事監修:後藤智行

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