2019年11月6日 15:50
「薬やめる科」の医師が教える 日々の不調を治す“減薬”法
ところが、こんな例があると松田先生は話す。
「あるとき、50代の女性が、足がけいれんするので、薬を出してほしいと診察室を訪ねてきたんです。女性は加齢による症状だと思い込んでいましたが、よく話を聞くと、コレステロール値を下げる薬を2種類飲んでいることが判明。それらの薬には筋肉がけいれんする副作用がありました。コレステロール値が安定していたこともあり、女性は私と相談して、薬をやめることに。すると、足のけいれんはすぐ改善しました。薬でも、足のけいれんは抑えられたかもしれませんが、そうすることで、次なる薬の副作用や、コレステロール薬の肩こりや頭痛といったほかの副作用に悩まされていたでしょう」
また、年齢とともに高くなりがちな血圧のせいで、何種類もの降圧剤を飲む人も少なくないが、松田先生はこれにも警鐘を鳴らす。
「医師のなかには、血圧の値しか見ず、降圧剤を投与しても血圧が下がらないならば次の薬を……と、足し算で考える人がいます。
私の患者さんにも5種類の降圧剤を服用し、その副作用によって1分間に120回と、心拍が異常に速くなる頻脈を起こしていた人がいました。そこで、薬を減らし、生活習慣を改善したところ、心拍数は78回にまで低下、血圧も下がっていったのです」