2019年12月16日 06:00
木内みどりさんを襲った「急性心臓死」、特徴を医学博士が解説
そうすると必要な酸素や血液が心臓の筋肉に送られにくくなり、心筋の一部が壊死して発症する。
「水道管が少しずつ錆びついていくように、動脈硬化も加齢とともに20~30年かけて徐々に進行していきます。しかし、目立った症状がないことも多く、気づきにくいのです」
とくに、冬場は血圧が上昇しやすく、暖かい部屋から寒い場所へ移動する際にかかる心臓へのストレスにより、心筋梗塞になりやすくなるから注意が必要。心筋梗塞が突然死につながるのは、次のようなケースだ。
「心筋梗塞が起きると急に胸やみぞおちが圧迫されたように痛くなりますが、安静にしていれば治まることが多い。突然死に至るのは、心筋梗塞によって“心室細動”という不整脈が起きた場合です」
心室というのは、心臓から血液を送り出す小部屋のこと。そこが小刻みに震えて血液を送れない状態になることを心室細動という。
「心室細動が起きて1分経過するごとに生存率が10%下がります。
10人に1人が医療機関にたどり着く前に亡くなってしまいます」
心室細動が起こると、ただちに意識がなくなるため、自分で救急車を呼ぶこともできない。
「おそらく木内さんも、すぐ意識がなくなってしまったのではないでしょうか……」