2019年11月11日 06:00
美智子さまに学ぶ「乳がん早期発見の重要性」担当医が初告白
続いて、この検査結果をもとに静岡がんセンターキャンサーボードが開催され、治療内容が検討された。西村医師にキャンサーボードの役割を聞いた。
「医師が独りよがりの治療をすることを避けるため、多職種を集めたチームで多角的な視点から治療の方針を決定します。患者さんがどんな生活を望んでいるのか、抗がん剤の使用を望んでいるのか、さらには年齢や収入などさまざまな要素から検討します」
ただ、治療法の決定は最終的には患者自身に任せられる。西村医師は、その判断にあたって注意してほしいことがあるという。
「たとえば乳がん患者によるブログには、乳がん当事者の心の隙間を埋める言葉がいくつも掲載されています。それらに共感するあまり、ブログの執筆者と自分の状態が違うのに部分手術にこだわったり、医学的根拠がない民間療法に頼ったりする方も少なくありません。ただ、ほかの乳がん患者の経験を実際に聞くことは有益です。
体験者から具体的な話を聞くことができる患者会をおすすめします」
乳がん検診といえば、近年普及したのがマンモグラフィー検査だ。だが、この検査も決して万能ではないという。
「乳がん検診は“対策型検診”と自主的な“任意型検診”に分けることができます。