2019年10月18日 06:00
医師が語るストレスと食事の関係、カギは「リンパ球」にあり
(白澤先生・以下同)
このコルチゾールに弱い細胞がリンパ球だ。リンパ球は私たちの体の中を常に巡っていて、ウイルスやがんといった変質した細胞を認識して攻撃・除去してくれている。変質した細胞は常に私たちの体の中で産生されているが、それでも健康でいられるのはリンパ球の“巡回警備”の働きがあるから。だが、ストレス状態が続くとこの能力が落ちる。そして、体がウイルスに侵されてカゼをひいたり、インフルエンザにかかったり、ひどい場合はがんのもととなる。コルチゾールの攻撃は脳にも及ぶ。
「海馬は記憶や学習に関係している部分ですが、コルチゾールに弱く、ストレスに長くさらされていると認識機能が落ちてきます」
ストレスは胃酸も大量に分泌させるため、これが腸壁を溶かして十二指腸潰瘍となったり、過敏性腸症候群となってひどい下痢を起こすこともあるという。私たちの免疫機能をつかさどっている器官である腸の状態が崩れることで、さまざまな病気が引き起こされるのだ。
それでも、同じストレスを受けても、病気になる人とならない人がいる。それは、ストレスに強い人と弱い人がいるからだと白澤先生は説明する。
「リンパ球は血中の20%ほどを占めるのが標準ですが、個人差があり中には45%くらいある人もいます。